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1962/06/20 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 逓信委員会 第30号
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1962/06/20 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 逓信委員会 第30号

#1
第043回国会 逓信委員会 第30号
昭和三十八年六月二十日(木曜日)
    午前十時五十八分開議
 出席委員
  委員長 本名  武君
   理事 大高  康君 理事 岡田 修一君
   理事 佐藤洋之助君 理事 中村 寅太君
   理事 羽田武嗣郎君
      安藤  覺君    上林山榮吉君
      小泉 純也君    椎熊 三郎君
      鈴木 善幸君    中山 榮一君
      二階堂 進君   橋本登美三郎君
      古川 丈吉君    前尾繁三郎君
      受田 新吉君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 小沢久太郎君
 出席政府委員
        郵政事務官
        (大臣官房長) 武田  功君
        郵政事務官
        (大臣官房電気
        通信監理官)  淺野 賢澄君
        郵政事務官
        (貯金局長)  金澤 平藏君
 委員外の出席者
        郵政事務次官  西村 尚治君
        郵政事務官
        (大臣官房文書
        課長)     吉灘  中君
        日本電信電話公
        社総裁     大橋 八郎君
        日本電信電話公
        社営業局長   千代  健君
        専  門  員 水田  誠君
    ―――――――――――――
六月二十日
 委員南條徳男君、星島二郎君及び森清君辞任に
 つき、その補欠として安藤覺君、古川丈吉君及
 び二階堂進君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員安藤覺君、二階堂進君及び古川丈吉君辞任
 につき、その補欠として南條徳男君、森清君及
 び星島二郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
六月十九日
 簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関
 する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第
 一七三号)(参議院送付)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 日本電信電話公社法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第七一号)
 郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一七二号)
 日本電信電話公社法の一部を改正する法律案(
 森本靖君外八名提出、衆法第一七号)
     ――――◇―――――
#2
○本名委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出の日本電信電話公社法の一部を改正する法律案、森本靖君外八名提出の日本電信電話公社法の一部を改正する法律案、郵便貯金法の一部を改正する法律案、以上三案を議題とし審査を進めます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。上林山榮吉君。
  〔委員長退席、佐藤(洋)委員長代理着席〕
#3
○上林山委員 昨日に引き続いて郵便貯金法の一部を改正する法律案について質疑を続行いたしたいと思います。
 私は、この法案に出ている部分だけをとってみても、郵政大臣が説明されるように、十分預金者の保護あるいは育成というようなことに注意が足らない、思いやりが足らない、こういうことを申し上げましたが、きょうもまたその二、三について質疑をいたしてみたいのであります。
 まず、割増金附定額郵便貯金でございますが、これを金品に改めたという点は非常にまずい、こういう意見を申し上げましたが、政府側の答弁も、やるかやらぬかわからぬ問題だけれども、法文のていさい上そういうふうにしたのだというような御意見もあったようでありますので、これは私は法律をつくるものとしてまことに遺憾であると考えます。そこで割増金附定額郵便貯金というふうに改めるように、政府側においても当委員会においてもひとつ善処を願わなければならぬのじゃないかと思いますが、それと同時に、この割増金の消化状況は、三十八年度は四十億円であったと思いますが、それが聞くところによりますと九九%消化されておる。これはいい成績をあげておるという点だと思います。そういうふうにいい成績をあげておればおるほど、この募集に応じた人たちに対して、零細の預金者に対して、もっと思いやりがあっていいじゃないかという点は、この割増金の等外になりますと、これはもう定期、定額の利子よりも安いということですね。これは等に入った人はそれを上回るけれども、等外の者は低いということなんです。そうすることは、こういうまじめな郵便貯金のような、しかも零細な国民大衆の郵便貯金を、富くじ式、射幸的要素というものを取り入れるあまり、犠牲者が出ているということなんです。等外に属する人たちの数は、この四十億のうちに幾らぐらいですか。
#4
○金澤政府委員 等外者の人数につきましては、ただいま数字を持っておりませんので、至急取り寄せて後刻御返事をいたしたいと思います。
#5
○上林山委員 おそらく私の推定によれば、ピラミッド式結果になっているだろうと思うのです。いわゆる等外が多いだろう、こういうふうに思われるのですね。私はこれは射幸心をそそり過ぎて、しかも大部分の人がこの結果の犠牲になっている。集める金はわずかに四十億円なんです。一年間に四十億円しか集めない、そういうようなものに、こうしたような要素を取り入れるとするならば、もう少し配慮があっていいんじゃないか。これは四十億円に対してどれだけの利潤を郵政省は得ていますか。
#6
○金澤政府委員 先ほど答弁を留保いたしました等外の人数につきましては、四百万本発行いたしまして、等外は三百七十万本でございます。
 それから四十億円の、先ほどお話ございましたように、九九%までいったといたしまして、実際の利潤は二億六千万円でございます。
#7
○上林山委員 四十億円に対して郵政省の利益が二億六千万円、こういうお答えですが、私はこの運営のやり方がよければ、かりに――いろいろな制約があるかどうか知りませんが、私は制約は排除できると思うのです。この四十億円をかりに百億円にしても、あるいは趨勢によっては二百億円にしても、これはそれくらいの金額はやっていいんですよ。あるいはやりようによって、これで五億円なり六億円の純益を得るのもいいんです。いいんですが、射幸心をそそるあまり、いまあなたの御答弁にあったとおり、四百万本のうちに三百七十万本が等外である。等外というものは、これは定期、定額の預金に比べて利率があまりに低いんですね。だから私が、第一線の郵便局長などから聞いたところによりますと、一ぺんぐらいはおもしろ半分も手伝って買うけれども、等外の人は続いて買う人は少ないようです。これは統計をとったわけではないけれども、少ないようです。というのは、それよりも定期にしておいたほうがいいんだ、あるいはほかの金融機関を利用したほうがいいんだ、こういうふうになるのではないだろうかというお話も聞くわけです。だから私は、これは普通の富くじ式な観念では、まじめな庶民大衆の預金を集める政府機関としては、私はこの点は、貯金奨励の上からも、保護の上からも、思いやりが足らぬのじゃないか、こう思うのですが、いかがですか。
#8
○金澤政府委員 いま先出の御指摘になった射幸心をあおり立てるという点につきましては、これの発行は昭和二十二年でございまして、当時インフレが非常に盛んだったということで、ひとつ金を集めようということで最初出されたわけであります。そういたしますと、いまこういう時代、三十八年にまいりますと、確かに先生のおっしゃった理屈はあるわけでございます。そこで、銀行等にいたしましても、そういうものは減らしております。私たちも、急には結論は申し上げられませんが、いろいろ今後慎重に検討してまいりたいと考えております。
#9
○上林山委員 私は射幸心の長所を取り入れて、そうして犠牲者を出さないで、これを郵貯の誘導機関にするという考え方に沿った改正とかそういうのであればいいけれども、一年にわずか三十億ないし四十億ですが、こういうものをぽつんと置くために何だかからだの一部に傷ができたような運営になりやしないか。気違いに刃物を持たしたようなかっこうになってしまうのではないか。だから、こういうものはしっかり改正するなら意味があるけれども、そうでないならば、いままでのようなあいまいな態度で置くならば、やめたほうがむしろいい。苦情が起こらない。やめないとするならば、いま言ったように、これは根本的な改革をしなければ意味をなさぬです。わずか四十億だからこれは消化ができるでしょう。ほんとうは百億も二百億も消化ができなければならないわけなんだ。それをおっかなびっくりで出せないでいるのは、郵政省に自信がないわけなんですよ。心配しておられるから出せないわけなんです。だから、こういう点は、預金者の立場を保護するという点から考えても、あるいは貯金を吸収していくという考えからしても、あまりいい方法ではない。置くならばもっと抜本的な改正をしてやっていかなければならない。なかんずく等外というものをたくさん出すということはいけないことであり、しかも等外の利子が一本四十円なんだな。四十円だとすれば、これはわずかなものですね。定額あるいは定期の利率に比べてはなはだしく犠牲をこうむるわけなんですよ。ここはやはりもっと堀り下げて勉強してもらわなければならぬと思います。
 それから、昨日は、各月の十六日以後に預け入れられた通常郵便貯金の預け入れ金にはその預入の月の利子をつけない、これもひどいじゃないか。あるいはそれ以前のものにはつけておるけれども、それ以後はつけておらぬ。あるいは銀行等と比べて、銀行は日歩をつけておるがこちらのほうは日歩をつけておらない。だからプラス、マイナスで見れば、日歩をつけているのとつけていないのと、あるいは月の半ばで利子をつけるのとつけないのとの差はたいしたことはありません。ありませんが、こういうところは銀行よりも有利にしてもいいんじゃないですか、同じようにしないでも。いわゆる銀行の定期だけを見ても、一年ものが五分五厘、郵便貯金は一年もので五分でしょう。定額はもっと安いでしょう。こういうところで預金者にこまかく保護をしていくというような考えが足らないということを、私はきのうも申し上げましたが、やはり研究をしてみました。あるいは郵政省の人たちとも話を打ち合わしてみましたが、やはりこういうところに思いやりが足らないという結論ですね。これぐらい手当をしても銀行の五分五厘に匹敵しませんよ。ここはひとつ考えてもらわなければなりませんが、特に私が遺憾としておるのは、払い戻し金に相当する貯金にはその払い渡しの月の利子をつけないということです。預入の月において払い戻し金の払い渡しがあったときも同様とするというような同じ趣旨のことが書いてありますが、どうなんですか。たとえば三月は三十一日ありますね。それが三十日であったならば利子はつかないでしょう。一日の差でつかないでしょう。これはそうですか。
#10
