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1962/08/23 第41回国会 参議院 参議院会議録情報 第041回国会 外務委員会 第3号
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1962/08/23 第41回国会 参議院

参議院会議録情報 第041回国会 外務委員会 第3号

#1
第041回国会 外務委員会 第3号
昭和三十七年八月二十三日(木曜日)
   午前十時十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     岡崎 真一君
   理事
           井上 清一君
           鹿島守之助君
           草葉 陸圓君
           大和 与一君
   委員
           青柳 秀夫君
           木内 四郎君
           杉原 荒太君
           山本 利壽君
           加藤シヅエ君
           佐多 忠隆君
           羽生 三七君
           石田 次男君
           曾祢  益君
           佐藤 尚武君
  政府委員
   外務政務次官  飯塚 定輔君
   外務省条約局長 中川  融君
   郵政省郵務局長 佐方 信博君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       結城司郎次君
  説明員
   郵政省郵務局国
   際業務課長   石川 義憲君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本国とオーストラリア連邦との間
 の小包郵便約定の締結について承認
 を求めるの件(内閣提出)
○日本国とカナダとの間の小包郵便約
 定第四条を改正する議定書の締結に
 ついて承認を求めるの件(内閣提
 出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(岡崎真一君) それでは、ただいまから外務委員会を開会いたします。
 本日は、日本国とオーストラリア連邦との間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件及び日本国とカナダとの間の小包郵便約定第四条を改正する議定書の締結について承認を求めるの件を一括議題といたします。
 まず補足説明を聴取いたします。佐方政府委員。
#3
○政府委員(佐方信博君) 郵政省の郵務局長でございます。
 今度の議題になっております二つの件につきましては、昨日の提案理由書にほぼ尽きるわけでございますが、簡単に補足さしていただきます。
 御承知のとおり、手紙でありますとかはがきという通常郵便物は、万国郵便条約によりまして規制されており、世界のほとんどすべての国がこれに加入いたしております。しかし小包の業務につきましては、これと別に小包郵便物に関する約定という条約がございますけれども、これには必ずしもすべての国が加入いたしておりません。わが国は加入いたしておりますけれども、オーストラリア及びカナダ等は、いずれも国内事情によりまして、この条約に入っておりません。したがいまして、これらの国と小包を交換いたしますためには、三国間の条約を別に結ばなければならないということになっておる次第でございます。
 まず日本とオーストラリア連邦との小包郵便約定につきましては、すでにありますけれども、できましてから実はもう五十年以上たっておりまして、非常に実情に合わない点がございましたので、このたび全面的な改正をするということで話を進めまして、提案のような約定を改定を改めることに介意が成立いたした次第でございます。
 その主要な改正点は、第一には、両国間で小包が着きましてから配達するまでの間の費用をきめますのが、全部条約で約定そのものにきまっておったわけでございますけれども、それではお互いに不便でございますので、経済事情に即応した料金を随時敏速に決定し得るように改正をいたしました。
 第二点は、現行では価格表記の小包制度がございませんので、これができるように、新たに取り入れることにいたした次第であります。
