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1962/06/19 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 逓信委員会 第29号
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1962/06/19 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 逓信委員会 第29号

#1
第043回国会 逓信委員会 第29号
昭和三十八年六月十九日(水曜日)
   午前十一時三十五分開議
 出席委員
   委員長 本名  武君
   理事 大高  康君 理事 岡田 修一君
   理事 佐藤洋之助君 理事 中村 寅太君
   理事 羽田武嗣郎君
      安藤  覺君    有田 喜一君
      井村 重雄君    伊藤宗一郎君
      浦野 幸男君    上林山榮吉君
      椎熊 三郎君   橋本登美三郎君
      藤井 勝志君    米山 恒治君
      受田 新吉君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 小沢久太郎君
 出席政府委員
        郵政政務次官  保岡 武久君
        郵政事務官
        (大臣官房長) 武田  功君
        郵政事務官
        (貯金局長)  金澤 平藏君
 委員外の出席者
        郵政事務次官  西村 尚治君
        日本電信電話公
        社総裁     大橋 八郎君
        日本電信電話公
        社副総裁    米沢  滋君
        専  門  員 水田  誠君
    ―――――――――――――
六月十四日
 委員中山榮一君、畑和君及び受田新吉君辞任に
 つきその補欠として菅太郎君、猪俣浩三君及び
 片山哲君が議長の指名で委員に選任された。
同  日
 委員菅太郎君、猪俣浩三君及び片山哲君辞任に
 つきその補欠として中山榮一君畑和君及び受田
 新吉君が議長の指名で委員に選任された。
同月十九日
 委員中山榮一君、南條徳男君、保利茂君、星島
 二郎君、前尾繁三郎君、森清君及び森山欽司君
 辞任につき、その補欠として有田喜一君、藤井
 勝志君、浦野幸男君、井村重雄君、米山恒治君、
 安藤覺君及び伊藤宗一郎君が議長の指名で委員
 に選任された。
同  日
 委員安藤覺君、有田喜一君、井村重雄君、伊藤
 宗一郎君、浦野幸男君、藤井勝志君及び米山恒治
 君が辞任につき、その補欠として森清君、中山
 榮一君、星島二郎君、森山欽司君、保利茂君、
 南條徳男君及び前尾繁三郎君が議長の指名で委
 員に選任された。
六月十七日
 盲人の電話優先架設等に関する請願(小沢辰男
 君紹介)(第四三一〇号)
 電信電話設備拡充のための第三次五箇年計画是
 正に関する請願外一件(山本幸一君紹介)(第
 四四七四号)
 日本住宅公団南浦和団地内に特定郵便局設置等
 に関する請願(大柴滋夫君紹介)(第四四七五
 号)
 同(栗原俊夫君紹介)(第四四七六号)
 同(畑和君紹介)(第四四七七号)
 同(和田博雄君紹介)(第四四七八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 日本電信電話公社法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第七一号)
 郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一七二号)
 日本電信電話公社法の一部を改正する法律案
 (森本靖君外八名提出、衆法第一七号)
     ――――◇―――――
#2
○本名委員長 これにより会議を開きます。
 内閣提出の日本電信電話公社の一部を改正する法律案、森本靖君外八名提出の日本電信電話公社法の一部を改正する法律案、郵便貯金法の一部を改正する法律案、以上三案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。受田新吉君。
#3
○受田委員 それではひとつ今後の改正案について基本的な問題点の二、三を拾ってお尋ねしたいと思います。
 郵便貯金法の改正にあたりましては、これまでに当委員会として重大な要請がしてあるはずでございます。それは、従来大衆資金を吸収する郵便貯金の預金者側に対する利用度を高める意味で、定額貯金等についての短期間の個人貸し付け制度を採用してはどうかという当委員会の強い要望点は、一向この郵便貯金法の改正案にはひらめいておらないのでございますが、これはどうした事情であったか、御説明を願います。
#4
○金澤政府委員 昨年の国会でそういうような御趣旨の附帯決議をされまして、私たちは私たちなりに鋭意検討いたしまして、その案を一応つくったのでございますが、その後大蔵省といろいろ検討いたしまして、なかなか両者の合意もできませんでしたし、また私たちも、いささか私たちの案を省みましても、いろいろともっともっと検討する余地があるということで、今回の提案を見合わせまして、今後とも大蔵省と検討していこうということになっております。
#5
○受田委員 今後とも大蔵省と検討していこうという御趣旨のようでございますが、しかし、一方において、この郵便貯金の利率の変更を政令によって自由に変更できるような一方的な提案がされておるわけでございますが、この点は、政令委任ということが非常に重大な欠陥を持つということは、当委員会でもしばしば論議された通りでございます。わけていまや低金利政策を強硬に遂行しょうとしておる自民党政府の側から見ると、この機会に政令でさっそく手をつけられるのは、この利率を低下させる場合に、最初の適用を受けるであろう、こういう危惧が抱かれているわけです。これまでも利率の変更が何回かされたわけでございまするが、利率の引き上げをするときは、これは国会の手続などで時間がかかって、その実現の場合には、預金者に非帯に不利を来たしたことになってきているわけですけれども、今度のような低金利政策が進行しようという過程では、逆に政令で定められることによって、端的に申し上げて、大急ぎで利率を引き下げられるという公算が目の前にぶら下がっておる、こういう段階でこれをやるということは、預金者に非常に不安を与えるということになると思うのです。これはまずいことであって、利率がどんどん引き上がっていくような情勢の中で、こういう手続をされるならば、あるいは大衆の心理の上にも効果的なねらいを果たす意味において、何らかのプラスになったかもしれませんけれども、現段階におけるこういう政令委任ということは、預金者に対して重大な不安を与えるという結果になるのじゃありませんか。もちろん大事なことでありますから、事情を御説明願いたい。これは政治的な意図を持ってやられることでございますから、大臣からお答えを願いたい。
#6
○小沢国務大臣 今回の改正は、金利政策の弾力的な運用に支障を来たさないようにするとともに、適時適切に一般金融情勢に相応することができるようにするために、郵便貯金の利率の決定を政令にまかせようとするものでございますけれども、政令に委任するといたしましても、郵便貯金が国民大衆の零細な貯蓄であることにかんがみまして、預金者の利益を増進するよう十分配意をするつもりでございます。たとえて申しますと、郵政審議会におきましても、預金者の利益を代表する方を入れたり、あるいはその利率の決定に対する委員会を特別につくったり、そういうふうにいたしまして、預金者の利益保護については遺憾のないようにするつもりでございます。
#7
○受田委員 遺憾のないようにするといっても、実際問題として、閣議で決定し政令を公布するということになれば、政府の意図で自由な決定ができるという手続になるわけでございますから、結果的には、預金者の利益を擁護すると言ったって、そういうことにならないことは、しばしば起こるではありませんか。これはいまのような低金利政策遂行の過程において、より一そう危険があるということになるわけです。これはどのような弁明をされようとも、国会で十分討議して、大衆資金の獲得にプラスになるかならぬかということ、大衆預金を保護することになるかならぬかということを十分論議して結論を出すよりは、はなはだ危険性があることはわかりますね。絶対に、国会で論議するよりも、閣議で相談をし政令で公布するほうが安全であるという理屈は成り立たぬと思います。反論があればお答え願いたい。
#8
○小沢国務大臣 郵政審議会におきます意見を十分に尊重してわれわれはやっていくわけでございまして、決してわれわれの独断でやるというようなことはしないつもりでございす。
#9
