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1962/05/14 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 農林水産委員会 第27号
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1962/05/14 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 農林水産委員会 第27号

#1
第043回国会 農林水産委員会 第27号
昭和三十八年五月十四日(火曜日)
    午前十時三十八分開議
 出席委員
   委員長 長谷川四郎君
   理事 秋山 利恭君 理事 田口長治郎君
   理事 丹羽 兵助君 理事 山中 貞則君
   理事 足鹿  覺君 理事 東海林 稔君
      安倍晋太郎君    仮谷 忠男君
      草野一郎平君    小枝 一雄君
      坂田 英一君    谷垣 專一君
      寺島隆太郎君    内藤  隆君
      中山 榮一君    松浦 東介君
      松本 一郎君    角屋堅次郎君
      楢崎弥之助君    野口 忠夫君
      芳賀  貢君    安井 吉典君
      山田 長司君    湯山  勇君
      稲富 稜人君    玉置 一徳君
出席国務大臣
        農 林 大 臣 重政 誠之君
出席政府委員
        農林政務次官  津島 文治君
        農林事務官
        (農林経済局
        長)      松岡  亮君
    ―――――――――――――
五月十日
 委員楢崎弥之助君辞任につき、その補欠として
 勝間田清一君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員勝間田清一君辞任につき、その補欠として
 楢崎弥之助君が議長の指名で委員に選任された。
同月十四日
 委員仮谷忠男君及び中澤茂一君辞任につき、そ
 の補欠として山村新治郎君及び芳賀貢君が議長
 の指名で委員に選任された。
同日
 委員山村新治郎君及び芳賀貢君辞任につき、そ
 の補欠として仮谷忠男君及び中澤茂一君が議長
 の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 農業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第一三七号)
     ――――◇―――――
#2
○長谷川委員長 これより会議を開きます。
 この際、丹羽兵助君から発言を求められておりますので、これを許します。丹羽兵助君。
#3
○丹羽(兵)委員 私は、せっかく発言のお許しをちょうだいいたしましたので、農林大臣に率直にひとつ伺っておきたいと思っております。
 それは、このたびの国鉄総裁選任に関し、農業政策並びに水産政策と最も関係の深いことに触れておりますので、この場合、はっきりしておいていただきたいと、念のためにお尋ねするわけでございますが、新聞等によると、石田礼助氏が国鉄総裁就任の折衝を受けておられる。特にきょうは閣議において国鉄総裁に推薦方のお話があったかと存じますが、この石田礼助氏に国鉄総裁就任の交渉を綾部運輸大臣が中に立ってやっておられるのでありますけれども、先般、石田礼助氏が国鉄総裁を引き受けると申しまするか、総裁を受諾するにあたっての抱負を語っておられる。その語っておられる抱負の中に、強い条件ではないけれども、少なくともこれほど難航してきた総裁を引き受けるにあたって、その抱負として、また希望条件として述べておられる――特にこの抱負、条件というものは、こういう条件でお引き受けしたいというようなことを交渉したと言っておるのでございますが、三つあるのですけれども、そのうちの一、二は、われわれに別段関係ないとは申しませんけれども、この委員会においては取り上ぐべき問題でないので申しませんが、その一点に、国鉄の諮問委員会が答申したように、公共負担を是正してほしいことということで、農産物資などについても特定の割引を廃止することなどが具体的な要望である、こういうことがいれられるならば、国鉄の総裁を引き受けてもいいというようなことを、交渉の過程において十一日の夕刻小田原で石田さんは語っておられるのでございまして、もちろんこういうようなことを運輸大臣を通して池田総理に話をしておられるし、また、池田総理が、そういうことについて、この抱負、要望について了解を与えたものであるかということは私どもは存じておりませんけれども、きょうの、あるいは先回の閣議等で石田礼助氏を国鉄総裁にするというような話のあったときに、少なくともこれだけの、農産物資の運賃割引というのは政策的な問題であって、一総裁によって決定できるものでもなければ、また一総裁がこれだけの問題を条件として引き受けなさるなんということは不都合千万だと思うし、特に池田総理が言われますように、国民の食生活に要する費用の下がるように常に農林大臣を鞭撻して、農産物の需給調整ということをやかましく言っておられる、それが生活費を下げることにもなるので、ここでせっかく農業基本法もつくり、農民の所得を高め、ひいてはまた国民の生活費用を下げていこうという、そのために長年考えられ、長年実施されて、毎年問題にはなりますものの、国鉄の経理の関係から、諮問委員会でときどき問題になりますけれども、これらはどうしても実施するわけにはいかない、実施することのできない問題であるのでありますが、そういうことを今度の国鉄の総裁を引き受けるにあたって、強い要望だとかあるいは条件だとして総裁を引き受けるなんというような話、交渉があったということは聞き捨てならぬことでございまするので、こういう話が一体閣議等であったのか、あるいはこういう話を運輸大臣が総理大臣に取り次ぐときに、少なくとも所管大臣でありますところの農林大臣には相談があったと私どもは考える、なくして運輸大臣がこの石田さんの考えをそのまま総理に軽率に伝えたり、それを約束なさるはずは私はできないと思いますが、この席で、そういう石田さんからあった相談を、所管大臣としては一体これを総理に伝えようとするがいかがだというような意見をあなたにお聞きあったものか、あるいはもしあったときに――あったに違いないですが、あったときに、これらの問題は農林大臣として当然承服することはできないというような御返事をしていただけたものか、その点をひとつ明らかにしていただきたいと思っております。大臣の御答弁いかんによっては続いてお尋ねしたいと思いますから、よろしくそのままをお知らせいただきたいと思います。
#4
○重政国務大臣 ただいまのお話は、実はいま初めて私は耳にいたすのでありまして、全然存じておりません。したがって、運輸大臣からも総理大臣からも農産物の運賃割引廃止の問題について私の意見を徴せられるというようなことは今日までございません。本日の閣議で運輸大臣からちょっと話が出ました。これはもうほんのきわめて簡単なことでありまして、いまの十河国鉄総裁が、たしか四月の二十六、七日のように聞きましたが、辞任の申し出があった、その後選考して、いろいろの経過はあったが、結局石田礼助氏を後任総裁にすることにいたしたいと思う、それであるからあらかじめひとつ御了解願いたい、正式にはこの次の閣議で承認を求める、これだけの話でありまして、ただいま丹羽さんのお述べになりました受諾についての条件がましいようなことなどについては何ら話は出ておりません。おそらくそういう条件をつけて受諾をするとかなんとかいうようなことではないのじゃないかと私は思います。お話のとおりに農産物の運賃割引の問題は、これはもとから重要な問題として両院でも取り上げておられる。また農林省といたしましても、これはきわめて重要な問題であると同時に、現在の経済情勢から考えて、物価問題というものが重要な問題になっております関係上、そう簡単にこういうものを政府が受諾をする、了解を与えるというようなことは私は考えられないのじゃないか、こう考えております。
#5
