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1962/03/08 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 逓信委員会 第13号
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1962/03/08 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 逓信委員会 第13号

#1
第043回国会 逓信委員会 第13号
昭和三十八年三月八日(金曜日)
   午前十時五十九分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 大高  康君
   理事 岡田 修一君 理事 中村 寅太君
   理事 森本  靖君
      宇野 宗佑君    浦野 幸男君
      加藤常太郎君    上林山榮吉君
      小泉 純也君    佐々木義武君
      椎熊 三郎君    鈴木 善幸君
     橋本登美三郎君    安宅 常彦君
      安平 鹿一君    谷口善太郎君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 小沢久太郎君
 出席政府委員
        郵政政務次官  保岡 武久君
        郵政事務官
        (大臣官房長) 武田  功君
         郵政事務官
        (電波監理局
        長)      西崎 太郎君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (日本放送協会
        会長)     阿部真之助君
        参  考  人
        (日本放送協会
        副会長)    溝上  _君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   前田 義徳君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   田辺 義敏君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   小野 吉郎君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     赤城 正武君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     春日 由三君
        参  考  人
        (日本放送協会
        経営第一部長) 野村 忠夫君
        参  考  人
        (日本放送協会
        主計部長)   志賀 正信君
    ―――――――――――――
三月八日
 委員中山栄一君、保利茂君、森清君及び森山欽
 司君辞任につき、その補欠として加藤常太郎君、
 佐々木義武君、宇野宗佑君及び浦野幸男君が議
 長の指名で委員に選任された。
同日
 委員宇野宗佑君、浦野幸男君、加藤常太郎君及
 び佐々木義武君辞任につき、その補欠として森
 清君、森山欽司君、中山栄一君及び保利茂君が
 議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、国会
 の承認を求めるの件(内閣提出、承認第二号)
     ――――◇―――――
#2
○大高委員長代理 これより会議を開きます。
 本日は、委員長不在のため、委員長の指名により、私が委員長の職務を行ないます。
 この際、参考人招致の件についてお諮りいたします。
 来たる三月十三日の委員会において、電信電話債券に係る需給調整資金の設置に関する臨時措置法案について、参考人より意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○大高委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。
 なお、参考人の人選及び手続等につきましては委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○大高委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#5
○大高委員長代理 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件を議題といたし、審査を進めます。
 質疑の通告もありませんので、本件に対する質疑はこれにて終了いたします。
#6
○大高委員長代理 これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、順次これを許します。岡田修一君。
#7
○岡田(修)委員 ただいま議題となっております放送法第三十七条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件に関し、私は、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表して、これに承認を与えるに賛成の意を表するものであります。
 この日本放送協会昭和三十八年度収支予算等は、協会の第二次六カ年計画の第二年度としての諸計画を遂行しようとするものでありまするが、当年度の収支予算等において最も重視すべき点は、予算規模の著しい膨張でありまして、七百四十二億円余に上る収支の総額は、前年度に比し二九%の増、さらに六カ年計画策定時の昭和三十八年度予定額に比べても一二・四%の増となっております。言うまでもなく、予算規模の膨張は、放送受信契約の驚異的な伸長によってもたらされたものでありまして、このことは、テレビ放送に対する国民の希求の根強さを示すとともに、NHK放送がよく聴視者の支持を得ていることの証左であろうと思われます。
 かかる国民の期待と支持を背景として、事業計画も積極的な計画拡大が行なわれているのでありまして、放送網建設計画の繰り上げ実施を初めとして、放送番組の充実刷新、通信高等学校の助成、その他放送利用の促進、国際放送の拡充、調査研究の強化、経営管理の合理化等の諸施策を強力に推進するほか、特にオリンピック東京大会の開催に備えて、放送センターの建設その他の大会放送体制の整備をはかることといたしております。これらの計画大綱は、いずれもNHKの使命に照らして妥当と認められるのでありまして、その適実な遂行によって、NHKが事業運営の基本目標として掲げるごとく、その放送が国民生活の充実向上に資することを期待するものであります。
 ただ、この収支予算等に関連して懸念されることは、この膨張予算の基礎となった受信契約の驚異的な伸びが、将来に予想される伸びの鈍化を早めているのではないかということであります。現在すでに甲契約すなわちテレビジョンの普及率は六〇%であり、昭和三十八年度末には七〇%に達すると見られているのでありまするが、普及率がかように高率に達してからは、その高まりとともに伸長率が低下するという相対的関係が動いてくることは避けられないと見られるのでありまして、今後においては、受信契約の伸びについて安易な見方をすることは、警戒を要するところであろうと思われます。この点、本収支予算等の執行にあたっても、財政管理の上に慎重な考慮を払われたいのであります。
 以上、要するに、わが党は本議案に承認を与えることに賛成するとともに、本収支予算等の適正な施行を期待するものであります。
 これをもって私の討論を終わります。
#8
○大高委員長代理 谷口善太郎君。
#9
○谷口委員 日本共産党は、今議題になりました日本放送協会の昭和三十八年度収支予算、事業計画及び資金計画に対して、国会が承認を与えることに反対するものであります。
 以下、その理由を簡単に申し上げます。
 まず第一に、NHKは依然として、放送法に規定されております放送の不偏不党、公平、対立意見の尊重の原則を踏みにじって、その放送番組から、今日の政府に対する最も批判勢力である日本共産党を排除し、かつ政府に対する批判的見解を抑圧して、常に片寄った一方的な反動的放送に終始し、その公共放送としての任務をみずから放棄している点であります。この点につきましては、昨日の質疑の中で若干のことを明らかにしましたので、これ以上申しません。しかし、公平の原則、不偏不党の原則を貫くために、今後NHKは特段の注意を払われることを期待します。
 第二点といたしまして、本年五月にソウルにおいて開かれるアジア放送会議は、アジア・オセアニア放送連盟の規約草案を討議することとなっておりますが、この会議は以前からソ連、中国、朝鮮、ベトナム等の社会主義諸国を除外した一方的なものでありまして、いわば放送を通じての日本帝国主義が再び再開されるという意味を持つものと考えられます。従って、この点に関しても私どもは賛成するわけにいかないのであります。
 それから第三に、NHK学園の通信高校設立の問題でございます。昨日私の質問に答えて、前田専務は、将来FM放送の免許とあわせてこれを拡大し、さらに職業教育、技術教育まで行なう意図があることを隠されなかった。政府は三十八年度から急増する高校生対策に全く力を入れず、ことしの進学率を昨年以下に押えております。このためにこの春は十万人以上の中学浪人が出るといわれておりますが、NHKはこの事態に便乗して、政府の高校急増対策の不備をおおい隠すために一役買っているものと私どもは考えます。同時に、通信教育によってあたかも高等学校教育が完全になされるかのごとき幻想を青少年の問にばらまき、もって政府、独占が望む金のかからない安上がりの労働力の養成に乗り出すものと考えられます。特に、この通信高校の校長に森戸辰男氏を持ってきたということは、注目に値すると思われます。森戸氏は、人も知っている通り、現在文部省の中教審の主要なメンバーとして、学問の自由と大学の自治を踏みにじるために全力を尽くしている人物であります。NHKがこういう人を校長に持ってきてやろうとする教育がどういうものであるかは、すでに明らかであります。
 第四に、昨年受信料体系を変え、受信料の値上げをして以来、NHKは、特殊なテレビ探知機を使って、厳重に未受信契約者の摘発を行ないつつあるのであります。また、ラジオ商あるいは自動車販売業者と結託しまして、これにスパイをさせて受信契約を強要しているというやり方も言語道断であります。一方でこういうふうに放送法を踏みにじる放送をやりながら、他方では受信料を強制的に取り立てようとする点、これは国民の断じて許すことのできないところであります。
 さらにまた、これは昨日の質問の中で論及することができなかったことでありますが、オリンピックのためという美名のもとに、都民の公園として予定されておりましたワシントンハイツのあとを、政府となれ合いで強引に東京都民から横取りすることも、われわれの断じて許すことのできないところであります。一体NHKは、緑地、公園の少ない東京都民から広大な土地を奪い取って、万一地震その他の災害の起きたときに東京都民に何と言いわけするつもりか。NHKは実に東京都民の生命、財産に敵対する行動をとっているものと思われます。
 その他、研修会の問題あるいは職員の制度の問題等がございますが、これはいろいろと今日まで論じましたから、ここでは申しません。
 ただ、私は、NHKが膨大な機構と豊かな資金、それはみな国民の払う料金からなっておりますが、これを武器にして傍若無人にふるまっていることにつきましては、断じて許すわけにはいかないのであります。こうして、NHKは、池田首相が言っているように、ますます政府の反共的、反動的人づくり政策に協力して、家庭、社会、学校の全分野を通じて、重要な反動的役割を果たそうとしていることは、疑う余地がありません。こういう点から、私どもは本案に賛成するわけにいかないのであります。
 なお、本案につきましては、附帯条件が共産党を除く三党によってつけられるようでありますが、こういう趣旨から、残念ながら諸君のお出しになる附帯条件にも賛成するわけにはいきません。
 私どもは、NHKが、憲法の趣旨、放送法の趣旨、この趣旨に基づき、NHKが公平の原則に立ち返って放送されんことを強く要求して、討論を終わります。
#10
○大高委員長代理 これにて討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件は、これに承認を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#11
○大高委員長代理 起立多数。よって、本件は承認を与えるべきものと決しました。
     ――――◇―――――
#12
