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1962/05/23 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 地方行政委員会 第26号
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1962/05/23 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 地方行政委員会 第26号

#1
第043回国会 地方行政委員会 第26号
昭和三十八年五月二十三日(木曜日)
   午前十時四十八分開議
 出席委員
   委員長 永田 亮一君
   理事 小澤 太郎君 理事 大上  司君
   理事 高田 富與君 理事 丹羽喬四郎君
   理事 太田 一夫君 理事 阪上安太郎君
   理事 二宮 武夫君
      宇野 宗佑君    大沢 雄一君
      久保田円次君    田川 誠一君
      富田 健治者    山崎  巖君
      川村 継義君    松井  誠君
      山口 鶴男君    門司  亮君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 篠田 弘作君
 出席政府委員
        自治事務官
        (行政局長)  佐久間 彊君
 委員外の出席者
        自治事務官
        (行政局行政課
        長)      宮沢  弘君
        自治事務官
        (行政局振興課
        長)      林  忠雄君
        専  門  員 越村安太郎君
    ―――――――――――――
五月二十二日
 地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一五七号)(参議院送付)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一五七号)(参議院送付)
     ――――◇―――――
#2
○永田委員長 これより会議を開きます。
 昨二十二日参議院より送付されました地方自治法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
#3
○永田委員長 まず、政府当局より提案理由の説明を聴取いたします。篠田自治大臣。
#4
○篠田国務大臣 ただいま議題となりました地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、地方公共団体の組織及び運営の合理化及び能率化に資する見地から、地方財務制度の改正と地方開発事業団の創設を行なうことを中心として、地方自治法の一部を改正しようとするものであります。
 地方自治法は、昭和二十二年に制定され、その後しばしば改正されているのでありますが、地方財務制度に関する基本規定は、府県制、市制、町村制当時のものを踏襲しておりますので、今日の実情に照らし、改善を要する点が少なくないのであります。政府は、その改正について地方財務会計制度調査会に諮問し、昨年三月答申を得ましたので、その趣旨に従いまして、地方財務制度の全般について改正を行なうこととしたのであります。
 次に、最近における地域開発の進展に伴い、新産業都市に指定される区域をはじめ、一定の地域の総合的な開発計画に基づく諸事業を数地方公共団体が総合的かつ能率的に実施するため、これに適応した新しい地方公共団体の共同処理方式が要請され、昨年十月、地方制度調査会において地方開発事業団の制度を設けることを考慮すべき旨の答申がありましたので、これを立法化することとしたのであります。
 以上がこの法律案を提案するに至った理由であります。以下法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
 第一は、地方財務に関する規定の改正であります。
 まず、財務に関する地方公共団体の組織につきまして議会と執行機関及び執行機関内部における権限分配の合理化をはかる見地から、若干の規定の改正を行なうこととしたのであります。
 その一は、財務に関する規定の整備に伴い一契約の締結並びに財産の取得及び処分についての議会の議決事項を条例で定める場合には政令で定める基準に従うべきものとするとともに、財産の出資等にかかわる事項を新たに議会の議決事項に加えることといたしたのであります。
 その二は、地方公共団体の長の担任する事務について規定を整備するとともに、出納長及び収入役の職務権限に財産に属する現金及び有価証券の出納及び保管の事務を加える等その範囲を広げ、さらに、出納長及び収入役の補助職員及び事務補助組織を整備し、会計機関の責任体制を明確にすることとしたのであります。
 その三は、監査委員制度の強化をはかるため、現在市町村においては任意設置制とされておりますのを必置制に改めるとともに、監査委員の定数及び選任方法について合理化をはかることとし、さらに、監査委員の職務権限を明確化し、代表監査委員制度を設け、監査委員の事務補助組織を整備することとしたのであります。
 次に、財務制度の改正について申し上げます。
 その一は、予算に関して、国の制度にならい、歳入歳出予算のほか、継続費、繰越明許費、債務負担行為、地方債、一時借り入れ金及び経費の流用に関する定めをあわせて予算の内容とすることとするとともに、いわゆる弾力条項や事故繰り越しの制度を設ける等規定を整備したのであります。なお、決算に関しても、若干の手続規定の整備をすることとしたのであります。
 その二は、収入及び支出に関する事項について、主として内部管理の諸手続を合理化、能率化することとし、特に、住民の利便を考慮して、証券による納付の方法、口座振替による収入及び支出の方法、小切手の振り出しによる支出の方法等につき規定を設けることとしたのであります。なお、最近における運用の実情にかんがみ、夫役税品制度は廃止することといたしました。
 その三は、契約に関して、現在、規定が不備でありますので、指名競争入札または随意契約によることができる場合を政令で定めることとする等契約締結の方法の合理化をはかるとともに、契約の履行を確保する方途を講じ、いわゆる長期継続契約の制度を設ける等全面的に規定を整備することとしたのであります。
 その四は、現金及び有価証券に関して、現在、規定が不備でありますので、適正な管理運用ができるよう規定を整備したのであります。
 その、五は、財産に関し、現行制度のもとにおいて、現金の取り扱いに比べて、財産の取り扱いが軽視されておりましたのを改善するため、規定を整備することとしたのであります。すなわち、公有財産については、その範囲を法定するとともに、これを行政財産と普通財産とに分類し、それぞれの管理及び処分に関し所要の規定を設けることとし、また、物品及び債権の管理保全に関しましては、国の制度を参考として所要の規定を設けることとしたのであります。なお、基本財産及び積み立て金の制度を基金制度に改め、その設置、管理及び処分に関する規定を整備することといたしました。
 その六は、住民による監査請求及び訴訟の制度に関して、現行の規定が必ずしも明確でなく解釈上疑問の点も少なくないために、住民の正当な請求がいれられないおそれがある実情にかんがみ、規定の明確化をはかるとともに、所要の手続規定を整備したのであります。
 その七は、職員の賠償責任に関し、その対象となる職員の範囲を予算執行職員及び物品を使用している職員にまで広げ、当該行為について実質的責任を有する者が責任を負う制度に改めるとともに、手続規定を整備したのであります。
 第二は、営造物に関する事項を改正しようとするものであります。
 営造物については、現行法では財産と一括して規定されているのでありますが、これについては、財産的管理面からではなく、行政的管理面から規定することが適当と考えられますので、財産と切り離して別に規定することとするとともに、「営造物」の名称を「公の施設」に改め、その設置、管理及び廃止に関する規定を整備するこことしたものであります。
 第三は、特別地方公共団体の団体の一つとして、地方開発事業団制度を新設するものであります。
 その一は、地方開発事業団は、一部事務組合の場合と同様に、関係地方公共団体が議会の議決を経て協議をして、規約を定め、自治大臣または都道府県知事の認可を受けて設置するものとしたのであります。
 その二は、地方開発事業団は、一定の地域の総合的な開発計画に基づく道路、海湾、上下水道、工業用水道、住宅等の建設、工場用地その他の用地の取得造成、土地区画整理事業等地域開発のための事業を、設置団体が協議して決定した事業計画により委託を受けて行なうものとし、事業が完了したときは、その事業にかかわる施設についてはこれをそれぞれの設置団体に移管し、また、当該事業にかかわる住宅または土地についてはこれを処分し、または設置団体に移管することといたしております。
 その三は、地方開発事業団には、理事長、理事及び監事を置き、重要事項は、理事長及び理事をもって組織する理事会の議を経なければならないことであります。
 その四は一地方開発事業団の財務については、おおむね普通地方公共団体の財務に関する規定を準用しているのでありますが、地方開発事業団が事業を能率的、かつ、弾力的に執行できるようにするため、予算の繰り越しのほか、特定の事業については地方公営企業法のため財務の規定を準用する等若干の特例を設けております。
 その他、地方開発事業団と国及び都道府県との関係、地方開発事業団の設置及び解散の手続、規約及び事業計画の内容等に関して所要の規定を設けております。
 第四は、その他規定の整備をはかろうとするものであります。
 その一は、地方公共団体の事務の中に、交通安全の保持を行なうことを明記することにしたことであります。
 その二は、地方公共団体の長及び議会の議長がそれぞれその相互間の連絡を緊密にし、並びに共通の問題を協議し、及び処理するための全国的連合組織に関する規定を設けたことであります。
 その三は、大都市周辺町村における人口の急激な増加状況にかんがみ、昭和四十一年十二月三十一日までの問に限り、国勢調査の人口によらないで最近の指定統計調査による人口をもって町村を市とすることができる特例を認めることとしたのであります。
 その四は、法令の制定及び改廃に伴い、地方公共団体の処理しなければならない事務等を掲げた別表に所要の改正を加えることとしたものであります。
 以上が、この法律案を提案する理由及び法律案の内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお順いいたします。
#5
○永田委員長 以上で説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#6
○永田委員長 続いて本案についての質疑に入ります。通告がありますので、これを許します。山口鶴男君。
#7
○山口(鶴)委員 ただいま御提案をいただきました地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、おもな考え方の点だけ簡単に御質問をいたしてみたいと思います。
 まず第一に、この財務会計制度の問題でありますが、確かに従来の地方自治団体の財務会計制度におきまして改善をすべき問題が幾多ありますることは、私もかつて地方議会におりました経験に徴しましていろいろ感ずるところがあるわけでありますけれども、今回の法律案改正の趣旨といたしましては、さきに答申をせられました地方財務会計制度調査会の答申、これをもとにいたしまして今回の改正案をおつくりになっておられると思うわけでありますが、その中で、特に答申に触れておりまして、今回の改正にございません点をちょっとお尋ねしてみたいと思うのでありますが、答申によりますと、国の予算執行と地力の予算執行との間に現在事務的に非常にズレがあるわけでございまして、「とくに東北、北海道等の積雪寒冷地帯では、事業執行の最盛期が冬期にかかるため、事業がその最盛期において中断されるものが多い。」したがって、 このような不合理は改善する必要があり、地方自治団体の執行する事業がおそくとも四月に着手できるようにすることがいいのではないかと触れておるわけであります。幸い自治大臣の御出身もここに書かれております北海道でありますが、そういたしますと前々から国と地方との会計年度を改めたらどうか、そうする中で国の予算がきまり、いわば補助金等の地方に対するところの配分なり、あるいは交付税の地方自治団体に対する配分なりというものが早目に行なわれて、そうして会計年度のズレによってその間を調整して、四月から地方自治団体が十分この工事に着手できるようにする、そういうためには会計年度を国と地方とで改めるということも必要ではないか、こういうことはしばしば議論をされた問題だと思うのであります。答申によりますと、そこまで明確に書いてあるかどうかは別でありますが、この答申に盛られてある四月から地方自治団体が工事に着手できるようにする点については、今回の法律改正では具体的にどうお考えになって、どう対処せられようとしておりまするのか、まずお聞かせをいただきたいと思うのであります。
