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1962/12/06 第41回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第041回国会 決算委員会 第7号
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1962/12/06 第41回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第041回国会 決算委員会 第7号

#1
第041回国会 決算委員会 第7号
昭和三十七年十二月六日(木曜日)
    午前十時四十九分開議
 出席委員
   委員長 津雲 國利君
   理事 荒舩清十郎君 理事 木村 公平君
   理事 鈴木 仙八君 理事 勝澤 芳雄君
   理事 西村 力弥君
      久保田藤麿君    飯塚 定輔君
     山口喜久一郎君    山本 猛夫君
      久保 三郎君    芳賀  貢君
      山田 長司君
 委員外の出席者
        農林政務次官  津島 文治君
        農林事務官
        (大臣官房経理
        課長)     木戸 四夫君
        農林事務官
        (農地局参事
        官)      富谷 彰介君
        林野庁長官   吉村 清英君
        農 林 技 官
        (水産庁漁港部
        建設課長)   天野 清一君
        会計検査院事務
        官
        (第四局長)  宇ノ澤智雄君
        専  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
十一月十七日
 委員小川豊明君が死去された。
同月十九日
 委員飯塚定輔君、原田憲君及び山田長司君辞任
 につき、その補欠として鈴木正吾君、藤井勝志
 君及び森本靖君が議長の指名で委員に選任され
 た。
同月二十一日
 委員鈴木正吾君及び藤井勝志君辞任につき、そ
 の補欠として飯塚定輔君及び原田憲君が議長の
 指名で委員に選任された。
十二月四日
 委員飯塚定輔君及び原田憲君辞任につき、その
 補欠として鈴木正吾君及び藤井勝志君が議長の
 指名で委員に選任された。
同月六日
 委員藤井勝志君及び森本靖君辞任につき、その
 補欠として飯塚定輔君及び山田長司君が議長の
 指名で委員に選任された。
同日
 委員飯塚定輔君及び山田長司君辞任につき、そ
 の補欠として藤井勝志君及び森本靖君が議長の
 指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十五年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十五年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十五年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十五年度政府関係機関決算書
 昭和三十五年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和三十五年度国有財産無償貸付状況総計算書
 昭和三十五年度物品増減及び現在額総計算書(
 農林省所管)
     ――――◇―――――
#2
○津雲委員長 これより会議を開きます。
 本日の議事に入るに先だちまして、この際御報告を申し上げます。
 本委員会の理事でありました小川豊明君が、去る十一月十七日、急逝せられました。同君は多年当決算委員会の審査に尽力されました。ここにつつしんで同君の御冥福を祈り、哀悼の意を表するとともに、御報告申し上げます。
     ――――◇―――――
#3
○津雲委員長 この際、御了承願いますが、すなわち、先般歳入歳出の実況等に関する各地の実情を調査するため委員を派遣いたしましたが、この派遣委員の報告は、口頭報告は省略いたしまして、会議録に掲載いたしたいと存じますので、御了承を願います。
     ――――◇―――――
#4
○津雲委員長 昭和三十五年度決算外三件を一括議題といたします。
 農林省所管決算について審査を進めます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。勝澤芳雄君。
#5
○勝澤委員 私は、前回先輩の小川委員が質問をいたしました事項で、まだ言い残された事項があるように思いますので、かわってその質疑を続けて参りたいと存じます。
 その第一は、三十五年度の決算において会計検査院より指摘された国有農地等の管理についてという問題であります。本件につきましては、前回相当突っ込んだ質問もされているようでありますが、最近行なわれました三十六年度の決算報告によりますれば、また指摘事項が多くなった。そのおもなるものは農林省が多いということがいわれておるようであります。大へん残念なことと存じますが、それらに関連いたしまして、少しくお尋ねいたしたいと思います。
 まず最初に会計検査院の方にお尋ねいたしますが、この問題につきましては、三十三年度の決算検査の報告を見ますと、このときにも指摘されているようであります。相当具体的に指摘をされておるのですが、また、この指摘に関して、農林省からも適当な改善の措置をとる、こういうことが回答として寄せられておるのでありますが、それがなおもこの三十五年度までも続いた。実際には、三十七年度になって初めて具体的な措置ができたように言われておるのですが、この三十三年度に指摘された内容、並びにその以後一体どうしてこういう問題がそのまま放置されてきたかという点などについて、検査院の御意見をまず最初に賜わりたいと思います。
#6
○宇ノ澤会計検査院説明員 ただいまの勝澤先生のお尋ねなんですが、実は三十三年度の資料を持って参りませんので、三十三年度について詳しいことを申し上げかねますが、三十三年度に一応私の方といたしまして、自作農創設特別会計が所有しておりまする財産の管理について、ある程度その管理状況を検査いたしましたところが、概説に記述しましたような不当な事態が発見せられたわけでございまして、その当時といたしましては、私の方も検査いたしましたのが最初でもございまするし、御承知のように、自作農特別会計のできましたいきさつ、それからその当時の土地の買収なり売り払いなりというようなものが、終戦直後の非常に混乱した時代に短期間に行なわれたというようなこともありまして、いろいろその後の整理をやればよかったのでありましょうけれども、それが三十三年ごろまでほっておかれたというような事態でございますので、不当事項として批難するよりは、むしろ概説に書いて今後の当局の改善措置を促したわけでございます。三十三年度に私の方で概説に指摘いたしました後、今後こういうものについては、改善の措置を講ずるというような農林省の御答弁でございましたが、三十五年に私の方でまたその後の状況を調査いたしましたところが、そう大して著しく改善されたとも見られないということで、三十五年度も概説で不当な事態に対して適切な処置をとるように強く要望をしたわけであります。その後三十七年の三月、これは三十六年度の年度末でございますが、東京、名古屋の両農地事務局につきまして検査をいたしましたところが、依然として事態が根本的には改まっておらないということでございましたので、三十七年の六月に農林大臣に対しまして意見を述べて、是正改善の措置を要求いたしましたし、それから三十六年度に全農地事務局につきまして、ブロック別といいますか、代表的と言えるかどうかわかりませんけれども、各農地事務局のそれぞれある面積を既墾地、未墾地についてピックアップしまして、それを検査いたしましたところが、管理の状況のよろしくないところが相当見受けられたということで、三十六年度にさらに今度は不当事項としてこれを掲載したような次第でございます。これに対しまして、農林省におかれましても、三十七年の三月、つまり三十六年度の年度末、検査の結果について照会をいたしましたところ、その後これに対して従来あまり手をつけておられなかったような点について通牒なり何なりが出されて、下部の機関に対してその財政の管理の適切化について二、三手を打たれたわけであります。
