くにさくロゴ
1962/03/05 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 大蔵委員会 第14号
姉妹サイト
 
1962/03/05 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 大蔵委員会 第14号

#1
第043回国会 大蔵委員会 第14号
昭和三十八年三月五日(火曜日)
    午前十時五十七分開議
 出席委員
   委員長 臼井 莊一君
   理事 足立 篤郎君 理事 鴨田 宗一君
   理事 毛利 松平君 理事 山中 貞則君
   理事 吉田 重延君 理事 平岡忠次郎君
   理事 堀  昌雄君
      安藤  覺君    天野 公義君
      伊藤 五郎君    岡田 修一君
      金子 一平君    川村善八郎君
      久保田藤麿君    田澤 吉郎君
      田中 榮一君    田中 正巳君
      濱田 幸雄君    藤井 勝志君
      坊  秀男君    淡谷 悠藏君
      岡  良一君    佐藤觀次郎君
      広瀬 秀吉君    藤原豊次郎君
      田中幾三郎君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 田中 角榮君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  原田  憲君
        大蔵事務官
        (主計局法規課
        長)      上林 英男君
        大蔵事務官
        (理財局長)  稻益  繁君
        大蔵事務官
        (銀行局長)  大月  高君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (銀行局特別金
        融課長)    新保 実生君
        日本開発銀行総
        裁       太田利三郎君
        日本輸出入銀行
        総裁      森永貞一郎君
        日本輸出入銀行
        理事      山本菊一郎君
        専  門  員 抜井 光三君
    ―――――――――――――
三月五日
 委員芳賀貢君及び春日一幸君辞任につき、その
 補欠として淡谷悠藏君及び田中幾三郎君が議長
 の指名で委員に選任された。
同日
 委員淡谷悠藏君及び田中幾三郎君辞任につき、
 その補欠として芳賀貢君及び春日一幸君が議長
 の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
三月四日
 公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する
 法律案(内閣提出第一三一号)
同日
 共済組合新法関係年金受給者の処遇に関する請
 願外一件(永山忠則君紹介)(第一六八六号)
 旧令による共済組合等からの年金制度に関する
 請願(寺島隆太郎君紹介)(第一七二〇号)
 同(鈴木仙八君紹介)(第二〇〇七号)
 減税に関する請願外六件(広瀬秀吉君紹介)(
 第一八三三号)
 再就職公務員退職手当の特例措置に関する請願
 (赤城宗徳君紹介)(第二〇〇六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 産業投資特別会計法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第二四号)
     ――――◇―――――
#2
○臼井委員長 これより会議を開きます。
 産業投資特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の通告がありますので、これを許します。広瀬秀吉君。
#3
○広瀬(秀)委員 今回政府から提案されております産投会計法の一部改正に関連をいたしまして、まず輸銀の総裁が来られておるようでありますから、輸銀の総裁に質問いたしたいと思います。
 現在輸銀法によりますと、「金融上の援助を与えることにより本邦の外国との貿易を主とする経済の交流を促進するため、一般の金融機関が行う輸出入及び海外投資に関する金融を補完し、又は奨励することを目的とする。」という大目的のために設置をされておるわけでありますが、現在大企業と中小企業とに分けまして、日本の輸出というものが、大企業の占める輸出のシェアと中小企業の占める輸出のシェアと、これを分類いたしまして、どのように把握されておりますか、この点をお聞きいたします。
#4
○森永説明員 ただいまのお話は、金融を離れまして、日本の輸出全体の中での中小企業のシェアがどのくらいかという御質問のように拝聴いたしたのでありますが、私の記憶では、ほぼ五〇%ぐらいが中小企業関係の輸出ということになっておると存じます。もちろん中小企業の定義のいかんにもよることでございますが、現在中小企業庁あたりで作成いたしておりますいろいろな統計から考えますと、最終的な生産までさかのぼったシェアはそのぐらいになっておったかと記憶いたしております。
#5
○広瀬(秀)委員 昭和三十七年度は割合輸出が順調に伸びた、こう言われておりますが、その伸びた内容、増加した分を中小企業と大企業に分けまして、中小企業分が著しく伸びた。むしろ三十七年に日本の輸出環境が割合順調だったということもあるいはあるかもしれませんが、それ以上に困難もまた相当あったわけでありますが、その中でやはり伸びているのが中小企業の輸出、これは新聞等にも出ておりますが、おそらく伸びた分の七〇%以上が中小企業の輸出じゃないか、こういうようにいわれておるわけでありますが、その点についてはどのような数字を持っておられますか。数字で一つお答えいただきたい。
#6
○森永説明員 正確な数字を把握いたしていないのでございますが、輸出増加の中で中小企業の貢献度合いが相当大きなものであるということは私も承知いたしております。また昨年増加いたしました輸出品目の中には鉄鋼等大企業の産品も相当あったと思いますが、数字の上で正確に中小企業と大企業とがどの程度の増加への寄与率を上げておるか、その辺は数字をつまびらかにいたしていませんので、御容赦いただきたいと思いますが、中小企業の寄与率が相当大きかったということは認めるにやぶさかでございません。
#7
○広瀬(秀)委員 事務当局からでも。
#8
○森永説明員 私どもの方はそういう輸出に対する金融の方を担当いたしておりますので、輸出そのものの数字につきましては、むしろ通産省当局から御説明申し上げることが適当かと存じます。
#9
○広瀬(秀)委員 森永総裁に苦言を呈するようでありますが、私どもその点はわかり切って質問をいたしておるわけであります。しかしながら、輸出金融をやられるというからには、はたしてどういう部門が輸出の伸展に寄与されているのか、シェアを拡大していくのにどういう部門が、どういう業種が、そして中小企業が、大企業がどういうところで伸びておるのか、こういうようなものに対してやはり正確なものを、絶えずそういう動向、輸出の実態というものをつかんでいなければ、やはり適切な輸銀としての運営と金融の裏づけというものがちぐはぐになりはせぬかということをおそれるわけでありまして、その点は一つさらに事務当局等におきましても、私どもは金融だ、その金融をつける実態というものをより一そう深くつかんでいただかなければならぬというように考えるわけであります。これは苦言であります。
 この間の予算委員会におきましてわが党の淡谷委員から、輸銀の昭和三十八年度の財産目録の中の貸付金、これを見ますと一千九百八十五億ということになっておるわけです。ところが三十七年の十二月現在で大口貸し出し上位二十社、ウジミナス以下三菱造船とかずっととってみますと、第二十番目が三井物産ですが、一番上位のウジミナスが二百九十七億六千七百万、三井物産が二十九億、こういうことで、この間の二十社だけで一千八百五十三億という貸付状況になっておるわけであります。大体一千九百八十五億七千七百万のうち一千八百五十三億というものが上位二十社だけで貸し付けられておる、こういう現状であります。そうしますと、あと百二、三十億のものがその他のものに貸し付けられておるということになっておるわけでありますが、今申し上げましたのは、私は、今総裁も認められたように、最近における輸出の伸びというものはむしろこういう大口の、日本全国でも名の通った、もう株式市場に上場されておるような大企業、大商事会社、あるいはプラント輸出というものをやる能力を持つ商社関係、こういうようなところにこれだけのものが貸し出されておるわけでありますが、それ以下の商社は大体全国で五千三百七十六ある、上位二十社だけで千八百億だ、あとの百二、三十億が五千なんぼの対象になっている、そのうちのなんぼに貸されているかわかりませんけれども、いかに輸出の動向、今どういうところが輸出に努力しているかというようなことと金融というものがマッチしていないじゃないかという印象を非常に受けるわけであります。産業投資特別会計からの出資九百八十三億を資本金として運営される、しかもそれは最近では一般会計から国民の血税を非常に投入している、そして産投というパイプを通っていけば、これはこのような実態になるということでは非常に残念なことだと思うのであります。この点についての総裁の見解、さらに具体的に事務局でわかりますならば、あとの残った百二、三十億のものは大体何社ぐらいに貸し付けられているか、それは中小企業といいますか、中小商社といいますか、そういうようなものなのか、こういう点について数字的な実態というものを明らかにしていただきたい。
#10
○森永説明員 私どもの業務範囲のいかんにかかわらず、輸出の動向について種々関心を持っていなければならぬという点の御叱正につきましては、私どももさらにいろいろ検討して参らなければならぬと存じます。
 ただ中小企業の問題でございますが、私どもの現行の制度といたしましては、中小企業と大企業を建前として区別するような取り扱いには実はなっていないのであります。ただ、御承知のように、私どもの銀行で融資いたしますのは、市中金融で融資ができないものを補完するという建前でございまして、何を補完しておるかと申しますと、いわゆるプラント類につきまして国際競争上延べ払いを認めなければやっていけないというようなものにつきまして、市中金融によりがたいものを私どもが補完をいたしておるわけでございます。
  〔委員長退席、毛利委員長代理着席〕
そういうプラント類になりますと、金額も非常に大きくなりますし、かつ国際的な取引でございまして、相手方の信用調査その他いろいろめんどうなことがございます。従いまして、私どもが金融対象といたしております輸出そのものの性格から申しまして、やはり大きなメーカーなり、大きな商社なりでなければ取り扱えない性格のものが非常に多いわけでございます。中小企業につきましてもそういった進出がむしろ望まれるのでございますが、しかし相手方の国情もよくわからないとか、これは信用調査その他の面でも十分な手段がないとかなんとかいうようなことでございまして、そういう中小企業のプラント輸出等につきましては、もしありとするならばやはり商社などがこれを仲介するということでないと、うまく事が運ばないというようなことになるのは当然なわけでございまして、そういう対象といたします輸出の性格から申しまして、どうしても大きなメーカーなり商社なりのウエートが大きくならざるを得ないという点を御了承いただきたいと思うのであります。
 先ほど輸出の中で五割が中小企業産品と申し上げたのでございますが、その大部分はいわゆる消費財でございます。消費財につきましてはそういう延べ払いはきわめてまれでございます。やはりキャッシュ・ベースの輸出が行なわれておるわけであります。そのキャッシュ・ベースの輸出につきましては、中小企業者は直接なりあるいは商社を通じましていわゆる貿手その他、貿易につきまして利便がはかられておることは御承知の通りでございまして、従いまして私どもの融資の対象の中では、中小企業ももちろんございますが、比較的そのウエートが低い。これは対象としている業務の性質からくる当然の事象であるということを御了承いただきたいと思うのでございます。計数的に申し上げますと、資本金一億円以下の会社に対する貸付の残高は、昨年十二月末現在で約二十五、六億ございます。それ以上のものは大きな、一億円以上の資本金のメーカーなり商社なりということになっておるわけでありまして、この数字から申し上げましても、大メーカーなり大商社なりが大部分でございますが、それは今るる申し上げましたような事情によることを御了承いただきたいと思うのでございます。
#11
○広瀬(秀)委員 そういう一般金融機関ではなかなかやれない部面を補完するということは、目的にも明確に書かれておるわけでありますが、そういう事情は私どももある程度わかるわけであります。しかしながら、あまりにも片寄り過ぎた貸付という印象、千九百億のうち大体千八百億はそうだというようなことになりますと、これは産投会計を通じて一般会計の金が入っている、国民の血税が入っている、しかも最近はこれが恒常的になりつつある、こういうような点から考えてみまして、なかなか納得がいかない面もありますし、また輸出入銀行においてほとんど商社と大メーカーということであって、やはり消費財で比較的今一般金融機関からの貸付というようなものが容易に得られるというような点もありましょうけれども、非常にコストの安い金が貸されるわけです。そういうような実態というもの、しかも一般金融から中小企業等が金を借りて消費物資の輸出をするという場合、そういうメーカー段階に対しても、最近では設備投資というようなものを急がなければ、中小企業と大企業の格差、輸出産業の強化ということにはならぬだろうと思うのです。そういう点について非常に弱い面がある。こういうような問題について、やはりメーカー段階にももう少し金を回す、そして海外競争力をつけていくということは、最近出ておりますような国際競争力強化法案というようなものの中で考られておるような、大きいものをさらに大きく合併していくということだけで日本の輸出競争力がつくものではないと思う。先ほど申し上げましたように、総裁も認められましたように、日本の中小企業によってつくられる消費物資というようなものも日本の輸出の中において相当な寄与をしておる。そういうような実態から見まして、そういうものをさらに強化して競争力をつけていく、そうすればより一そう輸出の振興、発展というようなこともあり得ると思うのです。そういった角度から輸銀がほとんど今やっていないと思うのでありますが、中小の輸出を目ざす生産段階、メーカーにこれからどういうような態度で貸付をなさっていくお気持があるか、こういう点についてお伺いしたいと思います。
#12
○森永説明員 先ほどちょっと申し落としましたのですが、私どもが融資いたしておりますのは、プラント類の延べ払い金融、その性格から申しまして、自然大メーカーなり大商社なりの融資が多くなるということを申し上げたわけでございますが、しかしこれは大メーカー大商社に私どもの融資の効果がとどまっておるわけではないわけでございます。たとえば造船をとって考えますと、約三割ぐらいのものは中小企業、下請に出しておるわけでございます。生産金融なり何なりの段階ではメーカーに直接出しますが、その流れは中小企業にも及んでおるという点を御了承いただきたいと思います。
