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1962/06/06 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 商工委員会金属鉱山に関する小委員会 第2号
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1962/06/06 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 商工委員会金属鉱山に関する小委員会 第2号

#1
第043回国会 商工委員会金属鉱山に関する小委員会 第2号
昭和三十八年六月六日(木曜日)
   午後三時三十分開議
 出席小委員
   小委員長 白浜 仁吉君
      小川 平二君    中村 幸八君
      板川 正吾君    多賀谷真稔君
      松平 忠久君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       廣瀬 正雄君
        通商産業事務官
        (鉱山局長)  川出 千速君
    ―――――――――――――
六月六日
 小委員多賀谷真稔君三月二日委員辞任につき、
 その補欠として多賀谷真稔君が委員長の指名で
 小委員に選任された。
同日
 小委員齋藤憲三君五月二十一日委員辞任につき、
 その補欠として始関伊平君が委員長の指名で小
 委員に選任された。
同日
 小委員田中武夫君同日小委員辞任につき、その
 補欠として板川正吾君が委員長の指名で小委員
 に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 金属鉱業等安定臨時措置法案(内閣提出第一六
 九号)
#2
○白浜小委員長 これより商工委員会金属鉱山に関する小委員会を開会いたします。
 金属鉱業等安定臨時措置法案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。松平君。
#3
○松平小委員 金属鉱業等安定臨時措置法案について、若干質問したいと思います。
 その第一は、価格の不安定に関して、一番影響を受けるのは中小の鉱山ではなかろうかと思うわけです。そこで、その中で国際価格の不安定なものとしては、銅、鉛、亜鉛、一応この三つに限定してお尋ねしたいのですが、第一の点は、亜鉛、鉛というものに対して、日本でいうところの大鉱山というものと中小鉱山というものを一体どういうふうに区別しておるのか。つまり資本金であるのか、あるいはその生産高によって区別をしておるのか知りませんが、一応そういう区別をするとするならば、どういう基準でこれの区別をなさっておるのか。それからその基準の説明のあとで、日本の鉛、亜鉛の大手の生産高と大手の会社数、それから中小の会社数と中小の生産高、それを一応示してもらいたいと思います。
#4
○川出政府委員 銅、鉛、亜鉛につきまして、特に鉛、亜鉛につきまして御質問がございましたのですが、中小鉱山、大手鉱山の区別の基準が、まず第一でございます。これは、中小企業関係の法律によりますと、資本金一千万円以下、あるいは普通の定義ですと、従業員三百人以下ということになっておりますが、近代化促進法等におきましては、鉱山は例外扱いになっておりまして、千人以下、したがって、資本金一千万以下あるいは従業員の数が千人以下、いずれかに該当すれば、これは一応中小というように了解をしておるわけでございます。それによりまして、日本の国内の鉱山事業者数に当てはめますと、全部で二十余り――二十五鉱山でございます。これは主要なものをとっておりまして、試掘段階でやっておるのとかいろいろなものをとりますと、もっとふえると思いますが、稼行しております主要なものをとりますと、二十五でございまして、そのうち十三がいわゆる中小鉱山でございます。
 それから鉛の地金の段階になりますと、これは製錬所を持っておるところでございますので、例外なく大手ということになります。それから亜鉛でございますが、鉛と亜鉛は日本では一緒に生産をされておりますので、以上鉛、亜鉛ということをお答えしたことになろうと思います。
#5
○松平小委員 そこで、いま中小企業基本法を委員会で審議をしておるわけです。一千万円を五千万円に上げるという政府案が出ております。そしていま説明がありましたように、鉱山の場合は特殊扱いにして労働者千人以下ということになるだろうと思うのですが、そういった場合には、どういう変化がございますか、今の数字で。
#6
○川出政府委員 現在までの法令関係で資本金一千万、従業員千人ということでやっておりますので、ただいま申し上げましたのは、その基準によりました数字でございます。
#7
○松平小委員 ですから、五千万円にもしなるとすれば、どういうことになりますか。
#8
○川出政府委員 ただいま具体的な会社の資本金を手元に持っていないものですから、五千万円になった場合にどのくらいになるか、即答いたしかねますが、千人ということになりますと、五千万円ではなくて、もっと大きな資本金の会社も入ることになろうと思っております。
#9
○松平小委員 そこで、いま答えられました鉛、亜鉛について、二十五の山がある。分けて十三と十二ということになりますが、中小が十三で、大が十二ということになります。そこで生産高のプロポーション、大は十二でもってどのくらい生産しておるか、中小は十三あってどのくらい生産しておるか。
#10
○川出政府委員 若干統計が古いのでありますが、亜鉛鉱につきましては、全体の数字が約十六万八千トンでございますが、そのうち中小が二六%でございます。それから鉛でございますが、全体が四万六千トンに対しまして、中小が約三三%でございます。
#11
○松平小委員 そこでお伺いしたいのですが、アメリカは、中小の炭鉱に対して、特別に――現在まだ続けられておると思いますけれども、価格差補給金というものを出しておりますね。これは臨時的な、四年間の臨時措置なんですが、中小に対しては、アメリカの場合は、三千万トン以下の鉱山に対しては価格差補給金を出している。これは予算に計上して毎年払っておるということで、平均しますと、大体一鉱山あたり九百万円くらい出しておるんじゃないかと思います。そこでお伺いしたのですが、価格差補給金という制度、これはアメリカだけではなくて、ほかの国、オーストラリアあたりにもある。こういう考え方をある程度持たないと、この安定臨時措置法というようなものが、ただ業者だけでもってカルテルをやるとか何とかということになってしまって、ちっともうまみも何もないわけですね。価格差補給金なりそういうものがあるということで、初めて安定法というものが安定するんじゃないか、こういうふうに思うわけなんですよ。さもなければ、政府が考えておられたいわゆる一手買い取り機関というか、滞貨処理の機関というものをつくらなければ、安定しないんじゃないかと思うのです。そこで、その考え方については、政府部内において大蔵省が反対をしただろうと思うけれども、何かこの案をつくられる過程において、そのことを考えられたか、あるいはその考えに基づいて折衝されたか、というような経緯がございますか。
#12
○川出政府委員 鉛、亜鉛につきまして、アメリカで価格差補給金を出しているのは事実でございます。実は価格の安定につきまして、昨年、鉱業審議会で審議をいたしました段階におきまして、一手買い取り機関ないし価格差補給金も議題になって議論はいたしましたが、審議会の結論といたしましては、一手買い取り機関につきましては強度の統制ということも考えられる、それから価格差補給金制度につきましては財政上いろいろの問題があるからということで、むしろ消極的な意見が強かったわけでございます。したがって、法律をつくるとき、あるいは予算編成の段階におきまして、私どものほうから、大蔵省のほうに価格差補給金の問題について案を出したとか、あるいは請求をしたという事実はないわけでございます。
#13
○松平小委員 そこで、その滞貨処理の機関をはずして本案ができておるわけなんですが、この本案の骨子というもののカルテル行為のほかに、この前に若干触れて時間がなかったからやめたんですが、通産大臣は基本計画を立てるということになっております。しかも基本計画に定める事項というものは、「目標年度における鉱産物の生産費その他合理化の目標」、それから「鉱産物の生産の目標」、三番目に「技術の向上、設備の近代化その他国際競争力の強化に関する重要事項」、こういう目標のもとにこの基本計画を定めるわけであります。そういたしますと、この基本計画を定めるといろ場合には、実際は、各社をして毎年その生産費なり、合理化の目標なり、あるいは生産の目標なりというものを各社別に出させまして、そうしてそれを集約するという意味でございますか、この基本計画を立てるやり方は。
#14
○川出政府委員 基本計画は、これは鉱業審議会にはかりまして、鉱業審議会には、鉱山側の委員、あるいは消費者関係の委員、一般学識経験者の委員、いろいろ構成メンバーとして入っておるのでございますが、鉱業審議会のいろいろな意見を聞いてきめまするわけでございまして、その際に、個々の企業のコストまでこまかく立ち入って積み上げるかどうかということは、まだ方針はきまっていないわけでございますが、そこまで深く立ち入ることはいかがかと私は考えております。
#15
○松平小委員 そうしますと、その原案は、結局鉱山局でつくるわけですね。そこで原案をつくる場合には、各社のそういう計画というものをやはり聞いて、そこで総合調整か何かをして原案をつくって、この鉱業審議会にかけなければならない、こういうふうに思いますが、その点はどういうふうに考えておられますか。
#16
○川出政府委員 なるべくこまかく業界の実情は聞きたいと思うのでございますけれども、鉱山のコストそのものは、品位によりましても相当変わった評価ができますし、大体国際価格と合理的な関税ということを前提にいたしますと、ある程度の長期的な目標ができるのではないか。それと原料のコスト――これは必ずしもはっきりしていないわけでございますが、それとの間に漸次的に、段階的に引き下げていくというような一般的な方針のもとに、原案をつくると申しますか、一つの案は参考資料としてつくらなければならないと思いますが、その際に、ただいま先生のおっしゃいましたような各鉱山の実情をあまりにも無視するということは、もちろんできないわけでございまして、実情は反映しなければならぬと考えております。
#17
○松平小委員 そこで、その場合の生産費を引き下げたりするということのためには、ここにあるように、技術の向上、設備の近代化その他国際競争力の強化に関して所要の合理化ということを目標にする、こういうことになっておりますが、この合理化をするということになりますと、それは抽象的に合理化の計画をつくるのではあまり意味がないと思うので、やはり各社に対しては、合理化の目標というものを相当具体的に示して、そしてこういう合理化をせい、ああいう合理化をせいということでやらなくちゃならないのじゃないかと思います。そこで、この合理化の目標というものを定めた場合に、今度は合理化の具体計画というか、いわゆる計画というものが出てくるのじゃないかと思うのですね。その具体的な合理化計、画というものを各社をして出させて、そして生産費その他の長期の見通しをつけなければならないのじゃないか、こう思いますが、そこはどういうふうに考えておられますか。
#18
○川出政府委員 この法律の第十一条にも「報告の徴収」という規定がございまして、この法律の施行に必要な限度において、各社から資料の提供を法律上受け得るということになっております。ただいま先生の御指摘のような方向で考えたいと思っております。
#19
○松平小委員 そうしますと、これは一番問題になってくるのは、資金計画だろうと思うのです。そこで、基本計画はあるけれども資金計画はないというのが、この法律のたてまえのように見える。たてまえというか、そういう弱点がここにあると思う。基本計画を立て、あるいは合理化の目標というものを立てて、各社から報告を徴して、各社の合理化の目標が大体いいということなら、やれ、こういうことになるわけだけれども、その場合においては、政府は、資金のあっせんだとかそういうことにはつとめる、必要な資金のあっせん、技術の援助というようなことはやるが、その程度の政府の考え方、その程度のこの法律のたてまえではたしてうまくいくかどうか。つまり、そういった合理化の計画を出してきたならば、政府自体においてかなり資金の裏づけのようなものをお持ちにならないと、これはできない仕事だと思うのです。そこで、それらの計画に付随する、あるいはそれらの計画の裏づけとなる資金計画を、一体どういうふうにお立てになるつもりであるか、伺いたい。
#20
○川出政府委員 第九条に政府の援助の規定がございまして、これは、この法律が一般的な法律でございますので、一般的な表現をとっておりますが、「必要な資金のあっせん、技術的な助言その他の援助に努めるものとする。」ということになっております。資金のあっせんの中には、政府金融機関――開発銀行なり、北海道東北開発公庫なり、あるいは中小企業金融公庫なり、あるいは商工組合中央金庫なりというのが、政府関係の金融機関でございますが、その中においてなるべく鉱山関係の資金のワクの確保をはかりますとか、あるいはその金融機関、資金のあっせんには、もちろん市中金融も入っておるわけでございまして、市中金融機関、したがって、市中銀行のほうにも協力をお願いするという措置は、今後とりたいと考えております。
 それから技術的なその他の援助でございますけれども、これは探鉱資金も、当然体質改善のためには非常に必要なことでございます。これは政府機関の探鉱融資事業団ができておりますから、この資金の確保に努めなければならないと同時に、探鉱補助金でございますが、これも体質改善のための政府の援助でございます。これも今後の目標に照らして、現在の予算規模でいいかどうかということを十分検討した上、善処しなければいけないと考えております。
#21
○松平小委員 そうすると、ことしの場合、この法律が通りますと、そういう必要な報告その他を徴して、あるいは合理化の目標の計画というものも各会社から徴して、そしておよその計画を立て、さらにそれを予算の面で増強するものは増強しなければならぬでしょうし、あるいは財政投融資の面でカバーするものはカバーするということになりますと、そういうテンポへ合わせていくという場合に、どうですか、時間的に、この計画というものはいつごろまでに立てて、いつごろ予算折衝なら予算折衝に間に合わせるというめどでお考えになっておりますか。
#22
○川出政府委員 本年度の予算なり財政投融資はすでにきまっておりますから、問題は来年度になろうかと思います。この法律が通りましたら、この基本計画なりその他の重要事項につきましては、鉱業審議会の議を経なければならないことになっておりますから、鉱業審議会に鉱種別分科会等を、これは一案でございますけれども設けまして、今後の鉱種ごとのあり方につきまして、需要者の意見も十分聞いた上、あるいは鉱業関係の意見も十分聞いた上、きめなければならないわけでございます。きまりますと、それに必要な政府の資金的な援助の具体的な内容も、ある程度固まると思います。それを反映させて、来年度の予算要求なり、財政投融資要求に努力していかなければならないと考えております。したがって、この法律が通りましたら、なるべく早く鉱業審議会を開きまして、鉱種ごとに研究を重ねていきたいと思っております。
#23
○松平小委員 その場合に、いまの探鉱融資事業団の金を貸すとかあるいはこれをふやすとかということは、これは政府でできると思います。ところが、政府関係の金融機関におきましても、中小企業金融公庫なんか、実際に聞くところによると、鉱山に金を貸したがらないのですよ。いわんや市中銀行なんかも、なかなか鉱山に対しては渋るのじゃないかと思う。そこで、融資のあっせんなりを政府がするといっても、やっぱりいよいよ窓口へ行ってみると、どうしても思うようにいかないというふうなことが、私は出てくると予想しているのです。それはなぜそうかというと、前に、炭鉱に関して融資をしなければならぬということで、政府もその気になってやろうということになった。ところが、たとえば大正炭鉱はつぶれてしまった。この大正炭鉱がつぶれてしまった原因は、融資ができなかったからつぶれてしまった。政府は、融資をするといった、させるという言明をしておる。言明をしておるけれども、さあいよいよ融資の段階になると、銀行が渋ってやらないということになって、結局融資がつかなくなって、そしてペイはしているけれども、これはつぶれてしまったという例が、昨年起こったわけです。私は、そういうことが、自由化後においては鉱山の場合に非常に起こってくる可能性があると思う。そこでこの資金計画をしつこく私は聞いておるわけであります。ですから、これは開発銀行なら開発銀行にワクでも設けるとか、あるいは中小企業金融公庫の中に特別のワクを設けるとか、そうしてそのためには、たとえば信用保証協会なんかに特別のことを考えるとか何かして、この融資ができるという道をつくっていかなければ、私はなかなかその点は困難じゃないかというふうに考えておるわけです。ですから、この資金計画について、市中銀行の場合はむろんのことであるけれども、政府系の開発銀行あるいは中小企業金融公庫等にしても、なかなかこれは渋る、こういうふうに思うので、そこのところを渋らせずにやるという考え方というものを持たないといかぬじゃないか。そのことを考えてもらいたいと思うけれども、それはどういうふうにいまは考えておられますか。ただ政府が口をきくだけでできると思っておりますか。私はなかなかむずかしいと思う。これはひとつ制度化するというふうなことをやはり考えてもらわなければ、できない相談だと思う。さもなければ、探鉱融資事業団の金を相当ふやすということにすると同時に、いまの補助金の三億円のものももっとふやす、こういうことをやっていかなければ、とても金融機関たよりには合理化ということがむずかしくなるおそれがある、こういうふうな非常な心配をしているわけです。そのことについて、何らかお考えがあれば、お聞かせ願いたいと思います。
#24
○川出政府委員 非常に実際問題としては御指摘のようにむずかしい点があろうかと思います。鉱山の金融の中で従来一番困難に考えられておりましたのは、探鉱のための資金でございますので、これにつきましては、探鉱融資事業団の運用につきましては、先般国会でも附帯決議もついておることでございます。それを極力尊重いたしまして、これを拡充強化しなければならないと考えております。なお、探鉱補助金についても、同様の考えでおるわけでございます。問題は、政府の金融機関でございますけれども、金融機関は、やはり融資を自主的にやる機関でございますので、民間の機関とは違うと思いますけれども、非常に危険だと思えば、これはやはり融資をちゅうちょせざるを得ない傾向にあるのは、私はやむを得ないと考えております。なお、開発銀行につきましては、三十八年度に初めて金属鉱山関係の融資のワクが設定されまして、金額は若干少ないですけれども、十億円という数字がきめられておるわけでございます。これは製錬等の近代化のための設備資金でございますが、なお、北東公庫等の貸し付け実績は、最近若干ずつふえております。昨年度は十八億前後に上がってきておりますので、来年以降はさらにこれを拡充したい、本年を含めまして拡充をしたいと考えておるわけでございます。ただ、ワクの設定ということは、これは地域的な銀行でございますので、若干困難なような気がいたしております。それから先ほどの中小企業金融公庫は、確かにこれは従来鉱山関係には少ないわけでございまして、これはどうしても中小鉱山育成のためにも、ことし中小公庫としても努力していただきたいと考えておりますし、私どもも努力したいと思っております。中小公庫につきましては、ワクという考えがないものですから、これは鉱山の重要性を強調し、鉱業審議会の結論ということも相まって、政府として努力をしなければならないものと考えておるわけでございます。なお、商工中金につきましては、中小鉱山の運転資金につきまして、協同組合が先般二カ月前にできまして、これは私の期待している以上の効果を現在あげつつあると考えております。
#25
○松平小委員 いまのお話は、行政指導でできるだけやっていくという御趣旨のようでございます。それでうまくいけばまことにけっこうだと思うけれども、なかなかこれはむずかしい問題ではなかろうかと思います。しかし、いまこれをどうしろといってみたところで、すぐできる問題ではないと思う。結局うまくいかなかった場合に、何か制度化するようなことを考えていかなくちゃならぬのではないかということを私は主張しておるわけです。
 それからもう一つ、この際伺っておきたいのは、鉱山に関する税金の問題です。その中で、私のお聞きしたいのは、資本蓄積というような意味からのいわゆる減価償却制度についてでありますが、現行の減価償却制度というものは、一般の産業に比べまして、得点というものがございますか。あるとすれば、どの程度ありますか。
#26
○川出政府委員 鉱業はほかの製造工業と非常に異なる点がございますので、鉱業に対しましては、いろいろ特別の償却制度をとっておるわけでございます。たとえば新鉱床の探鉱のために取得した探鉱用の機械は、初年度九割の償却ができるという制度もございますし、あるいは鉱業権の取得等につきましても、特別償却ができるようになっておりまして、特別償却制度に関する限り、相当の優遇が、鉱業の特殊性にかんがみ、行なわれておるわけでございます。問題となっておりますのは、鉱業審議会等で議論されましたのは、ほかの国がやっているような減耗控除制度を採用しないかどうかという点でございますけれども、これは、現在のところ、税制調査会等でも、日本の税制には必ずしもなじまないということで、消極的な意見が強いわけでございます。私どもとしましては、今後も研究を重ねたいと考えております。
#27
○松平小委員 坑道とか立て坑の償却は、どうなっていますか。
#28
○川出政府委員 手元に税制の資料を持ってまいりませんでしたので、正確にお答えできませんが、坑道等につきましても、特別償却の対象にいたしております。租税特別措置法の四十九条に、鉱業用坑道等の特別償却という制度がございまして、その中におきまして「坑内において堀さくされる坑道」とか、「坑内において施設される軌条、動力線、排水管その他の機械及び装置」とか、あるいは「坑内において使用される車両及び運搬具並びに工具、器具及び備品」等につきまして、特別償却制度を適用することになっております。
#29
○松平小委員 それは何%ですか。
#30
○川出政府委員 五割増し償却程度であったかと存じております。
#31
○松平小委員 このことをもう少し熱を入れてやってもらいたいと私は希望しておるのです。それはほかの国ではそういうことを相当のパーセンテージでやっています。たとえばカナダは立て坑については一〇〇%の償却率を認めておる。日本はいまお聞きすれば五割増しというのだから、ちょっとその点がわからぬけれども、一〇〇%、九〇%という程度ではないと思う。カナダみたいに非常に鉱物資源の多い国でもそういうことをやっているし、減耗控除は三割三分もやっている、こういうわけでありますから、もう少し税金の制度について通産省においては鉱山関係について検討を加えていただきたいと思う。私のこの見解について政務次官いかがでございますか。
#32
○廣瀬(正)政府委員 従来も、通産省といたしましては、税制の面からも鉱山の育成強化ということにつきましては努力してまいりましたが、さらに鉱業審議会の意見等を聞きまして、今後も大いに御期待に沿うように努力を続けてまいりたいと思っております。
#33
○松平小委員 そこで、これは政務次官、局長に申し上げておきたい。いままでこの半年間の国会で、皆さん方がいろいろな自由化対策についての施策を提案されてこられたが、もうからない鉱山だから、何も税金のこともいまやる必要はない、あと回しだというお考えがあって、あと回しにしておるのではなかろうかと思います。しかし、もうかっている鉱山もあると思うのです。そこで、これはやはり各国並みの税制を採用していくか、もしくは貧弱な日本の資源の賦存の程度であるので、さらに欧米よりも違った観点からの税制政策というものを取り上げていくべきじゃないか。ことしは、税制についてはあと回しにしたという感が深いのであります。これは時間の関係でおそらくそこまで手が回らなかったと思うのでありますが、来年度の鉱山関係の施策の、重点というものは、私は、この税制に置くべきではないか、そういうふうに考えておるわけなんです。ですから、いまの政務次官のお答えでありましたけれども、ひとつこの税制問題に取っ組んでみたいということで、鉱山局における事務的ないろいろな取り運び方、もしくは人事の配置というようなものまで、その考えで考えてもらいたい、こういうふうに思っておるのですが、所信はどうですか。
#34
○廣瀬(正)政府委員 ただいま御指摘のように、本年度はいろいろ探鉱融資事業団その他の問題がございまして、税制の面につきましては必ずしも満足な結果をかち得ておらないわけでございますけれども、御指摘はまさにそのとおりだと思うのでございまして、大いに税制の改正ということに重点を置きまして、党の税制調査会に働きかけ、また鉱業審議会の意見等も十分拝聴いたしまして、特に力を注いで努力してまいりたいと思っております。
#35
○松平小委員 それから価格安定制度につきましては、オーストラリアの銅の制度というものが、われわれ見ておりまして、非常に理想的ではないかと思うのです。価格の安定をはかる上の一種の補給金制度で、スライド制にそれを運用しておる。これは非常に国際相場に対する予防措置にもなるということで、私は、この制度は非常にいいと思うのですが、やはり今回の法律を適用して、国際相場その他がなかなかうまくいかぬという場合においては、どうしてもこういう制度も考えていかなければ、需要面と供給面との関係からいってうまくいかないのではないかというのが、われわれの感じであります。そこで、いまお聞きすれば、審議会においてそれは消極的な意見であった、こういうことでございますから、いますぐそれをやるという段階ではないと思う。しかし、それでなおかつうまくいかなかったという場合においては、いま言う価格の補給金制度にするか、もしくは買い上げ機関というものをつくる、それも一種の安定のための積極的な方法であろうと思うのですが、そういうことで画竜点睛を欠かないようにしなければならぬじゃないか、こういう考えを持っておるわけであります。
 そこで、私はもう一つお伺いしておきたいと思うのでありますが、現在の国際的な趨勢というものは、お聞きすると、銅の場合においては、わりあいに回復したというか、安定が見られるような状況である。鉛、亜鉛の場合、ことに鉛の場合は、そうでないと言っておられますが、いままでの過去一年の状況というものは、国際相場というものはどういうふうに変化をしてきておりますか。そうしてその原因というものは、どういうところに大きな原因があったか。これをお尋ねしたいと思います。
#36
○川出政府委員 銅、鉛、亜鉛が国際商品と言われておりまして、価格の変動が過去において非常に激しかったわけでございます。銅につきまして、戦後最低の海外相場は、二十万円を割っておったときもございます。最高になりますと、四十万円をこえておったというように、非常に変動が激しいわけでございますが、ここ約二年間は、銅につきましては、海外相場がきわめて安定をしておりまして、ロンドン金物市場の相場によりますと、大体二百三十四ポンドに安定をしております。日本の円に直しますと、二十三万四千円見当になります。これは、やはり需要と供給の調整が、大きな世界の産銅会社の中に行なわれているのではないかという見方が、一般的に行なわれております。その影響ではないかと考えております。
 それから鉛、亜鉛につきましては、これも非常に価格の変動が激しいわけでございまして、特にここ三、四年の間に、鉛につきましても、亜鉛につきましても、非常な下がり方を示しておりまして、昨年の下期からことしの初めにかけましては、戦後最低の相場になったわけでございます。鉛につきましては、ロンドン相場が五十ポンド台になりましたし、亜鉛につきましても六十ポンド台になりまして、非常に下がったわけでございます。これは一般的に言えば、生産に対する供給の過剰傾向といわれておりますけれども、なお、鉛については、需要の伸びが少し鈍化しておるということがあります。これは、アルミニウムとプラスチックという代替商品が、鉛の分野を食っておるという結果だろうと思います。それからソ連圏の自由世界の市場に対する低価格の輸出というものが、これに拍車をかけておるかと思います。これが、最近の鉛の価格が非常に下落をした原因かと思います。亜鉛につきましては、需要は鉛よりも急速に伸びておりますけれども、やはり一般的に供給過剰傾向がございまして、暴落をしたわけでございます。鉛、亜鉛ともに、最近は若干国際相場が持ち直しつつあるわけでございまして、これは国連内部に設けられております鉛、亜鉛研究会でいろいろな案が考えられておりますが、そういう影響もあろうかと思います。また、最近、ソ連圏からのダンピング的な低価格輸出がとまったという事情もありまして、いろいろなそういう事情で、上向きになってきておるのではないかと考えておる次第でございます。
#37
○松平小委員 いまお答えになったことに関連してお聞きしておきたいと思うのですが、マンガンですね。マンガンの自由化ということになると、これはたいへんだと思う。それはソ連、中共から入ってくるものは半分ぐらいだということで、非常に恐慌を来たして、マンガンの連中が騒いだことがございます。そのときのいろいろ資料を見ると、なるほどそういうふうな資料になっておるわけです。ところが、その後一体マンガンがソ連から来たのかどうか知りませんが、一向マンガンが騒がなくなったわけです。それで、ああいうふうに大騒ぎをして約一年ばかりたった今日、何らの影響もないというのは、どこに原因がありまずか。
#38
○川出政府委員 それはちょっといろいろ事情があるわけでございまして、はっきり申し上げかねる点もございますけれども、一つは、自由化はしておりますけれども、絶えず自動割り当て制ということでチェックをしておるわけでございます。一定の危険限度以上になれば、緊急輸入制限をも辞さないという、これは行政指導でございます。そういう暫定的措置でございますが、そういうような監視品目で、しばらくの間は様子を見ておるということがございます。それからもう一つは、これはマンガンの需要業界が、きわめて昨年は不況でございまして、したがって、マンガンに対する需要が旺盛でないために、輸入買い付けを手控えておるということも原因の一つであろうかと思いますが、現在のところ、そういうようなことで、非常に安いものが大量に入ってくるということは、現実の問題としてはないわけでございます。しかし、これは今後そういうことはないとは断言できないわけでございまして、現状のところはあまり多くの問題はないと思います。
#39
○松平小委員 もう一つの点は、この輸入の問題なんですが、いま行政指導でそれをやっておられるということを言われたけれども、いわゆる関税のエスケープ・クローズによって値段が下がったという場合には、輸入を制限するという措置を講じておる国があるわけですね。そこで日本の場合は、銅の場合を例にとると、緊急関税をつける、こういうことはさまっておるけれども、エスケープ・クローズで輸入制限というようなことは、法律上はできないことになるのではないかと思うが、いまあなたのおっしゃった行政指導でやるというやり方は、法律に基づかずして、いわゆる通商局か何かがかってに抑えるということなのか。それは法律上できるのかしら。
#40
○川出政府委員 これはガットの規定にも、国内産業の保護のための緊急輸入制限ということは認められておるわけでございます。したがって、その緊急輸入制限をするに適当な状態であるかどうかという点に問題はありますけれども、法的にこれはできるわけでございます。
#41
○白浜小委員長 これにて本日の質疑は終了いたします。
 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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