 それではどうして今までその財産の管理がうまくいかなかったかということでございまするが、先ほどちょっと触れましたように、終戦直後の非常に混乱した時代にこの農地の買収なり売り払いが行なわれた、それから的確に現地を見ないで、帳簿だけで買収したというようなこと、その後財産管理する人手あるいは予算等の措置が十分行なわれなかったというような点で、財産の管理が長い間にわたって適切を欠いたのじゃなかろうか、こういうふうに考えております。
#7
○勝澤委員 それでは私は現状についてお尋ねしたいのですが、現状で確認できるもの、あるいは未確認を含んで既墾地、未墾地別に、たとえば他用途に転用されているものとか、あるいは一時貸付になっておるものとか、あるいは境界の不明、あるいは無断使用されておるもの、こういうものが全国的に総括されておる数字がおわかりになりましたら、これは農地局の方ですか、お示し願いたい。
#8
○富谷説明員 これは三十六年度末現在でございますけれども、国が持っております国有農地――買収いたしまして売り払いを行なっておりません手持ちの農地でございますが、これがトータルして一万一千五百七十三町歩ございます。そのほかに、今度は未墾地でございますが、これが四十三万九千百十三町歩で、以上合計いたしますと四十五万町歩余りになるわけでございます。そのうちで国有農地の方は、現在農耕のために貸付しておりますものが、件数にいたしまして五万六千四百七十六件、面積で五千五百八町歩でございます。それから農耕以外の目的で貸し付けられているものが八千九百三十六件、面積にいたしまして千九十九町歩でございます。それから今度は未墾地の方でございますけれども、これはすでに開拓者の方に配分いたしましたものを除きまして、現在まだ配分しておらないで国が手持ちしておりますものが、面積にいたしまして三十万二千七百九町歩あるような状況になっております。
#9
○勝澤委員 そういたしますと、相当の部分がいろいろ指摘をされておるのですが、検査院から指摘されておる事項を見てみますと、その処理を行なわず、長期間放置しているなど、財産の管理はなお全般的に適切を欠いている、特に改善の成果を認められない状況であるということが三十三年度以来指摘されているわけですが、その原因はどういうところにあるのでしょうか。
#10
○富谷説明員 たびたび御指摘を受けまして、改善が思わしく参りませんのをまことに申しわけなく存じます。その原因は、ただいま会計検査院の第四局長からお話しになりましたことと変わらないのでございますけれども、貸付しております対象について悉皆調査といったようなことを実は行ない得ませんでしたものでございますから、その状況を御指摘を受けますと、そのつど改善の措置を指示いたしましてやらしておるわけでございますけれども、残余のものについての適切な措置ができなかったということがございます。それからもう一つは、これは農耕でも他目的でも同じでございますけれども、そういうふうに貸付という状況でほうっておきませんで、適切なる農業者なり、あるいは他目的なりへはっきり処分をしてしまう、売り払いなり、あるいは他用途に転用するということをはっきりいたしますとよろしかったのでございますけれども、これも、たとえばその後、未墾地でございますと、新しい開拓制度などの方針につきまして、農林省といたしましてもなかなかきめかねておりまして、やっと昨年の末に至りまして、新しい制度を考え出したというようなことがございまして、まことに申しわけなく存じておるようなわけでございます。
#11
○勝澤委員 そこで、今回指摘された中で、農業上の用に供するため貸付を行なっているものでありながら、他用途に転用されている事実がたくさんあるということで、たとえば農耕地として貸し付けられておるけれども、それが無断で学校の校舎になっておる、あるいは運動場になっておる、あるいは工場や住宅に使われておる、しかし、依然として貸付は従来のままに貸し付けられておる、こういうことでありますが、これはこの指摘によって今度は具体的に整理することもできるのですか、どうなんですか。
#12
○富谷説明員 御指摘を受けましてから、直ちにそういう貸付につきましては弁償金をとる措置をとっております。その後の是正措置でございますけれども、先般の国会で農地法の改正が行なわれまして、国有農地を旧所有者に売り払うだけが従来の規定でありましたけれども、旧所有者の一般承継人に売り払う規定ができましたので、その規定を活用いたしまして売り払うことができるわけであります。さようなわけで、今後極力処分を進めて参りたいと考えます。
#13
○勝澤委員 次に、農業上の用に供しないことが明らかであるのに、一時貸付を継続しておるものがある、こういうものの処分はどういうようにいたしますか。
#14
○富谷説明員 これはその用途に応じまして、弁償金をとりますことはもちろんでございますけれども、他用途、たとえば学校でございますとか、工場用地でございますとか、その農地を転用することが適当であると認められますところは転用をいたすわけでございますが、その際は、旧所有者に売り戻しまして、旧所有者と現在の使用人との間で話し合いをつけまして、使用人が借りるなりあるいは買い取るなりというような方法をとるわけでございます。
#15
○勝澤委員 それから無断で使用されておるものの中に、地方公共団体が無断で使用しておる、あるいは会社や個人、あるいは学校、運動場、公園、事務所、たくさんあるのですが、一体こういうことが許されていいかどうかということを私は疑問に思うのですが、それをそのまま放置している。それがまた大へんたくさんあげられておるのですが、それはどういうふうになるのですか。
#16
○富谷説明員 地方公共団体の行なっておりますもので、無断のものはまことに論外でありますけれども、本来ならば他用途に転用すべきであるにかかわらず、相変わらず一時使用の貸付を受けておるというのは、一つには先ほど申しましたように、農地法で旧所有者の一般承継人に売ることができなかったということが一つの理由と、もう一点は、地方公共団体の方の財政的理由がございまして、買い取ることができなくて、ずるずると一時使用となっておるというような点があると考えております。
 それから無断使用の点でございますが、これは悪意によるものは問題になりませんけれども、境界その他が不分明なために、そのようなことに結果としてなったというようなものも何がしかあろうかと考えております。
#17
○勝澤委員 この内容を見てみると、何かわれわれも一口加わっておらなければ損だというような気がしてたまらないわけです。今日までほったらかしてあるわけですが、それがとにかく貸し付けられながら、その目的以外に、極端に言えば放任されておった。そうしてそれが何らの方法もなく、どのような形で処理されるか知りませんけれども、これはやはりやり得になっておるのではないか。これは、ここで問題になった東京大学のゴルフ場以上の大へんな問題だと思うのですけれども、一体どうしてこういうことになっておるのですか。どうしてそのままほったらかしてあったのかということについて、大へん疑問に思うのです。たとえば、東大のゴルフ場の問題なんかでも、会計検査院から指摘をされた、行政管理庁からも指摘をされた、何回も何回も指摘をされたけれども、ようやく決算委員会で取り上げられて解決した。そうして調べてみれば、みんな関係者ばかりだったというような話もあるようですけれども、考えてみれば、それは四、五年前から指摘されてずっときて、ようやく政治問題になって初めて解決した。この問題も、詳細に調べてみると、三十三年のときに会計検査院が指摘された。それが三十四年も三十五年も三十六年も――ここで三十七年に初めて検査院が――決算委員会もいろいろ指摘したためもあるでしょうけれども、勇気をふるって検査院法の三十四条、三十六条を発動した。これはにっちもさっちもいかなくなった、それじゃ解決せにゃならぬということで、法律手続をしたり内部通牒をやったり、そして少し解決をしようとする気持になった。しかし、今の様子を見ていると、まだ十のうち一つか二つで、八つくらいはやり得になっているようなかまえになっているような気がしてしようがないのです。そういう点を考えると、国の政治の姿勢を正す意味からいって、農地の方は違法がまかり通るのだ、こういうことじゃ私は困ると思うのです。今聞きますと、これはみな新しくなって今一生懸命努力している人たちばかりだということです。前の人がほったらかしておいたということになるかどうか知りませんが、そういう点から考えてみると、これは大へん残念だと思うのです。一つ、この点についてはもう少し力を入れて解決するようにしていただきたいと思う。
 ついでに、ことしの六月二十一日ですか、東京地裁から、国が買収した不用農地はもとの地主に請求権があるというような判決が出されているようでございますが、これらについての取り扱い方はどういうふうにされているのですか。
#18
○富谷説明員 ただいま先生が御指摘なさいました地裁の判決そのものを実は私今手元に持っておりませんので、的確なお答えになるかどうか存じませんけれども、私の記憶では、その判決は、国が買収しながら自作農創設の目的に供しないで長く持っていることは不適当だ、すみやかに返すべきだ、こういう趣旨であると私は記憶しております。そういう点は、先ほど申し上げましたように、農地法の一般承継人の規定がございませんで――一般承継人と申しますと非常に簡単なようでございますけれども、実は現在の民法では、子供が数人ございますればみな均分相続でございますので、それぞれ関係者に同意を求めなければならぬというような、手続に非常に時間を食います。もう一点は、社寺有林などでございましたものも、終戦後神社とかお寺の法人格が変わりまして、これは旧所有者でないわけでございます。今のお寺なりお宮なりはみな違っているわけでございます。そういう関係で、本年春の国会で農地法の改正ができましたので、今後は極力そういう促進をする考えでございます。
#19
○勝澤委員 政務次官、ちょっと締めくくりでお尋ねしたいのですが、先ほど申し上げましたように、私はこう思うのです。この問題は、三十三年に会計検査院が指摘をしているのです。これは軽く上をなすったような指摘の仕方だと思うのです。会計検査院もなかなか遠慮しながらものを言っていると思うのです。このときにもう少し強く、すっぱりものを言っておれば、検査院法によって、改善をすみやかにせよという手続をしておけば、もう少し早くなったと思うのです。しかし検査院も、まあ一回はこの程度でいいだろうということで様子を見てみたけれども、さっぱりやらない。これじゃ仕方がない、そして世論からいっても、やはり何とかしなければならぬということで、検査院法を発動してこういう措置を講じた。こういう措置を講じてようやくこれが問題になってきた。しかし三十三年のときにやる気になればできたわけです。ですから、やる気にならなかったわけです。やる気にならない原因は何かというと、ここに指摘されていますけれども、予算の問題、人員の不足の問題、管理業務に対する熱意の不十分と運用のまずさ、制度の欠陥があるものと考える――これは当を得た解釈だと思うのです。こういうものを解決するには、なまはんかな形では解決できないわけです。相当微に入り細にわたって、人の機微に触れて解決せにゃならぬ。そうなると法の不備が出てくる。それでは法を直さなければならぬ。そんなことをやっているうちに、能率があまり上がらないから、こんなものばかりやってもしようがないから、もっと能率の上がる、成績のいいものだけやろうということになる。これは大蔵省の国有財産も同じです。そちらの方を見たら、戦後まだそのままの状態が続いておる。結局問題は、こういうものを解決しようとする政治の重点がやはり問題になると思う。ですから、こんなものを解決するのは当然のことですから、予算も人の問題も考える。管理業務に対する熱意不十分、これは解決すれば人が少なくなるというのかどうかよくわかりませんが、そういうものも出てくると思うのです。しかし、だれかがケリをつけなければならぬ。いろいろ利権が交わっておるわけですから、だれかがどこかでピリオドを打たなければならない。おれは二年もおればかおるのだから、次の者に送ろうじゃないか、こういう考え方は許さるべきではないと思う。ですから、検査院の指摘の仕方も私は不十分だったと思うけれども、受け取った農林省の熱意のほどというものがうかがわれるのです。これは制度の問題についても直した、転用の問題も直した、省内でできるものについては通牒なりいろいろな規定の解釈もしてやったということでありますから、この問題は早急に熱意を持って――これは国が得をすることですからね。今までただで使われておって金も一銭もとっていない。ばかばかしいことですよ、だいぶ損をしておるわけですから。まことにこれは重大な問題です。ですからこの問題についての政務次官のお考えも……。
#20
○木村(公)委員 その前にちょっと関連があるので、あわせて御答弁がいただきたいと思います。
 ただいまの勝澤委員の御質疑、まことに私も同感でありまして、この問題は前の委員会においても問題になった点でございますけれども、ひとり岡山県だけの問題ではございません。たまたま会計検査院に指摘されたのは岡山県の不正事件でございますけれども、おそらく今日全国の県市町村に公社というものがありまして、これが工場誘致などのために土地の先買いをする。一番ねらう土地はどこかというと、農林省が国費をもって土地改良をやったところを入手すれば一番簡単に土地造成ができるわけであります。住宅にしても、あるいは工場用地としても、その方が埋め立てはすでにできておる、区画整理はできておる、排水もできておる、そういうような土地を安く入手する。自治体そのものではないけれども、自治体の別機関である土地買収公社というようなものが、このごろは全国にない県はほとんどないと私は思います。だれが初めやりかけたのか知りませんが、ほとんど全国各地いかなるところにも公社というものが存在しておって、これが工場誘致の名のもとに、あるいは住宅団地をつくるという名のもとに先買いをする。そして利潤を得ているというような公社もあるわけです。それで一番ねらわれるのは、結局国費で、ほとんど全額負担で行なわれる土地改良の区画がねらわれる。そこで土地改良というものは、どうも農地改良をやって一粒でも多くの米をとることも大事なことであろうけれども、土地改良を行なう地域の問題――今問題になっておるのは、近く合併される、そこを住宅地にしたい、団地にしたい、工場地帯にしたいということが予見される田畑までも国費をもって土地改良をする。そこには政治家が介入して行政官としては断わり切れない場合もありましょう。しかし、それでは国費の乱費どころではない、まさにばかげたむだです。目に見えただれにもわかるむだです。こういうことに対してはおそらく農林省自身もお困りだろうと思う。たまたま会計検査院が指摘されました岡山県の例などは、実に悪質でありますが、しかしそれと同じような例が――土地改良をされることを予見して、それを待って、改良が終了すると同時に公社ができる、買い付けるというようなケースは他にも全国にたくさんあると思う。今は指摘されておりませんが、今後おそらく発見されるものも多かろうと思います。それを未然に防ぐには農林省としては一体どうしたらいいか、まだ私はその根本策があろうかと思うのです。やはり都市に近いところでは土地改良をしないというような方針でありましょうけれども、今なおその点が厳格に行なわれておらないのではないか。近く団地なり工場用地に買収されそうなところに特に国費をもって――全額国費の場合もありましょうし、三分の二国費の場合もありましょうけれども、いずれにしても農林省の費用で土地改良をする、改良するとたんにそれが工場用地や住宅団地に買収される、そうしてその適用手続はあとからあわてて政治家を使ってやる、そんなばかげたことが日本の国にこれから長く続いたならばむちゃくちゃですよ。この点についていかに抜本的に解決するか。私は勝澤委員の質問は非常に重大な問題だと思うのです。この点について明確な方針を一つ伺っておきたいと思います。
#21
○津島説明員 せっかく国費を投じて改良をやりましたところ、それを公社が安く買い入れて工場などに用いるということは、国費の非常なむだではないかというただいまのお話でございます。まことにごもっともなことでございまして、都会地のそばでこれが都市計画に入るような農地、工場にまたすぐ転用されるようなおそれのあるところに対しましては、土地改良をするということはやはり押さえていくようにしなければ、ただいまのお話の通り非常に国費のむだになると私は思います。
 それからもう一つ、近ごろ公社が各県に非常にはやって参りましたが、その性格と申しましょうか、その目的と申しましょうか、こういう面に対しまして、省方面におきましても相当の監視を加えていく、そうしていやしくも営利に走るような場合におきましては、自治省の方においてやはり警告をするということも必要ではないだろうかということを考える次第でございます。
