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1962/03/15 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 商工委員会金属鉱山に関する小委員会 第1号
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1962/03/15 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 商工委員会金属鉱山に関する小委員会 第1号

#1
第043回国会 商工委員会金属鉱山に関する小委員会 第1号
本小委員会は昭和三十八年一月三十日(水曜日)
委員会において設置することに決した。
一月三十日
 本小委員は委員長の指名で次の通り選任された。
      小川 平二君    藏内 修治君
      齋藤 憲三君    白浜 仁吉君
      中村 幸八君    田中 武夫君
      多賀谷真稔君    松平 忠久君
      伊藤卯四郎君
同日
 白浜仁吉君が委員長の指名で小委員長に選任さ
 れた。
―――――――――――――――――――――
昭和三十八年三月十五日(金曜日)
   午後三時十七分開議
 出席小委員
   小委員長 白浜 仁吉君
      齋藤 憲三君    中村 幸八君
      松平 忠久君    伊藤卯四郎君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       廣瀬 正雄君
        通商産業事務次
        官
        (鉱山局長)  川出 千速君
 小委員外の出席者
        通商産業技官
        (鉱山局鉱業課
        長)      大木  恒君
    ―――――――――――――
三月十五日
 小委員伊藤卯四郎君同月五日委員辞任につき、
 その補欠として伊藤卯四郎君が委員長の指名で
 小委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 金属鉱山に関する件(金属鉱山の現況等)
     ――――◇―――――
#2
○白浜小委員長 これより商工委員会金属鉱山に関する小委員会を開会いたします。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 このたび、皆様の御推挙によりまして、本小委員長の重責を汚すことになりました。御承知の通り、本委委会は第四十回国会以来毎国会設置され、中村前小委員長のもと、自由化に伴う金属鉱業の問題を取り上げて調査して参り、弟四十回国会においては、本小委員会が中心となって、本会議において自由化に直面する金属鉱業危機打開に関する決議を行ない、これに基づいて、今国会には、政府より金属鉱物探鉱融資事業団法が提出され、本日の本会議において先ほど可決されました。また鉱業安定臨時措置法も本国会に提出される予定とか聞いております。今後とも金属鉱業対策の上にも問題は多く、いろいろと措置せねばならぬことと存じます。今後の小委員会の使命も重いことですので、何とぞ皆様の力強い御支援と御協力によって、小委員長としての使命を果たしたいと考えております。何とぞ御指導を賜わらんことをひとえにお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手)
     ――――◇―――――
#3
○白浜小委員長 次に、金属鉱山に関する件について調査を進めます。
 当面の問題といたしまして、貿易の自由化に伴う金属鉱業の諸問題について、まず政府より説明を聴取することといたします。川出鉱山局長。
#4
○川出政府委員 金属鉱山の現況につきましてお手元に資料が差し上げてございます。大体この資料は、ごらんになるとわかるように、一覧表にまとめてある次第でございまして、最も新しい資料でございます。
 鉱山問題は、先ほど委員長からもお話がございましたように、自由化を中心にして起きておりますので、現在まで自由化されたもの及び今後の自由化のスケジュールを最初に申し上げたいと思います。
 鉱物の自由化は昨年の十月以降問題になっておりますが、実は昨三十七年の九月以前にすでに自由化されておるものもたくさんございますので、その鉱物を最初に申し上げます。
 まず金属鉱物でございますが、金属鉱物の中で昨年の九月以前にすでに自由化されておるものは、金鉱、銅鉱、鉛鉱、亜鉛鉱、すず鉱、水銀鉱、鉄鉱――もちろん砂鉄を含むわけでございますが、以上の金属鉱物のほか、非金属鉱物といたしまして、石灰石、明ばん石、ほたる石、けい石、長石、ろう石、滑石、耐火粘土、重晶石等がすでに自由化されておるわけでございます。これらのものは自由化による影響が軽微であるために、すでにだいぶ前から自由化されておるものであります。
 昨年の十月に、問題はありましたが、自由化に踏み切りましたものもたくさんございます。まず石綿、ドロマイト、鉄マンガン鉱、亜比酸、それからけい砂、鱗状黒鉛、マンガン鉱――このマンガン鉱につきましては一番問題がございまして、輸入量も相当ございますし、国内鉱山も中小鉱山の数が相当数に上っておりまして、昨年の自由化につきましては相当問題があったわけでございますが、これが自由化に踏み切ったわけでございます。ただし、本国会において関税を上げる案が提出されておるわけでございます。輸入状況につきましては常時監視をいたしておりまして、現在のところあまり問題は起きていないわけでございます。
 それから今後自由化していくものについて御説明いたしますと、石こう、これはすでに自由化されているものは品位の高いものでございます。国内製品と競合しないために、三十七年九月以前にすでに自由化されておったわけでございますが、今後品位の低いものも自由化する。これはタリフ・クォータで自由化することに踏み切っておるわけでございます。以下申し上げますのは、三十八年の四月に自由化することを目標にしておるものでございます。鉄鉱のほか、モリブデン鉱、アンチモン鉱、これはいずれもタリフ・クォータで自由化することにいたしております。石こうとモリブデン鉱とアンチモン鉱が三十七年の十月に自由化されないで本年の四月に持ち越されました理由は、これはガットの交渉が必要でありましたため、時間的に十月に間に合わなかったために四月に延期されておる鉱物でございます。次に、ガット関係ではございませんが、三十八年四月に自由化を予定いたしておりますものに電気銅がございます。これは地金、電気銅及び粗銅でございます。銅は一番今後問題の多い鉱種でございますが、いろいろ対策を立てた上自由化することに踏み切っておる次第でございます。
 それから、昨年の十月に自由化を予定しておりましたが、国内鉱山の現況にかんがみ、本年の四月まで半年延期いたしましたものに水銀がございます。水銀をタリフ・クォータにより本年の四月に自由化する予定でございます。それからアンチモン、これも昨年の十月に自由化する予定でございましたが、中共等からの安いアンチモンが海外に出まして、相場が相当下落をしておりましたので、この関税を今国会に改正する案を出しております。これも四月に自由化する予定でございます。
 以上が本年四月に自由化する予定のものでございますが、さらに本年四月以降来年の三月末までの間に自由化を予定いたしておりますものに鉛、亜鉛がございます。鉛、亜鉛は御承知のように海外の相場が暴落いたしまして、三十一年当時の値段に比べると半分ぐらいに下がっておる次第でございます。従って、当初予定しました関税のもとに自由化いたしますと、国内鉱山に対する影響が甚大でございますので、自由化を一年以内延長することにして、今後の海外相場の推移を見ることにしたわけでございますが、これも国会に現在提案されておる次第でございます。
 それから、当分自由化が困難であるという理由で、当分自由化を延期するもの、なるべく長期間延期したいと政府の方で考えておりますものに硫黄がございます。硫黄は一〇〇%国内で自給いたしておりますけれども、海外との価格の差があまりにもはなはだしいために、これは関税対策のみによって自由化することがきわめて困難でございますし、金属鉱物と違った性質を持っておりまして、たとえば探鉱はあまり必要でない、埋蔵量は確認されておるというような事情がございまして、これは別個の対策が必要になろうかと思っております。それから硫化鉱、これも海外相場との開きがはなはだしいわけでございますので、当分自由化しない予定でございます。それから金鉱、これも海外相場と国内の金鉱とは非常な差がございますので、これも自由化を当分延期ということでございます。
 次に、タングステン鉱でございますが、これは数年前トン当り九十万円ぐらいの値段であったものが、自由化を予定しておりました際は五十万ぐらいを前提にしておったのでありますが、最近の海外相場は三十万円を割っておる現況にございます。従って、タングステン鉱も海外市況が回復しない限り自由化はきわめて困難だという意味で、硫黄の分類に入れまして、当分延期したいと考えておる次第でございます。
 自由化のスケジュールの現状は以上のようなことでございます。
 以上のような鉱物につきましての一覧表は、お手元に差し上げました「主要鉱産物の概況」というところに、鉱山数、労働者数あるいは国内の価格、海外の価格、関税率、自由化しておるかしていないかという点が、一覧表にまとめてある次第でございます。
 それから、次にお手元に差し上げました「鉱業関係統計資料」、これは三十八年二月に調製いたしました資料でございまして、最近の鉱山の現況を計数的に取りまとめたものでございます。この一表、二表からもわかりますように、大体の鉱物は最近増産されてきております。年ごとに生産量がふえてきております。その反面従業員の数は減ってきておりまして、それだけ逆にいえば生産性が高まったということもできるかと思います。
 それから、資料はございませんが、次に海外開発の関係についてごく簡単に御説明申し上げたいと思います。
 御承知のように、銅にしても鉛、亜鉛にしても、その他の鉱物にいたしましても、日本は需要がふえて参りますが、国内の鉱産物で自給するものは、硫黄とか硫化鉱とかを除いては、ほとんどないわけでございまして、重要鉱物である銅、鉛、亜鉛は、これを海外からの輸入鉱石なり輸入地金なりに依存をしているわけでございまして、国内鉱山の体質改善あるいはその保護は至上命題でございますが、鉱業が長期的に伸びていくためには、やはり海外に出ていくということも必要であろうかと思います。現在までに、これは大手企業を中心にしてでございますが、主として銅につきまして海外開発が各社によって行なわれております。その国は東南アジアあるいは南米が中心でございまして、出ております企業は産銅六社の中の企業が出ておる次第でございます。現在のところ、海外進出と申しますか、海外に投資をしてその見返りに輸入をしておる銅の鉱石は、含銅量にいたしまして約五万トンでございます。輸入鉱石の全体が十二、三万トンでございますが、その半分近くを投資によって獲得をしておるわけでございます。しかし、銅の需要は今後もふえるものですから、昨年国内の鉱山会社約二十社が共同出資をいたしまして、資本金五億円の海外開発会社をつくったことは御承知の通りでございます。これは政府の海外経済協力基金から半額出資をしております。昨年の夏海外開発会社が発足いたしまして、昨年の暮れ二ヵ月にわたりまして南米の各地の鉱山を調査いたしました。調査団を派遣いたしましたのは、ボリビア、チリー、ペルー等が中心でございまして、数鉱山をよく調査をして帰って参りまして、現在、調査をしました数鉱山のうち二鉱山を海外開発の今後の開発の対象の候補として、はたしてそれを開発する価値があるかどうかということを検討しております。二鉱山と申しますのは、一つはボリビアの鉛、亜鉛鉱山でございまして、これには開発資金が三十億ないし四十億かかるそうでございます。品位は鉛、亜鉛を合わせまして約二〇%、鉄分も含んでおるそうでございますが、二〇%でございますので、これは国内鉱山に比べると相当に品位の高いものでございます。国内鉱山の鉛、亜鉛は平均いたしますと六%程度でございますので、相当有望な鉱山である、運賃を見込んでも採算ベースに乗るものだということで、今検討しているわけでございます。それから、ペルーに銅鉱山、これは割に規模は小さいのでございますが、約二十億くらいの開発費が必要でございますが、埋蔵量にいたしまして約三百五十万トン、平均品位二〇%以上と聞いております。これはむしろ小規模と申しますか、中規模銅鉱山でございます。この二鉱山が候補にあがっておりまして、現在開発会社の方で、いずれを優先すべきか、双方につきまして検討を加えている段階でございます。なお今年になりましてからは東南アジアに調査団を出す計画を持っておりまして、ビルマに派遣する計画もあったわけでございますが、ビルマの政情が必ずしも安定していないという理由で、今具体的にビルマに調査団を出すかどうか、まだきめかねておるように聞いております。ビルマには銅、鉛、亜鉛の鉱山があるわけでございます。
