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1962/03/28 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 農林水産委員会 第24号
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1962/03/28 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 農林水産委員会 第24号

#1
第043回国会 農林水産委員会 第24号
昭和三十八年三月二十八日(木曜日)
    午前十時十四分開議
 出席委員
   委員長 長谷川四郎君
   理事 秋山 利恭君 理事 小山 長規君
   理事 田口長治郎君 理事 丹羽 兵助君
   理事 山中 貞則君 理事 足鹿  覺君
   理事 片島  港君 理事 東海林 稔君
      安倍晋太郎君    大野 市郎君
      金子 岩三君    亀岡 高夫君
      仮谷 忠男君    倉成  正君
      坂田 英一君    綱島 正興君
      野原 正勝君    松浦 東介君
      松本 一郎君    米山 恒治君
      石田 宥全君    稲村 隆一君
      中澤 茂一君    湯山  勇君
      井堀 繁男君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 重政 誠之君
 出席政府委員
        農林政務次官  津島 文治君
        農林事務官
        (農林経済局
        長)      松岡  亮君
        農林事務官
        (農政局長)  齋藤  誠君
        農 林 技 官
        (農地局長)  任田 新治君
        農林事務官
        (畜産局長)  村田 豊三君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (主計官)   相沢 英之君
        農 林 技 官
        (農政局普及部
        長)      原  政司君
        自治事務官
        (財政局財政課
        長)      茨木  広君
        専  門  員 岩隈  博君
    ―――――――――――――
三月二十八日
 委員安井吉典君及び稲富稜人君辞任につき、そ
 の補欠として石田宥全君及び井堀繁男君が議長
 の指名で委員に選任された。
同日
 委員石田宥全君及び井堀繁男君辞任につき、そ
 の補欠として安井吉典君及び稲富稜人君が議長
 の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農業改良助長法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第一〇三号)(参議院送付)
 農業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第一三七号)
 農林水産業の振興に関する件(乳価問題)
     ――――◇―――――
#2
○長谷川委員長 これより会議を開きます。
 農業改良助長法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。倉成正君。
#3
○倉成委員 農業改良助長法の一部を改正する法律案について御質問申し上げたいと思います。
 昭和二十三年に農業改良助長法が制定されまして以来、国と都道府県とによる協同事業として専門技術員及び改良普及員が設置されまして、この農業改良普及員が農村において果たした役割はきわめて大きいものがあると信ずるのであります。すなわち、今日まで農村の中において改良普及員、生活改善普及員の方々が朝から晩までほんとうに農民の中に入って涙ぐましい努力をされて参りましたことは、私どもも現地において親しく承知しておるところであります。ほんとうにこれは何というか。農民と最も密接に接触をし、農民的な感覚を持った方々と申すことができると思うわけであります。従って、これらの普及員の方々については、一般の公務員と違った角度からいろいろな面について考えなければならないということは、われわれのかねてから主張してきたところでありますが、今回国において不十分ではございますが、一応この普及員の特質を認識されまして、農業改良助長法の一部を改正されたということにつきまして、深く敬意を表する次第であります。
 そこで、この改良助長法の一部を改正する法律に関連して、政府の所信をただしたいと思いますが、農業改良普及事業が出発いたしましてからすでに十数年の月日が経過しております。その間において、普及事業の果たした役割は非常に大きかったけれども、同時に日本の農業の大きな変貌ということを考えて参りますときに、この農業の大きな変化に応じて普及事業自体も大きく変わってこなければならないと思うわけでありますが、今日の目まぐるしい農業の変化に即応して普及事業が果たすべき役割、一体何をねらって農業改良普及事業を推進していくかということの正しい認識がなければ、いかに制度を改正いたしましても十分な効果を上げることができないと思いますので、まず時代の要請に応じた農業改良普及事業のあり方について、この果たすべき役割についての政府の認識を伺いたいと思います。
#4
○齋藤(誠)政府委員 改良普及制度が発足をいたしましてから今日まで一応普及制度の組織としては整備されて参ったわけでございますけれども、今、先生のお話しになりましたように、今後の目まぐるしい農業情勢に対応してこれの技術的な普及指導に当たることの必要性がきわめて重要になって参ったと考えるわけでございまして、さきに農業基本法が制定され、さらに同法の第十九条におきまして、特に農業の改良普及についての充実をはかるべき措置を講ずる旨の規定が入ったのも、まさにそのような趣旨にのっとるものではなかろうかと考えるわけでございます。今後普及員そのものの職務が非常にむずかしい、かつ責任の重要な部分を負担する上に、基本法の遂行というさらに追加された任務もございまして、構造改善事業であるとか、あるいは農業生産の選択的拡大をはかって参るとか、こういった要請、さらに技術革新に対応して普及員がこれの推進に当たるといったような基本法遂行上課せられた任務をまた遂行する役割を果たしておるものと考えるわけでございまして、これに十分たえ得るような普及指導の組織の活動の強化をはかっていくということが何より必要であろう、このように考えておるわけでございます。
#5
○倉成委員 ただいま農政局長から、抽象的にはいろいろお答えがございまして、確かにその通りだと思います。しかし、なまなましい現実として、一体今日の農村をどう考えるか、この農村に対応した普及事業はいかにあるべきかということをもう少し具体的に局長の認識として伺いたいと思います。もっと端的に申しますならば、日本の農業の就業人口が常識的に四割と言われておったのが、昨年の農業グリーン・レポートによりますとすでに二八%になってきておる。三割を割っておる。従ってもう全く労働力の面からいたしましても農業には大きな変化が起こりつつある。また選択的拡大の面では、畜産、果樹についての関心が非常に深まって参りまして、この方面では相当農民の意欲が高まりつつある。また構造改善につきましても、不十分ではございますが、政府においていろいろな施策を講じ、これらに対する関心が農民の中に非常に深まりつつある。しかもこの状態の中において、貿易の自由化によりましていろいろ外国の安い農産物の圧迫を日本の農業が受けようとしておる。こういういわば日本の農業始まって以来の危機とも言うべき時代の背景において、普及事業に何を要求し、どういう役割を果たさせるかということについては、もう少し具体的にお答えいただくことが必要ではないかと思いますので、言葉じりをとらえたりなんかはいたしませんから、率直明快に一つ何を一体普及事業にやらせるのか、どういう心づもりであるかということを承りたいと思います。
#6
○齋藤(誠)政府委員 お答えいたしたいと思います。
 ただいま先生から、今後の農業上のいろいろの課せられた重要な問題について御指摘があったわけでございます。普及員は、もともと直接農民に接触して、農民の技術並びに生活の改善あるいは指導に当たる、こういう役割を持っておるわけでございますから、その役割を通じまして今お話しになりましたような問題に、今後対処して参る必要があろうということであろうと思うのでございます。
 そこで具体的な内容といたしまして、まず普及員にわれわれが今後期待いたす面は、普及の活動力強化ということにあるわけでございますので、いわばみずからが技術指導者としての素質を十分備えて参るということが、何よりも必要であり、その素質を備えて後に活動力の強化を期待するということが必要であろうという考え方に立ちまして、今回の改良助長法を改正いたしました考え方につきまして、若干触れて申し上げますと、第一にはやはり普及員の素質の向上という意味におきまして、今後普及員が今お話しになりましたような点に直接担当できるだけの素質を与えるための任用資格を今後引き上げて参りたい。少なくとも最近における技術の高度な発達に対応して十分それをこなし、それを農民に伝達し、さらに農民のその技術水準を引き上げていくというような、そういう素質を持ち得るものというようなことから考えまして、任用資格の引き上げをはかりたい。さらにまた現在おる人につきましては、できるだけ計画的に研修の強化をはかって参りたい。
 そこでその研修強化の内容といたしましては今先生がお話しになりましたように、今後の方向といたしまして大きく畜産なり果樹なり、あるいは生産手段としては、農業の機械化なりあるいはそれを取り巻く農業経営の問題なり、こういった部面に対する指導分野が非常に大きくなろうと考えておるわけでございまして、この面におきまして研修の強化をはかる内容といたしまして、今後、今申し上げたような内容にわたる特技研修につきましては、全普及員を対象にいたしまして、五カ年後には全部を一応特技の技能を備えるだけの研修をいたそうという考えを持っておりまして、入りましてから大体三年未満の普及員を除きまして約七千名を対象にいたしまして、三十六年度までにすでに三千九十一名の特技研修をいたしておりますが、今後三十七、三十八、三十九、四十、四十一と、この五カ年間で、今申しました合計七千名程度の特技研修を全部完了するということにいたしたい。なおまた現在普及員としておる者の中で、大学に留学研修という制度を新しく設けまして、先ほど申し上げました最近の高度な技術を身に備えるような、そういう道も開いて参りたいという考え方をとっておるわけでございます。この研修に引き続きまして、技術指導員としては、今後の方向といたしまして、試験研究機関のやはり密接な連携のもとに活動して参る必要があろう、こういうことで試験研究機関との連携の強化というふうな方向につきましても、今回の改正法案におきましてもその趣旨の一部を入れたものでございます。そういうことで普及員が今の要請にこたえるように、選択的拡大のための特技研修の強化あるいは構造改善のために必要な講習、経営あるいはその他の研修の強化、あるいは農業機械化に伴う、研修の強化、こういった部面につきまして、各府県あるいは中央の段階におきまして、時代の要請にこたえるような資質の向上、研修の強化を進めて参りたい、こう考えておるわけでございます。
#7
○倉成委員 ただいま局長がいろいろお話しになりました特技の研修あるいは普及員の資格の向上、いずれも適切なことでありますので、その一つ一つは決して間違っているとは申しません。しかし私は、やはり根本的にもう少し局長、政府当局の考え方を一つ改めていただきたいと思いますのは、今まで日本の農業は御承知のように昭和二十三年普及事業が発足いたしました際、特に食糧事情が非常に窮屈な時代、また農民の技術水準が比較的低い時代、こういう時代に発足いたしました普及事業が、いわゆる一般的な技術の普及という点で果たして参りました役割は非常に大きかった。またそういう意味で、普及員が現実の農村に入っていろいろ指導者としての役割を果たしてきたと思うわけであります。ところが日本農業の根底がゆさぶられ、日本農業の新しい全く違った方向が今から生み出されていかなければならないというときに、一体普及事業に何を要求するか、単なる研修をやったり特技をやることによって、一体やっていけるのかどうかという問題であります。もう少し端的に申しますと、普及員は農林省の本省のお役人の方々と違って、現実になまの農民に接触をしておる、すなわち農村の中においてもうごまかしがきかないわけです。ですからもっと具体的に言いますと、一体今日こういった経営でやっていって将来はどうなるのでしょうか、ミカンをこういうふうに植えていったら、豚を飼っていったら、こういう状態でわれわれはうまくやっていけるのでしょうかという、ごまかしのきかない切実な質問にぶつかるわけです。ですからミカンをうまく植えるとかあるいは豚をうまく飼うとかいう問題よりも、さらに深刻な、そういってやっていった場合に大丈夫だろうかという、ほんとうに不安の中の指導者としての役割を果たさなければいけない。そういたしますと、これらの現実の第一線に立っておる人たちに明確な指導的な目標を与えないと、これは非常に誤ると思うのです。単なる技術だけを教える面で普及員を活用するというふうに割り切られるなら別です。しかし普及員にそれ以上の役割を要求されるとするならば、私はもう少し基本的な普及事業のあり方について考え直す必要があるんじゃないか。
 いろいろお話がございましたから、それじゃ研修の面で一体どういうことをやったらいいか、どういう認識でやったらいいかということについて、少し局長の御意見を伺ってみたいと思います。一体研修事業にどのくらいのウェートを置いてやっておられるか、一つ伺ってみたいと思います。これまでの実績と、それから今後一体どの程度研修をやろうとするか、ここにいただいておる資料では、昭和三十六年度では、普及員の活動を一〇〇といたしますと、一般の農業改良普及員では九、それから生活改善の普及員では一一という比率の研修ということをお考えになっておるようでありますが、いかがでしょうか。
#8
○齋藤(誠)政府委員 普及員の資質向上、活動力の強化という面におきまして、時代の要請に合うような研修強化ということについては、私は現在大事なことだろうというように考えておるわけでございまして、三十八年度におきましては、これらの研修に関する経費につきましては約倍額に増額いたしたわけでございまして、お手元に資料として御配付いたしました「農業改良普通事業の現況」の六ページに研修費の年々の推移が書いてございますが、三十七年度におきましては、農業改良普及の研修費につきましては三千百九十一万三千円を六千二百九十二万二千円というふうに増額いたしたわけでございます。今後一面におきましては、末端における農民の指導という面におきまして普及員は活動してもらうわけでございます。しかし何よりも研修にある程度の時間をさいても、結果的には効率を上げていくということであるならば、この面における時間がある程度さかれてもやむを得ないのじゃないだろうかというように考えておりまして、来年度新しく特技普及員につきましては、従来の六カ月の期間を十カ月に延長するとか、あるいは大学留学研修制度を設けまして、一カ年大学に留学するとかその他の研修の強化によりまして、大体普及員の総活動時間の中で約一五%程度までは研修の時間に充てられることになるであろうというように予定いたしておりまして、これは従来から見れば、相当時間としてはふえるということに相なろうかと考えております。
#9
○倉成委員 先ほども申し上げましたように、特技研修をもっと深めていくということは確かに大事なことです。しかし根本的には一体どういうことをやらせるのかということをはっきりすることが一番大事じゃないか。同時に、研修をやるならば、私は従来の九%を一五%程度にその比率を高めていくということでなくして、極端な表明を使いますならば、一年間ぐらいは普及活動を休んでも、一つ根本的に普及事業は一体どういうことをやったらよろしいか、また普及員の思想統一をしっかりさせる、研修に一〇〇%の時間を使うというくらいの考え方がなければ、普及事業の役割というのはなかなか果たすことはむずかしいのじゃないか。自信なくして現実の農村で指導はできないのです。これは局長自身がかりに現実の農村の中に入って参りまして、一体どうしたらいいかと聞かれたら、一通りの答弁はあるでしょうけれども、ひそかに胸に手を当てて考えた場合に、おそらく反省をされる面が多いと思うのです。ところが普及員の場合はごまかしがきかないわけです。ほんとうに現実の農村で指導して間違ったならば、それは普及員の評価を問われるということではなくして、もうどうしようもないというような任務を持っておるのが現実の普及員です。ですから普及員に対する役割をもう少し変えて、いや、もうそういうことはやらないでよろしい、技術的な点だけ指導すればよろしいというふうに、割り切られるならば別です。ところがそうではなくして、普及員に期待することが非常に大きく、現在考えておるような役割を要求されるならば、国の政策を明確にすることはもちろんでありますけれども、普及員の研修についての考え方も、今のような考え方では私は根本的に間違いであると思うし、一年ぐらい今の活動をやらなくても私は日本の農村がどうこうなるとは思わない。むしろ根本的に普及員について、一つ皆さん方が本気で研修の場を与えて、一体どうしたらいいかということを真剣に血のにじむような精進をしてみるというくらいの心がまえと態勢がなければ、普及事業の立て直し、今後の普及事業の役割というのはなかなか果たすことができないのじゃないかと私は考えるわけですけれども、この点についてどういうふうな感覚をお持ちであるか。私は、この普及事業については少なくとも現実においてこまかい実情を承知しており、また今日まで十数年の聞こういったことについて現実の普及員の悩みというものに接触をして参りました。従って決して架空の議論を申し上げたり、局長なり政府なりの言葉じりをとらえようという気は毛頭ございません。ほんとうにこう信ずるから申し上げておるのでありますから、一つ率直な御答弁をいただきたいと思います。
#10
○齋藤(誠)政府委員 ただいま先生のお話しになりました御意見につきましては、全く私たちもそのような感じを強く持っておるわけでございます。普及員自身が直接農民に接触いたすと同時に、いわばそこで最終的な責任を持って対処するという役割を持っておるわけでございますから、その指導いかんによっては直接農民の生活あるいは経営に影響するところもある、しかもそれを自分の責任においてその場に対処していくということにつきましては、よほどの自信と実力を持った普及員でなければ、今後の情勢に対処できないであろうという点につきましてはまさにお話の通りであると考えておるわけでございます。ただ若干、あるいは私の理解の不足かもわかりませんけれども、改良普及員そのものにつきましての役割といたしましては、改良助長法にもありますように、「直接農民に接して農業又は農民生活の改善に関する科学的技術及び知識の普及指導にあたる。」というのが普及員の仕事でございますので、今後大いに畜産を伸ばす、あるいは果樹を伸ばす、あるいは新しい市場の条件に適応するような経済的な指導をするといったような政策に相即応して、技術員としては今申し上げたような助長法に書いてある「科学的技術及び知識の普及指導にあたる」ということがその任務であろうと考えるわけでございます。そこで、むしろそういう面から見ますると、末端の普及員がある意味においては十分な組織的な活動になっていないという面があるということを、普及員の方からも要望があることを聞いておるわけでございます。つまり末端における諸問題を自分なりにはなかなかこなし得ないものについて、組織的な解決方法をとってもらいたいというふうな要望があるわけでございます。これにはもちろん政策的な分野にわたるものもございますけれども、今の「科学的技術及び知識の普及指導にあたる」面におきましても、たとえば各府県の農業試験場がございますが、これがいわば「普及指導にあたる」技術的なセンターになるとか、あるいはこれがさらに発展いたしまして普及のセンターになるとかいうような要望のあることも聞いておるわけでございます。今回の改正措置におきましては、各府県の試験場が普及事業の技術センターになるような役割を期待いたしまして、そして改良普及員の直接の指導に当たりまする専門技術員につきましては、さらにその任務を明確にいたしまして、都道府県の試験場に駐在させるとか、あるいは兼務職員になるとかということによりまして、試験場自身に今申し上げましたような普及事業の技術センターの役割をになわせる、そうして今の専門技術貝が直接試験研究に参加するような道も開きまして、組織的に専門技術員、改良普及員が一体となって技術指導に当たり得るというふうなことにいたしたい、こういう考え方で、今回の助長法の改正にもそのような規定の一部を入れたわけでございます。
#11
