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1962/02/08 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 商工委員会繊維に関する小委員会 第1号
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1962/02/08 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 商工委員会繊維に関する小委員会 第1号

#1
第043回国会 商工委員会繊維に関する小委員会 第1号
本小委員会は昭和三十八年一月三十日
(水曜日)委員会において設置することに決した。
一月三十日
 本小委員は委員長の指名で次の通り選任された。
      浦野 幸男君    小川 平二君
      海部 俊樹君    小平 久雄君
      笹本 一雄君    中村 幸八君
      南  好雄君    山手 滿男君
    早稻田柳右エ門君    久保田 豊君
      小林 ちづ君    田中 武夫君
      中村 重光君    西村 力弥君
      伊藤卯四郎君
同日
 中村幸八君が委員長の指名で小委員長に選任さ
 れた。
―――――――――――――――――――――
昭和三十八年二月八日(金曜日)
   午後一時十二分開議
 出席小委員
   小委員長 中村 幸八君
      海部 俊樹君    笹本 一雄君
      山手 滿男君    小林 ちづ君
      田中 武夫君    中村 重光君
      西村 力弥君
 出席政府委員
        通商産業事務官
        (繊維局長)  磯野 太郎君
 小委員外の出席者
        商 工 委 員 板川 正吾君
        外務専務官
        (経済局米国カ
        ナダ課長)   高杉 幹二君
    ―――――――――――――
二月八日
 小委員笹本一雄君同月七日委員辞任につき、そ
 の補欠として笹本一雄君が委員長の指名で小委
 員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 繊維に関する件(繊維産業の現況等)
     ――――◇―――――
#2
○中村小委員長 これより商工委員会繊維に関する小委員会を開会いたします。
 繊維に関する件について調査を進めます。
 まず、繊維産業の現況について、政府より説明を聴取することにいたします。磯野繊維局長。
#3
○磯野政府委員 今度、繊維小委員会が設けられることになりまして、いろいろ御検討、御指導を願うことになりました。よろしくお願いいたします。
 お手元に参考資料といたしまして、いろいろ繊維のことを書いたものがございますが、繊維について問題がございますけれども、実は今度の豪雪の関係が主として石川、福井の機業地でございましたので、その辺の関係を五日から七日まで視察して参りましたので、まず第一にそれを若干申し上げておきたいと思います。
 まず第一に、実情でございますけれども、金沢、福井ともに大へんな大雪でありますが、たとえば福井県の大野、勝山というところがございますけれども、福井県に六万台織機がございますが、そのうちの一万台ばかりがこの大野、勝山を中心にしてあるわけでございますが、それを実は見て参りました。大体この地方の積雪は、降雪量が今日まで九メートル四十でございます。根雪の積雪量が三メートル十でございまして、二階建の建物の上の三、四尺のところに雪の道がございまして、それが通路になっております。でございますから、そこをみんな歩いているわけでございますが、電線をまたぎながら歩いておるというふうな状況でございまして、たとえば大野市のそういうふうな根雪を全部解消いたしますためには、懸命にやりまして大体二週間ぐらいかかるというふうな状況でございます。従いまして、こういうふうなことから、同地方の機用は、これは一般的にそうでございますけれども、極度の原糸の人手難と、それからそういうふうな雪でございますから、工員がなかなか集まりませんので、工員難と、それから重油その他の燃料難というふうな非常に困難な情勢になっておりまして、動いておるところもござますけれども、全休しておるような工場もあるような状況でございます。