○丹羽(兵)委員 ただいまわれわれの最も信頼する農林大臣からきわめて明瞭と申しますか、本日の閣議のお話の内容までありましたので、それを信頼する以外にありませんけれども、しかし天下の新聞が、難航しておる国鉄総裁を引き受けるについて、自分はこういう抱負を持っており、こういう要望を持っておる、そうしてそれらのことを運輸大臣を通して総理に話をして、これがいれられるならば引き受けてもよろしいという話があったように、条件めいた強い要望をしておられる。そうして、きょうお話がありましたように、閣議でお話しになって、当然これは引き受けられるでしょうが、そうなったときに、片一方では、それは条件として引き受けた、もうすでに引き受ける前に交渉の過程において天下に声明しておるのだから、当然総理はそれを承知してくれたものと思うとか、あるいはその間にあっての交渉で運輸大臣も承知しておるとか、こういうことになって、一番大切な農産物の農林行政をおあずかり願っておる農林大臣が全然御存じなかったということになって、こういう問題が今後出てきたときに困りまするから、私はこれ以上のことを僣越に大臣に申し上げる非礼を考えるものではございませんけれども、どうかひとつ、今後の閣議で正式決定のあるときに、この点を運輸大臣あるいは総理大臣に農林大臣からはっきりただしておいていただいて、こういうことが条件であるならば、私どもは農林水産委員として重ねて条件を受け入れられる総理の御意見を聞かなくちゃならぬし、お考えをたださなくちゃならぬ。また運輸大臣としてのお考えも聞かなくちゃならぬわけでございます。ただ、そういうことが抱負として言った程度で、条件でなければいいわけでございますし、かりに今後この農林物資の運賃割引廃止というようなことが国鉄で考えられて、問題に出たとき、あるいは水産物の割引が国鉄当局において考えられて、そういう問題が出てきたときに、この点をはっきりしておいていただかないと、あたかも総理が承知をし、中に入った運輸大臣が承知し、われわれの農林大臣も承知して、そうして石田さんに国鉄総裁に就任願ったというようなことにもなるかと思いまするので、この点ははっきりと出てまいりましたときでも、総理大臣は、あるいは運輸大臣は農林大臣はそれを決して承知してない――それは後日の情勢によって幾らでも変わることはございますが、今日の段階ではそれを承知することを条件として総裁就任を承知したのでないという点をはっきり、全国農民を保護していただく立場に立って、また広く日本の農林行政、水産行政をおあずかり願える大臣の立場に立って、明確にしておいていただくことを重ねて私こそ強く要望するわけであります。もう一ぺんそれを願えるかどうか大臣の御所信を承りたいと思います。
#6
○重政国務大臣 先ほど申しましたとおりに、私はいまこの席で丹羽さんの御質問を拝聴いたして知ったようなわけであります。この問題はきわめて重要な問題であります関係上、そう簡単に了承をするという性質のものではなく、政府だけできまる問題でもございません。両院のそれぞれの御意見があることであります。今日までしばしばこれは問題になっておる経緯もありますから、私は私の立場として先ほど申しましたとおりにやっていかなければならぬ、こう考えておる次第であります。
     ――――◇―――――
#7
○長谷川委員長 次は農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。足鹿覺君。
#8
○足鹿委員 農業災害補償法の一部改正の案に対しまして、農林大臣に重要な基本事項について御所見をただしたいと思います。事務に関連するような問題は、先ほどの理事会で相談もまとまっておりますし、事務当局に対する質疑は別な機会に行ないますので、農林大臣の誠意ある、そしてかつ抽象的ではなくして、国務大臣としての率直な御答弁をお願いいたしたいと存じます。あらかじめお含みを願っておきたいと存じます。
 そこで委員長に申し上げておきますが、私が五月九日、本委員会に提出を要求いたしました資料は、一部を除いて本日いただきました。膨大なものであり、これは新しい制度の現状及び問題点を整理してありまして、私どもまだいただいたばかりで、よく中身を見ておりません。別の機会でよろしいですから、御説明を願いたいと思います。ただこれを出しっぱなしではお互いになかなか認識がつきませんから、別な機会にぜひひとつお願いいたします。
 そこで本改正案について基本事項をお尋ねいたしますが、今回の制度改正は抜本改正であると大臣はお考えになっておりますかどうか、この点について御所信を明らかにしていただきたいと思います。
#9
○重政国務大臣 これはことばの問題になりますが、今度の改正案は共済制度そのものの重要なる部分について改正を行なうものであると心得ております。
#10
○足鹿委員 去る昭和三十五年四月一日、農林省に衆参両院議員を含む四十四名の委員からなる農業災害補償制度協議会を設置し、制度の抜本改正をはかられました。われわれもその審議に参加をいたし、一年間にわたって鋭意検討をいたしたわけであります。そして結論を昭和三十六年の二月十三日に制度協議会議長清井正君から当時の周東英雄農林大臣あてに答申をいたしておるのであります。それがそもそも今回の改正案の基礎をなしておると思うのであります。当時山添委員のみは意見を留保されましたが、与党を含めて満場一致の答申を行なっております。その案がまとまったのは三十五年の暮れであります。ところが自民党の農林部会なるものにおいて、これを全く骨抜きにし、しかも選挙が行なわれるという当時の状況を逆用されまして、その制度改正を見送られたのであります。三十六年二月十三日付の答申案は三十五年末にきまっておった。協議会の正式議決を行なうための日程もちゃんときめておったものを、一方的にそれを延期して、年を越え、選挙後に問題を持ち越してしまった。当時の答申によりますと、ここにございますが、「農業災害補償制度協議会の、審議結果の農林大臣に対する報告 農業災害補償制度の改正について 農業災害補償制度の改正については、昨年四月一日以来当協議会は、慎重審議を重ねた結果別紙の通り意見をとりまとめたので、報告する。政府は右の意見を充分尊重して速やかに制度改正を実施することを強く要望する。なお、政府は、当協議会の正式結論が出される前に昭和三十六年度予算編成に関連し、当協議会の経過を軽視する如き措置をとりつつある模様であるが、このことはまことに遺憾である。昭和三十六年二月十三日 農業災害補償制度協議会議長清井正 農林大臣周東英雄殿」として別文を答申をしておるのであります。「まことに遺憾である。」と満場一致の議決でこれは出ております。これがすなわち、私がいま指摘いたしました制度改正協議会の結論が出ておるにもかかわらず、それを自民党農林部会においてかってに換骨奪胎し、そして一年間にわたりわれわれの条理を尽くし具体的な検討を昼夜を分かたずやったものを全く無視されたのであります。そのことが、二回にわたって法案の審議が停滞し、今日に至るもなお日の目を見ない原因でありまして、これは決して本委員会の責任ではなくして、政府、自民党の協議会の経過を軽視し、これを無視されたところに原因はあるのであります。ただいま大臣は、抜本改正であるかという私の質問に対して重要な改正であると逃げておられますが、おそらく抜本改正とは言われますまい。与党の人々もわれわれの二倍半の委員を送って、そして満場一致のこの決議を付して三十六年二月十三日に出したものであります。それが全く無視されている。だからこのような事態に至ったのでありまして、われわれが、この制度改正協議会の答申と全く異なるような内容のものでありましたために、いかにして協議会の答申に近づかしめるかという立場から建設的に努力をしたことを、あたかも法案を阻止したような宣伝を一部にしておる者がありますが、これは相当の歳月を経ておりますから、私はくどくは申し上げませんが、責任の所在は政府と与党の諸君にあるということを私はこの際明確にしておきたい。「当協議会の経過を軽視する如き措置をとりつつある模様であるが、このことはまことに遺憾である。」という答申の附帯決議もつけて当時の農林大臣に出してある。その経過を重政農林大臣もよく御存じであろうと私は思う。したがいまして、私どもは今回の改正が重要な点に触れておることは、あながち否定するものではございません。しかし抜本改正とは言い得ない。制度改正協議会の答申そのものが万全なものだとは私ども考えませんが、少なくとも制度の根本の問題に触れた案であったことには間違いありません。そしてほんの一名の保留意見をつけたまま与野党とも委員が賛成しておる。それが守られないようなことで、今後どんな協議会を設け、どんな審議会を設けても、全く一方的に政府と与党とでそれが曲げられるということでは、私どもはまことに遺憾と言わざるを得ません。したがって私どもとしましては本制度の今回の改正案に対しましては著しく不満であります。しかも昭和二十二年末制度発足以来十数回の改正が行なわれておりますけれども、いつでもこういうていたらくであります。そのつど現状維持的な角度から農民が切実に要望しておる問題を実現せずして今日に至っております。しかも昭和三十六年には農業基本法が制定をされ、いわゆる農基法下の日本農業が、大きくしかも急激に変貌しつつあるこの日本農業情勢のもとにあって、その変化に即応した農村、農業、農民の実情と本改正案は全くかけ離れたものである。水稲中心といって差しつかえありません。制度改正協議会の答申案の中にも、果樹あるいは畜産の多頭羽飼育等の問題についても、あるいは蚕繭の問題についても、麦の共済のあり方についても、総合的に政府はやれということを附帯決議としてつけておるわけであります。それらの点については着手はしておられるようでありますけれども、おやりになっていない。したがって今回の制度改正は水稲中心の部分改正にすぎない。いままで述べました諸情勢の変化に即応したものとは考えられません。したがって、農林大臣は、今後抜本改正の問題についていかように取り組まれる御所存でありますか。重要な部分の改正を出したからこれでよろしい、かようにお考えになりますか。その構想がありましたならば、この際明らかにしていただきたい。
#11
○重政国務大臣 私は農業共済の制度改正協議会以後の詳細なる経緯については、正直なところ十分に承知はいたしておりません。大体のところは私もある程度は知っておるのでありますが、詳細なところは承知をいたしておりません。しかし、今回提案をいたしておりますこの改正案は、この協議会で御決定になりました重要なる部分は、御承知のとおりみんな取り入れて改正になっております。ただ、事業団の設置でありますとか、特別会計をやめて事業団にするとか、あるいは農家単位の共済にするとかいう点が答申のあったものと異なっておるのであると思うのでありますが、私は、今回提案いたしましたものは、衆議院において御修正になりました点を尊重いたしまして、従来提案をいたしましたものを修正いたしまして、これを原案として御提案を申し上げておるわけであります。おおむね、私は、足鹿さんのお述べになりました重要な点については、今回の改正案は協議会の意見も十分に取り入れておる、さきに申しました二点を除いてはほとんど取り入れておる、こういうふうに考えておるわけであります。
 なお、今回の改正は現在の農業近代化の方向へ向かっておる情勢を十分に勘案しておらぬではないかというような御趣旨の御批判でありましたが、この点は、私も、お述べになりましたとおり、あるいは蚕繭の共済の問題とかあるいは畜産の共済の問題とか、さらに進んでは果樹の共済の問題というような問題につきましては、できるだけすみやかに実態に合ったように、時勢に合ったように改正をしていくべきではないか、こういうように考えておるわけであります。今回の改正案を御承認をいただきますれば、続きまして、これらの問題についても制度の改正等について一部改正を行なってまいりたい、こういうふうに考えております。
#12
○足鹿委員 若干の点を除いて制度改正協議会の考えておったことを内容としておるという御答弁でありますけれども、一番肝心なことが抜けておるのであります。これはあとで触れますが、一例をあげますならば、二段階制の問題、あるいは共済目的別に解放をしていく問題、あるいは基準反収、損害評価の問題等については何ら触れられておりません。でありますから、衆議院修正とおっしゃいますけれども、私どもは討論、採決には参加いたしておりません。一方的に与党とその他の方々が御決定になったことでありまして、私どもは本会議において反対討論をいたしておるわけであります。でありますから、衆議院修正とおっしゃいますけれども、私どもとしましては著しく不満でありましたためにそのような態度をとっておるということだけは明らかにしておきたいと思います。
 そこで、このたびの改正案をもってして大臣は一応やり得るとお考えになっておるようでありますが、どなたにでもお聞きになってごらんなさい。実際問題としましてはやり得ないのです。農民の不満がこの改正で解消できるとお考えになることはあまりにも甘過ぎます。したがって、数年を出ずして行き詰まりを来たすことは必至であります。政府はもしその場合いかに責任をおとりになりますか。いまの御答弁を聞いておりますと、抜本改正の構想については何ら触れられません。現状はやむを得ない経過によってそのものを提案したのであるけれども、これをもってしては行き詰まりは明瞭である。これは当事者にお聞きになったほうがよろしい。あなた方は、共済組合連合会の意見をお聞きになる前に、末端の農民の声をお聞きになったほうがよろしい。農民がどう言っておるか。もう少し突っ込んだ改正がなされなければ行き詰まりは必至だと私は申し上げておきたい。その際の責任はいかようにおとりになりますか。たとえば、本制度は市町村段階では共済、県及び国の段階では保険、さらに超異常災害に対しては国家補償的な運営が行なわれておる。これを三つ寄せたものが災害補償法である。この矛盾はしばしば論ぜられ、そして制度改正協議会は二段階制に踏み切り、しかも損害評価やその他の運営の簡潔迅速化を考えたわけであります。これはあなた方が政府内部につくられた研究会においてもその前に検討された事実もあります。そういう面からも、いまの状態では、継ぎはぎだらけのこの制度はどこから見ても行き詰まりは必至である。さらに、ただいまいただいた資料によりますと、市町村移譲が急速に進行しつつある。五月一日現在で六百五市町村にも及んでおる。しかもこれは本年度中には倍加するような空気にさえなっておる。したがって抜本改正の一つの方向としては、この実情に即して公営化を根幹として公正妥当な運営が行なわれるようにすべきであろうと思いますが、この点について大臣はいかようにお考えになっておりますか、お伺いをしておきたい。
#13
○重政国務大臣 私は、この制度が永遠にわたって今後改正をせずにいけるかどうかということについては、いまお述べになりましたように、これは必ずしもそうであるとも申し上げかねるのでありますが、現段階におきましては、私はこの程度の改正でも数歩の前進であると考えておるわけでありまして、情勢が変わりますれば、それに即応して手直しをやっていくという行き方でよろしいのではないか、こういうふうに考えておるわけであります。
 それから公営をしてはどうかという御意見でありますが、これは私は一得一失があると思うのであります。いまのような農家の相互扶助の思想によるこういう共済の制度、それからまた初めから公営の制度、もちろん両論あるわけでありますけれども、これはいずれも一得一失があると私は思うのであります。わが国の共済制度はやはり農民諸君の自主権を尊重いたしまして、相互に保険をする、相互に共済をするという思想に基づいて、これができておると思うのであります。私はできるだけこの考えを伸ばして、困難なところはできるだけこれを排除して、りっぱにこれがいくように育てていきたい、こういうふうに考えております。
#14
○足鹿委員 大体考え方としましては三つの考え方がつながれてこの制度が成り立っておる、そこから農民の不満が絶えないのであります。今回の改正に若干備荒貯蓄的な面が加味されたことは、私どもが長い間主張してきた点の一部でありまして、あながちそれらをあげつらうものではございませんが、保険制度で貫くならば、これは筋として農家各個の自由選択を考えるべきです。しかし現在のような国が年間百数十億の金を投ずるようなこの機構を、いわゆる組合の自主性などというものを言うこと自体がおかしい。純然たる国策遂行機関であって、農民の自主性をほんとうに認めようとするならば、これは保険制度を貫いていかざるを得ない。私はその段階にきておると思う。このことについては、大きな災害が出たときには自動的に国の再保険がなされ、その予算が確保されるたてまえになっておって、もしこれを農家の自由選択にした場合にはそのことに支障があるというのが従来の考え方であったところが制度改正協議会において大蔵省関係の委員であります、大蔵次官をしておられました河野さんは、任意になったからといって、異常災害、超異常災害のときの予算支出に支障があるとは考えられないという注目すべき発言をしておりました。しかし現状のままで任意にした場合には制度が崩壊するのではないか。われわれも建設的な立場から、崩壊さしたのでは元も子もなくするから、この点については慎重を期したわけでありまして、ほんとうに農民が必要と認め、そうして喜ぶ制度にするならば、任意になりましても、家畜共済を農家が喜んでおるように、この問題もみずから進んで参加するものだと思います。それを市町村段階では共済だといい、県、国段階では保険だといい、そうして超異常には国家補償的な再保険支出が行なわれる、この点自動的に予算が支出していかれるということは非常にけっこうなことでありまして、それをくずすというようなことは改悪であるというので、私どもは従来も非常に悩み、どうすべきかという点について検討を加えてきた。ところが制度改正協議会の際には、元大蔵次官の河野さんがそういう注目すべき御意見を述べられたので、われわれの杞憂であった、もっと大胆率直に保険制度なら保険制度でこれを貫いていく、あるいは現在のままでいくならば市町村公営の線をもっと積極的に打ち出して、そうしてその面からこの制度の公正妥当な運営を期すことが必要であろうと私は考えております。特にこの制度の発足以来不適正な運営があとを断たず、また多久島事件等著しい不正事件が続出をしたことも御存じのとおりであります。会計検査院の指摘は毎年の指摘となってあらわれておる。行政管理庁の勧告においても市町村公営の方向が妥当である旨二、三年前の勧告にも載っております。また二段階制の問題についても、行政管理庁みずからが、そういう考え方は間違っていない、そういう方向にいくべきではないかという趣旨の勧告も行なっております私は決して自説にこだわっておるわけではない。この制度の重要性にかんがみ、各方面の意見をよく聞き、そうして現行制度の運営について検査院や行政管理庁の勧告等を十分勘案をして、この際基本的に反省を加え、そうして方向づけをいたされまして、今後のあり方を、少なくとも一つの方向をこの審議の過程を通じて示さるべき責任が、どのような経過から見ましても農林大臣にあると私は思うのです。それをいまおっしゃったような、何かきわめてこそくな態度で終始されるということはまことに遺憾であります。私の言うことが間違っておるなら、間違っておるから賛成できないとおっしゃい。ではあなたの考え方をこの機会に述べられてけっこうでありますから、私は私の独断や私一個の私見のみではない。権威ある各方面の意見を徴し、制度改正協議会における一年の論議を基礎として、総合的に判断をして今日に及んでおるのでありまして、そういう点について、大臣たるあなたとしては、もっと真摯に、事務当局の考え方やあるいは現在の現状維持的な考え方に立っておる人々の意見にとらわれることなく、制度のあり方について、この際たとえば法制化された審議会のようなものをつくって、そして総合的な制度全般の検討を加え、その結果は必ず実行をする、そういう率直かつ具体的な公正妥当な結論を引き出す。