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1962/02/14 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 逓信委員会 第6号
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1962/02/14 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 逓信委員会 第6号

#1
第043回国会 逓信委員会 第6号
昭和三十八年二月十四日(木曜日)
    午前十時四十三分開議
 出席委員
   委員長 本名  武君
   理事 大高  康君 理事 岡田 修一君
   理事 佐藤洋之助君 理事 羽田武嗣郎君
   理事 大柴 滋夫君 理事 栗原 俊夫君
   理事 森本  靖君
      上林山榮吉君    鈴木 善幸君
      中山 榮一君   橋本登美三郎君
      森山 欽司君    安平 鹿一君
      受田 新吉君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 小沢久太郎君
 出席政府委員
        郵政政務次官  保岡 武久君
        郵政事務官
        (大臣官房長) 武田  功君
        郵政事務官
        (人事局長)  増森  孝君
 委員外の出席者
        郵政事務官
        (人事局審議
        官)      土生 滋久君
        日本国有鉄道常
        務理事     河村  勝君
        日本電信電話公
        社総裁     大橋 八郎君
        日本電信電話公
        社総務理事(
        兼)技師長   佐々木卓夫君
        日本電信電話公
        社職員局長   本多 元吉君
    ―――――――――――――
二月十三日
 電話加入権質に関する臨時特例法の一部を改正
 する法律案(内閣提出第九一号)(予)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 郵政事業に関する件
 電気通信に関する件
 電波監理及び放送に関する件
     ――――◇―――――
#2
○本名委員長 これより会議を開きます。
 郵政事業に関する件、郵政監察に関する件、電気通信に関する件並びに電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。受田新吉君。
#3
○受田委員 私は、昨日森本委員からお尋ねがあった今回の給与特例法の対象になる人々に対する当局の回答に関するお尋ねをまず申し上げたいと思います。特にきょうは堀り下げて具体的な中身についてお尋ねをしたい。何となれば、すでに回答文は新聞その他で天下に公表されておるから、公表された部分に対しては、よし交渉の過程といえども、当局の意思を明らかにする義務があると思いますので、その点を御了承願います。
 今回の公労法対象の職員に対する当局の回答を拝見しますと、実質的に賃金の引き上げ措置でなくして、ただ単に中高新卒者に対する昇格の手だてにすぎないような形のものが出ておりますが、これは回答文にあった通り、賃上げの必要なしという当局の意図が関係当局の間で十分相談の上されたものであるか、あるいは個々に独自の見解で回答がされたものであるか、その回答の中身は、賃上げは必要としないという原則が確立した立場かどうかということをお尋ねしたいのです。郵政大臣は、その当局の一人でございますので、まず郵政大臣から、及び関連する他の当局から御答弁を願いたいと思います。
#4
○増森政府委員 いろいろと検討いたしまして、こちらの判断でやっております。
#5
○受田委員 いろいろ検討されたということでございますが、回答文はごく簡単なものです。郵政大臣の回答文はやや具体性を持った、すなわち毎勤統計も一応例に引いておられるようでございますが、電電公社の回答などは、その他の事情を勘案してなどと簡単に片づけておられます。こういう不親切な回答で差しつかえないものかどうか。これは組合側からすでに昨年の十月一日付をもって要求されている事項に対する回答が、三カ月半もたって今日されたわけですから、よほど綿密な御調査で、またその回答も、十分科学的根拠などを示して回答すべきものではないかと思うのですが、この点はどのようなお考えであったでしょうか。
#6
○本多説明員 お答えいたします。
 私ども組合側に対します今回の回答につきましては、お話ございましたように、財政事情その他の事情を勘案して、むずかしいということをお答えいたしましたが、昨年暮れあたりにおきましても、いろいろ交渉がございまして、たとえば物価の問題とか消費水準の問題、生活水準の問題とか、そういう問題につきまして、いろいろ見解が違いますけれども、組合との間に話はしたような次第でございます。
#7
○受田委員 回答文の内容が、私非常に不親切だと思うのですが、電電公社の回答と郵政大臣の回答とでは相当開きがある。国鉄はまだ回答が出ておりません。二公社五現業という形の回答になっておるようですが、あの回答の中身を拝見して、こんな回答で片づけていいものかどうか、ああいう回答で差しつかえないものか、すなわち科学的な算定基礎あるいはその他の事情についても、ある程度堀り下げた、実態を明らかにして、組合側の要望に対する答えとしては、とにかく親切な答えをすべきではないかと私思うのです。この点両当局を中心にまず御答弁願います。
#8
○増森政府委員 私どもといたしましては、給与特例法にこういうふうな規定がございまして、給与特例法の職員につきましては、一般公務員あるいは民間の賃金その他の事情等を勘案してきめなければいけないというようなことが規定してございますので、私どもとしましては、十分それらの点を勘案いたしまして回答を作成したような次第でございます。
#9
○受田委員 これは給与特例法にあるんですね。ところが、「その他の事情を考慮して」の「その他の事情」というものはどういうものを考慮されたのですか、具体的に御答弁を願います。
#10
○増森政府委員 物価騰貴でございます。
#11
○受田委員 ただ単に物価だけでございますか。
#12
○増森政府委員 今回は物価だけを調べております。
#13
○受田委員 電電公社の方はどうです。
#14
○本多説明員 お答えいたします。
 私どもの方の組合側としましての要求の理由の中に、物価の問題とか、先ほどお話しましたような消費水準の問題とか、あるいは人事院勧告というようなことも出ておりますので、そういう点については、昨年、これは意見が違いまするけれども、一応いろいろ意見をかわしたような次第でございます。
#15
○受田委員 物価騰貴ということになると、物価騰貴の面がどこかに表われていなければならぬです。この物価上昇率というものは、いろいろの統計資料があるわけでございますから、それは消費者物価指数の問題もあるし、またその他の事情もあるわけです。今郵政当局の御答弁では、物価騰貴だけを参考にされた。民間給与というようなものは参考にされていない。物価騰貴だけということはこれは非常に問題がある。その他の事情は物価騰貴だと簡単に片づけられておるということは、これは問題が非常に大きいと思う。ただ単に物価騰貴だけでその他の事情は勘案した、こういうふうに了解していいものかどうか。特に郵政省当局の回答文を見ますと、「新規高校卒業者の初任給については、民間においても、昨年に比べて本年はある程度の上昇を見ることが予想されるので、これとの均衡を考慮するとともにあわせて要員確保にも資するための措置が必要となるものと考えられる。」要員確保ということは、これはその他の事情の中に入る重要な要素じゃないのですか。
#16
○増森政府委員 私の御説明が大へんまずかったのか存じませんけれども、ただいま受田先生の御指摘になりました点は、民間賃金等は考えていないんじゃないかというお話でございますが、冒頭に申し上げましたように、私の説明は、民間賃金、それから一般公務員その他の事情を勘案してきめる、こういうふうにお答えしておりましたので、物価だけで上げたと御理解になられてはちょっと私の趣意と反するかと存じます。
  〔委員長退席、大高委員長代理着席〕
#17
○受田委員 要員確保という条件は、物価騰貴に関係するのですか。あるいは民間給与でそうなるのですか。それはつまりその他の事情の中へ入るわけじゃないのですか、要員を確保する事情というのは……。
#18
○増森政府委員 私の申し上げておりますのは、民間賃金等も参酌し、それから要員確保――要員確保というのは、民間等の賃金を参酌いたしました場合に、ちょっと要員確保がむずかしいだろうということで、要員確保の面を打ち出したわけでございます。
#19
○受田委員 要員確保ということは、民間賃金との関係がここへ入るのですね。そう了解してよろしゅうございますか。これは次の質問に関係しますからはっきりしていただきたい。
#20
○増森政府委員 けっこうだと思います。
#21
○受田委員 民間賃金が初任給の点で高い、ほかのものは高くない、ほかのものは変わっていないが、初任給を受ける人々の方は民間賃金が高い、そういう判断をされたのですね。そうすれば民間賃金ということと関係があるわけですね。
#22
○増森政府委員 民間の方の初任給が来年度は若干高くなるであろう、こういう予測のもとにそういうふうに変えたわけでございます。
#23
○受田委員 人事院は民間賃金が上昇するテンポが非常に弱っているということを言うているわけです、初任給段階の人々は。ところが、あなたの方の御調査では、その初任給段階が民間が高い、こういう結論は、何の数字を基礎にされてそういうものをお出しになったかを御答弁願います。
#24
○土生説明員 御説明いたします。
