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1962/10/25 第41回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第041回国会 商工委員会金属鉱山に関する小委員会 第3号
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1962/10/25 第41回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第041回国会 商工委員会金属鉱山に関する小委員会 第3号

#1
第041回国会 商工委員会金属鉱山に関する小委員会 第3号
昭和三十七年十月二十五日(木曜日)
   午前十時三十五分開議
 出席小委員
   小委員長 中村 幸八君
      藏内 修治君    齋藤 憲三君
      小林 ちづ君    多賀谷真稔君
      田中 武夫君    伊藤卯四郎君
 小委員外の出席者
        議     員 石川 次夫君
        通商産業事務官
        (通商局予算課
        長)      長橋  尚君
        通商産業事務官
        (鉱山局長)  川出 千速君
        通商産業技官
        (工業技術院地
        質調査所鉱床部
        長)      高畠  彰君
        労働事務官
        (職業安定局
        長)      三治 重信君
        労働事務官
        (職業安定局調
        整課長)    北川 俊夫君
        参  考  人
        (鉱業審議会会
        長)      新海 英一君
    ―――――――――――――
十月二十五日
 小委員齋藤憲三君同月十一日委員辞任につき、
 その補欠として齋藤憲三君が委員長の指名で小
 委員に選任された。
同日
 小委員松平忠久君同日小委員辞任につき、その
 補欠として小林ちづ君が委員長の指名で小委員
 に選任された。
同日
 小委員小林ちづ君同日小委員辞任につき、その
 補欠として松平忠久君が委員長の指名で小委員
 に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 金属鉱山に関する件(鉱業審議会中間答申に関
 する問題)
     ――――◇―――――
#2
○中村小委員長 これより商工委員会金属鉱山に関する小委員会を開会いたします。
 金属鉱山に関する件について調査を進めます。
 本日は、本件の調査のため、参考人として鉱業審議会会長新海英一君が御出席になっております。
 新海参考人には、御繁忙中特に御出席いただきまして、まことにありがとうございました。本日は、自由化に対処する鉱業政策のあり方等について御意見を承りたいと存じますが、まず、去る十月四日鉱業審議会から通商産業大臣に対し中間答申がなされましたので、その説明をお述べいただきたいと存じます。鉱業審議会会長新海英一君。
#3
○新海参考人 お指図によりまして、鉱業審議会の今日までの経過並びに審議の概要につきまして、簡単に御説明申し上げたいと存じます。
 去る六月二十二日に通産大臣から諮問のありました自由化に対処する鉱業政策のあり方いかんということにつきまして、本審議会におきましては、六月二十二日から九月二十九日までの間慎重審議を行ないまして、またこの間、需給価格安定分科会を三回開催いたしまして専門的事項の検討を行なったのでございます。そのほかに、この審議にあたりまして、鉱山の実情を把握していただく必要から、八名の委員よりなる鉱山視察団を編成いたしまして、八月十五日から八月十八日にかけて東北地方の五鉱山の視察を行ないました。
 そこで、本審議会といたしましては、自由化に対処する鉱業政策の基本的なあり方及び緊急に実施すべき施策についてとりあえず意見を取りまとめたのであります。
 今日わが国の鉱山は、その鉱床の規模におきましても、また鉱山の鉱石の含有量、品位におきましても、諸外国のものに比し、概して劣勢でありますので、裸で自由化に対処することになると、大多数の山はつぶれるというような運命に陥らざるを得ない。そこで、アメリカ、フランス、オーストリア等の諸外国において、探鉱の促進、需給価格の安定等、もろもろの手厚い保護助成策を講じておりますが、せめてその程度の助成策、保護政策はとっていただかなければならぬという前提のもとに審議を進めて参ったのでございます。本審議会におきましては、鉱業政策の課題は、単に鉱産物の量的確保にとどまらず、極力鉱業の体質改善を進め、低廉な価格による安定的な鉱産物の供給体制の確立を期することが必要であると存じたわけでございます。
 そこで自由化に対処する鉱業政策の方向といたしましては、いろいろ問題もございますが、まず最も大事なことは、体質改善の過程において生ずる離職者問題を円満に処理することがその第一でございます。また合理的な関税を前提とした目標価格その他の合理化目標を定めて、一定期間後におきましては、これを達成することを目途に、計画的、総合的施策を推進すべきであるというふうにきめております。
 そこで当面の重要施策といたしましては、鉱山の最も大事なことは探鉱の促進であり、今までわが国の探鉱が非常に危険を伴うこととまた多額の資金を要するというようなことからとかくおくれがちになっておりましたので、この当面する自由化に対処するためにはどうしても探鉱に重点を置かなければならぬということから、企業の行なう探鉱に大幅な助成策をとってもらいたい。その方法といたしましては、企業の負担力等も考慮いたしまして、主として中小規模の企業に対しましては新鉱床探査補助金の大幅増額をなすこと、また大規模の企業に対しましては新たに政府資金による長期低利の特別融資の道を開くことによって助成をするのが適切であると答申しておるのであります。
 次に、国の鉱床調査の拡充を要望しておるのでございますが、政府は従来から行なっておりました地質調査所の基礎的な地質状況の調査を大幅に拡充するとともに、政府自身の手でわが国のうちで特に優秀な鉱床が存在する可能性の大きい地域につきましては、散在する鉱区とは無関係に広域にわたって集中的、計画的な調査を実施することによって民間企業が計画的に探鉱を行ない得るよう指針を提供することが必要であるとしております。
 なお、新たに重要鉱物探鉱促進事業団――これは仮称でございますが、これの新設を要望しておるのでございまして、この事業団を新設いたしまして、これによって大きな企業に対しても長期低利の特別融資の道を講じてもらいたいこと、また中小鉱山に対しては探鉱技術の指導及び探鉱用機械の割賦販売に関する業務を本事業団に行なわせることが適当であると思っておるのでございます。
 次には、鉱山、製錬所の体質改善投資の推進でございますが、まず鉱山、製錬所の体質改善につきまして、順序といたしまして既存の製錬所についての大幅な合理化、企業に対する投資を推進し、また陳腐化した製錬所を廃棄するとかいうようなことによって大いに合理化を進めていく、ただしわが国の鉱産物は御承知の通り需要はますます増大しておるのでございまして、今後海外鉱物に依存する部分がますます増大して参りますので、各企業間の共同によりまして大規模の臨海製錬所を造成して、製錬費の引き下げ、鉱石運賃の軽減また副産物の完全利用をはかることを推進するように答申しております。
 次には多角化の投資でございますが、自由化によって鉱産物の価格が低落し、鉱業部門からの労務者の転職が余儀なくされるような現状にかんがみまして、経営基盤の安定をはかり、雇用の転換に資するために、既存業界との調整を配慮しつつ、関連部門への多角化投資を進めるべきである。これについては政府も大いに積極的に協力していただきたい。そのほか全体といたしまして政府はこの際日本開発銀行、北海道東北開発公庫、中小企業金融公庫等の政府関係金融機関を通じて大幅に長期低利の融資を行なって、体質改善投資の助成的措置をはかるべきである。
 次に、雇用の安定でございますが、これは各企業においてもできるだけ配置転換その他関連業界への就職あっせん等によって雇用の安定をはかることはもちろんでございますが、同時に関係官庁、地方公共団体及び民間企業の緊密な協力のもとに十分な配慮を払って計画的な雇用転換対策を強力に推進すべきである。なお、それによっても処理できない離職者につきましては、炭鉱離職者と全く同じということは無理な点がございますが、炭鉱離職者対策に準じた対策を樹立する必要があるというふうに存じております。
 次に、自由化対策として最も必要な一つでございますが、需給並びに価格の安定でございます。鉱産物は国際的に需給価格の変動の激しい商品でありまして、自由化後におきましてはこれが安定をはかるための対策を講ずる必要がございますが、これにつきましては、モデル・ケースといたしまして、銅の需給安定対策につきまして、需給価格安定分科会において検討していただいたのでございますが、大体を申しますと、いわゆる徳永構想の変形と申しますか、これは関連業界との協力態勢のもとに輸入地金並びに輸入鉱石から一定の金額を徴収いたしまして、国内鉱山から出てくる銅地金に一定の交付金を交付することによって国内鉱山を保護育成していこうということでございまして、その反面銅地金の需要者に負担が増加するようなことがあってはなりませんので、そのために輸入関税の減免措置を講ずるとかいう構想になっておりまして、これを措置するために所要の金融その他法的措置を必要とするということを考えております。かようにいたしましても、なお市況の変動その他によりまして需給の安定を得られないというようなことも考えられますので、その場合には現在ある日本銅地金会社を強化いたしまして、所要の融資のあっせんをしていただく。なお、この銅の需給価格安定対策におきましても、そのスタートにおきましては金融の道もございませんので、これについても政府の特別のあっせんをお願いいたしたいということで、今その徴収する金額とか交付する金額というようなものは、さらに分科会並びに審議会において検討することになっております。
 以上、大要御説明申し上げました。
#4
○中村小委員長 ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#5
○中村小委員長 では、質疑の通告がありますので、これを許します。多賀谷真稔君。
#6
○多賀谷小委員 まず第一に、順序はかなり不同になりますけれども、需給価格の安定という項で、いろいろな方式を考えられたようです。すなわちその最後のところに、「本審議会においては、関税割当方式、一手買取一手販売機関設立方式、いわゆる徳永方式、関連業界の協調による引取り保証方式その他の方式につき慎重審議を重ねた結果、」こうありますが、問題は、われわれもかねてからこの需給安定の方式についてこの委員会でもいろいろ論議をしたところでありますので、大体結論を見ておりますけれども、各方式について詳細に検討されたことと思いますから、その方式の長所短所、その委員会としておのおのの方式についてどういうような結論を持たれたか、これをお聞かせ願いたいと思います。
#7
○新海参考人 本審議会におきまして、価格安定につきまして一番問題になりましたのは、一手買取一手販売機関の設立はどうかということでございました。これは鉱山業界としても大へんけっこうな案だと存じておりますが、これは自由化にはおよそ逆行するものであるということと、それから従来からありました商社その他との関係をどうするかというようなこと、また需要業界からの非常な反対もございまして、これは採用することができないということになりました。タリフ・クォータにつきましてはいろいろと長所もございますが、これにつきましても、審議の結果におきまして、やはり審議会全体としての意見の一致を見ることができませんでした。
 それから業界の協調による長期取引方式につきましては、輸入採算価格を建値としまして、この価格で一定量の長期取引を需要者が保証して、政府がその代償として改定関税率を引き下げるとかいうことでございますが、これにつきましては将来にわたって銅の輸入採算価格が非常に引き下がっていくというような心配もございまして、鉱山業界がむしろ鉱山業の安定のためにとり得なかったのでございます。
 以上で大体おもな方式につきましての経過を申し上げました。
#8
○多賀谷小委員 次に、「別記」に書いてあります「銅の需給、価格安定対策について」というところですが、「国内銅鉱山に対する交付金の交付は、次の要領による。」こういうようになっておりますが、これは標準的な銅地金輸入価格と合理化目標価格との差額金を出すように書いてありますけれども、この輸入価格の変動によって合理化目標価格というものは変わらないのですか。合理化目標価格というのは常に一定しておりまして――一定というよりも年次別計画があるでしょうが、その計画と標準的な銅地金輸入価格というものとの差ということになっておりますから、その輸入価格がずっと下がりましても、常に合理化目標価格というものは維持されるのだろうと思うのですけれども、しかし、財源的に見ると、これが関税との関係で、トン当たり幾らという輸入地金あるいは鉱石に対する徴収金との問題があって、これが一般会計から支出もできるという制度になっていないと、財源との関係上、合理化目標価格との差というものが十分その価格を補てんをしてもらうというわけにいかないのじゃないかと思うのです。この点は審議会ではどういうように議論されたか、お聞かせ願いたい。
#9
○新海参考人 銅の価格は、国内的には緊急輸入関税あるいは緊急輸入制限等の方法により、また銅地金の強化、活用によりまして安定させるというねらいでございますが、今の合理化目標価格はもちろん変わるものではございませんで、ただ海外相場の変動によりまして、それは自由化前におきましてもあったように、自由化後におきましても、やはり相場にある程度の変動があることは避けられないと存じますが、その場合に、ここにあります標準的な輸入価格というものをある期間変動させないでいくことにいたしますれば、交付金価格も一定していくということになりますが、そこにはあるいは若干の弾力性を持たせるかどうかという点につきまして問題があるのでございまして、その点につきましてはまだ分科会におきましても結論が出ておりません。