いわゆる非公式な協議会などでは、私はもはやいかぬと思いますから、法制化された調査会法のごときものをまず構想され、そこで公正な審議を経た答申を得られて、そしてこれを踏み切っていく、そういう御所存はございませんかあなたは食管制度を、法制化した調査会によって改変を考えておられることは伝えられておりますが、それは私どもとしてはとらざるところであって、むしろ災害の問題、特に最近豪雪被害という新しい災害のケースも出てきておる。果樹がめちゃめちゃにやられても、あなた方は融資一点ばりである。補助金一文出さない。全く冷たい仕打ちであります。災害対策委員会に私もしばしばいきました。超党派の立場から農林省に建設的な対策を申し上げましても、何らない。ただ融資一点ばり。果樹の被害を受けた農家は、一体どうして再起していくのか、ぼう然自失をしておるという現状をもってしましても、いかにも果樹や家畜等の多頭羽飼育に対策が欠けておる。検討、検討で何年になりますか。一つもおやりにならない。そういうことでは、踏み切りはつきません。でありますから、この際法制化された権威ある審議会等をつくられ、それに基づいて、農業近代化の姿に対応した、総合された、しかも筋の通った抜本改正の構想をお示しになる責任があると私は思いますが、そういったことについて、御所見はございませんか。
#15
○重政国務大臣 御承知のとおりに、災害に対する政策といたしましては、個人の損害を救済するのと、それからまた公共的な道路、河川その他のものの復旧についてやるのと、両様あるわけでありまして、この農業共済は、その前者に当たる制度であります。そこで、保険の話が出ましたが、これを保険として実行することは無理であるということは、もう多年前から私はそう感じておるのです。したがってこういう共済の制度を設けて、個人を救済すべきである。しかも何でもかんでも政府の助成を仰いでやるというような行き方は将来十分でない、やはり農家は農家として自主的にそういう制度によって救済を受ける、相互救済の精神で自主的に制度をつくってその災害の救済をする、こういう行き方がよろしい、こう考えておったのであります。現在の制度はそういうところの精神でできておると思うのであります。ところが最後には超過災害については国が全面的にこれを負担をしていく制度になっておる、これは保険である、こういうふうにおっしゃるのでありますが、そこらの辺が私は農業共済制度の非常に妙味のあるところであろうと思うものであります。
 さらにこの制度では十分でない、農業近代化の方向に従ってこの農業共済の制度も抜本的にひとつ考え直す必要はあるのではないかという御意見でございます。これは先ほども申し述べましたとおり、家畜あるいは蚕繭あるいは果樹というような問題については、早急にやはりこれを検討いたして、それに即応した制度に改善するものは改善をしなければならぬ、こういうふうに考えておるわけであります。それがために法制をもって一つの調査会、協議会というものをつくってはどうかという御意見でありますが、これはひとつよく検討いたします。ごもっともな意見のように私は考えるのでありますが、これはひとつ十分に検討いたしまして、できるだけすみやかにそれらの制度の改正案といいますか、そういうものができますようなことをひとつ考えたい、こういうふうに考えております。
#16
○足鹿委員 先ほど申し上げました市町村公営の問題で、数字を訂正しておきますが、六百八に達しておる。これは四千組合の六百八でありますから、これがまだ急激に進んでいくということになりますと、これは制度自体の出発の姿と著しく変わった姿になってまいりますし、いずれにいたしましても総合性の問題もありますし、とにかく果樹の問題、畜産の多頭羽飼育の問題にいたしましても、問題になってから久しいのであります。四年以上たっておる。果樹の問題について大臣が踏み切ってやるのだとおっしゃったのは福田さんのときでありまして、もうあれから四、五年たっておると思います。いまだにこれが制度化の方向が具体的に打ち出されておりません。むずかしい問題でありますから、私は拙速をたっとぶわけではございませんけれども、農業の情勢が今日のごとく急激に変わりつつあるときには、それにまた即応されることが行政の要諦であり、政治の要諦であろうと思う。それを私は申し上げておるのであります。
 そこで、これに関連をしまして、この際農政補助機関的な一つの団体のあり方と、自主的な農業団体のあり方というものをよく勘案をされて、そしてできるならばその二つの路線に基づいて、整理すべきものは整理し、強化すべきものは強化していく――農業会議所が、内部的には新聞は独立して出てしまう、今度は構造改善対策に首を突っ込っで、一部はそれにほとんど専念してしまうというような形になっておりますし、全く現在の末端における農地対策というものは大きな任務でありますが、農政に対する農民の利益代表機関としての機能は著しく阻害されておる現状でありますし、これを農協などと中央機関を一緒にするなどというような考え方は、私どもは本質をたがえておる考え方だと思う。行政補助機関と自主機関を、たとえどの段階であろうとも一本化するなどという考え方は、これは全く議論をする余地のない問題だと思いますが、そういう点において、どれとどれをどうするということはございませんけれども、そこに地方自治体の産業、経済活動、農政活動というものが、もっと末端においてあってよろしいと私は思っておる。そういう意味からも、市町村公営の問題は非常に重要だと私は考えております。これをやると官僚化するなどということを言う向きもありますけれども、私はそういうことはないと思う。条例等をつくり、この組合運営の経験者を条例に基づく委員会等に吸収をして、最終的な議決は市町村議会がやりましても、その中身は、条例に基づく市町村議会に置かれておる、現在運営されておる各種の委員会につけ加えて、別に共済制度運営委員会というものをつくりまして、これに市町村議会を代表する人も入り、学識経験者も入ってやれば、何ら官僚化などという心配はあり得ないと私は思っております。もうそういう段階がきておる、私はそう思うのでありますが、まだそこまで踏み切るという考え方になっておられぬようであります。しかし、調査会を設置することについては、その方向で善処するということでありますから、よく御検討を願いたいと思いますが、この際、この団体関係でありますので、重要なことについて農林大臣の意見をただしておきたいと思います。
 それは、自由民主党の全国組織委員会において、今月の六日、いろいろの地方選挙の反省を行なって今後の対策を論じた中に、農林省の生活改善普及員の増員をはかること、普及員を通じて政府、自民党の政策を婦人層などへ浸透させていく、こういうことをきめております。政府、自民党の政策を婦人層などへ浸透さしていく、こういうことであります。政府の政策を浸透さすことはわかりますし、生活改善普及員をふやすことはけっこうでありますが、それに政府並びに自民党の政策を特に婦人層へ浸透さしていくというようなことをきめておりますが、こういうことこそ弊害が起きる。いやしくも国の機関、国の法律に基づいて設けられた普及員、これは団体を形成しておりませんが、一つの全国的な大きな組織になっておる。たとえそれが地方公務員でありましても、たてまえとしては三分の二の補助金が出るようになっており、損害評価等を通じて農災制度との関連性はきわめて重要であります。そういう点にこそ、この人々の技術を生かしていかなければならぬのにもかかわらず、ある特定政党の政策を浸透せしめていくようなことを議決されることは、これは他党のことを云々するわけでもありませんけれども、いかに政党内閣とはいえども、このような行き方は私はいささか行き過ぎであり、間違いだと思います。そういう政府が補助を出しておるものに、どんどん与党の政策を持っていくというようなことこそ、弊害こそあれ、問題が起きるのであります。農災制度にいたしましても、われわれは国会の開会中全くつんぼさじきに置かれてしまっておる。自民党の決議事項というものがあって、そうして両団体の代表が話し合いをされ、政府がそのあっせんをして、その結果が、この制度の改正案を早く通せ通せという声になってきておる。私は一がいにそういうやり方がいけないとは言いませんが、国会開会中であります。われわれ野党は、少なくとも三分の一近い勢力を持っておる。衆参両院に、私ども社会党は、二百名の力を持っておる組織政党であります。それが全く公式に何らこの問題については発言の余地を与えられておらない。国会開会中に、いかに政党政治とはいえ、私はかかる運営は――御努力になった人々に対して、別にとやかく言うわけじゃありません。ですから誤解のないようにしていただきたいのでありますが、野党の存在というものを全く無視をして、どっかでその検討が進められていく、こういう姿は、いままでかつて例を見ません。私は、国会審議権という問題と関連をいたしまして、この点は委員長にも伺っておきたいと思いますが、利害関係者が寄って相談をして、それが自由民主党の党議できめられた線に近づけるように農林省があっせんをする、その結果が国会に何でも出てくる、こういう運営が公然とこのたび行なわれて、この制度改正で、任意共済問題について、百二十三条でありますか、追加条項が出ております。私は、国会審議権の上からいきましても――処理をしなければならない立場に追い込まれましたその事情はわからぬではありませんが、国会の開会中に、このようなことは、やはり本委員会にいまこそ小委員会等を設けて、少なくとも三分の一の野党の声もこれに入れるべきではなかったかということを考えたものでありますが、これは委員長の御所信があれば承っておきたいと思います。第一問の、生活改善普及員の増員もけっこうでありますが、政府の政策、自民党の政策を特に婦人層に浸透せしめていくというようなあり方はいいのでありますか。農林大臣としては、そういう方針を今後おとりになる、是認されるというお考えでありますか。これは余談にわたりますが、団体のあり方、あるいは団体職員のあり方の問題でありまして、私はそういうことこそが弊害だと思う。公務員法の違反でもあります。こういうことはわれわれは見のがすわけには参りません。今後団体問題を検討していく上において重大な問題でありますので、これに対する御所信を承っておきたい。