 民間の初任給はまだ現実には高くなっていないのでありますが、ことしの卒業者については、ある程度高くなるであろうということについては、そういう見込みがありますので、大体これは関東の経営者連盟等のレポートを参照したのでありますが、それによりますと、ある程度高くなることは確実でありますから、昨年の民間の新高卒の初任給につきまして数字を申しますと、一万一千八百七十円であったわけですが、これは労働省の職業安定局の調査であります。それに対しまして、関東経営者連盟の方の調査によりますと、これは約一一・五%くらいは新高卒の初任給は高くなる見込みであるということでありますので、昨年の一万一千八百七十円は残業手当が入っておりますので、それを除きまして推定一万五百三十五円、それに対しまして一一・五%を増額しまして一万一千七百四十七円というのが全国の推定の初任給としまして一応見込まれるわけであります。それに対しまして、現在郵政職員に払っております新高卒の初任給、それに暫定手当の平均額、それとこの一万一千七百四十七円との差額を計算いたしますと、約六百円弱の差額が出るわけでありまして、それをもとといたしまして六百円の金額を出したわけであります。
#25
○受田委員 それは今一一%ばかり上昇しているということですが、経営者関係はどういう機関ですか。予測を出された機関というものははっきりしておきたいと思います。
#26
○土生説明員 関東の経営者連盟について調べて聞いたところであります。
#27
○受田委員 関東の経営者連盟に行って調べて一一・何%という数字をはっきり言いましたか。これはことしの新規採用者の初任給が引き上げられる、予測としてそういうきちっとした数字を出されましたか。
#28
○土生説明員 予測です。予測ですが、大体その程度だろうということでありました。
#29
○受田委員 その程度だろう。予測をもとにしてものを論議するということは一つの問題がある。そして初任給だけが上がって、ほかのところが上がらぬというような経営者側の意向でございましたか。
 それから、経営者の側では、事業所の対象になる人員にも関係があるわけですが、三十人以上、五十人以上、百人以上、五百人以上、こういう段階を踏んで経営者が科学的な根拠から数字を出されたとするならば、われわれ納得することができますが、ばく然とした初任給該当者だけが引き上げられる、ほかの者は上がらぬということであったかどうか。ほかの者はそのまま据え置きで初任給が二%上がる、こういうことだったのですか。非常に大事なことですから、今から科学的な解明をする必要がありますから、御答弁をあとから修正をされないようにお願いしておきます。
#30
○増森政府委員 一般につきましては、民間賃金指数は、四月と比べまして昨年の十一月までは三%の上昇を示しておりまして、三%の上昇であるならば上げなくてもよいのではないかというような結論に達した次第であります。
#31
○受田委員 ちょっと私どもはっきりしないのですが、初任給のところは一一%、それからほかのところは三%、こういう関東の経営者の考え方があったわけですね。そうですが。
#32
○増森政府委員 一般の方では昨年の十一月までをとったのでありますが、初任給の方はことしの三月のころを予想いたしましてきめたわけであります。
#33
○受田委員 算定基礎が違うじゃありませんか。時期がずれておったのでは比較にならないのですがね。すべて比較は同一時期で同一根拠をもとにするということ、これが給与決定の基本条件なんですね。一方はずっと前、一方はずっと後の方基礎にして、いいかげんに給与をきめるということになると、これはもう給与体系はめちゃくちゃになるのです。私はそれを非常に心配しているのです。
#34
○土生説明員 先ほど関東経営者連盟と申し上げたのですが、そうじゃなくて、東京都の労働局で聞いてもらったのでありまして、三十八年の高校卒の見込み初任給調査によりますと、一一・五%の上昇が昨年に比べまして見込まれるということであったのであります。それに対しまして、それではそれだけ上げた場合に、今までいた職員との調整という問題はどうなるかというところまでは調べておりません。
#35
○受田委員 非常にずさんな調査であると私は断定します。少なくとも公務員ですから、ただ法の適用を、この給与特例法という独特の事情に基づいた俸給表を根拠にするというだけであって、一般公務員であることは間違いないですね。国民全体の奉仕者である公務員の給与の算定基礎が、はなはだあいまいな基礎でいいかげんに決定されるということになると、これは私は非常にゆゆしい問題であると思う。今お答えいただいた中に、東京都労働局に聞いてみたら、東京の方はそうだ、しかし地方はどうか、こういうことが起こってくるわけです。従って、調査されるのでしたら、初任給の東京のみでなくして、地方の分も、また三十人とか百人とかいう段階、人事院は五十人以上という事業所とはっきり今割り切った計算基礎を置いているわけですが、そういうある程度――政府としての人事院機構ほどの大きなものを持っておられませんけれども、少なくとも郵政当局には相当専門家がおそろいだと思うので、ただ組合に適当な回答をしておけばよいというようなことではなくて、もっと掘り下げた、時期を同じくし、対象も広くこれを公平に網羅して算定する、こういう形をとるべきじゃないかと思うのですが、いかがでございましょうか。
#36
○増森政府委員 御指摘の点は非常に参考になると思いますので、今後の団体交渉の中で煮詰めていきたいと思っております。
#37
○受田委員 電電公社に伺いますが、お宅の方のなには郵政省と違いますか、同じですか。
#38
○本多説明員 私どもの方も同じ資料に基づきまして、初任給の引き上げを実施したようなわけでございます。
#39
○受田委員 やはり東京都労働局で初任給をお聞きになったのですか。そしてそれから上のものは、一般の消費者物価指数とか毎勤統計などによるところの数字をもとにしてやる、こういうようなばく然とした基礎で……。今郵政省が、今後の団体交渉の際における、当局としてもっと精密な調査をしたいというような御答弁があったのですが、それと同じようなお気持でおられるのか、電電公社はもう自信があるのだというお立場か、お答えを願います。
#40
○本多説明員 直ちに精密な調査ということはなかなかむずかしい問題でございまするけれども、私どももそういうような趣旨で努力はするつもりでおります。
#41
○受田委員 これは一般職の給与法とか国家公務員法という一般公務員の給与をきめる基準法規があるわけで、その国家公務員法にも、それから給与法にも、それぞれ今給与特例法に掲げたような民間給与並びにその他の事情等を勘案するという言葉が出てきておるわけですね。従って、一般職の公務員というものは、そういう法規に基づいて、その他の事情、民間給与なども非常に綿密に調査して――御存じのように毎月人事院月報を出しておられる。そうしてこれに精密なる調査に基づいた数字が出ておるんですね。そうして人事院の調査によれば、初任給は昨年と比較してこれは他の部分よりむしろ上がる率が低い線にあるという答えを出しているわけです。ところが、今度の二公社五現業の方はこれはどこから見ても上げなければならぬという予想だと今お答えになっておられる。一方は予想、一方は厳密な数字基礎に基づいたもの、こういうようなことで一給与体系がばらばらにされたのでは、わざわざ給与特例法などを設け、一般職の給与に関する法律をつくって、国家公務員法の規定とマッチさせるような、こういう形で国会で審議して、国民代表者が国民全体の奉仕者のために公平の原則――国家公務員法にもちゃんと公平の原則が書いてあります。そういうことをもとにして給与の適正をはかろうとしているときですから、私が今お尋ねを申し上げたことに対しても、当局のこの回答は、昨年十月一日に要求があり、三カ月半もかかるとなれば、相当綿密な調査をされ、そうして一年に一ぺん回答をされるようなこういう段階では、ある程度組合側にも、組合が要求した数字などを適当に反駁して、私の方の数字はこうだ、こういう形のもので御相談をされないと、これがあいまいもことした線がどこかにひそんでおったのでは、これは政治的給与、政治的回答としか私は言えないと思うのです。私が懸念していることは、公労法という公共企業体に従事する職員に対する特別の擁護をする機関と、人事院という一般公務員に対して特別に給与、身分を守る機関とが、それぞれ連絡がついて調整がとれるようにしていかなければ、国家公務員法に規定した人事院と公労法に規定する団体交渉、こういうものがバランスがとれるようにしていかないと、この国民全体の奉仕者の中に非常な不均衡が発生する危険があると思うのです。ここで特にお答え願いたいことは、団体交渉というものは、これは公労法に規定されたこの規定は、こういう規定そのものは、こまかい規定をつくるときには役に立つが、賃金の基本体系を確立する場合には当然調停委員会や仲裁裁定に持ち込むのが常識になっているというので、団体交渉における要求に対する回答というものは、まあいいかげんに政治的な回答をしておけ、そのうちに何とか仲裁裁定などが手を打ってくれるであろうというようなお気持があるのではないか、この点私は非常に心配なんです。大臣、あなたは閣僚のお一人として、この公共企業体職員に対する給与の問題は、団体交渉を原則とするのが建前か、あるいは仲裁裁定へ持ち込むのが建前と思われるか、どちらが建前と思われますか。
#42
○小沢国務大臣 原則といたしましては団体交渉でできるだけやる、どうしてもいかない場合には仲裁というのが私は原則だと思います。
#43