#10
○多賀谷小委員 と申しますのは、交付金の財源として「以上の措置と関連して政府は、銅地金等の関税につき所要の減免を行ない、銅地金等の需要者の負担が増加しないよう措置するとともに、交付金制度の円滑な実施を図るため、所要の金融その他の措置を講ずる。」金融が前に出て、一般会計のことを書いてないわけですよ。ですから財源的に見ると、交付金をなるほど一定するかもしれないけれども、それを受ける側の国内鉱石の供給者側、すなわち鉱山界の方は合理化目標価格までいただけないのじゃないかという気持がするわけです。ですから、財源が変動することによって、いわば本年度の目標の合理化目標価格を補てんするだけの交付金をもらえない、こういうような状態が起こるのではないか、それについて審議会の方はどういう気持で書かれておるのか、これをお聞かせ願いたかったわけです。どうも新海さんの話では、それは十分目的を達しない場合もあり得る、すなわち弾力的になる可能性がある、こうおっしゃるのですから、その点は私たちは不満に思うわけです。その点もう一回お聞かせ願いたい。
#11
○新海参考人 今の御質問に対しまして、銅地金の輸入数量並びに鉱石の輸入量、これによりまして交付金の財源となる金額にももちろん変動がございますし、現在のような輸入地金がほとんどないようなときには地金からの徴収金というものはゼロになる。そうすると交付金が出せないということになります。その場合には、特別の融資の措置をとっていただいて、そうして長い目で見ていきますと銅の需要はどんどん伸びて参りますので、少なくとも一年二年を通算いたしますと、これが十分間に合うのじゃないかというふうに考えております。
#12
○多賀谷小委員 これはあとから政府にお尋ねいたしたいと思います。
 さらに、例の探鉱促進事業団の点についてお聞かせ願いたいと思います。従来の新鉱床探査奨励金といいますか、補助金といいますか、これは昨年度までは中小鉱山に限っておった。本年度は全鉱山を対象にするということで、しかし大手については遠慮していただいた。こういう経緯があるわけですが、今度の場合は、補助金の方は中小規模の企業についてという限定をされ、さらに大手の方は政府の財政資金による特別融資、こういう形になるのだろうと思うのですが、その点はっきり区別をして今後の法律の運営をやるのかどうか、そういう気持でやるのかどうか、この点業界の方では一致しているのかどうか、これをお聞かせ願います。
#13
○新海参考人 新鉱床探査補助金は、ただいまのところ中小鉱山だけに限って、従来ありましたものをさらに大幅に増額しているということでございます。本来探鉱は、いずれにいたしましても、非常な危険を伴うものでございますので、企業の規模の大小を区別すべきではないという意見も相当有力ではございましたが、負担力の関係から申しまして、大手に対しましては新設されるべき探鉱促進事業団の長期低利の特別融資によっていくのがむしろ適当ではないかというふうに考えたわけでございます。
#14
○多賀谷小委員 そういたしますと、これは大手と中小は区別をして扱われるわけですね。
#15
○新海参考人 重ねて申し上げますが、新鉱床探査補助金は、答申にありますように、「主として中小規模の企業に対して」というふうになっておりますので、その点どこまでをこの適用にするかという点は問題が残りましょうと思いますが、大体の方針は、企業の負担力等を考慮いたしまして、先ほど申し上げましたようなことに決定いたしました。
#16
○多賀谷小委員 実は「主として」と書いてあるから質問したわけです。これははっきり截然と区別されておれば、質問の余地もなかったわけですけれども、たとえばある特定な鉱種については、大手といえども補助金は出してもらいたい、そういうものが含まれているのかどうかという気持でお尋ねをしたわけですが、その点検討されたことはありますか。
#17
○新海参考人 そこまで具体的な検討はまだ入っておりません。
#18
○多賀谷小委員 次に、大規模な、集中的な、計画的な調査、この面について「鉱区とは無関係に」とありますが、これは鉱区の問題はどうするのですか。事業団が自体でボーリングその他をやって調査をする場合に、鉱区との関係はどういうように考えたらいいのでしょうか。
#19
○新海参考人 「鉱区とは無関係」とございますが、これはもちろんあらかじめ鉱業権者の承諾、了承を得た上でやることになっております。
#20
○多賀谷小委員 そうすると、既存の鉱区があるわけですね。私はほとんど日本国じゅうそういう個所はだれか特定な鉱業権者が具体的にはいるのだろうと思うのですが、それがいろいろな人が持っておるという地区もあるだろう、あるいは特定の鉱業権者が持っておるという場合もあるのでしょうけれども、鉱区と関係なく事業団の方はボーリングする、こういう意味ですか。どういうことでしょうか。
#21
○新海参考人 つまり、鉱区に関係なしに広い範囲にわたって調査をやるというねらいでございます。それにはもちろんあらかじめ鉱業権者の了承も必要かと存じますが……。
#22
○多賀谷小委員 そうしますと、範囲はいいわけですが、鉱区の所有というものは別に移らないわけですね。鉱区は既存の鉱業権者が持っておるそのままの形で事業団が探鉱を進める、こういうように考えていいわけですか。
#23
○新海参考人 御質問の通りでございます。
#24
○多賀谷小委員 次に、雇用問題ですが、ここにも、今非常に問題になっております炭鉱離職者の問題と関連をして「炭鉱離職者対策に準じた対策を早急に樹立する必要がある。」こういうことですが、ところが新海さんの説明の中に、炭鉱離職者と同様という点は無理な点があるかもしれないがと、こうおっしゃっておるわけですが、私は離職者の場合を考えてみますと、やはり同じように取り扱ってもいいのじゃないか。ことに山間僻地ですから、就職を求めるということは非常に困難じゃないか。そこで社会問題としては、同じ地域に多数の労働者が一度に出る、しかもその地域は失業者が多発しておるという炭鉱地帯とは違うかもしれない。違うかもしれませんけれども、個々の労働者については同じであるし、また就職をしにくいという点については、むしろ場所的に言うと、鉱山の労働者の方が就職しにくい、する機会がなかなか見つからない、また国の施策がなかなか行き届かない、どこかそこに工場を持っていくとか、それがなかなかうまくいかない。ですから個々の労働者の場合はこれは同じように取り扱う、少なくともあなたの方の答申が出されるのなら同じようにやってくれということが必要ではなかったか、こういうふうに感ずるわけです。これは業者の方の考え方、すなわち現在炭鉱離職者の場合は業界から若干の納付金が納められておる、その納付金については、平たい言葉で言うと、いやだ、またその必要がない、だから炭鉱離職者とは同様に取り扱う気持はあるけれども、実態上その納付金を納めることはしたくないから、若干下がってもやむを得ない、こういうような話でこういうような表現になり、またそのお気持であるのかどうか、これは全部国の施策に待つというお気持であるのかどうか、これをお聞かせを願いたい。
#25
○新海参考人 御説の通り、鉱山労務者は、ある点におきましては炭鉱離職者よりもさらにめんどうな問題がたくさんございます。しかも地下労働であるという点におきまして共通の点もございますので、炭鉱離職者並みの扱いをしてもらいたいということでございますが、ただいまお話もございましたように、炭鉱におきましては企業からもトン当たり幾らというような納付金もしております関係がございますので、そういう点からいって、全く同じ扱いはできない、ただし今労働省あたりで考えておられることは、職業訓練手当を炭鉱離職者並みに増額するとか、技能者手当及び別居手当を炭鉱離職者と同様に支給するとか、また移転資金と就職資金の返還期間をどうするとかいうような点につきまして、大体炭鉱離職者に準じた扱いがされておる、検討されておるということを聞いております。
#26
○多賀谷小委員 私は労働省のことを聞いているわけじゃなくて、審議会のお気持を聞いているわけなんです。それはたとえばもうすでに現行制度として雇用奨励金とかいうものが炭鉱にはあるのだけれども、あなたの方の答申に載ってないのです。ほかのことはこまかく載っておるけれども、そういう点が載っていませんから、これはどういう気持で載ってないのか、今新しく石炭の調査団の答申による分は別としても、すでにあなたの方で出される九月二十九日現在において、制度としてすでにあった制度すら載っていない。これは全くどういうことで載ってないのだろうか、こういう疑問を持ったものですから質問をしたわけです。
#27
○新海参考人 雇用問題につきましては、審議会の中に雇用特別分科会を設けてそこでさらに検討しようということもございましたが、緊急を要するものでございますので、概括いたしまして石炭鉱業に準ずる扱いということで、今のようなものを網羅したつもりでございます。
#28
○多賀谷小委員 では、次に政府に質問をいたしたいと思います。
 まず十月一日から自由化される品目中、非常に問題がございましたマンガン鉱石、石綿、水銀、アンチモニー、タングステン鉱、これの自由化延期の声が御存じのように相当激しく、またずいぶん役所にも陳情に行かれたと思います。まあわれわれも従来この小委員会においてもあまり論議をされておりませんでしたけれども、その実態をよくお聞きすると、たとえばマンガン等においても、ことにソビエトの鉱石が非常に安い、まあこういうこと、それがどういう誤解があったのか、ソビエトから来る鉱石の自由化については何か差別ができるような話が伝わっておる。そこに誤解があったという話ですけれども、とうていそういうことはわれわれとして常識上なかなか考えられないところなんですけれども、とにかくそういうことで従来楽観をされておった、急に激しい運動になって現われたわけなんですが、これについて十月一日からついにマンガン、石綿は自由化に入ったわけですね。そして一番問題であったマンガン、ことに中小鉱山が非常に多い、零細である。ところが、〇・二六%という自由化率は、これは鉱石としては大きいとおっしゃるけれども、われわれとしてはこの程度のものがなぜ自由化に踏み切らざるを得なかったのか、それから自由化に踏み切るについては一体どういう処置を考えておられるのか、これをはっきりお聞かせ願いたい。
#29
○川出説明員 お答え申し上げます。ことしの十月から自由化を予定されておりました鉱産物は、十の数をこえておったと思います。その中で、銅、鉛、亜鉛は、これは十月から来年の三月末までという猶予期間がついておりまして、十月ということは確定をしていなかったわけでございます。十月に実施を見るということで確定をしておりましたのが十以上あったわけでございますが、その中で海外情勢の変化等、昨年予想をしていなかった事情のために大へん困難な問題が生ずるということになったのが、先生御指摘のような品目が五つあったわけでございます。その中でマンガンあるいは石綿は自由化いたしたわけでございます。マンガン鉱石につきましては、御承知のように、山の数は非常に多い、全国に散在をしている。従業員の数も相当なものである、中小鉱山であるということで、自由化による影響は非常に大きいということは事実でございます。いろいろ苦心をしたわけでございますけれども、結局自由化を無期延期をするわけではないのでございます。事情変更によりました点の――これはマンガン鉱石は関税割当制度になっております。一次関税率はゼロ、二次が一〇%ということになっておりますが、その二次関税率を合理的なものにする間の問題、過渡的な期間の問題でございます。その辺をどのように考えるかという問題であったわけでございますが、これはマンガンの需要者とマンガンの供給者とには多年の協調関係がございます。マンガンの鉱石も建値は需要業界の方が建てておるのがマンガン業界の実態でございます。この協調関係は私は今後も維持していきたいという考えでおったわけでございます。需要業界の方は自由化を切望しておる、そういう事情はございます。ただし、このまま自由化することになりますと、マンガン業界あるいは鉱山局がおそれておったような事態も起きるかもしれないわけでございまして、その自由化にあたりましては、これは名前は自由化でございますが、自動割当制、AFA制といっておりますけれども、絶えず政府が輸入の状況を監視しておるわけでございまして、毎日々々見ておるわけでございます。事態によりましては、直ちに緊急措置もとり得るということができるわけでございます。一方需要業界の方は従来のような協調態勢を存続をして、国内鉱山を危機に陥れるような輸入はしないという行政指導をやることに約束もできておるわけでございまして、現実に自由化はしておりますけれども、現在何らの問題も起きていないわけでございます。そういう見通しのもとに自由化に踏み切ったわけでございます。石綿についても同様のことでございます。
 それから他の三品目、タングステン鉱でございますとかあるいはアンチモニー、水銀等につきましては、これは十月の自由化は延期をいたしました。その中の全部ではございませんけれども、来たる通常国会におきましては、関税改正を考慮しておるわけでございます。もちろんマンガン鉱石あるいは石綿についても関税改正を考慮しておるわけでございます。
 以上でございます。
#30
○多賀谷小委員 協調関係を維持するということですが、具体的にはどういうことなんですか。またそれは業界と業界との関係であるから公表を避けるとおっしゃればそれもけっこうですけれども、一体協調関係という一言でおっしゃったけれども、具体的にはどういうことなんですか、これをお聞かせ願いたい。
#31
○川出説明員 具体的には、需要業界は国内鉱山から出てくる鉱石を安定供給源として欲しておるということでございます。
#32
○多賀谷小委員 価格はどうですか。
#33
○川出説明員 価格は需要業界の立場からいえば低廉なことが望ましいと思いますけれども、それはおのずから限界があるわけでございます。国内の鉱山が成り立っていかないような価格ではいけないことはよく承知していると思います。
#34
○多賀谷小委員 そうすると、まず第一には従来の鉱石は――従来の鉱石はというと何ですが、大体従来の実績通りの鉱石は必ず引き取る、こういうことですか、第一の問題は。国内鉱石を安定供給源としておるということは、そういうことですか。
#35
○川出説明員 原則としてそういうことだろうと思います。従来もそういうことでやってきたわけでございます。
 それから、なおマンガン鉱石については、海外価格の変動が相当ございますので、従来鉱山側と需要者側との協調態勢の一つといたしまして、非常に低落した場合も海外相場に合わせないで需要業界は来ております。それから非常に上がった場合も、鉱山側は海外相場に合わせてむやみに高くしないということで、安定供給を従来続けております。
#36
○多賀谷小委員 次にソ連から入る鉱石についてはどういうことですか。この輸入の量。
#37
○川出説明員 現在までは自由化していなかったわけですが、若干の鉱石はFA下に入れております。それから自由化後につきましては政府の方でチェックをしておるわけでございますけれども、現在のところあまり入っていないようでございます。
#38
○多賀谷小委員 そうするとAFAの場合、具体的にどっと鉱石が入ろうとする場合は、どういう処置をとるか、今話し合いはできておるわけですね、しかし、この話し合いというものはこわれるかもしれませんですね。需要業界も、御存じのように、この種のものは今かなり不況ですね。ですから一体その場合に抑制の方法があるのかどうか。それを監視をされておるというけれども、具体的にどういう方法でおやりになるのか。そうして緊急関税は、御存じのように第二次関税がまず一〇%、その法律は変わっていないのですからね。
#39
○川出説明員 マンガン鉱石はタリフ・クォータ制をとっております。現在国内の需要業界が必要としておるマンガン鉱石の自給度は、約五〇%でございます。それは、年々自給度は低下する傾向にございます。従ってタリフクォータ制をとっておりますので、輸入は必ず必要でございますから、第一次の割当をやりまして、割当をやる場合には、国内鉱石の生産量、需要の見通しを立てた上で、輸入しなければならないものを割り当てるわけでございます。そのような運営をいたしております。
 なお、現実の問題につきましては、通商局の予算課長が出席しておりますから……。
#40
○長橋説明員 自動割当制のもとでの申請は、直接通産省に対しても行なわれると思うのでありまして、そういった日々の受付状況というものを十分監視しておりまして、一定の警戒すべきラインに達したという段階におきましては、需要業界の方に十分な指導もいたしまして――ほんとうに需要業界といたしまして需給上必要な分は、第一次税率、関税なしで確保されているわけでございます。そういった点も考えまして、十分指導いたしまして、なお引き続き申請が行なわれるというふうな事態におきましては、早急に、必要に応じましては緊急関税の発動手続法をとりますとともに、一時受付について停止をする、そういうふうな緊急事態に即した緊急措置をとる態勢を整えております。
 それからなお、先ほど需要業界の方におきましても、国内鉱石を安定供給源として十分考える、こういうふうなことがございますので、そういったソ連鉱石も含めまして、ほんとうに国内の鉱石が足りない分について、適時適切な量を需要業界としても買い付ける、こういうふうな態勢にもなっておりますので、まず十分な監視を行ない、適時適切な行政指導と相待ちますれば、そういう緊急事態というふうなものはまずまず回避できるだろう、こういうふうな考えでおります。
#41
○多賀谷小委員 緊急関税ということは、第二次関税でしょう。違いますか。第二次関税は一〇%でしょう。その一〇%は変更になっていないのですね。違いますか。
#42
○長橋説明員 緊急関税と申しますのは、関税率を設定されました以後の事情の変更によりまして、非常に内外価格差を生じてきた。現在のマンガン鉱石についての関税率は、第一次税率ゼロ、第二次税率一〇%、そういうふうな現行税率ではとてもやっていけないという事情の変更を生じました場合に、法律に基づきます授権によりまして、行政府におきまして、政府におきまして関税率審議会に諮って、そういった税率の上にプラスして、緊急事態を回避するための税率を設定するもりでございまして、第二次税率そのものが緊急関税という筋合いにはなっておりません。
#43
○多賀谷小委員 そういたしますと、停止もできるというわけですね。かりに混乱の事態が起きた場合には停止もできる、こう理解していいわけですね。
#44
○長橋説明員 停止措置を並行して講じませんと、国内に非常に重大な事態を生ずるおそれがあるという事態においては、その通りでございます。
#45
○多賀谷小委員 この制度は、問題は常に監視をし、緊急に処置されるということが肝要ではないか。手おくれになると意味はないわけですから、これを十分留意をしてやっていただきたいと思います。
 そこで、続いて質問をいたしたいと思いますけれども、この答申について政府は基本的にはどういう態度で臨まれるのか、まずお聞かせ願いたい。
#46
○川出説明員 十月の四日に鉱業審議会の会長から大臣に答申がございましたので、その趣旨を尊重をして、財政的または法的措置を現在準備中でございます。
#47
○多賀谷小委員 その法的処置、予算的処置というのは、いつ出されるつもりであるか、これをお聞かせ願いたい。
#48
○川出説明員 法的措置につきましては、たとえば探鉱事業団をつくるということになると、法律が必要になります。あるいは需給安定措置、これは銅に現在は限定されて考えられておりますけれども、これにつきましても銅その他のものも含めまして法律が必要かと思います。それから予算的措置あるいは財政的措置でございますが、これは来年度の予算要求の期限はもう過ぎておりまして、現在大蔵省に全体の予算の中に入れまして特に説明をしておる段階であります。法的措置につきましては、この審議会でまだ具体化していない点も残っておりますので、分科会等でその細目について検討しておりますから、その結果を待って準備を並行して進めております。
#49
○多賀谷小委員 私が聞いておるのは、いつの国会に出されるかということを聞いておるのです。これはあとから質問をしたいと思います。
 そこで内容に入って質問をしたいと思いますが、重要鉱物探鉱促進事業団の新設ですが、これには、第一には、この事業団自体のやる監査、第二には長期資金による低利の融資、さらに第三は中小鉱山における探鉱技術の指導、さらに探鉱用機械の割賦販売に関する業務、こういうことに大体なっておるようですが、これを全部おとりになってやるつもりかどうか。それからこの大全業と中小企業というのはどういうように分けておられるのか。従来いわば中小企業と大企業の間に十二社ほど中間の企業がある。これは今度の場合にはどういう処置をされるのであるか、これらをお聞かせ願いたい。
#50
○川出説明員 ただいま御指摘になりました探鉱事業団の業務三つか四つございましたが、それはあわせて探鉱事業団でやる計画で案を進めております。
 それから、中小鉱山あるいはそれ以外のものに対する探鉱補助でございますが、これは審議会の席上で非常に議論がございました。一つの議論といたしましては、大中小を問わず、探鉱補助金でいくべきではないかという議論がございました。昨年の通産省の予算要求の方針は、全くその態度で進めたわけでございます。結果は御承知の通り満足すべき結果ではなかったわけであります。それで鉱業審議会の中でもその問題をめぐりましていろいろな議論があったわけでございますが、いろいろ議論した末、ここにございますように、探鉱補助金は主として中小鉱山――ということは、中小鉱山に絶対に限るという意味ではないわけでございまして、中小鉱山を中心にするということでございます。それから融資の方は主として大企業、これははっきり書いてございませんが、そういう趣旨でございまして、中小鉱山には融資はびた一文出さないということで書いてあるわけではございません。それが鉱業審議会の審議の過程の議論でございまして、そこのところは必ずしも明確に割り切っていないわけでございます。
#51
○多賀谷小委員 答申はわかりましたけれども、政府はどうされるかということです。
#52
○川出説明員 政府は探鉱補助金につきまして、大蔵省には中小鉱山ということで割り切って説明をいたしましたけれども、鉱業審議会の答申ではその点が主としてということになっておりますので、修正説明をいたしております。多少弾力的に説明をいたしております。
#53
○多賀谷小委員 そうしますと、まず第一の長期低利の融資ですね、政府資金の融資は大体どのぐらい考えられておるのか。他との関係もあるだろう。他というのは、現在石炭鉱業において近代化資金等を出しておる。これは無利子ですね。そして開発銀行の金と一緒に使っているわけです。ですから、近代化資金というのは純然たる政府支出によるものです。これらの関係はどういうように考えられておるのか、あるいはまたそれの据え置き、償還というものは、探鉱の場合はかなり長期を要すると思いますが、一体どの程度考えられておるのか、これをお聞かせ願いたい。
#54
○川出説明員 まず期限の点でございますが、これは長期低利の特別融資というのが答申のあれでございまして、通産省といたしましては、五年据え置きの十年償還ぐらいのことを考えております。
 それから、金利の問題につきましては、なるほど炭鉱の場合には無利子――手数料は若干取っておるように聞いておりますけれども、無利子貸付という制度がございまして、これも審議会の場で議論になったわけでございますけれども、いろいろ議論をした末、鉱山の場合はまだ若干違う面もあるのではないか。長期低利であれば、その低利は低ければ低いほどいいわけでございますけれども、資金コスト等の考えもあり、六分五厘ないし七分ぐらいでやむを得ないだろう、もちろん低ければ低いほどいいというような審議の過程があったわけであります。現在大蔵省に説明をいたしておりますのは、六分五厘から七分という数字を出して説明をいたしております。
#55
○多賀谷小委員 そうしますと、この事業団は当然政府出資になるわけでしょうけれども、その政府出資の金は独自の集中的、計画的調査以外には使わないわけですか。政府出資の金、えらい抽象的なようなことを言いますけれども、出資金というのは融資の方には使わないのかどうかというのが一つ。それから探鉱を五カ年なら五カ年計画として一体どのくらいの所要資金を考えているのか、それを年次別にどういうように出そうとしておるのか、これをお聞かせ願いたい。
#56
○川出説明員 最初に出資の問題でございますが、これは政府全額出資でございますけれども、出資の分は一部広域調査にも使いますし、それから機械の分割譲渡でございますとか、それにも使いますし、一部管理費等にも使わなければならないと思います。現在のところ融資の方にどれだけ使うかということをはっきりきめておりません。その意味では出資の額が少ないではないかという御批判があろうと思うのですが、この点は今後、探鉱事業団はまだ継続する事業でございますので、そういう点は十分検討したいと思います。
 なお、融資の額でございますが、現在通産省の方で考えております額は、三十億近い額でございます。これは一年でございます。毎年そのくらいの見当を融資のあれとして見ていこうと思っております。
#57
○多賀谷小委員 その算定の基礎を聞きたいわけですが、現在鉱山が一体どのくらいの探鉱費を年間に使っておるのか、また今後合理化目標に向かってどのくらいさらにそれにプラスをして探鉱費を出そうとしておるのか、あるいは従来使っておる探鉱費の限度を維持すればいいのかどうか、そのうち同じ探鉱費でも純然たる営業的なものといいますか、そういったものはどのくらいあるのか、そのうち政府は一体どのくらい政府資金で見ようとしておるのか、これらを概括的にお話し願いたい。
#58
○川出説明員 こまかい数字のデータのことについては私は今詳細に記憶しておりませんが、大体の大づかみのところを申し上げますと、金属鉱山の探鉱費いわゆる営業探鉱、これはほかの産業で言えば運転資金に当たるものかと思いますが、営業探鉱を含めますと六十億ないし七十億と言われております。御承知のように、それに対します政府の援助は従来ほとんどない、中小鉱山を中心にして今年度三億の補助金が出ておる程度でございます。もちろん税制上の措置は別途ございますけれども、そういうのが現状でございます。そうしてそのうち約四割くらいがいわゆる新鉱床の探査のための補助金と推定されておるわけでございます。先ほど申し上げました三十億近い融資と申しますのは、営業と新鉱床と分けてみますと、新鉱床に重点を置いた考え方をとっておるわけでございます。従来政府はそういうものに対して、補助金は別といたしまして、ほとんど援助をしていなかったわけでございますけれども、自由化に直面いたしますと、鉱山企業の収益は減ることと思います。炭鉱の融資を引き受ける金融機関はございません、非常に危険の高い金融でございますから。従って、ほっておきますと、従来の探鉱はむしろ非常に削減されるであろうということが予想されるわけでございまして、自由化に対処しましてはむしろ探鉱には従来以上にもっと力を入れてもらわなければいけないわけです。そういう意味で長期低利の金を大幅に投入したいということで、三十億くらいの金を融資する。これは一年でございますけれども、毎年累増していきたいと考えておる次第でございます。
#59