 第三点は、約定が非常に古いものですから、航空小包の制度というものが今までございませんでしたので、これを約定の上で新たに規定をいたしたわけでございます。
 第四番目には、いろいろな、何といいますか、施行規則的なものはこの約定に抵触しない限り万国郵便連合の小包郵便約定及び施行規則を適用するようにしたいというふうに考えたわけでございます。
 第五番目には、ただいま小包は重量五キログラムまでしか送れないことになっておりますけれども、十キログラムまでにしようというふうにいたしました。その他容量、重量の制限につきまして尺貫法をメートル法で規定したことのほか、用語全般につきまして古い言葉を現状にふさわしいものに改めるということにいたした次第でございます。
 以上五点が、前と変わった点でございます。
 また日本国とカナダとの間の小包郵便約定は第四条を改正するというふうにいたしたわけでございます。この約定は昭和三十一年に発効いたしました比較的新しい約定でございますけれども、カナダにおきましては、同国における小包取り扱い経費の増加にかんがみまして現行の陸路料を値上げしたいということを言って参りました。この機会に、小包陸路料を約定そのものに具体的な金額を定めておりますものを、経済事情に合いますように、両国政府間の合意により定めるようにしたいというようなふうに話し合いを進めた次第でございます。
 以上がカナダ国との間の約定の改正点でございます。
 この二つの約定によりまして、現状以上に両国間の小包の業務が円滑にうまくいくように一生懸命努力をいたしたい、こういうふうに存じております。
 以上をもちまして補足説明を終わらせていただきます。
#4
○委員長(岡崎真一君) 補足説明が終わりましたので、これより質疑に入りたいと思います。質疑のございます方は、順次御発言を願います。
#5
○羽生三七君 質疑の前にもう一つ、今の補足説明で、一体ニュー・ジーランドにしてもカナダにしても、どのくらいな一年の取り扱い量になるか、そういうことをちょっと……。
#6
○政府委員(佐方信博君) まず第一にカナダの関係でございますと、通常郵便物が昭和三十六年度におきまして、日本からカナダに出しますものが百十万通ございます。それからカナダから参りますものは八十二万通、通常郵便物につきましては、そういう形でございます。また小包におきましては、カナダから日本に参りますものが二万四千八百通、それからカナダあてが六万通というふうになっております。
 それから第二番目に豪州の関係でございますが、豪州に対しましては、通常郵便物におきまして、豪州あてに百二十七万通、それから豪州から百四十三万通。小包につきましては、豪州にあてまして三万二千七百個、豪州からは七千二百個というふうな数字になっております。
#7
○井上清一君 陸路運送費用というやつがちょっとわからないのですがね。
#8
○政府委員(佐方信博君) たとえば日本からカナダに小包を送るといたします。そういたしますと、カナダに着きまして、カナダの港までは日本の責任で送っているわけでございますが、カナダに着きました際には、カナダ国内でトラックを雇うとかいろいろなことをして、自分の仕事として配達をするわけでございますので、その実費は日本国がカナダの国に払ってやらなければならぬということになっております。それで通常郵便物の場合につきましては、これはお互いに、その国に着きましたものにつきましては、無料で配達し合う。したがいまして、料金は出した国で全部取ってしまうのでございますけれども、小包でございますと、日本から差し出しました小包はカナダの人が受け取りますけれども、同時に、小包のカナダ国内における配達料というものは、日本国がカナダの国にあとで送ってやらなくちゃならぬというのを陸路料と言っております。
#9
○羽生三七君 今の私の質問でニュー・ジーランドと言ったのは、オーストラリアです。
#10
○大和与一君 一番初めに、「やくてい」とか「やくじょう」と言うでしょう。あれはひとつ、「やくてい」というのが正しいのか、ちょっと説明して下さい。
#11
○政府委員(中川融君) 発言は「やくじょう」とすべきか「やくてい」とすべきか、どう読むべきかということだと思います。これは通例現在は「やくてい」と読んでおります。あるいは明治のころにできたその当時には、「やくじょう」と読んだのかも実はしりませんけれども、最近、われわれの知っている限りでは、「やくてい」と発音しております。どうもこの条文自体にふりがなしてございませんので、どう読むかはっきりしませんが、「やくてい」と最近は読んでおります。