 なお、ただいまお話の点でございますが、実は私、輸銀に参ります前に、中小企業金融公庫におりまして、中小企業の輸出振興につきましては、特にその緊要性を主張して参った者の一人でございます。昨年度からは特に輸出についての特別なワク並びに特利による設備資金の融資の制度も考えまして、政府の認可も受けまして、すでに実施をいたしておったような次第でございます。これは一に目下お話がございましたような中小企業の輸出産業の体質改善をはからなければならぬということなのでございまして、そういう国内金融と申しますか、設備資金の面は、実は私どもの方の守備範囲ではないわけでございます。むしろ中小企業金融公庫なりその他の金融機関に待たなければならないわけでございまして、私どもはそういう産業が外国との間に延べ払いによる機械類等の輸出契約ができました場合に、その運転資金をまかなって差し上げる。中小企業にももちろんその例があると思います。しかしそれは、先ほど申し上げましたように、直接市場調査が困離であったりというようなことから、多くの場合商社がこれを代行するということでございます。商社の代行を待たないでも、中小企業がみずからそういう機械等の延べ払いができるような体制ができることがむろん望ましいのでございますが、それはしかしながら、私の経験によりますと、金融の問題の前に、何らかそういった中小企業の経済行為を促進するあっせん機関みたいなものがあってもいいのではないか、むしろその方が先に存在する必要があるのではないか。彼我の間にそういった中小企業の交流をあっせんし促進するような何らかの組織があってもいいのじゃないかということを痛感しておったのでございます。むしろ金融以前にそういう問題もあるということをあわせて御了承いただきたいと思うのでございます。
#13
○広瀬(秀)委員 森永さんは輸銀の総裁になられる前に中小企業金融公庫総裁でありましたから、中小企業金融のことについては、すみからすみまで知り尽しているはずであります。特に今総裁の言葉の中にもありましたように、たとえば三菱造船に融資をする。その下請というものは相当ある。これは中小企業といわれるもの、そういうところがいかに資金で苦しんでおるか。中小企業金融金庫などがそういうものの金融をやる建前になっておりますけれども、これが十分でないということで、下請企業はいつでもひどい目にあっている。ちょっとリセッションがくれば黒字倒産をするというような例も非常に多いわけでありまして、輸出全体の構造といいますか体質改善というような意味からいえば、そういうところまでやはり手を伸ばしたやり方を今後していかなければ、単に三菱造船だけに融資したって、それは融資の成果というものは上らぬのじゃないか、こういうようなことを私ども申し上げたいと思うわけであります。きょうはこの点について特に議論をするという気はございませんので、その程度にしておきますが、そういう点についても、産投の性格というものも、三十一年以降はほとんど毎年のように一般会計からの歳入あるいは資金に対する繰り入れが恒常化せんとしている。特に昨年のガリオア・エロアの返済というようなことから、これは開発銀行と関係するわけでありますが、そういう状況になってきている。しかも今度産投法の改正ということで、予算で通りさえすれば、あとは政府が産投法の改正を待たずして、予算さえ通ればストレートに繰り入れができるというようなことにしようなどと考えている、そういう事態を考えますと、いよいよそういう意味での大衆化といいますか、民主化といいますか、さらにほんとうに日本の輸出構造全体の体質改善というものが、あまりにも大企業だけに片寄り過ぎておって、かえって輸出のネックをそういうところからむしろ生ずるというようなことにもなりかねない。もっと広範な立場で中小企業――大企業に融資されているその下請、そういうところにも幾らか利益が及ぶかもしれないけれども、それはあくまでも大企業が吸い尽したおこぼれがいく程度である。そういうところにストレートにコストの安い融資がいく、こういうことを考えていかないと、総合的に輸出増進という輸銀法設置の大目的というものがやはり達成されないのじゃないかという点について申し上げておきたいと思うわけであります。
 次に日本開発銀行の総裁がお見えになったようでありますから御質問申し上げたいのですが、開発銀行も産投会計からの二千三百三十九億の出資金で設立をされておるわけであります。これはもとをたどってみれば、大部分は、アメリカからの援助物資を国民が買った資金が見返資金特別会計に繰り入れられ、それが産投の主たる財源になり、そこからの出資であります。これはいわば国民全体が拠出した金の集積であるわけでありますね。そういうようなことを考えまして、私ども開発銀行の現在の貸付状況というものを見てみますと、昭和三十七年度末の予定額で七千七百五十八億、こうなっております。昭和三十八年度では八千四百六十七億、貸付金は大体そういうことになっておりますが、これを予算委員会で淡谷議員が御質問いたしましたように、大口貸出先の上位二十社をとってみますと、その合計は四千百三十六億、大体五〇%は上位二十社に貸し出しをされている、こういう現実であります。そのうちの大口は電力、海運、地域開発こういうことになっておるわけであります。こういう状況というものに対して、総裁はこの開発銀行設置の目的に照らして一体どのようにお考えでしょうか。その点をまず伺っておきたいと思うわけです。
#14
○太田説明員 開発銀行は、御承知のように昭和二十六年にできまして、当時できるだけ戦後の復興ということにもかなり重点がおかれたわけございますが、それにはやはり基幹産業に資金を注入して、それが全般に及ぶような経済の開発ということを主要な目標としたわけでございます。勢い当初は、電力、鉄鋼、石炭、海運というような基幹産業に重点が向けられることになったわけでございまして、御指摘のように、上位二十社もほとんど電力と海運で占めておるというような実情でございます。これはその規模からいたしまして、非常に資金を食う事業でございますので、開発銀行がおつき合いいたしますというか、援助いたしますとすると、ある程度のまとまった資金を出さざるを得ませんので、こういう結果に相なったわけでございまして、ただ、近年は大企業のみでございませんので、新しい技術の開発でございますとか、あるいは機械工業振興法に基づきまする特定機械の設備に要しまする資金でございますとか、さらに地方開発におきましては、こういった大企業だけでなしに、むしろ中以下の企業にかなり主力が置かれまして、相当の融資をいたしておるような実情でございまして、大企業に対しますものは、金額の合計におきましては、御指摘のように相当多額を占めておりますけれども、そのほかの中以下のものも件数におきましては漸次伸びてきております。今後はその両方に対しまして、われわれとしましては力をいたしていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
#15
○広瀬(秀)委員 貸付の対象及び金額を開発銀行の事業計画で見てみますと、電力、海運、地域開発というもので大体六割以上を占めておりますね。あとのその他というのが四割弱だと思います。こういうような状況になっているわけでありますが、特に海運の問題につきましては、これは海運基盤強化に関する法律も今国会に提案をされておりますが、これは昨年の産投法改正の際にも非常に議論のあったところでありますが、この海運基盤の強化ということは一体どの程度のことをしたらほんとうにこれが立ち直るのか、そうして外国との競争に負けない、そういうような状態になるのか、そういうようなめどは開銀総裁としてどういうところに置かれているのか。この点は、ことしも事業計画で金を二百三十億貸し付けてやるわけでありますが、そのほか、今まで貸し付けた分についての利子の補給、補給と言いますよりも延滞を長期にわたって認めるというようなこともあるようでありますが、こういうような問題について、今後どのような計画をしたならばどのくらいの期間でそういう事態が解消するのだ、そうして独自でやっていけるようになるのだ、こういうようなめどはどういうところに置かれているのでありますか。
#16
○太田説明員 非常にむずかしい問題でございまして、海運のこの不況は非常に根の深いものでございまして、簡単な対策というか、一つ二つの対策ではなかなかこれは改善しがたいとわれわれも思っております。海運造船合理化審議会におきましても、この数年非常にこれに取っ組んで参ったのでございますが、ようやく今年度国会に海運助成法案が提出されますように承っておりまするが、そういった大体の方針によりまして、この海運事情が何とか立ち直りができるのじゃなかろうかとわれわれも思っておるわけでございますが、ただ、その時期につきましては、その会社によりまして非常に差がございまして、非常に優秀な会社は、すでに現在も償却不足のない会社もございますし、むろん延滞もない、そういったような会社もございます、ただ、配当が十分できていないという点が普通の会社と違う――程度のかなりいい会社もございますし、五年あるいはもっとたちましても配当ができかねるというような会社もございまして、一がいには申しかねるのでございますが、今回海運の助成を受けますにつきまして、各会社で集約化をいたしまして、それとともに各会社で非常な合理化をいたしまして、これによって思い切った立ち直り策を講ぜられることになっております。それでどの程度によくなるかということは、ただ助成策だけでなしに、各会社がどれほど裸になりまして真剣に立ち直りの対策を講ずるかということにかかってくるわけでございますが、これはせっかく各会社で現在合併その他の対策を検討中でございまして、またそれが近い将来にできまする海運再建審議会の審査を経まして、そこで立ち直り得るものに対しましては海運助成が与えられるという結果になりますので、いましばらくその結果を待ってわれわれも判断したいと思っております。まだ相当の年月を要するということだけはわれわれも感じておる次第でございます。
#17
○広瀬(秀)委員 日本の海運を何とかして現在のような未償却残高が非常に多いというような状態から立ち直らせて、海運国としていかなければならぬということはわかるわけでございますが、それを全面的に国民の金をつぎ込まれている開発銀行が一手にしょってやっているというような事態については、私ども非常な問題があろうと思うのです。そのほか最近では地域開発とかその他の産業開発というようなことで、大企業ばかりでなしにやっていくというような方向というものをぜひ一つ推進していただきたいわけでありますが、この前から問題になっておりますように、貸し倒れ準備金の取りくずしの問題だとか、いろいろ開銀にも問題があると思います。しかし大企業はこの低コストの資金を受けてやっておるわけでありますが、こういう不況にある海運会社などでも、政府からちゃんとこれだけの優遇を受けながら、一方においては政治資金を惜しげもなく出しているというような実態に対して、総裁は一体どうお考えになりますか。これは輸出入銀行と両方でありますが、相当政府の有利な資金がつぎ込まれるというような会社が、軒並みに政治資金を与党あるいは与党内の派閥の会に対して出しているというようなことに対しては、一体両総裁はどうお考えになりますか。
#18
○太田説明員 われわれの方は資金を融資いたしますときに、詳細に審査はいたしますけれども、今仰せのような政治献金というような問題は、どうもわれわれのところではわかりかねるのでございます。特に会社の経理か何か、むずかしいということに現われて参りますれば別でありますけれども、われわれの調べます範囲ではそこまでどうもつかみかねる。こういう状態でございますので、結果的に見てそういうことがあった会社に融資をしたのはおもしろくないじゃないかというお考えかと存じますけれども、どうも事前にそこのところが私どもはつかみかねる、こういう状態でございます。
#19
○森永説明員 輸出入銀行につきましても、貸し出しに際しましては、当該輸出の案件そのものについては徹頭徹尾審査をいたしまして、確実な商業ベースで融資をいたしておるのでございます。しかし会社全体の問題として政治献金が行なわれておる、それについてどう考えるかというお尋ねだと存じますが、私どもそういった点につきましては、実態そのものも実はつまびらかにいたしておりませんし、その方の問題としては実は検討いたしたこともないわけでございまして、何らかの意見なり意思表示なりをこの席で申し上げることは、差し控えた方がよろしいのではないかと存じますので、その辺で御了承いただきたいと存じます。
#20
○広瀬(秀)委員 非常に与党に気がねした答弁をなさっておるわけでありますが、これは政治資金規正法で、ちゃんとどこそこの会社がどういうところに幾らやったということは、たしか昨年の十一月十五日の官報でありますか、これに全部詳細に載っております。ですから実態がつかめないということはないわけであります。特に皆さんはこういう国民の貴重な金を融資なさるわけでありますから、政府からやがて利益を与えられるのであろうということを当てにして与党に金を出す、あるいは各会派に金を出すというようなことは幾らでもわかるわけであります。そういうような点をもっと皆さんもお調べになって、実態は官報に出ているのですから幾らでもわかる。それと皆さんが貸している企業先、やはり金を巨額に貸すわけでありますから、それに対する相当な発言権もあるはずであります。君のところは国のめんどうを、開銀なり輸銀なりのめんどうを見てもらいながら、こういう金を寄付する余力というものはどうなんだというようなことで、それをチェックされるような気持がありますか。これは皆さん方の一つの任務だと思うのですが、そういう点についてはいかがでしょう。
#21
○太田説明員 これは政治献金と限りませんで、会社の経理以外に、そう会社の経理を危うくするようないろいろな寄付金でありますとか社外流出があることはわれわれとしても注意いたしておりますが、特に政治献金だけを取り上げまして、それだけを調べるということはいかがかと存じます。これは会社の収支、経理全体の問題としてわれわれとしては審査をして、今後もそういうようなつもりでやっていきたいと思っております。
#22
○広瀬(秀)委員 この問題についてはきょうはまたあとで淡谷委員から御質問がある予定でございますので、私はその程度にいたしますが、今度は大蔵省にお尋ねいたします。
 今いろいろな角度から開銀特に産投会計の大口出資先であるこの二つの総裁に来ていただいていろいろ聞いたわけでありますが、今度産投会計法を改正して――産投会計法の附則をさらに改正しなければ、予算で議決しても動き出さない、こういうような非常に当然の建前、財政法からいっても、憲法の要請からいっても当然の建前というものを今回大きくくずしていこう、そうして予算に提出さえすれば、それで議決されればもうそれでおしまい、大蔵委員会におけるこのような議論というものはできるだけなくしていこうというような改正案を今回提案されているわけなんです。この前堀委員と武藤委員から、主としてそういう立場からおかしいじゃないかという質問をいたしたわけでありますが、上林政府委員の答弁によりますと、食管法などを引き合いに出して、非常に恒常的に一般会計からも資金への繰り入れあるいは歳入への繰り入れというものは毎年々々あって、おそらくこれから恒常化していくだろう、産投の役割というものは非常に増大しているのだから毎年恒常化するのだろう、そういう場合においては食管会計などでもやっておるように、予算で議決されれば、何も食管法をそのつど改正しなくてもいいのだ、それと同じにやっていきたいのだ、こういうわけであります、そういう答えがあったのです。食管会計はきわめて単純であります。むしろ政策論議というものを入れる余地のないものであります。食管会計に赤字が出た場合には一般会計から繰り入れるのだ、これはそれだけのことであります。しかもそれは国民大衆の食生活を安定させるという大目的があるわけであります。それとこの問題を一緒くたに考えられるような考え方に対しては、私どもはどうしても納得ができない。産投会計というバイブを通しさえすれば、どんなところに投資をされ、その投資がどう使われるか、これは非常に大きな産業経済政策の問題が含まれておる。それを、それと同じように扱っていいのだ、こういうようなことを答弁されているわけでありますが、今でもその考えでございますか。
#23
○上林(英)政府委員 ただいまの問題でございますが、従来は一般会計から産投会計へ繰り入れますときに、そのつど繰り入れのための所要措置を講じましたが、今回の改正によりましては、予算で御議決をいただきました場合には、産投会計へ繰り入れることができるように改正をいたしたのでございますけれども、これは今御議論ございましたように、国会の御審議を省略するというような意味ではないわけでございます。一般会計から産投へ繰り入れます場合には、予算をもちまして十分御審議をいただくことは当然でございます。その繰り入れた金がどう使われるかということもまた同時に国会におきまして御審議をいただくことは当然であるわけでございますし、また、たとえばこの席で御議論ございますような開銀なり輸銀なりの投資の問題につきましても、もちろん国会の国政調査権その他に基づきまして、十分御審議をいただきますことは当然でございます。法律的な制度といたしまして、特別会計と一般会計との繰り入れ関係を法定いたしますにあたりまして、どういう制度をつくっておくのがよろしいのかということになりますと、これはその特別会計の現状あるいは将来のあり方を考えまして制度を整備いたしますことが適当である、こう考えまして、産投会計の実情に合いますような制度にいたしたい、こういう考え方をもちまして今回の法律案を御審議願っているわけでございまして、御指摘のような国会の御審議につきましては、今申しましたような方法をもちまして、また各般の面から御審議をいただくことは当然である、こういうふうに考えておるわけでございます。
#24
○広瀬(秀)委員 上林さんは武藤君の質問に答えて、「日本の憲法におきましては予算と法律という法形式が二つございます。もちろん国政の運営にあたりましては、」云々、「常に予算と法律というものの二つの法形式を持っておりますためにこの意思が食い違うという場合は、これはそういうために何らかの措置が要るのではないかという御議論が常に行なわれておるわけでございますが、実際の政治の運営といたしましては、この予算と法律という法形式が相調和して運営されるべきものであるというふうに私ども考えておるわけでございまして、」このことを私どもじっくり読んでみますと、あなたの考えというのは、予算は通った、そして予算で議決された繰り入れが、大蔵委員会における産投会計法の一部改正で通らないというような場合もあり得る、そういうような場合は今後もうなくしたいのだ、その気持はわかりますよ。予算法定主義でありますから、予算が通って、予算関係法案が通っていく、これは好ましい事態です。しかしながら、予算は御承知のように政府だけに編成権がある。これにはかなり政府独自の立場に立つ政策目的というものがある。それに対してわれわれ国会は法律を予算の場面でやるけれども、しかしそれは、予算と法律の二形式があるというが、同列ではないのだ。予算は衆議院を通って参議院に送付されれば、三十日で自然成立ということもある。こういうようなことは法律にはないことであり、法律の場合は六十日でなければならない。しかもそれ以後は否決したものとみなされる、こういうようなことが憲法五十九条四項の建前になっておるわけですね。それだけ違うのです。ただあなた方がこういう議論をなさるのは、あくまで予算で通ったらそれでいいじゃないかということです。なるほどそれは国会の審議ですよ。しかしながら予算はやはり法定主義です。この点を全く否定して予算に一本化しょう、予算法定主義なんという原則はもうすでにあなた方の念頭にはないのではないか。それがもう産業開発という美名一つ掲げれば、産業投資事業というものは非常に重大だ、日本経済をこれから強化していくためにそういうことが必要なんだ、これだけのことで、予算を議決すればあとは何も法律改正も提案しなくてもいいのだということを出してくるというのは、これはまさに私は予算法定主義の否定であり、また今日における予算と法律との関連を否定した議論だと思うのですが、その点いかがですか。
#25
○上林(英)政府委員 私前に申し上げました通り、わが国の憲法上におきましては、法形式といたしまして予算と法律というものがございます。しかしこの両者はともに国会の議決によってその効力を生ずるものでございます。従いまして、国会の御意思は必然的に一つであるべきものが正しいわけでございます。従いまして、この予算と法律というものは国会の御意思に従いまして相調和をして運営されるのがその運営の常道であろうということは申し上、げた通りであろうかと思います。この場合におきまして、もちろん予算できめまする事項と法律できめる事項とはおのずから憲法上明定されておるわけでございまして、その場合の調和の手段といたしまして、法律でもっていろいろの、たとえば特別会計でございますると、特別会計自体は法律で予算の運営に必要な国庫の経理の規定を置くわけでございまするが、その場合におきまして、どのような特別会計を設けたらよろしいか、こういう問題に当たるわけでございますが、その問題につきましては、前から申し上げておりまするように、その特別会計の実態に応じてその運営が円滑に行なわれるように制度を設けるべきである、こう考えているわけでございます。そのような観点から今回の改正をお願い申し上げました通りでございまして、これは今御議論のありまするような予算と法律とがおのずから効力が違うというような問題とは別の問題といたしまして、この両者の関係をどういうふうに実態に合わせてうまく整備をしていくか、こういう問題であろうかと私どもは考えているわけでございます。従いまして、たとえばこういうようなことになりますと、大蔵委員会の御審議を経ないということには相なるかもしれませんが、その面につきましては予算を御審議いただきますときに、もちろん国会としての御意思に従って御議論を承ることに相なりまするし、また先ほどから申しておりまするように、国政調査権その他によりまして十分御審議をいただくことは当然である、こういうふうに考えているわけでございます。
#26
○広瀬(秀)委員 あなたは非常に苦しい答弁をしておる。これはあなたが専門的にやはり日本国憲法から、財政法の精神から、そういうものをずっとたどっていけば、あなたが今答えているような結論というものは全然出てこないわけであります。従って、私どもに対する説得性というものは全然ない。予算というものは、政府だけが提案権を持っている。そして提案されるその中に、産投に幾ら繰り入れる、しかも昭和三十八年度は空前の巨額に上る四百九十七億が繰り入れられるわけですね。これがやがて一千億にもなるかもしれない。そういうような予算をぽんと組んで、しかも産投会計法は四十幾つかの特別会計の中でもすぐれて財政経済政策を非常に大きく左右するウエートを持っているものなのです。重要なものなのです。それを予算の中でぽんと入れて、ここになんぼ繰り入れる、繰り入れてからは、予算は衆議院を――これは与党が何と言ったって多いのですから通る。参議院にいって反対をする、それでも三十日ほうっておけば、それで通っていくわけです。そうすると、野党で幾らそれを追及したところで、そういうような形で通ってしまうわけです。ところが法律に対しては、これはもっときつい制約があるわけです。そうしますと、予算はなるほど多数決で通った、そして参議院で自然成立という形になるかもしれない。しかしながら法律的に見て、いろいろな今のような投資先まで慎重に検討する役割というものは、この産投会計法の一部改正に伴って、産業投資資金が産投会計に繰り入れられたものが、それから先どういうふうに使われていくのか、それがどういう経済効果をもたらすのか、産業経済にとってどういう方向にいくのか、新しい日本の産業構造の体質改善をやるために一われわれの見解と全く違う。これは理論的には、少なくとも与党の人たちでも、予算はなるほど通した。これはその他のものも全部一環として通すのですから、それは通した。それだけ除くというわけにはなかなかいかぬということで、そういうことになった。しかしながら法律の面からいえば、これは通せない。これは執行不可能になるのだ、そういうようなことでいく場合だってあるわけです。そこにやはり予算の法定主義というものが生きてくるのです。しかもそれは国会の意思が加わって、いわゆる民主的な国政の運営、経済政策の運営というものがなされていく。もちろんわれわれも良識を持ってやる。予算の通ったものは国会で通ることは望ましいということはわかっている。しかしながら、政府がかりに間違いをやったとするならば、それをチェックするのはやはりここでなければならぬ。法律の段階でまたやらなければならぬ。しかも法律の場合にはこれがやれる立場にもある。予算の方はどうにもならぬけれども、法律ではやれる立場にある。そのやれる立場にあるものを切って落としてしまって、政府が出したものはもうそのままストレートに通るのだ。今日の憲法上の予算の建前だというものを貫こうとするわけです。これはいかに国会に対して不信であるかというあなた方の証明だと思う。予算委員会だけ通せば――しかも予算の実態というものは憲法上そういうことになっている。そういうことになっているものを、もうそれでいいのだといったら、もうとめどもなくそういう方向が広がったら、これはどうなりますか。この点は、あなたの今の考えというものは、私どもに対して全く説得力を持たないわけです。もう一ぺんその点について明快に、私どもがわかるように、なるほどそうか、そんならわかったと言えるようにしていただきたいと思う。
#27
○原田政府委員 それはこの間も、私もお答えしたと思うのですが、あなたのおっしゃるような御議論が私はないとは思いません。しかしながら、国会において政府が提案をいたしましたことは十分に御審議を賜わるのでございますから、決してこれは国会無視でもない。先ほど法規課長の方から答弁いたしましたが、予算の際に十分に御審議を賜わるのでございますから、決して国会を軽視しておるわけではないということは御了承賜われると思うのであります。なお、産業投資特別会計というものが、あなたがおっしゃるように、特別会計の中でも非常に重要な部門を占めておるということも事実でございまして、この特別会計の運用よろしきを得ることによりまして、日本の経済をますます発展させることが国の繁栄になることでございますから、これに対して政府が意を尽くしておることも御案内の通りでありまして、今回この資金を繰り入れるとともに、これが恒常化していくであろうということは、そういうことからきておるのでございまして、そのために今回の法律の改正をお願いをしておるのでありまして、産業投資特別会計というものを重視をしておるから、それに対する繰り入れを予算でやるとともに、もう一ぺんこの大蔵委員会で十分審議すべきだという御議論と、十分に予算の際にも審議をお願いするのでありますから、これでいかがでございましょう、こういうことと、二つあろうと思います。政府といたしましては、後者の方を選びまして、産業投資特別会計を十分有意義に使用いたしまして、より繁栄策をとるためには、後者の方がよいと考えまして提案いたしまして、御審議をわずらわしておるような次第でございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
#28
○広瀬(秀)委員 後者の方がよい、こう言われても、あなたはその理由はきわめて抽象的に述べただけであって、われわれを納得させるだけのものは何ものもないわけであります。そういう立場は、やはり基本に、上林法規課長が答えたそういう考え方というものがある。このことは、予算が通った以上はこっちでチェックされることはないようにした方がいいんだ、特に産業投資という問題についてはそういう方がいいんだ、こういう基本的観念に立っておる。
  〔毛利委員長代理退席、委員長着席〕
しかもその例として、繰り入れが恒常化してきた、そして食管会計でもずっと恒常化しているからそういうことにしたのだと言われますが、食管会計の場合とこの問題は非常にそこに差がある。あなた方の考え方の立場というものは、大蔵委員会でいろいろな角度から論議をして、その産投会計に繰り入れた資金がどう使われ、どう政策的に生かされ、どれだけの効果を発揮するかということについての論議の角度から、法律が通らない場合があっては困る。こうしたら、そういう論議はもうこの場では、少なくとも大蔵委員会に提案されるはずのものはもうなくなってしまう。そういう国会におけるチェックというものはなくなってしまう。しかも、予算法定主義という一角が非常に大きくくずれるのではないか。これは非常に大きな問題ですよ。ぼやっと、何となくそれとなく出してきたようでありますけれども、ここに隠された産投会計法改正の意図というものは、非常に大きな、私は日本の国政の基本に触れる大きな問題点だと思う。そういう意識なしに――とにかく国民の血税ですよ。それを繰り入れて、それから先どうなるかということについて、予算で審議すればいいんだ、予算はもう時期が来れば自然成立するんだから、それできめちゃえばいいんだ――それ以上に、予算法定主義というものがあって、しかも、これは極端に言えば、予算関連法でも議員立法だってできるわけですよ。そういうような場合に、繰り入れの問題についてはもうそれもできないのだという観点に立ちますか。これは技術的な問題ですから、法規課長……。そういうこととの関連も出てくるわけですね。
#29
○上林(英)政府委員 御質問の趣旨を必ずしもよく了解いたしておらないので、あるいは御納得いただけるようなお答えができるかどうか、疑問でございますが、予算におきまして、必要の歳出金額を計上いたしまして、これに伴いまして各般の施策を行ないますために、法律を提案いたします。その場合におきまして、具体的にどういうやり方をするかということにつきまして、法律の内容の問題といたしましていろいろ御議論をいただき、その結果あるいは議院修正をいただくことがあり得ることは当然でございますが、本件の場合におきましては、御存じのように産投会計へ繰り入れをいたしますと、その繰り入れた金額はどういうふうにして使われるかということは、まさに法律におきまして明定をされておるわけでございまして、問題はその金額を繰り入れるかどうかというだけの問題でございます。従いまして、一般の予算に計上しました金額をどう使っていくかという、いわゆる予算関係法案とは若干趣を異にしているわけでございます。もちろん、予算がございましても、その機構自体につきまして、法律の定めます機構自体を変えていくというような議員提案は可能でございますけれども、それ以外の分野におきまして、要するに、現在の法律におきまして産投会計はどういう仕事をし、その一般会計から繰り入れられました金額はどういうことに使われていくかということは、おのずから産投会計法において明らかでございまして、従いまして、本件に関する限りにおきましては、予算において幾ら幾らを繰り入れるということを歳出に計上いたしますことと、今までやって参りました個別的に立法いたしましたこととの内容は全く同一なわけでございます。それを今までなぜ一つ一つ個別的にやってきたか、こういう問題でございますが、それにつきましては、前から御説明申し上げておりますように、当初産投会計をつくりましたときには、主として見返り資金を承継いたしました資産を中心にいたしまして、これを回転運用いたしていきたいという考え方から、一般会計からの繰り入れというものは当初におきましては原則的には予定をしておらなかったわけでございます。そういうような観点から、機構といたしましては、現在の状況にかんがみてみますと整備されておらないということでございます。従いまして、この際産投会計法の機構自体を整備いたしたい、こういう趣旨で御提案申し上げました次第でございます。
  〔「明快々々」と呼ぶ者あり〕
#30
○広瀬(秀)委員 ちっとも明快じゃない。今までも、予算でこれを提案する、それを受けたような形で産投会計法の一部改正、附則第何項ということで、必ず大蔵委員会にこれが上程をされてきたわけです。事実上予算執行についてここでもんでいろいろ論議をした結果、予算執行ができなくなったなんという事態はなかった。これは去年のガリオア・エロアの返済という、まさに産投会計法の第一条に書かれている大目的と何ら関係のないものを産投会計法の中に持ち込んだというところから一国会ずれた、こういう例があるだけであります。その前は、三十一年、三十二年、三十三年、三十五年、三十六年というようにずっとやってきましたけれども、これについてそれほどの問題というものはなかったのです。しかもそれが出てくることによって非常に論議が深められ、産業投資特別会計の目的に照らして、よりよき方向というものがこの委員会の審議を通じて出されておったものと私は確信する。だから、そういうようなことでどれほど国会のここにおける論議がじゃまなのか、そう疑ってみたくもなるわけです。今までそういう具体的な例は、去年のガリオア・エロアの返済問題をめぐって、産投会計法の改正という、まことに木に竹を継いだような、氷炭相いれざる要素を持ち込んだところに問題が発生しただけであって、今までその一部改正を繰り入れについて出してきたけれども、それについて別に不都合というものはなかったはずである。それにもかかわらず、これを国会の審議から、特に大蔵委員会の審議というものから取りはずしてしまう、これは予算というものは御承知のような審議の段階で、すべての四十一かに上る特別会計を初め、一般会計、政府機関、こういう膨大なものを論議しているのです、だから集中的に産業投資という問題についてどこまでやれるかわからないわけである。この委員会において初めて、産投会計設置の理由から、そして産業体制強化あるいは国際競争力の強化、こういうような角度から専門的に論議をする場というものはここであるべきはずである。しかも実体的にも、去年の特殊な例外を除いては、今日まで予算執行について支障を来たしたはずもない。むしろ、ここで論議されたことによって、産投会計法が正しく生かされるという方向に若干でも向く可能性というものがあるはずである。それにもかかわらず、ここでの審議権を奪おうというのが今度の法律案になっているわけである。これはあなた方がどう答えようともそれだけのことでしかないわけです。国会の中で法案はやはりちゃんと通過をいたしておる、予算も通過をしておる、それに伴う産投会計法の一部改正もちゃんと通過をしておる。それにもかかわらず、もう産業投資という問題については政府が何よりも第一義的にオールマイティなのだ、こういう思想です。せんじ詰めればそれだけのことなんです。それだけになぜそういうようなことにしなければならぬのかという点についてはどうしてもわからぬ。これは政治判断として、今度の産投会計法の一部改正の中から、やはり今まで通りにやるのだということを排除する法改正というものは、その部分だけは少なくとも撤回をしてもらわなければならぬと私は思うのですが、そういうお考えになりませんか。
#31
○原田政府委員 何度も同じことを申すようでありますが、決して国会の審議権を無視する、国会を無視するという考えはないのでありまして、これはそこまでいきますと見解の違いというようなことにならざるを得ないのでございまして、私どもは決してそういうような考えを持っておるようなわけではございません。だったら前通りにやったらどうかという広瀬委員の御忠告でございますが、私どもの方といたしましては、この提案いたしました法律案がそういう国会軽視ではない、より以上、産投会計というものを国家のために十分に役立てたいという気持を根底に持っておることは間違いのない事実でございまして、予算の際に十分御審議を願い、ここではそれを繰り入れる法律を毎回やる、それを通じて十分に審議を尽くしたらよいじゃないかという御議論、それはもう審議は一ぺんであれ二へであれ十分尽くせる機会があるのであるから、それでいかがでございましょうということに尽きると思うのでございして、どうぞ政府の意図しておるところを一つ御了承賜わりたいと思います。
#32
○広瀬(秀)委員 今までずっとやってきて、今私が申し上げたように何ら支障がなかった、それにもかかわらず、今回それをやるということは、今度のような改正をしなければどういうマイナスがあるのだということをお考えですか。マイナスがなければ今まで通りにやっていいはずです。その点も具体的に述べて下さい。
#33
○上林(英)政府委員 本件改正をいたしますことによりましてどういうプラス、マイナスがあるかというお話でございますけれども、機構と申しますか、特別会計の職能を法律で規定をいたしておるわけでございますが、それが現在の産投会計の現状あるいはあり方にかんがみ、どういうものが適当であるか、こういう判断をいたしまして、機構をつくるわけでございます。あるいは例が適当でないかもしれませんが、たとえば住宅金融公庫で、本来は一般大衆の住宅をつくることを業務としておった、しかしたとえばある年度に限り産労住宅をつくりたい、それを毎年々々、ことしもやった方がよかろうということで、ある年度に限りそういうことができるというような業務を広げた、それで、まあ大体恒常的にそういうことをやるのがよかろうという判断になりますときには、毎年御判断を仰がないで恒久化するということも一つの方法であろうかと存じます。産投会計につきましても、産投会計のあり方といたしまして一般会計との繰り入れ関係を伴います、その両会計の管掌の問題につきましては、前から申し上げておりまするように、一般会計から産投会計へ繰り入れるということ自体が、今後の産投会計の姿を見て参りますると、相当恒久的な姿にならざるを得ない、またそうあるべきであると、私どもは考えておるわけでございます。そういうような産投会計のあり方から考えまして、産投会計法におきましては、一般会計から財源を仰いで投資を行なっていくということが機構自体としてもお認めいただいてしかるべきではなかろうか、こう考えておるわけでございます。なおそれを繰り入れまする場合におきましては、これは予算をもちまして十分御審議をいただくわけでございますし、その繰り入れられました金額につきましても、一般の予算関係法と異なりまして、たとえば一般の歳出の場合には歳出には計上いたしますが、それを実行いたしまするときに、幾らをどういう格好で配っていくかというような問題があるとしますと、それはまた実行のための法律が要るわけでございますけれども、これを執行いたしまする分野におきましては、産投会計法におきまして明定をされておるわけでございまして、従来も特別に個別的に立法いたしました事柄自体を、幾らをこの産投会計に繰り入れるということを規定いたしましただけでございまして、その事柄といたしましては、予算と全く同じことをここに規定いたしておるわけでありまするので、予算を持ちまして御審議を十分いただいて、それに基づきまして所要の処理が可能でございまするように特別会計の規定を整備することが適当である、こう考えまして御審議をお願い申し上げておるわけでございます。
#34
○広瀬(秀)委員 いろいろとお答えいただいたけれども、私どもはどうしても納得できない。議論としては平行線になるかもしれないけれども、これを今まで通りやってもマイナスは何もないということが明らかになった。これは答えられないことだから今まで通りやってもマイナスはない。今まで通りやるということは、やはり予算法定主義という憲法の大原則、それから経済産業政策における民主主義という立場が失われるという大きなマイナスが私どもの観点から当然あるわけであります。そういうようなマイナスをあえて冒しながら今度の改正をやるというところには何もない、あるものはただ行政権の優位性をこの際大きく出していこう、こういうことだけだというように私どもは理解するわけなんです。これについては、答弁をしても、おそらく皆さんの方では今まで通りの答弁を繰り返すだけだろうから答弁は要りません。しかしながら、ここで先ほど申し上げたように、今度の改正の附則で処理する、これをはずすという改正点はぜひ一つ撤回してもらいたい。このことだけ最後に要望して私の質問を終わります。
#35
○臼井委員長 佐藤觀次郎君。
#36
○佐藤(觀)委員 きょうは森永総裁と、それから太田総裁が来ておられます。森永さんは昔大蔵省の名主計局長から次官になられて、今度また大栄転でありますが、私はあまりこまかいことは言いません。大きなことだけ聞きますから、大臣になったようなつもりで両者にお答え願いたいと思います。
 実はいろいろな意見がありまして、輸銀とそれから開銀を一緒にしたらどうかというような意見があります。その点について、両総裁からどういう意見を持っておられるのか、まずお答え願いたい。
#37
○森永説明員 御承知のように開銀は、国内金融と申しますか、国内での設備資金、国内産業の振興のための資金をお出しになっておられるわけであります。私どもの方は、直接の貸付の相手方こそ国内の業者でございますが、その資金は外国に輸出するものの延べ払いのための運転資金が一番多いわけでございます。あるいは海外に投資いたしまするための資金であるとか、海外から輸入をいたしまするための資金であるとか、要するに、ことごとく輸出入ないしは海外の事業に関連した資金を出しておるわけでございまして、事業分野が開発銀行とは画然と異なっておるわけでございます。従って、両行の存在理由がそこにあると存じますが、それを一緒にするということも一つの御意見かもしれませんが、あまりいろいろな面が一緒になりますと、かえって金融の向上も期し得られないと思う次第でございまして、やはり現状通り二つに分けてやらせていただきますのが適当かと存じます。
#38
○太田説明員 今、輸銀総裁から申されましたように、両行の業務が非常に画然と分かれておりますので、これを一緒にいたしますと、それでプラスになるものが別にない、こういうことでございまして、私も今の輸銀総裁と同意見でございまして、両行別々に仕事をいたした方がいいというふうに承知しております。
#39
○佐藤(觀)委員 総裁からそういう意見のあるのは当然でありまして、私はそれ以上どうこう言いませんけれども、中山素平さんあたりもそういう意見を持っておられるやに聞いておりますが、ただ問題は、輸銀は輸銀で徹せよ、開銀は開銀で徹せよ、こういうような意見がありますが、森永さんはどういうようにお考えになっておられますか。輸銀は輸銀、開銀は開銀としての本来の仕事にもっとウエートを置いてやったらどうかというような意見もあるのですが、そういう点は森永さんどういうようにお考えですか。
#40
○森永説明員 これは私見でございますが、現在ございます政府関係金融機関の分野が必ずしもはっきりしないというような意味での分野の確立という問題は、確かに一つの問題としてあるんじゃないかと存じます。しかし、輸銀に関する限りは、その辺の分野が画然と確立されておるように私は考えておる次第でございまして、他の金融機関のことは答弁の限りでございませんので、この辺で御容赦いただきたいと存じます。
#41
○佐藤(觀)委員 それからもう一つ円のレートの問題でいろいろ議論があるのですが、あとで堀君が要求しておりますので大蔵大臣が来られますから、大蔵大臣に一、二点だけ聞くつもりでありますが、森永さんは今のレートについてどういうようにお考えですか、その点をお伺いしたいと思います。
#42
○森永説明員 ただいまの御質問に私答弁申し上げる資格はないと存じますが、現在のレートがやはり一番いい、そういうふうに考えておりますことだけ私見として申し添えておきたいと存じます。
#43
○佐藤(觀)委員 私たちは森永さんを参考人としてお伺いしておるので、森永さんがこういうことを言ったからあとで追及するというようなことはありませんから、そこは安心して答弁をしていただきたいと思うのです。
 それから私たちが東南アジアなんかへ行って非常に感じますことは、国内同士の過当競争が非常にあると思うのですが、一番日本の欠点は、投資をする場合に、あそこにもちょっと、こちらにもちょっとというようなことをやっておると思う。そこは、ドイツあたりはAという銀行がある仕事に重点を置けばBのところは絶対金は貸さぬ、そういうことをやっておると思うのです。ところが日本の現状では丸紅にもやるあそこにもやるというようなことで、いろんな都市銀行その他のあれがまちまちにやっておると思うのです。こういう点は日本の貿易振興に非常に阻害を来たすように考えておりますが、その辺は一体どういうようにお考えになっておりますか、伺っておきたい。
#44
○森永説明員 私どもの銀行で取り扱っております投資金融は全体の約一〇%くらいがそういうものに充てられておるわけでありますが、これは申し上げるまでもなく補完金融でありまして、投資をされる業者の自己資本ないしは市中調達でできないところを輸銀がカバーするという建前でできておることは、御承知の通りでございます。日本全体の投資の方針ということになりますと、これまた大蔵省の問題でございまして、私どもがとやかく申し上げるまでもないことではございますが、お話のように必ずしも国力が十分充実いたしておるわけではございませんので、やはり極力重点的に経済交流の効果の上がる地域に投資していく、そういう配慮が必要なのではないかと考えます。しかしながら貿易構造それ自身を問題として考えました場合に、消費材がだんだん機械類の輸出に変わってくる。機械類の輸出も、ただそれを輸出するということでなく、現地に何らかの拠点をかまえるのでなければ、機械類の輸出もなかなかはかどらないというような事情の変化もございますので、先ほど申し上げましたように、重点的に効率的に考えなければならないことは当然でありますが、もう少し積極的に海外投資、特に東南アジア等に対する投資については配慮していく必要もある面も起こりつつあるのではないか、大体そのような考え方をいたしておる次第でございます。
#45
○佐藤(觀)委員 西独なんかが東南アジアにいろいろの資金の供給をやり、産業の発達のためにやっておるように聞いておりますが、西ドイツの方のそういう輸銀のような立場の銀行の状況などを、参考のために教えていただきたいと思います。
#46
○森永説明員 私はまだ新米でございますのでつまびらかにいたしておりませんから、山本理事が参っておりますので、その方からお聞き願いたいと思います。
#47
○山本説明員 西独におきまして、私の方の銀行と似たようなことをやっております金融機関は二つございます。一つはAKAと申しまして輸出金融会社、もう一つはKfWと申しまして復興金融金庫、この二つでございます。ただいま主としてよく活動しておりますのはこの復興金融金庫の方でございまして、長期の輸出金融は大体八年ないし十年程度、借款の場合は十年ないし二十年程度で行なっておりまして、金利は大体私の方と似たような金利でやっております。
#48
○佐藤(觀)委員 同じようなあれがあっても、私は東南アジアに二週間ばかりおりまして、西独の金融制度がうまくいっているように聞いてきましたけれども、森永さんが最近輸銀の総裁になられまして今後活躍されると思うのですが、そういう点についてはわれわれもドイツに負けないような考えでやっていただきたいと思うのであります。
 今世界銀行と輸銀との関係はどんなようになっておりますか、これも伺っておきたいと思います。
#49
○森永説明員 全然関係ございません。
#50
○佐藤(觀)委員 関係ないけれども、その辺に関連した何か輸銀とのコネクション、そういうものはないのでありますか。
#51
○森永説明員 世銀なり第二世銀なりから後進国には相当の投資資金を供給しておられるわけでありますが、制度的には私どもの融資とは何らの関係なく、それぞれの見地から運用されておるということでございます。
#52
○佐藤(觀)委員 国際収支の赤字がどうにか黒字に転換して、現在十九億ドル程度のドルの保有高になったのでありますが、このごろ西独は六十億ドルの保有高を持っておっても、最近必ずしも前のような成績で経済関係がいっていないように聞いております。こういう点について海外投資でいろいろ問題になると思うのでありますが、そういうような関係になって、日本はこのまま黒字が続いて、外国の、ドイツなんかと比べてどういうような変化が出てくるのか、この点についてわれわれ心配しておりますが、政府は楽観論で終始しております。そういう点についての心配があるのかないのか、この点を森永さんから承っておきたいと思います。
#53
○森永説明員 ドイツの関係のことはよく存じませんが、東南アジアにおきましても、地域によりましては政情が不安なために必ずしもこちらからの投資について積極的に進み得ない地域もあることは御承知の通りでございます。それはきわめて限られた地域でございまして、大部分の地域におきましては現に日本からも相当進出し、また今後も一そう経済交流を促進する観点から日本の業者が進出せられることにつきまして、われわれもお手伝いをする余地が相当あるのではないか。必ずしも
 一がいに悲観的に考える必要もないのではないかというふうに考えております。
#54
○佐藤(觀)委員 先ほど森永さんにちょっと伺ったのですが、出先商社の過当競争に対して、政府がむろんやることでありますけれども、輸銀なんかの立場としては、そういうような乱雑な過当競争に対して何らかの制約を加えることができないのかどうか、その点も承っておきたいと思います。
#55
○森永説明員 直接私どもの窓口を通じてそういう問題を検討した結果として申し上げるのではございませんが、商社なりメーカーについての競争もほどほどにということではないかと存じます。私、非常に印象的でございましたのは、経団連の会議に出席いたしました際に、石坂会長が、EECの諸国を訪問されました印象として一番痛切に感じたことは、日本の商社の海外での競争が少し度を越しているのではないか。一たん輸出しても度が過ぎるとその一つの品物がとめどなく出ていって、これではたまらないというような恐怖の念を植えつけておる、そういう点についてもう少し節度を持つ必要があるということを非常に痛切な印象としておっしゃっておったのでございますが、やはりそういう点の配慮がこれから非常に必要になってくるのではないか、私も全然同感のような次第でございまして、直接私どもの窓口での経験ではございませんが、一般的な問題としてそのような考え方をいたしております。
#56
○佐藤(觀)委員 東南アジアで非常に発展をしている国はアメリカの次にソ連、それから何といっても地力を持っているイギリス、その次に西ドイツだということをわれわれは現地で知ったのでありますが、そういうような中で一番特徴的な強さというものは、やはりイギリスが相当に根を張っていることは伺ってきましたが、山本さんは外国におられましたが、そういう点について日本としては、イギリスあるいは西独に学ぶ点があるのかどうか、この点を山本さんに一つお伺いしたいと思います。
#57
○山本説明員 ただいま佐藤委員の御質問でございますが、イギリスの場合は主として長い資本の蓄積がございますので、国の援助と申しますのはあまりございません。ECGDと申しますのがやっておりますのと、それから植民地ないしコモンウェルスに対する投資に関する政府機関があるだけでございます。西独につきましては、やはり戦後非常に力を入れまして、先刻御説明申し上げました復興金融会社なり何なりそういう特殊の金融機関をつくりまして、そして援助をしておる、かように存じております。
#58
○佐藤(觀)委員 そういう観点から、日本の円レートというものが問題になると思うのですが、先ほど森永さんから御返答があったのですが、あとで大臣にお聞きしたいと思いますが、円のレートというものは、国際貿易の関係にいろいろなことがあると思うのですが、山本さんはどういうふうにお考えになっておるか、参考のため伺っておたきいと思います。
#59
○山本説明員 はなはだ雑駁な知識でございまして、今のお答えをする資格もないのでございますが、先ほど総裁から申し上げました通り、今のレートが適当であり、また動かすこともできないではないかというふうな感じを持っておりますことだけ申し上げます。
#60
○佐藤(觀)委員 いろいろ申し上げても、やはりあなた方の立場もありますから、これ以上申しませんけれども、私たちの考える点では、やはり国全体としてはそういうようなところを考えないと、だんだん日本品の貿易が萎縮をするのじゃないかというふうに考えております。そこで現在私たちが非常に心配しておりますのは、やはり日本が盛んにこの産投会計に三百五十億円入れるということで力を入れておりますけれども、しかしこれだけで日本の経済がもっともっと発展をするというようなことは考えられない点でございますが、私はそういう点で日本の金融機関というものに対して、もう少し考え得べき点があるのじゃないかというふうに考えておりますが、これは森永さん最近総裁になったばかりであなたにいろいろ意見を聞くということは悪いのですが、幸いきょうは産投の関係であなたを呼んでおるのでありますが、そういう点では何か示唆をするような考えがおありだったらお示し願いたいと思います。
#61
○森永説明員 ただいまの御質問は、輸銀に限らず現在金融機関全体について何か考えはないかというお尋ねかと思いますが、どうも勉強もいたしておりませんし、また大蔵大臣、銀行局長もおいでになっておることでございますので、管掌外のことといたしまして、御答弁を控えさせていただきたいと思います。
#62
○佐藤(觀)委員 大臣が見えましたから、堀君が待っておりますが、二点だけ大臣に伺いたいと思います。それは先ほど私が開銀と輸銀の総裁にちょっとお伺いしたのですけれども、これは立場がありますが、開銀と輸銀を一緒にしたらどうかという意見が非常にあるわけです。それをどういうふうにお考えになっておるのか。それから為替レートの問題が、今のままでいいのか悪いのか、この二点を大蔵大臣から伺いたいと思います。
#63
○田中国務大臣 御質問を承っておりませんでしたので、的はずれになるかもわかりませんが、第一点の輸出入銀行と開発銀行を一緒にした方がいいという一つの議論として拝聴いたしておきます。この問題は、国庫が国内と国外に向けて分けておるわけでございますので輸銀の拡充という面は、これから輸出を伸ばさなければならないということ、それからこれからの自由化に対応して相当拡充していかなければならないだろうという考え方、特に中小企業の輸出の問題、輸入の問題その他で機構拡充という問題はございますが、国内的な面から見て、産業の育成、産業基盤の強化、また今度の石炭のように特別な事由に基づいて特定な業種に対して法律に基づく業務を行なうということでありますので、これを一緒にして外国部、内国部というような、考え方としてはあるかもわかりませんが、開発銀行や輸銀そのものが、本来の性質と目的から考えましても、機構を拡大しなければならないという状態でありますので、これを二つ一緒にするというような考え方が適切であるかどうか、相当検討を必要とする問題だと思います。
 それからもう一つ、為替レートの問題、これは外国等との相手のある話でございますし、IMF等の状況もございますので、これはもう少し幅を持たせた方がいいという議論、現在のままでいいという議論がございますが、これは日本の円価値というものの推移を十分見ながら、これが及ぼす影響も相当大きいものでありますので、これらの問題に対しては慎重に検討いたしております。現在まだ結論を出すような状態ではございません。
#64
○佐藤(觀)委員 もう一点だけ……。きのう金融懇談会でいろいろ議論があったということを聞いておりますが、最近政府の中で矛盾が一つある。その矛盾は政策金融とそれから政府関係金融機関の成績主義の問題ということが矛盾になってきておるわけであります。こういう点は大いにお考えになっておりますか、ちょっとお伺いしたいと思います。
#65
○田中国務大臣 内容的に何か例示をして一つ御質問いただけませんか。
#66
○佐藤(觀)委員 政府の言っておることと実際は、いわゆる政策的に金融をやることと、政府の金融機関がいろいろ成績を上げようということに矛盾があるのかないのかということを一つ聞きたい。
#67
○田中国務大臣 どうも具体的な問題があれですが、結局政府が歩積み、両建等をやめさせたいと思っているけれども、政府関係機関から流れているものにさえも歩積み、両建を強要しておるのではないかというような問題ですな。――それに対してお答えいたします。これは予算委員会でも明らかにいたしておりますが、この歩積み、両建というものに対しては三つの考え方があります。その一つは、長い間の商習慣でありまして、この商習慣というものを守っていくという限度内において必ずしも歩積み、両建というものを排除すべきものではないという一つの定説があります。でありますが、これは歩積み、両建というものを商習慣だというけれども、基準がなくて銀行検査をやっても捕捉しがたいという名のもとに乱用せられることはいけないわけであります。それからもう一つは、歩積み、両建というその制度を乱用しまして、預金のかき集めという手段に使ったり、それから資金を必要としておる人の、いわゆる借り受けを行なう人の意思に反して歩積みが行なわれるということは、これはもう全くいけないことであります。第三は、その上になお政府関係機関から特に中小企業等に出されるものに対して歩積みを要求する、これは言語道断というところでございます。問題はその三番目の言語道断という部面に対してであろうと思いますが、政府関係機関から出るものは、一般金融の補完的な任務を持っておるわけでありますが、現在の状態が刺激的な要素となりへ当然少なくとも政府関係金融機関から貸し出すものと同額以上民間金融機関が持つということでありますから、政府が百万円貸せば自分も百万円貸せると言いながら、自分のところは全部歩積みにしてしまうということは、これは政府関係機関を利用して預貯金を強要しておるわけでありまするし、中にもっとひどいのは、私はそんなのが必ずしもあるとは思っておりませんが、百万円政府資金から出、自分の百万円を出すというようなものはもちろんのこと、政府資金から出る百万円のうち、十万円も五万円も歩積みを要求するという、これは極悪非道というところでございまして、こういうものに対しては三月の初めからやっておる銀行検査でびしびしと一つ事実を明るみに出すという態勢をとっておるわけでありまして、こういう問題、特に政府関係機関からの貸し出しに対しては、そのようなことが絶対にあってはならないし、ないような方向で政府の考え方と実際の窓口がマッチをしていきますように進めたいというふうに鋭意努力を続けておる次第であります。
#68
○佐藤(觀)委員 いろいろと聞きたいことがありますけれども、大臣の時間がありませんので、これで終わります。
#69
○臼井委員長 堀昌雄君。
#70
○堀委員 ちょっと外務省の問題から先にやりたいのですが、まだ入りませんから、さっき広瀬君もやりましたし、私も前から今度の産投会計法で納得のできない点が一つだけありますから、大臣にお伺いをいたします。
 今度の改正の問題について、私どもが一番重要だと思っておりますのは、これまで産投会計法の一部改正ということで、昭和三十一年以来ですか、資金への繰り入れ、その他については附則で処理をしてきたのが、今度は予算によって処理がされて、言うなれば大蔵委員会では産投会計の論議をこれからはどうせやりますけれども、法案の関係としてはやれなくなるという問題があるわけです。実はこれまでもそうでありますが、今度の国会におきましても、この産投の一部改正につきましては、私どもは数回ここで皆さんが立って、こもごも質疑をいたしまして、問題についての解明をしていきたいということで論議をしてきたわけですが、今後はそういうことがなくなるわけです。政府委員の説明によると、これまではそういう必要がなかったけれども、これからは恒常的に性格が変わったので、こういう方をやってもらいたいのだ、こういうふうな答弁があったのですけれども、私どもはこれまでといっても三十一年からやっていたことですから、その必要は今に始まったことではない。これは急にこういうふうになったのは、どうもガリオア・エロアで産投の減資をして、そこで結局、これからは一般会計に財源を依存しなければならぬということがきわめて明白になったので、こういう処理がとられるようになった、こういう理解をしておるのですが、大臣のこれに対する御見解を伺いたい。
#71
○田中国務大臣 御承知の通り、産投会計は対日援助見返り資金の資産を受け継ぐということでつくられたわけでございますが、現在の状況を見ますと、産投会計が、これからの産業施策上、また社会資本の不足を補っていくという意味からいって、政府施策の上から非常に重点的に考えなければいかぬという状態になった点については御理解賜わることと思います。制度の上では予算審議ということがございますので、予算で議決をせられる場合は産投会計に繰り入れるようにできることは適法であります。この委員会でもって産投会計法の繰り入れ限度とあわせて立法措置をお願いしておりましたから、それが今度予算だけでもってやれば、この委員会ではあまり審議ができなくなるのじゃないかということについては、これは一般として大蔵省所管のものは当然本委員会でもって適切に御審議を願うわけでございますので、法律案として出る出ないにかかわらず、本委員会としては十分御審議を賜わるし、またわれわれもその法律案を通していただくためにだけ、法案の審議の段階にだけ誠意をもってお答えをしておるわけではありませんから、これは随時いつでも御審議の対象になり得ますし、私たちも十分審議に応じていきたいという考えでございます。
 問題は制度上の問題でありますが、他の政府関係機関の受け入れ限度額というものを一々きめていくことがいいのか、そういうことではなく、予算で議決をすればある限度額までにはいつでも入れていいというふうにすべきか。また産投会計のように限度額さえも設ける必要はない、それは需要というものが非常に大きくなる国家目的というものが明らかになっておるのでありますから、しいて限度額を設ける必要はないというような考え方が、すなおに考えればあるわけであります。でありますから産投会計のような弾力的な運用を必要とする特別会計については、一般会計からいつでも弾力的に繰り入れられる。しかもその繰り入れる場合には、当該年度の予算で十分国会の審議を得るということであれば、今よりも弾力的な運用という面で御理解願えるのではないかというふうに考えておるわけであります
#72
○堀委員 弾力的運用というのは、大体行政権としては非常に都合がいいことだと思うのです。しかしまだ一般の予算法定主義の原則がありますから、やはり論議はできるだけするのが私はいいと思う。
 そこで今大臣は、法案でなくても大蔵委員会で審議をされることはかまわぬし、大いにわれわれも参加する、こういうお話なのです。実は大蔵委員会の現状として見ると、これまで法案がたくさんあるから一つできるだけ法案をやってくれという要望が強いわけです。そこで私は、今の大臣の見解を一つ確認をいたしまして、今後ずっと産投会計法はかからないけれども、産投会計に関する諸問題については、大蔵委員会はこれを単なる一般質問とは理解をしないで、これまであった附則で処理をしたというその実績は、大蔵省としてはここで生かしていく。大臣がかわってもそんなことに関係なく、大蔵省の公的見解として、これはこの通常国会においては私どもの審議に応じるという政府側の立場も確認をしていただきたいし、あわせて委員長にもお願いをいたしておきますけれども、そういう確約があったということを一つ会議録にとどめていただいて、委員長も一つ御承認を願って、これはあなたが委員長である、ないにかかわらず、大蔵委員長、大蔵大臣がこういう公的の席においてそれを保証したということにしていただくならば、私は内容の問題として一応了承いたしますが、その点について委員長及び大蔵大臣の御見解をちょっと承っておきたい。
#73
○田中国務大臣 ごもっともな御議論でございまして、産投会計法の改正をお願いいたしまして、それが通ったからといって予算委員会のみで審議をしようという考えは毛頭ありません。産業政策上、また経済の根本にも触れる問題でありますし、非常にテンポの早い、社会資本充実という面に大きなウエートを持つものでありますから、今まで以上に御質疑を賜わりたい。こちらも進んでいろいろな事情の説明その他に応ずることをここで申し上げておきます。
#74
○臼井委員長 ただいまの政府のお答えで足りていると存じますから、あらためてこちらで申しませんが、御趣旨のほどはよく了承いたしておきます。
#75
○堀委員 それでは、外務省はまだ来ませんけれども、先に輸銀総裁に簡単にお伺いをいたします。
 経済協力について今輸銀が直接借款をお出しになっておるところがありますが、これの現在の条件ですね、金利及び支払いの長さといいますか、そういう条件を一つ伺いたい。
#76
○森永説明員 直接借款といたしましては、インド、パキスタン、ベトナム等々ございますが、最近の条件を申し上げますと、一月にパキスタンとの間に第二次の円借款につきまして政府間の了解ができまして、私どもと向こうとの間に間もなく貸付契約を締結することにいたしておりますが、政府間の了解におきましては金利は六分でございまして、期限は据置期間を含めて十五年でございます。五年据え置き十年の延べ払いでございまして、結局十五年ということになります。
#77
○堀委員 そういたしますと、これまでのインド第一次、第二次、第二次追加、これらもやはり大体同じでございますか。
#78
○森永説明員 インドの第一次の条件は金利が五分七厘五毛でございまして、期限は十年でございます。
#79
○堀委員 ずっとお答えいただきたいのですが、第二次、第二次追加は大体同じでございますか。
#80
○森永説明員 インドの第二次以後は全部同じ条件でございます。
#81
○堀委員 南ベトナムはいかがですか。
#82
○森永説明員 南ベトナムは金利は五、分七厘五毛でございまして、三年据え置き七年の十年の期限でございます。
#83
○堀委員 パラグアイはいかがですか。
#84
○森永説明員 金利は世銀の金利並みということでございますが、たしか五分五厘でございました。期限は据置期間を含め十年ございます。
#85
○堀委員 ブラジルはどうですか。
#86
○森永説明員 ブラジルにつきましては直接の円借的なものはございません。
#87
○堀委員 ブラジルにBNDEというのがございますね。
#88
○森永説明員 BNDEに対する直接借款は今後の問題でございまして、いまだ貸付はいたしておりません。
#89
○堀委員 今後の問題と申しますと、これはまだきまっていないということですか、昭和三十七年の七月にコミットされておるようですが。
#90
○森永説明員 貸付を行なうことについての了解はすでに成立いたしておりますが、まだ実行をいたしておりません。先方の事情で延びておるわけでございます。
#91
○堀委員 輸銀の直接借款が出ておるのはこれだけでございましょうか、ほかにありますか。
#92
○森永説明員 ただいまおあげになりましたもので全部でございます。
#93
○堀委員 外務省がまだ参りませんので、それでは大臣にお伺いをいたしますが、この間私、予算委員会の一般質問でございましたか産投資金の問題に触れまして、今度の産投の取りくずしをした残りが二百五十七億ですか残っておるわけですが、これは、ここの委員会では三十九年度に使うような答弁を理財局長あたりはしておる。しかし大臣はそのときに、私が、三十八年度中にいわゆる税収の関係で操作をする原資に充てたらどうか、要するに配当、利子所得の法人分が三十九年度に繰り越されていく、実質的には自然増収とかそういう問題ではなくて、三十八年度の分として本来は落ちているけれども、三十九年度に入るのが百億ばかりあるから、それを私は一つ産投資金で操作して処理をしたらどうかと言ったら、あなたは三十八年度中に使うのだ、そういう可能性があるからという答弁があったのですが、この今の二百五十七億の資金は三十八年度に使う可能性があるのか、三十九年度へ繰り越すことになるのか、あなたはどうお考えになっておるかをちょっと伺いたいと思います。
#94
○田中国務大臣 予算の審議をいただいておるのでありますから、現在、平たくいえば三十九年度にそのまま繰り越すということになるわけでございますが、しかしそういう四角ばった話よりも実際的なものを申し上げれば、これは自由化の計画をどうするか、それによって国内産業に対する政府施策をどうしなければならぬかという問題も起きて参りますし、去年のように石炭産業に対して特別な国会さえも開かなければならぬというような事態が起きて参りますときにこそ使わるべきものでありますから、そういう意味で自由化の問題、八条国移行の時期、そういう問題でいろいろな問題が当然変わってくるわけでございます。でありますが、観念的にはそうでありましても、理論的には三十九年度に繰り越します、こう御答弁申し上げないといけないわけでございまして、そこは大蔵省流にお答えしておるわけでございますが、実際は、弾力的にということになれば、適切な使用目的があれば三十八年度中にも使用しなければならぬことは言うまでもないというふうに考えておるわけでございます。
#95
○堀委員 今のお話で八条国移行に伴いますところの自由化の問題、諸問題があるから、そういう意味で国内的に使うということは私あり得ると思うのです。補正予算を組んで産投の取りくずしができると思うのです。大体現在考えられておるのはそれだけですか。弾力的な、そのほかにはあなたのお考えの中にはありませんか。
#96
○田中国務大臣 国内産業政策というものが一番大きいと思います。それから新産業都市とか各地方の低開発地域というような問題があるのですが、これはまだ法制上の問題もございますし、これは資金的には非常に重要な問題になってくるわけですが、三十八年度の予算というものについて調査費、それから予備費、調整費で計上するようなもので一体いいのかという議論は、政治的な立場からいえば相当な問題があるわけでございます。そうでなくても、一般会計のワクも非常に大きくなったというような問題もありまして、そのところは一応現時点において配慮したつもりでございますので、これからの問題で、これらの資金というものに対して国会の審議を願うというような状態があり得るわけでありますから、そういう場合も当然考慮せられるわけであります。
#97
○堀委員 今のことはみな私大体わかるのです。
 外務省を呼んでいるのに一向参りませんし、大臣とのお約束の時間も過ぎますから、大蔵省側でお答えできる範囲でまず答えていただきたいのは、この前、年末にきまった対韓請求権問題について、無償二億ドル、有償三億ドルでしたか、新聞はたしかそんなふうに伝えておったように思いますが、あなた方の方にも、理財局あたりには外務省からは連絡があったはずだと思う。支払うことをきめるのは外務省ですけれども、支払いをするのは理財局という関係になると思いますが、大体そこらでございましたでしょうか、大臣からお答え願います。
#98
○田中国務大臣 まだ対韓債務を払うということや、対韓経済協力というものは、これは全く未確定要素でありますので、私としては、外務省から話も聞いておりますし、また大蔵当局としてもこれらの問題を承知いたしておりますが、現在、三十八年度の予算審議をお願いいたしておるものの中から捻出をしようなどという考えは、全然持っておりません。
#99
○堀委員 私がちょっと伺ったのは、三億ドルの有償ということは、おそらくさっき伺っておった、輸銀からの長期借款になるのではないかというふうな感じが私はしておりまして、巷間伝えられるところによれば、三分とか二分とかの非常に長期の借款というふうに、新聞等は伝えておったわけです。そうすると、三分で輸銀から出すとすれば、これはかなり大きな出資を輸銀にしませんと、現在の輸銀の原資のあり方としてはできないんじゃないか。そうすると、勘ぐったわけですが、産投資金にあれだけ積んであるものの一部を、産投の資金から少しずつ取りくずして、それに充てるということもあり得るのではないかという感じがしましたから、前段で、少し産投資金取りくずしのあり方についてお尋ねしたわけです。ですから今のお話で、あの産投資金の現在の二百五十七億については、そういう意味での輸銀出資には引き当てはしないと現在はお考えになっておりますか。
#100
○田中国務大臣 まさにその通りであります。
#101
○堀委員 そこで、ちょっと輸銀の方に伺いますけれども、政府の方から今のようなことで、年率三%で二十年なり三十年なりの借款を一つ輸銀でやれ、こういうことが出てきたときに、私は今のお話を聞いて、たとえばインドにしてもパキスタンにしても、これまでやっておるのは、やはり大体世銀借款並みの五・五%以上になっておるわけです。条件も、大体十年から十五年という非常に長期のものを対韓の中でやれといわれたとき、輸銀はどうしますか。
#102
○森永説明員 お答え申し上げる前に、パラグアイの金利を五・五と申し上げましたが、これは六%の間違いでございましたので、訂正いたします。
 ただいまお取り上げになりました対韓借款の問題でございますが、これは両国間の政治的な協定に基づいてきまるわけでございまして、どこが担当するかということも、あわせて政府間の協定の際にきまることでございますので、私どもがとやかく申し上げる筋のものではございませんが、輸銀の資金コストの観点、それだけの観点から申し上げますと、現在総資金の利回りは四分六、七厘でございますか、それに見合う低コストを維持するために、毎年出資をいただいておるというわけでございます。従いまして、もしかりに、どこの国であるかを問いませず、三%の低利率の借款を将来供与するということになりますれば、それだけ利回りが低下をいたすわけでございまして、資金コストもまたそれだけ低下させる必要がある、その意味で、借受金と出資との割合におきまして、出資の割合を若干ふやしていただくというような問題が起こってくる、それだけのことは、単に利回りと資金コストの関係だけから申し上げられるかと存じます。
#103
○堀委員 対外関係の問題はお宅ではなくて、外務省に問題が移るわけですけれども、しかし、実際の窓口が輸銀だとしたときに、どこかへ三%で貸し付けるというような直接借款をやったら、今後はどうですか。今の六%なり五・七五あたりで大体やっている、そういうところとの今後の取引、及びその後にまた六%で、新たにどこか直接借款ということができるかどうか。これは外務省が大体の取りきめをして、あなたの方へ持ってくるのでしょうけれども、しかし担当は結局あなたのところになると思うので、その場合の影響をちょっと伺いたいと思います。
#104
○田中国務大臣 これを認可するときに、私のところでやっておりますから、原則的な考え方を申し上げますと、輸銀から、世銀ベース以下のものをどんどん貸し付けていこうというような考えは、現在のところありません。これは、明らかにお答えいたしておきます。
 それから、対韓問題がいつの日にか解決をする、こう仮定した場合に、何らかの機関から出さなければならぬ。これは、もちろん対米債務を支払う前に、産投法の改正をお願いいたしましたように、協定とともに、これこれのところから払うということになれば、御審議を願うわけでございますが、少なくとも輸銀を使うという考えはございません。輸銀を使うともし仮定すれば、これはほかのところへ波及するのはあたりまえでございますし、対韓経済協力の問題については全然別個な、総理も吉っておられるように、いわゆる分離国家というような観念で、特別なものという考えでございますから、協定成立の後支払いが開始をせられるというような場合といえども、これが他に影響しないというような機関からの支出、決済ということを考えていくべきでありまして、輸銀を使って他に影響が及ぶというような道はとらないということを申し上げておきます。
#105
○堀委員 その点が非常にはっきりしましたから、輸銀の方は御安心下さっていいようであります。それはいいですけれども、しかしこの問題は、私もずっと見ておりまして、皆さんの力では二億ドル、五億ドルと、数は二とか五とかわずかです。ところが金額にすると、これはなかなか大へんで、外務省はともかく、少なくとも大蔵省は払う方の直接の責任者でもありますから、やはり慎重に、あなた方はよほど考えてもらわなければ困る。われわれは反対ですよ。反対だけれども、あなた方がやるというときには、あなた方の内部で、やはり国民の資金を使うことですから、いずれにしても、今の特別なものをつくっても、三%で金を貸すためには原資がないのです。やはり一般会計から持っていかなければないわけですからね。資金運用部のものを持ってきたって六分五厘ぐらいですから、そうすれば二対一以上の割合で一般会計から出資金を何かしないことには、三%にならないわけですから、無償と同時に有償部分についても、一般会計の大きな負担になるということは、一つ十分頭に入れておいていただきたいと思います。
 大臣は時間がありませんので、お差しつかえない範囲でいていただきますが、私は産投会計の中身を調べておりまして、どうも政府のいろいろな作業が、少しずさんに過ぎるという感じがしますから、おいでになる間に一つだけちょっとやっておきます。財政法第二十八条による昭和三十八年度予算参考書類の特別会計分の産業投資の歳入歳出の昭和三十七年度決算見込額というのは、一体いつの時点において立てられたのかお伺いをいたします。
#106
○田中国務大臣 事実問題でありますから、政府委員をしてお答えいたさせます。
#107
○稻益政府委員 予算編成時における見通しでございます。
#108
○堀委員 予算編成時という抽象的なことだとちょっと困るのですが、予算編成時というのは、そうするとあらゆる予算と同一の時点と見ていいのですか、前後があると困るから、私はちょっと確認をしておいていただきたい。
#109
○稻益政府委員 大体ほかの会計と同様でありまして、大体十二月ごろであります。
#110
○堀委員 予算編成で、産投の特別会計の予算を組まれた時期とこの決算見込額を出された時期は同一と見てよろしいですね。
#111
○稻益政府委員 同一でございます。
#112
○堀委員 それではお伺いをいたします。
 三十七年度決算見込額は歳入が六百八十四億三百二十九万円、それから歳出が六百三十六億六千七百一万円、差額は四十七億三千六百二十八万円、ところが、あなたの方の予算の前年度剰余金は四十五億五千三百万円です。同じ時期にあなたの方がつくった歳入と歳出の決算見込額の差と前年度剰余金が一億くらい違うというのはどういうわけですか。同じ時期だと言ったのですから、同じ時期に別々のものを出すという理由を一つ伺いたい。
#113
○稻益政府委員 私どもの手元にあります資料によりますと、三十七年度の決算見込額の剰余金四十五億五千万円、これが三十八年度の予算で四十五億五千三百万円、同額で載っております。
#114
○堀委員 私がいただいておりますのは、三十七年度決算見込額で剰余金のところまで書いてないのです。歳入と歳出の差額は当然剰余金ですから、歳入から歳出を引いた差額は四十七億三千六百二十八万円、では一体、歳入と歳出の差、決算見込、額の差が剰余金でないというのはどういうわけですか。これはちゃんとここにあるのです。ミス・プリントですか。
#115
○稻益政府委員 ちょっと手元の資料でわかりかねますので、調べて後刻申し上げます。
#116
○堀委員 一つお調べを願います。実は私、産投会計の出入りを少しこまかく見ておりまして、ここは二億くらいですが、少しずさんに過ぎるような気がしてなりません。それは、皆さん方の決算見込額と決算額との間にいつでもかなり開きがあるのです。たとえばある一年だけ多少違うということなら、私も了承しますけれども、毎年違うのです。あなたの方で出しておられる財政法二十八条に基づくものと決算額を調べてみますと、その差額は、三十三年度でいいますと、決算見込額では二十億しか出てないのですが、決算額では四十八億出ているのです。三十四年度については、決算見込額で七十億の差を見込んでおったのに、決算では百一億出ているのです。ちょっとやそっとの開きではないわけです。だからあなた方の決算見込額というのは少し一これは十二月にやるとあなたはおっしゃったでしょう。私ども実は、あなたの方の四半期別の予算執行の資料は、最近第二・四半期のものをもらったままですよ。私は今ごろなら当然第三・四半期の終わりのものが来ていいのじゃないかと思ってみたけれども、最近第二・四半期のものが出てきている。あなたの方は十二月の終わりごろやったと言うのだから、第三・四半期の方の計算は済んでいるだろうと思うのですが、決算見込額と決算額の間がどうしてこんなに違うのですか。これの理由を一つ……。
#117
○稻益政府委員 いろいろ計数の違いが大きい点は、見込みのあれで非常に申しわけないところもあるのでありますが、主たる点は開銀の納付金、それから北海道東北開発公庫の納付金、これが実は二〇%程度精算払いで入ってくるわけです。この点が見込みの違います一番大きな点で、そのほか決算になりますと不用額が出て参ります。そういうものを合わせまして、ただいま先生御指摘のような相違が出て参るわけであります。
#118
○堀委員 しかし、決算見込額というのはそれを見込んでないのですか。ちょっと伺いますが、そうすると、開銀納付金の二割部分を引いたのが決算見込額ですか。決算見込額と決算額というのは同一ベースですよ。二割の問題は関係ないのです。どうですか。ありますか。
#119
○稻益政府委員 二割がそのまま違っておるという意味ではございませんで、二割についての十二月ごろのわれわれの見込みと、実際に出ました決算との違いでございます。
#120
○堀委員 私どもちょっとそこがおかしいと思うのです。今のあなたのおっしゃる二割の問題というのは、予算と決算の間に起こると私は思うのです。三月三十一日まで収納される歳入額としての予算を見るのなら、開発銀行の納付金の約二割ほどがあとへずり込むという問題の中で、予算額と決算額との差における歳入の差というのなら、これはわかると思いますよ。そうじゃないのです。決算の見込額ですからね。決算の見込額というのは、あなたの方では決算に対してものを見るためにやっているのじゃない。予算対比ですか。決算額を見てそれに対する見込みをとっているわけだから、その二割というのは決算見込額の中に当然入っているはずじゃないですか。入らないのですか。
#121
○稻益政府委員 入っております。
#122
○堀委員 入っているのなら、あなたのさっきのお話は、その点については全然理由になりませんね。見込額の中に入っているのなら、それの違いがそうなるということ以外に。じゃほかに理由がなければならぬ。その二割のもの以外にさらに二割動くのですか、開銀納付金なり北海道東北開発公庫の納付金は。
#123
○稻益政府委員 言葉が足りなかったかと存じますが、その二割の精算分につきましての見込みが完全な決算として出ました実績と違っておる、こういう意味でございます。
#124
○堀委員 二割部分の見込みが違うのですか。二割部分についての見込みの違いが二十八億になったり三十億になったりしないでしょう。開銀納付金の全額は大体二百億くらいしかないのですから、その二割部分の誤差がそんなに大きくなるというはずはないでしょう。過去における開銀の納付金というのは大体二百二十億くらいですから、その二割というのは四十億くらいである。その半分以上違うというのはおかしいじゃないですか。その二割部分についての誤差がそんなにあるはずはない。だから、あなた方の決算見込みが不正確だということになると思います。ちょっと大臣、よく聞いていただきたいと思うのです。決算見込みが不正確になるというのは、要するに産投特別会計のその年度における前年度剰余金の計上が不正確だということになる。私は、決算見込額とその剰余金の間にすでに差があるからとんでもない話だと思っておりますが、それよりもっと大きいのは、決算見込額が大幅に決算と違っておるために、前年度剰余金というものを非常に低目に見積って産投会計が組まれておるから、一般会計からそれだけ入れなくてよいものを毎年余分に入れることになり、その結果毎年剰余金が四十億くらい繰り越されてくるということに産投会計自体としてはなる。産投会計で四十億も繰り越さなくても資金があるんだから、一般会計から入れられるのだから、その分は一般会計を減らして、そうしてその一般会計分の余剰の分は減税に回しなさい、私はこう言いたくなるのですが、どうですか、大臣。
#125
○田中国務大臣 あなたの御議論は十分承知いたしておりますし、言わんとなさることも十分理解しておるのでございます。また、減税の必要性も十分承知をいたしておりますけれども、歳出需要というものは非常に大きいし、その当時におけるバランスということも考え、今度の三百五十億産投繰り入れの問題も自然増収がないわけじゃないから、いかに使い切ったと言っても幾らかあるのだろう。あればそれでも十分まかなえるのだから、二百億に近いものを減税に回せば答申通りじゃないかという御議論も何回か拝聴しまして、私もそれは十分わかっておりますが、いずれにしても、産投にある金も必要でないものを入れておってたな上げしておるわけではないのであります。これは随時弾力的な運用をしなければならないということもありますし、また、先ほども申し上げたように、自由化、八条国移行というものが対峙しておるぐらいな状況でございますので、そういうものに対するバランスも考えながら、今年の予算編成においては御審議を願っておるような状態にいたしたわけでございまして、一つそこは御了解を賜りたいと思います。
#126
○堀委員 私が言っているのは、産投会計が原資が必要であるかないとかいう前に、産投会計の歳出というものはきめておるのであります。産投会計の歳出はきまっていて、それに見合って歳入もきまってきているわけです。それに見合って資金から取りくずすなり一般会計から繰り入れしているわけですね。ところが、実際は前年度剰余金というものを低目に見積もっておるために、それだけ余分に入れているわけです。ところが、実際は前年度剰余金はもっとあるわけです。これは私過年度を三十三年度から調べてみた。毎年あるわけです。三十億、四十億という差がずっと出てきて、三十四年、三十五年でしたか、ともかく前年度剰余金をオーバーした分を補正予算で、要するに補正を二十億も二十五億もしているわけですね。だから、私に言わせたら、それは補正でやるということは、当初の予算で見積もるならば、産投会計固有の中で繰り越してきたものが多いから、それを補正に使うということよりも、本来的にはそれなら一般会計から入れる分を減らして、必要があれば補正予算でまた入れればいいのですから、一般会計の方にあるんだから、そういうふうにして、それこそ平素の予算の弾力的運用をすることによって原資が出てくる。それはたとい二十億か三十億か知らないけれども、それをあなた方はただ二十とか三十とかいうような簡単なことに考えないで、もっときちんとした予算を組みなさいということを私は言っているわけです。だから、あなた方は少しずさん過ぎるというのです。二十億、三十億と決算額と決算見込額がこんなに差があるような――一体大蔵省の役人というものはみな優秀だと私は思っておるわけです。ただ、優秀だと思っている役人がこれでは国民は泣くと思いますね。二十億も三十億も合わないのでは、計算が合わないにもほどがある。だから、大臣、今年度の、要するに来年度予算、昭和三十九年度予算に対する決算見込額と、それからその年度を終わったときの決算額が五億や十億の相違はやむを得ないでしょう。しかし、少なくとも二十億をこえるようなことはやめてもらいたいと思う。あなた、どうですか、間違いなく十億以内にとどめるということを一つ私に約束して下さい。
#127
○田中国務大臣 これは、堀さんも産業経済は非常に専門家でありますから、そうかたくななことをおっしゃるつもりはないと私は思うのです。決算見込額を出すということは、法律に基づいて出さなければならない問題でありますが、実際十二月の時点で計算をする場合、確かに十一月、十月の実績を見ながら計算をしておりますから、三月三十一日を目標にしての決算ということを予測しますと、多少低目に見るということになるわけでありまして、これはどこでもそういうことです。でありますから、決算と決算見込額との間に差があるということは、これはお認めいただけるわけですね。その幅が大き過ぎる、大き過ぎるというのは、意識的な操作ということをもしやっているとしたならば、あなた方の言う通り大蔵省がもしそういうことをやっているとすれば、健全財政主義から出ている、こう思うのです。結局、産投会計というものに対するものの考え方から言いまして、今度は三百五十億繰り入れたという問題も、二年ばかり前から、財政法の改正、いわゆる弾力的運用という問題がいろいろ議論をせられて参りましたが、産投会計法というものに対しては、見返資金特別会計を継承しただけの運用ということではなく、これからの産業経済というものに対して一つの大きな窓口、原資を持つ特別会計という考え方自体も相当変わってきているわけであります。でありますから、あなたが言われる時点の問題に対しては、ここで十億以下にいたしますなどということを申し上げようものならば、これは法律みたいで大へんなことになりますので……。(堀委員「十億円ぐらいに努力をする」と呼ぶ)まあ大いに努力をいたすことは間違いございません。間違いございませんが、産投会計という特別会計のこれからの政策的な要請というものも十分加味をしながら一つ御判断を賜わりたい、こう思います。
#128
○堀委員 大臣はいろいろとあの手この手で答弁なさるが、しかし、やはり大蔵大臣であったら、私に向かってそういう答弁をするのではなくて、事務当局に、もっときちんとしろ、おれに恥をかかせるなくらいの指示をしてやらなければいかぬと私は思うのだ。私は、やがて十年か十五年先には大蔵大臣としてあなたのかわりにそこへすわりますが、私がすわったときにはあなたのようなずさんなことはやらせませんね。あなたは御存じないからやはりあれだったと思うが、これは私がこういう種を教えましたから、一つあなたも十分ごらんいただいて、そういう点きちんと努力はいたしていただきたい。努力の結果は数で出ますから後年度において拝見いたしますが、一つ努力はお願いいたします。
 大体私がいただいている予定の時間も参りましたので――実は、この問題に関連して開銀にもちょっと問題があると私は思っております。この問題のもとは、一つはやはり開銀の納付金の動きの問題の中にもありますし、これは開発銀行法がかかりますから、そのときにあらためてまた少し緻密に論議をさしていただくことにいたしまして、本日の産投会計に対する私の質問はこれで終わります。
#129
○臼井委員長 淡谷悠藏君。
#130
○淡谷委員 輸銀、開銀の両総裁にお尋ねしたいと思うのです。
 利益金の処分のことなんですが、利益金が出た場合には積立金の規定がございますが、これは私不幸にして銀行のことはどうもあまり知る機会がなかったものですから、あるいは常識的かもしれませんけれども、この政府関係機関の開発銀行法あるいは輸銀法にもございますが、開銀法の三十六条で、「利益金の百分の二十に相当する額」、もしくは「毎事業年度末における貸付金の残高の千分の七に相当する額」というものが積み立てられるのですが、そのうちのいずれか多い額を積み立てなければならないという規定がございますから、これはこの二項のうちのどっちか一つを積み立てればいいという御方針でございますか、あるいは利益があった場合には両方積み立てるという御方針でございますか、お伺いしたい。
#131
○太田説明員 今の利益金の百分の二十または貸付残高の千分の七、いずれか多い方の額を積み立てる、こういうふうに相なっております。
#132
○淡谷委員 これは、両方積み立てたという事例はございますか。
#133
○太田説明員 これは年度によりましてまちまちでございまして、事実両方あるいはどちらかいずれかの積み立てをやったというケースはございました。ただ昭和三十三年度以降は、千分の七という率によって積み立てております。
#134
○淡谷委員 業務報告書によりますと、だいぶ開銀と輸銀との様子が違っておるようでございますし、さっき堀委員あるいは広瀬委員の質問にも答えられておりました通り、輸銀の方は大口の貸し出しをするのが特色で、開銀の方は国内の貸し出しだけに限る問題もあるようでありますから、やむを得ないことかもしれませんが、開銀の方ではこれまで貸し倒れ準備金という名前でずっと積み立てをやってこられたようですけれども、輸銀の方でも貸し倒れ準備金の方はずっとやってこられたのですね。そこでこの業務報告書の六十ページの二十九表でありますが、これを見ますと二十七年度から三十年度までは国庫納付金までされております。すなわち利益金が多かったということになりましょう、それから法定準備金としてずっと三十三年まで組まれておりますが、これらは貸し倒れ準備金とはどういう関係にございますか。
#135
○森永説明員 貸し倒れ準備金を積みました後に利益があるかないかということになるわけでございまして、貸し倒れ準備金は毎年度ずっと積んで参っておりますが、その積み立て後に利益がありました場合に法定準備金を積み、さらに余裕があれば国庫納付金をいたす、そういう関係であります、現実の問題といたしましては、貸し倒れ準備金は創立以来ずっと今日までいたしておりますが、国庫納付金は昭和三十年度まで、法定準備金は三十三年度までで、以後は利益がございませんので法定準備金も積んでおりませんし、納付金もいたしておりません。さような関係になっております。
#136
○淡谷委員 そこで、輸銀の方では貸し倒れ準備金の取りくずしは一回もやっていないし、また非常に確実な債権だからその必要もないというお話でございますが、この貸し倒れ準備金は、取りくずしがなければずっと資本として残っていくのでしょうか。この活用なり流用は全然できないわけですね。ただ幾ら積みましても、業態が健全である限りはいつまでもそのまま積み立てておくという金になるのでしょうか、その点はいかがです。
#137
○森永説明員 今日までのところは、貸し倒れ準備金を取りくずすような事態が起こっておりませんことを、私ども幸いに存じております。貸し倒れ準備金の積み立ての累積額は、三十六年度末で四十八億くらいございますが、これはそのまま自己資本として貸し出しには充当されておるわけでございまして、いたずらに死蔵されておるわけではございませんので、その点は御了承いただきたいと存じますが、取りくずしたというような事例は幸いにしてございません。
#138
○淡谷委員 さっき広瀬委員からもちょっと質問がございましたが、海外に貸し付けているものがありますね。これらがもしも貸し倒れになった場合には、やはりこの取りくずしでやっていくのですか。
#139
○森永説明員 ただいま海外とおっしゃいましたのは、直接借款の意味だと存じます。これは御承知のように各国の政府が相手でございますので、政府について貸し倒れみたいな事態が起こることは私ども実は考えておりません。万一そういうことになりますれば、やはり貸し倒れになるわけでございますが、さようなことは万起こるまいというふうに考えております。
#140
○淡谷委員 これは大蔵政務次官にお聞きしたいのですが、大体外務省の見通しがちょっと信頼できないから――というのは韓国なんですが、場合によっては韓国ともあるいは輸銀の方でやらなければならないという事態になるかもしれません。これは予算委員会の答弁でも明らかです。安定政権だ、安定政権だと言っているうちに、いつか安定が引っ込んでしまったというような状態ですから、この国に対して輸銀が貸し付けました借款が、今私が言ったようにだめになった場合、積んでおります貸し倒れ準備金が適用されますか、これは大蔵政務次官として一つお答え願いたい。
#141
○原田政府委員 そういう場合には貸し倒れ準備金は取りくずさざるを得ないと考えます。
#142
○淡谷委員 輸銀総裁それでよろしいですか。そういう場合でも貸し倒れ準備金は取りくずす、こういう御方針を確認してよろしいですか。
#143
○森永説明員 国が相手でございましても、万一そのような事態が起こりました場合には、それは貸し倒れでございますので、貸し倒れ準備金を取りくずすということになるわけでございますが、さような事態が万起こるまいということを申し上げておるわけであります。
#144
○淡谷委員 そういう場合でも、国を相手の借款でもこれは取りくずすというふうに確認しておきます。
 そこで開銀の総裁に承りたいのですが、開銀の方はだいぶ取りくずしがございますね。貸し倒れ準備金の積まれました額だけでは不良債権かわからないのですね、全部取りくずすわけではないのですから。取りくずしたものは大体不良債権だというふうに考えてよろしいですか。債権の千分の七ですから全部が全部悪いとは言えない。従って、貸し倒れ準備金は全部払うというのじゃなくて、この中から不良債権になったものは取りくずしていく、こういうふうに理解してよろしいのじゃないでしょうか。これはいかがです。
#145
○太田説明員 貸し倒れ準備金の今まで積み立てました残高は、三十六年度末で二百十一億円ということになっております。これに対しましてこれを取りくずして滞りなく資金を償却いたしましたものが昭和二十六年度から三十六年度まで十一年に十六億八千七百万円でございまして、これが両方の金額は一致しておるわけであります。
#146
○淡谷委員 この不良債権と称されますものは実際上債権からはずしてないのだ、このまま債権にして残しておくのだというような答弁がこの間あったのです。そうしますとこれは償却じゃないですね。一方には債権は残っている、一方は取りくずして償却したという報告なんですが、この債権を残すことと償却ということとはどういう関係になりますか。
#147
○太田説明員 これは帳簿上は債権から落としているわけでございまして、貸し出しの残高から十六億何がしか減っておるわけでありますけれども、債務者に対しましてはわれわれはまだ債権を持っておるわけでございまして、債権を放棄しているわけではございませんで、今後とも機会があれば取り立て得るわけでございます。また現に何がしかずつある程度入っておりますので、債務者に対しては債権は残っておる、帳簿上では債権は落ちておる、こういうことに御了解願いたいと思います。
#148
○淡谷委員 実はきのう銀行局長から電話がございまして、予算委員会でお答えした答弁の一部が違っているから、速記録の訂正を願えないかというお話があったのです。速記録はいたずらに訂正すべきものではないと思いますので、この委員会でそれを明らかにして訂正しておいてもらうなら訂正したいということを言っておきましたが、最近の国会では大臣がしばしば違った答弁をするのですから、それを勝手に速記録だけ直してお茶をにごすというわけに参りません。銀行局長おられましたら、訂正したいという点を、この際はっきり言っておいてもらいたいのです。
#149
○大月政府委員 その件は、実は私当時予算委員会に出席いたしておりません際に、銀行局特別金融課長の新保君がお答えいたしました内容の一部でございます。そのときの新保君の答弁で、日本輸出入銀行に対して出資いたしました会計につきまして、一般会計から出資をいたしておるという答弁をいたしたのでございますが、その点は実は産業投資特別会計から出資いたしておったという事実の間違いがあったわけでございます。そういう意味で、別に法律上と申しますか、政治的な問題ではございません。事実に関する発言でございますので、政府の答弁として間違ったまま置いておくのもどうかということで、私の方の特別金融課長から先生に御了解を求めましたところ、今のようなお話の筋で、公の席の発言は公に取り消した方がよかろう、そういうお話でございますので、本委員会のただいまの御指摘によりまして、私から正式に、一般会計から出資いたしておると申しましたのは、産業投資特別会計から出資いたしておるというように訂正させていただきます。
#150
○淡谷委員 これは常識ですから、訂正されることに異存はございませんが、ただきのう電話を下さったのは局長じゃなかったですね。――その際取りくずしたものは債権が帳簿上では、なくてもやはり生きておるのですから、取り立てる可能性もあるだろうし、取り立てた場合にはどっちに入るのかといったら、あなたは一ぺん貸し倒れ準備金に入るのだという答えで、しばらくしてからまた電話がありまして、あれは違っていました、今度は諸益に入るのだ、こういう、お話であった。これは総裁その通り確認してよろしいですか。一たん貸し倒れ準備金を取りくずして――私はその辺あいまいなんですが、貸し倒れ準備金で処置したものが、それが払われて諸益に入ってくるというのは、そのままでよろしいのですか。
#151
○大月政府委員 私から、それじゃその点補足して説明させていただきたいと思います。貸し倒れ準備金から落としました償却債権は、日本開発銀行の帳簿上これを落としてございます。しかし実質上の債権自体といたしましては、法律上生きておるわけでございます。従いまして、かりに将来その帳簿から落としました債権が生き返りまして、何がしかの金が返ってくるといたしますと、それは日本開発銀行の雑益に入るわけでございます。そういたしますと、ほかの利益と一緒になりまして、今までお話がございました貸し倒れ準備金であるとか、あるいは法定準備金であるとか、納付金であるとか、そういう計算の基礎になりまして、その結果ほかの利益とあわせて、国庫に納付すべきものということになりますれば、それは産投会計に対して納付金が納付される、こういうことになるわけでございます。
#152
○淡谷委員 きょうは時間があまりございませんから、突き詰めた質問はいたしませんけれども、ただその際私非常に心配になりますのは、これは両総裁のようにりっぱな総裁がおられ、かつまたすぐれた大蔵省の大臣以下の人たちがおるうちはよろしゅうございますけれども、いつの日にか非常に政治が乱れた場合には――貸し倒れ準備金は実際の不良債権の整理に持っていくわけでしょう。また不良債権は取り立てなければならないから――これは実質公開はいたさないと言われておるのです。そうしますと、取り立てられるような債権も残しておいて、貸し倒れ準備金を取りくずして、それを今度は取り立てた場合は、貸し倒れ準備金に入れないで別の諸益に持っていくということになれば、これは性格が変わってしまうのです。(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)そういうことはないというような与党側の御意見がございますけれども、ありそうだから私は言っておるわけです。研究課題で残しておきます。これは十分経理上、政務次官お考えおきを願いたいと思う。
 それからもう一つ、さっき森永総裁が言いましたけれども、輸出入銀行は大きな資本を貸し出しておるのです。この利益は、開銀よりも上がっていないのです。開発銀行の方は、ちゃんと準備金を積み立てております、国庫納付金もやっております。ところがほとんど上位二十社で貸付を受けております輸銀の方は、一切利益金も上げないし、準備金の積み立てもしない、国庫納付金はむろんやっていない。もう少しやはり日本の資本のあり方について厳粛にお考えおきを願いたい。これは言いにくいことだけれども、あなた方は三十三万円以上の月俸をとっておるわけでしょう。それからさっき広瀬さんは言いませんでしたけれども、上位二十社の政治献金、これは与党がヤジるかもしれませんが、黙っていて下さい、ちゃんと公開された数字ですから。国庫納付金もしない、準備金も積み立てない、利益もない銀行から貸付を受けております上位二十社の、少なくとも氷山の一角と思われる半年間の献金が輸銀関係においては三千二百六十五万です。これは公表したものだけですけれども、国民協会が一番多いのです。自民党の名前もありますよ。はっきり読んだら大へんなことになるでしょう。宏池会はむろんあります。これは少なくとも、利益を上げないし、積み立てもしないし、国庫納付金もしないという銀行が貸し付けておる会社の利益なんです。総理大臣は何と言ったか、大資本から金をもらってなぜ悪い、こういう答弁ですよ。そうしますと、これは恩恵を受けておるから名刺がわりに出すという気持かもしれません。われわれ貧乏人には大きな金ですけれども、これは総理大臣や一口六百億も借りておるような会社にとっては百万、二百万、五百万はものの数じゃないかもしれない。しかしながら見ようによっては、政治献金を受けたいために貸付をするという手もあるのです。これもやはり将来のために私は強く警告をしておきたい。少なくともこの資本構成が非常に大きな意義を持っております現在の資本主義経済下では、金を出すという利益に伴うさまざまな不祥事は、この際やはり輸銀、開銀両総裁ともにはっきりこれは胸に入れていただきたいと思うのです。特に産業投資に関する法律の改正にあたっては、ただ金を出すだけではなくて、金がどう使われるかということを、先ほど来の質疑応答にもございましたが、大蔵委員会等で十分これは今後ともに質疑応答にこたえるだけの覚悟が必要だと思うし、またそうすべきだと私は思う。特に汚職海を渡るといわれております時代ですから、海外の投融資に対しては、この際もっと厳格な規定を持ち、厳格な論議を通じて決定されるように強く要望して、私の質問を終わります。
#153
○森永説明員 ちょっと一言だけお答え申し上げておきたいと存じます。私どもの銀行で利益も上がりませんし、法定準備金も積んでおりません、従って国庫にも納付いたしておりませんのは、これは一に資金コストと利回りとの関係からきておるわけでございます。国際競争場裏におきまして、日本の輸出を伸ばしていくためには、やはりそれにふさわしく低利率の金融をつけてやる、そこに私どもの存在の意義があるのだと存じます。その低利回りにすれすれの資金コストになるような貸付金並びに出資をいただいておるわけでございます。逆にその低利回りに合わせるような出資しかいただいていない。従って利益も出ないし、準備金も積めない、納付金もできない、そういう関係でございますので、銀行の経営が放漫なために利益が出ないということではございませんことを御了承いただきたいと存じます。
 なお、融資にあたりましては、かりそめにも私どもの融資が政治献金等の源泉にならないように、この点は厳重に一件々々審査をいたしておりますので、その点もあわせて申し上げておきたいと存じます。そんなゆとりのあるような資金の融通はいたしておりませんことを、特に申し添えておきたいと存じます。
#154
○淡谷委員 これに対してまた質疑を続ける時間を持ちませんから、やめておきますけれども、おっしゃる通りでございましょうが、何しろにせ札でさえ区別がつかないように、あなたの方から出した金が政治献金になったとか、別な方から借りた金が政治献金になったとかいうようなしるしもないと思いますから、あまり甘くお考えにならずに今後処理されるように、重ねて希望しておきます。
#155
○臼井委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたします。
    ―――――――――――――
#156
○臼井委員長 これより討論に入ります。
 通告がありますので、これを許します。広瀬秀吉君。
#157
○広瀬(秀)委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となっております産業投資特別会計法の一部を改正する法律案について、反対の意思を表明せんとするものであります。
 昭和三十七年度第二次補正予算において三百五十億、昭和三十八年度予算において四百九十七億、こういうように一般会計から産業投資特別会計に繰り入れが今回予定されておるわけでありますが、今までの慣例によりますと、これらの繰り入れば単に予算において議決するばかりでなく、産投会計法附則においてそれぞれ法案の改正としてこのことが上程され、審議の機会が与えられて参ったのであります。今回はこれらを単に予算において議決されるならばそれだけでよろしい、こういうような建前に産投会計法を改正しようというのであります。まず私どもは、政府当局の、われわれの質疑を通じて答弁されたところを聞いて参りましても、何らこのような改正をする具体的な、しかも納得のできる理由というものをついに見出すことができなかったわけであります。従いまして、政府がその理由とする。最近産業投資特別会計に対する一般会計からの繰り入れというものは恒常化しつつある、産業投資の需要が非常に増大しておる、こういうようなことをいいますが、昨年、私どもは、本委員会におきまして、産業投資特別会計法の一部改正において、ガリオア・エロアの返済金というようなものを産業投資特別会計の歳出とする、こういうような問題はまさに産業投資特別会計法の自殺行為である、こういうようなことを申し上げて反対をいたしたわけでありますが、三十五年あるいは三十七年等に引き続いて行なわれました一般会計からの繰り入れば、まさにこのように産業投資特別会計と全く相入れない異質のものを歳出に持ってくるこのようなことに対する伏線であり、またそれに対する事後の手当である、このようなことであったと思うのであります。そういうようなことから産業投資特別会計の自己資金というようなものが枯渇するに至った、こういうようなことから今回の改正というものも、一般的繰り入れが恒常化しつつあるというようなことも生まれて参っておると思うのであります。そういうような立場から、私どもはまず第一点として、今回このようなことを出してくることに対して反対をいたすのであります。
 第二の問題点といたしましては、本委員会において、今回の改正をめぐりましても、延べ七人の代表がこの問題についてきめのこまかい、あらゆる角度からする産業投資特別会計の本義を生かす、そして一般会計から国民の血税を繰り入れるものが、真に日本の経済の発展と産業投資としてりっぱに生かされるかどうか、生かされなければならない。そしてまた投資をした、あるいは出資をした、融資をした、そういうところにおいて、それが十分効果を発揮しておるかどうか、そこに不当な運用がないか、そしてまたそれらの問題が、どれほど日本の輸出の振興なり、あるいは経済の復興なり、経済の開発なり、産業の育成なり、こういうようなものについて政策効果を発揮しているか、こういうようなあらゆる角度から論議を展開して参りました。今回の改正が、もしできますならば、このような機会を大蔵委員会から奪うことになるわけであります。先ほど堀委員の質問に対して大蔵大臣は、法案としては出さなくとも大蔵委員会において十分御審議をいただくという態度は表明いたしましたけれども、法案が出されないで単に運用について質問をする、こういうだけでは、有効な行政権に対する国会のチェック・アンド・バランスという民主主義の原則におけるチェックというものが全く無力化する、チェックの意味をなさない、こういうことにならざるを得ないわけであります。はたしてしかりとするならば、今回の改正案というものは行政権の単なる拡大であり、行政権の恣意による産業投資が行なわれる。それに対して有効な国会のチェックが及ばない。こういうように今日日本国憲法において、あるいは財政法において予定せられておる最大の原則である財政民主主義、経済民主主義、こういうようなものの観点からするならば、まさに時代逆行の法案である、このように考えざるを得ないわけであります。政府はその理由において、産業投資の需要の増大あるいはそういうものにこたえるための弾力的運用ということを言われておりますけれども、はたして今日まで行なわれてきましたような、現行法の体制の中で弾力的運用がどれだけ妨げられたか、そしてまたどれだけわれわれの議論によって幾分でも正しい方向というものに進みつつあったか、こういうようなことを考えるならば、国会の審議をできるだけ狭め、そういう機会を奪うことによって、行政権が勝手に恣意的に独走的にやっていく、こういうようなことが進むばかりであって、このことは必ずしも日本の産業経済体制というものを前進させ、発展させる道に私はつながらないと思う。そのような政府の立場はまさに国会軽視である、国会審議権に対する重大な制約である。財政経済における民主主義の要請を踏みにじる以外の何ものでもない、かように考えるわけであります。たとえば今回集中的に議論せられました産業投資特別会計の五千百億の出資金の中で、その六割以上を占めている開銀、輸銀だけを例にとりましても幾多の問題点があるわけであります。こういうものを予算において審議の機会があるのだということを言いましても、先ほども私質問で申し上げましたように、予算審議の実態から照らして、本委員会こそがほんとうにきめのこまかい、産業投資特別会計の制定された本義に基づく正しい運用というものの観点から真に議論をし、これを大局的に誤りなからしめる、そして日本経済における二重構造、こういう大きなガンになっておる問題を、この会計を通じて解消する方向に持っていかなければならない。そういうような方向を政府が非常に毛ぎらいをし、そういう機会を少なくしていこう、こういう立場に立っているとしか思えないわけであります。そういうような観点から、私どもはどうしてももう一ぺん政府が考えを改めて、今回これが本委員会がおそらく多数で通るでありましょうけれども、もう一ぺん再考して、次の機会には必ずもとに戻すような出直しをしてもらいたい。このことを強く要求いたしまして、さらに今日のこの国会を通じて現われて参りました政府の政策全般が非常に郵貯法の改正を目ざした、これは今回の国会に提案されるかどうかまだわかりませんけれども、そういうような方向というものが明確に出て参っておるということは、きわめて注目すべきことでございまして、このような方向というものはぜひ避けてもらいたい。
 こういうことを最後に申し上げまして、以上幾つかの点について反対の理由を述べまして、本法案の一部改正に対して反対の意思表明にかえる次第です。(拍手)
#158
○臼井委員長 これにて討論は終局いたしました。
 続いて採決に入ります。
 採決いたします。
 本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#159
○臼井委員長 起立多数。よって、本案は原案の通り可決いたしました。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#160
○臼井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次会は来たる七日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時一分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト