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1962/05/14 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 決算委員会 第16号
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1962/05/14 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 決算委員会 第16号

#1
第043回国会 決算委員会 第16号
昭和三十八年五月十四日(火曜日)
   午前十時四十一分開議
 出席委員
   委員長 津雲 國利君
   理事 荒舩清十郎君 理事 木村 公平君
   理事 鈴木 仙八君 理事 勝澤 芳雄君
   理事 芳賀  貢君
      久保田藤麿君    椎名悦三郎君
      鈴木 正吾君    田川 誠一君
      古井 喜實君    久保 三郎君
      森本  靖君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 田中 角榮君
 出席政府委員
        大蔵事務官
        (主計局司計課
        長)      江口  穣君
        大蔵事務官
        (理財局長)  吉岡 英一君
        大蔵事務官
        (管財局長)  江守堅太郎君
 委員外の出席者
        会計検査院長  芥川  治君
        会計検査院事務
        総局次長    平松 誠一君
        専  門  員 茨木 純一君
    ―――――――――――――
三月二十九日
 委員山口喜久一郎君辞任につき、その補欠とし
 て倉石忠雄君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 昭和三十六年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十六年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十六年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十六年度政府関係機関決算書
 昭和三十六年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和三十六年度国有財産無償貸付状況総計算書
 昭和三十六年度物品増減及び現在額総計算書
 昭和三十七年度一般会計予備費使
 用総調書(その1)
 昭和三十七度特別会計予備費使用
 総調書(その1)
 昭和三十七年度特別会計予算総
 則第十二条に基づく使用総調書( (承諾を求
 その1)            めるの件)
      ――――◇―――――
#2
○津雲委員長 これより会議を開きます。
 去る二月十五日承認案件として本委員会に付託になりました昭和三十七年度一般会計予備費使用総調書(その1)、昭和三十七年度特別会計予備費使用総調書(その1)、昭和三十七年度特別会計予算総則第十二条に基づく使用総調書(その1)、以上三件を一括して議題にいたします。
 まず、各件について説明を求めます。田中大蔵大臣。
#3
○田中国務大臣 ただいま議題となりました昭和三十七年度一般会計予備費使用総調書(その1)外二件の事後承諾を求める件につきまして御説明を申し上げます。
 昭和三十七年度一般会計予備費の予算額は二百億円でありまして、このうち、財政法第三十五条の規定により、昭和三十七年五月二十二日から同年十二月二十五日までの間において使用を決定いたしました金額は百三十億三千四百万円余であります。
 そのおもな事項は、板付飛行場拡張用地提供に伴う周辺整備に必要な経費、文教施設災害復旧に必要な経費、農業施設災害復旧事業に必要な経費、港湾施設災害復旧事業に必要な経費、河川等災害復旧事業等に必要な経費、選挙の公明化運動推進に必要な経費等であります。
 次に、昭和三十七年度各特別会計の予備費の予算総額は一千七百九十一億九千九百万円余でありまして、このうち、昭和三十七年六月七日から同年十二月七日までの間において使用を決定いたしました金額は三百二十八億一千九百万円余であります。
 そのおもな事項は、食糧管理特別会計国内米管理勘定における昭和三十七年産米の買い入れ増加に伴い必要な経費、国内麦管理勘定における昭和三十七年産麦の買い入れ増加に伴い必要な経費、輸入食糧管理勘定における輸入食糧の買い入れ増加に伴い必要な経費、労働者災害補償保険特別会計における保険料の精算返還に必要な経費、治水特別会計治水勘定における河川事業の調整に必要な経費等であります。
 次に、昭和三十七年度特別会計予算総則第十二条の規定に基づき、予備費使用の例に準じて予算を超過して支出をいたしました特別会計は、食糧管理特別会計でありまして、その内訳は、国内麦管理勘定において支出しました返還金等の調整勘定へ繰り入れに必要な経費四十四億三千五百万円余、農産物等安定勘定において支出をしました返還金等の調整勘定へ繰り入れに必要な経費三億九千万円余であります。
 以上が昭和三十七年度一般会計予備費使用総調書(その1)外二件の事後承諾を求める件の概要であります。
 何とぞ御審議の上御承諾くださいますようお願い申し上げたいと存じます。
#4
○津雲委員長 ただいまの予備費各件に対する質疑は後日に譲ります。
     ――――◇―――――
#5
○津雲委員長 次に、去る十二月二十六日付託になりました昭和三十六年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十六年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十六年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十六年度政府関係機関決算書、昭和三十六年度国有財産増減及び現在額総計算書、昭和三十六年度国有財産無償貸付状況総計算書、昭和三十六年度物品増減及び現在額総計算書を一括して議題といたします。
 まず、大蔵大臣より各件について概要説明を求めます。田中大蔵大臣。
#6
○田中国務大臣 昭和三十六年度一般会計歳入歳出決算、同特別会計歳入歳出決算、同国税収納金整理資金受払計算書及び同政府関係機関決算書を会計検査院の検査報告とともに本国会に提出をし、また、昭和三十六年度末における国の債権の現在額について本国会に報告をいたしましたので、その大要を御説明申し上げたいと存じます。
 昭和三十六年度予算は、昭和三十六年四月一日に成立をいたしました本予算と昭和三十六年五月三十一日及び昭和三十六年十月二十一日並びに昭和三十七年二月十六日に成立をいたしました補正予算とからなるものであります。
 昭和三十六年度本予算は、国際経済の動向に即応しつつ、通貨価値の安定と国際収支の均衡を確保し、経済の適正な成長に資することを目的とし、財政の健全性を保持する方針のもとに、国民所得の倍増を達成するため、緊要とされる施策の推進をはかることを基本としたものであります。この基本方針に基づき、一般会計予算の規模は、租税その他の普通歳入をもって支弁し得る範囲にとどめるとともに、収支の均衡を十分考慮しつつ、所得税及び法人税を中心とする租税負担の軽減合理化をはかり、社会保障の拡充、公共投資の拡大、文教の刷新充実と科学技術の振興、貿易の振興及び対外経済協力の推進、農林漁業の振興、中小企業対策の強化及び地方財政の健全合理化等、重要施策を推進することを重点として編成されたものであります。
 なお、本予算成立後、公共企業体等の職員の給与改善に必要な経費、食糧管理特別会計に繰り入れに必要な経費、公務員給与の改善に必要な経費及び災害対策に必要な経費等について、予算補正を行なったのであります。
 昭和三十六年度におけるわが国の経済は、予期以上に高い成長を遂げたのであります。すなわち、国民総生産は十七兆七千十五億円に達し、前年度に対して二〇・七%、実質一四・〇%の拡大となり、鉱工業生産では同じく一八・五%の増加を示したものであります。このような経済の予想以上の拡大の結果、輸入が急激に増加した反面、輸出が旺盛な内需と海外環境の悪化とから伸び悩んだため、国際収支は大幅な赤字を示し、また経済の各分野における不均衡が目立ち始めたのでありますが、これに対処するだめ、政府としては、総合的な国際収支改善対策の実施をはかり、その一環として、内需の抑制と輸出の振興につとめ、財政面においても公共事業費等の支出の繰り延べ等の措置を講じました結果、年度末には国内経済は、漸次鎮静化の方向に向かうに至ったのであります。
 以下、決算の内容を数字をあげて御説明申し上げます。
 まず、一般会計におきましては歳入の決算額は二兆五千百五十九億円余、歳出の決算額は二兆六百三十四億円余でありまして、歳入歳出を差し引きますと四千五百二十四億円余の剰余を生ずる計算であります。
 この剰余金から昭和三十七年度に繰り越しました歳出の財源に充てなければならない金額六百四十六億円余及び前年度までの剰余金の使用残額千二百五十一億円余を差し引きますと二千六百二十六億円余が、昭和三十六年度に新たに生じた純剰余金となるのであります。