○受田委員 今回のような回答を出されたのでは、これは非常に問題があるわけです。団体交渉の過程ではこれは解決できないような回答なんです。賃上げの必要なし、初任給の手直し――初任給の手直しも、比較論からいったらあいまいもことしている、こういうことになっているんですね。これでは団体交渉権を持つ職員側の方にしましても、ただではおけないというようなことになる危険があるわけです。私は民主的な組合運動ということを極力要望しておる一人です。団体交渉ではっきりと結論を出して、別に調停や仲裁を求めなくても、この団体交渉の過程ではっきりと賃金体系が確立する、こういう原則を常に同時に現実として現わしていただかなければならぬと思うのです。過去において、仲裁裁定に持ち込まなくて、団体交渉でこの賃金、つまり人事院勧告に基づく給与法案となって現われるごとくに、団体交渉で公共企業体の職員の基本賃金がきめられた例というものは、公共企業体等労働関係法ができて以来何回あるのでございますか、一つ御答弁願います。
#44
○土生説明員 配分の問題につきましては、団体交渉だけで解決した例はたくさんありますが、ベースアップの意味合いにおける賃金問題の解決につきましては、団体交渉だけで解決したという例はまだありません。
#45
○受田委員 それが問題なんです。今、大臣が御答弁された原則が適用された例がない。大臣よく御記憶願いたいのです。必ずそういう仲裁裁定などに持ち込んで、そうして仲裁裁定は両方が尊重しなければならぬという法的根拠に基づいてそこでやる。予算措置というものは国会の議決できめる、こういう形になっている。団体交渉の過程では政府に予算がないから――今のところ当局の御説明の中では、民間給与とそれから国家公務員の比較などということだけ言われて、予算の問題は言われなかった。予算がないとは言われなかったから、予算があるということははっきりしたわけです。予算がある以上は、この点は政府として団体交渉の過程で、みんな公共企業体の職員が大いにかせいでくれた、それに対しては予算がある限りは、民間給与が三%しか上がっていなくても、三十人以上の場合は四%しか上がっていなくても、三十人以上を基準として算定されるのが筋が通る。五百人というのは人事院も採用しておりません。五十人以上を採用しておる。この比率でいけば三十人以上は四%だから、この三月末にはもう五%、六%になることは予想できることです。初任給が予想されるのですから当然予想できる。そうすると、五%ないし六%という数字は、少なくとも出てくるわけです。その程度のところは予算の算囲内でお手当はできると私は思うのです。こういうふうに団体交渉の過程で結論を出すという原則を、現実の姿として現わしていなだくように努力される責任が当局にはあると思うが、大臣いかがですか。
#46
○小沢国務大臣 これまでも誠意を持って努力して参りましたし、今後も誠意を持って努力したいと思います。
#47
○受田委員 いや、誠意を持って参りましなならば、今までに解決したければならぬのです。仲裁裁定が出たら解決しておるのです。仲裁裁定が出さえすれば、政府が回答したよりも大幅なものが出ておっても、それを双方がのまなければならぬという義務規定によってやっているんですね。仲裁裁定が出なければ、実際に政府は何ら手を施していないという形は、誠意を持ってやっておるとは言えない。仲裁裁定を待つまでもなく、もっと前進しな回答をされるならば、団体交渉の過程で私は結論が出ておると思うのです。
#48
○小沢国務大臣 一応両方言い分がございまして、それがぴったり合いますときには結論を得るわけでございますけれども、どうしても合わないときには、やむを得ず仲裁委に持ち込むということになるのではないか、そういうふうに思います。
#49
○受田委員 今までの現実は、結局公共企業体の給与に業種手当とかいうような形で給与を出されるようなことになってきておるのです。そういうことが実際にやれるのであれば交渉の過程で何とかすべきだ。大臣が昨年の仲裁裁定をお読みになっておられるかどうか私ちょっと懸念されるのですが、昨年の仲裁裁定を一応御存じですか。昨年の仲裁裁定の中に大へん大事な規定があるのです。それはこの措置というのは、昨年の仲裁裁定で六%程度の引き上げの改定措置が必要であるという措置ですね、「この措置によって公務員給与と公共企業体等の職員の賃金との従来からの関係は、おおむね考慮されたものとみることができよう。」と書いてあるのです。これは了解されますか、どうですか。
#50
○小沢国務大臣 裁定を実施した場合の結果としてそういうふうになったということは、これはわかりますけれども、将来それではどうなるかということは、これは別問題だと思います。
#51
○受田委員 そうすると、大臣は、閣僚の一人として、この措置によって、公務員給与と公共企業体などの職員の賃金との従来からの関係はおおむね考慮されたものと了承されておる、裁定を一応あのときの措置としては了承された、将来のことは言えない、こういうことでございますか。そうすると、了承されたとしますと、ここに問題があるわけです。やっとこの措置で公務員給与と公共企業体との給与のバランスが昨年とれた。ところが、昨年の八月の勧告によるならば、おおむね民間給与と比較して七・九%の上昇をしなければならぬという勧告が出たわけなんです。この仲裁裁定はおととしの七月の人事院勧告に基づく法律の実施と、それから仲裁裁定でやった六%上昇でバランスがとれた、こう言っておるのです。ところが、今度この仲裁裁定が出てから、公務員給与の方は七・九%の上昇です。きょう内閣委員会でこの対策がとられることになっておりますが、そうすると、このときおおむねバランスがとれたなら、その後一般公務員の方は七・九%上がってきておる。物価も、今申し上げたように、郵政省がお出しになった数字でいっても十一月で四・三%、これをずっと推定して三月まで計算すれば、大体六%以上になるわけです。そういう段階で新しい事態が起こっておるわけですね。去年バランスがとれている。バランスがとれて以後、一般公務員の方は八%近く上がっておる。そうなれば公共企業体の職員の側もある程度の上昇ということ、それが公務員に近いか同じかにしても、これが上昇の形、ベースアップというような形がとられるのが筋じゃないでしょうか。
#52
○増森政府委員 ただいま受田先生は、公務員給与と公共企業体等の職員の賃金との従来の関係はおおむね考慮されたと了解するというお話でございましたが、そういう見方も成り立つという人もありましようけれども、私どもといたしましては、上、げました結果、おおむね結果としてバランスがとれたのだというように非常に軽く考えております。従いまして、だからといって、今後先々そのバランスをとらなければいけないというようには解釈しておりません。
#53
○受田委員 これから先々解釈されますか、されませんか、どっちですか。
#54
○増森政府委員 そのために六%上げたというようには了解しておりません。
#55
○受田委員 昨年の措置ですか。
#56
○増森政府委員 そうです。
#57
○受田委員 了解していない、どういうふうに了解しておるのでしょう。
#58
○増森政府委員 六%公共企業体の方が上げましたので、結果として今までの格差が考慮されたのだろう、こういう書き方だと了解しております。
#59
○受田委員 六%上げたのでバランスがとれた、こういう了解でしょう。
#60
○土生説明員 私どもの解釈を申しますと、その点では公務員と公企体職員との賃金の従来からの関係は格差と申しますか、これはおおむね考慮されたものと見ることができようということでありまして、結果としてそうなった、考慮されたと見る人は見てもよいであろう。しかし、そういうことだけを述べてあるのだと解釈しております。そこで、私の方としましては、考慮するために六%上げた、従来の格差を残すことがこの六%上げの一つの根拠になったというふうには考えておりませんので、今問題になっております期日は、書いてありますことは見る人の解釈にまかせるといいますか、いずれにいたしましても、この裁定の趣旨は、従来の開きを残すべきであるかいなかというような方向については、何ら関係がないものであるというふうに解釈しておるわけであります。
#61
○受田委員 どうもはっきりしないのですが、関係ないものというわけにはならないのでしょう。これは何ら関係ないものというわけにはいかぬですねこれは何ら関係ないものというのはどういう根拠で言われるのか、ここが非常に重大なところです。
#62
○土生説明員 従来からの公務員と公企体との差というものは、この六%上げたことによってその差はおおむね考慮されたものと見ることができようと書いてあるわけです。そこで、少なくとも最初申し上げましたように、六%引き上、げる根拠には使っていない。従来の差を残すために六%を上げたということにはなっていない。これはこの措置によって結果としてそういうことがいえます。その次には、それではこの差というものは、今回は残ったけれども、これはその関係はおおむね考慮されたものと見ることができる、見る人はそう見ることもできるということであって、そう見る、見ないということは、その人の見方によるんじゃないかということであります。私はもうちょっとそのことを見てはいけないというように否定するわけにはいきません。しかし、そうは見ないという見方もできると思います。そこで、そのことにつきましては、それではこの差というものは一体あるべき姿なのかどうかということになりますと、やはりわれわれも今後の賃金問題の検討の材料になるわけですが、この差というものは、少なくともこの裁定の理由書からは残した方がいいんだとか、あるいはない方がいいんだというようないずれの方向にも全然関係はない趣旨のものである、こういうふうに了解しておるわけであります。
#63
○受田委員 ここでちょっと堀り下げてお尋ねいたしますが、これは仲裁裁定のことですけれども、公社の給与関係というものは大体予算総則にもはっきりしておるわけですが、その給与総則というものが予算として決定される場合に、定員と予算単価、その積算したやつが一体どれだけ今郵政省の場合にあるのか。年度内には定期昇給があるし、定期昇給を含めてどのくらいの昇給そのほかの余裕の財源があるのか。これは予算委員会でも討議されたかもしりませんが、予算にはっきり数字が出ておると思いますのでお答えが願えると思うのです。つまり、予算総則におけるこの定員と予算単価、その積算に基づいて定期昇給分を除いて余裕財源がどれだけあるか、お答えを願います
