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1962/03/06 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 商工委員会 第13号
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1962/03/06 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 商工委員会 第13号

#1
第043回国会 商工委員会 第13号
昭和三十八年三月六日(水曜日)
   午前十時五十五分開議
 出席委員
   委員長 逢澤  寛君
   理事 小川 平二君 理事 岡本  茂君
   理事 首藤 新八君 理事 白浜 仁吉君
   理事 中村 幸八君 理事 板川 正吾君
   理事 田中 武夫君
      海部 俊樹君    小平 久雄君
      笹本 一雄君    始関 伊平君
      田中 榮一君    中川 俊思君
      山手 滿男君  早稻田柳右エ門君
      岡田 利春君    北山 愛郎君
      中村 重光君    西村 力弥君
      伊藤卯四郎君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        委員長     佐藤  基君
        大蔵事務官
        (銀行局長)  大月  高君
        通商産業政務次
        官       廣瀬 正雄君
        通商産業事務官
        (企業局長)  佐橋  滋君
        通商産業事務官
        (軽工業局長) 倉八  正君
        通商産業事務官
        (鉱山局長)  川出 千速君
        通商産業事務官
        (中小企業庁指
        導部長)    影山 衛司君
 委員外の出席者
        通商産業事務次
        官       松尾 金藏君
    ―――――――――――――
三月六日
 委員石村英雄君辞任につき、その補欠として加
 藤清二君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員加藤清二君辞任につき、その補欠として石
 村英雄君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 通商産業の基本施策に関する件(石油に関する
 問題等)
     ――――◇―――――
#2
○逢澤委員長 これより会議を開きます。
 通商産業の基本施策に関する件について、調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許可いたします。始関伊平君。
#3
○始関委員 私は、石油化学の化学工業の問題につきまして、若干のお尋ねをいたします。石油化学工業は、いわゆる技術革新の先端をいくものであり、また、輸出産業としても相当な将来性があるというふうに考えられておるのでありますから、この石油化学工業をできるだけ育成助長していこう、こういう根本の考え方、あるいは方針については、これは何人も異論のないところだと思うのであります。しかし、石油化学工業については、いろいろと論議すべき問題が多いと思いますが、きょうは、最近において一つの問題になっております原料用ナフサの問題につきまして、問題をそこにしぼりまして、お尋ねをいたします。
 最初に、軽工業局長にお尋ねをいたしますが、最近の一年間、特に昨年の下期以降、石油化学の原料用ナフサの入手について、必要な数量の確保と、あるいは価格などの問題があると思いますが、大体順調にいっておったのかどうかという点と、それからもう一つあわせて、これは将来の問題として長い見通しの問題もありますが、それは問題は別に提起したいと思いますので、この一年くらいの見通しに立って、現状のままでいくとして、現状を基礎にして今の点についての見通しはどうか。これはだんだん順序を追ってお尋ねをしますから、質問した事項についての直接の御答弁を願いたい。
#4
○倉八政府委員 お答えいたします。
 今の下期の大体のナフサの所要量が百二十万キロ内外でございますが、これは十月一日から例の原油割当というのがなくなりまして、それから国内の生産調整という新しい制度が出ましたものですから、ナフサの入手というのは、九月までに行なわれていた場合よりも、少し入手が困難になったと思います。これはしかし、両方の間の調整でございますから、調整については、いろいろ研究をいたしております。
#5
○始関委員 昨年の十月に石油の原油の自由化が実施されて、そこで従来からやっておった原料用ナフサの供給の確保のための原油の別ワク割当といいますか、あの制度がやめになったということですね。そういうことによって、石油精製会社の原料用ナフサの供給能力といいますか、供給力というものが相当に減ってきた。これは一つの事実だと思うのです。ところが一方において、幸いにして石油化学工業は順調な発展をしておるものだから、しかも非常な伸びを示しておるから、ナフサの入手について非常な問題があるということだと思うのです。そこでこれは鉱山局長に伺いたいのですが、この制度の変更以後、今申したようにナフサの供給力ですね、これはパイプ・ラインでつながっている精製会社五社の供給力というものは、ある程度下がってきている、減少してきているだろうと思いますが、これはどの程度に減少しておるのか。これも最初に事実関係だけを聞きたい。
#6
○川出政府委員 ナフサの供給につきましては、石油業法に基づく供給計画がありまして、それによって三十八年度の数量をきめておるわけでございます。年間の計画としましては、実際の見通しとさほど違っておりませんが、しかし、これを上期、下期に分けますと、下期の方は、計画よりも実際の需要の方が相当上回っております。これは石油化学の需要が見通しよりも増加したために生じたわけでございまして、必ずしも今先生御指摘の特配と申しますか、別ワクの制度の廃止のために不足をしたというわけではないと思います。計画と見通しの狂いも相当あったわけでございまして、それに対しましては、当分の措置といたしまして、増産あるいは石油精製会社から供出をする措置をとっておるわけでございます。
#7
○始関委員 これはナフサの需要が非常な勢いで伸びるということを考えますと、今までは幸いにして当局のいろいろな配慮のおかげで問題は起こらぬにしても、先行き相当困難な事態が予想される。業界でも非常に心配しております。そこで、何らかのはっきりした対策が必要だということになると思うのですが、その対策について、いろいろ事項をあげてお尋ねをいたします。
 最初に、業界の方では、三十七年度九月一ばいまでやっておった別ワク割当を復活してくれという要求が、御承知と思いますが、ございます。それで業界の言い分は、これももう御承知の通りですが、通産省では、閣議決定かあるいは省議決定かをやって、石油化学育成の基本方針をきめたその中に、いわゆる別ワク割当ということも含んでいるかどうかをちょっとお尋ねしたいのです。とにかくその方針をはっきりきめながら、これがふらふらしておったのでは困るじゃないかという印象が一つと、それからもう一つは、かりにこの制度が望ましいものであるとするならば、そういう気持になって考えれば、制度が変わって、生産量の自主調整という形だけれども、そういう自主調整が行なわれるということが、そもそもこれは石油業法を背景にしているわけですね。自主調整とはいいながら、当局が、つまり局長が、行政指導の内面指導によっていろいろ指導しておられるのだから、かりにこの制度が望ましいとするならば、昔のように原油割当という法律上の権限はないにしても、できないはずはなかろう、こういうのが業界の言い分だろうと私は思うのですよ。いろいろな方法があるでしょうが、第一、いわゆる原油の別ワク割当を今度は形を変えて生かしていくというやり方について、鉱山局の立場からこれはどういうことになるのか、わかりやすく御説明を願います。
#8
○川出政府委員 石油化学の振興は、先ほど軽工業局長が答弁されましたように、政府としましてもできるだけの援助をしなければいけないと思います。そのためには、ナフサの価格を低廉に、かつ、安定的に、長期的に供給する態勢をつくることが、一番大切だと思っております。従来、外貨割当をやっておりました際は、これは一種の統制でございますが、そのときには業界にはいろいろな意見がございましたが、特配と申しますか、別ワク割当をやることによりまして目的を達してきたわけでございます。ところが、自由化によりまして、外貨割当がなくなりました。同時に、生産割当をやっておるわけではございませんものですから、自主調整、これは政府もある程度中へ入っておりますけれども、従来の外貨割当と全く同じことをそのまま継続するということは、これは困難な点がございます。不可能とは申しませんけれども、非常にむずかしいところがございますので、その辺も生かしていかなければいけないのでございますけれども、より根本的には、もっと長期的な対策も別途に考えなければならないかと思います。しかし、問題は現に起きておりまして、三十七年度の問題は何分の処理をしておりますけれども、三十八年度一年間の問題につきまして、通産省内部でも、いろいろな案について現在検討を加えておるわけでございます。石油精製業界の方としても、これは石油化学の育成のために、ナフサの安定供給、低廉な供給という根本方針については協力するということをはっきりと申しておるわけでございます。現在は、その具体的な方法、どういうやり方が一番いいだろうかということを早急にきめなければならない段階にきておりますので、少なくとも今月中にははっきりときめたいと考えておる次第でございます。
