くにさくロゴ
1962/02/28 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 石炭対策特別委員会 第8号
姉妹サイト
 
1962/02/28 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 石炭対策特別委員会 第8号

#1
第043回国会 石炭対策特別委員会 第8号
昭和三十八年二月二十八日(木曜日)
   午前十時四十五分開議
 出席委員
   委員長 上林山 榮吉君
   理事 有田 喜一君 理事 岡本  茂君
   理事 神田  博君 理事 始関 伊平君
   理事 中川 俊思君 理事 岡田 利春君
   理事 多賀谷真稔君 理事 中村 重光君
      齋藤 邦吉君    中村 幸八君
      井手 以誠君    滝井 義高君
      細迫 兼光君    松井 政吉君
      伊藤卯四郎君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  福田  一君
        労 働 大 臣 大橋 武夫君
 出席政府委員
        通商産業事務官
        (石炭局長)  中野 正一君
        通商産業鉱務監
        督官
        (鉱山保安局
        長)      八谷 芳裕君
        通商産業事務官
        (公益事業局
        長)      塚本 敏夫君
        労働事務官
        (職業安定局
        長)      三治 重信君
 委員外の出席者
        通商産業事務官
        (石炭局炭政課
        長)      井上  亮君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法
 律案(内閣提出第一一号)
 石炭鉱山保安臨時措置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第一二号)
 産炭地域振興事業団法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第一三号)
 炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第一四号)
     ――――◇―――――
#2
○上林山委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案、石炭鉱山保安臨時措置法の一部を改正する法律案、産炭地域振興事業団法の一部を改正する法律案及び炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案を議題として、前会に引き続き質疑を行ないます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。井手以誠君。
#3
○井手委員 本日は合理化計画と雇用の問題その他お伺いいたしたいと思います。
 通産大臣に聞きたい点がたくさんありますが、まだ見えませんので、雇用の方から若干お伺いいたしたいと思います。雇用促進事業団の関係ですが、今度の離職者対策の一つの柱になっております住宅建設八千戸の問題ですが、あれはどういうふうな御計画ですか。いつごろから建設にかかって、いつごろまでに八千戸ができ上がり、そして建設費用はどのくらいのものか、賃貸がどういう約束の内容にお考えになっておるのか、かいつまんでお話をいただきたいと思います。要点だけでいいです。
#4
○三治政府委員 今年度の補正で入れました五千戸につきましたは、土地は全部選定済みでございまして、一部入札に付しました。それからあとの三千戸も、現在ほぼ土地が確定と申してもいいような状況になっております。従って五千戸につきましては、本年のおそくも八月までには全部完成する予定にしております それからあとの三千戸につきましては、秋までには完成する目途で今計画を進めてございます。
 それから、これは全部鉄筋コンクリートのアパートでございまして、大体一棟四十世帯を標準にしておりまして、一世帯当たり大体九十二万強の予算で建築をするつもりでございます。
#5
○井手委員 建設敷地の単価が非常に安いので、坪五千円とかで非常に困っておるという話を聞きましたが、その点はどうなのか、家賃はどれぐらいであるか、それから入居の期間はどれくらいの予定であるのか、その点をお伺いします。
#6
○三治政府委員 予算単価といたしましては、土地の購入費は一万円で組んでございますが、これは各地の協力していただくところによって高低がございます。それから入居の期間は原則で一年でございますが、これは建設省との協定で、できるだけ再就職者にあと融資並びに自家建築、また公営住宅というのに逐次引き取っていただくことにしておりますが、その家が、永久住宅が確保されぬものは、そういう一年の期間にとらわれず、入居していただく予定にしております。家賃は約三千円であります。
#7
○井手委員 大臣、今の住宅の問題ですが、問題になりますのは、入居の期間の一年であります。今説明があったように、建設省関係の住宅の手配ができなければ延長することを容認いたしておるという話でありますが、離職者に対してたった一年しか期間を与えないというのは非常に冷たいじゃないか、こういう非難が非常に高いのです。今の住宅の事情から申しますと、一応のめどにしても一年という期間を定めることは、今の離職者対策としてはおもしろくないことですから、一つこの際これを改めていただきたい。もし二年とか五年とかいうことが言えないなら、その点の余裕を持たせる大臣の説明をぜひしてもらわなければならぬ。これは何回も申し上げません。住宅で困っておるから八千戸建てようというのです。それが離職者対策のきめ手だともいわれておる。その住宅にたった一年しか原則としておらせないという建前が、私は気に食わないのでありますが、そういう点をよくお含みになってお答えをいただきたい。
#8
○大橋国務大臣 元来、今の行政機構といたしましては、住宅の建設事務は全体を統轄して、国においては建設省で所掌いたすことに相なっておるのであります。しかしながら今回の離職者対策につきましては、やはり雇用問題について所掌いたしておりまする労働省自身が就職の際の住宅のお世話をしなければ、雇用の円滑を期しがたいという特別な理由によりまして、政府の間の話し合いで、この離職者住宅は労働省の関係の予算に相なったのでございます。そこで、それでは何年入居するかという問題でございますが、これは建設省の立場もございますので一応一年間といたします。この一年間というのは、一年間の間に建設省が責任を持って引き取るべき住宅をお世話するということが前提になっておるわけでございまするから、一年たちましても建設省の方で住宅の世話が困難であるという場合におきましては、労働省といたしましては、建設省の住宅の準備ができ上がってそちらへ移転ができるまでは、どこまでもお世話をしよう、こういう考えでございます。従いまして、建前といたしては一応一年ということで御承知をいただきたいと思うのであります。しかし、これがためにせっかく就職した人の住宅に非常な御不便をかけるということは絶対ないということを申し上げてよかろうと思います。
#9
○井手委員 非常に問題がありますが、大臣のただいまのお話によれば、労働省が責任を持ってお世話する、こういうことでありますから、それを信頼いたしておきます。
 次に、きのう中村委員からお話がありました、三十七年度の再就職の計画であります。もう一ぺん念のために申し上げておきたいと思いますが、三十七年度の離職者の新規の求職者数は三万二千六百人ですか。
#10
○三治政府委員 その通りでございます。
#11
○井手委員 これに対して繰り越しが一万六千三百人、合わせて求職者総数四万八千九百人。この四万八千九百人に対して、本年度中に再就職可能な見通しが三万五百人、それからどうしてもお世話できない繰り越しが一万八千四百人、これに間違いございませんか。
#12
○三治政府委員 再就職計画はその通りでございます。
#13
○井手委員 本年度予定されておる三万五百人の就職見込み数、このうち今日までどのくらい就職ができておりまか。
#14
○三治政府委員 十二月末の実績によりますと、安定所紹介が一万一千九百七十人、その内訳は、政府機関等の採用が二百人、会社あっせん及び自己就職者数のうち、会社あっせんが約五千人でございます。
#15
○井手委員 今の御説明ははっきりしない点がありましたが、十二月末現在で一万一千九百七十人あっせんができておる、こういうことでありますか。
#16
○三治政府委員 さようでございます。
#17
○井手委員 そういたしますと、三万五百人就職をあっせんしなければならない見通しに対して、今一万二千人しか就職はできていない、あと二万人就職させねばならぬことになるわけですね。それは間違いございませんか。
#18
○三治政府委員 安定所の紹介目標数の一万五千人について実績が一万二千人、こういうふうに申しておるわけでございます。会社あっせん、自己就職、さらにこの年度末に行われます産炭地振興事業による就職も計画してございます。それから……。
#19
○井手委員 ちょっと途中ですが、私がお伺いしているのは一番近い統計で確実に再就職ができた実績は幾らかということなのです。
#20
○三治政府委員 約二万人になると思います。自己就職者数につきましての集計がまだできておりませんが、会社あっせんと安定所の紹介が一万七千人、これは実績でございます。自己就職の者についての統計資料はちょっと持ち合わせておりませんので……
#21
○井手委員 三万五百人の就職、これは三十七度の計画を二月末に審議会にかけておるのですから、労働省としては相当の確実性を持たなくてはならぬと思いますが、三万五百人の見込みに対して今日まで自己就職を除いて一万七千人です。大臣、あと一カ月で一万三千人の就職が可能ですか。いかがでございますか。
#22
○三治政府委員 自己就職も入れて約二万人が実績として出ておりますが、このほかに自営及びリタイアというものを入れまして、合計約二万二千八百五十人が帰趨がついたものと思っております。
#23
○井手委員 二万二千八百五十人、そうしますと、七千二百人くらいの残があるわけですね。それは大丈夫だとおっしゃるわけですか。
#24
○三治政府委員 一−三月でそれだけは再就職並びに帰趨を明らかにしたいと思います。
#25
○井手委員 大臣にお伺いいたしますが、繰り越しは一万八千人見込まれております。私は、再就職ができるかどうかということが、石炭政策の一番大事な点であると考えるのです。そこに有沢調査団の苦労もあったと考えるのであります。炭鉱をつぶすだけならば簡単でしょう。しかしつぶした跡始末の離職者対策をどうするかという点に、私は今度の石炭政策の山があると思うのです。そうであるのに、繰り越しを一万八千名も見ているというのはおかしいのじゃございませんか。やはり計画をしてもなかなか思う通りにはならないでしょう。やってみてもなかなか困難だ、条件が整わないという人のために、いわゆる就職手帳というものが発行され、そういう建前でなければならないと思います。一万八千人も三十八年に繰り越すという計画そのものが、私は間違いじゃないかと思いますが、どうです。
#26
○大橋国務大臣 御承知のごとく、この離職者の発生は、年度の初めに一時に出まして、そしてそれをその年度中かかって消化するということでございませんで、年度の初めから年度の末まで絶えず出て参るわけでございます。それに対しまして労働省といたしましては、職業指導、職業訓練等を行ないまして、そして実際就職まで持ち込む予定をいたしております。従いまして、年度の末期に生じました離職者に対しましては、訓練あるいは職業指導中、職業紹介中というような部分が相当にできるわけでございます。従いまして、毎年ある程度の数が繰り越されるということは、これはやむを得ないことではなかろうか、かように存じます。
#27
○井手委員 その点には意見がありますが、あとでお伺いすることにいたしまして、三十八年度の見込みをお伺いいたしたいと思います。すでにある程度はできておると思いますし、計画が進められておるように承っておりますのでお伺いいたしますが、三十八年度に新たに就職を求める見込みの数はどのくらいであるか。それから、それに対しての最終計画はどうであるか、その点をお伺いいたします。
#28
○三治政府委員 新規に離職される方の見込みは、今通産省と検討中でございますが、今年度のほぼ実績と思われる三万二千六百名よりか若干少なくなるのではないかというふうなところで、今調整中でございますが、労働省といたしましては、職業紹介を現在いろいろ分析検討中でございますが、大体安定所の紹介目標を一万八千人程度にしたい、その他いろいろ会社あっせんの見込み、それから通産省と、産炭地振興事業でどの程度吸収できるか、最終的に詰めに入っておりまして、できる限り新年度の初めに石炭鉱業審議会に出したいというふうに考えております。
#29
○井手委員 もう少し具体的にわかっておるはずですが、ことしからの繰り越し一万八千四百名に加える新たな求職者三万名程度とおっしゃいましたが、もう少し詳しくおっしゃっていただきたい。私はその数字をあとで材料にしたいと思っております。ほんとうの推計ですから、それとあなたの方の計画の内容をもう少し詳細にお伺いしたいと思います。
#30
○三治政府委員 概略の見込みは、ただいま申し上げましたように、今年度、三十七年度の実績にほぼ近いものですが、これよりか多くなることはなく、少なくなるという一応のわれわれの予想でございます。細部にわたっての数は、検討中と申し上げざるを得ないわけであります。われわれの再就職計画につきましての一応の概略の見込みといたしまして、先ほど申し上げましたように、安定所の紹介目標数を一万八千人程度、その中で政府及び地方公共団体の雇用の見込みが二千八百人、それから石炭の各社のあっせんと、自己就職をどの程度見込むか、今この点につきましては、各会社並びに自己就職のいろいろの実績を検討中でございます。これも発生の状況によって数が変わってくるかと思いますが、やはり八、九千人は見込めるのじゃないかと思っていますが、このことはまだ一番詰めが終わっておりません。それからもしも大体ことしより若干少ない程度の離職者の見込みということになりますと、従来の例からいきますと、帰農とか、自営、退職の数は大体三千人から四千人程度になるものというふうに考えております。
#31
○井手委員 最後にお話しになりました会社あっせん、自己就職は、三千ですか、四千ですか。
#32
○三治政府委員 七千人から九千人程度ということで、いろいろ計画を準備中でございます。
#33
○井手委員 大臣にお伺いいたします。来年は、本年からの繰り越し一万八千四百人に対して、新たに本年度の三万二千六百人近い数字だというお話でございますから、五万人ということに大体考えなくてはなりません。五万人のうちに、一番大事な職業紹介が一万八千人だとおっしゃる。あとの三万二千人はどうなるか。常用労務者に一万八千人かりに雇用できたといたしましても、残る三万二千人というものがまた非常に問題なのです。会社あっせんであるとか、あるいは自己就職というのが、三十七年度の計画では一万一千五百人に対して、来年は五万人にも上る離職者に対して、わずかに七千人から九千人しか見込めない。これもはたして妥当であるかどうかわかりません。私は、まだこの計画は立っておりませんからあまり追及するわけには参りませんけれども、非常に不安な計画じゃないか、非常に不確定な要素が多くなりはせぬかということを私は非常に心配するわけであります。その点はどうでございますか。あなたは、三年以内に就職ができればいいとおっしゃる。年度末近くになったものは繰り越さざるを得ないとおっしゃる。しかし、計画を立てる場合には、大体これならばその年度内に離職した者は再就職できはしないか、そういう計画を立てるのが私は建前だと思っております。一万八千人の職業紹介、これも私は必ずしも十分であるとは――十分というか、これまでいけるかどうかは私は非常に不安があります。かりにいったとしても、あと三万二千人も残るというこの離職者をどうなさろうというお考えであるか、その点をお伺いしておきます。
#34
○大橋国務大臣 一万八千という職業安定所の負担は、これは今年度一万五千に比べますと、二割増という数字でございます。私は、安定所として決して楽なものではない、全力をあげなければならぬと思います。しかし、これだけは安定所で確保しなければ全体の計画は成り立ちませんから、いろいろ関係機関と相談いたしました上で、一万八千はやらなければならぬし、また努力をしてやろう、またやり得るであろう、こういう見込みで立てておるわけでございます。その中で約三千人近い政府機関の採用等も考えておる。来年度の離職者の発生は、いろいろ考えますると、今年度に比べまして数千名内輪にとどまるであろう、従って三万以内ということになるのではなかろうかと、今のところ考えておるのですが、しかし、会社の方でも全力をあげてやってくれることになっておりますから、昨年程度のことはむろん見込めるのではないか。しかし会社の数が減ってきておりますので、私どもは昨年よりは会社あっせんは多少内輪に見よう、こう思っております。そして、来年度から再来年度に繰り越すもの、すなわち来年の三月から四月に繰り越す数は、今年の一万八千よりも大幅に内輪におさめたい、こういうつもりで、ただいませっかく計画中でございます。
#35
○井手委員 計画は机の上では立つにしても、実際はなかなか困難でございます。きょうはたくさんの質問がございますから、同じことで多くは申し上げませんが、今御答弁の中に、会社のあっせんについてもいろいろ努力をしたいということでございます。
 ここで私は、こういう提案をしてみたいと思うのです。今大手あたりでは、第二会社の話もありますし、あるいは建設会社の話もございます。各個ばらばらに、何とかしなくてはいかぬというので、建設会社をつくったり、いろいろなものをつくって、離職者を救おうという気持があることも私どもは承知いたしております。しかし、ほんとうに安定した職場ということで離職者対策を講ずるというならば、各会社が、たとえば北海道、筑豊あるいは佐賀、長崎という地域別に、大手の炭鉱が連合して建設会社をつくる――これは通産大臣もよく聞いておってもらいたいのですが、鉱害復旧も兼ねて、そういうばらばらではなくて、連合して建設会社をつくる、そうなりますと、そこにかなりの離職者が吸収できはせぬか、あるいは五千人から一万人も吸収できはせねか、あるいは今東京、大阪その他におけを地下鉄工事、建設工事においては、数千名足りないというので非常に困っております。そういう地域にも、その連合した建設会社あたりが離職者を常用労務者として雇い入れて吸収するという行き方をしてはどうか。私は会社の人からも聞いたのですが、今のように、三井、三菱あるいは明治というような、ばらばらで小さな何かの会社を臨時的につくるということよりも、もっと安定した、建設労務公団でなくて、建設会社をつくってはどうか、こういうような話も聞きました。私はあとで産炭地域振興事業団にも、そういうことを提案をいたしたいと思っておりますが、私は、会社のあっせんという、これだけ強力に進められておる合理化でございますから、会社に大きな責任があると思う。本来ならば、これだけ国の力、国の助成で近代化し、あるいは整備していこうとするならば、炭鉱というものをもっと国営に近いものにしなければならぬと思っておりますが、それはわれわれの主張として多くは申し上げませんが、この際、離職者対策について、会社にある程度の数は責任を持たせるということが必要である。たとえば五千人の離職者を出すという場合には、その大手の炭鉱には必ず三割程度は責任をもって吸収させるという、そういう強い行政指導が必要ではないか。何割ということは、はっきりしたものではありませんけれども、また法律ですべきものではないかもしれませんけれども、そのくらいの熱意でやるべきではないか。これは真剣に考えてもらいたいと思うのです。
  〔委員長退席、岡本(茂)委員長代理着席〕
 この大事な合理化事業ですから、好むと好まざるとにかかわらず強力に進行されておる合理化事業ですから、これに対して、会社にある程度の責任を持たせる必要があるのではないか。それには何割かの会社あっせんを強制的にやらせる工夫と、いま一つは、地域別に建設会社あたりをつくらせるべきではないか。今までの数字を見ますと、一万八千名のほかに三万人という数字は、なかなかあっせんはむずかしいですよ。鉄鋼を見てごらんなさい。なにを見てごらんなさい。成長産業も若干ありますけれども、今残っておる離職者は、多くは四十才以上です。そういう人は簡単に職場が開拓されるとは考えられませんから、真に親心のある職場をつくってやろう、そういうならば、今言った私のような考えも、ぜひ一つ御研究を願いたい。両大臣からお答えをいただきたい。
#36
○大橋国務大臣 ただいまの井出先生のお話は、まことに傾聴いたした次第でございます。労働省といたしましては、今まではどちらかというと、中小の会社が多うございまして、この中小会社では従業員の離職者のあっせんということもなかなか困難でございますが、特に昨年秋以来、大手の会社の整理が目立って参ったのでございますが、この大手の会社は、関連の事業がございまするし、また他の山も持っておるというような事情がございますので、それらの点を考えまして、昨年の暮れに大手各社長に集まっていただきまして、責任をもって四割を会社でお世話願いたいということで大体御了解を得て、また、その線で各社とも人員整理の計画をお立ていただいておる実情でございます。
 なお、地域別の建設会社を各社合同でつくってはどうかという点でございますが、この点につきましては、今後なお私どもも研究をいたしたいと思っております。今までのところは、たまたま先ほど来問題になっておりまする住宅八千戸の建設を初めといたしまして、特に離職者についての大事な仕事を受け持っております雇用促進事業団で、この一年間に百億近い建設がございまするので、これらの建設工事の発注にあたりましては、指名を受ける業者の資格といたしまして、必ず炭鉱離職者を相当数採用するものに限って請負契約の指名に参加する資格がある、こういうことで極力建設会社に離職者をお世話するようにいたしております。しかし、特に石炭会社が離職者のために設けまする建設会社に対してどういう扱いをするかという問題は、まだ検討いたす必要があると思いますので、至急研究をして結論を出したいと思います。
#37
○井手委員 通産大臣の御答弁をいただく前に、もう一つ申し上げておきたいと思いますが、この前中村委員からもお話があったボタ山の処理事業についてです。私は安定した職場を与えるという意味であるならば、ボタ山の処理事業に千五百人か三千人か吸収なさるようでありますが、この事業が組合の請負であるとか、あるいは何であるとかということでは、安定した職場にはなり得ないと思うのです。できますならば、一つ産炭地振興事業団にそういう常用労務者を雇用して、そうしてボタ山処理の事業に当たる、あるいは関連の振興事業団の事業に当たるという、そういう安定した職場を与えなさるお考えはないのか。先刻の二点と、今の新たな一点を加えて三点をお伺いいたしておきたい。
#38
○福田国務大臣 前の二点ついては労働大臣からお答えがございましたが、措置されましたことを、私もほのかにそういうような話し合いをされたことも聞いております。趣旨として、できるだけ自分のところで配置転換をしたり、あるいは再就職の努力をするように行政指導をするということは、私も賛成でございます。なるべくそういうふうにしたいと思っております。また、事実やっております。実際われわれの方も、大手の場合にはやれるので、できるだけそういうふうにしていきたい。
 それから土建会社みたいなものをつくるということですが、それは研究させていただきますが、御承知のように土建というのは今非常に競争がきついのです。会社はつくったけれども、その仕事をとるというのに大へんな競争をしておる。そのときに、しろうとばかりが集まったような、組合の人たちを集めたような形ではたして仕事がとれるかどうか、今言われたように一定の条件を付してやられる、たとえば離職者を使わなければ指名に入れないというようなことにでもなれば、かなり競争も制限されるし、また目的も達せられる面があるかもしらぬが、はたしてそういうことがうまくいくかどうか。これは今後研究してみたい。もちろんあなたのお話でありますから、私はここでノーと申し上げておるのではありませんが、そういう困難な事情があるということは一つおわかり願いたいと思います。
 それからそれに関連して、長崎あたりで、公社みたいなものをつくられて何かおやりになるようですね。この間ちょっとお話も聞いたのですが、私はこの考えは一つの考え方だと思っておるのでございまして、ボタ山の処理なんかの問題についても、そういう公社をつくって仕事をしていきたいということであります。これなんかは知事が社長だったか何かそういうものになるということですから、かなり地方としての力は入れ得るので、こういう形だと、地方の仕事をやるということですと、一つの考え方になるのじゃないか。ただ普通の土建会社というと、なかなかむずかしいかと思います。
 それから最後の産炭地振興事業団で直営事業にしてやってはどうかというお話でございますが、われわれとしては産炭地振興事業団にやらせるというよりも、やはり今言ったような、たとえば県が少し力を入れるとかなんとかするような形で会社を起こすというようなことはいいと思いますが、事業団自体にやらせるということになりますと、将来仕事がどういうふうに続いていくか、そこら辺のところに非常に問題もありますし、はたして産炭地振興事業団というものがそういうものをやるべきかどうかという点について疑義を持っておりますので、今のところわれわれは、振興事業団でやるという考え方は持っておらないわけであります。
#39
○井手委員 労働大臣にお伺いいたしますが、そうすると、離職者の四割は会社で責任をもって吸収するとおっしゃいましたが、それは了解を得ておるというお話ですが、これは大体間違いないでしょうね。
#40
○大橋国務大臣 各社それぞれ離職者をいかに措置するか、会社として計画を立てられることになっております。その計画を立てる際には、四割程度を会社として責任をもってあっせんするという心がまえで計画を立てる、こういう趣旨で了解を得てあるわけであります。これはむろん法的措置でもございませんし、また行政的な措置でもございません。これは労働省といたしまして、特に離職者を出される大手の各社に対しまして、自発的にさような措置をお願いいたしたわけでございまして、各社とも快く了承され、自発的に一つ最善の努力をする、そのかわり、その計画の中で職安にお願いする部分については労働省にぜひお願いする、こういうことで職安も会社も共同の責任でこの離職者の対策に当たる、こういう心がまえでやるわけでございます。
#41
○井手委員 非常に大事な話でありますが、それは会社の責任でございますか。最後にあった、職業安定所に頼むということであってはなりません。それは私は大臣の強力な行政指導に信頼をいたしたいと思っておりますが、特に両大臣に申し上げておきたいのは、今度の離職者対策は、安定した職場でございます。一年あるいは二年程度でまた職場がなくなって再就職、再々就職に困る、そういう心配がないように、特に御留意願いたいと思っております。
 それで雇用の問題で一番大事な点は、三カ年の問題があります。これは雇用に見合う合理化計画ということになっておりますから、雇用の見込みがない合理化計画はあり得ないはずです。三年以内はこれはやむを得ないといたしましても、何としても一日も早く安定した職場にあっせんすることが一番大事でありますから、三年以内に政府が責任を持つということですね。これが一番大事だと思うのです。答申の第一にも、また政府の石炭政策大綱の中にも、まず何が書いてあるかといえば、政府は、と書いてある。政府機関、その他に離職者を吸収するということが書いてある。従って、その点については三年以内に必ず就職させる。努力するじゃございませんよ。三年以内にどうしても困難な場合、繰り越すというような場合には、政府が自分の方の政府機関に、あるいは融資先の機関に必ず雇用させるという、その点が一番大事だと思うのです。その点に対して、一つ大事な点ですから、労働大臣からお答え願いたい。
#42
○大橋国務大臣 離職者に対する、政府の今までたびたび発表いたしました政策の大綱から考えましても、三年以内に必ず安定職場にお世話するということが、これは政府としての離職者に対する政治的責任である、かように考えます。
#43
○井手委員 その点については、今後の雇用計画の進展ににらみ合わせてまたお伺いするときがあろうと思うのです。今のところ、今の大臣の言明を信頼いたしておきたいと思います。
 次にお伺いしたいのは、通産関係になりますが、三十七年度の合理化計画、石炭対策はどうなっておりますか。生産が幾らで、需要が幾らになっておりますか。五千四百万か三百万だと思いましたが……
#44
○中野政府委員 先日御承知のように、石炭鉱業審議会を開催していただきまして、その際に資料を提出したものによって御説明いたしますが、生産は五千四百万トン、それから消費の方は、需要でございますが、五千三百万トンちょっとということになっております。
#45
○井手委員 三十六年度の生産は幾らでございましたか。
#46
○中野政府委員 三十六年は生産が五千五百四十万トン、消費が五千三百七十万トンでございます。
#47
○井手委員 三十八年度は生産は五千二百万トンくらいになるのではなかろうかということが、専門筋では強く伝えられております。われわれもその点は非常に心配をいたしておりますが、まだ決定はしておらないでしょうけれども、石炭局長としてはどの程度の生産と需要を見込まれておりますか。
#48
○中野政府委員 今御指摘のように、三十八年の問題については目下慎重に検討中でございまして、四月に開催予定の石炭鉱業審議会にかけて御決定を願うというつもりでおりますが、業界の一部等におきましては、最近の経済情勢、また石炭の最近の需要の推移等から見まして、相当悲観論も起きて、今御指摘がありましたように、需要の見通しにつきましては、五千二百万トン台になるのじゃないかという説もあるわけでございます。しかしわれわれとしては、石炭需要の拡大ということには政府としても各方面の御協力を得て努力をいたしまして、できるだけこれは五千五百万トンに近づける努力を今やっておるわけでございまして、そういう面から、生産の方の見通しもやはり五千五百万トンという線を維持したいという考え方で、目下慎重に検討中でございます。
#49
○井手委員 福田さんにお伺いいたしますが、需要の見通しは、三十八年度は五千二百万トンになるような心配もある、しかし通産当局としてはなるべく五千五百万トンに近い生産計画を立てたいとおっしゃる。しかし何とおっしゃろうと、もう業界では、現実に需要が減るのだから、五千二百万トン程度に生産制限をしなくちゃいかぬではないかという話が進んでおるようでありますが、大臣の見通しと心がまえはいかがでございましょうか。
#50
○福田国務大臣 需要の見通しがあまりよくないということは了承しておりますが、一応私たちとしては、年間五千五百万トンという出炭量を基礎として、そうしてスクラップ・アンド・ビルドするのだという計画、これが有沢調査団の報告であったと思いますし、それから四月六日の閣議決定でも、その数字というものは一応出ておるわけです。でありますから、私はこれをどういうふうに措置をしていくかということは別としても、やはり五千五百万トンという数字を基準にしてそうして生産計画を慫慂して参りたい。その場合貯炭といいますか、需要がそれに見合わない場合の措置をどうするかという問題はもちろんあると思いますが、それはそのときになって、政府としてそういう計画でやっておるのですから、私は、今からそういう問題も考える必要はあるかもしれぬし、一応方針としては、その数をくずしてスクラップ・アンド・ビルドということを幾ら言っても、これは計画がそういうことでは立たない。また答申もそういうことをいい、政府も一応そういうことを今までに言うておるわけですから、私は、やはり五千五百万トンという数字はくずさない方針で臨みたいと思っております。
#51
○井手委員 くずさないという言葉は、その通りでしょう。そうでなくてはなりません。しかし需要が五千二百万トン程度じゃないかということでは困るのです。
 それではお伺いいたしますが、なぜ三十七年度の計画を、生産を五千四百万トン、需要が五千三百万トンになさったのですか。これは一番初年度ですよ。五千五百万トンは少なくとも確保すると言っておきながら、初年度からくずれておるじゃございませんか。なぜ五千五百万トン計画しないのです。初年度からくずれておるじゃございませんか。あなたは五千五百万トンはくずしたくないとおっしゃる。それはわかる。その通りです。五千三百万トンくらいに組んだら、大へんなことです。それではなぜ三十七年度に五千五百万トン組まなかったのか。それはあなたの方が何とおっしゃろうと、はっきりしておるのです。
#52
○福田国務大臣 四月六日の閣議決定に基づきまして、その後有沢調査団の報告が出て、十一月二十九日に閣議の決定があって四法案を出し、今またいろいろな法案を出しております。政策というものは、こういう法案が全部きまるということを前提にしてわれわれやっておるわけでございまして、今までは、三十七年度は一応その実績がそういうことになっており、まだそういう相談をしておる段階でございます。まだほんとうにやったという段階には入ってない。できるだけふえた方がいいとは思いましたが、実績がそうなっておりますから、これはやむをを得ないことだと思っております。
#53
○井手委員 国会の審議がおくれたから五千五百万トンが確保できなかったというような、言外にそういう口ぶりをなさったら大へんですよ。少なくとも三十七年度、初年度ですから五千五百万トンの生産、需要も五千五百万トン、今までは法律案は通っていないかもしれませんけれども、日にちは四月六日から三百何日あったのですから、そのくらいの熱意を示さなくちゃどうします。なんで石炭局長、こんなものを組みましたか。五千四百万トンの生産、五千三百万トンの需要なんて。初年度じゃございませんか。五千五百万トン、これは至上命令ですよ。
#54
○中野政府委員 今大臣から御答弁がありましたように、政府としては五千五百万トンベースの生産なり需要を維持するように努力したつもりでございますが、御承知のように、経済の実勢が本年度は非常に悪化をして参りまして、そういう関係で、鉄鋼初め電力もそうでございますが、当初の予想ほど需要が伸びない。その他の産業につきましても同じような状況でございまして、二月の二十六日に審議会で決定をしました需要なり生産は、いろいろ努力した結果、そういう経済情勢を反映いたしましてほぼ実績が表われて参りましたので、やむを得ずそういう数字にして御承認を願ったわけでございます。
#55
○井手委員 中野さん、あなた企画庁にいらっしゃったのですね。一番大事な経済見通しをおつくりになった方ですよ。あなたは鉄鋼がどういう状態であるかも、御承知であろうと思う。重油がどんどん入ってくる、その重油に押されて石炭の需要が減ることもわかっておったはずです。電力の事情もわかっておったはずです。だらだら不景気がどんどん続くこともわかっておる。鉄鋼業の生産がずっと落ちることもわかっておったはずですよ。実績がそうだからやむを得なかったということでは、承知できません。大臣それでいいのですか。初年度に五千四百万トンの生産、需要は五千三百万トン、そんなことでいいのですか。五千五百万トンは絶対確保しますと言っておる。それなのに初年度に五千三百万トン、どうしたことですか。それをくずさないように努力するのが政府じゃございませんか。たとえ四法案が通ろうと通るまいと、行政指導でできるはずですよ。あなたはこの前電力界はこわくないとおっしゃった。業界をおそれぬでやれる力を持っておる実力者であるなら、なぜ五千五百万トンの需要を確保しないのですか。
#56
○福田国務大臣 御承知のように、調査団の調査報告があったのは九月でございます。それから、これに基づいてどういうふうに政府として今後の対策を処置していくかということがきまったのが十一月、それから法案を出したのが十二月、私は法案が通らなかったとか通るとかいうことに籍口しているのじゃございません。いわゆる政策を立てる準備というものはあります。目標はそういうふうに五千五百万トンにして下準備しておる段階で、これは三十八年度になりますと、政府としてはこういう方針でいく、答申も出たし、政府もこの考えでいく、こういうことになれば、おしかりを受けるのは仕方ないと思うけれども、今準備をしておる段階からそうおしかりを受けたのじゃ何ともいたし方ありません。
#57
○井手委員 私は、政府がほんとうに五千五百万の需要を確保しようという熱意があるかどうかについて不安があるから申し上げておるわけです。それじゃ聞きますが、石油業法ができましたときにあなたは、標準価格を順守しますということを石油業者に約束させたはずですね。各社から一札とってあるはずです。あなた、見られたでしょう。通産大臣は石油の会社から、標準価格は必ず守りますという一札をとってある。それは知っている、見たのです。あなたが見ているところを私は見たのです。ところが需要者のハイヤー、タクシー業界から、それじゃ困るという苦情が出た。苦情が出て、標準価格を下回る価格で協定させておるのですよ。そうして重油がどんどん入ってきたのです。そういうふうに重油をどんどん入れる措置をしておきながら、片一方では石炭の需要がどうもなりませんでしたからしょうがございません、準備中だからしょうがございませんじゃ、私は承知しませんよ。片一方で重油の輸入を押える。少なくとも私は、合理化の進行中は重油をどんどん入れる措置だけはやめてもらいたい。一方でどんどん重油を入れる。標準価格を守りますという一札をほごにしておいて、安い重油をどんどん入れる、そうして石炭の需要は下がったからしょうがないじゃないか、これじゃ福田さん、みんな承知しませんよ。これはまた、あとでゆっくり聞きます。
 そこで、あなたは準備中だとおっしゃるが、それじゃ三十八年度は、少なくとも、われわれは六千万トンを主張したいけれども、生産は五千五百万トン、需要は五千五百万トン、石炭会社が五千五百万トン以下に生産制限をしようとする場合は、そうまでする必要はない、五千五百万トンは政府が責任を持つ、そういう態度が望ましいと思うが、その点を念を押しておきたいと思います。
#58
○福田国務大臣 私は三十八年度については、生産はやはり五千五百万トン、需要の方はどういうふうに動くか、今から神様じゃないですから、掘る方はちゃんと計画で掘れるかしれないが、需要は幾らになるかという見通しになると思います。従って需要がどうであろうとも、五千五百万トンという生産計画で問題を処理していくより方法がない。またそうしなければスクラップ・アンド・ビルドの山がきまる道理がない、基準がないのですから。
  〔岡本(茂)委員長代理退席、委員長着席〕
 需要というものは可動のものです。それは百万トン動くか二百万トン動くかしりませんが、これはある程度動くでしょう。私はこれが経済の原則だと思います。完全統制ならばそういうことはないかもしれませんが、自由主義経済のもとではどうしてもそうなる。それから先ほどお話のございました油の問題もありますが、しかし、日本が日本の経済の問題を処理するとき、石炭の問題だけ考えてやっていくわけにはいきませんから、日本の工業全体、日本の経済全体がどう動いていくか、そういう観点から問題を処理していくことになるでしょう。でありますから、あとで言うということでございますから私はこれ以上は申し上げませんけれども、要は、計画を立てていくという以上は、五千五百万トンを基礎としていかなかったならばやりようがなないのじゃないか、こう考えておるわけであります。
#59
○井手委員 生産五千五百万トンだということは私もわかります。しかし、需要は動くものであるからはっきり申し上げられないというのじゃ、私は承知できませんよ。そのためにこその石炭政策じゃございませんか。そういう努力をしなくちやならないのじゃないですか。五千五百万トンの需要計画を立てて、そうして一生懸命五千五百万トンのそれを突破するよう努力するのが通産大臣じゃございませんか。最初から需要は動くものだからはっきりしたことは言えない、どうしても足りないときには貯炭融資か何かやっていこう、そういうことじゃ承知できません。だれだって納得できません。計画は生産も五千五百万トン、需要も五千五百万トンでなくちゃなりませんよ。これは石炭政策のいろはですよ。そうして一生懸命努力してみて、最後になって若干狂うということはあり得るでしょう。初めから需要の不安定なことでどうします。もう少しはっきりしたことを私はお聞きしたい。
#60
○福田国務大臣 石炭の需要の問題を今解剖する場合に、たとえば電気とか鉄鋼とかセメントということになると、数が少ないから話し合いができるわけでありますが、一般の人が使う石炭が千何百万トンあるのですが、これを一々、ことしはお前は五トン使え、お前は二トン使えということはできないことは、御承知の通りです。われわれの言うておるのは、そこのところが非常に可動的なものだから、そこを法律で縛るわけにもいかないし、調査するわけにもいかないし、どうにもならないじゃありませんか、それから需要はそこで狂ってくるのです、そういうことを実は申し上げておるのであります。そのほかのいわゆる大きいところはちゃんと押えて措置はできますけれども、一体、個人々々のたいておる石炭を、国の計画通りにお前は一トン、お前は半トンというようなことで縛るわけにはいかぬでしょう。そこに実は一番大きいあれがある程度出ることは認めざるを得ないと思うのでありまして、井出さんのような専門家がそういうことをおっしゃると、どういうことかと思って、私わからなくなります。
#61
○井手委員 ところが、それは違うのですよ。これは石炭政策の答申大綱でも、一般用炭というものは比重は非常に少ないのですよ。一般用炭はずっと下がっていくという想定で大綱はできているのですよ。だから今度の石炭政策というものは、やはり大口消費では電力、鉄鋼、ガス用炭、この大口のものが四千数百万トンになりますが、これを確保しなければならぬというのが石炭政策でしょう。一般用炭が下がっていくことは、初めから見込んであります。お前は一トンだ、お前は二トンだなんて、そんなばかげたことは私は聞きはしません。一トン、二トンの違いはかまいませんよ。一般用炭がどのくらい異同があったってかまいません。かまわぬというわけじゃない、多いほどけっこうですけれども、問題は大口ですよ。大口がだんだん減りそうだから、これを引き取り増量を願って確保しなければならぬというのが建前でしょう。その大口が確保できるのなら、大体見通しはつくはずです。政府が昨年の十一月二十九日にきめられた大綱の通りおやりになれば、五千五百万トンは確保できるはずですよ。できることで答申ができているのですよ。それを、五千五百万トンの需要については不安定だからわかりませんではいけません。
#62
○福田国務大臣 おしかりを受けてまことに恐縮でございますが、そういう大口のものはもちろん努力もしますし、そういうことをもちろんやるわけでございます。しかし一般の需要が減っていくというのは、その中に入っているのだ、こうおっしゃるけれども、その想定のカーブがどういうふうになっているかということは、その中に書いてないわけです。そのカーブというものが、どういうふうに下がるか。だんだん下がるのだけれども、急速に下がるか、ゆるく下がるかでずっと違ってきますから、そこでその数字がわからぬということを実は私は申し上げたので、これはこんなとこで申し上げるのはどうかと思うけれども、産炭地に寒いときに行ったところが、私どもが吹雪の中で市庁舎へ入ったら、ガス・ストーブをたいている、そんなような調子では、一体どこまで減っていくのかわかりはしませんよ。産炭地ぐらいはせめて石炭を使っておるのかと思いましたら、それはわれわれのために特別にあのときはやってくれたんだろうと好意的には見ましたけれども、産炭地でもって石油コンロみたいなものを使っている。そういうところを見ると、需要というものは、一般はやはり便利なものを使おう、きたないものはあまり使いたくないというような感覚がある。そこのところが問題なんです。大口のところで減ったら百万、二百万どころじゃありませんよ、ごそっと減る。ですから大口はどうやら押えるけれども、そこら辺がじわじわ減るのが、見込みよりもカーブが急になっているというところに、この数字がうまくいかない点があるのではないかと見ておるのでありますが、いかがでしょうか。
#63
○井手委員 石炭局長にお伺いをしますが、東京とか大阪あるいはその以西の暖房用の石炭はどのくらい見込んでありますか――それでは、だいぶ時間が経過いたしましたから、大事な点を今からお伺いします。
 三十七年度の閉山計画は三百二十万トンであると私は記憶いたしておりますが、申し込みは非常に多かったようです。どのくらい繰り越しになりますか。
#64
○中野政府委員 先ほど暖厨房用炭についてお尋ねがございましたので申し上げますと、三十七年度四百三十三万トン程度暖厨房用炭を見込んでおります。
 それから閉山のお話でございますが、先般の石炭鉱業審議会に提出した資料について御説明申し上げますが、先生が三百二十万トンとおっしゃいましたのは新方式でございまして、これ以外に旧法式いわゆる非能率炭鉱の買い上げ方式によるものが百六万トン、それから保安不良炭鉱の整理によるものが五十五万トンで、予算規模といたしましては、本年度は四百八十一万トンということになっておるわけでございます。それから本年度閉山をいたしまして、来年度に実際の金が出るというものが百十八万トン程度だというふうに推定をいたしております。
#65
○井手委員 大臣が非常に強調なさった暖厨房用の炭は、四百万トンだと今御答弁になりました。一割違ってもせいぜい四十万トンでございますから、これは間違いのないように。四百万トンじゃございませんよ。
 それでは、二月の十一日からか申し込みを受けつけられておる三十八年度の閉山買い上げの申し込みは、現在どのくらいになっておりますか。
#66
○中野政府委員 今事業団の方で申し込みを受付中でございまして、確か三月二十日で締め切ることになっておりますので、まだ途中の集計はいたしておりません。
#67
○井手委員 あなたの方に報告が参っておるはずです。その中間報告を聞きたいと思います。三百五十万トンかあるように聞いておりますが、それはいかがですか。
#68
○中野政府委員 中間報告はまだ聞いておりません。
#69
○井手委員 全然わかりませんか――全然わかりませんか。
#70
○中野政府委員 調査すればもちろんわかると思いますが、ただ今度のやり方は、二月の十一日だと思いますが、それから三月の二十日まで、相当余裕期間を置きまして、前のように先着順とかなんとかいうことでなくて、少しゆっくり期間を置いて申し込ませるということにいたしておりますので、締め切りまで待って、どのくらいになるかということで調査をいたしたいというふうに考えております。
#71
○井手委員 それでは、炭政課長でいいですから電話で聞いて下さい。――三百五十万トンぐらいあると聞いておりますが、それはお聞きになりませんか。
#72
○中野政府委員 中間報告として正確なものは、先ほど申し上げたように、聞いておりません。大体どのくらいになりそうか――何日付というようなことを全然記憶しておりませんが、最近のあれで、そんな大きな数字にはなっておらぬように聞いております。
#73
○井手委員 ちょっと炭政課長答えて下さい。
#74
○井上説明員 私が昨日合理化事業団で聞きましたところによりますと、二百九十万トンというふうに聞いております。
#75
○井手委員 きのう現在で、大体二百九十万トン申し込みがあったそうです。繰り越しが百十八万トンですね。そうすると、これで四百万トンをこえるわけです。そうしますと、石炭局長にお伺いしますが、三井、三菱、日炭、その他の閉山計画がどんどん発表になっておりますが、閉山する場合、大体三十七年度の一人当たりの出炭は二十三トンと見ているのですが、全国平均はどれくらいですか。
#76
○中野政府委員 これは大手、中小また山の事情によって違いますので、平均どれくらいになるか――昨年の全体が二十四、五トンでございますから、閉山した山はそんなにならぬと思いますが、今ちょっとはっきりしたことはわかりません。
#77
○井手委員 あなたの方で石炭鉱業審議会に出された表には出ておるのです。平均の出炭量は、閉山した場合――それを局長が御存じないのは非常に不思議ですが、二十四トンです。今言ったように、三月二十日までに受け付ける予定の三十八年度の買い上げ申請が、すでに二百九十万トンきておる。それから昨年の三十七年度の繰り越しが百十八万トンですから、すでにそれだけで四百万トンをこえるわけです。それから、これは閉山じゃございませんけれども、三井が幾らでしたか、九千人かの発表をした。閉山だけ申しましても、三井、三菱、日炭あるいは明治、今ここで最近発表されたものをずっと計算しますと、二万人くらいになるのです。二万人を二十四トンにいたしますと、一人大体年に三百トンですから、二万人の離職者を予想される場合には年間六百万トンになるわけです。最近、二月以降に会社から発表しましたのは三十八年度に入るわけですが、これは申し込みはしていないはずです。そうなりますと、この三月二十日ころまでに、閉山計画というものが、すでに申し込まれたものと繰り越された四百万トンをプラスすると、数百万トンになろうと考えるのです。その点大臣はどういうふうにお考えになっておるか知りませんが、合理化が進み過ぎて大へんなことですよ。
 それでは、大臣の返答の前に石炭局長にお伺いしますが、閉山計画は年次別にどういうような計画でございましたか。
#78
○中野政府委員 年次別の計画というものは、調査団の段階でもつくっておりません。三十七年度から四十二年度にかけまして、約千二百万トンの生産減で、千二百万トン程度のスクラップをやるのはやむを得ないじゃないか、こういうことを出しております。実績をちょっと、手元にある審議会に出した数字で申し上げますと、たとえば三十六年度から三十七年度にかけて、いわゆる増強、維持その他の三つのグループに御承知のように分けておりますが、その他の山はだんだんこれは将来スクラップされていくようなことになるだろうと思いますが、このその他群で三十六年度の生産実績が千五百四十数万トン、それが三十七年度には千百四十万トンに落ちております。従ってこの間で約四百万トンの生産減が、三十六年度から三十七年度にかけてあったということでございます。これに対して閉山の規模は、三十六年度から三十七年度にかけて御承知のように四百七十二万トン程度あったわけでありますから、四百七十二万トン程度の閉山、これはもちろん五十五万トンの保安不良の整理を含んでおりますが、四百七十二万トンの閉山規模に対して、生産減は、約四百万トン程度というような形になっております。従って一応三十八年度は、予算規模では御承知のように、いわゆる石炭鉱山の整理交付金制度によるものは四百四十万トン、それ以外に保安不良のものが三十万トンで、四百七十万トンというのが予算のワクでございます。その中で一部は先ほど申し上げましたが、三十七年度の三月近くになってやめたものが、三十八年度で金が支払われるというものがあるわけであります。来年につきましても、これは一部でありますけれども、なるべく少なくしたいと思いますが、年度末近くになって閉山して、金が出るのが三十九年度になるというものが一部出てくると思いますが、これはどの程度の数字になりますか、今から資料を整えておりますので、これは今後きめまして、それで審議会にかける、こういうことになると思います。
#79
○井手委員 あなたの方の心組みとしては、大体出ておりますよ。年次別の整備は三十七年度に三百七十万トン、三十八年度では四百四十万トン、三十九年度では四百万トン、その残りを四十年度以降ということになっております。それはあなたの方の資料に出ております。昨年秋の答申されたあとの、あなたの方の説明に出ておるのです。
 それで大臣にお伺いしますが、今言った三十七年度は三百七十万トン、三十八年度は四百四十万トン、三十九年度は四百万トンというふうで、三十七年度から四十二年度にわたる石炭整備計画では、整備が前半に集中するので、離職者対策も十分にやらねばならぬというのが、今までの説明でした。ところが、私が今一番心配しておるのは、三十七年度から三十九年ごろまでに整理しようというのが、この一月から三月にかけて全部済んでしまいはせぬかという心配があるから、私は申し上げているのですよ。もし今のままでいきますと、予算は足りなくなる、雇用計画は立たないようになります。大へんなことになりますよ。そこで大臣にお伺いしますのは、現実に、炭政課長の話では、二百九十万トンの申し出がある。申し出があるのは、現実にはもうつぶれているかもしれません。現実はほとんどそうなんです。大臣、頭を横に振っておられるけれども、現実を知らぬのです。多くはつぶれているのですよ。そうしますと、二百九十万トン、今後まだどんどん出てくるでしょう。それに繰り越しが百十八万トン、合わせて四百万トンをこえているのです。ここに今各社で発表しているような閉山計画を実行したならば、七百万トンにも八百万トンにもなると思う。それで、予算で四百四十万トンを計上してあるのだから、それ以上の閉山計画はこの機会にストップしてもらいたいと私は思うのです。各社がどう計画しようと、政府の計画しない、雇用計画のそろわないような、ついていけないような合理化計画はだめですよ。適当に返事しようじや困りますよ。よく聞きなさいよ。これは四百四十万トンのワクに、もうすでに、二百九十万トンと繰り越しがあるじゃないですか。大体四百万トン近くになっておる。それに次々に閉山計画を発表しておる。これはストップしなければいけません。この前あなたは、こういうふうに言いました。四百四十万トンの計画をこえるようなものは承認いたしませんとおっしゃったから、承認しないものなら、今のうちに混乱を起こさないように、四百四十万トン近くなっておるから、今後の閉山計画は待ってくれと各社に言明すべきであると私は思うのですが、どうですか。
#80
○福田国務大臣 そういうような数字の問題も含めて、今後どういうふうな数字が出てくるか、また、今あなたのおっしゃった数字の上にどれだけ加算されるのか、また、あなたがおっしゃった二万人のあれというのはどういう計画であるのか、私は了承しておりません。いずれにいたしましても、私が承認をしないと言ったことは、こういう意味であります。審議会できめないうちに正式に会社だけできめて、そしてこれだから金を払ってもらいたいとかなんとか言っても、それは私は認めませんということを言ったのでありまして、すべてそういう計画はどう措置していったらいいかということを一応審議会にかけ、そして審議会の議も入れて政府として措置をしていく、こういうことでございます。でありますから私は、審議会がどういうような答申をなさいますか、そういうことも重大な参考資料とするわけで、その重大な参考資料がまだ出てきておらないうちに私が、どうするとかこうするとか申し上げることは、早計ではなかろうかと考えております。
#81
○井手委員 早計であるとか慎重であるとかという問題ではないのですよ。次々に閉山計画を発表しておる。労働組合も同意しなくてはならぬような撤収作戦が、現地で行なわれておるのですよ。たとえば八百万トンの申し込みが前年度の繰り越しを加えてあったとするならば、それは八百万トンであるけれども四百四十万トンしか認めませんぞ。しかし残ったものは、翌年度分としてあるいは追加として出てくるでしょう。現実には炭鉱は閉山になるのですよ。そんなに一ぺんに閉山されてしまったら困る。雇用計画も立たないから、なるべくスロー・ダウンしてくれよというのが、みんなの要望なんです。あなたは四百四十万トン以上のものは認めないとおっしゃいますけれども、出てきたものは認めますか。
#82
○福田国務大臣 そういう数字はすべて審議会に諮ってから、諮った上でなければ――今大手が話をしておることはいいけれども、そういうふうになったから認めてくれ、こう言って出てきても、そういう態度では認めません。そういうことはやはり審議会にかける、審議会にかかってからでなければ、買い上げというような措置はしません、こういうことを私は申し上げておる。
 そこで数字の問題になりますと、それが四百四十万トンになるか、四百万トンになるか、あるいはそれをオーバーするか、申し込みがどうなるかは私はまだ数字を持っておりませんが、そういうことも含めて、こういう申し込みがあったけれども、しかし雇用の計画ではこういうことになる、そうしたらこういうことになる、これでよろしいでしょうかというような原案というものは、一応は案を付して出すのでしょうが、しかしそれを出したときに審議会が、そんなものじゃ困るからもっと政府の方で何らかの措置をして、この際処理をしたらいいじゃないかという考え方もあるだろうし、まあきめておいたところで、金を払うのは、あるいは来年の端境期の四月に払うという工夫をしたらいいじゃないかと言われるかもしれない。そこらは審議会がどういう答申をされるかわかりません。いずれにしても、しかしながら重要な問題、人の職に関係のある、あなたが非常に心配されておるいわゆる離職者という問題に大きな関係がある問題ですから、私は審議会が良識のある判断を下されることであると思っております。私たちはその審議会の案を見た上で、この決定をいたすのでございます。その審議会の決定がまだないうちに、私がどうします、こうしますということは、これは早いのではないでしょうか、こう申し上げておるわけでございます。
#83
○井手委員 大臣のおっしゃるのは、机の上のお話でございます。あなたは審議会々々々と審議会第一主義におっしゃいますけれども、それじゃお伺いしますが、三十七年度は事後承認じゃございませんか。つぶれたものはしょうがない、それは認めようという結論ではございませんか。需要が五千三百万トン、生産は五千四百万トン、三十七年度の整備計画というものは、これは事後承認ですよ。これはあなたたちも否定はできないはずです。現実につぶれてしまったものはしようがありませんというので、審議会にかけられたのですよ。計画じゃないのですよ。三十七年度にかけられたあの整理は、全部つぶれたものですよ。今のままでいってごらんなさい。そういうことになる。私はきょうは、そう言質をとろうとは考えておりません。事実を話して、あなたの考慮を願いたいと思っておりますが、現実には二百九十万トン申し込んでおる。すでに繰り越しが百十八万トンある。三月の二十日までには、あるいは二百九十万トンが四百万トンをこえるでしょう。私は五百万トンになるかもしれぬと思います。あるいはもっと出るかもしれない。その申し込みをするときには、もう炭鉱の方では労働組合の同意というものが、業務方法書によると、これは調査の前ということになっておりますから、同意ができない場合があるかもしれません。秘密に申し込んだものがあるかもしれません。しかし、そういうところはすでに撤収作戦をやっておりますから、閉山同様の形になっておるのですよ。四月の何日かに、三十八年度の合理化計画を審議される審議会が開かれるときには、繰り越された百十八万トンと申し込んだ数百万トンの山というのは、ほとんどつぶれているのですよ。中には細々と保坑をやっておる炭鉱もあるかもしれません。そういう炭鉱が六百万トンにも七百万トンにもなるおそれがあるから、もう一ぱいになろうとする今日、受け付けないで停止してはどうかと私は申し上げているのです。七百万トンもの炭鉱がつぶれておる。そのときに四百四十万トンを出されても事おそしですよ。それを私は申し上げているのです。そのときに認めませんとおっしゃったって、現につぶれているのですよ。大手は一、二そういうところはチェックする場合もあるでしょう。しかし多くの山はつぶれてしまう。それを今のうちに、予算も足りない、雇用計画の立たないような、そういう七百万トンも八百万トンも整理するようなことは、一つ大事なときであるから、この際、この程度でやめさせる、閉山計画はちょっと待ってくれという行政措置をとることが、通産大臣として一番大事な任務ではなかろうかと私は申し上げているのです。そのときになってみなくてはわからぬ、審議会にかけて良識ある判断があるでしょう、そういうことではできませんよ。この点は私は何回も聞きますよ。
#84
○福田国務大臣 何度お答えしても同じことであろうかと思うのでございますが、今そういうような申し入れがあって、あなたは全部つぶれておるという認定をされておるわけです。私はその実情を知らないから、お前は机の上の議論をしているのだ、こういうお話でございますけれども、私たちとしてはやはり審議会にかけて、そして審議会は、もし現実がそういうことであれば、その現実を認識した上で、審議会としてはどういう考え方をされるか、名案をお出しになるかというようなこと――何もそれを出したから必ずこれは買い上げるんだ、たとえば先着順で二百九十万トンきたから買い上げることにきめようというのではありません。それはあなたの方は、つぶれたのだから買わざるを得ないじゃないかと言われるのですけれども、それはいろいろ詰めてみなければわからない問題で、幾らそう言っても、その点ではみなやめているとも言えないでしょう。私もまた、あなたの言われるように、三月の二十日には四百万トンになるかもしれない、あるいはならぬかもしれない、それはやってみなければわからない。それを見てからお話ししていただきましょう。だから、なるべく早く四月の初めに審議会でやるようにして、そしてどういう御意見が出てくるか聞かしていただいて、その上でわれわれとしての態度をきめる、こういうことにさせていただきたいと思うわけであります。
#85
○井手委員 このまま受け付けを進めてやってみなくてはわからないじゃないかと大臣は言われる。しかし三井、三菱、日炭、明治あるいは宇部、次々に二月に入ってから閉山を申し出ておるじゃありませんか。そしてそういう炭鉱は、坑内などではすでに撤収作戦を始めているのです。坑内に入っても固定給しかもらえないような実情をなしておるのですよ。坑内に下がっても賃金はよけいもらえない。それじゃ失業保険に困るというので、やむを得ず閉山に同意しなくてはならないような事態になっておるのですよ。申し込みが幾らあろうと受け付けてみなければわからぬと大臣はおっしゃったが、今の状態で参りますならば、ものすごい申し出があるのですよ。大臣は産炭地ではございませんし、九頭龍川上流の生まれですから、御存じない場合もやむを得ないと思うのです。
 局長にお伺いしますが、今の調子でいけば、本年度の申し込みは、大体専門筋の一致した意見では、六百万トンをこえるといわれる。新聞の報道でもそうなんです。繰り越しを加えると、七百万トンをこえる見込みですよ。それをそのまま一方的に閉山の申し込みを受け付けていいのですか。この辺で閉山計画はちょっと待ってくれろ――四百四十万トンでは、間もなく一ぱいになるのですよ。きょうは四百四十万トンになっておるかもしれません。ここで行政措置をとらなくてはいかぬ事態になっておりはしませんか。
#86
○中野政府委員 先ほど先生がちょっとおっしゃいました三十七年度の分につきまして、閉山ワクを先般の審議会で追認をしてきめたんじゃないかという点は、ちょっと誤解がありますので申し上げますが、御承知のように、昨年の七月に二百万トン――従来は、予算は百二十万トンの新方式のワクでございましたのを、審議会をわざわざ開いていただきまして、相当議論がございましたが、やむを得ないのじゃないかということで、新方式三百二十万トンのワクにつきましては審議会で決定していただきまして、その決定に基づきまして、その当時は予備費でございましたが、予備費をとりまして、そして審議会で決定したものに従って、閉山の買い上げを現在実行しておるわけでございます。決して、ただ実績があったから認めたというような性格のものではありません。これは先生よく御承知だと思います。
 なお先ほど申されました、最近、閉山したい、合理化したいという各社のいろいろの提案がございまして、現在私どもから見ればいわゆる事前折衝、予備折衝というふうに考えておりますが、行なわれております。しかしそれがその通りに全部いくわけではなくて、労使の話し合いでそれが煮詰まっているわけであります。全体のワクをどうするかという問題は、先ほど大臣がお答えになりましたように、四月の中旬を予定しておりますが、なるべく早く開きたいと思っております。審議会できめていただいて、そのワクと方向の中で、各企業の労使が話し合って、最終的な具体的な合理化閉山計画というものが実施に移されていくというふうに、われわれは了解をしておるわけであります。先ほど申されましたうちで、たとえば明治鉱業であるとか宇部興産の閉山は、御承知のように、昨年末からことしの初めにかけて労使の折衝が行なわれまして、これは全部労使の話し合いがつきまして、本年度中に閉山するものでございますので、これは三十八年度の問題ではございません。ただ三井とか、今すでに折衝に入っておるもの、あるいは今後発表されていくもの等はあると思いますが、一部は三十七年度で片づいておりますので、はたして今後閉山の申し込み等がどの程度になるか、先ほど炭政課長の御報告では、現在二百九十万トン程度の申し込みになっておるということでございますが、今後の受付の状況を見まして、これはどの程度ワクに入れるかということは、審議会の御審議を経て、政府できめるということでございますので、どの程度になるかということを今言えと言われると、世間ではいろいろ数字を言っているのかいないのか知りませんが、まだ今のところ、私の口から見通しというものを言うのはちょっと冒険である、また差し控えたいと考えております。
#87
○井手委員 それじゃ局長、四百四十万トンのワクに六百万トンの申し込みがあっても、そのときにきめるのだ、あとは認めないのだ、それでいいんですか。
#88
○中野政府委員 これは各社からも、大手についてはいろいろ事情を聞いておりますし、それから今事業団に申し込んでおるのは、相当部分が中小だろうと思いますが、その中小のものにつきましては、いよいよ経営が行き詰まってから申し込むというようなものがございまして、先生の御心配になったように、実際につぶれてしまって賃金も払えないというようなものは、むしろ早く処置をしてあげなければいかぬと、われわれ――先生方もそう思っておられると思いますが、そういうケースがございますし、いずれにいたしましても、審議会に資料を提出いたしまして、これは大事な問題でございますので十分御審議を願いまして、その上で政府の方針をきめる、こういうことにいたしたいと思います。
#89
○井手委員 これは大事な点ですから、それでは重ねてお伺いしますが、四百四十万トンのワクで今一番私どもが心配しておるのは、中小なんです。そうして大手の閉山がどんどんくる。数字ははっきりわかりませんけれども、四百四十万トンのワクに六百万トンの申し込みがある。その間差の百六十万トん、それから繰り越しの分、閉山の申し出があっても、二百万トンでも幾らでもチェックできる、引き延ばせるとお考えですか、そのままでよろしゅうございますかと聞いているのです。ただそういうことだけでいいのですか。事前に万全の用意をする必要があるかないかと、私は聞いているのですよ。そういう心配が非常に多いのです。もう三十八年度の申し込みだけで、各社の計画を合わせると六百万トンといわれておる。それに繰り越しが百十八万トンもある。七百万トンをこえるのですよ。そういう見込みの鉱山が多いときに、それじゃ審議会にかけて四百四十万トン以上にはさせませんと言っても、それで済むのかと聞いているのです。
#90
○中野政府委員 審議会に必要な資料を整備して十分御審議をお願いしたわけでございまして、今先生がおっしゃったように、四百四十万トン程度で打ち切るというようなことは考えておりません。そのときの申し込みの状況、各社の整備計画の状況等も十分にらみ合わせまして、審議会に資料を出して御審議を願うわけであります。それをオーバーしたときにはどうするか、足りないときはどうするか、それはそのときに十分検討した上で、政府の原案というものを一つつくって、その上で御審議願いたい、こういうふうに考えております。
#91
○井手委員 通産大臣、中小は実に気の毒だ、早く買い上げてやらねばならぬと、局長も今おっしゃった。私も一部そう考えております。それじゃ四百四十万トンをオーバーした場合には、それに応じて考えなくちゃならぬとおっしゃるならば、六百万トンの申し込みがあったならば――六百万トンとはっきり言えませんけれども、ワクを拡大されるお考えですね。それじゃ四百四十万トンではない、必要があれば五百万トンも、六百万トンにも広げようというお考えですか。
#92
○福田国務大臣 そういうことを含めて、何も四百四十万トンをこえたときはどうとか、こうとかいうことではございません。われわれの考えておることは、審議会にかけてやるということは至上の命令であると私は考えております。それが一番大事なことだと思います。かけてからでなくて、私たちがそれ以上やるとかやらぬとか、今申し込みもまたはっきりしないうちに、仮定のあれでもってそういうお答えをすることは、審議会の答申自身をわれわれが縛ることにもなる。それでは審議会にかける必要がないということになる。そういうことではなくて、十分に良識のある人がお集まりになっているのですから、現在の資料はこの通りでございます。どうか一つ御審議を願います。こういって出して、そしてそれに対して審議会がどういう御意見を言っていただけるのか、それも聞いた上で、私たちとしては政府の責任において処置をしていく、こういうふうに考えておるわけであります。
#93
○井手委員 もっともらしい話ですけれども、しかし現実にはそぐわぬですね。くどいようですけれども、四百四十万トンというのは、単に四百四十万トンという数字が出たものではございませんよ。お隣の労働省の雇用計画に見合った合理化計画というもの、閉山というものは、四百四十万トンが最大ですよ。最小じゃございませんよ。四百四十万トンというのは、空にできた数字じゃございません。ところが現実にはすでに三月の二十日に予定されておる申し出に、二百九十万トンの申し込みがある。繰り越しが百十八万トンもある。もう今日までに四百四十万トンのワクに近いものがありますから、本来ならば、若干の余裕をとっておかなければならぬから、この程度で三十八年の閉山というものは締め切らなければならぬはずですよ、普通の行政措置であるならば。行政当局の責任のある態度であるならば、もう四百万トンちょっとの程度でとどめておくのが、私は常識だと思うのです。それはあなたが一番よく知っておる、大臣だから。ところが一方では各社がどんどん閉山計画を立てて、各社の社長や専務の集まったところでは、お前の方は幾らだ、おれの方は幾らだということで話し合ったところが、大体六百万トンといわれておるのですよ。そうすると繰り越しを加えた七百十八万トン、現に四百四十万トンのワクをはるかにこすという公算が非常に強いときに、審議会にかけてみなくてはわからぬということだけでは大へんですよ。だから聞いておる。中小鉱は買わなくてはならぬと、石炭局長はおっしゃる。それじゃ四百四十万トンにこだわらずに、ワクを広げて六百万トンも七百万トンもお買いになるつもりですかと聞いておるのですから、それはそのときになってみなくてはわからぬというのでは、だれだって承知しませんよ、そんな言葉では。そんないい加減なことは許しませんよ。あくまでも四百四十万トンという雇用計画でありますから、そういうわけには参りませんというのがあなたの考え――本来ならば通産大臣は、この際はそういう情勢でありますから、慎重に考えて、閉山はしばらく待ってもらいますということを言うのが、私は賢明な通産大臣の答弁であると思う。
#94
○福田国務大臣 これは何度もお答えをいたしておりますが、あるいはものの見方の相違ということに相なるかもしれないと思うのであります。私たちは石炭の対策をきめていく場合には、審議会というものにかけて、そこで十分検討をしていただいて、そして処置をしていただく。四百五十万トンをオーバーした場合には、それをもっと措置をしたらいいじゃないかという結論が出るのか、それはもうそこで打ち切れと言われるのか、あるいはどういう結論を出されるのか、そんなことをわれわれが今から言うべき筋合いのものじゃない。私はその審議会を尊重して措置をするということで、ちゃんとわれわれの原則を出しておるわけです。今申し上げたように、石炭の対策というものはそういうふうにして措置するということになっております。だからその審議会の段階において、われわれはその責任をもって処置をすればいい。審議会が済んだところで、これを見ながら責任をもって処置をする、こういうことでやるべきであって、審議会の前にどういうことでありましようとも、われわれがその内容を拘束するような発言は、審議会をつくって審議をするという趣旨に反するではありませんか、だからこれは申し上げるわけにはいかない、こう申し上げておるわけでございます。
 それからまた、中小企業のものは全部買い上げるというような、申し入れがあったら全部買い上げるんだ、多くはそうなるかもしれませんけれども、ものによってはあるいは買い上げないものもあるかもしれないので、私はその点は誤解を解いていただきたいと思います。
#95
○井手委員 通産大臣が審議会を尊重しようという、その意味だけでは私は理解いたします。それでは審議会が、やむを得ない、中小鉱の申し込みも多いから、現実は閉山しているのだから、ワクは六百万トンにふやしたらどうかという結論になったら、審議会を尊重する意味においてワクを広げられますね。そういうことですね。
#96
○福田国務大臣 御存じのように、審議会には雇用部会というものもあるのであります。その雇用部会がそれでいいんだというような答申をされるかどうか、そこら辺は、これ以上言うとだんだん審議会でこうせいということになってしまうから、私は言わない。雇用部会というものもありますから、井出さんのお考えもよくわかりますけれども、審議会で一応相談した上でと、こう申し上げるより手はない。
#97
○井手委員 そうしますと現実に、石炭局長が話したように、一部は閉山していないところもあるでしょうけれども、ほとんどが現実に閉山しておる。その数が六百万トンにもなっておる場合に、どうなさいますか、これは結論を急ぎますが、どうなさいますか。四百四十万トンというのはそんな軽々な数字ではないと思いますが、現実に六百万トンも閉山をしておる。そういう場合にどうなさいますか。三十八年度に計画した山が、すでに閉山しておるのがたくさんございますよ。おととい出されました審議会の資料にも、三十六年度以前のものがどうだと書いてある。ずっと前に閉山したものを今処理しているのですよ。三十八年度に申し込みのは、すでに閉山したものがかなりある。それがあるのに、四百四十万トンしかいけないということになったら、その離職者は大へんなことになります。そうでしょう。閉山したものが四万人にもなったら、大へんなことになりますよ。そのときそのギャップはどうなさいますか。
#98
○福田国務大臣 そういうことを審議会でよく御研究を願うわけでございます。
#99
○井手委員 労働大臣、先刻あなたは来年度は繰り越しの一万八千人に加えて三万人近い新たな離職者があるとお話しになった。それは四百四十万トンの場合でしょう。
#100
○大橋国務大臣 大体その程度の閉山を見込んでのものでございます。
#101
○井手委員 重ねて大臣にお伺いしますが、今のこのだらだら不景気の中では、それ以上の計画は組めないでしょう、組めますか。
#102
○大橋国務大臣 それ以上の計画を組むにつきましては、また何か新しい方策の検討を要するだろうと思います。
#103
○井手委員 今の一万八千人ですか、職業安定は来年度の計画一万八千人、それ以上のものが新たに開拓されるとは常識的に考えられません。そうなりますと、政府雇用ということになりますが、政府機関の雇用だって、来年は二千八百人、これもなかなか困難ですよ。なかなか甘いものじゃございませんよ。四百四十万トン以上の整備ということは困難ですよ。私はここにずっととって参りました。これは雇用の関係ですから、閉山ばかりじゃございませんが、三井が九千四十六人、北炭が六千人と言っておる。三菱は美唄が五百五十人、その他を加えますとかなりな数字ですよ。それから明治、日炭、いろいろ加えますと膨大な数字になりますよ。私のこのざっとした計算でも、この合理化によるものは、二月以降各社が労働組合に申し入れた数は二万人をこえているんですよ。これはあなたのおっしゃった新規の三万人近くの数とはまた別になりますよ、一部入っておりましょうけれども。労働大臣、こんなにたくさんのものを、そんなに簡単に雇用計画が立つとは思われません。今の現状では四百四十万トンが大体ぎりぎりとはお考えになりませんか。あまり通産大臣の立場を考えられぬでもいいです。雇用の立場からおっしゃって下さい。
#104
○大橋国務大臣 もとより雇用問題につきましては、労働省としての立場で申し上げておることは、先ほど来同じことでございますが、来年度の予算の編成にあたりましては、大体新規の求職者は三万人程度という考えで予算を組んだわけでございます。従いまして、それが非常に数が狂ってくるということになりますと、新しい予算措置を考えなければ、現在御審議願っておる予算では十分な実績を期待できない場合もあり得るんじゃないか、こういうふうに考えます。
#105
○井手委員 通産大臣、あの雇用計画からは四百四十万トン以上は閉山は無理なんです。合理化計画においても、大手のいわゆる能率向上による人員整理においても、そんな膨大な合理化計画は進められないはずです。あなたは審議会で検討してもらうとおっしゃいますけれども、審議会が検討できるようなものでなくては、審議会にはかけられぬはずです。雇用の計画の見込みの立つもの、その確信を持たなくては石炭鉱業審議会にはかけられないはずです。通産大臣、それじゃお聞きしますが、予算は整備資金と離職金については、幾らでもこの金が出せるような仕組みになっておりますか、三十八年度予算案では。きょう、あすでしまいですから大事な点です。
#106
○福田国務大臣 そういう問題に触れていくことが、審議会の権限にやはり触れていくから、私はそういうことについても申し上げておらないわけなんでございます。そういう予算の問題も審議会でおやりになる場合には、案をおきめになる場合には、予算措置というような問題もあるいは考えておやりになる。それは考えないで、もうできているからいいと思われるかもしれぬし、それじゃ足りぬと思うかもしれぬ。そういうことを含めて、すべて審議会の御意見を聞いて措置をいたしたい、こう申し上げておるわけであります。
#107
○井手委員 石炭局長にお伺いいたしますが、三十八年度予算案には整備資金は何に幾ら組んでありますか。離職金は何人を予定されておりますか。
#108
○中野政府委員 今ちょっと数字を持ち合わせておりませんけれども、先ほどの御質問のように、閉山規模は四百四十万トン。それから出てくる離職者に対する離職金、それから整備資金については、これは合理化の方もありまして、またこれは市中調達等がどの程度できるかという見込み等がございますので、なかなか計算はむずかしいと思いますが、一応今のところは六十億の財投を掲げておるわけであります。
#109
○井手委員 離職金は、大臣、一万三千人しか組んでないんです。雇用計画と予算の面から一応限界があるはずです。審議会に一切をまかせるというわけには参りませんよ。大臣の答弁として、やはり四百四十万トン、予算の範囲内でしかあなた答弁できないはずです。また、予算の範囲内で合理化計画を進めていくという以上はできないはずですが、それでもなお審議会にかけて、その決定に従うとおっしゃるのですか。
#110
○福田国務大臣 私は、石炭の問題は別にいたしまして、政府が、予算以外には絶対にできないという断定で政治をする必要はないと思っております。
#111
○井手委員 予算をつくる時分は、一年間の確実な見通しを立てて審議を願うのじゃございませんか。非常にぐらぐらするような不確定なものばかりでお立てになるわけではございません。そういうことではないはずです。いよいよ実行しかけてみて、経済情勢の急変であるとかなんとかであるような場合には変える場合もあるでしょうけれども、まだ予算が衆議院を通過する前に、そういうあやふやなことを言うものじゃございません。ある程度の確信を持って、これくらいの見込みです、こういう計画でやります、こう言うのが建前じゃございませんか。四百四十万トン以上もやむを得ない、審議会の決定では、五百万トンでも六百万トンでも、もし審議会がおきめになるならば、それに従うというお考えですか。そのときの予算はどうなりますか。
#112
○福田国務大臣 われわれは一応の予算を立ててやっているわけでありますが、今あなたがお話しになったことでも、二百九十万トンという数字が出ている。それに百万トンほど残っているということであれば、一応それでカバーしておるわけで、われわれとしては一応それでやれると思っております。しかし、政治にしても経済にしても、すべて生きものですから、また災害とかいろいろな問題もあるでしょう、いろいろな問題がある場合に、当初予算というものだけで縛られるとは私は考えておりません。現段階においてはこれでいいと思って予算を出していることは、これはもちろん明瞭でございます。しかし、そういうことも含めて、今後三月の二十日までにどういう数字が出てくるか、私つまびらかにいたしておりませんが、そういうような数字が出た上で、そういうものも含めてこういう事情になっております。こういうような数字であります、予算はこういうふうになっております。どうしたらよろしゅうございますかと、こう言って聞くのが、これがいわゆる諮問というか、審議会に対して意見を求めることで、これは予算が足りないからこうしますとか、これは政府としての責任でこうやります、こうきめていくのでは、いわゆる審議会にかけるという大本を失するのではないか。従いましてここでは、遺憾ではありますが、あなたにそういうことについて御答弁申し上げるわけにいかない、こう申し上げているわけでございます。
#113
○井手委員 そのほか私はいろいろ申し上げたいことがありますが、時間がだいぶ経過しましたから、その点についての結論を急ぎますが、こういう情勢です。閉山計画というものが、どんどん予定以定にふえている。合理化計画が非常に進んでいる。これを何とかスローダウンしなくてはならぬというのが、多くの方々の意見なり主張です。しかし現実にやむを得ないというので、三十八年は四百四十万トンの閉山を計画された。ところが大手の合理化計画は、もっとひどいものが次々に出ているのです。そういうときに、雇用計画の従わないような合理化、閉山計画というものは、会社の一方的な意思で、会社がやるからしょうがないということだけで済まされぬと私は思う。こういうときにこそ政府が行政指導によって、予算の範囲内にとどめるという態度を明示することが、一番必要であろうと考えるのです。それを私は先刻来聞いているのです。
 それじゃ、結論だけをお聞きしましょう。今までるる私が申し上げました、そういう合理化計画が予定以上に進んでいる。こんなに炭鉱がわずかな期間にどんどんつぶれるということは、世界各国に例がございませんよ。だれだって予想外の急テンポです。雇用計画はこれではついていけませんよ。雇用計画が立たないところに合理化計画はあり得ないということは、何回も政府は言明なさった。雇用計画は非常にむずかしい。石炭四百四十万トンは、労働大臣がおっしゃるようにせいぜいやる。そういうものもどうなるかわかりません。そのワクを越えて審議会に一切まかせられとるいう態度は、私は納得できないのであります。次々に各社が発表しておる。この合理化計画を慎重にやるように、もう閉山というものはこの程度で一応押える、そういう行政指導がどうしてもできませんか。通産大臣、結論的にお伺いいたします。それをあなたは数字がどうなるかわからぬとおっしゃるけれども、責任ある会社の社長クラスでの話では、六百万トンという数字も出ておる。それはもう現実に出てくるのです。はっきり六百何万トンでくるかということは私は明言はできませんけれども、そういう公算が非常に強いときには、何らかの措置を大臣はすべきではないか、私はこれを重ねてお伺いいたします。
#114
○福田国務大臣 今、六百万トンという数字を社長が言っておるとおっしゃいましたが、私はお伺いしておるわけではございません。それからまた、今大手の人たちが、いわゆる閉山の問題を労組と話しておるのは、私は、会社内の内輪の話をしておるのだ、こういうふうに解しておるわけでございます。経営者が今後の方針について労組と、自分の経営方針を述べて、そして話し合いをするということをとめることは、これは無理だと考えておりますので、この段階においては、そういう措置をとることは、遺憾ながら御意見を異にせざるを得ないと思います。
#115
○井手委員 ただいまの大臣の御答弁は、私は非常に不満であります。この通常国会は五月の末まででございますから、なお通産大臣とは何回もお会いできる機会を持ち得ると思いますから、今までお話しになった点について、いよいよ審議会にかけるその前後に、またあらためて、その点をお伺いいたします。しかしそういうことでは、この石炭政策というものはこわれてしまいますよ。離職者対策というものが、この石炭政策のなるかならないかのかぎなんです。その離職者対策がなかなか困難なこときに、一ぺんに急激に何百万トンも――五年間で千二百万トンを整備しよう、それも前半に片寄らないで何とかスローダウンができないかという一般の要望に対して、たった何カ月間でそれを整備してしまおう、こういう急激な合理化、これが食いとめられないとは私は残念しごくであります。
 最後に、もう一点。先刻お伺いしました五千五百万トンの生産は計画したいと思うが、需要は動くものであるから確言できないとおっしゃったが、その際に貯炭融資はどういうふうになさるおつもりですか。これは現実の問題として大へんですから、お伺いいたします。聞くところによりますと電力会社あたりは引取増量の分などについては、年度末、極端に言うと三月三十一日ごろになって引き取ろう、こういう話も進んでおるようでありますが、そういう情勢であるから、生産も五千二百万トン程度に落ちるのではないだろうか、生産制限をしなくちゃならぬのではなかろうかという石炭企業間の話し合いも進められておるのです。この際政府は、五千五百万トンを確保するというのか。私どもは六千万トンにならなくちゃならぬと思いますけれども、少なくとも政府の言う五千五百万トンの責任は、どう持たれようとするのか。この前貯炭融資についてお聞きしましたけれども、三百万トンで概算百二十億円ですよ。三百万トンの貯炭があった場合に、百二十億円の金が要りますが、それは政府がお出しになるか。銀行はなかなか石炭会社に対しては信用が薄いようですが、それも大丈夫ですか。それはいつごろおやりになりますか。もう需要期といわれる今日、貯炭がだんだんふえておるのです。夏場ならばいざ知らず、需要期である冬季に貯炭がどんどんふえておる。すでに貯炭買い入れを発動すべきときにきておる。どういう具体案をお持ちになりますか。安心させるところの所信をお聞かせを願いたいと思う。
#116
○福田国務大臣 三十八年度において石炭がどれくらい余るかという数字は、少なくとも夏ごろから大体この傾向でいけばどうなっていくという数字が、見当が出てくる。まあ暮れごろになれば、一応はっきり出てくるでしょう。この場合でも私は十分考え得ると思うのでありますが、現実に今でも石炭会社に対しましては、われわれは市中銀行その他を通じて処置をいたしてきております。今までもそういう要望があったときにいたしてきておるのでありまして、そこでどういう措置をとるかということは、政府として考えていけばいい、また場合によっては、そういう非常にあれがあれば、今後貯炭の問題等についても研究をする必要があるかもしれませんが、私は何もここで三十八年度の分についてどうなるか、見込みがこうだとかああだとかいうことで、今具体的にあなたにこうしますと言わないでも、政府としてその場合には何らかの措置を業界と協力してとっていくようにする、こういうことでお答えになっておると思っておるわけでございます。
#117
○井手委員 貯炭については、この前も承りました。大臣から貯炭融資をするというお話がありました。まだ御記憶がありましょう。その点は、あとでお伺いする機会があると思います。そのときになって善処をするというのが、福田通産大臣の一家言のようでありますが、私は、この大事な石炭対策を、今のような御態度では、安心して見守るわけにはいきません。きょうは大臣お急ぎのようでございますから、きょうのところは、私はこれで打ち切ります。
#118
○上林山委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト