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1962/03/19 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第16号
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1962/03/19 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第16号

#1
第043回国会 運輸委員会 第16号
昭和三十八年三月十九日(火曜日)
   午前十時二十九分開議
 出席委員
   委員長 木村俊夫君
   理事 佐々木義武君 理事 鈴木 仙八君
   理事 高橋清一郎君 理事 細田 吉藏君
   理事 山田 彌一君 理事 井手 以誠君
   理事 久保 三郎君 理事 肥田 次郎君
      有田 喜一君    有馬 英治君
      伊藤 郷一君    尾関 義一君
      加藤常太郎君    壽原 正一君
      砂原  格君    關谷 勝利君
      中馬 辰猪君    福家 俊一君
      増田甲子七君    井岡 大治君
      加藤 勘十君    勝澤 芳雄君
      下平 正一君    田中織之進君
      矢尾喜三郎君    松原喜之次君
      内海  清君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 綾部健太郎君
 出席政府委員
        運輸政務次官  大石 武一君
        運輸事務官
        (大臣官房長) 広瀬 真一君
        運輸事務官
        (海運局長)  辻  章男君
        運輸技官
        (船舶局長)  藤野  淳君
        運輸事務官
        (船員局長)  若狹 得治君
        運輸事務官
        (航空局長)  今井 榮文君
 委員外の出席者
        専  門  員 小西 真一君
    ―――――――――――――
三月十六日
 離島の住民の旅客運賃等の特例に関する法律案
 (木原津與志君外十三名提出、衆法第三一号)
 日本航空株式会社法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第一四八号)
同月十八日
 北陸線に野々市駅開設の請願外二件(岡良一君
 紹介)(第二四一二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案付
 船舶職員法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第二七号)
 海運業の再建整備に関する臨時措置法案(内閣
 提出第七七号)
 外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法及び
 日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補
 給臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第七八号)
 日本航空株式会社法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第一四八号)
     ――――◇―――――
#2
○木村委員長 これより会議を開きます。
 去る十六日本委員会に付託されました、内閣提出、日本航空株式会社法の一部を改正する法律案を議題として審査を行ないます。
#3
○木村委員長 まず政府当局より提案理由の説明を聴取いたします。綾部運輸大臣。
#4
○綾部国務大臣 ただいま議題となりました日本航空株式会社法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 昭和二十八年八月、日本航空株式会社法の施行により、同年十月、日本航空株式会社が発足して以来、十年になりますが、この間における同社の発展はまことにめざましく、中でも国際路線網は、年とともに拡充され、昨年十月には待望の南回り欧州線の開設を見、名実ともに日本を代表する航空会社として、世界の航空界に確固たる地位を占めるに至っております。
 しかしながら、近時における国際間の競争は、大型ジェット旅客機の導入とともに急速に激化し、各国航空企業の赤字は大幅に増大する傾向にありますが、わが日本航空株式会社もまたその例に漏れず、同社の今後における路線の維持伸張には、多大の困難が予想される状況にあります。
 このような段階におきまして、多数の職員を管理し、内外にわたる重要な業務の全般にわたって強力な統括を行なっていくためには、同社の首脳陣の強化が強く要請されておりますので、現行法を改正いたしまして、所要の措置をとることといたした次第であります。
 その内容の大要を申し上げますと、まず、会長制を新たに設けることといたしました。現状におきましては、社長以下の首脳陣は、会社事務の繁忙化とともに当面の業務に忙殺されざるを得ない状況でありますので、特に取締役会を主宰して最高経営方針の決定をリードし、内外にわたる重要な業務を強力に遂行し得る識見の高い人材を会長として置き、最高首脳陣の強化をはかることが必要であります。
 次に取締役の増員について申し上げます。
 日本航空株式会社の発展と国際競争の激化に伴い、同社の経営がますます複雑、困難の度を加えて参りましたことは、さきに申し上げた通りでありますが、このような事態に対処するとともに、近く予想されます日本航空整備株式会社との合併に備えて、現行の取締役の定員十五名を会長を含めて三名増加しまして、十八名とすることにいたしました。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
#5
○木村委員長 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
     ――――◇―――――
#6
○木村委員長 海運業の再建整備に関する臨時措置法案、並びに、外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法及び日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案の両案を一括議題として審査を行ないます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
#7
○久保委員 引き続いて海運の問題について御質問をいたすわけでありますが、先般来他の委員からもそれぞれ御質問のありました中で、特に關谷委員等から日本の海運の未来像というか、青写真というものはいかなる構想に基づくものかという御質問がありましたが、これに対して的確な御答弁がないのであります。運輸大臣あるいは海運局長は、日本の海運をしていかなる構造にいわゆる構想として持っていくのか、大よその輪郭はどの方向へ持っていくのか、そういう点についてお答えをいただきたい。
 というのは、今回提案された二つの法律案によりますれば、一つは集約化によるところの利子たな上げの方式、もう一つはいわゆる建造利子補給をさらに強めていくという二つであります。これだけが今新しく従来の政策から変更されたというか、若干修正された海運政策と見るわけであります。なるほど今まであるところの一つ、二つの政策に類するものは、たとえば三国間の輸送を強化していきたいということで、ここ数年三国間の輸送に対する航路補助をしていく、これが一つ。さらにもう一つは、十八次船の造船を今日建造していくわけでありますが、この計画造船方式が今日まだある。言うならば、この利子補給が従来もありまして、これを修正するわけでありますが、従来からあるもので手をつけないものはたった二つ。新しく出たというならば、これは集約によるところの利子たな上げ、これだけが新しい政策である。はたしてこれが日本海運に対する政策なんであろうか。そうすると、時代は御案内の通り急変革いたしております。船腹構成においても違わざるを得ない。陸上産業との関係からいっても、海運の性格というか、構造は変革をしなければならぬ。そういう時期にあたって、たとえばこの集約一つ見ましても、これは過当競争を防止するというメリットを考えているようでありますが、過当競争を防止することだけが日本海運の方策であるのかどうか、そういうこともいろいろ考えられるわけであります。ついては、先ほど申し上げたように、日本海運の姿というのはどういう姿に描いているのか、その中のこれは二つの方策なのか、いかがでしょう。
#8
○綾部国務大臣 日本海運の最終の目的は、戦前のように日本経済に寄与する。すなわち外貨を獲得いたしまして、日本経済に寄与するにはいかにすればできるかということが、海運政策の基本の観念であらねばならぬと私どもは考えておるのでございます。しからばそれをするのにはどうしたらいいかといえば、やはり戦前より海運会社が百四十数社ありまして、非常な過当競争をやっている。過当競争をやるということは、どういたしましても、経営面に無理が出る。その無理を排除いたしまして、ただいま私が申し上げましたように、世界海運に伍してやっていけるように態勢を整備する、これが一つであります。すなわち、さきに申しました目的に到達するためには、どうしても体質改善をせねばいかぬ。体質改善の最近道と申しますか、一番急にやらねばならぬのは、何と申しましても、過当競争の防止ということが大事なことであると思うのであります。そのまた手段として集約化が考えられるのであります。その集約したものに力をつける。力をつけるとはどういうことかと申せば、資金的に国家財政の許す範囲内において援助その他等々をやります。これをまずやって、そうして過去の資本構成の脆弱な海運会社に力をつけ、そうしてまた過去の負債に対しましては利子をたな上げして、そうして今後優秀船をこしらえるためには、補給率を高めていく、こういうようにいたしまして、海運の力を世界の列強並みのものにするように政府の助成をすることによって、日本の海運が往年のように貿易外の収支に貢献するように努力するということが最終の目的であり、それが久保先生のおっしゃる青写真の構造だろうと思うのであります。
 しこうして、まだいろいろな問題の起こってくる場合には、始終おっしゃる海上運送法等を制定することに進みたいと思いますが、現在におきましては、どうしてもそういうことをやる前に、海運界それ自身が、また日本国家としてやらねばならぬということを一番考えたのが本法案を提出したゆえんであり、またこの法律の目的である、私はかように考えております。
