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1962/03/06 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第4号
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1962/03/06 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第4号

#1
第043回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第4号
昭和三十八年三月六日(水曜日)
   午前十時四十三分開議
 出席委員
   委員長辻 寛一君
   理事 青木  正君 理事 荒舩清十郎君
   理事 丹羽喬四郎君 理事 太田 一夫君
   理事 畑   和君 理事 堀  昌雄君
      仮谷 忠男君    薩摩 雄次君
      首藤 新八君    田中 榮一君
      長谷川 峻君    松本 一郎君
      井堀 繁男君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 篠田 弘作君
 出席政府委員
        警  視  監
        (警察庁刑事局
        長)      宮地 直邦君
        検     事
        (刑事局長)  竹内 壽平君
        自治政務次官  藤田 義光君
        自治事務官
        (選挙局長)  松村 清之君
 委員外の出席者
        自治事務官
        (選挙局選挙課
        長)      中村 啓一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公職選挙法改正に関する件
     ――――◇―――――
#2
○辻委員長 これより会議を開きます。
 公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。太田一夫君。
#3
○太田委員 最初に、今回の統一地方選挙に関連をする小型貨物自動車の使用に関する解釈の問題についてお尋ねをいたしますが、実はつい数日前まで自治省の見解がはっきりしておらなかった。そのために地方におきましては統一選挙を目前に控えておりながら、小型貨物自動車が使えると思っていた県市会議員、町村会議員に至るまで、少々その問題について混迷を来たしておるのであります。それはどういうことかというと、小型貨物自動車は使えるけれども、小型貨物自動車といっても何か特定のものしか使えない、一般に社会通念でいう小型貨物自動車は全部使えるという解釈ではなさそうだというので、その統一見解がきまるまで準備はお互いに差し控えようじゃないかということから、申し合わせたように使用自動車の決定をおくらしておるわけです。これは、統一地方選挙が、御承知のように特例法によりまして特別の扱いをきめた以上、あの解釈に誤まりがあるとか複雑なものだとは受け取れなかったのでありますが、どういうかげんか非常に自治省の方において混迷をしておる。こういうわけなのですが、それは一体いかなる理由であって、また今日はいかになっておるかを一つ局長からお答えいただきたいと思います。
#4
○松村(清)政府委員 自治省としては解釈の混迷をいたしているわけではございませんのですが、今お話しのように、統一地方選挙におきましては、町村の選挙のみならず、知事及び五大市長を除く以外の地方の選挙につきましては、小型貨物自動車の使用が特例として認められたわけでございます。この小型貨物自動車につきましては、自治省の従来からの解釈といたしましては、これは上限を定めてあるものであって、従って軽自動車に該当する貨物自動車も、当然小型貨物自動車が認められている以上は法律上認められるという解釈でずっと以前からきておるのでございますが、この点につきまして交通担当の部局におきまして若干疑義がございまして、小型貨物自動車の中には軽自動車に該当する貨物自動車が入らなのではないか、こういう疑問を持たれておったようでございます。そこで今お話しのように、地方におきまして混迷があったのではないかと思いますが、この点につきましては、先般来警察の方と十分打ち合わせまして、法律の解釈といたしましては、軽自動車に該当する貨物自動車も、当然小型貨物自動車が認められた以上は法律的には認められる、こう法律解釈の上で一致いたしましたので、昨日警察並びに自治省からそれぞれの地方の関係者の方へそのことを通達してございます。
#5
○太田委員 そうすると、警察庁の交通関係の方はいらっしゃいませんから、宮地さんに、おわかりならその経緯を承りたいのですが、昨日通達が行ったということならば、それで解決したのですから別にとやかくのことは申しませんけれども、とにかく忙しいときに、大丈夫だと思っていたミゼットの類の軽自動車であるトラックが使えないということになりそうだというので、大へん一般のものでは困ったわけです。警察庁がそれを言いました理由は何ですか。将来またそれがどこかで再燃することがあるかもしれませんので念のために伺っておきますが、何だったのですか、おわかりになりましたら、この際伺っておきたい。
#6
○宮地(直)政府委員 私も詳しくは存じませんが、道交法上の定義と選挙法上の定義との食い違いと考えるのであります。今選挙局長から申しましたように、政府部内において協議をいたしまして、今申しましたような通牒をわれわれの方でも流しまして、末端において解釈上の疑義の起こらないように措置をいたしました。
#7
○太田委員 次官、この際大臣にかわってあなたにも念のためにお尋ねしておきますが、統一地方選挙で使えるトラックの解釈について、小型はよろしいけれども軽自動車に属する貨物自動車はだめだ、こういう妙な意見が出てきて、そうして昨日まできまらなかったというのですが、ばかな話で、そんなところにひっかかって地方を困らしてきたということは不親切なことだと思うのです。われわれとしては、当然ミゼットなら入るべきものだということは、当委員会においては解釈が明らかになっていたのに、なお警察庁の交通関係から苦情が出て長くきまらなかったということは、遺憾千万だと思うのですが、次官どうですか。今後問題を残すことはありませんか。一般軽自動車でありましょうと、一般小型トラックに属するものであろうと、それは道交法上の区別によって何か取り締まり上差別されるようなことが出てくるおそれはありませんでしょうね。念のために伺います。
#8
○藤田政府委員 直接所管に入るかどうかわかりませんが、そういう差別扱いは絶対にないと考えております。
#9
○太田委員 小型ですから、マイクの高さに問題が出てくることは万々あるまいと思いますが、たとえば乗車定員か何かで縛られますか。選挙法上と乗車定員か何かでこれは差別を受けるでしょうか。
#10
○松村政府委員 この点は交通警察の方の所管だと思いますが、公選法上はトラックに、乗れる人員がきまっておるわけでございます。ただ、ミゼットとかオート三輪という小さな車になりますと、人が公選法で認められた範囲内で一ぱいに乗りますと、私どもは所管でございませんけれども、危険だというようなことで、交通警察の方で制限があるいはあり得るのではなかろうか、こういうふうに考えますけれども、当面の責任者でございませんので、その点はっきり申し上げるわけには参らないと思います。
#11
○太田委員 あとで交通局の関係の方においでいただいて、さらに明らかにしていただく必要があると思いますけれども、私は差別はなかろうと思うのです。公職選挙法の方が優先する、公職選挙法できめたことを、今度道交法の建前であるとか、あるいは交通の秩序安全のためだとかというような名前によって、現地警察官が適当に制限するということは、行き過ぎのような気がするのですが、もし問題が残っているとするなら大へんでございますから、今度一つ交通関係の方に御出席いただいて、あとでお答え願いたいと思います。委員長においてお取り計らい願います。
 では、その問題は一応それでとめまして、次は、地位を利用するところの公務員の選挙運動を禁止するという百三十六条の二についてお尋ねいたすわけですが、実は非常に懇切丁寧な通達が出ました由に承ります。それは三十八年二月十四日付の「地方公共団体の公務員の地位利用による選挙運動等の規制について」の自治内選発第3号であります。各都道府県選挙管理委員会委員長あての通達についてお尋をするわけですが、これは私、内容を大体拝見をいたしまして、そう意図する点があるわけではありませんが、新聞には出ておらなかったと思うのですが、一番最後の方に妙なことが書いてあるのです。「市町村長が単に次の行為をするだけでは、」いわゆる公務員の地位利用の選挙運動の「禁止行為に該当しない。」というので、四項目あるのです。具体的事例は、一つは「後援団体の結成に関与し、その役員となること。」これはよろしい。「後援団体の会員の加入勧誘をすること。」これもよろしい。「選挙運動用自動車又は船舶に同乗すること。」これもよろしい。「公舎でない自宅を選挙事務所や個人演説会場に提供すること。」これはよろしい。この四項目の具体例が除外されたものとして、地位利用による選挙運動禁止の条項には当てはまらない。この中で特に気になりますのは、後援団体の結成に関与し、役員となったり後援団体の会員に加入することを勧誘することを認めるというのは、どう考えても、百三十六条の二の中に地位利用の選挙運動をすることはできないときめた趣旨には大いに反すると思うのですが、自治省としてはいかなる考え方でこういう御通達をお出しになったか。
#12
○松村(清)政府委員 公務員の地位利用の選挙運動禁止の規定に関しましては、昨年の参議院選挙のときにも、二回にわたりまして、それぞれこれを守っていただくように通達を出したのでございますが、この統一地方選挙がやって参りますにつれまして、一般職の公務員につきましては特にこれを申し上げるほどのこともない事態になってきておると思うのですが、市町村長の方において、この地位利用の規定に非常に恐怖を感じまして、特別職である市町村長が本来できる政治活動すらこれをちゅうちょする、こういうように萎縮する空気が出てきておったのでございます。そこで、統一地方選挙を控えまして、すべての公務員に対しまして、あらためて地位利用の規定の順守を呼びかけますと同時に、あわせてその市町村長について、萎縮しておる空気がありますので、自由に――自由にと申しましても法律の範囲内でございますが、選挙運動、政治活動が、特別職や選ばれる人としての市町村長ができるようにという趣旨で、この規定の内容を解明をいたす趣旨で、先般通達をいたしたのでございます。
