くにさくロゴ
1962/05/09 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第21号
姉妹サイト
 
1962/05/09 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第21号

#1
第043回国会 運輸委員会 第21号
昭和三十八年五月九日(木曜日)
   午前十時十九分開議
 出席委員
   委員長 木村 俊夫君
   理事 佐々木義武君 理事 鈴木 仙八君
   理事 高橋清一郎君 理事 細田 吉藏君
   理事 山田 彌一君 理事 井手 以誠君
   理事 久保 三郎君 理事 肥田 次郎君
      有馬 英治君    尾関 義一君
      砂原  格君    關谷 勝利君
      福家 俊一君    井岡 大治君
      加藤 勘十君    勝澤 芳雄君
      矢尾喜三郎君    内海  清君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 綾部健太郎君
 出席政府委員
        運輸事務官
        (大臣官房長) 広瀬 真一君
        運輸事務官
        (航空局長)  今井 榮文君
 委員外の出席者
        運輸事務官
        (鉄道監督局国
        有鉄道部長)  向井 重郷君
        日本国有鉄道副
        総裁      吾孫子 豊君
        日本国有鉄道常
        務理事     山田 明吉君
        日本国有鉄道常
        務理事     河村  勝君
        日本国有鉄道常
        務理事     遠藤 鐵二君
        日本国有鉄道参
        与
        (新幹線総局総
        務局長)    中畑 三郎君
        専  門  員 小西 眞一君
    ―――――――――――――
三月二十九日
 観光基本法案(福家俊一君外十五名提出、衆法
 第三五号)
四月一日
 戦傷病者等の日本国有鉄道無賃乗車等に関する
 法律の一部を改正する法律案(中村順造君外七
 名提出、参法第二九号)(予)
同月四日
 港則法の一部を改正する法律案(内閣提出第一
 六一号)
三月二十八日
 観光資源開発公社創設に関する請願(松浦周太
 郎君紹介)(第二六九二号)
 運輸労働者の生活向上に関する請願外百三十九
 件(井岡大治君紹介)(第二七四〇号)
 民間航空に対する不当介入排除及び助成に関す
 る請願外四十二件(井岡大治君紹介)(第二八
 五五号)
 盲人の国鉄運賃減免に関する請願(鈴木仙八君
 紹介)(第二八五六号)
 同(細田吉藏君紹介)(第二八五七号)
四月九日
 鳥取空港再開促進に関する請願(足鹿覺君紹
 介)(第三一一七号)
 海運業の再建整備に関する臨時措置法案の修正
 等に関する請願(久保三郎君紹介)(第三一一
 八号)
 東京、宮崎、鹿児島間直通航空便開設に関する
 請願(池田清志君紹介)(第三二六九号)
 立川駅を民衆駅として改築の請願(福田篤泰君
 紹介)(第三二七〇号)
同月二十日
 鳥取空港開設促進に関する請願(足鹿覺君紹
 介)(第三五三二号)
 伯備線黒坂、上菅両駅の貨物取扱い存続に関す
 る請願(足鹿覺君紹介)(第三五三三号)
 国鉄武蔵野線敷設等に関する請願(上林山榮吉
 君外一名紹介君紹介)(第三七〇四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 日本国有鉄道の経営に関する件(東海道新幹線
 の予算に関する問題)
     ――――◇―――――
#2
○木村委員長 これより会議を開きます。
 この際、航空局長より発言を求められておりますので、これを許します。今井航空局長。
#3
○今井(榮)政府委員 日東航空のデ・ハビランド・アツタ水上機の事故について御報告を申し上げたいと思います。
 五月一日、日東航空所属のデ・ハビランド−3型アツタ水上機が午前八時十二分大阪を離陸いたしまして、徳島に向け出航いたしたのでございますが、九時ごろ兵庫県の淡路島の南淡にございます山中に衝突いたしまして、岩城覚氏外八名、全員九名の乗客が死亡いたしまして、乗組員二名が重傷を負ったのでございまして、このような事故が起こりましたことにつきまして、まことに申しわけなく存じておる次第でございます。
 事故の概要を申し上げますと、当時大阪は天気は悪うございましたが、一応有視界飛行の限界の気象状態でございまして、このアツタ水上機は有視界飛行の飛行計画を提出いたしまして、予定どおり飛び立ったのでございますが、まず二千フィートの高度をとりまして飛行いたしておりましたところ、岸和田を視認いたしまして、次いで友ヶ島を確認いたしております。その後、雨雲が非常に低いために、高度を五百フィートに下げて飛行を続けまして、運航規程で定められました路線である大阪から友ヶ島へ、さらに友ヶ島から沼島の上空を経て徳島へという直線コースをたどっておるものと思って、友ヶ島付近で変針をいたしまして、沼島の高度を考慮に入れて九百フィートまで高度を上げて飛行しておったのでありますが、変針後約七、八分したころに山を認めると同時に、ほとんどそれと瞬時に山頂に近い一千フィートの高さの斜面に衝突したということでございます。
 その後、私どもといたしましては、直ちに係官を派遣いたしまして、原因等についての調査を今日までやってまいったのでございますが、残存した機体につきまして調査いたしましたところでは、エンジン等の故障の事実は認められなかったのでございます。なお、出発前に機長は整備状況を点検、確認いたしておりまして、飛行中、さらにまた現在操縦士は生存いたしておりまして、これらの証言を聞きましても、機体あるいは発動機というふうなものについては異常は認められなかったということを証言いたしておりますし、なお、気象判断でございますが、機長は出発前にディスパッチャー、すなわち運航管理者から徳島の気象状況を十分聞いておりますし、それからまた、有視界飛行が可能であるというふうな判断で出発いたしたものでございます。さらにまた、八時四十五分ごろ、友ヶ島通過前に機上無線で日東航空の徳島営業所と交信いたしまして、同地の気象、当時雲高四千フィート、視程七マイルというふうな情報は入手いたしております。
 現在まで私どもが原因として推定いたされますのは、有視界飛行方式によって飛行すべきところを、雲中飛行を行ないまして、また友ヶ島付近の飛行経路上の地点であるワカポイントと申しておりますが、この地点において変針する際に、位置の推定を誤って、当然に沼鳥上空を通過飛行しておるという気持でおりながら、実際は淡路島の南岸を九百フィートの低高度で飛行しておるということで山に衝突したというのが大体の状況ではないかと思っております。
 私どもといたしましては、直ちに各社に対して安全上の注意について厳重な警告を発すると同時に、関係各社の運航担当者に参集願いまして、今後このような事故の絶対起こらないように、各社とも十分運航整備その他の面において万全の措置をとるように現在指示いたしておる次第でございます。
 以上報告を終わります。
     ――――◇―――――
#4
○木村委員長 日本国有鉄道の経営に関する件について調査を進めます。
 この際国鉄当局より発言を求められておりますので、これを許します。吾孫子副総裁。
#5
○吾孫子説明員 過般来東海道新幹線工事の予算が相当額不足しておるということにつきまして、新聞等にいろいろ報道せられております。これはもちろん国鉄当局として何ら発表したようなことがあるわけでもございませんのですが、新聞にあるいは六百数十億足りないとかあるいは八百億足りないとかあるいは千億足りないとかいうような予算不足の問題が起こっておるということが報道せられまして、いろいろ御心配をおかけいたしておることを当事者としてまことに申しわけなく存じておる次第でございます。
 実は新幹線の工事そのものはおかげさまで技術的には何らの問題もなく、着々と予定計画に沿うて進められておるのでございますが、この工事の予算につきましては一新聞等に報道せられましたとおり、相当額の不足が予想される状態になってまいっておるのでございます。ただしその額につきましては、実は率直に申し上げますが、私どもといたしましてもかなりはっきりしてまいりましたのは、きわめて実は最近のことでございますので、まだいろいろ精査しなければならない点もございますし、どれだけ不足かということについての額を確定いたしますにつきましては、何しろ国鉄にとりましてはもちろんのことでございますが、国家的な大きな問題もございますし、いろいろ関係の向きとも御相談申し上げなければならない点が残されておるように存ずるのであります。そういうような次第でございますので、はっきりした額は実はまだ政府御当局にも御報告も申し上げられないような状況にあるわけでございますが、概括的に申しますと、新幹線の工事の進行に伴いまして、だんだんはっきりいたしてまいりましたことは、その後の設計の変更あるいはいろいろな関係の地元との協議その他いろいろなことが影響しまして、工事の内容そのものが、先般御審議をいただきました予算編成の際に想定いたしておりましたものより以上に、たとえばトンネルの長さがより長くなりますとか、あるいは鉄橋の長さがやはり長くなりますとか、あるいは高架構造の部分がこれまた相当延びざるを得なくなってまいりましたり、あるいは当初考えておらなかった線路の路盤の横に側道をつくらなければならないような事情が起こってきたとか、あるいは用地の関係におきましても、当初線路の路盤のために必要な用地だけを確保すればそれで済むだろうと思っておりましたものが、土地の所有者側の方で、売却に際して残った土地が、いわゆる残地がそのままではもう使いものにならないから残地も買い取ってもらいたいというような話が出てまいりますとか、いろいろな事情で、やはり工事の進行に伴いまして、新たに当初予想していなかった工事費が必要だと思われるようなものが相当重なってまいっております。それに加えまして、こまかく申し上げると切りのないことでございますが、ただいま御承知のように試運転線区でいろいろ試運転をやっておりますが、国鉄としましても、従来の千五百キロボルトの直流電化区間でやっておったのとは事変わりまして、二万五千キロボルトというような大きな高電圧の交流電気で高速運転をやるというようなことから、これまた試運転をやっております間に、やはりいろいろ試運転の結果設計上の変更等も行なわなければならないというような要素も出てまいりました。それやこれや検討いたしまして、これに必要な予算がどれくらいになるかということもただいま鋭意検討中でございますが、どうしても相当程度予算の増額をお願いいたしませんと、工事の完成が困難であるというような事情が出てまいりました。
