くにさくロゴ
1961/10/13 第39回国会 参議院 参議院会議録情報 第039回国会 本会議 第8号
姉妹サイト
 
1961/10/13 第39回国会 参議院

参議院会議録情報 第039回国会 本会議 第8号

#1
第039回国会 本会議 第8号
昭和三十六年十月十三日(金曜日)
   午前十時四十一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第八号
  昭和三十六年十月十三日
   午前十時開議
 第一 社会保険審査会委員の任命
  に関する件
 第二 労働保険審査会委員の任命
  に関する件
 第三 国民年金法の一部を改正す
  る法律案(趣旨説明)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、災害対策特別委員会設置の件
 一、日程第一 社会保険審査会委員
  の任命に関する件
 一、日程第二 労働保険審査会委員
  の任命に関する件
 一、地方財政審議会委員の任命に関
  する件
 一、検査官の任命に関する件
 一、日程第三 国民年金法の一部を
  改正する法律案(趣旨説明)
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(松野鶴平君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
   ――――・――――
#3
○議長(松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 内閣から送付されました「昭和三十六年六月、七月及び八月の水害又は同年九月の風水害を受けた中小企業者に対する資金の融通に関する特別措置法案」その他の災害関係法案を審査し、あわせて、本年発生の豪雨、台風等による被害を調査し、その対策樹立に資するため、委員三十名から成る災害対策特別委員会を設置いたしたいと存じます。御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よって、委員三十名から成る災害対策特別委員会を設置することに決しました。
 本院規則第三十条により、議長は、特別委員を指名いたします。
 その氏名を参事に朗読させます。
   ――――・――――
#5
○議長(松野鶴平君) 日程第一、社会保険審査委員の任命に関する件を議題といたします。
 内閣から、社会保険審査官及び社会保険審査会法第二十二条第三項の規定により、赤松金雄君を社会保険審査会委員に任命したことについて、本院の承認を求めて参りました。
 本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#6
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本件は全会一致をもって承認することに決しました。
   ――――・――――
#7
○議長(松野鶴平君) 日程第二、労働保険審査会委員の任命に関する件を議題といたします。
 内閣から、労働保険審査官及び労働保険審査会法第二十七条第三項の規定により、百田正弘君を労働保険審査会委員に任命したことについて、本院の承認を求めて参りました。
 本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#8
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本件は全会一致をもって承認することに決しました。
   ――――・――――
#9
○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、地方財政審議会委員の任命に関する件を議題とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
 内閣から、自治省設置法第十五条第二項の規定により、今吉敏雄君、荻田保君、児玉政介君、鈴木武雄君、遠山信一郎君を地方財政審議会委員に任命することについて本院の同意を求めて参りました。
 本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#11
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本件は全会一致をもって同意することに決しました。
   ――――・――――
#12
○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、検査官の任命に関する件を議題とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
 内閣から、会計検査院法第四条第一項の規定により、塚越虎男君を検査官に任命することについて、本院の同意を求めて参りました。
 本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#14
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本件は全会一致をもって同意することに決しました。
   ――――・――――
#15
○議長(松野鶴平君) 日程第三、国民年金法の一部を改正する法律案(趣旨説明)、
 本案について、国会法第五十六条の二の規定により、提出者からその趣旨説明を求めます。灘尾厚生大臣。
  〔国務大臣灘尾弘吉君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(灘尾弘吉君) 国民年金法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 国民年金法は、昭和三十四年の第三十一国会において成立いたし、福祉年金の支給に関する部分は同年十一月から実施されたのでありますが、拠出年金に関する部分は、昭和三十五年十月からその適用事務が開始され、本年四月から保険料納付が開始されることになり、これによってこの制度が全面的に実施される運びになった次第であります。
 国民年金制度は、すでに御案内のごとく、社会保障制度審議会における全会一致の答申に基づいて策定されたものでありますが、これに対し、各方面から種々改善の要望が寄せられたのであります。政府といたしましては、すなおにこれらの要望に耳を傾け、関係審議会の意見等をも徴し、慎重に検討を重ねました結果、現段階における国の財政事情等を勘案し、この際、実行し得る最大限度の改善を行なうこととし、改正法案を第三十八国会に提出いたしましたが、審議未了となりましたので、衆議院社会労働委員会において修正可決されました内容をそのまま取り入れた改正法案を再度本国会に提出いたした次第であります。
 以下、改正法案のおもな内容について御説明申し上げます。
 まず、拠出年金に関する事項であります。
 第一に、老齢年金は六十五才から支給が開始されるのでありますが、この開始年令を早めることができないかという希望が強いのにかんがみまして、六十才に達すれば老齢年金を繰り上げて支給する道を開きたいと考えたのであります。
 第二に、保険料の免除を受けるなど、保険料を納めた期間が足らないために、老齢福祉年金しかもらえない人人に対して、新たに特例的な老齢年金を支給する道を開こうとするものであります。これにより、これらの人々は六十五才から七十才までの間、老齢年金を受けられるようになり、七十才から老齢福祉年金を受けることと相待ち、低所得の人々に対する所得保障が一段と手厚くなるわけであります。
 第三は、祖父が死亡して祖母と孫が残り、あるいは父が死亡して姉と弟妹が残るというような、母子世帯に準ずる世帯に対し、母子年金の例によって、準母子年金を支給しようとするものであります。
 第四は、障害年金、母子年金、準母子年金及び遺児年金について、従来これを受けるためには三年以上保険料を納めていることが必要であったのを改め、一年以上継続して保険料を納めておれば支給が受けられるように、その期間を短縮しようといたすのであります。
 第五は、遺児年金の額の引き上げであります。現行遺児年金の額は、老齢年金の額の四分の一相当額が支給されるのでありますが、これを老齢年金額の二分の一相当額にまで引き上げ、あわせて最低保障額七千二百円を一万二千円まで引き上げようとするものであります。
 第六は、死亡一時金制度の創設であります。すなわち、年金が受けられる年令に達する前に死亡したという場合に、いわゆる掛け捨てにならぬよう、保険料を三年以上納めておれば、その遺族に対して、保険料を納めた期間に応じて、五千円から五万二千円までの死亡一時金を支給するという改正であります。
 次には、福祉年金に関する改正について申し上げます。
 第一は、拠出年金における準母子年金と同様のことを、福祉年金についても、準母子福祉年金として考えようという改正であります。
 第二は、義務教育終了前の子、孫、弟妹の生計を維持する場合には、福祉年金の所得制限額十三万円に一万五千円ずつ加算されるわけでありますが、この加算額を三万円に引き上げようとするものであります。
 第三は、母子福祉年金に対する支給制限を緩和する改正でありまして、現行制度では同一世帯に二十五才以上の子がおれば、原則として福祉年金の支給が停止されるのでありますが、今後は、その子供に一定額以上の所得があるときに限り、支給停止をしようというのであります。
 第四は、福祉年金の支給制限について、一昨年の伊勢湾台風に際して制定された特別措置法の内容を恒久化し、災害を受けた場合に特別の考慮を払うことにいたしたのであります。
 その他、拠出年金及び福祉年金に共通する改善事項といたしまして、
 第一に、従前から身体に障害がある者に、拠出制度加入後新たな身体障害が生じましたときには、前後の障害を併合して障害年金または障害福祉年金を支給できるようにし、
 第二に、年金を受ける権利が確定しながら、これを受け取る前に本人が死亡したという場合には、未支給の年金を、その遺族に支給するようにいたすのであります。
 以上の改善事項は、原則として、本年四月一日にさかのぼって適用することといたしております。
 以上をもって、改正法律案の趣旨の説明を終わります。(拍手)
#17
○議長(松野鶴平君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。横山フク君。
  〔横山フク君登壇、拍手〕
#18
○横山フク君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま上程されました国民年金法の一部を改正する法律案に対しまして、若干の質問を試みたいと存じます。
 拠出年金制度が全面的に実施に移されましてから、すでに半年を経過いたしております。御承知のように、昨年十一月この制度を実施する当時におきましては、この制度に対しまするところの御要望なり御批判なりは相当大きいものがあったのでございます。それだけに、この実施状況につきましては、私どもは危惧の念を抱いておったのでございます。しかし、最近における当局の発表によりますれば、保険料の納入状況はおおむね順調に推移しているとのことでございまして、やや安堵をいたすものでございます。しかし、これは国民年金法が国民によく理解されたとか、国民がこの制度を育てていくということに協力をしたということだけではございませんで、前国会に政府与党が示しました国民年金制度に対する改善方針、さらに今後続いて示されるであろうところの多くの改善に対する国民の期待が、この成果をあげたものであろうと私は思うのでございます。したがいまして、私はここに提案されました国民年金法の改正法案が、そうした国民の期待に沿うているものであるかどうか、さらに、わが国の財政力の拡大、経済の発展に伴って、より高度の社会保障、所得保障の充実を期し得られるものであるかどうかというところから、本案に対しまして、若干の点について政府の御意見をただしたいと存ずるのでございます。
 まず最初に、首相にお伺いいたしたいと存じますが、首相は御就任以来、社会保障、減税、公共事業、との三つを柱として施策を進められたことは私どもの感謝するところでございますが、どうも私ども婦人の立場から見ました場合に、社会保障の柱が一番細いように思われるのでございます。もとより、私どもも社会保障のみとは申しません。経済の繁栄するところ、財政力のつくところに、社会保障の躍進があることはよく存じておりますが、問題は比重でございます。どうも社会保障制度が比重が軽いように思われるのでございます。戦後日本の経済の非常な復興繁栄をもたらしましたことは、もとより、国民の勤勉、教育の普及及び政府の施策がよかったことによるものではございますが、一億近い大きな市場を国内に持っていたことがその原因としてあげられることと存じます。日本の繁栄は、高所得者だけでなく、国民全体の消費にささえられておるというところから、社会保障を言う人もございます。もちろん、政府はそれだけでなく、より高い政治理念から社会保障を進めてこられたことと存じますが、この際、首相に、所得倍増と社会保障をいかなる関連においてお進めになるか、その点についてお伺いいたしたいと思うのでございます。
 次に、本改正案につきまして厚生大臣にお伺いしたいと思います。
 第一は、給付の内容でございますが、年金制度の充実ということは、年金額が日常生活をまかなうに足るものであるということが大前提をなすものであると存じます。現在考えられております年金の月額は三千五百円でございます。これはあまりに少額に過ぎるものではないでございましょうか。国民の間に大きな期待を持たれました年金が、ふたをあけたときに三千五百円ということを知ったときに、国民の期待が大きかっただけに失望が大きかったことだと存じております。なるほど、同法の第四条には、「この法律による年金の額は、国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるための調整が加えられるべきものとする。」とございます。すなわち、年金額は将来国民の生活水準その他の諸事情が変動を生じた場合にはスライドされるのではございます。しかし、そのスライドされる基本は、現在の国民生活水準に対する三千五百円のベースにおいてであると思われます。そこで、現在の生活水準における三千五百円の関係を見てみたいと存じます。家庭協同体的な生活であったならば、三千五百円で足りると存じます。しかし、家庭協同体的な生活様式がいつまでも続くとは考えられません。年々、国公私立老人ホームが数多く作られていくのを見ましても、このことは明らかに示されておることと存じます。その場合、三千五百円で私たちは老人ホームに入れません。国民は将来、国の援助を受けずに、端的に申しましたならば、生活保護を受けるようなことなく生活したいのでございます。そのために、今から保険料を納付することといたしておるのでございます。といたしましたならば、給付額は、少なくとも老人ホームに入るに足るだけのものであってほしいと私は存ずるのでございます。所得倍増に見合っての年金額をどうお考えになりますか、厚生大臣にお伺いいたしたいと存じます。一歩を譲りまして、被保険者すべてが、国民年金だけによってのみ生活する人たちではないと存じます。しかし、何人かの人は、年金だけで生活する人であると存じます。その場合、少なくとも厚生省で建てられました軽費老人ホームは、年金額で入所できるところであってほしいと私は思うのでございます。現在、厚生省で軽費老人ホームを建設されておりますが、その入所料は六千円でございます。これを年金額に見合う額に持っていこうとする御努力が、厚生大臣におありになるかどうか、お伺いいたしたいと思うのでございます。