○倉成委員 ただいまの御答弁は役人の答弁としては満点の答弁であります。しかし現実の実感がないという点を私は残念ながら指摘申し上げなければいけない。おっしゃる通りなんですけれども、現実はなかなかそういうものじゃないわけです。これ以上申し上げましてもなかなかおわかりないと思いますけれども、一つ謙虚な気持で現実の農村の実態と、この中で普及員が一体いかにしたらよいかと苦労しておることを御認識いただいて、これに一体どういう役割を果たさせるか――法律に書いてあることは御指摘の通りです。決して間違っているとは申しません。しかし現実にはそれだけのワクではやれない。農林省の中で現実に農民と一番接触しておるのは普及員です。従ってその末端の感覚をいかに中央の行政に生かしていくか、またこれにどういう役割を果たさせるかということは、私はほんとうに今日の日本の農村にとって一番大きな問題の一つであると考えますから、あえて失礼なことを申し上げるわけです。一つこの点は十分御検討いただきたい。
 研修の面についても、少しばかりふやすということではなくして、先ほど申し上げましたようにほんとうは一年ぐらい休んだってよろしいと私は思うのです。もう少し自信を持つように、そのくらいの心がまえがなければ普及事業の再出発――今まではまあまあやってこられましたけれども、これからの普及事業というのはむずかしい、質的にかなり変わってくるというふうに私は認識をしておるわけであります。
 そこで、今度の助長法の中で普及員の農業改良普及手当というのを支給されることになりました。これは普及員の仕事が一般の公務員その他の方々と違って、朝といわず、夜を問わず、ほとんど勤務時間というのがないほど農民の相談相手になっておるという現実、この御苦労の御認識の結果と思うわけでありますが、どういう根拠、どういう認識に立ってこういう普及員手当を出されたかということを一つ伺いたいと思います。
#12
○齋藤(誠)政府委員 普及員の職務の内容あるいは勤務条件あるいは職務環境あるいは現在のそれに対応する普及員の取り扱いというふうな点を考えてみますと、先生も今御指摘になりましたように、おのずから一般の行政職と異なるものがあるというふうに考えられるわけであります。現在のところ、普及員は地方公務員といたしまして、一般の行政職の俸給の適用を受けておるわけでございます。しかるところ、今お話しになりましたように、その職務の内容におきましては多数の農家、しかもそれは専業の農家もあれば兼業の農家もある、あるいは畜産もあれば果樹もあるといったような非常に対象の複雑な農家を対象といたし、さらにそのやり方におきましては、およそ権力的な指導行政という性格ではなくて、いわば教育的な方法によって農民に対する技術の指導を行なっていくという役割を持つのでありますし、また職務の内容といたしましても、テーブルの上において時間的にやるという仕事でなしに、むしろ昼夜――というのは言葉が過ぎますが、ある意味においては時間にかかわりなく農家の巡回指導をやって参らなければならないといったような勤務の状態でもある。しかもそれが役所の行政組織と違いまして、いわば一人一役として活動して参る、やがては課長になるとかあるいは部長になるとかいうようなそういう仕組みでもない形において、全普及員が直接農民に接触しておるというような性格でもありますので、かねて農林省といたしまして普及員の職務の実態につきまして賃金管理研究所に調査を委託いたしまして、これらの内容につきましての実態を明らかにいたしたいということで、昨年一年かかりましてこれに当たったわけでございます。その結果、賃管の報告によりますと、普及員の職務の内容あるいは勤務の条件あるいは資格等から見まして、最もこれに近似するものとしては研究職と行政職との中間にむしろ位するものであり、性格としては教育職的な性格も加味しているものである、そういう見地から現在の普及員と研究職との俸給格差を比べてみると約一六%開きがある、こういう報告があったわけでございます。そこでわれわれといたしましては、さらにその内容を検討いたしました結果、賃管の報告、実態調査の結果によりましても指摘しておるところでございますが、遺憾ながらまだ現在の研究職の学歴構成と普及員の学歴構成とにおいては大きな開きがあるわけでございまして、研究職でありますと大学卒の割合が三十数%になっておる、改良普及員の場合においてはそれが五、六%であるといったようなことで、相当まだ現段階においては学歴構成において劣るものがあるわけでございます。そこで一六%というのは現状の俸給格差でございますので、これを学歴差による俸給の格差をかりに消去した場合にはどのようになるであろうかということで検討いたしました結果、一二%にするということにいたしたわけでございます。そこでこの一二%を改良普及員の手当という形で、従来この種のものに出ております産業教育手当等も参考にいたしまして支給することにいたしたわけでございます。
#13
○倉成委員 いろいろな御研究の末一二%という比率をきめられたという御説明であります。これは今日の公務員の制度のもとにおいて、これだけのものをいろいろな困難を克服してきめられたということは並み大ていの努力ではなかったと思うわけでありまして、深く敬意を表する次第であります。しかし、先ほども御指摘にありましたように、まだまだこの一二%の手当というものでは普及員の本来の御苦労に比ベますと不十分であると私どもは感ずるわけでございまして、この点についてはさらにいろいろと御検討を加えていただきまして、将来これが十分改善されますように期待申し上げたいと思います。
 同時に、今のお話にもございましたが、普及員の資質の向上ということについて御指摘があったようであります。そこで普及員の資格でありますけれども、これをやはりもっと権威のあるものにすることが必要であるし、また優秀な人材が普及員になるということが必要になってくるわけです。この普及員の資格という点についてはどういうふうにお考えになっておるか、また資格試験については参議院でも議論があったと聞いておりますけれども、現在これは都道府県の段階でやっておりますけれども、もう少し違った形で資格試験をやる必要があるのじゃないかということも考えられるわけですが、この点についてどういうふうにお考えになるか伺いたいと思います。
#14
○齋藤(誠)政府委員 先ほども申し上げたと思いますが、やはり普及員の資質向上の一つの方法といたしましては、今後採用される者についての任用資格の引き上げをはかるということによって実現するのも一つの方法であろうと考えまして、今後におきます任用資格におきましては、やはり相当高度な技術的な知識をこなし得る者が必要であろうというように考えまして、大学卒またはこれと同等な力ある者について資格をきめて参りたい、従来は短大卒または高校卒で一定の職歴を有する者について任用資格といたしたわけでございますが、今後におきましては、それを今申し上げたような方向で改善いたして参りたい。
 さらにまた、試験自身については、これは地方公務員であるという関係も一つあり、また毎年これに応募する人間が約二千人にわたりますのでなかなか中央においてこなすということもできないという関係で、各府県にこの任用の試験をおまかせいたしておるわけでございます。しかし、これについてはいろいろ御意見もありまして、むしろ普及員の資格を上げると同時に、その資格自身について十分権威あるものにすることが、普及員にとっては結果において一つの矜持と誇りを持たすことにもなるのではないか、また社会的な評価を高めるゆえんでもあるのではないかというような御意見もございますので、なかなか国家試験というふうなことまでいくかどうかはなお検討する余地があろうと思いますけれども、この任用資格を通じて、今申し上げたような普及員の社会的評価をうんと高めることに効果があるといたしますならば、この際できれば任用資格の試験方法についても十分抜本的に検討してみて、これを引き上げるなら引き上げるというようなことをいたしたらどうかということで、今検討をいたしておる次第でございます。
#15
○倉成委員 普及員の資格試験について、もっと権威のあるものにし、社会的な信用のあるようなものにしたいという御意見でございます。私も全く同感でございます。実は普及員の資格試験、また普及員のこの問題については、私が県の部長をいたしておりますときにこういうことを考えたことがあります。県の部長以下、少なくとも農政の指導に当たる者は一つ普及員の資格試験を受けてみようじゃないかということで提案をいたしまして、私も受けるけれども少なくとも普及員の指導的な立場にある者は全員普及の資格ぐらいは持たないといかぬのじゃないかという提案をいたしました。しかし、私は不幸にして当時資格試験の委員長でありましたからこの試験を受けることができませんでしたけれども、私の県のほかのそういう普及員の指導的な立場にある人で普及員の資格試験を持たない人は全員試験を受けさせました。やはり普及員の資格を持っていなければ少なくとも県のそういった普及員の指導的立場には立てないんだというくらいのことにして、権威を持たせることが必要じゃないか。農林省だって同じことです。普及員にいろいろな訓辞をたれ、普及員に指導する人々が普及員の試験を受けたら、おそらく私は大部分落第だと思うのです。それほど普及員の資格試験はむずかしいのですよ。また、これはできることなら将来国家試験まで持っていくべきだと思いますけれども、それはなかなかむずかしいなら、せめてブロック単位でやる。そうすると試験官やその他の問題でも、もう少し権威のあるものになってくる。それから全国的な資質の水準の均一化ができてくるということにもなりますので、そういった試験制度そのものを御検討いただくと同時に、普及員の資格が、もっと社会的な意味において権威のあるもの、普及員の資格を持っておれば相当いろいろな点について尊敬されるというぐらいのものに――一ぺんにはいかないということは十分承知しておりますが、御検討いただきたいと思います。この点は希望として申し上げておきたいと思います。
 そこで、こういった資格試験を通った、またいろいろな意味において研修を受けた普及員が現実の農村に対処いたしましていろいろなことをやっていかなければならないわけですが、問題は、非常に解決すべき問題が多い。これに対して限られた人数で、限られた組織で、このいろいろな問題にぶつかっていかなければならないわけですから、この運用ということが非常にむずかしくなって参ります。従って、現在では、現在の定員でできる範囲でこれらの普及員の任務を果たしていかなければならないわけですけれども、やはり将来の問題として考えて参りますと、できるだけ普及員の人数をふやしまして、これを組織化して、そうして十分な活動ができるようにすることが必要になってくると思います。従って、担当局長として、現在の普及員、特に生活改善の普及員に至りましては非常に数が少ないものですから、いろいろ理想としてグループ活動その他の問題について項目を掲げておりますけれども、現実には数人の人が指導しておるということですから、なかなか期待する効果を上げることはむずかしいと思うわけですが、人員の充実、組織の充実という点については、どういうふうな一つの理想像というか、将来の構想を持っておられるか、一つ伺いたいと思います。
#16
○齋藤(誠)政府委員 現在農業改良普及員につきましては三十八年度は一万八百六十二名、生活改善普及員につきましては二千五十名という定員を予定いたしておるわけでございます。改良普及員は一万八百六十二名でございますので、大体現在のところ一普及員の担当戸数が約五百五十戸程度になるわけでございます。農業改良普及員に関する限りにおきましては、何よりも現在必要なのは資質の向上と普及力の強化ということに重点が置かるべきであろう、そういう見地から、現在の農業改良普及員の定数につきましては、まずこの程度の数字でいいのではなかろうかというように私は考えておるわけでございます。ただ生活改善普及員につきましては、二千五十名ということでありますと、まだ三千戸ちょっとこすというふうなことに相なりまして、これは今後の生活改善の必要性等から見まして十分な人数でないことは明らかだと思うわけでございます。本年度も百七十名の増員を得たわけでございますけれども、今後生活改善の部分におきましても、資質の向上のほかに普及員につきましての増員をはかる必要があろうというように考えておりまして、三十九年度は、三十八年度に引き続きまして、生活改善普及員につきましては増員を今後実現して参りたい、こう考えておるわけでございます。
#17
○倉成委員 人員の問題につきましては、普及員にどういうことをやらせるかということとも関連いたしますから、局長が、農業改良普及員については一応現状程度でまあまあ何とかがまんして資質の向上をやっていこうと言われる点については、あえて異論をさしはさむ余地はないと思います。しかし、もしほんとうにこの普及事業にもう少しいろいろな期待をしていくということになりますと、機動力その他の面とも関係いたしますけれども、やはりもう少し充実してやるべきじゃないか。もう少し具体的に申しますと、普及訳業をやっておられる役割の中で、普及員の活動を一〇〇といたしますと、記録、報告等に費やしている時間が一五%という報告が出ているわけです。ところが実際は、災害や何かがあると農林省から普及員に報告を求めるということで、報告々々に追われておるというのが現実の実情でございます。従って、普及員自体の人数をふやすということは当面考えないにしましても、こういう報告が相当多いわけですから、少なくともこういった事務をやる補助者をやはり充実してやるのが実情に適しているのじゃないかというふうに思うわけです。これは普及事務所の実態を少し綿密に御調査されるなりごらんになりますとわかりますけれども、ほんとうに驚くべき事務過重です。そうすると、せっかく農林省で果樹の研修をしその他特技の研修をして大きな期待をされた普及員が、実際はいろいろな報告書書きに追われておるという姿が、全部とは申しませんが、かなり多くあるということですね。そうしますと、これらの面の事務補助者の充実ということは当然やらなければならないと思いますから、この点は大蔵省に対する配慮その他はございましょうけれども、私は担当局長としてはもっと大胆に御要求になってしかるべきではないかと思います。
 それから生活改善については、お話のようにこれからどんどん充実していくということでありますからけっこうでありますけれども、それじゃどの程度までいつまでにやることを考えておられるかということ、これは非常にむずかしい質問かもしれませんけれども、将来ふやしていこう、充実していこうというふうに担当局長がお考えになる以上、局長の在任中に一体どのくらいの数までふやしていけばまあまあ何とかいけるというふうにお考えになっているか、そういう一つの目安なり案なりをお持ちであるかどうか、お伺いしたいと思います。
#18
○齋藤(誠)政府委員 生活改善普及員についての将来の計画をどういうふうに考えるかということでございますが、これも今先生から御示唆がありましたように、どういうふうな活動の内容になるのかということと相関連して考えねばなりませんし、また農業改良普及員の活動ともある程度の関連を持って参ると思うわけでございます。それにいたしましても、先ほど申し上げましたように、現在の一普及員の担当戸数が三千戸であるということになりますと、これはいかに飛び回るといたしましてもおのずから制約を受けるということになります。そこで将来どのように考えるかということでございますが、一普及員の担当戸数をどの程度に考えるべきかということにつきましてはいろいろの意見があるところでございまして、的確にどうだということは申せませんけれども、大体一普及員で千戸ないし千三百戸ぐらいのところが一つの目安ではないだろうかという意見もあるわけでございます。そういうことも頭に入れまして、まだ結論を得ておりませんけれども、検討して参りたい、こう考えております。
#19
○倉成委員 そういたしますと、かりに今の試算でいたしますと、現在の千八百八十人の生活改善普及員を二倍から二倍半くらいまでにしたい、まだこまかくはいろいろ再検討する余地があるが、そういう大体の目安である、こういうことですね。そういった理想をかりに持つとすれば、一体再来年度どのくらいふやそう、またぜひそうしたいという御熱意を持っておられるか、一つ伺いたいと思います。
#20
○齋藤(誠)政府委員 これはよく先生御承知の通り、なかなか予算の関係もあり、財政当局との関係もあり、また大幅に増員するということになりますといろいろの問題もあわせて考えて参らなければなりませんので、今数字的にどの程度ということを申し上げるわけに参りませんけれども、ともかくも本年度に引き続いて増員はぜひともいたしたい、こう考えておるわけでございます。
#21
○倉成委員 非常にむずかしいと承知して御質問申し上げているのですけれども、少なくとも現在の生活改善普及員というのは、非常に期待されながら中途半端になっておる。だから少なくとも農業改良普及員について局長が言われましたように、人数はこの程度で資質を向上していけば、一応農林省の期待する活動はできるだろうというお話でございますが、生活改善については何を期待するかという問題もございますけれども、一体これで生活改善の普及員の活動が十分であるかどうかということを考えると、これはどうも中途半端じゃないかという感じがするわけですから、やはり担当局長としては、財政当局その他の問題はもちろんですけれども、もっと自信を持って、この程度なければ生活改善の普及事業というものはうまくいかないのだという一つの目安をしっかり立てられる必要があるのじゃないか。特に今日の農村は婦人によって大きくささえられておる。農村の婦人がよく働くから今日の農村がまあまあやっているという、いわば今日の農村をささえている一つの秘密というのはやはり農村の婦人にあると思うわけでありますから、そういう意味からこの認識の問題を申し上げておるわけであります。もしほんとうに自信を持ってこうしたいということであれば、われわれも全面的に御支援するにやぶさかでございません。従って私は、やはり腰だめにいろいろなことを考えないで、農業改良普及事業はどういうことをやらせるのか、そのためにはどういう態勢が必要なのかという、一つの担当局としては十分な自信を持った計画なり検討なりをされることが必要じゃないかというふうに思うのです。このことを特に御指摘申し上げておきたいと思います。
 そこで、次の問題としましてお尋ね申し上げたいのは、普及事業が二十三年に発足いたしました際には、ある意味において普及員の素質も玉石混淆であったと思います。しかし、通じて言えますことは、普及員の年令が比較的若かったということが言えるわけでありますから、比較的いろんな点で無理がきいた。しかし今日十数年経過して参りますと、当時三十才であった普及員も四十四、五才の年令になり、あるいは五十才の声を聞いている人もあるということで、いただいた資料から見まして本、すでに五十才以上の人が全体のうち九%占めておるという状況になっておりまして、普及員の年令構成というのがだんだん老齢化してきている感じがするわけですが、この問題というのはやはり普及事業にとって真剣に考えておかなければならない問題じゃないかと思うのです。もちろんその人の個人的な素質にもよりますから年令でどうこうと言うわけには参りませんけれども、やはり気軽に現実の農家と接触して活動して参ります普及員といたしましては、ある程度こういった年令的な限界という問題もありますし、そういう年をとった方々には少し違った任務を与えていくとか、いろいろそういうことを考えてみる必要があるのじゃないかと思いますけれども、この年令構成とか今後のこういった問題に対処する考え方というのは、もしお考えになっておれば一つお伺いしたいと思います。
#22
○齋藤(誠)政府委員 今御指摘になりましたように、普及員の年令構成から見ますと、大体は三十一才から三十五才のところに一番中心がありまして、これが全体の普及員の三二%ということになっておりますが、しかしなお五十以上の普及員も一〇%占めておるというわけでございますから、この点につきましては全体の考え方といたしまして、ある意味においては従来から普及員に長くおった人でそれぞれの経験なりまた有能な指導者もあると思いますけれども、年令だけによって判断するわけにも参りませんが、最近の新しい一つの情勢に十分たえて研修も積極的にやっていただくというようなことも必要であろうというふうに考えます。従って、そういう意味からいいますと、いずれはこの年令構成も、二十四年当時そのまま採用された普及員も相当おられるということも反映しておるわけでございますが、いずれ戦後において育った普及員というものがだんだん中心になって参るであろう、そういたしますれば年令の全体の構成も若干若返って参ることになるのではなかろうかというように考えておりまして、十分な指導力があるような普及員になってもらうということが基本でございますので、府県におきましてもそのような一つの配慮をしてもらうように期待をいたしておるわけでございます。
#23
○倉成委員 年令の問題についてはこれは十分な御検討を一つお願いを申し上げておきたいと思うのです。普及事業に一生ささげて相当情熱を持って、相当な年配になってもずっと普及事業を続けていく、こういう方もあろうと思います。また同時に、一生懸命やってきたけれども、少しからだが従来のようにうまくいかなくなってきたという方もあるでしょう。いろいろな意味においてこれは重要な問題をはらんでおるわけですから、一万数千名の普及員の人事管理をされます当局としましては、やはりこれらの問題については十分な配慮またこれらの普及事業に三十才台で情熱を傾けておられる方々が前途に希望を持ち得るような体制、制度を今後ともつくり上げていくことが必要じゃないかという意味で問題点を指摘だけいたしておきます。あえてここでいろいろとお伺いしたいと思いませんけれども、案外この問題については実情について当局として御存じないのではないかと思いますから、問題点だけの指摘にとどめておきたいと思います。
