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1962/08/28 第41回国会 参議院 参議院会議録情報 第041回国会 農林水産委員会 第4号
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1962/08/28 第41回国会 参議院

参議院会議録情報 第041回国会 農林水産委員会 第4号

#1
第041回国会 農林水産委員会 第4号
昭和三十七年八月二十八日(火曜日)
   午前十時二十三分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻井 志郎君
   理事
           中野 文門君
           堀本 宜実君
           安田 敏雄君
           北條 雋八君
           森 八三一君
   委員
           井川 伊平君
           植垣弥一郎君
           木島 義夫君
           重政 庸徳君
           仲原 善一君
           温水 三郎君
           藤野 繁雄君
           山崎  斉君
           大森 創造君
           北村  暢君
           戸叶  武君
           渡辺 勘吉君
           天田 勝正君
  衆議院議員
   修正案提出者  田口長治郎君
  国務大臣
   農 林 大 臣 重政 誠之君
  政府委員
   農林政務次官  大谷 贇雄君
   食糧庁長官   大澤  融君
   林野庁長官   吉村 清英君
   水産庁長官   伊東 正義君
   水産庁次長   村田 豊三君
  説明員
   農林大臣官房
   総務課長    石田  朗君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠互選の件
○漁業法の一部を改正する法律案(第
 四十回国会内閣提出、衆議院送付)
○水産業協同組合法の一部を改正する
 法律案(第四十回国会内閣提出、衆
 議院送付)
○農林水産政策に関する調査
 (農業協同組合の米の手数料に関す
 る件)
 (カラマツの先枯病対策に関する件)
○連合審査会開会に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を開きます。
 まず、お諮りいたします。
 青田源太郎君から理事を辞任いたしたい旨の申し出がありましたが、これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、この際、その補欠として、委員長は理事に堀本宜実君を指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。
#5
○委員長(櫻井志郎君) これより漁業法の一部を改正する法律案及び水産業協同組合法の一部を改正する法律案を一括議題とし、それぞれ提案理由の説明並びに補足説明を聴取し、引き続き、衆議院で修正された漁業法の一部を改正する法律案の修正点について説明を聴取することにいたします。
#6
○政府委員(大谷贇雄君) 漁業法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。
 わが国の漁業は、総じて申しますと、戦後漁場の拡大と技術の進歩によりまして、目ざましい発展を遂げておりますが、漁業経営体の大部分を占めます沿岸漁業は、一部の養殖業を除き不振であり、また、沖合遠洋漁業は、漁業種類により、経営規模によりまして生産性の格差が著しく、その経営は必ずしも健全とは言いがたい状況でございます。これに加えて、近年遠洋漁場における国際的制約も年々きびしさを増しており、また、近時漁船の性能向上による稼動範囲の拡大等に伴いまして、沿岸沖合漁場における漁業調整も次第に困難の度を加えて参っておる実情でございます。
 このような事態のもとにおきまして、今後のわが国漁業の健全な発展をはかって参りまするためには、沿岸漁業の中の発展的漁業のより一そうの伸長を期し、不振漁業の漁業転換を促進する等、弱小経営の体質の改善をはかるとともに、沿岸沖合漁場における漁業調整の広域化と合理化を推進める等の諸施策を強力に実施し、漁場利用の合理化と漁業経営の近代化を推進する必要があると存ずるのであります。
 このような考えのもとに、政府は、かねて水産庁に漁業制度調査会を設置し、漁業制度の改善に関しまして調査審議をお願いいたして参りましたところ、昨年三月その最終答申を得ましたので、この答申を参酌し、これに広く各界の意見を加味いたしまして、この法律案を取りまとめ、国会に提出いたした次第であります。
 次に、法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一は、漁業権制度に関する改正であります。まず第一点として、現行法制定後における漁業事情の推移に応じ、特定地域における定置漁業の一部、真珠母貝養殖業、小割り式養殖業等を、漁業協同組合等が管理する場合に優先的に免許するいわゆる管理漁業権に加える等、漁業権の分類を再整理することといたしました。
 第二点といたしまして、いわゆる組合管理漁業権につきましては、漁業協同組合の組合員がこれを平等に行使することに伴う経営規模の零細化、弱小経営の乱立の弊を是正するため、従前の実績を有する者等の同意を前提としつつ、漁業権を行使し得る者を特定の資格を有する者に限ることができることを明確にいたしました。
 第三点といたしまして、漁業免許の優先順位に関する規定を改正し、定置漁業につきましては資本の導入と経営の合理化を促進するため、地元漁民の大多数が直接構成する漁業協同組合等のほか、これらの漁業協同組合等が議決権と出資の過半を占める法人にも免許の第一順位を与えることとし、また、新規漁場におけるノリ漁、カキ養殖業等組合管理の区画漁業につきましては、地元沿岸漁民のこれら発展的漁業への転換吸収を容易にするため、地元沿岸漁民の大部分を含む漁業協同組合等を最優先とすることとし、さらに、新規漁場における真珠養殖業の免許につきましては、地元漁民の大多数により構成され、真珠養殖業の経験者を含む漁業協同組合がこれを営もうとする場合には、従来最優先とされた真珠養殖業者と同順位とし、いずれに免許するかを知事の勘案にゆだねることといたしました。
 以上のほか、定置漁業権及び管理漁業権以外の区画漁業権につきまして、経営上の要請を考慮して、当該漁業の経営に必要な資金の融通のためやむを得ない限度において抵当権の設定等を認めることとし、これに伴って、漁業権の移転の制限を一部緩和する等の点につきまして所要の改正措置を講ずることといたしております。
 第二は、漁業許可制度に関する改正であります。まず第一点として、従来大臣許可漁業の根拠規定及び許可の方式が必ずしも統一的でなかったのを改め、指定漁業として政令で指定するものにつき今後の漁業の健全な発展に資するような形においてその許可方式を統一的に規定し、あわせて許可事務の適正、円滑な処理をはかることといたしました。すなわち、その許可は、指定漁業ごとに許可すべき隻数その他一定の事項を公示して行なうもとし、許可の申請隻数が公示隻数を上回るときは、当該漁業の経営の安定合理化、不振漁業の転換、漁業従事者の経営者としての自立の促進等の諸要請を政策的に判断して許可の基準を定め、これに基づいて許可をするものとし、また指定漁業ごとに許可期間の一斉更新制を採用して、許可ワクを漁業の実情に即して修正し得るようにする等、適切な漁業調整を確保する措置を講ずることとしております。この場合、実績尊重の規定を設け、従来許可を受けて漁業を営んでいる者の経営の安定を不当に阻害することのないよう配慮いたしております。従来指定漁業について、許可船舶の承継に伴い広い範囲で認められている承継許可につきましては、許可の権利化と集中化を可及的に排除する見地に立ち、その範囲をできるだけ限定することといたしました。なお、母船式漁業につきましては、母船及び独航船等が船団を構成し、一体として行なう漁業である実態に応じ、その許可の方式等を整備することとしております。
 漁業許可制度に関する改正の第二点は、いわゆる大臣ワク知事許可漁業に関してでありますが、中型まき網漁業につきまして、都道府県相互間の入会状況を考慮して、その一部を大臣許可に移すとともに、国際関係から問題のある小型サケ、マス流し網漁業を新たに大臣ワク知事許可漁業に加えることといたしました。
 第三は、漁業調整機構に関する改正であります。近年における漁船の稼動範囲の拡大等に伴い、広域的な漁業調整をはかる必要性が強まっておりますため、政府は、別途海区漁業調整委員会の海区の範囲を原則として一県一海区程度に整理統合いたしましたが、その一環として海区漁業調整委員会の委員の定数を増加しますとともに、あわせて選挙委員と選任委員の比率、委員の任期等につきましても、所要の改正を加えることといたしました。なおそのほか、県間の入会関係が錯雑している玄海の漁業調整の円滑化をはかるため、水産庁の付属機関として現地に玄海連合海区漁業調整委員会を設置し、その漁業調整に当たらせることといたしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げます。続いて水産業協同組合法の一部を改正する法律案につき、その提案理由を御説明申し上げます。
 水産業協同組合は、漁民の協同組織として全国の津々浦々において活動を続けており、わが国の漁業の発展と漁民の経済的社会的地位の向上に重要な役割を果たしているのであります。
 しかしながら、近年における沿岸漁業及び一部の沖合漁業における経営の、不振を打開し、漁業振興のための諸施策を推進するには、漁業協同組合その他水産業協同組合の経済活動を強化し、その健全な発達をはかることが必要と考えられるのであります。そのためには、従来とられて参りました組合の育成強化の措置をより強力に推進するほか、組合の組織を漁業と漁民の実態に即応するものとし、かつ、組合の運営が一そう活発な経済活動を行ない得るように組織及び運営に関する制度を改める必要があると存ずるのであります。
 このような観点から、かねて水産庁に漁業制度調査会を設置いたしまして、水産業協同組合制度を含めた漁業制度全般につきましてその改善策を御審議願っていたのでありますが、昨年三月に最終答申がなされ、この答申を参酌し水産業協同組合の組織及び運営等につきまして所要の改正を行なわんとするのがこの法律案を提出いたしました理由であります。
 次に法律案の主要な内容につき御説明申し上げます。
 第一は、漁業協同組合の組合員資格についての改正であります。その第一点は、漁業協同組合の構成員の純化をはかり、その活発な活動を期するため、漁民の正組合員資格要件である漁業日数の下限を引き上げ、またいわゆる地区漁協にありましては正組合員を漁業経営者に限る組合を設立し得る道を開き、また業種別組合にありましては、経営者の組合としての性格を明らかにしたことであります。その第二点は、最近個人経営が法人経営へ移行する傾向があることにかがみ、従来准組合員でありました漁業生産組合及び小規模な漁業を営む法人を正組合員に引き上げ、かつ、准組合員につき漁業を営む法人の資格制限を緩和するほか、小規模な水産加工法人及び漁業協同組合相互の加入の道も開いたのであります。
 第二は、組合の管理及び運営についてでありますが、これらにつきましては、役員の義務及び責任の明示、商法の所要規定の準用、剰余金の出資割配当の限度の引き上げ総代の総会外における選挙制の採用等を行ない組合運営の円滑化をはかるほか、設立の認可の基準にある程度の行政庁の裁量の余地を設けまして、弱小組合の乱立の弊を防止することといたしているのであります。
 第三は、漁業を自営する漁業協同組合及び漁業生産組合につきまして、漁村における近年の漁業労働事情及び資本導入の必要性等を考慮して、組合の営む漁業に従事する者のうち組合員の占めるべき割合を三分の二から二分の一に緩和し、生産組合の一組合員が有することができる出資口数の制限を廃止したのであります。
 第四は、漁業協同組合連合会につきまして、会員たる漁業協同組合または同連合会が主たる出資者または構成員となっている法人に准会員の資格を与えるほか、信用事業を行なう連合会につきましては、その事業を漁業協同組合の組合員が直接利用できる道を開くとともに、その事業に農林中央金庫等の代理業務を加えることにしたのであります。
 以上申し上げました諸措置のほか、行政庁の監督規定を整備する等、組合の健全な発達を確保することにいたしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ慎重に御審議の上すみやかに御可決下さるようお願いいたします。
#7
○政府委員(伊東正義君) 政務次官から提案の理由御説明になりましたが、私から補足説明を申し上げます。
 最初に漁業法につきまして申し上げます。今御説明ありましたようにわが国の漁業につきましては、漁獲高等におきましては六億万トンをこえまして、世界第一番という飛び離れた漁獲高等におきましては、世界有数の水産国としての実を上げておるわけでございますが、沿岸漁業の一部、養殖事業でございます、そういう一部を除きまして全体として見ますと、生産性は低い。また、沖合遠洋漁業等におきましても、経営いろいろまちまちでございまして、生産性の格差も非常に違っておるということでございます。また、不安定な経営も多うございます。また近ごろ特に国際漁業、日ソでございますとか、あるいは熱帯マグロ委員会でマグロの問題でございますとかというような国際的な制約もだんだん強化されております。また、漁船等も非常に性能の向上に伴いまして、従来考え及ばなかったような漁業上の制約も出てきておるというようなことで、漁業調整につきましてもなかなか困難な問題が出ておりまして、世界有数の水揚げはいたしておりますが、内部には多くの問題がございまして、わが国の漁業の健全な発展を今後はかって参ります上には、各種の漁業振興施策をやりますほかに、漁場の利用の改善合理化ということが不可欠であるということは先ほど政務次官が御説明になったとおりでございまして、こういう事情から政府におきましては、漁業制度調査会というものを設けまして、二年の長きにわたりましていろいろ御審議を願い、答申もございましたので、それに基づきましてこの漁業法並びに水協法を御審議願うというような段取りにいたしておるわけでございます。
 漁業法の改正の大きな点は三つございまして、第一が漁業権制度の問題でございます。第二番目は許可制度の改正、第三番目は漁業調整機構の改正、三つございます。まず第一点でございます漁業権制度の改正から申し上げます。
 漁業権制度につきまして改正いたしました第一点は、漁業権の分類とその内容につきまして整理をしたことでございます。漁業権、御承知のように定置漁業権、区画漁業権、共同漁業権、三つございますが、そのうち定置漁業につきまして実は若干内容をいじっております。それは青森県陸奥湾におきます定置漁業というもののやり方が、現在規定にあります共同漁業の中の第二種共同漁業の小型定置と大体同じような扱い方をしておる。法にもございますように、水深二十七メーター以上のものを大型定置として定置漁業権としておりますが、この場合は大体共同漁業権と同じような輪番行使とかいうようなことでやっておりますので、これはむしろ水深のいかんを問わず共同漁業権としたほうが、漁業権の行使上妥当であるということから、二十七メーターという法律規定がございますが、それよりあるいは深いところでありましても、これを一応共同漁業として取り扱うという点が第一点でございます。それから北海道につきましては、現在の法律で実は二十七メーターより浅い小型定置に、いわゆる共同漁業に該当するものが北海道におきましては大型定置漁業となっております。対象としましてニシンでありますとかイワシ、マス、サケというものを対象にしましたものが二十七メーターより浅いものでも、定置漁業権として取り扱っておりますが、最近はニシン、イワシ、マス、というようなものの回遊もだいぶ減りました。また共同漁業との問題もございますので、こういう例外はなるべくやめようということで、サケだけを除きまして、ほかのものは全部定置漁業から落としまして、共同漁業権としたということが、定置漁業権につきましての改正でございます。
 次は、共同漁業の改正でございますがこれはこの中に第三種共同漁業という中に「しいらづけ」という漁業がございます。これにつきましては、実は免許でやっております県と許可漁業で取り扱っております県と大体半々くらいございます。実は相当、沿岸から十数マイル沖というような所にも漁業権の設定があるというようなことで、いろいろ問題がございますので、これは漁業権の対象よりもむしろ許可漁業としたほうがいいのじゃないかということで、「しいらづけ」を落としておりますことのほかに、内水面の共同漁業につきまして、増殖義務のあります共同漁業とそれのない共同漁業とございますが、こういうものにつきましては競合する場合が多いので、これは両者とで、第五極の共同漁業に統一したことでございます。
 それから次は、いわゆる団体管理の漁業権でございますが、先ほど申し上げましたように、漁業権につきましては定置、区画、共同と三つございますが、もう一つ別の角度から団体管理漁業権というものの考え方をとっております。これは実は優先的に漁業協同組合に免許をしまして、漁業協同組合が漁業権を持って、それを組合員に行使させるという漁業権がいわゆる団体管理漁業権ということを言っております。これは定置、区画、共同の分類と別な面からながめた説明でございますが、この団体管理の漁業権につきまして、その内容につきまして整理を加えてございます。これは従来ありました共同漁業、ひび建養殖業、かきの養殖とか第三種区画漁業たる貝類の養殖をするというもののほかに新しく「そう類」、海草類の養殖でございますとか、いろいろ最近伸びております真珠母貝の養殖業あるいは小割り式というような、網等で小規模の魚類養殖業でございますが、こういうものはむしろ団体管理の漁業権になじむのじゃないか。組合が持ちまして組合員に使わしているということになじむ漁業権であろうということで、団体管理の漁業権に加えますとともに、内水面の魚類養殖につきましては、現在の免許を見ておりますと、ほとんど個人が多うございます。こういうものにつきましては、団体管理というよりもむしろ個人といいますか、そういうものの免許がいいのじゃないかということで団体管理から落としましたが、新しく魚類養殖とか真珠というものを団体管理につけ加えたという改正をいたしております。
 それからもう一つ、団体管理漁業権につきまして、その行使の方法でございますが、現在第八条に「(各自漁業を営む権利)」ということで、全部が定款の定めで平等で、だれでも使えるというような形になっておりますが、漁業の実態を見ますと、むしろ非漁民的と言っちゃおかしゅうございますかもしれませんが、おもに漁業を生業としている人以外の人等がどんどん入ってきておる。平等に行使させるというようなことで、むしろ経営規模がそのために零細化しておるというようなこともございますので、これは制度調査会の答申にもございますが、今後なるべく漁業を企業として考えていくというような場合には、そういう形でなくて、行使規則というものを作って、ある程度資格の制限等もする必要があるのじゃないかという答申も上がっておりますが、そういうことに実は改正をいたしております。しかし改正はいたしておりますが、そういうことによってむげに今まで漁業権の行使をした人が使えなくなるということのないようにということで、関係者全員のうちの三分の二以上の書面による同意を得ました上で、さらに協同組合の総会で決議をするということ、その上にその規則といたしましては、知事の認可制をとるということで、それがあまりおかしな行使規則ができないようにということの防止はいたしておりますが、しかし経営規模の零細化を防いでいくというような事態から考えまして、行使規則を作るというふうに、従来よりも団体管理漁業権につきましては改正をいたしております。
 それから漁業権の第三番目にございますが、漁業免許の優先順位につきまして若干改善をいたしております。これは定置漁業権につきまして、従来はいわゆる協同組合の自営あるいは漁民が過半数を占めている会社というようなものが優先順位になっていたのでございますが、それと合わせまして第一順位の中に漁業協同組合とか、今申し上げました漁民が過半を占めている法人がまた別な会社を作る、出資をしまして別な会社を作る、いわゆる漁民会社でございますが、こういうものにつきましても、出資が過半数であり議決権が過半であるということであれば、資本の装備の高度化というような意味でそういういわゆる漁民会社というようなものも適当じゃないか、優先順位適当じゃないかということで第一順位に入れましたことが、従来と変わっております。
 それからもう一つはいわゆる網組というようなものが、いわゆる人格なき社団でございますが、従来の法律では、これは第一順位になっておりました。なっておりましたが、こういうものにつきましては、これはいろいろ運営その他にも問題も若干ございますので、こういうものは優先順位からは法律的には落とす。そしてこういうものを、先ほど申しました漁民会社でございますとか、あるいは協同組合というはっきりした法人格を持たしたものに指導していきたいということを考えておりますが、そうは申しましても、一挙にこれをなくしてまうこともいろいろ問題ございますので、法律の上では落としておりますが、附則で当分の間は従前どおりということにいたしております。この法律を御審議いただいて漁業権のの免許をいたしますのは来年の八月以降からでございますが、その場合には人格なき社団を従前どおりにしていく。その後水産庁としましては、先ほど申し上げましたような形でこれは指導をして直していきたいというふうに考えております。
 それからもう一つ漁業権につきまして、団体管理の区画漁業につきまして、新規な漁場におきましては、これは漁業協同組合というものを優先的に取り扱っていくということのほかに、もう一つは真珠養殖につきましては、これはいろいろ実は免許について問題ございましたが、従来どおりの経験者優先という形をとっておりますが、真珠の新しい漁場につきましては、これはいろいろ問題もございますし、その地先の漁民が全然使えなくなるというようなことにならぬように、協同漁業組合が利用するというような場合には、ほかの場合でございますと、経験者が過半の場合に初めて経験者とみなすというようなことになっておりますが、真珠の場合におきましては、経験者が一人でもあれば経験者とみなしましてほかの真珠養殖業者と対等の取り扱いをして同一順位としてものを考えていこうというような例外の規定を置いております。
 それから漁業権の第四番目でございますが、存続期間の問題がございます。存続期間につきましては、実は現行法どおり原則として共同漁業権は十年でございますが、その他の漁業権は五年間ということにいたしております。しかしその中で大規模の魚類養殖、あるいは真珠の養殖につきましては、資本の投下量あるいは生産期間が非常に長いというようなことを考えまして、実は十年にするということにいたしております。また現行法では更新制度ということがございまして、附則でこれは当分の間適用しないというようなことをいたしておりますが、今度の改正点では、ある期限が来ましたならばみんな更新でなくてその漁場をどう使うのだという新しい目でその漁場を考えていくというようなことで、更新制度ということは実はとっておらぬわけでございますが、この点に関しましていろいろ問題がございまして、実は衆議院のほうでいろいろな修正があったわけでございます。
 それから第五点でございますが、漁業権につきまして従来は移転につきまして法は認めてございましたが、附則でまだこれを当分適用しないというようなことをいたしておりますが、いろいろ資本導入その他の点を考えますと、定置漁業権なり、あるいは組合が持っている漁業権以外の区画漁業権というようなものにつきましては、一部抵当権の設定、移転等を認めてもいいのじゃないか、ただしその場合でも漁業権の免許につきまして適格性というようなことをやっておりますので、移転する相手も適格性がなければいかぬというような制限はございます。また知事の認可にかけるというようなことで、この漁業権がせっかく免許したものが転々また移動して資格のないものにいったりはしないようにというようにいたしておりますが、条件をつけまして移転は認めたほうがいいだろうというようなことをいたしたことでございます。以上が漁業権制度に関する改正でございます。
 次は許可制度でございますが、許可制度は大臣許可と知事許可という二つございます。
 改正を加えましたのはおもに大臣許可制度でございます。
 大臣許可につきましては、今政務次官からその御説明がありましたように、今の漁業法におきましては指定遠洋漁業ということで、大型捕鯨、以西トロール、以西底びき、遠洋カツオ・マグロというような名前をあげまして指定遠洋漁業ということをやっております漁業のほかに、法律の六十五条でこれは省令で大臣許可ができるということになっております。この漁業法をやります場合には大型捕鯨業、以西トロールというものは資本漁業であるというようなことでこういうようなふうにあげておりましたが、現在考えてみますと、省令でやっている中にも母船式漁業でございますとかというものはみんな実は省令で規定されておりまして、法律上これを区別するという理由もございませんので、今度は一本に実はいたしまして指定漁業というふなことにいたしておるわけでございます。また現在はそのほかに指定漁業につきましては、新規漁業の場合は原則としてくじ引きでやる、文字どおり平等主義といいますか、そこに政策意図等を加えないで全部くじ引きでやるというようなことになっております。また継続許可といいまして、だれでも転々売買といいますか譲れるというような形になっております。これにつきましては、今度は、今の先ほど申しましたように、指定漁業とその他の漁業を区別する理由もございませんので、改正をいたしましたし、くじ引き、承継許可というようなことについても実は改正を加えたわけでございます。それはそういうことをやっておりますと、実は許可等が非常に権利化する、あるいは資本のある人にはだれでも買えるというようなことになっておりますので、非常に集中してしまうという面も見られます。今申し上げましたようにくじ引きということでやりますと、政策意図が全然入り得ないというようなこともございますので、今度は沿岸から沖合いに出ていくとか、あるいはどうしても資源の問題、国際的な問題で転換されなければならぬ、あるいは乗組員の人が自立して経営者になりたいというよううな場合には、今後は新規許可を認めようというようなことに実は変えましたので、今のくじ引き方式というようなことは実はなくしてしまったわけでございます。それと一諸に先ほど申し上げましたように指定遠洋漁業というものとそのほか区別してございますが、区別する理由もございませんので、指定漁業としまして、政令でこれをきめていこうというような改正をいたしたわけでございます。
 許可漁業の第二点でございますが、これは、現在は中審とか、そういう中央漁業調整審議会とか、そういうところにも全然かけませず、公示もせず、行政庁で許可をするという形をとっておりますが、今度は一定期間前までに、大体三カ月前までに公示をしよう。大臣許可としてこういうものについて許可をしますというような公示をして、トン数別、隻数別というようなものをまず公示制をとろう、オープンにしてやろうじゃないかというようなことをしましたのが一点でございます。
 それから、先ほど申し上げましたように、新規の場合はくじ引きというようなことでございましたが、今度は政策意図を入れまして、先ほどのように、沿岸から沖合いへ出て行きますとか、あるいは従事者が自立したい、経営者としてやっていくというような場合でございますとか、あるいは一ぱい船主が二はい船主になるというような、経営の安定をするというような場合には、やはり基準をきめまして、そういう基準で政策意図を入れて許可をしていこうというような基準を作っております。今申し上げましたように、許可基準を作りまして、公示制をとっていくというのが原則でございますが、ただ例外といたしましては、一回許可をもらった船舶の入れかえをするという当然の場合は、公示制をとらぬ場合がございます。
 それから先ほど、だれでも転々許可が移ることを認める、現在の法律はそうなっておりますので、いろいろな集中化、権利化という弊害が出ているということを申し上げまして、原則としては、今度はだれにでも売れるというようなことでなく、許可を承継できる人を制限しようということで、先ほど申し上げましたような新規の許可をするという政策意図を入れますということを申し上げましたが、そういう人に限って譲り受けることができるということをいたしまして、従来のように、だれでも売れるというようなことは実はやめたわけでございます。
 それから、許可漁業につきまして、そのほかにとりましたもう一つの考え方は、一斉更新制度をとろう。現在は、実は許可の期間は五年以内でございますが、カツオ・マグロの例をとって申し上げましても、一斉にある時期がきたときに許可の期間が切れるのではなくて、ぼつぼつと許可の期間がくるわけでございます。これは漁業から見ますと、国際的な問題、あるいは資源の問題というような問題につきまして、ある時点で一斉に振り返ってみるということがどうしても必要でございますので、今度は許可は一斉に許可期間が切れるように、五年後、あるいは三年後と、漁業によって違いますが、そういうふうに許可期間の一斉更新ということをいたしたわけでございます。そういたしますと、従来許可を持っていた人も一斉に許可が切れてしまいますので、不安だという問題もございますので、その場合には、実績者につきまして、その人が平穏に漁業をやっている、また許可をするワクもあるというときには、実績者については優先して許可をしようということで、一斉更新はとりますが、平穏に漁業をしていた人については、許可をまた新しく認めますというようなことをいたしているわけでございます。それで、今申し上げましたような公示のワクをきめますとか、あるいは許可の基準をきめますとか、いろいろ重要なことがございます。あるいは、どれを大臣の指定許可漁業にするかというようなことは、ひとつ全部中央漁業調整審議会というところに諮って、それをきめようということを実は今度は考えております。従来中審がございますが、漁業法にございますが、その活用の仕方が不十分でございましたので、今度は重要なことは全部漁業調整審議会に御相談をするというようなことにいたしまして、中央漁業調整審議会を活用するということをはかりましたことともに、従来は農林大臣が会長というふうなことをやっておりましたが、こういうこともやめまして、会長も互選をしていただく。また、委員のほうも漁業及び漁業従事者のほうの数をふやすというふうな改正をいたしております。
 それから大臣許可の最後の点で、これも非常に問題になったのでございますが、母船式の漁業につきまして若干の改正をいたしております。母船式漁業はいろいろございますが、典型的な母船式漁業は、北洋の母船式でございますが、これは従来は母船会社が許可をもらいまして、どの独航船を連れていくかということは、母船会社が農林大臣の承認を受けるというような型になっておりまして、独航船等の法律上の地位が非常に不明確といいますか、弱いといいますか、そういうことになっておりましたが、今度の改正では、母船式漁業につきましては、母船も独航船も対等な立場で許可を受ける。ただ、母船式漁業の性質として、一体として操業する必要がございますので、許可を受けます場合には、どの母船についていって操業するから許可をほしいというようなことで、母船も明示はしてもらいますが、今まで許可をもらいませんでしたのを、独航船もはっきり許可をもらうというようなことで、法律上の地位を明らかにしたことでございます。