#8
○篠田国務大臣 ただいまのお話は、私たちとして非常にそれを痛感しているのであります。北海道のごときは、地方によりますと大体五月まで雪がありまして、十月の末から十一月になれば、当然また次の雪が降ってくるわけであります。そこで三月に予算がきまりまして、配分をされるのが五、六月でありますが、それから十月、おそくとも十一月一ぱいということになりますと、半年あるかなし、それでわれわれとしましては何とか四月ごろから工事に着工できるような予算の配分をしてもらいたいということを、前々から希望しております。またできれば会計年度を暦年制にするということになれば、積雪寒冷地帯などは非常に便宜を受けるのじゃないかということでございますが、大蔵省等におきましても会計年度の問題はいろいろ考えておりまして、その問の意見の調整というものがなかなかつきません。また全国的の事情でもないようなわけでありますから、そういう点におきまして、いま直ちに会計年度を変えるとか、あるいは地方だけ変えるというようなこともいろいろ議論がございますので、今回の法律案の改正にはその点は載せてない、こういうわけでございます。
#9
○山口(鶴)委員 私の住んでおりますところは、新潟、北海道というような地域と異なりまして、東京に近いところでありますけれども、しかし地方議会のいままでの運営というものを振り返って考えてみますと、確かに国会と同じ出初予算を計上いたします県議会あるいは地方議会というものが、二月の末から三月一ぱい開かれる。そうして一年間にわたるいわば予算というものを論議し、決定をいたすのでありますけれども、考えてみれば、このくらいナンセンスなことはないのであります。私どもがしばしば国会での議論にあたりまして、国が予算を提案されたと同時に地方財政計画をひとつ出してくれというような要求をいたしましても、地方財政計画が具体的に国会に報告せられますのは非常におくれているわけであります。したがいまして、国の予算がまさに論議をされ、それからやっと骨格でありますところの地方財政計画というものが報告をせられる。そういう段階の中で、地方議会は年間にわたる予算を決定いたすわけでありますから、これは全く絵にかいたもちであります、したがって、年間の予算を一応議論をいたしましても、それはかっこうだけでありまして、実質的には交付税が配分をせられ、あるいは各種の補助金の配分というものが明確になりましたその年の九月ないし十月に、いわゆる補正の議会というものをやって、それから実際には当該の道府県あるいは市町村の実際の事業をすべき予算の輪郭というものが固まり、それから仕事にかかるというのが大体例、じゃないかと私は思うのです。そういたしますと、いままでの地方議会の運営の姿から考えてみましても、非常に何かむだなことをしている――と言っては恐縮でありますけれども、むしろ国と地方との会計年度というものは変えていって、そういったいま私が指摘をいたしましたような形式的な議論を一生懸命やって、そのあとまた実質的な議論をし、実際の仕事に移るのが非常におくれた時期から始まる、こういうようなものを改定していくということが、いま国と地方との財務会計制度を考える上の一番の基本でなければならぬと考えます。大臣はいまの御答弁によりまして、実情を十分御認識いただいております点は非常にけっこうだと思うのでありますけれども、しからは、今回の法律案改正には提案をせられなかったとすれば、一体この問題はどうしようと自治省としてはお考えになっておるのか。当分たな上げでほっておくということなのか、近い将来においては、大臣がお述べになりましたような問題に対して着手をせられるおつもりでありますのか、この点ひとつ明らかにしていただきたいと思うのであります。
#10
○篠田国務大臣 この問題は、先ほど申し上げましたように、単に自治省だけの問題ではなくて、国全体に関する問題でもありますし、また民間等にも非常な大きな影響を持つ問題でもあります。ただ地方の財務の予算の執行あるいは事業の実施の関係から申しまして、現在の会計年度というものが、非常に不合理と申しますか、不適当であるということは言えると思います。そこで、各省また政府部内におきましても十分これを検討いたしまして、このままするずるほうっておくことはできないと思いますので、大いに検討をいたしまして最善の方法を発見することに努力したい、こういう程度しかいまのところ申し上げるわけにはいかないと思うのです。
#11
○山口(鶴)委員 このような問題は前からの懸案ではありますけれども、なかなか解決しなかったということは、それだけむずかしい内容を含んでおるということで私も理解いたしますが、しかし幸いに篠山自治大臣のように斬新な感覚をお持ちの大臣の在任中でなければなかなかできないということも言えるのではないかと思います。
 したがいまして、ひとつ従来の大臣とは違った観点で、非常に斬新な感覚をお持ちの大臣の在任中に何らかの解決の方向をつけるような御努力をお願いをいたしておきたいと存じます。