 一方、しかしなかなか内容を確定しがたい理由といたしましては、それぞれの工事の予算の増額を要するといわれております項目それぞれについて、やはり相当検討しなければならぬ点がございますのと同時に、やはり開業時の規模、条件等をどういうふうにするか、端的に申しますと、六両編成の運転で動かすのか、十両編成の運転で動かすのか、十二両で動かすかというようなこと、あるいは開業時の駅の設備等をどの程度のものにするかというようなことでございますとか、なお未確定の要素もいろいろございます。それらの点につきまして、関係の向きの御意向も十分伺いたいと思っておりますし、国鉄部内としてもさらに検討をしなければならない、要素がございますので、私どもといたしましては、事柄の重大性にかんがみまして、万一間違いがあるようなことがあってはたいへんでございますので、目下鋭意これらの数字の確定等につきましても、また計画の細部にわたりましても再検討をいたしつつあるような状況でございます。
 したがいまして新聞等に報道せられました予算不足額というものは、あのとおりであるかどうかということはただいままだ申し上げかねる状況にある次第でございますけれども、率直に申し上げまして、相当程度の予算が不足であるということは事実でございまして、これを今後いかように処理していったらよいものか、たいへん苦慮もいたしておりまするし、これらの点につきまして、政府御当局はじめ関係の向きの御支援、御指導もいただかなければならない、かように存じておるような次第でございます。いずれにいたしましても、当初予定いたしておりましたより以上に予算が不足するというような事情になってまいりましたことにつきましては、私どもまことに申しわけなく思っておりまするが、同時に東海道線の現在線の輸送力の行き詰まりということも、もう目の前に見えておる事実もございますし、これはやはりどうしても早期に、所定の目標の時期までに完成いたさなければならないものと考えておりますが、またこの新幹線の工事を含みますところの五カ年計画全体につきましても、これまた国鉄として当然完全に遂行しなければならない責任を負うておるものでございますので、これらの点につきましてできるだけ所期の目的に沿うよう、しかしまたこの大きな財源の手当てについては、国鉄の独力をもってしてはとうてい処置し得る状況でもございませんので、苦慮いたしておるよらな次第でございますが、いろいろ御心配ばかりおかけするようなことが出てまいりまして、まことに申しわけなく存じておる次第でございます。
    ―――――――――――――
#6
○木村委員長 質疑の通告がありますので、順次これを許します。井手以誠君。
#7
○井手委員 ただいま国鉄の副総裁から御報告がありました東海道新幹線の大幅な予算の不足に関連いたしまして、その責任問題をも含めてお尋ねをいたしたいと思います。これは国民の重大な関心を集めておりますから、率直にお答えをいただきたいと思います。
 そこでまずお伺いしたいのは、ただいま副総裁の御報告によりますと、不足額は相当額にのぼっておる、大きな財源を要するというお話がございましたが、それは新聞に報道されておるように八百億円前後と大体想定して差しつかえないかどうか、精算の結果でなくてはわかりませんが、ほぼそれに近いものと考えてよろしいのかどうか。
#8
○吾孫子説明員 これはただいまも申し上げましたように、開業時の条件いかんにもよることでございまして、相当額不足しておりますという不足する見込みという項目の中には、たとえば用地の買収でありますとか路盤の工事関係の費用でありますとかいうように、開業時の条件がどうであろうが、どうしてもこれだけなければ線路が通じないというものもございますが、開業の際に、先ほども申し上げましたように、どの程度の編成の列車をどのくらいの回数どういう条件で動かすかということによりまして、かなり大きなオーダーで違ってくる面もございます。さようなわけでございますので、まあ八百億円要るかどうかということはそれらの条件によって変わってまいりますので、明確な御説明を申し上げるのは困難でございますが、きわめて概括的に申しますと、十二両編成の電車を、かねていろいろな機会に国鉄が申し上げておりますように超特急は三時間、各駅停車の列車は四時間というくらいのスピードで動かすことにいたしますためには、それに伴う駅の設備その他を合わせまして、おおむねその程度の額が必要ではなかろうかというふうに思われるのでございます。なお詳細につきましてはさらに検討しなければならぬ点がいろいろ残されておりますことは、先ほど申し上げたとおりでございます。
#9
○井手委員 ただいま副総裁はおおむね八百億円程度の不足が見込まれるという結論でございます。そこで続いてお伺いいたしますが、きのうの理事会でございますか、それの検討によって八百十億円という数字が出ておるのであります。設計協議三百億円、設計変更二百五十億円、労賃の値上がりによるもの百二十億円、用地買収と補償百十億円、車両三十億円、合わせて八百十億円が必要である、その旨を近く綾部運輸大臣に御報告するという結論になったように承っておりますが、大体そのとおりでございますか。
#10
○吾孫子説明員 いまごらんになっておられますものは何でございますか私にわかりませんのですけれども、そういう中身のことは、いま私の耳にちょっと残った数字だけでも、私が聞いておりますのと少し違っておるように思いますが、別に何にも発表したものはございません。
#11
○井手委員 発表したものはなくても、数字が外部に出るということは、そこに基礎がなくてはならぬのです。火のけのないところに煙が出るわけはございませんから……。「国鉄では新幹線予算の大幅な不足について、最終的な算出を急いでいたが、八日、その大要がまとまり、」近くそこにいらっしゃる綾部運輸大臣に報告の予定であるという前書きで、詳細に出ておりますが、もし副総裁つんぼさじきのような立場にあったならば、担当の理事の方からでもけっこうです。
#12
○吾孫子説明員 実は昨日も理事会を開催いたしまして、この問題につきまして部内でいろいろ先ほども申し上げましたように検討を加えておる最中でございます。どうもその数字がよくわからないのでございますが、私どもといたしましては先ほども申し上げましたように、鋭意この予算措置の問題について見通しをつけなければなりませんので、急いで検討をしておる最中でございまして、きまり次第すみやかに運輸大臣にも御報告を申し上げたいと思っておる次第でございます。
#13
○井手委員 私が申し上げた数字は、副総裁が自分のいただいておる数字とは違うとおっしゃいましたが、総額においてはおおむね八百億円程度になろうというお話がございましたので、それでは私が申し上げた設計協議によるもの三百億円、設計変更によるもの二百五十億円、労賃の値上がりによるもの百二十億円、用地買収と補償百十億円、車両三十億円、これと違うというならば、違ったあなたのお手元にあるものをひとつお示しをいただきたい。それは最後の精算じゃなくて、おおむねでけっこうです。
#14
○吾孫子説明員 先ほど来申し上げておりますように、内容につきましてはまだ確定できない要素がたくさんございますので、どの項目についてどうということはいまちょっと申し上げにくいのでございますが、たとえば一つの例だけ申し上げますと、用地費の関係で百何十億とか書いてあるようでございますが、私どもがいま検討しておりますところでは、八十億くらいのものでございます。そのほか項目といたしますと、いろいろそこに書かれておりますように、設計協議の結果ふえてくるものもあり、設計変更のために増額を要するものもございますし、あるいは工事に伴う補償とか負担金とかいうものもございますし、また先ほども申し上げましたが、モデル線区における試験の結果さらに設計の変更等をしなければならぬことになってきたようなものもございますし、もちろん賃金の値上がり等による要素もございますし、項目別にまいりますと、いろいろまだそのほかあると思いますけれども、いまここで設計協議によるものは幾ら、設計変更によるものは幾らということはちょっと申し上げかねます。ただきわめて大ざっぱな概算で申しますと、先ほども申しましたように、十二両の編成の電車を、開業時にかねての公約どおり超特急三時間、各駅停車四時間という程度で運転し得るといたしますと、おおむね八百億前後の額が必要になろうかと思いまするが、こまかい点につきましてはまだ精査検討を要する点が多々残されておりますので、これらの点につきまして、ざらに掘り下げた、そして正確な調査を早く固めたいと思って努力しておる次第でございます。
#15
○井手委員 副総裁、これほど国会なり国民が関心を集めておる予算の大幅な不足について、すでに総額については八百億円前後と出ておりますから、その積算の基礎になる設計変更あるいは設計協議あるいは労賃の値上がりという大まかな分類による不足がどれで幾らくらいということが言えないはずはないと思うのです。なるほどまだ運輸大臣に報告されておらぬかもしれませんけれども、しかしそこに、隣にいらっしゃるのですから、国会と同時に報告なさっても差しつかえない。何も何百何十何円まで詳細に承って、それを根拠にいろいろ申そうとは考えておりません。これほど膨大な予算の不足になっておるならば、何によってそうなったかということを概略お話しになることが私はほんとうだと思います。いろいろは申し上げません。どうぞ……。
#16
○吾孫子説明員 先ほども申し上げますように、開業時の条件をただいま申し上げたような条件で開業するということにいたしますと、ただいまのところの概算では、八百億前後という試算も一つ出ておりますけれども、これは、繰り返し申し上げますように、開業時の条件を、たとえば十二両を六両にするとか、列車の行き違いの関係をもう少し簡単な方法にするとか、いろいろな条件を加味してまいりますと、かなり大幅な額がやはり変わってまいる余地もございますし、これらの点につきましていろいろな角度から慎重に検討しておる最中でございまして、私どもとしてもできるだけ早く政府にも御報告申し上げ得るようにいたしたいとせっかく努力しておる最中でございますので、八百億という一つの見方もあるという程度に御了承願いたいと思うのであります。
#17
○井手委員 それでは了承できません。これほどの大きな問題、これほど関心を集めた問題に、しかも八百億円前後という総計が出ておるのに、それじゃ何によってそう不足を来たしたかということは当然国会が取り上げねばならぬ問題だと思うのです。八億円前後の見方があるというならば、その一つの見方があるならば、その積算の基礎になったものは、おおむね設計変更によって幾らくらいである、用地の買収によって幾らくらいであるということは言えないはずはございません。おっしゃってください。もううしろの方に協議なさらぬでもけっこうです。あなたの判断で、副総裁という立場でやってくだざい。
#18
○吾孫子説明員 設計協議で幾ら、設計変更で幾らというようなことの御説明は、いまちょっと申し上げるのが困難でございますので、それではできるだけ具体的に判明しておる事実を例によって申し上げさしていただきたいと思います。
#19
○井手委員 委員長、ちょっと途中ですが、あまり具体的な小さな問題を聞こうと思っておりません。私は総括的に、何によってそうなったのか、設計変更なのか、用地の買収なのか、労賃の値上がりなのか、そういうことを聞きたいのでありまして、一々の例を聞こうと思いませんので、委員長からそういう御注意をしていただきたいと思います。
#20
○吾孫子説明員 いや私もいまそうこまかいことは申し上げるつもりはないのでございますが、ただいま橋梁が現在の計画では十八キロのつもりでおりましたものが、二十一キロに伸びてきております。あるいはまた高架構造が九十二キロであるつもりのものが、大体百十五キロくらいやらなきゃならないというようなことになってきております。またそのほか用地の買収費等につきまして、たとえば取得面積が、先ほども申し上げましたようにふえてきたものがありますとか、あるいは計画の当初は純粋な農地でありましたところが、だんだん宅地化してまいりまして、工場や住宅が進出した関係で、地価が上がってきたというようなところもございますし、あるいは道路や水路のつけかえというような当初予想していなかったものが出てまいりましたり、あるいはまた家屋の移転件数がふえましたり、いろいろなことで、用地の関係で八十億くらいふえてきておる、これはふえざるを得ないだろうという見通しでございます。また賃金の値上がりということも、これまた相当な影響力を持っておることは事実でございまして、それは百億をこえる数字になるかと思われます。それから設計の協議により、あるいは設計の変更によりまして、それぞれ二百億前後のボーダーで予算の不足が予想されるのでございますが、この点は、先ほど来申し上げておりますように、さらに細目にわたって検討いたしませんと、一がいにその全部が必要であるか、あるいはまたその額そのとおりでいいのかという点について、相当検討しなければならない点があるようなわけでございます。それからやはりモデル線区における試験の結果、新たに取り入れなければならないと考えられるようになってまいりました車両の設計変更その他によります当初予測しなかった事実が出てまいりましたものも、これもいろいろ条件がございますが、数十億円から百億くらいの間で、予算の問題があるわけでございます。かりに八百億といたしました場合、その八百億という額の残余の部分は、やはり全体の投資額がふえてまいりますことに伴う利子の増加でありますとか、総経費の増加というようなことでありまして、さらに八百億前後予算を増額しなきゃならぬという場合の内訳といたしましては、そのうちの数十億は、これは利子、総経費でありまして、それを除いたものが純粋の工事費の増ということになるわけでございます。しかし再々申し上げますように、中身につきましては至急にさらに掘り下げた検討を加えまして、運輸省にも御報告いたしたいと思っておるような次第でございます。
#21
○井手委員 そうしますと、ただいま御説明によりますれば、用地の買収関係で八十億程度、労賃の値上がり関係で百億程度、設計変更によるものが大体二百億円程度、それから車両関係が数十億から百億円の間、利子の負担などが数十億、残りが設計協議といわれるような工事の関係が三百億ばかりになる、かようなことになりますね。今の説明によりますと、そうですね。
#22
○吾孫子説明員 大体そういうことでございます。
#23
○井手委員 大臣にお伺いいたしますが、ただいままでの副総裁の答弁によりますと、八百億円程度の追加が必要であるということであります。大臣は二月六日の予算委員会においてこういう答弁をなさっております。新幹線の工事費は五割近く増額して予定どおり完成いたしますと、はっきりと答弁をなさっておる。速記録はここにございます。その際総裁は大臣の答弁に続いて、新幹線の工事は最盛期に入りますので、死力を傾けて早期完成に努力をいたしますと答えられております。これは二月六日です。これは間違いございませんね、大臣。
 そしてもう一つは、この事実は、大幅に八百億円もの追加をしなくてはならぬということは、当時は全然御存じなかったのですね、これだけお伺いします。
#24
○綾部国務大臣 答弁はお読み上げのとおりでございます。私は相当のことは、この間二月五日の、五日でしたか、十日のなにでやっておると確信いたしてそのとおり答弁いたした次第でございます。
#25
○井手委員 確信をいたしておるということでございますが、そうすると、現在でも三月六日の予算委員会における答弁同様に五割の増額、二千九百億円の費用で完成できるという確信をお持ちでございますね。
#26
○綾部国務大臣 その後いろいろな情勢が変化いたしまして、ただいま問題になっておるような予算不足を来たしたということはまことに遺憾ではありますが、現実の問題はそのとおりでございます。
#27
○井手委員 いろいろな事情というのは、当時大臣は御承知でございましたか。そういう事情の変化というのは、それは経済情勢の変化だ、やむを得ない情勢の変化だということでございますか。国鉄当局のやり方のまずさということによるものでございますか、日本の経済情勢が原因でございますか、それはどちらでございますか。
#28
○綾部国務大臣 その数字を見まして、それがいずれの原因にあるかをひとつきわめてみたいと思います。それで、いずれにせよ最初の目的が、まあとにかくオリンピックまでにあの世界的な新幹線をやらなければいかぬ、これが大前提でございまして、それに付随する予算の問題につきましては、私はその当時は今日のようなことが起こるということを予期いたしておりませんでした。
#29
○井手委員 二月の六日というと、いまから三カ月前でございますね。三カ月前の当局の説明をずっとここに持っておりますが、そのときは全然わからなかった。オリンピックの時期までに開通するのが目的だとおっしゃる。ところが国民に対する約束は、最初は千九百億円で開通しますということでありました。その後やむを得ざる事情のために、労賃の値上がり、設計変更等々によって二千九百億円にふえました。五割ふえました。これであなたはだいじょうぶやっていけるということを国会で約束なさいました。そうすると、これでやれないような場合はどうなりますか。予算を追加してもやむを得ないということでございますか、どういうことでございますか。
#30
○綾部国務大臣 工事費を正確に精査しました結果、どうしてもやれない、金が足りなくてやれないということになれば、私はやむを得ぬと思っております。
#31
○井手委員 その話はまたあとでお伺いいたします。
 それでは、私はここに国鉄の監査委員会が国会に報告をいたしたものを持ってまいりました。これによりますと、「用地の買収は、昭和三十七年六月末日までに総延長五百十五キロのうち四百八十キロ、九三%を取得し、その支出額は三百十七億円に達している。」という報告を国会は受けておるのであります。さらに工事については、「路盤工事の着工区間は、昭和三十七年六月末日までに総延長五百十五キロに対し、契約延長は四百九十キロ、九五%に及んでおり、その工事契約金額は九百七十九億円となっている。」という報告を私どもは受けておるのであります。これを信頼して私ども審議に当たりました。昨年の六月の末にはすでに九五%の工事契約ができておるのです。用地買収は九三%が済んでおる。支払い金額まで載っておる。だから昨年一千億前後の追加をなさったでしょう。その後に何か工事費の不足が出てまいりましたか。九五%も工事契約を済ましておるのですよ。命まで支払っていますよ。そのものに、あとで八百億円前後追加しなくてはならぬ理由が出てまいりますか。
 もう一つお伺いします。あなたの方の二月の私どもの国会に対する説明には何と書いてある。それは、二千九百二十六億円の総工事費に対して三十七年度末、三月三十一日までに千六百七十七億円工事が終わります。三十八年度は八百八十五億円、これは予定通り。三十九年度は三百六十三億円、これで完全に約束通りに三十九年の秋には開通しますということを約束なさっておる。三十七年度末までに千六百七十七億円支払う。何でそこに八百億円出さなければならぬ理由がございますか。工事契約も済んだ。用地買収もほとんど済んでおる。監査報告がちゃんと出ておりますよ。もしこれが間違いならたいへんなことですよ。虚偽なことになりますからね。大臣、これはよく聞いておいて下きい。監査委員会がちゃんと国会に報告されているのですよ。用地は九三%もう買収済みであると報告されておる。金も支払ったと書いてある。工事計画は九五%済んでおる。金も支払っておる。それに何の必要があって八百億円も出さねばならぬのですか。副総裁と大臣にお伺いいたします。
#32
○吾孫子説明員 監査委員長の監査報告に偽りがあるとはもちろん思いませんし、そのとおりであると思いますが、用地費でふえてきた。先ほども申し上げましたように、ただいまの大体の積算では、用地費であと八十億必要であるという見通しだということを先ほども申し上げた次第でございますが、用地買収費でふえてきた金の大部分は用地買収そのもののためではなしに、むしろそれに伴う補償の費用等が相当ございまして、先ほども申し上げましたように、当初予定しなかった側道の新設でありますとか、道路や水路のつけかえでありますとか、あるいは支障家屋を移転する件数がやはりだんだん工事の進捗に伴いましてふえてきたとか、あるいは工場とかビルディングとか病院でありますとかというような全面的に移転しなければならないような件数がだんだんふえてまいりまして、そういうようなものに対する補償なんかが出てきておるわけなんでございます。それから、先ほども申し上げましたが、三十八年度の予算の御審議をお願いいたしました際に、私どもが想定しておりましたものよりも、これまたその後の工事の進捗に伴いまして高架構造の部分の長さがふえたりあるいは橋梁が長くなってきたりしたものもございますし、設計変更等をしなければならない事情がその後において出てきたものが相当ございましたし、またその後の設計協議によってふやさなければならなくなってきたものもございまして、それやこれやで相当大幅の増額をせざるを得ない見通しになってきたわけでございまして、その当時においては全く私どもも予想し得なかったことが最近になって判明してきたような次第でございまして、その内容を目下鋭意調査しておる次第でございます。
#33
○井手委員 その点についてはさらにお伺いいたしますが、その前に、国会で審議する二月の半ばまでは副裁総も全然その内容は知られなかったのですか。工事費が大幅に不足をすることについては、全然御存じなかったのですね。
#34
○吾孫子説明員 私は存じませんでした。
#35
○井手委員 綾部運輸大臣、御存じなかったのですね、二月の半ばごろまでは。
#36
○綾部国務大臣 私も、国鉄の方からの報告でどらもふえそうだというようなことは聞いておりましたが、内容はつまびらかにいたしませんでした。
#37
○井手委員 副総裁、1副総裁の立場でどうしてそれがわからないのですか。国会であなた方、こう答弁されておりますよ。用地費は三十七年度の三月三十一日までに四百九十五億支払います。三十八年度は十五億しか残りません。はっきりこうあなたは説明しておる。それにまた百何十億も追加しなければならぬということがどうしてわからなかったのですか。どういう事情ですか。それほどの八百億円も追加しなければならぬということがわからなかったということは、どういう理由ですか。
#38
○吾孫子説明員 その当時どれだけ不足になるかということがわからなかったということは、事実を申し上げたわけでございますが、私どもといたしましては、その少し前から予算がどうも足らないらしいということは耳にはいたしておりました。それでそういうような点について関係の向きに対してしばしば私も確かめたり念を押したりしておったのでございますが、その額が大体わかってまいりましたのはほんとうにきわめて最近のことでございまして、予算が不足ではないかという危惧の念はなかったわけではございませんけれども、それを知ることができなかったわけでございます。これはいろいろ事情もございますけれども、新幹線関係の工事につきましては、新幹線総局というものに強い自主性を持たせまして、工事の促進をはからせるというような体制で仕事をやっておりましたので、幹線工事以外の一般の改良工事に比べますと、実情を私どもが把握するのに把握しにくい事情にあったということも若干手伝っておりまするが、それにいたしましても、その当時予算が足らないのではなかろうかということで、私といたしましてはしばしば関係者に質問もし、それらの事情を調べるようにということを申してはおったのでありますけれども、わからなかったことが事実でございます。
#39
○井手委員 その点をもう少し聞きたいのです。それは新幹線の建設については、副総裁は関係はないわけですか。総裁直属で総局がおやりになるのですか。そしてまたこれは項目として三十八年度は八百八十五億円計上されておりますが、これは内容については国会にはお示しになっていない。もちろん説明にはなっておりますが、予算は一本になっております。何に使おうと、どんなふうにしようと、これはたとえばかつての臨時軍事費みたいなやり方ではないかと私は思っておるのです。副総裁も知らないようなこの経理の内容はどういうふうになっているのですか。総裁が全部掌握をしておるわけですか。総局長が全部自由に裁量できるわけですか。副総裁の承認を得なくて買収も建設も一切ができるわけですか。ただたまに相談があるという程度ですか。
#40
○吾孫子説明員 総裁の補助者として、また国鉄の幹部として副総裁に責任があることは当然で、私にも責任があるわけでございますが、個々の仕事の進め方につきましては、新幹線の工事の予算の執行方法は、他の部門の工事の執行方法とは違った方法をとっております。これは詳しいことは私よりはむしろ財務担当の理事からでも申し上げたほらがよろしいかと思うのでございますが、工事の予算のいわゆる令達につきましても、新幹線工事関係の予算は一本で総局に通達をするということで、個々の内容について一々上のほうまで書類が上がってくるという仕組みにはなっておりませんでしたので、私も知らなかったことがございまするから、総裁もむろん知らなかったことが――私が知らないぐらいでありますから、総裁も知らなかったことがたくさんあったと思います。
#41
○井手委員 この日本の財政にそんなでたらめなことが許されるのですかね、大臣。副総裁も知らない、もちろん私が知らないから総裁も御存じないでしょうと副総裁もいまの答弁ではおっしゃるのです。新幹線工事を一本で経理をしておるということである。どうなっておるかがわからないということ、そういう経理が世の中にあるのですか、日本の財政に。あなたも民間企業をおやりになった御経験もあるでしょう。いまはその監督の立場にある運輸大臣ですが、そういうことがあり得るのですか。もし今度八百億円を追加いたしますと、当初の倍になる。三千七百億円、三千八百億円になるのですよ。これほどの膨大な予算を使うのに、総裁も副総裁も内容があまりわからないような、そういう使い道があるのですか。これをいままで放任されておったという大臣は、それはどうお考えですか。私はそれはいま副総裁の話を聞いてびっくりいたしました。これほど日本の財政は厳重にがんじがらめに、一部では非難を受けるほどにやかましくいわれておるのに、国鉄の経理、新幹線の経理がなんということです。大臣は今日までそれをどうお考えになっておるのですか。これを今日どう処理なさろうと考えておられるのですか。
#42
○綾部国務大臣 工事を一定の目的期間に促進するためには、どうしても、よく官庁の仕事のまぬるいというようなことをやっておったのではいかれないからして、宿願する総局長に、その使途につきましては、これは促進する手段としては私どもはやむを得ぬと思っております。今日まで知らなかったことにつきましては、全部私の責任でございまして、国鉄総裁、副総裁なんというのは私の部下ですから、私は全責任が私にあると考えております。ただ、ただいま申しましたように、工事を促進するために(「大臣の責任じゃない、部下じゃない」と呼ぶ者あり)いやいや、私はかようにやるためにはどうしても、(「監督者ではあるが部下じゃない」「筋違いだ」と呼び、その他発言する者あり)急ぐためにはそれをやらなければいかぬです。それを私は深く責任を感じております。
#43
○井手委員 いま陰の声で筋違いとかなんとかという話がありますが、それは別にいたしまして、二つのことを私は大臣にお伺いしたい。あなたは信頼した部下であればそれにまかせたほうがいいとおっしゃった。それでは今日の事態を招いた部下をなお信頼なさっておるか、今でも全幅的に御信頼なさっておりますか、その点が第一点。次は、東海道幹線をつくり上げることが目的であるから、目的さえ達すればその内容についてはあまり問わないというような意味の大臣答弁でございました。私は大臣答弁というものは、それも一つの理由になるでしょうけれども、しかしそれでは足りぬと思う。内容を厳正にしなくてはならぬという点を大臣は言われるのが、監督大臣としての当然の私は責務であると考える。あなたは目的さえ達すれば工事費は倍になっても三倍になってもかまわぬ、こういうお考えですか、この二点をお伺いいたします。
#44
○綾部国務大臣 私はいまなお国鉄総裁以下の幹部を信頼いたしております。それから私は何も工事費が幾らかかってもかまわぬとは考えておりません。しかし、まあとにかく世界的水準の、しかも日本が非常な粋を集めてやる工事に、予算がふえるということは遺憾でありますが、井出さんも御承知だと思いますが、なかなか予算どおりにものごとというものはいくものではありません。私はその点、私自身のもちろん監督不行き届きは多々あります。といいますのは、私は就任にあたりましても、責任はおれが全部持つから、良識と良心に訴えて最善を尽くせということを申しておりますから、最終の責任者である私は、その工事費のふえたことにつきましては万々責任を痛感いたしております。
#45
○井手委員 大臣に私はちょっとお伺いをいたしたいと思いますが、あなたは、責任は自分にある、自分が責任をとる、信頼をしておる、確信を持っておるのだとおっしゃる。いつも確信ばかりおっしゃるので、確信大臣と一部では言っている。確信だけではわれわれ国民は納得するものではございませんよ。内容を明らかにして国民を説得しなければなりませんよ。ただ結論だけ、確信を持っております、信頼しておりますじゃ、これは何ぴとも納得はいきませんよ。こういう理由であるからこういう事情になった、こうだから御了承願いたいという事情をお話にならぬと納得できません。確信だけではだめです。あなたは二月の六日に、九百五十四億円の追加で来年の秋には開通いたしますというたいこ判を押しておるのですよ。それになお八百億円追加しなければならぬということについてはどうなんですか。
#46
○綾部国務大臣 私はその当時そう信じておったのでございますが、さっき国鉄副総裁も説明されましたように、いろいろな事情でふえた。そのことについては、私は、報告があり次第につぶさに、厳重に、独立の権限を持って監査委員長に国鉄法の十四条によって監査命令を出しまして、監査いたしまして、そしてあなたがいまおっしゃるように国民が納得いくように御説明申し上げたいと思っております。現在のところにおきましては、ただいま申しましたように、私は、新聞等に出ておるので、どらも国鉄の予算がふえるだろう、一体どういう点で何しているのか、監査委員長に非公式には言うてありますが、日本国有鉄道法の十四条によるいわゆる監査命令というのは、報告を待たなければ出せませんから、その報告を待っておるのが現状でございます。しこうして、あなたのおっしゃるように、今日まで日本の国鉄というものは、いろいろ非難はありましょうが、国民の信頼を得てりっぱにやってきているものと私はいまなお思っております。しこうして、その内容を精査いたしまして、国民の納得いくように国会なりその他の機関を通じて説明いたす所存でございます。
#47
○井手委員 副総裁にお伺いをいたしますが、これは静かに申しますが、聞くところによりますと、この八百億円もの大幅な不足を生じたことに対して、国鉄の幹部は非常に責任を感じておられる。それはそうでしょう。二月の中ごろまでは九百五十四億円追加していただければ来年の秋は開通できるというので、これを国会に答弁をなさり、国民に約束なさっておる。ところが二月か三月の間にこういう重大な失態を暴露してしまったことに対して、これは不明といわねばならぬ。不明以外の何ものでもないのです。これに対して非常に責任を痛感なさり、その責任の態度についてすでに意思表示をなさったやに私は承っておるのですが、そういう事実、そういう動きがおありになるでしょうか、副総裁にお伺いをいたしたいのであります。常務理事その他総局関係者において、そろいう動きがあることを承っておりますが、それはどうなんでしょう。
#48
○吾孫子説明員 私どもも国鉄の幹部として重大な責任を感じておりますことは、もう申し上げるまでもないところでございます。それで私どもは私どもなりに、幹部の諸君との間でこの問題についていろいろ話をいたしておることはございます。しかし形の上でただいまどうこうということをいま申し上げるようなことはないかと存じます。
#49
○井手委員 責任のとり方についていま話し合いはしておるけれども、辞意を表明したとかなんとかいうところまではありません、こういうことでございますね。
#50
○吾孫子説明員 そういうことでございます。
#51
○井手委員 これは後日に譲りたいと思います。
 そこで本論にまた戻りますが、国鉄から出されました一月の予算要求、この中に、用地費は三十七年度までに四百九十五億円支払う、三十八年度は十五億残っておるということでございますが、十五億円しか残っていないのに、どうして百億以上も用地買収費を追加しなくてはならぬのですか。これは監査報告にも、九三%は昨年の六月末までにもう取得している。取得ということはもう金を支払ったことなんですよ。話し合いができて支払ったことを取得と申しますよ。そしてその支払い額が三百十七億円に達しておるということは監査報告に出ておりますから、これは私は間違いないと思う。もしこれに間違いがあったらたいへんですよ。これは監査委員会に当局がうそを言った、それに基づいて監査委員会が国会に虚偽の報告をしたことになりますから、これはたいへんですよ。五百十五キロのうちに用地買収は四百八十キロ取得して、その支払いは三百十七億円に達しておると書いてある。そして三十八年度は十五億円残っておると書いてある。それになんで百億円加えなくちゃなりませんか。あなたが言うようにその付近の農地をまた幾らか追加しなくてはならぬ点は、それは若干出てきたかもしれません。しかし九〇何%済んでしまっておるのですよ。その点をまずお伺いします。
#52
