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1962/08/15 第41回国会 参議院 参議院会議録情報 第041回国会 本会議 第6号
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1962/08/15 第41回国会 参議院

参議院会議録情報 第041回国会 本会議 第6号

#1
第041回国会 本会議 第6号
昭和三十七年八月十五日(水曜日)
   午前十時三十六分開議
  ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第六号
  昭和三十七年八月十五日
   午前十時開議
 第一 産業投資特別会計法の一部を
   改正する法律案(趣旨説明)
  ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一 産業投資特別会計法
  の一部を改正する法律案(趣旨説
  明)
  ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
   ――――・――――
#3
○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。
 日程第一、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案(趣旨説明)。
 本案について、国会法第五十六条の二の規定により、提出者からその趣旨説明を求めます。田中大蔵大臣。
  ―――――――――――――
  〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(田中角榮君) 産業投資特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を申し述べます。
 御承知のとおり、政府は、前国会におきまして、いわゆるガリオア・エロア等の戦後の経済援助の最終的処理をはかるため、「日本国に対する戦後の経済援助の処理に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定」を提出し、国会の議決を得ており、また、この協定に基づいて政府が本年度中に支払うべき第一回の賦払い金にかかる予算につきましても、昭和三十七年度産業投資特別会計予算において御承認をいただいております。さらに、産業投資特別会計の本年度における投資の財源の一部に充てるため、一般会計から二百三十億円をこの会計に繰り入れることについても、予算上は御承認をいただいているところであります。
 本法律案は、この二点につきまして、産業投資特別会計法を整備するために所要の改正を行なうことを目的とした法律案でございます。すなわち、
 第一に、「日本国に対する戦後の経済援助の処理に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定」に基づく債務は、米国対日援助見返資金特別会計廃止の際その資産を承継した産業投資特別会計の負担とするとともに、この債務の元金四億九千万ドルに相当する円の金額千七百六十四億円を資本から債務に振りかえる等の措置を行ない、また、この債務の元利金の支払いをこの会計の歳出とする等所要の改正をいたしております。
 第二、本年度の産業投資特別会計予算におきましては、日本輸出入銀行、農林漁業金融公庫、日本住宅公団、住宅金融公庫、商工組合中央金庫等に対する投資需要を充足するために、総額五百三十二億円の投資を行なうこととなっておりますが、この投資の確保をはかりますためには、その財源の一部は一般会計から補充する必要があり、本年度の一般会計予算では二百三十億円の産業投資特別会計への繰り入れが計上されております。よって本法律案は昭和三十七年度において、産業投資特別会計の投資の財源の一部に充てるため、二百三十億円を限り、一般会計からこの会計に繰り入れることができるよう所要の改正を加えることといたしております。以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
#5
○議長(重宗雄三君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。成瀬幡治君。
  〔成瀬幡治君登壇、拍手〕
#6
○成瀬幡治君 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました産投会計法案について若干の質問をいたします。
 本法案は、前国会で審議未了、廃案になったものであります。この間、重宗自民党前会長は辞意を表明されたとか、池田総理が、選挙法を通しさえすれば、他の法律案は犠牲にしてもよいと言ったとか言わないとか、いわくつきの法案でございますが、そのことはさておきまして、政府がガリオア・エロアは対米債務であると判断された理由を、今までの資料、答弁を通して伺いますと、第一は、米国は、援助に対して贈与であると言明したことはない。第二は、米国議会でガリオア援助は後日返済さるべきものであると証言をしている。第三は、援助物資が引き渡される際の覚書に、援助物資の支払いについては、後日決定する旨のただし書きがついていたというような点をあげて、債務性を主張されて参りました。しかし、これでは国民を十分に納得させるものではございません。以下、債務性について疑問点を簡単にあげて、御所見をお伺いしたいと思います。
 第一点は、援助物資は国民に売り渡され、その代金の使途は輸出入補給金として使われて参りました。絶対権力者である米軍の手で複数レートで計算され、生産費以下で不当に安く輸出され、その金額は輸出入補給金で穴埋めをして、米国の業者を不当にもうけさせました。少なくとも昭和二十四年三月までには、かりに三百六十円レートに換算をいたしますと、約四千億の金が消えているのであります。援助資金は米国業者へ返済済みではございませんでしょうか。
 第二点は、終戦処理費を負担してきました。その額は、レートをどうするかという点で問題もあろうかと存じますが、このことを専門に研究をしている学者の資料によりますと、約四十億ドルと計算されています。対日援助総額を二十億ドルと仮定いたしましても、その二倍に当たる終戦処理費を国民は負担をして参りました。この終戦処理費は、敗戦国日本が当然負担すべきものであるとの法理論もありましょうが、国民としては、米国に対して損はかけておらない。米国は得をしておるではないか。
 第三点は、米国からの要請によりまして、連合国からの安導券をもらって行動をした阿波丸が、米国潜水艦によって撃沈をされました。これは明らかに米国の責任であります。本院は昭和二十四年の四月六日、請求権を放棄する決議をいたしました。そして阿波丸協定によりますと、「米国政府から受けた物資及び役務による直接間接の援助を多として、阿波丸の撃沈から生じた米国政府及び米国民に対するいかなる種類の請求権をも、日本国政府自身及び一切の関係日本国民のためにすべてを放棄する」、というのであります。たっとい二千三名の生命と船との損害をただで放棄するということは、一体どういうことでございましょうか。遺族への補償金と船の損害は、国民の税金で支払っております。米国へただにしたということは、そのかわりに、対日援助のものも、ただにしてもらえるということがあってのことであろうと思います。西村前条約局長は、日本の自発的によるものではなくして、アメリカの要請によって決議が行なわれ、請求権を放棄したと、すっぱ抜いているのであります。そうでなければ、何でただにしたのでございましょうか。
 第四点は、広島、長崎に原爆が投下され、多くの人命が奪われました。今日なお原子病の苦痛にあえいでいる人たちがたくさんいます。原爆投下は、明らかに、国際法上、人道上からも許されることではありません。これに対して損害賠償要求は当然であります。しかし、この請求権も講和条約であっさり放棄しています。
 要するに、領土については、講和条約で、その説明はどうあれ、実質的に沖繩、小笠原は米国の手に渡っております。千島列島はソ連の手に渡っております。講和条約のためであります。領土は取られ、金もぬかりなく米国は持っていきました。賠償請求権は、ただで放棄してしまいました。そうして残ったものは対米債務だけだから、それを返済するというのでありますが、もしこれが個人間のことであったら、こんなばかげた話は通用しないでしょう。国民の金である、国民のものであるから、損はないというので、許されるとしたならば、国民を愚弄した話であり、ばかげた外交交渉というべきであります。少なくとも対等の外交交渉でなかったという点は明瞭であります。
 これらの点について、こまかくは大蔵委員会で関係閣僚から一つ一つ承るつもりでありますが、大筋としての所見を総理から承りたいと存じます。
 次に、大蔵大臣にお伺いいたしますが、
 第一点は、産投会計は、その第一条に「経済の再建、産業の開発及び貿易の振興のために、国の財政資金をもって投資を行うため、産業投資特別会計を設置する。」と、その設置目的と性格を明らかに示しています。また、国の予算区分からいたしましても、投融資特別会計であることは明らかであります。すなわち、支払い勘定ではないという点であります。政府は二重払いではないかという国民の声を、そしりをおそれて、産投会計が見返り資金を引き継いで発足したので、ここから支払っておけば、国民をごまかせるとの苦肉の策から出た知恵と思われるのでありますが、御承知のとおり、産投会計へは、一般会計からも繰り入れられておるのでありますし、さきに指摘したように支払い会計ではないのであります。そこで賠償等特殊債務処理特別会計から支払うというほうが、より適当で妥当な取扱いではないでしょうか。
 第二点は、産投会計から今後十五カ年間に元利合計五億七千九百二十二万ドル、二千八十五億二千二百万円を支払うというのでありますが、昭和三十六年度末の資本四千四百八十四億円は、三十七年度末には二千九百二十一億円に減少します。そして向こう十五カ年間は、原資がふえなくて、経済成長に順応した役割が果たせなくなるではないでしょうか。産投会計の本来の使命、存在の意味がなくなるのではないでしょうか。現に今回の改正案でも、本年度に一般会計から二百三十億円を繰り入れることになっておりますが、今後は一般会計からの繰り入れが、返済額に見合ったり、または上回って行なわれるのではないでしょうか。もしそのようなことはしないというのであるならば、産投会計は、今まで余分の金があったので投融資をしていたのみであって、必要性からやったのではないというのでしょうか。大蔵省は、三十八年度の財政投融資計画の規模は、本年度のほぼ一割増の九千五百億円前後を予定して、原資確保のために産投国債、産投外債を発行すると言われておりますが、どうする方針でありますか。また、開銀、輸銀を初め、十八機関への出資増は考えておられないのですか。今後どのようにされようとしているのでありますか、お伺いをいたします。
 これと関連をいたしまして、第三点は、開銀の改組と開銀債の発行の件についてであります。開銀の融資対象は、鉄鋼、電力、海運、石炭の四業種が中心となっていましたが、昭和二十九年ごろから鉄鋼へ電力へは民間融資が行なわれるようになって、開銀融資の比重は減少をして、他方、地方開発、特定機械向けの融資がふえてきました。すなわち、開銀の融資対象が広がった結果、興銀、長銀など、民間金融機関と競合する面が出てきました。また、長期運転資金貸付の要望も出ています。したがって、この際、開銀の融資のあり方を根本的に再検討すべき時期にあると思います。また、財政投融資の原資が窮屈になってくることは間違いのないことであります。開銀債の発行を検討をしているのではないのか。明年度予算編成とも関連する問題でありますので、この際、御答弁をお願いをいたします。
 第四点は、政府は、返済額が二千八十五億円で、開銀の納付金と利子返済の累積分が二千二百二億円あって、百十七億円の余裕もあることであるから、返済には狂いを生じないとの計画でありますが、海運界の現状と将来を見ますと、事ほどさようにうまくいくとは思われないのであります。現に海運関係へは、三十六年三月末現在で貸付残が約千六百億円あります。海運会社の資本構成を見ますと、他人資本が七八・六%、自己資本が二一・四%となっております。要するに、借金で経営が行なわれているのであります。しこうして、政府は、倍増計画に基づく国際収支の面から、船による積取比率を算定をして、それに必要な船腹量まで発表をされております。また、海運企業整備臨時措置法案は衆議院で継続審議になっておりますが、利子のたな上げをその内容としております。船腹量はふやさなければならない。それに伴う資金は当然必要になってきます。そして利子をたな上げするというのであります。そうしますと、開銀の納付金と、利子返済で債務償還に充てることとは、二律背反であります。ほんとうに計画どおりにいきましょうか。二、三年先には計画を変更しなければならないというような事態になりませんでしょうか。海運関係は、単に利子のたな上げというような小手先対策だけではなく、根本的対策が必要であるというのが今日の常識であると考えますが、抜本的対策をやるのかやらないのか、この際、運輸大臣からも御答弁を承ります。
 第五点は、一般会計からの繰り入れ二百三十億円が法案審議未了のためにたな上げになっております。政府の資料によりますと、二百三十億円に、産投資金百五十億、自己資金百五十二億円、合計五百三十二億円を、輸銀へ二百億円、農林中金へ百二十億円、住宅公庫へ九十五億円、住宅公団へ七十五億円などそれぞれ出資するというのでありますが、約五カ月間空白が生じましたが、この間、輸銀、商工中金など、いかにやりくりをしてきましたか、お伺いをいたします。
 最後に支払い方法についてでありますが、御承知のように、対米貿易は入超で、片道であります。その上、ドルで支払うということは、貿易構造上からいっても思わしくないことであります。何ゆえに円貨で大部分を支払うようにしないのか。この対米要求は日本としては当然ではありませんか。今後の支払い交渉の基本的態度を承りたいと思います。これは総理大臣にお願いをいたします。
 なお、十五カ年間の返済年次別財源計画が全然示されておらないのでありますが、この際、大蔵大臣から逐一御説明が願いたいと思います。
 以上をもって私の質問を終わります。(拍手)
  〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。
 アメリカの対日援助につきまして、われわれが支払うという義務を感じて、先般、国会の承認を得たのでございまするが、その点につきましてはすでに御承知のとおりと思います。ただ、いろいろな問題につきまして、そこまで払う必要はないのじゃないかというお話でございます。
 その御質問の第一点は、アメリカの対日援助は、輸出補助金、輸入補給金に使われているのじゃないか、しかも、それはアメリカが得をして、日本が損をしている、こういうお話ですが、大へんな誤解だと思います。で、私は、特にこの誤解を解いておかなければならぬと思いますので、この沿革をこの際申し上げます。
 大体、アメリカからの対日援助は十八億ドルといわれております。しこうして、私が昭和二十四年の四月に見返資金特別会計を作りまして、アメリカの援助物資に相当する代金を積み置いた。すなわち、昭和二十四年からの分は、はっきりしているのであります。これが大体七億ドルあまりございます。そうして十億ドルばかりのものはどういうふうに使われたか。すなわち、当時日本の綿製品をアメリカに持っていきますと、二百七十円の綿製品だったら一ドルに売れます。生糸だったら四百二十円の生糸を持っていかなければ一ドル取れない。医薬品その他の一般工業品は、六百円のものを持っていって一ドルになるのであります。しからば、その差額はどこから出たか、こう申しますと、これはやはり日本のものを高く買って安く売らなければ国際価格に合いませんので、生産者のためにその輸出補給金を出したのであります。また、輸入いたしました外米も、一石五千円から六千円の外米を、昭和二十一年には五百円からで配給したじゃありませんか。昭和二十四年に私は米価を上げて四千三百円にしたのですが、なおかつ、千数百円の赤字が出ました。これを何で埋めたかといったら、これはアメリカの対外援助の換価金並びにわれわれの租税で埋めておったのであります。それだけ消費者が安いものを食べた、こういうことに相なるのであります。ですから、決してアメリカが得をして日本が損をしたという計算にはならない。しかも、今回払います四億九千万ドルというものは、見返資金で貯め置いた七億ドルの一部じゃありませんか。こういうことをよくお考え下さいまして、国際的にも聞こえておりますことでありますから、あまりに無理なことを言いますと、よその人にも日本人はどうこうというようなことを疑いを持たれても私は困ると思います。(拍手)しかも、日本と同じ立場におりますドイツは、やはり終戦処理費の問題でも、ドイツの終戦処理費は百二十五億負担しておるのであります。日本の倍負担しておる。そうしてその金をすでに払っております。われわれは国際的に日本の立場を考えて、そうして日本人の誇りを持って返すべきものは返すということがやり方であろうと考えます。
 また、阿波丸に対しての請求権を放棄した一これは衆参両院の決議によりまして、放棄しろという決議がありましたので、われわれは放棄したのであります。しかもこの阿波丸の損害金は、大体見積もりますと四十三、三万ドルでございます。向こうからの援助は十八億ドルぐらいであります。この分で払ったのだから棒引きにしろという考え方は、そろばん上、出てこないと思います。しかもわれわれは、これを国会の決議によりましてそういう放棄の手続をとったのであります。
 また、広島の原爆の問題とか領土問題等は、条約によりまして、平和条約の十九条の(a)によって放棄したのであります。放棄したことがいいか悪いかという問題は、これは日本が負けましたので、負けましてからの平和処理としてやむを得ないことだと考えておるのであります。
 なお、日本の物資でもって払う、すなわち円でもって払うことにしたらどうか――われわれは、日米の教育文化のための二千五百万ドルは円で支払うことにしておりますが、大部分はドルで払うことにいたしております。これは、なぜそういうことにしたかといったら、十八億ドルのうち四億九千万ドル、しかも十五カ年――ドイツはもうすでに払ってしまっております。十五カ年で分割払いだ、こういうことから考えてみますと、われわれは円で払うということは一応主張いたしましたが、交渉の経過によりまして、私は、金額を少なく期限を長くして、ドル払いのほうが、国のためになると考えた次第でございます。(拍手)
  〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(田中角榮君) 総理大臣がお答えになられた分を除きまして、私からお答え申し上げます。
 第一は、ガリオア・エロアを産投会計より支払いをせず、賠償特別会計より支払ったほうがいいのではないか、また新しい特別会計を作ったらどうかという御意見でありますが、米国対日援助見返資金特別会計の資産を承継をした産投特別会計の負担として、同会計の見返り資金関係資産収入分をもって支払いを行なうことが妥当だと考えておるわけでございます。三十七年度の産投会計予算にガリオア等債務支払いのため七十九億円が計上せられて、すでに国会の議決を得ておるわけでございます。したがいまして、ガリオア等債務を賠償特別会計から払うとか、また新たに特別会計を作る考えは持っておりません。
 第二の問題は、産投会計より支払えば、原資がふえず支払いが増すから、一般会計より債務に見合う金額を余分に繰り入れるのではないかという御懸念でありますが、産投会計が今後どのように投資財源を必要とするかは、明年度以降の財政投融資政策の問題でありまして、かりに一般会計からの繰り入れが増加をいたしましても、他の必要性からくるものでありまして、ガリオア債務とは別個の問題であると存じます。
 第三点は、ガリオア等債務支払いを産投会計より支払うため開発銀行の貸付に支障を来たし影響するのではないか。すなわち、ガリオア等債務と開銀融資の関係についてのお尋ねでありますが、ガリオア支払い計算の上では、支払い財源に、開銀の納付金、開銀貸付金回収金を充てることになっておるわけでございます。開銀は、法令によりまして、従来御承知のとおり納付すべき国庫納付金や期限の到来した納付ないし返済をするだけでありまして、ガリオア支払いを産投会計よりするからといって、開銀融資の圧迫にはならないわけであります。
 第四点は、産投国債発行を考えておるのではないかという御懸念でありますが、産投国債の発行は考えておりません。
 次に、開銀の性格、機構の整備等のお話がございましたが、開銀は政府関係機関である以上、政府政策の重点に即応して、その貸付対象、業種やウエートの置き方等、漸次変わって参りますので、これに対応した機構を整備していかなければならないと考えます。
 それから前国会で本法律案が廃案になりましたために、一般会計からの二百三十億円の繰り入れが不可能になったわけでありまして、一体そのやりくりは現在どうしておるのかというお話でございますが、三十七年度産投会計の投資計画は、一般会計より二百三十億円、それから産投資金の取りくずしと固有原資を合わせて五百三十二億円の出資を行なうことになっておるわけでございます。現在のところ産投出資の取りくずしや固有原資によってまかなっておるわけでありますが、せっかく考えた二百三十億円が本法律案未成立のために出資ができませんので、事実上は困った金繰りになりつつあります。その意味において、すみやかに改正法案の成立をお願いいたしたいと考えておるわけであります。
 それからガリオア等は開銀の納付金と利子でまかなうことになっておりますので、海運界に対する貸付金が非常に大きくなっており、これからも貸付が必要になるのに、一体支障を来たさないか、また海運やその他のものに融資した場合、ガリオア債務の支払いの財源が困らないかという御質問でありますが、先ほども申し上げましたとおり、債務支払いは納付金と利子でまかなうことになっておりますので、これがガリオア債務に回さないとしても、当然、約定により、時期がくれば産投会計に納付もしくは返済をする金でありますので、計画は別に苦労があるわけではないのであります。
 それから開銀が必要といたしております海運対策についてでありますが、御承知のとおり海運対策が必要であることは、院の決議もあり、また政府もそのとおり考えておるわけでございます。その意味で、わが国の経済発展に及ぼす海運の基幹産業としての重要性を十分に認識をしておりまして、現状の内容、体制その他が、お互いが海運界に望むほど理想的な形態でないことも十分承知をいたし、ために海運企業整備に関する特別措置法を提案をいたしておるわけでございます。
 次に、十五年間の支払い債務の内訳に対しての御質問でございますが、この総額は四億九千万ドルでございます。これは前期後期に分けて十五年間で支払いをするという計画を立てておるわけでございまして、前期の十二年間に対しまして四億四千万ドルでございます。しかも十二年間は半年年賦といたしまして、一回の賦払い額が七十九億五百万円という金額でございます。それから後期の三年間は五千万ドル、すなわち百八十億円でありまして、十三年目より半年分ずつの第一回分は三十一億三千三百万円として、第一回から十二年目一ぱいの二十四回期に比べて、非常に減って参るわけでございまして、その意味では、財源につきましても、上の十二年間においては収支とんとんでありますが、下期の支払いに対しては、多少財源が残るという計算であります。
 残余の詳しい御質問に対しては、委員会でお答えを申し上げたいと存じます。(拍手)
  〔国務大臣綾部健太郎君登壇、
  拍手〕
#9
○国務大臣(綾部健太郎君) お答え申します。
 海運の重要であることは、総理の所信演説の中にも明記してありますし、また、ただいま大蔵大臣もさようなる言明をされましたような次第で、私といたしましても、その重要性にかんがみ、何とかいたしたいと考えておりまして、現に海運企業の整備に関する臨時措置法というのを衆議院に提出いたしまして、これが今継続審議中でございます。この法案は、海運造船合理化審議会その他諸方面の意見をしんしゃくいたしまして、これで多大の効果をあげ得るものと私は確信いたしております。もしそれでできない場合には、さらに皆様方の御協力を得まして、対策を考えたいと存じております。(拍手)
#10
○議長(重宗雄三君) これにて質疑の通告者の発言は終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。
 次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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