○受田委員 その郵政審議会というものよりも、さらに国会の討議ということが私は重大な意義があると思うわけです。国会は国民を代表する人々の集まっている機関でございますよ。したがって、国会の各党からの熱心な国民を代表した意見によって集約された結論というほうが、郵政審議会の結論よりもはるかにウエートが高いとこころに置かれるということはおわかりになりませんか。
#10
○金澤政府委員 今回法定事項から政令にゆだねるということは、ただいま大臣から御説明になりましたように、金利政策の弾力的な運用をはかる、そして適時適切にその金融情勢に相応していくのだという必要からこういう結果になったのであります。そこで、私たちは、いま受田先生のおっしゃいましたように、その場合に最も考えなければならないことは、預金者の不利を招かないようにするということでございます。そこで、預金者の不利を招かないようなこと、預金者の利益を保護するということ、また、それによって貯蓄の増強に資するのだというような精神条項を新しく設けまして、そこでまず精神的に法に明定いたしまして、具体的には、今度、都政審議会がございますが、これはいまの郵政審議会が十分とは申せませんので、新しく預金者代表という方を加え、また経済、金融専門家という方も新たに加えまして、そこでひとつ皆さまの御意見を十分反映して運営していきたい、そういうふうなことをいたしまして、慎重にやっていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#11
○受田委員 預金者の代表を加えたりして、いろいろと慎重にやりたいということでございますけれども、少なくとも郵政審議会なるものは、ごく限られた人々で構成されているわけです。国会は、その意味においては、あらゆる層を代表した代表者の集団である。どちらが、こういう利率変更の際に大衆の意図を代表するにふさわしい存在であるかということを、はかりにかけてお答え願いたいということをいま申し上げておるわけです。国会でやるほうが重みが少ないということかどうかです。
#12
○金澤政府委員 もちろん先生のおっしゃったようでございますが、ただ、私が先ほど申し上げましたように、そういう金利というものが法定事項でございますと、弾力性を阻害するということもございますので、やむにやまれずこういうことになったのでございます
#13
○受田委員 やむにやまれぬという議論になると、これは問題がある。国会の存在を無視して、郵政審議会の答申に基づく相談をして、その結果、閣議にはかってきめる、こういうほうが筋が通るというならば、もう何をか言わんやです。私が申し上げているのは、少なくとも従来国会の審議を通じて、十分各党の意見が集約されて利率が決定しておるのですよ。それよりも郵政審議会で預金者の代表を加えてやった、その機関の諮問に応じた答えによって閣議で決定するほうが、はるかにいい結果をもたらすという理由が、どこかに大きな理由がひそんでいて――一般金融情勢に相応することができるようにというような、ほんの一部の簡単な理由で、こういう大事な問題が片づけられるということになれば、国会無視もはなはだしいと私は思う。少なくとも郵便貯金というものは、日々額に汗して働く大衆の零細な資金です。決して大きな金融機関のような、財閥や大資本家など特定の人が預金をしているのとは違って、血のにじむようなとうとい資金を吸収している。このこまかい資金の優遇ということは何よりも大事にしなければならない。そのことはやはり国会で十分討議して、是か非かを決定するほうが筋として通る。大衆資金を大事に使う意味で、国会討議のほうがりっぱな結論を生むということを私は申し上げている。郵政大臣、あなたの決意をひとつ聞きたい。
#14
○小沢国務大臣 先ほども申し上げましたように、金利政策の弾力的運用を支持するということが目的でございまして、たとえば一例を申し上げますと、昭和三十二年七月に、銀行の定期預金の利上げが行なわれましたけれども、定額郵便貯金はそれより五カ月おくれたというようなわけ合いでございまして、金利政策の適時適切に行なわれるということを主としてきめたわけ合いでございます。それに対しまして、先ほど申し上げました郵政審議会を強化いたしまして、意見を尊重して十分に保護していきたいというのが、われわれの意思でございます。
#15
○受田委員 いまの過去の実績を私もよく承知しておるのです。過去に国会の討議がおくれたために郵便貯金の利率引き上げがおくれたことは事実です。これはもうここに資料ではっきり出ている。しかしながら、問題はいまや低金利政策を強行しようとしている政府の意図から見ると、今度やろうとする場合は、金利を引き下げるのではないかという不安が大衆にひそんでいるのです。こういうときにやるのがけしからぬというわけですね。はっきりしておるのです。この次政令でお出しになるのに、郵便貯金の利率が引き下げられるだろう政令改正がなされるということは、ほとんどの国民が――これはよほどたまげた人は、あなた方の周辺の方々だけにおるかもしれませんが、大衆は今度政令がつくられるときには、年利六分という定額貯金の利率も引きさげられるだろうあるいは三分六厘という通常郵便貯金の利率も引き下げられるだろうという不安を抱いておるわけです。
   〔委員長退席、佐藤(洋)委員長代理着席〕
こういうときにやるというのが非常にタイミングが悪いということを私は申し上げておるのです。そのことの二つの意味があるのです。
#16
○小沢国務大臣 これは先ほども申し上げましたように、この政令に委任いたしましたからというて、直ちにこれが利上げを意味するものではありません。これは一般金融情勢に即して、やはり郵貯の利息もやらなければならないわけ合いでございまして、先ほどから何回も申し上げましたように、弾力的運営をするということが主なる目的でございます。
#17
○受田委員 提案理由に書いてある弾力的運用とか、あるいは一般金融情勢に相応するところの措置とか、こういう二つの理屈を操り返し御説明されたのでは、われわれは納得しないわけであります。この二点の理由で政令委任ということは、どこかに政府、特に郵政当局の力のなさを物語るのではないか。そういう政令委任ができるという規定をつくろうとするならば一方で定額貯金等の短期間運用という意味の措置もあわせておやりになるべきじゃなかったか。特に定額貯金などをなされておる人々は深刻な大衆苦にあえぐ人々です。そういう人々です。そういう人々が結婚資金とか一時的な資金の必要のためにこの貯金を担歩してお金を借りようという道を求めようとしても、現状においては何らの措置がないじゃないですか、農業協同組合あるいは信用金庫、その他の大衆金融機関、相互銀行等すべて個人の借し付けの制度がちゃんとできているのに、郵便貯金だけできない。そこで定額貯金をしながら、一方で質屋へ質ぐさを納めて金を借りるというような、たいへん残酷な高利負担をしなければならぬ実態もはっきり出ているのです。こういうときに、一方で大衆を擁護する一時的な利用機関というものをちゃんと政府は確保しておかなればならない。そのほうをやらぬで、政令委任の利率変更を自由にさせる道だけ開くというのは片手落ちじゃないかという問題が一方で起こってくる。やるなら同時にやるべきです。そのほうはこれから相談する一方に大蔵省から押しつけられて、政令委任のほうは即時やる。いかにも郵政省としては残念な敗北を喫しておるわけです。これは大衆の零細な資金をお集めになり、またそれを安全な機関として確保しておられる郵政省としては、大衆に対して申しわけないと思うんです。この二つを同時に実施されるというのであるならば、われわれはある意味において了承するかもしれないんですけれども、一方だけもぎ取られて、一方だけ与えられておる、こういう最も残酷な、最もひどい仕打ちをされていることを何ら痛痒を感じていないということであるならば、小沢さん、あなたは大臣に就任されて一番まずいお仕事をお引き受けになり、一番悪い業績を残して大臣としての歴史をとどめるにすぎないことになるのです。どうですか。
#18
○小沢国務大臣 この預金者の貸し付け制度につましては、たとえば預金者が金を引き下げるというようなことを防止するために、われわれとしてはぜひやりたいというようなわけで、いろいろ検討してきたわけ合いであります。ところが預金者の貸し付け制度に対しましては、いろいろと問題点がございます。われわれといたしましては、ぜひともこれを実現さしたいというふうな念願に燃えておるわけ合いであります。しかし、現段階におきまして、金利政策といたしまして弾力性を与えるということは、一刻もゆるがせにできないというようなわけ合いで、政府といたしましてはきめたわけでございまして、われわれが大蔵省に敗北したわけでもありません。この両方ともできるようにわれわれは万全の努力はしているわけ合いであります。
#19
