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1962/08/29 第41回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第041回国会 逓信委員会 第5号
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1962/08/29 第41回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第041回国会 逓信委員会 第5号

#1
第041回国会 逓信委員会 第5号
昭和三十七年八月二十九日(水曜日)
   午前十時五十二分開議
 出席委員
   委員長 本名  武君
   理事 大高  康君 理事 岡田 修一君
   理事 佐藤虎次郎君 理事 佐藤洋之助君
   理事 羽田武嗣郎君 理事 栗原 俊夫君
   理事 森本  靖君
      大上  司君    上林山榮吉君
      小泉 純也君    中山 榮一君
     橋本登美三郎君    安平 鹿一君
      受田 新吉君    谷口善太郎君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 手島  栄君
 出席政府委員
        郵政政務次官  保岡 武久君
        郵政事務官
        (大臣官房長) 武田  功君
        郵政事務官
        (電波監理局
        長)      西崎 太郎君
 委員外の出席者
        会計検査院
        事  務  官
        (第五局長)  白木 康進君
        参  考  人
        (日本放送協会
        会長)     阿部真之助君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   前田 義徳君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   田辺 義敏君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   小野 吉郎君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     赤城 正武君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     三熊 文雄君
        参  考  人
        (日本放送協会
        計理局長)   廣川 義和君
        専  門  員 吉田 弘苗君
    ―――――――――――――
八月二十八日
 有線放送電話関係法の改正及び財政措置に関す
 る請願外四件(河本敏夫君紹介)(第三七七
 号)
 同外六件(有田喜一君紹介)(第三九七
 号)
 同外三件(芳賀貢君紹介)(第四六二号)
 郵便切手及び収入印紙等売さばき制度改正に関
 する請願(原茂君紹介)(第四四八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 日本放送協会昭和三十五年度財産目録、貸借対
 照表及び損益計算書
     ――――◇―――――
#2
○本名委員長 これより会議を開きます。
 日本放送協会昭和三十五年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書を議題として審査に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。上林山榮吉君。
#3
○上林山委員 私は、三十六年三月三十一日現在の財産目録について若干お尋ねいたしますが、私の質問に対して時間ができるだけかからぬように、ありのままを一つお知らせ願いたいと思います。決して悪意を持って質問しているのではないのでありますから、そのつもりで御答弁を願いたいと思います。
 まず目録の土地の問題でございますが、ここに局舎敷地外二十二億二千万円計上されております。この内訳はどうなっておるか、その内訳をまず伺いたいと思います。
#4
○廣川参考人 百三十万四千二百八十三メートル平方、この内訳が、業務施設用地が百万六千七百九十六メートル平方、それから宿舎の施設用地が二十二万八千六百一メートル平方、それから厚生施設用地が六万五千三十九メートル平方、それから雑用地が三千八百四十五メートル平方、大体こういうことでございます。
#5
○上林山委員 あなたの説明が低音でよく聞こえないのですが、資料を、価格と坪数と後刻明瞭に一つお出しを願いたいと思います。
 そこで今度雑用地ですが、雑用地というのは、一体何をさすのですか。
#6
○小野参考人 雑用地と申しますのは、空中線関係のための所要の敷地等でございます。
#7
○上林山委員 ただいまの資料あるいは説明ではとても不十分なんですが、先ほど申し上げたように、正確な資料を質問の趣旨に沿って出していただきたいということを申し上げているから、詳しくはお尋ねいたしませんが、また席をあらためたいと思いますが、この局舎敷地外の土地の中に、健全な厚生施設とかあるいは経営全体から考えて支障のないような厚生施設などはある程度推進していいと思います。NHKはほかに比べてそうしたような方面のことが幾らかいい方向にあると言われているわけでありますから、その点はけっこうですが、ただはたしてこれも厚生施設のうちであろうか、見ようによっては疑われるものがある。こり三十六年三月三十一日現在のこの目録のうちにゴルフ場が含まれているかどうか。もしそのゴルフ場がこれに含まれていないとすれば、三十七年度に含まれているかどうかわかりませんが、それは面積にして幾らくらいのものか。これははたしてNHKの経営の趣旨からいって、そういうゴルフ場まで厚生施設として持っていい時期に到達しているのかどうか。この点は社会的に批判されているようです。だからこの点についてお尋ねしておきたい。
#8
○小野参考人 先ほど御要望になりました用途別に土地、建物の所在並びに坪数、金額を明確にした資料をお出しいたしたいと思います。ただいま御質問のゴルフ場と称するものは、NHKとしては現在一件も持っておりません。
#9
○上林山委員 ゴルフ場と正式に登録みたいにしてあるかどうかは別として、ゴルフ場として事実使っている土地はありませんか。あるいは便宜使っているというのでもけっこうです。
#10
○小野参考人 ゴルフ場として特にそういった用途に使っておるものはございませんが、御承知の通り富士見ケ丘には総合グラウンドを持っておりまして、ここにはいろいろ職員の体位向上、健康増進、そういった意味合いからレクリエーションの一端として野球場、庭球場等もございますし、また水泳場も設けておりますが、そこの敷地の一部でゴルフの練習らしきものができるようなことは現在やっておりますけれども、しかし、それは職員の秋季の家族の慰安を含めましたそういった大会をやります場合、そういった会場に予定しておるところでありまして、平素そういうような大会等のない場合には、かなりのスペースでございますので、そういうところがゴルフの練習に使われておるというような状況でございます。その他の場所におきましては、今のような名前をつけるつけないにかかわらず、ゴルフのそういった用途に向くような土地は現在持っておりません。ただ将来局舎の建築あるいは中継所の建設に伴います敷地を予定いたしまして、購入をして、まだ建築に至らないというさら地のものがございますけれども、これはどこまでもそういう業務用の目的を持ちまして、早期に確保いたしました土地でございまして、御指摘のようなそれは、おそらく富士見ケ丘の運動場の一部のことではないかと考えます。
#11
○上林山委員 時間の関係がありますので、先ほど申し上げたように、資料が整ってからさらに質疑することにして、きょうはこの程度で一応問題だけを提起申し上げておきたいと思います。
#12
○本名委員長 森本靖君。
#13
○森本委員 この決算に関連をいたしまして、電波放送の件についてちょっと聞いておきたいと思いますが、きのうNASAの通信関係が来まして、一応郵政省と向こう側との間において話し合いをしたようでありますが、これは日本に来ておられるときに、今後の話し合いはどういう経過になりますか。電波監理局長。
#14
○西崎政府委員 今お話しのように、昨日、アメリカが打ち上げております通信衛星を利用した実験計画に日本も参加したいということで、それについての覚書交換に先立つところの技術的討議を、アメリカから今来ておりまする航空宇宙局のドライデン副長官、その他二、三の方々と非公式な会議を持ったわけであります。いろいろ問題点について討議したわけであります。ただまだ昨日をもって終わったわけではありませんで、実はきょうの午後も続行することになっております。内容につきましては、先方との話し合いも済ました上で、また御報告さしていただく機会をお与え願いたい、こういうふうに思いますが、今後の順序といたしましては、一応日本における両者間の打ち合わせの結果によりまして、なお米国側の人も本国へ帰ってからいろいろ提供していただきたいそういう資料もありますし、今後は書面によるいろいろ問題点の解決ということも終えた暁で、これが覚書及びそれの外交的な取りきめ、こういう段階になると思います。
#15
○森本委員 だからそういう段階であって、なおきょうの午後やって、それからあとどういう計画になるのか、こういうことです。
#16
○西崎政府委員 一応先ほど申し上げましたように、米側の代表が本国へ帰ってから、いろいろまた疑点その他はっきりしなければならない点もあります。そういう点の解決を待ってから、覚書の交換、それからそれの外交的な確認と申しますか、そういったような手続がとられるのじゃないかと思います。
#17
○森本委員 だから、私は内容を聞いておるわけじゃないのですが、きょうやってまだあと二、三日続くのですか。
#18
○西崎政府委員 日本における会議は本日をもって終える予定になっております。
#19
○森本委員 そういたしますと、向こうの方に帰って、そうしていろいろまだ技術的なデータももらってということでありますが、そういたしますと、やはり地上委員会に加入するという形になるわけですか。
#20
○西崎政府委員 具体的にはそういうことになると思います。
#21
○森本委員 その場合に――内容を聞いておるわけじゃないのですが、その場合に外交的にはこれは協定のようなものになるのですか。たとえば郵政省と航空宇宙局との間の話し合いになるのか、どうなるのですか。
#22
○武田政府委員 米国の航空宇宙局と郵政省との間は覚書でございまして、その覚書を締結いたしました後において、両政府間でこれを確認するという形をとります。
#23
○森本委員 そういたしますと、実際にこれが国際電電と郵政省とそれぞれ行なうことになると思いますが、実際に実験通信を行なうのは郵政省の研究所になるのですか、それとも国際電電になるのですか。
#24
○西崎政府委員 御承知のように、今電波研と国際電電とは分担してやる、電波研は今後打ち上げられるリレー衛星というものを一応対象にする、それから国際電電は、今上がっておりますテルスターを対象とする、こういう分担にいたしておりますので、結局両者それぞれの計画に従って分担し担当していく、こういうことになります。
#25
○森本委員 そうすると、これは米国と日本との両政府の協定によって行なうということになって、それぞれ国際電電と向こうの今回新しくできる会社というふうな細目の協定というようなものにはなうぬわけですね。
#26
○西崎政府委員 そういうことにはなりません。
#27
○森本委員 そういたしますと、この場合、日本の場合は、日本政府と向こうとが結んで、そうして一応日本政府から国際電電に委託するという形になるのですか、どうなるのですか。
#28
○西崎政府委員 先ほどちょっと言い方を間違えたかと思いますが、通信自体は、その覚書のワクの中で、リレー衛星を使うときには先方はNASAが現業機関として電波研と交信をやる。それからテルスターの場合には、これは向こうのどこの地上局を使うかにもよりますけれども、おそらくこの点はもう少しきょうの午後の会談の結果を待たなければわかりませんが、やはりNASAと交信をやる、国際電電とNASAの間が通信の試験をやる、テルスター計画に関しましてはこういうことになります。それで、その両方がカバーされたような覚書になると思います。
#29
○森本委員 だからその場合に、国際電電が行なう場合には、日本政府が国際電電に委託をするのか、こういうことを聞いておるわけですよ。だから、本来ならば、そういうところのリレー衛星であろうがテルスターであろうが、要するに国際的な通信については、実験はこれは電波研究所が行なうのが当然でしょうけれども、将来の実用通信というものは、全部国際電電が使うことになるわけでございます。そこで実験通信というものを郵政省が行なうということなら郵政省が行なって、それが実用化になるという場合には、国際電電にこれを移管するということになれば、現在の国内法規としていいわけだ。ところがその実験通信というものは、一体それではだれがやらなければならぬものか、郵政省がやらなければならぬものであるか、国際電電がやらなければならぬものであるか、そういう点を明確にしておいてもらいたい、私が言っておることはこういうことです。
#30
○西崎政府委員 まだそういった点ははっきりいたしておりませんので、きょうの会議においてはっきりさせたいと思いますが、今われわれが考えておりますのは、その覚書のワクの中で、国際電電は国際電電として、テルスター計画に関する実験は郵政省の監督のもとに先方と直接交信実験ができる、こういうふうにしたいと思っております。
#31
○森本委員 いや、だからその実験を行なうということが、日本政府の責任であるということであるとするならば、日本政府が責任を持ってやって、それを国際電電に委託するという形になるわけです。しかし本来の国際通信というものは、国際電電が行なうべきものであるということが国内法規の建前でありますから、国際電電が実験通信もやれば、さらに実用通信もやるということになれば、電波研究所がやる必要はないわけだ。だからその辺の国内的な法規上の手続問題というものについては、きちんとしておいてもらいたいということで考えておるわけであります。
 それからもう一つは、地上委員会に加入するという形になって、それを両政府が確認をするということでありますが、両政府が確認をするということは、これは協定と同じような効力にするのか、条約と同じような形になるのか、その両政府が確認をするということはどういう外交的な手続になるのか。
#32
○武田政府委員 条約ではございませんで、大体両国間の行政協定的な性格じゃないかと存じます。この点今までの英仏等の国と結びました形とまた今回結びますものが、完全に同じものであるかどうかという点も、今技術的討議とあわせて両者で討議をされておるところでありまして、またその後におきますところの両政府の確認の問題につきましても、性格等目下外務省といろいろ打ち合わせて検討しております。
#33
○森本委員 外務省と打ち合わせて検討しておることはけっこうでありますが、こういうことになることは初めからわかっておるわけでありますし、しばしば私の方から質問をしておるわけでありますから、いまだに外務省と検討しておるということでは話にならぬと思う。それが協定なり条約と同じ効力を及ぼすということになれば、やはりこれは国会の承認を要するという形になるわけです。そこで私は聞いておるわけです。その辺は、両国政府が確認をするということになれば条約ないしは協定と同じような取り扱いになるのじゃないですか。それがわからないで交渉するということがあるかね、向こうと話をするのに……。
#34
○武田政府委員 その内容において、いろいろと財政上の義務とかそういう点をまだはっきりしておりませんが、そういう義務を負う義務的規定がほとんどございませんしいたしますので、単なる協定ではないか、こう考えております。
#35
○森本委員 単なる協定であっても協定が全部かかるという形になるでしょうか、どうですか、その辺は。
#36
○武田政府委員 その点もう一度よく外務省と打ち合わせまして御答弁申し上げます。
#37
○森本委員 もうここで何回も、あなた方は外務省と協議しますという答弁を十回以上行なっておるわけです。それほど外務省と何回も協議をしなければ、このくらい簡単なことがわからぬものだろうかというふうに私はお役人のやることが不思議でならぬわけですが、それはそれでいいです。
 それからもう一つ、この間当委員会で私が言った内容については、やはりこの話し合いの中で確認ができるような方向ですか、電波監理局長。
#38
○西崎政府委員 そういうふうに持っていきたいと思っております。
#39
○森本委員 持っていきたいというよりも、このアメリカと日本との協定あるいは確認になりますか交換文書になりますか、その内容が他の通信衛星系統に対して一切制約をしない、私の言っておりますのはこういう内容でありますが、そういうことが貫かれておるかどうか、そのことを聞いておるわけです。もしそれが貫かれない覚書とか加入の条件ということになりますと、日本の将来にとってあまり芳しくないことでありますので、この点だけは私ははっきりと念を押しておきたいと思うわけでありますが、どうでありますか。
#40
○西崎政府委員 御趣旨の線で今いろいろ話し合いをやっております。この点は先ほど申し上げましたようにまだ会談が続行中でございますので、その点が確認されたというふうには現在の段階では申し上げかねるわけであります。今申し上げましたように、御趣旨の線で参りたいと思っておりますし、おそらくその点は貫かれると思います。
#41
○森本委員 それからもう一つ大臣に聞いておきたいと思いますが、近藤科学技術庁長官は、宇宙計画に対するいろいろなものを科学技術庁に集約しておきたい、その内容を、新聞紙上でありますけれども、見てみますと、宇宙通信に関する問題についてもその中に集約していきたいということが載っておるわけであります。おそらく、新聞記者会見で技術庁長官がそういう談話を発表するということであるならば、ある程度閣議の話題にも上っていると思いますが、なるほど宇宙開発そのものについては科学技術庁が所管する事項になって参りますけれども、事この宇宙通信の問題になりますと科学技術庁にはほとんど何らの設備も準備もないということでありまして、現在の郵政省の電波監理局を中心としてやらなければとうていでき得ない、こういう形になると思いますが、そういうことについては、郵政大臣としては科学技術庁長官のこういう談話に対してどうお考えですか。
#42
○手島国務大臣 科学技術庁長官のお話につきましてはまぢ具体的な相談を受けておりませんし、閣議の話題にもなっておりませんが、実際問題として通信の問題は郵政省を離れてはなかなか実行が困難だと思いますので、全般的な科学技術の問題は科学技術庁でやっても、通信関係は今までのように郵政省で実際取り扱っていきたい、こういうふうに考えております。
#43
○森本委員 もしそういうことでございましたら、これは一つ大臣も、自分の所管事項でありますから遠慮なしに科学技術庁長官に、君の方としては勝手にこういうことを言ってもらっては困るじゃないか。要するに十分に話し合いをしてやってもらいたい。何も私は科学技術関係のぶんどりを云々するわけじゃなしに、科学技術関係について一元的な運営をしなければならぬ、そういうことを考えておるとするならば、現在の科学技術関係の各官公庁にばらばらになっておるものを一元的に集約することを考えていかなければならぬ。私は前から電波関係については、たとえば内閣に直属の電波監理庁あるいは電波庁というふうなものを、今日の段階においては作っていいじゃないかという考え方を持っておりますけれども、当面そういう問題は別として、科学技術庁長官は科学技術庁長官でそういうことを発表する、あるいは郵政省は郵政省として考えていくということでは、この宇宙通信の開発がきわめて重要な段階にきている際に、政府のやり方がなかなか統一ある方向に向かないので、これは一つ郵政大臣として十分に御努力を願いたいと、こう思うわけであります。それと同時にこの宇宙通信の開発の問題に対して、郵政省としては昭和三十七年度の予算ではなかなか満足にできない、オリンピックを控えてさらに急激にこの準備をしていかなければならぬ、こういうところから場合によれば追加予算を考えたいということを郵政省あたりは考えておるのじゃないか、こう思うわけでありますが、私がある大蔵省の高官と話をしたときには、郵政省はどうもそういうことを考えておるらしいけれども、このままの調子でいったらとてもそんなものは出ませんよという話を個人的にしておったわけでありますが、そういう内容についてはどうですか。一方ではNASAと一生懸命話し合いをしておるが、国内的な郵政省の体制というものをはっきりときめていかなければ、これは対外的にも信用の問題になると思うのですが、そういう内容についてはどうですか。これは大臣からでも事務当局からでもけっこうです。
#44
○西崎政府委員 今お話のように、現在まで電波研究所の予算として成立しておりますのは、三カ年間で約三億五千万円。しかし、これを今お話のように完成させるのにはあと五億ばかりの金が要るわけであります。しかも時期的な問題もありますので、われわれの方としましては、追加予算その他の措置によりまして、そのうち二、三億程度を増額していただきたいと思っておるわけでありますが、この点については目下大蔵省と折衝中でございます。
#45
○森本委員 大体その折衝がなまくらで、今のような折衝のやり方をしておってもとても見込みがないということを私はちらっと聞いたものですから、どういう決意を持ってやっておるだろう、たまに委員会でもって言っておかなければ、今の官僚諸君では取り切れぬじゃないか。これは郵政省のためということではなしに、日本の宇宙通信を開発するというおくれた面をやらなければならぬ。これはおそらく来年度から通信は宇宙通信の時代に入ると思う。そういう観点からすれば、この二億か三億の金は、日本の予算からすれば小さなものでありますけれども、実際問題として、日本の将来のためには非常に大きな効果がある、こういう内容になってくるわけでありますので、これは一つ大臣、健康もあまりすぐれないようでありますけれども、しかしこういう重要な問題については、大臣が先頭に立って、大蔵大臣と直接談判をして話ができるように、幸いもとの郵政大臣が現在の大蔵大臣でありますから、おそらく現在の大蔵大臣あたりも相当理解があると思うわけでありますから、ここで、彼は郵政大臣のときには、郵政業務にはきわめて理解のある発言をして、大蔵省から何でもぶんどってくるような話をよくいたしておりましたから、その彼が今日大蔵大臣になっておりますから、平生の話とは違ってやりよいのじゃないか、私はこういうようにも考えます。ここが大臣の腕の見せどころでありますから、こういうところで腕を見せなかったらほかに見せるところがないわけであります。この点は一つ大臣が十分に縦横の腕をふるってもらいたいということを特に私は要請をしておきたいと思いますが、この点についての大臣の所見を簡単でけっこうでありますから、一言言っておいてもらいたい、こう思うわけであります。
#46
○手島国務大臣 ごもっともな御意見でありまして、きわめて重要な問題でありますので、できるだけ大蔵省と話しまして所期の目的を達成するように努力をいたしたい、こういうように考えております。
#47
○森本委員 それからこれはきのう政務次官に私が質問をいたしまして、政務次官としては御趣旨ごもっともでありますから、今後そういう点については十分考えていきますという答弁があったわけであります。これは政務次官の答弁でありますが、きわめて重要な、今後の示唆に富んだ答弁であります。不幸にしてきのうは大臣も電波監理局長もおりませんでした。私は岐阜のラジオ放送に関する免許に関連をいたしまして、今後の放送の免許のあり方、将来特にFM放送等の免許のあり方について考えた場合に、とにかく今までのテレビのときのやり方は、三つ競願が出ておるから全部三つとも同じように取り扱って三等分をしろということをやってきたのが、大体免許のやり方であります。そのことによって非常に紛争を来たしておる。それからまた電波が曲がった形になりがちである。そういう観点からいきますと、将来のFM放送等の許可にあたりましては、そういうことを考えずに、やはりFM放送としてはいかにあるべきか、それからさらにどういうふうな方向にこれを運用していったらいいか、さらに中波との関係をどう考えたらいいかという総合的な判断をしたならば、そうして一つの、FM放送の今後の放送のあり方というものを郵政省がぴしっときめた場合には、少なくともそのあり方について、競願中でどれが一番いいものであるかということが出てくると思う。その場合、それが甲乙あまりないということがあるかもしれませんけれども、それでもなおかつこれを比べていくとするならば、やはり一、二、三という順序は出てくると思う。そこで今後の免許のあり方というものについては、出てきたものを全部ひっくるめてこれを等分して仲よくやりなさいという形においてやるということになりますと、現在ですらFM放送については三百数十社の申請が出ておる、今後ますますそういう申請が出てくるということで、上げもおろしもならぬようなことになる。そうではなしに、郵政省が、FM放送について、あるいは今後の中波放送について、そのあり方をびしっときめたならば、そのあり方について適合いたしますところの最適の申請者に対しましておろすというやり方をやるのが私は妥当だと思う。だから今後、今までやったように、実際に出てきておるものについては何もかもこれを等分に扱うというようなやり方はやめてもらいたい、私がこういう発言をいたしますと、政務次官は御趣旨ごもっともで、そういう方向で進んでいきたいと思います。こういう答弁があったわけであります。もっともこれは政務次官からあなたにまだその報告がないと思いますが、大臣としても、政務次官が大臣代理として答弁をせられておりますので、おそらく間違いないと思いますけれども、間違いがないかどうか、なお念のためにお伺いをしておきたい、こう思うわけであります。
#48
○手島国務大臣 ただいまの御意見はごもっともでありまして、従来もそういう方針でで進んだと思いますが、実際問題として、多少今おっしゃったような問題が、解決されたのには多いのではないかと思いますが、今後はできるだけ合理的に、たくさんの申請者がありましても、その中で最も適当なものを選ぶという方針で進みたい、かように考えております。
#49
○森本委員 それでは時間がありませんので、決算の方に移りますが、決算について質問をいたします。
 私は基本的な問題について聞いておきたいと思いますが、このNHKの決算が毎年出されますが、これがいつも相当おくれて出されるという傾向があるわけでありまして、ひどいのになると、三年くらい前のやつが思い出したように出てくる、こういう形になっておるわけでありますが、この三十五年度の決算はいつ郵政大臣あてにNHKから出されたか、郵政省の方からお聞きしたい。
#50
○西崎政府委員 三十六年の五月末に提出されました。
#51
○森本委員 三十六年の五月ということになりますと、四十条きりきりの時間になっておりまするから、これはNHKは合格ということになるわけでありますが、そのあとの二項に、「郵政大臣は、前項の書類を受理したときは、これを内閣に提出しなければならない。」「内閣は、前項の書類を会計検査院の検査を経て国会に提出しなければならない。」こういうことになっておりますが、郵政大臣が内閣に提出をした日と、内閣が会計検査院に手渡した日はいつですか。
#52
○西崎政府委員 郵政省から内閣へ提出いたしましたのは十一月でございます。それから内閣から検査院へは、やはり同じ十一月でございます。
#53
○森本委員 順番に聞いていきますが、そういたしますと、五月末にきたわけですから、六月、七月、八月、九月、十月、十一月、大体半年かかっておるわけでありますが、これは郵政省としては貸借対照表――国会は三日くらいでやるわけでありますが、この書類を検討するのに六カ月郵政省としてはかかるわけですか。
#54
○西崎政府委員 六カ月かかったわけであります。
#55
○森本委員 六カ月かかったことには間違いないけれども、一体六カ月かかって――あなたがとぼけたような顔をして答弁をするとどうも質問が鈍るが、六カ月かかって一体どこを慎重審議しておったのか非常に不思議でならぬわけでありますが、その間の取り扱いはどうなっておったのですか。
#56
○西崎政府委員 内輪のことを申し上げて恐縮でございますが、この決算がずっとおくれておりまして、実は三十四年度のもこの前の四十国会ですか、これで御承認願ったというようなことで、まあそういった事情もありまして、取り扱いがおくれた点はまことに申しわけないと思います。今後は御趣旨の線で促進させて参りたい、こういうふうに考えております。
#57
○森本委員 会計検査院に聞きますが、会計検査院の方が実際にこの検査をした検査の場所はどこどこですか、実地検査した場所……。
#58
○白木会計検査院説明員 三十五年度につきましては、本部及び放送局につきまして、たしか五カ所程度であったと思います。主としておもなる地方の放送局について実地検査しております。
#59
○森本委員 その五カ所というのは中央放送局管内について同一の管内ですか、それとも中央放送局管内が、それぞれ違う五カ所ですか。これは所管がNHKは中央放送局所管になっておりますから、中央放送局の管轄外のところですか、一つの中央放送局の管轄内の五カ所ですか。
#60
○白木会計検査院説明員 ただいま五カ所と申し上げましたのは全部について五カ所でございまして、具体的に申し上げますと、本部とそのほか中央放送局につきましては、大阪、熊本、札幌、仙台の各中央放送局について実地検査をいたしております。
#61
○森本委員 わかりました。今、電波監理局長お聞きの通り、会計検査院は十一月にこれを郵政省からもらって、そうして三月の九日に内閣に出しておるわけであります。そういたしますと、十一月内ですから、十二月、一月、二月、三カ月です。三カ月の間に現物についても本部を調査し、さらにまた中央放送局管内の一つの管内でなしに三つの中央放送局管内にまたがって検査をしておるわけでありますから、これは相当の時間がかかるわけであります。それだけの時間をかけましても、たった三月で会計検査院としてはこれを出しておるわけであります。これは一応合格とせざるを得ないと私は思います。ところが郵政省は五月末にもらって十一月に出した。何をしておったかといえば何もしていない。ただ三十四年度の決算が国会にかかっておったから云々、それは国会のことでありますから別であります。あなた方の仕事ではございませんから、国会で審議をするのは答弁をすればいいわけであります。国会にかかっておるから云々ということにはならぬのでありまして、その間にどこか職務怠慢のところがある。この郵政省の関係が、これはおそらく現物の調査をあまりやらぬ、書類調査であろうと思いますが、その書類調査がかりに一カ月か二カ月で済んでおれば、この前の通常国会にかかっておるわけであります。そうなればとつくの昔にこの決算は済んでおる、こういう形になるわけでありまして、私は非常に決算がおくれるのを不思議に思いまして、実は順番にずっと、NHKが決算を行なう、それから郵政省に渡る、郵政省から内閣、内閣から会計検査院、国会、一体どこに欠陥があるかということで、ひまではございませんけれども、一応今後の問題があると思いまして調査をしてみたのであります。そういたしますと、やはり犯人は郵政省の電波監理局にある、こういうことになったわけでありますだからこれは人が足らぬのなら人が足らぬで、私はどんどん要求すべきだと思います中金がなければ金がないということで声を大にして私は言うべきであると思う。今や電波監理局の仕事というものは郵政省で私は一番重要な地位であろう、こう思うわけであります。そういう点からまあ西崎局長がまことに相済みませんということでございましたから、これ以上この問題について追及しようとは思いませんけれども、今後は一つ郵政省で六カ月も寝かすということでなしに、最大これは郵政省でやりましても三カ月あれば私は十分やれる、こう思うわけでありますから、わからぬところがあれば郵政省はこれは監督行政を持っておりますから、もっとNHKの者を電波監理局長が呼びつけてどういうわけだと聞けばいい。おれらより先輩だから、えらいから遠慮しておこうというようなことをやっておったら、これは三カ月たっても、六カ月たってもなかなかできぬ、こういう現実にあろうと思いますから、その辺は監督官庁、それからNHKはNHKとしての放送法に基づいた協会である、こういう形の分野をきちっとしなければならぬ。それぞれの職権とそれぞれの仕事というものもはっきりしていかなければならぬ、そういう観点から、私は、こういう問題についてはとにかく今後は第四十条についてはこれを早く一つやるようにぜひやっていただきたい、こう思うわけでありますので、重ねて電波監理局長の決意を聞いておきたい、こう思うわけであります。
#62
○西崎政府委員 自今思いを新たにしまして先生の御趣旨の線に沿ってやって参りたいと思います。
#63
○森本委員 一応その問題はそれでおきまして、それから今度は今年度、当期剰余金を初めてNHKとしては資本に組み入れておるというのが載っておるわけであります。そこで私はこの資本ということをいろいろ調べてみたけれども、とにかくこの資本というのが旧協会からの引き継ぎの資産再評価をしたところの資本であるということはわかりますけれども、それは今回の当期剰余金を初めて資本に組み入れて、今後これを資本と称するということにしたのはどういうところに原因があるわけでありますか。
#64
○小野参考人 御指摘のごとく在来資産、負債の超過額をもって資産といたしておりました。この中には旧法人から受け継ぎましたいわゆる固有資本と申しますか、こういうものがありますほかに、その年の業績の伸びに従いまして積立金、剰余金、こういったものがいろいろ合算されまして貸借対照表の借方、貸方の差額になっておる。結局これが資産超過分でございます。そういうことでございますが、協会といたしましてはこれはいろいろ株式会社等における資本金、こういう出資とぴったり裏表になっておるような扱いをする必要はない。それといま一つは、資本を目標にいたしましてその業績の関係を配当その他の関係で考慮する必要もないと思いますから、その意味における資本ではないのでありますが、在来旧法人から受け継ぎましたいわゆる固有資本が一億六千万円あったわけでございますが、その後再評価の結果三十二億になっております。その三十二億を資本といたしまして、さらに出ます資産、負債の差額につきましてはこれを必要な法定積立金、その他の積立金と当期の剰余金に分けておったわけであります。しかし非常な規模の拡大、業績の向上につれまして、剰余金がそういたしますと非常に多額になって参ります。この剰余金はいわゆる純利益といったものではないのでありまして、大方は左方の資産に変わっておるわけでございます。その資産につきましては、外部資金の借り入れによって調達をいたしましたものにつきましては、その負債が完済いたしますまでは協会そのものの財産でなく、えらい負担を持った資産ということになっておるわけでございますが、そのような関係で資本の三十二億に対しまして積立金並びに当期剰余金の額が非常に多くなる、一見いたしますと、いかにも多額の収益が上がっておるというような錯覚を起こすかと思いますが、そういうような関係と、いま一つは協会の財政の安定に資しますために、外部の借金を全部返しまして、もう完済して、その資産そのもので、純然たるNHKの固有の資産になっておるというものにつきましては、その限度の額を資本に繰り入れまして、これを資本額として計上した方がいいというようなことで、三十五年度から御指摘のような措置をとったわけでございます。
#65
○森本委員 大体あなた方の考え方についてはわかりましたが、そこでNHKの純然たる一般会社に匹敵するような資本というものは大体三十二億円である、あとは固有の資産である、こういうことになるわけですね。
#66
○小野参考人 その通りでございます。負債を除きました純然たる純資産で、これがいわゆる放送法第四十二条に規定しております放送債券を発行し得る限度額を算定する基準になっております。
#67
○森本委員 そういう場合、この資産を資本というふうに呼ぶことが一体いいのかどうか、呼び方が、放送法の第四十二条には、要するに「前項の放送債券の発行額は、会計検査院の検査を経た最近の事業年度の貸借対照表による協会の純財産額の三倍をこえることができない。」こういうことになっておるわけでありますから、固定資産であるならば純資産ということでいいわけでありますが、どうも資本という呼び方が非常にまぎらわしいのじゃないか。何かやはりわれわれは一般の会社とか、そういう面の資本というものを頭に置くわけでありまして、ここに言うところの資本というものは、一般の会社等における資本とはだいぶ趣きが違うわけでありまして、これをあえて資本と呼ばなければならぬということには、私はこの呼び方について非常に疑問があるわけでありますが、これは何か資本ということでなしに、やはり固定資産なら固定資産、固有の財産なら財産ということでいかぬのですか。
#68
○小野参考人 御指摘の通り、NHKのような現在の性格の法人で資本として別に特にそういうものを保有する必要があるかどうか、これにつきましては絶対論はないと思います。ただ今の広い意味の資本は、借方と貸方の差額、いわゆる資産と負債の差額、いわば純資産でございますが、資産超過額を資本と広く称しております。これはいろいろな意味におきまして、貸借対照表上その間の業績の現状を十分に理解する上において必要なことでございますが、その中をさらに資本と積立金と当期の剰余金と、こういう三本立にする必要があるかどうかについては、いろいろ御疑念をお持ちいただくのも当然であろうと思いますが、一応資本として持っておりますものは、これは民間の会社と同様な厳格な意味を持っておるわけではございません。業績いかんによってはこれもまた取りくずし得るようなものでございますし、またこの資本をふやします場合に、増資の限界を民間の企業のごとくいろいろ計算をするような要もないと思います。一応そういうようなことで協会としてよくよくの事態に逢着しない限り、これだけを保有していき得る、またいくべきだと思えるものを資本といたしまして、そのほかに剰余金の残余のものは積立金と当期剰余金、この積立金は放送債券が満期になれば取りくずして出ていくものでございますし、また当期剰余金も、これもこの決算の上ではかなりの額が出ておりますが、実際はこれも会社の貸借対照表と比較しての純利益ではないのでありまして、この中には相当固定資産あるいはまた同時に建設工事等の関係でいろいろな条件に左右されまして、予定のごとく当該年度で執行を完了しないで翌年度に繰り越される、こういうようなものも当期の剰余金の中に入っているわけでありまして、その辺から申しますと、そういうものを全部ひっくるめて貸借の差額である資産としておいてもいいのではないか、これも一理あると思いますけれども、一応その中で区分をしまして、資本は協会の財政の安定のためにできるだけそれを明確にし、それを保有する、そういうような意味合いでそういうものを設けたわけでございます。
#69
○森本委員 非常にわかったようでわからぬのですが、これは会計検査院にお尋ねしますが、十一ページにあるように資本の部としてこういう載せ方をするのがやはりいいんでしょうかね。これはもとの三十二億円というものを一応資本の部として何らかの形でやるということについてはわかりますが、あとこういう形でこれを資本合計として百二十三億ということになりますと、今度は来年度の決算のときには、これがもとになって、百二十三億というものがもう資本として、この内訳がなしに、そのまま出てくるわけでありますか。
#70
○小野参考人 それはそうではないのでありまして、一応資本として三十五年度の貸借対照表に計上されております。十一億余のものは、三十六年度、三十七年度においてもそのままでございます。ただ動くのは、積立金と当期剰余金は、その年の財政の状況によって異同はいたしますけれども、資本の関係は、今のような償却、いわゆる借金を支払い済みの、ほんとうに完全にNHKの財産になった資産を資本に繰り入れる措置をやりません限りにおいては、そのままでございます。
#71
○森本委員 これは来年度にもこういう形でそのまま出てくるということになっても、ここにNHKのやり方において資本の部としてこういう形で掲げるのは、特に当期剰余金も一緒に入れてしまう形が妙にふに落ちぬわけでありますが、専門家の会計検査院あたりではどうでしょうか。
#72
○白木会計検査院説明員 専門家と申されまして、恐縮でございますけれども、NHKの資本の考え方は、NHKという一つの財務状態が非常に特殊なものである、われわれが普通に検査しておりますいわゆる出資団体とも全然違うわけであります。そこで資本というものに対する考え方あるいはその財務諸表における表現の仕方をどうするかということは、いいとか悪いとかいろいろ見方はあると思いますが、私がいろいろお話を伺って了解している範囲内におきましては、毎期の剰余金がいわゆる固有資本に比べて非常に大きい、そしてその剰余金が実際の取り扱いとしては三十三年度以降、三カ年分でございますが、ようやく取りまとめて、こういういわば資本積立が行なわれたその目的と申しますか、たとえば放送債券の発行基準というようなことから申しますと、先生先ほどもお示しのように、規定上は必ずしもこういう取り扱いは必要でないかもしれないと思いますが、今のように非常に剰余金が多い、しかも剰余金は現金預金というような形でなしに、すべて固定資産というような形で実際は保有されている、これをこうした方がわかりやすいというか、そういう見地からこういう取り扱いがなされても、別に私どもはそれが支障があるとかあるいはそういうやり方でない普通の一般のやり方の方がいいんじゃないかというようなところまではちょっと申し上げかねると思います。
#73
○森本委員 だからこれは、NHKというものが特殊なものであるということを承知しておってこれの内容を見れば、それはすっとわかるわけです。ただしかし、これが「資本の部」という形でこういう書き方をせられておると、内容についてあまり知らないものは、この見方がちょっとへんちくりんな格好になるんじゃないかということが私の言っておるところであって、これは何も第四十二条からいくとするならば、こういう形でもって現わされなくてもいいわけです。だからそういう点については、いま少し私はNHK当局でも検討してもらいたい。何かいい方法はないかということを考えておるわけでありますが、その辺重ねてちょっと聞いておきたい思います。
#74
○小野参考人 先ほども申しましたように、これにはこうでなければならない絶対性はございません。私どもはこの方がいいということでこういう措置をとりまして、特に三十五年度からは、前法人から引き継ぎのものだけを固有資本と称さないで、完全にNHKの財産になったものをこの中に繰り入れて資本として参ったわけでございますが、いろいろその点につきましても、今後も検討を加えて参りたいと思います。
#75
○森本委員 それからこまかい問題でありますが、この十六ページの委託修理業務用物品の八百八十五万円というものについて、ちょっと内容を言ってもらいたいと思うのです。
#76
○廣川参考人 お尋ねの委託修理業務用物品の内容は、主として受信機業務に関します修理用の部品、受信障害用部品、そういったようなものでございます。
#77
○森本委員 この委託修理というのは、どういう意味ですか。巡回修理とは違うのですか。
#78
○廣川参考人 放送法に規定いたされております巡回相談に使います部品、あるいは共同修理に使います部品、そういったものでございます。
#79
○森本委員 そういたしますと、これは結局実費でやるということになるわけですね。
#80
○廣川参考人 大体そうでございます。
#81
○森本委員 これは手数料は全然とっていないわけですか、現在は。
#82
○廣川参考人 とっておりません。
#83
○森本委員 それでこの三十五年度には、巡回相談というのを何回やっておりますか。
#84
○小野参考人 三十五年度中に措置いたしました巡回相談関係につきましては、開設の個所にいたしますと、六千九百八十二個所でございます。従業員が、これに従事いたしました延べ人員では、職員が七千四百四十九人、協力業者の手を借りましたのが四百三十七名、これの利用者の数は、機器を持ち込んで修理の委託を受けましたものが、七万一千六百八十でございます。面接あるいは電話等でそういった要望を受けましたものが一万七千六百六、計八万九千二百十四、こういう状況になっております。
#85
○森本委員 もうこれ以上時間がありませんので聞きませんが、おそらくその今の回数では、すべての聴視者に年に一回くらいのサービスも行きわたっておらぬと思うわけでありますが、これは非常にNHKの番組をよくするということも国民に対するサービスでありますけれども、特にいなかの方では、こういうサービスは非常に期待をしておるわけであります。こういう問題については、極力一つ今後とも多く回数をふやすようにお願いいたしたい。
 そこで、特に一つ忠告をしておきたいと思いますことは、これは私の見ておるところでありまするから、全般にどうとかいうことは言えませんけれども、どうもこういうことについても、年度末になるとやる回数が急激にふえる。たとえば二月から三月にかけてやる回数がふえる。それから、受信者の意見を聞くなんということも、二月、三月が一番多い、こういうことが非常にあるわけでありまして、こういう点については、少なくとも年間の計画を立てて、そうして年間の計画に応じてびしつびしっとやっていくという形が望ましいわけでありますが、NHKともあろうものが、お役所の悪いところだけをまねをするということは、私は、やるべきじゃない、こう思うわけでありますが、その辺について一つ見解を聞いておきたい、こう思うわけであります。
#86
○小野参考人 後段の御指摘はごもっともでございまして、私どもといたしましても、適宜適切に施行いたしますために、年間計画を立てましても、その計画を追ってでなければやらぬということではない。これには非常な弾力性をもちまして、そういう必要があれば、即刻に要望に沿うような措置をとることを主義といたしておりますが、あるいは現実の姿は、御指摘のような事実なしと断言するほどのことは、私としても差し控えたいと思います。将来の運営といたしましては、御指摘全く当然のことでありまして、そのようなつもりで運営をいたして参りたいと思います。
 特に前段の問題につきましては、旧時代におきまして、いわゆる現在の放送法が制定せられました以前におきましては、NHKは、自由に、全国至るところで受信者に対するサービスとしてこういった機器修理等の需要に応じ得たのでありますが、新放送法によりましては、これは無制限にはできません。特に許された限りにおいてのみできるわけでありまして、原則は、ラジオ商等の商店がそういった修理に当たる、その商店の修理が間に合わぬ部分をNHKがカバーする、こういったことになっておるわけでございまして、先ほど申し上げました回数等は、その通り勉強してやっておるつもりでございますが、できるだけ、将来といえども受信者のサービスの便につきましては、特に意を用いて参りたいと思います。
#87
