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1947/08/05 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 文化委員会 第3号
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1947/08/05 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 文化委員会 第3号

#1
第001回国会 文化委員会 第3号
昭和二十二年八月五日(火曜日)
    午前十時三十三分開議
   委員長 福田 繁芳君
   理事 佐藤觀次郎君 理事 鈴木里一郎君
      猪俣 浩三君    榊原 千代君
      玉井 祐吉君    馬場 秀夫君
      並木 芳雄君    成島 憲子君
      田口助太郎君    竹尾  弌君
      原田  憲君    山名 義芳君
      受田 新吉君    木村  榮君
 出席政府委員
        文部事務官   柴沼  直君
        厚 生 技 官 三木 行治君
        貿易廳次長   新井  茂君
        運輸事務官   加賀山之雄君
 委員外の出席者
        厚生事務官   飯島  稔君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 國立公園及び觀光事業に關する件
    ―――――――――――――
#2
○福田委員長 これより會議を開きます。
 まず貿易廳次長より、貿易使節團接遇に關する説明を願いまして、その後に、前會に引續き國立公園及び觀光事業についての質疑を自由に進めたい、かように考えます。貿易廳次長の御説明を願います。
#3
○新井政府委員 前會に貿易使節團の來朝に關しまして、概略御説明申し上げましたが、本日はさらに補足して御説明いたします。お手もとに御配布申し上げました資料についてごらんを願いたいと思います。
 この使節団の來朝の趣旨は前會御説明申し上げました通り、日本の従来輸入しておりました物資の輸入代金の全部を、現在までにまだ支払うに至つておりません關係上、従来の輸出貿易の仕組だけでは、とうていこれ以上輸出を進行させるわけにはいかぬというふうなことからいたしまして、本年三月ごろより、いろいろ連合軍總司令部と話合いををいたしました結果連合國の貿易關係者が、約四百名でありますが、そのほかにさらに銀行業者、船舶業者、保險業者等百二十名を加えまして、約五百二十名がこの八月十五日を期しまして本邦に來朝いたされまして、直接わが國の業者との間に商談をいたしてよろしいということに相なりました。その話合の内容は、東京、大阪、京都、及び名古屋の四都市にホテルを設營いたすこと、それから東京及び京都に必要たる事務所の整備をすること、竝びにそれに付隨いたしまして、日本人の通譯、連絡員、タイピスト、商品専門家等、今囘來朝される方々の適當なる陣容を整える、それから東京及び京都に實業團専用の自動車サービスを設置してそれを運營する。それから今後司令部の経済科學部によつて指示される事項ないしはこちら側からの申請に基いて經濟科學部の認可する他の措置をとる。大體こういう話合いの内容でございます。
 これに應じまして貿易廳といたしましては、東京におきましては、舊帝室林野局の建物全部竝びに住友ビルデイングの三階以上の二箇所、京都におきましては、京都の舊落陽ホテル、大阪は病院を改造いたしました。それから名古屋にも、さらに一箇所設置するということで、目下著々とホテルの設備を急いでおりまするが東京の二箇所は、すでに外部の工事は全部でき上がりまして、目下内部の設備を急いでおるような次第でございます。京都におきましても、大體八月十日までにできあがる見込みであります。名古屋と大阪の二箇所は、著手がたいへん遅れました關係もありまして、十月にならなければでき上がりません。
 それから自動車につきましては、二百臺を準備することといたしまして、これにつきましても、すでに手配をいたしております。それから連絡員、通譯、タイピスト、これも二百名現在すでに用意をいたしましても目下各種の説明その他をいたしまして來朝の際に遺憾のないように準備を進めておる次第でございます。
 それで今般の貿易代表團の來朝の趣旨は、先ほど申し上げました通り、日本の輸出貿易の促進ということが主眼でありまするが、それ以外にも輸出商談の傍ら、日本の各地の觀光をしていただきたいということになつておりまして、この點につきましても、先般御説明申し上げました外国貿易團應接委員會に、觀光部會というのをつくりまして、それぞれ専門家に御協議をお願いをいたしたいと存じておるような次第でございます。
 觀光の問題につきましてはあとの委員會の名簿にも書いてございまするが、運輸省、日本交通公社、日本觀光協會というふうな方面と密接なる強力をいたしまして、御相談をいたしまして、ぬかりのないようにたいしたいと考えております。それからさらに各地方にも各地ごとの應接に關する協議會をつくつていただきたいというので、各地にお願いをしておりますが、すでに重要な地方においては、それぞれ委員會の設置を見ておるような次第でございまして、各地にできた委員會で現地の大體の應接の計畫を立てていただきまして、これを地方の委員会に提出をしていただいて、全國的の調整、連絡をはかつて一定の計畫のもとに應接をしてまいる、こういうふうな手續でもつて計畫を進めております。
 なお今般の貿易代表團の仕事をいたしますために、貿易廳としては、臨時に施設部という者を設置いたしまして、ここでそういう事務のとりまとめをいたすことにいたしまして、すでにこの施設部も發足を見ておるような次第であります。
 それから豫算に關しましてはいろいろ大藏省その他とも折衝をいたしまして、大體の御了解を得ておるような次第でございますが、總額七億円をもつて、ホテルの設營、自動車の手配、貿易代表團の接待その他の費用を賄つてまいりたい、かようなことで大體の御了解を得ておるような次第でございます。
 以上をもちまして御説明を終ります。なお御質疑によりましてお答えをいたしたいと思います。
#4
○福田委員長 委員諸君に申し上げます。ただいまの貿易廳次長のお話もあり、なお今日は運輸省、厚生省、文部省、内務省、各政府委員が來ておられますから、前會に引續いての御質問があれば御發言願いたうございます。
#5
○馬場委員 總論として一つお尋ねしたいのですが、わが國が文化國家として再建するという上において、私も主として觀光事業を外客誘致の方に重點をおいて御質問申し上げるのですが、外客を誘致しての觀光事業が、わが國の將來にいかに重大であるかということは、みなさま十分御納得のいくところを確信しておるのですが、日本が文化國家として外國人を日本に誘致するということは、日本の渉外のみならず、居ながらにして外國の文化に接し得るという點で、文化的にも非常に意義の深いことであり、さらに貿易外収入として過去において約七%に過ぎなかつた觀光からあげる収入がおもなる収入となつてきた今日においては、これに重點をおくということは、これまた國家の將來において當然の行き方でもある。そこでこの事業に對しまして、今まで御關係筋がどの程度の重大さを認識されておるかという點であります。われわれはある見方によつて、今のところ食糧問題を云々しておりますが、國家が國際的に起ち上がるという點においてはこの事業に最大なる力を注いでしかるべきである。今までいろいろお話をお伺いしましたが、かなり政府の事業として、統一することを必ずしもよいとも考えませんが、ここに觀光事業法のようなものを制定して、國家としてここに一本のものでこの事業を推進するというのが、今の場合においては正しくないか。あるいは今後こういうことをお考えになることが正しいかどうかということが一つ。さらにこういう觀點に立ちまして、具體的な質問でありますが、文部省の方に國賽重要美術を、現有のまま全部殘すという見當で、この前いろいろ設備、修繕その他のお話があつたようでありますが、賠償その他のことを考慮して、どのくらいのものが殘るのか。あるいは賠償對象にならないのか。賠償對象になつた場合には、私は必ずしも、日本に無理して殘しておかないでも、外國の出張所として、向こうで完全に見せてもらえば、それが今までの出張所の代わりになるのではないかと思つて、むしろそうすべきものじやないかと思いますが、その點を一つ。それから文部省の方に、さらに國際觀光と申しますか、外國人がまいる場合に、今の日本の民度においては、よほど氣をつけないといろいろな不祥事が起こるという懸念がありますが、これをいかような教育と申しますか、日本の存續の必要上、國際日本として起ち上がる必要上、國民教育として、これをどういうぐあいに指導したらばよいか。全面的に外貨吸収あるいは國際文化吸収のために、國民をうなずかせるということが、今後重大なる問題になると思います。この點についてお考えがありましたら御説明願いたい。
 それから貿易廳の方にお伺いしますが、貿易外収入の中において、唯一の殘されたと申してもいいこの觀光事業に對して、將來日本がどのくらいの國際収入を見積もつておられるかという點。これについて収入がかくの如く必要だという點においていかような程度の日本としての施策が必要であるかということがということがでてくると思います。萬事考えますると、われわれはここで國際全體としての外客誘致の觀光事業というものが、今の日本と將來の日本にとつて、いかに重大であるかということの認識の點において、すべてが決せられると思うのであります。これをあらゆる角度から御説明願つて、十分將來の日本をながめて。これが必要であるというならば、あちらこちらで資材がないとかいうことで、對立するようなことなしに、思い切つてこれが最も正しく運營され、正しく合理的に行けるようにするために、今までお考えになつた點がありましたならば、これを御披露願いたい、かように考えます。
 もう一つは、全日本觀光連盟の方ですか、あるいは運輸省の方ですか、現在の状況においてバイヤーその他の方は除きますが、現在あるいはここしばらくの間の見透しの上において、ここぞという觀光地として、自信のもてる所がおありであるかどうか。あるいはそういう特殊な所を重點的に樹立して、將來は全日本が皆様の御期待に副えるような状態に持つていくというような見本の所を建設するような御計畫があるかどうか。かような點について一應お答え願いたいと思います。
#6
○加賀山政府委員 第一の觀光事業を政府でやつたらどうかというお尋ねに對しましては、實は私どもといたしまして、現在のいろいろの觀光地また觀光施設の状況を見ますと、ただちに外客を誘致して、十分な接遇ができる状態にあるということは、とうてい言えないのでありまして、風致としても、また施設としても、相當荒廢をいたしております。それで私どもといたしましては、ここにいわゆる觀光事業法と申しますか、そういつた法律を制定いたしまして、國立公園法などと竝んで、觀光施設の育成保護をしなければならないのではないかと考えておる次第でございます。ただ觀光事業といたしましては、一口に申しましても、ホテル等の規模、あるいはその他の娯樂場の施設等を見ますときには、必ずしも全部を國が一本にやつていくことは、適切でないのではないかと考えておるのでございまして、現在すでに各地に觀光協會が設立されて、それを中央では、全日本觀光連盟というものに統一して、觀光事業の保護育成指導に當つておるわけでございますが、各地にできたその觀光協會を足場にして、その條件のいい土地には、ホテルの事業なり、あるいは娯樂場を併せまして、いわゆる觀光事業會社が、相當資金、資材の面から、現在設立されたのもございますし、また現在設立希望をもつて、相當たくさんの會社が設立されようとしつつあるのでございます。われわれとしては、こういつた民間の熱意を適當に誘導いたしまして、そうして、おのずからそこにひとつの統一した方策に結びついていくような施策をしていく。これがお互いに結びついていくような施策をしていく。これがよろしいのではないかと考えるのでございまして、いわゆる國の直營としてそういつた事業をやることは適切ではないのではないかと考えておる次第でございます。ただそれが個々ばらばらになつて、あまり亂雜になつたり、あるいは時流に乘つて、ただ變なものができていくというのでは困ると存じますので、そういつた點につきましては、いわゆる觀光事業会社の設立の基準といつたようなものを立てまして、その基準に基づいて觀光事業會社を許していく。そうしてこの認可を受けたものに對しては、資材資金の面で極力これをバツクいたしまして、健全に育つようにしてまいることが必要ではないか。ただそういつた點でいろいろそういつたことを法律的に規定しまして、先ほどの御説のように、あるいは觀光事業ということは、一國全體こぞつて外客を迎えるという氣持ちにならなければならぬ、またその態勢をとらなければなりませんので、そういつたことに對しましては、今後文部省にお願いして、教育なり、それからいわゆる觀光事業についての考え方を規定する觀光事業法といつたものが、ぜひとも必要ではないかと私は考えるのでありまして、實はただいま當省において準備中であります。こういつたことにつきまして、御贊成を得れば、あるいはここでお約束することは少し早いかもしれませんが、來議會等において、この委員會においても御審議を願うような段階になるのではないかというふうに考えておる次第であります。
 それから第二の點でありますところの、自信をもつて外客を迎え得る所の場所ありや否やということでございますが、二つの點を考えまして、一つの點は交通でございますが、交通につきましては、殘念ながら、現在の実情でございますと、鐵道も、自動車道路等におきましても、また船におきましても、非常に遺憾な點が多うございまして、この點につきましては、われわれといたしましては、現在は完全に自信があると言うことはできないのではないかと思うのでございます。今囘の貿易使節團につきましても、おおむね進駐軍の專用列車によつて旅行されるというのが原則になつておるようでございます。ただ支線等を個々に旅行される場合には極力優秀車をつけて接遇しなければならぬと考えておるのでありますが、交通の點につきましては、なかなか困難でありますが、實は觀光事業への準備とも考えまして、本年度多少優秀者を新造いたしますことを計畫に入れている次第であります。風致につきましては、これはもう、その他重要な國賽類にいたしましても、この間文部省からお話がございましたように、依然として存置されておりますので、この點については十分自信はあるということが言えると思いますが、ただ第一に必要な宿泊設備につきまして、これは第一囘のときに、私どもの方の長官がお話申し上げたと存じますが、實はホテルの大半が戰災にかかつておりまして、頻度の貿易使節團に對しましても、急遽貿易廳が斡旋されてこれを大急ぎで建造する、あるいは改造するということになつておりますので、非常に自身がないわけであります。ただ、日本旅館等におきましては、相當のものがまだ殘つておるので、こういうものを一部分改造いたしますとか、あるいは場合によつては、日本へ來たならば日本の趣味、あるいは日本の生活にも觸れてみたいという方も多うございますので、十分日本旅館についても活用する途はある。從つて、これは外客の人數にもよることでございますが、われわれといたしましては、今囘の貿易使節團が一つの大きなテスト・ケースでございますが、このテスト・ケースから考えまして、相當數の外人客であるならば、今度の貿易使節團に與えられますようないろいろの便宜が、占領軍司令部によつて認められますならば、ただちにでも、われわれといたしましては、迎えてこれを接遇し得る自信はあるただこれは一時に二、三千とか、あるいは一萬人というような非常に多くの數は望み得られないのでありますが、少い數でございますならば、今でも接遇し得る途はあるというふうに考えておる次第であります。
#7
○柴沼政府委員 國賽、重要美術品等と賠償との關係につきましては、まだ關係當局の正式の意見を伺うところまで事態が來ておらないのでありまするが、今日までわれわれが接しました限度におきましては、それらのものが賠償の對象となることは、まずないものと考えられておるのであります。これは國賽、重要美術品等は、日本にもありますること自體が、その背景に歴史的な理由や地理的な理由がありますので、これを引離して扱うよりも、やはりこういうものを研究をし、あるいはこういうものを鑑賞しようということが、その道の關係の人々の御意見のようであります。從つて古くからわが國にあるものについて、これを賠償の對象にすることには、まずないものと承知しておるのであります。ただごく最近に場合によつては不當な方法で持つて來たものも、必ずしもなくはないのです。これらのものは、いかに貴重なものでありましても、今日の事態におきましては、當然もとの國に返還すべきでありますので、それらのものについてはわれわれも毎日專門家を派遣して調査いたしまして、見つかり次第、返還するような方法をとつておる次第でございます。
 それから觀光關係の根本の趣旨を徹底するために、國民に對してその關係の教育をする必要はないかという御意見は、われわれもまつたくその通りであろうと考えております。ただ國民が外客に接します際に、正直に、公平に、また清潔なといういろいろな美點をもつて接することが必要であることは、外客に對してばかりではなく、日本國民が文化國家として立つ上に、國民自信も必要なことでありまして、現に學校教育におきまして、社會科と申しまする學科におきましては、そういう方面の生活の仕方と申しまするか、あるいは社會生活の基本とでも申しますか、そういうものについて十分に力を入れて教育をするように、現在教育方針の指導をいたしておるところであります。そういうことが次第に若い次代の青少年の動きに投じますれば、將來は漸次日本の國の生活状態も向上してまいるのではないかと思うのであります。なおそのほかの現在すでに青年であり、現在すでに成人である者に對しても、これらの教育はむろんゆるがせにはできないのでありまして、現在文部省で考えておりまするもののうちには、直接外客誘致、あるいは外客に接する態度というようなものを取上げた項目はないのでありますが先ほど申し上げた通り、國民教育の基本的な問題として成人教育の一部分として當然そういう方面のことがはいつてくるわけであります。しかし、貿易再開とともに外客が日本に早急にはいつてくるような形勢でもありますので、場合によつては運輸省等のそういう觀光を主として取り扱つておる所ともよく連繋いたしまして、そういう教育方針の徹底に何かいい手を打ちたいと考えております。
#8
○新井政府委員 將來觀光事業によつて獲得しなければならぬ外貨収入の額を、いかに見積つておるかという問題でありますが、これは申すまでもなく、日本が將來必要といたしまする輸入物資の價格、それに對應いたしまして日本から輸入できまする輸出物資の代金と、さらにいわゆる貿易外収入でございまする船舶運輸の収入、それから保險、銀行關係の収入、これらのものとにらみ合わせて出てくる次第でございまするが、この船舶關係もしくは銀行、保險等の關係がどういう額に上るかということは、これは講和會議等によりましてきまる問題でございまして、現在のところ、なかなか見透しは困難であります。貿易の觀點からいたしますると、日本の人口竝びに資源の状況から申しまして、輸入物資は相當多額に上るに反しまして、輸出はなかなか資材關係その他からいたしまして、輸入をカバーでき得るだけのものを輸出することは、非常に困難な状態でございます。戰爭前におきましても、にほんといたしましては、やはり貿易關係だけから申しますと、數億圓の入超を見ておりまして、これを運輸關係、船舶、保險、銀行關係、觀光事業というようなものでようやくに賄つておつたような状況でございまして、從いまして數字的に申すことは非常に困難でございますが、やはり貿易外の外貨獲得ということは、相當多額と期待いたさなければならぬものと考えるのであります。現在の状況をもつて申しますると、前囘御説明申し上げました通り、すでに昭和二十一年度におきまして、ドル勘定において約一億八千萬ドルの入超を見ております。それから本年六月までの状況を見ましても、これはまだ、正確な數字を私どもは入手いたしておりませんが、とにかく日本の圓の價格におきまして、やはり相當多額の入超を見ておるような關係でございます。從いまして觀光事業によりまして日本が期待いたさなければならぬ金額は、相當多額に上るのでございまして、どんなに觀光事業に力を入れても、入れ過ぎるということはないものと私は考える次第でございます。
 なお文部省の政府委員からお話がございましたが、今囘來朝せられる貿易使節團に對しまする日本としてのいろいろな接遇に關しまして、私どもといたしましては、最近いろいろ道義問題等が論義せられる折柄でございますので、これらの使節團に對しましては、にほんとしてはずかしからぬ接遇を國民全般としていたさなければならぬという見地からいたしまして、この八月十五日を期しまして、新聞、雜誌、ラジオ放送、ポスターによりまして、この外國貿易團來朝の趣旨を一般に十分に周知徹底せしめまして、これの應接に遺憾のないようにいたしたい。かような考えをもちまして、現在準備をいたしておる次第であります。
#9
○馬場委員 最初、貿易廳次長にお尋ねいたします。貿易外収支として、海運、保險、あるいは海外事業利益、こういうものを多額にすること、これとの相關性でありますが、日本の現有船舶その他から見て、あるいはそれに伴う保險、あるいは海外事業というものに多大の期待をかける行き方というものは、誤りじやないか。すでに海洋船というものはほとんどないという前提において、そいういうものの振合いを考えるということよりも、もつと率直に、殘された唯一だといつていい観光事業に重點をおくくらいは御計畫があつてしかるべきじやないか。それだけ熱意を出していただくならば、その方が有利ではないかと考えます。
 それから加賀山さんにお伺いしたいのですが、現状のままでは、交通あるいは宿泊その他において、外客を誘致する自信がないそうであります、それは考えられるのでありますが、いつまで經つても自信は起りそうもないと思うのでありまして、そういうことを言つていると、これは話にならないので、どこか一つ、將來のために日本がどうしてもこれが必要だという、國家全體の觀點から行くならば、この際どこかさしあたつて一箇所でも、一番手つとり早くやれるようなものをお選びになつて、それを擴充していくということをお考えになつたことがあるかどうかをお尋ねしたい。
#10
○加賀山政府委員 先ほどたいへん自信のないようなお話を申し上げて恐縮でございますが、實は先ほど申し上げたのは、今ただちにはちよつと自信がもてないということを申し上げましたので、また現在の状況から申しまして、今年あるいは來年度において非常に多數のお客を呼ぶということはまだ實は考えられないのではないか。われわれといたしましては、今後實は鉄道再建の五箇年計畫等ともにらみ合わせまして、そのうちに交通面からして、ぜひともこの外客を誘致する強い策を織りこもう。實はそういうふうに考えまして、優秀客車等につきましてもその五箇年間にはこれくらいなものはぜひとも整備しなければならない。いわゆる寢臺車、食堂車、展望車というようなものも、今すぐにこれをわれわれ豫算として出します場合にはこれは時期尚早というようなことも一部には考えられる方もありまして、非常にこれは困難な事柄なのでございますけれども、われわれ今からこの問題に手をつけ始めないと、急にそういつた優秀な客車を、それつということで何百輛も一時に整備するということは、非常に困難が伴いますので、資金、資材等、ともにらみ合わせまして、ここ五箇年くらいの計畫を立てまして整備をしていく、實はそういうふうに考えておる次第でございます。またホテルにつきましても、これはお説のように、政府といたしましてここに多額の資金、資材をかけましてたとえば、京都・奈良地帶であるとか、あるいは瀬戸内海地帶であるとか、あるいは富士・箱根の地帶でありますとか、代表的なものをつかまえまして、大きなものをつくるということも、確かに一つの行き方ではないかと考えますが、實は先ほど申し上げましたように、現在非常に觀光事業に對する熱意が民間に上つてまいりまして、重要な地點には相當數の觀光事業會社の設立の申請が出ております。私どもといたしましては、これには相當多額の資金と資材とを必要といたしますので商工省、大藏省とも協議をいたしまして、できるだけこれが保護育成されるように、しかもそれが早く實現いたしますようにいたしておる状態でございます。御承知のように一箇所ということも考えられますが、日本へ來ました外客は大體人数も多いことを要しますけれども、われわれといたしましては、できるだけ引止めて、滞在日數を殖やすということも考えなければならないのでございます。それにはまた相當の變化ということも與えなければならぬ。從つてそれには交通機關でありますとか、非常に重要なホテルを整備していく、こういうことが必要になつてまいる。そうしますとどうしても、今申したような重要な地點に興る觀光事業に對しまして、これを保護育成いたします國家的補助を加えますことによつて、これがある期間内には相當のものができ上がる。實はこの計畫を見ますると、従来の旅館等の改造ということも出ておりますし、また政府の所有しておりましたものの値下げによつて、これを改造するという案もございます。いろいろそういつた改造が多いのでございますが、りつぱなものを新築いたしますということは、今のところ非常に困難な状況がございますので、これもやむを得まい。ただ相當數を早く整備していこうというのには、どうしてもそれに手分けをいたしまして、ここの觀光事業會社を補助していく。こういう行き方が一番いいのではないか。一箇所ということも考えられますけれどもできるだけよい地點にできるだけ多くのものがそれをやつて、そして足並をそろえて整備していく、こういう方向が望ましいのではないか。實はさように考えます。
 どうしてもこれについては本委員會を初めといたしまして、政府はもちろんでございますが國民全部の觀光事業に對する熱意ある聲接を受けますならば、私は遠からずこれに對する態度は必ず整備されるものであるというふうに確信しておるものでございます。
#11
○新井政府委員 貿易外収入の問題でございますが、船舶關係、銀行、保險關係、事業収入等による外貨の吸収は、最後的にはむろん講和条約等によつて決まらなければならぬ問題でございますが、お話の通りわが國のこれまでの状況から申しますと、講和會議後においてもそう多額に上るというふうには考えられないのでございまして、從つて觀光による収入というものが、最も重要なる貿易外外貨獲得の方法であるということは、まつたくのお話の通りと私も考えております。
#12
○福田委員長 受田君。
#13
○受田委員 五つの項目を簡單にお尋ねいたします。第一番目に文部省當局へお伺いいたしますが、宮廷文化というものが、今までヴエールのなかにとざされていた。これを民主化と同時に公開する必要はないか。たとえば、正倉院の國賽は一年一囘の蟲干のときに、きわめて特定の人に觀覽せしめられる。このようなものも、この際廣く公開して、死せる文化が活ける文化となるような措置をとるべきではないか。そのほかに皇室に關係した御物その他の國賽的、いや、それよりもつと高い立場の文化的な對象物が實際ある程度、皇室の尊嚴を傷つけない程度に公開されてしかるべきではないか。先般奈良で、八紘寮竝びに建國會館の觀覽をしたのでありますが、國民の淨財によつてできたこの二つの建物が、奈良の醫科大學の一教室にきわめて素朴に使用されておる實情を知りまして、われわれの淨財はそういうところへ向けられるべきでなくして、もつて國家的の方面に展開されるべきであると思いました。そのほか皇室關係の文化の對象物が公開された場合に収入となるものは、皇室經濟法が昨年通過しておりますが、こういう方面との關係で、皇室財産として本当に純粋な収入の對象となると思います。こういう點については、國賽、史跡、古美術品というような問題と關連して、皇室文化の對象物をどの程度まで公開すべきか、ご見解をお伺いしておきたいと思います。
 第二は、貿易使發團の國際親善竝びに日本經濟の視察という問題と併せて、觀光の目的を含むものであるというお言葉でありますが、これに對して觀光事業としては、どの程度まで御計畫が立つておるか。たとえるならば、映畫、演劇及び地方の風俗、習慣を表わすような娯樂物というようなものが、觀光と併せて計畫が進められておるか、ラジオ放送その他による觀光教育がどの程度まで併せ計畫されておるか、最早時期が迫つておりますが、これらに對し常に興業映畫等との連絡がいろいろな會議の際にもたれておるか、いまだ一囘もそういう方面との連絡をとつたことはないかという點についてお尋ねいたします。
 第三番目に國際觀光と同時に、國内觀光はいかにあるべきかという點、これは運輸省の観光課方面にお尋ねいたしますが、國際觀光に重點をおかれて國内觀光をゆるがせにしてはならない。敗戰の痛苦に中にひからびた文化を活ける文化に引還そうとする國民のその氣持を虐げてはならない。都市の近郊における觀光事業などは、もつと潤いをもたしめて、日曜その他の一日の慰安を十分與えてやるとか映畫演劇とかそそうものを兼ね併せて國内觀光事業が計畫的に進められているか、この點であります。
 第四番目には、内務省當局へお尋ねいたしますが、觀光の取締りは嚴重になされております。私は先般畝傍御陵に參りまして、御陵の中の池のこいをとる者が多い。御陵の中へ入つて樹木をもつて逃げるどろぼうがずいぶんいる。これに對して奈良縣當局の警察部も大して力を與えていないということを陵墓官から聞きました。これは觀光の對象としての御陵であり、神社であるけれども、こうしたきわめて國民の崇拝の中心になる對象に對して、いい加減な取締りがされているということは、やがて御物が盗み出されているかも知れない、大事な皇室文化が破壊されるかも知れないというような、ほんとうに國粹を破壊する域にまで達しはしないかと思われます。この點においてそうした國粹物に對する取締りも嚴重になされてしかるべきである、こういうふうに考えます。
 第五番目に、國立公園と他の觀光事業との摩擦を起こすおそれはないかという點について、厚生當局にお尋ねいたしまするが、たとえば、史跡名勝、天然記念物と國立公園とが重なつている。國立公園の地域の中に史跡名勝、天然記念物があつてこれは文部省の管轄だから手をつけるなということになつて、その処置に對しても、國立公園の總合計畫の上に非常に支障を來すというような事實は起らないか。これらの點に對して常に關係當局と連絡を密にされて、圓滿なる文化事業、健康的な事業が進められているかどうか。こういう點についても、今後これらを基盤として觀光的な總合統制機關を設置する。先日の質問にも申し上げたのでありますが、早急に設置する必要を認めるべきではないか、こういうような點をお尋ねして質問を終りたいと思います。
#14
○柴沼政府委員 皇室の御物その他の問題でございますが、これは先般の皇室制度の改正、また財産税の処理などによりまして、相當部分の賽物その他が國に移管に相なつているのであります。ただ正倉院はそのまま御物として殘されているのでありまして、文部省としましては、直接にはこの正倉院の公開の仕方その他について、自分の意見通りにするというわけにはいかないのでありますが、しかし御想像の通り國立博物館がもと帝室でありました關係上人的のつながりが密接にございます。そのために實際は正倉院の問題につきましてもそれから國に移管されました御物の展觀につきましても、事実問題として相當相談し合つて、これが一般への公開の方法を研究いたしておるのであります。國の方に移りましたものについては、今までの帝室博物館でありましたときよりも、一層有効に公開するような趣旨で、國立博物館においてずいぶんと計畫を立てておりまして、著々その事業が進行しております。また正倉院につきましても、博物館と相談の結果、これはまだはつきりは申し上げかねるのでありますが、多分この秋には正倉院の御物を上野まで運びまして、一般に展觀するの便宜をはかろうかという話が現在進んでおります。從いましてこの點に關しまする御意見は、實は博物館關係者もまつたく御同感に考えているのでありまして、できるだけ摩擦の少い方法によつて、何かそういうことを實現してまいりたいということを、目下せつかくやつているというところでございます。
#15
○新井政府委員 貿易使節團の來朝につきましての、日本の文化に關する紹介宣傳の御質問につきましては、應接委員會の中に文化部會を設けまして、日本の文化の紹介宣傳について十分に実施してまいりたい、かように存じておる次第であります。ただ帶在期間が非常に限られている關係がございまして、いかにこの帶在期間の計畫の中に織りこむかということが、非常に苦心の存ずるところでありますが、これらの點につきましても、應接委員會の專門家の方等とも十分に相談いたしまして、でき得る限りその期間内に日本の文化的なものを見てもらうと同時に寫眞の展示あるいは映畫につきましても、國際文化振興會等には、相當日本の文化的の映畫もあるようでございますので、それらを見せるとか、いろいろな方法によりまして、帶在期間中に、かような試みで努力いたしております。
#16
○飯島説明員 國立公園と史跡名勝、天然記念物の保存法との關係についてお答え申し上げます。國立公園區域内における史跡名勝、天然記念物につきましては、國立公園區域を指定いたします際に、十分文部省の史跡名勝、天然記念物所管當局と御連絡申し上げまして、文部省の御意向によつて、その區域を國立公園の區域に編入し、あるいは除外し、またその保存利用の方法を双方協力いたしまして、萬全をを期しておる次第でございます。この問題につきましては中央に國立公園中央委員會というものがございます。これは官制でできておりまして、關係各省のおえらい方々を委員に御委囑いたしますと同時に、民間の學識經驗者を各方面より網羅いたしまして、文化的方面、經濟的方面、また學術的方面につきまして、各界のご意見を總合調整いたしまして、國立公園の保護利用に遺憾なきを期しておる次第でございます。
 なおこの機會に國立公園の對外利用及び國内利用について、私どもの考えておるところを申し述べさしていただきますのならば、國立公園につきましては、一應現在戰爭の破壊から免れておる日本の觀光地といたしまして、都市觀光については京都、奈良がございますが、それ以外では外人に廣く宣傳されております日光とか、あるいは富士・箱根とか、また火山をもつて有名な阿蘇・別府の地帶とかいうものは、外人は必ず一應はこちらに来るであろう。またそれとともに今いうのは、少し先走つておるかも知れませんが、原子爆弾による戰爭の成果、その結果を見るという一つの觀光氣分が外國に起こつておるようでございます。と申しますのは、長崎と広島でございますが、われわれとしては、まことに殘念なことでありますけれども、第二次世界大戰の原子力の威力を見るために、諸外國の人たちが相當多數視察に來るであろうと考えております。それらの點につきましては、長崎におきまする雲仙國立公園、また廣島におきまする厳島國立公園、瀬戸内海國立公園なんかを十分整備いたしまして、科学力と同時に自然風景に親しませて、日本の國土は破壊されておりますけれども、なお秀麗なる、世界に誇示すべきものがあることを認識していただきたいと、考えておる次第でございます。これらの問題につきましては、さいわいにして大藏省から若干の豫算を認められましたので、至急國立公園全般につきまして、對外宣伝用の映畫を作成いたしますとともに、英文竝びに外字、邦文のパンフレツト、リーフレツトを多數發行すべく、目下それぞれ計畫いたしておりまして、これらを通して、わが國土竝びにわが國民性を十分理解して、國際親善に寄與していきたいものと考えておる次第でございます。
 なお國立公園の國内觀光につきましては、國立公園は、ひとり對外的のみならず、國民の保健、休養、教化の文化的經濟的な使命をもつておりますので、すべての國民が必ず日本のいずれかの温泉、あるいは保健地、あるいは風景地に接觸して、教養を得ると同時に、明日への勤勞意欲をさらに向上せしめるために、國民全體の國民休養法というような一つの方體系をつくり上げまして、すべての働く國民がこの休養を得ることによつて、新たに生活を反省しながら働いていくような、文化國家としての一つの行き方があるのではないか。あえてドイツのカー・デー・エフを眞似るわけではありませんけれども、少くとも慰樂を與えるとともに、一つの希望をもたせるという手段が厚生行政方面において取入れらるべきものではないかと考えまして、このためには現在ございます社會保險制度によつて保險給付を受けておらない疾病にならない人たちが、疾病以前に健康を保持するような、觀光施策を考えたい。それはあるいは保險團體としてやるか、あるいは政府がそれに對して補助するか、あるいは健康保險組合その他が、政府の中樞と計畫的に、全國に組織網をつくつて、觀光地に出かけるような計畫にするか、それは目下なお檢討中でございますけれども、國民に、國際人とともに、わが國立公園あるいは保健休養地等に觀光の機會を得せしめて、文化國家、健康にして文化的なる生活を營ましめる方法について、目下研究いたしているような次第であります。
#17
○福田委員長 受田君にちよつと申し上げますが、あなたの質問のうちに、今、内務省所管の警察に關することがございましたが、ちようど係員がおりませんので、次囘まで答辯をを保留させてもらいたいということであります。
#18
○加賀山政府委員 國内觀光について忘れてはいけないという受田さんの御説に對しましては、まつたく私ども同感でございまして、實は御記憶になつていらつしやると思うのでございますが、昭和の初頭ごろにおきましては、盛んにハイキング・コースを興しまして、またいわゆる囘遊割引という制度を設けまして、青少年の徒歩旅行を主といたしまして非常に宣傳をいたしたものでございます。當時といたしましては、國鐵財政の點からいたしまして、非常に苦境でございましたので、いわゆる増収主義の一助ともいたしまして、そういうこともやつたわけでございますがこの問題につきましては国民保健の觀點から、實に重要な問題であると考えている次第でございます。ただ現在の輸送状況から見ますと、ただいま認められております旅客の輸送キロは、わずかに二十一萬キロ程度でございまして、これが戰前においては四十三萬キロ餘りがございました。この旅客輸送キロが戰前の半分に落ちております現状といたしましては、いわゆる汽車旅行という點からいたしまして、非常にここに難点があるというふうに、私どもとしては考えておる次第でございます。
 ただ近郊等におきましては、それほど汽車も使わない、あるいはバス等の便利もあるというような所につきましては、國立公園でなくても、いわゆる都民の健全な遊覧場所が、ぜひともわれわれとしては早く整備されることが望ましい。最近におきまして、先ほど申し上げました觀光事業會社の勃興に伴いまして、實は東京附近、大阪附近等におきましても、相次いでこの事業が、興ろうといたしております。これは大きな目的といたしましては、もちろん外客誘致にも使うというのが目的でございますけれども、われわれといたしましては、都心に近いという點からいたしまして、ぜひといこういうものは早く育て上げまして、國民の保養施設といたしたいというふうに考えている次第であります。それにはそれに合うような輸送の施設を整備してまいりませんといけないのでありまして、先ほど申し上げました電車、汽車等につきましても急いで整備の計畫を立てている次第でございます。汽車につきましてはさしあたりとしましては、先ほど申し上げましたように二十一萬キロそこそこで、これは今後の石炭事情にもよることでございますが、われわれといたしましては、機會を見てこの汽車輸送をできるだけもつと緩和いたしますことに、最善の努力を拂いたいと考えている次第でございます。
#19
○受田委員 文部省當局に伺います。古美術品の重要美術品の保護ですが、皇室財産が財産税に取立てられて、御物などが國家の歸屬に歸したいという場合や、これに續いて、陛下の御所持品とか、御下賜品などが民間に下賜された場合、それが財産税を納めねばならぬとか、もしくは非常に没落して巷間に賣出されている。この間も明治天皇の御証文がついた御領品などを、どこやらの骨董屋に出されたということを新聞で見たのですが、こういうことが頻々に行われて、この機會にわが重要な古美術品が外國に持ち去られるおそれはないか。このどざくさにまぎれて日本の國賽的な對象物が失われるということは。私非常に遺憾にたえませんので、文部當局は古美術品に對する對策について、どういう考えをもつておられるか、この點についてお伺いいたします。
#20
○柴沼政府委員 お話の通りの事實を、私ときどき耳にするのでありますが、實は財産税の關係もありまするし、またこれを正規の方法によつて賣りました場合の所得税の問題も絡んでおりまして、場合によるとやみに隠れてどこかの外國人の手に知らない間にまわつていくというようなことが、どうもあるように聞いておるのであります。われわれとしては全能力をあげてそれらのものを追跡とでも申しますか、その行方を探ることをいたしておるのでありますが、所得税法の扱いなり、財産税法の扱いなりについて、現在やつております以上に、特別な扱いを税務當局に求めた方が、むしろこういうことを根絶する理由の一つになるのではないかとさえ考えまして、實際そういう點についても再三相談いたしておるのであります。所が、これは私もあまり詳しく知らないのでありますが、たとえば賣りました際に、賣つたこと自體には税金は何もかからないのでありますが、先に行つて一般的の所得税として場合によつて九割とか九割五分もとられてしまう實際の場面が出てくる。少くともわれわれとしては、國立博物館に賣却した際は、そういう所得税によつて買取りを邪魔しないようにということを希望して、いろいろと今申し出て研究を願つておるのでありますが、今のところ、ちよつと税務當局のお考えはむずかしいようでございます。何とかしてその實現を見たいと考えておるのでありますが、せつかく五百萬圓ほど國立博物館に買収費を計上いたしましても、その問題に煩わされてお話のように陰にまわるようなおそれが多分にあるのでありまして、われわれとしても非常に困つておるような實情出あります。またいろいろその點に關しましても御協力願えれば、たいへんありがたいと考えておる次第であります。
#21
○受田委員 委員地洋にお願いいたします。今の文部省社會局長のおこたえでも、思うのでありますが、わが國の古物商を嚴重に取締まつて、由緒ある重要美術品等がやみに葬らないように、ぜひお取計らいの措置を願いたいと思います。
#22
○福田委員長 受田君に申し上げます。受田君のお話は至極ごもつともですから、後刻理事會を開きまして、よく、協議の上、何分の措置をとるようにいたします。佐藤君。
#23
○佐藤(觀)委員 先ほど加賀山政府委員から、運輸省の大體の様子は聽きましたけれども、その答辯に非常に誠意がないと思います。今の觀光事業がいかに重要であるかということは、今日の毎日新聞を見れば、社説に扱つております。いろいろ鐵道なんかのほうめんにも困難な事情があるとは存じますけれども、今の觀光事業は、日本の新しい事業の一つとしてぜひとも取上げなければならぬものだと思いますので、もし運輸省が具體的なことをやらなければ、この文化委員會で特別委員會でも設けて、そうして積極的に觀光事業を鞭撻するように努力したらいかがかと思うのであります。特に民間から非常に熱意があるということは、先ほど政府委員からお話がありましたが、民間のやるのは、ただ單に自己の利益のみを追求するのではなくて、日本の觀光事業を十分にするということが根本だと思いますので、ぜひとも、これは有力なる委員會をつくつてでも、あるいはまた政府がやるならば、統一した一つの政策をもつてやるということでなければ、弊害が起ると思うので、そういう點について、もつと政府のいろいろな意見を聽きたいと思います。
 それから御承知の通りに、現在日本には進駐軍の兵隊が來ております。こういう兵隊は將來アメリカに歸つて、口口にいろいろな宣傳をすると思いますが、一體これにたいしてどういうふうな宣傳方法をとつておられるか、そのまま捨てておかれるかどうか、そういう點についても、政府の御意見を承りたいと思います。
 御承知のように日本の今までの政府、あるいは役人というものは、大體厚生省は厚生省、文部省は文部省、運輸省は運輸省というふうに、非常にセクシヨナリズムなものがありまして國家全體の利益になることを、なかなか考えないのであります。こういう點について、一體運輸省はどういうふうに考えておられるか、御答辯を願いたいと思います。以上三點についてお伺いたします。
#24
○加賀山政府委員 佐藤さんからおしかりを受けたのでありますが、われわれといたしましては、決して誠意がないどころか、この問題につきましては、實はまだその時期でもないといわれるのを押し切りまして、やつきになつておるような次第でございまして、その點からわれわれといたしまして端、先日御報告申し上げましたように、ぜひともこれについては強い方策が必要ではないか。實はこれは一省の性格でやるべき仕事ではない、運輸省もかつての經驗はもつておるけれども、これは一部運輸省だけでよくし得るところではないのでありまして、ぜひともあるいは觀光委員會でございますとか、特別の方策がとられまして、ここにおいて統一した力強い方針を決定していただくことが必要ではないかというふうに考えております。ただ、ただいまといたしましては、私の局に觀光課と言う一課がございまして、これが窓口になつております。この觀光事業に對するいろいろのおせわをいたすことに相なつております關係上、われわれとしては、この責任上から、ぜひともそういつた方策にもつていくために、ただいま眞劍になつて準備中なのでございます。ただ觀光事業の實施そのものにつきましては、いろいろの面があるのでございまして、國立公園に風致をさらにこれに人工を加えてよくしていく、あるいはそこにホテルの設備をする、あるいは他の娯樂の設備をするといつたふうな人工的な面もございますし、またこれに對する旅行の案内、斡旋をするというような仕事もございましようし、さらにこれを運ぶことは、これはもう絶對必要な仕事になつてまいります。いろいろな面がございますが、その中の特に施設の面につきましては、佐藤さんの御意見では、政府として、あるいは直營でもつて、じかに資材資金を投げ込んでやるべきであるというお説のように拜聽したのでございますが、私といたしましては、それは必ずしも適切ではないのではないかと思います。その中心になりますホテル事業のごときのものは、採算性が非常に惡い面がございまして、特にお客の波動性などを考えます場合には、必ずしもその設置の當初においては、外客もそれほど殺到してくるということもございませんし、収益性をよほど見なければならない、そういつた場合には、ぜひともここに強い政府の補助政策が必要ではなかろうかと存じますが、政府の直營といたしましてやることが、必ずしも適切かどうかということを、われわれとしては考えておる次第でございます。本日の御説明でございますならば――本委員會の御意見といたしまして、ぜひともそうやれという御意見でありますならば、われわれといたしましても、直接かつて鐵道省といたしまして、實は直營のホテルなら東京、下關、十和田湖等にもつておつたのであります。そういつた見地からも、出ていつてやるということもやぶさかではございません。またこれはやつてもいいと思いますが、ただいまのところといたしましては、澎湃たる民間の企業熱を善導いたしまして、これの有能な、しかもまたインチキでないというものに對しては、あくまでも保護育成する、といつた形でやつていくのが最も適切ではあるまいかということを申し上げました次第でございます。御了承をお願い申し上げておきます。
 進駐軍に對する宣傳については、どうしておるかというお尋ねでございますが、實はこれは、具對的に宣傳というところまではまいつておらないのでございまして、進駐軍の私的旅行につきましては、日本交通公社がその案内、斡旋をいたしております。そのもつておる映畫等を通じまして、さらに各地の風俗あるいは風景といつたものをお見せするといつた程度で、特に強い宣傳はいたしておらないので、非常に長い期間の帶在でございますから、身をもつて進駐軍に實際のところを見ていただくということが、実情ではなかろうかと思います。その點につきましては、現在の國民生活なり、係濟の事情は必ずしもいい面ばかりを見ていただけるとは、われわれ考えられないのでございますが、ありのままを見ていただくというのが現状であることを申し上げたいと存じます。
 最後の點につきましては、先ほど第一點と併せて申し上げた次第でありますが、われわれといたしましては、ぜひとも本委員會などでお考えを願いまして――われわれももちろんそういうふうに考えておるのでございまして、ぜひとも何か力強い機關を設置することをお願いしなければならないのではないか。その時期はもう尚早ではなくて、むしろ遲いのではないかとさえ考えるのでございます。この點に對しましては、われわれ皆様方の御意見を伺いまして、さらに力強くその面につきましては當つてまいりたい、かように存ずる次第でございます。
#25
○猪俣委員 今いろいろお話を承つたのでありますが、熱がないというような話も出たのであります。私はわかつたようでわからないのでありますが、何よりも大切なことは、觀光事業に對する總合的な機關の設置ということであります。今ある一つのことでも、文部省から、厚生省から、まるで官廳オンパレードのような始末で、これでは事が運ばないと思うのであります。それでありますから、現在及び、將來に對しましての見透しのもとに行政廳をつくる。またその性格も、いわゆる委員会制度ということにおくか、あるいはいわゆる官僚行政というようにしていくかとおもうのでありますが、そういうことに對して、觀光事業に對する總合的な行政機構を確立することにつきまして、今日までお歴々の方々がおいでになつておりますが、各省の間にさような話し合いがあつて、そういう具體的な案が一體頭の中に得られておるのか、ないのか。そこがどうもさつきから答辯を聽いておりますが、はつきりしないのであります。そういう具體案について、御協議なさつたことがあるのかないのか。またないとするならば、ただちにそれをやるつもりであるかどうか、そこをひとつお聽きしたい。
 それからこれは一種のいわゆる総合事業でありますために、官廳を必要とするとともに、機關を與えるべき法律の制定が必要だと思うのであります。そうしてこれを引締めていくことが大切だと思うのでありますが、觀光事業法というようなものについて、これもそういう具體案を練つたことがどこかにあるのかないのか。また練りつつあるのか、全然まだそういうことは考えておらぬというのであるか。その點について、一體どなたが御返答なさるのか私も見當がつかぬのでありますが、御相談の上、どなたかから御返答を願いたいのであります。
#26
○加賀山政府委員 お答え申し上げます。觀光事業につきましては、各省それぞれ分野をもつておりますので、實は四省會議というのを開きまして、重要問題につきましては、この四省で協議をして解決していくという方策をとつておる次第でございますが、それに出席いたしておりまする四省のそれぞれの責任者間におきましても、できることならば、ぜひともこれをさらに總合的な強い機關にしなければならぬのではないかということを話合つておる次第でございます。特に現在一應觀光課というような部門をもつております私どもといたしましては、ぜひともこれは、官廳といたしましては、あるいは觀光院といつたような官廳の設置をすること、あるいはさらにこれと行き方をかえまして、いわゆる委員會組織によりまして、民間の知識經驗を取入れて、そうしてアメリカ等でやつております州際商業委員會といつたような事務を扱う官廳の役割を果たすような委員會、單なる諮問機關ではない委員會によつてこれをやつていくということがいいのではないか。これにつきましては、實はまだどちらがいいのであるかという最後的結論も、私どもとしては得ておらないのでありますが、本委員會におきまして、具體的にこういう問題について論議をお願い申し上げて、最後的の決定をしていただくということは、われわれとしてたいへんありがたいことではないか。實は今申し上げましたとおり、われわれだけではまだ決しかねておるものがあるということを、正直に申し上げたいと存じます。われわれはたた腹には、これは多少私個人の意見になるかもしれませんが、この委員會システムによつてやつていくのが最もいいのではないのかと考えておる次第でありまして、こういう點についてさらに具體的に本委員會でお取り上げを願つて、御論議をいただくことをお願い申し上げられれば、われわれとして非常にありがたいと存ずる次第であります。そういつた場合、もしこの觀光委員會というものを取上げ、そういうものをつくることがいいということになりました場合には、私はもちろん、先ほどの觀光施設あるいは觀光上の、いろいろの制度法と併せまして、本委員會の規定も法律をもつて制定されるのが、一番いいのではないかというふうに考えておるのでございます。實はかつて、大分以前でございますが、觀光事業法を立案いたしまして、一つの案はわれわれの手もとにもつておるのでございますが、今後の觀光事業は、先日も申し上げました通り、かつての觀光事業の比ではないほど、重要性を帶びてくるという點から申しまして、またその當時考えられた觀光事業は、さらに法律の體系もかえなければならないという、いろいろな點がございますので、現在かつてもちました觀光事業法の案をもとといたしまして、われわれの手もとで検討いたしておる次第でございますが、これはいろいろ御論議を願いまして、御贊同を得れば、この法案を機會を見て國會に提出する運びになることをわれわれは心から願つておる、かような次第であります。
#27
○竹尾委員 先日の委員會で、鈴木委員が大體四つの重大なる質問をされたと思います。三つはお答えになつたようでありますが、最後の一つつまり外客に對する畫のサービス以外に、夜のサービスをどうするか、これは人間の本能にも關する重大な問題でありまして、われわれにも深刻な問題だと思います。ひいては衛生上、風紀上いろいろな問題を惹起すると思いますので、實はその御囘答を期待しておつたのでありますが、まだおありにならぬようでありますから、ひとつお願いたします。
#28
○福田委員長 その御質問に對する御答辯として、厚生省の公衆保健局長三木政府委員がおられるから、一つ御答辯を願いたいと思います。
#29
○三木(行)政府委員 夜のサービスはどうするかという御質問でありますが、この點につきましては厚生省の事務ではございません、もちろん所管の事務でもないのでありますが、厚生省の立場から申し上げますると、私どもの關係しております國立公園行政の立場からいたしまするならば、さようなことは別に期待いたしておりません、ただそこにさような民間施設ができますことは、これは宮廷の便所のごとく、必ず必要なものであるから、自然發生的にできるであろうし、できることも結構である。但し、その場合に性病等の撲滅施設を頭においた施設を考える。これが厚生省の私どものお答えであります。
#30
○田口委員 二、三お聽きしたいのでありますが一番大きな問題で、實はこの委員會にも国務大臣が多數列席されることを期待しておりましたが、まだおいでになりませんので、私はずつと委員会に出ておりますが、質問を保留にしておつたのですが、將來もあまり見込みがありませんから一應委員長からでも通じて囘答してもらえればと思います。觀光事業と言わず、日本が憲法上において文化國家になるというのでありますから、この問題は非常に大きな問題として國家の取上げなければならないことは當然であります。そこで現在觀光事業を一つ見ましても、あるいは公園事業を見ましても、とかくばらばらな、各官廳によつてやられるということは實に遺憾でありまして、この機會に日本は體外的な觀點からも考えて、まず文化省というような物を設置してこの中に總合的な各機關を網羅するというところまでいくことが國内文化を向上させる上にも、また國際關係の觀點から見ましても、必要であろうと考えております。委員長からひとつ質問して囘答していただきたいと思います。
 それからあと小さな問題になりますが、觀光事業の文化的及び財政的な重要性から、民間人が蹶起いたしまして相當熱が上がつておるという御答辯を伺いまして、非常に喜んでおるのでありますがしかしこういう事業が澎湃として興つてくることは非常に喜ばしいことではありますが、一歩誤りますと、日本の信用を傷つけような場面も展開すると思いますのでこれが指導監督は相當重要問題であろうと考えます。そこでこの觀光事業を扱う会社の設立、現在どのくらい設立認可を與えて事業を開始しているか。まだ申請中のものはどのくらいあるかということを數字的にお示し願いたいと思います。また現在の臨時資金調整法によれば、二十萬圓以上は許可が必要になつておりますが、一體許可官廳は大藏省のほかに、どことどこがこれにタツチして許可しているか、またその許可をする方針條件というものはどういう基準でやつておるかを示していただきたいと思います。それから最近もう間近な貿易再開に伴いまして、實業團が多數わが國においでになることは、國民の一人として非常に喜ばしいことであります。そこでこの使節團に對するいろいろな觀待方法については、國家も相當の豫算をとつてこれを迎えるような萬全の措置をとられておるやに承りまして、喜びにたえないのでありますが、これは單なる國家だけの仕事ではなくして、國民大衆すべてが關心をもち、これに當らなければならない問題であると考えます。特に現在日本の國は破壊され、實に汚くなつております。外客がきたときに、實に不衛生であり、不健康であるというような感じを與え、あるいは一般國民の精神状態も荒廢し、非常に亂暴になつております。これらの日本の衛生あるいは國民氣風を使節團の人々に率直に見せるということは相當考えなければならないと思います。そこで私は貿易廳なり、あるいは鐵道關係、あるいは國際事業の關係をやつておる官廳などが音頭をとりまして國民に清掃運動を展開する。この機關にもつときれいにしよう、街をきれいにしようという、何かの運動方法を講ずる。特に使節團などの多く見られる都會、あるいは今後行くであろう觀光地帶については、国民的清掃運動を展開する必要があると思いますが、そういう運動を企畫されておるか、どうか、またそういう意思があるかどうかをお伺いしたいと思います。また國民としてこれを國家以外に國民大衆がこれらの使節團を迎える歡迎手段方法というものを計畫されておる團體などがあるかどうかということもお聽きしたいとおもいます。
 それから觀光事業の會社が非常にたくさんできつつあるということでありますが、この觀光會社は一體資金なんかの面について、何種の産業部門に屬しておるか。おそらく個々ばらばらにいけば、ホテルとか旅館というものは丙種産業として資金のわくも少い、ほとんど與えられない産業部門に屬しておるのではないかと思いますが、今後の貿易収入というような面から見ても、重要なものでありますが、觀光事業に關するこれらのできつつある會社その他が、丙種とか乙種とか甲種都かありますが、何種の産業部門に屬して取り扱われておるか、お伺いしたいと思います。
 最後に、國立公園の委員會の官制が四月にできておるようでございますが、現在中央及び地方で、この委員會が設置されて具體的活動にはいつておるかどうか。もしはいつておるとするならば、中央及び地方の委員の名簿などを提出してもらいたいと考えます。以上お伺いいたします。
#31
○福田委員長 多口君にお答えいたします。第一番の文化省を置いてはどうかという問題は委員長から内閣に折衝して次會に御党辯申し上げます。
#32
○加賀山政府委員 お答え申し上げます。第一の、觀光事業會社はどのくらいできて、さらに設立しようとしているものはいくつあるかというお尋ねでありますが、現在すでにできておりますものは七つばかりでございまして、申し上げると、東北觀光、瀬戸觀光、國際觀光、富士觀光、相模湖觀光、湯澤觀光及び東海観光というようなものでございます。その他五つばかり現在認可中のものがございます。まだ今後におきましても、われわれといたしましては、續々各地でできるのではないかというふうに考えております。これに對する資金の面は大藏省、資材の面は商工省が所管しておりますので觀光事業に對する適應性から見て運輸省に意見を求めてまいるわけでございますが、運輸省といたしましては、その適應性を見まして、これに對して口添えをいたしておるのであります。
 それから資金につきましては、設備資金は乙の部類にはいつております。運輸資金は丙にはいつております。現在の実情から申しまして大藏省、商工省といたしましても、この觀光事業の必要性は十分認めていてくれますので、運輸省等と相談をいたしまして、これはぜひとも將來有望になるものであるという口添えをいたしますれば、從來は大體しきんを認めてくれておるのが実情でございます。ただその設立の規模、事業の内容等を見ましてそれに合うような資金を査定するといういつたようなことで、必ずしも會社の資金のわくそのままを認めるわけではございませんが、事業の内容を見まして、それに適した資金のわくを、大藏省としては從來も認めてくれておるということを申し上げておきたいのでございます。
 それからどういう基準をもつてわれわれはそれに當つておるかということでございますが、これにつきましては、具體適にどういう娯樂設備をもつかといつたように、いういう具體的に觸れるのでございますが、抽象的ではございますが、審査基準といたしまして、第一に事業目的が外客誘致に重點をおき、しかも永續的であること。第二には、きぎよう首脳者は資力信用確実であつて、觀光事業について學識經驗のあること。第三、企業内容が確實にして、投機的でないこと。第四には、事業の施設箇所が、觀光基地とか經路を含みまして、主要國際觀光地帶に適すること。第五には、施設計畫が適切妥當であること、第六には土地建物及び資材等について具體的な見透しがあつて、認可があり次第ただちに著手し得ること、というような基準を設けまして、ここの内容に當つて、それによつて大蔵省等との相談に當りまして、これはぜひとも保護してもらいたい、育成してもらいたいということを申し出ておる次第であります。
#33
○三木(行)政府委員 國立公園委員會のメンバーにつきまして御質問がございましたが、御指摘になりましたことくに、本年四月三十日その官制が公布せられたのでありまして、その委員といたしましては約四十名を豫定いたしておるのであります。ところが、その後兩院議院の方は委員になつていただけないというような事情もあり、また御承知のごとく、これらの委員には調査表を内閣に提出いたしまして、調査をいたす必要があります。それらの諸般の手續によりまして、中央委員會におきましては、ただいままでに十六名が發令に相なつておるのでございます。從いまして、まだこの委員會の召集はいたしておりません。なお地方の國立公園委員會につきましては、目下その委員會の設立に努力をいたしておる次第でありまして、いまだ一箇所も設立をいたしたという報告に接しておりません。
#34
○新井政府委員 今度の外國貿易使節團の來朝を迎えまするにあたりまして、國民消掃うかどうをやる計畫があるかどうかというお話でございますが、正直に申し上げますると、じつはただいままで、そういう清掃運動というふうな趣旨のまとまつた運動をする計畫は、いたしておらないのでございまするが、先ほども御説明申しました通り、今度の來朝にあたつて、國民として代表團を迎えるべき心構え、その他いろいろな措置につきましては、新聞ラジオ等とも連絡をいたしまして、遺憾のないようにいたしたい。かように考えておりまするので、清掃の方面につきましても、厚生省その他とも十分御協議をいたしまして、でき得る限り御趣旨に副うようにいたしたいと思います。
 それから民間團體等における歡迎の計畫があるかどうかということでございまするが、この歡迎の計畫につきましても、いろいろ民間等において御計畫があるようにも承つておりまするが、まだ正式にこういうことをしたいという御計畫を申し入れになつた方面は、あまりないのでございます。しかし帶在期間がたいへん短い關係もございまするので、あまり歡迎攻めにするというようなことでも、適當ではないと考えまするし、さらにまた食糧問題その他各種の、國内的に見ますると非常に困難な問題も横たわつておる時節でありますので、これが歡迎方法につきましては、民間のものも、あるいは公式のものも併せまして應接委員會に全部付議いたしまして、そのやり方をきめてまいりたい、かように考えます。
#35
○田口委員 私の歡迎方法というのは、民間團體などの、いわゆる民間というようなものを考えているのではなくて、國民大衆が、たとえば、アーチをつくるとか、あるいは小國民がこれを迎えるとか、あるいは各民間團體が花を贈るとかいうふうな、いろいろ精神的・文化的な方面からの歡迎運動を、國民的な大運動として何か考えられてはどうかということであります。それからいろいろ新聞、ラジオ等で宣傳しておるというのですが、まだ具體的にやつていることを知らないのでありまして、もつと徹底的に、國民に、この使節團は重要使命をもつているものであるということを認識せしめる積極的な方法を講じていただきたい。そうするならば、必然的に國民も會つた場合における考え方、あるいは自分の所を通るような場合における清掃というようなものも、從つてできるとおもいますから、もつとこの重要性を國民に知らしむる積極的方法を講じていただい。その具體的方法として、清掃運動なども大いに考えられて、この機會をとらえて、まずわれわれはこの自分の住む祖國をきれいにするというような運動などを展開することも、一方法だと考えまして、御質問いたしたのであります。私の言う歡迎方法というのは決して實業界などの宴會というものを指しているのではないのでありまして、國民的大衆運動として、そういうことが取上げられるかどうかということをお伺いしたのであります。
#36
○新井政府委員 少し私のお答えが、まとをはずれておつたかもしれません。實はこの應接委員會のスタートが少し遲れまして、ようやく土曜日に第一囘を開いたような次第でありまして、その際に、ただいまお話の放送あるいは新聞等にいろいろな國民としてのこれを迎える態度、あるいは措置等につきましても御意見伺いまして、ただいま具體的に御相談を進めておる次第でございますので、お話の趣旨は、十分に取入れてやつてまいりたいと思います。
#37
○鈴木(里)委員 私が前囘の委員會におきまして五項目にわたつて質問をいたしましたところ、前の四項目については關係各省の方々から御答辯ヲ得たのであります。そうして最後の國際一大歡樂場建設についての答辯は、厚生省の方がならなかつたために、次囘に讓るというような委員長のお話でございました。そこでただいま竹尾君が私に代わつて答辯を促したのでありますが、竹尾君の質問そのものも、私の質問の内容と違つておりますので。これに對する厚生省の係官の方の御答辯も違つております。私の申しあぐるところは一大總合國際的歡樂場を設ける意思があるかどうか、設ける意思があるとするならば、どういつたような方法でやるか。すなわち人間の本能性と申しますか、こういうことを滿足せしめるために、單に一部分のことのみでなく、あるいは、殊に西洋を旅行してみますと、かけが非常に盛んで、アメリカ人あるいは、歐洲人も、料理の前に酒場に行きましてダイスをもてあそぶとか、またダンスは、人が言うまでもなく非常に好みますが、こういつた汚い言葉で申し上げれば、ばくちと酒と、そうして女と申しますか、そういつたような總合的な一大歡樂場を、土地を限つて許す意思があるかないか。かつて根津嘉一郎氏が、熱海の初島を開放して、國際的の一大歡樂場を建設する計畫を當局に申請いたしまたところが、軍國主義盛んなころでありまして、日本の體面上、かかる計畫を許すわけにはまいらないというようなことで、そのまま立消えになつたのでありますが、今日の觀光事業を盛んならしむる一方法といたしまして、先ほど加賀山君からも御答辯がありましたが、必ずしも旅行者の數でなくて、一週間滯在のところを二週間あるいは三週間にするというような面から申しましても、人間の本能性を滿足させるもの、たとえば、畫はとにかくとして、夜をエンジョイせしめるという意味からさような一大歡樂場を特殊な地區を限つて設ける意思はないか。あるとすればどういう方法でやるか。こういつたようなことをお尋ねしたので、全然先ほどの問題とは見當が違つておるのでありますから、どうかひとつこれに對する御答辯をお願いいたします。
#38
○福田委員長 鈴木君にちよつと申し上げまするが、前囘のあなたのその質問に對して、實は一松厚生大臣が出席されてお答えすることになつておつたのです。本日の十時に委員會が始まることも、委員長の方から傳達したのですが、ちようど十時から閣議が始まりますれば、ただちにここへ出席して答辯することになつております。今も厚生大臣を見にいつたのですが、まだ閣議をやつておるようであります。もうしばらく保留さしてもらいたいと思います。事柄が事柄ですから、これは大臣から答辯してもらう方がいいだろうと思います。
#39
○竹尾委員 今、鈴木委員は、私のお尋ねと全然違う。こういうことでございましたが、私は前囘鈴木君のるる述べられたものを、最も簡明なる端的な表現として申し上げたので、最も總合的な表現だと、自分自身は信じております。でありまするので、鈴木委員の質問と質問の趣旨は全然違わない。こういうわけですから誤解のないようにお願いいたします。それから今の厚生大臣の方の御答辯は、一松國務大臣が來られないから、責任のない答辯だと私は思いますが、そういうようにきわめて簡單に放任されておつては困ると思いますので、いずれ一松大臣がおいでになることでしようから、一つ責任にある御答辯をお願いしたいと思います。非常に深刻な、人間の本能に由來する問題です。
#40
○福田委員長 至極ごもつともです。さように取計らうことにいたします。
#41
○榊原(千)君 私はこれを委員長に申し上げます。先ほど田口さんが、文化省の問題につきまして内閣に質問をなされた。それを委員長がお取次ぎなさる。そのことにつきましては、反對するものはございませんけれども、文化省の問題というのはこの委員會で研究すべき問題ではないかと思うのでございます。ただいま文部省というものがございますけれども、あれは文化の限られた一面でございまして、文化一般の問題をどの省が扱うかということになると、文部省を改廢いたしまして、文化省というものをこしらえなくてはならなくなる趨勢にあるのではないかと思います。元來、日本の重大な教育を受けた人達に牛耳られている文部省というものによつてなされているということにつきましては、私どもは不滿をもちますので、これは將來文化人によつてかえられなくてはならない問題でございます。このことにつきましては、むしろこの文化委員會などで、一生懸命に研究しなければならないことだと思います。
 それと同時に、もう一つ委員長竝びに委員の皆様にお諮りいたしたいことは、せつかく觀光事業につきまして總合した機關を設置することにつきまして、この委員會などに努力してもらいたいという政府からの御發言もありましたまた委員の皆様からも、この觀光事業というものが重大であればあるほど、統一した機関がなくてはならないということを申されましたが、これは早急にこの委員會で取上げていただくことはできませんでございましようか。いろいろな問題がごまいますが、ただそれを行き當りばつたりに、民間にそういう希望者があるから、觀光事業の會社を興すことを許していくとかいうことでなく、五箇年なり十箇年なりのはつきりした見透しと、そしてどくらいのスケールのもとにこの事業を運ぶかというような計畫を立てて、その計畫に基づいて今年は何をなすべきかというようなことが出てきますと、どのくらい、ホテルをつくり、どのくらい鐵道を完成さすということが、具體的に出てまいりましようからそれをもつて、あるいは運輸委員會なりにこちらからその計畫についての、了解を求め、あるいは申込みをし、あるいは大藏省の金融などの委員會などにも申し込むことができるじやないかと思います。そうして觀光事業と關連いたしまして、郵便切手などというものは、世界的な趣味の對象になるものでございますから、そのような圖案、日本の文化を紹介するに足るだけの立派な郵便切手などを發行することなどを遞信の方の委員會に了解を求めて發行するとか、あるいは政府の事業としてりつぱな版畫をつくつて、まあ元價が十圓くらでできますものなら、これを三十圓とか五十圓とか高く賣つてもいいと思いますから、そういうようなことも了解を得て、著々とこの事業を進めていきますためには、どうしてもそういう統一した機關が要ると思いますから、この設置に向つて、ぜひお願いしたいと思います。
#42
○福田委員長 榊原君にちよつとお答えいたします。至極ごもつともでございますが、第一番の文化省に對する問題といたしましては、多口君の御質問、御希望として内閣側に折衝をしていただきたいというお話でございましたから、さように取計つたのでございますが、今あなたの御意見もごもつともで、過日來、委員會の都度、あるいはその打合せの都度もうしあげますごとくに、何さまこの通り廣範圍でございますから、一應關係各廳から意見を承りまた委員諸君からいろいろの角度から御質問申し上げておるうちに、そのうちに文化部門ならば文化省をおく、あるいは観光省をどうするといつたような問題に到來しまして、そこで委員會として自主的に小委員會をつくるといつたことで、具體的の段階に達するものではなかろうかと、かように存じておりますので、ただいまの御希望そのまま尊重いたしまして、いずれまた理事会でよく協議もし、なお本委員會の終わつた後に、懇談會でもさような點のお互い委員會の御意見の交換もいたしたい、かように思いますから、どうどそのおつもりでお願いいたしておきます。
 本日は時間の都合で、これで散會いたします。
   午後零時三十五分散會
ソース: 国立国会図書館
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