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1962/03/15 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 大蔵委員会 第20号
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1962/03/15 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 大蔵委員会 第20号

#1
第043回国会 大蔵委員会 第20号
昭和三十八年三月十五日(金曜日)
   午前十時三十四分開議
 出席委員
   委員長 臼井 莊一君
   理事 足立 篤郎君 理事 鴨田 宗一君
   理事 毛利 松平君 理事 山中 貞則君
   理事 吉田 重延君 理事 有馬 輝武君
   理事 堀  昌雄君
      伊藤 五郎君    大久保武雄君
      岡田 修一君    金子 一平君
      川村喜八郎君    田中 榮一君
      高見 三郎君    濱田 幸雄君
      藤井 勝志君    藤枝 泉介君
      古川 丈吉君    佐藤觀次郎君
      田原 春次君    坪野 米男君
      広瀬 秀吉君    横山 利秋君
      春日 一幸君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 田中 角榮君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  原田  憲君
        大蔵事務官
        (主税局長)  村山 達雄君
        大蔵事務官
        (銀行局長)  大月  高君
 委員外の出席者
        国税庁次長   泉 美之松君
        専  門  員 抜井 光三君
    ―――――――――――――
三月十四日
 委員岡田修一君及び藤井勝志君辞任につき、そ
 の補欠として石田博英君及び花村四郎君が議長
 の指名で委員に選任された。
同日
 委員石田博英君及び花村四郎君辞任につき、そ
 の補欠として岡田修一君及び藤井勝志君が議長
 の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 四六号)
 法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 四七号)
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第一〇四号)
     ――――◇―――――
#2
○鴨田委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長が所用のため、指名によりまして私が委員長の職務を行ないます。
 所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の三葉を一括議題といたします。
 質疑を続けます。通告がありますので順次これを許します。横山利秋君。
#3
○横山委員 係官の方がまだおそろいにならないようでありますが、その前に一つ全然予定してないことでありますけれども、緊急のことでございますので、大臣に御意見をお伺いしたいことができました。
 それはほかでもないのですけれども、今労働問題が山場にきておりまして、大蔵省関係といたしましても、直接関係ございませんけれども、公団及び公庫における労使関係が山場にきておるわけでございます。公団及び公庫は御存じのように罷業権、団体交渉権も持っており、労働法によって当然公団、公庫関係と自主的に交渉ができるのであります。しかるところ、予算関係においては大蔵省が多少の制約を持っており、かつ承るところによりますと、主計局給与課においては、公団、公庫の給与になみなみならぬ関心を寄せておられるそうでありまして、常に裏の方で公団、公庫に対して暗に制肘を加えておる。そのために団体交渉がなかなか進まないという話であります。団体交渉はきわめて成熟をしておりまして、話によれば来週の初めごろには話がつくのではないか、こううわさされておるのであります。この段階におきまして、公団、公庫の団体交渉が成熟いたしていきつつあるのでありますから、いたずらな大蔵省の制肘なり、あるいは差し出がましい口入れはなさってはおらないと思いますが、まだ大臣はそれは御承知ないと思いますけれども、一つ主計局及び給与課等をして、すみやかに交渉が成熟するようにお取りなしを願いたいと思いますが、いかがでございますか。
#4
○田中国務大臣 予算上の問題その他において、大蔵省が労使の円満な話し合いを阻害するような行為をしてはならないということは、私からも厳重に申し伝えております。現在いやしくも私が――各局長もそうでありますし、また給与課においてもそのような制肘的な言動、行動等ないと思いますが、この種の問題は、労使協調で円満に可及的すみやかに解決すべき問題でありますから、法律にのっとって各当事者が話しが進め得るように、大蔵省としましても前向きで協力を申し上げるように指導いたします。
#5
○横山委員 大臣は御存じないかもしれませんが、大蔵省においては、公務員給与が国会を通ったおそらく直後だと思いますが、公団、公庫の理事者を全部集めまして、国家公務員の給与法の説明をいたした模様であります。このいたす目的というものは、暗にこれに準じてやるべきであって、これより以上になってはならないとか、あるいは勝手なことをしてはならないとか、こういうような暗に制肘した節が見受けられるのであります。こういうことがありましたのでは、労使の関係、特に経営者側の自主的責任判断というものはできないわけであります。公団、公庫、同じようなことでありますけれども、長期的に存続するものと短期的なものと、あるいはその昇給状況なり、業務能率の方法については、公団、公庫、それぞれニュアンスがあるはずでありますから、画一的に国家公務員給与をもってこれを覊絆とし、これ以上にも上がってはならないということは、いささか大蔵当局としては出過ぎたことではなかろうか、こう考えるわけでありますが、そういう過去のことはさておくとしまして、今お答えを願いましたが、一つ大臣から主計局及び給与課等をして、すみやかに交渉が円満に妥結するように、前向きで一つ考えろというふうに御示唆を願いたいと思いますが、重ねて大臣の御意見を承りたいと思います。
#6
○田中国務大臣 先ほど申し上げました通り、制肘をするというようなことはいたしませんし、また法律に基づいて、団体交渉の当事者は善意の立場で、誠意を持ってこれが交渉に当たり、できるだけすみやかに妥結するような方向で、示唆をした方がよろしいということであれば、私の方としては出過ぎたことはしないということを原則にして、より協調的な方向を打ち出せるようにいたしたいと思います。
#7
○横山委員 大臣の今の言明がせっかく実を結ぶように、私もあちらこちらに連絡をいたしたいと思いますから、さよう御了承願います。
 本委員会で税制三法の、審議を始めて、まだ具体的な問題に入らないのでありますけれども、予算委員会や参考人、あるいはきのうの池田総理大臣との質疑応答を通じて、私どもの主張したいことはほぼおわかりになったと思うのであります。大臣としては、できないということは別といたしましても、少なくともわれわれの意向をくんで、将来にわたって、こういうような点については納税者国民の希望として、受け入れなければいけないという点がおありだろうと思います。その意味で私は総括をいたしまして、今後の税制改正についてかくあれかしと願う点を簡明に申し上げて、大臣の誠意ある御答弁をいただきたいと思うのであります。
 第一は、今後の税制改正について、公平を基礎理念にしてもらいたいという点であります。これはきわめて簡単に率直に申し上げますけれども、私の真意はおわかりだろうと思います。
 第二番目は源泉徴収、特に給与所得者についても減税について考慮すべきであるという点であります。中山会長は一昨日ここにおいて、この二点について特に強調され、また今回の答申が曲げられたことについては、遺憾の意を表示されたところであります。
 第三番目の問題としては、税務行政の民主化という点であります。大臣は予算委員会で私に御答弁をいただきましたが、そのときの答弁は、税務行政というものについて厚薄がある、調査の行き届くとところ行き届かないところがあるという御答弁がありました。さらに一歩進んで、税務行政が戦後の混乱時と違って、経済もとにかくノーマルになった時代でもあるから、権力的なことは慎んで、なるべく合理的、民主的な道筋をたどらなければならないことは、火を見るよりも明らかなことでありまして、税務行政の民主化を徹底すべきことであります。
 その次の問題としては、今日までいろいろ言われながら、まだ行なわれ得なかったことの一つに、たばこの減税があります。このたばこの減税に歩を進めるべきではないかという点であります。
 それから、最近特にわれわれの周囲にございます陳情の一つの中で、入場税の問題があります。これは歴史的な機縁がございまして、本委員会が一番最初に純音楽、純演劇を取り上げて、特に減税のあれをいたしました。その後、昨年の改正でありましたか、入場税は一律一割になったのであります。ネコもしゃくしも一律一割になったのであります。歌舞伎を見ようが、小さな町の映画館に行こうが、つまり千円出しても百円出しても、一律一割という税率になったわけであります。これは金持ちであろうと貧乏人であろうと問わないという意味でもあります。それから端的にその区別を申しますと、映画のように何回でも上映できるものと、音楽、演劇、舞踊のようにそのとき一回しかお客様に見てもらえないものとの違い、歴史的にございました違いというものが空白になって、全部一律になったのであります。従って、今音楽、演劇、舞踊等の皆さんは、この点について映画よりも、プロレスよりも、われわれの方をという意味はないけれども、実態に即して入場税を再検討すべきであるという陳情で、われわれに強く主張せられておる。われわれもその道をかつてたどったのでありますから、しごく同感に与えております。
 最後には、国税、地方税にわたって、税の再配分をなすべきであるという点であります。この点については大臣も先般言明になりました。
 要するに、公平を基礎理念にすること、給与所得者について減税をすること、たばこの減税の道を進めること、税務行政を民主化させること、それから入場税も再検討していただきたい、税の再配分についてはこの税法改正にあたって、この改正案についての是非論の中から将来の展望として、大臣の誠意ある御言明があるべきではなかろうか。
  〔鴨田委員長代理退席、毛利委員長
  代理着席〕
もちろんこれは調査会がこれから真剣に考えるのでありますが、少なくとも今日まで答申が発表されて以来、院内外にわたる世論に反映をして、将来の示唆をなさることは当然のことと思いますので、これらについて誠意あるお考えを承りたいと思います。
#8
○田中国務大臣 以上六点申された問題の中で、たばこの問題を除いて、原則的に賛成でございます。たばこの問題も御説のように、将来これを引き下げていきたいということは言い得るのでございますが、水田前大臣が近い機会にたばこを引き下げるということを言明しておりながら、私が後任者としてその後引き下げなかったという事実がございますので、これだけ別に申し上げようということでございます。
 御承知の通り三十一年から、たばこの小売価格が据え置きになっておりまして、その上なお販売手数料とか、それから生産者の収納価格が上がったり、収納価格に従前含まれていたのしを別建にしたり、いろいろやらなければならない問題を先行させておりますのと、同時にたばこの売れ行きがあまりよくないというような問題がありまして、たばこの税率そのものを引き下げなかったということでございます。これは酒、たばこといういわゆる国民の嗜好品であり、税金を飲み、税金を吸っておるというようなものでございますので、これらの問題は将来においては御説の通り、引き下げの方向で努力すべきでありますが、水田大蔵大臣が当時言明をされた通り、この次には必ず引き下げるのか、こういう前提でおとりになられると、まだ検討しなければならない問題がありますので、この問題だけは特に事情を申し上げて、御了解賜わりたいというふうに考えます。
 残余の問題に対しては、ほとんどもう原則としてしごくごもっともでありまして、当然税制調査会でもそのような方向で検討しておるものと思いますし、私たちもこれらの問題に対しては、真剣に取り組んで参りたいということを考えております。
#9
○横山委員 たばこの問題以外は、賛成であるとおっしゃいまして、私としてはしごくけっこうな御答弁をいただいたのでありますが、一つだけ、そうおっしゃると確認をしておかなければなりませんが、私の言う入場税を再検討すべきであるという点は、現行の一律一割という点については再検討すべきであって、特に音楽、舞踊、演劇について、昔そういう道を国会としてはわれわれが主張して、議員提案としてお通し願ったのだから、そういう点を考えなさいということを含めて申し上げておるのであって、お取り消しをなさらぬように一つお願いしたいと思います。
