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1962/06/18 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 建設委員会 第24号
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1962/06/18 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 建設委員会 第24号

#1
第043回国会 建設委員会 第24号
昭和三十八年六月十八日(火曜日)
    午前十一時十八分開議
 出席委員
   委員長 福永 一臣君
   理事 加藤 高藏君 理事 木村 守江君
   理事 瀬戸山三男君 理事 二階堂 進君
      宇野 宗佑君    大沢 雄一君
      木村 公平君    久保田円次君
      正示啓次郎君    砂原  格君
      堀内 一雄君    山口 好一君
      吉田 重延君    田中幾三郎君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 河野 一郎君
 出席政府委員
        建設政務次官  松澤 雄藏君
        建 設 技 官
        (河川局長)  山内 一郎君
 委員外の出席者
        建設事務官
        (河川局次長) 鮎川 幸雄君
        専  門  員 熊本 政晴君
    ―――――――――――――
六月十八日
 委員前田義雄君及び八木徹雄君辞任につき、そ
 の補欠として木村公平君及び吉田重延君が議長
 の指名で委員に選任された。
同日
 委員木村公平君及び吉田重延君辞任につき、そ
 の補欠として前田義雄君及び八木徹雄君が議長
 の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
六月十七日
 道路整備五箇年計画に関する請願(丹羽兵助君
 紹介)(第四三八九号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 連合審査会開会に関する件
 河川法案(内閣提出第一七〇号)
     ――――◇―――――
#2
○福永委員長 これより会議を開きます。
 本日は、日本社会党の委員諸君が御出席になっておりません。実は、開会する前に委員部を通じ、たびたび御出席になるようお願いいたしましたが、応じられませんので、やむなく自由民主党及び民主社会党の委員で開会した次第であります。委員諸君に一応御報告いたします。
     ――――◇―――――
#3
○福永委員長 おはかりいたします。
 本委員会において審査中の河川法案は、農林水産委員会の所管事項とも関係の深い法案でありますので、農林水産委員会より連合審査会開会の申し入れがありました場合、これを受諾し、連合審査会を開きたいと存じますが、これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○福永委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 なお、開会の日時につきましては、農林水産委員長と協議して決定いたしたいと思いますので、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○福永委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。
     ――――◇―――――
#6
○福永委員長 河川法案を議題として審査を進めます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。大沢雄一君。
  〔委員長退席、瀬戸山委員長代理着席〕
#7
○大沢委員 私は大臣及び河川局長にお伺いいたしたいと存じます。
 初めに河川の水系に関してでございまするが、新河川法は河川の指定並びに行政管理に水系主義をとり、政令で指定した水系にかかる河川で政令で一級河川と指定したものを一級河川とし、建設大臣が管理する、その他の水系にかかる河川で知事が指定したものを二級河川とし、知事が管理すると、第四条、第五条に規定しまして、水系ということを河川行政上きわめて重視しております。これは河川というものが上流から下流まで一体のもの、一本の公共用物であるばかりでなく、水系を同じくしているもの相互の間にもきわめて密接な関連がありまして、広域的な総合行政の効果を全うするためには、どうしても水系による総合主義、一括責任体制を貫く必要性があり、現行河川法のいわゆる府県分断主義ではもはや広域行政の国の責任を全うすることができなくなったからであると思います。そこで私は、本改正並びに改正の方向に対し賛意を表する次第でありまするが、しかしながら、この「重要な水系」とははたして何ぞやと問われますると、河川法には水系の定義がありませんので、はっきりしないものが残りますので、まず私は局長さんに、河川法上重視されている水系とは何ぞやということを事務的にお尋ねする次第であります。
#8
○山内(一郎)政府委員 今度の河川法案ではっきり書いてございませんが、解釈といたしましては、雨が水源地帯におきまして逐次地表を流れながら集まってまいりまして、流れを形成いたします、それが下流にくるに従いまして、いろいろな流れがそこに合流してくる、こういうような全体に相互に連絡しておりまする水流、水面の総称を水系という、こういうふうに解釈をいたしておる次第でございます。
#9
○大沢委員 そこで私は、さらに局長さんに、いわゆる水系につきまして、日本の河川がそれではどう分類されるのであるか、国土保全上または国民経済上の重要性に従い、あるいはいまお話しするような地理学と申しまするか、河川学と申しまするか、それに従って建設省が調査し予定されておりまする水系にかかる河川の分類一覧表を本法案審議上のきわめて重要な基礎資料といたしまして提出していただきたいと思うのでありますが、よろしゅうございますか。
#10
○山内(一郎)政府委員 調査をいたしまして提出いたします。
#11