○吉灘説明員 いま先生から、三十日の払い戻しの場合は利子がつかないじゃないか、そういう具体的な事例で御質問がありましたが、三十日に払い戻しました場合は、いま先生御例示のとおり、三月分は利子はつきません。それで、預入の月におきましても、十六日以後に預入した場合に利子がつかないのはおかしいという御意見、これはまことにごもっともでございますが、郵便貯金の利率のいままでの長い間の歴史を見てみますと、預入の月もつけない、あるいは払い戻しの月もつけない、これを両落ち計算と称しております。それから預入の月はつけますけれども、払い戻しの月はつけない、これは片落ち計算と称しております。いろいろなことをいままで繰り返してやってきておりますが、現在十六日以後はつけない、十五日以前はつけるけれども、払い戻しの月はつけない、こういうやり方でずっときておるわけであります。これは日本の郵便貯金ばかりでございませんで、諸外国の郵便貯金におきましても、いま申し上げましたような片落ち計算あるいは両落ち計算ということをやって――手数が非常に繁雑になりますし、数も多いわけでありますから、手数をできるだけ軽減しようという趣旨でこういう処理をやっている国も相当あるわけでございます。これは日歩でやるのが一番合理的でいいわけでございますが、それに伴いまして相当な要員増を来たし、経費増を来たすということにもなるわけでございまして、いろいろ機械化その他が進むに従いまして、こういう問題も、先生の言われますように、確かに検討して今後合理的なものに持っていかなければならない、そういうふうに考えますけれども、いま直ちに日歩計算をするということはなかなかむずかしいのではないか、こういうふうに考えております。
#11
○上林山委員 私はいま直ちに日歩計算せよなどと言っていない。私が言っているのは、銀行預金その他の利率に比較して郵便貯金の利子が安い。われわれは対等であっていいとすら思うことがあるのですよ。しかも、集めた金は、言うまでもなく公共事業その他国民のために使われているわけですね。私の言うのは、そういう性質のものなんだから、表面のたとえば銀行の一年間の定期が五分五厘、郵政省のものは五分、定額は一年以上一年半で四分七厘、こういう状態なんだから、どこかで――この改正の立法理由を見てみると、いわゆる金利の弾力的運用ということをうたってあるが、ほんとうはほとんどこれなんだよ。あなた方もそう思っているのだ。ところが、申しわけ的にその他の方法を講じて、たとえば審議会をつくるとか、あるいはいろいろなことをやって、預金者の立場を保護いたしますとは言うておるけれソも、中身はないじゃないかというのが私のいままでの質問の趣旨なんです。それならばあとう限りできるところがあるじゃないか、こういう法案の中で簡単にいじれば、たいして社会の抵抗もなく、大蔵省あたりからたいした小言も食わないで郵政省の自主性でやれる問題がたくさんあるじゃないかというのが私の質問なんです。大臣以下事務当局、課長に至るまで、配慮が足らないというのはここなんです。私の言っている趣旨はここです。ただ、それを合理性がどうのとか、経費がどうのとか、諸外国がどうやっておるとかいうことは、一応の理由にはなっても、根本的な理由にはならない。それなら外国のもっと模範的な貯金に対する制度があるのだから、それを活用しているかというと、活用していないじゃないかというのがぼくの議論なんだ。活用していないじゃないか。時間がかかるからその方面の論争はきょうはやめますけれども、やっていないじゃないか。新機軸は何も出していない。あなた方の新機軸というのは、当委員会の委員諸君賛成せられる方も相当おられるようでありますけれども、私が反対なのは、いわゆる郵便貯金に貸し付け制度を設けたらいいだろうなんて、実情に沿わない考え方だ、だれが高い利子を払って借りる者がおるか、短かい定期を定期だと書いている。これを適用を受けて、実際の利益を受けるのは一割五分ですよ。全預金者八割五分というものは、そういうものの利益を受けないのだ。そういうことは、これは議題になっていませんから別として、いずれにいたしましても、そういうものぐらいが新機軸だと言って出されておったわけだ、大蔵省から一蹴されたわけですけれども。そういうようなことなんですよ。そういうものじゃだめなんです、預金の吸収というものは。もっとここに第一線の特定局長なりあるいは普通局の貯金課長なり係長なり、第一線の外務員なり、こういう人たちから喜ばれるように、預金者から喜ばれるように、説明がしやすいように、勧誘がしやすいようにしてやるという配慮がなければならぬのですよ。ないじゃありませんか。われわれは金融政策上、弾力的運用をする必要があって法律を出したので、政令に改めることに賛成をいたしましたと演説はできません。これは冗談でございますけれども、郵政大臣にこの前私は申し上げた。あなたの選挙区にいわゆる郵便貯金の利子を下げやすいために今度郵政大臣は法律を出したのだ、庶民大衆の預金者には理解がありませんぞというはがきをぼくが出しますよ、上林山榮吉の名前で出しますよと冗談を申し上げたわけですが、この法案では、私どもはこんなにいいことをいたしましたと、大衆の前に立って演説はできませんね。どこを見たらいいことをしたことがありますか、説明してごらんなさい。いままでよりもこういうふうに有利にいたしました、利子の定率は政令にはいたしましたが、こことこことここは具体的にこんなに預金者にプラスになるのですという個所がありますか。ないじゃないですか。それをいま言ったようなことをおっしゃると、もっと機械化したらいいじゃないかと言いたくなる。電子計算機をもっと入れたらどうだ、簡単なものが、大臣、できてきたがどうなんだ。そういうものを入れて計算したらできるじゃないか。そういうところに、いわゆる預金者の利益のために経費がかかるのは、しかも機械化をして経費がかかるのは、これは私は国民が納得してくれると信ずるのです。これは課長では答弁しにくいと思いますが、大臣なり局長なり、どう思いますか。
#12
○金澤政府委員 先生の御意見まことにごもっともでございまして、私たちのほうの配慮が足りないということですが、貯金局といたしましても非常に申しわけないと思います。今後大いにこの点につきまして検討いたしまして、できるものについてはどしどしやっていきたい、こう思っております。
#13