○森本委員 それでけっこうでありますから、一つ今後のやり方を見て参りたいと思います。特に私が言っておりますのは、そういういなかの方については、回数をふやすこと、少なくとも年に一回くらいはやるということ、それから聴視者に対するサービスということについては、年度末にがたがたつとやらないというふうなやり方をしてもらいたいということを一つお願いしておきたいと考えるわけであります。なぜと言いますと、これは特に私が、うちの方でも郵便局の局員と親しいものでありますから、当然いなかの方では郵便局を通じてあなたの方はやるわけでありますから、これが非常に目立ってきておるわけでありまして、たびたびそういう苦情を受けますので、その点特に忠告をしておきたい、こうう思うわけであります。
 それから二十ページに海外放送受信業務受託経費千二百六十万円というふうになっておりますが、これはどういうことですか。
#88
○小野参考人 これは海外の各国の放送業者が、いろいろ海外放送を行なっております。日本におきましても同様でございますが、これはだれでも聞けけるわけでございます。特にいろいろ数多くの難解な言葉等も使われております。そういうことで、政府としてぜひそういった関係の外国放送の実情を知りたいということで、そういった面をNHKとしては、当然外国の海外放送がどういうようなことをやっておるか、内容だけではなくて、いろいろな面で知る必要があるわけでございますが、その一部を政府の方へ提供をいたしまして、その代償といたしましていただく交付金でございます。
#89
○森本委員 そういたしますと、これは各国の海外放送の内容を翻訳して政府に渡しておる、こういうことですか。
#90
○小野参考人 そういうことでございます。
#91
○森本委員 そういたしますと、そういうものは、われわれも実費を払えばくれるわけですか。
#92
○前田参考人 これは時事通信社との協力事業になっておりまして、翻訳及び刊行は時事通信社がいたしております。
#93
○森本委員 その千二百六十万円は、翻訳となにをやるが、あとやることはないのですか。
#94
○前田参考人 これはたとえば、テープ代であるとか、あるいはそれに必要な人件費の一部であるとか、そういうものでございます。
#95
○森本委員 そういたしますと、これはその機械の貸し料みたいなものですか。
#96
○前田参考人 機械の貸し料ではなくて、聴視する行動まで入れた交付金でございます。
#97
○森本委員 これは、それでは政府と契約を結んでおるのじゃなしに、時事通信と契約を結んでおる、こういうことですか。
#98
○前田参考人 これは政府からの交付金になっておりますから、その形では政府と契約をしていることになっておりますが、その一種のデンガラでありますが、これを提供する方法は、時事通信を通じてやっているということでございます。
#99
○森本委員 妙にわからぬようになったのですが、政府とNHKとは、それじゃこれに対するどういう契約を結んでおるわけですか。――わからなければいいですが、あとでこれはこの間のいきさつを一つ資料として御提出を願って、何かの機会に説明を願いたい、こう思うわけであります。これはもっと詳しく聞きたいと思いますので…。それではよければ次へ進めますが…。
#100
○小野参考人 これは内閣の参事官から会長あてへのそういった委託の関係の書類が参っておりまして、この書類に基づいて、委託の事項、委託の期間、委託の金額が幾ら、並びに支払い方法、そういったものが文書としてきてございまして、それに基づいてそういう行為を行ない、その代償としてその金額を受け取る、こういうことになっております。
#101
○森本委員 だから、その場合、政府と協会とがそういう契約を結んでおるけれども、時事通信と政府は今度はどういう契約を結んでおり、さらにまた協会と時事通信とはどうなっておるのか、こういう点について、ちょっと妙にふに落ちない点があるわけでございますので、そういう点については時間がかかりますので、あとで一つ資料としてお願いしたい、そうしてそのときに御説明を聞きたい、こう思うわけでありますので、それでよければ次の項に移っていきたい、こういうことです。
#102
○小野参考人 そのようにすることにいたします。
#103
○森本委員 それからもう一つ、ここの雑収入の中で、対部外技術協力経費の受け入れというのがありますが、この対部外技術協力費というのは、どういうことですか。
#104
○三熊参考人 ただいまの御質問にお答えいたします。
 この対部外技術協力と申しますのは、技術研究所におきましていろいろと研究した成果を各メーカーが使用したいという場合に、技術協力という線を出しまして、それによります実際に必要としました実費をいただく、それを対部外技術協力ということでやっております。
#105
○森本委員 たとえばどういう問題ですか。一つだけ例をとってもらいたいと思います。
#106
○三熊参考人 たとえてみますと、イメージオルシコンカメラをNHKで開発いたします。それにつきまして、たとえばいろいろなメーカーが、イメージオルシコンカメラはいかなる方法でやればいいか、どうしてつくればよりよいものができるかということの申し入れを受けるわけです。そうしますと、それに必要なる図面とか、指導するための人手だとか、いろいろな雑費がかかるわけであります。それを一応実費だけ考えまして、各メーカーに均一に、同じものを同値でお分けするという技術協力であります。
#107
○森本委員 その場合、そういうものを取り扱うところの民間のメーカーが一社だけでなしに、三社とか四社とかという場合、おれのところにくれということで、三社なら三社が言ってきた場合には、全部に技術協力するということになるわけですか。
#108
○三熊参考人 ただいまおっしゃった通り、私が先ほど申し上げました通り、均一にお分けするということであります。
#109
○森本委員 まだあとにいろいろ聞きたいことがたくさんありますけれども、相当時間もたっておりますから、議事の進行に協力したいと思いますが、一つ最後に聞いておきたいと思いますことは、本年度の予算で、FMの実験局を九つでございましたか、十でございましたか、中央放送局段階で行なうということを予算できめたわけであります。これについてわれわれとしても非常に注目しておるわけでありますが、そのFM放送の実験局のその後の地方段階における進捗状況を御説明願いたいと思うわけであります。
#110
○三熊参考人 ただいまのFMの局は七局予定をいたしておりまして、そのうち、広島と福岡におきましては、現在工事を進めつつあります。しかしながら、予備免許がまだおろされておりませんので、予備免許がおり次第、二局につきましては、完成の方向へでき得るとわれわれは考えております。他の局につきましては、十二月の末をもって完成したい、こう考えております。
#111
○森本委員 そういたしますと、広島と福岡については、波の割当さえ得られるならば、直ちに実験放送ができるという段階でございますか。
#112
○三熊参考人 ただいま工事をやっておりまして、波の割当その他法的な措置がとられれば、いつでも――われわれとすれば九月の初めを考えておりますが、できるのであります。
#113
○森本委員 そこで電波監理局に聞きたいと思いますが、大体三十七年度の予算をわれわれが審議したときに、このFMの放送実験局について審議いたしまして、そしてわれわれも承認したわけでありますが、そこで今NHKの答弁にありましたように、実験放送の波が支えられるならば直ちにできるというのが、すでに広島と福岡、こういうことになっておるわけで、あとまだ中央放送局管内ごとにつくるということになっておりますが、これは十二月にできる、こういうことになるとすれば、FM放送のチャンネル・プランというものの構想をもう一応発表しなければならぬ。全体的なFM放送のチャンネル・プランが発表できないということであるとするならば、少なくともNHKの実験放送局に対するところの波の割当は、早急に行ない得るような措置をとらなければならぬ、こう思うわけでありますが、その辺どうですか。
#114
○西崎政府委員 本来ならば、今先生がおっしゃいましたように、全般的なチャンネル・ブランをつくりまして、その上で実験局の免許をする、波も指定するというのが定石かと思いますけれども、諸般の事情でそういった点がおくれております。また、そうかといいまして、本年度七局という線は国会でも御承認願っておる関係もありますので、チャンネル・プラン全般の確定とは切り離して、最近の機会にNHKの七局の実験局は免許したいということで、今作業を進めております。
#115
○森本委員 そういたしますと、FM放送の七局のNHKの実験放送については、FM放送全体のテレビのチャンネル・プラン、さらに免許、許可の方針、そういう問題とは別個に切り離して、ごく最近の時期において、これについて実験放送として予備免許を与える、こういうふうに解釈をしていいわけですか。
#116
○西崎政府委員 そういうことでございます。
#117
○森本委員 そうなって参りましても、やはり実験放送として許可をするということになって参りますと、全般的なFM放送のチャンネル・ブランの作成については、急いでいかなければならぬ、さらにこの免許、許可の方針についても、急いでいかなければならぬ、私はこういうことになると思いますが、現在郵政省にできておりますFM放送調査会は、まだ生きておりますか。
#118
○西崎政府委員 生きております。
#119
○森本委員 そういたしますと、このFM放送の調査会は、もうすでに相当の論議をいたしまして、あと技術水準の問題が若干残っておるということを聞いておったわけでありますが、この郵政省内におきますFM放送調査会の結論が、いつごろ得られますか。
#120
○西崎政府委員 いつごろという時期は、現在の段階では申し上げかねますが、できるだけ早く結論を得たいということで調査を急いでおります。
#121
○森本委員 いつごろというめどがなしに、のんべんだらりと調査をするということでは困ります。これは内閣委員会で審議いたしました郵政省設置法、放送法、電波法の審議においては、二年間という期限を区切っておるわけです。まして今日七局の実験放送を許可するという段階になってきておって、そのFM放送のチャンネル・プランの作成の時期、さらにまた、郵政省のFM放送調査会の結論が得られる時期がさっぱりわからぬということでは、どうにもならぬ。これは本年の年末ごろ得られるのか、来年の春になるのか、夏になるのか、そのくらいの事務的な見通しが立たぬということではならぬ。政治的な問題は別ですよ。私が言っているのは、FM調査会として純技術的に、事務的に検討していった場合に、一体いつごろ結論が得られるのか、こういうことであります。それがのんべんだらりと無計画に、早い時期にというようなことでやるということでは――そういう無計画なやり方というものはないはずであります。
#122
○西崎政府委員 お言葉を返すようでありますが、別にのんべんだらりとやっておるわけではございませんで、実はことしの四月に調査会としての大体の結論を出しまして、これを大臣談話という格好で公表したわけであります。しかし、それについてその後いろいろ意見も出おりますし、また、御承知のように、郵政省から海外調査団も派遣しておりまして、その報告もごく最近のうちに出ることになっております。そういう点を勘案しまして、それからまだ、先ほど先生おっしゃいました技術的な基準で、まだ未解決な点がございます。そういう点もあわせてまとめまして、最終的な結論を出すということであります。
#123
○森本委員 だから、そういうものをあわせて、最終的にいつごろ結論が得られるという見通しであるか。見通しには誤りがある場合もあります。あなたの見通しはときどき狂ってくるから、それは責めませんけれども、現在としては、その見通しは大体どの程度であるかということを聞いておるわけであります。これは政務次官でもいいですよ。一番えらい人ですから。
#124
○保岡政府委員 だんだん御審議の間に出ましたように、急に結論を出すことのなかなかむずかしい問題もありますので、今いつまでということをお約束申し上げるわけにいかぬのですが、私どもといたしましても、できる限り事務的な面においてだけでも早目に結論を出していきたいというふうに考えております。
#125
○森本委員 だから、この問題は政治的に考慮する問題と、それから事務的、技術的に考慮する問題とは、おのずから別に考えなければならぬと思う。確かに大臣がFM調査会の結論を発表すると、あちこちから、新聞社からたたかれる、またその談話をやり直すというようなこともあったわけでありますけれども、そういう政治問題については、これは大臣、政務次官が情勢を判断して省議においてまとめる。またさらに、われわれ委員会のこれに関係をしておる者についても、それぞれ委員会を通じて意見を反映していくということは、当然やるべきであります。しかし、そういうことでなしに、純技術的に、事務的に、FM調査会の結論が郵政省としてはいつごろ得られるつもりであるか。これが早い機会に、わかりません、ということでは、さっぱり回答にならぬ。純事務的に、純技術的に、いつごろ結論が得られるか、こういうことであります。これは事務屋に聞かなければわかりませんから、事務当局に聞きます。
#126
○西崎政府委員 御承知のように、FM放送のあり方と申しますか、免許の方針ということは、非常にたくさんなむずかしい問題もはらんでおりますし、また、われわれとして研究不十分な点もございますので、そういった点について、今鋭意検討中でございますので、いましばらくそのお答えは保留させていただきたい。ただ、もう一つ技術的な問題といたしまして、実はわれわれの方としましては、FM放送のたとえばチャンネル・プランをつくる要素としまして、ちょうどテレビの場合の白黒とカラーといったような関係、あるいはそれ以上に、やはりFM放送というもののプランをつくるのには、将来のステレオ方式というものをどうきめたらいいかという問題がやはり前提になって参るわけであります。この問題につきましても、今、日本といたしまして鋭意調査中でありまして、おそらくその結論は年内くらいには出るんじゃないか。それからまた、この問題は今国際的にも問題になっておりまして、来年の一月に開かれまするCCIRの総会において、世界の標準方式というものがおそらく結論が出るんじゃないか、こういう情勢でありますので、こういった点も勘案しまして結論を出したいと考えております。
#127
○森本委員 そういたしますと、純技術的な問題については年内に結論が得られるであろう。さらにまた、来年の一月の国際的な会議の内容によっても変わってくるであろう。それからさらに、純技術的な問題が年内に解決がつけ得るということでございますとするならば、少なくともその上に、われわれが放送はかくあるべきである、こういうふうな解釈のもとに、今後免許の方針についてはいかようにあるべきであるかという結論は、少なくとももう三十七年度内には結論をつけなければならぬ。何ぼおそくても三十七年の年度内にということになりますと、三十八年の三月末になりますが、そのくらいまでにはもうこれは結論をつけなければならぬ時期である、こういうふうに私は考えておるわけでありますが、政務次官、どうですか。
#128
○保岡政府委員 大体同感でございます。
#129
○森本委員 そういたしますと、ようやくここで輪郭が出て参ったのでありますが、年内に、技術的な、事務的な問題については一応の結論をつけ得られるように努力する。さらに、中波放送、FM放送を含めて、一つ放送局のあり方についてはどうするか、免許のあり方についてはどうするか、こういうふうな問題についても年度内には結論が得られる、こういう方向に一応の見通しというものを持ったわけでありますが、そこで私は、この前の当委員会の電波放送小委員会において結論を得まして、さらに、この本委員会において決議をせられておりまするところの、この放送のあり方についての逓信委員会の超党派的な決議であります。この決議は、将来の放送のあり方については、大ざっぱな決議でありますけれども、かなり示唆に富んだ決議を国会としては行なっておるわけであります。こういう決議を私はそういう際に十分に尊重し、その意見のあり方については取り入れるところはこれを取り入れるという方向が、今の国会、政府という関係からして望ましい、こういうふうに考えておるわけでありますが、この間の岐阜のように、勝手な解釈をして、自分の都合のいいような解釈をして一つやってしまうということでなしに、あの決議の中に流れておりまする当委員会の精神というものを、この際は十分にくんでもらっていかなくては困る、私はこう思うわけでありますが、その点についての政務次官の御所見を聞いておきたい、こう思うわけであります。
#130
○保岡政府委員 その決議ができました際には、おそらく郵政省としては意思表示があったと思うのでございますが、私どもも、でき得る限り国会の御意思を尊重して参りたいと考えております。
#131
○本名委員長 受田新吉君。
#132
○受田委員 私、貸借対照表の中で、資産の部と、いま一つ負債の部と、一つずつお尋ねして、ほんのわずかの時間御答弁を願いたいと思います。
 こまかい問題のようであって、また一方国民生活に非常に影響のある問題ですが、受信料の未収金の問題ですがね。これを三十五年度の場合、未収額を七億七千七百四十九万円とあげておられる。さらに翌年度のこの徴収不能見込額を五億八千九百四十四万円とあげて、その差引を計上しておられる。この受信料未収額というものが、どういう性格のものであるか、その内容を御答弁いただくことと、さらに翌年度における徴収不能見込額は、何を基礎に算定されたのかをまず御答弁願いたいと思います。
#133
○小野参考人 この未収金とあります通り、NHKといたしましては、受信の契約を受けておりまして、当然料金を徴収し得る立場にあるもので、受信者側の方のいろんな事情によって所期のごとく収納できない金でございます。これが三十五年度では七億七千七百万円と、このようになっております。このうちで、できるだけ機会あるごとに回収に努力いたしておりますが、在来の例から見ますと、幾ら努力をいたしましても、結局徴収が不可能であるというような件数がございます。その件数は、テレビ、ラジオの普及につれまして、漸次所得の低い層の方に、やはりテレビあたりも非常に普及をいたしつつあります関係上、そういった事情から、未収金の回収不能になる率が、三十三年から三十四年度、漸次比率としてはやや高くなるような傾向を示しております。そういうような過去の実績をもとにいたしまして、三十五年度におきましては、三十三年度、三十四年度の上昇率の平均をとりまして、大体このくらいは徴収不能になるのではないかということを見込みましたものが、その下にあります五億何ぼでございますが、実際の結果から見ますと、いろいろ努力をいたしておりますが、この未収金の中で大体三六%くらいのところは、回収できるようでございます。自余の金につきましては、非常に努力いたしましても、なかなか回収ができないということで、自然これを欠損に立てなければならぬような遺憾な結果になるわけでございます。大体今のようないきさつになっております。
#134
○受田委員 御答弁ではっきりしない点があるわけです。徴収不能見込額にこういうこまかい数字をお出しになるということは、どうかと思うのです。大まかに五億八千万円とかという形で出るのならば、見込額ですから――こまかい、三十三年度とか、四年度とかいうものを基礎にして三六%というような比率も今お出しになりましたが、そういうものを計算して見込額幾ら、こういうこまかい数字まで出た見込額というものが要るのかどうか。これは見込額ですから、四万幾らまで出さぬでもいいのじゃないか。
 もう一つは、この未収入の受信料というものの実態を調べてみると、貧困層が非常に多くて、社会政策的にNHKがやっている、政策的な立場で無料としてサービスするという対象のものが、相当あるのじゃないか。そういうことになれば、あっさり未収額の処理として、そうしたNHKが持つ放送の公共性という立場から、公益主義から、ある程度未収金対象の中から処理していいものが相当含まれておるのじゃないか。そういうものを数字の上にいつまでも取り残しておるということになると、NHKははなはだ冷淡な協会であるということになると思うのです。受信料未収入の対象の中に、そういうものをどういうふうに考えておられるか。この二つを重ねて御答弁願います。
#135
○小野参考人 前段の、見込額だから、数字をまるくしたらどうか、そういうようなことも考えられます。おそらくこの通りに落ちていくわけではございませんので、そのようなことでいいと思いますが、実は今も申しましたような一定の比率を機械的に計算いたしまして、数をそのまま出しますから、端数が出ておるわけでありますが、将来の作業の参考にさしていただきたいと思います。
 後段の関係につきましては、協会として一定の所得層をいろいろ見まして、その生活実態、あるいは国家の社会保障の関係、貧困救助の関係等を見まして、免除にしなければならないものは現在免除いたしております。そういうことで、この限界がどこかというところにいろいろな議論もあろうかと思いますが、ただいま私どもの考えでは、免除すべきものはおそらく網羅して免除しておる、かように考えております。自余のさらに出ますのは、必ずしも全部が貧困とは申しかねると思います。中には、転居等によって行先不明で微収不能になっているようなものも、相当にあるわけでございます。そういうような関係で、現在そういった社会政策的意味合いにおいて免除の幅を広げるということは、当面考えておりませんが、この未収金の関係の措置につきましては、非常に苛酷な取り立てにならないように、しかも、権利の上には眠らないように、最善の措置を講じて参りたいと思います。
#136
○受田委員 私、未収入の金額が多過ぎると思うのです。七億円以上もあるということは、これは大組織の協会といえども、明らかに金額が多過ぎる。そこに何が調査の粗漏とが、あるいは転居先の実態調査の不十分とか、NHKのあの大きな末端にまで組織のある機構をもってしてなおこれだけの金額が出るというところに、どこかに私は欠陥があるのじゃないかと思うのですが、いかがでしょう。
#137
○小野参考人 最善を尽くしておるつもりでございます。が、なお、いろいろ検討を要する面もあろうかと思います。そういった検討は怠らないで、最善を尽くして参りたいと思います。
#138
○受田委員 この七億の対象人員は、どれだけの人数になっておるか。それからその未収入が何年も続いているのは、どういうふうに処理されておるのか。御答弁願います。
#139
○小野参考人 ただいまここに計上しております額は、期間で申しますと、二年分でございます。いろいろ未収金といたしまして、一応は回収し得るNHKの資産として計上はしてございまして、これの回収に努めておりますが、大体機械的に処理すべきものではないと思いますけれども、いろいろ努力しましても、二年もそういう努力を続ければ、およそ幾ら努力してもむだであるというようなものが、明確になるわけでございます。そういうことで、二年間は回収の努力をいたしますが、その二年間に回収できないものは、おおよそこれは回収不能でございます中には、その間に契約が続けられないで徴収をやめておる、こういうようなことも出て参ろうかと思いますので、二年間をもちまして、大体そのうちの回収不能になるであろう額を予定いたしまして、このように貸借対照表に計上しておるわけでございます。
#140
○受田委員 私、今数字をお示し願ったのですが……。
#141
○小野参考人 これが何人ぐらいの未収分になるか、これは今資料を探しておりますが、私、記憶にございませんので、後刻わかりましたら、お答えをさしていただきたいと思います。
#142
○受田委員 これはどのくらいの数字があるかによって、未収入の実態がはっきりすると思うのです。これはNHKの放送を利用する人数のうちで、どのくらいのものが未収入になっておるか。それから二年間で処理される際に、その処理の仕方ですが、何か法律的なきびしいいろいろな方法をもって処理することになっておるのか。あるいはもうあきらめて手を引くようになっておるのか。これも一つ御答弁願います。
#143
○小野参考人 別段法律的な措置はとっておりません。あるいはこれを訴訟に持ち込みまして、訴訟上でもどうにもならぬというものを回収不能で欠損に落とすという手もあろうかと思いますが、何しろ未収額は、まとめてみますと大きうございますが、一件々々ではそう大した金ではございません。このために長い期間と訴訟の費用をかけますことは、経済的にもかえって不利であろうと思いますし、また、受信料の問題で訴訟ざたにするということも、できるだけ控えたいというようなことで、大体過去の努力の成果と回収し得る限界というものが、およそ実績で出ておりますので、二年間かかって以後のものは、ほとんどこれは回収不能であるということで、欠損に落としているわけでございます。
#144
○受田委員 ねばれば、払わないものは払わないでおくということになるわけですね。そういう行き方は、やはり問題があると同時に、貧困層に対する特別の措置を拡大する。いろいろな手を使われて、できるだけNHKの決算報告の中にこういう数字が出ないように、私は努力してほしいという希望を申し上げておきます。
 いま一つ、負債の部で流動負債の中に出ておりますが、受信料の前受金という制度があるようでございます。これは金額は多うございませんが、どういう前受金制度の実態であるか、特典がどういうところにあるのか、前受金制度は、割引にして払うということになっているのか、こういう制度を設けていることに、何か非常にNHKの政策的なものもあるのか、それもあわせて御答弁願います。
#145
○小野参考人 受信料は、大体月々払いが原則でございますが、相互の利益を考えまして、前納の制度をしいております。こういった前納に対しましては、受信者側に前納すれば有利であるような一定の料金割引率を適用しておりまして、そういう関係で、三月から四月をまたがって前受けをしているものが、ここに計上してある金額でございます。
#146
○受田委員 その利用額は、えらく少ないですね。三十五年度で四百六十一万円しかない。もっとそういう制度を多くの人に利用させて、もっとこの額をふやすような努力をされているか。ここが大事なポイントです。
#147
○小野参考人 三十五年度におきましては、正式にそのような前払制度を積極的に取り上げて推奨はしておりません。その点は、金額は非常に小そうございますが、最近におきましては、この前払いの制度はできるだけ活用していただくように、いろいろおすすめしております。ことに本年度からの受信料の改定にあたりましては、ラジオ料金については非常な低料金になりまして、月額五十円を月々に徴収いたしますことは、徴収者側もそうでございますが、お支払いになる側につきましても、五十円ずつを毎月払うことは煩にたえないと思うのであります。そういうことで、割引のつきました前納制度を大いに活用していただくというようなことで、積極的に推奨しております。おそらくその結果は、かなりの数になって出てくると思います。
#148
○本名委員長 ほかに質疑もないようでございますので、本件に対する質疑はこれにて終了いたしました。
    ―――――――――――――
#149
○本名委員長 これより討論に入るわけでありますが、討論の通告もありませんので、直ちに採決に入ります。
 本件について異議なきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#150
○本名委員長 起立多数。よって、本件は異議なきものと決しました。
 なお、本件に関する委員会報告書の作成につきましては、先例により委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありません。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#151
○本名委員長 御異議なきものと認め、さよう決しました。
 この際、日本放送協会会長阿部真之助君より発言を求められておりますので、これを許します。
#152
○阿部参考人 ただいま満場一致でこの決算が御承認いただけたことを(「満場一致ではありません」と呼ぶ者あり)――ことに非常に慎重に御審議下さって、こういう結果を得たことに対しまして、感謝をいたします。ありがとうございました。
#153
○本名委員長 次会は、三十日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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