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1962/03/13 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第5号
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1962/03/13 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第5号

#1
第043回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第5号
昭和三十八年三月十三日(水曜日)
   午前十一時三分開議
 出席委員
   委員長 辻  寛一君
   理事 荒舩清十郎君 理事 岡崎 英城君
   理事 菅  太郎君 理事 丹羽喬四郎君
   理事 太田 一夫君 理事 畑   和君
   理事 堀  昌雄君
      薩摩 雄次君    首藤 新八君
      田中 榮一君    長谷川 峻君
      林   博君    井堀 繁男君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 篠田 弘作君
 出席政府委員
        警  視  監
        (警察庁刑事局
        長)      宮地 直邦君
        検     事
        (刑事局長)  竹内 壽平君
        自治事務官
        (選挙局長)  松村 清之君
 委員外の出席者
        自治事務官
        (選挙局選挙課
        長)      中村 啓一君
    ―――――――――――――
三月八日
 公職選挙法等の一部を改正する法律案(辻武寿
 君外四名提出、参法第一八号)(予)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公職選挙法改正に関する件
     ――――◇―――――
#2
○辻委員長 これより会議を開きます。
 公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。太田一夫君。
#3
○太田委員 前会に引き続いてのお尋ねでありますが、前会には明確な御回答がありませんでした選挙運動用自動車の解釈であります。これは大体「道路交通法第二条第九号に規定する自動車をいう」となっておりますし、その自動車に乗れる定員というのは、運転手、候補者を除いて四人ということになると、合わせて六人ということになるわけであります。いわゆる軽自動車、ミゼットの類を使いました場合の乗車定員については、若干問題があるように思いますし、そういう点について警察庁においていろいろと論議がありましたように承るのですが、いかなる御解釈に相なっておりますか。この点をお答えをいただきたいと思います。
#4
○宮地(直)政府委員 軽自動車も選挙運動用に使い得るということにつきましては、先般お答え申し上げました通りでございます。なお、軽自動車について何人乗れるか――公職選挙法上は合計六名まで乗れることになっておりますが、軽自動車につきましてはどのくらい乗れるかという点につきまして、先般お答え申し上げてございませんでした。私の方の交通担当部局と協議いたしまして、軽自動車につきましては、構造上非常に小さく、ただいま御設問のミゼットのごときは、荷台が一平方メートルございませんので、荷台に乗り得る人員は最大二名というふうに私の方は考えております。この場合におきましても、候補者の使われます放送用施設が非常に大きいものになりますと、実際問題として二名も困難になる。また小さいものであった場合には、二名まではけっこうである、こういうふうに部内で打ち合わせまして、近く第一線にその措置の統一を期するように指示をいたす予定にいたしております。
#5
○太田委員 宮地さん、ミゼットは二名と大体考えておいてよろしいわけですね。運転手とその横に一人、うしろに二人。その他自動車の種類によっては、さらに制限がされるものや、ないしは、五名くらいならよかろうというようなものも出てきておりますか。それとも最低が荷台に二人、その他は全部四人乗れるのだ、こういうことになっておりますか。その点はいかがですか。
#6
○宮地(直)政府委員 軽自動車以外につきましては、従来通りでございます。今ミゼットという御設問が出ましたけれども、この軽自動車に入ります、商品名を申し上げますが、ダイハツのごときも、幅が狭くて、これは一メートルをわずかにこえた程度でございますから、軽自動車につきましては二名、こういうふうに考えておるわけでございます。
#7
○太田委員 その軽自動車の定義というのは、あなたの方ではどういうふうに下していらっしゃいますか。
#8
○宮地(直)政府委員 これは、道路交通法施行規則の第二条に書いてございます定義によるわけでございます。この法によりますと、三種類書いておるわけでありますが、車体の大きさにおいては、長さ、幅、高さをいずれも書いておりますから、これに該当するものを軽自動車といっておるわけであります。
#9
○太田委員 従って、その区別は道路交通法から出るのであって、道路運送車両法などの規定とは少々違う。道路交通法でよろしいのですね。
#10
○宮地(直)政府委員 ただいま申しました道交法施行規則と車両法とは全く同じになっております。差異はございません。
#11
○太田委員 そうすると、道交法と道路運送車両法と今一緒になっておるから、別に現地において軽自動車の認定にいろいろ食い違いができるようなことはない、こういうことですね。
#12
○宮地(直)政府委員 さようでございます。
#13
○太田委員 了解いたしました。
 次にお尋ねしたいのは、先回御質問申し上げました、地位利用の選挙運動についての自治省通達の内容の件であります。先回選挙局長の御答弁によりますと、いわば地方において萎縮するような傾向が出ておるから、その萎縮するのを、これは本来の姿じゃないから、従ってこういうことはいいんだという点を明らかにしたいという意思から、この通達の最後の、市町村長が単にかくかくの行為をする場合は禁止しないんだ、こういう例示をなさったというふうに承ったのでありますが、「単に」という文字の解釈が、先回もありましたが、それは身分上の、いわゆる地位というものを利用するという立場に立っての行為ではない、いわゆる市長個人であるとか、こういうような立場々々においてなされる、後援会の結成に関与すること、並びに後援会の会員の加入勧誘である、こういうふうに承ったのでありますが、市町村長が単に個人としてそういうことに活躍するという場合は、いかなる場合か。市長は任期中の四年間は常に市長であると思うのですが、それが市長でないという場合は、一体どういう場合にあり得るのか、これを一つ具体的にお答えをいただきたい。
#14
○篠田国務大臣 それは、われわれは国会議員でありますが、年じゅう国会議員として生活しているわけじゃありません。国会に出た場合あるいは選挙区に帰った場合、その他公式の席上においては国会議員であります。しかし、銀座でおでんを食ったり、すしを食ったりしているときは、国会議員ではありません。市町村長も、市町村長以外の私的生活において、年じゅう市町村長であるとは限らない。これはわれわれにおいても同じことが言えると思います。大臣をしているから年百年じゅう大臣として縛られたのではたまったものじゃありません。やはりわれわれは俗人でありますから、そういう市井の人と同じ生活をする場合が、一日のうちに何分の一かあるわけであります。かりに私が、こういう市町村長と同じような個人的な立場において、ある人の後援会に入る、そういうことも許されるわけであります。私が国家公安委員長という取り締まりの立場にあるから、他人の後援会の会員になることはできない、あるいは勧誘ができないということはないだろう、私はこういうように考えます。
#15
○太田委員 銀座ですしを食べるときは、国会議員でもなければ市長でもないという身分があり得るという例示でありますが、国会議員のような特別職の場合というのは少々違いますし、国会議員の場合は、権限というのが立法府の議員であります。市町村長という場合においては、行政を執行する立場にありまして、交付金の交付、補助金の支給あるいはまた融資もありましょうし、いろいろのものの売買契約ということもありまして、それがために利害関係というのが非常に濃くなっておる。そういう関係から前段においても、補助金、交付金等を交付する、事業を実施する、契約を行なう、許可をする、認可をする、検査する、監督するというような職務権限に基づく影響力というようなものを利用して、外郭団体とか請負業者、関係者等に対して選挙運動をしてはなりませんということを大きくうたっていらっしゃる。このことが一番正しいと思うのです。たとえば自治省の選挙局が編纂された「地方選挙の手引」昭和三十八年度版を見ましても、某県某部長が、外郭団体に特定候補者の後援会に参加することを要請するというのは、地位利用による選挙運動類似行為に当たるものだというふうに例示をして、そういうものはやらないようにという今までの規制があったわけです。これは正しいと思うのです。従って、市町村長というのは特別職でありますけれども、特別職の中でも市町村長たる身分の者が、少なくとも不公明選挙であり、地位利用だと疑われるようなことをすることは、たとえば、単に僕は市長何がしとしてやったんだ、市長個人の身分でございますといってやったにいたしましても、市民、町村民というのは、やはりその人を市長として見るでしょうし、町長として見るということになりますと、どうも地位利用をやって勝手なことをしておるな、おもしろくないなという気分を市町村民に与えることは、これは地方行政上好ましいことじゃないと思うのです。そういう点について大臣、どうですかね。
#16
○篠田国務大臣 代議士が特別職であり、町村長も市長も特別職である、ことに選ばれた立場にあるということは、太田さん御承知の通りであります。そこで、われわれが選ばれるときも、大体において与党と野党、及び与党の中でもわれわれを応援してくれる者と、また別な候補者を応援する者とがあります。市町村長の場合でも大体においてそういう、何と言いますか、一人で全市町村一丸となって、対立候補なくして市町村長に立っているという例は、全国でも非常に少ない、必ず対立候補というものがあります。そうしますと、市町村長というものが市町村長であるがゆえに、村に対して、その市に対して全般的な圧力がかかるとか、影響力があるということは考えられない、対立候補があるということ、しかも特別職である以上は、選挙に関与するということが許されております。ただ、今言ったような地位利用による選挙運動だけはこれはまずい、こういうことになっておるのです。そこでこの間も申し上げましたように、従来しばしばこの地位利用の問題について問い合わせがあります。また、いろいろな議論があります。そして選挙局長が申しましたように、とにかく角をためて牛を殺すということは最もいけない、選挙の地位利用ということをおそれるのあまりに、民主主義の破壊、あるいは憲法に保障された個人の選挙活動というものまでも押しつぶされるようなことがあってはまずいということ、また、地位利用というものがどういうものであるかということをはっきりさせる必要、この両方の必要からこの回答を出したのであります。従いまして、今太田さん御質問の場合は、前段は御了承になっていられるわけです、あとの部分について多少の異論をお持ちになっておるようでありますが、私たちといたしましては単にそれが、ここに書いてありますように、こういう後援団体の結成であるとか、あるいはまたその役員になるとか、あるいはまたその会員を勧誘するといったような、いわゆる個人の許されたる選挙活動、あるいはまた個人のそういう活動に関してまで、これを地位利用とは解釈しないわけであります。
#17
○太田委員 大臣、今のあなたの御認識ですが、後援団体の会員加入の勧誘をするというその後援団体というのは、みずからの後援団体ということでなくて、第三者の後援団体でしょう。
#18
○篠田国務大臣 そうです。
#19
○太田委員 そうしますと、今度は市会の選挙があり、町村会の選挙がある場合に、与党化工作というのが強烈にできるわけですね。何々地区においては何の太郎兵衛、何々地区においては何の太郎兵衛と、もっぱら自分の最も与党たるにふさわしい候補者を推薦をし、それを立候補させる、なおまた会員を勧誘する、そういう議会の与党化工作というのが、これによってできるわけです。ですから、そういうことまでやれる素地をなぜつくらなくちゃならないのかと思うのですが、どうなんですか。
#20
○篠田国務大臣 その与党化工作という意味は、自分の与党をつくるという意味ですか。
#21
○太田委員 市会議員の自分の好きな者だけの後援会です。
#22
○篠田国務大臣 それは、市会議員のAなりBなりの後援会をつくることによって、自分の与党化工作をやる、こういうことですか。
#23
○太田委員 そうです。
#24
○篠田国務大臣 そういうことは、これはあり得ると思いますね。しかしこれは与野党とも、あるいは対立候補とも、みんなそういうことをやるのじゃないでしょうか。これは別に地位利用というわけにはいかないのじゃないでしょうか。地位利用というのは、明らかに公職選挙法の定めるところの地位利用であって、村長が他人の村会議員の後援団体に加入されることによって与党化工作をするということは、私実際の町村の選挙を見ておりますと、言うべくしてできないのじゃないか。ということは、われわれ代議士は非常に幅が広いですから、選挙活動が非常に大きいように見えて、割合にゆとりがあるのです。ところが町村議会議員の選挙なんというものは、その村が一つのクモの巣のようになりまして、兄弟といえども油断ができない。そういうときに、よほど何というか望遠鏡か顕微鏡か何かで見て、はっきりこいつをこっちにやれということは実際上なかなかできないのじゃないか。私は少なくとも町村会議員の選挙においてそれのでき得る町村長があるとしたら、それはよほど偉い人物で、当然代議士なんかわけなく出られるような人物ではないかと思うから、そういうことはないのじゃないか、想像はできますけれども、実際問題としてはできないのじゃないですか。町村議会の選挙ほどむずかしい選挙はないと、私はふだんからしみじみ感じておるわけであります。そういうことはあり得るかもしれませんが、そんなに多くはないだろう、こういうふうに私は考えます。
#25
○太田委員 実際上はあまり例は出てこないだろうと私は思いますけれども、最近、地方の政治が落ちついて参りましたのか、どういうことですか、三選、四選という自治体の長が非常にふえて参りましたことと、そしてまた、地方自治体に対する住民の要望というものが非常に強くなってきて、たとえば環境衛生施設にいたしましても、あるいは公共施設にいたしましても、いろいろ要望等が昔よりきつくなってきた。それは今まで黙っていた、おとなしかった住民がだんだんとものを言うようになってきた、行動するようになってきたということで、その部落なら部落、町内会なら町内会を通じてどんどん議会に請願し、理事者に陳情するという習慣が生まれてきた。そこで理事者の方とすると、部落なり町内会というものに非常なつながりができた。そこで部落の方から、済まないが一つ、どこどこの用水をこうしてもらいたい、あの道をこうしてもらいたい、あの学校をこうしてもらいたいという話があったときに、今度君の方の部落では何々君が立候補するから、何々君の後援会員を君のところで十五人つくってくれ、三十人つくってくれというふうな話が、かたわらで出てくる。そうすると、それを持っていくと、よくやってくれたというので心証をよくして、長年かかった河川の改修、小さなみぞ川にいたしましても、それができ上がる、あるいはどぶ川の今までよごれていたのが、コンクリートのきちっとした排水路に変わる、こういうことはしばしば例のあることなんです。だから、市町村長が地位を利用してやるということは、一の方で禁止されておりますが、この禁止されておることは公職選挙法の精神だから、その通り、よくいわれておることでいいけれども、「単に」という身分で、後援会の会員を勧誘することが自由だということはいかがなものであろうかと思うのです。
#26
○篠田国務大臣 太田さんの言われるようなことも、確かに私はあり得ると思います。しかし今度の四月統一選挙ではなくて、四月統一選挙までに行なわれた今までの選挙で、私の選挙区を見ますと、五選の町長は全部一人残らず落選しておる。今五選に出ようとしておる人がありますけれども、これもうわさに聞きますと、ほとんど五選をはばまれておるという状態でありますし、町村長は木の橋をコンクリートに変えるほどの力を持っておるものじゃない。これは私もよく陳情を受けて知っておりますが、今太田さんの言わんとすることは前段だけで――要するにこれは蛇足ではないか、こういう意味じゃありませんか。そういう意味なんでしょう。それならば、特にこれはつけ加えなくてよかったのじゃないかとも思います。そういう意味なら私もすなおに、何もこういうことを書かなくてもよかったのじゃないかと思いますけれども、書いた意味はどういう意味であるかというと、いろいろな迷いがあるものだから、それを知らせるために書いた、蛇足だとすれば、善意から出発した蛇足だということは言えるかもしれないけれども、そういう意味で書いたのです。だから今度出すときには、そういうことまで書かなくとも、前段だけで、これこれというものが地位利用の違反になるのだと言えば、それ以外のものはならないのだということは普通常識でわかることですから、そういう意味なら賛成しておきます。
#27
○太田委員 やっぱり大臣、理解がいいですよ。松村さん、あなた、この際「単に」ということをもう一度おっしゃって下さいよ。「単に」ということは実にむずかしい。この間納税組合の組合員は単に関係者であるかどうかということの明確な御答弁がなかったのですけれども、「単に」という身分はいかなる身分であるか、いかなる条件であるか、これはむずかしいですね。何かほんとうによくわかる言葉があなたにありましたら、この際伺っておきたい。
#28
○松村(清)政府委員 この場合「単に」という言葉は、先に地位利用による内容はこういうものだということが書いてあるわけです、それ以外のものが「単に」、こういうことでございまして、たとえば町村長を例にいたしますと、町村民というものがたくさんいるわけですが、その町村民の中にもこの前に書いてございますように、補助金の対象になるとか、許認可の対象になるとか、そういう法律上の職務権限に基づく影響力が具体的に及ぶ人も相当いるわけですが、しかし、それに関係のない人もおるわけです。そういう関係のない人に対する問題を「単に」、こういうふうに表現したわけでございまして、たまたま、大臣がおっしゃいましたように、このあとの規定は、いろいろ疑念がわくものですから、念のためにこういうことを書いたのでございまして、別にこれを奨励しているわけでも何でもないのでございます。また公明選挙を推進する立場から申し上げますれば、疑念のわくような行為は差し控えるようにということは、もう当然、機会をつかまえて言うことにつきましては、やぶさかではございません。
#29
○太田委員 宮地局長さんに、念のために伺います。今松村さんは公明選挙思想啓発の立場からおっしゃっておられるのですが、警察庁の取り締まり当局の立場から見ますと、こういうことが書いてあることによってこれがどんどんと、単にやったんだ、単に私は後援会の勧誘をしたのであって、それはこの通達に基づくものだといって、通達に根拠を求めることによって、他人の後援団体の結成に市町村長がどんどん介入していくという問題が出てくるのは、取り締まり当局の立場として好ましいことですか、好ましくないことであるのか、ちょっと感想を承りたいのです。
#30
○宮地(直)政府委員 一般の啓蒙につきましては、おそらく、今大臣並びに選挙局長の方で言われましたような趣旨で啓蒙宣伝をせられると思うのでございます。従ってこの点につきましては、その啓蒙を待ってわれわれの方も措置をいたしたいと思います。われわれの方といたしましては、警察でございますから、「単に」という文字は、簡単でございますけれども、「単に」ということをわれわれの方の法的立場から見ました場合には、そう簡単に見れない文字でございまして、その立法の精神にのっとって、地位利用に当たらないものであるというふうに厳格に解釈して参りたいと思います。
#31
○太田委員 非常によくわかるお答えです。そこで松村さん、そうしますと百三十七条ですか「教育者の地位利用の選挙運動の禁止」とありますね。百三十七条の教育者の地位利用の選挙運動の禁止も、これと同じ精神になるでしょうね。「単に」教員何がしが後援会の役員となり、後援会の会員の勧誘をすることも差しつかえない、こう理解してよろしいですか。
#32
○松村(清)政府委員 今お話に出ております公務員の地位利用の通達の問題は、根本につきましては、特別職であります市町村長について論議されておるわけなんです。こちらの教育者という場合には、国家公務員も地方公務員も、あるいは私立学校でございますると公務員でない人もおりますが、そこで地位利用という言葉の意味から申しますと、これは同じ法律の上の用語でございますから同様に考えられると思うのでございますが、根本の人が公務員法で政治活動の制限を受ける対象になる人であり、他方はそういう対象にならない人でございますので、その間おのずから違った事柄が出る、そういうふうに考えております。
#33
○太田委員 もうちょっと具体的に答えていただきたいのですが、一般職の公務員の場合と教育者の場合とちょっと表現が違うでしょう。だから今秋の言います、単に後援会の役員になったり勧誘をするという程度なら、これは生徒とか児童とか――対象が直接児童生徒云々と、こうありますからね。従って教育職員の場合はいいということになるじゃありませんか。
#34
○篠田国務大臣 僕はほんとうはこういうものはあまり得意じゃないのですけれども、ここにたまたま規則がありますから読みます。これは人事院規則の政治的行為というところの中にあるわけでありますが、「政党その他の政治的団体の結成を企画し、結成に参与し若しくはこれらの行為を援助し又はそれらの団体の役員、政治的顧問その他これらと同様な役割をもつ構成員となること。」ずっとありまして「特定の政党その他の政治的団体の構成員となるように又はならないように勧誘運動をすること。」これは公務員として全部禁止されております。ですからやはり、それは町村長の場合とはちょっと違いますね。ちょっとじゃない、非常に違いますね。
#35
○太田委員 それは大臣、そういうことだと思うのです。そういうことで今まで相当に縛られておりますけれども、後援、政治団体という定義から考えたり、今の地位利用の問題でも、厳格に考えるというと、単に行為する場合はならないというような解釈が出てくるという点からいいますと、一般公務員とは違って教職員の場合は、何か後援会というようなものの会員になったり、あるいは自分がだれかを勧誘する程度のことはできそうな気がするのですがね。それは全然だめなんでしょうか。
#36
○篠田国務大臣 それは同じ地方公務員でありましても、先生の場合は、われわれの受ける感じがお役人、いわゆる公務員というと普通お役人だけれども、お役人という感じは受けないで、やはり先生、教育者というような感じを受けますから、太田さんの言われるような一般公務員とは違うんじゃないかというような錯覚があると思うのですね。しかし地方公務員であるという身分も、また、そういう公務員法であるとか人事院規則であるとか、そういうものの適用を受けるということも同じでありまして、太田さんの考えられるのは、われわれの通例陥りがちな、先生といったような錯覚から出てくるのじゃないか、こう考えます。
#37
○太田委員 そうすると、私立学校の場合は、これは自由ということになるわけですね。そういうことですね。
#38
○篠田国務大臣 私立学校の場合は公務員じゃないわけであります。教育上、地位利用はやはりうまくないわけであります。
#39
○太田委員 竹内さん、ちょっとお尋ねしますが、自治省の統一地方選挙通達の一番最後のところ、大体私もよくわかりました。こういうことが積極に解されずに、消極に解されておるという立場、よくわかる。この間局長さんのお答弁を聞きますと、それが相当積極的な立場で御説明になったような気がするのですが、あまり好ましいことでないという点からいって、それは消極に解すべきものじゃなかろうかと思うのですがね。一番最後のものはよろしいというのは、後援団体の結成に関与し、役員となるとか、あるいは会員の加入勧誘をするとか、「単に」というあれがついておりますから、従ってこの内容、この具体的な項目についてあまり積極に解してはいけない、消極に解さなければならぬだろうと私は立場上思いますが、あなたの方の法務省として、どういう立場で御解釈に相なるのが一番いいとお考えになりますか。
#40
○竹内政府委員 今先生のおっしゃる積極、消極という言葉の意味が十分理解できていませんためにお答えが違うかもしれませんが、(二)の中に掲げてあります(1)、(2)、(3)、(4)の禁止行為に該当しないという解釈につきましては、私は異議がないところでございまして、これは該当しないと思うのでございます。特にこういう通牒に掲げますことについて積極か消極かという御質問でございますと、私は、犯罪にならぬ、該当しないという立場をとりますならば、公明選挙の公明という意味にも関係しますが、正しい選挙、明朗な選挙という意味に解するわけでございまして、正しいことと、明朗に選挙をやっていただくということで、犯罪にならぬものはならぬということを明らかにしていくことは、これまた私どもとして反対すべき理由はさらにないわけでございまして、そういう意味をもちまして、自治省がこういう通達を出されますことにつきまして賛成をいたしたわけでございます。もちろん「単に」という意味は、地位利用に当たらない場合これは当然なことでございまして、先ほど宮地局長がお述べになりましたように私どもも理解しておるわけでございます。
#41
○太田委員 それは地位利用にわたらない範囲のものはいいのだということなら、しごく簡単なことですけれども、市町村長の日常の職務権限からくる行政事務のいろいろな千変万化、千態万様の姿を見ると、そこから「単に」というものが簡単に出てこない。疑わしいものがたくさん出てくる。それをあなたが賛成だ賛成だとおっしゃるから、これをお勧めなさるように聞えてしようがない。犯罪者を、疑わしいと思うけれども、あと調べなければわかりませんということになる。調べてみたら案外地位利用になっておるということがあると思うのです。だからあまりこれを積極的にうたい出すということは、望ましいことではない。たまたま最近朝日新聞か毎日新聞の社説にも同様なことが載っていた。世の識者は地方団体の首長が行なう選挙運動というのは、よほど気をつけてもらわないと、地位利用の疑いがあるし、疑いを持たれたらその人の権威もだんだん薄らぐのだのから、なるべく気をつけてもらいたいということが盛んに書いてある。私もそれは同感だと思う。単にということを簡単に判断できない。関係があるのかないのか、今盛んに目の前で勧誘しておるけれども、だれだれ君の後援会員になってくれと相当有力者に言っておるけれども、それは地位利用であるのかないのかさっぱりわからない。ところがよく調べてみると、地位利用であったり、すれすれであったりということがありますから、あまりこういうことは勧めるべきことではないのじゃありませんか。盲腸かと思ってせっかく開いてみたら、盲腸ではなかった。健康体だ。だけれども、どうも医者の手術上、何もなくてはいかぬから、ついでにどこか切っておきましょうかなんというようなことになって、切らぬでもいいものを切ってみたり、傷つけぬでもいいものを傷つけてみたりということは、あまり好ましいことではない。ましてや、盲腸が丈夫だから、腐りかけた盲腸をつないでおけなんということで、腐りかけた盲腸をつないでおくということは、好ましいことじゃないと思うのですが、あなたの立場からも、今のように、非常に好ましいことだというような感じを持つお気持が、今でもおありなんでしょうか。あまり好ましいことじゃないと私は思う。どうもあなたの見解と違うのですがね。
#42
○竹内政府委員 先生の今のお話ですと、何か私がこういうことを大いに書いて宣伝していく方がいいという考えを持っておるのじゃないかという御疑念のようでございますが、私どもの立場といたしましては、犯罪になるものはなる、ならぬものはならぬという立場でございまして、こうした方がいいとか、ああした方がいいとかいうことを申し上げる立場ではないのでございます。従いまして、そういう意味から申しますと私は消極という立場になるわけでございますが、ただ、こういうものを出すことのいいか悪いかということにつきましては、明朗な正しい選挙をしていただくという意味において、犯罪になるものはなるという警告を発し、ならぬものはならぬという疑いを解いてやるという立場で、こういう通牒を出されることにつきましては、しいて私は反対すべき事情は何もないという意味で申し上げている。そのあとの方の申し上げ方が、あまり大きな声で言いますと、積極みたいに聞こえますが、私どもの立場というのは、そういうことでございます。
#43
○太田委員 了解。終わります。
#44
○辻委員長 次に、井堀繁男君。
#45
○井堀委員 いよいよこの四月に、統一選挙が行なわれるわけであります。しかも今回の統一選挙は、かなり広範にわたって、数多くの団体の長、議員の選挙が一斉に行なわれるのでありまして、この選挙の機会にこそ、日本の選挙の忌まわしいうわさを打ち消すよい機会だと思うのであります。そういう意味で、その選挙に臨むにあたりまして、当局の所見をただして、善処を求めたいと思うのであります。
 今回は、団体におきまして三千二百八団体、四万八千百九十三人の長及び議員の選挙が行なわれるのでありますから、また競争もかなり激甚であると思わなければならぬのであります。その際、私どものいつも懸念されますことは、毎回の選挙に見られますように、選挙事犯が非常に増加しつつある傾向であります。しかも内容の悪質であるものが非常に多くなっておるのであります。たとえば昭和三十三年五月に行なわれました総選挙と三十五年の十一月に行なわれました総選挙の結果を見ますると、検察庁の受理いたしました選挙違反事犯だけでも、三十三年におきましては三万二千九百八十人、三十五年におきましては約倍に近い五万二千百八十七人が統計に示されておるのであります。まことに遺憾しごくといわなければなりません。ことに、その内容を見ますると、買収事犯がその中でも八九%というのでありますから、きわめて悪質な選挙事犯がたびたび繰り返されていることが立証できるわけであります。それが、今回の地方選挙にさらにこの傾向が拡大するというようなことになりますならば、そのことは単に選挙が汚濁されるということで見送るわけにはいかぬのであります。日本の議会制民主主義の危機を招来するやも知れないものでありまして、こういう過去の経験に照らしまして、この統一選挙こそは公明選挙の実があがるように、国民すべてが努力しなければならぬことはもちろんでありましょうけれども、とりわけ政治に直接関係する者の責任も重大だと痛感するわけでありまして、特に私はその一線に指導をされまする自治省、中央地方の選管、取り締まりの衝に当たりまする検察庁、警察当局に、こういう立場からお尋ねをいたしてみたいと思うのであります。
 そこで、こういう過去の事犯の中で私が検討いたしてみますると、一つの傾向が出ておると思うのであります。まず第一に、取り締まり当局の見解を一つただしてみたいと思うのであります。ずっと選挙事犯関係を戦前から戦後のものについて比較いたしてみますると、取り締まりについても問題があります。しかしこういう事犯をなくすためには、二つの大きな方針が今の場合とられると私は思うのでありますが、一つは制裁規定を強化して、すなわち罰則を高めて、事前にそういう犯罪を防ごうとする考え方、いま一つは、国民の政治に対する常識を啓蒙啓発して、自主的な国民の力に訴えて公明選挙の実をあげようというやり方が、世界の大きな二つの傾向であると思うのであります。まずその第一の制裁規定すなわち罰則規定を強化して、制裁を加えることによってそういう事犯をなくそうということについても、この委員会で多くの論議が出ておるところであります。しかし、どんなに罰則規定を法律の中に用意いたしましても、これを運営されまする人がまたその効果に対する結果を左右することはいうまでもないわけでありますから、立法府と行政の地位にありまする人との呼吸が合うということも大切だと思います。そういう意味で一つきょうはいろいろお尋ねしてみたいと思うのであります。
 そこで、制裁、罰則の関係でありまするが、私のごく狭い範囲の調査でありますけれども、戦前と戦後の関係をちょっと見たのであります。一例でありまするが、三十四年の参議院の選挙の際のものを見てみますと、懲役または禁固刑に処せられた者が、第一審でありますけれども二千二百三十七人。数字が違っておりますれば、あとで訂正願います。ところが、その中の九四・三%という高い率の二千百九人が執行猶予になっておる。私は執行猶予を云々するのではないのでありまして、しろうとでありますから、もし間違いがあれば――せっかくの罰則規定が設けられましても実刑が課されない。もっともそういうことにより効果を上げるという見解もあるかもしれませんが、ここの場合では、一応制裁を強化することによってこういう犯罪はなくそうという趣旨で、立法府ではかなり連座制の強化その他をやったわけであります。もちろん立法府は、審議会の答申、また政府の提案の趣旨などを勘案してでありますけれども、しかし一般の傾向として制裁規定を強化しようということについては間違いなかったのであります。ところが、こういうように悪質事犯が検挙され、裁判に回って、そうしてその結果が執行猶予になってしまう。戦争前と戦後を比べますと、一般の刑罰についても執行猶予が非常にふえたということによりまして、これは悪いことでないかもしれませんが、しかし選挙事犯の場合に制裁規定を強化しようという趣旨とはおよそ結果が違ってきておるのではないか。裁判でありますから、皆さんの答弁の限りではないといえばそれだけでありますが、これはよほどわれわれとして考えなければならぬ。
 それから、もう一つの例をとってみますが、罰金刑です。三十四年の時点で五千円未満のものが罰金刑の中で五三%、一万円から三万円未満のものが二〇%、三万円以上のものが五%ということですから、罰金の金額としては五千円未満が半ば以上をこえておる。戦争前の比較をしてみますと、昭和五年のものを見てみますと、五十円未満が六一%、五十円から百円未満のものが二二%、大体こういう割合であります。そこでこの犯罪の内容と罰金の金額とを、貨幣価値の変化などから見合わしてみますと、研究するのにおもしろい――おもしろいというのはなんですが、一つの問題点があると思う。大体百倍くらいの違いのように見られます。すなわち五十円というのが、今日五千円。ところが物価指数から見ますと、あるものは五百倍以上になっておりますから、平均五百倍と見ていい。こういう計算からすれぱ、非常に刑罰は低い。こういうふうになりますと、制裁規定を強化して公明選挙を推進しようとする考え方とは、裁判の結果だけを批判すると、こういうふうに変わってきている。裁判と取り締まり当局と違うかもしれません。新しい時代、人権尊重の立場からいいますと、なかなか選挙取り締まりはむずかしいと思います。こういう点の問題、私どもはただ法律だけをつくりましても、要するに結果を検討する必要があると思いまして、また今度の地方選挙に対してこれがどう反映してくるかということは、われわれにとって責任重大だと思いますので、まずこれから取り締まりの一線に立たれようとする警察当局、検察当局は、私の今とりました実例の中からどう御判断をするか、また今後はどういうふうにそれが反映されますかということについて、ほんとうは大臣にもお伺いしたかったのでありますが、きょうは法務大臣をお呼びしなかったが、閣僚の自治大臣もいますから、御見解を承りたいと思います。せっかく皆さんの方で検挙されましても、裁判所の方にいってこうなるということでは、やる人も力が入らない。選挙の取り締まりにあたっている人々を見ますと、そうでなくても今回の場合は、長並びに地方議長でありますから、国会議員よりは身近にいる人々であります。選挙の結果は権力の座に着くのでありますから、そういう人とのつながりの上で、警察も、今日は自治体警察はなくなったのでありますけれども、自治体と警察行政の関係も勘案して、そういう事情等もありますので、きょう私が、前提がちょっと長くなりましたけれども、以上のことを申し上げましたのは、呼吸を合わせていきたいという意味でお尋ねするのでありますから、歯にきぬを着せないで、公明選挙の実を制裁規定強化によって上げようとする場合最も合理的な結論を得るためにお伺いしておるのでありますから、率直に御意見を聞かしていただきたいと思います。
#46
○篠田国務大臣 選挙の問題は、何と申しましても民主主義の根本の問題でありまして、国民をして非常に明朗に愉快に選挙権を行使させるということが、選挙の基本的な態度でなければならない、こう思います。しかしながら、遺憾なことには、日本の選挙の現実というものが、非常にいろいろな悪質な事犯によって汚されておる。この選挙界を浄化するのでなければ、日本の民主主義というものはほんとうにりっぱになってこない。こういう面におきまして、選挙の浄化ということを目標として選挙法の改正等が行なわれている。ところが選挙法の改正を行なうにあたりましても、いろいろ識者並びに国民の間で論議されたわけでありますが、現在の選挙の実情から言うならば、罰則は強化しなければならないであろうという世論が非常に高まりまして、選挙制度審議会という一つの機関においてこれを審議し、国会において審議して、罰則は従来よりも高くなってきた。しかし順序は変わるかもしれませんが、ただいま井堀さんがおっしゃったように、罰金などは非常に物価の騰貴にスライドしてないという点は確かにあります。私は交通事犯であっても選挙違反であっても、罰金はもっと高く取った方がいいだろうという考え方は持っております。
 ただ、警察や検察庁で検挙して裁判所に送った者が、大部分起訴猶予になる。裁判所も呼吸を合わせてやったらどうかという問題は、これは重大な問題でありまして、裁判所が検察庁や警察と呼吸を合わせて裁判をするということになれば、警察国家ができてしまう。これこそゆゆしき問題だと私は思います。でありますから、われわれの方の警察がこれを検挙し、検察庁がそれを調べて裁判所に送るという段階は、あくまでも容疑者の段階であります。これは犯罪人ではありません。はっきり申しますと、犯罪の容疑濃厚である、検察庁、警察は犯罪の容疑者としてこれを裁判所に送っているわけでありまして、起訴されたということが直ちに犯人ではない、そういうように私は従来から考えております。ことに最近の例でありますが、選挙犯等の関係は別でございますけれども、しかし、裁判所としては、昭和の厳窟王などというものが出てきておる。これは五十年も裁判を訴えてきたけれども、最近ようやく無罪になった。こういうような問題があります。ことに選挙違反というものは、投票によって摘発する場合が非常に多いのでありまして、投票を見て調べていく場合が非常に多い。これは警察の事務当局は別な考えを持っておるかもしれませんが、私は、大臣としてはそういうことが非常に多いと思う。そこで罪を憎むあまり、要するに疑わしいものまでも中にひっくるめて裁判所が呼吸を合わせてしまったのでは、これは裁判所の致命的な問題である。だから裁判所は裁判の独立、三権分立の立場におきまして行政府、すなわち検察庁、警察庁というものと違った立場において裁判をし、その裁判官が賢明なる一つの根拠に基づいて、そして執行猶予すべきものは執行猶予にする、無罪にすべきものは無罪にするという態度をとるということは、当然の態度である。いかに選挙の浄化が大切であるからといって、裁判所までが検察庁や警察と呼吸を合わせて犯人の摘発をするということは、日本の三権分立の建前からいって私は大反対でございます。
#47
○井堀委員 だいぶん自治大臣は私の質問を誤解しているようですが、三権分立を乱すようなことは絶対にやってはいかぬ、これは民主主義の鉄則であります。それを言っているのではなくて、裁判所もまた立法精神を尊重して法の運営を扱うわけでありますから、立法府の精神が裁判に反映しないような法律なんというものは意味をなさぬわけでありまして、そのことを言っているのであります。だから議会で論議されております事柄というものは、私は法律の精神の中に強く反映していくのが、民主政治のあり方だと思います。でありますから、法律の文字だけを見て裁判を下すようなことは、今日あり得ぬと思う。従って、ここで論議をしておるわけであります。私どもが直接裁判に圧力を加えるようなことがありましたら、これはとんでもない。そうではなしに、やはり民主的手続を通じて法の精神を明らかにしていこう、呼吸を合わせると言ったのは、そういう意味なんです。誤解のないように一言しておきます。私の本論はここではないのですけれども、一応今国民の声を代表する議会における従来の審議状況から見ますと、あるいはまた選挙法の審議会などの答申の内容を見ましても罰則、制裁規定を強化せよという強い意見が出ているわけであります。私個人はそういうことに対しては、あまり強い賛意を表することができない。またずっと続けて主張してきておるので、またあとで聞くわけであります。しかし、そういう声を尊重することは当然であります。そういうことで法律の精神を改正されたことも事実であります。この事実をやはり尊重されなければなりません。要するに、私が裁判の結果を取り上げたのは、そういう趣旨とは実際が変わっているのはどういうものであろうかという例にとっただけの話で、それを批判しているわけではないのです。
 そこで、私は、警察庁と法務省、両方の刑事局長さんに伺っておきたいと思うのです。指揮、監督の地位に立って公明選挙を推進するために、悪質な事犯を仮借なく摘発して根絶していこうという建前がとられなければならぬと思うのです。これは法律の精神です。しかし、その場合にむずかしいのは、公平を失してはならぬということです。同じ犯罪が行なわれておりましても、ある者は検挙され、ある者は目こぼしになるというようなことがあったのでは、法の精神は失われるわけであります。
 ところが、実際問題として、私はここに苦心の要があると思うのです。法律をつくるわれわれの方は、公平に厳重に適用して、細大漏らさずそういう事犯を摘発しなさいということなんですから、言いっぱなしでいいわけです。しかし、受けて立つ行政の方は、神様じゃありません。しかも選挙違犯というのは、たとえば買収の場合なんか、金をくれる方ともらう方は、いずれも合憲の上でやるわけです。その二人の間の秘密が保たれる場合には、どうしてそれを摘発するかということは、神様でない行政官の苦心の要るところであります。私は立法府の責任を感じて、その執行に当たられる人の立場を思いやって実は伺うのであります。皆さんは堪能な行政官でありますから、法律をきっと正しく律してくれるものと思いますけれども、私ども立法府の立場にあります者が選挙もやるわけでありますから、正直なところを言いまして選挙に勝たなければいかぬ。勝負をやる者は、やはりシカを追う者は山を見ないという弱さがあると思うのです。すれすれという言葉をよく使うのですが、はたしてすれすれなのであるか、運が悪くてひっかかるようなことになったのか、あるいは上手に法網をくぐったのか、これはなかなか問題の存するところだと思うのであります。そこで、選挙法の罰則なんかを論議する場合に非常に私は責任を感じておるわけであります。
 でありますから、今までどうもほんの形式的な答弁、そのときのがれの論議しか行なわれていないと私は感ずるのでありますが、そうではなく、こういう機会にこそ、言論の自由をお互いに持っておるわけでありますから、その中で、やはり困難な問題は困難だ、そういうものをつくったところで実際はやれないのだ、というようなことを言っていただきたいと私は思うのです。そして、われわれが今後勉強もし、また努力もしていかなければならぬと思うのです。今後多数の選挙民に臨まなければならぬわけでありますから、そういう意味で聞かせていただきたい。今度これが終わりましたらその結果をお尋ねしたいと思いますので、前段に一つお尋ねしておきたいと思います。
#48
○宮地(直)政府委員 選挙が公明に行なわれますことにつきましては、われわれといえども何ら異存のないところでございます。警察の立場から申しますと、先ほど竹内刑事局長も申されましたように、これは法の執行という面、従って、自治省選挙管理委員会の方面で行なわれます啓蒙運動と即応いたしまして、われわれの方の立場におきまして、選挙が公明に行なわれるように法の適正なる執行を念願しておるのでございます。
 選挙取り締まりが非常に困難であるということを申されましたが、これはわれわれの方におきましても、あえて困難とは申しませんが、われわれは細心の注意を払って事犯の処理に当たっておるわけでございます。御承知のように、これは同時に起こり、多発であり、しかもまた、ある種のものが目的罪で、しかもこれは一般の他の犯罪のごとく、というと語弊がございますが、どうしても短期間にやらなければならぬ。こういう点におきまして、われわれの方におきましても最大の注意を払っておるのでございます。
 なお、公正ということにつきまして、公平を期さたければならないと言われました点、われわれも全くこれに同感でございます。この点につきましては、単に一警察官の判断にまかすことなく、大部分の府県の取り締まりの実情は、すでに御承知かと思いますが、選挙違反取り締まり本部というものをつくりまして、一地方に起こりました事案につきましても県本部を中心にいたしましてその取り扱いの公正を期しておるのでございます。また、法解釈におきましていろいろ問題点があるような点につきましては、われわれの方が統一的にこれを指導して、いろいろ注意をいたしておるのでございます。
 取り締まり当局といたしまして一番苦労いたします点について申しますと、全部とは申しませんが、一部のものにおきまして、いかなる法律ができましても、これの法網をくぐるという傾向があることが一番悩みの種なのであります。
#49
○竹内政府委員 先ほど御質問の前段の、裁判結果とわれわれの態度との間にどうであろうかという御疑問がございました。先生のおあげになりました統計を、私ちょうど同じものを持っておりませんので、正確にそうかどうかということを申し上げかねますけれども、私の理解いたしておりますところでは、先ほどお読みになりましたような統計の傾向、これは否定できない事実でございます。
 で、公明選挙を達成いたしますために二つの考え方がある、私もそういうふうに考えます。確かに、啓蒙宣伝をして選挙民自身の自覚に待って正しい選挙を行なうということと、それを実現しますために取り締まりを強化していくというこの二つ。私は最終的な姿としては、取り締まりの強化ということではなくて、選挙民の自覚による正しい公明な選挙ということに落ちつかなければならぬと思いますが、日本の置かれております現段階と申しますか、少なくとも過去の選挙の実績と見通し得る将来における選挙の実情から申しますと、この取り締まりを相当強くしていかなければ公明選挙を実現し得ないであろうということは、世論でもございますし、私どももそういうふうに考えておりまして、従って、選挙法の罰則がかなり強化されてきております。この精神は、運用にあたりまして十分考えていかなければならぬというふうに思っておるのでございます。そしてまた、検察関係の者の選挙のために集まります会合も、年間に一度や二度ではないのでございますが、そういう機会におきましても、どうして科刑の適正を期するかということは、しょっちゅうその会議の対象になっておるのであります。
 それでは、なぜ裁判がほとんど執行猶予で、罰金、実刑を科せられる者が少ないのは一体どういうことであるかという点につきましても、原因をいろいろ探究しておりますが、これは一般抽象的に論じますならば、悪質な選挙違反に対して相当厳重な刑罰を科していくということは、だれも異論のないところであります。しかし、個々のケースになって裁判の法廷に出て参りました事件というものは、これは検挙の仕方とも関係を持ちますが、いわば一種の犠牲的に検挙されたような議論が法廷に現われる場合が多うございまして、その結果として、情状酌量するということが行なわれます。しかも、違挙選反の事件は、全国的に見まして非常に裁判がおくれておるわけでございます。これにはいろいろ事情があろうと思いますけれども、その裁判がおくれておるということもまた、もはや過去の選挙違反を今処罰するというような形になりまして、これまた刑を軽くする一つの事情になってきておると思うのでございます。法の精神と実際の科刑との間にバランスがとれていないような感じがいたすのでございまして、これにつきましては、法の適正な適用を求める立場にあります検察官としましては、公判活動を通じて、法の精神と裁判の結果との間にアンバランスが起こらぬように、できるだけの努力を払っておるのでございます。しかしながら、実情は今申したようなことになっておりまして、やはりわれわれの研究課題として、どこまでもこれは追求して、是正をはかっていかなければならぬというふうに考えておるのでございます。
 さらにまた、取り締まりの問題でございます。これは今、宮地局長も述べられましたように、選挙の事前運動といえば、半年も一年も前からずいぶんあるじゃないかということでございますけれども、実際には選挙の告示をいたしましてから、わずかな期間に激烈な選挙戦の結果として、脱法的な、あるいは買収といったような悪質な違反も出てくるわけでございます。そうしますと、それを検挙する段階になりますと、一ぺんにたくさんの事件がくるわけでございまして、これをできるだけ公正に、一派に偏することなく取り扱うというのがまた検察の使命でもありますし、またそれなくしては、いかにも取り締まりが選挙の干渉になるような結果になるわけでございまして、厳にこれは避けなければならぬ。とは申しますものの、事件というものはわれわれがつくることのできるものではなくて、われわれの目に触れてきた場合、しかも、それを証拠を追って追求していくものでございますために、一派に偏せざらんとしても偏せざるを得ないような結果になることもあるわけでございます。もしそれを一派に偏するきらいがあるからといって、途中でとめれば、事件は伸び悩みになってしまって、中途半端に終わるということもありまして、非常に苦心は要するところでございますが、幸いにいたしまして、私どもには、過去数十年にわたる選挙違反の取り締まりをやってきまして、先輩から後輩に受け継いで参りました特殊技能と申しますか、そういう経験の蓄積があるわけでございます。過去の幾つかの選挙におきましても、幸いにして、不公平な取り締まりだ、不公平な処罰だというような、一般世論の非難を受けたことは、絶無だとは申しませんが、公正に取り締まられたというふうな御感想をいただいておるわけでございます。
 三十四年の地方選挙に、実に八万九千というような違反者を検挙いたしておるのでございまして、今回の選挙が、こい願わくばそれよりも下回るような数字を私どもは期待しておりますけれども、前々から申しておりますように、やはりこの選挙は、地方選挙から筋を立てて正していかないと、国の選挙にも同じような結果が出てくる。これではいかぬというので、私どもは、特にこの地方選挙の公正を担保するための取り締まりという角度から、地方選挙に力を入れて取り締まりをいたして参りたいという考えで、昨年来たびたび関係の検察官を招集して、それぞれ指示、訓示を与えておるわけでございます。今回におきましても、しくまで厳正公平な態度で法の執行に当たりたいという考えを持っておりますし、他面、公判につきましても、審理の促進をはかるとともに、それぞれの事件の特徴を十分裁判官の前に反映いたしまして、法の精神にもとらないような、適正な科刑が期せられますように努力をいたして参りたいという決意を、実は先月末の検察官会同の席上にも、その決意を全検察官で披瀝し合って、一致協力してこの取り締まりに当っていきたいという考えを明らかにした次第でございます。
#50
○井堀委員 幾つかの事例をあげてお尋ねをするといいと思いますが、時間の都合もありますし――私の質問の目的といたしますところは、刑罰をもって選挙粛正をはかるということになりますと、どうしても暗くなると思います。そうでない方法を実は毎回主張してきている立場であります。しかし、繰り返して申し上げますように、現行法は、やはり公明選挙を推進するためには、今日の法律を適確に施行していただくということになっておるわけでありますから、そういう建前からいたしますと、非常に困難な問題に遭遇するだろうと思います。私どもは、むしろ国会議員よりは、地方自治体の選挙を早く明るいものにしていきたい。すなわち、自治制の確立のないところには民主政治というものは望めないという学説を、現実にも私どもは信奉しておるわけであります。そういう意味で、実はこの機会に発言のお許しを得てやっておるわけであります。
 そこで、具体的な一例の中で、これはお話がだんだんありましたように、取り締まりの衝に当たる人も、政治に対しては無意思でおられぬわけであります。自分の生活を守ることの権利もありましょうし、それから政治に対する発言も、何も制約はありませんし、自分自身が投票するのですからね。だから、その地域に住まっている地域住民としての権利も義務もあるわけであります。それで、他の犯罪の場合は、犯罪意識といいますか、そういうものが国民の中にもある。たとえば、殺人だとか強盗なんというようなものは、説明を要しなくその罪を憎むと思います。しかし、選挙に対する一般の認識というものが私は問題だと思うのであります。そういうような困難性が、他の犯罪検挙の場合と違って、折り重なって人間の意志を動かしていく。そういうことを私どもが理解なしに、厳重に取り締まりをするような法律を次から次につくりましたとするならば、責任はこちらにはね返ってくると思うのであります。
 そういう点を懸念いたしながら、実は一、二事実を経験いたしましたので、お尋ねいたします。古い例の方がいいと思いますけれども、山梨県の山村で、村長選挙のときに、たしか小学校の先生が二、三人除かれたのと、それから青年団の幹部くらいが残されて、あとは、名誉職はもちろんのこと、役場の吏員、農協、選管、教育委員など、公の名前のつく人全部が引っぱられた。結果はどうなりましたか、私はまだ聞いておりませんけれども、とにかく有罪になったことは間違いがない。最近また、埼玉県の村長選挙で――これはまたなまなましいことですから、引き合いにするのはどうかと思いますけれども、とにかく村長選挙で、村じゅうが違反にひっかかっているというようなことがある。こういう例を取り上げてみますとわかりますように、村民の中に犯罪意識はないのです。だから、こういうものを、是非善悪の識別できるような状態といいますか、良心、そういうものに訴えて協力を求める犯罪検挙などというのは全く望めぬわけです。証拠裁判でありますから、有力な証拠を皆さんが出していただかなければ、裁判所は現実を見るわけではありません。私がさっき裁判との関係を申し上げたのは、判事も神様じゃありませんからね。しかも、証拠を現場において点検するなんていうことは例外のもので、選挙なんて、そんなことはできはしません。でありますから、検察当局の提出する資料を唯一の手がかりに、そして当事者の意見も聞く。その当事者が、今言ったように、犯罪意識に乏しいのです。だから、こういう点に問題があるということを、具体的な例をあげて意見を求めていくと意見が統一できると思うのです。
 しかし、私がここでこういうことをあげておりますのは、質問の目的は、次にお尋ねをしようとする問題に関連するのであります。それは前回の国会、すなわち三十七年の四月二十七日、最後の日でしたけれども、この委員会で決議が行なわれた。この決議の精神は、要約いたしますと、四点に分けておるのでありますが、一貫しておりますものは、今お尋ねいたしましたように、選挙違反に対する裁判を促進せい、それからもう一つは、選挙犯罪に対する刑の執行を厳正を期しなさい、そうすることによって広く国民に対して公明選挙の意義を徹底することができるという考え方である。でありますから、この趣旨からいいますと、法律が厳正公平に行なわれるかどうかということは、国民それ自身の権利をそこなう――要するに、人権尊重の立場からいって慎重さを期するという点ではなしに、ここで言っておるのは、せっかくこういう法律をつくって 制裁をもって公明選挙をやろうという考え方を国民に植えつけようというのでありますから、きびしくやれという精神なんです。峻厳に法律を執行しなさいという意思なのです。国会の意思はこういう工合にして法律の中に盛り込まれておりますから、裁判もこの立法の精神を尊重することは当然だと思います。もし法律の精神を離れて、判事の考え方一つでやるなんというのは、そんなものは決して公正な判決、裁判じゃありません。裁判所もまた法律の精神に基づいて裁いていく。神がかりじゃありませんから……。そういう点で、ここに大臣に来ていただきましたので、裁判所にはこういうことを申し上げるわけにはいきませんが、よろしくお願いいたします。
 それから、(二)、(三)、(四)は、むしろそれを好まないという考え方です。これは自治大臣にお尋ねをいたしますが、二番目に「学校教育及び社会教育を通じて、広く国民の間に、民主政治、特に選挙に関する教育の普及徹底をはかるとともに、民間団体、政府関係機関並びに地方公共団体の関係機関が一体となって、公明選挙の推進に当たるよう格別の配慮をすること。」という決議が行なわれている。これは制裁規定にたよるということよりは、むしろ国民の政治常識を啓蒙、啓発するための教育をもっと徹底、普及せよということである。これは文部省の所管でありましょうけれども、大臣は閣僚の一人でありますから、便宜お尋ねをしておくのであります。この四月二十七日の決議事項は、本会議に報告され承認をされておりますから、言うまでもなく院議であります。立法府の精神であります。でありますから、一方にこういうものといい、この四月に当面している選挙にこれは間に合いませんから、去年の四月からどれだけやったかという実績を、実はこれからお尋ねするわけであります。自治省は、文部省と御協力をされていろいろなことをおやりになっているので、そういう連絡はどういう工合におとりになっているか。もし、なっていないとするならば、国会としては、文部省の関係者を呼んでお尋ねする判断の手続をしなければならぬと思いますが、そういう必要はないと思いまして、実は閣僚の一人であります篠田自治大臣から御答弁願えると思うが、この決議の精神をどれほど徹底されているか。
 それから、先ほど私が申し上げたのでわかると思いますが、警察も検察庁も、とにかく犯罪を検挙することもそうでありますが、同時に、犯罪を未然に防ぐ、防犯の立場が民主警察、検察の大きな任務であると思う。特に選挙法はそうであると思う。だから、罰するということで、要するに強い権限というものは、そういうものを防止する大きな力になってこなければならぬ。そういう意味で、今までのように、どこかに犯罪がないかということを調べるのもなにでありますが、そういうことを起こしたならば仮借なく取り締まるという警察あるいは検察庁の考え方を――選挙当事者はもちろんのこと、選挙の場合はみんなが投票するのですから、特定と申しましてもかなり広い範囲の人です。今の検察当局は、防犯なんかで協力を求めていますね。交通取り締まりやなんかでやっていることを、選挙に対しておやりになったかどうか。また、やろうと思うけれどもできないものは何か、ということをきょうは主として聞きたいのです。
 まず大臣から、第二項のこういう運動について、何か四月から今日までにおやりになっているかどうか、伺いたい。
#51
○篠田国務大臣 第二項の「学校教育及び社会教育を通じて、広く国民の間に、民主政治、特に選挙に関する教育の普及徹底をはかるとともに、民間団体、政府関係機関並びに地方公共団体の関係機関が一体となって、公明選挙の推進に当たるよう格別の配慮をすること。」この問題につきましては、井堀さんみずからおっしゃっているように、文部省との関係におきましては、すでに必要のつど会合をいたしまして、社会教育を通じてやっていただくようにいろいろな打ち合わせをしておるわけであります。全国的な会合は年に二回かそこらでありますが、そのほかに、地方におきましては選挙管理委員会と社会教育委員会がありまして、それが常時打ち合わせをして、院議の趣旨に沿うような努力を今日まで続けておるそうです。こまかいことは事務当局をして説明させます。
#52
○松村(清)政府委員 昨年の院議の趣旨にのっとりまして、その前からも私どもやっておったのでございますが、特に決議がございましたので、文部省の社会教育局といろいろ打ち合わせをやりますとともに、地方でも、地方の選挙管理委員会は常に社会教育委員会と連絡をとりまして、たとえば啓発活動の一番中心になっております話し合い活動というような場面には、常時社会教育関係の方にも出席をしていただいて、選挙、政治、そういうものの趣旨の徹底を関係者の間ではかっておるような次第でございます。
#53
○宮地(直)政府委員 警察といたしましても、検挙いたすべきものにつきまして検挙の措置に出ることは当然でございますが、検挙のみをもって公明選挙の趣旨が達成せられるかどうかという点につきましては、これは井堀委員と全く同感でございます。従って、選挙法の第六条かと記憶いたしますが、この趣旨に沿いまして、選管を中心といたしまして警察また法務省系統のものが相集まりまして、常にこれらの啓蒙に努力をいたしておることは、これまた御承知のことかと存じます。
 また、今回の地方選挙につきましては、新聞等に具体的に、これらのものはいかに啓蒙しておるかということは時々報道されておりますので、この点御承知かと存じますので、具体的な例については省略をいたします。
 なお、先ほど例にあげられました、非常に選挙違反が多く、全村というような例が起こっておる。地方選挙におきましては、よく全村がさような事態になるということがあるのでございまして、これはわれわれといたしましてもまことに遺憾に存じておるのでございます。これらにつきましては、やはり検挙のみでなく、先ほど申しました一般的な教育が根底でなければならないということは、こういう事例につきましてもわれわれは感ずるのでございます。
 なお、御質問の、警察は検挙のみに行っておるかどうかという点でございます。この点は、われわれにおきましても、選挙のある種の自由妨害、買収というようなものにつきましては検挙に行くことは当然でございますが、その違反が起こらんとする態様におきましては、未然にこれを防止するという趣旨につきましては、もうすでに十分第一線に徹底をいたさしめておるのでございます。去る参議院選挙におきましても、検挙した件数もふえておりますが、その未然防止と申しますか、そういう意味におきます警告件数も非常にふえております。今回の地方選挙におきましても、二月の十日の統計におきまして、事前運動といたしまして検挙いたしましたものが百三十五件、人員におきまして百六十名。これはちょうどこれに対応する前回の選挙の数字がございませんから、ふえたかどうかということは直ちに見えませんが、警告件数におきましては千五百五十九件に及んでおりまして、これはわれわれ数字を達観的に見まして、違反が起こらないようにいたしたいという趣旨は、この数字からもわれわれは感知できると存ずるのでございます。
#54
○竹内政府委員 地方選挙におきましては、特に犯罪予防という立場から、今の警察からお述べになりましたような警告措置ということが必要だというふうに考えるわけでございます。おあげになりましたような、山梨県のような事件も最近でもあるわけです。村ぐるみ、町ぐるみ、部落ぐるみ、ひどいものになると家族ぐるみなんというものが出て参りまして、しかも国会議員の選挙と違いまして、一票、二票というのが当落をきめるというような選挙でございますので、ややもするとそういう形になりがちでございます。私どもは、被告人をふやすことが望ましいことでないことは、繰り返し申し上げておる通りでございまして、そういう傾向に対しましては警告を与えて、そして違反に陥らないように予防措置をとっております。それでも、なおかつやるということならば、これは町ぐるみやむを得ない、そのくらいの強い気持でおります。しかしながら、被告人をつくるのが目的じゃない、明朗な選挙をしてもらわなければならない。それには違反に陥らないように警告する、私どもはそういう立場をとって、特に地方選挙につきましては、警察とも密接に連絡をとって、表面には名前を出さない場合もありますが、選管と三者協力の上で警告措置をとらしていただいておるわけでございます。
#55
○井堀委員 自治体の選挙のときに、さっき山梨の例、埼玉の例をあげたのですが、私この内容を見ますと、埼玉の問題は最近のものですから詳しい資料はありませんが、山梨の問題は、この委員会で現地調査に行きまして、それで関係者の資料もいただきまして、意見も聞き、現地も見てきまして、われわれ責任を感ずるものがありました。というのは、犯罪意識というものが全然ないのです。いいことをしてしかられた、というぐらいの考えが横溢しているというので、実はびっくりした。
 それから、事前運動の問題です。これは選挙法についても、われわれはちょっと考えなければいけないと思うのであります。選挙運動期間をできるだけ短くするということは、ある意味において理由があると思うのです。ところが、実際上選挙の勝敗を決する公正な運動期間であるかどうかということについては問題だと思う。ですから、事前運動と啓蒙啓発の運動とのけじめが、この選挙法の中では私は非常にあいまいだと思う。
 それから、法律的に言いますと、もう犯罪を犯しておっても、それが犯罪になるかならぬかということの決定は、立候補するかしないかにある。立候補をやめてしまえば全くその犯罪が抹消してしまうというような場合が、ほかと違って、この法律の中にあるわけです。そういうところが取り締まりが困難だという理由にもなるだろうと思います。そういう点から、さっきお話を伺いますると、選挙法取り締まりについては、長い経験と、有能な専門家をそれぞれ用意されておるようでありますが、その専門家が、今言うような事柄をどうかみ分けていくか。そういう点で、こういう事実の上から判断いたしますと、事前運動の取り締まりは不可能に近い。でありますから、事前運動であったかなかったか、犯罪になるかならぬかということは、立候補後において決定される性質のものが多いものでありますから、実はさっき具体的な例をあげてお尋ねすればいいというのは、そういう点であります。
 しかし、きょう私のお尋ねしておりますものは、そこではありません。今、選挙局長の御答弁、大臣の御答弁を聞いて、私は非常に遺憾に思うのは、この前の委員会でも、かなりその点は、選挙制度審議会からの答申にも強く言われて、議論されたのであります。今伺いますと、この第二項の学校教育、社会教育の文部省の関係者も来ていただいて質問したいぐらいのことですが、高等学校、中学校のある学年に一定の教科科目を設けて、その指導をしておるということを聞いたのであります。しかし、これは学校教育だけの中で行なわれているのであって、それが今言う選挙管理委員会にどう響いているのか、あるいは取り締まり当局にどう響いているのか、この有機性がなければ、私はほんとうの意味での選挙法の運営だとは言えないと思うのです。そういう点を実は知りたかったから、前からお尋ねをしていったわけであります。われわれの立場からいえば、文部省にここへ来ていただいて聞けばわかるわけでありますけれども、そういうことを私は知りたいのではなくて――もちろんこの決定がなされたのは、昨年、三十七年の四月二十七日の委員会の決定を次の本会議で確認をしておるわけでありますから、正確にいえばそれ以後のことであります。それにしても、もう今日まで一年を経過しておるわけであります。しかも、統一選挙が目前に迫っておることは予定できたわけです。この意味が尊重されておるとするならば、学校教育活動と、それから今の――今の中学、高等学校の生徒は有権者じゃありませんから、今度の選挙には間に合わぬわけです。それだから、この決定とは違うわけです。何かこれにかわるべきものを、もう文部省はやったと言うでしょうし、やっておるから、こちらも呼んで調べておりますから、その点は今後もっと一段と強化するという主張でありましょう。しかし、ここの決定は、これは今言う選挙関係者に対する直接の要請なんです。まあ大臣はかわられたばかりで、よくおわかりにならぬかもしれません。これは具体的にどういうことをおやりになっているか。何もやっていないのですか。やっていないとすれば、どういうわけでやれないのか、伺っておきたいと思います。
#56
○松村(清)政府委員 選挙管理機関の任務といたしましては、有権者となった以降の人を対象にいたしまして、それらの方々が高い選挙道義、広い政治常識を持つように、いろいろな機会をとらえて周知徹底をはかることが任務でございます。そこで、そういう任務を遂行いたしますために、平素は、いわゆる常時啓発活動と称しておりますが、こういう啓発活動を選挙管理委員会では行なっておるわけでございます。その啓発活動の方法といたしましては、この十年間におきましてその一番の基本をなすものは、先ほど申しました話し合い活動、職場あるいは地域においてお互いに問題を話し合って、その閥に政治常識を養っていく。こういう教育方法としては最も効果的といわれております方法を中心にいたしまして、そのほか、講演会とか座談会とか、あるいはラジオ、テレビ、広報車、また民間の報道機関、こういうものを取り上げまして、そういった趣旨の徹底もはかっておるのでございます。それとともに、最近におきましては、民間に、中央には公明選挙連盟というのが十年前からございます。また、地方におきましても、民間の組織といたしまして、各都道府県、市町村に公明選挙推進協議会という組織が三十六年度から結成されております。この公明選挙連盟あるいは公明選挙推進協議会にも、委託費を選挙管理委員会と同様に交付いたしまして、民間運動として活動をやっていただくようにしております。そして、選挙管理機関とそういった民間の団体とが相協力して、国民の啓発のための活動をやってきておるわけでございます。
 そういうふうに、選挙の関係者としては、どうしても有権者になった二十才以降の人を対象にしてやっておるわけでございまして、それ以前のこれから成年に達しようとする人々に対しましては、先ほどからお話がありますように、あるいは学校教育において、文部省の方で、最近においては教科雷などにも選挙とか公明選挙についての記事を特に採択しておるようになっておりますが、そういう学校教育手段を通じて文部省としてはやっておるわけです。選挙の関係者としては、満二十才以降の人々に対して今申し上げましたような措置をとっておるのでございます。
#57
○井堀委員 大臣に一つ強く要望しておきますが、この二項の決定は、何もやってないということなんですよ。今いみじくも、三十六年度に開始した民間団体のたった一つのものですけれども、それによりますと、公明選挙推進連盟とか、あるいは地方の協議会、ほんとうはこういう民間団体を二十七年四月以降においてそれぞれ肉づけをしていかなければならぬわけです。
 私は特に関心を持ちまして、成人式などに顔を出してみますと、ある都市におきましてはなかなか盛大に成人式が行なわれまして、それに選挙管理委員長が来てあいさつをされておるようであります。あれなんかは、一つの前進だと思っておるわけであります。残念なことには、紋切り型の祝辞を読んで、二分か三分で終わりにする。中には警察署長が見えていることもありますけれども、その警察署長は、選挙の選の字も言わない。こういうところに問題があるのではないか。新しい運動を起こされることを規定してありますけれども、既存の制度とか行事を活用することをも実は怠っておるという証拠を私は成人式に見た。成人式なんというものは、言うまでもなく新しく有権者になる人であります。新鮮な知識をつぎ込むには絶好のチャンスです。今成人式は、各地ともなかなか盛んになってきておるわけであります。しかしまた、そういうところで、候補者になる人が長々とくだらぬ演説をやっておるのもいかがかと思うのであります。こういうところにこの精神というものが生かされてくるべきではないか。私の気のついた、たった一例なのでありますが、先ほど来、私が質問申し上げた中で明らかにされてきておりますように、罰則規定を強化して取り締まりの中で公明選挙をやろうとすれば、どうしても無理が起こる。とすれば、こういう仕事を積極的に展開していく。これは院議でもあります。私がこれを言っておるのではない、要するに院議を紹介しておるのです。まことに不忠実です。これは、篠田さんは大臣になって間もないけれども、あなたも議員で御存じのはずです。もっとこういう点に力を入れていただくということになれば、次にお尋ねする問題とも関連があるわけです。特に私どもは、この政府機関、地方公共団体の機関が一体となってやれということは、従来にないことだと思っておるのです。防犯運動などもありますけれども、こういうような院議がなされたのはないはずです。非常に遺憾に思います。
 次に、第三の問題は、こういうことが書いてあります。「右の各項、特に民間運動並びに選挙管理委員会の啓発活動を積極的に展開するため、市町村における末端組織の活動費を含めて、画期的な財政措置を講ずるものとし、差し当たり予備費をもって所要経費を支出すること。」これも従来にない強い意思表示であります。しかも具体的であります。
 これは一つ自治大臣にお伺いをしておきたいと思います。この精神、自治省はこの地方統一選挙に対しましては、画期的な財政計画を要求するに足る計画がなければならぬと思う。この意味は説明するまでもありません。これは選挙制度審議会の答申、しかも、幾つかの専門委員会を設けた一つの委員会の集約されたとうとい結論であります。それがここに反映をしてきた本のだと思うのであります。でありますから、先ほど来言っておりまするように、日ごろから選挙に対する常識というものが啓発され、そして公明選挙推進の土台が築かれてくるということが前段にならなければならぬというのでありますから、そのためには活動するのにいろいろな経費がかかるのは当然であります。今のように、地方選管の大部分というものは、自分が管理をする議員の議決意思、あるいは長の指揮監督を受ける人々をたのんで選挙管理事務をやる、その費用は要するに市町村から出る、割当をちょうだいするというようなことで、独立した公正な選挙管理が行なわれるはずがない。これはこの委員会でもたびたび論議されたところでありますし、また審議会からの答申でもあり、さらに院議でこういうものが決定した。前国会で、総理大臣の答弁も、その趣旨を確認している。こう言っております。「第三委員会におきまして、非常に強い御希望がございます。そしてまた、公明に選挙が行なわれなければならぬという強いわれわれの要求もございますので、今後この七億円」これは去年のことです。「七億円を十分に使いますと同時に、もし不足するというふうなことがありますれば、私は、重要な事項でございますので、予備費その他から考慮することにやぶさかではございません。」と言っている。これは言葉の上では単純でありますけれども、予備費をこういうところに活用するということを時の総理大臣が言明するということは、事きわめて重視しているからである。だから、予備費を流用させられるということは、自治大臣としては不名誉な話で、当然要求すべきものをしていなかったということになりますね。事務当局は、ほんとうを言うと、これは腹切りものですよ。もう少し公明選挙推進運動に対して積極的に、ここにも国会が命じておりますように、積極的に――言葉ではございませんよ、具体的でなければならぬ。そして、こういう予算を盛り込まなければいかぬのです。私はこれがてこになるのではないかと思う。そして、これでだめだったら議会制民主主義は日本ではだめだということになるわけであります。そういうようなきわめて危険な、おそるべき思想が生まれようとしておりますことも事実なんです。それで、総理もそういうような答弁をし、また国会もこういうような議決をしておるわけであります。画期的な財政措置を講ずるためには、自治省はその計画を組んで出しましょう、またここに、その当時の自治大臣は、次のあれには出しますと書いてある。そういう事務引き継ぎをお受けになったかどうか。
#58
○篠田国務大臣 選挙の常時啓発費としましては、昭和三十四年度一億円、三十五年度一億三千万円、三十六年度三億円、三十七年度三億五千万円、三十八年度五億円、こういうように、御承知の通り、増加しております。また、これはもちろん井堀さんおっしゃるまでもなく、ひもつきというわけには交付税は参りませんが、その関係のものとして自治省が見ておるのは、三十四年度、三十五年度が一億円、三十六年度二億円、三十七年度二億五千万円、三十八年度三億五千万円と、だんだん累増して、いわゆる公明選挙運動を行なおうとしておる政府の意思というものは、これによって、はっきりしていると思う。それから、昨年の参議院選挙におきましては、予備費の中から三億円、その他合わせまして六億円の啓蒙運動をやっている。今回の統一地方選挙におきましても、予備費の中から九千五百万円を出させまして、今お読みになった速記録にある池田総理の意思もありまして、そういうふうにいたしまして、総額六億円の啓蒙費を盛ることになったわけであります。
 先ほど、自治大臣はけしからぬとおっしゃいましたけれども、それは前の自治大臣のことをおっしゃったのか、私をおっしゃったのか、どうもよくわからない。公明選挙運動について予備費をとったことが自治大臣の不名誉であるとおっしゃるけれども、少なくとも私は一生懸命とったのであるから、不名誉であるとは思っておりません。
 と同時に、ここではよけいなことかもしれませんが、今度私が非常に主張いたしまして、これは推進運動関係者にも共鳴を得まして、こういうものをつくりました。あなたにごらんに入れて共鳴されるかどうかわかりませんが、「私は公明選挙運動の参加者です」、こういう一つのものをつくりまして、これを公明選挙運動に参加した家に全部張る。そうしますと、戸別訪問をやろうと思って行きましても、これを見まして、これは参加者だなということで、帰ってくる。幼稚といえば幼稚かもしれないけれども、買収に行きましても、これはまずいと思って帰ってくるだろう。私は大体人間が正直ですから、そういうふうに考えておるわけです。これだって、幾らか役に立つのではないかということであります。これと同時に、候補者を全部公明選挙運動に参加させろということを主張しておりまして、入るか入らないかわかりませんが、私はとにかく公明選挙運動には元来一生懸命やってきた。おしかりを受けるほどのことは何もやっていない、そう思います。
#59
○井堀委員 前の自治大臣、安井さんのときに、今の総理のそういう答弁を受けて、こう言っておるのです。「できるだけ御趣旨の線に沿って、来年度は特にまた善処したいと思っております。」「特に」と言っておるのです。ところが、一向「特に」じゃないのだ。私は非常に遺憾の意を表しておくわけです。あなたを責めてみても、やる気がなければだめなので、一つこれは本気で篠田さんがんばって下さい。大事なことですよ。大臣の職務としてやっても、値打ちのあるものです。総理もそう答弁しておるし、院議も決定しておるわけです。
 そうして、選挙管理委員会をもう少し機能を活発にして、独立性を与えてやらないと、今度の場合は地方選挙です。市長の選挙の場合に、市役所の片すみを借りて、市役所の吏員を使って、市役所からお情けの金をいただいて、一体、長の選挙を公正な管理ができますか。それから、今の選挙管理委員会の制度というものは、警察や検察庁と十分に意を通じて、事前の運動であるとか、あるいは取り締まりの適正を期するということは重要なことだと思う。ところが、検察庁、警察庁の方に御招待を受けなければ会議も持てぬというようなことでは、何にもなりませんよ。ですから、この制度をこの際活発に活用することによって、起死回生の機会が得られるのではないか。またそういう精神がここに決定されておりますので、せっかく一つ御検討を願いたいと思います。
 最後に、第四に「選挙運動の公営の拡大、連座制強化、高級公務員の立候補の制限、政治資金の規制について、さらに合理的な結論をうるよう格段の努力をはらい、次期通常国会にその改正案を提案するよう努力すること。」と決定した。これは当然院議でありますから、この通常国会に――選挙法の改正がどういうようになっておるかわかりませんが、この点については選挙制度審議会の方も答申されておるようでありますので、この辺の模様を伺っておきまして、今日の質問はこの程度にいたすつもりであります。一つ具体的に御答弁を願っておきます。
#60
○篠田国務大臣 御承知の通り、選挙制度審議会が発足をいたしましたのは、だいぶおくれておりまして、いろいろな理由に基づくものでありますが、そのつど申し上げておりますから、ここでは省略いたします。発足以来今日まで三回の総会を開きました。その三回の総会の第一回におきましては、主として私と総理大臣からのあいさつでございます。私のあいさつの中には、国会の附帯決議の問題である定数のアンバランスという点につきまして、国会の決議もあることであるから、特別な御配慮を願いたいというあいさつをしてあります。第二回の総会におきまして主として問題になりましたのは、この審議会は古い審議会の継続であるか、あるいはまた新しい審議会として発足したものであるかという議論であります。これに相当な時間を費やしました。賛否両論ありましたが、結論といたしまして、法律上、また機構の上からは続いておるものであるけれども、メンバーが新しくなったのであるから、これは新しい委員会として発足すべきものだという意見が多数でありました。新しい委員会として発足をする。そこで、新しい委員会といいましても、古い人も残っておるわけでありますから、それならば新しい委員の意見を一つ聞こうじゃないかということで、新しい委員の選挙制度に対する意見開陳がおもに第二回、第三回の総会において行なわれました。第三回目の総会におきまして、分科会をつくってやるべきかどうかという問題もあるが、その前に一応地方の声を聞いたらいいんじゃないかということで、こまかいことは事務当局から説明さしてもいいのでありますが、仙台、札幌あるいは大阪、福岡その他数カ所におきまして、三月の八日まで地方公聴会が持たれまして、近く第四回目の総会においてその公聴会の報告があり、また、運営委員会といたしまして、それに基づいて、どういうことを先にするか、あるいはどういうふうに分科会をつくるかということを決定される段階にある、こういうふうに了承しております。
#61
○井堀委員 ぜひ一つ院議を尊重されたい。やはり院議がから回りするようなことになりますと、議会制の軽視にもなる。特に自治大臣は、重要な各項について義務を要求されておりますから、ぜひ一つこの精神をもう一回くまれまして、遺憾のない措置を講ぜられるよう強く希望いたしまして、本日の質問を終わります。
#62
○辻委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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