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1961/10/28 第39回国会 参議院 参議院会議録情報 第039回国会 農林水産委員会 第12号
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1961/10/28 第39回国会 参議院

参議院会議録情報 第039回国会 農林水産委員会 第12号

#1
第039回国会 農林水産委員会 第12号
昭和三十六年十月二十八日(土曜日)
   午前十時四十一分開会
   ―――――――――――
  委員の異動
十月二十七日委員基政七君辞任につき
その補欠として棚橋小虎君を議長にお
いて指名した。
本日委員秋山俊一郎君辞任につき、そ
の補欠として鍋島直紹君を議長におい
て指名した。
   ―――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     仲原 善一君
   理 事
           石谷 憲男君
           櫻井 志郎君
           安田 敏雄君
           東   隆君
           森 八三一君
   委 員
           植垣弥一郎君
           岡村文四郎君
           柴田  榮君
           鍋島 直紹君
           北村  暢君
           清澤 俊英君
           棚橋 小虎君
           千田  正君
  政府委員
   農林政務次官  中野 文門君
   農林省農林経済
   局長      坂村 吉正君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
  参考人
   東京大学教授  川野 重任君
   東京青果協会会
   長       内田秀五郎君
   六大都市水産物
   仲買組合連合会
   会長      北村 宮蔵君
   ―――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農業災害補償法の一部を改正する法
律の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
○中央卸売市場法の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
   ―――――――――――
#2
○委員長(仲原善一君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 昨二十七日基政七君が辞任、その補欠として棚橋小虎が選任されました。
   ―――――――――――
#3
○委員長(仲原善一君) 農業災害補償法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(閣法第二一号)を議題といたします。本案は、去る二十五日衆議院から送付され、本委員会に付託されました。また、本案の提案理由の説明は、すでに聴取しております。
 それでは本案の質疑を行ないます。質疑のおありの方は順次御発言を願います。ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#4
○委員長(仲原善一君) 速記を始めて。
#5
○岡村文四郎君 今の問題は三を四に直す、だけで簡単でございます。ところが局長にお聞きしたいことは、これは各省ともほとんどそうなんですが、局長行政なんです。そこで、災害補償法に対しては、御承知のようにわいわいと陳情が来るやら人が来るやら、全くひどい。そこで、農業災害補償法を改正していかぬというのは一つも来ない。本旨はわかっておるから、早くやってほしいという希望なんです。そこで問題は、ああいう委員会に手数をかけて委員会が答申をした案を、抹殺したとは言わないが、ほとんど骨抜きにしておるから、僕は今度は出し直してあれを提案してもらいたいと思うが、局長どうか。
#6
○政府委員(坂村吉正君) おっしゃるとおり非常に農業災害補償法の本法のほうも、改正の困難といいますか、非常にむずかしい経過をたどりまして、協議会で案を一応整理をしたのでございますが、それが、いろいろな政治情勢等で、ある程度変えられたというようなこともございまして、そんなようなところに端を発しまして、なかなかまとまったような姿になっていかないというところが現在の実情であろうと思うのでございます。ですから、そういうような意味におきまして、その最初の政府案は本国会に提案をいたしておりまするが、今衆議院のほうでいろいろ御審議いただく段階になっておるのでございまして、政府案を私のほうからこれをひっ込めて出し直すということは、私も申し上げるわけには実はいかぬと思いまするけれども、いろいろ審議の過程で御意見はひとつ十分反映していただいて、御審議をいただいて、一日も早く落ちつくようにもっていっていただきたいというのが、率直に申し上げまして、感じでございます。
#7
○岡村文四郎君 もう一つ合点がいかぬことだからお聞きしますが、事業不足金というのが相当にあって、現在三十八億ほどあるようですが、それが四十六都道府県のうちで二十県には一つもございません、あと二十六県ばかりあるのですが、この金利というものはどこが一体負担をすることになるのか、金利のために何をやっている、支払期日というものは三十七年が大かたなんです。ですから、そういうものまで出ることがないし、何で一体……。不足金の理由もありますよ、これは私もよくわかる。ところが五年続きの豊作で、こんな大きな二十六県で三十八億も不足金があるということは合点がいかない、そのこと自体が非常な災いをしていると思うから、請願によっては、現在の不足金は全部国庫で出せと書いたのもございます。出すのもけっこうですが、わけがわからぬのに、どうも災害補償法に対するものについては全部国庫が持てということもどうかと思うから、これを聞きたい。
#8
○政府委員(坂村吉正君) 仰せのとおり事業不足金の出ている県がだいぶございまして、全部を合計いたしますと、一般の共済事業の事業不足金といたしましては赤字が四十億、それから黒字が二十七億、こういうことになっているわけでございまして、これは御承知のように災害が割合少ない所ですね、ずっと東北で数年間災害がないというような県は、こういうような黒字になっている所がございます。たとえば伊勢湾台風であるとかあるいは集中豪雨であるとか、そういうようなことで金を払っている所は赤字になっているのでありますが、保険設計の上から言うと、長期的には均衡するという姿になっておりますから、こういう点も今後制度改正の点とからめまして、今後の運用といたしましては、こういうようなことでいろいろ農民に御迷惑をかけないように、十分に慎重に検討いたすべき問題であろうと思っております。
#9
○岡村文四郎君 われわれこい願っておりますのは、私一人ではないと思うが、国が毎年百三、四十億も資金を出して、そうして農家のために出しているにかかわらず喜んでくれないというのは、組織の欠陥であると思うが、これをほんとうに百姓が、せっかく国民が細めた税金から毎年百三、四十億使って、使った百姓も何もありがたがっていない、こういうことは非常に残念である、ひとつ全力をあげて、今度の通常国会には出ましょうが、そういうことがないように万全を期してもらいたい、その点を十分お考え願いたい。
#10
○政府委員(坂村吉正君) おっしゃるとおりでございますので、十分御趣旨に沿いましてやっていきたいと思います。
#11
○東隆君 これはこの前の国会のときに質問いたしておきましたが、料率の改定の問題です。
 北海道について考えてみますと、豊年が続いておりますので、実は料率の改定において非常に得をするのじゃないか、こう一応考えたところが、延びますと、その恩典に浴さない。ところが本法の改正のほうから申しますると、異常災害に関してはこれは今までのものとだいぶ違った形になって、これは北海道には非常に都合が悪いような形になっている。そこで、これを調節する方法がないかというので質問をいたしましたところが、伊勢湾台風等で被害を受けた所もあるし、いろいろな関係があり、これはいろいろな事情でやむを得ないのだから、これはそのままいたしますけれども、事務費その他の方面において考えますと、こういうふうにお答えになった。そこで、それをもう一回再確認をしておきたいと思いますので、お答えをいただきます。
#12
○政府委員(坂村吉正君) 御指摘の点でございまするけれども、北海道につきましては、ほとんど最近は災害がございませんので、実際の事業の状況等も黒字になっておる状況でございます。しかし、そういうような状況でございまするから、今までの制度で料率改定をほんとうにいたしますれば、ある程度下がるのじゃないかと思いまするが、新しい今提案しております法案を基礎にいたしましてやりますと、非常に個別化をいたしますものですから、ですから災害の多い所は非常に上がるだろうし、少ない所は非常に下がると、こういう実態になろうと思うのであります。全体といたしますと、そういう計算をいたしますと、北海道はおっしゃるとおり今までより幾らか上がるかもしれないというおそれがございますので、そういう点は、今までよりも非常に新しい制度になりましても、農民の掛金がふえるというようなことは、なかなかこれはむずかしい問題であろうと思いまするので、それはしょっちゅう災害を受けておるような所で、自分でもわかっておる所は別でありますけれども、そうでない所で、全体的に農民の掛金がふえるなんということは、なかなかこれはむずかしい問題であろうと思いますので、今後制度改正をいたしました場合におきましても、料率の計算等につきましては、十分そういう点を調整しながら考えなければいかぬということも、ある程度考えております。また事務費につきましては、北海道は、今まで非常に、何といいますか、アンバランスに低かったという実情がございまするので、本年度は去年の八割増しくらいの事務費が出ております。北海道の団体あるいは組合も大体それで満足をいたしておると申し上げてはなんですけれども、了解をいたしております。
#13
○委員長(仲原善一君) ほかに御発言もなければ質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(仲原善一君) 御異議ないと認めます。
 ちょっと速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#15
○委員長(仲原善一君) 速記をつけて下さい。それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○委員長(仲原善一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより、採決に入ります。農業災害補償法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#17
○委員長(仲原善一君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書作成、その他自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○委員長(仲原善一君) 御異議ないと認めます。よって、さように決定いたしました。
   ―――――――――――
#19
○委員長(仲原善一君) 次に、中央卸売市場法の一部を改正する法律案(閣法第二三号)を議題といたします。
 本案は、去る二十五日、衆議院から送付され、本委員会に付託されました。また、本案の提案理由の説明は、すでに聴取いたしております。
 本日は、本案について三人の参考人の方の出席を求め、意見を聞くことにいたしておりますが、それに先だって本案について、まず補足説明を求めます。
#20
○政府委員(坂村吉正君) それでは、中央卸市場法の一部を改正する法律案につきまして、補足説明を申し上げます。
 まず今回の改正の要点は、第一に、中央卸売市場の開設及び整備を計画的に推進するための措置について定めることであります。第二に、中央卸売市場における卸売業務の適正健全な運営を確保するための措置を整備強化することであります。第三に、中央卸売市場の周辺地域における卸売市場に関する改善措置について定めることであります。第四に、中央卸売市場審議会を設けることでありまして、以上のほか、この際、若干の規定につきまして所要の整備を行なうことといたしております。
 次に、これらの内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一は、中央卸売市場の開設及び整備を計画的に推進するための措置でありまして、これに関する改正部分は、第七条ノ二及び第七条ノ三の新設並びに第八条の改正であります。
 中央卸売市場は、大正十二年に中央卸売市場法が制定されまして以来、現在までに六大都市を初め十九都市に開設されておりますが、生鮮食料品の全国流通上必ずしも十分とはいえない状況であり、また、既設の市場につきましても人口の増加、設備の老朽等により整備を要するものが多々認められる実情にあります。
 そこで、今後中央卸売市場の開設及び整備を計異的に進めるため、第七条ノ二を新設いたしまして、農林大臣は、生鮮食料品の適正円滑な流通をはかるため必要があると認めるときは、中央卸売市場の開設及び整備に関する計異を定めることができることとしたのであります。この計画におきましては、計画の期間、中央卸売市場の開設及び整備を必要とする都市及び中央卸売市場の名称、取り扱い品目の設定または変更、設備の新増設等に関する事項につき定めることとするとともに、計画の樹立を適正に行なうため、農林大臣は、計画を定めようとするときは、中央卸売市場審議会及び関係地方公共団体の意見を聞かなければならないこととしております。
 次に、右の計画の適正円滑な実施をはかるための一つの手段といたしまして、新たに第七条ノ三を設けまして、農林大臣は、その計画に定められた都市の区域を管轄する地方公共団体または中央卸売市場の開設者に対しまして中央卸売市場の開設または整備に関し必要な勧告をすることができることといたしております。なお、この場合におきましても、勧告の適確を期するために、中央卸売市場審議会の意見を聞いて行なうことといたしております。
 さらに、中央卸売市場に対する助成措置として現行法におきましても、第八条に、農林大臣は、開設者に対して所定の設備につき補助金を交付することができる旨の規定がありますけれども、これを右の計画に定められました都市の区域を管轄する地方公共団体または中央卸売市場の開設者がその計画に基づきまして所定の設備の新増設等を行なう場合に講ずることに改めまして、計画の実施に資することといたしております。
 第二は、中央卸売業務の適正健全な運営を確保するための措置の整備強化でありますが、これに関する改正部分は、第十条ノ五ノ二及び第十四条ノ二の新設並びに第十条ノ三、第十条ノ六、第十四条第十五条ノ二、第十七条及び第十八条の改正であります。
 その一は、第十四条ノ二といたしまして、卸売業者の兼業の届出についての規定を新設したことであります。最近一般に企業経営は多角化に向かい、卸売業者につきましても兼業業務を始めるものが多くなる傾向にありますが、中央卸売市場の卸売業者は零細多数の生産者、出荷者から生鮮食料品の委託を受けて販売を行なう者であるという性格にかんがみまして、兼業業務を営む場合には、そのことにより本来の業務に支障を生ずることのないように特に留意することが必要であると考えられます。このような観点から、第十四条ノ二におきましては、卸売業者は、兼業業務を営もうとするときは、その兼業業務に関する事業計画を添えてその旨を農林大臣に届け出ること、兼業業務を追加しようとする場合、届出事項を変更しようとする場合も同様の届出を要することといたしまして、兼業業務に関する状況を 分掌握して兼業業務を営む卸売業者に対する監督に万全を期そうとするものであります。
 その二は、第十五条ノ二の卸売業者の合併等に関する私的独占禁止法の適用除外措置の改正であります。これは、従来中央卸売市場の卸売業者の間における合併、営業の譲り受け及び取引条件に関する協定につきましては、過当競争の防止及び適正健全経営の確保という観点から私的独占禁止法の適用が除外されておりまするけれどもこの措置を同様の趣旨からいたしまして中央卸売市場の卸売業者と中央卸売市場指定区域内におきまして中央卸売市場類似の業務を営む市場の卸売業者との間における合併及び営業の譲り受けにつきましても拡充するため、同条の規定を改正しようとするものであります。
 その三は、右のほか、卸売業者に関する監督規定等の整備といたしまして、第条ノ五ノ二を新設いたしまして、卸売業務の許可に際しましては、必要に応じ条件をつけることができるものとすること、第十七条を改正して、卸売業者の業務または会計に関し必要に応じ改善措置を命ずることができる旨の規定を設けること、第十八条の卸売業者に対する行政処分の一つとして、法律違反行為等を犯した役員の解任命令を加えること、第十条ノ三の卸売業者の欠格条件に右の解任命令にかかる役員で一定期間を経過しないもの等を加えることといたしております
 その四は、中央卸売市場における売買方法に関する規定の整備であります。現行法では第十四条におきまして、中央卸売市場における売買は、せり売りを原則とし、その例外として業務規程で定める特別の事情がある場合を定めておりますが、生鮮食料品の実情に即して公正な取引が行なわれることとなるよう、この規定を改正いたしまして、公開による競争的な価格形成方法として、せり売りの方法と同列に扱うことが適当と考えられる入札の方法も原則に加えるとともに、例外となる場合を法律で明記し、さらにその場合における売買方法の基準を命令で定めることといたしております。
 第三は、中央卸売市場の周辺地域における卸売市場に関する改善措置でありまして、これにつきましては第二十三条ノ二を新設しております。
 最近、生鮮食料品の流通範囲は輸送事情の改善等により拡大の傾向にありまして、中央卸売市場の周辺地域の卸売市場につきましても中央卸売市場と業務上非常に密接な関連を持つものが見られ、中央卸売市場の機能を完全に発揮させるためには、このような卸売市場につきましても農林大臣が必要に応じ改善措置を講ぜしめる道を開くことが適当と認められるのであります。
 このような趣旨から、第二十三条ノ二におきましては、農林大臣は、中央卸売市場指定区域の周辺の地域で、農林大臣が指定するものにおいて開設される卸売市場であって、その施設が一定基準を越えるものの業務が流通上中央卸売市場の業務と密接に関連する場合におきまして、当該中央卸売市場の業務の適正健全な運営を確保するため特に必要があると認めるときは、当該周辺地域の卸売市場の開設者または卸売業者に対し、その施設または業務方法に関し、必要な改善措置をとるべき旨の勧告をすることができることとしたのであります。
 第四に、第二十三条ノ二として新設する中央卸売市場審議会について申し上げますさきに申し述べましたように、中央卸売市場の開設及び整備に関する計画の樹立並びにそれに基づく勧告につきましては、中央卸売市場審議会の意見を聞いて行なうことといたしておりますが、これらのほかの中央卸売市場法の施行に関する重要事項につきましても、必要に応じ中央卸売市場審議会の調査審議を願うこととし、学識経験者の意見を十分取り入れて、中央卸売市場法の運用に適確を期するため、農林省に中央卸売市場審議会を設けようとするものであります。また、審議会は、これらの事項に関しまして、自主的に、農林大臣に意見を述べることができることといたしております。審議会の組織につきましては、その性格にかんがみ、委員五人以内ですることとし、これらの委員は、学識経験者のうちから農林大臣が任命することいたしておりますが、なお、このほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は政令で定めることといたしております