#10
○田中国務大臣 御承知の通りこの入場税の問題は、昨年の非常に大きな地方税、間接税の第三次目の税制改革で、これを取り上げたわけでございます。私も当時自由民主党の政策責任者でありましたので、最後には演劇も取り入れてもらうように政府との間に合意に達して、改正案を認めたわけでございます。そういう意味で、一律画一的な引き下げということでありましたが、その当時どうして演劇を入れておって、音楽を入れなかったかという問題、これは今日になってみれば、これもあわせて行なうべきだったろうというふうに、個人としては考えております。だからこの次の税制の改正、特に減税問題に対しては、当然考えていかなければならぬ問題だと思います。しかし地方税の、問題は、税制調査会であわせて検討していただいておりますので、今の御説に沿えるような結果が出るというふうに期待しておりますが、私個人としては、今の入場税そのものがあのような状態でいいのかという問題に対しては、相当な議論を持っておるのでございます。免税点の引き上げという問題に対しても、あの程度のところから税金をかけなければいかぬのか、全く大衆娯楽である映画そのものや演劇そのものに対しても、もっと基礎を上げなければいかぬのではないかというふうにも考えておりますが、税収問題もございますので、これらの問題はあげて調査会の結論待ちということでございます。私の考え方とあなたの考え方とそう違うわけはないのでありまして、これらの問題について、私も当然呼ばれて意見を述べるのでございますから、そのときには大体あなたと近い考えにおいて述べるということだけは申し上げておけると思います。
#11
○横山委員 失礼な話ですが、大臣答弁がうまくて、何を言っておられるのか、私よくわからぬ。大臣お考え違いなさっているのじゃないでしょうか。失礼ですが、もう一ぺん言いますが、昔われわれが議員提案でやったのは、純音楽、純演劇、純舞踊は軽減税率で安くしたのですよ。そのあとで、今全部一律に一割になってしまっている。だから僕らは前に戻せ、映画のようにどえらい再生産がきくものと、一回限りでお客さんを限定されて、肉体で一回々々上演しているものとは違うのだから、一律一割ということにも問題がある。金持ちでも一割、貧乏人でも一割ではいかがなものかということが一つ。もう一つは、演劇、音楽、舞踊、これだけは昔のように安くしたらどうかというのが、私の主張です。あなたが横山委員と大体同じか、全く同じか、とにかく同じであるとするならば、心より拝んで質問をやめますから……。
#12
○田中国務大臣 これは去年、私たちも党内においても議論いたしましたし、入場税に関する問題は、そういういろいろな段階別の問題よりも、まず思い切って下げようということで、一割に下げることを第一段にやったわけでございます。そのときに免税点をもっと引き上げてしまおう、こういう問題が第二に残っておったのですが、税収との問題もありますので、免税点は当時あの程度でもっておこう、第三の問題が、あなたが言っている一〇%に下げたものの中で、なお演劇や音楽のようなものは、もっと下げた方がいいのではないかということでございますが、私はまだ第二点の問題を、国民の健全な娯楽でございますから、そういうものに対してはもっと免税点を引き上げたいという考えを去年持っておって、自分の意思通りにならなかったものでありますから、財政が許せばそういう問題を検討していきたい。あなたの言われた第三番目の話は、その上なお段階をつけて下げたらどうだ。その反対に、上げるものは上げろというものはないのですから、今の一〇%はいいが、それよりももっと下げて段階をつけろ、こういうお話でございますので、節二のいわゆる免税点を引き上げる問題とあわせて検討すべき問題であろうと思いますので、税制調査会の審議を待ちながら、答申を尊重して参ります。もし私が呼ばれれば、あなたのような御意見を申し上げますと、こう答えておるわけです。
#13
○横山委員 少なくとも大臣が前向きであるということはわかりました。ただ本国会におきまして、与野党でそういう話ができるかもしれません。そのときにおいては、調査会云々ということは言わないで、大臣が前向きである意思がわかったのだから、来年ならいいけれども、ことしはいかぬと言わないでいただきたい、これは希望いたしておきます。希望でございますから、御返事は要りません。
#14
○田中国務大臣 私の方からも希望を申し上げておきますが、税というのは、私の方も前向きで誠意をもってやっておるのでございますし、今年度の税制改正案につきましては、そういうふうに予算を組んでおりますので、そういう意味で今年度は政府原案で御同意賜わりまして、自後大いにあなたのお考え実現に努力をいたしますから、今度議員修正などということを一つお考えにならないように、私の方からも希望申し上げておきます。
#15
○村山政府委員 実はこの問題につきましては、昨年非常に論議されまして、御案内のように昨年までの入場税は、七十円以下が一割、七十円から百円までが二割、百円超が三割でありまして、免税点が二十円であります。ただし純音楽、純舞踊につきましては、百円をこえておっても二割にいたす、こういう特別の軽減税率があるのと、それからなまものにつきましては、三割を適用するところを、普通の映画でございますと百円超でございますが、特になまものであるというので三百円超、これが三十六年以前の税制だったわけでございます。そこでいろいろ検討してみますと、全般的に入場税が高いということ、それから第二に、一番言われましたのは、純音楽、純舞踊というものは一体何であるか、この点はもう執行面で非常に苦労をいたしまして、税務官吏に何が芸術的なものであるかということを区別させるということは、理論倒れになるということで、この差は撤廃する必要があるということ、それから今なまものについて三百円以上というのを設けておりますのは、三割という高率税率との関係においてあるのだ、従って全部一律に一割にすれば、もちろん比例税率でございますから、税額の多寡は違うわけでございますが、それでいいのではなかろうかという点と、それから免税点につきましては、最初御案内のように税制調査会の提案では、二十円を五十円に上げる、こういう案であったわけでございますが、その後政府提案までの間に、これを三十円にいたしたわけでございます。それは、もし五十円にいたしますと、地方の映画館が非常な打撃をこうむる。というのは、地方で巡回営業のようなものがたくさんあるわけでございます。もちろん国税庁も十分その執行については脱漏のないように取り締まるわけでございますけれども、ともするとその点がうまくいかないために、あまりにも免税点を下げますと、地方の映画館が非常な打撃をこうむる、こういう実情がはっきりいたしましたので、政府提案の段階でこれを三十円にする。同時に政府提案のときにはなお一割、二割のところがあったわけでございますが、その点も考えて一律に一割にしたという点でございます。昨年もこれらの問題について検討した上で、思い切って全部一割にしたということでございます。
#16
○横山委員 村山さんの御親切な答弁には感謝をいたします。私も議論をするとなるとだいぶ長くなりますので、せっかく大臣の先ほどの御答弁もありましたが、時間がございませんので次に移りたいと思います。
 大臣は、昨年十一月二十八日に最高裁でいわゆる第三者没収の違憲判決が出たことは御存じございますか。つまり関税法で、密貿易をやったときにはその船の持ち主がだれであろうとそれに関係するものはみんな没収してしまう。同じく酒税法にもこれと同じようなものがありまして、前項の犯罪にかかる酒類、もろみ、原料、機械または容器等は何人の所有であるかを問わずこれを没収する、こういう規定が酒税法にもあるわけでございます。本委員会にこの違憲判決が出たにかかわらず何らの措置がされてない。判決は、「その没収に関して当該所有者に対し、何ら告知、弁解、防禦の機会を与えることなく、その所有権を奪うことは、著しく不合理であって、憲法の容認しないところであるといわなければならない。けだし、憲法二九条一項は、財産権は、これを侵してはならないと規定し、」とある。つまり犯人のものならともかくとして、節三者のものを密貿易あるいは密造に関係があったものは何人のものといえどもこれを没収するという現在の法律は違憲であると、最高裁が判決をした、これについて政府はどういう措置をおとりになったか伺いたいのであります。
#17
○田中国務大臣 判例が出ましたので、この問題について法務省とも連絡をとりまして、法務省で今検討中でございます。私はこの問題に対しては、やはり現行法の条文整理ということが必要であると考えております。
#18
○横山委員 そうすると、現行法の改正法案というのはいつ出るのであるか、それまでに一体行政上はどういう措置をなさるのか、たとえば酒税の密造対策について今までと違った行政上のことをなさるのか。酒税法は現に生きておる。その点はいかがですか。
#19
○田中国務大臣 酒税法によって押収等をするわけでありますが、没収に対して判例造反が起こらないように、物品別に相当な配慮をする、こういうことで、法改正まで、いわゆる法改正の結論、法務省の結論が出るまで、そのように事実運用において配慮していくということでございます。
#20
○横山委員 そうしますと、最高裁の判決の部分に抵触する間においては酒税法その他の諸法律は死文化しておる、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。
#21
○田中国務大臣 死文化しておるわけではありません。これは純法律論としては、現在法律があるのでございますから、死文化しておるというわけには参りませんが、実際この法の運用に対しては、少なくとも判例違反というようなことが起こらないように、いわゆる密貿易、密造等に対しても、当然、その本人がその犯罪を犯すために用いたものというようなものに限定をしまして没収をするというようなことでいくべきだと考えておるわけであります。
#22
○横山委員 納得できませんが、あなたのおっしゃるのは、酒税法も関税法も生きてはおるけれども、自分たち政府に行政権はあるけれども、行使はしないというような言い方なのですね。そのことは、この最高裁の判決というものを、行使はしないけれども、尊重はしない。これでは矛盾するではありませんか。最高裁の判決が正しいと考え、それを行政上に次の国会で法律改正をする、しかも今もその判決を尊重するとするならば、法律はあれども、それは死文化しておる、こういう考えをとらなければならない。生きておって、しかも行使はしない、やろうと思えばその権限はある、こういう考えはいささかいかがかと思います。
#23
○田中国務大臣 最高裁の判例違反を犯さないということは当然でございます。でありますから、最高裁判例は尊重しておるということでございます。ただ判例と迷うような条文が現行法として現存するのでございますから、これが法律上の議論としては、改正案が通らないうちは法律上の力は存在するわけであります。存在するが、これは法の運用において判例違反を犯さないようにということでございますから、事実問題としては、現行法にある条文そのものにその通りに、今まで通り押収するというようなことはいたさないように配慮をいたします。で、法律改正をいつやるかという問題に対しては、現在法務省で検討いたしておりますので、近く結論が出るだろう、こういうふうに申し上げておるわけであります。
#24
○横山委員 あなたと法律論争をやろうと思いませんが、しかしそれではあなたは行政上、ことに違憲であるということがわかっておるから、酒税法及び関税法については、この点については行政権限の行使を差し控えるべきであるという通達を下部へなさったのかどうか。それが一つ。
 第二番目には、そういう行使は差し控えるが、法律は生きておる。やろうと思えばやれるのだという考え方は、どうも私釈然としません。しかし、法律論争をしようと思いませんから、ただ最初に聞きました、この違憲判決後、酒税法や関税法のこの判決に抵触する部分については、権限の行使を差し控えろという通達をなさったのであるかどうか、それだけをお伺いいたします。
#25
○田中国務大臣 出しております。
#26
○横山委員 その法律解釈については、機会を見てあらためて法制の責任者を呼んで伺いたいと思います。