 したがいまして、そのような問題は今度の改正案には出ておらぬのであります。そうしてここに提案されておりますものを拝見をいたしますと、議会と執行機関との権限の配分の問題については、今度は非常に修正をいたしておるわけであります。私はこの点いろいろな疑問を持つのでありますけれども、確かに従来の予算執行におきまして、ある程度大きな請負契約の締結でありますとかあるいは随意契約を行なうというような場合等におきまして、議会が三分の二の特別多数議決等を必要とするという規定がございまして、その金額がたまたまいまの物価高の中ではやや実情に即さぬ面もあるのではないかということは、私も考えるのにやぶさかではありませんけれども、今回の法律改正によりまして、議会と執行機関との関係が大きく修正をせられまして、何か長の執行権だけが異常に強大になった、いわば住民を代表する議会の、長の執行に対するコントロールといいますか、監視といいますか、こういう点が非常に後退をしたという感じはいなめないのであります。この問題に関しては一体どういうお考えなのか、議会という住民の代表によるところのコントロール、こういうものを軽視をするというきらいがありはしないか、こういう点に対する見解をひとつお伺いをいたしたいと思うのであります。
#12
○佐久間政府委員 御指摘の議会の議決事項の点につきましてでございますが、地方財務会計制度調査会の答申におきましては、契約の締結、財産の取得等につきましては、議会が予算の議決の際に関与いたしておるので、成立いたしました予算の執行にかかる事項につきましては、執行機関の責任において処理させることが、財務に関する行政機関の責任の分配を合理的にするという趣旨から適当であるということで答申をいただいておるわけでございます。しかしこの点につきましては、ただいま御指摘になりましたような観点からの御議論もあるわけでございますので、政府案を立案する過程におきまして、そのような事情も十分考慮いたしまして、いま御提案いたしております案におきましては、調査会の答申どおりではございませんで、契約の締結にいたしましてもあるいは財産の取得等にいたしましても、従来どおり条例で定める重要なものは議会の議決にかからしめる、ただその条例で定めます基準につきまして政令で一定のものを定めることにいたそうというふうに答申の線を修正をいたしまして、御提案をいたしたわけでございます。したがいまして、この政府案につきましては御指摘のような事情も十分考慮し、かつまた調査会の答申で言うております趣旨もくんだ実際に即した適当な案であろう、かように考えておるわけでございます。
#13
○山口(鶴)委員 この契約の締結、財産の収得、こういった財務に関する規定に関しまして、長と議会との権限が、現行法とそれから今回改正しようとするものにおいて、具体的にどのように推移をしているかということを――たいへんこんな厚いものに書いてございますが、一覧表で見やすいようなものをつくって、委員会のほうに御提示をいただきたいと思うのです。
 さらに関連をいたしまして、ちょっと御意見をお伺いしておきたいと思うのですが、確かに原則的な議論をいたしますならば、予算の審議の過程でどういう事業をどうやっていくのだということを前提にして議論をし、予算を議決したのだから、予算が成立いたしましたあとの執行については、いわば長の権限に属するというふうに議論として割り切っていけば、私はそういう議論も成り立つかと思うのであります。しかし実際に地方議会の運営というものを考えてみますと、それでは土木費なら土木費というものを議論をする場合、款項目においては出ておりますが、それじゃ一体どのような地点の橋梁なり道路というものを、どの程度改修をする、舗装をする、あるいはかけかえをする、こういう地点を明確にした議論というものが自治体でされているならば、私はそれはけっこうだと思うのでありますが、私が経験をいたしましたところによりますと、そういうものは明らかにしないで、結局補助金等も今後どうなるかわからぬ、したがって、一応何カ所くらいをやりたい、しかしその個所を明示はできぬ、とにかくこの予算の範囲内でやりたいのだというような説明で、議会で審議をされ、通していくという場合が多いのであります。といたしますと、結局道路費幾ら、あるいは橋梁費幾らというような、きわめて大まかなものだけ議会を通って、そしてどの地点をどうしていくかという問題というものは、一切長の権限になる。そうなりますと、私は特に大臣に聞いていただきたいと思うのでありますが、議会でどこが優先的に必要かという議論が出されて決定されておるなら私はかまわぬと思うのでありますが、それがない。そして予算だけは通った。そうすると、いまの日本では一番弊害といわれる陳情政治ですね、市町村やその他いろいろな団体がわいこらわいこら知事のところに行って、あるいは市長のところに行って、ひとつここを直してくれという陳情をうんとやる。陳情を大いにやったほうが勝ちを占めて、そこの地点の工事はすみやかに促進をされる。
 こういうようなことが、結局議会と長との権限の配分を変えることによって助長される傾向があった場合には、これは時代の逆行ではないかと私は思うのであります。そういう点で、今回の改正についてこのような点をどうお考えであるのか。また私がいま申し上げたような方向について、大臣としての御見解をひとつお示しいただきたいと思うのであります。
#14
○篠田国務大臣 ただいま山口さんが御指摘のような陳情によって動かされるという場合、これは人間の社会でありますから、しばしばそういう実例を私は見ております。しかし、小さな村などではよく事情がわかっておりますから、同じ橋を一本かけかえをするにいたしましても、村全体の立場から客観的に見まして、Aの橋をかけるかBの橋をかけかえるかということは、おのずからその腐朽の程度であるとか、一あるいはまた地方河川の改修等にいたしましても、そういう実際上の必要という方が陳情よりも勝つのじゃないか。陳情によって行なわれるという事実も、現在の地方公共団体ばかりでなく、国の場合におきましてもそういうことはしばしば見受けられますが、しかし、いま申しましたような地方の実情が、破損の程度であるとか腐朽の程度であるとか、そういうものの方がやはりより有力であろう、こういうように考えております。
#15
○山口(鶴)委員 大臣の御答弁をお伺いしたのでありますが、実はその事例は、先ほど当委員会で審議をいたしました地方財政法の一部を改正する法律の県立高校の建築、こういうようなものに一番端的にあらわれているような気がいたすのであります。地方財政法の一部改正で論議がございました。私ども社会党からもいろいろ指摘をいたしましたのでありますが、また国立高専の問題に対しまして、白川党の委員の方からも同じような御趣旨の指摘がございましたが、県立高校の改築、あるいは新築というものの予算幾ら、これだけがきまったということになりますと、いままでのような例で申しますと、結局は土地を提供するとかあるいは寄付金についてはこれだけ持つからというような運動が、各地から起こる。そういたしますと、その運動で一番県のほうといたしましては有利なところといいますか、一帯土地も寄付するし、また建築費についても負担をしてくれる地域に持っていってそれを建てる。こういうようなことが非常に行なわれた。そういう事例が非常に多かったからこそ、地方財政法の一部を改正して財政秩序を明らかにしなければならぬということになったのではないでしょうか。したがって私は、現在そのような弊害起こしました原因の一つは、自治団体の問にある旧来の風習によるところの何かこちらの地域へ持ってくればいいじゃないかというような利己的な考えもございましょうし、さらには財政秩序が乱れておったということもございましょうし、それから一つには通常、県の議会なら県の議会等で議論をいたします場合には、進学率その他から考えて、どこの地点につくるということが一番合理的なのかということはわかるはずであります。それから古い校舎を建て直していくという場合には、どの校舎が一番老朽化しておるか、点数等をとっていけばわかるのでありますから、これははっきりいたすのであります。しかるに、そういう議論はせぬでいきなり大ワクの予算だけをきめて、さてどこの個所をやっていくかということについては長の権限でやっていく。請負契約の締結等については、議会の議決は要らないということになってまいりますならば、よけいそういう傾向に柏市がかかる懸念があるんではないか、私はこういうことを考えておるのであります。したがって、地方財政法の一部を改正するという趣旨に踏み切りました自治省の態度として、今回議会と長との間の権限の配分の問題について、ひとつ筋の通った御見解をお教えをいただきたいと思うのであります。
#16
○佐久間政府委員 ただいま例におあげになりました県立高校の誘致等の問題につきましては、御指摘のようないろいろな事情があろうかと存じておるわけでございます。この法案に関連いたしましての点について申し上げますと、高等学校の設置につきましては、これは従来営造物と申しておりましたが、この法案の二百四十四条の二におきまして条例で定めなければならないことに改めたのでございます。従来は必ずしも設置そのものにつきまして条例を要しなかったのでございますが、今回は条例で定めなければならぬということに改めたわけでございます。したがいまして、その児といたしまして、議会におきまして十分審議がなされることと考えておるわけでございます。設置がきまりました場合にどこで工事を請け負わせるかというときに、九十六条の契約に関する議決事項の問題になるわけでございますが、これにつきまして、その種類、金額につきまして、従来は条例にまかせ切りにいたしておったのでございますが、各地方公共団体の実情を見てみますというと、非常に基準を高く定めておるところもございますし、また低く定めておるところもございますし、まちまちでございますので、今回それらにつきまして合理的な基準を政令で定めるようにいたそう、かように考えておるわけでございます。
 なお、契約につきましては、従来地方自治法の規定が至って簡略でございまして、いろいろ契約の締結に関連をいたしまして弊害も見られたわけでございますので、今回はこの契約の締結につきましても、そのような弊害をできるだけ食いとめますように規定を整備をすることにいたしたわけでございます。
 以上申し上げましたようないろいろな点から、今回の改正によって御指摘のような点もよほど改善されるのじゃなかろうかと考えておるわけでございます。
#17
○山口(鶴)委員 それでは、先ほど希望として申し上げておいたのでありますけれども、やはりこれだけ厚いのをいまいただきまして、たとえば九十六条と公の施設を設置する場合の二百四十四条との関連もすぐわからぬのでありまして、いま私が指摘いたしましたような点に関しまして、長と議会との関連におきます一覧表でそういう点を一明確にするように、先ほどもお順いした点につけ加えてさらにお願いをしておきたいと思います。
 それでは財務会計制度の問題につきましては、さらにその一覧表が出ましてからこまかい御質問をいたしたいと思うのでありますが、大臣、さらに重ねて一つだけ財務会計制度の問題についてお尋ねをいたしておきたいと思うのです。今回の改正によって、地方自治団体のいわば本金庫は一体どういうことになるか、従来の法律と違って改正をする点はあるわけでございますが、聞くところによりますと、いわゆる普通銀行だけに限定をしていこうというお考え方があるというふうに聞いておるわけでありますけれども、私どもが考えますのに、その地域の産業というものを開発し、発展をさせていこうという場合に、わざわざ当該の都道府県なり市町村なり地方公共団体が、その地域の金融機関に預託をいたしまして、年末の融資でありますとか、あるいは運転資金でありますとか、当該自治体内におけるところの産業振興のために、歳計現金の運用等を一通じまして、いろいろと努力を払っておるのが私は通例ではないかと思うのであります。ところがそういう場合に、たとえば一つの県にその地域の普通銀行あるいは相互銀行というものが大体あると思うのでありますが、場合によりましては、普通銀行は県から本金庫に指定されますと、いつも相当膨大な資金というものがその金融機関に預託をせられておるわけであります。そういたしますと、この資金を県内産業の振興に使うというよりは、もっぱらコール等に回わしまして、その方が完全にもうかりますから、その地域の県内開発に対して不熱心だというような場合もなきにしもあらずであります。ところが相互銀行等の場合は、これはおおむねその地域の県内産業の資金にこれを回していくというような場合が多いのでございます。そういたしますと、その地方公共団体が公共団体の資金を預託いたします場合に、普通銀行よりはむしろ相互銀行のほうが、その資金を使って県内産業の振興ということを考えた場合に、よりその趣旨に沿うことが多いという事例も私は決して否定することはできぬと思うのであります。といたしますと、今回の財務会計制度におきまして、本金庫の指定については普通銀行に限るというような形にもしなるといたしますならば、いま私が申し上げましたような趣旨が大きくそこなわれる危険性があるのではないかということを考えるのでありますが、この点に対しては一体どのようになっておりますか、お聞かせを願いたいと思うのであります。
#18
○篠田国務大臣 ただいまおっしゃったような考え方は、実は私も持っておりまして、相互銀行その他の金融機関というものを入れないのかということを実は事務当局に質問したわけであります。財務会計制度調査会の答申はすなわち昔の本金庫に相当するものは、都道府県においては普通銀行を使ったほうがいいという答申でありますが、しかしこれはその内容というものを政令で定むる関係上、普通銀行その他の金融機関ということにいたしまして、相互銀行も信用組合も使えるようにする、こういう考えでございます。
#19
○山口(鶴)委員 その点は明確にいま御答弁があったように、政令でするというわけでございますね。
 それから本金庫については、一つの県が普通銀行並びにその県にある相互銀行、二つを本金庫に指定するということは、これはできるのですか。
#20
○佐久間政府委員 本金庫の数でございますが、現在の本金庫は一つということになっております。今回指定金融機関というふうに名称を改めようと考えておりますが、これも同様に一つということに政令で定めたいと考えております。
 それから先ほど大臣から御答弁がございましたが、金融機関を指定いたします場合には、答申の御趣旨はございますけれども、広く金融機関を指定できるように政令で定めるようにいたそうということで、現在検討中でございます。
#21
○山口(鶴)委員 政令で両方本金庫に指定できるようにするという趣旨はよくわかるのです。しかしながら、本金庫一つということになると現状どうかということになると、そうなればこれは普通銀行におおむねいっちゃうのじゃないですか。ですから、私がいま指摘を生かすといたしますならば、これは幾つも設けるということは矛盾だと思います。しかし一つに限るということにあまりこだわることは、大臣がせっかく財務会計制度調査会の答申の線を一歩前進といいますか、踏み出しまして、そして政令でもっていずれでもよろしいということにしようという趣旨が、実質的にはかえってそこなわれていく、こういうことは明らかではないかと思うのです。この点は各都道府県あるいは市町村等の公共団体におきまして、金庫の指定に関しまして、いろいろと実際的には自治省のほうに二つがいいかどうかという照会が来ておるような事実が過去においてあったのではないかと思うのであります。これらの点については、あくまでも一つということにおこだわりになるつもりでありますか。
#22
○佐久間政府委員 金融機関につきましては、現在でも本金庫、支金庫あるいは収納取扱金庫というふうに御承知のように区別されておるわけでございます。今度も名称は改めますけれども、大体本金庫に相当いたしますものを指定金融機関、支金庫に相当いたしますものを代理金融機関、収納取扱金庫に相当いたしますものを収納代理金融機関というふうにそのまま踏襲をしてまいりたいと考えておるわけでございます。それらのすべてをひっくるめまして、金融機関であればいずれも地方公共団体が自主的に定め得るようにいたしたい、かように考えておるわけでございまして、そのうちの本金庫に相当いたしますものは、これはやはり一行でございませんと、収納関係の事務を円滑に統一的に、行なう上からも適当でないと考えますので、その点は答申の趣旨をあくまでも守ってまいりたい、かように考えておるわけであります。
#23
○山口(鶴)委員 そういたしますと、いつまでも一つの本金庫がやっておるということではいろいろ問題があるわけですから、交代制といいますか、ときどきは交代をさせるということを指導してもいいんじゃないかと思うのです。そうすることが、大臣がせっかく言われたように、相互銀行等がその地域の地場産業の育成に非常に力を尽くしておることを考えるならば、本金庫を指定するワクの中にそういうものを拾い込んでいくのだ、そういう趣旨がよく生きるのでありまして、しかしこれは本金庫が万世一系、いつも変わらぬというようなことになりますと、これはそういった大臣の趣旨というものもさっぱり生かされぬということになるので、ときどきは交代したらいい。非常に乱暴な議論だということにお聞きかどうか知りませんが、私はそうではないと思うのですが、こういう点に対する指導をどうするか。それから支金庫についても、数多くの支金庫を指定して、そして税金の徴収などについても住民の便宜をはかるようにしていく、こういうことも一つの方法ではないかと思うのです。大臣、いかがでございますか。
#24
○篠田国務大臣 私は普通銀行に限るという、そういう条項はよくない。だから相互銀行であっても、信用金庫でありましても、その地方の自治団体がみずから選んでそれを使おうというものは、自治団体の判断にまかすべきものであって、それを普通銀行ということを法律で規定するということはよくない、こういう私の意見でございます。しかしながら本金庫にすべきものをどの銀行を指定するかということは、これはやはり地方の事情によりまして、一番信用の高いその地方における銀行を使うことになろうと思います。何か間違いが起こりましたときに、法律でもってこの銀行をという指定をしておきまして、そういう何らかの間違いを自治省なり、そういうものが背負うというわけには実際上いかないのでありますから、私はやはりその地方の事情に応じて、その地方の自治団体自体に自分のところの金庫はどれにするかということを選ばしたほうが無難、無難と申しますか、であろう、こういうふうに考えております。
#25
○山口(鶴)委員 そうすると交代制を否定していないわけでありますが、自治団体が自主的にきめていくわけでありますから、何年か、たとえば普通銀行を指定してみた。それから今度は、やはり県内産業の振興の上に相互銀行を指定しよう、こういう形で自治団体の自主性というものを認めておるという御答弁でありますならば、そういった交代を自治団体の判断によってときどきするということを、この法律自体が否定をしているということではない、こういうわけでございますね。
#26