#9
○始関委員 石油精製会社の中で、石油化学工業とパイプでつながっているものと、しからざるものと、原油割当制度の当時と同じように、生産計画の策定等について差別的な違った基礎の上にやらしていくということは、石油業の現状、それから石油政策から見ても、非常にやりにくい不合理な、あるいは不適当な点がある、こういうことだろうと思うのです。その点は一応了解はできるわけですが、そこで今お話のように、いろいろ長期的な見通しを持った案を考えなければいかぬということなんですが、長期的な案としては、第一に、石油化学工業会社が原油を輸入して、これを精製会社に委託加工させるという考え方が一つある。それから石油化学工業会社が原油を輸入して、簡易トッピングの施設が何かをしてやっていくという考え方がある。第三に、これは外国にそういうような事例があるというふうに聞いておりますが、ナフサだけでなしに、原油を構成するあらゆる構成要素といいますか、成分ですね、その成分すべてを石油化学で消化する。これは技術の問題があると思いますが、こういういろいろな方法が考えられるわけです。こういったような方法について、軽工業局の方で御検討になったかどうか。またどういう見解であるか、ちょっと聞かしていただきたい。
#10
○倉八政府委員 今始関先生のおあげになったことも検討しておりますし、そのメリットあるいはディメリットということについても、いろいろの点から検討を続けておりますが、それについて今こうする、あるいはこの方式をこう採用するということは、決定しておりません。それでおのおの問題があろうかと思いまして、私たちの方は、むしろ石油行政と石油化学行政のいわゆる調整の接点がどこにあるかということから見ますと、ナフサそのものを輸入するというのが、石油業界に与える影響も少ないし、また、石油化学工業の先達産業としての育成にもなろうかと思いまして、その方がむしろ根本になるのではなかろうかということで研究を進めさしていただいておる次第であります。
#11
○始関委員 いろいろの方法を考えてみると、どうもうまい方法がない。残された唯一の方法は、ナフサそのものの輸入だ、これが石油精製、それから石油化学との摩擦なしに、両方をうまくやっていくための最良の方法だ、実は私もそのように考えているのです。
 そこで、これは鉱山局長に伺いますが、ナフサを輸入したいといっても、国際的に相当な供給力あるいは供給余力があって、日本で希望すればある必要な量を確保できるという市場の情勢であるのかどうかという点が一点。それからナフサについては、今キロリットル当たり二千二百円の関税がついておるということですが、ナフサの価格というのは五千円、六千円ということですから、二千二百円という高率関税を払ったのでは、話にならぬのです。この関税については、少なくとも原料用ナフサのものについては、これは免除するというような方法が望ましいというか、そうでなければ、軽工業局長もさっき言われましたけれども、これは何にもならぬと思うが、この二点について鉱山局長の所見をお伺いいたします。
#12
○川出政府委員 まず、最初の第一点でございますが、これは現在調査中でございますけれども、目下のところ、調査しました範囲では、関税がかからなければ六千円前後でナフサが輸入できるのではないだろうかという一応の見通しがございます。それから量的にもこれは問題もあるそうでございますけれども、相当量の輸入は可能であるという見通しでございますが、さらに詳しく調査を今後も進めたいと思います。
 それから第二点の関税の問題でございますが、これは現在キロ当たり二千二百円の関税がかかりますから、関税をかけてナフサを輸入いたしますと、これは国際的にとても競争できない高価格のものになるわけでございまして、かりにナフサ問題の基本的な解決の方途といたしまして、輸入がいいということに結論が出るといたしますれば、これは石油化学用のナフサは免税にしないと意味がないかと思います。
#13
○始関委員 昨年の十月一日から原油の自由化を断行された。ところが、これは石油に限りませんが、自由化をやるについては万全の準備態勢を整えてやるというのが、政府の方針であった。さっきから軽工業局長の原料ナフサの確保問題についてのお話を伺って、これは私の考えていることと全く一つなんですが、要するに、自由化になってしまった暁において、特別ワクに類するような考え方をしようといったって無理じゃないか。その他にいい方法がないとすれば、やはり外国からナフサを輸入しなければいかぬ。輸入するについては、関税問題を解決しなければいかぬ。これは私は、きのう、きょうわかった問題ではなくて、やはり自由化の前にわかっていたはずだと思うのです。そうだとすると、関係当局、特にこれは大蔵省の問題にもなるのだが、通産省から問題を持っていかなければ、大蔵省は取り上げるわけはありませんね。そうすると、特に責任の衝にある両局長が、はなはだ怠慢であったと言わざるを得ないと思うのですが、いかがですか。
#14
○廣瀬(正)政府委員 ナフサの問題につきましては、先ほど来両局長から御答弁申し上げておりますように、特にこぶをつけるというようなことをいたしますと、石油化学をやっていない業者の方から非常な異議が出るというような事情でありますことは御承知の通りで、そういうような複雑な業界の関係もございますので、従来はどうやらやって参りましたけれども、昨年の暮れから非常に事態が悪くなって参ったわけでございます。しかし、できるだけ行政指導でやりますとか、あるいは石油化学業界、石油精製業界の自主的な調整によってやっていきたいというようなことで、いろいろ措置をいたしたわけであります。ことに最近におきましては、石油協会の会長であります中尾さんにお願いいたしまして、自主的な調整を量の面からも価格の面からもただいまいたしておるわけでございまして、決して役人が怠慢であったとは私は考えないのであります。しかし、だんだんこうして切迫して参りまして、御指摘のように、何とか根本対策を樹立しなければならぬということになって参りますれば、二、三の案がございますけれども、ただいま両局長が申しましたように、輸入をやるということが一番いい方法ではないかというような線になっております。ただ、輸入ということになりますと、関税がかかってくる。これは大蔵省の関係も出て参るわけでございますが、そういうことでやっておりますので、決して役人が怠慢でないことは御承知おき願いたいと思います。
#15
○始関委員 いや、私も一から十まで怠慢であるということじゃありません。いろいろ苦心されておることは了承いたします。その点は敬意を表しておりますが一さっきから話を聞いておりますと、輸入よりほかない。いろいろ検討いたしまして、残った手はそれよりない。あとは当面対策――当面対策というのは、当面を糊塗する対策で、根本問題がそこであるということは、だれが考えてもはっきりしております。それと不可分な立場にある関税問題を取り上げなかった。その点だけをつかまえて、そこが怠慢であると言っておる。一から十まで怠慢であると言っておるのではない。そこは御承知願いたいのです。
 そこで、関税は今定率法の一部改正が、大蔵委員会で審議を始めたかどうか知りませんが、かかっておるわけです。これは恒久対策としては、関税を下げて外国から輸入をなるべく低廉にやるより手がない。それはだれが考えてもそうなんです。そうだとすれば、関税の問題を一刻も早く解決しなければいかぬと思うのですが、そういう意図がおありか。これは国会の問題だから、政務次官や局長に伺うのはおかしいかもしれぬが、できれば、今の関税改正の中にこれを追加してやるということが望ましいのではなかろうかと思いますが、一応意見を伺います。
#16
○廣瀬(正)政府委員 その問題につきましては、先刻始関委員から御指摘のように、通産省から案を持って参らなければらないことになるわけでございますから、検討の結果、輸入が唯一の方法だ、最上の方法だということになりますれば、二千二百円も関税がかかりましては意味をなさないわけでございますから、当然大蔵省に強力に折衝いたしまして、関税を排除いたしまして輸入するという道を講じたいと思っております。
#17
○始関委員 どうも政務次官の答弁は満足しないのですが、さっきから両局長のお話を伺っておると、ナフサを輸入でやるのが残された唯一の方法だというのは、もう議論の余地がないのです。まだ検討の段階ですか。もう一ぺん局長、答弁して下さい。
#18
○倉八政府委員 今、実情から見ましても、理論的に見ましても、それが残された一番いい案だということは、われわれも認めております。ただしかし、理論的にはそうだとしましても、ここに関税という問題がある。関税の改正というのは、今国会で御審議中でございまして、それを追いかけてまた出すとか、あるいは近日中に出すということになりますと、われわれの手の及ばないいろいろの問題もあろうかと思いまして、そういう時期的にも検討をしておるという段階でございます。
#19
○始関委員 石油化学の業界では、ナフサの問題を非常に心配しておるのですよ。別ワクでやれと言っておる。私も石油行政をやっておりましたから、別ワクでやるというのは、非常に不可能をしいる、難きをしいるものだ。石油業界が混乱するということは、私も了解できるけれども、先行きどうするんだという見通しを与えてやらなければいかぬ。だから、考え方は逆ですよ、局長。とにかく輸入をやるよりほかはないのだというなら、それに伴って関税問題を至急に解決するんだということでなければいかぬ。実現までの過渡期どうするかということを考えていかなければならない。これは大蔵省と御相談になって、政府の方でよろしいとなれば、おそらく国会修正か何かで方法はないわけでもなかろうと思うのです。そうすると、順序を間違えた考え方をされずに、輸入でやらざるを得ないのだ。そうすれば関税を修正せざるを得ないのだということで、具体的な努力なり折衝なりをされて、手段、方法は別に考えるというふうに私は希望いたしておきます。