○大高委員長代理 この際、森本委員より本件に対して附帯決議を付すべしとの動議が提出されておりますので、その趣旨説明を求めることにいたします。森本靖君。
#13
○森本委員 私は、自由民主党、日本社会党、民主社会党、三党共同提案にかかる附帯決議の趣旨を御説明したいと思います。
 まず、附帯決議の案文を朗読いたします。
   放送法第三十七条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件に対する附帯決議
  政府並びに日本放送協会当局は、左に掲げる事項の実施につとむべきである。
 一、FM放送、カラー・テレビジョン放送の全国普及につき協会が開拓者的役割を果すこと。
 一、FM放送のチャンネル・プランを早期に決定し、これが実施に努力すること。
 一、教育テレビ放送網の拡充並びに教育放送番組の強化をはかること。
 一、オリンピック東京大会の内外放送実施体制につき万全を期すること。
 一、難視聴地域の解消対策を積極的に推進すること。
 一、経営の合理化、能率の向上をはかることによって従業員の待遇改善につとめること。
  右決議する。
 以上であります。
 本決議案提出の趣旨については、先般来の審議におきましてすでに明らかであると存じまするけれども、簡単にその要旨を申し述べたいと考えます。
 その一は、EM放送並びにカラー・テレビジョン放送の全国普及について、NHKが先行開発に当たるということでございます。FM放送実施の機運は最近とみに濃化しつつあり、NHKにも、今年度の七実験局に続き、来年度もFM放送局十七局の建設を予定しておりますが、NHK、一般放送の二本建を建前とするわが国の放送体制よりして、両者の健全な発展をはかるためには、放送の普及を使命とし、しかも安定をした財政基盤を有するNHKが、FM放送の普及について開拓者的役割を果たし、その開発の上に一般放送の成長を期することが最も適当であると存ずるのであります。また、昭和三十五年九月の本放送開始以来伸び悩みとなっておりますカラー・テレビジョン放送についても、FM放送におけると同様、NHKにパイオニアの役割を果たしてもらいたいと希望するわけでございます。
 その二は、右に関連をいたしまして、政府が懸案のFM放送チャンネル・プランの決定を急ぎ、その実施について格段の努力をいたされたいというのでございます。
 その三は、教育テレビ放送網の拡充と教育放送番組の強化であります。教育面における放送機能の活用は、通信制高等学校の発足によって、新生面を開くことになりましたが、これとともに、教育放送に対する国民の要請は、今後さらに増大をしていくものと見られます。かかる要請にこたえるため、現在立ちおくれている教育テレビ放送網の拡充を促進するとともに、テレビ、ラジオを通じて教育放送番組の充実強化を期待しようというのであります。
 その四は、オリンピック東京大会の内外の放送実施体制についてであります。審査の過程で明らかにされましたように、オリンピックの放送は全世界の放送当事者が参集をし、日本の施設を通じてそれぞれの国へ放送を送る、放送オリンピックとも称すべき盛事でありまして、日本の放送実力を示す絶好の機会であります。大会放送の運営を担当するNHKにとっては、その総力を傾けて施設を整備して対外サービスに努めるとともに、国内放送についても国民の要望にこたえ得るよう、万全の体制を確立されたいと望むものであります。
 その五は、難視聴地域の解消対策の推進であります。難視聴地域救済の必要についてはあらためて申し上げるまでもございませんが、特に当年度より放送制通信高等学校の発足に伴う放送利用の高度化等の事情も生じ、その緊急性は従来よりも一そう強まっているという状況であります。ラジオ、テレビ両放送を通じて、解消対策の積極化を望むものでございます。
 最後に、従業員の待遇についてでありますが、経営の合理化、能率の向上等、事業努力を通じて改善に努めるのは至当でありますが、本年度の予算を見ましてもわかりますように、相当強気の予算でありまして、弾力条項その他についても、これを適用することが前年度等よりも非常に困難な状況でありまするので、より一そうNHK当局においても従業員の待遇改善に努めることを希望いたしまして、趣旨の弁明を終わります。
 何とぞ全会一致御賛成あらんことを望みます。
#14
○大高委員長代理 これより採決に入ります。
 ただいまの森本靖君提出の動議の通り、本件に附帯決議を付するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#15
○大高委員長代理 起立多数。よって本件に附帯決議を付することに決しました。
    ―――――――――――――
#16
○大高委員長代理 なお、本件に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○大高委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#18
○大高委員長代理 この際、小沢郵政大臣並びに阿部日本放送協会会長より発言を求められております。これを許します。小沢郵政大臣。
#19
○小沢国務大臣 ただいま放送法第三十七条第二項の規定に基づき、国会の承認を求める昭和三十八年度の日本放送協会の収支予算等につきまして御承認いただきまして、まことにありがたく厚くお礼を申し上げます。
 なお、附帯決議につきましては、私どもが放送に関する問題を処理していきます場合の貴重な指針としていきたいと考えておりますので、よろしくお願いする次第でございます。
#20
○大高委員長代理 阿部日本放送協会会長。
#21
○阿部参考人 三十八年度のNHKの予算が、皆さんの御熱心な御審議によって、今日承認されましたことを厚く感謝いたします。
 なお、附帯決議の諸条項につきましては、われわれがかねがね考えておったことと一致しておるのであります。この実現には一そう努力を尽くしていきたいと存じます。この際厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。
#22
○大高委員長代理 次会は来たる十二日午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時十九分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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