くにさくロゴ
1961/10/19 第39回国会 参議院 参議院会議録情報 第039回国会 農林水産委員会 第8号
姉妹サイト
 
1961/10/19 第39回国会 参議院

参議院会議録情報 第039回国会 農林水産委員会 第8号

#1
第039回国会 農林水産委員会 第8号
昭和三十六年十月十九日(木曜日)
   午前十一時十六分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     仲原 善一君
   理 事
           石谷 憲男君
           櫻井 志郎君
           森 八三一君
   委 員
           青田源太郎君
           植垣弥一郎君
           岡村文四郎君
           河野 謙三君
           重政 庸徳君
           柴田  栄君
           田中 啓一君
           高橋  衛君
           藤野 繁雄君
           大河原一次君
           北村  暢君
           清澤 俊英君
           安田 敏雄君
           棚橋 小虎君
           北條 雋八君
  国務大臣
   農 林 大 臣 河野 一郎君
  政府委員
   農林政務次官  中野 文門君
   農林大臣官房長 昌谷  孝君
   農林省農林経済
   局長      坂村 吉正君
   農林省畜産局長 森  茂雄君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
  説明員
   農林省畜産局家
   畜改良課長   三浦 道雄君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○家畜商法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○家畜改良増殖法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○農業近代化資金助成法案(内閣送
 付、予備審査)
○農業信用基金協会法案(内閣送付、
 予備審査)
○農林中央金庫法の一部を改正する法
 律案(内閣送付、予備審査)
○肥料取締法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(仲原善一君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 家畜商法の一部を改正する法律案(閣法第二四号)及び家畜改良増殖法の一部を改正する法律案(閣法第二五号、いずれも衆議院送付)の両案を一括議題といたします。
 両案に対する質疑を行ないます。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#3
○北村暢君 家畜改良増殖法の一部を改正する法律案についての質問をいたしたいと思います。
 まずお伺いいたしたいのは、この家畜改良増殖法の第一の改正点である目的の改正でございますが、この家畜改良増殖法の目的は、いわゆる種畜と、それから家畜の人工授精という問題についての非常に技術的な家畜の改良増殖ということをもってこの法案の内容としていると思うのでございますが、それに付加いたしまして、今度の改正では、この目的をさらに拡大をして、畜産の振興あるいは家畜の増殖というところに重点を置いたような目的に変えられたようでございますが、こういう無理をした――私から言わせれば非常に無理をしておるのじゃないかと思うのですが――無理をした改正をなしている。こういうような目的をいろいろとするならば、家畜改良増殖法ということではなくて、どちらかといえば、畜産振興法といったような性格を持つ改正ではないかというふうに思うのでございますが、この法律の一部改正で、このような改正を行なうに至った経過について、まず御説明を願いたいと、こう思うのです。
#4
○政府委員(森茂雄君) ただいま御指摘のとおり、現行の家畜改良増殖法は、単に種畜検査と人工授精のみを規制しておるわけでございますが、改正法では、家畜の改良増殖を計画的かつ効率的に行なうため、一連の規定を追加いたしたので、これに応じて一部法の目的を変更したわけであります。提案理由のときにも申し上げましたとおり、わが国の畜産は、農業経営における零細副業的な地位を脱して、家畜の飼養規模、飼養管理の形態も漸次拡充、拡大、改善されつつありますと同時に、先国会におきましても、農業基本法等の制定がございまして、わが国農業の発展、特に畜産振興ということを重要な課題としておりまする現在、家畜改良増殖法の施行経験と、最近における進歩に照らしましても、家畜改良増殖に関する法制といたしましては、現行法の規定のみでは現在の要請を満たすのに不十分である、こういうふうに考えまして、家畜改良増殖の成果を計画的にかつ効率的に農業者にもたらすために、畜産の発展と合わせ農業経営の改善に貢献する。そういう意味で、技術的な面のみならず、その技術的な効果が、畜産振興の目的に沿って、十分今後の畜産経営の指標となるべきものだ。こういう考え方から改正を考えたい。こういうわけのものであります。
#5
○北村暢君 確かにこの家畜改良増殖法は、技術的な進歩の点からいえば改正しなければならない、そういう点については確かにあると思うのです。それについて改正をもちろん加わえているのですが、今申されたような畜産の振興、こういうようなことを加味してやるとするならば、もう少し私は計画的な畜産行政というものができるような形になっていかなければならないのじゃないかと思う。そこでお伺いいたしたいのは、今度の計画の中の改正の第三点ですかの家畜改良増殖を計画的に行なうということで、家畜改良の増殖目標というものを公示する、そうして都道府県が家畜改良の増殖計画を作成するんだ、こういうことをうたっているのでございますが、それに対して、実は具体案というものですか、が出されているわけです。有畜農家の育成基準案というものが出ておりますが、これが計画の作成の内容になって、これを基準としてやっていかれるものじゃないかと思うのでございますが、その計画というものが、いわゆる今畜産関係で考えている主産地主義の方向をとるあるいは多頭飼育というものの方向をとっていこう、こういう考え方があるわけですが、そういうものと、この家畜改良増殖計画とは、どういうつながりを持っているのか、この点をひとつ御説明願いたいと思うのですが、大体この計画では、国が何も計画するようではございませんので、都道府県が計画を作るということのようでございますから、一体、主産地主義という構想と、この都道府県の計画とはどういう関連性を持たせようとしているのか、この点をひとつ御説明いただきいと思います。
#6
○政府委員(森茂雄君) お話のように、国は増殖目標というものを定めますが、都道府県におきましては、お話のようにこれを具体化しまして、家畜改良増殖計画を樹立して、その内容を充実していくわけでありますが、わが国の畜産は、各種の家畜が複合して広範な地域に分散して、かつ、現状では零細規模のもとに副業的に飼育されておるわけであります。今後需要等をも見計らいまして、飛躍的に伸長する畜産について、このような姿で維持されるとしますならば、畜産の生産は増大いたしましても、畜産が農家経済に寄与する度合いは非常に少ない。農業構造の改善に寄与する度合いが少ないということになりますので、畜産局といたしましては、本年度より多頭飼育の普及を中心といたしまして、あるいは協業を促進しますと同時に、畜産に関する資本整備を近代化することによって、いわゆる割りの合う畜産、語弊がございましょうが、もうかる畜産ということを実現して、収益性の高い乳牛、和牛、豚、綿羊、鶏などを対象といたしまして、産地形成を、適地における一定地域内で一定量の畜産物を近代的な畜産経営のもとで生産して、合理的な流通過程を経て消費地に供給する、生産から処理、流通に至るまでの一つの自立的な畜産経営経済圏を形成しようと、こういうことで厚い、濃厚な自立経営をひとつ育成していこう、こういう考え方であります。
#7
○北村暢君 どうもはっきりしないのですがね、この主産地形成の点について、一体この主産地形成というものの内容をどのように考えておられるのか。先ほどもお伺いしておるように、都道府県が家畜改良増殖の計画をやるというのですから、やはり農林省の主産地形成の考え方と、これが合っていかなければならないのではないかと思うのですよ。それで、国は計画も何も立てないで、ただ県にまかしてしまうだけのものなのかどうなのか、主産地形成ということを考えておられるようだけれども、何か国として基本的な、その畜産の増殖に対する基本の計画というものを考えるのか考えないのか、この点をお伺いしているのです。そういうものは国では何も一切考えないということなんですか、そのつながりをお伺いしているのです。
#8
○政府委員(森茂雄君) 国といたしましては、大よそ十ヵ年を見通しまして、家畜別にかつ飼養状況、生産立地条件等を勘案して、長期見通しの計画を樹立いたしたい、そのもとで各家畜別に増殖目標がそういう前提のもとにそれがきまりますれば、増殖目標を定めていきたい、こういうことで、かりに試算いたしますれば、十カ年後に乳牛なら乳牛で二百七十万頭とか、三百万頭とかいう具体的な、具体的といいますか、頭数でいえばそういう頭数が樹立せられた暁には、各県の、また各地における生産状況、立地条件、それからいろいろな農業につきましても、ほかの産業との調整も考えつつ、都道府県の増殖目標が立てられ、一方におきまして、そういう目標のもとに増殖計画を編み出す場合に、やはり耕地、あるいは飼料、それから農業就労の構造の関係等、なるべく適地適産で、かつ、そこで行なえば一方において農業経営が樹立されるという点を見込みまして、ただいまのところでは各家畜別ではありまするけれども、事務的に当局として試算いたしておりますのは、全国で千五百地区を想定いたしておるのであります。これはもちろん国から、上からおろしていったものではございませんで、各府県の主産地の適格市町村、立地条件等あるいは生産条件、その他の農業、多種類の農業等も考えまして、そういう条件のもとにいろいろ県の関係当局と十分相談をいたしまして、将来それが主産地になりまして、それで十分農業経営が樹立していけると、こういうことも十分配慮し、自給飼料関係、その他就業労働力、あるいはその他の耕地関係等をも考え、かつ現在までの農業就労の経過等も考えてやっていきたい、こう存じておるわけであります。
#9
○北村暢君 まあ主産地形成に千五百地区を想定しておると、それは国の計画でなしに、下から出てきたものでできておる、そういうものを想定しておるのだ、こうおっしゃられますがね。そうしますと、このほかに酪農振興法という法律もあるわけですね。そして区域を指定いたしておるわけです。そういう点からいくと、今度の法改正に伴って有畜農家育成基準案というものが資料として出されておるわけなんですが、これについても乳用牛というものの家畜飼養規模基準というものが出されて、この乳用牛というものが北海道、東日本、西日本によって何頭くらいが基準でいいのだと、こういうことが出ておるのですけれども、これは単に有畜農家の育成基準であって、それが酪振法との関係で一体どういう形になっていくのか。これは肉用牛あるいは豚、馬、綿羊に至るまで家畜基準というものがある。それから一方において、また養鶏振興法という法律もある。これはそういう基準を示しただけで、一つの農家でこういうふうにやりなさいということだけで、そういう酪振法なり、養鶏振興法なり、今あなたのおっしゃられる主産地の千五百地区という想定しておるものと、この家畜育成基準というものとのつながりというものが何にもないような感じがするのです、この法律からいくというとですね。ただ、今おっしゃったように、農家の労働力であるとか、あるいはえさの問題であるとか、そういうものを勘案してやっていくのだなんて言うけれども、一体主産地形成というものであったならば、もう少し総合的に家畜の主産地というものを考えて、農家経済というものをもちろん考えた主産地形成というものが政策的にやはり考えられて、それとのつながりにおいて酪振法なり、あるいは養鶏振興法なり、今度の家畜増殖法というものとの関連が、何かによって、政府で計画的にあるべきでないか。全国的に乳牛は何年後に何千頭になりますとか、役肉牛は幾らになりますとか、こんなこと言ったって、それは政策でも何でもないですよ。ですから、そういう根本的な畜産振興に関する、いわゆる基本法ばやりなわけなんだが、この農業基本法の構造政策と合ったところの畜産振興といったような法律、抜本的な法律でなければならない。そうでなければ、今までのように、もう豚でも乳牛でもそれから役肉牛でも、買え買えという奨励のしっぱなしのような形になって、全くこれは乱雑な行政になる。したがって、この基準なんかからいけばこれはまあすばらしい基準ですよ。一体この基準を何年間でやろうとしているのか、これは何年後の目標なのか。今一体乳牛の農家の一戸当たりの平均の頭数からいったって、一頭かそれぐらいなものでしょう。それをあなた、北海道で十四頭、東日本で十頭、西日本で七頭になるというんですよ、一戸。それのほかに――これはほかか別々かわかりませんが、肉用牛十三頭とか、生産用十三頭とか、そのほかに肉用の肥育用として八頭とか、こういう基準は、確かにこれは基準で、どこにこれを飾っておくのかしらないけれども、実際問題としてこんな基準を示したところで農家は使えないですよ。一体こういう基準を示すのであったならば、あとのほうに家畜の経営改善指標だしか、あるいは経営の条件だとかいうとを書いておりますが、実際の農家の経営指導をするようなものになっていかぬといけない。そうでなければ、こういうものをただ単に基準をきめたところで、一体農家にこれをどうしろというんですか。どうにもならぬですよ、こんなもの。基準をきめてみたところで、役肉用の牛だって農家に一頭か一頭半でしょう。それをあなた、肉用のものを十三頭もやって、専業的にこれは飼育していこうというんでしょう。そういうもうかる畜産をやっていこうというんなら、もうかる畜産をやっていくような主産地なり、あるいは重点を指向したところの施策と関連していかなければ、私は何にも政策として実っていかないんじゃないか。ただこんなもの出したところで、全然意味ないんじゃないかと思うんですよ。これに対しては、やはり近代化資金の有畜農家の資金が一体どういうふうになっていくのか。それからえさは一体どういうふうになっていくのか、自給飼料というものはどういうふうになるのか、そういうものの可能性のある地域というのは一体どういう所なのかというようなところで、やはり主産地というものが形成されていかなければならないと思うんです。ところがこの法律だというと、全くそういうものは度外視されて、ほんとうにこのいわゆる種畜と人工授精のまことに技術的な法律のその改正の中で、簡単に家畜の導入というようなことも織りまぜて、便宜主義的にこの法律を改正したために、私はそういう意欲的な政策というものが織り込まれた法律になっていない、改正になっていないんじゃないか、こう思うんです。したがって、そういう点からいえば、これはほんとうに間に合わせのためのような法律なのか、将来抜本的に考え直そうとしているのか。どうなんですか、そこら辺のところは。
#10
○政府委員(森茂雄君) お話のように、自立経営、あるいは主畜経営による畜産、あるいは農家経営の改善に資すると同時に、長期見通しによる需給関係からいいましても、それに計画的に十分結びついたもので、総合的に畜産振興を考えていかなければならないということはもちろんでございまして、自給飼料の具体的な立地条件等も考慮をしての自給飼料対策、あるいは耕地面積と畜産経営を取り入れる場合のどの程度の規模というようなこと、それから今お話になりましたように、しっかりとした総合的な関係で計画が編み込まれ実行されなければならぬという点は、御指摘のとおりであります。政府といたしましては、ただいま農業基本法を中心といたしまして、農政審議会等におきましてもそれぞれ専門部会に分かれまして、今後の農業のあるべき姿、あるいはただいま農林省が立案しております農業構造改善事業計画等につきましても、各方面の関係をも十分検討してやっていくわけであります。今御指摘の、育成基準と全体的のことと、ちっとも関連がわからぬじゃないかと。ただいまそういうようなことで旗を上げかけているわけでありまして、その織りなす綾、織り方、あるいはその中の糸などはいろいろ事務的には検討しているわけであります。今回改正をお願いしておりまする有畜農家育成基準は、御承知のように現在まで有畜農家創設基準というものがありまして、これは有畜農家創設特別措置法によりまして、二十八年以来有畜農家創設基準が定められまして、当時のわが国の畜産の状況からいって、まだ家畜の飼養規模、飼養農家数も非常に低くて、まず国の最初の方針としては、家畜を取り入れる農家の数を多くするということが従来重点に置かれておった関係上、有畜農家創設基準の目的も、いわゆる無畜農家の有畜化と、少頭数でも家畜農家の家畜の追加、こういう追加導入という農業経営の安定合理化をねらっておったわけでありますが、この有畜農家創設基準によりまして、現在まで一応乳牛約十六万頭、役肉牛約二十二万頭、総事業費約百三十六億円を融資の対象にいたしまして、利子補給を二分やりましてやってきたわけであります。しかしながら、最近における今後十年間の畜産等の需要等も見ますれば、数倍の需要が見込まれる。現在家畜の飼養農家数は漸次増加したといえども、まだお話のように、乳牛では全国平均わずかに二・一、北海道ですら平均三・三頭にすぎないわけであります。で、そういう有畜農家創設基準を設けました有畜農家創設特別措置法は、今回別途提案になっておりまする近代化資金の法案によりまして廃止されると同時に、近代化資金によって融資するということにしようというわけでございますので、現下あるいは将来における見通しから見まして、無畜農家を有畜化するものだけを家畜導入の利子補給の対象とせずに、多頭飼育、一定の多頭数規模によるものまでも家畜導入の補助対象にしよう、こういう考え方から有畜農家創設基準を改めまして、有畜農家育成基準として本法に近代化資金法案と見合いまして入れまして、こういう規模でも家畜導入の助成対象になる、近代化資金で融資した融資の二分補給の対象になる、こういうことで多頭飼育による経営をいたさせよう。しからば全体と具体的なこういう関係と、どういう関係になるか、こういうことになりますれば、長期見通し等も定まり、またどういう規模のどういうものにはどういう頭数がいいかということもきめていきたいと考えておるわけであります。ただいま案として示しておりまする有畜農家育成基準にいたしましても、耕地面積をどの程度持っているもので家族労働がどの程度あり、どの程度の自給飼料があれば一番自立経営になるかという点等につきましては、さらに具体的に検討いたしまして、家畜増殖の――本法に御改正をお願いしておりまする――審議会等の学識経験者の方々の御意見等も伺いましてやっていこう、さしあたって今育成基準とはいたしておりませんが、近代化資金が今中途半端になっておりますので、無畜農家の有畜化という従来の基準ではなくて、一応各地域からいって少なくともこの標準くらいまでは家畜導入基準の助成対象としていいのではないかということで、近代化資金の暫定処理といたしましてはその程度に基準を上げて、そして、さしあたって従来までありまする二十億の助成対象の融資につきましては、暫定的な処理といたしまして近代化資金が通りますれば、さらにこの内容等も充実して参りたいと存ずるわけであります。