 なお、鉱業政策の長期政策といたしましては、国内鉱山の保護、体質改善は当然これは大前提でございますが、海外の開発並びに製練所につきましては、将来は臨海地域における共同製練所の設立ということが鉱業審議会の答申にもあるわけでございまして、今すぐの問題ではございませんが、そういうような問題が長期的な鉱業政策の一つの焦点になろうかと思っております。
 以上で鉱山の現況の説明を終わらせていただきます。
#5
○白浜小委員長 以上で説明を終わりました。
    ―――――――――――――
#6
○白浜小委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。松平君。
#7
○松平小委員 今鉱山局長から御説明がございましたが、その説明に関連して若干お伺いしたいと思うのです。
 第一にお伺いしたい点は、昨年の本会議における決議の中にいろいろとあったわけでありますが、それを次々に実施をして、そうしてこの自由化に直面する危機打開に備える、こういうことでそれぞれの手を打たれておると思うのでありますが、その中で特にお聞きしたいのは、今説明の中にもなかったが、銅、鉛、亜鉛等を対象とするプール計算方式というか、そういうことを審議会においても考えられておったように思うのであります。そこで、これは業者の申し合わせというか、そういう法律に基づかずしてやる行き方と、法律に基づいてやる行き方と、二通りあると思うのですが、現在のところは法律に基づかずしてこれをやっていこう、こういうお考えのように承っておるのですが、その内容等についてここで説明を願いたいと思うのです。
#8
○川出政府委員 内容につきましては現在検討中で、結論をまだ得ておりませんが、法律に基づかないで両業界の協力のもとに話を進めておるわけでございます。御承知のように銅地金の関税は暫定一年ということで、試みにタリフ・クォータを実施することにいたしております。二次関税率は三万円、一次関税率はクォータ制度の原則によりましてゼロになっておるわけでございます。従って、タリフ・クォータの場合に関税割当の数量を幾らにするかということが、今後の三十八年度の銅地金の需給計画上問題になるわけでございます。三十七年度は、需要業界の不振のために、銅地金は一トンも輸入をしていないわけでございます。三十六年は約九万トン前後輸入をいたしましたが、現在一トンも輸入いたしておりませんけれども、国内での銅は相場が弱いわけでございまして、むしろ供給過剰ぎみになる向きもあるわけでございまして、三十八年度にどの程度の銅地金の輸入が行なわれるかは、今後の経済の推移を見なければいけませんが、ゼロということは私はあり得ないことだと思っております。従って、輸入をする場合にタリフの割当を受けました場合には、関税率ゼロで入るわけでございますし、両業界の話し合いによりまして、国内鉱山の方に交付するということで話を進めておるわけでございます。その手続その他につきましては、まだ両業界が話し合っている最中でありますので、本日までのところ結論を得ておりません。
#9
○松平小委員 これはいつかもお話し申し上げたかもしれませんけれども、日本の経済の歴史というか、明治以来の行き方、ことに戦後の行き方というものが非常に過当競争というかそういう方向にあって、そこでいろいろ申し合わせとかあるいは行政措置とかいうことで、なかなかうまくいかないというのが日本の現状じゃなかろうかと思うのです。これがヨーロッパと非常に違っているところで、ギルド・システムできたヨーロッパでは、もう法律によらなくてもどんどんやっていく、こういうことだけれども、日本ではどうもそういうふうにいかない。ですから、タリフ制度、それからさらにその次の年にくる三万円ということになった場合においてはうまくいかぬということになりますと、私は、やはりプール・システムというようなものをまず安定措置としてやっていかなければならないのじゃないか、こういうふうに見ておるわけです。ですから、これはわれわれヨーロッパへ行って調べたときにも、ドイツですでに、申し合わせでやろう、こういうふうに政府は指導したけれども、どうしてもうまくいかぬわけです。そこで業界の方から、それでは困る、だから法律にしてくれというので、昨年末ああいう法律をつくって、そうしてプール計算システムにして、特別のそういう役所をフランクフルトか何かにつくった、こういうわけなん、だから、日本でもそういうふうにしなければならぬと思うの、だが、どうですか。行政指導なり申し合わせというもので大体やっていけるような業界ですか。
#10
○川出政府委員 こればりっぱにやっていけるという自信を持っております。
#11
○松平小委員 やっていけるというなら、私はそれも一つの方法だろうと思うけれども、ともすればスポット買いでどんどんやっちゃうというようなことが従来は行なわれておったんじゃないか、こう思いますので、あなたが今自信を持ってやっていけると思われる限拠はどこにあるのですか。
#12
○川出政府委員 実は銅につきましては、需要業界と産銅業界とは沿革的に縁が深いわけでございます。それから需要業界では電線と伸銅が中心でありまして、これが九六%を占めておるわけでございます。かように需要業界がまとまっておりますので、話し合いがしやすいわけでございます。沿革と、それから需要業界が固まっておる、しかも一二年にわたっていろいろ話し合いを続けてきておるという事実がございますので、私はこれは話し合いで十分できることと考えておる次第であります。
#13