○多賀谷小委員 従来の実績に大体即応したような融資の仕方では、合理化目標は到達できないのじゃないか。従来の鉱山が、探鉱費というのはほとんど市中銀行から金を借りてやっておるというなら別ですけれども、自己資金でもかなりやっておる。自己資金でやっておるというのは、金利の要らない金を使っておるわけでしょう。ですから、従来の実績よりもよくはならぬわけです。今までなかったものを貸すのですから、制度としては確かに前進をしておる、政府資金が使えるだけ私は前進をしておると思うのですけれども、実態としては従来自己資金を含めて金利の要らない金を使ってやっておるのに、これをただ従来の実績に即応した分だけ政府融資をするということになると、合理化目標に到達しないのじゃないか。政府が制度的にやる以上はもう少し抜本的にやらないと、貿易自由化の波の中に今乗り出そうとしているのですから、ただ従来の経費の補てんをするような格好では、私は前進しないと思うのです。ですから、これだけ問題化されておる、しかも自由化の中に突っ込んでいこうというときに、従来の実績の融資をしておったくらいでは、ただ従来の状態が金繰りが非常につかぬから、政府が金繰りをしてやろうというだけのことで、制度としては前進をしていないのです。ですからやはり合理化目標というものがあるなら、合理化目標に沿うような態勢が必要じゃないか。こんなことをすると第二の石炭になりますよ。従来のあとをあとを追っていくという形になる。ですから、この際非常に抜本的な制度改革的なもの、それからかなり大きな予算をとる必要があるのです。鉱山局長が従来の実績に沿うような政府資金を出しておったのでは、とても合理化というものの目標に到達しないのじゃないか、私はこういうように考えるわけです。
#60
○川出説明員 御趣旨のほどは全くその通りだと考えております。先ほども御説明申し上げましたように、従来の実績以上に実は新鉱床の探鉱をしてもらいたいわけでございます。現在のいろいろな制度によりますと、所要の資金に対して全額ということが非常にむずかしい点も、いろいろ議論したわけでございますけれども、そういう点を考慮して、大体新鉱床の実績を現在まで二十何億かでありましたのを、さらに大幅に拡大をし、目見当ですけれども、その大体八割くらいは国の融資でやる、あとの二割くらいは自己資金でやるという考えに基づいて、一応計画はできておるわけでございます。
#61
○多賀谷小委員 どうも数字が合わぬわけですが、従来どれくらい出しておりますかと聞いたら、六十億ないし七十億という話でしょう。私はまた八十億という数字も持っておるわけです。そうすると従来からあまり前進していないじゃないかという気持を持って質問したわけです。
#62
○川出説明員 六十億ないし七十億と申しますのは、営業探鉱を含めた数字でございます。先ほど私が申し上げましたのは新鉱床だけについて申し上げたのでございます。
#63
○多賀谷小委員 ですから、たとえば営業探鉱を含めて六十億ないし七十億だ、こういうことで、そしてその四割が新鉱床である、その八割融資、こういうことですけれども、これが全部通っても、私は非常に前進したとは言えないわけです。従来の金繰りが非常にむずかしくなった現状において、政府が切りかえたという状態です。ですからもう少し抜本的にやるというなら、この機をのがしてはならないと思うのです。自由化に入ってしまって、ずるずるいってもあとは手おくれです。ですからこの自由化に入る時期において、制度的に確立をしておき、また予算的にとっておかないと、もう入ってしまったらあとはしりぬぐいのような格好になる。追っかけても、追っかけても、とても間に合わない。今石炭の実情がそうでしょう。あとから、あとから、やってもなかなか間に合わない、こういうことでしょう。ですから私は制度的に入る前にやはり長期目標を立てて、そして資金的にもあるいは技術的にも徹底的におやりにならないと大へんなことになりますよ、こういう話をしておるわけです。これを見ると、どうも合理化目標との関連がはっきりしないわけです。合理化目標としてだんだん値段を下げていくわけです。ことにあなたの言われる銅についての合理化目標価格というのは漸次年次下がっていくわけですが、この方にはたして到達していくかどうか、これをお聞かせ願いたい。
#64
○川出説明員 これは努力目標であるわけでございます。確実にそこに到達するかどうかということは、国の施策にもよりますし、あるいは企業の努力にもよるわけでございます。絶対に大丈夫かどうかということは、ちょっと今のところ断言はできないわけでございます。そういう目標に到達するようあらゆる努力をしなければいけないと存じておる次第でございます。
#65
○多賀谷小委員 しかし、努力目標でも現実には政策に乗ってくるわけでしょう。あなたの方がたとえば交付金を出すという場合には、具体的な合理化目標価格というものについて交付金が出ていくわけですから、ただ努力目標だというように言っておられないわけですよ。それは需要業界という相手があるわけですから、そのことは、ただ普通の努力目標であるということであるならばいいわけですね。訓辞規定のようなことならばいいわけですが、そういうわけではないでしょう。現実にその価格を中心として交付金を出されるわけですから、そうすると実際その合理化目標に達していない鉱山は、その合理化目標価格の差額をいただいても鉱山は倒れていくという状態になる。ですから、そういう関連性全体の中で一体この数字は検討されておるかどうか、それが私は問題だと思います。ですから、ただ従来の政府資金の肩がわり程度では探鉱はうまくいかない。それとも政府資金を抜本的に出すか、これをお聞かせ願いたいと思います。小委員会ですから、さらに数字についてはあとから資料をこの委員会に出していただいて、別の機会に十分説明を聞きたいと思いますが、一体政府は合理化目標についてどの程度考えておるか。それがためにはどういう方法で合理化目標に達するのか、そのためには探鉱費はどのくらい計画をもって年次的に支出していくのか、これらを一つ詳細にその関連を御提示願いたいと思います。
 次に、合理化資金について一体どういうようにお考えであるのか、お聞かせを願いたい。
#66
○川出説明員 合理化資金は、鉱山の採選鉱設備とか、あるいは製錬設備、あるいは企業の安定、雇用の安定のための価格差のための投資、そういうものが答申にあげられておるわけであります。現在でも鉱山業に対する政府の金融機関といたしましては、開発銀行なりあるいは北海道東北開発公庫なり中小企業金融公庫がございますが、北海道東北開発公庫は十億以上の資金が出ております。ほかの機関はごくわずかの金額でございます。しかし、自由化に対処いたしまして、こういう設備の合理化の投資等については相当多額の資金を必要とするわけであります。これは特別の鉱山の合理化のための融資であります。そういうことで財政投融資の関係で案を出しておるわけであります。
#67
○多賀谷小委員 財政投融資の融資比率は大体どのくらいに考えておりますか。
#68
○川出説明員 これは資金を幾ら確保できるかにもよりますし、現在のところ比率を幾らにすべきかということで計算をしておるわけではございません。なるべくその比率は高いことが望ましいと思います。
#69
○多賀谷小委員 その融資比率についても特段の配慮を払うべきである、こう書いてあるのですから、それを受けて立って、あなたの方は大体どのくらい考えられておるのか。今から予算折衝も始まることですから、お聞かせを願いたい。
#70
○川出説明員 従来は非常に低うございまして、大体一割とか一割五分というものが多かったわけであります。しかし、国の機関から融資が出ますので、協調融資が非常にやりやすくなりまして、自己資金を含む金融の調達が可能になるというメリットはありますが、それにいたしましても、一割とか一割五分とかいうようなことでは、いかにも低いわけであります。これはどうしても三割以上にはしてもらいたいという考えでございます。
#71
○多賀谷小委員 それから、例の鉱業権者と探鉱促進事業団が行ないます調査との関係ですが、これはいい鉱床が見つかったら、何か返済をするかあるいは納付金を納めるか、そういう制度が考えられるわけですか。どういうことになっておりますか。
#72
○川出説明員 事業団の行なう広域探査と申しますか、ボーリングは、これは鉱業権の形状あるいは面積に拘泥をせず、鉱床を見つけることを目的とするわけでございますので、承諾は必要かもしれませんが、広域調査を自主的にやるわけでございます。その際に、鉱業権者との間に契約をあらかじめ結んでおいて、もしそれがために鉱業権者が受益をするならば、特定の納付金を取った方がいいじゃないかという考え方もございますので、現在検討をしております。まだ結論を出しておるわけではございません。
#73
○多賀谷小委員 いわゆる受益者負担――初めから予想する受益者負担でなくて、現実に受益をする人、その場合は、私はやはり制度としては、その受益者負担というものは考えていいんじゃないかと思います。そのことが予算を獲得する上においては、より便利ではないかと思います。ですから、制度としては私はそれも必要があるのではないか、実際どの程度当たるかどうかわかりませんけれども、受益者負担が多くなるような情勢になることは好ましいことですから、これはやはり法律の中にその制度が必要ではないか、こういうように考えるわけです。
 次に、価格安定について政府の見解を聞きたいと思います。一体政府はこの答申を受けて、ことに銅の需給価格安定対策は、具体的にはどういうようにされようとしておるのか、あるいはまたこの合理化目標価格と標準的な銅地金輸入価格との差額、それを交付する場合の財源、それから、それはある長期的な期間をとっておやりになるのか。新海さんのお話ですと、かなり長期的な期間をとってという話ですが、そういうような状態でいくのか。あるいは年次別にいくのか。これはおそらくかなり長期的な期間をとらなければ、交付金を出す財源が足らないという状態が生ずるだろうと思いますが、その問題。それから一般会計との関係はどうなるのか、一般会計からの支出というものは考えていないのかどうか、これらをお聞かせ願いたい。
#74
○川出説明員 順序不同かもしれませんが、一般会計との関係は考えておりません。
 それから、この構想は、暫定措置としてやるべしということで、審議会でいろいろ議論はございましたけれども、結論はそういうことになって、四年ないし五年という期限を付せられております。考え方としましては、一年ということではなくて、長期にわたって、その措置の期間にわたって収支が合うようにすべきだと私は思います。
 それから、問題の一つの点は、この答申によりますと触れていないわけでございますけれども、用途免税と申しますか、需要業界に免税措置をとるということが書いてございます。それをどの程度にするかということが、実は鉱業審議会で非常に議論されまして、結論を得ないままに終わっております。これは財源を確保する点について非常に重要なポイントでございます。現在は非常に苦労して、これを何とか確保したいと努力しているところでございます。審議会の席上で、非常に有力な意見といたしまして、そこは現在の基本関税一〇%であるべきだという議論が非常に強く主張されたままで終わっておるわけでございます。また一つの議論は、必ずしもその基本関税に拘泥しなくてもいいんではないかという意見も発言されておりますけれども、そこのところは未調整のまま審議会としましては触れないで、免税措置をとるべきだということで終わっておるわけでございます。その問題につきましては、通産省としましては今一生懸命検討、折衝をしておるというところでございます。
#75
○多賀谷小委員 結局交付金の財源としては、輸入数量で地金には何万円とか、あるいは鉱石には何千円とかなるでしょうけれども、その金額全体を関税から減免する、大体こういう原則がきまっているわけですか。
#76
○川出説明員 関税の関係は、地金だけでございます。鉱石の関係は、現在関税はかかっておりませんので、これは製錬所を持っている鉱山企業が、自発的に拠出するという形になろうかと思います。私の申し上げましたのは地金の関税のことでございまして、それにつきまして、先ほど申し上げましたように非常にいろいろ議論がございまして、現在のところ結論を得ていないわけでございます。私としては、所要の資金を調達するような方法で考えるのが、やはり合理的ではないかと考えているわけでございます。
#77
○多賀谷小委員 その地金の場合は、結局、いわゆる地金の需要業者から、トン当たり幾らという負担金をとるわけでしょう。その範囲においては関税の減免をする、こういうように考えていいわけですか。
#78
○川出説明員 トン当たり三万円、二カ年半と申しますのは、まだ施行にはなっておりませんが、現在の関税改正で通っておりまして、これは需要業界としては譲歩する限界で、さらにこの三万円を引き上げるということには絶対反対であるという態度は、これは変わらないわけでございます。実は三万円ということについても、非常な不満があったわけでございます。従って、その範囲内で政府が措置をとられることは、需要業界としては何らのあれはないということでございますけれども、一方基本関税というものが現在一〇%でございますので、基本関税と三万円との差額ということになりますと、財源は、輸入量にも関係いたしますけれども、おのずから限度があるのではないかということを申し上げたわけでございます。
#79
○多賀谷小委員 そんなみみっちい、基本関税と暫定関税の差額というようなものを考えていけば、政策はできません。ですから、そこは大蔵省は基本関税一〇%は今までの既得権だということでなくて、大体大蔵省は関税がなくてもいいのだから、財源として関税を見るというようなものの考え方は誤っているわけですよ。関税というのは、いわゆる税収入の面から見るのでなくて、やはり国内の諸産業の保護という面から見るのです。ですから、この前石炭でやりましたように、石油の関税を上げた、上げた分だけは全部政策に回した、やはりこのくらいしなければいけないと私は思う。そこで、本来鉱石は無税――地金だけ関税をかけているのです。これは何も地金だけを税収入源として関税をかけているわけじゃないでしょう。ないということから考えれば、全部他の政策の財源に回していいわけです。ですからその点は、大蔵省は見えておりませんけれども、拘泥すべきではないじゃないか、かように考えるわけです。それでこの点は、私はやはり交付金あるいは価格安定の臨時措置法的なものがある問は、その交付金の財源として全面的に見ていいじゃないか、かように考えるわけですが、それについてお聞かせ願いたい。
#80
○川出説明員 その点につきまして、審議会でも結論は得られなかったわけでございますので、幾らにすべきかという点については、答申としては触れていないわけでございます。従って、それは政府部内で折衝をしてきめるべき事項でございまして、現在懸命にやっておる最中でございます。
#81
○多賀谷小委員 その鉱業審議会の新海参考人にむしろ要望したいのですが、こういう大事なところをあなたの方で需要業界と鉱山業界との間の調整をとっていただいて答申をしていただくことが非常に望ましかったと思うのです。これは政府側にとって、財源的に考える場合の要素が入ればまた別ですけれども、答申としてはむしろそれをはっきり明示をして答申をなさるのが妥当ではなかったか、こういうように考える次第ですが、これは御答弁は要りません。
 次に銅地金の株式会社の強化の問題です。これは単に融資のあっせん程度でいいのかどうか。これこそやはり政府資金が要るんじゃないか。あるいはこれは立法的な会社にされるのか。株式会社でも立法的な会社にされるのか。あるいは公的機関とされるのか、あるいは純然たる私的なものとされるのか、これらをお聞かせ願いたい。
#82
○川出説明員 現在銅地金株式会社と申しますのは、鉱山会社と需要業界の両方から資金を出してやっている純然たる民間の会社でございます。これを銅の需給安定のために、たとえば法律に基づく特殊法人にするか、あるいは従来通りの形にしておくか、あるいはその中間的なもの、たとえば硫安輸出会社は普通の会社でございますけれども、法律に目的その他をうたった特殊会社の色彩を持たしております。特殊法人にすべきか、あるいは特殊法人ということになりますと政府出資ということも考えられてくるわけでございます。あるいは硫安輸出会社的な形態のものにとどめておくかということについては、現在結論を得ていないわけでございます。現在検討中であります。
#83
○多賀谷小委員 そうすると、この制度は法制的なものにはならないわけですね。あなたの方がどういう形の法律を予想されておるのかわかりませんけれども、法律で認めるというものではないんですね。
#84
○川出説明員 いずれにしましても、法律の中には名前の出てくる会社だろうと思います。
#85
○多賀谷小委員 次に雇用問題に入りたいのですが、その前に、先ほど新海参考人に私がちょっと質問をした点ですが、合理化目標価格というものは、率直に言って常に大体維持されるのかどうか、交付金によってそれが大体維持されるのか、これをお聞かせ願いたい。
#86
○川出説明員 合理化目標価格を幾らにするかということはなかなかむずかしい問題でございまして、現在も結論を得ているわけではございませんが、海外相場との変動の関係の御質問ではないかと思います。これは鉱業審議会の分科会で現在検討中の項目でもあるわけですが、かりに相場が非常に上がった場合等は交付する必要がないのではないかということが想像される。それから非常に下落をした場合、これは緊急関税という問題もあるかと思いますけれども、そのときにはもう少し交付の幅をふやしたらいいのじゃないかという考えを現在持っておりまして、必ずしも固定をしてきめてしまう必要もないのではないかをいう考えでおります。
#87
○多賀谷小委員 この点が一番問題の点だろうと思います。私はもう少し数字を詰めて、一体どの程度考えられておるのか、金額は幾らなんですか、年次的にはどうなるのですか、こういうところまで作業ができた段階でさらに質問をしたいと思います。
 続いて、労働省から見えておられますが、この金属鉱山の離職者対策について、現在労働省ではどういうようにお考えであるか、お聞かせを願いたい。
#88
○北川説明員 労働省といたしましては、鉱業審議会の中間答申にのっとりまして、ここに書かれております諸対策を早急に実施したい、こう考えております。先ほど多賀谷先生御指摘のように、鉱山労務者につきまして、現在いろいろ問題になっております炭鉱労務者、これと比較いたしますと、解雇されまして離職する者につきましては全く差がない、離職者としては全く同様に取り扱うべきだ、こういう点につきましては、労働省も全く同感でございます。従いまして、今回の対策につきましても、この答申に出ております通り、個々の労働者、離職者に対してなされる対策は、炭鉱の場合と金属の場合はほとんど同じといいますか、そういうふうにやっていきたいと思います。ただ違います点は、先ほど御指摘がございましたように、雇用奨励金その他一、二点ございます。ただ、これは法文その他お読みになるとわかりますが、炭鉱労働者自身に直接利益が及ぶものではございませんで、それを雇う側の事業主に、炭鉱離職者を雇うような勧奨といいますか、刺激を与える、こういう意味でとられた施策でございます。この場合は炭鉱労働者と金属鉱山の労働者といいますか、やはり離職の状況が違う。その点から、この点については労働省としても差別をつけて十分やれる、こういう考え方でございます。もう少し具体的に申し上げるならば、御承知のように筑豊その他の炭鉱離職者の滞留状況は相当なものでございまして、先般の石炭鉱業の調査団の答申によりましても、今後四十二年までに約六万ないし七万人の離職者が出る。職業安定機関といたしましては、現在相当数の離職者をかかえておって、さらに先ほど申し上げたような数の離職者が出るとするならば、求人対策その他がなかなか思うようにいかない。言うならば安定機関が麻痺状態にある。そういうところでは求人開拓のためのある程度の刺激対策、そういうものがぜひ必要である。しかしながら、金属鉱山等の労務状況を見ますと、大体一安定所管内に多くて二カ所程度あるいは一カ所で、二、三百人程度の離職者が出られましても、その安定機関が一手引き受けて専心やるならば、そうしてまた離職者の方々がそこの居住地域でなくて、ほかへ移ってでも就職する、そういう御意思があるならば、あえて炭鉱の場合のような求人のための刺激政策をとらなくても求人は確保できる、こういう点で雇用奨励金等については差異を設けておる、こういうところでございます。
#89
○多賀谷小委員 具体的にお聞かせ願いたいのですが、今雇用奨励金の話がございましたが、それはわかりました。そうすると、移住資金というものはどういうふうになっておるか、それから職業訓練手当あるいは別居手当、これらのものはどうするのか、住宅は一体どうするのか、それから石炭調査団が答申をしております失業保険期間の切れた者に対する問題はどういうように扱われようとしておるのか。さらにまた法律的にいいますと、炭鉱離職者については炭鉱離職者臨時措置法というのが別個にあって、その業務を雇用促進事業団がやっているという状態です。駐留軍労務者についても法律は別個にあります。これらの問題と関連をして、法制的には金属鉱山の離職者についてはどういうように扱われるつもりであるか、これをお聞かせ願いたい。
#90
○北川説明員 今御指摘の、この答申の中にあります具体的施策につきましては、まず訓練手当につきましては炭鉱と同額、大体来年度五百五十円程度の訓練手当が出るように予算要求をいたしておりますし、実現を努力いたしております。技能修得手当、別居手当、訓練に入るためのものでございますが、それについても炭鉱と同様にやりたい、こう考えております。それからあと失業保険広域職業紹介につきましては、多賀谷先生の御承知のように、炭鉱の場合につきましては、安定所管内について失業率がどうであるか、あるいは就職率がどうであるか、そういう判断で全国よりも非常に就職が困難であるというところを指定いたしまして、広域職業紹介命令を出しておりますが、金属の場合には、先ほど申し上げましたように、一地点に集中的に離職者が発生いたしませんので、そういうとらえ方をいたしますと、これは広域職業紹介命令を出せないことになります。従いまして、鉱山につきましては特例を設けまして、鉱山の所在する地区を小さく区分いたしまして、それによって殺到率あるいは失業率というものを勘案して、特に広域職業紹介命令を出す。この点につきましてはすでに昨年十月から実施をいたしております。現在までに鉱山関係の地区で広域命令が出ましたのは全国で十八カ所、すでに労働大臣が命令を出しております。なおそれに対応いたしまして、当然失業保険法の特例といたしまして、失業保険期間が最高九十日まで延びる措置が伴ってくるわけでございます。
 なお広域職業紹介命令の裏づけとなります住宅につきましては、炭鉱の住宅を来年度相当数建設することにいたしておりますが、それとあわせまして本年度から来年度にかけて労働者用の宿舎大体一万戸程度を予算要求しておりますので、これで十分金属鉱山の移転就職者用の住宅は裏打ちができると考えております。
 炭鉱につきましての移住資金につきましては、御承知のように雇用促進事業団法によりまして、広域命令によって住居を変えて就職する労働者には、現在移転資金が出ておりますが、これの単価が非常に安くて、一万五千円程度でございますので、これを大幅に引き上げたい。なおその額についてはまだ成案を得ておりませんが、相当大幅に引き上げたいという考えでございます。
 最後に法制的なことでございますが、炭鉱離職者、駐留軍離職者については御指摘のように特別の立法がございます。ただ、金属鉱山の労働者につきましては、今申し上げたような措置を現在の雇用促進事業団法の解釈によってできるということで、現在われわれは法制当局ないしは財政当局と折衝中でございます。従いまして、金属鉱山の離職者対策について特に単独立法をつくるということは考えておりません。
#91
○多賀谷小委員 これは通産省にお尋ねしたいのですが、実は炭鉱の場合は、あるいは合理化法によるもの、あるいはまた保安法によるもの、これらによって今後出てくるのはほとんど買い上げ形式になる。そうすると離職権というものがつくわけです。ですけれども、メタルの場合は、別に買い上げて整備するわけではありませんから、個々に首を切られていくという形になる。その場合に退職金の十分もらえるところは比較的問題が少ないとして、とても退職金も出せないという状態の中で閉山をしなければならぬという鉱山が出てくるのではないか。あるいはすでに退職金の何割かが未払金になっておるでしょうけれども、永久にもらえないという形でほうり出されたという例も聞いておるわけです。これについては一体どういうことを考えられておるか、これをお聞かせ願いたい。これは労働省の所管ではないので、今までは石炭局でこの離職権については扱っておったものですから、これを鉱山局ではどういうふうにお考えであるか、お聞かせを願いたい。
#92
○川出説明員 その問題につきましては、実は非常に頭を悩ませておるわけでございます。石炭につきましては、先ほど御指摘にございましたように、つぶす山と再建をしていく山をあらかじめ計画的にやりまして、政府の方で買い上げる。それに伴ってそういう退職金の手当もできるという仕組みの上にできておるわけでありますが、鉱山はその点が石炭と事情を非常に異にしておりまして、あらかじめ残る山、あるいは買いつぶすべき山という判定がきわめて困難でございます。また納付金の問題も従って非常にむずかしいわけでございます。鉱種が非常に多岐にわたっておる点も特色でございます。といって主としてこれは中小企業の場合でございますけれども、一社一山というような場合に、会社ごとつぶれていくという場合には、赤字の累積になっております。企業としてはむしろマイナスの企業であります。資産価値はゼロかあるいはもっとマイナスであるというような事態でございますので、これを買い取るということも非常にむずかしい問題かと思います。しかし、離職する人々の立場を考えますと、これは理屈はともあれ、現実に困ることは石炭の場合と全く同様でございます。これを何らかの理論づけで、何らかの対策をとるべきだと思いますけれども、どういうような理屈づけでいくべきかということについて、石炭調査団の答申も出た今日、鉱業審議会としては、炭鉱の雇用対策に準じた対策を立てるという答申をしておるわけであります。準じたということは、同様かあるいはそれに見習った措置ということになりますと、この問題も全然問題にしないというわけにもちろん参りません。現在この点について検討をしておるということしか申し上げられないわけであります。そういう問題は非常にむずかしい問題があるということはよく承知いたしております。
#93
○多賀谷小委員 実はこの金額が今度最高十万円くらいに上がるわけです。ですから問題は格差がつくという点においては大きくなる。そうしてほとんど今後は、炭鉱の場合でいいますと、何らかの法律によって合理化計画に乗ってつぶれていくという形になるでしょうから、大部分の人が、この十万円とまではいきませんけれども、離職金の現行制度にプラス・アルファがもらえる。そうすると鉱山の場合との格差は著しいものです。政府としては、今炭鉱業者の納付金はわずかですよ。二割くらいですね。今まではほとんど納付金あるいは開発銀行の利ざやでやってきた。昭和三十七年度からは業界から出す金は非常に少なくて、大部分が政府から出るわけです。ですから、ここまでくれば、一歩進めて政府資金で出した方がいいではないか。それはもう買い上げという方式をとらないだけで、鉱山の方が政府の恩恵をあまり受けないわけです。しかも政府の貿易自由化という政策で倒れていくのですから、十分私は名目が立つのじゃないかと思う。その金をどういうように出すか。むしろあの買い上げ方式というのはほんとうはいわば事後処理経費なんです。スクラップするような炭鉱の鉱量を計算してみても意味がない、ほとんど無価値ですから。やれば赤字が出るから倒れていく。それを鉱量を計算して炭量幾らであるなんという計算の方法にむしろ問題がある。あれはむしろ自主調整のうちならば私は意味があったと思う。現在自主調整の段階じゃないですからね。ですから鉱山の方も貿易自由化という政府の政策によって起こる犠牲者の問題ですから、私は離職権というものを制度として考える必要があるのじゃないか、かように考えるわけです。これを再度御答弁を願いたい。
 同時に三治局長が見えたわけですけれども、今北川さんから大体の概略はお聞きしたわけですが、問題点の一つは移住資金です。移住資金をなぜ炭鉱なみにしないのか。大幅に上げるという言葉を使われましたけれども、はっきりしません。今七万円と一万五千円ですか、それだけの差がある。鉱山は僻地にありますから、あの地域におってはとても生活できないのですから、当然移住という問題が起こる。この移住の問題をどういうようにお考えであるのか。それからさらに失業保険が切れた後に、現時点において、石炭調査団が答申を出しておる三年間というものの問題は、鉱山ではどういうように考えられるのか。さらにまた、今離職金の話をしたわけですけれども、とにかく炭鉱は業者が若干の納付金を出している。ですから、納付金さえ出してもらえれば制度ができるのだと労働省はお考えであるのか。そうすると、わずかですから一つ納付金を若干出してもらって、政府資金と一緒にして炭鉱なみにするかどうか。これは労働者のみに限った制度でけっこうですから、一つ両局長から御答弁を願いたい。
#94
○川出説明員 離職金の問題でございますが、先ほど御答弁しましたように、現在石炭の予算の問題も、調査団の答申を得て検討中でございます。あわせて研究をしておるわけでございます。
#95
○三治説明員 移住資金の関係につきましては、現在石炭の方は、石炭鉱業合理化事業団の方から半額交付金にされておる形で、私の方といたしまして、そういうふうな特別臨時措置法ができましたのも、業者の方も失業対策について応援するからということで、ああいう臨時法ができたというように承知しておるわけですが、今度この非鉄につきましても、同じような方法をとるかどうかというのは、また国会でいろいろ御審議していただくことになるかと思いますけれども、われわれが今まで、この鉱業審議会なんかで接触した限りにおきましては、やはりなかなか石炭みたいに、同業同一の種類のものでなくて、同じ山でも各産品が違うし、重量でどうこうというわけにもいかぬし、なかなかまとまりもできないということで、そういうふうな業者の負担を除いた失業対策につきましては、できるだけ石炭に準ずる措置を労働省としてはとらざるを得ないでしょう。そういうことで、移住資金の方も、われわれの方として政府の負担できる限りにおいて増額を要求したいというふうに考えております。
 失業保険の方につきましても、現在の山の事情をいろいろ調査してみますと、今石炭でやっておりますような安定所単位の指定でいきますと、なかなか失業保険が切れたあとにも失業率が高いということで、失業保険の給付の期限の延長の措置がなかなかとれないような状況でありますので、便法的な措置をとって給付の延長をはかるようにしたいと思いますが、しかし石炭と違いまして非常に各県に小さく分布されているその点が、われわれの方として――山では大量の失業なんですけれども、われわれ国の方から見ると、県をあげて職安機関がいろいろやりますし、また会社の方も積極的にやっていただきますし、国の方も再就職につきまして御協力願える態勢ができつつあると思いますので、別にそういうふうな再就職促進の協議会もつくって具体的に処理していくならば、そう今の築豊みたいに失業者が大量に出るということなく転職していけるような措置がとれるのではないか、しかしそれには石炭に準ずるいろいろの財政措置はわれわれとしてもやるように、目下石炭と合わせて具体的な予算要求を検討しているところでございます。
#96
○多賀谷小委員 労働省の方は、業者の方がそれだけの態勢ができれば、炭鉱と同じようにしてもいいというような口裏ですね。ですから問題は鉱山局長のところにありますよ。これは山全部スクラップにするという費用じゃないのですから、しかも賃金の未払いをどうせよという話をしておるのではないのです。離職者のことだけです。ですから私は金額を計算しても、全体的にプール的に考えれば、そう業者負担というものは多くはないと思う。ですからこれはほんのわずかの呼び水で、政府はどっと出してくれるのですから、やはりこれだけの大きな合理化をやろうとするには、それだけの決意がないとトラブルばかり起こりますよ。そうしてわれわれ政治家としても、国民がやはり不公平になってはいかぬ。不均衡な政治が行なわれてはいかぬ。個々の労働者については同じですから、一つ業界ともよく話し合ってもらって、今の大部分は政府が出しておる資金ですから、それを呼び水的にいわゆる協調体制をつくっていただけばいいわけですから、これは一つ十分協議をしてもらいたいと思う。
 そこで法律ですが、一体臨時国会にはどういう法律を出し、どういう予算を出されるのか、これは労働省も通産省も金属鉱山についてお聞かせ願いたい。
#97
○川出説明員 現在臨時国会にどういう法律を出すかということをきめておるわけではございません。ただ事務当局としましては、なるべく早い機会に実施されることが望ましいわけでございますので、鉱業審議会の答申についてのいろいろな法制的、予算的措置を詰めておる段階でございます。ただ法案と申しましても、予算を伴う法案なものでございますので、これは通産省だけできめるわけに参らぬわけでございます。事務当局としてはあらゆる努力をしているわけでございます。
#98
○三治説明員 先ほど課長が御答弁申し上げたかと思いますけれども、労働省としてはこういう貿易自由化による離職者の問題、その他いろいろ予想できない問題が出てくることもあるべしということで、雇用促進事業団をつくりまして、その中で離職者援護の問題につきましては大体考えられていることができるという法体制になっていると思います。従って具体的には非鉄金属について特別の予算措置をということも、事業団の業務方法書を予算措置に伴ってかえていけば、私はできるというふうな感じを持っておりまして、非鉄金属のための離職者対策として特別な法は要らなくて、むしろ要するのは予算措置であるというふうな考え方を現在持っております。
#99
○多賀谷小委員 その予算措置は臨時国会に出る予定でしょう。
#100
○三治説明員 業務方法書はこれは労働大臣だけでございます。予算の関係はまだ政府としてきまっておりませんので、一応われわれの方はむしろ石炭関係その他やはりこの措置が石炭との見合いにもなりますので、石炭の方がやっておりますのを見て、並行的に予算としてうちの方としては編成作業中でございまして、政府としてどういうふうになるかまだここで私たちの意見として言うわけにはいかないと思います。
#101
○多賀谷小委員 どうも大臣も見えておられませんから、政府の責任ある答弁を聞くわけにいかないのですけれども、私は要望しておきたいのですが、実は炭鉱促進事業団も、まあ恒久的とは言えませんでしょうけれども、かなり長期な、制度的ですね。ですから、本来ならば通常国会かもしれません。しかし、今鉱山の問題と石炭の問題はこれは大きな社会問題になっておる。ですから、これはやはり臨時国会で扱うべき――ことに炭鉱関係は、大体事務当局でも政府でも離職者の問題を含めて、経理等の一般商法に関係するような問題は通常国会でしょうけれども、あるいは審議会の改組とか、その他重要な問題については臨時国会でやるという腹のようです。ですから、鉱山についても少なくとも炭鉱促進事業団あるいは価格安定機関については、これはあるいは四月一日に間に合えばいいとおっしゃるかもしれませんが、これらの問題についても臨時国会にやはり出して、制度的なものを早くつくっておく必要があるのじゃないかと思うのです。私たちが本会議で決議しました決議案、すなわち自由化に直面する金属鉱業危機打開に関する決議というのは、自由化実施前に抜本的な金属鉱業対策を樹立してもらいたいということを書いておるわけです。四月一日から銅その他が自由化になるのに、ただ対策ができていないというのじゃ、私はどうにもならぬと思う。それはやはり四月一日までにあなたの方はその準備をして、袋をつくっておく必要があるのじゃないかと思う。今度の国会は、御存じのように臨時国会から通常国会――通常国会は、四月に地方選挙がございますから、大体四月はほとんど自然休会の状態になるわけです。ですから、あなた方が法律を出されましても、実際の法律が通過するのは五月と見なければならない。予算は三月三十一日までに通過するでしょうけれども、ほかのものは五月でしょう。そうすると、いよいよ事業団が業務方法書をつくったり、あるいは理事長をきめたり何かしておれば、秋になる。そうして秋になっていよいよやろうというときには、もう自由化は進んでいるのですから、私は、少なくとも臨時国会に出して、あるいは臨時国会で間に合わなければ通常国会に入って少し年内に委員会を開いてもらって審議をして、やはり年内に片づけておくという態勢が必要ではないかと思うのです。そうしないと、これはとても、四月一日どころか、来年の十月ごろにならないと軌道に乗りません。軌道に乗るといえば来年の十二月ごろ、十二月になると冬であるから、炭鉱もなかなか思うようにいかぬということになると、これは来年はほとんどむずかしいということを考えなければいかぬ。ですから、これはどうしても臨時国会に提出なさるべきが至当ではないか。とにかく炭鉱の問題あるいは金属鉱業の問題というのは、大きな政治問題ですよ。ですから政治問題のときに通常国会の性格であるとかいうようなことは、私は論議にならないと思うのですね。性格の話をするなら、公務員の給与なんというのは、これは途中から変えるなんというよりも、やはり年度から変えるというのがほんとうでしょう。しかし、それはやはり答申があって、そうして勧告があって、その勧告に沿うてやるというのですから、――臨時国会でも今まで公務員の給与は決定しておる。ですからやはりその点を見れば、答申が九月に出、それから石炭の場合は十月に出たのですから、これに沿うて一番早い臨時国会において検討するというのが私は妥当ではないかと思うのです。それを一つ政府においても十分勘案をされて、大臣によく伝えて、臨時国会に問に合うように準備をしてもらいたい、これを要請しておきます。
#102
○中村小委員長 次は齋藤憲三君。
#103
○齋藤(憲)小委員 多賀谷委員から鉱業審議会の中間答申について、大体細大漏らさず御質問がございましたから、私は簡単に二、三、主として当局のこの答申を具体化するについてのお考え方を一つ承っておきたいと思うのであります。
 私といたしましては、この金属鉱業及び非金属鉱業、昭和三十六年度の鉱山数千四百四十の企業者並びに従業員は、貿易の自由化の波に対処いたしまして、大小その差はありましょうけれども、みな一応の危惧を持っておる。そこでこれに対処するにはいかなる対策が一番適切であるかということで当小委員会もつくられて、今日まで何回となくこの問題について論議を重ね、答申案の出てくるのをお待ちをいたしておったのでありますが、大体この中間の答申案を拝見いたしますと、考え方としてはもうこれ以上はない、これを具体化していけば一応自由化対策はできるというふうにも考えられるのであります。ただ、当局としてこれをどういうふうに強力に、しかも早く推進していくかということが、今後の問題となっておると思うのであります。ただいま多賀谷委員からいろいろな問題について御質疑があり、御答弁があったのでありますが、まだコンクリートされてない面がたくさんあるように思うのであります。いずれ大臣その他責任の地位にあられる方が御出席になりましたときに私もよく調査をいたしまして、もっと突っ込んだ御質疑を申し上げたいと思うのでありますが、第一、この千四百四十の金属鉱山及び非金属鉱山というものの現状をこれ以上落とさないような態勢でもって貿易の自由化に対処していく。もうすでにこの調査報告を見ますと、八千名の離職者があるというような現状、さらにこれから場合によっては閉山の数がふえてくるかもしれない、こういうときに、八ページに書いてあります所要の財政上及び法制上の措置とこう書いてございますが、この応急的な財政上の処置及び法制上の処置というものを一体どう考えておられるか。私といたしましては、この金属鉱山安定に関する臨時措置法というようなものをつくって、一応現状の鉱山が将来に対してはっきりした態度をきめるまでの暫定的な法的処置を講じて、それに財政上の力を加えておいて一応安定させる、それからこの答申書に書いてございますところの、自由化に対処する鉱業政策の課題であるとか、自由化に対処する鉱業政策の方向とか、それから体質改善の推進とか、いろいろなことが書いてございますが、こういうものを五カ年計画なら五カ年計画でやっていくということをやっていくのが、いわゆるこの自由化に対処するところの行政処置としては非常にいいのじゃないかというふうに従来から考えておるのでありますが、そういう金属鉱山及び非鉄金属鉱山を総じて何か一応安定させる臨時措置法というようなものをつくり上げていくような御構想があるかどうか、これを一応承っておきたいと思うのであります。
#104
○川出説明員 現在法制的措置としましては、炭鉱事業団をつくるということになると法律が必要でございます。それから需給価格の安定措置をはかるためにも法律が必要でございますので、現在のところ鉱産物の需給安定に関する臨時措置法――名前はどうなるかわかりませんが、そういう構想を持っておりまして、、いかなる事項をその中に盛り込むべきかということを現在検討しております。
#105
○齋藤(憲)小委員 今のお話によりますと、一応現在稼行しております鉱山の安定措置として需給価格安定対策に対する法律をつくるということでございますか。
#106
○川出説明員 鉱産物の種類は非常に多ございますので、その鉱産物の種類ごとにいろいろ対策もまた変わってくる面があるかと思います。関税割当制度のみで十分目的を達するものもございますが、たとえば銅あたりになりますと、特別な対策をとらないと、現在予定されておる関税だけでは非常に影響するところが多いわけでございます。そういう措置を検討しているわけでございます。
#107
○齋藤(憲)小委員 私の考え方からいたしましても、やはり需給並びに価格の安定というものを一応はかれば、そこで山というものは、一、二年持ちこたえられるのじゃないかというふうに考えますから、この需給価格の安定に関する法的措置は、なるべく業界が安定するような線で御考究を願って、なるべくすみやかにその提案をされたいと思うわけであります。
 それから、この答申書にございます「自由化に対処する鉱業政策の課題」、ちょうど五ページの中ほどに、「単に鉱産物の量的確保にとどまらず、極力鉱業の体質改善を進め、低廉な価格による安定的な鉱産物の供給体制の確立を期することが必要である。」、これは言わなくても根本的な問題であって、鉱業の抜本的な体質改善を進めるという一つの答申書に書かれました課題を見ましても、これを一体どういうふうに進めていくかということなのであります。だんだん読んで参りますと、十一ページに書いてございますが、「従来から行なっていた地質調査所の基礎的な地質状況の調査を大幅に拡充するとともに、政府自身の手で、わが国の中で特に優秀な鉱床が存在する可能性が大きい地域について、散在する鉱区とは無関係に広域にわたって集中的、計画的な調査を実施することにより民間企業が計画的に探鉱を行なえるよう指針を提供することが必要である。」と書いてあるのです。しかし、私どもの考え方といたしましては、現在のごとき機構でこういうことを行なわんとして、はたして何十年かかるのかということであります。ですから、私といたしましては、こういう答申書が出されまして抜本的な問題についてはっきりした意見が出ましたら、これをいわゆる当局としてどういう規模で行なうだけの決意があるのかどうかということを、一応承っておきたいと思うのであります。
#108
○川出説明員 先般の国会の決議にも、地質調査所の強化拡充ということが書かれております。今回の鉱業審議会の答申にも、国の機構なりあるいは探鉱事業団によってそれを推進すべきであるという御趣旨の答申がなされているわけでございます。国の機構ということになりますと、地質調査所でございます。これは地質のあり方という一般的なことを現在やっておるわけでございますけれども、さらにもう少し進めて、企業の探鉱に指針を与えるような、どういうところに鉱床がありそうだというような基礎的な調査をもっと推進すべきではないかということで、これは先生から見ますと抜本的ではないかもしれませんが、若干の地質調査所の拡充のための予算要求をいたしております。
 それから、探鉱事業団はさらに具体的な段階になるわけでありますが、特定地域につきまして、鉱区の形状その他にかかわらず、鉱床があり得る可能性の強いところを計画的に広域にわたってボーリングをやる。それもいわば国のやる、準じた仕事かと思っております。そういうことで予算要求をしておる次第でございます。
#109
○齋藤(憲)小委員 地質調査所にお伺いいたしますが、この「優秀な鉱床が存在する可能性が大きい地域」というようなことは、今までの地質調査でもって大体日本全国ではわかっておるのかどうか。
#110
○高畠説明員 わが国の鉱床地域の中で重要な鉱床が密集しておるというようなところは、大体地質学的にはわれわれは今までにわかっておるつもりでおります。ただこれを従来の予算規模で見て参りますと、調査が非常に遅々として進まないということでございまして、従いまして、そういう意味から、開発に直結するような調査に踏み切って、もっと積極的にやらなければいけないと思っております。
#111
○齋藤(憲)小委員 私の関知しております地質調査所の予算というものは、きわめて少額であります。こういう金属並びに非鉄金属の調査に使用し得る金額というものは、非常に少ないわけであります。貿易の自由化に対処してこの答申に書かれてありますような日本の金属並びに非鉄金属鉱山の将来を確保していくために、高品位の埋蔵量を十分に確保して、そして離職者も出さない、また他産業に対するところの基本的な原動力となるべきところの地下資源の確保を、世界のレベルに劣らないように将来持っていこうとするならば、この際従来の態度を改めて、抜本的に日本の地質というものに対して精細な調査のいわゆる年次計画を樹立して、そして大体五年なら五年あるいは十年なら十年に、日本の埋蔵鉱量というものあるいは有望地域の精査というものができるように計画を立てていかなければ、この答申書を見てもこれを実行するということにはならないのではないかと思います。もちろん地質調査所が単独に全部の責任を負ってやるのではなくして、ここに書いてございます重要鉱物探鉱促進事業団というものもできてこれをやってもいいわけなんですけれども、日本の今まで行ない来たった地質的なあるいは地下資源の探鉱で一番法的な確立をもって強力に行なったのは、原子燃料公社のいわゆるウラン探鉱であったと私は思うのです。これにはちゃんと法的措置ができているわけですから、そういうふうに地質調査所が全国にわたって思う存分な探鉱をしていく、地質の調査をやっていくという場合に、工業法で規定されておるところの鉱業権に抵触して鉱業権者がこれを拒否したという場合も、国家命令として十分な調査が行なえるような法的の措置も講じていく必要があるのではないかと思います。それが行なわれるような予算措置も十分に講じていかなければ、とうてい今のような貧弱な体制下において十分な鉱量を確保して将来の安泰な鉱山企業というものをやっていくということにはならないと思いますが、こういう点に対しまして鉱山局長は一体どう考えておるか。
#112
○川出説明員 御趣旨は全く同感でございまして、一度に大幅に拡充強化するということは困難かと思っておりますが、一歩々々前進をしたいと思っております。来年度の予算要求につきましても、一億近い予算を要求しておるわけでございます。
#113
○齋藤(憲)小委員 予算の面もさることながら、こういうような貿易自由化に対処する鉱業政策として五カ年計画を立ててそれを遂行し得るような法的処置を講ずるおつもりなのかどうか。
#114
○川出説明員 法的処置としましては、探鉱事業団がこれは法的処置になるかと思いますが、探鉱事業団は、企業に対する探鉱の融資もやると同時に、国の計画に基づきまして、みずから広域調査をやることにしておるわけでございます。地質調査所の機能の拡充と相待って、従来に比べると飛躍的な探鉱の基礎に関する調査方法かと思います。
#115
○齋藤(憲)小委員 私の申し上げておりますのは、原子燃料公社のウラン探鉱は、大体地質調査所が概査をやるのです。概査でひっかかって有望であるかどうかということの精査は原子燃料公社がやる。ですから地質調査所とそれから重要鉱物探鉱促進事業団というものの機能の関連性というものは、大体そういう関係になってくるのではないかと思うのです。でありますから、第一に地質調査所が散在する鉱区とは無関係に広域にわたって集中的に計画的な調査を実施するということになりますと、法的にこれがやり得るところの権限を持たなければいかぬ、と同時に、年次計画がなければいかぬ、それに遂行すべきところの予算というものがついていかなければいかぬ。ですから、私の申し上げておるのは、貿易自由化に対処してこれだけのことをやっていこうというのに、正確に私今数字は知りませんけれども、おそらく地質調査所の予算というものは、昨年度の五〇%増という予算に押えられた予算だと私は思うのであります。そういうような体制で、この答申に即応した行政体制というものができるかできないかということを聞いているわけです。ですから、貿易の自由化に対処して今社会問題になっており、政治問題になっておる金属鉱山及び非鉄金属鉱山の現状及び将来のために抜本的な対策を講ずるということになるならば、やはりそこに五〇%に押えられているところの予算構成というものとは切り離して、法律もつくらなければならぬし、五カ年計画も立てなければいかぬ、だからそういう構想をもってこの答申に即応した行政処置を講じていかれるのかどうかということを伺っているわけです。
#116
○川出説明員 地質調査所が一般的な基礎的な調査をした結果に基づきまして、探鉱事業団が具体的に広域調査をやるという考え方としては、そういう考え方に立っておるわけでございます。ただ、探鉱事業団といたしましては、予算要求としては、来年度の予算要求というものを年次的にやるわけでございますから、しておりますけれども、大体五カ年くらいの計画をもってやっていくつもりでおります。
#117
○齋藤(憲)小委員 それでは重ねて伺いますが、ここに書かれてあります鉱業政策の方向とかそれからそれの内容として盛られた体質改善対策の推進とか、そういうようなものを遂行していく上において、今度貿易の自由化というものを向こうに回して、日本の金属並びに非鉄金属鉱山を育成強化をしていくということから、五カ年計画を立てる、そしてそれを遂行することとができるような法的処置を講ずる、また第一年、第二年、第三年の年次に従っての予算措置というものも当局は考えて、これを遂行するという考え方を持っておられるというのですか、もう一ぺん一つ……。
#118
○川出説明員 具体的に五カ年計画というのを今作成しておるわけではございませんけれども、そういう思想に基づいて予算要求はしておるわけでございます。なお鉱山につきましては、民間企業が探鉱するのが本則でございます。そのために補助金なり融資という措置を考えておるわけでございますけれども、それだけでは不十分でございますので、先生御指摘のように、地質調査所の拡充、それから探鉱事業団自身による広域調査ということをあわせてやっていこうという計画でございます。
#119
○齋藤(憲)小委員 それは、民間の鉱山が自己の生命を延長するために探鉱をできるだけやるということは当然なことです。そのために探鉱事業団というものをつくって、出資三億、それから融資三十億程度のものを考えておるということは、これはいいですよ。しかし先ほども御質問がありましたように、そんなちっぽけな金で、企業体それ自身が探鉱をやるといっても、とうてい貿易の自由化に対処した日本の鉱山体制というものはできないのだ、だからやはりこういうような答申書が出ておるわけなんですね。だからこの際こういう答申の最も重大な意見というものを遂行していく上において、そういう線に沿うてやるのだというその言葉が、従来の予算構成から見るというと、僕はそうじゃないというふうに考える。そんなちっぽけな予算とそんな微々たる現在の機構で、こういうものがやり得るかやり得ないかということは、今までの実績から考えれば、よくわかると思う。今までの地質調査所の活動なんというものは、日本の全体から見るというと、貿易の自由化に対処しないときだって、われわれの希望から見ると、百分の一か二百分の一なんだ。それが今これだけの大きな問題が来て、波をかぶっているのにかかわらず、五〇%程度の予算増でもって従来の機構も改革せずしてやっていくなんということは、これはやはり羊頭狗肉の策だということになるのだと私は思う。ですからそういう点にはっきりした貿易の自由化対策の基本線というものを築き上げて、これによって日本の地下資源の全体を一つ洗いざらいやってみて、そこに日本の将来に対する体制の確立をはかるという五カ年計画なり十カ年計画を立てるというなら、われわれもこれをやってくれということになるけれども、今のようなことでやれないような、また絶対に信頼の置けないような体制でもって、答申がありましたからこの線に沿ってやりますという当局の答弁では、われわれは承服するわけにはいかないわけですね。だからそういう点に対して、きょうは大臣もおられませんからあれですけれども、大臣よりも鉱山局長がもっとしっかりして、そしてとにかくもっと大きくやっていくのだ、これをきっかけにして、日本の実態というものを一つ解剖していくということであるなら、私は一応きょうはこの程度で質問は終わりたいと思いますが、その中核にある鉱山局長の一つもっとはっきりした御答弁をお願いしておきたいと思う。
#120
○川出説明員 先生のお言葉はごもっともでございますので、全力をあげてやっていきたいと思います。
#121
○中村小委員長 大へん時間が移りまして恐縮ですが、次は伊藤卯四郎君にお願いいたします。
#122
○伊藤(卯)小委員 時間の関係もありますし、それから先ほどから多賀谷、齋藤両委員からもそれぞれ質問をされてありますから、私は一、二点政府の態度についてちょっと聞いておきたい。
 御存じのように、金属鉱業危機打開に関する決議というのは、この委員会でも超党派的に全会一致、さらに本会議においてもこれが超党派で議決をされております。その議決されたものが政府に回送されてから六カ月以上たっておるのであります。そこで政府は議決されたものにそれぞれ基づいて、あるいは行政上どう処置するか、あるいは立法的にどうするか、あるいは予算措置をどう要求するか、あるいは財政投融資をどういうように扱っていくか、そういうことがそれぞれ内容がつくられてある、私はこう思います。われわれがこの決議案をつくるにあたっては、あるいは金属鉱業代表、経営者の代表あるいは労働組合の代表、そういう機関と相当審議をしまして、そうして、これならば金属鉱業の危機を打開することができるだろうというので、決議案を今申し上げたように超党派で議決したのです。その内容を、たくさんありますけれども、おもな点を申し上げてみると、新鉱床探査事業団を設置すること、あるいは当面緊急税制に関する弾力的ななにを持つこと、一手買取機関または価格のプール制等を検討してやること、あるいは鉱区の整理統合を行なう、中小企業金融公庫に対して、鉱山向けの別ワクをつくってなにしてやる、探鉱、開発資金の大幅な確保をすること、鉱山機械貸与の制度を新設すること、鉱床補てんの準備金制度を採用すること、その他ありますが、こういうものを、すでに申し上げたように議決がされて政府に回送されてある。政府はおそらくこれらに基づいて、この立法府の最高機関である国会の議決によるものが回送されてきたのだから、これを忠実に受け取って、それぞれこれらに対する用意、準備をして、そうして国会側に報告をしなければならぬ、同時にまた、われわれの質問に応じて、これに対して具体的な回答をされなければならぬ責任があるわけです。さっきからだんだん伺っておるというと、こういうものに対してどのようにこれを取り扱うかということについての確固たる答弁がされてありません。これは、立法府の最高の議決に対して、行政府ははなはだ遺憾であると私は思うのであります。でありますから、今私がおもだった問題をあげたのについて、どのようにこれらを処理して、あるいは臨時国会、通常国会に、立法の上に、予算措置の上に、あるいは行政措置で行なうか、あるいは財政投融資等の問題をどのように金属鉱山の危機打開に関する国会決議に行政府がこたえようとしておるか、こういう点を明らかにして下さい。
#123
○川出説明員 先般の通常国会におきまして商工委員会並びに本会議におきまして金属鉱山危機打開に関する決議案が出されました。そのとき大臣から、決議の趣旨を尊重して善処するという意味の答弁があったと存じます。政府といたしましては、鉱業審議会を新たに設置いたしまして、そこに自由化に対処する鉱業のあり方、具体的な内容といたしましては、先ほど御指摘のありましたような決議に基づくいろいろな諸施策を中心に議論をいたしたわけでございます。その結果といたしまして、残された問題はございますけれども、事は急を要しますので、中間的に取りまとめたものとして鉱業審議会の中間答申が出されたわけでございます。中間答申の中で、先ほど御指摘になりました項目をあげて参りますと、地質調査所の拡充というととがございます。これはこのための予算措置を要求しておるわけでございます。
 次に新鉱床探査事業団という国会の決議がございます。これも鉱業審議会におきましてもそういう意味の答申がございまして、これは法制的措置及び予算的措置を伴うわけでございますので、現在準備をしておるわけでございます。
 それから買取販売機関ないし価格プールの制度いかんという決議がございます。これにつきましては、需給安定分科会を審議会の中に設けまして需要業界も入りまして、いろいろな点につきまして議論をいたしました。買取機関についても議論をいたしたわけでございますが、結論といたしましては、この答申の別記にございますような銅に関する関税措置を伴うところの交付金を交付するという措置を答申しておりまして、これにつきまして今具体的に分科会等をも開き、さらに細目を詰めておる段階でございます。
 それから、財政投融資といたしまして、たとえば中小企業金融公庫、そのほか開発銀行等がございますけれども、これにつきましては、鉱山の合理化、製練所の合理化、その他鉱業の雇用安定のための多角化投資等の所要資金につきまして、これは財政投融資の要求になりますが、それについて種々の措置をとりつつある段階でございます。
 最後の税制の問題でございますけれども、これは減耗控除制あるいは鉱床補てん準備金制度等でございまして、現在の税制とは相いれない非常にむずかしい問題を含んでおりまして、過去十年間通産省としてはいろいろ努力して参りましたが、いまだに実現しておりませんが、鉱業審議会では、これは中間答申には間に合わなかったものですから、内容的に検討するためには、もう少し現行制度からいろいろ考えていかなければならない点が多々ございますので、これは中間答申でございますから、鉱業審議会は恒久機関でございますから、以後引き続き税制問題を取り上げていく所存でございます。
 以上、お答え申し上げます。
#124
○伊藤(卯)小委員 従来政府は、わかり切っていることを、また、資料も山ほどそろっているにもかかわらず、あるいは調査会とか、審議会とか、そういうものをつくって、その隠れみのの中に隠れて、そこに責任を転嫁してやろうというずるいやり方がとかくあります。今度のごときも、審議会をつくらなかったところで、もう山ほど材料もあるし、どうしなければならぬかということはわかり切っている話なんである。それを審議会の答申を得て――これはあとで審議会会長に伺いますけれども、大体審議会の答申を読んでみましても、まるでぬるま湯へ入ったような審議会の答申である。私は、金属鉱山の危機というものは、この程度の答申の内容であってはならぬ、やはりもっと深刻なもの等が答申されなければならぬと思っているのです。これはあとで新海さんにお伺いしますけれども、そこで、今私が、われわれが超党派で議決した、その多くの内容の中から幾つかを読み上げましたが、一体政府としては、臨時国会にどれだけのものをどう処置して出すつもりか、あるいは通常国会にどうこれを処理して出すつもりか。政府として、金属鉱業の危機打開に関する国会の議決の要請に基づいて、それをどのように臨時国会と通常国会に、立法の上に、予算措置の上に、財政投融資の上に処理して出そうとしておられるか、その点を大筋を明らかにしてもらいたい。
#125
○川出説明員 予算を伴う法律あるいは措置が多うございますので、臨時国会ということになりますと、予算の補正ということにもなります。現在のところ、事務当局としては、事務的な努力は進めておるのでございますが、政府として、どのものを通常国会に出し、どの毛のを臨時国会に出すという方針は現在のところきまってないわけでございます。
#126
○伊藤(卯)小委員 そうすると、国会の議決に基づいて、これを忠実にある程度取り上げるということになれば、予算折衝をやらなければならぬ、今すでに予算折衝に入っておる過程です。そうすると金属鉱業の危機突破に関するこの予算要求を全然していないのですか。予算要求をしておられるとすれば、あるいは立法に基づく予算措置か、行政上に基づく予算措置か、いずれかについて予算要求をされる限りにおいては、それぞれの一応の国会に答弁あるいは提出されるととろの上に立って予算要求をしておられるはずですが、そうすると、予算要求は金属鉱業危機突破についてはやっておらぬということですか。
#127
○川出説明員 予算要求はやっております。
#128
○伊藤(卯)小委員 その予算要求をやっておられるなら、どういう問題について、――私はあまりこまかいことを聞こうとしておりません。大体において、臨時国会に補正予算として出すことが無理なら、通常国会に対してこの程度の点を予算要求として、金属鉱業の危機打開に対して取り扱おうとしておるつもりか。その大綱を一応説明してもらいたいと思います。
#129
○川出説明員 重要鉱物探鉱促進事業団の設置についてでございますが、これにつきましては、一般会計から約三億の出資、それから融資といたしまして二十九億を現在要求し、説明しておる段階でございます。それから鉱山の合理化のため、これは製錬所を含めるわけでございますが、従来開発銀行からはほとんど融資されていなかったわけでございますが、開発銀行だけで三十億程度の要求をしておるわけでございます。そのほか中小公庫、北海道開発金融公庫――特に北海道開発金融公庫は鉱山の所在地が非常に多いわけでございますので、これは額はまだはっきりいたしておりませんけれども、相当多額の要望をするつもりでおるわけでございます。そのほか多角化投資のための要望もいたしておるわけでございます。
 政府金融機関としましては、開発銀行と北海道、東北金融公庫、中小企業金融公庫に対する融資、これは長期、低利の要望をしておるわけでございます。
 それから、新鉱床の探査の補助金でございますが、これは主として中小鉱山を対象にするわけでございます。これは現在大蔵省に約三億の補助金の要求をしておるわけでございます。それから先ほども申し上げましたが、地質調査所の調査の拡充に対しまして約八千万程度の要求をしておるわけでございます。
 このほかこれは事務的な経費になりますけれども、国会の決議にもございました中小鉱山の技術指導ないし企業診断に関する経費を要望いたしておるわけでございます。
 なお、鉱業審議会の答申にございました雇用安定の問題につきましては、労働省の方から石炭に準ずる措置をお願いしておるわけでございます。これは石炭調査団の答申とも相待って、臨時国会に出すかどうかということで、問題になっておるのだそうでございます。
 それから、価格需給安定の措置、これは関税対策を含むわけでございますが、現在それに関税の措置等は、七月以降改正されておるわけでございます。これをいかにすべきかということを、これは答申では大綱はきまったわけでございます。細目についてはまだいろいろむずかしい問題がございますので、分科会におきまして鉱山側あるいは需要業界側の専門家にも入っていただきまして、細目について現在検討をしておる段階でございます。近く結論が得られると思います。
 以上が政府が現在とっておる措置でございます。
#130
○伊藤(卯)小委員 だいぶ努力しておられることが明らかになってきました。この点努力は多といたします。今後一つがんばってやって下さい。
 そこで、中村小委員長にお願いしておきますが、小委員長、この間国政調査で各鉱山をかなりお回りになって、ここで報告を聞きました。その報告は、相当金属鉱山の深刻な現状についての報告をされておりました。同時に、先ほどから私が申し上げ、小委員長もすでに御存じのように、委員会でも非常にこの問題を深刻に取り上げて議決をし、本会議でも議決をしておるわけであります。今、鉱山局長から大蔵省に対する予算要求に対して折衝しておられることを聞きました。これは相当努力を要することだろうと思います。でありますから、小委員長はこの委員会を代表されるわけであります。従って、その予算獲得の上にまた国会の議決を政府施策として実行さすために、小委員長に一つ責任を持って、国会の議決なり、それから通産省と大蔵省との折衝の問題についても大いに骨を折ってもらいたいということをお願いしておきます。
 それから先ほどちょっと申し上げたのですが、新海さんに、先ほどちょっと読ましていただきましたが、まことに金属鉱山の深刻な現状にかんがみというか、ここに書かれてある内容というものがそんなに深刻に映ってきません。たとえば、石炭の問題になって参りますと、この間有沢調査団の何を読んでみますと、なかなか深刻であります。ところが、炭鉱の深刻さと金属鉱山の深刻さというのは、私はそう変わりはないと思っている。ただ、炭鉱は限られた地域でなっておりますから非常に問題に取り上げられやすい。金属鉱山の方は鹿児島から北海道までばらばらなんでありますから、やはり世論機関の上にもまた国民に訴えられる点からも、また統一をしたものを政府に対する反映の上から見て、やはり非常に困難な点があるのではないか。だけれども、内容においては同じような深刻さを持っておるのではないか。でありますから、もっと答申書の中などにその深刻さというものがやはり現われてくるようになぜつくられないのか。深刻さの状態については新海さんが一番御存じだと私は思っておりますが、そうすると、これは鉱山側以外の人も相当入っているわけでありますから、そういうところでそこまで深刻に取り上げなくてもいいのではないかという圧力などもあったのかどうか存じませんが、どうもぬるま湯に入ったような感じがします。もっと強く訴えるということをどうしてこの答申書の中につくられなかったのか、その辺のところをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#131
○新海参考人 鉱業審議会の決議は通産大臣の諮問に応ずるものでありまして、それは先般の衆議院の商工委員会、また本会議の決議に基づいたもので、鉱業審議会といたしましてもあの項目を全部取り上げて審議いたした次第でございます。答申がなまぬるいというお話でございますが、問題はこれの裏づけ、肉づけがどうかということでありまして、答申の勧告が完全に肉づけされるならば、鉱山業もまず安定されるのではないかというふうに考えております。もちろん衆議院の決議のうちで、まだ時間的制約によって審議会として審議いたしません分もございますが、これは引き続いてさらに審議を継続するつもりでございます。
#132
○伊藤(卯)小委員 時間の関係もありますから、もう私は質問をやめることにいたします。
 新海さんに御希望を申し上げておきますが、せっかく金属鉱業の危機打開について、通産大臣から委嘱を受けられて、そしてこの審議会をつくって、審議会の答申によって相当政府を動かしていこう、あるいはまた国会のわれわれにもそれを強く反映させて、金属鉱業の危機打開をしようという使命をお持ちになっておるわけであります。従って、どうも現代人というのは刺激のあるものを見聞きしつけておりますから、やはり内容の充実しておるということもなければなりませんが、同時にやはり深刻さの度合いというものを映していくということも非常に大事でございます。今、政治は圧力政治とよく言われております。圧力政治は邪道ですけれども、邪道の圧力政治をやらなければ目的が達成できないということになっておるのでありますから、このせっかくの答申をされるのについては一つそういうこともお含みの上で、せっかくの答申が強く反映をして、この目的達成に十分役立つように今後大いにやっていただきたい、これを希望いたしておきます。
#133
○齋藤(憲)小委員 一点だけ伺っておきます。
 地質調査所の拡充ということがわれわれの希望でもあったし、政府当局の御答弁にもあるのですが、法律を見ますと、工業技術院設置法の第三条に、「一 鉱業及び工業に関する試験、研究、分析、検定、鑑定、技術調査、技術指導その他これらに附帯する業務を行うこと。二 地質の調査その他これに附帯する業務を行うこと。」と、概括的なことが書いてありまして、工業技術院設置法施行令の第八条に地質調査所のことが書いてあるわけですが、単に「地質調査所は、川崎市にこれを置く。」2「地質調査所は、地質及び地下資源の調査並びにこれに関する研究、技術指導その他これらに附帯する業務を行う。」地質調査所に関してはこれだけのようですね。ですから、こういうような法律及び施行令だけで、鉱業法に規定しておるところの物件を相手にして自由自在に調査が行なわれるかどうかということになりますと、この問題は先ほど私が申し上げた通りに、ウラン調査のときにこの問題にぶつかって特別の立法措置を講じたわけなんです。ですから、徹底的に地質調査所をして調査をせしめるということになれば、別の法律をもってある権限を付与しなければ調査できないというように思って、先ほど御質問申し上げたわけですが、御即答は要りませんから、よくお考え願って、十分に調査のできる権限を与えるということにしていただきたいと思います。
#134
○中村小委員長 他に御質疑はございませんか。――御質疑もないようでありますので、この際新海参考人に一言お礼を申し上げます。
 参考人には長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、ありがとうございます。今後の鉱業政策を検討する上に非常に資するところがありまして、小委員一同にかわりまして、小委員長より厚くお礼を申し上げます。
 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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