#64
○土生説明員 定期昇給原資といたしましては、本俸の三・八%を予算に計上しております。
#65
○受田委員 定期昇給原資のほかに、別に全然余裕がないことになっておりますか。だから実行単価と予算単価というものは違うのか、ぴしっと合っておるのか、これを御答弁願います。
#66
○土生説明員 決算ということになりますと、やはり欠員でありますとか、そういうふうなものがありますので、若干の累月残といいますか、そういうものはありますけれども、現員現給制度の運用上としましては、それほど余裕のあるような状態ではないと思っております。
#67
○受田委員 今回の六百円の手直しに対する該当人員及びそれに必要とする経費、これは御回答されたのですから、ちゃんと基礎がわかっておると思います。お答え願います。
#68
○増森政府委員 大体該当人員は五万七千、それから総額としましては、原資としましては四億くらいございます。
#69
○受田委員 総額で四億、その金はどこから出すことにされますか。
#70
○増森政府委員 新年度の企業努力で生み出したいと思っております。
#71
○受田委員 その経費の節約は、収入の増加という例の特別給与対象になるワクと、ワク外ですね。予算のワク外。
#72
○土生説明員 企業努力でありますから、できるだけ給与総額のワク外ということも考えていますか、場合によってはある程度はやはりワク内操作ということもあり得るかもしれませんが、その辺はまだはっきりしたことはお答えいたしかねます。
#73
○受田委員 これは予算操作の問題になることですから、まだ結論が出ていない。とにかく出すことは出すということをきめておる。その点は了解しますか、私が特に今までの団体交渉で問題にしてみたいところは、政府がこの予算総額というものをワク外に持つことができない。基準内単価というものがワク内では操作ができない。そこで、仲裁裁定で国会の議決などによって解決を持つ以外にないというようなところに追い込まれた立場に、企業体がなったら、大へんな問題だと思うので、お尋ねしたいのです。その点どうですか。もう現在の回答以外の措置をとれば、予算総則からいっても、基準内単価からいった給与の関係からいっても、もう金が出せないのだという立場ですか、どうですか。
#74
○土生説明員 お尋ねの御趣旨は、郵政財政としてそれだけの企業負担能力がないかという御趣旨ですか。それとも、予算に関するいろいろな制約があるわけですが、そのワク内ではできないというのかというのですか。
#75
○受田委員 次年度の予算に基準内賃金の予算単価というものが一応きめてある。その中へ入れられておるかどうかということです。もう今予算は出ておるのですから。
#76
○土生説明員 織り込んではありません。
#77
○受田委員 次年度の予算単価の決定の基準となるものが要るのですね。それが、今の段階では、そういうものは入れてないのですね。入れてないとすれば、もうこれは政府部内では手がつかぬ。そこで公労法の一番末尾の三十五条の規定によって、仲裁裁定に待つ以外には、これ以上のものを出そうとしても出すことができぬというお答えですか。
#78
○土生説明員 私どもといたしましては、出すべきであるかそうでないかということで、今団体交渉をしているわけであります。従いまして、今のところは出す条件が整っていないという態度でおりますので、また万一出す条件があるのだということを両者が認め合ったその後における問題というようなことについては、そういったことはまだ考えていないわけであります。
#79
○受田委員 仲裁裁定は予算内基準単価というものの変更を求めて従来きておるわけです。だから、予算の数字と実際に支給する数字とは常に違いが出てきておるわけですね。そういう形をとって仲裁裁定というのがこの基準内の予算単価を引き上げる、増額せよというような形で裁定をされておるというこの現状を見ると、郵政省にしても、電電公社にしても、この回答以上にベースアップをするというような回答をしたならば、当然そうした基準内の予算単価というものを実際に引き上げる、こういう措置を法的に予算措置として講じなければならぬ、国会の議決を待つ以上にはないのだ、こういうことになるのですか。なお、これよりも、ある限界内は増額は可能なのかどうか、これはお答えするのが、この段階では団体交渉でむずかしい部面に入れば遠慮しますが、その点私別に突き詰めて苦境に政府を陥し入れる意思は毛頭ないわけです。これは非常に大事な公社職員の給与改訂の基準を今論議しておるわけですから、お答え願います。
#80
○土生説明員 私どもといたしましては、現在国会で御審議しておられます明年度予算案に組み込んでないわけですから、その織り込んでないものについて、そのものにつきましては、やはりそれが先ほど申しましたように企業努力で捻出し得る限界を越えるものにつきましては、これは当然それに相当する何らかの措置というものが必要になってくるだろうとは思っておりますが、現在の段階では、先ほど申しましたように、賃金引き上げを実施できる条件があるかないかということについて意見の対立をしておりますので、まだそういったことについて考えは及んでいない次第であります。
#81
○受田委員 郵政大臣、あなたは閣僚の一人でございますから、こうした場合の基準内給与額の変更をする場合には、主務大臣と協議してその承認を得なければならぬ、いわゆる公社の給与の操作としてははなはだ自主性に制限をされている規定もあるわけですね。そういう意味でこの自主性がそこなわれてくるという形のこうしたワクを持っているということが、団体交渉ではこういう基本給与の問題はなかなか解決しないという原因がひそんでおるのかどうか。そうすれば、私は非常に問題が発展すると思うのです。これはもうどうしても仲裁に持っていかなければならない。この仲裁まで持っていくことが宿命である。基準内給与額の増額、それも主務大臣の協議事項、承認事項、さらにそれよりも大きなワクになりますれば、もう政府部内ではなくて、国会の処置を求めなければいけないということは、もう団体交渉では公社職員の給与は、原則はそうなっているけれども、これはもうだめなんだということになれば大へんなことだと思うのです。お答え願います。
#82
○小沢国務大臣 いろいろ制約される点もありますけれども、しかし、われわれといたしましては、そういう点は別にいたしまして、やはり原則といたしまして、給与をどうすべきかという点からやるべきだというふうな考えでやっております。
#83
○受田委員 それでは大臣、そのお考えであれば問題がまた出るのです。つまり仲裁裁定では一応バランスがとれたと認めておる。それから人事院の方は所しい勧告をして、これは去年の十月にさかのぼって新給与が実施されようとしておる。昨年の裁定で六%引き上げが、おととしの十月から実施した公務員給与を基礎にして、給与特例法第三条第二号の規定でそれを考慮していく、こういうことになっている。そうすれば、この給与特例法の第三条第二号の規定で、国家公務員及び民間事業の従業員の給与その他の事情を考慮するという規定からいえば、当然私はその他の事情――物価でも一年たては六%、七%上がるということになれば、もう当然ベースアップを基本的にお答えなさるべきじゃなかったですか。
#84
○小沢国務大臣 先ほどの問題につきましては、人事局長から御答弁したと思いますけれども、省といたしましては、公務員の給与の問題、民間の給与の問題、それから諸種の状況を勘案いたしまして、まあ最後的に決定いたしておる、そういうものでございます。
#85
○受田委員 公務員のことも考えたとおっしゃるが、国家公務員法の第二十八条には、情勢適応の原則というのがある。その前の条項には公平の原則があるのです。国民全体の奉仕者に対しては公平の原則と情勢適応の原則に基いて、人事院は民間給与その他の事情を考慮して、おおむね年間五%の上昇を見るとしたときには勧告をしなければならぬというので勧告権を行使しておる。ところが、公社の方は、国家公務員を第一に取り上げておるこの特例法第三条第二号の規定で、当然国家公務員の上昇に応じた引き上げ、物価上昇に応じた引き上げ――去年と同じと見るということにはならぬと思うのです。どう考えても去年と同じだ、一般給与はベース・アップの必要なしというこの回答は、今度人事院勧告で、一般公務員が給与法改正で上がったのとちょうどバランスがとれる、大臣、これは私非常に大事な問題がひそんでいると思うのですけれども、一般公務員の情勢適応の原則に基づいた勧告、それを実施したのと、今度上げなくても、現在のとでバランスがとれるということになるのですか。
#86
○小沢国務大臣 このたびのわれわれの回答といたしまして、一般公務員が七・九%ですか、上がるわれでございますけれども、それといたしましても、結局均衡を失することはないというふうな考えで決定したわけであります。
#87
○受田委員 そうすると、民間給与をもとにして引き上げた公務員の方は、あれは上げ過ぎだ、去年のでちょうどバランスがとれた、仲裁裁定でいっているのを一応了承するという前提に立つならば、一方は八%近くも上がればそれに見合ったベースアップが当然こっちでも考慮されるのが本筋じゃないでしょうか。ことしのでちょうどバランスがまたとれた、去年でもバランスがとれたが、ことしも引き上げなくてもバランスがとれるという根拠は、一体どこから発生したのか。私には了解に苦しむのです。
#88
○本多説明員 お答えします。
 先ほどから昨年の仲裁裁定についてお話でございましたが、私どももあそこの中のあとの方の説明の中に、公務員との関係は、おおむね考慮されたものと見られるだろうというふうなことが書いてありますることは了承しております。ただ、これについて、あるいは金額的にバランスというようなことがあるのかどうか、そういう点につきましては、よくわからないのでございます。これは実は公労委の方におきましても、こういうことについての質問については、お答えは具体的にはなさらないで、裁定を私どもいただきまして、そういう点についてのお答えはなさらないというわけでございます・主文について私どもはこの裁定を了承いたしまして、実施をしたわけでございます。