 次に、保険料及び国庫負担でございますが、保険料は百円といたしまして、国庫負担はその二分の一の五十円でございます。保険料の二分の一という額は、他の制度に見られない高率補助ということをいわれておりますが、元来わが国の年金制度は、被用者を中心に発達したために、国民年金制度は、これらの年金制度から取り残されました農業者、零細企業者を対象といたしまして、これらの所得保障をはかる制度として発足したものでございます。したがって、この制度の対象となる人は、大体に所得水準の低い人たちでございます。ことに、わが国には一千万人に近い貧困階層が存在するといわれておりますけれども、これらの人々は、各制度に分散しているのではございませんで、ほとんどがこの制度の中に集中しているといわれております。こうした特殊事情を思い、絶対領が五十円という少額であることを思いましたならば、一がいに率だけをもって高率補助と言い切れないものがあると存ずるのでございますが、大蔵大臣においては、これをいかがごらんになるのでございましょうか。世上あるいは、百円の五十円だからそういう意見が成り立つのであるけれども、三百円の場合に百五十円ということになったならばということを申す人がございます。なるほど三百円という保険料になった場合の百五十円は、相当な額ではあるかもしれませんけれども、前述のような対象者であるということを考え、また、この法律の実施当初のことを考えましたならば、この保険料を、そう早急に多額の値上げをするということは考えられない問題でございます。したがいまして、補助率につきましては、現時点においての五十円、総額において百億ということは、いかにしても少ないと私は考えるのでございますけれども、大蔵大臣にはいかがお考えになりますか、お伺いいたしたいと思うのでございます。
 なお、この年金対象者は、今申しましたように、大体が低所得者でございますけれども、他面、他の年金には入れない相当額の収入のある人々もこの中に入っておるわけでございます。この人々にまで同一国庫負担をする必要は、私はないのではないかと存じておるのでございます。国民健康保険のように細分する必要はないとは存じますけれども、少なくとも所得税の納不納によって、二段階くらいには分けて、所得税を納めておる人々には、自己負担でまかなうくらいにしてもよろしいのではないかと存じております。あるいは、そうして浮いた国庫負担金というものは、わずかであるかも存じません。しかし国民感情というものは、そういう人々の分までも国庫負担をいたしまして、乏しい人々に対する国庫負担が少ないということにおいて、割り切れない、すっきりしないものがあるのは事実でございます。この点についてはいかがお考えになるか、お伺いいたしたいと思うのでございます。
 次に、この逆をいくものでございますけれども、この制度におきましては、保険料を負担することが困難である場合には、保険料の納付義務を免除することになっております。その場合、将来福祉年金を受けることができるという消極的な措置が講じてあるのみで、拠出年金を受けるという積極的な利益はないのでございます。先ほど灘尾厚生大臣は、このたびそれを訂正して、六十五才から七十才まで、その人々は、特別的に年金を受けられるようにしたいというお話でございます。しかし、その以後においては福祉年金を受ける形になることは変わりはございません。私たちは、年金は、だれもが拠出年金を受けることを希望しているのでございます。ところが、本法で保険法を免除されるということは、同時に国庫負担も打ち切られることでございます。したがいまして、これでは免除ではなくて、拠出年金から除外される形になるわけでございます。百円の納付金すら納められない、免除されるような人々に、国庫負担は増額こそすれ、国庫負担を削るという形になりますることは、いかにも遺憾なことであると存じております。少なくとも、免除を受けた人も、納付をした人々と同様に、同額の国庫負担を行ないまして、それによりまして、それらの人々にも、将来ともに拠出年金を受けられるような形にいたすのが本筋であろうかと存じておりますけれども、厚生大臣にはいかがお考えになるか、お伺いいたしたいと思うわけでございます。
 次に、積立金の運用についてでございますが、ことに国民年金は零細な積立金でございます。そうしてそれは国民の積立金でございます。政府がそれを管理しているにすぎない積立金でございます。したがって、前国会におきまして、資金運用部資金の使途別分類表を公にする措置がなされたことは、当然のことと存じておりますけれども、国民はこの種積立金の運用が、実際どのような形で、国民の福祉の増大に寄与したかということに、深い関心を持っているのでございます。年金、ことに厚生年金は、すでに相当多方面に運用されているわけでございます。その実情が、はたして明細書どおりなされておりますかどうか、大蔵大臣に御明示をお願いいたしたいと思うわけでございます。
 次に、福祉年金についてでございますが、前国会の衆議院の社会労働委員会において、福祉年金の支給制限を緩和することを附帯決議としてなされたのでございます。福祉年金の受給範囲を広げることは、経済成長から取り残されました谷間の階層にとっては、大いなる福音であることと存じます。附帯決議もなされたことでも一ございますし、私どもは今回の改正法案におきまして、政府はこの期待にこたえられるものであると思っておったのでございますが、残念ながら、先ほどの厚生大臣の御説明では、十分とは申し上げられないと私は考えるのでございます。今後どのようにして数々の福祉年金の受給制限の緩和をはかろうとなされるのか、この点を厚生大臣に承りたいと思うわけでございます。
 最後に、総理に、今回の国民年金改正法案とともに、通算年金通則法案を提出されおりますが、わが国においては、公的年金制度が十指に余る乱立状態になっておりますことは周知の事実でございます。政府はこのような複雑多元的な状態を改めて、現行各種年金制度を統一、一元化する方向に、積極的な努力をすべきであると存じております。非常に困難なことでございますが、いつかはなさなければならぬ問題である。池田総理によって初めてなされる問題であると私は存ずるのでございます。どうぞ総理の御所見をお承りいたしたいと存ずる次第でございます。
 以上をもちまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
  〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(池田勇人君) 私に対する御質問の第二点は、社会保障制度拡充に対しての基本的考えでございます。すべての国民が貧困から解放され、より豊かな生活のできるようにすることが、政治の根本でございます。私は、かくするためには、やはり経済の高度成長が必須の要件であると考えまして、組閣以来、経済の高度成長に努力いたしておるのでございます。幸いに国民各位の非常な御努力によりまして、各国に見ない経済の成長が見られておるのでございます。したがいまして、私は三十六年度の予算におきましても、社会保障制度の拡充には、減税あるいは公共投資にまさるとも劣らない社会保障制度を拡充強化し、また、来年度におきましても政策の根本をここに置きたいと考えておるのでございます。
 次に、各種年金制度の一元化でございます。お話のとおり、各種年金は、その発生の沿革から言い、また、現実の事態から言っても、非常に多種多様になっております。われわれは、各種年金の一元化のみならず、医療関係その他のあの複雑な問題もこれを総合的に考えて、何か一元的なりっぱな制度を打ち立てようと考えておるのであります。今この点につきまして社会保障制度審議会に一昨年来諮問をいたしております。その結果を見まして、政府としても善処したいと思っております。(拍手)
  〔国務大臣灘尾弘吉君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(灘尾弘吉君) 国民年金の額が少ないではないかという御趣旨の御質問が第一だったと思うのでありますが、国民の生活水準が上昇いたしました場合、これに応じて年金額を引き上げる必要があるということは、これはもう御指摘のとおりでございまして、その趣旨は現行法にも明らかにせられておるところでございます。いわゆる所得倍増計画がわれわれの政策の基調となすものでございますが、かような経済の成長、所得の倍増というような事態が進展いたしまするにつれまして、国民の生活水準がつまり向上するわけであります。これに見合って年金の額をふやしていこうということで、これを目標に私ども検討を進め、努力をいたしておる次第であります。また、この被保険者の所得にいろいろ大小があるわけでございます。この所得比例制を採用したらどうか、こういう御趣旨の御質問であったと思うのでございますが、これにつきましては、なかなかこの所得を把握するということはむずかしい、あるいは徴収技術上困難な問題が多いので、現在ではさような形になっておらないのでございますが、この問題については、私どもさらに一そう検討を進めまして、国民の要望にこたえたいと存じております。
