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1962/08/21 第41回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第041回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号
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1962/08/21 第41回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第041回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号

#1
第041回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号
昭和三十七年八月二十一日(火曜日)
   午前十時三十八分開議
 出席委員
   委員長 辻  寛一君
   理事 青木  正君 理事 荒舩清十郎君
   理事 島上善五郎君 理事 畑   和君
      大上  司君    薩摩 雄次君
      首藤 新八君    田中 榮一君
      太田 一夫君    坪野 米男君
      堀  昌雄君    山花 秀雄君
      井堀 繁男君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 篠田 弘作君
 出席政府委員
        警  視  監
        (警察庁刑事局
        長)      宮地 直邦君
        自治政務次官  藤田 義光君
        自治事務官
        (選挙局長)  松村 清之君
    ―――――――――――――
八月十八日
 旧沖繩県の地域における公職選挙法の適用の暫
 定措置に関する法律案(基政七君提出、参法第
 四号)(予)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公職選挙法改正に関する件
     ――――◇―――――
#2
○辻委員長 これより会議を開きます。
 この際自治大臣より発言を求められております。これを許します。自治大臣篠田弘作君。
#3
○篠田国務大臣 従来公職選挙委員の一人といたしまして、皆様方と協力いたしまして、選挙法の改正問題をやってきたわけでございますが、今回内閣改造によりまして、自治大臣に就任してその選挙の問題を担当することになりました。そういう立場にはなりましたが、しかし私の考え方は委員であったときとちっとも違わないわけでございまして、いかにしていい選挙法をつくり、いかにして公明な選挙をやるかという問題に行きつくためのいろいろな法律の改正であり、研究でございますから、皆様方と全く同じ考え方で、お知恵を拝借しながら今後いろいろな問題を検討していきたいと思います。どうか一つよろしくお願いいたします。(拍手)
#4
○辻委員長 引き続いて、自治政務次官藤田義光君より御発言があります。
#5
○藤田政府委員 御紹介を受けました藤田でございます。今回はからずも自治政務次官に就任いたしました。皆さん方の御指導を心よりお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手)
     ――――◇―――――
#6
○辻委員長 公職選挙法改正に関する件について、調査に入ります。
 本日は去る七月一日に行なわれました参議院議員通常選挙後初めての委員会でありますので、同選挙の管理執行並びに取り締まり方面について、関係当局から御報告を願うことといたします。松村選挙局長。
#7
○松村(清)政府委員 七月一日に行なわれました参議院議員通常選挙につきまして、その概要を御報告申し上げます。
 今回の選挙は地方区七十六人、全国区五十一人、計百二十七人について行なわれたものであります。まず今回の選挙は、前国会で公明選挙を実現するために、公職選挙法のかつてない大改正が行なわれたのでありますが、この改正法に基づく最初の選挙でありまして、この改正法の周知徹底につきましては、短い期間ではありましたが、できるだけの努力を払ったのでございます。
 次に、参議院議員の選挙につきましては、従来から国民の関心があまり高くなく、投票率は他の選挙に比べて低く、第二回の通常選挙では七二%でしたが、以来回を重ねるに従って率が低下し、前回は五八・七%に下がりました。この傾向ですと、今回はさらに投票率が低下するのではないかと懸念されたのであります。このことは、議会政治の建前からも望ましいことではありませんので、政府は特に総額六億円の経費を支出して、全国の有権者のすべてが進んで参議院議員選挙の投票に参加し、公正かつ明朗な選挙が行なわれるよう、啓発活動を積極的にいたしました。なお、これとあわせて、わが国の選挙の悪弊である買収、供応を今回の選挙からなくするよう買収、供応追放運動を全国的に展開いたしました。
 今回の選挙におきます有権者数は、男子二千六百八十万人、女子二千九百三十万人、合計五千六百十万人で、前回の選挙より約二百六十万人増加しております。その投票率は、全国的に見まして予想外に良好でありまして、全国平均で六八・二%に達し、前回の五八・七%を約一〇%も上回ったのでございます。この投票率は、これまで行なわれました参議院議員選挙のうち、昭和二十五年の第二回選挙における投票率に次ぐよい成績でございます。なお、今回は、従来きわめて投票率の低かった東京、大阪の大都市の投票率も著しく向上し、前回は四〇%台でありましたが、今度初めて六〇%台を上回る成績を記録しました。さらに、今回の選挙では、婦人の投票率の向上が目ざましく、前回に比して一一・二七%上回り、投票率においてはなお男女の差が三・五%ありますが、投票者の絶対数では、女子は男子を六十八万人こえていることが注目されます。このように投票成績がよかった理由といたしましては、国民の政治的関心がようやく高まってきたことをあげることができると思います。
 公明選挙運動につきましては、政府も、民間の団体や報道機関と密接に提携して、努力を続けて参ったのでありますが、今回の選挙にあたっては、ただいま申し上げましたように、予算的にも特別の措置を講じて、国民の政治的関心を高めますとともに、いわゆる選挙のムードを盛り上げて、有権者のすべてが投票に参加し、公明な選挙が実現することを期したのであります。また、今回の選挙におきましては、新聞、ラジオ、テレビ等の報道機関の全面的な協力があずかって力あったものと考えられます。昨年夏、選挙制度審議会が選挙制度の改正に関する審議を始めましてから、今春選挙法が改正され、さらに、今回の参議院議員選挙を終わりますまでの間、新聞、ラジオ、テレビ等の報道機関は、終始きわめて積極的に選挙に関する事項を取り上げ、国民の選挙に対する意識と関心を高める上に大きな貢献をされたと思います。なお、今回の選挙法の改正により、政党本位の選挙運動が重視され、政党の活動が拡張されましたので、各党とも活発な選挙活動を展開したことも、大きな影響を与えていると考えられます。投票当日の天候も、全国的に曇りであり、一部は朝のうち雨でしたが、その後天気が回復するなど、きわめて好都合であったことも、理由の一つにあげることができると思います。
 選挙の状況の詳細につきましては、御配付申し上げました資料によって御了承願いたいと思いますが、その中から二、三拾ってみますと、今回の立候補者数は、全国区百七人、地方区二百二十一人で、前回と比較いたしますと、全国区では、十五人少なく、これまでの選挙の中でこれは最も候補者数が少ないのでありますが、地方区では、前回に比べて十三人増加しております。
 次に、今回選出されました議員について見ますと、現議員八十一人、元議員七人、新人三十九人であります。新人は前回の選挙では五十二人でしたが、今回は減少し、これは今までの選挙のうち最も少ない数であります。また、現議員は、前回六十九人でありましたのが八十一人に増加しておりますが、これは今までのうち最も多い数で、新人と現議員との当選が対照的でございます。なお、全国区の当選人の得票数は、第一位の当選人が百十六万五千票であり、前回の九十四万一千票を大幅に上回る記録でございますが、最下位の第五十一位の当選人は三十七万六千票で、これも前回の二十六万六千票に比し、大幅に上回っております。しかし一方では、今回の全国区の選挙で、得票数が少なく、法定得票数すなわち七万一千票に足らないで供託金を没収された人が、百七人中二十七人、約二五%の多きに達しております。
 選挙違反の状況につきましては、所管当局からお話があろうかと思いますが、今回は、選挙法が大幅に改正され、また、ここ一、二年公明選挙運動がきわめて活発に行なわれてきておりますので、これらが選挙の公明化に大きく寄与するものと期待されておりましたが、選挙違反が依然として跡を断たない状況にありますことは、はなはだ遺憾に存ずるところでございます。
 今回の選挙の管理執行の面におきましては、改正選挙法が成立しましてから選挙の公示までわずか一カ月という短い期間であったにもかかわりませず、全国的に見てほとんど問題がありませんでした。このことは、先ほど申し上げましたように、投票率が非常によかったことと並んで、特筆していいことかと思います。しかし選挙の管理執行の面につきましても、改善すべき点があろうかと思います。このことは、各方面の意見を聞いて、今後十分検討して参りたいと思います。
 また、投票率がよかったことはまことに喜ばしいことでございますが、これが今回の選挙だけの現象でなく、真の国民の自覚に基づいたものになるよう、そして選挙が少しでも公明化されるよう、今後公明選挙の推進に一そう努力していかなければならないと思います。
 以上をもちまして、簡単でございますが、今回の選挙の結果の御報告といたします。
#8
○辻委員長 次に、宮地刑事局長。
#9
○宮地(直)政府委員 今回の選挙法の改正の趣旨によりまして、私の方は、厳正公正なる取り締まりの実施を念頭に置いて参ったわけでございます。
 選挙後一カ月の統計で申しますと、警察におきまして検挙いたしましたものの数は、約一万一千件でございます。検挙人員は一万七千八百名余りになっておりまして、これは前三十四年の参議院議員選挙と比べまして、検挙件数におきましては約七割増、人員におきましてはちょうど二倍になっておるのでございます。
 特に今回ふえましたものは選挙の自由妨害、絶対件数におきましては約三百八十件でございましたので特に多い数字ではございませんけれども、今回の選挙におきまして前回と比較しまして六・四倍にまでふえましたのはこの自由妨害、もちろん演説会の妨害等もこの中に入っておりますけれども、今回の選挙におきましてはビラはぎが各地に行なわれまして、故意にビラをはぐ、あるいは全国区の選挙の五号ポスターにつきましては今回証紙を張ることになりましたために、選挙妨害の意思はございませんけれども、そういう証紙をはぐというものが相当各地に見受けられましたので、かように選挙の自由妨害という項目におきまして非常に大きな増加を示しておるのでございます。
 次に増加率の非常に多くございましたものは、戸別訪問でございます。今回は二千五百件余になっておりますが、これは一部に相当執拗な戸別訪問が行なわれまして、戸別訪問を行なわれました方面から、その執拗さのために、何とかしてくれというふうな空気まで一部見えて参ったようでございます。
 それから次に買収、利害誘導でございますが、これは絶対件数では三千四百件余でございます。前回の選挙に比較しましてこの件数は一・八倍になっております。これの内容を検討いたしてみますと、今回の選挙におきましては、そう高価なものではございませんけれども、物品が選挙民の中に配られて、しかもそれがある程度組織的に配られたという事例が全国的に見受けられましたために、買収という項目におきまして件数増になっておるものと、私どもの方は判断をいたしておるのでございます。
 なお、今回の選挙におきまして非常に注目を浴びましたのは、公務員の地位利用でございます。これは件数にしまして三百五件、人員におきまして三百三十五名になっております。今回の改正選挙法におきまして公務員の地位利用というものがはっきりと打ち出され、また、選挙法の改正の経過からも考えまして、公務員がかような事態を起こしましたときには国民の方で許さない、こういう空気というものを取り締まり当局におきまして如実に感じた次第でございます。
 かような結果、最初に申しましたように、検挙件数におきまして一・七倍、人員におきまして二倍の数字になっておる次第でございます。最終的な統計はもっとおくれますのでわかりませんけれども、大体選挙の大勢というものは、一カ月のこの統計をもって判断させていただけるものと存ずる次第でございます。
 以上御報告いたします。
#10
○辻委員長 ただいまの報告に関連して御質疑なり御意見があれば、これを許します。
 御発言はありませんか――御発言がなければ、本日はこの程度にし、次会は公報をもってお知らせいたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午前十時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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