#17
○重政国務大臣 私といたしましては、そういう党のほうの御決定があったということもいま実は初めて聞いたわけでありまして、これはおっしゃる通りに、私は行き過ぎであろうと思うのでありまして、農林大臣といたしましては、どうもそういうことをやっていくわけには参らない。生活改善普及員は、やはり農林省の政策、政府の政策を末端に浸透せしめ、真に生活の改善をはかっていくという方向に進むべきであると考えておるわけでありまして、まだ党のほうよりもそういうような話は私は何も承っておりません。
 それから国会と別なところで何か話し合いがついて、それはどうも国会の審議権を多少軽視する傾きがあるのではないかというようなお話がございましたが、これは御承知のとおりに多年任意共済の問題につきまして、農業共済団体と農協の団体との間に意見が合わないということでいろいろいざこざがあったようでありますが、今回は両団体が自主的に相談をいたして解決の結論に到達をいたしたわけでありまして、私どもといたしましてはまことにけっこうなことであると思うのであります。そういうわけでありますから、これは国会の審議権をどうこうするという問題ではないのでありまして、団体間の任意共済事業の分野を明らかにするというので話し合いがしばしば持たれたことは私も承知をいたしております。これは別に国会軽視などという思想ではないことを御了承を願いたいと思うのであります。
#18
○足鹿委員 政府がいつもタッチをしておられるのです。経済局長がタッチをしておられる。問題はそこなんです。ですから、私はやむを得ない事情はわからぬではありません。しかし資料の中にも自由民主党の党議決定として、それに基づく覚え書きの問題で話し合いが進められ、常にこれは政府が仲に立っておられる、そうして意見を具申しておられる、そこを私は言っておるのであります。私は別に、事態を収拾するためには必要な措置はいろいろな形でとられてけっこうだと思います。ただし国会の開会中であります。問題点は、多年紛糾を続けた問題でありますから、いろいろな措置をとらなければならなかったことはわかりますが、そういうあり方というものに基づいて今回一項新しく制度改正の条項が追加された、全国共済農業協同組合連合会が再保険をすることに改められた、この問題についてはあとで触れますが、とにかくそういうあり方は私は行き過ぎがありはしないかという疑問を持ちます。少なくとも委員長が代表して出られるとか何らかの方法というものはとられてしかるべきではないかという感じを持っておるものでありまして、これはあえてこれ以上申し上げませんが、お互いによく考えなければならぬことではないかと思います。
#19
○重政国務大臣 ちょっとその問題につきまして、よく御理解を賜わりたいと思うのでありますが、自民党そのものもいまの協議にはあずかっておらぬはずだと私は思うのでありまして、これは両団体の首脳部が話し合って、そして首脳部はそれぞれの団体に持ち帰って協議をいたして、話がまとまったということになっておると思うのであります。もちろんそれを経済局長なり課長なりがあっせんをある程度いたしたことは事実でありますが、これは私は国会の問題ではないであろうと思うのであります。国会の問題はよってもって、ただいまお述べになりました農協共済のほうが再保険をすることがいいか悪いかという問題であろうと思うのでありまして、その事実問題についての両団体の意見をまとめさすということが、農林省の事務当局としては当然やるべきことであって、これを一々国会の場に持って出て、そうして御相談をしなければならぬとは私は実は考えておらないのでありまして、ひとつ御了承を賜わりたいと思うのであります、
#20
○足鹿委員 私はこの問題であまり時間を空費したくありませんが、とにかく国会の開会中でありますから、それに基づいて新しく一項を設けられたわけでありますから、その取り扱いをめぐって割り切れないものがある。たとえば小委員会をこの委員会に設けて、そしてこの委員会を構成しておる与野党があるわけでありますから、その意見を徴するとか、何らかの措置がとられてしかるべきではなかったかということを申し上げておるのでありまして、もう過ぎ去ったことでありますが、今後の取り扱いというものについては慎重を要するのではないか、このことだけを申し上げて終わります。
 次に、法四十六条に基づく解散権の問題であります。この問題は多年問題になってきておる。四十六条には「農業共済団体は、左の事由に因って解散する。一 総会の議決 二 農業共済組合の合併 三 破産 四 第百四十二条の六第一項の規定による解散の命令」この四つの場合がはっきり規定され、そして法律によって解散権が認められている。しかし行政庁の認可を受けなければならないという条項をたてにとって、今日まで農民が総意を持ってどうしても解散したいというのに、運営がよろしくないために――そういうような面もたくさんあろうと思います。最近における解散及び事業休止の状況を見ますと、三十七年においては解散議決組合が十一、三十一年からの通算によって四十八あります。うち認可したものはたった二つである、先ほどいただいた資料によるとこういう状態です。「左以外による事業休止動向組合等」は、未解決組合が十一ある、解決組合が百十二ある、こういうトータルが出ておる。私は好んで解散を奨励するものでもなんでもありませんが、解散権というものは、組合の運営がよろしくない場合に農民が解散をも辞せず、この法律によって迫っていくことによって正常な運営に復活していく、これは農民としての許された、法によって認められた権限である。この問題は悪用すると制度の混乱を招きますから、私ども制度改正協議会においては一部を議決によってやめることができる、しかし過半数の賛成によってまた一部を復活することができるというきわめて弾力的な、しかも農民の意思が入り得るような点をきめて御答申申し上げておるけれども、解散権をみだりに乱用するということは慎まなければならぬことでありますが、当然民主的な方法によって解散あるいは事業休止が行なわれた、そうしたものを行政認可権を乱用して握りつぶすという行き方、この取り扱いを今後いかようになされますか。私どものかわるべき措置が葬られたわけでありますから、当然農民に与えられた法律に基づく解散権の行使について何らか――認可権の乱用を制限すべきである。公正妥当な方法によって議決をされた場合は、その結果災害が起きてもそれは農民の責任になるわけでありますから、農民といえどもそのようなことはできません。ある一部に、解散をした直後に水害があって、また復活したという事例もございます。ですから、あと先を見、よく利害得失を考えて、農民といえども行動をし、指導者も行動するでありましょう。またそう指導すべきだと思いますが、基本的な解散あるいは事業休止権を、行政認可権によってこれを抑圧するという態度は、改めなければならないと思う。これが事業の公正な運営の、大きなきめ手になると私は思います。農民に与えられた唯一の抵抗権であります。この点について、大臣は御所信をいかように持っておられますか、明らかにしておいていただきたい。
#21
○重政国務大臣 おっしゃるとおりであります。ただいまお述べになりました、議決によって一部の共済の事業はやめることができる、そうしてまた、議決によってこれを復活することができるという足鹿さんの御意見は、そのまま今度の法律改正に取り入れてあるわけであります。さらに、あるいは共済料率の実態に合うような行き方に、今度は改正をすることになっております。あるいは任意共済の範囲を、従来一反歩となっておるのを、今度三反歩まで引き上げるとか、いろいろの部面におきまして、農家の諸君の要望にこたえて、今度の法律改正ができておるのでありますから、従来のような何でもかんでも感情的にも解散をやっていこうというようなことは、なくなるんじゃないかと私は思うのでありますが、ただ決議があれば直ちに認可をするということが必ずしもよくないというようなことは、ただいまもるるお述べになりましたとおり、私も同感であります。しかし、この認可権を乱用するというようなことは、これは厳に慎まなければならぬことであると私は思うのであります。そういう決議がありましても、十分反省の余地を与えて、そうして、それでもなおどうしても解散したいということであれば、これは諸般の事情を考慮して認可をすべきものである、こういうふうに考えております。
#22
○足鹿委員 昭和三十六年十一月十五日の農林事務次官の通達でありますが、知事あてに出されたもの、この解散の問題は、制度改正協議会の際にも青森県の実情を申し上げ、何らかの措置をするということでわれわれも大臣言明を得、与野党のお互いが話し合いをして、知事が不当に乱用する傾向がある、またそれを助長するような態度を政府がとっておるということはおかしいというので、通牒が出された。ところがその通牒は、依然として押えていくという基本方針にのっとられておる。全くこれはお互いがきめたことであり、そして政府もそれを了として、大臣答弁が制度改正協議会においても行なわれた。ところが、三十六年の十一月十五日通達は、いろいろな条項がもっともらしく書いてありますけれども、せんじ詰めれば、事実上は行政認可権によって押えていくということなんです。この点は大臣、もう少しあなたはお考えになって、この通達によって法を曲げると言うと語弊がありますが、法に基づく農民の権利を不当に抑圧するがごとき通達は撤回されるか、もっとその趣旨に沿った改正をされることが私は妥当だと思いますが、いかがでありますか。
#23
○重政国務大臣 十分に検討いたします。一部事業の廃止及び復活を、今度の法律は自由にできるようにいたしておりますから、そういうような点にも即応いたしまして、その通知は十分検討をいたし、御趣意に沿うようにひとつ考えたい、こう考えます。
#24
○足鹿委員 では次に移りますが、任意共済事業と必須共済事業とに区別した共済連の事業不足金及び剰余金は、資料に示すとおり、いずれも巨額に達しております。これをいかに処理なさる御方針でありますか、大臣の御所信を承っておきたい。特に任意共済事業、たとえば共済組合が行なっている建物共済等につきまして、都道府県が共済組合の検査の際に、これは行なっておらないと聞いておりますが、法によって事業を行なっておるわけでありまして、それが必須であり任意であるとを問わず、厳正な検査が必要だと私は思います。これを野放しにしておくということは、公正妥当な運営が阻害されるおそれがあると思いますが、この点いかようにお考えになっておりますか。
#25
○重政国務大臣 御趣意ごもっともであります。任意であろうと必須であろうと、その検査は十分に行なって、公正妥当な事業の運営を期さなければならない、こう考えております。私の聞いておりますところでは、任意共済事業につきましても、必須共済事業と同じように、検査を行なっていると聞いておるのでありますが、あるいは府県によって、お話のように任意共済事業のほうは、手を触れぬというようなところがありましたならば、十分注意をいたします。
#26
○足鹿委員 私は、ここに一つの事例をお示ししまして、今後適正な運営を指導されることを要望いたしますが、それは行政庁の監督についてであります。特に任意共済事業についての財務管理の問題でありますが、法第百四十二条の二及び三によって、行政庁は農済組合及び同連合会の事業もしくは会計について検査することになっております。先ほど述べましたように、三十六年の更新共済を除く一般任意専業でありますが、それについて見ますと、青森県外十九県において、総額一億九千七百万円の欠損を生じている。特に新潟県においては七千百五十七万円、岐阜県の場合は二千五百三十七万円、滋賀県が二千二百二十五万円、大阪府は一千五百六十二万円等の膨大な欠損金を生じております。この一部には、伊勢湾台風等の特殊事情等あることは私も決して認めるにやぶさかではございませんが、これと全く関係のない府県において、こういう欠損金が出ている。これらに対して農林省は、検査においてどういうふうに御指示になったか。検査をおやりになっているそうでありますから、検査の結果は、これをどういう処置をなさっておりますか。こういう点について御指摘をしておきますから、大臣の御答弁ができないならば、他の政府委員を通じて御説明されてもけっこうでありますけれども、大臣は善処するとおっしゃっておりますが、この点をさらに念を押しておきたい。
 いま一つ、農済連の一般任意事業の財務について、昭和三十六年度におきまして、農済連の損益状況を見ますと、全国で保険料収入が九億二千六百四十四万円、未収保険料が四億三千百五十四万円に達しております。四六・六%、任意事業についてですよ。このような私どもの常識をもってしては判断できないような事態が現に起きておる。翌年度の必須共済金の支払いを予定して適当に契約をしておったのではないかという印象をわれわれは持たざるを得ない。共済金の入ってくるのを当てにして、いわゆる掛け金をかけないで契約をしておるという事態を生じておるのではないかという疑いを持たざるを得ません。このようなことは、私は、厳重に検査をされ、適正な指導によって設置されることが妥当ではないかと思われるのです。特に私どもの納得のいかないことは、収入保険料が高知県の例をもっていたしますと六百八十五万円、未収保険料が六百七十六万円、未収率は九八・七%に至っております。長野県においては八九・八%、大分県が八二・一%というようにこういう未収金を出している。さらに驚くべきことは、一般任意共済で赤字を出していながら一般会計へ金を貸しておる事実であります。山形県においては不足金が六百七十四万円もあるのに一般会計に六百十八万円も出ておる。山梨県が五百十九万円の不足に対して二百九万円を出しておる。長野県は七百五万円の不足金があるのに五百二万円という膨大な金を出しておる。一体こういう運営は、検査をなさっておるならば直ちに発見をされて適正な措置をとられておらなければならないはずだと思います。私は、検査によって不当に任意共済事業を抑圧したり、また組合員に危惧の念を抱かせるようなことはやってはならないと思いますし、この数字の根拠は政府の資料に基づくものでありまして、あるいは年度のズレとかいろいろな点があることはあろうかと思いますが、少なくともこういう数字が出ておるということは、その内容というものにもつと適正な指事が加えられなければならないということを否定できないと思いますがいかがでありますか。
#27
○重政国務大臣 それから具体的事実の一々につきましては、実は私よく承知いたしませんから農林経済局長からひとつお聞き取りを願いたいと思います。
#28
○松岡(亮)政府委員 ただいま御指摘のありました最初の点でございますが、青森、それから愛知、三重等におきまして任意共済事業の不足金が相当額出ておりまして、これらはお話がありましたように愛知、三重等は伊勢湾台風の結果として一時的に非常に巨額のものが出たわけであります。また青森につきましては、第二室戸台風の関係がございます。これらにつきましては、当時問題になりましたが、共済基金から融資をいたしまして一時の立てかえをいたしたわけでありますが、その後順調に償還が進んでおります。
 また第二点で、いろいろ各県別に財務の中の御指摘があったわけでありますが、これにつきましては、いま手元に各県別の財務がございませんので、あらためて詳細に検討いたしまして別の機会に申し上げまするが、連合会の段階におきまして未収保険料が非常に多いというのはあるようでございますが、これは詳細に調査してみてからでないとわかりませんが、実は末端の組合から連合会に上がるのがおくれておるのがあるようであります。これらは、内容につきまして検査を今後十分させまして、改善すべきものは改善させたい、かように考えております。
#29
○足鹿委員 とにかくこれは保険でありますからね。ですから掛け金をかけないうちに災害が出た場合の処理なんかは困るのです。弊害が出てくると思います。あなた方は責任を持った間違いのない正しい指導をなされなければ、今度は再保険を全共連がするわけでありますが、こういう実体の上に再保険をした場合に一体どうなるか、はなはだ危惧の念にたえないものがございます。十分お考えになってしかるべきだと思います。