 それからもう一つ、これは私は具体的な事実を承知いたしておらないのですが、ナフサの輸入については、さっきから申しておりますように、また局長も申しておりますように、これは石油精製業界、それから石油化学の業界と、両方がうまくいく唯一の方法なんです。ですから、私は、この方法については、石油業界というものは反対がないはずだと思うのです。反対があるのかないのかということ、これははっきりしていないでしょうが、空気として反対がないはずだと思うのです。もし反対があれば、当然説得すべきだと思うのですが、説得してもわからぬ人がおれば、その反対は無視して、正しい政策なんだから進むべきだと思いますが、局長なり政務次官から一つ御答弁を願います。
#20
○川出政府委員 実は基本的な問題もございますけれども、当面の問題を時間的には急いでおるわけでございますので、そちらの方に現在精力を大部分使っておりまして、それが解決いたしましたら、あるいは一緒に解決することになるかもしれませんが、基本的な問題も同時に定めていかなければいけないと思っておるわけでございます。これに対する業界の意見は、まだ詳しく承知いたしておりませんけれども、筋の通るものであれば、当然理解し得ることではないかと考えております。
#21
○始関委員 どうも私、言い方が気にいらないのですが、筋の通るものなんですよ。だから、反対があるわけじゃないと思いますけれども、それは当面対策も大事ですが、今ちょうど間に合うかもしれぬ時期なんだな。だから、恒久対策の方も至急に御検討願って、あと具体的に途中で直す方法があるかないかということは、実行方法の問題はあると思いますけれども、根本問題だけ解決すれば、暫定対策に苦労する必要はないわけだ、そのように一つお願いします。暫定措置も、実はそうは申しても大事なんですが、これは今の石油化学とパイプでつながっていないほかの工場のものをこっちに回すというようなことを考えているのですかね。この具体的な方法なり、石油業界全般の協力の模様等について一ついでに伺っておきたい。
#22
○川出政府委員 石油業界が協力いたしまして、特定のコンビナートで不足するナフサの部分を応援しようという体制が高まりつつあるわけであります。それから一方、石油化学業界の方では、従来の例ワク割当的な思想を加味してくれという希望もあるかと思いますので、その辺の両方の調整について、両業界とも話し合っております。通産省内部でも、今意見の調整をはかっておるわけでございます。目的は、あくまでナフサの低廉、安定供給でありまして、その辺は近く結論が出るかと思っております。
#23
○始関委員 ナフサの問題は、今、花形産業である石油工業の根本的な問題ですから、一つ恒久対策、それから当面対策につきまして、両局で協調されて、この上とも善処されるように希望いたします。
 ナフサの問題はこの程度で終わりますが、その次に、潤滑油の問題につきまして若干の御質問をいたしますが、日本の産業の高度化に伴って、潤滑油についても、品質の高度化、それから均質化、あるいは価格の低廉化というようなことが必要になると思うのですが、そのためには、潤滑油専業者についても、新しい技術の導入とか、製造設備の近代化、合理化、これが急務になっておる。そこで、こういうような事態にかんがみ、昭和三十六年度に、潤滑油の製造業というものが、中小企業の業種別振興臨時措置法の指定の業種になりましたね。これが今日までどういう経過をたどっておるかということと、もし改善事項ができておるならば、その改善事項のきわめて大ざっぱな内容をちょっと御説明願います。
#24
○影山政府委員 お答えいたします。
 潤滑油製造業につきましては、昭和三十六年度業種指定になりまして、その後詳しい実態調査を進めておりましたけれども、その結果ができ上がりまして、昨年、三十七年十二月に改善事項が決定いたしまして、それを公布いたしております。
 その改善事項の内容でございますが、第一点は、一つは潤滑油の販売面においての競争が激化しておるという点がございますので、元売り会社の方との関係もございますが、組織化を進めていかなければならないということが一点でございます。
 それから第二点は、専業者の現に所有しておる設備が、大手の石油精製業者と比べて非常におくれておる点がありますので、設備の近代化をはかるということが第二点。
 それから第三点は、技術者とか技能者の養成指導、あるいは労務管理面における改善をはからなければならないということが第三点。
 大体以上のようなことが改善の内容でございます。
#25
○始関委員 潤滑油の専業者の業界の話を聞きますと、改善事項の実施計画の中心の目標は、脱ろう、抽出などの溶剤精製装置を業界の共同施設として設置しなくてはいかぬ、そこに中心があるように言っておるのですが、この点いかがですか。何でしたら鉱山局の方から……。
#26
○川出政府委員 潤滑油の設備の合理化の内容につきましては、ただいま御指摘の通りでございまして、業界もそういう動きを示しておるわけでございます。それにいたしましても、それを裏づける資金的な援助という問題もございますので、現在その点について検討を加えておるところでございます。
#27
○始関委員 ただいま局長の御答弁に関連して伺いますが、これは鉱山局と中小企業庁との両方に伺いますが、今の中小企業近代化促進法ですか、国会に出ておりますね。それから前の業種別振興法では、改善事項が勧告されてそこでおしまいになるわけですね。勧告の出しっ放しというのが前の制度のやり方なんで、今お話の通り、たとえば高度化資金とか、その他いろんな意味の財政資金的な援助、それから新たに相当な設備をいたしますから、償却年限の短縮とか、あるいは繰り上げ償却とか、こういったような税法上のいろんな助成といいますか、恩典を受ける必要があるのですね。それを受けることができるようにするための法律が今度の改正法だと私は思っておりますが、そこで、この潤滑油も、そういう問題の一つの例になるわけですけれども、前の業種別振興法の指定を受けて改善事項ができたようなものについては、今のようないろいろな裏づけをする必要があるものについては、あらためて、この法律案が近く成立すると思いますから、その法律の指定を受けさして、そしてせっかく改善事項等もできているのですから、これらの中小企業としての近代化を優先的に進めていくことが妥当である、こう思いますけれども、業界もそれを希望しておりますが、両当局の見解を伺います。
#28
○影山政府委員 お答え申し上げます。
 一般的に申しまして、業種別振興法の指定しておりますのは、できるだけ広くこの近代化促進法で拾っていきたいというふうに考えております。ただ、具体的な業種につきまして、どれをどういうふうに今後近代化促進法で持っていくか、あるいは指定するかということにつきましては、まだ検討中でございます。
#29
○始関委員 ただいまの御答弁で、私もけっこうだと思います。そういう方針であれば、潤滑油は必ず入るだろうと思いますから、一つよろしく願います。
 それから、潤滑油の問題につきましてもう一つ伺いますが、実は潤滑油の関税率が二二%が二〇%に下がった。この引き下げの直前ともいっていい時期に、私は、この委員会で鉱山局長にお尋ねをしたところが、そういう事実はない、そうする意思はないというお答えだったのですが、結論はそのはっきりした言明と違ったですね。その点については、いささか遺憾の意を表しておきます。ところが、一方において潤滑油の精製用原料の方は、一〇%が一二%に上がりました。それで、もとの方は上がるわ、製品の方は下がるわで、潤滑油の業界は困るという陳情が、御承知と思いますが、ありましたね、なお、その潤滑油というのは、あなたの方では石油業法の対象外に置いているわけですね。その理由は、これは石油業法は、石炭というものを頭に置いてまあそれだけでもないでしょうが、石炭の競合関係というようなことから、燃料油を主体に置いてやっておる面がある。特に原料油の関税面では、石炭の対策に必要な財源の確保と、石炭業のある程度の保護と、二つやっていると思うのですが、こういうような点から見ますと、いわゆる燃料油ではなくて、石油業法にいう石油製品ではなくて、従って、石炭との競合関係の全くない、こういう業種を燃料油と同じように扱うのは、ちょっと不都合ではないかという意見が業界にはあるわけです。石油業法の保護も受けない、ところが原料油の関税面だけでは巻き添えを食っておる、こういう言い分ですがね。そうで、これはちょっと意味は違いますけれども、電力用原油などと同じように、関税を免除するか、あるいは還付するかというような制度は、考えてもらいたいという陳情があるわけです。業界はそういう陳情を一生懸命しておるのだけれども、当局から一向音さたがないということですから、これは潤滑油の業界からいえば、ある程度もっともなことだと思うのですが、簡単に見解を伺っておきたいと思います。
#30
○川出政府委員 ただいまの関税問題につきましては一技術的に可能であるかどうか検討を加えておりまして、可能であるとすれば、業界の要望に沿いたいと思います。
#31
○逢澤委員長 中川俊思君。
#32
○中川委員 私は、丸善石油の問題について、大蔵、通産並びに公正取引委員会に質問したいのであります。
 冒頭に、日本の現在金融資本が産業資本を圧迫しておるかのごとき様相を呈しておりますので、その問題については、直接大臣の所見が聞きたかったのであります。ただいままで待ちましたが、諸般の情勢上来られないそうでありますから、この問題は後日に譲ります。従って、この際委員長にお願いをいたしておきますが、次の機会には必ず両大臣の御出席をお願いするように、委員長から厳重に一つ申し渡しを願いたいと思うのであります。
 まず、通産省にお伺いするのでありますが、特に松尾次官に御出席をいただきましたのは、この問題については、私は松尾次官と佐橋企業局長に善処方をかって要望したこともありまするし、なお松尾次官が主催されて、問題になっておる丸善の取引先であるユニオンの副社長と、海運会館で新聞記者を避けて特に会合なさった形跡がございます。その際、松尾次官がその会をリードしておられたと思いますので、次官に特に御出席を願ったわけであります。
 まず冒頭にお尋ねしますが、丸善の業績が非常に悪化して、そうしていろいろな問題をかもし出したというのは、一体いつごろからそういう状況を呈しておったのか。また、その丸善の業績が悪化したことに対して、通産省はどういう行政指導をなさってきておったのか、これをお伺いしたいのであります。
 これは政務次官でもよろしゅうございます。また、内容は、はなはだ失礼なことを言うようですが、詳しいことは政務次官より企業局長の方が御存じじゃないかと思います。この問題に関する限り、御両所からお伺いすればけっこうだと思います。
#33
○廣瀬(正)政府委員 御指名がございましたけれども、詳細のことは鉱山局長が存じておりますので、鉱山局長からお答えいたさせます。
#34
○中川委員 鉱山局長にはあとでお尋ねしますが、企業全般に関する問題だから、佐橋企業局長の力がいいんじゃないですか。その意味で佐橋君にお伺いします。
#35
○佐橋政府委員 私が丸善問題に関係をしましたのは、いわゆる外資の問題に関連をいたしましてから私は関係をいたしておりますので、ただいまの先生の御指摘のいつごろから丸善が悪くなったかというようなことについては、鉱山局長からお答えをさしていただきたいと思います。
#36
○川出政府委員 丸善の問題が起きましたのは昨年のことでございまして、昨年自由化を前にいたしまして、石油業界の競争がきわめて激甚になったわけでございます。自由化後もそういう状態が続いておるわけでございまして、これは丸善の会社に限らず、いずれの石油精製会社も、多かれ少なかれ同じような影響を受けておったかと思います。同時に、御承知のように、金融の梗塞という現象も昨年は起きて参りました。そういうようなことがいろいろからみ合いまして、丸善の資金の問題が浮かび出てきたかと思います。設備資金の不足が問題になって参りまして、その不足を何によって打開するかということから、丸善の方から、先ほど先生のお話がございましたように、従来の取引先であるアメリカのユニオン会社から資金的な援助を受けようという話が出て参ったのでございます。昨年の下期以降の問題でございます。
#37
○中川委員 どういう行政指導をしましたか。
#38
○川出政府委員 丸善株式会社は、プライベート・カンパニーでございますので、経営の内容につきましてこういうことをせよという行政指導は、特にいたしておらないのでございます。
#39
○中川委員 池田内閣が成立いたしまして、高度経済成長政策、所得倍増政策をとったわけですが、これが御案内の通り、ちょうど石橋内閣時代の一千億減税、一千億施策と同じような様相を呈した。これは私から見ますというと、日本の産業界も、自分の腹づもりは一番よくわかっておるのだから、政府が笛を吹いたからといってすぐこれに調子を合わして踊るということについては、産業界も自主的に解決しなければならぬ問題があるのですが、由来官尊民卑の日本では、政府の声がかかるというと、産業界は自分の腹づもりも考えないで、むやみやたらに設備を大きくして、そうしてしまいには困って、政府に買ってくれとか、金融措置を講じてくれというようなことを申し入れる場合がしばしばある。特に昨年中途でございましたか、金融引き締めをやり、さらにまた金融緩和をやるというようなことから、産業界は非常な打撃をこうむった。ことに一番そのしわ寄せを食ったのは、私は中小企業だと思うのでありますが、そういうようなことから、非常な国民怨嗟の的になりかけたことは、御承知の通りであります。ところが、今や金融が逼迫して参りますと、金融資本が非常に横暴になってくる。横暴というと語弊がありますれば、私は訂正するにやぶさかではございませんが、そういう傾向が現われてきておる。私は一この前の委員会で大蔵省に資料を要求したのでございますが、その資料は、最近銀行界から産業界に天下って、いわゆる大きな会社において相当の地位を占めておる、たとえば常務取締役であるとか、専務であるとかいうような地位を占めておる者がどのくらいあるかという資料を出していただきたいということを要求いたしましたところ、本日御提出願っておるのを見ますというと、これは昭和三十五年四月以降のを出してあるのでありますが、私が要求いたしましたのは、もっと前から、少なくも終戦後からの産業界に天下って現存しておる人の資料がほしかった。たとえば三十五年に入ってすぐやめた人は、必要ございません。二十五年以降に、日銀初め市中銀行から産業界に入って、現在やめておる人は必要ございませんが、少なくとも終戦直後から産業界に天下って重要なポストにいる人のリストを出していただきたいということを要求しておったのでありますが、私の要求のときの言葉が足りなかったのか存じませんが、ただいま出していただいておるのは、三十五年四月以降である。これだけを見ましても、ざっと八十人市中銀行――日銀は加わっておりません。それがみな常務取締役あるいは監査役というふうに、それぞれの会社の重要なポストを占めておる。この人たちが、事実上産業界の、日本として大きな会社でございますが、ここの支配をしておられる。そこで、ここであらためて大蔵省に要求いたしますが、ただいま申し上げますように、終戦後において、日銀を初め市中銀行から産業界に転出された方々で現存しておられる方々のリストを、次の委員会までに出していただきたいことをお願いいたします。
 大蔵省の銀行局にお尋ねいたしますが、三和銀行の原専務が丸善に乗り込んで、丸善の全企業をほとんど支配しておったのでありますが、これはいつごろから丸善に入ったのか、お尋ねしたいと思います。
#40
○大月政府委員 われわれといたしましては、個別の銀行の人事については一切関与いたしておりませんが、銀行局から提出させましたこの表によりますと、昭和三十六年十一月に三和銀行を退職いたしまして、いつであったかわかりませんが、多分間もなく丸善石油に入りまして、三十八年二月に退職したということになっております。
#41
○中川委員 その原専務は、退職後再び三和銀行に戻っておるのですか、どうですか。
#42
○大月政府委員 個別の人事については承知いたしませんが、想像でお許し願いますが、多分関係がないと思います。
#43
○中川委員 私の聞いたところによりますと、この原専務は、丸善に来ておったときには、まだ三和銀行に席を置いて来ておったというのですが、そういう事実があるのですか。
#44
○大月政府委員 もしそういうことがございますれば、銀行法によりまして大蔵省の認可を要するわけでございますが、その認可をした事実はございませんから、退職後就任しておると思います。
#45
○中川委員 これは銀行局長にお尋ねしておきますが、想像でなく、厳重に調べてみていただきたいと思います。今おっしゃる通り、そういうことが事実行なわれておったのかどうか。なお、丸善に在任中は、丸善から一切給料を取らないで、報酬は三和銀行から取っておったということを私聞いたのですが、そんなことはあり得ないと思うのですが、そういうことがもし事実であるとするならば、銀行局は一体何しておるのかということになる。お調べを願いたい。
#46
○大月政府委員 お尋ねの点はさっそく調査いたしますが、ただ給料の問題につきましては、銀行から各会社へ出向いたりします場合に、銀行で給料を支給するというような問題もございますので、この点も、事実関係としてさっそく正確に調査いたします。
#47
○中川委員 もしそういうことがあったといたしますならば、次の機会にこの問題は質問しますが、銀行法に抵触するかしないかという問題です。この問題は十分にお調べ願いたいと思います。この問題は後日に譲ります。
#48
○田中(武)委員 関連。先ほど銀行から出向いて云々ということがあったですね。出向とはどういう意味ですか。
#49
○大月政府委員 銀行の役員といたしまして、ほかの会社でございますとか、あるいは銀行でございますとかに手伝いにいく場合がございます。そういう場合の俗語として出向と申しております。
#50
○田中(武)委員 銀行に職務があって、銀行の役員をしておって、そして一方の仕事をやるというときには、許可事項になっておるのと違うんですか。
#51
○大月政府委員 銀行法の条文によりますと、条件がございまして、銀行につきましては、「常務ニ従事スル取締役又ハ支配人」でございます。それから相手の会社は「他ノ会社ノ常務ニ従事」する、こういう二つの条件がありますときに認可いたしますわけでございますから、一般の行員がほかの会社に参りますとか、あるいは平の取締役でございますとか、いろんな場合には、特に認可事項になっておらないわけでございますが、具体的にどういう事例でどうなっておるかということは、調査してみないと正確にわからないのであります。
#52
○田中(武)委員 私が言っているのは、平行員が関係の工場へ出向するということを言っておるのではないのです。一方の役員である者が一方の役員にというようなケースなんです。それで銀行局長、常務ということは、どこに書いてあるのですか、条文を教えて下さい。
#53
○大月政府委員 銀行法第十三条でございまして、条文を読み上げますと、「銀行ノ常務ニ従事スル取締役又ハ支配人が他ノ会社ノ常務ニ従事セントスルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ」とあります。
#54
○田中(武)委員 ここでいう常務とは、常務取締役を意味しておるのですか。
#55
○大月政府委員 必ずしも常務取締役ではございません。現実に常務に従事する人間でございます。
#56
○田中(武)委員 今言っているここでいう常務というのは、常務取締役とは違うのです。常にそこに従事するということなんです。そうでしょう。違いますか。これはちょっと法制局を呼んで下さい。
#57
○大月政府委員 その通りでございます。全然疑義はございません。
#58
○田中(武)委員 それなら、あなたの先ほどの答弁は間違っていますね。
#59
○大月政府委員 事実が詳細にわかりませんので、そういういろんな関係を含めまして、一切正確に調査して御報告申し上げたいと思います。
#60
○田中(武)委員 あなたは、先ほど銀行の常務が、いわゆる常務取締役が、他の会社の常務取締役以上に就任する場合のみが認可事項だ。こう言ったでしょう。それは間違いでしょう。
#61
○大月政府委員 常務取締役と申したわけではございませんで、常務に従事すると申し上げたわけでございますから、銀行法の条文通り申し上げたわけでございます。もし誤解がございましたならば、訂正申し上げます。
#62
○田中(武)委員 先ほどは、常務というのは、役員、常務取締役と言ったように思たのだ。しかし、常務ということは専従という意味であるということを確認するなら、けっこうです。その線に沿うて調査して下さい。
#63
○大月政府委員 仰せの通り、常務に従事するという意味でございます。
#64
○中川委員 今、田中委員との間に問答がありましたけれども、原信一君という人は、三和銀行においても非常に重要な、たしか専務か常務取締役じゃなかったかと思いますが、同時に丸善に行っても、事実上社長の権限を行使しておったのです。ですから、これは御存じないかもしれぬけれども、次の機会まで十分お調べを順いたい。
 それから次に、先ほど企業局長は、この問題が起こってから関与したのだということでございますが、一体この問題はどこに原因があったかということについて私の調査したところによりますと、鉱山局長は十分御存じでありますが、由来、丸善石油というものは、原油をアメリカのユニオン会社から相当取っておった。ところが、三和の系列会社である日綿実業が、ユニオンから取らなくともモービルから取れというので、多年ユニオンと競争相手であったモービル会社から原油を取り、ついては丸善の苦境を救うためにモービルに出資させようということを日綿実業は考えておった。私の伺ったところによりますと、丸善の原油をもし日綿がモービルから扱うことになりますと、年間約十億ドル――ちょっと大きいと思いますが、そのくらいのマージンが入るらしい。そういうことから、日綿実業は三和の意を受けてモービルと折衝しておる過程におきまして、丸善の前の社長の和田それがしなる者がユニオンと連絡をつけたということで、平たい言葉で申しますと、三和、日綿ともに出し抜かれてしまった。こういうことから憤慨して、和田の追い出しにがかったということなんです。いわゆる三和銀行と日綿がタイ・アップして和田の追い出しにがかったということなんですが、事実はどうですか。これは企業局長、鉱山局長、両方から御答弁願います。
#65
○川出政府委員 日綿実業とモービルの話は、私ただいま初めて伺ったわけでありまして、私が丸善石油会社から聞きましたのは、ユニオンの話だけでございます。
#66
○佐橋政府委員 私が関係いたしましたのも、ユニオンと丸善石油との関係だけでございます。
#67
○中川委員 企業局長も、鉱山局長もあなた方がこんなことを知らないわけがないのだから、月並み的に知らなかった知らなかったというように言っておりますと、ますます問題はこじれますよ。だから、知っておることは、率直に、直接あなた方はタッチされなくとも、これはこうだ、こういうことを聞いておったが、その内容に至っては詳しくは知らなかったとか何とか言うならばいいが、あなた方が、日綿がモービルと連絡しておったということを知らないというようなばかな話はないのだから、知らない、知らないということでやるならば、私は質問を打ち切って、大臣に出てきてもらって、そうして関係者を呼んでからでなければ質問を続行しませんよ。そういう態度をあなた方がとられるならば……。
#68
○佐橋政府委員 企業局は、外資の関係を担当しておるわけでありまして、ただいま私の方が説明申し上げましたのは、いわゆる丸善とユニオンとの外資提携の問題が表面に出てきてから、私のところに話が参ったわけでありまして、ただいま先生御指摘の三和と日綿、モービルという話は、私は、むしろ先生から初めてお聞きしたのでありまして、全く知らなかったわけであります。
#69
○中川委員 それならばお伺いしますが、五人委員会というのか、顧問団というのか知らないが、巷間伝えられるところによれば、これが通産大臣並びに通産省首脳部の要請に基づいてできたということであるが、一体そういう事実があったのかどうか。また、団というものは、どういう法的根拠を持っておるのか。また、顧問団の使命はどこにあったのか。こういう点については、むしろ企業局長の方がよく御存じではないかと思いますので、お伺いしたい。
#70
○佐橋政府委員 顧問団といったようなものではありませんで、この外資問題が出て参りましたときに、丸善の経理内容とか、あるいは今後の丸善の経営のあり方とかいうことは、われわれ役人ではわかりませんので、当時石油の方のオーソリティであります石油審議会の会長の植村さんに財界の方面から一つそういう点の御検討を依頼いたしたわけでございまして、顧問団といったようなものではないわけでございます。
#71
○中川委員 検討を依頼されたというのですが、検討というのはすこぶるばく然たる言葉なんですが、経営の検討というのは、具体的にはどういうことなんです。顧問団は、丸善の内容を検討するだけでよろしいのか。検討して、たとえば社長をとっかえろとか、経営陣が悪いとか、あるいは資本がこれでは貧弱であるから増資せよとか、何かあるはずだろうと思うのです。ただ検討だけではわからないのですが、その内容はどうなんです。
#72
○佐橋政府委員 内容を私の方から明示をいたしまして植村さんにお願いしたのではなくて、ただいまも申しましたように、丸善自身が経営的に非常に苦しくなって、外資に依頼をしてこられたわけでございますので、今後丸善がはたして外資が必要なのかどうか、あるいは必要だとして、その後うまくいく見通しが立つのかどうか、そういうようなことをお願いしたわけでございます。
#73
○中川委員 昨年の十月二十五日に、紀尾井町の福田屋で五人委員会並びに三和銀行の渡邊会長、上枝頭取、それに丸善の和田社長が会合したときには、あなたは立ち会っておられる。立ち会っておられて、そして顧問団側から利田に対して、われわれは福田通産大臣及び通産省首脳部の意を受けて丸善石油の再建顧問団を組織したが、ついては、丸善当局者から依頼を受けたという形にしないと筋が通らないから、この際、社長として委任状を出してくれ、こういう申し入れがあって、植村氏から、なお、佐橋企業局長に立会人として出席してもらった、こういうことを言っておる。その際に、渡辺、上枝の両氏は、即座にこのことを承知しましたけれども、和田氏は、きょうは一つおれを助けてやろうというのでここへ呼び出されたと思ったところが、どうも裏面を探ってみると、何だか自分をやめさすような状況にあるというので非常にちゅうちょしたということでございますが、和田は御案内の通り、聞くとこによりますと、関電の太田垣氏の中学校の先輩とか後輩とかいう関係で、太田垣氏が、お前に悪いようにはしないから、とにかくまかせい、こういうことで無理やりに捺印をさしたというのですが、あなたは、その際に、どういう資格で立会人として御列席になったのですか。
#74
○佐橋政府委員 ただいま申し上げましたように、通産省からは石油審議会の会長である柏村さんにお願いをいたしたわけでありまして、植村さんが五人のメンバーをはかられたということは、われわれとしては知らなかったわけでありまして、その第一回の会合があるから、役所も一ぺん顔を出してくれという話がありましたので、まさにオブザーバーの形で私出席いたしました。
#75
○中川委員 私は言葉じりをつかまえるわけではないのですが、植村さんがどういう意味で、顧問団をだれを選定されたというようなことをおっしゃらないで――あなたの方からも、やはりこういう人を顧問団にするといこうとの要請をしたのでしょう。福田通産大臣並びに通産省の首脳部の意を受けて再建顧問団を組織したということを、植村さんははっきり言っているじゃないですか。そういうでたらめなことを言わないで、正直に答弁してもらいたい。それからその際に、太田垣氏がこういうことを書いておる。誓約書――これを清書して判をつけというので、これは太田垣氏の字ですが、原稿が関西電力株式会社東京支社の便箋に書いてある。「誓約雷、このたびの弊社の再建に関しては、小生を含め弊社役員人事については一切をおまかせしますからよろしくお願いいたします、昭和三十七年十月某日、丸善石油株式会社取締役社長和田完二、丸善石油株式会社再建委員会御中」というのが書いてある。これは御存じですか、どうなんですか。
#76
○佐橋政府委員 私は、その書類は見ました。しかし、私ただいままで答弁いたしておりますが、決してでたらめを言っておるわけではございませんので、植村さんにお願いをいたしましたわけでございますが、植村さんがだれを人選なさったか、あるいは複数がいいのか、五人がいいのか、五人はだれにするというようなことは、われわれは全然関与いたしておりません。
#77
○中川委員 この次の委員会に、これはあとからいろいろ理事会で御決定いただくことだと思いますが、植村さんは、福田通産大臣並びに通産省首脳部の意を受けてこの再建顧問団というものを組織するということを言っておられる。従って、今佐橋企業局長は、どういう人を人選したか自分は知らぬということですが、おそらく私は、やはり植村氏が五人委員会、顧問団を依頼するにしても、通産省に相談しないでやるわけはないと思うのです。どちらが正しいか、次の委員会に、一つ植村氏を初めとしまして五人の委員の人を参考人として呼んでいただきたいということをお願いしておきますから、あとで理事会で御協議を願いたい。
#78
○逢澤委員長 その点についてちょっとお答え申します。
 参考人の出頭の要求の御要望等につきましては、理事会において協議の上、取りきめることにいたします。
#79
○田中(武)委員 関連して。植村さんに頼んだ、委嘱をしたということだが、それで五人委員会ができた。あるいは先ほど中川さんが言われた――僕はそんなことは全然知らないのですが、そういういずれもが法的根拠を持たない、そのことは確認できますね。
#80
○佐橋政府委員 御指摘の通り、法的な根拠は全然ありません。
#81
○中川委員 松尾さんがせっかく御出席願ったのですから、松尾さんにお尋ねいたします。
 十月二十三日午後五時から七時の間に、海運会館でユニオンのパーカー副社長を呼んで、あなたが鉱山局長、企業局長を帯同して御会見になっておることを承知しておるのですが、事実ですか。
#82
○松尾説明員 その通りでございます。
#83
○中川委員 この問題は、ユニオンから融資を、外資を導入するという問題で、銀行が保証するかしないかということの裏づけをする意味であなたはいろいろ聞かれたと思うのですが、私は、別にあなたが、ここで発言しておられるように、人を避けて――特に新聞記者がうるさいとか何とかいうことをあなたは言っておられるけれども、人を避けて話をされるべき性質の問題ではないと思うのです。堂々とやられたらよかったのです。外資を導入することはあたりまえのことで、外資委員会にかけて、そうしてはたして適正であるかどうかということをやられるのに、別にものにおじて隠れてやることをなさらなくてもいいと思うのですが、どういう意味でそういう会合を特にあなたは持たれたのですか。あなたはどういう資格でそこへ鉱山局長と企業局長を連れて出られたか、伺いたいと思います。
#84
○松尾説明員 先ほどからのお話でありますと、私の方からそういう会合を持ちたいとか、あるいは私がそういう何か会合を招集したようなお話でございますが、事実はそうではございません。これはちょうど――ちょうどというよりも、この問題に関連して、パーカー副社長が、外資の問題を促進するために日本の実情をよく聞きたいということで来朝されたと思うのでありますが、そういう時期に、丸善の会社の方から、パーカーさんがお見えになったので、日本政府のこの問題に対しての考え方等もよく聞きたい。従って、一度パーカーさんにぜひ会ってほしいという、会社側からの強い要請があったのであります。それに基づきまして、私の方で――資格というお話でありましたが、それは通産省の次官、局長の資格でお目にかかったのであります。
 場所について、特に人目を避けてというお話でありますが、そう特別の意味があったわけではございませんけれども、御承知のように、丸善の外資導入の問題は、当時、丸善の経理内容その他とも関連して非常に注目されておったと思います。また、その外資について、それが導入がうまくいくのかどうか、また、その条件がどうかというような点は、非常に各方面で注目されておったと思うのでありますが、その問題の検討の途中におきまして、新聞等にあまりいろいろなことが出ることは、私は避けた方が行政の運営上いいと思いました。従いまして、パーカーさんとお目にかかる際に、海運倶楽部の部屋をとって、そこでお会いすれば――かりにパーカーさんとお目にかかっていろいろお話をしたということが、それだけが一般にわかりますと、どうしてもやはり、新聞に、何を聞いたか、どういう話をしたかということを問い詰められることになりますので、そういう際に、まさかうそを言うわけには参りません。従って、やはり会うこと自体があまり知れない方がいいという態度で、海運倶楽部でお会いしたのであります。
#85
○中川委員 ちょっと私が調べたところと違うのですが、あなたは向こうの要求でとおっしゃるのですが、あなたがこの会談でまず口火を切って、こういうことを言っておられる。「先づお詫びしたいのは、非常にむさくるしい所にしかも固い椅子に坐って話をしなければならない様な所に御出席願った事をお詫びする。」これは本庁事務所では新聞社の記者の目を避けるのが非常に困難であるからである。此の点よろしく御了承順いたい。これを見ると、あなたが何か御招待なさったようなごあいさつのように承る。それから内容を見ますと、あなたがパーカーさんに質問しておられる内容、これは実に私は、こういう企業を経営しておる者として、こんなばかげたことがあるのかと、これは速記ですが、これを読んで実に日本人として、正直言って恥ずかしくなったのです。どういうことを言っておられるかと言うと、その条件の一つに、株式収得を、議決権のない株式を持ってくれないか、それから議決権を第三者に委任するよう指定した株式でできないだろうか、これはまああり得ることです。それからユニオンの収得した株式を丸善がいつでも買い戻すことができるという条件をつけておる。このあとの二点はいいですが、お前の方が持つのは議決権のない株式にしてくれぬか、こういうばかげたことが、普通の常識であり得るかどうか。また、それに対してパーカーさんがこういうことを言っておる。「米国の実業家の間でラクダの背骨を折った藁と云う言葉があるのを御存知か?」――あなたはよく知っておられるでしょう。こういうことを言うたでしょう。「一体日本政府は困っている日本の石油業界及び丸善を救いたいという意欲があるのかと疑う人間も出てくる始末だ。幸いにして今迄は各種の条件を受入れてきたが、今申された様な事が条件として提出されると、之が私が云ったラクダの背骨を折った藁にもなりかねず、今迄の若心も水泡に帰すかもしれない。従って若しこの二つの点を両方共かなえなければならないのか、或いは何方か一方でよいか、又実際に条件としてお話しになったのか、判然として頂きたい。」ということを言っておる。一体通産省が外資委員会の席上参考になるというのでお聞きになったことはいいのですけれども、その企業の内容にどの程度立ち入ってそういうことを干渉する資格があるかどうかということです。たとえば、純然たる民間企業と、政府が出資しておる企業とは違うと思う。純然たる民同事業の経営人事にまで立ち入って、通産省がそういうことをする資格があるかどうか。
 これといま一つ、十月二十二日午前十一時から午後一時の間、オークラ・ホテルのパーカーさんの部屋で、三和銀行の上枝頭取と村野専務、これが話をしておるのを見ましても、結局通産省としては、現在の丸善の和田を追い出さなければだめだという観点に立って進められておると思う。たとえば十月二十二日のオークラ・ホテルにおけるパーカーさんの部屋の会合で、上枝頭取がまっ先に言っておることは、「通産省としては現在までに丸善及び丸善の和田社長よりなされた説明を通じて金融引締め及び丸善の経営陣の不備によって丸善が現在の苦塩に陥っている事はよく了承している。」ということを上枝氏が言っておる。ですから、通産省と十分にそういう点を打ち合わせて、和田を追い出さなければだめだという根拠に基づいて、こういう会合をあなたもお持ちになったんじゃないかと思う。同時に、これは全部一々読んでおるいとまがありませんから読みませんが、これを全部読んでみますと、明らかにそういうことが出ておるのです。一体通産省は、経営人事にまで立ち入ってそういうことをやる権能があるのかどうか。この点をあなたから伺ってみたいのです。
#86
○松尾説明員 今の御質問の最後の点は、明らかにそういうことはありません。また、そういうつもりも持っておりません。
 それから御質問の初めに戻りまして、私が最初にあいさつの中でこう言うたじゃないかという点は、私も、その言葉の通りには覚えておりませんけれども、海運倶楽部の部屋は非常に狭い部屋でありまして、そのいすもこういういすよりもっとかたいいすであったと記憶しております。そういうところでアメリカの一流会社の副社長と会見しました事情は、先ほどお話した通りでありますけれども、かりに会社が――おそらくパーカーさんも、政府の私どもに会いたいというお気持だったでありましょうけれども、それにしても場所があまり狭く、いすもかたいところでありましたので、そういう意味の普通の儀礼的なあいさつをしたという以上には何もない。動機は先ほど申しましたように、あくまで会社側からの御要望で、とにかく日本の政府側がどういうことを考えておるかを聞きたいということでありましたので、私の方も、パーカーさんのお考えも聞いておきたいということでお会いをしたのでありまして、決して特別な意味があったわけでは毛頭ございません。
 それから今の会見の内容につきまして、確かに私の言葉がやや乱暴であったような意味で、一流会社の副社長に失礼なことを申し上げたかもしれませんが、私もそのときに記憶しておまりすが、きょうの話は、なるべく時間を節約する意味で率直に御質問をいたしますから、もしお気にさわるようがことがあったら御容赦下さいということを、私は確かにあいさつの中で、初めのころに申したと思います。それからもう一つはこれから私がいろいろお尋ねしたい点はありますけれども、それはいずれも日本政府がある案を持って、それを提案するという意味では決してございません、あくまでこの際お聞きしておきたいという点を質問する意味であります、ということも、私はっきりお断わりしたことを記憶いたしております。もし何か記録でもございましたら、そう書いてあるはずであります。
#87
○中川委員 今松尾さんのお話を伺いますと、そういう民間会社の人事に干渉する資格がないということなんですが、上枝氏ははっきりこういうことを言っているのですが、どうなんですか。これはパーカーさんにホテル・オークラで会ったときに、「従って、通産省としては和田社長をも含めて経営陣、すなわち人事の刷新が必要と見ており、さらには日本の財界、実業界の指導者数名による刷新委員会を組織して、丸善の経営に対する助言指導を行なうことを考えている。また今回の外資導入に関して、この点から考えて丸善が将来安定した会社になるというのが最大の条件で、そのためにはユニオンによる経営不参加、また丸善がユニオンより譲渡した株を買い戻す権利を保有する等の条件も考えている。こういった点に関し、通産省は、私にもユニオン側の意見を直接三和として聞いてみてくれとの意向であった。」そういうことをお頼みになったのですか。今あなたのお話を伺うと、そういう人事に関与することは越権だというような御答弁ですから、もしそうだとすれば、それとこれと違うと思うのですが、どうですか。
#88
○松尾説明員 外資の導入に際しましては、その外資導入後に、やはり導入した日本の会社経営がうまくいくということが望ましいことは当然であろうと思いますが、そういう意味で、外資導入をかりにある条件のもとに認めるといたしますれば、その導入後の会社経営がうまくいくことを通産省が切望するのは当然であろうと思います。そういう意味のことでございますが、ただ、この場合に、通産省がみずから会社経営の内容についていろいろこうやれ、ああやれと言うことはできませんし、まして人事のことについてどうこう言うことは絶対ございません。そういう点は、先ほど申しましたように、やはり業界といいますか、産業界の経営に堪能な人から、丸善にしかるべくアドバイスと申しますか、そういうことを言ってもらうという意味で、先ほど企業局長から御答弁申し上げましたように、植村さんにお願いをしたということ以外には、何も特別なことはいたしておりません。
#89
○中川委員 和田を引っ込めよとかどうとかという具体的なことをあなたが言う資格もなく、言っておらないとおっしゃるのですが、村野はこういうことを言っているのです。和田社長初め経営陣首脳部が大きく改変されるという条件でなければ、お前のところへ金を貸すと言っても、通産省は貸さないと言っておるんだ、外資委員会にかけてだめだということを言っておるが、そういうことをお前知っておるのかと、村野専務はパーカーさんに言っておるのです。ですから、これで見ますと、まるで通産省と三和銀行が共謀して和田を追い出したという状況になっておる。そこまて通産省が――法的根拠もない再建顧問団などというものを、植村さんが勝手につくったと言われればそれまでだけれども、植村さんが勝手につくるわけではないのです。やはりあなた方と相談してつくったのです。あなた方は勝手につくった、石油審議会の会長をしておるから、植村に頼んでおいたのだ、それであれが勝手に入選をしたのだとおっしゃるけれども、やはりそうじゃないでしょう。私の言うのは、そういう企業の立場に立ち、通産省というものは、大蔵省からいろいろ金融引き締めだとか金融資本の圧迫があるのを排除しつつ、産業経済を育てていかなければならぬ責任がある。それを金融資本と一緒になって産業界をいじめるということをしたのでは、産業界は立つすべがないじゃないかということを私は言いたいのです、一体通走者は何をしておるのか。私は、和田という男は知らない。どんな顔をしているのか見たことがない。いくじがないやつだと思います。とにかく和田とか何とかという問題ではなく、丸善石油というものは、今日まで日本の民族資本の一つとして、鉱山局長も御存じだと思うのですが、国際資本の激しい石油業界の中にあって、民族資本として今日まで育ってきたのです。それを育て上げなければならぬのは、通産省としての義務ではないか。それを金融機関と一緒になって、言葉は悪いかもしれぬが、共謀して、和田という者の追い出しをはかったように見受けられるのです。たくさんあるけれども、一々読んでいるひまがありませんから読みませんけれども、やはりパーカーさんは偉いと思うのです。常識を持っておると思うのは、和田社長にぜひ留任してほしいと思っておる。この際「ユニオンとしては、和田社長にぜひ留任してほしいと思っている。最悪の場合でも、改組された新経営陣と親しくなるまででも、和田社長が留任して下さればよいと考えている。」ということをパーカーさんは言っておる。私は当然じゃないかと思う。私は、太田垣氏に電話して、こういうことを言ってやった。あなたは和田さんと中学校の後輩とか先輩とかえらい友情を発露しておるが、私は和田という人がどういう人か知らない。しかし、いずれにしても、それならば、せっかくアメリカに不自由なからだを引きずって二回も三回も行って、ユニオンとの間に外資の問題を取りつけたというけれども、その問題を成就させてからやめさせたらいい。あなた方の間には仁義というものがないのか、と太田垣氏に言ってやったことがあるが、私は、そこらに通産省のとられた態度に疑わしい点があると思う。特に佐橋局長が立ち会った福田家の会合においては、五人委員会の上に、さらに金を貸しておるところの銀行の会長、頭取を呼んで、そしてまるで人民裁判みたいなことをやっておる。そのときの状況を聞くと、そこへ刀こそ持っておらぬが、佐橋局長が抜刀してとにかく立ち会っておる。言うことを聞かなければ切るぞ、権力を持って立ち上がっておる。こういうことが今日許されるかどうかということなんだ。僕は、佐橋企業局長として、日本の企業を育成するという意味からいって、和田がだめであるならばやめさす時期がある、タイミングの問題があると思う。そういうことをいきなりやられて、はたして通産省は通産省の使命をこれで達成し得たと思うのかどうか・これは一つ政務次官から御答弁願いたい。
#90
○廣瀬(正)政府委員 通産省が民間の企業の人事に容啄しないということは、先刻来企業局長、事務次官からお答えした通りでありまして、丸善の問題にいたしましても、和田前社長の処分につきましては、何ら干渉がましいことは申していないわけでございます。
 そこで先刻来たびたび御発言のございました委員会の問題でございますがそれにいたしましても、丸善について外資を導入する。導入するということになれば、それを最も有効に使いまして、民族資本を守っていっております丸善の再建がりっぱにできなければならないということで、そのような可能性があるかどうか、そしてまたどういう運営をすればそういうところに持っていけるかということについて、石油審議会の会長であり、石油政策の権威者であります植村さんに御相談いたしました。植村さんは、法的根拠に基づいておりません、御自分のお考えから相談相手をつくったということになっておりますので、通産省といたしましは、産業の育成強化ということにつきましては、十分の責任を持ち、配慮いたしておりますが、丸善の人事の問題につきましては、通産省の方針通り、何ら関与いたしていないわけであります。
#91
○中川委員 パーカーさんの言っておることを速記からみますと、日本の政府、日本の銀行は、丸善の将来に非常な関心を払っておられるらしいが、こういった方々が丸善のために保証しないというのは非常におかしいので、和田が丸善におる限りは銀行が保証しないというのですが、銀行局長、どうなんですか、そういうことがあったのですか。
#92
○大月政府委員 個別の問題については一切介入をいたしておりません。
#93
○中川委員 今、政務次官おっしゃったけれども、政府次官としては当然のことだと思う。そういうことは、私が政務次官であってもそう言うだろうと思う。それなら聞きますが、一体再建顧問団が入って丸善はうまくいっていると思いますか。丸善にどういう混乱状態を起こしておるかということを御存じですか。当面の責任者は企業局長なんですが、どうですか。
#94
○佐橋政府委員 丸善問題は、その後どうなっておるかということは私は詳しく知りませんが、まだこれは外資の問題も最終的に解決がついておりませんので、そういう面で丸善が現在どうなっておるかということは、私まだ承知いたしておりません。それで、先ほどの質問にちょっとからみますが、私、福田家に出ましたのは、私ちょっとおくれて参りましたが、先生のお言葉にありますが、決して抜刀したようなだとか、人民裁判だとかいうような雰囲気は、全然ありません。ただ、私たちは初顔合わせでございましたので、顔を出した。それから役所が植村さんに依頼いたしたといたしましても、植村さんが事実丸善にお話をされるときに、役所から話があったからということで丸善にものは言えないわけでありまして、そういうことを丸善が口を出していただいてけっこうだという了解を取りつけになったというふうにも私は感じておるわけでありますが、私が入って参りましてからのは、全くの初顔合わせで、具体的な話はあまり出ませんので、きわめて友好な雰囲気であったと私は感じております。
#95
○中川委員 それは受ける方の感じですから、あなたはそういう気持であったかもしれぬが、片一方はびりびりおびえておるのです、切られる方は。そこへあなたが入っていって、きわめて友好的だ――それは酒を飲めば友好的になるかもしれぬが、そんなことは児戯にひとしいことですよ。だから、切られる方は、人民裁判ですよ。今まで長年育ててきた自分の会社が、食うか食われるかという羽目に陥っている。それをきわめて友好的であった。あなた自身は友好的であったかもしれないが、向こうはそう受けないかもしれない。そうでしょう。
 それから、あなたは丸善のその後の内容がどういつでいるか知らぬ、そんな無責任な話がありますか。あなたが中心になってこの問題をやっていらっしゃるのじゃないですか。最初から立ち会っておる。丸善がその後どうなったかくらいのことは、大いに関心を持って、そうして常に注視しておって、そうして行政指導をやるのが、あなたの責任じゃないですか。どうなったか知らぬなんて、そんなばかな話がありますか。融資の話がどうなった、こうなったの問題は別として、内紛でがたがたですよ。社長がかわって、経営陣がかわったというので、大へんな問題を起こしておる。あなた方はせっかくそういう努力をして丸善をよくしようとしたことが、逆の効果を来たしておる。こういうことが、産業界ではある。経営者がかわりますと、今までの人的な配置というものが非常に微妙なんだから、そういうことがあるのです。あなた方何の気なしにそういうことをやっておる、社長だけとっかえれば会社の経営がうまくいくようにお考えかしらないが、そうじゃないですよ。社長がかわると、それに系列の人事がいろいろ行なわれる。そういうことになりますと、会社というものは、企業体では人事の問題が一番がんなんだから。だから、その後どうなっておるか知らぬというような、そういう無責任なことをおっしゃらないで、あなた、仲人でしょう。仲人で立ち会ったというのなら、仲人は最後まで責任を持たなければならない。おれは仲人だけども、あとはどうなっても知らぬというような、そんな無責任なことは、あなた方それが常識か知らぬが、われわれの頭ではそういうことは許されない。最後までやはり見て注意してやりたい。
 それから銀行局にお尋ねしますが、一体三和銀行というものに対して、銀行局長はどういう態度をとっておられるのか、私お伺いしたいと思うのですが、おかしなもので、今、丸善が大阪に所有しておる社屋ですね。この社屋は、丸永という会社がかって持っておった時価五、六億の社屋です。それに三和銀行が二十三億金を貸しておった。そうして不良貸付で三和の渡辺、上枝という人が責任をとらなければならないという羽目に立ち至った。これは不良貸付です。五、六億のものに二十三億貸しておる。ですから、責任をとらなければならないという立場に立ち至ったとき、たまたま丸善石油がぐうっと大きく伸びてきたので、当時の渡辺頭取は和田に泣きついて、その五、六億のものを二十三億で買わしておる。そのときに、おれを助けてくれ、助けてくれと言って助けてもらったのが、今度は追い出しにかかっておる。のど元過ぎれば熱さを忘れるで、そういうことの不良貸付をやっておる。それから渡辺頭取がやめなければならなくなった、頭取の地位をやめなければならなくなった理由は、あなた方の方ではお調べだと思うのです。これは大阪と京都の間にある茨木ゴルフ場ですか、あのゴルフ場のときの不正の問題、農地法違反の問題、これで渡辺頭取はやめなければならなくなったわけです。
 それからさらに最近、こういう問題がある。東京日本橋の本町にエンパイヤ・ビルというちっぽけなビルがある。このビルを中心にしてその近所を買収して、三和銀行がビルディング一つ建てる。三階以上は東京都の医師会に使ってくれ、そのかわり、東京都医師会が扱っておる国民健康保険の金を一つ全部三和で取り扱わせてくれないか、こういう申し出があったので、東京都の医師会はこれを真に受けてよく調査したところが、土地も一つも買収していないし、建築の設計図もできていなかった。それで東京都の医師会は、非常に激高しておるのですよ。都合によっては次に参考人に呼びますが、そういう事実がある。三和銀行はそういう不良貸付をやったことがあるし、特に丸善に対して、百七十億か三百億か知らないが貸しておるというのですが、非常にそういう莫大な金を貸したために、三和銀行が経営が非常に危うくなったというので、和田を責めておるようですが、そういう自分自体が危うくなるような金を貸すということは、不良貸付ではないかと思うのです。そういう点について、大蔵省の銀行局は、常時各銀行に対してどういう行政指導をやっておるのか。また、そういうことは、一体どういう方法をもって調査をしておられるか。一つ伺いたい。
#96
○大月政府委員 それぞれ個別の事件でございますので、ただいまのところ、私といたしましては正確なお答えはいたしかねるわけでございますが、基本的な考え方といたしましては、銀行監督の基本方針といたしまして、預金者の保護ということを第一義といたしておるわけであります。従いまして、その裏といたしましては、貸し出しが健全であるということを常に要請いたしておるわけでありまして、われわれの監督も、第二義的に――第二義と申しますか、預金者保護の裏といたしまして、貸し出しの健全性を常に堅持をいたしておる。そういう意味におきまして、丸善に対する貸し出しにつきましては、検査のつど警告を発しておりまして、少なくとも内容が健全であるかどうかということを離れまして、一つの取引先に対しまして巨額な貸し出しをするということは、不適当である。従って、この貸し出しについては、厳重に管理するとともに、できるだけ減らしていくようにという指導を常時いたしておったわけでございまして、現在におきましても、そういう方針をとっておるわけでございます。具体的に、丸永の建物の問題でございますとか、あるいは茨木ゴルフ場の問題、あるいはエンバイヤ・ビルの問題、これは直接銀行行政に関係ありませんので承知いたしませんが、丸永に対する貸し出しがはたしてどういう状況になっておったかということは、われわれの仕事に関係いたしますので、詳細に調べて、また、機会をあらためて御報告申し上げたいと思います。
#97
○中川委員 この点は、よく一つ銀行局で御調査願いたいと思うのです。どうも三和のやっていることは、ちょっとでたらめな点が多いのではないかというふうに感じられるのです。
 それから、公正取引委員長が来ておられるので、先ほど来どうも御迷惑ですが、あなたは、承りますと、長年お勤めになって、今度は御勇退になるということでありますので、私は、そう質問というのじゃないのですが、先ほど来から私が伺っておる点ですね、これは厳密に言えば、私は別に独禁法に違反するとは思いませんよ。今、政府からの御答弁をいろいろ聞きますと、また、私が聞いておるのは、厳密に言えば独禁法に違反するとは思いませんが、しかし、少なくとも独禁法の精神はちょっとゆがめられているのじゃないかというような気がするのですが、あなたは委員長としてどうなんですか。
#98
○佐藤(基)政府委員 独禁法の問題といたしましては、考えられるのはいわゆる不公正取引の問題でございますが、これはあまり大してはありませんけれども、金融機関が事業会社に融資することに関連いたしまして、融資を受ける会社の役員を指名しまして、それを必ず守る、そういう条件で金を貸すとか、あるいはまた銀行の優越した地位を利用しまして、正常な商慣習に反しまして、融資を受ける会社に不利益になるような取引をする、そういうことを不公正取引として禁止しておるわけであります。そういう問題に関連するわけでございます。具体的の問題を今伺っただけでは結論は出せませんが、多少そういうにおいがするのじゃないかということを、先ほどちょっと感じたのです。
#99
○中川委員 きょうは大臣が見えておりませんから、私は、この程度にしておきますが、先ほど私から要求いたしました問題、この理事会に諮っていただきたい。五人委員会と、それから前の丸善の社長の和田、それから三和銀行の渡辺会長、それから現在の頭取、これを一つ参考人として次の委員会に御出席をいただくように、一つ理事会で御協議を願いたいと思います。
#100
○逢澤委員長 相談いたします。
#101
○田中(武)委員 ちょっと資料をお願いしたいのですが、これは法律的に出せ、こう言えるものではないと思います。だがしかし、これは公表して差しつかえないものでございます。もしいやだといっても、登記所へ行けばわかる問題でありますから、取り寄せていただきたいと思います。三和銀行の定款、丸善石油の定款、それからことしの二月二十六日の丸善石油の総合の議事録、つまり商法二百四十四条による議事録、これは出せという法律的根拠はないかもしれません。しかし出さないというならば、これは全部登記所へ行けばわかるわけでありまして、秘密のものではありませんから……。
#102
○大月政府委員 三和銀行の定款は提出いたすようにいたします。
 それから最初にお話のございました各銀行から戦後会社に行った事例と申しますのは、古い問題でございますし、範囲が広うございますので、あるいは次の委員会には間に合わないかもしれませんが、その時間的の問題は御了承願います。これは調製して提出いたすことにいたします。
#103
○田中(武)委員 それから他の会社へ出ていった場合に、銀行との関係はどうなっているか、それを一つ調べて下さい。
#104
○大月政府委員 この銀行役員から産業界へ転出した人事につきましては、
 一切縁が切れておるはずがございます。
#105
○田中(武)委員 そういう計い方をするなら、あなたは断言しますか。
#106
○大月政府委員 建前といたしまして、われわれが認可いたしておる問題でございますから、ないはずでございます。ただ、法律的にわれわれに黙ってやっておるという例がございましたら、これはやむを得ないと思いますけれども、少なくとも第一表の銀行役員から産業界に転出した人員という問題は、やめていったという意味でございますから、ないわけでございます。
 それからもう一つ、銀行役員の産業界へ兼職したというのは、これは兼職ということで調査いたしておりますから、全部兼職という関係になるわけでございます。
#107
○田中(武)委員 一応やめた形式をとっておるかもしれぬが、やめるとまた元へ戻るというような格好で、復職になるような格好になっております。この表の中で、実は私の出身の会社があるのです。だから、あまりあなたは大きなことを言えないのです。それでは三和はわかった。丸善の方はどうだ。定款は取り寄せるか。
#108
○川出政府委員 提出いたしたいと思います。
#109
○田中(武)委員 それでは丸善の総会の議事録、これは商法の二百四十四条によってつくらなければならぬことになっています。これは登記のときには添付書類になっておるはずですし、非公開ではないのですから……。
#110
○逢澤委員長 本日はこの程度にとどめ、次回は明後八日、金曜日、午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することといたし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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