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1962/05/28 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 決算委員会 第19号
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1962/05/28 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 決算委員会 第19号

#1
第043回国会 決算委員会 第19号
昭和三十八年五月二十八日(火曜日)
   午前十一時三分開議
 出席委員
   委員長 津雲 國利君
   理事 荒舩清十郎君 理事 木村 公平君
   理事 鈴木 仙八君 理事 勝澤 芳雄君
   理事 西村 力弥君 理事 芳賀  貢君
      久保田藤麿君    椎名悦三郎君
      鈴木 正吾君    田川 誠一君
      山本 猛夫君    久保 三郎君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 篠田 弘作君
 出席政府委員
        警  視  監
        (警察庁長官官
        房長)     後藤田正晴君
        警  視  長
        (警察庁長官官
        房会計課長)  今竹 義一君
        防衛施設庁長官 林  一夫君
        防衛庁事務官
        (防衛施設庁総
        務部会計課長) 大濱 用正君
        防衛庁事務官
        (防衛施設庁施
        設部長)    鈴木  昇君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (主計局総務課
        長)      岩尾  一君
        専  門  員 茨木 純一君
    ―――――――――――――
五月二十二日
 委員森本靖君辞任につき、その補欠として楢崎
 弥之助君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員楢崎弥之助君辞任につき、その補欠として
 森本靖君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十七年度一般会計予備費使用総調書(そ
 の1)
 昭和三十七年度特別会計予備費使用総調書(そ
 の1)
 昭和三十七年度特別会計予算総則第十二条に基
 づく使用総調書(その1) (承諾を求めるの件)
     ――――◇―――――
#2
○津雲委員長 これより会議を開きます。
 昭和三十七年度一般会計予備費使用総調書(その一)外二件を一括議題とし、審査を行ないます。
 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。西村力弥君。
#3
○西村(力)委員 前回もどなたかおいで願っていろいろただしたのでありますが、防衛施設庁の関係について最高責任者の林さんにお尋ねをしたいと思うのです。
 まず第一点は、一体この予備費支出をしないで本予算に組み込む、あるいは補正予算として組み入れるというようなことは全然時間的に不可能であったのかどうか、こういう点であります。
 板付の飛行場の予備費支出の問題については、この経過をたどってみますると、日米合同委員会の施設特別委員会における合意は三十五年の二月二十三日。それからこの件に関する閣議の決定が三十六年八月十八日、こういうことになっております。でありますから、これは三十六年八月十八日にさような閣議の決定を見ておるということになるとするならば、三十七年度の当初予算に、この米軍の要求にこたえるために必要なる経費というものを組み込むことは当然可能ではなかったかということであります。
 それから、つけかえ道路の予備費支出なんかにつきましては、三十七年の十一月二十二日に閣議決定して、予備費支出を承認しておるわけなんでありますが、しかし、その閣議決定の支出をいささか早目に事を運べば、四十二臨時国会には補正予算として当然これは組み入れることができたのではないか。昨年の臨時国会は、四十一回の臨時国会が三十七年八月四日から三十七年九月二日まで、四十二回は十二月八日から十二月二十三日まで、こういうぐあいに開会しておるのです。ですから道路つけかえの予備費支出の閣議決定は十一月二十二日となっておるけれども、これは事務の進捗をはかってもっと先にやれば、この四十二国会には当然補正として出し得る。かりに三十七年度の本予算に組み入れることができなかったにいたしましても、そういう予備費というものの支出をやめて、臨時国会の支出は可能であった、こういわざるを得ない。
 こういう時間的経過をずっとたどってみますと、本予算に組み入れる、ないしは臨時国会での補正予算に組み入れる、こういう努力をやり得る可能性、余地が残されておったにもかかわらず、予備費支出という安易な道だけを選んでおる、こういうぐあいにいわざるを得ないわけであります。その間の経過、どうしても予備費支出以外に方法がなかったという立証というものをここではっきりしてもらいたいと思います。
#4
○林(一)政府委員 この板付の基地拡張に伴いますつけかえ道路の建設についての予備費の支出でありますが、これは当時の事情をお話し申し上げれば御了承をいただけると思います。
 この板付の基地拡張、これはオーバーランと進入灯の施設でございますが、この拡張要求は数年前から米側の要求がございまして、結局三十六年の八月十八日にこの施設の提供の閣議決定をいたしたのでございます。したがいまして、この提供施設の買収費とか、あるいは賃借料の予算は三十六年度の予算に載っておるわけであります。ところがこの提供施設の中に市道が十数本入っておるのでございます。これを提供するにつきましては、やはり市道の廃止手続を進めなければならない、市道を廃止するには、やはりその市道にかわるつけかえ道路をつくらなければならないということで、この点につきましては、市道の管理者の福岡市当局と、このつけかえ道路をどういうふうにつけるか、あるいはどういう方法でつけるか、あるいはこの提供施設の中に迂回道路を米軍の負担においてつけるというような話もありました。この迂回道路をつけかえ道路にするのが適当であるかどうかというようないろいろな点につきまして、地元市当局と協議を進めてまいったのであります。ところがなかなか話が進まず、結局相当時期がおくれてまいったのであります。市としては、この市道のつけかえ道路として、先日もお話申し上げました新柳町−香椎線ですか、この新設と、板付−上月隈線、これの改修、これをぜひひとつやってもらいたいという強い要望がございまして、また福岡市議会においても、この市道は廃止するが、その条件の一つとしてやはりこのようなつけかえ道路をつくってもらうというような決議をいたしておるのであります。そのようなことで、年度の関係上予備費支出をお願いするに至ったわけであります。この予備費支出については、もちろん大蔵省と十分協議して、やむを得ず予備費を支出するということになったわけでございます。ただいま申しましたような、当時の地元の折衝の過程において、この予備費を支出しなければこの基地問題を解決することができないというような事情があったのであります。この点はひとつ御了承をいただきたい、かように考えております。
#5
○西村(力)委員 そこを基地として提供する場合に、その市道は従前どおりに存置できないということは、皆さん方も当然わかっておるだろうと思うわけなんです。ところが公共のために、その市道を完全廃止してそのままに放置するというようなことは許されないことは当然であります。ですから、そこを基地として提供する場合においては、その提供した基地内の市道というものを廃道にした、その結果代替的な道路をつくらなければならぬということは当初から予測されたはずです。予測しないということはおかしいだろうと私は思う。ですから、その代替道路をつくるための予算というものは当初から考えらるべきであると私は思う。それを全然考えておかないで、そうして交渉があって、それをやらないと基地が提供できないから、今度は予備費支出だ、こういうことになっておる。そのことはとりもなおさずつけかえ道路というものをつくるということをあなた方は考えていなかった、そういうことになると、基地提供のほうだけ急いで、市民の不利益、不便ということは全然あなた方が考慮しないで、そうして予算を組んでおる。土地の買収費とかそういうようなものについては予算化しておったけれども、この市道廃止に伴う市民の不便というものをどうやってカバーするかという問題については、予算措置を全然考えていなかった、こういう結論に相なるわけなんであります。ですからその代替の道路をつくる予算をある程度組んで、それが不足だからその不足分を予備費だ、こういう形であるとするならばまだ話はわかるのだが、全然やらないでおいて、条件が変わった、基地提供するにはそれを解決しなければ提供できない、そうなると、提供が優先であって、市民の不便を解消するということが全然なおざりにされておる、こういうあり方になってくるのです。ですから私はこの問題をえらい目くじら立ててやっておるということになるわけなんですよ。だから予備費支出でできないことはないが、もっと別に方法があったのだということを思うとともに、そのあなた方の考え方の基本というものに私たちとしては問題があると思う。これはどうなんです。
#6
○林(一)政府委員 ただいま私から説明申し上げましたように、この市道を廃止する、そのかわりのつけかえ道路をつける、そのつけかえ道路をつける場合において、どこにつけるか、どういうふうにするか、あるいは米軍費用負担になる迂回道路をそのつけかえ道路として市の管理に移すかというような点について地元と折衝しておりましたのですが、その点について市との協議がととのわない。その結果時期がおくれまして、当初予算にこれを計上することができなかったのでございます。市としては、結局究極的には先ほど申しましたような二つの路線の新設並びに修理をぜひしてもらいたいという条件つきでこの市道の廃止の決議をいたしたような次第でございます。やむを得ずこの予備費支出をしていただくことにいたしたのでございます。この点は先生御指摘のように、当初においてこのようなことがわかっておれば、むろん当初の予算においてこれを組み入れるべきものであるということは、お説のとおりでございます。ただこのような経過によってどうしても当初の予算に計上することができなかった。その年度途中においてこういうことによって解決せざるを得ないというような事態でございましたので、やむを得ずお願いしたというようなことでございます。この点をひとつぜひ御了承願いたいと思うのでございます。
#7
○西村(力)委員 とにかく基地提供が合意されていけば提供の義務が条約上ある、あなた方はそれに専念しなければならぬということはわかりますが、そういう場合にも日本国民の権利とかあるいは利益とかそういうものは十分に守るという配慮のもとに問題を処理していただかなければならぬ、実はそういう気持なんです。
 それでは上瀬谷の件はどうなんですか。これは私契約を結んで制限契約をする、制限をする、こういうことになったのが三十六年の十二月十五日、そうして地元民との調整ができたのは三十七年の九月、これは二十七年とありますが三十七年だろうと思います。それで地元民との調整ができた。九月に調整ができたならば、これはやはり四十二臨時国会に、あのときにはベースアップの予算も組んだはずでございますし、炭鉱関係の話し合いもあったわけでございますから、ここに補正予算として組むことが可能であった。ただ金額が少ないからというぐあいな理由だけで、それで補正予算まで至らぬだろう、こういうようなことで言いわけをされるのではないかと思うのですが、時間的に見るとこれは四十二国会に補正予算として組み入れることは十分に可能であった、こう言わざるを得ないわけなんです。これはどういうわけですか。
#8
○林(一)政府委員 この上瀬谷の米軍通信施設の補償の問題でございますが、これもその当時の経過を簡単に御説明申し上げまして御了解を得たいと思うのでございます。
 御承知のように、この上瀬谷は米海軍の通信施設――これは受信施設でございます。ところがあそこの周辺は工場とか住宅がどんどんできてまいっておるのであります。いわば新興住宅、工場開発地域でございます。したがいまして、地元の土地所有者は早くから土地についての建設物を制限をするようなことがあるならば補償をいただきたいという強い要望が、かねてからあったのでございます。したがいまして、当方としましても内閣審議室が中心となりまして、これはおくれてはいけない、こういうような環境、状況にあるから早く方針を立てて、早く補償を支払わなければ地元の方々に大きな迷惑を及ぼすということで相当の時間を要したのでございまするが、ただいま御指摘の三十六年十二月十五日の基地問題閣僚懇談会におきまして、この地域に建築等を制限することを内容とする民事契約を結んで、これに対して補償を払うという方針を決定したのであります。このような方針が決定したものですから、決定した以上は早く支払わないと地元の方々に非常に迷惑を及ぼすというようなことで、予備費の支出をお願いしましてこの補償の支払いをいたしたというようなわけでございます。もちろんこの方針を決定しましてから県、地元の代表の方々と十分に協議をしまして、地元の方々もそれではやむを得ない、これでいいからぜひ早く払っていただきたい、県もやはり早急にこの方針によって支払ってもらいたいという強い要望をよこしたので、この方針に基づき地元の関係者の協議会において詳細な協定をいたしまして、その協定に基づいて支払いをしたというような状況でございまして、この点も何とぞひとつ御了承をいただきたいと思います。
#9
○西村(力)委員 三十六年の十二月十五日にこの契約を結んで早くやるようにという閣僚懇談会の結論が出た、だから急いだのだというが、三十六年の十二月十五日にやったならば、もっともっと先に処理されるべきはずである。私が言うのはそこではなくて、地元民との調整が三十七年の九月にできたというならば、十二月八日から開かれた臨時国会になぜ提案できなかったか。予備費支出を決定しているのは十二月四日ですよ。臨時国会はそれから四日後の十二月八日に開かれておる。ですからやり方によっては予備費支出にたよらずにできないはずはない。それから地元民の調整云々もありますけれども、調整する前には防衛庁自体に、幾らの補償をやったほうがいいかという原案というものはあってしかるべきだと思う。上がり下がりはそのときの交渉次第だというようなやり方は、これは商売人ならいざ知らず、国のやり方としては私はあまり正しくないと思うのです。だから調整できる前にもちゃんとかくかくの補償費をひとつ見込んでおこう、こういうぐあいに予算化ができるはずですよ。そうするのがほんとうだろうと思う。自分たちに原案がなくて交渉に入るというようなことはあり得ないはずです。だから調整がなくてもできる。一歩譲って調整できた、しかし予算が組めなかったとしても、時間的にちゃんと四十二臨時国会に提案ができたじゃないか、こういう主張なんです。こういう点についてあまりに予備費にたよることが安易に過ぎるのではないか、こういう考え方から申し上げておるわけなんです。
 それでは補償費、見舞い金というものを出しておりますが、これについては各人別の補償費、見舞い金というものと、それから算定の基礎を含めて、資料としてひとつ出してもらいたい。そしてそれは資料としてぜひお願いしたいが、ここでお尋ねしたいのは、見舞い金を出したのは契約を結んだ者だけか、すなわち補償金を出した者に限っているのかどうか、こういうことです。それはどうですか。
#10
○鈴木政府委員 お尋ねの見舞い金を支出いたしましたのは、契約を結んだ者だけでございます。
#11
○西村(力)委員 それじゃその見舞い金というものはいかなる国の施策というか、何かによって損害を与えた。どういうものに対してこういう見舞い金を支払ったのかということですね、これはどうです。
#12
○鈴木政府委員 補償金のほうは不作為の契約をいたしました昭和三十七年の四月一日以降について処置をいたしておるわけでございますが、それ以前のものについて、それまでの期間その場所において制限等を受忍したということに対する対価といいますか、見舞い金という形で支出することを地元の方々と合意したために出した、こういうことでございます。
#13
○西村(力)委員 その補償費は三十七年四月一日以降、契約ができたのは三十七年九月なわけです。それに遡及して四月一日以降の補償をやった、こういうことですね。年度契約になればそういうぐあいになるかもしれません。ですが厳密に言うと、それは一年の半分しか補償というものはないはずです。契約締結以後でなければならない。ただ契約ですから、それは遡及して合意してすればそれでもいいかもしらぬが……。ところで、見舞い金というものは契約以前のものに対して契約をした者に限って出した、こういうお話でございますが、契約以前というのはどういう事態があったのですか、見舞いをしなければならぬという事態はどういう事態であるか。
#14
○鈴木政府委員 契約以前の状況におきましても、一定の範囲内の土地につきましては、新たな建物の建設等につきましては米軍からしばしばそれの取りやめ方の要請がございまして、それらのものの建築を取りやめていただいた事例が多数ございます。したがいまして、そういうようなことで自己の所有されておる土地の使用収益について、いろいろ御不便をかけておるということのための対価として考えるという趣旨でございます。
#15
○西村(力)委員 そうすると、米軍がとにかく建物制限をやってもらいたいということを要求した。それにこたえてあなた方は事実上の制限をした、こういうことになるわけですね。それで問題になるのは、事実上の制限をするあなた方のそういう権能というものは何によって付与されておるのか、何に基づいてその事実上の制限をあなた方はやったのか。
#16
○鈴木政府委員 御承知のように地位協定の三条には、米軍の通信施設等に電波障害を与えないことに日本政府は合意するということがございます。したがいまして、昨年の四月以前の地元との建築等の制限についての話し合いは、これは全く合意の上でのみお話をいたしておるわけでございまして、地位協定にそれらの規定があります関係上、御協力を願うという態度で、これはやめてくれというふうな強制的な権限的な問題としてお話を申し上げたわけではないわけであります。御了承いただきたいと思います。
#17
○西村(力)委員 地域協定を読んでみるのもめんどうですが、私の記憶によりますと、もちろん通信施設なんかに対する通信妨害を排除する義務というものは、日本政府がそれを負うということはありますが、それは日本国内法の範囲内において米軍の要請にこたえる、こういうぐあいにきまっておったと私は記憶しておる、そのとおりで間違いないと思うのです。ですから米軍の要請があって――それはかってに要請したらいいでしょう。ですがあなた方がやる場合においては、その行動の限界は国内法の範囲内においてやらなければいかぬ、これははっきりしておるわけです。向こうから言われたからもうそれに対しては何ら批判も抵抗もなく、唯々諾々としてそれをやるなんて、これは日本の官吏として恥だと私は思うのです。はっきり日米行政地域協定には国内法の範囲内においてやるべきだ、こうなっておる。あなたはそれを合意によってやったということをおっしゃるわけなんでありますが、合意を求めることそれ自体は、もう少しはっきりした契約というものを結んだ後にやるならとにかく、単に見舞い金で処置しなければならぬというようなことだけで、合意した、しないというようなことで事実上の制限をするというようなことは、私はこれは行き過ぎのそしりがあると思うわけなんです。それならば合意というのは、これは一体口頭合意か文書合意かということなんです。
#18
○鈴木政府委員 文書の合意でございます。
#19
○西村(力)委員 そうするとその文書合意をした施設に対しては、その後のあらためての文書合意はしなかった、こういうことになるわけですね。
#20
○鈴木政府委員 その点は、先ほど長官からも御説明申し上げましたように、この問題に関する一般的な取りきめの合意と申しますのは、上瀬谷通信施設電波障害問題連絡協議会というものとの間で協議してその合意をしたわけでございますが、個々の土地所有者の方々とは、その後あらためて個々の契約をいたしておるわけでございます。
#21
○西村(力)委員 すると前のは一般的合意ということですか。
#22
○鈴木政府委員 三十七年の九月一日に、さっき申し上げました上瀬谷の電波障害問題連絡協議会との間にこのような形で不作為の契約をしようということを合意いたしまして、それに基づきまして個々の土地所有権者、関係人等々とあらたに個別の契約を締結した、こういうことでございます。
#23
○西村(力)委員 一般的な協定をやって、個別にやったのは補償費を払う段階に至ってですね。それ以前にも文書の合意をしておる。だから事実上それに基づいて制限を行なっておった、こういうことになるわけですが、その前のはやはり個々の契約であったかどうかということなんです。それはどうなんです。個々の契約であったかどうか、一般的な合意であったか……。
#24
○鈴木政府委員 三十七年の三月以前につきましては、全般的な合意あるいは個々の合意につきましても書面上の合意というものはございません。そこで三十七年の九月に上瀬谷問題の全般につきましての考え方について文書で覚え書きと申しますか、協定をいたしました際にそれ以前のこともあわせて含めて合意をした、こういう次第でございます。
#25
○西村(力)委員 先ほどは不作為云々の制限契約を結ぶ以前のことについても文書で合意した、こういう答弁をあなたはやったじゃないですか。いまは、その前は文書でなくて一般的な合意であり、それは話し合いでやった、こういうことをおっしゃったのでありますが、そこを明確にしてもらいたい。
#26
○大濱政府委員 私の記憶で少しお答え申し上げますが、三十四年の一月二十七日に施設委員会に対して電波障害地区として境界線より一マイル以内の土地地役権要求が出されまして、その後政府としては基地問題閣僚懇談会その他で十分検討いたしまして、三十七年一月二十五日に初めて制限の基準の合意というものがなされておるわけであります。初めて合意したのは一月二十五日でございますが、事態の提案されたのは三十四年一月二十七日からであります。
#27
○西村(力)委員 三十四年でもいいのですが、それから事実上の制限をずっと行なわれたというのでしょう。だからその三十四年以降ずっとにわたって事実上の制限に対する見舞い金を出されたということであるが、その私契約を結ぶ以前の見舞い金を支払った事実上の制限は何に基づいてやったかと言うと、それは個人々々の合意を基礎にして事実上の制限をお願いしておった、こういうことを言うた。それは口頭か文書かと言うたら文書だと言うたわけだ。ところが今度は文書でないと言う。だから、そこのところが私は解せないし、非常に問題を含むのです。アメリカの要請があったからといって日本国民の権利というものはそんなぐあいに一方的に制限されて、見舞い金をやればそれでよろしいというやり方でやられたのでは私はたまらないと思う。そこは一体、見舞い金を支払った期間については事実上の制限をした、その制限は文書による個々の合意か、一般的な協定か、そのいずれかということです。
#28
○林(一)政府委員 三十七年の九月十三日の協議会におきまして、はっきりした一般的協定ができ、それに基づいて個々的な契約ができて、その契約に基づいて補償を支払うということは、先ほど申し上げましたとおりでございますが、それ以前に事実上お互いの話し合いによって遠慮してもらうということは行なっておったわけであります。これは主として大きな工場を建設をしたいというような場合においては、この工場建設者、地元の町村当局、当時の調達庁の関係者、これらの者が集まって事情を話して遠慮してもらった。要するにお互いの話し合いによって遠慮してもらったということでございます。もちろんこれはその当時の事情をよく理解していただいて遠慮していただいた方もおるのでございますが、その反面、いや私は自分の土地であるから家を建てる、あるいはその他の建設物をするという方々がどんどんお建てになった方もあるのであります。いずれにしましても、話し合いによって話し合いができた方々にはそういう建設の制限というか、建設をすることを遠慮してもらったということであります。
#29
○西村(力)委員 話し合いによって無理に遠慮してもらった、こういうことなんですね。ただそのために無理に遠慮してもらうならば、その遠慮する見舞いとしてかくかくに考えるということが付随しておったかどうか。それは全然付随していないんじゃないか。ただやめてもらいたい、おれのほうも米軍から言われるから楽じゃないんだ、やめてくれ、こういうふうに拝み倒すということで無理押しをしていったんじゃないかと想定されるわけです。そうしますと、いま反対している人の中には事実上の制限を受けておったという人はないのですか。制限契約を結んだ者にだけ補償費は、当然契約に基づいてやるが、それ以前のことについては契約を結んだ者に限って見舞い金を出しておる、こういうことです。その話し合いによってまずやらずにしても事実上の制限を実際に行なっておる、自分の自発的意思としてでも何にしても、そういう人も現在契約を結ばない人の中にもおるかもしれないし、そこは一体どうなんですか。
#30
○鈴木政府委員 この制限をいたしておりまする地域全般の土地の所有者の数を申し上げますと、契約を補償の対象といたしておりますものが約千五百名ということでございます。それでこの中の約一割のお方が現在契約に応じておられないわけでありますけれども、このうちのまた約九割の方は、この上瀬谷以外のところにおられる不在地主の方でございます。これらの方にはまだ趣旨が徹底しない等の関係がありまして、ぼつぼつ契約に入っているという状態にあるわけであります。したがいまして、約三、四十名の方が意思表示をいたしましてまだ契約ができておらない、こういう状態にあるわけであります。
#31
○西村(力)委員 そういうことよりも、契約を結ばない人の中にもまだまだ事実上の制限を了承して実行しておった人がおるんじゃないかということ、また契約を結ばないからその人はまだ対象にならぬというのか、それじゃおかしいと思う。契約を結ぼうと結ぶまいと、事実上の制限を受けた人に対しては先んじて支払うべきじゃないか。それはいま契約を結ばないというのは自由意思だ。その前にちゃんと制限を受けておった人がある。見舞い金の性質からいって、契約を結ぼうと結ぶまいと、それに対する見舞い金を出すのは当然じゃないか。契約をするのはその政府の意思に沿うたものである、その者にだけ支給するというのは全く一方的じゃないかと言わざるを得ない。そしてまた先ほどの質問のもう一点は、口頭であろうと何であろうと、合意するときに、これだけ承認してくれれば、政府としてはかくかくのお見舞い金なりなんなりその補償の考え方を持とうということを言っておるのか、言わないのか、どうなのか、――わからないですか。じゃわからないとするなら、そういうときには法律によらずして制限をするんですから、ある人の合意に対しては国としては国の意思としてそれを要請しているんですから、それに対しては当然補償をする、見舞いをする、こういうことを裏づけとして出していくことが当然です。それをやらないから、あなた方は権力をかさに着て無理をした、そうして合意されておった、こう言われてもしかたがないということになるわけです。それでは何だか答弁がないようですから、とにかく先ほどの資料に付随しまして、いま言ったように、口頭が合意したその人個人々々にいつ、だれが合意したか、そういうことをずっと資料として出してもらいたい。見舞い金を出したのは、口頭で合意して、事実上の制限をしておった人々に対して見舞い金をやったというんだから、見舞い金をやった個人々々に対していつ、だれが口頭で合意をしたというのか、こういうことをはっきりしてもらいたい。それがないとするならば、口頭合意なんというものは、自分かってにつけた理屈だと言われてもしかたがない。承認したという言った言わないの問題なんか、そんなことではとてもだめだ。そういう記録は、確かに日本国民の権利を制限する場合には、たとい口頭であろうとも記録として残さざるを得ないと私は思う。いずれにしましても、地位協定はあるわけですから、その地位協定にある通信施設の電波障害を排除する日本国の義務がある。それをやるには、日本の国内法に基づいてやるということは、はっきり地位協定にあるんですから、そういう協定、国内法によらず、あるいは正式なる文書、協定によらず事実上の制限をそれ以前からやったということに非常に問題を感ずるわけです。そんなぐあいに日本国民の権利というものが制限されてはたまらないと私は思う。ですからその問題を私は政府に強く指摘をするわけです。
 しかもこの見舞い金は、必要な金だけを予備費から出したのでしょうが、その場合には現在契約を結ばないにしても、事実上の制限を受けておって見舞い金を支払わなければならない人々がたくさんおるはずですから、それを全部含めて予備支出を求める、こういうことならまだ話はいいのですが、これは現実に支払いをしなければならない金だけをここに組んでおるのじゃないかと思う。補償契約を結んだ人に対しては見舞い金を払うから、その限界において予備費を組んでおるのではないか、その補償見舞い金は、事実上の制限を受けた人々全体を調査して全部に支払う経費を見込むべきだ、こういうぐあいにいかなければならぬのじゃないかと思う。補償費のほうは契約ができなければ払うことはできないから、現実に契約ができたものでもけっこうですが、見舞い金に関してはあなた方の積極的な立場をもって契約を結ぼうと結ぶまいとこういうぐあいにやるということにして、その所要経費の予備支出を求める、こういうぐあいにいかなければならぬと思う。資料を提示してもらいたいと思う。いまのことに対して何か御答弁がありますか。
#32
○林(一)政府委員 繰り返すようでございますが、このような補償協定ができる前の事実上の話し合いによる建築制限と申しましょうか、建築の御遠慮は、どこまでも相手方の自由意思によって、相互の話し合いによってきめたことでございますが、このような話し合いができたのはきわめて少ないのでございます。大部分の方は自由意思によって建築制限をいたしておるのであります。これらについての資料は、先生御要求のとおりつくって後日提出いたします。
#33
○西村(力)委員 そういう事実上の制限をするための話し合いがまとまった場合に、あなた方はそういうふうに合意してくれて協力してくれるならば、かくかくの見舞いをしようという話をしたのかしないのか。
#34
○鈴木政府委員 そのような話し合いをしておるわけでございます。
#35
○西村(力)委員 その場限りのことをいま言ってもだめですが、それじゃ資料をとにかく出してもらって、あなたのほうはそのあとやりましょう。
 警察庁の方にお願いいたします。ひとつ大臣にお尋ねしますが、今度の予備費支出を見ますると、予備費による警察官の増員というものをやっておる、この問題について私は問題を持っておるわけなんであります。この前は官房長に来てもらっていろいろ話をしたのでありますが、十分でありませんので、大臣のお考え、公安委員長としてのお考えは、この治安確保のための警察機構というものは過小であってはならぬけれども、オーバーであってもならぬということ、この原則はどうです、お認めになるのじゃなかろうかと思いますが。
#36
○篠田国務大臣 それは当然です。
#37
○西村(力)委員 当然の話ですが、そのためには、これは過小であったり過大であったりしないために一体だれがどこでこれをコントロールしたらよかろうか、私たちは、警察というものはとにかく警察権を持っておるのですから、これのコントロールというのは国会で十分にやらなければいかぬ、国会がこれを握るということでなければならない、こういうことを考えておる。時の政府がかってにその警察機構というものを自由に拡大したり縮小するというような操作ができるということは、決して好ましい問題でないと私は思うのです。その点はどうですか。
#38
○篠田国務大臣 法案の審議につきましてはもちろん国会が携わらなければならない。しかしながら、交通事故の激増に伴う交通警官の増員といったようなものは、世論としてすでに起きておる。交通警察官が非常に不足しておるということはもう世論であり、国民の声で、そういう場合になぜ国がもう少し交通警察官を充実して、そうしていたずらに失われていく人命であるとか、あるいはまた負傷者であるとか、そういうものについてどうしてもっと国が手厚い施策をしないのかというような問題が、世論としてすでに起きておるときに、その世論にこたえ、またこれを十分に事務的に検討し、そうして行政的な処置においてこれに対処するということは、政府としての重大な責任であります。それに伴う予算であるとか、あるいは法案というものは、もちろん国会に提出いたしてきめるべきものである、こう考えます。
#39
○西村(力)委員 まあ警察官の増員は政令事項だというようなこと、これに伴う予算というものは、これを承認するかしないかということは絶対に国会の権限だ、こういうことに相なるわけなんでありますが、この前官房長は警察機構というものをコントロールするということは、もう原則的に国会がそれをやるのだというようなことに賛意を表しておる。あなたは、それについて賛成であるかのごとくであるけれども、必要なときにはおれたちの独自の権限としてやれるのだ、こういう意見を申されておるわけです。官房長より反動みたいなんですが、とにかく反動ということばは悪いのですが、私はいまのお考えによって自分の主張を正当ならしめようとすることは、世論ということが一つ、それから交通警察官であるからというこの二つを根拠として正当性を主張されておるようでありますが、しかし世論というものは、政府がかってに世論がこうだだけできめられるものではない。確かに国会においても交通事故なんという問題に対して早急に対策を立てるという決定をしたわけなんでありますが、国会の決議というのは政府にその善処方を求めるわけですが、その善処方に対しましてはね返りとして、善処したそのやり方に対して国会にそれの承認を求めてくるという方法をとってもらうということで、常に国会の意思というものはそういうぐあいに出ているわけだ。ですからこの決議自体は一つのきめ手というぐあいになるかもしれませんが、それは私たちをして言わしめるならば、警察官の増員というのは国会がコントロールしていかなければいかぬ、そうでなければえてしてオーバーになる危険性がある、こういう観点からそういう案を立てて国会に付議をしてもらいたい、こういう趣旨でこの決議案をやった、こういえるわけであります。ですから原則的には私はどうしても警察機構の問題については国会がこれを審議する、そうしてきめるのだ、こういう原則を立ててもらわないと、これは国民としては非常に不安になる、これはひとつ認めていただくことが必要じゃないか、こう思うわけなんです。
#40
○篠田国務大臣 私も国会議員の一人でございますから、当然いわゆる国権の最高機関である国会の審議権などというものについて、それを軽視したりするというような考えは毛頭ありません。むしろそういうことに対してはあなたとともに大いに憤慨し、反撃する、そういう態度をとっております。しかしながら、交通警官の問題は単に世論の問題だけではなくて、実情がもはや一日もこれを等閑に付することができない、こういう実情であるわけです。昭和三十六年の後半に至りまして交通事故は急激に悪化した、死者が十月から十二月まで毎月千二百名をこえる、これを簡単に申しますと日清戦争の二カ年分の戦死者と負傷者が一年に起こっておる。だから平和々々といって戦争がないようなことを言っているけれども、実際においては日清戦争の倍の戦争を交通だけでやっておる、だから世の中でこれを交通戦争といっておるわけであります。その問題が一つあります。それからもう一つ、明年の十月に控えたオリンピックの問題があります。そういうものをいろいろ考慮していきましたときに、従来も交通警察官を一万人増員したいという警察当局の願いもありましたが、これはずっといろいろな抵抗といいますか、理由によりましてそれが阻止されてきた。しかし、一方におきましてこのような状態で来年のオリンピックを迎えるということは、外国に対しても、また外国のいろいろの従来のオリンピックの慣例から申しましても、とてもこのままにはできないということが一つ。それからいま一つは、先ほど申しましたように、こんなに毎日々々死傷者を出して、どうして長年の世論である交通警察官の増員ができないかということであります。そこで私率直に言いまして、大蔵省はあなたと同じ考え方で、明年度の予算からやろうじゃないか、もう半ばも過ぎたんだから、明年度予算からやろうじゃないかと大蔵大臣は非常に反対した。だけど私は明年度予算ということになってくると地方議会の関係もありまして、さらに明年度予算では三月末にそれを議決する、そうすると地方議会はさらに年度を越したときでなければ開かれておりません。率直にここで申し上げますと、東京と大阪におもに交通警察官を増員するわけであります。ところが補正予算を計上するにいたしましても非常に時間がかかりまして、東京の場合は、一番近い都議会が二月二十日から三月十二日、大阪の場合は二月二十八日から三月十五日ということになっておる。それからこれを一般の三十八年度の予算で計上するということになると、もうすでに都議会は四月か五月ということに延びてまいりまして、実情に沿わない。そこで私が閣議で相当がんばったわけであります。そういう手続を踏んでおったのでは、警察官は募集してそのまま警察官として使うのではない。また学校に一年入れて、そしてやらなければならぬ関係があるから、そんなのんきなことを言っていたのでは間に合わない。だからぜひやってもらいたいというので、大いにがんばったところが、それに対して共鳴する閣僚も出まして、それじゃひとつ予備費でやろうじゃないか、こういう話です。私は十五年も代議士をやっていますが、予算のことはあまり知っておりません。そこで、けっこうだ、予備費でやってもらいたいということで、むしろ私が頼んでやってもらったという実情でございます。
#41
○西村(力)委員 だから、それほど緊急性をお感じになるとするならば、あなたは就任前かどうか知りませんけれども、とにかく三十七年度の本予算に組み込むことが不可能であったかどうか。それまでに交通警察官を中心とした増員を三十六年なら三十六年にやったから三十七年度はできない、だから増員要求はしなかったというこの前のお話でございましたが、統計を見ますと、事故指数なんか見ますと、三十三年を一〇〇とした場合に、三十六年が一七一で、三十七年が一六六、こうなっておる。これは三十七年度が減少したのは何も臨時の予備費で警察官を増員したからその効果があらわれて事故件数が減ったわけではない。三十六年が最多発しておるのです。ですからその統計に基づいても、たとえ三十六年度に増員したからといって三十七年度に増員できないはずはない。予備費支出をするほど緊急性があるなら、三十七年度の本予算に要求してやれるはずのものだ。その熱意を示すべきであったと思います。そうすれば政府権力がかってに警察官をふくらましたり、縮めたりするというそしりを免れていくわけなんです。その統計からしましてもそのとおりでありますし、また先ほど世論という問題がありましたが、世論というものは一方的な把握がお互いにあるということです。ですから世論という問題は、この問題はちょっと違うようでございますけれども、そういう危険性があるということと、交通警察官として増員するのだからいいじゃないかという言い方は、私はだめだと思う。警察官としてこの人は永久に交通警察以外にはタッチしないというのではなく、交通警察官という特別のレッテルを張った警察官がふえるわけでもない。ですからここには予備費支出として交通警察官の増員に必要な経費、こういうぐあいになっていますが、これは交通を取って、警察官の増員に必要な経費と書くのがほんとうだろうと思う。交通警察官という特別のレッテルがあるはずはないのですから、そういう点からいいまして、まずいま私は二点言いましたが、とにかく三十六年度が事故多発であるから三十七年度の本予算に増員計画ができなかったはずはないんじゃないか。それから交通警察官だからよいのだという考え方は通らないことである、こういうことであります。大臣の所見はどうですか。
#42
○篠田国務大臣 私は三十七年の七月十八日に閣僚になったのでありまして、三十七年度の予算をつくるときには閣僚でありませんから、そのいきさつというものはよくわかりません。しかしながら、あとで三十七年度にそれだけの緊急があるならば、どういうわけで警官を増員しなかったかという事情を聞いてみましたところが、それは警察の装備、通信あるいは機動力というようなものに予算をとった、その上に警察官を増員するということは、予算の折衝の上において、ほんとうのことを言いますと、こっちが言うとおりやってくれないのです。そういうことが一番大きな問題で、警察の装備も通信も機動力も充実し、その上にまた警察官も増員するということに大蔵省が同意してくれれば、それはもちろんしたのでありましょう。しかし、今年はこのくらいにしておけということで結局そういうことになった。すでに装備とかそういうものもある程度充実しておるし、またいま申しましたように膨大な人命の損傷ということを見過ごすことはできない。そこで普通ならばあなたの言われるように警察官を一万名増員すべきところを、特に交通という名前を冠して交通警察官というものをふやすのだ、そういうことでふやした。ところがいま言ったように、募集の関係、あるいはまた学校に入れる関係、あるいはオリンピックの関係、そういうものをいろいろ見たときに、大蔵省の言うことを黙って聞いておったのではなかなかふえないんですよ。あなたの言うとおりふえるものではありませんよ。そこでやはり強く発言をしてどうしてもとらなければいけない、国民にとって必要なものであるならばとるべきであるという立場から私が大いに主張して、それに対してまた閣僚も共鳴してくれまして、それでは補正予算をとっておっても、いま言ったように地方議会との関係で間に合わない、三十八年度になればなおさら間に合わない、だから予備費として――この予備費なんというものはそういうことに使うためにあるのかどうか知らないが、幸いにそこにあったから結局それを使おうじゃないか、そういうことになったわけであります。だから理屈の上からいえばいろいろあるでありましょうが、交通警官を一万人増員するという大乗的見地から、あなたが賛成されるならば、今後そういう方針を継続するわけではありませんが、もうすでに済んでおることであるから御了承願いたい、私の申し上げることはそういうことであります。
#43
○西村(力)委員 一月一日から東京と大阪に入校させなければならないという絶対的な理由がある、そうやらなければどうにもならないという絶対的の理由があるのですか。
#44
○篠田国務大臣 どうせやらなければならないならば、一日も早くやってやったほうが地方のためにもよいということですよ。そんなにこまかい理屈を考えてやってはおりません。ただ必要があるからその必要のために一生懸命に何とかしてやろう。それで御承知のように大阪からも東京からも実情を訴えて一日も早くひとつやってもらいたい――陳情と言っては悪いが、国民は請願権を持っております。憲法に従った請願権によってしばしばわれわれに対して請願をしておるわけであります。この請願というものを無視するわけにもいかないし、特にやればできるものをおくらせるということも、国民に対して忠実でないから、そこで私たちとしてはこの実情は一日も無視できないから、自分たちの努力によって解決できるものならばひとつ解決したいということで一生懸命にやった結果がそういうことになったのでありまして、警察官の増員はいつでも予備費から支出する、そういうような考え方は毛頭持っておりません。
#45
○西村(力)委員 最後のことばはいいですが、一日もゆるがせにできないというそれほど熱意があるならば、警察の機動力の充実に重点を置いたから人間をふやすことは大蔵省に出すのを控えておこう、そういうような認識で三十七年度の予算を組んでおいて、そうしていまあわてて予備費でやるということは筋が通らないじゃないですか。そんなことは筋が通りませんよ。
#46
○篠田国務大臣 それはそのときの大臣の判断でありますから、私ではありませんから、事務当局から答弁いたさせます。
#47
○後藤田政府委員 御質問の趣旨は、三十七年度の予算になぜそれだけの緊急性があるならば出さなかったのか、こういうことだと思います。実は先般も当委員会でお答え申し上げましたように、警察官の増員を三十四年度から三カ年計画で一万名増員するということがございました。それが三十四、五、六と続きまして、その一万名の中で交通警察に四千名を充てております。人員としては、われわれはその四千名で何とか現在のこの交通の実態に合わして交通警察の運営をやっていきたい、またやっていけるであろう。そこでその人員に各種のただいま大臣のおっしゃいました装備なり通信なりを加えて交通警察の運営に遺憾のないようにやっていきたい、こう考えておったのでございますが、先般の委員会で申し上げましたように、三十六年の後半、つまり七年の予算を組みましたころ以後、急激に統計にございますように交通の事故がふえてまいりました。同時にいわゆる交通渋滞というものも非常に激しくなっているというようなことで、遺憾ながら従来の計画では世論の高まりにこたえることができなくなったということが実態でございます。したがって、この点については、何と言いますか、私どもの見通しが甘かったではないか、こういう非難に対しては十分私どもも責めを負わなければならないと考えております。しかし、実態はそういう実情で、やむを得ず三十七年に予備費支出をして早急に交通の増員もやらねばならぬ、こういう実情に追い込まれたわけでありまして、その点ぜひ御了承を賜わりたいと思います。
#48
○西村(力)委員 予備費として出してしまったんだからしようがないじゃないか。大臣が言われるようにしようがないと言えば言えますが、しかし、事は警察機構の拡大の問題でありますから、これはこの前例を開くことによって、これからいろいろな事態が起きた場合に、たとえば三池の闘争なんか起きた場合に、この前も安保闘争のときには自動車が八台だかこわされたのを五十台も代替として便乗購入しておる。まあこれは機動力の件でありますからこれはいいけれども、人員を増加するなんということは、これを予備費支出としてやるということは、われわれの審議の外でやるという前例は絶対に開いてはいけないと思うのです。緊急性があるからやむを得ずやったんだと篠田さん、あなたはおっしゃるが、これは相当警戒しなければならぬ問題だと私は思うのです。これを許しておきますと、必要によっては今度は警察官増員、交通警察とレッテルをはったって安保のような問題、これはよしあしは別として、そういうときにぱっと政府が予備費で増員をするようなぐあいにもいくでしょうし、そういうような一般的な措置ができるような余地というものは残しておくべきじゃない。ですから、結論的にお尋ねしますが、過小でも過大でもあってはならないということは、それはよろしい。それを一応国民的立場に立ってチェックする。政府の意向ではなくて、こういうことは国会にはっきり握られていなければならぬ。あなたはこれに類するようなことは、今後いつもこういうようなことをやろうとは思っていないんだ、こういうような言葉でおっしゃいましたが、それだけではなく国会をコントロールしていく。警察権能というものは、日本の国内では一番国民生活の権利に影響する問題です。ですからそれをはっきり握るんだという点です。だからこの予備費支出というのは緊急やむを得ないという、こういう言いわけは了としても、今後こういう前例というものは絶対に前例としないで、可能なる努力をする。いつでも国会の議を経て、警察機構の拡大という場合においては、やるんだということ、これをひとつ明確にしておいてもらわなければならぬと思うわけなんです。そうでないと私たちはこの予備費支出に対してはやっぱり反対の立場を堅持しなければならぬということに相なるのであります。そういうことはあまり好ましいことでもございませんがやむを得ないと思うのでありますので、その点ひとつ最後の答弁として明確にしてもらいたい、こう思うわけです。
#49
○篠田国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、いろいろの実情が緊急やむを得ずやったことでありまして、これを前例にするという考え方はございません。
#50
○津雲委員長 関連質問がございます。勝澤芳雄君。
#51
○勝澤委員 警察官のことが出たので、大臣に一つだけお尋ねしたいのですが、実は先般運輸委員会で運輸大臣にちょっと質問したことがあるのですが、オリンピックが近づいておることだし、諸外国の例を見てみましてもオリンピックに対処するためにその受け入れとしてツーリスト・ポリス、観光巡査というようなものが考えられておって好評を博しておるというような話をお聞きいたしました。そこで過般運輸大臣にひとつこのオリンピックを目がけておまわりさんというものをスマートにするためには、この辺で日本もひとつ観光専門の巡査、ツーリスト・ポリスというようなものを検討されたらどうだ、こういう質問をいたしましたところ、運輸大臣もたいへんいいことだから研究をしてみようというような発言がありました。もう来年に控えておるわけでありますから、日本の観光を一歩でも前進させるために与野党が一致をいたしまして観光業法が衆議院を通過いたしまして、参議院にいま送られて、来月早々にも観光業法はできる、こういうような情勢にあるわけであります。ましてや来年オリンピックがあるというような点で、担当である大臣としてこの問題についてのお考え、あるいはまたすでにお話が出ておって実施に移されておるならばその面について御説明を伺いたい、こう思うわけでございます。
#52
○篠田国務大臣 外国を歩きまして、特に一昨々年のローマのオリンピックにも私行ってまいりましたが、そういう場合に非常に外国の巡査が親切にやる、また国策として観光事業をやっておりますスイスであるとかあるいはイタリア等におきましては、特にツーリスト・ポリスというほどのものではありませんけれども、スイスのごときはいわゆるスイスのホスピタルといって非常に親切にやってくれる、こういう意味におきまして、オリンピックを控えまして多くの外来客が見えるのでありますから、日本の警官もまた国際的な視野に立って、でき得る限り親切に外人に道を教え、あるいは場合によったら案内をし注意をするということは非常に必要である。しかしながら、先般も国会において問題になりましたように、警察官の本来の任務というものを考えましたときに、警察官をガイドのかわりに使うというようなことは、私は国家公安委員長としてはあまり賛成をいたしません。したがって、ツーリスト・ポリスというような銘を打ったようなものをつくるということは考えておりません。むしろ運輸省あたりがこういう機会に観光日本という立場をしっかりと考えまして、そうして運輸省がガイドをつくるということがむしろ望ましいのではないか。運輸省がその責任を果たさないでガイドの責任を警官に転嫁するなどということは、私はあまり賛成ではありません。先ほど申しましたように、国際的な視野の上に立ってできる限り親切を尽くす、職分の中において親切を尽くすということは、私は大賛成でございます。
#53
○勝澤委員 短い時間に論争しても結論が出ないようでありますから、これで終わっておきまして、また別にいろいろと申し上げることにいたします。
#54
○西村(力)委員 篠田大臣は性格でざっくばらんに申されてたいへんけっこうでございますが、ただ慎重にやらないといけないのは、警察の最高首脳部の考え方は末端に影響するという問題であります。だからこういう予備費支出をやむを得ずやったんだということでないと、やってしまえばやれるんだというような、こういう高姿勢でいきますと、それが末端に影響する、どういう影響をしているかといいますと、過般私はある方面に問題の調査に参りましたが、任意出頭が逮捕状なき逮捕と同じような形で進められておる、こういう事例を見たのです。この経過を申し上げますと、当日の朝寝込みに本日出頭してもらいたいといってきた。ところが私は公務がある、だから午後から必ず出るから午前中は出られないからと言った。それでその警察官は帰ったが、その人の公務先に別の警察官が行って、仕事まだ終らぬか、まだ終わらぬか、こう言うて、終わったというぐあいに認めたのかどうか、とにかく一緒に行ってくれ、いやあとであと始末もあるからちょっと待ってくれと言ったら、いやおれも行くから一緒に行ってくれと強引に連行をした、こういう事例があるのです。これは逮捕状なき逮捕、こう私は見ておるのです。こういうような職務執行のいいかげんなあり方なんというものは、首脳部が、自分の考え方がすべてオールマイティーであるかのごとき強引さになってくると、そんなような影響がひんぴんと現われるということです。これは私の一つの体験として、警告的な意見として申し上げておきたい、こう思うのです。ですからあなたが誠意を持って話されるのはわかりましたけれども、一方的に、出したものはしようがないじゃないかというような考え方でやられることは、そういう影響までも考えていかなければならぬ。それほど国民生活に警察の問題というのはびんびんと影響をもたらすものだという重要性だけは十分に認識してやってもらいたい、こういうように思うわけであります。
 以上で終わります。
#55
○篠田国務大臣 先ほど来申し上げましたように、まあこれをもって前例とするという考え方は毛頭ないわけであります。もちろん警察の民主化ということは絶対必要でありますし、また現在そういうふうになっておりまして、犯人とおぼしき者がありましても、逮捕状をとるだけの物的証拠がないというような場合にはもちろん、これに任意出頭を求めましても本人が来ない場合はどうすることもできない、そういう実情にあるし、そのために犯人逮捕というものがおくれてもこれはやむを得ない、こういう現在の実情でございます。したがいまして、警察力の行使というものは、これはもうあなたのおっしゃるとおり国民生活あるいは日本の民主化という問題の上に重要な影響のあるものでありますから、あくまでも慎重にやらなければいけないということはもうよく認識もいたしております。強引にやるというふうにおっしゃるけれども、私はそう強引にやっているほうじゃないのであります。そういう点については御注意を拳々服膺いたしますから、どうぞ御安心を願いたいと思うのでございます。
#56
○津雲委員長 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 次会は来たる三十日午前十時三十分より開会することといたします。
 これにて散会いたします。
   午後零時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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