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1962/08/16 第41回国会 参議院 参議院会議録情報 第041回国会 地方行政委員会 第2号
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1962/08/16 第41回国会 参議院

参議院会議録情報 第041回国会 地方行政委員会 第2号

#1
第041回国会 地方行政委員会 第2号
昭和三十七年八月十六日(木曜日)
   午前十時十八分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     石谷 憲男君
   理事
           小林 武治君
           西田 信一君
           秋山 長造君
           市川 房枝君
   委員
           小沢久太郎君
           鍋島 直紹君
           占部 秀男君
           鈴木  壽君
           林  虎雄君
           松澤 兼人君
           松本 賢一君
           鈴木 一弘君
  国務大臣
   自 治 大 臣 篠田 弘作君
   国 務 大 臣 大橋 武夫君
  政府委員
   内閣総理大臣官
   房公務員制度調
   査室長     増子 正宏君
   大蔵省主計局次
   長       谷村  裕君
   自治政務次官  藤田 義光君
   自治大臣官房長 大村 襄治君
   自治省行政局長 佐久間 彊君
   自治省財政局長 奥野 誠亮君
   自治省税務局長 柴田  護君
  説明員
   大蔵省主計局主
   計官      松川 道哉君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の互選
○地方行政の改革に関する調査
 (地方公務員の給与に関する件)
 (住民税に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(石谷憲男君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 初めに皆様に申し上げますが、前回理事の互選に際しまして、理事一名の方の選任がおくれておりますので、この際、その選任を行ないたいと存じます。
 委員長から小林武治君を理事に指名いたします。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(石谷憲男君) 次に、このたび自治大臣並びに国家公安委員会委員長に就任せられました篠田弘作君から就任のごあいさつをいたしたいとのことでございますので、これをお伺いいたしたいと存じます。
#4
○国務大臣(篠田弘作君) 今回、内閣の改進によりまして私が自治大臣並びに国家公安委員長の重責に就任をいたしました。何分ふなれな者でございまして、特にいろいろこの委員会におきましては専門的な問題もたくさんあるのでございますし、今申し上げましたようにまことにふなれでございますので、よろしく御指導のほどをお願い申し上げます。どうぞよろしく。(拍手)
#5
○委員長(石谷憲男君) 次に、このたび自治政務次官に就任せられました藤田義光君のごあいさつをお願いいたします。
#6
○政府委員(藤田義光君) 御紹介を受けました藤田でございます。
 このたび自治政務次官に就任いたしました。どうぞ皆さん方の御指導をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
  ―――――――――――――
#7
○委員長(石谷憲男君) 次に、地方行政の改革に関する調査を行ないます。
 本日は、占部秀男君から地方公務員の給与に関する件、鈴木壽君から住民税に関する件につきまして、それぞれ調査をいたしたいとの申し出がございますので、これを許可することにいたします。
 都合によりまして、初めに地方公務員の給与に関する件を議題といたします。政府側からは、間もなく大橋国務大臣が参ります。そのほか、大蔵省主計局平井給与課長、松川主計官、自治省から佐久間行政局長、奥野財政局長が出席いたしております。
 御質疑の方は、どうぞ御発言を願います。
#8
○占部秀男君 地方公務員の給与関係の問題について御質疑いたしたいと思いますが、大橋給与担当の大臣に、まず、お伺いをいたしたいと思います。
 大臣も御存じのように、地方公務員の給与は一般的には国家公務員の給与に準じて扱われる、こういうことになっておりまして、一斉のベース引き上げの場合には、これは何といっても人事院勧告の動向が結局は全国的に地方公務員の引き上げの問題を規制する――かような基礎になるとか、規制するとか、まあその言葉はありますけれども、かような実情が全体であります。そこで、この問題の急所がはっきりしなければ地方のほうの給与の扱い方がはっきりしない、かような関連性を事実上は持ってくるわけであります。
 で、この給与の勧告の内容その他の問題については、内閣委員会でもこまかくまた検討もされると思いますので、私は大ワク的に原則的の問題をお伺いをしておきたい。それは今後のわれわれのほうの審議の重大なコースになるわけでありますから、そういう点について二、三お伺いをいたしたいと思います。
 まず、この人事院勧告が出たその扱いについての政府の基本的な態度の問題について、お伺いをいたしたいと思います。というのは、昨年の給与改定のときでありましたか、たしか人事院勧告が出るとすぐに総理ももちろん政府はこれを尊重するんだという建前に、その前の委員会等の質疑等で答弁をしていたわけでありますが、特に当時の官房長官の大平氏は、すぐに、これはもう政府としてはこれを尊重してやる、こういう新聞発表をはっきりとしたわけです。今度の人事院勧告については、黒金官房長官は、勧告を尊重する建前で政府はいるのだけれども、諸般のいろいろな財政的な関係、その他の事情があるので、慎重にこれを扱っていくのだ、こういうようなことを、たしか談話か何かで発表されたと思うのであります。これは給与を受ける中央、地方の公務員の側から見ると、非常に不安な問題である。もちろん政府としては、尊重していくだろうとは思いますけれども、しかし相当この問題は不安な、何というか感じを与えているわけです。そこでこの問題について、政府は根本的にはどう扱うのか、こういうような点を、まず第一番にお伺いいたしたいと思います。
#9
○国務大臣(大橋武夫君) 政府といたしましては、人事院の勧告というものは、その性質から見まして、国家公務員法に規定されましたとおり、団体交渉権等を制限された公務員諸君の勤務条件の確保についてはこれは政府のほうで責任をもって、妥当な水準を維持しなきゃならぬ、こういう考えのもとにかようになっておるのでございますので、この人事院の勧告というものにつきましては、でき得る限りすみやかにこれを実施するということは常に考えなきゃならぬことであると存じます。今回の人事院の勧告に対しましても、政府は、この考え方に特に変わりがある次第ではございません。ことに今回の勧告を実施するにあたりましては、昨年の年末に暫定手当の問題についての人事院の勧告もいまだ実施の時期を見ずして今日に至っておるような次第でございまするから、当然これをも合わせまして、できるだけすみやかに実施をして、人事院勧告を尊重するという実をあげなければならぬ、かように考えておる次第でございます。
#10
○占部秀男君 大臣、あとでまだいろいろ問題がありますから、私は急所の点だけ簡潔にお伺いしますから、ひとつはっきりとお答えを願いたいと思います。
 今大臣の御答弁ですと、こういうふうに確認してよろしゅうございますか。黒金官房長官の談話は、結局はこの前の大平官房長官の談話と変わりはないのだ、これは実施するということで政府の人は諸般の準備をするのだ、こういうことに結論的にいえば考えてよろしいと、こういうことでありますか。
#11
○国務大臣(大橋武夫君) 先ほど私から申し上げたとおりでございます。
#12
○占部秀男君 私が申し上げたとおりということを、私は今、あとで申し上げたような形で受け取ったわけですが、それでよろしいかどうかということをお伺いをしておるわけです。
#13
○国務大臣(大橋武夫君) それでよろしいと存じます。
#14
○占部秀男君 そうしますと、これは内容のこまかい点はいろいろあると思うのですが、第一に、給与担当の大臣として、勧告案の内容の急所の点だけちょっと根本的な点をお伺いしたいのは、世上伝わるところによると、あの人事院勧告は、御存じのように五月遡及実施ということになっておりますが、政府は、これを財政的な見地から、来年回しにしようじゃないかというふうな話もある。中には、いや十月実施というような話もある。かように、いろいろとまちまちであります。この点について、私は大臣のはっきりしたひとつ、何といいますか確信といいますか、お答えをひとつ願いたいと思うのでありますが。
#15
○国務大臣(大橋武夫君) 人事院の勧告は、五月一日から実施することが望ましいと、こういうふうな表現を用いられておるのでございまして、私どもも、その趣旨を十分に翫味いたしまして、できるだけそういう趣旨を実現するように勇力いたしたいと思っております。しかしながら、現在の段階におきましては、まだ政府といたしましては諸般の取り調べを終わっておりませんので、現実に何月から実施することになるかということをお答え申し上げる段階に至っておらないことを遺憾といたします。
#16
○占部秀男君 まあできるだけこれを、時期の点についても人事院勧告を尊重していきたい、こういうふうなお答えでありますけれども、それじゃ一体この時期がきまるのは、まあ内容のほかの点についてもそうであると思いますが、いつごろ政府としてはこれらの点についてはっきりしたきめ方をするのでありますか。その点をお伺いいたしたいと思います。
#17
○国務大臣(大橋武夫君) 実は今年度の財政事情等を考えまして、補正予算その他具体的な財源の検討を目下いたしておるところでございます。したがって、もちろん年内には決定できるものと思っておりますが、できるだけすみやかに決定して、早く政府の方針を確定して、公務員の方々にも安心していただくようにきめたい、かような考えで目下努力をいたしております。
#18
○占部秀男君 どうも大臣の御答弁はちょっと受け取れないのでありますが、大臣は今財政事情や財源の検討も年内にはできるだろうというようなお話ですが、それはとんでもない話であって、もう少し私ははっきりした御答弁がいただけると思ったのです。というのは、この公務員の給与の引き上げについての勧告の問題は御存じのようにこれからというのじゃなくて、人事院としてはですよ、すでに五月に遡及をしてこれをやるべきである。それだけの緊急性を持っておるわけです、公務員の生活の実態の上からいって。それをですね、年内にはその時期その他根本的な問題が決定をできるであろうというような、それはあまりに何というか、まあ余裕が大臣としてはあるのかもしれませんが、公務員はそれほど余裕はないのであって、もっと、私ども、むしろこの臨時国会中には結論を出したいのだと、そういうように努力をするのだと、そこまで僕は政府は誠意をもって言っていただけると期待をしていたのです。あまりにかけ離れていてちょっと質問のしようがないのですけれども、大臣はそれでいいとお思いになっておりますか。
#19
○国務大臣(大橋武夫君) 実は昨年は八月のたしか八日ごろに勧告がございまして、十月に臨時国会がございました。それまでに政府の大体の方針を確定して具体的な案を十月の臨時国会に提案することができたのでございます。今年は臨時国会がどういうことになりますか、今のところは今国会の次には通常国会が予想されるにとどまっておるようでございます。しかし、政府といたしましては、次の国会がいつになるということにかかわりなく、できるだけすみやかに取りきめるようにいたしたいと思っております。したがって、大体年内というのはですね、年末に辿ってからということではなく、ここ一、二カ月の間できるだけ早い機会に方針をきめて公務員諸君に心を安んじていただくように取り計らうことが政府の務めだと思っております。
#20
○占部秀男君 そこで、どうも私は率直に申して不安があるのですが、今のお話で、まあ年内というのは年末じゃないのだ、できるだけ早くと言われた。この前のときにはちょうど十月の臨時国会に間に合うように問題を出した。今大臣がはっきり言えない事情としては、財政事情その他ですね、この補正予算をするかしないかというような問題にからんでおると、そういうような点が私は一番大きな点であると今の御答弁で承った。そうなると、その財政事情とか、あるいはこのまあ補正予算問題に関連するわけですが、政府の財政事情によって、人事院勧告の問題よりはむしろ財政事情に重点を置いて、人事院勧告の内容面について取り扱いがされると、こういうようなわれわれはまあ感じを持つわけです。まあ率直に申しますと、人事院勧告はあれだけれども、財政事情が許さないから時期については来年からに延ばすのだと、内容については平均して七・九ですか、この引き上げの問題もこれをへずっていくのだと、こういうような考え方がこの中に、特に今の大臣の御答弁の中にはあるような感じがしてならない。そういう点について大臣の率直な御答弁をひとついただきたいと思います。
#21
○国務大臣(大橋武夫君) 財政事情によりまして内容をへずるというようなことはこれは全然考えておりません。ただ御承知のとおりに、ただいま勧告されておりますものは国家公務員の一般職の方々の給与だけでございまして、このほかに特別職の給与につきましては、やはりこの勧告を実施いたします際にはこれと均衡をとって政府といたしまして特に俸給表その他を作らなければならぬことは申すまでもございません。
 それから、さらに地方公務員の諸君の給与につきましては、義務教育費の国庫負担分、あるいは地方財政交付金、こういうような財政上の手当を当然予定しなければなりませんので、それらにつきましていろいろ総額の見当もつけ、また事務的な手はずについての目当てもつける必要がございますので、かたがたもうしばらく検討を続けさせていただきたい、かような趣旨にほかならないわけでございます。
#22
○占部秀男君 この点については、私は、最後に今の点を結論的にひとつ確認をしておきたいと思うのですが、大臣のさような財政的な関係からして無理にどうこうするという考え方はない、こういうことになれば、国会の召集がいつになるかは、これはわかりませんけれども、国会の召集の時期にかかわらず作業はやはり作業としてやるんだと、こういう観点に立っておられると思うのです。そうすると、少なくともこれはまあ政府のほうとしては、初めての給与勧告の問題じゃありませんから、やはり前回やられたような形で、これはもうおのずから常識的に決定する時期があると思うのですね。そういうような時期にはやはり出してもらえると、率直に言えばこの前が十月の国会に間に合ったのだから、少なくともこの臨時国会は――私たちは臨時国会を希望しているけれども、かりに近い時期にははっきりした政府の態度が、まあ給与法の改正になりますけれども、そういう点が明確にできると、かように考えてよろしゅうございますか。
#23
○国務大臣(大橋武夫君) 私といたしましては、さような考えをもってできるだけすみやかに政府の方針を決定するように努力いたしたいと思っております。
 ことに今回の勧告を実施するに際しましては、昨年末の暫定手当の問題、これもやはり勧告の趣旨に従ってあわせて解決したい、こういう考えを持っております。
#24
○占部秀男君 もう一つ。
 それは、これはまあ大蔵省が主たる関係になると思うのですが、今大臣の言葉の中に出た問題になりますが、結局この人事院勧告を実施する場合には、その実施の内容によって財政措置が違ってくるわけですけれども、財源の問題が違ってくるわけですが、いずれにしても常識的に考えて、これはやはり補正予算を組まなくちゃならぬと、かようにわれわれは考えておるのですが、大臣の今考えておられるところはどうですか、こういう問題について。
#25
○国務大臣(大橋武夫君) この実施につきましては、当然今年度の分については、何がしかの補正予算は必要であると考えております。ただ補正予算を実際国会にお諮りいたす時期については、国会の関係で時期は明らかでありません。しかし時期のいかんにかかわらず、補正予算は当然必要となるものと考えております。
#26
○占部秀男君 主計局長は来ておられますか。
#27
○委員長(石谷憲男君) 来ておりません。
#28
○占部秀男君 それでは今の問題点について大蔵君側にちょっとお伺いしたいのですが、松川さん、主計官ですね。決して僕は主計官だから低いとか、局長だから高いとか、大臣だからどうとか、そういう意味ではありませんけれども、きょうは主計局長に来ていただいて、その点についてのはっきりしたひとつ答弁をいただきたいと、こう思ったので、主計官もひとつ局長の責任をもって答弁をしていただきたいと、こう思うのですが、もし答弁できないきとは、できないでけっこうであります。
 そこで、今大橋さんからお話がありましたうちで、これは補正予算を組まなければならないだろうという、これは給与担当大臣としての考え方――これについて大蔵省のほうの考え方はどういうふうになっているのですか、現在のところ。
#29
○説明員(松川道哉君) 私、直接の担当ではございませんので、責任をもってお答えはいたしかねますが、私どもの聞いております限りでは、今回の給与改訂につきましては、ただいま検討を急いでおります。そのほか種々の関係もありまして、本国会では補正予算を出す考えはないと、このように聞いております。
#30
○占部秀男君 それでは今国会では補正をしないということは、これはこの前も質問したときに答弁があったと思うのですよ、それがいいとか悪いとかは別として。しかし補正予算をこの問題で出すのか出さないのか、こういうことについてお伺いしたいというのですよ。答弁できないならできないでけっこうですよ。
#31
○説明員(松川道哉君) 本問題についてはただいま検討を急いでおりますので、その結論を待ってからでなければ、今御質問の点についてはお答えできないのではないかと思います。
#32
○占部秀男君 なかなかりっぱな御答弁で、弱っているのですが、結局きょうは主計局長は間に合いませんか。僕は何も無理にこの問題で時間をとろうなんという考え方ではありませんから。
#33
○委員長(石谷憲男君) 重ねて連絡をとります。
#34
○占部秀男君 それでは、この問題はあとで主計局長がこちらに来られたら、ひとつ質問をさしていただきたいと思います。
#35
○松澤兼人君 ちょっと関連して大橋大臣にお伺いしたいのです。先ほどから占部君からもお話があり、大臣からも御答弁があったのですが、昨年は臨時国会があったからそれに間に合わせることができた。ことしは臨時国会があるかないかわからない、こういうお話であります。そのときに占部君から、われわれとしては臨時国会を開くことを希望している、こういう話もございました。首相の外遊の問題もございますから、技術的にそれが可能かどうかということは別としまして、少なくとも臨時国会を開くようになったら、その臨時国会に、この勧告の実施に関する財政的あるいは法律的なそういう措置をとるように大臣としては御努力なさいますか。
#36
○国務大臣(大橋武夫君) そのように努力いたすつもりでございます。
#37
○占部秀男君 それでは大橋さんはもうけっこうです。あとは地方財政の問題を伺いますから。大臣も忙しいでしょうから協力いたします。
 そこで地方財政の問題に入りたいと思うのですが、主計局長が来ていないので、実はちょっと奥野さんの分以外の分も聞くようになりますので、もしわかるところは――答えられるところは答えていただきたい。
 そこで人事院勧告が出ている。これを現在の人事院勧告のままかりに実施をした、こういうことになりますと、中央、地方でどのくらいの財源が必要になりますか。その点ひとつ明らかにしていただきたい。
#38
○政府委員(奥野誠亮君) 人事院勧告は五月実施ということにいたしておりますので、そういう計算でいたしますと総額で七百七十億円でございます。なお国庫補助職員がございますので、それも加えますと七百九十億円余りになるようでございます。
 なお人事院勧告には、この勧告に伴いまして昭和三十七年度に二百七億円の予算が不足と見込まれると、こういうふうにうたっておるわけでございますので、千億円程度に、両方合わせるとなるのじゃないかと思います。
 なお、大蔵省の方が来ておられますので、国庫の関係の分につきましては大蔵省からお話しいただきたいと思います。
#39
○占部秀男君 今の金額は、これは今度の補正に要する分だけでありますか。それから、なおその内容は国と地方、両方通じてこれだけでありますか。その点。
#40
○政府委員(奥野誠亮君) 一般会計の部分について申し上げたわけでございまして、たとえて申し上げますと、このほかに、先ほど大橋大臣が特別職の分をどうするかというようなことも検討事項だとおっしゃっておりましたが、そういう部分は入っておりません。また病院関係でありますとか交通関係でありますとか、地方公営企業の関係のものがございます。国につきましても同じように政府関係機関のものがございます。こういうものももちろん今申し上げました数字の中には入れていないわけでございます。要するに一般会計で負担する職員の部分、しかも特別職を除きました部分につきましてお答え申し上げたわけでございます。
#41
○占部秀男君 それはそれで、内容というものはわかったんですが、結局これはまあ平年度計算じゃなくて、五月から三月までの計算と、かように考えてよろしゅうございますか。
#42
○政府委員(奥野誠亮君) そのとおりでございます。
#43
○占部秀男君 そこで、この地方のほうの問題ですが、この義務教育の国庫負担分についての問題を除いて、一般分としてどの程度になりますか。
#44
○政府委員(奥野誠亮君) 先ほど申し上げました形で申し上げますと、補助職員以外の部分だけで六百二十九億円を予想いたしております。補助職員を入れまして六百四十億円程度と、こう考えておるわけでございます。ただ、かなり荒い計算をしておりますので、相当にこの数字は動いてくる可能性がございます。
#45
○占部秀男君 この六百二十九億のうち、県と市町村の概括の内訳はどうなりますか。
#46
○政府委員(奥野誠亮君) 六百二十九億円の部分で申し上げますと、府県が四百二十二億円、市町村が二百七億円ということになっております。
#47
○占部秀男君 そこで、この六百二十九億円の問題ですが、これはもう当然、まあ過去においてはいろいろなあれがありましたが、とにかく前回も前々回も、この問題についての地方への財政措置はまあはっきりと――非常にこれは奥野さんがはっきりやっていただいてけっこうだったと思うのですが、今度の場合もそういうような工合にやっていただけるわけでありますか。
#48
○政府委員(奥野誠亮君) 地方財政に与える影響が非常に大きなものになろうかと思います。そういう場合には、当然地方交付税法の改正を行ないまして、必要な財源を基準財政需要額に算入すべきものだと、こう考えております。従来もそういうような措置をとって参ってきているわけでございます。
#49
○占部秀男君 今の地方交付税法の改正の問題に関連して、ちょっとお伺いしておきますが、基準財政需要額の結局基礎単価の修正の問題になってくると思うのですが、その改正だけで、まあ税率関係は別に考えていないわけですね。
#50
○政府委員(奥野誠亮君) 基準財政需要額を増額いたしますと、自然財源不足額が大きくなって参りますので、その財源不足額をどういう形で埋めるかということになって参るわけでございます。従来の例によりますと、国の補正予算に計上されます歳入、その中には所得税等いわゆる三税の増収分がございますので、これに見合う地方交付税の増収、それがこの財源不足額が大きくなった部分に対する穴埋めになっているというのが例でございます。
#51
○占部秀男君 そこで念のためにお伺いしておきたいのですが、この六百二十九億のうち、不交付団体の分と、それから交付団体の分、これがおそらく含まれていると思うのですが、そういうことになっておりますかどうか。また、なっておったとしたならば、その分類の金額はどういうふうになるか。これをひとつちょっと。
#52
○政府委員(奥野誠亮君) 交付団体の部分が四百丘十七億円、不交付団体の部分が百七十二億円ということでございます。
#53
○占部秀男君 そこで実は大蔵省の主計局長が来ないので、基礎の補正予算の問題がどうもはっきりしないのでやりにくいのですが、今までのお話――質問は補正予算があった場合とわれわれ考えて、したがって主税の伸びに対する財政措置を、財源措置と申しますか、それを前提としてお答えになっただろうし、われわれも質問しているわけですね。そこで、かりに補正予算をしないという場合になると、どういう扱いになるのか。その点をひとつお伺いしたい。
#54
○政府委員(奥野誠亮君) かりに五月実施をするのだ、しかも補正予算を組まないのだ、こういう決定は私たちはあり得ないと考えております。先ほど大橋大臣も、国の職員のことだけじゃなしに、地方公務員のことも考えて、あわせ検討しなければならないとお答えになっておりましたが、それはそういう事情をあわせ考えてのお答えであったと、こう思っております。
#55
○占部秀男君 きわめて明快な御答弁をいただいて、ありがとうございました。もしそうならない場合には、ならない場合で質問させていただきたいと思います。そこで今の問題点ですが、そうすると、これは念を入れるようで非常にくどいようですが、実はこれは局長御存じのように、地方のほうは、財政措置を国からしても、まあこれは県や大きな市ではそういうことはありませんけれども、町村のような場合には金がないのだと言って、出さない町村も――出さないと言っては悪いけれども、上げない町村も相当あるわけですね。そこで、やはりこういう点については私は、明確に地方公務員の特に町村関係については、この四、五年、給与問題でこの委員会でも相当問題になった問題ですから、明確にしておきたいと思うのですが、補正予算を組まないで財政措置をする。そういう場合には、これは普通交付税で出すのですか。特交で出すのですか。
#56
○政府委員(奥野誠亮君) 基本的には普通交付税で交付すべきものだと、こう考えております。
#57
○占部秀男君 そこで、普通交付税の場合になると、これはもう実は時期の問題があるのですね。まことに私は、町村長何も全部不信だという意味ではありませんけれども、そういうような実情があって、この前のときは普通交付税と特交の間に、あれはたしか一月いっぱいですか、入れていただいた。このことが、地方のほうでは率直に言えばこれはまあはっきりした給与財源である、こういうところから扱いが非常によかったわけですね。よかったというか、スムーズにいった。それでもやっぱり上げない町村長なんかあったのですけれども、しかしスムーズにいったわけですね。今度もやはりそういうようなはっきりした扱いをしてもらえると、そういうふうな方向でいくのだと、こういうことを考えてよろしゅうございますか。
#58
○政府委員(奥野誠亮君) 自治省としては、当然そういう方向で努力をしていきたいと考えております。
#59
○占部秀男君 そこで、この問題についてのこまかい点は、また、あとでもう少し問題が進んでからひとつお伺いをしたいと思うのですが、ただ一つだけ付け加えてお願いを申し上げたいことは、不交付団体では現在あるのだけれども、不交付と交付のすれすれのところがある。そこで計算をやり直して、それで交付団体になる場合もあるわけですね。これはある程度問題は解決する。ところが不交付団体にはならない。ところが予算というのは、御存じのようにもう一応予定しておりますから、あとの税収の伸びが相当思わしくないというので、実は金が苦しいから人事院勧告どおり上げるわけにいかぬというようなところが一、二じゃなく、この前のときは出たという実例があるわけです。こういうところは何とか人事院――これはわれわれは人事院勧告を肯定しているわけじゃありませんけれども、最低ぎりぎり国の公務員に準じての引き上げができるような、何とか特別な措置といいますか、これはまた、金融措置とか、いろいろな内容の問題はあると思うのですけれども、それをしてもらわないと、公務員は飯が食えないということになるわけなんです、地方公務員は。特に、そういう問題が起きるところは従来から財政関係があまりよくないとか何とかいって、不交付団体であるけれども、いろいろな事情で給与関係はよくないというところが多いわけです。で、かえって給与関係がやはり一定の、ノーマルな状態になっているところはそういう問題はない。
 そうなると、特に待遇の悪い地方公務員がさらに悪くなる、こういうような実情が出てくる。そういう点、何とか局長として措置ができるような、何というか、現実に市町村の職場で上がることができるような、そういうような方法というものを考えてもらえないかどうか。もし考えてもらえるならばどういう方法があるか、こういう点ひとつお伺いしたい。
#60
○政府委員(奥野誠亮君) 率直に申し上げますと、年度の途中に大きな補正要因が起こってくるということは、しばしば財政運営を混乱させることでございまして、私たち非常に憂慮している問題でございます。同時にまた、地方公務員の給与はしばしば問題になりますように、国家公務員ベースを基準にして考えているわけであります。御指摘のように府県の公務員につきましては、国家公務員ベースにできる限り近づけていくように私たちは財源措置もし、そういう指導をして参っております。半面、非常に高いところはできる限り国家公務員ベースに合わしてもらいたいというような要望もいたしているわけでございまして、たまたま不交付団体であり、しかも公務員ベースよりも低いのだという団体、これは希有な例に属するかもしれないと思うのでございますけれども、そういう団体については、そういう際にあるいは地方債の問題その他の問題につきまして、あとう限り団体の財源のゆとりができますように相談には応じていきたい、こう思っております。
#61
○占部秀男君 どうも局長は頭がいいので、高いところまでおっしゃった。高いところは私は別に問題にしていない。それはひとつ気をつけていただきたい。
 そこで、調整その他やっていただくというお話ですが、それはまた、そのときに具体的に申しますが、これはどうしても工合が悪いというような場合には――現実に命がないのだ、これではできないのだというような場合には、私は金繰りをしただけでも問題の解決になるという点が相当あると思います。そういう点をひとつ、今後の問題ですが、ひとつ何と申しますか、応急の措置をしてもらいたいと思うのですが、そういう点だけちょっと念を入れてお答えを願って、一応私の質問は終わります。
#62
○政府委員(奥野誠亮君) 不交付団体の御指摘のような特殊な事情につきましては、十分相談し合って参りたい、善処して参りたい、かように考えております。
#63
○占部秀男君 一応、私の質問はこれで打ち切りたいと思います。あとで主計局長にちょっと……。
#64
○委員長(石谷憲男君) それでは占部君の質疑につきましては、主計局長が出席できまする場合におきましては、主計局長に対して御質問をしていただくということにして、次に入りたいと思います。
#65
○委員長(石谷憲男君) 次に住民税に関する件を議題といたします。
 自治大臣及び柴田税務局長が出席いたしております。御質疑のある方は御発言を願います。
#66
○鈴木壽君 最近、今年度になってからでありますが、住民税が非常に高くなった、こういう問題が各地に起こって大きな問題となっておるのでありますが、これについて大臣としてどういうふうな見解を持っておられるか、あるいはこういう問題を具体的に御検討になったのかどうか、ひとつその点をお尋ねしたい。
#67
○国務大臣(篠田弘作君) 私自身も住民の一人でありまして、前から住民税が高いのじゃないかということを考えておりましたが、そのときは私はしろうとなりに、これは住民税といっても府県税と市民税を一緒に取るから高いのじゃないか。だからこれははっきりと赤なら赤、青なら青、こっちは県税、こっちは市税というふうに分ければそんな高い感じは受けないのじゃないかというようなしろうと考えでしばしば議論をしておる。今度自治省に入りまして、いろいろ調べてみましたところが、その高くなった原因というものには三つある。一つは例の六百五十六億の所得税の減税をやりました。その際に、所得税のほうは減税したけれども、道府県民税のほうは二百十八億だけ増徴を許したということが一つの府県民税の上がった原因である。しかしこれをよく考えてみるというと、差引きでは四百三十八億の負担減になっておるのだから、この府県民税は上がったけれども、納税の側から言うならば、むしろ減税であるというような理屈もありますが、とりあえず府県民税が二百十八億だけ増徴されることになったということが一つ。
 それから、もう一つの原因は、住民の所有が三十五年に比較しまして三十六年度は一七%上がっておる。そこで御承知のとおり、前年度の所得に対して府県民税というものは――住民税というものはかけられておりますから、一七%所得が上がっておるというと、名目的なかりに減税がありましても、それだけでむしろ府県民税が上がってきておる、こういう理由が一つ。
 もう一つの理由は、この道府県民税の課税の方式を改めた。それは従来市町村の住民税というものは所得税に比例していわゆる按分で剃り付けておる。ところが新年度からは税法の改正によりまして、今度は所得税を納める者だけに住民税というものが課税されるようになった。その結果は、従来住民税を納めておった人のうちの約四〇%が今度は住民税を納めなくて済むようになった。県民税を納めなくて済むようになった。その四〇%の分だけが所得税を納めておる人にかかってきた。この二つの理由によって住民税のほうが高くなった。こういうふうに考えております。
#68
○鈴木壽君 それで大臣、今住民税が高くなったという原因といいますか、それを三つに分けてお話しになったのでありますが、だから当然だと、こういうことなんですか。それとも何とかしなければならぬということなんですか。そこまでお考えになりませんか。
#69
○国務大臣(篠田弘作君) 現在高くなったという現象はそういう理由によって高くなったのである。この今の現象というものは、これはまた対策とは別に考えるべきものであって、これは今の場合は、高くなったということはこういう理由によって高くなったのだから、これは仕方ない、こういうふうに考えるわけです。
#70
○鈴木壽君 住民税が高くなったことについての原因と申しますか、今、大臣がお述べになったようなことは確かにそうだと思うのです。これのよしあしについては、私もまた別の機会にお尋ねすることがあると思いますが、そこで、これは重税になったということなのか。あるいはただ住民税が高いということなのか。むしろ私は、変な言い方でありますが、住民税が商いという面から一体なぜこういうふうになっているのか、こういうことを別の面から少し考えてみたのであります。
 三十七年度からの課税方式の変わったこと、それに伴っていろいろな控除の問題等も変わって参っておりますので、そういう実情を調べてみたのでありますが――といっても全国至るところの町村というわけには参りませんので、限られた、私の住んでおる地域の範囲でございますが、そういう点からして、どうも市町村の徴税のやり方をこのままでほうっておいたんでは、どうもいつまでたっても、住民税の高いというこれを解決することはできないのじゃないかというふうな気持を持ったわけでありますが、一つはその課税方式の問題であります。御承知のように本文方式とただし書き方式というものがきめられておるのでありますが、私の見るところでは本文方式をとっておる市町村というものはきわめて少なくて、おそらく九五%以上というものがただし書き方式をとっているんじゃないかと思うのです。ここにひとつ住民税が高いという問題が私はあると思うのです。これについて当初三十七年度からの住民税が、こういうふうに課税方式が変わることの、まあいわば法律改正の場合に、自治省としては本文方式をとることを中心とする、原則とする。やむを得ないところはただし書き方式をとってもいいんだ。ただし、その場合においても本文方式をとったものと、ただし書き方式をとったもの、この間に著しい差が出ないようにする。もっと言えば、ただし書き方式をとることは、これは当然税が高くなるということなんでありますから、本文方式をとった場合とそんなに違わないようなことに極力指導をする、こういうことで委員会等においても、ずいぶん質疑応答のやりとりがあったんでありますが、こういう点について自治省は一体どういうふうな実際の指導を行なってきたのか、これは一つ局長からでもけっこうでございますから、お答えをいただきたいと思うのです。
#71
○政府委員(柴田護君) 課税方式の問題で、本文方式とただし書き方式との調整の問題が住民税といたしましてあることは、先生御承知のとおりであります。大体住民税の最近の調査では、ただし書き方式をとっておりますのは大体八〇%、全市町村の八割見当のものがただし書き方式であります。自治省といたしましては、あまり高いところのただし書き方式には、住民の税負担と離れてあまりべらぼうなことはやらないようにということをずっと在来からも指導して参っております。現に三十六年度から三十七年度の推移を見て参りますと、ただし書き方式から本文方式に変わって参りました団体が五十六団体もございまして、財政措置の増強と相まって漸次そういう方向に進んでおると実は考えております。もちろん現況は、御指摘のように決して十分ではございませんが、しかしながら逐次市町村自身におきましても市町村民税の課税の合理化ということにつきましては意を用いておってくれるものと、かように考えております。
#72
○鈴木壽君 今お答えがあったが、ただし書き方式をとる団体が八〇%――全国のお調べの結果なんでございますね。全国各市町村をお調べの結果がそうなんですか。
#73
○政府委員(柴田護君) さようでございます。
#74
○鈴木壽君 そこで、二〇%はそうすると本文方式をとっているということ、しかしさっきも私申し上げたように、第三十八国会の際のいろいろな論議の中に、本文方式をとることを原則とする――こういう点からすると、これはむしろ逆になったような格好でございます。これは私は今の町村の財政の状態等からいって、いきなりぴしゃっと本文方式をとれ、とるべきだ、これを中止すべきだといっても、なかなかいろいろな問題があることは承知しておりますが、しかし指導で、私どうも積極的なそういう指導が行なわれなかったのではないかと思うのですが、局長は、最近になった局長でありますから悪いのでありますが、いかがでございますか。
#75
○政府委員(柴田護君) 積極的な指導をしておらないわけではないのでございまして、指導はいたしております。ただ、住民税の問題につきましては、二つの問題があろうかと実は私は考えておるのでございまして、一つは市町村の財政事情と税負担の問題の関係――むしろ税収入との関係でございます。二つ目の問題はやはり住民税というものを本文方式に近づけて参りますと、市町村によりましては納税義務者が激減することがございます。おそらく半数近くになるところも出て参ります。それが住民税というものの、住民に対する理解というものと結びつけてどう考えられるかという問題もそこにあろうかと思います。その辺の二つの問題が相からみ合いまして、現実の市町村の課税の合理化というものは思ったほど進まないということが実情じゃないかと、実はかように考えております。
 私どもといたしましても、本文方式とただし書き方式との調整の問題をどうするかという問題は、住民税というものを将来どう考えるかという問題とあわせて、またそういった市町村の財政措置をどうするかという問題と両面から考えていかなければならない、検討はいたしておりますけれども、なかなかむずかしい問題でございまして、なかなか急には結論が出ない、こういうのが現状でございます。
#76
○鈴木壽君 それから、お話のように、今の市町村の財政しの実鰻等からすれば、いろいろむずかしい問題はあります。しかし、私はこのままの形で、今きめられておるような本文方式とただし書き方式、この二つを被しておいて、まあ実情やむを得ないというような形で八割、あるいはそれ以上のものがただし書き方式をとる団体のあることを、このままにしておくというようなことは、私はやはり問題だと思うのですね。ですから、住民負担の関係なり、市町村のいろいろな仕事の関係、これに必要な財源からいって、直ちに今の、このままの本文方式をとれということも、ちょっとむちゃな言い方になるかもしれませんが、少なくともこういう二つの相当住民負担に違いのあるような――当然それが出てくるようなことをしておいて、どっちでも好きなほうをとるのだというような形にしておくことは、私はやはり考えなければならない段階にきているのではないか。私ども従来五つの課税方式のあったものをまとめる際に、できれば一つのものに――住民税の趣旨からいっても、あるいは住民税の負担等からいっても、すっきりできるものが発見できれば一つのものに統一したいという気持は私ども持っておったのでありますが、なかなかそういうことはむずかしいということで、今のようなことになったが、これを私はやはりもう少し検討して、あなたのおっしゃるようないろいろな条件がありますから、そういうものを今後十分勘案しながら、しかし、いずれかの方法で一つの線を、統一の場合以外はその方式でやるのだということを考えなければならない時期に来ていると思う。その御検討をなさいますかどうか、そこら辺のお考えを……。
#77
○政府委員(柴田護君) 全般論といたしましては。御指摘のとおりと実は私どもも考えておるわけであります。ただ、市町村民税課税の現状から考えて参りますと、二つの段階があるのではなかろうか。一つは非常に無理な課税が行なわれることを防ぐといいますか、そういうことのないようにという配慮等もありまして、準拠税率を実は定めております。その準拠税率に対して実際の課税がどうなっておるかという問題が一つございまして、これを追及することがまず第一の問題であります。それから二つの課税方式をどうするかという問題が次に出てくる問題ではないか、実は私どもはそう考えておるわけであります。課税方式の問題といたしましては、先ほど申し上げましたように、方式といたしましては、八割くらいがただし書き方式をとらざるを得ないといったような実情でございますが、準拠税率との関係を見ますと、本文方式をとっておりますところは大体八割くらいが準拠税率をとっております。それは昨年に比べますと五%程度の増加になっております。それからただし書き方式の場合を考えてみますと、昨年は大体ただし書き方式をとっております団体二千九百団体くらいのうちで約千団体、三五%程度のものが大体準拠税率をとっておったわけでございます。本年はこれが、ただし書き方式をとります団体二千八百団体のうちで千二百団体、大体四三先程度のものが準拠税率をとっておって、逐年財政的にも補正係数――地方交付税の計算の補正係数等によりまして収入の低い団体の補正係数を上げて参っております。したがって、貧弱団体に対する傾斜的配分を上げて参っておりますが、さような効果も現われまして、逐次準拠税率のほうに近づきつつあるということであります。この問題がまず税法の運用の指導という観点からいいますと、当面の問題ではないか。その問題を解消する――解消というか、ある程度めどをつけた上で、その両方式の統合をどう考えるか。これは住民税の性格に多少影響を及ぼす問題でありますので、その問題は慎重に考えて参りたい、さように考えております。
#78
○鈴木壽君 私も、今の段階としては準拠税率の問題等をそのままにしておいて、方式の問題だけを、これをどうのこうのということはちょっとあるいは言い過ぎだろう、こう思っております。しかし一つの根本的な考え方として、こういう二つの方式を残しておいて、財政事情によるのだからといって、ただし書き方式をほとんどの市町村がとるような、こういう形にはするべきじゃないという考え方に立つべきじゃないか、こういう考え方でお聞きをしたわけなんであります。その点はいずれまたあとの機会にしまして、準拠税率の問題でありますが、これは全国的なことだ、こういうので、だいぶこの準拠税率にそれこそ準拠しておる税率を定めたのが多いようでありますが、私の調べた――私は秋田の各市町村全部を調べてみました。七十二市町村ございますが、このうち準拠税率どおりにやっておるところが十五市町村であります。それから準拠税率よりは少し低くなっておる、あの線よりは少し低くなっている、これが二つの村であります。あとはいずれも準拠税率より非常に高くなっている、著しく高いところもあるわけなんです。この結果は、パーセンテージにしますと、あなたの言った全国的なそれとはちょっと違っておる。まあ秋田には貧乏な市町村がたくさんあるから、こういうことになったのだろうと思います。そこで、これに手をつけていかなければならぬというふうなお話でありますが、私も準拠税率というものを一体どう考えていくべきかということだと思うわけです。これは単に準拠税率であるからというようなことで済ませるべき問題であるのかどうか。しかしこれは準拠税率とはいえ、いわば法定された一つのそれなんでありますから、あくまでもやはりこれを中心に、評しくこれとかけ離れたような率で住民に税金を賦課してはならんと私は思うのであります。こういう点についての御指導なんかも、これはどういうふうに行なわれてきたのか。非常に私案は問題があるのじゃないかと思うのであります。私のほうの調べた例でいいますと、準拠税率どおりのはさっき申し上げたような市町村の数であります。その他のものはいわばまことにでたらめだと、こう言わざるを得ないのでありますが、こういう点もあわせて準拠税率そのままの適用の態度ということについて、それとあなた方の御指導の態度ということをお聞きしたいと思う。
#79
○政府委員(柴田護君) 準拠税率を、法定されました以上、その税率に準拠するように指導するのが当然であります。従来からそういう形で指導な続けて参っております。ただ、実際問題といたしましては、その市町村の特殊事情、財政事情等がございまして、そうは参らなかったというのが現実じゃないかと思うのでございます。もちろん、私どもといたしましては、準拠税率を法定したのだから、それでいいのだというような、さような考えは持っておりません。やはり法定した以上は、逐次準拠税率に近づいていくように市町村の指導をしたいと考えております。その方向で今後も努力いたしたいと思っております。実際の姿は、先ほど来申し上げましたように、非常にその実績はそう目ざましいものではございませんけれども、市町村自身も、全般的な財政措置と相待って、その方向に努力している。その姿が統計的に現われてきているということを御説明申し上げた次第でございます。なお、私たちといたしましては、その方向で今後とも努力をいたして参るつもりでございます。
#80
○鈴木壽君 努力をして参りたいと、こういうことなんですが、具体的にやはりある程度のチェックといいますか、少し言葉が悪いのでありますが、こういうことも私必要じゃないかと思うぐらい、でたらめなところがあるのです。これは、あなた方直接各市町村一々について、そういうこまかいところまでというふうになかなかいかん場合もあると思いますが、これは県の地方課等で相当指導しているはずなんでありますから、そういう段階等においてでも何かもっとやらないと――時間の関係もありますから、一々申し上げませんが、まことにでたらめなんです。よくまあこれでと思うぐらい、これはまことにうちのほうの県の恥をさらすようなことで、おかしなことになりますが――だからもう少し私は何とか、単に指導する、準拠税率に従うべきだというふうなことでなしに、具体的にそこまでいかないといけないと思うのですが、どうでしょう。
#81
○政府委員(柴田護君) 地方税の建前論を振りかざすわけではございませんけれども、市町村民税は、市町村民税の税率の決定その他につきましての最終意思はやはり市町村でございます。したがいまして、指導いたします場合に、指導の仕方等につきましては、やはりそこに慎重な配慮がなければならんと思います。ただ御指摘のようにあまりひどい例につきましてはどうするかということは、やはり今までの態度でいいかどうかということにつきましては、われわれといたしましても反省する必要があるだろうということは、最近実は感じ始めている次第でございます。ただ、課税の実態がどういうことになっているかということは、実は現存私どもいろいろ調べておりまして、それはまだ明らかになっておりませんが、大体それが明らかになって参りますれば、その実態に応じて考えていきたいと存じております。先ほど来申し上げましたように、基本的な問題を頭におきながら指導方針を考えます場合、そこに相当慎重な配慮が要るだろう。かように考えております。慎重に考えながら指導すべきだということを考えております。
#82
○鈴木壽君 同じ区域の住民でありながら、町や村が違うということだけで率によって住民税に非常に大きな差ができる。場合によってはやむを得ないこともあると思いますけれども、しかし、それは先ほどから申し上げておるように、私は野放しになさることはできないと思うのであります。そこで準拠税率だから、必ずしもそれに従う必要はない、こういうことなんでありますし、さらに市町村がどれを条例にするか、いわば自主的なそれにかかってくることなんでありますから、そういう原則的なことは、これは私も認めますが、しかし、少なくともやはりさっきも言ったように、法定の準拠税率をきめて、しかも、その線に沿って自治省が指導するという立場にある以上、これはやはり私は野放しにはできないと思うのであります。繰り返して申し上げますが、そこで一つの方法として、これは少しきついようでありますが、私は準拠税率のああいうようないわゆる準拠税率でなしに、標準税率ですね――法定してしまう。最小限の幅を認めて制限税率を認めていくというようなことも一つの方法ではないかと、こう思うのです。そういうことについての御検討なり御見解なり、いかがですか。
#83
○政府委員(柴田護君) ちょっと御質問の趣舌がはっきりいたしませんが、それは住民税を一本にしての話でございますか。
#84
○鈴木壽君 はい。
#85
○政府委員(柴田護君) すなわち本文方式、ただし書き方式、それぞれについてそういうことを考えたらどうかということでございますか。
#86
○鈴木壽君 それは必要によっては、それぞれ準拠税率のようなものをやって、いわばそのままでは私は困ると思うので、準拠税率でなしにこういう税率にするのだ。ただし、これだけはとってもいいというような上の限度をその範囲において採用し得るような余地を残しておくようなことを考えるべきじゃないか、こういうことなんです。たとえば十万円以下は二%だが、二・三%まではやむを得ずやるというような幅を、それ以上はだめだと――少し住民税の考え方からすれば、あなた方はあるいは文句があるかもしれませんが、そうでない限り容易でない、解決のむずかしい問題じゃないかと私は思うのです。
#87
○政府委員(柴田護君) 住民税に対して、標準税率的なものを考えるというお考え、私はそれは一つの考え方だと思います。思いますが、ただその前にやはり住民税といたしましては、本文方式、ただし書き方式の問題の統合問題といいますか――というような問題があるわけであります。先ほど来申し上げておりますように、第一には準拠税率とうんと離れている団体を準拠税率に近づけるためにはどうすべきか、その上で両方の課税方式の統合をどうするかという問題の手続を踏むべきではないか。その際におっしゃいましたような標準税率という問題は考えられると思うのでございます。ただ制限税率というものを設けるか設けないかということにつきましては、市町村の独立財源の弾力性をどこにおくか、住民税に重きをおいておるのが現在の状況でございますので、したがいまして、固定資産税につきましては制限税率を設けているわけでございます。住民税につきましてそういう考え方が許されるべきかどうか。そこに一つの基本問題が横たわっているのじゃないか。今、こういうことで、そういう方向で考えるということは実は申し上げかねるのでございます。少し検討させていただきたいと思います。
#88
○鈴木壽君 私は、根本的な考え方は標準税率でいくべきだと思うのです。しかし、実情はいろいろあるものだから、種々妥協した気持で、まあ少し幅を認めておこう、この程度の考え方でぴたっと法定する段階に来なければならんと私は思うんですがね。しかしそれがなかなか大へんだという事情もある程度わかるものですから、少し幅を置いて、その範囲であったら上げてもいいんだというふうな形にするしか――ただ指導とか何とかいってもなかなか容易でない。もう口を開けば収入がないと、こういうような問題になってきて、やむを得ざるものとして、こういうものをどんどんやられる。こういうことになるから、ひとつ制限税率の問題はともかく、方式の問題とあわせて今の準拠税率というもの――それの実際の各市町村における採用の仕方、適用の仕方というものについては十分の御検討と、それから御指導を願いたいと思うのであります。
 それからもう一つ、ただし書き方式をとって問題なのは税額控除の問題なのであります。これも調べてみるとまことにでたらめで、自治省がこれを標準とするとかなんとかいっても、実際はきわめて低い額の控除しかしていない。こういう実情。さらに任意控除なんかになりますと、これは任意控除ですから必ずやれといっては、あるいは無理になるかもしれませんけれども、しかし本文方式をとったものと、ただし書き方式をとったものと、あまり負担の増大を来たさないためには、まあ税率の問題もありますけれども、税額控除の上で操作するしかないと思うのですね、今の段階では。調整といいますか、操作という言葉は少し悪いかもしれませんが、そうなりますと税額控除というものはもっと大事に考えていかなければならんと思うのですが、今言ったようになかなか税額控除というものが標準額あるいはそれ以上ということはほとんどなくて、それ以下のきわめて低い額の控除しかやってないという町村が相当あるわけです。これについて何かお調べになった結果でお考えになるところはございませんか。
#89
○政府委員(柴田護君) ただいままで私の手元でわかっておりますところを披露しながらお答え申し上げたいと思います。控除の仕方、たとえば青色の事業専従者に対する控除あるいは白色の専従者控除といったものがあるわけですが、この専従者控除に関する実態は、庁色に対しては千六百円、白色に対しては千円という税額控除を指導して参ったわけでございますが、実態はこの青色の場合は大体千円から千二百円くらい、つまり千六百円ということで指導して参ったのが大体千円から千二百円程度のところになっておるところの団体が大体多いんでございまして、それから血色の場合は千円という指導をして参りましたが、これは大体六百円から八百円くらいまで、この辺のところが大体の団体――そういうふうにきめたところが多い。これが実情でございます。それから秋田県の場合と比べてみますと、秋田県の場合は大体まあ全国平均並みでございますが、全国平均よりも少し低く見た団体が多いように思われます。これも全体の感じは準拠方式の問題と同じような経過をたどっておるように思うのでございまして、扶養親族控除の場合をとって参りますなら、昨年に比べますと相当やはりその額は上がってきておる。昨年の平均では大体扶養親族に応ずる税額控除といいますと大体三百円程度の控除をやっておった団体が多うございますが、それが大体四百四、五十円になっておる。これが実情でございます。したがいまして、自治省の指導は十分ではなかったんじゃないかというおしかりを受けるかもしれませんけれども、まあしかし、指導の効果が全然ないわけではございません。逐次その方向に向って改善されつつある。もとよりわれわれが考えた線まではなかなか到達しなかったのははなはだ遺憾でございますけれども、先ほど来、準拠税率について申し上げましたような事情がやはり同じような結果を招いておるんじゃないか。かように考えておる次第でございます。
#90
○委員長(石谷憲男君) 篠田自治大臣は余儀なき事情のために十二時十分前には退席したいということでございますが、大臣に対する御質疑がある向きはひとつ……。
#91
○小林武治君 鈴木さんからいろいろお話がありましたが、地方税が非常に高くなった。私は三崎になるとは思っておらなかったのですが、大体三倍になったようなところが府県民税にある。これは予想とどうであったかということですね。要するに、所得税を振りかえたためにある程度上がるということは考えておったが、二倍、三倍になる……。それからもう一つは、所得税の減税の恩典に浴さないものまで非常に府県民税が上がったと、こういうものもあるのじゃないかと思うのですが、いずれにしろ、市町村は府県民税が上がったために、よくその区別もわからないために、自分の税金が上がったような錯覚で、非常に市町村民税で非難を受けた。いずれにしろ、結果的には府県民税が非常に高くなった。このまま放置していいかどうかということを疑問に思うものでありますが、大臣は来年度このままに置くつもりか、あるいはまた多少でもこれを減るような方向に持っていくか、今あるいは言明しにくいかもしれませんが、そういう点、どういうふうにお考えになりますか。
#92
○国務大臣(篠田弘作君) 私は先ほど申しましたように、自分が自治大臣とかなんとかいう立場じゃなくて、自分個人が納税者の立場から考えまして、どうも住民税というものは高いということは前々から考えておったのであります。たまたまそういう衝に当たることになりましたが、確かに今おっしゃったように、住民税の上がり方というものは予想より高かった。それからいわゆる所得税というものを非常に軽減した、所得税を軽減したから差し引きして負相は高くなっていないじゃないかというような議論もあります。また、これは数学的にいえばそういう議論が成り立つのじゃないかと思いますけれども、やはり人間は感じを狩りておりますから、住民の感じからいうと非常に高くなったという、それはもう否定することはできないと思う。しかし、今ここで直ちに住民税を下げるということを申しましても、御承知のとおり、私はなりたてでありまして、まだ私は税の研究もそれほどしておりません。そこでこれはやはり合理的なふうに結論を得なければならない。それにはやはり税財政の関係もありますから、十分に私の考えておる点も事務当局に含ませまして、この問題を慎重というよりも、できるだけ皆さんの御期待に沿うようにひとつ研究させてもらいたい。今の段階では、まあ私としてはそういう考えを持っております。
#93
○小林武治君 ですから大臣は、要するに高過ぎたと、思ったよりも。こういう認識を持つか持たぬか。持つことによって結果が違ってくると思うのです。
#94
○国務大臣(篠田弘作君) 私個人は、個人の話ばかりして大へん申しわけないのですが、私個人は非常に高いという感じを持っております。
#95
○小林武治君 それでまあ来年の減税の問題が当然起きてくると思うのですがね。まだ大まかなところと思いますが、一体来年度自然増収というようなものについてのある程度の見当をつけておるかどうか、その点はどうですか。
#96
○政府委員(柴田護君) 御承知のように、日本の経済は八月を大体契機にして変わるわけでございますので、来年の自然増収の問題は目下いろいろ検討いたしておりますけれども、まだめどは立っておりません。ただ数字から比べますと、法人等の収益は横ばいになるだろうといったような見通しが強いようでございます。そうしますと、従来のような自然増収は期待できない、かように考えております。
#97
○小林武治君 従来よりか減るとしても、まだ来年度はある程度の自然増収が見込めると、こういうふうに思うのですが、大まかな問題として、どうもやはり地方税が高い、こういうことになると、どうしてもやはり減税ということも多少考えなければならぬと思いますが、今からでももうそういうことは絶対考えない、あるいは多少考慮の余地がある、こういうようなことについて、大臣は何かお考えがありますか。
#98
○国務大臣(篠田弘作君) 多少の自然増収はあるのじゃないかというふうには見ておるのでありますけれども、ベース・アップその他のいろいろな問題がありまして、相当の支出もございますので、はっきり減税ができるかどうかということは、ただいま申し上げる段階じゃないと思うのでございます。
#99
○小林武治君 もう一ぺんはっきり伺えば、多少考慮の余地があると、あるいはもうないと、こういうようなところはどうです。
#100
○国務大臣(篠田弘作君) 実際問題として、ここで検討してみないというとはっきりと申し上げられないだろうと、こう思うのです。