 以上が、大臣許可漁業の改正でございますが、もう一つ、法律の六十五条で知事許可漁業というのがございます。これはこの法律に基づきまして、各県が漁業取締規則というものを出しておるわけでございますが、この知事許可漁業につきまして、現行の法律にございますものを若干直しました点がございます。それはまき網につきまして、従来は六十トン未満のものは知事許可でございましたが、もうそれ以下のものでも数県に入り会って操業するというような形になっておりますので、これは一県単独の県の知事さんの許可にいたしますよりも、大臣の許可にしたほうがむしろいいということで、四十トン以上を大臣許可にいたしましたことと、もう一つは、特に北洋で問題になっておりますサケ・マスの流し網漁業がございます。これは三十トン未満は知事許可ということで、実は知事さんがぽんぽん許可をされるというようなことで、特に日本海等におきまして、現在六百隻ぐらいございます。資源は非常に減っておる。一時、二万トンぐらいとっておりましたのが、現在五千トンぐらいになって経営が困難だという事態を引き起こしておりますが、そういうサケ・マスの流し網の漁業につきまして、大体どのくらいのワクを許可したらいいだろうということを農林大臣がワクづけをするということが適当ではないかということで、今度知事許可漁業の中でワクづけ漁業にこれをいたしておるわけでございます。知事許可漁業改正は以上でございます。
 最後の第三点が、漁業調整機構に関する改正でございますが、実は今年の八月八日に海区の調整委員会の委員の選挙をいたしました。大体一県一海区というような原則、例外はもちろんございますが、というようなことをやっております。従来は、委員が十人でございましたが、これを海区を大きくするというような関係もございますが、十五人とする、委員の数をふやしております。そのほかに、委員の任期につきまして、従来二年でございましたが、二年という任期では非常に短くていろいろな仕事がやりづらいということがございますので、任期を四年にするという改正をいたしておりますことのほかに、従来いろいろ問題があります海区には、連合海区漁業調整委員会というものを設けてありますが、たとえば有明でございますとか、瀬戸内海とかいうところにございますが、そのほかに玄海につきまして、長崎、福岡、佐賀の入会が非常に錯雑してむずかしい問題がございますので、玄海につきまして漁業調整委員会を常設するという法律改正をいたしております。
 そのほか、内水面の漁業につきましては、これは問題もございますが、遊漁規則というものをはっきり知事の認可を受けて作りまして、入漁料は一体、幾らぐらいを取るというようなことは、入漁規則を作って、知事さんの認可を受けるというような改正をいたしたわけでございます。
 以上が、だいぶ長くなりましたが、漁業法の一部を改正する法律案でございます。
 次に、引き続きまして、水協法の一部改正の法律案につきまして、若干御説明いたしたいと思います。
 この法案も、先ほど申し上げましたように、漁業制度調査会の答申をいただきまして、漁業制度の改正の一環として御審議を願うことにいたしたわけでございます。この改正点の一番大きな点は、先ほど御説明がありましたように、協同組合の組合員の資格というものを改めたことが、この法案の改正の一番大きなねらいでございます。その中で、まず、議決権、選挙権を持っております正組合員の資格でございますが、現行では、三十日から九十日、一年に一カ月から三カ月の間で、漁業に従事する者の間から正組合員にするというようなことになっておりましたが、こういたしますと、先ほど申し上げましたような非漁民的な者が正組合員に入りまして、組合の運営をやっていくということにも相なりますので、これはある程度、組合というものを、漁業者らしい組合にしようじゃないかということで、資格を九十日から百二十日という間に引き上げたことが一点でございます。これは、実は、漁業協同組合等からも、非常にこの要望は強うございまして、県の公聴会等をやりましたときも、大部分は、これをやってくれというようなことでございます。しかし内水面は若干事情が違いますが、内水面につきましては、従来どおりになっております。そのほか、正組合員につきまして、従来は、法人というものは、一切、正組合員になっておりませんので、准組合員ということになっておりましたが、最近のいろいろな経済情勢、法人成りというようなこと等から見まして、法人につきましてもある程度、これは個人に近いようなと思われる法人につきましては、正組合員にしてもいいんじゃないかということで、今度の改正では、まず、漁業の生産組合というものを正組合員にする、また先ほど申し上げましたように、小規模な法人につきましても、組合員とする、この法律の中にも書いてございますが、現在、准組合員の資格を持っています常時三百人以下、また船も三百トン以下というものであれば、これは、現在、准組合員になっておりますが、この程度までは正組合員にしてもいいじゃないかということで、法律の改正をいたした次第でございます。そのほうが、経済団体として共同販売事業なんかをやっていく上に、あるいは信用事業をやる上に、むしろ適当だということで、一部の法人を正組合員にしたわけでございます。
 それからもう一つ、正組合員の資格につきまして改正しましたのは、経営者と従事者という考えで、従来は業種別組合、御承知のように、カツオ、マグロの業種別組合でありますとか、まき網の業種別組合というものがございますか、こういう組合につきましては、従来でも正組合員にできるということになっておるのでございますが、今度は、地区の漁業につきましても、均一化をはかっていくというような意味で、経営者だけで組合を作ろうというときには、正組合員にしようというときには、そういう組合も作り得るということにしたわけでございますが、ただしこういうことをいたしますと、現在、正組合であった人が、全然排除されてしまうということになりますので、附則で、二年間の間に定款を変更することができるが、従来の正組合員は、必ず准組合員としては残しておきなさいというような規則を置きまして、従来の正組合従事者が、准組合員となりました場合にも、組合の施設の利用ができるというようなことにいたしております。
 それから次に、議決権と選挙権を持たない准組合員の資格の改正でございますが、これにつきましては、先ほど法人につきまして、一部正組合員にしたということを申したのでありますが、法人につきまして、准組合員の資格は、従来三百人、三百トンという制限がございましたが、今度は使用漁船総トン数が千トンまでの人は、ひとつ准組合員として、組合の施設の利用等を考えていこうじゃないか。業種別組合につきましては、二千トン三百人以下で、二千トンというふうなそういう人も、准組合員にでき得るというふうにいたしました。また水産加工業者につきましても、こういう人につきましては、どうも協同組合の施設を利用することが適当じゃないかということで、准組合員の資格を与える。あるいは小規模な水産加工業注入につきましても、准組合員の資格を与えるというようなことにいたしまして、准組合員の資格を非常に広げましたことと、日常をする協同組合がまたほかの大きな協同組合に加入するということもございますので、これも准組合員の資格を与えるというようなことで、範囲を広げてございます。
 これが今度の水協法の改正の一番大きな点でございますが、そのほかに、漁業協同組合の管理運営の円滑を期しますために、若干の規定の改正をいたしております。それの中で、項目を拾って申し上げますと、剰余金の配当につきましては、従来五分であったものを八分に上げますとか、あるいは役員関係につきまして、従来よりももっと協同組合の執行機関としての義務と責任を明確にするというような規定を置きましたこと、あるいは協同組合の合併をやっておりますので、そういうことで地区の拡大があります。そういう場合に、総会の成立の困難を緩和しますために、代理人が代理し得るのは、従来一人でございましたが、それを一人ないし三人にするというようなことをいたしましたこと、あるいは漁業協同組合の設立の際に、だれでも二十人以上であればできるということで、漁業権目当て等で漁業協同組合等が非常に乱立するおそれがございますので、今度は、ただ、もうその目的が達成できない、事業の経営的基礎を欠くというようなことを行政庁が認めました場合は認可をしない。あるいは認可後九十日たっても登記をしないというような、そういう組合につきましては、認可の取り消しをするというような、設立につきまして、若干の規制をするというようなことをいたしております。
 それから改正の第三点は、漁業の自営をします協同組合なり、あるいは生産組合につきましては、従来、従事者の規定を、やかましく三分の二以上が組合員でないと困るというようなことを言っておりましたが、最近は、いろいろ労働事情その他の関係もございますので、この制限を緩和して、二分の一でもいいのじゃないかということにいたしましたほかに、資本につきましても、生産組合につきましては、組合員の平均出資口数の二倍をこえてはいかぬというような制限をつけておりましたが、これにつきましては、制限をはずしまして、資本を持った人でも、そういう制限なしに、資本の導入ができるというようなことにいたしたわけでございます。
 それから第四点は、協同組合連合会でございますが、この連合会につきましては、漁連の関係では、准組合員としまして、協同組合が出資している、いわゆる漁民会社というようなものに、准会員の資格を与えますとか、あるいは漁連に金融機関の代理業務をさせますとか、あるいは協同組合員が直接組合を飛び越しまして、連合会からお金を借りるというようなことが現在はできないということになっておりますが、こういうものにつきまして、組合が不振であるというような理由で、なかなか個人が借りられなかった、あるいは個人の資金需要が非常に大きいということで、組合自体がそんなに規模も大きくないというような理由で個人が借りられぬというようなことがございましたが、今度は定款の定めさえあれば、個人が直接飛び越えまして、信連からお金を借りるというようなこともできるというふうに改正いたしたようなわけでございます。そのほか水産加工業協同組合等につきましても若干法人を准組合員にいたしますとか、二、三の改正をいたしております。それから現行法では、協同組合が一定の条件をこえるもの以外だけが独禁法の適用除外になっておったというようなこともございましたが、これは全部のものを独禁法の適用除外にしようというようなことにいたしましたり、若干組合の監督強化、あるいは全水協につきましての監督、あるいは通常総会につきまして便宜を与えるというような二、三の点の改正をいたしましたが、協同組合法の改正は、先ほど申し上げましたように、組合員の資格というものにつきまして一部限定し、一部広めまして、水産業協同組合が経済団体として、ある程度スポットを当てました経済団体として活動しやすいようにというような改正をいたしましたのがおもな点でございます。
 だいぶ長くなりましたが、以上が補足説明でございます。
#8
○委員長(櫻井志郎君) 引き続き漁業法の一部を改正する法律案の衆議院における修正点について説明を聴取することにいたします。
#9
○衆議院議員(田口長治郎君) 漁業法の一部を改正する法律案に対する修正点につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 この修正は、自由民主党及び民主社会党共同提案によりなされたものであります。
 御承知のとおり、第四十回国会内閣提出、参議院送付にかかる漁業法の一部を改正する法律案は、最近における漁業の実態の変化に即応して漁場利用の合理化をはかり、漁業生産力の向上に資するため、漁業権制度の改正を初め、漁業許可制度を整備し、あるいは、漁業調整機構を改善する等、漁業制度全般にわたって改正を行なおうとするものでありますが、なお、沿岸漁業の生産力を維持発展せしめる見地から、漁業の免許に関する規定につき若干の修正を行ない、沿岸漁業者の漁場を確保することに資することとするとともに、改正法案が前国会において成立に至らなかったことに伴い、施行期日の定め等につきまして所要の修正を行なう必要が生じて参りましたので、衆議院において修正いたすこととした次第であります。
 次に、修正点のおもな内容について御説明いたします。
 第一点は、いわゆる漁場計画の策定について基準を整備しようとすることであります。現行法においては、都道府県知事は漁業の免許について、免許の内容たるべき事項、申請期間等を事前に決定すべきことを規定しておりますが、この決定をする基準及びその時期等については法定しておらず、関係漁業者の不安を招いているうらみがあるのであります。
 そこで、都道府県知事は、漁業上の総合利用をはかり、漁業生産力を維持発展させるために漁業の免許が必要であり、かつ、免許をしても漁業調整その池公益に文庫を及ぼさないと認めるときは漁場計画を定めなければならないことを明定することとしたことであります。
 また、漁業権の存続期間に切れ目を生じないようにしようとすること等の配慮から、この定めをする時期については、現に漁業権の存する水面については存続期間の満了日の三カ月前までに、その他の場合には免許予定日の三カ月前までに必ず定めなければならないこととするとともに、さらに、海区漁業調整委員会は、漁場計画を定めるべきことを都道府県知事に対し積極的に建言し得る旨の規定を設け、これら規定の適正な運用を期せんとする次第であります。
 なお、このことに伴いまして、都道府県知事は、漁業調整その他公益上必要があると認める場合には漁業の免許をしてはならない旨の規定は削除いたすことにしております。
 第二点は、施行日を改めることであります。
 前国会において本法案の成立を見ることができなかった関係から、漁業調整委員会の構成及び委員の任期、玄海連合海区漁業調整委員会の設置、あるいは、中央漁業調整器議会の構成等の施行期日について、昭和三十七年八月十五日からとあるのを同年十月一日からに改め、当然のことではありますが新法の成立後すみやかにこれに移行することといたしておるのであります。
 第三点は、漁業調整委員会の構成の改正等に伴う経過規定を改めることであります。
 すなわち、去る八月八日に海区漁業調整委員会の一般選挙が実施されたことに関連いたしまして、昭和三十七年十月一日に現に在任する海区漁業調整委員会の委員、すなわち、今回の選挙によって選出されまたは選任された委員の任期及びその委員が在任する間の委員会の構成、あるいは常設の連合海区漁業調整委員会の委員の任期等については従前の例によることとし、また、改正法案の規定に即し、常設の連合海区漁業調整委員会の互選による委員は、選出母体たる海区漁業調整委員会の選挙による委員がすべてなくなったときはその職を失うこととする等所要の経過措置を講ずることといたしたことであります。
 第四点は、中央漁業調整審議会の委員の任期の満了日を改めることであります。
 今回審議会の構成を改めていることに伴って、昭和三十七年九月三十日に現に在任する委員の任期は、その日に満了することに改め、同年十月一日から改正法による構成で新発足することを期しているのであります。
 以上が修正の趣旨及びその概要であります。
 何とぞ各位の御賛同をお願いする次第であります。
#10
○委員長(櫻井志郎君) これより質疑に入ります。
 議事運営の都合上、まず衆議院の修正点について御質疑のある方の御発言をお願いいたします。
#11
○森八三一君 ただいま議題に供されております二法案につきましては、すでに前国会におきまして、本院が先議という関係におかれておりました関係上、この委員会では相当長時間にわたりまして同僚各委員の諸君から熱心に質疑が行なわれました。最後に採決にあたりまして、区画漁業権の問題をめぐって、必ずしも各委員の意見が一致を見るというわけには参りかねました状態でありました。そのために、あるいは修正案が提案をせられ、さらに附帯決議等につきまして、いろいろの措置が講ぜられました結果、結論としては、政府の原案が多数で可決せられまして、衆議院に送付になったわけであります。今回衆議院のほうにおきましては、それらのいきさつ等をも十分に御勘案をいただきましたことと、沿岸における漁業の実情をつぶさに御調査になり、あるいは実情の把握をいただきまして、漁業法の一部について時代に即応するように改正をされたわけであります。この趣旨は、改正の趣旨は、私どもがこの委員会で論議をいたしました際に修正案の形になって提案せられました趣旨を、表現の方法におきましては非常に異っておるのでありまするけれども、実体的にはそれを具現するようにされておるものと私はただいまの田口先生の説明を聞きましてさように理解をいたしたのであります。この理解にあやまちがないといたしますれば、衆議院におきまする修正はきわめて適切妥当でありまして、私はこの措置に心からの敬意と感謝を表しまするのであります。
 そこで、念のために二、三の点をお伺いをいたしておきたいと思いますが、この修正の結果、こういうように理解してよろしいかということであります。きわめて端的にお伺いをいたしますが、漁業調整上の必要がないという場合、それから公益上支障を及ぼさないというこの二つの前提に立ちまして、現に漁業権の存在しておりません知勇管轄の水面につきましては、修正によりまして三カ月以前ですか、予定日の三カ月以前までに漁場計画を立てなければならないというふうになりましたわけでありますので、その二つの事由の存在しない限り管轄水面については、定められております日時までに必ず漁場計画を立てなければならぬと、こう理解してよろしいか、これが一点。
 それから第二点は、現に漁業権の存在いたしておりまする管轄水面につきましても、同様二つの事由に反しない限り、切れ目のないように必ず漁場計画を立てて告示をしなければならないというように了解してよろしいかどうか、当然なこととは思いまするが、この点を念のために本法の趣旨としてお伺いをいたしておきたいのであります。
#12
○衆議院議員(田口長治郎君) 漁業法改正につきまして、区画漁業権の問題につきましては、非常に御深慮御研究いただきました次第でございますが、この問題につきましては、今度の漁業法改正自体は、この水産事情の変遷に伴いまして機動的に運用ができると、さようなことを一つのねらいといたしておりまする関係からいたしまして、漁場を固定するということは極力避けなければならぬ、政府の考えからいたしましてその点は避けなければならぬ。ただし、今、森先生からお話しになりました区画漁業権につきましては、最近の経済事情その他から、臨海工業地帯の設置だとか、あるいは干拓だとかいろいろな浅海にほかの部門の仕事が加わってきた、さような関係から、地方長官といたしましては、さようなことがあってはいけないわけでございますけれども、不作為に漁業権を設定すべき所、あるいは設定してある所、そこに対しまして漁業権の存続期間を短縮したり、あるいは漁業権を設定しなかったり、こういうような所も一、二あるのでございまして、かくては沿岸漁業者が生活の道を断たれてしまう次第でございますから、この点はひとつあらゆる方法を講じて守ってやらなきゃならぬ。この漁業権に弾力性を持たせるということと、沿岸漁業者の生活権を守ること、この二つのことをどういう方法でやるかということにつきましていろいろ長く研究をしたのでございますが、漁業権の設定には漁場計画ということが前提になっておりますから、地方長官にこの漁場計画を設定しなければならぬという義務をつけることと、それから漁業権に切れ目が生じてはいろいろなことが起こりますから、切れ目が生じないように、三カ月前に、漁業権のある所も漁業権のない所も漁場計画を設定させよう。なお地方長官がぐずぐずしておる場合におきましては、漁業調整委員会が積極的に漁場計画を策定しなさい、こういうことを地方長官に進言をして、その点が誤りのないようにしようという点がこの修正でございますから、全く森先生のお話しのとおりでございますから、さよう御承知願いたいと思います。
#13
○森八三一君 ただいまの修正提案代表田口先生のお話しで、私のお尋ねいたしましたとおりにこの修正の内容は規定されておるのだということでありますので、その点はまさに前国会で論議をいたしましたことについての具現がなされたものとして、私は非常に喜ぶわけでございます。そこで、さらに具体的にお伺いをいたしたいのですが、これはむしろ修正提案者よりは農林省にお伺いをすべきであろうと思いますので、水産庁長官にお伺いいたしますが、ただいま本法の解釈について確認がなされました。それには二つの前提を置いておったわけであります。
 その第一点は、公共に支障を及ぼさないという前提があります。これはもういかなる場合であっても当然なことであるのでありますが、しかしながらともいたしますると、この公共ということがいたずらに歪曲せられて解釈をされる場合、あるいは拡大解釈をされる場合ということを見るのであります。そのために、さなきだに非常に経営上困難をしている零細漁民の諸君が困難をするという事例がしばしばある。それが摩擦を招来して社会不安を惹起するというようなことにまで発展をしている事例はいたるところに散見をするのであります。本法の改正に伴いまして、ただいま田口先生からもお話がありましたような趣旨が十分に具現されていかなければならぬものでありますので、さような拡大解釈、歪曲解釈等によって問題を惹起しないようにしなければならぬと私は考える。つきましては、その公共のとか公益のとかいうことに支障云々ということにつきまして、これは相当ワク締めをした明確な解釈を下しておくべきであろうと思うのでありますが、それらにつきましてはどういうような措置をとられようとするのか。常識的には、公共といえばわかっております。わかっておりますが、実際的にはなかなかその適用ということは融通無碍であって、むずかしい。むずかしいところに問題がある。だからこれをはっきりしておくということが、この法律改正については当然必要な措置であると、こう思うので、今後行なわれんとする措置と申しますか、公共の意義、定義と申しますか、それをどう考えていらっしゃいますか、それが、そのことを実現させるための措置をどうとられようとしているか、そのことを水産庁長官にお尋ねします。
#14
○政府委員(伊東正義君) 現在の漁業法では、公益といって例示をしている規定が三十九条にございます。船舶の航行でございますとか、停泊、係留、水底電線の敷設その他公益上必要があるというような、公益の例示をした規定が三十九条にございます。公益でございますので、これはやはり受益者は不特定多数に及ぶ利益だということに解釈すべきだと思います。具体的な例でございますが、水産庁といたしましては、土地収用法に、土地を収用なり使用することができる。公共の利益という事業を列挙してございます。たとえばその中には港湾法による港湾施設でございますとか、あるいは漁港法による漁港施設、海岸法による海岸保全施設、航路標識法による航路標識とか列挙した事業がございます。こういう事業が私ども公益、公共の利益となる事業というように解釈すべきだと思いますので、その法律の適用にあたって公益上云々というような場合には土地収用法の三条に列記してある事業でございますとか、あるいは都市計画法によって土地の使用なり収用ができる都市計画事業というものがございますが、こういうものというふうに限定をして解釈すべきであろう。かりに、埋め立てて工場を作るのだからそれは公益だというふうには、これはならないのだというふうに解釈いたしております。でありますので、この法案を御審議願いました上では、水産庁としてはこう考えるというようなことを県知事等に通達で出すというような措置をすれば、その点がはっきりするのじゃなかろうかというふうに考えております。
#15
○森八三一君 ただいま長官のお話しで、公益の定義、範囲等につきましては、漁業法なりその他の土地収用法なりに厳格な規定がある。その厳格な規定の範囲内にとどめる、これはもう当然のことでありますので、そのことを通達等の形式において実施をいたしたいということを言うておりますが、その中にはやはり「その他」というような、具体的にずっと列挙していって、最後に「その他公益上」とか何とかまたあいまいに解釈し得る余韻が残っておるのですね。例示してあるものははっきりしておるのです。しかし三十九条にいたしましても一番最後のほうは、今お読み上げになりましたように、またここで一つ拡大解釈をなし得る余地が与えられておるというように私は考えるのであります。そういう場合の具体的に列挙、例示をして通達をなさるお考えであるのかどうか。それから港湾整備、それから港湾計画ということは、これは土地収用法のほうですか、どこかでその公益の目的になっておる、私もそのことは理解をいたします。しかしその港湾計画というものがどの範囲までが港湾計画であるかということは、これは非常にむずかしいことになると思うのです。港湾を整備いたしまして、その港湾の活用を十分にはかっていきますためには、その背後にあるいは産業を興す地点を造成することも港湾の整備だと解釈すれば解釈ができぬわけでもないと思うのですね。だから港湾計画というものは、確かにその字句から受ける感覚としては公益であると思います。思いますが、その内容としてはそれに便乗して拡大的な造成等が行なわれることも含んでくるのではないか。そういうような措置を従来とも港湾計画に便乗して政府の補助をもらってやっておった事例が私はあると思うのです。そういうことであっては公益の趣旨に反する、こういうことになると思いますので、そういうことまで明確にその例を示して通達なさるという所存であるのかどうか。その点が抜けてくるならやはりざるになってしまうのでだめだ、こう思うのですが、いかがでございましょうか。
#16
○政府委員(伊東正義君) 森先生のおっしゃいますように、今三十九条には、「その他公益上必要がある」と確かになっておりまして、何が公益かということでいろいろ問題があろうかと思います。実は農地局等でも従来は干拓というような場合には米の増産だというようなことで、これは漁業行に相当異論がありましても干拓優先というようなことでやったことがございますが、最近はこれはやはり漁業者が反対の場合は干拓はしないということで運用いたしておることもございます。でありますので、若干時代によりましてその公益等につきましては、その考え方の進歩といいますか、考え方の移り変わりということはあり得ると思いますが、しかしそれはそのときそのときで直せばいいことでございますから、先生のおっしゃいましたことにならぬように、やはり限定的に列挙しまして、こういう場合に限るのだというようなことで運用したほうがいいのだろうというふうに思っております。港湾の場合も、これは農林省だけでどうというわけには御返事いたしかねる点もございますが、運輸省とよく相談いたしまして、港湾の中でもこういうところ、こういうところというふうなことが具体的に例示できれば、運輸省と相談しました上でそれもきめまして、通達いたしたい。要するにはっきりして、あまりあいまいな解釈は残さぬようにして運用したほうがいいだろうというふうに、私は現在思っております。
 もう一点、この規定にもございますように、知事さんが免許しないという場合には、衆議院の修正で、海区調整委員会が知事さんに積極的に意見を述べることができるという規定も入ったわけでございます。また、農林省といたしましては、これもこの前の国会でもお答えいたしましたが、知事が漁業調整上あるいは公益上支障があると思うか、あるいは漁業の免許をする必要がないというような判断で免許しないというようなことがあります場合には、事前に農林省と打ち合わしてくれ。従来はそういうことをやっておりませんが、こういう考えで免許しないのだということを事前に農林省に打ち合わしてもらうということをやれば、今制限的に出しますことと一緒につけてそういうこともやりまして、なぜ免許しないのだということを農林省と児が協議をする場を持つというようなこともいたしまして、必要があり、漁業調整、公益上支障ないのだという場合においては、必ず免許するというふうにしていったらいいだろうということで、通達を出そうと思っております。
#17
○森八三一君 ただいまの長官の御回答で、抽象的にはよく理解いたします。いたしますが、その通達が具体的にどういうものになるのかということを見きわめませんと、必ずしも本法の改正の趣旨が十分に具現されるということにはなりかねる場合も、起きる危険がないとは言えぬと思う。しかし長官のお話しで、公益の必要ということについては、現に、きわめて狭義に解釈をして漁業者を保護するという精神を明確に述べられておりますので、その限りにおいては安心なんです。安心なんだが、具体的に出てくる通達が、やはりその他とか何とかかというあいまいな文字が入ってくると、たいへんなことになる危険があると思いますので、その通達が、もし案ができているといたしますれば、お示しいただきますれば非常にしあわせと思いますけれども、今のお話しでは、港湾計画等について、私の例示いたしましたようなことについては、さらに運輸省等とも打ち合わせしなければいけないというような発言でもございましたので、今直にというわけには参りかねるかと思いますが、いずれ本法につきましては、午後に最終結論を導き出すということになるだろうと思います。その間に参考的にでも内示がいただけますれば、結論をつける場合の参考として非常にしあわせでございますので、後刻、通達の案等がございますれば、ひとつお示しをいただきたい。これをお願いしておきます。
 次に、私があとでお尋ねいたそうと思っておりましたことを先に御答弁願ったと思いますが、漁業上の総合利用をはかり、漁業生産力を維持発展させるためには、漁業の内容たる漁業の免許をする必要があるということで、こういうようなことの判断というものは、この場合には法文上知事に与えられているというふうに理解することができると思います。ただ、あとのほうに参りましてお話ありましたように、海区調整委員の諸君が積極的に知事に意見を具申することができるということで、知事の一方的な裁量にある程度の制約を加えていくというような措置が講ぜられているというふうに、私は思います。そこで、漁業調整委員会の意見と知事の意見と一致しないという場合が、これは多数の案件の中には起きてこようと思うのです。そういう場合に一体どうするか。この条文からすなおに受け取れるところは、私はこう理解しておるんです。管轄水面については漁業の総合利用をはかる、漁業生産力の維持発展をはかるということのために漁場計画を立て、それに基づく免許をすることが優先さるべきであると、こう考える。で、その判断は、やはり漁業の専門家である海区調整委員の諸君の意見というものを重視すべきだと思うんです。ですからお話がありましたように、現に漁業権の存在しておりません管轄水面について両者の意見が食い違ったような場合には、やはり知事はその事由を付して農林大臣の指揮を仰ぐと申しまするか、事前に打ち合わせをする、それに対して大臣がしかるべき処置をするというような計らいがあってしかるべきと思います。これは法律には書いてございませんが、そういうような措置をやはり通達その他においておやりになる意思があるかどうか。それからもう一つ、同じ趣旨において、現に漁業権の存在しておる地点についても、公益上の必要、あるいは調整上の必要から漁業計画を立てないという場合がこれはあり得る。その前段のほうの公益上の必要については、お話がありましたように、通達を出すと、その通達に反するようなことについては、事前に打ち合わせされるんだから、そしてチェックしていくと、これはそれでわかります。わかりますが、調整上必要と認めたというような意味から漁業権の内容を変更しようとすること等によって摩擦が起きる場合が、これはないとは言えぬと思うんです。そういう場合も、公益上の必要と同じように、現に漁業権の存在しておる地点について漁場計画を立てない、あるいは漁種を変更しようというような手続きが行なわれる、それがむしろ実態に即するんだというように知事が判断をしたと、海区調整委員がどういうのかは別問題ですよ。海区調整委員会がそういうことに同意を与えなかったというようなことも公益上の必要と同様な措置をして、事前に双方の意見を農林大臣に報告せしめて、大臣の指揮を仰ぐという旨の通達をなさるのか、なさらないのか、その二点いかがでございましょう。
#18
○政府委員(伊東正義君) 先ほど御希望をお述べになりました中で、またその他公益上というようなことであいまいなことになってはまずいとおっしゃいましたが、まだ通達案、実は作っておりません。作っておりませんが、その他公益上ということはつけないで、はっきり明示したほうがいいんだろうというふうに思います。昼休み中にも出してくれというお話でございましたが、運輸省等とも相談することがございますので、まだ作っておりませんので、短時間にはちょっと無理かと思いますが、その他公益上というようなことはしないで、明示いたします。これははっきりお約束申し上げます。
 それからあとの御質問でございますが、私のほうの考え方としましては、たとえ海区調整委員会と知事さんが意見が一致して、免許しないと、新しい場所について、あるいは現在漁業権のある場所について、という結論が出ました場合にも、農林大臣に協議してくれと、要するに免許をしない、それは意見が一致しようが、しまいが、免許しないということをいう場合には、あらかじめ農林大臣に協議してくれという通達を出すつもりでございますので、先生の御心配の点は、それで私は農林省と知事が相談をする場ができるというふうに思っております。
#19
○森八三一君 現に漁業権の存在しておるものにつきましては、それに変更を加えようとする場合、あるいは免許をしないという、漁業計画を立てないというような措置をしようとする場合には、三カ月前に公示をしなければならぬわけでありますので、その以前に大臣の指揮を伺うということ、わかりました。現にその漁業権の存在しておらぬ水面については、第十一条の一項に基づきまして漁業計画が立つわけですね。その場合、漁業調整委員会では、漁業の開発上ここも漁業計画を設定したほうがよろしいというふうに考えるけれども、知事さんのほうでは何十年先か幾らかしりませんが、そういうときにこうなる見込みだから、そこはもう漁業計画から削除しておくべきであるという意見、そういう場合にどうなさるかと、私は遠い将来を考えますれば、これはもう他の先生からもお話がありましたように、一切の変遷に固定しておくということはいかぬことで、国の利益のためには考えなければならぬ場合があると思う。しかし、それがそんなにコンクリートなものじゃなくて、ただ非常に遠い先をふわっと考えておる程度というときに、一方の漁民のほうはだんだん漁場を狭められていくのですから、そこで漁業をいたしたいという希望が出たという場合、これはもう漁場計画の対象に初めからしないのですね。海区調整委員会のほうではそういうところにも漁場計画を立てなさい、こういった場合には一体どうなさるかということなんです。
#20
○政府委員(伊東正義君) 今御指摘の、全然今まで漁業計画のなかった場所に海区調整委員会からは、漁業計画を立てたらいいだろうということで、知事さんは免許をしない、漁業計画を立てないという場合もありましょう。それは従来あったところについて免許したい場合と一緒に、その場合も事前に農林省に協議してもらうという中に入れたほうがよいと思います。従来はそこまでは実は通達の中に考えておりませんでしたが、御指摘のような場合にも通達に入れまして、ここにも、この場合に検討する余地があるようにしておいたほうが私はいいと思いますので、それを含めました通達を出そうと思います。
#21
○森八三一君 何か今までの他の先生の長官に対する質疑応答を聞きまして、この改正の結果は、前国会の際に当委員会で提案せられました、具体的に申しますれば既存の特定区画漁業権につきましては、原則として延伸する措置を講ずべきであるというような趣旨が、これを通して実際的には解決されたというように私は理解をいたします。今までの御説明ではそうなるということを了解いたしましたし、現に漁業権の存在しておりません地域につきましても、積極的に漁場の開発、漁場計画を立てて漁業権を認めていくというように措置をするという前向きの措置が、この改正によって行なわれるということをよく理解をいたしましたし、非常に心配されておる公益上の必要ということに籍口する点については、厳にこれを規制をする。そのためには通達を出すのみならず、さような措置をせんとする場合には、事前に農林大臣に協議をせしめまして、何らかの大臣指揮を仰いだ上でやるということが明確になりましたので、前国会におきまして論議いたしました延伸が実質的にここで具現をしたというふうに理解をいたしますので、私の質疑はこれで終わります。
#22
○委員長(櫻井志郎君) 午前中の会議はこれで休憩にいたします。
   午前十一時五十九分休憩
   ――――・――――
   午後一時五十二分開会
#23
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を再開いたします。
 午前に引き続き漁業法の一部を改正する法律案及び水産業協同組合法の一部を改正する法律案を一括議題とし、質疑を行なうことにいたします。質疑のある方は、順次御発言を願います。
 別に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。これより討論に入ります。両案に対し御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#25
○安田敏雄君 本法案は過ぐる第四十国会ですかの会期末に私ども政府案に反対いたしまして、衆議院へ送付され、今日にいたって再び参議院で修正案を含めて審議の運びになっておる法案でございますが、すでに前国会において、私ども原案について反対をして参ったものであります。その理由とするところは、最近のこの資本制漁業の中で、沿岸漁業に対しまして、かなり極度の二重構造が発生して参りまして、その漁業の実態はきわめて不健全な姿を現わしているという状況にかんがみまして、わが社会党におきましても、過ぐる国会に漁業基本法を提案いたしましたが、これと同時に漁業法の一部改正法案と、漁業協同組合法の一部改正法案について提案したのでございます。
 そういういきさつからいたしまして、私ども当時提案理由の説明にもございましたように、幾多の点を指摘いたしまして、反対いたしたわけでございますが、その内容は前の国会において清澤委員のほうから申し述べてございますから、重複を避けまして、理由につきましては、当時の会議録を御参照願いますということにいたしまして、本法案につきましては、衆議院において一部修正が行なわれまして送付されて参りましたけれども、その修正点におきましては、確かに前国会の際におきましての附帯決議に対して、相当前進の姿を見ているわけでございまして、この点は私どもの主張を全幅に満足するまでには至っておりませんけれども、賛意を表するものでございますが、私ども対案を出している点と、また党が主張しておりますところの漁業計画の問題におきましても、漁業権制度の問題におきましても、あるいはその他の問題におきましても、まだ満足するに至っておりません。したがいまして、修正案を含めて、原案に対しまして、反対の意見を表明する次第でございます。
#26
○天田勝正君 民社党はただいまの漁業法の一部改正法律案、水産業協同組合法の一部を改正する法律案に賛成をいたします。
 その理由は前国会におきまして、本委員会において各委員が熱心に審議されました結果、それぞれ欠陥といわるべきものを提示いたしました。結果におきましては、政府案が通りましてこれが衆議院に参ったのであります。しかし今回衆議院で御検討の結果、われわれが当時不足な部分につきまして附に相当これが改善されて参りました。すなわち本委員会においては五つの点について附帯決議を出したのでありますが、そのうち法律に明記しなければならない点の第一の管理漁業権の共同申請にかかる問題、それから第五番目に付しました区画漁業権とこの更新、あるいは特定区画漁業権の問題等の問題につきましては、これが解決を見ました。
 あと三項目でありますが、これは必ずしも法律に明定されなくても処理ができる問題でありまして、この三点につきましては、意見提示はされておりませんが、先ほどの理事会におきましてこの三つの点につきましては附帯決議をつける旨が了解されましたのでこれに賛成したいと思います。
 特に前国会において強く私が主張いたしましたのは、中央漁業調整審議会の委員の任命、これは学識経験者でありますから、いかなるものを任命しようとも法律に特段現在以上に書く必要はないのでありますが、実態といたしましては漁業従事者の意見はさらに反映されないという状態を今日まで続けて参りましたが、この漁業従事者の代表をこれが審議会の委員に加える。こういうことでありまして、これは衆議院のほうでもお気づきになられたと見えまして、これが附帯決議としてついております。さらにまた、今までとかく指定漁業についての許可にあたりまして漁業に関する法律の違反者はこれを取り消す等の処置がなされましたけれども、私どもが強く主張いたしたい点は、漁業のみならず労働に関する諸法令に悪質な違反者があった場合には、これに許可しないし、また許可したものは取り消す。こういうのを加えるべきがしかるべきである。これも先ほどの理事会において各派了承されましたので、この三つの点につきまして附帯決議がつけられるならば、私どもは本改正に二法案とも賛成したい、こう存じます。
#27
○森八三一君 私はただいま議題になっております漁業関係二法案に対しまして、衆議院送付の案に賛意を表する次第であります。
 先刻来、各委員から御発言もありましたように、本件は前国会で相当長時間にわたりまして、本院の先議で審議を尽くしたのであります。その結論をつけまする際に、最近の一般的な傾向、事情等からいたしまして、もちろん国の発展のために経済、産業の伸長発展をはからなければならぬことは申すまでもございませんが、そういうことにややともいたしますると便乗いたしまして、必要以上に沿岸漁民の権益がむしばまれていくというような情勢がないわけではございませんので、そんなことからいたしまして、零細な漁民諸君にいたずらなる不安の念を与えましたり、不測の損害を与えるというようなことがあっては相ならぬわけでございますので、そういうような場合を調整をし緩和していくというような意味で修正の提議もあったのでありますが、遺憾ながらここのところは成立をいたさずして政府原案が衆議院に送付をされ、衆議院におきましては慎重に御審議をいただきました結果、今回われわれが主張いたしました趣旨が実質的には織り込まれて修正議決されたというような経緯になっておりますわけでありまして、私どもは前国会で論議をいたしましたことの趣旨がここに達成せられたものと、ことに午前中の質疑を通じまして、修正提議者の趣旨等につきまして十分なる質疑をいたしました結果、まさに私が今ここで申し上げましたような実質的には区画特定漁業権等につきまして、延伸の実が上がっていくのだということでございますので、これらのことにつきましては、水産庁からも御答弁がありました趣旨が十分今後にも厳重に実施をされる、あるいは監視をされるということを期待いたしまして、賛成の意を表する次第であります。
#28
○委員長(櫻井志郎君) 他に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないものと認めます。これより採決に入ります。
 まず、漁業法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を衆議院送付案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#30
○委員長(櫻井志郎君) 多数でございます。よって本案は多数をもって衆議院送付案どおり可決すべきものと決定いたしました。
  ―――――――――――――
#31
○委員長(櫻井志郎君) 次に、水産業協同組合法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#32
○委員長(櫻井志郎君) 多数でございます。よって本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#33
○委員長(櫻井志郎君) この際、漁業法の一部を改正する法律案及び水産業協同組合法の一部を改正する法律案に関し、委員長及び理事打合会で協議いたしました附帯決議案を提案いたします。まず、案文を朗読いたします。
   漁業法の一部を改正する法律案
   附帯決議(案)
  政府は、この法律の施行にあたつ
 て、次の事項に関して遺憾なきを期
 すべきである。
 一、指定漁業の許可又は起業の認可
  にあたって、漁業及び労働に関す
  る法令の悪質な違反者に対しては
  原則として許認可しないことと
  し、また許認可後において悪質な
  違反をおかした場合は許認可を取
  消し、もつて水産資源の保護、漁
  業秩序の維持及び漁業従事者の労
  働条件の改善に資すること。
 一、指定漁業の許可又は企業の認可
  の場合、船舶の総トン数が基準と
  されているが、これがため漁業調
  整上問題があるばかりでなく、海
  難の因をなし、人命及び船体の安
  全等の上からも問題があるので、
  速かに、合理的な方法について検
  討すること。
 一、中央漁業調整審議会の委員の任
  命については、漁業の実態を考慮
  し適当な数の漁業従事者代表を加
  えること。
  右決議する。
   水産業協同組合法の一部を改正
   する法律案附帯決議案
  政府は、沿岸漁業の経営安定のた
 め、速かに漁業共済制度の確立を図
 り特に養殖についての共済制度の整
 備充実を期すべきである。
  右決議する。
 以上でございます。この附帯決議案を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。
#35
○国務大臣(重政誠之君) ただいま可決されました附帯決議につきまして、私の考えを申し上げたいと思うのであります。
 漁業法令等に違反する悪質な違反者に対して認許可をしない、あるいはまた認許可後においてはこれを取り消すということは、きわめて当然のことであります。附帯決議の御趣旨を尊重して、さらに厳重に運営をして参りたいと存ずる次第であります。
 また、漁業調整審議会の委員に漁業従事者を多く加えるようにという御趣旨でありますが、これまた全くそのとおりであります。現在非常に漁業従事者をその委員に加えることが少ないのでありますから、これも委員会の御趣旨を尊重いたしまして、できるだけ多くの漁業従事者を委員に加えるようにいたしたいと存ずるものであります。
 なお漁船のトン数を基準として認許可を与えることについて、何か別にもっと適当な基準を見出すことが必要ではないかという御趣旨でありますが、これはなかなか相当困難な点があると思うのでありますが、十分ひとつ御趣旨を尊重いたしまして検討いたすことにいたしたいと思うのであります。また本法案の審議にあたりましていろいろ問題になりました点、特に漁業権の免許等につきましては、沿岸漁民の不安のないように配慮するとともに、本法の施行によりまして、水産業発展に十分努力をいたしたいと存ずる次第であります。
 水産業協同組合法の一部を改正する法律案についての附帯決議につきましては、実態調査を行ないまして、その資料の上に立って、できるだけすみやかに適切な措置をいたしたい、こう存ずる次第であります。
#36
○委員長(櫻井志郎君) 諸般の手続等につきましては、先例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○委員長(櫻井志郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#38
○委員長(櫻井志郎君) 速記をつけて。
 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。
  ―――――――――――――
#39
○委員長(櫻井志郎君) 次に、農業協同組合の米の手数料に関する件を議題といたします。質疑のある方は、御発言を願います。
  〔委員長退席、理事中野文門君着席〕
#40
○大森創造君 昭和三十七年度産米の集荷手数料について、去る八月十七日に、全国販売農業協同組合連合会に農林省食糧庁長官のお名前で通知を出しました。これはべらぼうにことしは早かったのでありますが、早くした理由はどういうことでございますか。
#41
○政府委員(大澤融君) 昨年集荷手数料をきめましたのは、いろいろ事情があってかなりおくれておりましたけれども、最近まあ米の出ますのも早期栽培、早場米というようなことで、非常に時期も早まっております。そういうことで、食糧事務所の事務手続あるいは農協のほうの手続というようなことを考えますと、米が出ます前に、早目に集荷手数料をきめるということが適当だと思いますので、そういう意味で、先般食糧庁長官名で通知を出したのでございます。
#42
○大森創造君 真夏の委員会ですから、手っ取り早くお話し申し上げます。くどいようですが、その点もう少しお伺いいたします。これは例年おそかったのでしょう。それで早場米ができるというのは何もことし、去年のことではございませんので、ことしだけべらぼうに早いその理由を……。
#43
○政府委員(大澤融君) 従来おそかったということがむしろ妥当でなかったのでありまして、米の出る前に早くやったということしのやり方がいいんじゃないかと、こういうふうに思っております。
#44
○大森創造君 それはそのお話のとおりでけっこうでございますから、それは了承いたします。で、ことしも農林省の要望によると、五十円ということでございますね、一俵につき五十円。この算定の基礎をひとつお尋ねいたします。
#45
○政府委員(大澤融君) こまかくは何ですが、これは毎年、麦、それから米につきまして同じような考え方で算定をしておるわけでありますが、たとえば人件費につきましては、昨年からことしに比べて、公務員のベースも七一%ですか上がっております。あるいはまた物価ということにつきましても、昨年きめたベースからことしのベースを考えるというようなことですと、何がしか上がっております。しかし御承知のように集荷をする数量、一農協の取り扱い数量というようなものはかなりふえております。そういうようなことを彼此いろいろ計算をいたしまして一俵五十円というふうにきめたわけであります。
#46
○大森創造君 米価も逐年上がっておりますし、ほんとうの腹の中は、米価どうあるべきかということについては、私も推測に、かたくはないわけでありますが、とにかく米価は逐年上がっております。それから公務員の給与ベースも逐年上がっておりますし、その他一般的な労賃も上がっております。そこで農業団体の集荷の手数料のみが五十円で据え置きだということは非常に矛盾しているような気がいたします。現在全国的に農協がこの問題を問題にして農林省のほうに陳情されておりますが、これはあなたどうですか、率直にお答え願いたいと思うのでありますが、このままで押し通すお気持ですか、その理論的な根拠も確かだと思いますか。
#47
○政府委員(大澤融君) 私ども計算をいたしました理論的な根拠と申しますか、基礎、これはそれに間違いがないというふうなことでやっております。なお農協等からいろいろお話もございます。もちろんこういうことも頭に入れて今後の問題としては検討をしていかなければならぬ、こういうふうに思っております。
#48
○大森創造君 検討をするというのは、これは要望の節ももっともである。検討をし直して、一つ手数料の引き上げを考えていこうというお気持でございますか。
#49
○政府委員(大澤融君) 検討いたしますということは、私ども行政をやります場合に、われわれがやっておりますことが一切これでいいのかどうかという意味では絶えず反省をし、検討をしなければならない、こう思うのであります。そういう意味でこれが手数料も農協の御意見もこれは同じように検討をして、最も妥当なものはどういうものかということを絶えず検討しなければならない。そういう意味で今後検討をして参りたいということを申し上げたのでございます。
#50
○大森創造君 繰り返えすようでございますが、米価が逐年上がり、その他の国家公務員の給与が上がり、それから配給のほうの手数料が相当上がっておる。ただ農協の扱う手数料のみが据え置きです。で、理論的に考えて、この農協の扱う手数料もそれに準じて上げるのが、私は常識だと思います。深い理論的な根拠はどうかわかりませんが、あなたのお答えは検討するということでございましたが、理論的にも、一回指示したもの、これに理論的な根拠が十分にあるというふうにお答えでありますが、私はそうではないと思うのです。これは議論を深めていきますというと、きっと値上げをすべきであるという結論になるだろうと私は思うのでございます。もう一回ひとつお答え願います。
#51
○政府委員(大澤融君) 米価が上がる、あるいは卸売、小売のマージンが上がるという際であるから、これも上がらなければいかぬということは、単純にお考えいただくとそういうことになるかと思うのでありますが、米価にいたしましても、御承知のように生産者所得補償方式、ああいうことできめておるわけです。またマージンをきめます場合には、これまた集荷手数料をきめるのと違って、たとえば副産物であるとか運賃の問題であるとか、別の算定要素というか、事情がいろいろ入っております。それぞれについて別のことでいろいろきめておるのでございます。あっちが上がったからあるいはあっちが下がったから、こっちも上がらないと、あるいは下がらないとおかしいというようなことにはならないと思います。集荷手数料の問題は、集荷手数料の問題としていろいろ検討しなければいけない、こういうふうに思っております。
#52
○大森創造君 食糧庁長官、そういうふうに単純にお考えになってお答えになると、そういうお答えになるかと私思うのでございますが、それではお伺いしますが、麦ですね、麦の代行手数料、それから保管料の値上げの要請が同様に出ておりますが、その点についていかにお考えになりますか。
#53
○政府委員(大澤融君) 私も詳しい数字覚えておりませんが、米の問題と合わせて麦についても保管料あるいは集荷手数料の問題についての陳情がございます。
#54
○森八三一君 ただいま大森君から集荷手数料の問題について質問がありまして、そこで公務員給与等も人事院の勧告によって七・何%か給料を上げるということが、政府でも措置されたので、そういうようなこともちゃんと計算されてやった結果がこうだ、そういう御答弁でありました。それでは一体その前の集荷手数料というものがはたして妥当なものであったかどうか。妥当でない基礎に立ってやってもそれは問題にならぬわけですよ。その時点だけを御説明になると、いかにも筋の通ったようなことになるのですが、そのもとが正確でないということになれば、これは問題にならない。そこでそのもとの手数料を策定したそれぞれのファクターについてどういうような作業を行なっておるかということを詳細に承りませんと、ただこのお答えだけでは納得できないということですから、一体、現在の問題でもいいんですよ、どういうファクターに従って、どういう数字を用いてどうやったか。たとえて言えば、職員の給料にいたしましても、国家公務員の給与をベースにしたのか、地方公務員の給与をベースにしたのか、あるいは配給手数料等をきめる場合にその配給業務に従う職員の給与ベースでもってそういうものを採用したのか、何を一体根拠にしたのかということが問題になると思う。そういうような個々のファクターについてどういうような数字を用いてやったかということをおっしゃらないと、ただ七・何%、それじゃ問題にならぬ。そのもとをひとつお伺いいたします。
#55
○北村暢君 ちょっと関連して。
 過去五カ年間の手数料の値上がりの状況はどういうふうになっておりますか。
#56
○政府委員(大澤融君) 最初に北村委員のお尋ねに対してお答え申し上げますと、集荷手数料は二十九年に一俵四十円、それから三十年に上げまして四十八円、それから三十六年に上げまして五十円ということで今日に至っております。
 それから集荷手数料の算出の基礎、これについてのお尋ねでございますが、人件費ですとか、あるいは入庫はいつけの賃金でありますとか、あるいはさらに農協の参事の給与だとか償却費だとか、まあいわば販売、購買、信用というようないろいろな部門に共通に使われております共通費というようなもの、あるいはまた先ほどちょっと申し上げましたどのくらいの取り扱い数量かというようなことを基礎にして考えるわけでございますが、人件費につきましては今お話がございましたが、米についての主任と申しますか、そういうような者が従事するわけで、それについては公務員のベースで考えます。三十六年に対して三十七年のものは今申し上げたような公務員のベースの上がりというようなものを織り込んで計算をするということでございます。さらに入庫はいつけの費用というようなものにつきましては、農村の日雇い賃金をベースにしておりますけれども、これも賃金の上がりをさらに見るというようなこと、あるいは共通費につきましては、米の占める部分がどのくらいかというようなことを算定をして見ておるということでございます。さらに取り扱い数量等についても、一農協がどのくらいのものを扱うかというようなこと、そういうことを基礎にして先ほど申し上げた五十円というものを算定しておるわけでございます。
#57
○森八三一君 そういう抽象的な説明では理解がいたしかねます。そこで五十円という手数料を決定されておる内容として、おそらく私は一つの農業協同組合が平均化いたしまして何石とか何俵とか取り扱っておる、それにはどれくらいの倉庫が保有されておる、そうしてそれには何人ぐらいの人が働いておる、その働く人の中にもはいつけなんかをやる労務者の人もありましょうし、あるいは記帳処理をする事務員的な存在もありましょうし、さらにまた共通費としてその全体を統轄しておりまする役員的な存在もありましょう。そういうことについて一定の基礎的な標準的なものを策定して、そのものが何俵を取り扱う、だからその総経費をまかなうのには一俵当たり幾ら、こういう数字が出てこなければ理論的ではないと思うのです。そういう数字のあった上に、公務員のベースが上がったらそれは給料を上げていくということであれば、人件費に関する限り一応納得できる。けれども、その他の物価にいたしましても、ずっと急上昇しておるのですから、そういうものをどういうふうに見るかということが、ずっと詳細に説明されませんと納得できないのです。がしかし過去からさかのぼってずっとどういう変遷をたどっておるかということになりますと、非常に厄介な話になりますから、現在の五十円であなた妥当だとおっしゃっているのだから、その五十円について、申し上げまするような根拠を明確にしていただきたいのです。
#58
○政府委員(大澤融君) まず人件費と、先ほど申し上げました入庫はいつけの費用、供通費、取り扱い数量、
  〔理事中野文門君退席、委員長着席〕
人件費につきましては主任が年間一名おる。それから補助員が最盛期には三月間一名従事するということで、公務員ベースを基礎にして七・一ということで見込んでおります。それから入庫はいつけの費用は、今申し上げたことですが、一人が七十俵扱うという二とで計算をしております。それから共通費の問題は米の販売部門の二五%を配賦いたしまして、さらにこの販売部門中米麦手数料の占める割合を米は八三だ、これは主要米産県における米の手数料の占める割合ということで計算しております。それから取り扱い手数料は、一業者の取り扱い数量の平均を一万一千八百七十俵ということで計算しております。
#59
○森八三一君 今の資料ですね、まだ私はそれでは十分でございませんから、私は印刷をして現状の分析を資料として至急に御配付いただきたいと思います。その場合に、今お話しの主任が一名、補助員が三名、それは取り扱い数量一万一千八百七十俵の基礎に立っていらっしゃる、こういうわけなんです。その一万一千八百七十俵というもので主任が一人、補助員が三人ということは、どこか実態調査の結果そういうものが出ておると思いますので、どこを御調査をなすった、その平均がそういうことであったかということもあると思うのです。ただ、いいかげんにきめられたものじゃないと思うのです。でございますので、これは何年か先のことと思いますけれども、そういうこともあればつけ加えていただきたい。同時にその主任一人というのは、これは一体その俸給を公務員ベースとおっしゃっているけれども、具体的に月給が一万円なのか、三万円なのか、どう見積もっておるかということ、それからその場合にも、ただ、現在の給与体系というのは、月給、日給だけでなくして厚生費という費目で支給されておるものもありましょうし、あるいは年度末、盆等にボーナスとして出しておるものもありましょうし、それに法定のいろいろな何といいますか、福利施設といいますか、そういったもので出しておるものもあると思うのです。ですから、かりに主任クラスが三万円の月給だというなら、それに見合う福利厚生費というものは幾らに見ておる、それから家族手当等の手当は幾ら見ておるということも、基礎数字はあると思いますが、そういうことの詳細にわかる数字、そうしてそういう基礎をお作りになった一万一千八百七十俵というものは、これが妥当かどうか、これはわれわれ検討いたしまするけれども、それはどこからそういう数字が平均のものとして出てきたのかということをひとつお示しいただきたい。同時に、その他のことにいたしましても、事務をいたしますことでございますので、通信費だとかそれに伴う消耗品だとか要るでしょう。そういうものの積算の根拠があるはずなんです。それから倉庫の償却にいたしましても、一坪当たり幾らの単価というふうに見て、それを何十年なり何年で償却をするという法定償却年数もあろうと思いますから、そういうものに当てはめていらっしゃると思いまするけれども、それも年間の償却を幾らに見積もっておるということなども、詳細な基礎資料があると思うのです、なければ出てくるはずがないですから。それを一表にして御提示をいただきたい。それを拝見した上で、さらに私は機会をあらためて十分お尋ねをいたしたいと思います。至急資料を御提出いただきます。できましょうね。
#60
○政府委員(大澤融君) できるだけ詳細なものを用意したいと思います。
#61
○渡辺勘吉君 私はそういう経費の増高を問題にするものではなしに、この四十八円が三十年に決定されておるのでありますから、その当時の委託業務と最近時における集荷団体の委託業務とには、かなり大幅に業務内容が累増しておることは事実であります。そういう累増した委託業務の内容を、一体この手数料の中に考慮しておるかどうか、その点をまず伺いたいと思う。
#62
○政府委員(大澤融君) 二年前にやりましたときと今とは、同じ予約制度をとっておりますので、農協にお願いをする、あるいはまた農協が米生産者の仕事の代行をするというようなことの分量としては、もちろん数量はふえておりますからあれですが、単位当たりの分量としては変わりがないというふうに理解しております。
#63
○渡辺勘吉君 それでは伺いますが、この三十年に決定した四十八円当時の業務は、供出割当制度における、生産者から政府に売り渡した米の入庫はいつけ及び支払い証票の発行に伴う実務の補助が中心であって、その仕事の範囲で二十七、八年の業務をベースとして、そうして三十年における人件費その他のスライドを業務費に、物価差として考慮してきめたものと承知しておるのでありますが、それ以後予約制に変わりましてから非常に多くの仕事が累加をいたしておるわけであります。その点はたとえばことし出された三十七年産米の事前売渡申込制集荷要領、長官から出ておるのでありますが、その要領の内容を見ますと、第一には予約数量の決定と要請という仕事が割当制度からは新たにふえてきておるわけです。それからこの通牒を分解してみますと、予備予約の推進という仕事も新たに出ております。予約申し込み取りまとめという仕事も出ております。概算金の受領事務という仕事もふえております。集荷の促進という仕事もふえております。受検計画の作成、受検の準備とか立ち会いという仕事もふえております。また新たに去年から農産物検査官の買い入れ台帳の作成整備についての協力の仕事もふえております。買い入れ代金の受領支払いの仕事もふえております。概算金の精算及び返済を要する額の確認による返済の事務も新たに累加いたしております。特に通牒にもありますように、ことし新たに米の生産者別の買い入れ台帳の作成とか、その整備の補助を長官から通牒で集荷団体に依頼をいたしております。そういうふうにその担当する委託業務が広範にふえておることを不問に付して、割り当て制度当時のベースを単にそれらの要素にとらわれて取り扱い数量その他を見るということは、非常に見方が片寄っておると思います。そういう点について五十円というものが新たにそういう要素が累年付加されてきておる事態にもかかわらず、正当な計数として出されておるのでありますか。
#64
○政府委員(大澤融君) 三十年から予約制をとりまして手数料を上げましたのは、三十年の九月だったと思います。その前と予約制をとりましてからの仕事の分量というようなことは差があるのは当然だと私は思いますけれども、そういうこともあって三十年の九月に集荷手数料の改正をしております。それ以後は制度としては何ら今日まで変わっておりません。しかも、最初心配しておりましたように米がうまく予約制で集まるかどうかというようなことも、その後やってみると今日のように非常に円滑に予約が進んでおるというようなこともありまして、ある意味で仕事がふえておるという面があるいはあるかもしれません。しかし、反面、仕事がどこか減っておるという面もあります。そういうことは弾力的に考えて全体としてはベースになる予約制度というものは動いていないし、非常に米が円滑に集まるようになったというような事情もありますので、当時のものと今のものとが大体において変わりがないというふうに考えていいのじゃないかというふうに考えております。
#65
○渡辺勘吉君 もう一回伺いますが、特にことしから長官通牒で農産物検査官が行なう米穀生産者別買い入れ台帳の作成及び整理に関する事務の補助を行なう、こういう新しい仕事がふえておることについても、弾力性という抽象的な表現で事務費が合理化されるとお考えですか。
#66
○政府委員(大澤融君) 全体としての仕事の分量というものは、大体始まったときと同じものというふうに考えております。
#67
○渡辺勘吉君 非常に不親切な答弁で納得できかねます。先ほど森委員から要求した資料の中でこれはまた検討するので、あとは水かけ問答になるようなおそれがありますので、一応この点を業務の拡大による事務費の増大ということは、どういうふうに数字の中に弾力性という中に計数的に処理されるかを数字で拝見した上でまた質問を続けたいと思いますが、次に、この事務、人件費の増高ということは公務員のベース・アップ等に関連してやはり農協職員の人件費等もこれは増高を来たしておることは、これは事実でございますが、農協のそういうものを具体的に申し上げる前に、政府の管理経費が一体どういう変遷をたどっておるか、特にその中の人件費がかなり大幅に増高しておると思います、その点の御説明をお伺いいたしたいと思います。
#68
○政府委員(大澤融君) もちろん定員はふえておりませんけれども、人件費はベース・アップに応じて上がっております。詳細な数字は、私、今持ち合わせございませんですが、おっしゃるように上がっております。
#69
○渡辺勘吉君 それでは、私が拝見しました食糧庁の資料によって、これが確実であるかどうかを伺いたいのでありますが、三十一年から三十六年の実績を経て三十七年の予算に至る政府の管理経費の動きが食糧庁から出されておりますが、その一石当たりの政府の管理経費の中で特に事務費は三十一年を一〇〇といたしますと、三十七年では一五三%、五割三分の増高を資料は示しております。三十一年の事務費は一石当たり二百円と出ております。三十七年の予算では三百六円という事務費を予算上見ております。その間に五割以上、人件費は、政府みずから管理する事務、人件費の中で増高を認めて予算に確保しておる。しかし、農協の中において担当しておる人件費は五十円という中にどれだけの係数をアップして見ておられますか。
#70
○政府委員(大澤融君) 三十一年からのお話しですが、集荷手数料のほう、三十一年からどいうふうになっているかというこまかい内容的なデータ、私持ち合わせませんけれども、御必要とあれば資料として用意をいたしたいと思いますが、昨年からことしに比べては、物価の値上がり約四%近いものがありますのと、ベース・アップの七・一%の増率、そういうものを見ておりますので、それに相当する部分が昨年よりはふえているということになると思います。なお、例年そういう見方をしておりますので、そういう変わり方をしているのじゃないかと思います。資料でまた御用意したいと思います。
#71
○温水三郎君 私も森委員と同じように、この米の集荷手数料の五十円が妥当であるとお考えになっているところの詳細なる資料を御提出願いたいことを要求いたします。また、保管料の六円十二銭についても同様でございます。これは資料をいただいてからさらに御質問を申し上げたいと思いますが、ここでちょっと一言質問を申し上げておきたいのは、三十年から三十七年に至る集荷手数料の増加率は、これは約四%、しかるに配給マージンのほうは約五〇%の値上がりになっておる。それから、国家公務員の給与ベースは実に六〇%の増加に相なっておる。こういうようなことがはたして、これは均衡を得たものと考えられるかどうか、私は非常な疑問を持たざるを得ないのであります。また農業団体において調査いたしました百三十五農協についてその集荷手数料の諸経費を見るというと、実に百十五円六十銭になっておる。それで、かような実態を農林省のほうではどういうふうな調査をしておられるのかどうか。かつ最近の農村におけるところのこの人のいない状態から見ると、実際ははるかに、これ以上のコストになっておる。しかし、農業団体あるいは農民としては、そういうことはまず考えないで、ごく妥当な公務員ベースというものを基礎にしてこういう経費を算出をいたしておるのであります。農業団体においては、今日までかような集荷手数料、上がらない集荷手数料というものでがまんして、何も不平を言っていないということについては、これは、こういうことを持ち出すというと、基本の現在の食管法に若干の影響を及ぼしてはたいへんだということで遠慮をしたのだというようなことを言っておりますが、これは農林省においてもまたそのような考え方が一部あったのではなかろうか。その点について御質問を申し上げることと、それから、先ほど質疑応答がございまして、非常に、何と申しますか、よそ行きの言葉で質疑応答がなされたのですが、単刀直入に申し上げると、農業団体が集荷手数料の値上げをしたので、例年に反して直ちに集荷手数料を三十七年度は値上げしないという通牒が行なわれたというふうに誤解されてもいたし方がないと思うので、一体この辺の真意はどこにあるのか伺いたいと思います。
#72
○政府委員(大澤融君) 早く出したのは、先ほど申し上げたように、何ら他意はないわけです。早く出したほうがいいということで出しただけであります。それから調査等については、後刻資料で、森委員からのお話しのございました資料等で見ていただくということになるわけであります。さらに、マージンとの比較をされましたけれども、三十年からのをお比べになっておられるようですが、これは先ほども申し上げましたように、マージンと集荷手数料、別々の考え方で、ことに算定要素になっておったのは、マージンのほうは、運賃でありますとか、あるいは副産物というような、集荷手数料のほうには見られないようなものが算定要素に入っておりますので、これは別々の計算をいたしますので、ある年度からの上がり工合が差があるというようなことが出てくるのはやむを得ない点じゃないかと、こう思います。
 それからさらに何か制度と関連してというふうなお話がございましたが、ただいま集荷手数料をやりました際に、制度と関連してものを考えるというふうなことは、私どもとしては、ただいま何もないわけでございます。
#73
○森八三一君 関連。今の温水委員の質問で、集荷業者の人件費と配給業者の人件費はそれぞれ別に計算をしておる。それはそれでいいと思いますが、その場合に、三十年から三十七年に至るその間に配給手数料の中に含む人件費は何%上がり、集荷業者に関する人件費は何%上がっておりますか。全体でなしに、人件費だけでどうなっておりますか。三十年、三十七年の双方の狂いがどうなっておるか。
#74
○政府委員(大澤融君) ちょっと今出ませんから、計算してお見せいたしたいと思いますが、私申し上げたのは、全体のマージン、それから手数料を計算いたしますときに、卸小売のマージンのほうは集荷手数料のほうに見られないような、たとえば俵というような副産物ですとか、あるいは運賃の値上がりとか値下がりというような別の項目が入ってきます。だからそういうことで別々の上がり率になるのはやむを得ないのじゃないか。しかし今言った人件費、これはもちろん両者同じような歩調でやっております。どのくらいの割合になるかということは、ちょっと今数字がございませんので、後刻またお見せしたいと思います。
#75
○温水三郎君 後刻資料をいただきましてから詳細な質問を申し上げますが、大体質問はその資料のあとにしたいと思いますけれども、ただちょっと、これは別に申し上げるほどのこともございませんが、予約が順調に進んでおると、いかにも自然に、今の集荷が順調に行なわれておるようなお話のようでございますけれども、これに対しましては農協は血みどろの努力をしておるように聞いておるのでございます。やはりそういう面のこともお考えおきを願いたいと思うのでございます。質問はまたこの次の機会に譲ります。
  ―――――――――――――
#76
○委員長(櫻井志郎君) 次に、カラマツの先枯病対策に関する件を議題にいたします。
 質疑のあるかたは御発言を願います。
#77
○北村暢君 私は、北海道、東北に起こっておりますカラマツの先枯病の被害の問題について御質問をいたしたいと思いますが、まず、被害状況を簡単に御説明をいただきたいと思うのであります。その点からひとつお伺いいたします。
  〔委員長退席、理事堀本宜実君着席〕
#78
○政府委員(吉村清英君) カラマツの先枯病でございますが、今お話のございましたように、近年特に目立って参りまして、北海道、東北のカラ松の造林地に発生した病害でございますが、このカラマツの先枯病は、約八割が二齢級以下というような、ごく若いものについておるのでございます。
 現在の被害状況は、民有林におきまして、北海道、東北において四万六百ヘクタール、それから国有林の被害が一万一千八百ヘクタール、これは被害区域でございまして、この被害区域の約三二%程度が激害地、この激害地は五〇%程度が罹病をしているという状態のところでございます。それから、二〇%以上の罹病率を持っておりますのは約三九%、その他の罹害地が二九%、こういうような状態に蔓延をして参っておるのでございます。
#79
○北村暢君 今被害状況について御報告がありましたが、大体北海道等において、現在北海道を例にとりますと、約三十一万七千町歩の造林地に対して八%程度の二万六千程度の被害区域が発生しつつある。こういう状況でございまするので、これはこの病気の状況からいって、新芽に菌がついて生長がとまる、こういうことでございますから、最近の東北、北海道における短伐期のしかも生長の早い優良樹種としてのカラマツがこの病菌のために被害が発生してきたということは、今後の造林を進めていく、推進をしていく上において大きな支障を来たすのではないか。このように思うわけでございます。そこで、この病菌はここ二、三年来で急速に伸びてきておるのでありまして、しかも海岸の風衝地から次第に奥地にまで伸びておる、こういう傾向すらありまするので、この被害を早急に防除しなければならん、駆除しなければならん、こういう問題が出てきておるだろうと思うのです。これについて、一体いかなる対策をとられているのか、この点についてひとつお伺いをいたしたいと思います。
#80
○政府委員(吉村清英君) この防除対策でございますが、二通りございまして、森林の防除対策、それから苗畑の防除対策、こういうように分かれるかと思うのでございます。森林の防除対策といたしましては、現在のところこの病菌の生態が一昨年わかったという程度でございまして、これに対する的確な、しかも安価な薬品というようなものは、十分にはっきりいたしておりませんし、まだ製造をされておらないのでございます。したがいまして、この森林の防除対策といたしましては、罹病いたしました立木を伐倒して焼却をする。かつて松食い虫が蔓延したときにいたしましたように、伐倒して焼却をして、消毒をするという方法を現在のところとらざるを得ないのでございます。苗畑における消毒はダイセン水和剤散布を繰り返し行ないまして消毒をいたしているのでございます。この伐倒焼却の経費につきましては、ただいま民有林の関係につきましては、大蔵省に対しまして予備費を要求して、早急に実施ができるように努力をいたしているところでございます。これを法定病虫害に指定をいたすということと同時に、ただいま進めておるところでございます。国有林におきましては、保護費で現在実施をいたしている次第でございます。
#81
○北村暢君 この生態が一昨年わかったというのですが、しかし、これは相当以前に病原菌は発見せられているので、おそらく十数年前かと思うのですが、この病原菌が発見せられ、今日まで、急速に蔓延をしてきた。これは最近における造林が拡大されてきたということにもよるのでしょうけれども、どうも防除法の中にも法定病虫害として指定も受けておらんかった。こういう実態で、しかも被害区域は相当拡大をしてきている、こういうことですから、緊急の措置として今、長官がおっしゃったような措置をとられる。特に北海道、岩手県が非常に多いわけでございますけれども、この予備費の要求をして、まあ本年度からこれを実施するということになれば、この法定病虫害としての指定をすることとの関係においてどういう関係になるか、規定をしない以前に予備費を流用して行政措置として措置をとる。その後において法定指定として政令改正を行なう。こういうことになるのか。これは法定の病虫害として指定は法律の建前から言えば政令改正でできるわけでございますから、これは直ちにやるべきでないか。予備費の要求が通らないということになると、これは指定もできない。こういう因果関係があるかと思うのでありますけれども、そこら辺のところはひとつどういうふうになっておるのか。政令改正をひとつすみやかにやって、予備費も要求し、直ちに本年度から実施をする、こういうことでいくのかどうか。この点はどうなっておるのかひとつ御説明いただきたい。
#82
○政府委員(吉村清英君) 仰せのとおりでございまして、両々相待って進めて参りませんといけませんのでございます。この予備費の流用とその法定病虫害の指定とは同時にできますように進めておるところでございます。
#83
○北村暢君 その見通しはどうでしょう。
#84
○政府委員(吉村清英君) 確実にいつまでにということは申し上げかねるのでございますが、私どもはぜひこれは通さなければならないということで、今せっかく努力をいたしておるところでございます。
#85
○北村暢君 そうしますとこれの相当な面積にわたっておるわけですが、これの防除のやり方にいろいろあるようですが、伐倒焼却するという一番単純な防除法をやる。こういうことのようですが、このためには、大体予算的には今の被害状況を急速にこれを終息させるためには、どの程度の予算が要るんですか。
#86
○政府委員(吉村清英君) ただいま折衝中でございまして、確定をいたしておらないのでございますが、本年度の対策といたしましては、被害の一番最前線地帯を徹底的に駆除をするという重点的な対策を講じたいということで折衝をいたしておるわけでございます。
#87
○北村暢君 この菌は最前線地帯をとりあえずやるというんでありますけれども、被害地と被害地でないところの間に帯状に伐倒をしていく。そうしてまず蔓延しない措置をとりあえずとろうというような場合に、一キロなら一キロの幅で切っていく、そして焼却する、そうすれば大体予算の額というようなものが調査したのですからわかるのだろうと思うのですがね。それは相当な幅はやはり切らないというと、この菌はやはり風で蔓延していくのですから、聞くところによるというと一キロ以上も伝播する。したがって、せっかく切り開いて焼却をしても、予算の関係でこの幅が狭くなっちゃったりなんかしたのでは、せっかくの防除の効果というものは現われないわけです。したがって防除をするのには、緊急性のあるもですし、しかも蔓延させないように防止をするというふうになれば、それはもうかかるものはどうしてもかかってしまうのではないかと私はそう思うのですがね。したがって、予算の折衝の過程でどのくらいになるかわからないのだがということはちょっとおかしいので、林野庁としてはこれだけ防除をするときにはこれだけのものが要るのだということがはっきりするのじゃないですか。それ以外にどうしても帯状だけでは事足りないので全部処理しなければならないとか何とかいうことならばまた別ですけれども、応急対策として今後一年でできないのだろうと思いますが、何カ年か計画でもってやるということになれば、大体の総体の予算くらいはわかるのじゃないか。それによってやはりそれを全部つけないというと防除の効果というものはない。これはまあ山だから少々どうということはない、命に別条はないのだ、こういうことであれば別でしょうけれども、しかしこれが人間であったら、伝染病の摘発はこの間のコレラと同じように徹底的にやらざるを得ない、こういう問題だと思うのですがね。したがって、そういう一般の造林がおくれるとかおくれないとか政策上の問題じゃないのです。森林病害の防除の問題ですから、これはやはりはっきりして、この予算を確保しなければならない、このように思うのです。したがって、これは農林の官房なり、大蔵省にもこの点はひとつやはりはっきりして、林野庁も確固たる態度でこの予算要求というものがなされるべきじゃないか、このように思うのです。そういう点は一体どうなんですか。今言ったように予算の都合でどうでもいいというようなことはちょっとおかしいのじゃないかとこのように思うのですがね。
#88
○政府委員(吉村清英君) ただいま確定しておらないということを申したのでございますが、この伝染地帯の防除を早急に本年度やるということにいたしまして、これの能力その他から検討をいたしまして、民有林におきましては約七千万円程度を要する、それから国有林におきましては一千万円程度を予定いたしまして、これは国有林のほうは実行をいたしておりますが、努力をしておるところでございます。
#89
○北村暢君 今のはまあ今年度の予備費の流用の分だけだろうと思うのですが、それだけでは終了しないので、来年度、再来年度やっぱり続けて防除が行なわれなければならないと思うのですね。したがってそういうふうに要求をするものが大体わかっていなければならないし、それと関連をしてこれは帯状なら帯状に切り開いて、伐倒焼却する分の損害補償に要する費用とこういうふうに思うのですが、そういう費用はひとつ先ほど言ったように、来年度、再来年度の分についても明確になされて、それがまた確固たる資料に基づいて完全駆除ができる処置をとるべきだと思うのです。
 それから伐倒焼却した後における植栽の問題でありますが、植栽する場合にこれは同じカラマツを植えたんではこれは防除になりませんので、これを遮断するための他の樹種、北海道であればトドマツか広葉樹か植えなければならぬ。こういう問題だと思うのですが、ところがこれは法律に指定されれば防除命令によって駆除命令とかによって駆除されるわけですが、その後の植栽の問題については、これは何らの補償なり、損害を補償するような処置というものは今の法律の中にはないわけなんです。したがって、私はその場合だまっておけばこれは植栽するような形にならないじゃないか。そしてまた放っておけばこれまた工合の悪い、防除の効果において工合の悪い結果になる。したがってどうしてもこれは伐倒焼却すると同時に植栽をしなければならない、このように思うのです。そうしますと、その森林所有者に駆除命令を出して、その植栽する方法については補償の義務がない。こういうことになれば、今までの造林補助金による一般の補助の適用、これ以外に方法は今のところないじゃないかと思うのです。しかしそれでは森林所有者は植えないじゃないかと思うのですね。また放っておく可能性も出てくる。帯状に一キロか、何か千メートルくらいのところですから、切り開いたもので本格的な造林というような形にならないのですから、非常に手間もかかるんだろうと思いますし、したがってそういう経済的に不採算なものは森林所有者としては相当な助成措置がないというと、また植えるということについての措置がないというと植えないじゃないかと思うのですね。したがってこれはもっと徹底した助成があるべきだと思うし、また一つには、そこへトドマツならトドマツを植えることが一つの防除になるのだと思う。そういう解釈からいけば何か損害補償の対象になるような気もするのですが、今の法律解釈からいけば、どうもそこまで解釈することは無理のようですし、したがって私は手っとり早い処置はやはり災害というものについての全額国庫補助あるいは地方団体で、所有者自体には迷惑をかけない、こういうような形で植えさせる方法がないものかどうか、こういうふうに思うのです。したがってこれは他の災害というものとの関連もないわけではないと思うのです。したがってそういうことが可能なのかどうか、この点は官房の総務課長も来ておられるようですから、ほかのものとの比較の中においてどういうふうになるのか、この点をひとつお聞きしたい。
#90
○政府委員(吉村清英君) 仰せのとおり、この跡地の造林につきましては、非常に慎重に取り扱わなければならないのでありまして、何とかいたしまして、この造林者が積極的に造林が進められるように措置を講じたいと考えておるのでございます。差しあたりの問題といたしましては、他の災害跡地における造林に対する補助というようなことをまず検討をいたしておるのでございます。さらにその国庫の全額補助でありますとか、今抑せのような問題については、目下のところでは方法がないのでございます。十分にこの点は今後検討をいたしまして、少しでも跡地の造林が進みますように努力をしなければならないと考えております。
#91
○説明員(石田朗君) 関連いたしましてお答え申し上げます。ただいまお話ございましたが、災害の場合において、いわゆる個人の被害というものに何か手当ができないか、それに対して補助が出ないものかという種類のお話が、昨年の第二室戸の大災害の場合にも出ましたが、いろいろ御意見がございましたことはございます。これにつきましては私どももいろいろと検討いたしたわけでございますが、実は農林水産業部門におきましては、他の産業部門に比較いたしますと、あるいは農地なり林道なり、あるいは治山なりの関係におきまする補助であるとか、その他ほかの部門に比べますと、若干ともいろいろな手当はいたしておりますけれども、全体といたしまして個人災害に対する補助による手当ということは、現在までのところ非常にむずかしい面があるわけでございまして、今までのいろいろな災害が起きましても、一般の災害復旧なり、そういうものを行ないますほか、個人の方々のただいまのようないろいろな問題につきましても、その他の一般の、たとえば昨年の果樹の災害につきましても果樹振興に関しまする資金なり、あるいは果樹の公庫融資の問題というようなものを活用いたしますとか、そういうふうに各方面の手段をできるだけ具体的な地方災害の場合に適用いたしまして、何とか切り抜けていただくということをやって参ったというのが実情でございます。今回の問題につきましても、ただいま林野庁長官がお答えいたしましたように、いろいろな手段を活用いたしまして、できるだけ私ども手当をいたすということに相なろうかというふうに考えております。
  〔理事堀本宜実君退席、委員長着席〕
#92
○北村暢君 どうもはっきりしないのですが、これは個人の災害をもとのように復旧するだけの意味でないのですね。伐倒した跡に植えるとか、他の所有者なり他の地方公有林なり国有林なり蔓延していくことを防ぐために強制的に植えさすよう、その強制的に植えさせるという手段がこの法律の中にはないわけなんです。したがって、そこまで法律改正をやるのなら、したがって植えること自体が防除手段として補償の対象になる。こういうふうに思うのですが、それが実は法律にないわけなんですね。したがって、私の質問したいのは、今のところ手っとり早い応急処置として政令改正でカラマツの先枯病を政令で指定する、指定するけれども今まで指定されているのはほとんど害虫なんですね。そして野鼠と害虫が大部分で菌の指定というのはないわけなんです。今度が初めてでないかと思うのです。したがって、菌というのは害虫とちょっとやはり違う。今言ったように防除の仕方も、その菌が出てきたために、新たな防除手段というものが出てくるのじゃないか、したがって、法律改正をして損害補償の中に、造林することが防除手段といえれば損害補償になるということは、造林を命令する、こういうことになれば補助の適用をするという。たとえば全額国庫あるいは地方公共団体全額補助をして植えさせる、強制的に植えさせる、こういうことが可能ではないかと思うのです。そこまで法律改正をやるべきでないか。ところが、差しあたりの問題は、実はそれができないわけなんですね。したがって、通常国会でもそういうことでまた、そういう私の言ったようなことが可能であれば法律改正をして、防除の手段として入れることが可能であれば法律改正してもいいわけです。そこら辺の見解はどのようになっておるか。私どもが一応聞いているところによると、林野庁の考え方としては、これはやはり全額国または地方公共団体でもって負担する、そうして強制造林をやらさせたい、こういう意思があるように伺っているのですが、そういう考え方が成り立つものか成り立たんものか、私はそうしなければ防除の効果はないと思いますから、当然やるべきだと思うのです。
 それからもう一つは、先ほどお伺いしたのですが、防除に要する、今の造林じゃなく防除に要する費用等についても、これは全額国庫で負担するのか、地方公共団体でやるのか、また何か年計画くらいでこれを防除しようとしているのか、この辺のところをもう少し明確に御答弁いただきたいと思います。
#93
○政府委員(吉村清英君) その法律の問題でございますが、今まで虫ばかりでございますが、あれは病虫害と、病も入っておるのでございます。その点は差しつかえないのですが、改正をするとしますと、先生のおっしゃるような再造林を防除と考えるかどうかということになるかと思うのですが、かつてのマツクイムシあたりの場合、現在、マツクイムシの駆除をやっておりますが、あれも駆除だけが防除でございまして、さらに広葉樹の混淆であるとか、ああいった病虫害の防除帯を作るということまではちょっと考えておらないのでございます。御指摘もございましたので、十分勉強をいたしてみたいと思っております。
 それと、この防除対策でございますが、三十七年度は約七千ヘクタール、それから三十八年度も七千ヘクタール、それからそれ以後二万六千ヘクタールを逐次計画的に防除をして参りたいというふうに考えております。その防除の経費でございますが、これは国で三分の二を持ちまして、都道府県で三分の一を持ってもらうという考え方でおるのでございます。
#94
○北村暢君 今の法律改正等についても、今後検討されるというのですが、実際問題として焼却した帯状のところに植えなければ効果がないのですから、だから今の法律では方法がないわけですね。したがって、方法がないからといって、それではほっておくかという問題です。ほっておけないですよ。二年ほっておけばブッシュが立ってしまって、地ごしらえするのに大へん金がかかってしまう。これは切ると同時に翌年植えなければならない、こういう問題が出てくる。したがって、十分検討をいたしましてなんて、のんびりかかっている問題じゃない。だから私がやかましく言っておるのは、官房の総務課長も、災害復旧の個人災害に対する単なる補助措置とは意味が全然違うのですよ。したがってそういう点で違うのですから、この従来の一般の造林の補助金、これでは植えるか植えないかわからないわけなんですね、森林所有者が。強制的に植えさせなければならないわけなんですね。植えさせなければこれは効果がなくなるわけですから、したがって強制的に植えさせるためには高率補助というものが妥当じゃないか、このように思うのですよ。その考え方はどうなんですか。実際どのようにやろうとしておられるのですか。
#95
○政府委員(吉村清英君) 先生のお考えからすれば十分にはいかぬと思いますが、一般の場合の、再造林に対する補助額よりは高くなるというのは、災害跡地の造林並みにいたしたいということを考えて今検討いたしておるところでございます。
#96
○北村暢君 まあ大体いいですがね。大体ここは焼いてしまうのですからね、ほかの木は立たないわけなんですよ。木はなくなつてしまうのです。だから植えなければならないのですよ。黙っておいてもブッシュは生えてくるでしょうけれども、なかなか木が生えるというわけにいかないのですね。そこにまあ問題があるわけなんです。切ったなりで黙っておれば広葉樹か何か生えるでしょう。ところが植えなければ、また効果がないのですから、風を遮断できなくなるわけですから、したがってほかの樹種でもって遮断をするということなんですから、やはりそこを強調することによって、高率補助の理由というものは成り立つのじゃないか、私はそう思います。したがって今長官も大体そのようなつもりで高率補助の方向で検討されるというようなことだから、まあ官房のほうの予算査定等においても、これは十分一つ考慮をして大蔵折衝をやっていただきたい、そうして早急にやらないというと、これは病気なんですから、蔓延していきますから、早急にやっていただきたい、このことをお願いいたしまして質問を終わります。
#97
○委員長(櫻井志郎君) 暫時休憩いたします。
   午後三時三十三分休憩
   ――――・――――
   午後三時四十一分開会
#98
○委員長(櫻井志郎君) 委員会を再開いたします。
 この際、お諮りいたします。環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律案について、社会労働委員会に連合審査会の開会を申し入れるに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#99
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後三時四十二分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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