 公務員との関係につきましては、実質的に公務員と私どもがどうかというようなことにつきましては一公務員の何%アップというようなことがございまするけれども、実質的に、それじゃどういうふうになっているかということは、いろいろその職員の勤続年数あるいは職員の構成の状況等について、公務員全体のことは私どもはわかりません。また、そういう点について人事院から確たる資料というようなものも御発表になっておるような点もございませんけれども、この点実質的な比較というものは私どもにはわからぬわけであります。昨年勧告がございました際に、政府として労働大臣のお話のように聞いておりますが、これは仲裁裁定、公社側が実施する後において、公務員の勧告、アップの程度、これで昨年の春闘と申しますか、そういうようなベースアップ問題については、これはその結末になるのであって、一方これが出たものでないようなお話も出ていたように聞いておりますが、私どもはやはり全体としてそういうものを見ます場合には、公社だけで見るわけにいきませんので、やはりそういう全体的な見解に従って、私ども公務員が必ずしも私どもの裁定を追い越したものではないというふうに考えるのではないかというふうに思っておる次第でございます。
#89
○受田委員 電電公社には例の料金改定に伴うて、本年度内にこの間の経理局長の御報告を承ると、大体百億前後の赤字が出る、こういうことがあります。第三次五カ年計画遂行の過程で、一つの壁に今ぶつかっておる、そういうことが今度の給与関係の予算措置をするのに、皆さんの給与引き上げのむずかしいという事情があるかどうか、電電公社の内部の事情を一つお答え願います。
#90
○本多説明員 予算全体としましては、私がお答えするのは適当であるかどうかわかりませんから、これは補足していただきますが、私どもの方の、先ほど郵政の方へ御質問がございました点に触れると思いますが、私どもの方も、給与総額といたしまして、三十八年度予算といたしまして千二十億程度でございますが、そういうふうにきまっておりまして、これについては何がしかのベースアップと申しますかそういうものを含むような賃金になっております。これは非常に私ども窮屈な状況でございまして、そういうようなことももちろんできないような状況でございます。それで先ほどお答えしましたように、組合側に提示したものにつきましては、約三億円程度のものになると思いますが、そういう点につきましては、郵政省の方からお話がございましたように、私どもも企業努力と申しますか、そういうようなことについては何とかいたしたいというふうに考えておるようなわけでございます。
#91
○受田委員 電電公社の組合執行部に対する回答を拝見いたしますると、公社財政の現状及びその他の事情を考慮した結果、遺憾ながら要求には応ぜられないと判断した、こう書いてあるのですね。つまり郵政省の方では郵政会計の現状という言葉がないわけです。ところが公社の方には、公社財政の現状という言葉が一つ新手でここに入っているのですが、公社としてはこの現状が要求に応じられない基礎になっているかどうか。この回答の通りですか、どうですか。
#92
○本多説明員 回答にございますように、公社の財政というものはそういうふうな事情、公社財政の事情ということはございます。
#93
○受田委員 そうすると、公社財政の事情で上げられない。公社財政の事情が第一項になって、その他の事情が第二項ということになっているのですが、その他の事情というのは、これはどういうことでしょう。郵政省は物価の問題をお出しになっておったようですが、これはちょっとおかしいのですけれども、電電公社はその他の事情の中にどういうのが……。
#94
○本多説明員 お答えいたします。一般の現在の経済動向というこれは数的にどうということでございませんけれども、こういうふうな情勢の中におきます際の給与の考え方と申しますか、何と申しましても公社としても大きな予算の用意もいたしておりますので、その給与の立て方というようなことは、やはりいろいろ全体的に一般の社会経済に対する影響というようなこともございます。そういうような点もいろいろ現在の調節下にありますこういうふうな経済情勢下における状況というようなことも、これは数字的にどうということはございませんけれども、考えても、また物価の問題もございます。物価も、なるほど昨年九月くらいまでで見ますと二・一%前年に比べて上がっているような状況でございまするがそういうふうなことも考えて参りましたけれども、実質賃金としましてはあるいは定期昇給というようなものもやっておりまするので、そういう点で一つこういう情勢下におきましては、そういう実質賃金が低下されるということもないのではないかというようなことも考えたわけで、こういうふうな回答をしたようなわけでございます。
#95
○受田委員 今おしまいに一つお言葉が出たのですが、定期昇給があって実質賃金が高まったということでございますがね、これは給与体系からいって、定期昇給を賃金の上昇の中へ入れるのは、これは誤りなんですね。定期昇給というのは年をとり、だんだんと生活程度を向上しなければならぬ、子供がふえて学資金も要るという意味で定期昇給があるのであって、定期昇給の部分を上昇賃金の中へ入れるということになると、いつまでたっても年をとっては――不老長寿の薬か何か飲まぬといけぬ、定年というものも設けちゃいかぬということになる。五十五になっても同じものでなければいかぬというなら――定期昇給の議論をやるとそういう問題が起こってくるわけです。だから私は、定期昇給を賃金上昇の中へ計算するのは誤りである。少なくともベースアップというものは、定期昇給を除いた、これは当然時期が来れば、もう年令上昇とともに、あるいは職務の難易の状況、能率のいかんというものを含めた職務給というものを含めても、そういうものは当然上がるべきものですから、これは賃金上昇のワク外に計算をしておかれるという基本態度をおきめになっておかれないと、定期昇給があるから実質賃金が高まるという議論は、この問題では差しはさむべきではないと私は思うのですが、御見解いかがでしょうか。
 それから、郵政省の方にお答え願いたいのは、郵政省は郵政財政の現状の方の事情はなかったようでございますが、これはないものと了解していいか、もう一ぺん確認をさしていただきます。
#96
○土生説明員 まず先ほどの人事局長の話を若干補足させていただきます。特例法の規定による「その他の事情」ということは、もちろん物価だけではなくて、事業財政ということも、一般論としまして含まれると思います。ただ、私どもが今回の回答に際しまして考えたその他の事情に属する部分といたしましては、物価騰貴ということも検討したという意味であります。
 それから、定期昇給というものは実質賃金との関係がどうかということになりますと、御指摘のように、やはり勤続、すなわち、年令が多くなるに従って家族もふえるというようなこともありますし、また子供が学校に行くようになるというようなこともありますから、そういった意味では生活の幅が広がるための分をまかなうことになっておりますので、その面も確かにあると思いますが、一方、たとえば初任給から何年間も――別に家族がふえなくても定期昇給があるということになると、実質賃金の向上にも一役立つ、従って定期昇給というものは、実質賃金とは全然関係がないんだというようなことにも私は言い切れないのではないか、やはりいろいろのそういう要素がみんな入っていると見ていいというふうに考えております。
   〔大高委員長代理退席、委員長着席〕
 それから、財政負担能力の問題につきましては、今回の回答に際しましてのその他の事情ということの中には考慮しなかったわけでありますが、それはたとえば民間賃金なり公務員との関係、あるいは物価、そういったいろいろな条件は全部検討しましても、やはりこの際は賃金を上げる条件が整っているということになりますと、さてそれでは、それだけのものが負担できるかどうかということの検討に入るのが順序だろうかと思っているわけであります。今はそこまでは検討していませんが、ただ抽象的に言いますと、これは私の担当とは若干違いますけれども、郵政財政の現状はやはり非常に苦しい状態でありますから、そういった余裕はおそらく困難であろうかというふうに予想される次第であります。
#97
○受田委員 郵政大臣、この公労法適用者に対する政府の見方としては、当局の回答は妥当であると見られておりますか。つまり政府全体の見解ですね。閣僚の一人としてお答えを願います。
#98
○小沢国務大臣 われわれは妥当と思いまして出したということでございます。
#99
○受田委員 黒金官房長官にここへ来ていただくといいのですが、あの人の談話を私が拝見してちょっと奇異な感じを持って見たのですが、ある程度政治的な意図のあるような含みのある発言をしておられますね。ここで朗読しましょう。ここにこういうことがある。記者会見で「三公社五現業の賃上げは各方面の意向もあるので軽率に扱えない。まして公労協の実力行使が他にさきがけて行なわれるので、ほかへの影響を考慮しなければならない」これは政治的な発言です。この実力行使が行なわれるのでという発言は、実力行使を前提としている。これが私は問題だと思う。私たちとしては、公労協が実力行使をしないですむようにしなければならぬ。また公労協も、事あるごとに実力行使をするという建前をすべてとらなければいかぬという行き方も問題があると思う。民主的労働組合というものは、団体交渉で大いに実績をかせぐという形をとって、そういう実力行使などに持ち込まないで済むように、組合側も実力行使の前に仲裁裁定というものがあるのですから、仲裁裁定機関の結論を待って、それから先の行動ということは別でございますが、その仲裁裁定という機関を大いに利用するというような組合の建前をとるべきであると私は思っている。そういう意味からも、実力行使を前提とするような考え方で回答をしている。――実力行使しなくて済むように、ここで何らかのもっと名回答を与えれば実力行使をしなくていいと思うのですが、実力行使を待つような発言をされている。そういう意団を考えると、どうも今度の政府の回答は、誠意のない回答という見方は、別に階級的闘争主義をとらない人々の目から見ても、一般公務員の給与と比較した場合に、民主的労働組合のあり方としてもこれは黙っておられないのではないかという答えが出ると思うのです。大臣、政治的配慮ということも考え、特に実力行使を待つような、そういうものに備えてから手を打つということでなくて、実力行使をさせないような、言い分が成り立たぬようなはっきりしたものを当局がお出しになっておく。仲裁裁定で結論を待つということでなくて、団体交渉で答えが出るような、一つ幅を持った答えを出すような努力をされておかないと、繰り返して毎年々々春闘、仲裁裁定、こういうふうな形で、団体交渉というこの美しい労使双方の話し合いによる解決の方式がこわされてくると思うのです。私はそれを非常に懸念している。