#9
○久保委員 大臣がおっしゃることは、いわゆる日本海運の姿というよりは、目的だと思うのであります。というのは、世界海運に伍して国民経済の中でいわゆる安定した物資の輸送をさせ、はたまた国際収支の面で寄与させるというのは目的であります。その目的に到達するために日本の海運はいかなる構造であるべきかということを私はお尋ねしたいのであります。これはこまかい点でありますから、むしろ海運局長にお答えいただいてもいいと思いますが、たとえば今回提案された集約の方式であります。先ほど来運輸大臣はいろいろ御答弁をなさっておりますが、この集約の姿は何といってもやはり金融中心の姿でいかざるを得ないだろうと思うのであります。さらに、金融中心になりますれば、当然のごとくこれの系列下にあるところの造船所あるいはこれの系列下にある大きな荷主、産業とか、そういうものの系列の配下につくのが海運の姿になりはしないか、こう思うのであります。これはもちろん全般的に否定はいたしませんけれども、はたして再建の見通しがこれで立つのかどうかという心配が一つある。しかし、時代は変革いたしまして、今日、御案内の通り、産業の発展に伴いましていわゆるタンカー、専用船の保有というものが大きな比重を占めて参りました。これは陸上産業の変革に伴うところの船腹構成の変革だと思うのであります。当然そこには長期用船契約なり建造計画なり積み荷保証なりというものが生じてこざるを得ない実態が今日あるわけであります。はたしてそういう一大産業、いうならばコンビナートの一環としての海運ということで将来持っていくつもりなのか。そうだとするならば、この集約もあえて問題はないかもしらぬ。しかし、それだってはたしてこの海運企業が再建できるかどうかについては、これまた別な観点から大きな疑問がある。はたしてそういう形で持っていくのかどうか。あるいは今までの既成観念に基づくところの海運は独立的な企業体として考えていくのかどうか、そういう点はいかがですか。
#10
○辻政府委員 今、お説の通り、タンカーでありますとかあるいは鉱石専用船につきましては、関係の荷主との間におきまして長期の運賃契約がされるのが通例でございます。しかし、そういう関係が強くなるということによりまして、海運業がいわゆる荷主の産業に隷属するというふうには私どもは考えておりません。そういう長期契約の相手方の荷主とこれを受け持っていきます海運企業との間におきまして、非常に緊密な連携が深くなるということは事実でございますけれども、それをもって一つの隷属的な地位になるというふうには考えておりません。専用船、タンカーの部面におきましては、そういう企業間の連携が深まるとともに、やはり定期船の部面でありますとか、あるいは一般不定期船の分野におきましては、いわゆるコモン・キャリアとしての性格も依然として残っていく、そういう二つの性格を持った海運企業として今後発展していくものだ、私どもはかように考えておる次第でございます。
#11
○久保委員 局長にお尋ねいたしますが、あなたが今おっしゃった中で、荷主との間に私が言うような関係はない、そういうのは発生することはないというのは、特に発生しない保証があるのか、これが一つ。もう一つはコモン・キャリアとしての余地もまだたくさんあるというが、時代が推移して、コモン・キャリアとしての余地はだんだん狭められていくことは事実であります。そこでお尋ねしたいのは、専用船対策というが、その専用船、タンカーというものの性格というか、今後のあり方についてどういうふうに考えておられるのか、いかがですか。
#12
○辻政府委員 専用船、タンカーの今後のあり方という御質問でございますが、これは先ほど申し上げましたように長期契約的な様相というものは依然として続くであろう、ただし鉱石にしろあるいは石油関係にいたしましても、やはり需要期におきまする市況の変動というものがございますので、一〇〇%長期的な専用船あるいはタンカーによる輸送ということは考えられませんので、せいぜい私どもは七割程度くらいがいわゆる長期輸送の限度ではないか、かように考えておる次第でございます。
#13
○久保委員 どうも私の質問もしろうとでありますから、局長ちょっとわかりにくいのだろうと思うのです。そういうわけで、私もあなたの答弁が的はずれのように思うのです。私のお尋ねすることがわかりにくかったならば、一つわかりにくいということを遠慮なくおっしゃっていただきたい。
 今お話がありましたが、専用船の長期契約は七〇%程度であろう、あとの三〇%がいわゆるフリーであるということの説明でありますが、七〇%という比重は大へんな比重だと思います。だから、これに対してどうするかということです。今のままでいくと、この前も申し上げましたように、日本の海運というのは、残念ながら、体質が弱いためもありますので、いわゆる所々方々から金を借りて、あるいは債務保証を受けるというようなことから、他人に隷属せざるを得ないような形に今日なっておるということをまず率直に認めなければいかぬと思うのです。これを認めないでいろいろ言われても、これは残念ながら話だけになってしまう。だから、結局そういう隷属した形でおりますから、荷主なりあるいは造船というものから独立し得られない立場が相当あると思う。結局ほかの産業に隷属した形は、先ほど申し上げたように、海運には食道はあるが胃袋がない。この関係をどうするかということがまず大事だと私は思う。これを度外視していろいろ言われても、これは話にならぬと思う。この今日提案されたものについても、食道から他人の胃袋に直結するパイプをさらに強化するということには役立つが、これを切り離して自分の胃袋に食道をつなぐという役にはちっともならないのじゃないかと私は思う。卑近なたとえ話で申し上げましたが、今の七〇%の長期契約というのは、七割が押えられておる、そういう隷属した関係にあると思う。これに対する排除の方法は何にもない。結局このしわ寄せが、この集約で参りますと、オーナーに行きます。こういうことも一つ考えていただかねばならぬと思うのです。いずれにしても、専用船対策というか、それに対する構想はあまりないようでございますが、何か別にございますか。将来の専用船のあり方はこうあるべきだというようなことはございますか。
#14
○辻政府委員 御質問の趣旨は専用船あるいはタンカーにおきます長期契約の際におきまして、非常に荷主の勢力が強くて、海運企業としてはただ輸送するだけで、いわゆる企業的なメリットというものが少なくなるのじゃないかというふうな御趣旨かと思うのでございますが、これは今の長期契約を見ましても、いわゆる適正な利潤というものも長期契約の運賃の基礎には算定されておりますし、必ずしも今のお説のような、いわゆる企業的な利潤というものは全然海運企業に残らないということではないと思います。
 それからまた先ほども申し上げましたように、海運企業がそういう長期契約をいたします産業に隷属的な関係があるのじゃないかという点でございますが、これは海運企業が非常に小さくて、注文する荷主の企業が非常に巨大な場合におきましては、多少そういう傾向が見られるわけでございますけれども、今回の措置によりまして各海運企業が強力なグループになりまして、その企業基盤が強固になって参りますれば、長期契約をする相手方の企業と強い態度で向かい得るのじゃないか。またコストの面におきましても、今回の利子補給の強化によりまして、コストとしては十分国際競争力にたえ得るコストになるとしますれば、そういう面におきましても、いわゆる私企業のベースにおきまして、適正な利潤を海運企業に残し得るような長期契約は結んでいかれる、私どもはさように考えておるわけでございます。
#15
○久保委員 それでは一つの例でありますが、私の手元にある資料で、海運二十四社の平均企業利潤率、いわゆる資本効率でありますが、これは三十六年上期で計算しまして五・二七%であります。これは減価償却率が九・〇二%になっていますから、定率十八年に引き直しまして一二%で修正いたしますれば、この企業利潤率は三・六%であります。これは利子とかそういうものの支払い前の利潤率でありますから、借入金利その他とは無関係であります。言うならば、これは海運投資固有の利潤率であります。この三・六%という利潤率は低率なのか、それとも大へん率はいいのか、どうなんですか、お尋ねします。
#16
○辻政府委員 資本効率としては低率であると考えております。
#17
○久保委員 資本効率が低率なのは、なぜ低率なのか。その原因は何でしょう。
#18
○辻政府委員 資本効率の低率な理由は、海運業は一般的に非常に長期に資本が固定いたしますことと、やはり現在のところ収益率が悪い、その二点でございます。
#19
○久保委員 海運は長期に資本が固定されることと、もう一つは収益率が低いから。その前の話は刑ですよ。あとの話、収益率が低いということ、この一点に尽きるわけです。これと同一なケースのものを調べて下さい。ありますか。
#20
○辻政府委員 現在ちょっと手元に関係の資料を持っておりませんので、さっそく資料を調製いたしまして提出いたしたいと思います。
#21
○久保委員 それは後刻さっそく出してほしい。私の手元に若干あるが、これはあなたの方からいただいた方が信憑性がある。結局収益率が低い。収益率が低いということはどういうことなのか、これは運賃がかせげないということ、そういう点からいって、先ほどのお話とはだいぶ違うじゃないですか。そういう点を改めずして、利子補給をしたって間に合わぬ。というのは、今の収益率でいくならば、いわゆる借入金の利子は、少なくともわれわれの手元にある計算では、四三・八%以下でなければ、この収益率の三・六%にとんとんには追いつかぬということなんです。こうなって結局今度の利子補給はいわゆる四分六分ということに補給しましょう、しかしそのメリットは海運企業にはなくて、このままの現状ならば収益率が低いということをそのままにしておけぱ、なるほどこれでとんとんにはなるが、海運企業に歩どまりはない。収益率を上げるということが海運再建のまず前提でなければならぬ。その他はこれを補強するいわゆる副次的なもの、海運企業をほかの産業に隷属した単なる輸送機関として育成していくという構想ならば別だが、海運を再建して企業として成り立たせるのだということならば、低い収益率をいかにして上げるかという問題をまず第一に解決しなければ、利子補給をしたところで、これはさっき言ったように、たとえば食道は通るけれども胃袋には通じない。他人の胃袋にメリットが行ってしまう。あなたがおっしゃった収益率が低いというのは、その低い原因はどこにあるか、何か、いかがでしょう。
#22
○辻政府委員 ただいま御指摘がございました収益率は、各企業全体の収益率でございまして、結局日本の海運全体の収益率の低さを言っているわけでございますが、この収益率が低い原因には多々あると思うのでございます。おもなるものを申し上げれば、いわゆる海運の構造変化によりまして、トランパー部門というものの収益率というものが非常に下がってきた。それらの多くが先ほど話がありましたような大型の専用船でありますとか、あるいは大型のタンカーの出現によりまして、小さなそれらの船が収益率が落ちてきた。あるいはまた定期航路におきまして一部盟外活動等による阻害によりまして収益率が落ちておる。それから日本の海運企業が借入金の依存によりまして新造船をつくってきた関係上、いわゆる好景気の高船価のときにつくった船が相当企業を圧迫しておるというふうな点がおもな原因であろうと思っております。
#23
○久保委員 あなたがおっしゃることだけはそういうように思いますが、一つはトランパーのシェアが狭められてきた、その通りであります。しかもトランパーのシェアが狭められたことは直ちにやはりライナーに響くわけです。こういうものもどうやるべきかという手段がなければ、収益は上がらぬだろう。トランパーのシェアがいわゆる専用船によってこれは侵食されてきた、これも一つでしょう。あなたはおっしゃらぬけれども、この間じゅうから問題になっているいわゆる船腹構成の問題はどうなんです。非経済船の処理についても、何ら対策はまだお出しになっておらぬ。さらにトランパーについてのいわゆる過当競争、これに対する問題をどう処理するのか、これも出しておらない。さらに前段申し上げたように、専用船とトランパーとの関係をどうするかの問題も明確にお示しにならぬ、いかがですか。
#24
○辻政府委員 今御指摘のありましたような問題は、これは世界海運全体の共通の問題でございまして、これらをどう解決するかということにつきましては、世界的な規模で解決の方法としては考えなければならぬ問題じゃないかと私どもは考えておるわけでございます。しかしわれわれとしては、現在日本の力でできるところに主眼を置いて考えざるを得ないのでございます。トランパー部門におきまする過当競争、あるいは専用船の問題においても、やはり邦船間にある程度の過当競争があるわけであります。それらの点につきましては、今回の集約措置によりまして、そういう過当競争を排除していきたい、かように考えておるわけでございます。もちろんそれだけによりまして船腹構成と申しますか、海運の構造変化による問題が全部解決するわけではございません。これはまた関係の各部門の動向もにらみ合わせまして、場合によりましては、これらと協調し、あるいは日本政府独自として、またいろいろな施策を考えていきたい、かように考えておるわけでございます。
#25
○久保委員 話は大きくなりましたね。世界的で解決する、世界的な傾向でありますから、日本の海運としてはどうすべきか考えていかなければならぬだろうということなんです。世界的な問題として扱う、じゃ何かありますか。世界的な航空の調整機関というものがございますが、ああいうものに見合ったものでもつくるつもりがありますか、提案したことがございますか。
#26
○辻政府委員 今世界的な問題だと申し上げたわけでございますが、たとえば欧州の一部におきましては、世界的にいわゆる不定期船の共同係船案というふうな問題も提起されておるわけでございます。なかなかそういう方向によりましても、いわゆる不定期船の船腹過剰の問題を解決することは、困難ではあろうという一応の今予測は立っておりますけれども、問題点としては、どういうふうにすればこの問題がいい方に進んでいくかという点についても、検討をしておるような次第であります。
#27
○久保委員 なるほど世界的に係船の問題は一部には出ておりますが、慢性的船腹過剰、これはいわゆる造船技術の革新あるいは産業の変革、貿易量の変化、こういうことから来ているのであります。かたがた御案内の通り新興国の台頭、こういうことをあわせ考えねば、あなたがおっしゃるように世界の一部に出たくらいの空気で処理されるべき段階では今日ありません。それが証拠に、日本の政府も一緒になって、アメリカのボナー法に対して抗議を申し入れたのだが、いまだ何らそういう解決のきざしがないということ一つを見てもおわかりでしょう。そこに今日の大きな問題があると私は思う。どうも今までお聞きしていると、話は大きくなりましたが、何らの結論がなくて、成り行きにまかしていくのが結論のようであります。次会によく御研究をいただいて御答弁をいただきたい。
 さらにもう一つ、海運局長に、間違ってはいないかと思うのでありますが、トランパーについては、今度の集約でそういう過当競争をなくすというのだが、トランパーの集約というのは、はたしてあなたがおっしゃるように、うまくいくのかどうか、トランパー自身は一船経営であります。そこに集約によってメリットを望むことは木によって魚を求めるというか、それほどでないかもしれませんが、相当に困難ではなかろうかと私は思うのであります。しろうとでありますから、一つお教えをいただきたい。トランパーは集約によってそういうものが一切解決するのかどうか。
#28
○辻政府委員 御承知のように、トランパーの船舶の所有者は、非常に数が多いわけでありますけれども、その大部分はいわゆるオーナーでございまして、不定期船の運航業者、いわゆるオペレー夕ーというものの数は、所有者ほどそう多いわけではないのでございます。そのオペレーターを中心にして、今後の集約が行なわれますれば、いわゆるオペレーターの数というものは非常に減ってくるわけでございまして、従いまして、これらの間に協調してやっていくというふうなこともやりやすくなるわけであります。そういう意味で過当競争を排除しまして、不定期船の運賃を維持し、あるいは低落を防止するという措置は、相当な効果が上がるものと考えておる次第でございます。
#29
○久保委員 今のお話だとだいぶ楽観されておるようでありますが、たとえばグループ化されたものが六つのオペレーターになる、だから協調もしやすくなるということですが、それは手放しでお聞きしてよろしいのですか、いかがですか。
#30
○辻政府委員 言葉が足りなかったかもしれませんが、運航業者の数が少なくなりますれば、協調がしやすくなるわけでございまして、これに対しましては、私ども今後いわゆる行政指導によりまして、協調の行き方を一そう進めていきたい、かように考えておるわけでございます。
#31
○久保委員 その協調の方法は、おおよそどういうふうにされますか。
#32
○辻政府委員 これは現在でも海運業界で行なわれておりますような、物資別あるいはものによりましては地域別に、不定期船の運賃同盟が現在でも行なわれておるわけであります。主として物資別でございますが、これがやはり対象が多いために、いわゆる抜けがけの功名的な行為が間々ございまして、これがそういう当該物資の運賃の維持にいろいろ支障を来たしておるような状況でございます。これらのメンバーが少なくなりかつ強力になりますれば、そういう協調のやり方にいたしましても、今よりは相当の効果が期待されるというふうに考えておるわけでございます。
#33
○久保委員 今まで五十七社ございましたから、これを六つにすればこれは少なくなる、話がしやすくなる、これは小学校の算数の宿題ならば、解答満点だと思うのでありますが、はたしてそういうふうにいくものでしょうか。六つになれば強大になる。しかもわれわれの考え方では、金融機関中心の集約ということになりますれば、当然金融機関は至上命令としてこれは債権確保に乗り出さざるを得ない。あるいは自分の系列下にあるところの産業の育成をはかる。御案内の通り、貿易の自由化は、わが国政府の至上命令というか、命題になっておる。貿易の自由化に対抗するには、まず第一に運賃を食うので、ソーシャル・ダンピングというか、あるいはテープ・レーバーということで持っていく以外に方法がないというのが今日の産業界の既定概念です。必然的に運賃は高くすることはできない、運賃を安くしようというのがまず至上命令にならざるを得ない。そうなった場合に、グループ間の競争は今以上です。今は勢力の小さいものが五十何社あるから、まあまあ実際上いいとして、これが六つになれば、六つのものがそう協調を完全にできるとはわれわれ思わぬ。かえって競争が激甚化するというふうにも観測される。そういう場合に、あなたのおっしゃるように手放しでいいのですか。
#34
○辻政府委員 これは集約された各グループが非常に激しく競争するという前提に立てば、今久保先生が言われたようなおそれがあるわけでございます。私どもは、現在の段階におきましても、先ほど申し上げたような方式によりまして、不定期船におきましても協調するようにという指導に当たっておりますし、また海運業界もそれを受けて努力しているわけでございまして、私はグループ化が完成しましてもそういう風潮は一そう強まる、また強めねばならぬ、かように考えておるわけでございます。
#35
○久保委員 あなたがおっしゃることは、理屈としては一応通ると思いますが、話がしやすくなるとか、あるいはこれから進めていきたいと言われるが、進めていく方法はどういうふうにしますか。行政指導という形ですか。行政指導ではたしてうまくいくのか。今日までのいわゆる協調態勢が行政指導でうまくいっておりますか。たびたび繰り返すようでありますが、この集約されたあとではさらに海運企業というものは自主性を、――将来はわかりませんが、ある期間というか、この法律に基づく再建期間中は自主性を喪失せざるを得ないのじゃないか。そうなった場合、はたしてあなたの言う通りの協調ができるかどうか、それを心配するのです。だから協調させる方法はどうするのです。行政指導でやられるのか。海運界もその通りだというが、今より自主性を喪失する海運企業がはたしてそういうことができるだろうかという心配があるが、これに対してもう一ぺん御答弁をいただきたい。
#36
○辻政府委員 これは行政指導ということでございますので、それに海運の関係者がなるほど協調しなければならぬという自覚を持たなければ、おっしゃる通り非常な混乱が起こる可能性があるわけでございます。私どもは、たびたび申し上げるように、現在でも海運界は協調の必要性を十分認めて努力いたしております。将来におきましてもそういう考え方は変わりはない、かように考えておるわけでございます。
 それからまた自主性喪失の問題でございますけれども、非常に長期契約をいたしまする企業が巨大でございまして、これの運送の衝に当たりまする企業が小さくかつ劣悪であった場合には、いわゆる自主性喪失の傾向が強まると思うのでございます。海運企業の方も集約によりまして大きな企業規模になり、またその企業基盤も強化されてきますれば、自主性を喪失するということに関しましては、現在よりも海運企業の立場は強くなってくるのじゃないか、かように考えておるわけでございます。
#37
○久保委員 局長のお話は、実際言ってよくわかりません。それじゃ何の保障がありますかと言いたくなる。保障はこういうふうにするから、そういう心配はないということがありますか。私は先般も本会議で申し上げましたが、下手まごつけば、五年後にはさらに大きな混乱が来るだろうと心配している。これも予想ですから、わからぬと言えばそれまでです。こういう形で無理な合併というか集約をする。金融機関がまん中にいて集約するわけですから、どんなに否定しても当然そうなります。運輸大臣が最後には云々ということを言っておりますが、運輸大臣の意見の以前にそれはコンクリートされなければならぬ宿命にあるのです。だから五年後にあるいは十年後に――少なくとも五年後でしょう。再び混乱が来て収拾ができなくなったときに、關谷委員が言った通り、日本海運の構造というものはどういうふうにするのだという、はっきりした見通しを立てない限りはだめじゃないかと思うのです。何か保障はございますか。久保君の言うことは違うのだ、かくかくの理由でだめだということでないと、ただ概念的なお話ではどうしても納得いかないのです。いかがでしょう。
#38
○辻政府委員 どうも意見と申しますか、立場の相違があるようでございますが、私どもは今久保先生の御懸念されるような事態は全然ないと申し上げているわけではないのでございまして、そういう事態が万一発生しますれば、すべてのいろいろな施策というものが水の泡に帰するわけでございまして、そういうことのないように努力し、また業界に対してもそういうふうに勧奨して参りたい。それに対して現在の海運企業の雰囲気からいたしますれば、そういういわゆる協調の方向に進んでいこうという機運は変わりなく一そう強まっていくもの、現在の情勢でそう予測して、あやまちはないではないか、かように考えておるわけでございます。
#39
○久保委員 局長、立場は違うのですよ。あなたは政府、私は国会の方ですから、それはもちろん違う。確かにものの考え方は違うのです。けれどもこれだけの重要な法案を出して、もう少ししろうとにもわかるように説明をつけてほしいと私は思うのであります。どうも今までのお話では、そういうことはない、あったら大へんだ、こういうことだけです。
 それじゃ一つオーナーの問題を次にお尋ねしますが、構想としては、オーナーは大体集約の中に含まれる予想でありますか。
 その前に聞きたいが、この集約は日本海運全体を集約するのかどうか、それともこの集約から落ちこぼれるものもあるかどうか、念のためにお尋ねしておきます。
#40
○辻政府委員 私どもは今回の集約の中にできるだけ多くの企業が参加することを望んでおるわけでございます。見通しの問題といたしましては、集約の外に立つ企業もある程度はあるというふうに予測いたしております。
#41
○久保委員 その集約の外に立つものはどういうものが予想されますか。
#42
○辻政府委員 これは各企業の経営者の個々の判断にもよると思うのでございますが、今回の集約によりますメリットが、開発銀行の融資の利子の猶予という点が企業にとりましては大きなメリットになるわけでございます。現在の日本の海運企業の中には、開発銀行の利子の猶予の対象になるような融資を受けていない企業もございますので、それらの企業につきましては、中には集約に参加しないものも相当あるのじゃないか、かように考えておるわけでございます。
#43
○久保委員 法案をよく研究しておりませんけれども、系列会社なりあるいは専属会社に含まれるものは、開銀融資を受けていないものもあるわけですね。それはかまわないわけですね。
#44
○辻政府委員 お説の通りでございます。
#45
○久保委員 そうだとすれば、あなたがおっしゃることはよくわからぬのでありますが、集約に漏れるということは、政府としては望むところであるのかどうか。集約に漏れるものもあるのは、それはそれでいいのだということなのか、いかがですか。
#46
○辻政府委員 先ほど申し上げました通り、できるだけ集約に参加することを望んでおるわけでございます。
#47
○久保委員 この法案を練りに練って一年かかって出してきたのでございましょうから、おおよそ日本海運界の再編成というか、その姿としては六つのグループ、そのグループに含まれないものはおよそ何社くらいありそうだということは、御研究になっているのでしょうね。いかがですか。
#48
○辻政府委員 これは大体現在開発銀行の融資を受けております会社でございますとか、あるいは中核の運航事業者と非常に緊密な連係のありまする企業等がこれらの集約に参加するであろう、そういうふうな予測を立てておるわけでございます。
#49
○久保委員 どうも御研究になっているような、なっていないようなわけで、数字もわからぬでしょう。これは大体法律を出してから出てくるのを待とうという、まあ先行きなるようにまかせよう――と言うと大へん失礼かもしれないけれども、ある程度勧奨はするが、大よそ幾らくらいになるかわからぬようですが、そういうふうにとっていいですか。
#50
○辻政府委員 何社が集約に参加するというふうな具体的な数字については、私ども結論を持っておりません。
#51
○久保委員 結論を持っていなければ、この集約というのは何です。大体過当競争をやめて安定させようということのようでありますが、そういうことですね。今さら聞くまでもない話ですが、結局日本の海運を寡占状態に置こうということのようですね。そうすればその寡占状態というのは、大よそ六つのグループで、あとはどうなるかわからぬというなら、寡占の状態はわからぬじゃないですか。範囲が小さいからかまわぬということでありますか。いかがですか。
#52
○辻政府委員 大体この集約によりまして、日本の外交海運において主力をなしておりまする運航業者はすべてこの集約の中に入ってくるであろう、かように考えておる次第でございます。
#53
○久保委員 運航業者だけで今海運界が持っているのですか。運航業者だけが集約されて、集約のメリットがオペレーターだけにあればいいのだというのがこの法案のねらいですか。いかがですか。
#54
○辻政府委員 さようではございませんが、国際海運競争場裏におきまして、外国の海運会社と第一線で競争して参りますのは運航業者でございまして、これらが集約されまして、企業基盤が強化され、邦船間の過当競争が排除されていきますれば、対外的に非常に競争力がついていくじゃないか、もしそういう結果になって参りますれば、これは緊密な関係にあります用船に出しておりますいわゆるオーナーにつきましても、そのメリットが用船料を通じて反映してくる、かように考えておるわけでございます。
#55
○久保委員 そこでオーナーの用船料を通じてオーナーにもメリットが通ずるというけれども、その通りでありますか。御案内の通り、四月以降のオペレーターの用船料交渉はどうなっておりますか。十セントないし十五セント引き下げを要求しているじゃないですか。これは御承知ですか。
#56
○辻政府委員 個々の用船料の契約の内容につきましては、詳しくは存じませんが、用船料の交渉におきまして、用船料が現在よりも好条件になるというふうな風潮ではないということは承知いたしております。
#57
○久保委員 それでメリットが通じますか。かせいでいるオーナーが用船料を下げられて、メリットが通じますか。
#58
○辻政府委員 オペレーターとオーナー間の用船料の基礎になりますものは、結局その船を運航業者が運航いたしまして、どれだけの運賃収入を上げ、どれだけの収益を上げ得るかということによりまして、用船料がきまってくるわけでございます。従って、言葉を変えますれば、いわゆる不定期船物資の世界的な市況というものが定期用船料に反映して参るわけでございます。現在のように不定期船の市況がさえない場合におきましては、用船料におきましても好条件が望めないということは、経済常識上当然ではないか、かように考えておるわけでございます。
#59
○久保委員 お話の通り、経済常識は多少知っておるわけですが、だが、あなたがおっしゃるように、いわゆる現在はオペレーターが思うようなかせぎがないから、オーナーに対する用船料も低目に持っていくほかはないのだ、これがかせげるようになれば、いわゆるそれに相当して、あなたはメリットが通ずるというお話ですが、あなたのおっしゃることは、はたしてそうだろうか。これは集約によって五カ年間の利子猶予はある。しかしその間いわゆる約定延滞金あるいは未償却分、これを払うということが前提になっておる。その中でオペレーターがオーナーに対してメリットを通ずるだけ余裕が出てくるとお考えでありますか。そういう計算が何か出ますか。
#60
○辻政府委員 いわば用船料がよくなるかならぬかということは、不定期船の、その船を運営する収益がどうなるかということにかかっていると思うのでございます。一般的に申し上げますれば、大きくは不定期船の市況いかんによりまして、用船料というものがそれにフォローしていく、かように考えております。
#61
○久保委員 不定期船市場が向上するというか、よくなっていくという見通しをお持ちですか。先ほど世界的な話をされた中でも、それはなっていくという見通しはちっともないじゃないですか。なりますか、いかがですか。
#62
○辻政府委員 これは世界的な貿易あるいはそれに伴います海上輸送の非常に大きな問題でございまして、なかなか的確な予測をつけることは困難でございますが、私どもは、今の段階におきましては、将来大幅に不定期船の海運市況がよくなるという具体的な材料は持ち合わせておりません。
#63
○久保委員 それでは具体的な材料でなくても、かくかくの理由でよくなる、市況は回復するということの見通しがなければ、あなたが先ほど言った経済常識が通じないではなかろうか、こう思うのですが、いかがですか。
#64
○辻政府委員 しかし、不定期船の海運市況は、船腹の供給と貿易の量とによりまして、大きく左右されるわけでございます。ことしの一月にも、欧州の寒波等によりまして、多少上向いた例もございます。どんどん世界の貿易量が増加して参りまして、船の建造がそれに伴わないような事態が来れば、やはり上がり得る要素はあるのではないか、かように考えているわけでございます。
#65
○久保委員 欧州の寒波は大きな影響がありましたか、そして現在も引き続いてありますか。市況回復に大きなてこ入れになりましたか、小さなてこ入れになりましたか、いかがですか。
#66
○辻政府委員 ことしの年初におきましては、欧州の寒波によりまして欧州向けの穀物輸送あるいは石油の輸送等が活発化いたしまして、一時海運市況が引き締まった事実はございます。しかしその後だんだんと事態が推移しまして、現在ではさほどの影響はございませんが、年初におきましては一時的な影響はあったわけであります。
#67
○久保委員 そういう一時的な影響で海運企業を見ていくことが一番いいのかどうか。もう過去のお話になりましたが、十年に一ぺん波が来れば、これは救われるというのが海運の常識であったようであります。ところがそれは今日の造船技術の進歩とかあるいは産業構造の変化、こういうことを片方に考えれば、さらに世界的な慢性的な船腹過剰、これに対しての係船対策などは残念ながら当分できない。その中で市況回復が望み得る要素があるのかどうか。あなたは欧州の寒波のお話ばかりしていますが、欧州の寒波などはものの数じゃないのじゃないですか。いかがです。
#68
○辻政府委員 今欧州の寒波の例を申し上げましたのは、それが大きく海運に影響するということではないのでございまして、後進国の開発とか、その他いろいろな要因によりまして、船腹の需要が増大していく傾向にあり、片や船腹の供給が貿易の増大に伴わないような傾向になってきますれば、不定期船市況には好影響を及ぼすであろう、そういう仮定の問題といたしまして要因があるんだ、その一つの、短期的ではございますが、例として欧州向けの荷動きによって不定期船市況に好影響をもたらす事例として、ほんの例として申し上げたような次第であります。
#69
○久保委員 まあそれはほんの例でありましょうが、しかしそういうものをやらざるを得ないということは苦しいではないかということなんですよ。あなたは後進国の経済開発などと言ったが、後進国の経済開発で船がたくさん要りますか。世界的に船腹過剰なんです。新興国は海運国としても独立しようということでやっているわけです。それで日本の海運業も多少の影響を今日受けてきているわけです。そういう中であなたの言う不定期船の市況の回復なんという見通しはない。われわれは現実の状態をふまえて将来を見通さなければならない。仮定をたてにしても、仮定の前提は現実だ。その上に立ってやらなければだめでしょう。それはあなたがおっしゃる通りじゃないと思うのですが、どうですか。
#70
○辻政府委員 だから私どもも今、必ずそういう事態が起こるということを申し上げているわけではないのでありまして、現在の状況におきましては不定期船市況を非常によくするような具体的な要因は予測できないと申し上げている次第でございますけれども、これは将来の世界的な問題にわたりますので、荷動きが非常にふえてくるような状況になれば不定期船の市況が上向く可能性はあるのではないかということを申し上げた次第でございます。
#71
○久保委員 あなたの答弁は、可能性がないような話をしたり、あるような話をしたりですが、率直にいって、ないじゃないですか。今見通しとしては市況回復の可能性はないというのが常識じゃないですか。いかがです。
#72
○辻政府委員 だから繰り返し申し上げましたように、現在では私どもはそういう具体的な要因を予測しがたいので不定期船市況が将来非常によくなるだろうという予測を立てているわけではございませんが、可能性としては全然これがないということでもないということを申し上げておるわけでございます。
#73
○久保委員 ここはむだな論議はあまりしない方がいいですよ。可能性は全然ないわけではない、それは大道占いの話ですよ。失礼な話ですよ。そうでしょう。結局あなたも私と同じ見通しに立っちゃったわけです。それが常識でしょう。不定期船の市況が回復するなんという見通しは今日どこにもありませんよ。その中であなたがオペレーターの集約によるメリットがオーナーに通ずるなんと言うことは、こっけいな話じゃないですか。現実にオーナーが一番問題にしているのはこの用船料の問題、今後再建するにしても、今の用船料では残念ながらこれは再建ができない、これは当然です。ところが今度オペレーターはさらにこれを切り下げにかかってきている。これはまたオペレーターにすれば当然ですよ。それを含めて再建するというんだが、これは方法としては相反するものを一緒くたに入れておいてやろうというのでありますから、そこに無理が起きます。それなら集約されたところのオーナーの再建策についてはいかように考えますか。
#74
○辻政府委員 オーナーの収入というものは用船料だけでございまして、特にオーナーの企業努力で収入をふやすということは非常に困難かと考えます。資産処分をいたしますとか、あるいはその他の企業努力によりまして何とか企業内容をよくしていくという努力を各企業はいろいろ考えておるようでございます。中にはオーナーの人がやっておられまする他の企業と海運を合同さすとか、そういういろんな方策によりまして企業の再建を考えておられるようでございます。
#75
○久保委員 そうすると結局オーナー対策というのは、再建できないものは、大体用船料によるメリットはない、だから資産処分等によって再建策を講ずる、こういうことに相なりますね。
#76
○辻政府委員 そういうふうな企業努力がおもな点になってくると考えます。
#77
○久保委員 それではオーナーの機能というのはどういうふうに考えられるのですか。この集約後において、オペレーター、オーナーという関係は、どういうふうに規定しますか。
#78
○辻政府委員 今の御質問のオーナーとオペレーター間をどういうふうに規定するかという点、御趣旨をもう少し詳しくお聞かせ願いたいと思います。
#79
○久保委員 今までのお話だと、結局オーナーは最悪の場合資産処分によって再建をするしかない、用船料に期待できないということだと思います。そうなりますと、将来にわたって、それじゃオーナーとオペレーターの関係はどういうことになるか。なるほど当面資産処分によってオーナーは立ち直れるかもしれないが、将来にわたってこの収益を増すという用船料の引き上げはなかなかむずかしいという見通しです。そうだとすれば、将来これはどういう姿で持っていくのかというのです。おわかりでしょう。
#80
○辻政府委員 オーナーの企業再建の方策としまして、資産処分だけが唯一のものではないと思います。そのほかにもいろいろ企業努力をされているようでございますけれども、それはそれといたしまして、オーナーとオペレーターとの間におきましては、集約によりまして長期安定的な用船関係が続いていくものと考えております。
#81
○久保委員 あなたがおっしゃる通りいくならば、将来にわたってオーナーはオペレーターに隷属し、その肥やしにならざるを得ないということが予想されるのですが、そういうことはありませんか。
#82
○辻政府委員 これは長期的な関係に立ちますから、それが直ちにいわゆる隷属という言葉が当たるかどうかという点については、にわかに賛成しがたいのでございますけれども、長期的な関係に立つことは間違いないと考えます。
#83
○久保委員 それでは念のために聞きますが、長期とは何年くらいですか。
#84
○辻政府委員 これは私どもとしては最低五年程度、五年以上というふうに考えたいと思っております。
#85
○久保委員 隷属しないという。その隷属するという意見には賛成しがたいというのですが、賛成しなくてもけっこうなんだが、オペレーター、オーナーの関係は、お話しの通り、大体債務保証というきずなでつながれるわけです。そうですね。その債務保証というきずなでつながれているために、今日、言うなれば用船市場が膠着しておるのが日本海運の特徴的なものです。これは計画造船のたまものというか、生み出したものです。それを今後そのまま強化しようということなんですね。これをしも隷属と言わぬとするならば、これはまた賛成しがたいことかもしれない。われわれは、それは隷属を強化されるというふうにとらざるを得ない。かたがた、今の長期というのは五年以上ということだ。五年以上というのは再建整備の期間中だ。そうならば、いわゆる集約の目的はオペレーター自身がやはり再建されるというのが至上命令なんです。そうだとすれば、当然のごとく、オペレーターの方はかまっておれない。集約して、ますます隷属化していかざるを得ない。なるほど、資産処分によって、五年なら五年は持ちこたえられよう。しかし将来にわたってはこれは持ちこたえられない。とするならば、オペレーターの傘下におめおめ入らざるを得ない、こういうことも言える。そうすれば、日本の海運の中には、オーナーという機能は要らなくなるという考えも出てくる。すべてオぺレーター、全部がオペレーターのもとにある。用船市場としてのオーナーの機能はなくなってしまう。これでいいのかどうかという問題です。それはどう考えますか。
#86
○辻政府委員 これは今お説のように、戦後の日本の海運界におきまして、用船関係が膠着いたしましたことは事実でございますが、ただ今度の集約によりまして、それではあるオーナーというものはオペレーターに必ず一つの特定されたものと長期的な関係を持たざるを得ないかということになりますと、これは必ずしもそうではないのでございまして、場合によりましては、従来甲という運航業者と用船関係を持っておったものが乙にかわるということは自由でございます。言葉を変えて申しますれば、甲のグループに入るか乙のグループに入るかということは自由でございまして、その点から、従来甲と用船関係を持っておったがゆえに必ず甲に行かなければならぬということはないわけであります。おそらく、オーナーとしますれば、一番条件のいい運航業者と先ほど申し上げたような長期用船契約に入るのじゃないか、私どもはかように考えております。
#87
○久保委員 なるほど。しかしその場合でも債務保証とのつながりがあれば、これは清算して、さらに新しく集約されるところにそういうものを肩がわりするということに相なりましょうね。
#88
○辻政府委員 そういう場合には、従来甲のところから乙のところに移るとしまして、甲から債務保証を受けておりますならば、当然債務保証も乙がするというふうな条件変更があると考えております。
#89
○久保委員 オーナーについてはまたあとで聞きますが、次にお尋ねしたいのは、百万トン単位、いわゆる五十万トン・五十万トン単位というのは、これは合併が必須の条件に相なっていますが、しかも、それはお尋ねするのでありますが、百万トン単位はいかなる観点から百万トンということに相なったのでしょうか。
#90
○辻政府委員 これは主要海運国の主力の会社の規模、それからまた日本の海運界の現状等をにらみ合わせまして、百万トン程度が妥当であるということで、百万トンとした次第であります。
#91
○久保委員 別にそこには経済単位としての何か理由がないのですか。ただ、今あなたがおっしゃるように、世界の海運会社、日本の海運界の実態を考えて百万トンということに切ったのだ、こういうお話ですが、そういう軽いものですか。
#92
○辻政府委員 これはいわゆる数字的な積み重ね的な基礎はないわけでございます。運輸省といたしましては、集約の問題の大きなポイントでございますので、学識経験者あるいは金融関係その他有識者の意見をも参酌いたしまして、まずこの辺が妥当であろうというすべての方の御意見を伺って、かようにきめた次第でございます。
#93
○久保委員 すべての方々の御意見というのは、何か百万トンあれば非常に好都合だとか、経済的にこれは効果があるというような理由でしょうね。ただ単に、大体百万トンくらいがいいじゃないかというようなことでおきめになったのですか。どうなんです。各界の御意見はお聞きしておりませんから、あなたから、一つどういうわけで百万トンにしたのか、もう少し詳細に御説明いただきたい。
#94
○辻政府委員 これは先ほど申し上げましたように、世界の主要海運国の企業規模を参酌いたしますとともに、日本の海運界の現状を参酌したと申し上げたわけでございます。御承知のように、現在大体重量トンで、外航船舶の場合は千万トン余りあるわけであります。最低百万トンの単位とすれば、グループは十以下にはなるであろう。その程度のところを基準に考えていけば、大体しっかりしたグループが出てくるのじゃないか、そういうふうな考え方が百万重量トンのおもな点でございます。
#95
○久保委員 百万トンというのは、今お話があったように大体この程度だろう、あるいは十社以下になるから、そうすればいいだろう、だろうで考えているわけですか。何かこれならば運航のメリットもよろしいとか、百万トンなくちゃ経済性からいってもこれはだめだとか、そういうのが全然なくて、今あなたがお話しのように、外国の海運会社を見てもと言っておられるが、これはそうなんですか。何かありそうなものですが、大体大ざっぱにきめていく。海運ですから、大ざっぱがいいでしょうが、ずいぶん大ざっぱ過ぎるのじゃないですか、何かありますか、ないですか。
#96
○辻政府委員 百万重量トンを基準ににいたしました経緯は、私が先ほど申し上げましたようなことでございまして、いわゆる数字的に積み重ねるというふうな考え方ではないわけであります。
#97
○久保委員 ほんとうにそうですか。一応の試算というものはあるのだ、表に出すかどうかは別として、それで大体百万トンなら経済単位としてもよろしい、メリットもいい、経済効果が出るというようなところでやったのじゃないですか。これはいかがですか。全くあなたがおっしゃる通りですか。おっしゃる通りだとするなら、どうも大きい問題を出してくるのに、百万トンでおおよそいいだろうということは、これはどうもどうかと思う。われわれも審議してこれに賛成、反対をきめますが、たとえば、この法案が通って百万トンがよかったのだということならいいが、ところがこれがだめになったということになったとき、一体だれが責任を持ちますか。一応今日の時点において、百万トンは経済単位でこれが一番いいのだ、これよりあまり大きくなっても困るし、小さくても困るから、これがいいのだ、大よその線を引けば百万トンだ、こういうことでなったのかと思ったら違うのですか。そういうことはないのですか。
#98
○辻政府委員 私どもの考え方は、百万トン以上になってはまずいということではないのでございまして、先ほどお話がございましたように、経営の効率からしましても、最低として百万重量トン程度が望ましい、そういう考え方でございます。
#99
○久保委員 さっさからお尋ねしているのはそこなんです。百万トンときめたのは、経済の効果からいってもこれが一番いいのだ、一番いいというのは何だと聞いているのです。なぜそうなったのか。
#100
○辻政府委員 これは、日本の海運が今後発展しますには、諸外国の海運企業と競争するわけでございまして、これに対抗し得るような企業規模という面におきまして、外国の海運企業の状態を参酌したわけでございます。また、今回の集約目的が邦船間の過当競争を排除しようという観点がございますので、先ほど申し上げましたように日本の現在の保有船腹量とそれから集約された暁におきますグループ最大限の数というものを念頭に置きまして、またお説のように経営の効率という面ももちろん参酌したわけでございまして、これらを総合いたしまして百万重量トンが最低の基準として適当である、かように考えたわけでございます。
#101
○久保委員 どうもわからぬのですが、グループが十以下ならばいいという理論的根拠はあるのですか。春間伝うるところによれば、六つのグループになるそうでありますが、六つならなおいいということですね。なぜ六グループならいいかということ、あるいは十以下ならなぜいいかということは、かくかくの理由でこれはいいのですということがなければならない。わからないですか。
#102
○辻政府委員 これは総合的な判断の問題でございまして、十一ならばいけない、六ならばいいとか、あるいは八ならばいいとかというふうになかなかきめがたい問題であるわけでございます。それで先ほど申し上げましたように、海運造船合理化審議会でこの問題については特にいろいろ御審議願いまして、学識経験者の意見を十分に参酌してきめた次第でございます。
#103
○久保委員 大体海造審の御意見も聞いてというのですが、その御意見はどうだったのか、それから運輸省としてきめたのかどうなのか、その理由を聞いている。別にむずかしいことじゃないと思うのです。日本の海運界からいけば、あなたが言うように、二つの理由があるようですが、その一つの理由では、やはり過当競争があるからこれをグループ化して少なくするのだ、それが十以下ならいい、その十以下でいいという結論はどういうわけなんだと聞いているのです。この辺はわからないからほんとうに聞いているのです。お教えいただきたい。
#104
○辻政府委員 先ほど申し上げましたように、日本の海運界の現状から考えまして、十以下の集約化がされて、これが協調をしていくならば、過当競争は排除されていくという判断に立ったわけであります。
#105
○久保委員 あなたが今おっしゃたことは、十以下なら協調態勢が築かれるからこれならいいというのですが、では五十七なら協調態勢は築かれない、あるいは二十なら協調態勢は築かれない、十以下ならよろしいという理屈はどこから出ますか。
#106
○辻政府委員 協調態勢というものは関係の企業の数によるわけではございませんが、その協調は数が少ないほどやりやすいわけでございまして、そういう意味におきまして少なくとも十以下にすることが望ましいのじゃないか、そういう観点に立ったわけでございます。
#107
○久保委員 それは違うでしょう。やりやすいというが、やりやすいというあれはないですよ。指導方針が確立されれば実際いって何でもやりやすい。たとえば今度新聞紙上に伝えられるところによりますれば、いわゆる北米航路については運航会社を一社にして、共同配船をしようということです。これも一つの案ですね。これはこの集約の法律案に関係するかどうかは私は知りませんが、今のままでなぜできなかったか。あなたの方に指導方針がちっともないじゃないですか。いわばこの新聞紙上に出ている運航会社は、これは航路調整ですよ、航路調整を極端にやろう――航路調整はその気がまえさえあれば今でもやろうとすればできる、今できることを集約をやらなければできないというのはちょっと話が違うじゃないですか。これは一つの例ですよ。だからもう少し何か理論的な根拠がおありかと聞いておる。ないのですね。ただ海運のことだから大づかみに一つやっていこう、こういうことですか、いかがです。
#108
○辻政府委員 これは非常に雑に事をやったということではないのでありまして、事柄の性質上、一つの総合的な判断の問題でございますので、学識経験者の意見を十分に参酌いたしまして、先ほど申し上げたように、外国企業の企業規模、それからまた日本の海運の現状、その保有トン数、経営効率等を勘案いたしまして、百万重量トンと定めた次第でございます。
#109
○久保委員 それは大臣の答弁です。大臣答弁はそれでよろしい、それに至った理論的根拠は何かというのです。ないのですか、なければないでいいのです。ないものは仕方がない。いかがですか。
#110
○辻政府委員 先ほど申し上げた通りでございます。
#111
○久保委員 これは百万トンを基準にして合併をするということで集約するというのですが、たとえばあなたが言うような一つの大ざっぱなと言うと語弊があるが、一応の考え方で集約するわけですが、これがはたして経済効果がこれでは出なかったということになったときにはどうしますか。さらに再修正をいたしますか。あるいは審議会の中で検討するのですか。
#112
○辻政府委員 いわゆる整備計画が出て参りますれば、海運企業整備計画審議会に諮問いたしまして、そこでいろいろの審査をしていただきまして、運輸大臣に御答申を願うわけでございます。もしその整備計画が海運の再建整備に不適当なものと考えられます際には、関係の海運企業に再考を求めることもあり得ると考えております。
#113
○久保委員 整備計画の中でいわゆる検討を加えるということでありますが、百万トンとして、この法律に基づくところの整備計画を出してきた、しかしそれが経済効果がないという判定が出た場合には差し戻すというのですが、それはできますか。それは一グループの整備計画であるかもしれぬが、日本海運全体の整備計画につながるのであります。一つがくずれれば他にも影響しますから、そういうことで事務的にいいんですか。大体整備計画の中へどんなものを盛るかあとで聞きますけれども、経済効果が現われるかどうかが一つの大きなねらいでしょう。それをこの中で御検討なさるんでしょう。しかも長期にわたっての整備計画ですから、当面のものでないんですね。非常にむずかしいと思うんです。そういうことはやれるんですか。
#114
○辻政府委員 おっしゃる通り、整備計画の内容審査は非常にむずかしい問題を多々含んでおるわけでございますが、私どもとしましては、その整備計画が海運業全体の再建整備をはかるために適切なものであるかどうかという観点からも十分に審査をいたしたいと考えておる次第でございます。
#115
○久保委員 整備計画の内容についてはあとからお尋ねいたします。そこで、この合併を必須条件と法案はしてございますが、合併を必須条件としなければならない理由は何がありますか。海造審の七人委員会は、必須条件とは答申していないはずだと思うのですが、この計画はどうですか。
#116
○辻政府委員 今回の集約の大きな眼目といたしまして、過当競争を排除していこうということが一つの大きな眼目になっておるわけでございます。この保有船腹は五十万重量トン、それから運航船舶が保有船腹を含めまして百万重量トンという構成をとっておるわけでございます。現在の企業の中には、すでに一社で保有五十万重量トンというふうな基準に達しておるものもあるわけでして、合併を必須の条件としなければ、それらの企業は、保有トン数としては何らの措置を要しないというふうなことも出てくるわけでございます。そういうことは海運業全体の集約をするという面から考えますと、全体的な、いわゆる海運界を集約しようというムードにマイナス面が考えられます。それからまた過当競争の防止の面から申しますれば、できるだけ企業の数を少なくすることが望ましいのでございます。この二点から合併を必須の条件とするようなことにした次第でございます。