○大沢委員 次に、大臣にお伺いいたしまするが、大臣はこの水系一貫主義を、国土保全上、経済上の重要性に従いまして、どこまでもこれをお貫きになられる御決意がありますかどうかということをお尋ね申し上げたいのであります。と私の申し上げまする意味は、上流、下流あるいは地域の関係で同一水系に属する特に重要性を同じくするような河川が、あるものは政治的に一級として指定され、あるものは地元のいわれのない反対や地方的利害に基づく感情や、政治的要求によりまして、一級として指定されずに二級として知事指定にゆだねられるようなことがありましてはならないと私は考えるからであります。指定後における管理委任の問題は別といたしましても、一つの水系に属する特に重要な河川は、必ず一貫して一級河川に指定して、国が最終責任、管理、国土保全の責任を負うていただかなければならない。ここに私は、どうしても河川は国家国民のために非常な重要性を有するものでありますから、そうならなければならないと信じますので、このことをあえてお尋ねを申し上げる次第であります。
#12
○河野国務大臣 御承知のように、水系ごとに分ける、それを指定する場合には河川審議会その他関係の知事さんの意見も十分承った上で決定するということになっておりますので、一級河川の決定、二級河川の決定にあたりましては、それぞれの機関もしくはそれぞれの関係者の意見によってこれをそれぞれの責任者がきめる、これは法律案で定めるとおりでございます。それが、いまお話のようなことはあり得ない、また、あってはならないと考えます。また、いまお話しのように、同一のものの中からは、この法律案には委任する場所はある、しかしそれは、同一水系でありながら、あるものは一級とする、あるものは二級とするというような、そういうことはないのでございます。
#13
○大沢委員 わかりました。
 次に、先日、大臣が利根川上流の一級河川の指定につきまして強い御自信をお示しになられました。いま群馬県知事が本改正に反対しておるといたしましても、そのうちに本法による一級指定を頼んでくるようになる、要するに、話せばわかるというお考えで久保田委員の質問にお答えになられました。私どもも聞いておりまして心強く実は感じた次第でございます。が、私どもが聞くところによりますると、県議会を先頭に、同県民の反対は、現在の段階ではいまだなかなか容易でないようにうかがわれます。一方第四条二項の一級河川の指定には「知事の意見をきかなければならない。」とあるだけで、別に知事の同意を要件としておらないのでございまするから、話してわからない、まさかの場合には、知事や県議会が何と言おうとも、大臣は河川審議会の意見を聞く、これも意見を聞くだけでいいようになっております。聞くだけで、御自身の職務良心の命ずるままに一級河川の指定を行なわれまして、管理権を手中におおさめになることができる、こういう規定のしかたになっておると見るわけでございます。もとより建設大臣は、きわめて民主的な有能な実力大臣であられまして、第四条も民主的に運用なされることにつきましては、ごうも疑っておるわけではございません。また、さきに申し述べましたとおり、政府が水系一貫主義を貫かれることを強く私は望むものでございまするが、この規定のしかた自体は、いま申し上げたようになっておりまして、まあ民主的であるかどうであるか、はたしてこれでいいのであろうか、いささか私は惑うものがあります次第でございます。しかし、いま私が希望いたしましたような水系主義を一貫するためには、結局こうするよりほかに規定のしかたがなかったのであるかどうか。この規定のしかた自体を大臣はどうお考えになられるのか。これにつきまして大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。
#14
○河野国務大臣 河川の決定を法律で規定するということも一つの方法だと思いますけれども、何ぶん御承知のとおり、利根川のような、だれが見ても、これがわが国の河川として一級河川になることはこれよりないというものならよろしゅうございますけれども、他の河川になりますと、これがはたして一級河川として扱うべきものか、もしくは二級その他で扱うべきものかにつきましては、川の流域延長もしくはその影響、いろいろの条件を総合してきめなければなりません。したがって、これを河川ごとに法律に書くということも適当でない、また地方の要請等にもこたえなければならぬ場合もあるでございましょうし、その流水量等についても、たとえば集中豪雨がしばしばくる、被害が非常に大きいというようなところも考慮に入れなければならぬ場合もあるでしょうと思います。したがって、これは政令に譲ったわけでございます。
 そこで、いまお話しのように利根川の場合でございますが、利根川の場合について考えてみますと、上流の群馬県の場合に、どの程度から上を委任して群馬県にお願いするかということは、今後十分調査いたしまして、審議会等の意見も承った上で、この点から上は群馬県知事に委任してよかろうという個所の問題、区域の問題だと私は思うのであります。これは全川を一級河川にして指定はいたします。その中の部分部分については、これは県の方に委任して、そうして治水についてお願いするということに相なろうと思うのでございます。それらにつきまして、いまお話しのように、十分知事の意見を聞くということは同意と違うと思います。しかし、行政の責任者として、知事の意見を聞いて、それがどうであるとか、それをどういうふうに扱うか、ことに審議会に至りましては、審議会の決定を無視して行政の長たる者が扱うということは、私はおそらくそういうことはあり得ないのではないかというふうに考えます。しかし、法律に書きます場合には、すべてここに案として提出しておりますように書くのが普通でございます。その慣例によって書いてある。しかし、行政の運営につきましても、同様に審議会の議を経てとあります以上は、審議会が反対の議決をしても、その責任は建設大臣の責任であるから、建設大臣が審議会の反対の議決を押し切って、自分の意思どおりにやるということは、政治を扱う者として、私はそういうことは今後あり得ない、そういうふうに考えております。私はもちろん審議会の同意がなければやる意思はございません。
#15
○大沢委員 よくわかりました。規定はこうなっておりましても、政令で委任をするということが次の段階に控えておるから、その際によく考えて、一級には指定しても委任をするということで民主的に運営もできる、こういうふうなお考えであると承ってよろしゅうございますか。――少し具体的な問題になりますが、たとえば埼玉県の中川というような河川になりますと、これは埼玉県の平地川で雨が集まりまして、東京を通って東京湾に注ぎます。これは非常に重要な河川であるわけでございます。そういう場合に、御承知のようにいま非常に水が、ことに東京に不足しておりますし、埼玉といたしましても、工業用水その他で非常に水が必要なわけでございます。そういうふうな関連からいたしまして、中には上のほうだけ二級河川で知事に指定してもらうといいというようなことを言っておる者がありますが、どうもそういう考え方は非常によくない。しかしこの水は、埼玉県を流れているのだし、埼玉県にはいろいろの必要な事情がありますから、そういう面からある区間委任して、そうして調整さしていただくということが非常にいいのではないか、一級にして指定していただいて、そして上流のあるところは知事に管理をさしていただくということになれば、地元の要望もここに満たされる、しかし治水の大きな筋、これは東京のほうも思い切って治水をしてもらわぬと治水ができないわけでございますので、やはりこれは一級にしてもらわぬと非常にいけないと思います。そういうことからいまのような御質問をしたわけでございまして、その点は大体考え方としてはわかりました次第でございます。
 さらに、私は質問を続けさせていただきたいと思いますが、次は河川の使用、砂利、砂の採取等についてでございます。河水の利用、河川生産物の採取などが、広域行政の立場からあるいは総合行政の観点から、私の見るところでは現在はなはだ非合理的、非効率的に行なわれているところがある。そこにこそ河川法の抜本的改正の必要性があるわけと存ずるのでございます。ところが附則の第六条によりますと、これらの権利の既得権者は申請あるいは届け出その他の何らの手続も行なわずに、本法施行後も従来の権利権原がそのまま継続するようであります。そう解釈してよろしいのでありましょうか。これは河川局長にお伺いいたします。
#16
○山内(一郎)政府委員 従来権利を持っておられた方が、この河川法の施行のときにどうなるかというお尋ねでございますが、従来持っていた権利はそのまま継続する、こういうことでございます。
#17
○大沢委員 何らの手続を経ずして、いわば寝ておっても継続をする、こう解釈してよろしゅうございますか。
#18
○山内(一郎)政府委員 そのまま何らの手続なしに継続はされます。ただし、従来条件はついております。たとえば砂利の場合は一年以内とか、そういう場合はその条件はそのまま継続されるということでございます。
#19
○大沢委員 そうといたしますれば、現に行なわれているような貴重な河水の乱雑な使い方や、中にはいろいろな問題のあるものもあります。いわゆる慣行水利権の問題、乱掘、乱採で、先日大臣からもお話でありましたが、川の中にさらに堤防を築かなければ、あぶなくてそのままにしておけないように掘り荒らされておって、災害発生の原因となったり、ときにはいまわしい事件を起こしたりしております砂利、砂の採取権なども、何らの規制を受けることなく、とにかく期限のくるまで――慣行水利権等は、これは期限があるということを承知しておりませんから、永久にそのまま継続するということになろうかと思いますが、これはそういうことに解釈をしてよろしゅうございますか。
#20
○山内(一郎)政府委員 慣行水利権は、現在の河川法が施行されましたとき、従来使っていたものがそのまま権利を認められております。その場合に、従来の慣行水利権には条件がございませんで、そのままずっとその権利は保たれる、こういうふうに解釈しております。
#21
○大沢委員 私よく知りませんが、昔の農業用水なんかの慣行水利権は、たとえば昔松平信綱が掘った野火止用水だとか、いろいろありますが、その際このます一升だけ将軍に水をくれと言ったら、何とお前は欲の少ない小さい希望を出したのか、お前の功績は大きいのにというような話がよく一つ話にありますが、そういうふうで、取り入れ口だけは制限しますが、水量等については無制限のようなことになるわけであります。はたしてそういうことでいいものかどうか。何らか合理的な規制の方法は考えられないものか。そういう点についてはどういうふうにお考えですか。
#22
○山内(一郎)政府委員 従来慣行水利権につきましては、権利だけは認められておりますが、実態が明らかでなかった。そうなりますと、ただいま御指摘のようなことが非常に心配されますので、今度の新しい河川法では届け出制によりまして実態を明らかにしていきたい、こういうふうに考えております。そういたしますと、この条文にもございますように、監督規定がございますので、違法に使っているというような場合は、監督規定の働く余地がある、こういうふうに考えております。
#23
○大沢委員  その届け出ですが、いつ届けるのですか。先ほど聞きますと、寝ておって権利が継続するというようなことに伺ったのですが……。
#24
○山内(一郎)政府委員 先ほどは権利がどうなるかという御質問でございましたので、それは権利は続く、ただ、実態を明らかにするために届け出制を今回とった、こういうことでございます。
#25
○大沢委員 私条文を見そこなっておるのかもしれませんが、何条でございますか。
#26
○山内(一郎)政府委員  附則の第六条でございます。附則第六条第一項は、現在の河川法が施行されましたときに、従来使っていたものは権利を継続して認めるというふうになっております。第二項は第八十八条の規定を準用する。第八十八条に届け出制の規定がございますが、これを準用いたしまして慣行水利権は届け出しなければいけない、こういう規定でございます。
#27
○大沢委員 わかりました。私の読み方が足らなかったので……。そういたしますと、慣行水利権はそれでいいのですが、砂利、砂の採取権でございますが、これは御承知のとおり現在はなはだしく利権化いたしまして、県によりましては、知事は背後の圧力といいますか、そういうふうなものの関係で、期限がきたときに一いまの局長のお話では、さらに再許可という問題があるから、その際に規制ができる、こういうことになろうかと思うのでありますけれども、実際は、期限がきても、知事のほうではさらに更改、更改でほとんど無期限同様になっておりまして、掘り尽くしてなくなってしまうまで許可が継続されておるのが実情ではないかと私は思うわけであります。はなはだしいのは一つの河川で掘り尽くされて実際の効用がなくなってしまうと、その権利が今度は他の河のほうに移されるというようなことで、一たん採掘権が許可されると掘り尽くすまでは続く。汽車で東京を出れば、白日のもとにむざんに河床が荒らされております姿がだれの目にもさらされるというのが現在の状況であるわけであります。私は大臣にお伺いするのでありますが、期限が到来して――いまは、この改正の際はそのままこういう権利が続きますが、砂利や砂の採掘には期限があるはずでございます。こういうものはいたずらに知事に委任しないで、やはりそういう実態をよくごらんになりまして、この許可の更改の際に断固として改めていただきたい。あえていやな問題を申し上げるのでありますが、これを提起いたしまして大臣の御決意をひとつ承っておきたいと思います。
#28
○河野国務大臣 御趣旨のほどは十分拝聴いたしましたので、その線に沿って善処いたします。
#29
○大沢委員 さらに進んで、私は一つの提案を申し上げたいと思うのでありますが、河水の農業のための使用あるいは発電のための利用、そのほかの公益のための使用や、いま申し上げたような河川の生産物の採取等の事業は、そのおもなものをすべて公営事業――地方自治法に規定されております公営事業、あるいはさらに進んで公営企業のワク内でそういうものは処理ができるのではないかと私は思うのでございます。もとより発電事業まですべて公営でやれという意味では決してございません。しかし、農業用水の使用のための供給、あるいは発電その他のために水を使わして使用料を徴収する水の使用、こういうものをあわせて府県の公営事業のワクにはめ込むことができるのではないか。また砂利、砂その他河川生産物の採取などは、これはもちろん公営事業ではなく公営企業としてりっぱに成り立つわけでございます。現在、府県ではこれでもうけを出しているところが非常に多いわけです。そこで私は府県ごとにこれらのものは一つまたは二つの公営事業に統一いたしまして、河川の使用管理をさせるということにしますれば、県民のすべてが納得のいくガラス張りで公明な河川行政が行なわれ得ると考えるのでございます。公営事業の経営の指導そのものは、これは自治省の所管でありますが、事業の実態はこれは建設省の御所管で、その監督に属するものと考えますわけで、私の考えに大臣は御賛成くださいまして、さらに検討して、将来公営事業あるいは公営企業として、府県ごとにこういうものはやらせるという考えに御協力いただけるかどうか、私はこの点を大臣にお伺いいたしますとともに、強くそのことをお願いいたしまして、非常に簡単でございますが、私の質問を終わりたいと思います。
#30
○河野国務大臣 実は御承知のとおり、水の利用につきましては、すでに多目的ダム等の建設によりまして、最も合理的に広い目的で事業を進めておるわけでございます。ただいまお話の点もわからぬことはございませんけれども、この法案でも示しておりますとおりに、水の利用が数県にわたり、もしくはその分配が各種目にわたるというような場合にはなかなか――県単位で行ないます場合にはうまくいっておるものもたくさんございます、私は決してこれに反対するわけではございませんが、なるべく規模が大きくなるほうが合理的に行なわれるように思うのであります。結局小さな河川につきましては、そういう方向でいくような傾向になるでありましょうし、大きな河川につきましては、やはり国がやるというような方向にいくでありましょうし、しかも、なるべくは農業用水その他の水について、事業費等の負担がかからぬように国でこれを行なって、それを十分に活用させる、ことに今後工業用水等にいたしましても、なるべく安い水を供給してやるということが、国際競争力を増加するゆえんでもあるでございましょう。というような意味からいたしまして、いま申しますように公社、公団の形式をとるよりも、なるべく国家の施設として水の利用度を高めるということのほうが適当ではないか。これはいろいろ議論もございましょう。またケース・バイ・ケースで考えなければならない場合もあるでありましょうから、一括して申し上げられませんが、十分御意見のほどは参考にして検討いたしたいと思います。
#31
○大沢委員 私の申した意味は、公社、公団ということでなく、府県の自治法に許されております公営事業あるいは公営企業、こういうことでやる、そうすれば、私は農業用水等の問題につきましては、いま大臣がお答えになりましたような、できるだけ農民の負担を少なくするということで、いまのような非常に割り高につきまする用水組合の負担、こういうふうなものも、県がほかの事業の、たとえば発電の水利使用料等がしょっちゅう入ってきますから、そういうものでカバーもできる、県が公営事業でやれば、企業と違って県費補充もできる、こういう考えから申し上げておるので、公社、公団でなく、公営事業、あるいは砂利なんか公営企業としてりっぱに成り立ちますから、そうやったらどうか、そういうふうに御指導を願いたい、大臣のお力添えを願いたい、こういう意味合いでございますので、御趣旨はよくわかりましたから、さらにお尋ねはいたしませんが、むしろこれは、あるいは自治大臣のほうにお尋ねしたほうがよかったかとも思ったのでありますが、実態が建設省でございますのでお尋ねしたわけであります。ぜひ将来ひとつ検討されまして――こういう好機はまたとないと思いますから、そういうふうな意味で御検討を続けてお力添えを願いたい、こういう意味でございます。これで私の質問を終わります。
#32
○瀬戸山委員長代理 次に、久保田円次君。
#33
○久保田(円)委員 局長にお尋ねしたいのですが、大沢委員から水系で質問がございましたが、たとえばその水系の内容でございますけれども、本川に各支流が流れ込んできておる、それから本川から支流が流れ出しておる、こういう問題があります。そういうふうなときに、たとえば霞ケ浦あるいはそのほか湖沼という問題が私はあると思う。そういうふうな湖沼の、たとえば霞ケ浦のようなもの、あるいは琵琶湖だとか、上から流れ込んできてまた出ていっておる、こういう問題がある。こういうふうなものも全部一括してその水系というぐあいに考えてよろしいかどうか、この点をお願いいたします。
#34
○瀬戸山委員長代理 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#35
○瀬戸山委員長代理 速記を始めて。
#36
○山内(一郎)政府委員 公共の水流及び水面、両方とも水系というふうに考えております。したがって、琵琶湖、霞ケ浦もこの水系の中に入る、こういう考え方でございます。
#37
○久保田(円)委員 それから一級河川の指定のときに、おそらく一級河川は大体私が常識上考えてみて、二県以上にわたるというのが通例だと思います。しかし、全国を見渡すと、非常に傾斜地帯で、たとえば日本海方面への河川というものを見ると、一つの県内において重要な河川が私はあるような感じがいたします。そういうふうなときも、やはり一級河川として認定することがあるかどうか、この点をひとつ伺いたい。
#38
○山内(一郎)政府委員 一級河川は国土保全上、または国民経済上重要な水系、こういうふうに考えております。したがって、二府県以上にまたがるものは重要な水系が多うございますが、一県内に流れる水系でも重要な水系はある、こういうふうに考えております。
#39
○久保田(円)委員 そういうふうなときは、一級河川に指定をするかどうか。
#40
○山内(一郎)政府委員 重要な水系は、もちろん指定するようにいたしたいと思います。
#41
○久保田(円)委員 そういうときに、やはりこの地方団体の知事との関係が私は出るように感じます。それというのは、その県内だけにおいての一級河川ですから、そこで、要するに一級河川は国が管理をする、あるいは水利権というものを全部国が引き上げていくというような問題が起きると思いますけれども、そういうふうな点に対して心配があるかどうか、この点はどうですか。大臣ひとつ……。
#42
○河野国務大臣 水系ごとにずっと当たってみると、すぐおわかりになると思うのです。そういう川で――たとえば東北のほうにそういう川が二つ三つあります。そういう場合にどうかというと、やはり水防費の関係に非常に重点を置いて、水防の関係から当然一級河川にしてほしいという要請のほうが多い。それをいま、この水利権の問題がああいうふうな川について一体どうなっておるかという実情から見まして、いまお話しのような点は、むしろ逆に、知事さんのほうからは、ぜひ一級河川に入れてくれという御要請のほうが、今後絶対強いだろう、こういうふうに思います。
#43
○久保田(円)委員 大臣からいま水防の問題が出ましたから、災害のときの水防をひとつ今度は例にとって、いろいろ御質疑を申し上げたいと思います。これは一つの県内におきましても、あるいは二つ以上の県内を流れても同じことでありますけれども、一級河川と、それから一級河川におきまして知事に委任する区間ができます。そういうふうなときに、災害が起きたというときには、その指揮命令系統というものは、非常に重複するような感じになってきます。たとえば上のほうは委任区間だから、これは知事がやってもいいだろう、ところが、委任区間でないところの、要するに国のほうの責任においての管理の場所、そういうふうなときには町村もそれに関係しておるところがあるわけですね、水防に関連をしまして、国が直接管理しておる委任区間。それがそういうふうなときに、一体――いままでは知事が、関係の、要するに自分の下級団体の公共団体については水防計画を立てておるわけです。ところが、いざ災害が起きたというときに、知事のほうと国のほうと、何か関連する、非常に複雑しているような命令系統ができるのではないかというぐあいに心配するのでありますが、そういうふうな問題のときに、一体どういうふうに考えておるか伺いたい。
#44
○河野国務大臣 総括的に申しますれば、知事さんが、これはおれの分じゃないからといって、同じ県内のものを、一体そういうふうに考えるでしょうか。堤防が切れたというときに、これは直轄河川で一級河川だから、おれはおいておくのだ、国のほうへいくのだというようなことが、一体現実の問題としてあるでしょうか。私はそういうことはないじゃないかと第一に思う。また、そういう知事さんがあったらとんでもない知事さんだ。
 第二には、御承知のとおり、現在ありまする水防法によって、現在でも直轄部分とそうでない部分があるわけであります。現にありましても、これは直轄部分だからこのほうは知事さんの関係じゃない、おれはそこは知らない、おれのほうはこっちだということは、現にあるわけでございます。したがって、御承知のとおり現在でも、これは直轄だ、これは府県の分だというのがあるわけです。それは今度の法律がそうなったから下のほうにまとまって、下からどこまでは直轄だ、国だ、一級だ、これは委任だ――現在は重要な分だけが直轄です。あぶないところが直轄で、あぶなくないほうがむしろ府県のほうになっておる。なっておるから現にそういうふうな例がある。これは直轄だから地元の人がかまわないでほっておいたために災害がひどかったということは私は聞いておりません。そういうことはないと私は思います。また、いま申し上げましたように、水防法の必要があればそういう点について改正をして、そうして万遺憾なきを期するというつもりでございます。
#45
○久保田(円)委員 これは大臣、水防法にやっていくということならば了解します。問題は、新河川法によると、いま管理をしておるところのその地域におきましての町村ですね、こういうふうな指揮命令の系統というものは、国のほうから直接来べきものです。それから委任区間というものは知事のほうから来べきものだ。そのときの命令系統というものが間違っておってはいけない、こういうふうな考え方なんです。これは違うのですか。
#46
○山内(一郎)政府委員 ただいまの水防のお話でございますが、これは水防法によっております。河川法にはよっておりません。そこには第一線として水防管理団体というものがございまして、それが実際の水防活動をやる。なお、国あるいは都道府県につきましては、それぞれの分野におきまして応援をする、こういうふうな体制になっております。たとえば国は洪水予防の問題とか、都道府県を中心といたしまして水防計画をつくり、その計画に基づいて第一線の水防管理団体が活動する、この立て方は新旧河川法とも同様でございます。全然河川法とは関係ないということになっております。
#47
○久保田(円)委員 それに関係しますが、緊急時のことにつきましてひとつお伺いしたいと思います。これにつきましては、河川管理者が異常渇水時における水利使用の調整は、関係河川使用者の圧縮で生まれ出るというものは非常に少ないと思うのです。そういうふうなときに非常に渇水しておる、そうすると、渇水しておるときに慣行水利権者の中でお互いに話し合って、そうしてこれだけはもらいたいというのは、わずかなものでありますから、やはりダムの設置者と直接交渉しなければならない問題が私は出てくると思う。非常に渇水したときに、ひとつダムを放水してくれ、こういう問題が出てくると思う。それと反対に、これはここにありますが、今度は非常に洪水時におきまして放出という問題も出てくると思います。そういうふうなときに、この中で五十二条におきましては「勧告することができる。」それから五十三条には「水利使用の調整について必要な協議を行なうように努めなければならない。」というぐあいに、非常になまぬるいものになっておるわけです。ですから、むしろ新河川法の改正にあたっては、いま少し強力なものにやっておく必要があるのではないかと思います。あるいは命令するとか、非常に緊急時ですから、こういうふうな点に対しましての考えはどうですか。
#48
○河野国務大臣 本会議でもお答えを申し上げたのですが、実は緊急と申しますと、たとえば台風が来る、そうして豪雨がやってくるということであります。ところが、それが予定どおりにやってくればよろしいが、その方向、進路等は時々変わります。したがって、変わりますものを命令して、お前のところは水を流せ、いまお話の前段の渇水期のほうは、緊急時と申しましてもゆるやかでございます。したがって、このほうはみな関係者が集まって十分相談すればよろしい、それに対して勧告すればよろしいということでいいと思います。一方のほうについても、もっと強硬にやれというお話でございますが、強硬にやりまして、雨がそこで降ってくれればよろしい。降らなかった場合に、水は流しちゃった、雨は来なかったというような事例が、これは台風の方向ですからわからぬわけであります。したがって、これを命令しなければならぬといって、命令を出すのに、一体どういう条件で命令を出すかということが非常にむずかしい。そういうために、ここに命令を出せということになっておりますと命令を出さなければならぬ。その命令の基準はどういうふうになるかといいますと、間々実例がありますとおり、台風の進路等が現在の気象の予報におきましては非常に把握が困難である。そういうために、ここに強力に命令しろということは困難だということから、なまぬるいようでありますが、その程度以上に強硬に法律で定めることは無理だろうということでそういう処置をとったわけであります。
#49
○久保田(円)委員 これは局長に一つの要望でありますけれども、私どもが心配するのは、非常に異常渇水時の問題が出てくると思うのです。そういうふうなときには、あらかじめ、もう少し異常渇水時におきましての整備要綱か何かをつくっておいて、そうしてそのときにはすぐそれに対処できるような方向でしておかないと、お互いに話し合っても、やはり意見がなかなかまとまらないような感じがしますけれども、その点、局長としてどうですか。
#50
○山内(一郎)政府委員 渇水時の水利使用の調整の問題でございますが、最近でも昭和三十三年でございますか、利根川水系が非常に渇水になりまして、河口付近の田植えが塩水のためにできなくなった。この場合に、建設省も関係の県あるいは水利権者にも集まってもらいまして、いろいろあっせん調停をやっております。その内容はどういう点かといいますと、上流の――ただいま先生もおっしゃいましたように、発電のダムから水を出してもらっております。こういうふうにお互いに話し合うという点も大事でありますが、それができない場合は、三項に書いてありますように河川管理者があっせん調停できる、こういうところまでやっているわけであります。事実上これで過去の例から見ましても十分できる。過去には河川法には明記してございませんでしたが、今回はその点を明記してさらにやりやすくしている、こういう考え方でやっているわけでございます。
#51
○久保田(円)委員 それから四十条の問題でありますけれども、「関係河川使用者の当該河川の使用に係る事業に比し公益性が著しく大きい場合」ですね。このときは私としても心配があります。これは慣行水利権という問題と、さらに発電なんかをやろうというその公益性が非常に大きいときには、慣行水利権以上に許可を認めてやろうじゃないか、こういうふうな内容だと思いますけれども、その公益性が著しく大きいという、そこらの点が農業用水を持っておる農家といたしましては非常に心配でありますので、この点を明らかにしておいていただきたい、こう思います。
#52
○山内(一郎)政府委員 公益性の判断の問題でございますけれども、たとえば同じような小さな発電所がある、それを水没させまして大きな発電所をつくって経済的に運営していく、こういう場合は、やはり公益性大という例に入ると思います。なお農業関係の問題もございますが、従来小規模にたくさんの個所から取り入れていた、こういう場合に、それを改造して、さらに新規なものに変えるというものをあわせましてやるような場合も、やはり公益性大、こういうふうに考えて、決して従来の慣行水利権を圧迫する、こういう考えは全然ないわけでございます。
#53
○大沢委員 水利調整の問題が出ましたから、私ちょっと関連してひとつお尋ねしたり意見を申し上げたりしたいのですが、今後水利調整の問題はますます非常に重要であろうと思います。新河川法では、水利調整は河川審議会に水利調整部を設けてそれで行なわせるというふうになっているように言われました。ところが、私、政務次官をしておりましたときの経験にもかんがみまして、あの蜂ノ巣城というのが私が建設政務次官の時代に起こりまして、非常に手をやきまして、私があの村長さんにあいさつしようとしても、おまえは建設省の人間だからというのであいさつも受け入れない、そういう状態でした。そこで私は、水利調整の問題になりますると、どうもやはり建設大臣の所管にこれをやるということはあまり――ことに今回の河川法で建設大臣に非常に水に関する権利が集中的に強化されておりますので、どうもいろいろ水利調整の問題になると、これは建設大臣の直接の所管になっておりまするので、河川審議会に水利調整部を設けたのでは、ほんとうにやっかいな問題になると、うまく調整できないんではないだろうか。そこで、やはり内閣に水利調整審議会を設けて、そして一応総理の所管ということでやればこれは話になる。どうも蜂ノ巣城はとにかく地建から起こった問題でありますが、建設省というだけではとてもだめだ、ですからそういうことが間々――あるいはダムの問題でございますと、やっぱり水利が非常に関係してくる、私はそういうふうに考えまするが、それについて大臣はどういうふうにお考えになっておりますか。
#54
○河野国務大臣 私はしょせんはだれかがやらなければならない、そういたしますと、建設省からこれをはずしました場合に、河川に対する治水、利水等を相兼ねてこれを管理してまいりますものからはずして、どこへそれでは持っていったらよかろうかということになりますと、これは持っていく先が、それによって生ずる支障が相当あるのではなかろうかと思いますので、今回は特に河川審査会の議を経て、そして関係各省とよく協調して最終的にきめるということにいたしておるのでございます。いま蜂ノ巣城の話が出ましたが、これは補償の問題ですが、多少はお話しのとおり感情の問題もあったように思います。感情の問題になりますと、これは理屈ではどうにもなりません。しかも、また、行政的にも打てば打つ手は今日私は残されておるのではないかという気もしますけれども、いませっかく裁判所関係に話が移っておりますので控えております。もし手を打ってよろしいなら、私は埋没いたします山林を国有林と一部変更したらどうか、そして国有林等と変更して、あの山林所有者に国有林の一部を渡して、そしてあの場所を変更することによって処置する等の手はどうだろうかというようなことも、いろいろ考えないことはございませんけれども、しかし、いまなまじそういうことをするのはどうかというので、控えております。いまのダムの建設にあたりましては、各地に各様の問題がありまして、一方においては非常にやれという意見もある、一方においては反対の意見もある、また、これに対する補償の問題等についても非常に複雑な問題がある。ますます複雑多岐の度合いが多くなっていくだろうと思います。したがって、ここらである程度基準を示し、方向を定めるということが適当じゃないかという考えを私は持っております。
#55
○久保田(円)委員 この慣行水利権の確認を届け出の台帳制においてやる、こういうふうなことでありますけれども、農家のこれから心配されるのは、いわゆる届け出をしてくるとこれを何か圧縮をしてくるだろう、こういうふうな心配が一つと、それからいま一つは、十二条の一項に、河川台帳の保管は大臣ということになりますが、そうしますと、これを閲覧しようというときには、建設省のほうへ一々出向いてこなければならないわけですね、この点はどうですか。
#56
○山内(一郎)政府委員 第十二条の三項でございますが、「保管に関し必要な事項は、政令で定める。」政令事項になっておりますが、この場合に、副本を関係知事のところに置いておきたい、こういうふうに考えます。
#57
○久保田(円)委員 それからいま一つは、こういう問題をお尋ねしておきたいと思うのですが、要するに水利権は大体におきまして表流水ですか、河川の水だと思います。それからその水を分類してみると、伏流水がいま一つある。上に流れておる水と、それから伏流水と、それからいま一つは地下水がある。この三つに常識上水を分類ができるわけでありますけれども、上流の県におきまして、特に最近は地域格差の是正の問題から、それぞれ工場が建設をされてきておるわけです。そこでそれぞれの工場が地下水を大量にくみ上げて、そしてその地下水を、たとえばその使用目的が冷却水のようなものに使っておるというときには、せっかくくみ上げたところの水がそのまま本流にまた流れ込んでくる、こういう形になっております。そういうようなときには、その地下水に対しましての水利権というものは一体どこに帰属するものでありますか、これがやはり今後当然生まれてくるように感じます。これを明らかにしていただきたいと思います。
#58
○山内(一郎)政府委員 河川法で取り扱う水の問題でございますが、第二十三条の河川の流水を占用しようとする場合の問題かと思います。この場合に工場が地下水をどこでくむかという問題に関係があると思われます。したがって、それが河川の区域外の遠方のほうで地下水を取るという場合には、この河川法では取り扱わない、こういうように考えます。
#59
○久保田(円)委員 そうしますと、それに対する水利権というものが出るわけですけれども、大量にその本川に流れ込んできておるというときに、たとえばその水を使って農業用水に今度は使おうじゃないか、こういう問題が生まれると思います。そのときの認可につきましては、これは地方の知事にこれを認めてやれるかどうか、この点はどうですか。
#60
○山内(一郎)政府委員 工場から冷却水で使いました水を一回川に放流をされるといたしますと、やはり河川の流水の占用というほうで新しく水利権の許可を要すると思います。その場合に水利権の許可をだれがするかという問題でございますが、一級河川については建設大臣、ただし小規模なものは都道府県知事が委任を受けてやる。二級河川は都道府県知事がやるということになります。
#61
○久保田(円)委員 この問題はまた非常に複雑している問題で、いずれにしても人工的にとにかく水を新たにつくっておるわけですから、この点はひとつ局長のほうで十分検討していただきたい、こういうふうに希望申し上げておきます。
 それから、一級河川の管理権、水利権が国のほうに移り、二級河川は知事となっておるけれども、この区別というものは何ゆえにしたか、この点を一点。
 それから一級河川、二級河川の国庫負担率が違っておるわけです。この違っておるのは、一体どういうわけで国庫負担率を違えておるか、この二点をお尋ねいたします。
#62
○山内(一郎)政府委員 法律の立て方の問題でございますが、全国の重要な川を一級河川と二級河川とに分けまして、一級河川は建設大臣が責任を持って管理をする、二級河川は都道府県知事が管理をする、こういうふうに立て方の問題があります。その分け方は法律にございますように、国土保全上または国民経済上重要な水系、これは一級河川のほうに入れる、それに次ぐ別の水系で公共の利害に重要な関係のあるものは二級河川に入れる、こういうような区別をしておるわけであります。
 なお、国庫の負担率が一級と二級で違うではないか、こういう点につきましては、従来も直轄工事と補助工事は率が違ってまいっていたわけでございますが、一級河川は建設大臣が管理するたてまえ上、一級河川の中の従来補助工事でやっていた事業につきましても、これは全部通しまして、直轄管理機関も地域機関も同じように、こういうことでやっているわけであります。
#63
○久保田(円)委員 そこで私の申し上げたいのは、一級河川と二級河川の国庫補助につきまして、国の負担において差があるということはどうか、この一点になるわけです。それというのは、たとえば災害がかりに起きるとか、治山治水におきましても、一級河川、二級河川という差があってはならない、私の考え方はこういうことです。そこで国庫負担率もやはりこういうふうな差をつけるということはどうか。たとえば改良工事が国が三分の二、二級河川については二分の一をこえない範囲内、こういうふうなことになっておりますけれども、いま申し上げましたとおりに、河川というものは、たとえば水が全然なくても、いざたくさんの雨量があったというときには、災害を受けるのはやはり同じわけですから、そういうふうな一つの思想の中にわれわれが考えたときには、この国庫負担率というのはやはり同じに考えていくということが筋じゃないかというぐあいに考えますけれども、これは局長どうですか。
#64
○河野国務大臣 道路を考えられるとすぐ御理解いただけると思います。すべてみな同じだと言うが、補助金はみな同じではございません。県が主になってやる場合は幾ら、国が主になってやる場合は幾ら、みな補助率が違っております。これはその性質、その性格で、直轄にする、しない、県が主体性を持つ、国が主体性を持つということであって、国が主体性を持つ場合には三分の二、県が主体性を持つ場合には幾らと、受益者の関係、地元の受益の関係等から考えまして、政府としてはこういう補助率をきめております。これは初めすべてに全額国庫でやるべきではなかろうかという考えを持ちましたけれども、やはり地元にも持たせ、受益者も負担する、日本の政治のたてまえはそういうことになっておるということでございますから、なるほど私もその点は認められてしかるべきであるということで、財務当局のほうもそういうことで了承を得ておる次第であります。
#65
○久保田(円)委員 局長にお尋ねしたら大臣から御発言がございましたが、これは大臣の考えと私の考え方は少し食い違っておるわけです。それというのは、河川と道路を一緒に考える思想というものは間違っておるのじゃないか。道路行政と河川行政というものは違っておる。そこには根本的な違いがあるわけです。河川は道路とは確かに違っておる。道路は大きく見えると一線になっておるわけですけれども、河川というものは平面においていろいろな問題が出てくるわけです。そういうふうな観点から、私がいま申し上げたのは、河川においては道路の思想、道路に考えるべき問題とは違って、やはり一級河川、二級河川の国庫負担率は、いまの災害とか治山治水という面については、とにかく別途に考える必要があるというぐあいに考えて質問をした次第でございます。この問題をさらにつくということは、これはまた別の角度でいたしたいと思うのでございます。
 そこで、それに関連しまして、いわゆる廃川敷地の譲与につきましてお尋ねいたします。この法案の第二条におきましては、河川は公共用物であって――これから推して廃川敷地の帰属については一級、二級河川とも国に帰属する。しかし、二級河川においては、法案の第九十三条に都道府県に譲与する規定があります。ところが、一級河川におきましてはこれがないわけです。そうすると、先ほど私が質問をしました一級河川、二級河川というものの思想につきまして、これはいつも同じに国が考えていかなくちゃならない。したがって、一級河川の廃川敷地においても、やはり知事に譲与する規定を設けるという必要があると思いますけれども、この点は局長としてどうお考えでありますか。
#66
○山内(一郎)政府委員 いずれも国有財産法で都道府県に譲与できることになっておるのでございますが、ことに二級河川につきましては、非常に小さいような敷地もございますので、特例として建設大臣が都道府県に譲与できる国有財産法の特例を設けまして、便宜に取り扱い得るようにした、こういうことでございます。
#67
○久保田(円)委員 きょうは落ちついて質問ができませんので、河野大臣に、最後に、先日いろいろ大臣に質問をした中で、まだ地元としては非常に心配の問題があります。沼田ダムの問題ですね。これはまたかというぐあいにお考えになるかと思いますが、沼田ダムは御存じのとおりに、かりにあそこができますと、二千五百戸も実際問題として水没するわけです。それがどこから流れてきたかわからないものを建設するんだという思想が最近大いにあるわけです。そこで大臣のほうから、ひとつこの問題につきまして大臣のお考えでけっこうですから、どうかひとつこの際明らかにしていただきたい。それから、同時に、沼田ダム建設については、こんなようなことは一体どこから流れてきたのか、こういうふうなことは地元では非常に心配なんです、二千五百戸も水没してしまうのですから。
#68
○河野国務大臣 久保田さんの御質問の中に、大臣の意向でけっこうだからというような御発言がありましたが、私は非常に不満であります。私は絶対でございます。私は、お答えいたしましたらば、だれが何と言おうが、私の答えたとおりでございます。したがって、だから最後にはっきり答弁せいとおっしゃっていただけばはっきりと答弁いたします。先般申し上げたとおりであります。この沼田ダムにつきましては、目下調査はしていないことはございません。しかし経費等が非常にかかる。一方、調査の結果も出ておりますので、これをやるやらぬというような段階に立ち至っておりません。したがって、いま建設省がやるようになっておる、地元の人に心配を与えるというような段階では絶対ない。万々一、いまお話のとおり、二千数百戸の方に立ちのいていただいてダムをつくるというようなことはないことは私も了承いたします。したがって、万々一そういう事態が起こりました際に、地元の二千数百戸の方の反対を押し切ってこれを実行することはなかなかできることじゃなかろう。蜂ノ巣城はただ一人の反対でなかなかできないということでございますので、どなたも考えて、つくることがあたりまえだ、二千数百戸の中の三分の二以上の過半数の人が、これをやるのは国のためだ、地方のためだというなら別であります。大多数の方が反対をしているところヘダムをつくることは、できることじゃございません。したがって、いまこの段階におきましては、私が申し上げましたとおり、やったらどうだろうかというようなこともありますから、すでに全国的に水系の調査をしておりますけれども、いまそれをやるとかやらぬとかというような段階に立ち至っていないということは、これが私の明確な最終的な答弁でございます。それについていろいろ流言飛語等は絶対に御信用のないようにお願いいたします。
#69
○久保田(円)委員 沼田ダムにつきまして再度お尋ねしたというのは、私も地元におりまして、非常にその問題が心配されておりまするので、くどいようでありましたけれども、お尋ねしたような次第でございます。
 以上をもちまして私は質問を終わります。
#70
○瀬戸山委員長代理 暫時休憩いたします。
   午後零時三十七分休憩
     ――――◇―――――
  〔休憩後は会議を開くに至らな
  かった〕
ソース: 国立国会図書館
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