 先ほど新聞に云々ということがありましたが、たしかある新聞には大きくこれが出ておったように記憶いたしております。
#13
○太田委員 局長、新聞に出ていたのは、通達したことが間違いなければ出るでしょうが、私の見た新聞にちょっと出てなかったからそう言っただけの話です。確かにお出しになったとするならば、非常に具体的なんです。そういうのが地位を利用してとか――あなたの方は原則的に禁止されたものとして、その通達の中には、地位を利用してというのはその地方公共団体の公務員としての地位にあるために特に選挙運動などを効果的に行ない得るような影響力または便益を利用する意味で、職務上の地位と選挙運動などの行為が結びついている場合をいうと、こう書いてある。この概念規定から見て、この中から今の特別職である市町村長はそういうことをやってよろしいというようなことが出てくるはずはない。ところがこれでは、ますますあなたの方の概念というものを縮小して、後援会の会員を勧誘してよろしい、こういうことになるのですね。そんなことは大それたことじゃありませんか。それを禁止して、いわゆる李下に冠を正さず、そういう地方公務員の首長たる者は特に自粛自戒をするということをあなたたちがおっしゃるならいいですよ。私は寡聞にして、公職選挙法の百三十六条の二の禁止条項ができてから、地方の特別職や公務員が脅怖を感じて、特段に萎縮をしてしまったというような空気が出ておるということを聞いたことがない。逆じゃありませんか。あそこでは手ぬぐいを配ったり、こちらではふろしきを配ったり、何百万と配っても、それは大して異議はない。これは警察庁の宮地局長も先般お答えになった。そういうように何か傍若無人な行動の方に軍配を上げ、傍若無人な行動というものを容認するような風潮の方が出ておる。公職選挙法をないがしろにする風潮そのものに対して、公職選挙法の管理者である自治省自身の後退が感ぜられるときに、地方公務員の特別職公務員が恐怖を感じて萎縮をしているというふうな空気がどこに出ている、逆じゃありませんか。これはどうしてそれが合法的だということが証明できるのですか。ちょっと証明の根拠を・・。
#14
○松村(清)政府委員 お話のように特別職あるいは選ばれる職にある知事、市町村長の中には、そういったような部分もあると思います。私もそれを認めますけれども、しかし一方におきまして、今申し上げましたように、市町村長の中で本来の政治活動あるいは選挙期間でいえば選挙運動、こういったものを行なうにつきまして、この地位利用の規定が十分に理解されておりませんために、非常に萎縮の気持があることも、これも私は否定しがたい事実であると考えております。そこで今度の通達におきましては、最初にこの規定の抽象的な解釈を、参議院選挙のときにやりましたが、もう一度確認する意味で掲げまして、しかしこう抽象的な規定ではわかりませんので、具体的に行為を列挙して、これがこの規定に反するかどうか、こういうことを明らかにするために、具体例をあげてわざわざ列記してあるのでございます。取り締まり当局とも十分これが具体例について打ち合わせた上行ないましたので、要はこの規定の趣旨を十分に理解してもらう、地位利用の選挙運動をしないことは当然でありますが、しかし一方においてあまりにもこの規定を過大視して、本来の選挙運動あるいは政治活動について非常に萎縮した気持を抱かせるということも、これまた法の趣旨とするところでもございませんので、そのようなことを一つこの機会に、統一選挙を控えた機会に解明する意図をもって、こういう具体例を掲げて、地方の理解を助ける意味で通達いたした次第でございます。
#15
○太田委員 その公務員等の地位利用による選挙運動の禁止は百三十六条の二、その二項の三号は「その地位を利用して、第百九十九条の五第一項に規定する後援団体を結成し、その結成の準備に関与し、同項に規定する後援団体の構成員となることを勧誘し、若しくはこれらの行為を援助し、又は他人をしてこれらの行為をさせること。」これは禁止されているでしょう。これとそれはどういう関係なんだ。これだけはっきり書いておるのに、わざわざあなたの方で通達によって、後援団体への加入勧誘をすることはよろしいなんということ、どういうわけです、これは。
#16
○松村(清)政府委員 これは、公職選挙法には、地位を利用してこういうことをやることはその地位利用の選挙運動とみなすという趣旨でございますが、ここで最後に通達で申し上げておりますのは、市町村長が、単に個人としてこういった後援団体の結成に関与し役員となること、このことは地位利用の選挙運動になるものではない、こういう趣旨でございます。
#17
○太田委員 法務省の方にお尋ねをいたします。これは竹内さん、今のお答えですがね、単にと書いているところにみそがあるとおっしゃる。市町村長が単に次の行為をすることはよろしい、単に市町村長が次の行為をするということだけでは禁止に当てはまらぬからどんどんやりなさい、後援団体の会員の加入勧誘をすること、これは明らかに百三十六条の二の第二項第三号によってはっきりと、「その地位を利用して」、と書いてありますが、単にと書いてありませんね。その公務員が、単にという言葉は使ってありません。それはその地位を利用してと書いてありますけれども、単にであるか、地位を利用してであるかが明らかでない場合が多いのではありませんか。あなたの方は協議なさった場合に、これが法に触れないという断定をなさった根拠はどういうものでしょう。またそういう解釈を自治省の方で出しましたことに対して、法務省としても御賛成なさったのですか。御見解をこの際承っておきたい。
#18
○竹内政府委員 お尋ねの通牒につきましては、自治省、警察庁、私どもの方で、三者で協議をいたしまして到達した結論に基づいて自治省がお出しになったものでございまして、結論につきましては私どもも賛意を表わしておるわけでございます。
 御疑問の点にお答えを申し上げたいと思いますが、この地位利用についての法律解釈でございますが、昨年の参議院選挙におきまして、この解釈は実際の取り締まりにあたって使ってきたわけでございます。その間に幾つかの先例等が積み重ねられて参りまして、御承知のことでございますけれども、法律解釈を事前にできるだけはっきりとして参りますことは当然でございますが、幾らはっきりさせましても、新しい事象が出て参りますと、それが法律に触れるか触れないかということは、最終的には裁判所へ持っていって審判を受けないと、最終的な法律解釈は出ないわけでございます。この選挙法につきてましては、選挙運動についても同じような問題がございますが、判例がある程度確立しておりますけれども、なお、まぎらわしい行為というものもあるわけでございまして、問題は、はっきり当たるものについてはどなたも選挙運動に関与します方は問題はないわけでございますが、まぎらわしい、当たるか当たらないかわからないというものにつきましては、非常に関心をお持ちになっておるわけでございまして、もしまぎらわしい行為を、非常に弱気で参りまして、あぶないあぶないということでやるということになりますと、手も足も出ぬという結果になりますし、これを強気で、まぎらわしい行為だからむしろやっていけということになりますと、時には思いがけない法律違反という問題にもぶつかるわけで、従いまして自治省が公明選挙を推進して参りますために、地位利用に関する規定の運用をできるだけ積極的に、違反になるもの、それからまたそれにはならぬと思われるもの、そういうものを、過去の参議院の選挙の実績等にかんがみまして、解釈をできるだけ両面にわたって指示して、その取り扱いに過誤なきを期していきたい、こういうことであったわけでございます。
 そこで、この地位利用というものについての解釈でございますが、規定が設けられました当初、新しい概念でございますので、いろいろ広くも狭くも解釈される余地があったと思うのでございますが、私ども裁判所に違反の場合には持っていかなければなりませんので、そういう純司法的な立場で、裁判にたえるだけの解釈をしていくということは、私どもの立場として必然でございますが、そういう立場から、地位利用につきましては、公務員が地位にあることによりまして選挙運動をしやすい影響力を利用することでありますので、これを単に政治家につきまして申すならば、非常に事実上の影響力は大きいのでございますが、法律上は何も権限がないというような場合もあるわけで、もし単にその影響力ということだけに重きを置いて考えますならば、いわゆる政党の実力者なんというのは、権限のある地位にあられる政治家よりももっと大きな影響力を持っておるかもしれませんが、それはこの選挙法にいう地位利用というものには当たらないというふうに法律的には考えられるわけでございます。そこで地位利用に伴って身分上の指揮監督権、職務権限あるいは担当事務に関連して、公務所の内外に対して、今申しましたような選挙運動をしやすい影響力というものを利用するような場合がこの地位利用の犯罪に当たる、こういうふうに解しておるわけでございます。そこでもう少し端的に申しますならば、事実上の影響力ではなくて、法的関係によって裏づけられた影響力ということを、この規定は考えておるのでございます。
 そこで、今の通牒にもう一回戻りますけれども、そういうような影響力を持たない個人的な立場においてなさる、いわば事実上の影響力にとどまるような案件につきしまては、この法の規制外であるという考え方に到達するわけでございまして、末項に幾つかまぎらわしい行為で、これは必ずしも地位利用に当たらないということを申しましたのは、そういう趣旨からでございます。私どもはそういう立場から、この趣旨に賛成したわけでございます。
#19
○太田委員 私は、今竹内局長のおっしゃった解釈というのは、言葉の上から聞いていきますと、あなたのおっしゃることそのものに間違いがあるわけではない、なるほど条理整然としておるように承ります。けれども、これを公職選挙法でわれわれが、地位を利用して後援会の勧誘などはしてはならないと明らかに書いたその精神を、単に個人としてというような意味で行なう場合には市町村長といえども差しつかえないのだというふうに理解するならば、公務員の地位利用の後援会の加入勧誘などはいけないという第三号を置く理由はいささかもない。市町村長のように特に影響力の大なる者が――個人といえども、市町村長である以上は非常に大きな影響力がある。その影響力そのものは遮断できない。遮断できない影響力を使って、自分に直接利害関係のある選挙民に対していろいろ勧誘をするなんということを、単に個人ならよろしいというようなところに根拠を求めるとするならば、この禁止条項の二項三号は要らないじゃないか、これに該当する場合はもうない、これは骨抜きになされたのも同然だと私は思いますが、その条文はあなたの御解釈で骨抜きにされないですか。
#20
○竹内政府委員 私どもの解釈としましては、いささかも骨抜きにされておるというふうには考えておらないのでございます。百三十六条の二は、第一項の方は御承知のように、「地位を利用して選挙運動をすることができない。」ということが書いてございます。この地位利用につきましての解釈は、一項の場合も二項の場合も少しも変わらないわけで、選挙運動という言葉は、先ほどもちょっと触れましたように、判例で確立しておりますけれども、なかなかまぎらわしい行為もあるわけであります。この選挙運動の中で、第二項の一号ないし五号に掲げてあります行為が選挙運動とならない場合もあるわけであります。それでありますけれども、地位を利用してのこの種のまぎらわしい行為は選挙運動と見る、こういう規定でございまして、地位利用という解釈は一項、二項を通じて少しも変わらないわけで、つまり選挙運動には当たらないような行為でありましても、地位を利用してこの種のまぎらわしい行為をやった者は、本法の改正によりまして特に選挙運動と見る、法律上そういうふうに見てしまった規定でございます。ここで今解釈で議論しておりますのは、地位を利用してというところが問題でございますが、地位利用は先ほど申したような解釈をいたしますので、従って、この通牒のようなものははずれるということに相なるかと思うのでございます。
#21
○堀委員 関連。今の刑事局長の御答弁を伺っていてやはり疑義がありますのは、この問題の規定は、今おっしゃるように事実的な影響力の問題と法的影響力の問題と区別される。そこで、ここで自治省がただ「単に」と書いてありますけれども、後援団体の結成に関与し、その役員となり、その結成をする後援団体の構成員が法的に市の職員であったり、あるいはその他法的にその当該公職の理事者と上下の関係を伴うものが除外されているということであれば、これはおっしゃるように、事実的な影響力以外の何ものでもないと思います。しかしここには不特定多数のものをさしてあるだけであって、そういう除外例がない。この通達では要するに「市町村長が単に次の行為をするだけでは、(一)の禁止行為に該当しない。」というふうになって、「後援団体の結成に関与し、その役員となること。」「後援団体の会員の加入勧誘をすること。」こうなっている。その対象者が市の職員であったとすれば、そこで当然法的な影響力があるわけですから、その中には少なくともそういうことを除外するということを含めておかないと、要するに、そのことは今のこれをもっては直ちに事実的な影響力を伴うものに限られたとみなすわけにはいかないと思います。だから、やはり今太田委員が申しましたように、この地位利用の問題というのは非常に微妙でありますから、前段のそういう禁止の規定の方を書くことには問題はないと思いますけれども、ことさらに今の非常に問題のある部分、そしてその対象者は法的な影響力のないものに限られているという前提において、こういう通達を出していることはやはり今の百三十六条の二の二項等の違反事実を含むものと解釈をするのですが、どうでしょうか。そこは対象者の側に、法的な影響力のあるものを含んでいるわけですから・・。
#22
○竹内政府委員 それは堀先生のおっしゃる通りに私どもも解しているわけでございまして、この通牒の前の方に、こういうのは違反行為になるということで明らかにしておりまして、それとこの今の部分とを対比してごらんいただきますと、おのずからこれが単なる事実上のものであるということになろうかと思うのでございます。口頭で申し上げるということになると詳しく申し上げ得ると思いますが、文章になりましたので、あれでございますけれども、これを一つの全体の通達としてごらんいただきますと、これが「単に」という意味が事実上のものであり、市町村長という肩書きがありますので、地位を利用しているかのごとく見えるけれども、事実上はそういうものでない、そういう場合のこの種の行為は地位利用に当たらないということを申していると思うのでございます。
#23
○堀委員 ちょっと前段に地位というふうなお話がありますが、前段の「地位を利用して」の意味、「「地位を利用して」とは、その地方公共団体の公務員としての地位にあるがために特に選挙運動等を効果的に行ないうるような影響力又は便益を利用する意味であり、職務上の地位と選挙運動等の行為が結びついている場合をいう。」こういうふうにありますが、それじゃ後援団体の会員の加入を勧誘するという一般的、普遍的な原則をここに掲げておりますから、ただ「単に」という名目はあっても、私に言わせると、ただ単にということは、市長として公の地位を利用してということでやらなければよろしいのだ、こういうふうな意味を「単に」で含めたと思うのです。しかし含めても、対象者が市の職員であれば――私の言うのは、市の職員ばかりを後援会に入れる場合じゃないのです。一般的な後援会をつくっていく場合に、その地域で一つ後援会をつくりましょうということで、市長が自分の後援会をつくる。その中に、たとえば市の職員がいる、あるいは消防署の職員がいる、こういう場合に、それを個々に行って勧誘をすれば、その当該部分についてだけは地位を利用した問題が出てくるわけです。だから、この解釈の仕方だけを読みますれば、そういう違法な行為をあえて起こさせる危険をこれは伴うものである。だから、ただし、その後援団体の会員を勧誘するに際しては、市長の法的な影響力を及ぼすものは除外するのだということがうしろにないならば、ただこれだけでいけば、今の格好でやった場合に、市の職員の職員組合を集めて、お前ら後援会に入れ、これは当然やりません、しかし、これは地域でやれぱ起こると思うのです。あるいは市の職員である、市の交通の職員である、あるいは消防署の職員であるというような者は、家へ帰っているのだからこれは職員とみなさないという理解もあるかもしれません。市長個人が家へ行って頼んだんだ。しかし法律的に見れぱ、それは法的影響力をもたらすものですから、だからこの点では、この自治省の通達は重大なる過誤を起こさせるに足る通達である、こう理解をしますが、その点、刑事局長もう一ぺん一つ答弁して下さい。
#24
○竹内政府委員 非常に微妙な御質問でございますが、地域社会の中におります公務員、選挙人が、たまたま自分の人事上の指揮監督権を持っておる村長、町長、市長から今の後援会をつくるので勧誘を受けた、こういうような場合に、その関係はこれを市長と吏員という関係で理解するか、地域社会の社会人としての村長と選挙人である吏員の人、こういうふうに理解するかによって、非常に厳格に解釈するということになれば、そういうのが一人でも入っておったらばいかぬじゃないかという御議論もあると思いますが、そこで考えられますことは、一般的に申しまして、私ども役人もやはり選挙人としてその地域に住んでおるわけなんで、そういう社会人としての立場で呼びかけられておるという場合に、その大部分の人が吏員でありませんが、その地域に住んでおった吏員がたまたまそこへ入っていたというような偶然の事由でもって、すぐ地位利用にこの行為が変わっていくというふうに見るのも、少し解釈としては穏当を欠くのじゃなかろうかというふうな考え方を私はいたしておるわけでございます。
#25
○堀委員 いや、私は今最も薄い場合を言ったわけですね。それは相対的な問題ですからね。それじゃ、ある部落で十名の地域があって、五名公務員がいて、あと五名が一般の町の人間だったらどうか、こういうことになると思うのです、この問題の性格は。法律というのはそういうものじゃなくて、やはり一つの基準がすばっと立っていないと問題が起こるわけですから、やはり今のような法的な影響力のある問題については、これを厳密に解釈をするということにならなければ、そういう言い方がもし可能だということになれば、抜け道はさらに広がってくると思うのです。やり方は幾らでもあるわけです。そしてますます全市に対して後援会組織を呼びかけていくような格好になれば、市の公務員であれ何であれ、みんな入ってくるわけです。だから問題は、そういうふうな意味では、これは本来的にいって法的な影響力というものを積極的に解することを打ち立てておかないと、問題が起こる性格のものなんです。だから、こういうふうな網をかぶせたような通達のあり方は、この部分についてだけは、おまけに今の法律と表裏になっているような格好で通達を出しているわけですから、私はこれは問題があると思う。
 これは政務次官にお伺いしたいのですけれども、法律解釈としては、今のような議論があるわけですね。あるけれども、その問題が量の問題になってくると、これは法律解釈だけでは解決がつかない問題だから、政治的な問題として判断をしなければならぬ部分が出てきますが、政治的な部分としてこれは適当でないと思うので、ここの二項についてだけは、何もよろしいと書かなくても、私は前段に禁止せられている、そういうことはいけないと書いてあれば、それをみずから判断してやるのが選挙運動であって、こういうこととこういうことはよろしい――まぎらわしくないことについてだけは、はっきり幾ら書いてもいいですよ。きわめて微妙な問題、こういう論争が起こってくる問題、今の後援会の中に何人まで市の職員が入っておったらどうなるのかということは、まさに政治的な問題として処理をしなければならぬことだから、そういう意味で、私はこの通達のうちの後援会活動に関する部分については適当でないと思うのですよ。だから、一回出ちゃったものだからあれですが、これについては疑義があるので、法的影響力を伴うようなことについては厳重にもう一ぺん留意されたい。あわせて、もう一ぺん通達を出してもらいたいと思う。出してしまったものは仕方がないのですから。その点は私は必要だと思いますが、政務次官いかがですか。
#26
