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1962/06/13 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 大蔵委員会 第34号
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1962/06/13 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 大蔵委員会 第34号

#1
第043回国会 大蔵委員会 第34号
昭和三十八年六月十三日(木曜日)
   午前十時三十七分開議
 出席委員
   委員長 臼井 莊一君
   理事 足立 篤郎君 理事 鴨田 宗一君
   理事 毛利 松平君 理事 山中 貞則君
   理事 吉田 重延君 理事 有馬 輝武君
   理事 堀  昌雄君
      伊藤 五郎君    宇都宮徳馬君
      大久保武雄君    岡田 修一君
      金子 一平君    川村善八郎君
      久保田藤麿君    高見 三郎君
      藤井 勝志君    坊  秀男君
      佐藤觀次郎君    坪野 米男君
      芳賀  貢者    広瀬 秀吉君
      武藤 山治君    横山 利秋君
      春日 一幸君
 出席政府委員
        大蔵事務官
        (理財局長)  吉岡 英一君
 委員外の出席者
        検     事
        (刑事局刑事課
        長)      羽山 忠弘君
        大蔵事務官
        (大臣官房財務
        調査官)    柏木 雄介君
        大蔵事務官
        (理財局証券部
        長)      加治木俊道君
        参  考  人
        (日本証券業協
        会連合会会長) 福田 千里君
        参  考  人
        (東京証券取引
        所理事長)   井上 敏夫君
        参  考  人
        (日本証券金融
        株式会社社長) 谷口  孟君
        専  門  員 抜井 光三君
    ―――――――――――――
六月十二日
 委員田原春次君及び芳賀貢君辞任につき、その
 補欠として帆足計君及び稻村隆一君が議長の指
 名で委員に選任された。
同日
 委員稻村隆一君及び帆足計君辞任につき、その
 補欠として芳賀貢君及び田原春次君が議長の指
 名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
六月十二日
 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び
 脱税の防止のための日本国とマラヤ連邦との間
 の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する
 法律案(内閣提出第一八〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 証券取引に関する件
     ――――◇―――――
#2
○臼井委員長 これより会議を開きます。
 証券取引に関する件について調査を進めます。
 本日は、参考人として、福田日本証券業協会連合会会長、井上東京証券取引所理事長及び谷口日本証券金融株式会社社長がそれぞれ出席しておられます。
 参考人の方には、御多用中のところ御出席をいただき、ありがとうございます。
 まず、福田参考人から事故防止等の問題について御意見を述べていただき、その後に各参考人に対し質疑を行なうことといたします。
 それではふくだ参考人にお願いいたします。福田参考人。
#3
○福田参考人 私、日本証券業協会連合会会長の福田でございます。
 今回、証券取引に関する事故の問題、いろいろのトラブルの問題につきまして本委員会からお呼び出しを受けましたので、まずこの問題に関する私どもの考え方とそれから施策の概略を申し述べさしていただきまして、皆様の御参考に供したいと存じます。
 世界経済の推移と貿易為替の自由化に対処して、企業の国際競争力を強化し、わが国経済の安定成長を確保するためには、長期産業資金調達の場としての証券市場の育成強化が当面の急務でありまして、その使命はますます重大さを加えておる次第であります。私ども証券界におきましては、この責務の重大性を深く自覚いたしまして、業者自身の体質改善に日夜努力を重ね、業界全体の資力信用の向上に努めますとともに、証券取引法の精神にのっとって投資家の保護に万全を期するよう鋭意努力を重ねておるのでありますが、いまだに証券取引に関する事故を絶滅することに至っておらないことは、業界といたしましてもまことに残念に思う次第でございます。証券界におきましては、このような事故によって一般投資家に御迷惑のかかることのないよう、諸種の事故防止制度並びに対策を検討して、その実施に真剣な努力をいたしておりますので、以下、その概略を申し述べたいと存じます。
 ここでちょっとお断わり申し上げておきますのは、これらの諸制度並びに対策につきましては、全国においてほとんど同じようにこれにならっておりますので、便宜東京の例について申し上げておきますので、さよう御了承を願いたいと存じます。
 まず第一は、外務員登録制度というものであります。投資家と最も密接な関係にあるセールスマンについては、証券取引法によって大蔵大臣に届け出をすることになっておりますが、業界におきましても自治規定として有価証券外務員に関する規則を設けまして外務員の取り締まりを行なっております。この制度の骨子は、証券会社の使用人のうちでその店舗を離れて顧客に投資の勧誘をする者は、すべて証券外務員として証券業協会に登録しなければならないことになっております。登録にあたりましては、まず法令上の刑罰を受けた者、あるいは業界の諸規則に違反した者、あるいは不都合行為等の処分を受けた者などの所定の登録拒否事項に該当する不適格者を排除するとともに、所定の講習等による職務教育を受けた者であることを登録の資格要件といたしまして、外務員の資質の向上をはかっておるのであります。また顧客の損失補償契約の禁止等、服務上の禁止規定を設けて、これに違反した者は登録の取り消しを行ない、不良外務員の排除につとめております。このような制度による登録を受けた外務員には、協会所定の外務員登録証を携行させております。
 第二に、残高照合制度というのがあります。これは協会の調査によりますと、事故の大半が顧客注文を仮装した外務員の自己思惑に基因するものでありますので、その対策としては会社と顧客との連絡を密にすることが最も肝要であると考えまして、顧客との間に残高照合制度の規則を設けて事故の早期発見、未然防止に努力いたしておるのであります。
 第三は、事故の届け出制度であります。外務員規則のほかに、証券従業員に関する規則を設けまして、従業員全体の服務基準を定めておりますが、この中に特に不都合行為の届け出制度を設けまして、証券会社はその従業員に事故があった場合は、必ず協会に届け出ることになっております。協会はその事故の大要について会員に通知いたしまして、その注意を喚起しておるわけであります。
 第四番目は、従業員、外務員の教育制度であります。各社における社内研修制度はむろん各社でやっておりますが、そのほかに業界全体といたしまして証券講習所というものを設けまして、外務員コース、従業員コースそれぞれによる職業訓練を行なって従業員の資質の向上に努力しておるのであります。
 第五に、事故防止対策であります。いままで述べました諸制度のほかに、さらに一段と事故防止を強力に推進するために、昭和三十六年一月から昨年にかけまして、取引所、協会合同の事故防止特別、委員会というのを設けまして、一年有半にわたって事故防止対策について真剣に討議を重ね、昭和三十七年五月、概略次のような事故防止対策を決定いたしまして、会員の協力を要望するとともに、特に必要な点については規定を設けて、事故の防止に格段の努力を傾けてまいっておる次第であります。
 そこで、この事故防止対策を概略御説明申し上げますと、その一は、顧客との直接連絡の確保であります。顧客との直接連絡を確保するために、先買報告書それから照合通知書は顧客に店頭で直接交付する場合、または顧客から交付方法について特に申し出があった場合を除いて、すべて顧客の住所に郵送することといたしました。
 その二は、地場受けの抑制ということであります。従来の事故の例を見ますと、横領した株券等は他の証券会社で売却することが多いのにかんがみまして、証券会社の役員、従業員は、所属証券会社の書面による同意を得ないで他の証券業者に対して有価証券の売買その他の取引の注文を出すことを禁じております。また他の証券業者の役員または従業員から、その証券業者の書面による同意を得ない有価証券の売買その他の取引の注文を受けることを禁止する。いわゆるこれは地場受けの抑制策を強化したのでございます。
 その三は、金銭、有価証券の授受についてでありますが、金銭、有価証券の預託を受けた場合は、出先においても必ず預かり証と引きかえに預かるようにすること、また預託を受けた金銭、有価証券を顧客に引き渡した場合は、預かり証の回収を確実に行なうことといたしまして、預かり証を紛失した場合等やむを得ない場合には本人から直接念書を徴するなどの方法によって、受け渡しの確実を期しております。また金銭、有価証券を出庫した場合には、さらに念を入れるために、そのつど顧客に対して出庫通知を郵送することにいたしたのであります。
 その四は、事務機構の整備と検査、監査の強化ということであります。これについてはまず第一に、顧客調査を十分に行なうために、特に専門の係を設けること。第二は業務の検査または監査部門を設置すること。第三は社内の事務機構を整備して、特に金銭、有価証券の出納、保管、検査等の分掌を明らかにして、相互牽制組織を確立すること。さらにまた従業員が顧客との受け渡しのために金銭、有価証券または預かり証を持ち出す場合は、前受け票というものに顧客先とか前受け物件、帰社時刻などの必要事項を記入させて管理責任者が実行を確認することといたしております。また顧客との金銭、有価証券の授受は専門の係員をもって行なうようにすることにいたしておるのであります。
 その五は、事故の届け出の励行ということです。不都合行為の届け出の励行なんですが、不都合行為による事故があったときには、当該行為の行為者を各社の規則に照らして厳正に処分することはもちろんでありますが、その際必ず協会に届け出をするということになっております。
 その六ですが、顧客へのPRということです。これはかなり重大なことなんですが、最後に、この事故防止対策の実施にあたって投資者の理解と協力が必要であるというので、お客さんに対して受託契約準則の概要及び金銭、有価証券、預かり証、照合通知書の取り扱いの方法並びに仮名取引の禁止等についても新聞広告あるいは。パンフレットの配布あるいは店頭の掲示などを行なっておりまして、従来よりもさらに一そうPRを強化することにしておるのであります。
 以上申し述べましたような諸施策によって業界としては極力この事故の防止に努力いたしておるわけでありますが、何ぶんにも戦後急速な発展を遂げた証券界におきましては、各社の事務機構等において必ずしもこれに即応した体制を完備するに至らないうらみがありますとともに、一方証券民主化によるところの急速な投資層の拡大によって一般顧客の中には証券取引の経験と知識に乏しい方々も少なくない状況でございますために、事故防止に急なあまり、一挙に厳格な制度を強制することは、迅速を第一とする証券取引の性格上かえって証券の円滑な流通を阻害する原因ともなりますので、逐次証券取引の実情に即して、投資家各位にも御理解と御協力を願って諸制度の改善をはかってまいりたいと考えておる次第であります。
 以上私どもが考えております考え方と施策の概略について申し述べた次第でございます。
    ―――――――――――――
#4
○臼井委員長 これより質疑を行ないます。佐藤觀次郎君。
#5
○佐藤(觀)委員 ただいま福田さんからいろいろ証券の事故問題についてお話がございましたが、そういう具体的な問題についてはあとで堀委員から詳しく具体的に質問があると存じます。私は、福田さんと井上理事長、それから日証金社長の谷口さんに二、三点ずつ大まかなことで御質問したいと思うのであります。
 福田さんはいろいろ事故防止についてお話がございましたが、その前に、今度大蔵省が証券業者に対しまして最低の資本金の引き上げを行なおうとしているやに聞いております。特に地方の業者に対して、いままで五百万円の資本金を二千万円にするというような、そういう通知をもらっておるということでありますが、わずか二カ年の間に四倍もするような二千万円というような資本金に引き上げるというような問題については、これは地方の業者にはたいへんだと思うのでありますが、福田さんは大和の社長として、四社の代表としてその重きをになっておられますが、こういう問題についてどういうようにお考えになっておられますか、お伺いしたいと思うのであります。