 また、保険料の免除を行なった場合にも、国庫負担を行なって同じように拠出年金を出すべきではないか、こういう御趣旨の御質問と伺ったのでございますが、まことに御趣旨はごもっともと存じております。所得の低い階層に対する所得保障に遺漏のないようにいたしますためには、保険料の免除が行なわれました場合にも、拠出された保険料に対すると同額の国庫負担を行なう。そして免除されたものにもこれに相当する拠出年金を支給することが、きわめて適切な方策ではないかと私どもも考えるのでございます。そういう意味におきまして、保険料の免除を行なった場合にも、拠出保険料に対するのと同額の国庫負担を行なうという問題につきまして、真剣に今検討を進めているわけでございます。何とかその実現をはかって参りたいと存じております。
 なおまた、福祉年金の支給制限の緩和についてのお尋ねでございます。支給制限に関しましては、大局的な見地から、各種制限間の均衡等も考えつつ、改善の方向に向かって十分検討いたしておりますが、当面の問題としましては、受給権者本人の所得による支給制限の緩和、あるいは夫婦がともに年金を受けることによる支給制限の撤廃、母子福祉年金における加算額の引き上げ等、これらの事項をなるべくすみやかに実現をはかる考えでございますので、さよう御了承いただきたいと思います。(拍手)
  〔国務大臣水田三喜男君登壇、拍
  手〕
#21
○国務大臣(水田三喜男君) 掛金の問題の御質問でございますが、この社会保障制度の中で、国民年金制度というものは最も重要なものでございまして、本来ならもっと早く日本においてもこういう制度が発足してよかったはずのが、なぜ今日までなかなかできなかったかという問題を見ますというと、国民が掛金を納めるということがなかなか余裕的にもむずかしいということと、一つは国家財政の問題からだったと思いますが、ようやく発足することになりましたについては、まず無理のないところから制度として早く踏み切るほうがいいということを重点にいたしましたので、掛金も百円、政府のこれに対する支出も給付全体の三分の一程度を政府が持つというところあたりから発足すれば、現実的に実現が可能だということから始まったことでございますので、これは国の財政力の将来の問題でございまして、国民の掛金がふえ、国の負担が多くなれば、年金支給額も多くなるということで、将来だんだんにこれは充実さるべきものだろうと思います。問題は、どこの国でも保険制度として出発しているものでございますから、これに制約された問題として、私どもはまず三分の一の支給を国が持つというところから踏み切ったという次第でございまして、今後これはだんだんに多くするような方向で改善したいと思っております。
 その次は、資金運用部資金法の改正によって使途別の分類を設けることになりましたが、この分類は分類どおりの運営をいたしております。これは御承知と思いますが、国民生活に直結したものに運用する。たとえば住宅、生活環境整備、社会福祉施設、中小企業金融、農林漁業金融というようなところに、これは全体として五〇%、それから国土保全、道路というようなものを合わせると、全体としてこういうものへの運用を八〇%にしておりますが、これは全体の資金運用部の運営でございまして、年金の原資におきましてはほとんど大部分が国民生活に直結した部分への融資に運用するという方針をとっております。
 それから、掛金が低所得者と高所得者が均等となっておるという御質問でございましたが、これは御承知の通り、この年金の出発の趣旨が、従来の公的年金によって少しも救われていないという階層に対してのみ、まずこの制度を実施するということから出発したものでございまして、したがってその対象はもっぱら農漁村の方たちというものが対象になっておるわけでございますが、そうしますというと、ここに掛金の差異をつけるということになりますと、したがって支給額の差異の問題をどうするかという、いろいろなむずかしい問題が出ましたので、最初の出発としてはこれは差異をつけないという形で出発したわけでございますが、これは将来やはり、これからこの年金制度がうまく進んでいくに従って検討すべき問題の一つにはなろうかと思いますが、当面は技術的に非常にむずかしい問題がございますので、差等をつけないということでございます。(拍手)
   ――――――――――
#22
○議長(松野鶴平君) 藤原道子君。
  〔藤原道子君登壇、拍手〕
#23
○藤原道子君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程されました国民年金法の一部を改正する法律案に対しまして、若干の質問をし、総理を初め関係大臣の答弁を求めんとするものであります。
 現行法は、その上程当時より、およそ社会保障とは縁遠きものとして、対象者はもとより、一般世論からも強く批判され、反対されたものでございます。このことは、実質的な実施に至らずして、すでに本改正案の提出を見たことでも明らかでございます。本改正案についても、国民の年金をよくしたいというその世論に押された結果であり、その改正もまことに末梢的な改正であって、何ら本質的な点には触れていないのでございます。この問題については幾多の問題点がございますが、時間の制限等もございますので、十分意を尽くせないことをはなはだ遺憾に存じますると同時に、ただいま横山議員の御質問もございましたので、観点を変えて以下若干お伺いをいたしたいと思います。
 第一点といたしましては、国民年金額があまりにも僅少であり、その増額が考慮なされていないという点にございます。拠出年金におきましても問題はございますが、まず当面の無拠出年金額について御質問を申し上げます。
 現行の福祉年金の月額千円は、昭和三十四年、国民年金法律案当時の生活保護法における生活扶助基準の第四級地、すなわち農村地帯の老人単身者の生活扶助額二千円の半額、これを基点としておるのでございます。しかるに、その後、公務員並びに民間給与のベース・アップ、公共料金及び一般諸物価の高騰等によりまして、生活保護基準額は不満足ながらも昭和三十五年度において二・九%、三十六年度一八%、そしてまた三十六年度の補正予算におきましても五%の引き上げを実現せんとしているのでございます。しかるに福祉年金額は、算定になっておる基礎が引き上げられたにもかかわらず、依然として改正は行なわれておらず、福祉年金額も据え置かれているこの状態は、まことに納得のいかないものでございます。これは政府の低所得層に対するしわ寄せであると同時に、社会保障は池田内閣の公約であったにもかかわらず、いかに熱意がないかということを如実に物語っていると言わざるを得ないのでございます。また、現行法では、老夫婦が福祉年金をもらう場合におきまして、千円プラス千円ではございません。減額されて、わずかに千五百円の支給と相なっております。わずかなもので、減額などをなすべきでなく、すみやかにこの制度は廃止すべきであると思います。この際、少なくとも来年度からは、老齢年金を七十才から千円、これを六十才千円とし、六十五才二千円、七十才三千円と改正し、また母子福祉年金におきましても、今の千円を三千円と改正すべきであると思いますが、その御所信をお伺いいたしたいと思います。
 第二点は、国民年金制度における母子福祉年金は、生別、死別の区別なく支給するということであります。現行制度におきまして、母子福祉年金は、死別の場合のみ支給されており、生別については、強い要望があるにもかかわらず、これが改正案に取り入れられていないのは、国民年金制度の一つの欠陥であります。これが取り入れられない理由といたしまして、政府は、均衡上拠出制の母子年金についても採用しなくてはならない、拠出制の場合には、将来の離婚を予想しての保険事故は制度化すことは好ましくないという、理由にならないような理由によって、その導入を阻止しているのであります。将来だれが離婚をするということを前提として結婚するでございましょう。また政府は、擬装離婚を懸念されているようでございますが、一部のごくわずかな不心得者があったといたしましても、そのために母子福祉年金が創設されないというのは、むしろ理解できないところであります。また政府は、生別母子福祉年金にかわるものとして、別個の法律体系において児童扶養手当法案を提出して、これが対策を講じているかのごとく説明しておられますが、この児童扶養手当の金額は、児童を中心としたもので、月額で児童が一人の場合は母子世帯に対してわずかに八百円、これは国民年金における母子年金の月額千円よりもさらに下回る少額であります。社会保障の一環として児童扶養手当を母子家庭に支給するという趣旨とはまったく反して、所得保障とはいえないのみならず、国民を欺瞞するものといわなくてはなりません。生別母子年金を母子年金の中に積極的に取り入れることについて再考し、改正する意思はないか。また児童扶養手当法案は、性格を明確にして、ILOの社会保障最低基準の条約にある家族手当に合致するような制度に整備して、この際、児童手当法案として提出すべきものと存じます。