 それから勝澤委員のお話でございますけれども、これはごもっともなことばかりでございまして、いやしくも国の大事な財産でございます。その整理、その処理というものが整っていないということは、国の政治が乱れる原因であると私は思うのであります。しかしながら、この整理というものは、ただいまもお話がございましたが、元来は非常にじみなものでございます。じみであって、その陰にはまた非常にめんどうな複雑な関係がとかくあるのであります。そういうことからして、はなはだこれは申し上げにくいことでありますが、どうしても係の者の意欲が鈍るというようなことは、私はあり得ると思うのであります。率直に申し上げまして私はそういう感じがいたすのであります。しかし、そんなことではならないということは、ただいま勝澤委員から十分御指摘でございました。それをやりますには、やはり人員の面、――非常にこれは経費がかかる仕事でございます。思ったよりも私は手がかかる仕事だと思うのであります。従いまして、現在の人員ではやり切れないのではないだろうかということを率直に感ずるのでありますが、りっぱな、意欲のある、熱心な人員を増しまして――しかし人員ばかりやりましても、意欲が伴わなければこれもまたできぬのでありまして、こういう面につきまして十分に今後は注意を払い、私どももまた大いにその責任を感じまして、善処を申し入れたいと思うのであります。実際お話の通り、今日までこの面に対しましては、確かに農林省といたしましても欠くるものがあったというふうに私は率直に認めざるを得ないのでありますが、その救済の方法につきましては、これから特に万全を期するように進めたい、かように考えておる次第であります。
#22
○勝澤委員 あまりあなたが私と同じようなことを言っていると、ものは解決しないと思うのですよ。そのうちあなたもおやめになるし、また責任者もだんだんかわってくるわけですから。しかしこれはじみでもやはりやらなければいかぬですよ。やらなかったらこれは使い得です。これは金を少しかけたって、人をたくさん使ったって、もうかる仕事なんですから、ただで貸しておるやつから金をとるのですから、そして国が要らなかったのを買ったのですから、それはもとの人に返す仕事なんですから、こういうことを正していかなかったならば、農林省の役所で持っているものは、もうやたらに使っても使い得なんだ。これは徹底的に調べていけばいくほどいろいろな問題が出てくると思うのです。これは考え方によれば、一体手続上からいって不備な点から処分をしなければならぬとか、犠牲者とか、そんなものも出るかもしれません。私はそういうことは何も好んでいるわけじゃないが、こういうことをほうっておいてはいけません。会計検査院が言ったってやらないし、決算委員会で言ったってやらないし、どうなるのですか。それだったらもう無法地帯ですよ。そういうことではいけないのです。あなたが言いましたように、確かに人手も足りない。私もそう思います。じみな仕事ですから、なかなかこういうのに手を出す人も少ないと思うのです。しかしそれをやらなかったらどうなるか。この農地の問題というのは、十何年たった今日もなお戦争直後と変わりがない。これでは国民に申しわけがない。この点は決算委員会で特に言われたのだから、農地の方の人をよこせ、予算をよこせ二年か三年がんばれば、今度はその逆になるのだということをよく説明して、一つ大いにやって下さいよ。それだけ申し上げておいて次の問題に参ります。
 次の問題は、今、木村委員が言われましたが、これも常識で考えられないことです。これは未開墾地の売り払いの問題です。これを売るときに法制上疑義があった。だからこの取り扱いでいいのかどうかといろいろ検討されたと思う。検討された結果、現在の法律では仕方がないということで、かかった金も回収できずにおった。こういうふうに説明がなされているわけでありますが、その点を一つ簡単に御答弁願いたい。
#23
○富谷説明員 ただいま御指摘のございました事案は、千葉県八幡浦干拓地のお話でございます。これも私ども法律を運用するにあたりまして、あまりにも知恵がないようにお感じになったことと思うのでありますが、実は農地法の八十条に、買収しました土地の売り払いの規定がございまして、農林大臣は、この買収した土地を売り払う場合には買収前の所有者に売り払わなければならない。その場合の売り払い対価は、この買収の対価に相当する額とするということでございます。これに加算し得るのは有益費だけということになっております。有益費と申しますと、たとえば土地改良の場合の水路をつくったとか、排水施設をつくったといったようなものでございまして、その後の土地の値上がりその他ということは考慮する要因になっておりません。これはもともと買収いたしますときに、強制的に国が定めました対価によって買収したようなわけであります。時価の買収ということをいたしておりませんものですから、それを引っぱりまして、こういうような規定ができておるような次第でございます。この案件につきましては、もともと坪当たり二円何がしで買収しましたような土地が、その後国が埋め立てを行ないまして、時価としましては数千万円にまで達した。それを法律の規定通りにもとの二円何がしの買収価格で旧所有者に売り払ったという点でございます。ただいま申し上げましたような法律の適用をいたしたわけでございます。これをしいてと申し上げますと失礼でございますが、しいてやりますれば、前回当委員会で私どもの農地局長が申し上げましたように、その埋め立てしましたもので一つ買ってくれということを国が申し入れるわけでございます。そういたしますと、旧所有者は、原状回復の請求ということができるわけでありまして、常識から考えますと、りっぱに土地を造成してくれたものを、もとの砂浜にしろというようなばかなことは要求するわけはないのでございましょうけれども、原状回復ということを向こうに突きつけられますと、国としては一言もないというようなわけになりますので、前回農地局長が申し上げましたように、国がたとえば時価の二千万何がしで買ってくれというこを申し入れましても、旧所有者は、それでは困るということで、農地法の規定をたてにとりましてがんばるわけでございます。そこでまた国が負けてしまうということになるわけであります。この点の法律改正と申しますことはなかなかむずかしいので、現在一生懸命研究はいたしておりますけれども、御趣旨に沿うような改正ということはなかなか困難なようなことでございます。
#24
○勝澤委員 二十六年の三月に十七万九千円で買ったやつを、四千八百四十一万円も国の税金で金をかけて、今一億五千七百万円もするようなものを十七万円でまた売り戻したというのです。これは法律がその通りになっているから間違いありませんということが通用するのが不思議でしようがない。先ほどの話は、法律できまっておるのを無断で使用させて、学校が建っている、運動場になっている、知らぬ顔をしている。法律できめてあるにもかかわらずほったらかしているのです。片一方は、法律でこうなっているから――今時価が一億五千七百万円しています、実際には四千八百四十一万の税金をかけました、――十七万円では回収もできません。これは常識の問題だと思います。どうも常識が通らない法律なんというのは、私は見て驚くわけですが、こういう事実がこのとき指摘をされながら、また岡山でこれと似たようなことが起きている。これまで何も対策をしていない。これはどういう理由なんですか。
#25
○富谷説明員 岡山の場合はこれは多少事態が違うかと存じます。それは千葉県の八幡浦の干拓地の場合には旧所有者に売り払ったという問題でございますけれども、岡山県の場合には、これは一応農耕地として入植者に売り払いまして、入植者がこっちの売り払いを受けると同時にすぐ他用途に高く転売するようなことをしまして、国が多額の国費をかけて農地を造成したにもかかわらず、その目的が達せられなかったという事態でございます。これも先生十分御承知だと存じますけれども、岡山県の場合、入植者が土地の所有権を取得しましたのは、それこそ三十六年でございますが、それ以前に一部、干陸、つまり土地ができておりましたので、そこに入植者の適格証を発行しまして、それぞれ一時使用をさしておりまして、入植者としましては、当然自分のものになるというような意識で三十三年からやっておったようなわけでございます。たまたま私どもの不明がございますわけでありますが、その後におきまして、あの岡山県の水島地区が非常に工業用地として大発展をしたというような事態がございましたものですから、ただいま申し上げましたように、私どもが三十三年に入植者に配分した土地が三十六年に至って転用されるというような事態を生じたわけでございます。これは先ほど木村先生からも御指摘がございましたが、現在同じようなおそれのある地帯が必ずしもないとは申せません。正直に申し上げましてございます。千葉県の長浦という地区が、実は臨海工業地帯でこの八幡浦に接続いたします地区でございますが、この配分も近々のうちにやらねばならぬ情勢になっておりますけれども、また、配分した、すぐ農耕をやめて他用途に高く転売されるというようなことになってはつまりませんので、今のところ、県知事、農耕者、それぞれから、農耕以外の目的には転用しませんという一礼をとりまして、今後そういう国費のむだということが起きないような十分な保証を得た後に配分をするというような方向で進んでおります。
 なお、立法措置でそういうことが起こらぬように、かりに起こったような場合には、国が投じました国費を当然転用する人間から償還させるというような道を講ずべきであるという御意見、まことにごもっともでございます。この点につきまして、立法技術上いろいろむずかしい点もございますけれども、極力御趣旨に沿いますように、立法措置の面からも現在検討を続けておるわけございます。行政措置といたしましては、ただいま申し上げましたように転用をしませんという一札を農耕者、県当局からそれぞれとってやりたいというように考えておるわけであります。
#26
○勝澤委員 私は、これと似たような事件が今後まだまだ起きてくると思うのです。それが表面に出てくる出てこないは別問題として。しかし、基本的に考えてみれば、三十三年ごろ、せめて会計検査院から指摘されたときごろ、一体これからどうなるんだという全体的なものの考え方をきめてすればよかったものを、こういうものがちょこちょこ出てきて、それで極端なものの中で初めて今批判を浴びていると思うのです。このことはもう少し考えねばならぬことだと思うのです。政務次官、そこに私は政治家の任務があると思うのです。政治家が役所の人たちと相談しながらその方法をきめてやらねばいかぬと思うのです。役所の者から言えと言ったって、なかなか――小さくなるのですから、減るのですから、やろうとするやつをやめるわけですから、それは国全体からものをながめることを政治家がやってやらねばいかぬと思うのです。一農林省の問題でなくて、国全体からものを考えるということを政治家がやってやらなければ、これは何も役に立たぬと思うのです。当時の大臣はどなたがやっておったか知りませんけれども、力のある人、ない人というような問題じゃないのです。ものの考え方です。ですから、こういう常識にはずれたことが堂々とまかり通るというのは政治の貧困というか、われわれの恥部をさらけ出したようなものです。二十六年に十七万で買いました、税金を四千八百万投じました。そうして十七万円で売りました。大へんなことですよ。一生懸命埋め立てをやりました、農地ができました、できたら、これは農耕地になると思ったら工場が建ちました。国が税金をかけてやっているのですから、こんなばかばかしいことはこの際検討せねばならぬ。こういうことが続く限り、それは政治の全体が私は物笑いになると思う。この二つの問題は十分検討されて、重点的にものを考えるようにしていただきたいと思うのです。これは先ほど私が言いました問題とくるめて、ここ一、二年の間に十分な検討をされて方向をきめていただきたいと思う。
 それでは次の問題に私は移ります。次は指摘されている一三三というのです。これは林野庁ですが、これも実は驚くようなことなんですけれども、三十五年三月十九日に二百四十六万六千八百八十五円で買ったものを四月一日に三百六十五万六千五百四十七円と評価して交換をしている。わずか十日の間で百十八万九千六百六十二円も値上がりさして交換をしている。ここも少しよくわからないのですけれども、これはどういうことでこういう違いをしたのでしょうか。
#27
○吉村説明員 お答えを申し上げます。これは帯広営林局で昭和三十五年の十二月に、同局の所管の普通財産の土地でございますが、一千二十七坪及びその地上にあります建物六むね三百二十四坪と、同局の職員宿舎の建設敷地といたしまして適当な相手方の持っておりました七百七十五坪とを交換したものでございます。この交換の承諾は昭和三十五年四月にいたしておるのでございます。それで交換の事務の通常の進め方といたしましては、実際の交換契約の時点で、それぞれの財産につきまして、公正な第三者の鑑定価格を徴して双方適正な時価で交換をする、こういう了解のもとに進めた次第でございます。評価の方法といたしましては、同局では固定資産税及び相続税課税基準価格、それから民間の売買実例等をもとにして算定をいたしますとともに、別に帯広財務部に鑑定を依頼いたしまして得た価格とを比較いたしまして、適正な価格を評定価格といたしまして三十五年の九月十一日に予定価格を決定いたしたものでございます。相手方と折衝を重ねました結果、相手方から差金として四万五千何がしを収納をすることに話がまとまりまして、交換契約を結んだのでございます。評定をいたしました時点といたしましては昭和三十五年の九月十一日にいたしたものでございます。
#28
○勝澤委員 会計検査院の方の御意見をちょっと聞かして下さい。
#29
○宇ノ澤会計検査院説明員 会計検査院といたしましては、本件はなるほど評価時点で交換するということで、ただいま林野庁の方から御説明があった通りでございますけれども、現実に交換する際に、その分譲地域内にこれと同じ程度に利用できる土地が未処分のままあるではないか、むしろここで百万円も差額が出るような評価をして交換するならば、その近傍というか隣地に未処分の土地があるのだから、もっと安い価格でその土地を買った方が国費の使い方としては適当ではないか、こういう見解に立っているわけです。
#30
○勝澤委員 そこで見解が違うのですが、あなたの方の答弁書も今の検査院のとだいぶ違った答弁書が出ているようですが、その点について……。
#31
○吉村説明員 私が申し上げましたのに関連をいたしまして、第四局長からの御意見があったわけでございます。私どももその点やはりもう少し慎重に配慮をすべきであったということを反省をいたしておるのであります。と申しますのは、この交換にせずにやはり予算を計上して、買うべきかどうかということを、もう少し慎重に検討しなければならなかったのじゃないか、今後はさような点につきまして、特に慎重な配慮をして、かようなことのないようにいたしたいというように考えておる次第でございます。
#32
○勝澤委員 これは交換をした相手方と局の方との関係は何もなかったのですか。
#33
○吉村説明員 この問題につきましては特にございませんが、この相手方は北海炭素株式会社と申しまして、木材の関係もございます。
#34
○勝澤委員 だから、結局北海炭素というのは、いつもここの局と関係があったから、ほかにも土地もあったけれども、とりあえずここをやったということになるように思うのです。
#35
○吉村説明員 その点でございますが、帯広営林局の当時の判断といたしましては、かような土地の取得に要します予算が、非常に窮屈な時期でございます。現在もそうでございますが、当時も非常に窮屈な時期でございますので、おそらく本庁に要求をいたしましても、新たに土地を取得する予算というものはほとんど不可能ではないかというような判断に基づいて、たまたまそういうような土地があるからというようなことを聞きまして交換をいたした、片方その交換をいたします土地は、国有地としては不要の土地でございますためにさようなことになったのでございます。
#36
○勝澤委員 今、予算との関係、いろいろあると思うけれども、やはりそこもものの考え方だと思うのです。これはこれ以上申し上げませんけれども、どこでも起きる問題です。しかし、これはやはり国全体としてのものの考え方を変えていかなければ、こういうことが起きるでしょう。
 次に、一三五のことですけれども、これも三千六百八十六本の木を売ったけれども、それ以外に三千三百五本余分に、不法に伐採されたということなんですが、これは発見をしたのはいつなんでしょうか。
#37
○吉村説明員 これは発見の動機はこういうことになっております。昭和三十六年四月二十四日にこの山を管轄をしております金木営林署で傘下の警防協議会を開催をいたしましたところ、そこでうわさを聞きまして、それで直ちに調査を開始いたしまして、五月十八日に、盗伐の事実と、それから被害数量の概要を把握をいたしたのでございます。
#38
○勝澤委員 会計検査院の方は、結局その結果について報告があって、ここに指摘された、こういうことですか。
#39
○宇ノ澤会計検査院説明員 その通りでございます。
#40
○勝澤委員 これは、こういうことを言ってはなんですけれども、よくこういう話を聞くのです。三千本売って六千本切られたという話を私もときどき聞くわけです。極端な言い方をすると、選挙の一年くらい前になるといつもこういう事件が起きるという話を聞いて――こういう言い方はいいかどうかわかりませんけれども、これこそ私はあれだと思うのです。結局不当にこういうことをやった業者は林野庁が相当な処分といいますか、そういうものをされると思うのですが、それはどういうふうにされましたか。
#41
○吉村説明員 営林署それから担当区主任、これは司法警察権を持っておりまして、捜査をいたしまして検察庁に送検しております。送致人員が百七名、そのうち有罪の確定いたしましたのが罰金七十一名、懲役二十名、公判中六名、中止が一名、不起訴八名、未定が一名、かようになっております。この事件は、非常に奥地で積雪が多いところでありますことと、それから地元の部落に自家用に売り払いましたために、関係者が非常に多く出て参りました。私どもまことに遺憾に存じておる次第でございます。
#42
○勝澤委員 結局青森県製材協同組合連合会とか、それから青森県北津軽郡金木町新岡某外八十五名、この人たちについては、営林署は一切材木取引はしない、こういうようなことはされたんですか。
#43
○吉村説明員 その点につきましては、私どもとしては、さっそくそういうような措置をとりまして、処分をいたしておらなかったのでございますが、その後検察当局あるいは地方の関係の方々、これは地元の部落民が多いわけでございまして、それを薪炭それから自家用の復旧用材、そういうようなものを一切供給をしないということになりますと、またまたこういう事件が頻発をするということになりますので、今後そういうことのないようにして処理をしていかなければならないと思っております。
#44
○勝澤委員 そうすると、たとえば青森県製材協同組合についても処分をしていない、こういうことですか。
#45
○吉村説明員 当時青森県製材協同組合でございませんで、この関係は、その下部団体であります個々の地方の協同組合でございます。その当時一切処分は停止しております。それでその後の取り扱いについて、今私ちょっと資料を持っておりませんが、それは調査をいたしたいと思います。
#46
○勝澤委員 とかくうわさの出ることで、私も笑い話にこうして判を押してまたこうするというような話まで聞いたこともあるようなことでして、それがたまたまここで指摘をされておる。そして代々林野庁長官というものは、いつも最高点で当選をされるという話をあわせてみますと、大へん残念なことだと思うのです。そういうものを見のがしている職員は当然のことだと思いますけれども、やはりそれに結びついているといいますか、一緒になって行なっている業者についても、相当強い態度で臨まなければならぬと思うのです。国有の材木を相手にしている業者というのは、こういうことをしたために国有林の払い下げが不可能になったのだということにでもしない限り、やはりそれは続くのじゃないか。それはなぜかというと、人手が足らないものですから、そういつも見ているわけにはいかない。やはり信用して払い下げをしているでしょうから、そういう点は十分検討していただきたいと思います。
 それから次に、一五四から二一七でございます。これは公共事業に対する国庫補助金でございますが、特に今度の三十六年度の決算結果の報告でも、やはり災害が多かった、そのために批難事項が多くて、そして金額も多くなった、こういうことがいわれているようでありますが、そういたしますと、これも災害にかこつけて、事故を大きくして直すというような、映画に出てくるようなことが現実に今なお行なわれている、こう言わざるを得ないと思うのですが、これらについては、関係の個所は、こういうことが起きたことに対して、むろん原状に返すなり、あるいは不当のものは返してもらうなり、あるいは不足分については工事のやり直しなどをさせているようでありますが、それらの業者についての取り締まりといいますか、そういうものはどういうふうに行なっているか、一つ関係の個所別に御説明願いたい。
#47
○吉村説明員 それでは林野庁関係のを申し上げたいと思いますが、林野庁の関係といたしましては、一五五、一六四、一六五、一六六、二〇五、二〇六でございます。そのほか林道関係で一六二、一七一、一七八、二〇二、二〇三があがっております。これらはただいま先生のお言葉にもございましたように、すべて出来高不足の手直し等を完了をいたしております。中で一つ一六二号につきましては、これも減額済みでございます。これらはすべてそれらの業者が手直しをしておるわけでございますが、私ども、かようなことを故意にいたしますような業者は、もちろん信頼が置けないわけでございます。従いまして、さようなことのないように県の方を指導いたしておるわけでございますが、これらの工事は、それぞれ県で実施をいたしましたために、その後それぞれの業者に対していかような処置をいたしておりますかを、まことに遺憾でございますが、今調査をしたものを持っておりませんので、お答えをいたしかねている次第でございます。かようなことをさらに繰り返さないように指導をいたして参りたいと存ずる次第でございます。
#48
○富谷説明員 農地局関係は一五八号以下、総件数で四十一件の御指摘を受けております。その後の処理状況を申し上げますと、補助金返還が二件でございまして、これは二件とも完了いたしております。それから手直し工事が残り全部でございますけれども、このうちで――手直し工事は全部で三十九件でございますが、このうち三十四件はすべて、完了いたしました。残り五件につきましては、来年早々には完了する見通しが立っておるのでございます。
 それから不正な工事をいたしました請負業者その他の取り扱いに関しましては、これは主として大部分が団体営工事でございますので、私農林省の直轄ではございませんけれども、問題を起こしました請負業者に関しましては指名からはずすその他の処置を、従来は国営事業につきましては、一般的にとっておるようなわけでございます。
#49
○天野説明員 水産庁の漁港関係で指摘を受けたものは十二件ございます。道が三件、県が五件、市町村が四件、十二件でございます。これはいずれもコンクリートの配合不良あるいは出来高不足等の指摘でございます。県工事はいわゆる県営でございますが、市町村工事につきましては、県に監督をさせておりますので、業者の選考に関しましては、県営工事については県のそれぞれ業者の指定基準あるいは選考基準等がございますので、それらをいずれも提出を求めて調べてみましたが、その基準に厳重に従うよう私どもは指示いたしております。なお、市町村に関しましては、現在調査中でございまして、全部資料が手元にまだ参っておりません。
 以上のようなわけであります。
#50
○勝澤委員 その次の二一八号も、災害復旧事業費の査定額を減額させたもの、こういっておりますが、これは会計検査院にお尋ねしたいのですが、これは会計検査院の方が調べてこういうのが出てきたのですか、それとも相当事業官庁でやられた結果こういうものが出てきておるのですか。一五四から二一七までの関連で全体的に御答弁願いたいのです。
#51
○宇ノ澤会計検査院説明員 ただいま御指摘のありました一五四から二一七の公共事業に対する国庫補助金等の経理当を得ないものと、二一八号、災害復旧事業費の査定額を減額させたもの、これはいずれも本院で実地に検査して指摘したものでございます。
#52
○勝澤委員 そうすると、会計検査院で指摘されなければ、これはそのまま通っておった、こういうふうに理解してよろしいですか。
#53
○宇ノ澤会計検査院説明員 指摘したものが、もし指摘をしなければこのまま全部通っておったかどうかということでございますが、その点につきましては、もし当局におかれまして、あるいは事業主体などにおかれまして、本件で指摘した工事に対しまして内部監査なり指導監査をやられて発見された。もし検査院が指摘しなければ、あるいは発見されることがあったかどうか、その点はちょっと何とも申し上げかねます。
#54
○勝澤委員 これは私は大へん重大な問題だと思うのです。補助金とか交付金とか、こういうものが多くなればなるほど、こういうことが起きてくるわけですから、そうしてその起きる率は、災害が多くなれば目が届かないから出る、こういうことになったわけでありまして、その点が三十六年度に膨大になってきたということなんです。これはやはり私はきっちりしなければいかぬと思うのです。まず国が、県あるいは市町村に対する監督をきっちりして、こういうような事実が起きたところについては、やはり何らかの次の機会における決算に現われた状態というものを予算の上に現わすということは当然のことだと思うのです。悪いことをしても、それが積み重なっていっても、別に損がないというようなことは、悪いことをしないやつはばかだということになるのですから、これは考え直さなければならぬ。それを県や自治体に対しても業者についてきっちりやらせなければいかぬと思うのです。もしきっちりやらせることができないというなら、そこに私は問題があると思う。監督しなくても十分な工事ができるような業者を選ばなければならぬと思うのです。そうしてまた、それでもうからないようでしたら、採算がとれる計算をしてあげればいいと思うのです。向こうも一つの事業をやっているのですから、だから十分な必要な予算を与えておいて、それでなおかつ不正があったら徹底的に取り締まる、そういう業者というものは締め出すということをしない限り、いつまでたってもくされ縁が続いていくと思うのです。ですから、私は一つ検査院の方でも、これはお考え願いたいと思うのですが、検査院の権限であるかないかよくわかりませんけれども、こういうものを今後起こらなくさせるためにはどうしたらいいのか、特に悪質なものについては、何か法的な措置といいますか、行政的な措置を考える方法というものはどうだろうか、その基準というものはどの辺で引いた方がいいだろうか、こういう点を御検討願いたいと思う。そうしなければさいの川原なんです。たとえば一つの問題を取り上げて、調べてみればわかる。私も実はいつか行政管理庁で指摘されていってみました。いってみれば、その業者が請け負って工事ができないから、その下の業者へやって、その下の業者がその下の業者へやっているわけです。何も資格がないのですよ。二、三人使っている土方ですよ。そんなのが仕事ができるはずがない。ここがやっているのを県庁が知っているかといえば、ちゃんと知っているのですよ。一千万の仕事をここで八百万でやらして、八百万でもらったやつを今度はここで五百万でやらして、一千万円の金をここで二百万天引きして、ここで三百万天引きして、下は五百万でやれないのはきまっているから、手抜きして三百万か四百万でやっているわけです。これがこの中にずっと累積されているものだとは言いませんけれども、常識以外のものがたくさん入っているわけです。やはりそれは商業道徳からはずれるものだ。そういうことを一回やったらそれで終わりなんだ。そういうことを示さなければいけないと思うのです。雨後のタケノコのようにたくさん業者が出てきていますけれども、大手でも同じことだと思うのです。特に東海道新幹線で汚職が起きた。起きたときに国鉄が半年くらい大手をとめたことがあります。しかし、それくらいのことを農林省だって、建設省だって、これはやるべきだと思うのです。やらなければ、こんなことをいつまでたっても繰り返していくと思うのです。ですから一つ検査院は指摘するばかりの仕事かもしれませんけれども、やはりある程度積極的にそういう意見も、個人的でもけっこうですから、われわれに教えていただいて、そういう法律、立法的なものについても協力願いたいと思う。それから政務次官もぜひこういう問題は、ここで三十五年度でこれだけふえて、三十六年度でふえてきている実績があるわけですから、やはりこれは農林省だけではないと思うのですけれども、しかし、農林省だけのことではないから、建設省とあっちこっちと相談するというよりも、農林省だけがきっちりやればいいんです。農林省がきっちりやれば、ほかも自然とやっていくわけですから、ここに出ている町村や、あるいは不正工事をやった業者なんかは、一回県庁に照会して調べる。そうして原因をしっかり出させる、答弁書も出させる。ここらくらいまでは、やはり金を出している手前、やってもらう。そうしてそれについての対策を、どうしたらいいかということをやっていただきたい。その点、政務次官どうでしょう。
#55
○津島説明員 農林関係の企業が、しばしばこういう指摘を受けるのが非常に多いということは、はなはだ遺憾でございます。私としましても、胸裏におきましていたくこれを感じておるのであります。ところが、これに対しましては、やはりこれは補助率の問題がございまして、地元負担が重いというようなことも私は一つの原因であると思うのです。そのほかにまた、事業主体は往々にして団体というのがございます。そういう面からいたしまして、とかく農林省の工事はこういう問題が多いように思いまして、非常に残念でございます。しかし、単に多いのを残念がっておるということではないのでありまして、だんだんにその方法を改めて参りますれば、私は今日よりもずっと成績を上げ得るというふうに考えのであります。
#56
○勝澤委員 政務次官、今度補助金の関係で指摘されている県やあるいは自治について、もう少し起きた現象についてとらえていただいて、そして業者もしっかり調べてもらって、一体どこに原因があったのだということをお調べになっていただきたい。できればその調べたものを、どうせ三十六年度のときに――また農林省はこれ以上出ているようですから、そのときにもう一回伺います。そのときの参考にしたいので、そのお調べをやっていただきたい、こう思うのですがどうですか。そしてそれについての対策も、今あなたが言われたのも一つの原因だと思うのです。しかし、やはりそれを解消するようにしてやらなければいかぬと思うのですから、そういうところもあわせて出していただきたい、こう思うのですが、どうですか。
#57
○津島説明員 お言葉の通り、調査を各府県から精密に取ることにいたしまして、この解消にだんだんに努力をし、またいろんな工夫をして参りたいと思います。
#58
○木村(公)委員 ちょっと関連して。今、勝澤委員から、いろいろ会計検査院の指摘事項がこの場の問題になっておりますが、もうそろそろ申し上げてもいいのですけれども、これは大へんなことで、ひとり農林省だけじゃございません。農林省において土地改良をやるとか、あるいは林道をつけるとかといういわゆる建設部の所管の工事、あるいは林野庁の関係では国有林の払い下げ、建設省にはことに多いように思いますが、農林省関係でも地方の事業主体あるいは地方の自治体の長、あるいはそれに関係しておりまする公選された議員なども、腐りに腐っておると申しますか、実に驚くべきことがこのごろは全国的に行なわれておるのです。たとえば一つの例を申ますと、来年は統一選挙で知事選挙がございますが、知事選挙に際して、保守党仲間でも反対の候補者を出すような府県が必ずしも少なくないわけです。それをいろいろわれわれが本部で事情を調査してみると、おおむねは三選も四選もやっておりますと、知事そのものにはあるいはあかはつかないかもしれぬけれども、その周辺の者が知事を利用しまして、一番初めに結託するのは土建業者なんです。これは農林省関係においても、建設省関係においても、必ずきまっているのです。そうして知事の周辺の議長をやっておる者とか、あるいは土木部長をやっておるというような者が土木業者と手をつないで、そうして指名等に際して口をきいてリベートを取ったりして、その金で県会議員を買収するとか、あるいは市町村会議員を買収するという、腐りに腐り切っている例は枚挙にいとまがない。私は本部で、全国のそのことをいろいろ聞きまして、いかにも深憂にたえない。それから、ここに林野庁の長官を前にしてはなはだ恐縮ですが、林野庁長官が全国区でお立ちになれば、ほとんど最高点なんです。だれが一生懸命やるのか、みんな業者なんです。材木業者が国有林の払い下げに直ちに関係があるとは言わないけれども、そういうようにまず業者が先頭に立って中核体となってやる。こんなことは、先ほど勝澤さんから、日本の恥部というお言葉がありましたが、まさにこれは全国区議員における得票のあり方、これも日本の恥部です。それから今日選挙を契機にして、いろんな恥部が現われておる。ことに来年の統一選挙を前にして、われわれが中央から見ておりますと、地方でいろいろな醜悪きわまりないことが行なわれておる。しかし、その一番根幹をなすものは――あらゆるところに恥部はあります。あらゆるところに醜悪な根源はあるけれども、子供が見てもははあとわかることは、地方では農林省関係、建設省関係、厚生省関係の下水道あるいは上水道もそうです。たとえば聖成君が全国からたくさんの違反を出して最高点でいくと思ったが、これを応援する中核体はどこにあるか。私はここに速記に載せてまで内輪を申し上げる必要はないが、あの様相を見ても、いかに上水道工事、下水道工事というようなものが利権にからんでおるかということがわかる。これは聖成君の責任ではありませんよ。聖成君の所管の末端に至るまで腐り切っておるということです。環境衛生局という毛のが末端に至るまで腐り切っておるということです。ひとり農林省関係だけではございません。幸いきょうは会計検査院からもいらっしゃるし、そしてここに良識ある国会議員もいらっしゃいます。特に津島さんは有名な廉潔の方ですから、あなたの政務次官のときに、これをもう少し身にしみてお調べをいただいて、何か根絶の道はないものか、方法論を一つお考えをいただきたいと思うのです。こんなことを申し上げると、与党で何だとおっしゃるかもしれぬけれども、今日の様相はいかにもひどい。これはおそらく長官でもおわかりだと思うし、ここにおられる方は各党のトップ・レベルの方ばかりですが、全部知っておりながら何ともならない。どうしていいかと迷っていらっしゃるのじゃないかと思う。もうそろそろ抜本的に各省が考えないと、これは大へんなことになるのじゃないかと私は思いますので、一言政務次官を前にして特に申し上げたいと思うわけです。
#59
○津島説明員 だんだんお話を承りましたが、まことにごもっともでございます。政治と業者との結びつきにまずいものがありますと、政治が乱れるのであります。よく承知をいたしておるのであります。
 そこで、一体この入札でございますが、入札の制度というものはほんとうにこれでよいか、指名を選考する場合、それからでき上がったものに対する一つの評価と申しますか、採点と申しましょうか、そういうような方法はこのままでよいのであるか、そこに私はいろいろ工夫があると思います。そういう一つの技術的な面からでもこれをただしまして一歩前進させるということは、やりようによってはそれほど困難なことでもない。せっかく検討してだんだんに完全な、国民、県民、市町村の人々から疑惑の目をもって見られないような一つの方法を考えていくべきではないかということは強く考えておる次第であります。
#60
○勝澤委員 それでは私、最後に材木の関係について少しお尋ねしたいのです。
 三十五年から三十六年の秋にかけまして木材の価格が相当高騰いたしまして、従って紙、パルプの価格あるいは住宅建設等の材木もまた価格が上がったなどという悪循環になって、林野庁の木材増産計画を改定して、緊急対策を実施されておるようでありますが、やはり依然として木材が不足しているという状態は変わっていないように思うのです。しかし、価格が少しずつ安定してきたというのも、この対策が功を奏したということも言えるでしょうけれども、まだ不十分だと思うのですが、林野庁として、国有林の経営を通じて、長期的に木材市況の安定をはかるために、今後どういうふうにお考えになられておるかという点についてお尋ねしたいのですが、林野庁の仕事は、国土の保全やあるいは森林資源の培養というような重要な使命もあるわけでありますが、これらと考え合わせて一つお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#61
○吉村説明員 木材の需給の問題について概要を御説明申し上げたいと存じます。
 ただいま先生の御指摘のように、一昨年から昨年の夏、秋近くにかけまして、木材が異常な高騰をいたしたわけでございます。それに対応いたしまして、私ども木材の需給の安定のために緊急対策を講じまして現在に至っておるのでございますが、当時のピーク時の価格に比較いたしますと、おおむね一割ないし二割、ものによって違うわけでございますが、その程度の下降状態を示しまして、ただいま横ばいと申しますか、安定の状態になっておるわけでございます。しかしながら、かような情勢がいつまで続くかということもはかりかねないわけでございまして、御指摘のように、依然として需要に対して供給の不足ということは続くかと存じておるのでございます。幸いかような現状のような状況が実現いたしましたのは、国内の木材の増産と同時に、木材の輸入が非常に増強をされたということになるかとも思うのでございますが、三十六年度の集計を見ますと、一千万立方メートル、その前年が六百五十万立方メートル程度の輸入でございますが、それが一千万立方メートルに上がりまして、かようなところで非常に力があったかと思うのでございます。将来にわたりましては、やはり森林の、ただいま仰せのような国土保全その他の公共的な使命とあわせ考えまして、森林の生産力の増強ということを計画しております。その一番大きな点は、成長の旺盛な人工林を増加をして参る。ただいま約五百七十万ヘクタール余りの人工林を、将来一千万ヘクタールにふやしたいということで、ただいま着々その計画に沿って実施をいたしておるのでございます。それが実現をして参りまして、将来――まことに気の長い話でございますが、完成をいたしますのは三十五、六年後になると思うのでございます。それが完成をいたします暁には、今後輸入を今の倍程度にふやさなければならぬ時期が二十年後くらいに一時参るのでございますか、その後国内の森林資源の増強ができて参りまして、輸入を現状から二、三割程度ふやしたところで国内で需給がまかなえるというような状態になるかと思うのでございます。木材の価格は、需給に関連をいたしまして、他の物資と比較いたしますと、非常に弾力性が少ない。従いまして、やはりこの需給の面で特に配慮をいたさなければならないというように考えるのでございます。この資源政策の面からは、人工林の拡大、それから現在三分の一は未開発のまま残されております奥地林の開発をいたしますために、林道を約十万キロメートル近く開設をして参らなければならぬというようなところに大きな問題点もございますし、努力をしなければならぬ点があると考えておる次第でございます。
#62
○勝澤委員 最後に、国有林の販売といいますか、払い下げといいますか、この関係をよく見てみますと、大体七割くらいが指名あるいは随契というようになっておるようでありますが、値段も、どうしても地元の産業を保護するということで幾分安くなっておるようでありますけれども、そのやり方というものは、相当厳正に行なわれなければならないと思うのです。そういう点から考えてみますと、販売のやり方といいますか、業者の対象、選び方、それから立木とか生林の価格の算定の仕方、あるいはまた立木あるいは素材、木炭、まきについても、販売の方法、数量、こういうものについてはどんなふうにおやりになられておりますか。
#63
○吉村説明員 国有林の産物の販売でございますが、販売の相手方を選びまして、その数量を決定するというような手続につきましては、詳しいものができておりますが、きょう手元に持っておりませんので、概略を申し上げますが、国有林材は、随契で売り払いをいたします場合には、地元の製材業界ということを主眼にいたしております。それから予決令その他の規定によりまして特別の産業のものに要する、こういうものはそれぞれの事項別に随契ができることになっております。それから指名競争につきましては、これはなるべく広い範囲でこの競争が目的を達しないことのないように、指名者、相手方を選ぶというような方針で、これも基準ができております。先般の予決令の改正に伴いまして、私どものこの産物の販売につきましては、さらに合理的にできるような体制になるかと考えておりますので、その点もただいま改善をいたすように努力をいたしておるところでございます。
 それから価格の問題でございますが、価格は申すまでもなく時価でございます。この時価の選び方は、それぞれ各地方に市況調査委員会というものができておりまして、その意見を聞き、さらに営林局、営林署に担当の調査員がおりまして、これが市況の調査を常時いたしております。それによってその市場の価格を把握いたしまして、それから逆算をして参りまして立木にまで及ぼす、こういう形になっておるのでございます。従いまして、非常に高価なことはないわけでございますが、異常な需要者の入ります一般競争入札、これは直接需要者というものが入る機会が非常に多いわけであります。従いまして、そういうところの競争率に比べますと、若干安いということはあるかと思うのでございますが、その点では販売のそういった手続をいたしますものも、それぞれ内部牽制ができますように担当を分けておりまして、売る者、調べる者、それから現物を調査する者、それぞれ四つくらいに分かれておりまして、不正あるいは不当なことのできないような機構にはいたしております。しかしながら、なかなか十分でない事態も起きかねない状態でもございますので、さらに常時注意を促しまして、そういうことの起こらぬように、正常に進めますように努力いたしておる次第でございます。
#64
○津雲委員長 農林省所管決算についての本日の質疑は、この程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十一分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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