くにさくロゴ
1962/05/28 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 地方行政委員会 第27号
姉妹サイト
 
1962/05/28 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 地方行政委員会 第27号

#1
第043回国会 地方行政委員会 第27号
昭和三十八年五月二十八日(火曜日)
   午前十一時十一分開議
 出席委員
   委員長 永田 亮一君
   理事 小澤 太郎君 理事 纐纈 彌三君
   理事 高田 富與君 理事 丹羽喬四郎君
   理事 太田 一夫君 理事 阪上安太郎君
   理事 二宮 武夫君
      宇野 宗佑君    亀岡 高夫君
      久保田円次君    田川 誠一君
      藤井 勝志君    古川 丈吉君
      前田 義雄君    山崎  巖君
      川村 継義君    松井  誠君
      山口 鶴男君    門司  亮君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 篠田 弘作君
 出席政府委員
        自治事務官
        (行政局長)  佐久間 彊君
 委員外の出席者
        議     員 太田 一夫君
        自治事務官
       (大臣官房参事官)松島 五郎君
        自治事務官
        (行政局行政課
        長)      宮沢  弘君
        自治事務官
        (行政局振興課
        長)      林  忠雄君
        自治事務官
        (財政局公営企
        業課長)    吉瀬  宏君
        専  門  員 越村安太郎君
    ―――――――――――――
五月二十八日
 委員大沢雄一君及び金子岩三君辞任につき、そ
 の補欠として古川丈吉君及び藤井勝志君が議長
 の指名で委員に選任された。
同日
 委員藤井勝志君及び古川丈吉君辞任につき、そ
 の補欠として金子岩三君及び大沢雄一君が議長
 の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
五月二十七日
 地方公営企業法の一部を改正する法律案(太田
 一夫君外六名提出、衆法第四〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方公営企業法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第一四五号)
 地方公営企業法の一部を改正する法律案(太田
 一夫君外六名提出、衆法第四〇号)
 地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一工七号)(参議院送付)
     ――――◇―――――
#2
○永田委員長 これより会議を開きます。
 昨二十七日付託になりました太田一夫君外六名提出の地方公営企業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
#3
○永田委員長 まず提出者より提案理由の説明を聴取いたします。太田一夫君。
#4
○太田議員 ただいま議題となりました地方公営企業法の一部を改正する法案について、提案の理由とその概要を御説明申し上げます。
 率直に申しまして、現行地方公営企業法は、現在の各種地方公営企業の運営の実態から見て、その実情にそぐわない面が数多く出てきております。政府はこの理由から、今国会に地方公営企業法の一部改正案を提案しておりますが、これは独立採算性をより強化するという点が中心となっているもので、現在進行している地方公営企業の各性格から見て、はなはだしく逆行する基本に立っているものであります。交通聖業、その他の地方公共事業は本来地方公共団体の利便すなわち、公共の福祉を増進するためにその目的があるのであります。
 しかし、今日の地方公営企業は、ほとんどその経営が財政的に行き詰まり赤字が累増し、経営困難におちいっている事業が多く、特に交通事業においてその傾向がはなはだしいのであります。このような実情では利用者に対する十分なサービスを提供することはもちろん、地方公営企業本来の目的を果たすことはきわめて困難であると言わなければなりません。
 特に今日の公営企業は、その性質上、社会情勢の変化に従って、事業の持つ公共性が強まっているのであります。したがって、経営上の困難を単純な企業性だけの立場から、安易な運賃、料金等の値上げによってまかなうことは、以上のような状態から妥当でないと考える次第であります。
 このような見地から地方公営事業の公共性を強め、住民福祉の維持向上をはかり、企業の健全な運営をはかるため、現行の地方公営企業法の改正を行なう必要があると考え本法案を提出した次第であります。
 次いで改正案の内容についてその概要を御説明申し上げます。
 まず第一に、現行の公営企業の独立した特別会計の原則を認めつつも、社会情勢の変化によって、公共性が強まりつつある事業の性質を、財務面でもこれを充足せしめて健全な運営をはかるため、現行十七条に一項を加え、災害の復旧、住民福祉の維持向上のため特に必要がある場合等は、地方公共団体の予算の定めるところにより、一般会計または他の特別会計から地方公営企業の特別会計に補助を行ない、公営企業の財政の健全化をはかることといたしました。
 同時にまた、一般会計または他の特別会計から低利長期の貸し付けができる道も講じ、これに対する償還の規定を設け、さらに附則の二項を削除し、企業債についての地方自治法第二百五十条の制限を廃して、適切な企業債の拡大をはかることとした次第であります。
 以上が地方公営企業の財務上の改善措置であります。
 第二点としまして、地方公営企業の民主的かつ健全な運営をはかるため当該地方公共団体の長の諮問に応じて、地方公営企業の経営に関する重要事項を審議するため公営企業審議会を置くことを常例とし、その細部については、当該地方公共団体の条例で定めることといたしました。また、この審議会は、地方公営企業の経営に関する重要事項について、必要があると認めるときは当該地方公共団体の長に対して意見を出すことができることとし、審議会のこれら意見や答申に対しては、地方公共団体の長はこれを尊重しなければならないこととした次第であります。
 以上が改正の概要でありますが、すみやかに御審議の上御賛成あらんことをお願い申し上げます。
     ――――◇―――――
#5
○永田委員長 次に、内閣提出の地方公営企業法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 質疑を行ないます。通告がありますので、これを許します。太田一夫君。
#6
○太田委員 この際大臣御出席でありますので、大臣に特にお尋ねをいたしたいのであります。
 今度政令で定める事業につきましては、財務会計制度を適用することに改正されたのでありますが、この政令で指定する事業の内容はどういうものを予想されておりますか、また将来その範囲が拡大されるのではないか、そういう心配といってはなんですが、現在はこの程度の事業であるが、将来はここまでいくんだという、将来に大きな含みを持っておるというように理解されておる向きもあるのでありますが、そういうことがあるのかどうか、この点あわせてお答えをいただきたいと思います。
#7
○篠田国務大臣 政令で定めます事業は相当の規模を持ったものであり、経理事務の円滑な執行に差しつかえない程度のものにする予定でありまして、今後ともこの方針に変りはないのでございまして、無制限に将来その範囲を拡大するというようなことはございません。
#8
○太田委員 当面政令で指定を予定されておる事業は何と何でありますか。
#9
○松島説明員 現在地方財政法の規定で、いわゆる準公営企業と通常言われております事業でございますが、ただいま予定いたしておりますのは、従業員百人以上の相当規模のものを予定しております。具体的に該当いたしますのは、病院、市場、港湾整備事業というようなものが大体該当するのではなかろうか、かように考えております。
#10
○太田委員 公営企業法にいう財務会計制度を適用するというこの新しい考え方が、今回改正案として出ましたことに関連をして、それはそういう発想があって、それからこれが現実に運用されていく将来、その事業の正当な合理化ということに異存があるわけじゃございませんが、いわゆる不当な合理化というのを押しつけていくというような心配が出てくるのじゃないだろうか、こういう心配があるのです。いわゆる不当な合理化が押しつけられることになるのではなかろうか。この心配は無用でございましょうか、どうでしょう。
#11
○篠田国務大臣 結論から言えば、不当な合理化を押しつけるというようなことはございません。したがいまして御心配は御無用であると思うのでありますが、財務会計制度を適用することは、あなたのいまおっしゃいました、真の意味の合理化かつ適正な経営をしていけるようにしようとするものでありまして、いたずらに住民へのサービスの低下や労働条件の強化あるいは引き下げ等を行なうことは、この目的とするところではございません。したがいまして、さきに申し上げましたように、不当な合理化を押しつけるというような心配はありません。
#12
○太田委員 財務会計制度を適用する事業を政令で指定されることになりましても、それは労働強化ないしは労働条件の低下などを招来するものではない、こうおっしゃったので安心をいたしましたが、いままでの自治省の指導だと言われる項目の中に、たとえば病院を例にとりますと、あなたの病院は看護婦が多過ぎはしないか、あなたの病院は高い薬を使っているのではないか、そんな高い薬を使うなとか、あるいは事務員が多過ぎるから赤字になるのだ、事務員を減らせというような御指導がしばしばあったように聞いております。かりに今後、もしそういうことをなされるとすれば、財務会計制度だけでも相当事務員がふえるのでありまして、事務員は減らせ、財務会計制度については、公営企業法によるところの企業会計方式を用いるということになりますと、相当無理が生じると思いますし、また赤字を少なくするためには、高い薬を使うな、いわゆるいい薬を使うな、なるべく安くて無害な薬を使えということになってきましては、病院もたまったものではないと思うのであります。そういうような心配はあるいは思い過ごしであろうと思うのでありますが、将来自治省としてそんなことを指導する意思はないと思いますが、御方針としてはいかがでございましょうか。
#13
○松島説明員 御指摘の労働条件の問題でありますとか、あるいは病院におきます薬の使用の問題でありますとかいうものは、一がいに言えない問題でございまして、要するに相対的な問題でございますから、私どもは、先ほど大臣が申し上げましたように、いたずらに労働条件の低下を来たしたり、あるいは診療の質を落として、住民サービスを低下させるというようなことを考えておるわけではございません。ただしかし、今日の段階におきます労働の慣行なり、あるいは薬の使用体形と申しますか、そういうものからいって合理的であるものということは、お互いに努力していくべき問題であるというように考えております。
#14
○太田委員 松島参事官に念のために伺いますが、いまおっしゃったことは、いたずらにサービスを低下させたり、労働条件を悪くするというようなことを考えておるわけではない、しかし何か奥歯にものがはさまっておりますが、病院なりあるいは一般公営企業、準公営企業などには定数が多過ぎたり、あるいはぜいたくなことがある、こう腹の中にあるやのニュアンスを承ったのですが、そういうふうに考えていらっしゃるのですか。
#15