#100
○小沢国務大臣 私たちといたしましては、実力行使を前提としてどうというような考えは持っておりません。団体交渉でちゃんとできるようにというような、誠意を持ってこれまでやっていたわけでありまして、官房長官がどういう御発言をなさいましたか、実は私聞いておりませんし、関知しておりません。
#101
○受田委員 今、官房長官が考えていることが有力な新聞報道の通りであるとするならば、これはあなたとしては残念に思われますね。考え方としてはどうですか。そういうような考え方、実力行使を前提にするような考え方は、適当でないと思われますか。それは当然だとお考えになりますか。
#102
○小沢国務大臣 その官房長官のお話がどういう意図だか、私も初めてここで伺いましたのでよくわかりませんから、ちょっとお話し申し上げかねると思いますが……。
#103
○受田委員 あなたとしては、実力行使を招くような形よりは、団体交渉で解決するのが適切であるとお考えかどうかです。
#104
○小沢国務大臣 私たちといたしましては、団体交渉で解決するというようなことが望ましいことでありまして、実力行使を前提としてどうというようなことは考えておりません。
#105
○受田委員 これは団体交渉の過程ですから、またどういうことになるかもしれないけれども、政府はこの回答を修正する意図はない、かように了解してよろしゅうございますか。
#106
○増森政府委員 ただいま団交中でありますので、お答えはちょっと差し控えたいと思います。
#107
○受田委員 団交中であるからまた修正されることがあることもある、ないこともある、こういうことですね。
#108
○増森政府委員 さようでございます。
#109
○受田委員 それでは、あることもあるということの方に一つの希望を私は持って――ないこともある、あることもある、そういうことでこれから私今申し上げたところを団交の過程でも一つ考えていきたいという局長さんの御答弁もありましたので、私は一応その問題についてお尋ねを押えておきたいと思いますけれども、ただここでどうしても明らかにしておかなければならぬことが一つあるのです。
 それは、人事院が皆さんのこういう給与問題を決定される基準になる資料を出してくれているのです。労働局にもお聞きになったようですけれども、今モデル賃金調査というのを東京商工会議所がやっているのです。それはラウンド・サンプルの調査をもとにしてやっているわけですが、そういうモデル賃金調査というようなものを郵政省としてはおやりになったことがあるかどうか。あるいは電電公社でもそこまて――とにかくこういうときにはいろいろな、郵政省は郵政省なりにたくさんの機関が全国にあるのですから、郵政職員の生活実態とかその他を何かの形で調査され、外職――外へ勤める職員の立場と内勤の立場と比較するときなど、そういうことが出てくると思うのですが、そうしたいろいろな調資を郵政省なりにやられたことがあるかどうかです。
#110
○増森政府委員 調資はしております。ただしまだ集計はできておりません。
#111
○受田委員 組合の要求があって三・五カ月たっているわけです。この期間あると、おおむね調査というのは成り立つものです。人事院でも全国から集計して勧告するまでに四カ月あればあの大規模な調査にしても事が成り立っている。四月現在の調査で七月にはちゃんと勧告しておりますね。そういう意味で、郵政省は人事局長を中心にされて、そうしたいろいろな調査は郵政省なりにされて、郵政省の答えの中には郵政省としては一つの自信があるのだというところのものを持って――電話をかけて労働局のなにを聞くとかいうような、そんななま半端な調査では私は、一省をあずかる当局者としては、不誠意、遺憾の点がある、こう指摘せざるを得ないわけです。これは人事局が設置され、初代局長になられたあなたの一つの試金石としても、この点は大いに努力しておいてただきたい、こういうことを一つ。
 それから、公社の方の組織も全国にあるわけでございますから、いかげんな数字で回答を与えるというようなことになると、これは公共企業体職員はたまったものじゃないです。それから、せっかく人事院という機関があるのですから、これは一般職の公務員を対象にしているけれども、ちゃんと給与特例法の中にも国家公務員との関係を一番先に書いてあるわけですから、これを大いに利用されて、双方のバランスをとるようにされる。利用されるということになるならば、今度公務員が上がった分をある程度加味した答えが出るのが当然である、こういう結論に達するわけなんです。今度また仲裁裁定へ持ち込まれ、そこで答えが出たら予算の増額をやってもいいんだ、金は裁定があれば出すのだ、こういう行き方にならぬように十分御注意を願いたい。私は幾つも問題をかかえておるのでございますが、この回答に対してまだ交渉中で、将来にも希望が持てるということを前提にして、一応この質問を終わらせていただきましょう。
 国鉄の方にお尋ねいたしますが、二公社五現業が出たんですが、国鉄は回答の必要がないのでございましょうか。
#112
○河村説明員 ただいま団体交渉を継続中でございまして、なお双方の主張するいろいろな根拠について十分な検討が済んでおりませんので、なお団体交渉を継続するつもりでございます。
#113
○受田委員 これは、政府としては、三公社五現業の共同歩調というようなものは別に考えておられない、それぞれの自主性を尊重するというお立場でございますか。閣僚の一人としてお答え願います。
#114
○小沢国務大臣 それぞれ自主性を持ちましてやっておるというわけでございます。
#115
○受田委員 その自主性というものが全くの自主性では困るわけですね。全くの自主性でいいのですか。
#116
○増森政府委員 自主性は、あるかと言われればあるとお答しなければいけません、その他の事情の連絡は、あるかといえばあるとお答えせざるを得ないと思います。何となれば、民間等におきましても、それぞれその企業が自主性を持っておるのでございましょうけれども、やはりラジオ業はラジオ業としての横の連絡等もございましょうし、いろいろ諸般の事情も考慮しなければいけない、こういうふうに思っております。
#117
○受田委員 二公社五現業の回答を見ると、ばらばらなんですね。今の全林野に対する答えは一般職の給与が現実に引き上げられた場合には考慮しなければならぬというような文句が入る。この点はどうですか。自主性を尊重するという意味で、郵政当局は、一般職が引き上げられれば考慮するということになるのですか。その方は郵政省の自主性はないと……。
#118
○増森政府委員 郵政職員につきましては、一般公務員よりも、先ほどからるる御説明しましたように、まだ低くはない、こういうふうに確信しておりますので、林野庁の場合とは異なるかと思います。
#119
○受田委員 ところが、期せずして同じものか――回答の主文とおほしきものは同じところがある。つまり六百円の初任給引き上げ、それからだんだんと百円刻みでその近接号俸を調整する、こういうところは申し合わされたのですか、あるいは全然申し合わされないでこういうものが期せずして出たのか、どうです。
#120
○増森政府委員 ある程度の、何と申しますか、情報のやりとりということはあろうかと思います。
#121
○受田委員 それが、金額がぴしっと合っているところを見ると、ある程度の情報くらいでこれがきくかどうかが非常にむずかしいのですよ。これは閣僚の一人として、郵政大臣、大体金額についてはバランスをとるというような話し合いという形は一応やっておられるのでしょう。
#122
○小沢国務大臣 この問題につきましては、閣僚間で別に話し合いをしたことはございません。
#123
○受田委員 そうすると、国鉄も大体その程度のものが数字では出るという予想がまたされるわけですけれども、一般がもう回答をしている段階では、団体交渉の経連もございましょうけれども、国鉄だけが取り残されたような印象を与えないように、早急に何かの答えを出していただかなければならぬと思うのです。国鉄は国鉄の自主性があるから、いつまでもほうっておくというわけにはいかぬと思うのです。団体交渉の過程等から御答弁ができないといえばそれまででございますが、何らかの答えを出す決意はあるのですか、もう回答の必要がないということになるのでございましょうか。過程としても、当局の大体の大まかの構想だけは持っておらぬと、われわれとしても、ここで国会審議の過程で国鉄だけが取り残されているとなると、何だか国鉄職員は初任給はそのままでいい、特に雇用関係で、民間へどんどん吸収されるのを、若い者をとるのには何とか手当しなければならぬというので六百円を出しておられますが、その問題も必要がないということになるのかどうか、いかがでございましょうか。
#124
○河村説明員 先生が一番冒頭におっしゃいましたように、団交中の問題でございますので、事前に、これからどういうことを言うかという御質問でございますと、ちょっと御返事しかねます。
#125
○受田委員 そこで国鉄にちょっとお聞きしますが、他公社の現業の回答による雇用関係はよくいっておるかどうか。すなわち中卒、高卒の採用はスムーズにいっているかどうか、この点はお答えできると思うのです。
#126
○河村説明員 国鉄におきましては、全般的には現在の初任給で十分とれる状況でございます。ただ、東京、大阪等の大都市について若干質の低下が認められるという程度だと思います。
#127
○受田委員 それでは私は、今の公労協に対する回答の問題は今後の善処ということで、しかも仲裁裁定に持ち込まないで、団体交渉の過程で実を結ぶ慣行をつくる、民主的労働組合を健全に育てる、組合のあり方も民主的に運営されるような形に当局側が持っていくような努力をするという点を、最後に当局としての代表者から御発言を願いたいのです。
#128
○増森政府委員 仰せのように努力したいと思っております。
#129
○受田委員 この問題に関連してあとから質問が出るそうですが、せっかく人事局長がおられるので、人事に関係した問題をお尋ねしてみたいと思います。郵政省の職員で給与特例法の対象になる人が、一般職の給与法の対象になる人に転換をする場合の給与が現実に引き下げられることはないかどうか、お答え願います。
#130
○増森政府委員 遺憾ながらございます。
#131
○受田委員 どういう形で引き下げられておりますか。
#132
○増森政府委員 特例法と一般給与法の適用が違いますと給与体系が違って参ります。たとえば今まで郵便局長だった人が、一般の給与法の適用を受けるという場合には、給与体系が違って参りますので、勢い引き下げられるという事態が起こってきます。額としましては、おおむね原則としては二千円ぐらいでございます。
#133
○受田委員 今の問題、簡単にお聞きしますが、その部分の調節はどうしておられますか。
#134
○増森政府委員 今のところそういうものにつきましては、人事院と私どもの方と交渉をいたしまして、できるだけそういうふうな差のないようにしたいと思って努力するのでありますけれども、何といたしましても、特例法と一般給与法と違っておりますので、差が出ざるを得ないというのが実情でございます。
#135
○受田委員 給与特例法という法律が一方にあり、原則としての法律の一般職の給与法があるということで、適用する法律が違うのでいかんともしがたい、こういうことで片づけられない問題があると私は思うのです。それは現に受けている給与をそのまま横すべる措置もとれると思う。そして昇給期を待ってバランスをとるといういき方もあるし、いろいろな手があると思うのです。法律が二つに分かれたから給与がアンバランスになったということ、そのつなぎ目の人が非常に損をするということもこれは避けなければならない問題だ。これは大臣、局長の今おっしゃったような問題が、給与特例の対象になる人が一般職の方へ転身する場合に起こってきておるんですね。急にちょっと地位が高くなったように見えておるが、実質の待遇は下がっておる。こういうことは一つ大臣としても十分含んで、給与のアンバランス是正の一翼としてこれを処理される必要があると思います。今、局長が努力されることを約束しておられますから、大臣もそのように発言してほしい。
#136
○小沢国務大臣 現在の機織といたしましては、給与体系が違っておりますから何とも仕方ありませんけれども、やはり将来こういう問題については、私といたしまして研究しなければならぬ問題だと思っております。
  〔「五年も六年もたってまだ解決してないのに、そんな答弁でどうするか。」と呼ぶ者あり〕
#137
○受田委員 これは今どなたかが言った通り、研究段階が相当長期にわたっていると思います。新局長を迎えたこの機会に一これは官房長の所管と両方重なるのです。一般職になれば官房長の御所管ですから御所見を伺いたい。
#138
○武田政府委員 仰せのようにただいまのところ人事が私の方の所管とまたがっておりますので、私もその点はかねがねそういうケースがよく出ますので非常に心を痛めておるところでございます。ただいまのところとしましては、特別昇給といったようなことも考えられますし、また任用の面においても、優秀な人はそういう面でいろいろと将来にわたってめんどうを見るということも考慮しております。
 なお、制度的には大臣からもお話がありましたように、何とかその均衡をとらせなければならないということでかねがねやっておりますが、これは今後も努力を続けたい、こういうふうに考えております。
#139
○受田委員 努力の結論を早く出してもらうように要求しておきます。期限を一年以内にきめましょう。あまり待っていてもしようがない。二人が大臣と相談されれば解決する問題です。こういうところにもやはり郵政省の職員としてのいろいろな問題がひそんでおると思います。
 そこで今度は、郵政省と電電公社両方に共通する問題でお尋ねしたい点があるのです。私しばしば海外視察をやってきてしみじみ感ずるのですけれども、郵政省にも関係のあるお仕事、すなわち電波関係の行政問題、各国の実情というようなものは、これは単に日本だけで世界を知るわけにいかない。やはり適当な地域に在外事務所あるいは駐在職員を置いて、外国の電波行政がどうなっているか、あるいは万国郵便関係がどうなっているか、こういうようなものを常に実態を把握して、生きた資料が郵政省に出されて、こちらからのかけ声だけでなくして、世界を一つにまとめた名誉ある国家という形にしなければならぬと思います。これは電電公社の場合においてもそういうことを痛感するのでございますが、そうした通信関係の国際的な調査をさらに徹底させるという意味で、郵政省のジュネーブの事務所――これは国際的な関係があるのであそこに一つ置いてあるが、しかしながら、その他のおもな国に、せめて一人ぐらいの駐在の職員を派遣して、実態を把握するような形に持っていく必要があるのではないか。それから電電公社においても、そういう機関を適当に設置する必要がないかどうか、かように思うのでございますが、両当局の御答弁を伺いたいと思います。
#140
○武田政府委員 今、先生の御指摘のように、海外の調査あるいは連絡ということは、十分緊密にやらなければならないところでございまして、省としてもそういったような方面を強化するために、たとえば大使館に人を派遣するとか、あるいはまた海外事務所を設けるといったようなこともいろいろと検討しておりまして、ただいまのところ、少数ではございますが、ジュネーブの大使館に人を一人出しております。またバンコックにも出しております。また国連の機関にも電波関係から一名行っております。そういうことで、いろいろと外務省なり関係の省庁と従来も連絡をとっておりますが、今後も何とかそういうことをもっと強化したいという希望を持って検討は続けておる次第でございます。
#141
○佐々木説明員 電電公社におきましては、御承知いただいておると思いますが、昭和三十三年七月からバンコックに駐在事務所を設置いたしまして、自来駐在員一名を常置いたしております。バンコックにはエカフェ事務局その他の機関がございまして、しばしばあるいはエカフェの通信関係の委員会等がございまして、そういう関係の連絡その他有効に活躍しておる次第でございます。
 それから、別途三十八年度予算要求といたしましては、ジュネーブ及びニューヨークに駐在を設置する要求をしたのでございますが、予算上は認められなかった、こういうことでございまして、今後もそういうふうに努力したいと思っております。
#142
○受田委員 新しい計画というものをもっと雄大に持っていいと私は思う。それで特に電電公社は今度料金改定で年度内に百億の赤字が出るような段階ですし、大橋総裁、この百億の赤字を埋めるといっても、これは容易でないことになるわけですから、一つうんとがんばってもらって、職員の待遇改善も一方で考え、公社の増収もうんとはかっていくという両様のかまえで、しかも国際的な観点に立った高い水準の公社の運営をしていただくように、特に御希望申し上げておきたいのですが、よろしゅうございますか。
#143
○大橋説明員 ただいまの御指摘の点につきまして、今後十分努力いたしたいと思います。
#144
○受田委員 私は、郵政省に関係した各機関の皆さんが非常に善意な方が多い、従って、その善意な余りに少しお人よしになり過ぎて他の機関に差し繰られる危険があるというふうな危惧も抱くような状況でございますが、特に国際的関係において日本の立場をうんと示す意味からも、ここで放送の免許を早くするということもこれは非常に大事な点で、いつまでもじんぜんとして月日をけみしておったのでは、私は日本の権威に関すると思う。FM放送の免許、しかもこれを非常に公平に的確に早く解決するという形をとっていただきたいと思うのです。これは大臣でも御答弁できることだと思います。
#145
○小沢国務大臣 ただいまスイスのCCIRでいろいろ研究しておりますが、なかなかまだ結論が出ないというようなことを実は承っておりますので、われわれといたしましても、この問題は重要な問題でございますから、慎重にしていきたい。もちろん早くするというような目的は持っておるわけでございますけれども、慎重にしていきたいと思っております。
#146
○受田委員 CCIRの結論というものは、対立して、得られる見通しが立たぬでしょう。見通しがある程度立つのかどうか。これは立たぬという前提に立って郵政省は処理されなければならぬのじゃないですか。
#147
○小沢国務大臣 ただ向こうから情報が入っただけでございまして、まだちゃんとしたデータを持っておらないわけでありますから、この際何とも言いかねますけれども、そういう情勢であるということだけはお知らせしたようなわけであります。
#148
○受田委員 これは大臣の御権限ですから、情勢を待ってしなくても、日本で独特の方式でおやりになればいいわけです。結果的には国際統一方式をおとりにならなくてもいいわけです。結論を待ってやらなければならぬような、何かひもをつけられた事情があるのでございましょうか。
#149
○小沢国務大臣 別にひもをつけられた事情はございませんけれども、申請者もなかなかたくさんおりますし、国内的にもいろいろむずかしい問題もございますので、一つ慎重に検討したいと思っております。
#150
○受田委員 宇宙通信の問題なども含めておるので、何かそういう気持もおありだと思いますが、もう一つFM放送について免許をおくらしている事情は、いわゆる単営放送というものと今のマスコミの関係の兼営放送というものと両方に気を使っておられるんじゃないかと私は思うのです。大体、放送の自由性という関係から、何がやってもいいようなことになるでしょうけれども、結果的に見て、マスコミの独占という形よりは、単営放送事業というものを十分尊重する形をおとりになる必要はないか。特に放送事業に対するそうした独占的な考え方というものは、法規的にも制約を受けておるわけです。民放の開始の当時の事情もあるわけです。そういう根本的な考え方についてはどういうお考えを持っておられましょうか。
#151
○小沢国務大臣 まだそういう問題につきましてここで意見を申し上げる段階までなっていないのを遺憾に思います。
#152
○受田委員 結論を得てないという段階だということでございますが、そうするとFM放送の免許は相当まだ先の段階だ、解決はこの一、二カ月、数カ月の間には期待できないということになるのでございますか。
#153
○小沢国務大臣 まだどのくらいかかりますか、ここで申し上げる段階になっておりません。
#154
○受田委員 これは、あなたの大臣御在任中に解決しておかれると、あなたは後世に名が残るお方になれるわけです。ただその際に、世評をお浴びにならぬように、これは非常に大事なことですから、慎重を期しておられることは私はよくわかりますけれども、国際的な動向などから見ても、日本のFM放送の免許を早くやらなければならぬ段階に私はきておると思うのです。結論を待ってゆっくりやろうという御意見もあるようでございますが、私としては相当に煮詰まっていると思いますし、マスコミの独占ということについてもいろいろと法的制約も受けておるという形においては、ある程度当局ではっきりした考えを持っておやりになるならば、そう時間がかからなくて解決ができるんじゃないかと思うのです。大臣は一切白紙ですか、ある程度そうした民放開始当時の事情などを考えられ、また放送事業の独占性というものの排除というものも考えられた立場でお話を進めておられるかどうかです。
#155
○小沢国務大臣 いろいろこれまでの経過は聞いております。しかし、それに対して最後にどうするというところまでまだいっておりません。
#156
○森本委員 関連。今までの経過は聞いておると言われても、この前私が質問をいたしましたように、当委員会としても、FM放送についての一つの決議を、超党派的に全会一致で行なっておるわけであります。だから、少なくともこの国会の意思というものを尊重していただくということは、大臣はっきり考えておいてもらわないと、ただ白紙々々と言われても、われわれは数年間検討して、大まかではありますけれども一つの結論を得ておるわけでありますから、少くともこのくらいの決議は尊重してもらわなくちゃならぬ。それからなお、今までの郵政省内にできておりましたところのFM放送の調査会の結論についても、それを相当重要な資料として持っていかなければならぬ。ただあなたの今の意見で、大臣になったからこれは一切白紙でやり直すといふうな考え方に立ってもらっては、これはちょっとほかの問題とは違う、こう思うのですが、大臣その辺どうですか。
#157
○小沢国務大臣 これまでの森本さんのおっしゃったような点につきましては、よく承知しておりますし、決議されたことも承知しております。そういう点を一つ十分に考慮して、尊重してやっていきたい、そういうふうに思っております。
#158
○受田委員 尊重しておやりになるということでございます。それから今の国際的なCCJRの問題なども考えておるということになりますと、これはいろいろなことを考えたら、結論を得るのが非常に時間がかかると思うのです。大臣としては、決議の線に沿ってなるべく早くという決意はできているのですか。慎重にやるという派ですか、あるいはなるべく早く実現させたいという派ですか、どっちの派に属しておられるか。
#159
○小沢国務大臣 私の考えとしましては、なるべく早くやりたいと思っておる次第でございますけれども、しかし事がなかなか重要な問題でございますから、やはり慎重にならざるを得ないというのであります。結論としては早くやりたいというのが私の考えであります。
#160
○受田委員 大臣、あなたの決意は、なるべく早くというところへ持っていかなければならぬ。その最初の決意、それからいろいろな政治的な圧迫とか、そういうものに懸念なく、また免許に対していかがわしい風聞が世の中に立たないように大臣はきぜんたる態度で郵政高級官僚を督励して、この際早急にこれが実施に邁進されんことを希望して、ちょうどお約束の十二時半になりましたので、あとの質疑は、簡易保険局、郵便年金その他、また次の機会ということで、公社の方、御足労を願って済みませんでした。
#161
○本名委員長 森山欽司君。
#162
○森山委員 時間がだいぶ長引きまたから、ごく簡単に、一項目だけ大臣に御質問したいと思います。
 毎年春になりますと、総評を中心とする春季闘争が年中行事として行なわれておりますが、ことしもまた春の訪れとともに春闘が始まったわけございます。ことしの春闘の場合に、公労協がどこまでやるかということが、春闘がどこまで盛り上がるかということに対して非常に大きな影響を持っておりますから、総評としましても、公労協としましても、強力な闘争を行ないたいと考えておるようでございますが、今までの状況を見ますと、組合員の闘争意欲はそれほど盛り上がっておりませし、闘争準備もあまり進んでいない。人によっては大したことないという見方もしているようでございます。先ほど受田委員から賃上げ問題について御質問がございました。今日の郵政大臣の御所管である電電、それらの企業体の現状からいたしますれば、予算の上からも、資金の上からも、なかなか組合の要求するような線に沿って回答をすることは非常に困難である。にもかかわらず、その困難の中から、先ほど来お話がありましたような程度の回答にいたしましても、出してこられたというその御努力に対しては、私はこれに深く敬意を表する次第でございます。私も与党の一員といたしましては、組合員の経済的要求に対してはできるだけの配慮をはかってやらなければならぬ。しかもなお、今日郵政省並びに電電公社の置かれている現況からして、なかなかむずかしい当路者の御苦心のほどをお察しするのでございます。ただ賃上げ要求と、ほかにいろいろよけいなことをいっておりますが、これが中心でございますが、しかしその要求を押し通すからといいまして、今年の春闘では公労協が一時間の時限ストをやるという破りきめをしておる。それには時間内の職場大会を含むというような実力行使をきめておるわけでございます。先ほど来のようなかけ声だけはなかなか大きいのでありますが、思うほどのことはない。しかし私ども現在まで聞いているところでは、全逓では普通局百局を拠点に指定して闘争準備をやっておる。全電通は百八十一の拠点を指定しているが、最後には六十か二十くらいに縮まってしまうであろうというようなことであるが、それにしても年中行事としてこういうことをやって、しかも時間内の職場大会というようなことで勤務時間に食い込むようなことをやった際に、こういう違法行為に対して郵政大臣はどういうお考えを持っておるか、先ほど来賃上げの問題についての郵政大臣のお答えは伺いましたけれども、万が一、例年、年中行事のごとき違法行為が行なわれた場合についての小沢郵政大臣の御決意を伺いたいと思います。
#163
○小沢国務大臣 私といたしましては、実力行使のなるべくないことを望んでおります。しかし本日警告書を出しまして、どうしてもそういうことになりますれば、違法行為ならば処分せざるを得ないというふうな決心であります。
#164
○森山委員 申すまでもないことでございますが歴代の郵政大臣は、だいぶ前はいつも違法な事態が起これば厳重処分をするということを繰り返し言われました。一向厳重処分ということが行なわれないために、各管理者が実際上仕事ができないような状況に追い込まれたわけでございます。このことは、単に当局の管理体制とか、組合運動の正常化ということだけではなくて、全体としての郵政業務の正常な進め方のために非常に重要な問題でございますから、願わくは組合側に対して大臣の方から御意思を発表でございましたならば、その線に沿って正しく邁進されるようにお願いいたしておきます。われわれは何も処分することが能であるとは思っておりません。しかしながら、これはもうことし初めてではないのでありまして、十数年来繰り返してきた事態でありますし、今年もまた同じような事態を繰り返そうとしておりますから、この際大臣として組合側にお示なされた方針を確実に実施に移していただきたいと思います。私はそういうことのないように心から祈るわけであります。どうも今の情勢ではやりそうな状態でありますから、そういう際には管理者としては非常に心苦しい面もあろうかと思いますが、一つは当局側のと申しますか、郵政業務の健全な運用のために、一つには組合運動が正しい道を歩むために、お示しなされたところの方針に沿って進んでいただきたいといのことを希望いたしまして、私の質疑を終わります。
#165
○本名委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる二十日午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、これにて散会いたします。
   午後、零時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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