#11
○北村暢君 いろいろおっしゃいますがね、端的にお伺いしますが、家畜飼養規模基準というのを、この表にありますように、これは一体、こういう基準をきめた考え方ですが、何を根拠にこういう基準をきめられたのか、これをひとつ説明していただけませんか。どういうことなのか、この表を説明して下さい。
#12
○政府委員(森茂雄君) ただいま配付されておりまする有畜農家育成基準の内容として、一応まず家畜の種類別に、基礎となるべき飼養規模を、北海道、東日本、西日本の三地区に分けて定めております。この飼養頭数の算定にあたりましては今後のわが国農業の発展の中で畜産による自立経営の育成を目ざしつつ、かつ経営形体として主畜経営ないしそれに準ずる経営を想定いたしまして、おおむねその地域の他産業従事勤労者の勤労所得と同じ水準の所得を得られる場合には、どのくらいの飼養規模を必要とするか、どの程度まで指導援助すればよいかということを考えて、かりにそれを算定いたしたわけであります。この場合に、飼料基盤との関係から、その経営における耕地面積規模をどのように仮定するかということが問題になりますが、ここで一応北海道で十ヘクタール、東日本で一丁五ヘクタール西日本で一・五ヘクタールと仮定して算定いたしておるわけであります。この飼養規模基準による場合に、農業立地条件、経営形態あるいは畑地率などを考慮いたしまして、さらに多頭数飼育を行なわせることが必要かつ適当な地域が考えられますので、これらの地域につきましては別に定めることとして、弾力的な運用をはかって参りたいと思うわけであります。このようにして家畜を導入いたしまして、畜産経営の改善を進めます場合に、改善の目標として考慮さるべき事項を畜産経営改善指標としてそこへ明らかにしておるわけであります。そういう点から、一応ただいま申し上げました耕地面積規模をそういうふうに仮定した場合のことでございまして、それぞれいろいろ調査いたしておりますけれども、どういう土地に、どういう耕地面積の場合に何頭入れるのが畜産経営で自立的になるかということは非常に今後検討すべき問題として、われわれ十分にそういう点に取っ組んで、農家が家畜を入れる場合に指標となるべき方向ということを、さらにこの育成基準等を確立するために十分検討いたしまして、審議会等の意見等も伺いましてやっていきたいと存ずるわけであります。
#13
○北村暢君 どうもはっきりしないのですがね。これは北海道の場合を例にとりますと、乳用牛なら十四頭ですね、子牛を四頭含んでおるようでございますが、それが農家、まあ労働力二・五かせいぜいいって三でしょう、農家の労働力でですね。そういうものを基準としてその農家が専業に乳牛をやるためには十四頭ないというと都市勤労者の所得と均衡しないのだと、そういう観点でしょうか。そして十ヘクタールのこれは飼料畑を持たなければならないわけでしょう。でありますから十ヘクタールの飼料畑を持つ、乳用牛十四頭というような形でね、それが基準なんだと、こういう意味でございますか。
#14
○政府委員(森茂雄君) ただいままで家畜導入で約年間二十億の事業費を予定いたしまして、その家畜を導入した場合に二分の利子補給をやっておる現状でございますが、今回はこの有畜農家創設特別措置法を廃止しまして近代化資金でやることになったわけでありますが、この際、多頭数飼育等を考えますと、無畜農家を有畜化するという低いレベルの導入だけではなくて、たとえば北海道では現在有畜農家基準では導入で助成の対象としておりますのは、北海道に例をとりますると、五町ないし十町では、三頭以上の乳牛を持っている者に対しては一応基準としては助成の対象にしておらぬわけであります。そこで、しからばどの程度までが助成の対象として多頭数飼育をやって、最小限度畜産を経営に取り入れていった場合に、どの程度が適正な規模であるというのか。労働力と耕地、あるいはその耕地によりましても、畑地、水田あるいは草地と、いろいろの関係が具体的に織りなされるわけでございますが、これは、ある程度そういうコンビネーション等につきましては、別途、類型規模を作る必要があります。その意味におきまして、ただいま配付申し上げておりまする育成基準の大よその目標はどうか、こういう御質問では、北海道では約十ヘクタールの耕地面積――これは耕地の内容によりまして種類がいろいろありますが、どの程度の内容のものか、現在までの生産費調査、いろいろな観点から検討して、大よそこの目標である、こういうことをお示ししたにすぎませんで、どういうコンビネーションで、どういう理想的な類型であればいいかということは、今後われわれといたしまして十分検討いたしまして、増殖審議会の議も経ましてだんだんと確立して参りたい、こういうわけであります。したがいまして、現在養っております、本年度実行いたします家畜導入基準といたしましては、たとえば北海道を例にとりましてなんですが、五町ないし十町の三頭までしか持っておらない乳牛の飼育者につきましても、レベルを引き上げまして、十頭くらいまでは家畜導入の助成の対象としてよかろうということで、通牒的には暫定措置をとっておりまするが、この育成基準を確立しますには、十分各方面の御意見も伺って、ぜひ類型的なものは打ち立てて参りたいと存じているわけであります。
#15
○北村暢君 類型的なものというのですけれども、農林省で幾つかの営農類型というものを考えて――幾つかあったと思いますが、そういう地域々々に応じた営農類型というものを発表したことがあるわけです。そういう例から見ても、乳牛十四頭だなんというのは、十町歩で乳牛十四頭飼うなんというのは、あまり見たことがない。そういう営農類型がね。十四頭というのは一体何年計画でやろうとするのか。そうして有畜農家創設というのは、家畜を持っていない者に持たせる――そうでなしに、今度頭数を多頭飼育でふやしていく、ふやす者にも融資する、これはわかるのです。それはいいんですけれども、もしかりにこれを十四頭なんということになると、畜産三倍、果樹二倍というのですから、そういう点からいけば、一戸の農家が十四頭も持つようになると、今持っておるところは手放さなければならない問題が出てくるですよ。全体からいけば。
  〔委員長退席、理事櫻井志郎君着席〕
そういうことになら、ざるを得ない。そうでなければ、共同経営にするか何かしなければ、この十四頭という規模は簡単に私は出てこないと思うのですよ。それは、一戸の基準はこうやれば非常に経済的に有効なものができるという、こういう手本を示しただけで、こんな手本を示されても、行政として実際にどういうふうに農家を指導するのか。その資金も、今度は近代化資金で家畜もふやすのだということになれば、それはあんた、今言ったくらいの融資で全部がこんなことになったらたいへんなことになっちゃうので、そんなことにならないと思うのですよ。ですから、実際問題として、こういう基準を与えた場合に、どういうふうにこの基準に合うように持っていくのか。あなた方はどういうふうに指導しようとしているのか。こういうものとつながっていかなければ、こんな基準なんか示されてみたところで何の役にも立たないですよ。どうやってこれ、あんたがたは実際農家を指導するのですか。そういう形に現在ないでしょう、全然。一体そういう、これが非常に有効な飼い方だというのなら、それならそのように、資金なり、それから労働力も言われておるけれども、とにかくこれは度はずれですよ、十四頭一戸で乳牛を飼っていくなんというのは。大体五頭、六頭あれば採算はとれるんじゃないかと北海道あたりでは言っているんですよ。まあ一、二頭じゃとても赤字になってどうにもならない。十四頭入れたくても、これは金で参っちゃうですよ。大体どんなに膨大な金を貸してくれるのか知りませんけれども、今の近代化資金のような形でいったんでは、とてもこんな規模にはならない。しかも、もしこういうふうにするとすれば、相当重点的に一部の人に多額に貸し付けないと、今の貸付基準のような形ではこんなことにならぬですよ、実際問題として。だから、その基準を一体どういう感覚で出しているかということをお伺いしている。とても簡単なものではないでしょう。これはどういうふうに……。
#16
○政府委員(森茂雄君) お話のとおり、基準というものはなかなかむずかしい問題でございまして、簡単なものではございません。ただいま助成の対象としておりまする有畜農家創設基準では、北海道で例をとれば、三、四頭を持っておる農家には家畜導入をする場合に助成の対象といたしておりませんので、それではどの程度対象とする最高限度を引き上げたらいいかということが問題になるわけであります。さしあたって、これを最高限度として家畜導入の助成の対象にするということでございまして、適正規模による主畜経営の目標がどういう耕地とのコンビネーションによって――あるいは地域、地帯によっても違いましょうし、たとえば市乳地域とそれから原料乳地域では、乳牛に例をとれば、違いましょうし、現在多頭数飼育をやっております面におきましても、家族労働等との関係で――そればかりやっているような調査もございますが、そういう場合に失敗しておる例もございますし、多頭数飼育をやる場合にも、周囲の副業的農家とか、自給飼料の生産に専念をする多頭数飼育をやっておる農家、それと十分協業をしましてやっていくという例では非常に成功に向かっている。いろんなコンビネーションがあるわけであります。したがいまして、頭数いかん、こういうことになりますれば、いろいろな条件によって頭数が変わってくるわけでありますが、さしあたって、現在無畜農家の有畜化という基準程度で助成いたしまして、この対象を最高限度として、さしあたってその程度では……ということでございまして、有畜農家育成基準といたしまして、なるべく理想的なものを今後審議会等にもお願いしまして研究し、決定いたして参りたいと思います。かりに数字を並べまして、何といいますか、非常におわかりにくい点がございましたので、その点はこういう意味でございますので、申し上げた次第でございます。
#17
○北村暢君 それで、乳牛だの肉牛ならまだわかるのですが、馬七頭飼うなんという、馬だけを七頭飼う農家を作っていくなんというのは、こんなことを考えているのですか。どうなんですか。
#18
○政府委員(森茂雄君) 馬につきましては、戦前軍馬としての需要であったわけですが、今後は、主体をなす役用馬につきましては、最近非常な動力、機械器具等の普及によりまして、その市場性が薄くなっております。したがって、有畜農家創設基準の有畜農家基準におけるそれぞれの地域の最高頭数を有畜農家育成基準の飼育規模として一応の踏襲をいたしておりまするが、十分これは検討して参りたいと思います。
#19
○大河原一次君 関連して。この考え方は何ですか、例の農業基本法からくる構造改善政策の中に、いわゆる今後計画される協業を中心としてこういう考え方が出ているのですか。これは協業のみでなくて個々の農業の場合も考えておられるのですか。どちらにこれの主体があるのですか。
#20
○政府委員(森茂雄君) これはそれ自身だけの経営の場合はもちろん、協業の場合も入っての一応さしあたっての助成の対象になる貸し出し基準を最高基準を制限いたしましたので、いろいろ疑義をお持ちだと思います。十分育成基準をきめる場合には検討いたして参りたいと思います。したがいまして、協業の場合とそれだけでやる場合等を十分コンビネーションした考え方できめて参りたいと思います。
#21
○大河原一次君 僕は一応選択的拡大という大きな柱が出ているのですから、その柱に乗ってこういう考え方は一応わかることはわかるわけですが、ただ一面には今日の無畜農業、無畜農家をいわゆる主畜農業経営に持っていきたいという考え方があるわけですね。その場合に、今日の私はこの無畜農業というものは大体第一種兼業農というような兼業農に無畜農家が多いのではないか、私はそう思っている。そればかりじゃないと思うのですが。その場合に、そういう今日の兼業農家の方々の上にもやはりもちろん育成基準案が出ているようですけれども、一面にはそういう個々の無畜農業を主畜経営に持っていくという、そういう考え方が入っているのですから、そうすると、乳牛の場合なんかは相当の規模がなければならぬと思うのですが、養豚の場合なんかは一町未満でも僕は相当多頭飼育ができるんじゃないかと思うのです。そうしますと、政府の考えている構造改善政策によって、これも十カ年において、何ですか、二町五反以上のものを百万戸作るというようなことが一応出ておりますが、何か僕はそこに矛盾がくるのではないかと思う。今日の兼業農家までがこの方向に持っていかれるということになれば、せっかくの政府の考え、構造改善政策がくずれるんじゃないか、そういう気がするのですが、そういう点はどういうふうにお考えになりますか。
  〔理事櫻井志郎君退席、委員長着席〕
#22
○政府委員(森茂雄君) ただいまの状況といたしましては、いろいろなデータを検討しておりますが、種畜を主業として畜産をやっておりまするものに、飼料等を周囲の副業者が協力してやっていく、片方のほうでは自給飼料を十分作るというようなことでやって成功している事例もございます。あるいは同じ規模の農家が協業する場合、これはそれぞれの規模によりましてやはり飼育頭数も仕事が分化されて上がっていく、こういうことを考えておるわけでございまして、副業と主業者と結びついた農家経営、協業経営ということもあると存ずるわけであります。
#23
○北村暢君 そうしますと、この家畜飼養規模基準というのは、この近代化資金の金を貸す最高限度の目標である、そういうふうに理解して、実際にこういうものを作っていくのだとか何とかということには考えておられないようですが、ここまでは金を貸そう、こういうことで今までよりはだいぶ大幅に金を貸すのだというふうに受け取れるわけなんです。でありますから、これは実際問題として馬を七頭、これは競馬馬の養成をやるのならば別ですが、農耕馬を七頭飼って、そして馬だけで有畜農家になろうだなんという農家なんというものは、現実問題としてはないですよ。こんなものはどう考えてみたってないですよ。だから、七頭までは融資はいたしましょう、こういう程度のものである、こういうふうに理解して私はいいと思うのです。あまり計画がずさんであるから、もう質問したって意味ないと思いますから、私はこれ以上質問いたしませんが、こういうことではやはり私は畜産行政の指導にはならないと思うのですよ、実際問題として。やはり欧米の先進国の農家のいわゆる構造政策に関連する指導というようなものは、もっとやはり個々の農家について、しかも非常に適切な改良普及員がおって、しかも権威のある改良普及員がおって、そして指導していっているようですよ。個々の農家についてそういう指導をするようです。そのくらいまでやはりいかなければ、私はこの今畜産が選択的拡大の日本の農政の最高の重要な任務を持って、今発展していこうという段階においては、この改良増殖の育成基準なるものはまことに私はずさんでないかと思うのです。したがって、これは今後の農業構造政策の農家の構造改善というものとの関連において、やはりもっと真剣に検討し直すべきだと思いますね。それでない限り、どうも宙に浮いたような基準のように受け取れます。どう説明をお伺いしても、納得いくような感じはいたしませんよ。ですから、これはこれ以上質問してもあれだと思いますが、そこでお伺いいたしたいのは、先ほど来盛んに近代化資金――有畜農家創設資金というものを近代化資金に切りかえて、そして多頭飼育の関係で頭数をふやす方向にもやっていくのだ、こういうことのようでございますがね。このほかにもこの資料にもありますように、家畜導入の方法としては非常にたくさんあるわけですね。いわゆる畜産による、寒冷地等の特殊地帯における国有の乳牛、和牛等の貸付制度、そのほか中小農の振興のための中小農向けの家畜の預託事業に対する助成、補助ですか、こういうふうにいろいろな家畜導入のやり方があるわけでございますが、それなりにやはり私は成果を上げてきている。あとのほうでも出ているように成果を上げていると思うのでございますが、この家畜導入のいろいろな方法との、先ほど言った有畜農家育成基準との関係ですね、これは私は先ほどから言っているように、この基準にするために、どういう何カ年計画でこういうふうに持っていこうとするのかということを盛んに聞いているのですが、御答弁ないようですが、とにかくこういう家畜導入のいろいろな方法があるわけです。そういうものと関連をさせて、この有畜農家の基準というものがやはり関連を持ってどういうような方向でいくのかということがはっきりしないというといかないのじゃないか。したがって先ほどから、最初から言っているように、やはりこの家畜振興というものについての政府の基本的な考え方なり、今までのやってきた行政というものをここで抜本的に改善をして、どういう整理統合をやってこの畜産振興をやっていくのか、今までの随性でやってきたものをそのままというわけにはいかない。ここで改められているのは、有畜農家創設が多頭飼育になるように近代化資金に切りかえただけですよ。そうしてそれ以外のものは従来と何も変わってないのですよ。そういうような点からいって、この畜産というものを振興していこうという、いわゆる増殖をはかっていこうというこの考え方との間にどういうつながりをもって考えられておるのか。今までのとおりではいけないはずですよ、確かに。そういうような点からいって、この関係をどういうふうにやっていくのか、もっとやはり簡便に、国有貸付の行き方なんかでも、私ども知っている範囲でも、国有貸付というものはまことにありがたい制度でありますけれども、必ずしもこれはうまく運営されておらないのですよ、実際問題として。実際にその労力もあり何もあってほしい人がおるにもかかわらず、そういうところにはいかないで、これはやはり貸付ですから、相当の農家でも資力があり信用のある者でなければいかないのですよ、これは。そういうような点からいって、ほしい者にいかないような状態になっている事態というものがある。そういうような点からいって、今後こういう制度、いろいろな制度があるのだが、そういうものを一体どういうふうに関係づけて、この家畜何といいますか、育成増殖という問題と関連をして考えておられるのか。先ほど説明もありました、多頭羽飼育と言ったのですが、今度の法改正の中ではこれは鶏は入っていないわけですね。おそらく鶏は養鶏振興法でやっていくのじゃないかと思うのですね。そういうような関係の調整とも関連して、この家畜導入のいろいろな方法をどういうふうにこれと関連づけて考えておるのか、これをひとつお伺いしておきたいと思います。
#24
○政府委員(森茂雄君) まず前段の、飼養規模とそれから経営、あるいは頭数との関係は、これは非常に重要な問題でございまして、育成基準等を検討する場合、確立する場合に十分慎重に、かつ、総合的に検討していかなければならないと存じます。
 それから家畜導入の問題でございますが、現在御指摘のように有畜農家創設特別措置法、それから国有貸付、あるいは肉用素畜の購入補助事業等もやっておりまするが、やはり今後の畜産は長期見通し的には計画的でなければならないと同時に、かつ、能力も充実した生産効率をあげていくということも考えなければならないと同時に、毎年々々増殖いたしまする豚、鶏等につきましても、十分計画的にやって参りませぬと、設備拡充計画ではないのですが、実際ものができても安くなってしまう、こういうこともございますので、現実的にもやはり需給計画等もおよそ目標はきめて、行政の運用上として短期的にも十分計画的にやっていかなければならないと存ずるわけであります。
 本法におきまして、それではそれとどういう関係になるかということではございますが、まあ一歩踏み出して、増殖目標、あるいは都道府県の増殖計画という長期的な計画を樹立いたしますと同時に、行政運用的には少なくとも毎年々々の導入計画というものも十分に実情に合って、かつ、需要に見合うように、運用上は計画を樹立していかなければならぬと思います。したがいまして、増殖の基準と、それから国が定める増殖目標、あるいはそれに即応して、かつ、都道府県等の事情も考えての増殖計画という長期的なものと現実的な技術的なものとのつながりというものにつきましては、長期見通し等もきまり、かつ、営農類型もきまりますれば、十分そういう点を考えまして、御指摘の総合的な畜産振興という意味から総合的に体系的な立法ということも将来は考えられる問題だと存じます。
#25
○北村暢君 次にお伺いしたいのは、この種畜の頭数が人工授精の技術の進歩に従いまして、非常に減ってきているわけですね。この表を見ましても、昭和二十五年から三十五年、十年間に約半分ぐらいに種畜の頭数というのは減ってきているわけです。それでなおかつ十分の効果がおさめられるようなことになっておるのだろうと思うのですが、そういうふうに種畜の数が減っても技術の進歩によってそれが補われていく、こういうことだろうと思いますが、これと関連をいたしまして、今後の畜産振興と関連して、技術の進歩と見合わして、この種畜の頭数というのはどういう方向をたどるのか。
 それから今度の法律改正ではないのですが、私はほんとうの意味における種畜と人工授精の技術的な問題だけじゃなしに、先ほど来盛んに言っているように、この総合計画が必要だということは、主産地形成のほうからいっても、どういう家畜をどういう地域にどういうふうに持っていくかという大まかな計画でもない限り、種畜の配置ですね、それから国営の種畜牧場の配置、こういうものも私は合理的になっていかなければならないのじゃないかと、したがって、昭和二十五年当時から比べるというと、三十五年で種畜が半分ぐらいになっておるのですが、この国立の種畜牧場の、こういう配置からいけば、何か種畜が減ってきている。したがって、牧場の規模も種畜場としては縮小してもいいのじゃないかといったような感じが受けられるのですよ。そこでお伺いしたいのは、この種畜の減少の問題と関連して、国立の種畜牧場の今後の限界はわかるわけですが、まあ整備をしてより充実さしていくという考え方もありましょうし、もっと全国的に見て種畜の配置ですね、そういうような面を考えていくというような点、これはまあこまかくは言いませんが、何かちょっとやはり考えてもいいような点もあるように見受けられるのですが、そういう点についてはどのように考えておられるのか。(河野謙三君「私関連して、ちょっとお聞きしたい」と述ぶ)
 それからもう一つは、国立の種畜場と、県の種畜場との業務の分担なり配置なり、こういうものの関連は一体どういうふうになっているか、この点をひとつお知らせを願いたい。
#26
○委員長(仲原善一君) 関連して、河野君。
#27
○河野謙三君 今、北村委員からも最後に触れられました、私、きょう手元に資料ないのですが、いただいた資料にもし――各府県、それからまれに自治体、それから業者、こういうものが過去五年の間にアメリカなり欧州からどの程度種豚なり種牛なり、こういうものを購入しているか、年次別にこの頭数と、それに要した金額等を御明示いただければ、後刻資料としていただきたいし、もし、そうでなく、今ここですぐにお答えがいただけるならば、もう時間の関係で午後でもけっこうですが、御説明いただきたい、こういうふうに思うのです。
 一言つけ加えますが、私は種畜の重要性ということはよくわかるのですが、重要であればあるだけに、国と県、自治体、業者、これらが多額の金を使って外国から種畜を導入する場合には、もう少し計画性があり、秩序が立てられてしかるべきじゃないか。私が知っておる範囲では、各府県ではそれぞれ自分の県の財政で、いろいろ財政力にまかしてめいめい勝手なことをやっている。そこに非常に二重投資と申しますか、また、二重投資でもいいが、そこにはいかがわしいものさえつかまされて帰ってくるということも私はまれに聞いている。こういうものに対して、各府県なり自治体、業者が導入する場合に、その農林省の畜産局の技術陣との間にどういう連携のもとに、過去において種畜の導入をやっているか、これらにつきまして、私は少なくとも疑問を持っているのですから、この点について御説明を、北村君の答弁につけ加えてしていただけばけっこうです。重ねて申しますが、資料は今ここで御説明願えれば、過去五年間にどれだけのものを入れたか、府県別、業者別、町村別、こういうものでひとつ出していただきたい、かように思います。
#28
○政府委員(森茂雄君) 北村委員の、現在の国立牧場の現況あるいは将来の運用の問題でありまするが、現在、国立の種畜牧場は優良種種畜の家禽あるいは家畜人工授精用の精液の配付、あるいは産肉能力の検定事業等をいたしておりますが、今後、種畜が改良されていくべきものと考えられますので、必ずしも種畜が今後減っていく、減っていくべきものだとは思いません。現在の状況で動物別にいいまして、人工授精の普及率が非常に高くなっておることは事実でありますが、たとえば乳牛では九三%、役肉用牛では八二%でありまするが、豚、ヤギ、綿羊、馬等を見ますると、豚では二一%、ヤギ、綿羊では一三ないし六%、こういう状況でございまして、やはり改良された種畜が充実していく。まあ必ずしも頭数にはよりませんが、質を充実して頭数を確保していくということが必要だと存ずるわけであります。国と県との関係は、もちろん国で育成しました種畜が、各都道府県に設けられておりまする種畜牧場を通じまして民間に行くことになりまするが、現在、国立の種畜牧場でも、場所によっては、馬関係に充実しておったり、綿羊関係等に充実しておったりして、今後増加すべき和牛、乳用牛あるいは豚等の関係からいいますると、地域的態勢において必ずしも各県との関連において距離的にいって系統化されておるということではないのでございます。今後やはり系統的に各県が国から受けて種畜を充実していくという面では、再編成整備計画を立てていかなければならぬと存じておりまして、一部、来年度等の予算においても一気に充実するわけには参りませんが、それほどではない動物と、今後伸ばさるべき動物とにつきまして、主産地とも関連して充実して参るべきだと存じます。また、民間のブリーダーとの関係におきましても、国と県の牧場等との関係で、事実上は相当連係的なものがあるとは存じまするけれども、これが計画化されていっておるという現状ではございません。これらはやはり総合的に整備さるべきものだと考えられます。
 それから河野先生の御指摘の種牛あるいは種豚等の関係でございますが、国で輸入したものは、種牛で申し上げますると、三十一年度は雄では一頭、雌では九頭、肉用種牛では一頭、ジャージーでは七百十七頭の雌であります。三十二年度では、乳用種牛では、雄では一頭、雌では十五頭、肉用種牛では、雌では二頭、ほかに、種綿羊では、雄では五頭、雌では十頭、それから種鶏では、雄では二十羽、それから雌では八十羽……。
#29
○河野謙三君 時間もだいぶ経過しておりますから、資料でいただくことにして、この際、もし、なんでしたら、過去五年間のトータルでもけっこうです。私が特に知りたいのは、その間において、トータルでけっこうですから、各県なり、まれに自治体なり、市町村なり、それから業者の間で一体どれだけ入れておるのか、国で入れておるものと、その他で入れておるものとの比較を私は知りたいのです。
#30
○政府委員(森茂雄君) 資料は整備して差し上げることにいたします。
#31
○櫻井志郎君 関連。今、北村委員の御質問に対して局長から若干、方針のお答えがあったのですけれども、参考資料の「国立種畜牧場の現況」というところを見ますと、端的にいいますならば、日本海側、裏日本では、わずかに鳥取県に牧場があるだけで、将来、米作中心地帯に酪農を相当大々的に取り入れていこう、水田酪農もやろうという意欲に燃えておるのですが、現在の種畜場の配置状況を見ると、そうした酪農振興に対応するような方向というものが、現状からいうならば、全然整備されておらない。わずかに長野県に種畜牧場がありますが、これは乳用牛でいうと、ジャージー種しか使っていない。どうしても秋田、山形、新潟、富山、石川、福井、こういう方面に水田酪農を入れていくためには、今、方針について若干開陳はありましたけれども、裏日本あるいは北陸地方を中心にした酪農振興というものとからみ合わせた種畜国立牧場あるいは、要すれば、私は支所でもけっこうだと思う。どうしてもこの整備は急速にやってもらわなければならないと思いますが、局長のお考えいかがですか。
#32
○政府委員(森茂雄君) ただいま櫻井委員のお話のとおり、戦前の馬の牧場を引き受けまして、そしていろいろ事情に即応し、将来の見通し等も考えまして、それに即応して転換していくという面では現状として非常に何といいますか、総合計画的にはなっておらない。各府県の種畜場を充実した種畜場があればそれに補助していく方法もあるとは思いますが、やはり国、県の種畜場あるいは民間のブリーダー等をも考えまして総合的に整備されるべきものだと考えます。従来の経過からいいますれば、政府の努力ももちろん今後いたさなければならないと思いますが、まあ泣き言ではないのですが、そういう面で予算関係に力が入りにくかった、こういう点はぜひ是正していくべきものだと存じまするし、なかなか馬の牧場を牛の牧場にかえていくということ、いろいろ動物的に転換するのに非常にむずかしい問題は、陣容的にも施設的にもある現況でございますが、勇敢に大担にそういう点は十分今後の畜産の需給の見通し等も考えまして、また樫井委員のおっしゃるとおり私現実に飛び込みまして汗顔の至りでございます。十分努力いたします。
#33
○委員長(仲原善一君) 午前はこの程度とし、午後は一時三十分再開いたします。
 それでは暫時休憩いたします。
   午後零時四十三分休憩
  ―――――・―――――
   午後二時開会
#34
○委員長(仲原善一君) ただいまから委員会を再開いたします。
 農業近代化資金助成法案(閣法第一八号)、農業信用基金協会法案(閣法第一九号)、農林中央金庫法の一部を改正する法律案(閣法第二六号、以上いずれも予備審査)の三案を一括議題といたします。
 これらの三案は、去る十月十日、提案理由の説明を聴取いたしました。まず順次三案の内容の概要について補足説明を求めます。
#35
○政府委員(坂村吉正君) それでは農業近代化資金助成法案につきまして、若干補足説明を申し上げます。
 この法律案は、農業者等の資本装備の高度化と農業経営の近代化に資するため、最近充実を示してきた農協等の組合系統資金を積極的に活用し、農業者等の生産施設の整備をはかることを目的として創設されます農業近代化資金融通制度の根拠となるものでありまして、昭和三十六年度におきましては、この制度により年七分五厘以内の金利で三百億円の融資を行なうことを予定いたしておりますが、以下この法律案の内容につきまして御説明を申し上げます。
 第一条は、この法律の目的について規定いたしております。すなわち、第一条は、農業者等に対し、農業協同組合、農業協同組合連合会等の融資機関が農業生産施設等のための長期低利の資金を貸し付けることを円滑にするため、都道府県が融資機関に対して行なう利子補給等の助成措置に対して国が助成を行なうことにより、農業者等の資本装備の高度化と農業経営の近代化に資することをこの法律の目的とする旨を規定いたしております。
 第二条は、農業近代化資金を借り入れることができる「農業者等」、「融資機関」及び「農業近代化資金」の定義であります。
 第一項は、国の助成の対象となる農業近代化資金を借り入れることのできる「農業者等」を規定いたしておりますが、第一号は農業(この場合、農業には畜産業及び養蚕業を含むものとしております。)を営む者でありまして、いわゆる農業法人もこの中に含まれます。第二号は農業協同組合であり、第三号は農業協同組合連合会であります。第四号は、第一号から第三号までの者が主たる構成員または出資者となっている法人として農業共済組合、同連合会等を政令で指定する予定であります。
 第二項は、農業近代化資金を貸し付ける「融資機関」を規定いたしておりますが、個人施設については貸付事業を行なう農業協同組合を中心に、不振単協傘下の農業者、あるいは融資規模が大きい場合等には、信連等の直接貸付をも認めることとしており、農業協同組合等が行ないます共同利用施設につきましては、信連、共済連及び農林中央金庫といたしております。
 第三項は、国の助成の対象となる「農業近代化資金」の内容を規定いたしております。
 これは、農業者等の資本装備の高度化および経営の近代化に資するため、さきに申し上げました融資機関が年七分五厘以内、償還期限として十五年以内、据置期間三年以内の条件で農業者等に貸し付ける施設資金でございまして、その細目については政令により定めることといたしておりますが、農舎、畜舎等の農業用建築物、サイロ、果樹だな、索道等の農業用構築物及び農業倉庫、飼料製造施設等の共同利用施設の改良、造成、取得に必要な資金、原動機、耕転整地用機具、病虫害防除機具等の農機具の取得に要する資金、柑橘、リンゴ、ナシ、ブドウ等の果樹、茶その他永年性植物の植栽に要する資金、乳牛、繁殖用豚等の家畜の購入に要する資金、小規模の農地または牧野の改良、造成に要する資金等を予定いたしております。
 貸付限度につきまして、一般の農業者にありましては二百万円以内、農業生産法人等につきましては一千万円以内、農業協同組合等にありましては原則として五千万円以内(この場合特別の理由がある場合において農林大臣が承認したときは、五千万円をこえてその承認した金額となります)でありまして、細目については、これも政令で定めることといたしております。
 第三条は、このような内容の農業近代化資金に対して行なわれる都道府県の利子補給に対する政府の助成について規定いたしております。
 この利子補給補助は、農業近代化資金を貸し付ける融資機関と都道府県との契約により都道府県が利子補給を行なうに要する経費の全部または一部を国が補助するものであります。
 補助率は、政令で定めることといたしておりますが、従来からの家畜導入事業につきましては、全額国庫負担、それ以外のものにつきましては二分の一を国庫で負担する予定であります。
 なお、この政府の行ないます利子補給補助の財源としては、農業近代化助成資金を一般会計に設けまして、その運用益をもって充てることといたしておりまして、別途農業近代化助成資金の設置に関する法律案を提案いたしており、三十六年度には三〇億円をこの資金に繰り入れることといたしております。
 第四条は、農業信用基金協会の制度に関する規定でございまして、
 第一項は、農業者等に対する農業近代化資金の融通を円滑にするため、農業近代化資金にかかる農業者等の債務を保証することをその業務とする農業信用基金協会の制度を設ける旨の規定でございます。
 第二項は、農業信用基金協会に関しては、農業信用基金協会法の定めるところによる旨の規定でございまして、これにつきましては、農業信用基金協会の設立、運営等につき規定いたしました農業信用基金協会法案を別途提案いたしておる次第でございます。
 第五条は、新たに各都道府県に設立されます農業信用基金協会に対する政府の助成に関する規定であります。
 この農業信用基金協会は、農業近代化資金にかかる債務保証とそれ以外の農業者等が借り入れる一般資金にかかる債務保証の双方の業務ができることといたしておりますが、前者つまり農業近代化資金の債務保証に充てるための基金として都道府県が農業信用基金協会に対し出資を行なうのに必要な経費の一部を国が補助するものでありまして、補助率は政令で定めることといたしておりますが、都道府県の出資に要する経費の二分の一を予定しております。
 第六条は、納付金に関する規定でございまして、農業信用基金協会が解散した場合には、その都道府県に分配された残余財産の額の一部を、また、農業近代化資金にかかる債務の保証の業務を廃止した場合には農業近代化資金にかかる債務の弁済に充てるための基金の額と農業近代化資金にかかる債務の弁済によって取得した求償権の行使によりその後に取得した金額との合計額の一部を、それぞれ政府から補助を受けた割合に応じて都道府県から政府に納付しなければならないことといたしておりますが、納付金額の算出方法等具体的な事項につきましては必要が生じた場合に政令で定めることといたしております。
 以上が、この法案の内容のおもな点でありますが、附則におきまして、関係法律の規定に所要の整備をいたすこととしております。すなわち、有畜農家創設資金及び農業改良資金制度のうち施設資金がこの制度に統合されるのに伴いまして、有畜農家創設特別措置法の廃止と農業改良資金助成法等の一部改正を行ないますとともに、これに伴う経過措置を整備いたすこととしておりますほか、つなぎ融資措置に伴いまして必要な規定を置きましたこと、農業倉庫に対する不動産取得税の課税に際し農業近代化資金についても農林公庫資金と同様にこれを課税標準より控除する取り扱いをするよう地方税法の改正を行ないますこと等がそのおもな内容でございます。
 以上が農業近代化資金助成法案についての補足説明でございます。
 次に、農業信用基金協会法案につきまして補足説明を申し上げます。
 この法案は、農業経営に必要な資金の融通を円滑にいたすための施策の一つでありまして、別に提案されております農業近代化資金助成法案とともに、新たに発足いたします農業近代化資金融通制度を形づくるものであります。以下各章について御説明いたします。