○上林山委員 いまの局長の答えは、抽象的には非常にまじめな答弁だったと思っています。それを具体化するように努力をしなければだめです。だから、いま私が指摘したこの場所は、これは私は相当考えられてもいい点だと思うのですよ、ほんとうに。この法律全体に私は反対なんだけれども、一歩下がって、この金利の弾力的運用のためにやむを得ず、郵政省としても、国の方針に合意するためにこの法案を出した、だがそのかわりに、こういう点、こういう点は、具体的に預金者の便宜をはかるようにいたしました、こういうことがなければ、ただ審議会をつくって無理のないようにいたしますという程度じゃ――審議会の楽屋裏を全部知っておりますが、審議会というところは、政府案を諮問をすれば九〇%通るところです。もうほとんど通らぬということはないという審議会も多いのですよ。これが実際の運営の実態ですからね。よほど審議会の内容というものを質的に量的に変えない限り、いまの制度としては、多少の参考にはなっても、そう多くを期待はできない、こう思うのですよ。そんなことくらいで安心しなさい、あなた方の保護をはかっておりますということにはならないのですね。こういう点は、私は当委員会の方々がこれを取り上げるかどうか、附帯決議とかあるいは修正とか、そういう線で取り上げる取り上げないにかかわらず、これは郵政省みずからがこいう点に配慮してお出しになれば、当委員会はじめ喜んで賛成すると思うのですよ。その思いやりが足らないのです。形式主義者が多い。形式主義的であるというのがぼくの考え方なんです。そういうことです。
 私は、昨日も郵政大臣に申し上げた、またきょうも同じようなことを申し上げておりますが、要は金利政策の運営にしても、国会が一番権威があって、国民大衆に理解がある。だから、金利の問題については、やっぱり国会が関与したほうがいいというのが私の議論だけれども、この法案を出すについては、いろいろな事情があって、金利政策の弾力的運用をする立場上こういうことを提案した、その他預金者の保護もはかりますと言うが、この後段
 のほうがピンぼけだから、もう少し具・体的に、郵政大臣として大蔵大臣その他ともよく相談をされて、そうしてそ
 の後段のほうの預金者の保護ないし不利にならないようにという点を、もう少し法案に織り込むべきであると思うし、また運営においても、そういうような考え方で進んでいただかなければならぬのではないかとほんとうに思います。
 なお、大蔵大臣はきょうは何か所用があるそうで、当委員会には時間中には来ないんでしょうが、また適当な時期に、郵政事業をもっと理解した金利政策その他のことを考えてもらわなければならないという趣旨で私は質疑を続行したいと思いますが、それは適当な時期に譲るといたしまして、郵政大臣、最後に私が言ったこの点について、一升ますではかったようにものを言わないで、もう少し血の通った、預金者のこともほんとうに考えて、国務大臣兼郵政大臣という立場で、できるならば郵政大臣に少しウエートを置いたような気持ちでお答えにならなければ、ほかの委員の方々はみんなものわかりのいい人ですから、あなたのおっしゃることはわかるかもしれぬけれども、私はわからない。わからないから、ひとつその点をはっきりと答弁を願っておきたいのでございます。
#14
○小沢国務大臣 私は国務大臣でございますけれども、担当が郵政大臣でございますから、やはり郵政のほうに重点を置くということは当然のことでございます。預金者の利益を守るということは、私たちがやらなければならない問題でございまして、いま上林山先生のおっしゃったことは、私はまことに当然だと思います。いろいろだだいまお教えを受けました点につきましては、今後とも十分配意いたしまして、運営上そごのないようにしていきたい、そういうふうに考えておる次第でございます。
#15
○佐藤(洋)委員長代理 受田新吉君。
#16
○受田委員 一つ、二つお尋ねしておきたいことがあるのです。
 この定額郵便貯金制度がやはり郵便貯金の王座を占めているわけでございます。ところが、これがおととしの利率改正で年利最高六分が五分五厘に下げられてきているわけです。そのときに従来の利率で預金されておる人々を保護するために、その改正の時点で預金している人に対して旧利率を用いているわけです。それがいまどのくらい残存しているか、その当時どれだけ引き出されて、これがどれだけ残存しているか、大衆の貯蓄意欲の動向を示すバロメーターにもなりますので、ひとつ資料をお示し願いたいと思います。
#17
○金澤政府委員 ちょっといま手元に資料がございませんので、すぐお届けいたします。大体の傾向を申しますと、定額貯金の一般的な傾向でございますが、大体二年で半分落ちるわけでございます。それから四年半たちますと七割落ちるわけでございます。その余が残っております。一つの例を申し上げますと、昭和二十七年十月に預け入れました定額貯金の五十二億というものが三十七年十月、ちょうど十年でございますが、そのときに四億六千万円残っておるわけでございます。そうすると九%というものが十年間残っておった、こういう数字になっております。
 先生のお尋ねに対するお答えは、後ほど資料をもって差し上げます。これは一般的な傾向を申し上げたわけでございます。
#18
○受田委員 この郵便貯金の王座の地位にある定額貯金を大いに増強させるところに郵政省の政策のねらいがなければならないと思うのです。したがって、あの簡単な紙片ではあっても、そこに魅力のある紙片であるように、特にオリンピックを契機とした特別のデザインを用意して、預金者にそのほうからの満足を与える。何らかの形で証書そのものにもう少し何かを記念した特別の装備に心を向けられて、非常に美麗な預金通帳というものが本人に長く記念として持たれる、そういうことになると、そのきれいなものを持っているがゆえに払い出しも遠慮するということにもなる。貯蓄意欲をそそるためにあらゆる手段をおとりになる必要があると思うのです。特に、定期預金という制度ができておりますけれども、その利率が五分で押えられていることも問題になっておるわけです。五分五厘という魅力のある高率の半年複利という制度をもっと周知徹底させる、そしてその払い出しをできるだけ押えるような政策をおとりになる、こういうことを特に御注文を申し上げておきたいと思います。いまのことよろしゅうございますね。御答弁があれば伺いたいと思います。
#19
○金澤政府委員 十分検討いたしたいと思っております。
#20
○受田委員 いま一つ、通常郵便貯金は払い出しが自由である、預け入れも自由であるという形の預金でございますが、これを二冊まで持てる、この二冊まで持てるということでひとつ資料をお願いしたいのでございますが、何人くらい二冊持っておるか、貯蓄動向を見る一つの指標にもなると思いますので、お願いしたい。