○藤田政府委員 公選法百三十六条の二についていろいろ御議論を拝聴いたしましたが、私としましては、竹内刑事局長が申し上げました通り、事実上の行為をこの通達で最後の項目にあげておるのでございまして、市町村長という職務とか地位に伴いますところの、相当具体的な公の権力を選挙に持ち込んではいかぬ、こういう立法の趣旨であると解釈いたしております。言葉をかえれば、法律上の行為として後援団体の結成云々という場合はまずいが、事実上の問題として、今地域社会の云々というような表現も局長がやっておりましたが、こういう場合はやはり通達の趣旨を生かしていいんじゃないか。もう少し申し上げますと、この通達の大きい第三項目の中に、「「地位利用による選挙運動」についての事例」というのがありますが、こういうものは完全に法律上の地位利用でございまして、これ以外のものは、大体事実上の問題として、通達の最後の項目の、「後援団体の結成に関与し、その役員となること」。こういう場合で、地位利用禁止規定の適用を受けない、こういうふうに解釈したことが、実際全国で行なわれております現実の姿にもマッチし、長年にわたり合法化されているというこの現実にも忠実なゆえんではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。ただ、太田委員と堀委員の御発言をいろいろお聞きしておりますと、われわれとしましても十分一つ慎重に検討する問題もあろうかと存じますので、統一選挙がだいぶ近づいて参りましたから、事務当局と十分検討は続けて参りたいと考えております。
#27
○太田委員 警察庁当局にお尋ねをしますが、「事前運動の中止を」というので、二月二十六日の日に、東京都の選管、東京地検、警視庁、これが、統一地方選挙を目前に控えて、事前運動にまぎらわしい行為が非常に見られるので、公明選挙に逆行するとして声明をお出しになった。その前提は、買収容疑があり、あるいは文書図画違反容疑が出ておるというところから出たわけでありますが、この声明の要旨は、地方自治は民主政治の基盤であり、地方選挙は住民の意思をその政治に反映させる重要な機会であるから、その公明化は地方自治発展のための基本的要件として都民の念願するところである、こういうような考え方に基づいて、地方選挙において法令を順守し、良識ある行動をとられるよう要望する、こういう声明が出されておる。法令を順守し良識ある行動をとれということを言われておる。常に公明選挙推進運動などの中にある言葉でありますけれども、よい政治はよき選挙法の実践からというようなかけ声から、公明選挙、公明選挙というのだが、あえて今日自治省なりあるいは選挙局長が、こういうのは地位利用にはなりませんぞと、あのように公職選挙法を骨抜きにされたいと要望するがごとき文書を通達として出されたことは、常に訓示されている精神に逆行するもはなはだしいと感ぜざるを得ない。警視庁が東京地検や選挙管理委員会と一緒になって事前運動の中止を言われたその精神は、私は実に正しいと思う。これでいけばいいじゃありませんか。行数にすれば、いけないと書いてあるのはわずか十行くらい、いいと書いてあるのが七十行か八十行、いわゆるいいという方面に重点を置いて書かれておるのが通達の内容です。こんなものを出すということは、今日事前運動にまぎらわしいものが多くあり、選挙違反の容疑事件が各地に頻発しておるから、どうしても当を得たものではないと思う。それであなたの方も、何か警視庁あたりがいうた共同声明というのを御報告を受けていらっしゃると思いますが、この精神には別に異議はないでしょうね。しごく同感に考えていらっしゃいますか。あるいはあたりまえのことなんだから、たとえば神主ののりとのようなものとお考えになっていらっしゃいますか。
#28
○宮地(直)政府委員 地方選挙が公明に行なわれますことは、その選挙の性格上、地方民の利益と申しますか、生活環境と直結いたしておりますから、きわめて重要なものだと私どもは考えております。そういう意味を強調して、今回警視庁において出されたことは、趣旨において、全くわれわれの考えておることを選管、警察及び検察庁で出されたものと私どもは感じておりますし、選挙のたびごとにそういうふうな声明をするということは、各地の慣例はございますが、その内容におきまして、きわめて当を得たものと考えておるのでございます。
#29
○太田委員 法務省の竹内さんにお尋ねしますが、今私が申した警視庁、東京地検などの共同声明というのは、前段にあります、地方選挙は住民の意思をその政治に反映する重要な機会だから、地方自治発展のために、不公明な、まぎらわしいことはやらぬでくれということで、地方政治に地方住民の意思を率直に反映させるという点に前段の力点が置いてあるわけです。それを市町村長たる立場にある者が、単に何のだれ兵衛という立場で、きょうはあなたに819b君の後援会に入ってもらいたいということを要請しますというようなことをやらせることを、あたりまえだと認めるのは、しゃくし定木か、しからずんば法の冒涜だ。地方住民の意思を政治に率直に反映させるという趣旨をあなたが理解されるならば、先ほどの選挙局の通達というのは少々間違いじゃないか、危険ではないかという気がするのですが、地方自治に対する御見解はいかがですか。
#30
○竹内政府委員 私どもは、選挙の公正な実施をしてもらいたいという取り締まり当局としての立場を持っております。私の理解します公正なる選挙とは、正しい選挙というふうに考えておるのでございまして、違反に対してはこれを厳正に摘発して処理していくということのほかに、解釈におきましても、正しい解釈を貫いていくという使命を持っておるように考えております。従いまして、ただいまの警告の中に掲げております趣旨は、私どもは常に繰り返して申しておることでございまして、私、法務省の立場から、すでに大臣の命を受けまして年末にも刑事局長通達を発しておりますし、さらにまた年末年始の状況をいろいろ聞きまして、これではいかぬというので、また正月に追いかけて通達を出して、公明選挙の推進を検察面からはかっていくという態度を明らかにしております。さらにはまた、去る二月二十七、八日の両日、全国の検察庁長官を東京に集めまして、選挙に関する訓令、指示を出して、また取り締まりについての具体的な協議もいたした次第でございまして、この私どもの考え方は、警察庁の宮地局長からお話のありました通り、変わらないのでございます。
 特にもう一つ申し添えておきたいことは、参議院の選挙の前に、全国の長官会同をいたしまして選挙の打ち合わせをいたしました。その際に、この来たるべき来年の地方選挙についても、その点を大臣もその通りと考えられまして、大臣訓示の中に明らかにしましたように、単に地方自治に正しい国民の意思を反映させるという地方選挙、それだけの意味ではなくて、これはやがて国会の選挙の公明化にもつながる、そういう重要な意味を持ったものであるから、地域の選挙だからといって、従来ややもすれば軽視するような傾きがないとも保しがたいけれども、今後はそうではないのだ、国の選挙と同じように重要な意味をもって取り締まりに当ってほしいということを申しております。
 私の考え方、法務省の考え方は、以上申した通りでございますが、この通牒との関連においてお尋ねでございますので、通牒の最後の項につきましては、前との関連において御理解をいただきたい。そういう意味で、これが前に該当しないような事実上の――「単に」という意味はそういう意味だと私は思うのでございますが、そういう意味で法律解釈もまた正しく貫いていかなければいかぬ、こういう考え方で、どうせこういう、単にこれにとどまる行為は罰せられるものではありませんので、罰せられないということを明らかにすることは、法務省として別段矛盾を感ずる事項ではないというふうに考えるわけであります。
#31
○太田委員 それでは竹内さん、「単に」ということを具体的に数に表わしますと、選挙民の何%ぐらいまでがそれに該当するか、選挙民の何%までぐらいを勧誘することならば「単に」であるであろう、そういう計算はできますか。できますならばお答えいただきたい。できないならばできないとお答えいただきたい。
#32
○竹内政府委員 それは私はできないと申し上げるのが正しいと思います。と申しますのは、先ほども申しましたように、法律解釈は事前に相当明確にしなければならないのでございますが、なおその法律ができましてから後のいろいろな事象というものは千変万化するものでございまして、これらに対しては、具体的にきめて参りますには、幾つかの先例、判例を積み重ねて初めて到達されるわけでございます。参議院議員選挙を通じて私どもが実績として積み上げました解釈の取り扱い方、これだけで、すぐ何人まではよろしい、何人以上になるといけないといったような結論を出しますことは、解釈論としてもすこぶる危険なことでありまして、そういうことはできるかできぬかというお尋ねでございますれば、できぬとお答え申し上げるほかないと思います。
#33
○太田委員 警察庁の宮地さんはどうですか。この「単に」というような概念で介入ができるとするならば、およそそれは選挙民に対して何パーセントのあたりまでの量だろうか、その辺を・・。
#34
○宮地(直)政府委員 今問題になっております自治省の通牒でございますが、私どもの方におきましても、地位利用の問題は御承知の通り先般の新しい選挙法によって初めてできた、一方におきまして一般職の公務員につきましては、政治活動の禁止という問題がある、しかしその他の職にある者は政治活動の禁止はない点につきましては、太田委員御承知の通りでございます。その二つの問題につきまして、非常に解釈上疑義と申しますより、いかに扱うべきかということがしばしばわれわれの方にも質問がくるわけです。その回答に対しまして、そういう問題があることに対しまして、この自治省の通牒は一つの基準であるという意味においてわれわれも参画し、断定したものでございます。今の御質問の、この「単に」ということは、たびたび法務省並びに自治省でお答え申された通りでありまして、ここの「単に」という記載だけによって具体的な事例が判断がつくかどうかということでございますが、こういう法律上の解釈はその通りでございますが、これまた竹内刑事局長が申されましたように、単なるこういうものは入らないということだけの言葉によりまして個々の事情を判断することは危険である。やはりそのときの具体的状況によって、この趣旨がいかにあるかということを具体的な場合に当てはめて考えざるを得ないと存ずるのでございます。
#35
○太田委員 宮地さんのお答えで私も少しわかってきたような気がするのです。そうするとパーセントの数字は整数じゃありませんね。一%なんというものは出てこないという感じがいたしますがね。〇・〇〇〇幾つつけたらいいか、これは勝手につければいいと思うのです。結局これは実用化しないのだと思うのです。竹内さんも専門家でありますが、ちょっとお尋ねしますが、前の方で問題になりました地位利用の基本的な解釈は、前提として公務員としての影響力を利用するということ。そこで、その例としては補助金や事業の実施ということなど、そういうことで関係者などに対して選挙運動することはいけない。この場合、府県、市町村が事業を行なって、その関係者に対して選挙運動することはできないということになったら、市長の行なう事業というのは全市にあるでしょう、町長の行なう事業は全町にあるでしょう、全町に及ぼさない町長や、あるいは全市に及ぼさない事業をやっている、そんな市長なんてありませんよ。そうすると、事業を行なうことによって、その影響力を関係者に利用してというので市町村民に対して選挙運動をする――選挙運動というのは後援会の加入をやることも、勧誘することも選挙運動なのだから、それをやろうとしたらこちらの方にひっかかって動きがとれないじゃありませんか。幾ら個人として、夜夜中に、私は勤務時間が終わりましたから市長という服は脱ぎます、いつもの着流しであなたの家に来ましたけれども、山野太郎君はどうしてもこの辺で出さなければいかぬと思うから、この辺の諸君は後援会に入ってやってくれ、そうして集会などに一人々々の方が加わったということがあったとしたならばどうなるか。そこに学校もあるでしょう、道もあるでしょう、上下水道もあるでしょう、住宅もあるでしょう、あるいは幼稚園もあるでしょうし、保育園もあるでしょう。事業について影響力のない関係者、市町村民はあるはずがないとなれば、私が先ほど申しました「単に」という立場において市町村長が後援会の会員の勧誘をしようとしても、その例は出てこない、そういう事業に関係のない関係者というのは全然ないと思うのですが、この関係者というのは一般市町村民は含んでおらないのか、単に事業を行なう土建業者だけのことをさしておるのか、一般市町村民も含んでいるのかというを、あなたはどうお考えになりますか。
#36
○竹内政府委員 先ほども申しましたように、「地位を利用して」という解釈は、事実上の影響力を利用することじゃなくて法律的関係の影響力を利用する、こういうふうに私どもは理解するわけでございます。そういたしますと、その地域で選挙されてその長になった村長、町長というものは、その住民に対して一切がっさい今申しましたような法律的関係に基づく影響力というふうに理解するかどうかという御質問になろうかと思うのでございますが、もしそういう理解でございましたら、私どもの理解はやや異なるのでございまして、町長、村長という地位の方が今申したような法的関係に基づく影響力を利用する、それが地位利用でございますので、外郭団体と申しますか、関係団体と申しますか、そういうものは法的に市町村と何らかの関係を持っておる、そういうものに向かって働きかけをするという場合にはこの地位利用になろうかと思いますが、一般的にその村、その町に住んでおります住民全体の問題として選挙に関するいろいろな話をするとか、あるいは後援会結成に参画するとかいうようなことをやりました場合には、事実上の影響力はともかくとして、法的な関係に基づく影響力を利用しているというふうには一般的には見られないというのがこの解釈、通牒の趣旨でございまして、これをカムフラージュして、そういうことに藉口して実は選挙運動をやっておりますとか、あるいは実は選挙にまぎらわしい行為とみなされる選挙運動をやりますとか、こういうような事案にもしなるならば、これが法律の適用を受けますことは当然でございまして、今先生は、後援会結成は選挙運動だとおっしゃいましたが、選挙運動になるものもありましょうが、純粋の後援会結成行為は、選挙運動じゃなくて政治活動というふうに私どもは理解しておるのでございます。しかし、地位利用の犯罪に関しましてはそういうものも選挙運動にみなすという規定がございますので、選挙運動と法律上みなされるわけであります。実体が政治活動である場合――しかし政治活動に藉口して選挙運動をする場合もあるのでございまして、そこは具体的事件に即して調べをして、その証拠によってその事実を認定できるならば、そのいずれかに結着をつける、こういうことになると思うのでございます。
#37
○太田委員 竹内さん、それは公職選挙法百三十六条の二の用語からそうおっしゃるとすると、少々おかしいのじゃないですか。政治活動とか選挙運動というもののまぎらわしい点は原則的にあり得るのでありますけれども、百三十六条の二の公務員等の地位利用による選挙運動の禁止の第二項の第三号には、その地位を利用して後援団体を結成したり、あるいはその結成の準備に関与し、同項に規定する後援団体の構成員となることを勧誘すること、そういうことを援助すること、または他人になさしめるということは、いわゆる公職選挙法によると、地位を利用して選挙運動をすることはいけないと書いてあって、政治活動と書いてないのであります。こういうのは選挙運動としていけないと書いてある以上、そういう後援会の結成に関与せしめたり、援助したり、勧誘したりするのは禁止されておるとすなおに解釈をしない限り、こういうものは要らなくなります。政治活動で私は後援会の関係に顔を出しました、政治活動で後援会の会員を勧誘しました、政治活動として役員たることを承知しました、政治活動として他人をしてそういうことをなさしめました、そんな言いのがれで済むのでしょうか、おかしくありませんか。
#38
○竹内政府委員 私の説明が下手なために御理解をいただけなかったように思うのでございますが、私はそういう意味で申し上げたのじゃなくて、二項はすぐ選挙運動に当たらない場合もあるわけです。であるけれども、この法律の規定によりまして、一項と同じ、選挙運動した場合と同じように処分されるということが規定してあるのでございます。今の結成行為その他につきましては、当然に選挙運動だというのではなくて、この法律の規定がありますために、禁止行為に該当するとみなす、こう法律でしておる、そういう趣旨のことを申し上げたわけであります。
#39
○太田委員 だから、選挙運動とみなすときめてあるのだから、そういうみなされるところの後援会の会員の勧誘などの行為を市町村長が行なうということは、これは法の精神から逸脱したものではないかと先ほどからお尋ねをしておる。
 そこで私は具体的な例を引いて、「単に」ということならばよろしいという先ほどから御説明がありました。その「単に」というのは、たとえば法的関係に基づく影響力を利用するのが禁止であり、法的な関係に基づく影響力を利用しなければ単なる活動だ、こういうことをおっしゃるのですけれども、法的の関係に基づくということをおっしゃる考え方を、私はもう少し具体的に例を引いてあなたにお尋ねした。たとえば、あなたの方は、市町村長がやってはいけない行為として通達の中で合意されたことは、補助金を出したり事業を実施したりして、そういうことに関係ある者に対して選挙運動することはいけないのだと初めからはっきり書いてある。そうすると、事業の実施に関係する関係者とは何だということをお尋ねしたら、あなたは外郭団体とおっしゃったが、外郭団体とか関係団体とか請負業者というものは別に書いてあるのだから、それ以外の関係者とは何だといったら、市町村住民だと私は思う。だから、市町村住民に対して、事業を実施するに関係した市町村住民に対して、これに選挙運動することはいけないですよ、こうはっきり書いた以上、その次に、自分の仕事を四年間なら四年間、三年なら三年行なった事業遂行に関係ある市町村民に、だれだれの後援会に入ってくれという場合には「単に」の中には入らずして、そういう事業実施に関係ある関係者にやってはいかぬという禁止の方に当てはまるから、そちらの方で解釈すべきでしょうねということを言った。
#40
○竹内政府委員 私はさようには考えないのでございまして、住民がすべて関係者だというふうには考えません。従いまして、前の、違反になるという解釈をいたしておりますのは、いわゆる法的関係に基づく影響力を及ぼすような関係者でありまして、一般住民につきましてはそういう関係にはならないという理解の上に立っての通牒のように私は理解しております。
#41
○太田委員 法的関係に基づくという別な言葉をお使いにならないで、ここに書いてある言葉で言っていただきたい。法的関係ということを別な言葉で言うならば、これは補助金を交付する、事業の実施等の影響力を利用して関係者に対して選挙運動することだ。それは法的権力、法的関係に基づく影響力ということじゃありませんか。どういうことでしょう。そうしたら、あなたは、住民はすべて関係者とは考えないとおっしゃったが、厳格にいって、事業の実施に全然関係のない仙人か何かもあるかもしれませんね、かすみを食って生きている人もあるかもしれないでしょうけれども、事業の実施に関係ないような――市町村長は地方自治という建前、幾多の固有の事務がありますから、そういう事業を実施する上に市町村民が何も関係なかった、そこの市町村住民が首長とは何も関係がない、そんな住民がありますか。どういう住民ですか。
#42
○竹内政府委員 そういう事業をやっておられるその区域内に、そういう住民もおられると思います。従って、厳格な意味で申し上げますと、住民がすべて無関係者とは申しませんが、そういう特殊な事業を町のために村のために請け負うとか、補助金をもらっておるとか、そういうような関係者、それが住民でありましても、そういう人はいわゆるここにいう関係者でございますから、それに対して働きかけをしますことは本法の違反に該当すると思いますが、そうでない、ただ単に住民であるというだけの人に対しましては、この通牒の最後のところに書いてありますように、これは法的関係を背景とした地位利用ではないというふうに解釈しておるわけであります。
#43
○太田委員 竹内さん、しからば具体的な例でお尋ねします。納税組合を一つつくって下さい、そして市の納税に協力して下さい、そうすればあなたの方に対して報奨金を出しますということで、部落全員につくらしてきた、そういうのはこの通牒にいうところの補助金、給付金等の交付あるいは契約の締結、事業の実施等によって関係ができた関係者ということになりますか、なりませんか。
#44
○竹内政府委員 ただいまの納税組合の問題につきましては、その納税組合と町村長との関係が、職務権限に基づくか担当事務に関連するかといったような法的関係を調査した上で結論を出したいと思うのでございますが、そういうことを一つの設例としてお述べになりましたので、もしその納税組合と町村長との関係が、先ほど来申しておりますような町村の長の職務権限と関連を持っておるという納税組合との関係がございますならば、そういう組合員に対してあるいは組合に対して働きかけをすることは、地位利用ということになろうと思いますが、この点につきましては、どうぞ自治省の御当局からも御意見を聞いていただきたいと思います。
#45
○太田委員 じゃ、政務次官、納税組合と首長と関係なしかありか、松村局長でもよろしいから、答えて下さい。
#46
○松村(清)政府委員 この点につきましては、ただいま法務省の刑事局長が言われましたように、具体的に市町村長の職務権限と納税組合との関係を調査した上でないと、はっきりしたことは申し上げられないと思います。
#47
○太田委員 少し具体的になりますと全部だめなんですね。あなたの通達、これはだれが見て、だれがそんなはっきりした解釈をするのですか。具体的に事業実施に関係する関係人、補助金の交付に関係する関係人――団体だけじゃありませんよ、関係人というように書いてありながら、納税組合と市町村長との関係というものがあるかないかわからない。今どきになって、納税組合と市町村長との関係がわからないというような自治省がありますか。その納税組合に加入するのも脱退するのも、すべて市町村長あての書類によって契約が行なわれておるじゃありませんか。あなたたちが納税組合をつくり、こういう条件によって完納されるなら、こうこうこういう条件によって還付金を出します、奨励金を出しますとやっているじゃありませんか。だから事業の実施だとか補助金の交付だとか交付金の交付ということに関係する関係者とある以上は、私はおしなべてその中に住民が入るということを言っているのであって、その住民の中に入らない者があるとするならば、久米の仙人かあるいは松村局長さんかだれかくらいの程度だと思うのです。どうですか。
#48
○松村(清)政府委員 ここに書いてございますように、補助金云々の権限に基づく影響力を利用してと書いてございますように、また関係者と書いてございますように、私は住民の中にも直接こういうものの対象にならない者が相当範囲にあると思います。もちろんその市町村の住民の中に、こういうものと具体的に関係のある者もございます。今お話しのように、そういう人が全くないということはない、私はそういうふうに思います。従いまして、先ほどから御議論になっております「単に」という問題は、結局ここに1と2に書いておりますように、補助金等そういった特殊関係の対象になるもの、それから2にありますように、これは具体的に言えば直接の部下、こういうものに対して後援会に加入するように市町村長がやるということは、むろん地位利用の選挙運動でございますけれども、それ以外の部面で、市町村長の職務権限のない一般の住民に対して後援会加入云々を行ないますことは何ら地位利用の選挙運動にならない。従って、その間の法律の上の解釈を明確にしておきますことが、特に市町村長という、これから選挙をやられる人の身にとりましては、これは非常に大事なことであろう、こういうふうに考えまして、法律を明確にするという趣旨でこの通達を統一地方選挙を前にして行なったにすぎないのでございます。
#49
○太田委員 それじゃ松村さん、もうちょっと具体的にお尋ねする。この「後援団体の結成に関与し、」あるいは「後援団体の会員の加入勧誘」というのは、みずからの後援団体で、他人の後援団体は含まない、自分だけ、そういう意味ですか。
#50
○松村(清)政府委員 これは百三十六条の二の二項にありますように、必ずしも自分だけの後援団体というふうには限られておらないと思います。
#51
○太田委員 自分だけのことならば、単に市長個人として、自分の後援会に入ってくれ、頼むよということをおっしゃることまで制約するのは、私は少々行き過ぎのような気もします。それはわかる。私のさっきから尋ねておるのは、他人の後援会――いよいよ市なら市議会議員、都なら都議会議員、町村なら町村議会議員の選挙が間近に近づいておるときに、他人の後援会といえば、今度その次に自分のところに集まる市議会なり町村議会の議員の立候補予定者の後援会ができつつあるときに、君はA君の後援会に入ってやってくれ、君はB君の後援会に入ってやってくれ、君はC君の後援会に入ってやってくれ、こういうことを言う。従って、逆に言うならば、君はB君の後援会に入ってもらっちゃ困るのだ、あれには絶対入ってもらっては困る、みんなに入らないようにしてやってくれ、そういうことが自由にできるじゃありませんか。そこの「単に」というのは非常にむずかしい関係で、あまり具体的に実施されることはないであろうと思う。だから(一)の方の「市町村長が次の行為をする場合は、「地位利用による選挙運動」に該当する。」とお書きになった中に、交付金の交付、事業の実施に関係した関係者に対してはできないと書いてあるから、そこで縛れるから、次の方に該当する事例は出てこぬだろうと思ったのです。先ほどから関連で考えよう、関連で考えようとおっしゃるから、関連で考えた。一番最後のところだけを見ると、とにかく大きくやれるようだが、実は最初の方の基本的な条項を見ればそれはやれないのだということをあなたはおっしゃったと思うのですが、他人のことまで自由にできるということになったら……。事業の関係者というのは何だか非常に少ないような印象も受けましたけれども、そんなことがありますか。おかしいじゃありませんか。たとえばある市町村道に改良工事を行なった。そして若干拡幅をして、そこに砂利をまいた。その沿道の住民は全部関係者ですね。三年も四年も五年もたてば、全市町村くまなくその市町村長の影響下にあることは、これは火を見るよりも明らかなことじゃありませんか。今さらそんなこと一々具体的な例を出して、どういうところに関係があるかなんてせんさくする必要はないじゃないか。そうなってくれば、事業に関係した関係者にはできないということになればみんなできないのだ、1の方で……。あとのことは書いても書かぬでもいい。蛇足だ。蛇足でもない。尾てい骨だ。尾てい骨も少々要るようだから、なくていいものならば何に当たるか、盲腸くらいのものだ。くさりかけた盲腸ならば、かえって早く切って取った方がいい、こう思うのですが、どうですか。
#52
○松村(清)政府委員 私はその点、解釈を異にするわけでございますが、今のように道路の例で申し上げますと、道路工事をやる場合におきまして、その道路工事を請け負わせる業者とかあるいはその道路工事に関して何か許可とか認可の対象になる人とか、要するにここに具体的にあげてありますような補助金交付の相手方とか、事業をやる契約の相手方とか、許認可の相手方とか、こういったその市町村長の具体的な職務権限の対象になる者、そういう人に対して選挙運動が行なわれる場合は、当然地位を利用して行なわれるということが出て参るでありましょうが、一般の住民は、ただ道路をつくることによって事実上恩恵を受けるにすぎないのでありまして、もしかりに一般の住民がすべてこの対象になるとしますならば、市町村長というものは全く選挙運動を行ない得ないということになって、これは市町村長が選挙される人である立場から見て、およそこっけいな法律と言わざるを得ない。そういうふうに考えますから、私は、やはり具体的に対象になる住民というものはおのずから限られてくる問題である、そういうふうに考えます。
#53
○太田委員 そういうふうにあなたがおっしゃるならば、これはもっとはっきりお書きになったらどうですか。補助金を交付する相手方、あるいは許可、認可等をするその相手方、これはだれだということははっきりするでしょう。ところが事業の実施に関係するということが書いてある。事業の実施に関する関係者というのは市町村民になりますよ。それはさっきおっしゃったように、請負業者というのが上に書いてあるから、それは問題ない。事業を実施して道路を改良して、その関係者というのは、その沿道に居住する住民であるのにきまっておるじゃありませんか、どうですか。
#54
○松村(清)政府委員 それはそういうふうにはっきりと書く方があるいは適当であったかもしれませんけれども、この地位利用の選挙運動の解釈といたしましては、私がただいま申し上げましたように、市町村長の具体的な職務権限の対象になる人、こういうふうに一応解釈することが妥当な方法であろう、そういうふうに考えます。
#55
○太田委員 しからば、私お尋ねする。納税組合のときに御回答がなかったから、それでは道路改良についてお尋ねしますが、請負業者以外の関係者とは一体だれのことですか。
#56
○松村(清)政府委員 今おっしゃいました納税組合というものにつきましては、私、今それが市町村長の職務権限とどういう関係にあるかということを承知いたしませんので、ここで結論は申し上げられない、こういうふうに、先ほど申し上げたのでございます。
#57
○太田委員 だから道路改良事業をやった場合のその関係者とはだれですか。請負業者は書いてあるから問題ない。それ以外の関係者があるはずだが、だれですかと言っておるのです。
#58
○松村(清)政府委員 道路改良の工事をやります場合には、まず請負の契約をやると思いますが、その請負契約に関連しまして、その請負業者の下請でいろいろやる、こういう人も出てくるだろうと思います、そういう人はこの関係者の中に含めて考えられると思います。
#59
○太田委員 ほんとうにあなたたち、それはまじめに答えていらっしゃるのですか。請負契約をやったときには下請というのは当然出てくるのです。下請なんか請負契約の中で、請負業者が責任を持って下請のことをやっておるじゃありませんか。部落民、町村民が全部人夫になって出たら――工事に直接関係するということならば、工事、作業で部落民が全部日当を取ったら、その人たちは全部関係者になるね、今の論旨から言いますと。
#60
○松村(清)政府委員 問題が具体的になりますと、具体的な事情個々について判断しなければなりませんので、はなはだむずかしくなりますが、今例に引かれましたように、市町村長が日当なり何なりを出す、こういうようなことがありとしますれば、これは具体的な事情を詳細に知った上で結論をつけなければなりませんけれども、そういうものはこの対象の中に入ってくる場合もあろうかと思います。
#61
○太田委員 じゃ、もう少しお尋ねしましょう。学校の校舎を何とか直さなければならぬ、あるいは建てなければならぬという場合に、市町村長から、済まぬが、県の補助費も十分ないから、町村としても出すけれども、部落民としても出してもらえないかということで、逆に寄付をとられて、そこに学校ができた、運動場ができた、あるいは屋内体操場ができたという場合には、その部落民というのは、事業の実施に関係がありますか。関係者ではありませんか。
#62
○松村(清)政府委員 そういう具体的な場合におきましては、これは市町村長の職務権限に基づいて何らかの具体的な影響力と申しますか、あるいは住民に対する法的な利益といいますか、そういうものを与える場合ではないと考えますので、一般的にそういう学校の建築に醵金をしたような住民はこの中に入ってこないというふうに考えます。
#63
○太田委員 頼んできたのは町村長さんですよ。部落民に、これだけの補助金とこれだけの支出金がある、けれども、これだけでは足りないから、あなたたちの長年の願望であるこういう施設をつくるために、足りないものは皆さんの方で頼みますよ、そうして施設ができた、今学校の例を申し上げましたが、学校以外にもあるでしょう、公会堂もあるでしょう、そういう場合に関係者はどうですか。出す方は百円出すかもしれないけれども、受ける方は千円出して一万円の利益を受けているのですから、何も出しっぱなしじゃない。受ける利益もあるのですよ。部落会とか町内会がそういうことをやったら、関係者はその人たちじゃありませんか。
#64
○松村(清)政府委員 この規定の趣旨は、市町村長というその地位にありますために、選挙運動をやるのにいろいろ便利な立場にある、そういうことを利用することによって選挙運動をすることを禁止しようという趣旨でございます。従って、ただいまのような具体的な例になりますと、非常にむずかしいわけでございます。一方においては市町村長の方から金を出そう、しかしこれは選挙民の方でも金を出してもらう、こういうことで、市町村長が金を出すだけのことを考えれば、これに該当するように考えられるのでございますが、一方において選挙民の力の負担もやらせるということでございますので、これは金を出す一方において、市町村民の方からも金を出す、こういう関係を具体的に十分考えた上でなければ、それがはたして地位利用による選挙運動になるかどうかという結論は出しがたいであろう、こういうふうに考えております。
#65
○太田委員 具体例になったら、そういうふうに全部一つの結論が出ない。ここには抽象的に、事業の実施に関係する関係者に対してやってはいけない、単に個人としてならばよろしい、こういうわからないものを、今日統一地方選挙の直前において、公明選挙の推進という建前からお出しになることは、いかがなものですか。具体的には一つもお答えできないじゃありませんか。
 それじゃこういうのはどうです。あなたの方の土地の発展になりますから、市営住宅をそちらにつくりましょう、町村営住宅をそちらにつくりましよう、県営住宅をつくりましょうということで、百戸なり二百戸の家ができた、その付近の土地は上がった、住民はふえた、学校の生徒もふえてきた、にぎやかになったということだと、その付近はどうなりますか。これもまた職務権限の関係が明らかでないから、もう少し研究しなければわからないということですか。
#66
○松村(清)政府委員 そういうふうに市町村が公営住宅を建てまして、それによって事実上恩典を受ける住民というものはこの対象に入らないということははっきり言えます。
#67
○太田委員 そうすると、事業の実施に関する関係者というのはないじゃありませんか。具体的に一つ一つ示して下さい。補助金を出すとか交付金を出すとか、これはたとえば何々会、婦人会なら婦人会、青年クラブなら青年クラブがあって、そこに補助金を出したというなら、その青年クラブとか婦人会は全部対象になりませんか。
#68
○松村(清)政府委員 ここに書いてあります中で、ほかは非常に具体的にはっきりしておるのでございますが、事業の実施ということがあいまいな表現でありますために、今までのような議論が出てくるのだと思いますが、この事業の実施というのは、市町村長が、あるいは知事でもいいのですが、直轄事業を実施する場合において、その直轄事業に関連して資材を提供する、こういうような関係のものをここに含めて考えているわけでございます。
#69
○太田委員 松村さん、資材の購入先だけだ、あるいは工事契約をする当事者だけだということになれば、一のところでやってはいかぬというのは、まことに小さなものだということになりますね。こちらの方に市営バスを出してもらわなければ何ともならないというので、部落民が全部市長あてに、請願書を出した。そうしたらバスがそこに開通したけれどもその開通したというのは、部落民みなの請願書によって出したけれども、その関係者も、あなたの先ほどからの説明でいうと、どうも関係者ではなくなってくるわけですね。部落民が五百人連名で請願書を市長あてに出した。そうしたら市営バスを開通していただいた。その場合にも五百人は関係ないのですか、これはどうですか。
#70
○松村(清)政府委員 そういう場合には、ここでいう法律的な具体的な職務権限の対象になるとは考えられないわけでございます。要するにこの規定は、市町村長に限りませんけれども、先ほど申しましたように、その持っております職務権限というものを背景にして、それの影響力を利用して選挙運動を有利に展開していこう、こういうことを押えるための規定でございますから、先ほどから申し上げておりますように、法律的な、具体的な関係というものを限定して考えませんと、これを広く解して参りますと、先ほど申しましたように、市町村民全体がこの関係者になってしまいまして、市町村長というものは、市町村民に対して選挙演説もできない、こういうこっけいな結論になると思われます。
#71
○太田委員 選挙演説やっちゃいけないの、政治活動やっていけないという、そういうことを禁止しようとすることでは私はない。そんなことを言っておるわけではない。あなたの方のおっしゃったことは、たとえば「市町村長が、候補者の推せん支持の目的をもって次のような「選挙運動類似行為」をすることは、地位利用による選挙運動」と同様に禁止される。」その一つに「文書図画による選挙運動類似行為」なんというようなことが書いてある。類似行為もいけないということをいっているでしょう、文書関係だけは。ところが予算を伴うところの諸工事、諸事業、そういうものの関係者というものは、実はこれはほとんどゼロにひとしい。そんなことよりも一番問題なのは、公明選挙の今日のあり方として必要なのは、地位利用を禁止した今日の改正公職選挙法は行き過ぎじゃないが、あなたの方は行き過ぎだと思っていらっしゃる。だから、行き過ぎだから、これはだれかが緩和しろ、しり抜けしろというので、これはしり抜けされたと思うが、それは選挙法の制定された当時の趣旨を誤るところ大なるものがあるから、私はこれを見のがすわけにいかない。「地位を利用して」と書いてある。これでいいじゃありませんか。「その地方公共団体の公務員としての地位にあるがために特に選挙運動等を効果的に行ないうるような影響力」こういうものを意味するんだよ。これはわかっておるじゃありませんか、常識的に。この常識を否定したようなことなんというものは、これは最もいけないことですよ。常識を否定するから裁判が間違ってくる。常識を否定するから警察の取り締まりは逸脱をしてくる。この点をもう少し常識というものに、世の目的、世の良識の方にあわせていただきたい。これでは何をやったってかまわぬということじゃありませんか。宮地さん、あなたは取り締まりの第一線ですけれども、文書図画等によるところの選挙運動の類似行為――類似という行為までがここでは非常に厳重にとめられているのに、今の話だと、私は松村局長にお尋ねしておるところからみると、事業の関係者なんというものはほとんどない。請負業者以外に、ものを買う人以外に。こんなばかなことが――「「地位利用による選挙運動」に該当する。」と書いてあるけれども、もしそんな解釈だとするならば、次の方で類似行為を取り締まる必要なんかありませんよ。どうですか、これは首尾一貫しないじゃありませんか。どうお考えになります。
#72
○宮地(直)政府委員 今お尋ねの本条のところは、非常にデリケートな問題になっておりますから、恐縮な言葉を使いますが、主語はやはり――「利用して、外郭団体、」次に「関係団体」と書いてございますが、「外郭団体」ということは社会通念上ございますが、必ずしもこれが法律上の用語ではございません。従って「関係団体」とこう書いて、その意味は、ここにおきまして「その他これに類似する団体」こういうふうに読むべきじゃないかと私は考える。また次に「請負業者」と書いてございまして、「関係者等」と書いてありますのは、「請負業者」というのははっきりしましても、請負業者のこれに準ずる者、こういうふうに私どもは解釈すべきものである。一般的に広くということではなくて、この例示が必ずしも法律用語になっておりませんから、あるいはこの通牒の趣旨、むしろ太田先生のいうような趣旨によって逃げられたら困るということによって、その他これに準ずる者は入るんだというふうに私どもの方は解釈するのであります。
#73
○太田委員 大臣がいらっしゃいましたから、大臣にこの際所見をお伺いいたしますが、先ほどから二月十四日付、各地の選挙管理委員会の委員長あての自治省選挙局長の地方統一選挙に関する通達についてお尋ねをしておるわけでございますが、その中で私が問題にしておりますのは、一番最後の方に、市町村長が単に後援団体の会員の加入を勧誘をすることはよろしいのだと認めております。この後援団体というのは、みずからの後援団体のほかに、他人の後援団体一切含むというお話でありますから、市会議員、町村会議員についても、何々候補者に対して、だれだれ君、君、入ってくれというようなことができる、こういうことである。しかもその「単に」という言葉が非常に複雑微妙でありますので、その件に関して、これは一体書いてはあるけれども、これが単にというような形で行なわれる場合は、非常に稀有の例であろう、まれにしかないだろと考えてお尋ねしたところ、どうもそうでもない。相当やられるようです。それで市町村長が地位を利用する選挙運動として禁止されておる事項がありますが、それには、補助金を出した、交付金を出した、事業を実施したというようなことによる関係団体と関係者に対して選挙運動をすることはいけないときめてあるから、その関係者というのは非常に広いものであろうから、こちらの方で締めれば、実際あとの方の後援団体の会員の加入勧誘なんかはあまりできない。また将来市議会を構成する市会議員ら町村会議会を構成する町村会議員の候補者で、自分の当選させたいと思う者に全部部落民を適当に割り当てて、勧誘することもできるのですけれども、そういうばかなことはできそうもないと思いまして、(一)の方で締められるから、まあそんなことはあまり取り立てて言わないでいいのかと思いましたら、(一)の関係者なんというのは実は非常に数が少ないのでありまして、たとえば、道路改良工事を行なった場合のその関係者はだれかというと、請負業者のほかに下請業者があり、そのほかには資材を買うために発注した発注先の関係者、こういうようなお話です。私は、道路が改良されて砂利がまかれ、部落民の希望が達せられたということになったならば、その当該部落民は関係者じゃないかと言うと、関係者じゃない、こうおっしゃる。それから納税組合というのは、市町村の要請にこたえて、市民が納税を期日までに完璧に行なうためにお互いが発起してつくり、そうして補助金や交付金をもらってやっておるが、それはどうだと言うと、そんなことは一々具体的なことを調べなければわからぬとおっしゃる。私は関係者というのはもうちょっと広く考えなければいけないし、個々の市町村長の「単に」という身分において、立場において、後援団体の会員の加入などということをし得るというのは、ほんのまれな場合しかないだろうと思うのですが、大臣の一つ御所見を承りたい。
#74
○篠田国務大臣 まず通牒を出した動機から申し上げますと、地位利用という問題が非常に新しい法律でありましたために、参議院選挙におきましても、非常に多くの今まで例のない地位利用という特殊な犯罪が、選挙違反がそこに現われた。その後におきましても、地位利用というものの解釈が、府県知事あるいは代議士の中にもわからない。これは名前を言う必要ありませんが、ある府県知事のごときは、選挙におきまして、何々県知事何のたれがしと出すことは、これは地位利用になる、だから最後まで知事という名前を使わないで、個人の名前で応援演説をした、そういうような例もあります。ある代議士は私のところに見えまして、地位利用の問題でいろいろ質問をされましたので、私は自分の見解を述べましたところが、それに対するいろいろな自分の考えを述べて、それがわれわれから見ると全く常識的でないような考え方をその代議士はしておる。いわんやほかの者にはわけがわからないだろう。そこで、統一選挙もあることだから、地位利用というようなことを犯して、犯罪をふやしてもいけないし、また当然国民としてやるべきことを、これが地位利用になるのじゃないかということをおそれてやらないでしまうというようなこともあり得る。そこで、適当な例を掲げて知らしたらいいのじゃないかというのが動機であります。
 そこで、今承りますと、最後の、後援団体の結成に市町村長が関与する、あるいはその役員になるということ、後援団体の会員の加入を勧誘すること、そういったようなことを、先ほど私の来る前に選挙局長から説明をいたしたと思いますが、市町村長の権限の中にあるもの、あるいはまた市町村の補助を受けたり、直接の請負等をなして利害関係のある者、そういったような直接の者に限ってそれはいけないということに選挙法はなっているのであって、市町村長であるから、全部の市町村民に影響があるからいけないではないかということになれば、市町村長なるがゆえに、憲法によって保障された個人の権利というものが侵されるわけでありますから、そういう解釈は自治省はとっておりません。
#75
○太田委員 大臣も、みんないかぬということになっては市町村長は動きがとれないだろうとおっしゃった。大臣のおっしゃるように、みんないかぬということを申すのもいささか言い過ぎかもしれませんけれども、その点は私は少々例外があっていいと思うのですが、あなたのおっしゃるように、補助金を受けている関係あるいは権限の関係、利害関係ある直接の者、利害関係が直接あるということになれば、これは道の拡幅、改良工事をやっていただいたら、その町民、市民は非常な利害関係があるじゃありませんか、土地は上がるし、自動車は入らなかったのが入ってくるわ、バスは入ってくるわ、それは利害関係が直接非常にあるのですよ。それは部落民がその総代を通じて、町内会長を通じて、長年陳情したのが実現されたということになったら、関係あるじゃありませんか。だから、直接的に関係あるというようなことをおっしゃったならば、私の言うことはみな入るということになる。
#76
○篠田国務大臣 公職選挙法第百三十六条の二に「次の各号の一に該当する者は、その地位を利用して選挙運動をすることができない。」ということで、その地位利用に当たるものを全部ここに書いてあります。それではどういうことが地位利用になるのかということになりますと、この条文では、こういうことは地位利用になるのだということは書いてありません。しかし、国の補助金を受けたり、あるいはまた直接市町村の請負をしたり――これは自治省が決定するというよりは裁判所が決定する問題でありますけれども、そういうものは常識上地位利用になる。たとえば厚生省の役人が床屋さんを集めたり、産婆さんを集めたりして選挙運動を頼む、その中には社会党も自民党もあるでありましょうけれども、しかし監督官が監督のもとにある者を集めて選挙運動をするということは地位利用になるのじゃないか。その他の不特定多数の者に向かって応援演説をやるとか、あるいは街頭や駅頭においてやるということは地位利用にならない。役場の中におる職員を集めてやるということは当然地位利用になる。そういうことで、地位利用の問題は非常にむずかしいものですから、そこで先ほど申し上げた通り、どういうことが地位利用になるのかならないのか、一応選挙局として判断をしてここに書いて、こういうものは地位利用になるし、こういうものはならないということで通達したもので、これでは市町村長がみんな地位利用しても抜け穴になってしまうのじゃないかというのが、太田さんの言われる趣旨でしょう。こっちの方は書かなくてもよかったかもしれぬが、一方では地位利用になるのはこうだというふうに書いたのだから、地位利用にならないのはどういうのかということを並べて書いたという意味で、そう重い意味もないと思いますが、そのくらいのところで御了承願ったらどうでしょうか。
#77
○太田委員 その辺のところで了承したいと実際は思いますよ。地位利用ということが参議院選挙のときに非常な威力を発揮した。たとえば全国区の聖成候補のあの違反というのは地位利用が非常に多かったものですから、そこでこれじゃ大へんだというので、少々緩和してくれという要請が逆に出てきたのだろうくらいに私は憶測しているのですが、それはそれとして、ここにせっかく第二項をつくって、他の候補者の後援会に入ったり、あるいは人を勧誘したり、それを支援したりすることはいかぬと書いたことを、なるべくならば太い筋を通してこれを守り抜くという方針の方が、私は公明選挙に通ずると思う。だから、今の関係者とか、あるいは影響のある相手方というと、そこに対象がぼやけていきますが、お互いが、おれはこれだけが関係者だと思うという――この通達を見たって、市町村長は、関係者といえばこれだけの者だと思う人もいるし、おそらく角度が違うと思います。そういう点など不明確ですから、これはずいぶん抜け穴だらけじゃないか、出しても出さぬでも同じようなことだと思う。これは大事なことですが、官庁の自動車など使ってそういうところに選挙運動に行くのはどうなんだということは書いてありませんが、選挙のときには、官庁用の自動車に乗っていくのは違反だ、地位利用だというような、小さな例でありますけれども、具体的な解釈があったはずです。だから、具体的にいうならば、具体的に確定したことを載せていただきたい。大臣、あなたは、関係者といえば利害関係ある直接の者とおっしゃったけれども、これもわからないのです。利害関係ある直接の者も、関係者というのも、えらい違いはないのですが、ここははっきりしてもらいたいと思う。
#78
○篠田国務大臣 ここでいっていることは、たとえばある町村長がありまして、それが太田さんの非常なフアンである。あるいは私のフアンである。それが後援会の役員になる。そういう場合に、役員になる以上、やはりひいきですから、一人でも多くしたいと思って仲間を勧誘するというような場合があり得ると思うのです。そういうところまで一体地位利用になるかならぬか、そういうところまで地位利用にしてしまえば、選挙運動というものは町村長はできない。同時にまた民主主義の発達の上において、町村長なるがゆえにそういうところまで縛られるということであれば、私はほんとうの民主主義は発達しない、こう思うのです。これはそういうことを指さしておるのであります。
 それから、官庁の自動車に乗っていくということがいいか悪いか、一々指摘しろといいましても、そういうことまでいったら、今度ははしの上げおろしにまで注意しなければなりません。なかなかこれは容易なことでございませんから、そこはやはりその場合によって問題が起こると思うのです。官庁の自動車に乗って特定候補のために飛び回るなんということは、官庁の自動車に乗らなくても、それはおそらく戸別訪問とかなんとかに引っかかったり何かするのじゃないか。そういうことで、これは社会党、自民党を問わず、おそらく知事なんというのは官庁の自動車で飛び回っているのじゃないですか。そういうことを言っては悪いけれども、そういう傾向は非常に多いのじゃないだろうか。(「選挙になったら自分の車を使っていますよ」と呼ぶ者あり)自分の車を使うかな、そこまでよく調査していませんからわかりませんが、あまりこまかいことをうんと自治省が指示してしまって、地方におきまして選挙管理委員会なりあるいはまた地方の検察庁、警察というものの判断までも縛り上げてしまうということは、私は選挙局としてはやらない方がいいのじゃないか、そう考えています。
#79
○太田委員 押し問答をしておっても始まらぬですが、具体的な解釈の問題をやっていますと大筋が見誤られるわけです。大筋そのものは選管、警視庁、東京地検で御相談の上になさった声明文に明らかになっていると思うのです。「地方選挙は住民の意思をその政治に、反映させる重要な機会で、その公明化は地方自治発展のための基本的要件として都民の念願するところである。」だから、「地方選挙において法令を順守し良識ある行動をとられるよう要望する。」といわれた、この考え方でいいし、また先般の通達の前の方には、地位を利用しての意味というものは実によく書いてあるのです。影響力を利用することはいけないのだ、ほんとうに人間的に、だれが考えても、今篠田さんがだれだれを御後援なさるのはしごくあたりまえだというならばわかるんですが、しまいには与党化工作というところまで、全部の地方議会の候補者に対して、あらかじめ、青田買いではありませんけれども、強力なる統制のための運動をするようなことになっていきますと、後援会加入の自由化というのは、これは少々おそるべき威力を持つじゃないか、弊害を持つじゃないかとおそれたわけです。これは解釈はそれだけではありませんから、この次までに、関係者とはどんなものであるかとか、先ほどの納税組合の関係はどうだとか、具体的な資料を御提出なさるようお願いをいたしまして、きょうは質問を終わります。
#80
○辻委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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