○松平小委員 それから鉛、亜鉛は、これはもう国際相場にいつも非常な波動がある。こういうものであるから、鉛、亜鉛を本年四月から来年三月の間までにやろう、自由化しょうということになると、これも時と場合によってはかなりの心配があるのじゃないかと私は思いますが、これについては行政措置でやるのか、あるいは今の関税でやるのか、そこはどんなふうにお考えですか。
#14
○川出政府委員 鉛、亜鉛につきましては、海外相場が非常に下がっているものですから、とりあえず自由化を一年以内ということで、海外相場の動向を見るために研究しておるわけでございます。これは日本だけではなくて、世界各国とも鉛、亜鉛相場の暴落というものには非常に困っておるわけでございまして、国連を中心にして毎年鉛、亜鉛会議が開かれております。最近若干相場が戻しつつあるわけでございまして、この推移を見たいと思います。一年たちましても現状と同じであれば、これはやはり実際問題として自由化は非常にむずかしいのではないか、これは私の個人的な考えでございますけれども、かように考えておるわけでございます。
 なお、鉛、亜鉛につきましては、需要業界がきわめてたくさんに分散しておりますので、需要業界との話し合いというものはきわめてむずかしいと思っております。
#15
○松平小委員 それから、今までにやったものの中で、マンガンですね。これは去年大へんな――やれば困る、ソ連のものがくるというようなことで、半分ぐらいつぶれてしまうというようなことも言っていたけれども、これはやったあとの状態はどうですか。どんな状態ですか。
#16
○川出政府委員 マンガンの影響は、自由化の影響もさることながら、これは実は鉄綱業界の不況の影響の方が大きいと思います。先ほど申し上げましたように、自由化はいたしましたが、輸入監視制のもとに毎日どのぐらいの輸入が入ってくるかということを見ておるわけでございます。それは需要業界の不振の点もございまして、さほど輸入はされていないわけでございます。ただ需要業界特にフェロ業界でございますが、非常に不況のどん底にございますので、国内鉱山の価値の問題等について相当低価格を要求しておるような実情もあると聞いておるわけでございますが、現在のところ、輸入の自由化による影響は私はあまりないのじゃないかと思っております。
 なお、関税につきましては、これを暫定的に引き上げることで国会に提案されている次第でございます。
#17
○松平小委員 最近ソ連のものは入ってこないのですか。ソ連のものが入ってくると、かなりの影響があるというので、業者はおそれておった、こういうことなんだがね。
#18
○川出政府委員 ソ連のものは非常に安いわけでございます。しかも低品位のものは国産のものと競合をするわけでございます。インドのものは高品位でございまして、これは国一産品にもございますけれども、低品位のものが量的に多うございますので、ソ連のものが非常に問題になったわけでございますが、現実の問題といたしましては、どういう理由かわかりませんが、さほど輸入されてないわけであります。
#19
○松平小委員 そういう工合で需要者の方が不景気だということの原因が一つある。ところがソ連のやつはあまり入ってこない、こういうわけだけれども、需要家としては、今おっしゃるように、どんどん値段を下げろ、こういうことを言っているでしょう。そうすると、その安いソ連のものをやはり買いたいという考えが需要家の中には出てきているのではないか、こう思うと、やはりソ連のものが相当大量に入ってきたために、さらに値くずれがあってつぶれてしまうというようなことが起こるんではないですかね。そういうことをおそれているの、だけれども、それに対しての見通しはどうですか。
#20
○川出政府委員 ソ連のマンガンについての輸入の実績は、これはゼロではないわけですが、あまり過去においてないわけでございます。と申しますのは、値段は安いですが、燐分が相当に多いということで、必ずしも品質的にいいとは言えない面もあるように聞いておるわけでございます。今のところ自由化いたしましてもそう入ってきてない。それから、相当量入ってきて国内鉱山が苦境になるようなことになれば、これは行政措置をとって緊急関税なりあるいは輸入の緊急差しとめという事態もやらなければならないと思っておったわけでございますが、そういう事態には全然なっていないわけでございます。
#21
○松平小委員 それは、今おっしゃるように、大体マンガンについては今のところはいい、だから将来まさかのときには措置を考える、こういう答弁なんですが、そうすると今までマンガンでつぶれたのはありませんか。
#22
○川出政府委員 詳細に調査はいたしておりませんが、あると思います。
#23
○松平小委員 そこで伺いたいのだけれども、昨年来この自由化に備えてのいわゆる合理化、こういうようなこととか、あるいは合理化の前にもうつぶれてしまったというのがあると思うのです。そこで、人員からいって昨年来一体どの程度失業者というものは出たのか。それからそれはどういうような対策でどういうふうに始末したのか。これはこの間日鉱の社長か何かに聞いてみると、ほとんど九〇何%再就職したということを言っておりましたけれども、政府の方で見てその失業対策というものはどういうふうになっておったかということ、それから石炭に準ずるというわけですが、石炭に準ずるような措置をその間にとったようなケースがあるかどうか、そういうことを伺いたいと思います。
#24
○川出政府委員 昨年に離職いたしました数、これは鉱業審議会の答申の段階では八千人という数字が出ておりますが、これを若干上回りまして、実績の方は昨年中に九千数百名の離職者を出しておる次第でございます。もちろんその中には、鉱量が尽きて鉱山を閉山をする、これは毎年相当数あるわけでございますが、そういうものも含めておるわけでございます。離職者の大口と申しますか、大きく出ましたのは日本鉱業の三千数百名、松尾鉱山の約千百名でございます。これを例にとりますと、日本鉱業の三千数百名のうち、第二会社に移行しましたのが約千名程度あるかと思います。それから職業紹介なりあるいは会社あっせんで千名以上の転換ができておるわけでございます。それからこれは会社から聞いたわけでございますけれども、再就職を希望しない人が相当数おったわけでございます。これは停年に近い人でやめた人ではないかと思いますが、相当数がおりまして、二百名近い者がまだ職についていないということを聞いておる次第でございます。これはだいぶ前の数字でございます。それから、松尾鉱山でございますが、これは東北の山の中にございまして、付近に就職するようなところがないわけでございまして、就職対策としては非常に困難な場合でございますが、その例を私どもの方で調査したところによりますと、千八十一名の離職者のうち八百五十名が再就職の希望を持っておりました。それで現在までに――これはちょっと前の時点でございますが、約三百名が関連会社なりあるいはあっせん就職によって再就職をいたしておるわけでございます。従って就職のいまだきまっていないのが五百五十名ございまして、五百五十名のうち職業訓練に入っておる者とか直ちに就職しないでもいいということを申しておる人もおるそうでございまして、二百二十名ぐらいが直ちに職につきたいという希望でおるそうでございます。現在冬場でありまして東北地方が雪に閉ざされている面もございます。そういう面で直ちに就職することが困難な向きもあるやに聞いておる次第でございます。これらにつきましては労働省の所管でございますけれども、鉱山離職者に対する新しい措置も拡充をされつつありますので、そういうことによって転換を円滑にしたいと考えておる次第でございます。
#25
○松平小委員 その中で特にお聞きしたいのは、その第二会社ですね。第二会社というものをつくったところがあるということを私も聞いておるけれども、その第二会社というのは、結局やはり賃金をカットするというか、そういうことをしなければ第二会社というものはやっていけないんじゃないかと思う。あるいはそうではなくて、過剰人員というようなものをやめさせてやっていくというのか、その第二会社の性格ですね。それからそれの経済状態というか事業の状態、そこにおる労働者の経済的な地位というか、調査の結果そういうようなものは一体どういうふうになっていますか。
#26
○川出政府委員 実は詳細に調査をしたところではございませんが、私が聞いております範囲内のことを申し上げますと、人員はある程度縮小をいたしております。それから賃金は若干下げておるように聞いております。しかし、反面今までの本社の管理費の負担分がなくなりまして、日本鉱業の第二会社はいずれも黒字に転じておるそうでございます。
#27
○松平小委員 そこでこれは要望ですが、石川県の第二会社をつくるというところへ私も行ってみたわけだ。行ってみたけれども、労働者は長く山に住んでおったから、第二会社でもいいという気分の者がかなりあったように思うのですよ。しかし結局賃金を下げざるを得ないというところに悩みがある。それでなおかつ黒字を出すというのだから、これは相当無理なことをやっているのではないか、保安関係とかそういうことにかなりの心配があるのじゃないかと、私は穴へ入ってみて思うのです。そこでこれは通産省でその運営ふりを係官に行って見てもらいたい。保安の方と両方で行って実情を調査して、それをこちらの方に何かの機会に報告してもらいたいと思うが、いかがですか。
#28
○川出政府委員 調査をしたいと思います。
#29
○松平小委員 それからもう一つ。松尾鉱山その他のことをお聞きしたのですが、この中で再就職希望があるが、就職できないという人がある。そこでこれは石炭に準ずるような措置をとるというのだから、失業手当たり、つまり失業手帳の交付なり、新しい法律が今度できた、こういうものに準ずるということになると、もう別に法律も何もつくらなくてもいいわけですか。それとも、金属鉱山のそういうものに対しては、それに準ずるようなことにどこか書きかえか何かしなければいかぬのですか。
#30
○川出政府委員 従来金属鉱業につきましては離職者対策らしい離職者対策があまりなかったわけでございます。一般の工場から出る離職者対策はございましたが、鉱山に特別の対策というものはなかったわけでございます。鉱業審議会の答申では石炭に準ずるという答申が出ておりますが、これは石炭とはまたいろいろ事情で違う点もございますので、石炭と同じようには現在のところいっていないわけでございます。たとえば雇用促進手当というようなものはないわけでございます。また、石炭の場合は買い上げた場合に離職金制度というのがございますが、鉱山については買い上げ制度がございませんので、これもないわけでございます。あるいは移転資金につきましても、額が石炭とは違うというような点もございますが、その他の問題につきましては、今度の雇用促進事業団法の部改正によりまして、住宅確保、雇用奨励金というのは石炭と全く同じになりました。それから訓練手当あるいは技能者手当等々の職業訓練所の諸手当の関係は石炭並みになったわけでございますが、すべてが石炭並みになったわけではないわけでございます。
#31
○松平小委員 従って、現在の法律の建前でできるものはやっていく。だけれども、全然同じではないが、ある場合には、今おっしゃった、長期になれば失業手当のようなものもやらなくちゃならぬだろうし、そういったような、これからの状況によって新しくもう少し準ずる方向へ手を打っていかなくちゃならぬという問題については、これは労働省の所管であるけれども、しかし、鉱山局として労働省との間に話し合いを進めていく、こういうことも必要になるのではなかろうかと思うが、そういうことについて、話し合いの経過なり、あるいは今後話し合う方針なりというものがおありになるかどうか、そのことをお聞きしたいと思います。
#32
○川出政府委員 今後も話し合いを継続していきたいと思っております。なお、労働省の中に金属鉱山離職者対策懇談会というのが昨年設けられまして、現在まで二、三回会合を開いております。その構成メンバーは、労働組合と経営者側の団体おのおの二名、それに雇用促進事業団の理事、それと労働省と通産省、つまり労使及び関係行政機関との間に懇談会を設けられておりまして、そこの場でいろいろそういう具体的な問題について話し合いをしております。その場を借りましても労働省の方に強く要望いたしたい、かように考えております。
#33
○松平小委員 それから、そのほかの決議の中にあった助成政策というか、そういうものの中に、税金の関係というようなものがあって、減耗控除制度あるいは鉱床補てん金、この助成政策の中の税金関係のことについては、大蔵省がどうしても言うことを聞かぬというような話があったら、その折衝の経過のようなものがありますかどうか。ありましたらここで若干言ってもらいたい。それから、一体この問題についての鉱山局の考え方というものはどういう考え方なのか。これは前から減耗控除なり鉱床補てん金なんということを、この委員の皆さんの中からもかなり強く言われておるわけでありますけれども、一向にこれが政策として現われてこない。どういうところに原因があるのか、その点について一つお伺いしたいと思います。
#34
○川出政府委員 税制の問題につきましては、先般も国会の決議があったわけでございます。これにつきまして、実はあまり成果を上げていない。理由は二つございまして、一つは税制上きわめてむずかしいという税制調査会あたりの考え方、あるいは大蔵省の考え方というものがあります。従来の日本の税制になじまないというわけでございます。
 それからもう一つの点は、これは実際上の問題でございますが、鉱山が自由化を前にいたしまして相当経営状況が苦しくなっておるわけでございまして、さしあたって当面の急場に、かりに鉱床補てん金制度ができましても、収益が下がっておりますので、実効があまり上がらない。従って実効が上がるのは探鉱促進費の援助でございます。補助金の増額あるいは長期低利の融資、あるいは設備の合理化に対する融資のあっせん、そういう方に重点を本年は置いたものですから、どうしてもそこまで実際問題として手が回らなかったというわけでございまして、それを断念しておるわけではないわけでありまして、鉱業政策の一つの大きな眼目でございますので、今後検討を続けるつもりでございます。
#35
○松平小委員 その第二の理由はわかると思うのです。確かに赤字が多いのだから、そんなことをやってもしようがないのでそれはわかると思う。ところが、本年度は助成、補助の方に重きを置いて、その次に、こういうわけだ。第一の理由は、これはあまり理由にならぬと思う。日本の税制がこうだとかああだとか言っているのは、ああいうのはどこの国でもほとんどやっているのだから……。だからやろうと思えばできないことはない、こう思います。しかしこれは、鉱山局長が次の段階でぜひやりたいと言うから、まあ一つそれはその方向で進んでもらいたいと思うのです。
 それから、たとえば坑道の補助金だとかなんとかいうこともあったけれども、私が行ってみると、スエーデンでは坑道に七割補助しています。ところが、これは坑道だからといって補助しているのではなくて、農道でも七割の補助をしているわけです。そこで、日本では今日農道には補助金があるわけです。しかし、農道は多くの農民がこれを使うからという、いわゆる公益性というような理屈をつけて言うならば、あるいは坑道と農道は違うのだということも言い得るかもしらぬけれども、しかし、鉱山そのものは、鉱物そのものがかなり公益性があり、基礎産業であるという点から言うならば、やはり農道と同じような扱いにするという根拠がないことはないという気がする。ですから、それらの点も、これはおそらく今までその話はあなた方は政府部内でやったことはないでしょう。だから、この点の新しい施策というものをいろいろ考えれば、私は公平の原則から言うならば出てくると思うのです。そういう国もあるわけだから、これもぜひ始めてもらいたいと思います。一つお願いします。
 それから、もう一つお伺いをしたいのは、今海外鉱物資源の開発のお話があったのですが、今の日本の考え方というものは、一応昨年度は南米方面だ、本年は東南アジアだ、こういうことがいわれたわけだが、大体どういう方面にその鉱物資源はたくさんあって、そうしてどういう方面に一体日本はこの鉱山関係の進出をしていったらいいか、こういう見通しというか、方向というか、そういうものはありますか。
#36
○川出政府委員 これは鉱物の種類によるかと思います。たとえば銅を例にとりますと、これは世界的に非常に偏在をいたしておりまして、南北アメリカとアフリカが世界の埋蔵量の八割以上を占めておるわけでございます。東南アジアはむしろ少ないわけでございまして、日本のほかはフィリピンが主たる産銅国になっておるのでございます。もちろん今後探鉱の結果そのほかの地域にも発見される場合も出てくると思いますけれども、現在のところ非常に偏在をしておりますので、銅につきましては、やはり南米、アフリカは若干距離的に遠くなりますけれども、その辺、それから東南アジアの産銅地と目されておるところというようなことになろうかと思います。鉛、亜鉛につきましては、南米にもございますし、ビルマにも、これは昔から有名な鉛の産出国でもございまして、鉱物の種類によりましてやはりその点は一様でないかと思います。しかし、鉱産物というのは概して後進国に多いわけでございまして、アメリカ、カナダは別といたしまして、後進国に多いわけでございますので、これは経済協力と海外鉱山開発というのは密接に結びつく政策になろうかと思っております。
#37
○松平小委員 その通りだろうと思うのです。それで考えてもらいたいことがあるのは、貿易のいわゆる片貿易になる国が非常に多いわけです、そういう国と日本との間は。そこで、アフリカにしても東南アジアにしても、何とかもう少し買ってくれということを非常に要望してきているわけだから、それには結局そこから出た生産物を買うよりしようがない、その生産協力、経済協力をしていくよりしようがないのではないか、こう私は思っているわけです。それで、この間ナイジェリアには日本はたしか七千万ドル売っておって、買うのは八百万ドルしか買ってないのです。だからもう問題にならない、向こうはこう言うのですね。そういうことから言うと、向こうから要望があるならば、これは大いにやってやらなくちゃならぬ。調査もしてやらなくちゃならぬ。それはもうアフリカあたりが一番そういう国柄だろうと思います。また、将来の鉱物資源というと、私はアフリカじゃないかと思う。専門家もそういうことをよく言っていますよ。それで現に日本は南アあたりから鉄鋼を買ってきている。銑鉄を買ってきている。年に五十万トンずつも買うというような契約も結んでいるわけです。それからあの隣のローデシアから去年またそれを売りに来て、そうして製錬所を鉱張したいから日本に協力してくれないかというような話もあるくらいに、かなり乗り気の国々もあるわけなんだ。そこで、これは大いにそういう方面へ進出していく必要があるだろうと私は思う。ギリシャへ行ったら、ギリシャへ銅を探しに日本の業者が行っておるわけです。あんな古い国とはもう僕は大してやる必要はないと思うのだ。あるかもしらぬけれども、もっとやるべき国は東南アジアとかアフリカとかいう国じゃなかろうか、こういうふうに思います。これもまあ交通とかあるいは治安とかその国の政情というものにも関係があるけれども、そういう面への熱意というものを相当出させなくちゃいかぬと思うのです。そこで、一体海外鉱物資源開発株式会社というもののスタッフ、これは社長以下そういうセンスのある人がみんなやっておるのですか。
#38
○川出政府委員 海外開発会社のスタッフは、日本の各鉱山会社の主要なところが株主になっておりまして、株主の推薦によって鉱山会社から人を派遣されておるわけでございます。従って私はその資格者が仕事をしておられると思います。
#39
○松平小委員 株主構成はそうなっていると思います。だけれども、スタッフそのものがそういう感覚でずっとすわってやっているかどうかということに、若干私は疑問も持っているわけだ。ですから、これをもう少し拡大強化して、そうしてセンスのある者をあの中ヘスタッフとして入れていかなくちゃならないのじゃないか、そういうふうに思いますね。そういうことから考えていくと、きょう通った探鉱融資事業団の活動も将来はそういうところへ結びつけていく必要があるのではないか、私はこういうふうに思っておるのですよ。たとえばフランスの例の探鉱事業団は、大体八五%が海外に対する融資であって、一五%が国内に対する融資なんだね。そういうところから見ても、日本はある程度は海外に対してもやっていかなくちゃならない時代が来るのじゃなかろうか、こういうふうに思いますので、その点は将来の問題だけれども考えておく必要があるのではないか、こういうふうに思います。
 そこで、もう一つ伺いたいのは、硫黄ですね。硫黄、硫化鉱、金は当分やらない、これはこうやってがんばっておれるのですか。いつまでも永久にやらないということができる性質のものかどうかということです。
#40
○川出政府委員 ガットの条約上、ウェーバーをとれば相当期間できるということになっておりますが、これも永久ではないと思います。過去の例ではやはり期限付であるわけでございます。同じウェーバーでも、ハード・コア・ウェーバーという簡単な制度があったわけでございますが、これが現在取りやめになっておりまして、従って、暫定輸入制限と申しますか、そちらの力でいくか、あるいはウェーバーを正式に三分の二以上の同意を得てやるかということでございますが、いずれにいたしましても、永久に自由化を延期するということは、私は困難ではないかと考えておる次第でございます。
#41
○松平小委員 EECの中では、鉱業政策というのは御承知のようにどうしてもうまくいかぬので、各ばらばらでやれということになったのだけれども、それを一番主張したのはイタリアである。イタリアがなぜ主張したかというと、硫黄だろうと思うんですよ。要するに硫黄が自由化されたら困るというのがイタリアの考え方だから、あのEECのシックスの中でも、どうしても自由化しないわけだ。ですから、この問題については、国際的にもそういう国々がかなりあるから、あるいは当分の間そういうことができるかもしらぬと思うのです。硫化鉱のごときもそういうものじゃないかと思う。ここでついでに聞いておきたいのは、今硫化鉱はどの程度日本で生産されておるかということ、これは外国から一つも来てないと思うんだが、その点と、それからもう一つは硫化鉱コンビネーション、いわゆる硫化鉱と製鉄というか、言いかえれば肥料会社と製鉄会社というもののコンビネーション、たとえば別府化学とあの隣の製鉄所の広畑とのコンビネーション、それからたしか新日本窒素と八幡製鉄との関係、それから昭和電工と川鉄との関係というような計画があったが、これらいわゆる硫化鉱を使う肥料と鉄鍋とのコンビネーションの状況というものはその後どういうふうに進んでいますか。
#42
○川出政府委員 まず最初の硫化鉱でございますが、これは一〇〇%自給自足でございます。生産量は年によって違いますが、三百数十万トンぐらいと考えております。
 なお、コンビネーションの問題につきましては、実は私よく調査をしておりませんでございまして、勉強した上で別な機会に御報告申し上げたいと思います。
#43
○松平小委員 質問を終わりますけれども、こういうことだろうと思うんです。硫化鉱は現在肥料会社へ納めておる。そうすると硫酸津が出るでしょう。その硫酸津の純分を上げるために、尼崎へ今は全部持っていきまして、純分を上げたのを今度は製鉄会社へ売るわけです。そこで重いものを行ったり来たりしてやるということが一つあるし、もう一つは、定期的にうまく出てこないということから、製鉄会社からは買いたたかれるわけだ。そこで、これは肥料と非常に関係が深いのだが、肥料会社で硫化鉱を買って、そしてそこにその設備に付属して、尼崎でやっているような設備を付属につくって品位を上げるということをして、そうしてベルト・コンベヘアーで隣の製鉄会社へ着く、製鉄会社のCガス、ただのやつをもらってきて硫化鉱を焼く、こういうふうなことがだんだん行なわれようとしているわけですよ。ですから、新しくこういうことをしたのは、別府化学と今言った隣の製鉄所とやろうとしているのだが、こういう行き方を将来どうしても日本としては考えていかなくちゃならぬだろうというふうに思われるので、私はそういうことを言ったわけです。以上です。
#44
○白浜小委員長 齋藤君。
#45
○齋藤(憲)小委員 簡単に二点だけをお伺いいたします。これは直接鉱山局の関係ではないと思いますが、過日、融資事業団の質疑応答の中に出て参りました金属鉱床密集地帯調査費八千万円の使い方、あれは地質調査所がやるのですから、鉱業権者のいかんにかかわらず、国原の権力としてどこでもやれるという組織になっておるのか、あるいはやはり鉱業権者と相談をして、鉱業権者の承諾を得なければやれないということになっているのか、どちらなんですか。
#46
○川出政府委員 相談をしてやるつもりでおります。従来の経験にかんがみまして、その相談がやられない実例はないのでございますので、これは十分できることと考えております。
#47
○齋藤(憲)小委員 もちろんボーリングをしてもらうのでありますから、拒否する鉱業権者はないと私は思う。ただあれは三千メートルくらいやるのですかな、どういうふうなボーリングをやるのかよくわかりませんが、それによって大きな鉱床にぶち当たったときに、その鉱脈発見というものは無償でその鉱業権者の取得になるのですか。
#48
○川出政府委員 試錐の規模はそのように大きいわけでございますが、石油の構造試錐よりは距離は短いわけでございます。現在大体千メートルくらいを考えておる次第でございます。しかし千メートルと申しましても、過去においてあまり行なわれていないのでございまして、相当の効果があろうかと思います。万一鉱床にぶつかったということになりましても、その試錐だけでは確認がむずかしいわけでありまして、それがどのくらいの領域にわたってどういう状態で賦存をしておるかということは、また相当の探鉱をしなければならない。一種の指針は得られると思いますけれども、そういうことは鉱業権者が行なうことになろうかと思います。
#49
○齋藤(憲)小委員 その問題はそれだけで……。
 それからもう一つ、ちょうだいいたしました「主要鉱産物の概況」という資料の四ページのところに、鉄鉱がFe五四%で、トン当たり最寄駅貨車乗渡二千九百円、それから、砂鉄がFe五六%で、最寄駅貨車乗渡が千八百五十円になっておりますね。砂鉄の方が成分が二%上で、金額は千五十円安い。今松平委員からの御質問にもございましたが、硫化鉱を焼いたあとのいわゆるパイライト・シンダー、これなんかFeは大体七〇%くらいあるのじゃないかと思うのです。それが非常に安く買いたたかれている。肥料会社等は、その収益を見込むことによって、もっと高く売れれば非常に利益が上がる。こういう粉末の鉄鉱というのは非常に安いように考えるのでありますが、これは技術的な問題も伴うと思うのでありますけれども、もう少し何とかならぬのですか。こういう相場でずっと今までやってきておるのですか。
#50
○大木説明員 この表に載っております鉄鉱石と砂鉄の価格差は、砂鉄の方に焼却費が入っていないということがございますので……。焼却いたします費用が入っていないために、これだけの格差があるのだろうと思います。鉄鉱石の方は、普通塊鉱でもって販売しております。
 それから、先ほど御質問がございました硫化鉱のパイライト・シンダーの問題でございますが、年間相当のパイライト・シンダーが生産されておりまして、現在の価格が非常に安い。これは鉄鉱石の品位は高いのでございますけれども、その中に含まれております銅分が高いために、ペナルティとしまして相当差し明かれるという実情があろうと思います。しかし、尼崎でもって脱銅して上品位の鉄鉱石を売っておりますが、そういう場合は鉄鉱石並みの値段になっております。また、その中に含まれております銅分の抽出のために、塩化焙焼法を現在検討中でございまして、これはドイツのデュイスブルグの製鉄所ですでにやっております。日本では今まで塩の値段が高いために実行できなかったのでありますが、今回政令の改正がございまして、非鉄金属の製練に使います塩の値段を特別に安く専売局の方で販売することにきまりましたので、今後脱銅の設備が相当できまして、パイライト・シンダーを一ヵ所に集めまして脱銅した上、塩化焙焼をして良品の鉄鉱石として販売できるようになると思います。
#51
○齋藤(憲)小委員 もう一つ。日本の鉄鉱石の埋蔵鉱量精鉱換算千九百四十万トン、これは上にFe五三%とありますが、塊鉱で五三%あれ――精鉱として埋蔵量の換算をやったわけですか。
#52
○大木説明員 この精鉱換算は品位別に埋蔵鉱量の計算をしておりますが、特に釜石のような品位の低い鉄鉱石の場合は、精鉱に換算いたしまして普通販売いたしております。五三%に換算した精鉱の埋蔵鉱量を出しております。
#53
○齋藤(憲)小委員 その次は、砂鉄はFe五八%換算の精鉱量ですね。そうして二千九百二十万トン。これが今の需要から推していくと一九・四年しか持たない。もう一ぺん調査をし直してもらうわけにいきませんか。というのは、御承知の通り、東北開発株式会社等においては、新しく三菱グループのバックによって今砂鉄製練をやっておるわけですね。十九年幾らの埋蔵量しかないということになりますと、原料的に非常に大きな支障を来たすというおそれがあるわけです。われわれはもっとたくさんの埋蔵量を考えているわけです。それは青森県だけでも、どういうパーセンテージをもって表現しているのかわからぬけれども、二億五千万トンあるとか、もっと大きな埋蔵量を前提として考えているわけなんで、わずか十九年たつと埋蔵量がなくなってしまうということであると、今から砂鉄製練をやるという事業的な価値を非常に考えなければならぬことになる。こういうのがほんとうなのか。今巷間伝えられている埋蔵量がほんとうなのか。これは事業的に重大な関連がありますから、もう一ぺん正確にこの辺を調査していただきたいと思います。それだけです。
#54
○大木説明員 おっしゃる通り、この埋蔵鉱量は非常に小さいのでございます。その理由は、現存稼行しております鉱山のものだけを集計してございます。鉱区が設定されておりましても、未稼行のものあるいは鉱区を設定しておらないものはここに加算しておりません。そのためにここに非常に小さな数字が出ております。
#55
○齋藤(憲)小委員 確定鉱量とか推定鉱量とか、そういうものを一つ。今登録されている砂鉄の鉱区の面積、それの確定鉱量及び推定鉱量というようなものを、一ぺん鉱山局で調べるなら調べて、お示しをお願いたい。
#56
○白浜小委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前四時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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