  〔佐藤(洋)委員長代理退席、委員長着席〕
#21
○吉灘説明員 お答えいたします。預金者が通帳をどういうふうに持っておるかということのお尋ねでございますが、これはいま郵便局あるいは地方貯金局で処理しております原簿の処理のしかたが、預金者の氏名によって整理しておりませんで、通帳の記号番号によって処理しております関係上、名寄せということが非常に困難でありますので、いまお示しのような資料が出るかどうか非常にむずかしいと思います。
#22
○受田委員 一応二冊に制限しておるけれども、その実態がなかなか明らかにされない。そこにきのう質問した点に関連して、最高制限額をこえたものの実態がなかなか把握できない、こういうようなところにどうも法律の規定を無視した実態があらわれてくるのではないか。三冊も四冊も持っておる、これは貯金をするんだから大目に見るということならそれまでのことですが、一応の規定が法文にうたわれておる以上は、それがりっぱに行なわれ、しかも、その実態がどうであるかという実数の把握もできておらなければならぬと思う。なかなか実態が把握できないということも一つ問題があるのです。
 それといま一つ、これに関係するのですが、積立貯金あるいは通常貯金を一定額に達したならば定額貯金に切りかえさせるという指導をやっておるかどうか、それに伴う実績等も含めて御答弁願います。
#23
○金澤政府委員 ただいまの御質問は、積立貯金あるいは通常貯金――積立が多いのでございますが、それを一定額になった場合に定額貯金になるように、大いに指導をやっておるかどうかというお尋ねでございましたけれども、それにつきましては、ことに積立につきましては、全額というわけにまいりませんけれども、その一部はひとつ定額に入れていただきたいということで、現在の定額の相当数のものが積立から定額にかわっております。
#24
○受田委員 大衆の資金を獲得する手段としては、郵便局員が家庭に貯金を要請に行く、そして遠いところの家庭では郵便配達の局員が来たときに預金を依頼する、郵便局までわざわざ行けない、こういうようなときの便法等も講じておると思うわけです。そういう実態もひとつお聞きしたいし、それから、農協信用金庫等の預金額が大いに幅広く増額されておるという実態は、これらの職員がいま私が指摘したような方法でいろいろと貯蓄勧奨をやっておるわけです。これは国の機関である郵便局の働きが、労務過重という点が一つありますけれども、そういうところはまた別途――そういう貯金の取り扱いをした者については何かの方法でリベートを出すような、奨励金か何か、つまり簡易保険の募集で成績を上げた者に対する奨励制度のようなものを適用して郵便貯金にもこれを及ぼす、こういうような方法をとっていくならば、途中で信頼を失うような、職員がそれを持ち逃げするという危険が除去される方途を一方でとりながら、大衆と直結する資金吸収方途というものをお持ちにならなければならぬと思うのです。これは特に農村地帯等においては最も効果のある方法だと私は思っておりますが、いかがでしょうか。
#25
○金澤政府委員 農村地帯におきまして郵便貯金と競合いたしますものは農協であります。農協も非常に盛んでございますが、農協の郵便局に比べましての有利さというものは、いろいろございますが、私たちといたしましては、こういうふうに郵便局の外務の人に足を運んでもらってそこでやるというようなことで、その方法といたしまして、現在定額貯金につきましては額面額の千分の六、積立につきましては百分の十、定期につきましては千分の三の手当を出しております。これは先ほど、途中でもって外務の諸君が金を集めたものを持ち逃げしないようにというようなお話がありまして、私どもはこの点は十分考えております。そういうことは犯罪一般の問題になりまして、これにつきましては、ことに昨年大きな犯罪がございまして、われわれといたしましては万全の策を講じまして、そういうことのないように配慮いたしております。
#26
○受田委員 第一線の郵便局の職員が、いま指摘した農協とか信用金庫等の年末などにおける貯蓄増強運動期間中の猛烈な働きぶりに対して、郵便局職員が非常な競争心を持っているわけなんです。これは私、各町村ごとにその実態をよくつかんでおります。郵便局は農協に負けてはならないと、いろいろ励まし合ってやっております。これが実態ですね。したがって、ちょっとした年末の買い物でも控えて貯蓄しようかという意欲を起こさせるには、直接家庭に出向いて、家庭の手持ち金を貯蓄させるというような気風をつくることが大事なんです。窓口に来るのを待っておるというやり方よりも、積極的に家庭に乗り込んでいく、これが国家に貢献していく大事なことになると思うのです。そういう点を農協、信用金庫等の猛烈な貯金吸収作戦というものと呼応した郵便局の貯金吸収策というものを同時に講ぜられて、互いに励まし合って、貯蓄意欲を国民に高めていく、消費生活の一断面としての貯蓄志向性というものを高める、こういう努力をやはり国家機関である郵政省でお立てにならなければいかぬと思います。これの見解に対する郵政大臣の御所見を承りたいと思います。
#27
○小沢国務大臣 ただいま受田委員のおっしゃったことはごもっともなお話でございまして、十分配意して今後とも努力していきたいと思います。
#28
○受田委員 いま一般大衆庶民金融機関と比較して議論しておるわけですが、上林山委員のきのう指摘されたような点で、特に郵便貯金の増額率が他の庶民金融機関に比較して低い。相互銀行、農協あるいは信用金庫、こういう庶民金融機関の働きぶりというものは、もう毎日毎日の売り上げ金をその日その日に集めにいくという努力をしておるわけですね。要るときには自由にお出しください、その手数料を預金者から取っていないわけです。そういう熱情を示しておる。国家機関としても、これらを切磋琢磨して、その所期の目的を果たせるようにすることで、このテンポのおそい上昇率を引き上げることができると思うのです。特に利率の問題、郵便貯金と信用金庫、相互銀行などがどう違うかということは、他の庶民金融機関はなかなかいい説明をしております。たとえば、郵便貯金は、これは財政上の投融資に回されて、庶民の関係のないところに回されるのでございます、農協や信用金庫は直接皆さんの手にこれが返るのであります、こういう戦法です。これは大衆に非常にぴんとくる問題で、郵便貯金をしたら、われわれのほうに返らないで大産業のほうの設備資金に回される、これでは意味をなさないではないか。農協や信用金庫、これはわれわれの地域の繁栄に使われていくのでたいへんいいことだ、これは明らかに良識を持った大衆層が比較検討する材料になってきております。これを御検討されておるかどうか。私は末端でよくお聞きしておる問題でございますので、御忠告を申し上げておきます。御所見を伺います。
#29
○小沢国務大臣 郵便貯金の金は、預金部資金に入りまして、それから公共事業、いろいろのわれわれの民生安定あるいは経済発展のために使われておるわけでございまして、結局金融資本あるいは独占資本のために使われておるものではございません。しかし、私たちといたしましては、この郵便貯金をますます向上させるために、いろいろのサービス業務の拡充あるいは金利等の検討等々いたしまして、十分に御趣旨に沿うように運営していきたいと思っておる次第であります。
#30
○受田委員 この貯蓄心を高めるために五軒でも十軒でもある部落、簡易郵便局を設置するまでに至らない、しかしながら、その地域で農民がせっせと働いて余裕金がある、こういうときに、その地域に職員が期日をきめて出張して何日に御地方に出張しますので、どうぞ郵便貯金をしてください、こういうような集団的な貯蓄増強計画を立てておられるかどうか、これは非常に効果がある問題だと思います。
#31
○金澤政府委員 そういう計画も立てております。
#32
○受田委員 計画も立てておられると同時に実施されておるかどうか。
#33
○金澤政府委員 現在婦人会というものがございまして、これはきのうお願いしましたように団体扱いという形でやっておるわけですが、将来も――この婦人会と申しましても非常に大きいものもございますし、それからまた、町内会あるいはいろいろ町内会等でも最近は集まって、みんなバスに乗りまして旅行する、そういうことを盛んにやっております。そういうもとは貯金でありますから、そういうところに目をつけましてやりたい。その場合に、きのうちょっと申し上げましたけれども、団体扱いの代表者あるいは取り集め人に対しまして、五百円くらいの薄謝を呈しております。これではいかにも薄謝でございますので、何とか予算の都合のつき次第、この額をふやしまして、適当な謝礼をいたしたい、そうしてその機運を大いに助長いたしたい、こういうように考えております。
#34
○受田委員 これは郵政事業全般に波及する問題でございますが、離れ島あるいは山間僻地のごく少集落地帯、こういうところへ、いわゆる郵政全般の事業を推進する立場から、簡易保険のこともあれば集団診療のこともある、あるいは郵便貯金のこともある、こういうふうにして職員が二人なり三人なりがその地域へ期日をきめて出張して、貯金もやっていただく、保険の募集もする、また、健康のほうの診断もする、こういうような大衆に接触する郵政業務というものが、一つずつ生きてくるべきだと私は思うのです。こういうところまで乗り出し、そして大衆に接触してこそ、大衆に一番大切な郵政省という認識を持っていただけると思うのですね。これはひとつ、十分そういう総合施策として検討をしていただきたい。よろしゅうございますね。
#35
○西村説明員 いろいろと示唆に富んだお話を伺いまして、まことにありがたく拝聴した次第でございます。そういった点は、ひとり郵便貯金だけでございません。郵便の面、それから簡易保険の面、いろいろあるかと思います。私ども、鋭意そういった問題とも取り組んでおるわけでございますが、さしむき考えられますのは、移動郵便車というものがございます。ああいったようなものをもう少し増備いたしまして、事業のPR、それから公衆の利便、そういったようなものをかみ合わせまして、山間僻地、そういったようなところに毛定期的に移動をさせて周知をはかると同時に、窓口利用に恵まれない公衆のための利便もはかろう、そういったようなことも考えておる次第でございます。その他いろいろ、今後鋭意検討を進めてまいりたいと思う次第でございます。
#36
○金澤政府委員 先ほど定額の残がどのくらいあるかというお話でございますが、現在三十六年四月以降の総額といたしましては、大体三千三百億くらいかと思っております。
#37
○受田委員 いま、これに関します大事な問題が一つあるのは、簡易郵便局というものの設置基準というもの、これも請負制度になっているわけでございますが、それらがある程度きびしい関係もあって、農協などがこの簡易郵便局を一緒にやらなければ意味をなさぬとかいうような形でやっておられる関係上、末端に簡易郵便局の徹底を欠いている点があるわけです。この点においては、それを特定の団体等でなくて、信用度の高い人々を選定されて、それに対するある程度の保証契約をして、これに開局をさせる、こういうことによって、どのような小さな部落でも、戸数などの制限もあまり手きびしく言わないで、そういうところに郵便業務を起こしてあげると、これはもう全国津々浦々に至るまで郵政省のありがたみが体得できるわけです。これひとつどうですか。簡易郵便局の設置基準の緩和、そして全国的に、末端にまで郵政業務が浸透する政策というものを強力にお進めになる御用意があるかどうか。移動郵便車もけっこうでございますが、そういった直接定置してある郵便業務の場所を設置することが必要だと思うのです。
#38
○西村説明員 簡易郵便局の設置基準についてのお話、このお話もまことにごもっともだと思う次第でございまして、実は私どももそういう点以前から気がついておりまして、十分いろいると検討してきたのでございます。現在は、ただ設置基準とおっしゃいますけれども、設置基準だけでございませんで、根本の法律が実はいま地方公共団体とか農協とか漁業協同組合とか、そういうようなものに限定されておるとの法のたてまえの関係もございますので、いまお話のございました信用ある個人にまで請け負わせるというところまでまだいかないわけでございますけれども、いろいろな点を勘案いたしまして、なおかつ、さらにまた外国の例なども勘案いたしますと、やはりただいま御指摘のございましたように、信用度の高い個人にまで請負範囲を広げたほうが、事業の普及の面、公衆の利便というような面から見ましていいのではないかという点でございます。この点につきましては、いろいろほかに問題もございますので、今後慎重に検討を続けてまいりたいというふうに考える次第でございます。
#39
○受田委員 これで終わります。
#40
○上林山委員 ただいまの受田君の質問に関連して事務次官から答弁があったのでございますが、もっともな答弁であるけれども、どうも力強くない答弁のようでございます。そこで大臣は、就任して一応の説明は聞かれたと思うけれども、まだ腹の中にこの問題は入っていないんじゃないか。これは郵政事業の窓口行政を円滑にしていこうというために、小郵便局制度という意味で、この簡易郵便局が一応できたわけですけれども、いま質問もあったように、徹底を欠いているのですよ。だから、実際は役場とか農協が委託して、無給の人を雇ってやらしておりますけれども、実質は個人と同じようなことなんですけれども、それではまだ制約があり、いろいろ決議をしたりしなきゃならぬような点が災いして、非常に不便なので、個人にこれを許すべきだというのは、これはもう一部の人人を除いては大部分の人がそうやっていくべきだと、当委員会でも議論しているわけなんですが、それよりももっと徹底して、いわゆる簡易郵便局法の改正案を出そう、こういうことになっておるのですよ。これは重大な問題ですから、大臣としてもっと研究されて、まああなたがやめる前ころでもいいですよ。これを出して、これを通したらやめるというぐらいにひとつ努力してもらいたいという点です。大臣がはまればみんなはまってくるだろうと思いますが、どうも歴代の大臣がみんなおっかなびっくりで、けがをせぬように、ほかの法案を通すためにやむを得ずこれを犠牲にしようといって、いつも犠牲になっておることなんですが、もうぼつぼつこの問題も結論に入らなければならぬのじゃないか。私どもも八年ぐらいこの委員会のメンバーなんですが、どうもその間やはりいま言ったようなことですから、これはひとつ真剣に研究していただきたい、こう思います。
#41
○小沢国務大臣 この問題につきましては、郵政省のほうといたしましてもいろいろ検討をいたしております。問題点もありますし、また、おっしゃいましたような意見もございますので、よく検討いたしましてひとつやりたい、そういうふうに考えております。
#42
○本名委員長 受田新吉君。
#43
○受田委員 一、二点お伺いさせていただきましょう。
 今度の改正案は、もうきわめて簡単な条文になっているわけでございますが、しかし電電公社が投資をする場合にワクを広げる問題でございますから、これまた国の全体の予算に関係を持ってくる問題ということで、非常に重大な要素をはらんでおると思います。すでに委員会で質疑応答を通じて明らかにされた点がございますけれども、私ちょっと繰り返して一応お尋ねしておきたい点は、今度の法改正による新しい投資対象というものは、一体どういう事業であるか。政令に予定されている内容をお示し願いたい。
#44
○淺野政府委員 今回考えております投資の対象でございますが、たてまえといたしまして今回の改正をお願いするように考えましたのは、国鉄、それから専売、その両公社に関係いたしまして、それぞれが投資の条項がございますのに、電電公社のほうにつきましては現在投資の条項がないということが一つと、それから、今回海上の公衆電気通信関係の整備に公社が非常な大きな計画を持ちまして乗り出したわけでありますが、それに伴いまして投資というものが関連して出てまいった等から、現在考えておりますのは日本船舶通信会社に関連しまして出資することになるであろう、かようなことを一応予定いたしております。
#45
○受田委員 海上船舶通信に対する投資と外債募集と関連して承っておきたいのでございますが、この新しい事業に対する外債の計画はどういうようになっておりますか。
#46
○淺野政府委員 本件につきましては、外債は全然考えておりません。
#47
○受田委員 海上船舶通信に直接投資をされる、その額をどれだけに予定されておるか。
#48
○淺野政府委員 一応七千万円の予算を予定いたしまして、先般の予算におきまして御審議、お許しをいただいております。
#49
○受田委員 こうした国際的な通信事業ということになりますと、海上はやはり外航船を含むわけでございますから、外債募集の名目も成り立つのじゃないですか。
#50
○淺野政府委員 これは主として日本近海、沿岸航路の海上公衆通信の整備が主体になっております。それで外航船につきましては、現在におきましても周波数も準備してございます。一応これは日本近海の公衆通信系がたてまえということになっております。
#51
○受田委員 現に国際電信電話KKに出資をしておられるわけでございますが、今度増資するのでさらに追加出資を計画されておる。これは完全に五分の一というぎりぎりまで出しておられるわけですね。
#52
○淺野政府委員 法律上五分の一ということで国会でおきめいただきまして、実際は十分の一でありますが、同じ形の増資ということになっております。
#53
○受田委員 法律できめたぎりぎりの線というものは考えてないわけですね。
#54
○淺野政府委員 五分の一となっておりますが、十分の一ということで当時からやっております。
#55
○受田委員 それはどういう理由からですか。
#56
○淺野政府委員 当時、法律改正のときの国会の御意向等も体しまして、なるべく株主の分散といったことがたてまえになっておったものと承っております。
#57
○受田委員 この法律の規定する制限額を実際に実行して、その能率を高めよう――一般大衆から応募する場合もけっこうでございますけれども、一方で公社と一番つながりの深い会社であるという意味からの一応の制限率がきめてあると思うのでございます。これは実際の運営の上で、これ以上の出資をすることは、公社予算を設定する上に非常に不便があるかどうか、実態を把握した御答弁を願いたい。
#58