#12
○大和与一君 あとは学者に聞きましょう。
 それじゃお尋ねします。お答えは簡潔にしていただきたいと思います。
 現在の万国郵便連合の加盟国は何カ国ありますか。
#13
○政府委員(佐方信博君) 百十七カ国。
#14
○大和与一君 加盟していない国はどこですか。
#15
○政府委員(佐方信博君) アフガニスタン、ボリビア、ブラジル、チリー、コロンビア、その他二、三十カ国あるように思います。
#16
○大和与一君 その加盟していない理由はどういう理由ですか。
#17
○説明員(石川義憲君) ただいま局長から申し上げましたことは、オタワの条約に批准をしていない国のことを申し上げたのでございますが、その後批准をしておりまして、現在では新興国以外にはモンゴールを除きましてほとんど全部加入しております。それが百十七でございます。
 それで加盟しておりません理由は、新興国であるということであると想像いたします、モンゴールはちょっと私どもはよくわかりませんけれども。
#18
○大和与一君 そのうちで、わが国と郵便小包に関する二国間約定を締結している国はどのくらいあるのですか。
#19
○政府委員(佐方信博君) 日本と結んでいる国は、アメリカと豪州とカナダの三カ国でございます。
#20
○大和与一君 それで、それらの国で、その三つの国が国によって特徴というか、特色というか、そういうものがあるのか。大体同じなのですか。
#21
○政府委員(佐方信博君) 大体条文としましては、似たような内容を含んでおります。
#22
○大和与一君 そうすると、その三つしかないというのは、わが国からいって別に不便ではないのですか。あるいは、あなたのほうの立場としては、もっとたくさん締結してもらいたいという気持があるのか、どうですか。
#23
○政府委員(佐方信博君) とにかく国際郵便連合の小包約定に入っている国は問題ありませんけれども、入ってない国につきましては、もう少し小包関係の二国間の約定を結びたい。たとえばフィリピンそれからニュー・ジーランド等ともぜひ結びたいというようなつもりでときどき話が出て参っております。
#24
○大和与一君 その結べないというのはこちらの理由か、あちらの理由か、どういうわけですかね。こっちは結びたいと言う。しかし向こうがこちらの何に信頼ができないと言うのか。たよりないと言うのか。そのために結ばないと言うのか。働きかけてもうんと言わないのはどういうわけですか。
#25
○政府委員(佐方信博君) この二国間につきましてはもう少し話を煮詰めてみたいと思っておりますので、そう実は深い対立点というのはなさそうに思っております。
#26
○大和与一君 ニュー・ジーランド、南ア連邦、フィリピンと今お話があった約定の締結をしたい。その見通しはどうですか。
#27
○政府委員(中川融君) この三カ国とは現在すでに小包郵便約定の交渉をしておるのでございます。ことにフィリピン、南ア両国とは、もうほとんど条文も合意ができておるのであります。最終的に先方で検討しているという段階で、まだ締結を見ていない。ニュー・ジーランドとも目下交渉中でございますので、遠からずこれら三カ国とは小包郵便約定はできるものと考えております。
#28
○大和与一君 中共、北朝鮮、北ベトナムですね、そことは今のところ全く道がないわけですね、これはやっぱりしたいですか。
#29
○政府委員(佐方信博君) 中共との関係は、御承知のとおり、通常郵便物を香港経由で送っておりますけれども、小包は香港郵政庁としても中共としてもまだ送ることに同意をしておりません。できましたら、そういう道が開けたら、郵便の関係から見ますと、非常に便利になるだろうというふうに思っております。
#30
○大和与一君 北ベトナムと朝鮮は。
#31
○政府委員(佐方信博君) 北鮮は今直接そういう話をいたしておりませんけれども、御承知のとおり、今でも香港経由で通常郵便物は中共の中から配達されるということになっております。郵便の関係からいたしますと、いろいろと関係のあるところとはできるだけ早く話を進めていきたいと思っております。北ベトナムにつきましては、向こうのほうで小包の関係はまだ扱っていないというようなことでございますので、深く話を詰めてはおりません。
#32
○大和与一君 東独はどうですか。
#33
○政府委員(佐方信博君) 東独につきましては、通常郵便物も小包郵便物も、東ドイツと直接交換を行なっている、たとえばスイス、フランス等を仲介といたしまして、郵便物の交換をいたしております。
#34
○大和与一君 沖繩はどういう工合になっておりますか。
#35
○政府委員(佐方信博君) 沖繩との間には郵便物の交換をそれぞれいたしております。そして、やり方といたしましては万国郵便条約の規定を準用した形でやろうというお互いの話し合いで交換をいたしております。
#36
○大和与一君 それは、やっぱりアメリカの手を経てになりますかね、事務的なことは。
#37
○政府委員(佐方信博君) 直接やっております。
#38
○大和与一君 国後、択捉はどうですか。
#39
○政府委員(佐方信博君) 実はほとんどそういうものはございませんけれども、建前としましては、ただいまルートがございませんので、ロシア経由で扱うという形になっております。
#40
○大和与一君 ロシア経由というのはモスクワですか、ナホトカ……どこから回ってくるのですか。
#41
○政府委員(佐方信博君) 主としてナホトカだと思います。
#42
○大和与一君 万国郵便連合の小包約定による五〇%料金値上げの条項について、現在世界各国の値上げの状況はどうでしょう。
#43
○説明員(石川義憲君) 現在約四十五%の国が五〇%の値上げをいたしております。
#44
○大和与一君 日本も最近五〇%の値上げを行なっていますけれども、これは将来さらに上げるという気持があるのですか。
#45
○説明員(石川義憲君) 先般、昨年の七月の一日をもちまして五〇%上げましたけれども、目下のところそういう考えは持っておりません。
#46
○大和与一君 オーストラリアとの協議による料金は、どのようなものになると予想されますか。
#47
○説明員(石川義憲君) オーストラリアとの関係には、まだ確定したものはございません。
#48
○大和与一君 一応の腹がまえというか、そういうものもないのですか。
#49
○説明員(石川義憲君) 若干上がるのではないかと思いますけれども、ここで申し上げるような数字は持ち合わしておりません。
#50
○大和与一君 万国郵便連合の小包約定と日豪、日加約定との主要な相違点というものはどういうところにあるのですか。
#51
○政府委員(佐方信博君) 主要な相違点としましては、万国郵便連合の小包約定では、郵政庁は不可抗力による場合を除きまして、小包の亡失、盗難あるいは損傷について責任を負うというふうに言っておりますけれども、日豪間の約定におきましては、価格表記の小包については責任を負うけれども、普通小包については亡失それから盗難あるいは損傷等について責任を食わない、こういうようなふうになっております。これは全く豪州の国内の小包もそういう制度をとっておるものですから、そういうことでございます。
 それから今度の一つの改正点でございましたけれども、連合の小包約定では陸路料等の割当料金について具体的にきめておりますけれども、この約定では割当料金については両国郵政庁の合意により決定する、そういうようにきめておるわけでございます。
 それから連合の小包約定は差し出し国から差し立てられた後の小包の取り戻しあるいは名あて変更の請求も行なわれるということになっておりますけれども、この約定ではそのような請求は行なえない。差出国にいる間でなければ取り戻しとか名あて変更の請求はできない。この三点が主たる相違点でございます。
#52
○羽生三七君 ちょっと関連して。前のあれは、万国航空協定と二国間の協定の場合にも同じ疑問が起こったのですが、小包郵便協定の場合でも、万国の協定と二国間とそれぞれの違いがあるわけですが、包括的に万国協定でそれをカバーしていくということはできないのかどうか、その辺はいかがですか。
#53
○政府委員(佐方信博君) 包括的にカバーするというのは、ちょっとどういう意味ですか、わかりませんが。
#54
○羽生三七君 全世界みな共通の問題として適用できるような、そういう条件を万国協定が整えておれば、あえて三国間協定を結ばなくても済むわけですね。どうしてそういう協定が万国にあるにもかかわらず二国間が必要か。
#55
