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1962/02/06 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第2号
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1962/02/06 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第2号

#1
第043回国会 運輸委員会 第2号
昭和三十八年二月六日(水曜日)
   午前十時四十一分開議
 出席委員
   委員長 木村 俊夫君
   理事 佐々木義武君 理事 鈴木 仙八君
   理事 高橋清一郎君 理事 細田 吉藏君
   理事 山田 彌一君 理事 井岡 大治君
   理事 久保 三郎君 理事 肥田 次郎君
      有田 喜一君    有馬 英治君
      伊藤 郷一君    尾関 義一君
      加藤常太郎君    川野 芳滿君
      關谷 勝利君    中馬 辰猪君
      福家 俊一君    井手 以誠君
      加藤 勘十君    田中織之進君
      矢尾喜三郎君    内海  清君
 出席政府委員
        運輸政務次官  大石 武一君
        運輸事務官
        (大臣官房長) 広瀬 真一君
        運輸事務官
        (海運局長)  辻  章男君
        郵政事務官
        (電波監理局
        長)      西崎 太郎君
 委員外の出席者
        運 輸 技 官
        (鉄道監督局国
        有鉄道部保安課
        長)      筒井 謙二君
        運輸事務官
        (自動車局業務
        部長)     坪井 為次君
        運 輸 技 官
        (気象庁予報部
        長)      鯉沼 寛一君
        日本国有鉄道副
        総裁      吾孫子 豊君
        専  門  員 小西 真一君
    ―――――――――――――
二月二日
 造船政策に関する請願外三件(内海清君紹介)
 (第三六八号)
 戦傷病者等の日本国有鉄道無賃乗車等に関する
 法律による乗車券の家族共用に関する請願外三
 件(高橋清一郎君紹介)(第四六四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
二月一日
 国鉄のモニター制度に関する陳情書(東京都北
 区上中里町一丁目十四番地太田財政研究所長太
 田政記)(第八六号)
 港湾整備事業促進に関する陳情書(日本港湾協
 会九州山口地区支部連合会長門司市長柳田桃太
 郎外十名)(第九九号)
 東海北陸地方の交通網整備に関する陳情書(全
 国都道府県議会議長会長東京都議会議長建部
 順)(第一六九号)
 離島航路の育成強化に関する陳情書
 (全国都道府
 県議会議長会長東京都議会議長建部順)(第一
 七〇号)
 博多、長崎間定期直通バス運転促進に関する陳
 情書(全国都道府県議会議長会長東京都議会議
 長建部順)(第一七一号)
 北海道における貨物取扱駅存置に関する陳情書
 (北海道市議会議長会長札幌市議会議長斎藤忠
 雄)(第二四三号)
 青森、函館間の貨物航送強化等に関する陳情書
 (北海道市議会議長会長札幌市議会議長斎藤忠
 雄)(第二四四号)
 軽自動車の届出済証交付事務の市町村移管に関
 する陳情書(東京都千代田区九段一丁目十四番
 地全国市長会長高山義三)(第二四五号)
 市街地の鉄道立体化に関する陳情書(東京都千
 代田区九段一丁目十四番地全国市長会長高山義
 三)(第二四六号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 海運に関する件(水先人等に関する問題)
 陸運に関する件(豪雪にるよ運輸施設の被害状
 況等)
     ――――◇―――――
#2
○木村委員長 これより会議を開きます。
 陸運、海運、国鉄の経営、港湾及び気象に関する件について調査を進めます。
 水先案内及び海上通信に関する問題について質疑の通告がありますので、これを許します。關谷勝利君。
#3
○關谷委員 電波監理局長に先にお尋ねいたします。
 私は、これはあまり専門ではありませんので、詳しいことはわかりませんけれども、いろいろ実情を聞いてみますと、どうも電電公社に押されて、電波監理局長が沿岸航路の中小船舶に対しては非常に圧力を加えておるやに私は推察をしておりますので、この点を明らかにしていただきたいためにお尋ね申し上げます。中国電波監理局長、東海電波監理局長が船主に対しまして中短波局はあと少しで廃局になるから加入はよした方がよろしいといって阻止する態度をとっておるというのでありますが、これは出先の局長の考えか、あるいは本省の電波監理局長ないしは首脳部からこれを指示しておるのか、この点をまず伺がっておきたいと思います。
#4
○西崎政府委員 海上におきまする無線通信網でございますが、御承知のように、外航船また漁船、そのほか今先生が御指摘になったのは内航船の関係ではないかと思いますが、そういったいろいろの種類がございます。しかもこういった船舶無線に対する周波数の需要というものは近年非常な勢いでふえておりまして、限られた電波ですべてを満たすということは非常に困難な情勢になっております。われわれとしまして、その中で最もおくれております内航船に対する無線の普及ということは大いに重要に考えておりますが、こういった周波数の事情から申しまして、新しい分野に対しましてはできるだけ超短波と申しますか、VHF帯でまかなっていかざるを得ないような情勢になっておりますので、基本的には、将来の姿としてはそういう内航船に対しましては中短波でなくして、中短波は漁船とかそのほかの方に非常に需要が多い関係もありますので、内航船に対しては超短波帯を全面的に活用して参りたい、こういうふうに考えておりまして、電電公社といたしましてもその方針に協力して、地上の海岸局施設をこれから整備して参る、こういうことに計画されておるわけであります。しかしこれはすぐできるものではありませんし、現在中短波を装備しておる船舶が将来はそういった超短波帯に切りかえていくということも必要になると思いますが、そういった時期の問題につきましては、よく実情も考えてやって参りたい。しかし、新しい需要に対しましては、なるべく将来のことも考えまして、超短波帯を装備していただくのが、長い目から見ると望ましいのではないかということでそういった指導をしておるのではないか、こういうふうに思いますが、なお詳細につきましてはいま少し実情を調べさせていただきましてお答えをした方がいいのではないか、こういうふうに思います。
#5
○關谷委員 詳細については調査をして答弁をするというお話でありますので、それでは詳細なことを御調査の上で御報告を願いたいと思いますが、全国内航無線組合といいますか、組合ができたときのいきさつは、私は多少海運に関係がありますのでよく事情を承知いたしております。みんなこの内航船に超短波のものを備え付けるということは理想ではありましょうが、なかなかそうは参りません。あなた方、金が幾ら要ってもいいというお役所仕事ならそういうことも差しつかえないのでありますが、内航船に超短波を全部備え付け、装備しろということは、これは言うてなかなかできないことであります。そういうことになりますと、それだけの経費が要るものなら、これは強制的なもの、義務的なものではないから、一切つけぬでもいいというようなことから非常に事故が多くなってくるというのが実情であります。よく内航の状態をお考え願いたいと思うのであります。
 それと同時に、超短波にいたしますと、これは五十キロ程度しか通話ができないということになるのであります。ところが中短波でありますと百五十キロくらいまでは行ける、こういうふうなことになってこの点は非常に便利であります。内航船というものはいつどこに着くか、いつどこで遭難しておるか、そのくらいのことだけの連絡であって、一日に一回かせいぜい二回の通信しかないのが通例であります。そのためにどこの距離でも自由に電話がかけられるというようなことはする必要もないし、またそういうふうな短距離では五十キロ以内ということでは、北海道とか奄美大島、鹿児島の方面では困る状態も出て参ります。そうして今海上保安庁あたりが使っておりますのも中短波であります。そういうふうなものの連絡その他いろいろな方面から考えまして、ことによくしろうとがわからないからというようなことで波長がないのだというようなことを言うそうでありますが、それは全くのうそで、波長がないのではない、あるのだということも私ども調査してはっきりわかっておるのでありますが、このごろの電波監理局のやり方は事故の絶滅とかあるいは経費の負担というようなことあたりを考えないで、無理押しに電電公社と一緒になって押えつけようというふうな態度が見えることは、私はまことに遺憾だと思います。こういうふうな点もよく調査をして、調査が終わりましたなら後刻あらためてここで教えていただきたいと思います。
 ことにあなたの方に参りまして――正直なことを申しますと、課長クラスまでの技術者あたりに会っていろいろ意見を聞きますと、内航の連中の言うのとは全く意見が同じなのであります。ところが何やら上の方にいきますと、雲の上でかすんでしまって妙な方向へ向いていくというのが、これが今の電波行政の何やら一部で行なわれておることらしいというふうに――この点もまたはっきり調査をしておいていただかなければならぬと思いますが、私自身直接聞いておるのにも、そういうふうな点でなるほどそうだな、内航船の連中の言うのがほんとうだというふうに感じられる点がいろいろございます。いろいろな利害得失というようなこともあります。それは超短波も備え付け、中短波も備え付けて両方やっておけば、外航船あたりはそれはやることけっこうでしょう。そういうふうなものは少々の経費だから、そんなことはこれは念頭にないからやれますが、内航船はそうは参りません。ことにいろいろな運賃の面、その他において国鉄に押えられておるというふうないろいろな関係から、内航が今気息えんえんとして今にもつぶれようかというふうな状態になっております。そのつぶれようというふうな状態になっておるときに、多少の負担でも覚悟しなきゃならぬ、合理化しなきゃならぬというようなときに、あなた方から金のかかることをこれもやれ、あれもやれと言ったってそんなことはやりません。そんなことを言うと、義務でない限りはやらないということになって参りまして、そこにまた事故が起こるというふうなことにもなるのでありまして、実情というものをよく御調査を願いたい。今出先の局長が言うておるのかどうか、それから本省の指示かどうかというようなことについても御調査を願うことになっておりますが、いろいろな点、内航の実情その他を調査していただいて、そうしてわかったときに、もう答弁ができるからということで御連絡をいただき、そのときに私がまたあらためて御質問申し上げることにいたしまして、きょうはこれで打ち切っておきます。
 次に、水先の問題について簡単にお尋ねを申し上げたいと思います。水先人の今の任用と申しますか採用と申しますか、免状を渡さなければならない者についてですが、水先人の採用制度といいますか、これは今どういうふうになっておりますか。この点をわかりやすく簡単に一つお答え願いたいと思います。
#6
○辻政府委員 現在水先人は免許制度になっておりまして、これには三点の条件がございます。第一は、二年以上船長として総トン数千トン以上の船舶に乗り込んでいること、これが第一点でございます。第二点は、一定の期間以上水先人になろうとする水先区におきまして、水先修業生としての実務を修習することでございます。それから第三点は、運輸大臣の行なう水先人試験に合格する、以上の三点の条件を具備したものに対しまして免許をいたしておる次第でございます。
#7
○關谷委員 今のお話を聞いておりますと、それはまことにけっこうづくめのようでございますが、実態を考えますと妙な事態が起こっておると言うのであります。もちろん二年以上の、千トン以上の船に乗船経歴を有する者、これは当然で、そういう者でなければやれないことはよくわかりますが、これが一定の水先区において修業生としての実務を修業させた後に水先人の試験というものをやって採用する、こういうふうなことだそうであります。ところがこの見習生を採用するその方法でありますがこれがそこの水先区の水先人組合が推薦をした者を採用する、こういうことになっておるそうでありますが、その採用といいますものが、そこの水先人組合の組合員が推薦をした者でなければ採用はできないというふうなことで、今は全くその実権といいますものは、水先人組合が握ってしまっておる。そこのごきげんをとらなかったら、とうていやれないのだ、こういうふうなことでありますが、私はこの制度に欠陥があると思う。これは一定の資格として、第一の二年以上、千トン以上の船に乗船経歴のある者、これはけっこうだと思いますが、この修業生として実務をするということについて、水先人組合というものがこれに関与して、一人足りなくなれば一人だけの者をここできめて推薦する、そうしてその者は必ず運輸大臣の定める試験に合格しておるということでありますので、水先人組合が推薦の権利も持っておれば、採用の権利も持っておるのと実質的には同じである。形の上でこそ運輸大臣の試験に合格したとか、あるいは水先区において六カ月以上修業した者というふうなことになるといいますが、実際はもうその主体となりますものは、水先人の組合が推薦するかしないかということにかかっておるというのであります。もうそれさえとれれば何も文句なしにあとはやれるのだ、しかもその数が五人なら五人、六人なら六人、ことごとくその水先組合が推薦した者だけに限られておって、そこがまさしく登龍門であって、そこさえ通ればあとは文句なしだ、こういうのが実情だそうであります。そのためにどんな有能な者があっても、その推薦を受けられないことにはどうにもならないということで今までの水先人組合の組合員そのものが、自分たちの地位を擁護するためになるべくふやさない、そうして自分たちの気にいった者でなければ中に入れないのだ、こういうようなことになっておるので、今の水先人というものは老齢な者ばかりになっておって、実際には資格は持っておるのだけれども、役に立たないというふうな者がたくさんあるというのであります。実際にあなたはこれを御調査になったかもわかりませんが、年令と水先人になって後の一人々々をいろいろ洗ってごらんなさい。何もしていないというふうな人もたくさんあると思うのでありますが、この制度をお変えになるというふうなお気持があるかどうか伺っておきたいと思います。
#8
○辻政府委員 今關谷先生から御指摘がございましたように、確かに実情は当該水先人あるいは水先組合が修業を拒否するというふうな形によりまして、自分の気にいった者だけしか修業させない。従って修業が条件になっておりますので、それ以外の者はその水先区の水先人になれないというふうなまずい点があることを存じております。この水先の問題につきましては、実は私どもこの採用の問題だけに限りませず、この法律は昭和二十四年の水先法が現行の法律がございますが、いろいろ検討してみますと、今御指摘のありました点以外にも実情にそぐわない点が多々あるように考えられますので、私どもとしては、この際水先制度全体を根本的に再検討いたしまして、現状に即するような形に改めたいということで、運輸大臣の諮問機関でございます海上航行安全審議会に昨年来諮問いたしまして、その意見を今聞いておるところでございます。法律の改正は制度の根本的な問題に触れますので、今国会に水先法の改正を提案することはちょっと困難かと思うのでございますが、今御指摘がございました水先人の採用の点につきましては、現行の法律内の問題としまして、水先人なりあるいは水先人組合の恣意によりまして、水先人数なりあるいは新たに水先人になろうとする個々の人が左右されないような運用を考慮したい、実はかように考えておる次第でございます。
#9
○關谷委員 この水先法といいますか、それを根本的に変える用意があるということをおっしゃるが、今国会には間に合わぬということになりますと、次の通常国会には間に合いますね。
#10
○辻政府委員 次の通常国会には絶対に間に合わしたい、かように考えております。
#11
○關谷委員 それでは、これは制度を改正しようというようなことでありますので、私はいろいろお尋ねすることを省略をいたしますが、今は水先人の優秀な人が非常に不足をいたしております。そうして、それらの人々は七十才を過ぎてでも、まだ定年制も何もないでやっておるというふうなことでありますが、収入は実に莫大だそうであります。いろいろああでもない、こうでもないというようなことを言うておるそうでありますが、税務署でお調べになればはっきりわかるそうであります。月収六十万円を下らざる収入だそうであります。それだけをじっと今の水先人だけで守っていこうとする、そこに非常な無理ができてくる。またそういうふうなことであるので、それになりたがる者も多い。従って、そこにいろいろな情実があって、そこへ見習生として入ろうというようなことになりますと、それはずいぶん金のかかるものだそうであります。そんな弊害も出ておるそうでありまして、戦前には、これは欠員がありますと、学術試験をして合格した者を見習生として一定の期間水先人に雇って本採用にした。これがほんとうであります。戦前の方がほんとうであるものを、戦後ゆがめた方向に曲げておるのでありまして、この点は早急にその方法だけは私はやれるんじゃないかと思います。それと、水先人があまり少なくてどうにもならないというふうなことを各方面から言われておりますが、これは役所の方でどれだけ要るかということをよく検討しますと、そういうような各港においての必要人員が生まれてくると思います。ことに船の動きがどういうふうなことということで、いつも余裕がある程度のものをとっておきませんと、引っぱりだこになって、そうしてそれが一カ月で六十万円ももうかる、目が回るほど働かなければならないということになる。従って、事故が多いということになると思います。七十をこえた人が無理なことをやっておりますので、事故も起こります。先般のどこの事故ということははっきり言いませんが、そのときの関係も、水先案内人の間違いではなかろうかというふうなこともうわさをせられておるようなことで、これは非常に重要な問題でありますので、この点よく御検討を願いたいと思います。
 それと同時に、私は今後、水先法でありましたか、二十四年にできましたときにも、私委員であったように思いますが、これを改正をいたします際に、いろいろお考えを願いたいことがありますので、御参考までにこれを申し上げたいと思います。
 第一に、見習生の採用はやめる、こういったことにすべきであろうと思います。
 二番目には、資格試験をして、一定の成績以上のものは資格を与えて、採用のときはこれらの人の中から順次採用して、資格者がなくなってきた場合にまた試験をする、こういうふうなことにするのが、これは一番公平にできるし、また優秀な者がとれると思います。
 第三は、収入の多い水先区と極端に少ない水先区との間の待遇の調整の方法を講ずるというふうなことも一つ考慮に置かなければならない。
 第四番目には、水先用ボートの公有等のごとき保護援助を与える一方、政府の監督指導の余地を残して置かなければならない。これはなるべく自主的にというふうなことがいろいろ言われるかもわかりませんけれども、辯護士でも医者でも、通訳案内業でも、政府が相当監督指導の余地を残しておりますので、そういうふうなものと同じようにお考えを願いたいと思います。
 それから定年制の実施、これはぜひお考えを願いたい。普通すわってデスク・ワークをやる人でさえ定年制があるのでありまして、こういうふうなものは、体力と申しますか、能力にそれぞれ限界があるのであります。七十を過ぎた後に、目がかすみ出したり耳が遠くなった人に水先案内をやらすというふうなことは、これは大へんなことでありますので、この点定年制ということはよくお考えを願いたいと思います。
 それから定員等につきましても、最も利害関係の多い船主とかあるいは学識経験者、関係団体等よりなる協議決定の機関を設けるというふうなことで、そこらの意見をお聞きになることがいいのではないかというふうな気持もいたします。
 次に、水先の仕事が、公益性の多い公共団体であるべきだということを水先法等においてはっきりとうたっておく必要があると思います。
 最後に、水先試験は最も公明公平にやらなければならぬ。
 今私が申し上げた八つくらいのことは、将来法を改正する上におきましてはよく参考にしていただいて、これを取り入れて完全なものをつくっていただきたいと思います。それと、先ほど法の範囲内でというお話がありましたが、この採用につきましては、法の改正を待たずしてできる、あるいは定員等につきましても、これは法の改正を待たずしてできることではないかと思いますので、早急に御善処を願いたいということをお願いをして、私の質問を打ち切ります。
#12
○辻政府委員 今、先生から御指摘がございました水先法全体の問題、実はわれわれも今おあげになりましたような点につきましては、根本的に考え直して検討したいという点で一致しておるわけでございます。御趣旨を体しまして、よく検討いたしたいと思います。
 それから現行の範囲内におきまして、水先人の採用の方法、また各水先区の定員の問題等につきましては、私どももそういう方向で今検討しておるわけでございますが、御趣旨に沿うように善処したい、かように考えます。
     ――――◇―――――
#13
○木村委員長 次に、先般来の豪雪による運輸施設の被害状況について政府当局より説明を聴取いたしたいと思います。大石運輸政務次官。
#14
○大石(武)政府委員 私は、去る一月二十八日の夜から二月二日の朝にかけまして、政府の命により、北陸豪雪地帯調査団の一員として、新潟、富山、石川、福井の四県の雪害の状態を調査して参りました。そしてその結果を二月二日に総理大臣まで報告書を提出いたしました。その要旨を御報告申し上げたいと思います。
 もちろん、これらの四県は昔からの豪雪地帯でございますが、ことしは特に二つの特色の豪雪があったようでございます。一つは例年に倍する大量の雪が降ったということ、しかもこの雪が長期的、連続的な吹雪によりまして、水分を多量に含んだ雪が降ったということが一つの特色でございます。もう一つは、例年と違いまして、いわゆる豪雪地帯ではない、あまり雪の多く降らなかった平野地帯に特に降った、いわゆる里雪型という特殊な形を示したということが二番目の特色でございます。従いまして、これらの地方はいずれも雪に対しましてそれぞれの準備があり、経験があり、心がまえがあるはずでございますが、この里雪型によりまして、必ずしも十分な心がまえ、準備のなかった地帯にも多量に雪があったということに、今回の混乱なり、被害が多少多くなったのではなかろうかと考える次第でございます。
 でき得る限りあっちこっち見て参りましたが、たとえば新潟児の三条市に参りますと、この地帯はそれほどの豪雪地帯ではないそうでありますが、今回は四メートル、五メートルの雪が降りまして、われわれは東三条駅から三条駅までの間を徒歩で市内を見て回りました。約一時間半の時間がかかりました。大体通路に積もりました雪は電柱の高さでございまして、われわれは歩くたびに電線をくぐったり、またいだりしなければ歩けない状態でございました。こういう中ですでにそれまでには五回くらい屋根の雪おろしをしておったという状態でございます。大体この四つの県のほとんど大部分の地帯が全部雪に埋もれたということでございます。見た日には水害とかあるいは津波のような悲惨な状態ではございません。もっとも今回の雪害によりまして、すでに八十人前後のなだれによる死亡者が出ておるようでございますが、これは例年に比べまして多数の被害ではございますが、とにかく水害とか津波のような悲惨な状態は少ないのでございますけれども、この雪害による被害というものは実に莫大なものがあるというふうに想像されるわけでございます。一切の交通がとまりまして、すべての人は何にも、商売どころか経済状態が一切麻痺するわけでございます。ただしこのような状態でありますが、幸いなことには電灯が消えずにおったということと、電話その他の通信施設が被害を受けなかったということと、この二つは非常な幸いでございます。従いまして、このような災害が少なかったために、人心の安定を保つには非常に役立ったと考えておる次第でございます。
 それからもう一つは、全般的に申しますと、食糧その他につきましてもそう問題はございませんようであります。元来は非常な米の生産地帯でございますが、その主食以外にも生鮮食料品も必ずしもそうひどい不足はなかったようでございます。現にわれわれはでき得る限り野菜その他のものにつきましての値段を聞いて歩きましたが、やはりそうひどい、もちろんある程度の値上がりはございますが、それほどのひどい値上がりもなかったようでございます。たとえば、一例を申し上げますと、金沢市に参りましたところが、県の会合におきましては、県の警察本部長からいろいろと野菜類の値段を示されたわけでございますが、たとえばネギなんかは大体二倍近くに上がっておりますが、その本部長は、これが二倍以上に達しましたならば、断固取り締まります、もし言うことを聞かない場合には、これをひっくりますということをはっきり申しておるような状態でございまして、こういう食糧の確保、あるいは価格の暴騰ということが押えられました。こういう点につきましても民心の安定をはかる上には非常に役立ったと考えております。
 第二は、鉄道について申し上げたいと思いますが、鉄道が非常な全面的な運休になったわけでございます。これは一昨年、三十五年の暮れから三十六年の正月にかけまして大雪が降りまして、いろいろ列車の立ち往生その他があったのでございますが、この経験にかんがみまして、でき得る限りこの対策を立てておったようであります。
 第一に、通信施設がやられないようにという配慮のもとに、主要幹線はほとんどこの通信線を地下に埋没いたしました。このために全線にわたりまして鉄道に関する通信は確保されておったのでございます。また融雪装置をつくりまして、構内にたまった雪をでき得る限り多く流すとか、あるいは鉄道の切りかえをするポイントが雪にやられないように、ポイント・ヒーターを設備するとか、いろいろ努力しておったようでございます。しかし通信以外のものにつきましては、やはり限度を越した豪雪のために相当の被害があったことはいなめないのでございます。
 それからもう一つの大きなことは、国鉄では、除雪をできるだけ早期に完全に行ないまして、列車がとまらないように、運休しないようにということを目標にして、いわゆる計画運休というものを立てておったようでございます。つまり雪が降り始めますと、早期に除雪をしなければなりません。ところが、御承知のように、あの地帯は単線区間が多いのでございます。そしてこの鉄道にフルに汽車が走っているわけでございます。そのダイヤがほとんど一ぱい、一ぱいに組んでございます。従って雪が参りましても、これらの列車が一ぱい走っている状態ではとうてい除雪は不可能でございます。御承知のように、ラッセル車は大体一時間に四十キロくらい走るようでございますが、ロータリー車になりますと、せいぜい五キロくらいであり、ことにキマロキというロータリー車にマックレーというものを連結したものを走らせますと、三キロくらいしか一時間に走れない状態でございますから、列車が線路を走っている場合には、単線区間でありますから、とうてい除雪は不可能でございます。従って、吹雪が来て雪がたまるというおそれのある場合には、早期に計画運休をいたしまして、列車をとめて除雪一本で努力しようという計画を立てておったようでございますが、残念ながらこのたびの降雪が異常な大量であり、異常な速度で参りましたために、必ずしも計画運休が全面的には実施できませんで、除雪作業がおくれたようでございます。このために今回のような大きな運休になったと思うのでございます。
 ただ、幸いなことには、雪による被害を予想しまして、長距離間の列車を早くとめたということが非常によかったと思います。その結果、二年前には一万三千人の旅客を雪の中に閉じ込めてしまったわけでございますが、今回は千三百人だけの旅客で済んだということになっておるわけでございます。
 その他いろいろこれから御報告申し上げますが、こういうものはどのような被害がありましても、根本的な対策は、まず第一に何と申しましても除雪でございます。雪を取り除かなければすべての経済活動はできませんので除雪に全力を注いでいる状態でございます。幸いに自衛隊の協力がございまして、だいぶ除雪は進んでおるようでございます。
 国鉄ではすでに前から協力会というものを組織いたしまして、沿線住民の協力を求めることにしております。日常これらの住民の方々のお世話を申し上げ、一朝雪が積もりました場合には、除雪のために協力をしていただくという協力会をつくっておりました。その結果、その協力による除雪労働力が相当集まりして、除雪にいろいろ協力をしてもらっておるわけでございますが、それだけではとうてい不十分でございまして、その他いろいろ各鉄道の関係から職員なりすべてが応援に参ったようでございますが、それでも必ずしも十分ではございませんでした。そこで自衛隊の協力を仰ぎまして、現在では金沢、新潟両鉄道管理局におきましては、約一万人の自衛隊に除雪作業に協力をしていただいて、非常に作業が進んでおるようでございますが、一日も早くこれを除雪することが何よりの問題と考えている次第でございます。
 この除雪は大事でございますが、今度の場合に痛感いたしましたことは、今後もこのような豪雪がある場合には、どうしても汽車がとまらないように除雪しなければなりませんが、そのためには何と申しましても第一番にこれらの主要幹線を複線化することが肝要であろうと考えております。ことに日本のように、線路に一ぱい、一ぱいにダイヤを組んでおりますから、どうしても除雪をするためには汽車をとめなければならぬ。でありますから、複線であれば、片一方の線路は汽車を走らせながら片一方の線路を除雪することができるというような非常に好都合に参りまして、汽車はそうとまることがなくても済むようになるのじゃないかと思う次第でございます。これはどうしても国鉄のいろいろな予算面もございますが、できるだけ全力をあげて重点的にこれらの豪雪地帯の複線化をはかることが肝要ではなかろうかと考えております。もちろんその他にも除雪に関するいろいろな設備が必要でございます。たとえばいろいろなラッセル車とかマックレー、ロータリーのような除雪車も、必ずしも十分とは申されませんが、相当の準備をして手配をしておったのでございますが、これらもその使用には限度がございまして、全面的にこれらの活動によって除雪するということにはなかなか参らない状態でございます。というのは、御承知のように単線であります。市街地を通る場合もたくさんございますし、その線路の付近にいろいろな施設がございます。こういうわけで、これらの機械をフルに運転しますと、国鉄に関する施設とか民間に対していろいろな障害を与えることも出て参るわけでございます。現に私たちが参りましたときは、福井県の今庄という有名な豪雪地帯でございますが、今庄付近をロータリー単が走って除雪しておりました際に、雪が急に飛びまして、付近にあった民家のガラス戸をこわしまして、ちょうどふろに入っておったそこの六十才のおやじさんに大けがを与えて、一月の重傷を負わしたというような事件も起こっておるような状態でございまして、必ずしも機械力だけにたよるわけには参りませんので、どうしても現在は人の力が一番中心になっておるわけでございます。こういうわけで、今後はこれらを複線化して、これに合うところのいろいろな除雪車であるとかシャベルローダーであるとかを増設して、機械化を促進することが大事ではなかろうかと考えるわけございます。
 それから先ほど申しましたように、ポイント・ヒーターというので、電気的に熱を加えて、ポイントの雪を溶かす設備でございますが、これも現在では相当役に立っておるわけでありますが、やはりある程度の限度を越した雪を溶かすにはまだまだ不十分でございますから、こういうものにも改良を加えていく必要があるのじゃなかろうかと思う次第でございます。ただ、除雪作業というものは皆さん御存じかと思いますが、大した労力が要ります。たとえば福井県の操車場の問題でございますが、操車場というのは、御承知のように、貨車や客車を待たしておいたり引き込んだりするようなところでございますが、そこは大体広さが三十六万平方メートルあるのでございますから、四十町歩でございます。この四十町歩の地帯に三メートルから四メートルの雪がびっしり降り積もりました場合には、これを除雪するには大した労力がかかります。ここで使えるのは、その引込線から客車なり貨車の待っているところに参る線だけをラッセル車で除雪する以外に方法はございません。あとはすべて人の力でございます。そうしますと、これらのものをみんな労働者がスコップを持って雪を貨車に積み上げ、貨車が一ぱいになりますとそれを捨てに参りますが、雪を捨てる場所もなかなかございません。大きな川以外には雪を捨てるところがないのであります。たとえばたんぼなんかも雪を捨てるにはけっこうでございますが、これは私の経験ではございませんが、河野災害対策本部長の話によりますと、ある地帯では、たんぼに雪を捨てようとしたところが、雪を捨ててもらっては困る。それならば補償を出してもらいたい。雪がたんぼに残ると来年の作柄に影響もするであろう、それじゃ困るから、補償でも出さない限り雪を捨てるのは許可しないという場所もあったという報告がありました。そのようなことで、どこにも雪を捨てるというわけにも参りません。大きな川のところに参りまして、そこでまたみんでスコップを持って人夫が雪を捨てる。からにして戻って参る。これで初めて貨車一両の除雪ができるのでございますから、たとえば福井の操車場の四十町歩の雪の除雪をするだけでも、おそらく何千回か何万回か貨車が動かなければ除雪ができない。実にこれは非能率なことでございますが、現在これ以外に道がないようでございます。そういうわけで、除雪ということには非常に困難をきわめているようでございます。
 次に、道路でございますが、道路も全部埋没しております。その後みんなが懸命になって、自衛隊あるいは地方の人が全部協力して除雪に努めておりますが、なかなか開通がむずかしいようでございます。ことに日本の道路は幅が狭く、しかも舗装道路でない部分が非常に多いので、この点機械力を使って除雪することが非常に困難のようであります。また一面ようやく雪を切り開いて一車線を確保いたしましても、今度は交通の規制が十分に行なわれませんと、非常に困難を起こすのでございます。ここにおられる和田委員は、この地方を調査に来られましたが、その話によりますと、前の日われわれが金沢でお会いをいたしまして、その後細田吉藏委員が、あるいは大野市郎代議士が金沢から福井に向かわれましたが、雪上車、トラックを使って、ジープを使って向かわれました。汽車で参りますと、金沢から福井まで一時間余りでありますが、同君は午後四時に金沢を出発して、翌日の朝の午前六時半に福井に着かれたようであります。実に十四、五時間の時間をかけられたようでございます。これが当時の二月初めの国道八号線の通行状態でございます。従ってこのような場合には、もちろん機械力を十分に投入して、一日も早く開通をはかることが必要でございますが、同時にまた道路の管理者と警察とが協力をして、強力な交通規制を行なうのでなければ、なかなか正常な交通を確保することは困難と考えておる次第であります。やはり鉄道と同じように、早急にこれらの主要幹線道路につきましては、幅を広げることと舗装を行なうことが何より大事な問題ではなかろうかと考えておる次第でございます。