○淺野政府委員 前回の改正の場合に、改正の理由といたしまして、大体一割程度――法律では五分の一をこえてはならない、かようになりましたのと、同時に、おおむね一割くらいが適当であるという御判断がございました。その後、今回の増資は現在の株主に対します倍額割り当て、かように相なっておりまして、当時の情勢と変わっていない内容になっております。
#59
○受田委員 私お尋ねしているのは、公社の財政計画の上で、現実に十分の一をこえるとぐあいが悪いという実態があるか、公社にはそれがない、国際電電の都合のほうを重視してそういうふうにしたのと、どちらかということになるわけなんです。たとい十分の一というのが適当であろうということであったとしても、公社の財政規模の上からは、出資額を五分の一と法律で許された範囲内では出し得る実情にあるということかどうか、いまそこをお量ねしているのです。
#60
○淺野政府委員 ただいまの公衆電気通信事業のあり方といたしまして、国内を電電公社、国際通信を国際電電、こういうふうに分担いたしておるわけでありますが、現在、公社も第三次五ヵ年計画、続きましてその後の長期計画をかかえておりまして、国内に対する益金需要自体が、その確保につきまして相当努力いたしておるわけでありすす。こういう事態でございますので、電電公社のほうの資金は、できる限り国内の長期計画に充当いたしまして、国際通信のほうの資金需要につきましては、性質が、外国との間の提携に上る海底線ケーブルとか、そういった性質のものにつきましては外債等にもたよる、かような分担を考えております。
#61
○受田委員 七千万円の出資に対する配当その他の報酬という形のものはどういうふうに予定されておりますか。
#62
○淺野政府委員 現在、船舶通信株式会社でありますが、ようやく昨年から五分の配当をすることができるようになった状況でございまして、会社自体非常にきつい経営を行なっております。さらに今回の電電公社において考えております日本近海の海上公衆通信網の拡充整備になりますと、これまた相当各地に出店を置かなければならないと思いますし、有利な、多い配当というものはなかなか困難ではないか、いまの程度を確保していくのが精一ぱいではないかと考えております。ただしこれは、まだ詳細な計画を私どものほうは拝見いたしておりませんし、その点につきましては、公社のほうから……。
#63
○千代説明員 一般に公社のほうで原価計算をいたします場合に、当該製品のメーカーである会社等についてどういった配当率を見込むかというような問題と関連するかと思うのですが、その場合には一割二分という配当を確保することを大体原価を定める場合の前提といたします。けれども、いま郵政省のほうから御答弁がありましたように、約一年前からようやく配当ができるようになったというような非常に苦しい経営の船舶通信株式会社では、当初はおそらく――先ほどの監理官の答弁にもありましたように、せいぜい五分程度の配当が確保できればまず合格ではなかろうか、その程度のことを考えております。
#64
○受田委員 相当きつい機関に投資される、出資されることになるわけですが、公社としてもこういうことを決意される場合は、ある面においての犠牲、事業遂行の上の犠牲も引き受けようという内容も含んでおるのじゃないかと思うのです。特に公社は、この新料金制度を採用して三月末までに百三十億ですか赤字を背負われた。そうした膨大な赤字をどう埋めていくかという補てん工作というものもいろいろやっておられると思うのです。ちょっとここでお聞きしたいのですが、赤字の処理をどういう計画で遂行されようとしますか。
#65
○大橋説明員 先ほど御指摘のように、公社といたしましては、三十七年度においては百三十億あまりの、予算に比べての減収があった。本年度は、予算に比べての減収または増収ということについてどう見るかということに伺っておるわけであります。大体これは今後の景気のいかんによって影響されるものと考えております。ただ、この四月以降の状況を見ますと、昨年度よりは幾らか収入が上向いてきたということは言えると思います。四月分の概算におきましては、予算に比べて約九億の減収になっております。それから五月分が約五億の減収になっておりますので、これを三十七年度に比べますと、相当減収の度が減ってまいっております。したがいまして、この調子でまいりますと、一般の景気の向上等を考慮に入れますと、下半期以降に相当回復してくるのではないか、かように私ども期待しておる次第であります。
#66
○受田委員 三十八年度には、年度末には黒字に転換できる見通し、こういうことで増収をはかっていくいろいろな手を打ちたい、こういうことと了解してよろしゅうございますね。
#67
○大橋説明員 大体さように心得えております。
#68
○受田委員 この新料金制度を設定するときに、社会党の委員の諸君からも、この制度を実行することによって逆に増収を来たすという話も出てきておったわけです。現実は、利用者が非常に節約意欲を発揮して、時間的にも回数の上にもそうしたあらわれがこの赤字を生んだ原因になったと判断するわけなんです。だから、その点においては、公社側の見解の方が一応筋が通っておった、こう思うのでございますが、これから増収を期待しておられるようでございますから、この百三十億の穴埋めも、三十八年度全体で片づかぬにしても、三十九年度の初めごろには片づくという一応の見通しになりますね。
#69
○大橋説明員 三十七年度の赤字まで全部片づけ得るかどうか、そこまでは私ども考えておりませんが、三十八年度においては、少なくとも予算で見込んだ額くらいは当然収入があるもの、かように期待しておるわけであります。
#70
○受田委員 公社の財政も、長期計画でそう楽でないという立場でこの新しい出資がされるわけでございますが、金額が七千万円という程度であるし、五分程度の配当も予想しているということである。特に事業そのものに対する協力責任が公社側にもあるという立場でこの法案の必要性というものを認めざるを得ない、かように考えております。
 質問を終わります。
#71
○本名委員長 次会は明二十一日午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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