○政府委員(佐方信博君) 先ほど申し上げましたように、通常郵便物につきましては、もう新興国を除いて――先低とちょっと間違った御返事をいたしましたけれども、ただいまでは新興国においてもほとんど全部入っておりますので、通常郵便については同じ一律の規定をしておるということでございますが、小包につきましては、これは御承知のとおり、各国とも小包が必ずしも政府の独占事業ではないわけでございますので、小包のある国とない国があるとか、それから小包の取り扱いにつきましては、非常に郵便を利用する国と、そうでなくて、一般の運送でやる国もあるとか、いろいろ事情がございますので、全部の国がこの小包の約定に入っていないということで、私たちの国としましては入っておりますけれども、入っていない国が残るものですから、どうしてもそこは個別的にならざるを得ないという実情になっておるわけでございます。
#56
○大和与一君 カナダにおける小包取り扱い手数料の増加は物価騰貴によるということであるけれども、割当料金の見通しなんかはどうですか。
#57
○説明員(石川義憲君) カナダのものは、先ほどちょっと提案理由の説明にもございましたように、カナダの国内取り扱い手数料及び運送料が上がっておりますので上げたいということを意思表示しております、段階によりましてたいへん違いますけれども。具体的に申し上げますと、現在一キログラムまでのものを現行では五十サンチームいただきたいということでございますが、これを七十サンチームにしてくれ。それから少し量目が上がりまして、三キログラムまでのものは、現在は一フランと十五サンチームでございますが、それを二フランと十五サンチームにしてほしい。五キログラムまでは一フラン五十サンチームでございますが、それを三フラン三十五サンチームにしてくれ。十キログラムまでは現在四フラン三十五サンチームでございますが、六フラン七十五サンチームにしてくれというふうに向こうで要求して参っております。
#58
○大和与一君 そうすると、要するに、今までの古い面を、変えなくちゃならん点を変えた、金額については各国でそれぞれ若干の特殊事情があるから、それを勘案して、こっちが損せぬように努力している、こんな程度ですね、大体。必要やむを得ない改訂の分だけを提案しておる、こういうことですか。
#59
○政府委員(佐方信博君) カナダにつきましては、全くおっしゃるとおり陸路料だけの問題でございまして、豪州につきましても、陸路料のほかに、あまりにも古い規定でございましたので、現状に合わすという、おっしゃるとおりの改正でございます。
#60
○大和与一君 各国別に一律でないということはともかくも、そのかわり尺度が、ものさしが、こっちのがピンぼけしていたらだめですから、そこら辺をどういうふうな基準をお持ちになっているのか。あるいは国によってみな違うから簡単に言えぬけれども、あるいは何か一つのそこに基本的なものさしがありますか。
#61
○政府委員(佐方信博君) やっぱり万国郵便連合の小包約定というものがございますので、それがどうしても一つの基準になると思います。あとは二国間だけの基準でございますので、お互いに便利なようにしてゆこうという程度のことでございまして、そう別に特別のものさしはなさそうに思っております。やっぱり利用する一般の要望もございますので、できるだけそれに合わしたようにして両国とも変えていきたい、こういうことでございます。
#62
○委員長(岡崎真一君) 他に御質疑はございませんか。
#63
○佐多忠隆君 ちょっとさっき話がありましたが、大陸――中国との郵便約定の問題、話し合いその他はどの程度おやりになったことがあるのか。今後どういうふうにしようとお考えになっているか。
#64
○政府委員(中川融君) 中華人民共和国との郵便協定を作ったらいいじゃないかという話が昭和三十年ごろから起きていたのでございまして、われわれといたしましても、このようなほんとうの郵便技術に関する協定であれば差しつかえないのじゃないかということで、その際はたしかスイスで両国の代表、郵政当局が集まりまして、スイスでひとつこの話し合いをしたらどうかということをこちらから非公式に申し入れたことがあるのでございます。その際中事人民共和国側は、スイスは困る、あるいは自分のほうの北京か、あるいは東京かで会合を開きたいということを言ってきたことがあったのでございます。その当時の政治情勢から見て、どうも東京とか北京では政府の当局者が中華人民共和国の人たちと直接話をするのは適当でない、あくまでもスイスにしたいということをこちらから言いまして、その後向こうからは返事がないままに終わってしまったわけでございます。最近におきましても、郵便協定等は日本としても締結することは差しつかえないと考えているということは、いろいろな機会に政府で言明しておるのでございますが、先方が最近は全然興味を示していないというような状況で、実はそのままになっておる事情でございます。
#65
○佐多忠隆君 現在では、そうすると、その話し合いを北京あるいは東京でやってもいいという空気ですか、どうなんですか日本側としては。
#66
○政府委員(中川融君) 日本政府といたしましては、郵便協定のような協定の交渉をやることは差しつかえないという気持でおるのでございまして、別にどこということを特に最近は考えておりません。したがって、もし先方にそういう気持があれば、こういうことは実現し得ることじゃないかと思います。
#67
○青柳秀夫君 万国郵便連合というものに入っている国は、小包の郵便約定というものも含めているのでございますか。それは別なんでございますか。
#68
○政府委員(佐方信博君) 万国郵便連合の中でいろいろな約定、条約を作っておりますけれども、主として通常郵便物を主体とした万国郵便条約というのがございます。それには、先ほど申し上げましたように、ほとんどの国が加入いたしております。しかし別に万国郵便連合の中で小包だけの約定があるわけでございますが、それには入っていない国が非常に多いということでございます。
#69
○井上清一君 話は横道に入るかと思いますが、後進国に参りますと、切手というものが通貨の役割をやっているわけです。そのためにホテルなんかで取られるのは刑として、特に郵便局で切手をかっぱらわれるケースが非常に多いようなことを聞いておるのですが、万国郵便連合あたりでそういうことに対しての何か制裁とか注意を促すとか、あるいはそういうことに対する取り締まりというか、何かそういうことについていろいろ考えられておるのですか。どうも南米だとか中近東とかアフリカあたりは出した郵便物が行かない、切手をはがされるというような事例が非常に多いように聞いておるのですが、また実際あるのです。
#70
○大和与一君 後進国でなく新興国じゃないか。
#71
○説明員(石川義憲君) お話しの点でございますが、現実にはお話しのように、南米だとか、後進国かどうか知りませんけれども、特定の国ではそういう事故が起こることはしばしばあるようでございます。この問題につきましては、連合当局からも各郵政庁に通知が参りまして、厳重取り締まってほしいという申し入れはしばしばございます。お話しのように、特別な制裁規定というものは、各国の国内法にまかしておるわけでございます。
#72
○青柳秀夫君 さっきの続きなんですが、小包のほうは、万国郵便連合に入っていても、連合そのもので、この条約一本で各国ときまっているというのは少なくて、二国間の協定をやらなければきまらないのが日本としての現状でしょうか。その数を、たとえば郵便のほうは入っているから、百十七国ですか、全部特別の条約をやらんでも、それに入っていれば済む。ところが、小包のほうは一々よその国と個々に条約を結ばなければならないのか、それともそうでないのかという点を、国の数くらいちょっと示していただきたいのですが。
#73
○政府委員(佐方信博君) 小包約定のほうにも加入しておる国は、やはり百カ国はこしているわけでございます。しかし、非常に大きな国でこれに入っていない国がございまして、アメリカ、オーストラリア、カナダ、イスラエル、ニュー・ジーランド、南アフリカ連邦、フィリピン、ネパール、そういうところが入っていないということでございますので、こういう国とは個別条約を結ばなければならぬ。なお、今のところは、入っていない国の中で、アメリカ、オーストラリア、それからカナダとは約定が結ばれておる。残りのほかの国と、ニュー・ジーランド、南アフリカ、フィリピン等々と結んで参りますと、大多数はこれでカバーできるというようなことでございます。
#74
○杉原荒太君 さっきの問答を聞いていて、確かめておきたいことがありますが、それは中共との郵便関係の取りきめをするという場合に、その直接の当事者、コントラクティング・パーティーズ、それは両方とも政府でいいと言うのか。そうでなくて、政府では困るというので、両国の郵政当局という問題にせなければならぬという協定なんですか。
#75
○政府委員(中川融君) これは両国の郵政当局間で結ぶ純郵便技術に関する協定と、かように考えております。
#76
○杉原荒太君 それは一方、国内法的な関係から言うと、それでも法的には差しつかえないという考え方ですか。
#77
○政府委員(中川融君) 国内法の問題はまた別にあるわけでございますが、これはその当時もいろいろ研究をいたしまして、あるいはその協定は国会にお出しする必要があるかもしれない、あるいは万国郵便連合のワクの中で許されているところであるということで、国会に出さなくて済むかもしれない、そこらの研究は深くはまだ進んでいないわけでございます。しかしなが、対中華人民共和国との関係では、このような純粋な郵便技術に関する取りきめを結ぶことは差しつかえない、こういうことが一応話し合いはやろうということになったわけでございます。国内法的にどう処理する必要があるかということは、今後また研究を要する問題であろうかと思います。
#78
○杉原荒太君 それならば逆に、今ここに問題になっておる約定を、これを郵政庁間限りでやっても差しつかえないという見解ですか。
#79
○政府委員(中川融君) その中華人民共和国ともし郵便約定を結ぶ際には、やはり万国郵便連合のワクの中で各国別に、いわば郵便連合の下で純粋に技術的なアグリーメントを結ぶという考え方に立った場合には、国会の御承認はもう要らないという考えでございます。これは各国に対してもそういうことでやっております。しかし、この小包郵便約定は、ただいま御説明申し上げましたとおり、万国郵便連合のワクに入っていない分についての約定を結ぶわけでございます。これは料金等の規定もございますし、当然別個の条約として国会の御承認を得るということに考えております。
#80
○杉原荒太君 それはこの連合のほうは一つの大きな憲法とも言うべきものがあって、つまり政府間の条約というものでも大もとがきめられておって、それでその中にあるものについては郵政庁間のとりきめに委任してやるものがあるから、その委任の部分についてはそれはいいだろうが、今度は現実問題として、中共との関便でそういった委任関係というものが生きてくる余地がありますか。
#81
○政府委員(中川融君) 杉原委員の御指摘のとおり、万国郵便条約の中で、すでに政府に委任されている技術的な事項の取りきめということで解釈されれば、あらためて国会の御承認は要らなくなるわけでございます。そういうことでできるのじゃないかということで検討いたしたわけでございます。したがって、問題は、中華人民共和国が万国郵便連合に果して入っているかどうかというところから実は問題が出てくるわけでございます。これは万国郵便連合ではチャイナということで入っているのでございます。したがって、現在のところこのチャイナは国民政府のほうであるというのがまあ一応の解釈でございますが、しかし、チャイナと書いてあれば、別に国民政府ということでなくて、一つの中国ということで入っているとも言えるのじゃないか。そうすれば、両方とも入っているという解釈もできるのじゃないか。現にこの郵便の送達におきましては、万国郵便連合に入っていると同じ扱いで実は中共中国本土との郵便の交換が行なわれているわけでございますので、まあそういう解釈ができれば、あらためて国会の承認は要らない。そこらの検討はその当時はそのままになっているわけでございます。まだもっと深く詰める必要が実はあるわけでございます。
#82
○杉原荒太君 今の点は、連合のほうではどう取り扱っておる、連合の事務局あたりでは別に分担金とか何かの問題があるが、中共をチャイナの中に含める、そういう解釈のもとに実行しておるのですか。
#83
○政府委員(中川融君) 現実には万国郵便連合の会合等には、国民政府のほうから人が出ております。中華人民共和国のほうからは人が出ていないという実情でございます。
#84
○杉原荒太君 それは私もそうだろうとも想像しておるわけなんだが、そうすると、今の中共との現実問題を処理しようとする場合に、郵政庁間限りの協定というものは、実際問題として考えられないのじゃないですか。
#85
○政府委員(中川融君) 結局、この郵政官庁相互間で技術的な取りきめをするということは、二つの国家の間の問題としては可能であると思うのでございます。その取りきめが国会の御承認を必要とするかどうかという点で、中華人民共和国が万国郵便連合の加盟国でありやいなやによってその扱いが違ってくる。そこの点は今後さらに検討したいと考えております。
#86
○杉原荒太君 それは非常にはっきりしているじゃないですか。根本において、この連合の条約の委任がないものについては、日本の国内法的の取り扱いとしては、やはり政府間の協定といいますか、憲法上の意味における条約というものにならざるを得ぬという基本見解をとっておられるのでしょう。
#87
○政府委員(中川融君) この万国郵便連合条約等は、すでに国会の御承認を得た条約あるいは法律等で授権されていない場合に、たとえ郵政当局間でありましても、きめた協定の内容が国民の権利義務に関係するとか、あるいは財政事項に関係するというようなことでありますれば、これはやはり国会の御承認の要る条約ということになると考えます。したがって、その内容にも関係してくると思いますけれども、そこらの点は、さらにもし具体的の問題が起きました際には検討したいと考えます。
#88
○杉原荒太君 もうこれ以上私はあまり……、何か、しかしどうもそこのところは苦しいようだが……。
#89
○羽生三七君 先ほど私がお尋ねした問題で、小包のほうについては三、四カ国ぐらいしか加入していないから二国間協定が必要だというお話であったが、先ほど青柳委員の質問には、ほとんど大多数の国が三、四カ国を除いて大多数の国というふうに御答弁があって、どうもおかしいと思うのですが、その点はどうですか。
#90
○政府委員(佐方信博君) 発言があいまいであったかと存じますが、先ほど申し上げましたように、小包約定には百ヶ国という国が入っております。ただ日本と非常に近いといいますか、地理的に近いアジア方面、それからアメリカ、カナダというところが入っておりませんので、入っておらない国は非常に少ないわけでございます。しかし、ヨーロッパのほうはほとんど全部入っておって、近いところが入っていないという実情でございまして、数字としましては、数の上では、圧倒的に多くの国が小包約定には入っております。
#91
○羽生三七君 そういう場合に、二国間でお互いに努力するということでなしに、万国連合なり、国連ですか、そういうところでもっと努力して、世界各国がみなそれぞれ加入するというような、そういう努力は行なわれないのですか。
#92
○政府委員(佐方信博君) あまりそういう努力が行なわれておるようには思えないということでございます。
#93
○委員長(岡崎真一君) 他に御質疑もないようでございまするが、質疑は尽きたものと認めてよろしゅうございますか。御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#94
○委員長(岡崎真一君) 異議ないものと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願いとうございます。――別に御発言もないようでございますので、討論は終局したものと認めまして御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#95
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、これから採決に入ります。日本国とオーストラリア連邦との間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件を問題に供します。本件を原案どおり承認することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#96
○委員長(岡崎真一君) 全会一致でございます。よって本件は、原案どおり承認せられるものと決定いたしました。
 次に、日本国とカナダとの間の小包郵便約定第四条を改正する議定書の締結について承認を求めるの件を問題に供します。本件を原案どおり承認することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#97
○委員長(岡崎真一君) 全会一致でございます。よって本件は、原案どおり承認すべきものと決定いたしました。
 なお、ただいま承認すべきものと決定いたしました両件の議長に提出する報告書の作成等は、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#98
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 それでは、次回は追って公報をもって御報告申し上げます。
 続いて理事会を開きますので、理事の方はお残りを願いとうございます。
 これで散会いたします。
   午前十一時零分散会
ソース: 国立国会図書館
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