○受田委員 万全の努力をされながら、結果はできていないわけですね。そこに問題があるわけです。努力されたならば、同時に結論をお出しいただくべきであったと私は思います。私は大衆の零細な資金をお預かりしている郵政省とされては、そのくらいの配慮をもって、たとえ大蔵省がどのような押しつけをしようとも、大衆の立場に立つ郵政省としては一歩も退けないということで、あなたが閣議で賛成されなければ決してこういうものは出てこないのですから、あなたが閣議においてどのような発言をされ、どのような努力をされたかということについて・私一応御了承さしてもらう点があるのですけれども、最後の段階で、あなたが一人閣僚の地位を去って大衆のためにがんばるということであったならば、この法律は出なかったと私は思うが、いかがでしょう。
#20
○小沢国務大臣 私は先ほども申し上げましたように、預金者の貨し付け制度につきましては、今後とも早急に実現したいというような熱意に燃えているわけ合いであります。
#21
○受田委員 熱意だけではいけないと私は申し上げるのです。熱意はだれでも持っているのです。しかし、これに伴う実行がなければ効果があるとはいえないわけです。私は今度のこの郵便貯金法の最後決定を見たときに、やられたと思いました。郵政大臣はこの法律案をお出しになるのに賛成されたのかと思って、実に残念だったわけでございますが、あなたのかつての大臣の先輩である田中氏が、目下大蔵大臣をやっておられるわけですが、この間、大蔵省設置法の改正のときでも、この席上で私は田中元郵政大臣、現大蔵大臣に重々このことを注意しておいたのです。にもかかわらず、結果的には、大衆は依然として、信用金庫とか相互銀行あるいは農協等ではりっぱに個人貸し付けの制度があるのに、郵便貯金ではこの制度を実現させていただいていない。政令委任で、自由に低金利遂行の過程で、いつこの利率を引き下げるかもしれないという、一番不利なところだけを大衆がしわ寄せを受けておる、こういう事態が発生してしまったわけです。
 大臣に申し上げたいことは、誠意を持ち、熱意を持っておいでになっても、実を結ばなければ効果なしということと同じじゃないか、こういう結果になることを重々お知りになっていただかなければならぬのです。大臣、いかがでしょうか。
#22
○小沢国務大臣 私は貸し付け制度に対しましては、先ほど申し上げましたように、ぜひ実現させたい、そういうようにいま検討しておるわけ合いであります。
 それから、この政令をきめましたことが、直ちに金利の引き下げを意味するわけ合いではございません。金融一般の情勢に相応して適時適切にきめられるように配慮いたしまして、これが即金利引き下げというようなわけではございませんで、ほかの一般金融情勢と対処できるようにというような意味合いでございます。
#23
○受田委員 はっきり提案理由に書いてあるじゃないか。「金利政策の弾力的な運用に支障を来たさない」、低金利政策を遂行するのには利率を下げなければならぬということと同じじゃないですか。はっきりしておる。きわめて明瞭なんです。提案理由、先ほどから大臣がおっしゃることばをそのまま引用いたしましても、まさに必要があればいつでも引き下げる措置がとれる、はっきりしていますよ。すぐやるんじゃないと言ったって、ちゃんと書いてある。明瞭ですよ。金融情勢に相応する、だから低金利政策で、さらに、秋にでも日銀の貸し出し金利の一厘引き下げということになれば、当然ひっかけて利率は下げられるのじゃないか。そういう場合といえども、絶対に引き下げないと言うことはできない。保証できない。国会の討議であれば、お互いにがんばることでこれが守られますが、政令委任で、ぴしっとしてしまうと、即座に敗北せざるを得ない結果が生まれる可能性がある。そういう可能性がありますね。
#24
○小沢国務大臣 先ほども申し上げましたように、郵便貯金の利率といえども、やはり一般金融の一環でございまして、弾力的な運営に資するというようなことでございます。それから、これから、これが直ちに利下げをするというようなことを意味しておるわけではございませんで、郵政審議会にもかけまして、その意見を尊重いたしましてわれわれはやっていきたいというように考えております。
#25
○受田委員 大臣は先ほどから金利政策の弾力的な運用ということをしばしばおっしゃり、また、一方では、預金者に対する個人貸し付けの道は、できるだけ早くやりたいということを言っておられますが、後者のほうで、預金者に対する個人貸し付け制度は、一体いつごろ生まれるような――見通しとしてはどの点に時点を置いておられるのでしょう。それをお聞きしておかないと……。
#26
○金澤政府委員 昨年の附帯決議もありまして、検討いたしましてやったわけでございまして、附帯決議こそ昨年でございましたけれども、貯金局といたしましては、この個人貸し付けをやりたいという気持ちを長年持っておったわけであります。しかしながら、貯金の歴史九十年でございまして、この附帯決議を契機といたしまして、初めてこの問題を取り出したわけであります。でありますから、問題は非常にむずかしい問題だと思っております。そこで、同じようなケースの場合――の貯金と保険とは違いますけれども、保険の運用問題にいたしましても、たいへんな日にちをかけておる歴史があります。そういうことで、私たちは、まず一応の案をつくりまして、いろいろとやったのでございますが、これは私どもも先ほど申し上げましたように、今後ともひとつ話し合いを続けていくということは、私はいま一年先とか、二年先とかということは申し上げられませんけれども、あくまでもこの問題については、大いに努力していくということは、将来においては必ずやいい目が開けるのではないかということで、受田先生からだいぶおしかりを受けたわけでありまして、結果がないわけじゃないかというわけでございますが、いま申しましたようなむずかしい道だということを御了承願って、問題そのものがむずかしいというわけでございますので、その点ひとつもっと長い目で見ていただきたいというふうに考えております。
 それから、私の先ほどの、やむにやまれずというような、非常にあいまいなことばを使いましたことをおわびいたします。これは、筋といたしましては、国会のほうがいいということはそのとおりでございます。しかしながら、やはりいま申し上げましたような金融上の法定事項にいたしますと、それが一般の金利と郵便貯金の金利とは密接な関係がありますので、それをなかなか無視するわけにはいかないということがございまして、今回こういう措置をとるということでございます。それからまた、大臣が申されましたように、預金者の利益を守るという立場においてひとつ慎重に検討したいというふうに考えておりますので、ひとつこの点も御了承願いたいと思います。
#27
○受田委員 われわれの逓信委員会の意思としてすぐにこの問題が取り上げられたわけです。われわれの逓信委員会の意思を無視して逆な法案をお出しになっておられるということについては、おそらく与党の委員各位におかれましても内心うつぼつたるふんまんを抱いておると思う。当逓信委員会の権威にかかわる重大な結論を法案としてお出しいただいておるわけです。逓信委員会はなめられておるということになる。私はここへ大蔵大臣に御足労願わなければならぬと思う。大蔵省というお役所と郵政省というお役所でどういう将来に対する話し合いがされて、ある程度のお約束をしていただいておるのかということもお聞きしなければいかぬと思うのです。やはり大蔵大臣と郵政大臣お二人に並んでいただいて、それぞれ御答弁いただかなければ――この法案そのものが郵政大臣一人の御答弁で満ち足りるものではないのです。金利政策そのものの蔵相の意見もお聞きしなければいかぬし、政令委任を押しつけた蔵相の御意見も拝聴しなければいかぬし、また大衆の零細なる預金に個人貸し付けの制度を依然として認められていない。それが一年とか二年という約束もできないといういまの局長さんの御答弁など聞いていると、まさに踏んだりけられたりという残酷冷酷むざんなる措置と申し上げたいのです。委員長、あえてこれをそのままうのみにするということはできませんね。――委員長も肯定されておる。
#28
○佐藤(洋)委員長代理 御質問によっては大蔵大臣の出席を要求しますか。
#29
○受田委員 ぜひこれは承らなければいかぬです。
#30
○佐藤(洋)委員長代理 ではさよう手続をして大蔵大臣の出席を求めます。
#31
○受田委員 われわれの当委員会の権威に関する重大な結論が出ておるわけでありますから、附帯決議の線はいずれということになるわけです。
 それでは大臣が来られるまで、今度の改正案の第三点についてお尋ねを続けていきたいと思います。
 今度団体取り扱いをする郵便貯金に新しく種類を付加されておるわけでございます。これは積立貯金等を新しい付加貯金種類にしておられるわけでございますが、実際にこの団体取り扱いを、従来も社会福祉事業団等にされておるわけでございますけれども、この団体取り扱いの郵便貯金に非常に大きなプラスがあった。したがって、さらに積立貯金等で新しく仕事を加えることによって、一そう効果があるであろうというねらいがあると思うのです。この団体取り扱いの郵便貯金に対する過去の実績及び今後の見通しを御説明願いたいと思います。