#117
○久保委員 ムードと数を少なくするという二つから合併を必須条件にしたようでありますが、ムードの問題はちょっとどうかと思うんです。ムードで合併促進ができたり、合併が促進できなかったりということは、私は実際言ってあり得ないと思うんです。だから問題は、先ほどの問題にかえって、百万トンというのは何だというんです。しかも数が少なければいいという。それではあなたがおっしゃる十以下ならいい、あるいは六以下ならなおいいということになりますね。
#118
○辻政府委員 集約のグループの数が少なくなるということは、過当競争を防止する面から申しますれば望ましい、かように考えております。
#119
○久保委員 それならば、日本海運を一本にしたらどうですか、その方が一番いいと思うんです、あなたの論法からいくと。それはどうなんです。
#120
○辻政府委員 集約ということは各企業にとりましては非常に重大なことでございます。ただ数は少ない方がいいということで、現実を無視した考え方もいかがかと思うわけでございます。そういう点を勘案しまして、私どもは、集約のでき上がりました姿というものを多くても十以下に押えたい、そういうことならば、一社あるいは例外的に二社程度の合併ということで五十万トンというものは確保されるのではないか、そういうふうな現実を顧慮いたしまして考えた次第でございます。
#121
○久保委員 寡占の状態におくことは過当競争を押えるという論法でありますが、これまた問題があります。いわゆる寡占の状態になれば日本の海運はよくなるかどうかということについては、先ほど来申し上げた通りで、私はそれだけではいかぬと思う。それからもう一つ、いわゆる集約に伴う合併をすればメリットがあるんだという論法もあまり直線的ではないかと思う。というのは、なるほどものの考え方から言えば、多いよりは少ない方が利潤が上がることになる。これは当然です。しかしはたして合併を強制された場合、企業としての機能が十分に果たせるかどうかの問題を度外視しては効果はないと思う。いかがですか。
#122
○辻政府委員 おっしゃる通り、合併ということによりまして、何と申しますか、人の和が十分とれないような場合におきましては、合併によるマイナス面が露呈されるわけであります。私どもは、企業の自主的な努力によりまして、さようなことのないように合併が行なわれることを望んでおるわけであります。そういうふうに合併の利点が十分に生かされるような合併が企業努力によって行なわれることを期待しておるわけであります。
#123
○久保委員 どうもあなたのお答えは先に期待しておるということが多いようです。期待するといっても強制合併というか――強制合併というのはちょっとおかしいのですが、少なくとも百万トンという基準は、あなたが言うような観点からいけば、それはそれでいいのじゃないか、そういう一つの理屈が立ちましょう。さらに寡占の状態に置くために無理な強制合併をさせれば、あなたのおっしゃるように人の和の問題も一つある。企業のおい立ち、その他の伝統、歴史、機構がある。そういうものを全然無意味なものどして強制合併しなければならぬ、その場合には企業としての機能が十分に発揮できない場合が多いのではないか。これはいわゆる効率的な運営を阻害する。そういうものも度外視して、何でもかんでも合併しなければいかぬのだということでは、これは機械的ではないかということです。あなたが期待しますといっても、期待にこたえられなかったらどうします。そういう場合もありますよ。いかがですか。
#124
○辻政府委員 どうもむずかしゅうございますが、私どもといたしましては、企業の合併によりまして先ほど御指摘がございましたような欠点が出ないように、関係の企業が十分な努力をしていただくことを期待する以外にはないわけでございます。
#125
○井手委員 関連して。――先刻来、久保委員と海運局長の質疑応答を聞いておりますと、どうも大事な点で答弁ができかねるようであります。企業の合併というのは、これは会社にとっては大へんな問題であります。それをしなくては国の助成はやらぬぞ、そうでなくては海運の再建はできないというこの問題に対して明確な答弁が得られないようであります。またわれわれはそこをある程度聞かなくては、この法案に対して態度をきめるわけにはいかないのでありますから、海運局長も少し答弁がつらいようでありますので、明日ぐらいまでに一つ十分研究をして、この委員会に臨んでもらいたい。先刻来聞いておりますと、これだけ国が助成をしてはたして再建のめどがあるかどうかについても、私どもはもっと当局の信念を聞かなくてはならぬと思います。ただ合併したら何とかなるだろうという程度では、われわれは納得するわけには参らないわけでありますし、さらにこの集約の態勢にどれくらい不参加があるのか、どういう状態に見通しが立つのかという点についても非常に不明確でございますので、そういったこともあわせて、一つ明日われわれの納得できる当局の態度を――かりに立場は異なるにいたしましても、明確にしていただきたいと思います。そこできょうは質疑を打ち切っていただいてはどうかと思います。委員長のお取り計らいを願っておきます。
#126
○木村委員長 この際暫時休憩いたします。
   午後零時十三分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時三十八分開議
#127
○木村委員長 これより再開いたします。
 船舶職員法の一部を改正する法律案を議題として審査を行ないます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
#128
○久保委員 船舶職員法の改正でありますが、まず第一点としてお伺いしたいのは、この改正の一つの骨子は、オートアラームを装置して、これによって合理化をしようというねらいがあるわけであります。ついては、このオートアラームの機能そのものには、今二百隻程度のものがつけておるわけでありますが、その実験の結果としては、必ずしも有効ではない、こういうふうにわれわれは聞いておるのです。ついては、このオートアラーム一つにたよって合理化することには非常に危険だとわれわれは思うわけでありますが、少なくとも、このオートアラーム装置をすることが直ちに合理化ということであってはならぬとわれわれは思うわけです。これに対して運輸当局はどういうふうに考えておりますか。
#129
○若狹政府委員 オートアラームにつきましては、昭和二十七年の電波法の改正に取り上げられましてからすでに十数年を経ておるわけでございます。また、国際条約等の見地から見ましても、すでに三十年前につくられました国際人命安全条約において、すでにオートアラームが取り上げられておりまして、外国におきましては三十年の長い期間にわたって経験を積んでおるわけでございます。従いまして、われわれはこの性能自体については決して疑問を抱くものではございません。ただ実際問題といたしまして、洋上のことでございますので、その場所の気象条件なりあるいは空中状態等によってなかなか思うような成果が上げられないというケースも考えられないことはないわけでございまして、もちろん完全無欠なものであると言うことはなかなかできないという状態であるということを郵政省では申し上げております。しかしながら、すでに先ほども申しましたように、国際的には三十年前から実用に供しておる問題でございますし、日本の国内法においても、十年前にすでに法律において取り上げておる制度でございますので、これに基づきまして、聴取を人間の耳からこういう機械に変えるということは、むしろおそきに失するきらいがあるのではないかというふうに考えておるのでございます。
#130
○久保委員 オートアラームの装置はおそきに失するというお話でありますが、その人命安全条約に一応オートアラームの問題のことも出ているわけであります。ただ問題は、現実の問題としてオートアラームがまだ完全にその信頼性を得てないという現実は認めざるを得ないと思います。そういうことを考えますならば、先ほど申し上げたように、オートアラームをつければそれで信頼性があるのだというような直線的な解釈にはならぬから、現実に即して航行の安全性をさらに高めるという工夫が必要だ、そういうきめのこまかい指導なり何なりをすべきじゃないかと考えるのですが、どうですか。
#131
○若狹政府委員 この問題につきましては、日本近海におきましては海上保安体制の整備ということが直接の問題になっておりまして、たびたび申し上げておりますように、日本の海難の九五%近くは距岸五十海里以内で起こっておりますので、海上保安体制の整備が先決問題であるというようにわれわれは考えておるわけであります。
 なお、船自体の問題といたしましては、もちろん技術的にオートアラームの性能を向上するという研究施策は漸次行なわれておりまして、昨年以来われわれの勧奨等もあったと思いますけれども、急速にオートアラームをつける船舶が多くなっておるわけであります。従来は二十四時間、人間の耳による聴取を行なっておりましたために、こういう機械が必要ではなかったのでありますけれども、そのために需要者が非常に少なかった。需要が少なかったから機械の発達もおくれておったのではないかというような点もございますので、こういう点に着目いたしまして、日本の船主にもオートアラームをつけるように勧奨いたしておるわけであります。しかし、実際問題といたしまして、日本でつくりました輸出船にはすべて日本製のオートアラームをつけておる実情でありますけれども、これに対する苦情が今日まで一ぺんも来ておらないというのも実情でございますので、われわれは国際水準というような面から見まして、決して疑問がないと考えておるわけであります。
#132
○久保委員 この問題についてさらに押し返し繰り返し質問を申し上げる必要はないと思うのでありますが、ただ輸出船については、オートアラームを装置して、何らのクレームが来ていないというお話であります。これは海岸局の問題とも関係がありますから、日本船については一がいにその点は言い得ないと思います。だから、くどいようでありますが、安全度が低下するような装置は、合理化によるところの大きな犠牲であります。そういう合理化は正しい意味の合理化ではないのでありますから、十分その点を留意してもらわなければならぬ、こう思います。
 次には、船舶通信士の年令引き下げが規定されるわけでありますが、これは言うなれば、質の低下に通ずるわけであります。この説明にも今までありましたが、今の船舶通信士の需給状態からいって、この年令引き下げは絶対必要条件である、こういうことをいわれておったわけであります。考えてみれば、確かに近視眼的な見方もありますが、何がゆえに船舶通信士の需給が逼迫してきているのか、こういうことをまず第一に政府当局は反省すべきだと私は思うのであります。この船舶通信士に希望者が少ないという実態は、今までの通信士のほとんどが陸上の産業とかそういう方面にとられるということも事実であります。それは一にかかって船舶通信士としての労働条件その他があまりにもよくないということも言い得るわけであります。そういう反省が今日なされてるのかどうか。需給を円滑にするためには労働条件等もさらに確保するということでなくてはならぬと思うのだが、今までの説明を聞いておると、労働条件の切り下げにも通ずる重大問題だと思います。この点についてはどう考えておりますか。
#133
○若狹政府委員 船舶通信士の労働条件の問題でございますけれども、具体的な給与の問題につきましては、船内のいろいろな職種の総合によって現在の給与体系はできておりますので、全体の給与体系の是正という問題の中で処理されていくべき問題であると思うわけであります。御承知のように、わが国の海運業は長い間の不況のためになかなか他のいんしん産業のような給与の改正はでき得ないような状況でございますので、われわれといたしましては、乗組員の作業を合理化することによって乗組員の定数を減らしていこうという努力を続けて参るわけでありまして、この点につきましては、労働組合及び船主団体の非常な協力によって、一昨年来その成果を上げておるわけでございます。従いまして、今後ともこういう方向において給与の改善、待遇の改善というような方向を見出していかなければならないのでありまして、いたずらに給与の改善が海運の再建を阻害するというような状況にならないように考えていきたいということで、こういう問題も提起されたわけでございます。従いまして、このねらいとするところは、結局現在の需給の問題の一番ガンとなっておりますところの待遇改善という問題もこれによって解決していきたいというように考えておるわけでございます。
#134
○久保委員 年令の引き下げは、先ほど申し上げたように、質の低下に通ずるものではないだろうかとわれわれは思うのでありまして、この質の低下をいかようにして防ぐか、あるいは質の向上はどういうふうにしてやるかという問題について、具体的に何かお考えでございますか。
#135
○若狹政府委員 船舶通信士の最低年令を二十才から十八才に引き下げようといたしましたことは、非常な需給のアンバランスのために、せっかく無線機械を積んでおりながら、通信士が得られないために、閉局するとか停船するというような状態が出て参りました一方、電波高等学校を卒業いたしましても、直ちに船の資格者として乗り組むことができない。二年間の空白がありますので、他の陸上産業にとられていくというような状態が出たために、かような引き下げを行なったわけでございますけれども、これはいわば例外的な措置でございまして、非常に需給が逼迫いたしました場合にやむを得ずとるという措置でございますので、今後これが原則となって、非常に若年の通信士だけで船舶通信士をまかなっていこうという考え方のもとにこれを行なっておるわけではございません。
 しかしながら、この法律と同時に問題になりますのは、再教育の問題であります。具体的に申しますと、二級船舶通信士を一級船舶通信士に再教育しなければならぬという問題が出て参りますので、今後そういう通信技術の向上というような面については船主団体とも十分な連携をとって、労働組合の理解の上で再教育の問題を処理していきたいと考えております。
#136
○久保委員 再教育の問題で二級船舶通信士がダブつくというか、そういうことになって、一級に格上げするということでありますが、なかなか行なうことはむずかしいようであります。局長は、船主団体というか、そういうものともよく相談して、具体的に緻密な計画に基づいてやると言うが、どういう具体的な措置を考えているのか。
 もう一つ続けて、今までの例によりますれば、いわゆる海員試験の施行度合いというか、海員試験をやる回数が年間を通じて非常に少ない。これは船員局の関係だと思うのですが、せっかく海員試験を受けようとしても、年間に一回あるいは多くて二回ということでは、その機会を得るのに大へん問題がある。この海員試験の回数をさらに増加して、そういう質の向上に役立たせるという考え方を持っているかどうか。
#137
○若狹政府委員 船舶通信士の再教育の問題でございますけれども、これは根本的には、現在の一級通信士あるいは二級通信士という通信士の資格の体系の問題でございますが、現在は非常に厳格な試験によって資格をつけておるわけでございます。実際の状況を見ておりますと、国際通信に従事する者は一級通信士でなければならないというふうに電波法によって規定されておりますけれども、具体的な船舶の上におきましては、三直制をとっておりまして、二十四時間のうち十六時間というものは、二級通信士がその国際通信を現実に行なっておるわけでございます。もちろん一級通信士の指揮のもとに行なっておるわけでございますけれども、とにかく二級通信士が中心になって今日業務を行なっておるというような状況でございますので、今後の方向といたしましては、二級通信士のある程度の経験を経た者につきましては、その経験によって資格を付与するというような制度をわれわれとしては考えてもらいたいということで、現在郵政省にもお願いいたしているわけでございます。先日逓信委員会におきましても、こういう問題が提起されまして、郵政省としてもその点は真剣にできるだけ早く考慮するということを申しているような状態でございます。
 なお、そういう制度ができるようにわれわれは努力すると同時に、船舶通信士協会で実施しております講習会に出席させる等の措置をとりまして、船主団体との連携をとって、再教育に支障のないように努力して参りたいと考えておるわけであります。
 また海員試験につきましては、今御指摘の通り、予算及び人員が不足等のために、なかなか思うようにできませんけれども、今後の問題としては、予算もより多く獲得することができましたので、できるだけ御趣旨に沿いますように、通信士の皆様方が御不便を感じないように試験をしていきたいと考えております。
#138
○久保委員 次に旅客船でありますが、旅客船の安全度を低下するような合理化はこの際慎しむべきだと思うし、特にたとえば青函の国鉄連絡船、こういうものは法律で電信局の設置は別に強制されてはおらないと思うのでありますが、しかし現実にはたくさんの旅客を輸送しておる航路でありますから、当然つけておるわけであります。こういうものを法律改正するこの機会にというようなことで、便宜主義によってやるべきではないと思う。特に旅客船についてはこういう安全度を低下するようなことがあってはならないと思う。そういうことについていかように思いますか。
#139
○若狹政府委員 国鉄の連絡船につきましては、公衆通信の量も非常に多うございますし、また多数の人命を預かっておるわけでございますので、通信士を減少するというようなことは絶対にいたさないようにわれわれとしては指導して参りたいと思います。
#140
○高橋(清)委員 この際動議を提出いたします。
 すなわち、本案に対する質疑はこれにて終局せられんことを望みます。
#141
○木村委員長 ただいまの高橋清一郎君の動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成立起立〕
#142
○木村委員長 起立多数。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#143
○木村委員長 この際細田吉藏君より本案に対する修正案が委員長の手元に提出されておりますので、提出者より趣旨説明を求めます。細田吉藏君。
#144
○細田委員 船舶職員法の一部を改正する法律案に対する修正案の提案の理由を御説明申し上げます。
 修正案文はお手元に配付いたした次第でございますので、朗読を省略いたします。
 内容といたします点は二点ございまして、その第一点は、附則第二項の「この法律の施行の際現に存する船舶については、」という字句を削りまして、現存船のみならず、新造船についてもこの二項の規定が適用されることにした点が第一点でございます。
 第二点は同じく附則第二項の「三年間」とありますのを「四年間」に改めようとするものであります。
 この二点の修正に伴いまして、見出しを経過規定といたすよりは、適用の特例といたした方がより適切であると考えた次第でございます。
 この二点の修正の理由でございますが、元来船舶職員法の改正につきましては、原案におきましても通信士の雇用の事情その他各般の事情から、三年間という経過規定がついておったのでございまして、この点急激な変化をできるだけ避けますために四年間にいたし、また新造船につきましても現存船と同様の措置をとろうといたしたものでございます。
 以上が、簡単でございますが、修正案提案の理由でございます。何とぞ御賛成をお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#145
○木村委員長 これより本案並びに細田吉藏君提出の修正案を一括して討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんため、これより直ちに採決いたします。
 これより船舶職員法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 まず細田吉藏君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#146
○木村委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。
 次にただいま可決いたしました修正案の修正部分を除く原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#147
○木村委員長 起立多数。よって、修正部分を除く原案は可決されました。従って、船舶職員法の一部を改正する法律案は修正議決すべきものと決しました。
 なお、本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#148
○木村委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 次会は明二十日水曜日、午前十時より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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