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1961/10/17 第39回国会 参議院 参議院会議録情報 第039回国会 内閣委員会 第6号
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1961/10/17 第39回国会 参議院

参議院会議録情報 第039回国会 内閣委員会 第6号

#1
第039回国会 内閣委員会 第6号
昭和三十六年十月十七日(火曜日)
   午前十時四十六分開会
   ――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     大谷藤之助君
   理 事
           塩見 俊二君
           鶴園 哲夫君
           山本伊三郎君
   委 員
           石原幹市郎君
           上原 正吉君
           木村篤太郎君
           下村  定君
           吉江 勝保君
           伊藤 顕道君
           千葉  信君
           松本治一郎君
           赤松 常子君
           高瀬荘太郎君
  国務大臣
   建 設 大 臣 中村 梅吉君
   国 務 大 臣 藤枝 泉介君
  政府委員
   防衛庁経理局長 木村 秀弘君
   調達庁長官   林  一夫君
   調達庁総務部長 大石 孝章君
   調達庁不動産部
   長       沼尻 元一君
   農林政務次官  中野 文門君
   農林大臣官房長 昌谷  孝君
   農林水産技術会
   議事務局長   増田  盛君
   建設大臣官房長 鬼丸 勝之君
   自治省行政局長 藤井 貞夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       伊藤  清君
  説明員
   人事院事務総局
   公平局長    小林  巌君
   ――――――――――
  本日の会議に付した案件
○建設省設置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出)
○農林省設置法の一部を改正する法律
 案(第三十八回国会内閣提出、衆議
 院送付)(継続案件)
○国家行政組織及び国家公務員制度等
 に関する調査
 (公務員の定員に関する件)
 (調達庁の機構に関する件)
○国の防衛に関する調査
 (太田大泉飛行場の返還問題に関す
 る件)
 (自衛隊術科学校の拡張問題に関す
 る件)
   ――――――――――
#2
○委員長(大谷藤之助君) これより内閣委員会を開会いたします。
 建設省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、すでに質疑を終局いたしておりますので、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#3
○山本伊三郎君 建設省設置法の一部を改正する法律案について、賛成の立場で若干意見を申し述べたいと思います。
 本法律案は、第三十八国会において相当審議を尽くされたことは事実であります。まあ不幸にして衆議院段階でこれが流産したのでありますが、その後建設省関係の業務に相当ウエートの変化が出てきておるのじゃないかと思うのです。と申しますのは、本年六月から引き続いて、梅雨前線、あるいは集中豪雨、第二室戸台風、あるいは第二十四号台風ということで、非常に建設省関係で問題があると思う。ことに重なる災害について、砂防関係の問題で非常に問題になってきておると思う。実は、私これに対して、建設大臣に対して質問としてやりたいのですが、常に当委員会においては質問を打ち切られておる。こういうことで、残念ながら大臣の答弁を得られないのは非常に残念でありますが、これに対して相当決意をもって、時期を得て表明してもらいたい。この台風関係においては非常な問題点がたくさんあります。まあしかし、ここで意見の中で言ったところで、これはもうすでに済んだものだと思いますので言いませんけれども、第二室戸台風におきましても、非常に問題がございます。すでに建設大臣もご存じだと思いますが、大阪を視察された場合、当然府県が管理すべき河川においても、これが民間にゆだねられておるために大災害を起こしております。それに対しても相当問題があると思う。それについても、建設省としてもよき行政指導というものがあるべきだと思うのですが、こういう点についても相当問題があると思う。先ほど申し上げました砂防関係においては、これは十分検討すべき問題であるが、これに対して建設省当局も相当意見を持っておられると思う。こういう点を十分考えることによって本案に賛成の意見を申し述べる次第であります。
 以上であります。
#4
○委員長(大谷藤之助君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。建設省設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#6
○委員長(大谷藤之助君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 次に、中村建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。
#8
○国務大臣(中村梅吉君) ただいま討論の中でお触れになりました砂防の重要性につきましては、私どももかねてから考慮をいたしておりました点でございますが、特に最近の豪雨災害等の実態にかんがみまして、砂防行政を強化する必要を痛感いたしておりまする次第で、かような観点から、砂防行政部局の拡充強化につきましては、建設省といたしまして、明年度予算編成に際しましては、ぜひともこれが実現をはかるべく、最善の努力をいたしたいと考えております。どうぞ御了承いただきたいと思います。どうもありがとうございました。
   ――――――――――
#9
○委員長(大谷藤之助君) 次に、農林省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。前回に引き続いて質疑を行ないます。
 政府側出席の方々は、中野農林政務次官――ただいま中野農林政務次官は農林水産委で発言中でございますから、発言が終わりましたらすぐこちらへ参ります。昌谷官房長、増田農林水産技術会議事務局長、以上の方々であります。ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#10
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。
 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#11
○政府委員(中野文門君) 十月十二日に、当委員会におきまして鶴園委員から御質疑のございました点につきまして、この際お答え申し上げたいと思います。
 まず、農林水産技術会議は、試験研究の調査のみならず、対外的な助成事務を行なうこととなっているから、合議制の付属機関とはせずに、行政部局とすべきではないかという点について申し上げます。
 農林水産技術会議は、農林畜水産業及び農山漁家の生活に関する試験研究の基本的な計画の企画及び立案と、試験研究相互間及び試験研究と行政部局の事務の調整を主たる任務とするものでありますから、独任制の機関よりも合議制の機関のほうが適当であり、また、他の行政部局と並列的な関係に置くよりも、別の系列の機関としたほうが適当でありますので、これを付属機関として置いているのであります。また、技術会議は、試験研究の調整等のほか、試験研究を行なう者に対する助成に関する事務も行なうことになっておりますが、これは試験研究の調整と密接な関連があることを考慮して、あわせ行なわせることとしたのであります。
 なお、国家行政組織法は、行政機関たる省の内部組織についても基準を定めておりますが、その内部組織をどのようにするかは、それぞれの組織に所掌させるべき事務の種類、性格等を彼此勘案の上定めらるべきものでありまして、農林省において技術会議を付属機関としていることは、国家行政組織法上も容認されるところであります。
 次に、非常勤の委員の合議制の機関に人事管理を行なわせるのは不適当ではないかという点について申し上げます。
 農林省の試験研究機関の職員の人事権は農林大臣にあり、人事に関する事務は、設置法上、大臣官房の所掌とされておりまして、技術会議は、内部部局その他の機関と同様に、その管轄下にある職員の人事について、事実上の補佐を行なっているにすぎないのであります。この点につきましては、別に非常勤の会長及び委員からなる機関だからといって、特に不適当だということはないのであります。しかし、現在の技術会議の運営といたしましては、会議の決定により、人事に関し事実上の補佐を行なうことは、会長に包括的に一任しております。なお、国家公務員法上認められている人事権の委任につきましては、これを非常勤の会長にゆだねることは適当でないと思いますので、現に下級職員の任命権の委任は、技術会議事務局長にしているのであります。
 以上御答弁申し上げます。
#12
○鶴園哲夫君 ただいま、先回延びておりました答弁があったのでありますが、どうもすっきりのみ込めない点もありますし、また、理解のいきかねる点もある。それで、どうも私は、技術会議を外局にせいというような発言はいたしてないわけでありまして、どうもこの技術会議は、行政組織法からいいまして種々疑問がある、問題があるんでないかというふうに申し上げておるわけです。で、予算の執行なり、あるいは人事の問題なり、それから先ほども政務次官のお話にありました外部に対しますところの補助金の交付なりというような点から見ましても、部局と同じような性格のものではないかという気がするわけであります。事実、また私は先般も申し上げたのでありますが、当初農林省が出しました試験研究機関の根本的刷新という要綱によりますと、技術会議は明らかに行政部局というふうに扱っているわけでありまして、「行政部局(農林水産技術会議)」というような言葉を使っておるわけであります。また、農林省の文書管理規則、それから農林省の会計経理規則、こういうようなものを見ましても、行政部局と全く同じような取り扱いをいたしておるわけであります。決して付属機関とか、あるいは何か内部の業務を調整する、そういうようなものとしては取り扱われていない。たとえば農林省の文書管理規則なんかを見ますと、明らかに内部部局と並列されておる。しかも、内部局、外局に共通という中に農林水産技術会議も取り扱われておりますし、また、人事の問題につきまして、局と全く同じじゃないか、五等以下につきましては技術会議にまかしてある、それ以上の人事の問題については補佐の機能を果たすというようなことでありますから、どうも行政部局と同じような性格のものではないか。しかし、実質上はそうでありまするが、形式上は、やはり農林省設置法で明らかに付属機関という規定をしてあるわけです。ですから、今おっしゃったようなことではなかなか納得がいきにくいのでありますが、しかし、せっかく今政務次官の御答弁でもございますので、今の御答弁を一つ文書でいただきまして、私のほうで重ねて検討をいたしまして、次の機会にこの問題についての重ねての御質問を申し上げたい、こういうふうに思っております。
#13
○政府委員(中野文門君) それでは手元にありますただいま私の申し上げました見解を、文書で直ちにお手元に差し上げますから、どうぞ十分御検討の上、御了解を賜わりたいと思います。
#14
○千葉信君 今の会議の御答弁の要旨をそのまま文書でお出し願うことと、もう一つは、今お話を聞いておりますと、付属機関としての性格もはっきりしてきておりますし、国家行政組織法上から言うと、行政事務を担当するそういう会議と、行政事務を担当しない付属機関の場合とはっきり区別されている。その点が今の御答弁ではすこぶるあいまいもこで、一方的に国家行政組織法上に抵触しないなどということを言っておられますけれども、どうも私は抵触する傾向がある問題だと思う。その文書をお出し願うと同時に、その会議の設置に至りました政令があると思いますから、その政令の写しを同時にお出し願って、次の機会に審議したいと思います。よろしゅうございますか。
#15
○政府委員(中野文門君) 了承いたしました。
#16
○鶴園哲夫君 ただいまの農林水産技術会議が取り扱う人事の問題につきまして伺いたいのでありますが、五等以下の職員につきましては、内部行政部局あるいは外局と同じように技術会議にある。しかも、それは事務局長が持っておられる。そして五等以上の者につきましては先回答弁があったのですが、合議制でありますこの委員会の議を経て、会長が農林大臣を補佐する、こういう内容になっているわけです。私は、これは二つ問題があるように思うのであります。この委員会の議を経てというのにも問題があるように思いますが、これは一応おきまして、人事を二つに分けているという点に一つ問題があると思う。内部行政部局の場合におきましては、同じ局長が五等以下の人たちについては委任を受けている。しかも、同じ局長が五等以上の人たちについては大臣に対する補佐をする、こういう形になっているわけですね。ところが、技術会議におきましては、これが二つに分かれている点が一つどうもすっきりしない。もう一つは、そういうふうに二つに分けることによって、一体一貫した人事上の補佐ができるのかどうか。事務局長は五等以下の人たちについて委任を受けて執行する、それで五等以上の人たちにつきましては、技術会議の委員会の議を経て会長が農林大臣に対する補佐をするというのでありますから、これではどうも一貫した人事行政というものは行ない得ないのではないかという疑問を持つわけですし、なお、これに関連いたしまして、試験研究機関の五等以下の人たちといいますと、おそらく試験研究機関に従事する七〇%近い人たちだと思うのです。その人事を事務局長がおやりになるというのなら、これは試験研究機関にとってはたいへんな重要な問題でありますから、当然委員会の議を経た会長にあるべきじゃないだろうかという気もするわけですね。ですが、そのほうがいいということになりますと、今度は、実は四年任期、非常勤の委員の合議制のものが人事を取り扱う、それがいいかどうかという矛盾に逢着をする。どうものがれる道がないように思うのです。ですから、そこら辺の人事の問題につきましてどういうふうに解釈をしておられるか、聞きたいと思います。
#17
○政府委員(昌谷孝君) ただいまお尋ねの点につきましては、実は先ほど政務次官が申し上げましたことにも触れておりますが、一般的に申しまして、人事権が農林大臣にあることは、研究機関であると他の行政の部局であるとを問わず、共通の問題でございます。内部部局であれ、あるいは外局であれ、あるいは技術会議であれ、そういった農林大臣の持っております人事権限の事実上の補佐行為をやるという意味においても選ぶところがないわけでございます。そういう内部的な補佐行為、事実上の行為といたしまして大臣を助けていただくということになりますと、技術会議という機関がそういう補佐行為をなされるわけでございますので、それは先ほどお話のように、技術会議は合議制の機関でございますから、合議制の機関たる技術会議がそういう事実上の補佐行為を担当いたすわけでございます。ただ、便宜の問題で、御質問にもありましたように、委員会がその面の補佐行為について、会長に内部運営の問題としてそういうことをおまかせしておる、そういう建前になっております。
 それから、それと別の問題といたしまして、農林大臣の持っております人事権と申しますか、任命権を、国家公務員法の規定が認めておる範囲内におきまして、農林大臣が自分の支配下にあります職員に委任することがあるわけでございます。それは内部部局の場合には、そういった内部部局の長たる職員に、そういう一部下級職員の人事の委任をやっております。これは農林大臣の権限の委任でございます。試験研究機関、あるいは技術会議の職員につきましては、その委任をだれに委任するかの問題でございます。先ほど政務次官もお触れになりましたように、そういった種類の問題を、非常勤の会長または委員に委任することは適切でなかろうという御判断のもとに、技術会議の事務局長に――これは当然農林省の職員でございますから、技術会議の事務局長に、五等以下の職員の人事について農林大臣が権限の委任をやっておる。それはほかの局の場合には、局長が委任を受けている場合が通例でございますが、技術会議の場合には事務局長に委任いたしておる、そういうようなわけ合いになります。
#18
○鶴園哲夫君 官房長は、今事実をお述べになったわけですが、私伺っているのは、事実は百も承知をいたしておるわけでありまして、その事実の上に立ちまして、技術会議の農林大臣に対するところの人事の補佐というものが二元的になっていないかという点を伺っているわけです。二元的というのは、五等以下につきましては事務局長が委任を受けている。それ以上の者につきましては、委員会の議を経て会長が農林大臣の補佐の役を果たす。行政部局なり外局におきましては、御承知のとおりに、一人の長官なり、あるいは局長が果たす役割りを二つに割っておられる。しかも、その二つに割られます場合に、一つは独任制の局長、一つは合議制の会長という二つに割っておられるから、重要な試験研究機関の人事の問題について二元的になっておるのじゃないか、一括した補佐ができないのじゃないかという点を一つ伺っておるし、もう一点は、五等以下の人事というのは、先ほど申しましたように、試験研究機関に属する職員のおそらく七割近くを占めるのではないだろうか。そういたしますと、これは非常に重要な試験研究上の問題であります。その重要な問題を、どういうわけで技術会議の委員会の議を経た会長におまかせにならないのだろうかということを疑問に持つわけです。その場合には会長ははずしてしまうというのではおかしいのではないかという点を伺っているわけです。
#19
○政府委員(昌谷孝君) 最初の、研究機関の人事についての補佐が、会長によってと申しますか、技術会議という機関が事実上の補佐行為をやる、それから五等級以下の人事の任命権が技術会議事務局長という特定の職員に委任をされておるという関係でございますが、そういった委任をいたしております範囲の人事行政は、御承知のように、本来は直接農林大臣が他の上級の職員と同様処理をしてやって参っておったわけであります。しかし、事務処理の迅速化とかいう点から申しまして、事務手続に類するようなことも多いわけでございますので、そういったことは、事務処理の迅速化という点から、職員に農林大臣が委任をいたす。したがいまして、委任をいたします場合については、基本的な人事管理についての方針なり、御懸念のような一本で矛盾なく運用したほうがよろしいような基本線につきましては、本来の任命権者たる農林大臣のほうから指示をいたしておりますし、また、必要な指示を随時行なう権限を留保いたしておりますので、そういった事実上の補佐ということと人事の委任ということとの間に、技術会議の場合に、ややそういった二つに分かれておるという御指摘の点は、人格的にはまさに御指摘のとおりかもしれませんが、そこはただいま申しましたような委任の際の指示、あるいはそのつどの指示権の保留ということによって支障なく運営ができておるわけであります。
 それからもう一点、今申し上げましたことで第二点にも及んでいるかと思いますが、五等級以下の人事につきましては、先ほど冒頭に申し上げましたような趣旨で、実は昨年から委任をいたしたわけでございます。先ほどの私の御説明の中でも触れましたとおりに、委任の内容といたしましては、先ほどのような基本的な方針につきましては指示をいたしておりますし、また、必要な指示を農林大臣からいたすべきことの保留もして委任をいたしておりますので、扱います人数から申しますと、かなりの人数になります。しかし、その点は支障がないと思いますし、また、従前直接やっておりましたときもそうでございましたし、内部部局の長が事実上の補佐をして、下級職員の人事まで一括農林大臣が直接任命をいたしました当時も、内部部局の長が事実上の補佐をいたしますほか、それぞれの付属機関の長等も、試験研究機関等の長も、事実上の補佐を内部部局の長に対してはやっておる事情にあることは御承知のとおりでございますが、技術会議の事務局長にそういった委任が行なわれました後におきましても、それぞれの職員の所属いたします試験研究機関の長、その他適切なる管理者が事実上の補佐行為をやっております。そういうことで事務を取り進めておりますので、御懸念のような不安は除去できるというように考えております。
#20
○鶴園哲夫君 この農林水産技術会議というのが、今回非常に権限を強化いたしまして、その権限を強化した前提に立って農林省の試験研究機関の総合集中化、あるいは中央、地方を通じました根本的な再編成というものをやっておるわけでありまして、したがって、この技術会議というものの権能強化というものが大前提になっております。若干こまかく入り過ぎるきらいもあるかと思いますが、しかし、この試験研究機関に従事しているたくさんの人たちの人事上の問題につきまして問題でありますので、もう少し――今のお話では、大臣が、人事権につきましては、指示権なり、あるいはそういったものを留保しているという立場からの御説明になっておると思いますが、しかし、これは言うまでもなく、外局長官に対しましても、各内部部局の局長に対しましても、それぞれ大臣は指示権とか、こういうものについては留保をいたしておるわけであります。それが農林水産技術会議であろうとほかの部局であろうと、全く差はない。その前提に立って、先ほども申し上げたように、二元論になっていはしないかということを私は申し上げておる。つまり外局でありますと、あるいは内部部局でありますと、局長が五等以下の者については委任を受け、それ以上の者については局長が農林大臣に対して補佐をする。ところが、農林水産技術会議は、独任制の局長が五等以下についてはやるが、それ以上については性格が違う合議制の機関がやる、こういうことでありますから、そこの点に一貫性を欠いたものがあるし、おかしいじゃないか。それは指示権があるからどうだこうだといわれるが、それは説明にならぬのじゃないか。それは外局だって内部部局だってもちろん同じだから、ならぬのじゃないか。しかも、こういうような重要な人事上の問題について、どういうわけで技術会議の会長におまかせにならないのかというふうにも思っておる。しかし、これはまかせるというとおかしな話になるわけであって、四年の任期の非常勤の合議制の会長に、終身公務員の人事権を大臣がまかすことになるという矛盾に逢着するということになろうと思うわけです。しかし、単に人事上の問題だけでなくて、技術会議のすべての面について私はこういうことが言えると思って、行政組織上問題があるのじゃないかという点を申し上げておるわけですが、今の人事の問題に限りまして、今の官房長の御答弁ではなかなか納得がいきにくいわけですが、もう一ぺん御答弁をいただいて、なお不十分でございますれば、農林大臣にあらためてこの問題について伺ってもいいと思っておりますけれども、私今申し上げた点について、もう一ぺん一つ御答弁を願いたいと思います。
#21
○政府委員(昌谷孝君) 農林大臣の行ないます人事行政の事実上の補佐機関として、試験研究機関の場合、技術会議という合議制の機関がそれを担当する。したがって、それを何と申しますか、合議制でやる本来のものを、内部の運営の問題として会長にやってもらう。また、事の軽微なものは事務局長に会長がさらにゆだねておるという、事実上の補佐行為の系列の問題は先ほど申しましたとおりでございますが、その結果、一方で行なわれております五等級以下の職員の任命権、農林大臣の権限を部下の職員たる技術会議の事務局長に委任していることとの関係にそごがないかという御指摘だと思います。その点につきましては、技術会議の事務局長は、事実上の補佐機関としての最終責任――形式的な責任者としてはもちろん会長であり、技術会議という機関でございますけれども、技術会議の事務局長は、その内部組織の問題としては、そういう農林大臣に事実上の補佐行為をなさいます会長を、さらに内部の問題としては補佐をしておる責任者でございます。その意味におきまして、同じ事務局長が、一方は直接大臣から委任を受けて五等級以下の任命権を行使し、それから一方は、機関が行なっております補佐行為の実質上の補助者として、会長を助けてやっておるわけでございます。その意味では、確かに御指摘のように、形式的に申しますと、一方は会長あるいは委員、あるいは単独官たる事務局長であるという点で御指摘のありました点はわかるのでありますけれども、実際問題としては、今申しましたような関係におきましては、事務局長が、一方では事実上の補佐行為の補佐者としての事務局長としてその会長の行なう補佐に参画をし、一方は、大臣からの委任を受けました人事権の行使者としての責任を負うという体制でやっておりますので、事実上も実質上も、そういう御懸念の点はなく運用ができております。また、今後もそれで支障なく運用いたすことが可能でございますというふうに申し上げておるわけであります。
#22
○鶴園哲夫君 繰り返しになりますのも恐縮でございますので、今の点につきまして、人事の直接の責任者であります農林大臣にこの点を一つはっきり御答弁をいただきたいというふうに思っております。
 次の質問に移りたいと思いますが、先回、農林大臣に御質問をいたしましたときに答弁があったのでございますけれども、少しばかり不足をいたしておりますので、もう一ぺん伺いたい点があります。それは研究管理協議会というものを当初はお作りになる予定だったのですが、これがどうも国家行政組織法上、法律で作らなければ問題がありますし、また、これは付属機関に作れる問題でもありませんのでおやめになった、そうして農林大臣は、そういうものは置かないのだ、常設としては置かない、しかし、必要があるとき、あるいは問題があれば集まってやるということがあるのだというお話だったわけです。そこで私は、そういうのが研究管理協議会というものになるのじゃないかというふうに思うのです。思うのですが、これは月一回とか月二回とか集まってやるのですから、どうもこれが研究管理協議会というものじゃないかというふうに思うのですけれども、しかし、大臣がそういうものを作らぬというお話でありますので、続いて、一体それはどういうような運営をなさるのか、どういう人たちが集まってやられるのか、伺いたいと思います。
#23
○政府委員(増田盛君) 研究管理協議会に関しましては、前回大臣から御答弁があった通りでございます。で、この問題は、実際的に技術会議が研究管理を運営する場合のやり方に関係してくるわけであります。すなわち、技術会議の構成メンバーは、最高の学識経験者をそろえているわけでございまして、その点に関しまして、六人制の機関よりもはるかに広範な、慎重な、あるいは公正な審議が行なわれているわけでございます。しかしながら、やはり会議の所掌する試験研究業務に関しましては、きわめて専門的な事項がございます。したがいまして、そういう事項に際しましては、外部の人の意見を聞く場合があるわけであります。しかし、それを一定のきまった人によって実は定期的に開く方法をとるか、あるいは随時いろいろそのつど必要な口にお集まりを願って御意見を拝聴するか、これはいろいろあるわけでありまして、この点に関しまして、私どもといたしましては、一般的にはそのときどきに専門にひいでた方々にお集まり願って御意見を聞くということで足りるのじゃないか。そして、これをやる場合におきましても、実は技術会議には、委員のほかに、政令によりまして専門委員を置くことができることになっておりまして、現在専門委員の制度があるわけでございます。この方法で、やはりそれぞれ専門分野の学識経験者が任命されているわけでありまして、通常のいろいろな業務に関しましていろいろ参画していただく場合には、この専門委員をもって足りることが多いわけでございます。したがって、そういう点から常設的な研究管理協議会というものを置くということは考えていないのであります。
#24
○鶴園哲夫君 これは研究を常時するという人たち、あるいは試験研究機関に大きな影響があるというふうに思っておりますが、この専門委員というものによってそういうような役割を果たせるというお話でありますが、そうしますと、この政令による専門委員というのは、任務がどうも拡大するように思うのですけれども、専門委員というのは、御存じのように、専門の事項を調査することなのですが、調査するという内容に入るのですか。調査というとばく然としていますけれども、一体そういうことができるのですか、専門委員というのは。あるいはまた専門委員によってそういうような重要な問題を処理できるのかなという気がするのです。やはり設けなければまずいのじゃないですか。研究管理協議会というものを作って、恒常的に置いて、試験研究というのは一年や二年で終わるわけじゃありませんね、非常に多岐にわたっております。また、長い間にわたる研究でありますから、それを始終ながめておる、あるいは検討しておる、あるいは見つめておるという人でなければ、その場の持ち合わせの知識で研究管理についての妥当性を判断でき、あるいは会長なり委員会の諮問みたいなものに応ぜられるということはむずかしいのじゃないかと思うのですがね。専門委員で足りるのかどうか、やはり設けなければまずいのじゃないかという気がするのですけれども、そこら辺の点を一つ。