 その次は社内預金の問題であります。多くを論ずる時間がないから、大臣に端的に伺いますけれども、要するに信用金庫、相互銀行合わせて三兆二千億ぐらい、社内預金が一兆円になんなんとしておる。その社内預金は今や法律上監督すべき何ものもなくなる。国民金融公庫法、貯蓄組合法を離れるわけでありますから。そうすると政府の非公認の、勝手にやっておる預金である。いわゆる日陰の花である。おめかけさんである。その日陰の花を、少額免税についてだけは恩恵を与えるということについては、どうにも一貫をしないと私は考える。先般、大月さんは、銀行局としてはこの社内預金について好ましくない気持であるけれども、労働省がこの社内頭金については労働福祉の一つに考えておるからというような御答弁がありました。労働省がこれを労働福祉と考えておるのは勝手なお話でありまして、必ずしも労働者がそう考えておるとはきまっておるわけじゃないのです。しかも、一ころと違って、炭鉱にありましては、事実問題として元本さえ返済されなくなっておる。これは特定多数の人間であるから、預金の受け入れその他の法律に抵触をしないと言うけれども、あるところでは、労働者の家族、親戚までが、名前を借りて社内預金をいたしておる、従って不特定多数の不法行為になったことも、今や事実実である。かたがた、あなた方が一生懸命にやっている低金利政策から言っても、社内預金が少なくとも一割をこえるような水準でいつまでも行なわれておるということは、私は放置は許されないと思うのです。私どもの主張としては、社内預金というものは、これほど新しい金融政策が発展をして、金融の交通整理をなさろうとするならば、社内預金について何らかの発言が政府当局からあるべきが当然である、何らかの発言がなければ、少額免税の思想をこの日陰の花に与えるということは筋が通らぬ。従って、どう曲りくねってこうなったか知りませんけれども、本来、本委員会で私どもが、社内預金は放置さるべきではないと言っているその問題は放置しておって、少額免税の問題だけ恩恵を与えるということについては、どうにも釈然としない。いかがでございますか。
#27
○田中国務大臣 社内預金の利子も銀行の利子と同様に、所得税法における利子所得であることに変わりありませんから、少額貯蓄制度のもとにおいてこれらの問題に差別待遇をしないということでやっているわけですが、私もこの問題は何だか考えなければいかぬなということは、前から考えております。ところが、これは労使の問題でありますし、私もこの経験が過去にございますが、実際問題として現金を支払って社内預金をしておるというもの、いわゆる社債式な方法でやっておるものと、もう一つは、月給が払えないので、八割払ってあとの二割は払ったことにして社内預金にし、利息を払うというような、その実情に入りますと、いろいろな問題があるわけでございます。同時に、その社内預金という金額もそのまますぐ全額払い戻せるのかということも資金繰りの問題上いろいろな問題もある。ただ、労使間でもって協調しながら、この運用に対しては、厚生福利という面に重点を置いてやるとか、またそれによって社宅をたくさん建てるとか、いろいろなことが事実運用上なされておりますので、それは銀行に預けるという問題とは性質は違いまして、やはり自分の会社をつぶさない、自分の会社をよりよくしたいという考え方が労使の間にありまして、そこに資金繰りの問題等もあり、いろいろな問題がからんでおりますので、これを制度上何とかしなければいかぬだろうという考えは御説の通り何人も常識的に持つわけでありますが、どの程度、どういう制度にするのかという問題に対しては、なかなか複雑な問題が内在をいたしておるわけでございます。しかし、私もそのように考え、また当面しておる銀行局長も、答弁は答弁として、何らかの処置をしなければいかぬだろうという考えはあるのでございますから、ただいまの御発言を契機にして、社内預金の、将来どうあるべきか、また金融制度の中でどう処置すべきかという問題に対しては、これは検討すべきでありますし、検討に値する重要な問題だと考えますので、そのような方向で検討をいたします。
#28
○横山委員 比較的大臣予期に反してよく御存じのようであります。ただ、今あなたから例が出されましたようなことをもう少しお考え願いたいと思うのでありますが、それは年末手当でも、あるいは夏季手当でも、今おっしゃったように、もう根っからとにかくこの何割は社内預金だという話になってしまっておる。それを労働者側としては、そういう制度を一たん道を開きますと、どうにも断わり切れない。ほんとうにそれが金融で中小企業者なり大企業が困っておるかどうかというものさしというものが、労働者にはなかなか実際問題としてはないのであります。社内預金の制度というものは、会社にきちんとした個人別の預金通帳があるわけでは実際はないのであります。自分のところで帳面づらにきちんと横山利秋は今月は幾ら幾らと勝手にやっている。私設の金融機関なのでありますから、それで間違いがないとは言えないし、一たんその道ができますと、当然のように経営者はその金を流用して会社の流動資金に充てることは、これもわかり切っておることです。一たん道を開いたら、公債政策みたいなものでありまして、必ずそれを会社の運転資金の目当てにしてしまっておる。従って、こういう制度というものが、原則的にやむを得ないものとして、大蔵省が、また労働省が認める限りにおいては、これをなくしようとしたってなくせるものではない。原則的にはこれはいかぬのだという立場をはっきりさせて、そして今大臣のお話のように、いかにしてこれを制肘をしていくか、また全体の資金の流れの中でこれを捕捉していくか、また元本さえ返済できないような現状をどうするか、またこの不特定多数にまで発展しそうな問題をどうするかというような制限をする立場において、少なくとも社内預金を将来なくしていく、こういうふうに踏み出していただきたいと思います。
 それが第一の質問でありますが、もしそうであるとするならば、今回少額免税を社内頭金に適用なさるということは、あなたのお考えと逆行しておるのではないかと思う。これもうまみがありますよ。それもいかぬと言いながら、そのごちそうを与えるというのはあなたのお考えと逆行しているのではないか。何かそこで大臣の踏み切り方が足らぬのではないか。いいわ、いいわで済ましてしまうという結果になりはしないかとおそれるのであります。いかがでありますか。
#29
○田中国務大臣 あなたの言われることは非常によくわかります。よくわかりますが、何分にも一兆円になんなんとしておるような状態は、払えないからとか、また労使の間でやむにやまれない状態を認めて今日まできておりまして、一兆円となったわけでございます。一兆円まで大きくなってしまってから、これからやめるというのはなかなか大へんだろうという問題がありますから、もうここらで制度的にこれをなくする方向に行かなければいかぬ、こういうことも理論の上では十分わかるのでありますが、何分にも社内預金というものは社債式なものに使われてもいるし、その意味で一兆円というものが、実際社内預金という名前ではありますが、自己資本という――これは株に振りかえるとか、振りかわるとか、いろいろな問題から言えば、自己資金率も実際面から言うと、労使の間で話し合いをして積んでいるのでありますから自己資本の一部であるとみなされるわけであります。これは一ぺんに貸し出してこれをなくしてしまいたい、こういうことは考えの上ではできるわけですが、生々発展をしてきた――発展と言えるかどうかわかりませんが、その現状までなってきた過程を振り返ってみますと、必要やむを得ずということできておりますので、将来どうするかという問題に対しては、慎重にかつ積極的に検討するに値する問題ではありますけれども、現状を無視して、これに対する少額免税制度を適用しないで、うんとしぼってしまう、こういうことをすればなくなるかというふうにはすぐは踏み切れない問題でございます。だから、やはり究極の方向をきめまして、できるだけ早い機会にこういう制度がなくなるように施策を考えていく。それをなくすることができない、これはますます大きくなるというようなことであるならば、この元本の払い戻し、利子の確保というものに対して一体どのような制度上の条件を置かなければいかぬか。この問題は、やめるというのはむずかしいから、両建のような格好で持ち合い株を持っているようなものは、社内預金の準備積立金式な財産としてこれを拘束するようなことでもしないと、会社がつぶれたときにはそれだけ実際減俸になっておったのだというような問題、いわゆる社会問題が起きてくるということでいろいろ私も考えてはみておるのであります。考えてみておるのでありますが、今日の段階において少額免税制度をこれにとらない、とったことが行き過ぎである、ますますこれを大きくしていくということにつながっておるのではないかということは、事実問題に徴して御検討願えればおのずからわかることであると思うわけでございます。原則論としてはなくすることができる。できないというならば元本、利子の確保という道に対して何らかの処置を必要とする問題で、広範に検討して参りたいと存じます。
#30
○横山委員 大臣とお話しをいたしますと、いつも痛感するのですが、原則的には実に話が合うのでありますけれども、具体的なことになるとどうも話が合わない。原則的なところは実に私どもの話を聞いて下さるような気がするのでありますけれども、それじゃ実際はどうなのかと言うと、それはそうだけれどもと言う、こういう話になってしまって私は大へん残念だと思います。これは一つぜひ、今の原則が今後にわたって生かされるよう、お話が具体的に進展されることを望んでやみません。
 大月さんに、これに関連して一つだけ、時間がありませんから簡単に伺いますが、金融機関の支店の増設については、労働金庫についても同じようなお考えであるかということが一つ。答弁は簡単でけっこうです。
 それからもう一つは、先般労働省の中で話をしておりましたら、労働金庫が、業務方針書で、たしか返済が今最大限二年になっているそうですね。その二年を少し延ばしてくれないかという意見が多い。ほかの金融機関も、考えてみましたら、確かにもう少し延ばしてやる必要があるだろう。私の気持としては、全部一律に二年を延ばしてやれとは言いませんけれども、それぞれの事情に沿ってある程度弾力性を持たせてもいいのではないかという考えでございますが、その点一つ簡単にお答えを願いたい。
#31
○大月政府委員 労働金庫の店舗の増設に対する考え方は、一般の金融機関並みに……。
 それから今の二年のお話、その貸付の期限の問題でございますが、この問題はどういう規定になっておるか……。
#32
○横山委員 それじゃいいです、それでは後刻返事をいただくことにして希望だけ申し上げておきます。
 返済期限は二年がリミットであるけれども、少しそれを延ばしてもらいたい。労働省側としては賛成なんでありますから、大蔵省側として御検討願いたい。
 最後に大臣に税理士法についてお尋ねいたしたいのですが、税理士法は、本委員会において近き将来とし、参議院においては三年を限度として税理士法を改正するということになっておりまして、検討が進められておると思います。この際、税理士法の改正について希望を述べて、それについての大臣のお考えを承りたいと思うのであります。
 弁護士法と税理士法の第一条の目的を比べてみますと、弁護士法ではきわめて独立した立場というものが明確になっております。ところが税理士法では何となく税務当局の下請機関的な目的があるのであります。事実また、弁護士会と税理士会とを比較してみますと、税理士会は何といっても国税庁当局の影響が実に強い。これは事実問題として考えられるところであります。この第一条の目的をこの際根本的に考え直す必要があるというのであります。
 第二番目に、もう時間がございませんから全部言っておきますが、第二番目に、本委員会で税理士法を改正いたしましたときに附帯決議をつけたことがある。附帯決議は、たしか政治的中立、それからもう一つは一県一会制度になるべく早く統合しろということに法律にもなっておるし、附帯決議にもなっておる。それがとんと守られていないような気がする。この点は税理士会自身の問題であるけれども、一体どういうことになっておるのか。
 それから第三番目に、私、ドイツの税理士法を見てみましたところ、なかなか学ぶべき点がある。その中でふっと気がついたことは、税理士会社というものがあるのですね。日本の税理士のようなものを百人ぐらい使っている人がいる。一人の名義で百人も従業員を使ってどうして立ち合いができるのか。税理士の仕事というものは大体適正規模というものがあるはずでありますが、しかし現実の問題として五十人、七十人と使うということになるならば、これはドイツの例に見るように税理士株式会社というようなものがあっても、現実に合わせる意味においては、これは考えらるべき筋合いの問題ではないか。
 それから次には、税理士はみずから切瑳琢磨して国民諸君の負託にこたえなければならない、みずから品位を向上しなければならないという意味において、税理士会自身で悪徳税理士なり、何なりについてやれるようにしてある。けれども、この点についてはたして税理士会の諸君はみずから一罰百戒の意味においてその権限を行使しておるかどうかという点について、私は疑問を持っておる。この点について、私は国税庁にやらせよと言うのではない、税理士会自身がもっとみずからを切磋琢磨して、みずからの品位を向上させるように、泣いて馬謖を切るような気持でやらなければならぬ。またそういう内容を持った税理士法に改めていかなければならぬ。
  〔毛利委員長代理退席、委員長着席〕
 それから次に問題になっておりますのは特別試験制度の問題であります。税務署に長くおったから当然税理士ができる、しかも総務や徴収のことをやっておった人が当然税理士ができるということには私は必ずしも考えないだから特別試験制度についてはかねがね批判があるけれども、これを解決しなければならぬ。
 それから、この前お話を伺ったときには、直税ばかりでなくて、今度は間接税も税理士の範囲に入れるという話があったけれども、これは税務については全般をやはり税理士にやらすべきだというふうに考えをもっと広げるべきではないか。
 それから先ほどお約束を願った税務の民主化をはかる意味においては、必ず関与税理士に対して事前通知を行なわしむるべきではないか。納税者の調査をやる場合においては、税理士に必ず事前に通知をする。そうして合理的民主的にやる。突如として納税者のところにいけないから、それによって国税局の調査、税務署の調査がうまくいかないというような考え方は捨て去るべきである。人のすきをねらって襲って金庫を押えるというようなことを普通に考えることは改むべきである、正正堂々と科学的、合理的に双方が調査をするというふうになさるべきである。この事前通知の例外というものがあってはいけないというのではない。しかしそれはあくかで例外であって、事前通知が法規に明記をされ、そうしてその例外事項としてそういうことがなさるべきであって、今日事前通知というものが行なわれないのが普通であるというような状態というものは改むべきである。運用上のみならず法律上においてもこれは改むべきである。
 以上時間の関係から一括して税理士法についての意見を述べましたが、大臣並びに関係者から本問題についての御意見を承り、私の質問を終わることにいたします。
#33
○田中国務大臣 徴税の民主化ということはもう御説の通りでありまして、今まで税に対しては、来た者に対してこういう特典がありますよ、こういうことがありますよということを教えるだけであって、窓口相談というようなものに徴税機構の大きなウエートを置いておらなかったという問題に対しては、昨年大臣就任以後、窓口業務というものの中に相談指導というような面を充実せしめるように考えております。
 事前通告という問題、それからさっと行って金庫を押えてしまうという問題に対して、全部が全部事前通告制度にやった方がいいということは、これは理論としてはその通りであり、理想もそうあるべきであろうと思いますが、御承知の通り申告納税制度をとっておりますし、戦後日なお浅いし、なかなか脱税事犯も相当あるわけでございますので、これが運用に対しては慎重であらねばならぬということは当然でありますが、これを抜本的に改正をして、事前通告制度をすべてにとらなければならないというようにすることが、徴税技術上直ちに実施できるものかどうか。これはなかなかむずかしい問題だろうと思います。これに対しては事務当局からなお補足的に御説明を申し上げさせることにいたします。
 税理士制度の問題、公認会計士もあわせての問題でございますが、この問題に対しては、御承知の通り国会の附帯決議もございますので、昨年の八月に発足をした税制調査会に、税理士制度特別部会を設けることをお願いいたしておりまして、この四月からこの問題について十分検討し、外国の制度その他に対しても調査を行なって参りたいというふうに考えております。
 なお先般、昨年の暮れかと思いますが、東京で公認会計士、税理士の会などもあったようでございますが、アメリカ、カナダその他世界の先進工業国等で行なわれておる公認会計士、税理士というものと企業の数、その他実務の上のバランスが一体よくとれておるのかどうかというと、日本の税理士、公認会計士という問題に対しては、まだ相当検討を必要とする状態がたくさんあるというふうに認識をしておるわけでございます。
 税務職員の問題につきましては、一言申し上げておきたいと思いますが、これも私が就任直後から――今御承知の通りちょうど十年、十五年を経てようやく一人前になってきたというような税務職員が民間に引き抜かれていくということで、税務職員の確保にも非常に問題がございます、また希望を持たせなければならない。非常にいやな職業に永年努力をしておる人たち、これと税理士法との関係をどうするかという問題に対しては、事務当局に検討を命じてはあります。何年たったら税理士そのものが一級、二級、三級というふうな、他の国家試験制度のように、そういうようにすべきか、いろいろ技術的な問題はございますが、少なくとも税務署に十年おった者はどう、十五年おった者はどう、二十年の者はどうというようなことで、特別筆記試験を必要としないで、税務職員のために道を開くということも、私は考えていい問題だと思っておるわけでございます。しかしこれが税理士制度の障害になるという問題は一体どこにあるのかというふうな問題もあわせて広範な検討をいたしておるわけでございます。国内問題だけではなく、外国の例にも徴し、またこれからの日本の産業の実態等も考えながら、特に商法の改正等におきまして、法人の会計監査というものに対して監査役の権限も非常に縮小せられております。同時に公認会計士いや税理士の制度、その責任、任務に対しても非常に強く要請せられておるわけでありますので、新しい事態に対処してこれらの諸問題をあわせて検討していただき、可及的すみやかに結論を得たいというふうに考えておるわけでございます。
#34
○横山委員 広瀬君の機会がなくなりますので、広瀬君の質問が済んでから主税局長の答弁をいただきます。
#35
○臼井委員長 広瀬秀吉君。
#36
○広瀬(秀)委員 この前予算の分科会でも大臣に質問をしたわけでありますが、一昨日ですか、中山税制調査会長が本委員会にお見えになりまして、税制調査会でことしの減税の答申を出すころの見通しとして自然増収の問題、おそらく二千億ないだろう、こういうようなことで非常につつましやかな減税答申をやった。ところがその後の推移を見てみますと、三千億をはるかにこえているという実態がある。従ってこういうような面においても非常に不満を、表明された。税の自然増収は、なかなか統計的に見込みを立てるということはむずかしい。勢い主税当局にたよらざるを得ない。そういうところで二千億くらいだろうというようなことを出して減税幅を非常に小さくするような操作が行なわれたんじゃないか、その後の推移で一千億をこえるような見通しの違い、見込み違いというものがはたしてあるのかどうか、やはりそういうところ、主税当局における税制調査会に対する資料の提出に対する態度というようなものが、減税を小幅にとどめようというような政策的意図からそういう見通しというものの数字を操作するというようなことがあったんじゃないかということを私ども疑うわけでありまして、これについて一体大臣はどうお考えになっておりますか。これは当然当初予定よりも非常に自然増収が多かったということになりまして、その後の問題にも発展をしていくわけでありますので、それらの点についてお答えをいただきたい。
#37
○田中国務大臣 減税幅を小幅にしたいという目的をもって自然増収見積もり、いわゆる税収見積もりを過小に見積もったという事実はございません。これはもう昨年の七月以降本委員会においても私は答弁をいたしておるのでございますが、三十七年度の自然増収に対してはどれくらい見込めるか、一千億程度でございますと、こういうことを申し上げておるわけであります。一千億程度でございますが、歳出の増加が予想せられるというときに、せいぜい千二、三百億といえばそれ以上見込むことはむずかしいと思います。ただ九月の法人決算がどうなるかという問題で、十二月末から一月にかけないと実質的な捕捉はむずかしいと思いますが、おおむね千億前後でございましょう、事務当局は八百億、千億以内でございます、だろうということをお答えをいたしましたが、その当時やはり当委員会においても、予算委員会においても、三十七年度の自然増収というものが千億を上回るようなことは期待できないというのが、おおむね世論だったと思う。そういう意味でその三十七年度自体の経済成長率は四%と言いながら四%を割るのだろうというようなものが常識でありましたし、私たちも三十八年度の経済見通しを、初めは五%から五・五、六%くらいじゃないかというふうに見ておったわけでございますが、その後の輸出の伸び工合とか、それから在庫投資の問題とか設備投資に対する資金の需要量とか、いろいろな問題を検討し、特に九月の法人決算の結果がわれわれの考えたよりも多少よくなっておるということで、第二次補正予算を組めるような状態になり、また三十八年度の予算編成に対しても三十八年度の経済見通しの上で大体実質六・一%程度の経済成長率が見込めるだろうということは、これは一月以後になってからお互いにこの分でいけば案外この程度の増収を見込めるのではないかというふうに、非常に短いような瞬間でございますが、非常にテンポが早くそういうふうになってきたのでありまして、去年の十月、十一月、十二月当時に、出てくることを承知でありながら過小見積もりしたという事実はないのであります。
#38
○広瀬(秀)委員 それでは非常にそういう見通しのずさんさという、これはやはり指摘されなければならない点だろうと思うのです。現実に三千億ないだろうといっているうちに三千百八十一億ですか、これくらいになっているということが証明されてくる。そういう見込み違いは一体どういうところから出るのか。いつだって自然増収というやつは、この前予算委員会でずっと数字を出しましたけれども、ああいう工合にして自然増収はいつでもふえているわけですね。そうして税制調査会の段階のときにはいつでも控え目な数字をやっている。こういうところに非常に私ども疑いなきを行ないわけです。その見通しがどうしてそういうように狂うのか、この点についてはっきりお答えをいただきたい。
#39
○田中国務大臣 数字に対しては主税局長からお答えをさせますが、これは今まで目標の数字よりも税収が非常に多かったというのは、初めから政府が予算編成当初に経済見通し立てましたのが七%ぐらいのときに、一三%ぐらい、約倍くらいに経済成長が急速に伸びておるということでありまして、当初の見通しと実際の実績数字というものの間の開きがあまりにも大きかったということで、三十五、六年度は大きな増収を見たわけでございます。ところが三十六年から七年にかけて御承知の通りの国際収支の悪化によって、国際収支の改作対策を強硬に進めて参りました。きょうあたりの新聞でもおわかりになる通り、三十一年当時は七、八カ月、十カ月以内でその効果が現われたものが、今年度は十カ月、十二カ月かかっておる、これは経済の幅も広く深さも深くなっておるということでありましょうが、いずれにしても、三十二年の例を見ますと三十三年はその税収は減っておるわけであります。だからそういう意味から、過去の例に徴して見ると、三十八年度税収というものが、今の状態で十一月ごろから非常に急速に国際収支はよくなりましたけれども、実際問題十一月ごろから十二月の時点で検討すると、三十二、三年の実績に徴してみても、当初見込んだ以上に税収の伸びを計算するということは、過去の例に徴してむずかしかったということは言い得ると思います。
 数字的な問題に対しては事務当局をして答弁させます。
#40
○村山政府委員 税制調査会に対する数字は過小で、それが故意ではないか、あるいはずさんではないかというお話でありますので、一言申し上げてみます。
 御案内のように、今年度三十八年度税収見積もりは、三十七年度の決算見込みに対しまして来年度の経済指標をどう見込む、その二つによってきまるわけでございます。この来年度の経済指標がどうなるかということにつきましては、内閣を中心にいたします、今度の経済見通しでは八月、十一月、十二月、一月とそれぞれ指標が試算されております。生産指数並びに物価はほとんど変わっておりません。この四回とも六%でございます。物価につきましても大体同じでございます。従いまして、われわれは、その見通しのかたさからいいまして、来年度の指標については大よその見当はついておったわけでございます。ただ、今年度幾らの自然増収が出るか、これが実は来年度のものを決定する最後のポイントであったわけでございます。そこで、今提案しておりますものをごらんになりますと三千百三十一億でございますが、ことしの決算見込みは、今まで第二次補正で千三百六十三億やっておりますので、差し引きますと大体千七百億ぐらい。もしこれより若干出るとすると、純粋に三十八年度の増加額としては千五、六百億になるわけでございます。従って、そのとき千億とわれわれが言っておりましたのは、来年度二千億ないし二千五百億円と言ったわけであります。それに比べますと約五、六百億の違いがあるわけです。その問題は三十七年度の決算見込みにあるわけでございまして、税制調査会が開かれておりました、ちょうど今年度の改正を問題にした十月末ごろの収入実績から見ますと、千億以上という数字は期待数字であっても確実に見込み得る数字ではなかったということでございます。と申しますのは、いつでも申し上げておりますように、その十月末なら十月末別荘の収入歩合が対前年の決算歩合に対して幾ら上昇しておるか、、の上昇歩合を予算数字にかけて検討しておるわけでございます。もしそのときまでと同順調さをたどるとすれば同じその方式でいいわけでありますが、その方式で出しますと、決算方式は十月末の段階では一千億しか見込めなかったということでございます。合わせまして最大限二千五百億。幸いにいたしまして九月決算その他が予想よりも若干よかった、あるいは給与の伸びが案外よかった、こういうことからいたしまして、毎月々々の末をとっていきますとだんだん上昇してきておる。それで予算を出す段階におきましては、税制調査会の申しましたよりも今年度自然増収がさらに五、六百億よけい見込めるに至った、こういう事情でございまして、別に作意的の問題ではございません。
#41
