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1962/08/30 第41回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第041回国会 石炭対策特別委員会 第5号
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1962/08/30 第41回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第041回国会 石炭対策特別委員会 第5号

#1
第041回国会 石炭対策特別委員会 第5号
昭和三十七年八月三十日(木曜日)
   午前十一時四分開議
 出席委員
   委員長 上林 山榮吉君
   理事 有田 喜一君 理事 岡本  茂君
   理事 始関 伊平君 理事 岡田 利春君
   理事 多賀谷真稔君 理事 中村 重光君
      有馬 英治君    木村 守江君
      藏内 修治君    白浜 仁吉君
      中村 幸八君    井手 以誠君
      田中 武夫君    滝井 義高君
      伊藤卯四郎君
 出席政府委員
        通 商 産 業
        政 務 次 官 上林 忠次君
        通商産業鉱務監
        督官
        (鉱山保安局
        長)      八谷 芳裕君
 委員外の出席者
        通商産業事務官
        (石炭局長)  中野 正一君
        通商産業事務官
        (石炭局鉱害課
        長)      矢野俊比古君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 石炭対策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○上林山委員長 これより会議を開きます。
 石炭対策に関する件について調査を進めます。石炭対策について質疑の通告がありますので、これを許します。中村重光君。
#3
○中村(重)委員 昨日樽川内災害のことをお尋ねしておきましたれけども、状況を一つ御説明下さい。あまり長くならないように。
#4
○矢野説明員 ただいまの御質問の樽川内の調査状況でございますが、現在地すべりか鉱害かということで争われておるのでありますので、この点につきまして、三十六年度に発足いたしました科学調査というシステムにかけまして、昨年一ぱいに大体水の状況、地形状況、あるいは地質状況、土質状況を担当の先生方、これは大体教育大学あるいは東大、九大の先生でございますが、調査員に依頼いたしましてこの調査が終わっております。それからことしになりまして、地すべりの地形状況、それからさらにこの秋に地質の精査をいたします。この結果といたしまして、地質構造の試錐をいたします予定になっております。この調査が終わりますと、これに対する判断の基礎資料ができてくるということになっておると思います。見通しといたしましては、極力今年じゅうに結論が出るように先生方にお願いしておりますが、非常にこれは大きい問題といいますか、非常に広い地域でもございますので、場合によっては来年度に若干かかって結論を出すということになるかと思っております。現状はそういうことになっております。
#5
○中村(重)委員 そうしますと、地すべりが三十四年二月に起こりましたね。その後調査を始めておる、こういうことですね。
#6
○矢野説明員 おっしゃいます通り、三十四年にありまして、それからこの前、昨日先生から御指摘ございましたように、野口調査員の報告が出まして、それからその後また、その翌年でございますが、三十五年には小出先生のむしろ鉱害じゃないかというような報告も出ております。その意味で三十六年度に発足いたしました科学認定に一番先に取り上げたということになります。
#7
○中村(重)委員 野口教授の調査は、通産省が委嘱したのではなしに、鉱業所がやったわけですか。
#8
○矢野説明員 これは企業である日鉄鉱業所が委託したものでございます。
#9
○中村(重)委員 通産省がおやりになった手続といったようなことについては別に手落ちがあるというふうには思わないのですが、昨日もいろいろ井出先生からの指摘がありましたように、これは前から鉱害という問題に対しては、非常に困難な問題で、複雑でトラブルが起こっております。この樽川内の場合は、昨日も申し上げました通り、あなたの方も事情は十分おわかりだろうと思うのですが、三十年来地すべり個所が陥没して、そして農民との間にあぜ二十七円幾らですか、金額は違っていると思うのですけれども、そういうことで補償をずっと協定してやっておった。そこが地すべりをやったとたんに、今お話しの日鉄鉱業所が野口教授に依頼して、そして調査をやらした。ところが鉱害じゃないのだという報告を、ここに写しがありますけれども、野口教授が行なったわけです。とたんに補償を打ち切ってしまった。そういうことで、農民は激高しておる。ところが通産省も従来の関係は従来の関係として不問に付したのかどうかわかりませんけれども、県も同じような考えでそのままそれを放置した。ところが、これは現実の問題として考えてみると、それまでずっと補償しておった。それが地すべりという現象がそこで起こってきたということで、野口博士をどういう関係で鉱業所がやったのか知りませんけれども、鉱害じゃないのだという報告をしたら打ち切った。それに対して通産省も県も、従来はこういう関係であったのだから、何とか一つ農民に対して従来の補償は補償として続けておく、そしてこの地すべりが鉱害であるというようなことになったならば、その場合はどうする、そうでないとなったならば、またそれに相当するような措置をやっていくといったような、何かそこに話し合いというものがあるべきではないか。どうも無慈悲というか、この点は実際問題として、もう少しあたたかい当を得た措置があったのじゃないか、こう思うのです。昨日も申し上げましたが、県議会でおそらくこの問題は取り上げられて、相当県当局も追及されたのじゃないかと私は想像しております。こういうようなことはほかにもケースがあるのじゃないかと思いますが、どうなんでしょう。
#10
○矢野説明員 今の先生のお話のように、確かに途中でこういう経緯から打ち切ったというふうなことも私ども耳にしております。それで鉱害認定の科学調査といいますのは、今もおっしゃいましたように、非常に紛争が激しい問題をはっきりさせるためにこの制度を実施したわけでございまして、昨年度も大体六個地点をこういうものにかけまして、半分の三地点は解決をいたしました。この解決の結果を鉱業法による仲介、和解の委員に報告いたしまして処理しております。本年度も大体七個地点を選んでおりまして、今お話のある樽川内は昨年来継続して検討している。ですから、この結論が出ますれば、その結果に応じまして、まさに鉱害という範囲あるいはその責任の範囲というものがきまって参りますれば当然企業自身が鉱業法の原則によります補償ということになって参ります。それからそれ以外の問題になれば、それにしかるべき措置を講ずるということに私どもとしては考えております。今申しましたように全国でそういうケースが相当にございます。それをこの制度で逐次解決をしていきたいということでございます。
#11
○中村(重)委員 そうすると、この結論が出るのはどのくらいの期間をこれから要しますか。もう今まで、三十四年からということになって参りますと、三十七年ですからおそらく三年間以上もうかがっていると思うのです。それでも結論が出ていないのですが、これからどのくらいかかるという見通しですか。
#12
○矢野説明員 先ほど申し上げましたように、私どもの科学認定は取りかかって一年ということで原則を立てておりますが、非常に大きいので、この場合は継続二年かかっております。先ほど申し上げましたように、極力今年中に結論を出していただくということにお願いしておりますが、来年度に若干かかる、少なくとも来年の秋ぐらいまでに何らかの目鼻がつくのではないかと想像いたしております。
#13
○中村(重)委員 申し上げるまでもなく、農民特に炭鉱地帯なんかの農民は、耕作反別が非常に少ないのですよ。全く専業では成り立たない。白浜委員なんか特にその実情を知っておられると思うのですが、そういうことで耕作反別が少なくて、零細貧農中の貧農であると私は思うのです。それが三年も五年も結論が出ないまま、炭鉱も従来の補償を打ち切った、これに対しては県も国も何も措置をとってくれない、こういうことになってくると、全く農民はどうしたらいいのか、どうして生活したらいいのかという問題に直面するわけです。ですから、こういうときには何か救済というか、これらに対する応急的な措置というものがなければならないのじゃないか。生活に困った人には生活保護法によって救済する道があるのだとか、それはいろいろなことがあるでしょう。しかし生活保護法ということになりましても、それは厳密な制限規定があることでありますから、たまたま当該の農民がほかに財産があるということになってくると、その財産では生活することができないというようなことでありましても、生活保護法の適用を受けることができないといったようなこと、これはもう生活に困るというふうな実情がそこへ生まれてくるわけです。今まで炭鉱との間に補償が行なわれておったのですから、何かこういうときに救済の方法を講ずる、法律上の救済規定がなければ法を改正してでも何かこういった場合の措置を考えていくということが、当然あるべきことではなかろうかと私は思うのです。全国にたくさんのケースがあるということですが、こういった場合に直面してこれを救済をするということに対しての法的な研究、あるいは行政的な措置が研究されておられるかどうか、その辺を一つ伺っておきたいと思うのです。
#14
○矢野説明員 私ども鉱害の仕事は、先生のおっしゃいます通り、むしろ鉱業権者側のいろいろな鉱害問題につきましての復旧、あるいはそれに対する解決の方法ということに努力しているわけであります。法的な形から申し上げますと、鉱業法のいわゆる賠償原則の場合、それとあわせましての臨鉱法ということでございまして、いわゆるこの鉱害認定科学調査という制度自身が、先生おっしゃいましたような救済の一つの措置だと思います。ただ現実に、それではそれが解決つくまではその間金が出ないじゃないか、これに対して何らかの考えをすべきであろうというふうなお話でございますが、この点になりますと、今の私どもの運営しております法律体制の中ではなくて、まさに行政上のいろいろな両者間のあっせん、いわゆる和解、仲介というような形でごあっせんをするということで進めていかなければならない問題じゃなかろうかと考えております。
#15
○中村(重)委員 今あなたが御答弁になったことは、いろいろ考えなければなりません、しかしそれが現実には行なわれておらぬというところに問題がありますし、私が指摘をいたしておりますのもそのことなんです。ですから、やらなければならぬとお考えになるならば、やるようにしていかなければならぬと私は思う。その必要をあなたは今痛感していらっしゃるからそういう御答弁が出たと私は思うのですが、法的に不備があるならばこれを直していく、行政措置でやるのならば行政措置を講じていく、そういう取り組み方を私はしていただきたいと思います。私はあなたに責任を追及する意味で申し上げておるのではありません。何といっても当該の担当課長であられるわけですから、そういう点に対しては一つ十分上司に進言すべきことは進言をしていただいて、こういう問題に適切な措置をしていただく必要があるのではないかと思うのですが、政務次官、今の質疑を伺っておられて、政治家の立場からこれをどのようにお考えになられますか、それに対する考えを一つ聞かせていただきたい。
#16
○上林(忠)政府委員 鉱害で被害を受けた事情を先ほどから聞いておりますが、実は大へんお恥ずかしい話ですが、まだ来まして間がないのであります。私どもお話を聞いておりますと、何とかしなくてはならぬじゃないかというようなことを考えておりますが、今のところでは法律的にどういう処置ができるかということは、いい手がないのだということを先ほどから聞いております。しかし何とかこれに対する新しい立法もいたさなければいかぬじゃないかというようなこともあるのじゃないかと考えておりますが、何分入りまして間がありませんので、この点十分検討いたしまして、皆で相談したいと思っております。どうぞそう御了承願います。
#17
○中村(重)委員 率直な飾らない政務次官の答弁です。また、就任されたばかりのあなたに今それ以上追及するということは無理と思います。ですから政務次官に対しては、答弁を取り上げていろいろ追及はいたしません。しかし、この臨鉱法の問題にしましても、あるいは抜本的な改正に取り組んでおる保安法の問題にいたしましても、あるいは鉱業法の問題等、石炭関係の法律案というのは、石炭産業が不況である、末期的症状を呈しておるというようなことから、問題点が非常に多いわけです。そのことが関係の住民に与える影響というものは非常に大きいわけですから、どうか一つ特に研究に意を用いていただいて、こうした問題の解決に当たっていただきたいということを強く要望したいと思います。この樽川内の災害の問題に限らず、全国の多くのこういったケースに対しては、学術調査団の調査の促進をして、できるだけ早く結論が出るように最大の努力をしていただきたい。同時に、都道府県に対して行政措置の面でいろいろ打つ手が私はあるのじゃないかと思いますから、関係の都道府県に対しては通産省から、その結論が出るまでの間、農民との関係の調整あるいは生活の保障といったいろいろな面についてできるだけのことをするように、一つこういうことを指示をしていただきたい。同時に通産省自体としてでも可能な限りの努力をしていただきたいということを強く要望いたしておきたいと思うのです。
#18
○木村(守)委員 関連して。すでに当委員会で質問し尽くした問題であろうと思いますし、ちょっと重複するかもしれませんが質問をします。
 鉱山保安局長が来ておりますが、鉱山保安局というのは、これは鉱山の安全な経営ができれば、それで鉱山保安局の任務のすべてを果たしたと言うことができますか。
#19
○八谷政府委員 鉱山保安の立場はむしろ、経営が安全にいくかどうかということは背景にひそみました基本的な問題でございますけれども、経営が安全にいくために災害が起きてもいいということとは全く逆でございまして、経営をやっていく上においては、絶対に人命尊重の立場から、鉱山におきます人に対する危害の防止、それから資源の保護あるいは鉱山の施設の保護、さらに第三者に対する損害、いわゆる鉱害の防止、こういう四つの見地から参るわけでございまして、実際上の個々の監督の立場からいたしますと、相当に経営には都合が悪いというようなことが起きましても、これが鉱山における人の危害を防止するためということになれば、あえてそれをやっていかなければならない、こういう立場に立つものだと考えるわけであります。
#20
○木村(守)委員 私もただいまの鉱山保安局長の答弁の通りだと思うのです。鉱山保安局というのは鉱山の安全な経営ができるために、あるいは事業体のために、あるいは資源の採堀のために、また人命のために安全な方策をとっていくと同時に、それによって起こるところのいわゆる損害というものを少なくしていくことが一番大事な問題じゃないかと考えております。ところが実際問題として今日まで鉱山保安局という立場でとっておった仕事というものは、鉱山そのものに重点がありまして、これによって起こってくる被害というものについては、あまり重点を置いて考えなかったのではないかというふうに考えますが、局長どうですか。
#21
○八谷政府委員 これは監督の十分さ不十分さ、はたからのいろいろな批判があったかと思いますけれども、少なくとも鉱山保安法が二十四年に制定されまして以来、特に鉱山保安の面につきましては、私が先ほど御答弁申し上げたような基本線に沿って厳重な監督をやっているわけでございまして、最近では特に監督官も二百二十五名から六十名も増員いたしますし、現地機関もいろいろ整備を考えておりまして、あくまで人命尊重という立場から、また他に対するいろいろな被害の防止という面から立ち向かっておるわけでございます。そのために保安法あるいは保安規則に不備の点があればこれも直していく、こういう考えで今進んでおるわけでございます。
#22
○木村(守)委員 ただいまの局長の答弁であれば、私は一番明瞭な問題はズリ山の問題だと思うのです。現在炭鉱地帯における各種のズリ山の状態、あの状態を放置して、そのままで一体、鉱山を運営することによって起こる被害をいわゆる未前に防止する、第三者に被害を与えない状態をとっておると言うことができるかどうか。
#23
○八谷政府委員 率直に申しまして抗内の災害というものに対しての重点と、それからボタ山等の抗外施設、いわゆる抗外というものに対する程度というものは、今までややもすると直接鉱山の人の危害につきます坑内の災害というものに非常に重点を置いてきたということは争えないのじゃないかと思いますけれども、昭和三十年に起きました佐世保のボタ山崩壊以来、ボタ山に対する種々の調査費もとって参りまして、昭和三十三年にはボ夕山の認可をする際の建設基準も詳細に定めてきたわけであります。保安規則の中でボタ山は一般に十五メートル以上積む場合には認可を受けなければならない、ただし地すべりの予想地帯につきましては五メートル以上のものについては認可を受けなければならない、こういう認可の過程においていろいろこれで十分かどうかということを勘案してきたわけであります。しかし、このたびの江迎のようなボタ山くずれ、これはまだボーリングの結果を見ないと、その地すべりの深さというものはわかりませんけれども、相当に第一ボタ山から第四ボタ山にわたります――特に第一ボタ山につきましてはほとんど土地と附合したような状態で木も植えておりまして、むしろアース・ダムのような用途を果たす、かように考えておったわけでありますが、その底からすべっていった。こういう関係を考慮いたしますと、今までのやり方が、率直に申し上げまして認可基準が不十分であったのじゃないかということが考えられるわけでございます。これはもう災害が起きてやむを得ず申し上げるということでなくして、ほんとうにこの災害を――今すでにボーリングをして江迎の方は検討をいたしておりますけれども、その結果を待って十分な二検討をいたしまして、基準の変更ということになるわけでございますが、今までの調査の範囲だけからいたしましても、特にああいう山腹斜面のボタ、いわゆるズリを積むという積み方に対してさらに検討を加えていかなければならぬ点が多々あるように考えられるわけであります。
#24
○木村(守)委員 ただ今 局長の答弁のような考え方があるのじゃないかと思うから、私は最初の質問をしたのです。どうも鉱山保安局というのは坑内の仕事の安全ということに精一ぱいであって、あとそれによって起こる第三者の被害というものはあまり考えない鉱山保安監督の現状ではないかというような考え方から、私は最初の質問をしたのです。ところがあなたはそうじゃない、それを十分に考えておるというのですが、今の答弁によりますと、全く最初の答弁とは食い違っております。そうして実際、被害が至るところに起こっておる。私は佐世保の、あるいは今度の長崎県のあの被害を言うのじゃないのです。これは地すべりなんかなくても、現在のズリ山の状態、あれは実際何百尺も高く積もっておる。建築物でも今百尺以上建てちゃいけないということになっている。それをあのズリ山の高さは一体何百尺ありますか。ああいうような状態をつくらしてそのまま何の手当てもしないでおくというと、地すべりなんかなくても、集中豪雨が二百ミリぐらいあったならば、どこでも全滅してしまうというのが、炭鉱地帯の実際の状態です。この状態をあなたは知っておりますか。
#25
○八谷政府委員 先ほど申し上げましたように、昭和三十三年にボタ山の建設基準をつくったわけでございます。当時の建設基準の骨子となりますものは、ボタ山の高さから二十三度以内のところに物件がある場合には、その高さがおのずから逆算して制限されてくる。結局二十三度以内には物件を置かない、こういう形で進めてきたわけでございます。これは、過去のボタ山の崩壊からしますと、二十三度以上にはあまり流れ出ていない。これはそのときの雨によって若干のものは相当遠距離まで運ばれるわけでございますが、他に危害を与えるというほどのものはなくて、過去の例では大体二十三度以内にとまっているというようなことから、二十三度ということで、昭和三十三年に、今後認可するものについては二十三度以内におさめる。従いまして、高さの制限もそういうところから出てくるわけでございます。もしその以内に物件ができた場合には、昔は鉱山は相当土地を所有していたのでございますが、今はボタ山の下も他人の土地というところもございまして、そういう際に、そこへ地上権の行使によりまして物件ができてくるというたら、ボタ山を下げるか、あるいは砂防工事によりまして、そこへ流れ出さないようにする、こういう基本的な立場で監督をやっておるわけでございまして、私どもの方の立場からしますと、一応建設基準に基づきまして、この建設基準の通りに行なわれているかどうかということを、過去において監督してきたのでございます。しかし、今度の災害の事例等を見てみますと、はたしてこれで十分であったかどうかというようなことが再検討されなければならないわけでございまして、緊急的には地すべりの問題を中心といたしますけれども、全部のボタ山の建設基準についてもこの際認識を新たにいたしまして検討を行なって参りたい、かように考えておる次第であります。
#26
○木村(守)委員 局長は最近の災害の状態をよく御承知だと思います。最近の災害の状態は、山くずれによって、いわゆる山津波を伴った災害が非常に多い。これが大災害になっております。そういう状態からいって、何千年、何万年続いた天然の山がくずれて裸山になったところには、砂防工事、いわゆる山腹砂防あるいは渓流砂防をやってその被害を防いでいるのが現在の状態です。ところが、あのズリ山、ボタ山は人間がつくったもので、中がぐずぐずで木一本も生えない裸山、脆弱な裸山といっていいのです。これが降雨によってきわめて簡単に崩壊して被害を起こすことは、何人も認めざるを得ないと思います。そういう地帯を、二十三度ですか、そういう角度で何メートルかの間人家がなければいいという考え方は、大きな間違いだと思うのです。ほんとうに今の災害は奥山の何万年続いた山がくずれて、そうして大被害を起こしているのではない。人家のすぐ目の前にあるズリ山、しかもきわめて簡単に崩壊するズリ山、それを置いて、周辺に何らの堰堤もつくってなかった、何らの防御対策もしてないというような状態で万全を期したとは私は言えないと思うのです。あなたは地すべり等伴なわなければよいのだという考え方を持っているかもしれませんが、これは大きな誤りでありまして、私の方の常磐市、内郷市、四倉、これはもしも二百ミリ以上の雨が降ったならば村全体、市全体が埋まってしまいます。鉄道も国道も全部埋まってしまいます。ところが、幸い私の方は降雨量が少なくて、百ミリ以上降るということはない。そういうことから辛うじて安全を保っておりますが、もしも二百ミリ以上の雨が降ったならば、大へんな問題になる。これに対しましてもっと基本的な対策を立てておかなければ大被害をこうむると思うので、こういう点今後十分検討されて善処してもらいたいと考えるのであります。
 それから、さっき鉱害の問題が出ましたが、鉱害に対して通産省は適正な対策を立てていく誠意があるのかどうか疑わざるを得ない点が非常に多い。たとえば、うちの方に一例をとってみますと、藤原川という川がありますが、その川が洗炭場から流れてくる泥によって埋まって河床が上がってしまいまして、その周辺の何百町という田畑が年じゅう浸水されている。河床よりずっと低い。その河床の泥払いをすると大体四十万立方米とかの泥が上がるそうでありますが、こういうようにはっきりしているのを、鉱害だか鉱害でないかわからない、あるいは鉱害でないと言っている。全部鉱害ではないかもしれませんが、洗炭場から流れてくるのが毎秒何立米あって、毎秒何立米あれば一日に何立米、一年に何立米とはっきり出るものを、鉱害だか鉱害でないかわからないという状態で農民を塗炭の苦しみに追い込んでいる。これでは鉱害に対して誠心誠意対処しているのか疑問に思いますが、どういうようにお考えになりますか。この例だけでなく相当大きな例がたくさんありますが、一言御答弁願います。
#27
○矢野説明員 ただいま御指摘の問題でございますが、今お話のように、鉱業法の原則は鉱業無過失賠償責任のもとで当事者が金銭賠償をするということになっております。それに対しまして、先ほど先生からお話がありましたように、国土保全、いわゆる河川の流失も含みますが、そういったことからいわゆる臨鉱法をつくっておりまして、それに妥当する場合鉱害復旧事業団がそれに当たるという形で、私どもとしては国土保全と民生安定に意を用いているつもりでございます。ただ、おっしゃいました藤原川云々の問題は、そういう点で鉱害自身にいろいろ争いがありましたならば、先ほど御説明申し上げました科学調査というシステムをつくっておりまして、これの考え方は原則として町村の中で判定をするということで制度としては考えている。なお、先ほどお話のあった地区につきましては、おくればせであったかとも思いますが、本年の八月常磐復旧事業団も設立されておりまして、その辺で今後基本計画あるいは実施計画ということで事業が始まって参ると思いますから、その際に取り上げていくよう検討を進めて参りたいと考えております。
#28
○木村(守)委員 いろいろ科学調査の規定なんかがありまして適正な処置をとっていくことができるのだというようなことを言っておられますが、実際今までやっていないのですよ。しかも今度臨鉱法ができまして、常磐の鉱害復旧事業団の理事長になった方は平石炭局長をやっておった大島君ですが、その時代に鉱害でないと判定しているのです。だから、全部鉱害かどうかはわかりませんが、これはやはり正直に幾らは鉱害でないのだとはっきりわかると思うのです。そういう適正な誠心誠意問題を解決するような気持で農民なり関係者に対していかないで、一方的な判断のもとにいいかげんに処理していくというような状態が私はいけないと思うのです。それは法律あるいは規定はありますが、それを実際にやっていないからこういう問題が起こる。やっていれば問題じゃないと思う。私はやはり、鉱山保安局長がさっき言われたように、第三者に与える迷惑も考慮して鉱山保安をやっているのだという通りに考えてやっていれば、われわれが質問するような問題は起こってこないのですよ。ところがやはりどうしても鉱山の経営というものに重点を置くというために、なかなかそっちの方に手が回らない。鉱山の経営をきわめて安易にできるように、スムーズにできるようにするためには、なるべく経費をかけないでやらせる方がいいということからそうなるんだろうと思うのですが、それも程度がありまして、これはほんとうに災害が起こってからでは間に合わないから、災害が起こらない前に万全の処置をとってもらいたい。この間の長崎の災害から、私の方の地元民は戦々きょうきょうですよ。ほんとうに好間の村長なんというものは、集まるたびにズリ山の問題を絶叫しております。私の方には幾多鉱害と認むべきものがありますが、これに対しましてはほんとうに誠心誠意、これは農民にわかるように、今まできまっておる規定のもとに善処されるように希望しておきます。
#29
○八谷政府委員 先生の御指摘のように、鉱害は発生する前にできるだけ防止していくということがきわめて大切かと思います。また起きた鉱害は、鉱業法の原則の通り無過失賠償ということで、これがまた賠償がされない状態であってはならない、かように考えるわけでございまして、御指摘の方向で善処して参りたいと考えます。
#30
○木村(守)委員 ただいままで申し上げたように、産炭地の住民というものはいろいろ鉱害をこうむりまして、今まで非常な犠牲に甘んじてきたわけです。ところが今度はその本元の炭鉱がぐらついてきて、炭鉱自体の経営が成り立たないというような状態になっておりまして、今度はもうすがるものがないというのが実際の炭鉱地帯の状態です。そういう状態から考えまして、産炭地の今後の振興の問題は大きく取り上げて参らなければならないと考えております。そういう点から政府は、今まで大きな鉱害をも甘んじて炭鉱の経営のために協力して参った点を十分に考慮して、産炭地の振興に特段の力を入れて、地域住民が安心した生活ができるような状態にしてもらわなければいけないということをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
#31
○中村(重)委員 時間がありませんから要点だけちょっとお尋ねしておきます。
 保安局長に、昨日の井手委員の質問に対してお答えがあったと思いますが、了解できない面がありますので御質問いたしますが、佐賀県と長崎県で、九州の通産局の調査によって、今度集中豪雨がまた起こったという場合には、ボタ山で崩壊する危険性の非常に濃厚な山が六十五あるのだ、このことに対しては保安局長も昨日お認めになっておった。そういうことで、ボタ山崩壊対策というものを何とか積極的に進めていかなければならぬ。そのためには法改正も考えなければならないので、目下そういう準備を進めている、しかしいずれにしても調査をやらなければならないのだというようなお話があった。その答弁の中で、臨鉱法の改正というようなことがあったのですが、現行の臨鉱法というのは、予防的な措置ということは一応目的になっておりません。発生した鉱害、これに対するところの復旧ということが、現在の臨鉱法の目的になっております。そうなって参りますと、この臨鉱法の性格からいたしまして、昨日局長が答弁になられたこれから先の対策、いわゆるボタ山崩壊対策、予防対策ということに私はなってこなければならないと思うわけですが、これに対して、抜本的な崩壊対策ではなしに、現在の臨鉱法の改正というような程度でもって済むのかどうか。佐賀、長崎両県下における崩壊の危険性がある山だけで六十五、新聞の報道するところによりますれば佐賀、長崎両県下において五百ぐらいのボタ山を調査の対象としておるというようなことが伝えられておりましたが、そのような膨大な調査を進めて、それが臨鉱法の改正という程度で済むのかどうか。また間に合うのかどうか。まずこの点に対しての考え方を一応聞かせていただきたいと思います。
#32
○八谷政府委員 臨鉱法の性格の問題と、それから今後のボタ山対策の問題でございますが、私昨日、ボタ山、特に地すべり地帯のボタ山の問題、こういうボタ山対策の検討の一環としまして、臨鉱法の改正についても検討を進めていることをここで申し上げたわけでございますが、臨鉱法は御指摘の通り「国土の有効な利用及び保全並びに民生の安定を図り、あわせて石炭鉱業及び亜炭鉱業の健全な発達に資するため、鉱害を計画的に復旧することを目的とする。」と書いてある通りでありまして、すでに起きました鉱害を計画的に復旧するのが臨鉱法の目的でございます。従いまして、予防措置ということは従来の臨鉱法の目的の中に、すなわち観念の中に入っていなかったわけでございます。実は昨年の八月一日に第一回の審議会を開きました石炭鉱害審議会というものがございますが、前年度末でこの、審議会は答申が行なわれて、現在完了してございませんが、ここの中でも、鉱害対策といたしましてはやはり単に起きたものだけでなくて、むしろ対策費の問題それ自体からしても、起きる前に防止するという点がきわめて大切でないかということで、いろいろ答申が行なわれている中に、やはり鉱害の問題につきましても事前予防措置ということが一つ鉱害対策として必要じゃないかということも答申されているわけでございまして、答申の線に沿っての検討をいたしておりますが、結局この臨鉱法の復旧ということは目的自体を拡大させていくというようなことになるわけでございまして、現在の目的自体は御指摘の通りでございまして、この目的をさらに拡大発展させていく、こういう形でなければ含んでこれない、かように考える次第でございます。
#33
○中村(重)委員 目的をさらに拡大をしていくんだ、現在予防的な目的になっていない、そういうものを予防的な形に発展をさせていく、こういうことになってくる。そうなって参りますと、現在の性格というものが変わってくる。全体的には私は変わるとは申しません、やはり復旧ということもやらなければなりません、それはそれなりの性格というものが残るわけでありますけれども、この予防対策というのは単に、今御答弁がありましたように、その目的をさらに拡大させるといったような、そういう程度でもって、現在のように頻発しておるところのボタ山崩壊というものを防止するのに役立ち得るかどうかという点は、私は問題があると思います。
 さらに新聞に伝えられておるところによりますれば、六千万くらいの予算要求をするんだ、こういうことが伝えられております。しかもその調査は二カ年に及ぶということであります。調査をする、こういう危険があるんだ、こういうことによって予算要求あるいは法改正という形になっていくのか、そこいらの点も私はよくわかりませんが、おそらくこの辺に対しての方針というものもある程度は煮詰まっておるのじゃないか、こう思います。まず、その点に対する考え方を聞かせていただきたい。
#34
○八谷政府委員 このボタ山対策につきましては、非常に予算面あるいは法制面につきましての折衝があるわけでございまして、そういう関係上煮詰まったという方向ではございませんが、きのうから申し上げていますのは、そういう方向で今検討を進めている。結局煮詰まるということになりますと、予算もはっきりさせるし、また、ただいまの御指摘のような、これを拡大させていくということを法制当局ともよく協議をして万全な法律改正の形に持ち込まれければならぬわけでございますが、ただいまのテンポで申しますと、私新聞に出ておったとおっしゃるのはちょっと気がつきませんでしたが、私どもの考え方はできるだけ早急に調査を進めていく、六十五ボタ山について三本くらいのボーリングがそれぞれ必要ではあるまいか、このボーリングによりまして土質の安全程度を調べていく、そして個別にその対策を考え、またボタ山を切り取り、あるいはボタ山の継続堆積を禁止するというようなことになりますと、新たなボタ山用地の設定ということも出てくるわけでございまして、こういう問題を調査を進めながら総合調査をやっていくということになりますと、一応緊急にこれを進めるにしても、六十五ボタ山につきましては一年はかかるのじゃないだろうか、そうしますと、まだ予算的に大蔵省当局とも折衝が残されておりますけれども、もしこういうところで話し合いがつけば、本年度からこの調査にかかりたい、そして来年度の上期くらいにはなるべくこのボーリング等は済まして、あとの個別検討に移っていく。しかし、それかと申しまして、一方におきましては今すぐやらなければならぬというような相当な危険性のあるものが出てきまして、全部の調査ができないと基準もできないということではいかぬと思います。基準の変更になってくると、これは建設基準の変更になる、かように考えるわけであります。建設基準というものは、できるだけ多くのものを調査した結果改正するのが一番適当であろうかと思います。と申しますのは、他の地質条件のところを調べてみて、さらに今改正したものを再度改正しなければならぬというような朝令暮改的なものになりますと、鉱業権者としましてはそれで認可を受けたところに、さらにそれではだめだという義務加重が極端に加わってくる、こういうことにもなるわけでございますが、一方におきましては緊急を要する問題でございますので、たとえば六十五のボタ山の全部が完了しないと建設基準が改正されないというような行き方はなるべくとりたくない、大体見当がつけば、あとは類似的な事項というようなものは、そのボタ山の調査が済む前にでも、基本的な対策が決定する前にでも、基準というものはつくって参りたい、かように考えるわけでございます。この基準ができますと、現行のものは、この基準に従って従来は認可しておったわけでございますが、新たにこれは認可できない、認可をしておったけれども鉱山保安法によって改善命令をするというような形が現われてくるということになるわけでございます。そうしまして、改善命令をしていくと、今度はその改善命令に応ずる工事を鉱業権者がやらなければならない。その鉱業権者がやる段階におきまして補助金等を考慮するということになって参った場合に、こういう問題は十分な煮詰まりができておりませんけれども、そういう補助金ということになった場合には、どの法律でこの補助金をこなしていくか、こういう段階になると思います。そういうことのために臨鉱法の改正等も検討しておるわけでございますが、さらに無権者のボタ山について、地すべり法の方に対して、現在のものだけである程度向こうの方に突っ込むべきものはないか、こういうふうな検討も必要であろうと思うわけでございますが、こういう諸般の検討を進めて至急に工事に移りたい。一応全体的な見通しとしましては、机の上で考えましたこととややもすると違ってくることもございますが、約一年ぐらいで調査を終わらせて、そのあとは工事にかかっていく、こういうテンポでなるべく進んで参りたい、かように考えている次第でございます。
#35
○中村(重)委員 まことにどうも、ボタ山崩壊対策と取り組んだというような気持の現われが出ておるようであってきわめて悠長だ、こういう感じが率直に言っていたします。今佐賀、長崎県下で、あなたの方で調査対象にしておる山が五百くらいある、当面緊急に何とかこの防止対策をやらなければならぬ山は六十五あるのだということを、あなたは御答弁になった。そこで、これから先に問題が起こってくるのであれば、今まで問題が起ってきていなかった、起こり得るおそれがあるという程度ならば、今のあなたの御答弁のような程度でもいいかもしれない。しかし、現在の基準において許可されたボタ山が、江迎のように全面崩壊はなかったにしても、すべって相当鉱害というものを起こしておるという事実は、あなた自身よくわかっていらっしゃる。江迎におきましても、あの二十三度というような法律の改正案をおつくりになった。それは二十三度であるから、そこには捨てさせないでほかの山に捨てさせたのだ、こういったようなことをおっしゃっておられますが、そのことに対する糾明は別といたしまして、江迎でもあの大崩壊をやったボタ山がかりに一般災害であるということになったといたしましても、これは鉱害であるのもあるわけなんです。幾つも何カ所もすべっておりますから。そういったようなことからいたしまして、現在の法律のもとにおきましては、このボタ山崩壊ということを防止することができない、鉱害を防止することはできないということは、これは現実の問題として明らかになっておると私は思う。従いまして、一年もかかるそういう調査をおやりになる、そしてその調査の結果において、いわゆる基準を変えるとかその他――その基準を変えるということになって参りますと、臨鉱法の改正となり、あるいは保安法の改正となる。あるいはそういうことをおやりになりますと、許可そのものにも問題があるということになって、鉱業法の改正ということもやらなければ矛盾がそこに起こってくる。そういういろいろな形が出て参ります。非常な手数もかかり、時間もかかる。その後に予算要求という形になって参ります。そう簡単なものではありません。どうしてそういったようなむずかしい手数がかかり、時間がかかるようなやり方をとらなければならないのか。現実にボタ山が非常に多い。しかも危険に瀕しているボタ山がある。それならば、ボタ山崩壊防止法といったような法律をおつくりになって、それによって、ボタ山が崩壊したならばどうするんだといったようなことが直ちに取り組めるようなことをおやりになることが適切ではないか。調査を待たなければそういったような法律ができないという現実ではないと私は思う。次から次にそのようなボタ山がすべった、あるいは大崩壊をしたとかいうことは、これはもう明らかな事実として現われておるのですから、それに取り組まれる、こういう態度こそ、保安当局としておとりになる当然の態度でなければならぬと私は思う。なぜにもっと積極的に取り組もうとしておられないのか、どうしてそういうむずかしい取り組み方をしなければならぬのか、その点に対しての考え方を一つ聞かしてもらいたい。
#36
○八谷政府委員 私はどうも言葉が足りなかったと思いますけれども、現行の基準内でも、さらに調査をいたしますと、応急に修正と申しますか、砂防工事その他排水の仕方というような問題の臨時的なものにつきましては、これはもう当然で、ただいま私が説明しましたのは、抜本的な対質ということで進んでいるわけでございまして、応急対策と抜本対策とは別個に進めていかなければならぬ、かように考える次第でございます。九州におきます緊急危険性のあるボタ山につきましては、おおむねこの八月末で一応調査を完了いたしまして、それぞれ完了したものについては必要な措置をさせていく、こういう態勢で進めているわけでございます。先ほどから説明申し上げましたのは、今度の江迎のような大きな地すべりというようなものに対しましての抜本的対策をどうしていくか、こういう問題でございまして、主としてそちらの方からの感触でお答え申し上げたわけでございます。それから私どもといたしましては、どの法律をどうしなければならぬということを先にきめているわけではなくて、やはりやり方が一番スムーズと申しますか、迅速であり、かつ要件を満たしていくというようなものとしての取り組み方をしているわけでございまして、いろいろな考え方はあると思いますが、ただいま申しましたのは、調査が済まないとこの法律の改正にならないというような考えは現在は持っていないわけでございまして、やはり工事にかかれば工事をする袋というものは必要なわけでございます。そういう面につきましては、調査とパラに進めていくべきものであろう、かような考え方で検討を進めているわけでございます。
#37
○中村(重)委員 先ほどのあなたの答弁では、緊急に措置しなければならぬ山は六十五あるんだ、それらの調査に対してはまあ一年ぐらいはかかるであろうという御答弁があったように私は記憶する。速記録を調べればわかりますが、何も速記録によってあなたの答弁のあげ足をとるということが私の目的ではありません、現実の問題をどうするかということで私は申し上げておるのであります。そこで実際上の問題として私どもが考えてみます場合、いわゆる無権者の山、これは地すべり防止法の中に入っておるのです。これに対して、その無権者のボタ山を防止するための措置すら、今日まで何一つとして講じられていない。九州各県におきまして七つか八つぐらい、今何か対象になっておるとか、調査をしておるようなおらないような答弁がありましたが、しかしこれは建設省の所管になっているのだから、おれの方は知らぬのだ、こうあなたは御答弁になるかもしれません。すでに地すべり防止の指定を受けられるいわゆる無権者の山においてすら、そのような取り扱いがされておる。ましてや有権者の山、鉱業権者が実在をする山に対しては、地すべり防止法の指定を受けることはできない、こういうことになっておる。その現われが江迎の今回のボタ山の崩壊という形に発展をしたと言っても、私は言い過ぎじゃないと思う。今まであなたの方では、鉱害といったようなことは直接の関係はないわけでございますけれども、ともかく今まであなた方の取り組み方は、ボタ山の崩壊というようなことは大して念頭に置いておられなかった。しかしボタ山の崩壊があり、また小さいながらも地すべりといったようなものが起こって、いろいろ鉱害が起こっておるということが私は現実であると思う。そういう中において、今あなたは、いろいろ調査をしているのだ、緊急に措置しなければならないものは措置するようにもう手はずを整えておるのだと、こう言っておりますが、それではどういったような手はずを整えていらっしゃいますか。江迎でああいったようなボタ山崩壊が起こってきた。だから、こういう危険な山があることを調査して、これはすみやかに措置しなければならぬから、どこの山をどういう形で措置しようとしておるという具体的な計画が今のところありますか。あるとするならばその山、それから措置する具体的な計画、そういったことを一つお示し願いたい。
#38
○八谷政府委員 この六十五ボタ山と、それから別途に緊急に外見調査をやっていますのが、私の説明でどうも混同されたような点があるかと思いますので申し上げますけれども、この六十五ボタ山というのは要対策ボタ山でございまして、今度の江迎の地すべりというような形から考えますと、何らかの対策を講じないと危険性を内包するボタ山である、こういう立場から、江迎のような、ただいま向こうに行っておりますけれども、ああいう式の精密調査と申しますか、ボタ山の地盤までも詳しく調べていく、そうして個別に抜本的な対策を講じていく、こういう姿のボタ山を六十五、約一年程度で調査をして参りたい、こういうことを申し上げたわけでございます。ところが、それでは一年程度その調査をしておる間、ボタ山については何もしないのか、こういうことになるわけでございまして、これは別途に筑豊関係も含みまして、現地の監督局の方におきまして、この八月末を目途といたしまして、すべてこれはボーリングとかそういうものでなくて、すぐにこわれそうだとか、あるいは雨が降ったらすぐに人家にどうするというような外見的に明らかなもの、こういうものに対しましての緊急対策のために、いろいろ監督官を巡視さして、おおむねこの八月末で調査を完了する、こういうやり方をとっておるわけでございます。しかしこれでは決して抜本的な対策でもないし、今度のような災害を想定しますと、とてもそういうことで防止し得ないのじゃないか、こういうことにもなるわけでございます。従いまして、特に地すべり地帯については六十五を取り上げまして、抜本的な対策のための調査を別途に進めていく、こういうやり方をとっておるわけでございます。
#39
○中村(重)委員 今あなたが率直に御答弁になりましたように、少なくとも現在の法律の中では、ボタ山崩壊を防止するといったような措置はできません。地すべり防止法の中に入った無権者のボタ山はできましょう。しかし有権者のボタ山というようなものはできない。従ってあなたは、当面緊急に防止対策を講じなくちゃならぬ山が六十五あるから、これは現在の法律のもとではできないから、これを調査をして、臨鉱法の改正といったような形において何とかこの予防措置を講じなければならぬ、こういうことであろうと私は思う。そうなってくると、私がただいま申し上げましたように、非常に長い時間がかかる。そういうゆうちょうなことではだめなんで、現実にボタ山が崩壊しておる。江迎のような大崩壊がなかったにしても、ボタ山というものが相当すべって、現実に鉱害を起こしているんだから、ボタ山崩壊を防止するためにこの無権者のボタ山をいわゆる地すべり防止法に加えたように、有権者の山もそういうような措置ができるような法律案を、いわゆるボタ山崩壊防止法という形において、すぐ着手できるような法律をおつくりになる必要がある、こういうことを私は申し上げておるのであります。あなたの方でまあだんだんに行政的の措置をやるとか、あるいは法律を少しくいじるとかいう形では、これはとうてい予算要求はできません。江迎の問題にいたしましても、通産大臣がこれは一般災害でやるのだということで関係各省と話がついたのだということを、災害対策特別委員会においてはっきり答弁をしたのにもかかわらず、一大蔵省の事務当局からこれを否定され、修正されるようなことが言われておるじゃありませんか。そういうようなことでは、大蔵当局に対して積極的に予算を要求するようなことは、私は不可能に近いと申し上げたい。従ってもっと適切な法律案をつくって、そういう積極的な態度で取り組まれる必要がある、こう申し上げておるのであります。しかし私の方でも法律案を提案いたしておることでありますので、委員長の取り計らいで審議を後日やっていただきたい、こう思いますから、このことに対してはこの程度で質問を終わります。
 石炭局長がお見えになっておりますから、一言簡単に事業団についてお尋ねいたしたいと思います。
 事業団の土地造成等の事業の指定は、聞くところによりますと、筑豊だけを指定する、長崎県の北松は今回の指定からははずされるとか実は聞いておるのであります。そういうことが事実かどうか。もし事実であるとするならば、これは間違いである。筑豊の産炭地の実情と同様に、北松の実情はきわめて深刻であります。松浦市の志佐におきましても、適切な事業計画等もあろうかと私は思う。従ってこのいわゆる土地造成等に対しての指定をすみやかにおやりになる必要があろうかと思うのでありますが、それに対する考え方を聞かしていただきたいと思います。
#40
○中野説明員 産炭地振興事業団は、御承知のようにまだ発足したばかりでございますが、今具体的な事業計画をいろいろ練っております。御指摘の土地造成につきましては、一定の予算上の措置をとっておりますので、主として九州地区を中心にいたしまして土地造成ということの案を今つくらせつつあります。今御指摘のような地域指定というような考え方はとっておりません。そういう仕組みもございません。従いまして福岡県、長崎県、佐賀県、大体そこらあたりが産炭地振興地域になるわけでございますが、全体を対象といたしまして目下具体的な案を練りつつありますので、決して福岡県なり筑豊だけを指定をして云々するというようなことはございません。
#41
○中村(重)委員 私は地域指定という形で申し上げたのではございません。福岡、筑豊ということを申し上げたのは、筑豊の地域にある土地造成を今度は三十七年度の予算の中でおやりになるが、北松でその指定を受けるのにふさわしい土地造成の事業というものがあるように私は伺っておりますが、それをおやりになるお考えがあるのかどうか。これは予算との関係もありましょう。それをお尋ねしておるのでありますから、そのことに対してお答えを願えればよろしいわけです。
#42
○中野説明員 九州地区になると思いますが、まだどの地点を取り上げるかということは、今研究中でございまして、決して筑豊地区に限定するとか、そういう考え方はございませんので、御了解を願いたいと思います。
#43
○中村(重)委員 それでは、石炭局長
 はまだ煮詰まっていないということでありますが、私が今まで伺ったところによりますと、どこの地区ということになると、先ほどのようなあなたの答弁がありますが、北松の土地造成については、今度は三十六年度では考えていない、融資としては考えてもよろしい、こういうお答えが関係者からあったように聞いております。しかしそれでは困るというので、長崎県議会の中につくられておる石炭対策特別委員会の諸君は非常に心配をいたしまして、それでは困るのだから、ぜひ一つ指定をしてもらうように熱心な要請をいたしておるということを聞いておりますので、その事業の規模は大小違いがありましょう、しかしそうした産炭地に置かれておる人たちが、ことしは何とか芽だけは出したい、そして将来に対する希望というものが持ち得るように、そういう点に対しての考慮を一つお願いいたしておきたい、こう思うわけであります。またこの事業団の事業範囲の拡大であるとか、資本金の問題であるとか、前国会で当時の佐藤通産大臣から答弁されたことに対して、今度大臣もおかわりになりましたし、石炭局長もおかわりになりましたので、あらためてその計画を一つ承っておきたいと思いましたが、きょうは時間もありません。従いまして、適当な機会にこれらの点に対してはお聞きをいたしたいと思います。きょうはこの程度で質問を打ち切ります。
#44
○上林山委員長 この際本委員会の運営に関連して委員長から一、二お尋ねをいたしておきたいと思います。
 まず第一に、石炭対策の根本的な解決をするためには、有沢調査団の報告がいつあるかということを考えなければならぬし、委員会の運営もこれにマッチしてやっていかなければならないと思いますが、政務次官並びに担当の局長が出席しておるので、大体の見通しを伺えれば幸いであると思いますが、その点いかがでございますか。
#45
○上林(忠)政府委員 有沢氏の調査団の報告が九月の末に出るということを聞いております。すべてはこれにかかっておりまして、時間待ちのような現状であります。
#46
○上林山委員長 ただいまお伺いいたしますと、有沢調査団の最終的答申は、九月の末ごろになる見込みであるというお話でございます。そうすると、予算の概算要求は八月一ぱいで政府はまとめることになっておると考えますが、予算要求との関係はどういうふうに取り計らうお考えでございますか。
#47
○上林(忠)政府委員 お話のように、予算要求は各省とも本月末で締め切りになっておりますが、石炭関係につきましては、調査もおくれておりますし、特別な処置を要するような緊急の問題でありまして、これに間に合うように――この問題は、実は要求はおくれますが、これだけは大蔵省で別途に取り扱ってくれるというようなことを聞いております。
#48
○上林山委員長 ただいまのお答えで大体わかったのでありますが、最後に政務次官のお答えになった、大蔵省との関係で別途に緊急に予算処置をするということは、これは両大臣あるいは政府首脳部で一致した意見であると承知していいのでありますか。
#49
○上林(忠)政府委員 御質問の通り、別ワクでこれだけは審議するということを承っております。
#50
○上林山委員長 次会は来たる九月一日土曜日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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