○松島説明員 今回適用します企業につきましては、独立採算の規定も除外してありますゆえんのものは、一般的な公益上の必要性から、たとえば僻地診療所の設置でありますとか、そういった問題もあるわけでございまして、そういうものを全部独立採算のワクの中に押し込んでしまって、いわゆる住民サービスの低下を招くというようなことがないように配慮をいたしておるわけでございます。したがいまして、私が申し上げましたことは、今日の段階におきまして、各団体が経営しておりますたとえば病院なら病院と、相互に比較いたしまして、今日のいろいろな水準からいって妥当であるというそのサービスを低下させよう、そんな指導を私どもがしようというふうに考えておるものではないということを申し上げたわけでございます。
#16
○太田委員 手っとり早く言いますと、いたずらに人を減らせとか、高い薬を使うなとか、そんなことを指導しない、こういうことでございますね。
#17
○篠田国務大臣 そのとおりでありますが、ただ大ぜいの中ですから、むちゃくちゃなものが中にはないとは言えないわけでありまして、そういうものについてはやはり自治省の立場において指導はするけれども、いま太田さんの言われましたような趣旨のものについては、そういう制限とか、あるいはまた何というか、よけいな指導はしない、こういうことです。
#18
○太田委員 大臣のお考え方のほうでいいと思うのですが、松島さんがここで御答弁なさるから、ちょっと見えないところがあるのですが、高い薬を使うな使うなというのですが、なるべくいい薬を使うように最近厚生省が踏み切っておられるときに、自治省が医者とか治療のほうのあれじゃないでしょう。松島さんがまさか肺病をなおすのに、何とかいう注射を打たなくたってその辺のゲンノショウコを飲ませればいいとか、あなたは、そんな医学家でいらっしゃるわけでもないでしょう。それをあなたがいたずらに高い薬なんということをしろうとでもっておっしゃっていただくということは、たいへん危険がありますから、重々これは慎重に考えていただいて、大臣と同じように、むちゃくちゃなということ以外には、そんなめちゃな御指導をなさらぬようにお願いをいたします。そういうように理解しておきます。
 最後にもう一つ、起債の問題でありますが、附則二項というのが今度も依然としてそのまま残されておるということは、起債というものに対する中央コントロールが存続することでありますが、起債が不自由になってまいりますと、地方公営企業の経営も相当困難だと思いますが、起債をある程度自由にするということは今日の時代では必要じゃないかと思います。大臣いかがでありますか。
#19
○篠田国務大臣 御承知のとおり、起債のワクは国会においてきめられるわけでありまして、自治省の持つ起債のワクというものは限定されております。ところが地方の公営企業だけがむちゃくちゃにワクを広げていきましても、これに見合う資金がない場合には、広げた公営企業も縮小しなければならない。あるいはまた中止しなければならない場合も起こり得ると思うのであります。それからまた、大きな団体だけが公営企業をどんどんやりまして、小さい企業は資金の不足から公営企業ができないというような場合も考えられます。そういう意味におきまして、限られた資金で、もちろん将来はどんどんふやせるでありましょうけれども、少なくとも現在のワクの中において、弱小団体に対しましても起債の資金を保証していくという必要から見ましたときにおいて、公営企業だけは起債のワクに関係なく自由にやるというわけには目下のところいかないと私は考えております。
#20
○太田委員 目下のところ自由とは言えないが、しかし本則は自由でございまして、附則のほうで当分の間規制をすることになっておるわけですから、本則の精神というのは極力尊重いたしまして、本則の精神に早く戻れるということがほんとうじゃないか、こう思うのですね。したがって、そういう精神は十分自治省で持っておっていただいて、むやみに抑えてしまうということにならないように、運用上誤りなきを期していただきたいと思うのですが、その点はどうでしょう。
#21
○篠田国務大臣 問題は、やはり政府において裏づけができるということでなければ、裏づけのできないものをただ野放しにするということでは、かえって企業そのものの目的をそこなうのではないか。でありますから、できる限りいま太田さんの言われたような趣旨に将来伸ばしていくという必要はありますが、やはり現在におきましては、先ほど申しましたような限られた資金のワクがございますから、そのワクの中においてある程度の考慮をしていく必要は、これはもう事実上あるのではないか、こういうふうに考えております。
#22
○太田委員 そこで、これは運用の問題で、きょう財政局長さんはいらっしゃらないと思うのですが、松島さんいらっしゃるのですが、松島さん、いまの立場からいって、本則の精神に立ち返り、そして起債のめんどうを見るということに相なりますならば、いわゆる低利中央資金、政府資金につきましてはなるべく弱小団体に回していく、あるいは赤字の多い団体に回すけれども、何とかやっていけるならば、縁故債という、そういうプラスアルファ的な資金源を多く認めるというのもいいのではありませんか。ですからしたがって、必ずしもワク、ワクということにとらわれないで、運用上十分配慮して要望にこたえる道があるような気がしますが、どうでしょうか。
#23
○松島説明員 弱小の団体に対する地方債については、従来もできるだけ政府資金を優先的に充てる、あるいは公営企業金融公庫資金を充てるというようなことで運用いたしてまいっております。問題は、先ほど大臣からも申し上げましたとおり、起債の総体のワクがもっともっと豊富にならなければ結局は問題が解決しないわけでございますので、私どもといたしましては、ただ起債を制限しようという意図のもとにワクを設けておるのではなくて、できるだけ各団体がその仕事に応じて起債ができるようにしようということで、ワクの拡大につとめておるわけでございます。したがいまして、今後とも御趣旨の線に沿って起債ワクの拡大につとめつつ法律の精神にのっとるようにしていきたい、かように考えております。
#24
○永田委員長 他に質疑はありませんか。――なければ、本案についての質疑はこれにて終了いたしました。
    ―――――――――――――
#25
○永田委員長 これより本案を討論に付するのでありますが、通告もありませんので、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○永田委員長 御異議なしと認めます。
 これより採決いたします。
 内閣提出の地方公営企業法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#27
○永田委員長 起立多数、よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#28
○永田委員長 この際、委員長の手元に小澤太郎君、太田一夫君及び門司亮君より、本案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されておりますので、本動議を議題とし、その趣旨の説明を求めます。小澤太郎君。
#29
○小澤(太)委員 私は、自由民主党、日本社会党及び民主社会党の三党を代表して、地方公営企業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議の趣旨説明を行ないます。
 まず、案文を朗読いたします。
   地方公営企業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案
  政府は、地方公営企業の国民生活に占める地位の重要性にかんがみ、その健全な発展を期するため、次の点について適切な措置を講ずべきである。
  一、地方公営企業を経営する地方公共団体のうちとくに必要があると認められるものについては、地方公営企業の経営の基本方針等を審議する機関を設置するよう勧しようする等適当な指導を行なうこと。
  二、地方公営企業中その事業の態容及び企業経営の現状から地方公共団体の一般会計においてその赤字の一部を補てんすることを適当とする場合等においては、国においてもその地方公共団体に対し必要な財政援助の措置を講ずること。
  右決議する。
 御承知のように、現在地方公営企業の数は五千余に達し、地方公営企業法の全部または一部の適用を受ける比較的規模の大きい公営企業も六百を数えております。そしてこれら公営企業が国民生活の向上と地域社会の発展に果たす役割はまことに大きく、いまや地方公共団体の活動は公営企業を抜きにしては考えられないと申しても過言ではないのであります。
 しかるに、最近交通事業、病院事業等、公営企業の一部に経営状態が悪化してまいるものが見られまして、憂慮にたえないのであります。たとえば交通事業の昭和三十六年度決算を見ますと、法適用事業中七割の企業が赤字を出し、その額も三十五年度の二倍強の六十億円に達するのであります。もとより公営企業は利益を目的とするものではなく、究極的には公共の福祉の増進を目的とするものであり、赤字の多寡により経営成績を云々することは危険でありますが、このように赤字が山積してくると、勢い住民サービスの低下を招くのみか、企業経営の基礎をも危うくするおそれがあると存ずるのであります。
 そこで政府はこのような事情を考慮して、次の点について適切な措置を講ずべきであります。
 第一に、現在地方公営企業の経営の基本計画については議会の議決を得ることとされておりますが、この議会の審議のほかに必要があると認められる企業につきましては、別に経営の基本方針等を審議する機関を設定し、広く学識経験者の意見を加味しながら企業の健全かつ円滑な運営をはかることが適当であり、このような指導を積極的に行なう必要があります。
 第二に、地方公営企業中にはその料金、使用料等が政府の認可、統制に服し、企業みずからの努力によるのみではその収支の均衡を維持することが困難なものがあり、そのために、企業を経営する地方公共団体が企業の赤字の一部を補てんすることを適当とする場合があるのであります。このような場合に、国においてもその地方公共団体に対し必要な財政援助の措置を講ずる必要があります。
 以上が本附帯決議案を提出いたしました趣旨でございます。何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#30
○永田委員長 本動議について採決いたします。
 本動議のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#31
○永田委員長 起立総員。よって、本案は小澤太郎君外二名提出の動議のごとく、附帯決議を付することに決しました。
 この際、篠田自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。篠田自治大臣。
#32
○篠田国務大臣 ただいまの御決議の趣旨を体しまして、政府としても善処していきたいと考えております。
#33
○永田委員長 なお、おはかりいたします。ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○永田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。
     ――――◇―――――
#35
○永田委員長 次に、地方自治法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 質疑を行ないます。通告がありますので、これを許します。松井誠君。
#36
○松井(誠)委員 今度の改正案で、議会の権限がどうなるかというのが一つの関心の的でございますけれども、その中で、いままで議会の議決事項として認められておりました分担金を徴収する場合の条例を制定するときには公聴会を開かなければならない、その点について、今度の改正案ではどのようになっておるのか、まずその点をお伺いいたしたいと思います。
#37
○佐久間政府委員 この点につきましては、従来の実情を見ますとあまり活用されておりませんでしたし、かつまた財務会計制度調査会の答申の趣旨もありますので、公聴会を義務づけますことは取りやめにすることにいたしたのでございます。ただ一般規定といたしまして、議会が必要と認めるときにおきましては公聴会を開く規定がございますので、必要と認めた場合にはその規定を活用することを考えておるわけでございます。
#38
○松井(誠)委員 いままで公聴会が実際に行なわれなかったというのは、現実にはどういう理由に基づくのか。これは自治省のほうでもおそらくは、実際に開かなければならない公聴会を開いてないというような実例が耳に入っておるだろうと思いますけれども、そういうときの指導のしかたなんかにも関係があったんじゃないか。
#39
○佐久間政府委員 これは、私どものほうで見ておりますところでも、実際開かれていない例が多かったわけでございますが、その理由といたしましては、議会で十分審議をされますので、わざわざ公聴会を開かなくても、十分関係住民の意思が反映できるという実情があったのではなかろうかと想像いたしておるわけでございます。
#40
○松井(誠)委員 この間、私、ほかの場所でも申し上げたことがあるのですけれども、たとえば土地改良区の場合に、これは設立の経過からいって住民の意思というものが、現実の問題は別として、反映をするという機会がある。だから、そういうものは省いてもよろしいという規定があって、したがってそういう規定に基づいて公聴会というものがいわば合法的に省略されておるわけです。しかし最近、これは私いつか自治省にお伺いしたことがあるわけなんですが、市町村営の土地改良事業を行なうときの分担金というものについて、これを徴収する条例を制定するときに公聴会を全然開かなくてやる。これは新潟県下で相当全県的にそういうケースがあったわけでございます。これは具体的に一体、地方自治法の公聴会を開けという規定に、まっ正面から抵触をするのではないかということで、私はお伺いをしたことがあるんですけれども、そのように公聴会廃止という改正案ができる前に、開かなければならない公聴会を、現実に違法に省略をしておるというような事例が方々にあったのじゃないですか。
#41
○佐久間政府委員 お話のように、これまで一番多うございましたのは、土地改良法に基づく負担金を課する場合、あるいはまた道路法に基づく分担金を課する場合等であったかと思いますが、それらにつきましては、御指摘のように、それぞれ個々の法律にその規定もございましたので、自治法自体を活用して行ないます場合が、ケースとしてもそう多くなく、また実際問題としては、先ほど申し上げましたように、議会で十分審議がありますので、その関係で、住民のほうでもそれほど関心も持たないで、ついなおざりにされているというようなところがあったんではなかろうかと思っておるわけでございます。
#42
○松井(誠)委員 たとえば、道路法の場合なんかに、なぜ一体公聴会を省略をするのか。公聴会を開けという自治法の規定を排除するという、道路法のたてまえではそういうことになっておるわけですね。そういう道路法の制定のときに、具体的に自治省は関与をしておるのか。おるとすれば、言ってみれば、自治法のそういう原則というものを、なしくずし的にほかの法律で一つ一つはずしていっておる。そういうことに対して、自治省はいままでどういうふうに対処をしてこられたのか。そういういわば自治省の態度の積み重ねというものが、公聴会を開かなくてもいいんだという、そういう風潮となって地方団体にはね返っておるんではないですか。ですから、自治法の原則をきめるというような法律をつくるときに、自治省がどういうふうに関与をされておるのか。たとえば、道路法の場合に、この自治法の公聴会を開けという規定を、排除してもいいという合理的な理由というものがあったのかどうか。どうなんですか。
#43
○佐久間政府委員 道路法の制定のときのことは、私当時おりませんでしたので、詳しく承知はいたしておりません。なお必要があれば、よく調査をいたしました上でお答えをいたしたいと思いますが、自治省といたしましては、公聴会を無視するというような気持ちは、持っておらないわけでございすが、議会のところに一般的な規定がございますので、公聴会を開くかどうかにつきまして、議会の判断にゆだねてもいいのじゃなかろうか、そのような考え方をしておるわけでございます。
#44
○松井(誠)委員 話がちょっと横へそれますけれども、いつかもお伺いしました例の清掃手数料の問題も、実は地方自治法に書いてある手数料の原則に矛盾をする、その例外だと考えなければならないような規定のしかたになっておるわけです。こういうように、地方自治法でせっかく原則をきめておっても、ほかの単独立法で、それを一つ一つまつ正面から排除をしたり、あるいはそれと矛盾をする規定を平気で入れたりしておる。そういうときに、自治省というものが一体どの程度関与をされておるのか。清掃法の規定のときに、自治省は関与せられたか、こういうことを私聞いたことがあるのですけれども、それは制定当時のことですから、私はわかりませんという話でした。道路法の場合でもそうなんですが、一体、一般的にそういう自治法の原則に、いろいろな規定が、正面から関係のあるような問題のときに、自治省は相談にあずかっておるのですか。
#45
○佐久間政府委員 政府部内におきまして、当然自治省といたしましては、相談にあずかっておるわけでございます。
#46
○松井(誠)委員 そうすれば、土地改良法で公聴会の規定を排除するという理由は、私はそれなりに、形式的には合理的な理由というものがあると思う。しかし、道路法の場合に、なぜ一体公聴会を廃止するということに自治省は賛成されたか。逆に言ってみれば、公聴会を開けというこの自治法の精神というものを、どういうように考えてそれを今まで守ろうとされておったのか、あるいは初めから、公聴会という荷やっかいな制度は、いずれは捨てるのだという気持ちで御指導をなさっておられたのか、その辺が聞きたいのです。ですから道路法の場合に、局長は直接関与されたのじゃないので、具体的なことはおわかりじゃないと思いますけれども、しかし、基本的な心がまえとしてはお持ちのはずだと思います。
#47
○佐久間政府委員 私どもは、公聴会を軽視するという考え方は、もちろん持っておりません。また、今回財務会計制度全体につきまして改正をする機会でございますので、現在ございます規定につきましても、その存否についてさらに検討いたしたわけでございますが、先ほど申しましたような実情にかんがみまして、分担金のところに、特別に公聴会を義務づける規定を置かなくても、議会のところに一般的な規定があるわけであるから、議会の判断に公聴会を開くか開かないかをゆだねていいじゃないか、さような考え方をいたしたわけでございます。
#48
○松井(誠)委員 くどいようですけれども、たとえば全国の議長会か何かでも、公聴会廃止ということについては反対をしている。なるほど能率という点から見れば、公聴会を開くということは非能率かもしれないけれども、しかし、もともと民主主義というものは、言ってみれば非能率だということが当然のことになっているわけですから、そういう意味で、民主的な制度というものを、これが現実に使われていないから、それをはずすのだという形で、これからそういう基本方針でやられると、自治法のせっかくの民主的な規定というものが、だんだん形ばかりのものになってしまいはしないかと思います。ですから、公聴会はほんとうに民主的な制度なんですから、それが非能率であれば、どうして能率的にやったらいいのかという、そういう前向きの形で考えていただいて、できるだけそのような制度は残すという基本的なかまえが必要ではないのだろうか。今度の自治法の改正の中でも、何か企業会計的な考え方で能率、合理性、そういうようなことを盛んに強調されておりますけれども、それがややもすれば非民主的な方向にいくという危険を、いつでも持っていると思います。ですから、例は一つの公聴会の問題であって、これは、現実にはあまり利用されていなかったかもしれませんけれども、利用されていないということで簡単に、それこそ弊履のように捨ててしまうという考え方では、私は非常に不安であります。ですから、その点の基本的な心がまえを、ほかの法律で、たとえば矛盾をするような書き方をしてあっても、地方自治法には、地方自治の本旨に従って解釈をしろという、言ってみれば解釈の大原則があるわけですから、そういう形で、ほかの法律でさえも解釈をしなければならないのに、まつ正面からそれに矛盾するような規定を入れるということについては、自治省が一体どれだけ抵抗を示しているものやら、むしろそれに、消極的ではあるかもしれないけれども、賛成をしているというような形になっているものやら、われわれにはわからない。ですから、くどいようですけれども、この公聴会を廃止したという理由が、単に現実に今まであまり行なわれなかったというそれだけの理由とするならば、今度はこれを任意制にして、議会の認定にまかせるということになれば、ますます公聴会というものは有名無実になってしまうと思う。言ってみれば、公聴会というものは元来なくてもいい、そういう心がまえでこの改正に臨まれているのか、あるいは本来そういうものは必要なんだ、しかし、現実にはそれがなかなか利用されていないから、議会の認定にかかわらしむるけれども、しかし本貫的には公聴会は必要なんだというかまえで、この改正をされているのか、その点はいかがですか。
#49
○佐久間政府委員 公聴会というものは、本質的には私どもも必要なものであると考えておることはもちろんでございます。ただ、今回分担金のところではずしましたのは、先ほど来申し上げておりますように、分担金徴収条例をつくったり改正いたします場合には、当然議会で審議をされるわけでございますし、議会におきまして、常任委員会なり特別委員会で公聴会を開く必要があるということであれば、そこで開くことができる規定になっておりますので、実際上分担金のところから規定を削りましても、支障はないであろうという考え方で、かたがた財務会計制度調査会の答申にもそうなっておりましたので、さようにいたしたわけでございまして、公聴会そのものの必要性を軽視いたしておるというようなことは全く考えておらないわけでございます。
#50
○山口(鶴)委員 どうもいまの御答弁を聞いておりますと、いままですら軽視されておりました公聴会の制度が、いわば議会の意思によって決定されるといいましても、いままで守られておらなかったのですから、しなければいかぬという規定をはずせば、ますます公聴会というものが持たれにくくなり、現実的に有名無実になっていくということは十分懸念されると思うわけであります。それと関連いたしましてお伺いいたしたいと思うのですが、何か今回の改正が議会のコントロールというものを非常に少なくしていくという点に懸念があるわけでありますが、同じ意味で前回もお伺いをいたしたのでありますが、地方自治法の九十六条及び二百四十二条の規定によりまして、重要な請負締結につきましては過半数議決あるいは三分の二以上の議決が規定されておるわけでありますが、今回はこれを政令にゆだねましてその範囲をきめるというのだそうでありますけれども、一体自治省がいま考えておられますものといたしましては、どの程度の金額において政令でこれをきめていこうといたしておるのか、その点をちょっとお聞かせをいただきたいと思うのであります。
#51
○佐久間政府委員 契約につきましてはまだ最終的な案はもっておりませんが、三、四年前に調べたところによりますと、たとえば工事の請負にいたしましても、最高が九千万円と定めている府県もございますし、最低一千万円というふうに定めているところもございますし、団体によりまして非常にアンバランスが多いわけでございます。今回の改正をいたそうとする趣旨は、その辺のところも合理的な一つの基準をきめたい、かように考えておるわけでございまして、現在あまりこれを低く定めているようなところにつきましては、相当高い基準にするし、あまり高い基準に定めているものにつきましては、やや低目のところにするというようなことで、合理的な基準を検討いたしてみたいと考えております。なお、私どもが調査をいたしました資料は三、四年前のものでございますので、現在、最近におきまする地方公共団体の実情の調査を求めておりますので、これがまとまりました上で検討をいたしまして、合理的な基準を定めたい、かように考えておるわけでございます。
#52
○山口(鶴)委員 実情等を調べて合理的な基準をきめたいというお答えでありますが、そういたしますと、現在の各都道府県がそれぞれの条例できめておりまするものから非常にかけ離れて、いままでたとえば二千万円なり三千万円に対して特別議決ということをきめておったのが各都道府県のおおよその例だとかりにいたしますと、それから非常にかけ離れた十倍もあるいは二十倍もはね上がるというようなことではなくて、おおむね各地方公共団体が自主的に判断し、条例できめておるその通常の範囲において政令できめていくのだ、こういうふうに了解してよろしいわけですね。
#53
○佐久間政府委員 大体そのようにお考えいただいてけっこうだと思います。なおつけ加えますと、現在の運用の実情を見ますと、条例であまり低い基準を定めておりますところは、実際問題といたしまして、長の専決処分で処理をいたしておるような例が多うございまして、条例の規定そのものが有名無実に運用されておるようなところもかなりあるようでございます。そういうことになりますと、かえって議会を軽視するようなことにもなりまするし、そのようなことのない、やはりどうしても重要な案件であるから議会の意思にはからしめなければいかぬという程度のものを考えていきたい。そう考えますと、ただいま先生御指摘になりましたように、一般の場合で申しますと、現在三分の二議決のものになっておる程度くらいのところに一つのめどを置いて考えてみたらどうであろうかというふうに考えておるわけであります。
#54
○山口(鶴)委員 私の希望とすれば、やはりできるだけ、議会の権限あるいは住民のコントロールということから考えてみましても、低い基準に政令できめていくことのほうが議会の権威を高め、また地方自治本来の趣旨を生かす道ではないかと思います。この点はどうでしょうか。
#55
○佐久間政府委員 今回の改正は、地方財務会計制度調査会の答申を尊重して行なうという基本的な立場に立っておるわけでございます。地方財務会計制度調査会の答申の考え方によりますと、契約の締結などは議会の議決によって成立した予算の執行の関係の事項であるから、契約に関する規定を一方今回の改正案でかなり整備することにいたしておりますので、それらと相まって責任の所在を明確にする意味から、執行機関の責任において処理させるようにしたほうがいいという考え方が示されておるわけであります。しかし私ども政府部内で検討いたしましたところでは、この財務会計制度調査会の答申の趣旨ももっともな点はあるけれども、同時にただいま先生の御指摘になりましたように、できるだけ議会の意思にはからしめてあやまちなきを期するという要請もあるわけでありますので、先ほど御答弁申し上げましたような気持で政令の基準を考えたらどうであろうかというふうにただいま考えておるわけであります。
#56
○山口(鶴)委員 今回の答申を見ますと、確かに一たん予算できめたことなんだから、執行面については議会の権限というものはできるだけ省いていったほうがいいという答申であるにかかわらず、自治省のほうといたしましては、法律案改正におきましては、ただいま私が議論いたしたような点を考慮いたしまして、その限度を政令で定めていくというような考え方については私は非常にけっこうであると思っております。ところがその場合、当然常識で考えられることでありますが、都道府県あるいは指定都市あるいは市町村、こういった団体におきましては、それぞれ人口の規模も違いまするし、また財務会計の規模も違っているわけでありますから、当然そこに段階といいますか、都道府県あるいは指定都市、それから市町村におきましても、人口規模等によって幾つかの段階を設けていくことが、私は、いま局長さんがお答えになりました、局長さんの趣旨を生かすとすればそのほうがいいのじゃないかと考えるのでありますが、その段階については一体どうお考えでありますか。それから現在は過半数議決とそれから三分の二以上の特別議決の二つの制度があるわけでありますが、この点については今回の政令を出すにあたりましても、やはりここまでは過半数議決、こちらはやはり特別議決というこの点の違いを設けるのでありますか。この点は私も不勉強でよくわからぬのでありますが、重ねてひとつお聞かせをいただきと思います。
#57
○佐久間政府委員 第一のお尋ねの点でございますが、私どもも都道府県、市町村の団体の種類ごとに区別をいたしてまいりたい、さらに同じ市につきましても、指定都市とそのほかの市については区別をすることを検討してまいりたい、それと同時に、同じ契約につきましても、工事の請負契約と物件の購入契約等とは、やはり種類を分けて基準を示したほうがいいんではなかろうかという考え方で、ただいま検討をいたしております。
 それから第二のお尋ねの点でございますが、今回は三分の二議決という制度はやめまして、全部普通の議決にいたしたい。ただその普通の議決にかけます事項につきまして、先ほどの政令の基準におきましては、一般的に現在の過半数議決にやっておりますものよりも、若干基準を上げるぐらいの気持ちで考えてまいりたいと思っておるわけでございます。
#58
○松井(誠)委員 聞くところによりますと、自治省のほうでは、最初この自治法ができたときに、特別議決は大体どの程度のものにするか、あるいは普通議決のときには大体どの程度のものにするかという指導の基準を示されたことがあるということを聞いておるのですけれども、かつてそういう指導の方法をやられたことがあるかどうか。
#59
○佐久間政府委員 地方自治法のこの関係の規定ができました当時におきまして、そのような準則の案を参考に地方団体に示したことがございます。しかしその後十数年たっておりますので、その示した案自体も、今日から見ますと時代に合わなくなっておりますし、それからまたその内容そのものにつきましても、なお検討を要する点があるように考えておるわけでございます。
#60
○松井(誠)委員 では以前そういう行政指導で基準を示したその基準を、この時勢の変遷とともに変えてきておれば、今度のように政令でぴしゃっときめるということをやらなくても、事実上その基準に従うという結果が出ておったのじゃなかったのでしょうか。政令できめるということになりますと、やはり弾力性を失って、市町村の規模そのものにも非常に違いがありますので、相当窮屈になってくるという可能性もあるかと思うのですが、やはり行政指導でやられておったという方式が、どうして今度政令できめなければならなくなったのか、それはむしろ自治省の行政指導が非常に固定化をして、硬化をしておったということにも原因があるのじゃないですか。
#61
○佐久間政府委員 一つには、御指摘のように自治省の指導が、その後時代の変化に応じて弾力生を欠いておったという点があろうかと思います。ただ指導であまりこまかくやりますこともいかがかと思いまして、こういう制度の発足当初は基準の指導をいたしましたが、その後は地方公共団体の自主的判断によってそれぞれ改定されることを期待をしておったわけでございます。地方団体の実情によりますと、その十数年前にきめたもののままに、ほとんどそのまま手を加えないでおるところもあり、そういうところにおきましては、結局長が議会にはかっても、議会のほうは承知をしないということで、どんどん専決でやっていくという弊害も一面あらわれてきておるところもあるわけでございまして、今回はそういう点を、むしろ政令ではっきりした合理的な基準を示すほうがいいんじゃなかろうかという考え方をいたしたわけであります。
 なおいま一つは、先ほどの財務会計制度調査会の答申の趣旨との関連におきまして、やはりその趣旨のもっともな点もくんで考えるということになりますと、指導よりも政令で一定の基準を示すことの方が適当であろうという考え方もいたしたわけでございます。なお政令で基準を示すにいたしましても、もちろんこれは基準でございますから、それぞれの団体において、それよりも上回ったりするということは、団体で適当に御判断願うという考え方でおるわけでございます。
#62
○松井(誠)委員 それでは次に収入の点につきまして、具体的には改正案の二百三十一条の三の三項に書いてあります使用料の強制徴収の問題でありますけれども、分担金、加入金、過料などと並んで法律で定める使用料については、滞納処分の例によって徴収をするというように規定がされておりますけれども、これは現行法の規定と現実にはどのような違いを示していることになるのですか。
#63
○松島説明員 現行法では、およそ使用料はすべて強制徴収の対象になるという規定になっております。ところがこれにつきましては、いわゆる使用料のうちには公法上の収入に属するものと私法上の収入とみなすべきものがある、したがって、使用料という名がついていても、それが私法上の収入とみなさるべきものについては滞納処分ができないのであるというような、解釈がいろいろあるわけであります。しからば、私法上の収入とはどういうものをいうのであるかということになりますと、これまた人によって解釈がいろいろ異なりまして、この点についての疑義が存しますので、今回は法律で定める使用料その他の収入ということにいたして、法律上明確にしてまいりたい。明確にするということになりますと、従来、私法上の収入に属するというふうな解釈の行なわれておりましたものは、大体これから除いて、従来も公法上の収入として一般に認められていたようなもののみを法律上明記してまいりたい、かように考えておるわけであります。
#64
○松井(誠)委員 その法律というのは具体的にはどういう法律で規定されるわけですか。
#65
○松島説明員 ただいま検討中でございますが、地方自治法第二百三十一条の三の第三項に規定する使用料その他の地方公共団体の歳入で強制徴収のできるものを定める法律といいますか、そういうふうな名称のものになろうかと思います。
#66
○松井(誠)委員 そうすると、そういう単独の立法で強制徴収できる使用料をきめる、これは法律で――またその法律の中で政令に委任するというようなことでなしに、一応法律で固定化をした形でその範囲を限定するわけですか。
#67
○松島説明員 政令に委任はいたしません。
#68
○松井(誠)委員 いままでの取り扱いで、公法上の手数料と私法上の手数料というように事実上分けられておったものを、そのまま踏襲するというようなお話でしたけれども、そうしますと、具体的にいうとどういうものが強制徴収をされる中に入り、――強制徴収をされる部分のほうが少ないわけですね。したがって、どういうものが入るのか、その点だけ一つお示しをいただきたい。
#69
○松島説明員 従来公法上の収入であるか、私法上の収入であるか、これは解釈の問題として、具体的な問題になると必ずしもすべての意見が一致したわけでございませんので、非常に問題が多かったわけでございます。たとえば電車の料金というようなものが、私法上の収入か公法上の収入かというような議論まであったわけでございます。また水道の使用料というようなものについても議論がございました。大体私どもの現在の考えでは、こういう公営企業と申しますか、そういった企業に類するものの収入というのは、これまた排除をしてまいりたい。したがいまして、全く行政処分の結果起こってきますような使用料というものに限定をいたしたい。ただ具体的に何かということになりますと、いままだ検討中でございまして、法律を制定するまでには明らかにしてまいらなければなりませんが、考え方としてはできるだけ範囲を限定してまいりたい、かように考えております。
#70
○松井(誠)委員 そうしますと、よく問題になる公営住宅の家賃というようなものは、これは強制徴収の対象からはずすということになると考えてよろしゅうございますか。
#71
○松島説明員 これについてもいろいろ議論がございますが、いまのところは一応入れてはどうかということで検討いたしております。なお法律をきめますまでにさらに検討してまいりたいと思います。
#72
○松井(誠)委員 公営住宅の賃貸借関係が、公法上の関係だというたてまえで、入れるということに論理的にはなるわけですか。
#73
○松島説明員 この公営住宅の家賃が、公法上の収入なりや私法上の収入なりや、まさにこれは学説がいろいろあるところでございますが、今日の公営住宅はやはり低家賃政策という国の一般的な行政施策の一環として行なわれておるものでございますので、私どもとしては、これはやはり公法上の収入に属すべきものではないか、かように考えております。