 なお、右の剰余金四千五百二十四億円余は、財政法第四十一条の規定によりまして、翌年度すなわち、昭和三十七年度の歳入に繰り入れ済みであります。しかして、そのうち昭和三十六年度に新たに生じました純剰余金二千六百二十六億円余から予算決算及び会計令等の一部を改正する政令の規定によって、地方交付税及び道路整備事業費の財源に充てられることとなる額四百九十二億円余を控除した残額二千百三十四億円余の二分の一を下らない額に相当する金額につきましては、財政法第六条の規定によりまして、公債または借り入れ金の償還財源に充てられるものであります。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては予算額二兆千七十三億円余に比べて四千八十五億円余の増加となるのでありますが、このうちには、昭和三十五年度剰余金の受け入れが、予算額に比べて千六百六十六億円余を増加しておりますので、これを差し引きますと、昭和三十六年度歳入の増加額は二千四百十八億円余となるのであります。そのおもな内訳は租税及び印紙収入における増加額千九百八十一億円余、専売納付金における増加額百五十一億円余、官業益金及び官業収入における増加額十億円余、政府資産整理収入における増加額五十七億円余、雑収入における増加額二百十八億円余となっております。
 一方、歳出につきましては、予算額二兆千七十三億円余に昭和三十五年度からの繰り越し額四百十五億円余を加えました予算現額二兆千四百八十九億円余から支出済み額二兆六百三十四億円余を差し引きますと、その差額は八百五十四億円余でありまして、そのうち、翌年度に繰り越しました額は、前述のとおり六百四十六億円余、不用額は二百七億円余となっております。
 右の翌年度への繰り越し額のうち、財政法第十四条の三第一項の規定により、あらかじめ、国会の議決を経、これに基づいて翌年度へ繰り越しました金額は大百十億円余でありまして、その内訳のおもな毛のは、旧軍人遺族等恩給費につきまして、支給事務の処理にあたり、軍歴及び死亡事実の調査確認等に不測の日数を要したため年度内に支出を終わらなかったもの七十一億円余、道路整備事業費、治水特別会計へ繰り入れにつきまして気象の関係、補償額の決定の遅延等により、工事の施行に不測の日数を要したため年度内に支出を終わらなかったもの百二十七億円余、防衛本庁、施設整備費等につきまして、調達計画の調整、アメリカ合衆国からの供与品の引き渡し等に不測の日数を要したため年度内に支出を終わらなかったもの四十億円余であります。
 財政法第四十二条ただし書の規定により避けがたい事故のため翌年度へ繰り越しました金額は十八億円余でありまして、その内訳のおもなものは、大学付置研究所で機械及び部品の製作等に不測の日数を要したため年度内に支出を終わらなかったものであります。
 財政法第四十三条の二第一項の規定により継続費の年割り額を繰り越しました金額は十七億円余でありまして、これは昭和三十四年度潜水艦建造費、昭和三十五年度甲型警備艦建造費、昭和三十五年度潜水艦建造費及び昭和三十六年度潜水艦建造費でありまして、建造工程等が遅延したため年度内に支出を終わらなかったものであります。
 次に、不用額でありますが、その内訳のおもなものは総理本府の旧軍人遺族等恩給費につきまして、前年度繰り越し分の裁定事務が、請求書提出遅延等により当初の予定を下回ったため不用となったもの五十三億円余、農林本省の麦作転換奨励金につきまして、大麦及び裸麦の生産及び政府買い入れに関する特別措置法案が、第三十八回及び第三十九回国会で審議未了となったため不用となったもの三十億円、大蔵本省の国債費につきまして、国債利子の支払いが少なかったこと及び大蔵省証券の発行がなかったので割引差額を要しなかったこと等のため国債整理基金特別会計へ繰り入れを要することが少なかったことにより不用となったもの十億円余であります。
 次に、予備費でありますが、昭和三十六年度一般会計における予備費の予算額は二百二十億円でありますが、その使用総額は二百十六億円余であります。そのうち、昭和三十六年十二月までの使用額百三十八億円余につきましては、すでに第四十回国会におきまして、御承諾をいただいております。
 また、昭和三十七年一月から同年三月までの使用額七十七億円余については、すでに同年三月二十九日御承諾をいただいております。
 次に、一般会計の国庫債務負担行為について申し上げます。
 財政法第十五条第一項の規定に基づく国庫債務負担行為の権能額は四百五十六億円余でありますが、このうち実際に負担いたしました債務額は四百六億円余でありますので、これに既往年度からの繰り越し債務額千百四十二億円余を加え、昭和三十六年度中に支出その他の理由によって債務が消滅いたしました額四百二十七億円余を差し引きました金額千百二十一億円余が、翌年度以降に繰り越されたことになります。
 財政法第十五条第二項の規定に基づく国庫債務負担行為の権能額は三十億円でありますが、本年度実際に負担いたしました債務額はございません。
 次に、昭和三十六年度特別会計の決算でありますが、これにつきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと思います。
 なお、同年度における特別会計の数は四十一でありまして、これら特別会計の歳入決算総額は四兆四千三百十七億円余、歳出決算総額は三兆九千五百九十二億円余であります。
 次に、昭和三十六年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いでありますが、この資金への収納済み額は二兆四百三十五億円余でありまして、この資金からの支払い命令済み額及び歳入への組み入れ額は二兆四百三億円余でありますので、三十一億円余が、昭和三十六年度末の資金残額となるのであります。これは、主として国税にかかる還付金の支払い決定済み支払い命令未済のものであります。
 次に、昭和三十六年度政府関係機関の決算でありますが、日本専売公社、日本国有鉄道及び日本電信電話公社の決算の内容につきましては、別途それぞれの主務大臣から御説明申し上げる予定であります。
 また、その他の政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと存じます。
 次に、国の債権の現在額についてでありますが、昭和三十六年度末における国の債権の総額は二兆九千九百七十億円余でありまして、その内訳の詳細につきましては、昭和三十六年度国の債権の現在額総報告によって御了承願いたいと存じます。
 以上、昭和三十六年度一般会計、特別会計、国税収納金整理資金及び政府関係機関の決算等につきまして、その概略をご説明申し上げた次第であります。
 なお、昭和三十六年度の予算の執行につきましては、予算の効率的な使用、経理の適正な運営に極力意を用いてまいったのでありますが、なお、会計検査院から不当事項につきましては、五百七十九件にのぼる御指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところでございます。
 これにつきましては、今後一そう経理の改善に努力を傾注いたしたい所存でございます。
 次に、昭和三十六年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況総計算書について、その概要を御説明申し上げます。
 まず、昭和三十六年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要について申し述べます。
 昭和三十六年度中に増加しました国有財産は、行政財産千五百六十七億円余、普通財産二千五百二十一億円余、総額四千八十九億円余であり、また本年度中に減少しました国有財産は、行政財産五百七十五億円余、普通財産九百四十二億円余、総額千五百十八億円余でありまして、差し引き総額において二千五百七十一億円余の増加となっております。これを前年度末現在額二兆九千三百九十二億円余に加算いたしますと三兆千九百六十三億円余となり、これが昭和三十六年度末現在における国有財産の総額であります。
 この総額の内訳々を分類別及び種類別に申し上げますと、行政財産においては公用財産八千八百一億円余、公共用財産二百三十一億円余、皇室用財産二百五十三億円余、企業用財産八千二百五十五億円余、合計一兆七千五百四十二億円余となっており、普通財産においては一兆四千四百二十一億円余となっております。なお、この普通財産のうち一兆千二百六十九億円余は政府出資等となっております。
 また、国有財産の総額の内訳を区分別に申し上げますと、土地七千二百十八億円余、立木竹五千八百八十二億円余、建物三千五百八十三億円余、工作物二千百九十五億円余、機械器具二十二億円余、船舶八百五十六億円余、航空機九百二十九億円余、地上権等三億円余、特許権等二億円余、政府出資等一兆千二百六十九億円余、合計三兆千九百六十二億円余となっております。
 次に、国有財産の増減の内容について、その概要を申し上げます。まず、昭和三十六年度中における増加額を申し上げますと、前述のとおりその総額は四千八十九億円余でありますが、この内訳は、第一に、本年度中に国と国以外の者との間の異動によって増加した財産は千九百十八億円余でありまして、このうち購入、新営工事、出資等歳出を伴うものは千六百五十二億円余、寄付、代物弁済、租税物納、交換等、歳出を伴わないものは二百六十五億円余となっております。
 第二に、国の内部における異動によって増加した財産は二千百七十一億円余でありまして、このうち各省各庁または各省各庁の部局の間における財産の移管等、調整上の増加は九百四十四億円余、土地の実測、立木竹の実査等、整理上の増加は千二百二十六億円余となっております。
 次に、減少額について申し上げますと、その総額は千五百十八億円余でありますが、この内訳は第一に、国と国以外の者との間の異動によって減少した財産は四百三十六億円余でありまして、このうち売り払い、出資金回収等、歳入を伴うものは二百十一億円余、譲与、交換等歳入を伴わないものは二百二十五億円余となっております。
 第二に、国の内部における異動によって減少した財産は千八十一億円余でありまして、このうち各省各庁または各省各庁の部局の間における財産の移管等、調整上の減少は九百四十九億円余、土地の実測、立木竹の実査等、整理上の減少は百三十一億円余となっております。
 以上が昭和三十六年度国有財岸増減及び現在額総計算書の概要でございます。
 次に、昭和三十六年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要について、申し述べます。国有財産法第二十二条並びに同条を準用する第十九条及び第二十六条の規定により、地方公共団体等に無償で貸し付けてある国有財産の本年度中に増加した総額は三十六億円余であります。また減少した総額は二十九億円余でありますので、差し引き七億円余の純増加となっております。これを前年度末現在額百八十三億円余に加算しますと、百九十一億円余となり、これが昭和三十六年度末現在において無償貸し付けをしている国有財産の総額でございます。
 この増減のおもなものを申し上げますと、増加したものは、公園の用に供するもの三十二億円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの三億円余等であります。
 次に減少したものは、公園の用に供するもの二十四億円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの四億円余等でございます。
 以上が昭和三十六年度国有財産無償貸し付け状況総計算書の概要であります。
 なお、これらの国有財産の各総計算書には、それぞれ説明書が添付してありますので、それによって細部を御了承願いたいと存じます。
 最後に昭和三十六年度物品増減及び現在額総計算書の概要を御説明申し上げます。
 昭和三十六年度中における物品の増加額は千二十二億円余であり、また物品の減少額は七百三十七億円余でありまして、差し引き二百九十五億円余の増加となっております。また、右のほか、本年度に初めて実施いたしました物品の価格改定による増加額は十一億円余でありますので、これらを前年度末現在額二千二百十億円余に加算いたしますと二千五百十七億円余となり、これが昭和三十六年度末現在における物品の総額でございます。
 この総額の内訳をおもな品目別に申し上げますと、防衛用車両四百六十五億円余、試験及び測定機器三百十三億円余、土木機器三百十二億円余、車両及び軌条二百九十四億円余となっております。
 次に物品の増減の内容について、その概略を申し上げます。まず、昭和三十六年度中における増加額について、その内訳のおもなものを申し上げますと、土木機器において百六十九億円余、車両及び軌条において百十八億円余、試験及び測定機器において百二億円余、防衛用車両において九十九億円余でございます。
 次に減少額について、その内訳のおもなものを申し上げますと、土木機器において百四十六億円余、車両及び軌条において九十八億円余でございます。また、物品の価格改定による増加額のおもなものは産業機器、土木機器であります。
 以上が昭和三十六年度物品増減及び現在額総計算書の概要であります。何とぞ御審議のほどをお願い申し上げます。
#7
○津雲委員長 次に会計検査院当局より各件の検査報告に関する概要の説明を求めます。芥川会計検査院長。
#8
○芥川会計検査院長 昭和三十六年度決算検査報告に関する概要を説明いたします。昭和三十六年度歳入歳出決算は、三十七年十月二十五日内閣から送付を受け、その検査を了して、昭和三十六年度決算検査報告とともに三十七年十二月四日内閣に回付いたしまし
 た。
 昭和三十六年度の一般会計決算額は歳入二兆五千百五十九億余円、歳出二兆六百三十四億余円、各特別会計の決算額合計は歳入四兆四千三百十七億余円、歳出三兆九千五百九十二億余円でありまして、一般会計及び各特別会計の決算額を総計いたしますと、歳入六兆九千四百七十六億余円、歳出六兆二百二十六億余円となりますが、各会計間の重複額及び前年度剰余金受け入れなどを控除して、歳入歳出の純計額を概算いたしますと、歳入四兆三千六十六億円、歳出三兆七千三百五十億円となり、前年度に比べますと、歳入において六千七百十六億円、歳出において四千七百八億円の増加となっております。なお、国税収納金整理資金の受け払い額は、収納済み額二兆四百三十五億余円、支払い命令済み額と歳入組み入れ額の合計二兆四百三億余円であります。
 政府関係機関の昭和三十六年度決算額の総計は収入二兆四百八十七億余円、支出一兆八千四百七十一億余円でありまして、前年度に比べますと、収入において四千百四十一億余円、支出において四千二百二十五億余円の増加となっております。
 ただいま申し上げました国の会計及び政府関係機関の会計の決算額のうち、会計検査院においてまだ確認するに至っていないものは総計二百九億五千万余円でありまして、そのおもなものは、総理府の航空機購入費の項で百十八億千六百万余円、防衛本庁の項で五十六億七千九百万余円、艦船建造費の項で八億千二百万余円などであります。
 会計検査の結果、経理上不当と認めた事項として、検査報告に掲記しました件数は合計五百七十九件にのぼっております。三十六年度の不当事項件数が、三十五年度の三百二十八件に比べて増加いたしましたのは、主として補助金において増加したためであります。
 いまこの五百七十九件について、不当経理の態様別の金額を概計いたしますと、租税収入で徴収決定が漏れていたり、その決定額が正当額をこえていたものが三億四千八百万円、工事費、物品購入代金の積算にあたり処置適切を欠いたため契約額が高価に過ぎたり、または物件売り渡し代金等が低額に過ぎたと認めたものが四千七百万円、右のほか、工事の施行、物件の購入などにあたり計画が適切を欠いたため経費の使用が不経済となっていると認めたものが四千百万円、工事の施行または物品の購入にあたり検収処置が適切でなかったなどのため、支払いが過大となっているものが二千八百万円、保険金の支払いが適切を欠いたり、保険料等の徴収額が不足したりなどしているものが一億七千六百万円、補助金で交付額が適正を欠いているため返納または減額を要するものが三億千六百万円、災害復旧事業に対する早期検査の結果補助金の減額を要するものが八億千五百万円、職員の不正行為により国または政府関係機関に損害を与えたものが五千二百万円、その他が五千八百万円、総額十八億八千五百万円にのぼっておりまして、三十五年度の八億七千百万円に比べますと約十億千三百万円の増加となっておりますが、これは主として災害復旧事業に対する早期検査の結果補助金の減額を要するもの及び補助金で交付額が適正を欠いているため返納または減額を要するものにおいて八億九千八百万円が増加したことによるものであります。
 検査の結果につきましては、租税、工事、物件、役務、保険、補助金、不正行為の各項目に分けて検査報告に記述してありますが、これらのうち、会計経理を適正に執行するについて、特に留意を要するものとして、工事、物件、役務、保険及び補助金に関してその概要を説明いたします。
 まず、工事、物件及び役務について説明いたします。
 工事の施行、物件の調達、管理及び処分並びに役務において不経済な結果となったと認められるなどの事例については、毎年指摘して改善を求めてきたところでありますが、三十六年度におきましても、なお、防衛庁、農林省、日本国有鉄道、日本電信電話公社などにおいて見受けられております。
 工事の施行につきましては、工事の計画が実情に沿わないため不経済となっているもの、予定価格の積算が適切を欠いたためひいて契約額が高価となったと認められるもの、工事の出来形が設計と相違しているのにそのまま竣工検査を了しているものなどがあります。物件の調達、管理及び処分につきましては、契約にあたって仕様等に十分な検討を加えなかったため不経済な結果を来たしていたり、利用可能な物品があるのにこれを考慮することなく新規に調達したため不経済となっていたり、また、国有財産の管理が当を得なかったため土地を無断で使用されていたり、時価に比べて低廉な使用料で長期間使用させているものなど適切を欠く事例がありますほか、関係職員に物件をほしいままに搬出されたものもあります。また、役務につきましても、調査検討が十分でなかったため不経済となっていたり、料金の過払いを来たしたりしている事例が見受けられるのであります。
 つぎに保険について説明いたします。
 国が、特別会計を設けて経営する各保険事業における保険事業の運営、保険金の支払いまたは保険料などの徴収につきましては、従来、厚生省、農林省、労働省の所管するものにつき、適正を欠いていると認められる事例を多数指摘して、注意を促してきたところでありますが、三十六年度においても、健康保険、厚生年金保険、船員保険、労働者災害補償保険または失業保険の保険料などの徴収不足を来たしているものや、健康保険、失業保険の保険金または漁船再保険の再保険金の給付が適切でないものや、農業共済再保険において農業共済組合の共済金の経理に適正を欠いたものが依然として見受けられるのであります。
 つぎに補助金について説明いたします。
 補助金につきましては、その経理が当を得ないものを毎年多数指摘して改善を求めてきたところでありますが、三十六年度においても、多数の不当な事例が認められるのはまことに遺憾であります。
 まず、農林、運輸、建設各省の公共事業関係のものにつきましては、補助の対象となる工事の施行が不良なため工事の効果を著しく減殺しているもの、設計に対して工事の出来高が不足しているものなどの事例が前年度に比べて著しく増加しているのであります。
 このように不当事項が増加しましたのは、工事量が漸増するなどの理由により、事業主体における実施体制が不十分となっていることにもよると考えられますので、事業主体において工事の厳正な監督及び検査を行なうよう一そう努力の要があることはもちろんでありますが、関係当局におきましても指導及び履行確認を適時適切に行なうことが肝要であると考えるのであります。
 災害復旧事業の事業費査定の状況につきまして、工事の完成前に早期に検査を行ないましたところ、採択された工事のうちには、関係各省間などで重複して査定しているもの、災害に便乗して改良工事を施行しようとしているもの、現地の確認が十分でなかったため設計が過大となっているもの、計算を誤ったため工事費の積算が過大となっているものなどが多数見受けられましたので、これを指摘して工事費を減額させることといたしました。
 また、その他の補助金につきましても、厚生省の簡易水道事業関係、農林省の農山漁村建設総合対策事業関係、労働省の失業対策事業関係などにおきまして、精算額を過大に報告して補助金の交付を受けているもの、補助の目的を達していないもの、補助の対象として不適当なものに補助金を交付しているものなどの不当な事例が見受けられております。
 最後に、是正改善の処置を要求しまたは改善の意見を表示した事項について説明いたします。
 ただいままでに申し上げました不当事項のほか、三十六年十二月から三十七年十一月までの間に、会計検査院法第三十四条または第三十六条の規定に基づき主務大臣等の責任者に対して是正改善の処置を要求し、または法令、制度、行政に関して改善の意見を表示したものが八件ありまして、これらの事項は、国及び政府関係機関の分に区分して検査報告のそれぞれの個所に記載いたしました。
 これらの内訳は、国の機関については、国有財産の管理に関するもの三件、土地改良事業によって造成した埋め立て地等を転用する場合における造成費の回収に関するもの、国営農業水利事業とこれに付帯する都道府県営等の補助事業の施行計画に関するもの及び不正行為の防止対策に関するものがそれぞれ一件となっており、政府関係機関については、日本電信電話公社の加入者開通工事等における宅内用品の取り扱いと工事の施行に関するもの及び農林漁業金融公庫の貸し付け金の貸し付け後の管理に関するものがそれぞれ一件となっております。
 以上をもって概要の説明を終わります。会計検査院といたしましては、適正な会計経理の執行について、機会あるごとに関係各省各庁などに対し是正改善の努力を求めてまいりましたが、なお、このように不当な事例が多数見受けられますので、関係各省各庁などにおいてもさらに特段の努力を払うよう望んでいる次第であります。
 次に昭和三十六年度国有財産検査報告につきまして、その概要を説明いたします。
 昭和三十六年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況総計算書は、三十七年十月三十一日内閣から送付を受け、その検査を了して、十二月四日内閣に回付いたしました。
 三十五年度末の国有財産現在額は二兆九千三百九十二億七千二百万余円でありましたが、三十六年度中の増が四千八十九億二千八百万余円、同年度中の減が千五百十八億六百万余円ありましたので、差し引き三十六年度末の現在額は三兆千九百六十三億九千四百万余円となり、前年度末に比べますと二千五百七十一億二千二百万余円の増加となっております。
 次に、国有財産の無償貸付状況について申し上げますと、三十五年度末には百八十三億六千万余円でありましたが、三十六年度中の増が三十六億七千六百万余円、同年度中の減が二十九億三千二百万余円ありましたので、差し引き七億四千三百万余円の増加を見まして、同年度末の無償貸し付け財産の総額は百九十一億三百万余円となっております。
 国有財産の管理及び処分について不当と認めましたものは、国有財産の維持及び運用に関するもの十件、同じく処分に関するもの一件、計十一件であり、また、国有財産の管理について、会計検査院法第三十四条の規定に基づき是正改善の処置を要求したものは三件でありまして、これらはいずれも昭和三十六年度決算検査報告に掲記しております。
 次に、昭和三十六年度物品検査報告につきまして、その概要を説明いたします。
 昭和三十六年度物品増減及び現在額総計算書は、三十七年十月二十五日内閣から送付を受け、その検査を了して、十二月四日内閣に回付いたしました。
 右物品増減及び現在額総計算書における三十六年度中の物品の増減等を見ますと、
 三十五年度末現在額は二千二百十億四千七百万余円でありましたが、三十六年度中の増が千三十二億九千九百万余円、同年度中の減が七百一千七億千九百万余円あり、また、同年度中の価格改定による差し引き増が十一億千百万余円ありましたので、差し引き三十六年度末現在額は二千五百十七億三千九百万余円となり、前年度末に比べますと三百六億九千二百万余円の増加となっております。
 物品増減及び現在額総計算書に掲げられております物品の管理について不当と認めましたものは物品の取得に関するもの一件でありまして、これは昭和三十六年度決算検査報告に掲記しております。
#9
○津雲委員長 これにて昭和三十六年度決算外三件に関する概要説明の聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
#10
○津雲委員長 これより総括質問に入ります。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。木村公平君。
#11
○木村(公)委員 ただいま大蔵大臣から三十六年度決算の概要説明を拝聴いたしたのでありますが、末尾において大臣は、「昭和三十六年度の予算の執行につきましては、予算の効率的な使用、経理の適正な運営に極力意を用いてまいったのでありますが、なお、会計検査院から不当事項につきましては、五百七十九件にのぼる御指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところでございます。これにつきましては、今後一そう経理の改善に努力を傾注いたしたい所存でございます。」という陳謝文のようなものがあらかじめ載っておりますが、それはそれといたしまして、実は毎年当委員会におきましては、検査報告が出されるごとに検査報告に記載された不当事項につきまして十分審議をいたした上で、衆議院として改善並びに善後措置を要望したものが多いのでありますが、その要望いたしましたあのと措置につきましては、まことに残念な次第でございますけれども、ほとんど私どもの琴線に触れるような措置がなされておらないような状態でなかろうかと思います。もちろんこれは大蔵大臣に一々御質疑申し上げることは少し的をはずれておるかと思いますが、主務大臣のほうに一つ一つ具体例を申し上げてその善後措置を伺うのが本筋でありますけれども、その概要等につきまして本委員会において決算報告に記載された不当事項で改善並びに善後措置を要望したものがいろいろあります。最も最近の例で申し上げますれば、三十五年度の決算報告に基づきましても、本委員会は独自の立場から要望をいたしておりますが、それに対しましてその措置はどうなさったのか、その概要をもしも御存じでございますればひとつ伺っておきたいと思いますし、もしもそういうことはおれのほうでわからないということでございますれば、詳細な資料を各主務大臣を通じてお聞かせをいただきたいと思う次第であります。
#12
○田中国務大臣 決算報告につきまして当委員会で御決議をいただきましたり御発言をいただきましたことに対しては、政府はこれが議決を尊重いたしまして、将来かかることがないようにできるだけの措置を行なっておるわけでございます。
 去る三十五年の決算につきましても三月に衆議院で行なわれました決議につきまして官房長官名で四月一日付で議決内容を各省各庁の長に通知をいたしました。
 なお大蔵省でも予算編成、査定のときにこれらの問題を十分議決の意思を尊重するようにということで、予算担当官その他に対してはこれが議決を、御注意の内容等を周知徹底をいたしております。
 なお補助金の整理等につきましても内閣に設けられております補助金等合理化審議会にお尋ねしたり、また大蔵省独自でも各省各庁と十分連絡をとりながらこれが不当事項の起こらないように格段の措置を行なっております。
#13
○木村(公)委員 毎年会計検査院から検査報告を受けておるのでありますが、その報告の内容を伺えば伺うほど実に驚くべきもので、ただいまも大臣みずからお聞きいただいたとおりでありまして、これは外へ出せない。新聞等に出ますとうそじゃないかと疑われるほどばかばかしいことが行なわれている。いつもここの委員会でも問題になるのですけれども、たとえばこれは農林省の所管ですが、土地改良事業の計画ずさんな事例といたしまして、千葉県の市原町の土地七万坪を、二十六年の三月約十八万円で買収をしまして、そうしてそれに国費四千八百万円をかけて造成をして土地の改良をやったわけですが、それが法律上何とかかんとかいう理屈があって、またもとの所有者に返さなければならないというので十八万円で返しておる。何をやっておるのかわけがわからないようなばかばかしいことがこの委員会でもしばしば問題になっておる。
 これも天下の笑いものになった事件でありますが、東大の検見川の運動場の問題でも運動場として払い下げを受けておきながらゴルフ場にしておる。結局は解決をいたしましたけれども、こんなこともあれをここで取り上げましたから本来の姿に返ったわけでありますが、今はオリンピックの選手の強化運動場として非常に利用されておるそうですから、国家のためにも慶賀にたえない次第ですけれども、もしもこれをここで取り上げなかったならば、相変わらず営利的なゴルフ場としてもうけておる。こういうばかげた話は外へ出せない話でありますけれども、事実あるわけです。あるいは公社、公庫、公団、事業団等のいろいろの政府出資による会社等の経営面をここでいろいろ調べておりますが、調べれば調べるほどふしぎ千万なことが出てくる。その最も顕著な例は東北開発の例でございますが、東北開発の経理内容をここで審議をいたしておる途中において、総裁も副総裁も刑事問題を起こした、理事も強制収容される、まるでこれまた天下に恥をさらしたようなことになってしまって、実に残念だと思うのでございますが、このようなことは、しかし大体検査報告の中に織り込まれておるか、あるいは織り込まれなくてもこの委員会においてそれを取り上げまして十分の注意をいたしておるわけでございますから、今後ぜひともそのような点につきましては、今日のあなたの概要説明の中にも書いてありますけれども、まことに遺憾だけではなく、ここで要望いたしたいこと、決議をいたしたことの趣旨を十分御尊重いただいて実をあげていただきたいと思う次第でございます。
 それからその次の問題は、最近数年間の財政投融資の状況はどうなっておるかという問題でございます。財投のうちまず産業投資特別会計についてでございますが、これは言うまでもございません、「経済の再建、産業の開発及び貿易の振興のために国の財政資金をもつて」行なわれるものでありますが、ことに三十六年度だけでも支出のすでに済みました歳出額は四百九十三億余万円と記憶しております。最近数年間の投資額の推移及びその運用先について御承知の限りお漏らしをいただきたいと思います。
#14
○田中国務大臣 国有財産の問題それから土地改良事業等において造成した埋め立て地の転用の問題等、各般にわたって御質問がございましたが、全く同感でありまして、御指摘を受けなければやらないんじゃないかというような御説もございましたが、できるだけ早い機会に御指摘を受けないでもこれらの問題を明朗にし不合理は是正をしなければならないというふうに考えておるわけでございます。干拓事業等農地を造成するために法律に基づいてつくりましたものが農地以外に転用せられておって、しかも現行法の規定に基づいてこれが非常に安く縁故者に払い下げられる、もとの地主に返される、それが何十倍の値段で宅地等に転用されるという不合理、まあ法律の上では違法ではないが、妥当性のないことはもう論をまたないわけでありまして、こういう問題に対して深く検討いたしております。近く土地改良法の改正案を出すつもりでございますが、この中で、農地以外のものに転用されるような場合、この差額の徴収をどうするか、特別徴収金というようなかっこうで徴収しようというようなことで、この改正土地改良法の中でこういうことをなくいたしますようにいま検討いたしておりますので、今週、おそくとも来週ぐらいの閣議で決定をしまして国会に提出をいたしたいというふうに考えております。これは土地配分後、一定期間、十カ年くらいの間に転用した場合にどうするか、これは国有財産を公園等の用に供する場合に、東京都や地方公共団体に無償で貸し付けをいたしておりますが、その中に御承知のとおり、日比谷園のような問題があります、また当委員会で御審議を願った虎の門公園の転用というような問題がございまして、これは土地改良法だけではなく、国有財産の公共の用に供するものが他に転用せられるというようなことをなくするために法制上の整備を考えておりますので、当委員会の御指摘の問題については万遺憾なきを期すべく努力をいたします。
 それから、なお国有財産の問題で申し上げておきますが、アメリカ等では調達その他に対しては一切一つでやっておりますし、それから日本でも官庁営繕のように国費支弁に基づく建物等については、御承知のとおり戦前は大蔵省営繕管財局というものがございましたが、戦後行政機構の変革によりまして各省各庁でばらばらにこれが新営、営繕、工事等を行なっておるために不合理な運用もあるのでありまして、現在行政機構等の改革の問題とあわせまして国有財産庁をつくるべきか、また調達庁というようなものに統合すべきか、合理的に、問題を起こさないようにするためにはどうするかという問題に対しても現在各省庁の間で連絡を重ねながら検討を進めておる次第でございます。
 もう一つは、先ほど申し上げましたが、土地改良法の改正と同じように国有財産等の無償譲与の場合とか無償貸し付けの場合とか、その目的以外に転用される場合に、これを直ちにまた国庫に返還を命ずるというような法制上の整備を急ぎたいという考えで検討いたしております。
 それから財政投融資の問題でございますが、三十五年度は六千百四十九億円、三十六年度は七千八百八十八億円、三十七年度は外貨債等を含めまして当初計画が九千五十二億円、改定後で九千六百三十八億円というふうになっております。三十八年度の見込みにおきましては、外貨債等を含めまして一兆一千九十七億円というものでありまして、この運用先も四十の多きにのぼっておるわけでございます。
 これが使途別を明らかにせよということでありますが、三十八年度について申し上げますと、総額一兆一千九十七億円のうち、住宅、生活環境整備等国民生活に直結をする部分に向けられておりますものが五千四百四十五億円、総額の四九・一%でございます。それから、道路、国土保全等国民生活及び産業の基盤となるというような部門に向けられておりますものが三千七百二十二億円、総額に対する率は三三・五%でございます。残りの千九百三十一億円、すなわち総額に対して一七・四%が輸出振興、基幹産業等に運用をせられておるのでございまして、昭和三十五、六年度も、七年度も、ほぼ同様の構成でございます。
 それから原資面を申し上げますと、三十八年度計画において総額一兆一千九十七億円のうち、産投会計で受け持っておりますものが六百三十四億円でありまして、これが対比五・七%でございます。資金運用部資金でまかなっておりますものが六千四百十三億円、これが比率は五七・八%でございます。それから簡保資金でまかなっておりますものが千六百億円でありまして、比率は一四・四%でございます。それから、公募債借入金が千八百八十二億円でありまして、これが比率は一七%でございます。外貨債等によりまかなうものが五百六十八億円でありまして、比率は五・一%となっております。これは三十五、六、七年もほぼ同様の構成であります。
 それから運用先で国庫納付の規定のあるものがあるわけでございますが、国庫納付をいたしておりますものはこれら四十のうち開銀、北海道東北開発公庫の二つの機関だけでありまして、その他の機関は事業の性格等から国庫納付するまでに至っておらないわけでございます。
 残余の問題に対しては、御質問でお答えいたします。
#15
○木村(公)委員 産業投資特別会計、資金運用部資金、公募債借入金などを原資とするいわゆる財政投融資の資金は、民間の金融機関には期待し得ないほどの長期であり低利の資金供給源でありますが、この問題については存外予算委員会等においてもあまり論議がされないで、深い審議が行なわれておらないようでありますが、私の知っておるところでは、ただいまのお話と少し違うのです。当初予算だけを見てみますと、三十五年度は五千九百四十一億、三十六年度で七千二百九十二億、三十七年度が八千五百九十六億となっておるようですが、これは私の方の記憶違いですか。それともどういうことになりますか、それはあとでお伺いしたいと思いますが、ここ数年来の財投の総額、その原資及び資金の運用先――運用先は大体いま伺ったのですが、問題は運用先の金の使いぶり、そのうちでいまの御説明によりますと、北海道東北開発公庫、日本開発銀行はいわゆる利益を得て国庫納付金をしておる。しかしながら他は利益がない。これはもともと利益のあるべき性質のものではないかもしれませんけれども、私はどうもこの財投の使い方が世間で往々問題になりますので、たとえば住宅公庫、医療公庫、国民公庫等一連の公庫、公団あるいは銀行等の内容をもう少し詳細に伺うことができればと思うのですが、ただいまここで御即答いただかなくても、これは資料としていただきたいと思います。
#16
○田中国務大臣 三十五、六年の数字を申し上げましたのは、実績数字でございます。それから三十五年度から三十八年度までの財政投融資計画の内訳、これが実績等に対しましては、資料として提出をいたします。
#17
○木村(公)委員 私の質問は終わりました。
#18
○津雲委員長 勝澤君。
#19
○勝澤委員 大蔵大臣に引き続いてお尋ねいたしますが、決算検査報告書に対する大蔵大臣の取り扱い方につきましては先ほどから詳しく御説明をいただきまして、批難事項の是正、促進、改善等については意を用いておるようでありますが、その中で私は二、三の問題について、よその省のことですけれども、やはり予算を担当いたしております大蔵省の立場から御検討いただきたいと思うのは、決算報告書の中で占めている農林省の批難事項というのは実に多いわけです。そのまた農林省の林野庁一つ取り上げてみても、あるいは河川を取り上げてみても、どれを取り上げてみても、みなあるわけであります。私はこの検査報告書に出ている内容を詳細に調べて現地へ行って聞いてみますと、どうも検査報告書と現状というものは少し食い違いをしておるような点も見受けられるわけであります。それらにつきましてはそのときに詳細にその省にお尋ねをいたしたいと思いますが、特に私は予算の効率的な運用につきまして、たとえば農林省の関係で漁港の修築事業でありますが、これは検査報告書の中にも指摘されておりますが、毎年小部分の工事を施行しているために、十年たって投資をしたものが投資効果がなくて、まだ港が二十五年もかかるというようなことで、総花的に行なわれている。先般予算委員会でも、特に河野建設大臣が出ておられる小田原の漁港の問題も指摘されておりましたけれども、こういう形で詳細に見てみますと、これからまだまだ四十年かかる、これからまだ十年、二十年かかるというのはざらにあるわけであります。こういう予算のやり方といいますか、使い方というものについては、これは十分検討を尽くされてしかるべきものではないか、検査院はこれについては相当詳細なデータを調べて、その省、その省に申し渡しをしておるようでありますけれども、いわゆるその省の中に隠れてしまって、大蔵省の予算算定にそれがあらわれていないように思うのであります。
 それから次にこれは国営農業の水利事業の問題であります。国の方の事業は終わっておる、しかし府県の方がまだ終わっていない、あるいは団体のほうが終わっていない、こういうちぐはぐな形になっているわけであります。これなんかもやはり総合的なことをやらなければならぬ。これは長い間言われてきたわけです。検査報告書によりますと、三十二年から指摘してきたのだ。しかし何回もやらないからしかたがないから、今度は院法の三十六条によって是正改善要求をしたのだ、こういうことがいわれておるわけであります。これなんかもまさに私はむだな使い方だと思うのです。
 それから次にもう一つ気がつく点は、農林漁業金融公庫、これは業務方法書に違反をした貸し付けが行なわれているように私は思うのです。貸し付けする段階においては業務方法書どおりだと思うのですけれども、しかし検査をした結果は業務方法書に当てはまらぬ、言うならば定款に違反をしている貸し付けが行なわれている。よそから金を借りてきたら返さなければならぬけれども、返していない。それは貸し付けるときには違反してなかったけれども、結果的には違反になっている、これも実はもうここ五、六年前から指摘されている事項だと検査院のほうから言われておるわけです。あるいはまたもう一つの問題は、いま外務省で海外移住事業団法をつくるという。これは日本海外移住振興株式会社、この項の検査院の指摘を見ると、一体そういう事業団法を出すについても、まだまだ検討しなければならぬところがたくさんあるんじゃないだろうか、こういう点がうかがわれるわけであります。こういう点についても、やはり全体的にものを見るところがないと、その省はいままで持っているものを手離すのはいやだから、何とかつじつまを合わせていこう、こういうことになるわけでありますが、やはり大蔵省は全体的にものを見る場所であるわけでありますから、特にこの決算報告書にあらわれている批難事項というようなものにつきましては、これを詳細に見ていくとそれが出てくるわけですけれども、ちょっと読んだだけでは、検査院のは二字か三字くらいのところに微妙な表現があるわけです。そういう点を見ながら感じましたので、特にその点を最初に私はお伺いしたいと思います。
#20
○田中国務大臣 会計検査院から指摘せられた事項、批難せられた事項が将来なくなるようにしなければならぬことは言うをまたないわけでありまして、先ほども申し上げた通り、政府もこれが対策に対しては積極的な方途を講じてまいりたいと考えております。
 それから公共事業の問題、特に河川、道路港湾、漁港等に対していろいろばらばらであるだけではなく、非常に薄く広くという予算配分方法は改めなければいかぬ、これはお説のとおりでございます。大蔵省もそのように考えておるわけでございまして、重点的に効率投資を行ないたいということでございます。ただし現実問題を考えますと、民主政治でありますし、乏しいもので少数のところだけをやりまして、あとは四十年後だ、君のところは五十年後だというわけにもいかないというので、そこを効率投資という一本の線を通しながら、民主政治の実態に即応しながら予算を配分しなければいかぬということは、非常にむずかしいものだと思います。特にもう一つは経済効果の面におきまして、先行投資という面がございまして、そうでなくとも国内不均衡ということでありますので、これが国内の均衡保持をはかっていかなければいかぬ。また低開発地の開発促進というような考え方、また産業や人口をそういうところに定着せしめなければならぬというような考え方から、広く薄くというふうになりやすいので、現実も十分考えながら、限られた予算をより効率的に投資をするにはどうするかということで、先ほど御指摘がございましたように、水路の問題でも国の工事だけ終わっておって、さっぱり水が使えないような状態ではないかというようなものに対して、三十六年からだと思いますが、経済企画庁に調整の制度を設けまして、これが乱に流れるということを十分戒めながら、これらの調整をはかって効率投資がはかれるような状態にひとつ考えていこうというので、公共投資のばらばらになっておる面をつないでいこうというような考え方でやっております。しかし、公共投資の面におきましては、もっとやはり何年計画という国土計画そのものをつくりまして、人口、産業というようなものは水とかエネルギーとか土地の問題とか港湾の問題とか、おおむねの見当はつくのでありますから、やはりそういう長期見通しというものを立て、それに公共投資を合わしていくという方向を確立しなければならない段階であるというふうに考えております。現在三十九年度の予算編成を行なう過程におきましては、これからの長期投資というものに対しては、一つの計画をつくりながら、その計画に乗せて公共投資の効率化をはかってまいりたいというふうな考えを持っております。
#21
○勝澤委員 そこで三十六年度の歳計剰余金と三十七年度の決算見込みでございますが、三十六年度の一般会計の決算書におきましては、歳計剰余金が四千五百二十四億余、前年度二千百七十八億円の倍額になっております。純剰余金におきましては、同じく三千八百七十七億円で、前年度の倍額になっております。また三十六年度の新規剰余金も歳入増加によりまして二千四百十八億円、不用額二百七億円を合計いたしますと二千六百二十六億余円の多額にのぼっておるわけであります。
 そこで、私は三十七年度の歳計剰余金の見込みは、およそどのくらいになるのかということと、それからもう一つは、最近金融政策の変更とか、あるいは三十九年度の予算編成に対して、財源調達の手段にするため、盛んに国債発行論というようなものが出ておりますが、これについての大臣の所見、この二つをお尋ねいたします。
#22
○田中国務大臣 三十六年度の剰余金二千六百二十六億円でありますが、これは三十五、六年の経済見通しと違いまして、相当経済の伸び方が大き過ぎたという問題もありまして、税の自然増収その他も、われわれ当初考えたよりも非常に大きかったというわけであります。三十七年度の剰余金の見通しは、大体五百億から五百五十億という程度のものだと推定をいたしております。
 それから国債発行というものに対する政府の基本的な考え方を申し上げますと、理論の上では必要な金はどうしてもまかなわなければならないということであるし、特に社会資本を充実しなければならないという状態でございますので、これに対しては、国債を発行して財源を確保してもいいではないか、またこれが赤字公債というものではなく、道路建設公債ということを仮定して議論をする場合、何年後からのガソリン税収入というものを見返りにして国債を発行するということは繰り上げ施行であって、効率投資という意味から考えれば、何ら論難すべきではないというような議論もございます。しかし、私は現在の段階までに、何回かこの問題に対して国会でも御質疑をいただきましたが、財源はわれわれが調達し得る財源と、また必要な度合いを考えますと、簡単に需要を満たせるというようには考えておりませんが、現在の状態で国債の発行、特に内国債の発行に踏み切るという問題に対しては、これは非常に慎重でなければいかぬという基本的な考え方を持っており、私自身は国債発行をしたくないという考え方を持っているわけであります。来年度の予算というものに対しては、まだいまの段階で推測することはむずかしいのでありますが、自由化という問題もございますし、関税の一括引き下げとか、八条国移行とか、OECDへの加盟とかという問題を予測をして考えるだけでも、いろいろの施策を必要とするであろうということは容易にうなずかれるわけであります。これらの問題に対して、いま財源をどうするかという問題に対しては、十一月、十二月になってみなければわからぬというのではなく、いまの段階から政策的経費に対しても十分検討し、これが財源確保の道をはかってまいりたいという考えでございまして、三十九年度の予算が、二〇%も三〇%も五〇%も伸びるというわけではありませんから、一五%で一体どうなるか、それから一七・四%、今年と同じ指数ではじいてどうなるのか、二〇%ではじいてどうなるのか、三十七年度の二二%と押えてどうなるのかと考えてみる場合、三十七年度は内国債の発行ということに踏み切らなくても財源の確保ははかっていかれるのじゃないか、またはかっていかなければならぬというのが現在の心境でございます。
#23
○勝澤委員 いまの問題は別の機会にまた御質問することにいたしまして、次に繰り越しと不用額の問題でございますが、三十六年度の繰り越しは総額で六百四十六億余で、これを前年に比較いたしますと五割増になっておりますし、また不用額につきましても二百七億で、これも前年の五割以上の増加になっておるわけであります。このように三十六年度決算において例年にない膨大な繰り越しや不用額が発生した理由は、大局的に見て一体何の影響であるかという点と、それから政府の予算編成の際における繰り越し明許費が多過ぎはしないだろうか、これらについては相当厳正を期すべきじゃないだろか、この二点についてお伺いいたします。
#24
○田中国務大臣 前年対比で計算をされますと、非常に大きくふえたようでありますが、予算の総額が非常に大きくふえておりますので、予算総額との対比を考えると、それほど大きく前年と変わったような方向ではないというように考えます。
 それから予算の中に繰り越し明許というものが非常に多い、これは公共事業等が主でございまして、繰り越し明許費として計上はいたしておりますが、実際繰り越される金額はそう大きいものでないということは御承知いただけると思います。これは日本の制度そのものにも問題がございます。これは先ほどからあなたが御指摘されたように、公共事業等につきましては、計画もきまり、また用地の問題、道路等における描線その他が決定をし、おおよその計画書に基づいて予算が組まれるということであると非常に正確な数字が出るわけでございますが、個所の決定をいたしまして、それから用地の計算をし、それから設計をし、そのいずれかの案を最終的に決定をしまして、その後に実際的な用地買収にかかるというような問題がありますので、いままでの状態では年度内に仕事ができなかったりいろいろな問題があったわけでありまして、こういう公共事業費その他の繰り越し明許の将来の問題につきましては検討を要する問題であるというふうに考えております。予算の制度が単年度制度であって、特に継続費というような問題について繰り越し明許の制度でこれを救済しておるというような問題がありますので、実際上繰り越されるものと予算に計上したものとの間には相当大きな開きがありまして、実際繰り越されるものはやむを得ざるもの以外は当該年度に使用せられておる実情でございます。
#25
○勝澤委員 続いて補助金の問題でございますけれども、これはいつもお尋ねしておるのですが、補助金の適正化の委員会が持たれてやられておるようでありますが、この決算書から見てみますと、三十六年度の補助金の総数は七百八十二で五千四百八十四億、三十五年度が七百四十で四千六百二十億を比較いたしますと、費目の数において四十二、金額において八百六十四億、これだけ三十五年、三十六年を比較いたしますと増加しているわけであります。三十七年、三十八年も同じように私は増加しておると思いますが、最末端のほうにいきますと、わけのわからぬ補助金も出ているようなこともいわれておるようであります。この補助金の問題についてもいま行なわれておる。行なわれておる片一方でどんどん三十五、三十六、三十七、三十八とふえている。これはやはり結論が出るのを待っているということでなくて、何とかやはり大蔵省としても結論を出して、ある程度この委員会の線に沿った方向に結論が出ないとしても少しやるべきじゃないだろうか、こう思うのですが、その点はいかがですか。
#26
○田中国務大臣 御説のとおりでございます。補助金、特に零細な補助金、また補助金というような制度の上では補助金として出しておりますが、実際月給を払ってしまって実際に補助金になっておるのか、こういうような例がございますから、こういうようなものを整理をしたいという考えは歴代大蔵大臣も考えております。私もそのとおり考えております。しかし補助金は整理をしなければならない状態でおりながら、なぜ一体だんだんふえるのか、とれも民主政治の実態だと思いますし、もう一つはやはり経済がこういう変動が多い。特に戦後の日本にはアンバランスが非常に多いですから、このアンバランスを本格的に是正されるまでの間いろんなものに対して補助金を出せ、補助金が一番手っとり早いというような考え方で、補助金というものは相当大蔵省としては押えているのですが、補助金というものはそう大幅に減っていかない。私は、その補助金というものが国会の議決を経て、必要な業態に対して国が補助金を出さなければならないと認定をしてやるだけのものでありますから、実際の補助金的な効果があるなら、私はこれは必要でもあろうと思いますし、またそうあるべきだと思うのです。ところが先ほど申し上げたように、小さな補助金をもらう団体は、まずビルを建て、職員をおいて、車を買って、それからでございますから、それを考えると大蔵大臣としては少なくともストレートに補助金がいく方法がないものかということを当然考えなければならないことであります。
 もう一つは、これは私が大蔵省にまいりましてから大蔵省の内部で十分検討しているのですが、補助金をやるために作業をし、また国会でも相当しかられ、そして効果もないということになればこれはおかしい話じゃないか。だから普通からいえばそれは潜在失業者に月給を払ってやるのだ、こういう荒っぽい議論をする人もなくはありませんが、少なくとも財政当局者としてはもっと合理的な方法はないか、どうしても補助金が必要である、いかに少額でも必要であるということであるならば、税の上でいわゆる徴税を逆に少なくして、補助金を出すと同じ効果より以上の効果が一体ないのか、そういう表向きの議論として内閣にある調査会におまかせをして、しょっちゅう意見を聞いておりますというだけではなく、大蔵省自体としてもっと積極的な方法はないのかという問題で、農林省それから厚生省関係と文部省関係とかたくさんございます。そういう問題を一つ一つ洗ってごらんなさいということで検討は進めております。なかなかたいへんな仕事でございますが、決算委員会のお考えに沿うように、また財政責任者としてもしかられなくてもやらなければならない仕事でありますから、そういうことに対しては前向きというよりは積極的な態勢でやってまいりたいというふうに考えております。
#27
○勝澤委員 補助金それから委託費という問題は、大蔵省ですか、冊子のものがありまして、それを調べて、団体の決算書を見ると、いま大臣が言われたように補助金をもらうために人を雇ったり、もらうために机を買ったり、ばかばかしいところに使われておるという決算書が出ておる。われわれしろうとが考えておるだけでもそういうものが出ておるのですから、財政当局が見たらなおさらだと思う。それは民主政治でも何でもないと思うのです。大臣がやるという気になるかならないかの違いでありまして、第一やる気があるようですから、大いにやってもらいたいと思うのです。
 次に、債権現在額計算書についてお伺いします。債権管理法に基づいて、政府から債権現在額計算書が国会に報告事案として提出されておるようでありますが、当決算委員会におきましても国有財産や物品の現在額総計算書は議題として審議しているが、債権現在額計算書は議題として審議の対象としていない。その理由とするところを考えてみると、国有財産や物品の現在額計算書は、内閣が会計検査院に検査のため送付し、検査院の検査を経たものを国会に報告するのですが、債権現在額計算書は、内閣は検査院に単に送付するだけで検査院の検査を受ける義務がなく、国会に報告された債権現在額計算書は検査院の検査を経たものでないために別の扱いをしておるように思われます。債権といえども主要な財産でありまして、国有財産、物品と何ら財産価値としては異なるものではないと思いますので、会計検査院は、債権現在額計算書の検査をどういうふうに取り扱っておるかどうか。
 それから大蔵省が債権管理法を提出したことだと思いますが、なぜ物品現在額計算書等と異なった規定がされておるのか。
 それから大蔵省は近い将来、物品等と同じく会計検査院の検査を経た計算書を国会に報告するよう債権管理法の改正をする考えはないかどうか、この三点についてお伺いしたいと思います。
#28
○田中国務大臣 ただいまの御発言に対して、大蔵省当局でも検討いたしておるようでありますが、会計検査院に見ていただいておるのでありますから、あらためて議題として提出をしなくてもいいんじゃないかというように現在の段階では考えておるようであります。がしかし、国会でより重要な観点からこれを議題とすることが適切である、より妥当であるというお考えになれば一向さしっかえないというのが現在の検討しておる段階における考えのようでございます。
#29
○勝澤委員 この問題は、また別の機会にやることにいたしまして、次に未確認の問題でございますけれども、防衛庁の未確認の事項というのが昭和三十二年に七億、三十三年に十六億、三十四年に四十九億、三十五年に百七十六億、三十六年に二百七億、こういうふうに毎年倍増いたしておるのであります。この未確認の内容について、これは資料でけっこうですが、会計検査院でも大蔵省でもどちらでもいいと思うのですが、きめておいていただいて、ぜひ出していただきたいと思うのですが、各年度ごとの未確認事項と契約対象物、それから予算額、契約の相手方、それから契約の対象物は何のための部品で使途は何か、履行はされておるのかされていないのか、契約の履行期日や損害賠償条項はどうなっておるのか、履行期不明のままの前渡金または概算払い制度を改正する必要はないか、これらにつきましてぜひ検査院でも大蔵省でもけっこうですが、ひとつ詳細な説明をしてもらおうとして資料要求したのですが、資料が出されていないので、昭和三十二年以降のものについて詳細な資料を出していただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#30
○田中国務大臣 一般会計の未確認の問題でございますが、これは御承知のとおり航空機の購入費、それから艦艇建造費、施設整備費等についてでありますが、前金払いの清算払い、概算払いの清算払い、これらの工事が長くかかるというので、なかなか精算できない、こういう特殊事情に基づくものでございますが、昭和三十六年度決算検査報告の二六五ページに、昭和三十六年度一般会計決算未確認額表というのは提出してございますが、ただいまの御発言ですと、昭和三十二年からの内訳ということでございますが、相当膨大なものになると思いますけれども、大蔵省ででき得るものは取りそろえて提出をするようにいたします。
#31
○勝澤委員 最後に会計検査院にお尋ねいたしますが、会計検査院の実地検査の状態でございますけれども、昭和三十六年度の状態を見てみますと、検査対象個所が三万四千六百カ所、そのうち二千七百三カ所、比率は七・八%の実地検査と書かれておりますけれども、そうしますと、これを平均をすると大体十五年に一回くらいの実地検査が行なわれるわけでございまして、もちろん実際に重要な機関というものは毎年実地検査はしたようでありますが、比較的重要だと思われるものは二年ないし三年だ、一番末端の機関というものはほとんど実地検査を受けないというような状態になっておるようでありますが、この実地検査についてももう少し強化をしなければならぬじゃないだろうか、こう思うのですが、その点についての検査院としてのお考えを伺いたいと思います。
#32
○芥川会計検査院長 実地検査につきましては、ただいまお話しのとおり、重要個所については相当程度浸透いたしておりますが、検査個所が相当多いために、平均いたしますと約八%ということでありまして、ことに補助金関係の工事等につきましての浸透度はまだ十分とはいっていないと思うのです。したがいまして、私どもといたしましては、実地検査をもっと浸透度を高めるべく人員あるいはその旅費の予算等について逐次増強をはかる方向に進んでおります。今年度も、十分でありませんでしたが予算の増強を見ております。さらに来年度は充実をいたしまして御趣旨のように進んでまいりたいと思っております。
 なお、ついででありますが、出資団体関係が相当ふえてまいりましたために、そのほうの浸透度を、昨年三十七年から組織を変えまして、今まで二課でありましたのを五部門に分けて、人員もまだ十分でありませんが、三十七年度に九名、それから三十八年度には七名増員いたしまして増強をはかっている。今後もこの方面の実地検査の浸透度を充実してまいっていきたい、こう考えております。
#33
○勝澤委員 そこでこの国会の、特に衆議院も参議院も同じことだと思うのですが、決算委員会の審議の方法というものは、方向として少しずつ変わってきていると思うのです。ただ単なる与えられた不当不正事項というものだけでなくして、予算の効率的な運用ということが重点にこのごろ委員会としても指摘されてきているのであります。そういう意味からも、三十六年度のこの検査報告の中には、検査院法の三十四条、三十六条に基づいて積極的な改善、是正意見というものを検査院として出してきていると思うのです。加えましていま言いましたように、公社、公団の検査というものがこのごろ強くいわれておるわけであります。こういう観点からいうならば、もう一回、やはりこの辺で会計検査院の強化というものを再検討しなければならぬと思う。これはいつも言うのですけれども、補助金を一つ取り上げてみても、検査員五人や十人ふやしたって別に損のないことなんですから、あるいは管財を少し人を充実しただけでも、無法に使われている収益をあげるだけで国は損はないわけでありますから、やはりそういう点から考えてみれば、この辺で検査院というものは新しい国会の審議のあり方に対応できるようにバックアップをして、是正、改善というものについても検査院の立場からはなかなかむずかしい問題だと思いますけれども、やはりその辺はその省と研究し合って是正していく、こういうたてまえから、もう少し検査院の強化という点についても、これは特に大蔵大臣、人の面を見てみますと、三十七年度が四人欠員、三十八年度でも私のこの四月一日現在の表によりますと九人、まだ欠員がある。こういうことになって、欠員は補充すると同時に、やはりもっと拡充をして、そしてただ単に摘発するということでなくて、是正をしてそして不正がないようにしていく、税金の効果的な利用というものにまで目をみはっていく、こういう立場にやはりしなければならぬじゃないだろうか、こう思うのですが、その点についてのひとつ大蔵大臣のお考えを承りたいと思います。
#34
○田中国務大臣 会計検査院の旅費とかそれから人数とか、そういうものに対して三十八年度でも幾らかよくしております。というわけでございますが、しかし、これはいま御指摘になったように、この程度で会計検査院に対して大蔵省は大幅に権能強化をするようにはかっておりますとは、とても言えないと思うのです。ですから事務的な答弁は除きまして、基本的な考え方を申し上げますと、会計検査院の機構が充実をせられて、不正工事や不正行為や批難さるべきものがなくなることは、大蔵省自体としても、それは予算の非常に効率的なものになるのでございますから、会計検査院にもお願いをしまして、会計検査院法を一体どうするのか、大蔵省はどういうふうにお手伝いをすればいいのかという問題に対しては、前向きというよりも、積極的な態勢で御協力したいという考えでございます。
 私も昔衆議院の決算委員をしておりまして、会計検査院法のあり方ということに対して、二カ年ばかり検討したことがございます。いまの会計検査院の検査官である小峰君とまるまる一年、一体どうして新憲法下このようなものができたんだろうかというような考え方をもとにしまして、あらゆる各国の制度等も入れまして検討したことがございます。会計検査院が――検査院長を前に置いてまことに申しわけないのですが、私の意見を聞かれておりますから申し上げるのですが、ひとつあしからず……。そういう意味では、いま国税庁等もそうですが、これは法規裁量を全くのたてまえにしておりまして、終わったものが違法かどうかという問題にいましぼられておるわけですが、あなたが言われたとおり、この四、五年来の衆参両院の決算委員会の決議やわれわれに対する御注意をみましても、違法であるというようなものの考え方よりも、効率投資ということをどうしてやるかということに重点を置かれております。またそうしなければいかぬと思うのです。またそういう意味で、今度各省でみんな監査員を持ったり調査官を持ったりしておりますが、会計検査院と、各省がばらばらに持っているものをどう調整すればいいのか。また事前協議というようなもので、新しくいま法律がネコの目のように変わってきておりますからなかなかむずかしいと思うのです。ですから新しいテンポの早い実態に即応して、いろいろ法律の解釈問題もありますので、会計検査院としょっちゅう事前連絡をして、会計検査院からもひとつスピーディに、これは違法ではない、これはこのままやってもいいというような、事前的な指示も得ながらやるような、あまり会計検査院だけを強くしますと、おっかながって仕事がストップしてしまうということでは、角をためて牛を殺すということになりますので、こういう問題をもっと積極的に会計検査院からも意向を伺いながら、大蔵省も一体となって、ひとつ前進態勢をとるようにということを事務当局にも指示しておりますし、私自身もそういう問題に対しては積極的にひとつ片づけていきたいという考えであります。
#35
○勝澤委員 ひとつ最後に検査院に資料だけの要求をいたしておきます。
 各省別の検査比率は資料によって大体わかりますけれども、本省と地方支局、部局のブロックごとの府県ごとに置かれている出先機関の検査比率、それから一般補助事業の要検査対象と実施個所、その比率を各省ごと、それから公共事業補助の要検査対象と実施個所、その比率を各省ごと、それから国税収納資金関係の税務署について要検査個所と実施個所の比率、各種保険の特別会計ごとの要検査個所と実施個所、その比率、それから郵政省の特定郵便局について要検査個所と実施個所、それから比率、国鉄の駅等の要検査個所と実施個所、その比率、それをひとつ検査院の方でお出しを願いたいと思います。
#36
○芥川会計検査院長 資料を提出いたします。
#37
○勝澤委員 質問を終わります。
#38
○津雲委員長 本日の質疑はこの程度にとどめます。
     ――――◇―――――
#39
○津雲委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。
 すなわち、先般の理事会の協議において決定されましたとおり、政府関係機関の経理に関する件、特に四国電力株式会社の問題の調査のため、四国電力株式会社社長中川以良君、同常務取締役大内三郎君、同取締役資材部長梅田正君、日本炭礦株式会社元大阪営業所所長曾根鉄二郎君、三井鉱山株式会社元広島支店支店長林辰夫君、元大豊鉱業株式会社社長宮原陸君、以上六君を参考人として、来たる五月二十一日午前十時三十分より出頭を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○津雲委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
 また、同日、電源開発株式会社の会計に関する件について、電源開発株式会社総裁藤井崇治君を参考人として出頭を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○津雲委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
 これにて散会いたします。
   午後零時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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