○広瀬(秀)委員 最も善意に、作意は何もないのだ、こういたしましても、現実にこういう差が出て参っておるわけであります。そうしますと、税制調査会の理論をかりれば、これは物価引き上げと関連して実質負担増の問題の計算基礎も非常に変わってくるわけであります。税制調査会は、二千億を土台にして、約六百億くらいの実質負担増があるだろう、しかし、最もひどくその影響を受けるものは低所得階層なのだということから、大体三百九十億程度やればこれは何とか実質負担増を解消できるだろう、物価引き上げによって生計費に非常に影響を及ぼす限界というものは、そこらに線を引けば大体カバーできるだろう、こういうことだったわけであります。ところが三千億だということになりますと、これは実質負担増は九百億をこえるのだ、そのうち二百七十七億――三百九十億すら削ったわけでありますから、中山税制調査会長もこれははっきり増税の部分があるということを認められているわけであります。そうすると、私はこの前の予算委員会でも質問をしたわけであります、端的に聞きますが、これは第一点でございますが、年度内減税ということをやってもいいのではないか、かつて例もあるということで、年度内減税をやるべきであると思うが、そういう気持があるかどうか、三十八年度の、たとえば下当期なり第四・四半期においてやるということを今から約束するという態度が必要だと思うが、その点どうか。この点を一つ。
 それから、大臣非常に忙しいので、大きい問題を一つだけ伺いますが、法人税関係でことしは同族会社の留保所得保税の特例というものを今までの五十万控除から百万に引き上げた、これは大へんけっこうなことなんですが、それ以外に、日本の中小企業の育成――中小法人が大部分を占めているわけでありますから、それの育成のため、法人税の今の比例税率をある程度累進という形、従って小規模の法人については、あるいは法人所得の限度をきめて、少なくとも低所得法人というものに対して軽減税率というようなものを設ける気持があるかどうか。
 その二つの点をまず大臣にはっきり答えていただいて、それで大臣が納得のいく答弁をされれば、その答弁で切り上げます。
#42
○田中国務大臣 第一の問題につきましては、これは中山税制調査会長がここで参考人として意見を述べられたことは新聞で承知をいたしております。あの当時の税制調査会の答申は、私たちも十分尊重をして参ったつもりでございますし、また将来も税制調査会の答申は尊重して参る考えでございます。一年々々の問題をしぼっても合理的にいくわけでありますが、税制という問題に対しては、昭和二十五年から過去長くやっておりますし、また今日も新しくその一環として減税を考え、また三十九年以降も引き続いて減税問題に対しては取り組んでいただいているわけでございます。今度は新しく税制調査会に、昨年八月新しい角度から新しい視野に立って検討していただくために、しかもそれはこまかい問題だけではなく、また当面する問題だけではなく、日本の税制はどうあるべきかという問題から検討していただきたいということを言っておるのでありますから、過去、現在、将来に対しても税制調査会の答申を基礎としながら、よりよき税制の改革を行なって参りたいという考えでございます。
 それから二千億ぐらいしか増収が見込まれないときでさえもあの程度の減税をしろという答申をしたのに、三千億も見込めるというならもっとやったらいいじゃないかということであります。そのお話、御発言の趣旨は十分了解されますので、来年以降これらの問題に対しても十分やろうということは、予算委員会でも申し上げている通りでございます。年度内減税をやれるかどうか、これは私が今ここで申し上げる問題ではなく、これは税制調査会の結論を待ちながら、諸般の情勢を検討しながら最終的判断をすべき問題だと考えております。だからそういう意味で一つ十分事情を了解賜わりたいと思いますし、当時のように経済が非常に不況観があったときよりも、その後の情勢で総理が言われるように、秋を待たずして経済は上向きになるということでありますから、多少ベースアップという問題も考えられますし、そういう意味をあわせて一つ御検討願いまして、ただいま御発言の年度内減税ができるかどうかという問題は、税制調査会の結論を待ちながら検討していくべき問題だと思います。
 それから第二の問題、法人に対して軽減税率を設けたらどうかということ、これは常に問題になっている問題でございます。今度同族法人に対しての特例を設けましたのは、私は、同族というのは個人である、また中小企業というものは同族以外にないのだ、これがだんだん大きくなってきて、一般他人資本を入れられるようになればいいのですが、お互いにあしたから中小企業として発足しようということになれば、兄弟縁者の金を全部かき集めたり、友人の金をかき集めたりして、だんだん大衆資本というものを入れ得るようになるのでありますから、同族会社というものは中小企業なんだ、中小企業というのは同族へ会社なんだという考え方で、同族会社というものは他人の資本を入れられるものと同一視すべきものではない、私は就任以来こういうふうに主張しているのであります。私はそういう意味で同族会社というものは今までの税の専門家が考えているようなものではない、実質面において個人と同じじゃないか、中小企業は同族会社なんだ、同族会社は中小企業なんだという考え方で、これらの特例を漸次拡大していきたいという思想に基づいて三十七年度の税制改正をやったわけでございます。
 それから弱小、中小というような零細中小企業者を育成していくために軽減式な税率をつくったらどうか、この問題と、もう一つは、危険負担のために何らかの基金制度、いわゆる一年間とか一年半とかいう留保をしていけるような方法をとるべきか、税金として負けておった方がいいのか。これは中小企業基本法の問題として非常に慎重に、かつ深刻な考え方で検討いたしております。だから、春日さんが先回の国会で申された通り、中小企業が今東京のまん中におって、これでとにかくよそへ出て合理的なものにしようといえば、全部帳簿価格と実際の売買価格との間に税金がかかるじゃないか、こういう御発言がありまして、これらも直ちに取り上げて――これは中小企業対策としては抜本的なものであると私は考えておる。こういうようなことを今どんどんとやっておるのでございますので、いわゆる軽減税率を適用した方が中小企業のためになるのか。負担の公平論もございますけれども、中小企業基本法を出した場合、これに対応して税制上どうすべきかという問題は、これは積極的に検討すべき問題でありますので、税制調査会に対しても、政府の意見も申し上げますし、またそのような問題に対しては答申を求めたいというような考えで進めて参りたい、こう考えます。
#43
○広瀬(秀)委員 それではもう一つだけ。先ほど横山さんの質問において、原則的には一致するけれども、具体的な問題になるとだいぶ離れてしまうということがありましたが、しかし大蔵大臣も、中小法人に対する考え方、これを優遇しなければ中小企業は振興しないのだ、そういう面では税制上これから非常に真剣に考えて対策を立てていきたいということを確認をいたしたいと思いますが、ただもう一つだけ、これ一つだけで大臣よろしゅうございますから。これは予算委員会でも相当問題になり、何人も入れかわり立ちかわり質問をしたわけでありまして、問題の、利子、配当所得課税の問題でありますが、この問題につきましても、昨日大蔵委員会に総理がお見えになりまして、配当の総合課税というものは今まで通りやっていく、分離はしない、こういう方針を言われたわけです。こういうことだと、総理は、利子、配当課税を廃止していくという大蔵大臣の考えとも若干違いが出てくる。こういう点が一つ問題になって、総理大臣と大蔵大臣の考え方の違いというものは、あなたは予算委員会におきまして、将来利子所得、配当所得というものについては課税をしないような考えでいきたいということを言っておる。それに対して総理がこういう答弁をしておるというところにも差がある。この問題を一つはっきりさしていただきたいことが一つです。
 それから、税制調査会の中山先生も、ここでやはり非常にこの点についての不満を漏らされたわけでありますが、これはやはり、税制調査会の答申は尊重いたしますと言っておりながら、あなたが非常に低金利政策を推し進めることに急なるの余りこういうことをやったということに対しては、租税公平の原則からいってこれはいかぬじゃないかという非常に大きな不満を言われておるのです。そこで税制調査会がこの問題について今後何らかの結論を抜本的に税制全体の立場において答申を出してきたという場合には、その通り従う気持があるかどうか。やはりあなたの政策が優先して、税制調査会の答申を今回のごとく無視してやられるつもりがあるのかどうか。この二点だけお伺いしたい。
#44
○田中国務大臣 お答えいたします。
 第一の問題につきましては、昨日総理が申された通りでございます。(「違うんだよ」呼ぶ者あり)いや、きのうもここで申し上げました。総理と私の考え方がその通りであるということを御承認願ったわけでございます。
 それから第二の問題につきましては、私どもも、きのう総理がここで申された通り、自由化を前にして、俗に言われる政策減税も必要であるという観点に立ってお出しをしたわけでございまして、これは税制調査会の答申に対しては矛盾はない、税制調査会の答申プラス・アルファをやったものだというふうに考えておるわけでございます。でありますから、この次に答申を求めるわけでございますが、その答申の中で、少なくとも政府が今度やった俗にいわれる政策減税というものは不適である、やめなければならないというような答申は出ないだろうと思います。これはしかし私が思うことであって、こういうことが税制調査会を拘束するようなことになってはいけないので、私は特に慎重な配慮をいたしておるわけでございます。いずれにしても、税制調査会の答申を基本内に尊重いたしながら、政府は国会に対して共同で責任を負うのでございますから、税制調査会と意思の疎通をはかりながら、よりよき税制の改正に進んで参りたい、こう考えるわけでございます。
#45
○広瀬(秀)委員 利子課税の全免という方針は変わらぬということですか。
#46
○田中国務大臣 全免という問題に対しては、この前も申し上げた通り、全免でき得るような状態であれば好ましいことでございます、ということでございますが、しかし税制調査会の答申を尊重しながらということでありましたので、私も予算委員会では――きのうは少しえげつなく、どうも三転、四転するというような表現で御質問がございましたが、三転、四転しておるわけではございません。私としても、国の将来を思いながら、自由化に対応して日本の産業がたくましく立ち上がっていくこと自体が、国力の培養ということだけではなく、われわれの生活のレベルアップにも資するのである、ということではなく、それ以外に道はないのだという考え方に立ってやったことでございますが、少なくとも税制調査会でも議論があり、国会でも議論があるというのに全廃するとは何事だというようなお考えもありますし、また総理もきのうここで明らかに政府の最高方針を宣明されたのでございますから、私も総理と同じ考えによって対処して参りますということをきのう申し上げておるわけでございます。
#47
○広瀬(秀)委員 先ほど質問をいたしましたことを、今度は主税局長からこまかく説明をいただきたいのですが、法人税の問題で、われわれは中小企業育成のために、ほとんど租税特別措置の適用を受けられない、こういう階層に対して法人税の税率軽減をやれということを、もう三年も前から、あるいはそれ以上前から主張しているわけですが、一向この問題も現実化していない。中山さんも、昨年だと思いましたが、この委員会でもやはり参考意見としても、そういう方式というものは当然考えていいじゃないかという賛意を表されている問題です。ただ、これが答申としてまだまとまってはきていないわけですが、大蔵省としてのこれについての考え方、これはいろいろ同族会社の留保課税の問題等とも関連するし、あるいは個人所得との関連ということがあるでありましょうけれども、たとえば私どもとしては、五十万円までの所得は一〇%でいいんじゃないか、あるいは百万円までは二五%、二百万円までは三〇%、それ以上は大体三〇%くらい、この程度の刻みというものはしごく妥当なものではないか。われわれも税制のこまかい点までわかっているわけではない。くろうとじゃないものですから、問題があろうかと思いますけれども、こういう考え方、それからこういう線の引き方、こういうものに大蔵省が踏み切れないという理由を一つわかるように説明をしていただきたいのです。
#48
○村山政府委員 中小企業の課税問題を考える場合に、まず所得課税の問題とそれから専業税の系統の純益課税の問題の二つの系列がございますが、所得課税の問題につきましては、おっしゃるように中小企業法人につきましては一方において大法人とのバランスという問題がございます。同時に個人の事業所得者に対する所得課税とのバランスの問題がございます。それから個人事業所得者の課税は、同時にまた勤労所得者とのバランスの問題につながるわけであります。そういう意味で、単独に中小法人を大法人と比べてただ単に安くすればいいというものじゃございません。そこが非常にむずかしいところになるわけでございます。もとより所得課税は御案内のように日本の国税として最も累進税率の高い制度でございまして、それ自身基本構造におきまして担税力と最も見合っているものでございます。そういう意味で、中小法人については所得課税の形態では三三%という軽減税率をかけておる、ここが違うわけでございます。これを下げることに一体どういう支障があるかということになりますと、個人の事業所得者に対する課税の調整をどうしてもやらなくちゃならぬ。
 それから、きのうもちょっと申し上げましたが、配当控除の控除率のあり方をどうするかという問題について解答を持たない限り、この税率を単に動かすわけにはいかぬわけでございます。現在の配当控除率の税率は三八%に見合っておるわけでございます。もちろんその配当控除率の盛り方についていろいろな考えはございますが、現行は一応そこでスティックしているわけでございます。従いまして、個人所得者とのバランスの問題、配当課税の控除のあり方をどうするかという問題がなくして、単純にこれを下げればいいじゃないかということにはなかなか事務的に踏み切れない、これが所得課税における一つの問題でございます。
 第二点の先ほど申しました事業税に関しましては、御案内のように相次いで減税をやっているわけでございまして、三十四年には基礎控除を十二万円を二十万円にしておりますし、昨年は法人、個人を通じまして事業税を相当引き下げております。法人が七、八、一〇、一二とありましたのを、それぞれ六、九、一二にしているわけでございます。下の方を下げているわけでございます。個人についても同様でございます。ですから、基本税制の中において中小企業にどれだけやれるかということについては非常にむずかしい問題がある。そこで中小企業者に対する特別措置として何か考えられる道があるか、実は今税法の中でそれが一つ従来あるわけでございます。すなわち初年度三分の一の追加償却がございます。普通の償却は全部の法人に及ぶわけでございますが、中小企業というものだけを対象にしたものとしてはこれが一つある。今回提案いたしておりますのは、さらに中小企業につきましては、新たに機械装置を取得したときでなくて、それまでの過程において向こう五年間三分の一割増し償却を中小企業についてだけ認めようとしているわけでございます。ですから、特別措置で特定の業種あるいは特定の規模を問題にしてやっているものではないわけでございます。そういう意味で、中小企業に対しての税制というものは、まあわれわれとしては相当考えておるというふうに考えておるわけでございます。基本的な問題につきましては非常にむずかしい問題があるということでございます。
#49
○広瀬(秀)委員 いろいろ御説明を伺いましたが、初年度三分の一の償却あるいは五年間割り増し償却、これは中小企業だけということで通用している。そういうようなことで、中小企業の場合には法人所得と課税所得との比率といいますか、これがどの程度になっておりますか。この前の税調の資料にも、大企業の実態が出ておりました、あるいはまた中小企業の実態が出ておりましたが、こういうものを加えて大企業の所得に対する課税所得の比率と中小企業のそれとの比較を、パーセントでお示し願いたい。
#50
○村山政府委員 最近の、これはサンプル調査でございますが、大法人の総所得に対する、つまり基本税制の所得を一〇〇にした場合の措置を適用したあとの割合は八二%でございます。これに対しまして中小法人の方は八八である、従いまして、その租税特別措置に関する限り大法人の方が比較的有利になっておるという事実は出ております。ただ、しさいにその内容を見てみますと、そこに約六%の違いがあるわけですが、その六%の違いを見てみますと、実は退職給与引当金、これで約六%違うわけでございますが、本来退職給与引当金は租税特別措置というのがおかしいのじゃなかろうか。もう債務性引当金として本来の基本的な損金ではなかろうか。ですから、その点をもし今の租税特別措置から除くということになりますと、もう全く同じになってしまう。なお、御参考までに事項別に申し上げておきますが、特別償却におきましては、大法人の方が有利のようであります。それから貸し倒れ準備金につきましては、これは小法人の方がはるかに有利になっておる。それから価格変動準備金では小法人が有利、輸出の点は大体同じ、違っておりますのは特別償却と退職給与引当金、この退職給与引当金は先ほど六%と申しましたが、数字を見ますと三%でございます。三%違っており、特別償却において三%違う、大体そのようになっておりますので、かなりバランスはとれてきつつある、こういうように考えております。
#51
○広瀬(秀)委員 退職給与引当金が大体六%になるだろうなんという説明があったわけですけれども、大体、中小企業は非常に体質が弱く所得も少ない。そういうようなことから、退職給与引当金すらも積み立てられない、所得の中からさいていけないというのが非常に多いわけです。そういうことでは私は説明にならぬと思うのです。しからば、八二%と八八%という数字を示されましたけれども、私どもこれについては実質的な差というものはもっと拡大しているという、これは具体的な数字は持ち合わせておりませんけれども、実感としては、こういうものではないはずだと思う。これは地方税まで含んだ全部のものであるかどうか、あとで確かめたいのですが、それら全体をひっくるめて、今度は実態に重いか軽いかという比較をする場合の実効税率というものを、ある特定の業種なり会社なり大法人なりというものと、ある特定のティピカルな中小企業法人、これをとって比較したら大へんな差になるだろうと思うのです。そういう資料がありましたら、一つその実効税率について、どうなっているか、このことを答弁していただきたいと思います。
#52
○村山政府委員 数字は後ほど具体的なものを差し上げますが、私の記憶では実効税率におきましてもちろん小法人の方が安くなっておる。ただ表面税率で見る三八、三三ほどの違いはない、このように記憶しております。
 それからなお、ついでに申し上げておきますと、こういうことをやったことがございます。三十一年当時の税法を現在の小法人、それから大法人に適用した場合には、当時の税金に対して小法人と大法人の差は一体何倍ぐらいになっておるか、格差はどうなっておるか、つまり、租税特別措置も基本法も含めて税制改正はどちらに有利に働いておるか、これを見てみますと、これは実は三十五年に実施したものがあるわけでございますが、大法人については、実は税額は当時の税額に比べて、今日の税法は約五割上がっております。ですから当時の方が五割だけ安かった。逆に小法人の方は二割程度軽減されております。現状がどうであるかということは先ほどちょっと申し上げましたが、今までの改正の全体の方向を見ておりますと、次第によくなりつつある、これだけは確かのように思われます。なお、その実行税率も小法人の方が安いということには変わりございません。具体的な数字は後ほどお示しいたします。
#53
○広瀬(秀)委員 具体的な資料はあとでいただくことにいたしまして、全法人の中で租税特別措置のほとんど――いろいろそこには問題がありますけれども、大体租税特別措置の恩恵から全くはずれている法人の数というのはどのくらいありますか。現行の租税特別措置法に基づく項目のどれにも乗れない、こういう法人というものはどのくらいありますか。そのうちのどれか一つは必ずあるというような事態になっているかもしれませんけれども、実態をよく知らないのですが、そういう調べというものはありますか。
#54
○村山政府委員 それは全法人に対する――普通法人でよろしいと思いますが、そのうち青色申告法人でないものが大体そうだと思います。もちろん青色申告法人でなくてもできるものも中にはございますが、大体それでやりまして間違いないと思います。それで見ますと、青色申告は三十六事業年度、すなわち三十六年二月から三十七年の一月までの終了した事業年度、これについての実数でございますが、四十八万九千四百六十八会社でございます。これに対しまして法人数が同じ三十六事業年度で五十九万三千三百九十八でございます。約六十万でございますから、八割強でございますか、八割ぐらいが青色申告、これらの人はすべて租税特別措置の恩典は利用されておる、こういうことでございます。
#55
○広瀬(秀)委員 それ以外の、約十万の差があるわけです。租税特別措置の二十八項目ですか、これにわたる恩典をほとんど受けないというのが十万五千くらいですか、このくらいあるわけですね。これはどういうわけで、あれだけの項目がありながら受けられないのですか。この理由はどこにありますか。
#56
○村山政府委員 これは、国税局長会議でしょっちゅう耳にしておりますのは、実際活動している法人が全部青色法人だといっても過言ではない程度だそうでございます。あとはただ登記面であるが活動していないとか、解放して清算結了していないというようなものが大部分である。あるいは青色法人になりたくとも、その辺にある個人の普通の小売屋さんがなっておるようなもので、帳簿を整えるというようなことはとてもいかぬ。単に法人だという形態になっているものが若干ある、かように聞いております。ですから、ほんとうの意味の法人らしいといいますか、活動しておるもので法人といわれるものはほとんど全部が青色申告法人であるというふうにわれわれは聞いておりますし、またそのようであろうと思っております。
#57
○広瀬(秀)委員 租税特別措置のずっと貯蓄増強からその他に至るまでたくさん項目があるわけでありますが、主税当局としてこれは非常に損金性の強いものであり、これはむしろ本法に移行すべきものだというようなものもあるだろうし、あるいはこれは単純な利益留保だ、これは優遇し過ぎる、これはやはり廃止の方向に持っていかなければならぬとか、こういうようなものをずっと一つ主税局長から大づかみでもいいですから、各項について主税当局としての見解をそういう角度から聞かしていただきたい。
#58
○村山政府委員 正確のことは申し上げられませんが、先ほど申しましたように、いわゆる債務性引当金のものは、これは今の会計学の動向から言いましても、漸次損金制が認められていくものではなかろうか、そういう意味では退職給与引当金であるとか、あるいは特別修繕引当金、こういったものが一番損金性が強いと通常言われております。それから貸し倒れ準備金のようなもの、いわゆる評価性の引当金、これは評価の問題であります。これは程度の問題だと思います。現在のあの限度がはたしていいのかどうかという程度は問題がありましても、ある程度のことはもちろん認めてもいい性質のものではなかろうか、若干個人的な見解になりますが……。それから明らかに利益留保のようなものになっておりますものは輸出所得の控除のようなもの、これは別の政策目的からやっておるのでございまして、損金理論から言えば明らかに損金にならないということは当然であります。その中間を行っていると申しますか、いわゆる特別償却のようなものでございますが、これは免税しておるわけではなくて、一種の損金を先に計上しておるというわけでございます。従って、会社にとってみますと、実は税金に対する金利負担だけが有利になっている、こういう性質であります。大体分類いたしますとその程度でございますが利益留保的なものにつきましても、これは政策効果との関係でよく考えていかなければならぬし、評価性の問題のものにつきましては、その程度をどうするかという問題、これが一番大きな問題ではなかろうか、今後これを税制調査会があります間に検討いたしまして、基本税制に織り込むべきものは織り込みたい、かような考えでおるわけでございます。
#59
○広瀬(秀)委員 われわれが一番税制改正のたびに問題にしております給与所得との関連において、利子配当所得の問題、今回低額の貯蓄に対して全免をされた。この程度のものならばわれわれとしてもこれは大衆に対するある程度のサービスということになっているということは認められるわけでありますが、これを大蔵大臣のように、非常に高額な所得の者に対してもこれから免税になるような方向に持っていくのだということは、まさに税制調査会の考え方とも完全に相反している。また納税国民といいますか、この納得というものはどうしても得られない。特に給与所得者等が毎日一生懸命汗水たらして働きながら、もう五人家族でも四十三万八千円ばかりになると税金がかかってくる。一方は百六十八万程度までかからぬというようなものに対して、どうしても納得するわけにいかない。こういうものを基本税制に戻せという建前の主張をわれわれはいたしておるわけでありますが、これをかりにやらない場合においても、それはそれなりに、利子の場合等におきましても、これを分離しても、その分離の中で今度は税率を変える。低額のものは若干の、優遇を与えてもいいけれども、高額の者に、しかも不労所得で元本取得も可能なような所得に対して、しかも担税力が非常に大きい、こういうものに対して、これを資本蓄積だからといって優遇する段階は、低金利政策の推進という新しい目標がつけ加わったにしても、これは税の公平の原則に相反しておるわけであります。たとえば、利子の一〇%分離課税、こういうものをさらに税率を変えて最低は二%でも三%でもいい、最高はやはり基本税制をむしろ変えてもっと高率のものにしてもいいのじゃないか、そういうきざみをつけることは暫定的にでも考えられないことですか。
  〔委員長退席、毛利委員長代理着
  席〕
#60
○村山政府委員 利子所得に対しまして課税の技術の一番むずかしいところが実はそこであるわけです。その担税力に応じて段階税率を源泉の段階でつける余地がないというところが一番痛いところでございます。と申しますのは、これは総合してみて初めて担税力の大小がわかるわけであります。総合しない限り、やはり一口の預金高ではかるより仕方がないわけであります。もちろん預金のことでございますから、どういうふうに分割してお預けになろうと自由なわけであります。またこれをチェックしたら、それは税制問題以上の問題になるわけでありますしそういう意味で、この分離の場合には税率を異にするということには参らない。そこが一番悩みの種でございまして、税率を異にしましたら、かつて源泉選択があったときに、総合の代償として、源泉を選ぶならば普通税率の方に幾ら加算という制度が考えられる、こういうことでございます。
#61
○広瀬(秀)委員 非常に徴税技術上は担税力一つだけとっても確かにむずかしいことがわかるのですけれども、しかし、われわれの主張しているように、そういうものも低額貯蓄の全免が行なわれたら、あとはもう分離ということじゃなしに総合課税の方式に返って――これは当然のことなんですから、そういうふうに返って基本税制を適用するという態度を示されるならば、私どもはそれでもいいと思うのです。しかし、現実の問題としては、たといむずかしくてもそういうことが政策目的上なかなかできないということならば、そういうことも何か考えられないかということを聞きたかったわけでありますが、いずれこれはまた機会をあらためてお伺いしたいと思います。
 次に所得税の問題に移りたいと思いますが、一体課税最低限をきめる根拠はどういうところに置いておられるか、どの程度のエンゲル係数でやられ、またその他の課税最低限度をきめる要素は、どういう生活水準を描いて、こういうものだから、いわゆる最低生活には課税しないというわれわれが常に主張しておる原則とは今回のものでも相反しないのだ、こういう理論について説明をいただきたいのでございます。
#62
○村山政府委員 課税最低限をどうきめるかということは、国によっても多少迷うようでございますが、現在日本の所得税制にとっておりますのは、いわば基準的な生計費に食い込まないということを建前にしております。その基準生計費は、必ずしも最低生計費ではございません。最低といいますと非常に幅がございましてわからないところがございます。われわれが考えておりますのは、現在少なくとも課税最低限の算定のやり方は、事務をとっておる人たちが比較的質素な生活で、それでカロリーとしては十分とれる、しかし献立そのものは決してぜいたくなものではない、こういうところを中心にして考えておるわけでございます。そこで、やり方はすでに御案内と思いますが、カロリー計算を年令別にいたしまして、それについて質素な献立をつくるわけでございます。それが一体食糧費支出として幾ら要るかということが、それぞれ人員構成別あるいは年令構成別、性別で出て参るわけでございます。それを実際のサンプルから得られましたエンゲル係数で還元しておるわけでございます。今度の改正の基礎になりました基準生計費で申しますと、これは標準世帯の場合でございますが、四十二万六千百五十七円ということでございます。算式は各世帯について大体同じようでございます。それからエンゲル係数でございますが、ことし使いましたのは、この標準世帯について四七・〇七でございます。昨年までの基準生計費については四七・八九でございます。従いまして、エンゲル係数は九八・三に下がっておりますから、生活内容は相当よくなっておるということでございます。なお食料費の計算を昨年のものとことしのもので計算いたしますと、われわれの計算では大体二二%くらい基準生計費の中における食糧計算が上がっております。ただ消費者物価指数によって見ます食糧費の上がりを一年間見てみますと一一・七%になる。従いまして、結果からいいまして献立の内容が一〇%ぐらい上がる結果になったという事実はございます。ですから、従来の基準生計費の中に含まれている生活内容よりも食糧費その他に関しましても一〇%ぐらいは向上したということになっておるということでございます。
#63
○広瀬(秀)委員 今の御説明でエンゲル係数は四七・〇七とおっしゃいましたね。これは間違いないですか。
#64
○村山政府委員 全部申し上げますと、一人世帯の場合は三三・八三、前年分は三五・〇九になっております。二人世帯の場合は三七・一三、前年分が三八・二九、三人世帯の場合が四〇・四四、前年分が四 ・四九、それから四人世帯で四三・七五、前年分が四六・四九、五人世帯で四七・〇七、前年分が四七・八九という数字でございます。大体九六ないし九八というぐらいのところにエンゲル係数は下がっております。
#65
○広瀬(秀)委員 先ほどの最低生活費は、マーケット・バスケットによる食料費を基準にして生計費を算定をしている。これはやはり基準でありますから、現実の実態というものとはかなりかけ離れたいわば理論生計費的なものになっておると思うのですが、そういうものでこの基準を出さざるを得ないかもしれないけれども、実際にこういう世帯の場合に、全生計費の中で占める食料費の割合というものが四七というようなことは、これは現時点で妥当するかどうかわかりませんけれども、三〇%を上回るようなエンゲル係数のあれは非常に貧しい世帯なんだというようなことが言われているわけであります。これは非常にオーソドックスな議論でありますが、そういう概念からすると、エンゲル係数が高過ぎるというようなことから、非常に単純に考えましても、この問題はまさに国づくり、人つくりを叫んでいる状態の中で、福祉国家、文化国家といいながら、非常に高いエンゲル係数がとられて、それで割戻しをされているということについては、一体どういうようにお考えですか。この基準生計費というものは、現実に合って、憲法において保障される健康にして最低の文化的な生活ということに該当するものか。そういうものを侵していないのだという確信でもありますか。
#66
○村山政府委員 食料費計算は、先ほども申しましたように、一種の理論計算でございます。ただしエンゲル係数は、実際の家計調査の中から求めたそれぞれのモードごとにエンゲル係数をそのまま使っておる。このエンゲル係数がだんだん下がっていきますれば食料費は下がっている、こういう使い方でございます。
 それから今の課税最低限が十分かどうかというお話、これはまあ見方でございますが、われわれは現在でもなお負担が総体的に重いと思っておりますので、機会あるごとにこれを常識的な歩み方にしていきたいという念願を持っております。ただ従来の課税最低限が過去に比べて一体何倍になっておるか、その場合の国民所得の倍率はどんなことになっておるか、それから消費者物価はどれくらいになっておるであろうか、それから実際の家計支出は何倍になっておるであろうか、こういうことを比較してみることも意味があると思って念のために過去十年で比較してみたのです。二十八年を一〇〇にいたしまして三十八年のあれを見ますと、課税最低限は、給与標準世帯でございますが、二・四三倍になっております。これに対しまして、消費者物価は一・二八倍、一人当たり国民所得が二・六四倍、実際の家計支出は二倍、かようになっておるところを見てみますと、われわれ税制をあずかる者といたしまして、この課税最低限のあり方は、まだ上がるにこしたことはございませんが、これらの指標から見ますと、まずまず国民所得が若干上がっておりますが、それに続いて課税最低限が上がっておるわけでございます。ですから今後とも努力して参りたいと思いますが、そんなにひどいものではなかろう。昭和二十五年には御案内のように八万五千円という課税最低限であったわけでありますから、それから見ますともう約五倍強になっておるわけです。
#67
○毛利委員長代理 関連質問を許します。有馬委員。
#68
○有馬(輝)委員 そんなにひどいものじゃないと思いますという村山さんの御答弁でありますが、法に対してはきわめて合理的な大戒名の各位が、人間の生活に対してはきわめて非合理なことを、はっきり今村山さんは口に出して言っておられる。エンゲル係数が今みたいな状態にあってまともな生活が――これは常識的に考えてみました場合にまともな生活じゃないですよ。文化国家の生活と言われるようなあれじゃないですよ。これはあなた方が常識的に考えられれば、いわゆる大蔵省の役人という立場から離れて人間的に見られた場合には、これははっきり結論が出るだろうと思うのです。きのう私も総理にこの課税最低限の問題についてお尋ねをいたしましたときに、村山さんだって聞いておられて、総理の答弁は、大蔵省あるいは政府の立場からすればうまい答弁だが、しかし実際に考えるとじくじたるものがあったろうと思うのです。なければうそなんです。ですから、きのうの総理の答弁ではありませんけれども、現在の千七百万なり何なりという納税者の数、その中でボーダー・ラインにある人たち、これがどの程度あるかという点については、大蔵省としても人間的な立場から把握してもらわなければならぬと思うのです。そういう意味で、常識的な線はどの程度かという点について、主税局長の御見解をいま一度お聞かせをいただきたいと思うのです。
#69
○村山政府委員 先ほどから申し上げておりますように、課税最低限は抽象的に言えばやはり高い方が望ましい。ただそれがとれるかどうかという問題だろうと思うのであります。それで今有馬先生のおっしゃったことは、結局日本の所得水準は先進国に比べて全般的に低いのだということの裏返しの問題だろうと思うのでございます。その中で税制が財政需要をまかないながら負担の公平を期していく、納税者にもそれほどひどい感覚を与えないぎりぎりの線がどこであるか、こういう条件のもとでものを考えておるわけでございます。そういう意味で、先ほど申し上げましたように、今度の課税最低限というものは、決して絶対水準として高いものとは私は思っておりません。なお高くしたいとは思っておりますけれども、まずしんぼうし切れないというほどのものではないのじゃなかろうか、こう申し上げておるわけでございます。この課税最低限の比較の方法はいろいろございまして、それぞれ各国の実際の生活費、理論的な生計費に対して一体どれくらいのパーセンテージにきているかという問題も一つございます。それから各国の平均所得に対してその課税最低限がどこにきておるか、こういう考え方があります。この観点から言いますと、日本の課税最低限は平均所得に比べて割合は非常に高いところにきている。これは裏返して言いますと所得水準が全般的に低いということになります。そのことはまた同時に、有業人口に対する納税者の比率は、日本の場合はそれにもかかわらず非常に低い。ほかの国が所得者のうち七〇%あるいは八〇%まで納税者であるのに、日本はまだ五〇%を切っておる、こういうところにも現われるわけでございます。これらはすべて言ってみますと所得水準が低いという結果でありまして、われわれは税制におきましては、同時にそれは無理をかけないということと、それから少なくとも税制を通じまして将来の国民の生活の向上にも資していきたい、こういう念願でやっているわけでありますので、今日の時点だけでとてもこれはいかぬというふうには考えておりませんし、われわれは将来に希望をつないでおる、こういう気持でございます。
#70
○有馬(輝)委員 前提意識問題だと思うのです。財政需要をまかなうためには所得税はどうあるべきかという角度からのみ考えるのじゃなくて、やはりその課税最低限をきめる場合にはどうあるべきかということをきめて、そうしてすべての税体系の中で、財政需要を満たすためには現在のその税体系をどう改めていくべきかという観点から把握しなければ、税制というものは一向に前進しないと思うのです。それではお伺いいたしますけれども、先ほど昭和二十五年の比較を出されましたが、これはお手元に数字がなければ大体でけっこうでございますから、戦前の昭和十年ごろ、これは戦争中はちょっと比較にならないと思いますから、大体昭和十年ごろと、昭和二十五年じゃなくて、現在との比較を一つお聞かせいただきたいと思います。
#71
○村山政府委員 私の手元にある資料では、昭和九−十一年の平均が、現在の貨幣価値で計算いたしまして六十四万一千円、昭和十五年、これが根本的な税制改正をやった年でございますが、同じく今日のあれで計算いたしまして二十六万九千円でございます。ただ御案内のように、当時は四割までは公債収入でまかなっておったということ、それから所得の分布が今日と全く違っておりまして、現在の貨幣価値ではかりまして五百万超の人員が、人員のウエートで二%を占めておりましたが、これが税額で五六%納めておってくれた。ですから、残りの九八%の人員が、税でいいますと四二、三%のものを持てばよかったという所得分布であったということ、それから今言った四割は公債でまかなっておった、こういうことでございます。
#72
○広瀬(秀)委員 角度を変えた質問なんですが、生計費の中で、いわゆる税外負担というものをどの程度に見ておられるか。これはきょう、私、資料を持ってきたつもりで持ってこなかったのですが、たとえば中学生一人を学校に上げておくと、税外負担で、学校のPTA会費だとか、あるいは暖房の採暖費だとか、あるいはガラスがこわれてなかなか入らぬものだからそれを負担させるとか、あるいはいろいろな消耗品等の負担金だとか、それから新しい教具、教材、これは指導要領の変更に伴う教材、教具が必要になったというものも、文部省ではこれを義務教育段階でも出していない。従って、たとえば運動の、新しい体育の指導要領によって運動用具を買わなければならぬ、それもPTA負担になってくる。親の負担になってくる。こういうようなことなんかを含めまして、大体中学生でも一人上げておきますと、税外負担で約一万円ぐらいはかかるということが、これは私の記憶にあることなんですが、こういう教育関係に伴う税外負担というようなものはどの程度考慮されておりますか。そういう数字を具体的に考慮されましたか。もしそういう数字があれば、これはしっかりした数字を文部省でも統計で発表しておりますので、これを一つお出しいただきたいと思うのです。
#73
○村山政府委員 税外負担につきましては、それぞれの官庁で、たしか昭和三十五年当時の調査が一つありました、それから三十三年ですか、三十三年と三十五年程度の調査はあると思います。私の記憶では、全部ひっくるめまして、つまりそれは本来公費で支弁さるべきものである、それから本来寄付金に属すべきもので公費で支弁すべきものでないというのを含めまして、その区分ははっきりしませんが、合計で、最近の統計では三百五十億程度というふうに記憶しております。これはたしか三十五年の調査ではなかったかと思っておりますが、それくらいだと思います。
 それから、ただいまのいわゆる基準生計費の中に税外負担は考慮されておるか。これは実は家計調査の問題でございまして、われわれ食糧費を理論計算いたしましてエンゲル係数で割り返しているわけでありますから、家計調査の支出の中に税外負担が含まれておれば、当然考慮されたということになりましょう。おそらく常識から考えましてこれは当たっていますが、家計調査でございますから、それがどういう性質を持つかを問わず、家計の支出はすべて入っているものであろう、こういうふうに常識的には推定されるわけであります。
#74
○広瀬(秀)委員 あと、佐藤委員、春日委員等がやられるそうでありますから、きょうはこれくらいにしておきますが、ただいまの税外負担の実況というものが、一番新しいのがたしか文部省からも昨年あたりのが出ているはずであります。そういうようなもの等も一つ資料としてお出しをいただきたいと思います。この点を委員長からお諮りいただいて、きょうはこれで終わります。
#75
○村山政府委員 今の統一は自治省の統計でございますので、連絡いたしましてできるだけ提出いたします。
#76
○毛利委員長代理 先刻の横山委員の質問に対する主税局長の答弁を求めます。
#77
○村山政府委員 先ほど横山先生から、一つは税理士会の会のあり方の問題、それから税理士が法人になることについてはどうなるか、それから特別試験の問題、同時にそれと関連いたしまして、その業務分野あるいは受験科目の中に間接税を加えるという問題、それから事前通知の問題、かように了承しているわけでございますが……。
#78
○横山委員 税理士会社……。
#79
○村山政府委員 法人の……。
 まず、会の問題でございます。これを弁護士会のように独立のものにするかどうかという問題でございます。端的に申しまして、われわれも現状よりはより独立の方向にいってほしいものだというふうに考えております。ただ、弁護士会のように完全独立というのがいいかどうか、これはなお検討さしていただきたいと思います。これはほかの団体にも見られない団体でございまして、おそらく日本の弁獲士会だけでございましょう。どこの官庁のいかなる監督も受けないという会、こういうものがいいかどうかという点は、もう少し検討させていただきたい。しかし現在よりも独立の方向に持っていきたいということは考えております。三十六年でございましたか、登録事務は税理士会の方に委譲したのもその一つでございます。ただこれは、税理士会の現状とにらみ合わせながらその独立の程度を逐次進めていくという考慮は、われわれは実務を担当いたしまして、その必要はあるように思います。
 それから、会に関する第二の問題で、かつて三十一年のときの改正で、会は原則として国税局単位一本とする、現在ご本もあるものはこれは統合するのだ、ただ当分の間今のままでもよろしい、附帯決議がついたことも承知いたしております。われわれもこの点はやはりできるだけ法の精神に従いまして統合の方法を考えておるわけでございます。また事実その動きもございまして、横山先生御案内だと思いますが、名古屋の方面あたりは、統合の機運が最も強いところでございます。ただ実際問題といたしまして、財産がそれぞれ違う状況にあるために、なかなかうまくいかないというような事情がございます。われわれは方向においては、法の定むるところにいくべきだと思いますので、今後この点は強力に推進して参りたい。できれば今度の税理士制度改正の機会にこの点をもう一ぺん再検討してみたい、かように考えておるわけでございます。
 それから第二点の特別試験の問題でございますが、われわれは現在の普通試験制度がこれでいいかどうかということについて非常に疑問を持っておるわけでございます。しばしば申し上げましたように、われわれは部内の実際の経験といたしまして、非常に知識、判断力、常識のすぐれた人が、やはり筆記試験になりますとおっこちてしまう。役所に入りまして一年か二年一生懸命勉強してまとめる能力をつけて、あるいは暗記の能力があるというような若い人が通っていく。この普通試験制度のあり方に、われわれはこういう本来自由職業人としての試験として妥当であるかどうかという点に疑問を持っております。そういう意味で、この検討が済むまで特別試験もしばらくお延ばし願いたいということをお願いしたわけでございます。今度の改正でもし改正いたすといたしますと、この普通試験についてわれわれは抜本的に検討してみたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 間接税につきましては、今や間接税は、特に物品税等におきましては相当むずかしい問題がございますので、これを科目に加えることは当然だろうと思うわけでございます。そういうふうにいたしまして拡大していくことはどうかと考えております。
 それからもう一つ申し上げておきますが、各国の税理士の資格を見てみますと、各国ではやはり税務官庁に十年とかそれくらい勤めた人については、大体試験をすることなく税理士の資格を与えているようでございます。
 それから税理士会社の問題につきましては、これは法律論としてもあるいは実際論としてもむずかしいところであろうと思います。と申しますのは、同じように弁護士が会社をつくれるかということについては今非常に議論がございますが、今のところ通説はどうもノーのようでございます。税理士のような、その人の知識あるいはその人の人格、こういうものが主体になって活動するものについて資本会社のようなものを認めることがいいか悪いか。だめだとは申し上げませんが、検討を要する問題があるのではなかろうか。同時に実際論としてもう一つ問題があると申しますのは、先ほど御指摘がございましたように、個人でもってたとえば百人も使用人を使うという場合、納税者のところには全部使用人が行くということにならざるを得ません。そういたしますと、一体税理士でなければ税理士業務を営めないことになっておりますが、使用人は一体どこまでやれるのか、使用人の仕事の限界の問題があるわけでございます。もしその点を明確にいたしませんと、事実上使用人の名において幾らでも仕事はやれるわけでございます。税理士制度を設けたところと一体どこでそれを調整するか、こういう問題があるわけでございまして、これは実際問題といたしまして、理論問題としても非常にむずかしい問題の一つであろうというので、今後もその点を考えてみたいというふうに思っております。
 それから最後に事前通知の問題でございますが、これは法律で書くことはどんなものであろうかと私は率直に思っております。と申しますのは、もし代理人に対して通知をしなければならぬということであるならば、もとよりその理論としまして本人にまずしなければならぬのだろうと思うのでございます。委任を受けた範囲内でしか代理をやっていないわけでございますから、もしその代理人たる税理士に調査等の場合に必ず通知をしなくちゃならぬというのであれば、その前に納税者本人にしなくちゃならぬという制度がやはり必要なんではなかろうか。この点を考えますと、税務の実際の実情からいうと、そうすることが非常にマイナスの場合がたくさん考えられるわけでございます。実際調査して参るときに要前に通知してそれでスムーズに調査を進めるということは事実問題として好ましいことであり、またそういうことを望むわけでございますが、これは法律で全部強制するということになりますと、ある場合においては非常にこれが逆用されてくるということは容易に御想像いただけると思うわけでございますが、特に帳簿の隠匿とかいろいろな証拠物件等がある場合に必ずやらなくちゃならぬということになりますと、その点が問題じゃなかろうか。われわれはこの問題は本来やはり運用問題として漸次その方向に持っていくという制度が最も望ましいのではなかろうか、こういうふうに考えております。
#80
○横山委員 時間がございませんから、いろいろ意見がありますけれども、この質問はこれでとめたいと思いますが、一つだけこれに関連をして、最近の傾向について国税庁にお伺いをしておきたいと思います。
 昨年の十二万二十六日に最高裁の第二小法廷で、理由付記の問題で判決がおりました。この判例によりますと「請求人の不服の事由に対応してその結論に到達した過程を明らかにしなければならない。ことに本件のように当初税務署長がした処分に理由の付記がない場合に請求人の請求を排斥するについては、審査請求書記載の不服の事由が簡単であっても、原処分を正当とする理由を明らかにしなければならない。」云々「従って、本件審査決定の理由は、理由として不備であることは明白であって、理由にならないような理由を付記するにとどまる決定は、審査決定手続に違法がある場合と同様に判決による取り消しを免れないのである」この理由付記の問題を私が一番最初取り上げたのは今から七年くらい前でありましたが、そのときの長官が阪田さんでございましたか、理由の付記のはっきりしないものその他についてずいぶん議論をいたしまして通達を出していただいたのでありますが、いまもって最高裁でこういう判決をなされるということについては行政上お考えになる必要がありはしないか。これは異議の申し立ての決定または審査請求の裁決の通知等についても同様のことが言い得られると思うのですが、この最高裁の判決、今突然に言い出して御記憶がないかもしれませんけれども、理由の付記についていま少し親切に行政指導をなさる必要があるのではないか。どうしても税務署当局は納税者の意見を排斥するについて天下り的であって、ああお前の言うことは間違っておるよということで、みずからの挙証責任については怯懦で憶病ではないか、こういう感じがするのでありますが、どういうふうにこの問題をお取り扱いになっており、現在理由付記についてどういう指導をなさっていらっしゃるか、伺いたいと思います。
#81
○泉説明員 お答えいたします。理由付記が十分でないという点につきましては、かねてから先生の御指摘をいただきまして、また裁判事例等もございまして、私どもといたしましてはできるだけ納税者に更正決定の理由なりあるいは審査決定の理由がわかるように相当親切に書くようにという指導はいたしておるのでございます。ただ先ほどお触れになりました事件はかなり古い五件でございまして、その最終の判決があったのでございまして、最近の事例といたしましては、理由付記は相当親切に行なわれておりますので、理由付記不備のための訴訟は、現在のところはあまりないように考えております。
#82
○横山委員 これは上級官庁として、理由付記については必要以上に指導をし、あるいは監督をしなければ、行政担当者としては、どうしてもそういう心理、つまり理由付記をなるべく簡単で済まそうという心理に陥りやすいものでありますから、本委員会で何回も取り上げておるのでありますが、特にこの問題については、必要以上にあなたの方として指導をしていただかなければ、百年河清を待つような気がしてなりません。現在この理由付記についてどういう通牒が出ておるのですか、きょうでなくてもよろしいのですが、理由付記について、あなたの方から管下のそれぞれの下部機関に対して、こういうふうに書けといっておる通牒がございましたら、次回の委員会に提出を願いたい、こう考えております。
#83
○泉説明員 理由付記につきましては、更正決定なら更正決定につきまして、こういう理由で更正しますということで、その具体的な記載の事例をあげまして、国税局、税務署に通達を出しまして、その事例を手本として理由付記をするようにという具体的な通達を出しております。
#84
○横山委員 次会にいただけますか。
#85
○泉説明員 差し上げましょう。
#86
○横山委員 それではそういうことにして……。終わります。
#87
○毛利委員長代理 次会は、来たる十九日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
 午後一時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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