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1962/08/14 第41回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第041回国会 本会議 第5号
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1962/08/14 第41回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第041回国会 本会議 第5号

#1
第041回国会 本会議 第5号
昭和三十七年八月十四日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第四号
  昭和三十七年八月十四日
   午後二時開議
 一 産業投資特別会計法の一部を改正する法律
  案(内閣提出)の趣旨説明
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 議員請暇の件
 首都圏整備委員会委員任命につき事後の承認を
  求めるの件
 公正取引委員会委員長任命につき事後の承認を
  求めるの件
 産業投資特別会計法の一部を改正する法律案(
  内閣提出)の趣旨説明及び質疑
   午後二時五分開議
#2
○議長(清瀬一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 議員請暇の件
#3
○議長(清瀬一郎君) お諮りいたします。
 議員千葉三郎君から、海外旅行のため、八月二十日から八月二十九日まで十日間請暇の申し出がございます。これを許可するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。
     ――――◇―――――
 首都圏整備委員会委員任命につき事後の承認を求めるの件
#5
○議長(清瀬一郎君) さらに、お諮りいたします。
 内閣から、首都圏整備委員会委員に金子源一郎君、工藤昭四郎君、島田孝一君、友末洋治君を任命したので、首都圏整備法第八条第三項の規定によりその事後の承認を得たいとの申し出がございます。この申し出の通り承認を与うるに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、承認を与うるに決しました。
     ――――◇―――――
 公正取引委員会委員長任命につき事後の承認を求めるの件
#7
○議長(清瀬一郎君) 次に、公正取引委員会委員長に佐藤基君を任命したので、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第三十条第四項の規定によってその事後の承認を得たいとの申し出がございます。この申し出の通り承認を与うるに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、承認を与うるに決しました。
     ――――◇―――――
 産業投資特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#9
○議長(清瀬一郎君) 議院運営委員会の決定により、内閣提出、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案の趣旨の説明を求めます。大蔵大臣田中角榮君。
  〔国務大臣田中角榮君登壇〕
#10
○国務大臣(田中角榮君) 産業投資特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を申し述べます。
 御承知の通り、政府は、前国会におきまして、いわゆるガリオア・エロア等の戦後の経済援助の最終的処理をはかるため、日本国に対する戦後の経済援助の処理に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定を提出し、国会の議決を得ており、また、この協定に基づいて政府が本年度中に支払らべき第一回の賦払い金にかかる予算につきましても、昭和三十七年度産業投資特別会計予算において御承認をいただいております。さらに産業投資特別会計の本年度における投資の財源の一部に充てるため、一般会計から二百三十億円をこの会計に繰り入れることについても、予算上は御承認をいただいているところであります。
 本法律案は、この二点につきまして、産業投資特別会計法を整備するために所要の改正を行なうことを目的とした法律案でございます。
 すなわち、第一に、日本国に対する戦後の経済援助の処理に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定に基づく債務は、米国対日援助見返資金特別会計廃止の際、その資産を承継した産業投資特別会計の負担とするとともに、この債務の元金四億九千万ドルに相当する円の金額千七百六十四億円を資本から債務に振りかえる等の措置を行ない、また、この債務の元利金の支払いをこの会計の歳出とする等所要の改正をいたしておるのであります。
