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1962/07/05 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 大蔵委員会 第43号
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1962/07/05 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 大蔵委員会 第43号

#1
第043回国会 大蔵委員会 第43号
昭和三十八年七月五日(金曜日)
    午後零時三十八分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 毛利 松平君
   理事 足立 篤郎君 理事 鴨田 宗一君
   理事 吉田 重延君 理事 有馬 輝武君
   理事 平岡忠次郎君 理事 堀  昌雄君
      安藤  覺君    天野 公義君
      大久保武雄君    岡田 修一君
      川村善八郎君    田澤 吉郎君
      田中 榮一君    藤井 勝志君
      藤枝 泉介君    坊  秀男君
      広瀬 秀吉君    藤原豊次郎君
      武藤 山治君
 出席政府委員
        大蔵事務官
        (大臣官房日本
        専売公社監理
        官)      遠藤  胖君
 委員外の出席者
        農 林 技 官
        (園芸局特産課
        長)      河原卯太郎君
        日本専売公社
        総    裁  阪田 泰二君
        日本専売公社
        生産部長    黒田  実君
        専 門 員   抜井 光三君
    ―――――――――――――
七月五日
 委員安藤覺君、藤井勝志君及び広瀬秀吉君辞任
 につき、その補欠として田中龍夫君、大野伴睦
 君及び山口シヅエ君が議長の指名で委員に選任
 された。
同日
 委員大野伴睦君、田中龍夫君及び山口シヅエ君
 辞任につき、その補欠として藤井勝志君、安藤
 覺君及び広瀬秀吉君が議長の指名で委員に選任
 された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 閉会中審査に関する件
 専売事業に関する件
     ――――◇―――――
#2
○毛利委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長所用のため、指名により私が委員長の職務を行ないます。
 専売事業に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告があります。これを許します。広瀬秀吉君。
#3
○広瀬(秀)委員 まず最初に、たばこの災害の問題に入る前に、収納価格の問題についてお伺いをいたしたいと思います。
 昨年の十二月十三日でございましたか、葉たばこ収納価格について答申があったわけでありますが、その際におきまして、その後の物価の情勢、経済変動等によって生産要素といいますか、生産費等について五%程度の値上がりがある場合には価格の改定をすべきことが同時に答申されておるはずでありますが、昨年の場合におきましても、一昨年の十二月の答申にこたえて、九月のたばこ耕作審議会に、その実情を認めて三十七年度の収納価格の再引き上げを実施されたわけでありますが、今年はむしろ昨年以上に諸物価の値上がりの状況というようなものがあるわけでありまして、昨年も私やはり質問をいたしましたが、当時二・六五%ぐらいしか農業パリティ指数は上がっておりませんでしたが、労賃の値上がり分等が相当の急テンポで上がってまりまして、公社におきましても九月の審議会に再引き上げの問題を諮問をされました。いま私どもいろいろ数字が乏しいのでありますが、われわれが乏しい中で調べたところによりましても、農業経営のパリティ指数が三十七年の七月から九月平均一四五・七六であります。これに対して三十八年の四月の一番新しい数字でありますが、農業経営パリティ指数が一五〇・四五になっておるわけでありまして、これは当時昨年論議の際申し上げた二・六五をさらに上回って約四%程度になっておるわけでありますが、その後また賃金の上昇率というようなものも、やはり昨年と同様な傾向にあることがうかがわれるわけでありますし、また物価は大体一年間にここ三年ばかり連続して六%ないし七%の年率の値上げというような状況になっております。この傾向は今日もやんでおりません。むしろ物価は急上昇の状況にあって、政府においても物価値下げの問題について非常な努力を払いつつあるところであります。そういうようなことを総合的に考えますと、九月におけるたばこ耕作審議会に、公社としても、前回の答申において言われております五%以上の隔たりがあった場合には再引き上げをやるべきだ、こういう答申を受けているたてまえから、当然私は九月に再引き上げの諮問を審議会に対してやるべきだ、一応乏しい資料ではありますけれども、私どもが把握し得た資料に基づいてそう考えるわけでございますが、公社当局としてはどういうお考えであるか、総裁にこの点についてまずお伺いをいたしたいと思います。
#4
○阪田説明員 収納価格につきましては、お尋ねのとおり従来から収納価格の決定の際、耕作審議会から、その価格算定に用いられました要素でありまする物価、賃金等に変動がありまして価格が五%以上動く、こういうような場合にはあらためて収納期の直前に改定するといったような要望が出ておりまして、またいままで数年間その御要望のございましたとおり実施してまいっておるわけであります。三十八年度の収納価格につきましても、昨年きまりましたときに同様のことになっておりまして、ことしも例年どおり九月収納期直前に、反別の問題その他もございまして耕作審議会を開くことになると思いますが、そのころの時期におきまして、収納価格の検討をいたしまして、必要があればそういうような耕作審議会の御趣旨に従って措置をとるつもりでおります。ただ現状におきましては、まだその時期までに相当期間もございますので、大体その最近の時期までにわかる数字をデータとして再計算をしてみる、こういうことになっておりますので、現在としてはまだ検討いたしておりません。耕作審議会で決議をされましたときの要望の御趣旨に従って実施するつもりではおりますが、それに従いますればどういうことになるかという検討は、現在のところいたしておらないわけでございます。
#5
○広瀬(秀)委員 審議会の答申のような事態、そういう価格面における変動というようなものが数字的に五%を上回るという事態があればやられる、こういうように確認をしていただいたものと思いますが、その具体的な検討の段階というものはもうちょっと先になるのだというお答えであります。
 この点でもう一つ伺いますが、私どもが調べたところによりますと、これは生産部長でもけっこうでありますが、農業日雇い賃金が三十七年七月から九月の平均は五百三十三円六十七銭という農林省の統計が出ているわけです。三十八年の三月現在で調べてまいりますと、これは三月でありますから特に農繁期ではございませんが、それでもなおかつ五百七十五円、これもやはり農林省の統計によってこういうことになっておるわけであります。これは昨年の七月から九月の平均に比較いたしまして三十八年の三月現在で八%のアップ、こういう数字も出ておるわけでありますが、この数字は生産部長お認めになりますか。
#6
○黒田説明員 最近の農業労賃、物価の上昇等の数字につきましては、私ども統計は一応毎月見ているわけでございますが、先ほど総裁の御答弁のように、まだ具体的に検討する時期になっておりませんものですから、一応数字の整備したものをまだここへ持ってきておりません。
#7
○広瀬(秀)委員 総裁、大体この九月に耕作審議会が開かれる、その諮問をするかどうかはまだ具体的な検討に入る時期ではないということなんですが、いつごろからこの問題について本格的な検討をされるおつもりでございますか、その点をお伺いいたします。
#8
○阪田説明員 このことにつきましては、先ほども申し上げましたように、収納直前の時期になるべく近い時期までわかる数字を使ってやりたいと考えておりますので、これは大体御承知のように採取期もきまっておるわけでありますから、九月に審議会を開くといたしましても、その直前くらいに簡単に事務的にはやれる仕事でございます。そういう意味で先ほどもお答え申し上、げたわけでございます。
#9
○広瀬(秀)委員 いずれにしましても、今日なお葉たばこの収納価格につきましては農民諸君は満足をいたしておりません。特にことしのように災害が多発いたしますと、非常にたばこ生産そのものについてその災害補償が十分でないようなこともつけ加わりまして、たばこ耕作に絶望するというような農家が出てくるような面もあるわけでございまして、私どもが要求いたしております生産費及び所得補償方式をとるべきだ、こういうような段階が実現されない限り、非常に農業労賃も安い、また適当な換金作物も得られないというような土地条件にあるところをたばこのこれからの生産地として開拓しようということで、ある程度の増反ということがはかられるかもしれないけれども、長い伝統を持っているようなところではどんどん減っている。こういうような実情はやはり望ましい姿ではないと思っておるわけでありまして、この九月の審議会に対しましても、低め低めに全部統計の数字をとってやるというようなことなしに、やはり大きな立場で、審議会の答申の線に従って、再引き上げの方向というものをぜひとっていただきたいと思うわけであります。この点をひとつ要望をいたしておきます。
 さらに、三十六年の十二月に、しかるべき機関において生産費及び所得補償方式について検討をすべきであるという建議がございまして、その後、昨年の九月でありますか、やはりその問題についてさらに公社としても前進するように再建議がなされておるわけでありますが、この点について一体どのようにその後進められておるのか。二回そういうものが出されて、これについて前の答弁より全然前進がないということはなかろうと私は思うのでありますが、その間の事情について御説明をいただきたいと思います。
#10
○阪田説明員 その問題につきましては、御承知のようなたばこ耕作審議会の建議がございまして、農政全般に関係するしかるべき審議会で審議するように、こういうお話がございましたので、これは御承知の経過でありますが、農政審議会のほうに実はお願いしてあったわけであります。その後いろいろの経過によりまして、農政審議会のほうのお仕事もだいぶお忙しいようでありますし、また事柄の性質上も、農政審議会としてはなかなかすぐに審議し、結論を出していただくということにはまいらないような様子にうかがわれまして、非常におそくなって参りましたので、私どものほうでもこれにかわるべき措置を考える必要があるのじゃないかと考えまして、建議を出されましたたばこ耕作審議会の各委員の方々、その他関係方面の方々の御意向も伺いまして、所得補償方式その他葉たばこの価格の形成に関する基本的な問題をひとつこの際審議していただきたい、こういう意味で新たに特別の調査会をつくりまして、そこでこの問題を集中的に審議していただく、こういう体制をとることにいたしまして、先般その調査会ができまして発足したという状況でございます。これからいろいろその委員の方々に資料も差し上げ、内容につきましても御検討を願いまして、できるだけ早く結論をいただくようにお願いしてまいりたい、かように考えていま進んでおる段階でございます。
#11
○広瀬(秀)委員 まあ従前よりは一歩前進した形になったことを、たいへん私どもも喜ぶわけであります。そこで、いま専売公社当局として、また総裁御自身で、このたばこの問題について、果実を生産する米に対してたばこの場合には葉を生産するということが、今日米価に対してとられている生産費及び所得補償方式をとれない理由として盛んに述べられておったわけでありますが、そういう面について、これは米だってその果実においてもいろいろな格差もあるし、それからそれぞれの用途別によって多岐にわたっておるわけであります。そういうものと比べて、たばこは嗜好品なんだ、そしてその栽培技術等についても非常に格差があり過ぎるというようなことは、必ずしも絶対的な理由にはならない。やはりこれは相対的なものでしかないのだ。そういうような立場と、さらに専売公社といわば契約栽培で、しかもこれは専売品である。耕作者自身が自由に売ることもできない、こういうことからまいりましても、耕作者の地位を非常に押えた形にならざるを得ないわけであります。それは専売法の中では当然のことでありますけれども、そういうようにしておるだけに、やはり葉たばこについても生産費及び所得補償方式により特にその所得を補償する、こういう行き方というものが――米の次にはもうたばこなんだ、こういう考えを持つわけでありまして、それらの点について、調査会をつくられたということはたいへんけっこうなんでありますが、専売公社自身はそういう主張に対して一体どういうお考えを現在のところ持っておられるか、この点についてお伺いしたいと思います。
#12
○阪田説明員 葉たばこの価格の問題、これはもちろん重要な問題でありますし、また、ただいまお示しがありましたように、葉たばこというものはたいへん特殊な作物であり、嗜好品であるといったこと、あるいは専売制度のもとにおいて耕作が行なわれているという問題、あるいは耕作にかなり高度な技術を要するとか、一般農作物と非常に違った面がございます。米のほうはまた主食でありまして、全国普遍的につくられている作物であります。そういったような面からいきまして、一律に律することはできない。お示しがありましたように専売制度のもとにおける耕作でありますから、耕作者の立場、地位、そういうものを十分に考慮した価格でなければならぬと思います。しかし、それだからといって、米とまた同一視するというか、同じような価格形成方式でやるべきであるというふうにも考えられないわけであります。非常に重要な問題ではありますが、なかなかむずかしい問題でありまして、私どもとしても、これが最終的に葉たばこに適したりっぱな動かせない価格形成方式である、こういったようなものがすぐに立てられるというふうにも考えていないわけであります。ただ、現状といたしましては、どう考えるかというお尋ねがございましたが、御承知のように、数年来葉たばこの価格は生産費というものに重点を置いた算定方式をとることにいたしておりまして、内容的には毎年多少変わってきたところがありますが、考えといたしましては、生産費を補償するというところに重点を置いて、だんだんその一面に徹底した価格形成方式にする。品種別、等級別の価格になりますれば、その中には嗜好品といった意味を入れましていろいろと階段がついてくるわけでありますが、全体といたしますれば生産費を補償するという観点に立った価格形成方式になっておりますので、現状といたしましてはまずこういう方式が最善といいますか、最も適当な方式である、研究は引き続きやりたい。現にいま調査会等にも諮問申し上げているわけですが、現状といたしましてはいまの方法が最善であるといったような考えを私どもとしては持っているわけであります。
#13
○毛利委員長代理 関連質問の申し出がありますので、これを許します。武藤山治君。
#14
○武藤委員 総裁のいまの広瀬委員の質問に対するお答えの中で、収納価格についてこれから結論を出したい、こういう立場から新たに調査会をつくった、こういうお話でありますが、いつから調査会をおつくりになって、どういう規則でこれをやっていくか。それから、メンバーは大体どういうメンバーで構成をされるか。さらに、いつごろを大体めどに何年ぐらい存置してどういうことを結論として出そうとしているのか、この点を明らかにしてもらいたいのです。それにつけ加えて、いままでの耕作審議会から答申をされた付随書類の中に建議と要望書がございますが、この調査会は生産費調査についてその整備拡充をはかれ、こういう要望書の第二項目目を具体化するためのものなのか、それとも生産費及び所得補償方式に移行するための抜本的な調査研究をして結論を出すのか。やはり要望事項を実現するためにつくる調査会なのか、生産費及び所得補償方式と真剣に取り組んでいく調査会なのか、そこらは設立規則の中ではどのようにうたっておるのですか。
#15
○黒田説明員 葉たばこ調査会につきましてお答え申し上げます。
 先ほど総裁から御答弁ございましたように、建議の処理につきまして農政審議会のほうにお願いしていたわけでございますが、早急に結論が出ないのじゃないかというような見通しに立ちまして、もう一回この耕作審議会を開いたわけでございます。そこで従来の経過を御報告申し上げまして、こういうことになっておるので、今後いかがいたしましょうかということで、御意見を聞いたわけでございます。その際、耕作審議会の全員の一致しました御意見としまして、公社で別の調査機関をつくって、そこで建議の趣旨の生産費及び所得補償方式の可否の問題を含みまして、価格形成の基本的な問題を調査審議してもらったらいいのじゃないかというようなことになったわけでございます。その耕作審議会の委員の御意見に基づきまして、臨時葉たばこ調査会という名称で総裁の諮問機関を設置することにいたしまして、すでに第一回の会合を六月の十八日に開きまして、さらに七月の二日に第二回の会合をしたわけでございます。
 臨時葉たばこ調査会のメンバーでございますが、これは調査機関の性質上学識経験者の方七名で構成いたしておりまして、農政専門の大学教授の方々、それから貿易の専門家、あるいは新聞社の論説委員、それから……。
#16
○武藤委員 名前を発表してくれませんか。
#17
○黒田説明員 会長が東大教授の河野先生でございます。それから京都大学の桑原先生、農林水産技術会議議長の小倉先生、農林漁業金融公庫副総裁の大月先生、たばこ耕作組合中央会副会上長の駿河先生、東京新聞論説委員の福田先生、それから日本貿易協会の谷林先生、以上七名の方で構成いたしております。
 審議の期間、調査の期間としましては、一年間というふうに一応のめどをつけておりますが、ただ状況によりましてこの期間が伸びることはやむを得ないのじゃないか、いまのところ一応めどとしては一年間というふうに考えております。
 以上でございます。
#18
○武藤委員 せっかく農政審議会に持っていったものを、こういう調査会でやろうというのに、農林省関係の専門担当官をどうして入れないのですか。たとえば農林関係の他の農産物の生産費調査やあるいは労働力調査やそういうようなものを農林省もやっておるわけですね。そういうような農林省関係の、せっかく農業基本法に基づいた機関に諮問をしようとしたところが、戻ったような形のものに農林省関係の担当者はどうして入れないのですか。具体的にその理由をちょっとお尋ねいたします。
#19
○黒田説明員 委員の人選につきましては、一応学識経験者ということでございますが、内容としまして、ほんとうの農政学者の方、それから農林省の関係としましては、前の農林次官をおやりになりました小倉先生をお入れしているわけでございます。あと、葉たばこは御承知のように国際商品でございますので、貿易専門家、それからたばこ業界の精通者としまして、たばこ耕作組合中央会の副会長をお願いした、こういうようなことでございます。
#20
○広瀬(秀)委員 総裁は出身といいますか、そういう面からも金融関係というような面については非常に明るい方だと承知しておりますが、やはりたばこ耕作者の立場に立って考えるという面については、そういう御出身が御出身だけに、やはり現地で葉たばこの生産に従事している人たちの苦労というものがほんとうにわかってはいないのじゃないかという気持ちを抱くわけであります。いま葉たばこ耕作者の人たちも、一生懸命葉たばこに努力はいたしておりますけれどもとにかくたばこを生産しておったのでは、一日幾らやにだらけになり、どろだらけになって働いても、これはせいぜい五百十円ぐらいにしかならぬ。これはこの前の昭和三十八年度の、公社でいう生産費の中で労賃は一体どのくらいに見られているかという質問に対して、五百十円程度これは第三在来種の野州達磨に例をとるわけでありますが、大体その前後である。六百円にはおそらくまだなっていない。こういうようなことから、葉たばこ生産地帯で葉たばこについても相当いろいろ仕事がある時期においても、最近ではもう若い青年層などがどんどん都会の建築現場などに二十人、三十人と一部落の若い青年がみな出かせぎに出てくるというふうな実態にあるわけなんです。農民自身も、いままでは自分の手間賃ということについては、米以外についてはもうしようがないのだという気持ちでそれほど敏感でなかったのです。ところが、最近では、もうここまでくると、自分たちの手間賃がその程度なんじゃもうとても引き合わぬ、営農にも支障を来たすのだから、何ぼでも現金収入を得られる道を得ようということで、そういうように集団で東京まで出かせぎに出てくる。それで一カ月ぐらいかせいで帰る、こういうようなことが非常に多くなっているわけです。そういうような中において、現在の生産費方式といいますか、賃金分を適正に都会の労働者並みに、その規模は五人で押えようとあるいは三十人で押えようと、いまここでどちらにせよということは私は別に具体的には申し上げませんけれども、そういうように労働者並みの賃金がやはりたばこつくりにも保障されなければならぬ、こういう気持ちというものは非常に強くなっているわけです。そういうようなところから、私どもはどうしてもたばこを増反し、そうして財政専売であって――この間ある雑誌で総裁も女優さんの三田佳子さんと対談している記事を読みましたけれども、あの中でやはり総裁も言っておられるように、千六百三十九億という国家財政に対する寄与を国庫納付金という形でやっているわけです。さらに六百八十八億昭和三十七年度で地方財政に対する寄与をやっている。こういう大きな国あるいは地方財政に対する貢献をいたしている、その主たる原料を生産している人たちがあまりにも恵まれない。なるほど昨年あたりは天候に恵まれて収量もふえたというようなことで、野州達磨葉あたりでも平均して八万四千円という未曽有の声を聞いたわけでありますが、しかし、それにしても、労賃を考えてみると五百十円ぐらいにしかならぬのだ、こういうところにどうしても結論がいくわけであります。そういうことを考えますと、どうしてもこの生産費所得補償方式というものに踏み切っていただかなければ財政専売の実をあげるということはやはりむずかしい段階を迎えるのではないか。昨年あたりはとにかく長野県の山奥であるとか、あるいは北海道であるとかいうようなところに、新規耕作地帯を開拓することによって耕作面積の確保は予定を若干上回るというような実績をあげたというけれども、その人たちが後進地域の開発というようなことともにらみ合わせて賃金に対する感覚を取り戻した場合には、やはりそういうところだってやがて頭打ちになり、減産態勢に向かってくるという時期を迎えるだろう。やはりそういう国家財政に寄与する原料をつくっている人たちに対して適正な労賃というものを保障するという制度に根本的にいかなければ、財政専売の目的にも結局は沿わなくなるということも当然考えられることだ。それ以上に私たちはいま、ほんとうにたばこ耕作で苦労をしている人たちの立場に立って、そういう方向というものをすみやかにひとつ出していただきたい、こういう気持ちを強く持っているわけです。それらの点について将来このままの姿で葉たばこ耕作面積というものは計画どおり確保されていくものであるかどうか、こういう点についての確固たる見通しというものをお持ちなのかどうか、薄氷を踏むような形でのものじゃなしに、ほんとうにしっかりとした基礎の上に葉たばこ耕作農民が喜んで増反をしていけるような安定した増産態勢というものがいまのような状況で確保されるのか、この点についての所信を伺っておきたいと思います。
#21
○阪田説明員 農村におきます労働事情、労務の不足でありますとか、あるいは農村の人が都市に転出する、こういった事態、基本的に非常に問題がありまして、たばこ耕作につきましてもむずかしい点になっております。これはとにかくお示しのとおりでございますが、それにつきましては、たばこ耕作関係、これもお示しのように再来製造たばこの消費の増加に応じまして原料の葉たばこも増産してまいらなければならないわけであります。私どもとしても十分にお示しのような状態は考慮して、価格政策あるいは価格形成方針という面においてもこれを考えてやっていかなければならないということは当然であります。ただ、現状といたしましては、先ほども申し上げましたように、たばこの現在のような価格のきめ方になりますと、農村、その産地における農業労賃の水準というものが確保される形になるわけであります。生産費を補償するという方式でいっておりますが、そういう形でやり得るのではないか。現実の問題といたしまして、農業労賃が先ほどお話がありましたようにだんだん上がってまいっておりますが、そういう実態に即応するような労賃を補償する、こういうことによって耕作が維持できていくのではないか、一般的にはさように考えておるわけでございます。ただ、ちょっとお触れになりましたように、たばこ耕作につきましては、たばこ作物そのものの性質による適地ということがございますが、同時に最近非常に急速に工業化してきた、こういったような都市の周辺の場所その他における耕作地帯が、これは労賃いかんという問題を通り越しまして、たばこ耕作というものが成り立たないといったような状況になってきておる地帯もあります。そういうようなことで、こういう多くの土地につきましては、どうも価格政策では解決できないのではないか、結局現状においてたばこ耕作に適した土地を求めて耕作地の増加をはかっていくよりほかはないのではないか、そういうふうに現状としては考えておるわけでございます。
#22
○広瀬(秀)委員 あとまた災害の問題があるものですから、ただいまの総裁の答弁だけでは私ども非常に不満な点がたくさんあるわけでありますが、これはまた後日に譲りまして、ひとつこの際農林省からも特産課長がお見えになっておるようでありますから、構造改善事業におけるたばこの地位という問題について一つだけ聞いておきたいと思うのです。
 栃木県の南那須村というのは栃木県でもたばこの有数の村になっておるわけでありますが、ここでやはり構造改善事業の一般地区に指定され、その計画を私は見たのでありますが、この中ではA地区、B地区、C地区と分かれまして、基幹作物の中にたばこを取り入れられまして、その結果は計画書によりますと、葉たばこは約二割程度減反する。ただ、経営規模を拡大するという計画になっておりますので、経営規模の拡大と集約的な方向というものを目ざしていくために、あるいは共同施設というようなことのために、収量は二割ほどは減少しないという数字はあがっておるわけであります。しかしながら、絶対的な収量においても、これは反別が計画で減らされたほどは減らないにしても、相当減っておるわけであります。こういうように増反計画の一環として、やはり特認事項として何者の間に協定も結ばれて、農林省と専売公社の間にそういう特認事項があるわけであります。そしてその中で、具体的にはたばこが基幹作物として指定されながら減っておる。こういう問題についてこれは非常におかしいじゃないか、大体この減った理由というのは、平坦地でたばこ耕作に非常に適地ではあるけれども、同時にまたそれは畑地かんがいをやって二毛作ができるし、より有利な米作あるいは酪農等を主体にするんだというようなところから、たばこがそういう平坦地の耕作条件のいいところから傾斜地のほうに追い上げられるという形でいっておるわけです。そういう状態があるわけです。こういう問題について一体専売公社は出先において県当局あるいは実施市町村などと、この構造改善事業の中でたばこをもっと重視して増産の方向というものを貫徹していくのか。現実にはそういう矛盾を露呈しておるが、こういうような問題についてどのようにお考えなのか、伺っておきたいと思うわけであります。これは農林省のほうからもたばこに対する考え方を同時に聞きたいと思うのです。
#23
○黒田説明員 実は現在全国で十数カ所、たばこが基幹作物に入りまして、構造改善事業の実施地区に指定されております。私どもまだ実は個々の内容につきまして報告を受けていないものも相当ございますので、具体的に内容がどうかということにつきましては、ただいま栃木県の例でお話がございましたが、詳細に承知しておりません。ただ考え方としましては、やはり構造改善事業の目的というものがあるわけでございますから、私ども第一線の公社の出先としましては、実施地区の実施される耕作者の方々の意思を尊重しまして、十分の助言をなし、また市町村なり県当局なり、これに十分御協力申し上げて、実効あがるようにということで指示しておるわけでございまして、現地もそういうことでやっておるのではないかと考えております。ただ、ただいま例におあげになりましたたばこが減っていくということにつきましては、実はその計画を聞いていないのでありますが、私どもとしましては、やはりたばこも適地でございましたならばそこでどんどん増反していって、しかも経営の近代化を同時になし遂げてもらう、そういう方向でものを考えたいと思っておりますので、その点方針としましては決して構造改善事業によってこのたばこを減反させていくんだ、そういうことを考えているわけではないわけでございます。現地現地のいろいろな事情によりましていろいろなことが起こると思うのでございます。ただいまの話は実は具体的に聞いておりませんので、ちょっと調べさせていただきたいと思っております。
#24
○河原説明員 先ほど御指摘ございましたように、最近農業の労力事情というものが非常に窮屈になってまいりまして、特にたばこをはじめとして特有作物というものはいずれもかなり労力のかかる作物でございます。そういったようなことで、構造改善事業のねらいがやはり労働の生産性を向上するといったような観点からいろいろな施策が考えられております関係上、ほかの作物でもそういう例があるのでございますけれども、面積を適地に集約いたしまして、そして生産性をあげていく、反当収量をあげていく、そういったようなことでおそらくいまの問題が出ておるのではないかというふうにわれわれは理解しておるわけでございます。私も実は構造改善事業の中のたばこにつきましては直接の所管でもございませんものですから、実はどの程度の計画になっておりますかよく承知いたしておりませんけれども、ほかの特用作物につきましてもそういうような計画で、大体基幹作物に選ばれた特用作物につきましてはそういう形でできておるのが多いという例から見まして、やはり労働の生産性を上げていくということに、構造改善事業の方向づけを各市町村ともやっておいでになるというふうに理解しておるわけであります。
#25
○広瀬(秀)委員 いま黒田生産部長が現地の事情をよく知らぬということですが、私はこの計画書を見まして、大蔵委員をやっていますからたばこがすぐ目につくのです。しかも南那須村はたばこの伝統的主産地になっているから、たばこのところをすぐ見た。そうしたら、いま具体的な数字は忘れたのですが、相当の面積が減っている。収量のところを見たら、収量のところはそれほどの減り方ではないが、減っている。それを大塚地方局長に私はすぐにいって、こういう状態になっているぞ、あなた方は一体あの特認事項に基づいてどういう手を打って、それで現実にいま推進している増反計画というものと、それから特産課長が言われた農業の生産性を高めるということとどうマッチさせていくのか。一方において増反計画を出しながら、農業改善事業でわざわざ特認事項に入れてもらっているのに、面積がどんどん減って、収量も減ってくるというのは矛盾じゃないか。その問題についてはおそらく本社も大したことはしていないはずだから、そういう矛盾のないように、すみやかに本社にも言うべきだということを、私は実際に局長に会って話したのです。これは矛盾じゃないか。われわれ増反計画に協力しようと思っていろいろやっておっても、具体的にいま農村の構造改善というものがどんどん進んでいる、そういう中でせっかく特認事項に入れてもらっても減らされていく、こういうのは矛盾じゃないか、おかしいじゃないか、一体どういう取り組み方をするのか、こういうことについて注意を喚起して本社にも連絡すべきだ、この問題はそういうことを言っておいたのです。それにもかかわらずこれが十分知らないというのはやはり不勉強だと思うのです。こういう構造改善というものと増反という問題も、なるほど共同育苗施設をつくるというような点では、これは確かにいいことだし、現に始まっておりますからけっこうなんですけれども、そういうような矛盾というようなものに対してはもっと現地を督励して、計画の段階においてどんどん専売公社の意向というようなものを伝えたり、もっと積極的な発言なり打ち合わせというようなものが、適時適切にやられていかなければいかぬと思うのです。だんだん傾斜地の山の手のほうだけになってしまう。そうすれば省力栽培もへったくれもなくなってしまうのです。機械も何も入りはせぬのです。そういうところにだけたばこが追い上げられるというような事態が出てくるわけです。そういう点についてはさらにもっと勉強されて、農林省にも要求すべきものはせっかく特認事項になったわけですから要求して、やはり公社の立場というものもはっきりした角度に立って、立場に立って、この面を具体的に前進さしていかなければならぬだろう、こういうように思うのです。その点については答えは要りません。
 次に、葉たばこの災害補償の問題について質問を申し上げたいと思うのでありますが、全国的にことしは異常気象状況、長雨という問題が全国をおそいました。そしてまた特に栃木県におきましては、たばこの主産地を六月の二十九、三十日と両日にわたりまして、南河内、さらに下都賀郡が二十九日、三十日には矢板あるいは烏山、小川町というような、たばこの生産地がずっとやちれておるわけであります。この被害は非常に激甚である。範囲は、降ひょうの害でありますから、したがっていつものように全面的というわけでありませんが、その降ひょうの被害のところは非常に激甚な被害で、先ほども総裁に、地方紙に出ましたたばこがめちゃくちゃにやられている写真をお見せしたわけでありますが、非常に激甚な災害を受けている。しかも時期が、ことしは例年より若干おくれているというようなことから、樹勢の立ち直りということもないわけです。昨年はとにかく小さいときにやられたものですから樹勢の立ち直りもあったわけですが、もうこの段階にきますと樹勢の立ち直りはほとんど期し得られない。しんどめ直前であり、黄色種は取り入れの直前で、そういうところから非常に被害が大きくなっているわけです。その問題についてお伺いしたいわけですが、まず最初に専売法二十四条で災害補償の原則が定められているわけであります。これこれの災害によって損害を受けたときは、公社はその耕作者に損害の二分の一に相当する金額の範囲内で、大蔵省令で定める額の補償金を交付することができる、こういうことになっているわけです。原則としては被害額の二分の一、それを大蔵省令において定めるところによって、これが全損の場合、収穫皆無の場合、すなわち廃作というような状況の場合においてもこれを四〇%とされている。五〇%もらえるはずなのになぜ四〇%というようにしているのか。この辺の見解を示してもらいたい。法律の原則は被害額の二分の一である。したがって五〇%は少なくとも補償されていいわけです。ところが現実に省令に基づく取り扱いにおいては四〇%になってしまう。二割は天引きしてしまって、あとの八割に対する二分の一の補償しかしていない。これは一体どういうわけか。法律違反ではないかという点からまず伺いたい。
  〔毛利委員長代理退席、鴨田委員
  長代理着席〕
#26
○阪田説明員 専売関係の葉たばこの補償につきましては、お示しのような規定になっておるわけでありますが、これは二分の一の範囲内で補償する、これに基づいてきめておるわけでありまして、その意味におきまして別に法律違反の問題はないと思います。ただどういうわけでこういうふうにきめたかという問題につきましては、大体平年作の計画の八割というものを基準にして、それに対する四〇%というものを補償しているわけでありますが、これは一般の農作物の災害補償等、いろいろな場合との権衡等を考えまして、この程度の率の補償が適当と考えて当時きめたものと理解しております。
#27
○広瀬(秀)委員 いろいろ説明されるけれども、災害の場合二分の一に相当する金額の範囲内でというのだから、なるほどこれを八割というふうに押えてその二分の一の範囲内ということに重点を置けば、それは必ずしも法律違反でないということだと思うのですけれども、原則としてはやはり損害の二分の一ということが重要な意味を持つのではないかと思うのです。八割に押える、二割を最初に切ってしまう。それはもちろん収穫が完全に終わってしまえば災害はないわけですが――いや、ないとも言えません、この場合もあり得るわけです。収穫しておって、そして不可抗力によって、台風等で家が倒れてめちゃくちゃにたばこをなくするということもあるし、あるいは収穫後乾燥も合部終わってその後において火災にあうというような場合もあるわけです。あるいはまたしんどめ直前にやられる、あるいは収穫直前にやられる、あるいは立ち上がりの、植えつけて間もなく全部ひょうにくだかれて腐ってしまって、苗も全然ない、こういうような状態の場合もある。そうすると全損の場合にどこで切るか、全損の場合は八割の二分の一ということになっているわけですから、そういう場合に矛盾があるでしょう。収穫を全部終わった場合には、これはもう何も二割切る手はないわけです。ところがやはりそういう場合でも二割切って二分の一しか出さない。ところがしんどめ直前あたり全部やられて、その後は手間はなるほど省けるのです。そういうものを考慮して、そうして二割という線を一律に引いたのかもしれない。ところがもっと小さい時期にやれば、もっと頭から切る分を多くするという理屈も成り立つわけです。そういうようなことで、これは一貫した理論というものは何にもないはずなんです。特にもうすでにほとんど手間の大部分をつぎ込んでしまって火災で焼かれた。しかもそれは不可抗力であって当然補償するのだという場合も全損だ。全損でやはり四〇%しか補償しない、これは理屈としては三具しない。そういう面について非常に不備を当局としても感じられるのじゃないかと思いますが、その点いかがですか。
#28
○阪田説明員 ただいまの問題、八割の二分の一というやり方、私、法律違反とかというような問題ではないと思いますが、ただ補償を受ける立場から申せばいろいろ御意見あるいはもっと割合を高めてほしいというような御要望のあることは理解できるわけでありますが、またお互いただいまお話ございましたように、災害の時期、態様によりまして、いろいろ損失の内容にも一律に論ぜられない問題が出てくると思います。さらに基本額につきましても、いま八割ということで押えているわけでありますが、できなかったたばこにつきまして平年作というものをかりに評価するわけでありますから、この辺もかなり問題のある点だと思いまして、ことにたばこのような非常に品質によりまして価格が違う。また栽培技術によりまして、収納量も違うというものにつきまして平年作をどういう状態でどういうふうに想定するのか、機械的にやっておるわけでありますが、その辺にも非常に問題があるわけでありまして、いろいろそういったあらゆる要素を考えまして、一番妥当なように個別的な要素も取り入れて補償額をきめるということは、確かに理論的にはけっこうなことだと思いますが、現状におきましてはなかなかそこまで具体的には工夫がつきかねる。おっしゃいましたようないろいろな事情も含めまして、全体としてこういったような率、算定方法でまずまず妥当ではないかということで、現状はきまっておるわけだと思います。お示しの点は理論としてはまことにいろいろそういったような各種の場合があり狩ることは確かに考えられると思いますが、実際問題としてそういうものを制度として実行可能なような算定方式をつくることはかなりむずかしいのじゃないかと考えておるようなわけでございます。
#29
○広瀬(秀)委員 技術的にこれはなかなか問題であることは認めますけれども、やはり非常に災害補償の問題も古い時代からほとんど改正もされていないものになっておるわけでありますから、この問題についてはやはり災害補償全体の問題をひとつ検討していただかなければならない時期にもうきている、こういうように思うわけであります。
 そこで、いま現に発生しております災害の状況、これは全国的にはまだ集計ができておりません。これは耕作組合の中央会にも照会いたしましたが、大体被害面積程度のものは調査ができておるようでありますが、全体の問題としてはまだ被害金額というような点では集計がまだなされておらないようでありますが、大体どの程度に今回の長雨による被害、さらに降ひょう等による被告、こういうようなものをひっくるめまして被告面積あるいは被害全額、これにつきまして専売公社で現在わかっておる範囲においてどれくらいの被害状況かということについて、お答えいただきたいと思います。
#30
○黒田説明員 実は降ひょうによります被害で全損したというようなものは、非常にはっきり数字が出てまいるわけでありますけれども、西日本のほうの長雨による被害でございまするが、これは御承知のように九州北部におきましても収穫が完了しますのが七月の中、下旬になりまするし、中、四国におきましては八月の上旬までかかるわけであります。しかも最終の天候状況いかんというものが最後の収量、品質に非常に大きな影響を及ぼしますので、現在の時点におきまして、いわゆる被害の数量が幾ら、金額が幾らということは非常にむずかしいというふうに考えております。
 概況だけ申し上げてみますと、四月下旬から六月上旬までの長雨によりまして特に悪影響を受けましたのが、九州の北部から近畿に至る地帯でございまして、特にそのうちでも作の早い黄色種、これがかなりの悪影響を受けたわけであります。その他の南九州あるいは中部以東の地区におきましては、黄色種もほぼ順調な成育をとげておりまするし、在来種のある種類につきましては、耕作地区が関東以北が主でございますので、これも別に長雨の影響は受けておりません。したがいまして、中、四国、北九州を中心にした部分が非常に悪影響を受けたということになるわけでございまするが、悪影響の一般的な状況を要約いたしますと、全般的に当然のことでございまするが、日照時間が非常に不足した、そのために葉肉のつき方が不十分で収量と品質が悪い。
 それから第二の共通点といたしまして、これは長雨のために土壌水分が過剰になりまして、そのために根が障害を受けた、そのために、成育がとまって下から枯れ上がりができたということで、これまた非常に収量に大きな悪影響を受けた地区があるわけですが、この根の障害を受けた地区は、やはり非常に場所的に違うわけでございまして、非常に低い水田地帯に植えたもの、あるいは地下水の高い地帯に植えたもの、こういうものが排水不良によりますところの根の障害を非常にひどく起こしたわけであります。その他土地の条件のいいところは必ずしもそうひどい根の障害を受けておらない。こういう点は非常に地区によって違うわけであります。
 第三の共通点としましては、やはり長雨の影響によりまして、全般的に作業もおくれまするし、作柄もおくれた、こういうことがやはり収量、品質に悪影響を受けておる、こういうような状況でございます。それで一番ひどかったというふうに見られまするのが、主として四国、それから中国の岡山県の山間地帯、それから山陰にまいりまして米子の地帯、島根県の浜田の地帯、この辺が特に地帯としましてはひどかったというふうに報告を受けております。
 以上が全体の概況でございまするが、六月の中旬、一番長雨の悪影響が強く出た時分でございまするが、その時分に各地方局でそれぞれ調査させまして、どの程度の被害があるかというような報告をとりましたのでございますが、これは地区別には先ほど申しましたように非常にまちまちなことになっておりまして、非常に被害の大きいところ、それから大きな被害のないところとあるわけですが、平均しまして過去五年の平均を平年作としますと、それに対しまして一割前後の収量であるということが六月中旬現在で見られたわけでございます。もちろんこれは先ほど申しました西日本の北九州から中、四国の区域のことでございますが、しかしその後御承知のように割合に雨も少ない、比較的曇天、晴天の多い日が六月中旬以降続きましたために、大体九州北部それから四国、中国の瀬戸内海沿岸の地帯、この方面はかなりその後の、天候の影響で作柄がいいほうへ向かってきておるようでございます。ただ山陰の地帯のほうは、先ほど申しましたように根の障害を非常に受けた地帯が多いものでございますから、天候にかかわらずあまりよくなっていない、こういうような状況でございます。そういうことで全体としましての作柄は、まだ収穫完了するまでははっきりした、正確なものはつかめないというような状況でございます。ただ、いま全般のことを申しましたが、このうち特に集中豪雨とかそういうようなことで、特に集中的に冠水とかあるいは流されたとかこういうことで被害を受けました面積は、現在までのところ全体で六百ヘクタール程度でございます。これは集中的な災害を受けた場所でございます。これが大体西日本の長雨によりまするところの被害の状況でございます。
 なおひょう害につきましては、先ほどお話のございましたように、六月の下旬から七月の上旬にかけまして数回にわたりまして茨城県と栃木県に降ひょうがございまして、現在までのところ茨城県のほうが大体降ひょうの面積が四百二十ヘクタール程度でございます。栃木県のほうが大体二百ヘクタール、この程度の降ひょうを受けたわけでございまするが、そのうち特に作柄が七割以上の被害を受けたというものが大体百六十ヘクタール以上ある、こういう状況でございます。
 以上が大体災害の概況でございます。
#31
○広瀬(秀)委員 栃木県、茨城県はいま生産部長がおっしゃったように降ひょうによる集中被害を受けておるわけでありますが、私どもが入手した資料によりますと、栃木県で、三割未満の被害まで入れますと、二百三十ヘクタールばかりに上っております。収穫皆無、十割から七割、あるいは七割から五割というふうに区分してみましても、大体六十ヘクタールくらいになるわけでありますが、特に矢板地区あたりにおきましても百十七アール収穫皆無というような状況、あるいは真岡地区等で八十七アール、全体では収穫皆無というところだけでも二十町歩からに上っておるわけでございまして、非常に甚大な被害を受けておるわけであります。こういう被害に対して、いま公社としてどういうように対処をされるおつもりなのか、この点をひとつ概括的に、被害に対する対策という問題についてお答えをいただきたいと思います。
#32
○黒田説明員 先ほどもお話がございましたように、現在の降ひょうは非常におそい時期の降ひょうでございまして、特に黄色種におきましては現在この降ひょうで全損に近い被害を受けましたならば、ちょっと将来の立ち直りはむずかしい、おそらく立ち直りは不可能であろうというような状態でございます。達磨葉につきましては若干成育期がおそいわけでございますので、黄色種よりはもう少し処置があるのじゃなかろうか、こういうことでございます。公社といたしましてはひょう害対策、特に栃木県は毎年ひょうが降るわけでございますので、公社の職員も非常にひょう害の対策、技術対策ということはよく知っておるわけでございます。したがいまして、直ちに技術対策をとりまして多少ともプラスの方向に向かえるものにつきましては、そういう処置をとってもらう。それからすでに全損あるいは全損に近いもので、これ以上見込みがない、耕作者のほうもここで廃作したいというような方は、どんどん廃作していただく、こういうような現状でございます。処置といたしまして特別例年と変わったことを考えていないわけでございますが、私どもこのひょう害にかかられました方に対しましては、当然これは罹災補償の対象になるわけでございまして、罹災補償の適用が十分にできますように調査を十分にいたしております。
 それから廃作されました方に対しましては、なるべくすみやかに補償金をお支払いする。こういう措置をとっておるわけでございます。また耕作組合等がこの対策に備えまして、公社の指示を受けていろいろ救済策に努力されるということに対しましては公社といたしまして当然それに見合う手数料等は差し上げる、こういうような処置を現在とっておるわけでございます。
#33
○広瀬(秀)委員 毎年毎年そういう事例があるから、特段にことしどうこうということはないんだ、こういうことがいま述べられたわけでありますが、その点私どもは非常に遺憾に思うわけであります。ことしは栃木県におきましてもあるいは全国を通じて長雨あるいは集中豪雨、降ひょう、こういうような問題が重なってきておる。農家の経営というものは非常に災害から来る一種の危機にも瀕しておるというような状況があるわけであります。そういうような中で、毎年あることだから、こういうような考え方ではこれは非常に冷淡なやり方であるというように思わざるを得ないわけであります。普通葉たばこがやられて、あとたいした被害がなくて豊作だというときとはことしは違う。そういう中におきましては、これは農林省の総合的な災害諸施策と相まってたばこ耕作者に対してもいままでの例年並みということでなしに、例年を上回る何らかの特段の施策というものが当然必要だと思うのですが、そういう点についての配慮はほとんどなされていないというところに、たばこの問題が大蔵省所管になっておって、農林省の総合施策というようなものが講ぜられないというところにも、単に先ほどの災害補償の専売法二十四条以外の災害に対するいろいろな施策を講ずることによって、専売当局としても農業経営に対して再生産の意欲が出るように、また再生産が円滑にいくように、そういう配慮からの施策というものが何一つないということに対して、私どもは非常に不満を持つのでございますが、昨日も私ども党として総裁にもお会いいたしまして、具体的な要求をいろいろいたしておるわけであります。たとえば前渡金をすみやかに、しかもパーセンテージを上げるなりして、これを早期に支払えというようなことも申し入れをいたしておるわけであります。あるいはまた廃作の補償金をすみやかに払えというようなことについては、いまできるだけすみやかに払いたいということは言っておりましたが、一体時期的にはいつごろになるのか。こういうようなことも具体的にひとつ示していただきたいわけであります。あるいは農林省が行なっておるような融資のあっせんの問題等につきましても、何らか特段の打つ手はないのか。たばこの廃作をしたことによって現金収入がかなり減る、これは農家経営にとっては重大な問題である。しかも今回被害を受けた地区等におきまして、それが農家収入の五〇%近くも占めたという農家も相当多いわけであります。そういうものが全滅に近い打撃を受けておるというようなときに、営農資金の心配ないというものについても当然配慮されてしかるべきだと思うのですが、何らそういう点の考慮がないんですか。例年並みということで冷然とこの問題を見過ごすおつもりですか。その点についての根本的な決意のほどを聞いておきたいと思います。
#34
○阪田説明員 葉たばこ関係の災害の問題につきましては、私どもといたしましても、葉たばこ耕作者あるいは葉たばこの耕作というものが他の農作物に比して、不利な扱いを受けるといいますか、こういう災害の際に保護されないというようなことがないように努力してまいりたいと基本的に考えておるわけであります。農林省関係で、今回の長雨の災害等に関連いたしましていろいろ施策を講ぜられる関係等も十分に連絡をとりまして、私どものほうでも葉たばこ関係で同じような措置をする必要がございますれば、適時処置してまいりたい、基本的にはさように考えております。
 ただ、先ほど生産部長からも御説明申し上げましたように、ひょう害のような場合は別といたしまして、葉たばこの今回の災害と申しますか、長雨の被害といいますか、あるいは収穫減といいますか、この問題につきましては、率直に簡単に申し上げますと、まだはっきりしていない。これからの天候なりこれからの努力にかかる点がかなりあるわけでありまして、そういうところがはっきりいたしまして、こういう事態になってこういう対策を講じなければならないというところまでまいりませんと、具体的にいかなる施策を講ずるべきかというのもはっきりしてまいらない。また麦作とかその他の農産物の関係と違いまして、葉たばこにおいてはそういう基本的な事情があることは、ひとつ御了承願いたいと思います。公社といたしまして何らの措置を請じていないというようなお話でございますが、しかし、現状におきましても、ひょう害の問題で御指摘がありましたように、ひょう害が本年は例年に比べてたいへん多いわけであります。したがいまして、例年どおりにそれに対する対策、たとえば補償とかいろいろそういったような式の問題、これはもう長雨関係におきましても、補償の申請、これは先で、収穫期になりませんと補償の問題は具体化いたしませんが、しかし、申請はかなり――かなりと申しますか、非常にたくさん出てきておるわけであります。そういった方面につきましても、例年どおりのやり方でやっておりましては、なかなか被害者の皆さま方の要望に応じたような迅速な処理ができない、適切に処置してまいれないといったような事情がございますので、そういった点につきましては、例年と違った非常の対策をとりまして、迅速に、的確に処理ができるようにやりたいということで態勢を整えておるわけであります。
 概算払いの問題等につきましても、これは七月一日からやることになっております。すでにやれるわけでありますので、耕作者の方々、いろいろの麦作の収入がないといったようなことで、資金も必要とせられることと思いますので、要望に応じて早急に払えるようにということで、各支局、出先等にも十分に連絡をいたしまして、遺憾のないようにやらせたいと考えておるわけであります。いろいろそういったような、現在の段階に即応した手当はいたしておるわけでありますが、なお、御指摘のごとく、今後の状況がはっきりいたしてまいりまするに応じて適切にやることはやってまいりたい、耕作者の方々に対する保護が十分でないというようなことがないようにやってまいりたいと考えておるような次第でございます。
#35
○広瀬(秀)委員 たとえば農林省の施策において、共済組合の関係等におきましては、災害補償について概算払いをいたすというようなことがとられております。そういうようなものに匹敵するものとして、収納が終わってからでなければなるほどわからないものもあるのですけれども、概算払いを内輪に払うというようなことは、これはもう事前にやはりできるわけです。そういうような点について非常に厳密に押えておられるというような点については、この際、この葉たばこ罹災補償金というようなものも、大体の見当というものは、専門家が、先ほど生産部長が言ったように、このくらいのひょう害があったためにどのくらい災害補償金を払うかといったようなことも見当のつく書面は幾らでもあるわけです。そういうようなことになりまするならば、概算金をあとで精算して、収納代金からまたよけいとらなければならぬというようなことまで要求しておらないわけですから、内輪にでも概算払いをやる、早期にやる、収納期前にできるだけ早い機会にやるということだけでも、これは当然とるべきだと思うのですが、そういう点はいかがですか。
#36
○黒田説明員 実は、収納代金の概算払いのほうは、先ほど総裁がおっしゃいましたように、すでに七月一日以降支払い済みになっておりまして、すでに支払ったものが大部分でございます。したがいましてひょう害の産地にあたりましても、すでに収納代金の概算払いはお受け取りになっているところが大部分のように考えております。
 それから、罹災補償の概算払いというのは非常にむずかしいわけでありまして、全体としてどの程度の被害ということは見当がつきましても、個別的の農家の場合になりますと、これはそのほうの平年とかいろいろなこまかい事務的の問題がございまして、なかなか個別的にはむずかしいのじゃないか。しかしそうかと申しまして、従来のように収納が全部終わってから罹災補償をお払いするということも非常に不親切な点があるかと思いますので、本年は取り扱い所が、収納が終わりましたそのつど、その取り扱い所の罹災者の方には早急に災害補償金をお支払いする、こういうようなことでいきたい。なるべく早い機会にお支払いしたい、こういうように考えております。
#37
○広瀬(秀)委員 事前に収納に入らない前に、内輪の支払いというものをこれは当然考えるべきじゃないかということを言っているわけでありまして、それはできるのかできないのか。やる気があるのかないのか、この点端的にひとつお答えいただきたい。
 それからもう一つ、前渡金、概算金というものをもう大部分払っておる。しかもこれも、今日池田総理も農業に対して、これは企業として成り立つものということをおっしゃっておるし、また専売公社でもたばこ耕作者の生産性を高めるというようなことからも、やはり企業的な耕作者というものを育成したいという気持ちが当然あるわけであります。そういうような角度から言えば、概算金をもう少し増額して、いままでどおりの、その中で自然増という形じゃなくて、意識的にいままで大体二〇%程度という基準を置いてやっていますが、これを三〇%程度までいくというような率の引き上げというようなことも、こういう際には特例としてでも、とりあえずやったところは追加払いでもいいから、そういうようなことをやる考えがないかどうか、この二点をとりあえずお伺いいたします。
#38
○黒田説明員 災害補償金のほうの前払いということは、現存のところできません。したがいまして、先ほど申しましたように収納が済んだら、なるべく早くお支払いするというところが、現在のところ精一ぱいであります。
 それから収納代金の概算払いでございますが、これは二割ということになっておりますが、昨年、限度の引き上げを実施いたしまして、同じ二割でございますが、実質的には非常にふえているわけでございます。数字で申し上げますと、三十六年の場合十アール当たりの全国平均は九千円の概算払いに対しまして、本年は大体一万八千円と見ておりまして、本年特に限度を上げたわけではありませんが、昨年の根基になります数字と、過去三年間の取り扱いの平年成績というものを、本年の価格に換算してもとになる数字、それから前は反当最高一万円という限度があったわけでありますが、そういうものをはずしたというような実質的な手直しによりまして、昨年から非常に概算払いの額がふえたということになっております。
#39
○広瀬(秀)委員 被害補償金、災害補償金を事前に概算払いを積極的にはやってはならないという根拠はありますか。これは監理官にひとつ伺いたいと思います。
#40
○遠藤政府委員 お答えいたします。
 災害額の補償の根拠が、あるいは農業のほうは存じませんが、多少専売法の関係と違うのかと思いますが、専売法の関係では、技術的に災害額が確定する以前に、災害額の予測をするということは非常に困難だというふうに了解いたしております。
#41
○広瀬(秀)委員 予測が困難だというだけの理由であって、先ほど生産部長が言ったように、この程度の被害を受けた場合には大体何割くらいの減収になるだろうということは、出先には相当ベテランもおって、これはやれないことはないのですよ。しかもそれをあとで妙に精算のやりくりをしなければならぬというようなことのない程度のものであっても、事前に出すということは、もうすでに麦や何かの場合に農林省関係の者がどんどんそういうことをやっている。それを絶対にやっちゃいかぬという規定がなければ、これは技術的に非常にむずかしい面があるにしても、そういう方向をやることによって、やはりたばこ耕作者というものが、専売公社もわれわれのことを実に親のごとくめんどうを見てくれるんだという気持ちにもなるわけであります。特に異常な災害にあった農民の心理というものは、そういう小さな配慮というようなものに対して非常に感激をするわけです。敏感なんです。だからそういうものにやはりこたえてやるというような誠意というものは示してやるべきだ、こう思うわけであります。その点、もう一度遠藤監理官、やっちゃいかぬ、どうしてもやれないんだという具体的な根拠があったら示していただきたい。やはり私はやってやるべきだと思うのです。
 それから葉たばこ耕作組合等からも被害耕作組合に対する特別助成金、これはいろいろ総代がこれをやるとか、被害調査をやったり、あるいは資材等の無償交付なんかも組合でやらなければならぬ、あるいは購入もしなければならぬというようなこともある、こういうようなことから要求をされているようでありますが、こういう点については、激甚な災害を受けた耕作者をたくさん持っている者に対して、いままでよりも一歩前進した形のものが考えられておりますか。その点、これは生産部長でけっこうです。監理官と生産部長からお答え願いたい。
#42
○遠藤政府委員 先ほどの災害額の予測の関係でございますが、これは積極的に概算払いをいかぬという規定は御指摘のようにないわけでございますが、実際問題として農家単位の災害というものが計算の基礎になりますわけでございますので、したがいまして、まあいってみれば一筆ごとの災害額というものは現場を見て計算すれば比較的容易に推測ができると思いますが、農家としての災害ということに相なりますとなかなか計算もめんどうになる。したがいまして、気持ちの点では先生の御指摘のとおりであろうと思いますが、事務的にはなかなかむずかしいということに相なる、かように考えておる次第でございます。
#43
○黒田説明員 耕作団体に対しましてどの程度の援助をするかということでございますが、私どもとしましては、ああいう災害がございますと耕作団体に特にお願いしましていろいろな対策の耕作者への伝達とか、いろいろなことをやってもらうわけでございます。それに対しまして、それに見合う額を手数料としてお支払いするわけでございまして、現在ちょっとここで金額はどれくらいということはわかりかねるわけでございまするが、そういうものははっきりお支払いするつもりでおります。
#44
○武藤委員 関連。時間がないものですから、恐縮ですが質問の途中で、できるだけ早い機会に資料を提出願いたいと思って要求いたします。
 一つはごく最近時における葉たばこと消費の需給、バランス、これを至急ひとつ出してもらいたい。
 第二は増反の実績の比較率ですね、三十五年あたりから実績でけっこうですから。計画はずさんなもので、いつも達成されないから、実績と、実績のひとつ比率を品種別にきちっと出してもらいたい。
 第三は耕作審議会で要望しておる項目が幾つかあるわけですが、一つは葉たばこ乾燥室建設補助金増額、これを三十五年度から本年度までの金額で示してもらいたい。できれば件数も示してもらいたい。第二は乾燥バーナー施設に対する助成をふやしてもらいたいという要望があったわけですが、これがどの程度ふえておるか、これも三十五年から本年度まで。第三は近代化のための資金の低利融資をしてほしいという要望がありますが、これもどの程度、具体的に三年間の実績はどうなっておるか。その次に、指導体制の充実という要望ですが、たとえば人員をどのようにふやしてどういうような配置がえをしたか、あるいはどういうように具体的な指導体制を変更したか、そういうような資料をきちんと出してもらいたい。最後に、増反協力に要する経費の増額ということも要望されておりますが、これもどのように実現したか、三十五年度を基準にして、各年度別に数字でひとつ出してもらいたい。これを一応資料要求として要望しておきます。
#45
○広瀬(秀)委員 ただいま武藤委員から要望しましたものを、ぜひひとつ本委員会の全員にお配りいただきたいと思います。
 それから一般農作物の場合に、農林省所管の農作物の場合には、こういう災害がありました場合には多種多様の災害対策の手が打たれるわけであります。特に被害にあった作物で立ち直りの可能性があるというような場合には、肥料の助成をするというような問題も入ってまいります。また被害を受けて、病虫害がそれを原因にして発生するというようなことも予想される、そういう場合には農薬も無償で配布するとか、あるいはそれに対する助成をするとか、こういうようなことも入るわけでありますが、たばこの場合には遺憾ながらそういうことがないわけであります。こういう問題について総裁として何らか適切な、やはりたばこの場合にも肥料やあるいは農薬等に対する助成を若干でもする、こういうあたたかい気持ちというものがおありでございましょうか。
#46
○阪田説明員 その問題につきましては、農林省関係におきまして、いろいろ他の農作物について御施策になっておるように承っておるわけでありますが、葉たばこ関係につきましても現在の時期におきまして、今後そういったものを必要とするのがあるかないか調べてもらっておりますが、もし必要なものがございますれば、これは現在の私どもの心組みでございますが、耕作組合等にお願いしまして措置をしていただきまして、先ほど私どものほうで申し上げましたように、要しました経費は私どものほうから耕作組合のほうに差し上げる、こういったような形でもしそういうものがありますれば処理することにいたしてまいりたいと考えまして、現在そういうものを調査しておるという段階でございます。
#47
○広瀬(秀)委員 総裁も用事があるそうですから、災害の問題、特にこのたばこについては、農民の非常に大きな不満に対して、大蔵省、専売公社は冷淡であると一般的に見られておる。この増反の問題等につきましても、この面からの心理的なブレーキというようなものは、これは相当無視し得ないものがある。災害のたびに私現地を訪れるのでありますが、ほんとうに絶望的になっておる。災害を受けたときにはほんとうにたばこなんかつくるまいというようになっているということを十分配慮されて、災害の問題について根本的な再検討をされるように強く要望をいたしておきます。
 この問題についての最後の答弁を総裁から求めたいと思いますが、それと同時に、これは別個の問題でありますが、耕作組合を脱退いたしまして、任意に別な組合をつくった。いわゆる耕作組合法に基づく組合ではないかもしれないが、任意に組合を脱退して別な組合をつくった、そういう場合にその組合の組合長というものは前渡金の代理事業をどうしてできないのか、こういう事例が現に栃木県にもあるわけでありますが、これは私はそれを抑える法律的な根拠というものはない、かように思うわけですが、いかがですか。特にそれは規定上なかなかむずかしいというようなことを言うものですから、これは法規上はそういうことはないはずだと私は信ずるのでありますが、特に耕作組合法に基づくのとは別な組合の代表者と組合員との間に民法上の委任行為というものがあった場合に、それすらも否定して、委任を受けた代表者に対して前渡金を払わないという取り扱いは私はいかぬと思うのでありますが、その点の見解をあわせてお答えをいただきたい。
#48
○阪田説明員 災害対策の問題につきましては、いろいろ広瀬委員の御意見を伺いまして、私どもも耕作者の方が将来にわたりまして喜んで耕作をやっていただくためには、現在の災害に対する対策も、万全を期さなければならない、他の農作物に比較して劣ってはならないということは、基本的に考えております。そういう気持ちで処理いたしてまいりたいと思っております。
 それからもう一つの問題につきましては、生産部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。
#49
○黒田説明員 概算払いの一括受領を、現在の耕作組合法による組合長でやってはいかぬのかという御質問でございますが、私どもの内部規定としましては、現行の法律によりますたばこ耕作組合長だけを大体代理受領人としているわけでございます。したがいまして、その際におきましては、こういう公社の内部規定によりまして、そういうような正規の耕作組合長が一括受領の代理人になった場合にお支払いするということになっております。もちろん先ほどおっしゃいました法律上の問題はいろいろあるかと思いますけれども、こういうことになっておりますのは、やはり耕作者の方の保護というようなことも一部考えておるわけでございまして、こういうことを言ってはどうかと思いますが、やはりどなたでもいいということになりますとどういう方が出てくるかわからぬ、それが場合によりますと耕作者の方の利益の侵害になるのじゃないかというような場合も懸念されるわけでございまして、そういうことで従来も規定におきましては耕作組合長さんに一括お払いする、こういうような運用をやっているわけでございます。
#50
○広瀬(秀)委員 そこがどうも私ども解せないのであって、葉たばこ耕作者というものは耕作組合法に基づく耕作組合に強制的に入らなければならないということではないと思うのです。やはり耕作組合が非常に非民主的である耕作者の意思を代表しないというような場合に任意に脱退する。脱退をした場合には、それじゃ個人に払うのだということになるかもしれぬけれども、別な組合をやはりつくっている。それは定款もつくり、公社にも連絡をちゃんとしている。代表者の届け出も出しているというような場合、それだけでは足らない、いまの法律のたてまえからそういうようにしているのだということを言うわけでありますが、その間になお民法的な委任状というものを全部別個の組合の組合長に対してその組合所属の組合員が出したという場合に、これは委任状を出した耕作者が不利益を受けるということは何もないはずなんです。そういう問題に対して、これは信用度の問題かもしれませんけれども、それを否認するという法的な根拠というものは何もないはずでしょう。法的根拠がありますか。監理官いかがですか。
#51
○遠藤政府委員 お答えいたします。法律的には障害がないと思います。
#52
○広瀬(秀)委員 法律的に障害がないということでありますから、これは専売公社としては当然やるべきだと思いますが、生産部長そういう指示をされるつもりはありますか。
#53
○黒田説明員 ただいま突然そういう御質問を受けまして、ここで即答できかねますが、確かにいま監理官のお答えのように、法律上問題ないのでありますが、やはり公社の運用の問題で、いまみたいな規定をつくっているわけでございますので、その点はもう少し検討さしていただきたいと思います。
#54
○広瀬(秀)委員 検討する余地は私はないと思うのです。それは内部規定なんです。内部規定、内部規則で国民の権利義務を拘束できますか。これは重大なる権利に対する侵害ですよ。法律できめられて、法的な根拠が明白ならば国民はそのとおり従わなければならない。しかしながら内部の政策的な便宜というようなもので、その規則において国民の権利義務を侵害するということになるわけです。委任行為のあったものを、委任状がちゃんとつけられて、別個の組合の組合長に対して、所属の組合員から委任状が出されているのです。これはちゃんと正式の印紙を張って委任状になっている。その場合に、その委任状を添えて代表者が来た場合に、その前渡金の支払いを拒否するということは国民の権利に対する侵害です。いまここで言われてもやむを得ないということは、これは専売監理官が、法律上何ら支障ないのだ、それはそのとおりやらなければなるまいと言っているのに、あなたがここで言えないというはずはないと思うのですが、いかがですか。
#55
○遠藤政府委員 委任状を添えてくれば、一般に代理受領というような場合に、法律的にそれは認められないということはないという趣旨で申し上げましたのですが、たばこ耕作組合法なり何なりで現在共同組織の助長とかいうようなことで、現在までさようなたばこ耕作組合にほとんどが入っておられた、そういう実情であるので、従来からそういう取り扱いをされておった。そこで将来にわたってそういう問題が起きますれば、今後、公社のほうで法律に違反するという問題ではなしに、政策上の問題として検討に相なるのじゃないか、かように考えております。
#56
○広瀬(秀)委員 監理官も、法律の原則を曲げて、政策上の問題が法律に優先するような部内の規定あるいは規則というようなものは、法律でちゃんと保障された国民の権利義務に対して、それを侵害するということになるならば、それは規則そのものがおかしいということになるわけでしょう。その規則はなるほど政策的に設けられているものである、しかしながら、そういうものは優先しない、この原則だけははっきりしているでしょう。監理官、いかがですか。
#57
○遠藤政府委員 お答えいたします。先ほどちょっとことばが足りなかったと思いますが、申し上げますと、現在までたばこ耕作組合に入っておられない方の該当の場合には、個人ごとにお払いをしてそれで処理をしてきておったようでございます。したがいまして、申しますれば、地方部局といたしましては、新しい問題としてそういう話がございました場合には、おそらく公社の内部規定に従いまして、便宜の取り扱いといいますか、それまでいかなかったのが実情であります。したがいまして、その際に法律より内部規定を優先するあるいは法律を無視するというほどのことはおそらくなかった、かように存じます。全体の事務の便宜その他いろいろ勘案をいたしますと、おそらく公社のほうで検討してまたお答えをいたすことになるのではないか、かように考えております。
#58
○広瀬(秀)委員 おっしゃることはわかるのですけれども、生産部長に重ねて伺いますが、これは内部規定なんです。したがって、それが法律に優先しないたてまえについては遠藤監理官が最初におっしゃったとおりなんです。そうだとすれば、内部規定についてはやはり現地では裁量できないと思う。したがって、これはそれだけ民法上の委任行為をきちんととってきた者に対しては、これは払わざるを得ないという指示を出されるのが当然だと思うのです。そうすれば現地でも何ら支障なく、しかもあなた方が心配するようなことは絶対にない。これはないはずなんです。それであなた方は別にそのことによって万が一にも事故があったという場合には、全然それは責任がない立場でいいのです。そういう立場にあるわけですから、この問題はぜひそういう場合には、個人払いじゃなくて一括でその委任状を持ってきた者に代表で渡してよろしい、こういうような指示をしていただきたいと思うのですが、いかがですか。何ら支障はないのです。
#59
○黒田説明員 おっしゃる御趣旨のほどはよくわかりましたので、検討さしていただきます。
#60
○広瀬(秀)委員 いつまでに結論は出すのですか。
#61
○黒田説明員 なるべくすみやかに、一週間以内に御返事申し上げたいと思います。
#62
○広瀬(秀)委員 明日で国会も終わるわけですから、ひとつ明日の夕刻までには結論を出して私のところまで御返事をいただきたい。
 では、これで一応質問を終わります。
#63
○足立委員 関連。私ちょっとおくれてきましたので、前のやりとりを知らないのですけれども、ちょっと教えていただきたいのですが、災害があった場合に、耕作者に対して公社はいまどういう措置を制度としてやっていらっしゃるのですか。何か補償金のようなものを出しているのですか。あるいは見舞い金のような形で出しているのか。それは予備費か何かで組んであるのか。そういう事情をちょっと教えてもらいたい。
#64
○黒田説明員 たばこの災害補償制度というものがございまして、その年の作が法定の災害――法定と申しますのは風害、水雷、雨露、干害、ひょう害冷害等の項目がずっとあげてございまして、そういうような法定災害にかかりまして、平年作の七割以下の作柄になりました場合は、その耕作者の方の過去三年間の成績をとりましてその耕作者の方の平年作とするわけです。もちろんこれは葉たばこの収納価格に変動がありましたら、その変動を入れまして、その年の価格で換算しまして、その耕作者の方の平年作というものを出すわけであります。その平年作の八割とその年の収納代金との差の二分の一を災害補償金として出しているわけでございます。したがいまして、全滅の場合は四割という補償になるわけでございます。
#65
○足立委員 いま広瀬君とあなた方とのやりとりを伺っておりまして、私は実は農業共済の専門家なんですけれども、広瀬君の言われる気持ちもよくわかるんだが、監理官や公社の言われるなかなか事前の調査がむずかしいんだということもよくわかるわけなんです。そういう点が監理官がお答えになった中に、一筆調査は簡単だけれども、農家単位の調査が実収がなかなかわからないんだという御答弁があったのですが、その一筆調査が実はたいへんなんです。一筆調査をやらなければ、普通の米や麦の場合には農家単位の収穫量つかめないのです。たばこの場合はほかへ流れませんから、農家単位の収穫量をつかむのには逆になる関係も私にはわかりますが、葉たばこの収納数量を見て初めてその農家単位の収量がわかるということになるわけです。したがって、一筆調査がたいへんだという言い方をなすっていらっしゃるのでしょうが、さて一筆調査をかりにやって事前に概算金を払おうとすれば、これはおそらく統計調査部くらいの組織がなければとてもできるものじゃないのです。いま農業共済の場合でも一筆調査をやっておりますが、これは相当な職員を置き、評価員などもただ働き同様の評価員をたくさん各町村に置いて、地下たびにきゃはんをはいて歩いてもらって調査をやっているのですから、現状では概算払いというものはとてもできないと私も思うのです。しかし耕作者の立場になると、これだけの災害があって何にも事前に見舞い金もこないということはなかなか気持ちの上で割り切れないという広瀬君の言い分もわかる。したがって、いまお話しの補償制度をたばこ耕作組合の自主的な共済制度に切りかえて、たばこ耕作組合が人手がありますから、お互いのことだから共済制度としてやるという制度にすれば、これは一筆の調査もできますし、お互いのことでうそもつけませんからわりあいに正確なものが出て、概算払いや仮払いをやろうとすればできないことはない。したがって、いま公社がそういう資金を組んでいらっしゃるならば、全国のたばこ耕作組合の自主的な制度として共済制度をつくり、それに耕作者はやはり掛け金をおかけになって、かけた掛け金に見合うくらいなものを公社が事前に毎年の災害補助金として出しておく。それが余れば積んでおけば、異常災害の場合に支払いができるわけでございますし、また毎年集まった掛け金と公社の補助金を合わせた額で毎年の災害は一応やってのけるという原則を立てれば、概算金も何も払える。その場合、超異常というような場合に公社が特に考えるというようなことはあり得ましょうけれども、原則はそういう共済の制度をつくれば比較的円満に、しかも概算払いや仮り払いのような制度もできるのではないかというふうに私の経験から気がついたものですからちょっと申し上げるわけで、お答えは要りません。一応意見として申し上げておきます。
     ――――◇―――――
#66
○鴨田委員長代理 閉会中審査申し出の件についておはかりいたします。
 安宅常彦君外九名提出の国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案並びに国の会計に関する件、税制に関する件、関税に関する件、金融に関する件、証券取引に関する件、外国為替に関する件、国有財産に関する件、専売事業に関する件、印刷事業に関する件、及び造幣事業に関する件の各件につきまして、議長に対し閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#67
○鴨田委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、申し出の手続につきましては委員長に御一任願いたいと存じます。
    ―――――――――――――
#68
○鴨田委員長代理 引き続きおはかりいたします。
 閉会中審査案件が付託になりました場合、本会期中、国政に関する調査のため設置いたしておりました税制及び税の執行に関する小委員会並びに金融及び証券に関する小委員会の何小委員会につきましては、閉会中もなお引き続き存置することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○鴨田委員長代理 御異議なしと認めます。
 なお、小委員及び小委員長は従前どおりとし、その辞任及び補欠選任等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#70
○鴨田委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#71
○鴨田委員長代理 委員派遣承認申請に関する件についておはかりいたします。
 閉会中審査案件が付託になりました場合、委員を各地に派遣し、その実情を調査するため、議長に対し委員派遣承認申請を行なうこととし、その手続につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#72
○鴨田委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#73
○鴨田委員長代理 次に、委員会または小委員会の閉会中審査において参考人から意見を聴取する必要が生じました場合、参考人の出席を求めることとし、その人選及び出席の日時等につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#74
○鴨田委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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