#74
○松井(誠)委員 低家賃政策というものの一環だということだけでは、これが公法上の関係になるという根拠にはならないと私は思う。家賃が高いか低いかということよりも、借りて入ったときの使用関係その他が、ほんとうに公法上というか、権力関係という要素があるかないかということがその判断の一番の基準ではないか。家賃が高いか低いかということで公法か私法かがきまるというようなことは、私の常識的な判断ではちょっと理解ができないのですけれども、その点重ねて御見解をお伺いしたいと思う。
#75
○松島説明員 公営住宅につきましては、御承知のとおり国が半分の国庫補助をして、低廉な家賃の住宅を供給するという公の目的を持って行なわれているものでございまして、単に家賃の収入を目的として、私的な立場において双務に契約をするというような性質のものと若干性質が違うのではないか、かような考え方から公法上の収入に属すべきもの、かように考えております。
#76
○松井(誠)委員 公営企業というのは、言ってみればみんな公共性があるわけで、そういう意味では公営住宅だけが公共性があるわけではない。公営企業は公共性ということに重点を置かなければならぬということは、むしろ当然のことなんで、そこから公法上の関係だということが出てくるということになると、公営企業全般に広げるという、そういうところへ道を開くことになりはしませんか。だから家賃だけを特別の取り扱いをしなければならぬという根拠として、非常に薄い。むしろいまの考え方では、公法上の強制徴収ができるという、そういう根拠をずっと広げる口実をつくるだけじゃないかと思うのですけれども、いかがでしょう。
#77
○松島説明員 ただいま申し上げましたように、公営住宅は、地方団体が一般の財産として持っておるものを、私人との間において貸借契約を結ぶというようなものとは私は性質が違っておると考えております。また公法上の収入とするかしないかということは、結局国税滞納処分の例によるか、あるいは一般の民事続によるかという問題が分かれ目になるわけでございまして、それをどうするかという問題は、やはり収入を確保していくという見地もあわせて考えていかなければならないのではないかというふうに考えるのでございます。これらの点を総合的に勘案いたしますと、やはり公営住宅の家賃は、公法上の収入として強制徴収の対象にするのが適当ではなかろうかというふうに、ただいまのところは考えております。
#78
○松井(誠)委員 収人を確保しなければならないと言いますけれども、収入を確保しなくてもよいという公営企業はないじゃないですか。公営企業はみな収入を確保しなければならぬという意味では、何も公営住宅が特別の地位を占めるというぐあいには私は考えられないと思う。収入を確保しなければならぬという意味ならば、たとえば私人が貸し家を建てる。それも個人としてはまさに収入を確保しなければならぬ。そういう意味では何も貸し主が公共団体であろうとなかろうと同じことなんです。そういうことでは公法上の関係だという理論はどうしても出てこないんじゃないか。言ってみれば、あなたがいま言われたように、問題は強制徴収するか、裁判所に訴えて強制執行をするかというそれだけの違いですけれども、しかし借りておる人にとってみれば、それは相当大きな違いになるわけです。どうしても裁判所に訴え出たのでは困るという、それでは地方団体の財政が危殆におちいる、それほどの大きい問題ではないわけです。しかしどうしてこの住宅の問題だけ、家賃だけ強制徴収されるのですか。
#79
○松島説明員 私がいま申し上げましたのは、収入確保だけの見地から強制徴収の対象にするということを申し上げたのではなくて、先ほど来申し上げましたほかにこういう要素も加わっておるというふうに申し上げたつもりでございます。本質的にはやはり公共団体あるいは国なりが相当額の一般の金をつぎ込んで、安い家賃で貸すという特別な地位において利用関係が定まってくるものでありますので、やはりこれについては強制徴収の対象にするほうが、私は公平の原則からいっても適当ではなかろうか、かように考えております。
#80
○松井(誠)委員 いま言われた理由は、公営住宅に独特の理由、つまり公営企業の中で公営住宅だけが持っておる理由というように解釈していいのですか。そのような理由は公営企業全般に推し進められるという、そういう理由になりはしませんか。
#81
○松島説明員 御指摘のとおり、そういう問題もあろうかと思いますが、問題はやはり程度の問題であろうと思います。今日において一般に使用料全体を強制徴収の対象とするということ自体にいろいろ問題がありますのも、そういった程度の問題に議論はなってきておるのではないか。そこで程度の問題でございますので、解釈上いろいろ考え方が分かれてくるという点も考えあわせて、法律上明確に規定すべきものはしていったほうがいいのではないか、かように存じておるわけでございます。ただしその場合には、法律でいやしくもきめる以上は、できるだけ範囲を限定していきたいという気持は先ほど申し上げたとおりでございます。
#82
○松井(誠)委員 いまの理由では、私は公営住宅について強制徴収するという理論的な根拠としてはどうしても納得ができない。しかしその点はかりにかかずらっておるわけにまいりませんので、先に進みたいと思いますけれども、この強制徴収できる範囲というものを非常に限定をするという考え方はけっこうですけれども、その中に、現実にいままで公法上の関係として処理されておるものだけにするというようなお話でしたので、問題のある公営住宅については、これは私は除外をされるのだろうと思って実はお尋ねをいたしたわけですが、案に相違をしまして、それをむしろ入れることがねらいではないかとわれわれが邪推をしたくなるような御答弁でありましたので、これは相当問題の規定ではないかと思います。
 そこで、その次に二百三十四条の契約の点でありますけれども、だいぶ今度は契約締結についてこまかい規定がなされておるようでありますが、この改正の根拠、理由というものについて少し詳細にお伺いをいたしたいと思います。
#83
○佐久間政府委員 契約の締結につきましては、御承知のように現在二百四十三条の規定があるだけでございまして、地方自治法全体からいたしますると、至って規定が不備になっておるわけでございます。かたがたこり契約の締結をめぐりまして、団体によりましてはいろいろ問題もあるやにも聞いておりまするので、財務会計制度調査会の答申におきましても、契約の点につきましては規定を整備するようにということを強調されておるわけでございます。そこで財務会計制度調査会の答申で示されました趣旨に従いまして、契約に関する規定の整備をいたしたわけでございます。ただ地方公共団体を対象にいたしますものでございますから、あまりまたこまかい点まで法律で規制をするということは適当ではございませんので、基本的な規定をできるだけ整備するという考え方で立案をいたしたわけでございます。
#84
○松井(誠)委員 いままで現行法ですと、一般競争入札が原則になっておって、それ以外の例外をただし書きで規定をしてあったわけですけれども、今度一般競争入札のほかに指名競争入札、随意契約、せり売りというようなものを、正面から取り上げてきた理由というものを、具体的にお伺いいたしたいと思うわけであります。
#85
○佐久間政府委員 現行法におきましても、一般競争入札以外のものを予想いたしておったわけでございますが、これは条例にその場合をゆだねておったのでございます。そこで条例におきまする規定の態様もまちまちでございましたので、今回はそういう場合を政令で基準を明確に書くということにいたしたわけでございます。
#86
○松井(誠)委員 その政令の大体の構想というものはもうできておりますか。
#87
○佐久間政府委員 現在なお検討中ではございますが、指名競争入札にいたします場合は、契約の性質もしくは目的が一般競争入札を許さない、契約の性質もしくは目的により一般競争入札に加わるべき者が少数で一般競争入札に付する必要がない、もしくは一般競争入札に付することが不利と認められるというような場合を規定いたそうと考えておるわけでございます。それから随意契約につきましては、契約の性質もしくは目的が競争入札を許さない、緊急の必要により競争入札に付することができない、あるいは時価に比して著しく有利な価格で契約を締結できる見込みのあるとき、外国で契約を締結するとき等々の条件を定めようと考えておるわけでございます。
#88
○松井(誠)委員 私は具体的な実情というのはよくわかりませんけれども、たとえば今度の地方議会の議員の選挙なんかに、土木建築業者あるいはそれに直接関係のある人というものが非常にたくさん立候補をするわけです。これはどういう理由かわかりませんけれども、議員になるということが、自分の営業と何がしかの非常に密接な関係があるということだろうと思うのです。請負工事なんかでしょっちゅう問題が起きる、税金がむだに使われておるいわば典型的な例としてしょっちゅう問題になる、そういうものをどうして防ぐかという基本的な立場からこういう改正をされただろうと私は実は思って、そういうお答えでもあるかと思っていたのです。そうじゃなしに、現実に行なおれておるやり方を、ただそのまま認めて、踏襲をされていまのような政令の内容をきめるということになりますと、たいして理由がないのじゃないかと思うのですが、もう少し改正の具体的なかまえというものについてお聞かせを願いたいと思うのです。
#89
○佐久間政府委員 もちろん先生のおっしゃいましたように、先ほどもちょっと申し上げましたが、現在条例にゆだねられておりますことと、その他の契約に関する規定を欠いております関係で、契約をめぐって、地方公共団体におきまして御指摘のようないろいろな弊害が出てきておることを、この際なくすようにいたそうということが基本的な考え方になっておることは申し上げるまでもないわけでございます。それでただいま申しましたのは、現在条例にゆだねられておりますものにつきまして、政令で基準を書くという点でございますが、そのほかこの法律案の四項以降におきまして契約の履行を確保する処置も規定をいたしておるわけでございまして、全体といたしまして契約をめぐってのいろいろな不公正な問題の起こることのないように役立てようという考え方はもちろん持っておるわけでございます。
#90
○松井(誠)委員 ですから契約の公正を確保する具体的な方法として、この改正の規定の中でこういうことがたとえば契約の公正化ということに役立つのか、そういう御説明を伺いたいと思うのです。たとえばしょっちゅう談合というものがある、この談合というものはなかなか防ぎようがない、しかしこれは何か防ぐ方法はないものか、そういうことはこのような契約の締結ということについて改正をされるときにお考えにでもなったかどうか。あるいは、ちょっと横道にそれますけれども、例の議員と請負業者との兼職の禁止という規定がある。それが実際にはしり抜けになっておる。そういうものもやはりどこかでチェックするということでもお考えになっておるのか。何かそういうことの伴った改正でないと、いままでやられておったことをただ公然と公認をするということだけになったのでは、改正の意義はどこにあるかということになると思うのですが……。
#91
○佐久間政府委員 全体として御指摘になりましたような点を考えておるわけでございますが、ただ、談合というようなことにつきましては、自治法の規定の上でもってこれをなくするということはなかなかむずかしいと考えて、特にその点を考慮いたしました規定というものはないわけでございますが、契約に関します全体のルールをここにかなり明らかにいたしたわけでございますから、それら全体の運用につきまして指導をいたしてまいりたいと考えておるわけでございます。
#92
○松井(誠)委員 たとえばいままで実際上の取り扱いとして、最低制限価格といいますか、これ以下の価格では入札させないという取り扱いがあった。それを今度の改正案では、これは三項でありましたか、いわゆる最低制限価格というものを正面から認めて、つまり競争入札で、最低価格の場合でも必ずしもその人にはいかない、最低価格以上でなければ落札をさせないのだということをきめたわけですが、この最低制限価格をきめるということが、先ほど私が申し上げましたように、談合という点を非常に激しくさせるということにはならないでしょうか。実情はよくわかりませんけれども……。
#93
○佐久間政府委員 ただいまおっしゃいました点は、今回そういう規定を設けたわけでございますが、私どもはむしろ適正な最低制限価格制を認めることによって、談合ということが減少できるのじゃなかろうか、それに役立つのじゃなかろうかというふうに考えております。
#94
○松井(誠)委員 その実情はよくわかりませんけれども、工事なら工事の一応の予算の額というものはわかっておる。しかしその最低の制限価格は知らさないというたてまえになっておるはずですけれども、しかし現実には、おそらくは入札前に業者は知っておるんじゃないか。知らなければ談合というものはできないのじゃないですか。そうしますと、そういう最低制限価格をきめるということが、談合がやりやすくなるというように私は考えるのですけれども、それは逆でしょうか。
#95
○松島説明員 談合という問題は事実上の問題としてでございますので、その態様が私どもしろうとにはなかなかわかりかねますが、しかし私ども聞いておりますところでは、談合をするということは、要するに幾らに入れるかということをお互いに見せ合うということでございますから、もうそのときに、一番下の人がだれであるということがわかるような形でもっておそらく話し合いが行なわれているのではないか。ということになりますと、一番下の人に落ちるということを前提としての談合ということが初めて成り立つんじゃないか。どこへ落ちるかわからないということであれば、談合というものはそもそも成り立ちにくいのじゃなかろうかというふうに、私どもしろうと考えでございますが、判断しておるわけでございます。
#96
○阪上委員 いまの問題で、最高と最低をきめるでしょう。そうすると、談合の余地が少なくなる。幅が少なくなる。へたな談合をやっておったって、最高を突破したら契約は締結はできないで、失格になる。また最低を下回った場合も失格になる。そこで最高と最低をだれが握っているかということです。あなた方の構想はどうなんですか。最高と最低はだれが知っているのですか。理事者ですか。
#97
○松島説明員 通常行なわれております契約は、その契約の内容によってそれぞれ権限を分配しているようでございます。たとえば百万円までの契約であれば地方出先機関の長に委任するとか、あるいは五百万円までの金額ならば、県で申しますならば県の段階のどういう職制の上で処理をするとか、あるいはそれ以上の金額であれば知事がやるとかいうふうにきまっておるようでございます。工事の場合をとりますと、工事担当の部局が原案を作成いたしますと、予定価格なり、あるいは入札価格なりの予定表なりというものは厳封をいたしまして、決裁書につけて回すわけでございます。回しまして、最終的なその責任者の決裁を経まして、それはそのまま厳封して金庫の中に入れておくというのが私どもの知っておる取り扱いでございます。したがいまして、その段階でだれとだれがその内容を知っているかということになりますと、いま申し上げましたように、その契約の権限をどこの段階に分配してあるかということによって異なりますけれども、大きなのは、県で申しますならば知事、市で申しますならば市長というのが最終的に予定価格なり制限価格なりをきめる、こういうことになっておると考えております。
#98
○阪上委員 だから、政令できめるのですが、その内容は何もないということでは意味がない。一番ポイントになるのはそこなんです。私は長い間市長をやっておったから、そんなことはよく知っておる。一番問題はそこなんです。市長だけが知るといっても、市長がかってに頭で計算して、かってに最高価格と最低価格をきめるわけにいかない。ただし、事務当局がそれを持ってきた場合に、事務当局内において、そういう談合の材料になるようなものが漏れていくことを阻止する意味において、そこで市長なら市長がチェックしていく。だから、事務当局が出してきたものを、さらに最低価格と最高価格をつけて、だれも知らないところの制限価格をきめる。そうすると知っているのは市長だけだ。それがもし漏れたとしたら、市長が談合に加入した、そういうことになる。これはおかしい。そういうことを政令として考えておるかどうかということです。それでなければ意味がないのです。事務当局がある工事請負に対して、最高三百万最低二百五十万としたときに、そういう一つの基準を持ってきたときに、そこで市長が三百万を二百九十五万な二百九十五万で押えてしまう。最低もそういうふうにある程度かげんをする。そういうようなやり方を頭に置いた政令、そういうことになるのですか。それでなければ、最高と最低をきめたって役に立たない。
#99
○佐久間政府委員 この政令で予定をいたしておりますのは、その価格によっては当該契約の内容に適合した履行がなされないことになるおそれがある、そういうような場合には最低制限価格制をとることができる、そういうことを規定をするつもりでおります。ただいま先生の御指摘になりましたようなのは、これはまたその団体の運用の問題になろうかと考えます。
#100
○松井(誠)委員 たとえば指名競争入札の場合に、だれを指名するかということがしょっちゅう問題になることは御承知だと思いますけれども、そういうときに不公正な指名の仕方をしないようにという、そういう配慮でも現実にこの場合されるのかどうか。たとえばいなかに行きますと、甲の村なら甲の村の工事というものは、甲に住所を持っている業者がやるんだというように初めからきまっておる。したがって、ほかの業者はみんな遠慮をして、事実上そこの町の工事はそこに住んでおる業者がやるということになってしまう。だから形式的には競争入札ですけれども、実際はいってみれば随意契約みたいな形に事実上なってしまっておる。そういうようなことで、入札という制度がありながら、実は入札の役目を果たしてないということがあるわけです。そういうものを、ほんとうに国民の税金を大事にするという立場から、安くてしかも確実な工事をさせる、そういう配慮でこの政令をつくるというような御意図ではないのですか。
#101
○佐久間政府委員 第六項でこの競争入札に加わろうとする者に必要な資格は政令で定めるということがございますが、この政令におきまして考えておりますのは禁治産者、準禁治産者というようなものでございますとか、あるいは契約の履行に関しまして過去において不正な行為があったものでございますとか、あるいはその契約の種類によりまして、これまでの実績あるいは資本の額、経営の状況等についても、長が定めることができるというような事項を現在のところ予想をいたしておるわけでございます。
#102
○二宮委員 関連して。指名競争入札の場合の指名の該当者というのが、この前の議会でも実は問題になりまして、地方の議会の議員が、その議会の所属しておる委員会並びに議会の予算に関係のある事業を請け負ってはならない、こういう項目は九十二条の二に従来あったわけでありますね。ところが実際問題としては、これをそのとき私も指摘をいたしましたけれども、その議員というのが名目を変更するんです。議員が自分自身はならないでおいて、親戚の者を社長にしたりあるいは知人を社長にしたりして、実権は握っているけれども、表面隠れみのを着て、その議員というものは表面から姿を消しておる、こういうことになっておるわけなんです。そこでいまの行政局長のような答弁でいきますと、いまのようなそういう抽象的な指名競争入札の資格者というものは、実際の問題になりますとまことにしり抜けになっていこうというような予想を私はいたします。したがって前の議会で、もしその違反をした者に対してはどうするかということが付加されたのですけれども、その場合には、その所属している議会の三分の二の賛成があった場合には、その議員は議員をやめて、事業をやる方向に、事業者として仕事をする方向に専念をする、そういうような項目が挿入をされたというように私は記憶しているのですけれども、どうですか実際議員が、九十二条の実力者並びにこれに準ずべき者というような、まあ表現は少しは違っておるかもしれませんけれども、実際は銀行からお金を出し入れするところの印鑑は自分が持っておる。そうしておいて表面の社長はほかの者に譲っておる。そういうことをさしてはならないというので、その議会で三分の二の決議がございましたら、その議員は議員をやめなければならぬという罰則が設けられたんです。そういうような罰則を設けられて約一年たっておるのですが、その間にその法律が実際に適用をされて、適正な指名者がほんとうに公明な競争入札をやっておるかどうかといいますと、実態においては何ら変わりはない。そこでいま行政局長のような答弁を聞いておりますと、今回改正をいたしましても、実際問題としては契約を締結するという場合に、従来一般地域住民が心配をしておるような不公正な、非常に不明朗なこういうやり方というものは、私は払拭できないんじゃないか、こういうように考えておるんです。
 そこでお尋ねいたしたいのは、昨年そういう懲罰事項を挿入いたしまして後に、それに該当するような者が全国的に出てきたかどうか、そういうものが出てきたかどうかということが、私はいまの指名者をきめるときに、あなたがおっしゃるような抽象的なものでは、実際問題として公明な指名競争入札というものができるかどうかということの分かれ目になるんじゃないかと考えるんですが、その点はどういうような情勢把握をしておりますか。実際状況を知らないからとやかくということを言われても、これは法律をつくって、いやしくも政令をもって地方の自治体に示そうという場合に、実態を知らないでおいて法律をつくったりあるいは政令を規定したりするということは、私は間違っておると思う。もう少し実態を十分に把握して、その上でそういうものをつくらなければ、法律というものはしり抜けの法律になって何ら意味がないと思う。昨年の改正後にはたしてその効果が出ておるかどうか、その点をひとつ、まずお聞きしておきたい。
#103
○佐久間政府委員 昨年改正をしていただきましてからまだ日が浅いものでございますから、はっきりした実情はつかんでおりませんが、私どもの方に問題がありまして照会がありました例は若干ございますので、この規定もある程度活用されておるんじゃなかろうかと考えております。
#104
○二宮委員 どういう照会ですか、具体的にひとつ、これは非常に重要な問題ですから、どういうような具体的な照会があって、どのようなそれに対する指導をしたのか、もう少し明瞭にひとつ御答弁をいただきたい。
#105
○佐久間政府委員 数件照会がありましたが、ただいま手元に内容についての資料を持ち合わせておりませんので、調べまして資料を出したいと思います。
#106
○二宮委員 地方自治体の議員に、先ほど松井委員が質問いたしましたように、非常に土建業者がたくさん出てくるということは、やはり一つの肩書きを利用してその地域における入札の中に非常に有利な立場を確保しよう、こういうような意図があることははっきりしておるのです。これはだれが考えても、どのように言い抜けをしましてもわかるのです。そういたしますと、それに対抗して――それに対抗というとおかしいが、呼応いたしまして、地方自治団体ではあるいは予定価格というものを三枚だけつくっておいて、その三枚はだれが持っておるか、どのようにしてその三枚を選ぶかわからない。ただ一枚のものを持っておりますと、何千何百何十何万円まではっきりわかるように、業者に筒抜けになるような例というものがずいぶんたくさんあるのです。これは馬乗りというのですけれども、全く馬に乗ったようなかっこうになる。そういう事態が地方の請負の実態の中にはたくさんあると思うのですが、三枚あってその三枚のうちのどれをとったかわからぬ、その日の抽選になってどれをとるかわからぬ、そうなるとこれはなかなかそれとは合致しない場合がある。これは三分の一ある。ところが実際問題としてはそれが一枚になると、その一枚が簡抜けになってしまって、全く四人も五人もの同じ業者がその予定価格を知っておって、それの直近上位に入札した者が直ちにそれを落札するという事態が、地方自治体ではずいぶんたくさんあるんですね。したがって、このようないま申されておるような改正では、契約の締結というものが非常に明朗になって、ほんとうに皆さんがお納めになった税金が有為に使われるというような方向に、私はなかなか改正ができんじゃないかと思うのです。その点昨年から改正をされて、これでたいへんよかったと思うかもしれませんけれども、三分の二という勢力を持っておる者が、もし自分の同輩の中に請負業者があったという場合には、なかなか三分の二でもってこれは除名をしたりあるいはやめさしたりするような処分をしない。そうしますと、そういうものに属しておる者が非常に有利な立場に立って落札をしていくというような事態が起こってくるわけなんです。したがって、そういう点を私はしろうとですからわからぬというようなことではなくて、自治体を指導する以上、もう少し実態を十分把握した上で、その上に立ってそういうような法令並びに政令というものを規定をしてもらわなければいかぬと思うのです。これはあとから資料が出るそうですから資料が出た後にもう少し御質問申し上げたいと思います。
 関連でございますから以上でやめておきます。
#107
○松井(誠)委員 指名競争入札についてもう一、二点お伺いをしたいと思うのです。
 これは全国的な例なのかどうかよく知りませんけれども、たとえば土建業者が何か協会をつくっておって、そこに入っておる人でないと指名の対象にならないというような、これは条例か何かでそういうようになっておるのか、あるいは事実上の取り扱いとしてそういうことになっておるのか知りませんけれども、そういうようなところがある。自治省でそういう実態は御存じですか。
#108
○佐久間政府委員 お話しの点は、私ども承知しておりません。
#109
○松井(誠)委員 聞いてみますと、これは何も新潟県だけではなさそうです。いまのような状況になりますと、たとえば新しい業者が止まれる、その業者が協会へ入ってないということのために指名の対象にならない。協会が新しい業者を自分らの仲間に入れるかどうかということを、ほんとうに公正な立場から考えてくれればいいのですけれども、そうじゃなくて、やはり自分の利害ということにからまるものですから、必ずしも公正な取り扱いをしない。そういうことのために、事実上新しい業者が圧迫を受けるという具体的な例があるわけです。それから、いま指名競争入札の場合どういう場合を予想するかということについて、政令の内容をお聞きをしましたけれども、非常に抽象的でわからないのですが、たとえば特別の工事であって、だれでもかれでもやれるというものでない、そういう場合には指名競争入札をするのだというようなお話しでしたけれども、いなかなんかに行きますと、水道工事なら水道工事、これはその地方初めての工事だから、地元の業者としては何も経験がない、そういうときにこれでは地元の業者ではできないだろうからということで、どこか東京あたりから業者を引っぱってくる。そうするとろくに身元の調査も何もしないので、途中で投げ出したりするというようなことになる、特別な工事だからいままでの実績を尊重してやるということになりますと、これから伸びていこうという新しい業者はなかなか日の目を見ない、そういうことにもなりかねないと思うのです。ですから、そういうことをこまかく書くわけにいかないでしょうけれども、政令の運用の中で、いまいったような旧来の業界のボスが牛耳るというか、あるいは新しく進出するという人を事実上阻むというような形になることを阻止するような配慮というものはないのですか。
#110
○佐久間政府委員 政令の規定の上で御指摘のような配慮をするということは、なかなかむずかしいと思います。ただ、運用にあたりましまては、なお御指摘のような実情もよく調査をいたしまして検討してまいりたいと思います。
#111
○松井(誠)委員 くどいようですけれども、さっきの政令の内容として読まれた特別な工事ですか、そういうときに指名競争入札をする一つの理由としてあげられたと思うのですけれども、それは具体的にはどういう工事のことを言うのですか。そういう場合が非常に多くなってくるということになるとまた問題だと思うのですが……。
#112
○佐久間政府委員 その、工事がある特許を持っておるような会社しかできないというものを考えておるわけでございます。できるだけ厳格に考えてまいりたいと思います。
#113
○松井(誠)委員 いまの契約の締結の点について、くどいようですが念を押しておきたいのですけれども、こういう改正は、お聞きをしますと現実にいままで行なわれておったことを成文化するというだけで、特にこれという指導的な考え方がほとんどないのじゃないかと思うのです。しかし実際上自治体の支出の中で、契約に基づく金の占める割合というものは非常に多い。そういうことを考えますと、契約の締結というものは、国民の税金をどうして丁重に取り扱うか、そういう配慮の上に立ってこれからあとの具体的な政令のきめ方なり、これからの運用の指導なりについて特段の御留意を要望いたしておきたいと思います。
 そこで、このような談合の防止なり、あるいは特に請負契約の中に含まれるいろいろな不正や腐敗というものを事後においてで毛防止をする一つの方法として、住民の監査請求なり、いわゆる納税者訴訟なりの制度があるわけですけれども、そのほかに監査委員にも重要な問題がありますが、監査委員の問題はきょうは別にしまして、この住民の監査請求ということについてお伺いをいたしたいと思います。
 先ほどのように談合というものを有効に阻止する方法はないということになりますと、せめて事後においてでもそのような住民による監査というものができるだけ有効に行なわれるという配慮も必要ではないかと思うのですが、今度の住民の監査請求は現行法とだいぶ変わって詳しく書いてあるようですけれども、この改正のねらいといいますか、そういうものを最初にお伺いをいたしたい。
#114
○佐久間政府委員 従来住民の監査請求あるいは納税者訴訟に関する規定は条文も簡単でございましたし、解釈上疑問の生ずる点も少なくなかったわけでございます。そういう関係で住民の正当な権利の行使ということができにくい状況もございましたので、今回規定全体の整備をはかることにいたしたわけでございます。
#115
○松井(誠)委員 そうしますと、規定の整備をされたねらいが、いままでの規定では簡単で疑問の点が多いので、それをはっきりさせたという趣旨以外には出ないわけですか。
#116
○佐久間政府委員 そういうことによって住民の正当な権利の行使をしやすくする、そして地方の財務会計制度の運営を全体として適正に行なわれるようにしたいという考え方でございます。
#117
○松井(誠)委員 具体的に監査請求を求める内容でありますけれども、これは現行法と変わったということになるのか、あるいは実質的には変化はないが、ただそれを明確にしたというだけにすぎないのか、どういうことになるのですか。
#118
○佐久間政府委員 内容的に非常に明確にすると同時に、請求の対象となるものを拡充をいたしております。まず第一に対象となります行為でございますが、これも、地方公共団体の機関または職員の行為であれば、すべて行為者の点については制限をいたさないことにし、さらにその行為の内容といたしますと、従来不作意の行為については請求の対象としていなかったのでございますが、その不作為のものも対象となる行為の中に加えることにいたしたのでございます。それからその行為に対する改善の内容でございますが、単なる防止ではなくて、是正あるいは怠っておる事実を改めるというようなこともできるように拡充をいたしたのでございます。
#119
○松井(誠)委員 そうしますと、いままでよりも請求の内容というのは拡張をされた、あるいは不明瞭であったのをはっきりするという形かもしれませんけれども、とにかく拡張されたというように私は解釈していいと思うのですが、問題はこれの実際の運用がどうなるかということだと思うのです。いままでの住民の監査請求というものがどの程度利用されておるかということについて、いただいた資料の中にはなかったかと思うのですけれども……。
#120
○佐久間政府委員 お手元に配付いたしました資料の二十五ページにございます。
#121
○松井(誠)委員 このいただいた資料の中で、監査請求をして、その結果、賠償させたもの、免除したものという資料はありますけれども、これは監査請求が認められたということを前提にしての数字だと思いますが、監査請求はしたけれども、その請求が認められなかったというような資料はこの中に含まれていますか。それがどれだけあるかということです。これで見ますと、賠償させたもの、免除したものの合計と監査請求の件数とが同じであればそれでいいわけですが、監査請求そのものが認められなかったというような例はないということになりますか。
#122
○佐久間政府委員 その先生のおっしゃいました資料は差し上げておりません。それで、市につきましてその点についての調査をいたしたものがございますが、監査請求の最近十年間におきまする総受理件数が八十四件でございまして、対象外として却下いたしましたものが八件、請求事実があると認めたものが二十三件、請求事実を認めなかったものが五十三件、請求者において出訴したもの四件という数字になっております。
#123
○松井(誠)委員 そうしますと、監査請求はしたけれども、この請求を基本的に認められなかったというもののほうが圧倒的に多いということになるわけですが、これは監査請求というものがいわばその実態がないのにむやみにやるという結果でもあるのか、あるいは監査請求をするということ自体が、元来住民の外からの資料に基づくものであるだけに、初めから立証が困難だという性格を持っておるからであるのか、あるいは監査委員が、言ってみれば長の意向というものを体して、なるべく請求を認めないように結論を持っていくという結果であるのか、その辺の御見解はいかがですか。
#124
○佐久間政府委員 その辺につきましては、実態を深く検討もいたしておりませんが、ただいまおっしゃいましたような事情がいずれも若干ずつあったのではないか。ただ、今回の改正で取り上げましたのは、その中で、従来の規定が不明確でありましたり、あるいは請求の対象となる行為なり内容なりが制限されておりました関係で、請求の対象として取り上げられなかった部分もかなりあるのではなかろうか、そういう点は今回の改正によって改めることにいたしたい、かように考えておるわけでございます。
#125
○松井(誠)委員 私は率直に言って、その監査委員の独立性というものが確保されていないということに相当大きな原因があるのではないだろうか、つまり常識的にはおかしいということがあって、監査の請求をするけれども、しかし監査委員がほんとうにそれを親身になって監査をするという形が、必ずしも全部とは限らないということが大きな原因の一つじゃないかと、私自身の経験から思う。ですから、監査委員のことについてはあとでまたお伺いをいたしますけれども、その監査委員の独立性ということについて、今回の改正で何か御配慮されておるのかどうか、その点だけを一点お伺いいたしたいと思います。
#126
○佐久間政府委員 監査委員につきましては、従来市町村におきましては任意設置になっておりましたので、監査請求の場合におきましても、監査委員を置かない市町村におきましては、市町村長がみずから監査委員の仕事を行なうようになっておったわけでございます。そういたしますと、御指摘のございましたように、せっかくの監査請求が出ましても、長がこれを自己に不利なようには処理しないというきらいがあったことは事実だろうと思うのでございまして、今回は市町村に至るまで監査委員を必置制にいたしましたので、その点におきましては、監査委員の独立性が相当強化された、したがってまた監査請求の場合におきましても、従来よりも請求が正当に処理されるということが期待できると考えておるわけでございます。
#127
○松井(誠)委員 それだけで独立性が確保できるかどうかは問題だと思いますけれども、いまよりは一歩進めた形であることは、そのとおりだと思います。その点についてはあとでまたお伺いをいたしますので、いまのところ監査請求について少しこまかい点ですけれどもお伺いをいたしておきたいと思いますが、いわば新しくきめられたこの怠る行為、つまり不作為ということについて監査請求ができるわけでありますけれども、どういう場合に怠るということになるのか。何かそういう具体的なめどというものはあるわけでしょうか。行政事件訴訟法がありましたか、一応不作為と認定される場合についてはっきりした規定があったように思うのですけれども、単にこれは不作為というだけで、具体的な認定の基準はなかったと考えるのですけれどもいかがですか。
#128
○佐久間政府委員 予想いたしておりますのは税金の徴収を不当に怠っておって、地方公共団体に損害を与えておるというケースが相当あるのじゃなかろうか。そのような場合を一例として考えておるわけでございます。
#129
○松井(誠)委員 ですから、どういう場合に、具体的に徴収をすべきときからどれくらいの期間を怠った場合には不作為ということになるのかという、そういう数字的な基準です。そういうようなのは別にないのですか。
#130
○佐久間政府委員 そういう基準はございません。
#131
○松井(誠)委員 いまのように、税金の場合ですとあるいは常識的にわかるかもしれませんけれども、そうでなくていろいろな申請をした。当然何かの行政行為をしなければならぬというのに怠っておるというような場合には、一体どこまで不作為かという問題が出てくる可能性があるのじゃないかと思うのですけれども、そういう点についての配慮はないのですか。
#132
○佐久間政府委員 この二百四十二条のところに書いてございますように、すべての不作為を対象にいたしておるわけでございませんで、「違法若しくは不当に公金の賦課若しくは徴収若しくは財産の管理を怠る事実」という場合を対象にいたしておるわけでございます。したがいまして、先ほど税金の例をあげましたが、そのほか財産の管理を怠るということでございますと、こういう財産を不法に占拠されておるのを、そのまま放置しておるという場合が考えられようかと思いますが、そういうふうに怠る事実がつかみやすいものを掲げてございますので、御指摘のようなむずかしさはなかろうと考えておるわけでございます。
#133
○松井(誠)委員 監査請求の結果、住民訴訟というものが起こし得るわけでありますけれども、この住民訴訟についても、いただいた資料ではどれだけが請求を認められたかという資料がないように思うのですけれども、それについての資料をお持ち合わせでございますか。
#134
○佐久間政府委員 訴訟になりまして、訴訟の結果どの程度認められたかの資料は、正確なものはございませんが、訴訟になりますものが従来は件数も非常に少のうございましたし、したがいまして、その結果認められたものもたいへん少なかったと考えております。
#135
○松井(誠)委員 それは具体的な数字は自治省ではお持ちでないかもしれませんけれども、最高裁の資料をいただいておりますが、その中にもその点についてないわけです。ですから、どの範囲が請求が認められたのか、どれだけの割合が請求が棄却、却下されたのかという資料をいただきたいと思うのです。と申しますのは、住民の監査請求なり、納税者の訴訟なりというものは、使い方によれば政治的な効果をねらう意味で、法律的には不可能なあるいは困難なものを起こすという事実も確かにあると思いますけれども、それとは別に、納税者訴訟は起こしやすいけれども、立証は非常に困難である。立証が非常に困難であるという原因は何かということを考えていただきたいと思いましてそういう資料お願いいたすわけでありますが、この納税者訴訟で一つお伺いをいたしたいのは、出訴の期間をいろいろと書いてございますが、全般的にどうも期間が短過ぎはしないかという懸念があるわけですけれども、普通の行政事件の訴訟に認められている出訴期間の場合との比較はどういうことになりますか。
#136
○佐久間政府委員 これは、この制度の趣旨から考えまして、そう無制限に請求を認めることも地方公共団体の行政運営の実情から考えまして適当ではないと考えまして、行為のあった日または終わった日から一年を経過したときは、正当の理由がない限りはこれをすることができないということにいたしたわけでございます。
#137
○松井(誠)委員 私の言うことは、監査請求をした結果、その監査請求の結論について不服がある場合に起こす訴訟の期間が、いろいろな場合がありますけれども三十日ということが原則のようですが、この三十日という期間では短目に過ぎはしないか。行政事件訴訟法の規定をちょっと忘れましたけれども、この行政処分に対して異議なり訴願があって、それから行政事件を起こし得る出訴の期間との対比でどういうことになるかということをお伺いしておる。
#138
○佐久間政府委員 この点につきましては、地方自治法で、行政上の行為につきまして訴訟を認めておりますものとの均衡を考えまして三十日ということにいたしたわけでございます。
#139
○松井(誠)委員 その地方自治法の出訴の期限、ほかの場合の出訴の期間は、たとえばどういうところにございますか。
#140
○佐久間政府委員 第二百五十八条に異議の申出あるいは審決の申請が三十日というふうにいたしておりますのもその一つの例でございます。
#141
○松井(誠)委員 監査請求というのが、監査委員のほうから、初めからその事実なしという認定の場合が多いというのも、一つは、問題が経理に関するような場合にはなかなか立証が困難で、しかも広い範囲に及ぶということになるので、その請求が認められないという場合がわりあいに多いということもあり得ると思うのです。そういう意味で、普通の行政訴訟法の出訴期間とは違って、そういう特殊な調査に日時がかかるという意味では、ほかの場合と違った期間を設けるのが――そうでたらめな長い期間というわけにはもちろん参りませんけれども、そういう特殊性を考慮して、自治法の中のほかの出訴期間と必ずしも符節を合わせる必要はなかったのじゃないかと思ってお伺いをしたわけです。
#142
○山口(鶴)委員 ちょっとこの際お尋ねをいたしておきたいと思うのですが、公金の取り扱いの問題であります。ただいま松井委員が御指摘されました住民の監査請求等に関係があると思いまして、関連をいたしてお尋ねをいたしたいと思うのであります。
 答申によりますと、「常時徴収を必要とする徴収金のうち、責任の所在が明確で、公正の確保が期せられるものについては、私人に徴収を委託することができるものとする。」こういうことがあるわけでございます。したがいまして、二百四十三条の改正につきましてはその答申を受けておると思うのでありますが、従来の規定でありますと、たとえば遊興飲食税のような場合に、その税金の徴収を業者に委任をするというようなことがあったわけでありますけれども、これは特別でございまして、私の団体もしくは個人に公金の徴収もしくは支出の権限を委任してはいけないということになっておったと思うのです。具体的にいえば町内会あるいは部落会、こういうものを通じて戦争中税金の徴収等をやったというようなことについては、これはいけないという規定、この条項ではなかったかと思うのでありますが、今回の二百四十三条の改正によりまして、「政令に特別の定めがある場合を除くほか、公金の徴収若しくは収納又は支出の権限を私人に委任し、又は私人をして行なわせてはならない。」こうなっておるのでありますが、問題は、この私人というのは、従来の私の団体もしくは個人というものと一体どう違うかということです。町内会、部落会というようなものは、私人と、今度の場合は団体と書いてありませんから、これはいいというつもりなのか。答申にありますように、こういう団体をして公金の徴収等をさせるということを考えておるのかどうか。政令と関係があるかと思うのでありますが、この辺の考え方は一体どうですか。
#143
○佐久間政府委員 この点は、従来と解釈は同じでございます。
#144
○山口(鶴)委員 そうしますと、私人というのは、ことばは違ったけれども、従来の法律の規定にありました私の団体もしくは個人と全く同じだ、こういうことですね。
#145
○佐久間政府委員 御説のとおりでございます。
#146
○山口(鶴)委員 そうしますと、政令で特に町内会、部落会を通して公金の徴収をさせるというようなことは一切考えておらぬ、こういうように理解してよいわけですね。
#147
○佐久間政府委員 その点は、お説のとおりでございます。
#148
○松井(誠)委員 時間がございませんので、一点だけお伺いをいたしておきたいと思います。賠償責任の問題についてはいろいろお伺いしたいことがございますけれども、共同の不法行為、これは何人か一緒でやった場合には連帯責任だということなんですが、たとえば収入役三代なら三代にわたって現金の亡失があった、そうして、現在の結論として、何がしかの亡失という数字はきちっときまっているけれども、さてそれがどの収入役のときにどのくらい亡失があったということはなかなか証明ができない。現金がないことはわかっているけれども、三代なら三代の収入役にわたって、だれにその賠償を請求すべきかということがはっきりしない。そのような場合には一種の共同責任として三名並べてもよいものか、あるいは亡失の事実ははっきりわかっているけれども、亡失が生じた時期がわからないために請求のしようがないものか、法律的な問題でありますけれども、そういうこともこの共同不法行為ということの中では考えておられるのかどうかお伺いしたい。
#149
○佐久間政府委員 ただいまの御質問にお答えする前に、先ほど先生から御要求のございました納税者訴訟が裁判所においてどの程度認められたかという資料でございますが、実は私どもの係りのほうから最高裁のほうにも連絡をいたしたのでございますが、その資料は最高裁のほうにもはっきりしたものがないということでございますので、私のほうから御要求のものをお出しするわけにはまいりかねる事情でございますから、御了承いただきたいと思います。
 それから、ただいま御質問の点でございますが、今回このような規定を置きましたのは、このような規定を置きませんと、一般の原則で連帯責任ということになるわけでございます。それ
 ではおあげになりましたような例など
 の場合にも不公平になりますので、それぞれの職分に応じ、かつ、当該行為が当該損害発牛の原因となった程度に応じて賠償の責めに任ずるということになるので、それぞれその代の責任が認められる因果関係の程度において賠償の責めに任じさせる、このような趣旨でございます。
#150
○松井(誠)委員 負担の区分ができない場合はどうするかということです。
#151
○佐久間政府委員 いまのようにいたしまして検討をいたしましても、負担の区分がどうしてもできないという場合には、これは原則に返って連帯というように考えております。
#152
○松井(誠)委員 連帯というのは、たとえば同時に二人が不法な行為ということになりますか、賠償責任を生ずるような行為に二人が同時に加担をしたような場合ならば、それはわかるのですけれども、いま言ったように、時期を異にして三代の収入役にわたって、どこかで生じたけれども、どこで生じたかはっきりしないような場合にはどうなるかというのです。
#153
○佐久間政府委員 御指摘のように、その点になりますとなかなか判定がむずかしいと思います。いろいろ法律問題があるようでございますので、その点はなおよく研究をしてみたいと思います。
#154
○二宮委員 先ほど資料を出すということでございますけれども、あらためて資料要求をいたします。
 議員ないし委員が、法改正に基づいて、その法に触れるかどうかの照会が数件あった。これは個人の名前を出すことは困難であろうと思いますけれども、個人の名前が必要ではございません。どういう案件でどのような事態でそういう照会があったのかという内容を、これは木曜日までにひとつ出していただきたいと思います。委員長を通して資料要求をいたします。
#155
○佐久間政府委員 承知いたしました。
#156
○永田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト