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1962/06/07 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 社会労働委員会 第41号
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1962/06/07 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 社会労働委員会 第41号

#1
第043回国会 社会労働委員会 第41号
昭和三十八年六月七日(金曜日)
    午後三時五十九分開議
 出席委員
   委員長 秋田 大助君
   理事 小沢 辰男君 理事 齋藤 邦吉君
   理事 澁谷 直藏君 理事 柳谷清三郎君
   理事 大原  亨君 理事 河野  正君
   理事 八木 一男君
      伊藤宗一郎君    浦野 幸男君
      亀岡 高夫君    久保田円次君
      久保田藤麿君    田澤 吉郎君
      田中 正巳君    中野 四郎君
      早川  崇君    松山千惠子君
      森田重次郎君    米山 恒治君
      淺沼 享子君    五島虎 雄君
      田邊  誠君    滝井 義高君
      楢崎弥之助君    吉村 吉雄君
      井堀 繁男君    本島百合子君
 出席国務大臣
        労 働 大 臣 大橋 武夫君
 出席政府委員
        労働事務官
        (職業安定局
        長)      三治 重信君
 委員外の出席者
        専  門  員 安中 忠雄君
    ―――――――――――――
六月七日
 委員早川崇君辞任につき、その補欠として竹山
 祐太郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員竹山祐太郎君、辞任につき、その補欠とし
 て早川崇君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
六月六日
 戦傷病者特別援護法案(小沢辰男君外四十名提
 出、衆法第四三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 職業安定法及び緊急失業対策法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出第八九号)
 政府に対する不正手段による支払請求の防止等
 に関する法律を廃止する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出第一五九号)
     ――――◇―――――
#2
○秋田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出の職業安定法及び緊急失業対策法の一部を改正する法律案、及び政府に対する不正手段による支払請求の防止等に関する法律を廃止する法律の一部を改正する法律案の両案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。澁谷直藏君。
#3
○澁谷委員 私は、職業安定法及び緊急失業対策法の一部を改正する法律案に対しまして、若干の質疑を行ないたいと思います。
 審議に入る前に、本法律案は去る二月二十三日に本委員会に付託になったのでありますが、中に統一地方選挙という事態があったのではございますけれども、約百日以上本委員会において付託されたままで審議に入れなかったという事態につきましては、本法律案に対する全国民の期待が非常に大きいわけでございまして、私どもは、付託された責任の重大さを考うるときに、まことに遺憾な事態であったと言わざるを得ないのでございます。
 そこで内容に入りたいと思いますが、言うまでもなく、近代福祉国家の建設を考えました場合に、その障害となるものの主要なるものを考えてまいりますと、まず第一には、人間の生命、健康に対する障害であるところの疾病でございます。第二番目の障害は失業でございます。第三番目の障害は、これは全般にわたる問題でございますが、いわゆる貧困の問題でございます。この疾病、失業、貧困という三大障害を克服いたしまして、国民が健康でそれぞれの個性、能力を十分に発揮できる職場、雇用を確保し、そうして豊かな生活水準が確保されるような社会、これが私どもの考える近代福祉国家の中核をなすものであろうと思うのでございます。かように考えてまいりますと、いわゆる完全雇用の実現というものは、近代福祉国家の中核をなす問題であるといわなければなりません。われわれはかような観点に立って、一日もすみやかに日本の社会から失業の状態というものを解消したい、そのような方向に向かって、国をあげてあらゆる施策を進めてまいらなければならぬと考えるものでございます。
 今回提案されました職業安定法及び緊急失業対策法の改正は、まさに私がただいま申し上げたような考え方の上に立ちまして、この近代社会の大きな障害であります失業の克服、解消に向かって大きく前進する法律案であると私は考えるものでございます。ところが、このような法律案に対しまして、二つの反対論が強力に展開されておりますことも御承知のとおりでございまして、一つは、条件を一切抜きにしての絶対改正反対論という考え方が強力に主張されておるのでございます。それは文句なしの現状肯定論でございまして、私はこのような考え方に対しましては、まことに理解に苦しむと言わざるを得ないのでございます。失業の実態というものは、いわゆる健康なる人間社会に対する大きな脅威であることは言うまでもございません。特に昭和二十四年以来実施されてまいりましたわが国の失業対策事業が、その長い年月を重ねるうちに、いわゆる慢性的な状態に固定化してまいりまして、新聞あるいはその他の雑誌等を見ますと、わが国のこの失業対策事業に働く人々の状態は、人生の吹きだまり的な状態であるということがしばしば報ぜられておるのでございます。いわゆるこの社会に固定化してまいりますと、明日の人生に対する希望というものが失われていく。強力に立ち上がらんとする気力がだんだんと薄くなってまいるわけでございます。無気力、不健康な状態にだんだんとおちいっていく。つまり行きつくところは人生の敗残者的な意識が次第に濃厚になってまいりまして、とうとう人間性というものが逐次そこなわれていく。これがいわゆる失業の慢性的な状態でございまして、私は人間のしあわせというものを考える立場から、このような不幸な人生の吹だきまり的な失業状態というものを一日も早く解消しなくちゃならぬ、その方向に向かって真剣に努力することこそが、われわれ政治家に課せられた厳粛なる責任であると私は考えるのでございます。したがいまして、今回の法律案に対する無条件の反対論というものに対しましては、私は断固として反対せざるを得ないものでございます。
 そこで次に、今回の法律案の必要性について、この反対論と対比する立場において、私は若干、私の意見を申し上げてみたいと思うのでございます。
 現在の緊急失業対策法が制定されましたのは昭和二十四年でございまして、当時、日本が戦争の傷あともいえず、経済の力もきわめて弱かった、そういったインフレの進行しておる状態の中において、アメリカから参りましたドッジが、敗戦の日本経済の立て直しをはかるために、例のドッジ・プランを強行をしたのが昭和二十四年でございます。このドッジ・プランの強行によって日本のインフレーションの進行が急激に阻止されて、その影響といたしまして相当の失業者が発生することが予想された。そういった状態に対処するための一つの大きな支柱として、緊急失業対策法が制定をされ、実施をされたのでございます。自来、この緊急失業対策法は、ほとんど修正されることなしに現在に至っておるのでございますが、この間約十三、四年の長い年月が流れておりまして、言うまでもなくわが国の経済、したがって雇用、失業情勢というものは、昭和二十四年の当時から比較をいたしますと、これは根本的とも言って差しつかえない程度の大きな変革を来たしておることは、御承知のとおりでございます。私は、この十数年間におけるわが国の経済力の変化、雇用状態の大幅な改善、こういう条件のもとに、緊急失業対策法の改正をする条件が漸次整備され、成熟をしてきたと考えるものでございます。
 そこで私はお伺いをいたしたいと思うのでございます。これは大ざっぱな御答弁でけっこうでございますが、昭和二十四年当時から昭和三十七年までの間に、国民総生産の伸びに伴いまして、わが国の雇用量がどの程度拡大をいたしておるか。さらには、安定所における求人、求職の殺到率の変化というものも相当顕著に出ておるはずでございますが、その辺の数字的な指標はどうなっておるか。さらにもう一点といたしまして、最近は技能者の不足ということが非常に大きく叫ばれておるが、その不足の状況は一体どうなのかという点につきまして、ひとつ御答弁を願いたいと思います。
#4
○三治政府委員 まず雇用、失業の関係につきまして、常用雇用の指標を見ますと、三十年を一〇〇といたしまして三十七年では一八三・五、したがいまして、二十四年当時から見ますと、おそらく倍程度の常用雇用の伸びでございます。一般の安定所の窓口の状況を見ますと、二十四、五年の場合におきましては、求人と求職者の比率が求人一に対して求職者が四人という、約四倍になっておりますが、昨年来におきましては、これが求人一に対して求職一、ほとんど一対一まで改善されておるわけでございます。失業保険の状況につきましても、当時の状況は、このドッジ・プランによりまして失業保険の受給率は六・三%になっておるわけでありますが、それが逐次雇用の拡大に伴いまして、最近の三十六年では二・六、昨年の景気調整の場合におきましても三・四、五%というふうに改善されてきております。
#5
○澁谷委員 ただいまの御答弁を伺って、いよいよはっきりしてまいるのでございますが、一番端的に雇用、失業状態があらわれますのは、言うまでもなく職業安定所における窓口の状態でございます。ただいま伺いますと、最近におきましては、大体求人求職の比率が一対一である、昭和二十四年当時は求人一に対して求職が四倍、こういった状態から比較をいたしますと、まさにこれは隔世の感があるような雇用状態の改善が実現されておるわけでございます。このような点を考えてまいりますと、私は長い間の懸案でございました現行失業対策事業というものに対して、大幅な改善を加える条件は熟してきておる、かように判断するのが妥当かと思うのでございます。
 そこで次に、しからば現行の失業対策制度というものが、どのような点において改善を加える必要があるかという点について、若干私見を申し上げて御答弁をいただきたいと思うのでございます。
 私の入手いたしました資料によりますと、まず第一に、この失業対策事業に働く就労者の年齢別構成を見ますと、昭和三十六年度におきまして男が五七・五%、女子が四二・五%でありまして、大体男女がほとんど同じ程度の比率に高まっておる。それから失対就労者の年齢の状況を見ますと、これは昭和三十六年の数字でございますが、女子の平均年齢が四十六・七歳、男子が五十一・二歳男女合計した平均年齢が四十九・四歳でございますから大体五十歳非常に高い年齢の構成を示しておるのでございます。それから失対事業に働いてから、一体どの程度の期間を経ておるかという点を見ますと、昭和三十六年の調べでございますけれども、五年から十年以上失対事業に継続して働いておる人の比率が三八%、十年以上引き続いて就労している人々の数が約二〇%、両者合わせますと実に五八%という、圧倒的な比率を示しておるのでございます。この状態は、失対事業に働く就労者が、失対事業から脱却をいたしまして民間の正常なる雇用に就職する、いわゆる転職希望率が非常に減退をしておるということを端的に示しておるわけでございまして、私の数字によりますと、昭和三十年当時転職希望率が五一%であったものが、昭和三十六年におきましては、それの約半分の二六%に減退をしておるということを統計が示しておるのでございます。かように考えてまいりますと、現在この失業対策事業に働く人々の年齢別あるいは就職希望率、そういった現状から見て、現行の失業対策事業というものに対しまして何らかのメスを加えなければならぬ時期が来ておるということが、私は結論として出てまいるかと思うのでございます。特に注目しなければならないのは、転職希望率が大幅に減退をしてきたということは、本来の失業対策事業の機能がもうほとんど喪失されておる、正常なる雇用につくまでの足がかりとして予定されておりますところの失業対策事業が、むしろ本来の職業としてその性格が変わってきておるということがいわれるのでございまして、ここに昭和二十四年、失対法を制定したときの立法の目標とするところ、立法の精神というものと現実が大きくかけ離れてしまったということを私は指摘できると思うのでございます。こういったような状態から、当然現行失対制度のいろいろな欠陥が出てまいっておるわけでございまして、これを総括的に申しますと一つは、ただいま申し上げました再就職意欲が大幅に減退をし、その意欲が喪失されておるという点が一つ。第二番目は、したがって労働意欲というものが減退をしてきて、働く意欲のない人々のむしろ沈でん池と化してしまっておるという現実でございます。さらに、そういったものの関連から必然的に出てまいるのでございますが、就労秩序がきわめて紊乱をいたしておる。これは後ほど法律案の個別の質問の際にも申し上げたいと思うのでございますが、就労秩序というものが非常に紊乱をいたしておる。これが一般の国民大衆から、現行の失対制度というものに対して非常にきびしい、鋭い批判が加えられるところの一番大きな根拠となっておるのでございます。さらには、盆暮れの手当増額運動をめぐりまして、全国的に非常に暴力事犯の発生というものが見られるのでございまして、これまたわれわれといたしましては、見のがすことのできない一つの重大なる社会事象であろうと考えるのでございます。
 それからもう一つの失対事業の欠陥といたしまして、現行の失対事業種目というものが、画一的に屋外の土木事業に限定されておるという点であります。先ほど統計の数字をあげて申しましたように、年齢別構成からいいましても、平均年齢が約五十歳程度、男女別の比率が大体半々になっておる、こういったような構成を示す失対事業の労務者に対しまして、失対事業の種目としては、画一的に屋外の土木事業一本しかやらないということから、そこにいろいろな欠陥があらわれてくるのは当然でございます。
 以上申し上げたような現行失対事業の欠陥というものをあげてまいりましても、このままでこの失対制度というものを放任するということは これは当然政府の怠慢であり、その政府の怠慢を許しておるところのわれわれ政治家の怠慢と言わなければならぬと私は考えるのでございます。これは決して私一人が独善的にそういうことを申し上げておるのでないということを、以下私は申し上げたい。いろいろな世論の動向は、一体われわれの考え方に対してどのような反応を示しておるかという点、これはわれわれ民主政治を行なう建前からいいましてきわめて重要な事項でございますので、この点を若干私は申し上げてみたいと思うのでございます。
 政府が山中調査会にこの問題の検討を依頼して、一応の結論が出てまいった。その結論をもとにして、政府試案を固め、これを雇用審議会にかけてその答申をいただいて、政府原案というものがだんだん固まってまいったのでございますが、この固まりました政府原案に対しまして、わが国の大新聞、東京の中央紙といわれる大新聞はこれを一せいに各社とも取り上げて、それぞれの論評を下しておるのでございます。その主要なる点を私はここで御紹介をしながら、世論の動向というものが、一体今回の失対法の改正というものに対してどのような態度、反応を示しておるかということを申し上げてみたいと思うのでございます。
 最初に、昭和三十八年の三月二十二日付の産経新聞の社説でございます。見出しは「失対法の早急審議を」という見出しになっておりまして、サブタイトルに「社会党の反対は理解できない」ということを書いておるわけであります。「いま衆議院社会労働委員会に付託されている職業安定法と緊急失業対策法の一部改正案は、いわゆる現在の失対制度を根本的に改革しようとするもので、今国会の重要案件の一つに数えられている。このため政府は三十八年度予算に三百三十二億円の失対関係経費を計上しているが、これは前年度にたいし約五十二億円、二七%の増額となる。ところが、かんじんの両法案は、まだ提案説明も行なわれず、タナざらしの憂き目にあっている。いうまでもなく、社会党がこれに強く反対しているからである。社労委には炭鉱離職者の就職促進手当を引き上げるための、失業保険法改正案も一足おくれて付託された。そこで社会党は失業保険法改正案だけ成立させ、失対関係法案は流産させようとねらっている。さきに九州小倉でひらかれた社会党中央執行委員会が失対法改正案と審議未了、廃案にもち込むときめていることから見ても、この点は明らかであろう。」(発言するあり)静粛にお聞き願いたい。「そのため社労委理事会は失対法先議か、失保法先議かで自社両党が対立し、いつ審議にはいれるか不明だといわれる。」(発言する者あり)静かに願います。「社会党は失対制度の改革にたいし日雇い労務者の首切りをねらったものだと主張している。」この点は非常に重大な論点でございますから、静粛に聞き取っていただきたいと思います。「そこで根本的な問題は、失対制度の改革がはたして月雇い労務者の首切りを企図したものかどうかである。が、率直にいってそれは事実を故意に曲げた議論といわなければならない。周知のとおり、失対法改正案は、労働省に設けられた学識経験者の研究会で抜本的に検討され、さらに雇用審議会の答申にもとづき作成されたものであり、その点、じゅうぶんの客観性がある。その内容も、現在の一般失対事業に就労している日雇い労務者を、その能力、体力などに応じて、できるだけ早く民間の安定職場に就職させるため、積極的な職業訓練や職業指導を行なうというのが基本的な構想である。それでもなお就職できないものにたいしては、引きつづき失業者就労事業によって就労の機会を与え、その賃金も同一地域の類似作業に従事する労働者と同じ程度になるよう改善することになっている。また老人や病弱者にたいしても、当面それにふさわしい仕事と賃金を考慮することになっている。」こういうふうに産経新聞は論評をいたしておりまして、長いから途中省略しますが、結論を申し上げます。「以上の点から見ても、社会党が失対法改正案に反対する根拠はきわめて薄いといわなければならない。もしかりにそうだとしても、それは国会審議の中でじゅうぶん議論すべきもので、政治的かけ引きの具に供すべきではあるまい。社会党は昨年の臨時国会で不手際を演じ、炭鉱離職者の就職促進手当増額や、公務員給与の改定について、非常に不利な立場に立ったことを反省して見る必要があるのではないか。とくに失対法改正案にたいする社会党の態度は、日雇い労務者を組織している全日本自由労働組合や、総評の要求をそのまま取りついでいる観が強く、はたして政党としての自立性があるかにも疑問がもたれる。全日自労の指導部には共産派が多く、また組合員が安定職場に転出することは、その勢力にも影響する。その意味で組合の反対闘争はわからないでもないが、共産党と一線を画しているはずの社会党や総評がこれを支持し、しかも下層社会の温存をはかるというのは理解できない。早急に審議にはいるべきである。」以上が産経新聞の論説でございまして、以下東京新聞が三十八年の二月十六日、これも見出しは「失対事業の改革に賛成する」という見出しでございます。同じく二月九日、日本経済新聞社社説のタイトルは「失対制度の刷新改善を後退させるな」こいう見出しで論説を掲げております。二月六日には、毎日新聞が同じような「失対改善の原則と弾力性」という見出しで社説を書いております。読売新聞が十一月の六日、大体いずれもただいま私が読み上げました産経新聞の社説と同じような考え方に立って、その見解を表明いたしておるのでございます。これは大体二月ごろの社説でございます。
 もう一つ。私は最後に、この国会の社会労働委員会におきまして、与党と社会党との考え方が、いわゆる失対法先議か失保法先議かの問題をめぐって、膠着状態に入って約二週にわたって審議に入ることができなかった、そういう混乱状態のもとで、東京新聞が六月一日土曜日に、社説で「失対法改正反対は間違っている」という社説を発表いたしております。これを簡単に御披露申し上げたいと思います。「衆院社会労働委は、政府が失対事業の根本的建て直しを目ざして、去る二月十三日に国会に提案した“職安法および緊急失対法改正案”を、どう扱うつもりなのだろうか。この法案は統一地方選挙などで長くタナざらしされた末、やっと二十八日に委員会で提案理由の説明にこぎつけたが、今国会で成立の見通しがつかないという。社会党が、総評や全日自労の“失対打ち切り反対”の主張に同調して、審議引き延ばしをはかっているからだが、社会党などの主張は筋が通るまい。大体、失対事業が、不況などによる失業者の一時的な吸収と再就職を目的として発足したのは、改めて指摘を要しない。ところが、近年の著しい経済成長と雇用情勢の改善にもかかわらず、“ニコヨン”といわれる失対適格者の固定化、老齢化が目立っている。現に、女子が全体の四割をこえ、平均年齢が五十歳、十年以上の就労者が二割、しかも失対事業からの転職希望者は年々減少して、二六・四%に過ぎないという実情は失対の“定職化”を意味するもので、もちろん失対事業の本来のあり方にも反しよう。」かように論評をいたしまして、今回の政府案のねらいは、このような実情にメスを入れて、大きく本来の雇用、就職促進という方向に前進する考え方である、こういうことを指摘をしておるのでございます。そして最後の結びで「それなのに総評や全日自労が六十歳以上の失対就労者が全体の二割五分にも達している実情に目をつぶって、この改革に反対するというのは、これらの高年齢者をいつまでも土木事業などに従事させておく考えなのかどうか。それは人道的立場からも許されまい。社会党は、速やかにこの法案の審議に応じ、その成立に協力するのが本当である。」というふうに、六月一日の東京新聞は論説で書いております。これは私の私見は全然入っておりませんから、さよう御承知の上お聞き取りいただきたいと思うのでございます。そこで新聞が、大体これはもう珍しく日本の中央各紙が一斉に足並みがかようにそろった事態というものは、私の記憶ではほとんど例がないのではないかと思うのでございます。この一事を見ても、今回の職安法、緊急失対法の政府の改正の意図というものが全国民の期待にこたえるものであるという大筋の見当は、これは間違っていないと私は確信をいたすものでございます。
 それからもう一つ、この世論の動向を判断する一つの資料として全国の知事会、市長会、それから町村長会がこの問題に対してどのような態度をとっておるかということを、もう一つ参考に申し上げてみたいと思います。実はこの失対法の改正の問題は、すでにもう数年来の大きな懸案事項でございまして、昨年の通常国会の前、つまり昨年の予算審議を私どもが与党の政調会でやっておりましたときにも、実は非常に強硬な申し入れがこの知事会、町村会長会、市長会から数回にわたってあったのであります。これは、その論旨の最も極端なものは、現行失対事業を即時廃止すべきであるという強硬な申し入れであったのでございます。私はそういった申し入れがいかに不当であるか、またいかに現実離れしたものであるかということを説明をいたしまして、これらの陳情、要請を実は押えてまいったのでございますが、そのくらいこの問題に対する全国市長会、町村長会の動きというものは非常に活発なものがあったのでございます。そこで今回の政府案の提案を見るや、いままで失対法即時廃止というような過激な主張を掲げておりましたこれらの自治団体も、大体政府の原案に賛成という態度に軟化をして、その一日も早い成立を期待する、こういう態度に変わってきたのでございますが、先ほども申し上げたように、社労委員会に付託になって百日も審議にはいれない。しかも今度の国会において成立の見通しがあぶないというような状態になってまいりました昨今におきまして、これらの自治団体が相次いで陳情書を持ってまいっております。最初に知事会のやつを、その要点だけを申し上げますると、失対問題の解決をはかるため、その早期成立を強く期待しているところである。よって政府、国会におかれては、今国会において必ずこれが成立をはかられたいというのが、五月十六日付の知事会議の一つの結論であります。同じく五月二十七日、全国の市長会は同じような趣旨に立っての申し入れをしておるのでございまして、その要旨は、いずれもこの法律案をこの国会においてぜひとも成立させてもらいたいという強い要望でございます。
 以上、長々と申し上げてまいりましたが、私は日本の世論を最も敏感に反映するところの日本の中央紙が一斉に足並みをそろえておる、それから全国の知事会、市長会、町村長会というものが一致して政府の改正法律案をこの国会においてぜひとも成立をさしてもらいたい、かように要望しておる点を総合してまいりますると、今回の政府原案というものをこの国会において成立させることこそ、これらのほうはいたる全国民の輿望にこたえるゆえんである、これこそわれわれ、国民の代表としての政治家の責任であると断ぜるを得ないのでございます。(拍手)
 それからもう一つ、八木先生から、この失対法、失業保険法いずれを先議するかという問題をめぐっての議論の際に、今回の政府提案がいわゆる違法なる提案であるという点について、盛んに八木先生を代表者として社会党から意見が開陳されました。私はこれについての大臣の御所見を伺いたいと思いますが、私見を申し上げますると、先ほどもちょっと申し上げましたが、前の労働大臣が山中調査会にこの問題の検討を依頼されたのが昨年の五月であります。そして成案を得てから、それを土台として労働者の案を固められまして、雇用審議会に諮問されましたのが昨年の十月であります。そうして昨年の十二月に雇用審議会から中間の答申があり、本年の二月に入って最終答申がありまして、これを基礎にして政府原案を完成して今度の国会に提案をされた。かようないきさつを見てまいりますると、私は政府の法律案の国会提出についてその手続が適法ではない、違法性の瑕疵を持ったものであるという社会党の主張には、どうしても私は同調できないところでありまして、この点はいずれ社会党の同僚の諸君からいろいろ政府に対して質問があろうかと思いますが、私の見解を申し上げまして、これについての大臣の見解を伺いたいと思います。
#6
○大橋国務大臣 今回の職業安定法及び緊急失業対策法の改正法案は、失業対策の現状にかんがみまして中高年令失業者等を職業指導、職業訓練等によりましてでき得る限り一般雇用につかせることを目的として、その指導、訓練の期間中に、これらの指導、訓練を容易にするため手当を支給することとし、なお就職できないものについては、事業に就労させつつ再就職への努力を続けていくということをきめようとするものでございまして、この法案は雇用政策上の立法でありまして、社会保障に関する立法として取り扱う必要はないと考えております。
 なお、この法案の立案にあたりましては、この基本構想につきまして総理府の雇用審議会に諮問をいたし、二月四日にその答申を受けた次第でございます。
#7
○澁谷委員 ただいまの大臣の答弁に私は全く同感でございます。したがって、この法律案を国会に提案の手続が違法であるという社会党の主張は、根拠のないものと私は考えるわけであります。
 そこで一時間という社会党からの要請でございますので、あと二十分しか時間が与えられておりませんので、もっともっと総論的な質問を申し上げたいのでございますが、時間がございませんから割愛をいたしまして、まことに残念でございますが、次に法律案の中身に入りまして政府の見解をただしたいと思います。
 第一に、職業安定法の改正についてでございますが、職業安定法の改正点は、大きくいって二つでございまして、一つは就職促進の措置を新たに強化してお加えになったという点が一つと、それからもう一つは、この就職促進の措置に関連をいたしまして、手当を支給できる条項を挿入したというこの二点でございます。
 そこで、第一点の就職促進の措置に関連してお伺いをいたします。言うまでもなく、最近のわが国の雇用問題というものを考えた場合に、若年労働者はむしろ労働力が足りないという状況でございますが、他面におきまして、中高年齢の失業者につきましては、なかなかその再就職、雇用の確保ということが困難である。これはもう各界において異論のないところであろうと思うのでございます。したがって、今後わが国の雇用、失業問題というものを考える場合に、その大きな中心ともなるべき問題点の一つは、これら就職困難な中高年齢失業者というものを、どのようにしてその再雇用を促進していくかという点でございます。この重大な問題を、今回政府の原案におきましては、まっこうから取り上げて取り組もうとされておるわけでございまして、その考え方、その熱意に対しまして、私は心から敬意を表するものでございます。
 そこで中身でございますが、こういった中高年齢の失業者の再就職を促進していくためには、非常に各段にわたるきめのこまかい施策というものを進めていかなければならないのでございますが、その一番中心と申しますか、かなめとなるのは、言うまでもなく職安機能の充実であり、なかんずく職業安定所、第一線の窓口における行政機能の充実ということが、私は一番大事なポイントであろうと考えるのでございます。今回この政府案によりますと、労働大臣の定める計画によって就職促進指導官という新しい専門の役人を設けまして、きめのこまかい就職促進のお世話をするということになっておるわけでございますが、今年度の予算におきまして、この就職促進指導官の員数は、一体何名程度確保されておりますか。さらにまた、その促進指導官が、法律案によりますと職業指導、職業紹介、職場適応訓練といったような各般にわたる措置をお世話するということになっておりますけれども、そういった受け入れ体制がなければ、幾ら指導官がお世話をしても行く場所がないのでは話になりません。そこで就職促進指導官は、一体何名ぐらい確保されて、それは全国の安定所にどのような配置をされる御計画であるか、そしてまた、この促進指導官の指示によって、あるいは職業訓練あるいは職場適応訓練といったようなところにもいくわけでございますが、そういったものの受け入れ体制に関して、今年度の予算におきましてどの程度の手当てができておるか、この点をお伺いしたいと思います。
#8
○三治政府委員 中高年齢層の再就職の促進をはかるために、職安組織といたしまして、御質問のように就職指導官を置くように規定しております。これに対する予算上の措置といたしまして、三十八年度におきまして、専任指導官として二百四十名の予算措置をとっておるわけでございます。もちろんこれは純定員増と内部における配置転換とを合わせて二百四十名。いずれにいたしましても、二百四十名の専任の就職指導官を配置する。このほかに石炭関係におきましては、先ごろ成立いたしました臨時措置法によりまして、百八十六名の就職指導官が置かれたことは御承知のとおりでございます。この就職指導官は、中高年齢者の再就職を促進するために、従来の職業紹介官より以上にきめこまかい指導をやる、その重点は、その指導官が固定した人を、再就職するまでずっとトレースしていくというのが今度変わったところでございます。従来はそれぞれ窓口で一応求人があって、それに適していると思うと、呼び出してそこへ紹介するということであったわけでありますが、それが今回は、この中高年齢者につきまして、就職指導官が五十名ないし七十名の固定した人を受け持って、それが再就職されるまでめんどうを見てやるということでございます。
 それから職業訓練施設につきましては、従来各所にあるわけでございますが、今度の改正によりまして、この職業訓練施設を拡充強化しようということから、それぞれを含めまして、この就職指導官その他職業安定所の職業指導、職業訓練というものをあわせて、新施策の予算として二十一億円を計上しているわけでございます。
 職業訓練所につきましては、この三十八年度におきましては三百七十職種の施設を新増設する予定でございます。この訓練所、訓練期間、訓練方法につきましては、中央職業安定審議会から中高年齢者の職業訓練について特別な配慮のいろいろな答申を得ておりますので、そういう答申の線に沿って、この中高年齢者に適した運営を行なうようにしたいと思います。これは公共職業訓練でございますが、そのほかに短期訓練あるいは職場の適応訓練、委託訓練等の多方面な施策を行ないまして、それぞれ予算措置をとっていきたい。
 なお、この訓練施設あるいは委託訓練、職場適応訓練等は、それぞれ入られた方には訓練手当を、炭鉱離職者の訓練手当と同額差し上げるようにしております。その額は、予算上では一万二千五百五十円になっております。
 なお、就職指導官が行ないます就職指導の指導課程を新しくつくるわけでございますが、これにつきましては、人員ばかりでなく、ここには就職指導の相談室を別個に設けるということにしております。そこで適性検査器具等の整備をいたしまして、中高年齢者のそれぞれの能力、適性というものを的確に判定しまして、しかもただそれも個人の判断ではなくて、適性検査器具という科学的ないろいろな機械器具を整備するようにしております。
 なお、求人開拓につきましては、いわゆる新規学卒の求人不足に対応いたしまして、その新規学卒が非常に得られない場合に、そういう職場について中高年齢者で間に合う、または子供ばかり従来使ってきた慣行を雇用者に改めさすような、いわゆる求人者に対する指導というような部面について強化していくつもりでありますし、さらに就職指導官、これは一日にしてできるわけではございませんので、昨年来この候補者を募集し、従来の職業紹介の実務経験の豊富な者から逐次この候補者を選んで、現在この専門家の養成のために中央に呼びまして研修をやっておりますが、将来におきましては、今年度の予算で職員研修所の経費を入れておりますので、この研修所の施設ができますれば、こういう専門官の養成のためにさらにそれを十分利用していきたいというふうに考えております。
#9
○澁谷委員 就職促進指導官が専門官として二百四十人という予算の決定だそうでございますが、これは初年度といたしましてはやむを得ないと思いますが、今後、この非常にむずかしい中高年齢者の失業問題を、その中核となって担当する方々でございますから、これはひとつ来年度予算におきましてさらに大幅に拡充するように努力をしていただきたいと思います。
 私は、ここで労働省に対して特に御注文を申し上げておきたいと思いますが、先ほども申し上げましたように、今後の日本の雇用、失業問題の一番中心の問題は、中高年齢者をどうするかという問題でございます。ところがわが国は、明治、大正のときから労働力の価値というものをほんとうに認識しておりません。豊富なる労働力が常にありまして、必要な労働力はいつでも手に入る、こういったような状態でわが国の産業界というものは進んできております。したがって、毎年新しく出てくる新規学卒、この新鮮なる労働力の確保につきましては非常に熱心にやられるわけでございますが、中高年齢者ということになると、もうほとんどあまり熱意を持たない。つまりそういう態勢で、日本の産業というものはいままではやれてきたわけであります。しかしながら、最近の状況並びに今後の日本の経済の大幅な拡大、成長というものを考えてまいりますると、そのような安易な、従来長い間日本の産業界の慣行として考えてまいりましたそういう考え方ではもう通用いたしません。そこでこの問題は、そういう点から考えますると、非常に大きな問題を含んでおるわけであります。その大きな壁を突破する一つの突破口ともなるのが、今回の就職促進指導官を中心とした職安機能の活用ということになってまいるわけでございますから、この新たに設けようとする制度の整備が、日本の雇用界、産業界に与える影響というものは非常に大きな、深刻なものがあると私は考えておるのでございます。そういう意味におきまして、労働省におかれましては、そのような遠い見通しと深い配慮の上に立って、この新しい制度がりっぱな実を結ぶようにひとつ特段の御努力をいただきたいと思うのでございます。こういった方々のための研修所という施設も近い将来にできるそうでございますから、そういったような研修機関というものも十二分に活用されて、りっぱな指導官をつくっていただきたい。安定所の窓口にあらわれるこれらの中高年齢者の心境は、まことに気の毒な、同情に値する状態に置かれておるわけであります。たよりとするものはこの安定所の窓口であり、就職促進指導官しかないわけです。そういう意味において、これらの特に指導官に当たられる方は、ほんとうに求職者に対してあたたかい愛情を持って親身な相談をされるような適任者を選抜いたしまして、これらの方々には将来昇進の道等も十分に考えていただくように、あわせて御希望を申し上げておきたいと思います。
 それから局長の答弁で大体私は満足でございますが、職業訓練をやるにいたしましても、あるいは職場適応訓練をやるにいたしましても、新しい学校出たての労働者とこれらの中高年齢者とでは、もう全然条件が違うわけです。ところが訓練所にいたしましても、労働省全体にいたしましても、実はこういった中高年齢者の問題と本格的に取り組んだ経験というものはないわけです。したがって、こういった新しい問題とこれから取り組むわけでございますから、特別な配慮という局長の話でありますが、まさにその通りでございまして、若い学卒とは違った特別な配慮をお忘れにならぬように特にお願い申し上げておきたいと思います。
 それからもう一つは、先ほどの私の発言にも出ているのでございますが、長い間の慣行惰性で日本の産業界、経済界というものは、こういった中高年齢者を受け入れよう、これを活用しようという用意がございません。これに対しては、やはり熱心な啓蒙、PRの活動が必要でございます。これもひとつ強力に推し進めることが必要だと思うのでございます。
 もう一点、これは大きな問題でございますから、短時間の質問ではとうてい申し上げることができませんけれども、私が一番心配しておりますのは、住宅の問題であります。若い学卒者は単身でございますから、どこの土地に行って就職するといたしましてもきわめて簡単でありますけれども、この中高年齢者はいずれも世帯を持っているのが原則であります。こういった方々が、現在の住所を変えて再就職をするという事態がこれから多くなってくるわけでございますが、そういった際に、やはり一番心配になるのは住宅の確保という問題でございます。こういった点について労働省はどのようなお考えがあり、またどのような準備をされておられるか、時間がございませんから簡単でけっこうでございますから、御答弁をいただきたいのでございます。
#10
○三治政府委員 家族ぐるみ移転しなければ新しい安定した職場が得られない中高年齢層も多数あると思います。これは石炭で今回大量に始まりまして、今年度、昨年度の補正予算をも含めまして、一万戸の住宅を建設することにしております。なお、一般の住宅建設のための融資、これはことに高年齢者を雇い入れた方には、それ以上に、たとえば三人雇い入れれば五人分の住宅建設資金を貸すというような雇用促進融資をやっているわけでございます。昨年度二十億、今年度四十億の雇用促進融資をやります。さらにそういう方たちのために、今後建設省とも相談をいたしまして、そういう中高年齢者が移転就職された場合に、移転就職者用住宅に入られた者から公営住宅に今後優先的に一定割合引き取っていただく。今後建設省におきましても住宅建設について非常に努力をされますが、そういう場合に、われわれがお世話をした者を一定割合優先して公営住宅の確保ができるように現在話を進めておりまして、三十八年度はとりあえず、炭鉱離職者でございますが、千五百戸は各地方公共団体が建てる公営住宅を優先配慮するようにします。今後ますますこういう部面については建設省とも十分協力して、雇用促進事業団に融資、あるいはみずから建てるということのために建設省のほうとも大いに協力して、こういう移転就職者用の住宅が確保できるように努力してまいりたいと思います。
#11
○澁谷委員 実はこの働く人の住宅の問題は、いまの日本の政治の分野におきまして最も大きな基本的な問題でありながら、しかもそれほどに評価されておらぬと申しますか、政府に腰が入っておらない、かように私は考えるものでございます。したがって、これは一労働省がどうするといったようなことでは、基本的な、根本的な解決にはとうていなりません。わが党もようやくこの点に認識をいたしまして、先ほど幹部間におきまして、わが党が日本の特に働く人々の住宅問題を本格的に取り上げる、こういうことで調査会の設置が決定をされました。わが党としては、今後、おそらく国内の政治問題としてこれが最も重要なテーマだと考えております。したがいまして、政府におかれましては労働省とか建設省、そういったような限られた分野での話ではなしに、日本の住宅を一体どうするか、特に大都市周辺において働いておる労働者の住宅の問題は、予想以上に深刻な状態にあるわけであります。月給一万五千円か二万円の方が、ほとんどその半分に近い金を住宅費として取られておる。こういったような国は、近代先進国には、とうてい見られません。欧米の先進国におきましては、住宅に充てる費用はサラリーの大体一割五分程度が妥当なところでございます。高くてもせいぜい二割であります。それが東京とか大阪の周辺におきましては、収入の約四割も取られておる。こういった状態では、幾ら高度経済成長あるいは所得倍増といっても、働く人間のしあわせは確保できないのでありますから、私どもは党の立場からこの問題に熱心に取り組んでまいりますが、労働大臣におかれましても、この問題が、結局最終的な意味においては雇用の安定という問題をささえる土台でございます、そういう立場に立って積極的な御努力をいただきたいと思うのでございます。
 次に、職安法のことについてももう少しいろいろお聞きしたいのでありますが、時間がございませんから緊急失業対策法について御質問を申し上げます。
 先ほど来申し上げておりますように、政府の改正案のねらいは、長い年月の間に老齢化し、固定化した現行失業対策事業の状態を改善いたしまして、ちょうど幸いにこれを受け入れる雇用状態の改善が、一方において窓口が開かれつつある、これと呼応して、正常なる雇用の場にこれらの失対事業に働く人々を再就職せしめようというねらいであるわけでございまして、私はこの政府原案のねらいとするところは、日本の現状から見ましてあくまでも妥当である、その方向に沿って強力に施策を進めることが当面の政治の責任と思うわけでございまして、原則的には全く賛成であります。そういった観点に立って、以下個別的な項目について若干の質疑を行ないたいと思うのでございます。
 第一点は、失業対策事業の改善の項目でございますが、先ほども申し上げましたように、現行法のもとにおきましては、失業対策事業は画一的に屋外の土木事業一体にしぼっておるわけであります。したがいまして、非常に年寄りあるいはからだの弱い人、あるいは女の方々が、あるいは非常に暑い日あるいは非常に寒風の吹く寒い日に、屋外にさらされて土木事業をやっておる。これなどは、まことに人道的立場から考えても放任しておけないことだと私は考える。そういう点に着目いたしまして、今回の改正案におきましては、失業対策事業は失業者の技能、体力等を考慮して、これにふさわしい事業の種目を選ぶという線に切りかえておられるのでございまして、これはまことに妥当な改正であります。ぜひともそういうふうに進んでいただきたいと思うわけでございます。
 そこで失業者、就労事業と高齢失業者等に就労事業という二つに分類をされていかれるわけでございますが、現行法と違って一つの大きな変更点は、賃金決定に関する条項でございます。御承知のように、現行法のもとにおきましては、失対事業の賃金はいわゆるPW方式を採用いたしておりまして、そのPWの賃金を基礎にして、それの約一割低い賃金で失対事業の賃金を定めるというのが、現行法のたてまえでございます。この制度で十何年やってまいったのでございますが、最近の経済界の発展に伴いまして、このPWを基礎とする失対事業の賃金決定方式というものは、明らかに現実と遊離しつつあるということがはっきりと指摘できると思うのでございます。今回は、この賃金は労働大臣が定める。そして従来のPW方式を廃止いたしまして、同一地域の類似の作業に従事する労働者の賃金を考慮して地域別に作業の内容に応じて定める、こういうことになるわけでございますから、従来の非常にラフな大ざっぱな賃金の定め方から考えますと、相当現実に即したきめのこまかい賃金の決定に進んでいくことになるわけでございます。そこであわせてPWを廃止する法律案も提案されておるのでございますので、この点についてお伺いをいたしたいと思いますが、何ゆえに政府はPW制度を廃止いたしまして新しい方式によって賃金をきめようとする改正を取り上げられたのか、その点についての見解をお伺いしたいと思います。
#12
○三治政府委員 従来の低率賃金原則は、この規定があるために一部就労者の就労意欲を減退さしておる面があるということが、この調査研究会の報告で指摘されているのであります。また現実には、一部の女子に見られるように、必ずしも民間賃金より少なくないような賃金になっておる。したがって、民間雇用への促進の機能がこの低率賃金というもので失われている。その上失対事業の作業内容が、必ずしも就労者の技能、体力等に十分適合しない面もあったために、同一地域の同一職種の民間賃金を基準として定めた従来の賃金が、実際に就労者が従事しております作業の質と量とに適合しないという不合理な面も出ているのであります。したがって、新しい失業者の就労事業におきましては、就労者の技能、体力等にふさわしい作業を実施することといたしますとともに、その賃金は、従来の低率賃金の原則を廃止いたしまして、失業対策問題調査研究会報告にあるとおり、賃金としての通常の性格を貫いて、同一地域における類似の作業に従事する労働者に支払われている賃金を考慮して、作業内容及び作業能率に応じて定めることとしております。具体的には、屋外労働者職種別賃金調査等によりまして地域別に失業者就労事業の作業と類似しておる民間の作業の賃金を把握いたしまして、これを基準といたしまして、地域別に失業者就労事業の作業の種類及び能率に応じた賃金日額及びその適用基準を定めることとなろうと思うのであります。したがいまして、個々の就労者の賃金は、その者が実際に行なった作業の種類及び発揮した能率を、適用基準によって賃金日額表の中の該当する欄に格づけして定められるようになると思います。この点、従来のいわゆるPWに準拠した方式とは若干異なるのでありまして、雇用審議会の答申の趣旨もありまして、現行賃金が下がることのないようには十分配慮してまいりたいと思います。
 なお、賃金の支払いの原資を決定いたします事業主体ごとの労力費につきましては、各事業主体ごとに職種、作業の種類及び就労者の構成割合等を考慮いたしまして、実際の運用を適切に行ない得るよう配慮してまいりたいと思います。また全国平均の労力費の予算単価というものは、以上のような方法で各地方の労力費予算を配分することが可能となるように十分配分して、積算をしてまいりたいというふうに考えております。
#13
○澁谷委員 そこで、失業者就労事業と高齢失業者就労事業という二つに分類される。高年齢者、それからからだの弱い人、こういった人々に対しては、従来の土木事業一本という考え方をやめて、そしてその体力なりその技能というものにふさわしいような仕事を選定して働いてもらう、こういう考え方は私の年来の主張でございまして、全く賛成でございます。
 ただ私は、この際特に大臣にお伺いをいたし、また要望をしておきたいと思う点は、先ほども新聞の社説を読み上げた際にあらわれておりましたように、特に全日自労の組合が中心となって、今回の政府の改正案は失対の打ち切りである、こういうスローガンのもとに全国的に反対運動を展開しておるわけでございますが、先ほども私申し上げたように、昨年度の予算編成のときに、全国の市長会、町村長会からは現行失対法は廃止してくれ、つまり現行失対事業は全部廃止してくれという強硬な申し入れがあった。私はむしろこの申し入れに対しましてはおこりつけたわけであります。そういう最もみじめな、ふしあわせな状態に置かれておる失業者に対して、そのかわるべき新しい道の確保をすることなしに失対事業を打ち切れなんということは、これはまじめにものを考える人の言うべきことばでは断じてないのでありまして、私どもは、こういった自分の意に反して失業という最も悲惨な状態に置かれておる人々に対しましては、心からあたたかい心持ちをもってこれに接触をしなければならないし、一日も早くこの不幸な状態から脱却して、正常な希望を持って生き得るような雇用の場を提供する努力をしなければならぬと私は考えるのであります。それに今回の改正案に対して、これによって政府は失対事業を打ち切って、そしてこの全国数十万の失対事業に働く人々を路頭に迷わせようとするんだという考え方、これに対しましては、私どもは、以上私が申し上げておったことをお聞きになりましてもそういう考え方がいかに事実無根であるか、根拠のないものであるかということは、漸次明らかになってくると思うのでございますが、この点についてひとつ労働大臣の御見解を伺いたいと思います。
#14
○大橋国務大臣 一昨年から昨年の春にかけまして、失業対策事業がその創設当時の意図に反している、このために実務の担当者であります地方行政機関が非常に迷惑をいたし、それらの仕事を引き受けていくことはできない、こういう意味で失対事業廃止、すなわち打ち切りを要望いたしておったことは事実であります。しかしながら、渋谷委員も仰せられましたごとく、今日この失対事業というものは、数十万の人々の生活を保障いたしておりまする大事な仕事でございまするので、この仕事は、その対象が存在いたします限りあくまでも続けてやることが必要である。そこでいかなる形にすればよいか、そうして地方機関が何とか引き続けてくれるという気持ちになるような状態に改めていく、そうして存続をさせるにはどうすればいいか、こういう意味におきまして、失対事業の改善の方策を政府といたしましても検討いたしてまいったわけでございます。したがって、今度の失対事業の改善というのは、これは失対事業を打ち切るという意味ではなく、失対事業を打ち切らなければならぬような状態になっておる、それをいかにして打ち切らずに引き続きやっていくことができるかということを主眼として改善策を立ててまいった次第なのでございます。同時に、先ほど来御質問で御指摘になりましたごとく、今日失業者がこの事業に固定しているということは、これは現実の事実でございます。この失業者が失業対策事業に固定するということは、これは事業創設当時の意図とは全く反するものでございまして、本来、この事業創設当時におきましては、失対の事業に従事する者は、再就職が実現するまでのまあ三月、半年、あるいはせいぜい一、二年、その間生活をこれによって維持していく、こういう趣旨でこの事業ができたわけなのであります。したがいまして賃金におきましても、そこへ落ちついていくというような人たちでなくて、なるべく早くよそへ就職していく人々の一時の腰かけである、こういう意味で賃金も、一般の賃金から比べますと一割程度低率に定めなければならぬということにいたしてございましたし、また仕事につきましても、そう長い間従事する仕事ではないからというので、男女、年齢、能力等を区別することなく、一律に屋外の土木作業に従事させるというような仕組みに相なっておったのであります。しかし先ほど御指摘になりましたごとく、現在の大多数の適格者というものはこの失業対策事業に固定いたしておるのでありまして、これを無視したやり方というものは、実情に適合しないものであると言わなければなりません。したがって私どもといたしましては、本来失対事業創設の当時は、固定せざる一時的な失業者を救済するという趣旨でいろいろ考えておられたのであるが、今日相当長年月にわたって固定するという事実ができ上がってしまった以上は、相当数の人たちがこの事業に固定するんだということを前提として事業を考えていかなければならぬではないか。そうなりますと、同じ仕事に従がっておりながら、特にこの事業の関係者だけの賃金を引き下げるということは、同一労働同一賃金の原則から申しましてもとるべきことではない。したがって、一般の事業と同じ程度まで賃金を引き上げるということが当然に考えられなければならぬと思うのであります。また仕事の種類にいたしましても、再就職までの一時的なものだというので、能力にかかわらず、性別にかかわらず一律屋外作業をいたしておりましたが、固定化を前提として長く続いてこの仕事によって生活を維持させるということになりますと、これはやはり仕事の内容もその人の能力、性格に応じたものを選定して、そうして喜んで安んじて働けるというような仕事にしていくということは当然必要ではないか、かような意味合いでこの法案の改正を立案したわけなのであります。この点がいろいろ関係者によって十分理解されておりません点は、まことに遺憾に存じておる次第でございます。
#15
○澁谷委員 全国の失対事業に働く方々が一番心配をし、不安も感じておりました重大な点について、ただいま労働大臣から非常にわかりやすく御解明をいただきまして、私は心から喜びを感じるものでございます。
 そこで、私はもう一つ労働大臣にお願いを申し上げておきたいと思うのでありますが、ただいま大臣の御答弁で大部分不安は解消いたしたのでございますが、なお私は、高齢の失業者がいままでの失業対策事業から分離して、高齢失業者就労事業という新しい分類をされる事業に働くようになる、これがいわゆる失対事業打ち切りということの不安をかもし出しておる一つの大きな根拠になっておるのではないかと思うのであります。そこで、ただいま大臣の答弁で明らかにされましたことは、断じてそういうものではない、高齢者あるいは体力の弱い者に安心して働けるような、失業者にふさわしい就労事業というものを設けるのだということでございますので、その点不安は解消したわけでございますが、なお一つ残る問題は賃金の問題であります。実はこの高齢失業者をどうするかという問題が一つの大きなポイントでございまして、この点につきましてはいろいろな方面からいろいろな提案がございました。最も代表的な意見としては、そういった高齢者はもはや十分の労働能力というものを持っておらない、したがってそういう人々は雇用対策の対象ではなしに、社会保障の対象として考えるのが筋道であろう、したがって、失業者の対策事業を二つに分けるという考え方ではなしに、高齢失業者は一括してこれを、生活保護等を中心とする社会保障政策の対象の分野に移しかえるべきであるという代表的な意見が強力に主張されたのであります。ところが、これは理論的には一応納得のできる考えではございますけれども、しからばそのような措置をとった場合、現在失対事業で働いておるこれらの高齢の方々が生活保護に移しかえられた場合に、現実にその受け取る賃金と生活保護から支給される金との間に非常に大きな落差ができ、格差があるということが、私どもの検討の結果はっきりしてまいりました。そうなりますと、現在働いておられる方々、いままで一万四、五千円取っておった人が一万円程度に下げられるということになるわけでございますから、これは非常に重大な問題でございます。そこで私どもは、政調会の場におきまして、そういった考え方は、現在の日本の社会保障の水準を前提としては理論的に通っても、現実としては通らないということでこの考え方を排除いたしまして、この高齢失業者就労事業という考え方に賛成をしてまいったのでございます。そこで、この高齢失業者就労事業に切りかえていく場合に、現在もらっておる賃金をさらに引き下げられるのではないかという不安がまだ残っておるわけであります。この点について、大臣どのような御見解でございますか。
#16
○大橋国務大臣 賃金というものが生活の基礎になっております限り、単なる行政上の改革ということでもって生活の基礎を脅かすことは、政府の断じてとるべき策ではないと私は考えております。したがいまして、高齢失業者就労事業に従事する方々も、また一般の失業対策事業に従事される方々の賃金につきましても、別に開きはないという扱いをいたしてまいる考えでございます。
#17
○澁谷委員 ただいまの御意見を伺って非常に安心をいたしました。
 そこで、もう質疑を打ち切られそうでございますから最後にお伺いいたしますが、現在社会労働委員会にもう一つ老人福祉法案が提案をされております。私どもこの老人福祉法案というものを考えた場合に、単なる受け身な与えられた状態で老人が生きていく、こういう受け身な、消極的な老人福祉法だけではあまり意味がないのじゃないか、日本人の平均年齢も最近は十五年程度伸びてきておるわけでございますから、六十歳あるいは六十五歳になっても、まだ相当働く能力が残っておる。働く能力が残っておる限り、人間は、その人にふさわしい仕事を持って働くということが一番しあわせであるわけでございますから、この老人福祉法案の中にもそういった前向きな積極的な、老人が働いてしあわせをつかむ、こういう考え方を織り込むべきであるということを強硬に主張いたしまして、いま提案をされております老人福祉法案にはそういった条項が入っておるわけでございます。私は、将来この老人福祉法案の実施と関連をいたしまして、一方は失業対策事業の分野における高齢失業者に対する手厚い措置というものと、この老人福祉法の分野における老人が働いてしあわせをつかんでいくという考え方、この二つをマッチさせてこの方面に対する手当を十分にしていただきたいということを御希望申し上げておきます。
 その他いろいろと御質問したい点がたくさんございますが、最後に、私が一番心配しております点は、これだけ日本の世論、それから全国の地方自治団体が強く要望しております、明らかに働く人々に対する前進的な改善案であるこの改正案が、会期がいよいよ少なくなってまいりまして、成立が実は危ぶまれる状態にあると私は考えておるわけであります。私ども与党としては、何とかしてこの会期中にこの画期的な改善案を成立させたいと念願をいたし、今後ともこん身の努力をささげてまいるわけでございますが、万が一にもこの法案が成立をしなかった場合、この法律案の成立を前提として予算措置が組まれておるわけでございますから、そうした場合に、失対事業の運営にはどのような影響を及ぼすであろうか、これは実は私ども非常に心配しておる点でございますので、労働大臣からお伺いいたしたいと思います。
#18
○大橋国務大臣 このたびの改正案につきましては、昨年の秋に調査会から答申をいただきまして以来鋭意検討を重ね、そして各方面の御意向も、大体これ以外にいい方法はないのではなかろうかというようなことでございましたので、われわれも大いに力を得まして、本年度からこれを実施するということのもとに、本年度予算は、この改正法案の成立いたしますことを前提として組んだわけでございます。予算案が幸いに国会において御賛同を得まして、成立いたしたことにつきまして非常に喜んでおったところなのでありますが、しかし予算は成立したが、このたびの法案が成立できないということになりますと、予算は新しい法律を前提としてできておる、しかも法律が成立しないということになりますので、予算執行には非常な困難を来たすと存じます。すなわち昭和三十八年度の予算におきまして、景気調整の影響等を考慮いたしまして失業対策制度の対象人員を二十六万七千人――前年度は二十三万九千人でございます。これを二十六万七千人という前提のもとに予算を編成し、対策に遺憾なきを期しておるのであります。このうち、この法律案の実施に伴いまして、今年度の後半に新しく発生する失業者四万人につきましては就職促進措置を行なうということにいたしおるのでございまして、この就職促進措置に入るべき四万人の人々については、事業費でなく、促進措置の予算を組んであるわけであります。万一本法案が成立しないということになりますと、就職促進措置を実行することができなく相なりますので、この四万人の失業者というものを、既存の失対事業のワク内において救済をはかっていかなければならぬという事態に相なるわけであります。したがいまして、私どもは、本年度予算の編成に際しましては、現在失対事業に働いておられます者は一人残らず救済事業で引き続き救済できるだけの予算を準備いたしております。しかしこの法律が成立するということになりますと、当然四万人につきましては、その大部分について就職促進措置を行なう。その就職促進措置の経費を積算しまして、それによって処理することにいたしたわけであります。したがいまして、これを現在の事業費でまかなうということに相なりますと、現行就労者の中で二割近くが、引き続き就業していただくことが困難になるということに相なりまして、これは人員の減少、あるいは就労日数の削減、あるいはまた期末手当の削減、こういうような行政手段によってこの問題を取り扱わざるを得ないことに相なります。このことは、労働省といたしましてはまことに遺憾であり、本来の考えと全く反するような結果に相なるのでございまして、まことに不本意千万に思っておるのでございます。ぜひとも今回、本国会において成立いたしますよう、この上とも皆さまの御協力を、全国の三十万失業者にかわりまして心からお願いを申し上げる次第でございます。
#19
○澁谷委員 ただいま労働大臣の答弁を伺いまして、私は、この法案が万一成立をしなかった場合に、非常に大きな波乱が起きるということがはっきりとしてまいったわけでございまして、現在全国の失対事業に働いておられ人々の約二割が、その予算の裏づけができないという事態が出現するわけでございますから、事態はまことに重大といわなければなりません。しかも、予算は成立をして執行に入ったばかりでございますから、補正予算というわけにもまいらぬわけであります。大臣から、ただいま全国の失対労働者にかわってというお話がございましたが、私ども法案の成否のかぎを握る国会議員といたしまして、全国の失対事業労働者のために、全力をあげてこの会期に成立をさせるということをここにお誓い申し上げます。おそらく賢明なる社会党の諸君も、ただいまの質疑、大臣の答弁等をお聞きになれば、なるほどこの政府改正案は善政であるという御認識を十分いただけるであろうと私は確信をいたしますし、引き続き理事会が開かれるわけでございますから、その理事会等におきましても、私どもの希望をひとつ十分申し上げて、この会期中にこの法律案の成立を期してまいりたいと考えるわけであります。
 はなはだ時間が足りないので残念でありますが、以上をもって質問を終わります。
#20
○秋田委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。
   午後五時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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