 先ほど委員長のお話が大体鉄道と運輸関係についてのお話でございましたから、大体運輸関係を中心にいたしまして、あとは簡単にそれ以外の問題についても触れて参りたいと思いますが、民生安定は、前にも申しましたように、ある程度の安定をいたしておりますが、やはりあちらこちらでいろいろな問題が起こっておりますので、これらに対しましては応急措置が必要でございます。特に災害救助法が発動されておりますが、その適用範囲を実情に応じて拡大する必要もございますし、その他いろいろな、たとえば除雪に対する老人婦女世帯や保護世帯に対する補助であるとか、いろいろな問題が起こって参ると思います。ただここで一番大きな問題を起こしておりますのは、都会地の屎尿の処理の問題でございます。水洗便所というのはほとんどできておりませんので、どの町に参りましても屎尿の処理に非常に困り切っております。雪が一ぱい積もっておりますから、屎尿を運搬する車が参りません。また参りましても、雪がたくさん積もっておるために、くみ取り口をあけるわけに参りません。そういうわけで、ほとんどの家庭では屎尿がはんらんいたしまして悲鳴をあげておる状態でございます。金沢県庁に参りまして話を聞いてみますと、県庁の職員は、もちろん災害対策のために早く県庁に来るそうでございますが、その一つの目的には、自分の家でできるだけ用便をがまんをして、県庁の水洗便所を利用するために急いで飛んでくるという笑い話のようなことが実際に起こっておりまして、こういう問題は、方策はむずかしいのでございましょうが、とにかく早急に解決しなければならぬと思う次第でございます。
 それからどうしてもやはり問題になりますのは、中小企業の問題であります。先ほど申し上げましたように、一切の交通がとまり、すべての経済活動がストップいたしますから、どうしても中小企業が非常に大きな損害を受けるわけであります。これを打開するには、何といってもまず交通の確保でございますが、それにしても、たとえば原料の搬入であるとか、製品の搬出であるとか、あるいは労働者の通勤であるとかいろいろな問題が出て参ります。こういうものに対しては国が中心になって十分にめんどうを見てあげることが当然だと思います。現地に参りますと、厚生省なり国税局なり財務局なり日本銀行なりその他の金融機関が集まって、それぞれその対策に協力をしておるようであります。従ってそれぞれの金融機関がつなぎ資金等を十分に出しておるようでございますから、今直ちに経済的に困るという問題もあまり多くはないようでございますが、近いうちに政府としてめんどうを見なければならぬことは当然でございます。その点は十分にこれをいたさなければならぬと考えております。
 それから農林関係につきましてもいろいろな被害があったとは考えられますが、その実態はまだわかっておりません。たとえば山の苗木がみんなやられてしまったという報告もございますが、実際に雪を掘ってみなければどれだけやられてどれだけ助かるかわかりませんし、また果樹園芸が相当盛んにやられておりますけれども、果樹に対してどれほどの被害があったかということは、ある程度の融雪期にならなければはっきりわかりません。そういうことで今もっぱら調査を進めておる段階でございます。ただし現実に考えられますことは、たとえば開拓地などにおります人たちは、ことに今酪農を中心に発達しておりますが、この雪によって交通がとまりましたので、しぼった乳を運ぶことができない状態でございます。そうしますと、一升や二升ならばいつでも自分の家で消費できますが、大量の牛乳になると、腐らせるよりほかにございません。こういうところに十分な救助をすることが必要なのではなかろうかと考えられるわけでございます。
 以上ごちゃごちゃ申し上げましたが、ここで考えましたのは自衛隊の活動でございます。実際自衛隊員は非常によく働き、現地の労働力の四倍から五倍の能率を上げておるということでありまして、みんなから非常に感謝されておる現状でございます。ただこれについて考えなければならぬことは、たとえば国鉄の除雪人夫、その費用は男が五百八十円、女は四百八十円ときまっておりますが、それ以外の除雪人夫を雇うといたしますと、とうていそのような費用では出て参らないようでございます。千円、千五百円、二千円、二千五百円という法外な値段にまで上がっておるようであります。一番大事な生鮮食料品の価格が倍にも上がらないにもかかわらず、除雪人夫の賃金だけは何倍にも上がっておる、地方によって必ずしも同じではございませんが、こういうのが実態でございます。こういうことを考えますと、もう少しこれらに規制を加えなければなりませんし、またそのような実態がよそにありますと、やはり自衛隊員の士気にも悪影響を与えることがありはしないかということを心配するわけでございます。そういうわけで、自衛隊員にはこのような非常時には絶対働いてもらわなければなりませんけれども、その運用を誤らないことが大事だと思います。非常に多数の方々の非常時には当然自衛隊が出動してくるのでありますが、その出動する範囲もある限度に限って、これを乱用してはならないと思います。たとえばどの町の除雪にも、道路の除雪にも自衛隊を出してほしいという要請がありますけれども、はたしてこれが妥当であるかどうかということは十分に考えなければならぬと思います。自分らの地域の仕事はまず自分らが中心でやるのだという自覚と努力が必要ではなかろうか、何でもかんでも自衛隊員を利用するということは、自衛隊の本来の使命にも反しますので、この点はやはり十分に検討して、あり方を考える必要があるのではなかろうかと思う次第であります。
 なお、たとえば先ほど申しましたように、これら自衛隊員の努力に対してそれぞれみんなが暖かいおもちをつくってあげるとか、ふろに入れてあげるとか、いろいろめんどうを見てあげておるようでありますが、片一方では、二千円、三千円の一日の人夫賃をかせぐ者がある。そしてその能率が四分の一、五分の一ということになりますと、やはり自衛隊の士気にも影響すると思います。そういうことで、これらに対してある程度の規制をすることが必要ではなかろうかと思いますが、その規制は現地でやらないで、一括して防衛庁そのもので全面的に考える必要があるのではなかろうかと思います。
 それから新潟へ参りましたところが、新潟の気象台におきましては、この裏日本の雪はどのようなメカニズムによって雪が降るのであろうか、どのようなあり方によってこのように降るのであろうかということを研究して、ちょうど実験をしたそうでありますが、その実験によりますと、今までとは違って、簡単なあり方で雪が降るようではないという見通しでございます。ある程度の雪のあり方についての一つの手がかりを得たという報告をもらいました。従いまして、今後はこのような気象上の研究を進めることが一番大事な問題ではなかろうかと思います。一体どのような気候でどのような雪が降るのであろうか、どのような地帯に雪が多く降るのであろうかということを予報的に確実に知るということが雪害対策には一番大事な点ではないかと思いますが。そのような手がかりを得たということでありますので、ぜひともこの研究を進める必要があると考える次第であります。
 以上雪害の状態を御報告申し上げます。
 もう一つは、これらの豪雪地帯の交通機関の状況につきまして、二月五日、きのうの夕刻までの交通状況を御報告申し上げます。
 国鉄関係でございますが、一月十二日以降二月五日まで、延べ約四十七万人の除雪人夫を動員しておりますが、そのうち自衛隊員は五万二千人であります。このうち本線の切り広げ作業を主体に除雪に努力した結果、現在北陸本線、信越本線、上越線は全部全線開通しておりますが、支線七線はまだ不通となっております。
 二月五日現在、除雪車九十両、自衛隊員約一万人を含む三万五千人を動員して除雪作業を続けております。
 幹線は一応全線開通いたしましたが、除雪車が多数稼働しており、また、操車場の機能も完全に回復しておらないため、雪害地方面の列車の回復状況は約二〇%程度にとどまっておるのでありまして、このため列車の運転状況は緊急物資の輸送とローカル列車の運転が可能になった程度でありまして、長距離列車の運転は行なっておりません。
 今後の輸送対策といたしましては、さらに自衛隊の増援を要請いたしておりますが、この応援を得て、八日以後は平常時の六割の輸送力を確保し、さらに二十日を目途に平常運転に戻すべく全力を尽くす所存であります。この六割の輸送力の運営につきましては、災害地の生鮮食料品等緊急物資の輸送を従来通り優先することはもちろんでありすが、その他工業原材料等の輸送も重点的に行なう方針であり、このため旅客輸送力の回復が相当おくれることはやむを得ないものと考えております。
 次に私鉄の状況でございますが、一月十二日以降二月五日までに延べ約十万人の除雪作業員を動員し、除雪に努めましたが、二月五日現在、なお新潟、北陸地方の被災会社九社の営業キロ五百九十八・六キロのうち約二百五十三・九キロが不通となっております。現在九千百三十二人を動員して除雪作業を続けており、さらに要請した自衛隊員百名はすでに到着しましたが、さらに自衛隊の増援を要請するほか、国鉄より除雪車を借り入れる等、その開通に努力しております。
 第三に自動車輸送の状況について御説明申し上げますと、二月五日現在の新潟、北陸地方のバス運送事業の運行休止キロは、営業キロに対して八〇・二%となっております。トラック運送事業は新潟、福井、金沢、富山各市内と国道七号線、同八号線の一部などが一応運行可能となり、ローカル線は部分的に運行可能という状況になっております。
 自動車関係の運行状況は以上の通りでありますが、これらはいずれも道路の開通に伴って漸次好転して参るものと考えております。
 以上の応急対策のほか、なだれ、融雪洪水対策は目下準備中でございますが、さらに今後気象、鉄道に対する恒久対策も検討していきたいと考えておる次第であります。
 以上御報告を終わります。
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#15
○木村委員長 質疑の通告がありますのでこれを許します。高橋清一郎君。
#16
○高橋(清)委員 私もこの災害本部長に随行しまして、現地視察をいたしまして昨晩帰ってきたのでありまするが、予想外の実情で、非常なこんぱいを地元で感じ、それに対する真剣な取っ組みをしておるという実情をまのあたりにしておりまして、それだけに当局に対する、今後こうした状態を二度と繰り返してもらいたくないという感じがきわめて激しいものがあるのでありますが、ともかく世界的な寒波によりまして、北陸、上信越地方を初めとし、裏日本一帯を襲いました非常豪雪によりまして、五日現在で、今お話があったのでございますが、死者が百十人、行方不明が十二人、負傷者が百四十三人、全半壊家屋六百五十五、一部破損が七百二十五という被害を生じておるのであります。さらに長期にわたります交通、通信機関の途絶によりまして、深刻な生活不安と数百億に上る商工業の経済的な損害をこうむったのでありまするが、その後なお引き続き豪雪はやまないのであります。一方また間もなく来るでございましょうことを予測されますところのなだれの心配も予見されるのであります。今、政務次官は全通というようなニュアンスを出されたのでございますけれども、事実はそうでございません。おそらく北陸、上信越線など列車ダイヤの回復の見通しはまだ立っておりません。政府関係当局では、対策本部を一応設けまして、調査団を派遣するなど緊急応急対策には必死の努力をされておるのでありますけれども、この際私は運輸、交通関係に問題をしぼりまして、二、三の質問をしたいと思うのでございます。
 第一点は、特に新潟地方におきまする気象庁の今回とりました態度についてでございますが、すなわちこの非常豪雪に関しましての予測に関してでございまするけれども、上信越線、北陸線など裏日本の重要幹線の列車ダイヤが全く麻痺状態に陥りまして、上越線にまず例をとってみますと、一月二十三日午後四時五分に新潟を出ました急行越路が、二十八日の朝の八時二十九分にようやく上野駅に到着したような次第でございます。ダイヤ通りでありまするならば、この区間の所要時間は六時間三分であります。それが実に百十二時間二十四分かかっておるのでございます。これはおそらくは国鉄が始まって以来の不名誉な記録と思われるのでございます。この列車が上野駅に着きましたときに、さんざんの目にあいました乗客の一人が、もう二度と国鉄には乗りたくないと思いますと、こういうやり場のない怒りを新聞記者にぶちまけておるという実情であることは御承知の通りであります。と申しましても、国鉄を利用しないで旅行もならないのでございます。国鉄当局は、このような乗客の怒りを十分翫味いたしまして、雪に対する万全の方策を講じなければならないと思うのであります。
 半月以上も列車ダイヤがずたずたに寸断されまして、長距離列車を動かせなかった原因の第一は、もちろん未曾有の大降雪でございましょうけれども、これは何人も異論はございませんでしょうが、途中で立ち往生いたしました列車が復旧をおくらせた原因の一つにあげられるということがいわれておるのであります。すなわち混乱の始まりました一月二十三日に、もし国鉄が大幅な運休、もしくは最小限のダイヤ確保に踏み切っていましたならば、大混乱も起こらず、ダイヤの復旧も早められたと考えられるといわれておるのであります。国鉄新潟支社におきましては、二十三日以前の約一週間は、気象状況とにらみ合わせまして、計画的に列車を運休させ、ダイヤ確保に最善の策をとってきたはずでございます。ところがこの日に限りまして、猛吹雪来襲の寸前まで運行して管内各線で合計十九本の列車が立ち往生、約一万人に上りまする乗客や通勤客が列車内や駅の待合室で夜を明かしました。そしてその後の大混乱と空前の輸送麻痺を引き起こした、そのこと自体考えますと、ただやむを得ないということで簡単に片づけていいのではないのでなかろうかと思うのでございます。
 私の現地で聞きましたところによりますると、気象庁におきましては、昨年秋の長期予報で、北陸地方、裏日本一帯においては、一月後半に大雪が数回あるであろうことをすでに予報しておるのであります。また俗に大雪が九年に一ぺんずつ来るという周期説によりますると、本年はこのちょうど周期の年に当たっておるのであります。また昨年暮れにおきましては、ヨーロッパ各地におきまする世界的な寒波到来が伝えられました。世界各地の異常豪雪による被害が新聞その他に報道されておったのであります。その上さらに気象庁におきましては、ここ二、三年の間におきまするわが国の気象現象が変動期に入っておるということを発表いたしまして、今回の非常豪雪につきましても、異常寒波の到来が直ちに豪雪と結びつかないことや、降雪の予測が降雨の場合に比較いたしましてきわめて複雑でむずかしいものであるということは私も承知しておりますけれども、今回のような豪雪について完全な予測がはたしてできないものであろうかと思う次第でございます。今回の場合を見ましても、一月二十一日、気象庁は、秋田沖の低気圧の東進に伴い、天気図はまた冬型に戻りまして、裏日本は大雪と予報しておるのであります。さらに翌日、二十二日でありまするが、新潟気象台におきましては、今、政務次官からお話がございましたように、里雪型の大雪注意報を発令しておるのであります。ところがどうしたことでございましょうか、この大雪注意報というものを二十三日朝解除しておるのであります。そして同じ日に再び中・下越地方中心に風雪注意報を発令しておるのでありますが、これが夕方の六時半ごろでございまして、そのときすでに新津地方におきましては吹雪が荒れ狂い始めていたとのことでございます。一方、列車の方にいたしましては、日中の比較的穏やかな天候のため、すでに運行途上にあって、その後に見まする大混乱となったわけでございます。
 このことにつきまして、国鉄新潟支社の雪害対策本部におきましては、結局あの猛吹雪が予期せぬ奇襲であったためにほかならないと、言外に気象通報のおくれを嘆いておる実情でございます。ここにおきまして気象庁にお伺いしたいのでございますが、気象台の予報はより的確にならないものであります。気象庁ではことしから五カ年計画で、航空機を使って秋田沖の低気圧に伴うなぞの北陸不連続線を解明し、北陸の豪雪はなぜ起こるかの研究に乗り出されたということは、まことに適切な措置と思われるのでございます。あるいは新設の新潟の弥彦山でありますが、あそこのレーダーの活用と相待ちまして、航空機による観測実施の五カ年計画を、どうぞ五カ年といわず、三カ年もしくは二カ年に短縮いたしまして、今回のようなというよりも、一月二十三日のような列車ダイヤの麻痺を起こす原因の一つとなったへまを繰り返さぬより的確な予報をすみやかに発令し得る体制を整える用意があるかどうかということでございます。気象庁に対する御質問を先にいたしまして、御答弁を賜わりたいと思います。
#17
○鯉沼説明員 今回の大雪は三段階に分かれておりまして、一月の上旬は大雪とはいうものの、普通の年の大雪と大差ございませんでした。中旬に入りまして、十一日から十二日まで非常な降雪がございまして、これはもうすでに発表されておりますので、国鉄でも早目に運休に踏み切られたようでございます。ところが下句に入りまして、ただいまお話のありましたように、二十二日から第三段階の、しかも前に倍するような雪がございまして、かくして今お話のありましたように二十二日には新潟でも大雪の警報を出しておりますし、それを二十三日には風雪注意報と切りかえております。この私どもの出しております予報は、長期と短期に分かれておりまして、先ほどお話のありましたように、年末に出しましたのは、どうやらことしの冬は雪が多そうだということで、今回のような大雪ということは私ども予想するとはできませんでした。ただ雪が多い年らしいということを申し上げてあったのでございます。短期の方は注意報と警報に分かれておりまして、注意報は一日ないし半日ぐらい前に注意を喚起するという意味で出します。警報に関しましては、さらにそれがもっと激しいということ、それがさらに確実になって出しますために、半日ないし数時間前ぐらいにしか出せないのが現状でございます。もちろん状況によって半日よりも少し早目に出せるものもありますが、なかなか見通しのつかないものでございます。今回のは非常に風雪を伴いまして、私現地は知りませんけれども、雪が降って非常にたくさん積もるというのと、風が激しいために、それを吹き飛ばして吹雪になるというのとございます。そういうことの見通しがある程度立ったので、風雪注意報に切りかえたのだと存じます。
 現在の精度はもっと上がらないかという御質問でございますが、これはいかに施設、観測を強化しても、急速に高めるということは困難な問題でございます。しかし、先年の状況から比べますと徐々に、非常に徐々で申しわけないことでございますが、徐々には精度が上がっていっている、それ以上のことは申し上げることができないのは残念でございます。
 それからたまたま昨年も、このごろ気候の状況が変わっているのではないか、この際北陸の季節風、大雪の観測をしようじゃないかということで、豪雨に関しましていただいた予算をそちらえ振り向けたらということで前もって計画をいたしまして、一月十六日から二十六日まで十日間観測をいたしました。これについてのごく大ざっぱな見通しは、先ほど政務次官がお話になったような新潟の話もございますが、これは気象研究所が中心になったものでございまして、その資料はさらにこまかく分析してもっと正確なものをつかみたい。そうなれば、確実なことは申せませんけれども、もう少し精度を上げることは可能ではないかという希望は持っております。
 以上でございます。
#18
○高橋(清)委員 次に、第二点でございますが、国鉄におきましては全線の営業キロが約二万キロございますが、そのうちで積雪の地帯はその約三分の一の七千キロあるわけでございます。特に豪雪地帯におきましては二千キロに及んでおると聞いておるのでございまするが、国鉄におきましては二年前に、先ほどもお話がございましたが、北陸、上信越を襲いました大雪害におきます貴重な経験によりまして、総経費百億円に及びまする雪害対策五カ年計画を立てられまして、目下実施中のはずでございまするが、その実情を御説明願いたいと思うのであります。なお、この計画というものは目下二年目であります。三十八年度予算を入れますると三カ年になるのでありまするが、三カ年間の予算、それによる工事その他の進捗率はどの程度であるかということ、立ちおくれているのではなかろうかと思うのでございますが、その辺の実情をお知らせ願いたいと思うのであります。
 さらに、この雪害対策五カ年計画を完全実施いたしました場合には、今回程度の豪雪を克服できるかどうかということもあわせお聞かせいただきたいのであります。二年前の豪雪さらに今回の豪雪から見まして、この計画を全面的にしかも早急に実施すべきでございましょう。気象庁の五カ年計画同様、五カ年などと気長なことを言わないで、三年あるいは二年に短縮いたしまして、もう二度と国鉄に乗りたくないという怒りを繰り返させたくないものでございます。二年前の豪雪で国鉄の損害は三十一億に上ったということでございますが、今回は降雪が広範囲でもあります。しかも未曾有の積雪量でありましたから、損害は前回の倍額を突破するのではなかろうかと思うのでございます。それ以上でございましょう。かりに前回と今回の損害合計額が百億円に上るといたしまするならば五カ年計画などとゆうちょうにかまえてはおらないで、同じ百億円を使うならば、原始的なスコップやつるはしで雪を掘る人夫代や、立ち往生の列車に閉じ込められた乗客のたき出しや旅館の経費、キップの払い戻しに使うよりも、科学的な融雪器なり除雪車、除雪機械を増していただいたり、あるいは流雪溝、防雪林あるいはなだれ防止のさく、雪おおいなどの工事費に使いましたならば、国鉄の評判もよほどよくなるわけでございましょうし、ほめられる、ほめられないは別といたしまして、国鉄当局が短期間にしかも効果的な雪害対策をとにかく講ずる意思があるかどうかということなのでございます。先ほど質問いたしました内容とあわせて真剣な、具体的な方針なり考え方を承りたい次第でございます。これが二番目です。
#19
○吾孫子説明員 ただいまのところ、私どもといたしましては、当面の緊急対策といたしまして、一日も早く輸送状況を平常状態に戻さなければならないと考えておりますので、その点に力を置いて毎日関係者一同奮闘いたしておるものでございますが、ただいま御指摘のございましたように、やはり結果的に見ますと、いろいろの点で私どもの準備の不十分な点もございましたし、また万全の措置を講じようという気持はありながらも、やはりいろいろ行き届かない点等もありまして、結果的には旅客列車にいたしましても、上信越線におきまして十二本の列車を途中で抑留するということになり、また御指摘のございましたように、未曾有の長時聞の列車遅延を生ぜしめたというようなことは、まことに申しわけがなかったと考えておる次第でございます。
 先ほど政務次官からお話がございましたように、一昨年の豪雪という経験を生かしまして、私どもといたしましてはその経験を生かすべく、雪害予防のための施設整備五カ年計画を立てまして、今までに約百億をこえる施設の整備をやってきたのでございまして、その結果通信線その他につきましては、この前の経験が一応役立たされたというふうに考えておる次第でございます。また構内、特に操車場の構内の除雪のための流雪溝の整備等につきましても、一昨年の経験を生かして整備いたしたところもあり、また、現に整備中のところもあるのでございますが、未曾有の豪雪のためにそれらの効果が十分に生かされず、あるいは思わざる状況の変化によりまして、結局ただいまのような状態に陥っておりますことをまことに申しわけなく、また残念にも思っておる次第でございまするが、今回の経験を私どもといたしましては十分生かしまして、さらに長期的な雪害に対する防衛、予防策をより完全に、より一そう効果の上がるものに切りかえて参りますよう、今回の経験を十分生かすようにいたしたい、かように考えておる次第でございます。大きく申しますれば、これは先ほど政務次官からこれもお話のあったことでございまするけれども、現在の裏縦貫線、上信越線等現に工事に着工いたしておりますけれども、早く単線区間を複線化して、全体としての輸送力をつけていく、そしてそれが同時にまた災害の予防策にも役立つことでございますので、これらの計画は現在の五カ年計画の中に組み込んで実行中でございまするけれども、さらに今次の豪雪の経験というものを反省いたしまして、これを一そう促進するようにいたしたいと思っております。
 また御指摘のございましたポイント等に対する凍結あるいは豪雪防止の設備等につきましてもまだまだ検討すべき点が多々あるように存ぜられますので、私どもといたしましてはそれら諸般の設備についてなお十分検討を加え、少しでも御迷惑をかける程度を少なくするように、なお一そうの努力をいたしたいと思っておりますので、御了承いただきたいと存じます。
#20
○高橋(清)委員 今お話の中に、複線化についても十分熱意を持とうというお話でございますが、ただなかなかかけ声だけではいかないのであります。特に現地を踏査いたしまして、この点が特に喫緊事であるということがよくわかりました。何といたしましても、一念にこの点だけは平く全部の完遂をもたらしてもらいたいという熱意のあまりなんでありますが、お言葉がありましたし、先ほどまた政務次官からもその必要性は強調された場面がございましたけれども、特にこの点についても一歩突っ込ませていただきたいと思うのでありまするが、何にいたしましてもこの北陸線と上信越線の複線を早急に実現してもらいたいということに三番目の主眼を持たしていただくわけなんであります。鉄道の除雪にあたっての関係者の話から拾ってみますと、単線のために復旧がおくれ、ダイヤを乱しておるというのが注目されるわけであります。何べんも強調されておりますけれども、再度申し上げさせていただきます。北陸線、上信越線など、長い間地元の要望にもかかわらず、複線化が事実上おくれておるのです。今、東海道線は複々線化して、世界一のスピード列車を走らせようとしている国鉄が、なぜ除雪に科学的一線を引こうとしているのかということです。大自然の威力はもちろん考えないわけではないのでありますが、現在のところ除雪はもっぱら人力によらざるを得ないというようなことが実情であります。でありますが、世界に誇る技術を有すると自他ともに誇っております国鉄の技術陣をもってしまして、採算もありましょうけれども、もう少し科学的に除雪対策が立てられないものでありましょうかということであります。忌憚のないところをお聞かせ願いたい。
 大雪の降りますたびに自衛隊や、今お話のありましたように消防団の手にたよる以外に手がないといたしましたならば、夢の超特急も泣き笑いしながら走ることでしょう。裏日本も日本の国でありますことを基本的な考えの中に置いていただいて、国鉄の新五カ年計画をもう一度よく検討していただいて、豪雪地帯の鉄道、特に北陸線、上信越線などの幹線は、先に述べた雪害対策五カ年計画と並行させて最も短期間に複線とすべきであろうということを痛感するわけであります。
 国鉄の新五カ年計画の緊急補正措置による複線化措置によりますと、四十年度末までに一応北陸線、上越線の大部分と信越線の半分程度が完成されるのでありますが、三十八年度予算を入れました線増に対する三カ年間の投資進捗率が国鉄全体で四三%ときわめて悪いので、三十九年度以降特に複線化に対しまして熱意をお示しいただきたいと思うのであります。もう一度もう少し突っ込んだ詳細な状況説明をお聞かせいただき、なおこれに対するただいま申しました内容を主眼といたしますることに対しまする熱意のほどを副総裁からお示しをしていただきたいと思います。
  〔委員長退席、山田(弥)委員長代理
  着席〕
#21
○吾孫子説明員 今回の雪害に対してもう少し科学的な準備体制というようなことができなかったのかというお言葉がございました。これは、私どもといたしましては、今までの経験、特に一昨年の経験等はかなり取り入れまして、すでに先生も御存じのような雪害対策五カ年計画というものを立てまして、相応の設備の改善はやっておったのでございますけれども、何と申しましても今回の豪雪は、国鉄始まって以来というような豪雪でございまして、ただいまのような状態になってしまいました。その結果、現在の事態を切り開きますためには、まことに情けない次第でありますから、やはり人力によって線路の両側の側雪のいわゆる段切りを行ないまして、それによって線路の中心から少なくとも三メートル半くらいの幅を全側にとりまして、今後少々雪が降りましてもラッセル車さえ先に立てれば列車が動かせるという状態に早くしなければなりませんので、そのために自衛隊を初め各方面からのお助けを得て、今懸命に切り広げの作業をやらせていただいておるようなわけでございます。しかし、こういうようなことで人力にたよる以外に手がないというような状態になりますことは、私どもとしてもまことに遺憾な次第でありまして、こういうような点につきましては、今回の経験をさらによく検討もいたし、反省もいたしまして、よりよき科学的な豪害対策を樹立するようにいたしまして参りたいと考えております。
 それから、上信越線、裏縦貫線等の複線化の問題につきましては、これはすでに御承知の通り、国鉄といたしましては三十六年度から着手いたしております。新五カ年計画におきましては、その中に東海道新幹線のようなものももちろん大きなものとして含まれておりますけれども、一番力を入れておりますのは、むしろ裏縦貫線あるいは上越線を初め東海道以外の幹線の複線化ということに重点を置いて考えておるのでございます。三十八年度の予算では実に当初私どもがもう少し複線化等も促進できるように、予算もでき得ればたくさん計上していただきたいというようなことも考えておりましたけれども、これは国鉄全体の改良計画その他財政事情を勘案されまして、ただいまのような予算案にきまったわけでございます。この予算を実行いたして参ります段階において、さらに私どもはこの予算の重点的な使用ということに、なお一そうの検討を加えて参りたいと考えておりまするし、また三十九年、四十年と引き続いて五カ年計画は遂行されることでございますので、ただいま御指摘のございましたような主要各線の輸送力増強ということが、同時に災害の予防にも直ちにそれが通じますので、御指摘の点につきましては、私どもといたしましてはなお一そう努力を傾注して参りたい、かように考えております。
#22
○高橋(清)委員 最後に、今回の豪雪によりまする雪害によりまして、現在までのところでありまするが、国鉄のこうむりました損害金額についてでございます。減収見込み、人夫代、旅客に対する旅館、給食などの経費などをお聞かせ願いたいと思います。
 それから、これらの応急対策経費につきましては、除雪人夫代等を初めといたしまして、滞留いたしました列車の旅客に対する接待等、これはもう災害同様臨時支出であろうと思うのでありますが、国鉄当局としましては、予算等に縛られることなく、十分な手当をすべきものと思うのであります。従いまして、運輸省当局といたしましては、このような面の支出については、国からの支出に切りかえてやるようなことを考慮してよいのではなかろうかと思うのでありまするが、いかがでございましょうか、この辺の事情をお聞かせ願いたいと思います。
#23
○吾孫子説明員 ただいま、私どもといたしましては、とにかく輸送力の回復ということを第一の問題に考えておりまして、従いまして、これがためにどれくらい金がかかるかというようなことは第二の問題と考え、一日も早く輸送力の回復ということに熱中いたしております。実は今回の雪害につきましては、先生のお言葉の通り、ずいぶんいろいろな経費もかかっておりまするし、除雪作業のための人夫賃、あるいはまた今度の列車の停車したことに伴います旅客の接遇のための経費とか、いろいろな雑費が積み重なっておることは承知はいたしておりまするけれども、それらの点について、かりそめにもあまりけちしておるというようなことのないように、あまり予算のことなどに拘泥せずに、国鉄としてやるべきことはやれということに下部機関に対しては指図をいたしております。
 しかし、概算で申し上げますと、まず収入面におきまして、ただいまのところこの雪害のために、少なくとも二十数億円くらいは、予定しておりましたものよりも収入が減る見込みでございまするし、また御指摘のございましたような経費の支出の面におきまして、やはり十億前後の経費増ということは避け得られないと考えております。プラスとマイナスの両方で三十数億くらいの損失ということに相なるのではないかというふうに概算いたしております。
 なお、これの跡始末の問題につきましては、政府御当局とも御相談申し上げまして、国鉄といたしましても、やはりこれは相当な痛手でございますので、できるだけこの影響を少なくしていただけるようにお願いもいたしたいと考えておるような次第でございます。
#24
○大石(武)政府委員 ただいま吾孫子副総裁からお話申し上げましたように、この輸送力が全面的に一日も早く復旧するように全力をあげて、予算その他には関係なく努力するようにという方針を私どもはとっております。これにつきましては、今申しましたようないろいろな国鉄の予算面の負担がだいぶ重なっておるようでございますが、これにつきましては十分に国鉄の運営が支障ないように、手段を講じて参る決意でございます。
#25
○細田委員 関連して。――ただいま同僚高橋委員から各般の問題につきまして御質疑がございましたので、ある程度ダブるところがあるかもしれませんけれども、ダブらぬように、二、三点お尋ねいたしたいと思います。
 先ほど政務次官からの御報告にもございましたように、私ども自由民主党から派遣されまして、北陸の三県、富山、石川、福井を回って見ました。特に小さいような問題でも、その際に気がつきましたような点もあわせて申し上げておきたいと思います。
 第一には気象庁の問題でございますが、先ほど高橋先生から十年説その他いろいろ出ておりますけれども、非常に長期的に雪の多い時期に入ったんじゃないかというふうにも言われておるのでございまして、これは北陸四県だけでなくて、日本海沿岸はもとより、あるいは四国にも九州にもことしは雪が降っておるというような状況でございますが、こういった状況下における気象業務の強化というような点から、相当検討されなければいかぬじゃないかというふうに実は考えておるわけでございまして、これはすぐ今計画をお出しいただくとかどうとかいうことは間に合わぬかと思いますが、こういった点でもちろん予算に関連を持ってくることでございますけれども、再検討なさるという御用意があるかどうか、こういう点を第一番に伺いたいと思います。
#26
○鯉沼説明員 戦後十数年冬が暖かくて割合に雪も少なかったというような状況、そして夏は割合に雨が多くて水害などが多かったのでございます。数年前からどうやらこういう状況は終わりつつあるのではないかというようなことは、研究会などではときどき検討されていたのでございます。ただはっきり確信が持てないがために、一般的には発表してございませんでした。伊勢湾台風が終わりましたあとの状況が非常に変わりつつあるということで、まだ一般的の気象庁としての発表はしておりませんけれども、新聞などにはそういうことがときどき伝えられるようになったのでございます。私どもかねてから腹の中ではそんなふうな考えを持っておったわけでございます。そして昨年あるいは一昨年もそうですが、夏になると今度は旱魃だ、そして三十六年には冬にああいう豪雪がございまして、また今回こういうようなことで、何年先ということははっきり申し上げることはとてもできないのでございますけれども、感じとしてはそういう考えを持っております。今までは冬があまりに暖か過ぎた。しかしいつかは明治年代、大正初めのころのような状態が再び訪れるのではないかというようなことであります。これに対しまして、今までの気象業務の強化といいますか、拡充というのは、風水害が中心でございまして、雪というのは割合少なかったために、多少手おくれになった。手おくれというわけではございませんが、手がこちらへ回っていなかったということは事実でございます。昨年以来新潟にレーダーをつけまして、レーダーが雪に対してどれだけの効果があるかというようなことを試験的に始めたわけでございます。今回新潟でどの程度警報、注意報にそのレーダーが役立ったかはまだはっきりは聞いておりませんが、かなり役立ったとは聞いております。そういうものをどんどん今後強化する。それから何と申しましても雪は非常に局地性の強いもので、その状況を気象観測だけで把握することは不可能でございます。これらにつきましては国鉄総裁と気象庁長官の協定がございまして、こちらから警報、注意報を差しあげると同時に、観測に参考になるものはいただくということになっております。北陸の雪の分布状況については今でもそういう資料がありますがために、かなり詳しくつかむことができるようになっております。そういうわけでございますので、今後私どもの観測網を強化すると同時に、そういう国鉄などを中心としまして、そのほかにもございますが、そういう方面との関係を強化して、さらに詳しい状況をつかみたい。そうしてそういう詳しい状況がこういう場合にはこうなんだという、われわれのやっております天気図は非常にマクロと申しますか、非常に巨視的と申しますか、そういうのと実際の状況の組み合わせをさらに詳しく検討していく、そういうことをやっていきたい。そういうわけで、今回やりました北陸の雪の特別観測もそういう一環でございます。具体的のことにはなっておりませんけれども、腹づもりはそういうことでございます。
#27
○細田委員 政務次官に特にお願いしておきたいと思うのですが、私どもも責任を感ずるわけですが、気象庁の仕事の飛躍的な拡充について、今度の被害にかんがみまして、また気象が長期的に日本全土にわたって非常に変化しつつあるということでございますので、ぜひ一つ要望申し上げて、再検討を徹底的にしていただきたいということです。
 それから今のお話にもございましたように、これは国有鉄道にお願いしたいと思うのですが、国有鉄道の雪害対策につきましては、私は三十五年、三十六年災の直後にも申し上げて、五カ年計画が立ったということでございますが、かなり長期にわたって暖冬が続いたために、国有鉄道の他の方の技術的な研究等がかなり進んでおるにもかかわらず、防雪、除雪に対する研究については、やはり何といっても客観的な事情が事情であっただけに、空白があったのではなかろうか、これはどうしても痛切に感ずるわけであります。たとえば除雪車一つとってみましても、もちろん新しいものもできておりますけれども、その進歩の度合いというものは、他の部門における度合いと比べますと著しい立ちおくれじゃなかろうか。これはやむを得なかったとも思うのでございますけれども、急速にその立ちおくれを取り戻さなければならぬと思うのでございます。りっぱな鉄道技術研究所もあるわけでございますが、この雪の部門に対する強化を相当おやりになっておるとは思いますけれども、これに対する今後のお考え方、それから先ほどポイント・ヒーターの話が出ましたが、依然として今日でもカンテラをともしてやっているというようなところもだいぶございます。電気ヒーターにつきましても、現地で聞いてみますと、どうも少し吹雪になると役に立たぬということも聞いております。こういう問題につきましてもやはり私は、すでにおやりになったらけっこうですけれども、国有鉄道のこの方面の技術者を雪の降っているときに派遣していただいて、そして直接いろいろなものを扱っておるところの現場の人たちからなまなましい意見を聞いていただいて、そしてそれを持ち帰って解決していただくというようなことも必要じゃなかろうか。国有鉄道の現場の諸君がそういう要望を非常にいたしておりましたので、これはその方の支社長には私から言っておきましたから、あるいはすでにやっていただいたかと思いますが、ぜひそういうことをやっていただきたい、こう思うわけでございます。こういった二つの点についてお尋ねいたします。
#28
○吾孫子説明員 国鉄の技術研究所でも実は越後の塩沢に雪の研究所を持っておりまして、いろいろな基礎的な研究の部面や何かでは、国鉄の雪の研究というのは相当なものだというふうに学界でも評価していただいておる。何か話によりますと、お答えとして申し上げるのははなはだ不適当かもしれまだんけれども、外国のいろいろな、何か世界の雪の研究のセンターが、どこであったか、北米であったかカナダであったかに置かれておるそうでありますが、そこで日本の国鉄の塩沢研究所で研究しました資料等が相当重く見られておるというようなこともいわれておるのでございますけれども、そんなことはこういうふうに現実に運転が乱れるようなことになりましては自慢にも何もなりませんけれども、研究は、専門家は相当やっておるようでございます。ただしかし直接に列車の運転を阻害させないようにするための実際の技術者の養成というような点について、私ども毎日実は先般来いろいろな角度から、具体的な問題と同時に、そういう基礎的な問題についても、部内でいろいろ議論もし合っておりますけれども、実際の技術者の養成というような点において、確かに先生の御指摘になったような点を反省しなければならぬ点もあるのじゃないか、今後技術者の養成ということについて、いろいろ人事問題ともからませて考えようじゃないかというようなことを関係者等の間ではいろいろお話をいたしておるようなわけでございます。
 それからポイント・ヒーターの問題でございますけれども、これも私しろうとでございまして、あまりお答え申し上げる資格もないと思いますけれども、諸外国でも、降雪の多い鉄道を持っておりますところは相当あるわけでございます。あるいろ寒冷地帯の鉄道を持っておる国もございますけれども、そういうところでも、私が聞いておりますところでは、ポイントのヒーターなどについてはまだこれというものがないというような話も聞いております。いろいろやはり実験段階で、電気を使ってみたり、ガスを使ってみたり、あるいはときには日本の国鉄でやっておりますようなカンテラを使うというような原始的なことをやっておるところもあるようです。しかし、いずれにいたしましても、今回の経験は貴重な経験でございますので、これらの経験を生かしますように、なお一そう努力いたしたい、かように考えます。
#29
○細田委員 もう一つ。これは非常に具体的な問題になるわけですが、御検討をぜひお願いいたしたい問題でございますが、今回の北陸の雪害で、高山線がとにかく通っておった。これは北陸全体に対して非常に大きな影響を持ったと思います。もちろん高山線が例年と違う里雪であって、雪が非常に少なかったというようなこともいわれておりますけれども、それにしてもかなりな雪でございます。ところが高山線については終始とにかく通っておった。表日本と裏日本を結ぶ鉄道である。これはいろいろなことから教訓が出ると思うのですが、とにかく四国の縦貫線についても、この前土砂崩壊のときに話が出ました。私ども山陰につきましてもやはり陰陽連絡というような道があるということは非常に大切なことであります。今後こういったルートをつくるときは、別なルートをつくることが必要だと思いますが、そこでお願いしておきたいことは、私が現地で聞きましたところでは、高山線の除雪については特に手配がいいというか、準備がいいというか、もちろん雪の少ないという事情もありましょうが、それでもなおかつやり方についても特別よかったのではなかろうかというふうな印象を受けて参りました。
 それからもう一つは富山地方交通、これは冨山の地元の人たちが言っておったことですが、一般的には地方鉄道の方がおくれて開通するのが普通でございます。これは協力その他の状況も違いますし、需要度も違いますので、地方鉄道が全般としてはおくれるのですが、冨山地方鉄道の黒部の方に入ります例の宇奈月線というのは終始通っておった。これは何か特別な除雪の方法をとったようございますが、こういう点については、きょう御答弁はいただかなくてけっこうですが、ぜひ一つ御調査をしていただいて、今後に備えていただきたい。これを特にお願い申し上げておきたいと思います。
 いろいろ申し上げたいことはございますが、時間がございませんので、自動車局の方、政務次官にも特にお順いしておきたいのですが、先ほどお話がございましたように、私は金沢から福井まで十六時間を要しましてジープで行ったわけでございます。とにかくひどい状況でございます。そこで一昨年にも私申し上げたのですが、昔ですと、雪の地帯では道路はもうしようがない、鉄道が全部受け持つのだ、こういうようなことでございましたが、道路の持っておる輸送上の使命というものが非常に変わってきておるわけでございます。私ども、ちょうど大阪から米原、敦賀を通って北陸に入る道が開けた直後でございまして、大阪、名古屋から救援物資その他を積んだ自動車の大部隊と一車線のところでぶつかったわけでございまして、そういうことでおくれたわけですが、いずれにいたしましても、道路の持っておる使命、自動車の持っておる使命というものは、昔と違ってきた。そこで一昨年私ども参りましたときには、新潟と山形に参りましたが、一月の下句に行って、十二月の暮れから降った雪がまだ除雪ができておらぬために、それぞれ他の県に結ばれる一級国道が全部とまっておりました。ことしはそれより少し進んできたようでございますけれども、しかし依然として一車線しかあかない。それから交通規制の問題については、ほんとうに投げっぱなしでございますために、単線に二個列車が入ったようなことで、あとからあとから列車が詰めかけるのと同じで、自動車が入ってきますので、これはどうにもならぬという状態で、十六、七時間もかかったわけです。そこでこれは、いずれ私は災害対策等で建設省なり、警察の方に申し上げることなんですが、被害者は地区住民であり、それから運送業者はものすごい被害者だ。大阪から来たのなどは四日目だと言っておりましたが、四日目で来て、しかも一カ所でぶつかると一時間、二時間というふうにかかる、こういう状況なんです。こういう点について、鉄道の場合ですと、線路をつくり、これを保守し管理する、その上に車を動かす、みんな鉄道というものでやる。ところが道路の場合はそうじゃない。道路をつくり、保守するものと、それからその上の交通の統制とか規制という言葉よりも、交通自体を管理するというもの、今は警察が取り締まりというような面からやっておるが、実際は輸送上の管理というものはほんとうは、要るわけなんです。それと各業者を統制していく。これはみんな違うわけです。
 そこで道路運送という新しい、これは雪だけに限りませんけれども、特に雪の場合痛感するのですが、建設省と警察庁と運輸省とで一緒になって、これはどうやっていくかということを、道路がとまったり、あるいは円滑にいかなくなったら、みんな鉄道にいくわけにはこれからはいくものじゃない。もっと道路のウエートが重くなっておるから、そういう点について、むしろ運輸省の側が運輸の専門の立場からつくったり、取り締まったりする方に対して相当強く発言をしてもらわなくちゃしようがない。これは非常に痛感をしておるのでございます。これはやや恒久的な問題であるかもしれぬが、道路の使命が変わったことから非常に大きなことであると思いますので、特にお願いをし、政務次官から御答弁いただきたいと思います。
 なおもう一つ、私どもが三時半に金沢を出て、県境に行ったのが十時半です。県境から福井県の方は一方交通をしておる。福井の方から県境まで来る自動車が二十数台ある。これを待っておってくれ、待っておればあとはとめておく、そうするとこっちから行くということで、非常に石川県より状態がよかったわけだが、自動車がぶっ倒れちゃった。そこで、たとえばこれは雪の場合だけに限りませんけれども、雪の場合特にそうなんですが、一両故障してしまったら、ぶっ倒れたら最後なんです。われわれが待っておっても、幾らたっても自動車が通れないものだから、四時間半くらい待たされた。そこで福井県のある方が言っておられましたが、これは非常に必要なことだと思いますが、陸連事務所が協力しておるそうでありますが、大体雪の道路自体の把握が足りないのです。雪道に自動車が入るととても困る、とても行けない。こういうものをはねのけるということを相当やらないと、これでは一両ひっくり返ったら最後です。どうにもならない、そういういろいろな問題が今後道路についてはありますが、特に運輸省として強くこの問題を取り上げて発言していかなければ、これは業界としては非常な損失だし、その業界の損失はともかくとして、荷物の来るのを待っておる住民の非常に大きな被害をさらに大きくする、こういうことになりますので、ぜひお考えをいただきたい。政務次官から一つ簡単に一般論としてお聞きいたします。
#30
○大石(武)政府委員 ただいまの細田委員の御意見はまことにごもっともだと存じます。われわれも以前から、雪道ではありませんが、都会その他の交通事情から考えまして、この交通を規制する何らかの強力な措置が絶対必要ではなかろうか、ただそれがいろいろな所管があってばらばらでは困る、だから何か強力な一体となった機関があって、それが強力な交通統制をするのでなかったならば、どうにもしようがない事態がくるだろうということを痛感しておったような状態でありますが、今度の豪雪地帯を回りまして、また細田委員等の御体験談も十分に聞きまして、当然もっともっと強力にしなければならないということを痛感したわけであります。これにつきましては、必ず運輸当局でやるかどうかわかりませんが、われわれが中心となりまして、できるだけこのような交通統制と申しますか、規制に関する何らかの措置ができるようなことに持っていきたいと努力する決意でおります。
#31
○山田(彌)委員長代理 肥田君。
#32
○肥田委員 私も関連して若干の質問を行ないたいと思います。
 まず、前回の三十五年の暮れの豪雪害のときに、労務者の賃金が安くて国鉄自身が労務者の供給を受けることができなかった、こういうことが現地で言われておった。それから今度の雪害についても、やはりそれと同じようなことが言われております。一方では、先ほどからの質問の答弁にもあったように、二千円ぐらいのいわゆる人夫の除雪費というものが出されておる。ところが国鉄では五百円ぐらいしか出さないというようなことも言われておりました。その差額の問題が結局は失対の費用の問題にまで触れておるように新聞に出ておりましたが、今度の場合に、その点で実質上やはり支障が起きてきたのじゃないかという気がするのであります。そういう際における国鉄側のいわゆる除雪労務者の労賃の計算というものは、今年はどういうふうにされますか。
#33
○吾孫子説明員 国鉄の除雪人夫の賃金のきめ方というものは、労働省の告示がありまして、労働省の告示で基準がきめられております。それによって先ほど政務次官から御説明がありましたが、北陸地方が五百八十円、また新潟地方ではたしか六百円だったと思いますが、これは労働省の告示を基準にいたしております。しかしそれを絶対に一銭も動かせないというようなことでなしに、状況によってある程度の幅を持たせて運用して、お金の面でやれない面は、たとえば弁当をつけて出すとか、そういうようなことでできるだけ必要な人員を確保するようにやっておりますけれども、今回もいろいろ地方の事情を聞いておりますが、むろん御指摘のありましたような一般の他の地方で非常に高い賃金が出ておるというようなこともある程度影響しておることは否定できないかと思います。場所によっては十分に集まらなかった理由の大きなものは、それぞれその除雪に繰り出してくれるような人が、自分の家がもうあぶないということで出てこられなかったというような要素の方が多いようでございます。ただしかし、国鉄としましては、いずれにしましても、労働省の告示で示されました賃金を大きく動かすようなことはできませんので、ある程度のさじかげん、それから物的にたとえばお弁当をつけるとかというようなことでできるだけのことをするという程度以上には、私ども国鉄が勝手にできないというような事情になっておるわけでございます。
#34
○肥田委員 次官の報告もありましたように、大体国鉄の幹線は全部開通をしておるという事情でございますので、その関係については、私も質問はこのぐらいでおきたいと思います。
 そこで今後の問題について一つ、二つお聞きしておきたいのですが、山陰地方においてもすでに雪害がだんだん波及をしていっておる。それからなだれが起きる。こういう関係。それから除雪したもの自体が国鉄の線路に対してなだれてくるというような事情もあるようですけれども、そういう面の対策というものは、これから起きるわけなんですが、特に何か対策を考えておられるのですか。いわゆるなだれ対策ということですね。
#35
○吾孫子説明員 御指摘の通り、今後起こって参りますのはなだれの危険でございますので、私どもの方といたしましても、なだれに対する警戒というものはできるだけ遺漏のないようにいたしております。七十数カ所の非常になだれが起こりやすい場所に対しては、自動警報機のようなものを設備をいたしておりまするし、また、それ以外に線路警戒に当たらせますために、携帯無線電話機というようなものも、関係のなだれの危険の多い管理局等に対しましては、保線関係の従事員、あるいは公安関係の職員等にも十分待たせるようにいたしておりますので、なだれの防止ということについては相応の手配はいたしておるつもりでございます。ただいまのところ、やはりここのところも毎日小規模のなだれは起こっております。起こっておりますが、今のところはまだいわゆる表層なだれということで、そう大した被害は起こっておりませんけれども、今後はしかし十分この辺に留意しておきませんといけませんので、私どもといたしましては、ただいま申し上げましたように、いろいろ通報のための無線電話機を十分持たせるとか、また警戒員を要点につけるということについて意を用いておる次第でございます。
#36
○肥田委員 なだれは、これは実際において防ぐことがはなはだむずかしいと思いますので、今副総裁の言われたように、いわゆるなだれが起きるということは、これは物理的な問題ですから、そういう際に列車に影響を与えないように、こういうことに対しては特に万全の対策をとっていただく必要があるだろうと思います。
 それからもう一つ、これは私もよくわかりませんので、聞いておきたいと思うことがあります。それはいわゆるこういう積雪地域におけるところの問題ですが、今度の場合に、いわゆる電化地域におけるところの災害の実情と、それから施設に対する災害ですね。電化地域のいわゆる架線が切断されたとか、送電線にいろいろと影響があって送電が途絶したとか、こういう問題。それからディーゼルカー、従来の蒸気機関車、こういうものとの優劣の関係について何か特徴があったら一つお聞かせいただきたいと思うのです。これは何なら今すぐでなくてもけっこうですが、ただ私が心配しておるのは、いわゆる電化という施設の改良については、地域的に大いに一考を要する問題があるのじゃないかという気がしております。蒸気機関車という問題はさておいても、ディーゼル列車というもののずいぶんと重宝な場合もあると思うのです。電気というものは、御承知のように、架線が切断すればこれはどうにもならないという致命的な問題があります。けれども、自行力を持っておるいわゆる蒸気機関車あるいはディーゼル車というようなものについては、おのずからまた特徴があるわけです。そういうものが、今度この雪害地域においてどのような経過、結果が起きておるだろうかということを知りたいわけですから、今何でございましたら、一つあとからそういう関係についてちょっと研究用の資料報告をいただきたいと思います。
#37
○吾孫子説明員 電線の方の関係につきましては、送電線の関係が今度の雪でひどくやられて送電が途絶したとかいうことは、今までは起こっておりません。電線としては何といっても細い通信線が一番すぐ雪にやられやすいので、それらのものにつきましては、先ほどの政務次官からのお話もありましたように、要点は地下ケーブル化するというようなことで、今度通信線阻害ということを起こさずに済んだわけでございます。しかし、送電線のことも十分研究してみなければならぬ点も残っておると思いますが、それらの点はまたよく検討いたしたいと思います。
 それから車両の問題でございますが、これも私あまり詳しくは存じませんけれども、操車場や何かの構内の除雪には、ディーゼルの小型のロータリーみたいなもの、そういうようなものが比較的よく働けるというので、それをだいぶ整備いたしまして、そういうものががなり有効に働いておる模様でございます。
  〔山田(彌)委員長代理退席、委員
  長着席〕
それから、ただいまのところ、いわゆる電化区間の除雪ということは、まあ上越線も信越線も北陸線もそれぞれ一部電化されておるわけでございますけれども、電化のために、動力車が電気機関車であるために、何か問題があるというようなことは聞いておりません。しかし、車両の比較検討の問題につきましては、なおよく研究いたしまして、御報告を申し上げたいと思います。
#38
○肥田委員 電化区間における除雪はやはり例のロータリー車あるいは蒸気機関車のラッセル車、こういうものでやられたのですね。そういうことでしょうね。特に電化されたロータリー車というものはまだできていないのでしょう。
#39
○大石(武)政府委員 私はしろうとでありますが、現場を見てきたので、私からお話を申し上げます。
 これは別に電車区間であろうと普通の蒸気機関車の走る区間であろうと、除雪方法は同じでございます。詳しいことは、御説明を要しますが、時間がかかりますので、割愛しておきます。
#40
○肥田委員 けっこうでございます。ちょっとお伺いしたかったので……。
 最後に、前回の雪害のときに言われておったことは、問題点は、今回の特別な、いわゆる豪雪によるところの長期にわたるという問題を別にしては、大体似たような条件が交通途絶の原因になると思うのです。ポイントの改良問題だとか、それから融雪溝――流雪溝というのが正しいのですかね。流雪溝即融雪溝にもなるわけでしょうが、こういうようなものの施設という問題について、それから複線の問題、これは高橋先生の言われておったようにまことに根本的な問題だと思うのです。ただ、この根本的な問題を私たちの方で議論をする際には、やはり当面の対象というものは国鉄の方に向けざるを得ないわけです、当の管理責任者としてですね。ところが本質的な問題を考えてみると、これは政府の責任でなくちゃならないということになろうと思います。新聞では今度の災害についていろいろと書いております。高橋さんの言われたように、片っ方は新幹線、ところが片っ方ではどうにもならない。一カ月も雪で列車がとまってしまう、こういうふうな問題、それからまた、これはなかなかむずかしい問題だと思いますけれども、自衛隊が国鉄の除雪の応援に行くのに、いわゆる乗車賃を払って、器材の輸送料金まで払って行っているというような、こういうこともなかなか皮肉まじりに書いていましたが、これは非常にむずかしい問題だと思いますが、そういう問題は一時的な問題ですから大して問題にはならないと思います。ただ、この本質的な複線化の問題だとか、あるいはポイントのいわゆる冬季におけるところの保護対策だとかあるいは流雪溝のような問題、こういう非常に金のかかる問題については、これは国鉄だけでは私は出産能力はないと思うのです。ですからこういう五カ年計画の中で計画されておっても、五カ年もずっと妊娠の徴候を見ておるような状態では、これは地元では不満が出てくるのはあたりまえなんです。ですから出産能力を与えるためには五カ年なら五カ年計画の中で、そういう雪害対策というものが根本的に具体的に姿を見せる、その見せるということについては、いわゆる運輸省当局と国鉄、この二つの力によって実現されなければならない。それは同時に、いわゆる政府としての根本的な対策というものが考えられないと、三年前のことをことしも繰り返しておる、その問は二年しかあいていないわけですから、一つ本質的にそういう問題を検討され、取り組んでいただくということが必要であろうと思います。災害のたびごとに同じことを繰り返しておるわけですから、特にこの際国鉄と運輸省、これが一体になって、雪害の根本的な対策というものが日の目を見るように特にお願いしておきたいと思います。
#41
○木村委員長 次会は来たる八日金曜日、午前十時三十分より委員会を開会いたすこととし、本日はこれにて散会いたします。
  午後零時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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