#25
○政府委員(増田盛君) 御存じのとおり、専門的な事項に関しましては、本来、試験研究機関の内部におきまして、特に農林水産関係につきましては、非常な専門家なり技術家が多いわけであります。重ねて専門委員に調査を願うということが必要な場合もあるわけでありまして、大体通常の運営はこれで足りるだろうと思うのであります。そして特に専門的な事項に関しましてやはり御意見を伺うという必要がある場合には、そのつどそれだけの専門の力にお集まり願って、個々に意見を聞くという運営で私は足りるのではないかと思うわけであります。
#26
○千葉信君 関連。今論議されている問題は、どうも農林省当局の答弁を聞いていますと、国家行政組織法そのものに対して、観念の混乱を初めから持っているという印象を受けるのですが、私は、この問題についての質問は、さっき政務次官に要求した文書による農林省の見解と、それからこの農林水産技術会議に関する政令とを文書で出してもらってから、正式にその条文等に基づいて、あとで審議をするつもりですが、私は、この際、この問題について農林省当局は、もっとはっきりわれわれにわかるような答弁をするように、国家行政組織法第三条及び第八条との関係等について的確な答弁ができるような用意をしてきてもらいたい。さっきから、たとえば人事の問題等についても、これでやれますよと言いますけれども、聞いているほうは一向納得のできない答弁ばかり受ける。で、農林当局に申し上げておきますが、その行政組織法によると、行政を担当する委員会、これははっきりその行政を担当する委員会はどこの外局としてどれだけ置くかということについては、行政組織法の別表第一に全部明記してあります。ところが、この技術会議の関係は、その別表にも載っておらない。外局ではないという観念で、内局という格好で一方では考えている。そして内部部局の行政を担当する機関だという観念で、この技術会議の各条章には、行政事務をそれぞれ分掌事項として記載されている。そして一方は、その設置の仕方なり、たとえば委員とか会長の選任の仕方は、行政組織法の第八条関係の規定を引用してあるわけなんです。それだから非常勤の会長なんかを作ってみたりして、そのために人事行政上の混乱がたちまちその内部で起こってくる。つまり今政府の持っている機関の中に、こういう国家行政組織法の第三条と第八条との混乱をしている組織というのは、農林省のこの農林水産技術会議と、それから総理府にある中央青少年問題協議会、この二つがあるわけです。これはやはり国の行政組織上、こういう混乱した組織については、それが発見されたら、法律に適合するようにそれを変えなきゃならん。それを今のような質疑応答をやっていては、いつまでたってもこれははっきりした結論が出ませんから、私は、さっき申し上げたその文書による農林省の見解なり政令のプリントをもらってから、次の機会にこの委員会等で質問をしますが、あなたたちも、ひとつ大臣の補佐をする上に、われわれの納得できないような、筋の通らない、法律上も混乱しておるような考え方で答弁しないように、この次の委員会まではっきり研究してきて下さい。これは私は申し上げておきます。この問題についての質問は保留いたします。大臣がお見えになってからやります。このままじゃいつまでたっても問題はすっきり解明できません。委員長、ひとつ議事進行にも関係がありますから、そのように取り計らっていただきたい。
#27
○政府委員(昌谷孝君) 必要な資料をお届けした上で、あらためて御審議いただくわけですが、念のため補足的に申し上げておきたいと思います。
 私ども農林省にあります技術会議は、明らかに第八条に定められておる機関だというふうに承知いたしております。第八条の機関であって、農林省の所掌に属するところの試験研究に関する部分がそこに分掌させられておるというふうに理解いたしておるわけで、決して第三条との関係の混淆を来たしておるとは考えておりません。いずれ御要求の資料等を整えました上で、あらためて御審議いただきたいと思います。
#28
○委員長(大谷藤之助君) ただいまの千葉君の質疑に関連しまして、鶴園君から先ほど要求があった資料だけでは十分でないと思います。したがって、官房長のほうで、千葉君の質問にも関連しまして、必要な説明資料をひとつ用意していただきまして、次回の適当なときに農林大臣の出席もひとつ求めて質疑を続けたいと思います。
#29
○鶴園哲夫君 次に伺いたいのは、これも今の付属機関と行政部局との矛盾から生まれてくる問題なんですけれども、ここでひとつ伺っておきたいと思いますが、御存じのように、今回試験研究機関の総合統一というために技術会議の権限を非常に強化されたわけでありますが、そのために振興局にある研究部長がなくなるわけです。これは法律で置いた部長でありますが、この法律で置いてある部長がなくなりまして、かわって技術会議に省令で設けるところの、部長と同じ研究参事官というものができます。ですから、農林省は、法律で設けた部長を一つ惜しげもなく捨てて、政令ではなくて、省令で設ける研究参事官というものを置かれることになっている。それから、同じく振興局にありますところの、政令で設けた研究企画官ですか、これがなくなる。そうしてこれは省令で今度は研究企画官というものを置かれる。それから振興局に政令で設けてあります課がなくなって、そのかわりに今度は技術会議に省令で課を置かれる、こういうことになるのですが、一体こういうことを研究者は承知しておるのか。法律で設けた部長は惜しげもなく捨てちゃって、今法律で部長を設けることはたいへんです。それを省令で部長に類似した参事官を置く、あるいは政令で課長を置くのはたいへんです、課をふやすのはたいへんです。それを省令で課を置く、課長を置く、こういうようなことを一体研究者は承知しておるのか、その点を伺いたい。
 もう一つ伺いたい点は、今の法律で設けた部長と同じ待遇のもの、同じ身分的なものが省令で置けるということ、課長は政令で置いてありますが、それをなくしてしまって、省令で課長を置く、それは同じ待遇だ、場合によると同一人が行く場合があると思いますが、あるいは研究企画官にいたしましても政令で置いてあるが、今度は法律で置く、この取り扱いは全く同じ取り扱いで行なわれるのかどうか。全く同じに取り扱われるとしますと、次に問題になりますのは、農林省の行政組織としてこういうものを置くことによって混乱しないか。法律の部長と省令の部長みたいなものと同じだ、政令の課長というものと省令の課長というものと同じだ、あるいは政令の研究企画官と省令の研究企画官と同じだ、こういうことは農林省の行政組織上混乱がないか、この三つにつきまして伺っておきたいと思います。
#30
○政府委員(昌谷孝君) 先ほど申し上げましたとおり、現在の設置法上もそうでありますし、今回お願いしております改正におきましても、その関係の性格は同様でございますが、農林水産技術会議は、国家組織法の第八条で定めております「その他の機関」ということで、農林省設置法のほうで第十三条以下付属機関の章の冒頭に規定をいたしていることは御承知のとおりであります。確かに内部部局の部あるいは課と、それから付属機関の内部に置かれます部なり課なりとは、政令あるいは省令といったように、扱いが従来でも違っておりまして、今後も性格が同じでございますから、扱いとしては御指摘のとおりにいたす所存でございます。そのことは、一々当事者に私確かめたわけではございませんけれども、技術会議も発足しましてからすでに相当の日時がたっておりますし、御懸念のようなことなく、十分関係者はそういった点も検討の中に入れて、相当長期間にわたって研究を重ねて、こういう組織が研究者のために一番工合がいいという結論に立たれたわけであります。関係者がそういった点の誤解に基づいて動いているというようなことは、万ないものと信じております。国家公務員としての待遇その他の点につきましては、別段変わったことはございません。
 それから、何と申しますか、いわゆる外局または内局の組織と、それから広義の付属機関たる技術会議の組織との間に、組織原理上そういう差があるということは、一つの現在の制度上の仕組みと申しますか、そういうことにわれわれは前からなじんでおりますので、御懸念のような混乱等は感じておらないわけでございます。
#31
○鶴園哲夫君 行政組織上、国家行政組織法八条にいいます付属機関でありますからして、当然課長とか部長とかいうのは、これは省令で置かれる。しかし、その省令で置いた部長に類似する者、要するに研究参事官、あるいは課長に類似する研究企画官なり、あるいは課長というものは、法律で設けた部長なり、あるいは政令で設けたもの等と同じ取り扱いを受けるということは、これはやはり農林省の組織上は混乱が起きているのじゃないか。ここだけですよ、技術会議だけです、そういう取り扱いを受けているのは。あとはないです。混乱が生ずるのじゃないか。同じ待遇をやられるというのですが、将来これをくずされるというお気持はないのですか。くずれていくと私は思うが、くずれることはないか、その点お伺いします。
#32
○政府委員(昌谷孝君) 御指摘の点は、前々からの御質疑にも関係があるわけだろうと存ずるわけでありますが、何と申しますか、第八条の機関と申しましても、それの機関の性格なり、あるいは内容なり、どういう仕事をやるかというようなことは、それぞれ法令の定めたところによっておのずから決定をして参るものと私どもは考えているのであります。したがいまして、およそ第八条の機関あるいは付属機関という名称の中に入ったからといって、その入ったことによって、何か当然にその内部部局と色分けのつくそういう名前だけで、機関としての性格が一つの条件付と申しますか、拘束を受けるというものではないように私どもは理解をしております。そこで、その八条で設けられました機関の性格なり内容なり、あるいはそこに従事する職員の処遇なりといったようなものは、具体的な当該機関の任務、性格その他が法令によって定められてき、また、それらに相当する他の諸機関との均衡等を彼此勘案をされた上でおのずからきまってくるものだと思っております。そこで、技術会議は、職員の格づけその他処遇の点につきましては、実質的には第三条の機関とあまり変わらない性格を多分に持っておることも事実でございます。そういった面からいいまして、技術会議以外の他の付属機関とは、おのずから違った人事上、あるいはその他の制度上の処遇を受けるということも当然あることだと私どもは考えております。第八条の機関になったというために、何か一律に在来の付属機関と同様の処遇を受けなければいけないようになってしまったというふうな性格のものではないというふうに私どもは八条を理解しておりますので、御懸念の点は、将来にわたって技術会議が現在持っております機能が変わって参らない限りは、現在の技術会議についてとっております職員の身分上の問題、その他一般は継続し得るものでございます。また、継続しなければいけないものだというふうに考えるわけであります。
#33
○鶴園哲夫君 省令で課長が置かれるわけですが、その省令で置かれる課長というのが、内部部局の政令で置いた課長と全く同じ取り扱いである、将来とも変わらないというお話であります。けっこうでありますが、ただ、私申し上げておきたいのは、省令で設けた課長というのは、これは食糧事務所の出先の課長と同じであります。これは省令で設けてある。そういうような取り扱いに陥るおそれはないかという心配をしておるものですから伺ったんですが、そういう心配はないというんですが、私は、理屈上からいって、そういうような内部からの批判というものが出てくるのじゃないか、今はともかくとしまして、そういう点を懸念いたしておりますので、その点について変わらぬというお話でありますので、この点についての質問を終わりますが、ただ、農林省はたいへん気前のいいところだという話があることだけは申し上げておきたいと思います。政令の部長を平気で捨てる、今、部長を置くなんということはたいへんなことなんだ、あるいは政令で課長を置くなんということはたいへんなことなんですが、惜しげもなく捨てる気前のいいところだという話があることだけは、ひとつここで申し上げたいと思います。
 次に、今度は少し方向を変えまして伺いたいのですが、それはこの試験研究機関の旅費の問題であります。私は、もっと大きな立場から、試験研究設備の近代化なり、あるいは高度化なり、あるいは研究費の増額なり、あるいは旅費の問題等を取り上げたいのでありますけれども、時間の関係もありますので、ごく簡略にこの点について伺いたいのであります。御承知のように、試験研究機関の旅費の問題が、たいへん各試験場におります研究者たちの注目を浴びたわけでありますが、それは昨年の一月一日に、国家公務員法の八十六条によりまして、四国の農業試験場の組合が、旅費が不足している、そのために違法な内部規則を作って旅費を節約しているので、これについて人事院に対して行政措置要求を提出をした。その人事院の判定が六月十二日に入江人事院総裁から出たのであります。この点につきまして伺いたいのでありますが、この人事院総裁の判定を見ますというと、四国の農業試験場の旅費というものは非常に不足をしている。実際所要額の四分の一か五分の一という実情であって、したがって、要請される業務に非常に不足をしている。そこで、だいぶ古い話になりますが、三十三印の一月に、旅費支給に関する内部規定というものを作った。これによりまして、ちょうど四年近くこの四国の農業試験場が旅費を節約をしてきた。節約は二つの方法をとって、二段階に分かれているのでありますが、当初一年七カ月という間は、四百キロ未満のものは全部三等だというふうにしてしまう。それから四百キロ以上の場合は、汽車賃と急行料と船賃は全部三割減、それから日当、宿泊料は二割減というような内部規定を作られまして、これで一年七カ月運用されてきた。その後は、どうもこれはおかしいというので、今度は三十四年七月以降は、汽車賃だけ一律にみな三等にするということで、約一年以上これでやってこられた。そのやり方でありますが、やり方は、最初の段階は、みな普通のとおり、法律できめたとおり旅費をもらって、その中から、内部規定できめている基準以上のものは全部拠出する。その拠出した金でほかの者が出張をする、こういうやり方ですね。これは非常に大きな問題を含んでいると思うのです。その出張は、一体出張命令が出てやっているのか、休みにならないで出ているのか。おそらく出張命令はお出しにならぬだろうと思う、出張命令を出したら金を出さなければならぬから。お互いに拠出した私的の金でありますから、いろいろ問題があります。こういうやり方をしております。それから第二段階のやり方としましては、これはもう最初から三等運賃を請求する、そうしてあとは権利放棄だ。そうしてたまった金でほかの者が出張をする、こういうやり方をやっておられまして、これについて人事院が判定を下したわけでありますが、人事院の判定は、まことにこういううまい文章ができるかと思うくらいに、なかなかうまい文章でありまして、ただ、人事院としては、これは職責の任意によって権利を放棄したのだからして、違法とは言いがたい。だが、このような状態で長期にわたって行なうことは不適当であるというようなまあ判定をしているわけです。そこで、このことについて農林省当局はどういうふうに考えておられるのか、まずひとつ伺いたいと思います。
#34
○政府委員(昌谷孝君) 御指摘のような事実が四国の農業試験場におきまして三十三年以降ありまして、それがたまたま御指摘のような経過を経まして、人事院の判定までわずらわしたことは、まことに私どもとして申しわけないと思っております。地方の試験場の旅費につきまして、基本的にもっと十分な研究者の見学、交流その他に必要な旅費を充実いたしたいということで、逐年努力改善は重ねてきたわけでありますが、何分十分でなかったそのころに、そういう内部のやむにやまれない一つの措置として御指摘のようなことが行なわれたわけであります。動機と申しますか、意図につきましては、私どもが予算なり何なりのことについて十分のめんどうがみきれなかったことにも原因がございますし、また、にもかかわらず、ぜひ仕事をしたいという職員の無意でもあったわけかとも思います。いずれにいたしましても、一時的に、臨時的に権利を放棄するとか、あるいは減額支給をするとか、旅費法に許されました臨時的なことでなしに、かなり長期にわたって一律にそういう内規をきめてやっておったということは、旅費法の精神からいっても、決して好ましいことではないということは、人事院のほうでも御指摘をいただいております。事後の措置といたしましては、さっそく人事院からそういう判定をいただきましたあと、さっそく当該関係局長にも注意を喚起し、また、局長からそれぞれの試験場長にもそういった事情を伝えて、そういう運用の間違いのないようにという注意をいたしましたし、また、四国につきましても、具体的にいろいろと指導いたしたわけでありまして、なお、結局その基本となります点は、研究者が十分に必要とする旅費を予算に計上してなかったという点に基本的な問題があろうかと思います。その後だんだん改善はされておるように思います。たとえて申しますれば、四国の試験場の例で申しましても、三十四年当時の旅費額と比べますと、三十六年度にはほぼその倍額程度まで予算の増額をみたわけでありまして、こういうことのあるなしにかかわらず、そういった業務に必要な予算措置を確保するということは、今後とも私ども十分意を用いて参りたいと思いますが、こういうことが経過的にせよ、ありましたことにつきましては、まことに申しわけなく遺憾に思っております。今後このようなことのないように、十分注意をいたして参りたいと思います。
#35
○委員長(大谷藤之助君) 政府側出席の方は、小林人事院公平局長が出席しております。
#36
○鶴園哲夫君 私は、この問題は決して四国の農業試験場だけの問題ではなくて、八ブロックにあります試験場の共通な問題でありますし、その他の試験場等においても共通な問題である。ただ、この四国の農業試験場みたいなところまでやっているということには理解はいたしておりませんが、しかし、ほぼ五十歩百歩のやり方で試験研究機関が旅費を運用していることには間違いないのじゃなかろうかというふうに思っておるからこの問題を取り上げまして論議をいたしておるわけでありますが、四年近くにわたりましてこういうことがあったということを御存じなかったのかどうかという点を何っておきたいと思います。四年近くにわたりまして、言うならばこういう脱法行為的な旅費の節約が行なわれたわけですから、それにからんで幾つかの違法な行為に類するものが行なわれたわけでありますが、そういうものを四年近くの間農林省当局がおわかりにならなかったのかどうか。どの試験場を歩いてみましても、旅費が不足しているということは非常に切実な長い間の問題なんです。ですから、何かそういうものがあるのじゃないかという御懸念もあってしかるべきではないかというふうに私は思うわけでありますけれども、四年近くにわたってこういうことがおわかりにならなかったのかどうか、その点をもう一ぺん何っておきたい。
#37
○政府委員(昌谷孝君) 私ども業務をやって参ります際に、そういう地方の庁費や旅費不足の問題につきましては、おりにふれてと申しますか、しょっちゅう旅費、庁費等が十分でない点については聞かされております。したがいまして、試験場等においては、たとえは学会に出席させようと思っても、何人かの出席希望があった場合、なかなかその出席希望者全員に出席を出張の形でさせるようなことが困難であるというような事情を訴えられた経験がございます。それらに関連をいたしまして、そういう際には、ほんとうに自発的にと申しますか、友情と申しますか、みんなで二人分の旅費を三人で使うというような形で、三等運賃でがまんをして、そのかわり人数をふやすというような措置をとったことがあるというふうなことも、そういう旅費不足を訴えられた過程において私も聞かされた経験がございます。ただ、ここで問題になっておりますように、四国のこの旅費のように、何と申しますか、一律に内部規約のようなものを部課長会議で申し合わせをして一斉にやったというふうな事例は、実は私は当時承知をしておらなかったわけでございます。まことにうかつであったかと思いますが、そういう臨時に、そのときどきの事情によって本人が自発的に棄権をして、それで何人かにして出張するというような事例があったという程度のことを聞き及んでおりまして、こういった人事院からの好ましくないという御指摘を受けましたような節約の仕方が行なわれておったということは存じませんでした。おそらく四国以外につきましては、そういう四国のような方式での節約をやっておったところは他に例がないのではなかろうかと私思っております。そういう事情でございます。
#38
○鶴園哲夫君 ただいまの官房長のお話のように、試験研究機関の旅費が非常に不足しているということは、これは長年の問題でありまして、四国がこういうふうに四カ年近くこういうような非常にたくさんの違法的に類するようなことをやられたわけでありますが、しかし、それは四年近くおわかりにならなかった。また、現地の四国の農業試験場でも、三年目にこういうような行政措置を要求したわけでありまして、それ以外にないとは、これは保証しがたい。三年後にこういうような行政措置を要求をして明るみに出たわけでありまして、そのほかの七つの地域農業試験場なり、あるいはその他の試験場において、こういう事態がないということは私は保証し得ない。内部規約的なものを設けてやっておられるところは、ほかにも私はあると承知しておる。こういうような一律に全員に対してということにはならないだろうと思いますが、実質的に実費支給ということで内部規則を設けたところが相当あるように私は承知しておるわけですが、しかしながら、こういう事態になった以上、はっきり旅費の問題について農林省はお考えになる必要があると思います。
 それはあとでもう少し伺うことといたしまして、人事院の公平局長に伺いたいのでありますけれども、この判定を見ますと、これは任意だから違法とは言えないという趣旨でありますけれども、任意であるかどうかということについては、非常に問題があるというふうに私は思っております。何よりの証拠は、これは職員の人たちが三年間節約した分を、ひとつ返してもらいたいという行政措置要求をしておるわけでありますから、任意なら、そういうことを三年たって二年間分を返してもらいたいというようなことを出す理由はないと思います。また、「権利放棄」だというふうに書いたじゃないかということでありますが、これはやはり今人事院が判定の中にも申しておりまするように、「要請された結果、やむなくその方法に従った場合」があったことも「容易に推認し得る」という言葉を使っております。ですが、いずれにいたしましても、これは場長が発案をし、企画をして、そうして部課長会議にかけて、まあきめたか決議したか申し合わせしたか、この判定では「申し合わせ」ということになっておりますが、そうして出張を通じて職員に納得をしてもらったと、これは合意だと、こういう形になっておりますけれども、いずれにいたしましても、場長が発意をして、職員に納得をさせるように、権利を放棄するように極力しむけた努力が部課長会議であるし、出張をした職員に対する説得であるというふうにも思うわけでありますけれども、したがって、任意であるかどうかという点につきましては、非常に疑問があるというふうに思いますが、しかし、ここで今これを論議してみても時間がかかりますしいたしますのですが、ただ、人事院に対しまして伺っておきたいことは、国家公務員法の八十六条によりましてこういう行政措置要求が出たわけでありまして、しかして、八十七条によりまして人事院は判定を行なった。で、次の八十八条にはその実行を勧告しなければならぬ義務が規定してあるわけですが、この勧告について伺いたいわけであります。
 人事院が判定の最後に言っておられますのは、いろいろ前文句がありまして、前文句を削りますと少し妥当性を欠くように思いますけれども、長くなりますので省きまして、「必要な旅費予算の確保について関係機関においてしかるべく配慮を得られるよう所要の措置を講ずる必要があるものと認められる。」と、こういう結びになっておるわけであります。したがいまして、これは八十八条によりまして、農林省がその実行をやるように勧告しなければならぬ義務があるのでありますからして、農林大臣に対して勧告されるのかどうか、その点を伺っておきたいと思います。
#39
○説明員(小林巌君) ただいまの御質問でございますが、二点あったと思います。最初の四国農業試験場におきます旅費支給の方法が権利放棄として任意のものであったかどうかという点であったかと思います。この点につきましては、ただいま御指摘がございましたように、きわめてデリケートな問題でございまして、この判定の中でも申し述べておりますように、やはり職員といたしましては、上司のそういう話に対しまして、やむを得ず従ったというような面もなくはなかったと思うのでございます。われわれの調査いたしましたところによりますと、問題は、やはり旅費そのものが不足しておるということにございまして、一面、職員といたしましては、研究のための出張もやりたいという熱意、その両者の間にはさまりまして、やむを得ずこういうような措置に協力をしたということになろうかと思ったのでございます。したがいまして、そういう意味におきましては、やはり強制的なものとまで言い切るわけにはいきませんで、自発的な協力ということで、必ずしも旅費法に違反すると断定するわけには参らないと、かように考えたわけでございます。
 それから第二の点でございますが、この判定に基づきまして、さらに人事院といたしまして勧告をする意向があるかどうかという御質問であったと思うのでございます。もちろん私は事務当局でございますので、最終的には人事院が判断いたしますので、確定的なことを申し上げるわけには参りませんが、これまで行政措置要求の判定が出ました事例はたくさんございます。これまでの事例につきましては、それぞれ当局、あるいは関係機関におきまして、この判定というものが、第三者機関である人事院、しかも、中立的な機関である人事院の判断といたしまして、十分尊重せられておるのでございまして、勧告をするまでに至らずして十分な措置がとられてきておるのが実情でございます。そういうようなわけで、われわれといたしましても、本件におきましても、農林当局におかれまして、この趣旨に沿った十分な措置を御考究願い、実施願うことだと期待いたしておるのでございます。先ほども農林当局からそのような趣旨を承っておるのでございまして、おそらく勧告を出すまでには至らずして問題は解決するのではないかと、かように考えておるのでございます。もちろんわれわれといたしましては、この判定の趣旨が実現せられますかどうか、アフター・ケアとして十分な注意は払って参るつもりでございます。
 なお、農林当局の予算上の措置といたしましては、先ほども農林当局から御説明がございましたように、四国農業試験場につきまして、その旅費総額について見ました場合に、この判定の基礎になっておりますところの、三十四年度と対比いたしまして、三十六年におきましてはすでに二倍の旅費が配付されておるように聞いておるのでございまして、さらに来年度予算におきましても、この増額確保につきましては、せっかく御努力なさるというふうな御意向も承っております。したがいまして、おそらく勧告というような事態に至らずして解決するものだと考えておるのでございます。この推移につきましては、人事院といたしましても十分注目して参るつもりでございます。
#40
○鶴園哲夫君 私の質問の第一点につきましては、先ほども申し上げましたように、ここで論議をしたいというふうには思っておりませんのですが、第二点の問題につきまして、ただいま公平局長が八十八条の勧告をしなくてもいいようなことになるのではないかということでありますが、私も、この勧告は出なくて済むようになりますればけっこうであるというふうに思っております。
 そこで、農林省に伺いたいわけでありますけれども、この判定の出ます前後から今日まで、どういうような旅費増額の措置をとられておられましたか。さらに、これから三十六年度一ぱいにどのような措置をおとりになる予定であるか。それからもう一つ、三十七年度にどのような措置をとりたいというふうに考えておりますか。この三つの点につきまして農林省の見解を承りたいと思います。
#41
○政府委員(増田盛君) 先ほど来、旅費不足の問題でいろいろお話があったわけでありますが、確かに試験研究機関におきまする試験研究調査旅費その他の旅費が不足だったことは事実だと思うわけであります。それで、結論を申し上げる前に、なぜ予算が増額しにくいかということの点でございますが、これは従来は旅費は、技術会議ができる以前までは経常費に組み込まれておりました。経常費というものは、大体毎年、前年度の例に準じまして、標準予算として設定されておったわけであります。したがって、昭和三十一年に技術会議ができるまでは、ほとんど旅費予算というものはふえていないわけなんです。その後技術会議ができまして、新たに特殊な試験研究調査旅費といたしまして振興費の項目を設けまして、それから逐年にわたって振興費によります予算が増額をみてきたのでありますけれども、しかし、経常費はほとんどふえなかったといってもいいのじゃないかと思うわけであります。そこで、いろいろ考えまして、三十五年度におきまして、初めて振興費の中に特別な研究旅費のほかに調整旅費というものの予算を要求をいたしまして成立せしめたわけであります。調整旅費は、経常費の不十分な点を補うという意味を持っておるわけでありまして、これによって各原局の所管する経常費のほかに、振興費によります特別調整旅費のほかに調整旅費を加えまして、大体全般的に見まして、三十五年から三十六年度にわたりまして予算がふえておるわけであります。それを数字をもって申し上げますと、大体試験研究機関全体におきまして、三十四年度はおおむね六千六百万円、これが職員旅費の全体でございます。それが三十五年度は七千六百七十二万円、三十六年度は一億一百万円であります。したがいまして、三十四年度を一〇〇といたしますと、三十五年度が一一六、三十六年度が一五二ということに相なるわけであります。このようにいろいろ工夫をして努力をいたしてきておるわけであります。特に三十六年度に関しましては、ただいまの数字にすでに織り込み済みでございますが、大体千六百万円あまりの調整旅費の移用に関しましては、現在手続中でありまして、やがてこれが各試験研究機関に配分されることになるわけであります。   なお、三十七年度の予算要求におきましても、今までやって参りましたような点を発展させるべく予算を要求中でございますが、職員旅費全体といたしましては、昭和三十六年度の八割増程度のものを要求いたしております。旅費を要求しているだけでは実はだめなのでありまして、これをぜひとも獲得するということがかなめでございます。私ども十分努力いたしまして、職員旅費の増額に努力いたしたい、かように考えておるわけであります。
#42
○鶴園哲夫君 今の三十七年度の問題につきましては、農林大臣がお見えになりましたときにもう一回御質問をいたしまして、御努力を要望いたしたいと思っております。
 以上できょうの私の質問は終わりたいと思っております。
#43
○委員長(大谷藤之助君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#44
○委員長(大谷藤之助君) 速記をつけて。本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
   ――――――――――
#45
○委員長(大谷藤之助君) 次に、あらかじめ山本君から発言を求められておりますので、質疑を許します。
 政府側の出席者を申します。藤井行政局長が出席されております。
#46
○山本伊三郎君 それじゃ、時間が非常に進んでおりますので、簡単にひとつ。この前の第三十八国会におきまして、御存じのように、国家行政組織法、すなわち定員法の改正案が本委員会で実は通って成立しておるのです。その際、付帯決議で、地方公務員もこれに準じてやるということで、鋭意自治省ではその方針に従って指導をされておることも聞いております。しかし、国家公務員の場合には、すでにほとんど法律に従ってなされておるのですが、地方公務員の場合は、何しろ多数の地方団体でありますので、十分それがなされておらないということを聞いておるのですが、法律に従って、地方公務員もそれに準じてどういう程度に進捗しておるか、その点をまず第一に聞いておきたいと思います。
#47
○政府委員(藤井貞夫君) 臨時職員の定数繰り込れの問題につきましては、御承知のように、自治省といたしましては、実は三十一年だったと思いますが、基本的な方針をきめまして、その点に沿って地方団体が適切な措置をとるようにということで随時指導をして参っておるわけであります。この基本方針は、御承知でございますように、実態が定数内職員と変わらないものにつきましては、これはできるだけ定数内繰り入れの措置を講ずべきであるということ、それから待遇の改善についても、そのような実態を持っておる職員については、これを一般職員並みに改善をはかってもらいたいということ、それと同時に、人事管理の不適正から、また新しく無計画に臨時職員の事態を次から次へと発生をせしめるということは、これはおもしろくないことであるから、その点筋道の通った制度をひとつ確立をしてもらいたい、この三つの点を骨子といたしまして地方に対して示して、その後その線に沿っての指導を行なってきたのであります。その後になりまして、国のほうで毎年定数内繰り入れの措置を講ずることに具体的にきまって参りました。そこで、私たちのほうといたしましては、先に出しました基本方針の線に沿う問題でもございますので、かたがた、国家公務員と地方公務員というものが同様の措置を準じてやっていくというのが建前でもございますので、国の措置がきまりました際には、これに合わした同様の措置を講ずべきだということで、毎回具体的な指導をして参っておるのであります。今回の場合も、すでに臨時職員の定数繰り入れの措置につきましては通牒を出しまして、これの具体化についてなお督励を加えておる段階でございます。まだ本年度に入っての分についての実績の報告等は集まっておりませんし、おそらく大体のところでは、この間開かれました九月県会あたりを中心にしておるのではないかと思っておる次第でありまして、それらの情報を見ました上で、なお積極的に指導、督励を講ずる必要がございますれば、個別指導等もあわせて、これが措置が円滑に行なわれるように督励をして参りたいと考えておる次第であります。
#48
○山本伊三郎君 大体その点は了解するのですが、実は末端にいくと、なかなかその進捗がしておらない。ことに財政上貧弱な団体では何かと問題があるので進捗しておらないということを聞いておりますので、この点は今後一そうひとつ行政指導を強化していただきたい。それから、これから派生した問題となるのですが、実は地方の行政水準は非常に低下しておるところもあるのですが、実は現在もうすでに身分関係が一応撤廃されたといわれているのですが、雇用員と吏員との差別がまだはなはだしく残っている点があり、これは財政的に経費の点についてはそう変わらないと思うのですが、たとえば熊本の県の実情を見ますると、十年以上も実は雇用員としておかれている。大体全国私のほうでキャッチしている情報では、大体三、四年で吏員になる。吏員に登用と申しますか、そういう形でいっているのですが、国家公務員の実情もそうなっていると思います。それから、県によると十年も雇用員だということは、これは職員の仕事に対する意欲にも非常に影響するし、したがって、行政水準の低下というわけではございませんが、影響すると思うのですが、こういう点について自治省は、こういうこの行政指導についてどういう考えであるか、まずどうされているか、その点ひとつお聞かせ願いたい。
#49
○政府委員(藤井貞夫君) 吏員と雇用員との比率はどうあるべきかということについては、これは一般的な基準というものは、今のところ別にございません。またそれぞれの地方団体の実情に応じてやっていく筋合いのものではないかというふうに考えるわけであります。ただ、県といいましても大小ございますけれども、やっている仕事の内容というものは大体同じでございます。それから、職制というものについても、部課の制度をとってやっているというような点についてもこれは同様であるわけです。したがいまして、役付の者、あるいは吏員の身分を持っておられる者と雇用員との間には、おのずからなる比率といったものがあるはずであります。また、事実あるわけでございますけれども、その点について、熊本の場合、他県と比べてどういうことになっているかということについては、私どものほうももう少し調べてみたいと思っております。特別に熊本については、何らか特殊な事情があってそうなっているのか、また、今お話になりましたように、十年も雇用員のままで放置されておるというような方があるという話ですが、それは本人の何か特別の事情でそうなっておるのか、あるいはそうでなくて、十年にもなっても吏員になれないという人がかなりの数に上っておるのか、人事管理の方針といたしましてそういう方針をとっておるのかというようなことがおそらく私は問題になってくると思うのであります。それらの点につきましては、今御指摘の次第もございましたので、われわれのほうといたしましても調査はいたしてみたいと思っております。あまり極端なやり方でもって、適当でないという結論が出ますれば、当省といたしましても、何らかの方法でその是正を求めるというような措置も講じなければならぬと思うのですが、実態をまず把握することが必要であると存じますので、その結果を待ちまして善処いたしたい、かように考えております。
#50
○山本伊三郎君 特殊な事情ということも考えられますが、一般的に見て、国家公務員に準じるというその思想から申しまして、十年というような長い間、何らの理由なくして、ただその熊本県の行政上の特殊性があれば別として、おそらくそういうものはないと思います。府県の行政というもの、大体四十九都道府県、東京都あたりは別な形がありますけれども、大体同じような状態だと思うのです。それが熊本あるいは九州に大体そういう府県が多いのですが、こういうところに、やはりある程度自治省がその点の強い命令はできないと思いますけれども、相当ある程度の行政指導というものが必要でなかろうかと思うのです。もちろん今言われておりましたように、やはり前提として調査するということは必要でございましょう。そういう事実がはっきりすれば、適当なひとつ行政指導を切にお願いしたいと思います。その点を……。
#51
○政府委員(藤井貞夫君) 今お述べになりました趣旨にのっとりまして、非常に適正を欠く人事運営等が行なわれておるという結論が出ますれば、これを是正するための適当な指導を行ないたい、かように考えております。
#52
○委員長(大谷藤之助君) 他に御発言もなければ、午前の質疑はこの程度にとどめます。
 午後は一時半から再開することとし、これにて暫時休憩いたします。
   午後零時三十五分休憩
   ――――・――――
   午後一時五十三分開会
#53
○委員長(大谷藤之助君) これより内閣委員会を再開いたします。
 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査を議題とし、群馬県太田・大泉飛行場の返還問題に関する件及び自衛隊術科学校の拡張問題に関する件及び調達庁の機構に関する件の調査を進めます。
 政府側出席の方々は、藤枝防衛庁長官、林調達庁長官、麻生防衛庁参事官、木村防衛庁経理局長、大石調達庁総務部長、沼尻調達庁不動産部長、高野連絡調査官、以上の方々でございます。
 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#54
○伊藤顕道君 三年越しの太田・大泉米軍飛行場の返還問題について、きょうはひとつ最終的な結論が得られるであろうことを期待しながら、以下防衛庁長官、調達庁長官にそれぞれお尋ねしたいと思います。時間の関係もございますから、要点だけを重点的にお伺いいたします。
 まず最初に、この問題は昭和三十四年、当時の防衛庁長官の赤城さんを初め、歴代の長官が、それぞれ期日まで明確にして返還を約束されておるわけです。あるいはまた、期日については明確にされなかったけれども、早期返還をそれぞれ約束され、丸山調達庁前長官においても、繰り返し期日を明確にされておったわけです。ところが、この段階でいまだに返還が実現していない。まことに不可解千万なことであります。現在どのような状況になっておるか。おそらくもう旬日の間に返還が実現するでありましょうけれども、そこのととろをひとつ明確にしていただきたい。
#55
○国務大臣(藤枝泉介君) 経過については、伊藤さんもう十分御承知ですから申し上げません。また、歴代の防衛庁長官あるいは調達庁長官が、早期あるいは期限を切ってのお答えをいたしておりましたことが実現いたしません。そのときの客観的情勢においては、そういうお答えをいたすような情勢があったと思うのでございますが、その後の情勢の変化によりまして、いまだ実現いたしませんことは非常に残念でございます。御承知のように、代替地を見つけて、そうして太田・大泉について返還を受けるということでございます。具体的な代替地の候補を見つけまして、日米双方によりまして調査もいたしたのでございますが、いろいろ条件にかなわないところがございまして、新たにさらに具体的な候補地を見つけまして、目下調査をいたして、至急に結論を得たいと努力をいたしておる次第でございます。ただ、具体的な候補地につきまして、その場所等をあげることはいろいろ問題がありますので、お許しをいただきたいと考える次第でございます。
#56
○伊藤顕道君 九月の十一日ですか、この日は当内閣委員会のあった日です。その日廊下で藤枝長官にお会いしたわけですが、その際、長官のおっしゃるには、もうこの基地返還問題も最終段階にきたので、今しばらく待っていただきたい、こういう意味のお言葉があったわけですね。それで、これはもう近いのだ、今月中にも結論を得られるであろうということを期待したので、その日は敬意を表して、特に質問申し上げなかったわけです。で、もう近いうちに、ほんとうに本月中にも返還せられるであろうというふうに私受け取りましたものですから、あえて御質問申し上げなかったわけですけれども、それからすでに一カ月余たっております。そのときに長官が最終段階にきたと言われる。その最終段階というのは一体どういう意味を含んでおられるのか、どういう意味でおっしゃったのか、この点を明らかにしていただきたいと思います。
#57
○国務大臣(藤枝泉介君) 先ほども申し上げましたように、具体的な候補地をあげまして、日米共同して調査をするという段階でございます。ただ、残念ながら、当方であげました候補地につきまして、種々の条件で必ずしも適当でないという結論になりまして、この問題が一応解消されましたので、さらに具体的な候補地をあげて目下調査を進めておる、こういう状態でございます。
#58
○伊藤顕道君 きょうは笹木政務次官がお見えにならぬので、ちょっとまずいのですが、笹木政務次官が九月の十一日、先ほど言ったように当内閣委員会のあった日、この日を特に選ばれて、例の相馬ケ原とか太田飛行場等をヘリコプターで巡視をされたわけです。そのときに太田・大泉の現地に行かれたとき、現地の新聞記者に対して、この返還問題は非常に困難で、もうほとんど見込みがないような意味のことを発表されておるわけです。見込みがないというような……。そうなると、一方、その十一日に長官は、もう最終段階にきた、そういうふうにおっしゃっておられます。政務次官は現地で、これはどうも見込みがない。そういうような――ここに政務次官はおられぬので、そこを確認しがたいのですが、もしそうだとすると、長官と政務次官でまさしく言われることが矛盾しておる。これは一体どういうことなのか、この点を非常に疑わざるを得ない。この点について、ひとつはっきりさしていただきたい。
#59
○国務大臣(藤枝泉介君) 笹本政務次官が現地においでになりまして言われたことが新聞に出て、その点については政務次官自身から私も聞き及んでおります。それは今新聞の報道、あるいはただいま伊藤さんからお話のような、この問題は非常に困難だ、あるいは絶望に近いのだというようなことを言われたことはないそうでありまして、ただ、代替地を探すのに非常に苦慮をしておるという意味のことを言われたのでありまして、しかし、それを乗り越えてぜひ実現をしたいのだということを言われたそうでございますが、代替地を探すのが非常に困難だということが、返還そのものに結びついてそういう発言になったようでございました。笹本政務次官も、ぜひそういう具体的な候補地について、それが日米間の調査によって合意に達し、代替地が見つかるように非常な努力をされておりますし、それに対して大きな希望をつないで推進されていることには間違いないわけでございます。
#60
○伊藤顕道君 ここで困った問題は、この返還がおくれておると、太田・大泉にひとつ転出しようと考えておった大工場、大会社が、三年にもわたってまだ返還できないので、これは見込みがないと解釈して、他にどんどん転出してしまう懸念がある。現に懸念だけならいいのですが、現実にもう太田・大泉はあきらめて、他に転出した具体的な工場、会社も私は知っておる。これは国会の場で期日まで明確にされたということで、現地の工場、団地の建設とか、いわゆる首都圏整備法に基づく衛星都市、工場建設、こういうことで着々計画を進めてきたわけであります。そこで、これは当然くるであろう大会社、大工場は、もうあきらめてほかへいってしまうということは、これは取り返しのつかないことです。今後もこういうことでぐずぐずしておると、だんだんそういう工場、会社がふえてくるのではないか、こういうことを現地当局では非常に心配しておるわけです。したがって、これは言うなれば物心両面にわたってはかり知れない損害が今までも起きたし、今後もそういう損害が続いておるわけです。これはそういう意味からも、もうこの段階で早期に決定すべきではないか、こういうふうに思いますが、この点いかがですか。
#61
○国務大臣(藤枝泉介君) 今おあけになりましたような事態は、私自身も承知をいたしておるのでございまして、非常に地元にいろいろな面において御迷惑をかけておりますことは、はなはだ残念に思います。先ほど申しましたように、現在具体的な候補地をあげまして、日米間で調査を行なっておる段階でございます。ぜひこれを早期に推進して、妥当な解決をいたしたいと考えている次第であります。
#62
○伊藤顕道君 私は、まあこの内閣委員会で三年ごしに追及しておるわけなんで、責任上、やはり現地がどうなっておるかということは十分知っておかなければならない。しかも、同じ県内の問題であるということで、責任を感じて、しばしば現地内に行っておるわけです。よく実情を調べると、ふだんは米兵が二、三名管理者としてただ残っているにすぎない、ほとんど練習はしていない。ただ現地の方々が米軍に陳情に行ったり、私が当内閣委員会で追及などすると、翌日思い出したように細々と練習して、一日ぐらいでまたやめてしまう、そういうことを繰り返しておる。これはまことに問題で、そういうことを一言にして言うならば、太田・大泉飛行場は、米軍にとってはあまり欠くことのできない重要不可欠な飛行場とは考えられない。もしそんな大事な飛行場なら、常駐兵も大ぜい置いて、不断に練習していなければならない。こちらとしては練習されては困るのですが、現実の問題としてはほとんどそういう実情なんです。したがって、米軍にとって不可欠の飛行場とは考えられない。こういう点からも、ひとつ強力に米軍に交渉して、早期返還をこの際実現すべきではなかろうか、こういうふうに思います。この点いかがですか。
#63
○政府委員(林一夫君) 太田・大泉投下訓練所は米軍としても大事な飛行場であるということは認めております。毎月十二、三回の訓練はやっているようでございます。毎日使っているというようなことはないのでございますが、十二、三回も使っている。そういうようなわけで、他に適当なる代替施設があれば、いつでも返還するということは早くから申し出ているわけです。そういうようなわけで、私どもはこの代替施設を早く見つけて、早くこの訓練所の返還を得て、地元の強い御要望に沿いたいということで努力いたしておるわけであります。そのようなわけで、日米双方によって候補地の調査その他について努力はいたしておるのでありますが、まだここという所が決定になっていないというような状態でございます。
#64
○伊藤顕道君 調達庁長官としては、いや、そんなことはない、米軍はずっと練習しているのだ、そうおっしゃいますけれども、私は群馬県なんですよ。それで、そう遠い所ではないので、車を飛ばせば五十分ぐらいで楽に行ける所なんで、しばしば現地を視察して、その周辺の人に、きょう練習があったかどうか、きのうはどうか、一週どのくらいか、そういうことは細密に調査して、自信を持ってお伺いをしているのです。それは調達庁ともなれば、かくかくいろいろそういう情報は入ってくるでしょうが、それは私の方が確実なんで、私はこの目で確認をしておる。もうほとんどやってない。週に一回程度、言いわけ的に来る程度。しかし、調達庁長官のおっしゃるように、かりにこれが米軍にとっては相当必要な飛行場だと、かりにそういう前提をおいても、これは太田・大泉の周辺の住民からすると、これは物騒千万な飛行場です、非常にあの辺は人口稠密で。行って見るとよくわかります。人間がたくさん住んでいるわけなんですよ。それで非常な危険が伴うわけです。これは私仮空なことを言っているわけではない。現実にジープが頭の上に落ちたり、電気通信機が落ちたり、あるいはドラムカンなどが空から降ってきているのですね。たまたまこれは幸いに人間の頭には当たらなかった。しかし、そういう誤投下がないかということは保証できないわけですね。三回も現実に問題が起きているわけなんです。そうなると、米軍にとってはあまり必要でない飛行場、しかも、もし必要だとしても、練習を続ければ非常に危険な飛行場ということになれば、これは人道上の立場からも、人間のたくさん住んでいる頭の上で物資投下訓練をやるということは、とうていこれは人道上許されないことで、これは米軍のためだから仕方がないのだというような調達庁の考え方を持ってしても、これは人道上許されない。米軍のためなら日本人はどのような犠牲を受けてもかまわない、こんなことではなかろうと思う、調達庁といえども。そういう人道上の立場からも、これは当然他に転出すべきである、こういうふうに考える。したがって、もうこの際、そういう危険な、あまり必要のない現実、しかも、もしあれば非常にこういう危険が現実に起きてくるわけですね。こういう立場からも、もうこの辺で返還すべきではないか、踏み切るべきではないか、そういうふうに思うのです。それは努力しておりますとか、いろいろ折衝しておりますという、そういう言葉は繰り返し聞いておるわけですが、もうそれだけでは了解できないと思うのです。この点はっきりとひとつ御答弁いただきたいと思います。
#65
○政府委員(林一夫君) この太田・大泉訓練所は、御承知のように、資材とか、あるいは人員の投下訓練をやっておる訓練所でございます。こういう訓練所は、現在のところ関東方面にはないわけなんです。そのような意味において、米軍はこのような訓練所はぜひ必要であるという考えを持っております。お説のように、過去におきまして誤って物を落としたという事例がありますので、そういうような点については再三米軍に注意を喚起して、そのようなことのないように、危険事態の起こらないように十分申し入れをいたしておるわけなんです。最近におきましては、あまりそのようなことは起こっていないようでございます。いずれにいたしましても、地元の要望は非常に強いものがあるし、また、位置としましてもあまり適当な所ではないと思うのであります。代替地をできるだけ早く探す、この返還を早く実現したい、こういうふうに日夜努力いたしておる次第でございます。
#66
○伊藤顕道君 その誤投事件があったので、こういうことについては十分注意を喚起しておる、そういうお答えのようですが、これはそんなことではもうわれわれ了承できないのですよ。最初にジープが落ちてきたわけですね。これはその部品の一部が学校の校舎の屋根を貫いて、幸いに格天井でとどまったから事なきを得たわけです。下には、五十数名のすし詰め学級ですから、六十名近くの子供がおったわけですね、もし天井でとまらぬで落ちてくれば、数名はあるいは死傷者を出したわけなんです。そういうふうに現実に問題が起きておるのです。そのとき私の追及に対して、調達庁、防衛庁は、十二分に注意を喚起いたします、それから間もなく、しばらくたって今度は電気通信機の誤投事件、相次いで今度はドラムカンの誤投事件というふうに、これはとういうあやまちが繰り返される、人間が機械を扱うわけですから、それは誤投事件はないということは保証できないのです。そこで、今お話によると、米軍にとっては必要な飛行場だと今言われておる、百歩譲って、米軍にとってあの飛行場が必要だと仮定しても、米軍に必要なら日本人は死傷者を出しても、犠牲を出してもかまわないということは言えないと思うのです。調達庁長官の立場からもそうでしょう、あなたは日本の調達庁長官なんです。米軍の嘱託じゃないのです。日本政府の調達庁長官という立場から、米軍のた利益のめには、また、米軍の便宜のためには日本人の犠牲もいとわぬ、こういうことじゃなかろうと思う。そういうことであるならば、結局米軍にとって必要であろうという仮定を前提としても、現地のあの人口稠密の人間の上空で物資投下訓練をやるということは、もう非常に危険だということは、過去にもう三つ誤投事件を起こしておる、こういうことから裏書きされておるわけです。そこで、こういうことを追及すると、防衛庁長官も調達庁長官も口を合わせて、いや、実は今代替地の問題に努めておるのだ、この代替地さえきまれば直ちに解決するのだ、こういうことを言われておるわけなんです。これは今始まった問題ではないのですよ。これは赤城さん時代には、代替地の問題までは出なかったのです。次の江府長官のときから、丸山長官が盛んに代替地の問題を出してきた、代替地の問題まできたから、一もう間近だと、それから二年有余たっておるわけです。もうすでにこれは調達庁にもそれぞれ専門家がおるわけです。米軍のほうにも、どういう土地がいいかというその検定、審査をするそういう調査員がおろうと思うのです、専門家が。それぞれの立場から専門家を出して、二年越しであそこがいい、ここがいいと検討してまだ結論が出ない、そういうばかげたことはあり得ない。これはただ単なる口実にすぎないと思う。私もしろうとの悲しさで、最初代替地の問題にきましたからということで、そうかと思ったのです、実際。ところが、その代替地は、江崎長官のころから、丸山長官が盛んに言われておる、代替地々々々と。もう代替地まできました、その代替地まできてから長い、それから二年、これはよく落ちついて考えてみたら、私のようなしろうとの者でも、これはおかしい、両方に専門家がおって、この狭い日本の国土を視察して、ここがいいか悪いかわからないということはあり得ない。これは結論的にいうと、もう上空で物資投下訓練をやるような適当な土地は狭い日本の国土にはないという結論だと思う。そうでしょう。両方の専門家がしばしばこれを二年越しで調査してまだきまらないということは、人間の頭上で物資の投下訓練をするそういう飛行場としては適地がないということです。こういう狭い日本の国土、狭い上に人間が稠密だから、条件は悪いだけです。しかし、多少の危険はやむを得ないということを前提にすれば別問題ですよ。しかし、そういうことを前提にされては困る、危険を前提にされては困る。そういうことになると、もうこの狭い日本には、とうてい物資投下訓練をやるような適当な地がないということです。そう断定せざるを得ないのです、私どもとしては。そこで、そういう断定を前提にするならば、そういう腹で、幸い日米合同委員会施設特別委員会が隔週持たれているわけです。そういう機会があるのですから、そういうところで、もう一つ米軍に物資投下訓練を断念してもらいたいという交渉がなぜできないか、もうそういう段階だと思う。これは半年、一年代替地の検討で時日を費すことは、これは常識的に考えられぬ。しかし、もう二年越しですよ、江崎長官のころから盛んに出た言葉です。最近になってようやく藤枝長官の時代に初めての代替地ということなら、これは最終段階ということで、これは私も了解するかもしれません。しかし、これは二年越しの言葉です。今さらまた代替地代替地ということで、二年、三年と今後引きずり回されたんではこちらがたまらぬ。私は問題ないですが、現地の人が、先ほども言ったように、はかり知れない損害があるのです。団地建設の交渉、団地建設の計画が立たないのです。先日も太田に行った際、太田市長、あるいは太田市議会の議長などに会いました。その際に、非常に閉口しておるわけです。困った困ったで処置ない、こういうことです。県としても、御承知のように、もう明確に県議会で決議を上げておるわけです。県民あげてこの返還を要望しておる。こういうことはもうあまりにも明確なことですから、あえて繰り返しませんが、そういうことを考えたとき、代替地の段階にきておるからということで御答弁になっても了解はできないのです。この点いかがですか。もう少し具体的にはっきりと出していただきたいと思う。もうこの段階で出すべきではないか、こんな国会の場で三年越しの問題はあまり類例がないわけです。しかも、繰り返して恐縮ですが、いわゆる国務大臣ともあろう人が国会の場で約束しているでしょう。それを一人でなく、次々に歴代長官が約束しておる。これがいまだに実現しない、これでは国会の権威にかかわる。何のための国会の審議か、私ども二年越しにこういう質問をやって全然無意味なことだと思うわけです。こういうことでは非常に国会の委員会の審議は要らないと思う。この委員会の審議というものについて特に権威あらしめるためにも、国会は、国会議員がこの場で決定したことについては、ひとつぜひ実現する以外に手はないと思う。相当な決意でこの合同委員会施設委員会で日本側の態度を強力に出すもう最終段階であろうと思う、この点いかがですか。
#67
○政府委員(林一夫君) この太田・大泉の訓練場を返還する、その返還につきましては、地元の強い御要望があるということはよく存じておりますので、私ども今までずっと長くこの代替地の調査に努力して参ったのであります。この代林地につきましては、全然見込みはないわけではないのでありまして、現に私ども候補地について日米共同の調査をやっております。ただ、その候補地の名前を具体的に申し上げることはできないのでございますが、候補地については現実に調査をいたしておる、そういう状況でございます。
#68