 第二に、本年度の産業投資特別会計予算におきましては、日本輸出入銀行、農林漁業金融公庫、日本住宅公団、住宅金融公庫、商工組合中央金庫等に対する投資需要を充足するために、総額五百三十二億円の投資を行なうこととなっておりますが、この投資の確保をはかりますためには、その財源の一部は一般会計から補充する必要があり、本年度の一般会計予算では二百三十億円の産業投資特別会計への繰り入れが計上されておるのであります。よって、本法律案は昭和三十七年度において、産業投資特別会計の投資の財源の一部に充てるため、二百三十億円を限り、一般会計からこの会計に繰り入れることができるよう所要の改正を加えることといたしておるのであります。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 産業投資特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#11
○議長(清瀬一郎君) ただいまの趣旨の説明に対しまして、質疑の通告がございます。これを許します。佐藤觀次郎君。
  〔佐藤觀次郎君登壇〕
#12
○佐藤觀次郎君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま趣旨説明のありました産業投資特別会計法の一部を改正する法律案について質問をいたしたいと思います。
 本法律案は、戦後アメリカのガリオア・エロア援助の処理に関する日米協定に基づき、その債務返済の国内手続を定めるために国会に提出されたものであります。ところが、戦後のアメリカのガリオア・エロア援助がはたして日本の立場から見て債務であるかどうか、ここに根本的な疑義のあったことは皆様も御承知の通りございます。さればわが党は、さきの国会において、ガリオア・エロア援助は日本にとって債務ではないとの立場に立って、あらゆる角度から当局を追及したのでありますが、これに対する政府の答弁はすこぶるあいまいであって、何ら国民を納得させるだけの確実な根拠がなかったのであります。しかも、政府・与党は、ただ国会の頭数にものを言わせて、アメリカの対日経済援助の処理に関する協定を無理に押し通したのであります。このたびの法案の審議にあたっても、わが党は、やはりガリオア・エロアは債務ではないとの根拠から審議に臨む方針でありますが、以上この立場に立って、池田総理大臣並びに関係閣僚に若干の質問をいたしたいと思います。(拍手)
 まず、ガリオア・エロアの援助の債務性についてでありますが、第一、昭和二十四年の三月までの援助総額が不明確であります。しかも、援助物資であるかあるいは商業ベースの輸入なのか、それも判然としないのであります。昭和二十二年七月五日、本院本会議において、超党派で、食糧放出に関し、連合国最高司令官に対する感謝決議をいたしていることは、この援助物資を贈与であると認めているからでありまして、もしこれがほんとうに当時債務であるとするならば、政府は、当然、アメリカ政府との間に日米借款協定を締結し、憲法第八十五条の規定に従って国会の承認を求むべきであったのであります。(拍手)ところが、アメリカの言うことには何でも頭を下げて従う政府によってすら、この手続がとられていなかったのであります。ということは、すなわちこれが贈与であって、決して債務でないことの何よりの証明であります。現に、水田前大蔵大臣なども、最初には、債務であると思わなかったと大蔵委員会でも発言をされたのであります。
 また、昭和二十四年四月十四日に締結されました阿波丸事件請求権処理のための日米政府間の協定に関する当時の吉田茂外務大臣とシーボルド米国務省顧問との間の了解事項では、日本国の降伏のときから米国によって日本に供与された借款及び信用は、日本国が米国政府に対して負っている有効な債務であるということになっております。たとえば、綿花回転基金によって日本に供与された借款などは、すでにそれはそれとして返済をされているのであります。この阿波丸協定の了解事項にいうところの借款及び信用には、ガリオア・エロア援助は含まれていないというのがほんとうと思いますけれども、これに対する池田総理の考え方はどういうような考え方でございましょうか、お尋ねします。
 国際法からいっても、ヘーグ陸戦法規第四十三条には、「国ノ権力カ事実上占領者ノ手ニ移リタル上ハ、占領者ハ、絶対的ノ支障ナキ限、占領地ノ現行法律ヲ尊重シテ、成ルヘク公共ノ秩序及生活ヲ回復確保スル為施シ得ヘキ一切ノ手段ヲ尽スヘシ。」と規定されているのであります。まして、終戦直後のアメリカ占領軍が、事実上わが国の主権を超越する超憲法的な権限をすべて握っておりましたことから考えてみましたならば、占領地の秩序の保持のために飢餓、疫病等を救済する措置を講ずることは、占領軍の当然の責任であり義務であったのであります。(拍手)ところが、そのアメリカ占領軍の当然の責任に属することまでが終戦処理費の名目で日本国民の負担に転嫁されていたのであります。アメリカの占領期間中に日本国民が終戦処理費として負担した金額は、実に五十四億ドルの膨大なものであって、ガリオア・エロア援助額の二倍以上の金額をすでに日本国民は支払っておるのであります。この上さらに四億九千万ドルという資金をアメリカに支払うということは、いかにしても理解できないところであります。この国民のどうしても理解できないことをあえて池田内閣がやろうとしておるのは、アメリカのドル危機を救うために、その忠義立てをするのではないか、あるいはまたアメリカの極東戦略の片棒をかつごうとしているとしか考えられないのでありますが、池田さんはどうお考えになっておられますか、お尋ねしたいと思います。