 第一章は、総則でありまして、第一条にこの法律の目的として、農業経営に必要な資金の融通を円滑にするため、農業協同組合等の融資機関の農業者等に対する貸付についてその債務を保証することを業務とする農業信用基金協会の制度を確立し、もって農業の生産性の向上と農業経営の改善に資する旨を掲げております。
 第二条には、この協会の構成員となり、また被保証者となり得る農業者等の定義及び融資機関の定義を掲げております。
 第一号の農業を営む者には、いわゆる農業生産法人を含むことは農業近代化資金助成法案と同様でありますが、農業に従事する者を加えましたのは、主として農家の家族従事者の生活資金等につきましても保証の対象とする必要があるからであります。
 第四号の政令で定める法人は、農業共済組合、土地改良区、農業協同組合中央会等を指定する予定であります。
 融資機関といたしましては、貸付事業を営む農協、これには開拓農協、酪農協等の特殊農協も含まれます。信連、共済連、農林中金のほか、銀行等の一般金融機関につきましても、政令で指定できることといたしております。このほか、この協会の法人格その他総則として必要な事項につきまして、第三条から第七条までに規定いたしております。
 第二章は、この協会の業務について規定いたしております。この協会の業務は第八条に規定しておりますように、大別いたしますと農業近代化資金に関する債務の保証とその他一般の事業または生活に必要な資金に関する債務の保証とに分かれております。この場合、会員たる農業者等の負担する債務の保証を行なうわけでありますが、農業協同組合が会員でありますときは、その組合員は会員と同様に取り扱うよう規定いたしておりますので、特別の場合を除き、農業者が直接加入する必要はないこととなっております。この業務のうち農業近代化資金にかかる債務の保証額は三十六年度末において二百億円をこえる見込みであります。このほか、この二つの業務に附帯する業務といたしまして被保証者についての指導その他この協会の目的達成に寄与する業務をも行ない得ることといたしております。
 次に第九条におきましては、保証業務を行なうための基金について規定いたしております。すなわち、協会は、以上の保証業務を行ないます基金として、出資金、準備金からの繰入金、保証債務の弁済に充てることを条件として交付される金銭及び求償権の行使によって取得した金銭を、安全、確実に管理することが要求されるわけでありますが、その運用対象としましては、信連、農林中金または銀行への預金、金銭信託、国債証券、地方債証券、その他主務大臣が安全、確実であり、しかもなるべく有利な運用が可能と認めて指定する有価証券に限られることとなっております。このほか、第十条におきまして毎年度の剰余金は全額を準備金として積み立てなければならないこととするとともに、この準備金は、欠損の補てんに充てるかまたは基金に繰り入れる場合のほかは取りくずしてはならないものとして基金の充実をはかっております。
 次にこの債務の保証の事業には農業近代化資金にかかるものと、一般の事業または生活に必要な資金にかかるものとがあり、そのうち国の助成措置の対象になりますのは、農業近代化資金にかかるものだけでございますので、その助成措置の実効を期しますため、第十一条において農業近代化資金にかかる債務の保証の業務を、それ以外の業務と区分して経理しなければならないものといたしました。
 農業信用基金協会は、今述べて参りましたような業務を行なうわけでありますが、その実行にあたりましては、信用調査、債権管理等に関して融資機関の機構、能力、経験等を利用することが便利でありますため、第十三条におきまして債務の保証の決定を除き、その一部を融資機関に委託して行なわせることができることとしております。
 第三章は、この協会を構成します会員について規定いたしております。
 まず第十四条におきまして会員の資格について規定いたしております。すなわち、農業信用基金協会の会員たる資格を有します者は、各都道県の区域に従って、その協会の区域内に住所を有する農業者等のほか、都道府県及び市町村となっております。
 次に、会員の出資につきましては、協会の業務の性格上その財政的基盤の充実は不可欠の要請でもありますので、第十五条におきまして、会員は、出資一口以上を有しなければならないものとしております。第十六条におきましては、持ち分の譲渡について規定し、第十七条におきまして、議決権については、前国会の衆議院農林水産委員会の御修正どおり各一個及び出資一口に一個の議決権を有するものといたしております。また、この協会の公共的性格にかんがみまして、第十八条におきまして、会員たる資格を有する者が加入しようとするときは、正当な理由がないのにその加入を拒んではならないこととしておりますほか、加入、脱退その他会員の権利義務につき第十八条より第二十二条までにおいて必要な規定を設けております。
 第四章は、この協会の設立につきまして規定いたしております。
 第二十三条から第二十五条までの規定によりまして、協会を設立するには会員たる資格を有する者で、協会の会員になろうとする者の十五人以上が発起人とならなければならないこととするとともに、発起人は、定款および業務方法を作成しへ事前に公告の上、創立総会を開き、その終了後遅滞なく主務大臣に設立の認可の申請をしなければならないこととしております。
 第二十六条におきましては、この申請があったときは、主務大臣は、設立手続、申請書等に欠陥がなく、また区域を同じくする他の協会がすでに成立しておらず、かつ、その事業が健全に行なわれ、農業の生産性の向上と農業経営の改善に資すると認められるときは、設立の認可をしなければならないことといたしております。
 以上のほか、第二十七条におきましては、設立認可があった場合の発起人より理事への事務の引き継ぎ、第二十八条におきましては協会の成立の時期について規定しております。
 第五章は、この協会の管理について規定いたしております。
 第二十九条におきましては、定款に記載すべき事項、第三十条におきましては、業務方法書に記載すべき事項をそれぞれ規定いたしておりますが、いずれも現在この種の事業を行なっております特殊法人と同様の事項を規定しております。次に第三十一条におきまして、協会は定款、業務方法書で定めなければならないもののほか、規約を定めることができることとしております。
 協会の役員につきましては、第三十二条から第三十六条までに規定しておりますが、理事の定数は五人以上、監事の定数は二人以上といたしており、その選任につきましては、会員、法人たる会員の役員、会員たる地方公共団体の長またはその職員の中から、総会において選任しますほか、農業または金融に関する学識経験者より委嘱することができることとし、広く有用な人材を求めることといたしております。
 なお、第四十三条および第四十四条におきましてそれぞれ役員の協会及び第三者に対する責任及び役員に関する民法の準用について規定しております。
 次に総会につきましては、第三十七条から第三十九条までの規定により、招集の方法を定め、議決事項特別の議決等につきまして、第四十五条から第四十八条までの規定において同様の特殊法人の例にならい規定しております。
 第六章は、解散及び清算、第七章は監督、第八章は罰則について規定いたしておりますが、いずれもこの種の事業を行なっております特殊法人と同様の事項を規定しております。
 最後に附則につきましては、第二条におきまして、現在各都道府県においてこの協会の業務と同様の業務を行なっております財団法人たる農業信用基金協会が、その寄付行為の定めるところにより、その住所のあります都道府県を区域とする新しい農業信用基金協会の発起人に対して、当該財団法人の権利及び義務を承継するようにと申し出ることができるものとし、この申し出が新協会の創設総会の議決によって承認されたときは、財団法人の権利義務は、新協会成立の時にこの協会に承継され、財団法人はその時において解散するものとし、従来の協会からの業務の引き継ぎの円滑化を期するとともに、第四条及び第五条におきまして従来農業改良資金助成法に基づいて都道府県が行なって参りました農業改良資金の施設資金に対する債務保証業務も、この資金が三十六年度以降農業近代化資金に統合されることとなりました関係上、協会に移管することといたしまして、そのために必要な農業改良資金助成法の改正及び都道府県がすでに実施しております保証業務の引き継ぎのための権利の承継に関する規定を設けております。
 このほか、この協会を農林中央金庫の会員といたしますため、農林中央金庫法を改正すること、監督規定を整備するため大蔵、農林両省設置法を改正すること、この種の特殊法人と同程度の税法上の優遇措置を講じますため、登録税法、印紙税法、所得税法、法人税法、地方税法について所要の改正を行なうこと等がおもな内容であります。
 次に、農林中央金庫法の一部を改正する法律案につきまして、若干補足説明を申し上げます。
 この内容の第一は、役員に関する規定の改正であります。
 そのうち第一点は、役員の定数に関する第九条の規定を改正して監事の定数を三人以上から二人以上とすることであります。これは現在金庫の監事三名のうち一名が非常勤であり、常勤しておりますのは二名でありますが、今次の改正以後は常勤役員のみによって業務に専念させる体制をとることが適当と考えられますので、現在の常勤監事の定数である二名に合わせるよう一名以上といたしたのであります。
 第二点は、役員の選任方法及び任期に関する第十一条の規定の改正であります。
 その第一は、役員の主務大臣による任命制を廃止して、理事長及び監事は出資者総会で選任し、副理事長及び理事は理事長が任命することとすることであります。これは、役員を構成団体がみずからの意思と責任によって選任することによって倉庫と構成団体の結合を一そう緊密化し、それを通じて金庫の業務が一そう円滑に行なわれることを期待しているのであります。具体的な選任の方法につきましては、主務大臣の認可を必要とする定款に規定せしめることとして、その適正を確保することといたしました。
 その第二は、理事長、副理事長及び理事の任期を一年短縮して四年としたことであります。金庫の業務運営に構成団体の意思が正しく反映されるようにするためには選任の機会が多いこと、すなわち任期が比較的短いことが望ましいのでありますが、他方、あまり短くては業務に専念すること及び業務の責任の所在を明確にするという点から適当でありませんので、政府関係金融機関等の例をも参考の上、四年といたしたのであります。
 第三点は、第十一条の二の規定を新設して役員の兼職を原則として禁止することとしたことであります。これは役員が他の報酬ある職務または営業に従事しますことは、金庫の業務に専念する上からも、また金庫の業務の公正かつ中立な運営を確保する上からも、適当でないと考えられますので、主務大臣の承認を受けた場合を除きまして、原則として兼職を禁止することとしたのであります。
 以上が役員に関する規定の改正であります。
 今回の改正のおもな点の第二は、第十二条の改正により新たに業務運営に関する重要事項につき理事長の諮問に応ずる機関として理事長が委嘱する審議委員の制度を設け、従来の評議員の制度を廃止することとしたことであります。なお、審議委員の定数は十名以内、その任期は四年以内とすることといたしております。
 これは、金庫の業務の重要性にかんがみ、広い視野に立った公正妥当な意見を金庫の業務に反映せしめ、金庫の業務の適正を確保するために、従来の評議員にかわり、審議委員の制度を設けるための改正であります。
 第三は、主務大臣の監督に関する規定の整備を行なうことであります。
 役員の主務大臣任命制を廃止することによって、この面からの監督は行なわれなくなりますが、農林金融の中枢機関としての金庫の地位、役割の重要性にかんがみまして、主務大臣が予防的または補正的な指導監督を行なっていく必要がありますので、他の金融機関の例を参照の上、主務大臣の監督に関する規定を整備することといたしました。すなわち第二十八条および第二十九条の規定の改正によりまして、それぞれ金庫の業務及び財産の状況の報告並びに検査の規定を整備するとともに、従来主務大臣のもとにあって金庫の業務の監視の任にありました農林中央金庫監理官について規定しておりました第三十一条及び第三十二条の規定を改正して監理官の制度を廃止し、新たに主務大臣の監督命令に関する規定(第三十一条)及び金庫が法令、定款または主務大臣の命令に違反した場合、主務大臣は金庫の業務の停止または役員の改任を命じ得る旨の規定を設け(第三十二条)、監督に関する規定の整備をはかった次第であります。
 第四は、罰則その他条文が現状に適さない点がございますので、その整備を行なうこととしたことであります。
 以上がこの三法案のおもな内容でございます。
#36
○委員長(仲原善一君) 以上で三案に対する補足説明は終わります。三案については、きょうはこの程度といたします。
  ―――――――――――――
#37
○委員長(仲原善一君) 午前に引き続き、家畜商法の一部を改正する法律案(閣法第二四号)及び家畜改良増殖法の一部を改正する法律案(閣法第二五号、いずれも衆議院送付)の両案を一括議題とし、両案に対する質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
 ちょっと速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#38
○委員長(仲原善一君) 速記をつけて下さい。
#39
○北村暢君 先ほどの櫻井委員の質問とも関連するのですが、国立種畜場の配置整備の問題ですが、先ほど畜産局長は鳥取の種畜牧場の件に関して乳牛の種畜場の配置が非常にへんぱではないかという問いに対して、今後整備するような話はあったようでございますが、大体鳥取の種畜牧場というのは役肉用ではなくて、二、三年前まではこれは乳牛であったはずですね、その乳牛の種畜牧場を役牛に変えたわけです、これは二、三年前だと思いますがね。というのは、そういう点からいくと、あそこは役牛の産地でありますから、当然種畜牧場として役肉用の種畜牧場も必要なんだろうと思うんですが、乳用件は中国で種畜を求めるとすると、これは九州の宮崎県へ行くか、さもなくば東北へ来なければいけない。しかも長野県はジャージーでありますから東北まで来なければならない。こういうことで、最近精液の保管等については技術が進歩したと言われたのですが、先ほどの答弁とも関連して、何かそういうものを考え合わせて再編を考えたいのだという御意見のようでございましたが、そうしますと、どうもこの前あったばかりの乳牛の種畜場を廃止して役肉用にかえて、またその付近に乳牛の種畜牧場を作る、好みによって、何か方針が常にないように感ぜられるのですがね。どういうふうにお考えになっておりますか、その点は。
#40
○政府委員(森茂雄君) 午前のときのお話で申し上げました通り、農林省といたしましては、国立の種畜場と、それから都道府県の種畜場と、それから一部民間の種畜場とを有効に、有機的に連絡をとって充実していきたい。民間の方の御協力も仰ぎたいということでありまして、ただいまのところ鳥取の種畜場を役肉用牛を中心として充実しておりまするが、鳥取の種畜場を、乳牛の種畜場にかえる考えはございません。ただ、中国地方の各都道府県に種畜場がありますので、はかりにかけまして、都道府県の種畜場の、乳用牛をやっております種畜場を、一方において補助金で充実していく、したがいまして、申し上げておりますることは、国立の種畜場と都道府県の種畜場とを、総体的、全体的に見まして、現在都道府県にありまする種畜牧場も、一方においてできるだけ助成して、充実していくいうことで、 コンビネーションいたしまして、総合的に民間の種畜の要望にこたえていきたい、こういうことでございます。
#41
○北村暢君 今の答弁ではどうもはっきりしないのですがね。中国には、近畿へかけて、国立の乳牛しかもホルスタインの種畜場がないわけですよね。鳥取ぐらい一つあってもいいような感じがするわけですね。それをあえて役肉用に最近転換したのですよ。ところが、櫻井委員の質問には、何か市場でもいいから設けてくれということに対して、まあ今後再編を考えたいような御意見のようでしたから、それであるならば、この鳥取の乳牛を役肉用に転換したということがどういう理由でやったのかちょっと判断に苦しみますので、この中国、近畿にかけて、やはり私は主産地形成というような点からいけば、乳牛は京阪神の大都市を控えて、やはり市乳という点からいけば相当力を入れて、しかも消費地と密接な関係において主産地形成をするということは非常に合理的だと思うのですよ。その場合に、やはり種畜場の配置の点からいくというと、何か歯が抜けたようになっておるのだが、それを目の施設で補っていくということのようですが、やはり国立の種畜場と県の種畜場とは任務が違うのじゃないですか、私は違うと思うのですがね。ですから、そういう点からいえば、やはりこの関西から中国にかけて必要があると私は判断するのだが、いやそれは以要ないのだと、こうおっしゃれば、そういう必要のない理由を聞かしていただきたい。それでなくとも大丈夫やっていけるのだという理由を聞かしていただきたい。
#42
○政府委員(森茂雄君) ただいままでのところ、まあ現在整備拡充を一応立てた計画といたしましては、乳用牛については北海道の新冠に主力を置いていく。それから役肉用牛については鳥取を充実していく。それから鶏、種豚等については大宮種鶏場、それから肉牛については熊本種畜場、それから肉用鶏等については兵庫を第一次計画として充実していくという計画でございますが、現在各地において非常に要望されておりまする要求性の強い順序に応じて拡充していくのでございまするので、中国地方における乳用牛の国の種畜場としての点につきましては、まず第一次的の目標が達成されていくのと並行して十分検討して参りたいと思います。
#43
○北村暢君 いや、必要なのか、なくてもいいのか、事足りるのかどうなのかということを聞いているのですよ。種畜牧場というのはないわけじゃない。やはり前にも鳥取でもやっておったわけですからね。それをわざわざ廃止したわけですから、廃止して役肉用に変えたということは、乳牛のほうは要らないからやったのでしょう。だから、近畿や中国にはなくてもやっていけるのだという、そういうことでなければ、何か第一次、第二次の計画を終わってから、あとからまた余力があればやっていくのだということになれば、要るということなんですわね。要るのだったら、何も最近まであったのを廃止しなくてもよかったのではないか、こういうような感じもしますがね、それでお伺いしているのですよ。
#44
○政府委員(森茂雄君) ただいまのところでは宮崎の種畜場、それから福島の種畜場の育成した乳牛でも中国地方に適合すると考えておりまするけれども、今後中国地方において乳用牛が相当伸びていく状況になりますれば、宮崎、福島等だけでは足らないと、こういうことになりますので、そういう点見計らって考えていきたいと申し上げておるわけです。
#45
○北村暢君 それじゃこの問題については、もう最後に一つだけお伺いしておきますが、先ほどの種畜場の整備計画について、第一次、第二次を考えられておるようでございますが、念のために確かめておきますが、この国立の種畜場は、現状よりも充実、整備をしていく、こういうことはあっても、民間に払い下げたり、あるいは廃止をしていく、こういうようなことは考えられておられないのか、これを一つ確かめておきたい。
#46
○政府委員(森茂雄君) ただいまの種畜場の充実計画としては、集中的にやっていこうという考え方でおりまするけれども、現在、現時点においてここを廃止しようということは考えておりません。
#47
○北村暢君 現時点というのは今の時点ですから、これは年度が変わればそういうことはあり得るのですね、近い将来において。
#48
○政府委員(森茂雄君) 総合的、全体的に見まして、それぞれの特徴を持った充実した種畜場にしたい。こういうことでありますので、場合によれば交換とか、あるいは場合によっては、一方の機能を整備して片一方のほうを充実するということは、整備改革としては出てくると思うのです。
#49
○北村暢君 それはいつごろそういうことが出てくるというふうにお考えですか。
#50
○政府委員(森茂雄君) 全体的に総合的に考えていきたいと存じますので、なかなか、来年度すぐ出てくるかという――できるだけ早急に充実したいと考えておりますので、いつと、今この時点では申し上げかねるのです。
#51
○北村暢君 それから次にお伺いいたしますのは、家畜改良増殖ということで、今度は増殖していくことにはこれは間違いないわけでございますが、それについてのえさ対策についてお伺いいたしたいのですが、私は毎回これは触れているわけなんですけれども、家畜の増殖するのはいいんですが、えさが高いために農家の採算がとれないという問題があるわけなんでございますが、最近もすでにいわれているのですが、来年は豚は相当値下りするのじゃないかというふうにいわれているのですが、最近のえさの状況を見ますと、一体、このえさ対策として乗り切れるのかどうなのかということが非常に問題になっていることは御存じのとおりです。それで、えさは高くなる、肉は安くなるでは、これはやはり農家としてはどうにも処置のない問題になる。それで、当面のこのえさ対策について、農林省はどのような対策でおられるのか。この点についてお伺いしたいのですが、特にこのふすまの不足というのは非常にはなはだしいわけでございます。そういう点からいって、政府の専管工場によるもの、あるいは民間のもの合わせても、最近の実情では非常に逼迫するのではないかということがいわれておる。反面、国内の大麦、裸麦については、御存じのように、もう法律が出て、作付転換をして減産の方向へいっている。こういう状態だと思うのです。そうしますと、国内の大麦、裸麦は、当然これは食糧としての生産でありますから、えさとしてではないが、まあ今年の初めに起こりましたように、えさ対策として手持ち在庫の大麦、裸麦を特別処置としてえさに払い下げなければならない。こういう事態が起こっておる。今後もそういう事態が起こらないとは言えないと思うのです。ところが大麦、裸麦の手持ちは、作付転換によって減っていく。そしてえさに回すような余裕というものはなくなってくるのじゃないか。来年の場合はそういう心配すらあるわけです。値段のことは何をおいても、国がどんなに損をしても、今いる家畜に食わせないわけにいかない、だからえさ対策としてやらなければならないという問題とぶつかるんじゃないか。しからば輸入ふすまをどんどん輸入すればいいじゃないかという問題もありますけれども、これは外貨の節約の点からいって、また国内の麦の圧迫というような点からいって、そうべらぼうな輸入というものはやはり考えられないじゃないかということになると、どっちもこっちもこれは行き詰まりで、えさというものは非常に深刻な状態になるのじゃないかと思うのですがね。一体家畜増殖に関連して当面するえさ対策というものを、農林省は絶対安心していけるというふうに自信を持っておられるのかどうか、その対策を一つお伺いいたしたい。
#52
○政府委員(森茂雄君) お話のように昨秋以来非常にえさの濃厚飼料の値段が上がりまして、政府といたしましては輸入飼料の売り渡し額の増加とか、あるいはお話の政府手持の大・裸麦の飼料用の放出あるいは専管増産ふすま工場に対するふすまの歩どまりを六〇から八〇に上げるとか、いろいろと増産対策を講じまして、やや当時の状況に比しまして安定した市価をたどってはおります。ただお話のように今後の見通し、充実策はどうかということになりますれば、一部暫定的にはなお政府でかかえている大・裸麦の飼料用の転換措置とか輸入ふすまの歩どまり率の引き上げとかいうようなことで対処はしていきますが、
  〔委員長退席、理事櫻井志郎君着席〕
総合的に申し上げますると、一方において自給飼料の増産ということが必要でございますので、草地改良計画等も特に来年度からは公共事業計画に編入がえいたしまして、そうして自給飼料の増産にも努めて参りたい。したがいまして、家畜増殖計画と相待って自給と濃厚飼料で十分その増産と見はからっての対応策はやっていきたい、こういうふうに存じておるわけであります。
#53
○森八三一君 今の飼料の問題に関してお伺いいたしますが、先般、製粉業者が、とうてい今の経済情勢では価格を引き上げなければやれないということで、小麦粉の価格引き上げという問題が起きたのです。それは消費者に非常に関係する問題だからというので、農林省の方は小麦粉の価格引き上げということに待ったをかけたわけです。そういたしますと、これはどうしても経済上引き上げなければならぬというものを押えれば、そのしわ寄せはどっかに頭を出していくのは間違いなかろうと思います。それは結局、今、北村委員のお尋ねのふすまのほうにしわ寄せが行ってしまうというふうに了解するのですが、その場合に、同じ農林省内で畜産局として畜産の増殖上これは困るということになると思うのです。そういう点について、同じ省内でどういう処置を具体的におとりになったのかということを聞きたいのです。
#54
○政府委員(森茂雄君) 飼料用のふすまの増産対策といたしましては、ふすまの専管工場、それから普通の製粉工場、特にふすまの工場を増加いたしまして、そうして歩どまり率を特に上げて、特別に輸入飼料でその面を充実してはおりまするが、一方において御指摘のとおり、一般食用の製粉工場から出ますふすまが、それに比して約七十万トンだと思いましたが、約四十万トンに対して七十万トン程度出ますものですから、御指摘のとおり半分以上は――六割、七割ですか、相当数量は普通の製粉工場からのふすまによるわけであります。現在飼料需給安定法等によりまして、特別に専管ふすま増産工場を指定しまして、ふすまの値上がりを防いで、値下がりに努力をしておりますが、その牽制の度合いが十分いかないと、御指摘の問題が出てくると思います。そういう点は十分食糧庁と連絡をとりまして、ふすまの値段の上がらないように努力をしていきたいと思います。
#55
○森八三一君 今の考えはわからぬわけではないのです。けれども、製粉業者としては、そういうような計算にならなければ営業ができませんということから、小麦粉価格の引き上げを企画したわけでしょう。それはいけないと、こう押えたわけでしょう。だとすると、何か製粉会社の生産性の向上なり何かによって吸収ができるというなら、それで解決しますが、生産の合理化については十分努力をして、生産性を十分上げることを考えてもらっても、なおかつある程度に小麦粉は引き上げなければやれませんということで、引き上げを企画したわけでしょう。それをいけないと押えれば、そのはみ出す場所は当然ふすまにいくことにあたりまえなんですね。専管工場なんかはこれは政府が努力をなすって引き下げていくということは、これは関連なしに行なわれることなんです。そのことに関する限りは、ふすまのほうが価格が上がってくるというのはあたりまえじゃないですか。そうすると、同じ食糧で小麦粉のほうは何か格好がついているけれども、肉のほうなり卵のほうなり、そういうほうは格好がつかないということで、頭隠してしり隠さずということになるのじゃないですか。そういうことについて畜産局としては、同じ省内の問題ですから、小麦粉の価格引き上げを押えて、消費者の利便をはかるということはけっこうですけれども、そのしわ寄せが畜産のほうに来ないということをはっきりしてもらわなければいけないという主張が出てしかるべきと思うのですね。そういうことが一体どう処理されているのか。どうも私の見るところでは、何とはなしに小麦粉のほうは世間がやかましいからこれを押えて、畜産のほうはあまりやかましくないから、そっちのほうへしわ寄せして、卵や、乳が上がるのはやむを得ないというようなことで、なおざりになっておりはせぬかと思うんです、これは邪推であればけっこうですが、どうもそうなっている。同じ食糧で成長部門のほうがむしろ押えられるという格好になっちゃうんですね。これはおかしいじゃないか、こういうことなんです。
#56
○政府委員(森茂雄君) 理論的に今お話のとおり、小麦粉を押えればそれがふすまに転換されなければやっていけないということでございますが、もちろんお話のとおり、そういう関係にはなりますけれども、そのお話が起こって、ただいままでそれによる今のところまた影響も出ておりませんので、特にそれのためにふすまを上げたということもありませんので、ただいまそのためにどうするということを申し上げかねますが、そういう関係につきましては総合的に考えまして、十分ふすまがそのためにかぶりがこないようにわれわれとしては食糧庁と十分連絡をとって善処いたしたいと思います。
#57
○北村暢君 今、森さんからのふすまの問題が出ているんですが、ふすまの問題はもちろん非常に重要なんですが、大・裸麦の飼料化の問題なんですが、これは、今、局長の答弁によりましても、食糧の大・裸麦をえさに転換をする、そういう措置もとられるような御答弁があったのですけれども、一体その計画はどのようになっているんですか。数字的にお伺いいたしたいと思うんですが、大体当初計画四十万トンというのを六十万トンにふやしたいというのは、畜産局の意向だ、それが食糧庁との間で話がまだついていないようですがね。そういう見通しについて、これは食糧庁がそういう見通しが六十万トンにもふやせるというのであれば、これはまた業者の大麦を輸入してくれという要望も押えることができると思うんですね。ところが大・裸麦は作付を減らしていくという方向をとっているんですから、だからえさに回すほどの余裕というものが今後出てきているか、まだ法律は通らないけれども現実にはもう作付転換をやって、減っているところはずいぶんあるわけですよ、実際問題として。おそらく今年の出来秋等でだいぶ減ってきているのじゃないか、そういうような点があって、食糧庁としてはあまりはっきりした返事をしないんじゃないか、そこら辺の話がおそらくついていない。ここに私どもが前々から言っております大・裸麦の飼料化の問題ですね、これは食糧よりもえさとしての作付転換ということで、そういう研究をしたらどうかということをずいぶん言ったことがあるんです。そうなればそのような改良もしなければならぬわけです。今になってみれば後手で、その管理のほうは食糧庁に握られちゃって、畜産局は食糧庁がうんと言わない限り、えさは足りない、足りないというだけで、あとは手がなし、こういうことじゃこれは何が何だかわからない。それで、えさが不足している、これはもう間違いないんですから、もう少し詳しくそのところを数字的にどんないきさつになっているのか、御説明いただきたいと思います。
  〔理事櫻井志郎君退席、委員長着席〕
#58
○政府委員(森茂雄君) お話の緊急措置としてやりました大・裸麦の四十万トンの処理でございますが、農協側が約六万トン、精麦工場側が約八万ドン前後、約十四、五万トンのものはえさ用にさばかれておるわけであります。したがいまして残余、四十万トン引く約十四、五万トンの二十数万トンというものが今後さらにそれがえさ化されるということになるわけであります。そのほかに、ことしできました大・裸麦あるいは去年から持っております大・裸麦等につきまして、お話にちょっと触れられましたように、畜産局でさらに二十万トンを考えておるのじゃないか。これはまさに事務的にはいろいろ計画を立てております。ただ、この前払い下げましたのが、特に大麦につきましては千二百円という安い価格で処理しましたのですが、そういう経理上の問題等もございまして、今後の処理についていろいろ前の値段等をも見計らいまして、現在検討中でございまして、今のところ具体的な数字ということは決定いたしておらぬわけであります。御指摘の大・裸の裏作あるいは作付転換につきましては、麦作対策として特別に予算も組みまして、まだ法案が通っておりませんけれども、奨励施設といたしまして、一定の作物を一定の面積につきまして転換したものについて共同利用施設等について補助することにいたしまして、一部実行中でございます。特に大・裸の作付地帯につきましては、振興局農産課の方で特に専門的に逐次年度計画を立てて検討されておることと存じますが、私その点は今のところまだ詳しく存じておりません。
#59
○北村暢君 あなた、家畜増殖をやる建前から、えさを準備しないで家畜増殖せいと言ったってこれはむちゃですよ、何ぼ何だって。ですからえさに関する限りは、畜産局長は全責任を持って――豚値段が下がるから売りたくないと思っても、食べさせるものがなければ売らざるを得なくなる。そういう問題が起こってくるのじゃないのですか。これはだから全責任を持ってやらなければならないんだが、実際大・裸麦に限定して今聞いているわけですけれども、一体そういう大・裸麦も飼料化しなければならないということは現実の問題なんですね。したがって、その飼料を需給の関係からいって確保するというためには、あなた方の要求しているものが輸入であろうが国内のものであろうが、とにかく入らなければならないわけでしょう。それがなくてもいいというわけじゃないわけですね。ですから農林内部において、作付転換なりなどはそういうことはほかの局で私わかりませんでは困るのですね。とにかくその飼料として、国内に食糧以外に回す分がないということならば輸入しなければならないでしょうし、それが確保できる自信があるのかないのか、話はどういうところまでついているのか、こういうことをお尋ねしているんですよ。
#60
○政府委員(森茂雄君) 農林省といたしましては自給飼料の面といたしましては三十五年度における年度内の集約牧野造成面積は一万二千二百ヘクタールでございますが、それを三十六年度におきましては二万一千四百ヘクタール、三十七年度においては三万三千三百ヘクタール、したがって集約牧野の累計面積といたしましては、三十六年度において七万七千四百ヘクタール、三十七年度において十一万七百ヘクタールを造成する計画でおります。
 それから御指摘の耕地についてでありますが、耕地内飼料作物及び牧草栽培面積といたしましては、三十五年では三十九万三千ヘクタール、したがいまして三十五年度においては三万七千ヘクタールを増加したわけでございまするけれども、三十六年度においても四十三万四千ヘクタール、したがいまして三十六年度中には四万一千ヘクタール増、三十七年度では四十八万五千ヘクタールにする目的で五万一千ヘクタールを栽培増加面積として計画しております。したがいまして、ただいま試算しておりまする長期見通し計画としては、耕地の分でございますが、飼料作物の転換栽培面積を現在試算しておりますように、目標といたしましては約百万町歩を計画いたしております。十年後について。
#61
○北村暢君 そういうことを聞いているんじゃないんだよ。これからの草生やしたり飼料を植えたりすることじゃないんだ。今直ちに、来年の三月ぐらいまでの間に――その自給飼料のことを聞いているんじゃなくて、大・裸麦の飼料化の問題について、来年の、あなたがおっしゃる草が生えてきたり次のえさが出てくるまでのそのことを聞いているわけなんですよ。ですから今年度においてこの裸麦の飼料化というものが要らないなら別ですよ。それでなくてもほかの方向でもって処置できるならいいだろうけれども、現実の問題として大・裸麦の飼料化ということが問題になって、それをどういうふうに解決するかということで今脳んでおるわけでしょう。その問題を聞いているんですよ。
#62
○委員長(仲原善一君) ただいまの答弁は後ほどにいたします。
  ―――――――――――――
#63
○委員長(仲原善一君) 農林大臣の出席がありましたので、この際、肥料取締法の一部を改正する法律案(閣法第二〇号)(衆議院送付)を議題といたします。
 本案について北村委員から河野農林大臣に対する質疑の要求がございますので、これを許します。
 なお北村君に申し上げますが、大臣は予算委員会中でありますので、先方の要求のあり次第出席することになる予定でございますので、あらかじめ御承知おきを願いたいと思います。
#64
○北村暢君 先般行なわれました肥料審議会において、硫安の生産業者の販売価格の最高価格の諮問案に対しまして、答申がなされたわけでございますが、その答申にありますように、この最高価格の諮問案に対しては不満である、この不満であるのは、消費者側代表、メーカー側代表が意見が一致して不満でありますけれども、内容的に違うことは御存じのとおりでございます。まあ、それと関連をいたしまして、付帯決議が行なわれておるわけでございますが、それを今さら読み上げるまでもなく、基本対策が示されたのでございますけれども、それはきわめて不十分で、まことに遺憾である、よって政府は今後さらに検討を加える、財政措置を伴う硫安工業の基本対策をすみやかに確立するよう重ねて強く要望するという、肥料審議会の強い要求があったわけでございますが、これに対して政府はいかなる処置をとられたか、この点についてまずお伺いいたします。
#65
○国務大臣(河野一郎君) 御承知のとおり、肥料行政は通産、農林両省の共管でございます。ことに、主として申しますれば、生産は通産、これが需要者たる農民に対する配給のほうは農林省が担当する、こういうことになっておりますことは御承知のとおりであります。ところが、今問題になっておりますることは、主として生産者に対する問題でございます。また、これが輸出価格と輸出の国際競争等から、よって生ずる損害の問題等でございまして、決して主管省が通産省だとは申し上げませんけれども、そういう関係からいたしまして、大体この処置については通産省が主として実は従来やって参っております。で、私といたしましては、その通産省のいろいろ考慮せられますことも了承できぬではございません。御努力は大いに多といたします。しかし、各国の例等も見まして、これが現行二法が制定せられました当時の事情と事情がだいぶ変わってきた。私は今日生産者を、非常に今申しますように保護する、生産者に対する低利の資金を出す、税をまける、さらにどうするというようなことが、われわれ農林農村側において、これがまた同時に国際競争の場において、よって生ずるところの損害等についていろいろ複雑な要素がだんだん生まれて参ります。要は私としては、この際、政府としては肥料の生産を助長するというその立場と、これか、農村に配給――農村がこれを生産資材として購入する場合と、これを混肴して参る必要はだんだん減ってきたんじゃないか。従来は主として農村が使う、主として国内消費であるという立場において、農林、通産両省共管のもとに肥料行政をやる、これはわからぬことありません。しかし今日では、御承知のとおり、約半分のものは輸出する、その輸出によって非常な国際競争にたえていかなければならないという通産行政の面、非常にこれは大きな――これは各部門の基礎でございますから、大きな面でございます。それを助長する場合において、一体、農林大臣がこれに協力して、そして日本の国内を見合いつつ云々ということは、非常に話が複雑になるということから、私はむしろそれよりも、われわれ農林省としては、農林行政の面においては、農村にこれが入手せられる場合にどういうふうになるかという点を強く意識して、これに対する施策を講じて見てならば、それでよろしいということに私は考えまして、そうして硫安の製造もしくは輸出等については通産行政でやってもらいたい。これは、内地にこれを使用する場合については、しかるべく配慮願いたい。その価格の決定は、農村でこれを使う場合に適当でないという場合には、別途、農林行政は農村保護の立場において考慮をするということで割り切っていきたいということに、閣議において申し合わせをいたしたわけでございます。したがって、今お話の点につきましては、次の予算編成、次の国会に臨むに当たって、われわれどういうふうに通産行政がやって参るか、その通産行政のやって参る方向と相関連して、農林行政はどういう方向をとるかということで考えていきたい、こう考えております。
#66
○北村暢君 この点については財政措置をするかしないかということですね。まあ答申の要望で強く要望している点の財政措置をするかしないかという点は、まあ今事情が違うということでおっしゃれば、事情は確かに変わってきているかもしれない。しかしながら、現に肥料二法というものの成立過程からして、内需優先、そして輸出の赤字は国内価格に転嫁しない、こういうことのために、わざわざ輸出会社というものはできたわけです。だから、私どもとしては、やはりこの肥料二法の建前において、できるべくしてできた赤字である、こういうふうな点は明らかであると思うのです。したがって、いろいろな減税措置あるいはいろいろな措置をしましたけれども、今度の示された基本対策には、ついにこの赤字についてはどうするということも実は対策として出ていない。ところが、この基本対策が出てくる以前における自民党の基本対策案にしても、それから、この案の出るごく直前の四者の閣僚の間に意見の一致した点からいっても、財政措置はする、しかしながら、これは三十五年度までであって、三十六年度以降のものについては、これは法律改正なり、何なりやらざるを得ないのだろうと思うのだが、とにかく消費者の農民も、合理化メリットが全部消費者の価格を下げるということでは困る。そういうことで、赤字は三十五年度までの赤字を埋めるだけで三十六年度以降は埋めないのだ、こういういきさつのあったことは、それは大臣もそう思っておられるだろうし、そういう形で来たのですよ。ところが、一週間ぐらいの間にこういう基本対策に、大蔵省の非常に強い圧力で、こういうふうになっちまったわけですね。だから、まあ実力者大臣、通産大臣から河野農林大臣をもっても、一週間にしてそういう形が消えてなくなってしまって、そしてその赤字対策というものは、何かこうぼうっとした形で処理されるということは、私はこれは将来やはり問題が出てきますので、そういう形で、やはり強くあの審議会もそういういきさつを十分考慮して、もう一度一つ再検討してもらいたい、こういう意思で出ていると思うのです。したがって、これは赤字の問題とか何とかというのは通産の問題なんだから、通産が案を出してこなければ、どうにもこうにもしようがないと、こうおっしゃられるけれども、この赤字を解決しておかないというと、農民の側からすれば、この百五十億かの赤字、まあ実質損は七十七億かだそうですが、これが国内価格に転嫁されてくるという感じというものが、これはあるわけですよ。もう否定できない。だから、そういう点から言えば、この農林大臣は通産のことでございますと言って、そう言ってここの答弁として逃げられるというつもりはないのだろうと思うのですが、いきさつの点からいって農林大臣としても一言なかるべからず。しかも四大臣の意見の一致した形で閣議了解ということになっているわけですから、当然、農林大臣としての意見というものが再検討を強く要求しておる点において、もう一度検討するという真摯な気持があってしかるべきでないか、こういうふうに思うのですが。
#67
○国務大臣(河野一郎君) どうもはなはだ異な御質問を受けるものだと、実は先ほどから不可解に思っておるのでございますが、そういうことを深く農林大臣が意識しなければならぬのでしょうか。私非常に疑問があります。私はそういうことがいやだから、そこで農林大臣の職責は、適正な価格で農家が入手できればよろしい。それが肥料行政上の農林大臣の限界であると、こう私は考えて、製造までが農林省の所管であるならば、それは私はおのずから考えます。しかし農林省の担当する部面は共管とは申しながら、製造は通産省、配給は農林省、こうあってしかるべきだと私は思います。今お話のように赤字が農村に転嫁される危険がある。そんなことは夢にも考えておりません。また、これまでそういうことは寸分もそういう意見が出たことはないのでございまして、きょう初めてそういう御意見を私は承る。(「いや、そんなことはない」と呼ぶ者あり)そんなことは毛頭転嫁しようとか、転嫁されるとかいうようなことはないのでございまして、また、しかも今の赤字につきましても、業界から百何十億いっておったということを聞いております。しかし、だんだん計算していったら七十億、それはさらに大蔵省で詰めてみると、もっと少ないのだということで、だんだん計算すれば少ないのであります。そこで、その基本の数字が一体いくらなのかということを実は私明確につかんでおりません。しかし、これはむろん大蔵、通産等の事務当局の間には、それぞれそろばんを入れておると思います。一致したそろばんはないにしても、税でどこまで持ったとか――税で持っておるということがあるそうであります。というようなことから、また、さらに申せば、売ったときの輸出会社にどこまで転嫁しているというようなことが私はあると思います。一体、輸出会社はその値で買わなければならなかったのだろうかというようなこともあると思います。いろいろな点で第三者的な政府としての計算は計算で別途赤字については計算があるわけでございます。そういう点等をも勘案いたしまして最終的に作った案でございます。もちろん十分な案とは考えておりません。十分な案とは考えておりませんが、長期にわたってこの赤字を解消するというならば一応いけるのじゃないかという案でございまして、決してそれが対策として全く問題にならない対策だとは考えていないわけでございます。それはお前ら四人寄って相談をして作った案と違うじゃないか。それは違います。何で違うか。あとから順次数字的に説明を事務当局から聞いて、そしてなるほどそういう点もあるか、こういう点もあるかということで、それならしばらくこれでやったらどうかという案でございまして、ただ大蔵当局が言ったからやむなくそれで引っ込んだというわけではございません。しかも私にしてみれば、先刻申し上げましたとおりに、今後の肥料行政については、消費者価格を適正にするという一点に農林大臣としてはしぼっていきたい、こういう考えから、この今の、たとえばあとに残るか残らぬか知りませんけれども、今の赤字対策、この御決議の趣旨等に対して、これから生産の方面を担当されまする通産大臣が、しかるべく善処されるものと私は期待いたしております。われわれ通産、農林、大蔵、企画庁、四者の間においては、今後は農林省は商事の面を担当し、二法廃止ということにしておりますから、したがって、私は先ほどお答え申し上げたようなことをお答え申し上げたわけであります。
#68
○北村暢君 ただいまの点について、基本対策の中に、私は基本対策を見れば相当長い基本対策、五点にわたっての基本対策が出ておるのですが、おっしゃるとおり、この基本対策は硫安工業のメーカー側に対する非常な保護の対策になっておる。これは間違いないと思います。それでここの中に出ておるのは、大臣のおっしゃるように、農民に適正価格でやればいいのだから、そういう意味で肥料二法を再検討して、次期通常国会においてはこれを廃止するものとして、これに伴う肥料の再生産の確保、これは農業者には適正価格で肥料を入手できる。ここだけですよ、農業者の消費者のことについて書いてあるのは。あと全部これはメーカー側の問題なんです。その点は私も十分わかります。したがって、今日需給問題あるいは価格安定という肥料二法のうちの一つの需給安定法に言う需給の問題、これはもうあり余っておるのだから需給問題じゃないじゃないか。しかしながら、価格の問題については、やはり非常に大きな要素をまだこの法律は持っておるわけですから、そういうような点からいって、この対策そのものを見て、私どももこの肥料問題の解決は、やはり合理化対策にある。合理化が進むか進まないかによって問題は別だ。したがって、消費者からの意見もありましたように、現在のバルクライン方式というものを堅持していく限りにおいて、しかも、その合理化計画というものが進んでいく過程において、肥料というものはバルクライン方式をとっておる限り、最高販売価格というものは下がっていく、これはもう今の法律の建前になっておるわけですね。ところが、基本対策案にある第二次の合理化計画というようなもの、これは大臣に質問してもいけないので、これは通産大臣に聞けとおっしゃるかもしれませんけれども、第二次合理化計画というものは、それの改訂というもの、昭和三十八年の肥料年度における四十七ドル目標を四十三ドルに引き下げるのだと、こういうふうに改訂をしておる。この合理化計画というものは、明かに肥料二案の一つの合理化法案に基づいて、三十八肥料年度まで、この法律は時限立法で昭和三十九年七月まででありますから、それまでを目標に置いて立てられている合理化計画なんですよ。そうすれば、この合理化メリットというものは、今の価格決定の方式からいけば、当然、消費者としては最高販売価格というものは下がっていく、そういうものである、こういうふうに思うのです。ところが、その赤字も解決しない、そしてあと二、三年あるのにかかわらず、合理化計画の途中において、この肥料二法というものを廃止をしていくということになると、肥料の再生産を確保する、あるいは農業者が適正な価格で肥料を入手するといっても、この肥料の再生産を確保するためには、三十八肥料年度までは、かりに四十三ドルにいったとしても、計画どおり四十三ドルにいったとしても、これは赤字は減っていくでしょうけれども、この計画どおりにいっても、赤字は出てくるのですよ、減るということはない。そういうような点からいけば、どうしても肥料の再生産を確保するということになれば、また長期にわたって赤字というものを克服していくということになれば、この肥料二法の精神を破って、どうしてもやはり大臣は農業者に適正価格でもって肥料は入手できるようにするの、だというけれども、どうしてもこれはその赤字の分なり合理化がおくれたというようなものの結果が、この肥料二法を廃止することによって、消費者に転嫁されてくるのじゃないか、こういうことは常識的に考えられるわけです。そういう点からいって、この合理化計画の建前が、肥料二法というものを前提にしてできている。それを途中で二法を廃止するということのこの矛盾は、一体どのように解決されるか。そしてまた農林大臣のおっしゃられる消費者の農民には適正価格で入手できるようにするのだという、適正価格のきめ方というのは、一体どんなものを考えられて、適正価格として入手できるように措置をされようとするのか、この点について、ひとついわゆる河野農相の肥料版というやつを、ひとつはっきりしていただきたいと思うのですな。
#69
○国務大臣(河野一郎君) 御承知のとおりに、わが硫安工業は、国内消費と相当額の輸出からなっていることは当然御承知のとおりであります。したがって、国内に適正価格で配給、もしくは販売を受け、これに政府は必要があれば所要のプラス・アルファをするということに将来なろうと思いますが、しかし、いずれにしても、輸出を増進して参らなければ、相当量の輸出をいたさなければ、肥料政策が完備いたさんことは御承知のとおりであります。国内販売が大部分で、輸出がわずかというわけではございませんから、したがって、通産行政におかれましては、当然これらの所要の輸出量を確保する、輸出産業としてこれが成長するに必要な助長政策をとられることは当然と思います。おっしゃるところの合理化計画を推進されることは当然と私は考えます。今申しますように、肥料二法の有無にかかわらず、わが硫安工業の置かれている立場からして、当然積極的に合理化計画は推進されなければ、国際競争に勝てないという意味から、当然その方向にいくものと私は確信いたします。よって、それが国内販売がどういう面になるかという問題が、次に私の問題として残るわけであります。そこで適正なる価格とは何だ、いろいろ考え方がございます。一応国際的な欧米先進国の農村の入手している、たとえばドイツならドイツが入手している価格、ドイツの国内販売価格に、政府のプラス補助金というもので、ドイツの農民は入手しております。これが適正であるかどうかということにつきましては、ただいまの私の思いつきでございます、はっきり申し上げます。急に今まだ二法を廃止してどうするかということは閣議として決定しておりません。政治の上に私たちはまだその用意をこれから検討するのでございます。したがって、私に適正なる価格とは何だといえば、今申し上げたとおり、欧米先進国の価格を基盤にいたしまして、それにわが国の農村の経済事情を勘案して、最終的にきめ得るものだというふうに私は考えております。
#70
○北村暢君 あまりまだ河野構想なるものがはっきりしてないようでございますが、これはすみやかに再検討するということになっていますが、もうそろそろ来年度予算を決定しなければならない時期ですからね、補助金にするのか、今の建前でいくのかくらいは、これはきまらなければならないと思いますし、今思いつきであるという西ドイツの例をとられましたけれども、西ドイツの価格はたしかトン当たり五十七ドルですかと思いますが、西ドイツの例だけとられても困るので、これはイタリア等においては四十何ドル、まあこれで五ドルぐらいイタリアと西ドイツでは国内価格が違うのです。そうしておっしゃるとおり、補助金でやっている面があるのです。ありますけれども、しかし、そういう欧米先進国の農業と日本の農業との規模、それから生産費の二五%が肥料なんですね。そういう点からいって、西ドイツの例だけとられて、思いつきでそれをやられるというと非常に農民は迷惑すると思うのです。ですから、ひとつそこら辺は思いつきでやらないようにがっちりあちこち検討してやってもらいたいと思いますが、根本的には私はまだやはり肥料二法というものは、そういうあやふやな形の中で肥料二法を廃止するということを前提に置いて物事を考えるということは、私はちょっとやっぱり農民に対して、食管の河野構想と同じように、農民にいたずらに混乱を与え、不安を与えるものでないか、もしやられるとするならば、もっと緻密な河野構想でもあって、裏づけとして、わずか二、三年ですよ、昭和三十九年でこの法律はなくなっちゃうのですから、時限立法で、それも今私が言ったように、合理化計画のその線でもってできているのですから、その合理化計画もまあこの第二項にある、八十億の開銀からの融資をやって、六分五厘かで低利融資するというのですけれども、これについてだって、二百億の設備資金に対して八十億の融資をするというのですが、合理化計画を見れば、これは二百億になっていないのですよ、硫安のガス源転換工事の九十三億、そのほかに高度化成の三十八億、それからその他の工事というので百八億で、全体で四百四十五億要るといっているのですよ、これは政府の決定した合理化計画なんですよ、そういうものに対して八十億ぐらいの融資をしているのですけれども、それだからそういう点からいえば、私は今後三年間を予定して立てている通産のこの合理化計画ですら今までの合理化の進め方からいえば、これはちょっとあと二年の肥料年度の間でこの合理化が完全に完遂されるということは非常にむずかしい問題でないか。大体、現在の三十五年度のトン当たり五十一ドル五十セントである、まあ五十二ドルともいっておるのですけれども、それを四十三ドルにするというのですから、七ドル五十セントですか、の引き下げをしなければならない、そうすれば、これは今まで肥料二法が延期されて、今日まで七年間やってきている、それをその平均からいっても、なかなかそうはいかない。まあ、科学技術の振興によって急速に来年、再来年で合理化されるといえばされるかもしれませんけれども、そういう不安すら実はあるわけであります。そういうものまで含めて、私はまだこんとんとして、この肥料二法のもとにおける合理化が完成できるかできないかという疑問がある段階で、したがって、通産省の合理化計画を見ましても、三十六肥料年度と三十七肥料年度の数字は出ていない、三十五年度から一足飛びに三十八年度に飛んでいる。そうして四十ドルから四十七ドルか、五十ドルくらいまでずっとこのくらいになるということで出ている。そういうような点を検討してみても非常に疑問があるのです。ですから、そういうあやふやな中で肥料二法が廃止されて、通産当局が、廃止したならばより合理化が進むというのであるならば、自由競争にでもなって能率の悪いものはつぶれていく、そうして画期的なCOGの製鉄ガス、こういうようなものに思い切って転換する。合成硫安でなしに、そういうガス源の大転換をやって合理化するというのならばそういうこともあり得るでしょう。しかしながら、硫安工業界の現状を見ますときに、そう簡単に今までの既設の施設というものを転換できるような様相もない、こういうふうに思います。そういう非常な不安の中で、しかもこの価格問題は合理化と密接不可分な関係にあるのです。合理化できるか、できないかによって生産者の価格も輸出価格も影響してくるんですから、そういうような点が非常な不安があるときに、その不安を解決するりっぱなめどがついて肥料二法を廃止するというならば、それなら私もわかりますけれども、どうもそのほうはさっぱりどうなるのかわからぬ、勘で物事をしゃべられるような状態の中で肥料二法を廃止するというのはこれはちょっと早計じゃないか。もう一ぺん考え方をあらためる御意思はございませんか。
#71
○国務大臣(河野一郎君) はなはだ御無礼な申し分でございますけれども、どうも北村さんの御意見は何でも現状維持、現状維持で、進むということが非常におきらいなようでありますけれども、前の時代にきめたものであって、今の時代に適さなくなっている事実をお認めになりながら、それを変えるということについては、自重せい、自重せいということをしばしばおっしゃるようでありますが、私は肥料にいたしましても、国際競争に勝つか勝たぬかということが硫、安その他の肥料の今日の現状であり、将来の目的でなければならぬ。その意味において、御承知のとおり欧米、硫安先進国におきましてはああいう政策をとっていると思うのであります。たとえて申しますならば、ドイツのごとき、はっきり申し上げることは困難でございます。はっきり申し上げることは困難でございますが、ドイツの国内販売価格はドイツの硫安製造の過程を国内に全部負担せしめて、そうして輸出のほうについてはほとんど生産費の中のごく一部だけ持ったもので国際競争に出てくるのが現状じゃないかと思います。そうして国内のほうは非常に高い、高いものは政府が補助している。そこでダンピングのそしりを避ける方法をとっております。そこまでしてやっておるんじゃないかと思います。わが国においてあえてその道をとるべきだと、私は主張するものではございませんけれども、そういう国際環境の中にあって、国内の消費者に対して所要の配給をいたしつつ国際競争に勝っていかなければならぬという、二つの目的を持ったところの硫安工業は、非常に困難だ。今日の国際競争場裏で私は適切でない、こういう観点に立って、そこで硫安工業については、国内の販売は国際競争に打ち勝つことを主として製造の段階において考えて通産行政をおやりなさい。そうして所要の量を国内に出してくれ、適切な価格で出してくれ、その価格が農業生産の上に適切であるならば補助金を出しましょう、それでいいじゃないか、こう私は割り切っておるのであります。そこで決して、思いつきで言っているじゃないか、そんなことではあぶないとおっしゃるけれども、そうじゃない。通産行政の上において、この価格で国内には販売をいたしたい、この価格で輸出をしたい、合理化をやっていきたいという基本方針がきまって参りますれば、その価格がはたして適切な、国内配給価格が適切であるかどうか、私は農林大臣としてこれが農林に対する配給価格はこの程度のものは必要とするということは、ドイツにおいても行なっておりますように、わが国においても要求いたします。その要求を取り入れつつ、通産省は硫安工業を前進させて参る。それがこういう関係で、たとえば今日の石炭のように、現在、これは外と内の違いはございますけれども、どんどん油が下がる、やり切れぬ、どうするかというような、これと同じような意味において、これが硫安が現状において農民への配給、国際競争、そこで赤字が出るという結論になっております。これを一挙に合理化し解決して参りますためには、どうしても私は別途方法を考えなければならぬ。そこで、それも、しかもダンピングのそしりを受けないというために、農村としては施策を講じなければならぬ。諸般の問題を内に解決しつつこの目的を達成するにはどうしたらいいかということが、今日の肥料に対する命題だと思うのであります。これをどうして解決するか、これに対してどう対応するかという問題だと思います。したがって、私は所管の農林大臣としては、今申しましたように、通産行政のほうにおいて、内にはこの程度の消費価格でひとつどうだ、高い、もうちょっと安くしてもらわなければ困る、どうもできない、それじゃ政府の補助で行こうかという結論が出てくるのだと私は思うのであります。今ここでことし幾らで硫安を国内で消費している、来年は幾らになるべきだ、来年は高くてよろしいという計数が出るわけではありません。そういうことは考えておりません。当然合理化されてだんだん安くなっていく傾向があるわけです。二法を廃止したからすぐ硫安の価格を高くてよろしいということを考えられるわけもなければ、われわれ自民党においてもそういう肥料の考え方は断じていたしません。農村に対してあらゆる角度から保護農政を続けていくことがわれわれの至上命令でございますから、そういう角度からわれわれは硫安の問題について考えているのでございます。したがって、今なぜ早く考えないか――今申し上げたように、通産省においてその基盤を研究しておられると思います。通産省において今後の硫安の製造、輸出、内需等についてどうあるべきかということを検討していただいていると思います。私たちは来春の場合においてはこの程度の価格、今年幾らであったから来年は数量においてこの程度、価格においてこの程度という要求をいたすということで適切である、こう考えております。
#72
○北村暢君 これでやめますが、私は何でもかんでも古いものがいいと言っているのじゃないので、大臣がすばらしい河野構想でも発表してくれて、裏づけがあって、農民が安心できるものであれば、私は何もそれでだめだ、今の肥料二法が絶対いいということじゃない。そんなことを主張しているわけではないのです。ただ、まだ海のものとも山のものともつかない中で肥料二法を廃止するのだということでは、邪推じゃないけれども、私の言ったように計画のほうは三カ年計画でちゃんと第二次計画が出ている。その程度でいく。そうして赤字は赤字で残っていく。そういう中で肥料二法がなくなったらどうなるか。赤字は農民のほうにくるのじゃないかというようなことは、これはだれでも感ずることなんです。だから、私はそういう農民の気持というものを率直に申し上げているだけの話で、決して今の状態の中でいいと思っておりません。ただ、まだ合理化計画についても、硫安工業そのものだけを考えればなかなかこれは産業としての転換はむずかしい問題だと思います。しかしながら、技術革新の時代なんですから、実際にCOGの問題を取り入れるか入れないかによって、日本の硫安工業というのは画期的な転換になるわけですね。国際競争にたえ得るのも、ダンピングをやらなくても、なおかつ、国際競争にたえ得るかもしれない。そういうところまで技術革新というものができる。それを肥料工業というものを急速に転換できないということから抑えてきたという通産当局の、そういうことすらあるのだということも聞いておるわけなんです。ですから、ここら辺は非常に一ぺんに合理化できるから、それじゃ旧来のものをつぶしていいというわけには私も簡単にいかないと思います。ですから、それが一がいにいかんとは言わないのですけれども、しかしながら、今言われるように、国際競争に太刀打ちしていかなければならない。そして内需をうまくやっていかなければならない。これは当然なことなんです。肥料三法もその建前から私はやはりできていると思うのです。したがって、それが実情に即しなくなればこれは改めるにやぶさかでないのですが、今言っておりますように、やはり裏づけがほしいということなんですよ。だから、裏づけのないも一ので改正されるということになると不安になるから、これはやはり早計でなかったのじゃないですかと、こういうことを言っておるので、その点は一つ御理解を願いたい。
#73
○国務大臣(河野一郎君) これもまたはなはだ御無礼なことを申し上げますけれども、実は私は昭和七年に代議士になりまして、わが国会において肥料問題を取り上げたのは私がまず初めだと思います。自来硫安問題に私は相当熱心に研究を続けてきたつもりでございます。そのとき以来私は勉強しているつもりでございます。その問いやしくも全国の農民諸君、河野の言うところ、肥料行政において私は農村のふためをはかって軽率なことをしたか、あれが言うたから、あれがやったから肥料が高くなったという、そういう印象をとられたということはいまだかつてない。それだけの信頼を私はされておるつもりであります。今私が二法を廃止することによって肥料の配給価格が上がる。農村の需要価格が上がるということがあるか。そういうことになったらそのときはどうなるかというくらいのことは、私も百も二百も計算の上でやっておるのございまして、絶対に農家に不利益を与えないという私は確信をもってやっておるわけでございます。将来においてそういう結果になったらどうするかということは計算に入れております。何分、問題は生産は十二分にもございます。御承知のとおり。半分近いものを外国に売る。売っていって、そして国内で十分にペイしていくということになるのでありますから、問題は、適切な価格で農家に配給する、農家が入手することができるようにすればよろしいということが農林行政、しかもそのためにはドイツ方式等もある。価格の点で言っておるのじゃございません。値段は、現に農家が入手しておる値段があります。それをどういうふうに今後持っていくか、農村の事情に即してどう持っていくかということが残された問題である、こう私は農林大臣として考えると同時に、佐藤通産大臣を信頼し、通産行政の熱心な御努力によって、そうしてわが硫安工業が発展して参る。それが十二分に合理化されれば、勢いわが農村にもより期待できる価格ができるでしょう、現状よりも。そういうふうに分離してそうしておのおの専念することによってわが硫安工業が確立し、世界の競争にたえていくことがりっぱにできる、早くできるであろう。それが結局農村に対して稗益する点が多かろう。こう私は考えておるわけでございますから、まあ未熱な点もあるかもしれませんが、どうかぜひひとつ御協力をいただきたいと思うのであります。
#74
○北村暢君 いろいろありますけれども、きょうはこのくらいにいたしておきます。
#75
○委員長(仲原善一君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#76
○委員長(仲原善一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のおありのお方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#77
○委員長(仲原善一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。肥料取締法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#78
○委員長(仲原善一君) 全会一致でございます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成その他自後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#79
○委員長(仲原善一君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
  ―――――――――――――
#80
○委員長(仲原善一君) それでは、先ほど中断していました家畜商法の一部を改正する法律案及び家畜改良増殖法の一部を改正する法律案を一括し、再び議題といたします
 先ほどの、まず北村君の質問に対する答弁を願います。
#81
○政府委員(森茂雄君) 先ほどから申し上げましたとおり、本年度当初、政府手持ちの大裸麦の古麦の約六十万トンのうち、約四十万トンを飼料用として払い下げることにいたして、そのうち現在まで十七万トンを払い下げましたことは先ほど申し上げたとおりであります。御質問のように、この計画量をさらに増加させる計画があるかどうかにつきましては、いろいろ現在検討中でございまして、精麦の需要見通し及び農厚飼料の全体の需給関係を考えて決定いたしたいと存じますので、ただいまここで数量を申し上げるまでには至っておりません。
#82
○委員長(仲原善一君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#83
○委員長(仲原善一君) 速記をつけて下さい。
 家畜商法の一部を改正する法律案について、別に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#84
○委員長(仲原善一君) 御異議ないと認めます。
 速記をやめて下さい。
  〔速記中止〕
#85
○委員長(仲原善一君) 速記をつけて下さい。
 それでは、家畜改良増殖法の一部を改正する法律案に御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#86
○藤野繁雄君 家畜改良増殖法の目的を見てみますると、従来の法律であれば種畜を確保して畜産の振興をはかる、こういうふうなことであったのでありますが、今回のは家畜の改良増殖の計画を立てて、そして最後には「農業経営の改善に資する」、こういうふうなことなのであります。成長部門である畜産でありますから、この畜産の奨励によって農業経営の改善をはかっていかなくちゃいけないのであります。しこうして、このためには国及び都道府県は積極的に施策を講じなくちゃいけないということを、第二条に書いてあるのであります。その積極的に施策を講じなくちゃいけないという、積極的に施策を講ずるには北村君からもお話があったのでありますが、有畜農家育成基準というものが土台になっているのであります。でありますから、この法律を見てみますると、種畜の問題であるとか、あるいは家畜の登録の問題とかいうようなこともありますけれども、土台はここにあみのであります。でありますから、 この際私は有畜農家育成基準というものはどういうふうにすべきかということなのでありますが、これについては北村君からもお話があったように、政府のほうでは試案を出しておられるのであります。これも幾らか重複するのでありますが、現在政府が提出した資料によって見ますというと、一農家当たりの保有量は乳牛であったらば二二頭、役肉用であったらば一・二頭、馬であったらば一・二頭、豚であったらば二・九頭、綿羊であったら一・四頭、鶏であったらば十八・九と、こういうようなことになっておるのであります。しかるにこういうふうな数字で現在はあるのが、北海道、東日本、西日本の頭数がこの現状と比較してあまりにも差があるのであります。このあまりにも差があるという数字を何カ年間に達成するというようなことでこれを立てられたのであるか。この現状と計画とがあまりにかけ離れておるのでありますから、このかけ離れているところのものを何カ年間にまず達成するというようなものであるかどうか、これをお伺いしたいと思うのであります。
#87
○政府委員(森茂雄君) ただいまこの法律で考えておりまする増殖目標と、それから増殖改良目標は、五年ごとに十ヵ年の目標の見通しを立てておるわけでありますが、ただいま御指摘の有畜農家育成基準で一案を例示しておりますが、午前中にもお話がございましたとおり、これは耕地規模あるいは自給飼料との関係、あるいは家族労働力等の関係を見まして、改良増殖審議会の議も経て慎重にきめて参りたいと存ずるわけであります。したがいまして、ここで一応立てておりまするのは、増殖目標、改良増殖目標、それから改良目標などは十年を見通しておりまするけれども、この有畜農家育成基準につきましては、十分改良増殖審議会の意見も徴しまして、さしあたって何カ年を目標に立てるがいいか、これは経営の実態とも関係いたしていきますし、直接指導自身の問題ともすぐ関連いたして参りまするので、ただいまのところ、審議会等の意見も徴しまして決定いたしたいと存じているわけでございます。
#88
○藤野繁雄君 そうだというと、この基準でいったならば、最初の第一条の目的にある「農業経営の改善に資する」ということであるが、一体一農家の収入が現在のところ幾らであって、そうしてこうなったらば幾らになるという収入見込みの金額があるかどうか、お伺いしたいと思います。
#89
○政府委員(森茂雄君) ただいま例示といたしておりまする点につきまして、一応乳用牛について申し上げますれば、北海道で十ヘクタールという規模で例示したと申し上げましたが、北海道のそういう場合について検討いたしますと、その場合におきまして飼料作物延べ面積は三・四ヘクタール、集約牧野は一・〇ヘクタールということを前提にいたしますと、農業粗収入は百八十九万円で、そのうち畜産粗収入は百五万三千円となるわけでございます。農業粗収入に占める畜産粗収入の割合は、そういう定型的な家庭といたしますると、五五・五%になります。次に所得額をその場合について見ますると、総農業所得では百一万円でありまして、畜産所得は五十五万円となりまするので、この場合の例示からいいますると、八十一万円がこの面からいいますると約二十万円の所得向上となります。しかし、これは耕地面積十町歩を前提とした場合でありますので、耕地規模、労働力、自給飼料、供給量等を勘案して農業に畜産を取り入れる場合に、適正な飼養頭数は、経営耕地面積など、経営類型別に検討すべきものと考えておりまするので、これは一応そういう規模におけるそういう、飼料作物延べ面積三・四ヘクタール、集約牧野一ヘクタールとした場合の現状における試算でございまするので、それぞれ類型を十分検討いたしまして、各耕地面積のあるレベルを段階別にとらえまして、十分検討して参りたいと存じます。
#90
○藤野繁雄君 家畜の改良増殖目標ですね、これは都道府県は知事がきめなくちゃいけない。そうするというと、その都道府県知事の目標というものは、都道府県知事が自分の県に適応するように定めて、そうしてそれを国に報告すればいいのであるかどうか。それに対して政府はある程度の指導、助言というようなものは与えるのであるかどう・か、お伺いしたいと思います。
#91
○政府委員(森茂雄君) 本法では直接その面は表わしておりませんけれども、国の増殖目標と、都道府県の増殖目標と、できるだけマッチさして、ある程度弾力性のあることはもちろんでございますが、十分マッチさして自立せしめたいと存じているわけであります。
#92
○藤野繁雄君 マッチさせて増殖させるというが、各県ごとに増殖計画を立てるということであったならば、その各県で立てたところのものに対して、国はある程度のことは講じなくちゃできない、どうすべきだというようなことを示さなくては、あるものは多くなるし、あるものは少なくなるというようなことになりはしないかと、こういうふうな心配があるものだから、各都道府県ごとに目標を立てる場合においては、大体の方針は、あなたの県は大体こういうふうな方針であるというような目安を各地方長官ごとにきめて知らせるものか。下から上がってきたところのものを自由にするのであるか、その調節はどうするかということなんです。
#93
○政府委員(森茂雄君) お話しのように、下がら上がってくるものでございまするけれども、私どもの方で、全国的に見て、一応全体的な計画として試算をしまして、助言なり協力なりいたしたいと存じております。
#94
○藤野繁雄君 それから家畜改良増殖の目標を定める場合においては、家畜改良の審議会の意見を聞かなくちゃいけない。さっきお話しのとおりなんです。そうするというと、この審議会の委員は二十名以内というようなことになっているのでありますが、二十名以内の農林大臣の選任の方針はどういうふうなものであるか、これを承りたいと思うのであります。どういうふうな階級のものをどういうふうに任命するのであるか。各団体別に、あるいは学者その他というようなもので、大体の案があったらばそれを承りたいと思うのであります。
#95
○政府委員(森茂雄君) 審議会の委員は、家畜の改良増殖につきまして学識を有する者、あるいは家畜の生産実務に従事している経験者のうちから、家畜の種類別に、すなわち乳牛、役肉牛その他馬、豚、綿羊等の五つの部分を選びまして、二十名で構成したい。家畜の種類別に部会を置きまして、そして部会の議決をもって審議会の議決とすることができるように、いろいろ家畜の種類が多いものでございますので、そう考えております。なお、部会といたしまして、当面は乳牛、和牛、馬、豚、綿羊、ヤギの五部会を考えております。
#96
○藤野繁雄君 そうするというと、審議会の委員は、各家畜の種類ごとに大体においては選任されるというお考えですか。
#97
○政府委員(森茂雄君) その通りであります。
#98
○藤野繁雄君 次は、方面を変えて、主要畜産物の輸出入の状況を見てみまするというと、三十五年において、輸入は、まず乳製品が八十五億、食肉が四十八億、家畜が七億、卵がわずかと、こういうふうな数字に資料はなっているのであります。そしてその食肉をさらに区別してみまするというと、牛肉が十一億、羊の肉が十七億、豚の肉が十億、その他が九億、合わせて四十九億、こういうふうになっているのでありますが、これだけの家畜を外国から輸入せなくてはならない現在の状況であるといたしましたならば、この輸入をせなくてもいいように、畜産の奨励をやったならば、何年ぐらいかかったらば、この輸入がなくても差しつかえないようになし得るという考えでおられるかどうか承りたいと思うのであります。
#99
○政府委員(森茂雄君) ただいまのところ、輸入の大宗をなしております本のは、乳製品あるいは一部の食肉であります。われわれといたしましては、食肉は割に早く自給できるというふうに考えておりますが、乳製品は、なお相当期間続くものと思いますが、何年でこれが完了するか、生産と需給の関係でございますので、できるだけ自給をはかるということで努力いたしたいと存じております。
#100
○藤野繁雄君 そうすると、その次に肉ですね。輸入された肉が約四十九億の肉、これはどういうふうな方面に消費されているのですか。
#101
○政府委員(森茂雄君) 輸入されております肉は、一部は卸を通じまして直接なま、冷凍肉として家庭、一部は加工原料用として、ハム、ソーセージその他の加工品として消化されている現状であります。
#102
○藤野繁雄君 そうするというと、この羊肉とか、豚肉であるとかいうようなものは、生肉として取り扱われるのが多いのであるか、加工用に回っているのが多いのであるか、これをお伺いしたい。
#103
○政府委員(森茂雄君) 現在、ことしあたりの状況では、豚につきましては四〇%加工用、それから牛肉につきましては三〇%加工用に回っている現況であります。羊肉につきましては九〇%加工に回っております。
#104
○藤野繁雄君 羊肉がそういうふうに加工に回っているというような関係から、内地の羊が加工用に屠殺されているような話を聞いているのでありますが、そのために内地の羊が減少して困るというようなことはないかどうか、お伺いしたいと思います。
#105
○政府委員(森茂雄君) 内地の羊は相当減って参っております。
#106
○藤野繁雄君 そうするというと、それに対する対策はどうされるか。
#107
○政府委員(森茂雄君) 今後の綿羊関係につきましては、肉綿羊として充実させていこう、こういう考え方で検討いたしております。
#108
○藤野繁雄君 次は、家畜の屠殺頭数、枝肉生産量というようなものの推移から考えますと、現在においては豚の肉が一番増加するように考えるが、そうと考えていいですか。
#109
○政府委員(森茂雄君) そのとおりでございます。
#110
○藤野繁雄君 そうするというと、豚に対しては、国はいかなる奨励方針をとられる考えですか。
#111
○政府委員(森茂雄君) ただいままで家畜導入の場合に、繁殖用豚については助成をしておりませんでしたが、今回、近代化資金法が通りますれば、繁殖用の豚、種豚も助成の対象といたしまして充実して参りたいと存じます。
#112
○藤野繁雄君 次は、第二章の第四条の種畜によれば、「牛、馬」と書いて、「その他政令で定める家畜」と書いてある。そうすると、「その他政令で定める家畜」ということに豚が入っているのですか、入っていないのですか。
#113
○政府委員(森茂雄君) 政令では綿羊、豚を指定するつもりであります。
#114
○藤野繁雄君 次は、もうこれ一つでしまいにしますが、豚の共済制度なんです。農業災害補償法の第八十四条によれば、共済目的は、「牛、山羊、めん羊及び種豚」というようなことを書いて、豚だけが「種豚」と、こう書いてある。一般の豚は入れてない。これは一体なぜ入れなかったのであるか、その理由を聞きたいと思うのであります。
#115
○政府委員(森茂雄君) 御指摘の豚の問題でありまするが、豚は鶏と同様に非常に一頭当たりの金額が低い。それから飼養頭数が少ない、飼養期間が非常に短いというために、保険の技術上の問題があるわけであります。それから事故の実態が今までの調査では明らかでない。具体的の個体の識別が困難である等の理由から従来行なわれておりませんでしたが、農林省といたしましても、三十四年度から任意共済事業について、肉豚共済を任意共済事業の一つとして実施しておりまするが、鹿児島、栃木、青森、鳥取等でございまして、まだ徹底した共済制度が行なわれておりません。したがいまして、一方、豚の先ほど申し上げました共済制度にするにつきましても、そういう事故とか、個体の把握の仕方などを鶏と同時に調査いたしております。十一月の末あるいは十二月ころになりますと、その調査の結果がまとまりますので、何らかの措置を講じまして豚の保険と言いますか、共済と言いますか、そういう点につきまして一歩進んだ方法を考えたいと思って、現在、検討中であります。
#116
○藤野繁雄君 僕は、共済制度については各方面のことを今研究しておるのですが、畜産共同対策室から出した「畜産団地造成の手引」の養豚篇によって見まするというと、その十一ページに共済制度ということを言っている。これによれば、農業協同組合が共済制度を行なっているものが割合に多いのです。そうしてその成績が上がっている。であるから、今度の豚の共済制度については、政府は農業協同組合の共済制度でやられる方針であるか。農業災害補償法では書いてないが、任意共済としてやっているか、そのほうも考えてみると、今、局長がお話しになったのであるが、どちらを奨励してやられる考えであるか、どちらの成績が上がっているのであるか、それを具体的にお示しをお願いしたいと思う。
#117
○政府委員(森茂雄君) 一般的に共済制度の問題が検討されておりまする際でもありますし、また、今の実例等をも十分比較検討いたしまして、農民が実際加入して、そうして非常に効率的であるということで、そういう点を十分検討いたしましてきめたいと考えておりまして、現在どちらにするかということは、まだきめておりません。
#118
○藤野繁雄君 これは建物共済と同じように累を及ぼすおそれがあるから、十分に検討をして、最善の方法をとっていただきたいと思うのであります。
 それで、これはまた種豚の関係になるのでありますが、豚を今申し上げるように、奨励するということだったならば、豚の種についてはよく注意していかなくちゃいけない。しかるに、現在飼っておるところの豚がいいのであるか、新しい豚がいいのであるか、各地方を見て回っていくというと、種豚に対して非常に心配をしている。そして豚も脂肪分が多くなくて、赤肉が多いものでなくてはいけない。しかるに、現在の豚であったら、 ヨークシャーであるとか、バークシャーであるとかいうものは、脂肪が多くて赤肉が少なくて、将来肉豚としてはおもしろくないというようなことで、政府は新たな種を入れつつあるような問題であるのであります。また、一方のほうにおいては、純粋なものでなくて、雑種でなくてはいけないという評判がだいぶあるのであります。でありますから、豚の保険をやると同時に、その豚というものを食肉にするためにはどういうふうな種の豚であって、どういうふうなかけ合わせをやったところのものが一番理想的の豚であるか。それを決定して、その方面に向かって進んでいかなくては、将来伸びる肉豚が頓挫していくのじゃなかろうか。また、農家経済のためにと思って法律を作ったところのものが、農家経済がおもしろくないような結果になりはせぬか、別な言葉で言ったならば、赤肉が多いところのものを作らなければいけないのが、脂肪分の多い豚を作ったら、困難な、不利益なことになるのじゃないか、こういう点があるのでありますが、この点ひとつ局長の御意見を拝聴したいと思います。
#119
○政府委員(森茂雄君) ただいま現在の見通しといたしましては、加工用が非常に多くなる、こういう需要関係からいって、効率的にそれを育てて、そうして農家の手取りが十分多くなるような種類なども考えて、ランドレースなども一部入れようと思っておるわけでありますが、だんだんと御注意の点は十分考慮いたしまして、また、きめる場合にも、十分各方面の、外国等の関係も十分調査いたしまして、慎重を期して、かつ効率的に御注意のとおりいたして参りたいと存じます。
#120
○河野謙三君 私は十分間、ちょっと時間を、皆さん御迷惑でしょうが、お借りします。
 午前中要求した資料をさっそくいただきまして、私は議員生活十何年の間に、こんなに資料を早くもらったことはないので、したがって、この資料の努力に免じて、ちょっとこの機会にさっそく伺いたいと思いますが、この資料によりますと、私の想像以上に民間輸入が多いのですが、この民間輸入というのは、たとえば森永とか、明治とか、そういう会社が輸入したものもあるでしょうが、それにしてもこれは多いのですが、この民間輸入の一番大きいのはどこですか。それと、この民間輸入は、その会社が輸入して、その会社が自分の営業上使っているのか、輸入した民間の会社が、それを輸入した暁に、会社なり、団体なり、国なり、県なりに売っておるというのがあるのか。これをひとつ御説明願いたいと思います。
#121
○説明員(三浦道雄君) ちょっと私からお答えさしていただきます。差し上げました表は、急ぎましたものですから、国と県とその他というふうになっておりますが、その他は協同組合等もその他の中に入っております。でございますが、また純粋の民間の会社等のものも入っております。それで、私たちといたしますと、本来、国でもって問題になりそうなものは、全部種畜牧場等におきまして、国に対する適応性等を確かめてから、相当、あるものは押さえ、あるものは進めるというようなのが理想でございますが、なかなかそこまで手が届きませんものでございますから、割当をいたしますときには、入れましてからの暴利とか、そういうようなことがないように、またその成績等につきましては、また私たちにもそういうものを知らせてもらえるようなというようなことを、まあ条件等あまり強い条件等にならないわけでありますが、お願いできるところにお願いしておりますが、一部種を高く売るというような御批判を賜わっておるところもありまして、今後なお気をつけていかなければならないと考えております。
#122
○河野謙三君 国、県、民間と分かれておりますが、これはいずれも大事な外貨を使って輸入するのですが、その場合、国の予算の関係、県の予算の関係等から、一部民間に移譲するということもやむを得ないことだと思うのですが、ただ、この輸入を年次別に県、国、民間と三つに分けます場合には、国の畜産行政の大本からいきまして、家畜の増殖なり、品種改良の面からいって、来年度は幾ら要るという大きなワクがあって、そのワクを予算の関係で国と県と民間に分けていくと、こういうふうな行き方に大体なっているのじゃないですか。そうじゃなくて、民間の希望なり県の希望、こういうものを審議会にかけて、ただ外貨の面でチェックするという程度でこういうふうな結果になっているのですか。
#123
○説明員(三浦道雄君) 今度の家畜改良増殖法等を通していただきました後は、目標に従いまして、各県からの計画と、その計画の中には県といたしまして改良用の種畜の配置更新についても、計画というようなものを出していただきまして、話をまとめましてやっていくような考えをいたしたのでございますが、現在までのところは国で若干の、種畜設置と申しまして、種牡牛などの設置を補助するのがございますが、そのときの県としての種畜の計画を出していただいております。ただ、それは県自身のものでございまして、県内の民間のほうの更新計画まではちょっと尽くしかねておるのが現状でございます。
#124
○河野謙三君 それでこの際、政務次官に一つとくと聞いてもらいたいのだが、この表は政務次官もごらんになったでしょうが、輸入の頭数だけで、ものはきまりませんけれども、大事な金を使って外国からよりよい牛なり、よりよい豚を買ってくる場合に、たとえば過去五年間で種牛を、雄のほうを三十三頭入れているのだが、その中でわずかに国は二頭ですよ。それでその過半数の十七頭は民間ですよ。しかも、この内容たるや、国の二頭は非常によくて、民間のものが悪いとか、県のものがそれに劣るというわけじゃないんですよ。予算的に見ましても、各県では国が五百万円で買ったら、おれのほうは八百万円で買ったというのがたくさんある。そういう、国が予算の関係とは言いながら、頭数においても質においても、民間なり県に劣るような種豚なり種牛を買っているというようなことで、大きな顔をして農林省がこれから畜産の中心に立って、畜産行政の指導をしていくなんということは、私はこの一つを見ても言えないと思う。しかも、県なり民間がやる場合には、農林省の指導のもとに農林省がお世話してやらしたのだ、農林省の意思によってやったのだというのならまだわかるけれども、これはこんなことではとても私は頭数におきましても質の点においても、てんで問題にならぬと思うのですよ。これを一つ、私は資料に基づいて、とやかくこれ以上言いませんが、もう少し予算の面におきましても、質の面におきましても、畜産行政の中心に農林省が立ってやれるようにまず力を私は持ってもらわなければ困ると思うのです。
 ことのついでに、一つ品評会のことで申し上げます。それは、ここにおられる委員の方でも、今地元の品評会や共進会にいろいろ出ておられると思うのですが、私も毎日のように引っぱり出される。ところが、これに対して畜産局長なり農林省で考えてもらいたいのは、今までの畜産品評会なり畜産共進会に行きますと、オリンピックの選手の選考をやっているようなのだね。登録牛が、やれ目つきがいいとか、鼻つきがいいとか。ところが行って見ますと、必ずしも登録牛なり、価値の高い牛が経済効果が高いということじゃないのですよね。今までの品評会というのは、えてしてこれは畜産局のあなたの先輩の全酪連の会長をしておる山本兵三郎君がアメリカから帰ってきて、私その話を聞いたのだが、日本の役人がアメリカに行って質問することは、この牛は一体年間幾ら乳をしぼりますか、この鶏は年間幾ら卵を生みますかと、レコードばかり聞くというのですね。それに対して、アメリカの技師は笑うというのですね。なぜあなた方日本人は、暮れの十二月三十一日になって、この鶏はことし年間幾らかせぎましたか、この牛は幾らかせぎましたかということを聞かないのか。向こうはむしろ経済効果を重点にしてすべての品種改良をやっている。こちらのほうはレコード本位でやっている。私はレコードもけっこうだと思うのですね。品種改良のために、豚の目つきのいいのもけっこうです。鼻つきのいいのもけっこうです。けっこうだけれども、それだけで、相変わらず十年一日のごとく、農林省が、各府県の末端に至るまで品評会をやっていることは、私はそういうことはその時期でないと思うのですがね。何かもう少し農村が、畜産でも野菜でもそうですが、品評会、共進会には、もう少し農村が企業心を呼び起こすためにも、経済効果というものを伴ったところの共進会なり品評会、特に畜産においてはそういう関係が大事だと思うのです。手段方法はむずかしいだろうけれども、今までの品評会なり共進会のように、女郎屋の張り店のように、審査官が顔を見、目つき、鼻つきを見て品定めをする、そういういいかげんなことはやめた方がいいと思うのだが、話は長くなりますけれども、外国ではそんなことはやっておりません。私は自分自身でデンマークに行ったときに、世界の畜産大会に行ったが、牛や豚を並べるときにも、日本は地所が狭いから仕方がないけれども、まあ天皇陛下が見るように、前のほうを見て等級をきめるというようなことはやっておりません。参観人も、けつのほうから一頭々々しりの姿から、ぐるっと回って横腹まで目に見えるようにして、一般にも参観に供している。日本の品評会に行ってごらんなさい。みんな並べて、前のほうをすっと通って、天皇陛下のごらんになるのと同じような格好で見ている。そんなことで牛や豚の値打がわかるはずがない。そういうこと自体も、もちろんこれは民間でやっているのだから仕方がないというのでなくて、まず農林省が、そういうものについて本格的にやはり経済効果を伴うところの品評会というものを私はお考えにならなければ、ただ登録のことがばかにやかましく書いてあるけれども、私は登録はどうでもいいというのではありませんけれども、登録より一そう大事なことは、何にも登録のない雑牛はずいぶん経済効果を上げているのがたくさんある。こういうものをなぜ取り上げないか。はなはだ演説になっておそれ入りますけれども、私は非常に最近毎日のように共進会に行くものですから、相変わらずそれを深く感ずるのですが、これに対して何か私の言うことが間違っているか、むずかしいけれども、それは一つやろうというのか、それを一つ御答弁いただきたいと思うのです。
#125
○政府委員(森茂雄君) まことに貴重なお話を伺いまして、私ども十分そういう点を考えて、困難なことでも、できるだけそういういいお話を伺いまして、その線に沿って十分努力いたしたいと存じます。
#126
○河野謙三君 森局長ですから、単なる政治答弁じゃないと思いますが、これはなかなかむずかしいことですから、私はすぐできると思いませんけれども、むずかしければむずかしいだけに、そういう方法で品評会なり共進会をやって、そうしてもう少し経済効果を伴うところの畜産の増殖奨励にさっそく具体化してもらいたい。私は依然としてこの法案には登録本位であって、法律そのものの流れる精神というものは、そういうあまりにおいがない。こんなオリンピックの選手のようなことをいつまでやってもどうなるかと思いますが、これははなはだくどいのですが、この方法については特段の御留意をいただきたい。
#127
○委員長(仲原善一君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度にいたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後四時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト