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1962/07/06 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第38号
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1962/07/06 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第38号

#1
第043回国会 運輸委員会 第38号
昭和三十八年七月六日(土曜日)
   午前十一時三十二分開議
 出席委員
   委員長 木村 俊夫君
   理事 鈴木 仙八君 理事 高橋清一郎君
   理事 細田 吉藏君 理事 山田 彌一君
   理事 井手 以誠君 理事 久保 三郎君
   理事 肥田 次郎君
      尾関 義一君    關谷 勝利君
      福家 俊一君    井岡 大治君
      加藤 勘十君    勝澤 芳雄君
      松原喜之次君    矢尾喜三郎君
      内海  清君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 綾部健太郎君
 出席政府委員
        検     事
        (民事局長)  平賀 健太君
        農林事務官
        (農地局長)  丹羽雅次郎君
        運輸政務次官  大石 武一君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (理財局資金課
        長)      海堀 洋平君
        運輸事務官
        (鉄道監督局国
        有鉄道部長)  向井 重郷君
        日本国有鉄道総
        裁       石田 禮助君
        日本国有鉄道副
        総裁      磯崎  叡君
        日本国有鉄道監
        査委員長    岡野保次郎君
        専  門  員 小西 真一君
    ―――――――――――――
七月五日
 委員砂原格君辞任につき、その補欠として村上
 勇君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員村上勇君辞任につき、その補欠として砂原
 格君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 閉会中審査に関する件
 日本国有鉄道の経営に関する件(東海道新幹線
 の予算に関する問題)
 請願
  一 一関、槻木平線等の鉄道敷設に関する請
    願(飯塚定輔君紹介)(第一二三号)
  二 磐越東、、西線及び会津線の電化促進に
    関する請願(齋藤邦吉君紹介)(第二三
    三号)
  三 相馬港の早期建設に関する請願(齋藤邦
    吉君紹介)(第二三四号)
  四 造船政策に関する請願外三件(内海清君
    紹介)(第三六八号)
  五 戦傷病者等の日本国有鉄道無賃乗車等に
    関する法律による乗車券の家族共用に関
    する請願外三件(高橋清一郎君紹介)
    (第四六四号)
  六 身体障害者国鉄運賃割引距離条件の撤廃、
    緩和に関する請願(池田清志君紹介)
    (第一二七一号)
  七 福井駅構内等の鉄道高架線設置に関する
    請願(堂森芳夫君紹介)(第一八九五
    号)
  八 鹿児島県大隅半島志布志湾沿岸に大型港
    湾建設に関する請願(二階堂進君紹介)
    (第二〇三二号)
  九 古江線高須駅、根占町川北間鉄道敷設予
    定線の調査線編入に関する請願(二階堂
    進君紹介)(第二〇三三号)
 一〇 袴腰、鹿屋間国鉄自動車路線を根占町川
    北まで延長の請願(二階堂進君紹介)
    (第二〇三四号)
 一一 鹿屋市に国際航空路開設に関する請願
    (二階堂進君紹介)(第二〇三五号)
 一二 日豊線国分駅と古江線海潟駅を接続する
    鉄道敷設の請願(二階堂進君紹介)(第
    二〇三六号)
 一三 北陸線に野々市駅開設の請願外二件(岡
    良一君紹介)(第二四一二号)
 一四 観光資源開発公社創設に関する請願(松
    浦周太郎君紹介)(第二六九二号)
 一五 運輸労働者の生活向上に関する請願外百
    三十九件(井岡大治君紹介)(第二七四
    〇号)
 一六 民間航空に対する不当介入排除及び助成
    に関する請願外四十二件(井岡大治君紹
    介)(第二八五五号)
 一七 盲人の国鉄運賃減免に関する請願(鈴木
    仙八君紹介)(第二八五六号)
 一八 同(細田吉藏君紹介)(第二八五七号)
 一九 鳥取空港再開促進に関する請願(足鹿覺
    君紹介)(第三一一七号)
 二〇 海運業の再建整備に関する臨時措置法案
    の修正等に関する請願(久保三郎君紹
    介)(第三一一八号)
 二一 東京、宮崎、鹿児島間直通航空便開設に
    関する請願(池田清志君紹介)(第三二
    六九号)
 二二 立川駅を民衆駅として改築の請願(福田
    篤泰君紹介)(第三二七〇号)
 二三 鳥取空港開設促進に関する請願(足鹿覺
    君紹介)(第三五三二号)
 二四 伯備線黒坂、上菅両駅の貨物取扱い存続
    に関する請願(足鹿覺君紹介)(第三五
    三三号)
 二五 国鉄武蔵野線敷設等に関する請願(上林
    山榮吉君外一名紹介)(第三七〇四号)
 二六 国鉄大津、塩津線の早期敷設に関する請
    願(草野一郎平君紹介)(第三七六九
    号)
 二七 運輸労働者の生活向上に関する請願(井
    岡大治君紹介)(第四〇三五号)
 二八 国鉄バスの不当進出反対に関する請願(
    足鹿覺君紹介)(第四二一〇号)
 二九 高山線に片掛駅設置の請願(内藤隆君紹
    介)(第四四八〇号)
 三〇 南勝線の着工線編入に関する請願(足鹿
    覺君紹介)(第四六六一号)
 三一 国内旅客定期船の航路権保護に関する請
    願(關谷勝利君紹介)(第四七四六号)
 三二 日本鉄道建設公団法案反対に関する請願
    外二件(加藤勘十君紹介)(第四七四七
    号)
 三三 同外百四十四件(兒玉末男君紹介)(第
    四七九〇号)
 三四 同(矢尾喜三郎君紹介)(第四七九一
    号)
 三五 同(久保三郎君紹介)(第四八五五号)
 三六 同外三件(広瀬秀吉君紹介)(第四九一
    五号)
 三七 同(吉村吉雄君紹介)(第四九一六号)
 三八 同外一件(久保三郎君紹介)(第五一三
    一号)
 三九 同(兒玉末男君紹介)(第五一九九号)
 四〇 バナナ輸送専用船の建造を政府の計画造
    船に繰入れ促進に関する請願(佐藤觀次
    郎君紹介)(第四九一四号)
 四一 名古屋市営乗合自動車料金の改定に関す
    る請願(江崎真澄君紹介(第五一六三
    号)
 四二 港湾事業に対する地元負担全廃等に関す
    る請願(田村元君紹介)(第五二六六
    号)
 四三 日本鉄道建設公団法案反対に
    関する請願外十八件(下平正一君紹介)
    (第五二八七号)
 四四 上野駅を民衆駅として改築の請願(田中
    榮一君紹介)(第五三二五号)
 四五 川内市の川内川河口に水面貯木場設置に
    関する請願(中馬辰猪君紹介)(第五三
    二六号)
 四六 バナナ輸送専用船の建造を政府の計画造
    船に繰入れ促進に関する請願(久保田豊
    君紹介)(第五六七五号)
 四七 タクシー、ハイヤー運賃料金改定の早期
    実現に関する請願外三百三十三件(壽原
    正一君紹介)(第五八四三号)
 四八 羽田空港周辺の騒音防止等に関する請願
    (加藤勘十君紹介)(第五九一〇号)
 四九 大井町線新路線の川崎市下作延、久本地
    区延長通過反対に関する請願(野田武夫
    君紹介)(第五九八〇号)
 五〇 上野駅を民衆駅として改築の請願(淺沼
    享子君紹介)(第六一九八号)
 五一 戸塚駅前広場の拡張整備のため国鉄官舎
    を移転しその敷地の開放に関する請願(
    米田吉盛君紹介)(第六四五二号)
     ――――◇―――――
#2
○木村委員長 これより会議を開きます。
 本日の請願日程全部を議題として、審査を行ないます。
 これらの各請願につきましては、委員各位ともすでに文書表でその内容は御承知のとおりと存じますが、理事会において慎重に検討いたしましたので、これより直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○木村委員長 御異議なしと認めます。
 これより採決いたします。
 本日の請願日程中、第一ないし第一九、第二二ないし第二七、第二九ないし第三一、第四〇ないし第四二、第四四ないし第四八、第五〇及び第五一の各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決し、第二〇及び第二一の両請願は、議決を要しないと決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○木村委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 なお、ただいま議決いたしました各請願の報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんが。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○木村委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#6
○木村委員長 なお本委員会に参考として送付されております陳情書は三十六件でありますので、御報告いたします。
     ――――◇―――――
#7
○木村委員長 閉会中審査に関する件についておはかりいたします。すなわち、
 踏切道の改良促進及び踏切保安員の配置等に関する法律案
 離島の住民の旅客運賃等の特例に関する法律案
 陸運に関する件
 海運に関する件
 航空に関する件
 日本国有鉄道の経営に関する件
 港湾に関する件
 海上保安に関する件
 観光に関する件
 気象に関する件を閉会中も引き続き審査を行ないたいと存じますので、その旨議長に申し出たいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○木村委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 なお、これらの閉会中審査事件が本委員会に付託されました場合、委員を現地に派遣して実情を調査する必要があります場合には、その委員派遣承認申請に関する件の取り扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○木村委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 なお、閉会中審査事件が付託されました場合には、現在本委員会に設置されております都市交通に関する小委員会、観光に関する小委員会、踏切道整備に関する小委員会を閉会中もなおこれを存置し、その審議を行ないたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○木村委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 なお、小委員の員数、小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○木村委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 なお委員の異動等に伴い、小委員及び小委員長に欠員が生じました場合、その補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○木村委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 なお、閉会中の委員会及び小委員会において、緊急やむを得ず、参考人より意見を聴取する必要が生じましたときは、その参考人招致に関する件の取り扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○木村委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#14
○木村委員長 次に国鉄の経営に関する件について調査を行ないます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。井手以誠君。
#15
○井手委員 今回の東海道新幹線の重大失態に対する特別監査報告が出されましたが、これについて若干お伺いをいたしたいのであります。
 提出されました特別監査報告は、一口に申しますと非常に甘いと言わねばなりません。それは監査報告ではなくして業務報告であります。それは考えようによりますと補正予算を要求するためにこれを合理化した報告であるとの印象を受けるのであります。この重大失態に対する監査報告は、不当支出や汚職が相次いで摘発されて国民にショックを与えておるのでありますから、いままでの経費支出が適正であったかどうかのその監査が重点でなくてはならぬと私は考えておりますが、監査委員長はどうお考えになっておりますか。
#16
○岡野説明員 お答えいたします。経理の問題等も、予算の不足問題、いわゆる八百七十四億円の不足の問題が起こり、これによって新幹線の所期の目的完遂がはたしてうまくいくかどうかということを、主として重点的に監査するものということに考えました。経理の問題等につきましても相当詳しく調べたつもりであります。ただ時間的の制約がございまして、その間に相当検討したところであり、たとえば委員会を三十九回この短期間に開いたのでございますが、いま井出さんの言われたような点に徹底的に入っていき得なかったということは、先ほど申し上げましたが、時間的の制約も若干ございます。そういう意味でどうも御満足は得られなかったことは、私の無能のいたすところと存じます。一応釈明をいたします。
#17
○井手委員 特別監査報告の結論は、八百七十四億円の補正が妥当であるということになっておるのであります。これほど重大になったこの国鉄の新幹線の問題について、運輸大臣が特別監査を命じたのは、これはいろいろな疑惑に対する解明を与えるのがねらいであったと私は考えるのであります。そうでなくてはなりません。それに対して、いまおっしゃったように、経費の支出が適正であったかどうかについて、この監査報告はほとんど触れてないのであります。すでに摘発された近江鉄道の問題あるいは新横浜駅の問題その他たくさんの問題がある。汚職も相次いで摘発されておる。そういうことについて一点も触れてないのはどうしたことですか。時間がなかったらなかったで、そこに触れておかなければならぬはずですよ。これでは業務報告にすぎないじゃありませんか。もう一回お伺いをいたします。私は国鉄の監査委員会というものは、もっと権威のあるものであると信じております。
#18
○岡野説明員 お答えいたします。いま例としてあげられました横浜駅あるいは近江鉄道の問題、これは私も総括的の意味からいうと特別監査という中に入るべきだということには、必ずしも異論あるわけではございません。ただしかし、監査委員会というものは確かに権威のあるものであるということは私も確信しておりますが、監査委員会の調査の範囲は、たとえば近江鉄道の問題、若干刑事的の問題に対しては、監査委員長では遺憾ながら国鉄以外の――以内の人間はほとんどシラミつぶのに調べました。幹線総局長関係、それから幹線工事局関係幹線総局の本社の人をほとんど関係者全部、それから国鉄本社のほうの各局長を、たしか一人ぐらい抜けておると思いますが、調べたのであります。したがいまして、何度も申し上げるようですけれども、重点を先ほど申し上げましたような点に置きましたのと、かたがた監査委員長に社外の人を呼んで詳しく糾弾あるいは調査するというような権限は遺憾ながらございませんで、これと相当一方的に、国鉄側からだけでも相当の徹底したところまで調べようとするのには、二カ月や三カ月ではとうてい調べることは困難である。しかもこの問題は非常に急ぐ問題だと思いましたので、先ほど申し上げました八百七十四億がはたして所期の目的完遂に過不足ないかどうか、こういうようなところに重点を置いて報告をいたした。それはおおむね妥当であると認める、もし若干不足の点が万一出たといたしましても、それは予算の補正をしなければならぬまでの額には達しないものという確信を得ましたので、ああいう報告を申し上げたわけであります。
#19
○井手委員 私は特別監査というのは、これほどの重大問題を引き起こした新幹線の工事の執行が適正であったかどうか、そこに重点を置かねばならぬと考えるのです。何も予算をとるために特別監査の必要はないのですよ。どうせここまで工事をやったものでございますから、補正予算は必要になってくるでしょう。幾ら必要であるかは私は特別監査を待つ必要はないと思うのです。これは国鉄でやれると思う。運輸省でやれると思うのです。あなたの特別監査委員会にまかせられた任務というのは、この膨大な予算を執行している国鉄の業務の執行が適正にやられておるかどうか、国民の信頼にこたえておるかどうかを監査するのが目的じゃございませんか。
 それではいろいろ問題がありますが、おもな点だけお伺いいたします。この報告書によりますと、大石常務理事すなわち総局長だけが悪いようになっております。一切が総局長の責任になっておりますが、ほかに責任者はございませんか。私の見解によりますならば、そういう独断専行を許したものは、これは私は総裁であると考える。同時の総裁であると考えます。またそれを監督しなくてはならぬのはだれか、それは運輸大臣でしょう。そういう面の責任についてはあなたのほうはお考えになりませんでしたか。ただ大石常務理事が悪かった、その一人だけが悪人だというふうにお考えになっておりますか。いかがでございますか。責任はございませんか監督の責任や業務を総理する責任はございませんか。
#20
○岡野説明員 お答えいたします。私の報告にも、大石幹線総局長のみの責任である、そういうことには書いてなかったつもりであります。ただ、いま井出さんが言われたように、やはり総裁が幹線総局という非常に、権限の広いものを設けたということに対して、幹線総局というものを、ああいう突貫工事をやろうという場合には、あれを置くことそのことが私は一〇〇%悪いようには考えておりません。なぜかというと、総局長のほうでこれを運用よろしきを得れば、私はあれはかなりに補正された問題じゃないかと思うのであります。ただしかしあまりに独断専行的にやられた点、これについてこさいに調べてまいりますと、ああいうところにいくのであります。
 それから重大問題である、方針上の問題である、こういう問題は私企業と公共企業体とではやり方に違う点があるかもしれません。私企業等では、非常に重大なる問題はまかせられたとしても、こういう場合に総裁あるいは意思決定機関である理事会にはかるのが通例になっておりますが、これに何らはかってない。ただしかしそういう総局というものを設けてその後の運用よろしきを得なかったということに対しては、私は総裁の責任も報告書の中に追及しておるつもりであります。あるいはお認めにならなかったかと思いますが、理事会の運営その他に対しても遺憾の点があったというように報告して、相当私としてはシビアーに報告を出したというような気持ちでおるわけなんであります。
#21
○井手委員 総裁の責任その他についてはあとでお伺いいたします。
 それでは、先刻監査委員長は、時間が短かった、二カ月しかなかったので経理支出の点までには及ばなかった、その点まで報告をしなかったことは不徳のいたすところでありますとおっしゃいました。それでは、なるほど今回の特別監査は二カ月であったでしょう。しかしあなたのほうの監査報告というものは毎年一回ずつは必ず運輸大臣に報告しなくてはならぬのです。それを毎年国会もその報告を受けておるのでありますから、今日まで長い間あった常設機関である国鉄の機関であるこの特別監査委員会がこういう失態を起こしたことについて、何ら御存じなかったのですか。大石総局長が悪かった、総裁にも責任があるとおっしゃいますが、それでは監査委員会は今日まで何をされておったのですか。お隣にも前の委員長がいらっしゃるからお話し合いになってもけっこうです。三十四年から今日まで特別監査委員会は何をしたのです。予算が倍額以上にもふくれるようなこういう重大な失態を御存じなかったのですか、それをお伺いいたします。
#22
○岡野説明員 井出さんの言われました今度の八百七十四億円が幹線完遂のために必要である件ということについては、監査委員長としては三十八年度予算の昨年の未及び今年三月ごろまでは全然存じておりません。これがはなはだ欠陥であるということに言われますれば、これは私も反省いたします。しかしこの問題は、おそらく私の知る範囲においては、総裁も副総裁もいまの数字的の問題を申しますれば御存じなかったように、私の調査では結果が出ておるのであります。
#23
○井手委員 私が承っておりますのは、今日までの委員会において、副総裁も知らなかった、総裁も知らなかった、運輸大臣もわからなかったとおっしゃる。しかし私があなたにお伺いしたいのは、そういうわからない問題でもそれを十分に常時監査をして、運輸大臣や国会に報告するのが監査委員会の責務ではございません。もしそれがわからないというなら、監査委員会の必要がなくなってしまうのではないか、これほどの重大失態が、今日までわからなかったというそういう監査委員会なら、もう必要でないじゃないか。その点について、どうお考えになりますか。
 それはあとで石田前委員長にもお伺いしたいと思いますが、三十四年に千九百億円の予算で出発したこの東海道新幹線の工事は、このあなたの出された八百七十四億の追加が妥当であるとおっしゃるそれで約束どおり工事が完遂するものではございません。おそらく四千億円をこえるでしょう。それほどの見込み違いを発見できなかったということ、これは日本国有鉄道法によりますると、あなたがおっしゃるように、意思決定機関である理事会を無視して総局長に独断専行させたことについても、何ら監査委員会は触れておられません。また昨三十七年の六月末における工事進行状態の報告においては、これは虚偽のものが国会に出されております。それは石田さんがお認めになっております。そういうわからないような監査委員会が必要であるかどうか。あなたに直接お伺いしてはなはだ気の毒でありますけれども、あなたのすなおなお考えをひとつ承りたい。
#24
○岡野説明員 その点は私が責任者である関係上、これは命令をされた運輸大臣その他の考えるべきことでありまして、私といたしましては命じられたことを、井出さんの話では満足でないというふうに言われますが、とにかく普通の監査委員会報告の問題は六月一ぱいに出すべきことになっておるのを全部放てきして、それでこの特別監査に主力を注いでやりました。しかもなおかつこれが非常に井出さんその他関係者が不満足であるということは、もし国民全般がそうであるとするならば、私も考えなければならぬ、こういうふうに思いますが、しかしこれは運輸大臣その他の管轄に入る部分が多いと考えますから、そのほうの判断にまかすべきではないか、こういうふうに考えます。
#25
○井手委員 今回の重大失態に対する徹底的な追及というのは、事態を明らかにせよというのは、私は全国民の声であると信じております。
 そこで運輸大臣にお伺いいたします。ただいままでの質疑応答で、大体御理解になっておると存じますが、この特別監査報告に大臣は満足をなさっておりますか。私は先刻来、特別監査報告は経費支出の適否を監査するのが一番のねらいではないかと考えておりました。かりに大臣からその点まで触れろと言われなくても、当然触れなくてはならぬ問題であると考えておる。それぞれの立場において、総裁や監査委員会、そういったそれぞれの立場のものはその責任を明らかにするまで触れられることが大事である、それがほんとうの職責であると私は考えますが、運輸大臣はいかにお考えになっておりますか。
#26
○綾部国務大臣 私は、監査委員会は今後なお存続すべきものであると考えます。
 今回私が特に命じました監査報告に対しまして出されましたるこの七月二日付の監査報告は、満足とか不満足とかいう問題は別にいたしまて、その監査報告を私は受け取りまして、適当なる監査報告と考えております。
#27
○井手委員 綾部さん、国務大臣の答弁というのは、国民になるほどという納得を与える答弁でなくてはなりませんよ。私は確信をしておりますとか、けっこうでございましたとかいうだけでみんなが承知するものではございませんよ。どういう理由でこうなりました、この事情で大丈夫でございますという、そういう話の仕方をしなくてはだれも承知いたしませんよ。私は確信しております、私は今後も存続したいと考えております、それだけでは子供の話にもなりませんよ。この監査報告は満足とははっきりおっしゃいませんでしたけれども、私が尋ねたことに対して、あなたは満足な答弁をなさっておりません。どういうわけでこの特別監査報告に満足されておりますか、どういう理由で監査委員会がなお存続しなくてはならぬとお考えになっておりますか、その理由をお聞かせいただきたい。
#28
○綾部国務大臣 全般を通読いたしまして、適当な監査の報告だと考えております。
 それから監査委員会の存否の問題につきましては、私は監査委員会は今後存続いたしまして、そうして従来の監査の事務に精励されることを要望いたしております。
 そういうことで御了承願いたいと思います。
#29
○井手委員 綾部さん、あなたはいつもそういう答弁ばかりなさっておりますから、私は時間さえ許しますならば、そういう答弁に対しては徹底的に文句を言いたい。けれどもきょうは非常に時間が制約されておりますから、そのことばかりにはこだわりません。しかしそれでは答弁になりませんよ。だれが一体この特別監査報告に満足しておりますか。新聞の論評を読んでごらんなさい、関係者が読んでごらんなさい。これほどの重大失態を起こして、特別監査報告に八百七十四億円の予算の補正は妥当であるという結論、これでいいですか。
 それでは運輸大臣、続いてお伺いいたしますが、この報告書には、総局長一人が悪者のように書いてあります。もちろん意思決定機関である理事会を無視したことはよくなかったとは書いてありますけれども、この特別監査報告の大体においては、これは大石常務理事の至らぬところであるという結論になっておりますが、今回のこの重大失態に対して、退職なさった十河総裁に私は一番責任があると思う。その内容を監査し得なかった監査委員会にも責任がある。それを監督しきれなかったあなたにも私は責任があると思いますが、この責任についてはどうお考えになっておりますか。
#30
○綾部国務大臣 私は、本問題が最初に起こりましたときに、総裁、副総裁、総局長、もちろん全部責任は多少にかかわらずありますが、全部の責任は私にあるということを申し上げております。
#31
○井手委員 それは承りました。責任は自分にあるとおっしゃいました。いまも大石常務理事を信頼しておりますとあなたはおっしゃった。それも私は記憶がございます。いまでも大石常務理事を信頼なさっておりますか。
#32
○綾部国務大臣 私は信頼しております。
#33
○井手委員 新聞の報道によりますと、汚職が報道されております。八十万円を受け取った、そのうち二十万円は手形でもらっておることまで白状しておる。これほどの失態を起こし、しかも一番大事な立場にある大石常務理事が金銭を受け取ったという事態に対して、なお信頼なさっておりますか。
#34
○綾部国務大臣 御承知のように、大石君の事件につきましてはいまなお捜査中でございまして、捜査の段階を終わっておりませんからして、私はやはりそういう疑惑を受けたというだけで大石君に対する信頼の度合いにかかわりはありません。
#35
○井手委員 運輸大臣、もう少し答弁のしようもありそうなものですね。いや、かばうのはわかりますよ。わかるけれども、本人が自白までしておるのに、それほど信頼なさる必要はないじゃございませんか。自分は信頼しておったけれども、遺憾なことにこういう事態になりました、私の不明のいたすところで、私も不明の点がありました、こう言うのがあたりまえじゃございませんか。あんな問題を起こした大石常務理事をいまも信頼しておる、ひどい話ですね。そうすると、ほかのほうにはあなたが全責任は負うけれども、あなたが全責任を負えば、ほかの人の責任はどうなりますか。あなた自身はどういうふうな責任をお感じになっておりますか、御内意を承ります。
#36
○綾部国務大臣 おのおの責任には軽重があります。重いのと軽いのとあります。私は一番重い責任を痛感しております。
#37
○井手委員 いまのお話はまたあらためてお伺いいたします。
 この特別監査報告によりますと、計画自身に無理があったと書いてあります。この世紀の大事業といわれ、夢の超特急といわれる東海道新幹線が二千億円足らずで実現するというので、国会は承認をいたしております。二千億ぐらいならば安い話じゃないかというので、そうたいした論議もせずにこれは承認をいたしております。ところがその計画そのものがめちゃくちゃであった、測量もしていない、調査もしていない、設計もろくろくしていないとこの特別監査報告書には書いてある。机の上で、用地は十万アール、鉄道は五百キロですか、机の上で計算された二千億円、それが倍額以上になるという国会を愚弄したような、国民を愚弄したようなこの計画の当初の責任者はどうなります。簡単な話で予算を取って、あとは親方日の丸で工事をどんどん進めていこうというこの計画が一番悪かったと思う。この計画の責任者はどうなります。まず大臣の御答弁を聞きます前に、昭和三十四年からの運輸大臣の名前を聞きたいと思うのですが、どなたからでもけっこうです。
#38
○綾部国務大臣 私からお答えします。
 つまびらかにしてはおりませんから、調査してあとで報告いたします。
#39
○井手委員 あなたの前はどなたでしたかね。
#40
○綾部国務大臣 斎藤昇君であったと思います。
#41
○井手委員 その前はどなたでございましたか、ちょっとその辺で聞いてください。
#42
○綾部国務大臣 木暮武太夫君でございます。
#43
○井手委員 調査の計画の責任者はどなたでございますか。
#44
○綾部国務大臣 私の前任の運輸大臣を申し上げます。やはりずっと前からあるのですが、鳩山内閣のときからの運輸大臣を申し上げます。吉野信次君、石橋湛山君、宮澤胤勇君、中村三之丞君、永野護君、重宗雄三君、楢橋渡君、南好雄君、木暮武太夫君、斎藤昇君、それから私です。
#45
○井手委員 最高責任者の名前はわかりましたが、計画をつくった責任者はどなたでございますか。
#46
○綾部国務大臣 大体計画そのものは、東海道線の運輸逼迫をいかにすれば緩和できるかということにつきまして、国鉄全体が調査研究いたしましたる結果、この新幹線によるにあらずんば早急に輸送力拡充、緩和ということがむずかしいということでございまして、歴代の運輸大臣のもとにおきまして計画され、実行に移されたものと考えております。
#47
○井手委員 監査委員長にお伺いをいたします。
 この特別監査報告によりますと、計画当初の千九百億円、最近になって三千八百億円が必要であるといわれておりますが、三十六年四月にすでに三千数百億円必要であるということがわかっておるのですね。そうするとすでに二カ年間くらい前から隠しておった、こう考えていいわけですね。三十六年四月にはすでに三千数百億円必要であると載っておるのですが、そのとおりですね。総局長は一年間隠しておったのじゃなくて、二年前から隠しておったのですね。大幅な予算不足はこの前補正をいたしました九百億円のほかに、なおばく大な予算の追加が必要であるということがすでに昭和三十六年四月にわかっておったと書いてある。そうしますと、もう二年前からわかっておったわけですね、監査委員長にお伺いいたします。
#48
○石田説明員 三十六年四月には私が監査委員長であって、彼氏は監査委員長じゃない。私が責任者として御答弁申し上げます。
 井手議員の言われるように、われわれは徹底的に調べるということがあったらそういうことはわかったかもしれぬ。しかし、そこはわれわれの不明か不明でないか知らぬが、国鉄の言うことを信じた、こういうことなんで、事実、そこまで掘り下げてやるということは監査委員会の手にはできないのであります。
#49
○井手委員 そういう意味では監査委員会の権威というものは必要でなくなるということになるわけです。私がいま岡野さん、あなたにお伺いしておるのは、この報告書によりますと、この表の中に三十六年四月には金額が三千数百億円にのぼっておるのです。それを押え押えしてずっと今日まできた、だから総局長としては二年前からわかっておったのではないですかと聞いておるのですよ。あなたのほうはわからぬでも、この調査によりますと総局長としては……。
#50
○岡野説明員 その経過を書きました理由は、それだけ必要であると総局長が思っておったとは――私は調査の経路からいうと、下のほうからはいつも大きな数字を言っておる。それからこれはこういうふうに変え、ああいうふうに変え、大石さんはこの工事については、私が調べた経路においても実に敬意を表すべき技術者でございます。幹線工事局の局長辺も実によくやっておったということは、国民全般として私は認めてやるべき、敬意を表すべき点じゃないかと思います。ただ、総局長が、そういう話が下から出ましても、そんなばかなことはない――ばかなことと言ったかどうか言葉が適当でないかもしれませんが、自分としてはそういう数字は出たけれども、その数字でなくても何とかやれる方法がある、こういうようなことを信じてやっておったような経路に調査の結果は出てきております。しかも、三十七年十月にまいりまして、いわゆる一五四七号というものによって的確な数字を出せ、こういうことで各局長に命じております。もっとも、各局長がちぐはぐの考えから数字が出てはいかぬからというのでその標準を示しております。それでその出てきたものもわれわれの調査の結果出ておりますが、これは総局長内だけに極秘になっておりまして、総裁も御存じない、当時の副総裁も御存じない。したがって、何回も大丈夫かということを確かめたような調査になっております。それは大丈夫だと総局長が申すのでありますから、それ以上掘り下げることは総裁としても副総裁としてもできなかったような実情であると思います。知っておったけれども、総裁あるいは副総裁がこれをひた隠しに隠しておったというところは、総裁、副総裁のところにはないのであります。したがいまして、私は精細に調査して真実を発見したいというつもりで最善の努力を尽くしました結果は、総裁にも責任はあるけれども、知らない総裁が――ただそういうような組織をつくって、それから結果になる、それから総裁がそれでもなおかつ掘り下げていくべきものであったものを掘り下げなかったということに対しては相当重大な責任がある。したがって、報告書も普通の監査報告書よりもかなりシビアーな結果を出したつもりであります。ただ、遺憾ながらこの八百七十四億円が完遂するために妥当であるかどうか、過不足がないかどうかということに重点を置きました。それでおおむね妥当――先ほど井出さんが言われました八百七十四億円を妥当であるということが、やり方が正しいというような意味のことを言われたようですが、私の妥当であるというのは、完遂するためにおおむね妥当である。それでやり方が正しかった、だからして妥当である、こういうような意味ではなかったことを御訂正させていただきます。
#51
○井手委員 わかりました。八百七十四億円が妥当であるという意味は、できたことはしようがないが、完遂するために八百七十四億円が妥当であるとおっしゃった。そうしますと、この監査報告というのは補正予算を取るための監査報告に結論はなったわけです。そういう意義を持つわけですね。
#52
○岡野説明員 それは私の考えの中にはございません。予算を考えて、そうしてそういうふうに言うたのじゃなくて、運輸大臣から命ぜられたこの八百七十四億円ははたして過不足なしに完遂できるかどうかというような御命令と、それから第二の点は、そのやり方に対して現在の幹線総局の組織及び今後の運営に支障なきやいなや、これは書いたほうがいい、こういうことでかなり明確に申しております。
#53
○井手委員 そこに私は見込み違いがあったと思うのです。この東海道新幹線の計画が見込み違いであったと同様に、監査委員会の受け取りに私は違いがあったと思うのです。
 そこで続いてお伺いいたしますが、八百七十四億円が妥当であるとおっしゃる。しかし、私どもがここで一番聞きたいことは、これは昭和三十三年から三十四年にかけて、東京−大阪間、超特急三時間で走らせまして、一時間おきに走らせます、貨物は五時間半で走らせますという約束で発足したこの新幹線の工事ですから、この八百七十四億円、これでは計画どおり、公約どおり開通するものではないのです。あなたのほうの報告書によりますと、別紙三にいろいろな計画が圧縮されておる。駅舎関係、貨物関係、そういうものはずっと圧縮されておりますが、八百七十四億円で一応開通はできるが、こういう圧縮されたものを計画どおり、国民に対する約束どおり実行するとすれば、あと幾ら必要でございますか。あと四百億円必要ですか、五百億円必要ですか、それを聞きたい。それはわかっておるはずです。あなたのほうはこれがわからぬでは大へんです。これこそ監査委員会の無能と言わねばなりません。八百七十四億円はともかく超特急を走らせるだけの最小限度の費用なんです。三十三年から三十四年にかけて国会で約束された公約どおり実行するにはあと幾らかかりますか、それをお伺いいたします。
#54
○岡野説明員 今度の命ぜられた内容は、貨物列車は抜きにする、それでその他こういう第三表のように工事を進めていくについて、はたして八百七十四億円が妥当なりやいなや、こういうように私は解釈しておる次第であります。したがいまして今後、一番初めの計画をそのまま貨物輸送まで加えて幾らかかるかということは、新たにこれは調査し、計画をしていかなければわからないことと思います。それはどういう監査委員長が参りましたとしても、この席でそれが、あるいは調査をして短期間にその点までわかるという人は……(「神様じゃなければわからない」と呼ぶ者あり)神様じゃないか。ここに国鉄の関係者がたくさんおりますが、監査委員長ばかりでなしに、それに直接関係をしておる人でも、的確にこの数字を言い得る人は何人あるかといって、おそらくないのじゃないかと思います。
#55
○井手委員 私は監査委員長のその人柄をかねがね多くの人から承りました。円満な人であり、手腕家であると承りまして、私も非常に敬意を表しておりましたが、ただいまの答弁は、いかにあなたの世論がよくても、これは受け取れません。ちゃんとこの中に数字はあるのですよ。私も持っています。あなたはここにおる者はだれも知らないとおっしゃるけれども、私自身が持っているのです。そんな答弁はすべきものじゃございません。それじゃ監査委員会じゃないですよ。監査委員会というのは、私が申し上げるまでもございません、昭和三十三年に答申され、三十四年から発足したこの新幹線の工事、国民に対する約束を私は重ねて申し上げます。東京−大阪間超特急一時間おきに三時間で走らせます、二、三十分おきに特急を走らせます、貨物は東京−大阪間五時間半、晩に出した荷物は朝に配達できますというのが国会に対する約束じゃございませんか。この約束のものをいかに円滑に、適正な予算の執行によってこの工事を進めていくかという、その業務を監査するのがあなたのほうの任務でしょう。そうでしょう。しかるに大事な一本は、貨物のほうはあと回しになった。あと回しになったものは数字は幾らかわかりませんということでは、これじゃ監査委員会の任務じゃありませんよ。世間で通りますか。それが貨物関係は二百億円ちょっとこえる。車両や駅舎関係で二百五十億かかる。八百七十四億円のほかに。委員長よく聞いてください。八百七十四億円が妥当であるとおっしゃったその金額の、その上になお百七十四億円の金がなくては来年十月の開通には支障が起こりますよ。百七十四億円必要である。こうこの間国鉄から報告が出ております。これはあとでお伺いいたします。そういう数字までわかっておるのに、何で監査委員長がわからぬのですか。国民への公約を実現されるかどうかを監査するのがあなたの任務でございましょう。何ならその辺で聞いてください。
#56
○岡野説明員 いま井出さんの言われましたことですが、私は今回の命令は、こういう内容によって八百七十四億円という数字が国鉄総裁から出てきたが、これははたして妥当なりやいなやということを調査しろ、こういうことに解したのであります。したがいましてその三表あるいは四表の内容のものを基礎にしてやりましたが、一番初めのスタートのときにさかのぼって調査しろ、こういうふうには解釈しなかったのであります。またあの調査特別命令書もそういうふうに明確に書いておりますので、その範囲を出た部分のところには調査の手を伸ばしませんでした。伸ばさないことが監査委員長として無能であり、あるいは責任を全うしていないということになりますと、これはどうも……二カ月間の間に、時間ばかり言うようですけれども、すべてを放てきして、私はこの老体をひっさげて午前午後、とにかく通常監査報告書も全部放てきして――あれは法律上八月一ぱいまでにやらなければならぬ、それをこれからやらなければならぬというような状態になるために急いだのでもあります。それからこちらの委員会のほうからの御意思でもございましょう、私のほうとしては、ちゃんとプログラムをきめまして七月十日ということにしておりましたが、急に最後のころに七日かに促進しろという御命令で促進しました。もう一日でも促進しろ。実にあわてたのです。しかしとにかく御希望どおりに、あれは土曜、日曜、夜もおそくまでやりました。無能なる委員長が夜までやりました。だから本質的に無能と言うよりほかにないと思うのです。私はそれほどばかでもないのでありますが……以上のように考えております。
#57
○關谷委員 関連。――井手委員と監査委員長の間に詳細な質疑応答があるのでありますが、私はこの監査委員会という機構そのものに欠陥があると思う。そんな監査委員会ならないほうがよろしい。国鉄の言うことを一〇〇%信頼いたしまして監査報告を書きましたと、石田前委員長ははっきりここで言い切っておるのであります。そしてその国鉄の言うことは一〇〇%間違うておったのであります。ということは、三千億で済むものが四千億かかるのでありますから、ちょうど一〇〇%間違うておった勘定に数字のほうからもなってくるわけであります。そうすると、そういうようなことでもそのままうのみにいたしまして、そして世間に発表すると、世間では、監査委員会というものがあってそれが監査した結果間違いないとしたのだから、その間違いを正当化してしまうことになってくるのでありまして、かえってこういうものがありますと悪い結果が出てまいります。今後のように間違いがあった場合には、その間違いを正当化した罪は、これは監査委員会としては免れないはずであります。これは個人といいますか、会社等でありましたならば、商法の第二百七十七条の「会社に対する責任」で「監査役が其ノ任務ヲ怠りタルトキハ其ノ監査役ハ会社ニ対シ連帯シテ損害賠償ノ責ニ任ズ」これに該当する。これは岡野さんと石田さんとに二千億払ってもらわなければならぬ、そういうようなことにもなります。そこまで、そういうことを要求したとしてもそれは無理でありますが、私はこの監査委員会そのもののあり方そのものに大きな欠陥があると思います。
 私はそこでお尋ねをいたしたいのは、運輸大臣はこの際思い切って運輸省の中に国鉄を監査する機関を設けて――国鉄の中へ設けるのでなくして、運輸省に大臣の直属の監査委員会を設けて、それには思い切った手足をつけて――いまでも監察局があるはずでありますから、その程度の人員その他をそろえて、そうして絶えず国鉄の監査をする、こういうことにしなければならぬと思います。いまの監査委員長の報告を聞いておりますと支出について、それが妥当であるかということには一つも触れてない。現実にこの問題に対してこれだけ支出をした、それと事実とが合っているのかないのか、これを調べずに何の監査ぞやと言いたくなるのであります。今度の大きな間違いが出てきたのも、いろいろと二千億出てしまった。それで、去年、三十七年の八月に出た監査報告でありますと、ほとんどできておることになっておるのです。残りだけをやったらいいことになるのですから、いままでのものはできたことになるので、それと実態とを合わしてみればいいのです。何でもそれが合わないようなものになっておる。それを国鉄が間違うておりませんと言ったら、そうかと言うだけであって、そんな監査なら何にもも要らぬ。あってかえって害がある、国民をごまかすことになる、こういうことになりますので、私はこの際大臣に申し上げておきたいのは、きょうのようなこんな議論をしたって役に立ちません。大臣に直属の国鉄の監査機関を設けて、それに十分な手足をつけて厳重な監督をやるのでなかったならば、あの国鉄を監督することはできません。そういうような機構改革をやって、この監査委員会のあり方というものを変えるのだというお考えがあるかないか。いま井手委員がお尋ねしておりますのも、結着はそこへ持っていけば終わりだろうと私は思います。その御意見を伺ってみたいと思います。
#58
○綾部国務大臣 私は先ほど現在の監査委員会で満足しておるかという問いに対しまして、現在においては満足していると申し上げました。しかし、關谷先生のただいまの御議論はまことに至れり尽くせりと思っておりますから、そういう観点から、いわゆる商法の監査役に準じて国鉄の監査委員会がやれるような組織をつくったがいいか悪いかにつきましては、とくと考えて善処いたしたいと思います。
#59
○井手委員 監査委員会のあり方については私も意見がございますから、これはあとで、なおお伺いしたいと思います。
 そこで、せっかくいま特別監査の質問をいたしておりますから、もう一点お伺いをしたい。
 この報告書によりますと、決算の数字が大蔵省から出された数字と合っておりません。大蔵省から国会に出された決算の報告とここに出された数字とは合っておりませんが、それは私はきょうは追及いたしません。しかし、聞いておかねばなりませんのは、第一表に契約額及び決算額対照表とありますのに、昭和三十八年三月末までの契約総額は三千百八十七億円になっております。決算は三十七年度までに千五百三億円でありますが、大蔵省のものは千六百六十七億円になっております。大きな違いがあることは、これは私は別の機会にお伺いしたいと思う。決算の報告に百何十億円も違いがあるということは許されません。しかしこれは別にお伺いするといたしまして、三千八百億円の費用が必要であるのに契約されたものは二千百八十七億円、比率で申しますと五七%にしか当たりません。三十七年の六月には九五%と前の委員長はおっしゃった。これはお取り消しになったからけっこうです。しかしこの間の大石総局長の答弁によりますと、三十七年度末すなわち、去る三月末は七〇%の契約でございますというお話でございました。ところが今回出されましたものは、契約が五七%ですよ。五七%しか契約をされていない。この数字は間違いないですね。
#60
○岡野説明員 そこに書いてある数字は間違いないと考えております。
#61
○井手委員 それでは石田総裁にお伺いいたしますが、三月末の契約高は二千百八十七億円、その率は五七%にしか当りません。三十四年から始めて三十四、三十五、三十六、三十七、四カ年間かかって契約は五七%にしかいっておりませんよ。これで今後の工事はだいじょうぶですか、今度は間違いございませんか。
#62
○石田説明員 私は間違いないと確信しております。
#63
○井手委員 あるときは九五%と言い、この間は総局長が七〇%と言い、今回の監査報告は五七%と言う。もうしばらくたつと今度は五〇%を割るようになるかもしれませんね。今度はだいじょうぶといって、それはだいじょうぶですか。
#64
○石田説明員 実は私が国鉄総裁に就任いたしまして第一にぶつかった問題がこの問題であります。それで今度また大きなしっぽを出すようなことになったのではたいへんな問題だというので、実は総局長を辞任させまして、新しい局長を据えた。そうしてその新しい専門知識をもってすっかりチェックさしたのであります。初めの数字は八百四億であった。それがチェックした結果、これはどうも少し怪しいということで八百七十四億になったのでありまして、私はしろうとで数字のことはよくわかりませんが、私の信ずる。局長のチェックするところによると間違いないということでありますので私は間違いないと確信しております。
#65
○井手委員 総裁は就任早々でございますし、任期はまだずっとございますから、今の御答弁を私は記憶をいたしておきます。
 いろいろ監査委員長にお伺いしたいことはございますが、ほかに問題がございますので、しばらくその辺で御休養をお願いしたいと思います。――何か御所感がありますれば承ります。
#66
○岡野説明員 先ほど監査委員長のこの報告の基礎は、国鉄の方の数字をうのみにしたのではないかというようなお話がありましたが、この点については私弁明いたしておきたいと思います。私は相当調査をいたしました結果、相当のうのみにしない部分があります。監査委員長独自の立場から、みずからの手で文章を変えました。そして書いたというところもあるのだということをひとつ御承知おき願いたと思います。
#67
○井手委員 私はいまから今後のことについてと、それから問題の汚職や不当支出の問題についてお伺いいたしたいのであります。
 まずこの機会にお伺いしたいのは、何回もここで、私も同僚議員も取り上げました近江鉄道の問題であります。もう会期もきょう一ぱいでございますので、責任ある処置をいたしますという運輸省の約束でございましたから、この機会に承っておきたいと思います。出してはならない景色の補償、いろいろ私はその後も法律を調べてまいりました。私はここで結論を聞く前に一点お伺いしたいのは、この大石総局長がやったこの景色補償の一億円、これはどこにもその根拠はございません。社会に通用しない非常識なやり方でありますが、この非常識なやり方をあえてした行政行為の瑕疵として、仕事のきずとしてその契約が無効にはされないのか。近江鉄道との間に取りかわされた一億円の契約は、この行政行為の重大な瑕疵として無効の取り扱いはできないのか、この点をお伺いいたします。
#68
○磯崎説明員 私からお答えいたします。
 近江鉄道問題は、数回にわたりまして当委員会でいろいろ御論議がございまして、私どもといたしましても、ことに私、着任以来その問題につきましては、いろいろ十分検討をいたしてまいりました。ただいま先生のお話につきましても、実はそういうことが法律上成り立ち得るのではないかという立場からもずいぶん検討いたしてみました。たとえば部内の法規違反の問題、あるいは部内の慣行の問題等のほかに、法律上、過般の二億五千万円のうち、あとの一億が法律に反するかどうかという点につきまして、私自身いろいろ検討いたしましたし、また私、法律的な知識が非常に低いものでございますから、ある程度専門の人にも実は意見を徴してみたのであります。ただいまの先生のお話の一億円の支払いの締結をするに至ったまでにつきまして、いわゆる違法な行為あるいは不正な行為、あるいは詐欺、錯誤、そういったあらゆる角度から検討いたしましたが、どうもそれに該当することはないという結論に達しておりますので、いわゆる行政上の、あるいは私のほうでは行政上ではございませんが、いわゆる司法上の行為の瑕疵としてこれが契約の無効が主張できるかどうかということにつきましては、法律上非常に疑義が多いのではないか、こういうふうに考えております。
#69
○井手委員 近江鉄道に対して国鉄のやったことはあやまちであった、それは返還さすべきだという方針をきめて法律を検討されたことについては了解をいたします。どうしても返還の訴訟が起こされないというならば、このままで過ごすわけには絶対まいりません。今後の国鉄の工事に対して重大な支障を来たすのであります。日陰や臭気その他のものについてはいかなる被害を与えても補償をしないというのがあなたのほうの基準であり、今回、昨年の六月でございましたか制定された統一的な補償の基準には反するのであります。われわれも何とかしてそういうむちゃな、いわゆる大石政務次官が言ったごね得というものは断固として排除しなくてはならぬと考えております。それほどの重大な失態をやった大石総局長、これに対してはどうお考えになっておるのか。新聞の報道によりますと、大石総局長がどういう事情でか、数千万円の預金と株券を持っておるそうであります。勤倹貯蓄なさったかどうか知りませんが、それが検察当局の疑いの一点になっておると聞いておるのであります。これほどの損害を与え、国鉄の信用を失墜させた総局長に対して、この損害の追及をお考えになっておるかどうか、これが一点。
 いま一つは、総局長だけの責任ではございません。こういうなすべからざる行為をやった関係者に対して、どういう処置をお考えになっておるのか、その二点をお伺いいたします。
#70
○磯崎説明員 私から先にお答えいたします。
 ただいま先生のお尋ねの第一点でございますが、これは後ほど総裁から申し上げさせていただきます。
 第二点につきましては、確かにこの問題は過般の当委員会で各先生方からいろいろお話がございましたとおり、法律上の問題はともかくとしても、はたして適当であったかどうか、妥当であったかどうかという問題は後々まで残るし、その問題につきましては、いずれ検査院等でまたそういった方面からの御監察があるというふうに考えております。私どもといたしましては、その点につきましては十分今後まだそういう角度から検討いたしまして、もし不当である、あるいは必ずしも適切でなかったということが明らかになった――たとえばこの二億五千万円という金は、過般も矢尾先生の御質問に私お答えいたしまして、従来の国鉄の答弁を変えさせていただいたわけでございますが、御承知のとおりこれは二億五千万円という全体の額として、いわゆるネゴシエーションの過程で妥結した形になっております。そういった際にその金額がはたして適切であったかどうかということは、当然これは批判さるべきだったと思います。ただこの件につきましては、現地の実際の責任者でありますところの大阪の幹線工事局長は、自分の権限内のことではあるが、非常に異例であるという意味で本社へ伺いを立てております。書類その他を調べますと、本社でもってそれを決裁して、支払って差しつかえない、こういう正当な手続を踏んでおりますので、それを決裁した責任者の責任は、もし不当でありとすれば当然あるというふうに考えますが、その他の、ただいま先生の御指摘のそれ以下の関係者につきましても、今後もう少しこの額の検討その他をいたしまして、もしその間において総裁なり総局長を補佐する立場として適当でないということがありますれば、今後なおそれらの諸君につきましては検討いたさなければならない、こういうふうに考えております。
#71
○石田説明員 ただいま井手議員からお話があった第一の問題であります。大石君が非常な金を持っておるということですが、これは一体汚職というものと関連があるのかどうか、問題は私はそこだと思うのです。彼が一億あろうが二億あろうが、汚職に関係なければ私としてはいかんともすることはできない。かりにそれは百万であろうが二百万であろうが、財産は少なくとも汚職があればこれは徹底的に追及しなければならぬ。幸か不幸かいま大石君はそういうことについて追及されておりますので、追ってこれは明白になると思う。明白になった上で考えたい。私から進んでその問題を追及すべきものではないと考えております。
 それからそのほかの関係者の問題でございますが、ただいま副総裁から申し上げたように、近江鉄道に払った二億五千万円は実に多過ぎる。私も実は多過ぎると思うのですが、これはひとつ井出さんに私はお願いするのだが、彼らは実に苦しい立場になっておる。要するに交渉に負けた。負けるのも負けた、大いに質けた、こういうことなんですが、どうも御承知のとおり相手が相当なものでありますし、これはもう負けるということはあたりまえ、ただ程度の問題だ。これはひとつそういうことを頭に置いてよく考える。さらに万一その間に汚職の点があるなら、これは徹底的に追及せなければならぬ、処分せなければならぬ、こういうことを考えております。
#72
○井手委員 少し副総裁の話に私は不満の意見を述べたいと思う。返還をさせなくてはならぬ、そのため訴訟を起こすためにいろいろと法律上の検討をした、しかし合意であるからどうにも訴訟にはならないということでございますから、相手に返還を求めるわけにはまいりませんが、出してはならない、いわゆる減収補償、いわゆる景色補償のその重大問題に対して、なるほど総局長が一番悪いに間違いございませんが、不当なものがあればという前提で私は理解し得ません。了解するわけにはまいりません。十分検討されておるはずです。近いうちにその補佐であるとかあるいはどうであるとか、いろいろな責任がありましょうが、そういう面についての処分のお考えがあるかどうか、端的にお伺いしておるのであります。
#73
○磯崎説明員 ただいまの私の説明、ことばが足りなくてたいへん申し訳ないと思っております。最高責任者以外のこの問題についての責任者についても、近いうちにその責任を追及いたしたい、こういうふうに思っております。
#74
○木村委員長 午後二時より再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後零時五十三分休憩
     ――――◇―――――
  〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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