○伊藤顕道君 これは江崎長官時代に丸山長官が答弁されたことより一歩も出ていない。代替地の問題が具体的になってきたから、もう間近かである。その点、林さんは前者の例もあるので、いついっかという期日は明確にしないだけで、丸山さんはそこは正直であったと思うのです。であるからといって、本年三月とか本年中には――丸山さんは三十八回国会終了までにと、いろいろ具体的におっしゃっておる。丸山さんはその点では非常に考えたことを率直に言われたと思う。正直の点は非常に高く評価するのですが、ただ、その正直さも実現していないので、こっちはだまされたということになる。結局こっちはだまされ続けなんです、この委員会で。そうでしょう。先ほども申し上げたように、一つの問題について三年間も繰り返し繰り返し質問して、しかも、確約しておるのにそれが実現しない、これじゃ委員会で審議しても意味ないでしょう。国会議員にいついっか返還しますと約束して、それならとその期日を待っていると実現しない。次の長官がまた期日を明確にして約束する、赤城、江崎長官は期日まで明確にされた。次の西村長官は、前二者は期日を明確にしたということでこちらが追及したので、今度は賢明にも期日は明確にしませんでしたけれども、早期実現に最大限の努力をいたします、そういう表現にかわってきたわけです。そこで、丸山長官が言われたとおりの言葉より一歩も出ていない。代替地が解決すれば解決します、それはそうでしょうけれども、その代替地をなぜ早く解決しないかということ、百歩譲って、それでは代替地の問題にかかっているなら、その代替地をなぜ早く解決しないか。両方専門家がそろっているでしょう。専門家が見て一カ月、二カ月ではなく、半年、一年もかかったら、この代替地が適当であるかどうかということは判断がつくわけでしょう。それを二年越しでまだ代替地の問題でぐずぐずしているということは、何かほかにわけがあるのではないか、そう考えざるを得ない。もうこの辺でひとつ踏み切っていただかないと、これでは国会審議が全く意味はないと思う。今結論を出してもおそ過ぎる、実は。それをさらに努力いたしますとか、代替地の問題でまあ見込みもないのではな、 そういうような、今の段階でまだそんなことを言われておる。見込みがないでもないというようなことは、今言われる言葉じゃないのです。もうこの辺でごまかさないで、真剣にひとつほんとうのところを言ってもらわないと困る。日米合同委員会施設委員会が隔週にあるのだから、平均月に二回は持てるわけですね。そういう米軍との交渉の機会はあるわけです。そこでひとつ日本の防衛庁長官、日本の調達庁長官の立場で、なぜ日本人の利益のための交渉ができないかということをお伺いしているわけです。代替地代替地で、これは二年前なら私は信用した。二年後の現在では、代替地の問題では了承できない。通り一ぺんの答弁ではなくして、誠意をもって、必ず職を賭してもこの問題と真剣に取り組んで、いつごろまでには必ず返還するようにする、最大限の努力をして実現しないということは、これは努力をしてみなければわからない。いついっかまでに返還しろ、そういうことは言わない、言っても意味がない。防衛庁長官、調達庁長官、それぞれ歴代の長官に対しては、赤城さん以前のことについては別ですが、赤城さん以後の歴代長官には、私は実はあまり信用していない。信頼がおけない、国会の場での約束が実現できないのだから。そこで、いついっかまでということはあえて言いません。意味がないということを貼ったわけです、おそまきながら。そこで、それではしかし国会の権威にかかわる。そういうこともあるので、ひとつこの辺で重大な決意をもって、誠意をもって、いま少し具体性のある、責任のある答弁をいただきたいと思う。通り一ぺんの御答弁ならもう必要はない。
#69
○国務大臣(藤枝泉介君) 先ほど申しましたように、いろいろ今まで歴代の防衛庁長官、調達庁長官が、決して国会で誠意のない答弁をしたのではない。その当時の客観情勢としては、お答え申し上げたことが実現できるものと確信を持ってやっておられたと私は存じます。ただ、結論的には、今伊藤さんのおっしゃるように、一向に進展しないということははなはだ残念でございます。したがいまして、具体的な候補地を持ち、しかも、それについてもちろんいろいろ理想的な条件を申せば支障もあろうかとは思いますが、しかし、まだまだ演習のできる、しかも先ほど伊藤さんもおっしゃったように、地元の住民の方々に危害ができるだけ及ばないような、そういうところを具体的にあげまして、そうしてこれについてはぜひわれわれ防衛庁並びに調達庁の首脳部として全力をあげて、ぜひそれが実現するような努力を今いたしているような次第でございます。
#70
○伊藤顕道君 時間の関係もございますから、最後に一点お伺いしますが、この基地問題は、ただ単に太田・大泉だけでなくて、例の北富士の問題、こういう問題もまだ問題を残している。ところが、北富士ではああいう現地の方々が強い反対の決意で、砲弾の中にすわり込みまで決行して、そういうことで解決した。そこで、こういうことに関連して、太田・大泉の現地に私が行ったところ、こういうことでは手ぬるい、陳情くらいでは手ぬるいから、ひとつすわり込みでもやるか、そういうことは今までしばしば言い出している。しかし、私どもの立場で、もうこの辺で解決するであろうというので、むしろこちらは抑さえているわけなんです。そうなると、北富士の問題は、すわり込みのようなことを決行したからある程度解決した、そうすると、太田・大泉の飛行場も、すわり込みの決行をしないと解決をしないということであるならば、もう向こうはあせりにあせっている。こちらは非常に押さえておるわけです。押さえる立場でおるわけです。こういうことになると、私どもすわり込みでもやれば解決できるということであるならば、われわれはちょっとでも手をあげれば猛然と――そういう組織ができておるわけです。そういうことで解決する以外にない。しかし、これはあまり上の上なる策ではないと思う。だから押さえておる。そういうこともあるので、北富士はすわり込んだから仕方がないからというようなことで、ある程度話し合いができたわけです。これはもちろん解決はしてないわけです。したがって、太田・大泉の問題も、そういう実力行使をやるとかやらないとか、そういうととは抜きにして、ひとつ真剣に考えてもらって、相当の決意を持って、これを解決しなければもう責任問題というくらいの決意がなければ、これはとうてい通り一ぺんでは解決しないと思う。特に調達庁長官が直接日米合同委員会施設委員会に日本側の代表として出られるわけですね、いつでも発言できるわけです。そういう機会に恵まれておる。ただ、米軍の言うことを御無理ごもっともと聞いておったんでは、一年、二年、三年たってもこれは解決は期しがたい。そこで、日本の調達庁長官という、そういう立場から、ひとつ強力な交渉を持ってもらいたい、そう思うのです。代私地々々々とおっしゃるけれども、これは江崎長官のころからの言葉です。今初めて聞く言葉でないので、代替地の問題も、もうこの辺で二年越しなんだから、解決しなけりゃいかぬ。それは米軍が理想的なことを言っておるなら、日本にはそういう代替地はないんだから、あきらめてもらう以外にはない。本土に帰れば広漠たる平原が相次いでおるのだから、物資投下訓練には少しも困らない。そういう国柄の兵隊が日本に来て、狭い所で人間がこんなに住んでおるその上で、頭の上で物資投下訓練、それはなかなかもつてそんな適当な地があるはずはない。そういうところをひとつ追及して、十分強力な交渉を持たなければこれは解決しないと思う。腹を据えてひとつ米軍に強力な交渉を持ってもらいたいと思う。特に調達庁長官は直接の当面の責任者であられるわけです。施設特別委員会にはあなた毎回出られると思う。いつでも発言できると思う。米軍おそるることなく、ひとつ日本人の立場で、対等の立場で当然要求できると思う。これは対等でしょう。対等の立場であろうと思う。だから臆することなく、遠慮なく、堂々とひとつ日本人である調達庁長官の立場で強力な交渉を持って、早急に、来月の十五日までとか来月の一日までとか、そういう具体的なことはもう言いません、言っても意味ないから。ひとつそういう一大決意を持って強力な交渉を早急に持ってもらいたいということを最後に強く要望しておきます。これに対する長官の決意のほどを伺って、その決意によってはこれで質問を終わりたいと思います。
#71
○政府委員(林一夫君) この太田・大泉の問題につきましては、地元が非常に強い要望を持っておるということもよく存じております。まあ早く代替地を見つけて、早く返還しなければならないということについても、肝に銘じておるわけでございます。施設委員会、合同委員会というものにおけるわれわれの立場というものは、もちろんアメリカと同等の立場で交渉しておるのであります。従来も強力な交渉を継続してきたのでありますが、今後ともさらに誠意をもってこの強力な交渉を続けて早く解決したい、こういうふうに考えております。
#72
○鶴園哲夫君 私は、千葉の沼南村というところに海上自衛隊の航空基地を作られるという話があるようでありますが、その問題と、もう一つ調達庁の機構の問題につきまして、この二つの問題で伺いたいのでありますが、まず初めに、千葉の沼南村の問題でありますが、これは沼南村並びにその近接しております柏市、この両方の市または村の方から防衛庁の方に、基地を持ってきてくれというような話があるのか、あるいは防衛庁の業務計画の中に、沼南村に海上自衛隊の航空基地を作るということが明らかになっておるというふうにもいわれておるのですが、防衛庁のほうが作りたいということで沼南村なり市に対して話を持っていっておられるのか、その辺の事情をまず初めに伺いたいと思います。
#73
○政府委員(木村秀弘君) 白井のところの基地につきましては、防衛庁のほうから沼南村及び熊ケ谷町に対して、この場所が対潜基地として非常に必要でございますので、ぜひこれを拡張いたしたいという希望を提示いたしております。
#74
○鶴園哲夫君 防衛庁のほうから設置したいということで申し入れておる、こういうことでございますね。
 そこで、次に伺いますのは、これは御存じのように、終戦直前に旧陸軍の飛行場として土地を買収し、または買収したということで滑走路建設が始まったところが、終戦になって、途中でこれは中止している。米軍がこれを戦後白井キャンプとして接収をしておる。これを日本にお返しになったのはいつなのか、それから面積はどの程度あるのか、国有地と民有地、私有地と二つに分けておるそうでありますが、どの程度あるのか、それから国有地と称しておる所に、どうもまだ地主のほうで納得しないでもめておるという実情もあるようでありますが、その三つの点を伺いたいと思います。
#75
○政府委員(沼尻元一君) 白井飛行場の返還になった日でございますが、昭和三十五年の六月三十日、米側から返還をいたしております。返還を受けました土地の総面積は約七十三万九千坪、所有者別といたしましては、国有が約六十八万坪、民有が四万八千坪ということになっております。また、国有地の中に民有地が含まれていたのではないかという御質問でございますが、調達庁といたしましては、国有財産台帳に記載されている土地につきましては、国有地として米軍に提供してきたわけでございますが、返還になりましたので大蔵省に引き継いだわけですが、この国有地の中には、昭和二十九年でございますが、渋谷貴重さんという方から、国有財産台帳記載の一部土地につきまして、これは自分の所有地である、したがって、賃貸契約を結んでほしいというようなことが東京調達局に申し入れがございました。大蔵省の管財局のほうに照会しましたところ、その土地は終戦直前の昭和十九年に旧陸軍において買収いたしましたが、間もなく終戦となって登記手続が未済になっている。しかしながら、もう国が買収して国有地になっておるというような問答がございました。渋谷さんのほうはこれに対しまして、昭和三十五年二月、千葉地方裁判所に対して訴訟を提起して、現在係争中でございます。
#76
○鶴園哲夫君 民有地が四万八千坪、これは返還されましてからお返しになったわけですね、所有者に対してそれを伺いたい。
#77
○政府委員(沼尻元一君) 民有地は、先ほど申しましたのは地主に返還しております。
#78
○鶴園哲夫君 そこで、滑走路はどう延ばしても、今のところ千五百メートルしかない、こういうことでございますが、ここに海上自衛隊の航空基地を設置する、そして配置する機種はP2Vだというふうに聞いておりますが、そうしますと、どうしても二千五百メートル程度は滑走路を延ばさなければならないということになるわけですが、これは新しくどうしても土地を買収するということになるわけですけれども、どの程度買収するのか。それから前にお返しになりました四万八千坪、これもまたその買収の中に入っているのかどうか、伺いたいと思います。
#79
○政府委員(木村秀弘君) ただいま御指摘になりましたように、千五百メートルの滑走路を二千二百五十メートルに延長いたしたいという希望を持っております。
 それから、それに伴って民有地を買収するかという御質問でございますけれども、これはただいまのところ、買収する予定はございません。ただし、ただいま調達庁のほうから御答弁を申し上げましたように、この国有地の六十八万一千坪の中には、未登記の、国に対して移転登記がまだなされておらないという土地が四十四万坪ばかりございます。この四十四万坪の土地は、国としては終戦直前に買収をいたしたものという判断をして今日に至っておりますけれども、若干の問題がございまして、ただいま渋谷さんのような問題がございますけれども、その他のこの旧土地所有者八十五人につきましては、大体熊ケ谷の町長さんと沼南村の村長さんが中に入られまして、移転登記に協力をしよう、もちろん旧土地所有者の御納得を得て移転登記に協力をしようというようなお話し合いが進みまして、この移転登記が円満に行なわれますならば、それ以外に特にまとまった土地を買収するという計画はございません。ただし、境界のはっきりしない部分が若干ございますので、これがもし国で買収したという証明がなされないならば、その部分についてはあるいは買収の必要が起こるかもしれません。
#80
○鶴園哲夫君 二千二百五十メートル滑走路を延長しても、先ほどの未発記の四十四万坪というものが解決をして国有地になるということであれば、新しく土地を買う必要はない。ただ、周辺の土地で国有地であるかどうかという点の未解決の点があると、それもはっきりすれば買う必要ない、こういうお話のようでありますが、この四十四万坪について熊ケ谷の町長さんと沼南村の村長さんが仲に立って、この未登記が円満にいくようにというような努力をされるようなお話しでありますが、その場合に、今裁判に出ておりますのは、渋谷さんというのはどの程度の面積を持っておられるのですか。
#81
○政府委員(木村秀弘君) 渋谷さんの現在係争中の土地は五万四千百五十坪でございます。なお、その方の子供さんの所有地が一万三千七百五十九坪ございまして、このあとのほうの土地につきましては訴訟にはなっておりませんが、まあ父親のほうで訴訟中だから、自分としてもこの際一ぺんに応ずるわけにはいかないということでございまして、この二件が解決をいたしておりません。したがって、先ほどの町村長さんとのお話し合いの中にはこの土地は含まれておりません。
#82
○鶴園哲夫君 今この裁判に係争中の五万四千坪、むすこさんの一万三千坪、ちょっと七万坪近くになりますが、それが解決しないと、これはなかなか解決しないでしょう、簡単には。そうしますと、これはそのままにほうっておいて防衛庁としては滑走路をお作りになるつもりなのか、先ほどの四十四万坪の登記が終われば、これはほうっておいて滑走路をお作りになるのか、あるいはその分はまた別に買収されるのか、違った土地を買収されるのか、その点を伺っておきます。
#83
○政府委員(木村秀弘君) これはただいま申し上げましたように、町村長さんの仲介にただいまのところは応じておられませんので、国といたしましては、この買収の契約書等、いろんな資料を整えまして、裁判所でもって黒白をつけるという、ただいまの段階といたしましてはそのほかに方法がないかと思っております。滑走路の工事といたしましては、それ以外の部分については、問題が解決すれば直ちに着工ができるというふうに考えております。
#84
○鶴園哲夫君 係争中の七万坪近い土地が滑走路のどの辺にあるのか、あるいは予定されておる基地のどの辺にあるのかわかりませんけれども、これはそれが解決しないうちにお作りになるということになるだろうと思うのです。そうしますと、別に土地をお求めになるのか、これはもうなくてもいいのか、その七万坪近いものはそのままでも滑走路はできるのか、その点を伺ったわけです。
#85
○政府委員(木村秀弘君) この土地は飛行場を完成するためにはぜひ必要な土地でございます。したがって、ほかに求めると、その土地の位置から申しまして、ほかに代替地があればというわけにはちょっと参りかねるかと思います。
#86
○鶴園哲夫君 そうしますと、渋谷さんが千葉の地方裁判所に出しておられるその問題が解決をしないと滑走路を拡張するというわけにはいかないと、こういうことでございますね。
#87
○政府委員(木村秀弘君) その土地以外に、非常に広大な面積でございますので、なお工事を大部分はやり得るわけでございますが、そういうやり得る部分は、今のこの町村長さんの仲介によって問題が完全に解決すれば、直ちに着工ができるというふうに考えております。
#88
○鶴園哲夫君 先ほど未登記の四十四万坪、これについて町長と村長が仲に立って、円満に登記ができるように御努力をなさるという話でありますが、これは時価で国が買うという前提があるのじゃありませんですか。時価で国が買うという前提があるのじゃないですか。
#89
○政府委員(木村秀弘君) これは時価で国が買うのではございませんので、この約四十四万坪の土地につきましては、一定の基準をきめまして、そうして移転登記をしていただく、そういうことに対する補償と申しますかをいたす。大体前例といたしまして、ほかの地域でも同様の問題が発生いたしまして、それに対して時価の一割相当額でもって御協力を願って移転登記を完了したという前例もございます。そういう前例等を参考にしまして、大蔵省等とも協議をいたしまして、大体そういう前例に従ってこの問題も取り扱っていきたいと思っております。
#90
○鶴園哲夫君 そういうことになりますと、すでに登記をしてある分があるわけですね、そこはどういうことになりますか。あの登記をしておるところ、これはたまたま未登記になっておる。この未登記の土地に対しまして今のお話のようなことが進められるとします場合に、登記をした人たちは、すでに登記をした土地を持っておられる方々はどういうことになりますか。
#91
○政府委員(木村秀弘君) すでに国に対する移転登記が完了いたしておりますところにつきましては、さらに補償をするというわけには参らないと思います。ただし、これはあくまでも国と村長さんあるいは町長さんとの間のお約束でございますから、したがって、この内部において村長さんなりあるいは町長さんがどういうふうにお取り扱いになるかということは、これはわかりません。政府としましては、そういうことで完全に移転登記に必要な書類を御提出いただいて協力をいただけるということがはっきりしましたときに、今申し上げたような基準でお支払いをする、こういう考えでございます。
#92
○鶴園哲夫君 ちょっと長くなりますので、この程度で終わりますが、この移転登記をしなかったということですね。登記をしなかったということは、これはどういうことなんですかね。やはり終戦時に土地を買収されるときに問題があったわけですね、そこで争いがあって登記できなかったのかどうか。それから、過去約十二、三年になるわけですが、登記をしないまま米軍が使用し、さらに今日まだ使用しておられるのだろうと思うのですけれども、それらはどういうような補償をされるのか。
#93
○政府委員(木村秀弘君) 終戦直前に国が買収をいたしましたときに、どうして移転登記をしなかったかという御質問かと思いますが、御承知のように、何分終戦直前の非常に混乱した時代のもとで買収が行なわれました関係上、これらの土地に関係しまして、あるいは土地代金の請求書があるもの、あるいは登記の承諾書の原本があるもの、あるいは土地売渡証書の原本なり写しのあるもの、そういうものがあるところから推定をいたしますというと、やはり終戦直前の混乱のさなかに買収をいたしましたので、そういう登記手続が完全に行なわれるまでには至らなかったというふうに考えております。
 それから第二の御質問につきましては、未登記のまま米軍が使用し、あるいは使用してきた、それに対して補償をするかどうかという問題でございますけれども、国といたしましては、所有権はすでに国に移っておるという判断を、現在までのところ、これは管財局におきましても、あるいは調達庁におきましても、あるいは防衛庁におきましてもそういう判断をいたしておりますので、その分に対して特に補償をするということは現在のところ考えておりませんし、また、町村長さんとのお約束の中にもそれは入っておりません。
#94
○鶴園哲夫君 登記をしないで対抗できるのですか。登記してないわけでしょう。登記をしないで国の所有であるという形で対抗できるのですか。
#95
○政府委員(木村秀弘君) これは、登記はまあ申すに及ばないことでございますけれども、第三者に対する対抗要件であることは当然でございまして、売り渡しをした人と、それを買い上げた政府との間においては、たとえ登記面で移転がなされておらなくても有効だと存じます。したがって、この旧土地所有者と国との間におきましては、登記はなされておらなくても、これを国が使用し、あるいは協定に従って米軍に使用させるということも有効だと思います。
#96
○鶴園哲夫君 まだやりたい衝動にかられますけれども、あとの問題がありますので、これだけにいたしまして、次に、調達庁の機構の問題につきまして伺いたいわけですが、調達庁の機構の問題につきましては、御存じのように、何回かこの委員会でも問題になっております。たしかことしの八月ころまでには、調達庁と防衛庁両方の合議によりまして、何らかの機構を作るのだという話があったのでありますが、今日どのような形になっておるものかどうか、その点をまず伺いたいと思います。
#97
○国務大臣(藤枝泉介君) 調達庁の業務を、基地問題の重要性等とも考えまして、防衛施設に関する行政事務を能率的に取り扱うための機構を作る。要するに、調達庁の仕事を防衛庁の内部に溶け込ませるという意味の方針をもちまして、事務的にいろいろ詰めて参っております。特に防衛庁の官房を中心にいたしまして、この最後の打ち合わせをさせておるわけでありまして、その一元化する方針は大体確立をいたしておりますが、なお細部にわたって検討すべき問題がありますので、目下それを検討しており、できればなるべく早い機会に一元化をしたいというふうに考えておるわけであります。
#98
○鶴園哲夫君 次に、これはいつごろまでにおまとめになる方針ですか。次の通常国会に間に合わせられるつもりですか。
#99
○国務大臣(藤枝泉介君) 私といたしましては、ぜひ次の通常国会にはこれに関連する法案を出したいというつもりで、事務的に急がしておるわけでございます。
#100
○鶴園哲夫君 今、長官の答弁の中に、防衛庁の中に溶け込ませるという言葉があったのですけれども、溶け込ませるというのは、新しくできます調達庁の機構というもの、これは調達庁として今のような形であるのではなくて、防衛庁の中に完全に溶け込んで、防衛庁の中に吸収してしまうというお考えですか。
#101
○国務大臣(藤枝泉介君) 御承知のように、申し上げるまでもないのですが、現在の調達庁は、米軍の施設に関するものだけをやっております。そのほかに、自衛隊の基地に関する業務を防衛庁でやっております。しかし、現在の自衛隊の基地並びに米軍の基地というものを考えて参りますると、これはやはり接収を能率的にやるためには、現在の防衛庁の基地行政と、調達庁のやっておりまする米軍基地に対する行政とをやはり一緒にして、そうして能率的にやるのが妥当ではないかという考え方で進めておるわけでございます。
#102
○鶴園哲夫君 私の伺っておりますのは、溶け込ませるというお言葉があったものですから、それでは新しくできますところのそういう行政をやるものは防衛庁の中に入ってしまうのではないか。今は外局としてあるわけですが、そうではなくて、防衛庁の中に溶け込んだ形としての組織としてできるのではないかという気がするものですから、どういう機構を考えておられるのか。今の防衛庁の中の基地行政をやっておるものを調達庁の基地行政をやっているものの中に持ってきてやるのか、あるいは今の調達庁を防衛庁の基地行政をやっておられるものの中に持っていかれるのか、あるいは全然別に何か作られるのか、そこら辺の機構を伺いたいわけです。
#103
○国務大臣(藤枝泉介君) その辺はまだ具体的になっておりませんが、考え方としては、防衛庁の基地行政をやっているものと調達庁の行政とを一緒にする。ただ、その場合にどういう機構になるのかという問題につきましては、もう少し詰めていかなければならぬと思います。御承知と思いますが、防衛庁のほうは、内局は経理局がやっておりますけれども、そのほかに建設本部というものがございますし、各陸海空の三幕僚監部においてもそうした面をやっている面もございます。それらをどういう形でやるかということは、さらにもう少し詰めてみなければなりませんけれども、最初におっしゃったように、防衛庁の基地行政をやっているものを今の調達庁に持ってくるというよりは、逆の形を今のところ考えておるわけであります。
#104
○鶴園哲夫君 そうしますと、先に長官のおっしゃった防衛庁の中に溶け込ますという意味は、調達庁を防衛庁の中に持っていく、こういう考え方に近い。そういうことで考えておられるというふうに受け取りますが、この問題につきまして、もっと本格的に論議をいたしたいのですが、ただ、ここで申し上げておきたいのですけれども、この調達庁が防衛庁の外局になりますときに、つまり昭和三十三年の八月ですね、外局になりますときに、前岸首相が国会答弁された内容があるのです。それによりますと、三つ答弁しておられるわけです。それは、防衛庁に移管の後も、調達庁の職員というのは一般職だということを言っておられるわけですね。それから従来の調達庁の機構は変更はないし、同一性を保っていくのだ、それからもう一つは、組合の結成活動については自由なんだ、こういう三つの答弁になっておるわけですが、これは今とだいぶ違った形になるのじゃないかという懸念がするわけですね、今の長官の答弁を聞いておりますと。その辺はどうなんでしょうか。
#105
○国務大臣(藤枝泉介君) 調達庁が防衛庁の所管になりました際の今御指摘のような点は、要するにあの際は、どこまでも調達庁というものは、米軍に提供される施設についての業務だけを行なうという形で防衛庁の組織の中に入ったわけなんです。したがいまして、そういう場合におきましては、当然調達庁の組織はそのままであるし、一般職であるし、したがって、職員組合の結成も自由である、これはそうであろうと思います。ただ、その後の全国における米軍に提供された施設並びに自衛隊の施設等の行政にかんがみまして、もしもそれらを一緒にいたしまして、そして能率的に基地行政を行なうということになりますと、おのずからそこにはまた変わった段階が出てくるかと存じております。その辺のところを目下研究をいたして、至急に結論を得たいと考えておる次第でございます。
#106
○鶴園哲夫君 時間がありませんですから……。
#107
○委員長(大谷藤之助君) まだ余裕がありますから……。
#108
○鶴園哲夫君 次の機会にもう少しはっきり伺っておきたいと思いますが、どうも今の長官のお話を承っておりますと、基地行政といいますか、そういうものを能率化するためには一般職でないほうがいいんだというようなお感じを持っておられるように受け取れるのですね。そういうお感じを持っておられるのですか。
#109
○国務大臣(藤枝泉介君) 特別職にするとか一般職にするとかということでなく、前に調達庁を防衛庁の組織の中に入れましたときは、今申し上げたように、調達庁というのは、米軍に提供された施設について、まあ労務の問題もございますけれども、施設についてだけやるという考え方でそういう進み方をしておる。今後は、その後の全国の基地の状態その他から考えまして、自衛隊の基地も米軍の基地も一緒にして、一本にした基地行政というものを行なったほうが能率的ではないかという考え方で進めております。でありますから、それに従事する職員を一般職にするのがいいか特別職にするのがいいかということは、さらに検討をしなければならない問題であるというふうに考えておるわけであります。
#110
○委員長(大谷藤之助君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#111
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。
#112
○鶴園哲夫君 衆議院のほうから、たいへん急いでおるようです。ですからここで一応おきまして、もう一ぺんひとつ伺いたいと思います。
#113
○委員長(大谷藤之助君) 他に御発言もなければ、本件はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十三分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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