#6
○福田参考人 ただいまのお話についてお答え申し上げます。最低資本金の引き上げについての問題ですが、私どもの考え方をちょっと申し上げます。
 わが国の経済発展、特に自由化を控えて企業の国際競争力の強化が当面の急務である。これがためには産業資金調達の場としての証券市場の強化育成ということが不可欠の要件と考えられますので、証券業者自身が資産内容を充実して、この負荷の大任にこたえなければならない、自分自身で資産内容を充実していかなければならぬということを考えております。この意味から大局的には今回の資本金の引き上げはやむを得ない、そうあるべきである、これは協会員の大勢としてはやむを得ないと考えておるわけなのです。ところが、たとえば単なるブローカー業務だけに従事しておる地方業者のように、必ずしもその性格上からいって資本金の増加を必要としないようなものもあるかもしれませんが、それらの取り扱いにつきましては行政上、いろいろきめのこまかい行政指導によって御当局に御考慮を願いたいと考えておる次第であります。
#7
○佐藤(觀)委員 そういう通知は大蔵省からあなたに通知があったのか、あるいはあなた協会みずからでおやりになるような御意思であったのか、その点をはっきり伺いたいと思います。
#8
○福田参考人 私は連合会長として大蔵省に参りまして、大蔵省から、こういうふうにする案であるぞということを内示を受けました。これを協会員の会員に全部伝えて、みんなの意見はどうだろうかなというようなことを聞いたのですが、大勢としては、いま申しましたような意見になったわけなのです。これは別に私どもが相談を受けたのでもないのです。これでいいか悪いかお前検討しろと言われたのじゃないのです。
#9
○佐藤(觀)委員 それから会長のあなたは大和の社長で、そんなわずか五百万円が二千万円に上がってもたいしたことないと思っておられるのでしょうが、地方の業者はたいへんなことだと思うのです。だからあなたは自分のところの会社のことだけを考えずに、業界全体として地方の業者はこんなことでどうなるだろうということを判断してもらわないと、いままで小池さんがやってこられたのですが、資本金がふえるのは当然だと言われるのは、協会の会長としてではなく、あなたのところ自体の考え方でやっておられるのじゃないかと考えるのですが、その点はどうですか。
#10
○福田参考人 私どもとして、大和証券の何とか、自分のところの考えで申し上げておるのではなく、全く協会長としての立場から申し上げまして、いままで協会長の立場として全体的に見て意見を聞いたりしておりますので、自分がいいからそれでいいんだというのではありません。決して自分のことを言っておりません。
#11
○佐藤(觀)委員 それはあなたの会長としての立場からすれば、やはりこういう場合には地方の業者が困るんじゃないかということぐらいは親心として考えておいてほしいということを私は希望するわけです。
 そこで、あとで堀さんからもいろいろ質問があると思うのですが、私は、大蔵委員――昔は財政金融委員と言っておったのですが、そのころから死んだ島田晋作君などと一緒に、ちょうど理事長には小林さんでありましたが、証券民主化ということで昭和二十二、三年からずっと関係しておるわけです。そういういろいろないきさつがあるのですが、聞くところによりますと、きょう問題になる事故の問題についても、あなたのところの大和にも相当事故が多いということであります。そこで、あなた自体がみずから自粛するというような意見を言っておられますけれども、少なくとも協会の会長としてそういう問題が起きた場合にはまずみずから正さなければ下のほうはついてこないのです。それはいろいろいかがわしい証券会社もあるということを聞いております。いずれあとで堀君からも具体的な話が出るだろうと思うのですが、そういう点についてみずから正して下のほうに模範を示すということでなければなかなかうまくいかないと思うのです。いろいろ問題がありますが、私はきょうはこまかい問題は申しませんけれども、少なくともあなたは協会の会長としてそういう問題はどういうふうに処理をされていかれるのか。それから証券業者も、東京や大阪や名古屋あたりに大部分大きなのがありますが、地方にも小さいのがあるわけですから、少なくとも会長としてはそういう地方のほうの小さいのも同時に規制していくくらいのことは考えてほしいと思うのですが、そういう点についてはどういうようにお考えになっておりますか、お伺いしたいと思います。
#12
○福田参考人 お話のとおり、ごもっともしごくと私ども思っております。まだ私、就任間もないものですからあれですけれども、むろんそういう意気込みをもって証券界全体がよくなるようにということを念願してやろうと思っております。いろいろ御忠告ありがとうございました。そのとおりにやります。
#13
○佐藤(觀)委員 それでは、その次に、井上さんにちょっとお伺いしたい。井上さんは日銀の副総裁をやっておられまして、金融界については明るい人でありますが、私が取引所の理事長としてのあなたにお伺いしたいのは、業者の健全化という問題についてどういうようにお考えになっておられるのか。それから、このごろ一般の投資家もまじめな投資家がふえましたが、今度加治木さんが大蔵省の証券部長になられたので、絶えずお会いになるはずだと思いますけれども、そういう問題について井上理事長はどういうようにお考えになっておられますか、御意見を承りたいと思います。
#14
○井上参考人 第一の御質問は、証券業者の体質改善に関する問題だと存じますが、これにつきましては、取引所の理事会その他連合会との緊密な協力あるいは協議のもとに常に業界の体質改善に努力しているわけでございますが、問題は、財力的にこれを強くすること、もう一つはやはり経営態度、ここにあると思うのでございます。
 御承知のように証券会社にはディーラーもあり、またブローカーを主とするものもございますけれども、いずれにいたしましても、価格の騰落の激しいものを扱っております。したがって、不測の事態にも遭遇することがあるわけでございまして、それに対しましては、やはり証券会社の自己資本を充実するとともに、内部留保も一そうふやしていかなければならないように私は思っておりますが、これにつきましては、税制上の問題もございますし、今後われわれの努力と国会並びに政府の御理解のもとにこの基盤を強化してまいりたい、こう思っているのでございます。
 第二の経営態度の問題、これは御承知のように、米国でアメリカン・ストック・エクスチェンジでスペシャリストが問題を起こしまして、それに対しましてSECが調査報告をいたしているのでございます。私はまだ全部を原文で読んでいるわけではございませんが、抄訳を見ますと、いろいろな業務規定なり、いろいろな規則、罰則等を勧告しているほか、と申しますか、それと同時に、証券業に従業する者に対しまして、その資格を要請しております。精神的な面と申せましょうか、第一がやはり徳性、モラリティと申しましょうか、徳性が第一である。それから第二は知識経験に基づくところの能力が非常に大事である。第三に、しかも最終的には何よりも誠実性が大切であると言っているのでございます。私も常にそのように考えておりまして、SECの勧告の内容、全く同感でございますが、これにつきましては証券界におきましても、戦後いろいろな事態にも遭遇し、各方面からの要請もありまして、だんだんと精神の入れかえ、と申しては、ここに福田さんもおられて恐縮でございますが、非常にその方面で投資家保護の精神に徹するようにやろうやろうと努力しておられると、私は身にはだで感じているわけであります。ただこれについては若干の年刀もかかると思いますので、私としましては、私の地位でできる限りのことを今後やってまいりたい、かように考えます。
 それから第二の御質問は、投資者の態度でございましょうか、それに対する要請でございましょうか、そう理解申し上げるわけでございますが、ただいまも福田参考人から、投資者に対するPRというようなことでお話がございましたが、これは証券業協会と証券取引所と一緒になってやっていることでございまして、まず取引の手続なり、何なりから出てまいります事故を防止するためには、ここに私が持っております「投資者の皆様へ」という一枚紙でございますが、こういうものがございます。全体を朗読することは省略させていただきますけれども、ただいまの福田参考人のお話と重複するところもあるかと思いますが、これにはたとえば氏名、住所の明示、売買報告書の確認、損失補償契約などの禁止、預り証の受領、保存、残高照合、あるいは受託契約準則の遵守、というようなことが載っておりますが、こういうようなものを、証券会社から顧客へ郵便物を発送します場合には同封してもらいますとか、あるいは証券会社の店頭に置きますとかして、投資家の未経験あるいは知識の不十分からくる事故を防止するために努力しているのでございます。そのほかにも新聞広告等、これもなるべく目をひくように、漫画等を入れた新聞広告をいたしましたり、あるいは業界雑誌その他経済雑誌等にこのような趣旨のことを掲載いたしまして、当事者の啓蒙と申しましょうか、取引の準則その他をよりよく理解してもらうためにつとめておりますが、しかし一面から申しますと、こういう手続に精通するということのほかに、これまた投資態度の問題があろうと思います。従来は御承知のように、戦後数回の株式ブームというものがありまして、株は買えばもうかるものだというような宣伝なり何なりが行き渡りまして、ほんとうにまじめな意味で、長期投資あるいは証券貯蓄をするという意味合いばかりでなくて、利ざやかせぎに走るような投資態度が相当ございます。こういう方々は資金も十分に用意されていないのが多いのでありまして、増資がくれば投げなければならない、あるいはちょっと上がればすぐ売ってしまうとか、あるいは下がればたいへんろうばいをするとか、そういうような点がございまして、この点につきましては、私としましては世間にものを言う機会がありますごとに、証券貯蓄という精神を持ってじっくりとした態度で投資していただきたい、もうけ主義で、何か証券会社にまかしておけば何とかもうけてくれるだろうという態度でないように、自分でも経済の動向なり何なりをよく研究されて落ちついた態度で投資していただきたい、かように機会あるごとに申し述べております。日本の戦後の投資家は、いわゆる民主化をしましてからまだ若いのでございます。若干の時日もかかろうと思いますが、今後もさような努力を続けてまいりたいと考えております。
#15
○佐藤(觀)委員 一般投資家を保護するという意味で、銀行なんかの支店も許可制になっておりますが、理事長としてはそういう証券界の業者の許可制という問題、これは大蔵省の関係もございますが、あなたとしてはどういう御意見を持っておられますか、参考のために何っておきたい。
#16
○井上参考人 これは非常に微妙な問題でございまして、どっちがいいと割り切るわけにはちょっといかないと私は考えております。はなはだあいまいな答弁で申しわけございませんけれども、御承知のように証券業者が非常にふえてまいりまして、その中には営業停止の処分を食ったり、いろいろまた投資者の信用を保持していくには困るようなものもぼつぼつできてまいって、また消えていくものもあるのであります。こういう点を考えますと、すぐこれは免許制にしたらいい、あるいは許可制にしたらいいということも考えつきますけれども、そのような意見を早く出しますとまたかけ込み登録というようなこともございますし、この点につきましては大戒名ともよく連絡をとりまして、今後考えてまいりたいと思います。ただ問題は、証券業者がよくなればよろしいことでございまして、この体質をよくしていく効果が一年あるいは二年のうちにどれほどあらわれるか、先ほど資本金引き上げの問題もございましたけれども、そういうことをやったあとで考えてもいいのじゃないかと私は考えております。
#17
○佐藤(觀)委員 井上さんは日銀の出身でありますから金融のことについてはいろいろ顔があるし、またそういうことも東証の理事長になった一つのあれだと思いますが、どうも金融界と証券界は仲が悪いといろいろうわさされておりますが、それはどういうように協調されていくのか、その点を伺いたいと思います。
#18
○井上参考人 金融界と証券界と背中合わせになっておるとか、ぐあいが悪いとかいうことがいろいろ世間に伝わっておるのでございます。事実ある程度までそれを承認せざるを得なかったのでございますが、昨今としましてはやはり金融、証券は両方とも並び立っていかなければならない、両方ともあるバランスを保って発展していかなければ、日本の産業の発展、そのまた基礎をなす産業資本の調達ということからしてまことに困るというような認識が証券界にはもとより出てまいっておりますし、幸いに金融界のほうでもそういうようなお考えが浸透してまいっておるようでございます。昨年来たいへん仲よくいっておると私は存じております。今後ともこれは努力するつもりであります。
#19
○佐藤(觀)委員 今度は日証金の谷口さんのほうにお伺いしたいと思います。
 日証金の融資の残高が最近六百億を突破したと言われております。そこで、融資の総額が中小業者と四社とどういう関係になっておりますか、まず伺いたいと思います。
#20
○谷口参考人 四社に対しましては、自己で調達する能力もあるわけでございますので、われわれのほうとしましては最高額を押えております。大体六百億の中で四社で百億ないし百二十億、あとは中小証券業者の融資である、こういうように御理解願ってけっこうかと思います。
#21
○佐藤(觀)委員 どうも四社のワクのほうが多くて中小のワクのほうが少ないというようなことでいろいろ議論があると思いますが、谷口さん一体どういうようにお考えになっておられますか、その点を伺っておきたいと思います。
#22
○谷口参考人 われわれのほうにおきましては、信用の過度の膨張を避けるために一応の融資の目安、ワクを考えております。その限度額は、いまのところ数字を申せば三百九億、その中で四社の占める割合は四社合計で八十億、あとの二百二十九億がその他の証券業者のワクになっております。それでこれは削り当てということではないのであって、各業者の資産内容、取引高、信用の供与高、貸借取引高、いろいろな基準がございまして、その基準に照らして公平に判定して出てくるものでございます。四社の業界における取り扱い高のウエートは四社合計で六〇%ないし七〇%に及んでおります。いまの形の融資限度額の中で四社の占める比率は二六%ですから、これは決して四社に過大にワクが与えてあるというものではないと思うのであります。
#23
○佐藤(觀)委員 谷口さんも日銀の出身でありますから釈迦に説法でいろいろ私、言う必要はないと思いますが、四社の取引高は全体の七割程度のあれだということも私も承知しておりますが、ここに福田さんもおられますけれども、四社は何といっても大きいし、何もそういうふうに日証金から融資しなくてもいいのじゃないかと思われる節もあるわけです。そういう点の具体的な問題はいまあなたのお答えのとおりでありますが、あとでいろいろ堀委員からもお話があると思いますが、不正や何かが起きるのは小さなものであって、小さなのは中には悪いものもあると思いますけれども、中にはそういう融資のワクの及ばないという点が原因になっておるのじゃないかと思われるのもあります。そういう点についてどういうようにお考えになっておるのか、現状がこうだからやむを得ないじゃないか、これでいいじゃないか、そういう冷たい考えでなくて、何とか中小の業者も立っていかれるような道を考えられる必要があるのじゃないかというふうに思いますが、谷口さんどういうようにお考えになっておられますか。
#24
○谷口参考人 この融資の限度額につきましては証券界の規模、そのときの金融動向等を勘案しながら、実情に即しながら常に検討を加えております。いつも年二回くらいは再検討して判定しております。そしていまおっしゃいましたように、大証券と中小とにつきましては、経過を見ますと大証券はそれで頭打ちになっております。中小証券の増加率のほうがはるかに大きくなっております。おっしゃるような趣旨は、お気持ちはよくわかります。われわれとしましても十分に配慮しながらやりますが、しかしこれは金融でございまして、信用というものも考えなければならぬと思います。そこいらを勘案して現状では割合うまくいっておる、こういうように思います。しかし常に検討は加えていきます。
#25
○臼井委員長 堀昌雄君。
#26
○堀委員 ただいま協会の福田会長からお話のございました事故防止対策についてという問題でございますが、実は最近二、三の事例が私の手元に参りまして、これを少し調査いたしております中で、現在の証券取引法自体にも不十分な点があるのではないか、それから皆さんが自主的にお定めになっております事故防止対策についても、必ずしもそれが強制力を持っておりませんから、どこまで実施をしておられるものかについても疑問がございます。さらに業者の方のお話を聞いてみますと、管理上の部分に、趣旨は大蔵省としては投資家保護を目的といたしておると思いますけれども、結果としては非常に証券業の皆さんに事務的な量の部分がふえることによって管理費がふえてまいりまして、その点で、ややもすれば逆に取り扱い上に不備な点が残るというような面もあるようなお話を聞いております。
 そこで私は、この問題を少し調べました結果、前回大蔵大臣に御出席を願い、本日は業界の皆さんの御意見をよく承り、さらに来週はこれらをもとにして大蔵大臣に対して私どもの考えを述べて、少し証券業法その他の部分に法制的な処置を加えて、まず投資家保護をさらに徹底させたい、これが第一点であります。
 第二点は、しかし現状をつぶさに見ておりますと、必ずしも証券業者の側だけに問題があるのではなくて、投資家の側にもまた多々問題があることがよくわかってまいります。そこで私は、現在の銀行と証券会社の一般大衆に接する接し方といいますか、証券会社のあり方というものが、やはりもっと高められるように、投資家といいますか、大衆の側も規制するものは明らかに規制して、証券会社側としての免責部分につきましても明らかにする必要もあるのではないか、このように考えておるわけでございます。
 そこで一番初めに、その原則的な問題について協会長並びに取引所の理事長にお伺いをいたしたいのでありますけれども、さっき協会長のお話では、非常に急激に膨張してきた業界であるから、いま直ちにあまりきびしい処置をとることはいかがかと、こういうお話がございました。しかし私は、自主的にものをやるという場合には、日本の業界はいずこの業界でもそうでありますけれども、ややもすると過当競争に流れがちであるというのは現在の一般的な姿でございますから、そういう状態の中で、はたして自主的にのみどこまで行ない得るかということについては、私はあまり自信を持っておりません。そこで私ども立法府として、皆さん方が正しい意味の証券会社として発展していただくためには、それなりの協力をいたしたいと思います。そのためには、やはり皆さん方としてメリットもなくてはならないと思います。そこで私はこう考えておるわけでありますけれども、いろいろな問題について事故が起きたから、大蔵省がたとえば証券業法第五十九条で処分をするというようなことはあまり適切ではない。事故を起こさないことを目的としなければならないわけでありますから。事故を起こさないようにするための、いろいろな皆さんのお取りきめ等の中で適当なものを法制化をして、そういうものに反したものは処罰をする。そういたしますと皆さんの事故防止対策についてのいろいろな条項が守られることになりますから、それが守られる結果としては、事故が起きない、こういうことにするのが私は本来の投資家保護のたてまえではないか、こう考えるわけでございます。
 そこで原則論でございますが、いま少し事故防止の部分について法制上の取り扱いを強化する、罰則等を設けて、ただいまお読みになりました東京証券業協会と東京証券取引所で昨年の五月二十九日にお出しになっております「事故防止対策について」というこの対策の中で、最も必要と思われるものについてはこれを法律によって規定をして、罰則を設けて皆さん方が一律に励行していただく、しかしその反面、現在証券に対する検査というものが、証券会社に対する信頼の問題もあろうかと思いますけれども、銀行検査とは著しく状態が異なっているようでありますから、これらについてはやはり内部的にそういう法律によって規制があるわけでありますから、内部的には自主的にいろいろな規制をおやりいただき、さらに検査等の問題を取引所なり協会も自主的におやりをいただいて、そうして事故の起こるのを未然に防いでいただきたい。大蔵省の検査というものはできるだけその自主的な検査によって届かないところを検査をする。こういう形にすることによって事故を防止していただき、同時に各社の伝票、証信憑書類等についても、それらの問題は協会なり取引所として検査をなさるのに必要にして十分なる範囲にとどめて、現在の大蔵省のやっておりますことが多少煩瑣に過ぎるものがあるならば、これらを省略することによって検査の内容を高めるとともに、むだな事務管理費を省くというような方向で問題を処理さしていただいたらどうか、こういうふうに原則的に私は考えるわけでございます。
 そこでお伺いしたいのは、そういう事故防止の各種条項についてこれを法律化することが適当かどうか、これはあとで条項についてお伺いいたしますが、原則としてその点をひとつ協会長と取引所の理事長のほうにお伺いいたしたいと思います。
#27
○福田参考人 事故防止策について法制化したらどうかというお話なんですが、大体この事故防止策というのは証券業者自体の問題でありまして、事故が起こるようでは証券業が成り立っていかない、事故がどんどん起こっていったら成り立っていかないのですから、業界自体の信用の問題ですから、自分自身で事故防止を積極的にやっていくという、これは営業上、経営上当然なことだと思う。これを法制化する、それはしても差しつかえないようなものですけれども、法制化するよりも、その前に自分自身の問題であるから、自分自身が片づける、あくまでも自主的に片づけるのが本筋ではないかしらと思うのです。ですからむろん法制によってどうこうということも必要ではあると思うのです。ですけれども、今日協会というものはあくまでも自主的な機関としてやっていきたいと思うのです。自分自身の問題である以上は自分自身で片づけていく。これは事故が起かったら損なんですからね。それは経営として成り立っていかない。経営者としては当然やるべき仕事なんです。一応自主的のほうにおまかせを願ったほうがいいのじゃないかしらんという考え方なのです。法制化もけっこうですけれども……。
#28
○井上参考人 罰則あるいは免責を法制化するということにつきましては、ただいまでも罰則はあるわけでございます。それからまた東京証券取引所といたしましても、処罰、処分の規定を定款で定めております。これによってできるだけ未然に事故なり何なりを防止したいと思っておるのでございますが、ただ処罰ということをあまり正面に押し出しますと、どうもいろいろな事故が把握できないといいますか、隠れてしまう傾向もなきにしもあらずなのです。ですからやはり私は協会及び取引所と緊密な協力のもとに、できるだけ自主的に事故防止に徹する、こういうふうにいきまして、なおかつその実が上がらない場合にはこの部分をどうしたらいいか、こうしたらいいかというようなことは、ひとつわれわれとしてもまた大蔵当局に対しましても御相談申し上げる。ただいまの段階におきましては、こういう考えでおるわけであります。
#29
○堀委員 お話は私もよくわかるわけです。ところがいろいろと業界のお出しになっておるものその他を見ましても、いろいろな規則とかその他をおつくりになっても実際に守られているのが半分ぐらいだというふうに書かれておるものを拝見しておるわけです。せっかくいい制度を自主的にやろうと思っても、半分しかやらないということは、私はこれは全部がおやりになる――さっき協会長も自分のことだとおしゃっておりながら、実際にはやられておらないということになりますと、これは逆に何らか規制をすることによって皆さんが一律におやりになれば必ず事故が防げるのならば、私は多少強制力をもってそれをやることが適当なのではないか、こういうふうに考えております。業界の立場としてはおそらく御自身でおやりになっておることでありますから、ただいまの答弁はそうだと思います。
 そこでちょっとそれについてお伺いをいたしたいのは、取引所の定款第五十条の会員の処分、こういうのは最近二、三年間に処分の行なわれた例がございましょうか。
#30
○井上参考人 これにはいろいろ段階がございまして、過怠金――罰金というような性質のものですが、過怠金あるいは一番激しいものは除名ということでございますが、過怠金を課した実例はございます。ただし営業停止とかあるいは除名とかいうような激しい処置をとったことは私の知っている限りではございません。
#31
○堀委員 過怠金は十万円以下ということになっておりますが、第五十条の一から九までについてはいろいろと内部的な問題と思いますのであれでございますが、十のところに私の問題にしたい部分が入っておるのではないかと思いますが、この過怠金をお取りになった例というのはそうすると第五十条の中のどういう条項に該当してお取りになったのか、その点をちょっとお伺いしたいと思います。
#32
○井上参考人 過怠金を取りましたのは、ただいま御指摘の十号にございます取引の信義則に反する行為、これとそれから法令に違反した点があったためでございます。
#33
○堀委員 協会の方にお伺いをいたします。協会の定款第七十六条で、やはり会員権の停止または除名という制裁事項がございますけれども、協会の側で協会貝に対してこれらの処分が行なわれた例が最近ございますか。
#34
○福田参考人 ございます。やはり過怠金とそれから会員権停止というのもあるのです。これはいつあったのか、時日については私まだ新米なものですからちょっとわかりませんが、あったことは記憶しております。会員権停止をさせたという例があるのです。
#35
○堀委員 そこでちょっとお伺いしたいことは、取引所のほうでは過怠金だけ取ってその他の処分はないようですが、協会では会員権の停止の処分があった。協会で会員権の停止になった会員は事実上営業についてはどういうことになるのでしょうか。
#36
○福田参考人 これは行政処分の営業停止と並行しておるのです。行政処分を受けた者は会員権を停止するということでございます。
#37
○堀委員 わかりました。そこで、除名はちょっと極端な例でありますが、協会の会員権の停止とかそういう制裁部分は、もし法第五十九条による処分を受けていないで自主的に行なった場合には、どういう実質的な拘束力があるのか、要するに証券業者として取引その他ができるのかできないのかという点でございます。私はそれをなぜ伺っておるかといいますと、自主的に皆さんにひとつおまかせしようということならば、皆さんの側でやはり適当な処分、制裁がなければ自主的におやりになるというわけにいかないと思う。いまの会員権停止は、証券業法第五十九条の処分によって会員権が停止になった。それについて追い打ち的に会員権が停止になるならば、これは自主的な会員権の停止というかっこうではないのではないか、それは自主的ではございましょうが、証券業法のほうで一々法律で取り締まるということをしないのだ、もっと自主的に皆さんにおやりいただこうという二面の考えがあるわけですから、そういう場合に皆さんのほうで自主的に会員権停止等によって処分をしたときには、これは一体どうなるのか、実際に。別に東京証券業協会の会員権を停止したからといって、取引所に行って株を売ったり買ったりすることは自由だということになれば、裏返して言えば痛くもかゆくもないという感じがするのですが、その点についてちょっとお伺いしたい。もし法律に基づく会員権の停止ではなくて、定款に基づく会員権の停止を行なった場合における証券業者の売買その他に関する営業については、どういう規制を受けるのですか。
#38
○福田参考人 お説のとおりであって、営業はできるのです。会員権の停止をしても、いわゆる非常な強制的なというか法制的のと違いまして、ただたとえば理事の選挙権がなくなるとかということだけになっておりまして、どっちかというとそれはゆるやかなものではあるのです。この点をどうするかということについては、いずれ検討しなければならぬと思います。
#39
○堀委員 取引所のほうの第五十条によるところの処分は、少なくとも会員については取引は停止ということになると理解いたしますが、この点はいかがでございますか。いまと同じような角度で、売買取引の停止もしくは制限、六カ月以内の会員権の停止または除名というふうになっておるわけでありますから、本所の市場における売買取引の停止はもちろんできると思いますが、ちょっと気になりますことは、木所の分は停止になっても同じ人がよその大阪市場でやることは妨げないということになるのじゃないかという感じがいたしますが、いかがですか。
#40
○井上参考人 取引所の定款で定めておりますものは、御承知のように取引所は会員組織でございますので、その会員権を停止するということで、もとよりこれは東京証券取引所だけの問題でございます。
#41
○堀委員 そういたしますと、売買取引の停止もしくは制限というのと六カ月以内の会員権の停止というのは、会員権を停止したことはイコール取引停止と同様な効果を持っている、かように解釈してよろしゅうございますか。
#42
○井上参考人 そのとおりでございます。ただ先刻東京取引所だけの問題と申し上げましたが、事実上は全国の他の取引所と連絡いたしまして同じ措置をとることになっております。
#43
○堀委員 いまのでわかりましたことは、取引所のほうの処分はきちっと処分が行なえる、そして協会のほうの処分は少しゆるやかなんです。ここで一つ問題が出てきますのは、会員と非会員の問題があって、会員についてはかなり自主的におやりいただけば処分もきちっとおできになるのですが、非会員に対する処分は協会のほうでおやりになるといってもちょっとコントロールがきかないということになると、やはり法律の条項の発動を求めざるを得ないものが非会員業者の分についてはあるというふうな判断をいたすわけでありますけれども、その点について協会長どうでございましょうか。
#44
○福田参考人 非常にきついなにはできないのですが、しかし事実上会員権停止後は自粛して営業はしないことになっているのです。やればできることはできるのですが、そういう慣行になっております。だから会員権を停止した業者は、自粛してやらないことにはなっておるのです。少しあいまいなようですが……。
#45
○堀委員 実は私きょう法務省の刑事課長に来ていただいておりまして、法務省で時間がないようでありますから、ここでこれに関連することだけを先にいたします。
 実は私は業者の皆さんといろいろお話を聞いておりました中で、善良なる投資家が大部分であるが、ごく少数の善良ならざる投資家もあるということが証券会社としては非常に頭の痛い問題であるというお話を聞きました。私はそのお話を聞いておりまして、そういう事故が起きてそれが善良ならざる投資家の作為に基づくものであるとするならば、その事故の概要等を詳しく書いたものを証券業者の皆さんの中だけで回覧をされて、そうした人が再び作為的な事故を起こすことのないような処置をしたらどうかというふうに私は考えたのでありますけれども、何か業者の皆さんの側では、そういうことをすることによって名誉棄損等の訴えが起こることをおそれて、なかなかおやりになれないというようなお話をちょっと聞いたわけであります。私は今回のこの問題を取り上げる中では、別に一番肝心なことは、善良なる投資家を保護することが第一の目的でありますし、第二には、善良なる投資家を保護するとともに善意なる証券業行の権利も守ってあげたい、こういう気持ちでありますから、いまのそういう善良ならざる投資家の作為に基づく事故というようなものが起きましたときには、その事実の概要、その氏名及び大体どういう人かというようなアウトライン等を書いたものを証券業者の内部に限って何らかの方法によって回覧をされてはどうか、こういうふうに実は私は考えておるわけです。これについて法務省の側として、名誉棄損等の訴えが起こるというおそれがあるかないか、必要によってはそれらは法律として書いてもいいのではないか、私はこういうふうに思いますから、その点についてちょっと法務省の側の見解を承りたいと思います。
#46
○羽山説明員 お答えいたします。具体的な案件が起きました場合に、これが名誉棄損になるかどうかということはまた別問題でございまして、差しあたり刑法のたてまえにつきまして承知いたしておるところを簡単に御説明申し上げます。
 刑法におきましては、第二百三十条の第一項にその規定がございます。そこを読んでみますと、「公然事実ヲ摘示シ人ノ名誉ヲ毀損シタル者ハ其事実ノ有無ヲ問ハス三年以下ノ懲役若クハ禁錮又ハ千円以下ノ罰金二処ス」こういうふうになっておるわけであります。それから注意を要しますのは、この「二百三十条ノニ」でございまして「前条第一項ノ行為公共ノ利害二関スル事実二係リ其目的専ラ公益ヲ図ルニ出テタルモノト認ムルトキハ事実ノ真否ヲ判断シ真実ナルコトノ証明アリタルトキハ之ヲ罰セス」こういう除外規定があるわけでございます。
 そこでこの条文の解釈でございますが、二百三十条の一項に「公然事実ヲ摘示シ」、この「公然」という意味でございます。公然と申しますのは古い大審院の判例におきましては、不特定かつ多数ということになっておったのでございますが、昭和十年ごろになりましてその判例が変更になりまして、不特定または多数ということになってまいったのでございます。その一つの例を申し上げますと、株主総会で五、六十人集まりましたところへ、総会ゴロと申しますか、いつも総会に出てきて何か一もんちゃくつけるのが出てまいりましたときに、きさま前科者ではないか、現にいま起訴されて保釈になっておる刑事被告人じゃないか、さっさと帰れというようなことを言った。それは株主総会でございますから、人は特定しておるわけでございますが、五、六十人という多数の前で言ったのはいかぬということで有罪に相なったのでございます。そこで不特定かつ多数ではございませんで、不特定または多数、こういうふうになったのでございます。しかるにその後またさらに大審院の判例で、このような事件が出たのであります。それは昔のことでございますので事実関係が必ずしもつまびらかしにいたしませんが、ある村の部落消防ではないかと想像いたしますが、その部落消防の小頭をしておりまする方がおやめになった。そこで消防の役員が八人でございますが集まりまして、どうしてやめるんだということをしつこく聞いたようでございます。そのときにその方はなかなか言わなかったようでございますが、さんざんに問い詰められた結果、実はと言って、この消防の後援会長の何の太郎兵衛は八千円からの金の横領をしている。あんな横領をしておるやつの世話になるような消防の小頭をおれはやるのはいやだということを言った。これが問題になりまして、八名は多数なるがゆえに起訴されまして、一審、二審が有罪になったのでございますが、大審院に参りまして破棄、無罪になりました。その理由といたしましては、不特定または多数という多数という意味を考えるのに、多数というのは要するに秘密が多ければ守りにくくなってくる。したがってそういう意味で多数なのであって、本件のように八人が全く秘密の会合をして、そしてさんざん問い詰めてはんとうにここだけの話だよというので、お互いにその秘密を漏洩しないという状態のもとにおいてそういうことを言われたというその言ったことが、それ以外の者に出るというたてまえになっていないというのだろうと思いますが、事実上出ることはないというのでありますれば、これは事件になっていないはずでございますから、そういうたてまえのもとに行なわれた場合はいいんだということで無界にしたわけでございます。この判例をどのように解するかが問題でございますが、ただいまお尋ねのような場合に、きわめて限られた範囲の人々の間にそれを十分に管理いたしまして、むやみにそれが表に出ないというようなたてまえのもとにやられるということになったら、あるいは名誉棄損にならぬという場合もあり得るのじゃないか、かように考えておるわけでございます。
#47
○堀委員 実はいまの問題、第一項のほうも問題があるのですが、その第二項のほうの公共性その他の問題ですけれども、いまの証券業協会としてそういう事故防止をするということも、いまの第二項のほうに該当するものであるとするなら、第二項の事実を提示すればよろしいということになっておりますね。そのほうに該当すれば、事実のないことを、虚構のことを回すわけではなくて、こういう事実がありましたというそういう事実を回覧するわけだから、前段のほうの公共性その他の部分といまの行為が該当するかどうかということになれば、これは非常に明白になってくるのじゃないかと思いますが、そういう事故防止という、証券会社等の内部における事故を防止するための措置というものといまの公共性云々の問題とは、刑事課長としてはどういうふうに考えられますか。
#48
○羽山説明員 ことばが足りませんで恐縮でございますが、この二百三十条の二の「専ラ公益ヲ図ルニ出テタルモノト認ムル」というのは、いささか証券会社が、要するに証券会社といたしましては自分のほうが損をしないということでございますので、これになかなか該当しにくいのでないかと考えます。
#49
○堀委員 そうしますと、いまのは「専ラ」ですからちょっと無理かと思います。実はいまのこの問題は、事故が起きてみないとわからないのですけれども、どうでしょうね。多数というものの理解は、やはりオープンに出すとのいうことであって、いまの業者の皆さんがそれを極秘事項としてそれについての管理を刑事課長が言われたようにただし書きをつけてそういう事故防止の回覧をするというような措置は、一回おとりになったらどうか。もしそれをおとりにになって事故が起きたら、これは法律でそういうものはよろしいということにするか、あらかじめ前段で法律で措置してよいと思いますけれども、やはり何か皆さん方のほうで事故にあった方のあれを見ておりますと、証券会社のほうがまず善意なる投資家を悪質なる投資家ではないかと疑ってかかっているという形が実は数例あるのです。それは悪質の投資家にひっかかっているからそうなるのはやむを得ないと思いますけれども、私どもから見ると、人を見れば悪質投資家と思えということで、証券業協会が発展するはずはないと思う。事故が起きたときに、やはり善意なる投資家として一ぺん接してみて、そしてその結果で悪質なるのがわかったというなら話がわかるのですけれども、何か頭からお客さんのほうが悪いのじゃないかというかまえが見えておるケースが最近多いものですから、そうすると、その悪質なる人たちというものを排除する方法をひとつ明らかにしておけば、今後そういうことで頭から投資家に接することはなくなるのではないかという感じを強く持ったのでこの問題を取り上げたわけでありますが、これについてひとつ協会長はどのようにお考えになりますか。
#50
○福田参考人 ただいまの問題につきましては、事故防止対策委員会でもさんざん問題になったことでございまして、われわれとしてはそれをやりたかったのです。だけれども、これが多少刑法にひっかかりはせぬかということをおそれて、これはちょっと問題だというので、まだ検討中なんでして、結論が出ないでおるままになっております。しかしそういうこともやりたいのです。そういう意思でこの委員会のなにが出ておりませんけれども、過程においては、ありました。
#51
○堀委員 そこで法務省にちょっと伺いますけれども、たとえばいまの十分なる注意をしてそういう回覧をすることは、刑法第二百三十条の適用は除外をするというようなことを、こっちの証券業法のほうにこれを入れるというようなことは差しつかえないことなんですか。ちょっと私そこの法律技術のことはわからないのですが、刑法に一一そんなことを書くのはおかしいのですから、証券業法のほうでそういう免除規定を書くのは刑法との関係はどうなりますか。
#52
○羽山説明員 おそらくそれは正当なる業務として、刑法との関係におきましては、御承知のように刑法三十五条に正当なる業務による行為はこれを罰せずという規定がございます。たとえば本店と支店がありまして、支店である事故が起きた、それを直ちに本店に報告して、同じやつが本店に行くかもしれないから、本店のほうでも注意してもらいたいということは、これは仕事になっておると思うのであります。それは正当なる業務だろうと思うのでございます。そして証券業者が証券業者の間でそういうことをするということを法律の規定を設けますならば、その規定いかんにもよりますが、それがあるいは正当なる業務という範囲で是認されてくることになる可能性はあるのではないかと思うわけでございます。
#53
○堀委員 そうすると、その正当なる業務ということになると、個々の証券業打がやる場合は別として、証券業協会としてこれを行なえば、これは証券業協会として、そういう事故を防止するということは、これは証券業協会の正当な業務であるというように理解できるでしょうか。
#54
○羽山説明員 これは法律の書き方によってできる場合もあろうかと思います。
 なお、これは御参考までに申し上げますが、現在たしか下請代金支払遅延等防止法でございますか、それからもう一つ、繊維工業設備臨時措置法とかなんとかいう法律と二つ、行政官庁が特定の業者に何か非行がありましたときに公表することができるという規定を置いておる例がございます。これは回覧に回すよりももっとひどいのでございまして、一般に公表するわけでございますが、そういう形があるいはこれは行政官庁であるがゆえにできるのであって、協会というようなものではできないという議論があろうかと思いますが、そういうような例があることを御参考までに申し上げておきます。
#55
○堀委員 法務省けっこうです。
 この問題は少し大蔵省で検討してもらいまして、証券業者が不当な事故を起こさせられるような機会を取り除くように、いまいろいろ話を聞いて少し疑いが残るようでありますから、これは大蔵省の側で検討してもらうことにいたします。
 その次に実は少し具体的に中に入りまして、これまで、いまのお話で協会に事故があったら届けるということになっておったということを会長が最初にお話しになりましたので、最近における協会で御存じになっておる事故の件数、それから大体どういうことが一番多いのだというような原因等についてちょっとお伺いをいたしたいと思います。
#56
○福田参考人 この件につきまして、協会における不都合行為者の取扱い状況調べというのがございますが、昭和三十七年度におきましては合計して百二十件届け出を受けております。そのうち純正な社員のやった場合、それから社員外務員がやった場合、それから歩合外務員がやった場合、こう三つ出ておりますが、社員は合計して二十四名、それから社員外務員、社員のセールスマンですね、それは合計して五十六名です。それから歩合外務員は合計いたしまして四十一名となっております。
 それからお尋ねのどういうケースが一番多いかということですが、そういう手口別に分けたのがございます。それはいろいろの場合があるのですが、一番多いのが、会社で保管中の株券または金銭を顧客の返還請求または売却注文と偽って横領したもの、お客さんが返してくれと言ったとか、あるいは売却の注文を受けたと偽って自分が横領したものが東京で八十一件、それから東京を除くほかで三十八件、合計して百十九件となっております。これは過去五年間の数字です。それから受け渡しのために会社あるいは顧客から預かった株券、金銭を横領したもの、それが東京で四十二件、その他で二十五件、合計六十七件。
 それから第三番目に多いのは自己思惑の損金を支払わないもの、東京で二十九件、東京を除くほかが十二件、合計四十一件。
 それからその次に多いのは、お客さんの注文を擬装した買い付け、あるいは売り付けにより株券なり金銭を横領したもの、これが東京で二十二件、それから東京を除くほかが三件、合計二十五件、総合計で二百九十三件となっております。これは協会で受け付けたもので、いろいろな手口です。
#57
○堀委員 ちょっといまそこで非常に疑問が出てまいりましたのは、五年間として二百九十三件ですか、五年間の件数の合計は何件でございましょうか、ちょっと承りたい。
#58
○福田参考人 五年間の件数が二百九十三件。それでこれは三十三年からずっと五年間あるのですが、初めのほうの件数が非常に少ないのは、その届け出が法律上励行されてなかったというせいでしょうか、届け出が非常に少ないのです。三十三年度は十一件しかない。三十四年度は十七件、三十五年度が四十一件、三十六年度が三十四件、三十七年度が百二十件と、三十七年度が非常によけいになっております。
#59
○堀委員 まあ届け出を励行していただいた結果だと思いますけれども……。いまちょっと私が何か関係の木を見ておりましたときに、いろいろな届け出について四社はお出しになっていないようなことが触れられてあるのがあるのですが、いまの百二十件の中には四社も入っておるのでございましょうね。
#60
○福田参考人 四社も入っております。
  〔委員長退席、吉田(重)委員長代理
  着席〕
#61
○堀委員 いま話を承って一番問題なのは、保管中の株券その他の金銭が何らかの作為によって持ち出されて費消されておるということが一番多い。その次は、受け渡しの際に渡したと言って渡していない、受け取ったと言って受け取っていないというのが多い。自己思惑の損金というのは、これはちょっと例外的だと思いますけれども、その次は擬装して売った買ったということで処理がされておる。これらを防止するために必要な事項は、さっきお話のございました事故防止対策についての中でどれとどれをきちっとやればこれが防げるということになるのでございましょうか、それをちょっと承りたいと思います。
#62
○福田参考人 これはいまこういうふうに手口をまとめてはおりますものの、ケース・バイ・ケースでいろいろな場合があるものですから、一がいにどれとどれといわれても、いますぐお答えがちょっとできにくいのですが、やはり全体としてこういうことをやっていかなくてはいけないということからこの事故防止対策委員会というものをこしらえたわけなのでございまして、急にどれとどれがというのは、ちょっとお答えいたしかねます。一番大事なことは一の顧客との直接連絡の確保ですね。これなんかは一番大事なことだと思うのです。それから三の金銭、有価証券の授受についてのこと、ここら辺のところは最も大事なところだと思います。
#63
○堀委員 実はこれはたくさんお書きになっているのですけれども、なかなか実際に励行しにくい問題があると思う。私は業界のほうの御意見はわかりましたけれども、この中でどうしても必要なことは、少し私のほうではきちんとしたいと思う。私の考えを簡単に申し上げますと、まず念書や同意書その他に適当な判を押し、サインをしてやっているのが非常に多いわけでして、これが保管中の株券、金銭の動きに一番関係があるのじゃないかと思いますから、まずサインと印鑑の届け出ということ。届け出印鑑によらなければ処理はできない。同時に届け出印鑑の判を押さないと事故が起こりますから、やはりサインと届け出印鑑はひとつきちっと届けてもらうということを、私はやはりきちっと法律で処理したいと考えております。
 その次には、今度は逆に住所、氏名の問題については、これはもう正当な住所、氏名でなければいかぬということに――これは「投資者の皆様へ」の中にも、「有価証券を売買するときは、必ず証券会社へ氏名、住所または事務所の所在地を届けて下さい。虚偽の氏名や住所による売買は禁止されていますから、特にご注意下さい。」こう書いてあるのですけれども、禁止されてあると書いてあったって、やはり実際はやっているのがかなり事故のもとになっていると思いますから、皆さんのほうでも禁止されているといって大衆に訴えられているのですから、これは法律によって規制をする。そしてもし偽名その他があって事故が起きた場合、これも逆に言うならば証券業者の方は免責できる。ただ証券業者のほうが偽名を承知して処理をする場合もあると思いますから、その場合については今度は業者のほうを処分する。だから証券業者がフェアにやっておる限りは、偽名なりにせの住所というものについては証券会社側に免責のあれは与える、こういうふうにこの点は私はひとつきちっとしたらどうかというふうに考えております。
 その三番目は、預かり証の問題でありますけれども、預かり証も少しきちっとして、預かり証を持ってこない者に対しては株券は一切渡さない。これを渡した場合には、これも法令違反で処分する。ですから銀行における通い帳と同じように預かり証というものを厳格なルールの上に乗せるということにして、要するに届け出した印判とその預かり証を持っていかなければ株券は動かないということに、何らか処理をする必要があるのではないか。これだけやると、私はかなりいまの一番の問題――二番の受け渡しの際の問題は、受け渡しの際にやはりこれはちょっといまのところ問題があるかもわかりませんけれども、少しそういうふうな、どっかきちっとやって、ちょうど銀行に一般の市民が届け出た印鑑と通帳を持っていって出し入れすると同じ程度にしなければならないのだということを少し規制するならば、証券業者の皆さんも非常に助かるのじゃないか。それで事故も防げて、そういうことをしない人は自己の責任において事故が起きてもしかたがない、そういうふうに少し責任の所在を明らかにしたらどうかというふうに思うのですが、その点についてひとつ協会長なり取引所理事長の御意見をお伺いしたいと思います。
#64
○福田参考人 ただいまの御意見ごもっともだと思って、私どもも非常に賛成いたしたいのですが、特にこの預かり証につきましてこれを厳密にやっていきたいので、現在出ている預かり証は記載事項の中に不備な点がある預かり証を発行している業者が相当にあることを発見しておるのです。これを何とかしたい、私ども協会としてそれを自主的にひとつはっきりしたいということを考えております。御趣旨はごもっともと思います。われわれも何とかそういうふうにしてきっちりやっていきたいということでございます。
 ただひとつ、印鑑制度から何からすべて銀行と同じようにということについては、事実上銀行の取引と証券の取引とちょっと違うところがありまして、電話一本で売買の契約をきめてしまうというような、これが明治以来の兜町の――兜町ということもないですけれども、証券界の慣例でして、悪いことをする者なんかないということを前提にやって、むしろ兜町としては信用の上に立つ伝統というものが非常にあると思うのです。それというのは非常に機敏を要する、生きものを扱っておるのですから、銀行のお金自身はちっとも変わりませんけれども、株券なり何なりそういう有価証券は全く値段というものが刻々違う値段のものを取り扱っておるもので、そこに多少違う点がありまして、一律にやるのにいろいろ問題があると思うのです。その点は詳しく検討しながらやらなければいかぬと思っております。御趣旨はごもっともだと思いますけれども、その点がちょっと銀行とは追う。取引そのものの本体が違うところがあるということを御了解願いたいと思います。
#65
○井上参考人 私としましては、ただいま福田参考人からお答え申し上げたとほとんど同感でございます。繰り返して申し上げますと、住所、氏名、これはいろいろな事情が投資者側にもあるのでしょう、知られたくないために、架空の名義をお使いになったり、偽名と使ったりしておりますけれども、これはやはりもっとはっきりいたしてよろしいと思います。
 また預かり証書、これにつきましてもおっしゃるとおり私としても御同感申し上げる次第です。ただ印鑑の点につきましては、これは福田参考人からお話申し上げましたように、有価証券取引というのは非常に敏速を要するものでございまして、あまり形だけにとらわれすぎますと、これは事故があってはならないのですが、それにしても一部の事故を予想して、一般の取引の円滑化なり敏速化ということに大きな障害になるということは、これはでき得れば避けたいと思うのです。ですから、印鑑の点につきましてはなお少し私どもとしても検討いたしたいと存じております。
#66
○堀委員 ちょっといまの理事長のお話でわからないのですが、印鑑の問題を検討するということは、要するに届け出てある印鑑以外にどんな印鑑でもいい、商法も何か規定が変わったようですけれども、これは非常に問題があるのじゃないか。やはり印鑑を押す場合というのは、当然届け出た印鑑を押すということであっていいのじゃないかと私は思いますが、その点印鑑を適当な印鑑を使うということの必要性というものがどういうところにあるのでしょうか。
#67
○井上参考人 私はどんな印鑑でもいいと考えておるわけではないので、やはり届け出た印鑑を、その取引の印鑑を押す場合には押さなければ、取引ができないということですと、これは多少敏速性を欠きますけれども、押す場合は正当な印鑑でよろしいと私は考えております。
#68
○堀委員 いま私が申したのは印鑑を押す場合の問題でありまして、どういうところへ印鑑を押すかという問題、これはまた別個の問題でありますから、そこでさっきお話がありましたように、なるほど電話で注文があるという場合もあります。昨年の一番重大な問題は、当委員会でも取り上げまして大阪屋証券における新重工の一千万株の問題、電話でぱっと受けて処理されたらああいう事故が起きるということもあるわけでありまして、この電話の問題というのは少し検討を要する点があるのじゃないかと思うのでありますけれども、しかし電話でそういうことを処理する人は、電話による依頼については、これは自分のほうの責任で処理するんだということを――それから何かそれに該当するようなものの、それを先に出しておけばいいのです。そうしてあれば、そういうものを出してない人が、何か第三者が電話をかけてやっても、そうはいかないのだということに除外できますけれども、それは慣例だということになれば、電話で処理されて、自分が知らなかったのに、自分のいえば同じような声を使ってちょっと電話で売ってくれということになると、どこに持ってこいというようなことで取られたのじゃ、これはやはり投資家のあれが守られないと思うので、やはりここらは、自分は電話で売買する場合がある、その場合の事故については自分のほうで責任を負う、しかしこれとこれとこれの人間が電話に出るということを条件にするとかなんとかというようなことで処理をしておかなければいけないのではないか。ですから、取引の円滑化のほうはなるほど重要でございますけれども、やはり当面どうもさっきお話しの百二十件というのがすでに三十七年に起きたということは、事実は氷山があらわれてきたのかもわかりませんが、最近の売買が非常にふえてきて投資家もふえてきたということの中に、やはり問題が起こる要素もあったのではないかという感じがいたしますので、これは後刻大蔵省でも検討してもらい、ひとつ協会の皆さんの御意見を出していただいて処理をしていただけばいいことでありますから、しろうとの私がかれこれそれほど立ち入って申す余地はありませんけれども、少なくとも考え方としてはこういう問題を少しきちっとするところはしなければならないということを申し上げておきたいと思うわけであります。
 それから時間があまりございませんからちょっと簡単に。この前事故が起きました南旺観光の問題についてお伺いします。御承知のようにこれはダブル株事件ということで私ども了承しておりますが、このダブル株の正当でない株というものを善意な投資家もかなり受け取っておると思います。これらの株券に対する措置は取引所の問題ではないかと思いますが、これはどうなっておりましょうか。今後どうなるかということについてちょっとお伺いをいたしたい。
#69
○井上参考人 経緯につきましてはもうつとに御承知だと思いますから省略させていただきますが、問題はその事後処理の問題であろうと思います。御承知だと思いますが、ただいまいろいろの書類を全部検察庁のほうへ持っていかれておりまして、どういうものが不真正な株券であるか真正な株券であるか弁別する資料が実はないのでございます。これにつきましては私どもとしましては会社側を通じましたりしていろいろ調査をしておりますが、非常に困難でございます。今後どうするかという問題につきましては、これは非常に複雑微妙な関係がございまして、私といたしましては公正円満な解決を期してはおりますけれども、ただいまこういう方法、こういうことでやりますと申し上げる段階に至っていないのでございます。この点御了承願いたいと思います。
#70
○堀委員 そうすると投資家の利益は守られるか守られないかもわからない、こういうことになりますか。
#71
○井上参考人 もちろん善良な投資家の利益を守ることを本旨といたしまして研究いたしますけれども、株券がその後幾ぶん動いておりまして最終の被害をこうむったのがだれであるか、中間でどうであるとか、こういうこともいろいろ調査しなければなりませんので、おっしゃるように善良な投資者の保護ということに最大の眼目を置いて考えるつもりでおりますけれども、具体的にこう、ああとちょっといま申し上げるわけにまいらないのであります。
#72
○堀委員 じゃ追って御調査をいただいてまた御報告をいただきたいと思います。
 その次に、もう一つは、最近二部市場に上場されて約二カ月余りで特設ポストに移っております日本不動産の問題でありますけれども、私ども最近の経過を見ておりますと、少し取引所側は甘いのではないか。なるほど公認会計士の監査報告がついているから心配はないだろうという。いろいろ御調査もなすったのだろうと思いますけれども、このくらいのことで一ぺんに不渡りが出たりするというようなものが上場されたりするということについては、二部市場というのはどうも非常に心配な市場だという感じがいたしますし、話を伺いますと、当初は何か二千五百円でございますかぐらいで売買されておったものが最近は非常に価格も下がって、その間においてそういう株を買った人は非常な損失を受けている。私どもはこれについては、そういうことはないようにと思って実は二部市場をつくったというふうに考えておるのでありますが、その二部市場でこういうことが起こってくるということになると、一体二部市場というものを考えてわれわれとして提案してきたことの理由が実は判然としないというくらいに感ずるわけでありますけれども、この問題について少し経緯を企めてお答えをいただきたい。
#73
○井上参考人 それでは若干経緯を含めましてお答え申し上げます。
 日本不動産は資本金一億五千万円の会社でございますが、昨年の八月に、昨年の十月下旬ごろを上場希望の時期としまして上場の申請があったのであります。この会社は新しい業種でありましたために、会社の営業方法、経理面、資金繰りの状況等について私どもとしては慎重かつ十分と思う審査をしたのでございますが、その結果は、当時といたしましては不安な点は見受けられなかったのでございます。いま申しましたように八月に上場の申請がありまして、この三月に上場を決定いたしましたので、非常に長い期間をかけまして検討を加えたわけでございますが、この会社の社長の福田さんという方は日本宅地造成協会の理事長でございまして、同業界の指導的な地位にもあられるものですから、取引所といたしましては上場適格な会社であると判断いたしまして、本年三月中句に上場いたしました。ところが、ただいまお話しのように二カ月半経過したばかりの五月下旬に至りまして不渡りを出すこととなりまして、この点は理事長としてまことに遺憾しごくに存じている次第でございます。
 取引所といたしましては、五月三十一日午後の立ち会いから特設ポストに移して売買管理を行なっておるわけであります。また、ただいまもお話しがございましたように、会社の財政状態につきましては公認会計士の監査がついておったのでありますが、なお今後の監査を要求いたしまして、その報告を待っておる次第でございます。
 それで、ただいま取引所の上場審査が少し甘過ぎるのではないかという御指摘があったのでございますが、先刻も申し上げましたように慎重に、特に通常の場合の倍以上の日数をかけて審査いたしましたのですが、結果としてはまことに変なことになりまして、われわれとしてまことに残念に思っておる次第でございます。この不渡りを出しました原因は、同社の社長の説明によりますと、数千万円相当額の土地の購入――この土地はお社か何かの土地でございまして、少し土地自体にも問題がなかったわけではないのでございますが、この土地の購入につきまして紛争が起きたのでございます。その代金の決済といたしまして、交付した手形の金額を別に預託いたしまして、手形の決済を中止したのでございますが、このことが不渡りと誤解されまして、これが動機となりまして、信用がだんだん落ちてまいりました。そうして、資金繰りに支障を来たしましてついに不渡りを出すに至ったのでございますが、これにつきましては、取引所としましては、先刻も申し上げましたように、あとのいろいろな事情につきまして、公認会計士の監査報告もつけて出してくれるように要求しておるわけでございます。それによってまたいろいろと考えてまいりたい、かように存じております。
#74
○堀委員 実はこの問題について私が伺った範囲では、平和相互銀行でございますか、ちょっと名前はさだかでございません。たしかそうであったと思いますけれども、関係はそうでございますね――平和相互銀行の新宿支店が限度を越えた貸し付けを行なっておって、そういう事故がわかったので、本店からそういうことはまずいじゃないかということが一つの問題点として上がっておるようでありますが、銀行局、そういうことは御存じでしょうか。
#75
○柏木説明員 具体的に承知いたしておりません。
#76
○堀委員 実はこれは一ぺん銀行局で調査をしていただいて、どういうことであったのか知りたいわけですけれども、不渡りが出るという問題というのは、まさに何といいますか、金融関係が急激に締まってきて、融資が――おそらくたいていの企業は御承知のようにかなり借り入れで動いておる。借り入れがどこかでぴしゃっととまったら大体アウトになるということだと思うのですが、そこで私はこの問題について、一つ上場される会社の問題については、その背後の金融関係が少なくとも正常な状況にあるかどうかという点を、今後は少し確認をしていただきたいというふうに思います。それについては、大蔵省側としても監督行政として、一つ銀行局と理財局も連絡をとりながら、そういう事故の起きないような措置を考えていただきたい。それは不測の事故ですから、いつ起こるかわからないといえばそれまでですけれども、やはり上場したものが二カ月や三カ月で不渡りが出るようなことは、まさに第二市場というものの存在の問題に私は関係が出てくるのじゃないかという感じもいたしますので、その点については十分御配慮をいただきたいと思います。特に株価の点では、そういうことで非常に急激にどうせ下がるわけでありますから、これもまた善良な投資家に大きな不測の損害を与えるということになるわけでありますので、この点は一つ十分御検討いただきたいと思います。
 ちょっと日証金に伺う前に、最後にもう一つだけ、さっき佐藤委員からの御質問にお答えになっておりますけれども、私はどうも登録制であるからといって、いま自由に登録が認められておるというふうでもないだろうと思いますが、やはり過当競争というものがどうも業界において少し行き過ぎになるのではないか、そうなると、やはりそれを防止するためにはある程度ワクが限定されるということが必要ではないか、こういう感じがするわけです。おっしゃるように、私はそれについての適否を伺う意思はないのですけれども、そういうことがわかればかけ込み登録がふえるだろう。しかし大蔵省もそれはわかっていることですから、かけ込みで登録する者は十分審査すると思いますが、私はこの前大蔵委員会でもちょっと申し上げましたけれども、ここだけちょっと伺っておきたいのは、登録から免許に切りかえるときには、私は一ぺん登録しておる人を全部御破算にしたらどうか、ある時限を限って、全部一回登録を――まあ取り消しというわけではないのですが、登録制度をなくするのですから。登録は全部やり直す。新たに一つ申請してもらって免許をいたしましょうということにすれば、幾らかけ込み登録をやってみたところで同じことに時限としてなると思いますので、やはり私は免許制度によって、あまりに過当競争が起こるようなことはある程度チェックをした方がかえっていいのではないかという感じも実はするわけです。免許にしたからといって、では数を絶対ふやさないのかというと、それはそういうわけではないので、その後の時点において、情勢によってやれるわけでありますから、それだけに大蔵省側としては責任が出てきますから、それに伴ったものはまたそれなりに責任を感じて処理してもらえばいいわけでありますので、私は当面としては、やはりそういう免許制度のほうが、業界御自身としても過当競争の問題として処理しやすくなるのではないか、こういう感じがいたしますが、その免許制度のあり方の是非ではなくて、私がいま申したように、一ぺん全部御破算にして新たに新規免許でやるというふうに、免許制度としてはそのほうがいいのではないかと私は思いますが、そのだけちょっと……。
#77
○福田参考人 ただいまの免許制度がいいか悪いかという問題と、もう一つはその技術的の問題となるのですが、技術的の問題につきましては、私ども、どうお答えしていいかわからないことで、これから検討しなければならぬと思うのです。たまたま証券取引審議会の小委員会でこの問題が取り上げられて――私もその小委員会の委員の一人になっておりますが、これから検討することになっておるはずなんです。そこでいろいろの皆さんの御意見も伺い、これは欧米のいろいろな制度などもやはり参考にしなければいけませんし、いろいろのことを検討してやるべきものだと私は思っております。技術的に――たとえば御破算にしてどうのということは技術的の問題で、それはどっちがいいか、よほど検討しなければ、私ども、いまどう考えるかとおっしゃっても、ちょっと結論を申し上げかねるのですが……。
#78
○堀委員 大体以上で、事故の問題についての大要のあれは終わりたいと思いますけれども、もう一つここで、やはり具体的な例で伺っておきたいと思います。
 それはある証券会社に起きた事故でありますけれども、こういう事例があります。善意なる投資家――だと私は判断をしておりますが、そういう善意なる投資家がありまして、中間に証券ブローカーというのですか、何かそういう者が一応介在をいたしまして、そうして証券会社――これはわりに珍しいケースかもわかりませんが、こういうケースが一つありました。その一つの例は、アメリカから最近帰った方が投資をされた、アメリカの慣例で、証券会社というのは非常に信用しておられるものですから、そこで最初に、その会社によその会社で買った株の名義書きかえを頼まれた、当然その会社及びその関係の社員は、名義書きかえをされた住所氏名があるわけですし、御本人は会社に行っておられるわけですから、当然、届け出られた住所氏名と見なしていると私は判断しておるのです。皆さんのほうのいろいろな出版物で特に私非常に勉強さしていただいたのは、石川茂重という方が事故防止ということについてお書きになっているのを拝見をして、非常にりっぱな方で、防止のために非常に研究もなすっておるし、この証券会社だったらほんとうに事故は起きないだろうというふうな感じがするあれがございますが、そこではちゃんと、名義書きかえのときに正しい住所を必ず控えるようにしようということが書いてあるわけですが、そうやって処理をされて、実は株券をお預けになった。ところが、その次にある売買をされて、その売買報告が正規にその投資家のところへ来た。そこで、ある証券ブローカーにお金だけ持って払いにやられた。そこで今度は、お金のかわりに預かり証をもって受け取られた。ところがこの預かり証というのは――私も拝見をしたのですが、本人は保護預かりのつもりで預けられた。ところが預かり証というのは、信用代行預かりということになっていたのです。そうして、それを見ますと、裏側にナンバーが打ってあって、一番、信用代行、二番、名義書きかえ、三番、保護預かり、四番が何と裏に書いてありまして、表に数がぽんと一と押してあるだけなんです。ですから、預かり証を受け取った投資家としては、これで自分は証券会社に株が預けてあるのだと考えるのは当然のことと思う。ところが、それは信用代行ということにして預けられておる。そうしてその証券ブローカーが、その善意なる投資家の名前で信用取引をやって、そうして赤字が出たので、その信用代行証券は売り飛ばされた。それだけでなくて、名義書きかえで戻ってきた分も信用代行の方へいつの間にか勝手に入れて、これも売り飛ばされた。二年間、その投資家は、まあ証券会社に預けてあるんだから心配はないと思っておったところが、証券ブローカーが、事件が起きて検察庁へ回った。そこでその事情を聞かれて、あわてて証券会社へ電話をしたところが、その担当者が出て、私ではわかりませんからほかとかわりますと言って、聞いたら、あなたの証券は一枚も当社にはありません、こういう事故が実はあったのです。そこで私が一番ふしぎに思うのは、皆さんの、ほうで住所、氏名の問題を非常に論議をしておられて、名義書きかえを一番最初にやっているのだから、正当な住所、氏名が会社にはあるはずだ。ところが会社側に聞きますと、名義書きかえのためにはあったかもしれないけれども、取引の住所、氏名というのは、自分たちはそのブローカーが言ってきたのを受けた社員の言うとおりにしたのだ、こういうことを言っておられる。そこであとの残高証明等はみなブローカーのほうへいってしまって、善意なる顧客はアウトサイダーに置かれたままで二年間経過をした、そうしてこの問題が起きておる。そこで私は、この証券会社の方にも来ていただいてお話を聞きましたし、顧客の方にも聞きました。事件は検察庁に回っておりますから、検察庁の意見も聞いておりますけれども、いまのケースは、その社員が当然行なうべき注意を払っていない。証券会社が言われておることで私非常に驚いたのは、あなたは株券のお金をブローカーに渡されたのでしょう、お金を渡したぐらいなら、その代理人としてその後の取引をその人相手にやっても、別にわれわれはふしぎはないと思います、それは証券の慣習です、こういう話です。私は冗談じゃないと思うのです。お金を持たしてやったことでその後の証券取引の代理人とみなすなどというようなことなどは私には考えられません。一体そういう慣習があるのか、そういうことを考えるのが証券会社として適当なのかどうか、これが第一点として私は問題がある思う。
 第二点は、そういうことで払い出されておる書類は、社員が全部書いて適当な判を押して処理がされておる。ところが話によると、それはブローカーから言われたから全部書いて判を押してやったのです、それについては会社は被害者であって、われわれとしてはあまり責任は負いたくない、こういうケースが現実にあるわけです。そうしておまけに、ある証券会社のほうからは、そういう例については、前例になるから十分にひとつ慎重にやって、証券会社の利益をそこなわないようにしてもらいたいという電話もありました、というような話が実はあるのです。私はこの証券会社はこの問題等についてはやや誠意を欠かれる点があると思って実は不快に思っておりますが、調査をしてからということでありましたから、現在は私は名前は出しません。しかしいま私が申し上げた事実――私は第三者でありますから、何らその投資家の一方的な問題として考えてはおりません。その証券会社も私は初めてそのケースで知ったわけであります。ここにも何ら含むものはありませんけれども、公正な第三者が見ても、私は今回ずっと事故の問題のいろいろなあれを調べておりまして、会社側として注意の足らざる部分があるということを感じるのですが、いまのような案件について、これは証券会社のほうがそういうふうに言われるのが正しいのか、あるいは少し問題があるか、いずれかについてちょっと御意見を伺いたい。
#79
○福田参考人 ただいまのケースについての詳しいことは存じませんのでわかりませんが、これはよほどまれなケースだと思うのです。普通にはそれは起こらないはずだと思うのですけれども、しかしおっしゃる中の、預かり証に番号でもって裏の何とかということやら、非常に記載事項に不明確な点があると思うのです。この点は先ほどもちょっと申し上げましたとおり、これはひとつ明確にしなければいかぬと思います。何のために預ったかをはっきり明示するということにしていかなければいかぬと思いますので、いろいろな参考資料も協会としてはとりました。各社で出しておる預り証を一律にしたらいいじゃないかというあれもあるのですが、これはいまいろいろ機械化されておりまして、機械化されておる会社もあるし、まだそこまでいっていないで手書きでやっている会社もあるし、直ちに全部が機械化することもできませんので、一律ということもないけれども、少なくとも記載事項を明確にするということを励行するような何らかの処置をとりたいと思っております。そんなようなことで、間違いがないように、投資家に御迷惑のかからないようにすべく、いろいろ努力したいと思いますが、いまのケースで、これは証券会社のほうがいいのか、どっちがいいのか私にはわかりませんけれども、そんなケースはきわめてまれに起こるケースだとは思うのです。事柄がはっきりしませんので、どっちがどうだろうかということを申し上げにくいのですが、そんなところでよろしゅうございますか。
#80
○堀委員 私がいま申しておりますことは、調査がはっきり出てその結果ということではなくて、いま私が申し上げました限りにおいてどうか。要するに、名義の書きかえを最初に出しておるのですから、当然正当な住所と名前が会社にあっていいと私は思うのです。そこでチェックしておかなければならないと思うのです。買い付け報告書が自宅に郵送されているのですから、最初はそういう名前になっていた。ところがそれがいつか改ざんをされて証券ブローカーの住所になっているわけです。だから本人のほうには残高報告は少しもいかないでブローカーのほうにいってしまう。ブローカーが信用取引をやっているわけですから。だから住所を変えるについては、私は顧客にこういうふうに住所が変わってもいいですかと連絡をするのが当然だと思うのです。それを第三者であるブローカーが来て、これを書きかえてくれと言ったら、金を持ってきた人だからと信用してかえてしまう。おまけに、信用代行証券に入れるかどうかという問題も、顧客が全然そういうことを知らないのに一方的に行なわれていたりすることは、これは会社側として問題が少しあるのじゃないか。片一方は保証預かりの形で預けたつもりなのがそういうことになって、それも預かり証の不備で気がつかない。しかしこういうふうになっていますということを何かの方法で連絡がつかなかったものかどうか。そこらも私は疑問があって、このケースについてはどうも会社側として不注意の点があるという感じがしてならない。ですから私はさっきここで住所の問題を取り上げて、住所、氏名はきちんとしなければならぬ、この人が偽名でしているなら問題はないが、正規に住所、氏名を出しているのが改ざんされていた。それがおかしいと思うから私はその点についてはどうかということをお聞きしたのです。
#81
○福田参考人 お話の点についてはおかしいと思うのです。そういうことがないようにしようということでいろいろやっているのですけれども、お話から判断すればおっしゃるとおりだと思います。それは確かにおかしいと思うのです。事実がどうかはっきりわかりませんが、お話のとおりだと思います。
#82
○堀委員 私が言っていることが事実だとは言わないわけです。私が知り得た範囲のことについての御判断を聞いているわけですから。それは事実は私もよくわかりませんし、それについてお答えをいただくのは無理でありますから。そういうときに私は、証券業の場合に、そういうことが起きたらそれは次々と余波があるから気をつけてやってもらいたいということはよくわかるのですけれども、どうもその証券会社のほうでは、何か自分のところの社員が刑法上に処分されるということがあれば責任を負いますが、それでなければ責任を負わないとか、協会のほうに、そういうことについてお前のほうは少しぐあいが悪いと言われれば考えるが、そうでなければ負いたくないというような、まことに誠意を欠く感じがしているわけです。これは念のために申し添えておきますが、これは正規の取引所の会員であります。でありますから、私は問題はさらに重要であるという判断をしておるわけであります。その問題は以上でおきまして、最後に日証金の方に少しお伺いをいたします。
 実は新聞紙上等で伝えられておりますけれども、日証金は今度公社債担保金融を実施されるというように承っておりますが、この公社債担保金融にお使いになる原資は大体どういうものを考えておられるのか、金額的にはどのくらいの範囲までをお考えになっているのかをお伺いいたしたいと思います。
#83
○谷口参考人 この問題はただいま構想を練っておる段階でございまして、まだ具体的にきまってはおりません。公社債の大型化に伴いまして、証券会社が一時的に公社債を保有する資金を供給する、そういう要望がございまして、これは流通の上に必要なことだと思いますので、わが社の使命としてもこれは考えてしかるべきものだ、こう思って実はいま関係方面とも接触はいたしております。
 この資金はまずコールマネー、それから自己資金、そしてそのコールマネーの引き上げその他によって資金不足を生じた場合には日本銀行に依存する、こういう構想をもっていま検討いたしております。金額がどうなるかという問題でございますが、これは売れ残った場合に売りさばきの期間の金融でございますから、それほど大きな金額にはなるまいと思います。いま目の子で目算してみまして五十億ないし百億くらいは必要じゃないだろうかという見当を持っております。
#84
○堀委員 いまコールと自己資金と、場合によっては日銀にというお話でありますが、日証金の自己資金というのはいまどのくらいでございますか。
#85
○谷口参考人 あれこれ合わせまして五十億見当あろうかと思います。
#86
○堀委員 そうするとあと五十億くらいコールをとれば最高の百億くらいにいくわけですからおおむねあれですが、この金利は大体どのくらいになりそうでございますか。
#87
○谷口参考人 いまのような性質の資金でございますので、できる限り低廉にいたしたいと思っております。いまの金融情勢でせいぜい二銭一厘見当くらいを考えておりますけれども、これは情勢によって動くものでございますから……。
#88
○堀委員 いまの情勢で動くとおっしゃるわけですが、コールはしょっちゅう動きますから、ある程度の期間は固定をしなければならぬと思うのですけれども、そこでいまちょっと二、三日見ていないのですが、いまの無条件もののコールは大体どのくらいでございましょうか。
#89
○谷口参考人 いま二銭でございます。
#90
○堀委員 そうするといまのお話は、二銭のときに二銭一厘くらいというように理解してよろしゅうございますね。――わかりました。
 この日証金の担保金融そのものは別に私問題はないと思いますけれども、もう一つちょっと伺っておきたいのは、信用取引のときに株を借りるときの金利、これは一体幾らでございましょうか。
#91
○谷口参考人 日証金は貸借取引をいたしております。これは融資と貸し株でございますが、貸し株をいたしました場合に貸し株数が融資株数を越えたような場合には、その不足部分を調達するわけでございます。その調達をするために五十銭の範囲内において借り料を払う、こういうことになっております。
#92
○堀委員 五十銭の範囲というのは日歩五十銭でございますか。
#93
○谷口参考人 貸し株に対して利息を払っておるとおっしゃるのでございますか、それとも借りるときに日証金が調達する金利と、どちらでございましょうか。
#94
○堀委員 私がしろうとなものですから伺い方がまずくて恐縮なんですが、株を借りるためにお金を日証金に預けるかっこうになるのですね。その預けているのに日証金では金利をおつけになっているだろうと思いますが、その金利は一体幾らでございましょうか。
#95
○谷口参考人 これは日証金が貸し株をいたします場合には、株を借りる人から、その貸し株の売却代金を担保としてかわり金を調達するわけであります。このかわり金に対しまして一銭四厘の利息を払っておるわけであります。それから融資する場合は現在は二銭四厘の利息をもらっておるわけでございます。その差一銭あるわけでございます。
#96
○堀委員 この一銭四厘というのは大体どういうふうにして出てくるのでございましょうか。
#97
○谷口参考人 これは考え方によりますと、貸し株の担保でございますから、利息はつけないでもいいじゃないかという愚見があろうと思います。しかし日証金は、さっき申し上げましたように、融資と貸し株と両方の仕事をいたしております。そこで担保として受け入れましたところの金は融資に運用をして資金調達の一助をなしておるわけであります。その対価となる一銭四厘だ、こういうことでございます。
#98
○堀委員 そうすると一銭四厘というのは特に根拠があって出たわけではない、要するに片方からお金が入ってきて株をお貸しする、しかしこっちからこのお金をこっちに持っていって、そうして株を担保にとる。これはこっちに持ってこう回すということで、片方二銭四厘入ってくるわけだから、その範囲内において一銭四厘だ、こういうことだけで、この二銭四厘のほうはおそらく周囲の原資をとってくる関係で二銭四厘は出るだろうと思いますが、一銭四厘のほうは日証金のほうで適当に一銭四厘ということになっているわけでしょうか。
#99
○谷口参考人 これは理論的根拠というものはまずないだろろと思います。ただ払います気持ちは、資金調達の一助をなしておるという考え方から払っておるわけであります。そこで資金調達のコストというものを大体頭に置いて、貸し株の手数がかかりますし、貸し株に対する危険も若干はあるわけですから、これらを勘案いたしまして、普通その調達のコストからある程度のものを差し引いたところに落ちつけておる、こういうのが現状でございます。
#100
○堀委員 資金調達のコストということになりますと、これは当然コールからおとりになるのでしょうね。そうするとコールがこれまでは非常に動くわけですね。コールは非常に動いていたので、一銭四厘というのはそれについて動くのでしょうか、いまのお話だと資金調達のコストからリスク分を差し引くのだというお話ですから。そうするとコールはずいぶん最近動いたわけですね。この一銭四厘というのはいつからこうなったのでしょうか。
#101
○谷口参考人 これは最近のようなコール情勢それから日本銀行の公定歩合の引き下げ、それらに伴って出てきたコストを頭に置いて考えて、それから最近数カ月前に一銭四厘にしたわけなんでございます。ですからこれはフィックスしたものではございません。
#102
○堀委員 そうすると、いまそうやって株をお貸しになって、こっちから入ってくるのですが、この入ってくる分はこちらに貸す分のコールの原資と見合っておりますけれども、さっきのお話ではいま六百億ぐらい資金が出ていますけれども、五十億ぐらい自己資金があるわけですね。そうすると出ていくものの中にはただの――ただと言うとなんですが、日証金自体としてコストのかかっていないものもあるということになると思うのですが、二銭四厘のほうというのは、これはいまは二銭のコールですから四厘何かついていると思うのですが、これはどういうことになっているか、ちょっと伺いたいと思います。
#103
○谷口参考人 いまの日歩が、貸借取引の基準日歩でございます。貸借取引は御承知のように取引所の決済機構を通じて信用取引の決済に必要な資金または株券を貸す、こういう取引になっております。そこでこれがわが社の一番大きな仕事になっております。資金量もいまおっしゃる融資残高六百億前後ということも、この貸借取引による融資残でございます。この原資はコール市場から引くわけでございます。いろいろ取引所の取引に付随しておりまして、担保預かり証制度を設けてコール業者を通じて取るわけでございます。出会いがつかなかった場合には、コール業者は日本銀行に行って融通を受けることになります。わが社の手形が担保になるわけでありまして、並み手形となりまして、結局一銭八厘でコール業者は金をもらってくるわけであります。そこにブローカー利潤を入れましてわが社のいまのコールの取り入れのコストは一銭八厘五毛ということになっておるわけでございます。
#104
○堀委員 そうするとその一銭八厘五毛のコストで二銭四厘、だいぶもうかっておる感じがするのですが、一銭八厘五毛で二銭四厘というのは、これはおたくの会社の経費がこれに入る、こういうことなんでしょうか。
#105
○谷口参考人 もちろんわが社としましては、そういった資金の借り入れによってこれを融通しておるわけでございます。預金はないわけでございます。わが社の経費ももちろん入っております。と同時に金融界の金利水準というものに即応して動いておりまして、これは当然の話でございます。いまわが社は公定歩合が下がりましたけれども、二銭四厘というものにしばらく据え置いておるのでございます。これは貸借取引の資金の性質が投機的な賞金の性質を帯びておりまして、ですから世間の並み手形並みのものよりも多少高くてもいいわけでございましょうし、それからもう一つは、融資残、これの多寡、株価の水準そういったようなものを勘案しながら、やはり適時にアジャストはしますけれども、同時にスライドして下がるという性質のものではない、こう思っております。
#106
○堀委員 そうすると、二銭四厘というのは、公定歩合が幾らのときにきまったレートでしょうか。
#107
○谷口参考人 一銭八厘のときです。
#108
○堀委員 確かにこの資金が投機的な要素があるということは私もわかります。わかりますけれども、やはりあなたのほうも一つの金融機関だ。それで公定歩合が二厘下がったわけですから、おそらくいまの一銭八厘五毛のコストというのは、その前ごろはもう少し高かっただろうと思います。おそらく二厘くらい高かったのじゃないか。やはりそれだけ下がってきたと見ていいんじゃないかと思うのですが、そうなると会社がもうかっちゃうというような――まあけっこうですけれども、少しもうかり過ぎるような感じがするのですが、そこでそうなら逆に今度は出すほう、一銭四厘のほう、これはもう少しふやしてあげてもいいんじゃないか。片方は非常に低いところを押えておいて、これは多少あれが入って、片方高いほうを押えておいて、こっちからも取る、両方から取るというのは、少しうま過ぎるような感じがするのですけれども、一銭四厘というのは少し上げるとまずいですか。
#109
○谷口参考人 先ほども申し上げましたように、大体のそのときの金利水準にスライドしてアジャストせらるべきものである。ただ御承知のようにこの四月以降当社の融資残が非常に高い。そういう情勢下において、基準日歩をアジャストしますと、これは信用取引の水準とか、また株価の形成の上に大きな影響を持つのではないか。そこで実は様子を見ておるというのが現状でして、決して下げないということではありません。落ちつけば下げるのであります。そうすると、前よりも二厘さやだけもうけ過ぎるのではないかということになると思います。しかしこれはわが社は金融機関といたしまして、極力内部留保を厚くして、そして借りなくてもやれる、資源を蓄積しつつあるわけでございます。これはいままでの大方針で、きわめて堅実に、消費するのではなくて、内部留保を厚くしていく、島、ういうことですから、決して私しておるものではございませんので……。
#110
○堀委員 いや私しておるとは思いません。二銭四厘のほうは下げなさいとは言いません。六百億もあるのでありますから、下げるとますますあれでしょうから、下げろとは言いません。一銭四厘のほう、これはもうちょっと上げてもいいのではないか。さっきの感じから申しますと、片一方は二厘もありますから、裏返して、私もしろうとですからよくわかりせんが、信用取引というものは何だか知らないけれども、株を買うためにどんどん金を借りている、株を売るものは罪悪だということがあるのかもしれませんけれども、何か知らぬけれども、あれはもう少しバランスがとれるのではないだろうかという感じが実は私はする。しろうとですから間違っておるかもしれまませんが、これは一銭六厘ぐらいになって、もうちょっと、こっちがうまみがあるのだから、そこをやっているなら、ここへ持ってきてその株を買って少し売ったらどうか、そうするとバランスがとれてくるのではないか。これはしろうと考えですからたいへんあれですが、そういうことは適当でないでしょうか。
#111
○谷口参考人 つまり買いと売りとがバランスすることが適当なんであって、需給の調節がつくほうがいいので、信用取引はそういう意味でこれは導入されたものでございます。それでいまの一銭四厘の貸し株かわり金に対する金利を上げたらという御意見であります。これはさっき申し上げましたとおりに、いま当社の資金コストが一銭八厘五毛でございます。いま一銭四厘でお払いしておるのですから四厘五毛のさやがある、これをある程度縮めるという配慮はこれは検討できる。いますぐの問題ではないのですけれども、そういう余地がある。理論的にそういうことがどう縮めるかという問題にはなろうかと思います。
#112
○堀委員 しろうとですからわかりませんけれども、ちょっと金利問題について伺ったわけでありますけれども、時間がたいへんおそくなりましたから、大体これで終わりますが、最後に一点、今回私がこうやって事故防止問題を中心に取り上げましたのは、やはり証券業界がだんだんと大きくなってきておる、投資家もふえてきておるということであれば、それに伴って証券業者の皆さんが公共性といいますか、そういうものを十分自覚していただかなければならぬ、比重はますます加わりつつあると考えておるわけでございますが、実はそういう最近の事故を見ておりまして、何かどうも証券業者の皆さんのお考えの中には、私どもの納得しかねるものが少しある。さらに皆さんのほうでお出しになっているものを読んでみますと、事故を防ぐためにまじめにお考えになっている方と、事故はもういろいろやってもどうも防げないから、その分だけよけいかせいで埋めればいいのではないかとお考えになる方も、実は業界の方のお書きになったものの中に出ておるわけであります。そうすると、私は事故はもう避けられないから、余分にもうけて、それだけ適当に払っていこうなどというような考えは業界から取り除いていただかないと、善良なる投資家としては非常に迷惑をこうむることになると思いますので、前段で申し上げたように、ひとつ大蔵省と御相談をいただいて、自主的な検査ということで、内部における複雑ないろいろな伝票その他については、皆さんが自主的にこの範囲をやっておけば十分だということであるならば、簡略化されるように大蔵省とも話をされたらいいと思うのです。そうして自主的な責任がある以上は、処分その他についてはやはりきちっとやっていただく。
 さらにもっとお願いしたいことは、やはり実情を正確に把握することは非常に重要でありますから、現在証券のあれを証券の協会へお届けになっていると思いますけれども、これらについては単に協会だけではなく、やはり大蔵省にも処分の対象としてということではなく、この対策を考える上に、調査事項として必要な問題でもありますから、そういう点で、ひとつ協会も取引所も御協力いただいて、善良なる投資家を保護する方向にこれを契機に大幅に努力していただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。
#113
○吉田(重)委員長代理 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人各位には御多用中のところ長時間にわたり御出席をいただき、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。
 次会は、明十四日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後一時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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