 なお、経済の発展と産業技術の革新に伴って、賃金体系が全体として、従来の年功序列型から職務給型に変わりつつあるのが現状でございます。こうした状況に対応する意味でも、政府はこの際、従来の行きがかりにとらわれることなく、早急にこれが実施をはかるべきものと存じます。
 第三点は、障害年金及び障害福祉年金の支給範囲から、内科的疾患に基づく身体障害及び精神障害が除かれていることは、国民年金制度の大いなる欠陥でございます。今回の改正案におきましてもなお改善されないことは、はなはだ遺憾でございます。政府当局は、この問題については、国民年金審議会の障害専門委員会において鋭意検討中であると、オウム返しのごとくいつも言われておりますが、障害専門委員会は、昨年七月に発足いたしまして以来、すでに一年以上になるのに、いまだに結論が出されておらず、したがって今回の改正案に間に合わなかったのは、まことに政府の怠慢といわなければなりません。(拍手)国民年金審議会の障害専門委員会における進捗状況、結論は、いつごろ提出される見通しであるかをお伺いいたします。
 さらに障害福祉年金は一級のみ千五百円となっておりますが、この際一級を四千円、二級を三千円、三級を二千円とするなど増額改定すべきものと存じます。
 さらに拠出年金制度に対する批判がまことに強いのは御承知の通りでございます。四十年保険料をかけて、四十五年後に六十五才でたった三千五百円といったような魅力に乏しい内容では、だれだって入ることに迷うのは当然であります。しかも掛金は均等割制でございます。保険料免除基準も今のところ年収十三万円から十六万円までとなっておりますが、少なくとも二十五万円までくらいとし、減額保険料を考慮すべきであります。また免除者に対しても、少なくとも国庫負担分だけでもせめては積み立てるべきではないかと存じます。
 なお、定額保険料で低所得層にとって割高であるため、滞納保険者が続出することであろう。さらに受給資格制限がきびしいこと、二十五年間免除規定はある、二十五年間の免除規定はあるが、実際は十年間納入できない者は支給がないのであります。特別年金にいたしましても、期限は減額制度も要件がきびしく、大部分の人は適用が受けられません。免除期間も隠れみのである等、保険料納入可能な人は国庫の補助を受ける。ところが、ほんとうに年金の必要な階級が国庫補助からさえもはずされているということは、まことに問題であろうと存じます。これに対し小山年金局長は、「国民年金法の解説」の中で、所得比例制の採用は、現段階においては見送られているが、しょせんこれを採用せざる限り、年金額の引き上げについて多くを望むことができないので、あたかも戦前の健康保険に見られたような中途半端な感じがつきまとい、この制度の安定は得られないおそれがあると説明をいたしております。これによって、との国民年金法がいかに不備であるかをすでに認めておられるところでございます。国民年金法における所得比例制の採用の必要性と、それがないための不備と欠陥を率直に自認されている以上は、この際直ちにこれが取り入れをはかるべきものと存じます。健康保険は他の市町村との均衡をとる必要はないが、所得税のことになれば、所得税を納めない階層の人が、国民年金の被保険者には相当多いのであるから、これが標準にはならない。こういうわけで、実際問題としてよい方法が実現しないから、比例制はとれないように言っておられますが、これに対しましても、三十八国会において、地方税法の一部が改正され、昭和三十七年度より実施することになれば、所得比例方式の採用はできるのではないかと存じます。この点についてお伺いいたします。
 さらに所得比例方式について、技術的によい方法がないということでありますが、これに対しては、一つの方法として、児童福祉関係の保育所の徴収金基準による方法を一応参酌し、採用することによって、現行の均一拠出制よりは合理的な所得比例制に改善され得るのであります。この点についてお伺いをいたします。
 次に、貨幣価値の変動に対するスライド規定についてお伺いいたします。戦後のインフレの苦しい経験を持つ国民といたしまして、現行法のようなあいまいなスライド規定では、安心して拠出制年金に協力できないのは当然でございます。「国民年金法の解説」の中には、ILOの社会保障の最低基準に関する条約と同様の考え方に立って規定した、と説明しておりますが、ILO条約では基本的な最低基準を示したのであって、具体的な細目をきめるのは国内法において決定するのであるから、条約を国民年金法に引用したことでもって事足れりとするのは、政府の事なかれ主義と社会保障に対する熱意のない点を示したものであります。さらに、国民年金法の審議の際にしばしば言われるのは、将来その時点における生活水準が明確に予想されないから、法律に具体的に表現できないと、理由にならない理由をもって説明をいたしております。なぜならば、スライドの規定をとり入れた法律は、他に同様の年金を導入した制度といたしまして労災保険法、その他では失業保険法がすでにあるところであります。また、国民年金法に、保険料の再計算は五年ごとに調整を行なうことになっておりますので、当然保険料の負担を伴う年金の額は、年金額が、消費者物価または生計費のいずれか一方の一〇%以上の変動の際には、それに応じて必ず改正されることと定率を明確に規定いたすべきと思います。
 次に、厚生年金保険並びに国民年金還元融資の運用についてお尋ねをいたします。昭和三十六年七月五日付で、還元融資の運用について、自治、厚生、大蔵各省の事務次官名をもって、都道府県知事あてに出された通知の中に、昭和三十六年度地方債許可実施細目の一部を改正しております。その実施細目には、特別地方債の対象事業及び要件が示され、その一つに厚生福祉施設の項目がございます。この要件の一つには、人口十五万人以上の都市は厚生年金保険分、十五万人未満の市町村は国民年金分と、人口十五万人を境界として基準がきめられておるということは注目すべきところであります。しかも、人口十五万人未満の市町村では、厚生年金保険の被保険者が大多数であっても、国民年金分のワク内に入り、かつまた国民年金の適用状況のよしあしによって融資対象となるかならないかを決定する状態であります。厚生年金保険の還元融資の対象からはずされておるのであります。このことは、一つには、国民年金の適用状況の悪いところ、あるいは国民年金に対し協力しない市町村に対しては、懲罰的な制裁をもって臨む政府当局の意向であると推察されるのでございます。国民年金をよくするため、保険料の不払い運動等が行なわれておりますが、政府の発表によれば、本年八月末現在の適用状況は八九・二%、国民年金の保険料収納状況の成績が、第一・四半期に収納目標をこえる予想以上の一一四・五%の収納率を示しておるといわれておりますのも、かかる悪らつな制裁によって業績をあげ得たのであることは忘れてはならないのでございます。ここで想起されまするのは、かつてドイツにおけるビスマルクが、社会政策として社会保険を採用した、アメとムチの政策に通ずるものであり、政府当局のかかる卑劣きわまりないやり方に対して、限りないふんまんを感じるものでございます。厚生年金保険の還元融資に対しましても、人口を基準として、国民年金の還元融資の対象としているのは理解できないので、この辺の事情を明確にお伺いをいたします。
 そのほか、市町村に対して印紙の委託販売を強制的に行なわせているなど、問題点は枚挙にいとまございません。このことは、いかに地方財政を圧迫しているかの事例であります。厚生当局が自画自賛して宣伝しているような、喜んで協力しているものではなくして、むしろ高圧的な厚生当局の態度に、市町村が泣きの涙でやむを得ず従っている実情であります。これらは社会保障という名に値しないので、直ちに改善すべきであります。
 次に、積立金運用の問題でございます。社会保障制度審議会、国民年金審議会の答申を無視いたしまして、厚生年金の新しい積立金を合わせて、二五%は還元するという宣伝をしながら、福祉資金に直接に用いられるものは、それよりもはるかに少なく、被保険者団体に還元されるものは話にならないほどの少額でございます。これに反して、資金の大部分は依然として大資本に、特に軍需産業に関係のあるところに融資されておるわけでありまして、このような政府の態度は、全く国民を愚弄したものと言わなくてはなりません。政府は、積立金の還元融資の二五%のワクをはずして、これを被保険者の福祉のために還元融資するようお考えになる必要はないでございましょうか。(発言する者多し)
#24
○議長(松野鶴平君) 御静粛に願います。
#25
○藤原道子君(続) 細部にわたりましては委員会に譲るといたしまして、池田総理に対し、社会保障に対しての基本的なお考えを伺います。
 ただいま、それは、貧困と病苦をなくして、豊かな生活を守ることが社会保障と言われました。したがいまして、この際、最低賃金制と完全雇用を実施すること、国民健康保険、厚生年金、生活保護法、児童福祉の面等におきましても抜本的に改正し、この法の精神を完全に実施するなど、税の自然増収も五千億以上といわれておりまする今日、所得倍増からも見放されておりますこれら低所得者階層に対しまして……。
#26
○議長(松野鶴平君) 時間が来ました。
#27
○藤原道子君(続) 心あたたまる、真の社会保障制度の充実をはかられますことを心から念願いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)
  〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(池田勇人君) 御質問の第一点は、各種年金、ことに拠出制の国民年金は、給付金額が非常に少な過ぎる、それではだめでないかというお話でございますが、われわれは、経済の高度成長によりまして、各個人の経済、国の財政を、より強化いたしまして、給付内容の積極的充実を今後はかって参りたいと存じております。
 第二に母子福祉年金についてでございます。生別の母子に対して普通の母子福祉年金を適用したらどうかという御議論でございます。従来それをやっておりませんでしたが、昭和三十六年度から、母子福祉年金と名前はつけておりませんが、生別の母子に対しましても特定の年金を出すことに今年から踏み切ったのでございます。この問題は、外国の事情等もありますし、いろいろ検討を今後も加えていきたいと考えております。
 最後に、社会保障制度につきまして私の考え方はどうかというお尋ねでございました。先ほど申しましたごとく、すべての国民から貧困を解放し、より豊かな生活に持っていくように積極的にいたしますと同時に、防貧と申しますか、貧乏にならないように、その前に、健康保険その他によりまして防貧方策を講ずることも社会保障制度でございます。もちろん、最低賃金の問題、完全雇用の問題、これも、最近の経済の上昇によりまして、最低賃金の問題も相当大幅に解決せられつつあるのであります。そうしてまた、完全雇用の問題につきましても、私は経済の高度成長によりまして、日々月々実現せられつつあることを信じておるのであります。今後もこれを続けていきたいと考えます。(拍手)
  〔国務大臣灘尾弘吉君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(灘尾弘吉君) たくさん御質問がございましたので、あるいはお答え漏れになるかもしれませんが、その際にはまた御指摘を願いたいと思います。
 まず第一に、国民年金の額があまりにも少ないではないか。この点につきましては、ただいま総理からお答え申し上げましたとおりでございます。国民年金の額を引き上げるという問題は、いずれも望ましいことと私ども考えます。できるだけその方向に向かって進むべきであると、かように考えておる次第でございますが、さしあたっての問題といたしましては、先ほど横山さんにもお答え申しましたように、額の増額もけっこうでありますが、現在いろいろな支給に関する制限がございます。この制限の緩和のほうからまずひとつ解決して参りたい。将来財政力の充実に伴いまして、一そう増額するという方向に向かって努力をして参りたいと存じます。
 なおまた、内科的障害者に対するお尋ねもございましたが、御指摘の中にもありましたとおりに、昨年の七月から、国民年金審議会の障害専門委員会において熱心な検討が行なわれておるわけでございます。なかなかむずかしい問題でございますが、何とか年度内にはひとつ結論を出してもらいたいということで審議を進めてもらっておるような状況でございます。その結論によって善処いたしたいと考えます。
 それから、生別母子の問題につきましても、総理からお答えになりましたので、特につけ加えて申し上げることはございませんが、やはり現在の国民年金法の建前から申しまして、生別母子年金を年金法の中で解決するということは無理があるのではなかろうかというので、今回も提案いたしまして御審議を願うことになっておりますが、児童扶養手当法案において解決いたしたいと思うのでございます。将来の問題といたしましては、いわゆる児童手当、家族手当、この制度につきましては、もちろんまじめに検討を進めて参りたいと考えております。
 それから、保険料の免除と国庫負担の関係につきましては、先ほど横山さんの御質問に対してお答えいたしましたとおりでございます。われわれといたしましては、保険料を免除した期間においても、国といたしまして必要な負担をいたしまして、そうして普通の拠出年金を差し上げるようにしたいという心持を持って、目下検討をいたしておるところでございます。
 所得の比例制ということもございました。これも先ほどお答え申し上げましたようなことでございますが、御指摘にもありましたとおりに、税法の改正等の事情もございますので、従来この比例制の採用について困難であると申し上げました事情が若干変わってきておることは事実であります。これも今後の検討の問題として私ども取り組んで参りたいと存じております。
 それから、物価の変動に対するスライド制を明文化すべきであるというふうな御主張でございます。御趣旨はよくわかるわけでございますが、お話にもありましたように、国民年金制度におきましては、物価の変動のみならず、国民生活の水準が上昇した場合においても、これに対応いたしまして給付内容を引き上げていくという趣旨の規定を明らかにいたしておるのであります。私は、ILOの第百二号条約の規定に範をとったこの規定の表現で、まずよろしいのではないかというふうに考えておるわけでございます。
 それから、還元融資に関する問題でございますけれども、厚生年金の還元融資、国民年金の特別融資、これはできるだけ効率的に、有効に使用して、全国民のためになるようにいたしたいと考えております。人口が少ないというような所へ厚生年金が行かないじゃないかというような御指摘もございました。これにつきましては、人口が少なくても厚生年金関係の特に多い所については、やはり特別な考慮をすべきである、かように私は考えております。
 また保険料の徴収について、ずいぶん無理があるというようなお話でございますが、これはわれわれの本旨とするところではございません。もし保険料の徴収について非常に無理がある、あるいは強制がましいところがあるということであれば、反省するにやぶさかでございませんけれども、これについては十分地方に対しましても注意をいたしておるつもりでございます。
 また還元融資の対象につきましては、直接厚生省関係のいろいろな施設について融資をいたしておる部分もございますが、そのほかの部分につきましても、結局は、直接間接に国民の福祉、国民の衛生、そういった方面の増進のために役立てる方向に大部分が使われておるということは御承知をいただきたいと存じます。(拍手)
  〔国務大臣水田三喜男君登壇、拍
  手〕
#30
