くにさくロゴ
1961/10/20 第39回国会 参議院 参議院会議録情報 第039回国会 農林水産委員会 第9号
姉妹サイト
 
1961/10/20 第39回国会 参議院

参議院会議録情報 第039回国会 農林水産委員会 第9号

#1
第039回国会 農林水産委員会 第9号
昭和三十六年十月二十日(金曜日)
   午後一時三十四分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員高田なほ子君辞任につき、そ
の補欠として亀田得治君を議長におい
て指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     仲原 善一君
   理 事
           石谷 憲男君
           櫻井 志郎君
           亀田 得治君
           森 八三一君
   委 員
           青田源太郎君
           植垣弥一郎君
           岡村文四郎君
           河野 謙三君
           重政 庸徳君
           柴田  栄君
           田中 啓一君
           高橋  衛君
           藤野 繁雄君
           大河原一次君
           北村  暢君
           清澤 俊英君
           棚橋 小虎君
           北條 雋八君
  政府委員
   農林政務次官  中野 文門君
   農林省畜産局長 森  茂雄君
   食糧庁長官   安田善一郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○家畜商法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○家畜改良増殖法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○畜産物価格安定法案(内閣送付、予
 備審査)
○大麦及びはだか麦の生産及び政府買
 入れに関する特別措置法案(内閣送
 付、予備審査)
○大豆なたね交付金暫定措置法案(内
 閣送付、予備審査)
  ―――――――――――――
#2
○理事(櫻井志郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 本日、高田なほ子君が辞任、その補欠として亀田得治君が選任せられました。
  ―――――――――――――
#3
○理事(櫻井志郎君) この際、理事の補欠互選についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い、理事が欠けておりますので、その補欠互選は、成規の手続を省略して、便宜私から指名することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○理事(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。よって、理事に亀田得治君を指名いたします。
  ―――――――――――――
#5
○理事(櫻井志郎君) 家畜商法の一部を改正する法律案(閣法第二四号、衆議院送付)を議題とします。
 本案は、昨十九日その質疑は終局されております。それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○理事(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。
 これより採決に入ります。
 家畜商法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#7
○理事(櫻井志郎君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書、その他自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○理事(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
  ―――――――――――――
#9
○理事(櫻井志郎君) 家畜改良増殖法の一部を改正する法律案(閣法第二五号、衆議院送付)を議題とします。
 本案に対する質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#10
○清澤俊英君 大体昨日北村君がだいぶ詳しく質問いたしておりますので、ときによりますと重複するようなところがあるかもしれませんが、一応お伺いしておきたいと思われる点を四、五お伺いしてみたいと思います。
 まず第一にお伺いしいことは、「家畜の改良増殖を一段と計画的かつ効率的に実施して」という補足説明の条項がありますが、これには「総合的にかつ体系的に促進することとし」と、こうなっております。総合的ということになりますと、価格、飼料市場、自給、加工、輸入その他いろいろな問題が関連して参ると思うのでありますが、ここいらについて現在畜産局としては構想がまとまっておるのかどうか。いろいろきのうはまあこれを個々の立場で北村君はいろいろ質問しておったようでありますが……。
#11
○政府委員(森茂雄君) 家畜の改良増殖につきまして国で目標を内定いたしまして、各都道府県に改良増殖目標を立てる、本法に言います改良殖殖目標は、長い見通しによる改良増殖目標ではございますが、私どもこれから行政措置をやっていく場合におきましては、できるだけ計画的にやっていくことが必要だと存ずるわけであります。特に現在におきましては、配給機構、それからまた御協賛を今後お願いする予定になっております畜産物価格安定法もございまするが、現在では畜産物について価格支持をやっておる制度が全然ないわけであります。したがいまして、今後特に増加すると考えられまする乳用牛に関係します乳製品、生乳、それから食肉に特に増加を予定されまする豚、それから今後これはなお急速度に伸びるであろう鶏卵などにつきましては、都道府県等の会合も持ちまして、年度の当初にどの程度計画出荷さるべきかということも十分見通し的に立てていきませんと、いろいろ価格支持をやりましても、現在の畜界におきましては、共同販売、共同出荷という生産者の体制が至って脆弱でございます。そういう意味におきまして、十分現実的に見通しを立てる。一方お触れになりました濃厚飼料の問題でございますが、現在では全購連、あるいは配合飼料工場による保税工場会あるいは全国酪農農協連合会、それぞれ一応は全国的な組織があるのでございますが、これが生産者と全部系列的に有機的に結びついておらない状況でございますので、大体各県のえさの所要量と、この団体活動による、現在一例をあげますれば、配合飼料を作るにいたしましても、一定の各団体による比率がございますが、それらが家畜増殖の目標とマッチして流れていかなければならぬ状況でございますので、えさの配給機構にいたしましても、一部系統立っておりまするが、全般的に見て、商人系統、生産者団体系統、いろいろ各種雑多な関係になっておりますので、それら等の活動も、その家畜増殖関係と見計らって調整していかなければならぬ、こういうむずかしい問題があるわけでございます。そういう意味におきまして、実際上のえさと家畜増殖関係、あるいは今後大いに展開されなければならない自給飼料等の問題につきまして、本法が施行の暁には、十分計画的に、年度ごとにやっていこう、一気になかなかマッチするわけにはいきませんが、配給機構がいろいろありますので、非常に困難なことではあろうと思いまするが、生産者団体の共販体制を促進するのと併行して、配給関係につきましても系統的に系列化されるということで、できるだけこの家畜改良増殖目標にマッチした製品関係の、あるいはえさ関係の調整をやっていきたいと存ずるわけであります。
#12
○清澤俊英君 それはそれに違いないでしょう、そう書いてあるのだから。私のお伺いしているのは、そういうことについてもう何かできているのか、できておらぬのかと、こういう質問をしたのです。これはあなたがこれからだとこう言われる。ですから、そういう総合的なものを考える、こういうお答えなんです。それでいいですか。
#13
○政府委員(森茂雄君) それでは今までどうかということになりますると、製品関係あるいは家畜の増殖関係等について、いわる計画的な目標というものを、何といいますか、行政組織的に立てておらない状況でございますので、法でこういうふうに長期見通し等を宣言するということになりますれば、その間における、少なくとも年度的には、都道府県におきましても、改良増殖計画が年度を積み上げての長期の見通しということでありますので、年度ごとにまたそれを調整されなければならぬ実際上の行政措置として考えられまするけれども、そういうようなことで計画的に、特に本法が通過した暁には、政府といたしましても、国としての目標、それから都道府県としての増殖計画等が宣言される以上は、われわれ行政官庁としてもその線に沿ってできるだけ明確に、具体的に処理していこう、こういうことでいろいろ目下計数的に検討しておるわけであります。
#14
○清澤俊英君 それですね、そういう計画的にこれからの改善目標を定めてやっていくのだ、こういうお話になりますが、その計画は、大体国が定めた計画の基準を考えて、都道府県がこれをやる、こういうような形になっていますね、計画を定めると、それをまた助成していくと、こういう形に大体なっているようであります。そこでお伺いしますのは、そういう計画で一番重要なのは、価格安定法を作ってみましても、何をやってみても、需給関係が非常な私は比重を持っていると思う。そうした場合に、国と県とにおける需給関係の調節は、これはどういう工合におやりになる考えか。
#15
○政府委員(森茂雄君) 国で一応過去の消費増加傾向と、将来における消費増加傾向等の需給を想定しますと同時に、現在における飼養頭数等をも考えまして、製品とそれからその製品ができる――今回ここにいう家畜等につきまして需給見通しを立てまして、県とも相談して、できるだけ需要とマッチした供給が行なわれるように努力しなければならないと存ずるわけであります。特に最近顕著な現象といたしまして、豚の飼育が非常に、何といいますか非計画的といいますか、必然的情勢といたしまして非常に増加したような傾向でございますので、お話の通り価格支持をやりましても、一方においてえらい損をする、結果は下値にいくというようなことで、高い豚を買って安い親豚を売るというような傾向が今日においてはずいぶん見られる。えらい損害を生産者にかけておるものですから、そういう点に十分注意をして、指導的に各県がどの程度生産されれば被害が、被害といいますか、上下の変動がないというようなこと、これは、現在の経済機構として非常にむずかしい問題でございますが、やはり目安をできるだけ立てていくことが親切な行政ではないかと思います。したがいまして、この増殖計画が立てられ、実施にあたりましては、常に現象を反省しつつ、だんだんと生産と需要とがマッチすべく、だんだんと生産者団体その他の協力を得て処理していかなければならないものと考えております。
#16
○清澤俊英君 総合的に一つの改良計画をやっていくと、こういう場合に、価格の問題が非常な重点を私は持つと思うのです。これはあなたのほうでもそう考えておられる。そこで、価格の問題がそういう形になってきた場合に、国がどこまでその調整にあたるかということ、こういうことなんです、調整に。結局すれば、計画生産をどうやるか、こういうことなんです。言いかえれば。
#17
○政府委員(森茂雄君) 特に重要なことは、われわれ農林行政は、特に府県行政それから生産者団体の活動等によっております。したがいまして、われわれは全国的な各地の状況につきまして、過去を振り返って十分な統計と将来に対する見通し、たとえば一例を申し上げますれば、現在短期の農業観測を統計調査部でやっておりますが、いろいろな資料等も収集しまして、年度初めにはおおよその期待されるべき生産量を想定いたしまして、各県では全国でどのくらいの増産体制あるいは生産体制にあるかということは、各県別に県側にはわからないわけです。特に市町村に行きますと、なおわからないわけであります。そういう意味において、生産者団体の活動等とも相待って目標は定めていくことに、各都道府県の御協力を仰ぎますが、計画的にこれがぴたりと――需要の見通し等の関係でございますけれども、非常に現在の機構なり経済関係といたして見ましては、むずかしい問題でございますけれども、われわれとしては、価格政策だけでは、やはり特に短期の養鶏関係の鶏卵、それから豚等につきましては、非常に振れが過去において多いわけでございますので、価格支持政策だけではなかなかうまくいかない。そういう意味におきまして、計画的生産をどうやるかということにつきましては、大よその目標を十分各府県の府県庁、指導機関、それから生産者団体等に知らしていくというようなことで、完璧になかなかそれはできにくいことでございまするけれども、そういうような方法で努力していきたいと存ずるわけであります。
#18
○清澤俊英君 そこらが非常に私はむずかしくあり、かつ問題になる点だったと思うのです。私はそう思うのです。ということは、しばしば言われることであるが、河野さんなどは一番言われる点なんだ。自由党としては、自由主義の経済体制を堅持している限りにおいては統制というものはやらないのだ、こう言っていられるのだ。それが中心でやられますと、いろいろここには計画的なだとか何とかいうようなことを、非常にわかったような文字を使われましても、それは皆破れるのじゃないかと思う、私は。そう、思うようにいかないのじゃないか。それらの取り合わせをどう考えておられるのか。これはあなたにだけ聞くのは無理だと思いますけれども、大体農業基本法を審議する過程においては、周東さんの考え方と河野さんの考え方は、ちょっと違っているところがあるのです、言われていることには。私はそう考えておる。周東さんは、三条、四条か五条か、基本法のこの八条ですか、国はいろいろのこういうものを発表しなければならぬというようなことをいいます際に、その発表に対しては計画的な一つの指導体制を発表なさるのか、そういうことはしないのだ、自由経済においてそういう統制的なことはやらないのだとはっきり言っておられる。したがって、農林省の出す、国が出すいろいろの発表は、一つの参考資料であり、こういうふうな傾向になっているからということを知らせるので、それをとって行なうものは、創意と工夫による農民がやるのだ、こういうふうに説明しておられるのです。ところがこの説明を聞いておりましたりあなた方の説明を聞いたりしていると、そういうものと非常にかけ離れたような、ある程度まで国が計画をして、それに従うように一つの指導体制をとる、こういうふうな形が見えるのですね、それがどうも私にはすっきりしないと、こういうことになる。どうしてもすっきりしない。
#19
○政府委員(森茂雄君) 私どもといたしましては畜産局長といたしましては、農林省に入って以来、やはり生産農民が共販体制をとるということが、一番生産者の分け合いを充実し得るというようなことで、一応合い言葉になっておるわけであります。われわれといたしましては、考え方といたしましては、やはり生産者の農業協同組合その他団体等が、全部が自覚して自主的にそれぞれやっていかなければ、隣の県がある程度の目標を立てましても、またお隣の県がよけい作り過ぎてしまったならば、やはり価格政策だけではなかなか耐え得ないというようなことで、十分団体の団体活動が共販化され計画出荷されるように常に望んでおるわけであります。いろいろそういうことで指導的な打合会とかいうようなことも一部食肉等についてはやっておりますが、現在では十分なそういう打ち合わせが行なわれておらぬという関係がございますので、少なくとも見通し的には一応目標もつけましてやっていくことが行政処理として適当である、こういうふうに考えておるわけであります。したがいまして、計画的と申し上げておりますが、できるだけ見通しを過去の資料、将来の需要見通し等を考えまして、十分徹底していって、生産者団体等に御納得のいくような、お互いに見通しを相談してやっていって、そうして価格のえらい上下のないように努める、こういうことでございます。現在の配給機構、経済関係等におきましては、できるだけやりましても、なかなかそう全然間違いなくやれるということには参らぬと思いますが、できるだけそういうことで生産者の所得が十分変動なく与えられるように、確保されるようにということに努力したいと思っておるわけであります。
#20
○清澤俊英君 努力はわかりますがね。そこで、計画的に、総合的に一つの計画を立てられるというとき、まず第一に私は問題になるのは、国の全体の需給関係が生まれると思うんですがね、これを都道府県が計画を立てる。これは成長産業と言われるんでありまするから、相当な熱意を持って私は都道府県も計画を立ててくるだろうと思います。そうした場合に、国の総計画量と各都道府県がばらばらに立てた計画量との調整等はどうしてやるのか。
#21
○政府委員(森茂雄君) それぞれ県といたしましては、生産体制等も整えてのむしろ増産的要望があると思います。われわれといたしましては、全体総合的な需要関係等も見まして、ここいら辺が国としては、その県についてはこの程度が全体のバランスからいっても、あるいは生産奨励関係からいっても適当ではないかというアドヴァイスはいたしまして、各県においてもそれぞれ他県がどの程度の計画であるという全国的な各都道県別の計画目標等も十分納得させて、そうして生産時期において予期した所得、製品になった所得が、十分――えらい下落をするということのないように、できるだけ歩み寄っての総合的な関係を調整していきたい。われわれの気持としてそう思っておるわけであります。
#22
○清澤俊英君 それは非常にけっこうでございますが、かりにあなたのお気持に、まあ合うようにひとつ進んでいくとしましても、最近、これはたびたび問題にしておりますが、行なわれておるようないわゆる大企業の進出ですな。この法案の審議とは別に、一ぺんどのくらいの数があるのか。どれくらいの資本で、資本家の大体の傾向でいいのですが、丸紅とか伊藤忠とか三井物産であるとかいうような、数でよろしいのですが、そういう大企業が非常な勢いで輸入飼料を持ち、濃厚飼料の輸入等を持ち、あるいは骨粉の輸入等の権限も持っておるものが、非常にこれは強力の資本は持ち、そういうものも持っておるのです。こういうものが出てくる。これに対してこの間も河野さんにお伺いしている周東さんはけっこうなことじゃないか、そういうものが出てくるのはけっこうなことではないか、こういう御意見であったが、河野さんはけっこうなこととは仰せられませんでしたが、できるならば、農協等をしてそれらの事業を行なわせたいのだ、だが、そういうものの出てくるのも、時代の推移で悪いことではないのじゃないか、こういうお話であったと思う。今あなたが言われるような構想で、かりに農林省が農業経営だけを中心にして農協の育成等も考えつつ、今いろいろの計画を立っていかれても、これは農業団体じゃないのだ、全くの利益団体なんだ。こういうものとの調整はどう考えておられるのか。これはあなたに聞くのはちょっと無理だと思いますけれども、これは非常に私は農民の関心も高まり、これからの畜産行政上重大な私は問題をはらんでおるのじゃないかと思う。
#23
○政府委員(森茂雄君) 非常にむずかしい問題でございまして、また先生方にいろいろお知恵を伺わなければならぬ問題だとは思いますけれども、特に土地をあまり使わないでいい産業、例示して言いますと、養鶏とか養豚などにちょくちょく進出する傾向があります。この問題につきましては、私どもの気持としては、やはりそこいら一帯の地元関係との販売それから生産協力等につきまして、十分話し合いがつかれていくことを希望しておるわけであります。
#24
○清澤俊英君 希望じゃだめだ。
#25
○政府委員(森茂雄君) それからそういう非常に工場的に、ファクトリー的に生産される関係につきましては、いろいろ周囲の農業団体と十分協力していける道があるとは思いますけれども、私どもとしてこれを積極的に進めていくという考えは私個人としては持っておりませんし、省の今後の方針につきましては、清潔さんのおっしゃったとおり、なかなかむずかしい問題でございますので、十分いろいろの御意見も伺って処理して参りたいと存じます。
#26
○清澤俊英君 これは非常に重要問題で、軽々に取り上ぐべき問題じゃないと思うのですよ。それが今、相当数出ているんでしょう、相当数そういう態勢ができ上がっている。まさかそれをとめるわけにもいきますまいが、実際問題として、価格などのくずれてくることやいろんなことは、その点で非常に私はくずれ方なども見えるじゃないかと思っておりますがね。そういうものを解決しないで、幾らいろんないいことを考えてみても、なかなかうまい工合にいかないのじゃないかと思うのだ。これは必ずもうけがあるから、成長産業としてそういう資本家が乗り出してくるのだ。もうけがなければ、そんなもの乗り出してきませんよ。もうけがあるから乗り出してくる。こういう形について、これはよほどしっかりした――しっかりしたということじゃないけれども、まあ考え方を強く局長あたり出していただかなくては、こんな計画を幾らしてみたって、これはほんとうの大事のところにいってみんなくずれてしまうのじゃないかと思うのだ。そういうこと考えられませんか。大へんな問題です、ほかの産業でそれを見ますと。
#27
○政府委員(森茂雄君) 私どもといたしましては、従来、今まで県で言えば経済連等で十分話し合いのついた上で、たとえばブロイラーの関係あるいは養豚等の関係について話し合いのつかないものなどは、私、前に農地の関係をやっておりましたが、話し合いのつかぬ場合には、農地の転用を認めないというような処理で十分生産者団体と話し合いができて、納得した上において処理して参っておりますが、現在でもそういうことで十分生産者団体と話し合って、そうして円満に相提携して事業をやっていけるという場合についてのみ適当でないかと考えております。
#28
○清澤俊英君 それは議論はなかなかつきませんから、この問題はこれでやめますが、その次に、これも北村さんのときちちょっとお話があったかと思いますが、経営改善の目標、経営改善といいましても、いろいろ今のような形が出ていると思います。副業にこれを奨励するとか、あるいは専業飼育を、これから経営改善として督励していくとか、あるいは農村の協業体を進めていくとかというような、いろいろの経営改善の目標というものがそこに出てくると思いますが、みんなどれもこれもということは、ほんとうの強力な態勢を整えていく上においては私はちょっと無理というより、あまり雑駁じゃないか、こう考えておる。そこで、経営改善の目標を今申しましたようなものを中心にして、ほかにまだあるかもしれませんが、その目標がありましたならば、ひとつ聞かして下さい。
#29
○政府委員(森茂雄君) ただいまお話の自給飼料等と結びつけた、あるいは耕地面積と労働力等を結びつけた類型的なもので、そうして、それがかつ各種の実例からいって非常に所得が十分上がっていくという経営的な面のほかに、技術的な面といたしましては、たとえば現在では泌乳能力、たとえばホルスタインに例をとりますると、現在乳脂率が三・三%でございまするけれども、これを三・五%に引き上げて、乳牛等で申し上げますと、黒毛牛の産肉能力は、現在成牛では五五%の歩どまりでありまするが、いろいろ品種改良いたしまして六〇%に引き上げていくとか、いろいろ技術的な改良、家畜の改良目標を指導していきたい。一方において、経営的な面と、それから家畜の経済的な生産力についても改良目標を立ててやっていきたいと存じております。
#30
○清澤俊英君 その目標の経営のあり方は、大体どういうものを一番主にし
 て考えておられますか。家畜自身を改良して副業的に経営改善をやることに重点をおいて考えてやっていくのか、あるいは私のお伺いしておるのは、それと同時に協業の形で経営していく、こういう形を考えておられるのか、あるいはむしろ数少ないやり方では利益にならぬから、できるだけ畜産を専業化すような形で改良と経営とをあわせて進めていくとか、こういうような形の問題ですが、それを私はお伺いして一おるのです。どういう形で大体一番考えておられるのか。
#31
○政府委員(森茂雄君) ただいままでの実例といたしましては、やはり飼養頭数が少ない場合は非常に生産費がかかる、裏で言いますると、手取りが少ない、こういう状況であります。もちろん多頭飼育が適当だとは思いますけれども、労働力とか、それから耕地面積の耕種の状況等とかみ合わせていきますれば、中心になるべき飼育関係を主畜経営としてやって、周囲の副業者が自給飼料等を供給する方法とか、それから副業化といいますか、非常に面積の少ない方々が作業を分担いたしまして協業をしていくというようなこと、農林省におきましても、あるいは農協中央会におきましても、いろいろ経営形態についてどういう場合が一番――それぞれの場合によって違ってきますので、どういうコンビネーションが一番いいかということを実例にのっとって検討いたしております。いずれにいたしましても、乳牛等につきましては、たとえば市乳地帯における酪農経営と、それから原料乳地帯における酪農経営と違う関係もございますので、少なくとも多頭数飼育がいいということはわかっておりましても、労働力その他飼料関係においてまたうまくいかない場合がございますので、主力といたしましては、主審経営でやっていけるという類型的なものも編み出すと同時に、副業的な場合においては、こういう方法で協業して、一番所得なり能率がいいんだということをわれわれとしては十分研究して、押しつけがましく確信のないことをやりますと問題でございますので、十分検討いたしまして指導して参りたいと存ずるわけであります。
#32
○清澤俊英君 これから大体の目標を定めようということは、これからそういう考え方ではっきりしたものを出していこうと、こういうお考えですね。それでもけっこうだろうと思うのです。
#33
○政府委員(森茂雄君) 実は多頭数飼育と申しましても、実際いろいろ地方で実に困っておるわけです。われわれといたしましてもできるだけ科学的にデータを出しまして、検討いたして参りたいと存じます。来年度の予算等におきましても、振興局におきましては、モデル地域といいますか、そういうような、本年度から全国九十二地区いろいろなケースを計画し、実施して参りたい。特にそういう場合においては、特別の助成をやっていきたい。こういうことで、今ここでこういう方法がいいという結論が出たというものは遺憾ながらございません。
#34
○清澤俊英君 それはきのう北村君がだいぶ詳細にお伺いいたしましたが、豚、乳牛が十七頭くらいが一番いいとか何とか言ってもやれるものではないという議論がありましたから、それはわかっておりますが、何かあれに対する調査か何かして確信がおありかどうか、こう思って私はお伺いしたのですが、これから研究しようというなら――まあ、それがほんとうだろうと思いますが、まあその点はそれでやめておきますが、そこで先ほど総合計画の中における飼料の問題をお伺いいたしましたが、濃厚飼料のことは非常にいろいろ御説明がありましたが、粗飼料に対しては何なら御見解はきょうなかった。これはしばしば問題になって、ずいぶん牧草地の開発とか、助成とかいうことはほとんど始終言われておることですが、そういう問題に対して、特別な一つの御考慮があるのか。それといま一つは、これからの非常に地理の悪い山間地等におきましては、放牧というようなことがだんだん考えられると思います。ところが一口に言うて放牧がいいんだが、これは非常に一つの効果があると、こう言いましても、今の農地法である限りにおいては、私はなかなかむずかしいのじゃないかと思うのです。ただ国有林だけで放牧をやったらいいのじゃないかといってもこれはまた別のあなた方構想を持たれれば別かもしれませんが、そうじゃなかった場合にはちょっと無理なものができるのじゃないかと思います。そこで、そういう傾向に対する放牧地と農地との関係ですね、一体どう調節しようとされておられるのか。これは前の、ここにもおられますが、安田さんの一昨年の三十四年ですか、三十五年の予算には、農地の実益調査費というものを七十万円か組んでおられたことがある。私は、おそらくそれはそうした農地のいろいろな所有権関係におけるめんどうな状態を調査する費用だと、こう解釈しておったが、安田さんもそういうように考えておられるという御答弁があったのです。実際私は畜産を本腰にやるとするならば、これが一番重要じゃないかと、こう思うのです。ただ畜産、これはまあ酪農にいたしましても、食肉問題にいたしましても、おのおのの労働力、生産をする場所等によりまして、あなた方が指摘されておりますとおり、飼育しておりますやり方が違うのじゃないかと思う。子牛をとるとか、あるいは牛を買って来て成牛化するとか、相当やはり分業的にある程度までやることが正しいとこう思います。そういう形にも逐次なっていると思うのですが、そういうものに対してどうお考えになり、どういうふうに、なかなかむずかしい問題ですが、解決する努力をお持ちになるのか。
#35
○政府委員(森茂雄君) 先生方の御激励にもより、また前局長においても、草地制度を改良する協議会を設けましていろいろ検討して参っているわけであります。御指摘のとおり、牧野といいますか、林牧地といいますか、特に見るべき施設がないわけでございます。一部、野草地帯におきまして
  〔理事櫻井志郎君退席、委員長着席〕
改良牧野制度をやっておりますけれども、これは放牧の家畜の柵を設けまして飼育に便利な囲みをつけ、一部少し種をまく程度でございまして、見るべき効果はない現状でございます。で、われわれといたしましては、特にまたそういう市町村営あるいは部落関係の入会関係等の権利の複離な関係がまた一つ非常な障害になっているわけであります。これはあるいは物権的に言って法律でこれを整備化するということは、ある面では憲法的にもなかなかむずかしい問題だとは思いますけれども、地元の部落民の合意によりまして、こういう関係が整備されて行きますれば、これに開発する補助金をつけたりいろいろの関係ができて行くと思います。そういう入会権的な関係あるいは現在までのそういう関係の牧草育成といいますか、そういう関係において研究が非常にできていないということでございますので、一方において牧野法を改正したらどうかということもございまして、部内的には一案を研究いたしております。先生方の御激励も受けまして、そういう関係を解決して行くことが、今後ある種の家畜については非常に適切じゃないかと私は考えております。
#36
○清澤俊英君 これは私はいずれ農協法並びに農地法の改正の際に、もっと詳しくいろいろお伺いしたいと思いますけれども、問題はこういうところにあったんじゃないかと思うんですが、お聞かせ願いたいと思います。今まで放牧等を考えました際に、まあやったらよかろうくらいのことはみんな考えた時期がある。ところが、サシバエ――アブと言うのですか、あんた方のほうどう言うのですか、山に行くとサシバエというものがある。これが非常な障害をなして飼えないのですよ。放牧してみましても、これがもうまっ黒につくのですから、すぐやられてしまうのです。最近はそういうものも何かお伺いしますと、農薬というのですか、何と言うていいのか、とにかくにいろいろ研究せられて、非常に最近ではそれらのものが簡単に片づけられるようになった。こういうお話も聞いているのです。もうサシバエの生まれてくる場所は限定せられた場所だから、これを絶滅するにはもう問題がないとか、あるいは放牧してある牛ならば、牛に何か塗料を塗りますれば、それが寄ってこない、こういうようないろいろ薬学的な研究が済んでおる、そういう話を聞くのですが、そうしたならばもっとこういうものが発達するようにしましたら、私は畜産飼育上画期的なものが出るのじゃないかと思うのです。御承知のとおり、佐渡のどんてん山とか金北山などは、レーダー基地などのために今まで三千も五千も飼っておったやつが最近においては三分の一くらいに減ってしまった。ダニをつけましたためにですが。ああいうやり方をすることは、やはり相当数の産地としてあれはみんな子牛で出すでしょう、二年牛くらいで出すでしょう、そういうようなものがどんどん出てくるということを考えます際に、十分私は考えていただきたいと思う。私はこう思うのです。そういう点において何か計画的なお考えがあるのかどうか。
#37
○政府委員(森茂雄君) 私どものほうの技術者のお話では、ダニは征伐できる薬ができたが、からだに塗るとか、それからおそらく、サシバエというアブの一種、そういうものは小地域にはDDTでききますけれども、全般的に動物が放牧されて、十分これを経済的に駆除できるという薬はまだないと思います。
#38
○清澤俊英君 今はどうなんですか。だめだというのですか、なかなか効果がないと、こういう……。
#39
○政府委員(森茂雄君) 可能ではあると存じますが、経済的に現在今これをすぐ普及してというものはございませんので、技術関係のお話では十分検討していきたいということであります。
#40
○清澤俊英君 私がお伺いしたときは非常に自信を持っていられたがな。それは心配なんて要りません、もう最近はそんなものに心配することは一つもないのだと、こういうお話だった。からだへ何か薬を塗るということと、サシバエの卵を生む時期はきまっておるということと、生む場所の谷川の水の草が谷川の水にひたひたとつくようなものにずっとやっていくというのです。だから今のような農薬のできた際、その産卵時期において、その谷川をずっと一本やってしまえば絶滅する、だからそんなことは清澤さん一つも心配は要らない、こういう御説明であったと思います。それじゃ今までそのお話を聞いて、こういう話だからもう牧畜をやったらいいじゃないか、放牧をやったらいいじゃないかと言っていたわしらは全く迷惑するな、今のような御答弁が実際だとすると。
#41
○政府委員(森茂雄君) 今の渓谷等を中心にして発生する害虫の問題でございますが、技術的には先生のおっしゃる通り、殺せてきれいにできるそうでございますけれども、やはりある程度補助をいたしまして、経済的な関係がございますので、できるだけそういう点を補助の対象にして、そうして牧草の育成と同時に補助の対象に努力していきたいと存じます。
#42
○清澤俊英君 私は補助の対象などというようなことではなく、ほんとうにそういう放牧等の方法でやることが将来の畜産のために……、あなた方輸出まで考えているというそういうお話なんだ、河野さんのお話もそうなんだし、あなた方もそのくらいの気組みなんだ。また私も外国に行った友人等に話を聞けば、日本の方ほどうまいものはないのだ、だからやり力によってはそれほどうまいいい牛ならば輸出もできるのではないか。このくらい野心を持つのです。そうした場合に輸出もできる、安い大量のものを分業的に作り出すとすれば、何も毎年そういうことをやらんでいいのです。そうでしょう。DDTまき出してから田舎へ行ってハエや蚊はいなくなっている、イナゴがいなくなっている。二年や三年やったらそれは絶滅されるのではないかと思う、思い切ってやったら。それぐらいの腹がまえでやらんければならぬ。いいということになればやらんければならぬものではないかと私は思われる。だから結局すれば、腹がまえどのくらいのものを持っているんだろう、こんなことも考えられるのです。もしそれがいいとしますれば、このままいけますれば山間部などは今大体少し気のきいたところはみんな払い下げを受けて観光地帯で買っていますよ、ちっといいところは。そういうものにやるより国が思い切った金をかけて、こういうやり方がいいというようなひとつ徹底的な考えを持つのがほんとうじゃないかと思う。森さんひとつそれはある程度やっぱり畜産局長として乗り出される限りにおいては、一つの大きな理想に輝いてふんばってもらいたいと思うのです。私はそうじゃないかと思うのだ。安田さんがとにかくにそういう点と農地の利用について七十三億だかの予算をとって研究しておられる。これはまあ土地の問題が非常に問題になるのだから、実用の問題を研究するのだといってとられたのですが、そのあとはどうなったかわしはわかりませんけれども、一年農水をやめておりますからわかりませんのですが、まあそれくらいのひとつ考えをしていただきたい。この問題はまあやっても始まりませんから、なかなかけりがつきませんと思いますので、それくらいにしておきたいと思います。
 それから今度授精の問題ですが、これはごく簡単ですが、この表を見ますと授精費というのは非常にたくさんありますが、人工授精費というのが一件当たり約五十ぐらいになるのじゃないかと思います。四十五、六から五十ぐらいになっていると思いますので、大体授精をやる場合には授精所というのがあるのです。ここに表を見ますと授精所で授精するのが、これだけの一万何千からおるのでございますから、こういう人たちが各家庭にいまして家畜を飼っている。家庭へ持っていって、運んでそこで授精してくれるのか、これは両方やろうとせられるのかどうか。
#43
○政府委員(森茂雄君) 各農家の庭先を回っている例が非常に多いと思います。
#44
○清澤俊英君 そうしますと、これには相当補助もつくんだろうと思いますが、場所によりまして、やはり距離の関係上、価格が違うのじゃないかと思いますがね、授精料が。非常にへんぴなところへ行くのと、便利なところとではだいぶ違うのじゃないか。そういう授精料の問題は均一に考えておられるのかどうか。実際違うのですよ、それは。経費は実際違うのです。
#45
○政府委員(森茂雄君) お話のとおり均一ではございません。
#46
○清澤俊英君 均一でないとすると、その価格を正当なものとして、何か公定表のようなものがあってきめていただけるのか。相対で幾らということにしてきめるのか。
#47
○政府委員(森茂雄君) 協定的な値段があるわけでございます。協定価格というものがあるわけでございます。
#48
○清澤俊英君 そうすると、区域を定めまして、そうしてここからこういう区域は大体これぐらいの経費、それから、これからこれの区域はこれくらいの経費、こういうふうに――一応協定はだれがやるのです。
#49
○政府委員(森茂雄君) 大体現在協定しておりますのは、県単位ごとであります。
#50
○清澤俊英君 そうしてそれは県単位で協定もいいですけれども、高いものを使うのはどうかといったら、一番零細農の、弱いものの方が高くなるという勘定ですね。これは一つ補助金でも出して均一価格にできないのですか。弱いもののいるところは高くなって、町場で、売るにも楽なら買うにも楽だ――東京あたりでかりに生乳を販売しますといっても、北海道の倍、そういうところは授精するにも値段が安い。でも何でも、二十五円だか出せば飛んでいかれる。こういうようなやり方。どうもせっかくの改良助成法だというておるのに、助成にあまりならぬのじゃないかと思うのですが、そういう点はひとつ考えていただけませんか。
#51
○政府委員(森茂雄君) 非常におそらく距離によってでこぼこが出ておると思いますが、非常に不利な関係につきましては、私ども御注意によりまして十分検討させて、非常に不公平のないようにいたしたいと存じます。
#52
○清澤俊英君 これはひとつ委員長にもお願いしますがね、決議にひとつ考案しておいて下さい。そして御相談願いたいと思う。
 それから、まあ大体登録等を、優良牛の登録等をおやりになるときの考え方ですね。というのは、これはちょっと意地の悪いような、妙な言い方になるかもしれませんけど、集約酪農地帯を作るときはジャージーが一番いいのだ、こういうので、ジャージーで作るということを考えておったようだかが、大体集約酪農地帯五千頭を目標に作るとこういうことで、非常にいいものだ、優良だ。ところが、いろいろ国情に照らしてやってみたところが、いろいろの問題でよくない。現在ようやく六千何百頭ですね。こういうような状態なんです。非常に優良だか知らぬけれども、日本にはあまり向かなかった。こういうことが考えられるのだが、そこで優良登録等をなさるときの優良なるものは、目標をどこに――ただ、農林省が、これは優良だな、どこではどうなっているというようなことを言うても、なかなか日本の場合、優良でない場合もありますので、そういう点をお選びになるとき、どういう御考慮のもとにお選びになるのか。
#53
○政府委員(森茂雄君) もちろんそれを飼育する経費と、それから生ずる製品の量、質という問題になりますので、改良目標におきましては、乳量、それから乳量のなま乳の中に含んだ乳脂率、それから無脂固形分、初産、初めてお産する月齢などを中心といたしまして、できるだけ経済的な効率度のある家畜を奨励していきたい。
#54
○清澤俊英君 いや、それはもちろんそれに違いないと思うのです。違いないと思うですけど、このジャージーの場合などとか、いろいろ北海道――当時は問題になったのだ。そういうものはだめなんだと、なかなか飼わない。無理だ、日本では無理だ、こういう問題が相当あったのですよ。あったけど、畜産局としては、これは一番丈夫で、そして粗飼料で飼えて、その上脂肪分は非常に豊富なんだから、これからの集約酪農地というのはどうかというたら、原料乳を作るようなところは、これがいいのだ、こういうことで奨励なさった、そして大体の第一回の集約酪農地区七カ所ですか、これが五千頭ぐらいは飼うのだといって、御選定なすって、そしてそれを大量に輸入する計画をせられたと思うのです。なかなかうまくいかない、いろいろのことが考えられたかしらないが、うまくいかないで、現在六千頭、約十年ぐらい見ているのじゃないですか。だから、そればかりではない。私の言うのは、そういうものをおやりになるとき、やはり民間の、長い飼育者等の意見も十分聞いて、役所だけの考え方でなく、優良登録等をなさるとき、まあお考えがあるのかないのかと、こういうことなんです、言いかえれば。
#55
○政府委員(森茂雄君) お話のとおり、十分そういう点を注意してやっていきたいと思います。それから、なお新しい品種を入れた場合については、これは十分その効果なり、それからあとの検定なり、いいものは、またジャージーにいたしましても、向くところには向くのでございますので、事務的に申しますと、政府のほうでやはり少し宣伝といいますかね、普及があとトレースしていっていない面があります。で、いろいろ技術者のお話を聞きますると、向くところもございますので、十分そういう点は注意してやって参りたいと存じます。
#56
○清澤俊英君 それから、これはもう一度私は、あなたじゃもう片がついておるのですけれどもね、ひとつ大臣によく言うてもらいたい。学校給食の牛乳の問題です。先般の御説明では、この制度は、価格の非常に下がった場合、価格調整のために作った制度だから、まあことしのような牛乳の値段のいいときには予算はついているがやらないのだ、こういうような大蔵省の方針だというのです。それにしてみましても、北海道の一部だとか、われわれのような豪雪地帯、運搬もできない、何もできないようなところはこれはどうしてもその趣旨から言っても考えてもらわんけりやならぬ。そういうようなことでほうりつけられちゃこれはたいへんな問題だと思いますので、大臣ともよく相談して、そしてまあできまするならば、私は全体においてこれが施行せられることが正しいのじゃないかと思いますが、ごくまあ不利な立場に立ったというのですか、まあ言い方はちょっとおかしくなりますが、大蔵省のそういう考え方があってどうしてもだめの場合でも日本中一つではないのだから、実際そういう現実のあるところには実施ができるようように御努力をお願いしたい。
#57
○政府委員(森茂雄君) 清澤先生の御趣意の点も十分拝聴いたしまして、われわれといたしましては一昨昨日二学期の分について指令を出しました。で、お話のとおり市価安定にも資するわけではございまするけれども、やはり学校給食でございまするので両面相待っていく問題だと思います。それから特にお話のとおり中小企業向けが学校給食に向けているのが七、八%の実情でございますので、その生産する乳量は生乳は特にそういう点を留意いたしまして相当堅調は呈しておりますが、場所によっては飯用牛乳は一応堅調は呈しておりましてもお話等もございまして十分検討いたしまして一昨々日全国に指令を出しました。
#58
○大河原一次君 簡単なことを一つ、昨日もお聞き申し上げておきたいと思ったのですけれども、つい機会がなかったのですが、ここに出ています有畜農家創設の基準ですね、これを大ワクに北海道、東日本、西日本というふうに分けられ、東日本の場合は幾ら幾ら、乳牛の場合は幾ら幾ら、豚の場合は何頭と出ておりますが、この場合、前に農業基本法の中にあります、これは生産政策の面からいっても、構造政策の中からいっても関連がありますので、いわゆる全国に九十二カ所ですかの構造改善の指定地域が一応考えられているわけですが、その構造改善の指定地域というものが大ざっぱに組まれた有畜農家基準に対してどの程度のウエートで考えられているかということを一言だけひとつお聞きしたい。
#59
○政府委員(森茂雄君) 九十二地区のモデル・ケース等も実際に取り上げまして、そこでは一応一試案として書いたものでございますので、もちろん九十二地区等のパイロット・プランの結果等も充実いたしまして、むしろそこへ配付いたしましたのは一試案でございますので、そういうふうに御了承願いたいと思います。
#60
○委員長(仲原善一君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#61
○委員長(仲原善一君) 速記をつけて下さい。
#62
○植垣弥一郎君 きのう北村さんがどうも納得がいかぬということで繰り返し繰り返し質問されておられたことでありますが、僕もちょっとお尋ねしたいので、二、三分の予定で質問いたすわけであります。この増殖法の一部改正の参考資料としていただきました書類のうちで、北村さんが北海道の例ですが、乳牛十四頭、馬七頭がどうということでやかましくおっしゃっておられた。私もこれについてであります。で、このきょう基準としてお示しになりましたこの頭数でいろいろ動物の種類がありますけれども、かりに乳用牛だけで申し上げますれば、北海道十四、東日本十、西日本七つとなっております。大ざっぱに質問を簡潔にするために、これを十頭と見なすとしまして、この十頭が適正であるということでいろいろ御質問になって、現在の酪農家が全部十頭飼うようになれば相当大きな頭数になるわけであります。正確な数字は畜産局におありでしょうか。そのこまかい数字は申し上げませんが、大体において現在あれだろうと思います。八、九十万頭の乳牛、四十二、三万戸の酪農家と、そう思うのですが、今の酪農家が十頭ずつ飼うようになれば四百四、五十万頭要るわけです。現在の乳牛が八、九十万頭あるでしょうが、政府の予算は、計画は十年先になって三倍というのですから、二百数十万頭になる、十年先になって今のこの基準で推し進めて参りますというと、四、五百万頭の牛が要るということになる。これはあれですか、この基準は一応の目安でやったものであるけれども、頭数の関係から実際には五頭酪農家ができ、七頭農家ができ、十頭標準型ができるというようになるので、それがおのおのペイしていくように指導するし、また経営は満足にやっていけるのだというお考えの最高標準を示しただけと解釈してよろしいかどうか。それからこのとおりに十頭立でもって数十万酪農を作るということになると牛が不足しますが、その不足はとうてい国内では増産できないので輸入をするというお考えはないか、輸入をするという場合には、先ほど清澤さんの話にもありましたが、ジャージー一本調子の従来の方針でいくのか、また別の案を持っていらっしゃるのかどうかといったようなことを一応聞いておきたいと思います。
 それからえさですね、自給率として六〇ないし八〇、それから市乳地帯で五〇、こう示されておりますが、こういう膨大な乳牛の頭数になるのですが、この自給率で粗飼料が生産できるだけの用意ですね、もちろん今のところではそういう調査はできていないと思いますが、これは目安としてこれだけの粗飼料は自給できるだけの基盤の改造なり、草地の開発なり米作の裏作り、何らかの方法によってこの自給力を満たし得るのだという目安でよろしいですか、目安はついているのかどうかといったようなことを伺っておきたいと思います。
#63
○政府委員(森茂雄君) 昨日も北村委員からお話がありましたとおりに、また今植垣先生からお話がありましたとおり、これを黙って数字をぽっと書いて非常に誤解を生んでいる点は非常に申しわけないと存じるわけであります。やはり耕地面積別に私どもといたしまして一応北海道十ヘクタール、東日本二・五ヘクタール、西日本一・五ヘクタールの場合に、ある程度の自給飼料面積を持った場合の注釈などを全部削ってただ頭数を残したもので、非常に誤解を生んで申しわけないと思いますが、これらの点につきましては、各耕地面積との関係の累計あるいは家族労働力等との関係等を整理いたしまして、政府、私どもといたしましては家畜改良増殖審議会の議を経て十分御納得のいくような成案を得たいと存じます。そういう意味におきまして例示的に申し上げておりますのは、従来まで無畜農家の有畜化ということだけで二、三頭飼い以上のものには家畜導入の場合に助成しないという方針を改めて、最近便宜的に、近代化資金法案が通る前に便宜的にこれ以下のものであっても、最高としてそれまでは家畜導入について助成するぞという指数をただそこへ載っけてしまったという点で非常に誤解を生んで申しわけないと思います。御指摘の問題につきましては十分検討いたしまして、御例示の自給率の問題等につきましても十分検討いたしまして、審議会の御意見等も十分伺って万遺憾なきを期したいと存じます。
#64
○委員長(仲原善一君) 他に御質疑もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#65
○委員長(仲原善一君) 御異疑ないものと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見おありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#66
○岡村文四郎君 私はこの法律案には大賛成でございますが、ぜひ御意見申し上げておきますことは、現在の畜産局としてのこの案は非常に無理でございまするから、十分人を整えてそうして出した以上は完全にこの法律案が有効に働けるようにしてもらいたいということを念を押してお願い申し上げておきます。
#67
○委員長(仲原善一君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#68
○委員長(仲原善一君) 異疑ないものと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。家畜改良増殖法の一部を改正する法律案を問題に供します。原案どおり可決することに賛成の方挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#69
○委員長(仲原善一君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書その他事後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#70
○聾貝母(仲原善一君) 御異議ないものと認めます。よって、さように決定いたしました。
  ―――――――――――――
#71
○委員長(仲原善一君) 次に、畜産物の価格安定等に関する法律案(閣法第四八号)、大麦及びはだか麦の生産及び政府買入れに関する特別措置法案(閣法第六一号)、大豆なたね交付金暫定措置法案(閣法第六二号)、いずれも予備審査の三案を一括し議題とし、三案について提案理由の説明を求めます。
#72
○政府委員(中野文門君) 畜産物の価格安定等に関する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。
 戦後わが国における畜産の発展は、まことに目ざましいものがあり、主要家畜の飼養頭数について見ましても、戦前の水準を上回り、中でも乳牛、豚、鶏卵等については、戦前の最高水準を二倍以上も上回っております。この結果、農家経済の中に占める畜産の比重は、著しく増大いたしており、この傾向は、今後なお持続するものと考えられるのであります。これは申すまでもなく、国民経済の発展、国民生活の向上に伴う畜産物需要の増大を背景といたすものでありますが、畜産がわが国農業の転換、さらには発展の中心部門として、米、麦中心のわが国農業の体質を改善し、草地開発等土地の高度利用を促進するとともに、国民に対する畜産物供給を確保する等の使命を有していることによるものと考えられます。しかしながら、今日までの畜産の発展を顧みますと、ややもすれば生産の増加と需要の増加とが調和しない場合があり、これが流通機構の未整備と相待って、畜産物価格の不安定を招き畜産の健全な発展を阻害したことは、いなめないところであります。このような状況にかんがみ、今後畜産の一そう発展をはかりますためには、畜産物の価格安定をはかり、生産者と消費者に安心感を与えることがきわめて重要であります。
 政府といたしましては、従来とも牛乳、乳製品、食肉、鶏卵等を中心といたしまして家畜、畜産物の流通改善に努力して参りましたが、わが国農業の転機とも申すべき時期に際し、農業生産の選択的拡大がうたわれているとき、新たな発展のにない手である畜産の画期的な伸長を期するため、ここに安定措置についての効率性と可能性を考慮しつつ当面最も安定を必要とする主要な畜産物につき、従来の施策に加えてさらに歩を進めた直接的な価格の安定措置を講ずることといたした次第であります。この措置の適切な運用により畜産物の価格安定をはかって参りますことは、畜産及びその関連産業の発達によりまして、農業の発展の基盤を築くとともに食生活の充実によりまして、国民の生活水準上昇に最も重要な条件を整備することになると考えるのであります。このような見地から、畜産物の価格安定等に関する法律案を前国会に提出したのでありますが、審議未了となりましたので、今回これと同様の趣旨のこの法律案を提出することとした次第であります。
 次に本法案の主要点につきまして御説明いたします。
 まず第一に、農林大臣は本法案の趣旨に従って原料乳、指定乳製品及び指定食肉につきましてその額を下回って価格が低落することを防止することを目的として安定下位価格を定めるとともに、指定乳製品及び指定食肉につきましてその額をこえて騰貴することを防止することを目的として安定上位価格を定めることといたしております。したがいまして、この上位、下位両安定価格の間に畜産物の価格が安定することを期待いたしているわけでありますが、この価格の具体的な決定につきましては、関係学識経験者をもって構成する畜産物価格審議会を新設し、農林大臣はあらかじめその意見を聞いた上、それぞれの畜産物の生産条件、需給事情その他の経済事情を考慮して定めることといたしたのであります。
 第二に、価格安定に関する措置についてでありますが、まず主として政府出資による畜産振興事業団を新たに設立いたすことにいたしまして、価格が下落したときは事業団が安定下位価格で買い入れ、価格が安定上位価格をこえて騰貴する場合に売り渡すことによって指定乳製品及び指定食肉の価格の安定をはかることとしたのであります。この指定乳製品の買い入れにあたりましては、その乳業者が生乳の安定下位価格以上の乳価を支払うことを条件といたしておりますので、乳業者がそれ以上の乳価を支払うことが期待できる仕組みであります。また指定食肉の買い入れにあたりましては、中央卸売市場において行なうことといたしておりますが、生産者団体が調整保管したものについては中央卸売市場以外の場所においても買い入れることができることといたしております。この場合において、指定乳製品、指定食肉ともに、一定の要件のもとに生産者団体からの買い入れを優先的に行なうこととしております。次に、事業団の売り渡しにつきましては、事業団がその保管しているものを売り渡すのでありますが、その際事業団に手持ちがないというような事態につきましては、輸入した乳製品、食肉の買い入れを行ないまして事業団が売り渡すことができることといたしております。右の事業団による売買のほか、農林大臣または都道府県知事は実情に即しまして、生乳の安定下位価格以下の乳価を支払う乳業者に対しまして、乳価を少なくとも生乳の安定下位価格まで引き上げるよう勧告できることといたしますとともに、畜産物の価格安定につきまして、価格低落時におきまして生乳、肉畜及び鶏卵等の生産者団体、乳業者の自主的な計画と調整に期待いたしまして、生乳生産者団体が委託加工を含む乳製品の生産に関する計画を立てること、生乳生産者団体または乳業者が乳製品の保管または事業団その他への販売に関する計画を立てること、肉畜生産者団体が食肉の保管または事業団その他への販売に関する計画を立てること及び鶏卵等の生産者団体が鶏卵等の保管または販売に関する計画を立てることのそれぞれの計画につきまして農林大臣が認定することといたしました。
 この農林大臣の認定があった場合におきまして、事業団は生乳生産者団体の乳製品の委託加工をあっせんいたしますとともに、乳製品、食肉及び鶏卵等の保管経費について助成することといたしましたほか、農林大臣は事業団のあっせんにもかかわらず、正当な理由なく委託加工に応じない乳業者に対しまして、生乳生産者団体の申し出によって、その委託に応ずるよう命ずることができることといたしました。以上の価格安定に関する諸措置の適切な運用によりまして価格安定の実をあげ得るものと考える次第であります。
 第三に、畜産振興事業団について申し上げます。畜産振興事業団が行なう価格安定措置については、さきにその概略を申し述べたとおりでありますが、事業団はこのほか牛乳、乳製品、食肉及び鶏卵等の需要増進業務を行なうとともに、従来の酪農振興基金の債務保証業務その他一切を引き継ぐことといたしまして、事業団設立に伴いこの酪農振興基金は解散することといたしたのであります。
 畜産振興事業団の資本金は、政府出資金十億円と民間出資額の合計額であります。政府出資金につきましては、さしあたり従来酪農振興基金に対しまして政府が出資いたしておりました五億円と三十六年度におきまして、新たに政府が出資することを予定いたしております五億円とを合して十億円といたしたのでありますが、今後の事業量の増大等に応じまして政府の追加出資ができることといたしております。事業団はこのほか借入金をすることができることとしておりますので、これらの資金をもちまして業務運用に当たることとなります。また事業団には役職員のほか評議員会を置くことといたしまして、その業務運営に関する重要事項につきまして理事長の諮問に応じて調査審議するとともに、理事長に意見を具申することができることといたしました。
 第四に、畜産物価格審議会の設置でありますが、農林省に設置いたしますこの審議会におきましては、さきに申し述べた安定価格の決定につきまして、農林大臣の諮問に応ずるほか、広く牛乳、乳製品、食肉及び鶏卵等の価格安定に関する重要事項につきまして調査審議いたすこととしているのであります。もとより本法案が予定いたしております事業団の買い入れ、売渡し等の諸措置が対象といたします品目はおのずから限定されざるを得ないのでありますが、牛乳、乳製品及び食肉につきましては、それぞれの内部におきましては、各品目の間において相互に密接な関連がありますので、本審議会の審議もその全般に及ぶものといたした次第であります。
 以上が本法案の提案理由及び主要な内容でありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可欠下さいますようお願い申し上げます。
 次に、大麦及びはだか麦の生産及び政府買入れに関する特別措置法案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。
 最近の大麦及び裸麦の需給事情を見まするに、米穀の生産の増大と国民消費水準の上昇等によりその食糧用としての需給は逐年大幅に減少しており、今後ともさらに減少するものと見込まれます。これに対してその生産は、昨年まではほぼ従来の水準で推移しており、本年はかなりの減少が見られますが、なお、その需給は著しく均衡を失しており、そのため政府の手持在庫量も増大している状況にあります。このことは、需給事情に応じて農業生産の選択的拡大をはかるという今後の農業の方向から見ても放置することができないのであります。
 このような大麦及び裸麦の生産及び消費の状況にかんがみ、農家もかなり転換の動きを示しておりますが、政府としても、これを助長し、必要な助成措置を講じて今後需要の増大が期待される小麦、菜種、飼料作物その他地域の特性に応じた作物への生産の転換及び飼料用等への用途の転換を積極的に推進するとともに、管理の面においても政府の買い入れについて所要の改正措置を講ずることが必要であると考えられるのであります。これがこの法案を提出しようとする理由であります。
 次に、この法案のおもな内容につき、御説明申し上げます。
 まず第一に、農林大臣は、毎年大麦及び裸麦の生産及び需給の事情の推移と需要の見通しを公表するとともに、これに基づいて翌年産の大麦及び裸麦の生産及び用途の転換に関する方針を定めることといたしております。
 第二に、都道府県知事及び市町村長はこの転換方針に即して、それぞれ都道府県及び市町村の麦作転換計画を定めることといたしております。
 第三に、麦作転換の円滑な実施に資するため農家に転換奨励金を交付する措置を講ずるともに、都道府県及び市町村の麦作転換計画の作成及び実施に要する経費について、国がこれを補助することといたしております。
 第四に、大麦及び裸麦の政府買い入れにつきましては、市町村長が生産者別に政府買い入れ限度数量を定めることといたしております。その定め方といたしましては、毎年、前年産の大麦または裸麦についての政府買い入れ限度数量の範囲内で生産者は市町村長に対して申し出をし、それをもととして市町村長が定めることといたします。その場合、市町村長が麦作転換計画、生産者の生産事情及び販売事情、他の生産者の申し出数量等を参酌して、その申し出数量が多過ぎると認められる場合に限り、農業委員会等の意見を聞いて、申し出数量より少ない数量を定めるようにいたしております。
 なお、政府買い入れ限度数量の減少量を基準として転換奨励金を交付することとし、もって生産者が麦作転換計画に従って自主的に転換することを期しているのであります。
 第五に、大麦及び裸麦の政府買い入れにつきましては、生産者別の政府買い入れ限度数量に相当する数量まで、その申し込みに応じて大麦及び裸麦を買い入れることとするとともに、政府買い入れ価格はパリティ価格及び需給事情その他の経済事情を参酌して定めることとしております。これに伴いましてこの法律の施行の間は、大麦及び裸麦については、食糧管理法第四条ノ二の規定は、適用しないこととしております。
 第六に、この法案による特別措置が初めて適用される昭和三十七年産の大麦及び裸麦については、その実情に即し、昭和三十三年産、昭和三十四年産及び昭和三十五年産の大麦または裸麦の政府買い入れ数量の年平均数量の範囲内で生産者の申し出数量をその生産者についての政府買い入れ限度量として定めるとともに、この年平均数量に比べての昭和三十七年産の大麦または裸麦の政府買い入れ限度数量を基準として転換奨励金を交付する措置を講ずる等の規定を設けることとしております。
 なお、この法案は、先般第三十八回通常国会に提案し、審議未了となりました大麦及び裸麦の生産及び政府買い入れに関する特別措置法案とその目的を同じくするものでありますが、昭和三十六年産の大麦及び裸麦の生産及び用途の転換の状況、同法案に対する関係方面の御意見等を勘案いたしまして、前国会に提案いたしました法案における生産者別の政府買い入れ数量の行政庁による割当の方法を改め、生産者の申し出をもととして、政府買い入れ限度数量を定める趣旨のものとしたのでございます。
 以上がこの法案のおもな内容でございますが、慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたす次第でございます。
 次に、大豆なたね交付金暫定措置法案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。
 大豆及び菜種につきましては、従来農産物価格安定法に基づきその価格が正常な水準から低落することを防止し、もって農業生産及び農家経済の安定に資するようにしてきたのであります。しかしながら、大豆の輸入の自由化の実施に伴いまして、国内産の大豆及び菜種の価格がかなり低落する場合が予想され、従前の農産物価格安定法による価格安定措置によって、この大豆の輸入の自由化に伴う価格の低落を防止することは、その建前から見て適当でないと考えられるのであります。したがいまして、大豆の輸入の自由化が国内産の大豆及び菜種の価格に及ぼす影響に対処して、その生産の確保と農家所得の安定をはかるためには、従前とは異なる措置を講ずることが必要となるのであります。このため、まず関税率を国際的に許容される範囲で適正に引き上げるとともに、生産改善施策を講ずることとしておりますが、これらの施策のみでは当面なお不十分であり、大豆及び菜種の生産者が今後の需給、価格等の諸条件に適応することが可能となるまでには、なお相当の期間を要すると考えられるのであります。したがいまして、当分の問、国内産の大豆及び菜種につき、販売の数量及び方法等を調整してその販売事業を行なう生産者団体等を通じ、その生産者に交付金を交付する措置を講じようとするのが、この法案の趣旨であります。
 なお、この法案は、先般第三十八回通常国会に提案し、審議未了となりました大豆なたね交付金暫定措置法案とその目的を同じくするものでありますが、生産者に対する交付金の交付の方法につきましては、生産者別に交付金の交付対象数量を行政庁が割り当てて交付金を交付するよりも、生産者団体等の機能を活用して交付する方が実際的であり、また近く出回り期に入る本年産の大豆につきすみやかにこの法案による交付金の交付を実施する必要がある等の理由から、前国会に提案いたしました法案における交付金の交付対象数量の行政庁による割当等の方法を改め、国内産の大豆または菜種について、販売の数量及び方法等を調整してその販売事業を行なう生産者団体等を通じ生産者に交付金を交付することとするものであります。
 次に、この法案の主要な内容について御説明申し上げます。
 第一に、政府は農林大臣の承認を受けた調整販売計画等に従って販売事業を行なう生産者団体等に対し、交付金を交付することができることといたしております。
 第二に、生産者団体等が交付を受ける交付金の金額は、生産者に保証すべき価格水準として農林大臣が定める基準価格から、生産者の実際の販売価格の標準として農林大臣が定める標準販売価格を控除した金額を交付金の単価として定め、これに当該生産者団体が販売した数量を乗じて得た金額とすることとしております。その場合、その販売数量が通常の生産者販売数量等を参酌して当該生産者団体等について農林大臣の定める一定数量をこえる場合には、その農林大臣の定める一定数量につき交付金を交付することといたします。
 第三に、政府から交付金の交付を受けようとする生産者団体等は、その販売事業に関する調整販売計画等及び交付金の交付の方法を定め、これらにつき農林大臣の承認を受けなければならないこととし、そのため必要な手続を規定しております。
 第四に、政府から交付金の交付を受けた生産者団体等は、その交付を受けた交付金をその系統を通じて生産者に交付しなければならないこととしております。すなわち、生産者団体等は、交付を受けた交付金の金額に相当する額をその者に売り渡しまたは売り渡しの委託をした者にその売り渡しまたは売り渡しの委託を受けた数量を基準として交付しなければならないこととし、以下順次同様にして大豆または菜種の売り渡しまたは売る渡し委託をした生産者にその数量を基準として交付すべき手続を規定しております。
 最後に、以上により政府が生産者に交付金を交付する措置を講ずることといたしますので、大豆及び菜種については、この法律の施行の問は、農産物価格安定法は、これを適用しないこととしております。
 なお、この法律の適用についてでございますが、大豆については、昭和三十六年産のものから、菜種については、昭和三十七年産のものから適用することとしております。
 以上がこの法案の主要な内容でございます。慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いする次第でございます。
#73
○委員長(仲原善一君) 以上で三案の提案理由の説明は終わりました。三案については、本日はこの程度といたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後三時二十八分散会
  ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト