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1962/02/13 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第4号
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1962/02/13 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第4号

#1
第043回国会 運輸委員会 第4号
昭和三十八年二月十三日(水曜日)
   午前十時三十九分開議
 出席委員
  委員長 木村 俊夫君
   理事 佐々木義武君 理事 鈴木 仙八君
   理事 高橋清一郎君 理事 細田 吉藏君
   理事 山田 彌一君 理事 井岡 大治君
   理事 久保 三郎君 理事 肥田 次郎君
      有田 喜一君    有馬 英治君
      尾関 義一君    川野 芳滿君
      砂原  格君    關谷 勝利君
      福家 俊一君    井手 以誠君
      加藤 勘十君    勝澤 芳雄君
      内海  清君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 綾部健太郎君
 出席政府委員
        人事院事務官
        (給与局長)  瀧本 忠男君
        総理府事務官
        (行政管理庁行
        政管理局長)  山口 一夫君
        運輸政務次官  大石 武一君
        運輸事務官
        (大臣官房長) 広瀬 真一君
        運輸事務官
        (海運局長)  辻  章男君
        運 輸 技 官
        (船舶局長)  藤野  淳君
        運輸事務官
        (船員局長)  若狭 得治君
        運輸事務官
        (鉄道監督局
        長)      岡本  悟君
        運輸事務官
        (航空局長)  今井 榮文君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (主計局給与課
        長)      平井 迪郎君
        文部事務官
        (初等中等教育
        局職業教育課
        長)      河上 邦治君
        日本国有鉄道副
        総裁      吾孫子 豊君
        日本国有鉄道常
        務理事     河村  勝君
        専  門  員 小西 真一君
    ―――――――――――――
二月十一日
 委員勝澤芳雄君辞任につき、その補欠として小
 松幹君が議長の指名で委員に選任された。
同月十二日
 委員小松幹君辞任につき、その補欠として勝澤
 芳雄君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 陸運に関する件(豪雪による私鉄の被害状況
 等)
 海運に関する件(内航船の助成策等に関する問
 題)
 航空に関する件(航空管制職員の待遇改善等に
 関する問題)
 日本国有鉄道の経営に関する件(国鉄職員給与
 に関する問題)
     ――――◇―――――
#2
○木村委員長 これより会議を開きます。
 海運に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。關谷勝利君。
#3
○關谷委員 まず海運局長にお尋ねをし、それから船舶局長にお尋ねをします。簡単にお尋ねを申し上げますので、明快に簡単に御返答を願います。
 今の内航海運の非常に困っておりますことは、これは海運局長は内航ぎらいではありますけれども、よく御承知だろうと思います。それで、この内航を何とかしなければならぬというので真剣に考えておる人もたくさんあるのでございますが、何さま業態は、一ぱい船主というものが多かったり、船主船長であったりいたしまする関係で、政治的なつながりもないというふうなことで放任をされておるのであります。今度の大手の集約化に伴いまして、いろいろの現象が現われてくると思いますが、この現象はすべて内航海運に対しましてはいい面が一つもないというように私たちは考えております。今、大手が内航海運をやっておりまするが、自己船の数は大手十社でわずかに十八隻であります。しかも扱い船は二百八十九隻という状態であります。そうして今まで大手海運の合理化というようなことがありまするたびに、内航船舶の用船料を引き下げることで合理化ができたというように安易なことを考えてやってきております。従って、内航船主の犠牲において大手が助かっておるというような部面もあるのでありまするが、今度外航船舶の再建整備ということになって参りますと、海運企業整備計画審議会で厳格に査定をいたします関係で、合理化の面が特にきびしくなってくると思います。そういたしますると、ますます内航船主を圧迫するようなことになってくると思いますので、この際外航船舶の再建整備で今度集約化をいたしまするのに並行して、どうしても内航対策を考えなければならぬと思います。内航海運対策審議会というようなものを早急につくって検討しなければならぬと思うのでありまするが、海運局長はこれについてどういうふうに考えておられますか。今、大手の方ばかりに気をとられて、そんなことは考えてないというお考えですか、あるいはそういうものを早急につくるというお考えですか。
#4
○辻政府委員 今御指摘がございましたように、内航海運につきましては運賃の水準がなかなか回復しない、そういうことで、内航船を持っておられる中小船主の状況が苦しいことは御指摘の通りでございます。今回国会に提出いたしました海運業の再建整備に関する臨時措置法案は、外航海運の国際競争力をつけようというのが主眼でございますので、あまり内航の問題については触れてないのでございます。内航につきましても、外航のめどがつきますれば、次には内航の問題を検討して参りたい、かように考えております。
#5
○關谷委員 今私がお尋ねいたしておりますのは、それに対しまする内航海運対策審議会というようなものをおつくりになるかどうかというのでありますが、早急にこれをつくられますか、つくりませんか。
#6
○辻政府委員 現在海運の問題につきましては、海運造船合理化審議会等もございますし、海運造船合理化審議会等の御意見を聞くことがいいか、あるいは今關谷先生から御提案のございました特別の内航関係のそういうふうなものをつくるがいいか、その点につきましてはなおよく検討いたしたい、かように考えております。
#7
○關谷委員 今の海運局長のお話を聞きますと、内航には一切関心がないというように私たちの感覚では受け取られるのであります。これを今の合理化審議会の外航のことばかり考えて、内航の犠牲において国際競争力を増すようなことを考えているような人ばかりが集まっておる委員会に持っていって、内航に何らの同情もない人に内航の研究をしろ、検討しろと言ったって、とてもできるものではありません。そういうようなことにするのなら、何もつくらないのだといった答弁をする方がはっきりしておるくらいであります。今の内航海運の状態を見ますと、さっきも私が申し上げましたが、実際に大手であれだけ内航をやっておりますが、実際に自分の船を持っておるのは大手十社全部で十八隻、扱いが二百八十九隻というような状態であります。大手筋は合理化を迫られると、扱い船の用船料や下請運賃だけをたたき下げることだけをやてきたのであります。そのため大手の内航の部分だけ見ますと、ピンはねをやるのですから、いつの時代でもピンはねをかりに一割やりますと、運賃の一千円のものが九百円になりましても、扱い料が九十円になるだけで、わずかなものでありまして、損はないのであります。そんな状態でありますから、どれだけ用船料をたたき下げましても、大手の内航海運はもうかっておるのです。こんな状態を見て、内航海運は決して危殆に瀕してないじゃないかという考えを持っておる海運局の考え方というものは、困ったことであります。海運局には中小企業対策がないということをはっきり言った方が気がきいているくらいであります。今度大手の集約化に伴って大きな影響があるんだから、何とかしなければならぬと私たちが言いますと、合理化審議会に諮るかどうかを検討するというようなことでは、ひまがあったら検討してみようということでありまして、不都合な話であります。
 これは大臣にお尋ねいたしますが、大手筋が再建整備の前提といたしまして集約化いたします。そのため大きく内航海運に響いてくる。その響く影響というものは、いい面でなしに、悪い面、悪い面へ来るので、結局しわ寄せは全部内航へ来るという状態になりますので、今のうちに救済しなければ、内航はつぶれてしまいますので、私たちは非常に心配しております。海運局長はゆっくりしておられるようでありますが、大へんなことであります。ぜひ内航海運対策審議会というようなものをつくって、その道の権威者を集めて検討しなかったならば、大へんなことになりますので、早急につくっていただきたいと私は思うのでありますが、大臣のお考えはどうでございましょうか。
#8
○綾部国務大臣 外航の必要なると同時に、内航の必要なることは申すまでもありません。私どもも今後御趣旨に沿うようなことをやってみたいと思います。
#9
○關谷委員 大臣が早急につくっていただきたいという私たちの要望にこたえたいという今の御答弁でありますので、あまり多く言いませんが、今の内航は非常に苦しんでおります。運賃がどんなによくなっても、国鉄の遠距離逓減というものに押えられまして、内航海運の運賃は天井がつかえております。下がるときには、どれだけでも運賃は下がります。鉄道運賃を政策運賃でやるなら、その犠牲となります内航海運は何とか国か国鉄かで見てやらなければならないのが本来でありますのに、そういうような面は一切今まで見てやっておりません。その上今度大手筋が集約をせられることになって参りまして、その余波として重圧がまた内航海運に来ようとしておりますので、一日も早く内航海運対策審議会を御設置願いたいと思います。大臣も設置をしてやろうというお気持でありますので、もう多くは申し上げませんが、内航対策を進めます上においてお考えを願いたいと思いますのは、内航と外航をはっきりと切り離してしまうという政策を一つお取り上げ願いたいのと、その内航の中で自家用と営業用をはっきり区分することも考えていただきたいし、また内航海運業というものは、許可制にどうしても踏み切っていただかないで、今のままで放任しておいたのでは、どうにもなりません。なお標準運賃もつくっていただかなければならないことも大きな問題であります。その上、もう一歩進めることになりますと、内航船舶の運送組合のような大きな集約化したものでもつくって、合理化をはからなければならぬと思います。そこまでいかなければならぬのではなかろうかとも考えられますので、よく御検討願いたいと思います。
 海運の関係はこれで終わります。
 それから次に船舶局長にお尋ねをいたします。
 昨日の新聞に、窮地に立つ中堅造船所というのが、読売新聞であったか、出ております。五、六月には工事量がゼロになりそうだというようなことが響いてあります。そういたしますると、これらよりもう一つ下の中小造船所が非常に心配をいたしております。中堅造船所は、外国船を受注をいたしましたり、いろいろはなやかな時代もあったのでありますが、仕事がなくなると今度は中小造船の領域まではみ出してくるのではなかろうか、そんなことをやられては大へんだ、外国船その他でいいことのないこの中小造船が、中堅以上の造船所に仕事を食われてしまって、自分たちの仕事がなくなれば、中小造船はたまったものではありません。何かそんなことについて船舶局では考えておられるのでありますか。この点もしきりに地方の中小造船所から私たちのところへ問い合わせが来ておるのでありますが、これらに安心感を与えてやるような方法を何かお考えになっておりますかどうか、お尋ねいたします。
#10
○藤野政府委員 ただいま中小造船所の手持ち工事あるいは先行き見通しに業界は非常に不安がだんだん強くなっておるわけでありますが、御承知のように、造船界は大と言わず中小と言わず、近い将来の見通しにおきまして非常に不安感がだんだん強くなっているのでございます。私どもが中小造船所に対しましてとって参りました施策は、三十四年に制定されました中小型鋼船造船業合理化臨時措置法の運用によりまして、経営の面、それから技術の面、それから造船所としての施設の面につきましていろいろ指導をして参ったのでございますが、それによりまして、いわゆる生産原単位工数が一五、六%低減をいたしておりますし、輸出面でもいわゆる大手造船所に非常に近づいておるわけでございます。また営業力におきましても、最近の活発な受注活動によりまして、相当いろいろと強化されているというふうに考えておるのでございます。ただいま御指摘の非常に困っているじゃないか、先行き非常に不安になっておる、これに対して運輸省としてはどういう手を打とうと考えておるかという御質問でございますが、私どもといたしましては、外航海運の小型なものにつきましては、戦標船のスクラップ・アンド・ビルドの予算が大幅に認められましたので、開銀あるいは公団によるS・Bが相当期待できるのではなかろうかと考えております。またことしは昨年に比べますと国内全般の経済活動がやや上向くのではなかろうかという期待もございまして、それによる国内の内航船の新造需要は昨年よりやや上げてくるのではなかろうかという期待がございます。また輸出船につきましては、中小造船所は大手と違いまして、輸出の面の営業活動が非常に微弱でございますので、これが適当な商社と適正に結びつきまして、商社に搾取されない形において輸出の振興助長ができますように、いろいろな施策を考えたい、かように考えております。
 全般的に申しまして、中小造船所は臨時措置法の効果が国内全般の経済活動の活発化とちょうど時期を同じくいたしましたために、非常に効果が上がりまして、三十六年度は約四十万総トンの建造をいたしたのでありますが、御指摘のように最近は非常に先行き見通しが困難でございますので、以上申し上げましたような措置によりまして、大手造船所が中小の分野を荒らさないようにいたしますためには、何をおいても中小みずからが技術力、受注力、供給力を強化するということが一番でございます。この点につきましては、この臨時措置法は時限立法でございますが、さらに一、二年延長するということも必要じゃないか、かように考えておる次第であります。
#11
○關谷委員 今御答弁のありました小型鋼船の造船所の臨時措置法は、当然延長すべきだと思います。そういうお取り計らいを願いたいと思います。あの法律によりまして近代化あるいは技術の向上等ができましたことは、これはあなたの御説明の通りで、あなた方の御労苦に対しましては私は敬意を表します。ただ私がお尋ねをしたいと思いますのは、今後の新造船が大型化ということになって参りますと、一番大きいクラスの造船所は、大きな計画造船の割り当てもありましょうから、成り立っていくと思います。また立っていかなければならぬと思いますが、中堅造船所の方は発注がなくなってくる。五、六月にはゼロになろうかということになりますと、それらの造船所がいわゆる地方の中小造船所の分野までを侵すというようなことになってきわしないかということを私たちは非常におそれておるのであります。また業界でも非常に不安がっております。
 そこで、私は端的に申しますと、特定船舶整備公団の共有にいたしましても、まだ旅客船にしましても、あるいはスクラップ・アンド・ビルドの戦標船、それから例の開銀方式によりますところのスクラップ・アンド・ビルドの戦標船とか、あるいは海上保安庁あるいは気象庁等でつくります船は中小造船のところへやらなければ、中小造船が立っていけないことになるので、そういう船は船舶局の方針として中小造船所にやるのだという方針を確立してもらえば、これらの中小造船所の不安が一掃せられるのじゃないかと思います。官庁発注船すなわち官需がそういうような方面に範を示してもらうのだということになれば、それだけ気分的にも私は非常に安心感ができるのではなかろうかと考えますので、そういうような方法をとってもらいたいというのが私の質問をいたしておりますねらいでありますが、これに対しましては、どうお考えになりますか。
#12
○藤野政府委員 ただいま御指摘の通り、いわゆる外航船をつくっておりました中級の造船所が、一般に船型が大型化いたしましたために、非常に困難を感じて、中小の分野を荒らすという事態が起こりつつあることは、先生の御指摘の通りでございます。これに対しまして、中小造船所側の対策といたしましては、やはり先ほど申しましたように、十分自分の力をつけるという点がございますし、また力の足りない面は、政府といたしましては、極力いろいろな面で援助してやるという点が必要じゃないかと思います。その点につきましては、政府の予算によります標準設計の面で、中小造船工業会をして、中小型船の造船所が自分の手で設計し、建造できるようなりっぱな標準設計をつくらせておるわけでございます。これにつきましては、二百トンとか、五百トンでありますとか、あるいはただいま総トン数二千トンの鉱材運搬船も中小造船所が自分で建造できるように、模範的な設計を現在つくりつつあるわけであります。さらにまた、日本船舶工業振興会の補助によりまして、いわゆる公団のつくっております石炭専用船につきましても、中小型造船所を対象に標準設計をつくったわけでございます。これにつきましては、いわゆる大手造船所も一流の技術を導入いたしまして、りっぱな設計をつくっておる次第でございます。しかしながら、ただいまおっしゃいましたように、いろいろ官庁船が中小に行かずに大手の方に流れていくのを何とかできないのかという御指摘がございましたが、これにつきましては、極力中小の立場を、あるいは運輸省の政策を十分発注官庁に反映させまして、なるべく中小の方に注文が行きますように、入札その他につきまして適当な配慮をしなければならぬ、それにつきましては、われわれは従来以上に今後努力を続けて参りたい、かように存じております。
#13
○關谷委員 船舶局長は、極力官庁の船については中小造船所に注文しようというような御意見でありますので、そういうふうなことに進めてもらいたいと思います。船舶局長に対する質問はこれで打ち切ります。
 文部省にお尋ねを申し上げたいのでありますが、今の商船高等学校のことであります。今のように科学と技術が進歩いたしまして、船舶が大型化せられ、自動化あるいは高速化というふうなことになって参りますと、そういうふうなものにおくれないような船員の教育をしなければならぬということは印すまでもないのでありますが、今の制度のままでは、どうも応募者面から言いますと非常に少ないのであります。普通の同等学校を出た者も海員養成所のようなところへちょっと入ってから下級の船員になりますが、そういうふうな者を指導しなければならぬ中堅船員も商船高等学校出でやはり同じ高等学校だというようなことになりますと、高等学校を出た者が高等学校を出た者を指導するということになっておかしいじゃないかというような面も強く船員仲間には出ておるようであります。それから、船員といいますと、結婚するためにいたしましても、割合相手が少ないのでありますが、せめてこれが専科大学とか高等専用学校とかということになって参りますと、大学程度を出ておる者だからということでお嫁さんもあるそうでありますが、今の商船高等学校のままでは、そういうような面にまで影響するのだそうであります。これは海運界の久しい要望でございますが、この商船高等学校を商船専科大学とか、あるいは高等専門学校というようなことに制度を変える、昇格さすというようなお考えはあるのですかどうかを承っておきたいと思います。
#14
○河上説明員 ただいま先生の御趣旨の通りでございまして、現在商船高等学校は、国立の商船高等学校五校を文部省が所管しておるわけでございますが、商船高等学校と申しましても、実質は五年制の高専と同様でございまして、直ちにこれを高専にするというようなお考えもあるのではないかと平素から考えております。ただ問題は、御承知の通り、工業高等専門学校と申しますのが昨年から発足いたしまして、これで高専基準というものが設置されております。今ただちに商船高等学校を横すべりに高等専門学校へ昇格をさせるということにつきましては、問題がいろいろございまして、たとえて申しますと、まず教員組織の問題でございます。これは高専には教授、助教授等になる者の規定がありまして、現在の商船高等学校の先生そのままを持っていくと、あるいは五校をもう少し規模を縮小してでも高専に昇格させるというような問題等につきましても、今後もっと検討しなければならぬと思いますし、同時に先生のおっしゃいました将来の技術革新に伴うところの技術の高度化というものに対処するためには、やはりこの学校の内容そのものも改善充実して参らなければならぬと思っております。ただ、この問題は、船員の需給計画は、先生の御承知の通り、船員教育審議会で御研究されまして、その趣旨をくんで文部省の方も計画養成をいたしておるわけでございますが、聞くところによりますと、将来この審議会が海員審議会というようなお名前に変わって、そうして将来の技術革新に対処する技術者の養成計画の御検討をなさるというようなことも聞いておるわけでございますので、そういう面と相待ちまして、前向きの姿勢でこの商船高等学校の昇格問題ということにつきまして検討をさせていただきたい、かように考えておるわけでございます。
#15
○關谷委員 いろいろな問題があることは聞いておりますけれども、今の制度でも五年制になっておりますし、座学を半年延ばせばそれで専科大学の基準に適合することになるということも聞いておるのでありまして、ほかの高等学校を専科大学にするのとはまた趣が違うと聞いておるのでありますが、その点はどうなのでございますか。
#16
○河上説明員 現在工業の方の同等専門学校では、百八十七単位を大体履修させております。現在五年制の商船同等学校は、これは船舶実習も入れまして百五十単位を修得させておるような状態でございます。従いまして、年限の上で申しますと、船舶実習を商船大学程度にとどめまして、内容の充実をしていけば、年限的には大体半年ぐらい延ばせばその内容を盛ることは不可能ではなかろうというような考えを持っております。
#17
○關谷委員 早急にこれは御検討願いまして、でき得るなら来年度からでもそういうふうな制度に変えていただきたいと思います。それをお願い申し上げておきますのと、先ほど船員教育審議会の意見に基づいてと言われたが、この船員教育審議会は以前運輸省にあったのでございますが、今はどこにありますか、文部省に移っておりますか、どうですか。
#18
○河上説明員 やはり運輸省にございます。
#19
○關谷委員 この船員教育審議会というものについて申し上げますと、今その答申に基づいてというお話が課長からありましたが、これは文部省の方で自主的に、この学校の教育というものにつきましてはやっていただきたいと私は思います。この船員教育審議会というものは、とんでもない審議会でありまして、悪く言うわけではありませんが、今から十二、三年前に、この船員教育審議会は、事もあろうに商船高等学校を廃止しようとかかったような審議会であります。そんな審議会が左右するような運輸省に置いておいたのでは、商船高等学校はどんなことにせられるかわからない。今の船員の中核体は、商船高等学校の卒業生でできておるのにもかかわらず、それを廃止しようというような無謀なことを考えることは、日本の海運界をつぶすことになるんだということで、私は憤慨をいたしまして、船員教育審議会が廃止の結論を一たん出したのを取り消さしたのであります。そしてそのあげく、私はこれを文部省へ移して、文部省なら、高いところからいろいろ内容その他を検討してくれるし、立派な船員を養成をしていただけるというので、その当時、私が中心になって、文部省の方へ商船高等学校を移管したのであります。そういうふうな経緯もありますので、この船員教育審議会の言う通りにあなた方がやられたのでは大へんだというような気持を私は今でも持ちます。あなた方の方で自主的にいろいろ御検討なさって、そしてこれから先の海運がどうなるかというふうなことは、これは経済の発展に見合って、あなた方の方でもよくおわかりでありますので、今の専科大学にするという面につきましても、審議会の意見だけを聞くのでなくして、あなた方の方が自主的に専科大学なり高等専門学校にしていただきたい。これをお願いして、あなたに対する質問を打ち切ります。
#20
○河上説明員 先生の御趣旨を十分に検討いたします。
#21
○久保委員 時間がありませんから、資料として提出を要求しておきますが、海運局長の方には、ただいま若干お述べになりました内航海運の現状と問題点について、さらに船舶局長からは、やはり中小造船業の現状と問題点、これを資料として出していただきたい。以上です。
     ――――◇―――――
#22
○木村委員長 次に、陸運に関する件、特に豪雪による私鉄被害に関する問題について調査を行ないます。
 質疑の通告がありますのでこれを許します。肥田次郎君。
#23
○肥田委員 先般、裏日本一帯を襲いました未曾有の豪雪害に対する政府の調査、あるいはこの一応の対策などについて報告を受けました。基幹交通であるところの国鉄についても、その実情について御報告を受けましたが、民営鉄道の交通機関における雪害については、まだ格別報告を受けておらないのであります。去る十一日に、多数の自民党、社会党の両議員が出席をいたしまして、北陸三県の民営鉄道、バスなど十五社の代表から、雪害の陳情を受けました。まことに聞きしにまさる惨状でありまして、このほかにまだ東北、新潟その他を初め、滋賀、京都、兵庫、さらに山陰の各県――山陰と申しましても、中国山脈を脊梁に、いわゆる日本海側に面する地域、こういう地域においても、同じく豪雪害を受けました。この地域の豪雪害の結果、いわゆる民営交通機関というものが、全く雪害のために途絶をいたしまして、その復旧に非常な困難を伴い、同時に、そういう地域におけるところの一般住民の社会的な問題についても、非常に大きなものがいろいろ残されておると思うのであります。従いまして、そういう点について当局は、いわゆる今後の対策、それから災害の実情、こういうものについて、どのように把握をされておるのか、まず簡単に報告を聞きたいと思います。
#24
○岡本政府委員 今回の豪雪によりまして、新潟県の三社及び北陸地方の六社は、著しい被害を受けたわけでございます。一月二十四日には、この九社のうち、全線運転休止に至りましたもの七社に達しまして、九社の営業キロ五百九十八キロのうち、不通キロは五百八キロ、パーセンテージにいたしますと八五%と相なったのでございます。被害各社は、職員その他の除雪作業員の確保に努めまして、全力を結集して除雪、復旧をはかりました結果、着々と開通を見るに至りまして、昨日現在におきましては、不通区間のキロは一一六・六キロでございまして、不通率は二〇%と相なっております。従いまして、全線開通に関しましても明るい見通しを持ち得るようになったのでございます。しかし、この除雪作業に投入した延べ人員は約十六万人となっておりまして、今後なお開通までに要する経費及びその収入減等を考えますと、相当大きな被害に達するものと考えます。大体の概算でございますけれども、被害額を申し上げますと、北陸それから新潟地方におきまして見ますと、除雪費が現在のところまでで七千七百万円、それから収入減が一億六千万円、合計で二億三千万円、こういった被害の額でございますが、さらに今後これがふえまして、あるいは五億円を突破するということになるかもしれないと考えております。
#25
○肥田委員 災害の復旧については、幸いにして雪の降りやんだ現在におきましては、相当急速に進むだろうと思うのであります。陳情を聞きました際に、われわれが最も痛感をしたことは、今鉄監局長の方から、この復旧経費についての概算の説明を受けました。私の手元へ、とりあえず北陸三県から受けている問題点について、二、三の問題が非常に急を要するのではないか、こういうふうに考えますから、特にこの点についての政府の考え方を伺いたいと思います。
 まず当面要するところの復旧費、これについては、北陸三県の代表としては、当面七億三千四百五十万円、これだけを融資をしてもらいたいという要請が来ております。これは、先ほど申しましたように一つの地域に限られた問題でありまして、新潟地域あるいは山陰地域においても同じような問題があるのでありまして、その実情を聞いてみましたところ、政府としてはこの融資についての指示はしておるけれども、その具体的な指示がされておらない。従って、融資の指示はあるけれども、ほんとうに金を借りる道がないのだという説明を受けました。それから同時に金利が高いということ、これは災害を復旧するという面では何としても非常に重大な問題でありますから、低金利のものですみやかに指定をして融資をしてもらえないだろうか、こういう切なる要望があるのであります。これについて何らかの対策が立てられるかどうか、まずお聞きをしたいと思います。
#26
○綾部国務大臣 私どももその陳情を受けまして、その受ける以前に、私鉄、私バスの窮状は大体雪害対策本部で了承いたしておりますので、大蔵大臣に――現在の法制のもとにおきましては、そういう雪害のために私鉄がこうむった損害を補償すべき法律上の根拠がないのです。そこで、まずその法律上の根拠を与えるべく、法制を政令で変えられる点は変えるというようにしてやる。それから、今なし得るものは、融資の道を開くということが一番なし得る最上の策であると考えて、大蔵大臣にそのことを申しまして、その融資のワクを広げておのおの金融の系統にそのことを言ってあるはずです。ただどの私鉄に対して何ぼ出してやれとかいうことは言っておりませんが、雪害による私鉄、私バスの救済のために、とりあえず融資をするように努力してくれということは通知してやっておるはずでございます。そこで、私鉄の各会社がおのおの自分の信用と自分の持っておる財産とによりまして、その取引銀行と交渉すればつなぎ融資はできるはずです。それから、さらに法律その他を改正いたしまして、今言ったように長期低利に直すようにするのでなければ、現在の法制のもとにおいては、遺憾ながらそれ以上の処置はとれないということを御了承願いたいと思うのです。私はその代表者にそのことをよく言って、そうして私の方としても先例その他を――先例はたった一つあるのです。熊本の電車が埋没したときに、それに対して特別の救済をした、それに合うような何か法制上のなにはないかということを今研究させておるところでございます。
#27
○肥田委員 問題点は、やはり融資の指示をして具体的にこの融資が行なわれるかどうか、こういうところにあると思うのですね。御承知のように、この融資というものは、ただ指示をしただけでは、その相手方がなかなか思うように貸さないというのが現在の実情だろうと思うのであります。ですから、各社に幾らという具体的な指示はともかくとして、もっと強い指示が出せないものか。その指示がなかったら、ただ形式的な指示になってしまって、実際には銀行はなかなか金を出さない。こういう間にいよいよ金詰まりがきて、そうして実際には除雪人夫も使えない、こういう状態が起きてくると思うのであります。実情は大臣もよく御承知だと思いますので、今ここで、このものずばりの回答を求めることは私は無理だと思いますけれども、しかしとにかく、いずれにしてもすみやかに、そういう面においても具体的な低利の融資ができるという対策を立てていただくことが最も必要なことではないかと思います。
 それから、大体損害の条件の中に特例のものがあるように思いますから、これについての考え方を一つ聞いておきたいと思いますが、それは御承知のように除雪に際して急を要する、とにかくここだけ通路を通そうではないか、こういう目的のために道をつけるという対策は立てられると思います。その際に既設の軌条が非常にいたむ、いわゆる除雪のブルドーザーその他のためにいたんでいく、その損害も相当額に上っておるようでございます。だから、そういうものについてのいわゆる補償というものは、運輸省としてはどういうふうに考えておられるか、これも一つ重要な問題ですから聞いておきたいと思います。
#28
○岡本政府委員 そういった実例を聞いておりますが、この場合は道路管理者との交渉になるものと考えておりまして、関係地方鉄道はすみやかに道路管理者と補償について交渉すべきものと考えております。
#29
○肥田委員 鉄監局長、何ですか、道路管理者と直接その被害を受けた――被害というか、その被害は単純なものではなしに、雪害とミックスされたものになりますが、その被害を受けた会社とで折衝して補償その他の話し合いをする、こういうことになりますか。
#30
○岡本政府委員 そうでございます。
#31
○肥田委員 その点は監督当局である運輸省としては、少し思いやりがなさ過ぎるのではないかと思います。そういう際に直接折衝の対象というものはそうなるのかもしれませんが、そういうことについての補償について、当局が建設省に対して積極的な申し入れをするという処置は当然あってしかるべきではないかと思いますが、そういう点についてはどうでしょうか。
#32
○岡本政府委員 第一次的には当事者同士で早急に話を進めるべきものと思いますが、もちろん私の方といたしましても、どうしても現地で話がつかないということになれば、中央でも交渉してみたい、かように考えております。
#33
○肥田委員 災害そのものの陰に隠れて、救済できるべき性質のものがそのまま放置されるということのないように、積極的な救援対策というものを講じていただかなければならぬと思います。
 それからもう一つ、こういうことについては、要するに災害時の補助対策というものは確かに言われたように明確でありませんが、この災害によって実際にバスなんかが雪の中に埋もれてしまって、そして春の雪解けを待たなければ動かすことができないという状態があると思います。いわゆる車両の破損だとか軌条の施設の損害だとか、こういうものが非常にたくさん出てくると思いますが、これなども、やはり雪害については災害復旧の対象にならないということでこのまま見過しにされますか。それとも、こういう問題については、雪害地域においては、毎年々々言われておることですから、こういうようなものについては、さっき大臣がおっしゃったように、新たに立法措置を講ずる、あるいは法律上の幅を広げる、そういうことによって、積極的に今度の雪害におけるところの補助対策を講じていかなければならぬと思うのですが、大臣のお考えはどうですか。
#34
○綾部国務大臣 ただいま申しましたように、政令の改正によりまして雪害というのを一つ入れさえすれば、さらに救助が法律的に基礎づけられて前進するものと考えまして、その手続をせっかく考究中でございます。
#35
○肥田委員 御承知のように、民営鉄道というものは最近におけるバスその他を含めて、とにかく幹線の国鉄に対して非常に重要な役割を果たしておることは御承知の通りであります。ですから、これらの復旧と、そしてこれから春にもなりますと、いわゆる本来の姿の活動に戻るわけです。ですから、そういう際に少なくとも支障のないような対策というものは、これは運輸当局として当然考えらるべきものであろうと思います。それから、特にこれは私もよく感じたことなのですが、民間の交通企業というものはまことに従順であります。これは運輸省のしつけがよかったのかどうか知りませんが、いずれにしても非常に従順でありまして、みずから活路を求めて、そして経営をつないでおるのが現状だろうと思います。ですから、そういう平常の状態はともかくとして、とにかくこの運賃政策においても国の政策によってこれが支配される。いわゆる公益事業、公共性を持つという言葉で相当強い責任を強要されておる面もあるのですから、こういう天災についてはやはり国としての責任を感じながら、復旧についての万全の対策を立てられる、こういうことについては、私はおそらく異存はなかろうと思います。時間がありませんから省略いたしますが、特にこの問題については自民党、社会党ということではなしに、地域の交通機関をいかにして原状に復するか、こういう大きな問題を課せられておるのですから、一つ積極的に、急を要するのですから、すみやかにこれが復旧助成策というものを講じてもらうように、特に要望いたしまして質問を終わりたいと思います。
 なお、将来災害の内容が明らかになってきた場合には、あらためてこれが積極的な救援について政府側に対して要望をしたいと思いますから、その点は保留をしておきたいと思います。
#36
○綾部国務大臣 さっき申しましたように、今まで雪害というものが、ことしのような大雪害がなかったものですから、おそらくは私はあの災害救助法の規定の中に雪害というものが入ってなかったのだろうと思うのです。今度の雪害でやはり雪害のこわさというものがよくわかりましたから、入れておくべきものであると思いまして、それを一つ入れるように努力いたしております。遠からず、何らかの法的根拠が与えられるようになると思います。法的根拠が与えられますれば、最大級の、国でできるだけの補助をいたしますと同時に、国鉄の、申されば栄養線のようなものでありますから、国鉄自体といたしましても、また一般大衆のためにも、早く私鉄、私バスが復旧することが喫緊のことと考えますから、最善の努力をいたすということを申し上げる。ただ前提になるその法律上の根拠がないので、私どもといたしましては困っておりますが、努力いたしたいと思います。
#37
○細田委員 関連して。――同僚肥田委員から今回の雪害に対する地方鉄道、軌道及びバスの問題についてほぼ網羅されたのでありますが、特に、ダブるかもしれませんけれども、お願い申し上げたいことは、先ほど来大臣から法的根拠云々という問題がございますが、私は、これは地方鉄道、軌道、バスの問題に限らず、豪雪に対する法制は不備である。災害関係の各般の法律に豪雪が必ずしも予想されておらないというのが実情だと思いますので、今法的根拠があるかないか、あれば大へんけっこうでありますが、なければこれはつくろう、こういう前向きの姿勢でぜひお考えを願いたい。これは非常に困難な問題があろうと思います。雪害という非常に特殊なものであります。私がこのように申しますことは、三十五年の暮れから三十六年にかけて豪雪がありまして、本年もまた豪雪であります。何十年ぶりの雪だといいますけれども、これが今年きりで、何十年か先にまた来るというものじゃないと思う。気象庁あたりの一部には、世界的に長期的な周期をもってくる寒波の時代に入っているというようなこともございますが、根本的に問題と取り組んでいただく必要があるだろうと思います。こういう点につきまして、重ねて大臣に御決意を御披瀝いただきたいと思いますことが一点。
 それからあわせまして、これは鉄監局長からでけっこうですが、併用軌道の場合ですね。これは融雪後の問題になると思いますが、私も実は北陸三県また山陰の方へも行って参りましたが、併用軌道の復旧という問題については、かなり新しい見地から、これまでのやり方を考え直さなければいかぬじゃないか。一般論として、併用軌道の問題は、自動車が増加しましたから、いろいろなこれの保守についての負担の問題については、雪の問題を別にしてもあると思いますが、特に雪のあとというようなことになりますと、市内電車の場合は併用軌道の上をブルドーザーも走る、トラックも走る、チェーンをつけた大型のトラックが走るというようなことで、この点についてはやはりここらで考え直していかなければならぬのじゃないか。こういう点について、これは局長の方からお答えをいただきたいと思います。
 それだけつけ加えて御質問申し上げます。
#38
○綾部国務大臣 細田委員の御主張はごもっともでございまして、私どももそういうように、この際豪雪というものについて考えを新たにいたしまして、できることなら関係各方面と相談いたしまして、抜本的に豪雪に対する被害ということについて考えてみたいと思いますが、とりあえずは、ただいま申しましたように何か早くできる方法、すなわちそれは政令を少し直せばできるのではないかと考えて、それを一つ早急にやりたいと思っております。
#39
○岡本政府委員 御承知のように地方鉄道につきましては地方鉄道軌道整備法によりまして、災害を受けました場合に補助できることになっておりますが、仰せのように軌道についてはこの関係の条文がないのでございまして、確かにこういった場合に備えまして法的に補助ができる道を開いておく必要があることを痛感いたしておりますので、十分検討してみたいと思っておりますが、大体今まで雪とかそういったことでなくて、軌道法によりますと、軌道面の補修の責任は軌道事業者にあるわけであります。ところが非常に道路交通の激増からいたしまして、軌道の上を自動車その他車両が非常にたくさん走るようになりまして、それを一方的に軌道事業者のみに補修の責任を負わせるということは筋が通らないということで、かねがね建設省あるいは自治省とわれわれの方でいろいろ打ち合わせをして参っておるのでございます。しかし、事実上はこの点はそれぞれ道路管理者といろいろお話し合いをいただきまして、ある程度は解決ついておるのでございますから、なお法的な整備はさることながら、事実上道路管理者とそういった面で強力に折衝してもらうように、陸運局を通じまして指導していきたい考えでおります。
     ――――◇―――――
#40
○木村委員長 次に、日本国有鉄道の経営に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告がありますのでこれを許します。勝澤芳雄君。
#41
○勝澤委員 国鉄の昇給問題につきまして、副総裁にお尋ねいたしたいと思います。
 一月一日に実施されるべき国鉄職員に対する昇給がいまだ実施されていないということですが、現状はどういうふうになっておるか、まずお答え順いたいと思います。
#42
○吾孫子説明員 お答え申し上げます。
 昇給の問題は、御承知のように、団体交渉対象事項ということになっておりますので、大体いつも同じような方法でやっておるのでございまするけれども、今回また組合側の方に若干意見がありまして、それらの点について目下交渉中でありますために、昇給の実施がおくれております。
#43
○勝澤委員 そこで、その昇給の交渉がまとまる見通しはいかがですか。
#44
○吾孫子説明員 私どもの方としては、早く話をまとめたい、そう思っておりますが、相手のあることでありますから、なるべく早くやらなければいかぬとは思っておりますが、はっきりしたことは申し上げかねます。
#45
○勝澤委員 相手のあることですから、相手と話がつかなければなかなか見通しがわからないと、こういうことでございますが、これは当然昇給は公労法上の団体交渉の対象事項であります。しかし、国鉄の中には先般も十幾つ組合があるというお話を聞きました。むろん組合が幾らあったとしても、組合員の多数を占めておる国鉄の労働組合なりあるいは動力車の組合などとの話し合いがつかなければ、一方的におやりにならないということは当然だと存じますが、そうですね。
#46
○吾孫子説明員 事柄の性質上、通常の場合団体交渉がまとまりましてから実施するようにいたしております。
#47
○勝澤委員 今回の場合も団体交渉がまとまってから実施になる、こういうことになるわけですね。
#48
○吾孫子説明員 そのつもりでおります。
#49
○勝澤委員 これは昨年でしたか、三月三十一日の年度末手当の問題をめぐりましていろいろ問題がありまして、ここでも指摘をされまして、十分話し合いをして円満な労使慣行をつくっていきたい、こういうお話がありましたので、その点も十分勘案されて、話し合いをきっちりつけてからおやりになるように当然すべきだと存じておりますので、十分お気をつけ順いたいと存じます。
 それから他公社や国家公務員の昇給は国鉄と同じようにおくれておるのでしょうか、その点はどうなっておりましょうか。
#50
○吾孫子説明員 正確には存じませんが、大体一月が昇給期でありますから、ほかの公社、現業庁は実施しておるのではなかろうかと思います。
#51
○勝澤委員 私が聞いている範囲内においても、他の公社や国家公務員の昇給は一月一日に実施をされた、国鉄だけがおくれている、こういうように聞いておりますし、今の副総裁の答弁でもそういうような御認識を得ているようであります。そこで、今組合との話し合いをしている話し合いの対立点は、一体どんな点が対立をしておって、話し合いがまだ妥結に至らないのですか。
#52
○吾孫子説明員 いろいろあると思いますけれども、要点は、要するに国鉄の職員の場合に、一定の形式的な欠格者を除いた者は全員、一〇〇%昇給させろというのが組合側の要求でございます。国鉄当局側はそれに対して、それは認められない、やはり勤務評定ということをやりまして、勤務成績に欠くるところがあると認められるような人々については、たとい形式的に外給期が来ておっても昇給させない場合がある、いわゆる一〇〇%昇給というわけには参らないということを主張いたしておりますので、その点が組合との間の最大の論争点になっておると承知しております。
#53
○勝澤委員 そこで、それでは昇給の問題は、昇給の資金といいますか、予算的な問題でなくて、当局のお考えになっている勤務評定を認めさせたい、こういう点で対立をしている、こういうことなんでしょうか。
#54
○吾孫子説明員 昇給につきましては、そのときどきの情勢によりまして、昇給の原資というものが問題になったことも過去においてはございましたし、またそういうこともあるわけでございますが、現在国鉄の労使間において問題になっておりますのは、そういう原資の予算のことよりは、のやり方、要するにいわゆる一〇〇%昇給を認めるか認めないか、勤務評定の要素を入れるか入れないかということが、論争の眼目になっておるわけでございます。
#55
○勝澤委員 予算的には別に障害はない、こういうことなんですね。
#56
○吾孫子説明員 さようでございます。
#57
○勝澤委員 そこで、それでは他の公社や国家公務員の方と比較をして、やはり国鉄と同じようなことがやられているのですか。
#58
○吾孫子説明員 他の公務員あるいは公社等についての詳細なことは私も存じません。一部においては勤務評定の要素を取り入れて実施しているところもあるようでございますし、またそういうようなことを重視しないで、きわめて形式的画一的に昇給をさしているところも相当多いということは承知いたしておりますが、国家公務員法の建前その他から申しますと、いわゆる勤務評定ということは行なうべきものであるということになっているように承知いたしております。
#59
○勝澤委員 私は一〇〇%全部昇給させろ、こういうことを言っているのではない。むろんいろいろとあるでしょう。そういう欠格者はやはり除いて、それ以外の人はまじめに一生懸命仕事をした人は、資格がある人は、当然昇給させなければならぬ、これが建前でなければならないだろうと思う。そこで、他の公社や国家公務員の昇給の方がスムーズに一月一日に発令された、国鉄だけがなおかつ話し合いがつかずにおるということについては、これは組合の方にいろいろ問題があるのか、あるいは公社側に問題があるのか、その点がよくわからないのですが、それは公社側の方に、他の公社や国家公務員と違うものの考え方がある、こういうことになるのですか。
#60
○吾孫子説明員 私どももいろいろな機会に他の公社の経営当局あるいはまた現業庁その他政府関係機関の幹部の方々と昇給等の問題について話し合う機会があるわけでございますが、そういう際に、少なくとも勤務評定の要素というものを加味して実施いたしております国鉄当局のやり方に対して、他官庁あるいは他公社等から、お前のところのやり方は間違っているというような話を聞いたことは一度もございませんし、またそうあるべきものだろうというふうな意見を私どもはいつも伺っております。
#61
○勝澤委員 勤務評定の取り方というものがいかにむずかしいものであるかということは、教員の勤評で全国的に問題が起きたことでもおわかりの通りだと思います。国鉄で行なう勤務評定というのは、一体どなたが勤務評定をやり、そうして資格があってもお前は成績がよくないという認定をするのですか。
#62
○吾孫子説明員 それは各業務機関の長が認定をいたすのであります。
#63
○勝澤委員 各業務機関の長といいますと、具体的に駅長さんとかあるいは機関区長さんとか、こういう人たちですか。
#64
○吾孫子説明員 その通りでございます。
#65
○勝澤委員 そこで、それでは勤務評定をする者はどういうふうに勤務評定をするかという具体的な基準が明確にされているのですか。明確にされているとするならば、具体的にここでおあげいただきたい。そうしてその基準というものは働いている従業員に周知徹底をさしてあって、それでおれは一生懸命とにかく半年か一年間働いたと自分では思ったけれども、どうもこの勤務評定のこの項におれは当てはまる、だから今度は昇給できない。だから今度はこういうことをしないようにして、一生懸命やって、この次には、資格があるときには昇給さしてもらおうこういうことにしなければならない。またそういうものだと私は思うのですが、国鉄の勤務評定の基準というのは明確にされておって、そしてそれは職員に公表されておるものでしょうか、どうでしょうか。
#66
○吾孫子説明員 勤務評定の要素になります事柄の中には、職員にも相当明確にされておるものもあると思います。たとえば業務の遂行について、いわゆる日本国有鉄道法による処分ではないけれども、訓告処分を受けたとか、あるいは訓告ではないけれども、厳重注意を受けたとか、あるいはまたそこまで形式的なものじゃないけれども、平素仕事のやり方について上長から注意を受けるというようなことがあれば、そういう人はそういうことのない人よりも当然勤務成績はよくないということになると思いまするが、しかしこの評定というものは必ずしもそういう形式的にはっきりした要素ばかりによるのではないのでありまして、終局的にいえば、それぞれの個所長が平素のその所属職員の勤務ぶりを見ておって、全人格的な判断を下すという要素が残されておるのがいわゆる勤務評定というものの本質ではなかろうかというふうに考えております。従いまして、お互い職員の間で常識的に相当程度までは――よく世間で十目の見るところ、十指の指さすところということもありますけれども、あいつはよくやっている、どうもあれは少しずるけている、あるいは仕事のやり方がよくないということはおよその常識のものさしでやはりわかることではないかと思うのでございます。しかし最終的な判断というものは、それぞれの個所長が自分の職責を考えて全人格的な立場で判断をいたすというところにこの勤務評定の本質はあるというふうに私ども考えております。
#67
○勝澤委員 そうすると、国鉄の中には駅長さんやあるいは区長さんというのは何方あるいは何十万あるか知りませんけれども、その人は今大臣が言ったように、全人格的に評定ができる人たちばかりがおるのだ、公平無私なことができるのだ、こういうことになると思うのです。そういう人たちばかりおるのですか。そういう人たちばかりおらないでしよう。おらないから、あなたがいろいろな問題で、あるいは譴責なり処分をしなければならぬような現場長もおるわけでしよう。ですから、そういう抽象的なことでなくて、具体的にやはり基準というものを明確にすべきだ。明確になっていないじゃないでしょうか。もし明確になっているとするならば、私たちを含めてだれもが、働いている人たちが、おれは今度は昇給すべきであったけれども昇給がなかったということの納得をする基準というものをやはり明確に示しておかなければいけない。そのことが能率を上げ、ますます一生懸命やることになるわけでありますから、もう少し具体的にやっていただく。もし基準がありますというならば、その基準をぜひ資料としてお出し願いたいと思うのですが、どうでしよう。
#68
○吾孫子説明員 先ほども申し上げましたように、要素として、ある程度、形式的に明確にできるものもあります。しかし、ただ文章や言葉ではどうしても表わせないものが残っておるということも、これも否定できない事実であると思います。そこで、これは一つ逆の面からもお考えいただきたいと思うのでございますが、なるほどある個所に百人なら百人の人間が働いております際に、やはりおのずからその業務に対して自分が打ち込んでやる打ち込み方の程度というものには、人による差というものがあるのが普通でございまして、非常に一生懸命に仕事、職責に邁進しておる者と、そう申しては語弊がありますけれども、ある程度いいかげんにと申しますか、その仕事に打ち込む打ち込み方の少ない人、そういう人が何の差別もないということは、ほんとうの公平と蓄えないのではないだろうか。そこでやはりある程度仕事のやり方というものについて、中身、実質に差等が全然ないということは実際問題としてあまりあり得ないとは思うのでございますが、そういう際に、その相違というものがやはりどこかで評定をされるということでなければいけないのではないかというのが、私どもの根本的な考え方でございまして、実は昇給につきましては形式的に非常にはっきりしております。いわゆる欠格条項というものははっきり示しておりますが、たとえば何十日以上欠勤があった者とか、あるいは何回以上遅刻があった者とかいう式の、そういうはっきり欠格条項としてあげ得るような事柄に該当した人はもちろんオミットいたしますけれども、そのほかに残された人のうち、ほとんど大部分の者は上がるのであります。私の方では一応九五%という目安にいたしておりますが、五%足らずの人は平素の仕事の仕方というものを各個所の長が見ておりまして、そういう人は半期なり一期なりあと回しにするというような方法で、多数の職員がますます熱心に仕事をやってもらうようになりますように、一つのいわば刺激の方法としてもそういうようなことはあるべきことじゃなかろうかというふうに考えて、現在そのような昇給の方法をとらしておる次第でございます。
#69
○勝澤委員 吾孫子さん、勤務評定がいかにむずかしいものかというのは、理屈ではあなたはそうわかるでしょうけれでも、理屈以前の問題で、あなたが今まで教わった学校の先生を見てもらえばいいので、あのとき教わった先生をけしからぬと思ったけれども、今たってみればいい先生だったという人だってある。その当時受け入れられなかった学者だって、今日になってみればいい学者だったということがあるのです。どちらに判定するか、そういうふうにものの見方が人によって違ったら、これは大へんなことだと思う。だから形式的にはっきりしているものはいいでしよう。しかし、はっきりしていないものを何の尺度で見るのかというのです。その尺度があなたの言葉を見ても明確にならない。あなたがここで説明しておいて私もわからないですから、現場長がやろうとしたって私はわからないと思う。わかるということは理屈であって、現実にはわからない。ここの運輸委員長だってそうです。一体この中でだれが一番成績がいいだろうという具体的な事実があるならば、(「おれが一番いいぞ」と呼び、挙手する者あり)ねえ、吾孫子さん、今言われた通り、だれもがみんないいと思っている。だれもがいいと思っているにかかわらず、半年たった、あるいは一年たったけれども、おれは一体どこに欠陥があって昇給しなかったかという、やはり納得をしなければ仕事についての熱意なり力というものが入らないわけです。ですから、それが抽象的であってはいけない。具体的に納得させる条項に基づいて、お前は今度こういうことがあったのだぞ、だからこうやる。朝出て、晩帰って、一日も欠席がなかったにもかかわらず、とにかく一年たったけれども、資格があったけれども、何も自分としては欠陥がなかったと思ったけれども昇給ができなかった。しかし、片方は一年だけれども、二階級特進した。こういう例が現われたら、職場はますます混乱すると私は思う。あなたは言葉ではなかなかわかりいいように言っていますが、今手をあげたようなもので、だれもが成績がいいと思っているわけです。そこで、あなたが今九五%だというお話をされました。そうすると欠格者を除けば、百人のうち二人か三人落とす、こういうことになるわけです。百人のうち二人か三人落とすのを、もっと具体的に形式的なものできめられないのでしょうか。あくまでもその人の考え方によって、具体的な事実行為がないにかかわらず、差をつけなきゃならぬという理由がどうしてもわからないのですが、その点どうですか。
#70
○吾孫子説明員 今、勝灘先生のおっしゃいましたように、実際の昇給に当たっては、百人のうち二人か三人の人が実際問題として落ちるということになるかと思います。しかし、この二人か三人の人が落ちるということが私どもとしては非常に大事なことだと思うのであります。そういうことがありますと、その落ちる二人か三人の中に入っちゃ大へんだという気持は、やはり普通の人ならば持つと思うのであります。それがやはりみなが職責に邁進するという一つの大きな刺激になると私どもは考えておるわけでございます。
 そこでその判定の基準というものはもう少し明確なものでやれないものか、明確なものならみなが納得するのだがというお言葉でございましたが、これは実際問題としては、やはりそういう後回しにされるというような方々は、多くの場合平素の業務執行に際してしばしば上長から注意を受けるとか、注意を受けてもなかなか注意されたことが直らないとか、そういうような人が大体それに該当することになるのでございまして、そうでなくて、だれもが見てあれはりっぱだ、あれはよくやっているというような人が後回しにされたり、オミットされたりするというようなことでございますれば、これは当然の結果として、今度はそういう業務機関の個所長が、そういうことでは所属の部下の職員を指導監督することができなくなっていきますので、おのずとそういうことはわかって参ります。そういう場合には、それは今度は個所長自身が、部下の指導監督よろしきを得ないというようなことで、そのポジションから俗に申せば左遷されるというようなことも起こりましょうし、そう非常識な人を業務機関の長には選んでおりませんので、大ぜいの中には、それはたまには例外的な人もあるかもしれませんけれども、やはり常識円満な、また職務経験も相当ある人を個所長に選んでおるのでございますから、その諸君があらゆる要素を勘案いたしまして、先ほど私が申し上げましたように全人格的な立場から判定を下す、その判定に対しては私どもとしても信頼をつないでおるわけでございます。それらの人を信頼しないで国鉄の業務の運営ということは私はあり得ないというふうに考えておる次第でございます。
#71
○勝澤委員 あなたが今具体的に言われたようなこと、そういうことを具体的に書いて、これこれ、これこれに当てはまるやつはだめだよ、こういうことにすれば、はっきりするじゃないですか。それをそうせずにやっているところに問題がある。あなたは、あまり成績のよくないのが落ちているんだ、こう言われる。成績のよくないのが落ちているなら私は問題にならないと思う。なぜ問題になるかといえば、結局それがただ単なる具体的な事実行為でなく、一つの勘といいますか、あるいは極端にいいますとえこひいきといいますか、こういうことによってやられてきておるから問題になっているわけです。もっと公平な人事管理が行なわれて、そして妥当な結論が出るならば問題が起きないし、一月一日に行なわれるべき昇給が今もって行なわれていない、これほど延びているということはないはずなんです。結局それがいつも問題になるのはなぜかというならば、やはりあなたが言われている勤務評定というものは不明確だ。不明確だからこそ、落ちた人から、おれはどういう理由で落ちたんだという説明をしてくれということで問題になっているわけであります。あなたのいわれるのはけっこうですから、もっと形式的にはっきりさしたものをおつくりになったらいかがですか。
#72
○吾孫子説明員 ただいま私が口で申し上げましたようなことは、これは規定に書くということになるとなかなかむずかしいことではないかと思います。それで今申し上げましたようなことは、いろいろな機会に私どもは各所属長あるいは業務機関の長等に話をいたす機会があります際にはそういうようなことを話しておりますし、また今私が申し上げましたようなことは何も私だけの考えというのではございませんので、やはりこれは管理者の立場にある者の間では一つの常識になっておると思います。従いまして、この常識は一般の職員の方にもわかっておられることではなかろうかと思うのでございますが、ただ大ぜいの人たちの中にはそれはいろいろな人がおりますから、ときには一般の標準から見た場合におかしいではないか、どうも納得がいかないというようなこともときには起こることもあるかと思います。しかし、そういう場合には、私どもの方に苦情処理の制度というのがございまして、そういうような事柄があった場合には芳情の申し入れをし、その苦情にはたして理由があるかないかということを労使双方から委員を出しました委員会で中身を検討するというような道も開かれておるわけでございます。そういうようなわけでございますので、非常に何か非常識なことが行なわれておるということであれば別でございますが、そういう非常識なことというものは決して長続きするはずはないのでございまして、先ほども十目の見るところということわざを申し上げましたけれども、大ぜいの人が見てどうも変だというようなことがあれば、それは必ず訂正されておると思いますし、またそのようなことがたくさんあるとは私ども考えておらない次第でございます。
#73
○勝澤委員 それはあなたは管理者の常識だというのですが、それでは私が質問しているのは非常識のようなものの考え方をしておることになる。私は、あなたの考え方はまさに非常識だと思う。私の質問しているのが常識的だと思う。勤務評定というものはいかにむずかしいものであるかということは、あなたもよくわかっておる。今もごらんの通り、だれが一番成績がいいかと言ったら、みな手をあげる。みんな自分が成績がいいと思っておる。しかし序列をつけようと思えば、だれかが一番になり、だれかが三十番になる。それはどうやってやるか、そのやり方ですよ。やり方をどうやっておるかということですよ。だからそこが、あなた、問題なんです。しかも国家公務員や公社の方がちゃんと一月一日に昇給の発令されているにかかわらず、国鉄だけが行なわれていない。ここに大へん大きな疑問を持つのです。それだけではない。それは昇給したくたって病気で休んだり、お前はちょっと休むよ、どうも成績がはっきりしないというのは、これは昇給を休ませるのは常識でしょう。しかしそれ以上昇給を休ませるというのは、どこに一体問題があるのですか。朝出て、晩帰って、まじめに八時間、同じ時間勤めているのですよ。その中に隠れ休みをしたとか、あるいは勤務時間中にパチンコ屋に行ったとか、マージャンに行ったとか、ゴルフに行ったとか、それならばその事実行為によっておれはあのときゴルフに行ったから、おれはあのときマージャンをやったからということになるでしよう。しかし、そうでなくて、まじめに勤めておってなぜ国鉄の従業員だけ差をつけなければならないか、国鉄の従業員だけがなぜ百人のうち二人なり三人なり、勤務評定というものを現場長にやらせなければ職場管理ができないのか、それほど国鉄の職員というのは職場意識がないのですか。それほどあなたは国鉄の職員というものは信用できないのですか。
#74
○吾孫子説明員 国鉄の職員が信用できないかとおっしゃられては、私も非常に困ります。国鉄の大多数の職員はほんとうにまじめに毎日の仕事をやっておると思います。しかし同じ一生懸命やるにいたしましても、これはあまり俗っぽいたとえで申し上げて恐縮だと思いますけれども、よく四角なおぜんをまるくふくというような比喩もございますが、同じ時間に出てきて、同じところを掃除するにいたしましても、みんな同じようにほうきも使うでしょうし、じょうろも使うでしょうけれども、やはり心の打ち込み方という点においては、人間の通性といたしまして多少の差というものはあるのでございまして、そういう仕事に対する打ち込み方、また注意の行き届き方ということの程度の相違というものは、これはやはりそこの個所長なり、所属長なりというものがほんとうに見てやるということでなければ、ほんとうの公平とは言えないのじゃないだろうか。ただ形式的に、ある一定の時間出てきて、一定の仕事をして帰っておれば全部同じなんだというような見方をするということは、私はほんとうの公平とは言えないのじゃないだろうかというふうに思います。しかし、また人間の弱点といたしまして、なかなか勤務評定ということはむずかしいことでございます。むずかしいということは私も認めておりますし、また現実にそれらの問題を取り扱う個所長も、やはりそのむずかしさというものは認めております。そこで一応九五%程度という目安を与えておるわけでございますが、それを一つの基準といたしまして、先ほど来申し上げますように、平素の勤務ぶりというものを、あらゆる角度から検討いたしまして、最終的には個所長の全人格から発する判断によって順位をきめるということになりますので、その責任をあずけられた地位の者としては全力をあげて、全知全能をあげて、自分が最も正しいと思う判断を下す以外に道はないのでございまして、そのものさしのことごとくを、形式的にはっきり羅列して書くというようなことは、これは無理なことじゃなかろうか。そこで平素から特に個所長、所属長というような地位に昇進をし、大勢の部下をあずかるというような立場の人々に対しては、やはり特別の教育を国鉄としては施しております。たとえば現場の長になる、あるいは管理局等の幹部になる、そういうような者は随時教習所に入れまして、そのための幹部教育というようなこともやっておるわけでありまして、幹部としてふさわしくないという人は幹部にはしない。まかり間違って、何かそういうようなことがあったような場合には、そういう資格に足らない点があるという場合には、すみやかにその地位から他の仕事に移すというふうに指導をいたしておる次第でございます。
#75
○勝澤委員 一生懸命やる人と一生懸命やらない人と、これはものの見方の相違だと思うのです。具体的な事実行為がわからないわけですから、これは抽象的なんですよ。そこで、あなたが言っておる抽象的なことでもいいでしょう。しかし差をつけるとするならば、別に昇給で差をつけなくたっていいじゃないですか。成績のいい人は駅手として入ったって、その次には掛員になるでしょう。掛員になった人は掛長になるでしょう。あるいはその上の駅長さんや助役になるじゃないですか。そういう形で成績のいいのは成績のいいなりにどんどん上に上がるじゃないですか。それが十分な差じゃないですか。差がついているじゃないですか。それ以上なおかつ昇給で差をつけなければならぬという理屈が、私先ほどから聞いていて、どうしてもよくわからない。国鉄の職員だけが他の公社や国家公務員と違う、特別の差をつけなければあなたたちは管理できない、これは管理そのものの考え方がおかしいと思う。国鉄職員だけがいかにもなまけ者がいる、だからなまけ者は昇給をさせないようにしなければ、とにかく管理ができないというが、それは昇給でなくたって、なまけ者だったら具体的な事実行為をずっとあげて、お前は休んだ、お前は無断欠勤をしたんだ、お前は勤務時間中にゴルフに行っておった、お前はマージャンをやっておった、こういうことでつければいい。それ以外に昇進の中でちゃんと差がついているじゃありませんか。試験を受けるときにお前はこの次に回ったらどうだ、今度は一つこっちの人がやるんだ、こういうことで差が幾らでもついている。ほかに幾らでも差がついて、なおかつここで昇給を他の公社や国家公務員と違えてやらなければならぬということは、あなたの部下である国鉄の職員の中には、そんなに成績のよくないのがたくさんいる、こういうことを裏づけをしておると思う。そうすると、そんな者はいないと言う。いなかったら、やめたらいいじゃないですか。ちゃんとほかの面で差がついているじゃありませんか。
#76
○吾孫子説明員 いわゆる勤務評定の表わし方といたしまして、その方法として、昇給のみが唯一の方法であるとは私ももちろん考えておりません。また昇給のみによって区別をつけるべきものでもないと思っております。しかし、国鉄九十年の歴史を振り返ってみまして、この間に今日の伝統を築き上げて参りますまでの間、過去のいろいろな実例を考えてみますというと、昇給の原資というようなものも、有資格者に対してもっともっと少なかった時期もありましたし、また昔やっておりましたいわゆる賞与というものも、今の期末手当に大体見合うものでございますが、賞与というようなものを出すときには、やはり平素の勤務成績を加味いたしまして、それによって差等をつけて賞与を支給するというような手段をとっておりました。むろんその他の職務上の地位に関する昇進等に際して、平素の勤務成績というものに対する勤務評定が行なわれることは申すまでもないことでございますけれども、私どもといたしましては、大臣がいらっしゃる前でそういうことを申し上げては大へん恐縮でございますけれども一般の公務員やその他の公社等が、いわゆる一律の昇給というようなことをやっておられることは、必ずしもほむべきことじゃないんじゃなかろうかというふうにさえ、大へん失礼でありますけれども、思います。私どもといたしましては、現在勤務評定の方法として、やはり昇給に際して、その精神を表わしていくということが妥当なことと考えております。むろんこのほかにもよりよい方法がございますれば、それももちろん考えていきたい、そのように思っております。
#77
○勝澤委員 それは吾孫子さん全く実情をよく知らないと思う。今、一律昇給をやっておるところがどこにありますか。資格のある者は全部上げておりますか、お前は病気で休んだから上げないといって、上げないじゃないですか。お前はこういう具体的な事実があるから、処分を食ったから上げないと、上げてないじゃありませんか。一律に全部昇給になるところはどこにもありませんよ。みないろいろ条件をつけて、成績の悪いやつや処分を食ったやつは抜いて、これはもう問題ない、それで上げているわけです。あなたはそれよりなおかつ落としている。だから問題だと言うのです。どこだって資格のないやつを一律に上げているところはありませんよ。みな病気で休んだ、どうも勤務成績がよくなくて処分を食った、こういうようなやつについては、どこも上げていないでしょう。他の公社だって国家公務員だって上げてないのです。だから、それ以上に国鉄は百人のうち二人か三人昇給をとめておる。一年間一日も欠席がなかった、自分では満足に勤めたと思ったら、一年たって昇給すると思ったら昇給しなかった。片一方の方はどうでしょうか。片一方の方は、駅長さんのところへいろいろなつけ届けをしたら、千円上がるやつが二千円上がった。こういう事実行為がたくさん出ているのですよ。あなたはこれを知っておりながら知らないと言っているのですよ。もし知らないとするならば、まさに従業員の実態を知らなさ過ぎると思うのです。そういう事実が出ているから、これだけ大きな問題になっているのです。だから、百人のうち二人か三人昇給させるかさせないか、こんなことを金科玉条に、これが、いかにも国鉄をうまくやっていくためだとあなたが思っておったら、これはやはり大きな問題だと思う。そうやりたかったならば、まだほかにもっと昇職の問題もあるでありましょう、あるいは成績のよい者については別に昇給を出す規定もあるでしょう。こういう生活を左右する重大な生活給的なものであなたがやらなくても、もっとほかの面でやれると思う。もしどうしてもやりたいとするならば、具体的にやはりこれこれに当てはまるやつは昇給できないんだよということを部下職員に徹底をしておきなさい、徹底をしておくことによって、それに当てはまらぬように一生懸命みんな努力する。しかし、努力をしても、こう初めから百人のうち二人か三人落ちるんだとワクがきまっている、それじゃいけない。百人の中で二人か三人――私は予算の上からそういう問題が起きてくるならいろいろ問題があると思うのです、あなたは初めから予算の問題じゃないと言うのです。国鉄八十年来の歴史を守っていくためだ、これはばかばかしいことですよ。部下職員をどうして喜ばして働かせていくか、勤労意欲をどうやって高めていくか、そしてみんなに喜んで仕事をやってもらうということをもっと重点にしてものを考えなければならぬ。あなたの考え方は、おれのところは百人のうち二、三人は悪者がおるんだ、悪者の処分をしなければみんな働かないからやっているんだと言う。それでは、二、三人の悪者が徹底した悪者になったらどうなるのですか。ますます悪くなるじゃありませんか。今雪害地帯へ行ってみましても、国鉄の諸君がいかに困難をしながら働いておるかということは、だれも知っていることじゃありませんか。あの中でも百人のうち二人か三人は成績が悪いというレッテルをつけるんだよ、レッテルじゃありませんか。それも具体的な事実行為が羅列してあって、その中に当てはまったということになるならば、ああおれはあのことでやられたんだ、ああいうことのないように注意しなければならぬ、こういうことになるじゃありませんか。どうでしょうか、もう一回。
#78
○吾孫子説明員 私どもといたしましては、何度も申し上げておりますように、百人のうちで二人か三人の人が落ちるということはばかばかしいことは考えておりません。これは非常に大切なことだというふうに考えておるのでございます。しかし、何もこれのみが唯一の方法だとは思ってはおりませんので、実は他の方法を組合側に提案をいたしたこともございます。たとえば、昇給期が来たら全員昇給するようにさせよう。しかし、そのときにやはり勤務成績を勘案して、ある人は百円上がる、ある人は二百円上がる、ある人は三百円上がる。民間の事業会社等ではほとんど全部がそういうようなことをやっておるやに私伺っておりますけれども、そういうような方法で差等を表わしていくのも一つの方法じゃないか、こういう方法を考えてもらったらどうであろうということを組合に提案したこともございます。それからまたきわめて最近では、昇給の際に二人か三人の人を落とすという方法のかわりに、大体年に三回くらい期末手当とかあるいは業績手当等を出しておりますので、そういうものを支給する際にある程度差等をつけて勤務評定を行なってやるというようなことにしたらどうか、そういう提案もいたしております。しかし、それに対する労組の側の御返事は、期末手当は〇・幾つときまったらやはり〇・幾つ全部出すべきだ。また昇給について、ある人は百円、ある人は二百円、ある人は三百円というような段階を付して昇給させるということは適当ではないという結論になった模様でございまして、賛成は得られませんでした。私どもといたしましては、そういう他の方法も考えたわけでありますし、また今後も他の方法も考えては参りたいと思いますけれども、現状におきましては、この方法が最も適当な方法だというふうに考えまして、その方法を今後も続けて参りたいというふうに思いますので、そういう立場で今組合側とも話をしておるような次第でございます。
#79
○勝澤委員 それは自分でイエスかノーか言える経営者ならけっこうだと思う。今国鉄はそうなっていますか。そうなっていないじゃありませんか。そういう中でそんな議論をやったって、それは無理な話なんです。二千円のベースアップを要求したって、国鉄当局の一存でその二千円に対する回答ができるのですか。できないじゃありませんか。一々政府に相談しなければできないでしょう。政府の許可がなければできないじゃありませんか。経営者じゃないですよ。管理者ですよ。管理者の責任は何かといえば、公共企業体は企業の能率を上げながら公共性をやっていかなければならぬ。労使の紛争は、国民大衆に幾ら迷惑をかけてもかまわないか、労使の円満な解決をはかって、国民大衆の利益を少しでも守るかというどっちかです。あなたは自分のことだけ考えて、国民が幾ら迷惑してもかまわぬ。紛争が起きたら、それは労働組合が悪いのだ。おれは首を切るだけだ。首を切る資格のある者だったら、処分する資格のある者だったら、やはり悪いことについては直していく。そうしてそれについてはイエスかノーか言える、こういう体制になっているなら、私は問題はないと思う。企業能力のある経営者じゃないじゃありませんか。国から預かっておるだけじゃありませんか。預かっておるのだったら、国民大衆の利益を考えながら、企業のことを考えながら、紛争を少しでもなくしていく、円満な企業の運営をやっていく、こういうことを考えたらどうですか。これが中心ですよ。
 大臣にちょっと申し上げておきたいのですが、今私が副総裁とやりましたように、一月一日に実施しなければならぬ昇給が、国鉄の労使の問題で結局話し合いがつかずに今もって解決していない、こういう状態なんです。国鉄は三月三十一日にたくさんな人たちが退職する。その人たちには一月一日の昇給が影響があるわけです。自分がやめたときには幾らの退職金になるだろうかという設計もしなければならぬわけです。それにもかかわらず、今もって話合いができない。話し合いができない原因は何かというと、百人のうち二人か三人、とにかく一般に勤めても、その中で一管理者が、これは成績がよくないと――具体的事実があるなら別だと私は言うのです。具体的事実に何も基準が与えられていない。そうして落とされた本人にも、お前はこうこう、こういう理由でこうこうだ、だから今回は遠慮してもらった、こういうことならけっこうだと思う。しかし、片一方は成績がいい、そうするとこっちを落として、お前は二段階特進だ、こういうやり方をやることが国鉄をうまくやっていくことだ、こういうことでやられているわけですから、大臣としても、大臣の所管である国鉄がこういう問題でことさらに世間に迷惑をかけるということは好ましくないことだと思う。これは予算的な問題なら別ですけれども、予算的な問題ではないのですよ。だから大臣としても十分検討されて、やはり国鉄と話し合って、円満に解決されるように努力していただきたいということを、要望しておきます。
 今度、大臣にお尋ねしたいのですが、一番問題は、やはり予算の中でもあるわけです。たとえば国鉄の期末手当というものは、従来予算の上で国家公務員より〇・一五の差がついておる。期末手当は国家公務員より〇・一五低い。だからその〇・一五分だけ一生懸命働きなさい。働けば公務員並みにいくでしょう。なおもっと働けば公務員以上にいくでしよう。こういう予算だ。〇・一五という差がついている。だから国鉄の労使の問題は、いつも、公務員と国鉄というものは勤務形態が違うのだ、労働時間が長くて、そして実際の現業なんだ。だから、それが国家公務員と同じではおかしいではないか、だから、ある程度企業能力が上がったときはプラス・アルファがあたりまえなんだこういうことでやられてきたわけですけれども、それが今まで〇・一五の差がある。今度の予算を見ると、〇・一五から〇・〇五ふえて〇・二になったわけです。ですから、国家公務員と国鉄の差は〇・二だ。だから、一生懸命国鉄の職員は働く。働いても、今度のような豪雪が来たりあるいは不時の災害が起きたということになれば、幾ら利益を生んでも、そちらに行けば、公務員より低い。こういうことになるわけです。これは国鉄の働いている人から見れば、公共企業体という形で公共性を押しつけられている。公共性を押しつけられるのはけっこうだ。企業能力の合理化を一生懸命進めよう、こういうものにとっては耐えられない。今まで〇・一五の差でさえ今日まで苦労してきたのに、また今度予算では〇・〇五の差がついて〇・二になった。これはどうも理屈が合わないし、納得できないということで、これは働いたって損じゃないか、こういう空気があるわけです。これは私は大へん残念なことだと思う。しかし働けばよくなるのだ、公共企業体というものはそういうものなんだということを総裁以下現場の駅長さんやあるいは機関区長に至るまでそういう教育をしてきたわけです。君らは一生懸命働きなさい、働いてよくなれば給料もよくなるだろう、あるいは手当を余分に出しましょう。こういうことをやってきたのですけれども、結局一生懸命やればやるほど差をつけられて、それが災害なり何なりあったときにはぺしゃんこになってしまう。これは国鉄の職員から見たら重大な問題なんです。これは、〇・一五であった差が〇・二になったということについては、いろいろないきさつがあると思う。しかし、こういう差がついておるし、今言った昇給の問題のようなことがあって、国鉄の労使というものはふだんなかなか円満にやって、終戦のときは、あれだけ世の中が混乱しているときにかかわらず、動いているのは汽車だけといわれておる。それが今こういう紛争が続いているのは大へん残念だと思う。この際、大臣の方からも、積極的にこの昇給の問題について、あるいは期末手当の問題についても、やはり十分御検討されて、一つ円満な解決をされるようにぜひあっせんしていただきたいと思うのですが、どうでしょう。
#80
○綾部国務大臣 御説の通りごもっともと思いますが、私は現在の国鉄の幹部諸公がやっていることは正しいと思っております。が、しかし、あなたの今言うようなことが現実に、たとえば利益がよけい上がるとか、たとえば幾らか余裕ができるとか、そういうような場合には、あなたの御説のようにやっていくことの方がいいと思っております。
#81
○勝澤委員 大臣、国鉄のやっている方がいい、私の言っていることが今までは間違いだ、こういうことですか。
#82
○綾部国務大臣 間違いとは申しませんが、より国鉄のやっておる方がいいと私は思います。
#83
○勝澤委員 では期末手当の問題でも、〇・一五の差があった、それが〇・二になった。これでもいいのですか。
#84
○綾部国務大臣 そういう具体問題につきましては、国鉄の今とっておる態度を私は認めております。
#85
○勝澤委員 国鉄の態度を認めておる。そうすると、この問題は解決をしなくてもいいんだ、こういうことを裏づけされるのですか。
#86
○綾部国務大臣 必ずしもそう思わない。さっき申しましたように、利益も上がるし、それからすべて円満なる協調ができることを念願いたしております。
#87
○勝澤委員 利益が上がることは、それはあなたもそうですし、職員もそうなんです。利益が上がらない場合はどうなんですかと言っている。利益が上がっても上がらなくても、〇・二という差が期末手当はついているのです。公務員より悪いのですよ。これではいけないのではないでしょうか、そう言っておるわけです。
#88
○綾部国務大臣 その通り私も考えております。
#89
○勝澤委員 ですから、それはそうならないように努力する、こういうことですね。
#90
○綾部国務大臣 ええ。
#91
○勝澤委員 その昇給の問題は、私が先ほどからずっと話をして大臣もよくおわかりになった。国鉄のやっておるのは、当面国鉄がやっておることですからあなたは正しいと思う。しかし私が今まで話をしてきたことにも納得をされたということになるならば、あなたとしても、国鉄がそういう考え方になるならばそれもけっこうだ、こういうことでございますか。
#92
○綾部国務大臣 双方がうまくいくようなことを念願いたしております。
#93
○久保委員 関連。――時間もありませんから、私は一言だけ要望しておきますが、運輸大臣に要望いたします。
 ただいままで国鉄副総裁のお話でわかったと思うのでありますが、なるほど百歩譲って勤惰の差を何かによってつけたいという気持はわからぬではありません。しかし、その手段方法を誤ると、大へんな経営のマイナスになるということも十分そろばんの中に入れなければいかぬと思う。これがまず第一で、もう一つは、問題はやはり前向きで物半を考えるべきであると私は思うのです。どうも副総裁のお話では、昇給に穴を設けておくことが前提である。これでは話はちっとも前向きではないだろうと思います。管理能力に欠けるから、そういう陥穿をおいて、落とし穴に入れてそれでやるというのは、今日のデモクラシーの基盤をお互いに持つとするならば、これは卑怯千万なやり方であって、経営者としては残念ながらマイナスの面ではなかろうかと私は思う。理屈はわかるが、手段方法はということになると、それはマイナスであるということになる。これを十分考える必要がありはしないか。やはり前向きで考えるとすれば、先ほど勝澤委員がるる質問したような方法によってこれは処理さるべきである。しかも一方考えねばならぬのは、百歩譲ってその経営哲学なるものを導入しようとしても、今日の実態は、すでに労使の間に不信感があるということが一つ。不信感とは何かというと、最大のものは、いわゆる第二組合で、組合にとれば組織を割られるということが一番致命的なものであります。ところが、その手段方法にその陥穿を使われるという心配が今日まであったというよりも、事実あった。そういうところが一番問題なんだ。私はくどく申し上げませんが、少なくともそういう今日の不信感がある中にこれは実行すべきではない。むしろ前向きに持っていって、労使間の信頼度を高めるというのが今日国鉄経営を前向きにするものだと私は思うのです。しかも先ほど副総裁は、運輸大臣のおる前でどうかと思うけれども、自分の経営哲学を披露された。これは大へん勢い込んでおりまして、いわゆる役所も民間も、あるいはほかの公共企業体もだらしがない、経営を前向きにするのには僕の哲学でこの辺で前進させなければならぬというのだが、これは少しく気負い立っておりはしないかと私は思うのであります。あなたも経営者であるか管理者であるかは別として、少なくとも国鉄の頂点に立って国民大衆の輸送をやらなければならぬし、末端の一職員も同様であります。そういう場合に、国会の場において、落とし穴をつくることが経営哲学であるということは、断じて容認できないと私は思うのです。ぜひそういう点は反省されて、これは円満に解決されることが一番いいと思う。
 それから欠格条項の拡大の問題についても、具体的な問題がありました。これは命令してもきかぬのは、それぞれの懲戒規定なり処分の方法があるはずであります。それをあえてできないような管理者を配置するところに経営の欠陥がある。なるほどお話の中に、そういうものがあれば左遷をするということでありますが、それを採用し、その場所に置いた責任は、国鉄首脳部の責任であります。単なる従業員にしわ寄せすることは、今日われわれは認めがたいと思うのであります。どうぞそういう意味で、この問題を運輸大臣一つ解決をしてほしいと思うのであります。われわれは決して単なる昇給問題でなくて、その経営哲学に問題があると思う。少しも、その中には血の通ったものがなくて――繰り返し同じようなことを申し上げますが、血の通ったものが少しもない。落とし穴を置いて、そこに落ちた者を反省させるというやり方は、前時代的であると思う。そういうものをこの際反省してほしい。手段方法については私は言わない、その精神がだめだと言うのです。だから事故が起きればみんなで総ざんげと言う。総ざんげするのは、これは全部でなくて首脳部でなかろうかとさえ私は思うのです。そういう点で、一つ大臣、今後の問題を前向きに解決されるように私は一言要望しておきます。
     ――――◇―――――
#94
○木村委員長 次に航空に関する件、特に航空管制職員の待遇改善等に関する問題について調査を進めます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
#95
○久保委員 時間もありませんから、簡単に航空管制官の問題にしぼってそれぞれお尋ねをするわけでございますが、御承知のように、民間航空の発達は異常なものがございまして、特にこれが整理というか、航空の専制をする業務は、当然のごとく業務の増加を来たしておることは事実であります。運輸省から昨年出しました航空の現状といういわゆる白書にも書いてある通り、三十五年に管制本部で扱った航空機の数は七十一万何がしかの機数に上る。ところが三十六年は驚くなかれ十万の増加で八十一万何がしです。こういう機数の増加と、御承知のように航空機の大型化、さらにはジェット化を中心とする高速の問題があるわけです。そうしますと、航空管制の問題は今まで以上の複雑といわゆる高度の技術を要することは言うまでもございません。一分という時間は航空機の関係には当てはまりません。一秒単位であります。秒刻みの扱いでなければ、この八十二万何がしかの航空機の管制を扱うわけには参らない。しかも判断は瞬時において判断をし、命令し、指示し、そうして円滑な航空輸送をやらねばならぬ、こういうことであるわけであります。ところが現在における航空管制官の要員と勤務の状況はどうなのかということであります。時間がありませんから、私の手元にある資料で私から申し上げたいと思うのでありますが、残念ながらここ二、三年の様子を見ておりますのに、この扱いの機数に応じた定員が取れない。というよりは、それ以前の問題として、定員はあるが、現員を確保することができない。現実に私の手元にあるものだけでも、定員と現在員の差は四十二名の欠員であります。そういう欠員はどこから出てくるのか。一つには何といってもこの航空管制官の仕事が非常に高度の仕事であり、肉体的な限界を越した仕事であるというので、退職者が続出しておる。昨年の八月でありましたか、ある新聞に出ておりました通り、昨年この管制官というか、航空局関係から民間に――特にこの際は日本航空だと思いますが、日本航空に転出しようということで、その社員募集に応募した者が四十数名あったそうであります。ところが四十数名も第一線の管制官が抜けては今日の航空管制は麻痺するということから、運輸省、特にこれは航空局長だと思うのでありますが、その支配下にあるところの日航の本社に圧力をかけて、その採用を全部不合格にしたという記事が出たように記憶しております。これは航空局長だけを責めるわけには参りません、背に腹はかえられぬということで、個人的な人権まで制限せざるを得なかったという事態であります。こういうことを考えて、たしかこの三十八年の予算要求の段階でもいろいろ政府部内において折衝されたと思うが、これに対する対策は何らとられていない。いかなる対策をこの三十八年度の予算の中でやったのか、その経過を一つ運輸大臣から御説明いただきたい。
#96
○綾部国務大臣 航空管制官の待遇の問題並びにその仕事の量の問題については、久保委員御指摘の通りでございますが、私の方といたしましても、少なくとも定員だけは補充いたしたいと考えまして、その要求をいたしたのでございますが、大蔵省と財源、それから見解の相違があったのかもわかりませんが、わずかに十九名が認められたというだけで、まことに私は遺憾に思っております。しかし、その待遇改善については何らかの措置を大蔵省においても必要を認められて、私は必ずや近き将来においてその待遇改善に一歩前進を加えることができるように期待いたして、大蔵省の出方を実は待っておるような次第でございまして、航空管制官の実情は全く久保委員御指摘の通りでございます。私も微力ではありますが、少なくとも定員の確保、少なくとも管制官が、安んじてとは申しませんが、まあどうにか勤務ができるような状態までに手当その他を増額するように努力いたしたいと考えております。
#97
○久保委員 大臣からは期待しているということでありまして、努力はしているそうでありますが、努力のかいが一つもなくて、このままでいくと十九名の増員はもちろん埋まりません。埋まるどころか、われわれが持っている資料を見ましても、最近三カ年間の採用人員は百五十二名でありました。ところが一方退職者は、先ほど私がお話したようないわゆる航空局長が圧力をかけて押えた――事実かどうかわかりません、押えたんだ、そういうことをやっても五十一名は退職しているんです。このうちで三分の一が退職している、しかも飛行機の数は多くなっておる、飛行場の数も多くなっておる、定期路線も多くなってきた、こういうところに、これではたしてもっていけるのかどうか。
 航空局長にお尋ねしますが、現状のままで推移した場合に、日本の航空管制というのは円満にできる見通しが最近のうちに立つのか、今円滑にやれるということになっているのかどうか、今日現時点において航空管制は十分に間に合っているかどうか、それを聞きたい。
#98
○今井(榮)政府委員 久保委員の御指摘のような心配を実は私どももいたしておるわけでございまして、三十八年度の待遇改善につきましては私どもも極力努力いたしましたが、微力、十分に関係各省の方に御説明ができませんで、ついに予算としては成立いたしませんでございましたが、この予算折衝を通じまして、私どもとしても、管制官の業務の実態なり、またその給与の実際の仕事に適応するかどうかという面についての御認識は十分つかんでいただいたと信じております。なお現在の状態ではたして仕事ができるかどうかという点につきましては、実は私どもも最近寄り寄り仕事の円滑に運営されるような措置を極力部内においても講じておりますが、現在のままで推移いたしまして、離職者が非常にふえるというふうな状況でございますと、ある程度の管制上の制限をすることによって勤務体制を維持していくということにならざるを得ないのではないか、かように考えております。
#99
○久保委員 今の説明のように、このまま推移すればまことに憂慮すべき事態が出てくる。そこでもう一つ憂慮すべき事態は、今いるところの管制宮の健康状態です。これは航空局からいただいた資料でありますが、管制官については法的な身体検査が毎年ある。そこで三十七年度には第一次身体検査の不合格者が三十五名ある。前年の三十六年には不合格者が驚くなかれ五十六名ある。それから三十五年は十七名という。これは先ほど航空局長が説明されたように、勤務交代というか、そういうことでいろいろやっているそうでありますが、その中で一番多い病名は何かというと、私は専門家ではありませんからよくわかりませんが、尿蛋白の陽性、それから尿ウロビリノゲン、こういうのが多いわけです。そのほかに血圧。これはいずれも専門家にお聞きしますと、尿蛋白の方はじん臓機能の障害である。尿ウロビリノゲン、これは肝臓障害である。血圧は言うまでもございません。ほかの職種にこういうのがたくさん出るのかどうか、そういう研究を航空局でされたことはありますか、いかがです。
#100
○今井(榮)政府委員 御指摘のような研究につきましては、実は昭和三十五年の七月に労働科学研究所におきまして、東京国際空港職員全体の作業後の疲労度を調査分析したことがございます。その際、特に管制官につきましては、身体的あるいは精神的な疲労状況が非常に強く現われておりまして、これは、当時の研究所の御意見では、各産業平均の約三倍以上であるという結論が出ております。特にこの業務は非常に緊張を要するということ、それからまた非常に複雑で、しかも非常に責任の重い判断をしなければならぬというような関係からいたしまして、そういった精神的な疲労から内臓疾患が今御指摘のように非常に多いという状況でございます。先生が今御指摘になりましたように、じん臓、肝臓、肺臓、胃などの内的疾患が非常にふえておるという意見が出ております。こういった人たちは、これは毎年身体検査をやるのでございますが、一定期間管制の輪番業務からはずしまして、通常のデスクワークをやらしておるというのが現状でございます。なお、私どもの毎年一回の検査の不合格という数字につきましては、先ほど先生の御指摘がございましたように、三十五年が十七名、三十六年が五十六名、それから三十七年にやや下がりまして三十五名、いずれにしましても非常に多数の数字が表われておる次第でございます。
#101
○久保委員 私の手元にある資料、これは三年ほど前に教育大学の小保内虎夫さん外三名の方々が教育大学の研究課題として調査されたそうでありますが、その調書にも実は「疲労の影響の分析」というところにこういうふうに書いてあります。「いくつかの所見では、これは夜間勤務の長距離トラックの運転手よりも著しい。」「著しい焦躁反応の見られたことは慢性的疲労の徴候を示すものとして注意に値する。」さらにもう一つは「その他の所見」として、「はなはだしく長い反応時間、著しい焦躁反応傾、注意配分能力の低下、検査値の大きい変動、勤務前后での著しい成績の落差等好ましくない特性のいくつかを示す二、三の被験者が見出された。」これは三年前の調査でございます。こういうものについて政府部内において適切な対策をとられないまま今日に至ったということは、大へん言いにくいことでありますが、怠慢のそしりは免れないだろうと思う。御承知のように先般も名古屋において、管制官のいわゆる注意力というか、これが不足だということで事故が起きた。こういうことを契機に相当突っ込んだ研究をし、対策を立てるべきだと思うのでありますが、それ以後何もやっておらぬ、これは先ほど申し上げたように怠慢であると私は言わざるを得ないのであります。だから、少なくとも今日この対策を急ぐということになりますれば、増員をされながら増員の定員も埋まらぬ今日でありますから、その中身は言うまでもなく職務評価が適正にされていないということに尽きるのではなかろうかと思うのです。
 そこで人事院の給与局長にお尋ねしますが、三十八年度の予算要求の際にも運輸省から折衝があったと思うが、その折衝の要点は今さら言うまでもありませんけれども、他の同じ職種に比べて、これは給与法に基づくところの調整額を必要とするという要求が主だと思う。調整額についていかなる考えを持っておるのか、これをお聞きしたい。
#102
○瀧本政府委員 航空管制官の職務に対しまして、現在特殊勤務手当がついておるわけであります。これは三十四年に初めてこの手当をつけまして、三十五年にその範囲を拡大いたしまして、三十六年の四月一日から、その当時までありました手当を五割増して現在に立ち至っておるというような段階でございます。人事院といたしましては、公務員のいろいろな職種がございまして、いろいろな仕事をやっています。その際にやはり全体的にバランスがとれておるということが非常に必要なことであるというように思っております。その観点から、公務員の全体的な給与改善ということは、少なくも原則的には俸給表の改定でやっていく、こういうことを考えておるわけであります。補足的に調整額ないしは特殊勤務手当というようなものでやって参るということにいたしておるのでございます。この航空管制官の場合に調整額という御要求が運輸省の方からあったのでございますけれども、航空管制官の中で同一業務をやっておられるというわけではないのであります。またその仕事等の困難性といいますか、非常に緊張した仕事をおやりにならなければならぬというわけでありますけれども、それは航空管制官の中におきましても、その従事される仕事によりましていろいろ違うというような観点から、最初設定いたしましたときには、これはむしろ特殊勤務手当ということでやる方が適当であるという考えに基づきまして、特殊勤務手当ということにいたしたのであります。最初設けましたときには、これは時間当たり金額十円というようなことでございましたが、三十六年の四月からこれを五割増いたしまして、時間当たりの手当十五円ということになっております。これでおおむね月収二千二百円前後になる計算を考えておるのでございますが、われわれといたしましては三十六年の四月に、航空管制官の手当のみならず、全体的に公務部内における各種の困難あるいは危険等の作業に対します手当制度の関係について検討いたしたのでございます。本年、つまり三十八年度の予算要求に対しましても、運輸省の方から非常に御熱心な御要望はあったのでありますけれども、われわれとしては、なおかつこれを今後どうやっていくか、またほかのものとのバランスをどう考えていくかということにつきまして、十分な結論を出し得なかった。しかしながら、これは運輸省から非常に御熱心な御要求もございまするし、われわれは三十四年に五割増という大改定、――われわれとしてはそういうふうに思っておるのでございまするが、大改定をやったつもりではございまするけれども、それではまだ事態に適応していないだろうということは十分考えております。従いまして、これは予算要求という形でやりますることが一番問題をスムーズに片づける、問題を運ぶゆえんであるとは思っておりまするけれども、これは非常に微妙な問題でございまして、そのときまでに結論を得なかったといたしましても、なお引き続いてできるだけ早い機会にこの問題で、われわれの方の全体のバランスをとるという立場と、また運輸省の希望しておられまする御要望とをどういう辺で一致さすかということにつきまして十分努力いたしたい、このように思っております。
#103
○久保委員 給与局長のお話では、結論としては、早い時期に何らかの措置をとりたい、こういうお話ですから、一応それはあとにしまして、その前に、お話の中に他とのバランスというお言葉がありましたが、なるほど人事院としては他とのバランスも必要でありましょう。しかし当面この管制官の需給状態と勤務の状態を考えた場合に、何らかの措置を平急にとらねばならぬという場合に、バランスに拘泥することだけでは問題が解決しないと思うのです。その点を一つ、人事院としてはもちろんバランスは必要だと私は思うのでありまするが、それに拘泥するためにじんぜん日を送ると、最悪の事態が到来するということを十分認識されることが私は必要だと思うのであります。もちろん御指摘の通り、これは調整額でやるべきではないと私は思う。本筋としては俸給表を別途につくるのが建前かもしれません。しかしそれにはなおあなたが御指摘になったバランスの問題が出てくると思うのであります。そうだとするならば、この際この給与法第十条に理由としてあげてあるところの調整額の性格には、これはぴったり当てはまる問題だと私は思うのであります。もちろんその上に、今制度としてありますところの特殊勤務手当、これをやることはその通りだと思います。そのポジションあるいはタワーのあり場所、こういうものによってはおのずから繁閑もありますから、そういうものに対しては特殊勤務手当で調整をはかるというのが建前であります。ところがそれだけではもう足りない事態になってきている。現実はそうだ。しかもこの職務評価一つとりましても、高度の教育を受けた資格者というまず応募資格がある。さらに採用された後にも、いわゆる空港の管制官ならば、一年半以上の見習いというか、経験をしなければいかぬ。あるいは管制本部については、二年半以上の経験を最低しなければならぬ。こういうことでありますので、ほかの職種とはだいぶ違うと思うのであります。そういう点も十分考えてやるべきだと思うのでありますが、ついては、早急に云々というか、早急といっても、これは先ほど申し上げたように、事態は切迫している、限界を越しているものですから、なるほど今日予算を審議中であるが、制度としては新しい年度において、三十八年度において処理されなければならぬ事態であります。そうでなければどんどん行く。この上航空局長が職権をもって日本航空なりあるいは民間航空に圧力をかけても、管制官の引きとめは私は不可能だと思う。死ぬか生きるかのせとぎわになれば、だれでも生きる方をとらざるを得ませんから、そういう事態になっていることを考えて、いかがですか、三十八年度中に、少なくとも新しい年度の早々には結論をつける見通しを持っておられますか、決意がありますか、いかがですか。
#104
○瀧本政府委員 お話の御趣旨は十分われわれとしてもわかるわけでございます。ただわれわれの方から言わしていただければ、すべての問題が給与問題で片づくというわけには参らないのじゃなかろうか。航空管制官の問題にいたしましても、これを確保し、健康を維持し、その能率を増進し、離職を防止することのためには、いろいろな政策が当然とられるべきであろう。われわれといたしましても、その一環といたしまして、おじゃまにならぬように十分御協力申し上げることが適当なのではなかろうかと思っております。やはり公務の中におきまして、危険の度合、あるいは困難の度合――当面問題になっておりまするのは航空管制官の問題でございまするけれども、なおかつほかにもこのようなものがたくさんあるのでございまして、これらが一体どんな処遇ができるかということは、やはり全体的な問題としてわれわれとしては考えざるを得ません。従いまして、そういうことは現在いろいろ研究を進めておるのでございますが、これが三十八年度当初から直ちにそれではこれだけやれるかとおっしゃいますと、私は自信をもってやりますと、この場ではなかなかよう申せないのでございますけれども、御趣旨は十分体しまして、これはできるだけ早く結論に達したい。これはわれわれの方といたしましては、航空管制官のみならず、やはり全般の関係の中におきまして考えざるを得ないという問題は当然あるのでございます。そういうことを取り急ぎまして、できるだけ早く運輸省で御要望されております点に近いように努力いたしたいと思います。
#105
○久保委員 ここではっきり約束はできないというからあれですが、少なくとも三十七年度中に一応の構想をきめて、新しい年度からやるという保障がない限りは、今日黙々として働いておる管制官が不安動揺にかられておるわけです。その点も十分考えて処置されるのが適当でないかと思う。申し上げたくないのでありますが、人事院の権限は、こういう実態を御調査になって、それぞれの適切な調整を加えるという権限をお持ちなのであります。もちろん今日までやっておらぬという非難を申し上げるつもりはありません。しかし、事態をここまで放置したのは、人事院の責任も一半はあろうかと私は思うのであります。もちろん全体としては政府でありましょうが、少なくとも人事院として、人間が定員にどうしても満たないということが片一方にある。しかも退職者もどんどん出ていく。それから給与のバランスも民間やあるいは自衛隊の同じような仕事をやっておる者に比べても、私は逐一申し上げませんが、御案内の通り格差がある。格差があれば、どうしても、そっちに行く。仕事も楽で、給与もいいというところへ行くのがあたりまえです。これを引きとめるのが今日一番大きな問題であります。他から人間を回すことができない限りは、残念ながらこの人員増ができない。今後人員増なり定員確保ができなければ、これ以上民間航空を飛ばすことは不可能だろうと思う。そういう事態のときには、航空局長、あなたは規制しますか。そういう保障がなければみんな倒れますよ。管制塔なり管制本部で全部倒れていく。その場合には民間航空もある程度規制しなければならぬ事態がくる。これは運輸省の方が直接の所管だが、そういうときにどうしますか。多少の手当か何かではいきません。いかがですか、そういう決心がありますか。
#106
○今井(榮)政府委員 御承知のように、管制官の業務は、各セクターに分かれておりまして、セクター、セクターでそれぞれ分担を定めて業務を運行しておるわけでございますが、今御指摘のように、管制官の全体の数から、業務を遂行することが現状においてできない。さらにまた先ほど御指摘のように、非常に機械がふえてくる。しかもそれがハイ・スピード化してくるという状況下において、新しい高度の管制を行なわなければならないというような事態になりまして、結局業務の量において、これを制限していかなければならぬという意味からしまして、実際の航空の運行そのものにある程度の規制を加えるというような事態に立ち至らざるを得ないと思います。
#107
○久保委員 そこで、行管の山口行政管理局長がおいでになっておりますが、あなたは全般的な行政管理を見ておられるのでありますが、こういう点について、今までどういう勧告なり何なりを政府に対して――政府というか、当該の運輸省なり、あるいは人事院なりに対して、しておりますか。
#108
○山口(一)政府委員 航空管制官の定員の査定につきましては、運輸大臣の御期待には沿えませんでしたが、行管といたしましては、特に重点を置きまして、査定をいたしたつもりでございます。大臣からお話しございました十九名のほかに、コントローラー以外に技術あるいは通信等を含めまして三十八人の増員という査定をいたしております。全般的に、御承知のように三十八年度の定員査定につきましては抑制の方針をとっております。特にこの種の業務につきましては、その実情にかんがみましてできる限りの数を査定いたしたつもりでございます。
#109
○久保委員 山口局長、増員にお骨折りいただいたということはけっこうなんですが、先ほど申し上げたように、増員はしてもらっても、どうも今の定員にも満たないというような実態について、行政管理庁としては何らかの意見があってしかるべきだと思うのですが、いかがですか。
#110
○山口(一)政府委員 御指摘のように数をふやすだけで問題は解決しないのです。他のいろいろな要素があると存じますが、それらの点につきましてはこれまで特に管制官を対象にした調査あるいは監察等はいたしておりません。十分実情を今後さらに検討いたしまして、将来実情に沿った方針で作業していきたいと思っております。
#111
○久保委員 そこで局長、くどいようでありますが、この三月までに今お話しの通りの調査なり監察をして、適切な勧告なりサゼスチョンを、それぞれ関係の向きに与える所存がございますか、いかがですか。
#112
○山口(一)政府委員 監察につきましては監察局の方の所管でございますが、従来監察をいたします場合には、相当事前の準備をいたしまして、次の四半期の監察にかかる予定でございまして、従ってお話しのように、すぐ三月までに管制官の監察をいたすということは事実上不可能でございます。しかし将来の計画を検討いたします場合に、十分お話しの点を考慮に入れまして、必要と認めますれば監察の計画を立てるように部内において取り計らいたい、かように考えております。
#113
○久保委員 局長は所管でないから、そういう答弁でありますが、私がお呼びしたのは行管の代表というか責任者としてお呼びしたのでありまして、もちろん定員の問題が主でありますから、あなたにおいでをいただいたのでありますが、ここではっきり答弁できなくても、われわれが先ほどから申し上げたように、事態が切迫しておるのでありますから、これからの計画がどうであるかわれわれはよくわかりません、しかしながら、その計画を変更しても、かかる事態の切迫したものについては行管の責任においてやはり行動をとるべきだと私は思う。この点は一つお帰りになったら、長官なり担当の局長に十分話して、後刻この委員会に御連絡いただきたいと思います。
 そこで、大蔵省の平井給与課長には大へんお待たせしましたが、三十八年度の予算要求の際にも、先ほど来お話がございましたが、事態は解決しないままに今日に至っておる。そうしますと、さっきのような最悪の事態も予想されるにかたくはないのであります。そこで、先ほど人事院の方からもお話がありましたが、早急に結論を得てこれを処理するというお考えはございますか、いかがですか。
#114
○平井説明員 私どもも最近における航空管制業務の激増に伴って非常にいろいろな困難な事態が生じておることは存じております。三十八年度予算の編成の際にも、間に合いますならばこういった問題は処理をいたしたかったわけでございますが、先ほど人事院の給与局長から御説明がございましたように、いろいろな問題の最終的な結論を得ておりませんので、遺憾ながら三十八年度予算に織り込めなかったわけでございます。今後人事院の方で御検討いただきました上は、できるだけそれを尊重いたしまして、すみやかに実施に移すようにいたしたいというふうに考えております。
#115
○久保委員 結局問題は、給与局長、あなたのところにあるわけですよ。あなたのところの作業が進まぬ限りは、航空局も当然のこと、大蔵省も当然のことだが、その仕事はできないのであります。あるいは行管からいろいろなサゼスチョンがあったにしても、これはどうもあなたの方が動かぬ限りはなかなかだめだ。そこでくどいようでありますが、あなたのところで作業を継続してやっておられるように見受けられないのであります。これはあらためて早急に作業を始められる所存でありますか、いかがです。
#116
○瀧本政府委員 先ほども申しましたように、われわれといたしましては、この問題はもちろん重要でございますけれども、やはりほかの面においてもいろいろな理由によりまして給与の引き上げを要求いたしますようなものがあるわけでございます。総合的にこの問題を検討しなければならぬと思っておりますけれども、もちろん先ほど申しましたように、われわれは速急にこの問題の結論を得るように努力いたしたいと思います。
#117
○久保委員 局長がおいでになっておるのだから、課長さんならば別ですが、どうも前段が少しあり過ぎる。われわれとしては非常に深刻に考えておる。当委員会は、最近夢からさめたような話ではありません。たまたまあなたには初めてこの委員会へおいでいただいたのでありますが、従来から論議しておる。これはあなたにもっと早くこの席へおいでいただいて十分お話をすべきだったと今になって考えますが、そういうことで、非常に切迫した問題として当委員会は党派を越えて実は問題にしておるわけです。新年度の予算要求の際にも、与党の諸君はこれを最重点にあげてやったのでありますが、残念ながら、問題は先ほどからの御報告の通り進展していない。そうなると、それはどこかということになりますと、そういうもののレールを敷くか敷かぬかはどうしても給与局長のところにあるのです。ところが今の御説明では、早くやるという結論にはなるが、どうも前段が長過ぎる。よそにもほかにもありますから――ほかにもあるだろう、それはわかります。しかしそういう人命を守る責任というか、そういうものに直接関係する航空管制官の仕事であるから、十分早くやってほしいということがわれわれの言いたいところです。どうです、三月までに一応の作業を進められますか、いかがです。
#118
○瀧本政府委員 先ほどから申しておりますように、われわれはこの作業をもちろんほうっておくつもりはございません。急いでやりたいと思っておりますけれども、三月末までに結論を得るかどうかということにつきましては、これは今の場合私必ずやりますというようには申し上げかねるのですが、これは取り急いで研究いたしまして、できるだけ早い機会に結論を得たいと思います。
#119
○久保委員 これはおそらく給与局ばかりではないでしょう。でありますから、大蔵省もおられますから、大蔵省、運輸省、人事院、行管、四者が早急に結論を出そうということにならぬと、残念ながらうまくいかぬと思うのであります。そういう点についてあなたのお考えはどうですか。この問題はあなたがやはり中心にならなければいかぬと思うのです。
#120
○瀧本政府委員 仰せのように関係する部面もございますしいたしますので、これは十分連絡をとりまして、研究を進めたいと思います。ただ私から申し上げてまたおしかりを受けるようなことになるかもしれませんが、問題は、総合的に研究されなければいけないのじゃないか、給与問題はもちろん重要でございますけれども、そのほかの面でも十分この問題解決のために御推進をいただくように、つけ加えて差し出がましいのでございますが、お答えを申し上げた次第であります。
#121
○久保委員 総合的にそれはやるべきだという御意見はもっともだと思うのでありますが、総合的にやるうち、この給与の問題が中心であるということも考えなければならぬ現実にそうなっておるのであります。それについてあなたの方で御意見があるなら、関係の向きに意見を率直に出されたらいい。給与ばかりでなく、月給ばかり上げてもだめだ、だめだというなら、この点がだめだ、こういうふうに御指摘があってしかるべきだ。今どういう点か指摘できますか、いかがです。
#122
○瀧本政府委員 私の方から意見を出せというお話でございますけれども、これは所管しておられます運輸省におきまして総合的に御判断願うのが適当であろうかと考えます。
#123
○久保委員 判断はあなたがおっしゃる通りでもけっこうだと思います。航空局長自身にいろいろ聞いても、もう万策尽きた格好をしております。そういうことで、いろいろありましょう、われわれも言いたいことがあります。ありますが、きょうは給与の問題にしぼって、一応問題を解決しなければならぬだろう、御指摘の通り、いろいろもうわかっております。しかしそれが九牛の一毛といっては大へん語弊があるが、それは今日の特効薬、即効薬にはならぬ。直ちにはきき目がない、この将来の展望に立っては、もちろん御指摘のような内容のものがたくさんあると思う、これは是認します。しかし、そういう意味でありますから、これにことかけておれの方ばかり言ったってしようがないじゃないか、向こうに言ってくれというのではなくて、一つやってほしいということを申し上げておきたいと思います。
 航空局長に最後に言いますが、先ほど申し上げたように、この問題は単に人事院の給与局長に預けるだけでは問題は解決つかない。それは大蔵省も給与課長もその通り、行管もその通りでありますから、ぜひ四者の連絡会議を持ってこれは解決してほしいということを最後につけ加えて、一応終わりにします。
#124
○細田委員 関連して一点だけ。――時間もだいぶたちましたし、久保委員から詳細にわたってこの問題についての質疑がございましたので、私は一点だけつけ加えて申し上げたいと思います。
 自由民主党といたしましても、政務調査会で、予算編成の過程においてこの問題は最も大きな問題の一つとして取り上げたのでございます。最後までどうしてもこの問題については何らかの解決のめどを発見したい、こういうことで私ども努力いたしたわけでございますが、残念ながら先ほど来の答弁等にもございましたいろいろな関係から、予算には間に合わない。しかしこの問題については、おそくとも三十八年度の初めまでには実施できるというような何らかの結論を政府で見出してたいだく、こういうことで私どもそのまま涙をのんでと申しましょうか、党としてはどうしてもこれはやってもらわなければならぬと思いながらも、予算面の折衝を打ち切ったような状況でございます。もうすでに御承知と思います。私はもっと時間があれば長々と申し上げたいのですが、特にちょうど人事院も行政管理庁も担当局長さんおいでいただいておりますけれども、この航空機の発達に対しまして今一番阻害しておるのは人の面でございます。これは申し上げるまでもございません。乗員の養成、管制官の問題、これが何しろ一番大きな隘路をなしているわけでございまして、これは私は運輸省の航空行政を先頭にして、全体としての航空に対する行政自体が、この異常なスピードで発達しておる航空機にマッチしておらないという現象が起こっておると思うのでございまして、ほかとのつり合い、いろいろなものもあると思いますけれども、航空の発達というものは異常なスピードである。これは、乗客の人数等につきましては先ほどありましたが、こういった点がございますので、対策も急いで立てないと、少々のことをやっておりましても、事態はそれよりも前に前に進んでいくというようなことになりますので、先ほど予算のことに関して申し上げたように、これはわが党といたしましてもぜひ三月までには目鼻をつけていただく。なお、今滝本局長からもお話がございましたが、これは管制設備の問題あるいは厚生施設の問題、あるいは養成方法につきましても、まだまだ検討の余地はあろうと思います。あろうと思いますから、もちろん並行してやらなければなりませんけれども、事態はもうそう言っておれないような事態になっておるわけでございまして、私どもも管制官の諸君から、とにかくほかからは誘われる、このままではとてもやれない、何と申しましてもこれは昇進の道がない、学歴がある程度要る、外国語はしゃべれなければいかぬ、一歩間違うと人命に支障を及ぼす、刑事事件で起訴され有罪の判決を受けるというようなものがある、ほかと比べましてもちょっとこれは特殊なものでありまして、これはおそらく外国の例なんか調べてもらったら、ずっといいと思います。こういう点、特に久保さんから内容につきましてはいろいろございましたので詳しく申し上げませんが、結論は、とにかくもう二月も半ば過ぎておるような状況でございますので、早急に出していただいて、大蔵省の方は今給与課長がお帰りになったのですが、予算の面にはなくても、これはあとからとにかく考えよう、こういうお約束で私どもは了承しておるわけでございますから、この点、御答弁は先ほど来のことで別に要求いたしませんが、ぜひ一つ年度内には結論を出していただきますように、わが党といたしましてもお願いを申し上げる次第でございます。
#125
○木村委員長 次会は来たる十五日金曜日、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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