○篠田国務大臣 どこの町にも、全部銀行の支店があるというわけではないわけです。北海道のごときは、たとえば北海道拓殖銀行というのが、従来からの一番大きな信用のある銀行であります。その後において、北海道銀行、北海道相互銀行、いろいろなものができております。ところがある町には拓銀の支店はあるけれども、ある町には拓銀の支店がなくて、北海道銀行の支店があるというようなことが非常に多いわけです。あるいはある町には両方の銀行の支店はないけれども、相互銀行の支店はある、そういうような場合には、やはり相互銀行の支店のあるところでは、相互銀行の支店を使うでありましょうし、あるいはまた拓銀の支店のあるところは、拓銀を使うでありましょうし、北海道銀行の支店があるところは北海道銀行の支店を使うということにならざるを得ないと思う。いままで北海道銀行の支店を使っておったが、そこには拓銀の支店ができた。その場合にそこの町が両方使うとか、あるいは拓銀に乗りかえるとか、拓銀のほうから北海道銀行に乗りかえることは自由である、こういうふうに考えております。(「信用金庫だっていいん、だろう」と呼ぶ者あり)信用金庫はたいていの町に、ちょっと大きい町にございますから、普通の場合は信用金庫を使うだろう、こういうように考えております。
#27
○山口(鶴)委員 そうしますと、自治団体が自主的な判断でどこを使ってもいい、また時期的にもある期間使ってみて、今度はほかへ持っていくことも、法律自体が指定しているわけではないのだ、こういう点はよくわかりました。ところがいま都道府県の場合を考えました場合に、本金庫は一つである。しかしその支金庫というものをたくさん指定をし、しかも支金庫のウエートといいますか、資金量というものを相当高めていくということが、私は、現実的に一つのいい方法ではないかと思うのですが、そういう点はどうですか。
#28
○篠田国務大臣 そういう点は、私はあなたのおっしゃることには賛成でございますが、実際問題として、たとえは北海道庁なら北海道庁というものが金を預ける場合に、やはり事務の手続とかいろいろな歴史的な関係がありまして、やはり拓殖銀行なら拓殖銀行に預けるのが一番いいということでやっております。そうするとそこへまた新しい銀行ができますと、拓殖銀行にばかり預けないで、おれのほうにも少し預けてくれという連動があるわけであります。しかしそれについてわれわれのほうから、拓殖銀行ばかりで扱わないで、ほかへ少し分けてやれということは、われわれのほうの権限外でございますから申し上げることはできません。しかし道庁なら道庁自体が、それもそうだということで分けて預ける分には、私はちっとも差しつかえない、こう解釈しております。
#29
○二宮委員 関連。いまの山口君の質問に関連をしたしましてお尋ねいたしておきたいのでありますが、山口委員が指摘をいたしましたように、これは鶏が先か卵が先かというような議論になると思うのです。県のほとんどの予算を一つの銀行の窓口から支払いをするということになると、その預金量というものは年間を通じて非常に大きなものになると思います。そうしますと、それから得るところの銀行の利益というものは相当大きなものになっていこうと思うのであります。今度の改正案では、従来の金庫制度を廃止して、指定金融機関というものを設けて、それに対して出納長が預金をするという形、あるいは小切手を振り出すというような形で、県の予算というものを支払いをさせる、こういうような形になるわけでありますが、そういう場合に、先ほどの行政局長の答弁では、こういう内容についてはこれを政令にゆだねるというかっこうになっておるのですけれども、形はそういう形になるけれども、支払い形式そのものは違いますけれども、国と日本銀行の関係のごとき、こういう形で一つの指定金融機関というものを指定をいたしますと、いま山口君が指摘をいたしましたように、地域産業にはあまり目を向けないで、非常に横暴になってくる、こういう例はたくさんあるわけであります、非常に多いのです。おれのところは独占しているという、県の予算はおれのところの窓口以外は通らぬのだという独占欲が出てまいりますと、地場産業に対して融資をするというようなことについては非常に冷淡になってまいりまして、大きな独占企業に対してのみ融資をしていって、地場産業育成のためにあまり協力をしない、こういうようなかっこうが出てくるおそれがどの県にもあるのではないかと思うのでございますが、行政局長どうですか。そういう改正案と、従来の金庫の制度というものと指定金融機関というものを指定をいたしまして、出納長の権限を強化するという行き方、この形は実際の姿としてどのような変わった形にあらわれてくるという予想を持っておられるのか、あまりたいして変わらぬということを予期して政令の中にそれを織り込んでいくのじゃないかという心配がするのですけれども、せっかく答申案で、――答申というのは、預金制度をとるかあるいは金庫制度をとるのかということについては、あなたのほうに採択を一任されておるような格好の答申になっておるわけですけれども、そういう形の姿、従来の形とあまり変わらぬ形になるのじゃないですかどうですか、その点。
#30
○佐久間政府委員 答申には先生のおっしゃいましたように金庫制度と預金制度と、いずれかの方法を採用するようにということになっておるわけでございます。ただ、この内容をよく検討いたしますと、御指摘のように、従来の金庫制度といい預金制度と申しましても、そう大きな変化はございませ
 ん。ただ、今回小切手によりまして支払いができるようにいたしました関係で、おそらく地方公共団体の支払いは、原則として小切手によって行なわれることになるであろう、そういたしますと、出納長、収入役が指定金融機関を支払い人とする小切手を振り出すことになるわけでございます。従来は、支払いにつきましても金庫が出納長、収入役の権限を代行することになっておりましたので、金庫という名称がふさわしかったわけでございますが、今度はただ小切手による支払いになるということでございますから、ちょうど日銀に対します各省、各庁の関係と同様な関係になるであろう。そういたしますと、ここに答申に二つの案が掲げてはございますが、答申も、小切手を使います場合には預金制度を予想いたしておりますので、この答申でいう預金制度を採用することにいたしたわけでございます。しかし、いま言うた点が大きな違いでございますので、実際の政令で定めます内容につきましては、現在の政令の内容が大体そのまま踏襲できるのじゃなかろうかと考えておるわけでございます。
#31
○二宮委員 従来の金庫制度をとっておりました形とたいして変わらないような形で県の公金というものが支払われていく。ただ形は小切手、預金という形で出ていくけれども、窓口はやはり一つの銀行に指定をされる、そういうかっこうになるのですか。
#32
○佐久間政府委員 金融機関は、先ほどもちょっと申し上げたかと存じますが、従来の本金庫に相当いたします指定金融機関は一行でございますが、従来の支金庫あるいは収納取り扱い銀行に相当いたしますものは、従来どおり複数、必要に応じて置くことを考えておるわけでございます。
#33
○二宮委員 そうしますと、指定金融機関というものは、たとえば北海道だったら北海道拓殖銀行というものがなって、そこに小切手が振り出されていって、たとえば道庁の職員の給与を支払うというような場合に、今度はそれとは違った金融系統のところに預金を持っていく、こういう場合があり得るのですか。そういうことは実際問題としてないでしょう。
#34
○佐久間政府委員 それは代理金融機関として指定いたしますれば、そういうことはあるわけでございます。
#35
○二宮委員 いや、そういうことはあり得ると言うけれども、実際間際として北海道拓殖銀行というものが県の指定金融機関になって、そこを通して県の予算なりあるいは県の事業費なりが支払われていく段階になったときに、北海道拓殖銀行というものが、北海道の各地に支店を持っておるという場合に、実際問題として、ほかの金融機関を通して県の公金が支払われるというようなことが、実現できますか、それはあり得るとお考えになるのですか。
#36
○佐久間政府委員 これは地方団体におきまして、県におきましては相当出先の機関もあるわけでございますしその出先のところに、指定金融機関の支店がない場合があるわけでございますから、従来も支金庫というようなものが複数あったわけでございますから、今回もそれに相当いたします代理の指定金融機関というものが、必要の地に複数置かれるということは当然あると思っております。
#37
○二宮委員 大臣も先ほど指摘をされておりましたけれども、やはり県と特殊な金融関係の指定を受けるという段階になりますると、国と日本銀行との関係のように、非常に横暴といえばことばが過ぎますけれども、まことに零細な企業そのほかに対する金融や、金融機関としての性能を十分に発揮しないというような問題が起こってくるような可能性があると思うのですが、そういうような実情については行政局長いかがですか。全国的に、一つの銀行を一つの本金庫と指定をして、そればかりにすべての県のお金をまかしておくということになりますると、その銀行というものが、その県内における地場産業に対する育成の態度そのほかについて、非常に横暴な態度が出てくるのではないかという心配がある。私は一つの県しか知りませんけれども、そういう実情を十分に把握されて、この際改正する必要があるのではないかということが、先ほどの山口君の質問の要旨であろうと思いますが、実情をどうお考えになっておるのですか、把握されておりますか。
#38
○佐久間政府委員 実情につきましては、おそらく先生の御指摘のような事態が相当あろうかと思います。しかし従来の、本金庫のほかに支金庫を設けてやっております場合も、いま手元には正確な資料がございませんが、私の聞いておりますところでもあちこちにございます。それから今回の改正によりましても、支金庫なりあるいは収納代理金庫なりに相当いたしますものは従来どおり踏襲するつもりでおりますし、それから単なる普通の預託につきましては、指定金融機関外でも広く金融機関を使えるわけでございますから、これは地方公共団体の御判断によりまして、御指摘のような運用も相当可能であろう、かように考えておるわけでございます。
#39
○太田委員 関連して。局長さん、あなたのいまおっしゃったのは二百三十五条の金融機関の指定ですね。「都道府県は、政令の定めるところにより、金融機関を指定して、都道府県の公金の収納又は支払の事務を取り扱わせなければならない。」、この政令の内容がいま問題になっているのでしょう。あなたのほうの政令の内容というものは、山口君にお答えになったかどうか私もつまびらかにしておりませんので、はなはだ失礼ですけれどもかりに県とか指定市というのは、普通銀行の中から指定しなければならないというふうにあなたのほうが厳格なワクをきめられると、実情に合わない問題が起きてくるのではないかという点を盛んにおっしゃっておられると思うのです。あなたの方は別に市中銀行でなければ、他の金融機関というのは信用がないからいけないとか、そういう意味でなくて、相互銀行法によるものも、あるいは信用金庫法によるものも、ともにこれは第一指定、第二指定、第三指定というように、それは預託先あるいは支払いを取り扱う先は、何も市中銀行、相互銀行、信用金庫と三本立てにしておったってかまわぬわけでしょう。私はそういうことだと思うのですが、どうですかね。
#40
○佐久間政府委員 いま太田先生の御指摘になりましたように、都道府県、五大市の場合には、普通銀行を指定するのがいいじゃないかというような議論が地方財務会計制度調査会の審議の過程に相当あったわけでございます。そして最後の答申におきましては、都道府県、五大市については、普通銀行を指定するのを例とするというような答申もあったわけでございます。しかし私どもでいろいろ検討いたしておりますところでは、先ほど大臣が御答弁になりましたように、政令の上ではそうした制限はいたさない考え方をただいまいたしておるわけでございます。
#41
○山口(鶴)委員 また資料要求をお願いしておきたいと思うのですが、都道府県におきまして、現在本金庫として指定しているのが何銀行であり、それからさらに支金庫としてどういう金融機関を指定しているか、この実情を五大市を含めてひとつ御提示をいただきたいと思う。それから普通の市町村につきましては、普通銀行幾ら、相互銀行幾らという数でけっこうでございますから、わかる範囲で資料を御提示願いたい。その資料をいただきましてから、また、あらためて御質問いたしたいと思います。
#42
○永田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
  午後零時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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