#101
○小林武治君 それはそうだが、まあ担当大臣としましても、もう今の時期になればある程度これは全然考慮の余地はない、あるいは多少考えられると、こういうようなところくらいはあってもよさそうに思うのですがね。
#102
○国務大臣(篠田弘作君) 国税の減税をするかしないかという問題も一方にありまして、そういう場合に、地方税だけ減税すると特に自治省単独に今の段階で申し上げることはできないと思います。
#103
○小林武治君 そういうことも言えますが、国税の影響をできるだけ避けようということで、いろいろ法律の改正もして、地方税は地方税だと、こういう建前をとってきておりますから、向こうが何とかならぬからおれのほうは何とも言えないというふうなことは、かえっておかしいと思うのですがね。
#104
○国務大臣(篠田弘作君) 地方の自治団体の財政の都合にもよることでございますから、今ここで私が減税をすることができるかできないかということは、これは言えないのじゃないですか。
#105
○秋山長造君 税務局長にお尋ねしますが、所得税を府県民税に委譲するというやり方は、これは成功だったと思っておられるのですか、失敗だったと思っておられるのですか。私はこの前の国会でもその点を前の後藤田さんにだいぶ質問したのですが、安井さんにも質問したわけですけれども、所得税を地方税に委譲するといえば、いかにも何か財源を地方へやるのだというような、まことに体裁がいいんですけれども、見方を変えて言えば、国のほうは減税だ、減税だといって、減税した、減税したといっていい顔しておって、地方の団体のほうは増税の責任を一手に引き受けさせられたような格好になって、地方の責任でもない、国のほうの都合で法律改正をやって、地方はそれで義務づけられて増税をやって、そしてその責任だけは地方あるいは市町村長、特に市町村長が徴収するわけですから、市町村長が悪者になってしまって、これはまことに、皮肉な見方をすれば、政府はずるいと思うのですね。自分は減税した、減税したといって何でもかんでも減税の宣伝ばかりしておって、そのしりを全部地方団体のほうが重税の責任を引っかぶらされたような格好になっているのですね。所得税を委譲するという形よりも、やっぱりあれじゃないですか、そういうことでなしに、たばこ消費税をもう少し考えるとか、あるいは交付税あたりをもう少し考えるというような形で、やはり地方財源を充実するということが、国も顔が立ち、地方団体も顔が立つということで、一番恨みがなくていいんじゃないかと、これは私が前から言っている議論なんですがね、その点どう考えられますか。
#106
○政府委員(柴田護君) 地方団体の財源を増強する方法というようなことになるわけでございますが、交付税の問題がいつも出ますけれども、それは自治財源のほうがいいことはわかっているわけです。自治財源を増強するということになれば、今おっしゃったたばこの方法もございましょうし、住民税の問題もございましょうが、税の性格からいえば、むしろ直接税を増強するほうが望ましい。したがいまして、方向として、この前の税制改正ではたばこ消費税も一%ずつ上げておりますし、所得税の減税財源の一部をさいてもらって府県民税を増強する、こういう方向は私どもは決して間違っていないと思っております。ただ、やり方が、PRといいますか、そういった面で欠けるところがあった。これは率直に認めることにやぶさかじゃございません。確かに私どもも、肝心の府県も市町村も、それぞれ住民に対するPRは、その辺まずかったところがあったと考えております。しかし、それによって、今回行なわれました税源配置の再配分というようなことが失敗であったというようなことは考えておらないわけでございます。地方団体の希望でもあるし、その希望の大筋に乗って行なったことでもありますし、それが結果としてはいろいろ波紋をまき起こしましたけれども、大筋としては地方団体のためになったと考えております。
#107
○小林武治君 さっき鈴木さんから、とにかく課税の具体的の事例になるとでたらめが多いと、こういうことはそのとおりです。相当いいかげんな課税をしておりますが、こういうことについては、自治省は調べたり、あるいは内閣で調整したりというようなことはできないですか。実際問題として、どうもいいかげんな課税をやっていますね。
#108
○政府委員(柴田護君) おっしゃるとおりのものがあることは事実であります。課税の実際の問題といたしまして、住民税につきましては課税方式の問題、それから控除の問題、いろいろあるわけでございますが、その他の問題につきましても、課税の実態というものは、いろいろ問題がたくさんあることも事実でございます。そういうほうの指導につきまして、まあ従来からもいろいろやっておりますけれども、なおわれわれといたしましては、やはり再検討すべき点があるだろう。つまり、税制の運営面についての私たちの努力というのはまだ足らぬのじゃないか、こういう感じをしみじみ持っております。そういう方面につきましては、今後とも力を入れて参りたいと考えております。
#109
○鈴木壽君 さっきの税額控除の問題ですがね。扶養家族控除の場合はたしか六百円を標準とするというような指導をなさったはずですね。それから専従者控除については、先ほどおっしゃったように、青色の場合は千六百円、白色の場合は千円を標準にする。ところが、さっきから何べんも申し上げていることと同じようなことで、どうも扶養家族控除なんかも、たとえば三百円とか、それから専従者控除の場合でも三百円ぐらいの控除しかやっておらない、こういうのが幾つもあるわけですね。ここで、全国の各市町村について、一々、あなた方がさっきから言っているように、どうのこうのということも言えないと思うんだが、やはり私は是正というようなことを考えなければならぬと思いますね。やっぱりこのままほうっておきますか。これはあくまで市町村の自主性だ、いずれをとるか条例によってきめるんだ、責任は市町村だ、こういうのか、そこら辺はいかがですか。
#110
○政府委員(柴田護君) 私は、今までほうっておくということを申し上げたわけではございませんが、指導は従来にも増して考えていかなければいかぬだろうということは実は承知しているわけでございますが、ただ、その指導の仕方については、地方団体の自治財源でございますし、決定権は市町村が持っておりますから、そこのところを十分考えて、慎重に方法論は考えていかなければならないだろう、こういうことを申し上げているわけであります。指導は強化して参りたいということを考えておるわけであります。
#111
○鈴木壽君 この場合に、やはり町村の言い分は、そう言ったって穴をどうしてくれるんだ、穴が出ることが非常に痛いんだ、それを何とかしてくれなければいかぬというのが一つのきまり文句のように出てくるわけですね。そこでどうです。交付税とか、何かそういう面で、これらについての幾らかの穴埋め、といっては悪いけれども、措置が考えられるものか考えられないものか、そこら辺どうです。
#112
○政府委員(柴田護君) 非常に高い税率をとっております場合に、やっぱり二つあると思うのでございます。その商い税率によらさるを得ないもの、それが大部分かと思いますけれども、そういうものが多い、こういうものにつきましては、単に課税面だけの指導をいたしましても是正することは不可能でございます。やはり財政措置が伴わなければいけない。おおむねそういう団体は貧弱団体が多いものでございますから、やはり財源措置をいたしながら、逐次間税の合理化ということを進めていくということになろうかと思うのでございます。現に、昨年もそうでございますが、ことしも交付税の計算におきましては、態容補正係数の是正等を通じまして、逐次そういう団体の財源の増強をはかられて参っておりますが、それがまあ反射的に――そのまま反射しているわけではございませんけれども、先ほど来申し上げましたように、そういう効果もあって、逐次不交付団体も多くなっておりますし、税額の是正もわずかでもはかられて参っておる、こういうことを申し上げたわけでございまして、そういうものにつきましては、そういう方向で今後ともさらに進めていきたい、かように考えるわけでございます。
 そのほかに、あるいはそういうこと以外の原因で商い税率をとっている団体もあるわけでございます。その団体につきましては、そういう団体に対する別の指導方法があろうかと思うわけでございます。
#113
○鈴木壽君 専従者控除の場合に、うちのほうの県では、青色の場合も三百円、白色の場合も三百円という極端な例があるんですがね。こうなると、私は専従者控除のそれを全然はき違えているじゃないかと思うのですがね。これは少なくとも専従者控除のためのいわゆる税額控除であるならば、こういう数字は何としても出てくるはずがないと思うのですがね、こういう点……。
#114
○政府委員(柴田護君) 鈴木先生のお話の府県は私は実はよく存じませんけれども、団体によっては青色申告書が全然ない所があるのです。青色申告者の全然ない所は、青白突っ込みで三百円なら三百円、四百円なら四百円と、こういうふうなことをきめているような所もあるようでございます。したがって、名目的にやはり何とかやっておかなければならぬから一緒に書いておけといったような団体もあるやに聞いております。その辺のところは、もう少し私ども調べまして、また御報告する機会があろうかと思います。
#115
○鈴木壽君 実際あるいは青色申告のない所があるかもしれません。しかし、少なくとも条例でこういうものをきめる際に、それでいいというわけでは私はないと思うのです。こうなりますと、今までやった昨年度以前の扶養家族控除の一人三百円、これをそのままこっちへ移したような格好で、私はさっき言ったように、専従者控除の性質から見ますと、ほうっておけない問題だと思うんですがね。実際あるかないかは別で、これはことしなくたって来年になればできるかもしれない。野放しにしておけないと思う。
 そこで一つ私はお聞きしますが、あなたがた、府県の地方課なり、こういう税関係の課、そういうのに対して、どういうあれですか、繰り返すようでございますが、御指導をなさっておるか、具体的な市町村の指導についてあなた方が一々やるわけにいかぬでしょうから、市町村のやつは府県段階においていろいろやるんですが、どういう指導をされているのか、こういう問題について。
#116
○政府委員(柴田護君) どういう指導と申しましてもあれでございますが、府県の担当課の職員に対しましては、これは微に入り細にうがって詳しく法の趣旨を説明します。その趣旨を市町村に徹底するようにお願いをいたしておりますし、また直接市長会なりあるいは町村会というところにも出向きまして、こういう趣旨を説明しておるわけでございます。それがなかなか行き届かないということにつきまして、行き届かない原因はいろいろあろうかと思いますが、そういう原因をいろいろ探して是正をしていくというのが根本の問題じゃないか、かように考えておるわけでございます。
#117
○鈴木壽君 と言うのは、ひとつ何かちっちゃなところにさわるようでありますが、自治省で出した住民税のいろいろな解説みたいなものの中に、例として、たとえば税率について書いたのを見ると、これは一体どうやればいいのかわからぬような響き方があるわけなんですよ。これは「準拠税率だから、準拠すべきものと定められている課税標準額の段階の区分及びその区分ごとに順次適用さるべき率そのものによって税率を定めなければならないものではない。」と、準拠税率だから一々きちっと計算して、それによらなくてもいいというふうにこれは読めるわけです。しかし、あまりひどいことをしてはいかぬ、こういうような、一体どうなのか。私は今言ったように、皮肉なような言い方だけれども、一体あなた方は地方課の担当のそういう者に対する御指導の際に、もう少しやはりきちっと今の税率の適用問題なり、準拠税率の使い方なり、あるいは税額控除の問題なり、こういう問題は、私はすっとやるような指導をなさるべきじゃないかと思うのですがね。そこら辺、私は心配なんですよ。
#118
○政府委員(柴田護君) 私もこの点につきましては、あまり実は口にちがたっておりませんので、詳細は存じませんが、しかし血来から自治省といたしましては、そういう指導につきましては、遺憾のないように措置して参ったつもりでございます。ただ、結果的には今言ったようになっておらぬじゃないかと言われれば、なっておらぬ点があるわけでございますが、これは率直に認めるのでございますが、ではなぜなっておらぬのかということを検討した上でなければ、私がここでこれはただオウム返しに一生懸命にやりますと申し上げましても、これは満足はいただけないと思いますが、私どもといたしましては、おしかりを受ける点があることは事実でございます。むしろ、なぜかということを分析した上で善処したい、かように考えております。
#119
○鈴木壽君 この問題、実はいろいろまだ私が言ったようなことだけでいっても、やはり市町村の自主的なそういう立場というものにあまり自治省なり県の段階で干渉し過ぎるという問題も、実は大きな問題として出てくるものですから、私もどうもそこら辺あまりはっきりこれはその点だけで押していってもまずいとは思いますけれども、しかし、ただ税法なりあるいは税の建前なりからして、やはり法定したもの、あるいはまた、それに基づいていろいろ政令等において作られたもの、それはやはり自主性があるとはいいながら、やはり守っていくという建前を一応とってもらう、そういう必要がある。しかも、それは単に形の上で守るか守らないかということだけでなく、それがすぐ住民の税の負担――さっきから言うように、それが高いとか安いとか、安ければ問題はないでしょうが、いろいろ増税だとかなんとかという、住民の負担が大きい、こういう問題にすぐつながる問題ですから、そういう面から私は特にやはりいろいろな根本的な問題はありますけれども、指導の態度というものは、やはりはっきりしてもらおなければならぬと思うのです。町村においてもそれをやはり十分に取り入れる。こういう立場において取り扱われなければならぬ、こういうふうに思うから申し上げているのであります。いずれ、少しこまかいことになりましてどうも恐縮でしたが、ただ来年度からまた、たとえば準拠税率が多少変わってくる、こういうような問題を控えておる現存ですから、一体来年度に多少減税になるような形で変わるのでありますけれども、これが実際にどうなるのか、いろいろ心配なことも出てくると思いますから、そういう意味で事情をちょっと申し上げ、またそれに対するあなた方のお考えをお聞きしたわけなんですが、きょうは時間もないようでございますから、いずれまた機会を見てやらしていただきたいと思います。きょうはこれでおしまいにしておきます。
#120
○委員長(石谷憲男君) 大蔵省から谷村主計局次長、平井給与課長が来ております。
#121
○占部秀男君 時間もあれですから、簡単にひとつお伺いしますが、この人事院勧告の問題について、給与法の改正をする、それにからまって財源の問題ですが、補正予算を組まなければならないんじゃないか、こういう点を給与相当の大臣にお伺いをしたんですが、これは組まなければならないだろう、こういうお話、これは自治省の奥野財政局長も補正予算を組まなければどうにもならぬというお話なんです。ところが、衆議院でしたか、田中大蔵大臣は補正予算を組まないのだというようなことを言ったということをちょっと私聞いているので、その点ひとつはっきりしてもらいたいと思うんですが、これは時期はいつか別にして補正予算を組まなければならないんじゃないかというふうに思うんですが、この点はいかがです、大蔵省の見解として。
#122
○政府委員(谷村裕君) 御質問の趣旨はよくわかりました。大蔵大臣が先般答弁いたしましたことは、今国会において補正をする考えは今ありませんということを申しております。
 それから給与改訂の問題につきまして、本年度内に補正までやって実施するか、あるいはどうするか、一体この勧告の取り扱いをどうするかという点につきましては、まだ、その方針を決定いたしておりません状況でございます。したがいまして、本年度中に、もし従来の例のようにやるとすれば、補正が必要になるとは思いますが、その点も含めまして、まだ方針を決定していない、こういうふうに私どもは大蔵省として考えているわけでございます。
#123
○占部秀男君 どうも、そうなると、だいぶ疑問になってくるんですよ。今次長は、本年度中に補正を組むかどうかはまだ決定していない、ところが給与担当大臣のほうは、初め、給与法の改正をするという場合に、もちろんこれは尊重して実施しなければならぬ、その給与法の改正の問題については、年内にこれは仕上げなくちゃならぬ、年内といったって去年は十月じゃないかということで、これはそういうぐずぐずした意味でなくて、至急にやる、こういうことを言っている。至急にやるという意味は、すなわち五月ということに勧告がなされているわけですが、実施期間が。それに合うか合わないか、わからないけれども、とにかく緊急にやろうということなんでしょうな。それならば、明らかにこれは本年度中どころか、本年内に、しかも、これはどういうふうになるかわからぬけれども、完全に尊重するといえば五月からやるということになる。いずれにしても、本年度中にというのはおかしいので、補正予算を組まざるを得ないことは明らかです。それをあなたのほうは、本年度中に補正予算を組むかどうかということは、まだ明らかでないということになると、人事院勧告を幾ら給与法の改正をしてから実施されるといっても、大蔵省の考え方だと、おれのほうが勘定を握っているのだから勝手だというふうにわれわれには、どうもひがんだ考え方かもしれませんが、とれてならないんですね。そうあってはならぬと思うんですが、その点はいかがですか。
#124
○政府委員(谷村裕君) 過去の例で申し上げますと、昨年も、一昨年もともに十月から実施していることは御承知のとおりでございます。そうして、それに必要な法律案並びに補正予算の措置は、昨年は十月の臨時国会においてやり、一昨年は十二月早々の特別国会においてとっております。今回は、もし、かりにそのような前例にならうとすれば、そのようになるわけでございますけれども、そうすると、おっしゃるとおり補正を組むことになるわけでございますが、何分にも財政全体を見まして、あるいは経済全体を見まして、今後どういうふうな状態が起こってくるか、この辺の見きわめもなかなかつきかねるような状況でもあり、もちろん給与打出のお立場といたしましては、従来の例のごとくあってほしいというお気持だろうと思いますが、要するに政府といたしましてまだ最終的な態度をきめていないわけでございます。大蔵省が別にいやだとか、やめたとか言っておるわけでもございませんし、もう少し全体のいろいろの様子を見た上で方針の最終的な取扱いの御決定をいただく、こういう段階にあるということを申し上げた次第でございます。ちなみに昨年は補正予算、あるいは給与改訂の問題は十月に国会にかかりました関係上、たしか九月の半ばごろでありましたか、内閣としての方針をきめております。一昨年は常会直前の臨時国会でやった関係もありまして、十月中旬ごろであったかと思いますが、政府としての意思決定はまだしていない状況でございます。
#125
○占部秀男君 大臣か主計局長をひとつ呼んでもらわないと、きょうはいいが、どうにもならぬ。それは今次長のお話では、私が聞き間違ったかと思ったが、そうではない。本年度中に組むか組まないかということを今検討中である。本年度中に組むか組まないかということを検討中であるということと、本年中に組むか組まないかということを検討中であるということとはまるっきり違うのです。本年実施するかしないかという問題と、本年度実施するかしないかという問題であります。今次長にせっかく来ていただいたのでありますが、私はやはりもっと明確にしておかなければならないと思います。それで適当な時期に主計局長に……。きょうはこれで打ち切ります。
#126
○委員長(石谷憲男君) 両件についての本日の調査はこの程度にいたします。次会に予定されました二十一日は特段の調査案件がなければ休会いたしまして、二十三日の午前十時から開会いたしたいと思います。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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