○国務大臣(水田三喜男君) 何かこの資金が軍需産業に使われているというようなお話でしたが、この機会に御説明しておきますが、厚生年金とか国民年金あるいは郵便貯金、簡保資金というものが、どこに使われているかということを国民にはっきり示すために、使途別分類というものを今度設けました。そうしてこの決定をする委員は、従来各省の役人でございましたが、今度は全部やめて、民間委員でこれを決定するという、審議会の委員の構成を全部変えるというのが前回の改正でございました。したがって、それによる運営はどうなっているかと申しますと、さっき申しましたような工合で、ほとんど国民生活に直結する部門への融資ということになっております。そのほかにどこに使われておるかというと、開発銀行に出ている金が、あるいはあなた方が問題にされているものかもしれませんが、開発銀行の資金というものは、電力、石炭、船、もっぱらそこに使われているのですが、電力もこの金を使いたくなくて、開銀債を発行して外国の資金で電力資金の不足を補うという方法をとりましたので、今後開発銀行への融資も減らすということで、すでに去年からことしに減らしております。ふえたのは、開発銀行に地方開発の資金を百七十億というものを出しているから、それがふえた部分でございまして、あと減らせと言えば、石炭でございますが、これは御承知の通り、今石炭に対してどうするか、むしろ融資しろというのが国会の各政党の意向でございまして、それを私どもが、今困っているところで、その資金にすらいろいろ困っているというときに、そのほかの大企業に融資しているとか何とかと、しょっちゅう言われますが、そういう事実は根拠がございませんので、使途別分類によってよくごらんになっていただきたいと思います。(拍手)
   ――――――――――
#31
○議長(松野鶴平君) 相馬助治君。
  〔相馬助治君登壇、拍手〕
#32
○相馬助治君 民社党を代表して、首相、大蔵、厚生の三大臣に質問いたします。
 日本の社会保障制度の歴史にとって今年はきわめて重要な年だと思います。保険料納入によって、ただいま問題になっている国民年金の制度も曲がりなりにも発足し、また一方、医療保障の問題、国民皆保険の問題もここに出発したのであって、形式的に一応形は整えたけれども、問題はこれをどのように発展せしめるかであろうと思います。私は、六年ほど前にスカンジナヴィア諸国を歴訪する機会を得たときに、ちょうどスエーデンの、国民年金法の充実というものを柱とした見事な社会保障の充実した諸設備、制度というものを見て、深く感に打たれたのであります。弱いものとして、われわれが一口に、女、子供、年寄りと言いますが、私は、この女、子供、年寄りと言われる人に加えて、貧乏人、からだの弱い者、からだの不自由な者、こういう者に光明を与える政治こそが理想的な政治でなければならないし、その方向のためには、財政的な理由というようなものも相当これは乗り切って施策をしなければならないと、こういうふうに思います。
 ここに提案されている法律案について、ただいま横山、藤原両議員から質問がありましたが、私ども、そうして国民の聞きたいことは、この両氏の質問によって大かた尽きていると思いますが、返答はさっぱり国民をして納得せしめないものがあろうと思います。本会議の質問の形式上、たとえば藤原議員にしても、不満であるけれども、時間切れで再質問ができないというようなことであろうと思うのであって、私は重複を避けながら、どうしてもやはり聞きたい点についてお聞きしたいのでありますが、横山さんの質問のように、政府の善意の意思はわかるけれども、これでは社会保障の柱は弱いのだから、池田さん、あなたなら何とかやりそうだから、もう少ししっかりこの年金法を改正してやっていただきたいという、将来への希望を述べて、本改正案には大体賛成しかねるというのが本音だと思うのであります。藤原さんの質問は、もうさっきのとおりであって、私はやはりこの改正は基本的な問題が解決されていないと思うのです。年金の一元化というような大筋のところに手をつければ解決のつく問題があるのであって、大蔵省にばかりものを言わせて、財政的理由だけでこういう改正をやろうとするから、こういう中途半端なことになるのであろうと私は考えます。国民年金の支給額三千五百円を改定する意思がないかという両議員の質問に対しても、内閣総理大臣は別な角度から承っておくというような意味の答弁をされておりますが、的確なことはおっしゃっておりませんので、私は池田さんに聞きたい。三千五百円は現在適当だと思うか、適当でないとすれば、いつごろどういうふうにするつもりか、承っておきたいと思います。政府は前国会において、条件が整えば何とかしたいということを言っているはずなんであって、諸条件は整いつつあるのであるから、この際、的確なる見解を内閣総理大臣の口を通じて聞きたい。
 それから、厚生省が今度の改正案を用意したときには、こんな、なまぬるいものではなかったそうだが、水田大蔵大臣の一喝を食らって、財政的理由でこれが後退したと消息通は報じているが、事実であるかどうか。そうしてまた、この問題に対して大蔵大臣は将来どのように財政的な立場からお考えであるか、これを承りたいと思います。
 次に厚生大臣に承りたいことは、厚生大臣としては、その立場からして、理想的な社会保障制度に進めようとする善意の意思については私も疑っておりません。問題はその政治力であり、問題は財政的にそれをいかように実施せしめるかであります。この年金制度を本格的にこれをやろうとするならば、何としても国庫負担分を大幅に増額し、あるいは保険料の免除規定のワクを広げたり、あるいはまた減額制度を採用して、なるほど国民年金制度というものは、国民のために、民衆のために、特に弱い者のために政府が考えてくれたことであるということを、具体的に納得せしめなければならないと思うが、本改正をもって厚生大臣は足れりとするのか。また足れりとしないならば、近き将来にどのような改正を行なわんとするものであるか、この際、御見解を承っておきたいと思います。
 次に、やはり厚生大臣にお聞きしたいことは、国民年金加入の問題については種々なる問題が惹起しております。藤原議員が指摘しておりまするように、地方公共団体では、能のない役場の吏員をこのほうの係に回して、厄介者扱いにしておるというような傾向のあることも事実であって、さなきだにむずかしい問題が、いよいよ能率のあがらないことであって、町村の管理者を嘆かせて、国会はとんでもない法律をこしらえて押しつけたものだと――拠出の部面です、私の今言っていることは――問題にしていることは、事実なのでございますが、政府は、この際、いまだ加入していない者に対する行政措置をどうするのか。しかも、その者が納得をして加入した場合に、今まで納めなかった保険料の取り扱いについてはどうするつもりなのか。このことを明確に厚生大臣から承っておきたいと思います。
 次に、やはり厚生大臣に承りたいと思いますことは、老齢福祉年金については、私どもこの法律ができたときに、たったあれっぱかりの金が何だと言って政府を手ひどくやったのでありますが、率直に申して、草深い、いなかの淳朴な老人は、この年金を押しいただいて、ありがた涙でいただいたというような――希有な例だという人があるかもしれないが――そういう例も私は聞いている。だから、ともかく国民年金制度を今の自民党内閣の時代において出発をさせたということについては、私は率直に敬意を払うにやぶさかでありません。問題はその内容であって、一体、現在の物価、それから池田さんの言っている経済の高度の成長、そうしてそれに伴って今日所得の格差のはなはだしくなっているこの際において、この金額というものが妥当であると考えるかどうか。私見をもってすれば、三千円程度に引き上げることができるであろうし、また、しなければならないと思うのであるが、厚生大臣は主管者として、この問題についてどう考えておるか。しかもまた、先ほど藤原さんは児童手当法案の構想の一端を述べたが、それと加えて、この際、老人福祉法ともいうべき積極的な単独法案等を考慮する意思があるかないか。ないとするならばやむを得ませんが、ひとつこの点についてお考えを承っておきたいと思います。
 私は、最後に内閣総理大臣にお尋ねをしたいことは、今日社会保障と申しましても、やはり所得保障と医療保障の二つが大きな柱だと思います。そこで、一方は低所得者の所得保障のためにこの年金が考えられている。厚生大臣は、低所得者の所得保障が本改正によってより充実するものでありますと力んでおりますが、この点はさっぱりですね、おっしゃるほどにはいっていないけれども、その改正の方向は善意の意思として私どもはよくわかります。そこで内閣総理大臣に承りたいことは、一方、医療の問題ですが、国民皆保険の出発によって、国保においてはどうなっているかと申しますと、国民健康保険、いわゆる国保は、八八%が年収二〇万以下であります。それらの人々が、昭和三十五年においては保険税を三千六百五十七円納めている。住民税が二千四百十三円に比べて保険税がはるかに高い。これを十万円以下の低所得者の例に見ると、なおひどくなってきまして、保険税を二千八百五十二円納めている。住民税がなんと八百七十円である。政府は、たびたび減税を呼号するけれども、この面においては、いよいよ低所得者は、医療保障ということはありがたいし、国民保険ということの趣旨はわかるけれども、減税どころか、いよいよ税金をぶっかけられており、そうしてこの国保というものが、今日、町村においては非常に大きな問題になっております。医療費の引き上げの問題に伴っていよいよ深刻である。医療給付内容というものは世の進むに従って進んで参ります。人間の命は何よりも尊い。医療費の値上げということは当然なんです。これは政治的に言うのでも何でもない。当然なんです。むしろ問題は、今度の医療費値上げに伴うこの分について、被保険者側に負担させるというようなことに問題があるのでございますから、将来池田さんが言うように、社会保険制度を一本にするならば、その前提として、特に弱い日雇労働者の保険の面とか、あるいは、ただいま私が例として申し上げている国保に対して、手厚い財政援助をしつつ、将来、社会保険一本化への展望のもとに、その政策を進めることを期待するのでございますが、これに関連して、この社会保険制度一本化への問題と、国保、日雇労働者健保等に対する財政援助についての心がまえを、関連して首相の口から承っておきたいと思います。(拍手)
  〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
#33
○国務大臣(池田勇人君) 御質問の第一点は、国民年金支給額三千五百円、これが適当であるかどうか。――私はただいまのところ、これでやむを得ぬと思います。こういう計算は、毎年毎年物価の動きによってやるべきものではございません。私は所得十年倍増計画を立てております。そうして、それが進みますならば、まず当初の五年における経過を見まして、これは第四条の規定によって変えたらどうか。そうしてその後、次の五年によって経過を見て変えるべき問題じゃないか。今直ちにこれが適当であるかどうか――不適当として改正する考えは持っておりません。
 第二の社会保険制度につきましてでございます。御承知のとおり、健康保険、政府管掌健康保険、いろいろございます。お話の国民健康保険あるいは日雇労働者健康保険、これは発生の過程から申しましても、また保険料の負担能力の乏しい点から申しましても、お話のとおりでございます。この各種健康保険における不均衡は、これは目に余るものがあると言っても過言ではございません。したがいまして、先ほどお答え申し上げましたごとく、こういう社会保険の不均衡を何とか不均衡のないようにするためには、相当の決断が要ります。社会保障制度審議会におきまして検討を加えております。その結果を待っているのでございまするが、それを待つまでもなく、今の現状が国民健康保険あるいは日雇労働者健康保険、今の現状からかんがみまして、私は政府の財政援助は相当しなければならぬ、この基本に立っております。ただ問題が、あくまでこれは保険でございます。だから、被保険者、負担する者を保険という建前から考えなければならぬ。どれだけ考えるかというのが財政とのかね合いでございます。私は保険の制度を堅持しつつ、今の実情を打破していくよう努力を続けていきたいという考えでございます。(拍手)
  〔国務大臣水田三喜男君登壇、拍
  手〕
#34
○国務大臣(水田三喜男君) 何か私への質問は、一喝したそうだが、そういう事実があるかどうかというような御質問でございましたけれども、まあ最初の出発でございますので、いろいろ議論はございました。そのために、まだ日本の社会としては踏み切りが早いのではないかというような意見が出て、一時この制度を見合わせようかどうかという問題が出たときに、私は、もう、少しくらい欠陥があっても、重要な社会制度の問題として踏み切るべきだということについて、どこかで一喝した覚えはございますが、そのほかに一喝した覚えはございません。(拍手)
  〔国務大臣灘尾弘吉君登壇、拍手〕
#35
○国務大臣(灘尾弘吉君) お答えをいたします。
 年金問題について、厚生大臣が大蔵大臣から一喝せられたということは、少なくとも私就任後はございません。おそらく過去においても、さようなことはなかったと思います。政府部内で十分検討しました結果、今までの案が出ておるものと御了承願いたいと思うのでございます。現在のこの保険料が、月百円、百五十円という額が、私は一般にはそう決して高いものとは考えませんけれども、この程度の保険料すら納めることが困難だ、こういう向きに対しましては、御承知のように、保険料免除の制度がとられておるわけであります。この保険料免除の制度を大幅に、また弾力的に運用することによりまして、あまり御心配をかけないで済むのじゃなかろうかと思っております。
 なおまた、保険料の免除を行ないました場合にも、拠出保険料に対するのと同額の国庫負担を行なうという問題につきましては、先ほど来お答え申し上げておりますとおりに、われわれといたしましても、積極的に検討してみたいと考えておる次第でございます。御了承いただきたいと思います。
 それから、国民年金の加入の問題について、地方で相当無理をしている、強制をしている、あるいは罰則でおどしている、こういったふうのことがお話の中にあるわけでございますが、御承知のように、国民年金の被保険者の資格を取得した場合には、これを市町村長に届け出るわけであります。今日までの実績から見ますというと、任意加入の被保険者が、当初予定したものよりもはるかに多いのです。また、第一・四半期における保険料収納率が順調に進んで参っておるのであります。こういう事実からもうかがえますとおり、私は、国民、いわゆる被保険者の皆さん方の良識によって、この制度を育てていこうというお気持が起こっているものと確信をいたしております。罰則を振り回して届出を強制したという事実は、私はないものと信じております。(「ありますよ」と呼ぶ者あり)なおまた、届出を行なっていなかった人が届出を行ないましたときには、その生活状況等を勘案いたしまして、保険料を納付することが困難な状態にありますときには、これは免除いたしたいと考えております。
 それから、現在の拠出年金は四十年後に支給されるのだ、だから現在の問題は、福祉年金無拠出制に重点を置いたらどうか、老齢福祉保険の額をもっとふやしたらどうかと、こういうふうな御趣旨の御質問であったと思うのですが、御案内のとおり、拠出制年金についても、障害年金とか母子年金とか準母子年金は来年の五月から、老齢年金は十年後から年金の支給が開始されるわけでございますので、この点は、十分御承知かと存じますが、御了解をいただきたいと存ずるのでございます。
 なお、福祉年金につきましては、先ほど来申し上げておりますとおり、現段階におきましては、所得による制限であるとか、公的年金受給による制限であるとか、その他の各種の制限を緩和する方向、すなわち受益者をふやしていくという方向に向かって今努力いたしておるところでございますので、さしあたっては、この福祉年金の額を引き上げるという考えは持っておりません。
 なおまた、老人に対する保護の問題についての御心配でございます。人口の老齢化と申しますか、老人を対象とする福祉政策が年とともに重要度を加えておりますことは仰せのとおりであります。政府といたしましても、国民年金制度の充実、老人福祉施設の整備というような問題につきましては、ますます努力をして参りたいと存じますが、ただいまのところ、この老人福祉法とでも申すような法制化のところまでは、まだ考える段階に至っておりません。なおよくひとつ検討さしていただきたいと存じます。(拍手)
#36
○議長(松野鶴平君) これにて質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。
 次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト