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1962/03/12 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 商工委員会石油に関する小委員会 第2号
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1962/03/12 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 商工委員会石油に関する小委員会 第2号

#1
第043回国会 商工委員会石油に関する小委員会 第2号
昭和三十八年三月十二日(火曜日)
   午後一時二十七分開議
 出席小委員
   小委員長 小川 平二君
      岡本  茂君    首藤 新八君
      始関 伊平君    白浜 仁吉君
      板川 正吾君    岡田 利春君
      田中 武夫君    松平 忠久君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       廣瀬 正雄君
        通商産業事務官
        (軽工業局長) 倉八  正君
        通商産業事務官
        (鉱山局長)  川出 千速君
        通商産業事務官
        (公益事業局
        長)      塚本 敏夫君
 小委員外の出席者
        大蔵事務官
        (関税局総務課
        長)      武藤謙二郎君
    ―――――――――――――
三月十二日
 小委員岡田利春君同月二日委員辞任につき、そ
 の補欠として岡田利春君が委員長の指名で小委
 員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 石油に関する件(石油政策に関する問題等)
     ――――◇―――――
#2
○小川委員長 これより商工委員会石油に関する小委員会を開会いたします。
 石油に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。岡田利春君。
#3
○岡田(利)小委員 私は、初めにお聞きしたいのは、石油業法に基づいてガソリン並びに重油の標準価格が告示をされたわけでありますが、伝え聞くところによりますと、この経過は、通産大臣は特に石油業法に基づいて、標準価格については適確にやっていく、こういう態度の中から、標準価格については各業者にこれを順守をさせるのだということで、各社長名で誓約書まで取る、こういう経過をたどって参ったわけです。ところが、標準価格を順守するという立場にありながら、その後、ハイヤー、タクシー向けのガソリン価格について、特に価格問題を通産大臣が政治的に解決をする、いわゆる標準価格とハイヤー、タクシー業者の主張する価格、これを足して二で割った、こう伝えられておるのですが、そういう状態の中でガソリンについての販売価格というものが決定をされた。これは、石油業法の建前からいえば、通産大臣は標準価格を必要の場合にきめて、これをすみやかに告示をする義務を持っておるわけです。通産大臣がこの標準価格をきめて告示した、そういう立場にありながら、これらの価格の問題について直接介入するということになりますと、私は、石油業法の建前がくずれるのではないか、こういう危険を非常に感ずるわけです。特に私は政務次官にこの問題についての見解を承っておきたいと思うわけです。
#4
○廣瀬(正)政府委員 石油の標準価格の設定につきましては、石油業法の十五条でございましたか、価格が不当に暴騰いたしましたり、不当に下落いたしましたりした場合には、需給関係、安定した供給に支障を生ずるわけでございますから、標準価格の設定ができるという石油業法の条文に基づきまして、昨年の暮れに標準価格を設定することに相なったのでございますが、その問の事情につきましては、るる申し上げなくても、岡田委員におかれましては御承知のところであろうと存じます。ところが、そのような標準価格を設定いたしましたために、ガソリンにつきましては、従来の実勢の価格が九千百円程度でありましたものが、一万一千三百円ということに相なったわけでございます。しかるに、ただいま御質問のございましたハイヤー、タクシー向けのガソリンにつきましては、そのような九千百円という実勢価格のときにおきまして、ハイヤー、タクシー業者に対しましては、特に値段を下げまして、七千三、四百円程度で販売をいたしておったというような事実があったわけでございます。そこで、七千三、四百円から一万一千三百円ということに一挙に値上がりすることになりますれば、四千円の開きも出てくるわけでございますので、考え方によりましては非常に気の毒だというような面も出て参ったわけでございます。案の定、ハイタクの方から、不当な価格値上げであるというようなことを石油業者に迫りまして、非常に大きな社会的なトラブルを惹起いたしたような次第でございます。ところが、標準価格と申しますのは、なるほど通産大臣が告示します価格でございますので、権威があります。準拠になります標準価格でありますことは間違いないわけでございますけれども、公定価格と違いまして弾力性があるものだというふうに解釈をいたしておるわけでございます。必ずしも一分一厘それに違わないように墨守しなければ処罰をするというような建前ではないのであります。こうような標準の価格を大いに努めて守ってもらいたいというような価格の標準なんでございまして、そこでハイタク業者に対しましては一躍四千円も値上がりをするというようなことになりましたので、それについていろいろ苦情も出て参りまして、通産省にいろいろな陳情をいたしまして、国会の方におかれましてもこの問題につきまして何かと御心配をされて、私どももいろいろな御意見を聞かしていただいたり何かいたしました。そこで、先刻の御指摘には通産大臣という言葉がございましたけれども、これは実は私が、通産大臣の御趣旨もあったわけでございますけれども、廣瀬私案というようなものを試みにつくりまして、ということは、ハイタク業者に対してのみそういう特殊な非常に安い価格で従来売っておったという実績がございますので、一躍四千円も上がるということが気の毒だというような実態を考えまして、半分程度に当分の問値上げしてはどうか。もちろん標準価格でありますから守ってもらいたいことは当然でございますけれども、なかなか実情がそういうようなことでは気の毒だというような気持もありまして、それで半分程度の値上げというものを当分実施してはどうか。しかし、ハイタクの方は、十五、六年間でございますか、十数年にわたりまして料金の値上げを認められていないというような実情もございますし、これにつきましては運輸省に料金の値上げを申請しているというようなことでもございますから、料金の値上げが実施されるということになりますれば、もちろん全面的な標準価格の順守を願いたいということでございますけれども、それまでの過渡的な措置といたしまして、従来の販売価格等も考慮いたしまして、半分程度の値上げがどうであるかという私の案を出しまして、それから先は石油業者とハイタク業者との間の個別商談にゆだねまして、その後お互いの間で話が進みまして、今事なきを得ている状態ではないかと考えておるわけでございまして、これは大臣の責任よりも、むしろ私がそのような案を出して、そのような解決をはかったわけでございます。
#5
○岡田(利)小委員 私は本件は二つの問題があると思うのです。一つの問題は、通産省は各石油会社に標準価格は順守するという誓約書を通産大臣あてに出さしておる、こういう事実がある。このことにやはりもとるのではないか。通産大臣が順守すべきであるという誓約書まで取っておって、ガソリンの価格についてはいわゆる政治的に解決をするとなりますと、石油業法の建前がくずれるのではないかということを私は心配するのであります。第二の問題は、標準価格というのは一体どういう基礎によって設定されるのか。これは第十五条に「石油製品の生産費又は輸入価格を基準とし、石油製品の国際価格その他の経済事情を参酌して」云々とあるわけです。そうしますと、標準価格を一たんきめてそれが変更されるということは、きわめて権威がないのではないか。それに直接責任者である通産省が介入をするということになりますと、一体標準価格を出すときにそういうことがわからなかったのか。今言いましたように、国内のハイヤー、タクシー向けの価格が非常に安かった、こういうことがわからぬで、それで標準価格をきめたとするならば、私はこの標準価格というものの権威が疑わしいと思うのです。この十五条の建前からいっても、非常に問題があると考えるわけです。しかも、最近きまったかもしれませんけれども、鉄鋼並びにセメント、C重油の価格についてもきわめて長い期間難航した。まだ完全にきまっていないように私は聞いておるわけですが、そういうことが残っている。あるいはまた、反面、私の伝え聞くところによると、大口消費に対しては、もし標準価格を下回れば小口の方は価格を上げる、そうして平均が大体標準価格になればいいのではないか、こういうことすらもいわれておったということを、真偽のほどは別にして実は聞いておるわけです。ところが、逆に、小口の方が標準価格の問題についてはきまってしまったのでありますから、大口の方の標準価格が下がるということは、結局あとの調整する部面はなくなっているわけです。ですから、私はこの二点からいって、この問題はいろいろ政治的な配慮については理解できるとしても、石油業法の建前、あるいはまたこれから特に問題になってくる石油行政についての筋からいって、あるいはまた大臣がそういう誓約書を石油会社から取っておるという面の道義的な立場からいって、どうも私どもは理解ができないわけです。今後標準価格を再度新しくきめることがあるでしょうが、そういう場合でも同じような態度がとられるとするならば、一斉に各消費者がこの価格については不当であるといって政治的に圧力をかければ政治的な解決をされる、そうすると石油業法における標準価格というものは事実上意味をなさなくなってくるのではないか、また権威のないものになるのではないか、特に石油業法ができて初めて標準価格が設定された出発からそういうことでは、これはどうも石油業法に対する信頼、その審議過程から見ても、その精神にもとるのではないかと思うのですが、その点に対する見解はいかがでしょうか。
#6
○廣瀬(正)政府委員 趣旨につきましては全く御指摘の通りだと思うのでございまして、石油業法に基づきまして初めて標準価格を設定した、それは誓約書も取っておりますくらいに守ってもらわなくてはならないという方針を通産省が持っておりますことは、当然なんでございます。当然なんでございますが、ハイタクにつきましては、一方におきまして公共料金ということで押えられておりますし、また他面におきまして取引の価格が非常に安かったという事実がございますから、標準価格の権威を失墜しないような例外中の例外ということで、特にそのような配慮をいたしまして、あっせんの労をとったわけでございます。これが他に波及しないようにということにつきましては、大いに戒めて、そのような方針で指導いたしておるわけでございます。
#7
○岡田(利)小委員 私はせっかく次官並びに大臣がこの問題の解決に努力されたことには敬意を表しますが、今言ったような理由から、これはいわゆる石油業法が施行されて標準価格の立て方に不十分な面がやはりあったんだ。従って、その面をすなおに認めたので、例外中の例外として処置したんだ。十分だったとすればこれは例外中の例外はあり得ないはずですから、そういうことであれば、この点はそのように了解しておきたいと思うのです。そういう理解でよろしゅうございますか。
#8
○廣瀬(正)政府委員 標準価格の設定につきましては実勢価格も十分考慮し、またそのうちにおきましても、特にハイタク業向けについては非常に不当な低廉な価格で販売されておったということを考慮のうちには入れておったと思うのでございますけれども、三回にわたりまして石油審議会でいろいろ審議をお願いいたしたわけであります。審議の結果の標準価格というのは通産省の提案の価格とは多少違った結論が出たわけであります。役所といたしましては、そのようなことを十分に考慮には入れたと思いますけれども、結果におきましては、そういうような問題が起こりましたものですから、政治的に解決せざるを得ないというようなことになったわけでございまして、将来は十分一つ注意していきたいと思っております。
#9
○岡田(利)小委員 今の答弁はなかなか微妙な答弁で、そういうものは当然考慮に入れておいた、そうして標準価格というものをきめたんだ、ところが結果において十分考えたつもりだけれども、やはり入っていない要素があった、十分把握されていなかったということを意味するのではないかと思うのです。私はこれ以上追及しません。私の心配するのは、そういう局面に限られた問題を心配しているのではないのです。将来の石油業法に基づく運用について、石油業法の運用について心配をするわけなんです。まして初めての運用でしょう。そういうことが一つの前例になりますと、これは次から次と将来出てきます。ですから、そういう点について非常に心配しているわけです。初めての石油業法の標準価格の運用でありますから、この点私は非常に期間もなくて十分――今までの無統制といいますか、非常に各社が乱売しておった、そういう実勢というものはなかなかっかまえにくい。そういう問題の中で、若干の例外が例外中の例外としてこの問題を処置されたというふうに理解しておきたいと思います。
 第二に質問したいのは、最近の重油の輸入の問題でありますけれども、これも原油が自由化されて、いわゆる下期の重油の生産量、これに伴う不足分の重油の輸入でありますけれども、最近の重油の輸入は非常に多いわけであります。もちろん渇水その他の問題もありますけれども、しかし、私の見解では、これはむしろ昨年から問題になってきておるわけです。しかも十二月末には大体百三十万キロリッターの繰り上げ緊急輸入が行なわれておる。しかも、普通であれば、この百三十万キロリッターは二月ごろに大体従来は出されておるわけです。今度は、十二月に出しました分は、普通であれば大体これは二月ころですよ。そして三月、四月、五月に使う分なんですね。ところが、これはすでに十二月にこの百三十万キロリッターの外貨割当の発券が行なわれておる、しかも今年の一月の末に再び百五万キロリッターの外貨割当の発券が行なわれておる、こういう実情にあるわけです。ですから、これは年度別外貨割当というものはないわけです。従って、ストック用のスリッページ分を食っておる、こういうことになるわけです。私は、こういう面から見て、石油技術的な構成別の石油製品の生産計画、これに伴う輸入計画というものがこれほどまでに違うものかということに、非常に疑問を持つわけです。逆に言うと、私は、重油を使う側の方だけの主張が強く通っておるのではないだろうか、こういう私自身の判断があるわけでありますが、この面については一体どう考えておられるか。これは鉱山局長でけっこうですから、お尋ねしたいと思います。
#10
○川出政府委員 石油業法に基づきまして、当該年度を含む五カ年間の長期供給計画を政府が定めておるわけでございます。その定める際に、これも石油業法に書いてございますが、他の燃料ないし動力源の需給状況、たとえば石炭の供給を織り込みまして所要の石油の供給計画をつくるわけでございます。その際に、これは三十七年度ばかりではございませんが、三十七年度を例にとりますと、重油の供給は国内の生産だけでは間に合わないものですから、相当量を海外から輸入する計画をつくっておるわけでございます。ただし、実際の運用につきましては、重油の輸入はむしろ石炭の市場とにらみ合わせて弾力的に輸入するというやり方をしておるわけでございます。具体的に申しますと、三十七年はむしろ重油の輸入を上期において押えて参ったわけでございます。必要なものを入れるという態度をとってきたわけでございます。そうしましたところが、下期に至りまして、これは異常渇水という事態もあったわけでございますが、重油の不足が表面化したものですから、上期に押えておりました輸入の量を下期に入れたわけでございます。それから、先ほど御指摘のように、今年の四月、五月分の繰り上げ輸入、これは約七十万キロリッターでございますが、輸入を実施したわけでございます。それで重油の不足の問題は解消をしておると思います。ただし、今後の重油の需給状況ということは、今、三十八年度の供給計画を策案中でございますが、かりに今後重油が不足気味ではなくて、むしろ余るというような事態があれば、今後の重油の輸入においてそれを調節する方針でおるわけでございます。現在その推移を見ておるというのが房状でございます。
#11
○岡田(利)小委員 今、局長から説明がありましたけれども、上期下期年間を通じて外貨割当についてはすでに全部発券済みである。しかも、外貨の割当がおくれるから、結局ストック用スリッページがある。この分についてはすでに一月中に発券してしまって、三月にはもう一度発券するわけですね。もう一度出さなければならないでしょう。そうすると、来年度の外貨をもうすでに削減することになるわけです。だから上期下期年間を通じて外貨割当の計画が組まれておるわけであります。それが完全に不足するわけです。このような誤りは、単に一時的な渇水の現象だけではないと思うのです。だから、年間の計画それ自体に問題があったのか、ここがやはり問題だと思うのです。その点、計画上から見てどうなんでしょうか。
#12
○川出政府委員 年間を通じまして、計画と実績と申しますか、三月で一ぺん見通しを比較いたしますと、重油におきまして、これはC重油について約五十万キロリッター実績の方が上回る結果となっております。これは輸入についてでございます。
#13
○岡田(利)小委員 私は、特に石油業法が制定をされて、需要供給、この計画の策定というものは非常に大事な問題だと思うのです。しかも製品については自由化されていないわけですから、外貨の割当が行なわれる。おそらくそのまま推移して参りますと、三十八年度の分まですでにもう発券済みである。ですから、九カ月間に十四カ月ぐらいの重油を使うということになると私は思うのです。これは簡単なちょっとした計画のズレとか見込み違いということで済まされるものかどうか、非常に疑問に思うわけです。三十八年度の新たな外貨割当の内容等から考えてみて、これから、三十八年度の場合についても、実際問題としては、むしろ先食い先食いでいくのではないか、こう私は判断せざるを得ないのです。ですから、おそらく三十八年度の九月ごろになると、やはり四カ月から五カ月分の割当分を先食いするということになるのではないかということを懸念するわけなんですが、この点についてはいかがですか。
#14
○川出政府委員 三十八年度の計画につきましては、現在案を検討中でございまして、近く石油審議会に諮ってきめる所存でございます。具体的な数字については現在検討中でございます。ただし運用につきましては、御指摘のような点をよく配慮していきたいと思います。
#15
○岡田(利)小委員 とにかく今まで現状は確かに重油は不足していると思うのです。しかしながら、そういう計画のズレというものがすみやかに調整されないと、単にその場当たりで解決されていくというようなことは、私は問題だと思うのです。ですからすみやかにこれは正常の形に戻さなければならぬ。ただ、その場合心配することは、今度は残念ながら外貨の割当が少なくて、こういう経過をたどった。そうすると、三十八年度については、これはちょっと余分にとっておかなければならぬ問題になるという傾向も出ないとは限らないと私は思うのです。その面から考えて参りますと、重油の消費が伸びるんだという説の方をどうも取りやすくなる、そういう傾向が三十八年度に、三十七年度の実績から見て、出てくるのではないかと私は考えざるを得ないわけです。そういう心配・審議会で十分やるからと言われるだろうと思うのですけれども、実はそういう心配があるわけです。従って、三十八年度の重油の供給計画というものは、そういう三十七年度の実績から見ても非常に問題だと思います。これはいわゆるエネルギー・バランスの面から見ても十分配慮しなければならぬし、むしろだぶつくようになっては重油の標準価格にも影響するし、あるいは電力会社における石炭との関係も出てくるのではないか。ですから油の供給計画というのは非常にむずかしいのです。そこでエネルギー政策がはっきりしてないから非常にむずかしいと思うのです。それだけに常にこれは政治問題にもなる可能性を持っておると思うのです。私はこのように判断をして、特にこの点については十分慎重な配慮を要望しておきたいと思います。
 この問題はこの程度にしまして、次に、最近新聞紙上で拝見しますと、原油のなまだきの火力発電所の試験が、通産省内部で大体意見の一致をした、従ってこれはあくまでも試験であるから、旧施設を利用して試験的発電を行なうのであるという工合に私は聞いておるのでありますが、具体的な構想をあらためて正式に承っておきたいと私は思います。
#16
○塚本政府委員 原油のなまだきにつきましては、昨年東京電力と中部電力と関西電力、設備は割と古い設備で試験をいたしまして、その結果、大体燃焼効率その他の点につきまして重油と遜色ない。ただ、御承知のように、原油は相当揮発分が多いわけであります。そういう点で、いわゆる危険防止、そういう面をどうするか、あるいはまた重い分が相当たまる可能性もあります。そういうものを長期的に見た場合にどうやっていったらいいかということをもう少し見た方がいいんじゃないか、そういうことでありまして、なまだきそのものは経済的にも十分重油に匹敵する、それ以上であるという結論を得ました。三十八年度におきましては、新鋭の火力につきまして、相当長期に実験してみようということで、東京と中部と関西、大体総量におきまして三十万キロリットルくらいを三十八年度におきまして試験するということで、現在考えております。
#17
○岡田(利)小委員 私はこの問題は非常に重要な問題だと思うのです。聞くところによると、産業構造調査会のエネルギー部会においても、原油のなまだきについて相当な意見が出ているように聞いているわけであります。しかし、わが国の火力発電所を見る場合に、まだ大容量の重油専焼火力が実際運転段階に入っていない。これから漸次運転段階に入るわけです。私はかつて有澤さんにも聞いたのでありますが、外国ではなぜ一体重油の容量の大きい火力発電所が建設されないのか。これに、単なる技術上の問題だけではなく、いわゆる大気汚染に関する問題がある。それらの二つの面がある。だから、ヨーロッパにおいては、重油専焼火力については非常に慎重であるし、日本のように、技術革新の世の中とはいえ、ぼんぼん六十万から九十万というような重油専焼火力はそう簡単にはつくらない。むしろ日本のそういう無神経についてわれわれは理解ができないと、ヨーロッパの関係者は言っているわけです。加えて技術革新の世の中でありますから、とにかくテンポが早いのでしょうが、原油のなまだきが実際操業的な試験段階に入る。重油専焼でもまだ問題がはっきりしてないのに、原油のなまだきに入るそのテンポの早さには驚くわけです。しかもそれは無神経であるということすら、私自身として考えざるを得ないのですね。だから、私は、そういう実験をすることについては反対するものではありませんけれども、もう少しそういう実験的な経過を経て段階的に進めていく、こういう慎重な態度も私は非常に大事じゃないか。もちろん、わが国の油の消費が、重油の輸入がふえていくことの安定的供給についても長期的な問題がある。そういうことから、原油のなまだきをするということについてはわからないでもありませんけれども、その進め方について、一方に大容量の重油専焼をぽんぽん運転をし、一方においては三十万キロリットルの原油のなまだきの、試験的とはいえ、そういう火力発電所ができるということについて、無神経さといいますか、理解に苦しむところが実はあるわけです。ですから、そういう面について、私は特に重油専焼についても公益として問題が起きないということを断言できるかどうか。特にわが国の油はずんずんサルファーが多くなって、またアラビア石油が入ってくると、三・五%です。しかもこのサルファーは全部一〇〇%近く亜流酸ガスになって出てくることは、技術上証明されていると思うのです。こういう点について、公益としては、単にコストを下げるという問題も大事でありますけれども、そういう面も配慮しながらいくということが今日非常に大事じゃないか、このように考えるわけですが、そういう先進諸国のいろいろな関係者の指摘や見解等を聞いてみた場合に、日本の場合は公害の問題について一体どう対処していく考えか、あわせて見解を承りたい。
#18
○塚本政府委員 ただいまの岡田先生のお話の通り、重油専焼につきましてはサルファーの問題があるわけでありまして、大気汚染の問題は相当重要な問題であるわけであります。そういう意味合いにおきまして、特にアラビア石油をたきます場合に、アラビアのものを重油にいたしますとサルファー分が相当多くなりますので、単一でこれを電気に使用いたしますことは、非常に大気汚染上問題があるわけであります。そういう面でいろいろそういった混合の問題も考えておるわけであります。また、さっき申し上げました原油のなまだき、これは大体の結論は心配ない、さらに経済的であるという結論になっておるわけでありますが、さらに慎重を期そうという意味合いにおきまして、もう一年、三十八年度におきまして実験的に実用試験をやろうということにいたしたわけであります。なおまた、原油をなまだきするということにいたしますれば、アラビア石油のサルファーも、原油のままで使いますれば、重油にした場合より非常に少なくて済むということもありますので、あわせてそういった面も十分今後気をつけてやっていきたい、かように考えております。
#19
○岡田(利)小委員 私は、先般東京都庁で大気汚染の自動記録で調査した資料を持っていますし、諸外国の特に大気汚染における災害等についての統計も持っておるわけですが、これはなかなか軽々しく考えられる問題ではないと私は思うのです。今年も御存じのようにロンドンでこの問題が発生いたしておりますし、歴史的には数千名に上る人がそのために死亡する。これは単にイギリスだけではなくて、それ以外にベルギー、フランス、アメリカにおいてもそういう問題が起きているわけです。最近集塵装置はずいぶん進歩して参りました。その問題は一応解決されて、石炭の場合のサルファーというのは、これはきわめて少ないわけで、石炭二トンに換算しても、これは油に比べるときわめて少ないわけです。現在重油専焼火力の基準が三%までのサルファーということを許容しておるわけでありますが、大体実績は二・五%ちょっと上くらいじゃないか、こう思うのです。ところが、原油のなまだきになりますと――このなまだき構想は、やはり何といってもアラビア石油対策と重大な関連があると思うのです。そうすると、アラビアが三・五%ですから、三%以下ということは非常に問題が出てくるわけですね。そういう問題がなければ、何も原油のなまだきを急ぐ必要も私はないと思うのです。従って、将来この問題がきわめて大きな問題になってくる。この問題に対する対策というものが、産業、公衆衛生の面でやはりある程度考えていかなければ、コンビナートはふえていく、大容量のこういう発電所はずんずんできていくということになれば、きわめて重大な問題であり、もし何かの災害が起きるとするならば、これは取り返しのつかないことになるのではないか、こういう心配を実は特にいたしておるわけであります。この統計を見ますと、もう大体普通のこの自動記録だけでも相当なところまできているわけですね。許容限度の半分くらいまでいっておるわけですから、私は部分的には許容限度を越える場合も想定されると思うのです。それがまだ重油専焼火力の大容量のものが発電されない今日におけるところの記録なんですから、私は特にこの点、時間がございませんから、注意を喚起しておきたいと思います。
 次に、石油の生産計画の変更の問題ですが、石油業法に関連して、下期の生産計画の割当を実は行なっておったわけです。ところが、三十七年の十月から十二月の間の生産状況を見ますと、シェルの石油系、その他二、三の会社と思いますけれども、これらの会社の生産計画は一〇%から一五%を上回っておるわけです。実際計画よりも一割から一割五分上回っておるわけです。佐藤通産大臣は、この問題について、石油業法を審議する際にあたって一応生産規制をするが、これを上回って生産した場合にどうなるか、こういう質問に対して、その場合には次の割当を減らします、あるいはまた設備の許可をしない、こういう点で明確に処置をします、そうして常に公平平等にこの石油業法が運用されることを私は考えておるのである、実はこういう態度の説明がなされたわけです。ところが、そのとたんに、わずか三ヵ月の間にシェルその他の二、三の会社で一〇%から一五%の生産量が上回っておる。これが今度は一月から三月までの計画になって参りますと、このものはそれじゃ全部元に取り消すかというと、そうでもないわけですね。この六%の分は自動的に認める。あとの六%程度について配分をどうするかということで、やはり生産規制を上回って精製した方が得だという、こういう傾向が出ておると思うのです。これも、この石油業法が運用される初めにあたって、私は大事な問題だと思うのです。それは石油業法の審議のときに、あるいは運用の精神からいって、いわゆる生産規制を著しく上回った場合は、何%を基準にして上回ったか、上回らないかというのか。一〇%にすれば、一〇%までやってもこれは問題ないということになるでしょうし、あるいは五%なら五%までいいのだということになる。これは何かの基準がなければ、勧告のしようも何もないのではないですか。行政指導をするについても、そういう基準がなければならぬと思うのです。基準があれば、それに対する明確な態度がなければならぬと私は思うのです。そういうものが相待って、初めて石油業法のこの生産規制の問題も生産量の割当も将来ともに安定するでしょうし、スムーズにいくのではないか。そういう権威がなければならないものだ、こう思うのです。まして、設備が増大され、石油の消費はふえていくのですから、そういう面で特に民族系とか外資系とかいわれる複雑な内容の企業をかかえておる石油業界なんでありますから、この問題は非常に大事だと思うのです。従って、これらの実績が私が説明したように示しておるのでありますが、これに対する考え方、通産省としては一体どういう態度を持って対処する考えなのか、承っておきたいと思います。
#20
○川出政府委員 昨年の十月から原油の自由化が行なわれまして、法的には設備一ぱいに自由に稼働させてもいいことになったわけでございます。しかしながら、石油業法が制定されておりまして、石油業法に基づきまして供給計画が業界の生産の指針として示されておるわけであります。各企業は、石油業法に基づきまして、政府におのおのの生産計画を届け出るという法体系になっておるわけてあります。その生産計画は政府の認知を必要としないわけでございます。ただし、供給計画に照らしまして、全体として著しく不都合な場合には、生産計画の変更の勧告ができるという規定がございますけれども、届出にすぎないわけでございます。それで、実際どういうように対処して参りましたかと申しますと、供給計画に照らしまして届出せられた生産計画の合計ははるかに上回っておったわけでございます。従って、これを供給計画に近づけるためには、業界の間の話し合いと申しますか、自主調整が必要になったわけでございます。その際に何を基準にして生産調整をするかということが非常に議論の的となったわけでございますが、結局通産省も中に入りまして、設備の稼働状態、販売の能力、それから過去の生産実績、こういう三本の柱を基準にいたしまして、一定の方程式によりまして企業別の数字を出し、企業別の数字を出したものに若干の調整を加えたのが、いわゆる昨年の十月以降の生産調整であったわけでございます。従って、その生産調整には基準はあるわけでございます。それに基づきまして生産を行なってきたわけでございますけれども、昨年の暮れごろから、先ほど申し上げましたように、異常渇水という事態とか、あるいは石油ストーブの予想以上の普及による灯油の需要の増大というような事態がございましたので、この生産調整の数量をさらに六%ふやして増産に努めたわけでございます。かような措置をとって事態に対処しておるわけでございます。
#21
○岡田(利)小委員 年産計画を変更した場合は、石油業法に定められておるように、遅滞なく通産大臣が告示をしなければならぬわけですね。そういうことをなさっておりますか。
#22
○川出政府委員 実行しております。
#23
○岡田(利)小委員 私がここでお聞きしたいのは、石油業法の建前からいって、技術的に石油製品の構成から見て、一体何が基準になるのか、何が一体基準になってこの生産の数量というものがきまるのかというのが問題点なわけです。私が石油業法の審議の過程を通じて理解しておるのは、大体揮発油を基礎にして、そうしてその年間の生産計画というものが策定をされる。そこで、重油のように足りないものについては、その分は製品輸入をするのである、こういう建前で生産計画がつくられるものと、実は私は理解をいたしておるわけです。そういうたしますと、重油については足りないからこれは輸入をする。ところが、一方においてガソリンは決して足りないのではないのですね。やはりまだ依然として過剰ぎみなんです。そうしますと、数量をふやすのではなくして、むしろ製品輸入の面で調整をするのが、石油業法審議の過程からいって、そういう筋の方が建前なのではないか、こう私は思うわけです。この点の見解についてはいかがですか。
#24
○川出政府委員 ただいま先生の御指摘の通りに、石油製品のうち軽いものを、ベースにして生産計画をつくっておる次第でございます。従って、揮発油とナフサを中心にして生産計画をつくるわけでございます。
#25
○岡田(利)小委員 従って、この生産の数量の変更はそういう手続をとった、こう言われるわけですが、現実の問題として、あとからナフサの問題を質問するのでありますが、ガソリンについてはだぶつきぎみなわけですよ。そうすると、策定した生産計画を変更するのではなくして、単純にいえばその足りない分を輸入すればいいではないか、こういうことになるわけですね。軽質のものが足りないからその計画の変更が行なわれたのですか、今回の場合は。この点が非常に問題だと思うのです。
#26
○川出政府委員 今回の場合は、まず中間留分と申しますか、軽いものと重いものとの中間に位します灯油が非常に不足をしたわけでございます。その次に重いもので重油が不足いたしました。その事態に対処するために六%の増産をするとともに、各製品をつくる場合に、不足するものに重点を置いて得率を上げるという行政指導をいたしました。なお足りない部分を製品輸入に待ったわけでございます。
#27
○岡田(利)小委員 そうすると、この面については調整をしたのだという程度のものであって、生産計画を変更するというまでのものではないのではないか、ある程度調整をするという程度のものではないか、こう思うのですが、もちろんそれも生産計画の変更になるかもしれませんが、石油業法の建前から見てどうですか、こういう使い分けというのは当を得ていますか。
#28
○川出政府委員 先ほどの私の答弁に間違いがあったと思いますが、供給計画は変更していないわけでございます。
#29
○岡田(利)小委員 時間がありませんからこの程度でとどめておきますけれども、私は、これらの問題を特に先ほどから質問をいたしておるのは、ここ一、二年石油業法の運用というものが、将来の石油業法の効力といいますか、そういうものの生死をかけるものである、こう実は理解をしておるわけです。しかも、総合エネルギー政策が明確に樹立されない限り、私は、特にこの石油業法を中心とするいわゆる石油政策、油の政策というものがこれからきわめて政治的に問題になる、こう実は理解をいたしておるわけです。そういう面で特にこの点はいずれまたあらためてできると思いますから、この程度でとどめておきたいと思います。
 次に、先般の小委員会で若干私質問いたしたのでありますが、今の局長の答弁からしても、軽質油というのは決してそう不足しているのではない、少なくともオクタン価のある程度高いガソリン等については過剰ぎみなんだ、こういうことになっておるのにかかわらず、原料ナフサの供給については今日きわめて大きな問題になっているわけです。これは外割によるいわゆる特別の割当量が減らされておる。それが一律に、全体にならないという結果、特にそれらの問題が出てきたのでしょうし、標準価格の設定の問題と関連して、原料ナフサが足りないという点からも問題が出てきたと思うのです。ところが、この石油化学というのはわが国の戦略産業であって、おそらく今度の特定産業振興法の中にもこの石油化学は含まれるのではないか、まだ業種は正式に――最近は少なくするという見解も出ておるようですが、当初の構想からいえば、また石油化学の占める位置からいっても、特定産業に入ると思うのです。そうなって参りますと、そういう法案があとから準備をされておるという面から見ても、この原料ナフサの供給問題は、供給価格を含めて非常に私は今日重大な問題であると思う、こう言わなければならぬと思うわけです。先般商工委員会で、始関委員の質問に対して、軽工業局長並びに鉱山局長は、短期的な対策、長期的な対策と分けて答弁されているわけです。その中で一番気になるのは、いわゆる製品輸入という問題が相当強くいわれておるわけです。私は、その後いろいろこの問題が問題になっておりますから、その見解について、まず答弁された見解については今もそういう考え方に変わりはないかどうか、お聞きしたいと思うのです。
#30
○倉八政府委員 この前お答えした通りでございまして、三十八年度はどうするかという問題、いわゆる臨時的な問題と、三十九年以降はナフサの輸入を実施したい、こういう考えを持っておることは、この前の答弁と変わりはございません。
#31
○岡田(利)小委員 原料ナフサの輸入という問題は、石油製品全般のいわゆる自由化の進行につながるのではないか、こういう而も特にナフサの問題をめぐって強く感じられるわけです。そして製品の自由化という問題がむしろこのことによって促進されるのではないか、こういう面も非常に懸念されて参るわけですが、製品のナフサの長期的な対策として、原料ナフサのいわゆる自由化――初めは外割にするか何にするか別にして、大体これをやる場合にはほぼ自由化の方向だと思うのです。そういう面と関連して、石油製品の自由化という問題について一体どのように考えておられますか。
#32
○川出政府委員 石油製品の自由化につきましては、石油業法の審議のときにも問題になったわけでございますが、これは総合エネルギー政策的見地及び製品輸入の関税の再検討という問題がございますので、当分これを延期するという方針できておるわけでございます。しかし、最近になりまして八条国移行という問題もございますし、石油製品の占める比率は約二・五%ぐらいではないかと思いますが、そうなると今後御指摘のように問題になる可能性はある州と思います。現在の実績から申しますと、石油製品の輸入のほとんど九割以上は重油でございまして、あとのガソリンなり、最近は灯油がふえましたが、そういうものは数量的には問題にならない量でございます。これは海外の価格が高いためでございます。重油の自由化につきましては、これは総合エネルギー的見地と申しましたが、石炭との関連もございますし、それから国内の精油、精製業界との関係もございます。これは国際価格が日本の石油製品の価格体系と異なっているところに相当むずかしい問題がございますので、今後自由化につきましては慎重に検討したいと考えております。
#33
○岡田(利)小委員 私は、現在の石油会社が、価格の面を考えると、必要以上に高いオクタン価のガソリンを精製したがるのではないか。今日の自動車の機能からいって、そこまで高いオクタン価のガソリンをつくる必要があるかどうか疑問に思うような面も実はあるわけです。私はその点特に自動車の問題についてしろうとでありますから詳しくはないのですけれども、いろいろ資料等で見ると、そういうことを強く感ずるわけです。ですから、極端にいえば、石油化学と石油精製会社との間というものは、オクタン価の低い、価格の安い原料ナフサを供給すると、手取りが悪くなるという面で利害関係が相反するものなんですね。しかしシェアの問題とかいろいろな面ではある程度一致する。しかしながら基本的には利害関係が価格の面では相反するものだと私は思うのです。しかし、特定産業である、これを戦略的に伸ばさなければならぬ、そうなって参りますと、石油業法でいう単に粗製ガソリンということで考えるのではなくて、いわゆる自動車、気動に向くガソリンの場合と石油化学に向ける原料ナフサの場合には、標準価格においてもこれは当然ならしていくべきではないのか。しかも、石油化学は戦略産業として育成するのだ、競争力がまだ弱い、こういう点も立証されている。また石油化学の生産規模についてもきわめて小規模である。そうするならば、今日の石油業法でも、原料サナフの供給について強く規制をするといいますか、強力に指導する、行政指導の面で方向を示唆していくということも可能でしょうし、また戦略産業である以上、全体の石油製品の価格政策から見て、原料ナフサの価格を位置づけるということも可能だと思うのです。そういう明確な方針を出すことによって問題の解決をはかっていく、そういう石油業法の建前から考えて、むしろ長期的に問題の解決をはかっていく方向の方がオーソドックスではないか。また、できるだけ製品の輸入は避けて、原料を入れて精製した方がいいのです。しかもガソリンは将来ともに過剰ぎみになるのですから、価格はとにかく低いから、これは折り合いがっかぬという問題があるわけです。そうであるならば、標準価格で原料ナフサの価格をきめる。これは政策価格になるでしょう。しかし全体の価格のバランスを考えれば、これは可能ですよ。そういう方向にまず踏み切っていくという姿勢の方が前向きではないのか、私はこう思うのですが、こういう点について検討されたことがあるかどうか、見解を承りたい。
#34
○川出政府委員 戦後各国とも消費地精製主義を原則といたしております。消費地精製主義と申しますのは、いろいろな石油製品を輸入した原油によってできるだけまかなうという主義でございます。これはいろいろな点で利点があるから、各国がその制度を採用しておるわけでございます。この観点からいたしますと、ただいま先生が御指摘なさいましたように、外国から入れなくても、原油からできるナフサを低廉にかつ安定的に供給する方法が一番理想であろうかと思います。しかし、これにつきましては、現実の問題としてなかなかむずかしい問題もございますので、製品の輸入を場合によったら無税で考えるのも、むずかしい問題を調整するのにきわめていい政策ではないかと考えられる次第でございます。
#35
○岡田(利)小委員 大蔵省に聞きたいのですが、関税の改正については本院に法律の改正案が出されておるわけです。今お聞きのように、原料ナフサの輸入をめぐって、輸入価格に関税が二千二百円かけられるわけですね。そうすると、これは価格上引き合わないという問題があるわけです。ところが一方今日原料ナフサの供給がなかなか思うようにいかない。そこで製品輸入を考える。製品輸入をする場合の前提としては、二千二百円の関税を撤廃しなければならぬのだ。まして弱い戦略産業でありますから、当然そのことは常識的に考えられるわけです。しかし、その場合といえども、これだけ問題になっておるのですが、今国会にさらに関税の改正をこの部面に限って出すということは、非常に困難ではないかと思うのです。この事情がわかったとしても、私は、常識的な判断をすれば、来年の通常国会ではないかと思うのです。この点について、お聞きになって大体おわかりだと思うのですが、見解を承りたいと思います。
#36
○武藤説明員 先ほど来お伺いしておりますように、今国会にすでに定率法は出ておりますし、この法律は三月末までに通りませんと、石油価格の免税とかいろいろなものが全部支障を来たしますので、どうしても三月末までに通らないと困るわけでございます。この国会にさらに加えて先ほどお話しの減税の法案を出すということは、まことに困ると思っております。でございますので、先ほど来のお話、これからまた時間をかけましてよく聞きまして、そして必要があれば次の国会にそういう措置をとりたいということにいたすのがよいかと思っております。
#37
○岡田(利)小委員 鉱山局長と軽工業局長にお聞きするわけですが、石油化学の設備計画が具体的にあるわけです。近く操業を開始するものもありますし、また相当時間のかかるものもあります。しかし、これは三倍くらいに生産量がふえていくことは間違いのない趨勢でもあるわけです。急速に、石油精製よりもそれ以上の価格で伸びていくことは間違いがないと思うのです。そうしますと、どうせ問題になったついでですから、今からやはり長期的な政策といいますか、対策というものを立てることが非常に大事だと思うのです。ただ単に今年一年や来年のことを考えるのでなくして、この際長期的な政策を考えることが一番大切ではないか、こう実は考えるわけです。そうしますと、精製会社と既存の石油化学とのコンビナート形式が最近とられているわけです。さらに今度丸善石油でも千葉あたりに新たに石油化学をやる。こういう傾向がふえてきておりますけれども、現在の石油精製会社の工場の配置状況から見て、こういうコンビナート形式がとれるところととれないところがあると思うのです。ですから、この問題は、どこまでいっても解決できない面も当然私は残されてくるのではないかと思うのです。そうしますと、今までは外割制度があって、そういうコンビナートのナフサを供給するところには特別に原油の割当を行なっておった。今度の場合には、自由化されたので、全部パーにならしてしまった。それと、標準価格等の価格の問題、二つの面から供給が円滑にいかないという問題が実は出てきたわけですね。しかし、石油化学というものは、できればそういうコンビナート形式をとっていくことは当然のことなのですが、しかし、そういう面では、むしろ通産行政のうちでそういう方向を強く指向するのではないか、そうして規模をさらに拡大するという方向が国際的に見ても指向されるのではないかと思うのです。そうなると、石油化学にナフサを供給する精製会社に対する生産量の規制という問題は、量の割当というものが長期的に見ても考慮されることが大事ではないのか。企業単位に見ると、不公平だとかシェアの問題とかいろいろあります。しかしながら、製品を輸入しないで原油を精製した方が得なのですから、そういう産業的な面から見ると、思い切ってそういう措置をとった方がいいのではないか、こう私は判断せざるを得ないわけです。その点について軽工業局長の立場からの見解を承りたいし、当面石油業法でこういう石油全般の行政を担当しておる鉱山局長の方から、この面についての見解を承っておきたいと思います。
#38
○倉八政府委員 ただいま岡田先生の御高説の通りでございまして、根本的にそういうことを掘り下げて研究して、それを実施に移すことに尽きると思います。ただ、観念的に考えますと、根本的な解決の仕方としましては、簡易トッピングを石油化学を中心としてつくらせる方法も理論上は考えられましょうし、それから今先生御指摘のいわゆる非コンビナート会社から出たナフサにつきましても、共同プールをさせまして、仰せの標準価格をつくりまして、それをやらせるということも当然考えられる問題でありますが、ただ後者の問題になりますと、これは決定的な問題では決してないのでありますが、今動いておる、たとえば五つの石油化学業界にしましても、品質の問題があります。従いまして、全部価格だけきまりまして、それを全部ジョイントして、そこでサプライするということがそのまま石油化学業界の要請にはまるかどうかということは、一つの問題ではなかろうか、こう考えられます。従いまして、今仰せの案はもちろんのこと、ナフサそのものの輸入免税ないしは戻し税による輸入についても、あわせて今後もっと考えを進めていくつもりでございます。
#39
○川出政府委員 基本的には軽工業局長が答弁されたことと同じでございます。原油からナフサをつくるわけでございますが、ナフサだけが石油製品ではないわけでございまして、大体二割がナフサで、あとの八割はその他の石油製品が出てくるというところに問題の一つがあるかと思います。
 もう一つの点は、ナフサの需要の今後の見通しでございますが、これに軽工業局の見通しによりますと、年に三割とか四割とか最近は増加傾向にございます。石油製品全般でございますと、一五%前後ということになっておりまして、そこにアンバランスがあるわけでございます。それから石油コンビナートに結びついていない精製会社もかなりあるわけでございます。これは石油コンビナートに結びついておる精製工場に重点を置きまして、ほかは生産を押えるということも、これは石油行政全般からは非常にむずかしい問題がございますので、その辺の調整として、先ほど軽工業局長からも御答弁しましたような方途を検討をしておるわけでございます。
#40
○岡田(利)小委員 石油業界というのは、これはなかなかむずかしい業界であって、石油業法ができるときも、いろんな同じ石油業界でありながら、非常に意見がまちまちだ、資本構成も違う、こういうことを言ってはどうかと思うのですが、非常に不可解な面も実はなきにしてあらずなわけです。そこで、私は、しかし国家的な見地から考えれば、戦略産業の石油化学は伸ばさなければならぬ、そうするとそこに割当をしたらいいではないか、単純にこう言えると思うのです。そして、原料ナフサは安定的に供給させる、伸びに対しても十分安定的に供給できるように措置するということが、単純にいえば一番いいと思うのです。そう参らないところに今日問題を起こしておるんだと思うのですが、しかし、その反面、考えてみて、その方法がもしとれないとしても、私はやはり、この石油業法もできるのですから、原料ナフサの供給価格というものはむしろ公示すべきではないか。これは可能なわけです。原料ナフサについての公示価格というものは可能なわけでしょう。もちろん今の場合には、足りない分は販売網を通じてガソリンで供給するという面もあるわけなんですけれども、しかしながら、そういう面についてもある程度標準価格に準ずる価格といいますか、そういうものをぴしっとする必要は、私は特定産業である以上あるんじゃないかと思うのです。してもいいんではないかと思うのです。それからまた可能ではないかと思うのです。石油業法でできると思うのです。この点については、鉱山局長はできると思いますか、できないと思いますか、見解を承りたいと思います。
#41
○川出政府委員 法的には可能だと思いますが、現在の標準価格には告示していないわけでございます。
#42
○岡田(利)小委員 私は、今特に担当の鉱山局でとっておる政策的な行政指導政策を含めた行政指導について理解はしておるわけです。国策会社をつくるだといえば、みんなあわ食って一斉に阻止をするということになる。あるいはまた何かやるといえば、その局面で業界の意向が変わってくる。製品を輸入するといえば、これはやはり石油精製業界としても将来の問題が出てくるわけですから、そうすると、何らか価格的にも供給的にも十分安定的に供給できるという態勢ができてくるのではないか、こういう気はするのです。従来の実績から見れば、石油業界の実績を見れば、それがまさしく図に当たっているわけです。だから、原料ナフサの輸入についても、そういう歴史的な経過的な面から見れば、政策的な行政指導という面は私は十分理解ができるわけです。しかしながら、長期的な展望に立つと、それだけで安定的に将来とも解決していく問題ではないと思うのです。たとえば精製設備の許可基準の場合でも、こういう問題が大きなファクターになるのじゃないかと思う。単に設備を拡張することになると、まんべんなく設備を拡張すればいいのだということにはならないと思うのです。ですから、どこかで決断を持ってこれに対処するという姿勢が大事だと思うのです。だから、国家的な見地から見ると、今日でもとにかく原料ナフサを供給する精製会社には割当をふやしなさい。長期的な設備の拡大が伴うのだから、石油の消費量が増大するのだから、そういう面については将来の設備拡張について一つ考えて、完全にバランスがとれなくても、ある程度政策的にバランスをとるとか、こういう面は考慮するということが考えられるのではないかと思うのです。もちろん中にはなかなかその場合該当しない精製会社も一つか二つくらい出るかもしれませんけれども、大体そういう方向の方が国家的な見地から見れば一番妥当であり、しかも石油化学の面から見ても、価格も、数量も安定的に供給されるし、まあめんどうもない。しかも急速に伸ばしていかなければならないということもあるわけですから、そこまで英断をふるって進んだ方がいいのではないか。しかし、先ほどから答弁を聞いておりますと、そこまでいかなくても、それにはやり得るという自信は、将来に対処して十分安定的に供給できるという自信は、政策的な行政指導の面の中で鉱山局長はお持ちなのかどうか、お聞きしておきたい。
#43
○川出政府委員 石油化学のナフサの問題につきましては、根本的には両業界の協力体制の確立ということであろうと思います。これは、先ほど先生の御指摘になりましたように、利害が対立する面が非常に強いわけでございます。これを両方が話し合いをして、それぞれ立場を理解して協調していくことが可能であれば、はなはだ表現が抽象的でございますが、これは消費地精製主義の大原則に立って問題は解決できると思います。なかなかこれは現実の問題としてはむずかしい問題がございますので、今後いろいろな方策を総合的に検討して、結論を出すことにいたしております。
#44
○岡田(利)小委員 基本的な問題で一つお尋ねしておきたいと思うのですが、石油精製について国策会社構想というものが一時あったわけです。それも植村さんの御協力によって立ち消えするような感じがするのですが、しかし、国際的な面から見れば、国の一つの影響力を増すという意味では、この構想はまだ死んでいるものではないのです。状況を待っている、こう言っていいのではないかと私は思うのです。それに伴ういわゆる石油化学の面についても、単に石油精製の国策会社という構想だけではなくして、一貫操業の面で国策的にそういう一つの政策というものが検討されなけばならぬのではないか。大体ほかの国を見ても、いろいろ形態はありますけれども、石油精製からコンビナート形式で完全一貫操業をしているところもあるわけです。そういう面から見て、石油化学と石油精製と結びつけて、特に一方は特定産業である。戦略産業である。伸ばしていかなければならぬ。一方においては、これはエネルギー源という面もあるし、国の影響力を増すという面で、そういう総合的な見地というものも検討しなければならぬのではないか。そのことは大体一つの趨勢でもあるように私は思うわけなんですけれども、しかし、今日日本の石油業界の現状はなかなかそれを許さないという状態にありますが、そういう面について、国策会社構想とあわせて、単に石油精製の国策会社だけではなく、今の戦略産業の石油化学を急速にこれは三倍程度まで伸ばすということを考える場合に、そういうものも含めた国策的な政策というものも一応検討はしてみる必要があるのではないか、こう思うのですが、この点についてはいかがでしょうか。
#45
○川出政府委員 国策会社の問題につきましては、現在その案が消えてしまったわけではございませんが、幸いにしてアラビア石油の引き取りの問題が徐々に解決しておりますので、それともにらみ合わせて今後検討をしたいと思います。なお、石油安定基金というような構想もございますので、そういうものも含めて今後検討しなければいけないかと存じます。
 それから、石油化学の問題につきましては、これは私の所管ではございませんので、御答弁を控えさせていただきたいと思います。
#46
○倉八政府委員 今、岡田先生から、石油化学の国策会社というものの構想をお前たちは持っているかということでございますが、現在のところこれは持っておりません。御承知のように、石油化学関係のいわゆる国策会社というのは、これは国会の御審議を経てすでに五年前にできております合成ゴムの会社がございます。現在それがすでに予定よりもはるかに生産も増しまして、国際品と十二分に一これは無税でございまして、輸入の自由化は最初からしておる会社でございますが、その会社のような国策会社という構想は現在持ち合わしておりません。ただ、将来外資操作あるいは貿易管理が完全に自由になりましたとき、日本の国内の事情よりも外国の系統によっていろいろ国内の市場を撹乱されるというような問題が理論的にはなきにしもあらずでありますから、そういう場合につきましては、石油化学という総合的なものではなくて、ある特定な非常に将来伸びる会社がある、それが五社も六社もたとえば申請がありまして、政府といたしましてもそういうことは許されぬというときに、国家的な見地から国策的な会社をつくることはあり得るかと思いますが、現在のところは構想を持ち合わせません。
#47
○岡田(利)小委員 時間がありませんから、結論的に入って参りたいのですが、今の原料ナフサの供給問題について、これは当然石油審議会の中で問題にされるべき事項だと思うのです。今まで放置されていたのがおかしいですよ。これは当然起こるべくして起きたのですよ。石油業法が施行された。原油の自由化が行なわれた。石油業法に基づいて標準価格がきまった。自動的に起きたのです。これは原因があって起きたのです。二つの理由からきているのです。今まではなかったのです。起きなかったのです。割当が四倍であっても、その原料ナフサ供給精製会社に対しては割当をしておったのですから。この問題は偶然に起きたのではなくして、原油の自由化の問題と、石油業法を施行し、しかもそこで標準価格をきめたというわけでありますから、起きてきたわけです。だから原因があるのです。そうすると、その原因の除去をしなければならぬ責任が当然これはあるわけですね。しかも重要事項なんです。これはわが国産業から見れば戦略産業で、きわめて大事だ。極端な物の言い方、事大主義的な物の言い方をすれば、少しもちゅうちょさせないで成長させなければならぬ産業ですね。それを今日まで停滞させておくということはどうかと思うのです。これは石油審議会を開いてこの問題を審議する予定があるのかどうか。
#48
○川出政府委員 近く石油審議会を開きまして、来年度以降の供給計画をきめることになっております。その供給計画の中には石油化学や原料ナフサも入るわけでございます。当然その議論は起きてくると思います。
#49
○岡田(利)小委員 その場合、これは審議会にかける態度の問題なんですが、その場合価格の問題と数量確保の二つの問題があるわけですね、実際問題として。価格については、もし上げるようなことがあれば、これは大へんな問題だと思うんですね。ですから、数量確保の問題があっても、それが結局輸送費がかかったりして価格にはね返るということがあれば、問題が出てくるわけです。戦略産業で特定産業である。しかも国際競争力を増すという。今日政府があれだけの問題があった法案を正式に提出をしておるわけですから、そういう立場から見ると、この価格の問題というのは、結局国際的な価格を上回ってなければならないということになるのではないか、こう思うのですね。そういう面を十分考えられてこの審議会にかけるのが、単なる数量の安定供給という面を考え、価格が合わなければ製品輸入を将来考えるんだという程度で考えるのか、どちらでございましょう。
#50
○川出政府委員 石油化学の原料ナフサの問題は、自由化を契機として自由化が原因で、それから標準価格がその次の理由で、現象的には起きたわけでございます。元来これは以前から当然起きておった問題を、政府の統制によって問題が起きないようにしておったわけでございます。外貨割当に特配という政府の統制手段を講じて、石油化学の育成のために恩典を与えるということでございまして、それが自由化になりましたら特配がやりにくくなった、できなくなったというところに、今日の議論があるかと思います。しかしながら、石油化学を育成することは国の方針でありますから、これは量の確保では意味をなさないわけでございます。価格も安定しなければいけないと思います。従って今後当面のナフサ対策もその両方について解決をしなければいけないと思います。石油審議会に諮るかどうかという御指摘でありますけれども、なるべく石油審議会に諮る前に解決をしたいと考えておるわけでございます。できれば石油審議会には報告で済ませる程度になれば、策の一番いいものではないかと考えております。
#51
○岡田(利)小委員 時間がありませんから、私は解決されればそれにこしたことはないと思いますけれども、しかしそれでも毎年度需給計画を策定する場合に常に問題になっていくのではないかと思うわけです。そういう意味で、私は、もしそれが毎年問題になってくる、あるいは解決できないということになれば、現在の石油業法をある程度強化する必要があるのではないか、そうして戦略産業の原料ナフサの供給についてはある程度石油海業法の中に明確にする、そうして政策料金であってもはっきり標準価格制度をとって進めていく、こういうやはりオーソドックスな態度がまずあってしかるべきではないか。製品輸入なんというそういうみみっちいことを考えないで、オーソドックスな態度が必要だ、しかも全体的な石油精製の伸びあるいは石油化学の伸び、こういうもののバランスをとって、割当等についてもふえる分についてはある程度ふやしていく、最小限度そういうことが必要だ。極端にいえば私は相当程度の割当をした方が一番手っ取り早いのではなかろうかと思うのですが、そういう検討が大事ではないか。ですから、行政指導をする場合に、どうしても解決をしないならば、これは戦略産業として、国の政策として、どうしてもやらなければならぬ問題であるわけだ。現在の石油業法の範疇に入る問題ですから、それを強化しても価格と生産数量の安定を保つということが、やはりオーソドックスな姿勢として堅持してほしいと思うのですね。むしろそういう態度を出してほしいと思うわけです。
 時間がありませんから、いずれまたほかの関連する問題等についてはあらためてやることにしまして、以上で終わりたいと思います。
#52
○小川小委員長 板川正吾君。
#53
○板川小委員 主として石油業法の運営の問題、当面する石油行政について二、三伺いたいと思います。
 業法の三条によって、政府が石油供給計画をつくって、これを告示するということになっております。業法の建前からいうと、三条で政府が石油供給計画というのを毎年度つくって、それから向後五年間の一つの見通しを立ててこれを告示する、これに従って十条で石油精製業者が生産計画を立てる、十二条で輸入業者が輸入しようという輸入計画を立てる、これが石油供給計画とバランスがとれず問題があれば、大臣はこれに勧告をして調整する、こういう機能になっておるのです。そこで、その石油供給計画というのは、本来からいえば、三十八年度は少なくとも三十七年度の第三・四半期か第四・四半期ぐらいになったら、供給計画を発表しなければ業界も困ると思うのです。この石油供給計画というのはまだ発表されないのですか。告示されたんですか。
#54
○川出政府委員 三十八年度以降の供給計画は、通産省令によりまして、今月中に決定発表しなければいけないことになっております。十四日に石油審議会に諮ることで検討を進めております。
#55
○板川小委員 これは発足間もなくですから、多少歩調が合わない点もあろうかと思うのですが、三月の中旬なりあるいは下旬近くならなければ四月以降の供給計画が立たない、こういうことじゃ業界として困るんじゃないですか。本来からいえば、告示をされたものに基づいて、生産計画なり輸入計画なり業界では四月以降のものを立てるのでしょう。その四月以降立てるのを、三月の中旬、下旬にようやく告示するというのでは、これはタイミングが悪いのじゃないですか。本来ならもっと早くやるべきじゃないですか。
#56
○川出政府委員 全く先生の御指摘の通りでございまして、その御指摘には答弁の仕方がございません。おくれて非常に申しわけないわけでございますけれども、せっかく今努力いたしております。
#57
○板川小委員 この供給計画の立て方に問題があるのじゃないですか。これはやはり政府としてこの法の通りに一つ見通しを立てて、これによって業界がそれに従って少なくとも三月中には生産計画なり輸入計画なりして、どうも全体として調整しなくちゃいかぬというなら、大臣が三月中に勧告をして、四月以降にまとめる、こういうふうにやるべきだと思うのです。これはそういう趣旨には問題はないのですか。一つ来年はもうちょっと先からはっきりやってもらいたいと思います。
 そこで、今お伺いしたいことは、石油の原油の自由化が行なわれましたね。しかし、八条国移行によって、貿易一〇〇%自由化ということが、わが国のとるべき国際的な義務といいますか、そういう義務を負ってきておるということになりますと、石油製品も将来自由化をしようという意図があるのですか。この一〇〇%自由化という中に石油製品も自由化しよう、こういう将来の計画というのを持っているのですか。その点一つ伺いたいと思います。
#58
○川出政府委員 石油製品の自由化につきましては、当分の間延期する方針でおりますが、これを無期限に延長するということはきわめて困難でございまして、早晩自由化しなければならない時期がくるかと思っております。
#59
○板川小委員 早晩石油も自由化しよう、こういうような計画のようですが、しかし、私は、日本に自由化を要求している諸外国が、みずから自分の石油なりを自由化をしないでおいて、日本だけが自由化を義務と感ずる必要がありますか。先進諸国が日本に自由化を要求する、従って日本も石油の自由化をしなければならぬ、石油の自由化が国際的には義務である、やらなければならぬ、早晩自由化をするのだというのですが、しかし、今石油製品を自由化しておる先進諸国といいますか、欧米諸国でどこがございますか。
#60
○川出政府委員 欧米の先進国と申しますか、工業国の多くのものはすでに石油の自由化をいたしておると思います。ただし、アメリカは、何年ごろからでございましたか、自由化をいたしておりません。輸入の割当を実施しております。それからフランスは、非常に強い国家統制でございますので、これは自由化から除外されておると考えております。
#61
○板川小委員 たとえばイギリスのように、自由化の形式はとっておりますが、実質的に石油製品の自由化というのはヨーロッパじゃやってないんじゃないですか。
 そこで、お伺いしたいのですが、EECのいわゆるエネルギー共同市場案というものが昨年夏発表された。このEECのエネルギー共同市場案というのは、一九七〇年までに一つエネルギーの共同市場をつくろう、それには英米系の石油資本が一つヨーロッパの石油を供給しよう、それにたよろうという前提のもとに、石炭に対して、石油に競争できないものは、ある程度の補助金以外にはもうやらないというような対策を立てようとしたんですね。ところが、その後ヨーロッパのEECでは、例のドゴールの爆弾演説以来、EEC共同市場案というものは非常に後退している。このEECのエネルギーの共同市場というのは、まあ一九七〇年からやろうというのは、大体日本の現状程度だろうと思うのです。日本は一応石炭に保護政策をとっておりますけれども、大体石油と競争させようという建前に立っておるのです。ヨーロッパでは、石炭を保護しておるために、石油価格が非常に高い状態になっている。アメリカでは自由化をしていないときに、石油製品の自由化を日本だけ先走ってやる、そういう必要、義務はないのではないか、こう思うのです。これはエコノミストという雑誌ですが、フランスの代表がEECのエネルギー委員会に出て、そう自由化をすべきでないということを盛んに主張しておるようですね。とにかくフランス式の統制の方が国内産業とのバランスからいってもいいのではないかという、共同市場案に水をかけたような形をとっておって、共鳴者も非常に多いということが出ております。ですから、私は、原則として石油製品の自由化をそう急ぐ必要はないのではないか。何か国際的な義務だから、やがてせざるを得ないというのは、どうも次元のとり方が少し違うような気がするのですが、どうお考えになりますか。
#62
○川出政府委員 石油製品の自由化につきまして、私は早晩やらなければならないことになるであろうという見通しを申し上げたわけでございまして、通産省としてできるだけ急いで自由化をしようという方針は全くとっていないわけでございます。製品の自由化をするにつきましては、総合エネルギー的な立場も検討しなければなりませんし、それから日本の石油製品の関税は、たとえば重油と原油というのはほとんど差がないような関税になっております。これらも各国に見られない状態でございます。原油と製品との関税には相当開きがあるのが、どこの国でもとっておる制度でございますから、そういう関税制度も慎重に検討しなければならぬ。関税制度を検討するということになりますと、日本の石油製品の価格構造まで検討しなければならぬという、いろいろむずかしい問題がございますから、そういう点を検討してからきめるべき問題だと思います。
#63
○板川小委員 時間もないようでありますから……。次に、供給計画を立てます場合の特に今後五年間の伸びを見ますと、三十七年、本年度の石油供給計画によると、四十一年まで四年後に石油の原油の消費の伸びは一・九倍ですね。ところが、ナフサ、石油化学原料の伸びは二・九倍です。原油の輸入は四年間に一・九倍、しかしナフサは供給計画で三十七年度を一〇〇として計算してみたら二・九倍。そうすると、このナフサ、石油化学というのが非常に伸びておる。この石油化学が伸びておって――石油化学というのはコンビナート方式をとっておる。いわゆる立地条件の合理化というのですか、そういう仕組みになっておるのですね。しかし、先ほどの岡田委員の発言のように、このコンビナートに参加しておる石油精製業者だけにその特典を与えれば、四倍のナフサ以外のガソリンなり何かが出る。それじゃいかぬから、各精製業者からジョイント供出をさせよう。ジョイント供出をすると、一方においてある意味じゃコンビナートの経済性というのがこの石油化学製品に反映していない傾向もありますね。いずれこの問題は一つ慎重に審議してもらいたいと思うのですが、とにかくこれに対しては抜本的な対策なり一つの原則というものをはっきりしないと、将来ますます混乱していくと思うのです。一方において石油化学製品の原料のナフサはどんどんふえる、コンビナートに参加しておる精製会社にそれを全部まかせれば、他の中小精製会社のシェアを押えていかざるを得なくなることになるので、一つ原則というものを立てるべきじゃないかと思うのです。これは近く石油審議会も開かれて立てるというのですから、その報告を聞いた上でまた質問したいと思います。
 ただ一つ私が聞きたいのは、将来石油、原油の処理設備、特定設備が相当伸びて参ります。原油が毎年一千万トンくらいずつふえていきますから、やがて設備の増設を許可するという段階になるだろう。そこで、最近新聞によりますると、その業界において設備の許可基準というのができ上がった、こういうような報道があるのですが、業界でその設備許可基準というのができたのですか。できたらどういう基準であるか、一つ説明していただきたい。
#64
○川出政府委員 設備の許可基準は、石油業法に明示をされておりまして、はなはだしく供給過剰にならないこととか、あるいは低廉かつ安定供給のために適切であるというような基準がございますが、個々の設備許可をする場合には、一般的な抽象的な基準だけでは工合が悪い場合もございますので、これは政府の方できめるわけでございますが、新聞等に報ぜられましたのは、私詳しく承知いたしませんけれども、業界の要望であろうかと思います。
#65
○板川小委員 いずれ政府自身も許可基準というのを明らかにしなくちゃならない時期がくると思うのです。そういうことも一応重要事項ですから、審議会の議を経ることになっておりますから、御審議を願いたいと思うのです。
 ただ一、二要望して申し上げておきたいことは、この特定産業の海外経済力強化法とい通産省で最近用意されている法律、これには石油精製業界は入っておりません。そうすると、政府自身に、この精製業界の合併を促進して企業の集中をはかろうという意思がないことも明らかです。そうしますと、どんどんこの規模が大きくなっていきますと、適正規模ということが問題だろうと思う。石油化学じゃないけれども、適正規模でないと能率が上がらないで、高いコストの製品ができるということになりましょう。ですから、適正規模ということを考えますと、今の主として民族系の精製会社が中小規模を持っておりますが、これに一定の国際競争力を政府がつけようというのですから、国際競争力がつくような段階も考慮してやるべきじゃないか。ただ何%ふえるから何%各社の増設基準を認めるというだけでは、どうも悪平等になるし、政策的なあれもない。そうしますと、最低一つの規模として国際競争力を持たせるためには、どの程度の設備が必要だ、それに達してないものは優先的にある程度先にやって、お互いに競争できるような規模の水準まで考慮してやるべきだ、その上に立ってお互に競争さすべきだ、こういうことを考えるべきじゃないだろうか。それは石油業法を通すときに附帯決議にもありましたように、国の影響力を持つような企業、要するに国際石油資本系の支配下にないものを三分の一程度置くべきだろうという要望にも沿うわけでありますから、そういう点も考慮されて、設備増設の基準をつくるときに指導されたらいいのじゃないか。これは政府がつくるのですから、考慮の上に基準をお考え願いたい。これに対する御意見を伺います。
#66
○川出政府委員 ただいま御指摘のような点は、基準をつくるときに参考にしたいと考えております。なお、販売面の系列化等の問題も、そういう際にはあわせて考えるのがいいかと思います。
#67
○板川小委員 約束の時間になりましたから、けっこうです。以上をもって質問を終わります。また次の機会にいたします。
#68
○小川小委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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