 最後に、以上のほか、この際若干の規定について所要の整備を行なうことといたしておりますので、この点について御説明いたします。
 その一は、中央卸売市場の分場設置の取り扱いの改正でありますが、現行法では、第二条後段の規定によりまして、中央卸売市場の開設後位置を異にする市場を設ける場合には、分場設置の認可を受けなければならないこととされておりますが、取り扱い品目を異にする市場相互間等におきまして一方を必ず分場として取り扱わなければならないのは、市場の名称として適当でなく、また開設者の管理組織にそぐわない場合がありますので、第二条の後段を削除することとし、これらの取り扱いは、開設者に業務規程で定めさせることによって、第四条の規程による業務規程の変更の認可にかからしめることといたしたのであります。その二は、第三条第一項の業務規程で定めるべき事項として、右の分場設置の取り扱いの改正に伴い、新たに中央卸売市場の位置及び面積を加えるとともに、前述いたしました売買方法に関する規程の改正とあわせまして、中央卸売市場における売買方法を加えることといたしております。
 このほか、今回の改正に伴い、第二十五条及び第二十六条に規定する罰則に必要な改正を行なうとともに、経過措置として、附則におきまして、改正法の施行の際現に開設されている中央卸売市場における売買方法そのその他業務規程で定めるべき事項につきましては、改正法の施行の日から一年間は従前の例によること、改正法の施行の際現に兼業業務を営んででいる卸売業者で、当該兼業業務を引き続いて営もうとする者は、改正法の施行の日から三十日以内に当該兼業業務に関する届出をしなければならないことを規定しております。
 以上が中央卸売市場法の一部を改正する法律案の概要でございますが、この法律の施行は、政令の制定等施行に必要な準備期間を若干必要とすることを考慮いたしまして、附則におきまして、公布の日から六十日を経過した日から施行することといたしております
 以上で終わります。
#21
○委員長(仲原善一君) 以上で補足説明は終わりました。
 それではこれより本案について参考人のほうから御意見を承ることにいたします。
 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、たいへん御多忙の中にもかかわりませず、本委員会に参考人として御出席をいただきまして、厚くお礼を申し上げます。また、この時間が若干ずれまして御迷惑をかけました点、深くまたお詫び申し上げます。ただいま本委員会におきまして審議中の中央卸売市場法の一部を改正する法律案につきまして、各位の忌憚のない御意見を述べていただき、委員の審査の参考に供したいと存じます。
 それでは、まず参考人各位からお一人おおむね十分程度で順次御意見を述べていただき、次いで委員から御質問を申し上げるという運びに進行させていただきます。
 なお、参考人各位に対する委員からの質疑は、参考人の方が全部御意見をお述べになったあとでお願いいたしたいと存じます。
 参考人の方の発言は、川野参考人、内田参考人、北村参考人の順でお願いいたします。
#22
○参考人(川野重任君) 私は、一昨年設けられました臨時生鮮食料品卸売市場対策調査会の会長を命ぜられまして、その答申を昨年の春いたしたのでありますが、その関係においてお呼びいただいたものと承知しております。
 答申とただいま示されました法律の改正案とを対照いたしますると、大体におきまして答申で問題にいたしました点の具体化がほぼ合理的な形において提案されているというふうの感じを持っております。
 問題は、第一には、中央卸売市場法が設けられまして久しきにわたり、しかも市場の拡大、新しい商品の購入によりまして中央卸売市場の役割がだんだんに重大になるにもかかわらず、制度並びに設備の固定化の傾向がある、この合理化を計画的に進めることが必要ではないかというのが答申の一点であったのでありますが、この問題につきましては、中央卸売市場の開設並びに整備につきまして、これを計画的に推進する措置を講じておられるという点におきまして、全面的にその答申の趣旨を取り入れられたものと了承いたします。
 それから第二には、現在あるところの市場の運営につきまして、特に荷受人の業務運営についての監督の強化ということも答申の一ポイントであったのでありますが、これにつきましても――答申の線からはやや後退と言っては言い過ぎでありますが、やや緩和された形でありますけれども――監督を現在よりももっと有効になし得るような措置が用意されておるというふうに考えるのであります。たとえば兼業の禁止もしくは制限という答申の線に即しまして、これを届出にするという点では一歩緩和されておりまするけれども、その上に、さらに内容的な監督を厳重にするという、いろいろな措置が講ぜられているという点については、もっともなことと存ずるわけであります。一々あげませんが、たとえば許可条件の制定あるいは役員の解任命令の規定などもそのようなものとしてこれを考えるわけであります。
 それから第三には、従来特別の取引の慣行を持っております特に食肉市場について、これをやはり市場法の精神に即しまして運営するような措置を講ずることが必要ではないかということであったのでありますがこれは従来の慣行を一挙に現在の市場法の規定する方針に従って変えていくということが困難であるというところに問題があったのでありますが、これに対しましては、取引の方法を従来のせり以外に入札をも原則の一つとして加えるという形で、多少とも取引の方法に一歩を加える。さらにそれ以外の方法の取引の方法をも認めると同時に、他面におきましては、取引方法について各種の制限措置を加える。したがって、従来の慣行を持つ食肉市場を新しい市場法のワクの中に取り込むことを容易ならしめると同時に、その点から新しく発生する弊害を除こうという努力をしているという点につきましては、これはもうやはり答申の線を十分に取り入れられたものと私は了承するわけであります。さらに周辺地市場という新しい規定ができておりますが、これは従来の取引、中央卸売市場の中のみで解決できない問題をこの規定を新しく設けることによって解決しようといたしたものといたしまして、特に水産の市場につきましては、実は時間の関係もありますし、従来の慣行について非常に多様なものがある。非常に種類が多い、これを一義的に一定の方針によりまして規制していくことが困難のように調査会としては当時考えたわけであります。その結果、その詳細につきましては、次に出て参りまする審議会の運用等によりましてさらに検討するということにしたのでありますが、いわばその趣旨をくみまして、周辺地市場というものが新しく設けられ、それに対する規制が、設備、業務運営の改善に関する勧告という形で出てきたものと考えるわけでありまして、これも一つの解決の策かと思います。
 それから最後に審議会の施設置でございますが、いずれにいたしましても、これらの問題は、市場の機能というものが抽象的には規定されておりますけれども、商品の流通というものは、新しい商品が出てくる、あるいは趣味、趣好が変わってくる、さらには運輸交通等の施設が変わってくるということになりますと、具体的には日々変わっていく問題であります。こういうものにつきましては、運営上、晴時適切なアドバイス、あるいは指導をするということは必要かと思いますが、それは一義的に法律によって規制し得るものではなしに、やはり場に即して具体的な意見が提示されて初めてその効果を十分に発揮し得る、こう考えるわけであります。その趣旨からいたしまして、審議会にその面の仕事を預けるという構想は、答申の線に即するものとして妥当なものではないかと考えます。
 なお、調査会の答申の趣旨からいたしますると、たとえば流通の諸条件全般の合理化につきまして、かなり思い切った国の補助等をすることが必要であるという提案もいたしておるのでありますが、これは中央卸売市場法という法律のワクを越える問題かと考えますので、それがこの法律の中に盛り込まれていないということは、まあやむを得ないものと考えるわけであります。
 以上、きわめて簡単でありますが、大体におきまして調査会の答申の趣旨というものは、この法律の改正案にほぼ妥当な形、程度におきまして盛り込まれておるのではないかというふうに考えるわけです。
#23
○委員長(仲原善一君) 次に、内田参考人にお願い申し上げます。
#24
○参考人(内田秀五郎君) 私は、今、青果のみの中央市場の東京新宿青果株式会社の社長をしており、なお、小売、仲買、卸の会の会長をいたしておりますのでありますが、先般来、衆議院のほうにおかれても大体決定をされて、参議院のほうに回されたというこの法案の改正を拝見いたしまして、そうして私どもの希望としてこの際申し上げますことは、中央市場の開設というものは、整備の上にも、あるいは計画の規定の上にも、農林大臣がこれらの計画を定めて、それでまあ地方公共団体のほうに勧告することになっておるように承知しておるのであります。そこで、まあ新規にこれからも各所にできようと思うのでありますが、まあ中央市場の施設に対しましては、遺憾のない施設を現在お願い申したい。古い施設に対しましては非常に困るような事情もあり、なお既設の市場に対しましては、すでに老朽をしておるというような関係もありますので、これらの方面に対しましても、まことに国としても費用多端の中ではありまするけれども、せっかくここに一部の改正案ができます以上は、これらの点に対しても一そうのひとつ御配慮をお願いしたい、こういうふうに存じておるわけであります。
 そのほかと申し上げましては、ただいま川野さんからもお話のありましたように、監督規定でありますが、監督規定の上においてもだいぶやわらかにはなりました。届出の関係等、やわらかにはなりましたようではありまするけれども、まずこれらの問題は、届出制に対しましても、その他に対しても、十分なるところの御調査の上にお願いをいたしたい。それからまあ衆議院のほうにおいても附帯条件はついておりますけれども、私は、生産者は都下及び国の生産の方にも関係をしており、また生産者の一部農業団体は各種の農業団体を引き受けている関係でありまするので、この衆議院でつけておりまする第二の条件というのは、非常に生産者擁護の立場にも回っておると存じますので、これらの点に対しては、十分なるところの生産者擁護のためにも、ひとつ御配慮をお願いを申し上げたい、こういうような関係でございます。
 なお、もう一つお願いを申し上げたいと存じますることは、これはまあ私ども、規定の上には、調査会は五人以内をもってとどめるということに相なっておりまするけれども、これには、どうしてもまあ事情によく通じておるところの専門委員の中ででもけっこうでありまするからして、業者の関係等も十分加えて遺憾のない調査ができまするように御配慮をお願いしたい。私はまあこの程度の意見をお願いして、あとは今回御改正をいただいたところのことでけっこうでございます、こう存じております。
#25
○委員長(仲原善一君) 次に、北村参考人にお願いいたします。
#26
○考考人(北村宮蔵君) 六大都市水産物仲買組合連合会会長をしております北村でございます。今回の市場法の一部改正につきましては、すでに衆議院におかれまして審議を終了し、これから本院におかれて御審議が進められるよう承知いたしておりますが、この改正案につきましては、私ども、一昨年創設されまして設置されましたところの市場調査会、当時川野先生を会長として一年かかりまして農林大臣に答申をして参ったのでございますが、今回の改正案につきましては、非常に消極的であるというふうな考えが、私どもぬぐえないのであります。しかし、施設の整備、あるいは取引方法に従来のせり原則へ、時代の推移を考えられて、入札方法を入れた、あるいは今回審議会の設置等をおきめ願われた政府の御配慮については賛意を表するものでございます。ただ、私思いますのに、本院におかれて昭和三十三年四月国会の際に、市場法一部改正の際の参議院の附帯決議を想起いたす次第でございます。その附帯決議には、衆知に諮り、調査会を設け現行法を再検討して、実情に即して根本的改正をせよと決議をされているのでございますが、御存じのように、ほんの一部が改正され、まあ柱となるものは、どちらかといえば、今回の改正では、審議会の設置が目新しいと申し上げれば言い過ぎではないかと思いますが、さようにしか感じられないわけであります。今回のこの一部改正、また状況が変わりますと、また一部改正と、さようなことでは、御存じのごとく、市場法は大体一条から二十四条か五条しかなく、もうすでに三回一部づつ改正している。これは参議院の決議によりましても、根本的に時代の移り変わりに合いましたような全面改正をすべきだというふうな附帯決議にも沿わないのじゃないか。私ども、調査会におきましても、この点につきましては強く申し上げ、なお答申をされている次第でございます。少なくも、市場法がしかれましてから約四十年の経過をし、その間、一部ずつ改正されますと、実は市場法の根本がどっかへ行きやしないか。ちょっと考えますと、私どもの子供が小学校のときには間に合った部屋が、高等学校、大学へ行きますと、試験勉強、そういったときにおそらく、皆さん御存じのとおりに、部屋がえをするのじゃないか。この部屋がえを何回もしますと、私が親からもらった家が、実はもう換骨奪胎されておるというようなことを考えるわけなんですが、どうか今回は、もうここで申し上げても、会期も少のうございますし、大体、この改正案につきましては賛意を表するものでございますが、ぜひ全面改正にひとつ持っていっていただくように、特段の政府当局の御配慮と、貴院の先生方のせっかくの御審議をお願いする次第でございます。
 私ども、今回の一部改正につきましては、青果、水産の仲買連合会の総意をもちまして、年来の要望事項につきまして、今回、請願もしておる次第でございますが、その要点を申し上げますると、大都市における仲買人の必置制、二番目は名称についてでございます。三番目は、日とともに増大する水産物の加工品化という点に要約できるわけでございます。
 ぜひ私ども、この中央市場法がしかれまして、市場法で市場の建設をされ、われわれが入場して以来のこれは悲願でございまして……。特に調査会等でも申し上げましたのでございますが、そのときの政府当局の御答弁では、市場法というものは全国的なものであって、特に大きいところだけを考慮するわけにいかないというふうなお話もございましたが、しかし、これは行政面におきましても、特別区とか、そういうふうな、同じ何々区でもそういう取り扱いがなされておるのでございますから、まず、表向きに、中央市場というものは必ず仲買人を置くべきだ、そうして、そうでなく、必要のない、人口十五万か二十万のようなところで仲買いの必要でないようなところは、それは必ずしも置かなくてもよろしい、こういうふうに、はっきりとしていただきたい。
 それから第二点の名称の問題につきましては、これは先ほども川野先生からも荷受人というお言葉がございましたが、私どもは、この仲買人という名称につきましては、経済的あるいはその他第三者から受ける印象から申しますと、常に非常な不利をこうむっているのでございます。御存じのように、中央市場におきましては、われわれはせり場におきまして、われわれのふところの中で損得を勘案しまして、そうして買い取って分荷販売する次第でございまして、ある特定の問屋に隷属しておるところの、中央市場法の施行以前の形態ではないのでございます。で、そういう点におきまして、私どもは、ぜひ、この名称の点につきましても特段の御配慮をわずらわしたい、かように考えているわけでございます。
 加工品につきましては、この点につきましても調査会におきましては、水産物の加工品等についてはできるだけ中央市場を有効に利用するのがよろしいんだと。たとえば、中央卸売市場以外の周辺市場で乱雑に扱われているということは、衛生上、あるいは集中取引という点からいっても、中央市場を有効に活用すべきだということなんでございますが、実はこの加工品は、御存じのごとく、メーカーを出ますときからすでに最終価格までがきまっている関係で、現在の中央卸売市場の卸売人対仲買いというふうな経路を経ましたのでは中間経費がかかりますので、市場といたしましては、年々増大する加工品がありながら、実は市場を経由するものは、よほど生産者が市場という集中の場所を理解されないと、どうしてもその流れが混迷しているというふうに思われるのでございます。この点につきましては、私ども現行いうところの仲買人でも、メーカーから直接荷引きをして売りたい、あるいは買い付けして売りたい。それはなぜかと申しますと、卑近な例でございますが、築地の中央市場を一度御視察願えるとわかるのでありますが、あの本願寺の周辺にあります市場は、同じわれわれの友人であり、後輩、先輩が同じ業務をしておりますが、その方々ですと、たとえばハム、ソーセージ、あるいは冷凍スティックというふうなものをメーカーから直接持ってきて売る。われわれのほうはどうしても卸を通すところに、これはもう二重に費用がかかりますので、遺憾ながら手をこまねいていると、こういう状況でございます。この点等につきましてもぜひ本院の先生方の特別な御検討をお願いいたす次第でございます。請願の趣旨等を何とぞ御検討賜わりまして、次の全面改正のときにお取り上げいただきたく、以上申し上げまして、私の御意見を申し上げる次第でございます。
#27
○委員長(仲原善一君) 以上で参考人の方の発言は全部終わりました。ただいまの参考人各位の御意見に対し、御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#28
○清澤俊英君 まず、経済局にお伺いしますが、この調査会ではどういう調査方法をとられているのか。同時に資料等は、大体あなたのほうで資料を出されたのか。見ますると、私の今手元にあるものとしましては、何かあなたのほうで成案のようなものを御提出になって、それを中心にして審議が進められたんじゃないかと思う。だから、相当の実情に沿わないものが実際出ているんじゃないかと思うんだ、そういう点でね。だから、資料等はどういうような資料を出されて、そしてあなた方の一つの構想を土台として審議を進められたのかどうか、それから説明して下さい。
#29
○政府委員(坂村吉正君) 調査会の委員は四十数人の委員でございまして、各方面の方々に御参加をいただいたわけでございますので、いろいろ具体的な数字的な資料その他のものは、全部これは農林省でも関係方面からいろいろ資料をとりまして、そういう幹事役をやりまして、調査会には出しました。で、審議の方法は、総会におきましていろいろの自由な御検討をいただきまして、それから水産部会、青果部会、それから畜産部会というふうに三部会に分かれまして、そうしておのおの専門部門につきましての審議をずっとしていただきまして、その三部会におきまして最終的な議論の結果を取りまとめまして、そうしてそれを総会で一本の答申案にまとめた、こういうことになっているのでございます。ですから、その審議の過程で、あるいは農林省ならば農林省が案を出してというようなことはございませんで、問題点はもちろん出しまして、それを整理いたしませんと、なかなか、何といいまするか、ああいう審議会というものは進まぬものですから、いろいろ御議論のところを整理いたしまして、あるいは考え方等も整理をいたしまして、そうして出して、それをもとにして御審議をいただいたということはございます。
#30
○清澤俊英君 そうすると、この「生鮮食料品の卸売市場対策の基本問題についての考え方試案」これなんですか、その整理されたのは。これはそれなんですか。
#31
○政府委員(坂村吉正君) 考え方試案というのを、審議の過程におきまして、農林省でそれではどういう考え方をとるかということを、農林省の試案をひとつ作ってみたらどうか、こういう御意見がありまして、それでそれは一応いろいろの御意見をもとにいたしまして作った経過がございます。
#32
○清澤俊英君 それでは川野さん、まことに済みませんでしたけれども、ちょっとね、もの足らぬところがあると思うんです。大体あの現在の市場から見ましてね、この一つの法律の畜産、青果、水産、おのおののその成育の実態が違っているんですね。それを一つの法律でやっていっても間に合うのかどうかということです。ことに畜産のごときは新しくこれから登場するのです。ですから、先般も、家畜取引ですね、取引のこの法律審議の際に、ちょっとこの問題に触れてみました。ところが、実際に市場に対しての管理権というのですか、指導監督というのですか、そういうものについては、畜産局と経済局が一緒になってやるんだ、これはこうなんです。ところが、今のところ大体は御承知のとおり全部あれがやっているんでしょう、経済局が中心になって、水産もやっている。畜産はこれからできるのです。もうできたところもあります。こういうことは非常に私はまあ今日の段階としては不合理な状態だと思うんですが、先生どうお考えになりましょうか。
#33
○参考人(川野重任君) 御質問の趣旨は、畜産物と青果物とでは商品の性質も違うから、むしろ別個の卸売市場法を作ったらどうかという御意見で、しかもそれに関連いたしましては、農林省の所管の部局も違うから、なかなか運用がむずかしいのではないか、こういうふうな御趣旨の御発言かと伺ったのですが、もし後段なら、これは農林省の機構の問題でありますが、私自身といたしましては、商品の性質が違うということから別個に法律を作ったらどうだ、こういう御意見として承りますが、その御意見に対しましては、こまかく言いますれば、あるいはそういうことになるかと思います。しかしながら、現に今青果物に並びまして、畜産物についても商品流通の実態があるわけですね。それを市場法の精神にのっとってまあリードしていこうというふうな当面のねらいかと思いますが、そうしますと、この法律では十四条にありますが、特定物品という項目を設けまして、それに対して当面の実態に合った流通の方式を考えよう、それによって大きく一本の法律でこれを規制していこうと、こういう建前をとっておりますが、私はまあ実態に即するというステップ・バイ・ステップの行き方からしますと、まあこれでもいいではないかと、こんな感じがするのです。理論的に全然一本でなければならぬということもないと思います。けれども、実態に合った行き方としまして、当面これがいいのじゃなかろうかと、こういうふうな感じを持っております。
#34
○清澤俊英君 私お伺いするのは、先生、御迷惑でしょうけれども、もうこの段階へ来たら、もう大体において三つの業態にはっきり言えば分かれております。東京で、中央市場を見ましても、神田が青果市場、大体が築地が水産市場、こういう形をとって、おります。ことに畜産のごときものがここへ新しく登場してきて、だから監督もわからぬし何もわからぬから、畜産局と一緒にやるのだ、こういう問題が起こってきている。そういう状態が現在の市場内にあるかないか、こういう問題をひとつ聞いてみますと、水産が、水産ですよ、水産の部門が水産庁というか、水産関係の人がそれにタッチしておらない。タッチしておらないうちに市場の様相というものが非常に変わってきている。今日はその用をなさないのではないかと思われる。ということは、現に、元水産庁の次長でありますところの奥原君が国会図書館から発表しました水産物価格政策の事例と、こういうものを書いてあります中に、今日の中央市場は売手市場になっている、とはっきりと書いているのです。なぜに売手市場になったのか。これは私は先生に申し上げることは妙でありますけれども、大体五大水産会社を中心にしまして大体独占が成立しております、部分独占が。先般もちょっと先生に申し上げておったことがありますが、そうして系将会社をうんと作って、これで市場になっているのでしょう。そういう点が、農林省から明確にしてあれば、賢明な先生のことですから何とかまた答申が違ったのじゃないか。政府の方針もそういうものに重点を置かれるべきであったのではないかと思う。それがかえって、兼業の条項を、現実の条項を緩和してそして弱めておる、届出にする。これはどうもおかしいと思うのですな。だからそういう、ほんとうの現在慣行の上で弊害のあるようなものが農林省からはっきり調査して出ているのか、出ていないのか、私は疑問に思っておる。これは言う、聞きますれば、そういう強大なものが市場にがんばっているでしょう。だから仲買いにしろ小売代表にしろ、同じ水産の他の会社のお方々にしろ、それはやっぱりだめですよ。自分の思うことの実際などは言われないだろうと思うのです。これが現実のしゃばなんです。社会なんです。そういうことを聞きますと、先生は政府委員じゃありませんが、そういう点について報告がありましたかどうか、おそらく私はないと思うのです。それでいて材料は山のごとくわれわれの手元へ集まってきておる、こういう状態なんです。そういうことありましたですか。そういうことの報告は先生のところへありましたか。
#35
○参考人(川野重任君) 私の理解があるいは間違っておるかもわかりませんが、御発言の趣旨は、水産物につきましては生鮮食料品として卸売市場を通ずるものと、それから加工段階が非常に発達いたしまして、そこを通じなくても流通するという、まあ新しい分野が開かれているのではなかろうか。そうしますると、生鮮食料品に重点を置いたこの卸売市場法の規制だけでは水産物の流通に対する規制としては十分ではないのではないか、こういう御趣旨かと了解いたしますが、もしそうなれば確かに私もこれが生鮮食料品としての水産物の流通を中心にいたしました規制であるというふうには考えてよろしいのじゃないか、加工品あるいは加工段階が別に発展いたします場合に、その加工業者との取引について規制をするということにつきましては別の観点からの規制が必要であるというお含みかと思いますが、その点につきましては、私も気持の上ではあるいはそうじゃなかろうかという感じがいたします。これが一点。それからそういう点についての議論があったかどうかということでございますが、これも確かに審議の過程におきましては一部あったことは確かでございますけれども、答申にそれを盛り込むというところまでは至らなかったというふうに御了解いただきたいと思います。
#36
○北村暢君 ただいまの問題につきまして加工品の問題は、今度の答申案には、明らかに生鮮食料品の問題でございますから、加工品の問題については流通面について諮問されておらないわけですから、それは論議にならなかっと思うのですが、今、清澤先生も御指摘になっている点は、はっきり申し上げまして、その生鮮食料である、まあ特に魚のほうですか、これが卸売人が、いわゆる荷受人が五大水産の資本の支配を受けている。これはもう現実にそうであるわけです。したがって、そういう面からいきますというと、この中央卸売市場といういわゆる公共的な性格を持っているものが、その卸売人が資本の支配を受けているということは、適正な取引というものが行なわれないのじゃないか、価格の面において独占支配というものが出てくるのじゃないか、これは卸売市場の中でやはり公共性からいくというと排除されなければならないのじゃないか、しかもこの兼業というものが届出制ということで、今まではこれは規定がなかったわけです。ところが、諮問への案というか、出ております答申からいきますというと、禁止したほうがいい、そのことによって卸売人の信用というものなり何なりを確保していく、こういう考え方というものが確かにあったはずなんですね。それで先生も先ほどやや後退した、こういうふうに表現されておったようでございますが、それがやはり荷受人が生産者としての、しかも大きな資本を持っての生産まで兼業としてやるということになって参りますと、これは生産者であり非常に公共的な性格の強い荷受人とかせり人というものと一緒になるということになれば、中央卸売市場という性格のものが資本の支配下に立って一これは現実にそういう問題が出てきているわけですね。ですから、私は中央卸売市場の公共性なり公正なる取引なり適正な価格の形成なり、こういう面からいくというと、これは当然禁止せらるべきでないか、非常に厳重な規制が加えられるべきじゃないか、こういうふうに思うのです。その点について今、清澤先生からも質疑があったのですが、重ねて中央卸売市場の本質の問題でありまするので、ひとつお考え方を承りたい。
#37
○参考人(川野重任君) ただいまの御質問は中央卸売市場における卸売業者の性格としてどのようなものを想定しているのか、その想定したものと実態との間に食い違いはないか、特に水産物の場合についてはどうか、こういうふうな御趣旨のものかと思いますが、確かにおっしゃいますように、本来想定いたしておりまする卸売業者の性格というものは、市場の中におきましてはごく少数ですね、その範囲におきましてはやはりお互いに激しい競争をする、私はいつかほかの委員会で申し上げたのですが、寡頭競争といいますか、その場合、速記の方では度の過ぎた競争というふうになっておりましたけれども、度の過ぎた競争であると同時に頭数の少ない競争であるという意味を持っていると思いますが、私の申し上げたのはむしろ頭数の少ない競争という意味で申し上げたと思います。その頭数の少ない競争というものは特に独占の弊を生むと私は思っております。それが背景に、しかもそのような資本を持ち、あるいは兼業という形において結びつくという心配は私はないと言いがたいと思います。思いますが、ひとつ法律で市場規制を行なう場合におきましては、そうでない青果の場合等も含むものといたしましては、やはり運用上、つまり監督上、そのような点に対する規制を強くする以外に手がないのではないかという感じがいたします。同時に資本の支配ということなんですが、これなかなか確認と申しますか、規制、並びに客観的把握が困難な面が相当ありますので、そういう事態があるから、むしろ水産物の場合については兼業の禁止をし、あとの場合においてはそこまでいかなくても届出でよろしいということもむずかしいかと思います。ただそこが清澤先生の御意見ではそうなればむしろ両者分けた方がいいではないかという御意見かと思います。しかしそうなりますと、その点だけを分けるということでいくのか、大部分のものが共通の場合におきましては、共通のものを設けて、その分につきましては行政運用上、特別の措置を講ずるというのでいくか、むしろあとの方でいくのも一つの行き方ではなかろうか、こんな感じがいたします。しかし、そういうことが行政上可能であるかどうかということは私存じませんが、気持の上ではそういうふうに思っております。したがって御質問の点に対して反対はいたしませんし、ある面では御主張の点ごもっともと思っております。
#38
○北村暢君 その点についてもう少しお伺いしたいのですが、これは特に魚の場合は産地における漁業協同組合の共同出荷態勢、こういうようなものももちろん考えられる。この漁業協同組合というのは大体において零細なものが集まっておるのが多いのでありますけれども、そういう点からいって、資本漁業と対抗するということになるというと非常に弱い立場を持っておる。ところが、この消費地における、しかも膨大な消費をする市場においてその資本漁業の生産品とこの零細な漁業協同組合の共同出荷によるもの、こういうものとが当然一諸になって出てきても、生鮮食料、魚である場合何も区別するわけにはもちろんいかない。その場合にせり人が、荷受人が委託を受けてせりの業務をやるわけでありますから、そうなりますと相当なものが、大資本の生産品というものが入ってくるということになりますというと、市場そのものが相当この資本によって左右される。しかもこれ自体は冷蔵庫を持ち、相当大きな規模もできるわけですね。でありますから市場の動きを見て操作をするということ、こういうようなことはないと私は言えないと思う。と同時にその荷受人が非常に公正であればいいわけでありますけれども、それが資本の関係からいって何々水産会社という系列になっておる。こういう事態が出て参りますというと、私は決していい結果が出てこない、現実にそうであるとするならば、そこにおける適正な取引が行なわれるためにはせり人というものはそれ以外の第三者、アンパイア式のものが出てこなければ正しいせりというものはできないじゃないか、これは現実の問題としてなかなかこれは言うべくして言いにくいことでありますから、だれも言わないわけなんです。言わないわけでありますが、実際問題として正しいせりというものが行なわれない。これは現実にそういう問題が出てくる可能性が十分あるわけなんです。それは毎日のせりの中でも荷の動き方によって、その一日々々の時間によってせりをしますから高い低いということが出てくるわけです。そのときに、この資本の荷の操作によってこれは必ず高いものになるときに、自分のものが出ていくような形というものがとれないということは、絶対そういうことはないということは言えないのです。そういうことがあり得る可能性が出てくる。したがって荷受人というものが当然資本の系列に入ってくるということになってくるというと、これはそのものとせりをやるものとが一緒であるということは適正な価格というものが形成されない、こういうことが出てくる。そういうものであるとするならば、これはもうやはり第三者の何か公務員か特に身分の保障せられた野球のアンパイア式のものが出てこなければならない、こういうふうな感じがするのですがね。現実の問題にしてそういう傾向をたどってきておるということは、最近におけるこの中央卸売市場の非常に大きな変わり方だと思うのです。これは従来と非常に変わってきた形が今日現われておると思う。そういう点からいきますというと、私は適正価格を構成する、作っていくためには何かしらここの中で抜本的な改正というもの、意見というものが出てしかるべきでなかったか、このように思うわけなんです。でありますからそういう点について、まあどの程度の論議が、なされたでしょうかね。そういう点はあまり触れられないで、出た程度であって、あまり深くやらなかったのかどうか。
#39
○参考人(川野重任君) 審議会の運営につきましては、先ほど坂村経済局長からお話がございましたように、三つの部会に分かれまして、私はいわばしめくくりといたしまして初めの部分とおしまいの部分に特に関係いたしまして、途中のところの審議は各部会にお願いしたということもございまして、十分に承知していない点もあるかと思いますが、しかし、部会長を通じまして私が聞きました範囲におきましては、問題が出ましてもそれほど深く追及はされなかったかの印象をもって私は聞いておるわけです。
#40
○森八三一君 今の北村君の質問とやや内容には共通点があると思うのですが、まあ審議会ではそういう点についてあまり深い論議がなかったということであるとすれば、委員長としてお答えを願うわけにはいかぬと思うのですが、学者の立場で公正な取引をやるということを目途として改正されるという場合に、現在の市場における卸売業者の性格というものを改正法に規定しておる程度でそういう目的が達成せられるとお考えになるでしょうか、さらに一歩を進めて非常に強度な公的性格を持つものに改変すべきだというようなふうにお考えになるのか、市場の目的を達成するために卸売業者のあるべき姿というものをどういうようにお考えになるでしょうか、その点をまず最初にお伺いします。
#41
○参考人(川野重任君) 答申では兼業の制限もしくは禁止ということをうたったわけでありますが、それが先ほど申し上げましたようにやや緩和された形が出るかもしれないという事態からいたしますると、徹底した姿において考えるならば、監督を十分にするという意味では、やはり答申の線を考えることが十分に意味がある、こういうふうに個人的に私は思っております。と同時にその場合に問題となる兼業のの弊害というものが従来は全然規制がなかったのでありますが、今回はともかく届出をさせまして、それから新しく許可をする場合におきましては条件を付するという制限的な条件を加えてもあるということからいたしますと、やはり一歩前進には違いない。北村さんから先ほどお話がございましたが、子供が多くなるにつれて部屋がだんだん多くなってきて、そのうち家も変わるというお話もございましたが、それも弊害そのものが一部では指摘され、一部では懸念されるという事態におきまして、今回のような措置がなされるわけでありますが、さらに問題が一歩進めば、また進んだ事態に対する処置として新たな法制が考えられるこういうふうに個人的に思っております。
#42
○森八三一君 私のお尋ねいたしましたのは、現状を考えないで、純粋に学者の立場で、市場の持つ法的に公正な取引をやらなければならないというこの目的を完全に果たしていくために、卸売業者の性格というものをどう考えたら一番その目的の到達にふさわしい姿であると思われるかということなんです。今のような形で一歩前進するということも一つの方法ではありましょうけれども、そういう現状を無視して、理想的なものとすれば、どういう姿が一番好ましいとお考えになるか、こういうことです。
#43
○参考人(川野重任君) 理想というのは、なかなか現実を無視しては出てこないのでむずかしいのですが、まあ卸売市場の性格からいたしまして、物の品質、規格の必ずしも特定されない、現物を見なければその評価のできにくい、しかも貯蔵の困難なもの、これは生鮮食料品の特徴だと思いますが、これの価格を合理的に行なわしめるというのが市場設定の目的だとこういうふうにいたしますならば、中間の価格設定に立ち会う者といたしましては、やはり高度に公的な性格を持つことが必要である、こういうことになるかと思います。しかしながら、これは流通の実態がやはり背景になって、初めてそのような運営が具体的な問題になるという点からいたしますると、一挙に公的と申しましても、その的の字を残しまして、的の字が六〇%か五〇%かということはそのときの事態において変わらざるを得ないだろうという感じを持っておるわけであります。御質問の趣旨からちょっとはずれるかと思いますが、そういう私の観点からいたしますると、次第に流通機構が整側されていくに従いまして、また加工の程度が変わるにつれまして、卸売業者等の市場の中における独占的な地位と同時に市場の内外を含む流通市場におけるその地位の強化という傾向が強くなってくるという傾向は否定しがたいのではないか、こんなふうに感じます。そこで、そのつどやはり法律の改正が問題になるのではないかというふうに了解しております。
#44
○森八三一君 まあ純粋に学者の立場で、私は卸売業者の、性格というものは、すっきりした公的な性格を強度に深めていくことが、市場の目的を達成するためにはふさわしいと思う。しかし、現実が存在をしているので、その現実を考えるというと、まあこの程度が一歩前進だという妥協がそこにあったと思うのです。そのことはそのこととしてそれは承っておきます。そこで今お話がございましたように、卸売業者の性格というものを極度に公的な性格を持たせますることが、市場の目的を達成するためにはふさわしいというようなことになるといたしますると、現在市場にありまする仲買人の制度というものを、どういうようにしていったらよろしいかという問題も、おそらく御研究になったと思うのです。卸売業者の性格がきわめて公的なものになるというふうになりまするというと、現在仲買業者の立場は、現在の卸売業者の立場にこう変わってくるという性格も、現在も卸売業者というものは公的な、純粋なものじゃない、こういうことに私は理解しているから、そういうことに発展していく可能性というものもないわけではないと思うのです。
 そこで第二にお伺いいたしたいことは、現在の市場における仲買人の性格というのをどういうふうにすることが一番ふさわしいと、これも現実を離れて理論的にどうお考えになるかという問題です。
#45
○参考人(川野重任君) すこしむずかしいのですが、まあ理論的に言えますることは、そうなりますると、といいますか現在でもそうなんでありましょうが、消費需要を代表するものといたしまして、公的性格を持つ荷受卸売業者の手を経て出てくるところの供給に対応するということのほかちょっと言いにくいと思うのですね。したがってその場合、おそらく問題はどのような資格を与えたらよろしいか、どんな数にすべきか、あるいは仲買いを置くべきかどうか、こんな問題もあるいは出てくるのではないかと思うのですが、それはどうも私といたしましては、市場の実態と申しますか、市場の規模、商品流通の規模並びに実態というものを離れてはちょっと考えられがたいような感じがするわけであります。
#46
○森八三一君 私の質問の仕方が悪いかもしれませんが、卸売業者が非常に強度な公的性格を持つということになりますれば、極端に言えば卸の仕事をやるものはその場合には地方公共団体が直接やるということも一つ考えられますね。極端な高度に公的な性格を持たせますれば、そのもとにおける仲買業者というものが、外数の零細な小売業者との間に立って生鮮食料品の流通の間に登場してくるということになりますると、その性格は今の市場における卸売業者らしき形を示してくるという姿も、一つの方法ではあるまいかという感じを持つのです。そういうことが生鮮食料品の流通過程における機構として理論的に考えられるか、考えられないかということを学者の立場でひとつ御判断をいただきたい、こういうことであります。
#47
○参考人(川野重任君) 問題の中心は現在の卸売業者が、たとえば荷を引くということで商品の流れを作ることに一役演じておる。もし、それが公的な性格を持つとなりますと、荷は自分の足で歩いてくるより手がない。その場合に、それを待ち受けるところの仲買人というものが、その荷の出てくるのをじっと待っておる、市場に出てきたところのものを比較考慮しながら買うというだけの機能で済むのか、あるいは積極的に商品に足をつけまして持ってくるような措置といいますか、機能を果たすことが必要だろうかどうか、こういうことであるかと思います。私の感じといたしましては、高度の公的な機能を持つものとして卸売業者の性格を考えるというのは、やはりその荷が自分で出てくる、言いかえると、生産者がその市場に積極的に乗り込んできて、生産者自体が市場の選択を十分になし得るというだけの環境の整備あるいは成熟というものがあって初めてそういうことができるんじゃないか。そういうことになりますると、公的な性格を荷受卸売業者に持たせる場合におきまして、仲買人というものは、その公的性格を持つ卸売業者を中間にはさみまして生産者と対立するという格好になるのではなかろうか。したがって、現在の荷受業者が持っているような機能というものをそこで持たせるということは必ずしも考えられがたいのではないか、このような感じがいたします。
#48
○森八三一君 そういうように中央市場の機構というものを整備することが、私は非常にふさわしいように現実を見まして考えもいたしますし、理論的にも、市場の卸売業がいろいろ荷引きをやるというような姿をとっているところに問題の所在があると思うのです。制度のせいではないかという感じを持つのですが、先生もいろいろ市場の問題については広範に御研究を願っておると思いますが、そういう方向に整備をするという考え方についての是非、こういう問題はいかがお考えでしょうか。
#49
○参考人(川野重任君) 私は全く賛成でございます。
#50
○北村暢君 ただいまの森委員の質問とも関連して、考え方を若干敷衍にしてお伺いいたしたいと思うのですが、これは青果の場合、魚の場合、肉の場合ではまた非常に違うと思うのです。思うのですが、魚の場合ですと、産地市場というものがあって、そこで、今おっしゃられるように、荷受人と生産者との間に荷引きを直接する仲買いというものが発生してくる。事実そういう形があるだろうと思う。それから青果の場合は、これはもう相当共同出荷の体制というものができておりますから、そういう仲買いというようなものはほとんどないんじゃないかと思います。そういう点で違うだろうと思うのですが、それと現在中央卸売市場内における仲買いと称するもの、それが森委員も指摘しましたように、荷受けと現在の仲買いというもの、が、どちらかといえば、卸売の性格を持ってくるものが出てくるじゃないかというのは、ひとつ築地の状態を見ましても、これは理論的にどうかというよりも、築地の実態を見ましても、これは一つの大きな集散地市場的な性格を持っておるわけであります。したがって、築地から近県における市場へ荷が流れていく、こういう形が非常に強く出ておる。実態として現われておる。そうしますと、ここに当然、自由経済の中でありますから、荷受人から相当力のあるいわゆる卸売人――仲買いと言っておりますけれども、卸売人に非常に近い性格のものが出てくる可能性がある。こういうふうに思うのです、それは、この市場の実態からして、そういうものが当然出てくるというような感じがする。したがって、これを理論的に言えば、仲買いというのは、何か、私どももこれを一つ省略すれば、消費者は消費者価格からいって、中間経費が倹約できる、節約できる、このように実は思っておったのでありますけれども、実際問題として、この仲買いというものを無視して今日取引というものは成り立たないわけですね。全然成り立たないわけであります。そうしますと、この仲買いなるものの性格というものが、中間経費を節約する面からいけば、一般消費者からいえば当然そういうふうに理解できるのだが、しかし、流通取引の中におけることを勘案しますというと、これはまあ仲買いの方が主張せられているように、これは「置クコトヲ得」じゃなくして、必ずなければ市場そのものが成り立たない。現状においてですね。そのいう状態にある。したがって、これを市場そのものの構成要因の中にはっきり明記すべきである、こういうような御意見も出ているわけなんですが、そういう点からいきますと、私は、周辺地市場というものを今考えているようでございますが、これがほんとうに整備されて、魚の場合等においても、生産地から直ちにそういう市場へ行くような形が出てくれば、この築地という集散地市場的な性格というものはだんだん薄れていくだろう。そういうふうにする一つの行き方としては、政府の施策でもとり、周辺地なり何なりの市場というものを整側して信用度も高いものをもってやっていけば、そういうふうな形になるかしらぬが、今の状態でいけば、築地というものの市場の集散地的な性格というものは非常に強いわけでありますから、どうしても仲買いというものが卸売人的性格が非常に強くなるのじゃないか、こういうふうに思うのです。
 先ほど先生も理想の形と現実とは非常にむずかしいと、こうおっしゃるのですが、私もそのとおりだと思います。したがって、この中間経費を節約することから言えば、やはり簡素化、一段階節約する、そのことは望ましいのでありますけれども、実際にあのマンモス化した市場においてこれを否定するということはちょっとできないじゃないか。これは特に魚の場合を取り上げて申し上げたのですが、これは青果の場合においても言い得ることでありまして、現実にこの仲買いというものは卸売的性格を持っておる。そうでないというと、現実の問題、仲買い以外の者がそれじゃ仲買いの行為をやっていないかというと、これはやっておるわけです。小売人が仲買い的な業務をやっている。小売の力のある人が相当まとまった荷を引いて、荷受人からせりで買い受けて、それをさらに力の弱い小売人に荷を分けている。これは小売人という名前でもって仲買いではない。仲買いではないんだが、実際に仲買いの行為をやっておる。それぐらい必要である。そういう点で小売が全部、小売も仲買いも対等の立場でせりに参加できるわけであります、今の規程からいけばできるわけでありますから、それで十分事足りるはずなんですが、現実にはそうじゃない。それはどういうところから来るかというと、やはりこの仲買いというものは荷をせりで落とせば三日以内に現金で支払わなければならない、こういう生産者に対する非常に大きな保護が加えられておるわけですね。したがって現在の荷受けは、これは三日以内に仲買いから金が入ってくるわけですから、その中間期間で小売人というものがこの仲買いというものを利用する。仲買いはやはり相当な資本力といいますか、力がないというとできないような状況になっておる。実際問題として一カ月ぐらい貸し売りになっておるという現状ももちろんあるわけであります。そうしますというと、これは相当規模の市場においては仲買いというものは絶対必要な構成員になってきている。そうでないというと、かえってそれを省略することによるというと、不公正な取引というものが常識からいって認められないようなものがやはり陰に残ってしまう。こういう問題、いわゆる先ほど申しました小売が仲買いの役割をやりながら、なおかつそれが表に出ない、こういうことなんです。そういう問題が起こってくるわけなんです。ですから市場の長い経験の中からそういうものが出てきていますから、そういう取引というものを中央卸売市場法によって近代化して中間経費というものをなるべく少なくしょうというのが趣旨でありますから、したがって、その趣旨はいいんですが、その仲買いということを省略したことによってかえっておかしな不公正な取引が行なわれる、こういう結果にならざるを得ないんじゃないか。そういうような点からいってやはりそれは顕在化して、私ははっきり市場の構成員として監督もし、なにもできる、こういうほうがより合理的でないか、こういうような感じもするのです。したがって、そういうような点からいってこの理論的な面と実際面とで私も非常にこれはどっちのほうに割り切っていいか苦慮しておるところなんですが、非常にむずかしい問題だと思いまして、これについて森委員からの質疑がありまして御答弁もあったのですが、なお、そういう点についてどういうふうにお考えになられるか、お伺いしたいと思います。
#51
○参考人(川野重任君) 先ほど森委員に対するお答えといたしまして、中央卸売市場の機能について私の考え方を申し上げたわけですが、その本質は、やはり生産者、消費者が一堂に集まりまして短期に生鮮食料品についての公正な価格決定を行なうというところに本質がある、こう思うのですが、そのために取引の場所、それから取引の方法等を限定する、さらに手数料を限定する、こういうことになっていると思います。それのあとを受けまして仲買いあるいは小売の問題が出てくるわけでありますが、その場合の流通がいかなる段階を経たらよろしいかということは、その市場の規模ですね、流通の商品の量ですね、そういうものによって私はきまってくるんじゃないか、こんな感じがいたします。したがって、現実にそういう仲買いが経済的な機能を持っている場合にはその地位を明確にすべきであるという御意見ごもっともだと思うのでありますが、ただ問題は、その場合にその仲買いを経ての取引でなければ、必ずその仲買いを経なければ取引ができない、言いかえればせりの参加にそれ以外の者はできないということになりますというと、かえって流通の円滑化を妨げ、流通費の累増を来たすのではないか、純粋に理論的な話しですが、ということでそこのところは仲買いの存在を否定するものでないことは、言うまでもありませんが、同時に必ず置かなければならぬというのもまた逆の意味を持つのではなかろうか、こんな感じがいたします。すべて流通の実態と申しますか、市場の規模並びに商品流通の量のいかんによって経済的にきまってゆくべきものじゃないか、こんな感じがいたします。
#52
○清澤俊英君 さっきあなた、この法案にはまあ賛成である、根本的にひとつ改正してもらいたい、どっちがほんとうなんです。
#53
○参考人(北村宮蔵君) お答えいたします。ただいま清澤先生の御質問でございますが、私といたしましては、先ほど申し上げましたように、三十三年の参議院の委員会における附帯決議、それを私ども六大都市連合会としてはぜひそうしていただきたい、かように考えておるものでございます。しかし、にもかかわらず、この一部の改正に賛成だというのは何か矛盾しやしないかということで御質問ではないかと思いますが、しかし、言ってみますれば、毒にも薬にもならないんじゃないかというふうに考えます。そのうち特にこれは調査会で答申されました審議会の設置というものは、これはもり私ども答申に参加したものでございます、これはけっこうだと。ただ、審議会の今後の運営でございますが、その調査会におきまして相当の問題点が出ました、その問題点はあげて審議会に蔵入りするような形になったわけでございます。本来私どもといたしましては、今回の一部改正でなく、もっと積極的な改正を望んでいたわけでございます。この点につきましては、政府御当局におかれましてももちろんいろいろ時期的な関係等もおありになったことと思いますが、しかし、機会がございますれば、ぜひ全面改正をしていただきたい、かように考えるものであります。
#54
○千田正君 市場問題は長い間の論争を繰り返していますが、私はそばで聞いておって、ただ一点、今まで長い間の歴史があるにかかわらず、一つ骨が抜けておる九じゃないかという点が一つあるんです。それは取引の公正を期するためにいろいろな問題が起きてくるんであって、同時に現在の資本主義の組織の中においては金融機関という裏づけ――取引を行なうためには何かしら公的な金融機関が裏づけにない限りにおいてはそういういろいろな問題が起きてくるんではないか。そこで築地の市場にしましても、あるいは神田の市場にしましても特殊の公的な金融機関が設置されていないじゃないか。今まで、過去においてはそういうために金融の問題で、しょっちゅういろいろな問題が起きておるようであります。これは、公的金融機関は一応必要じゃないかと思うのですが、その点どうかという点を川野さんにお伺いしたい。
 それからこれは局長に聞くのですが、長い間、この委員会で、この問題はいろいろな問題で論議し尽くされておる。それで、先ほどからも根本的改正が必要じゃないかという議論があったようです。私もそう思う。根本的な改正が必要であると同時に、やはりこれは、経済機構の中で考えなければならない。流通経済という問題を本質的に突き詰めていって、究極の問題としては、裏づけになるところの金融というものを、公的なものがある程度サポートするのでなければ、公的な取引ができないじゃないか。たとえば政府金融機関の中央金庫であるとか、あるいはその他の金融機関が仲買人なり、あるいは卸売人なりに対してバックすることによって、公的な取引が行なわれておる。それは衆人環視の上で正しい取引の裏づけになるような金融機関がはっきりしてくれば、そこに不正な取引はあり得ないと、私はそう思うのすが、公的金融機関は、将来の課題として私は考えていただきたい。この点について御意見を伺いたいと思います。
#55
○参考人(川野重任君) 公的取引の推進について必要なる公的金融機関が考えられないかと、こういう御質問でありますが、この点は、調査会におきましても、それほど大きな問題にはならなかった点かと了解いたしておりますが、これは、もちろんあとで御答弁いただけるかと思いますが、局長のほうからお伺いしたほうがよろしいかと思うのでありますが、理屈から申しますと、どうしても、現状からしまして、そのような公的支持が金融的に必要であるとなれば、その機関をどうするかということは別にいたしまして、そのような便宜がはかられるということについては、異存がないはずだと、こう思っております。
#56
○政府委員(坂村吉正君) 千田委員の御質問でございますが、おっしゃるとおり、一つの方向といたしましては、当然そういう方向も考えられるのじゃないかと思うのでございますが、先ほどからいろいろ御意見ございましたように、非常に日常欠くべからざる魚や野菜の取引でございますので、今の実態を非常に混乱させるということは、非常に国民生活に影響があるわけでございます。そういう関係で、卸売人の性格等につきましても、御承知のように、あるいはほんとうに公共的なものというようなことが言い切れないかもしれませんけれども、現状におきましては、できる限り公正な取引ができるように、公共的な性格を持った、そういう観点でいろいろの規制や何かをやっていく、ほんとうに公的機関になりました場合には、あるいは金融についても、あるいはその他の施設についても、何か別途なそういうような措置が必要かもしれませんけれども、現状はそういう状況でございますので、現状の段階において、公的金融をやるということに、はたしてここで踏み切れるかどうか、そういう点は非常に問題であろうと思います。ただ、実態の動きに従いまして、いろいろの公的な施策というようなものもそれに応じまして持っていくということが事態に合うのではあるまいかというような感じがいたします。
#57
○千田正君 私はどうしてこういう質問をするかというと、先ほど北村君の質問にあったと思いますが、いわゆる金を持っている人たちだけが市場を牛耳るのじゃないか、そういう考えがそれが誤解であればなおいいのですが、とかくそういうふうな感じを与える場合が多い。そこで、そういうことに対しての疑問が起きてくる。そこで取り扱い人なら取り扱い人で、公的取り扱い人がちゃんときまっておれば、その裏づけとして政府の金融なり何なりがくっついている。あるいは開設者に対して、東京都なら都に対しても特殊金融というものは市場だけに限って、しかも、生鮮食料品を取り扱うという、そういう都民なら都民の台所を守るという意味から、あるいは生産者を守るという意味からも特殊金融というものははっきりあって、特殊金融にタッチできる荷受人、あるいは仲買人、卸売人というものははっきり登録されておってそうして金には心配なく、生産者と需要者との間の正確な取引が行なわれるということが理想的な方法ではないかというのが私の議論なんです。お考えおき願いたい。今の場合はどうにもならぬというならやむを得ないから、ひとつ課題として御研究願いたいと思います。
#58
○清澤俊英君 局長はだいぶこの法案を通すのにせいておられるようですけれども、今問題にしておりますとおり、非常に事は重大で、めんどうだと思いますから、あまりせかぬで下さい。慎重審議してもらいたい。
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#59
○委員長(仲原善一君) この際、委員の異動について御報告いたします。先刻秋山俊一郎君が辞任され、その補欠として、鍋島直紹君が選任されました。
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#60
○委員長(仲原善一君) 他に御質疑もなければ、本案について参考人から御意見を求めることは、これをもって終わります。
 参考人の各位におかれましては、長時間にわたり、御意見を述べていただき、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。
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#61
○委員長(仲原善一君) それでは引き続き本案に対する質疑を行ないます。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
 他に御発言もなければ、本日はこの程度にいたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後零時三十七分散会
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ソース: 国立国会図書館
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