 次に、市町村公営地区における任意共済の取り扱いについてでありますが、市町村移譲地区における任意共済につきましては、県知事の公示があった時点で農済組合と組合員との共済関係は消滅することになっておる。これは法八十何条かであったと思います。でありますが、実際には農済連の元請として継続の措置がとられております。これは法百三十二条だったと思います。なお農経局第一二三八号によって、農業災害補償法第八十五条の四の規定に基づく建物共済の取り扱いについて示されております。しかしながら、本来任意共済事業は単位農済組合がその組合員を対象にして行なうべきものであると思います。これは間違いないと思います。原則はそうだと思います。法第百三十二条の二によりまして今度は農済連の元請の規定がありますが、市町村移譲によって、契約者保護の観点からその契約の未経過期間に対する救済策として法制化されたものであるにもかかわりませず、農済連が直接農家を対象として事業を行なっておるということは変則的だと思います。これは大分県大南町の事例でありますが、このような変則的な問題を、単位農協が地域農民の意思により、任意事業の建物共済事業を行なうことを希望いたしまして、知事にこれを申請したにもかかわらず、これをどういう理由か認可しないのであります。こういうことは指導を誤っておるのではないかと考えるものであります。このように共済事業の市町村移譲に伴うその善後措置が至って不十分、かつあいまいである。これはまことに遺憾であります。また、たとえばもとの共済組合の理事等を協力委員の名義をもって府県共済連が任命をして、建物共済に関する協議会という任意な機構をつくって建物共済事業を行ない、掛け金を集めたりなどしております。必須事業は市町村に移譲されておりますから、市町村には必須事業に関する特別会計が設けられておるにもかかわらず、そこにおいて、集めた金が管理されず、また市町村の会計でも保管されておりません。だれがどのような規定に基づいてその掛け金等を管理しているのか、それも不明であります。また手数料や奨励金等もそれも市町村の会計にも入っておらない事例があると聞いております。このようなことは、私は法の盲点というか、運営上の盲点というか、適当な運営でないと考えます。これらの点についてどのように御処置をなさるつもりでありますか。特に共済事業の市町村移譲に基づいて移譲申し立てをした場合においては農協に、それが農民の総意であって農協にやらしても差しつかえないと思いますが、どうしても県連の直接契約一本やりでいく必要はないと思う。この点は制度運営上、今度あなた方がおやりになった覚え書きの問題等にも関連があろうかと思いますが、どのように御指導なさる御所存でありますか、明らかにしておいていただきたいと思います。
#30
○重政国務大臣 農林経済局長から御答弁申し上げます。
#31
○松岡(亮)政府委員 御指摘のありました大分県の事例につきまして私聞いておりませんが、御承知のごとく、三十年でありましたか、農林大臣通達に基づきまして、各県ごとに建物共済に関する分野の調整をやってもらうということによりまして、各県ごとに、場合によっては県のあっせんにより、あるいは自主的な団体間の話し合いによりまして、それぞれ分野を協定してまいったわけであります。それに基づいて市町村移譲が行なわれた場合におきましても、現在農災法の規定によりまして、県の共済連が直接建物共済をやった場合にやれるようになっておるわけでありますが、県の協定によって建物共済が共済団体に属している部分につきまして継続していくためにそういった措置があったのではないかと考えておるのでございますが、今後におきましては、先ほど指摘されました両団体の覚え書きによりまして、両団体の間でこの問題について話し合いをやりまして、その具体的なケースごとに円満に解決していきたい、こういう両団体の意図もございますので、できるだけそのような方向で指導してまいりたいと考えております。
#32
○足鹿委員 この市町村移譲の実態を見ますと、いただいた資料によりましても五百八つというもの、最近またふえつつある、今後これが倍加していくというような趨勢にある。その市町村移譲の理由でありますが、政令第二条の二によりまして、事業運営の不適正なる組合で市町村が共済事業を行なえば適正なる運営が見込まれる場合というのが圧倒的に多い。これはあなた方の資料にちゃんと出ておる。だといたしますならば、大臣もなかなか、こういうことはこまかいところまで一々がみがみ申し上げるわけではありませんが、やはり一つの大きなポイントの問題でありますから……。市町村営問題というものがいろいろな理由によって、規模が小さい場合に持っていけとか、いろいろな場合がありますが、この多数の今後市町村移譲が見込まれる場合にあって、私がいままで指摘したような問題の取り扱い方について、ただ両団体の話し合いというだけのみならず、もっと農林省としては適正な、先ほど申しました不足金があるのに一般会計に出す、そういうようなことは常識では考えられません。それがやはり市町村営との関係も間接に出てくる、こういうことでありますから、この点については十分お考えを願っておきたいと思いますが、特に長野県の場合なんかは、百四十三組合のうち四十九組合が市町村へ移っておる。三四・三%であります。和歌山県のごときは、五十八の組合が、市町村に移譲されたものが二十三であって、三九・七、ほとんど半数近いところまでいっておる。こういう制度運営の実態に即応するいろいろ十分な対策を検討し、間違いのない、そして農民の期待する公正妥当な運営がはかられない限り、制度をいかようにいじくり回しましても、私はその成果は期待できないと思うわけでありまして、くどいようでありますけれども、農林大臣、こういう事実に基づいて、市町村移譲の場合の任意共済の取り扱いあるいは市町村移譲後における組合運営の適正指導、そういった点をこのような趨勢に即応すべく事務当局をして遺憾なきを期せしめられる御意思があるかどうか、実情を申し上げて御所見を承っておきたいと思います。
#33
○重政国務大臣 それらの点につきましては、ひとつ十分に検討をいたしまして善処をいたすことにいたします。
#34
○足鹿委員 ここで善処を約束されたことは、十分に実行をぜひお順いいたしておきます。大臣の一言は金鉄よりも重しとするような権威を持ってひとつやっていただきたいと思います。乳価のようなことにならないようにお願いをいたしておきます。
 そこで次の問題に移りますが、農林大臣が組合ごとに農作物共済掛け金率を定めることとなっております。これは政令事項でありますが、この場合の組合別資料の提出を先日私が求めましたところ、松岡経済局長は、電子計算機をもってしても本年の秋ごろまでかかるという、まことに不誠意な御答弁をしておられます。それが時間がかかることは私もわかりますが、古いものはあるはずであります。中野保険課長当時、坂村経済局長当時、制度改正協議会の決定に基づいて――あれは農単に基づくものでありまして、やり直さなければならないことは私も重々知っております。しかしあなた方は、今度の改正によって農家負担の掛け金の増加する部分については補助金の支出を考えておられ、約二値円程度と伝え聞いておりますが、何を基準にしてわれわれは審議をしたらいいのか、この前私がこの問題と取り組んだ際に、全国で相当の組合が掛け金増しになるというので問題が重大化いたしました。そこで、これに対する掛け金率の改定を三カ年ごととし、その三カ年の間だけ一応補助金を出されるという考え方のようでありますが、そのいうことではおそらく農民は納得いたしますまい。法に基づいたちゃんとした規定をされなければ、掛け金の上がった部分は農民負担にいつかはかわっていくというような危惧を持ったといたしますならば、これは制度運営上非常に困難な事態が起きると思います。いわんや、この前の資料は農単に基づく計算であって、当局はずいぶん御苦労になって、制度改正協議会の趣旨を了とせられて、ずいぶん長い間かかって資料を整備された。私どもは拝見はいたしませんでしたが、今度は一筆石建てにまた逆戻りいたしましたから、またやり直されることはわかります。わかりますが、だからといって、二億円で掛け金の増加する部分が補助金が足りるのか足りないのか、また何を基準にして補助金を交付するのか、これは永続するのかしないのか、そういうことであってはならないと思います。農家負担の増高ということは厳に慎まなければならない段階であります。それでなくても掛け捨ての問題で解散問題や事業休止が起きておる現実でありますから、この点は、私どもとしましては一応の組合別のめどは承らなければ、松岡さんの御言明のように、電子計算機をもってしても秋までかかるから待てと言われても、おいそれと待つわけにはまいりません。この点の取り扱いについて今後、農民の納得のいく、そしてわれわれもそれならよかろう、こういう内容の説明があり、対策がここで言明がない限り、絶対に私どもとしては審議をそのまま、この条項については特に重要でありますから、進めるわけにはまいりません。これは非常に重大な問題だと思います。ただあなた方を信ずるか信じないかの問題ではございません。この基礎資料の提出なくして、われわれは実態がつかめないわけだ。でありますから、今度は共済保険金を米価の九〇%を払うわけでありますから、多くのものを得ない場合は特に掛け金が増高いたします。でありますから、もとのものでも農単の場合でもこの程度であるから、一筆石建てでやった場合にはどうなるかという想定くらいはお示しになってしかるべきだろうと思う。誠意のある御答弁をお願いいたしたいと思います。
#35
○松岡(亮)政府委員 先般の委員会におきまして御要求の資料で、三十九年産水稲から適用されます料率は三十七年産の被害率を含めて四千の組合について算定したものでありますので、それはまだ三十七年災につきましては報告がいま参っておる段階でありまするので、若干時間がかかるということを申し上げたわけでありますが、いまお話しのように三十六年産までの被害に基づきまして算定いたしましたものについては、これはいまお話のありました前の農単でやりました資料を一筆収量建てに直したものでございますが、当時の資料によりまして、十分の一の抽出調査でございます。これは資料としてございますので、提出いたしますが、いまその概要を申し上げますと、今回の制度改正の結果といたしまして料率が上がりますものが大体半々程度、こういうことが申し上げられると思うのでございます。ただしこの場合に、制度改正が行なわれなくても各被害率が上がったために当然に料率が上がるという場合も含められておりますので、その辺がまだ区分できていないのでございます。
#36
○足鹿委員 いま経済局長が御答弁になったことでは、私の質問に対しては満足ではございません。いまのところ、いわゆる三カ年を目途としておられると推定せざるを得ない。法的な措置はありません。掛け金算定率によって出て、補助金が打ち切られた場合は、掛け金が増高することは火を見るよりも明らかであります。これにどう対処されるかということは、また金が足りなかった場合はどうされますか。この点は農林大臣の政治的な判断に基づいた御答弁をお願いしておきたい。
#37
○重政国務大臣 こういうふうにお考えを願いたいと思うのであります。それは被害率の算定は、従来は県別にいたしまして、その県の内部を十八区でありましたかに区分をして、その被害率の割りつけをしたようなことを現行はやっておる。それでは実際と合わないわけであります。そこで組合別の被害率の算定をするというのでありますから、これならほんとうの被害率である、こう私は考えておる。それがほんとうの被害率であるから、組合員はその被害率によって掛け金をするのがあたりまえの話だ。ところがお示しになりましたように従来のいわば不合理といいますか、実情に合わない被害率によって掛け金をやっておる分より、今度の合理的な算定によって出てきた被害率のほうが掛け金が多くなる。そうすると、これは改正をして直ちにある農家には掛け金が多くなるということであっては適当でない。そこで一定年間、あるいは三年なら三年間というものは、その改正制度によって増加した掛け金は政府がひとつ補助金として出しましょう、そうして農家の負担が急激に少しでもふえるようなことを防いでいきましょう、こういうのが大体いまの考え方であります。ところが、それを未来永劫にわたってふえる分だけは政府が持ち、減る分は減りっぱなし、これは制度の上からちょっとどうかと私は考えます。これは制度を合理的にするわけでありますから、そういうことをひとつ御了承願いたいと思うのであります。
#38
○足鹿委員 これは重大な御言明だと思うのですよ。いま、松岡さんから資料をもらわなければわかりませんが、二億円と推定されておるというのはほんとうでありますか。あるいはこれが選択によって高位のものをたくさんとった場合、そして被害率算定との関係からいって相当増高していくというような場合に、いま大臣が言われたように、もともと掛け金を農民が正当に払うのは当然だ、それを補助金を出すのは変だというような御認識では、この法案の審議の基本がくずれますよ。とりあえずのところだけこう薬を張っておいて当面を糊塗する、あとは農民負担が増高しても知らぬ、こういう考え方でありますならば、これは重大決意をせざるを得ない。そういう考え方ではだめですよ。私は、この審議を軌道に乗せ、きわめて真摯率直にまじめな質問をしておるつもりなのであります。それは先刻来御承知だろうと思う。そういうことでありますならば、私どもはこの審議方針を変えざるを得ないことになるかもしれませんよ。何たることでありますか。そういうむちゃな話はありませんよ。大体金額は、三十六年度現在は二億円程度になる。しかし、今度は制度が若干手直しされて農民の気持も変わってくる。逆選択も少なくなって正常な選択が進んだ場合に大へんなことになりますよ。断じていまの御答弁では承服ができません。何らかの法的な措置をもってこれを制度化してカバーをするか、あるいは大蔵省その他関係者をここへお呼び願ってこの点をしかと確かめない限り――制度改正の大事な点であります。少なくとも現状以上に掛け金を上げないというのが改正の趣旨であります。上げれば別に問題はないというような考え方では困ります。全然話が違います。いかがでありますか。
#39
○重政国務大臣 三年、三年で料率の改定をやるといたしまして、次の三年においてその組合の災害が非常に多いというときには料率が高くなります。これも、それでは現在より未来永劫にその料率はいかなることがあっても上げないということを一体やらなければならぬということになりますかね。私、詳しくないけれども、どうもお話を聞いておると私の方がちょっと理解に苦しむのでありますが、どうでありましょうか。
#40
○足鹿委員 それは農林大臣、未来永劫ということばをお使いになりますけれども、そんなことで議論をしたのではお話にならぬと思うのです。ですから、少なくともこの三カ年三カ年に料率改定が実情に即するように短縮をされたことはけっこうであります。また被害の態様というものも変わってきておりますからけっこうでありますが、少なくとも今次改正によって私どもは将来にわたって掛け金が増高するということは避けたい。そしてその制度の内容の充実を期していくところに農民も期待を持っておるゆえんです。これを骨抜きにして一体今度の制度改正は、私は数年を出ずして行き詰まるということを先ほども言いましたが、この一点からでもこれは断定してはばかりません。もう続出しますよ。それで実際いいのでありますか。あなた方がよろしいということであれば、それで押し切るとおっしゃいますならば、私どもは慎重に態度を決定せざるを得ない。そういうつもりではなかったはずであります。前の河野農林大臣の方針をあなた踏襲するのじゃないですか。違うじゃないですか。ほんとうですよ、それをはっきりしなければだめですよ。
#41
○重政国務大臣 三カ年は少なくとも、いま申しますように、この制度改正によって次の料率改定までの間はもちろん上げない。かりに料率が上がることが出ても上げない。こういうことを考えておるわけでありますが、それではその先の三年の料率改定をせられたときに一体どうなるか、またそれではその先の料率改定が行なわれるときにそれはどうなるかということになるわけであります。これはいまからそれをどうするということを言うわけに参りませんが、これはひとつその後の情勢によって十分に検討をしていかなければならぬと思うのであります。傾向といたしましては、御承知のとおりに、全般的にいえば料率は、漸次、土地改良その他の施設が行われていくのでありますから、傾向としては料率は下がる傾向にあることは言うまでもないことでありますが、いまのところは大体そういうふうに考えております。三年間は大体上げない。それから先はまたひとつ情勢その他を十分検討をいたして、どうする。それは安いほうがいいにきまっておるのですから、そういうふうに検討をしていきたい、こういうふうに考えております。
#42
○足鹿委員 この三年ぽっきりであとは知らぬというのですか。それじゃ困るんですよ。この点は、この制度自体の改正に伴う一番重要な点なんです。ですから、この資料をまだ見ておりませんが、局長、農家負担の掛け金率の増加分に対する補助金の交付基準、組合名及びその額、これは一体どういう程度になるのですか。そうして今後の見通しはどうなんですか。もうちょっと引き続きやってもらわなければならぬ。もう少し検討してみてください。
#43
○重政国務大臣 足鹿さん、これも考えいただかなければいかぬです。現状において、現在の制度改正前、つまり現在の制度におきましても料率の改定をやっております。そうして料率の改定をやれば、現在は現在なりの実情に沿うて料率算定の方式でやると思うのでありますが、安くなるところもあれば高くなるところもある。それではその高くなるところは絶対に高くしないようにしておるかといえば、現在はやはり料率算定によって若干高くなるところも出てくるわけでありますから、そういうものはそれで実行しておるという話を聞いたわけであります。十分ひとつさらに検討をいたします。
#44
○足鹿委員 先ほど請求した資料、三十六年度の分でけっこうですが、それをまだもらってもおりませんし、この点は重要な点でありますから、もっとよく大臣と政府のほうで詰めていただく。若干の時間を必要とすると思います。資料をいただいておりませんし、私が要求したこの中に入っておるかもしれませんが、きょうは本会議もあるそうでありますから、残余の質問は後日に留保させていただきたいと思います。
#45
○長谷川委員長 大臣、何か前の答弁との違いがあるということを言っておられますが、よく前のを調べてみて間違いのないように答弁願います。また、大臣とお二人でよく打ち合わせてきてください。
#46
○重政国務大臣 承知しました。
     ――――◇―――――
#47
○長谷川委員長 参考人出頭要求に関する件についておはかりをいたします。
 農業災害補償法の一部を改正する法律案の審査の参考に資するため、参考人から意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○長谷川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
 なお、参考人の人選並びに日時につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#49
○長谷川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 本日はこの程度にとどめ、次会は明十五日午前十時から開会することとし、これにて散会をいたします。
   午後零時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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