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1962/03/08 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 外務委員会 第6号
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1962/03/08 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 外務委員会 第6号

#1
第043回国会 外務委員会 第6号
昭和三十八年三月八日(金曜日)
    午前十時三十五分開議
 出席委員
   委員長 野田 武夫君
   理事 安藤  覺君 理事 正示啓次郎君
   理事 福田 篤泰君 理事 松本 俊一君
   理事 戸叶 里子君 理事 穗積 七郎君
      伊藤  幟君    浦野 幸男君
      海部 俊樹君    北澤 直吉君
      久保田円次君    椎熊 三郎君
      岡田 春夫君    川上 貫一君
 出席政府委員
        外務政務次官  飯塚 定輔君
        外務事務官
        (国際連合局
        長)      高橋  覺君
        運輸事務官
        (航空局長)  今井 榮文君
 委員外の出席者
        外務事務官
        (条約局参事
        官)      須之部量三君
        大 蔵 技 官
        (関税局関税調
        査官)     柴崎 芳博君
        専  門  員 豊田  薫君
    ―――――――――――――
三月八日
 委員愛知揆一君、宇都宮徳馬君、菅太郎君及び
 田澤吉郎君辞任につき、その補欠として浦野幸
 男君、海部俊樹君、伊藤幟君及び久保田円次君
 が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員伊藤幟君、浦野幸男君、海部俊樹君及び久
 保田円次君辞任につき、その補欠として菅太郎
 君、愛知揆一君、宇都宮徳馬君及び田澤吉郎君
 が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国際労働機関憲章の改正に関する文書の締結に
 ついて承認を求めるの件(条約第一一号)
 関税及び貿易に関する一般協定の譲許表の訂正
 及び修正に関する締約国団の確認書の締結につ
 いて承認を求めるの件(条約第一二号)
 航空業務に関する日本国とアラブ連合共和国と
 の間の協定の締結について承認を求めるの件(
 条約第四号)(参議院送付)
 航空業務に関する日本国政府とクウェイト政府
 との間の協定の締結について承認を求めるの件
 (条約第五号)(参議院送付)
     ――――◇―――――
#2
○野田委員長 これより会議を開きます。
 国際労働機関憲章の改正に関する文書の締結について承認を求めるの件、関税及び貿易に関する一般協定の譲許表の訂正及び修正に関する締約国団の確認書の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とアラブ連合共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国政府とクウェイト政府との協定の締結について承認を求めるの件、以上四件を一括議題とし、質疑を行ないます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。戸叶里子君。
#3
○戸叶委員 国際労働機関憲章の改正に関する条約について二、三点質問をしたいと思います。
 けさの新聞によりますと、ILOの理事国で会議を開いて、その理事会で日本に対してILO八十七号条約の批准に対する督促のようなことがあったというように読んでおりますし、それからまた、前後十二回にわたって日本の政府から理事会に対して八十七号条約の批准に関しての返事を与えているというようなことが出ておりましたけれども、これはどういう内容のものであるかを説明していただきたいと思います。
#4
○飯塚政府委員 その記事については私も読んでおりますが、詳細に関しては担当局長からお答えいたします。
#5
○高橋政府委員 ILOの理事会は去る五日から開会されております。そういたしまして、理事会の結社の自由委員会、これは先月でございましたが、この結社の自由委員会の報告というものはこの理事会の議題になっております。それで、この結社の自由委員会には、今御質問のような日本のILO八十七号条約批准に関する、あるいはILOに対する日本の労働組合からの提訴に関する問題が審議されて、そうして、その報告のうちに、今おっしゃったようなことが問題になっていると伝えられております。ただし、ほかの議題の審議のため延び延びになっておりまして、まだ今日までこの結社の自由委員会の報告は審議されておりません。おそらく、八日と申しますから、若干時差がございますが、今晩あたりから審議に入るのではないかと予想されております。
#6
○戸叶委員 十二回にわたって日本の政府から理事会に与えた返答というのは、どういう内容でございますか。
#7
○高橋政府委員 十二回と申しますのは、たしか一番最初昭和三十四年でございますが、政府といたしましてILO第八十七号条約結社の自由及び団結権の保護に関する条約を批准する意向があるということを労働大臣がILOの総会で述べられまして、それ以後この条約の批准が御承知のような事情で延び延びになっております。そういたしまして、他方、結社の自由委員会では日本の労働組合からの提訴が取り上げられ、この八十七号条約批准の問題と関連いたしまして、この提訴に関連して日本政府から実は近く批准する意向であるということを、結社の自由委員会のつど日本政府から定期的に情報の提供を求められておりますので、そのうちに書いてあるわけでございます。しかし、御承知のような事情によりまして批准が延び延びになっておりますので、理事会のたびにまだかという勧告が入った報告書が採択されまして、これが十二回になっているという次第でございます。
#8
○戸叶委員 そうしますと、これまで日本の政府としては八十七号条約は批准いたしますいたしますというような返事をして延び延びにしているというふうに了解してよろしゅうございますか。
#9
○高橋政府委員 日本政府といたしまして、できるだけ早く批准したい、そしてそのために努力するということを言っている次第でございます。
#10
○戸叶委員 それは国際親交上でも非常に問題があるのじゃないかと思います。十二回にもわたって、これを批准いたしますいたしますと言って延び延びにさせているということは、日本がほかの国との外交をやる上におきましても、非常に疑いの目をもって見られるというようなことは火を見るよりも当然だと思うのです。
 そこで、今度何か理事会の方から五月の次期の理事会までには何とか結論を出すようにというようなことを言われて、そして青木大使が池田さんの手紙を持ってそれを出したとか出さないとかいわれておりますけれども、その辺の真相をお話し願いたいと思います。
#11
○高橋政府委員 今度の結社の自由委員会の報告は今理事会に提出されておりますが、これは一応公表しないということになっております。しかし、新聞で伝えられている内容は、私ども大体間違いないものだと推測しております。と申しますのは、この結社の自由委員会の報告書は理事会が始まったときに配られるわけで、それはつい二、三日前のことなので、私どもそのテキスト全文を入手しているわけではございません。そうして、その中には、池田総理大臣が今度の国会の施政演説において批准のために努力すると言われたということをテーク・ノートするということが書いてあるといわれております。他方、ただいまおっしゃいました青木大使が池田総理の手紙のようなものを持っていったということはないのでございまして、この前の理事会の採択した報告のうちに、その後の事態の進展については日本政府からさらに情報を提供するようにと、これはいつもの理事会の採択した報告書の最後に入っている文句でございます。従いまして、その情報提供の要請に対しまして、事態の進展があるごとに政府といたしましては、先方に報告をいたしております。その報告のうちに、池田総理の施政演説においてかくかくのことが言われているというようなことが書いてある次第でございます。戸叶委員 そうしますと、理事会としては、日本の政府はILO八十七号条約を批准するのだというふうに一応了解をして、しかもそれも何だびかの返答を見ているわけですから、従って、もうすぐ批准するであろうというような考え方を持っている。そうして、池田さん自身もこの間ILO条約に対しては批准するのだということを言われたということも理事会に出している。だとすると、もう早急にこの八十七号条約は批准されるべき問題だと思うわけです。今の政府の見通しとして、一体これをいつごろ批准するのでしょうか。これはやはり、理事国としても、批准をいたしますいたしますと何べんもただから返事だけをされるのではたまらないと思います。私たちもそれは非常に問題があると思います。ですから、一体いつごろ批准をしようとしているのか、この辺も明らかにしていただきたい。
 もう一つの問題は、その中で、なかなか批准されない理由の一つとして、社会党と話をしている話をしているということを言っておりますが、これは言いがかりに使っているだけであって、八十七号条約を批准しなさいということは私たちが言っておるわけですから、社会党と話をしているために批准できないということを理由に使うことは非常に迷惑しごくだと思うのです。そういう意味から申しまして、一体政府はいつごろ八十七号条約を批准されようとしておるのか、飯塚政務次官にその決意のほどを伺いたいと思います。
#12
○飯塚政府委員 これは、総理大臣も施政方針演説の際申し上げましたように、今度の国会においては提出されることと私も信じておりまするが、諸般の情勢と申しますか、法規上の関係の問題を今検討中だと思いますから、御期待に沿うようなことになることと私は信じております。
#13
○戸叶委員 そうしますと、今のお官葉をその通り読みますと、理事会では、次の五月の理事会までにこれを批准してほしいというようなことをはっきり言っておりますし、それに対して青木大使もある程度の意思表示をしているというところから見て、そうしてまた、今の飯塚政務次官のお言葉から見まして、五月の理事会までには間に合うように批准をするというように了承してよろしゅうございますか。
#14
○飯塚政府委員 その期日の問題については私申し上げることはできませんけれども、関係法規等の検討もしていることと思いますので、すみやかにできることと、私の考えとしては信じておる次第であります。
#15
○戸叶委員 今の御答弁は政治的な答弁としか私にはとれないわけで、まことに残念だと思います。確かに五月の理事会までには批准をいたしますというような御答弁をいただきたいのですが、今のお立場ではできないのじゃないかと思います。そういう点は、あらゆる努力をされて、理事会で何度も何度もから手形を出されたというような印象を与えないようにぜひしていただきたいと思うわけです。
 そこで、ILO八十七号条約についてのいろいろな質問はまたの機会にいたしますけれども、ILO八十七号条約は外務委員会にお出しになるおつもりを政務次官持っていらっしゃるのですか。当然外務委員会におかけになるおつもりでございますね。
#16
○飯塚政府委員 それは専門の特別委員会において検討されることと思います。
#17
○戸叶委員 まだそういうことはきまってないのじゃないですか。私どもいただいた外務委員会の今後の予定表の中には、ILO八十七号条約というものもはっきり書かれておるわけでございまして、特別専門委員会というものがまだできるともできないとも言われておりませんし、今までのいきさつから見ても、当然八十七号条約というものはこの委員会にかけるべきだと思いますけれども、この委員会にかけるべく努力なさるおつもりがあるかどうか、お聞かせ願いたい。
#18
○飯塚政府委員 国会の審議でございますから、議院運営委員会において相談の上決定されることと思います。
#19
○戸叶委員 それでは、次に伺いますことは、理事国に現在加盟している国はどことどこでございますか。
#20
○飯塚政府委員 現在では、政府代表が二十カ国、使用者代表が十カ国、労働者代表が十カ国でございます。名前は担当者からお答え申し上げます。
#21
○高橋政府委員 政府代表の理事といたしまして、十大産業国、これはいわば常任理事のようなものでございますが、カナダ、中国、フランス、西ドイツ、インド、イタリア、日本、ソ連、英国、アメリカ、これが現在の政府理事のうちの中大産業国の代表でございます。その他政府代表といたしまして、アルゼンチン、セイロン、デンマーク、ガーナ、オランダ、パナマ、ルーマニア、チュニジア、ウルグァイ、ベネズエラ、この二十カ国が政府代表でございます。
 それから、使用者代表の理事を出しております国は、スエーデン、イタリア、イラン、ブラジル、イギリス、日本、アメリカ、インド、フランス、メキシコ、この十カ国でございます。
 それから、労働者代表を出しております国は、パキスタン、インド、アメリカ、オーストラリア、スイス、デンマーク、西ドイツ、イギリス、メキシコ、モロッコ、この十カ国でございます。
#22
○戸叶委員 今度ふえるべく予定されている国はどことどこでございますか。
#23
○高橋政府委員 今度はこの四十を四十八にふやすことになっております。そうして、もしもこの六月の総会までにこの改正が発効いたしますれば、その総会において選挙が行なわれるわけでございます。これは、十大産業国の代表はそのままでございますが、その他の理事はおそらく全部改選されるわけでございますから、この次の総会で、その他の国の政府代表、使用者代表、労働者代表、いずれも全部改選ということになると思います。
#24
○戸叶委員 労働者代表の中に日本を加えるというようなことも聞いておりますけれども、今度の改選でそういうことはあり得ますか。
#25
○高橋政府委員 これは、日本の労働者代表の方が理事に参加したいということで選挙に立候補されて当選すれば加わるわけでございます。
#26
○戸叶委員 見通しとしてはどうでございましょうか。どこの国の政府代表が今度の選挙でどうなるかということは、見通しとしては全然おわかりになりませんか。
#27
○高橋政府委員 一、二の国から立候補の支持要請が来ておりますが、実は、政府代表の中でも日本のように十大産業国として当然理事になるのは、その他の政府代表の理事の選挙権もないわけで、その他の国の間の互選というような格好でございます。それから、使用者代表、労働者代表、それぞれの間で選挙いたしますので、私どものところでは、今度の選挙でどこが優勢であるか、そういうことはまだ詳細わかっておりませんので、おそらく六月の総会の直前にならないと、あるいは総会が始まってからいろいろ相談があるのじゃないかと思います。それまではっきり大体どの国がというような見当はつかないのじゃないかと思っております。
#28
○戸叶委員 国によって、政府代表もそれから使用者代表も労働者代表も、三つとも代表者が出ているところがございますか。今後そういうこともあり得るわけでございますか。
#29
○高橋政府委員 たとえばアメリカとかイギリスとか、いずれも三者とも代表を出しております。従いまして、日本の労働者代表が選挙に立候補して多数を、取って、政・労・使とも日本から理事が出るということは十分あり得ることでございます。
#30
○戸叶委員 ILOの七条の四項に、「使用者の代表者二人及び労働者の代表者二人は、ヨーロッパ以外の国に属する者でなければならない。」とありますね。どういうわけでこういうことがきめられているのですか。
#31
○高橋政府委員 この規定は、従来ILOの参加国の大多数がヨーロッパの国であった関係上、ヨーロッパの互選でヨーロッパの国だけで理事会を独占するという事態が予想されるので、特にそれ以外の者を少なくとも二人は選ばなければならないという規定でございました。しかし、最近のように非常に加盟国がふえまして、ヨーロッパはもはや多数を持っていないので、こういう事態はもう起こらなくなった。現在でもすでにヨーロッパ代表ははるかに少ない数しか占めておりませんので、全く不要になったということで、今度の改正でもこの点を削ることになっております。
#32
○戸叶委員 次にもう一つ伺いたいことは、母性保護に関する条約というのがありますね。百三号だと思うのですが、これは母性保護に関して非常に大切な条約でございますけれども、それに対して日本政府はどういうふうな態度をとっておられるか、ちょっとついでに伺っておきたいと思います。
 これはいろんな婦人団体でもう問題にしていることですから、ILO関係の専門家でいらっしゃる方々であるならば、どうぞ研究をしておいていただきたいと思うのです。しかも、日本の母性を保護する上に非常に重要な条約でございますから、一体、どこの国が批准していて、日本の国はいつごろ批准をするのか。まあ知らないようじゃ批准をするような考えもないのじゃないかと思うのですけれども、なるべく早く批准をしていただきたいと私どもは思っておりますし、それから、もし批准をするとすると、国内の法律はどこを改正しなければならないかというような問題が出てくるわけでございますから、なるべく早くそれを御研究下すって、この委員会でお知らせ下さるなり、あるいは書類にして、日本の政府としてどういう態度をとっているかということをぜひ御返事願いたいということを要望いたします。
#33
○飯塚政府委員 この問題については、国際問題としても、女性保護あるいは職業の問題に対しても重要な問題でございまするから、検討の上でお答え申し上げることにいたします。
#34
○戸叶委員 その点はなるべく早くお願いいたしたいと思います。
 ほかの問題に入ります前に、今の問題で川上委員から何か質問があるそうですから……。
#35
○野田委員長 それでは、川上君に関連質問を許します。
#36
○川上委員 私の質問はごく簡単です。結論的に言えば、この件は賛成です。ただ、それについて一つだけ質問しておきたいのですが、ILO条約で批准を要請されておる今日までの合計件数は幾らありますか。最初から今日までの件数です。
#37
○高橋政府委員 現在までにILOで採択された条約は百十四ございます。このうち日本が批准しております数は二十四でございます。この条約は、批准するしないは各国の自由にまかされておりますので、特に批准しろと要請されておりますのは、たとえば八十七号条約のようなものは、これは日本側で批准する意向があると言ったから問題になっておるわけで、ILOの方からこれをしなければいけないとか、日本が批准の義務があるというものはございません。
#38
○川上委員 わかりました。全部で百十四、日本で批准したのが二十四、これはその通りだと思いますが、日本はこの関係ではアジアで主要産業国になっておるでしょう。なっておるとしますと、アジアで主要産業国になっておるのはどこどこでしょうか。
#39
○高橋政府委員 アジアで主要産業国となっておりますのは、中国とインド、日本、それだけでございます。
#40
○川上委員 中国というのは台湾でしょう。
#41
○高橋政府委員 台湾でございます。
#42
○川上委員 主要産業国が三つしかない。その中で、百十四もあるのにたった二十四しか日本は批准しておらぬ。これはどういうことですか。
#43
○高橋政府委員 これは、百十四ございますが、各国とも幾つ批准しているかという状況はまちまちでございます。それで、二十四という数は必ずしも少なくもない。と申しますのは、一番多い国でもおそらく半分くらいじゃないか。――ちょっと数をよく覚えておりません。それから、実は、ずっと昔からの条約もございまして、もうあまり入る意味もないような条約もこの百十四のうちにあるわけでございます。
#44
○川上委員 たくさんしていても半分、日本はアジアの主要産業国で二十四しかしておらぬということは、これはやはり考えなければいかぬのじゃないか。
 最低賃金制に関する条約、あの問題については日本はどういう態度をとっていますか。
#45
○高橋政府委員 この条約につきましては、目下関係各省との間においてこの批准について検討中でございます。
#46
○川上委員 四十時間労働制の勧告がありますね。あれはどういう……。
#47
○高橋政府委員 四十時間制の勧告についての審議にあたりましては、日本政府といたしましては、理想としては非常にけっこうだけれども、各国ともそれぞれの事情があるので、そういう各国のそれぞれの事情を無視して一律にきめるということは適当でないという態度で審議に臨んでおりました。
#48
○川上委員 ILO八十七号の問題についてはきょうは触れません。これは今国会で審議されると思いますから。
 主要産業国で、百十四のうち二十四しか批准しておらぬ。それから、最低賃金に関する問題、これもなかなかやるつもりはなさそうだ。それから、四十時間制の問題、これについてはいよいよ白眼視している。こういう格好で日本はアジアの大国と言うているのですよ。一方においてはソーシャル・ダンピングで日本は相当やられておりますね。この態度にちょっと間違ったものがあるのじゃないか。今後、ソーシャル・ダンピングの問題、その他貿易拡大の問題、こういうときにいつも日本はやられる。いろいろな原因はありましょうけれども、その一つとして、ILO八十七号も、御承知の通りこういう状態なんです。今国会で批准が通るとかりにしても、それでも大へん日本は面目のいい形じゃない。それから、最低賃金制なんかでも、主要産業国じゃない国がアジアでは批准しておるはずです。四十時間労働制にしても、相当批准しておるはずです。こういう格好でやりますから、ことにILO八十七号批准の問題がありますが、これでは、ソーシャル・ダンピングは日本はしないという、その点だけ言うても通用しないんじゃないか。それから、貿易拡大の問題でいつも問題になっているのですが、これでは国際信用は取れないんじゃないですか。今回ここに出されておるこの問題については、これは多くの問題はないと思いますから賛成するのでありますけれども、このILO関係の問題については、日本政府としては相当腹をくくってかからぬと、一方においてはアジアの大国と総理も言うておるのですから、それにふさわしくない態度を政府がとっておるのじゃないか。これは簡単なことじゃないんじゃないかということを非常に考えますので、この点だけを申し上げておきたい。言いかえれば、警告と言えば語弊があるかもしらぬが、これを政府に言うておきたい。これだけです。
#49
○野田委員長 戸叶君。
#50
○戸叶委員 航空協定について二、三質問したいと思いますが、クウェートとの航空協定の中でチェンジ・オブ・ゲージの規定を設けたのはどういうわけでございますか。
#51
○須之部説明員 チェンジ・オブ・ゲージという意味でございますが、御承知の通り、たとえば東京からクウェートに行く場合、東京からバンコックまで百二十人乗りの飛行機で行って、その先を百人乗りにするというような、途中で機種変災することでございまして、元来、この点は、今までも各国とも慣例で、先細りと言っておりますが、先に行くほど搭載量の小さい飛行機にかえることは認める場合があるわけでございますが、それ以上大きくすることは認めないということになっているわけでございます。従って、ほかの航空協定ではその点特に触れておりませんが、クウェートの分については、特に先方の希望もあったので入れたということでございまして、内容的には従来各国とも実施しておる事柄でございます。
#52
○戸叶委員 そうしますと、クウェートに日本の小型の飛行機なりが常時待機しておるという必要はないわけですか。
#53
○須之部説明員 その必要はございません。おそらく日航としてはこういうことは行なわないだろうと思います。
#54
○戸叶委員 では、ただ表面上チェンジ・オブ・ゲージということを置いた方がいいということで置いただけですか。置いても置かなくても別に変わりはないというわけでございますか。
#55
○須之部説明員 実際上は変わりございません。そのためにほかの協定ではこの条項は省略しておるわけでございますが、クウェートの方で持っております典型と申しますか、きまった型が向こうにもあるようでありまして、この点入れたいということでございましたので、入れても別に害がございませんので、入れたということでございます。
#56
○戸叶委員 それに関連して、近々日本と韓国との間に航空協定を結ぼうという動きがあるということも聞いておりますが、そういうことはお考えになっていらっしゃいますか、いらっしゃいませんか。
#57
○須之部説明員 現在、御存じの通り、東京と京城の間に外国の飛行機が乗り込んでおるわけでございますが、日航もそういう希望を持っておるということは聞いております。しかし、航空協定等は、今正常化の話も進んでおるわけでございますし、国交正常化のあとに協定は結ぶというつもりでおります。それ以前には、今のところ協定を結ぶという考えは持っておりません。
#58
○戸叶委員 今急にそれを結ぼうということは考えていないということを確かめたわけですが、そこで、よく飛行機に関係のあることなんですが、最近麻薬の密輸ということが非常に多いわけですね。そうしますと、どうしても飛行機を利用してこれを密輸するわけですけれども、飛行機に持ち込む前にこれを取り締まるなり何か阻止するようなことを考えるべきではないかと思うのですけれども、この辺の監督の問題だとか、あるいはこれを阻止するような問題とか、ことに、タイとか、そういった東南アジア、中近東の方からの持ち込みが多いようですけれども、そういうものを防止するようなことは何かお考えになっていないかどうか、この点もついでに伺っておきたいと思います。
#59
○今井(榮)政府委員 御質問、ごもっともだと思いますが、実は、そういった問題については主として所管が大蔵省税関並びに法務省入国管理局の関係でございますので、御趣旨は十分伝えて、協議をいたしたいと思っております。
#60
○戸叶委員 今度の場合はアラブとかそれからクウェートとの航空協定でございますから、直接の関係はございませんけれども、非常に密輸の関係が多くなってきているわけでございまして、大蔵省なり税関なり出入国の問題であるということでなくて、外務省でも一緒に入って、そうして御一緒に協議をしながらそういうことの防止を考えていただきたいということを私は切に要望いたします。
 それから、第三番目の問題で、関税の問題ですけれども、関税及び貿易に関する一般協定の譲許表の訂正及び修正に関する締約国団の確認書の締結について承認を求めるの件ということでございますが、これは、私はきのうの提案理由も聞いておりませんし、まだ見るひまもございませんので、内容にわたってはわかりませんけれども、大体それほどの問題はないようでございます。ただ、この提案理由の説明書をちょっと見ましたときに、この中で、一昨年六月一日全面的に改正されるとかいうふうな言葉が使ってありますが、これは、言葉上の問題として、一昨年とか昨年とか、いろいろそういうふうな言葉をお使いになるのですけれども、あとから見たときにはっきりいたしませんから、むしろ、説明する場合には、千九百何年とか、昭和何年とかいうことを一応書いておいた方が親切な説明の仕方ではないかというふうに考えるわけでございますけれども、そういうことについてどういうふうにお考えになるか、伺いたいと思います。
#61
○須之部説明員 ごもっともでございまして、私ども、つい、内容を事務的に知っておりますために、簡単に書いてしまうわけでございますが、その点十分気をつけるようにいたします。
#62
○野田委員長 他に御質疑はございませんか。
 御質疑がないようでありますので、これにて四件に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#63
○野田委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
 国際労働機関憲章の改正に関する文書の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とアラブ連合共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び航空業務に関する日本国政府とクウェイト政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、
右三件をいずれも承認すべきものと決するに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#64
○野田委員長 御異議なしと認めます。よって、三件はいずれも承認すべきものと決しました。
 次に、関税及び貿易に関する一般協定の譲許表の訂正及び修正に関する締約国団の確認書の締結について承認を求めるの件、右件を承認すべきものと決するに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#65
○野田委員長 御異議なしと認めます。よって、本件は承認すべきものと決しました。
 お諮りいたします。ただいま議決いたしました四件に対する委員会報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#66
○野田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時十六分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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