○吾孫子説明員 ごくこまかい点につきましては関係の局長から説明させていただきたいと思いますが、先ほど承ちょっと申し上げましたが、その九〇何%かすでに取得したと書いてあることは監査委員会でお出しになったことでございまして、それに間違いがあるとは私も思いません。思いませんが、その後におきまして、先ほども申しましたように、路盤そのものに必要な用地はそのときに確かに九〇何%か確保しておったんだと思いますが、そのほかに、そこだけ買われたのでは困る、残地が使いものにならないから、残地も買い取ってくれというので、その後さらに買い取らなければならない取得面積がふえてきたというようなこともあちこちあるようでございますし、それから買収の話はできましても価額がまだきまっていないというのも相当あったように私は聞いております。そういうようなことで地価が値上がりしたというのもあるようでございますし、それから工場や住宅の進出によって農地のはずであったものがだんだん宅地化してきたというようなことのために、要するに地価が上がってきたというのもございますし、また用地の買収そのものでなしに、用地買収に関連したいわゆる補償というものが相当大幅にふえてきた模様でございまして、それは先ほども申しましたが、初めは線路だけつくるつもりだったやつが、線路のわきに道をつけなければいけない、側道をつくらなければならないとか、あるいは工事の進行に伴いまして道路や水路のつけかえをしなければならない、その費用を負担するというようなことが出て参りましたり、それから支障家屋の移転件数もだんだんふえてきておりますし、工場とかビルディングとか病院とか、そういうものも最初は全面移転は必要でないと思っておりましたものが、全面移転をしなければならないという話になってきたものもあるというようなことでございまして、用地買収費で約八十億くらいの増額を要するということを先ほど申し上げましたが、そのうちの大部分は路盤そのものの買収費よりはむしろそれに関連するいわゆる補償費が多いという内容になっております。
 なお、これ以上のこまかいことは、もし必要がございましたら、また関係局長から御説明させていただきたいと思います。
#53
○井手委員 小さなことは要りません。いまの副総裁のお話は答弁にもなりませんし、理由にもなりません。買収すべき範囲というのは最初からきまっておるはずです。なるほどあとでやむを得ない事情のために若干、一%ないし二%、三%の誤差が出てくることは常識でしょう。しかしこの東海道新幹線を敷設するためにどれくらいの用地が要るかは初めからちゃんとあなたの方で出ているじゃありませんか。ずっと資料を持っておりますよ。そういう精細な資料を集めて幹線の総工費というものはきまるじゃございませんか。それに基づいてあなたの方は買収を進めて、そして三十七年の六月には九三%終わっておるじゃございませんか。その後買収すべきところがふえたとかなんとかいうことは、あまり理由になりませんよ。あっさりおっしゃった方がいいのです。たいへんなことを内輪にしておりましたと言った方が楽ですよ。あなたのおっしゃることは理由になりません。初めからわかっておるじゃありませんか。どの程度の用地を買収しなければならぬということはわかっておる。用地としては鉄道の複線の路面だけを買いますか。あとののりであるとか、あるいは排水路の問題であるとか、そういうものは最初から計画しないのですか。これは最初からわかったことですよ。どのくらいの用地が要るか、初めからわかっておるはずです。あなたの方の資料にはちゃんと出ておる。こんな小さなものにもちゃんと出ているのです。用地が幾ら、何十町歩、何百町歩と出ているのです。鉄道敷設を計画するときはちゃんとわかっておるはずです。あとで買収すべき土地がふえたとかあるいは農地が宅地になったとか、それは済んだ話ですよ。あなたの方は、この一月には三十八年度は十五億しか要りません、九三%済んでおりますといっておる。それがその後に買収しなくちゃならぬ用地がふえたというのは、理由になりません。わかっておるはずです。
 それではここでお伺いします。近江鉄道の景色補償はどうなりました。東海道幹線が敷かれるために、近江鉄道の窓からの景色が悪くなるからお客さんが減る、減る分については今後十三カ年分について近江鉄道に一億円支払いましたという答弁がこの席でございました。これは運輸大臣も聞いておって下さい。それに対して、あなたの方の大石政務次官は、この質問に対して、世にごね得という言葉がある、そういうことは許されませんので、いまの話はよく調査をして、いままでのお話では大体好ましくない支払いでございますが、なお調査の上に返還を命ずることにいたしたいと思いますという答弁がございました。それはすでに返還を求められておりますか。入っておりますか。返還されておりますか。減収補償ということはあり得ないはずですから、この機会に承っておきます。景色が悪くなるからお客さんが減る、減ったものについて今後十三カ年分一億円の補償をしますという。これは当然近江鉄道に返還を求めなくてはならぬ問題であります。大体それに近い約束が政務次官からあっておりますが、その金は運輸省、国鉄に入っておりますか。お取りになりましたか。
#54
○吾孫子説明員 いまお尋ねの最初の用地費の関係のことについて一言申し上げたいと思いますが、もちろん買収すべき用地の面積が当初予定しておったものとひどく変わるなどということはございません。ございませんが、やはり工事の進行に伴いまして、買収折衝をしております間に、若干当初予定していなかったところを買わざるを得ないような羽目になったという場所もあるわけでございまして、先ほど用地関係で八十億ほどふえる見込みであるということを申しましたが、そのうちで、いわゆるそういう意味で用地面積がふえてきたために金がふえると見込まれる分は十億とちょっとであります。あとはいわゆる用地買収に付帯していろいろな補償がふえてきたものが大部分、こういうことでございます。
 それから近江鉄道のことにつきましては、経過につきましては前に御説明も申し上げて御存じのとおりであると思います。これはその当時も御説明を申し上げたはずでございますが、会社側からは国鉄の新幹線に並行して近江鉄道の力の線路も同じ高さに上げるようにしろといち要求が出ておりました。その要求額というのは、四億円の工事費を必要とするというようなことでございましたので、いろいろ折衝の結果、損失補償ということで一億円をやむを得ず支出して話をつけたような次第でございます。これにつきましては、三十七年の六月にそういう処理をいたしまして、現在まだそのままになっております。
#55
○井手委員 近江鉄道の問題は後日に譲りたいと思いますが、これは違法の行為ですよ。減収補償はできないはずですよ。あなたの方の基準にもそれをしないということははっきり書いてあるのですよ。もし路面を上げなくてはならぬのなら、その面で解決すべき問題であって、景色が悪くなって、お客さんが減るから、その補償をしてもらいたいという要求があった、それに対して一億円支払ったという文書をこの国会でいただいておりますが、そういうことは絶対にできません。これはあくまでも返還をしてもらわなければ困るのです。これはあとに譲りますが、それだけははっきり肝に銘じておいていただきたい。路盤の点とか何かの折衝、そういう面なら補償もできましょう。しかし国会に出されたあの説明では絶対にできません。景色が悪くなるために、見晴らしが悪くなるためにお客さんが減った、その減収補償は絶対にできませんから、その分だけはあくまでもあなたは返還を命じていただきたい。これを強く要求いたします。
 そこで次に移りますが、その用地買収について、あなたは補償だとかなんとかおっしゃいましたが、九三%は昨年の六月末に取得してあるんですよ。農地を宅地に変換した、そういう理由をおっしゃったが、そうではないんですよ。もう取得してあるんですよ。登記が済んでいるかどらか知りませんけれども、取得したということは登記の寸前までいっていることは事実ですよ。しかも支払いも三百十七億も支払っているんですよ。だから、それ以上八十億も出す必要はない。それは全体の工事から見ますならば、二、三%の誤差が出てくるのはやむを得ない。それは常識としてわれわれも了承いたします。しかし宅地の値上がりがあったとか、あるいは地価の値上がりがあったとか、あるいは用地が非常に広がったとか、あるいは地目が変換されたために非常に値上がりになったということは、理由にはなりませんよ。すでに話はできて、金は昨年の六月には九三%も支払っておるのでありますから、それだけははっきりしておいてもらいたい。もしそうでなく、支払ってなかった、あなたのおっしゃるようなことになると、これはたいへんですよ。監査委員会の報告はきちんと九三%取得したと書いてありますからね。あなたの言葉のようになりますとたいへんですよ。監査委員会の報告とあなたの説明と食い違いますよ。それだけはあなたは注意しておかないとたいへんなことになりますよ。
 それから工事費の一番おもなものは路盤工事でありますが、これもすでに契約されておったはずです。昨年の六月末までには九十五%まで契約されておったはずですよ。トンネルを延長しなくてはならぬ、橋梁を延長しなくてはならぬというが、それはすでに昨年の六月末までにはきまっておったはずですよ。これはすでにこういういろいろな文書に数字まではっきり書いてあるんですよ。設計変更はあり得ないはずですよ。昨年の六月末までには九五%これならばだいじょうぶという延長、幅員その他のことについて規格まで加えた一千億円前後の金のものが入札され、契約されているんですよ。それをどうして変更しなければなりませんか。工事にかかってから橋梁をまた延長しますか。トンネルをまた延長しますか。工事にかかってから途中で、仕上がる時分になって、トンネルをずっと掘さくしてから、これは五十メートル足らぬからもう一ぺんやり直せということができますか。世界に誇る唯一のと運輸大臣が言われるそんなに技術の卓越した国鉄で、そんなずさんな設計はあり得ないはずですよ。その技術の卓越した国鉄がすでに昨年の六月末日までに九五%契約したものを、何で今ごろになってから変更しなければなりませんか。何でそれだけの二百億円もの金額が違わねばなりませんか。
#56
○吾孫子説明員 まず用地の問題でございますが、ただいままで私どもが調べましたところでは、用地の買収をしなければならぬ面積が、若干ではございますが、やはり現在の計画よりもふえてきております。そのために約十億強のものが必要だということになっておりますし、それ以外に用地に付帯した補償その他で七十億弱のものが必要だ、合わせて八十億が必要だという調べにただいまなっておりますけれども、この点につきましては、私も、先ほども申し上げましたように、なお十分掘り下げて、それぞれの中身についてこれから十分検討をいたさなければならないと思っておる次第でございます。
 それから路盤について、ほとんどもうでき上がっておるはずのものに何であとから御質問のよらなことが出てくるのかといろお尋ねでございますが、この点は、私も技術の専門屋でもございませんので、よくわからない点もないわけではございませんが、私が技術者から聞きましたところでは、たとえばトンネルにいたしましても、最初は山の中に掘りまして、入り口のところに筒のところがあるわけですけれども、そこをやはりあとから継ぎ足して延ばして、結局セメントの筒を長くするというようなことにしなければならなくなってきているのがあるそうでございます。それからトンネルの中のセメントの巻き厚を、地質の関係で初めは何ミリとかでいいつもりであったのが、水が出てきたり何かしてどうしてもセメントの厚みを厚くしなければならぬということで、それも追加工事を行なわなければならぬ。それから鉄橋なんかも同様に、やはりあとから延ばさなければならぬということが出てきておりまして、前の計画の路盤工事は御指摘のように大部分できておるのでございますけれども、今後は新たにさらに追加しなければならないという工事が残されておるということでございまして、それらの項目の一つ一つにつきましては、なお、ざらに十分検討をいたしたいと思っておるのでございますが、それだけの新しく追加をする必要が技術上ある、こういうふうに聞いておる次第でございます。
#57
○井手委員 綾部さん、あなたは先刻も世界に誇る国鉄の技術ということをおっしゃった。いまの副総裁の話をお聞きになってどうお感じになったですかね。そんなことは初めからわかっておったことですよ。どこにどのくらいのセメントが要るのかわかっておったことですよ。私も今までは副総裁は非常に真摯な人だと承っておりました。しかしきょうの答弁は、ちょっと何か、言いがかりではないけれども、言いわけがましいことをおっしゃる。それはわからぬでもないけれども、そんなことでみんな、ここでこれだけの方が納得いたしますか。国民が納得いたしますか。ほんのこの間までは、九百五十四億追加していただければだいじょうぶですとおっしゃった。もうそのときに大穴をあけておった。これは監督の至らぬ点ですよ。あなたがここで数万言費やされようと、今のような御答弁ではだれも納得いたしません。われわれだって、それはみんな、そういう技術の点についても、あるいは工事の点についても、いろいろなことに経験を持った人がたくさんおります。常識でもわかりますよ。それは全体の工事の三%か五%の範囲内で狂うことは大体承知いたしております。しかし、この間九百五十四億円を追加し、なお八百億円を追加しなくてはならぬというこの事態に対して、重大な失態に対して、そんな言いわけがましいことで承知できるものではございません。これは注意いたしておきます。
 そこで、あとの質問者もいらっしゃいますから、先に進みたいと思います。
 もう一点副総裁に聞いておきたいのは、この辺のいろいろな資料によりますと、駅舎の改築とか貨物の点については、すでに昨年の夏ごろ、九百五十四億円を追加する際に、あまり金額が多くなっては困る、あるいは大蔵省がどうかということで、そういう駅の新築とかあるいは貨物の運行などについては、これを工事から除外してあと回しにしようという心がまえがあったやに私は承っております。そういう説明も一部には載っております。この点はどうですか。当時から千数百億円の不足があったのではないか。それをそんなに出したのでは国会も大蔵省も通らないから、そういうものはとにかく来年の九月に間に合わせる、一番大事なものを通すようにしていく、貨物や駅のことはあと回しにしようということになったと聞いておりますが、その点はどうですか。
#58
○吾孫子説明員 新幹線における貨物の運転のことにつきまましては、ただいまお話しの通り、昨年度予算を御審議願います当時からのけて勘定をいたしておりました。それは事実でございます。
 それからなお、そのとき――その後もその前もでございますが、下部の方からは相当予算の増額も必要があるのではないかという意見がいろいろあったといううわさは聞いておりましたが、幹線総局でいろいろな角度から検討の結果、九百五十四億の増額を認めていただければ必要な設備はできるという結論になったということを聞きまして、その線で予算の審議をお願いしたという次第でございます。
#59
○井手委員 それではその点についてお伺いいたしますが、貨物をあと回しにした、駅の新築をあと回しにした費用は、大体現状ではどのくらいかかるつもりでございますか。三百億円程度で済むのかどうか、その点をお尋ねいたします。
#60
○吾孫子説明員 これはいまちょっと正確なはっきりした額は申し上げかねますけれども、貨物関係を追加する場合の予算というのは、おおむね百億ぐらいじゃないかという話でございます。ただしそれは貨物の設備の関係だけでございまして、車両の関係はまた別になります。大体そういうふうに聞いております。
#61
○井手委員 あと回しにした駅の関係を加えますと、どのくらい加えたらよろしいのでございますか。あと二百億も四百億も要るわけですか。
#62
○吾孫子説明員 駅設備の関係は、設備の仕様にもよると思いますけれども、ただいま八百億不足額を予想しているという際に、設備いたします規模で当分はもちろんそれで運行ができるという程度のものを予想しているわけでございまして、これをどの程度ぜいたくなものにするかによって変わってまいりますけれども、それはそう高いオーダーではないと思います。しかしやはり数十億にはなるかと思いますけれども、その辺のところはまだはっきり申し上げかねます。
#63
○井手委員 車両の二百億のほかに設備はどのくらいかかりますか。数十億で済むわけですか。
#64
○吾孫子説明員 貨物の関係の設備ということになりますと、これは実は始発終着駅のターミナルの設備のやり方によりましては、たとえば東海道の東京側の、これはまだ確定しておらないのでございますが、大井の埠頭あたりを相当本格的に設備するということになればどのくらいの予算になりますか、いまちょっと明確にいたしかねますが、一応貨物の最初予想しておりましたような、主としてコンテナーを輸送するよらな電車を整備する、そして両端あるいは中間において取りおろし取り扱いをできるようにするというための必要な設備としてはおおむね百億程度じゃなかろうかというふうに申しておるわけでございます。
#65
○井手委員 いま私は新たな重大問題をお聞きしたわけです。ここに国有鉄道のパンフレットがあります。同じようなことが国会で、東海道線の旅客貨物の輸送力を増強するためには新幹線がどうしても必要であるという説明、約束に基づいてわれわれは予算を審議し、賛成してまいりました。ところが、いま聞きますと、貨物はあと回しで、車両とその設備と駅舎の関係においては二百億と百億と数十億ですから三百数十億円の金がさらに要るわけですね。これは問題ですよ。あなたのほうの約束は、輸送力は三倍に、旅客にはサービスしますと、これにも書いてある。これは、来年の秋には貨物もそうしなくちゃならぬ約束です。貨物はあと回しに、旅客だけやる場合にはあと八百億円の金の追加が必要であるとおっしゃる。しかし国民に対する公約を守るためには八百億円のほかにさらに三百数十億円要るじゃございませんか。千百数十億円要るじゃございませんか。これは世間で言う八百億円ではございませんよ。貨物の輸送力を三倍にしますとおっしゃっておる。八百億円だけではそれができないじゃございませんか。これは千百数十億円の不足ですよ。綾部運輸大臣、どうです、あなたは確信があります、信頼しておりますとおっしゃるが、この二月の中ごろまでは九百五十四億円でだいじょうぶ、来年の秋には約束どおり新幹線は開通いたしますとおっしゃった。ところがいま聞くと、旅客列車だけじゃございませんか。国民に約束した貨物の輸送力を三倍にするためにはさらに三百数十億円の金が要るじゃございませんか。どうなんです、運輸大臣、これでも信頼なさっておりますか。それは若干の貨物の輸送はできるかもしれませんが、国民に約束した三倍の増強はできませんよ。
#66
○吾孫子説明員 貨物の輸送の問題につきましては多少誤解なさっていらっしゃる点があるのじゃないかと思われますので一言申し上げさせていただきたいのでございますが、一番最初の新幹線の計画をお取り上げいただきましたときから、実は貨物関係は、開業と同時に新幹線のほうでもすぐにやるのだということでは考えておりませんでしたので、開業後に逐次そういう面も整備するというつもりであったわけでございます。それで輸送力は確かに新幹線ができますと三倍か、以上になります。現在線のほうの旅客列車の急直行の大部分が新幹線のほうに移る、それによって現在線のほうに相当余裕が出てまいりますので、貨物の輸送並びにその他のローカルの列車等を十分に入れられるようになるという考え方でおったわけでございまして、輸送力が三倍になると申しておりますのは、現在線と新幹線と双方合わせての意味で申しておったわけでございますし、その点に間違いはございませんので、そのよろに御了承いただきたいと思います。
#67
○井手委員 旅客と貨物は同時にやるのが約束じゃございませんか。あなたのほうからたくさん出ております。パンフレットに全部書いてあるのですよ。旅客はこれだけ、貨物はこれだけ輸送力が増強いたしますから、どうぞその財源をお願いいたしますというのがあなた方が出しているたくさんの文書ですよ、パンフレットですよ。
 運輸大臣にお聞きしますが、そうすると、あなたのほうは、貨物のほうはあと回しになってもよろしい、旅客だけは変更だというふうにお考えですか、運輸大臣はそれでいいのですか。
#68
○綾部国務大臣 さようには考えておりません。同時に、いま副総裁が説明いたしましたように、従来の線路を貨物に利用し、またゆくゆくは新幹線にも貨物が行くようにしまして、結論的に申しまして現在より輸送力が三倍になる、こういうように考えております。
#69
○井手委員 それじゃ運輸大臣、八百億円の不足に対して副総裁の説明ではさらに三百数十億円要るということでありますが、これも御承知なさるわけですね。
#70
○綾部国務大臣 たびたび申しますように、その数字につきましては、私はまだ全体を存じておりません。同時に私どもはその数字をここで国鉄当局から聞きまして、さらに監査委員に命じまして精査いたしまして、さきに申しましたように、納得がいきますれば皆さま方に納得のいくような説明を申し上げたいということを私はしばしば申しておりまして、いまの過程におきまして、おそらくは国鉄副総裁もそういう数字をどうということは私はまだ言い切れないと思うので、しばしば副総裁も申しておりますように、いま詳細について検討いたしておるのでございますから、しばらく御猶予が願いたい、かように考えます。
#71
○井手委員 いまあなた、二百億、百億、数十億とお話しになったばかりじゃございませんか、あれは聞こえているでしょう。
 それじゃもう時間もたってまいりましたから、あと二問だけにとどめたいと思いますが、この東海道幹線旅客輸送に、最初の千九百億円に対してこれは倍額になるのでありますが、そうなりますと、さてその運賃はどうなるであろうという懸念が国民の中に多いと思うのです。いまさら私が申し上げるまでもございません。国民に対する約束はこういうことでございました。「新幹線は画期的なサービスをいたしますので、基本料金は現在通り、急行料金は現在の料金よりも少し上回ったものになると考えられます。」こういうふうにどの文書にも出ておるのです。急行料金は現在の料金を若干上回った1若干というのは、いまの東海道線よりも距離が短くなるから、その分の範囲内でということを経営委員会から答申があったわけです。距離が短くなれば、その分だけ急行料金は下がらなくてはなりませんが、早く向こうに着くわけであるから、距離が短くなった分だけ、その範囲内は上回ってもいたし方ないというのが国民に対する約束でございました。ここで私ははっきり大臣の所信を承っておきたいのは、幾たびか繰り返された料金、運賃に対する約束、これは綾部運輸大臣はお守りになる御方針でございますね。たとえ建設費が幾らかかろうとも、二倍になろうとも、この料金は、こういう約束はお変えにならぬでしょうね。
#72
○綾部国務大臣 約束どおり実行いたしたいと思っております。
#73
○井手委員 基本料金は現在どおり、急行料金については現在の特急その他の料金を若干上回る――若干ということは二割前後でございましょうが、いわゆる距離が短縮された分だけは距離が短くなるというので、その分だけはやむを得ない、そういうことに間違いございませんね。もう一ぺん、これは大事な点ですから念を押しておきます。間違いないとおっしゃって下さい。
#74
○綾部国務大臣 種々の点においていま調べておりますが、基本方針は間違いありません。ぜひそうしたいと思っております。
#75
○井手委員 これは日本国の運輸大臣の言明ですから、ひとつ国鉄もその点はよく耳に入れておいていただきたい。たとえ建設費が三千億円になろうとも、運賃については約束通りだという言明がございました。――いまの問題は政治問題ですから、当局から聞く必要はございません。
 もう一つ聞きたいのは、これほど予算が不足しておるのに、いまからどういう工事をなさろうとなさるのか。この一月、二月に国会で約束なさった工事の割合その他を見ますと、三十八年度は八百八十五億、三十九年度は三百六十三億円になっております。ところがすでに八百億円前後の予算の不足であり、貨物の点については、三百数十億円の追加が必要であるという御説明がございましたが、その予算の補正をいつおやりになるつもりであるか。国鉄は各方面から信頼がありますから、工事費は一年先でもよろしゅうございますと言うところが多いかもしれませんが、しかしいまの経済情勢や工事請負の実態から申しまして、そんな甘いものじゃないと思うのです。三十八年度に八百八十五億予算措置がある。しかし同額程度のものが本年度直ちに要るというならば、これはどうなさいますか。政府は秋まで待とうということのようでありますが、もし幸いに監査委員会の結論が早く出て、われわれにもその報告を得られるならば、この国会でもぜひとも補正予算をお願いしたいということであるのか、いや、秋でも、来年でもけっこうでございますというのか、この点は運輸大臣からお聞きしたいと思う。
#76
○綾部国務大臣 的確なる数字がわかりまして、しこうして新年度に入りまして、財政の、税その他の収入の見通しがつくならば、なるべく早く補正予算を組んでいただきたい、私はかように考えております。
#77
○井手委員 的確なる数字は、それは日にちを待たなくちゃならぬでしょう。けれども、八百億円前後であることについては間違いないわけです。そういたしますと、この八百八十五億円の本年度の予算とほとんど変わらないような財源が要るのですよ。そうすると、財源の手当がつくならば、一日も早く補正をしたいとおっしゃるが、その程度の考えでよろしゅうございますか。来年の秋の開通には支障ございませんか。その程度で、来年の春になって補正をされるようなことでは困りますが、それでもよろしゅうございますか。来年の春になってもよろしゅうございますか。財源がつかなければ、途中で中止なさるのですか。
#78
○綾部国務大臣 私は、中止するとは考えておりませんし、また財源の見通しがつき次第に、ひとつ補正予算を皆さま方に御審議を願うようにいたしたいと考えております。
#79
○井手委員 あなたの御方針は、この国会中でも補正予算を提出したいということでございますか。もし国鉄当局の説明のとおりであるならば、これは工事に重大支障を来たしますが、来年の秋の開通、この目的を達するためには、そのよしあしは別にいたしまして、早急に補正しなくてはならぬと思いますが、その財源がつくならばというお話でございますが、つかなければ、来年の春までも、秋までも、待たねばなりませんね。それに対するあなたの、来年の秋には約束どおり開通しますという、それだけの覚悟があるならば、その財源についても、補正についても、ここでもっとあなたの大胆な決意の表明があってしかるべきだと私は思う。
#80
○綾部国務大臣 しばしば申しますように、まず数字がわからなければ組みようがないのです。八百億円になるか、七百億円になるか、六百億円になるか、あるいは千億円になるか、それは監査の結果によらなければわからぬですから、まずそれを締めて、そうしてその財源が、新年度予算早々でございますから、まだ一カ月十日しかなっておらぬのですから、収入の見通しはなかなかっかぬのですから、そういうことで私はいきたいと思っております。そうして、結論的に申しまして、世界に技術を誇る新幹線がぜひ予定どおり十月には開業して、世界に日本鉄道ここにありということを申すようにならんことを念願いたして努力いたしておるのであります。
#81
○井手委員 いろいろ聞きたいことがございますが、あとの質問者もございますから、残余の質問はあらためてお伺いいたしたいと思います。
 ただ、一言申し上げておきたいのは、ほんのこの間までは、九百五十四億円あれば来年の秋は約束どおり開通しますと言っておったのを、もうそのときにはすでにばく大な赤字が――欠損というが、ばく大な不足がわかっておった。事務当局ではわかっておったのを、総裁、副総裁にはそれがほとんど知らされていなかった。そしてこういう重大問題になったということについては、運輸大臣もいかに部下を信頼なさり、監督を厳重になさるとおっしゃっておっても、その責任は免れません。ただ確信を持ってとか、目標はオリンピックの開通だとおっしゃっても、それだけでは国民は納得するものではございません。私は、国鉄当局に対しましても、あなたにもわからない、総裁にもわからないような、そういう臨時軍事費みたいな経理のやり方は、早急に改めてもらわなければならぬと思う。そして国会に対しては、もっと率直に、悪い点は悪い、実はこうなっておったが、こうしてもらいたい、そういう説明を今後はしてもらいたい。この点を特に私は申し上げまして、私の質問を一応終わります。
#82
○木村委員長 久保三郎君。
#83
○久保委員 時間も過ぎておりますから、私はきょうは二、三の問題でお尋ねをしておきたいと思うのです。
 そこで、いままでの御説明では、やはりわれわれとしては、先ほど井手委員がおっしゃったように、運輸大臣はじめ政府も国会も、さらに国民も、東海道新幹線の資金計画というか、これについては、だまされたという感じはぬぐい去ることはできません。しかも、御答弁いただいている副総裁自身も、最近までお知りにならぬ。しかも国会答弁では、この改定計画である二千九百二十六億という数字で、りっぱに来年の秋には開通します、こういう答弁をしておる。その二千九百二十六億の改定の際の理由としては、いまあなたが新たに八百億とか、膨大な数字のこれからの予算が必要だという理由にあげたことだけです。たとえば橋梁が長くなるとか、トンネルがよけいになるとか、あるいは用地買収の値上がりとか、労銀の値上がりとか、いずれもあげた理由は、全部二千九百二十六億円の改定の理由であります。それ以外の理由は全然ありません。しかも、予算が四月からすべりだして今日までまだ一カ月足らず、その間において、いま御答弁を伺うと――当初計画、いわゆる国民大衆、政府、国会に対して東海道新幹線の役割というのを御説明になりましたその計画は、いわゆる東海道線の輸送難が三十八年になればとうてい持っていけなくなる、だから、どうしても新しい幹線をつくるのだ、当然のごとく、この幹線は旅客はもちろんのこと、貨物も、既設線区である現在の東海道線の輸送力緩和であるという。ところが、いま御説明によりますと、その八百億前後という足りない穴というものの中には、たとえば十二両編成で出す列車を六両にするか、あるいは貨物のほうはあと回しであるということをおっしゃっておる。これはどらも二重にごまかしているのではなかろうかと思う。あなたもだまされたらしい。運輸大臣もだまされておるのです。私は、国会としては、そのだまされた原因は何か、これを私はまず第一に率直にお聞きしたいのであります。私は数字の問題でとやかく申し上げない。なぜこういう結果を生んだのか、予算の要求は昨年の十二月、そこで大体コンクリートできたのである。しかも国会では、先ほどのお話のとおり、二月の中旬に予算委員会においてすでに御答弁がなされている。ところが、いまおあげになった理由が真実そうだとするならば、すでにそのときに去年の秋に積算したところの資金計画にはやはり誤りがある、今日予算はこれだけ要求したが、来年度はこれだけもらって、これでやる、しかし全体の資金計画はさらに膨張するであろう、おおむねの見込みとしてはこのくらいになるというのがなぜ出なかったのか。なぜそれを今日になって出しておるのか。それが百億とか五十億の違いならば、先ほどの御質問のように、わかります。しかしながら膨大な予算が足りないという、全くもってこれはふしぎである。なぜこういう結果を包んだか、なぜわからなかったのか、それを率直にお答え願いたい。なぜ今日になって初めてわかったかという、それを言ってください。数字はよろしい。
#84
○吾孫子説明員 最近に至ってこのような多額の予算の不足がようやくその概貌がはっきりしてきたという状態であるということにつきましては、全く私どもの不明のいたすところであり、申しわけ次第もないと思っておる次第でございますが、率直に申し上げまして、どうも所定の工期に工事を完了し、予定どおりのものをつくり上げるための予算が足らないのじゃないかといううわさは、私の耳にもことしの初めごろからある程度入ってまいりました。私はもちろんのこと、関係の理事者にも相談いたしましたが、これはたいへんなことだというので、まず幹線総局についてその事案を確かめなければなりませんので、しばしば私としてもそれらの内容を早く明らかにしなければいけないといろ督促もいたしましたし、またいろいろな関係者からの事情の聴取等も行なっておりましたけれども、なかなか判明しない。結局、たしか三月の末ごろであったと思いますが、とにかく事態の中身を明確にしなければお話にならぬからということで、全線区の幹線工事局長等を呼び集めまして、刻明に一つ一つ、一体どういうことについてどれだけ金が足りないのかということのせんさくをいたしたわけでございます。その結果、先ほど来申し上げておりますように、約八百億、これは条件によっては若干上下する余地はあるわけでございますが、おおむね八百億程度のものがどうしても足らないのだというようなことになってきましたので、その点について、何ぶんにも大きな問題であり、国鉄の信用にかかわることはもちろんでございますので、慎重の上にも慎重を期していま検討いたしておるようなわけでございます。なぜわからなかったかとおっしゃられますと、ただ不明のいたすところであると申し上げる以外にないのでございますが、しかし、先ほどもちょっと申し上げましたが、予算の執行方法と申しますか、予算の通達から執行、またそれをチェックすること、こういうような予算事務の取り扱いが、幹線総局というものをつくりました際に、新幹線については従来の一般の改良工事や何かのように、こまかく各関係部局でチェックするというやり方では工事が促進できない、スピードがかからない、だから新幹線総局の予算執行については、強度の自主性を持たしてやるという方針をきめまして、そういうような取り扱いをしておりましたために、もしこれが他の一般の改良工事等と同じように、予算の通達から執行から、また工事費の統制等をやっておりましたならば、もっと早く正確なことがわかったのじゃないかと思うのでございますけれども、率直に申し上げまして、こういう大きな予算不足を早く知り得なかった原因の一つはそこにあったというふうに私ども考えまして、この点につきましては、さっそく昨日の理事会で今後の予算執行の方法につきまして修正を加えるように改めました。今後はこういうことなくやりたいと思っております。
#85
○久保委員 個々の問題までまだ入りませんので、私の方は先ほど言ったように、率直に原因は何かというお尋ねをしているわけなんです。そうなるとまことに不明のいたすところでおわびする以外にないという、それではどうも副総裁としての責任はとれぬのじゃなかろうかと思うのです。原因は何かと質問されたならば、かくかくの理由でこうなりましたと言うのがほんとうじゃなかろうかと私は思うのです。こんなにずさんな予算要求なり、予算を動かす。二千九百二十六億改定のときに当然いまあなたがおっしゃるようなことは全部織り込み済みではなかろうかと思う。いま何もあらためてそれぞれの幹線局長を呼んで、総局で洗い直さなければならぬほど重大なものであろうかどうか、そんな作業をなぜいままでやってなかったのか。それでは二千九百二十六億の資金計画改定のときには、そういうことはやらぬで、目の子勘定で予算を要求されたのか、こういうことになるのか、いかがですか。
#86
○吾孫子説明員 確かに、おっしゃるように今回の予算不足を来たした理由としてあげられております各項目は二千九百二十億に御改定願う際の理由と同じような理由が重なっておることは事実でございますが、一つ一つについて申し上げますと、やはり二千九百二十億のときには入っておらなかった要素がその後の工事の進捗に伴ってだんだん判明してきたということで、これだけの予算の増額が必要であるという結論になってきたわけでございます。
  〔委員長退席、高橋(清)委員長代
  理着席〕
#87
○久保委員 副総裁、時間もありませんから私は簡単にお答えいただきたいのであります。
 なるほど、全然つんぼさじきにいままでいたわけでありましょうから、的確な御説明もできないと思うのですが、しかし、事態がこうなっては、原因探求はなさったでしょう。原因探求をなさったのだから、私はお聞きしているのです。そのときわかったのだろうが、いまの御答弁もあいまいです。実際わかったならば、なるほど予算が通過するのは三月一ぱいあったのですから、なぜそのときに率直に出さなかったのか。いままで出さぬで、予算がすべり出した今日、初めて八百億程度が足りませんというのは、居直り強盗に類するものではなかろうかと私は思うのです。政府の公約も国鉄の公約も、オリンピックという目標をかってに立てて、来年の十月に完成するのだから、これは至上命令だから動かさぬ、政府もおそらく動かさぬだろうから、まあまあこの辺で伏せておいて、すべりだしてから表へ出せば、多少は波乱はあるが、何とかなるだろうという全くず太い根性のやり方ではなかろうかと私は思うのです。なるほど一ぺんや二へんはそれで通るかもしれませんが、今日の東海道新幹線のいろいろな問題から勘案すれば、それは通らぬことだと思うのです。だからここに率直に私は原因は何かと聞いている。しかしあなたは当面の人ではなさそうです。総裁なり担当の理事が全責任を負っているようでございますから、後刻担当の理事にこちらえおいでいただき、そうして私はお尋ねしたい。
 そこで新しい予算がすべりだしたのだが、東海道新幹線工事に関する限りは、新規工事の契約ができる範囲があるのか。いかがですか、三十八年度新規工事の契約は今日ただいまできますか。そういう予算がありますか。
#88
○吾孫子説明員 きわめてわずかでございますが、全然ないわけでもございません。
#89
○久保委員 きわめてわずかというのはどの程度ですか。
#90
○吾孫子説明員 その額につきましては、目下精査いたしておる最中でございます。
#91
○久保委員 きわめてわずかというと百億以下ですね。
#92
○吾孫子説明員 おおむねそれくらいだと思います。
#93
○久保委員 そうすると、大半はすでに債務負担行為で契約した工事に対する支払いに充てる、残りはありません、こういうことですね。
#94
○吾孫子説明員 残りは御指摘のとおり非常に少ないわけでございます。
#95
○久保委員 そうしますと、こういう点からいっても、私は債務負担行為の使い方もでたらめしごくだと思うのです。支払い能力もないのに実は債務負担行為でやってしまう。予算をもらったが、これはみんな工事をやった金の決算だ、残りはごくわずかだ。三十八年度は新規の工事の契約もいまのままでは目ぼしいものはできませんね。できないはずですが、どうなんです。
#96
○吾孫子説明員 新規にこれから契約しなければならないものは、このままでは大幅におくれざるを得ない状態でございます。
#97
○久保委員 非常に重大な段階だと思うのです。単に資金計画全体の誤りならまだ救いようがあるかもしれぬが、今日の時点で、三十八年度がすべりだしたこの直後で、もうお手あげだというのでしょう。それでは、三十九年の十月に完成すると運輸大臣はおっしゃったが、これはできませんね。たとえば新年度の車両発注はどうなっておるのですか。
#98
○吾孫子説明員 車両につきましては百八十両分すでに契約して発注いたしております。
#99
○久保委員 それは債務負担行為でやっているのですか。
#100
○吾孫子説明員 さようでございます。
#101
○久保委員 それは三十七年度の債務負担行為のワクでやっているのですか。
#102
○山田説明員 ちょっとこまかい点になりますので私から御説明しますが、車両につきましては、三十八年度の予算におきまして、三十八年度及び三十九年度の債務負担をつけていただいておりますので、車両につきましてはそれで発注いたしております。
#103
○久保委員 そうすると、ただいまのところは予算には直接関係なく債務負担行為だけで処理する、支払いのほうは今年度こない、こういうことですね。
#104
○山田説明員 資金的には三十九年度の資金を使うことになりますし、それから三十九年度の債務もついておりますので、三十九年度にお願いする予算で車両につきましては決算できる見込みでございます。
#105
○久保委員 そうますと先ほどお話しのとおり、新規の工事はちょっと待った、こういうことになりますか。井出さんの質問に対しての答弁では、いま精査中ということでございますが、いつになったら運輸大臣に予算要求なりその後の処理をお願いすることになりますか、おおよそのめどは……。
#106
○吾孫子説明員 私ども非常に急いでいますので、できるだけ早く、私といたしましてはでき得れば半月以内くらいには少なくともやりたいと思います。
#107
○久保委員 ずいぶんのんびりした話ですね。たとえばあなたがわかったのは三月で、一月からそろそろわかったということでしょう。幹線総局というのは、そういうあなたの指令や何かに従うのですか、動きがとれないのですか、そういう機構になっているのですか、副総裁のいわゆるあなたの指令、指揮に従うのですか、どうなんですか。あなたがおっしゃるのには、一月ごろからおかしいから、ひとつやってみろと言ったのに、三月になってからこれは大きいぞということになった。そんなことでいままで許しておいたのですか。いかがですか。
#108
○吾孫子説明員 幹線総局の下部機構としては、御承知のように、四つの幹線工事局がございまして、それらの関係者を全部集めていろいろ検討いたさなければなりませんので、若干の時間がかかることは御猶余いただきたいと思うのでございますが、私としましては、実は最大限のつもりで申し上げておいたのでございまして、できるだけ早く急ぐつもりでございます。
#109
○久保委員 時間がございませんから大臣に一言申し上げておきますが、われわれは先ほど申し上げたように、こういうぺてんにかけたようなやり方の原因は何であるか、それを知りたい。それから責任のある個所はだれか、どういうかっこうなのか、あるいは今後の国鉄公社としてのあり方はどうなのか、あるいは新幹線のあり方、それにやはり多少の影響を受けるだろうという観測をしていますが、一般の改良工事その他については責任を持つのかどうか、こういうことの手順になると思う。こういう点について明確なる答弁ができるように、国鉄をひとつ指揮してほしい。それと同時にあなたに申し上げたいが、あなたは国鉄から予算の要求でも来なければ、いわゆる職権によるところの監査命令は出せない、こうおっしゃるが、それを待っていたのでは世間に対しても申しわけないのではなかろうかと私は思う。即刻これは監査委員会に命じて――世評によれば八百億足らないというが、この間資金計画を改定したばかりだ、これは不審に思うのはあたりまえです。でありますから、運輸大臣の権限において監査委員会に命じて監査する必要があると私は思うのだが、いかがですか。
#110
○綾部国務大臣 私も久保さんと同様に考えておりますから、国鉄の予算の措置その他についての報告を待たず、監査委員長に、非公式ではありますが、いま監査を命じております。そして監査の正式ななにが出ましたら、あらためて日本国有鉄道法による監査を命じたいと思いますが、そういう急がす意味で早くやれということを監査委員長にもう数回命じております。それでやってくれているはずです。そして両々相まちまして議会の御要望にこたえるべく、なるべく早く、さっき井手委員にも申しましたように、内容の御納得のいくように御説明申し上げまして、御了解を得たいと思います。
 ただそういうことが起こった責任はどこにあるのかと申しますと最高責、任者は私でございますから、私はその責任は甘んじて受けるつもりでございます。
#111
○久保委員 大臣、もう時間でありますから御退席なさってもいいと思うのですが、監査委員会はやっていると思うと言うのですが、これはやっているんでしょうね。それと同時に、その結論を早めてほしい。われわれはじんぜん日を送って、のんべんだらりんにこうやられては実際かなわぬ。
 これは私は委員長に申し上げますが、あとで理事会がありますが、当面の責任者は、これは大石常務理事であるようであります。原因の探求には大石常務の出席も必要だ。総裁は病気だというが、まだ任期もあることだから、病気がなおり次第国会に出てこいと私は申し上げたい。そうしてここで最終的にやはり責任ある答弁をもらわなければ、副総裁はあまり御存じない。最近どうもおわかりになったようだ。その原因についてもさっぱりおわかりにならぬ。でありますから、これは総裁にお出ましをいただいて、やはり御答弁いただきたい、こういうふうに思います。
 私は時間もありませんから以上にします。
#112
○高橋(清)委員長代理 本日の会議はこの程度にとどめ、散会いたします。
   午後零時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト