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1961/10/19 第39回国会 参議院 参議院会議録情報 第039回国会 逓信委員会 第7号
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1961/10/19 第39回国会 参議院

参議院会議録情報 第039回国会 逓信委員会 第7号

#1
第039回国会 逓信委員会 第7号
昭和三十六年十月十九日(木曜日)
   午前十一時十七分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     白井  勇君
   理 事
           鈴木 恭一君
           手島  栄君
           松平 勇雄君
           野上  元君
   委 員
           植竹 晴彦君
           新谷寅三郎君
           最上 英子君
           谷村 貞治君
           光村 甚助君
           森中 守義君
           山田 節男君
           奥 むめお君
  国務大臣
   郵 政 大 臣 迫水 久常君
  政府委員
   郵政政務次官  大高  康君
   郵政大臣官房長 金澤 平藏君
   郵政省電波監理
   局長      西崎 太郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       勝矢 和三君
  説明員
   日本電信電話公
   社総裁     大橋 八郎君
  参考人
   日本放送協会会
   長       阿部真之助君
   日本放送協会副
   会長      溝上  _君
   日本放送協会専
   務理事     川辺 義敏君
   日本放送協会専
   務理事     小野 吉郎君
   日本放送協会理
   事       赤城 正武君
   日本放送協会経
   理局長     秋元 為次君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○郵政事業及び電気通信事業の運営並
 びに電波に関する調査
 (電気通信及び電波監理並びに放送
 に関する件)
○日本放送協会昭和三十四年度財産目
 録、貸借対照表及び損益計算書並び
 にこれに関する説明書(内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(白井勇君) ただいまから開会いたします。
 郵政事業及び電気通信卒業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
 質疑の御通告がございますから、これを許します。
#3
○山田節男君 過日迫水郵政大臣から所管事項の一般説明があったのでございますが、その中で、あるいはその所管事項に触れておられませんけれども、今日の時点並びに将来、ことに電波行政、公衆通信の立場から重要と思われる二、三の点について御質問申し上げたいと思います。
 まず第一に、御承知のように、放送法を改正いたしました際に、放送の番組の問題についてある程度の規制を加えるという必要を認めましたけれども、表現の自由という立場を守るために、あくまで自主的に番組の編成については自粛しよう、そのための法律を作ったわけです。自来、民間放送の番組の趨勢を見ますというと、間々放送番組に対しての、ことに道徳的方面から見て非難される向きもあったわけです。これに対しまする政府の対策として、今日までそういう法律の建前があるにもかかわらず、番組の自粛というものについて、どういうような実際的な処置をとっておられるか、これについてひとつお伺いしたい。
#4
○国務大臣(迫水久常君) 番組の問題というのはきわめてむずかしい問題でございまして、御承知のとおりでございますが、現在のところ、番組は、いわゆる協会の自粛自戒による建前をとり、その具体的な手段としては、御承知の番組審議会というのが設けてございます。私、郵政大臣に就任しましてから、個人的にはいろいろな感想は、これはございますけれども、現在のところ、番組審議会の健全なる活動というものを期待をいたしておる次第でございます。
#5
○山田節男君 ことに番組の編成についての自粛的な立場を強化と申しますか、厳重にするために、一昨年、放送法の一部改正と同時に、放送局の開設の根本基準も同時に郵政省令でもって改正を加えまして、特に教育放送の場合、教育放送を目的とするラジオあるいはテレビジョンの場合におきましては、その番組の少なくも五〇%以上は、教育の効果をねらう番組でなくてはならぬと、こういうちゃんと基準がきまっておるわけでありますけれども、現在民間放送で教育放送を主たる目的とするために免許を受けたのが、東京と大阪に一つずつあるわけであります。これがはたしてこの根本基準に即応した放送をしておるかどうか、政府においてどの程度これについての認識と申しますか、この根本基準規則に即応した放送をしているかどうか、こういうことについての、何か御存じのことがあれば伺いたい。
#6
○国務大臣(迫水久常君) きわめてむずかしい御質問でございまして、実は東京には教育専門局というのがございまして、それは、お話のとおり、教育番組五〇%以上、残りの大部分が教養番組であるもの、こういうことになっております。大阪にはいわゆる準教育局という教育局があるわけでして、これは教育、教養通じて五〇%以上ということになっております。
 先般大阪の準教育局の一つが再免許の時期が参りまして、いろいろ話を聞きましたが、率直にいいまして、実際問題として、その制限をきわめて厳格に解釈すると守れないというようなことがいわれておりました。また、東京の教育専門局も、明年早々には再免許の時期が来るんでありまして、いろいろうわさを聞いておりますというと、これもきわめて厳格に解釈するというと、根本基準に定められた基準というものが維持できないんじゃないかといううわさも聞いておりますが、その比率に従って番組を編成しなきゃならぬ立場ではあるんですけれども、かりにそれを逸脱することがありましても、直ちにこれを制裁する規定というものはないので、結局再免許の際に問題になって、場合によっては免許を与えないという場合も考えられる。これは抽象論でありますが、考えられるということにもなるような次第でありますので、この問題につきましては、実際上の問題に即して具体的に慎重に処置いたしたいと思っております。
#7
○山田節男君 この準教育テレビ放送を免許するかしないかについて、これは衆参何院とも、ことに本委員会におきまして、いわゆる民間放送、商業放送としての教育放送が成功するかしないかということは、これは各国の例、ことにアメリカの例を見ても、これは絶対に営業として成り立つものじゃない。だから、準教育放送なんというのは免許すべきものじゃないという議論も相当あったわけです。ところが、当時の郵政大臣は、あえて準教育放送というものを東京、大阪に一カ所ずつ許している。自来ずっと成果を見ますと、今申し上げたようになかなかその目的を達しない。しかも非難もある。教育的な効果が非常に薄いじゃないか、プログラムにしても、こういう基準規則でもって五〇%以上にしなくちゃならぬというけれども、実際においてその半分もやっていない、二〇%ちょっとぐらいしかやっていないじゃないかということが、政府の調査によってもわかる。そういたしますと、免許制度であるからには、再免許の際には、過去の三年間の実績を見て、免許を、取り消すとか、あるいは最も緩和な手段としては再免許を留保する。これはアメリカも現にやっておるんですから、それだけの制裁力は郵政大臣として符っておられますから、せめて留保というくらいな、――これは制裁じゃございません、制裁じゃなくいたしまして、所期の目的、免許した趣旨に沿うようにこれを指導する、これは政府として当然なことじゃないか。
 アメリカの例を引いて恐縮ですけれども、アメリカにおきましては、一昨年、例の非常に世間を欺瞞するような一極の詐欺的なペオラであるとか、あるいはクイズの問題が起きまして、連邦通信会議で、これはほっておけないというので、昨年約五百再免許の場合に、ほとんどその半分は留保して、そうして放送の番組の純化といいますか、浄化ということについて監督の実績を上げておるわけです。日本政府としても、現在の放送法の建前から、なるほど表現の自由はあるかもしれぬけれども、免許に関する所管事項は大臣の権限ですから、せめてそれを通じて監督をするということは当然なことじゃないか。今言われました大阪における民間の教育放送の場合にも、そういうような事由があった場合について、せめてそれを留保するというようなことは、私は必然さるべきじゃなかったかと思うんですけれども、それが行なわれなかったという原因について、私はあえて大臣の言明を求めませんけれども、しかし、何かの方法で、教育放送の使命を全うするような指導奨励、監督ということは、政府として当然じゃないかと思います。これについて何か具体的なことをお考えになったことがあるのかどうか、伺いたい。
#8
○国務大臣(迫水久常君) 山田さんのただいまの御意見、私十分これを参考にしまして、免許のときにこれを留保してもいいのじゃないかというようなお考えも国会の中にあるということを十分頭にとめて、これから考えてみたいと思いますが、大阪の具体的に問題になりました場合は、今後はさらにいっそう努力をして、免許を受けるべく申請した基準を自分で実行しますということを申しましたので、さらにそのことに期待を寄せ、信頼を寄せまして、再免許をいたした次第でございます。
 今後、根本的には、この問題は政府が、官が統制すべき問題ではなくて、やっぱり放送局自体の自粛自戒によるべきだと考えておりますけれども、その自粛自戒を十分徹底せしめるために、政府が何らかの指導、と言っちゃ言い過ぎかもしれませんが、できるならば、これはまあ官僚統制ということでなしに、自粛自戒ができやすいように、そういう雰囲気をひとつ作るという趣旨において考えてみたいと思
 います。
#9
○山田節男君 これは、私は番組の監督ということにつきましては、やはり今日憲法が保障している言論の自由、放送法におきます放送表明の自由、並びに検閲をしない、この鉄則は、私はあくまで、守るべきものだと思う。しかし、こう商業放送が数がふえ、放送が盛んになり、ことにスポンサーの、何といいますか、要求が熾烈になれば、放送業者としては、これは心ならずも番組が、ことに教育放送を主たる目的とするものが、むしろ非教育的な、いわゆる倫理的に見れば、むしろひんしゅくを買うような番組が非常にふえておるということは、これは政府としてもほうっておけるものではない。そこで、一体政府としてやるべきことはどうやるか、これは私もいろいろ考えてみたのですけれども、やはりアメリカがやったように、全国の、公共放送を含めて、民間放送業者、ことに、それにはスポンサー、演出家あるいは製作者、こういうような者も集めると言っちゃ語弊がありますけれども、そういったような人々に政府が、やはり放送法の意図している番組の中正、しかも商業放送の、教育放送を主としなくても、やはり非倫理的なものに対するセンスというものはきわめて敏感な作用をする。これは私は方法があるのじゃないか。アメリカにおきましては、そういったようなスキャンダルが――放送クイズ、ペオラのスキャンダルがあったのを契機として、むしろこれは連邦法によって、いわゆる民事、刑事、両方とも、スポンサー、製作者、演出者、こういうものも処罰すべしというような、そういうFCCの建言が政府に行なわれておるという、こういう事実を見ましても、やはり郵政省としましては、この点につきましては特に意を用いて、たちまちでき得るものは何であるかと申しますれば、今申しましたように、番組審議会の任務もございますけれども、しかし、そういうものがありながら、こういう事態が起きてきたということにつきまして、もっと根本的なものに対して政府の施策が必要じゃないか。そういうことになりますれば、政府が民間放送業者、公共放送業者を含めて、番組に対する自粛的な、これは政府としての監督できるような、これは講習会あるいはその他の方法をもって、私は監督できるのじゃないかと思います。そういう点については全然お考えになったことはないのですか。
#10
○国務大臣(迫水久常君) きわめて貴重な御意見を承りまして、まことにありがとうございます。基本的には、政府が番組について干渉するという、まあいわば官僚統制といいますか、どうも私自身昔の官僚だったものですから、私がものを言うと、非常に官僚統制的な感じを出すらしいので、非常に気をつけているのですが、基本的には、私はやはりこういうものは官が統制すべきでなしに、自粛自戒と申しますか、めいめいの良識に待つべきだと思います。政府のすべきことは、放送局が自己の良識に従って行動し得るような、そういう環境を整備していくということがやるべき最大の限度だと思っておりますので、そのことについては、具体的にもう少し勉強してみたいと思います。
#11
○山田節男君 これははなはだしつこいようですけれども、番組の構成ということは、これはことに教育放送の場合においては、その趣旨のために政府が免許した以上は、その目的を達するための政府の直接、間接の指導、これは官僚統制ではないのですから、今申し上げましたように、アメリカのように、相当民主義我が浸透し、もう完成された言論の自由がある。にもかかわらず、商業放送の競争の結果、今申し上げたような措置も考慮しなければならぬというような事態を見て、これは私は決して官僚統制をやれと言うのじゃございませんけれども、その及ぼす国民に対する非常に大きな危険を考えると、これは統制とか管理とかいうのじゃなくて、政府がやはりこれに干渉するのじゃなくて、これを指導する何かの一つの方法を考えるのは当然のことじゃないか。すでに、ことにテレビジョンのように、視覚と聴覚を兼用して楽しんでいるということになると、この影響はもっと直接的に、私は非常な、悪く言いますと、弊害が伴う。悦にその弊害を生じているんですから、これは官僚統制とかなんとかいうのじゃなくて、一つのそういう業者、あるいは製作者、演出者、あるいはその他の関係業者の、そういう良識を高めるような方法を、これは自主的にやれとおっしゃるけれども、実際に業者は、激甚の競争下ではできないということです。何かのおりを見て、政府がこれに対しての、一つの何といいますか、警告を与えるというようなことは、これはできないことはないと思います。この点をひとつぜひ政府のほう、ことに大臣としてこの点をお考えを願いたいという強い希望を申し上げて、この点についての質問を打ち切ります。
 それから次に、FMの問題でありますが、大臣の所管事項の一般説明の中で、FM調査会を作って、そうして学識経験、幾多専門家を集めて将来のこれに対する方策等をきめるべく極力研究中であるというような御報告があったわけでありますけれども、今日郵政省に対しまして、新聞社あるいは放送業者、公共放送等から、FMの申請が大臣の御報告によりましても、すでに二百四十近くあるというのでございますけれども、今日、政府がこういうFMに対する申請がすでに二百四十に近いものがあるにかかわらず、依然としてFMに対する政府の根本的なプランというものがきまっていないということ、これは私は非常におそきに失するのではないかと思うのです。しかし、現状として、わざわざ今政府がそういう調査会をお設けになって、根本的研究をなさるということは、これは私はいいことだと思いますから、ただここで、まだ調査会の結論が出る曲において質問をするのはどうかと思いますけれども、しかし一体、少なくともFM放送というものが、従来の中波の標準放送の、何と申しますか、周波数のスペクトルと申しますか、日本話は知りませんが、そういうものが非常に混雑してきて、勢いFMに移らなくちゃならぬということも考えられまするけれども、しかし、FM放送というものは、単なる新聞社とか、あるいはラジオの放送業者だけがこれを占有するというのでなく、多数の者がこれを使うということで、FMの周波数の何といいますか、帯域と申しますか、バンド、これは限られたものである。しかも国民の共有財産であるという立場からしますと、よほど政府としてはっきりした一つの心がまえといいますか、腹をきめておられませんと、民間のほうだけですでに二百四十、こういう多数の申請をどう処理するかということにつきまして、私はもう、政府として具体的な案はないにしても、腹がまえとして、今日までテレビジョン、あるいはラジオ、ことに民間放送業者が非常にふえましたために、私から申せば、そういったようなテレビジョンのチャンネルにいたしましても、少し放送以外に使われるべき周波数帯というものが犠牲になっているんじゃないか。ということは、他に重要な民間の産業、あるいは官公庁の、あるいは警察、あるいは防衛庁等に、これは将来需要はますますふえてくるにかかわらず、もうすでにテレビにおきまして、VHF帯におきまして、超短波のほうにおいては余裕がないというような現状です。こういうことに対する施策について、まだ調査会を設置されたばかりでありまするけれども、何かのひとつ心がまえというものがおありになれば、基本的な心がまえがおありになれば、これをひとつ伺っておきたいと思います。
#12
○国務大臣(迫水久常君) FMの問題というのは、私、就任しましてからいろいろ聞いてみまして、事柄がきわめて重大であるということについて、深い認識を得たわけでありますが、とにかく、現在もう二百五十五件という申請があります。率直に言うと、毎日少しずつ、一件か二件出てくる。これは、来年六月というのが電波の再編成の時期でございますので、それとの関連においてFMの問題はほうっておけないので、もう少し基本的な処理方針というものをどうしても作らなければならぬということになりまして、そして役所の中に、次官を長とする一つの調査会を設けて、鋭意研究しておるのでありますけれども、私の今事務当局に対して申しておりますことは、このFMをどう取り扱うかという一つの基準というようなものは、この調査会で一応草案というような格好で、できるだけ早い、機会に一般の方々の御批判を受けるべく、草案のような形で公表してみて、それで世間の世論を聞いて、それを直しながら一つの確定的なものにしていきたい、こう考えております。何かそういうような処置はできないものかなあと実は頭の中で考えておりますし、また、うっかり草案のようなものを出して、めちゃくちゃにたたかれて、ハチの巣を突っついたようになっても困ると思いますけれども、ただ、政府が一方的にきめるのでなしに、こういう国民の共有財産でありますから、それの処理の方針というものは、一般の世論に従って考えていくというのもいいんじゃないか、何かそういう処置をしてみたいということは考えて、専務当局にはそういう線に沿って、何かいい考え方はないかということを申しておるようなところでございます。
#13
○山田節男君 事務当局にちょっとお伺いするのですが、今二百五十五件のFMの申請のようですが、新聞社から出しておるもの、それから一般放送業者、それから公共放送の申請の内容ですが、一体、新聞社はFMをどういうふうに使うという目的で申請しているのか、放送業者はその目的は何なのか、それがわかればちょっとお教え願いたい。
#14
○政府委員(西崎太郎君) 大体、今約二百五十件ほど申請が出ておるわけでございます。この中にはNHKは実は含まれておらないわけでございます。そういう意味で、一般放送局だけで二百五十件ほどでございます。
 その大体の申請者の内訳を申しますと、やはり半数がいわゆる新聞通信社でございます。それから三割が現在の既存の民放事業であります。それからあと残りがその他学校であるとか、いわゆるその他のFM単独者、こういうような色分けになっておるわけでございます。
 それで、今御質問の、民放事業者は、このFMをどういうふうに利用しようと考えておるかということでございますが、まだ詳しい内容については実は審査しておりませんが、要するに、一体、中波とFM、これの関係はどうか、いわゆる補完性を持つものであるかといったような基本的な考え方によって違うのですが、今のところ、民放の事業者としましては、外国混信その他で、将来、中波というものが混信のために苦境に立つこともあるというような考え方で申請しておるのが多いように承知いたしております。もちろん、かりにFM放送が免許になった暁は、そのほかにFMとして独特の効果が発揮できるように、音楽番組であるとか、そういった分野にも力を入れさしたいというようなこともいっているわけであります。それから新聞とか通信社の関係でございますが、これはやはりあくまでも新聞報道、電波による新聞報道というものをモットーにしまして、その余裕をもっていろいろ音楽とか、その他の番組を編成していく、こういったような考え方でございます。
 以上、ごく大ざっぱな御説明でございますが、大体そういったような与え方のように承知いたしております。
#15
○山田節男君 新聞社のFM申請は、電波による新聞報道といいますけれども、電波によっていわゆるニュースの形で新聞社のニュースを流すという意味ですか。
#16
○政府委員(西崎太郎君) そうでございます。
#17
○山田節男君 これは大臣の御所見を伺うわけですけれども、今日特に一般放送業界におきまして、新聞社が、本来の新聞を発行する事業が、ラジオ、テレビジョンのほうについても非常に勢力を扶植をするべく激甚の競争を展開しているわけです。それにさらにFMを通じて新聞の報道、いわゆるニュースを
 これによって流そう、その余暇をもってFMの特徴である音楽その他のものを放送しようというのですけれども、こういうことになりますと、私は、これは公取法、いわゆる独禁法にかかるとは思いませんけれども、しかし、最近アメリカのスタンダード・バキュウム石油会社がアメリカの独禁法に触れて、日本における各地の支店を解体しなくちゃならぬ、そういう建前から見ましても、新聞社がFMをそういう目的のために使用するということが、これは私は独禁法に触れるか触れないかということは、私はまだ法律的な研究は足りませんけれども、そういうことに対して政府は一体許す、許さぬという腹はきまっているんでしょうか、どうでしょうか。
#18
○国務大臣(迫水久常君) それはFMの問題について、新聞社に対して許す腹がきまっているかという御質問、そういうことをひとつここで研究しようというのが現在の研究段階なんですが、したがって、FMを新聞社にやるということはきまっておりません。
#19
○山田節男君 これは先ほど大臣もおっしゃったように、調査会もあり、しかしながら、調査会の結論が、これは二ヵ月や三ヵ月で出ればいいのですが、出ないのに、いろいろの意図をもってFM申請を政府に持ってくる、山積、している今日、これから政府が根本方針をきめるというのでは、すでに私は時期がおそきに失すると思うのです。しかし、現在の事態として、攻撃してもしようがないと思う。そこで政府として、大臣は御就任早々で、そこまでの御見解は持っておられないと思いますけれども、こういったような、逆に政府が今からきめるのに、どんどん申し込みがきている、申請がきている、山積しつつあるというのですから、根本的のものだけは、これはいろいろ論議した結果、報告を待たなければならないでしょうけれども、しかし、こういうことは調査会の結論を、正式の範囲の広い結論を待つよりも、そういう根本的な問題については、これはやはり大臣が開帳なり何なりに、二つか三つ今から質問申し上げますが、そういうものに対して一体どうするのだという心がまえだけはひとつはっきりしておかれませんと、ますます私はこんとんとしてくるのじゃないかと思います。そういう点どうでしょうか。
#20
○国務大臣(迫水久常君) さっき省内の調査会の結論をできるだけ早く出して、一種の草案のような形でもって外部にも発表して、排さんの御批評を受けてみたい、できるだけ早くと言ったのですけれども、実は、それを年内にやろう、ことしのうちにそういう格好のものを。したがって、今、山田先生のおっしゃった、早く結論が出ればいいけれども、結論というものが出るか出ないか、とにかく、一応こういうことでどうだろうかという基礎的な考え方は年内に作り上げてみたい。実はそういうふうに考え、事務当局にやらせております。
#21
○山田節男君 年内までに結論をお出しになるようにやられるとのことですが、そうなくちゃいけないと思うのですが、それじゃただ御注意申し上げるということになりますが、FMはまだ開拓、開発が非常におくれておるわけですが、これから政府の施策によってFMの分野がそういった方向に使われるわけですが、これはヨーロッパは早くから中波というものが混信でほとんど用をなさないというのでFM化しておる。日本は地域的に離れておりまして、割合にのんきにしておって、中波における標準放送といいますか、大陸――ソ連あるいは中共、朝鮮、韓国等の強力な放送のために、かなり混信のために難聴地区がふえているわけです。ですから、そういうような放送業務に対するFMの周波数ということも、これは現実の問題として必要になってくる。それから今民間放送業者が申請をしておる、このことは、私は申請の内容を見たのではありませんが、今の監理局長の御説明だけによって推察いたしますと、アメリカにおきましては、いわゆる標準放送をやっておるラジオの放送業者がFMというものをひとつ、何といいますか、補助的な放送事業、標準放送の業者がFMを兼ねてやっておる。その内容を見ますと、先ほど来御説明がありましたように、ニュースだとか音楽だとか、こういうものはFMの特徴としてやっておる。ところが近来の情勢としましては、これはある特定の民間放送でありながら、会費を徴収する、聴取料を取るという建前で、たとえば銀行あるいは労働組合あるいは教育、その他そういったもののために、標準放送会社が非常にFM放送によってそれをやっておる。しかも、それについては会員制度というようなことをやって相当な収入を上げておるわけです。おそらく民間放送業者が、FM申請ということにつきましては、そういうような、アメリカにおける実例で、いわゆる経営の方面からFMの申請ということに目ざめてきて申請がふえてきたのじゃないか、これは私の推測です。しかし、このことは現在の民間放送におけるチャンネル・プランの使い方というものが、非常に浪費といいますか、過剰な免許をしておる。FMにおいても一般放送業者にそういうFMの許可を一々するということになりますと、これは一体、将来日本の放送業界、民間放送業者がますます混乱してくるのじゃないか、商業主義に徹すれば徹するほど、迷惑するのは国民じゃないか。一方そういうせっかく尊いFMの周波数というものをそういう方面に多数使われることについては、国策といいますか、私はこの点に非常な心配をしておるわけなんですが、こういう点につきまして、特に大臣のお答えをわずらわしたいと思います。
 それから、これは諸外国の例を見ましても、FM放送は、結局きわめて弱い電力によって、安上がりするFM放送によって教育の方面にこれを使う、費用も非常に安く済む。これは御承知かもしれませんが、新潟県におきましては、これは早くから超短波による教育放送を県でやって非常な成果をあげておる。こういうようなことも、私は将来の日本として、教育放送のために経費の安くいくFM利用による教育目的を達するべきじゃないか。そういたしますと、少なくともこの需要の面では、単に今日新聞社あるいは一般放送業者が申請している、そういうものだけじゃない、その他にいろいろなそういう方面に使われるものだから、この有限の周波数帯というものは、ひとつここでちゃんと初めから計画的に、しかも、むだをしないという根本的な腹がまえがございませんと、今のテレビジョン、ラジオの標準放送のようなことになってしまうという危惧を私は持ちますので、この点を特にひとつ大臣に事務当局の、あるいは調査会のいろいろの審議の過程を見まして、最高責任者としては常にその点を留意されて、どういうふうにされるか、むしろけちに近いほど私は節約し、慎重に割当を考えるべきではないか。これは私の意見でありますけれども、それだけ申し上げておきます。
 それから最近の傾向でございますが、商業放送の、特にテレビの何といいますか時間を、放送の、たとえば一時間幾ら、あるいは三十分幾らという、いわゆる何といいますかタイム・ビリングという放送料で、時間を、特にゴールデン・アワーと称される最も視聴率の高い夕方であるとか昼であるとか、こういうものに対して非常な値段の値上げをしている。これは大臣御存じであると思う。最近の例を申しますと、たとえばゴールデン・アワーの一時間のタイムを、東京におきましては七十五万円であったものを百万円に一挙に引き上げる、大阪におきましては一時間五十万円であったものを七十五万円という、五割ないし三割も一挙に値上げするという傾向がある。これはやはり短時間の値段もそういったように大幅に値上げをしているわけですね。これは、政府は何らこれに関与する権限はないかもしれませんけれども、しかし、今日池田内閣のとる物価倍増の傾向が非常に強くなってきて、業者においても値上げの必要があるという根拠はあると思う。しかし、結局こういったようなものは、スポンサーから高額なスポンサー料をとるということは、結局消費者に転嫁されてくる、こういう点から見まして、私はこれを等閑に付すべきものではないと思うのですがね。この点に対して、郵政大臣はそういうことについての事実を知っておられると思うので、これに対する何かの手を打たれるべきじゃないかと思うのですが、この点に対する対策を御説明いただきたいと思います。
#22
○国務大臣(迫水久常君) テレビの料金が、だんだん上がってきているということも聞いております。それをまた上げる理由もいろいろ説明をしておるようでございます。実際問題としまして、政府が料金に対して干渉といいますか、何か口をいれるという制度はないのでありますが、気持の上では、これは決して不当な商い料金になるということは希望しないことは当然でありますので、具体的にどういうふうにすればいいのかわかりませんけれども、それぞれ自粛自戒して、そういうものが不当な高い値段になって、ほんの一部の者しか利用できないような格好になったり、あるいはそれがさらに消費者に転嫁されて、消費者価額が上がっていくようなことにはならないように自粛自戒をしてもらいたいということを、そういう空気を何とか醸成したいものだとは思っておりますけれども、実際問題としては、具体的にこうしてこの料金の値上げを押えていくという方法は今ございません。
#23
○山田節男君 さっきの番組の場合においても、政府は干渉はしないのだ、しかし間接な方法をもって自粛する方法があるのではないか。これはアメリカの例をもってもそのとおりでありますが、民間放送業者の団体もあるのですから、こういう値上げの口実を、私は仄聞するところによると、いわゆる全国ネット・ワークが広がれば広がるほど広告になるのだから、そのくらい上げてもいいじゃないか。しかも値上げの今日の状況を見ますと、やはり東京を中心としてのいわゆるキー・ステーションとなる親元の放送業者が、今申しましたように三割ないし五割も一挙に値上げをしておる。これは政府のいわゆる物価政策から申しましても、当然これは鉄道の運賃とかあるいは電気、ガスの料金値上げ、これはやはり公共の大衆に結局は転嫁されるという意味からすれば、これはやはり物価政策から見て、政府は何らかのこれに対する施策を行なうということは当然じゃないかと思う。今干渉すべきじゃないとおっしゃいますけれども、もちろん、それは干渉しなさいというのでないのであって、いわゆる放送法における政府の管理権というものは、これはもう厳正でなければいけませんけれども、事こういう料金というものは、これは私は単なる放送業に干渉するというのでなくて、物価政策の立場から見て、別の立場から見ても、ひとつ政府の何らかの措置を必要とするんじゃないか。たとえば民間放送の連合体に対しまして、こういうことによる及ぼす影響、政府の物価政策から見ても、これに対しては慎重な態度をとるといいますか、こういうことは、私は政府としてできるんじゃないかと思う。どうでしょう。それも前企画庁長官としての立場からお考えになっても、私は放置すべきじゃないと思うんですけれども、これに対する御所見を伺いましょう。
#24
○国務大臣(迫水久常君) たとえば民放の連盟に対して料金を上げないようにひとつ考えてもらいたいということを、一体郵政大臣が今いきなりそのものずばりで言っていいものかどうか、私はその点について率直に言って若干の疑問を持つのです。というのは、向こうの受け入れ態勢がどういう受け入れ態勢になっておるかということをきわめないで、いきなりそういうことを言った場合に、どう受けてくるだろうかと、政府が要らざる干渉をまたしてきたと、こういうふうに逆にとられても、結局目的を達しないことになると思うのでありまして、山田先生のお話は、きわめて示唆に富んだお話であるので、ひとつその点うまい手段があるかどうかよく考えてみたいと思います。
#25
○山田節男君 これはもう民主主義の世の中で、自由は尊重しなきゃならぬ。相手の個人の人格の尊厳を尊重しなければならぬということは、これはもう当然のことであります。しかし、ほんとうの民主主義ということになれば、やはり政府は民主主義を守る大きな目付役である。行政面においても、民主主義を守るということになれば、やはりこれは一般大衆を保護しなくちゃならぬということは、これは絶対の使命だと思う。ですからこそ、アメリカのように自由主義の国でありましても、連邦通信の先ほどの番組の問題についても、これは連邦法によっての処罰を作れと、そして番組の粛正をはかれということまでいっておる。ですから、政府はやたらに干渉する干渉するというけれども、いい意味の干渉ということは、これは私は政府として当然やるべきだと思う。これは今日の理想として――今自由があり過ぎる。自由があり過ぎるために、民主主役が破壊されてきている。放送業者もこれは例外でないと思う。やはり放送の自由、営業の自由ということのために、今日世間を毒している面もあるのですから、ことにこういう値上げのブームに便乗して三割、五割も値上げになると、政府はこれに対して、団体に対してせめて勧告を行なうということが、政府の全体の物価政策からきて当然じゃないかと思う。これだけは治外法権だというようにまかすということは、放送業者一般を堕落せしめるといいますか、増長させて堕落せしめるという、その結果、国民が迷惑するのだということになるわけですから、私はいい意味の干渉ということは、これは私は決して民主主義に反しないと思う。ですから今の大臣のお言葉は、あまりにそういったような相手を尊重するということが、今日の非常な弊害を伴うような結果になっておると思う。これは私は政府が進んで、大衆を守る経済政策の面でありますから、何らかの一言は、私はそういう団体を通じても警告を発せられるのは当然じゃないかと思う。
#26
○国務大臣(迫水久常君) ただいまのお話、ひとつよく考えてみまして、何と申しますか、お答えを出して――私経済企画庁長官のときに、経済成長の速度の調節で、民間の人の自覚でもってやりたいと、非常にそういうムードの話をしたんですけれども、それが結局なかなかいかずに、とうとう公定歩合の引き上げということになってきてしまったことにもかんがみて、山田先生の今お話しの、あるいはそういう措置もやらなければならぬかなと思いますけれども、そこのところ、もう少しよく私に考えさせていただきたいと思います。
#27
○山田節男君 次の問題は、電電公社の電話の加入者は、今日法律によりまして所定の債券を持たされておる。これはことに第二次五カ年計画の中途におきまして、そういう加入者の債券を持たなくてはならぬという金額がふやされた結果、加入者の増加とともに、その金額が非常にたくさん堆積されておるわけです。この加入者の、いわゆる電話の設備の、負担臨時措置法ですか、これを廃止して、そういう新たな制度を設ける場合に、電電公社として画期的な電話加入の増勢ということになれば、こういう債券が非常に市場にはんらんするであろう。この値段が下がった場合には、非常にまた加入者に損害を及ぼすことになるから、値段の下がることに対して極力努力してもらいたい。電電公社もこれに対して極力最善に努力するとおっしゃったのですが、どうも私最近東京並びに地方を見ますと、加入者の持つ債券が、非常に何と申しますか、値段が下がったということ、しかもこれはオーソライズされた電話ブローカーにこういうものが利用されるのみならず、さらに悪質な金融業者に債券が利用されまして、何と申しますか、憂うべき事態が生じておるわけです。これに対しまして、郵政大臣も電電公社の御報告も受けておられると思いますが、もし大臣がその点までの十分な御認識がなければ、ここに総裁がいらっしゃいますが、一体今日までの市場にある割引債券、これは電話の債券でございますが、それから加入者の所持しておる債券ですね、これは一体どのくらいの金額であるかということをまずひとつ承りたいんです。
#28
○説明員(大橋八郎君) ただいまの数字の問題は私から申します。
 現在電電債券は、御承知のように二通りあるわけでございまして、一般公募による分と、加入者に引き受けていただいておる分と、両方あります。一般公募の分は、現在高は三百二十五億円程度であります。いま一つの加入者引き受けの電電公社債は、八月末現在において千六百七十一億円でございます。
#29
○山田節男君 これは公募債券の場合は、これは私、値段を見ましても、そう著しく下がっていると思いませんけれども、加入者引き受けの債券の実際の売買値段ですが、これは公社で御存じの額は、大体どのくらいに見ておられますか、現在。
#30
○説明員(大橋八郎君) 価格でございますか。
#31
○山田節男君 ええ。
#32
○説明員(大橋八郎君) これは、時によってだいぶいろいろ変遷がありますので、ちょっと前からの多少沿革的に申し上げますと、御承知のとおり、引き受け債券の制度が初めてできたのは昭和二十八年でございますから、電話設備費負担臨時措置法という法律でこのときから始まったわけです。そこで、当時この加入者債、券は、証券取引所への上場というものは認められておりませんし、いわゆる気配相場も立たなかった状態であります。したがって、当時、だいぶ前の話でありますけれども、当時の話を聞いてみますと、とかくその所持者というか、一般公衆がこれは持つのでありますから、証券界の事情などに非常に知識の乏しい人の持っておるものが大部分であります。したがって、その弱点が利用されて、悪質な業者等に利用されたという当時評判が高かったのであります。したがって、ずいぶん買いたたかれて安くなり、また相場変動もしょっちゅう激しく変動しておった、こういう状態で当時あったのであります。公社といたしましては、でき得るだけこれを公正な値段を立てるように、証券市場にこれを上場してもらいたいということを当時関係方面に訴えたんでありますが、なかなかこれがすぐに受け入れられませんで、ようやく三十年の八月になりまして、初めて、正式の上場ではありませんけれども、場外の気配相場といいますか、気配取引だけが認められて気配相場が立つと、こういうことになりました。で、この気配相場が立つようになりまして、正式の上場ではありませんけれども、まあ一応の市価がだんだん安定して参ったと、こういうのが従来の経過であります。
 そこで、この気配相場のもとについこの間まではまあ推移してきた。しかし、ほんとうにこれは正式の上場をしなければ真の安定というものは期せられないと考えまして、昨年の十月でありますか、公社としては、これを正式に上場してもらいたいということを関係方面へいろいろ上申をいたして参ったのでありますが、これもつい最近までは結局なかなか実現を見ませんでした。御承知の今月の二日に、従来の気配相場というもの、気配取引というものは一切禁止する、こういう措置をとられまして、したがって、電電社債、というものも、引け受け社債が、やはり気配川場も立たなくなった、昭和二十八、九年ごろの状態にまた立ち戻ったと。したがいまして、今月に入りましてからは、この十七日までは、そういう厭味で、正式の値段というものがないという状態になった。この間に多少、先ほども申し上げました二十八、九年当時のようなまあ状態が現われまして、九月末の状態よりも相当下落と申しますか暴落をしたと、こういう状態が起こったのであります。先ほども申し上げましたように、気配相場が立ちましてから大体安定したのでありまして、今年の五月ごろまでは、利付債は百円のものが八十七円、割引債が四十円程度を維持して参ったのであります。六月ころからは、御承知の、一般の金融情勢が、情勢があまりよろしくありませんで、一般株価等の値下がりにつれて電電社債もやはり順次下がって参っておったんであります、九月末の値段は、利付債が七十五円十銭、割引債が三十三円八十銭、こういうのが九月の三十日の気配相場でありました。ところが、気配相場が立たなくなって、十月二日以降に、これはまあはっきりしたことはわからぬのでありますけれども、大体の情報によりますと、利付債が二円十銭下がる、割引債が四円八十銭下がった、こういうふうに伝えられております。そこで今月の十七日から正式に上場が認められまして、そのときの相場によりますと、大体気配相場が禁止された当時にやや近い相場に盛り返しております。それが現在の状態でございます。
#33
○山田節男君 これは、今総裁の御説明で、大体現状はわかったのですが、今のこの電話の設備費のための負担を、ああいう全国の加入者の数に応じまして急激になりまして、最南は十五万円の債券を持たなくちゃならない、こういう建前になっておりますので、電話の加入者がふえるに従って、この債券、ことに加入者債券が激増しておる今日です。
 私、実は調査したわけではありませんが、私に訴えられた三、四の事実を見ましても、たとえば東京におきまして十五万円の債券を持たなくちゃならぬことになりました。ことに、悪質な金融業者が、これを加入者から買い取っておる実際の実例を私見た場合に、十五万円のものを十万ないし十万五千円で、関西の、私の郷里の広島の福山に例をとりますと、十万円の債券が大体七万五千円から七万円、そうしますと二割五分ないし三割、東京におきましては、それに対して実に一割以上の値が下がっております。それを利用しまして、悪質な金融業者が数千万円という電話の引き受け債券を抱き込んじゃって、にっちもさっちもいかなくなって、これをある一つの団体に、安く売ってくれぬかというような、売るための紹介を頼まれた事実がある。
 いろいろ調べてみたら、彼らの業者仲間における、電話の引き受け債を通じてのきわめて悪質な、これはもう犯罪に近いようなことが行なわれているわけです。これは私はただ例外的なものを見たんじゃないと思いますことは、もう一つの東京における例を見ましても、やはりそういう金融業者が存在しておりまして、非常に電話の加入者をそういう面において必ず搾取している。まことにこれは見るにたえない状況をこの目で見まして、これは何かの手を打たなくちゃいけない。これは政府の手を借りるか、あるいは電電公社として、これに対する何か法律を改正するとか何かの方法によりませんと、せっかく電電公社が第二次五カ年計画、さらに第三次五カ年計画、年間五十万、六十万ということになりまして、そういう傾向がこれは放置してあるというと、もっとこれは、この法律を作ったときに電電公社に対し、あるいは政府に対しまして、この点は私は十分気をつけてもらいたいということを申し上げたにかかわらず、実態はこうなっている。この事態については、電電公社もよくご存じじゃないかと私も思うのです、全国的に。これに対して何かの措置をいたしませんと、非常な私は弊害を起こす。ことに中小工業者以下の零細な電話加入者が無理して電話を加入を申し込んでおる。申し込むがために、そういう悪の花が咲くということですね。これは私は黙過すべきものじゃないと思う。これに対しまして、今の割引債、券の公募債の場合には、これは私は電電公社も、あるいは指定の証券業者、証券会社を通じて何かの方法が講じられるんじゃないかと思いますが、加入者引き受けの債券、これに対しまする保護といいますか、著しい値下げを防止するということは、これはやっぱり電電公社あるいは政府としては、何かの対策を講じられるべきでないかと思うのですが、これは大蔵省あたりや迫水郵政大臣は、これに対しまして、私は十分関心を持たれて、何かの電電公社にそういう防止策をするような法的措置なり、あるいは行政措置なりあるのじゃないかと思うのですけれども、この点どうでしょう。総裁あるいは電電公社の幹部、そういう所管の最高の責任者としては、どういうようにこれをお考えになっているか。
#34
○説明員(大橋八郎君) 加入者債券の価格維持ということにつきましては、一昨年臨時措置法ができましたときに、特に附帯決議として、両院ともに附帯決議がつきまして、幾つかの附帯決議の中の一つとして、加入者債券の維持、安定をはかるべしということが、実は決議されております。私どもごもっともと考えまして、実は今日まで、できるだけのことは考えて参ったのでありまして、どうもなかなかむずかしい問題でありまして、はなはだ残念なことでありますけれども、まだあまり効果が現われておりません。元来価格維持の方策の基本といたしましては、引き受け債券の所持者がこれを売却――市場に現われさえしなければ値が下がらないのでありますから、できるだけ市場に現われることを、引受人の売却をできるだけ抑制するということが根本であろうかと思います。それとまた、売却された債券の需給を、できるだけ上手に円滑に調整していくという二つの点が根本だろうと思うのでございます。そのほかにもなおこまかいことはいろいろありますが、こういう趣旨で、私ども今日まですでに実施いたしたものもありますし、目下関係方面にお願いしていることもございます。
 すでにしたものとして、最近御承知の、正式市場に上場されるということが、ようやく今月の十七日から実施されて、きょうが三日目でございます。これが今後需給調節を円滑ならしめる最も大きな礎石であろうかと考えます。今後どの程度にこれが効果を現わしますか、今後のことと思いますけれども、これなども私ども、もう昭和二十八年以来、すでに政府その他の関係方面にお願いしておったものが、ようやく今日現われてきたということでございます。そのほかに引受者の売却を抑制する方法としては、引き受け債券というものが、有利なものであるということを、十分認識してもらいたいというわけでございます。現在の引き受け債、では七分二厘の利息がついております。これはいわゆる電電債券、政府保証付の電電債券は七分五毛でありますから、この加入者引き受けは七分二厘ということになっておりますので、この公募債よりも、よほど有利なことになっているわけであります。これらの点も一般の人々にはなかなか関心が薄いのでありまして、私どもとしては、あらゆる機会にこの有利なことをPRして、なるべく手放さないで持っていてもらいたいということを常にPRすることに努めておるのでありますが、どうもこれが私どもまだ十分行き届かない点もございまして、十分浸透しない点も多々あるかと思います。今後もこの点について、相当力を入れていきたい、かように考えております。
 それからいま一つ、これも御承知のことでありますが、昨年から十五万円の、東京でいうと十五万円の債券を、一時にそろえるということは、人によってはなかなか困難ということで、どこかから借金してやらなければならない。そういう場合に、あるいは高利の金を借りたり、あるいはその他の悪質な者にかかって、何かいろいろ引っかからないようにという意味で、中央の銀行、地方銀行、その他の金融機関にお話をしまして、月賦金融の方法を設けたのであります。これもどっちかというと、売却を抑制する一つに、相当役立っていると思うのでありまして、高利の金をもしほかの者から借りれば、債券を受け取って、すぐ、できるだけ早くこれを売却してしまうということになりますが、月賦金融の制度になりますと、半年なり、あるいはそれ以上の間に、月々一部分ずつ払っていくということになりますから、自然的にこれが市場に出るときがあるということが少なくなる。大体今日までの状況を見ますと、市場に売るのは、たいてい一年以内に売る人は売ってしまう。もう二年目からは、ほとんどこれは古いものは市場に出てこないのであります。したがって、この一年間をなるべく押えることができれば、よほど買いささえには役立つのではなかろうかと、かように考えているわけであります。
 それから、こまかいことでありますけれども、現在の引き受け債券は、実は小額の債券でありまして、一万円とか五万円、十万円とかいうようなものであります。したがって、これを資産運用の面から買おうというような人にとっては非常にめんどうくさいのであります。そこで私どもとしては、債券を併合して、大券を発行するという制度をとっておりますし、現在百万円とか五百万円とかいうような併合の方法を認めて、すでにやっております。それから、目下なおそのほかに、各関係方面にお願いしている事柄といたしましては、この引き受け債券を、日銀の担保適格債に一つ指定していただきたいということも、日銀の方面に御依頼しているわけでありますが、まだ今日までこれの実現を見ておりませんが、今後もこの方法を引き続いてお願いをするつもりであります。そのほか、この引き受け債券を各種の保証金の代用証券に指定してもらう、これも各方面で、もしこれが御採用になりますれば、相当証券の買いささえに役立つことと考えております。
 それから、現在の電電債は、一般の原則に従って、公示催告の制度が認められているわけであります。これがために、どうも一般の市場の流通性というものが、だいぶ阻害されているのであります。私どもとしては、この公示催告の制度をやめていただきたいということをお願いしているのでありますが、これはまだ実現の運びになっておりません。それから、これはこまかいことでありますが、債券のできるなら私は保護預りということをひとつ何とかの機関でやっていただきたい。つまり十万円なり、五万円なりという小額のものは、十年間なり各家庭で持っているということは、なかなかとかく紛失したり忘れたりするおそれがあります。これは何か確実な金融機関その他で、保護預りの制度をやっていただくことになりますれば、よほど所持者のおためになるのじゃないかと、こういうようなことを考えているのでありますが、しかし、そのほかには、なお根本的には、相当法律などを改正して参ることとか、根本的な方法はほかにあると思いますけれども、このことについてはなお考究中の状態であります。
#35
○山田節男君 今総裁の御説明で、いろいろ苦心しておられることはわかりますが、東京で特に私、憂うべき状態だということを痛感しましたことは、下町方面、ことに江東方面に、先ほど申し上げたように、電話の加入債券を乱用している悪質な金融業者が非常に多いのです。それはどこに原因があるか、これは私の考えですけれども、ああいう下町におきましては、電話の増設――債券を持てば電話が比較的容易につくというので、ことに江東方面は下町でありまして、中小工業者が、電話を今までなかった人が今度つける、やはり資力的には弱い人が多いのだろうと思う。それが今度債券を十五万円持たなくちゃならない。金がない。そこに今の悪質の金融業者が来て、いろいろなことをやるわけです。ですから、これを保護するのには、今総裁のお話しになったことも、これはもちろん重要なことですけれども、これはやはり政府、郵政省なり大蔵省が、この加入債券を、今日もうすでに千七百億円というものが集積されている。これを四十七年度で、第三次五カ年計画で、電話がもう申し込めばすぐつくという状態になった以後の事態は、少なくともそういうことはないと思いますが、今後十一年間というものは、まだこういうことが繰り返され、しかも、その引受け債券の額が、年々償還されるにしても、今の加入者の急増から見ますと、これは二千億、二千五百億というようなことになった場合、どれほど悪用される面における大衆の犠牲といいますか、搾取が行なわれているか、これは黙視できないと、こう思うのです。
 そこで、今の総裁のおっしゃった、実際問題としての、これは弥縫的な施策にもなりますけれども、しかし、これはないよりもいい。さらに一歩進めてそういうものの保護は、公社としてはそれを一つの資金として建設勘定に入れているわけでありますから、そうして実際加入しているものは価値激減の債券を持っている。まことにこれは、公社は損しないけれども、大衆が損をするという、きわめて不明朗な社会現象が起きておるわけです。これは今後の研究問題として、早急にひとつ法的な措置で、何か救済する必要がないか、義務的な、国家で乗り出すべきもので、公社としての権限をこえた措置をしなければいかぬのじゃないかということを私は考えます。まことに憂うべきすでに限度にきているんじゃないか。これが全国的にそういうことが行なわれているとすれば、これは非常に電電公社の引き受け債券というものが社会悪を醸成するようなことになると思う。私はそういうふうに観察しているわけですが、今、総裁のおっしゃいましたこと、もちろんけっこうでございますが、それに竿頭もう一歩進めるという方策をぜひ至急お考えになって、政府と、これはもちろん、政府の力を借りなければいかぬのじゃないかと思いますので、抜本的な対策というものをこれから考究されていただいて、私がもう三、四の事例を見ても、こういう状態ですから、全国的どうであるか、全く何と申しますか、これを放置すべきじゃないというふうに考えますので、ひとつ公社が中心になられて、根本的な対策を考究されて、われわれにもその案を示していただきたい、かようにお願い申し上げます。
#36
○説明員(大橋八郎君) 先ほど申し上げましたのは、現在の法制の範囲内において公社のできる幅のところで私ども努力して参ったのであります。それ以上さらに抜本的な方法を講ずるとなりますれば、これは実は公社の力以上の力でなければなかなか思うようになりません。方法はいろいろ考え方があると思いますが、なかなかむずかしいことが多いだろうと思いますが、さらに至急研究いたしまして、大臣等の力を拝借いたまして、さらに何かいい方法が見つかれば努力したい、かように考えております。
#37
○委員長(白井勇君) 午後一時半から再開するといたしまして、休憩いたします。
   午後零時三十三分休憩
  ―――――・―――――
   午後一時五十三分開会
#38
○委員長(白井勇君) ただいまから開会いたします。
 午前中に引き続いて郵政出業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題とし、質疑を続行いたします。
#39
○山田節男君 これは大臣にお伺い申し上げるのですが、補足的な答弁はひとつ他の政府委員からお伺いするといたしまして、過日の郵政大臣の所管事項の中で、電波行政に関する報告もあったと思いますが、その中で宇宙通信に関する何と申しますか、政府としての施策には全然触れておられない。これは国会に報告されるだけのまだ具体的な施策がないということかもしれませんけれども、しかし、これはもう諸外国の例を申すまでもなく、日本のように相当無線機器の驚異的な発注、また電子工学方面におきましても日本も異常な進歩をいたしておるのでありまするから、宇宙通信というこにつきまして、ことに国外への国際長距離通信、こういう方面には、当然日本として具体的な政策を立てるべき時期にきているように思うのですが、もし大臣のお口を通じて、政府のこれに対するお考え等があれば、まずお伺いしたい。
#40
○国務大臣(迫水久常君) 私は専門的に聞いておるわけではないのですけれもど、いろいろ報告を受けたり、いわば小耳にはさんでいる程度のことで、まことに相済まないのでありますが、通信用の人工衛星というのを作ることは日本のお金でもできるらしいのですけれども、これを打ち上げることは日本の資力をもっては、とうていできない。結局わが国の自力で通信用の人工衛星を打ち上げることはできない。したがって、アメリカなりソ連なりが打ち上げた通信用の人工衛星を利用して、これで諸外国におくれないように宇宙通信を行なうその必要な準備をしようというのが、現在の宇宙通信に関する体制の基本のように理解をいたしております。
 そこで、そのために在来から、いろいろ、予算もとりまして、現在では茨城県の鹿島に直径三十メートルのパラボラ式のアンテナを建設中でございますし、それからさらに、来年度の予算におきましても、宇宙通信の開発研究のための経費並びに宇宙通信に必要な基礎調査のための経費を、要求をいたしております。
#41
○山田節男君 今大臣のおっしゃった宇宙通信開発といいますか、研究あるいは実験する段階において、大体、どれくらいの予算を要求されたか。
#42
○政府委員(西崎太郎君) 三十六年度は一億六千七百万円成立いたしまして、それで今大臣が御説明になった鹿島に建設中でございますから、三十七年度分としては約二億六千万円程度要求いたして、大蔵省と折衝中でございます。
#43
○山田節男君 大体、昨年一億円、明年度一億円ふえるという予算のようでありますが、その使途はどういうものですか。
#44
○政府委員(西崎太郎君) 実は、ただいま大臣が言われた、直径三十メートルのわが国で一番大きいパラボラ・アンテナを建設するのには一年ではできないわけであります。継続でやろうかということで三十六年、三十七年、事実上の継続予算として、この三十七年度分を、要求しようというわけであります。
#45
○山田節男君 この宇宙通信に対する政府の将来の政策、今、大臣のおっしゃったように基本的なものは、まだ具体化していない。具体的なものとしては、今の茨城県下に直径三十メートルのパラボラを本年度並びに明年度で三億……四億円ばかりですが、これだけでやるというお話ですが、私から申し上げるまでもなく、今日の国際長距離通信というものが、短波無線通信で行なわれている。しかしこれも非常に通信量がふえてくるために、これだけでは応じきれないということと、それから時たま太陽の活動によって、通信が阻害されるという一つの安定度を欠いているということ。そこで御承知のように、大西洋では海底ケーブルの布設を完了した、太平洋におきましても、ハワイから東京まで、近く海底ケーブルを布設して、通信量の需要に対する緩和を行なおう。もう一つは、これは特に電信電話あるいはテレビ等を含めてのマイクロウエーブという問題もありますが、これは実際のやはり経費として不一能とは申しませんけれども、実現困難ではないか。ところが幸いにして、人工衛星を打ち上げるということに成功して、人工衛星を中継の媒体として、国際長距離通信にこれを使おう、ことにテレビの中継にこれを使おうということは、理論的にも実際的にも、すでにこれが可能であるということが証明されている。日本としましても、今の海底ケーブルは日米においての協定で、ハワイから東京まで持ってくる。しかし、宇宙通信の場合は、これはまだ日本としては、全然未開発なんです。しかし、将来を考えますと、これはどうしても今申し上げた国際通信の、ことに長距離のものの電送に対して、これを利用することが私は当然であり、またそうしなくちゃならぬ。それがためには政府がもうすでに何か具体的の私は政策について研究されておるべきだと思うのです。
 それは研究の段階かもしれませんが、そこで私の尋ねたいことは、これは商業通信と申しますか、いわゆる公衆通信として、電信、電話に、これを使うということは、御承知のようにこれはアメリカにおいてはATTやRCA等が、もうすでに連邦通信委員会にその申請をしている、周波数の割当を申請しているという状態、さらにこの両者の計画によりますと、いわゆるATTは地上一三千マイルの低高度能動衛星を五十個打ち上げる、そして二十六の地上局で、これと連絡すれば、大体、世界中の電信電話あるいはテレビの中継もできる、そういうことも、実際的な可能性を持っているがために、そういう申請をした。RCAは赤道上二万二千三百マイルですか、これを地上三個打ち上げて、そしていわゆる高々度能動静止衛星、これでとにかく全世界の通信網を、衛星を中継媒介としてやろうという実際的な話も出ているのです。御承知のように、これは一昨年だったと思いますが、宇宙通信のための周波数の割当を十三バンド行なったということを聞きます。なお、一九六五年の国際無線主管庁会議を、六五年のを繰り上げて六三年、すなわち明後年に繰り上げて、宇宙通信の周波数の割当問題を研究する、こういう段階にきているのですよ、そういたしますと、日本の今日の地理的あるいは有機的方面から見ても、現実のそういう問題が起きているのですから、日本として、これに対して黙って見ているという手はないのです。もとより政府としてもそうじゃないと思いますが、これに対する何か準備をしておられるのか、準備をしておられるならば、どういったような準備をしておられるのか、これをお伺いしたいと思います。
#46
○政府委員(西崎太郎君) 郵政省としましても、宇宙通信の、特にまあ国際通信、将来国際通信に占める重要性といったようなことを考えまして、非常に重点を置いて、いろいろ考えておるわけでありまするが、まあそのための宇宙通信政策というものを、いろいろ考えてみたいということで、これは郵政次官を会長にした宇宙通信政策懇談会というものを作りまして、そこには郵政省の関係各局長、それからそのほかNHKであるとか国際電電、電電公社、こういったところの責任者の方に集まっていただきまして、いろいろ懇談している、それで外国の、山田先生が引用されましたアメリカの現状とか、あるいは国際情勢との関連といったようなものをいろいろ懇談して、できるだけ早く一つのまとまった考え方というものを打ち立てたいということで、まあ懇談しておるという状況でありますし、また技術的な方面、特にこれも今先生が引用されました周波数の割当の問題、この問題は一九六三年に宇宙通信用の電波の割当会議がジュネーヴで行なわれるということでもありまして、この点については、郵政大臣の電波技術関係の諮問機関であります電波技術審議会というものがございまして、これに本年度の初頭に諮問いたしておりまして、特にそのために当審議会の中に第五部会というものを設けまして、鋭意その周波数の割当問題であるとか、あるいは国内におけるマイクロ施設との混信問題、そのほかいろいろこの国際協力上問題になっております通信方式の問題であるとか、もろもろの問題を、そこでとり上げて、現在鋭意審議調査いたしております。
#47
○山田節男君 科学技術庁に宇宙開発審議会ですか、そういったようなものが昨年からですか、作られて、予算もきわめて微量な予算の裏づけで研究をやっておられるやに私聞くのですが、その内容においては、私寡聞にして知りませんけれども、あまり見るべきものがない、しかしこれは、宇宙開発の問題は、これは外国はどんどんやっておるのですから、何も莫大な費用を使ってやる必要はないと思いますが、しかし科学技術庁の、そういったような研究団体と、それから今の電波行政の立場においての郵政省の宇宙通信の開発研究と、これはやはり不即不離のものでありますから、ちょうどアメリカにおいて国家航究宇宙局ですか、いわゆるNASAと称せられるもの、そういったようなものと、私は特に財政の貧弱な日本においては協同研究体といいますか、そういうようなものがむしろ必要なんじゃないか。大臣の所管の項の一般説明の中にも、今日の状態から見て、電波の行政というものを根本的に、やはり機構的にもこれを再検討しなくちゃならぬというお言葉があったのをみても、ことにこの宇宙通信関係は、まだ新しい技術、新しい分野を開拓するのでありますから、やはり総合的な知識、技術を動員することが必要だと思う。これは希望になりまするが、特に迫水郵政大臣として、科学技術月のそういう既存の――微弱にもせよそういうものがある、それと宇宙通信との関連というのはやはり不即不離である、こういうのが私は非常に望ましいんじゃないかと思う。この点は一つ、来年度の予算の編成上におきましても、大臣はそういう観点から、総合的な政府の施策を郵政大臣が一つイニシアチブをとっておやりになっていただきたい。
#48
○国務大臣(迫水久常君) ただいま山田先生のお話はよく承りまして、御趣旨に沿うようにいたします。
#49
○山田節男君 これは申すまでもありませんが、宇宙通信は、単なるそういう浪費的なものじゃなくして、実際の国際通信にこれを利用する。ことにテレビジョンのように海底ケーブル線だとかあるいは短波の無線でやれないというものを、この宇宙通信の人工衛星を中継媒体とすれば、可能であるということが明らかになった以上は、これは私は日本としては、これは六四年のオリンピックのテレビの送信とか何とかということも加えて、しかも明後年こういう宇宙通信のための周波数の割当会議があるとすれば、これは今も電波監理局長が言われましたけれども、そうじんぜんとして半年も結論が出ないようなことではいけないので、日本としては、早急にこれに対する態度を、要求の項目、ことにアメリカであの宇宙法を作って以来、上院におきましては、やはり宇宙通信による電気通信の政策というものをこまかくきめているわけです。はっきりいろいろな具体的な案ができているわけです。これらをやはり参考にすれば、日本はどれをとり、日本は何をやるかということは、はっきりするわけですから、そういう点においては、何も長日月を要しないと私は思う。
 これは特に大臣にお願い申し上げますが、これはもう今年一ぱいあるいは来春という一つの期限を設けられて、とにかく政府としては宇宙通信に対する国際会議の要求項目あるいは国内の整備体制、それから行政機構、それから今申し上げました科学技術庁とのタイアップの問題をどうするか、こういうようなことを、特別の機関は要らないと思いますが、大臣がおっしゃったように、電波行政の機構の根本的刷新をするというその言葉から見ても、当然重要な一環として具体化する必要があるのではないか、特にそういう技術関係を中心にして、大臣がそういう諮問機関によって早急に、そういう方策をおきめになる必要がある。この点を特にお願い申し上げます。
 それから、これは先ほど電波監理局長から御説明があったように、今年度の一億六千万円、来年度が二億六千万円という、全く宇宙通信の開発研究ということについては問題にならない予算額。これはほとんど私は誠意があるものとは見られないように思う。これに対して何百億という金が、要るということは、これは常識上当然……。まあ、日本の財政上許されぬとしても、明年度において二億六千万円では。ですからこれは私、何としても郵政大臣の政治力において、宇宙通信の将来の重要性から考えて、こんな半端金でなくて、これもやはり先ほど申し上げた、宇宙通信に対する政府の施策を根本的に考え直すという立場からすれば、これはとても二億や五億や十億の金じゃ私はだめだと思う。こういうことについてもひとつ大臣が、宇宙通信に対して今まで郵政省の考えておったこと、今までの大臣が考えられておったことを、私は今日の時点において、そういう見地でなくして、むっと根本的な立場から、こんな微量な予算では仕事はできないと思う。あなたはひとつ、この予算編成の時期に入ったら、強くおっしゃっていただきたいと思うのです。そのためのいろいろ資料も要るだろうと思います。これは事務当局が、これに対して提供する材料はあることと思うし、ひとつ大臣におかれて、このことは閣議においても、今一番立ちおくれているこの問題については、ぜひひとつ強く主張していただいて、予算上のせめて最小限度のものは、こんなものでなく、もっとたくさんということをひとつお願いしたい。その自信ございますか。
#50
○国務大臣(迫水久常君) たいへん御激励を受けまして、今年の予算要求が少しけちけちし過ぎたというようなお話でございますが、できるだけひとつ今後、今おっしゃいましたような基本的な問題から入って、体系を立てて考えてみたいと思います。
#51
○山田節男君 この宇宙通信に関しましては、大臣が当初に言われたように、まだ具体的な政策も立っておらない、今研究中ということでありますから、あとは希望事項ばかりになりますから、これで質問を打ち切ります。
#52
○委員長(白井勇君) ほかに御発言もないようでございますから、この点に対する質疑は、本日のところはこの程度にとどめておきます。
  ―――――――――――――
#53
○委員長(白井勇君) 次に、日本放送協会昭和三十四年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。
 まず、政府から本件に対する説明を聴取いたします。
#54
○国務大臣(迫水久常君) ただいま議題となりました日本放送協会の昭和三十四年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書の国会提出について、概略御説明申し上げます。
 日本放送協会のこれらの書類は、放送法第四十条の規定に基づきまして、国会に提出いたすものであります。
 協会から提出されました昭和三十四年度の貸借対照表等の詳細は、お手元の書類のとおりでありますが、その概要について御説明申し上げますと、昭和三十五年三月三十一日現在における資本総額は八十四億九千百余万円で、前年度末に比し二十七億三千八百余万円の増加となっております。また、これに照応する資産総額は百九十九億九千三百余万円で、前年度末に比し四十六億二千三百余万円の増加であり、負債総額は百十五億二百余万円で、前年度末に比し十八億八千五百余万円の増加となっております。資産の内容を見ますと、流動資産二十七億八千九百余万円、固定資産百五十九億九千七百余万円、特定資産十億一千九百余万円、繰延勘定一億八千七百余万円となっております。また、負債の内容は、流動食債十億五千二百余万円、固定負債百四億五千余万円であり、固定負債の内訳は、放送債券五十四億九千余万円、長期借入金四十九億五千九百余万円となっております。
 次に、損益につきましては、事業収入は、ラジオ関係百四十億五千九百余万円で、前年度に比し二十四億五千余万円の増加であり、テレビジョン関係は百十億九千八百余万円で、前年度に比し六十億七千七百余万円の増加となっております。事業支出は、ラジオ関係百三十八億四千三百余万円で、前年度に比し二十二億九千四百余万円の増加であり、テレビジョン関係は八十四億五千八百余万円で、前年度に比し四十二億四千四百余万円の増加となっております。
 したがいまして、ラジオ関係においては、二億一千五百余万円の当期剰余金を計上しており、また、テレビジョン関係においては、二十六億三千九百余万円の当期剰余金を計上しておりますが、これはテレビジョン放送受信者の予想以上の増加によるものであります。
 なお、ラジオ、テレビジョン関係の当期剰余金につきましては、その大部分は放送債券償還及び長期借入金返還等の資本支出に充当されております。
 以上で概要の説明を終わりますが、何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
#55
○委員長(白井勇君) 次に、日本放送協会から、補足的な説明を聴取いたします。
#56
○参考人(阿部真之助君) ただいま郵政大臣から、日本放送協会の昭和三十四年度財灘目録、貸借対照表及び損益計算書の概要について、御説明がございましたが、委員長の御指名によりまして、これから補足説明を申し上げることといたします。
 まず、財産目録と貸借対照表について申しますと、資産総額百九十九億九千三百五十八万円のうち、最も大きな部分を占めております固定資産につきましては、当年度末百五十九億九千七百八十万円で、前年度末に比べまして、三十六億七千七百八十七万円の増となっておりますが、これは主として、秋田ほか十九局のテレビジョン放送局の建設、岡山ほか二十七局のラジオ関係放送所の増力工事、前年度に引き続く東京放送会館新館、福岡、札幌放送会館の建設、その他放送設備、機器の整備、改善等を行なったものでございます。
 また、これに対します負債総額は、百十五億二百五十五万円となりましたが、このうち固定負債について申しますと、当年度末百四億五千十七万円で、前年度末に比べまして十九億九千六百七十七万円の増となっております。これは、当年度新規に放送債券を三十億円発行し、また、市中銀行から長期借入金として二億九千万円の借り入れを行ない、他方当年度減としましては、放送債、券において二億一千九百八十万円を償還、市中銀行ほかに対して十億七千三百四十三万円の長期借入金の返済を行なったためであります。
 次に、損益計算書について申しますと、まず、ラジオにつきましては、事業収入は百四十億五千九百二十三万円で、前印度決算に比べまして二十四億五千八十二万円の増となっておりますが、当初の予算に比べますと八億三千六百五十六万円の減収となりました。
 これは、当年度、受信料を月額八十五円に改定いたしましたことにより、受信料収入は増加いたしましたが、受信者数におきましては、極力その維持増加に努めたにもかかわらず、年度内において百二十四万の減となりましたため、当初の予算に比べましては減少することとなったためでございます。
 一方、事業費は、ただいま申しました収入減に対処して経費の節減をはかりました結果百十八億九千二百二十二万円となり、前年度決算に比べましては十二億四百十三万円の増となりました。これは、番組面においてテレビジョン放送との連携を保ちつつ、第一、第二放送番組の刷新をはかりましたほか、国際放送の拡充、受信者普及開発の強化、カラーテレビジョンやFM放送等の放送技術の新分野の研究等を積極的に実施したものであります。
 減価償却費は、十三億九千百三十万円で、前年度決算に比べますと、九億四千三百三十七万円の増となりましたが、これは前年におきまして、財政収支の均衡上、やむをえず繰り延べた償却不足額を取り戻しましたほか、現有資産の老朽陳腐化のはなはだしい状況にかんがみ特別償却を行なったためであります。
 次に、テレビジョンについて申しますと、事業収入は百十億九千八百十万円で、前年度決算に比べますと六十億七千七百六万円の増となり、これを当初の予算と比べますと三十四億五千二百五十万円の増収となりました。これは主として、テレビジョン放送局の開局あるいは増力によるサービスエリアの拡大に加えて、受信者の普及、開発に努めました結果、受信者数が急速な増を示しましたためであります。
 他方、事業費につきましては、六十八億一千五百四十九万円で、前年度決算に比較し、三十五億四千五百七十二万円の増となりましたが、これは放送網の拡充に伴いまして、総合、教育面テレビジョン放送とも放送時間を増加するとともに、番組内容の改善充実に努めましたほか、テレビジョン放送局開設に伴う専用回線その他維持費の増加によるもののほか、職員の待遇改善をはかったものでございます。
 以上の収支の結果、当期剰余金は、ラジオにおいては二億一千五百五十一万円、テレビジョンにおいては二十六億三千九百十四万円となりましたが、今後の事業運営にあたりましては、難聴地域の解消、設備の改善、近代化、受信料制度の合理化その他多くの重要請計画の遂行に努めなければならないと存じますので、公共放送という重大使命と責任に照らし、今後とも一層の事業の運営、推進に努力をいたして参りたい所存でございます。
 何とぞよろしく御審議のほどお願いする次第でございます。
#57
○委員長(白井勇君) 本件につきましては、本日は説明聴取にとどめておきます。
 本日は、これで散会いたします。
   午後二時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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