 そこで少しこまかい問題になりますが、普及事務所の単位で今普及活動をやっておられるわけですが、これは独立した事務所を持った普及事務所というのが全国にどのくらいあるか、お伺いしてみたいと思います。
#24
○原説明員 ただいま倉成先生から御質問がございました普及事務所につきましては、御承知のように普及事業が末端におきまして農民に直接接触いたしまして御相談に乗る、また市町村あるいは農業団体その他の学校等の機関とできるだけ日夜接触をして参りまして、十分な連携の上に御指導申し上げるということが建前でございますので、独立の事務所を持っておると申しますのは、私ただいま資料を持っておりませんが、県有の建物に事務所を持っておりますのが約四百くらいでございまして、その他は市町村役場あるいは農業団体の建物の中に一部屋あるいは数部屋を拝借いたしまして仕事をやらしていただいておるというのが実情でございます。
#25
○倉成委員 普及事務所がいろいろな意味において重要な拠点になるわけですけれども、将来普及事務所として独立した事務所を持てるようにしてほしいという希望が、かなり現地の普及員の諸君の中にあるわけですが、こういった独立した事務所を設けるようにする御計画が御当局としてあるかどうか、一つ伺ってみたいと思います。
#26
○原説明員 ただいま御質問ございました独立の普及事務所を持つかどうかという点でございますが、御承知のように、普及所の規模と申しますか、あるいは従来山地区制ということでやって参っておりますが、そういった点等の検討を要する点もございますので、ただいま先生からお話がございました独立事務所をどうするかという点等につきましても、そういう地区制の問題その他とあわせ検討いたしまして、先ほど来の諸般の御注意とあわせまして、十分検討して参りたいと存じております。
#27
○倉成委員 これは独立の事務所を設けるということになりますと、かなりの財政負担になります。従って、まあまあ現実に間に合っておるのだからいいんじゃないかという気持、またかりに独立事務所の要求をしましても、大蔵当局がなかなか言うことを聞かないだろう、こういうことが御当局の腹の中にあるのではないか。これは推測ですからそうでないかもしれませんが、そう思うのです。しかし、もしほんとうに普及事業というものをもう少し中核的な指導的なものにしようとするならば、やはり年次計画を立てて、あまりみじめな格好で間借りをしているというようなところから一つ独立した事務所をつくってやる、そしてここを拠点として活動ができるようにしてやるという構想を、担当当局としてはお持ちになる必要があるのではないか。これも一つ実態について十分――やはり数字の上でこう出てくるのではなかなか実感が出ませんので、一つ現実の実態をよく見ていただきたいと思います。そしてこれでいいのか、いいというふうに御判断になれば、それでもよろしいでしょう。しかし私は、少なくともこまかく全国各地の普及事務所をお歩きになって、その実態をごらんになれば、やはりこれはもう少し何とかしてやらなければいかぬのじゃないかという気持になられると思います。そこでこれも問題点を御指摘する程度にとどめておきたいと思いますが、十分まじめに御検討いただきたいと思います。
 そこで、普及事業が限られた人数で活動するわけですから、今日のスピード時代においてやはりかなりの機材が必要になってくる。これはオートバイであるとか、あるいはジープであるとか、あるいはもっと進んだ通信施設であるとか、いろいろなものがこの普及活動に付随して当然起こってくるわけでありますが、一体現在の普及事業というのはどういう機材を持ち、どういう近代装備を持って活動しておられるのか、伺いたいと思います。
#28
○原説明員 ただいま御質問がございました機材、なかんずくその機動力の問題につきましては、御承知のように農業改良普及員につきましてはオートバイの整備、それから生活改良普及員につきましてはスクーターの整備ということで、昭和三十一年以来着々やって参っておりまして、三十八年度におきましては、補助いたします台数総数が、累計といたしまして、オートバイで二千二百八十六台、それからスクーターにおきましては千五百四十台になることになっております。なお、御承知のように、そのほかに近年は個人有のオートバイを持っている方もございますし、また補助台数ではございませんが、公有の台数等もございまして、オートバイはそういった補助台数以外に約三千台、スクーターにつきましては約百台がただいま用意されております。なお御承知のように、仕事はますますスピードを加え、忙しくなって参りますので、今後におきましてもこういった機動力の整備につきましては、特段の努力をいたして参りたいと考えております。
#29
○倉成委員 ジープなどをその普及事務所に一台ぐらいずつ持たせるくらいの構想はございませんか。それからテープコーダーその他がやはり必要になってくると思うのですが、そういうものを充実したいという御計画はありませんか。いかがですか。
#30
○原説明員 ただいま御注意がございました機動力の一段と質的な改善と申しますか、ジープ等の点につきましては、先ほど申し上げました地区の広がりの問題、あるいは交通事情その他を考えまして十分一つ検討して参りたい、こう思います。
 なおテープレコーダー等につきましては、ただいま補助の予算計数として特段に計上はしておりませんが、運営費といたしまして計上しておる中で必要がございますれば備えていただけるということにはなっておりますが、御注意の点につきましては、十分一つ予算化につきましても努力をして参りたいと思います。
#31
○倉成委員 これらの問題は、今現実に普及員に何をやらせるかという問題とも非常に関係するわけでありますし、また予算的に見ましてもかなり大きな額に達するわけでありますから、いろいろと御検討を要すると思います。しかし私が申し上げたいのは、やはりもう少し担当局長なり部長なり、そういう方々がみずから普及事務所長になり、あるいは普及貝になったつもりで一体何を要求するかということを一つ実感としてお考えいただきたいと思うのです。そういたしますと、おのずから結論が出てくる。もちろん結論が出ましてもそれを実現するには相当な時間と努力が要ることはわかりますけれども、こういったことをもう一ぺんまじめに再検討していただきたいということを御希望申し上げておきます。
 次は、普及員だけでいろいろな仕事ができないわけですから、どうしても普及員のPTAというか、これのいろいろなうしろの団体または普及事業が育成して参ります4Hクラブその他の団体、あるいは農事研究会、いろいろそういったものとの関連というのが非常に大きな問題になってくると思いますが、これらの関係団体の活動状況、またこれと普及事業との関連性、こういったことにつきまして御承知であれば、お伺いしたいと思います。
#32
○原説明員 ただいま倉成先生から御質問がございました関係団体等と普及事業との関係でございますが、お手元に御配付申し上げておりまする資料の三十五ページにもございまするように、青少年のクラブ活動につきましては、普及事業発足以来努力をして参っておりますが、最近の事情につきましては、三十五ページにございますように、全体として新規学卒者の農業に残る方が減少いたしました等の関係を反映いたしまして、減少をしております。なおしかしさらに次の三十六ページないし三十七ページにございます中等学校卒あるいは高等学校卒というような卒業者で農業に残りました者の内訳の表がございますが、数は減って参っておりますけれども、学歴構成といたしましては、高等学校卒業者が非常にふえて参っておりまして、充実したクラブが次第に整備、発展をしておる、こう申し上げてもよろしいかと存じます。
 なお三十五ページの下の欄に生活改善実行グループのことが書いてございますが、ごらんのように、生活改善グループは、むしろ青少年クラブとは違いまして、漸次数も増し、また員数も増加しておるという状況にございます。生活の方面で農村におきましても非常に着目といいますか、関心の高まったことの反映じゃなかろうかと存じます。こういった青少年クラブあるいは生活改善グループの育成につきましては、私ども農林省といたしましても、先ほど申し上げましたように、普及事業発足以来努力をいたしておりまして、御承知のようにただいま日比谷高校あるいは日本青年館におきまして、全国から約四、五百名の選ばれた青少年が集まりまして、技術の問題あるいは生活の問題あるいは経営の問題等につきましていろいろ意見を交換し、またその計画をお互いに立てて参るというような活動をいたしております。またそういった活動の促進を私どもとしてはいたしております。
 なお、若い者に対しまして今日問題になっておりまする経営上の知識あるいは機械化に関する知識、なかんずく大型機械化に関しまする知識の問題、そういった点につきましては、それぞれ各県にお願いいたしまして、機械化研修あるいは経営技術研修あるいは成長部門を中心といたしました生産技術の研修といったことを組織的にやらしていただいております。
 そのほか御承知のようにラジオ農業学校を開催いたしまして、農業に残って精進される若い人たちの育成に十分努力をいたしておりますが、こういった事業を推進するにあたりましては、学校あるいは市町村その他と共同でやりませんと、事業は円滑を欠きますので、そういった関係の諸団体あるいは諸機関と緊密な連絡をいたしまして、ただいま申し上げましたような諸活動を推進しておる次第でございます。なお今後におきましても、関係の諸団体とは一段と緊密に御連絡申し上げまして、活動に遺憾のないようにやって参りたいと考えております。
#33
○倉成委員 これらの農村の青少年の方々のいろいろなグループ活動というのが非常に活発でありまして、普及事業がいろいろな意味においてこの活動に大きな貢献をしておる、また今後これらの活動について十分援助していきたいというお話でございますが、私は、この点やはり普及員がやれる仕事の範囲というのは人数的にもいろいろな意味において非常に限られておりますから、思い切ってこれらの団体活動を十分伸ばして参りまして、普及員のやれないところの面を補ってもらう必要があるのではないか、こういった点は従来もかなり活発にやっておられますけれども、さらに一歩進めて、もっと活発に普及員の普及事業の補完的な役割を果たす意味において活用していくことが必要じゃないかと思うのです。これはもちろんやり方としてはもう少しいろいろ具体的な提案もございますが、きょうは触れないといたしまして、普及員の助手的な役割を果たしてもらうということもやりようによってはできるのじゃないかと思いますので、これらの団体活動についてさらに深い関心を持っていただきたいと思います。これも希望意見として申し上げておきたいと思います。
 そこで、普及員の研修の問題に若干戻るわけでありますけれども、従来大学との関連というのが普及事業は比較的薄かったのじゃないか、諸外国の場合の例をとりますと、大学と普及活動というのは、アメリカあるいはオランダ、こういうところについてはかなり密接であります。こういう点は、日本において比較的薄かったということが言えるのじゃないかと思いますが、これらの大学と普及活動との関係の問題が一点と、もう一つは、私は、今日農業が非常に大きく変わっておりますから、諸外国の実情をやはり十分見ておく必要があるのではないかと思うのです。それには、農民と一番接触しておる農業改良普及員なり生活改善普及員をもう少し気楽にどんどん外国にやりまして、外国の農村の実態を見せることが一番手っとり早いと思うのでありますが、これらの諸君を外国に毎年相当量どんどんやって勉強させるというような構想があるかどうか、一つ承ってみたいと思います。
#34
○齋藤(誠)政府委員 普及事業についてもっと大学との連携をはかって、これとの協力態勢をとったらどうかというのが第一点の御質問かと存じますが、私もかねてそのように考えておりまして、せっかく各地方に大学がありまして、それぞれ地方の特色を十分把握した上で、大学自身が普及活動に御協力願ってこれに当たるということになれば、ずいぶん効果の上がることもあるのではなかろうかという感じを持っておったわけでございますが、たまたま大学におきましてもそのような機運が出て参りました機会におきまして、改良普及員の留学研修を一つ大学でやってもらえないかという話をいたしまして、その結果、来年度からは大学におきましても一年間の普及員の留学研修をやろう、こういうことになりまして、三十八年度から実施することに相なったわけでございます。今後におきましても、できるだけ文部省とも相談して、地方大学と普及活動との結びつきにつきましては十分配慮して参るようにいたしたいと考えております。
 それから第二点の、改良普及員については海外の農業実情を見ることはどうか、そのような計画があるか、こういう御質問でございますが、なるほどそういう面におきましての実物教育ということも確かに必要であろうと思います。現在これは制度として必ずしも普及員を対象として行なっておるものではございませんけれども、農業実習生の海外派遣の事業を農林省において行なっております。その際改良普及員もその中に一部入れて出しておるというふうなこともございまして、若干ながらそういう道も開かれておるわけでございます。今後これを大規模に行なうかどうかは、本来農村の普及指導についての要望も非常にあるわけでございますので、どういうようにできるかどうか、一つ研究させていただきたいと思います。
#35
○倉成委員 今までるる農業改良助長法の一部を改正する法律案に関連して御質疑を申し上げましたが、とにもかくにも、農業改良普及員の仕事の実態を認識していただきまして、一歩前進されたことについては全面的に賛成を申し上げるわけであります。しかし、ただいままで申し上げましたように、日本の農村が一つの転機に立っておると同様に、農業改良普及事業も一つの大きな転換期にきておるという認識を十分していただきたい。そのためには、先ほどから申し上げました点を要約いたしますと、一つ、農業改良普及事業の実態を十分当局において把握していただきたい。第二は、改良普及員の任務を明確にしていただきたい。現在の組織、現在の人員で何をやらせるのか、どういう役割を与えるのかということをはっきりしていただきたい。第三番目は、研修を徹底的にやる必要がある。これは従来の九%を一五%に上げるというようなことではなくして、一年、二年改良普及事業の現実の仕事はやめてよろしいから、一つ徹底的に研修をやって、自信のある形で改良普及事業を推進していただきたい。こういうことを要約して申し上げたつもりでございますので、これは多少行き過ぎた、乱暴な意見もあったかと思いますけれども、私の十数年の現実の体験に基づいて御質疑を申し上げたわけでありますから、一つ十分まじめに御検討いただきますことを希望いたしまして、質問を終わらしていただきます。
     ――――◇―――――
#36
○長谷川委員長 この際、乳価問題について重政農林大臣から発言を求められております。これを許します。重政農林大臣。
#37
○重政国務大臣 乳価につきましては、御承知の通り昨日の午前一時ごろに御答申をいただきました。昼夜兼行で私どももその内容について検討いたしておるわけでありますが、協議をいたす方面もいろいろございますので、現在どういうふうに乳価問題を取り扱うかということをきめておりません。その段階に至っておりません。本委員会にただいまこれをその内容について御報告をいたすことができないことはまことに遺憾でありますが、できるだけ私といたしましては誠意を持って各方面の御意見を尊重してきめたい、こういうふうに考えておりますので、ここ両三日、一つ御猶予をお願いいたしたいと考えます。
#38
○長谷川委員長 足鹿覺君。
#39
○足鹿委員 ただいま農林大臣から畜産物価格審議会の問題についてお話がありました。まだ政府の態度を本委員会に報告するに至らないということでございますが、それはそれといたしまして、先日委員長からもお口添えがあり、私がお尋ねをいたしました、昨年十二月十一日一斉に通告をせられました乳価の値下げの問題について当委員会の決議をいかに実施されたかということに対する御答弁を、きょうまでにあなたは委員長にするんだということをお約束になったわけでありますから、その後とられた経過、そして結果があれば結果、さらに今後のあなたの確信のある見通し等があればこの際明らかにしていただきたい。
#40
○重政国務大臣 その後生産業者を招致いたしまして強く要望いたしたのでありますが、今日に至ったわけであります。今日に至りますとやはり四月以降の乳価の問題と同時に解決をいたした方が都合がいいのではないか、私は現在のところはこういうふうに考えておるわけであります。そういう意味におきまして皆さん方の御要望が強くありました点を十分に尊重いたしまして、そして同時解決をいたしたい、こういう私の根本方針でおるわけでございます。御了承を賜わりたいと思います。
#41
○足鹿委員 同時解決とは別個の問題なんです。今までの、二月七日に当委員で決議をいたしましたそれまでの経過、またその後の当委員会における経過、そして、最終的には数日前に私がわずかな時間ではありますが、すでに滞貨乳製品の買い上げは終わったか、こういうお尋ねをいたしましたら、参議院ではとやこう言っておいでになりましたが、十八億七千万円の買上量で一応完了したものとみなし、直ちにメーカー方面と折衝をする――折衝などということではなくて、あなた方は今までの畜産行政の惰性を踏むのではなくて、この際きぜんたる態度を持って勧告をさるべきである、当委員会の決議の第一項に付帯してこれに協力しないメーカーに対しては制裁措置を行政的にも検討すべしということを、われわれは付加しておるのでありまして、そういう点についてこの間お尋ねをした。委員長からも本日までに発表しなさいということをお口添えがあって、あなたもそれを了承しておられるのです。ですから今回の畜産物価格安定審議会における経過と同時解決などということは、これは全然問題がそれております。そういうことでは話が全然違うではありませんか。
#42
○重政国務大臣 問題は要するに標準基準価格というものだけが問題ではないのでありまして、問題は要するに農家の手取りが問題であろうと私は思うのです。るる足鹿さんその他御意見を述べられましたのも、全体の手取りの問題としていろいろ御意見があったと私は拝承いたしております。そこで私は、全体の手取りの問題として扱いたい、そうして標準基準価格というものをきめたい、こういうふうに考えておるわけであります。でありますから私は二十八、九日と実は聞いておったのでありますが、いずれにしましても一日どっちへころげたって、できるだけそういうふうに私は努力いたしますということを申し上げて、努力はいたして参ったのでありますが、どうもその方が適当ではないかと私は考えております。いずれにしましてもいま両三日の御猶予をいただけば、その点ははっきりといたします。
#43
○足鹿委員 大臣は少し考え方を改められぬと、当委員会の権威にも関する問題でありまして、もう少し御発言をなさったことは責任を持って次から次とその筋を通していただきたい。畜産物価格安定審議会の経過というものはまだ報告できない、だからそれと関連さすなどということは、これは別個なことなんです。これは一緒のことではないのですから、われわれはこの前の決議をあなた方が尊重され、いかようにこれを処置されようとしておるか、本日までにとった措置、その内容、向こうの出方、今後あなたがとらんとする措置、そういうことについて御報告願いたい。
#44
○重政国務大臣 これは性格は別であるということは私もよく承知しております。けれども農家にとってみれば結局先ほど私が言うたようなことでありますから、いずれにいたしましても両三日の御猶予をいただきますれば御決議の点も十分尊重をいたしてその結論を得るようにいたしたい、こう考えておりますから、いま両三日のことでありますから、御猶予を一ついただきたいと思います。
#45
○足鹿委員 両三日とおっしゃいますが、先ほどあなたがおっしゃったことによりますと、四月一日を期して畜産物価格安定審議会における三十八年度の安定基準価格の問題についてあわせてやりたいということをおっしゃるから、われわれは納得がいかないというのですよ。なぜ四月一日にこの問題をあわせてやらなければならないのですか。そんなことをわれわれは言っていません。乳価の値下げはこれを中止せよ、取引を正常化しなさい、ということを決議しておるのです。ですから今までの過去の不法な、あるいは不当な国策に刃向かうようなメーカーの一方的なやり方に対して、われわれは完全に委員会の意見が一致をし、決議をしたのでありますから、その問題に対してどのような具体的な措置をとられたか、その後向こうはどう出たか。――おやりになっていないのですか。おやりになっていないならそれは怠慢ですよ。委員長にもおわびをなさい。そんなばかなことがありますか。安定審議会を待って、そんなことをだれが一体当初約束しましたか。それはあなたの一方的な見解ですよ。だから今まで忙しくてこうこうこういう事情でやれなかったならやれなかったとはっきりした事実をおっしゃれば、その方が正直でいいではありませんか。これを両方からませてやるなどということは、そういうことをおっしゃると、われわれは了承いたすこと相なりません。委員長もこのような御答弁でこの委員会の審議を進めていくなどというようなわけには参りません。もっと正直に具体的におっしゃって下さい。