 政府は、一面、西ドイツがガリオア・エロア援助をアメリカに返済している例をあげて、その債務であることを意義づけようとしているのでありますが、西独の場合は、その対独請求権が一九四五年のポツダム四国会議で認められ、さらに、翌四六年の米英西独地図統合協定等でも確認されておりました。またガリオア・エロア援助物資については、西独側の選択、品質や数量の確認等の自主性が十分に認められていたのであります。それに対して、日本の場合は、援助物資の品目や品質などについて、たとえばそれが脱脂大豆でも、粉のような麦、鶏に食わせるようなものでも、何ら異議を申すことはできなかったのであります。当時は食糧は不足でありまして、大へんありがたくいただいたのでありますが、西ドイツのようなりっぱな食糧をもらったのでもないので、日本と西ドイツの立場は違っているのであります。
 また、このほか外国の例をあげよと政府が言うならば、アメリカがイタリアに対して一九四五年から平和条約発効までの民生品供給額を連合国軍債権から抹消することにしたのは、明らかにガリオア・エロア援助は贈与であることを示しております。さらに、韓国に対しても、アメリカは一九四八年九月十一日以前の復興救済債権を米韓決済協定で放棄していますが、これもまたガリオア・エロア援助が贈与であることを示しているのであります。つまり外国の幾つかの例を見るならば、ガリオア・エロア援助は、むしろ借款でなく、贈与であることを物語る例が多いのであります。
 かくして、いかなる角度から見ましても、戦後のアメリカの経済援助は債務であることにならないのであります。それにかかわらず、政府が日本の場合だけこれを債務とみなす根拠は一体何でございますか。これを本会議において、池田総理大臣から、国民にほんとうに理解のできるように御解明をいただきたいと思います。(拍手)
 次の問題点は、政府がこの債務返済にあたって、産業投資特別会計の負担において返済しようとしていることであります。政府が一般会計から返済するのを避けて、産業投資特別会計から返済せんとする理由は、国民から二重払いという批判を避けようと考えている点だと思います。これはいかに解釈されますか。このため、この産投会計法の改正案では、四億九千万ドルに相当する一千七百六十四億円を産投会計の資本から減資することになっております。けれども、こういう方法をとれば、それだけ産投会計の投資資金が不足するのは当然であり、それを補うのには、一般会計から産投会計への繰り入れをそれだけ増額しなければならなくなる理屈であります。本法案でも、一般会計から産投会計へ二百三十億円を別途に繰り入れることになっているのがそれであります。こう見て参りますと、結局一般会計の資金が、形式上は一たん産投会計へ繰り入れられて、それからアメリカへの返済金として出ていくことになるわけで、実質的にはやはり国民の二重払いということにならざるを得ないのであります。(拍手)こんなことならば、一般会計から直接アメリカへ返済する方がありのままの姿で、産投会計をクッションとして介入させるだけ、国民の目をくらます小細工を弄するそしりを免れないのであります。私は、この際、政府はいさぎよく本法案を直ちに撤回して、本法案に関連する予算措置を組みかえ、先日も問題になりました人事院の勧告及び米価引き上げ、災害対策、石炭対策、貿易自由化等に対する対策などを織り込んだ補正予算を提出すべきだと考えますが、総理の所見はいかがでありますか。(拍手)
 次に、大蔵大臣にお尋ねしたいのでありますが、最近は外貨事情が好転したといわれております。ちょうど昨年の九月の末と同じように、本年の六月の末には十六億二千三百万ドルに達したということで、楽観の向きもありますが、しかし、その内容は非常に不安定であります。少なくとも外貨の主体をなしているものは、外国の短期の借金でつくられたものであります。現在、政府及び民間の長期、短期の債権債務がどんなようになっているのか、その数字を大蔵大臣から明らかにしてもらいたいと思います。
 また、日本の外貨準備の中で金準備が少なく、わずか二億八千万ドルにすぎないのであります。これを外国に比較しますと、非常に少ないのであります。欧州ではこのごろ各銀行が金準備をふやしておるのに、日本だけはどうしてこれをやらないのか、アメリカに遠慮してやらないのではないかといわれております。かかる不安定の事情の中にあって、今後膨大な金貨、すなわち四億九千万ドルの資金をアメリカに放出することになるのでありますが、この日本の少ないドル資金をどうして支払っていくのか、その計画があるのかを、大蔵大臣にお尋ねしたいと思います。
 最後に、政府は今次臨時国会の会期中にどうしても本法律案を成立させる考えと聞いております。これは池田総理大臣がアメリカ・ライシャワー大使からしかられたという話も聞いておりますが、そういう理由で本法律をどうしても成立させようということは、私たちは承服できません。むしろ前国会の末期において、池田総理大臣は、公職選挙法さえ通れば、その他の法律などは犠牲にしてもいいという態度で、参議院で不成立になった事実がございます。それを一アメリカ大使からしかられて、これをどうしても成立させようとする方針というものは、私たちは納得できません。日本の国は独立国だといわれておりますけれども、一アメリカ大使のためにこういうような無理をされるということは、日本の権威いずこにありやといわれております。政府は、口を開けば、アメリカに対する国際信義というかもしれませんけれども、それ以上に、日本の国民に対する信義と責任を忘れてはならないと思います。この見地に立つならば、ガリオア・エロア援助ははたして債務であるかどうか、その根本的な大前提に立って、慎重に審議し、国民に対して一点の疑念を残さないようにするのが、国会の大きな任務であるとかたく信じます。私はこの際、池田総理大臣に、この根本的な前提についての所信を特に伺いたいと存じます。
 以上、るる申し述べましたが、ガリオア・エロア問題は、国民にとって、タイ特別円のごときと同じく、いろいろな疑問があります。この問題点を十分に説明していただいて、どの根拠から国民の血税を支払うのか、戦後十六年もたった今日、思い出したようにかかる苦肉の策を政府がとることは納得ができないのであります。
 以上をもって、本法案の質問を終わりますが、何とぞ国民の疑惑の残らぬように、一つ御説明を願いたいと存じます。以上であります。(拍手)
  〔国務大臣池田勇人君登壇〕
#13
○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。
 終戦直後に行なわれましたアメリカの経済援助は、わが国の当時の社会不安を除去し、国民生活を安定し、わが国経済の復興に資するために行なわれたものでございます。しこうして、この援助は、昭和二十一年の七月十九日に、最高司令官の指令にありますがごとく、このものはくれたのではないのだ、いずれ支払いの条件その他の経理は追ってきめると、はっきり指令が出ておるのであります。(拍手)その指令によって、戦後の内閣はこれを受け取り、そうしてわれわれはこれを債務と心得るというので、確定債務ではございませんが、今まできておるのであります。このことは、過去数年間、ことにさきの国会におきまして、長く、また詳細に論議せられ、説明したところでございます。私は、こういう、この債務と心得ておるものを、今の日本のこの状態から申しまして、返すのが至当だと考え、国会の議決を経ておるのであります。
 なお、阿波丸事件につきましてのお話は、これは日本政府がアメリカに対して背負っておる債務は有効であるということを認めたのでございます。そうして、占領費及び日本に供与された借款及び信用は、今までの各般の綿花借款と同様、こういう日本に与えられた援助物資につきましても、これは払うべきものであるということを、吉田さんが昭和二十四年に阿波丸協定できめておられる。そうしてその内容は、昭和二十四年の四月に、はっきり参議院で吉田首相より申し述べておるところでございまして、一点の疑いはございません。
 なお、ヘーグ陸戦法規第四十三条を引用されましたが、陸戦法規には、占領者が被占領者の生活安定をはかるべしという規定はあります。しかし、安定をはかるからといって、無償でやるべきだと書いてはございません。どうぞ誤解のないようにお願いいたしたいと思います。(拍手)
 なお、産投会計より支出する理由いかんということは、私が昭和二十四年に大蔵大臣を拝命いたしましたときに、それ以前の援助物資が輸出補給金や輸入補助金に使われまして、国民にその使途がはっきりいたしません。従って、私は、将来この援助を返さねばならぬと考えまして、援助物資に相当する金額をためおいたのであります。そのためおいた金額は二千数百億円、三千億円近くに相なっております。その金を産投会計に入れて日本の経済復興に今使っておるのであります。だから、その産投会計に入れたのでございますから、援助物資を返すのには、その援助物資を換価した金から、その金の利子で払って、元金はのけておこうという私の十数年前からの考えによりまして、産投会計から払うことにしたのであります。(拍手)あるいは、また、賠償等処理会計から出すべきだということの議論がございますが、これは、援助物資の金が産投に入って、その利子で払うというのでございますから、直接に産投から出す方が、はっきりして、国民にわかりいいと思うのでございます。
 なお、私は、これをどうしても払う、どうしても払う――アメリカから言われたのではございません。私は、昭和二十八年にアメリカに行ったときに、これはいずれば払いますよということを言っております。アメリカから言われるのでなく、日本の名誉にかけても私は払うべきだと考えます。(拍手)
 なお、ドイツも払いました。もう全部払ってしまっておりますが、ドイツとは財政経済状態が違いますので、十何年かかってこれから払おうとしておるのであります。イタリアは、初めはわれわれとともに戦いましたが、一九四三年にイタリアは今のアメリカ、イギリスの連合軍側に加担いたしまして、敵国ではないのであります。またオーストリア、韓国は解放地域でございまして、連合国の敵国ではございません。ドイツ、日本は敵国であった関係をお考えになればおわかりになると思います。(拍手)
  〔国務大臣田中角榮君登壇〕
#14
○国務大臣(田中角榮君) 佐藤さんの御質問中、総理大臣よりお答え申し上げました部分を除いた四点に対してお答えを申し上げたいと存じます。
 第一点は、一般会計より繰り入れのある産投会計よりガリオア・エロアの返済をすることは二重払いにならないかというお話でございますが、二百三十億円を一般会計から繰り入れますのは、ガリオア等の債務の返済の財源として繰り入れるのではございませんで、今年度における輸銀、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫等に対する投資計画五百三十二億円の財源の一部に充てるために繰り入れるのでありまして、ガリオア等の債務は対日援助見返資金関係の資産の収入で十分返済できるのでありますから、二重払い論は起きないわけでございます。
 第二は、補正予算との関係でありますが、ガリオア返済のための支払い予算は、御承知の通り、今年度分におきましてはすでに産業投資特別会計予算において国会の御承認を得ておるのでありまして、補正予算を計上する必要はないわけであります。ただし、人事院勧告の実施のために、あわせて補正予算を組んだらどうかというお話でございますが、人事院勧告につきましては、他の特別職員の問題、地方公務員の給与、公務員全般に関する問題もあり、なおかつ、この勧告は非常に広範にわたっておりますので、これを今精査、検討いたしておりまして、現在この国会に補正予算を提出するような考えは持っておらないわけでございます。
 第三点は、外貨の内訳について知らせるようにというお話でございます。外貨準備高は、本年一月以降、御承知の通り、漸次増加の一途をたどりまして、七月末現在は、十六億三千五百万ドルに達しております。しかも、最近、国際収支が漸次好転をしておりまして、米国市中銀行からの借り入れ三億二千五百万ドルもあったわけでございますが、国際収支の見通しにつきましては、最近の信用状の動向等から見ましても、今後とも均衡を維持して参れるものと思われます。なお、外貨準備につきましても、その内容は十分流動性を確保しておりまして、今後の借款の返済等につきましては、金繰り上も支障は全然ないと考えております。七月末現在の外貨の内訳、すなわち十六億三千五百万ドルの内訳は、金が二億八千九百万ドル、外貨が十三億四千六百万ドルであり、うち、預金が七億五千九百万ドル、合わせて十六億三千五百万ドルでございます。
 第四点は、四億九千万ドル支払いとわが国外貨との関係について御質問がございましたが、ガリオア等対日援助につきまして、政府は、従来からこれを債務と心得ておるのでありまして、先ほど総理が申された通り、債務負担の能力も増大をいたしましたので、この機会に解決を妥当と考え、先般協定を締結いたしたわけでございます。ガリオア等債務の支払い手段につきましては、円貨による支払い分等をできるだけ多くするように米側と折衝したのでありますが、債務額、支払い期間等を総合的に判断をしまして、御承知の通り、四億九千万ドル、十五カ年といたしたわけでございます。第一回及び第二回賦払い金は、おのおの九百四十五万ドル、第三回分以降二十四回賦払い分まで各二千百九十五万ドルずつであります。その後の六回は、各八百七十万ドルずっとなっておりまして、しかも十五年間の分割賦払いでありますので、わが国の外貨事情にさして重大な影響を持たずして支払い得るものと考えておるわけであります。(拍手)
#15
○議長(清瀬一郎君) これにて法案趣旨説明に対する質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#16
○議長(清瀬一郎君) 本日は、これをもって散会いたします。
   午後二時三十七分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  池田 勇人君
        外 務 大 臣 大平 正芳君
        大 蔵 大 臣 田中 角榮君
        国 務 大 臣 川島正次郎君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 林  修三君
        内閣法制局第一
        部長      山内 一夫君
        外務省条約局長 中川  融君
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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