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1961/10/26 第39回国会 参議院 参議院会議録情報 第039回国会 内閣委員会 第9号
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1961/10/26 第39回国会 参議院

参議院会議録情報 第039回国会 内閣委員会 第9号

#1
第039回国会 内閣委員会 第9号
昭和三十六年十月二十六日(木曜日)
   午前十一時二十七分開会
   ―――――――――――
出席者は左の通り。
  委員長      大谷藤之助君
  理 事      塩見 俊二君
           松村 秀逸君
           鶴園 哲夫君
           山本伊三郎君
  委 員
           石原幹市郎君
           木村篤太郎君
           下村  定君
           吉江 勝保君
           千葉  信君
           松本治一郎君
           横川 正市君
           赤松 常子君
           高瀬荘太郎君
  国務大臣
   大 蔵 大 臣 水田三喜男君
   大 蔵 大 臣 福永 健司君
   国 務 大 臣 藤枝 泉介君
  政府委員
   人事院総裁   入江誠一郎君
   人事院事務総局
   給与局長    滝本 忠男君
   内閣総理大臣官
   房公務員制度調
   査室長     増子 正宏君
   調達庁長官   林  一夫君
   調達庁総務部長 大石 孝章君
   大蔵大臣官房長 佐藤 一郎君
   大蔵省主計局給
   与課長     平井 迪郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       伊藤  清君
  説明員
   大蔵省主税局税
   局税関部長   稻益  繁君
   大蔵省銀行局総
   務課長     塩谷 忠男君
   ―――――――――――
  本日の会議に付した案件
○大蔵省設置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○連合国占領軍等の行為等による被害
 者等に対する給付金の支給に関する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○一般職の職員の給与に関する法律の
 一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○特別職の職員の給与に関する法律の
 一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○防衛庁職員給与法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
   ―――――――――――
#2
○委員長(大谷藤之助君) これより内閣委員会を開会いたします。
 大蔵省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。前回に続いて質疑を行ないます。
 政府側出席の方々は、佐藤官房長、大村主計局総務課長、稻益税関部長、塩谷銀行局総務課長、ほどなく大蔵大臣も見える予定でございます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#3
○山本伊三郎君 大体この前の審議で、関税局の設置の問題については、われわれとしても一応説明によって理解をしてきたんですが、今政府委員の方に実は資料についてお聞きしましたので、一応わかっておるのですが、念のためにちょっと聞いておきたいのですが、大体この三十四年と三十六年の比較をすると、年率に直すと、まだ三十六年度は年度中途ですから、もちろんこういう結果が出ておると思いますが、下半期ではこの率が、輸出あるいは輸入の量がふえると思う、こういうことですが、これは間違いないですか。この点について……。
#4
○説明員(稻益繁君) お手元へお配りしました資料が、たまたま一−八月というものを単純に八分の十二しまして年率に換算いたしました関係で、たとえば三十五年度の比較で九九・四%と、若干減るような数字が出ております。通常まあ日本の輸出は、御承知のように、大体暮れ、特に第三・四半期にかなり伸びるというのが毎年の例でございます。特に十二月をピークとして伸びて参るわけであります。そういう関係をここでは実は全然考慮いたしておりません。非常に単純な算術計算をやった。まあ後半が伸びるということは過去の統計が大体示しておるところでありますので、おそらく三十五年よりも三十六年が減るということは万々ない、かように存じます。
#5
○山本伊三郎君 それで、なおちょっと危惧をするのですが、一昨日も質問いたしましたが、貿易の自由化によって伸びるというこの傾向というものは一応理解できるんですが、特に予算委員会で問題になりましたが、国際収支のああいう状態から、相当金融の引き締めが行なわれてきた。どうせ輸入がある程度規制されるんじゃないかと思う。もちろんそれに伴って輸出を奨励されておるから、輸出のほうがふえるということも考えられるが、この点は、今まで逝去の年次における貿易の額の趨勢と今年はまた変わった特殊な事情がこの際現われてくるんじゃないか。この臨時国会中における各種委員会における政府の答弁からみても、そういう危惧をするんですが、やはり過去の例によって、下半期において相当いつものように伸びるということ、そういうものがはっきり大蔵当局にそれが見通せるかどうか、この点ひとつ。
#6
○説明員(稻益繁君) 御承知のように、最近の国際収支の悪化に対応しましてとられておりますいろいろな政策、二面におきまして設備投資の抑制といったような点から、一応あの政策が効果を現わして参りますと、この下期ごろから輸入のほうは減少して参る。逆に、いろいろな輸出振興の対策が講じられておるわけです。あるいは金融なり、あるいは保険なり、あるいは税制なりといった面で、これがいつごろから効果を現わして参るかという、時期的な的確な見通しはあるいは困難かと思うのでありますが、少なくも、やはりある程度はこの下期にそういったものの効果が出て参るのではないか。先ほど申し上げましたように、普通の場合でも、趨勢としましては下期に輸出が伸びる。あわせまして、ただいまいろいろな輸出振興の施策がとられておるわけで、おそらくそういう面から下期の輸出はかなり伸びると見てよいのではなかろうか、かように考えております。
#7
○山本伊三郎君 これは大臣が来られたら一ぺん確認しておきたいんですが、御存じのように、貿易の自由化については、わが党は反対の立場をとっておるわけです。したがって、一昨日から質問をしているのは、そこに論点を集中しようと思ってしてきたんですが、それだけの理由ということになると、われわれとしては一応の意見があるんですが、一昨日いろいろと関税業務その他の問題について説明されましたので、また、主税局内部の持てる関税部のウエートというものが、かりにこういう要素がなくても、ある程度考えなくちゃならぬという点が、大国なり官房長からも説明がありましたから、一応理解しますが、単に為替貿易の自由化によってのみこれがこうだというきめつけをされると、われわれとしてはまだ問題があるんです。したがって、今、今後の貿易の状態は、過去の年次のように、非常に楽観的にいわれておりますが、私らとしては、そうはいかないと見ておるんですが、この点についてはあまり追及いたしません、本委員会の性格として。これはまた大蔵委員会なりその他でやられると思いますが、この点だけ私は言っておきたいと思うんです。大臣が来られたらこの点はもう一ぺん聞きますが、この問題は一応これで終わります。
 次に、これはまああまり問題はないと思うんですが、財務研修所及び会計事務職員研修所、これはここに簡単に設置理由が載せてありますが、一体内容は、どういう機構でどういう方法でやられるのか。まあ大体理解できるんですが、ちょっとその説明をしていただきたい。
#8
○政府委員(佐藤一郎君) 御説明を申し上げます。財務研修所と申しますのは、御存じのように、大蔵省に今下部機構といたしまして、財務局というものが各ブロックごとにございまして、さらにその下の機構といたしまして、各県単位で財務部というのがございます。それで、そこでやっております仕事と申しますのは、大蔵省の仕事の中で、内国税については国税局の系統の下部組織がございます。国税局、税務署がございます。それから関税につきましては、税関及びその支所がございます。それらの所掌事務を除きましたところの他の大蔵省の所掌事務の地方的な仕事一切を所掌いたしているのが財務局並びに財務部でございます。
 そのおもな仕事を申し上げますと、一つは主計局の仕事でございまして、これはたとえばお聞き及びと思いますが、災害が起こりますと、その立会と称するのをやりましたり、いろいろな査定事務をやっております。あるいはまた各種の補助金の実態の調査をいたす、あるいはまた主計局の予算編成の際に参考とすべき資料をそれぞれの地方から整備するというような仕事がございます。それから、また理財局の仕事といたして一番おもなものは、御承知の起債の仕事でございまして、特に市町村の関係等は、全く主として地方を中心にしてやっております大きなものにつきましても、財務局、あるいは財務部の意向というものが中央に反映いたしまして仕事が進められているという関係になっております。それから金融関係でございますが、これにつきましては、いわゆる銀行検査がございます。同じく銀行検査と並びまして、証券業に対する検査がございます。これらにつきましても、金融金庫のようなものにつきましては、ほとんど財務局が中心となってやっております。まあ為替につきましてはあまりございませんが、さらに大きな仕事は管財局の系統でございまして、御承知のように、全国に散らばっております国有財産の管理、運営、処分というような事柄は、これは仕事の性質上、現場的なものでありますからして、すべて財務局が中心になってこれをやっているわけでございます。そういうようなことで、この財務局並びに財務部の仕事というものは非常に多岐にわたっております。それから、またそのおのの仕事が、たとえば銀行検査であるとか、証券業の検査であるとか、あるいは管財の財産処分、あるいは財産の評価の問題であるとか、あるいはまた主計局の災害の査定であるとか、いずれも相当専門的な知識を要請される性質のものでございます。それで、大蔵省といたしましては、やはり末端の職員が十分事務に精通いたしまして、誤ちなきを期する必要がございますので、早くから実は研修はやっているのでございますが、従来は財務局の仕事を統括いたします地方課というのが官房にございます。その地方課の中では、ごく一部の職員で研修の仕事を始めておったわけでございますが、だんだんと職員の数もふえて参りますし、それからまた法令その他がますますふえて参りまして、仕事がますます複雑分化していくというようなことで、研修業務というものの必要性がいよいよ痛感されて参る。で、まあとかく課の片すみでもって仕事をやっておりますと、ほかの本来の仕事にかまけてしまいまして、どうも研修のほうの力の入れ方が不十分であるということでは、いろいろと事故が起こったりいたしますので、この際、責任を明かにした独立の体制をとりたいということで、今回研修所の設置をお願いしたわけでございます。
 それから会計のほうの研修のことでございますが、これにつきましては、御存じのように、全国的に会計事務職員というのは、政府でもって約五万人ばかりございます。それで終戦後、御承知のように、会計検査院が指摘いたしましたところの会計職員の事故というものは非常にふえたのでございます。それには非常にいろいろな理由、一般のモラルの低下とか、いろいろな問題もございますが、事務に精通しない新しい職員がどんどん入って参ったりしまして、仕事に熟達しないということからくる事故というものが相当多いのでございます。それで、これも会計検査院等の意見等も取り入れて、主計局におきまして政府の各省の会計職員の研修を一括して行なおうということになりました。これが発足いたしましてからもう約十年になるのでございますが、各省で会計事務の仕事に携わっておる中堅的な方々に研修に来ていただきまして、そうしてここでもって基礎的なことからみっちりと勉強していただく、相当これは効果を上げておると思います。御存じのように、会計検査院の事故というものも、小さいものはいろいろございますけれども、昔のような事故が非常に減って参ったのは、やはりこの研修の効果だと思います。これは一方において、御承知の職員の責任をだんだん重くするという法律の整備もいたしておりますが、ただ責任を重くしてあやまちをとがめるというだけではなく、同時に、この研修をやるということが非常に重要であるという認識のもとに、私どもはますますこの研修には力を入れて参りたいと、こう思っております。これも従来主計局の片すみで事務をやっておったのでございますが、やはり本来の主計局の予算であるとか、そういうような仕事につい追われまして、この研修事務というものがとかく十分に行き渡らない感じがございます。そこで、今回やはり体制を確立いたしまして、そこに専任の所長を置き、専任の教頭を置きまして、そうして研修に力を入れて参りたい、こういうことで設置をいたしたわけであります。
#9
○山本伊三郎君 それじゃこの両研修所は、一カ所で、しかも、規模はどういうことになっておるか。それから、内容を聞くよりも、所長の、何といいますか、国家公務員の等級からいって、どういう等級の人が立つのか、これを聞けば大体わかると思う。
#10
○政府委員(佐藤一郎君) 財務研修所のほうでございますが、大体三十五年に二百五十三人、実人員で三十四年には三百二十五人ばかりの研修を行なっております。三十六年には三百三十八人の研修を予定しております。これは財務局の職員が六千六百人おりまして、これらの職員の中から各種の仕事にわたるそれぞれの事務の研修をやって参りたい、こう思っております。それから独立をいたしまして、所長には私が当たる予定になっております。そして、その下に、従来ございませんでしたが、選任の教頭を置きまして、これに事務を専任させたい、こういうふうに考えております。
 それから会計の関係の職員でございますが、これは大体延べで三百人ばかり毎年研修いたしております。まあ五万人の会計事務職員の中からいいますと、わずかなものでございますけれども、これも逐次拡張いたして参りたいというふうに考えております。これにつきましては、会計事務職員につきましては専任の二等級の所長、これは相当権威ある人を実は選んで持っていきたいという考えを持っております。
#11
○山本伊三郎君 そうすると、これはもちろん東京で設置をされるのですか。
#12
○政府委員(佐藤一郎君) さようであります。
#13
○山本伊三郎君 これはこの程度にいたします。
 それから第三の、これも軽微な問題と思いますが、官房を総務部に改めるというのですが、その事務の所掌内容は、これは変わらないのですか。
#14
○政府委員(佐藤一郎君) 税関の官房総務部のお話だと思いますから、税関部長の方から……。
#15
○説明員(稻益繁君) 従来と大体機構的には変わらないわけでありますが、何と申しますか、各部門の総合調整と申しますか、こういうものをはっきり取り上げるわけです。したがいまして、その面だけが従来の総務部長の仕事とは、拡大されると申しましょうか、各部総合調整という立場に立つという意味におきまして、上位の部長という形になるわけであります。
#16
○山本伊三郎君 これは印刷局及び税関となっておるのですが、これは一括して聞いておるのですが、そうすると総合的な事務がふえるということで、職員の内容とか、そういうものは変わらないのですか。
#17
○説明員(稻益繁君) 印刷の方は別として、税関の総務部におきましては、通常やります仕事は変わらないわけであります。ただ、何と申しましても、前回も申し上げました従来の官房、監視、業務、鑑査の工房三部という構成でやっておりますると、これがそれぞれ独立した形で動いておるわけであります。最近の税関行政は非常に内容が複雑になって参っております。御承知のように、通関手続というものは、一つの貨物をずっと追っかけてやっていくような仕事であります。その間の総合調整ということが非常に問題になっております。そういう点から官房を総務部に改める、こういった点でその間の総合調整を円満にやるということでございます。
#18
○山本伊三郎君 印刷局もついておりますが、これも税関のほうがやったから一緒にくっつけておくという軽い意味ですか、それとも相当意味があるのですか。
#19
○政府委員(佐藤一郎君) 御存じのように、印刷局は相当古い組織でございまして、かねがね印刷局の運営については批評もございます、非常に時代おくれであるとか。民間の印刷業は非常に進歩しております。官業に伴うある程度の短所もございます。そういうようなものを最近の印刷業なんかの進歩におくれないようにさしていくためには、節理、運営部面を相当充実していかなければついていけない。経営調査の仕事、あるいはまた経理につきましても、従来は印刷局は業務部に会計課を置いておったが、こういうことではいけませんので、総務部というものを作りまして総括的に調整を行なって参りたいという趣旨でございます。
#20
○山本伊三郎君 それでは大臣見えましたので、先ほど実はあなたのほうの政府委員のほうからちょっと聞いておったのですが、なお、大臣に一ぺん聞いておきたいのですが、一昨日の質問に、輸出入の動向の趨勢についてデータを出してもらいたいということで、きょういただいたのですが、いろいろありますが、問題の一点だけ大臣に聞いておきたいのですが、これによりますと、三十六年度はまだ年度中途ですから、第三・四半期も残っておりますので、この点は年率で出されておりますが、三十四年度から比較すると、三十六年度は九九・四、と、減少をしておる結果が出ておる。それで先ほど政府委員に聞くと、大体貿易の実情を見ると、いつの年度を見ましても、下半期のほう、いわゆる第三・四半期においては特に増高をして、そして一年を比較するとその年次がふえてくるんだ、今年はふえてくるんだ、こういう説明です。しかし、大臣も予算委員会でいろいろ答弁されておりましたが、今年は特に国際収支の赤字の問題それに伴って金融の引き締め、そういうことから、どうしても設備投資を押さえなければならんということは、ある程度総理大臣もあなたも答弁されておったのですが、そういう結果から、本年は特に前のいろいろな年度と違って、下半期に伸びるのが伸びないじゃないかというわれわれ危惧をしておるのですが、やはり依然として三十五年なり、あるいはその前の年度のように、年々ふえていくという、本年もそういう趨勢でいくのか、この点をちょっと確認しておきたい。
#21
○国務大臣(水田三喜男君) それはそういう趨勢でいくと思います。現にいろいろな引き締めをやりましても、輸入の高水準ということは、これはもう現在はっきりしていることでございますので、さらに輸出増進策を私どもはとっておりますので、いずれにしましても、昨年に比べて、両方とも水準は、引き締め政策をやっても高いことが予想されるのでございますから、これはそういう趨勢でいくと思います。
#22
○山本伊三郎君 これは前年との比較でございますが、今言われましたように、輸出入ともふえるということは、引き締めをするという、輸入をある程度押さえるという政策に変わっていると私は思うのですが、そうすると、今までの比較では減っているのです、現在は。今後ふえるということなんですがね。したがって、どうも矛盾しているように、私これはしろうとですが、そう受け取るんですね。やはりその引き締めの、いわゆる輸入を押さえる政策をとられておるということを言われるのですが、今大臣のお話では、それはふえていくんだということになると、どうもその点がわからないのですが、これはふえるということは、輸入も輸出も共にふえるという今の答弁ですが、そういうことになると、ますます国際収支が悪くなるんじゃないかという危惧をするのですが、その点どうなんですか。
#23
○国務大臣(水田三喜男君) 下半期と上半期では、上半期より下半期のほうが多くなるのが例でございますので、したがって、取り扱い件数も当然多くなる。で、輸入抑制措置をとると申しましても、量的な問題はありましょうとも、扱い件数やそのほかが減るということは考えられませんし、そういう点において税関業務に影響するということから見ましたら、この措置をとることによって非常に仕事が減るなんというような傾向というものは全然ないだろうと思います。
#24
○山本伊三郎君 あなたおられなかったから、関税局の問題については、実はある程度この問題は刑として、理解しておる。関税の問題は一応別として、今聞いておるのは、いわゆるそういう一連の国際収支の好転を考えて引き締め政策をとられるんでしょう。また、輸入もある程度抑制されると思うのです。そうでなければ私は国際収支が好転しないと見ているのですが、そういう意味において、二十六年度一年間を見ると、下半期でふえていく傾向は、それはわかるのです。わかるのですが、三十五年度の前年と比較して、一年間の貿易額はふえていくかどうか、こういう点に私は今質問の論点を向けているのですが、やはりそれでも同じような趨勢でふえていくのか。たとえば資料から見ると、三十四年から三十五年に、三十四年を一〇〇として一一六・六、そういうふうになっているんです。こういう趨勢でふえていくのかどうか、これをちょっと聞いておきたい。
#25
○国務大臣(水田三喜男君) 御質問の点が、ちょっと私の答弁とあれするかどうかわかりませんが、要するに、輸入のテンポというものが非常に多くふえておる現状でございますので、これを押さえるという措置をとっているために、今後このテンポはだんだんに減っていく。そうして私どもの目標では、来年度の下半期に均衡をとるところまで持っていこう、こういう大きい方針でいっておりますので、その限りにおいては、輸入のふえるテンポというものは、私はだんだん減っていくと思いますが、現実の問題としては、輸出をふやす政策によって輸出はふえるでしょうし、今までのふえ方が、輸入が押さえられるという点であって、ことしの下半期の情勢というものを見ましても、外貨予算で御承知のとおり、そう急速に輸入が減るという状態は予想されませんので、やはり趨勢としては今言った趨勢でいいんじゃないかと思います。
#26
○山本伊三郎君 今ちょっと私データを見るのを違っておりまして、実は先ほど言った数字は、あれは輸出の数字であって、しかし、輸入の数字はまだもっとひどい結果が出ておる。実は三十四年度から比較すると、前年度は一五七・二、本年度を年率に直すと一二六・〇、非常に何といいますか、減り方が多く出ておるのですね。しかし、これはまだ政府の施策が届いたからこうなっておる、引き締め政策が非常に徹底したからこうなっておるとは思わない。おそらく今後上がると思うのです。思うのですが、私の今質問しておるのは、三十五年度よりも要するに増高の程度が多いということについて大臣は固執されておるのですが、私はそうならぬのじゃないかと思うのですね。しつこいようですが、その点をもう一ぺんお尋ねするのと同時に、問題は、輸入を抑制して輸入額を減らす、しかし、そのかわりに輸出をふやすんだ、こういうことであれば、ある程度私は理解できるのですが、その点どうです。
#27
○国務大臣(水田三喜男君) 私どもは減らすというのは絶対額を減らすということじゃございませんで、一方、輸出はそのまま伸ばし、輸入はできるだけ押さえるという相手関係において国際収支を改善しようということでございますから、両方とも絶対額が減るというのじゃなくて、一方の同じような伸び率が相対的に調整されるということでございますので、したがって、日本経済が伸びていきます以上は、輸出もどんどん伸びるかわりに、輸入も伸びていく。その輸入の伸び率を一方落として、輸出の伸び率をふやすということで国際収支の均衡をはかろうというのでございますから、絶対量としては両方とも伸びる趨勢にあることは、これははっきりしておると思います。
#28
○山本伊三郎君 そうすると、前の私の質問について、大臣おられなかったから理解しにくい点があると思う。私も時間がないから、前の質問を繰り返してやればよかったのですが、大臣はこういう点においては相当専門家でございますから、前の質問を繰り返さなかったのですが、それでは最後にもう一ぺん聞いておきますが、絶対額は減らないのですか。やはり輸出の点はもちろんそうあるべきだと思いますが、輸入の点も絶対額は減らない、輸出の率が多くなって、輸入は若干押さえていこうといっても、そうすると輸入の絶対額はふえていくんだ、こういうことですね。
#29
○国務大臣(水田三喜男君) そうなると思います。
#30
○山本伊三郎君 そうなると、絶対額がふえると、やはり国際収支の上から見ると、輸出はよほどふやさなければ、ますます国際収支が悪くなるということになるのですが、その点はそのとおりですか。
#31
○国務大臣(水田三喜男君) 輸出を相当ふやさなければいけないと思います。
#32
○山本伊三郎君 その点にはいろいろ手を打っておられますが、私は遠い将来を言わない。今の問題に焦点を合わして、三十六年度に政府としてはそれだけのはっきりした自信があるかどうか、そうして、まあどういう方法であれば輸出が驚異的に伸びるか、こういう点について、ちょっと簡単に、項目的にこうするのだということをわかりやすく言っていただきたい。
#33
○国務大臣(水田三喜男君) 輸出を伸ばす方法は、御承知のとおり、いろいろなことを――根本的には内需を押さえるということが一番基本的な問題だと思いますが、内需を押さえながら、これを輸出に向けていく方策というのはいろいろございます。特にそのうちで、やはり今まで輸出が伸び悩んだ問題の一つとして、外国の事情による問題でなくて、国内事情から見た問題は、延べ払い輸出についての問題だったろうと思います。これは外貨問題が出ておるときでございますので、これに関係しますから、ただ延べ払い輸出をたくさんすればいいというのじゃなくて、この頭金のいかんによっては、輸出は伸びても、これは外貨は損をするということになりますので、その点の調整をはかることを相当考えた措置をとっておりましたので、延べ払い輸出にも一つの制限がございました。しかし、今度は商品別、国別にこの問題を合理的にもう少し弾力的に運営しようということをきめて今実施しておりますので、この点によって過去つかえておった輸出が、相当の額でこれは片づくだろうと思われるものもございますし、それから御承知のように、今どの地域に対する輸出が停滞しているかという問題もこれはございますが、一番停滞しておった輸出先が、景気が変わってきまして、今後そこに楽観材料が出て参りましたので、その点の解決に努力すれば、ある程度この輸出を進めることができるとか、幾つかいろいろなことを私どもは考えて、それに対する対策をとるということによって、上半期のような輸出の伸び率ではないと思っております。それから輸入のほうは、経済が伸びているのですから、輸入の絶対量、必要な原材料というものが減るという傾向には将来ございませんが、しかし、輸入担保率を引き上げるというような措置によって、今日本でもう買い込んで持っておる原材料在庫がどういうふうに使われていくかという点にいろいろ問題がございますので、これは無理に買わなくて、まだ国内に今蓄積されておる原材料を一時使用することによって問に合っていけば、現実に輸入の量が絶対量でも、これは下がることがあり得るということも考えられますし、そういう点のいろいろなにらみ合わせで今国際収支の改善策をやっておりますので、場合によったら輸入の絶対量も減り得るということもそういう関係からあることだけ申し上げておきたいと思います。
#34
○山本伊三郎君 大臣のいろいろと説明を聞いたんですが、三十五年度の通商白書を見ますと、三十五年度はアメリカ向けの輸出というのが非常に悪かった。これはアメリカの景気に影響していると思う。ドル防衛の問題もあったかもしれません。それに引きかえて、非工業地帯の輸出が非常によかったのだが、しかし、それがだんだんと悪くなってきておるというような数字を私は見ておるのですが、アメリカあるいは欧州あたりの貿易が非常に好転する見通しが非常にいいというような、大臣は国の名前はあげられなかったのですが、そういう意味の答弁だと思う。しかし、アメリカの景気からいっても、またいろいろアメリカの立場からみても、そうそういう方面に対する輸出が驚異的に伸びるとも私は思わないのですが、今大臣は非常に自信あるような御答弁でございましたが、私は非常に心配している一員でありまして、この非工業地帯に対する貿易の悪化してきたということが間違いであれ、は言ってもらいたい。非常に悪くなっている。これは今言われました延べ払いのそういう関係があるのですが、その点をちょっと聞いておきたい。
#35
○国務大臣(水田三喜男君) 絶対量としては減っておりませんが、それは伸び率が減っている、この原因は、やはり非工業国の外貨事情が悪いということがまず第一の原因で、これを解決してやるためには、一次産品の買付というような問題もありますので、この問題を解決して向こうに購買力をつけてやるということをこちらとしては考えなければならないということが一つと、それから経済協力の問題で向こうの開発をどう手伝って、それを日本の恒久的な市場にしていくという対策を立てなければならぬということと、当面の問題としては、やはり延べ払いというようなことでこれを援助していくということをやらざるを得ないと思いますが、私がさっき申しましたようなことで、なかなか売ればいいというだけではいかぬ問題がございますので、そこに今まで問題がございましたが、これを逐次合理的に解決していくことによって、まだ貿易を伸ばす期待は相当持てるのじゃないかと、こう思っております。
#36
○山本伊三郎君 これはここの委員会は専門でないので、この程度にしておきますが、いろいろ説明されましたが、この貿易自由化によっての今後の見通しについては、相当私は問題があると思います。しかし、これは長くなりますから、これ以上追及いたしませんが、とりも直さず、われわれは日本の国の発展のために、よほど輸出をふやし、輸入を押さえるということについては、ちょっと言い方に問題がありますが、貿易を発展させるということは必要でありますが、大いに大臣の言われた方向に、私に答弁されたようなことと間違うことのないようにひとつ努力していただきたい。内閣委員会であまり専門的なことを追及すると大蔵委員会で困りますから、これ以上言いません。特に大臣も、予算委員会よりもちょっと声を落として言っておられますが、なかなか苦労されていると思います。昨日もテレビでいろいろ通商問題の懇談会を十一時ごろまで私は聞いたのですが、なかなか第一線の担当者は非常に苦労しているようで、一にかかって政府の施策にたよっているといいますか、期待しているというような実情でもありますので、この点はひとつ特に努力してもらいたいと思います。以上は参考までに。それで本論に入ります。
 次に、金融機関資金審議会の問題ですが、これについては資料は相当もらっているのです。もらっているのですが、しかも、今までの経過についても若干書いてあるのですが、これは昭和三十四年ですか、作られたのは。そのときに、やはりこれを設置するときの事情があったと思うのです。金融問題について相当問題があったと思いますが、その点先にちょっと御説明を願います。これはどなたでもいい。
#37
○政府委員(佐藤一郎君) 金融機関資金審議会でございますが、これは昭和三十一年に当初閣議決定がございまして、金融機関資金審議会の設置に基づいて、臨時に大蔵省に設置されたものでございます。それが御承知のように、いわゆる審議会、委員会というものをもっときちんと整理すべきであるいとう大きな議論がございまして、昭和三十四年に、これを大蔵省設置法の一部改正によりまして、法律に基づく審議会ということにいたしたわけでございます。で、元来が、これを大蔵省の設置法によりまして付属機関といたしました本来の目的は、御承知の財政投融資計画、あるいは各種の産業計画というようなものにつきまして、金融機関の資金の活用を、全体の国の流れに十分に調整のとれた活用の仕方をするというような必要がどうしてもございますので、この審議会を設けまして、基本的なことを議論して、その方針について確立をする、それに基づいて、全体の民間の資金の流れを、おのずからそういう基本方針に添うようにひとつ持っていく、自然に誘導していくというような目的でもって関係者が集まって審議をするというために設けられたものでございます。まあ閣議決定というようなことでもございまして、従来設置されておった関係もございまして、一体この審議会につきましてどのような意味があるかということを少し検討をするという必要もございまして、これを時限的に二年間というようなことに限ったわけでございますが、まあただいま申しましたような審議会の必要性というものは、現在においても少しも減ってはおりませんし、むしろこれからますます民間の資金の活用ということの必要性が叫ばれて参っているわけでありますからして、そういう見地から、さらにこれを延長して設置をお願い申したい、こういうことで今回の改正案を出したようなわけであります。
#38
○山本伊三郎君 それでは、今まで三十一年からのやつは別として、法律で設置された三十四年以降、この審議会から具体的な答申があって、それを政府がその答申に基づいてどういう金融問題についての措置を政策としてやられたか、この点ひとつ御説明願いたいと思う。
#39
○説明員(塩谷忠男君) お答えいたします。この審議会は、従来、総会及び小委員会を持ちまして、たびたび審議を重ねて参りましたですが、ただいま御指摘の、いわゆる答申といったような形の決議は従来やっておりませんです。そのときどきの情勢に応じまして、各界の人の意見を聞きながら、全体としての金融のあり方、あるいは民間資金の活用の方法等について審議を行なってきたわけであります。ただ一度、三十四年度におきまして、当時経済がかなり強いスピードで上昇傾向にありました時期におきまして、金融の役割が非常に重要になって参りましたので、その際に、当審議会といたしまして、いわゆる意見というものを決定いたしました。この意見に基づきまして、初めていわゆる預金準備制度というものが実施に移されましたのと同時に、公定歩合の引き上げが行なわれるといったような事情がございました。
#40
○山本伊三郎君 答申は出ていないが、意見が一件あったということですが、なおかつ、これを継続していかなくちゃならぬというような当面の問題はどういうお考えですか。
#41
○説明員(塩谷忠男君) この審議会は、ただいま官房長からも説明がありましたように、昭和三十一年に、閣議の決定に基づいて初めて設置されたものでございます。当時この審議会ができました直接的な原因は、長期の経済計画というものが政府の方針として初めてきめられた事情が背景にあったと私は承知いたしておりますが、今日も御承知のように、経済全般につきまして、全体としての国民経済の規模を拡大していく、そのために産業金融の各面にわたって、合理的な経済の運営をやらなければいけないというような事情は、当時と全く変わっておりませんし、ここ当分そういうような必要があろうかと思います。そういう意味合いにおきまして、国の全般の経済の運営とにらみ合わせて、金融の流れをこれにうまく適応させていくという必要はますます重要になってくる、かように思っております。
#42
○山本伊三郎君 この審議会の必要性は、私は、私独自で必要性があると思うのですが、実は、今度の金融引き締めの問題についても問題が起こっておるのは、最も中小企業にしわ寄せされるのじゃないかということが、これは一つの世論として起きておると思う。大蔵大臣も、その点は予算委員会で相当これは述べられておるのですが、ところが、このいわゆる審議会名簿を見ますと、銀行家は金融の当事者としてこれはやむを得ないとしても、一般金融を受ける会社を見ますると、これはもう大会社ばかりしかなんですね。ただ、中小企業の団体の連盟副会長――三菱鉛筆の会長、これは三菱鉛筆といったって、そう中小企業というようなものじゃないのです、名前は中小企業の副会長か知らぬが。こういうメンバーでほんとうにわれわれが考える金融機関の資金の流通、そういうものの運用を考える審議会としてふさわしいメンバーであるかどうかということは、今のときの金融事情から考えて、ちょっと納得できないのですが、今度これがこの法案がかりに成立するとして、メンバーは依然としてこのままやるつもりなのか。
#43
○説明員(塩谷忠男君) この審議会の構成につきましては、政令によりまして、「産業及び金融に関する学識経験者」と、こういうことになっておりまして、ただいま御指摘のございましたように、産業界、金融界及びその他の学識経験者をもって構成されておるわけでございます。その理由は、これは当然のことでございますが、各界のいわゆる学識経験者ということでございまして、それぞれの業界等の利益を代表するという意味ではないわけなんです。御指摘のございましたように、中小企業金融の問題は、当面非常に重要なことでございますが、当審議会は、主として国の経済計画なり、あるいは財政投融資計画に関連いたします民間資金の活用の具体的な問題を取り上げて審議をする機関でございますので、できるだけ各界の経験者を構成メンバーといたしますことは、私どもとしても十分考えて参りたいと思いますが、いわゆる利益代表的な意味の代表者というものは、この審議会の性格から見まして、必ずしも適当でないと、かように思っております。
#44
○山本伊三郎君 いや、これはもう政策上の問題で、大臣に答えていただきたかった。もう一ぺん大臣に聞きますが、利益代表でない、それは各種審議会等、当内閣委員会でも取り扱った問題はたくさんあります。学識経験者学識経験者というのはあるのですが、そもそも、金融機関の資金の審議ということは、一番今重要な問題点にしわ寄せされているのは中小企業だと思う。利益代表で何でも発言する点は別として、そういう事情を聞いて、やはり政府の施策にこれを現わそうというのが審議会の趣旨なんです。答申がなくても、意見が出る場合、そういう場合に、利益代表でないけれども、出ているのはすべて大会社の人であるならば、人間として出た以上は、自分のほうの利益を犠牲にしては発言しないと思う。そういう人はないでしょう。そうすると、やはり自分らの会社の利益といいませんけれども、実情を考えて私は意見を言っておると思う。口では中小企業のなんか言いますが、現実はそうじゃない。だから、せめてこういうところにも、そういう中小企業の金融に対する意見を述べる場合を政府としてこういうところでもやはり取り入れる取り入れないは、政府がその施策によると考えたらいいのでございますから、そういうものを全然無視して考えておられるならば――大蔵大臣が中小企業については十分お考えになる、特別な資金もいろいろと考えるんだと言っておられますが、私としては、この際、やはりそうたくさんでなくても、現実のそういう中小企業の金融を切実に考えている人を入れるべきだと思うのですが、大臣としては、依然としてそういう必要はないんだと、こう言われるかどうか。
#45
○国務大臣(水田三喜男君) 今申しましたように、利益代表的な性格を帯びた委員ではない。当然そういう性格でない委員で構成されるべきものだとこれは思います。したがって、各界の有識者をもって構成するのが一番いいと思いますが、その場合に、やはり中小企業というようなものに十分の学識経験を持った者が入るということは、これはもう好ましいことであって、利益代表という意味でないそういう学識経験者が入ることは、私はやはり必要だろうと思っています。
#46
○山本伊三郎君 大臣は、私の言うことを肯定されたようですが、学識者としては、もう中山さんも入っていますし、経験者といえば、これはやはり大企業の人では経験者とはいわない。過去において中小企業から大きくなったというのは別として、金融機関では、そのときの問題ですから、経験者といわれる以上は、そういう人を加えないといけない。現実にそういう人を。ところが、設置法については、「学識経験者」と、経験者と載っている以上は、大臣はそう言われましたが、直ちに、このメンバーを出したやつを、お前はこれをやめてこれにするのだということは、大臣として言いにくかろう。しかし、それは適当な時期にほんとうの中小企業の経験者、現在中小企業として経験している人を大臣は入れるということを、若干そういうことを好ましいと言われましたが、私が言っているのは好ましい問題、この法律成立すると同町に、この審議会のメンバーをある程度かえてもらいたいという意味の発言をしている、その点どうですか。
#47
○国務大臣(水田三喜男君) これは広くそういう学識経験者はたしかやはりおると思いますので、選考のときには、十分適任者を選ぶように考えたいと思います。
#48
○山本伊三郎君 それじゃ、しつこいようでありますが、なかなか言っても実現しない場合が多いので、もう一ぺん聞きますが、考えたいということは、いわゆるそういう人を選んで差しかえるといいますか、これに追加するというか、そういうものを入れるということですね。
#49
○国務大臣(水田三喜男君) 任期がきた場合には、次の委員を常に選考してきめるわけでございますから、その際において考えたいと思っています。
#50
○山本伊三郎君 これは僕はちょっと誤解しておるか知りませんが、一応この前の国会で審議未了になったものが今度再び発足するということになっておるのですね。任期もない、ただ、参考までにこうつけておると私は見ておるのですが、私はその意味で質問しておるのですが、任期もくそもない。この前はこういう人があったということを、委員会要求をしてはそういうことになっておりますので、これはただ参考に、この前の人はこういう人であったということが出ておるだけであって、今後これが発足メンバーを作るのですから、そのときに入れてもらいたい、こういうことです。
#51
○国務大臣(水田三喜男君) 今度発足するときは、十分検討して選考いたします。
#52
○山本伊三郎君 僕はどうも疑い深いほうで、しつこいと言われるのですが、もうわかっておるのです。大臣の誠意はわかっておるけれども、選考のとき考えますと言いますが、入れると言えませんか。その点あまりしつこいのですが、どうですか。そのとおりですとちょっと言って下さい。
#53
○国務大臣(水田三喜男君) 御趣旨に沿った選考をしたいと思います。
#54
○横川正市君 僕は一問ある。簡単に。
 大筋の問題は、今、山本委員から言われたので、私は、税関の関係でちょっとお聞きしたいと思います。
 この大蔵省で、設置法、それから組織令を見ますと、主税局から税関部が分かれていく所掌の内容というのは、それほど変わっておらないように思います。ことに、設置法第九条の四から九まで、それから組織令でいきますと、十四条の2の一から三まで、こういうような、現在でいけば、限られた内容なんですが、組織で、これは局に昇格すると、頭のほうは少しなるほど大きくなりますけれども、下のほうは現行でいくのか、それとも、大蔵省の定員関係も含めて、機構上大きく変わるのかどうか、これをまずひとつお伺いしておきたい。
#55
○説明員(稻益繁君) 大体今度の関税局に関します限りでの一部の改正は、主税局から独立する、一つの局を構成するということに主眼がある。したがいまして、取り扱います仕事の内容は、それほど変化はございません。したがいまして、一般的に機構、それから機構と申します意味は、課をふやすとか、そういった点は、いわゆる局の中での政策面の連絡調整をやります総務課ができるということと、定員の方面でも、関税局として、現行の税関部時代よりも十名の増加ということにとどまっております。
#56
○横川正市君 大蔵大臣に、その部長と局長で、ただ省内の権限問題だけが少し幅が広くなり、それから同列になってくるというだけで局を設置するということは、どうですか、池田内閣の方針にあまり沿ったことじゃないのじゃないかと思いますが、大田、答弁をいただきたいと思います。
#57
○国務大臣(水田三喜男君) ですからこの間お話しましたように、そういう機構の改革について、各省ともいろいろな要望、計画がございましたが、行政管理庁の審査にかけて、もう最低限しぼったということでございますので、この関税局の設置につきましては、これはやはり今言われましたように、主税局から独立するというところに、実際上のいろいろな定員や機構は、当面そう大きい変化はなくとも、将来の問題に対処し、現実にもいろいろ必要性が出ておりますが、将来の問題に対処することとして、この新設には意味があると行政管理庁も認めたことでございますし、私どもも、この独立には相当の意味があると思って要望したことでございますので、実際は必要だろうと思います。
#58
○横川正市君 まあ大蔵省に行管がおそらく負けたのじゃないですかな、当面は。実際に主税局から税関部を離してやるということは、一般に国民の側から言えば、窓口があちこちになって、一つの所へ行けば済むのに、また向こうに窓口ができたから、そっち側へ行かなければならぬというような不便を感ずるような、通俗的に言えばそういう気がするわけです。
 それから税関係は、やはり系列的には一本で、局長以下ずっと末端まで系列的にはなっているのがいいのではないかと私は思うのですがね。だから、自由化の問題その他出て参りまして、税関の仕事がどんどんふえてくるというならば、それは仕事がふえるのであって、必ずしも頭のほうが部長だから局長だからということでどうこうということはないのじゃないかと、こういうふうに思われるので、その点質問したのですが、必要だということですから、私はあえてそれに触れないでおきますが、税関部長にもう一つちょっとお尋ねしたいのは、簡単に言いますと、アメリカであればアメリカから、アメリカの国籍を有する人、あるいは旅行者であってもいいと思いますが、商社とかあるいは何かその他の取り扱いの店を通じて品物が送られ、それが船に渡り、船が今度は日本の取扱店にこれを届けて、それから税関にきて、さらに取扱店に戻って本人に品物が渡る、こういう間の税関と取扱店との品物の取り扱いはどういうふうにして行なっておるのですか。たとえば取扱店で品物を分離して、そして税関に持ち込むのか、まるのままの品物を税関に持ち込まれて、税関ではこれを荷ほどきして、その中に税をかけられるのがあれば税をかける、さらに荷を結んで取扱店から本人に渡る、これがほんとうじゃないかと思うのでありますが、その取扱店についてどうやっているか、ちょっとお聞きしたいと思います。
#59
○説明員(稻益繁君) ただいまの御質問、通常の商品としての輸入の扱いだと思いますが……。
#60
○横川正市君 いや、商品じゃなくて、一般の小荷物ですから、贈与品もありましょうし、遺品もありましょうし、あるいは日常向こうで古くなったものをこちらに送ってきて、何といいますか、贈与品でしような、贈与品という場合もあろうと思いますが、一般の商品をやる場合とは別にです。
#61
○説明員(稻益繁君) そういたしますと、税関を通ります貨物の形態としまして、通常の一般商品のほかに、たとえば外国を旅行されておられる方が、まあ向こうで若干身の回りの品物を買われたとか、あるいは不要のものが出たとかという場合に、旅行の途中で日本の船会社に託送して、いわゆる船長託送というのですが、で、荷物を先に日本へ送るといったような場合が一つあるわけです。いま一つは郵便物で送ってくる場合。船長託送の場合でありますが、そういう貨物が到着いたしますると、名あて人であります留守宅の方というような方が税関に見えて通関の手続をされるわけです。その際には、大体託送品でありますと、そういった大体中身がわかるわけなんでありますが、一応受け取りに見える方が税関手続に不馴れな方が多いというようなところで、税関貨物取扱人という免許制度になっている取扱人があるわけでございます。通常はそういうところに依頼されるわけなんでありますが、そういたしますると、貨物取扱人が税関に申告をしまして、それで税関がそこで必要と思いますると、品物の開被をやるわけでございます。調べまして、もし課税品があるようでありますと、それに課税する、課税品がありませんと、そのままそれを通関を認めるというような形になるわけであります。
 それから、いま一つは、郵便で参るわけでありますが、これは郵便局に税関の職員が参っているわけでありまして、外国郵便を扱います郵便局に参っております。この場合には、郵便局のほうで、場合によりましてはそれを開被いたしますし、場合によりましては税関のほうで開被いたしまして、そして課税物件があればこれに課税する、なければそのまま郵便局から普通のルートで配達されていく、かようなルートになっております。
#62
○横川正市君 そうすると、日本の商品が外国人の日本旅行によって購入されて持ち出される場合には、いろいろ税関手続その他やって持ち出されるわけですね。向こうで利用したものが不要になったからといって日本に返送された場合に、それは税の対象品として取り扱われますか、それとも、それはそのまま無税で取り扱われますか、どちらですか。
#63
○説明員(稻益繁君) 日本から持って出られたようなものでありますと、これは無税品でありますから、課税されることはございません。新たに向こうで旅行中に購入されたものを、自分が帰る前に先に送るといったような場合でありますると、これは新しいものでありますから、ものによりましては課税の対象になると思います。
#64
○横川正市君 こういうことです。まあ品物は、簡単にいえば日本のカメラですね、カメラをアメリカの人が買って、そしてアメリカへ持ち帰る。アメリカで不要になったから、アメリカから日本へ今度は友人あてに送るということでもってくるという場合に税金かかりますか。向こうで、たとえば写真機の部分はアメリカのものである、日本からいったカメラと向こうで作った部品とが込みになって送られてくる、こういう場合があるわけですが、この場合に税がかけられるかどうか。
#65
○説明員(稻益繁君) 個人が日本でカメラを買って持ち帰られて、不要になったので日本の知人にそれを寄贈する、まあ、そのまま。でありますから、その同一品、自分が持ち帰られるというものでなしに、人に寄贈するわけです。従いまして、そういう場合には、他人に贈与された場合、日本のものでありましても、新たに輸入されるわけでありますから、カメラが日本のものであるということのゆえをもって課税しないということはないわけでございます。補足をいたしますが、輸出の場合に、免税の条項が関税定率法の十四条にあるわけです。その中の第十号で、本邦から輸出された貨物で、その輸出の許可した日から五年以内に輸入され、その許可した際に、性質及び形状が変わっていないものという場合には免税になるわけです。したがいまして、具体的にこれに該当するような事例であるかどうか、認定できるかどうかです。
#66
○横川正市君 もう一点お伺いしますが、これは事実あったからちょっと聞いているわけなんですが、日本人で、アメリカに行かれて、向こうの市民権を持っている人ですね、その人が日本へ観光旅行に来て、そして日本のカメラを買って帰って、二年くらいの間に向こうで死亡して、それで向こうに身寄りがないので、日本の身寄り先に遺品を送ってきた。その遺品の中で、普通なら送らないでしょうが、カメラが相当優秀なものなので、兄弟のところへ送ってきた。それが六月に送ってきたのに、扱いはたしか日通だと思うのですが、それが六月に通知がきて、その手続をおくらしておったところが、それっきり何の音沙汰もない。それで、もうすでに四カ月も経過しているのに、品物が本人の手に渡っていない。それから、アメリカの送った人は、送った商社の受取商その他も付して、日本の取扱店、税関等の不親切で不正確なことについていろいろ言ってきているという事件があるわけです。その場合に、私のちょっと考えるのでは、荷を受けた商社は日通であっても一般の商社であっても、これは荷をほどいて税関に持ち込んで税をかけてもらわないということは、これはおそらく違法だと思う。ですから、荷を持って税関を経由して、それが本人の手に渡るように取扱店としては取り扱うべきだと、こういうふうに考えるわけですが、その取り扱いが行なわれていないということになって、品物が紛失したという場合に、一つは船の中で紛失したのか、それとも、アメリカ本土を離れない前に紛失したのか、それとも日本へきてから紛失したのか、取扱店か、それは税関か、どこかわからないというような格好になった場合に、取り扱いの系列としてはどういうふうに取り扱われているか。それがはっきりすれば大体わかるのではないか、こういうふうに思うわけでして、そういう事件を対象にして、ひとつそれと離れて、普通の荷の取り扱い方としてお答えいただきたい。
#67
○説明員(稻益繁君) ただいまの御指摘になりました具体的な例のような場合でありますると、先ほども申し上げましたように、税関貨物取扱人が通関手続に参りますので、税関は、ただ検査をしまして、そのものが課税物件であるかどうか、課税物件であればこれに課税する、納入通知をするというだけの行為をするのであって、その貨物自体を税関が扱うということは、つまり押さえるとか、そういったことは、いわゆる輸入禁制品であるとか、そういったものでない限りは、あり得ないと思うわけです。したがいまして、船会社か、あるいは途中で扱いました商社、そういうところでもし紛失というような事態がありますると、そういう段階で起こるのではないか、そういうように私は思います。
#68
○委員長(大谷藤之助君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
 別に御意見もないようでございまするが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#70
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。大蔵省設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#71
○委員長(大谷藤之助君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#72
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 午後は一時半から再開することとしまして、暫時休憩いたします。
   午後零時四十五分休憩
   ――――・――――
   午後一時五十三分開会
#73
○委員長(大谷藤之助君) これより内閣委員会を再開いたします。
 連合国占領軍等の行為等による被害者等に対する給付金の支給に関する法律案を議題といたします。前回に続いて質疑を行ないます。
 政府側出席の方々は、林調達庁長官、大石総務部長、藤本総務参事官、以上の方々でございます。
 御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
#74
○山本伊三郎君 この立法精神はもちろんわかります。しかし、実はこの問題に入る前に、ちょっと調達庁長官に聞いておきたいのですが、先日私は、北富士の問題に関係して、実は文書による質問状を出しておるのです。だいぶ延びておるのですが、あしたが期限ですが、間違いなくあした出してもらえるか、その点をちょっと。
#75
○政府委員(林一夫君) 明日返答いたします。
#76
○山本伊三郎君 まず最初にちょっとこまかいことですが、この休業給付金の算定の日額が、原案では百二十円だと見ておるのですが、今度百六十円ということに修正されたように見ておるのですが、この点どうですか。
#77
○政府委員(大石孝章君) ただいまの休業給付金の百二十円が百六十円に修正された、この点でございますが、これは休業給付金のうち、この法律の施行後にする療養のため業務上就業できない期間にかかわる休業給付金の場合でございます。これは一日につきまして、基礎額、政府の原案では百五十円の百分の八十に相当する額が百二十円でございまして、この基礎額を二百円にいたした関係上、百六十円に相なる次第でございます。
#78
○山本伊三郎君 この基礎額の二百円というのは、どういうところに根拠があるのですか。
#79
○政府委員(大石孝章君) 基礎額の二百円の計算の基準でございますが、政府の原案では、遺族給付金につきまして十五万円を支給する。その場合、基準収入日額の基礎額といたしましては、講和発効後の民事特別法に基づきますところの閣議決定に基づく補償の基準額は、基準収入日額に千日分を乗ずるということになっております。したがいまして、それから割り出しまして二十万円となった場合は二百円というふうにいたしておる次第でございます。
#80
○山本伊三郎君 そうすると、逆算して、十五万円の場合であれば百五十円、それが二十万円に修正されたから二百円、こういうところに根拠があるんですか。
#81
○政府委員(大石孝章君) さようでございます。
#82
○山本伊三郎君 休業手当というのは、これは一応御存じのように、仕事につかない間の生活資金として出されるものだ、これは一般的な概念です。実際問題で二百円というのは、その当時の日雇い労働者の額からいっても、あれはニコヨンと言ったんですね、この二百円という基礎基準額については、どうも理解ができない額だと思うんですが、基準額の千日分ということはよくわかるんですが、やはり基準額をそういう考え方で出すのは妥当でないのじゃないか、これにかけて、なぜ逆算したような形に出されたかという、この点はどうなんですか。
#83
○政府委員(大石孝章君) 山本先生のお説のように、体系といたしましては、基準収入日額というものを出しまして、それに労働基準法の精神にのっとって千日分を出すというのが筋だと存じます。しかしながら、政府の原案におきますところの遺族給付金十五万円、あるいは衆議院内閣委員会における御修正の二十万円といったようなものにつきましては、前にも私どもの長官から御説明申し上げましたように、他の法令等の関係や何かを勘案いたしまして、十五万円が妥当であろうというふうに原案を作ったわけでございます。それが御修正になりまして二十万円、そうしますと、基準収入日額の出し方は、どうしましても、逆算いたしまして二百円というふうにいたすのが方式であろうというふうに考えられる次第でございます。
#84
○山本伊三郎君 そこが納得できないのです。それは、そういう二十万円という、他の法律の関連といいますが、その他の法令というのは、やはり法令には法令自身の立法精神があると思います。この種占領軍の行為による災害というものは、やはり政府としてみなくちゃならぬという義務の上に立って出されておるのです。もちろん政策的な面を相当含んでおるけれども、特にこういう人々は、敗戦の犠牲者として一万人ぐらいでございますが、そういう人に対して、少しすべての基準なり査定が過酷じゃないかと思うのです。私は、二百円がいけないで、二百四十円がいいとか三百円がいいとかいうことの前に、やはりそのやり方がきわめて、何といいますか、冷酷というと言い過ぎるのでございますが、少しは軽視しておると、こう思うのです。そういう意味において尋ねておるのです。だから、二百円というものが、休業期間における生活の費用として、今日それが妥当であるかということ、これを私は聞いておるのです。
#85
○政府委員(林一夫君) ただいま総務部長から御説明申し上げましたように、この遺族給付金の十五万円をまず最初にきめた経過でございますが、これは最初に二十一年の五月に、閣議決定によって見舞金を支給するということになりまして、一応の基準をきめ、さらに二十七年五月になりまして追加支給措置を講じた。ところが、この額が少ないというような事情もありまして、まず三十四年度におきまして被害者の実態調査をいたしたのでございます。その結果は、被害の発生というものは、昭和二十年までのいわゆる占領前期におきまして非常に多いということでございます。パーセンテージで申しますと、被害者総数が約九千名、そのうちの七二%というものが占領前期でございます。ことに、その死亡者にありましては、特にパーセンテージが大きくて、死亡者総数の約八三%を占めておるというようなことでございます。そういうことで、しかも、その期間におきます死亡見舞金というものは、先ほど申しましたように、追加支給措置が講ぜられたのにもかかわらず、最低が一万七千円ということ、最高が十五万円というような状態であったのであります。そういうようなことから考えまして、この期間における被害者を主体として考えまして、その最高額十五万円をとって、十五万円という定額を支給するということになったわけでございます。この十五万円を支給するにつきましても、国が支給している他の救済措置、国が支給している国家補償の実情から見ましても、それと比較して適当である、こういうふうに考えまして十五万円という額を決定したのであります。ところが、今回これが修正になって、二十万円ということになったわけであります。
#86
○山本伊三郎君 僕の質問にひとつも答えてないのです。遺族給付金が十五万円の決定の経緯、それから修正されたということを聞いているのですが、私の言うのはい給付額の全額は二十万円になったのですが、最初十五万円であった。そういうものは、まずその日額を一応妥当なものにきめて、その上で千日分、これがひとつの算定の順序ではなかろうか。十五万円が大体遺族給付金として妥当だから、これが大体いいと思うから、それで逆算して、それを千で割っていわゆる二百円なり百二十円という、そういうやり方は私は間違いではないかと思うのです。ほかの法令でそういう例がありますか。労働者の災害関係の法律でも、あるいはその他健康保険の法律にいたしまして、そういう例がありますか。これだけがそういうふうにとったというのはどういうことですか。
#87
○政府委員(林一夫君) 先ほども申しましたように、この十五万円という給付金を決定するにつきましても、いろいろ他の法令との関係から見まして、十五万円が適当であろうというふうに考えて、十五万円を決定したのでございます。御参考までに申し上げますと、戦傷病者戦没者遺族等援護法によりまして、満州国開拓民団の戦後の死亡者、あるいは軍人以外の戦争協力者の死亡者、動員学徒等の工場爆撃等による死亡者、これらの死亡者に対する遺族給付金というものが一年について二万五百円、これを五年というようなことでございます。その他、引揚者給付金等支給法によりまして、抑留中の死亡者に差し上げる遺族給付金が二万八千円というようなことにもなっております。このように、他の法律によりまして与えられておりまする給付金との均衡から考えましても、十五万円程度が適当であろうというようなことで、十五万円の定額支給をすることに考えたわけでございます。
#88
○山本伊三郎君 最高をきめた、要するに、逆算した基準の十五万円なり二十万円を固執されているが、私はそういうことは間違いだと言っているのです。現在まだ生きている人が休業して、それに対して休業補償として出そうというんでしょう。これはいろいろあげられました給付は、その当時すでに発生して出されているのです。その時限における貨幣価値も相当変わっているのです。しかし、そういう他の法律にここだといいますが、やはりこの法律の立法の趣旨なり、また、その実情なりというものを考えると、私はそれは無理だ、あなたのほうが十五万円ということで出されたが、衆議院では二十万円というふうに修正した。もちろんこれは政府に対して、院の決定ですから、衆議院の決定ですから、これに服してやられているのですが、十五万円が必ずしもこれが拝観的に正確な妥当な金額だということは言えない。二十万円もしかりだと思う。これはひとつの、いろいろの関係から政策的に二十万円ときめられているのですが、私はこの金額に対しても、もちろん納得しておらない。おらないが、かりにそれを前提に立っても、算定が逆ではないかと言っているのです。やはり日額の基礎がわかって、基準額がわかって、それに対して千日なら千日、あるいはこれを額が十五万円で押さえたいのなら、そういうことができるかどうかは別ですが、七百五十にする、こういう方法が妥当じゃないか。私はそういうところに問題があると思うのですが、言うならば、十五万円を二十万円に押さえるなら、むしろそういう方法でやるのが妥当でなかろうか、こういうことを言っておるのであって、二百円というのはどこからどういう逆算でそういうふうにやったか。了解してくれと言っても、二百円の基準額によって、それの八〇%で、それではたして生活ができるか、これを尋ねておる。その点どうですか。
#89
○政府委員(大石孝章君) 山木委員の御質疑の重点は、基準収入日額を先に立てて、そうしてそれを体系的に千倍するという方法が妥当じゃないか。私どもこの算定にあたりましては、当然そういったような体系づけたことを議論したのであります。その議論の方法としましては、過去にこのような被害者等の方々の収入の実態といったようなものを調査いたしたのでありますが、これは過去十年前のことでありますから、したがいまして、種々雑多と思しますか、証明のつくものもあれば、あるいは当然そういった調査にはなかなか入ってこないといったような種々の状態であります。それで事務的に計算いたしましたところ、当然これは物価指数によってスライドされていくわけでございますから、どこに基準を置くか、算定の時限でございます。その時限は、講話発効の時点と、講和発効の時点の一年前の昭和二十六年の九月と、これは見舞金支給の場合も、実は前に御説明申し上げましたように、ほぼ講和発効後の補償の実態と合わせたようなふうになっておるわけでございます。で、その関係で申しますと、この講和発効後の政府の閣議決定によりますところの補償の最初の何は、有収入者の場合でも、収入日額二百円未満の者及び収入日額を立証できないというような者につきましては、これを最低の二百円というふうにして、それの千日分というふうにいたしております。それで、先ほど林長官からも御説明申し上げましたように、この被害者の実態というものは、昭和二十二年から昭和二十四年のこの占領期間中の前期に大部分が集中する次第でございますので、それの、しかも見舞金の追給の実態も、二万七千円から、最高十五万円であるというようなことをいろいろ考えますと、この講和発効時限である最低の二百円というものが一応この基準ではない、そういったような点、ところが、この種の事案につきましては、公務上外の問題、あるいは過失相殺等のいろいろな問題が論議の対象となりましたので、政府の原案としましては、そういったようなことから、他の法令等の関係もにらみ合わせて、十五万円が妥当じゃないかと判断いたした次第でございます。
#90
○山本伊三郎君 どうも今の答弁、私の質問に答えていないのですが、もちろん相当に過去の古い話であるけれども、講和条約発効前の問題ですからいいのですが、実際問題では、これからこの基準で金を出すと、こういうのでしょう。そうすると、その当時はみずからの費用でやっておった。そうすると、政府は、その事故発生当時の基礎でやられるけれども、もらったほうから見ると、この十五万円にしても二十万円にしても、今の貨幣価値に対応した貨幣として受け取るのですね。そうすると、そのいわゆる時間的な、何といいますか、経過による貨幣価値の差と申しますか、そういうものは全部本人の負担ということになるのですね。その当時にこういうものが出されているというならば、あなたの言われるような算定基礎でも、私はある程度やむを得ないと思うのですけれども、私はそうならぬと思うのですがね。その考え方はどうなんですか。
#91
○政府委員(大石孝章君) お説のように、被害の事故発生の時限にこれが支給されるということは一番理想なわけでございますが、しかしながら、その当時は、すでに山本先生御承知のように、国のほうで辛うじて閣議決定による見舞金を支給するといったような状態であったわけでございます。で、これをあとになって救済するという場合の方法としましては、やはり正確にはその事故当時の時点に合わした体系をとりまして、そしてそこのところを本人が御負担にならないような、あるいは何らかの措置が講じられるということは望ましいだろうと存じますが、しかしながら、いろいろ六段階に分かれて見舞金の支給が行なわれたような実態を約九千件について調査いたしてみますると、種々な状態でございますので、一定の時点にそれをしぼるという作業が必要であろうと存じます。それがどの時点が一番妥当であるかという点は、先ほども御説明申し上げましたように、講和発効の時点もしくはその一年前の二十六年九月の追給当時の時点ということが客観性を持つ問題であろうというふうに考えた次第でございます。
#92
○山本伊三郎君 私は、そのお考えは間違いだと思っているのですがね。長い間の時限でこれは発生したこと、これはわかります。しかし、今もらったものを使用する立場に立ってやはり算定基準の額というものをきめるのが、私はこの立法の精神にも合致するのではないかと思うのですがね。基準額の千日分といえば、これは法律的に見て千日分で、他の法令を見ても、大体千日分ということはわかる。わかるけれども、算定基準の額が、今言われた講話発効の昭和二十六年、二十六年のそのときの時限で出たということは、これを給付を受ける側に立ってみると、非常にいい法律を作ってもらったと思うが、その実は、非常に額は下がっているということですね。したがって、私は率直に申しますが、二百円という算定基準の額は、これは私は妥当を欠いておる。したがって、もろもろの給付はすべてこれによって下げられた結果になっておる、こういうふうに私は最後の論定を下だしたい。いろいろ説明されましたが、われわれとしては納得できないです。この点について、そういういろいろ苦心をされたことを言われますけれども、私は、やはり受けるときの物価、あるいは貨幣の受け取った価値、そういうものから算定基礎を置かなくちゃならぬと思うのですが、この点どうか。それと、昭和二十六年――私そういう答弁を聞こうと思っておらないので、詳しい資料を持ってきておらないのですが、私らの経験からいって、昭和二十六年に日額二百円というような基礎になりますか。この点ひとつ失対の費用とか、そういうものを見てどうなっているか、ちょっとそれを聞かしていただきたい。
#93
○政府委員(大石孝章君) 御質問の前段のお答えを申し上げますと、政府の補償の基準といったようなものは、大体事故発生主義をとっておるわけでございます。むろんこの点につきましては、非常に時間がズレた場合にどういう扱いをするか、いつの場合も問題になる点でございますが、しかし、この本法を制定する場合は、やはり長期間にわたる問題でございますから、種々の実態から勘案しまして、ある一定の時点にこれをしぼらざるを得なかったという実情でございました。
 第二の御質問の点でございますが、講和発効後の、先ほど御説明しましたように、政府の補償の基準は、有収入者の場合でも、収入の証明ができない、あるいは二百円に満たないといったようなものは二百円にするということで実施いたしておったような実情でございます。なお、私の記憶に誤りがなければ、当時の自由労務者の収入は二百円程度であったというふうに記憶いたしております。
#94
○山本伊三郎君 私はそうでないと思うのです。もうすでにその当時からニコヨンといわれておったから、程度ということでなく、もう少し正確に、私は質問せんならぬから、調べるわけにいきませんから、すぐに調べて下さい。その当時の失業対策費に対する自由労務者の単価は幾らであるか、調べて下さい。私はそうでないと思うのですよ。それと、あなたが今言われましたが、修正されて二百円になったのです。あなたの原案は百二十円、そうすると、今言われたが、たまたま私がそういう質問をしたから二百円程度だと言われておるのですが、政府はそういうことを全然考えておらないのでしょう。先ほど言われた答弁が妥当だと思う、あなたのほうの立場からいうと。十五万円出すのだから、そいつを割って単価を出しておるというのはそのままだと思うのです。休業に対する給与扶助料といいますか、給与に対する保障というような考え方はないのですよ。逆算してこうなるから、これをこういう程度にしておこうという以外にないと思うのですよ。それを理論づけようと思ったら、おそらく僕はそうならぬと思うのですが、その点どうですか。
#95
○政府委員(大石孝章君) 給与保障、休業給付金の問題につきましては、さきに御説明いたしましたように、遺族給付金から逆算した基準日額というものに百分の八十を乗じたという御説明を申し上げましたが、そのとおりでございます。この政府の原案が、遺族給付金が十五万円であって、衆議院で御修正いただきまして二十万円になったという、そういったような実情はすでに御承知のとおりでございますが、政府が十五万円を算定いたしましたことは、先ほども長官から御説明がありましたように、講和発効時点、あるいはその前年度の時点等の状態から勘案いたしまして、また他の救済法との関係等からにらみ合わせまして、十五万円が妥当であろうという判断に基づいたことは先ほど御説明申し上げたとおりでございます。
#96
○山本伊三郎君 まあわれわれこれを大体政府の出されたつもりはわかると思うのですよ。わかるというのは了解したという意味ではない。したがって、これは相当いろいろあるが、一応この程度出せというものであって、これをその他の保険的なこの給付から見ると、相当に追及しなければならない矛盾がたくさんあると思うのですよ。しかし、もともとこれは恩恵的なものである、今までなかったやつを、今度はかりに遺族給付金等を二十万円出してやろう、こういう考え方から私は出ておるのだと、こういう法文なり提案説明を見て私はとっておるのです。したがって、われわれはこれで十分だとはいわない。もちろん十分なことをいえば、その当時命を落として、そうして十年か十五年後に二十万円もらって、それでありがたいというものは私はないと思うのです。一昨日も申しましたように、ああいう占領軍の支配しておったときですから、これはもうどうもならぬといって、それは泣きの涙で、私は歯を食いしばっておったと思うです。たまたま講和条約が発効後、今日になってようやくみずからの権利が主張できる、そういう時期になって、該当者の方々が、ささやかながら、私は陳情されたと思うのですよ。それが今日ようやく実を結ぼうとしておるのですから、決して理想的のものがこの機会にここでできるとは私は思っておりません。しかし、私は、政府の立場として、提案者の立場としては、やはり根本的には、そういう一つの、政府として、国民に対する、被害者に対する気持というものは、やはり根本的に持っていてもらいたい。私の一昨日からの質問は、すべてそこに集中しておる。もうすでに衆議院で修正されたやつをここで修正してどうこうという考えは、私今日持っておらない。持っておらないけれども、一昨日の調達庁長官の説明なんか、法案の無理でないという政府の立場を弁解するだけなんです。それでは私はいかぬと思う。この種立法については、それではいかぬと思う。すべては政府の責任で起こったことなんです。もちろん国民には一半の戦争の責任ということはあるけれども、それに対する事後の補償なり措置については、政府はもっとあたたかい気持で私は立法をしてもらいたいと思うし、われわれもその気持でこれは発言しておるのです。したがって、私は、もう追及すれば何時間でもありますが、この一言で、この給付金の算定の基礎だけについて、大体政府の意のあるところ――意のあるということは、非常によい意味の意のあるところじゃない。大体これをやろうという動機についてはわかりましたから、この点につきましては、もっとひとつ今後検討をしてもらいたいと思うのですが、その点どうですか。
#97
○政府委員(林一夫君) 私どもといたしましても、この被害者の立場を大いに理解しまして、非常に同情を申し上げており、そのような立場からこの案を検討して参ったのであります。私どもは、提出いたしましたこの案も、まあ全体的に見て、いろいろな角度から見て適当だ、こういうふうに考えて提出いたしたわけであります。ただ、いろいろの、たとえば当時の物価の変動等があるし、いろいろの事情もありましょうし、検討すべき点は多々あると思うのですが、そういう点は検討いたしたいと思っております。
#98
○山本伊三郎君 時間の関係で、私は再質問をしますが、これについては防衛庁に一ぺん聞きたいのですが、私は言わないですから、今の点について防衛庁長官、どうですか。
#99
○国務大臣(藤枝泉介君) 御承知のように、一連の戦後処理がいろいろ行なわれたわけでございます。それら一つ一つを考えまして、必ずしも満足すべきというより、不満足だという感じを持って受けておられる方々もいろいろあろうかと思います。今回のただいま御審議をいただいておりまするこの問題につきましても、もちろん被害を受けられた方々、あるいはその遺族の方々から考えられると、まだまだ十分でない、不満足だというお気持であろうということは十分われわれも察知いたします。ただ、今申しましたような一連の戦後処理の各種の問題の均衡等も考えなければならぬわけでございます。ただ、山本さんの御指摘の点のようなことでございます従来行なって参りました一連の戦後処理のペースに合わせますれば、まあまあこういうことかということでございますが、全体として、さらに検討すべきものは検討していかなければいかない問題であると私も考える次第でございます。
#100
○山本伊三郎君 防衛庁長官は率直にそういう意思を表示されたので、これで一応終わりますが、他の関係の一連のこういう法令というものは、私も数は多くないのですが、いろいろその後調べてみましたが、やはりそれはそれなりの一つのある程度の筋を通した形で、それは全体的な不満ですか、あると思うのですが、これについては先ほど指摘したように、特に問題点があるのです。これ以上追及しませんが、数字的に出せばあるのです。したがって、他の法令もそれでいいというわけじゃございませんが、これが成立すればこれだけだということでなくして、やはりその矛盾はこれを改正する、こういうことでひとつ今後も努力してもらうということで私の質問を終わりますが、これに対して、執拗でございますが、防衛庁長官からもう一言……。
#101
○国務大臣(藤枝泉介君) このただいま御審議をいただいておる問題そのものについても、いろいろ問題はあろうかと存じます。私どもも、これで能事終われりとしているわけではございません。十分検討すべきものは検討しなければいけないと考えておる次第でございます。
#102
○委員長(大谷藤之助君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#103
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。塩見君から、委員長の手元に附帯決議案が提出されております。附帯決議案につきましては、討論中にお述べを願います。なお、御意見のおありの方は、本案並びに附帯決議案に対する賛否を明らかにしてお述べを願います。
#104
○塩見俊二君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております連合国占領軍等の行為等による被害者等に対する給付金の支給に関する法律案につきまして、附帯決議をつけて賛成の意見を述べるものであります。
 まず附帯決議案を朗読いたします。
   連合国占領軍等の行為等による被害者等に対する給付金の支給に関する法律案に対する附帯決議案
 占領期間中における連合国軍等の行為等による被害者等については、本法による支給額の程度をもってしても、必ずしも十分なものとは認め難い。よって政府は、各種給付金の額について更に検討するとともに、本法の運用にあたっては、被害者等の立場を十分に尊重し、事務処理上遺漏なきを期せられたい。
  右決議する。
 簡単に決議の趣旨を申し述べたいと存じます。今回提案されました法律によりまして、この被害者に対しまして、各種の給付金が相当大幅に引き上げられておるのであります。私は、被害者に対する処遇は、これによりまして、とみに改善をされておるという意味におきまして、賛成の意を表するものであります。しかしながら、まことに同情すべき被害者に対しまして、その処遇がこれで万全であるかどうか、これで十分であるかどうかということにつきましては、さらに今後検討を要すべき問題があろうかと存ずるわけであります。したがいまして、政府におきましても、この法律が制定をして通過をしたということだけでこの問題の処理が終わった、こういうふうにお考えになっていただかず、さらに引き続いて、各種の給付金その他の問題についても十分に御検討いただき、今後御善処を願いたいと思う次第であります。
 また、本法の運用にあたりましては、特に被害者が気の毒な状況にございますので、あるいは当局では十分な御配意のもとに運用せられておると思うのでありまするが、特にこの際、さらに被害者の立場に十分な御理解をいただきまして、この本法の適用漏れがあったり、あるいは被害者に接する場合に、特にあたたかい同情の気持を十分に抱かれまして、そうして運用の適正、また、遺漏ないことを期するように要望いたす次第であります。
 以上が決議案の提案の趣旨でございます。
#105
○山本伊三郎君 私は、日本社会党を代表して、本案並びにただいま塩見委員より出されました附帯決議に対して、賛成の立場で若干意見を述べたいと思う。
 私の意見は、先ほどの防衛庁長官並びに調達庁当局との質疑の中で明らかになりましたから、これを繰り返しません。塩見委員も言われましたように、まだまだこれはよって不十分な点が歴然とするものがあります。したがって、この附帯決議の精神を十分感得されまして、今後これに対して万全の努力をされんことを私は希望いたしまして、私の意見にかえたいと思います。
#106
○委員長(大谷藤之助君) ほかに御意見もないようですから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#107
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認めます。それでは、これより採決に入ります。連合国占領軍等の行為等による被害者等に対する給付金の支給に関する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#108
○委員長(大谷藤之助君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、討論中に述べられました塩見君提出の附帯決議案を議題といたします。塩見君提出の附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#109
○委員長(大谷藤之助君) 全会一致と認めます。よって塩見君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#110
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 次に、ただいま決定いたしました附帯決議について、藤枝防衛庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。
#111
○国務大臣(藤枝泉介君) ただいま御決議になりました附帯決議の趣旨は、十分に政府といたしましても尊重いたし、特に被害者の方々の立場を尊重いたしまして、善処をいたしたいと存じます。
   ―――――――――――
#112
○委員長(大谷藤之助君) 次に、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。この三案につきましては、すでに提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 政府側出席の方々は、入江人事院総裁、滝本給与局長、平井大蔵省主計局給与課長、以上の方々でございます。なお、福永国務大臣、小平総理府総務長官、佐藤総理府総務副長官、増子公務員制度調査室長、以上の方もほどなくお見えでございます。
 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#113
○鶴園哲夫君 その室長なり、国務大臣、総務長官が来なければまずいですね。
#114
○委員長(大谷藤之助君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#115
○委員長(大谷藤之助君) 速記を始めて。
 御出席の方を追加いたします。福永国務大臣、増子公務員制度調査室長、以上の方々でございます。
#116
○鶴園哲夫君 人事院勧告が行なわれまして、それを受けて政府が今回法律案の提出をされたわけですが、これらの問題につきましての本格的な論議、これは次の機会に譲りたいと思っております。ただ、ここで若干伺っておきたいのは、御存じのように、人事院の標準生計費、これは四月で独身者――一人世帯から四人世帯までは一二%という上昇です。五人世帯は若干下がっておりますが、一二%を少し切れますが、四人世帯京では一二%上がっておる。これは四月の話ですから、今日はおそらく一五%を上回っておるものと見なければならぬかと思うのですけれども、しかし、いずれにしても、そういうふうに上回っているにもかかわらず、七・一%という引き上げは、これはどう見ても公務員の消費生活というものを大幅に切り下げるという考え方にならないかという点を、この間総務長官にもお尋ねをし、さらに、本会談において給与担当大臣にも伺ったのです。総理にも伺ったわけです。しかし、これについて担当大臣の答弁というのは、まことに不親切きわまるもので、はなはだ不満です。具体的に聞きたいと思うのです。
#117
○国務大臣(福永健司君) 生計費というものが賃金上昇の中において考慮さるべき重要なものの一つであることは申すまでもないのでありますが、ただいまお話の、生計費が一二%近く四月の時点において上がっていると、こういうように仰せられます数字、ないし、その後の上昇を考慮すると、最近では一五%近く上がっているのではないかというような表現をなさいましたのであります。これらについては、もとよりそうした数字があろうかと思いますが、一方、民間給与と公務員給与を比較いたしまして、その上でどれだけ上げるかというときの表現での七・一%というものは、これはまあ数字の性質が違いますので一二%と七・一%というものの数字の見合いというものが、直ちに一二%が大きいのに七%が小さいというわけには、私は参らないと思うのでございます。これはまあ申すまでもなく、四月という特定の時点において、前年に比較してどうという数字と、それから四月における民間給与とそのときの公務員給与との比較というのとでは、若干意味が違うわけでありますので、むしろこれはそのときにおけるということになりますと、民間給与がその前よりは七・三%程度上がっていて、それでその他のいろいろなことを考慮して人事院が七・一%程度の数字を出してきた。これらについてもいろいろ御議論はございましょうが、私どもは人事院のそうした考え方を適当なものなりとして受け入れて今度の措置になったわけでございます。したがって、直接一二%と七・一%という数字をあげられて上がり方が少ない、こういうように仰せられる点については、私どもは直ちにそのとおりでございますというようには受け取れない点があることは申すまでもないのでございます。しかし、私どもは、一番最初に申し上げましたように、生計費の上昇ということも、これは大いに考慮しなければならないものの一つであり、これは当然に考えておる次第でございます。
#118
○鶴園哲夫君 要するに、結論としては十月一日からという話ですから、半分ぐらい切り下げておる、結果的にはそうなる。どういうお話をなさろうと、結果的には半分切り下げる、こういうことになるのじゃないかと私は思うのです。しかも、これは人事院のやり方に問題があるのですけれども、国家公務員法六十四条に、俸給表を作りますときには、三つの要素で作るようになっている。その一番目に生計費があがっている。次は民間の給与、そうして次が、人事院が必要と認める事項、こうなっておる。これは法の趣旨からいって、冒頭にあげられている生計費が全く念頭に置かれていないように私は思うのです、今の御答弁では。どういったって、結論的には二一%以上上がっている。さらにその後十月ですから、もっと上がっているでしょう。そういう中で七・一%しか上げないということは、国家公務員の消費生活というものを切り下げるという明確な政策をとられたのじゃないかと聞いておるのですが、その点についてははっきり仰しゃらない。事実そうでしょう、結論的にはそうじゃないですか。
#119
○国務大臣(福永健司君) 公務員の生計費の明確な切り下げだというように御表現になったのであります。私どもは、さような意図を持って今度の措置をしたのでは、もとより、ないわけでございます。鶴園さんの今の御見解からいたしますと、上がり方が少ないという説でありますが、職務給の建前をとっておりまするわが国の現在の建前からいたしまして、ただいまおあげになりましたような幾つかのことを十分考慮した上で人事院が出してこられた案でございまするし、私どもはこれを尊重すると、こういうことになったわけでございます。積極的に、明確に公務員の消費生活を引き下げようというような意向で今度の措置をいたしたのではないことについて、ぜひ御理解いただきたいと思います。
#120
○鶴園哲夫君 いや、積極的にそういう意図があったとかなかったとか、それは論議の外にしましても、しかし、結論的には、そういうふうに言われてみても御答弁おできにならない。職務給がどうというふうにおっしゃいますけれども、そういう問題へ入りますとまた問題が別になりますが、少なくとも、人事院があげている標準生計費、これは非常に不満のあるものであります。ものでありますが、この人事院の作っておる標準生計費から見ても、そういうふうに上がったにもかかわらず、七・一%上げる。しかも、これはいいんだというように政府はお考えになるんだけれども、結論的には、私が言うとおり、結果的に見てみれば、これ幸いということになったんじゃないか。明確にはそうでない、積極的にそういう政策をおとりにならぬとおっしゃるけれども、結論的には、公務員の消費生活というものを引き上げるということになっておるのだと私は思います。まあ続いていろいろな点について論議をいたしたいのですけれども、きょうのところは、本格的な論議はこれ一つにして、もう一つ伺っておきますが、今度俸給表を、だいぶ人事院が特殊なやり方をやられまして、研究職と、それから行(二)を行(一)に切りかえるという措置が出てきたわけです。担当大臣にはもう一点だけ伺っておきたいのですが、この研究職の今度の給与の引き上げ方ですが、これは試験研究機関に従事している人たちの中にこういう疑問が出ておるわけです。それは、研究職の場合においては、今度の引き上げは行(一)よりも悪いんじゃないか、行(一)よりも落ちるんじゃないかという、意見が出ております。そして今回科学技術振興という重要性にかんがみて、研究職を特にひとつ優遇する、そして研究能力ある者については上の等級に格づけすることができるということになっておるのですが、それを含めた場合に、そういった行(一)と同じような引き上げ方になるじゃないか、こういうような意見があるのです。私は資料的に検討いたしてみまして、その疑いは事実であるように思う。したがって、これがもし事実とすれば、種々問題が出てくる。その点について政府はどのように検討されておるのか、それを聞きたいのです。
#121
○国務大臣(福永健司君) 研究職につきましては、人事院において特別の考慮を払われて、優遇の措置をわれわれに勧告されてこられたものと理解しておるのでありまして、お説のように、かえって悪くなるということは具体的に私はないというように理解をいたしておるのでございますが、なお、現実にそうした疑いのあるようなことがありますところがございましたら、その点について具体的に事務当局からもお答えさしていただきたいと思うのでございますが、この点は、人事院自体が、特にそういう研究職の者を優遇するというような意味での措置を考えて勧告してこられたのであり、政府のほうにおきましても、この勧告があることは、当然現下のいろいろの情勢にかんがみまして、期待しておったのであります。ただし、私のほうから出していただきたいなどというわけにはいかないのでありますけれども、こういう点について十分考慮を払われての措置が勧告されましたので、私どもはごもっともであるというので、これを尊重しての措置をとるということになった次第でございます。詳細な点については、あるいはそういう疑点の生ずるようなものがないとも限りません。そういうようなものにつきましては、われわれのほうでも検討をいたしておりますので、具体的にお示しをいただければ、事務的にもそういうことについての見解を明らかにしていただきたいと思います。
#122
○鶴園哲夫君 人事院が今度の勧告の中に出しております資料を見ますと、行(一)の場合は、民間のほうが一一・三%上がり、それに対して今回八・三%、これは本俸に対する割合ですが、八・三%という次第です。で、研究職の場合は、民間よりも二三・一%公務員のほうが低い。それに対して、引き上げは七・九でありまして、私は、この民間と比較して、行(一)のほうがこれけだ上がっているというのに行(一)のほうをこれだけ上げたんじゃないか、研究職のほうはこれだけ下がるのにこれだけ下げたんじゃないかというようなことを言っているのではなくて、八・三%、七・九%を言っているわけです。これが科学技術振興の重要性にかんがみて研究職を優遇されるという数字としては、はなはだ解せない。かりにこの上に、先ほどの、科学技術の研究能力のある者については、一等級上に格づけすることができることによって若干上がる人は出てくるわけです。それを含めてどういうふうになるのか、この八・三%に近くなるのかわかりませんけれども、そうじゃないかと思う。そうしますと、これはどうもおかしな話であって、ごく一部の人たちを上に格づけするために、全体のたくさんの人たちを犠牲にしているという数字になってしまう。どこに科学技術を尊重してこの際というような意見が出るのか、その点について政府はどのように検討されているのか、伺いたいと思います。
#123
○政府委員(増子正宏君) 若干事務的な点に入りますので、私からお答え申し上げたいと存じます。
 行政職と研究職との俸給表の作成にあたりましては、鶴園委員もお気づきであろうかと思いますが、いろいろな点におきまして、研究職の優遇という趣旨を幾つかの形で現わしておるのでございますが、ただ、今御指摘の、いわゆる本俸の俸給のアップ率という点になりますと、研究職のほうは、確かに人事院の資料によりましても、アップ率が若干低目に出ておりますけれども、これは実は新しい俸給表に切りかえましてからのいろいろな昇格等の調整措置というものを全然含んでいない一応の計算でございますので、実際にあたりまして、現在の法案で予定しておりますような調整措置をいたしますというと、このアップ率は御指摘の数字よりも若干上がるのではないかというふうに考えておるわけでございます。なお、申すまでもなく、このアップ率と申しましても、基礎の金額が違っておりますので、たとえば行(一)の八・三%が、金額にいたしますと千七百六十八円というようなことになりますのに対しまして、研究職のほうは、七・九%が二千三十三円というような金額上の差もあるわけでございます。それから、なお、先ほど大庭に御質問になりました行(一)と俸給表との関係におきまして、研究職のほうがむしろ悪いという点があるんじゃなかろうかという御指摘につきましては、この機会にお答えいたしますと、両方の俸給表におきまして、現在大体同じような金額にある者が、新しい俸給表でどうなるかというふうに、単に数字の占める俸給表上の数字の面だけで見ますと、研究職のほうが劣るような印象を受ける場合があるのでありますが、実は対応金額ということでなくして、同じような勤続年数、その他いわば属人的な要素を同じような場合に比べてみますと、研究職のほうは、俸給としては高い俸給が決定されておるのでありまして、そういうふうに比較いたしますと、研究職のほうは、むしろ行政職よりも一号程度は有利な金額というふうになっておるわけでございます。
#124
○鶴園哲夫君 私が伺っておるのは、そういうことを伺っておるのではないわけであって、今度の措置の仕方を、先ほど申し上げましたように、全体として見た場合に、研究職の場合は七・九%だ、そして研究能力のある者という一部の者を上げることによって少し上がるでしょう、八%少しくらいこえましょうがね。それでも行(一)の八・三%には及ばないと、こういうことになるわけです。そうしますと、研究職のほぼ全体の者の率を下げて、それを下げた原資で、割合と若干の人たちを一号程度優遇するということになるんじゃないかということを言っているのです。総額はどうなるとかいうことは、私は百も承知です。だから、その面で御答弁なさっちゃだめであって、この点でそうであるのかないのか聞いておるのです。科学振興だの、特殊性にかんがみ、重大性にかんがみとおっしゃるけれども、事実はそうじゃないじゃないかということを言っているわけです。
#125
○政府委員(増子正宏君) 御指摘の点の御趣旨が、私どうもすなおに御理解申し上げることができないのでございますが、研究職のほうを特に何らかの意味において不利に扱うという趣旨のもとにできてはいないわけでございまして、何か一般的に低めにして、その若干の幅の中においてのみ一部の人の優遇をはかっているというふうに聞きとれたのでございますけれども、そういう趣旨のもとにできているとは私ども理解していないわけでございます。
#126
○鶴園哲夫君 そういう趣旨はなかっただろうと思いますし、さらに、私はそういう面の検討が不十分じゃないか、私が言っていますのは、研究職全体として七・九%しか上がらぬじゃないか、行(一)と比べて、行(一)が八・三%だ、研究職は七・九%じゃないか、その場合に、研究職を優遇するんだという、重大性にかんがみということになりますかと聞いておる。結果的にどうなんですか、その点の検討を政府はどういうふうになさったかということを伺っておるのです。
#127
○政府委員(増子正宏君) 先ほども申し上げましたように、御指摘になりましたいわゆる改善率といいますか、アップ率というものにつきましては、この俸給切りかえ後の措置を計算に入れていないのでございますから、それらを実施いたしました場合には、この数字は変わってくるわけでございます。
 なお、この新しい研究職俸給表の適用、あるいはそれぞれの職員に当てはめることにつきましては、まだ具体的な最終的の方法につきまして、人事院におきまして研究中という点もございますので、それらの点がどうなるかということが、最終的にこの法律が施行になります際には、具体的に検討できるわけでございますけれども、現在におきましては、そうした若干未定の、今後決定される内容というものがございますので、先ほどから申し上げておりますように、おあげになりましたアップ率は、それらの措置を含まないものというふうに理解しておるわけでございます。
#128
○鶴園哲夫君 そこら辺をはっきりしてもらいたいのですけれども、ですから、私が言っているように、最初研究職の場合は、アップ率をできるだけ押さえて、そうして特殊な人たちを上げる場合に、それを含めて行政(一)と同じくらいのアップになる程度には考えておられるのじゃないか、結果的にはそうなる、こういうことを言っている。そうして、それは一体科学技術の振興、科学技術の特殊性にかんがみて研究職を優遇するのだというようなことになるのかということを開いている。
#129
○政府委員(入江誠一郎君) これは私から申し上げるのはいかがかと思いますけれども、研究者の方に誤解を招きましても非常に遺憾でございますので、私から一言つけ加えさしていただきます。
 新給与の勧告の一つの要点は、科学技術の振興に伴う研究者の優遇ということでございますので、結局、もちろん平均アップ率というものは、今まで御指摘のとおり、七・九%と八・三%とか、しかし、対応等級は、これはよく御存じのとおり、研究職は、大体従来ですと六等級、一般行政職俸給表は八等級になっておりまして、大体それについていろいろ御意見はあると思いますけれども、昨年も今年も、給与改善の大体のバランスというものは対応等級でとっておるわけでございます。それでございますので、結局、たとえば大学の教官でありますとか、医療職でありますとか、上のほうに比較的構成人員が多い場合には、アップ率は少なうございます。ちょうど行政職俸給表で申しますと、八等級は一〇%以上上がっておりますけれども、一等級、二等級は三%から四%上がっておるように、すなわち、研究職につきましては、全体の等級が上のほうにあるものでございますから、アップ率といいますか、引き上げ率というものは少なうございますけれども、公務員各自のといいますか、公務員各自の給与改善の額、あるいは率につきましては、大体対応等級というものは、決して研究職は悪くなっておりません。
 それから、そのほかに、御存じのとおり、初任給調整手当でありますとか、あるいは今度のいわゆる等級壁の、等級の短縮とか、そういうことを優遇いたしておりますので、これは今の室長が申し上げたように、それと違ったことを申し上げて恐縮でございますが、今回のいわゆる研究能力に応ずる昇給と申しますか、それによって改善されるから、それを度外視しては――研究職は若干悪いという印象を与えても、ちょっと誤解がおありになっても困りますので、釈明しておきますが、決してそういう工合に悪くなっておりません。それから、これもたいへんこういうことを申し上げて恐縮なんでございますが、もし公務員各位に非常に誤解があると困りますので、先ほどお尋ねのございました今回の標準生計費の一二%の問題と、それから引き上げ率の七・一%の問題、これは今御指摘のように、つまり五月以降といいますか、五月以降の、たびたび御指摘のように、たとえば春闘相場の積み残しの問題でございますとか、あるいはその後の物価の、あるいは生計費の上昇ということを人事院勧告で見ておりませんことは、これは事実で、御議論のあるところでございます。しかし、一体生計費というものと民間賃金の比較というものは、全然何といいますか、比較の方法が違いますので、かりに純生計費で考えますると、民間賃金と比較いたしますときに、御存じのとおり、期末手当でございますとか昇給とか、こういうものは全然度外視いたしまして、俸給表として民間の俸給表と大体合わす。しかし、生計費となりますと、これは瞬間におきましても、一年間の全収入をもってそれを割って一カ月の生計費、つまり暮らしをする経費でございますから、そのときには、かりに昇給をいたしても、これは暮らしの生計費になるのでございまして、問題は、民間賃金に合わすか生計費に合わすかという一つの根本問題はございますけれども、かりに民間賃金と離れて、全然生計費として考えますれば、七・一%俸給として一カ月分上がりますほかに、たとえば初任給調整手当でございますとか、あるいは今度の通勤手当で大体〇・二%、これは御存じのとおり、上がります。それから、今度の上げていただきます〇・四カ月分のつまり期末手当の増額分、これがよく御指摘のように、月割りにいたしますと、俸給といたしますと三・三%ぐらいになるわけでございます。それから、そのほかに、昇給部分は別としましてもつまり純生計費でございますね、俸給体系、俸給構造と離れて、純生計費と見ますれば、必ずしも公務員の生計費が、それだけいわゆる一カ月間における実収入を人事院勧告が切り下げるということではないと思っておりますので、その点公務員各位に非常に誤解があるといけませんので、この五月以降の積み残しの問題がここにどうなるかという問題は起こって参ります。しかし、これは一つ別の問題として、これについて私が申し上げるといろいろ御議論があると思いますけれども、一応私どもといたしましは、そういうふうに生計費は切り下げにならない。
 さらに、ついでに申し上げますと、たとえば、まあこれは昨年は賃金が御存じのとおり、一二・四%上がっております。それから生計費が六%でございますから、かりに生計費と賃金と公務員の給与と考えますれば、これから決して私ども上げ過ぎていただいていると思っているわけではありませんが、つまり生計費の上がり方より、民間賃金、公務員の給与のほうが上がっております。二十三年以来の統計をとりますと、大体生計費の上がり方が、二十三年を一〇〇といたしまして、現在が三五〇くらいになります。ところが、賃金は、大体二十三年を一〇〇といたしまして、五五〇ぐらいになります。そういう工合で、ここは非常に私どもとして、公務員各位が、人事院の勧告によっていわゆる生計費が切り下げられているということに誤解がありますというと、非常に残念でございますので、これは言わずもがなのことと思いますけれども、この際、ひとつ釈明をさせていただきたいと思います。
#130
○委員長(大谷藤之助君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#131
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。
#132
○鶴園哲夫君 だいぶよけいな話がたくさん出ましたね。そういう話をされますと、根本的にまたやらねばいかぬですから、先を急ぐ関係もあるので、やりにくいのですけれども、大体研究職の場合に、対応策給表がどうだこうだとおっしゃる。しかし、現在研究職のもらっている給与、それの総額に対して七・九%じゃないですか。対応俸給表がどうだこうだという問題ではないです。そういうことを言っているのではない。そういうことは百も承知している。ただ、七・九%ではありませんかということを言っているのですよ。それはだからそのとおりなのか、人事院がちゃんと数字を出しておられますから。それから、今生計費を切り下げないというお話ですが、政府の見解のほかに、人事院はそういう見解を持ちますか。たとえば通勤手当がどうだとか、期末手当がどうとか、それを足してみても一〇%ちょっとでしょう。明らかに切り下がっているじゃないですか。しかも、去年の給与を上げるときには、生計費の六%というのはそう問題にならなかった。今度われわれはこれを主張しなければならないようになっちゃったんじゃないですか。生計費すら上がったじゃないか。そういう主張を今回の給与の切り下げで言わなければならなくなっちゃった。だから言っている。私は、生計費を基準にして政府の俸給表を作るということを毛頭言っているわけではない。今までの給与の上げ方というものには、この生計費というものはそう重要な問題にしなくてもいいぐらいのことだったのだ。去年は御承知のとおり、人事院の生計費を見ると、八%、九%くらいですね。それで一二・四%で勧告された。今回は生計費そのものを問題にしなくちゃならないようになっちゃったということを私は言っている。それをどう総裁は積み上げてごらんになろうと、切り下げたことは間違いない。切り下げじゃないという理屈は成り立たない。誤解でも何でもないですよ。政府は、結果的には切り下げたという点で念を押しておきます。別に反論があれば、私聞きます。
 その次に、あと担当大臣、時間があと短いという話ですから伺いますが、この研究職を、研究能力ある者は上の等級に格づけするというのでありますが、これは一体各等級とも同じような率でお考えなんですか。同じような率でそういうものが出てくるのですか、あるいはどこかの等級に集中をするのですか。私の聞いているところは、今のつまり五等級から四等級に上がる人たちが集中的にその処遇を受けるのかということを聞いている。各等級とも同じような率で、研究能力がある者は上の等級に格づけされようとするのかどうか。それからもう一つ、どういう方法でおやりになるのか、それは一体どこがやられるのか。これは人事院に承っておきます。これは人事院の規則を作られるのか、あるいは政府の任命権の範囲、任命権の運用によっておやりになるのか、そういう点についてひとつ承りたいと思います。
#133
○国務大臣(福永健司君) これは私の理解するところでは、人事院が基準を作りまして、任命権者がこの基準によって行なう、こういうように考えております。
#134
○鶴園哲夫君 人事院いかがですか。
#135
○政府委員(滝本忠男君) 研究職の切りかえでございますが、先ほどからお話が出ておりまするように、現在の研究職は七等級俸給表があるわけでございます。今度切りかえますと、現在の二等級と三等級は新二等級に切りかえられる、一応の切りかえは。それから四等級が三等級に切りかえられる。五等級が四等級、六等級が五等級、七等級が六等級、こういうふうに切りかえになるわけであります。それでわれわれは、新二等級というのが、これは上席研究員、非常に職務の高い研究に従事する人々、こういうふうに考えております。三等級が名前はちょっとはっきりいたしませんが、主任研究員と申しまするか、こういうふうに考えております。それで、四等級がその下の研究員、このように考えております。従来、現在の二等級、三等級というところは、おおむねこれは研究所の組織の段階に非常に着目いたしてきめてある等級でございまして、たとえば研究部長でありますとか、あるいは研究室長というような方々の職務と責任の段階に応じまして二等級、三等級というようなポストがきめてある。したがって、真に研究に徹して、そういう管理的業務をやっていないような人は、現在二等級、三等級というのは非常にまれなんであります。今回の研究職俸給表をこのように変えていただきたいという希望を持ちましたゆえんは、やはり部長、室長というような、そういう職務につかれますと、これはもちろん総括的の研究の指導はされるでありましょうけれども、やはり純粋に研究一本に力を発揮するというためには、多少管理的、付随的業務が出て参って、うまくいかないというようなところもあるわけです。したがいまして、今後はそういう室長とか、あるいは部長というようなポジションにおつきにならなくても、ほんとうに研究能力のある方々が二等級、三等級にお進みになることができるようにしたいというのが今回の考えであります。それで、しかし、そうは言っても、新二等級にそれではどれくらいポストをふやしたらいいか、これは非常にむずかしい問題でございます。
#136
○鶴園哲夫君 私の質問の内容と少し食い違っているのですけれどもね、そういう気がするのです。もう一ぺん質問します。私の伺っていますのは、今回研究能力のある者は上の等級に切りかえる、格づけするということになっておりますが、それは各等級とも同じような割合、つまり二等級に在籍している者何%、三等級に在籍している者何%、四等級に在籍しておる者何%と、同じような率でそういう研究能力のある者という人たちを判定なさるのか、それから、その具体的のやり方はどうなさるのか、こういう点を伺っているわけです。
#137
○政府委員(滝本忠男君) 御質問の点でございますが、この点は、要するに、われわれ無制限にそれでは二等級相当者があれば上げるというようなことをしようとは思っておりません。したがって、これはどうしても、まず第一に等級別定数を考えるということになります。その際に、御質問の趣旨は、二等級に何%ポストをふやすのか、あるいは三等級では何%ふやすのかという御質問と承るわけでございますが、われわれの現在の見当では、三等級、四等級という辺は相当数これは増加するという予定でございます。ただ、二等級になって参りますと、これは上席研究員ということになりまして、よほど研究能力のある方をここに上げていくということになりまするので、この三等級辺がどのくらいふえますか、その辺は現在のところまだはっきり見当がついておらないのが実情でございます。しかし、これはやはりふやさなければならないというように考えておる。さしあたりにふえますのは、三等級、四等級の定数というものは相当数これはふえる予定でございます。二等級のところもふえるのでありまするけれども、そのふえ方は三等級、四等級に比べますれば、これはやはり規模は小さいものになるであろう。しかも、その二等級のふえ方が何%であるかという具体的の検討は、ただいま研究中でございまして、今ここではっきり申し述べるまだ研究ができておりません。
#138
○鶴園哲夫君 時間の関係もありまして、この点もっと正確に伺っておかなければならぬのですが、大臣の関係もありますので、次に移りたいと思いますが、その研究能力のある者をということで判断をされるわけですから、それはどういうような判断をなさるのか。私はやはりどうも学歴だとか、あるいは性別だとか、あるいは公務員試験を通っているとか通っていないとかいうようなことがやはり基準になるのじゃなかろうかという心配をしておるわけなんです。と申しますのは、役所の中には、御存じのように、非常に学歴を極端に尊重する悪い傾向がありまして、役所のそういう空気の中でお作りになるとすれば、またもや学歴とか、そういうものを中心とした、きわめて尊重された形のものが基準になるのじゃないかということを心配しておわけなるんです。今回人事院が勧告をいたしまして、その際に、参考資料として非常に注目すべき資料を出しておられますが、それを見ますと、御存じのように、民間の二等級という人たち、これは公務員の場合は二等級は局長に該当するわけですが、民間の二等級というのは、大学卒というのは三分の一しかいないんです。公務員の場合においては、二等級といったら、これは高校出とか、旧専門学校を出たとかいうことで二等級になろうというようなことは考えられもしないんです。三等級の場合、全部見てみますと、三等級の場合、大学を出たという者は三分の一しかいないんです、民間の場合においてはですね。これは技術課長の場合にも同じです。民間の場合、事務課長の場合も同じです。そうして新高率あるいは旧中を出た者は三分の一を占めている、大学出よりも多いんです。公務員は、能率主義だ、能率だ、勤務評定だとおっしゃるけれども、一体官庁というものはこういう実態にあるのじゃないか。給与もよろしゅうございますが、こういう点ももっと根本的に政府は考える必要はないか。今回のこの研究職の場合においても、今のような雰囲気からいうならば、今の官庁の中の非常に強い学歴偏重の立場から言うならば、そういう学歴によって標準をきめられるということにも私は深く懸念をしているものですが、その点について政府は一体どういうふうに考えているのか。しかも、この点が、民間の場合においては、明らかに能力主義というような見解が貫かれると思うんですけれども、官庁の場合はそうじゃないわけですから、最初から、どうごらんになっても、今回の人事院の資料で明らかになっているとおり、明確に出ている。ここら辺についての考え方を、根本的にひとつ公務員担当の大臣に伺っておきたい。
#139
○国務大臣(福永健司君) 鶴園さんほど私はそういう点についての数字的の認識等を持ち合わせていないことを遺憾といたしますが、お話を伺っていて、役所にはそういう傾向がありそうに思います。そこで、そういうことありとするならば、ただいまお話の御懸念なさる点は、私もよくわかるのであります。ただし、現在の制度では、こうしたことについて、私どもがそう思うからというので、そうむやみやたらといろいろと変えていくというわけには参らない。すべて人事院において基準等を決定せられ、これを待ってということになるわけであります。それだけ言っておりますと、何だか人事院からそうした意味においての基準等が示されなければ何もできないかのように響くかと思いますけれども、ただいまのお話の点は、私大いに参考にいたしますし、人事院もまた一緒に聞いていて、そういうことについては心してくれるものと私は期待しているわけであります。お話のような気持ちを体して、私はいわばこういった問題に対して、しいて私の権限よりそれを求めていくならば、総合調整という文字が入っております。そういうような観点から、ただいまのいろいろな点について、御趣旨にできるだけ沿うようなことを考えていきたい、かように存じます。
#140
○赤松常子君 大臣、もうお急ぎでいらっしゃいますから、政府の考えをちょっと伺っておきたいと思うんです。それは最近男女同一賃金問題を労働省がお取り上げ下さいまして、婦人少年局主催でいろいろな集会や行事をお持ちいただきましたことについて、私たちたいへん感謝いたしております。幸い労働省には、国家公務員の中で、たった一人の婦人局長さんをかかえていらっしゃいますし、そうしてまた婦人課長もいらっしゃいまして、私たちたいへん期待をいたしている次第でございます。それで私あとで人事院の方にもお伺いしたいのでございますけれども、同じ能力を持って同じ生産を上げていて、男女の賃金の差というものは、諸外国と比較いたしまして、進んだ国の例と比較いたしますと、日本はまだまだ男女の賃金差が非常にございます。で、これは政府のほうでひとついい模範を示してもらわなければならぬのでございますけれども、むしろ今は逆になっているような関係もあるわけでございますが、労働省といたしまして、こういう問題について、将来第一は男女の賃金差をなくしていくというその努力、あるいは婦人の能力がありながら、昇給昇格が非常に男子と比べておそい、幅が狭いというようなことについてどういうふうに是正していただけるものか、どういうふうにお考えをお持ちになっておるものか、幸い労働大臣いらっしゃいますから、ちょっとお尋ね申しておきたいと存じます。
#141
○国務大臣(福永健司君) 労働大臣といたしますと、いろいろな職域についてお答えをしなければならないわけでございますが、内閣委員会であり、したがって、公務員制度と関連する点でとりあえずお答えさしていただきたいと存じます。
 現行制度のもとにあっては、私は男女の差別をすべきものでない、同等に扱うという制度になっているわけでございます。したがって、私どもの役所では、局長も現に婦人の人もいるわけでございます。私の考えをもっていたしますと、女の人で能力のある人はずんずん伸びていってもらいたいし、また、そういうように積極的に仕向けていくべきである、男のほうで積極的にそういう理解を持つべきである、こういうように考えておるわけでございます。で、ただ自由に大いにみんなが努力して伸びていく能力があったらというより、むしろ男のほうで、過去の日本の姿に徴して、積極的に理解を持ち、協力すべきである、こういうように考えるわけでございます。したがって、女の人でもいいという場所もあろうし、ポストによっては女のほうがさらにいいというようなポストが私たちはずいぶんあろうかと思うわけでございます。労働省なんかの場合におきましては、今例をお引きいただきましたから、それによって私申し上げたいのであります。私就任早々、強く鞭撻いたしまして、女の人が局長をやっている役所に対して、うんと予算を要求をして、うんと仕事をしなさい、従来どうも婦人の美徳として、とかく差し控えがちということもありますが、仕事についてはそういう懸念はさらさら要らないのであるということで、私は、ただいま先生のお話のような趣旨のことを仕事の上でも申しておる次第でございます。したがって、公務員制度を担当いたしまする私といたしましては、今後ただいまのようなお話の趣旨によって、ぜひ非常に商い地位にも婦人の人がどんどんついていかれるようなことが望ましいし、また、そのことによって行政全体が円滑にいくこともより期待できるのではないか。これは決してご婦人の先生の御質問であるからというので、しいてそう申し上げているのではなくて、私の信念として、ただいまの先生のおっしゃるようなことでぜひありたい。したがって、適当な機会に、閣議等においても、こうした御発言等を他の閣僚諸君にも紹介いたしまして、政府全体としてそういう方向へいくように、私といたしましては積極的な努力をいたしたい、こう考えております。
#142
○鶴園哲夫君 大臣、これで席をお立ちになるのですが、先ほどまあ私申し上げて、それに対して大臣が、大いにひとつやりたいというお話ですが、それを聞いて私にこにこするような甘ったるい人間ではないわけで、これはたいへんな問題でありまして、ただ、今、大臣がおっしゃった制度的なというお話でありますが、これは制度ではないのです。制度も若干ありますけれども、これは伝統としきたりですから、だから、これは制度的な問題でどうこうという問題が重点ではないということを申し上げておきますが、とおり一ぺんの回答では、これはとても満足しないし、解決できる問題ではない。ただ、今回当面している研究職の問題について、これはまあ人事院が担当なんで総裁に聞きたいのですが、どうなさるつもりか。
#143
○政府委員(入江誠一郎君) 結局、先ほどのお尋ねの要点と今の要点のあの御指摘になろうとするところは、私どものほうでああいうふうに等級を少し少なくいたしまして、研究能力に応じて昇進といいますか、給与の改善の道を開きましたわけで、そこで、いわゆる実際問題として、給与の改善、つまり等級を上げます場合に、一体どこでやるのかということが一つと、それが学歴に偏重しないかということではないかと私は思います。大体さっき給与局長も申し上げましたけれども、これはよく御存じのとおり、現在の公務員法といたしましては、官職に応じて、官職がございませんと俸給が伴いませんから、結局上のほうに上げます場合に、たとえば上級研究員でございますとか、あるいは主任研究員というふうな、ひとつの研究能力に応じた官職を設置することと、それから、そこへ補充いたします両方が伴って参りますから、それで、数といたしましては、これはまだ人事院といたしましてはきめておりませんのです。それで、今後各省の要求というか、実情も聞きましたり、それに伴って、私どもといたしましては、御存じのとおり、級別定数というものを人事院は持っておりますから、それで設置いたしまして、どの程度そこを一これは組織体でございますから、幾ら何でも、みんながぞろぞろ上がっていくわけにも参りませんから、おのずから限度があると思いますが、それをどういうふうに調整いたすかということを給与局のほうで検討いたしております。それから、上げますのは、これも大体よくお聞き及びと思いますけれども、科学技術庁のほうでは、御存じのとおり、審査委員会というものを作って、それでこういうことはなかなか人事院で考えましても、研究能力という問題は審査ができませんから、そういう方面の専門家が集まって審査委員会を作って、そこで研究能力のいわゆる判定をいたす。ところが、これにつきまして、率直に申しまして、いろいろ異論もございまして、これらにつきまして、現在給与局長が中心になりまして、科学技術庁その他の各省の意見も尊重しながら、どういう結論にいたしますか、現在検討中でございます。
#144
○鶴園哲夫君 私の伺っているのは、そういうことを伺っているのではなく、先ほど問題にいたしましたように、選考にあたって学歴を極端に偏重するということにならぬかと、公務員制度の大臣は、そういうことのないように努力したいというお話なんですが、問題は、お作りになる最終的なところは人事院のようですから、そこらについ人事院がどういう御見解を持っているのか、それを伺っているのですよ。その一問できょうは終わります。
#145
○政府委員(滝本忠男君) 御存じのように、まあ公務員になります際に、公務員試験というものがございます。研究職の場合におきましても、やはり試験がございまして、まあその試験に合格した者が採用されるということになります。この試験は、御存じのように、大学卒業程度ということで上級職試験がございます。ただ、上級職試験は、これは必ずしも大学を出ておらなくてもよろしいのでございますが、年令の幅の制限はございます。これはあまり年をとっておられると、あとの幅が困りますから、年令の幅の制限はございますけれども、必ずしも大学を出ておられなくても、公務員試験に合格されれば、これはもう大学出と同じように扱うということであります。これは御存じのように、それでは一般的にどういうものが研究能力として考えられるかということでございますが、学歴偏重という意味でなしに、やはりたとえば大学で電気工学を履修しておるとか、あるいは機械工学を履修しておるとか、あるいは原子力関係を履修しておるということは、やはり一つの研究能力として目安にせざるを得ないということがございます。したがいまして、そういう意味におきまして、ある程度学歴というものに着目するということは、これはやむを得ないことだろうというふうに思っておりますけれども、仰せのように、この現在の研究というものは必ずしも学歴だけでなしに、学歴はあっても、もう研究の伸びが沈滞しておる人だってございましょうし、それから、学歴は、不幸にして最高学歴までは履修できなかったけれども、しかし、その方が非常に研究能力があって、非常に顕著な研究能力を発揮されておるというような場合がこれはあるわけでございます。私は、先ほど総裁から申し上げましたように、この研究能力の判定ということになりますると、人事院が直接やってもこれはなかなかわからぬ。だから、できれば公平にそれを審査いたします機関というようなものができるほうがより好ましいというふうに思っております。しかし、一部にはこういうことに対する反対もございます。で、反対の理由もわからぬわけではございません。したがいまして、できれば能力を公平に判定するという意味におきまして人事委員会というようなものができることが好ましいと思いますけれども、必ずしもそればかりでいく、あるいはこれを強制するというようなつもりはございませんが、少なくも、ただいま御指摘のように、やはり研究能力の判定でございますから、これは学歴というようなことにはあまりこだわらずに、やはり能力本位で審査してもらうということが、これはもとより適当であろうというように思いまするので、このことは、今後われわれが各省側、あるいは科学技術庁と接触いたし、また、研究公務員の方々ともお話をする機械があるのでありまするから、そういうときに、いろいろそういうただいま御指摘のような点を十分心しまして、この問題は進めたいと、このように考えております。
#146
○鶴園哲夫君 今、公務員試験というお話をなさったが、公務員試験というものは、どういう学校を出たって試験は受けられるというお話ですけれども、これは公務員試験というのは採用試験であって、資格試験じゃないでしょう、採用試験でしょう。資格試験じゃないのです。これははっきりしているのでしょう。公務員試験というのは、あれは採用試験であって、資格試験じゃないのだ。そんな妙な話をされては困る、資格のことを言われては。しかし、いずれにしましても、今の点については、私はもっと根本的にやらなければいけないと思っております。そうでないと、先ほど申し上げた、せっかく人事院からいい資料を発表してもらったのですけれども、執拗にこの点ははっきりしたいと思うのです。きょうは大臣がおりませんから、恐縮ですがこれでやめたいと思います。
#147
○委員長(大谷藤之助君) まだ時間はたっぷりございます。要求の大臣は、きょうは大臣大体支障があって出られないということになり、総理府総務長官が代行するように、まげて出てもらったわけです。速記をとめて。
  〔速記中止〕
#148
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。
#149
○赤松常子君 私、まだこの内閣委は新米でございますから、ずいぶんわからないことがございますから、教えていただきながらちょっと御質問したいと思うのでございます。
 今の男女の賃金問題でございます。私、やはり国家公務員、政府からこういう問題はりっぱな模範を示してもらいたいと思うのでございますけれども、なかなかちょっと研究いたしましただけでも、採用試験には合格する女子がずいぶんございますけれども、それをいよいよ任命するというのですか、そういう場合には男女の開きが非常にございますですね。数字としてここで一々申し上げません。それはどういう支障があるのでございましょうか。これは給与問題ではないのですから、一応また別の機会に申したいと思うのでございますが、一つの例として、そういう場合がずいぶんあるのですね。同じ試験で合格していながら、採用する場合には、男子の場合と女子の場合と非常に開きがある、これはいろいろ制度のこともございましょうし、女子自身の内部にも問題があることも私は知ってはおります。でも、そういうことは今後是正していきたいと思っておりますが、きょうは賃金問題について一、二ちょっと申し上げてお答えいただきたいと思うのです。それは行(二)から行(一)にかわります場合に、タイピストなど約四千人が行(一)にかわる予定になっているようでございます。そのワクに入っているようでございますが、このタイピストの大部分は、言うまでもなく女子でございます。ところが、俸給が非常に低くなる、こういう結果がちょっとした計算で出て参りますが、そういうことは一体どういうふうにお考えであるのでしょうか。低くなるということはわかっていてこういうふうになっているのでしょうか。こういう問題をちょっとお答え願いたいと思います。
#150
○政府委員(入江誠一郎君) この問題は、御疑問になられまするのはごもっともなのでございまして、実はタイピストに例をとりますと、タイピストという女子職員は、従来行政職俸給表の(二)というのがございました。この行政職俸給表の(二)と申しますのは、技能に従事する人、あるいは労務者でございまして、それから今度移します行政職俸給表の(一)というのはいわゆる行政事務に従事するところのあれでございまして、大体行政職俸給表の(一)のほうは、初級試験といいますか、新制高校を出ましても公務員試験に合格いたした者が大体入ることを原則といたしまして、それでやっぱり一つの行政事務の構造でございますから、俸給体系といいますか、俸給体系が補助職、つまり下のほうの補助職が比較的少し低くなっておるそういう一つの体系、極端に申せばカーブが非常に急になっております。行政職俸給表の(二)のほうは技能職でございますから、初め入りましても、十二、三年ごろまでは割合によろしいのでございます。それからカーブがこう寝ます。だからタイピストそのもので課長になるわけでもございませんから、技能というものを評価して、最初は高くしてございますけれども、上になると多少寝るわけでございます。そこで、ただいまの問題は、結局タイピストというものは、入りまして十二、三年に達しておらない者が多うございますから、行政職俸給のほうで入りましてから、かりに十二、三年ごろの者と比較しますと、現在俸給が高いのでございます。そこで、私どもといたしましたら、率直に申し上げますが、技能職というものは、行政職俸給表の(二)といいますか、技能職の俸給表つまり最初高くして、上は寝るという俸給表のほうが適当と思いまして、それに入れてあったわけでございますが、今、国会でも、実は行政職俸給表の(一)と(二)を合理化せよという非常な強硬な御主張もございます。附帯決議までつきました。そこで、合理化をはかります場合に、タイピストというものも、これはタイプという技能ではございますけれども、行政の補助というような理屈もつくのじゃないかということで、今度行政職俸給表の(一)に移しました。そういたしますと、自然に俸給体系が低いほうに参りますから、ほうっておきますと下がりますわけです。しかし、それは理屈は、俸給表が違うのでございますから、下がってもいいようなものでございますけれども、しかし、実質賃金が下がるということは、たいへんこれは御本人にとっては苦痛でございますから、ことにそれにさらに加えて、今回一般職が千円くらい昇給しますから、だから低くなった上に昇給の恩典に浴さぬということはお気の毒でございますから、どなたも、少なくとも千円は昇給したといいますか、現在の俸給よりも千円以下にはならないように調整はいたしました。いたしましたけれども、俸給体系がそういうふうに違っておりますから、必然的に行政職俸給表の(一)にいけば、つまり十二、三年たつとずっとまたよくなるのでございますけれども、十二、三年ころまでは悪くなります。問題は、やっぱりタイピストというものを行政職俸給表(一)というか、つまり事務系統の職員に編入するほうがいいか、やはり十二、三年までは給与がいいということの実利をとって行(二)のほうに置いておいたほうがいいかと、そこになります。それが実は三十二年にきめましてから今までは、実質賃金と申しますか、そのほうに重点を置き、あるいは技能職ということで行(二)にきておりましたのが、今度は各方面の御要望がありましてそういたしましたのでございますが、それかと印して、俸給表でございますから、四十万の公務員が自分の希望で、自分は行(一)へいきたい、自分は研究職にいきたいと言ったんでは収拾がつきませんから、やはりこれは行(一)へ参るか行(二)へ置くかということは、制度としてきめていただかなければならぬというわけで、決してこれは男女の問題とか、そういう問題からきておる問題じゃございませんので、今度非常に御要望がございましたので行(一)へ入れましたところが、今度はまた困ると言い出して、実は非常に困っておるのが実情でございます。
#151
○赤松常子君 行(一)、行(二)の区別をなくしてもらいたいというその要望は、私どもよく聞いておりますわけです。だから、ここで問題は、業務内容の整理と申しましょうか、業務内容に、政府として、これからこういう仕事こういう仕事というふうに線を引いて、はっきり業務内容の整理ができていないというところにも問題があるのではないのでしょうかと私は思うんでございます。そこでこういう混乱が起きるのではないかとも思うのでございますが、そういう面がずいぶんあると思うんです。自動車の運転手さんも、私どもは、ハンドルを持っているけれども、やはり日誌をつけたり、いろいろ事務をすると言うんです。だから、ハンドルだけ持っている単なる単純労務じゃないと言うのです。そういうふうなことで、そこをどういうふうに線を引くかということはむずかしいことでございましょうけれども、やはりそういうまぎらわしいことがあって、今度の場合も、せっかくよかれと思うことが、逆に収入減になるということで、ですから、業務内容の整理というようなことはお考えになっていらっしゃらないんでございましょうか。
#152
○政府委員(入江誠一郎君) むしろ私どもといたしましては業務内容が違うというところへ着眼いたしまして、民間のほうも、ただいま申し上げたように、技能労務職系統と、それから事務系統と違って取り扱うのが一般のものでございますから、そこで三十二年に分けましたのでございます。ところが、これが事実問題といたしますと、ただいま御指摘のように、運転手さんでも、実際半分事務をとっている方もありますし、なかなか末端へいきますと、そこが技能職か、あるいは行政をやっているか、非常になかなか判別しがたい点もございます。これらは実はいろいろ組合なり公務員の方面からも御要望がありまして、逐次業務内容の合理化ということはいたしておるのでございますが、ただ、なかなかこの問題はちょっと業務内容の問題だけじゃ解決いたさぬと思います。ことに、今御指摘のタイピストの問題は、ちょっと業務内容の問題ではありませんで、結局、実質賃金のほうをとるか、いわゆる事務系統でいくかという分かれ目になっておるのでございますが、それが御要望の線に沿ってやったところが、また今度は違った御要望が出てきたというのが率直な実情じゃないかと思うのでございます。
#153
○赤松常子君 今あなたのおっしゃるように、入りまして十二、三年タイピストをやっているという方は、率にしては非常に少ないわけですね。大部分はやはり下の号俸でやっている方が多いものですから、その方が、しかも実質賃金が下がっていくというこの深刻な問題に対しまして、何かこれを緩和する。たとえば千円までの保障はなさるそうでございますけれども、それは一回きりなんでございましょう。今度昇給の場合は、もとの給料から昇給する、それが基準になるのでございましょう。それから、一時的にそれは千円の保障はなすっていらっしゃいましょうけれども、それは一時的な問題で、昇給の場合はあぶはちとらずということになるおそれがあると、こういうことを申し上げて、これに対応するそういう人々の給料の下がらないようにするにはどうしたらいいか。やはり行(一)の号俸の場合の改正と申しましょうか、そこに何か問題があるのではないのでございましょうか。この改正をどういうふうに考えていらっしゃいましようか。
#154
○政府委員(入江誠一郎君) 給与局長からなお補足してもらうことにいたしますが、大ざっぱに申しまして、行政職俸給表の(一)というのも、やっぱり多数の約二十万ぐらいの職員がおりますのでございます。そこで、行政職俸給表の(一)の俸給表というのは、二十万の職員に共通して適用する俸給表でございますから、行政職俸給表(一)へ編入しながら、しかもタイピストの諸君だけ突出したと申しますか、ちょっとこれは技術的に不可能でございます。
 なお、技術的なことは給与局長から答えさしていただきたいと思います。
#155
○赤松常子君 タイピストにこだわるのじゃございません。行(一)から行(二)にかわって下がる人全体を対象にしてお話しして下さいませ。
#156
○政府委員(滝本忠男君) 先ほどから総裁が申し上げておりまするように、タイピスト、それから統計機器操作員という行(二)関係の職員、これは行(一)の給与に比べまして、最初の十二、三年間はよろしい。十二、三年たった後におきまして、これは漸次昇給率が落ちていく、こういう体系になっておるわけです。行(一)の職員というのは、最初の出発はそういった行(二)に比べまして低いのでありますが、十二、三年間はずっと低いのでありますが、それからずっと上がっていくということになる。これは本質的に申しますと、行政の補助的職員と、それから、あるいはいわゆる中堅幹部、あるいは上級職員になる人、こういうようなのをさらに分けるということをすればなおさらけっこうなのかもしれませんけれども、現実には初級職を通ってこられた方の中にも、やはり上級に進まれる方もあるわけでございます。そういう関係から、行(一)の俸給表は、これは行(一)の適用を受けまする上級職員から一般係員、行政事務の補助というようなものが統一されて入っておる、そういう俸給表でございます。男子職員と女子職員たるとを問わず、公務員試験の初級職試験、これは新制高等学校卒業程度でありますが、を通りまして公務員に採用される場合には行(一)になってくる。で、現在初級職員で女子職員は相当おるわけでございます。そういう方々は、現在の行(一)の初任給、それからその俸給表に従いまして昇給していくという体系になっている。タイピスト等は従来行(二)でおりましたので、これはそれより有利であると、まあこういうことでございます。
 従来それではタイピストをやっておった人が、職務の内容が、これはもう行政事務の補助であるということで、行(一)の俸給表を適用さすほうがよろしいということがございまして、ここに何人かは行(二)から行(一)への適用がえということが事実行なわれております。そのときにはどういうふにやるかと申しますと、もしその方が最初から行(一)の俸給表を適用しておったならば、現在どういう金額になっておるであろうという金額をもう一ぺん算出し直しまして、そうして新しく行(一)の金額をきめる、こういうやり方をやっておったんです。これは問題は数少なく出て参りまするので、そういう場合に行(一)にいって下がるのはこれはやむを得ん、行(一)の職務の給与というのはそういうふうになっているのであるということで、そのご本人にとれば、行(二)にずっとおられるよりも低く切りかわって行(一)へいく、こういう形が今回はかなり大量に一時にそういう問題が出てくるということになりましたので、ことに一般的には給与改善をいたすというような際にそういうことになったのです。それでもしほうっておきますと、他一般職員は相当の給与改善があるにかかわらず、そういうタイピストで今度行(一)適用にかわる方は、かえってその機会に現在の給与よりも下がる、ただいま申し上げましたように、もしその職員が初めから行(一)の適用職員であったならば、現在の俸給額はどれだけであるかという計算方法によってやりますと、下がるというような現象が起きまするので、これは何としても、ことに給与改善の際の切りかえ措置としては不適当であるというので、なるべくでき得べくんば、もしその人が行(二)におったならば昇給するであろう、まあ増額されるであろう、その額をあまり減らさないように――これは全然減らさないというわけには参りませんが、減らさないように、少なくも千円はこの機会に増額するようにという切りかえ方法を考えたわけであります。今は行(二)の切りかえられる職員だけに着目をしてのお話でありまするから、そういう方々は非常にお気の毒であると言われますけれども、そういう職員をなぜ行(一)に切りかえるかというと、それはタイプを打つという技能的な職種でありますけれども、その職務内容を別の観点から見ると、現実にはタイプを打つということが行政の補助業務であるということが多分にあるという観点から、行政の補助職員と同様に取り扱うのが適当であるという観点に立って今度かえるわけですから、そうすると、行政部内におきますそういう職員との給与のバランスということも考えなければならぬというので、今回は御指摘のように、ほうっておきますと下がりますから、下がるのではなく、かえって上げるのだ、しかも、その上げ方には、一年間だけ千円を保障するというやり方でなしに、その方が昇給されていきまして、そうして漸次千円を食いつぶしていきますまでこれを保障するというやり方でやる、こういうことでございます。
#157
○赤松常子君 私また……。質問を保留しておきます。
#158
○委員長(大谷藤之助君) 他に御発言もなければ、三案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二分散会
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ソース: 国立国会図書館
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