 そういうふうな状況につきまして、その対策といたしまして、その地方を回りまして言われて参りましたことは、第一番目に輸送の確保でございます。幹線道路の方はだんだんにあきつつありますけれども、その幹線道路につながりますところの市内の道であるとか、あるいは側道の関係がなかなかあきませんので、原糸等につきましても、あるいは製品の出荷につきましても、郊外の幹線道路までは入りますけれども、そこから工場に原糸を入れ、あるいは工場にできました製品を幹線道路まで持っていくというふうな状況が、なかなかむずかしいようなことに相なっております。そういうことでございまして、まず輸送の確保をやってくれ、こういうふうなことでございます。
 第二番目といたしまして、ただいま申し上げました原糸の入荷を促進し、それから製品の出荷を促進することが、非常に必要であろうというふうに考えております。原糸の入荷につきましては、これは原糸メーカーの方も極力考慮するというふうな非常に協調態勢をとっておりますが、何しろ今申し上げましたような状況でございまして、駅の倉庫でございますとか、幹線道路まではきているのだけれども、なかなか工場に入らない、こういうような状況でございます。
 それから第三番目の問題として、輸出のクレームの問題がございます。ただいまいのところ、輸出のクレームについては、海外からもクレームがまだ提起されておりませんけれども、こういうふうな状況で、だんだんと製品の出荷がおくれて参りますと、これは海外の方には外務省を通じてPRはしてもらっておりますし、商社にもいろいろPRをやってもらっておりますけれども、必ずしも輸出のクレームがついてこないというふうな保障はございませんので、この輸出のクレームを防止し、それからもしそれが発生いたしました場合に、その対策をどうするかということが将来の問題になろうかと考えております。
 第四番目といたしまして、金融の問題がございます。この金融の問題につきましては、私が参りました福井県におきましては、これは繊維だけでございますけれども、一応滞貨金融というふうな、あるいは損害を補てんするための金融の量といたしまして、たとえば福井県におきましては四十八億円、石川県は四十六億円、富山県は四億円、合わせまして大体百億程度の金融をやってくれというふうな数字が出ておりますが、この辺は、御承知の通り、面接の被害はあまり大きくはございませんので、この滞貨金融の算定につきましては、原糸の入荷難と製品の出荷難によりますところの操短の関係による損失を計上すれは、百億になるというふうな数字でございますから、この辺は、現実の損害額がどれくらいであるかという点については、なお今後検討を要する問題があろうかと思いますけれども、一応今出ております数字は、三県を合わせまして百億というふうな数字と相なっております。
 それから今後の回復の状況でございますが、押しなべて、大体の感触といたしましては、今回の豪雪によりまして、機屋の関係は、二月は五%の操短、三月は大体四〇%の操短、それから四月は二〇%の操短、そして五月から大体平常操業に入るというふうな感触のようでございます。これは今申し上げました通り、市街地に近いとか、あるいは遠いとかというようなことでいろんな状況で違ってくるかと思いますけれども、まあおそいところで五月、早いところで四月というふうなことが、一応の観測では成り立つというふうに考えております。
 以上申し上げましたような豪雪に関する状況でございまして、この点は、私どもも、今後、金融措置その他につきましてできる限りのことはいたすつもりでございますが、国会方面でも、一つ御支援と御検討をお願いしたいというふうに考えます。
 それからその次に、繊維全体の問題につきまして、若干御説明をいたします。
 参考資料をごらんいただきますと、まず目次に、第一に「最近の繊維市況」というのがございまして、そこにいろいろ書いておりますが、この点は、その資料を離れまして、一番こういうふうに申し上げたらおわかりいただけるかと思いますのを申し上げますと、これはよく御承知でありますように、繊維全体の市況といたしましては、大体十一月ころを底といたしまして、その後市況の関係は上昇に転じております。これは、原因といたしましては、御承知の通り、金融の緩和、あるいは従来の極度の在庫の減少等によりますところの在庫の補てん、特に流通段階の在庫の補てんを十一月ごろからやり始めたというのが原因だろうと思いますが、私といたしましては、こういう流通段階のイレが大体三月ごろまで続くのではないか、そしてその後は一応実需の関係を反映いたしまして、市況は推移するのではないかというふうに考えております。
 そういう点で、おもなものにつきまして、一番最近の糸価と仲間相場と――これは取引の相場もございますが、そういうふうなものと、それから従来の最低のものを申し上げますと、まず綿糸でございますが、これは三〇の単糸でございますが、綿糸は、過去六カ月の最低が、これはコリでございますけれども六万七百五十円、これに対しまして二月七日の仲間相場が六万九千円でございます。九千円ばかり上がってきた。こういうふうな格好でございます。一時は七万円を出ておりましたけれども、最近はやや下がりまして六万九千円でございます。
 それから次に、人絹糸でございますが、これはビス一二〇デニールのものでございますが、七月の最低が百六十二円でございます。これに対しまして、同様に二月七日の数字が二百十円でございますのでもこれも五十円ばかり上がっておる。こういう格好でございます。
 それから毛糸でございますが、これは基準になります四十八双糸でございますが、名古屋取引所の相場が、最低が十一月に千十六円に対しまして、二月七日は千四百三十五円でございます。
 それから綿織物でございますが、標準になります二〇〇三というものでございますが、最低が十月の四十二円十銭、これに対して二月七日は四十八円二十二銭、こういうふうなことに和なっております。
 それから人絹織物でございますが、塩瀬でございますが、これが七月が最低で三十八円、これに対して、二月七日が四十七円五十七銭というような数字でございます。
 大体おもなものについて以上申し上げましたような状況でございまして、最近の繊維市況は、去年の十一月を底といたしまして、ようやくはい上がりつつある、こういうふうな状況でございます。
 それから第二といたしまして、八ページ以下に「構造上の問題点」というのがございますが、これを簡単に御説明いたします。
 十ページをごらんいただきますと、「別表3」というのがございます。その先に、大へん失礼でございますが、事の順序といたしまして十五ページ、十六ページの表をごらんいただきたいと思いますが、ここに「化学繊維の分数」という表がございます。よく天然繊維あるいは再出繊維、合成繊維という言葉がございますので、これはもちろんよく御承知でございますけれども、ついでとして申し上げてみますと、天然繊維につきましては、これは綿、毛がその主要なものでございます。それから大きな意味で化合性繊維と呼んでおりますものをやや内訳をいたしますと、そこに出ておりますように、まず第一に再生繊維でございますが、この再生繊維は、一番典型的なものはビスコース繊維、レーヨンでございます。その次に合成繊維でございますが、この合成繊維に大きく分けまして二つございまして、第一は、そこにまん中に書いてございますアセテート繊維、錯酸繊維というふうに呼ばれておるものでございまして、これも御承知のようにアセテートとして売られておるものでございます。それから狭義の意味の合成繊維でございますが、ここにいろいろ書いてございますが、典型的なものといたしまして、ポリアミド系合成繊維、この典型的なものとしてナイロン、ビニロンというふうなものでございます。それから少し下がったところにボリアクリルニトリル系合成繊維というのがございますが、これはボンネル、エクスランあるいはカシミロンというような商標名で呼ばれておる合成繊維でございます。いずれにいたしましても、合成繊維は、化学反応、合成過程を通じまして、化学的に繊維素を合成しまして繊維をつくっておる、こういうようなものでございます。こういうような関係によりまして、よく御承知の通り、最近天然繊維の利用がややもすれば停滞いたしまして、それに対して合成繊維が伸びておるというような現状でございますが、この辺を簡単に数字について御説明いたします。
 十ページをお開き願いますと、そこに表がございますが、これは単位はトンでございますが、二十七年の繊維の全体の商品を一〇〇といたしますと、天然繊維の方は、これは全部糸に換算しておりますが、二十七年は七五・六%、それから化学繊維、これは人絹、スフでございますが、それが二四・一%、これに対して合成繊維の糸は〇・三%というふうな構成に相なっておったわけでございます。それに対しまして現在、三十六年を見てみますと、右の方にございますけれども、天然繊維の糸が五九・五%に落ちております。それに対して化学繊維は三七%、それから合成繊維の方は、二十一年の〇・三%から実に二二・五%の構成に相なっておる。こういうような状況でございます。それからなお、通産局におきまして昭和四十年の見通しをつくっておりますが、これによりますと、大体四十年になりますと、化学繊維を含めました化合繊維と天然繊維とがほぼパー・パーになるというふうなことでございまして、天然繊維は五一・九%、化学繊維は二五・三%、合成繊維は二二・八%というふうな構成になるということでございます。もうしばらくいたしますと、天然繊維と人造繊維とがほぼパー・パーになるというふうなことになるのではないかと一応考えておる次第でございます。
 なお、次ページに「繊維別平均年成長率」というものがございますが、そこをごらんいただきますと、三十六年から四十年の毎年の成長率でございますが、一番右の方に合計というのがございます。これでいきますと、綿糸が年に二・三%、毛糸は六・六%、絹糸が六・三%、麻糸が五・六%ということであります。それに対しまして、人絹糸以下がございますが、人絹糸〇・七%、スフ糸五・七%、これに対して、合成繊維の中に入りますアセテート糸は一二・四%、特に狭義の合繊糸は二一・一%、毎年大体二割ぐらいの成長をしている、こういうふうなのが一応の見通し、予想でございます。大体現在の実績もこういうふうな実績に相なっておる次第でございます。こういうふうな天然繊維――これは絶対量はそれぞれ伸びるわけでございますが、天然繊維のややもすれば停滞的な伸び方と合繊のスピードの早い成長というふうなところから、現在繊維につきましていろいろな問題が起こっておるわけでございまして、これはいろいろ御質問に応じて説明させていただきますけれども、一つは、こういうふうな状況から、繊維につきましては、御承知の通り、消費者としてはどの繊維を着てもいいわけでございまして、自分の好きなものを着ればいいわけでございますから、そういう繊維の代替性というふうなところから、今申し上げた通り、各繊維が競合をしておるというふうなことで、繊維間競合が相当大きな現象として出ております。こういうふうなことと同時に、これは九ページの一番最後のパラグラフに書いてありますけれども、非常に好ましい点といたしましては、今申し上げました競合関係、つまり一つの需要に対してそれぞれの違った繊維が競争をするという現象と別に、これは総合繊維というふうな考え方、あるいは実際の需要というふうなことから、天然繊維と化学繊維あるいは合成繊維との両者の混紡、交織が非常に行なわれつつございます。これは繊維総合と言っておりますが、天然繊維の長所、それから合成繊維の長所、両方の長所をとりまして、それぞれを混紡し、あるいは交織して一番いいものをつくっていくのが、最近の現象でございます。
 その次に、これもよく御承知でございますが、今申し上げましたような一般的な構造的な問題のほかに、繊維につきましては、繊維工業設備臨時措置法というものがございまして、それによりますと、糸をひく機械、精紡機につきましては、全部登録された設備でないと糸はひけない、こういうふうなことに相なっておりますが、そういう登録をしないで糸をひいておるところの精紡機の問題がございます。十七ページ以下に、無登録精紡機の問題というようなことで表題をつけております。この無登録精紡機の問題につきまして簡単に御説明いたしますと、これも御承知でございますから、特に数学の関係を申し上げますと、二十ページをお開き願います。「別表7」がございますが、「別表7」に「無登録精紡機設置状況推移一覧」というものがございます。一番最後に、最近の、去年の十一月の数字を出しておりますが、無登録の精紡機を持っております工場数が、四百六十八工場ございます。それから無登録の精紡機の総数が、六十五万一千七百十五台でございます。
 次に、「制限外糸紡出錘数」というのがありまして、これが十六万七千二百六十三錘ある。これもよく御承知でありますが、繊維工業設備臨時措置法によりますと、スフの糸が九〇%入った糸は、登録されてない精紡機でもひける、こういうことになっておりまして、これを私どもは制限をしてない糸、つまり制限外糸というふうに呼んでおりますが、これは今の法律によりましても、登録をしない設備で合法的に紡げるわけでありますけれども、これが十六万七千二百六十三錘ある、こういうことであります。これは無登録総数の内訳を書いたものであります。
 その次に、「制限糸紡出錘数」というのがありまして、二十八万七千百十三錘あるということでありますが、この制限糸をひいております錘数、精紡機を、狭義の意味における無登録あるいはやみ精紡機、こういうふうに呼んでおるわけでありまして、こういう制限糸をひくべからざるにかかわらずひいております無登録の精紡機につきましては、私どもといたしましては、制限外糸をひくように、あるいはこの中の大部分、できましたら全部を格納して動かさないようにというような取り締まりの面をいろいろ現在やっておる次第であります。
 次に、「処理格納」といたしまして十五万六千六百六十九錘がございますが、これは今のような無登録の精紡機で制限糸をひいている、あるいは従来ひいておりました精紡機につきまして、警告を発したり、あるいは行政指導、あるいは大臣命令等を発しましたりして、そういう精紡機を動かないように格納させた錘数でございます。これが約十六万錘という状況であります。
 それからなお、休止しておるのが四万錘、こういうことでございます。
 今申し上げました無登録精紡機の問題につきましては、これは正確なところはよくわかりませんが、今のような無登録の精紡機で、あるいは場合によっては純綿糸に近いような糸をひいておりますものが、全体の綿糸の生産量のうちの一〇%近いというふうなことがいわれておりまして、私どもといたしましても、十九ページにいろいろ書いてありますけれども、従来ともいろいろ取り締まりをやって参りました。今後もそれを強化していきたいというふうに考えます。
 それから第三番目に、繊維工業設備臨時措置法の改正問題がございまして、これは二十一ページ以下にいろいろ書いておりますが、今申し上げました通り、繊維工業の実態と、それから繊維行政の中核は、大体この繊維工業設備臨時措置法が規制をいたし、あるいはこれを運営いたしておるわけでございます。ところが、この繊維工業設備臨時措置法は、臨時立法でございまして、昭和三十一年につくられまして、その後三回改正を見ておりますが、四十年の六月にこれが失効することと相なっております。従いまして、一昨年の募れに繊維工業設備審議会の総合部会におきまして、今後の繊維行政の問題として、法律を必要とするのかしないのか、あるいは法律を必要とするというようなことに相なった場合に、現在の措置法をどういうふうに改正するのかというような点が問題になりまして、ここに書いてございますように、昨年の三月から稲葉秀三氏を小委員長といたしました繊維工業設備臨時措置法の改正の小委員会を持ちまして、ただいまのところ十回ばかりその点を検討いたしておる次第でございます。
 内容につきましては、こまかくなるので省略さしていただきますが、二十二ページ、二十三ページに書いてありますように、この小委員会に、ただいまのところ、土屋私案と呼びます土屋清氏の、こういうふうに改正したらいいというような案と、これに対しまして、原告平氏の原私案と、この両方が出されておりまして、この両案を土台にいたしまして、ただいま検討いたしております。私ども事務局の立場といたしましては、一応三十八年、ことしの暮れの通常国会でこの措置法の改正をやるというふうな予定のもとに、大体稲葉小委員会といたしましては、本年の五月ないし六月に措置法の改正の通産大臣に対する答申を出していただくようお願いをいたしておる次第でございます。
 それから四番目といたしまして、「繊維商業をめぐる海外環境について」というものがございます。三十四ページ以下にいろいろ書いてございますが、そこに表になっておりますように、繊維につきましては、特にいろいろな海外諸国との関係がございまして、あるいは国際的な取りきめにより、あるいはそういう取りきめによらない場合でも、日本の自主的な規制によりまして、いろいろ輸出市場の確立をはかっておる次第でございます。三十四ページでごらんいただきますように、典型的なものとして、たとえばアメリカの関係を申し上げますと、そこにございますように、綿製品につきましては、一九五七年以来過去五年間、自主的な規制を日本はやって参りました。それから一九六二年につきましては、御承知のように、日米間に一年間の短期の取りきめがございまして、この短期取りきめによって輸出をやって参ったわけでございます。それから現在一九六三年からは、御承知の通り、綿製品国際長期取りきめが発効いたしておりますので、そのジュネーブ長期取りきめによって、日米間の綿製品の輸出、輸入が規制されておる、こういうような状況でございます。なお、そこにございますように、毛織物につきましては、日本の方で自主規制をやり、綿織物についても同じように自主的な規制をやっているというふうな状況でございます。
 なお、こういうふうな点で、三十五ページ以下に「対米組製品問題について」というふうなことを若干書いておりますが、この点は御承知のことでございますが、要点だけを申し上げますと、三十六ページの下の方に書いてございますが、「一九六三年より日米綿製品貿易はジュネーヴ長期協定に基づいて行なわれることになったが、日米間で長期協定発効の初日である一月一日に米側は日米綿製品貿易の九〇%を超える品目について市場撹乱を理由として、協定のセーフ・ガード条項を発動して来た。」というふうに書いてございます。この点はあとで外務省からいろいろ御説明もあるかと思いますが、ここに書いてございますように、米国の綿製品の分数によりますと、編制品の関係は、一次製品、二次製品を通じまして、六十四品目に分かれておりますが、そのうちの三十六品目につきまして、そのままにほうっておくと、日本の輸出がアメリカの市場を撹乱するおそれがあるから、一九六三年の日本の輸出、アメリカの輸入について、日米間で話し合いをしようじゃないかというようなことが、昨年の十二月二十八日付の米国務長官の書簡によりまして行なわれたわけでございます。
 それで、三十六品目の中身は、その十七品目が第一次製品、綿糸布でございます。それから十九品目が、たとえばテーブルクロスでございますとか、タオルでございますとか、ハンカチでございますとか、非常にこまかいものでございますが、そういうふうな第二次製品が十九品目、合せて三十六品目について協議をしよう、そういうふうなことでございます。それでこの辺につきましては、日本の方とアメリカの方、双方の考え方がどうも基本的になお分かれておるようでございますが、一月の九日以後、日米側でこの話し合いの基礎となりますところの統計数字のつけ合せをやりまして、その統計数字のつけ合せが大体済んだようでございます。交渉の中身あるいは本題となりますところの、一九六三年の日本の輸出のレベルの問題、輸出水準の問題等につきましては、大体この十日ごろにアメリカの方からアメリカ側の考え方が示される予定になっております。それが示されますれば、この三十六品目についての、アメリカの方は市場撹乱がありとし、それから日本の方はもちろん三十六品目全体につきまして、市場撹乱があるとは考えておりませんので、そういうふうな市場撹乱の有無についての品目整理の問題、それからもう一つは、ただいま申し上げましたその品目が市場撹乱品目ということで確定した場合に、一九六三年の日本の輸出のレベルあるいはそれとうらはらをなしますところのアメリカのレベルを、どういうふうなレベルにするかというふうな本論につきまして、アメリカの提案を待ちまして交渉に入る、こういうふうな経過に相なっております。
 現在、繊維業界と繊維行政が当面しておりますおもな問題は、以上であろうというふうに考えておる次第でございます。
#4
○中村小委員長 次に、高杉米国カナダ課長。
#5
○高杉説明員 ただいま磯野繊維局長からアメリカに対する綿製品の輸出問題につきまして、ただいま問題になっております長期取りきめの問題の説明がございまして、大部分それで尽きておるわけでございますが、私から補足的に御説明申し上げます。
 アメリカは、一月一日に長期取りきめの第三条、すなわち市場撹乱の条項を援用いたしまして、三十六品目について、日本と六三年における輸出規制の水準について協議を申し込んできたわけです。そもそもアメリカと日本との間には、五七年から日本が自主的に規制をして参っておりますし、昨年一年間は、二国間の協定によりましてワクをつくってきております。その運用ぶりは、アメリカも満足しているように実施されてきたわけであります。それが一夜明けて一九六三年一月一日、この日から日米間に長期取りきめが有効になるわけでございますが、その一日たって、その日に直ちに市場撹乱があると称して協議を要請してきたわけであります。
 この三十六品目というのは、日本の対米輸出の金額にいたしまして約九〇%に及ぶものでありまして、わが国としては非常に重大な問題であるわけであります。もちろん、その一部につきましては、必ずしも市場撹乱がないとはいえない部分もあるわけでありますが、相当部分については、わが方としてはどうもアメリカのいう説明ぶりでは納得がいかないという部分が多うございます。従いまして、九月からその協議に入ったわけでありますが、その協議の基礎となるのは、何といいまして両国間の統計でございます。綿製品取りきめによりますと、これは輸出統計でやるか輸入統計でやるかということにつきましては、規定がないわけでございます。日本としては輸出統計を基礎にする方が得なことは申すまでもないわけでありまして、アメリカに対して輸出統計を持っていきまして、これに基づいてアメリカ側の集めた日本からの輸出統計というものについて、今まで統計の突きて合わせをやってきたわけであります。これが今日そろそろ終わりに近づいたわけでありますが、これが思ったよりも長くかかった理由は、まず、日本側は、六十七品目の分類というものについて今までやっていなかったわけであります。日米間においては、その前の六二年の協定の際は、二十七品目分類というもので統計をとっております。それを六十七品目に直して先方と突き合わせをするわけでありますから、いろいろな技術的な困難性とか、相互誤解とか、いろいろそういうものもございまして、今日までかかったわけであります。いずれにいたしましても、統計というものは、終わったといいましても、いまだ一つも合致したわけではございませんので、まだ少し問題はあろうかと思いますが、近くアメリカ側からその統計に基づいて六三年の規制の水準の案というものが出るはずになっておりまして、これに基づきまして、日米両国がワシントンにおきまして実質的な交渉が行なわれるわけでございます。
 それは一つは、三十六品目のうち、協議対象品目の整理と申しますか、すなわち、市場撹乱がないとわれわれが思われる部分は落としてもらいたいという交渉が一つあります。それからもう一つは、六三年の規制レベルというものをどこに置くか、一応の長期取りきめによりますれば、付表のB表というのがございます。それによりましても、解釈上なかなか問題もあるわけでありまして、それがうまく適用されるかどうか、それからそれを適用してどのくらい得になるか損になるかというところに、非常にこまかいむずかしい問題もございますが、それを今後交渉していこう、こういうわけであります。
 交渉の期間は、先方が協議を申し込んだ日から六十日間ということに協定主なっております。その六十日間は、三月の初めに来るわけであります。協定によりますれば、六十日間の協議がもし不調に終わる場合はどうなるかと申しますと、これは輸入国側が一方的に規制ができる、こういうふうに輸入国側に非常に有利になっておりますので、わが方としては、何とかして協定を六十日間内になるべくまとめたい考えではありますが、交渉ごとでございますので、あるいは延ばすようになるか、あるいはその間に、新聞等でも伝えられておりますが、ジュネーブの綿製品委員会に持っていくものであるかどうかということは、ここ数日の間に出ると思われるアメリカ側の案というものを見た上で検討したい、こういうふうに考えております。
 他の国においてはどうなっておるかと申しますと、今までアメリカが規制を申し込んだ国は十九カ国でありまして、このうち、十一カ国はすでに合意に達しております。それは、日本以外の国は、昨年の十月一日からこの長期取りきめというものが発効しておりまして、六十日間の協議というものが昨年の末に大体終わるわけでありまして、それまでに十一カ国は合意ができております。もちろん、日本よりも少ない品目でございまして、一番大きい香港でも、三十品目ということでございます。それから日本を含めてまだ規制レベルが合意されてない国が八ヵ国あります。もちろん、この中でも日本が圧倒的に大きな――分量もそうですし、それから要求されている品目も多いわけであります。こういうふうにして、日本が何といっても一番大きい市場であり、問題があるわけでありまして、われわれといたしましては、長期取りきめの援用というものが、両国がお互いに事情はございましょうけれども、なるべく日本側に有利な結果になるように努力している次第でございます。
 以上、説明を終わります。
#6
○中村小委員長 以上で説明は終わりました。
 質疑は次会に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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