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1962/07/05 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 商工委員会繊維に関する小委員会 第5号
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1962/07/05 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 商工委員会繊維に関する小委員会 第5号

#1
第043回国会 商工委員会繊維に関する小委員会 第5号
昭和三十八年七月五日(金曜日)
   午後三時二十五分開議
 出席小委員
   小委員長 中村 幸八君
      浦野 幸男君    小川 平二君
      海部 俊樹君    笹本 一雄君
      南  好雄君    山手 滿男君
      久保田 豊君    田中 武夫君
      中村 重光君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       廣瀬 正雄君
        通商産業事務官
        (繊維局長)  磯野 太郎君
 小委員外の出席者
        商 工 委 員 始関 伊平君
        商 工 委 員 板川 正吾君
        専  門  員 渡邊 一俊君
    ―――――――――――――
七月五日
 小委員加藤清二君二月十三日委員辞任につき、
 その補欠として久保田豊君が委員長の指名で小
 委員に選任された。
同日
 小委員海部俊樹君五月二十一日委員辞任につき、
 その補欠として海部俊樹君が委員長の指名で小
 委員に選任された。
同日
 小委員浦野幸男君六月四日委員辞任につき、そ
 の補欠として浦野幸男君が委員長の指名で小委
 員に選任された。
同日
 小委員中村重光君六月四日委員辞任につき、そ
 の補欠として中村重光君が委員長の指名で小委
 員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 繊維に関する件(繊維設備臨時措置法改正の答
 申に関する問題)
     ――――◇―――――
#2
○中村小委員長 これより商工委員会繊維に関する小委員会を開会いたします。
 繊維に関する件について調査を進めます。
 繊維工業設備審議会の繊維工業設備臨時措置法の改正に関する答申について、政府委員より説明を聴取いたしましす。磯野繊維局長。
#3
○磯野政府委員 通産省といたしまして長年懸案でございました繊維工業設備臨時措置法の改正に関する答申が、去る六月二十六日に通産大臣に答申されましたので、簡潔に内容を御説明いたします。
 お手元に資料がございますから、読みながら御説明いたします。
 一ページでございますが、一、基本方針
  現行の繊維工業設備臨時措置法(以下「現行法」という。)は、繊維製品の正常な輸出の発展に寄与するため、繊維工業設備に関する規制を行ない、繊維工業の合理化達成を目途として、昭和三十一年に制定されたものであり、その後二回の大きな改正を経て、今日に至っている。
  現行法は、その間国内生産秩序の維持、正常な輸出の発展に寄与するとともに、原綿、原毛等紡績原料の輸入自由化に伴う混乱の防止に効果をあげてきた。しかしながら、立法当初にこの法律の企図した設備の過剰状態の解消は必ずしも十分に進展しなかった。過剰設備数はむしろ増加し、現在では五〇〇万錘に近い精紡機が格納を余儀なくされている。しかも今や設備の過剰は慢性化し構造的な問題とさえなりつつある。
 ここで設備過剰の問題をうたっておりますが、なおお手元に「繊維工業設備臨時措置法改正参考資料」というのをお配りいたしております。それの四ページをお開きいただきますと、そこに「精紡機の現状」というのがございます。ここに書いてございますように、現在、格納設備は、長期格納が綿紡で百万錘、梳毛紡で二十万錘、スフ紡で二十二万錘、締めて百四十二万錘という長期格納がございます。それから短期格納といたしまして、なおこれに三百九十六万錘が格納されておりますので、長短合わせまして五百三十八万錘の精紡機が遊んでおるという状況でございます。この格納設備のございます村、綿紡、梳毛紛、スフ紡の精紡機は、合計で約一千三百万錘程度でございますから、約四〇%以上の精紡機が遊んでいるというふうな状況でございまして、なお、右のほうに昭和四十年度の見通しがございますけれども、ここでごらんいただきますように、最後の計の欄にございますように、四十年度におきましても、全体を通じまして二百二十六万錘が遊休で遊んでおるというふうな見通しでございます。
 次に、本文に返りまして、「現在の共同行為に基づく格納制度は所有設備数を基準においているため、格納設備は、その所有者にとって生産量のシェアを確保する手段となっている。そのため老朽な設備さえも積極的に廃棄されることはなかった。このような結果として措置法はもっぱら生産調整の手段として運用され、大幅な操短を半永久的に実行する手段となってしまった。」
 次に、登録区分、いわゆる村区分、いわゆる村区分に言及しておりますが、「また、現行法における精紡機の登録区分は、精紡機の種類と製品の種類とを組み合せた極めて複雑なものであり、このため、原料が自由化し、かつ、合繊の発達に伴い複合繊維が急速に増加しつつある今日、非現実的なものとなってしまっている。このように細分化された非弾力的な登録区分の存続は、繊維産業の合理化を署しく阻害するおそれがある。」ここで書いてありますのが登録区分、俗に村区分と呼んでおるものでございますけれども、御承知のとおり、現行措置法では綿の村が三つ、それからあと絹でございますとか、梳毛とか、紡毛とか、麻紡、スフ紡というふうな、いろいろな登録区分がございまして、合計で十の登録区分がございます。そういうことで、御承知のように、綿紡の村の精紡機は毛をひくことができない、逆に毛の精紡機は綿をひくことができないというふうなことに相なっておる次第でございます。「わが国繊維産業をとりまく内外の環境は近年著しく変化しつつある。国内においては貿易自由化の進展に伴い原料だけではなく、繊維製品の輸入も今日ではほぼ自由化されている。また伝統的な労働集約的産業としての強味も、若年労務者の不足、労賃水準の上昇傾向によって、次第に弱まる傾向を増している。
 他方諸外国のわが繊維品に対する輸入制限は一段と強化され、さらには後進国の繊維産業の発展に伴い国際強争はますます激化しつつある。
 このような事態に対処し、わが国繊維産業を今後とも輸出産業として確立していくには、企業の自由な創意の発揮と自由競争原理の働く基盤を造成する必要がある。現状よりもさらに進んでその体質改善、合理化を促進する必要が痛感されるのである。」ここで答申が言っておりますのは、いま読み上げましたように、三年間に将来自由競争ができるような基盤をつくろうというのが、この新しい法律のねらいになっております。「われわれは、これらの諸事情を勘案し、現行法に根本的な改正を加え、現存する過剰設備をすみやかに廃棄し、三年後には繊維産業全体として適正な設備規模をもち、登録区分も操短もない自由競争の場を確立することを目的として今後の繊維政策を進行せしむべきだとの認識に達した。そのためすみやかに政府に新法を制定することを求めたい。」ただいま読みましたように、「三年後には繊維産業全体として適正な設備規模をもち、」これは三年の間に過剰設備を廃棄いたしますので、その廃棄後は適正な登録区分になると言っておるのでございますが、そういうふうな状態の繊維産業、それから登録区分、村のない、操短のない自由競争の場を確立することのできた繊維産業を終局の目的というふうに考えておるわけであります。
 「すなわち、政府は現存する過剰設備をすべて凍結し、今後の糸の需要増加に応ずる精紡機の新増設および凍結の解除を、この凍結設備の廃棄を条件として許可するという方法を採用し、過剰設備の処理を自主に進行せしめなければならない。また自由競争体制への移行に障害となる現行登録区分はこれを新法施行と同時に廃止することを要望する。」それで、この過剰設備の廃棄の方法でございますが、ここでうたっておりますように、新しい法律が施行されましたときに、ただいま申し上げました約五百万錘の遊んでおります設備を三年間凍結をする。そうしてここに書いてございますように、精紡機を新増設する場合、それから凍結された精紡機を解除して動かす場合には、その凍結された精紡機をスクラップにするということを条件にしてこれを許可するというようなことで、過剰設備を廃棄していくというような考え方に相なっております。
 「さらに、国際競争力強化の観点から企業規模の拡大、設備の近代化等企業経営の合理化を促進するよう指導を求めたい。そのためとくに中小企業者にたいしては、過剰設備処理の円滑化および体質改善の促進をはかるため十分な配慮を行なう必要がある。また、国内生産体制を自由化することによって輸出秩序が混乱することのないよう、生産業者の協調を強化する等の施策を補完強化する必要がある。
 以上の諸施策は、でき得る限りすみやかにこれを実施していくことが望ましい。そのため現行法の期限(昭和四十年六月)をまたず、新法を制定し、昭和三十九年四月からこれを施行することを求めたい。それとともにその期間は三年間が適当であると考える。
 これら諸施策の具体的内容は以下に詳述するとおりであるが、とくに本答申の実施に際しては、労務者、消費者および関連事業者等に対する影響について十分の配慮を希望する。」これが主文でございます。
 次に、具体的対策が五ページ以下に書かれておりますが、これは大体いまお読みいたしました主文に対する手段をうたっておりまして、特に説明することはないと思いますが、五ページの二でございます。「設備規制措置の改廃」、その(1)といたしまして、「現行法の規制対象設備のうち紡糸機は、新法の規制対象外とするが、今後の新増設は法律に基づく官民の協調方式によって調整するものとする。」と書いてございます。これは御承知のとおり、現在の措置法におきましては、合成繊維の原料でございます化繊のフィラメント、それから合繊の綿をつくります紡糸機は、現在措置法の対象になっておりますけれども、ここでうたわれておりますのは、新法をつくる場合には、その方式はこれを新法からはずしまして、法律に基づく官民の協調方式によって調整していく、こういうふうな考え方になっております。
 それから一三ページをお開き願いますと、そこに「少数意見」というのが書いてございますが、この答申は、通産省関係といたしましては珍しく思想が委員会といたしましては統一されませんで、ここに書いてございますような少数意見がつきました。この少数意見をちょっと読み上げてみますと、「過剰設備廃棄のためには、新法の期限を五年とすべきである。」これは主文の三年に対しまして、三年間ではここで考えておるような過剰設備の廃棄はできないので、五年にすべきである、こういうことでございます。
 それから、「凍結を円滑に行なわせるため、綿紡、梳毛紡、スフ紡の登録区分を残す必要がある。」これは、主文では新法施行と同時に先ほど申し上げましたように村区分を廃止すべきである、こう言っておりますが、それに対しまして、新法施行と同時に過剰設備を凍結するにつきましては、その過剰設備を持っております村については、その村を残さないと凍結ができないというような思想でございまして、主として業界の意見を反映した少数意見でございます。
 それから第三番といたしまして、「廃棄を促進するため中小紡績業者の廃棄する凍結設備を政府資金をもって買い上げるべきである。」この過剰設備のスクラップ化につきましては、主文の考え方といたしましては、たとえば九ページをお読みいただきますと、九ページの(5)に、「過剰設備の発生には、天然繊維と化合繊との代替、精紡機の生産能率の向上等の事情があったが、その発生については、業界自身においても責任がなかったわけではない。また、このような過剰設備は紡績業のみならず他の産業にも多かれ少なかれ存在しているのである。
 したがって、新法においては自主廃棄が中心となっており、すべての過剰設備を強制的に廃棄せしめるものではない。」こういうふうにうたっておりますが、この主文の考え方は、ここに出ておりますように、企業がみずからの責任におきまして、古い機械をたとえば二・五台つぶしまして新しい機械を一台据えていくというようなかっこうで、企業の自主廃棄の考え方でございます。これに対しまして、少数意見に出ております考え方は、中小紡績業者につきましては、企業みずからの力ではそれを廃棄する力がない。それから現行措置法につきましても、昭和三十一年以来この法律を施行しておりますが、現在の法律と違いまして、新しく非常に大きな政策転換を政府がやる場合には、その廃棄する老朽設備につきましては、政府の政策転換によるというふうなことも含めて、政府資金をもって買い上げるべきである、こういうような考え方でございます。
 「四、化合繊フィラメントと紡績糸との用途上の競合に照らしてフィラメント用紡糸機を新法の規制対象とすべきである。」これは先ほども申し上げましたように、合繊のフィラメント及び綿をつくります紡糸機につきましては、新しい法律の対象外にすべきであるというのが多数意見でありますが、それに対して少数意見といたしまして、綿につきましてはそれでもいいけれども、ここに書いてございますフィラメント、つまり長繊維、紡糸機から出ますときにすでに糸になって出ますものについては、これは紡績の段階を通らないで直接機屋に参ります。そういうようなこともございまして、天然紡績糸と変わりがないという意味で、フィラメントをつくる紡糸機は、これは天然繊維を紡績いたします精紡機を規制する新法の中にあわせて入れるべきである、こういう考え方でございます。
 それから次に五が、「輸出組合と生産業者との協調については、協議機関の設置等当事者間の話合いが進展しつつあるので、「輸出組合への生産業者の加入は望ましい。」旨の表現は削除されるべきである。」これはちょっとわかりにくいかと思いますけれども、一二ページをごらんいただきますと、その二番目に、「輸出組合に生産業者が加入することは、生産業者と輸出業者との協調を図る上に望ましいことと考えられるので、当事者間で話合いを進めることを希望する。」というふうになっておりますが、この加入が望ましい旨は削るべきであるというふうな意見でございます。御承知のように、現在輸出組合がたくさんございますけれども、その輸出組合にメーカーが入っておりませんのはまあ繊維くらいではないかというふうなことでございますが、そういう点につきまして、やはりほかの産業輸出組合と同様にメーカーを輸出組合の中に入れるべきであるというふうな意見がございます。そういうことが望ましいという主文の考え方になっております。それに対しまして、少数意見のほうは、これは両当事者の話し合いによることであるから、別に答申として加入が望ましいというふうな表現は要らないのではないか、そういう考え方でございます。
 それから「六、新法期限終了後の繊維産業のあり方としては単なる自由競争体制が適当ではなく、計画的な配慮の下にその安定成長をはかることが必要である。」ここでうたっておりますのは、多数意見の考え方といたしまして、先ほど出し上げましたように、現行措置法では、日本の繊維産業はどうにもならないというふうな考え方、これはもう多数が一致しておりますが、そういう考え方がございます。それに対しまして、繊維産業を将来どういうふうなかっこうに持っていくかというふうな、将来に対する意見があるわけでございます。それにつきましては、多数意見のほうは、将来、ここでは四年後でございますけれども、四年後は法律はもう要らないんだ、そうして自由競争の原理を導入した自由競争で日本の繊維産業を持っていくんだ、そういう考え方でございます。その考え方に対しまして、そうではなくて、この三年間の法律が、過剰設備を処理し、適正規模となった暁でも、将来としては単なる自由競争体制が適当ではなくて、やはり計画的な配慮のもとにいろいろやる必要があるのではなかろうかというのが、この少数意見でございます。
 以上、大体申し上げましたようなのが、この答申の内容でございます。通産省といたしましては、六月二十六日にこの答申を受けましたので、最初の約束によりまして、この次の通常国会に現行臨時措置法の改正法案を提出いたしたい、こういうふうに考えておる次第であります。
#4
○中村小委員長 以上で政府の説明は終わりました。
 これより懇談に入ります。
     ――――◇―――――
  〔午後三時四十五分懇談会に入る〕
  〔午後四時三十四分懇談会を終わ
  る〕
     ――――◇―――――
#5
○中村小委員長 これにて懇談会を終わります。
 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
  午後四時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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