#46
○重政国務大臣 決してほうったのではありません。二十一日に現に招致していろいろ要請をさらにいたしたのでありますが、私の判断といたしまして、先ほど申しましたような審議会も開かれる段取りになりましたので、それらの御意見も徴してきめた方がいいのじゃないか、こういうふうに考えたのであります。御決議の点は十分に尊重いたすつもりでおるわけでありますから、とにかく両三日、一つ御猶予をお願いいたしたいと思います。基準価格の決定とはもちろん別にこれはやるようにいたしますから……。
#47
○足鹿委員 私はまことに不満であります。でありますが、両三日待て、こういうことでありますから三十日までに、これは当委員会は開かれませんが、委員長なり与野党の理事がその結果をお聞きする機会をつくっていただきまして、その際にさらにわれわれの納得のいくような御措置であれば、もちろんわれわれも了承いたしますが、でない場合には、この問題はこのまま放置するわけにはわれわれ参りません。さような点、またその他必要なお取り計らいをしていただくということでありますならば、改良助長法の審議の都合もありますので、これ以上申し上げませんが、いかがでありましょうか。
#48
○長谷川委員長 三十日のお昼までに理事さんにお集まりを願って、大臣の交渉の結果を皆さんに御発表してもらうことにいたしますから、そのように……。
#49
○重政国務大臣 三十日午後に一つやっていただけませんですか。お昼というと十二時になりますから……。
#50
○長谷川委員長 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#51
○長谷川委員長 速記を始めて下さい。
 足鹿君。
#52
○足鹿委員 先ほど大臣から両三日間待ってくれ、必ず乳価一斉値下げの問題に対して当委員会の決議を尊重して、いろいろとった措置、その結果について報告をするということでございます。つきましては、私どもここでその問題をいつまでもしつこく論議をいたしましても、農林大臣が誠意を尽くして両三日間に結論を出すということでありますから、お待ちいたしましょう。ついては、三十日の午後、当委員室において委員長御主宰の理事会をお開きいただき、その理事会に正式に御報告をいただく、そのあとでいろいろと意見の交換等も行なう、こういうことにして、大臣にもそのことを確約していただきますならば、一応この問題は、本日はこの程度で留保しておきます。
#53
○長谷川委員長 承知をいたしました。さよう取り計らいます。
#54
○足鹿委員 大臣からも……。
#55
○重政国務大臣 承知いたしました。
#56
○湯山委員 今の乳価の大臣の御報告に関連をして伺いますが、需給状態から見て、四月一日からなま牛乳の給食を実施するということで御検討いただいておったと思いますが、四月からなま乳給食をやる方針なのかどうなのか、それだけ一つ御答弁願いたいと思います。
#57
○重政国務大臣 実施する方針をもってすでに六万石を各府県に割り当てております。従って、府県からその返事が今続々として参っておる状況であります。
     ――――◇―――――
#58
○長谷川委員長 次に、農業改良助長法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。足鹿覺君。
#59
○足鹿委員 初めに、農業改良助長法の審議に際しまして、一言わが党の本法案に対する今日までとって参りました態度等について明らかにいたしておきたいと思います。
 それは一部に、わが党が本法の成立を阻止しつつあるとか、あるいはまたそのために審議をことさらに遅延せしめつつあるとかの無責任きわまる悪質な誤解とデマが流布されておるということがあります。しかもそれが農林省内、特に農政局内にその根源となるような不用意な放言を行なうものがあったと私どもは聞いておるのであります。まことに遺憾千万にたえません。わが党が中心となり、参議院においては本法案をいち早く取り上げ、しかも内容の充実等については真摯なる附帯決議をつけて、そしてこの問題に対しては一番熱心に審議を尽くして附帯決議を提案をし、満場一致の賛成を得てこれは成立し、本院に回付されたものであります。しかるに何ぞや、われわれは衆参一体であります。何らそのような考え方がないのにもかかわらず、そのような流言が流されるなどということにつきましては、農林大臣においては、監督その他についてとくと留意をしていただきたいということを当初申し上げておきたいと思います。
 本法案は、予算関係法案でありまして、しかも四月一日実施の期限を伴う法律であって、われわれは本法案のよりよき内容充実のために、微力ながら今日まで建設的に努力を続けて参り、先ほど述べましたように参議院の諸君とも連携を密にし、衆議院においても、今日まで審議にこそ入っておりませんが、その内容の充実の点については、農林大臣、関係局長、その他各方面にいろいろの献策も行ない、意見の交換もなし、審議の表立ったことはいたしておりませんが、本法の趣旨のよりよき充実のために努力しておるということは、大臣は先刻来御承知の通りであろうかと存じます。しかるにそのような流言を発するような事態は、まことに遺憾である。問題は、このように本法案の審議が遅延いたしましたもとは、政府が参議院先議という異例の措置をとったことに端を発しておるのであります。これは私どもも衆議院としては遺憾に思いましたが、すでに参議院付託となりましたので、わが党といたしましては、先刻述べましたように、附帯決議を付しまして、これを原案の通り可決し、本院に付託されましたのが三月十一日であります。ことさらに遅延した事実等は毛頭ないことも、この事実をもってしても明らかでありましょう。本院に回付されたものであって、審議がおくれたのではなくして、参議院回付がやむを得ずこういう結果になったのである。従って、順次審議が繰り下げになり、その繰り下げになった間をむだにしたくないからいろいろと非公式にこの内容充実の点について、われわれは全知全能をしぼって努力をしてきておるのであります。従って、今月中に衆議院を通過せしめるということについては、われわれは何ら一点の疑問も持っておりません。ただ、審議を尽くし、政府の今後の施策についての基本を明らかにし、なるべくすみやかに本法の趣旨があまねく同様の職種にある人々にも均霑する問題を解決したい一念にほかならないのであります。でありますから、衆議院が通過をいたしますならば、ここ数日のうちに成立し、何ら事態には支障はないのである。しかるに経過を知らず、またこういう重大法案は衆議院が先議ということで、そういう慣例があって、衆議院でもたもたしているように世間がとり、参議院にいったならば、審議の時間もなくて、つぶれるのではないかという国会の審議事情を知らないものを奇貨として、そうしてこれをあたかも四月一日施行に支障を生ぜしめるとか誤解を招くような言動を弄したことについては、われわれは重ねて申しますが、きわめて遺憾である。このような事態につきまして、農林大臣におかれましても、私が今述べたことについて事実と反することがあれば承りたいし、私どもがとってきた態度というものについては、農林大臣もよく御了知のことであろうかと思います。その点についてまず当初大臣の御所見を承っておきたい。
#60
○重政国務大臣 これはただいまお述べになりました通りであります。私は今初めて流言と申しますか、そういうようなことが言われているということを承知いたしたのであります。それはおそらく何かの間違いではないかと思うのであります。はたしてそういう事実がありといたしますれば、これはまことに遺憾なことでありまして、相済まないわけであります。私自身は、そういうことは全然考えておりません。
 ただいま足鹿委員のお述べになった通りに考えております。
 ただ、ここで一つ御了解を願いたいと思いますことは、参議院先議にいたしたことであります。これは私どもも一応検討いたしたのでありますが、審議を進める上におきまして、なるべく多くの法案を参議院に当初から回すということが審議の都合からいけばよろしいというので、できるだけ今回は参議院の方に持っていくことにいたしたわけであります。予算関係法案と申しますれば、この法案も予算に関係した法案ではありますが、従来の取り扱いといたしましては、法案が成立をしなければ予算の執行ができないというような法律案を予算関係法案と称しておるようであります。そういう意味からしまして、これは厳格な意味におけるいわゆる予算関係法案と言わなくてもいいのではないかというような見解のもとに参議院に先に回付をいたしたわけであります。ほかに他意があるわけではございません。その点は一つ御了承を願いたいと思います。
#61
○足鹿委員 ただいまの大臣の御答弁で一応了承いたしました。
 そこで本問題に入りたいと思います。
 第一のお尋ねは、農基法下におきまして、日本農業の状態は、きわめて遺憾な状態に直面をし、日本農業始まっての危機に直面しておるのではないかと言っても言い過ぎでないと思うのであります。この日本拠業の危機を打開するためには、悪法といえども法は天下の法でありますから、農基法そのものに致命的な欠陥があるということをわれわれは指摘せざるを得ない。従って、この抜本改正が必要となりつつあることはいなめないと思いますが、この問題はしばらくおくといたしまして、日本農業の近代化と農業構造の改革、農業体質の改善、そのためには農業技術の高度化の問題がきわめて重大であることは申し上げるまでもないと存ずるのであります。農業近代化とは一体農林大臣はどのように理解されておるか存じませんが、この機会に伺っておきたい。たとえば農業基盤の整備、資本装備の充実、機械化、技術革新の問題、これをいかに普及徹底するかといったような問題が農業近代化の内容を示すものであろうと思い、またこれを裏づけるものとしては価格の安定ということが問題になることは申し上げるまでもございません。その中で農業改良助長法制定以来、若干の手直し程度で今日まで十数年を経ております。このような経過の上に立って今回御提案になったものは、きわめて部分的な一部改正でありまして、これをもってして日本農業の技術革新を完成し、農業の画期的な近代化が達成できるとお考えになっておるのかどうか、農林大臣の大局に立った確固たる御所信を承りたい。この機会において、近代化の意義、それと今四の改正との関係、これは不徹底である、もっと抜本的、総合的な農業近代化の必須条件である技術の高度化と普及等についての大臣の御所信をこの際明らかにしておいていただきたいと存じます。
#62
○重政国務大臣 農業近代化につきましては、ただいま足鹿委員のお述べになりました通りの内容を持っておるものであります。近代化を推進いたしますために高度の技術が必要であり、これをまた普及することが必要であることは、御意見の通り申すまでもないところであります。そこで私どもといたしましては、国立の試験場を初めとし、各府県にあります試験場の機能を一体化をしていく。そしてまた、そこで研究せられましたその成果が直ちに農家に伝わって、その結果に従って農業経営をやっていく。こういう方向に持っていかなければならぬ、こういうふうに考えておるのであります。そのために国、県の試験場のそれぞれの技術家の連絡会議も持っておるようなわけであります。さらに普及員との関係におきましても、場合によりましては、普及員そのものの身分関係を試験場に移すことのできるものは移してその関係を密にしよう、こういうふうな心組みをいたしておるようなわけであります。そういうことになって参りますと、自然普及員そのものの素質というものが非常に重大な問題にならざるを得ないのであります。また構造改善を推進するために、その構造改善の計画を実施する担当の普及員というようなものも定めていく方針で現在やって参っておるのであります。そうなりますと、どうしてもその普及員の素質の向上をはからなければならぬ。そこで普及員の従来の研修の制度も、これを半年であったものをさらに十カ月に延べるとか、あるいは普及員を大学に留学をせしめる、こういう措置も三十八年度からとることといたしておるのでありまして、普及員が重要であるということは足鹿さんの御意見の通りである。そうしてそれは、ただいま申しますような方向で私どもといたしましては実行をいたしておるようなわけであります。申し上げるまでもないことでありますが、そういう重要な普及員に対する待遇の改善も焦眉の急である、こう心得まして、十分ではございませんが今回その待遇改善の方向にも進んだような次第であります。
#63
○足鹿委員 御趣旨のあるところは一応わかるのでありますが、全体と部分との関係を私は言っておるのであります。いろいろな施策も――研修の問題あるいは試験場との交流の関係、いろいろお述べになりました。それはあとでお尋ねをいたしますが、この程度のものをもってしては、画期的な日本農業の近代化のための技術高度化対策としては不十分である。従って今後この問題については、もっと総合的かつ抜本的な技術の高度化体制については農林大臣としては考慮検討する、そういうことが当然あってしかるべきだと思うのであります。現状をもっておそらく私は満足しておられないだろうと思う。だれが見ても、これで日本農業の近代化のための技術対策が解決がついたなどとは言えないと思うのであります。このこと自体を私はとやかく言っておるわけではありません。全体と部分との関係をここで尋ねておるのであります。その構想を明らかにしていただきたい。
#64
○重政国務大臣 これは何と申しましても試験研究機関を飛躍的に充実することが必要であり、さらにまたこの普及員の素質の向上等も、先ほど述べました通り必要なことであります。その間、試験研究機関及び普及員というようなものが一体となって農業の指導に当たる、こういう態勢をとることが必要であろうと思うのでありまして、それらの点に関しましては、もちろん十分に行なわれておるとは考えられませんので、さらにさらにこれは充実をいたしてその方向に進まなければならぬ、こういうふうに考えております。
#65
○足鹿委員 不十分でありますが、先を急ぎますから、あとで具体的に伺います。
 農林省は去る一月、「普及事業刷新強化対策要綱」なるものを作成しておりますが、これを拝見いたしますと前年とほぼ同じものであります。若干の予算増を見たものを羅列しておるのであって、農林省が普及事業の強化に本腰を入れておるものかどうかを私は疑わざるを得ない、かように思うのであります。もっともらしくいろいろなことを並べておりますが、これは過去やってきたことであり、またこれからも、その内容に若干予算増をつけたものをやらんとしておる程度のものであって、ことさらにいわゆる刷新弧化対策要綱などと大げさに言うべき内容のものではないようにうかがいます。特にこのほか、三十八年度予算編成当初、大蔵省段階で削減されたと伝えられておる営農ゼミナールの開催、普及員養成のための奨学金の補助、構造改善普及活動の促進費、生活改善車の購入費、育児生活教室の費用、主婦労働の合理化のための実験専業費等は相当意欲的な新しい構想だと考えられる。私どもは、それらのものが何ゆえに大蔵省段階で削減をされ、今述べたような、きわめておざなりな対策要綱にならざるを得たかったか。特に農業就業構造の老齢化、婦人化等に即応して、農村の婦人に対し生活改善技術のみにとどまらず、農業技術についても充実した指導を行なうことができるよう特段の対策を講ずべきであると私は考え、当局が考えておった主婦労働合理化のための実験事業費等、先ほど五、六項目について一例をあげた点等については、最も必要な対策であると考えておるものであります。なかんずく、遺憾ながら、現在の日本の農業は年守りや婦人の力によって細々と維持されておる、そこに技術の停滞があり、生産力の向上が阻害されておるといわねばならぬと思うのでありますが、この点についてどのような経過でこの意欲的な、先ほど並べましたところの新しい構想が実現できなかったのか、また、将来そういったことについてどのように対策を考えておられるか、農林大臣の御所見を承っておきたい。
#66
○齋藤(誠)政府委員 ただいま御質問になりました予算上落ちたものについては、どのような経緯で落ちたか、こういう御質問かと思いますが、その前に、われわれ現段階におきまする普及の一番の大事なことは、組織の整備した今日におきましては、いかにして普及掛算力を強化していくかということが一番必要であり、それによってのみ現在の課せられた基本法の推進ができるのではないか。こう思っておるわけでございます。その意味におきまして、お述べになりました刷新要綱におきましては、普及職長の資質の向上、組織の整備、研修の強化、普及活動の向上、こういう項目をあげたわけでございます。今御指摘になりました営農ゼミナールの開設あるいは各種の研修施設につきましては、これは予算額としてもきわめて僅少なものでございまして、従来とも事実上行なって参ったものでございます。今後におきましても、事実上はそのような研修あるいは営農ゼミナールの開設をして参りたい、かように考えております。
 また、生活改善部面におきます生活改善車、あるいは婦人労働の合理化施設等の御質問がございましたが、婦人の労働強化あるいは主婦労働についての改善というものにつきましては、御指摘の通り、私の方もそのように考えておるわけでございます。今回の措置といたしまして、生活改善普及員の増員と同時に、生活近代化施設というのを設けることにいたしたわけでございます。この近代化施設の中に、今お述べになりましたような施設、特に集団的な託児、あるいは炊事、あるいは労働合理化に関する実演、実習の場をその生活近代化施設の中に入れて実現するようにしよう、こういうことで、実は項目としては落ちましたけれども、内容としてはその中に含めて実行できるようにいたしたい、こういうことにいたして、予算上は支障ないと、こう考えたわけでございます。
#67
○足鹿委員 普及員の養成のための奨学金の問題は、研修制度等である程度今後もこれにかえる措置として考えることもできると思いますが、構造改善普及活動の促進費等については後ほど触れますので、さらに十分用意ある御答弁を願いたい。
 私は去る三月六日、第十一回農家生活改善発表大会に出席をし、農村婦人の体験発表を親しく聞き、農村婦人が営農の中心になりつつある今日、と生活の合理化は表裏一体をなすものであるということの認識を深めました。特に農村婦人がきわめて意欲的に営農知識や技術を求め、創意工夫をこらしている体験を聞きまして、まことにえりを正し、深い感銘を受けました。一例を申し上げますならば、ある主婦はグループを組織して農業作業を共同化し、苦しい労働を軽減し、一人当たり十二時間四十五分の作業を七時間四十分に短縮し、得た時間を育児と家事に活用し、年二回里子まで預かるという涙ぐましい発表を聞いて胸を打たれたものであります。このような、主婦が営農の共同化に目ざめた、その目ざめた動機は、従来主婦が農事にあまりにも重く、長い時間を従事したために、育児がなおざりになり、老人にまかせ切りのために、かわいい子供を死なせたことの発憤から出たと聞いて、なおさら私は深い感銘と、今後、私どもが、もっとこれらの切実な問題にこたえていかなければならないという気持を深くいたしました。農相もこの大会に御出席になって、あいさつだけでお帰りになったようでありますが、あいさつもけっこうでありますけれども、農林省が主催をし、その主催をした大会において、このような生きた発表が行なわれておるのでありますから、せめてああいう機会に、もっとあなたは耳を傾けられ、今後の重くなってきた農村婦人対策の問題について構想をお練りになる必要があるのではないか。与えられた機会はそうたびたびあるものではございません。そういう点について、特に農林大臣の農村婦人対策の構想がございますならば、あまり事務当局などの意見にとらわれないで、あなた自身の誠意のある国務大臣としての御構想がありましたならば、この際承っておきたいと思います。
#68
○重政国務大臣 農業経営の中核に婦人が漸次なられていくという傾向は、ただいまお述べになりました通りである。従って、経営技術等に関しても十分に農村婦人に対してその技術を体得せしめる必要があるということも、これまたお述べになった通りであると思うのであります。そこで、従来から行なっております研修等についてもできる限り農村婦人もそれに加えてやりたい、こういうふうに考えております。
 それから生活改善の問題は、何といたしましてもこれは重要な問題であります。生活が改善をせられ、農家の家庭が円満にいくということになることは、農村問題解決の基盤であり、基礎であります。従って、そういう方面のことも十分に私は今後施策をとっていきたい、こういうふうに考えておる次第であります。
  〔委員長退席、田口(長)委員長代
  理着席〕
#69
○足鹿委員 きわめて御答弁が抽象的でありますが、私が今述べた事例は、これは要するに共同化によって重い労働、長い労働時間から解放され、それによって家事や育児に取り組み得るようになった。これは生きた事例であろうと思う。こういう事例が一ぱいあるのです。ですからあなた方は共同化の問題等についてはこれを観念的あるいは思想的、イデオロギー的な偏見を捨てて、もっと率直にこれらの人々の実績に学び、その声にこたえて共同化の助長促進、それらを伴う一連の施策、特に婦人を対象とした対策が必要ではないかということを私はお尋ねしておるのであります。
#70
○重政国務大臣 決して共同化について偏見を私は持っておりません。私は若いときからこの共同化問題につきましては推進をいたして参った一人であります。今お述べになりました事例もまことにけっこうなことであります。ただ共同化を行ないますのには相当な理解がないとなかなか現実の問題としては十分なる実行ができないので、それらの点は十分に理解をせしめてやらさなければならぬ、こう考えておるのでありまして、自然どうも一律一体に、一ぺんにさっといくのはなかなか御承知の通りむずかしいと思うのでありますが、これはさらにさらに努力を重ねて、ことにそういうような機運が農村婦人の間に起こってくるということはまことにけっこうなことでありますから、そういう方向に持っていきたいと考えます。
#71
○足鹿委員 私は多くを申し上げませんが、要は現在の生活改善普及員がだんだん少なくなってくる、いろいろ要望をしても、その要望がなかなか通らないという切実な訴えを私は聞いておるのであります。生活改善といえども、時間があり、そして経営に余裕が出てくればおのずから生活改善はできるのである。現状のままにおいて生活改善をいかように訴えましても、主婦には過重労働を強制する以外の何ものでもなくなるのではないか。従ってこの体験は、自分たちが生活改善をやるということは、農業の共同化、それによって重い労働、長い労働時間から解放され、その解放された時間を育児や家事やいろいろな面に利用した生きた事例なんであります。ほとんどこれらの事例に通じておる。従って生活改善普及事業のあり方等についても、もっともっと総合的な見地から考えられる必要があるということを私は申し上げたわけでありまして、これには御異見はなかろうと思いますので、別に御答弁は求めません。先を急ぎますから次に移ります。
 第二の大きな質問といたしまして、農林漁業の全般にわたる試験研究体制及び各部門別に制度化されておる現在の技術制度のあり方について伺いたいと思います。
 先ほど農林大臣は、壁頭若干お触れになりましたが、前述いたしました日本農業の危機をどうして切り抜けていくか、新しい事態に即応して根本的に検討を加えなければならないのは、試験研究機関と普及体制とのあり方であろうかと存ずるのであります。当面改良普及制度と林野、水産、蚕糸及び開拓等の技術指導体制とどのように有機的な連携を相互に協力して持つか、これについて特別の創意をどうこらしていくか、このことが問題になろうかと思いますが、この点について大臣のあまり常識的な御答弁のみでなくして、何か特に大臣のこういう強い構想だということがあれば、大臣からの御構想を承っておきたいと思います。
#72
○重政国務大臣 先ほども申し上げました通りに、中央においては御承知の通りに技術会議があり、そして地方の各試験研究機関との関連が従来ややともすれば薄かったのでありますが、これを連絡会議を持ち、さらに現地においても連絡会議を持つ、そして普及員は許される者は試験場の身分になる、こういうふうなことによりまして現実に試験研究機関と普及機関というものが一体化をしていく、こういう方針をきめたのであります。その方針のもとに実行をやっていっておるわけであります。
#73
○足鹿委員 あとでもっとこまかく入ります。試験研究機関のあり方、現状については相当批判されておる実情であろうかと思います。学位論文のデータのための試験研究が間接的に行なわれたり、またそれに必要な点に重点が置かれたり、あるいは中央のひもつきの研究が中心になったり、いわゆる日本農業の近代化の、農民が下からいかにして試験研究機関に訴えるか、こういうことをやってくれ、ああいうことを検討してもらいたいというような問題とは別に現在の試験研究機関は運営されておると思うのであります。私の長い間の持論でありますが、試験研究機関は国または都道府県といえども運営審議会のようなものを置き、そしてこれには学者あるいは普及員代表あるいは農民代表、農協の代表あらゆる衆知をしぼって、そしてそこで論議をし要望したことが都道府県の試験場において検討され、試験をされる。そこの手に負えないものは国立の、もっと高度の試験場等において試験研究をされ、その結果がさらにその運営委員会等を通じて末端に及んでいく。こういう生きた指導体制が必要であることを長く主張してきている者の一人であります。
 現在の農業技術会議のあり方を見ておりますと、今度の農林省機構改革によって今までの改良局は農政局となりまして、技術の研究体制というものについては直属の行政機構から完全に一応分離し、農業技術会議というものは今までの改良局との関係よりもわれわれ別な一つの系統に入ったような印象を受けるのであります。今私が述べたような試験研究機関の現状がしかりとするならば、このような技術会議のあり方をもってしては、試験研究機関の総元締めである農業技術会議のあり方では、農林大臣がおっしゃったような方向にはいきそうもありません。この点について、技術会議のあり方に対して農林大臣が今述べられたような趣旨に沿うためにはどうあるべきか、こういうことについて御所見があれば承っておきたい。この点は特に重要でありますから、あとでもう少し私は触れたいと思っておりますから、御答弁願いたい。
#74
○重政国務大臣 農業技術会議の運営は、先ほど私が申し述べましたような方針で運営をすることにきめております。
 それから現地の指導員あるいは農家の諸君からこういうことについて研究をしてもらいたいということを取り上げて試験場は研究をやるべきではないか、こういう御意見でありますが、これは現地の試験場の分場あるいは地方試験場というようなところにおきましては、そういうふうな計らいも、十分ではありませんが、一応現在いたしております。しかし中央の国立試験場などということになりますと、試験場、研究機関の任務というものは今お述べになりましたようなことだけでは、これは進歩をいたしません。現に御審議を願いましたこの植物ビールス病というような研究機関を設けることになりましたのも、やはり中央の研究機関のほんとうの科学的の研究、専門的の研究の成果であろうと私は思うのでありまして、従って試験場といたしましては、中央の試験場それから地方の分化せられました支場、試験場の支所とかいうようなものとはおのずからその任務が若干違ってくるのがあたりまえじゃないか、こう考えておるのであります。中央の試験場におきましては、先ほど述べられましたような第一線の意見は地方でそれを受け、中央はそれを総合的に調整をするという任務と、それからまた現在よりさらに一段と高い見地に立っての科学的の研究というものと両面を、やはり試験研究機関としては持っていかなければならぬ、こういうふうに考えております。
#75
○足鹿委員 私は、都道府県の段階で処理すべきものを中央でやれなどというようなことは、ただいま申しておりません。そこで取り扱いかねるような、やはり示唆に富んだ大きな問題がどこにもころがっておると思うのです。そういうものがほったらかされておる。従ってそういうものを発見し、そしてこれを総合的に必要を認めた場合には、中央の試験場あるいは大学あるいは中央機関の出先等が、いわゆるブロック別の試験場等においてもこれをもっと率直に受け入れていくような体制が必要ではないかということを言ったのであります。そこで農林大臣はこの方面については、長いこと農林省においでになって御研究になっておるようでありますけれども、最近大内力氏が衆議院予算委員会の公聴会において次のごとく述べておる。試験場の制度を改良普及員とどう結びつけるかという問題がある。他方には大学における農業技術の研究なりあるいは農学の研究なりというものと技術指導をどう結びつけるかという問題がある。現在のところ試験場、ことに各府県の試験場は国からの委託試験に追われ、現実に農民が持ち、また改良普及員の程度では解決できないようないろいろな技術的な問題を試験場が真正面から取り上げ、これが解決をはかるという態勢は整っていない。問題は全体の農業教育なりあるいは試験研究なりそうしたものと改良普及員をどう有機的に結合するか、そういう点にある。こういう点についての根本的な態勢の立て直しがなければ、今日の改良普及員制度はおそかれ早かれ行き詰まってしまう。従って今や新しい構想が要求されているのではあるまいかと思う。こう述べております。これは私は、実に簡にして要を得た正しい指摘であり、今日の都道府県農業試験場のあり方に対しては十分耳を傾け、政府としても試験場のあり方等については、もっと都道府県に対しましてはこのような趣旨に沿うような方針をいかにして流し、指導するかということが大きな課題であろうかと思う。
 ついででありますから、政府に関係するいろいろな機関をこのごろあなた方はたくさんつくっておられる。そこで貴重ないろいろな文献を出しておられますが、私はこの機会に農林当局の注意を喚起しておきたい。そういう点から、「日本の農業」という雑誌を相当な権威機関が出しておる。農業調査会ですか、その九号の「普及センターとしての府県農業試験場」という座談会において小倉武一氏は「国と県を通じて、農業試験場を再編成しなければならない。(中略)県農業試験場を普及センターとして考えれば、やるべきことは県の段階で非常に多いだろう」と言っておる。つまり大内氏が一般的に取り上げた考え方というものを具体的に掘り下げて、さすがに農林省のベテランといわれるだけあって新しい一つの構想を示しておる。さらにその日に竹内博氏は「府県の農業試験場でどういうことを試験したらよいかということを考える場合に、農家がなまに発言し、要求しないことが問題だと思う。」と言っておるのです。「農家から普及員に、普及員から専門技術員に、専門技術員から試験場へと、ひとびとの意見のやりとりが三回もあって、試験場へとどいたころの問題意識は、農家のものとはすっかり変質され、抽象されており、現場の問題とずれてしまうのではないだろうか。」と指摘しておるではありませんか。これは私がしろうと論をやるわけではない。私も若干技術には経験を持ち、深い関心を持っておるものでありまして、こういうものについてはときどき目を通しておりますが、まことに今日の府県の試験場のあり方そのものずばり言っておるではありませんか。さらに竹内博氏は、別なあとの時間において「(前略)普及員の仕事の最も大きなものの一つとして、今後、この農家の組織づくりと要求のとりまとめについて努力をかたむけることを提案したい。」ということを言っておる。つまり個々の普及員が農家を指導したりなどということでは間に合わない、もっと組織された農家の意見というものを試験場へ取り次ぐべきだということを言っておる。方法論としてりっぱな議論であろうと思う。一体こういうことに対して、あなた方はわれわれ国会議員にいろいろな資料を送られるが、このような切実な問題に対していかように対処されようとしておるか。さらに日本農学会の泰斗ともいわれる戸苅義次氏は「府県試験場は、普及のセンターの相当大きな柱であるということを自覚しての試験研究を、やらなければいけないと思う。試験場というのは試験をやる場所にはちがいないが、その「試験」の内容は普及すべき技術の樹立でなくてはならない。」と言っておるのです。いいですか、現在府県の試験場はそういうことをやっておりますか。私は寡聞にしてやっておらないとは断定いたしませんが、きわめてこういう問題は軽く取り扱われておる。そこに試験研究機関と普及員、普及員と農民、そういうものが悪循環をし、累積をされて、技術員の資質の問題にも及んでくるのではないか。今日大内さんが指摘しておられる、農家の方が進んでおる、こういう批評すらも出てくるのは、こういうところにあるのではないかと思う。「(中略)試験研究も普及技術の樹立に直結するし、専門技術員もここで体得した技術を自信をもって普及できると思う。」と戸苅氏は結んでおります。つまりこういう都道府県の試験場の運営のあり方というものに対してもっとメスを入れ、もっとこれを強力に新しい態勢に直結していく構想なくして、ただそういう方針でやっておりますなどというような御答弁では私は不満であります。さらに小倉氏は「「試験場」という名前をかえて「普及所」にしてしまったらどうか。そして今の普及所を試験場の普及支所というふうにかえたらいいと思う。」とすら言っております。最後にいま一つ、みんな同じテーマで角度を変えて言っておりますが、三沢氏は「現在の試験研究組織では、試験場の研究と農家の要求とのあいだに大きなギャップがある。試験場は、研究成果を農家の経営に役立ちうるように流すと同時に、農家のもっている問題を研究のなかに反映させることが必要だ。技術研究家と農とをつなぐ役割を担うべきものが普及制度と試験場経営部だと思うが、それらはいままでこういった役割をどの程度はたしてきたのか疑問がある。」と断定しておるのであります。要するにこれだけの権威者や学者が指摘しておっても、大臣は先ほど述べられた程度でよろしいとお考えになるのでありますか。問題は端的に言うならば、いろいろやりたいことはありましょう、しかし各級の農業試験場に運営委員会をつくれ、まず下の意見を聞き、また自分たちの意見を直す、それを組織につなぐ運営委員会の構想というものを、私はこの際ぜひ取り上げるべきであろうと思います。私はいろいろな客観的に述べられた意見を総合いたしまして、私本来の持論が間違っていないという確信を持つものでありますが、この点について誠意のある御答弁をお願いいたしたい。
#76
○重政国務大臣 おおむね同感の御意見が多いのでありますが、そういうようなこともありますから、私が述べましたように普及員そのものの身分というものを試験場の身分にできるだけいたしたい、こういうので具体的にその措置をとっておるわけであります。
 それから今の運営委員会の問題、それから試験場の名称を普及所に変えるということになりますと、これは試験場といたしまして新品種の普及をやるとか、あるいは品種改良についての研究をやる、これはもう昔からやられており、足鹿さんは十分御承知のことでありますが、しかしこの昔からやられておることもきわめて重大なことでありまして、そういう問題もあるのでありますから、あるいは病害虫の問題もあるのでありますから、一がいにこれを普及所というもので、普及だけするのだというような感触を与えることもいかがかと思いますが、しかしお話しになりましたような農民なり普及員なりの意見を十分に反映をせしめて研究をやっていく、これはぜひ必要なことだと思うのであります。それがために運営委員会を設けたらどうかという御提案でありますが、それも一つの方法であろうかと思いますけれども、この点は一体どういうものが運営委員になればいいのか、十分検討をいたして参りたい、こう考えます。
#77
○足鹿委員 御善処いただければこれ以上申し上げませんが、それではその点については十分検討し、御善処願えますね。
 それでは次の質問に移りますが、最近政府が実施し、今後十カ年にわたって継続しようとする農業構造改善事業における改良普及員の職務が過重され、好むと好まざるとを問わず大きな推進力となっております。従って高度の専門的な企画力、調査能力、指浮力、高度の技術等が総合されて求められておる現状でありますが、今後専門の農業構造改善事業の総合的推進指導者を増設するとか、あるいはこれに指導の万全を期するとかというような方策は考えておられますかどうか。先ほど述べました大蔵省段階において切られました点をいま一応ここで順序上取り上げていきますが、この点について全然構想がないのか、構想は認めるが、大蔵省との間にあって問題がなかなか解決しないとすれば、どういう点が解決しないのか、大蔵省もおいでになっておるようでありますが……。
 実例を申し上げますと、改良普及員の諸君がこの調査、企画、そうしてこれを書面にしなければ、農林省でもあの膨大な資料なんかつくれません。ものすごい金をかけておるのです。しかも普及員の諸君は役場の担当員と農協長等と部落の中に夜具を持ち込み、公会堂や小さな集会所等を臨時の勉強部屋にしまして、一カ月、二カ月の間そこへ閉じこもってやるというような苦労をしておるのであります。こういう状態なしに、農林省が構造改善の指定をするあの資料を持ってこい、こういう計画は悪いから直してこいというような――あなた方は言っておられれば済むかもしれませんが、末端の諸君というものは、血のにじむというか、全く過重な労働に疲れ切った中にも、しかも地元の要請はもだしがたく、全身全霊を打ち込んでおるというのが現状であります。この現状に対して、十カ年計画で進めんとするこの構造改善事業等について特別の技術指導体制というものを考えられない限り、これは背負い切れない問題が起きてくると思います。当然過ぎるほど当然の要求であったと思うが、大蔵省は何ゆえこれを削られたのか。また農林省は何ゆえこれを政治的な問題として貫徹しなかったのか、その点を承っておきたい。
#78
○重政国務大臣 おそらく補助事務員を置く経費ではないかと思うのでありますが、そうなんですか。
#79
○足鹿委員 そうじゃないですよ。そんな問題じゃない。それももちろんありますけれども、大臣にかわって権威のある答弁をして下さい。
#80
○齋藤(誠)政府委員 お話しになりました点は、普及員の構造改善事業指定町村に対する活動費の問題ではないかと存じますが、われわれも普及員が、今御指摘になりましたように町村の構造改善事業の計画には積極的に参加し、あるいは指導に当たるようにという指導はいたしておりまして、その意味におきまして、先ほど大臣からもお話がありましたように、指定された地区に対しては普及員の担当者を定めるとか、あるいは事態に応じましては果樹なり畜産なりもありますので、それに応ずるような特技普及員の配置がえをやってもらうとかいうようなことを強く府県に指導いたしておるわけでございます。そこで普及員が市町村に行きましてこのような事業計画に参加いたします際におきましては、町村の事業費というものにつきましては予算を計上いたしておりますので、そこで町村におけるそのような経費の中から普及員が活動するに要します諸経費をある程度まかなってもらうということもできるのではなかろうか。あるいはまた普及負自身がそちらに参ります場合における指導旅費等につきましては、これは実は三十七年度におきまして約六割の増額をいたしたわけでございます。特別の日常の活動費というものは、あればそれに越したことはないのでございますけれども、そのような町村に対する事務費が相当いっておるということもあわせ考えまして、最終的にはその中でまかなおうということにいたしたわけでございます。
#81
○足鹿委員 まことに冷淡な御答弁で、そういう御答弁を聞いた第一線の諸君は失望すると思います。もっと本気にあなた方はお考えにならなければならない問題だと思いますが、大臣においても、大臣の政治的な一つの立場からこの問題については御善処を願いたいと思いますが、いかがでありますか。
  〔田口(長)委員長代理退席、委員
  長着席〕
#82
○重政国務大臣 お述べになりましたように、普及員が構造改善事業推進、計画実施について昼夜兼行で涙ぐましい努力をしていただいておるということは、私もよく承知をいたしております。従ってこの普及員の待遇につきましても、あるいはまた活動につきましても、できるだけの予算措置を講じて参りたい。また普及員自体の素質の改善をやりたい。こういうふうに、この面につきましては構造改善事業を推進すると同時に、十分なる措置を講じていかなければならぬ、こういうふうに考えております。
#83
○足鹿委員 大臣の時間がないようでありますから、以下大臣の御答弁を必要とする問題を一応ピックアップして、ちょっと質問の体系が乱れますが、あとで若干事務当局に対する質問で補わしていただきますから御了承願、います。
 以上のような総合的な問題を根本的に検討しつつ、その一環として改良普及員の待遇改善とか、あるいは専門技術員の増員とか、専門技術員や普及負の資質の向上をはかるとか、あるいは活動力を十分に発揮せしめるための機動力の充実などが関連して解決されなければならないということは言うまでもありません。そういう理解と考え方の上に立って本法案の具体的な急所ともいうべき問題について、以下数点農林大臣にお尋ねをいたします。今日までわれわれが公式な審議に入るいとまがなく、その間にあっていろいろとお話し合いもし、また問題を前向きに処理していただく点において十分いろいろと意見の交換をした点もありますので、抽象的ではなく具体的に大臣らしい見識において御答弁を願いたい。
 第一が普及員手当の創設についてでありますが、農相は参議院の附帯決議について、「ただいま御可決いただきました附帯決議につきましては、地方公務員の給与に関する事項も含まれておりまするので、十分慎重に研究をいたしまして、実現可能なものにつきましては、御趣旨に沿って努力をいたしたいと存じます。」などという答弁をしておる。「実現可能な」とは一体何をさすのでありますか。われわれは、この参議院の附帯決議なるものはまことにりっぱな附帯決議だと思います。これは実現を期してつけられた附帯決議である。「実現可能なもの」、このような答弁は、国会の附帯決議に対する答弁としては当を失しておる。当委員会などでは、こういう御答弁ならわれわれは満足できません。一体どれが実現可能で、どれが実現不可能なのでありますか。この条項に基づいてはっきりお示し願いたい。
#84
○重政国務大臣 これは私の言葉が足らなかったかもわからぬです。「実現可能なものについて」ということはそういう意味で言ったのではないのでありまして、この附帯決議の中には、ごらんをいただきますとおわかりになりますように、相当困難と思われるものと、たとえばこの(三)とか(四)とかいうようなものは、もちろん努力をいたさなければなりませんが、あるいは三十九年度からはこれはある程度やれるのじゃないかというようなものもあります。そこで一律にこれをどうするということがどうも申しかねましたので、今のようにやれるものからやって参ります、こういう意味で言うたわけであります。これはもう努力をすることはいずれの項目についても同じことでありますが、私は元来正直なものですから、そういうふうに一律にやりますと言うこともちょっといかがなものかと思って、そういう私の考えがその御答弁の中に含まれて誤解を招いたのじゃないかと思います。
#85
○足鹿委員 あなたは不用意な言葉をときどきお吐きになる。あなたの正直はお認めしますが、「実現可能なものにつきましては、御趣旨に沿って努力をいたしたいと存じます。」などということは、言い間違いでは済みませんよ。第一、事務当局の補佐も足らないじゃないですか。何ですか。一体こういうことは失敬千万です。参議院の諸君がようこれでしんぼうしたと思う。私はこれを見てびっくりした。今の答弁ならわれわれもややわからぬではありませんが、全力をあげて実現に努力いたします。努力してもできないことは一なかなかちょっとやそっとではできないこともありましょうし、そういう答弁があたりまえなんであります。正直だといえば正直だし、またあまりにも小事にこだわり、いわゆる大臣らしい土性骨のすわった御答弁とはどうも受け取りがたい。そこでこれから私が尋ねることについては、実現可能なものにつきましてはなどということではなしに、もうちょっと今述べられたような趣旨のことを一つお願いしますよ。
 そこで参議院の附帯決議の一項、改良普及手当として専門技術員及び改良普及員等普及職員一率に給料の月額の百分の十六を支給することとなっており、農林省が当初大蔵省に要求したものと完全に一致しておりまして、来年度から責任を持って附帯決議の趣旨並びに農林省の当初の方針を貫く確固たる信念と対策があるかどうか、これを一つ承っておきたい。あまりぐたぐた言わなくてもいいから、端的に御答弁して下さい。
#86
○重政国務大臣 誠意を持って努力をいたします。
#87
○足鹿委員 改良普及員とはほぼ同じ業務内容でありますから、今回の予算措置を受けておらないことは不思議と思われるような蚕糸、林業、水産、開拓等の関係者について、何分の措置を講じていないのはなぜかということであります。蚕糸、開拓は次官通達、水産は長官通達、林業と改良普及員は法律でこれをそれぞれ設置されておる。専門は違っても同じ職責にあるこれらの制度を一元化して、法的根拠をもって公平に取り扱う方針をこの際明らかにしていただきたい。この点は自治、大蔵省とも事前に協議を遂げられる時間を私はお与えした所存でありますので、自治当局も大蔵当局もおいでになっていると思いますが、その事前に協議を遂げられ、打ち合わせをせられた結果に基づいて確固たる御所信をこの機会に発表していただきたい。
#88
○重政国務大臣 これも一つできるだけ努力をいたします。今法律にありますような水産とか林業とかいうようなものは、全く御意見の通りであります。今回は初めてのことではありますし、まずできるものからと申しますか、手をつけたわけでありまして、来年度三十九年からは蚕糸とか、あるいは林業とかいうようなものはやはり同様の取り扱いをするように努力をいたします。それから自余のものにつきましては、これはなかなか簡単でないと思いますが、しかしこれもできるだけ努力をいたします。
#89
○足鹿委員 そうしますと、蚕糸、林業等については、来年は法律的な立場から同一の取り扱いをするように善処するということで間違いありませんね。
#90
○重政国務大臣 蚕糸、林業じゃなくて、水産、林業です。
#91
○足鹿委員 林業と水産ですか。――蚕糸はどうなんですか。あなたがおいでになる間に答えていただきたい点は、開拓等の関係について特にあなたは考えられなければならぬ、同じ事務所で机を並べて、同じような仕事をして、しかも開拓関係の諸君の苦労はその職種からいって著しいと思う。しかも六〇%以上は改良普及職の資格を持つ者だと聞いておる。それを今度落としたのは一体どういうわけですか。こういうことをおやりになるということは第一線の士気を阻喪し――なるほどある一部は事前に根強く陳情、要請等をやったかもしれぬ。しかしこういう人々は名が示すごとく、貧困きわまる開拓者を指導しておりますから、なかなか時間的にも余裕もない。また上京して陳情しようにも旅費もない。文書を出そうにもそのいとまもないというような不遇な立場におる者を、あまりと言えば差別が著しいではありませんか。農林大臣は参議院の北村議員の質問に答えて、三十九年度を待たずして何らかの方法を見出すよう省内で検討したいと言っておりますが、検討の結果はいかがになりましたか、伺いたい。
#92
○重政国務大臣 開拓営農指導員は御承知の通りに普及員とは違いまして、任用資格も非常に違っておるわけであります。普及員の方は任用試験によって任用をいたしておりますが、片一方はそうではないような点もあります。しかもまた、指導員の方は次官通達によってやっており、片一方は法律でやっておるというようなこともございますので、私の考えといたしましてはできるだけこの開拓営農指導員を普及員に組みかえて、そうして普及員並みの待遇に持っていきたい、こういうふうな考えを現在のところは持っております。
#93
○足鹿委員 非常にはっきりした御答弁がようやく一つだけ出たわけです。そうしますと、開拓指導員は改良普及員として吸収する、そして同じ立場においてやることができるようになると思います。けっこうだと思います。そうして開拓営農の職務に従事せしめる。しかし、そこでまた役人の問題になりますと、資格に基づく任用の問題で、では改良普及職の資格を持つ者は六〇%、あとの者はない者があるわけですね。ところが実際私どもが現地に当たってみますと、いずれも甲乙はございません。どちらかと言えば大学を出たり専門の教育を受けなくても、ほんとうに開拓者の信頼を一身に受けておるりっぱな人がおりますが、資格の上から言うとそういう人はない。従ってそれらの人々に対しては、特別の研修等を今から行なわしめて、そして改良普及員に吸収したときに六〇%の任用の資格のある者だけがなる、あとはまたほっぽらかされるというような不公平な事態ができないために善処する意思がありますかどうか、今からこれをやらなければ来年またギャップが起きますよ。その点いかがですか。
#94
○重政国務大臣 いろいろの事情があろうかと私は思います。でありますから、それらの実情を十分至急に検討調査をいたしまして、善処いたします。
#95
○足鹿委員 善処ということは、齋藤農政局長、内容的によく打ち合わせをしてありますね、大臣の意を受けて。もう少しはっきりしてもらいたい。
#96
○齋藤(誠)政府委員 大臣から今開拓営農指導員についての将来の考え方についてお話があったわけでございますが、この実行の段階におきましては、先ほど大臣も付言して申されておりましたように、営農指導員と改良普及員とはまだ若干の性質あるいはその取り扱いについての差があるわけでございますし、これを制度としてどのように持っていくかということにつきましては、なお農地局とも今相談いたしておるところでございますが、十分検討すべきものもございますので、将来の開拓指導員のあり方もあわせ検討いたしまして、普及員の制度に乗るか乗らないか、こういうことも今打ち合わせをいたしておるわけでございます。そこで、省内におきましてそういうような方向がとれるかどうかという前に調査をいたし、そのような方向がとれるといたしますならば、どのような措置を講ずべきかということにつきまして今相談をしておるところでございますので、この機会にどうだということを申し上げるわけには参らないと思います。
#97
○足鹿委員 大臣の意を受けて、私が質問をしたような線に向かってあなたたちはすると言わなければ――大臣の答弁をあなたはひっくり返すのですか。そんなばかなことありますか。
#98
○齋藤(誠)政府委員 今申し上げたのは、大臣の意を受けてそのような方向の検討すべき点を農地局と相談しておるということを申し上げたわけであります。
#99
○足鹿委員 あなたは、大臣がそこまで踏み切っておるのを何かそれを薄めるような答弁ではだめであります。だから、これはその意を受けて万全を尽くし全力をあげる、そして必ず御期待にこたえたいという答弁をすべきではありませんか。
#100
○齋藤(誠)政府委員 私から開拓営農指導員すべてにつきまして申し上げること自身も、どうも権限外でございますので、言い渋っておるわけでございますが、もしもそのような改良普及員となるようなことになりますれば、私としては全力をあげて努力いたしたいと思います。
#101
○足鹿委員 農地局長、あなたと打ち合わせしてやると言っているが、あなたには異存はないでしょうし、これはやりますか。
#102
○任田政府委員 大臣は、改良普及員の制度もありますので、その中へ開拓営農指導員の関係を吸収するというのも一つの方法だと言われておるわけでありますが、もちろん私どもといたしましてもそのような考え方を大臣からお聞きしておるわけであります。それの検討をしていかに実行に移すかということがございます。これはもちろん先生御存じの通り資格の問題はありますけれども、また一方において、対象としておる地域も違いますし、違いは若干あるにはあります。しかしながら、先生の御指摘のように、全般的には資格のある者が三分の二もおるというような実情にもありますので、その点はある程度共通した面もあります。また一方におきまして、第二次の開拓営農振興対策というものをわれわれは考えておるわけでありまして、三十八年度からその手始めを始めるというように考えておるわけでありますが、今後のあり方としましては、いろいろ開拓関係も一緒に考えまして市町村単位に営農振興対策を考えていきたいという方向にもあるわけでありまして、その点からいきますと両者相一体になったものにした方がいいのじゃないかという感じがいたすわけであります。また一方におきましては、開拓営農指導員の方々自体におきましてもやはり開拓一本でわれわれはあくまでいきたいというような考え方を持つ方もないことはない。私自身としましては、とにかく市町村の単位で一体となった営農指導の方向にいくべきものだというふうに今のところ考えておるわけであります。これは開拓者の方々自体にも先ほど申しましたような開拓一本でいきたいという考え方の方もおります。また実際に今度は身分を切りかえます場合においても、その実態がどうであるか、年令構成あるいは資格あるいはその指導力の問題、いろいろありますが、こういう点は三十八年度において十分内容を検討します。ただ、普及員の場合は三十七年度におきましては予算をとって実態調査もやっておられたわけでありますけれども、開拓営農指導員の場合は人数におきましても少ないわけでありますので、その点はわれわれは一般の事務費の中で何とか流用もしまして指導員の実態も十分調査して、そうして実施ということについてどのような方策がいいかということを営農指導員の代表者とも十分相談もしながらやっていきたい、かように考えておるわけです。
#103
○足鹿委員 了承しました。全力をあげていただきたいと思います。
 水産関係を見ますと、技術担当者には手当が支給されることになっておるようでありますが、漁家の生活改善担当普及員は手当支給の対象になっておらないそうであります。これは大臣おかしいじゃないですか。これも今度水産関係の法律において技術担当員には出すが、漁家の生活改善担当普及員には出さぬというのはおかしいじゃないですか。ともかくこの体系はしどろもどろです。もっと総合的、抜本的におやりにならなければだめじゃないですか。開拓と蚕糸と林業は片づいたが、水産関係はどうですか。
#104
○齋藤(誠)政府委員 漁家担当の生活改善普及員につきましては、従来これを農業改良普及員として農業改良助長法で扱っておるわけであります。そういう関係で生活改善普及員として漁家担当普及員には手当を出すということにいたしておるわけであります。
#105
○足鹿委員 技術関係となぜ一緒にしないか。これは一緒にしたらいいじゃないですか。
#106
○齋藤(誠)政府委員 漁業の方につきましては先ほども農林大臣からお話がありましたように、林業の改良普及員あるいは漁業の改良普及員につきまして、これらはいずれも法律的根拠が今あるものと、それからこれから御審議願う沿振法に基づいて設置するものとあるわけであります。従いまして、漁家の生活担当につきましては沿振法に基づくわけでございますけれども、しかし実際に置いている職員は農業改良助長法に基づいて行なっておるわけでございますから、そこでそういう取り扱いをしておるわけでございます。漁家なり林家なりにつきましては十分ことしの実態を見まして、農業改良普及員と同じような実態調査をいたしました上でどうするか、こういうことになろうかと思います。
#107
○足鹿委員 これは次の機会があろうかと思いますのでその際に譲ります。大臣の時間を有効に使いたいから。
 次の質問は国庫の負担率についてであります。法律によって三分の二と明記されておるにもかかわらず予算単価がきわめて低い。たとえば一般普及員の予算単価は九千四十七円、現給は二万二千百五十七円であります。国庫負担率は四〇・八三%にすぎない。これは資料がたくさんありますが、大臣は一々資料等をお聞きにならないでしょうけれども、とにかく二万二千円の現給に予算単価を九千四十七円というようなことでは、大蔵省とのあなた方の交渉が一体本気なのか本気でないのか疑わざるを得ないじゃないですか。このようなことでは二分の一にも足らない現状でありますから、不足分は結局自治体にしわ寄せになる、あるいは地元農民の石炭代やガソリン代の寄付になったり、いろいろな点で負担が転嫁される。そこで行政管理庁は指摘事項でこれをはっきり指摘をしております。きょうは午後必要があれば行管にも来ていただきますが、これは明らかに法律違反ではありませんか。このような矛盾を知りつつ今日まで放置してきた責任は、行政上の怠慢といわれても私は弁明の余地はないと思う。黙々とじみな技術指導と取り組んでいる普及員諸君というものは政治力もない。元来技術者というものはあまり政治にタッチしない。陳情運動も下手だ、またなれておらぬ、また経費もない。そういうような人々に、いわゆる黙っておっても報いていくのが、日本農業の近代化のために、高度の技術指導を双肩にになう普及員にこたえるゆえんではないかと私は思うのであります。国庫補助が現給の三分の二になるよう補助単価の引き上げ等所要の措置を早急に行なう意思があるかどうか、農林大臣にお尋ねをいたし、所信のほどをこの機会に明らかにしておいていただきたいと思います。参議院において農林大臣は、地方交付税をふやす努力をし、できるだけ改善したい旨の言明をしておられますが、自治省当局や大蔵省当局とこの点についても十分に根回しをし、打ち合わせ、協議をし、そしてこのような答弁をなさっておるのでありますかどうか。確固たる実現への責任ある御言明をこの際承っておきたいと思います。
#108
○重政国務大臣 現給そのままの三分の二とかいうようなことになりますと、これは各府県によってみな支給の標準が違っておりますので、一律に現給そのままというわけにはなかなかいかぬかもわかりません。ある一定の標準の何割ということで予算としてはいかざるを得ぬと思うのですが、今お述べになりましたように、事実とあまりにも違っておりますから、これはできるだけ早い機会に御趣旨のような方向に持っていきたい、こう考えております。
#109
○足鹿委員 少し御答弁が力弱いけれども、時間もないし、努力をするということでありますから、まあその結果を拝見いたしましょう。ある程度自信はあるでしょうね。――水準をつくるというのだが、その現給ということはなかなかいかぬという。県財政の豊かなところはこれはある程度いいでしょう。貧乏な県は、同じ職種の者で非常に泣かねばならぬわけになる。ですから、こういう非現実的な予算単価というものは、この当時の状態からは労賃も六〇%も上がって、物価も上がっている、ですからあまりにも非現実的なこのようなことを、またある一定の標準をつくって漸進的になどということでは解決はつかぬと思う。やはりそのものずばりで、これは政府の責任において解決すべき問題だと思うのです。一定の水準って何ですか。この矛盾をあなたがお認めになるならば、現給の三分の二ということでしっかりやります。こういうことは言えないのですか。大蔵省方面や自治省方面との話がなかなかむずかしければ、これはまた別な機会に、その方面にはいろいろと私どもも協力をいたし、目的達成のためにはあえて努力をいといませんが、いかがですか。
#110
○重政国務大臣 私が財布を持っておれば、御趣旨の通りにやりますと御答弁を申し上げられるわけですが、なかなかそうは参りませんので、私の今の考えは先ほど申し上げたようなわけでありまして、現実は県によりましては三分の二近くになっておるところもあるのです。それから県によりましては三分の一ぐらいしかないところもあるというのが実情でございますから、先ほど私が申し上げたようなことで一つ努力をいたす、こういうつもりでおるわけであります。
#111
○足鹿委員 私は不満であります。この点は了承はいたしかねますが、押し問答しておりましてもいたし方ありませんから、あとで自治省なり大蔵省当局にお尋ねをすることにいたします。
 次に、現在改良普及所において日傭人夫として雇用されておる事務員なるものがあります。人夫賃で八ヵ月分を計上しておる。必要を認めるならば、これを定員化することが当然起きなければならぬと思いますが、いかがでありますか。
#112
○齋藤(誠)政府委員 普及所運営についての事務費増額についての御意見でございますが、年々われわれも増額に努めて参りました。しかし現状におきましては必ずしも十分ではないと思っておりますので、これも今後運営が十分できますように努力いたして参りたいと考えております。
#113
○足鹿委員 最後に農林大臣に対する御質疑を申し上げますが、最近農業協同組合の合併が急速に進み、その規模も、本日の岐阜における事例を見ますと二十七カ組合の合併でありますか、まことに大型な合併が行なわれ、合併後においては高度の営農指導員が専門別に設置されることは火を見るよりも明らかであり、またそうなければ合併の目的は達成できないと思う。事ほどさように農業協同組合の営農指導員、あるいはこれに関連する農業団体の技術指導組織というものが現実にあるわけであります。これと改良普及員制度とを切り離して考えることはとうていできません。従って、これらの農協等の営農指導員体制、あるいはその他の農業団体の技術指導組織と改良普及制度と有機的な連携協力体制を農相はいかにして今後進めていかれる所存であるか。またあとで、午後までに資料の提出を求めますが、農協等の営農指導員の現在の状況、その内容はいろいろありましょうが、設置の状況、任用資格、研修、給与、そういったような実情について詳細な資料を提出いたしていただきたい。午後の審議に資したいと思います。この点は産業関係で実施されておりますように、嘱託普及員制度の創設等の先例もあるかのように聞いておりますが、これらの問題との関連なしにこの問題は解決できません。改良普及制度の目的を達成するためには、当然この問題を根本的に掘り返し、そうしてこれの有機的な体制というものを組み立てていく必要があると思う。でき得るならば相互に人事交流でもできるくらいの思い切った内容の充実、そして新しい運営方法というものが考えられてしかるべきだと思いますが、大臣の構想を承りまして、まだ一ぱいあるのですけれども、あなたの御都合を尊重して、この程度であなたに対する質疑を終わりますから、この点についてもしかとした御答弁を承りたいと思います。
#114
○重政国務大臣 私はただいまお述べになりました協同組合の技術員と普及員との連携関係を緊密にするということはきわめて必要であると思います。そのために町村ごとに普及員と農協の技術員との連絡会議を持って、そうして相互に緊密な連携をとっていく、こういう方向でやって参りたい、こう考えておるわけであります。
#115
○足鹿委員 はなはだ不満足でありますけれども、午後の事務当局に対する質疑で補いたいと思います。
#116
○長谷川委員長 この際午後二時まで休憩をいたします。
  午後一時三十六分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時二十六分開議
#117
○長谷川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。湯山勇君。
#118
○湯山委員 朝来、倉成委員、足鹿委員から系統的な御質問がございましたから、私は、なお午前中の質疑になかったようなこと、それから現実に改良普及員の人たちが困っている問題、直接なまの声を取り上げてお尋ねしたいと思います。
 最初政務次官にお尋ねしたいと思うのですが、改良普及員の人につい先日会いまして、何が一番困るかということを聞いたわけでございます。そういたしますと、実際にわれわれは今のような農政では自信を持って指導ができないということを率直に申しておりました。その例としてあげられたことは、もう数年前でございますけれども、養蚕が不振になりまして、桑をだいぶん抜かしたわけでございますが、そのときには、一反歩について千二百五十円の転換資金と、奨励金というのですか、とにかくそういうお金を出して桑を整理さした。ところがその整理が終わると、繭の値が非常に上がって養蚕農家は大へんよくなった。しかしその次に困ったのは麦の場合です。これは法律は通らなかったのですが、通るということを予想してそれぞれ指導したようでございます。そこで、ことしは裸麦をやってもだめだから一号をつくれとか、あるいは小麦をやれとかいうことでずいぶん指導した。ところがやってみると法律は通らなくて、実際には普及員の言った通りやらなかった人がかえってよくて、やった人は実際にはそのやったことが一向効果がなかった。一号をやった人あたりは、そういう例がたくさんあったものですから、その年は一号がだぶつきまして非常に困った。それから最近では昨年の豚の値下がりは御存じの通りでございますし、また最近では乳価の値下がりがあります。こういう基本的な問題をしっかりしてくれないと、どうしても今日経営指導を含めた技術指導ということをやっていくのには非常に困る、実際には安心して指導もできないし、自信を持って指導することもできない、こういう点をまずしっかりしてもらいたい。今のような研修をやっていただくこともけっこうだけれども、それよりももっと国全体の農業政策の方針、そういうものをしっかり定めてほしい、こういう希望が非常に強かったわけでございます。これは改良普及員に対する農民の信頼というものにつながってくる問題で、これについては農林省だけの問題ではなくて、政府全体としてもっとしっかりした方針を立てなければならないと思いますが、そういう点についてぜひ今後努力をお願い申し上げたいというのが普及員の声でございます。これに対して政務次官から一つ御所見を伺いたいと思います。
#119
○津島政府委員 ただいまのお話の通りでございまして、価格の安定というものが、自由経済を基調といたしております以上は、なかなか安定した価格を維持していくことは困難でございます。困難であるからといいまして、それをそのときの推移にまかしておくというわけには参らぬのであります。どうしても価格というものを常に安定をさせる、そこに私は農政に対する農民の信頼、また政治に対する信頼というものがあると思うのでございます。従いまして、政府はいろいろの面でこの農産物の価格の安定に心を砕いておるのでございますが、ただいまも申し上げました通り、その基本は一つの自由主義経済の上に立っておるのでございますから、思うように効果が上がらない場合が間々出て参るのであります。そこに非常に苦心が存するのでございます。ただいろいろな面で今の価格安定に関するこの制度と申しましょうか考え方、こういうものを充実して参りまして、ほんとうに農林省あるいは政府の言う通りに進めますと、農民の生活にとりまして、不安定がないのであるというような考えをだんだんに植えつけて参る努力が農林省においても政府においても必要である、かように考える次第であります。
#120
○湯山委員 今の問題に関連して局長にお尋ねいたしたいと思います。
 今度の構造改善等について、これは局長の御担任ですから、積極的に改良普及員等の働きによってこれを進めていこうという御計画だと思います。足鹿委員の御指摘もその点いろいろございましたが、そういう場合に、今のように農政の基本が価格政策等についてきわめて不十分である、これは局長もお認めになると思うのです。そういう状態の中で、先ほどおっしゃったように、改良普及員によって経営の指導等もやっていく、こういうことがほんとうに期待したようにできるとお考えになりますか。それは確かにそういう点の問題がある、これは何とかしなければならない、こういうふうにお考えになっておられますか。いかがですか。
#121
○齋藤(誠)政府委員 お尋ねの点は、普及員が直接農民に接触いたしました場合におきまして、将来の農業経営におきまする価格、経営の収支、そういった問題を当然に農民から普及員に聞かれるわけでございまして、その際普及員としては普及員だけの頭をもって、あるいは知識をもってはなかなか答えにくい、従ってまた指導の分野におきましてもいつもその問題について悩まされるという話を聞いておりますことは御指摘の通りでございます。ただ、これは国なり県なりの価格政策との問題でございまして、直接普及員といたしまして、そういう問題について責任を持ってやるというような職務には、必ずしもなっておらないことは御承知の通りだと思います。従って普及員のできる限度といたしまして、そういう状態のもとにおいて、技術的にはどのようなことが考えられるか。果樹について例をあげますならば、果樹をこの地帯に植える場合、温度なり気象なり、あるいは土性なり品種なり、そういったものがいかなるものが一番適応するものであるかといった、先ほど来申し上げましたような専門の知識あるいは技術、こういうものについてサービスを提供する、こういうことで話し合って進めていく以外にはないであろう、こう考えておるわけであります。しかし普及員自身といたしましては、やはり奨励事業の末端における推進者にもなっておることも事実でございますので、普及員に対してそういうことに対する指導の指針というものについては、担当の県の改良課なりあるいは農林省の普及部に「おきましても、情報としていろいろ流して参る、そして指導の参考に資しようというようなことについては、われわれも配意いたしておる次第でございます。
#122
○湯山委員 申し上げておるのはそういう今のような意味のことじゃないのです。今度の構造改善等の中で、経営指導等をやらせるという方針でしょう。その場合に、さっき倉成委員から御指摘があったように、国の方はこういう方針だというので間接にしか受けません。しかし桑を抜け、そのあとこうしろという指導は、現地で直接国の方針を受けてやるわけです。それがうまくいかなかった場合には、毎日顔を合わせる直接そういうことを言った改良普及員が全責任を負ったような形になるわけで、さっきおっしゃったように、責任を持たない職務にあるのだといっても、現実にはそうなってくるわけです。それが将来ほかの指導をも権威を失わせることになる。だからそういう点については、よほどしっかりした国の方針を立てないと、いいかげんなことをやったのでは、幾ら留学させて技術的な面だけの知識をつけてもだめだ。そういう点については末端の改良普及員の立場を考えて、農政指導に当たらなければならない。さっき倉成委員が、局長の御答弁としてはけっこうだけれども、実態はわからないと言われた意味は、そういうところにもあったと思うのです。こういう点は農家のなまの声ですから、一つしっかり気をつけてやっていただきたいと思います。
 それで、この問題はそういう基本の問題ですからそれだけにとどめまして、次にはそういう大切な改良普及員の給与を、さっき足鹿委員から御指摘がございましたが、どうして九千円程度に押えたのでしょうか。これは学校給食の給食婦あるいは保育所の保母さん、みんな低い方の代表ですが、それよりも低く見られておるということになるのじゃないでしょうか。九千幾らというのはどうなんですか。
#123
○齋藤(誠)政府委員 ちょっと御質問の趣旨が了解しかねたのですが、手当の問題でございますか、それとも給与の問題ですか。
#124
○湯山委員 給与です。改良普及員の給与は実際は二万二千幾らというのを、今の三分の二負担の対象とするものは九千幾らにしかなっていないわけでしょう。さっき足鹿委員が大臣に御質問になった数字そのまま言っておるのです。
#125
○齋藤(誠)政府委員 ちょっと御質問の意味がよくわかりかねるのでございますが、現在の普及員の補助単価が九千四十七円として予算で計上いたしておるわけです。これがいわゆる三分の二の補助に該当する補助単価である、こう言っておるわけでございます。それに対しまして、現在の現給では私どもの方の調査によりますると、二万二千百五十七円でございますから、これでいきますと、補助率が約四一%になる。本来ならば六六%になるべきものが四一%程度の補助率では少ないのではないか、つまり三分の二にするように予算額をふやすべきではないか、こういう御質問であったと思うのです。九千円というのは補助単価で、予算としての俸給単価ではないわけでございます。
#126
○湯山委員 それでよくわかりましたが、予算としての補助単価が一万三千五百円程度ですね。そうなりますね。そうすると実態が二万二千円あるのに対して、その給与を一万三千五百円と押える根拠はどこにあるか。今おっしゃったように、これにしてもとにかく低過ぎるんでしょう。
#127
○齋藤(誠)政府委員 ちょっと私から補足して御説明申し上げたいと思いますが、先ほど大臣がお話しになりましたように、普及員の予算の実際の支給額につきましては、これは県によって非常にまちまちであるわけでございまして、富裕な県におきましては、おのずから現在支給している額も大きい。それからそうでない地帯におきましては、それより低いところもある。従って、現在におきましても府県におきましてほぼ三分の二に見合う補助額になっておるところもありますし、それから非常に県の方で現給の高いところもありまして、その結果平均としては今の三分の二の補助率が半分以下になっておる、こういうことでございます。従って、現在各府県が改良普及員のためにいろいろの待遇上の改善をすることについては、これは決してわれわれとして阻止すべきものでもないし、望ましいこととも考えておるわけでございますが、国として現在の支給額をそのまま認めて、そして三分の二にするというふうな考え方ではまずい、こういうことを大臣からも申し上、げたのでございます。
 そこで、このように額が開いたゆえんには、今申し上げましたように、その後における地方庁の、府県のいろいろな実情によって改善された部分もあるわけでございますが、当初普及員として出発いたしました場合におきましては、大体現給とほぼ一致しておった状態から、その後において今申しましたような各府県のいろいろの事情によって改善されてきた。しかしそれには、府県によって三分の二の補助率になっておるところもあれば、三分の一になっているところもある。平均して二分の一以下になった。これには今申し上げた事情のほかに、当初われわれとしては、改良普及員の一応の資格としてはこのような学歴構成、このような年令構成ということを一応想定して補助単価等もきめたわけでございますが、府県によりましては、改良普及員の年令構成なりも変わって、当初予定したよりも相当高年齢者もふえておるというようなところにおきましては、おのずから実際の支給額というものがふえてくるということもあったと考えられるわけでございます。従って現給そのものと直接に比べまして、そしてそれが三分の二になっていないということだけでは、直ちに三分の二にすべきである、あるいは今の二分の一以下を改善すべきであるということにはならないんじゃないか。ただ現在の実態から見まして、妥当な一つの基準にだんだん改善していくということについては、先ほど大臣からお話がありましたように、今後とも努力していきたい、こう申し上げたわけでございます。
#128
○湯山委員 今の御説明は全然納得できません。
 自治省の方にお尋ねいたします。自治省の方では、改良普及員の給与の月額を幾らに見て財政計画を立てておられますか。
#129
○茨木説明員 私の方は地方公務員の方の統一単価を使っております関係上、乙吏員、丙吏員いろいろ種類がございますが、乙吏員の場合には、年間でございますが、六十二万七千二百六十二円、丙吏員の場合が四十六万四千三百四十一円、こういう単価を使っております。
#130
○湯山委員 これは改良普及員の給与ですか。
#131
○茨木説明員 改良普及員の場合にその単価を使っておりますが、これは改良普及員のみならず、地方公共団体の、県の場合でございますが、県の一般職員の単価でございます。
#132
○湯山委員 なお自治省の方にお尋ねいたします。それでは財政計画はこれで行なわれておるわけですから、各府県は大体それに対応する額を出しておるわけですね。
#133
○茨木説明員 普及員の場合には、基準財政需要額の中に、地方負担額を入れるわけでございますが、今の単価を基礎にいたしまして、三分の二国庫補助があるものといたしまして、それを差し引きました残りの三分の一を入れる、こういうことにいたしておるわけでございます。結果的には国庫補助とほぼ同額ぐらいの額が構成上は入っておる、こういうことになっております。
#134
○湯山委員 そうすると自治省の方では、国の補助がたとえば六十二万の場合は、単価としては二十何万見ておられるわけですね。
#135
○茨木説明員 六十二万の場合には、その三分の二というものが国庫補助があるものと考えておるわけであります。
#136
○湯山委員 そうすると一人当たり四十万程度を見込んでおられる、こういうことですね。御答弁願います。
#137
○茨木説明員 基準財政需要額の計算の算定の根拠といたしましては、今申し上げましたようにそれの三分の二が国庫補助率でございますから、それを一応特定財源として差し引きまして、残りの三分の一を地方財源として基準財政需要額に入れる、こういう計算をいたしております。
#138
○湯山委員 そうすると齋藤局長、今自治省の方では、今の地方財政計画の中では、大体乙、丙というのを見ますと、四十万あるいは三十万程度見込まれている。ところが農林省の方で出す分はそれの三分の一か四分の一か出していない。ずいぶん大きな食い違いですね。こういうことは前もって自治省と農林省との間には御相談はないのですか。
#139
○齋藤(誠)政府委員 農林省のこの種の補助金につきましては、補助職員一般の単価としてきめたものに基づいて助成金を出して参る、その後において公務員のベースアップごとに単価の改定をいたして参ったわけでございますが、自治省の方からはかねてこの単価の改定についての希望があったわけでございまして、私どもの方もそのような努力をいたしておるわけでございます。しかし自治省としましては、現在支給している各府県の基準財政需要に織り込む場合におきまして、今自治省の方からお話のありましたような単価で交付税を算定される、こういうことになっておるわけでございます。
#140
○湯山委員 これははなはだけしからぬ話で、同じ政府の中でそんなふうに大へんな食い違いがあるということは大きい問題だと思います。その上自治省の方から改定の要請があったのにそれをそのままにしているというのも怠慢だと思います。
 大蔵省の相沢主計官にお尋ねいたします。今のような場合、これは直接農林だけの問題じゃなくて、地方公務員全体の問題ですけれども、あなたの御担当になっておる地方公務員関係の給与というものについてどういうふうにお考えになっておられるか。大体地方公務員は国家公務員に準ずるというのが建前で、全体的にそういう体制がずっととられてきております。そういう中で改良普及員に関する限りは、こんなふうに、ずいぶん国の方針とも違っている。自治省のこれとも違っている。予算要求があれば、主計官であるあなたは農林省の方はこんなでたらめな数字を出してきちゃいかぬということで、そういうことがほんとうの査定の趣旨じゃないんでしょうか、削るだけじゃなくて。相沢さんがそういう方でないということを私も信頼しておるわけですが、どうなんでしょうか、一つ御答弁願います。
#141
○相沢説明員 地方公共団体の補助職員の給与の補助単価につきましては、現実の給与と合わないという点でいろいろと問題がありますことは、単に農林関係に限らないわけでありまして、厚生省関係でも、たとえば保健所職員について同様な問題があり、その他にも相当例があります。そこで私どものそういう補助職員についての予算単価をきめます場合の考え方について申し上げますと、これは実際に都道府県が支給しておりますところの現給の三分の二とか二分の一というものを常に予算に計上するということにいたしますと、御案内の通り現在ではかなり各府県間に給与の差がございます。これは単に学歴、経年数というようなものによる差ではなくて、給与の水準においてもいろいろと実質上の差がある、そういった点によりますものですから、予算単価として現給の常に三分の一とか二分の一をとるということについてははなはだ問題があるわけであります。そこで私どもの考え方としましては、たとえば改良普及員について申しますと、専門技術員については俸給表の四等の二号、普及所長は五等の三号、特技普及員は六等の三号、一般普及員は七等の四号という一応の基準を設けまして、それに対応するところの国家公務員の給与をそのまま予算単価に使う、こういったことをしておるわけであります。もちろん国家公務員の給与改定がございました場合には、それに応じまして単価の改定はいたしております。従いまして年度途中にあったような場合には、補正あるいは流用で見るという措置をとっておるわけであります。ただ考え方としまして、国としては大体一般普及員については七等四号程度の人がその職に当たることを予定するという考え方でやっているわけでありまして、現実の問題として、たとえば普及員が全然人がかわりませんで長いこと勤務いたしますと、毎年度の昇給によって自然と号俸が上がっていく、そういうことが原因で、予算単価と現給単価が離れるという問題はあるわけであります。しかしながらそれをどの程度見込むかということも、なかなか各職種あるいは勤務の態様によりまして異なるものですから、予算上の単価としては、これは農林関係の普及員に限りませず、他のものについても同様でありますが、一応の想定給与単価というものをもとにして予算を計上するということでやっておるわけであります。
 そこで、地方財政計画なり交付税の策定基礎になる単位費用中における給与単価との関係でありますが、御案内の通り、地方財政計画におきましては、その歳出面における給与費所要額としましては、都道府県の職員の給与実態調査を基礎にいたしまして、国家公務員に準じて毎年度昇給財源を見る、給与改定があれば当然それも織り込むという措置をとってきておるわけでありますので、地方財政計画上は所要財源が保証されているという形になっておるわけであります。その地方財政計画上の給与単価と、交付税算定上の基準財政需要額の積算の基礎となります単位費用、その基礎になる給与単価との関係でありますが、その給与単価は、これも一応自治省が現給等を勘案して理論的な給与単価として算定しましたものを用いて、それから、国庫補助金がある場合には、その三分の二なり二分の一を、補助率のきめ方に応じて落として、残りを単位費用に計算するというやり方をしております。この三者が原則としてはできるだけ少なくとも近いことが望ましいことは申し上げるまでもないと思いますが、ただその交付税の配分の算定の基礎になります単位費用は、御案内の通り、あくまでも実際の基準財政収入額の、都道府県の場合は八割、市町村の場合七割に相当するものを控除してやっておるわけでありますから、当然地方財政計画上の給与単価よりも若干下がって組まれるというのが理論的に妥当なわけであります。そういったような関係がございまして、総体としては、とにかく改良普及員につきましても、地方公共団体に所要の財源の保証されているという形になっておりますものですから、やり方についてはいろいろと御批判もあるかと存じますが、全体としてはまあまあ説明はつくというふうに考えております。
#142
○湯山委員 今あるのはこういう事情でこうなっているんだ、こういうことの説明はわかりました。しかし、相沢主計官がおっしゃったように、これはなるべく三者は、今の自治省の考えているもの、自治体、農林省の方でお出しになるもの、そういうものに近づくのがほんとうだ。その本来あるべきものから言えばこれは例外くらい離れておると思います。それから財政計画に比べて若干下回るのが常識だ。これも私もよくわかります。しかし、これは若干下回るというそういう常識の範囲を越えていると思うのです。ただ財政計画の中でそれに対応する部分は見られている、ここだけはわかりました。それ以外のことは主計官自身もこれは工合が悪いということをお述べになったものだ、こう私は受け取ったわけです。よろしいですね。
#143
○相沢説明員 先ほど私申し上げましたことで若干補足さしていただきますと、私は現在の補助職員の給与の予算単価の算定の方法がはなはだまずいということを申し上げるつもりはなかったのでありまして、これは立て方の相違の問題でございますので、現在のものが絶対にいいとは申し上げませんけれども、しかしこれで間違っているから直ちに来年度以降直さねばならぬとか、そういったような意味で申し上げておるのではありません。
#144
○湯山委員 そういうことを言われると、まだ質問をずいぶんしなければならないことになるわけです。相当自信のある主計官が立て方がまずいということをお認めになったので、それなら一つぜひ直していただきたい、これは強く御要請申し上げたいと思います。そうしないと、こんなことをしておったのでは、せっかくいろいろな新しい任務を与えて、そして大事な仕事をやらそうという、そういう意欲さえも失わせる結果になるおそれがあると思うのです。これは局長よく覚えておいて下さい、大事なところですから。主計官も確かにまずいということだけはおっしゃったので、直す直さぬの問題は別としても、まずいということだけは――間違っているとも言わないけれども、まずいということだけははっきりお認めになられたわけですから、来年まずくないように、ぜひ一つやっていただきたいと思います。大体地方公務員の給与というものの単価の常識というのがあるわけですね。そういう常識とこんなはずれた単価のとり方、これはぜひ是正をお願いして、次の問題に移ります。
 それは工房の問題ですが、さっき局長はこの問題について、学歴に差があるから、こういう差をつけたんだということでしたですね。これは間違いありませんか。
#145
○齋藤(誠)政府委員 賃管の一六%の基礎になりました実態調査によりますと、これは十七県で調査をいたしたものの結論でございますが、教育職、研究職、普及職と学歴の比率を出しております。これによりますると、教育職の場合は、大学卒業が三七%、研究職の場合は三六%、普及職の場合は六%というようになっておりまして、中学卒業が教育職の場合は七%、研究職の一場合は二四%、普及職の場合は、普及員の場合は五二%というような比率になっておるわけでございます。従って現在の改良普及員の俸給と、それから研究職と比較してみた場合に、一六尾の実態の開きがある、一五・七%の開きがあるというのが出ておるわけでございますけれども、これを職務手当として支給する場合に、この報告にもありますように、普及員の性格が、研究職と行政職の中間の位置に位するものであり、また内容としては教育職の性格も持っておる。そこで教育職や研究職については、別の俸給体系があるわけでございますが、その際普及職と比較いたしました場合に一五・七の開きがある。これはそのまま現在のを比較いたしたものでございますので、これを手当として支給します場合には、当然学歴差を消去して適用するのが妥当であろう。御承知のように、中学出を採用する場合の初任給あるいは大学を出た場合における採用の初任給というのは、各県にそれぞれ基準を設けておりますが、これをさらに当然その差額を消去すべきであろう、こういう見地に立ちまして、消去した結果が一六か一二である、こういうことにいたしたわけでございます。
#146
○湯山委員 その説明も私は納得できませんので、学歴というのは集団をつくっているものではなくて、改良普及員の中の大学を出た人もいるし、研究所の人にも大学を出た人もあるし、局長も今の御答弁からいえば農林省の中でも、たとえば局長の農政局は大学出が多いからこれは手当をよけいにする。あるいはどこそこのそれが少ないから手当を少なくする、こういうことにまでなっていくのじゃないですか。つまりその集団が対象になるのじゃなくて、学歴というのは個人に所属しておるわけです。ですから同じ職に当たっておって、改良普及員の中で大学を出た人、それから研究所で大学を出た人、あるいは高校を出た人、どちらにもあります。しかし他の人に大学を出た人が多いからといって、研究所の高校出の人が他の高校出の人よりも有利になる、そういう御説明ですね。今の説明ではそれは私は了解できかねると思うのです。そこで今研究職との差が一六あるといえば、これはまず第一にお尋ねしたいのは、今いろいろな研修とか、教育とか、資格の向上とか、そういうことを言っておられるのですが、そうなればこれは一緒になるわけですか、局長の理論をもってすれば。
#147
○齋藤(誠)政府委員 御承知のように、今改良普及員についての俸給は行政職の俸給が適用されておるわけです。そこでまず今お話しになりました、私が簡単に学歴差を消去するというふうに申し上げましたが、集団として計算したものではもちろんございません。同じように改良普及員で年令も一番集中しているのが三十四才でございますので、三十四才の、たとえば短大なら短大を出た普及員と短大を出た研究職を比較するとか、あるいは中学校を出た者と比較するとか、これらはいずれも同じような学歴について見ました場合に一二%の結果になる、こういうことでございます。従って今後普及員の俸給が行政職を適用している関係を、今申し上げたような手当によって研究職に近いものにしていこう、こういうことにいたしたわけでございますが、それには今の普及員自身がもっと研究職的な分野あるいは教育的な分野も当然包含されておりますので、そこで普及員自身の資質をそういうものに向上して参りたいということでございます。しかし今のままにおきましては、かりに向上しましても俸給表が別々でありますから、そこでやはりこのような措置が必要であろう、こう考えておるわけです。
#148
○湯山委員 俸給表というものは変わるものなんです。変えようと思えば変わるものです。何もそれにこだわる必要はないと思うのです。実態がどうなのか、実際にどうするかという方針がはっきりすれば俸給表は変えてもいいし、あるいは改良普及員は研究職に入れるのだという給与表の下のただし書きを変えればいいだけです。これは法律じゃなくて、人事院規則でもできるのじゃありませんか、あの勧告のときに……。御説明では、とにかく学歴がそうだということですけれども、学歴だけなら、すでにその俸給をきめるときに学歴、勤務年数というものは考慮されているわけだから、学歴差はついておる。今度また手当にまで学歴差をつけるということになると、そういう点では二重の不利になるわけですね。基礎になる本俸がすでに学歴によって差がついているわけです。その上に今度手当まで学歴によって差別をつけるということになると、学歴による差別が二乗されるというわけじゃないでしょうが、もう一度二重になって加えられる、こういうことになるわけです。これは不合理じゃないですか。
#149
○齋藤(誠)政府委員 ちょっと先生の御質問の趣旨を了解しかねるわけでございますが、学歴によって差があります場合があることは、これは研究職の中におきましても、あるいは教育職の中におきましても、行政職の中におきましても、あるわけです。これは今回の措置については何ら触れていないわけです。そうではなくて、行政職と研究職との間に差があるわけでございますが、普及員が現在は行政職としての適用を受けておる。そこで、普及員の勤務実態から見まして、はたしてどのような性格のものであろうかということは賃管の方で実態調査した結果、報告された一わけでございまして、それによりますと、「普及職員の勤務実態と業務内容並びに資格要件を検討した結果、普及職員の位置は、あたかも行政職と研究職の中間において認識され、併せて教育職的要素がこれに附加されている。」こういう職務実態になっておるということを言っておるわけでございます。そこで「普及職員の業務は、その職務の複雑・困難・責任の度もしくは勤労の強度、勤務時間、勤労環境等において著しい特殊性が存在している。」これが行政職と普及員との職務の特殊性を言い表わしておるわけでございます。そこでこの特殊性ということにかんがみまして、先ほど申し上げましたように、行政職の俸給表を適用している普及員と研究職を比べてみた場合、その中間的な位置に位する取り扱いにすべきではなかろうか、こういうことでそのギャップを今申しましたように普及員の職務手当という形で埋めようとしたのがこの一二%でございます。従って学歴差と二重にということは全然ございません。
#150
○湯山委員 その点はわかりましたが、それならさっきのあなたの説明は間違っていると思います。というのは大学出が何%、こういうことを材料として――数的なものはそれしか出てこなかったのです。一方には大学出が三、四〇%いる、一方には何%しかいない、こういうことから出てきたから、それじゃ倍加される。これは説明が足りなかったと思うのです。しかしそういう中から言っても、=死というものはやはりさっきのお話のように再検討の要があると思いますから、これはぜひ一つ早急に改めていただきたい。当然答申にあったところまでいかないと、それは今おっしゃったような理屈が通るとすれば、かえって一二%は合っていないわけですから、ぜひ御検討願いたいと思うわけです。
 それから最後に小さい問題ですが、これも普及員の人のなまの声ですけれども、今度スクーターとかオートバイ、こういうものをどんどんふやしている。これは大へんけっこうなんです。ところが困る問題は事故があった場合です。夜おそくなりますし、それから無理な勤務をしますからときどき事故もあるようです。その事故の中にちょっとしたミスがあっても、これはやった人が悪いということになって、車の補修代ももらえないし、業務上の災害の適用も受けられない。こういう例もぼつぼつあるようです。そういうことについては、先ほどおっしゃったように勤務が非常に夜おそくなる。そうすると寒いときにはしょうちゅう一ぱい飲んでいかんかというようなこともないとも限らない。(「それは交通違反だ」と呼ぶ者あり)まあそれは断わるにしてもいろいろなことでぶつかったりなんかしたときに、今のようなことで非常に困っている者もあるのです。そういう事例をお聞きになっておられますか。
#151
○齋藤(誠)政府委員 ちらほら聞いております。
#152
○湯山委員 そうしますと、せっかくスクーターやオートバイをやっても、かりに急いでおって横からぶつかったり一時停車をつい怠ったというような場合には、弁償や、業務上災害の適用は全く受けられない。それはちょっと酷じゃないかと思うのです。そういうことについて何らかの配慮がございますか。
#153
○齋藤(誠)政府委員 今のお話は本人でありますれば、当然地方公務員でございますから、災害に対する公務傷害とかいうような措置があるわけでございます。
#154
○湯山委員 罰金の問題もあるし、それから車の修理、そういう問題はどうなりますか。
#155
○齋藤(誠)政府委員 スクーター自身がこわれて修繕をするというような経費もおそらく御指摘のようにかかると思います。もちろん公用で配置しておりますスクーター、オートバイ等の修繕費につきましては、わずかではありますけれども、普及所運営の庁費等から出してもらうとか、あるいは府県はそれにある程度のそういったものの経費についても出しておるようでございますので、十分とは言えませんけれども、そういうような措置も可能であるわけでございます。
#156
○湯山委員 そういう場合に、公務執行中にそういうふうな車がこわれたというような場合は、当然本人の負担にはさせないということにはならないのですか。
#157
○齋藤(誠)政府委員 もちろんそういうような場合におきましては本人自身が公務傷害の適用を受けるわけでございますから、公用のオートバイ、スクーターについての修繕費等につきましては、当然普及所の運営費等においてまかなう方がよいのではないか、こう思っております。
#158
○湯山委員 思いますではなくて、当然持っていただかなければならぬと思いますが、本人に若干のミスがあった場合、そういう場合はどうでしょうか。
#159
○齋藤(誠)政府委員 いろいろの場合があろうと思うのでありまして、けがした場合に、ほんとうの公務でやった場合もありましょうし、あるいは多少の飲酒もあって傷害を受けた場合もありましょうし、いろいろの場合々々によって指導していく以外にはなかろうかと思います。
#160
○湯山委員 いろいろな場合があるということは、これはわかります。そういうことはわかるのですけれども、いなか道を走っておって、一時停車を怠ったとか、あるいはうしろに乗せてはならぬ程度のものをうしろに乗せて走っている、そういうことはあるのですね。これは統計調査あたりにも同じような例があります。そういう場合に、つい当たってけがをしたという場合に、そういうけがも業務上のものと認められない場合も過去においてありました。そういう場合に車がこわれたのはとにかく、二人乗りをやっておったことが悪いとか、一時停車をしなかったからいけないとか、そういう場合警察で調べますから、そうすると罰金もくるし、それから今のように車の破損も自分で持て、こういうことになるのです。そこまでいくと、具体的な場合、いなか道を行っておって、つい一時停車を怠ったというような場合、その程度の軽さです。重い、たとえば酔っぱらっておってというような場合は別でしょうけれども、そういう程度の場合は、これは公務に熱心なためにそうなった場合もあるわけで、どうですかね、そういう場合のは今おっしゃったような公費で見るという範疇に入れるわけに参りませんか。
#161
○齋藤(誠)政府委員 お話の通り、いろいろの場合もありまして、確かに同情すべき場合も非常にあろうかと思います。実際問題といたしましては、普及事務所長なり、あるいは場合によりましては県の改良課長あたりがその間に立ちましていろいろの善後措置を講じておるようでございますが、仕事の熱心なあまりにそのようなことがあった場合におきまして、できるだけ本人の負担にならないように、具体的なケース、ケースに応じて対処するように指導して参りたいと思います。
#162
○長谷川委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#163
○長谷川委員長 別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。
 農業改良助長法の一部を改正する法律案について採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の御起立を願います。
  〔賛成者起立〕
#164
○長谷川委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決いたしました。(拍手)
#165
○長谷川委員長 この際、足鹿覺君外二名から本案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 趣旨弁明を許します。足鹿君。
#166
○足鹿委員 農業改良助長法の一部を改正する法律案に対する附帯決議を付するの動議を、自由民主党、日本社会党、民主社会党を代表いたしまして提出いたします。
 案文を朗読いたします。
  農案改良助長法の一部を改正す
  る法律案に対する附帯決議
 政府は、本法の施行に当り、左記各項の実現に努むべきである。
    記
一、専門技術員及び改良普及員に対
 する待遇を改善するようすみやか
 に所要の措置を講ずること。二、農業改良普及事業に対する国の
 補助単価が実情に即することとな
 るよう予算の確保に努めること。三、専門技術員及び改良普及員等普
 及職員の資質の向上を図るため、
 特技研修、大学留学制度等を拡充
 するとともに、機動力をさらに充
 実すること。四、農林水産業普及事業の総合的か
 つ効率的な運用を図るため、農
 業、林業、水産業、蚕糸、開拓部
 門別に制度化されている技術、経
 営指導及び生活改善等指導の体制
 を整備するととともに、試験研究
 機関との有機的連けいを図りうる
 よう検討すること。また農協等農
 林漁業団体の技術指導組織との関
 係についても、技術連絡協議会を
 活用する等により改良普及制度と
 密接な連絡協力態勢の確立に努め
 ること。五、生活改善普及員制度の一層の充
 実に努めること。六、農業就業構造の変化に対応し、
 農村婦人に対する農業技術指導が
 計画的に行なわれるよう配慮する
 こと。七、農業構造改善事業の実施による改良普及員の職務加重化にかんが
 み、超勤手当、活動費等の増額に
  ついて実情に沿うよう遺憾なきを
  期すること。
 八、改良普及所の事務補助職員につ
  いては、必要に応じこれを定員化
  するよう検討すること。
 九、林野、水産、蚕糸及び開拓等の
  都道府県指導職員等については、
  すみやかにその職務の実態を調査
  し、専門技術員及び改良普及員に
  準じた給料及び諸手当が支給でき
  るよう努めること。
 右決議する。以上でございます。
 趣旨なりその動議の提出の理由等につきましては、午前中からの質疑を通じて明らかになっておると存じますので、これを省略いたします。
#167
○長谷川委員長 お諮りをいたします。
 足鹿覺君の動議の通り決するに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#168
○長谷川委員長 御異議なしと認めます。よって、本案に附帯決議を付する一ことに決しました。
 ただいまの附帯決議に対する政府の所見を求めます。津島政務次官。
#169
○津島政府委員 ただいま全会一致で附帯決議にあずかったのでありますが、拝聴いたしておりますと、各項目ともまことに重要な問題でございます。どうしてもこれらの問題につきまして解決をするために検討を加えまして、今後善処を続けて参りたいと思います。
    ―――――――――――――
#170
○長谷川委員長 なお、本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#171
○長谷川委員長 御異議なしと認めます。
     ――――◇―――――
#172
○長谷川委員長 農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、これを許します。仮谷忠男君。
#173
○仮谷委員 私は、ただいま議題となりました農業災害補償法の一部を改正する法律案の審議を進めるにあたって、この際、特に委員長並びに政府当局に一言御質問をいたしまして、その所信を承っておきたいと思うのであります。
 まず委員長に伺いますが、現行の農業災害補償法が農業の実態に適合していないことは今さら申すまでもなく、制度改正を要望する農民の声はまことに切実であります。早急な改正が行なわれない限り、もはやせっかくの制度も根本的にくずれ去るおそれすら多分にあると思うのであります。しかるに、本改正案は第三十八国会以来審議未了、継続審議、あるいは廃案といったように二転、三転して、実に三年間も農民の前にたなざらしにされている状態であります。私は、もはやこれ以上の遷延は国会の権威と責任の上からも断じて許されないと考えるのであります。端的に言って、できるならば与野党一致の話し合いによって、自然休会までにせめて参議院送付程度にまでは進めてもらいたいと念願をいたしておったのでありますが、すでに時間的にも不可能に近い現状であります。
 そこで委員長に伺いたいことは、本案については、休会明け冒頭の委員会より質疑を続行して、すみやかにこれが可否の決定を行なうべきであると考えるのでありますが、その取り扱いについて明確なる御所見を承っておきたいと思うのであります。
 なお政府当局に対しては、法案の具体的内容については次回に譲ることにいたしまして、私はむしろそれ以前の問題として承っておきたいと思うのでありますが、率直に言って、三十八国会以来の政府当局の態度は、どうも積極性、自主性に欠けていると思うのであります。幸い今回は農協、農災両団体の話し合いもつきまして、覚書の交換も行なわれましたことは、本法案の成立の見通しを明るくするものでありまして喜ばしいことであります。関係者に対しましては深く敬意を表するのでありますが、しかし、このことはまた裏を返して考えてみるならば、もし両団体の同意が得られなかったならば、法案の運命はまたぞろ前国会の二の舞、三の舞に終わるであろうことも想像にかたくないのでありまして、一体だれのための制度改正かという、行政の本筋をわきまえるならば、まことに自主性の乏しさを遺憾とするものであります。当局はもっと強い責任感と指導力を持って対処されるべきではないかと思うのであります。私は農民のために当然そうあるべきことを今後に期待をいたしたいと思うのであります。
 そこで、念のために一点伺っておきたいと思いますことは、両団体の覚書は一応交換されたとはいうものの、問題はまだ若干残されておると思うのであります。従って今後の円滑な実施は、かかって当局の指導いかんにあると思うのであります。この際政府の確固たる指導方針について承っておきたいと思うのであります。
 以上で私の質問を終わります。
#174
○長谷川委員長 仮谷君に委員長からお答え申し上げます。
 御承知の通りに、全国から毎日のようにこの法案を促進せよとの陳情が各位に参っておるわけでございまして、われわれ当委員会全員これらを了承し、少なくとも御期待に沿いたいと考えておりましたけれども、御承知のように委員会は予算関係法律案が優先をしておりますので、一応これらの法案の審議が今日まで続けられておったわけであります。これらに対しましても解決をいたしましたので、休会明けと同時に委員各位の努力を傾けて御期待に沿いたい所存でございますから御了承願います。
#175
○津島政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま御審議をわずらわしております農業災害補償法案は非常に重大な案件でございますが、ただいまもお話がございました通り、三年越しの大きな問題でございます。従いまして、現下の制度から照らしまして、この法案が通過をいたしました場合におきましては、従来ややともすると非常な不満を持っておりました農家の方々に対しましても、やや御満足がいけるものであるということを私どもは確信するものでございます。従いまして、これの御審議に対しましては、当局といたしましては十分に御説明も申し上げまして、この通過をはかりたいと思う次第でございます。
#176
○長谷川委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会をいたします。
   午後三時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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