#32
○金澤政府委員 ちょっと数字を申し上げます。昭和三十七年の十二月末現在で団体数は六万五千団体、貯金の現在高は百十二億一千六百万円、一団体の平均の貯金在高は十七万二千円になっております。
#33
○受田委員 その見通しです。
#34
○金澤政府委員 これはおわかりと存じますが、団体をしてこういう簡易な取り扱いをいたしますと、代理人とか総まとめ人というところで郵便局と授受いたしますと、場合によれば郵便局がそのところへ出かけて預入を承るということになりますと非常に手数が簡単でございまして、能率が上がるということでございますし、バカンスとかなんとかいって盛んに旅行等も今後どんどんとふえてまいりますので、そういう意味合いにおいて今後大いに利用されるのではなかろうかというふうに考えております。
#35
○受田委員 この団体取扱いをする場合には、取り扱いに対する手数料等で恩典がどういうふうに与えられておりますか。
#36
○金澤政府委員 これは非常に少ない金でございまして、現在は一団体当たりたしか名義人とか総まとめ人に五百円程度のものがいっております。
#37
○受田委員 いまの団体取り扱いで積立貯金制度を新しく適用されようとする意図を伺いたいと思います。
#38
○金澤政府委員 いままでは通常貯金だけでございましたので、積み立てのほうは、何と申しますか、毎月零細な金を積み立てて半年とかあるいは一年たったらひとつ旅行に出行かけよう、そうなさるのには積立貯金が非常に適しておるわけでございます。そういうわけで、通常貯金だけでは不分十でございますので、今後は積み立てをやっていきたい、それで皆様の御要望にこたえていきたい、こういうふうに考えております。
#39
○受田委員 積み立てをおやりになるくらいなら定額貯金もおやりになるのですね。
#40
○金澤政府委員 今後はまず積み立てをいたしまして、さらにその結果がよければ、諸情勢を勘案して将来定額を考える時期もあろうかと存じます。
#41
○受田委員 この団体取り扱いでそういう道が開けてくることはけっこうです。同時に、団体に加盟しておる一員が金が要る場合に、また自由に貸し出しの道も開けておるということであれば安心して預金ができますよ。余分の金は思い切って全部預けておこうという気持ちにもなるのです。ところが、一方の道が閉ざされておるということになりますと、一歩手前で渋る場合も起こるということになると、貯蓄増強にたいへんな支障が起こるということになるわけです。おわかりになりますね。団体取り扱いと、いまの団体の一員に個人貨し付けの制度を開く――他の機関がやっておるような道を郵便貯金にもはっきり打ち立てなければならぬことは、この規定でも了承していただけると思うのですが、どうですか。
#42
○金澤政府委員 先生の御趣旨十分了承をいたします。貨し付けにつきましては、何べんも申し上げましたので、どうかあの前言で御了承いただきたいと思います。
#43
○受田委員 今度の改正で「割増金附定額郵便貯金」が「割増金品」となっていで金から品が入ったわけです。品を入れたのはどういう理由からでありましょうか。
#44
○金澤政府委員 実際は金だけでございまして、品のほうは実際は入っておりませんが、そういうふうになっておるわけです。
#45
○受田委員 それはおかしいですね。従来は割増金附定額郵便貯金であった。それが今度割増金品の品の字が入ったのはどういうことなのかということお尋ねしておるわけです。
#46
○金澤政府委員 今後は、もし必要がございますれば、品を使いたいということでございます。
#47
○受田委員 どうもはっきりしない。品と書いてあっても金のことだ…。
#48
○金澤政府委員 前に品を使ったこともございますが、最近においては金だけでございます。
#49
○佐藤(洋)委員長代理 受田さん、大蔵大臣に連絡しましたら、いま財務局長会議を開いているのだそうです。だからあすの機会にでも来てもらうことにしたいと思いますので、御了承願います。
#50
○受田委員 それでもけっこうです。
 いまの品は、金から品までの品のほうはどういうものを考えているかということをいまお尋ねしておるわけです。何か予定されているものがあると思うのです。
#51
○金澤政府委員 お答えいたします。私の説明が非帯に不明瞭でございまして、品を新しくつけたような印象を先生にお与えしたかもしたませんが、従来から金品とございまして、品を使ったこともございますが、最近は金だけだということでございます。
#52
○受田委員 実際問題としては品を使っていない。そうするならば、品という意味がないですね。「割増金附」のほうがはっきりしますね。
#53
○金澤政府委員 現在のところ考えておりませんが、場合によりまして、将来必要があれば品がいいということになったら考えたいと思います。
#54
○受田委員 例の年賀はがきなどの場合にも品がついているわけなんです。それから切手にもそうした制度が認められておるけれども、実際はやっていないわけで。郵政省にはそういうふうに法律にはうたっているけれども、実際はやっていない制度が残っているわけです。郵便切手などがそうなんです。制度としてあってもやっていない。年賀はがきだけしかやっていない。だから、無用のものを――盛んにおつくりになっても運用はやっていない、こういうことになる。これはどういうことでしょうか。そういうものは必要に応じて法律をつくるべきであって、実際に行なわれる見通しが立たぬものは、法律事項としてこれを取り上げるほうが間違っているのでやないですか。
#55
○金澤政府委員 現在はただいま申し上げたような考えでございますが、将来また品も使うということも考えられますので、あわせて「金品」ということにいたしたわけでございます。
#56
○受田委員 品のほうはやはり問題の起こる可能性があるのです。はっきり割増金にしておくほうが大衆に誤解を受けさせません。これははっきりしておるのです。品物でいろいろな事件を起こしていることは、納入する側の間違いが起こったり、取り扱いをする役人のほうの間違いを起こしたり、なかなかやっかいなしろものであることは、郵政御当局はよく御存じだと思うのです。はっきり割増金ということで一線を画されることのほうが筋が通る。問題を起こさないだけでもはっきりするんだ。物品の納入ということにはとかくの疑いが持たれているわけなんですからね。これは十分御注意を願っておかなければならないと思います。よろしゅうございますか。
#57
○金澤政府委員 先生のおことばは十分……。
#58
○受田委員 今度の改正案でもう一つ問題になっているのは、制限規定の適用を受けない法人その他の団体の場合が列記されているわけでございますが、ここで五十万円という制限額についてちょっとお尋ねしたい。そういう特別の、所得法の課税対象にならない法人等をお認めになっていることはいいことですよ。営利を目的としない団体に対するこういう到度はいいことです。しかし、問題は、何千万円という預金をしようとする個人がおって、豊かなる生活をする個人がおって、税金の対象からはずされようとして五十万円ずつ個人名義の貯金を、局を変えて預金する場合も起こってくるわけです。そうすると、五千万円一億円くらいの預金は、定額貯金にしても、通常貯金にしても、自由に――二冊しか通帳を持てないけれども、しかしながら、郵便局を変えての預金ということもあるし、赤ん坊、贈与税のかからない対象もある、子供の名義で預金をする場合も起こってきて、課税の対象からはずされようとする配慮から、法額の限定をこえる一人の人の預金ということも考えられるわけです。定額貯金五十万円の制限じゃ、個人の通常郵便貯金二冊と定額貯金を五十万円でいったならば、最高百五十万円までははっきりと貯金ができるわけですね。それを実際に調べることができるかどうか。貯金局を変えてやった場合、そういうことをひとつ。高額の預金を法律の制限をこえてしている場合ですね。
#59
○金澤政府委員 この問題は、たしかにこの前、限度額が五十万円になりましたときにも委員会で厳重なお話があったと思うのです。その後私たちのほうといたしましても、まさに委員会の仰せのとおりでございますので、新たに通牒を出しまして、昨年の五月二十二日、これについては従来いろいろとやかましいことを言っておりますけれども、さらに委員会のほうのそういうお話もあったと思いますので、新しくまたさらにふえんする意味において郵便局長あてに貯金局長の名前で通牒を出しております。問題は、銀行と違いまして、私たちの郵便局というものは、現場官庁というものが地方にございまして、調べるという手段は持ってないということでございます。そこにこの問題の名寄せということが非常にむずかしいという点があるわけでございます。そこで地方貯金局におきましては、利子計算のときにそういうことがわかりますれば、直ちに郵政局を通じまして、郵便局に連絡して減額措置をとらせるというようなことをやっておりますし、また、監察官等の臨局の場合においても、業務考査などに応じまして、場合によっては必要に応じて預人の照合書の名寄せというような具体的な方法をとります。またいろいろと、局員の訓練等の業務研究会におきましても、この問題はやかましく言っております。そういうことで、いろいろ私たちは発見し得る限り発見して減額措置をとってもらっておるわけでございます。
