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1962/06/14 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 商工委員会石油に関する小委員会 第3号
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1962/06/14 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 商工委員会石油に関する小委員会 第3号

#1
第043回国会 商工委員会石油に関する小委員会 第3号
昭和三十八年六月十四日(金曜日)
   午後零時三十八分開議
 出席小委員
   小委員長 小川 平二君
      岡本  茂君    白浜 仁吉君
      中川 俊思君  早稻田柳右エ門君
      板川 正吾君    岡田 利春君
      田中 武夫君    多賀谷真稔君
      松平 忠久君    伊藤卯四郎君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       廣瀬 正雄君
        通商産業事務官
        (鉱山局長)  川出 千速君
 小委員外の出席者
        専  門  員 渡辺 一俊君
    ―――――――――――――
六月十四日
 小委員多賀谷真稔君三月二日委員辞任につき、
 その補欠として多賀谷真稔君が委員長の指名で
 小委員に選任された。
同日
 小委員伊藤卯四郎君三月十五日委員辞任につき、
 その補欠として伊藤卯四郎君が委員長の指名で
 小委員に選任された。
同日
 小委員中川俊思君五月三十一日委員辞任につき、
 その補欠として中川俊思君が委員長の指名で小
 委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 石油に関する件(石油政策に関する問題)
     ――――◇―――――
#2
○小川小委員長 これより商工委員会石油に関する小委員会を開会いたします。
 石油に関する件について調査を進めます。
 まず、その後の石油業法施行後の概況について、政府から説明を聴取することといたします。川出鉱山局長。
#3
○川出政府委員 それでは、石油業法その後の施行状況の概略について御説明申し上げます。
 石油業法は昨年の七月十日に施行いたされまして、一年近い月日を経ておるわけでございます。石油業法のまず第一番の骨子といたしまして、五カ年間の供給計画――計画といいましても、これは見通しでございますが、供給計画をつくることになっております。これは、石油業法に基づきまして、三十七年の下期に第一回をつくりまして、それからことしに入りましてから、三十八年以降五カ年の供給計画をつくったわけでございます。これは官報に告示されておる次第でございます。供給計画がつくられますと、それに基づいて生産計画を政府に届け出ることになっておるわけでございますが、昨年の告示されました供給計画に基づく生産計画の届け出について申し上げますと、昨年は供給計画に対しまして相当上回った生産計画が出そうでございましたので、あらかじめ業界といろいろ相談をいたしまして、供給計画を基準とした生産計画で、三十七年下期の生産調整が行ななわれたわけでございます。それから、本年度になりまして同じく供給計画が示されたわけでございますが、それに基づく生産調整は、業界の話し合いがなかなかまとまらなかったわけでございまして、四月以降相当の時日を要しましたが、先ほど各社から生産計画が出ております。すなわち生産調整を行なうことで、いま事が運ばれておる次第でございます。以上が供給計画並びにそれに基づく生産計画の届け出に関する運用でございます。
 それから、その次に、業法の一つの柱といたしまして、石油事業の許可制がございます。これにつきましては、既存の事業はみな石油事業として許可されたものと見なされたわけでございますが、新規のものといたしまして、業法施行後事業許可をいたしましたのは九州石油がございます。また最近、帝国石油の別会社がごく小型の製油所をつくることになりましたのにつきまして、事業許可が行なわれておる次第でございます。それからさらに設備の新増設につきまして、石油業法に基づいて許可制がとられておるわけでございます。これは業法施行後各社から設備の申請がなされまして、常圧蒸溜設備、設計能力によりまして、昨年秋に約四十三万バーレル認可されておる次第でございます。そのほか、石油の分解設備でございますとか、改質設備についても認可が行なわれております。なお、本年度に入りましてから設備申請を受け付けて、現在石油審議会で検討されておりますが、これは各社から約百十万バーレルをこえる大量の申請がなされておりまして、石油供給計画に照らしますと相当過剰であるということでございますので、許可につきまして一般的な基準を石油審議会で答申をいたしまして、それに基づいて現在審査をしている段階でございます。
 それから、石油業法のもう一つの規定でございます第十五条の標準価格がございます。これは国会でも石油業法を審議するときにだいぶ議論された点でございますが、標準価格の発動につきまして、自由化実施後相当の過当競争、ダンピング価格の販売競争が行なわれまして、そのまま放置しておきますと、石油産業の安定はもちろん、関連産業にも非常な悪影響を与えると判断いたしまして、昨年の十一月十日に揮発油とC重油につきまして標準価格を告示したわけでございます。その後その実施の状況は、詳細なところはわかりませんけれども、これは申すまでもなく公定価格ではございませんので、それが確実に守られておるということはないわけでございまして、最近需給状況等もゆるんでおりますので、なかなかこれの完全実施という段階にはまだ至っていないわけでございます。そういう状況に相なっておる次第でございます。
 以上、石油業法のおもな規定に基づきます運用の状況の概略を御説明した次第でございます。
#4
○小川小委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。板川正吾君。
#5
○板川小委員 ただいま局長から業法制定以降の業法の運営状況について報告があったのですが、その報告事項三点外数点について、時間が許す限り、簡単に質問をいたしたいと思います。時間がないので、残ったならば次の機会にお願いするとしまして、約一時間、委員長の都合もありますから、二時までに終了いたします。
 そこで、第一に伺いたいことは、一番あとから報告された標準価格の問題について伺いたいと思います。標準価格の実施状況は最近非常にくずれておる。なかなか守られておらない。もちろんこれは公定価格じゃないし、標準価格、標準ですから、そういう意味で多少の前後があるものとして、しかし、できれば、きまったからにはそれで守ってもらいたいという気持ちを持っておったと思うのですが、それがくずれておる。このくずれた原因は、いま局長は需給の変化と言いましたけれども、そればかりではないと思うのです。これは次官にも一つの責任があると思うのですが、まず第一に標準価格を設定した、そうしたら大臣がハイタク関係は特別だと言って、大臣みずから、その標準価格を割ったあっせん案といいましょうか、調停案というものを出したという過程があったわけであります。通産大臣はこれを告示して、しかし標準価格ですから、業者間において大量消費者が多少下回るという、そういう特別な契約に基づいてやったというならば、ある程度筋も通らぬでもないのですが、大臣自身が告示をしておきながら、大臣自身が調停に入って、それより以下でやったということが、まず第一だと思うのです。それともう一つは、そうした特殊な、みずから標準価格を割った調停価格というものを出したために、いろいろの面に行って不合理が生じております。たとえばトラック会社、バス会社では、傍系としてタクシー会社を持っているところがあります。そこの会社は、その傍系の小さいタクシー会社のほうが安いガソリンが買えるわけです。そうして大量に消費している親のほうは高いガソリンを買わざるを得ない。こういうこともある。タクシーに特殊な価格を認めたということになりますと、個人タクシーのほうからは、同じタクシーなんだから、個人タクシーになぜ安いものをあっせんしないのか。たとえば今度の国会で中小企業基本法が出ておって、小さいものと大企業との関係の格差を解消しようというのに、大きいところには安いものを売って、中小、個人タクシーには高いガソリンを買わせるような制度にいまのところなっております。そういったような矛盾ができているのです。そこに需給のバランスが若干ゆるまってきたということもあって、この標準価格が守られていないと思うのです。昨年標準価格を設定すべきだという議論を私は展開した。その場合には、標準価格をもし十五条を発動しないでそのままにしておけば、第二の丸善、第三の丸善、こういうものが出現して、そうして業法制定の根本精神である三分の一程度は、外油のひものつかない、国の政策に協力でき得るものを確保しておくべきじゃないか、それが長期的に競争体制を維持しまして、いわゆる国際石油資本の独占にまかせない、それが長い目で見れば結局安い石油と安定した供給に通ずるのだ、これは業法の根本精神ですが、そういう長い目で見た標準価格を設定すべきではないかという議論を展開したわけなんです。これは考え方としては当然であって、私はちっとも間違いはないと思うのです。しかし、最近石油精製業界の株価等を見ますると、一時よりたいへん高騰しております。当時たとえば日石が七十円あるいは八十円そこそこだったと思いますが、それが百五十円と倍近くになっておる。そのほかの精製会社等の株価も非常に上昇して、倍近くになっております。ということは、これはある程度経営が標準価格によって安定してきているのじゃないか、それが収益にあらわれ、収益率にあらわれたものが株価に反映している、こういう形であろうと思うのです。そこできょうの新聞等にもありますが、政府、特に経済企画庁あるいは公取なんかでは、物価対策の一環として、標準価格なりあるいは建値制度等で明らかに矛盾しているものは、この際低物価政策を維持するために安く実勢価格に画すべきだ、そういう声もあると聞いているわけです。そこで、この標準価格の問題も、業界の収益も好転して急に第二の丸善、第三の丸善は出ないという見通しであるならば、生産調整というものもなかなか十分にいかないようですから、一応この辺で標準価格をはずしてみて、ひとつ若干成り行きを見て、そうして落ちつくべきところへ落ちついて業法の目的にも反しないという点において――業法の目的もなるべく安すくするということが目的なんですから、はずして様子を見て、第二、第三の丸善がもし出そうであれば、再び新しい情勢に基づいて新しい標準価格でやったらいいのじゃないか、この辺でひとつはずしてみたらどうだろうか、こういう見解を持つに至ったのですが、次官及び局長の見解をひとつ伺いたいと思います。
#6
○川出政府委員 石油業法第十五条に基づきまする標準価格は、石油製品の価格が不当に高騰しまたは下落するおそれがある場合において発動する臨時的な措置でございまして、恒久的な措置ではないわけでございます。したがいまして、これをずっと持続していつまでも標準価格制度を行なう性質のものではないわけでございます。これは、ただいま先生の御指摘もございましたけれども、いずれ廃止をしなければならないことだと思います。私といたしましては、あまり長く行なわれないことが望ましいと考えておる次第でございますが、現在の情勢では、それではいつこれをはずすということをはっきり申し上げるような事態にはどうもなっていないと思いますると同時に、この標準価格の告示並びに廃止につきましては、石油審議会の議を経なければならないことになっておりますから、最近の情勢あるいは先ほどの御議論のようなこともあわせまして、いずれ審議会にもよく相談をしたいと考えておるわけでございます。
#7
○板川小委員 夏期は石油の需要が非常に頭打ちになり、冬期いわゆる下期に入ると石油の需要が非常に上向くわけであります。通産省のある説によると、九月までの上期ははずすことは困難だろう、しかし、いま言ったように、これは公定価格で自来変更するまで有効というものじゃないから、十五条の標準価格を設ける状態というのが解消すれば、一応これははずすことはたてまえだ、そうすると夏場を過ぎて下期に入ってからがはずす時期じゃないか、こういう予想もあるようでありますが、その点はどういうふうにお考えですか。
#8
○川出政府委員 現在のところそこまではっきりした方針をきめておるわけではございません。
#9
○板川小委員 標準価格の問題は、私の申し上げた意見もありますから、審議会等で十分論議をしていただきたいと思うわけです。
 次に、設備の許可基準について伺いたいのですが、先ほどの報告によりますと、今後の一年間の新増設の申請が日産百十万バーレルをこえておる、これは非常に過剰になるから、これを調整するということをいま審議会にはかって審査中、こういうお話であります。この精製設備の許可基準が大体審議会で明らかになったと思うのですが、許可基準をひとつ報告願いたいと思う。
#10
○川出政府委員 石油精製設備の許可の基準は、石油業法では第六条に規定をされておりまして、特定設備の処理能力が供給計画に照らして著しく過大にならないこと、それからその事業を遂行し得る技術的能力あるいは経理的な基礎がはっきりしておること、というような条件が法律上示されておるわけでございますが、この法律を運用いたしますためには、法律に書いてあるよりももう少し具体的な基準が必要であろうということで、石油審議会で何回も議論をいたしました。一応一般的な基準というのがきまっておるわけでございます。その基準はいろいろの要素を加味して判断しなければならないということでございますが、まず許可をする場合に、一体どのくらいの数量を許可するか、そのワクをきめなければならないということが一つございます。たとえば百十万バーレル以上の申請に対しまして、大体何万バーレルくらいを許可基準の対象にするかということが一つございます。それからそれを計算いたします場合に、石油精製業全体の稼動率をどのくらいの基準において計算をするかということがございます。これは大体八割程度を適正稼動率として、許可の数量の範囲をきめたらどうだろうかという結論が一応出ておる次第でございます。それから個々の企業の基準になってまいりますと、個々の企業の稼働率、これも現在の稼働率、あるいは申請をしておる設備が稼働するころの稼働率と、いろいろ稼働率がございますけれども、その稼働率を相当ウエートを置いて検討すべきであるということが、一つのあれになっております。それから石油精製業は、石油化学とか電力とかあるいは鉄鋼とか、いろいろ関連産業との結びつきがあるわけでございますが、その結びつきの程度も考えたほうがいいのじゃないか。それから港湾あるいは輸送設備あるいは用地、用水等の立地条件が優良であるか、必ずしもそうでないかという点も検討したほうがいいであろう。それから資金調達が問題になりまして、法律上も経理的基礎があることという表現をとっておりますが、資金調達がはたして可能であるか、どの程度具体的になっておるかということも、判断の一つであろうということでございます。それから技術的能力、これも法律に書いてございますけれども、石油精製をやっていく技術的な能力があるかどうか、あるいは技術的に特色のあるものであるか、ごく一般的なものであるかということも判断の一つだ。そのほか財務比率でございますとか、あるいは販売能力というような点も検討した上、総合的に判断する必要があるというようなことが決定をされておるわけでございます。なお、新規の精製事業の許可にあたりましては、現在精製業が非常に多数乱立しておる状態にかんがみ、これは原則として認めないほうがいいだろう。しかし、もちろん原則でございますので、例外というものは考えるべきである、既存精製業の保護だけに終わってはいけないというのが、一応の結論になっておる次第でございます。そのほか、これは先ほども申し上げましたが、石油化学との結びつきというのが特に重要でございますので、そういう面は優先的に配慮すべきである。あるいは中小精製業に対しましては、これの系列化等を促進する意味におきまして、そういうような計画を伴うものについては優先的な取り扱いをすべきである。そのほかにもあったと思いますが、大体そういうような基準を総合的に勘案した上で結論を出すべしというのが、石油審議会の答申と申しますか、許可の基準でございます。
#11
○板川小委員 九項目ですか一応基準が発表されましたが、実際許可をするということになりますと、その基準を平面的に解釈したって出ないのですね。業法ができて本格的に許可するというのは今回初めてだと思います。この許可基準は、実は業法の中の一番の背骨なんですね。これが運用を誤ると、業法自体がおかしくなる。業法というのは大体許可基準を中心にできたと言っても過言じゃないのです。
 そこで、いま八項目か九項目あげたのですが、それはそういうことを考慮するということであって、その中でどれを重点的に考慮し、どれをやや軽めに見るかということは、これから実際にきめる場合の運用だと思うのです。その場合に、業法を制定するときの前提条件、先ほども言いましたように、国の影響下に三分の一程度は置くべきだという前提、要するにひもつきをこれ以上ふやすなというような審議の際の付帯条件があったのですが、そのことは当然これを具体的に運用し決定する場合には考慮されますか。石油業法制定の前提である条件を考慮されますか。
#12
○川出政府委員 それはやはり総合的に判断します場合の一つの要素と私は考えております。ただ外資系、民族系ということば使われますけれども、民族系ということだけで優先するという運用も、石油審議会では議論は出たわけでございますが、結論にはなっていない次第でございます。
#13
○板川小委員 総合的に判断する場合の一つの要件というのでは、ちょっと私はおかしいと思うのです。ただ許可をするときに、民族系を先にやって、残りをその他にやれという意味じゃないのですよ。この許可基準というのは長期的な展望に立たなければならないのです。長期的な展望の上に立った場合に、業法制定の根本的な精神というのが除かれてはいけないと思うのです。だから、私は、いますぐこの何万か、知らぬけれども、不足の分を許可する場合に、民族系に全部やって、外資系に一つもやるなという意味で言うのじゃないのです。しかし、外油のひものつかないものの経営が成り立っていくような形にも、大きな考慮を払っていかなくちゃならぬ。長期的にそういう考慮を払っていくべきだと思うのです。何か総合的に判断する場合に、一つのというような、前提を軽く見るようなことではいかぬと思うのですが、その点どうですか。
#14
○川出政府委員 石油業法制定のときの基本方針の一つに、ただいま御指摘のような点があるわけでございます。その点は特に項目として掲げるということには石油審議会ではならなかったということを私申し上げたわけでございまして、石油審議会の基準といいましても、いろいろなアイテムは一応あがっておりますが、その他特別に考慮する点があったらという事項も最後に入っております。そういうものを含めまして、やはり総合的な判断ということできめる以外にないのではないかと考えております。
#15
○板川小委員 この石油業法をつくるときに、国の影響下にできれば三分の一程度置くように、それはことばをひるがえして言えば、国際石油資本ですか、これのひもつきをこれ以上ふやすなということが大きく要望されたのです。そういうことはこの許可基準の項目の中にないが、私は前提として当然そういうことを考えておる、そうして総合的な結論を下すときに、そのことも念頭に置いて当然結論を出す、こういうことじゃないのですか。
#16
○川出政府委員 そのとおりだと思います。
#17
○板川小委員 それでわかりましたが、この許可基準の何項目かに、資金調達の能力の問題が出ておるのです。この資金調達の項目で、新聞等によると、この場合外国資本であっても、低利安定的なものであれば特にこだわらない、こういう発表があるのです。低利安定的なものであれば、あえてこれにこだわらないということは、どういうことでしょう。今日政府、池田さんがむきになって低金利政策をとっておるけれども、外国のほうがまだまだ安いことは事実です。安定しているといえば、この場合に外資といっても、おそらくアメリカを中心とした考え方なんです。それは一部にシェルあるいはフランス石油等があるかもしれませんけれども、大部分はアメリカの資本と考えていいわけです。そうすると、低利というのはアメリカの利息のほうが安いことは事実だし、安定しているといえば、向こうのほうは経済力があるから安定しているということが言える。ということは、これは外国資本でも歓迎をしますということなんですか。あえてこういうような発表をするという気持ちはどこにあったのですか。
#18
○川出政府委員 ただいま御指摘のような発表をしたことはないわけでございまして、石油審議会できまりました点は、借り入れの場合の資金源と申しますか、その点を考慮するということだけになっておるわけでございまして、そこで議論されました際には、あまり外資に依存することが多い、あるいは外資に依存したために拘束を受ける度合いが強いという点は、検討する必要があるのではないかという議論はなされましたが、さようなことでございます。
#19
○板川小委員 局長は最近フランス政府が自国の石油を自国内で消費をさせるための一つの強行措置をとったことは御存じですか。これによると、シェル、エッソ、BP、モービル、こういうものがフランスの従来石油市場を支配しておったといいましょうか、供給しておったわけですね。ところが、今度の割当てによると、その石油会社は前年と同じ数量は割り当てます。ふやさない。ふえた分は、それはフランス国営企業でサハラからとった石油を優先的に国内消費させる、こういうふうな政策をとっておるのですね。そういうことからいうと、石油の問題を自由化、自由化という考えだけでとるべきじゃない、こう思うのです。外国政府等によっても、この基幹産業である石油なりエネルギーというものを重要視して、そしていざというときに備えつつ、あるいは自国の開発の石油を優先使用させるということは、当然の措置として行なっておるのですね。ですから、私は、日本であまり、外国石油に商売させるのですから、売ってもらうのじゃないのですから、こっちが主導権をとるという気持ちであっていいんじゃないですか。どうもその点からいくと、国際石油資本系にあまり考慮を払い過ぎるのじゃないかという感じがするわけです。その資金の問題の点については、そういう発表をしてない、こういうことであれば、これはこれでいいと思いますが、ひとつ業法制定の精神も考慮して、その点は業法の精神と食い違った方向に行かないように考慮を願いたいのです。
 そこで、石油の安定基金の構想が前からあって、実は目下足踏み状態という状態になるのですが、これはことしの予算委員会のときに、第三分科会ですか、私が大臣に質問をしたのです。大臣は、その場合に、ひとつことしは何とか、安定基金を考えるというのじゃないけれども、何らかの措置を講ぜざるを得ないのじゃないかということを答弁しておったのです。この安定基金の問題は、今後どういうような見通しといいますか、通産省としては、ことは大蔵省と関連がありますから、ここだけでこういう結論になりますということは出ないでしょう。しかし、予算編成時期ももう一、二カ月の間に来るわけですから、通産省としては当然これは準備をしなければいけない。心がまえとして、石油安定基金に準ずるような、あるいはそのものでもいいんですが、そういう方向に進むのか。それから、一説には、安定基金の問題よりも業法を強化したらいいじゃないかというような説も通産省内であるやに聞いておる。一体どういう方向を進まれようとしますか。
#20
○川出政府委員 現在通産省の内部に総合エネルギー部会というのが設置されておりまして、有澤先生が委員長をしておられるわけです。この総合エネルギー部会は、石炭問題それから電力問題等の議を経まして、現在石油問題を審議しておるわけでございます。石油問題の審議を完了して、総合エネルギーに関する答申が通商産業大臣に出される予定になっておるわけでございますが、この総合エネルギー部会で、石油安定基金、これは仮称でございますけれども、設置する必要があるかないか、必要があるとすればいかなる内容のものであるかということについて、現在審議を重ねておるわけでございます。事務局の一案としましては、石油精製業に対する資金の供給、あるいは石油の安定供給のために貯油も必要とすれば、その貯蔵設備についての資金的な援助は必要であるかないかというような点、それから国内の天然ガスとかあるいは原油とか、そういうものの探鉱開発について現在もいろいろな措置が行なわれておりますけれども、さらにこれを積極的に推進すべきかいなか、推進するとすればいかなる手段がいいかというような問題点につきまして、現在議論をしておりまして、まだ結論が出ていないわけでございます。その際に、そういう方法もそれは必要かもしれないが、業法を強化することによって国の意思を反映せしめることも可能ではないか、という一部の委員の議論は出ておるわけでございます。それがそういうふうに伝えられたのではないかと私は考えております。
#21
○板川小委員 この附帯決議の決定もありますが、いまのままでは不十分である、したがって何らかの措置を講ぜざるを得ないから極力努力中、こういうことであろうと思います。業法を強化したから、資金的なめどは、安定基金的なことは不要だということじゃないと思うのです。それとはまた別の問題だと思います。ひとつ業法制定の趣旨に沿うように一段と努力を願いたいと思います。
 それから、設備の新増設の許可というものは、時期的にいつごろまでに結論を出されるのですか。
#22
○川出政府委員 現在石油審議会で一般的な基準につきまして大体方針をきめておりまして、あと特別の問題について審査をしておる段階でございますので、いつまでということをはっきり明言できないわけでございますが、今月から来月にかけてというのがわれわれの目標でございます。
#23
○板川小委員 次に、最初御報告になった生産計画と生産調整について伺いたいのですが、先ほどの報告によりますと、供給計画を政府が発表し生産計画を業者が出したが、やや上回っておるので生産調整中である、こういうような生産調整をやりつつあるという報告があったのですが、もうちょっと具体的に、ひとつ供給計画と生産計画、あるいは生産調整を政府がいましつつある現状について、詳しく御報告を願いたいと思います。
#24
○川出政府委員 先ほど申し上げましたのは、昨年の下期と申しますか、石油業法施行後、当初供給計画に照らしますと、相当上回った数字が出そうな気配がございましたので、その調整につとめまして、これはすでに実施をしたわけであります。今年度になりまして、生産調整を続けるかどうかということがまず第一の問題になったわけでございますが、石油精製設備は三割程度の余剰の能力を持っておりますから、これはやはり生産調整を続けたほうがいいであろうという結論に達しまして、石油精製業界の中でいろいろ調整の基準について相談をしたわけでございますが、いろいろな意見が出て、四月以降結論に達していなかったわけでございますが、ようやく先般結論に達したわけでございます。その内容を申し上げますと、三十八年度の上期は、電力の石炭を消費する量が非常にふえておること、あるいは豊水になっておる等によりまして、石炭向けの重油の消費が三十七年よりは減っておるような状況にもございます。したがいまして、三十八年の上期は、三十七年の下期に比べまして、需要はそれほどふえないわけでございます。ごく小幅の増加を示しておるのが実情でございます。一方石油化学用のナフサの需要は非常にふえてきておりますので、その辺を両方加味して生産調整を行なわなければならないということであったわけでございます。一応の結論と申しますのは、増加分の半分は、石油化学用のナフサを円滑に供給するために、石油化学用のナフサをつくっている。製油所の生産をそれだけふやす。一定程度ふやす。残りの分につきましては、これはあまり需要が増加いたしませんから、上期に限りましては、一様に伸び率に応じて生産を調整したらどうだろうということが石油産業界の中心でまとまりまして、それに基づいて生産計画を提出しておるというのが現状でございます。
#25
○板川小委員 最近の新聞によると、石油連盟で、生産調整といいましょうか、話し合いをしている、ところが、シェルと出光関係が、その調整が不満であるということで、それに応じない、その後シェル関係は通産省の説明を聞いて了承したが、出光は独自の方針をとっておる、また一荒れするのじゃないかというような意味の報道が、一昨日ですか、出ておりますが、この争いの問題点はどこにあるのですか。
#26
○川出政府委員 これは石油精製業界の中の話でございまして、私のほうは直接中に入っておるわけでございませんで、ここで申し上げますことが正確かどうかはわからない点がございますが、一応私どもの理解をしておるところでは、生産調整をする基準に何をとったらいいだろうかということは、昨年の下期以来業界の中で非常に議論されておるわけでございます。たとえば生産実績をとるべきであるという意見もありますれば、あるいは設備能力を考えなければいけないだろう、設備はつくったけれども、生産ができないということでも困る、あるいは販売を重点に考えたほうがいいであろうといった意見もあります。したがいまして、いろいろな立場からいろいろな議論がなされたわけでございますが、三十七年度の下期につきましては、生産実績と販売実績と設備能力の三つを、それぞれウエートをかけて生産調整をすることに一応結論が出まして、実施をされたわけでございます。三十八年の上期につきましても、同様いろいろな議論が出てまとまらなかったわけでございますけれども、何にいたしましても、先ほど申しましたように、伸び率が非常に低いわけでございますので、そういういろいろなむずかしい議論をして、結論が出ないならば、伸び率にあわせて生産調整をとりあえずしたらどうだろうかというのが、石油精製業界のほぼ一致した意見でございまして、それに基づいて通商産業大臣に生産計画を届け出るということになっているわけでございます。
#27
○板川小委員 生産調整の作業というのですか、政府の供給計画に見合う生産体制を整えるために、石油連盟を中心として業界がいま調整中だ、しかしこれは実は政府が関知したことではないということのようですが、もし供給計画を政府が発表して、この程度でよろしいということになっているのに、生産計画がそれを非常に上回って、著しい問題を起こすという場合には、勧告ということがある。この場合に、まだ途中ですが、現状の出光の主張は、そのまま出光が単独行動をとった場合にはどういうことになりますか。
#28
○川出政府委員 出光の場合はさておきまして、一般論としまして、生産計画の届け出が石油業法によって義務づけられております。この届け出られた生産計画によって生産が行なわれる場合に、石油の産業が非常な過当競争になる、あるいは不安定になるというような悪い影響を与えるおそれがある場合には、生産計画の変更の勧告を大臣がすることができることになっている次第であります。ただ、これにはその辺の議論を十分尽くして、石油審議会にはからなければならないということになっているわけでございます。さような意味で、必要があれば勧告をすることができるわけでありますが、現在のところそういうこともないと考えております。
#29
○板川小委員 供給計画の発表がおくれたことにも原因があるでしょうが、生産計画を届け出るのは、いつまでに届け出ればいいのですか。
#30
○川出政府委員 石油供給計画が発表されまして、一月以内に届け出るようになっております。
#31
○板川小委員 そうすると、石油供給計画の発表は三月三十日でしたか、本年度四月以降の分をこれこれにせよという供給計画の政府の告示、大体これがおそ過ぎた。業界の方も、毎日作業をしているのに、四月以降の分がわからなくて、三月三十日か下旬の終わりまぎわになって来年度の発表をされたのでは、業界のほうだって、一月以内に出されても無理で、少なくとも二、三カ月前には供給計画は出すべきだ。これがおくれたのは政府に責任があるのですが、それにしても、いままで一応需要の状況が違いますから、上期、下期に分けて一応生産計画を考え、そしてそれをトータルしておったと思うのですが、もう上期も半ばに達しております。そろそろ生産計画というのもまとまらなくてはならぬと思う。これは生産計画を届け出をして、そして出されたものが供給計画に照らして不十分である、供給の安定を欠くということであれば勧告をするということになるのでしょう。日にちがたいへんおくれているのだけれども、この問題も早期に解決すべきではないか。私は別にどっちにどうこうと言うのではないけれども、内容をよく聞いて、合理的な一つの考え方を貫いて、だれも納得するような方法をやってもらいたい。同時に業法の制定の精神というのも当然その中に加味してもらいたいということを要望したいと思います。
#32
○川出政府委員 石油供給計画の発表がおくれましたことは、いつでございましたか、この小委員会でも御指摘を受けたわけでございまして、これは今後改めたいと考えております。なお、先ほど御指摘のございました供給計画に照らしての石油の安定的な供給体制の確立につきましては、今後大いに努力したいと思っております。
#33
○板川小委員 それから標準価格でちょっと……。最近新聞によると、LPGの標準価格を設けてもらいたい、こういうような申請をしております。これに対して通産省はどう考えておるのですか。安直に標準価格を公定価格というふうに勘違いをしているのじゃないかと思うのですが、最近新聞等によると、標準価格を設けてほしい、こういう運動を盛んに展開しておるというのですが、これに対してどういう方針でおられますか。
#34
○川出政府委員 LPGの標準価格につきましては、これは実は石油審議会の議場で委員から発言があったことでございます。それにつきまして、通産省といたしましては、LPGの安定供給のために一番大切なことは貯蔵設備でありますが、それがない。不足している。LPGの需要と申しますと、夏場と冬場で相当の開きがございまして、貯蔵設備がないために、消費者に対しても相当の迷惑をかけておる実例もございます。しかし、LPGの貯蔵につきましては、これまた非常に金額のかかることだそうでございますので、その辺の資金的な援助と申しますか、そういう点も今後考えなければいけない。まず標準価格よりも需給の調節が可能なような措置が先行すべきであるというのが、通産省の考え方でございます。
#35
○板川小委員 そうしますと、通産省では、LPGは当然石油製品の中に入っていますから、場合によっては、標準価格ということが必要であれば、手続を経てやれないことじゃない。しかし、価格の十五条の発動というのは最悪の場合で、これは一条の安定供給と安いエネルギーを供給するという目的にあるわけですから、そうすると、生産調整をしないで価格だけきめてくれということはだめだ、こういう方針で通産省はおるということですか。
#36
○川出政府委員 LPGにつきましては、これは副産物でございますので、生産調整も非常に困難なわけでございます。どうしても流通設備と申しますか、貯蔵の設備にもう少し力を入れなけばいけないのではないかと考えておる次第でございます。
#37
○板川小委員 ナフサの問題で二、三伺いたいのですが、石油化学業界と供給者側の石油産業界で、ナフサ供給問題について意見が対立をしておった。その後植村あっせんが続けられて、その問題は解決したというのですが、どういう状況で解決をされたのですか。これは上期だけのように新聞等でも見ているのですが、下期の問題はどういうふうに考えておられるのか。その解決をした状況等をお聞かせ願いたい。
#38
○川出政府委員 石油化学用ナフサの問題につきましては、量の問題と価格の問題を中心にして、両業界で対立が一時あったわけでございますが、これは植村石油審議会会長のあっせんによりまして、三十八年の上期、とりあえず大綱につきまして了解がついたわけでございます。三十八年下期の問題につきましては、あらためて相談することになっておりますが、三十八年の上期の大綱というものが参考にされるだろうと私は推測している次第でございます。なお、三十八年の上期の了解に達しました大綱と申しますのは、量的には、ナフサの供給につきまして、石油化学会社と結びついて、石油精製会社はナフサを供給する、ただし、そのナフサ供給のためにガソリンが不足した場合には、ほかの精製会社が極力適正な値段でガソリンの応援をするというのが、一つの大綱になっております。
 それからもう一つは、ナフサの価格の問題が非常に議論されたわけでございますが、これは各社必ずしも同一でございませんので、一応五千九百円なり六千円程度をめどにいたしまして、個別折衝にゆだねるというのがアウトラインでございます。
 なお、長期的な問題といたしましては、国全体としてナフサが不足する場合もあり得るわけでございますので、将来石油化学用ナフサの輸入につきましては、関税を免除すべきであるという方向が打ち出されておりまして、これにつきましては両業界とも賛成しているわけでございます。
#39
○板川小委員 ナフサの需要とガソリンの需要が非常にバランスを欠いている。当然ですが、ナフサが非常にふえている。これは供給計画、生産計画等を見ましてもそうです。したがってナフサを供給している石油精製会社というのは、一対一の割合で割当をふやすということもありますし、比較的条件がいいということになっている。これは石油精製会社のほうからいえば、シェアの一つの変動にも関連するのですね。そこでなかなかうるさくて、結局ジョイント供給だとかなんとかいうことで、話し合いがついたと思うのですが、やはりこの一番のガンは、お互いに石油のシェアをふやすことは賛成だけれども、減らされては困る、ナフサに供給するのはいいけれども、そのために自分の精製の割合が減ってはいかぬ、こういうことで、これがナフサ供給をめぐっての問題点だと思うのです。
 輸入すればいいというのですが、その輸入については中東等で相当余力があるのですか。輸出力があるのですか。免税をしたならばどういうことになるのですか。どの程度になるのですか。それは国産のナフサの供給の価格とどの程度差があるのですか。
#40
○川出政府委員 ナフサの輸入をした場合に、関税は現在二千二百円くらいかかることになっておりますので、それが免除されますと、かなり安く入手できるのではないかというのが現在の見通しでございます。これは実際やってみないと、ほんとうのところはわかりません。
#41
○板川小委員 二千二百円ほどの税金がかかる。そこで、その税金が免除されれば五千円程度になる。ここの植村あっせん案によると、五千九百円ないし六千円、これを基準とするということになるから、もちろんナフサの場合には石油と競合するわけではないのだし、アメリカの石油化学が非常に単価をこの際切り下げてきておって、石油化学としても窮地におちいっているという話も聞いているわけです。そういったような問題を考えると、結局石油精製業界では、シェアの問題が――業法運用を考えてみると、シェアの獲得といいますか、それを維持するということが、あらゆる問題の原因になっておると思うのです。これは私があるところで聞いたのですが、たとえばA社がある企業にガソリンならガソリンを売っておる。ところが、何かの関係で、買うほうでA社からB社に変えた。こういう形に変える。買う相手先を取りかえる。ところが、A社がその会社に納めておるのをやめて、B社がとってかわると、そのA社は、別なところで、結局B社から、B社のふえた分を取り返す、こういうような内規といいましょうか、連盟内の運営があるわけです。考えてみると、これもシェアを確保したい、侵すべきじゃない、こういうことにあると思うのです。先ほどの生産調整の問題、争いの中心は、自分のシェアが前期より減る、ふえるほうは黙っているが、減るほうは、どうしても困る、こういうようなこと等を考えると、どうもいまの石油の販売機構というものは、いまのままでいいかどうかということが問題になってきておるのではないか。そういう不合理をなくするためには、石油販売機構というものを、たとえば公営なり、公社なり、こういう方向を考えれば、そういうシェアの問題をめぐっての不合理はなくなるのではないか、あるいは石油業法の精神も大いに前進するのではないかと思っておりますが、これは業法制定の中にもそういった意見も出ております。私は、それでいま次官の意見をどうこういうことを聞かなくてもいいのです。いいですが、そういった意見が石油委員会で出たということを念頭に置いて、審議会等では十分しかるべく論議の対象にしてもらいたい、こう思うわけであります。
 まだ二、三ありますけれども、時間が中途はんぱになりますから、ちょうど約束の時間になりますから、これで終わります。
#42
○小川小委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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