#60
○受田委員 この最高限額を法律で一応規定している以上は、それをはっきりと守るのが立法国家の責任ですよ。だから、法網を乗り越えて所得税のがれの預金を国家機関が吸収するというようなやぼな考え方だけは、預金、貯金をふやすためには、法網をくぐることを暗に奨励するようなかっこうのこの危険性だけは、一切これを排除するというはっきりした線を打ち出していただかなければならぬ。つまりそういう筋の通らない預金をしてまで貯金総額をふやす必要はありません。やはりまじめな大衆の貯金を吸収するというところに、郵便貯金制度のねらいがあるわけですからね。不心得者の郵便貯金利用ということについては、厳たる態度でお臨みになり、逆に大衆を携護する意味で、個人貸し付け等の制度あるいは団体のいま新しく改正された諸制度を、定額貯金などで拡充することによって、幾らでも金は集まるわけですから、これはひとつ重々御注意いただきまして、私の質問を終わらしていただきます。
#61
○佐藤(洋)委員長代理 上林山君。
#62
○上林山委員 私は与党だから、郵政事業に対しては、表裏ともに前向きで協力申し上げてきておるつもりでございますが、郵便貯金法の一部を改正する法律案に対しては、積極的に強い批判を持っております。そういう立場から質疑を試みることをまことに遺憾といたしますけれども、われわれは国会に席を置いておるという意味においてやむを得ないと思いますので、その点、大臣にあらかじめ私の考え方を申し上げておきたいと思います。
 まず第一に、私は、この法案を出されたことによって、共産党などは何とこれを批評していくだろうか、これは政治家として一応考えておかなければならぬ大事な点だと思うのであります。共産党などは――などということばを使いますが、これは、自民党政府は、金融資本家の代弁をして、庶民大衆から集めたいわゆる郵便貯金に対しては、きわめて冷淡である、こういうような口実を与えるのではないかと思って心配をいたしております。これに対して大臣は、これを出されるときに、これは事務的な問題ではなしに、政治的な問題として扱われただろうと推察されるのでありますが、日本の金利政策という、いわゆる国際水準に日本の金利をさや寄せていこうとする金利政策に重点を置いて、国務大臣という立場からこの問題にウエートを置いて法案を出されたのか、それとも、政治的に判断しても、あくまでも零細な国民大衆の預金を保護し、しかも、集めた金は政府資金となって、さらにまた、これが国民のために、または公共的事業のために、使われているのだという、いわゆる預金者を保護し、あるいは増長をしていくというような郵政大臣的感覚にウエートを置いたのか、これは私は一応ただしておかなければならぬと思いますので、この点をまずお聞きいたしておきたいと思います。
#63
○小沢国務大臣 この問題につきましては、先ほど来申し上げましたように、金利政策に弾力性を与えるというような金利政策上から見ましてこれを考えるという点が一つと、それからもう一つ、われわれは、郵政省といたしましては、預金者の保護をはかるということはこれは当然でございます。そういう二つの面から私どもは考えておるのでございます。
#64
○上林山委員 私は、この問題については、最初から批判的でございましたが、大臣の考え方も、あるいは事務当局の考え方も、よく承知しておるつもりであります。しかし、いまの御答弁は、これはやむを得ない御答弁かとも思われますけれども、私はそういう考え方では不徹底ではないだろうか、いわゆる金利政策からいくとしても、あるいは預金者の保護という立場からしても、国務大臣としても、あるいは郵政大臣としても、もっと政府部内において意見の調整をやり得る余地はなかったのか、このことです。ほんとうに余地はなかったのでありますか。あるいは、どういう努力をしたにもかかわらずこういう結果になったのであるか。このいきさつは、私は、一郵政大臣の問題でなく、われわれ一国会議員の問題じゃないと思うのですよ。だから、そういう意味において私は、もっと便宜主義的な前に考えるべき基本的な問題があるのではないかと思うのでありますが、この点について答弁をお願いいたします。
#65
○小沢国務大臣 たとえば貸し付け制度の問題等のこととも思いますが、その問題につきましては、大蔵大臣ととくに打ち合わせしたわけでございます。しかし、われわれのほうの主張と大蔵省の主張とまだまだ一致する点までいきません。そこで、これを検討して、なるべくわれわれは早い機会にこれを実現しようというようなことでございまして、私としましては、力の限り努力したのでございます。
#66
○上林山委員 そこで、大臣が努力をした、いや努力が足らぬ、こういうふうにお互いに水かけ論をやっても、ケリはつきませんから、その点は私はこの程度でやめますが、私はもっとやりようがあったと思います。それは郵政事業に対してもう少し事務当局も、あるいは郵政大臣も、研究をされたならば、こういうことにはならなかったであろう、これは私の推察ですが、こういうことにはならなかったであろうと思います。私の側から見ると、まだ努力が足らなかったのではないかという大きな疑問を持ちます。これは御承知のとおりに、勅令であったものを法律になぜきめたかおわかりでしょう。言うまでもなく、国民の基本的な人権を尊重するためには、手続を厳格にしなければならぬという趣旨で法律に移したのであります。国会が国民の代表者として一番権威がある、また国民大衆を守るには、いまの日本の制度ではこれが一番ベターである、最善である、こういう意味合いにおいて勅令から法律にきめて、国会がこれに慎重な態度で関与して、国民の利益を守ろう、こういう趣旨に出ておったわけです。これは一片の進駐軍の単なる命令だけじゃないですよ。今日の新しい憲法から考えても、いわゆる弱い国民大衆、庶民大衆の預金を、基本的人権に基づいて尊重していくということが優先しなければならないのです。それを、先ほどの答弁によりますと、金利政策の弾力的考え方と、あるいは預金者の保護というけれども、預金者の保護はたいしてできておりません、この法案では、それは通りやすく説明をお加えになっている程度だと私は思っております。決してそこにウエートがない。だから私は、この沿革から考えて――勅令から法律に直してまだ十何年にしかならない。二十年にならぬでしょう。そして国会がこれに関与していままでたいしたあやまちがなかったのです。先ほどの説明の中で、国会の審議がおくれたために、国の金利政策に支障を来たした点がある、こういう説明でありますけれども、私はそれは後刻どのの程度影響があったか具体的にお聞きいたしますが、それは私の立場から言えば論弁に聞こえてならないのです。だから、これに対する、いわゆる勅令から法律に改めて、それをまた朝令暮改的にこれを政令にゆだねる、弱い者は切り捨てごめんだというような思想が入っておると言われてもやむを得ないじゃないかと思う。いかがですか。
#67
○小沢国務大臣 私は、勅令から法律に直ったという事情も存じております。しかし今回の措置は、先ほども申し上げましたように、適時適切に金融政策によって金融の正常化をはかる必要がある、それがために弾力的に金利をきめられるとういふうにする必要があるわけでございまして、そういうために政令に移したわけでございまして、昔は勅令一本できたわけでございますが、われわれは郵政審議会を活用いたしまして、その意見を十分尊重する、それから郵政審議会も強化する、そういうふうにして国民の基本的権利を守っていきたい、そういうふうに考えておる次第でございます。
#68
○上林山委員 受田君から非常に研究した立場から質問がありましたが、私の意見と大体似ておるようでございますが、私はいまのあなたの答弁は、さっきから申し上げているとおり、郵政大臣としてよりも国務大臣としての立場のみに立った意見のように思われますが、この点いかがですか。
#69
○小沢国務大臣 私は国務大臣として自分が郵政を担当しておりますから、もちろん自分は預金者の保護をするというような立場は十分考えておるつもりでございます。ただ、金利政策ということも、国の大事な政策でございますから、その点もやはり考えなければならないというわけ合いでございまして、私は郵政大臣といたしまして十分に国民の保護を考えるということを考えておる次第でございます。
#70
○上林山委員 そこで、私は楽屋裏から具体的に質疑を進めていきたいと思いますが、まず第一に、日本の全預金に対する郵便貯金の割合は、数年前は一三%であった。それが二、三年後には一一%になった。現在は九%である。もちろん郵便貯金の総額は漸増しております。漸増しておりますが、全預金に対して郵便貯金の占める割合がだんだん減っていっているおもなる理由は二、三あげればどういうところにあると思われますか。
#71
○金澤政府委員 先ほど先生の御指摘なさいましたように、郵便貯金が昨年度は二千二百六十二億、その前年は千九百五億というふうに非常に伸びてまいったわけでございます。ただ全体が、これは統計をとりまして三十八年度四月末で見ますと、全体が二十兆六千二百七十三億、その中で郵便貯金は非常に伸びておりますが、一兆五千二百八十五億というようになっております。それでしさいに検討してみますと、相互銀行あるいは信用金庫あるいは農協というものが、非常に最近は、ことに相互銀行、信用金庫にいたしましては、最近、中小企業の銀行に行かない人、そういうような人の関係が伸びておるわけでございます。これの数字を申し上げますと、相互銀行は一兆八千二百四十三億、信用金庫が一兆七千五十四億というふうに非常に伸びておりまして、郵便貯金を凌駕するようなかっこうになっておりますので、自然にそういうようなことからいたしまして、郵便貯金が全体の中で占める額は、御指摘のように下がってきておるのではないか、こういうふうに考えております。
#72
○上林山委員 事務的の答弁はそれも
 一応の答弁でしょう。しかし、私の質問の要点は、郵便貯金はもちろんふえてはおる。しかしパーセントが全預金に対して一三%から九%まで下がった、このおもなる理由はどこにあるのだ、こういう質問をしたわけですが、これは私は大臣の御見解をお聞きしたい。どこに原因があるのです。
#73
○小沢国務大臣 農協等の伸びが相当ありましたがために、相対的に下がったというわけでございまして、郵便貯金それ自身としては、やはりふえているということでございます。
#74
○上林山委員 ふえておるところの、いわゆる定額もしくは定期に相当するほかの金融機関の金利は、銀行のはあとで質問しますから除いてけっこうですが、利率はどういう状態です。
#75
○金澤政府委員 お答えいたします。定額は、あれと同じような制度は他の金融機関は持っておりません。これは郵便貯金だけの制度でございます。
#76
○上林山委員 定期につきましては、銀行に比べまして他のものは日歩一厘高でございます。勉強が足りませんね。ぼくの申し上げているのはそういう意味じゃない。銀行預金のことはあとで聞きますからと言うて除いて聞いておるのですがいまあなたが言われた農協とか、あるいは相互銀行とか、あるいは信用金庫とか、こういう方面の伸びが非常に大きいために、全体としてはパーセントが郵便貯金は下がっておる。もちろん郵便貯金全体としては漸増の傾向をたどっておる、これはわかっているのですよ。だから、私の言う意味は、どういうわけでパーセントが下がったかその、一つの原因としてあなたが、こういう方面のが非常に伸びたから下がのだと思う、こういう答弁だから、それならば、その金利は一体どうなっているのかというこを聞いているのですよ。これぐらいは座右にちゃんと資料を置くなり、頭の中に入れて行政をやらなければだめですよ。
#77
○金澤政府委員 お答えいたします。私のほうの一年の定期は五分でございまして、銀行のことをお尋ねになりませんでしたけれども、銀行が五分五厘、それからお尋ねの信用金庫、相互銀行というのは五分六厘でございます
#78
○上林山委員 相互銀行――あるいは農協のはまだお調べになっていないようですが、銀行よりは相当高いですよ。相当高いから、最近そちらに集まりやすくなってきたのです。ほかに原因はありますが、時間の関係で省略いたしますけれども、一三%であったものが九%に下がってきたのです。金利政策ということばを大臣は言われますが、金利政策の調整をはかれることはけっこうなんですよ。私は国際水準の金利にときにさや寄せしていくという方向は間違いない政策だと思っていいるのです。しかし、その緩急ということに実に重大だと思っているのです。緩急の差ということは非常に重大です。そういう立場から申し上げているのですよ。しかし、それならば一歩上がって金利政策全体していま考えた立場に、非常なでこぼこがあり、しかも庶民大衆の零細資金であるといわれておるものの金利が非常に安い。現在でも安い。そして私も受田君と同じ考え方なんですが、この法律が通ってしまうと、おそらく三十八年度中に、低金利政策のために金利の引き下げをやる公算が強いと見ているのです。そういうような立場かな考えて、あなたは金利政策を説かれたが、国務大臣としていこういう金利政策のでこぼこをどういうふうしようとするのか。金利政策の全体の調整、各金融機関との間の調整というものをどう考えるか。それから一番の不利にあるのは郵便貯金ですよ。それをまた下げようとする気配が強いわけなんですよ。そこで、この問題をきめるときに、郵便係のほうは、定期が一年もので五分、銀行のほうは御答弁のように一年もので五分五厘、定額にいたしますと、一年以下のものは郵便貯金は四分二厘です。十一カ月何日というものはこれは四分二厘ですよ。しかも定額の一年から一年半にななってこれが四分七厘です。それでわれわれ同僚の間では、私が説得する意味も含んでおっただろうと思いますけれども、銀行預金を下回らない利率にしたなら、君、反対しないだろうとこう言う。それを確約して実施できるならば一歩下がってもいいが、おそらくそれはできないだろう。その勇気は小沢郵政大臣にもなければ、大蔵大臣にもあるいは池田総理にもないだろうというのが私の見通しなんです。しかし、その見通しに誤りがあって定期、定額が類似のものが銀行預金よりも不利にならないというような、訓示規定でなくそういう一項を加えるならば、私は一歩退却してもいいと思います。抽象論としてあなたは郵便貯金の金利をできるだけ有利にするように、それそれの手を打ちますとこう言っていますが、これは審議会の話も出ましたけれども、私は審議会の構成メンバーについてあとで聞きますけれども、そんなものよりも、やはり国会というものが一番権威があると思っているのです。どうなんでか、その点をまず答えてもらいたい。
#79
○小沢国務大臣 定期につきましては確かに郵貯の不利な点がございます。そういう点につきましては、われわれは今後十分検討していきたい、そういうふうに考えております。われわれ国民の保護をするために十分検討していきたい、そういうふうに考えておる次第でございます。
#80
○上林山委員 郵便貯金は、私の意見のとおり、また具体的数字にもあらわれているとおり、銀行預金その他の、預金に比べて非帯に率が悪い。だから、この率をいま私の質問の趣旨のように、銀行預金等に比べて同じ種類の貯金はできるだけ同じようにあるいはそれに近いものにする、こういう答弁だと承知していいのでありますかどうか。
#81
○小沢国務大臣 われわれといたしましては、上林山先生のおっしゃった意味で、そういうふうな努力目標を持って努力していきたい、そういうふうに思う次第でございます。
#82
○上林山委員 努力目標もけっこうです。誠意をもってやっていただけば、これもけっこうなことですけれども、抽象的な単なる答弁じゃだめです。やはり単なる訓示規定じゃなくて、この法案の中に、銀行預金等の利率に比較して不利にならないような処置をとる、それは具体的に銀行の一年ものの預金の利率が五分五厘だから、これも五分五厘にするというようなことは言えないだろうと思う。同僚の間にはそれを言わせようじゃないかと言ってくれている諸君も二、三おられますけれども、しかし、それはあなた方言えないだろうと私は思う。だけれども、私が言った程度の、銀行預金の利率に比して不利にならないように処置をするというくらいのことは、法文に一項を入れてもいいのですよ。あなたが単なる金利政策の弾力的運用のためにのみこの法案をお出しになったとするならば、いま言ったように、もう少し訓示規定を具体化した――−訓示規定というよりも、訓示規定でない、いま私が言ったような、不利にならないように処置しなければならない、こういうようにやらなければ、どこをめどに努力するのか、不利にならないようにというのは一体どんなことなのか。私は、いまやっておられることは全部不利だとほんとうは思っているのです。しかし、妥協もある程度必要だと思うから、私はそう申し下げているのです。これは失礼ですけれども、私の考え方が正しいと思っているのです。しかし妥協も政治には必要ですから、一歩妥協してもいいですよという気持ちを含んで申し上げているのです。この辺はどうなんです。
#83
○小沢国務大臣 今回の法律作成にあたりましては、具体的には書いてございませんけれども、国民の保護をするために万全の措置を講ずるというような精神規定を入れまして、そうしてわれわれはその精神規定にのっとりまして誠意を持ってやる覚悟でございます
#84
○上林山委員 どうですか大臣、あなたは国務大臣としてあるいは郵政大臣として、それぞそのお立場のあることは知っております。また国会がこの法案に対して慎重なる、審議をしておることもあなたは御承知でしょう。だからこれが通らぬでいいというならばそれでけっこうですけれども、これを参議院まで通そうとするならば、この辺で治的な配慮をされることも一つの方法ではなかろうかと私は考えるわけです。だから銀行預金の利率に比して不利とならないような処置をとる、ことばは少し訂正してもけっこうですが、そうしたようなものを入れるべきですよ。そうしたら貯預はさらにふえますよ。ふえるけれども、これではもうだれが聞いても――もうすでにほかの党では私が最初言ったように宣伝しているのですよ。自民党は金融資本家の代弁をして、銀行の方面の鼻息をうかがって、そして零細資金を集めた郵便貯金に圧力を加えて、政令にゆだねて低金利政策にこれを持っていこう、こう言われておるのですよ。これはあなたはそれでいいかもしれぬがわれわれは実際迷惑しごくですよ、そういう点は、だから一歩ずつお互い歩み寄った何かを究研してごらんなさい、この法案が通るまでの間。これは宿題でけっこうです。研究してごらんなさい。あるいはまた、当委員会で研究されるかもわかりませんがそういうふうに何か考えてみなければならぬじゃないかと思う。そこで、あなた方がどういうわけで政令にゆだねるかという質問に対して口をそろえて御答弁になっているのは、国会の審議がおくれて、国全体の金利政策に支障を来たした――どうなんです、全預金のわずか九%しか占めないこの郵便貯金が、日本の金利というものにあなた方が考えておるほど、そんなに大きく左右するものですか。これは私がさっき申し上げたように、金融資本家が、あるいは銀行等が、あなた方に、あるいはその他の方面に強く働きかけてこういう政令になったのではないか、この点はやはり私は国会としては真剣に考えておかなければならぬ点だと思います。あなたの考えをひとつ伺います。
#85
○小沢国務大臣 先ほどおっしゃいましたような、われわれは金融資本家の圧迫によりまして、一般国民を圧迫しようというような考えは全然ございません。先ほども申し上げましたような理由で、これを政令に譲ったわけ合いでございます。
 それから、金利の値上げがおくれたというような御説明をいたしましたけれども、一割といえどもやはり金利政策といたしましては一緒にいくのがよろしいわけでございまして、領金者といたしましても、やはり五ヵ月でもおくれればそれだけ損になるわけでございまして、私は一緒にやってやるのが金利政策ではないか、そういうふうに考える次第でございます。
#86
○上林山委員 金利政策をあなたが全体として調整をとられるならば、いいですよ。あるいは総理大臣や大蔵大臣が全体としてもう少し差を縮めたようなそういう立場で、みんなを下げるなり、みんなを上げるなりすることは、私は時によってはいいと思うのですよ。さっき申し上げておるのです。これが絶対だめだと言っておるのではないですよ。それはそこに伸縮性があっていいのです。だけれども、いま聞いておると、どうもこの金利政策、しかも国民大衆に一番影響のある郵便貯金に結果的に圧力が加わっている気がしてならない。何も少しぐらいおくれたからといって、日本の金融全体に対する影響などというものは、これはあなたが考える何分の一しかないと思っている。そんなに大きいものではない。これが全預金の三分の一なりあるいは半分なり占めるというなら、これは大きな影響があるわけです。それにしても、言うまでもなくこの金は庶民大衆のものですよ。しかも五十万円以上はしてはならぬと書いてあるのですよ。制限までつけてある。しかも集めた金は、言うまでもなく国民のために公共事業その他にみんな使われているわけですね。なぜこういう大事なものにそんな不利なことをやらなければならないんでしょう。ただ申しわけに審議会等を設けておりますけれども、その程度では国民大衆を守れぬと私は思うのです。非常に危惧の念を持っているのです。この点どうなんですか。
#87
○小沢国務大臣 私は、政令に委任したことによりまして非常に不利を招かせるというようなことは考えておりません。先ほど上林山先生のおっしゃったように、金利の不均衡な点は私は多分にあると思います。そういう点につきましては、われわれといたしましては十分に今後検討いたしまして、そういうことの是正につとめたい、そういうふうに考えておる次第でございます
#88
○上林山委員 郵便貯金が不利にならぬよう是正をしていく、ほかの金利と比較してでこぼこをできるだけ修正していく努力をする、これはけっこうなことです。しかしこれは、ほんとうに身を入れてやってもらわなければならぬ点だと思います。しかし、私はその程度の答弁では満足しておりません。よほどあなたが――さっきもだれかが言ったように、ほんとうにこの問題と真剣に取り組んで、そして目的を果たすというお気持でなければ、とてもそれは貫徹はむずかしいと私は思うわけです。この問題については、大蔵大臣列席の上で、私はもう少し突込んで、あなたと並べてお尋ねしたいと思いますから、根本の問題はこの程度にいたしておきますが、預金者のために有利な扱いをするという方法は具体的に幾らでもやろうという気があればあるのです。たとえば制限撤廃のごときもそうです。金利が安いのに、しかも集めた金は、国民の公共事業に使っているのになぜ制限をする必要がある。これが金融資本家にこびていないとすれば、もうこの辺で日本も政策転換をやっていいです。金利が安いのじゃありませんか、郵便貯金の利子は。しかも税金に類したようにして国民のために公共事業費に使われているのじゃないですか。そういう性質のものになぜ制限を置く必要がある。これは大蔵省と折衝して、あるいは国の方針としてこの辺にメスを入れなさい。メスを入れるべきですよ。五十万円となぜ制限をする必要がある。これこそ銀行等の圧力があるからできないんじゃないかと、共産党、社会党あたりから言われても、それはまもとに答弁できぬじゃないですか。この制限は、大蔵省だって百万円くらいまでは制限撤廃していいという話もあったとか聞いています。百万円に制限を拡強することも一つの段階としてはいいけれども、私は制限を撤廃してもいいと思うのですよ。なぜ悪いのですか。何か悪い理由がありますかね。あなたが預金者のためにというならば、こういう方面に対してはどういう考えを持っていますか
#89
○小沢国務大臣 先ほど、おまえは誠意を持ってやるかというお話でございましたが、私は誠意を持ってやる所存でございます。
 それから、最高額の制限でございますけれども、あれは三十万円から五十万円になったわけでございまして、私はそれを百万円にするのは当然だと思います。私は、そういうふうにだんだんと上げていくということが必要だと思いまして、私も今後とも努力したいと思っておる次第でございます。
#90
○上林山委員 われわれが三十万円にし、五十万円に引き上げるときに、いかに銀行その他の方面から抵抗があったかということは、あなたよりも当委員会のメンバーの諸君がよく知っています。私もその体験者の一人です。だから申し上げるのです。だから百万円くらいにするのは、段階として当然なことです。だから制限を撤廃したらいいじゃないか。先ほど受田君から、制限がある以上は、法の趣旨に従ってこれを厳格にしなければならぬという質問も出たようですが、ああいう質問が出ないような処置をとれないかということです。なぜ悪いんです。銀行の預金よりも利子が安くて公共事業に便っている。銀行預金は商業資金ですよ。そうして定期の利率は高いんです。どういうことですかね。この辺にもう日本のいわゆる金利政策――私がさっきから言っておるように、金利政策も半ば調整をとるというのに賛成だというのも、その辺にあるのです。一から十まで反対じゃないんです。何か理由がありますか。銀行を圧迫しますか。制限を撤廃したからといって、こんなに金利が安いのに銀行をそんなに圧迫しませんよ。この辺はもう政策転換の時期じゃないでしょうかという意味なんです。だから、通り一ぺんの事務的な答弁じゃ、大臣どうかと思うんです。この辺で確かにそういう方向に進むべき時代だと思うとか、慎重に検討してできるだけそういう方向に進むように努力してみますとか、何かあなたの答弁に言いなさいよ。あなたはりっぱな功績を残されますよ。さすがは小沢郵政大臣だ、たいしたことないと思っていたけれども、こういう大問題を解決した、さすがはやはりりっぱな大臣だったということになるんですよ。これはほんとうに郵政省としては考えていく点ですよ。国務大臣としても私は考えていい問題だと思うんですが、どうなんです。小沢国務大臣 私はどうも金融の専門家でありませんので、的確なお答えになるかならぬかわかりませんが、限界をつくったということは、結局免税するというような意味でしたのだと思いますが、私は三十万円から五十万円に上げて、今度はこれを当然百万円に上げるべきだと思います。私はそういう点におきまして、いま上林山先生のおっしゃったような努力をしていきたいと思います。そうして国民の郵便貯金に対する意欲といいますか、それをひとつ大いに盛んにしていただきたい、そういうふうに思う次第でございます。
#91
○上林山委員 どうも大事な点になると要領よくあなたは抜けた答弁をされますが、これは笑いごとではなくて、私の提案としてただ申し上げておきますけれども、もうぼつぼつ政策転換をやって、そうして全体としてのすべての預金の金利の調整をはかると同時に、制限を撤廃してやることが私はほんとうは日本のためになると思っているんです。決して銀行の金融を圧迫しません。しかもあなた、パーセントから見れば逓減しているじゃありませんか。全体としては貯金の額はふえておりますけれども、しかし全預金に対して一三%であったのが一五%になってもいいんです。そういう方向に進めさせるためじゃなくて、この法案は足を引っぱっておる。さらにまた足を引っぱっていこうとする意図が見えてならないというのが私の意見です。
 預金の問題を有利にするには、この法案にまだあるんですよ。たとえば五十五条の二「(割増金品をつける取扱い)」というところで「前項の取扱いをする定額郵便貯金には、そのすえ置期間中利子をつけない」というのは一体どういうことです。それから、それと同じようなことがほかにも出ております。引き出す場合はその月の十六日以降は利子をつけないとかいうようなこともあるようでありますが、こうしたようなところをもう少し考えて、預金者に有利な扱いをするような考え方はないのか。十六日といえばあなた月の半分ですよ。十五日までのものならば利子の計算をする、十六日以後は計算をしない。これはいわゆる零細資金を集めておる郵便貯金の扱いとしては不親切じゃないですか、どうなんです大臣。こういうところにこまかい神経を使うべきですよ。しかも、据え置き期間中は利子をつけないというのはどういう意味なんですか。
#92
○金澤政府委員 最初のお話にありました割増金定額は据え置き期間中は利子をつけないというのは、その利子の前払いといたしまして金品を出しているというかっこうになっておるわけであります。それでそういうことになっていると思います。
 それから、十六日以降はつけないということは、利子かせぎと申しますか、二月になるために、月の末日につけまして、すぐ翌日にわたって二月というかっこうにするような、そういう利子かせぎということを防ぐためにそういう規定を置いたわけであります。
#93
○上林山委員 この零細な領金を利子かせぎという、国民大衆をそんな悪く見て郵便貯金を扱っているというのじゃ不親切ですよ。しかも、月の半ばを過ぎたものには、十六日以降には利子をつけないという行き方は、今の答弁は論弁ですよ。これは適当な方法で利子をつけるようにくめんするとか−据え置き期間だって利子をつけないということを法文にあらわす、こんな不親切なやり方がありますか。据え置き期間中は利子をつけませんと書いてある。こういうことは単なる事務的感覚じゃだめですよ。もう少し庶民の心理状態というものをあなた方は把握しなければいけませんね。こういう点もいわゆる預金者の利益を擁護しておりません。
 それから、先ほど受田君も一言触れたようでありますが、割増金品、せっかく「割増金附定額郵便貯金」となっておるのを「増増金品をつける取扱いをする定額郵便貯金」と長たらしく、しかも品物は時によってやるかもしれぬけれども、やらない方針だと言っておる。そういう程度のむので、なぜこんな誤解を生ずるようなことをわざわざ便乗して改正するのですか。前の法文のほうがいいですよ。あとからそういう疑わしい文言を入れるということはおかしいです。政策転換なら転換のようにおっしゃるならばけっこうです。そうでないでしょう。先ほどのほかの委員に対する答弁を聞いていると、それはやらぬかもしれぬ、やるかもしれぬ、まあそういう意味でこれを改正するつもりです、こういう答弁だった。これもおかしいですよ。どうなんですか。
  佐藤(洋)委員長代理退席、委員長着席
#94
○金澤政府委員 これは法文の整備の関係でこういうふうなことがここに出てきたわけであります。
#95
○上林山委員 整備が整備にならないです。これはどうせいままでの答弁の模様では修正したほうがいいと思いますが、いずれにいたしましても、こういうぴんとこないような規定を置くということはだめですよ。だから、こういうことはおやめになったほうがいいと思います。私は年賀はがきに対する景品も、ああいう種類の景品はやめたほうがいいと思っている一人です。むしろ郵便切手とか郵便の記念切手とか、あるいははがきとか、そうした郵政省内で発行するようなものを景品として出すことは、私はある意味においていいことだと思うのです。けれども、そうでないいわゆる品物を出すということは、年賀はがきの場合だって、ほんとうはこれはやめたほうがいいと思っている一人です。ましてや「割増金附定額郵便貯金」となっておるものを、こんなに紛淆を来たすような「割増金品」などということは、これは事務が繁雑で、しかも預金者の立場からいってもこれはいいことじゃないわけです。
 理事の諸君が急いでおられるようでございますので、私は明日の質問に二、三譲りますが、いまのこの問題の答弁を願いたいということと、もう一つは、大臣が、隠れみののように、預金者の保護もはかるんだ、そのためには審議会をつくるんだ、こう言っておりますが、審議会のメンバーはどんな人たちか、人員は何人くらいか、どの程度の権能を与えられているものか、その性格あるいは構成、選ばれた審議会のメンバーの皆さんには相すまぬ言葉かもしれませんが、私はたいして役に立たぬと思っております。それにしても、いま言ったようなことを答弁を願いたいと思います。
#96
○小沢国務大臣 まだメンバーはきまっておりません。大体どういう方を入れたいということは申し上げられると思いますけれども、あすひとつ申し上げます。
#97
○武田政府委員 郵政審議会の件につきまして補足的に御説明いたします。郵政審議会は、現在郵政審議会令、政令できめておりまして、郵便事業、郵便貯金事業、郵便為替事業及び郵便振替貯金事業、簡易生命保険事業及び郵便年金事業、電波及び放送の規律に関する事務以外の電気通信に関する事務、主としてこういったような問題につきまして、「行政事務及び業務に関する重要な事項を調査審議し、及びこれに関し必要と認める事項を関係大臣に建議する。」このたびのこの貯金法の改正によりまして、あらためて諮問事項を明確にいたしまして、この諮問に対しまして大臣に答申する、こういうふうな政令改正を予定しております
 なお、この審議会のメンバーでございますけれども、現在定員四十名でございまして、これをさらに五名追加いたします。そういたしまして、この四十名の大体の内訳は、実業界、それから学界あるいは行政方面に明るい人、また言論界の方、婦人代表、こういったような主として郵政関係の事業に御縁のある理解を持っておられる方というようなところから選考して現在四十名の委員がおられます。
 なお、委員の顔ぶれ等につきましては、あるいは後ほど名簿を提出させていただければそうしたいと思います。
 また、今後この審議会に、利率変更の政令改正の場合、諮問いたします関係で、さらに五名を増加いたします際は、あらためてもう一部門をつくる予定でおります。そしてその方面には、経済金融関係について専門的な知識とか豊富な経験を持たれる方、また預金者の利益を代表できるような立場にある方、そういうようなお方をさらに委員として追加いたしたい、こう考えております。
#98
○上林山委員 いまのメンバーの構成では私が最初申し上げたとおり、国会がこの問題を慎重に審議するのに比べて預金者のためにはならない、あるいは全体の金融政策としても足らない点がある、こういうふうに思っておるわけです。だから、私はこの法案には反対でありますけれども、いずれにいたしましても、そういう審議会をつくるとするなら、もう少し視野を広げて、しかも新しく五名などと言わないで、それを十名なりそれ以上にふやすような気持ちで預金者なりあるいはそれに類したような人々をこれに入れるべきですよ。いままでの郵政審議会のメンバーに申しわけ的にちょこっと何か加える程度のものでは、これはだめですよ。あるいはほかの審議会にもあるとおり、国会議員の有識たんのうの士を数名これに入れるのも一案でありましょう。いずれにしても、もう少し預金者の利益を真剣にお考えにならなければ、これはだめだと私は思います
 委員長、時間の関係もございますので、大蔵大臣が出席されるそうでありますから、両大臣おそろいのところで、質問が二、三ございますのでいたします。きょうはこれを留保しまして、私の質問を終わりたいと思います
#99
○本名委員長 次会は明二十日午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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